1: 2016/12/05(月) 22:21:31.25 ID:U42KMtGu.net
・1

にこ「大学二年なってやっと念願の一人暮らし...」

にこ「やったわ!ついに自由よ!」

にこ「えーっと、確かこの部屋だったわね...」

にこ「ちょっとボロいけど...まぁ、家賃も安いし全然アリね」

2: 2016/12/05(月) 22:21:56.13 ID:U42KMtGu.net
にこ「よし...」ガチャガチャ

ギィ

にこ「...」ゴトゴト

にこ「よいしょ...おお、2Kって意外と広いのね」

3: 2016/12/05(月) 22:22:22.67 ID:U42KMtGu.net
にこ「ふむふむ...」

にこ「こっちの部屋は...」ガララッ



希「すぴー...」グゥグゥ



にこ「...」

ピシャッ

9: 2016/12/05(月) 22:24:53.11 ID:U42KMtGu.net

にこ「...?」

ガララッ

 

   

 & #8194;& #8195;

希「うーん...もう食べられん...」グゥグゥ

 

   

 & #8194;& #8195;

ピシャッ

にこ「...なんかいる...」

11: 2016/12/05(月) 22:25:57.76 ID:U42KMtGu.net
ガララッ

希「すぴー...」

にこ「ちょっと!あんた誰よ!起きなさい!」バシッ!

希「いった!いったぁぁ!」

にこ「あんた誰よ!人の家に勝手に上がり込んで!」

希「いったぁ!あたたたたた!!!」ジタバタ

にこ「いつまで痛がってるのよ!そんな強くやってないでしょ!」

希「いーや、折れた。これ腕折れたわ~、慰謝料払ってもらわな」

にこ「当たり屋か!」

希「まあ、嘘なんやけど」

にこ「何なのよあんた...」

13: 2016/12/05(月) 22:27:26.76 ID:U42KMtGu.net
希「ウチ?ウチは東條希!幽霊でーす!」

にこ「は?」

希「あれ?聞こえんかった?東條希や、東條希。東にー」

にこ「名前の漢字聞いてるんじゃないわよ。その後よその後。なんて言った?」

希「君胸ないなぁ。オカマなん?」

にこ「喧嘩売ってんの?」ガシッ

希「ぐるじぃぐるじぃ!」

14: 2016/12/05(月) 22:28:02.52 ID:U42KMtGu.net
にこ「違うでしょうが。幽霊とか言ってたでしょ?」

希「ぞの前に...ばなじでぇ...」

にこ「...」パッ

希「スキあり!」ガバッ

にこ「わっ!」

希「わしわしMAX!!」ワシワシワシワシィ

にこ「ぎゃあああああああ!!」

希「ふむ...揉みごたえはなかなか...」ワシワシ

にこ「やめなさいこの!」ブン

スカッ

にこ「あれ?」

15: 2016/12/05(月) 22:29:09.63 ID:U42KMtGu.net
希「こっちやこっち~」ガシッ

にこ「わぁっ!?」

希「あはは、びっくりした?」

にこ「いつの間に後ろに...あれ?」

希「次はこっち」パッ

にこ「えっ」

希「こっちやこっちー」パッ

にこ「えっ、えっ、どうなってるの...?」グルグル

シン

にこ「あれ...?」

17: 2016/12/05(月) 22:30:03.61 ID:U42KMtGu.net
希「ばあああああああ!!!」シタカラニョキ

にこ「ぎゃああああああああ!!!」ドゴォ!

希「ぎゃああああああああ!!!」

にこ「何すんのよ...!」ハァハァ

希「また殴ったぁ!」

にこ「あんたのせいでしょうが!」

希「そんな思いっきりやらんでもええやん...」シクシク

19: 2016/12/05(月) 22:30:49.72 ID:U42KMtGu.net
にこ「それより...あんた本当に幽霊なの?」

希「そうよん。ウチはここに住み着く幽霊や」

にこ「頭がおかしいやつなんじゃ...」ピポピポ

希「ちょぉお!警察に電話せんといて!」ビリッ

にこ「わっ!?」カチン

希「金縛りや」

20: 2016/12/05(月) 22:31:42.47 ID:U42KMtGu.net
にこ「ちょ、解きなさいよ!」

希「大人しくするって約束するなら開放してあげるよ~」

にこ「くっ、この!」ジタバタ

希「あんまり暴れんほうがいいよ。下手すると魂ごと壊れるで」

にこ「えっ...」

希「そうそう、大人しくしときや。君、名前は何て言うん?」

にこ「...」

希「なんて言うん?」ワキワキ

にこ「や、矢澤!」

希「矢澤?」

にこ「矢澤...にこよ」

希「へぇ、可愛い名前やね」

にこ「ふん...」

21: 2016/12/05(月) 22:32:54.87 ID:U42KMtGu.net
希「じゃあ、これからよろしくなにこっち」

にこ「へ?よろしくって...」

希「そりゃもちろん、ルームメイトとしてやん」

にこ「る、ルームメイト?」

希「うん、だってウチここから離れられんし。ってとでよろしくぅ」

にこ「な、何ですってぇええええ!!?」

・1 終わり

22: 2016/12/05(月) 22:33:35.42 ID:U42KMtGu.net
・2

にこ「ええと...タンスはここで、本棚はここ」

にこ「これはここでいいわね」

希「あははは!!」ボリボリ

にこ「服は...明日は着る分だけ取り敢えず出しておきましょう」

希「あはははは!あれ、お煎餅なくなっちゃった。にこっちー、買ってきてー」

にこ「うるさいわね、さっきから!なに人のマンガ勝手に読んで勝手に煎餅食べてんのよ!」

23: 2016/12/05(月) 22:34:05.32 ID:U42KMtGu.net
希「これにこっちの下着?...ぶふっ」

にこ「何笑ってんのよ!!」

希「大丈夫...女の魅力は胸じゃないから」ポン

にこ「」ブチッ

25: 2016/12/05(月) 22:34:38.49 ID:U42KMtGu.net
希「いったあー...そんな思いっきりなぐらんでも」サスサス

にこ「ふん」ガチャ

希「あれ?どっか行くん?」

にこ「お隣さんに挨拶行くのよ」

希「へぇ~律儀やねぇ」

にこ「当たり前ことよ」

26: 2016/12/05(月) 22:35:30.77 ID:U42KMtGu.net
ピンポーン

花陽「はーい」

にこ「こんにちは」

花陽「はい、こんにちは...えっと」

にこ「今度隣に引っ越してきた矢澤と申します。よろしくお願いします。これ、つまらないものですが」

花陽「これはこれはご丁寧に...こちらこそよろしくお願いします。小泉と申します」

27: 2016/12/05(月) 22:36:13.28 ID:U42KMtGu.net
希「お、このお菓子美味しいんよね。ウチも食べたいなぁ」ヒョコ

にこ「うわぁ!?」

花陽「ぴゃあ!?」

希「なになに?なんかあったん?」

にこ「いやあんたよ!何で家から出てきてるのよ!」

29: 2016/12/05(月) 22:36:55.96 ID:U42KMtGu.net
希「うん?そう言えばウチお隣誰が住んでるか知らなかったなぁって。へぇ~こんな可愛い子が住んでたんやねぇ」ジロジロ

にこ「ちょ、ジロジロ見ないの!失礼でしょうが!」

希「あーん、にこっち押さんといて~」

にこ「うるさい!家に引っ込んでなさい!」

花陽「あ、あの...?」

にこ「はいぃ!?」

花陽「一体誰と話してるんですか?」

にこ「え?いや...」ハッ

30: 2016/12/05(月) 22:37:53.01 ID:U42KMtGu.net
にこ(まさか...希が見えてない?そう言えばこいつ幽霊だったわね)

にこ「あ、いやちょっと電話が...」

花陽「携帯持ってないみたいですけど...」

にこ「え、あ、その...」アタフタ

花陽「私、ちょっと忙しいのでこれで」

にこ「あ、ちょっと小泉さん!」

パタン

にこ「...」

31: 2016/12/05(月) 22:38:38.93 ID:U42KMtGu.net
にこ「どーしてくれんのよ!あんたのせいで独り言いう変人だと思われたじゃない!」

希「間違ってないやろ~?」

にこ「間違ってるわよ!もう、次からどんな顔して会えば...」

希「こんな顔でいいんやない?」ヘンガオ

にこ「」イラッ

ゴチン!

希「いったい!」

にこ「ったく、あんたは...」

33: 2016/12/05(月) 22:39:23.46 ID:U42KMtGu.net
にこ「まぁいいわ...それより一つ聞きたいんだけど」

希「なーに?」

にこ「私以外の人にはあんたの姿は見えないの?」

希「そうや。ウチのことが見えるのはにこっちだけ」

にこ「何で私は見えるの?」

希「一つやなかったん?」

にこ「うるさいわね、答えなさい」

34: 2016/12/05(月) 22:40:05.98 ID:U42KMtGu.net
希「うーんと、それはにこっちがここの住人だから。ここに住む人だけウチのことが見えるんよ」

にこ「へぇ...」

希「でも、にこっちみたいなタイプは初めてやなぁ」

にこ「え?」

希「今までの子たちはビビってちゃんと話もしてくれんかったんやけどねぇ。にこっちはちゃんと反応してくれるから嬉しいわぁ」

希「幽霊でも無視されるって結構辛いんよ」

35: 2016/12/05(月) 22:40:43.16 ID:U42KMtGu.net
にこ「...あんたがうるさいから無視しようにもできないだけよ」

希「えー?そんなにウチうるさいかなぁ?」ワシワシ

にこ「だー!もうやめなさいって!」

36: 2016/12/05(月) 22:41:32.87 ID:U42KMtGu.net
ーー

希「あはははは!」

にこ「勝手にテレビつけてるし...」トントン

希「あははは...ん?」クンクン

希「おお、なんかいい匂い」フヨフヨ

にこ「ご飯作ってるのよ、邪魔しないで」シオフリフリ

38: 2016/12/05(月) 22:42:17.54 ID:U42KMtGu.net
希「...」シオペロッ

にこ「こら!」

希「うわああああ!!浄化されるぅうううう!!」シュウウウ

にこ「ぎゃあああああ!!あんた指いいいいい!!舌もおおおおお消えかけてるわよおおおおお!!」

希「うわああどうしよおおおお!!にこっちいいいいいいい!!」シュウウウ

にこ「と、とりあえず水っ水で流して!」

ギャーギャーバタンバタン

39: 2016/12/05(月) 22:43:44.84 ID:U42KMtGu.net
にこ「よーし、できた」

希「おー、ハンバーグに豚汁...美味しそー」

にこ「はい」ゴトン

希「え?これは?」

にこ「あんたの分よ。あ、幽霊は食べられないのかしら」

希「いや、そんなことは無いけど...」

にこ「じゃあほら食べなさい。私の料理は絶品よ」

40: 2016/12/05(月) 22:44:35.39 ID:U42KMtGu.net
希「いいん?」

にこ「なに、いらないの?」

希「い、いやいる!」

にこ「じゃあ手を合わせて」

のぞにこ「いただきまーす!」

希「あむっ...んん!美味しい!」

にこ「でしょ?どんどん食べなさい」

希「はむはむ...」パクパク

にこ「......ふふっ」

希「はむはむ...ん?」

41: 2016/12/05(月) 22:45:02.33 ID:U42KMtGu.net
希「ぎゃああああああああ!!!」シュウウウ

にこ「ああっ!そう言えば塩入れてたんだった!」

希「ぎゃああああああああ!!!浄化されるぅうううう!!」

にこ「みず!水をおおおおおお!!」

・2 終わり

46: 2016/12/05(月) 23:18:11.12 ID:U42KMtGu.net
・3

にこ「ふう...やっと終わった。どうしてこう、教授ってやつは話が長いのかしらね」

にこ「嫌になっちゃう、全く」

ガチャ

にこ「遅くなったわね」

絵里「あ、にこ」

真姫「やっと来た」

47: 2016/12/05(月) 23:18:52.57 ID:U42KMtGu.net
にこ「講義が長引いちゃって」

絵里「じゃあ早速練習しましょうか」

にこ「昨日合わなかったサビ前のところからいくわよ」

絵里「OK」

真姫「わかったわ」

にこ「じゃあいくわよ。1,2,1,2,3…」

希「おおー、カッコイイエレキギターやねー」

にこ「ぶっふぉ!?」

48: 2016/12/05(月) 23:19:23.32 ID:U42KMtGu.net
希「うわわっ、汚いなぁ。唾飛んできたやん」

にこ「な...なんであんた...」

絵里「にこ?どうしたの?」

真姫「ふざけないでよにこちゃん」

希「そうやで、にこっち」

にこ「...ごめん、ちょっと外すわ」ゴチン!

希「あてっ!」

49: 2016/12/05(月) 23:19:48.88 ID:U42KMtGu.net
絵里「あら、何か用事でもあった?」

真姫「時間ないんだけど」

にこ「ごめん、すぐ戻るから...」グイッ

希「痛い痛い!耳引っ張らんといて!」

ガチャ

バタン

50: 2016/12/05(月) 23:20:24.08 ID:U42KMtGu.net
ートイレー

にこ「あんた何してんのよ!」

希「遊びに来た~」

にこ「家から離れられないんじゃなかったの?」

希「半径10キロ以内なら動けるよ」

にこ「何よそれ...ガバガバね」

希「ええ...いきなり下ネタ?引くわー」

にこ「違うわよ!」

51: 2016/12/05(月) 23:22:58.97 ID:U42KMtGu.net
にこ「とにかく!私達は今から練習するから邪魔しないで!分かった!?」

希「練習って何の?」

にこ「バンドよバンド。私達『BiBi』ってバンド組んでるの」

希「へぇ~担当は?」

にこ「ギター&ボーカル」

希「...マイク届くん?」

にこ「張り倒すわよ」

52: 2016/12/05(月) 23:23:34.20 ID:U42KMtGu.net
にこ「じゃあ練習戻るから。見ててもいいけど邪魔しないのよ」

希「はーい」

にこ「邪魔したらぶっ飛ばすからね」

希「はーい」

にこ「ホントにわかってんのかしら...」

53: 2016/12/05(月) 23:24:01.34 ID:U42KMtGu.net
ーー

にこ「ごめんごめん。さ、続きしましょう」

絵里「じゃあ、行くわよ」

真姫「1,2,3,...」

54: 2016/12/05(月) 23:24:44.76 ID:U42KMtGu.net
~♪

にこ「ストップ。またズレてるわよ」

絵里「また...」

真姫「にこちゃんちょっと遅いのよ。もう
ワンテンポ早くしないと」

希「そーやそーや」

55: 2016/12/05(月) 23:25:19.35 ID:U42KMtGu.net
にこ「いや真姫が早いのよ。あんたこそ焦りすぎなんじゃない?」

真姫「焦ってないわよ。むしろ遅いくらいよ」

希「うんうん。成長も遅いし」

にこ「いっつも思ってたけど、あんた何でいつそんなに偉そうなのよ。年下のくせに」

56: 2016/12/05(月) 23:25:49.11 ID:U42KMtGu.net
真姫「年齢なんて関係ない。だいたいそんな見た目じゃ...ふふっ」

希「ぷぷっ」

にこ「なんですってぇ!!」

真姫「何よ!」

希「お、やる気か?」

絵里「こーら!喧嘩しないの!」パンパン

57: 2016/12/05(月) 23:26:18.29 ID:U42KMtGu.net
真姫「エリー!今のはにこちゃんが悪いわよね!?」

にこ「真姫よね!?ね、絵里!」

希「にこっちに胸がないのが悪い!な、金髪さん!」

絵里「いい加減にしなさい!」

にこまき「!」ビクッ

希「!」ビクッ

58: 2016/12/05(月) 23:27:41.41 ID:U42KMtGu.net
絵里「喧嘩するなら...お仕置きするわよ」

にこ「そ、それだけは...」

希「お仕置きって何?鞭で叩かれたり、蝋燭垂らされたりするん?見た目通りドSなんやねぇ」

絵里「だったら謝りなさい。お互いに」

にこ「......ごめん」

真姫「私こそ...悪かったわ」

希「ウチこそ...ホントのこと言い過ぎた。こめんな、にこっち。口リ体型もいいと思うよ」

絵里「うん、よろしい。少し休憩にして、再開しましょうか」

59: 2016/12/05(月) 23:28:35.12 ID:U42KMtGu.net
にこ「分かったわ。飲み物買ってくる。何かいる?」

絵里「いいの?じゃあ、カフェオレで」

真姫「私トマトジュース」

希「ウチは生絞りシークヮーサージュース!」

にこ「OK。行ってくる」ガシッグイッ

希「あれ?」

ガチャ

バタン


ズバコーーーーーーーン!!

希「ぎゃああああああああ!!!」

絵里「?なにか聞こえなかった?」

真姫「そう?気のせいじゃない?」

絵里「そうかしら...ま、いいわ」

・3 終わり

69: 2016/12/06(火) 00:23:48.54 ID:7TJQSBBD.net
・4

希「にこっち、これはどこ置くの?」

にこ「ああ、それはそこに置いといて」

希「はーい」フワフワ

トスン

にこ「いやー、便利ねあんた。荷物運ぶ手間がないわ」

希「ふふん、ポルターガイストを応用すればこんなこともできちゃうのだ!」

71: 2016/12/06(火) 00:24:39.61 ID:7TJQSBBD.net
にこ「今初めてあんたが役に立つと思ったわ」

希「ひ、ひどい!」ガガーン

にこ「さてさて、引越しの片付けも済んだわね」

希「そんな...にこっち...ウチのことをそんな払に思ってたなんて...」イジイジ

にこ「うだうだうるさいわね。雰囲気が暗くなるからやめて」

希「...」イジイジ

にこ「ちょっと出かけてくるわね。留守頼んだわよ」

希「ええ...落ち込んでる友達を放ってどっか行くなんて...遺体より冷たいよにこっち」

にこ「気味悪い例えしないでよ」

72: 2016/12/06(火) 00:25:20.66 ID:7TJQSBBD.net
希「どこ行くん?」

にこ「甘いもの食べたくなったから、和菓子屋に。ちょうどそこにいい感じの和菓子屋があったから」

希「おおー、ウチも行くー」

にこ「え、あんたも来るの?」

希「ウチおまんじゅう大好き!あときんつばとかうぐいす餅とかもー」

にこ「邪魔しないでよ?」

希「わかってるわかってるー」

74: 2016/12/06(火) 00:26:03.68 ID:7TJQSBBD.net
にこ「えーと、確かこの辺に...あ、あったあった」

希「おおー、正しく老舗って感じやね」

にこ「知らなかったの?この辺ならまだ行動範囲でしょ?」

希「うん、知らんかった。あんまり家から出らんからねぇ」

にこ「ふぅん...」

75: 2016/12/06(火) 00:26:43.14 ID:7TJQSBBD.net
ガララッ

穂乃果「いらっしゃいませー!...あれ?」

穂乃果「お嬢ちゃん、迷子?ママは?」

にこ「違うわよ!客よ客!」

穂乃果「ああ~ママからお使い頼まれたの?何買う?ほむまん?」

にこ「だから違うってば!私は大学生よ!」

76: 2016/12/06(火) 00:27:25.38 ID:7TJQSBBD.net
穂乃果「大学生?...ぷっ」

にこ「何笑ってんのよ!」

穂乃果「だ、だって...どうみても私より年下」

にこ「何よこいつ...客相手に失礼過ぎでしょ。ほら」スッ

穂乃果「?何これ?」

にこ「学生証よ。ほら、ちゃんと大学生でしょ」

78: 2016/12/06(火) 00:30:36.28 ID:7TJQSBBD.net
穂乃果「ほんとだ...し、失礼しました」

にこ「まぁ、別に気にしてないわよ。よく言われるし」

穂乃果「ホント?じゃあいいや!」

にこ「おいこら」

79: 2016/12/06(火) 00:31:20.03 ID:7TJQSBBD.net
穂乃果「それでそれで?何にしますか?」

にこ「んーと...どうしようかしら」

希「にこっち、ウチおまんじゅうがいい」

にこ「きんつばもいいわね...あ、桜餅も」

希「なーなー、おまんじゅう買ってやー」クイクイ

にこ「水羊羹も捨てがたいわね」

希「にこっち~おまんじゅう~」

にこ「うるさいわね!!」

穂乃果「わっ!ど、どうしたの?」

にこ「あ、ごめん。何でもないわ」

穂乃果「そう...?」

80: 2016/12/06(火) 00:32:03.45 ID:7TJQSBBD.net
希「にこっち、いきなり大声出したらいかんよ」

にこ(あんたのせいでしょうが!大人しくしときなさい!)

希「だっておまんじゅう食べたい...」

にこ(わかったわかった!買ってあげるから!)

希「やったー!」

にこ「ったく...」

81: 2016/12/06(火) 00:32:35.93 ID:7TJQSBBD.net
穂乃果「えーと、お会計全部で18200円です!」

にこ「たかっ!嘘でしょ!?」

穂乃果「...あっ、ごめん打ち間違ってた!」

にこ「でしょ?」

穂乃果「えーと...1820000円です!」

にこ「何でさっきより高くなってんのよ!おかしいでしょ!」

穂乃果「あれ~?」

82: 2016/12/06(火) 00:33:17.36 ID:7TJQSBBD.net
ーー

ガララッ

穂乃果「ありがとうございましたー!またきてねー!」

にこ「ったくもう...疲れた」

希「あはは、面白い子やったね」

83: 2016/12/06(火) 00:33:50.70 ID:7TJQSBBD.net
にこ「ふぅ...結構買ったわね」

希「太るよー?」

にこ「私、いくら食べても太らないのよ」

希「なるほど...」ジー

にこ「どこ見てんのよ。もうちょい下よ」

希「ウチは太りやすい体質やったなぁ。あと肩こりが酷くて...」

にこ「腹立つわねこの...」

84: 2016/12/06(火) 00:34:25.54 ID:7TJQSBBD.net
希「あ、お茶は?あつーいお茶がないと」

にこ「買ったわよ、ほら」

希「おおー、やったー!じゃあ早速帰って食べよー!」

にこ「ふん、すっかり元気になって...」

希「何か言った?」

にこ「何でも。帰る前に夕飯の買い物して帰るわよ」

85: 2016/12/06(火) 00:35:03.08 ID:7TJQSBBD.net
希「はーい。今日のメニューは?」

にこ「カレーよカレー」

希「ハヤシライスの親戚やね」

にこ「変な言い方しないの。タイムセール始まるから急ぐわよ」

希「おっけー!」

・4 終わり

103: 2016/12/06(火) 09:40:20.86 ID:SCtzWIq1.net
>>101
ホントだ
ありがとう

104: 2016/12/06(火) 09:40:54.70 ID:SCtzWIq1.net
・5

にこ「ふぅ...今日も疲れた...」

にこ「さて、帰ってご飯にしましょ」

花陽「おっこめ、おっこめ♪」

にこ「あ」

花陽「わっ!」

105: 2016/12/06(火) 09:41:26.13 ID:SCtzWIq1.net
にこ「こんばんは...」

花陽「こ、こんばんは!さようなら!」アタフタ

にこ「あ、ちょっと!」

ガチャバタン

にこ「...」

106: 2016/12/06(火) 09:41:58.97 ID:SCtzWIq1.net
にこ「お隣さんとの距離が縮まらない...仲良くしたいんだけど」

にこ「はぁ...どうしましょう」ガチャ

にこ「ただいまー」

ワーワー!キャーキャー!

にこ「?騒がしいわね」

107: 2016/12/06(火) 09:42:43.16 ID:SCtzWIq1.net
にこ「希ー?うるさいわよー?」ガララッ

海未「何故です!なぜ勝てないのですか!」

凛「海未ちゃんが弱いからだよ~」

海未「もう一回です!勝つまでやめません!」

希「ウチもう疲れたよ...」

にこ「...誰?」

108: 2016/12/06(火) 09:44:01.78 ID:SCtzWIq1.net
希「お、にこっち。おかえり」

海未「あ、これはこれは。お邪魔しております」

凛「こんばんは!」

にこ「どうも...じゃなくて。希、誰よこの2人」

希「えっとね、この2人は」

海未「あ、自己紹介しますよ。申し遅れました、私園田海未と申します。希とは友人関係です」

凛「星空凛です。同じく希ちゃんお友達だよー!」

110: 2016/12/06(火) 09:45:52.68 ID:SCtzWIq1.net
にこ「友達って...あんた達もまさか」

海未「はい。既に氏して魂のみで現世に留まる身...所謂幽霊ですね」

凛「凛も幽霊です!にゃー!」

にこ「へ、へぇ...?」

希「今日はね、にこっちにウチの霊友を紹介しようと思って」

にこ「レイトモ?」

希「幽霊友達、略して霊友よ。常識やんこんなの」

にこ「いや初めて聞いたわよ」

111: 2016/12/06(火) 09:46:24.11 ID:SCtzWIq1.net
希「そうなん?にこっち遅れてるぅ~」

凛「遅れてるぅ~」

海未「遅れてますね」

にこ「え、あんた達もそういうノリなの?」

112: 2016/12/06(火) 09:47:05.09 ID:SCtzWIq1.net
希「っていうことで、みんなで遊ぼー!」

うみりん「おー!」

にこ「待って待って。何勝手に決めてんのよ」

希「じゃあまずはー」

海未「もう一度ババ抜きを...」

凛「だから飽きたってー!大富豪しようよ」

希「そうやね、大富豪しようか。じゃあにこっち、シャッフルして」

にこ「OK。いくわよー...じゃなくて!」

114: 2016/12/06(火) 09:48:17.47 ID:SCtzWIq1.net
希「なに?どうしたん?」

海未「大富豪ではなく大貧民派でしたか?」

にこ「言い方の問題じゃなくて!何でナチュラルに遊ぼうとしてんのよ!」

凛「文句ばっかうるさいにゃー!」

にこ「なんですって!?」

115: 2016/12/06(火) 09:48:55.47 ID:SCtzWIq1.net
希「まぁまぁ、凛ちゃん。きっとにこっちは負けるのが怖いんよ」

にこ「!」ピクッ

海未「そうだったんですか。無理にお誘いして申し訳ありません」

凛「じゃあ3人でやろう!」

にこ「...待ちなさい」

海未「はい?」

にこ「言わせておけば...誰がビビってるって?」

116: 2016/12/06(火) 09:49:22.47 ID:SCtzWIq1.net
凛「おおっ?」

にこ「この私が負けるわけないでしょう!覚悟しなさい!負けて成仏しても知らないわよ!」

希「そう来なくっちゃ」

海未「成仏はしたくありませんね」

凛「よーし、やろう!」

117: 2016/12/06(火) 09:49:48.09 ID:SCtzWIq1.net
ーー

凛「あっがりー!」

海未「はうわっ!」

凛「海未ちゃんまたドベー」

海未「何故です...!何故勝てないのです...!」

希「まさか大富豪も弱いとは...」

118: 2016/12/06(火) 09:50:14.77 ID:SCtzWIq1.net
凛「そろそろ帰ろうか海未ちゃん」

海未「もう一回です!まだ私は!」

希「気持ちはわかるけどまた今度な。ウチもう疲れたよ」

海未「これくらいで疲れるなんて魂の鍛え方がなってません!」

凛「魂の鍛え方ってなに?」

119: 2016/12/06(火) 09:50:44.46 ID:SCtzWIq1.net
トントン

海未「ん?」

凛「...ん、なんだかいい匂い...」

にこ「もうすぐ夕飯できるわよー」

希「おお、やったー」

120: 2016/12/06(火) 09:51:41.45 ID:SCtzWIq1.net
にこ「あんた達も食べていくでしょ?」

海未「え、いいんですか?」

にこ「いいからいいから。ほら、あんたも」

凛「ホントに?食べてっていいの?」

にこ「幽霊が遠慮するんじゃないわよ。それに、ご飯はみんなで食べるのが一番美味しいのよ」

121: 2016/12/06(火) 09:52:38.99 ID:SCtzWIq1.net
海未「そこまでおっしゃるのなら...お言葉に甘えて」

凛「やったー!」

にこ「決まりね。じゃあ配膳するの手伝って」

海未「はい」

凛「りょーかいにゃ!」

希「うんうん。にこっちの料理は天下一品やからね、ウチが保証するよ」グデー

にこ「何してんのよ。あんたも手伝う!」ポカッ

希「あてっ」

・5 終わり

129: 2016/12/06(火) 12:06:10.88 ID:SCtzWIq1.net
・6

にこ「行ってくるわよ」ガチャ

花陽「...」ガチャ

にこぱな「あ」

にこ「...お、おはようございます」

花陽「...オハヨウゴザイマス」ダダッ

にこ「あ、待って!」

ダダダダダ...

にこ「...」

131: 2016/12/06(火) 12:06:44.06 ID:SCtzWIq1.net
絵里「お隣さんと」

真姫「仲良くなりたい?」

にこ「ええ」

絵里「何でまた...にこなら誰とでもすぐ仲良くなれそうじゃない」

にこ「いやそれが、最初の挨拶でちょっとミスしちゃって...顔を合わせてもすぐ逃げられるのよ」

真姫「どんなミスしたのよ。また寒いギャグでもやったの?」

133: 2016/12/06(火) 12:07:35.48 ID:SCtzWIq1.net
にこ「寒いって何よ!あんたまた『にっこにっこにー』を馬鹿にして!」

真姫「あれ、冷房つけた?」

にこ「上等よ。表に出なさい」

絵里「まあまあ、落ち着いて。にこ、どんな挨拶したの?」

にこ「えっとそれは...」チラッ

希「卍解!...んーなんか違うな。卍解!...これも違う」

141: 2016/12/06(火) 12:13:28.47 ID:SCtzWIq1.net


にこ「と、とにかく!どうやったら距離を縮められるか一緒に考えて!せめて普通の挨拶を交わせるくらいにはなりたいの!」

絵里「うーん...そう言われても」

にこ「好きなだけチョコ奢るから」

絵里「やるわ」

真姫「いやよ、そんな面倒なこと」

にこ「トマトジュース奢るから」

真姫「エリーと違ってもので釣れると思ったら...」

にこ「新鮮なトマトの絞って、少しアレンジを加えたにこにー特製ジュースをご馳走するわ。もちろん、タダで」

真姫「」ピクッ

にこ「あんた、あれ好きでしょ?だから「やるわ」」

真姫「やればいいんでしょ?全く面倒ね」ソワソワ

にこ(よっし落ちた)

希「この子チョロイなー。将来大丈夫かな?」

にこ(うるさい)

135: 2016/12/06(火) 12:09:05.81 ID:SCtzWIq1.net
ーー

穂乃果「いらっしゃいませー!...って」

穂乃果「おおっ、いつかの幼女大学生!」

にこ「何よ幼女大学生って!矢澤にこよ!にこ!」

穂乃果「アラレちゃんに出てくるあの...」

にこ「大王いらないから!にこ!」

136: 2016/12/06(火) 12:09:40.25 ID:SCtzWIq1.net
穂乃果「えへへー、冗談だよ冗談」

にこ「ったく...」

穂乃果「それで、今日は何買いに来たの?」

にこ「えーっと...」

137: 2016/12/06(火) 12:10:12.28 ID:SCtzWIq1.net
ーーー
ーーー

にこ「贈り物?」

絵里「ええ、ベタだけどこれが一番手っ取り早いんじゃないかしら」

にこ「引越しの挨拶の時にも渡したわよ」

絵里「それとはまた別に。ほら、最近美味しい和菓子屋見つけたって言ってたじゃない。そこの和菓子をあげるとか」

にこ「うーん、甘いもの嫌いだったらどうする?」

絵里「もしそうだったらその時考えましょ。とにかく行動よ」

ーーー
ーーー

138: 2016/12/06(火) 12:10:48.04 ID:SCtzWIq1.net
にこ「...そうね、おはぎとおまんじゅうちょうだい」

穂乃果「おはぎとおまんじゅね!わかった!くつ?」

にこ「うーん...」

希「ウチが3つと、にこっちとお隣さんで2つやから5個!」

にこ「2つずつでいいわ」ペシッ

希「あいたっ」

穂乃果「わかった!まいどありー!」

142: 2016/12/06(火) 12:14:46.04 ID:SCtzWIq1.net
ピンポーン

花陽「はーい...」

にこ「こんにちは」

花陽「ぴゃあ!こここんにちは!」

にこ「あ、あのこれ...よかったら」

花陽「ひっ...!」

143: 2016/12/06(火) 12:15:37.70 ID:SCtzWIq1.net
にこ「あ、怪しい物じゃないわよ!そこの和菓子屋のおはぎとおまんじゅうで」

花陽「...おはぎ?」

にこ「ええ、甘いものは苦手だったかしら?」

花陽「い、いえ...好きです」

にこ「よかったぁ...ぜひ食べてね。じゃこれで」

144: 2016/12/06(火) 12:16:03.05 ID:SCtzWIq1.net
花陽「あっ」

にこ「ん?」

花陽「あ...その...」

花陽「...ありがとうございます」ニコッ

にこ「...!」

にこ「いえ、どうしたしまして」ニコッ

145: 2016/12/06(火) 12:16:39.86 ID:SCtzWIq1.net
ーー

にこ「やったわ、すこし話してくれた」

絵里「良かったわね」

真姫「じゃあ目的達成でいいの?トマトジュース」

にこ「まだよ。まだ遠いわ...」

絵里「そうかしら?」

にこ「いーえ、まだこっちから挨拶しないと返してくれないのよ。ってことで次はどうすればいいのか考えて」

真姫「少しは自分で考えなさいよ」

にこ「自分で考えてもわからないから聞いてるんじゃない!」

146: 2016/12/06(火) 12:17:08.18 ID:SCtzWIq1.net
真姫「はいはい...」

にこ「何よその態度!」

絵里「まま、落ち着いてにこ。でも、後は少しずつ距離を縮めていくしかないんじゃない?焦っても仕方ないし」

真姫「隣なんでしょ?いくらでも会う機会くらいあるでしょうよ」

にこ「むー、なんていうかもう少しだけお近づきになりたいというか...」

147: 2016/12/06(火) 12:17:43.44 ID:SCtzWIq1.net
真姫「だったら食事にでも誘ってみたら?」

絵里「いきなり食事?それはちょっとねぇ」

にこ「それだわ!」

えりまき「え?」

にこ「それよそれ!食事よ!手料理を振る舞えばいいんだわ!」

絵里「に、にこ?」

にこ「ありがとう!私は買い物して帰るわね!」ダッ

希「あ、にこっち待ってー!」ピュー

真姫「...行っちゃった」

絵里「あらら...」

148: 2016/12/06(火) 12:18:18.78 ID:SCtzWIq1.net
ーー

にこ「よし、こんなもんね」

希「随分いっぱい買ったなぁ」

にこ「もし、大食いだったらいけないからね。余ったら明日以降に出せばいいし」

149: 2016/12/06(火) 12:19:07.25 ID:SCtzWIq1.net
にこ「さて、問題はどう誘おうかしら...」

希「なんか彼女を初デートに誘う男子高校生みたいやね」

にこ「うっさいわね。あんたも考えなさい。大体あんたのせいなんだから」

希「ポルターガイストを起こして怖がって外に出たところを...」

にこ「やっぱいい。自分で考える」

150: 2016/12/06(火) 12:19:40.58 ID:SCtzWIq1.net
タンタンタン

花陽「んしょ、んしょ...」ヨロヨロ

にこ「あ、噂をすれば...小泉さんだわ」

希「えらい大きな荷物持ってるねぇ」

にこ「あれじゃ足元見えないんじゃ...階段は危険よ。手伝ってくる」

希「あ、にこっち」

151: 2016/12/06(火) 12:20:09.07 ID:SCtzWIq1.net
花陽「よいしょ...」タンタン

ツルッ

花陽「えっ」

にこ「!危ない!」バッ!

希「にこっち!」ビリッ!

ガタガタガタガタン!

152: 2016/12/06(火) 12:20:57.00 ID:SCtzWIq1.net
花陽「...あれ」

にこ「ふう...怪我はない?」

花陽「え、あ、私...」

にこ「あんな大きな物持ったまま階段登ったら危ないじゃない。気をつけなさいよ?」

花陽「す、すいません!ありがとうございます!なんとお礼したらいいか...!」

にこ「別にいいわよ、お礼なんて。それより、怪我ない?」

153: 2016/12/06(火) 12:21:34.16 ID:SCtzWIq1.net
花陽「は、はい。矢澤さんは...」

にこ「私も無事よ」

花陽「そ、その本当にありがとうございます!必ずお礼します!」

にこ「いいからお礼なんて...あ、いや」

にこ「そうね、お礼してもらおうかしら」

花陽「は、はい...」

154: 2016/12/06(火) 12:22:03.68 ID:SCtzWIq1.net
にこ「お礼として...私と友達になってくれない?」

花陽「え?」

にこ「お隣同士仲良くしましょうよ。ね?」

花陽「...は、はい!」

155: 2016/12/06(火) 12:22:36.30 ID:SCtzWIq1.net
にこ「じゃあこれからよろしく。えーと...小泉さん?」

花陽「は、花陽です。小泉花陽といいます」

にこ「花陽ね。私は矢澤にこ。にこって呼んで」

花陽「よろしくお願いしますにこさん」

にこ「やめてよ、敬語なんて。多分そんなに歳変わらないから」

花陽「えっと...じゃあよろしく、にこ...ちゃん?」

にこ「ええ、よろしくね。花陽」

156: 2016/12/06(火) 12:23:16.01 ID:SCtzWIq1.net
にこ「ところで...あなたが持っていたこれは何?」

花陽「あ、えっとこれは...」

にこ「ん?俵?もしかして...わっ、米!」

花陽「私、お米大好きで...近くに直売所があるから毎月買いに行ってるんだ」

にこ「あんたこれ...一人で食べるの?」

花陽「うん」

にこ「ほぇー...とんだ大食い娘だったわ」

花陽「そ、そんなことないよ///」

にこ「褒めてないけど...」

157: 2016/12/06(火) 12:23:59.40 ID:SCtzWIq1.net
にこ「よし」

花陽「?」

にこ「よかったら今日夕飯一緒にどう?お米を使ったお料理作ってあげる」

花陽「え、いいの?」

にこ「ええ。友達になれた記念としてね」

花陽「...じゃあお言葉に甘えて...」

にこ「よし、決定ね。材料は買ってきてあるから!」

花陽「はい!私、ご飯炊きます!」

にこ「よし、いくわよー!」

158: 2016/12/06(火) 12:24:41.08 ID:SCtzWIq1.net
希「ふふっ、よかった。仲良くなれたね」

にこ「」チラッ

希「!」

にこ(希、ありがとう。助かったわ)

希「おお...気付かれてたんか」

159: 2016/12/06(火) 12:25:13.89 ID:SCtzWIq1.net
にこ「花陽、俵持つの手伝うわ」

花陽「ありがとう」

にこ「いくわよ...せーの重っ!」

花陽「少し重たいから気をつけてね」

にこ「いや少しじゃないわよ!あんたよく1人でこんなの持ってたわね...!」


 


   


     




希「ふふ...」

希「...さて、じゃあウチも手伝おうかな」

・6 終わり

165: 2016/12/06(火) 15:23:08.76 ID:N77c1sGY.net
・7

にこ「それでね、一緒にご飯食べたの」

絵里「良かったわね、仲良くなれて」

にこ「ええ、相談に乗ってくれてありがとう。お礼は今度必ずするわ」

真姫「最高級のトマト用意してよね」

にこ「そんなにお金無いから、スーパーのまとめ売りので我慢してね」

真姫「しょうがないわね...」

にこ「なんでそんなに偉そうなのよ...」

166: 2016/12/06(火) 15:23:42.56 ID:N77c1sGY.net
ガチャ

ことり「こんにちは」

にこ「ことり」

絵里「久しぶりね」

真姫「頼んでた衣装はどんな感じ?」

ことり「完成したよ~。だから今日来たんだ。はいっ」

167: 2016/12/06(火) 15:24:08.73 ID:N77c1sGY.net
にこ「見せて見せて。...おおー」

絵里「さすがことりね。とっても素敵だわ」

真姫「いつも悪いわね」

ことり「いいのいいの、気にしないで。好きでやってるんだから」

にこ「ちょっと試着してもいい?」

ことり「いいよ~」

168: 2016/12/06(火) 15:24:39.50 ID:N77c1sGY.net
にこ「じゃあ、さっそく...」ヌギッ

希「相変わらず凹凸がない体やね~。もっと刺激与えた方がいいんやない?」モミッ

にこ「おっひょう!?」

ことり「わわっ、どうしたのにこちゃん?」

絵里「いきなり叫んで、何かあったの?」

にこ「あ、いや、何でもないわ」ポカッ

希「あてっ」

169: 2016/12/06(火) 15:25:10.96 ID:N77c1sGY.net
絵里「ことり、私も着ていい?」

真姫「私も」

ことり「どうぞどうぞ」

希「あてて...にこっち酷い...」

にこ(いきなり出てきて何すんのよ!引っ込んでなさい!)

希「だって暇なんやもん」

にこ(この前の2人と遊んでくればいいしゃない)

170: 2016/12/06(火) 15:25:37.53 ID:N77c1sGY.net
希「海未ちゃんも凛ちゃんも今日は忙しいんやって」

にこ(幽霊が忙しいってどういうことよ)

希「幽霊にもいろいろあるんよ」

にこ(あ、そう...まあ、いてもいいけど邪魔はしないでよ)

希「はいはーい。ところでにこっち」

にこ(何?)

171: 2016/12/06(火) 15:26:11.85 ID:N77c1sGY.net
希「あのゆるふわっとした娘は誰なん?」

にこ(ああ...あの子は南ことり。私達のライブ衣装を作ってくれてるの)

希「へぇ~。あの子もバンドのメンバーなん?」

にこ(いや、違うわ。服飾サークルのメンバーよ)

希「ふーん...」

172: 2016/12/06(火) 15:26:48.01 ID:N77c1sGY.net
にこ「っと...よし」

希「おおー、なかなか似合ってるねー」

にこ(ふふん、でしょ?)

にこ「着替えたわよー」

173: 2016/12/06(火) 15:27:28.19 ID:N77c1sGY.net
ことり「わぁ~にこちゃん似合ってるよ~♪」

にこ「ふふん、まあね。カッコイイ?」

ことり「うん!飛びっきりかっこいい!」

にこ「まあね。このにこにーの大人の魅力が...」

絵里「こんな感じかしら?」

真姫「着替えたわよ?」

にこ「みりょくが...」

ことり「きゃー!二人ともセクシー!カッコイイ!」キャッキャッ

絵里「そ、そう?照れるわね...」

真姫「ま、さすが私ってところかしら」

174: 2016/12/06(火) 15:28:10.20 ID:N77c1sGY.net
にこ「...」

希「...にこっち」ポン

にこ「希...」

希「大人の魅力って...冗談は顔だけへぶっ!」

175: 2016/12/06(火) 15:29:09.29 ID:N77c1sGY.net
ことり「?なにか聞こえなかった?」

絵里「そうね、にこの方から...」

真姫「にこちゃん、何かした?」

にこ「いや、何も?」ギロッ

絵里「そ、そう...」

真姫「な、何で怒ってるの?」

にこ「別に。ちょっとトイレいってくる」

ガチャ

バタン

ことり「に、にこちゃん怖い...」




希「ほえー...鼻潰れるかとおもった...」サスサス

・7 終わり

184: 2016/12/06(火) 23:53:46.04 ID:J9Ue0j8U.net
・8

絵里「ねぇ、今日夕飯一緒に食べない?」

にこ「急にどうしたの」

絵里「妹が友達の家に泊まりに行くんだって。1人分のご飯作るのも面倒だし、どうせなら一緒にどうかなって」

真姫「なに、1人で食べるのが寂しいの?」

絵里「そ、そんなこと言ってないわよ」

185: 2016/12/06(火) 23:54:15.44 ID:J9Ue0j8U.net
にこ「まぁ、別にいいけど。どこ行く?」

絵里「...特に決めてないわね」

真姫「言い出しっぺが決めなさいよ」

絵里「うーん...どうしようかしら。真姫も案だしてよ」

真姫「焼肉食べたいわ。叙々苑の」

絵里「にこ、何か言い案ある?」

真姫「ちょっと」

186: 2016/12/06(火) 23:55:04.69 ID:J9Ue0j8U.net
にこ「私も特にないけど...」

絵里「あ、そうだわ。いいこと思いついた」

にこ「何よ?」

絵里「にこ、最近一人暮らし始めたわよね?にこの家に集まるのはどう?」

にこ「え、私の家?」

絵里「ダメかしら?」

にこ「いや、ダメではないけど...」

にこ(希のやつ...二人を連れてきたとなったら大人しくするわけないし...)

187: 2016/12/06(火) 23:55:49.89 ID:J9Ue0j8U.net
真姫「何よ、ハッキリしてよ。いいの?ダメなの?」

にこ「うーん...」

絵里「にこ」キリッ

にこ「ん?」

絵里「おねがぁ~い♡」キラキラ

にこ「うわ気持ち悪」

真姫「なにそれことりの真似?立場をわきまえなさいよ気持ち悪い」

絵里「ひ、ひどい!」

188: 2016/12/06(火) 23:56:19.54 ID:J9Ue0j8U.net
にこ(ま、なんとかなるでしょ。暴れたらお仕置きすればいいし)

にこ「いいわようちで」

絵里「ほんと?やったわ」

真姫「そんなににこちゃんの家に行きたかったの?」

絵里「ええ。友達の家ってなんだかワクワクしない?」

真姫「小学生じゃないんだから」

189: 2016/12/06(火) 23:56:49.22 ID:J9Ue0j8U.net
絵里「あ、ことりも呼びましょうよ。いい、にこ?」

にこ「いいわよ」

絵里「じゃあLINEしとくわね」

にこ(あれ、そういえば希のやつ今日はいないわね...寝てるのかしら)

にこ(ま、やかましくなくていいけど)

190: 2016/12/06(火) 23:57:18.34 ID:J9Ue0j8U.net
ーー

絵里「ここが矢澤家ね」

にこ「正確にはここの中の一つがね。アパート全部が私の家じゃないから」

真姫「え、違うの?」

にこ「違うわよ。あんたの所の別荘とかと同じにしないで」

191: 2016/12/06(火) 23:57:49.65 ID:J9Ue0j8U.net
ことり「にこちゃん、私も来てよかったの?」

にこ「もちろんよ。いつも衣装作ってもらってるんだし。あんたもメンバー同然よ」

真姫「そうね、ことりには感謝してるわ」

ことり「ホント?嬉しいなぁ~」

絵里「何だかことりには甘くない?私にもっと敬う言葉とか...」

にこまき「それはない」

絵里「ちょっと!私リーダーよ!」

192: 2016/12/06(火) 23:58:22.36 ID:J9Ue0j8U.net
にこ「だったらもっと威厳を見せてよ」

真姫「いっつもどこか的はずれなことするんだから」

絵里「...泣くわよ」

にこ「泣くんなら喚かないでよ。近所迷惑になるから」

絵里「ことりー!にこと真姫がいじめるー!」

ことり「あはは...よしよし」

絵里「ああ...ことりだけが私の味方よ...」

にこ「バカやってないで早く入るわよー」

えりまきこと「はーい」

193: 2016/12/06(火) 23:59:02.54 ID:J9Ue0j8U.net
にこ「ここよ」ガチャガチャ

ギィ

ワーワー!ギャーギャー!ニャー!

にこ「ん?」

194: 2016/12/06(火) 23:59:38.60 ID:J9Ue0j8U.net
絵里「どうしたの?入らないの?」

にこ「...なんか嫌な予感がする」

真姫「なによ、どうしたってのよ」

ことり「にこちゃん?」

にこ「ちょっと待っててくれる?」

絵里「え、ええ...いいけど」

にこ(まさか...)

ガララッ

195: 2016/12/07(水) 00:00:10.52 ID:9ziSTlsL.net
海未「まだまだ!次は腕立て200回です!」

凛「もう疲れたにゃ...」

希「ウチも...」

海未「休憩の許可は出してません!さぁほら!」

のぞりん「もう勘弁してー!」

にこ「...何してるの」

196: 2016/12/07(水) 00:00:44.79 ID:9ziSTlsL.net
海未「あ、これはこれは。お邪魔してます」

希「海未ちゃん助けてー!」

凛「この鬼教官なんとかしてー!」

海未「騒ぐ元気があるようですね。もう100回追加しましょうか」

のぞりん「うへー!?」

にこ「な...」プルプル

にこ「何してんのよーーーー!!!」

197: 2016/12/07(水) 00:01:14.51 ID:9ziSTlsL.net
ーー

にこ「はぁ?魂を鍛えてたぁ?」

海未「はい。最近この2人が弛んでいるので、引き締め直してあげようかと」

希「ウチのどこがたるんでるんや!」

凛「そーにゃそーにゃ!」

198: 2016/12/07(水) 00:02:11.40 ID:9ziSTlsL.net
海未「静かにしなさい!私知ってるんですよ?希は1日の大半をゴロゴロ寝て過ごしているのを」

希「そ、それは...」

海未「凛も最近は全然運動してないようですね。前はあんなに駆け回っていたのに」

凛「えっとそれは...」

海未「そんなことでは弛みきってしまいます!心の緩みは魂の緩み!鍛え直して...」

にこ「やかましい!」

のぞうみりん「!!」ビクッ

199: 2016/12/07(水) 00:02:55.08 ID:9ziSTlsL.net
にこ「魂の緩み?そんなの知ったこっちゃないわよ!私が聞いてるのはなんで私の家で筋トレしてたってこと!!」

海未「それは...」

にこ「それは?」

海未「場所がなくて」

にこ「外でやればいいじゃない」

海未「や、だって外だとなんか恥ずかしいじゃないですか」

にこ「あんたら幽霊でしょうが!人間には見えないんだから何を気にする必要があるの?」

200: 2016/12/07(水) 00:03:42.04 ID:9ziSTlsL.net
希「馬鹿にせんでよ。幽霊にだって羞恥心ってもんがあるんよ。ね?」

うみりん「ねー」

にこ「うるっさい!あんたら羞恥心の前に常識を学んできなさい!」

海未「何を言ってるんですか。幽霊に人間の常識が通じるわけないでしょう」アハハ

希「そーや。にこっち何言っとるん?」アハハ

凛「おバカさんだにゃー!」アハハ

にこ「」ブチッ

201: 2016/12/07(水) 00:04:19.98 ID:9ziSTlsL.net
にこ「出てけーーーー!!」ドゴーーン!

のぞうみりん「ぎゃーーーーーー!!」ピュー

・8 終わり ・9に続く

210: 2016/12/07(水) 12:04:00.96 ID:Bl2FyPhI.net
・9

にこ「ごめん、待たせたわね」

絵里「一体どうしたの?誰かと話してたようだけど...」

にこ「ちょっと電話がかかってきてね。気にしないで」

真姫「もう入ってもいい?立ちっぱなしで疲れたんだけど」

にこ「はいはいどうぞ」

絵里「じゃあ、お邪魔します」

ことり「お邪魔しま~す」

真姫「お邪魔するわ」

211: 2016/12/07(水) 12:04:36.74 ID:Bl2FyPhI.net
にこ「すぐご飯にする?」

絵里「そうね、お腹すいたし」

真姫「私も」

ことり「そういえば、私何食べるか聞いてないけど...」

にこ「鍋よ。今日は鍋パーティ」

ことり「おお~やったぁ」

212: 2016/12/07(水) 12:05:02.51 ID:Bl2FyPhI.net
絵里「家からガスコンロ持ってきたわ」

にこ「私は野菜切ってくるわね」

ことり「私も手伝うよ」

にこ「一人で十分よ。座ってて」

真姫「にこちゃん、漫画読んでていい?」

にこ「あんたは手伝う気サラサラないわね。まぁいいけど」

213: 2016/12/07(水) 12:06:06.18 ID:Bl2FyPhI.net
ーキッチンー

にこ「さてさて...ん?」

凛「お腹すいたねー」

海未「そうですね」

希「冷蔵庫の中は...お、お魚ソーセージがあるよ」

凛「食べる食べるー」

214: 2016/12/07(水) 12:06:42.94 ID:Bl2FyPhI.net
希「あ、でも2本しかない」

凛「ええー?」

海未「じゃあ私は遠慮します」

希「いやいや、ここはウチが遠慮するよ。2人で食べ」

海未「いえいえ、ここは希と凛が」

希「いやいや、2人が」

海未「いえいえ...」

希「いやいや...」

凛「じゃあ凛が遠慮する!」

のぞうみ「どうぞどうぞ」

凛「おいー!」ペシッ

のぞうみりん「どうも、ありがとうございましたー!」

にこ「...」

215: 2016/12/07(水) 12:07:23.40 ID:Bl2FyPhI.net
希「お、にこっち」

海未「これはこれは、再びお邪魔してます」

凛「面白かった?面白かった?」

にこ「...」ツカツカ

にこ「」ガッ

にこ「悪霊たいさーーーーん!!」パッパッ

希「ぎゃあああ!!塩投げんといて!!」

海未「強制成仏反対!強制成仏反対!」

凛「ぎゃーー!腕が消えるぅーーー!!」

216: 2016/12/07(水) 12:08:14.95 ID:Bl2FyPhI.net
にこ「何で戻ってきてんのよ!出ていきなさい!」

希「そんな邪険にせんといてやにこっち。同じ屋根の下に住む仲間やろ?」

にこ「仲間なら迷惑にならないようにしなさいよ!」

希「分かってるって。親しき仲にも礼儀ありって言うし。それくらいウチらでも弁えてるって」

にこ「信用ならないわね...」

217: 2016/12/07(水) 12:08:45.28 ID:Bl2FyPhI.net
希「ウチらの目を見て!これでも信用出来ない?」

にこ「...」ジッ

海未「...」キリッ

凛「...」キリッ

希「...」ヘンガオ

218: 2016/12/07(水) 12:09:16.90 ID:Bl2FyPhI.net
ガッ!!

にこ「この世に残す言葉はない?」ググググ

海未「お、落ち着いてください!」

凛「その量の塩はほんとにやばいにゃ!」

希「にこっちの目に光がない...!」

219: 2016/12/07(水) 12:09:55.37 ID:Bl2FyPhI.net
絵里「にこー、こっちの準備できたわよー」

真姫「まだなの?お腹すいたんだけど」

にこ「...チッ」

希「舌打ちした...」

にこ「しょうがないわね...居てもいいけど邪魔だけはしないでよ」

のぞうみりん「はーい」

にこ「もし邪魔したら...冥土に送るわよ」ギロッ

のぞうみりん「は、はい...」

220: 2016/12/07(水) 12:10:28.56 ID:Bl2FyPhI.net
ーー

絵里「そろそろいいかしら」

にこ「そうね。蓋開けるわよ」パカッ

ことり「わぁ~美味しそう」

真姫「ねぇ、もう食べていい?いいわよね?」

にこ「どんだけお腹すいてんのよ」

221: 2016/12/07(水) 12:11:19.80 ID:Bl2FyPhI.net
ことり「はふはふ...んん、美味しい♡」

絵里「鍋なんて久々食べたわね」

真姫「はふはふほふほほほふふふ」

にこ「ちょ、そんなに慌てなくても無くならないから」

ことり「ふふっ、真姫ちゃんは鍋が好きなんだね」

絵里「口いっぱいに頬張って...可愛いわね」

真姫「むふふーー!!」

にこ「飲み込んでから喋りなさい」

キャッキャッ

222: 2016/12/07(水) 12:11:50.70 ID:Bl2FyPhI.net
希「美味しそうやねぇ...」グゥ

海未「そうですね...」グゥ

凛「にゃー...」グゥ

のぞうみりん「...」グゥ~

223: 2016/12/07(水) 12:13:29.95 ID:Bl2FyPhI.net
希「何で幽霊もお腹空くんやろ...」

海未「さぁ...」

凛「にゃー...」

のぞうみりん「...」

224: 2016/12/07(水) 12:13:57.20 ID:Bl2FyPhI.net
希「海未ちゃん、凛ちゃん」

海未「はい?」

凛「何?」

希「勝負をしよう」

うみりん「勝負?」

希「如何にしてにこっちにバレずに鍋の具材を食べるか...勝負や」

225: 2016/12/07(水) 12:14:26.85 ID:Bl2FyPhI.net
海未「そんなことして、もしバレたら大目玉喰らいますよ」

凛「そーにゃそーにゃ。にこちゃん、今度こそ許してくれないよ」

希「あれー?二人ともビビってるん?」

うみりん「」ピクッ

希「まさか2人がそんなチキンゴーストやったとは...ウチがっかりや」

希「ま、チキンの2人はそこでウチが鍋を美味しく食べるのを指咥えて見とけばいいよ」

226: 2016/12/07(水) 12:14:58.64 ID:Bl2FyPhI.net
海未「言わせておけば...」

凛「言いたい放題言ってくれるね」

希「おっ、やる?」

海未「その勝負受けて立ちましょう!鍋の中をすっからかんにしてやります!」

凛「やってやるにゃー!」

希「いやさすが全部食べたらバレるから...」

227: 2016/12/07(水) 12:15:34.46 ID:Bl2FyPhI.net
・9 もう少し続きます

232: 2016/12/07(水) 17:54:32.32 ID:fknhe4b3.net
希「さて、トップバッターは...」

凛「はいはーい、凛が行く!」

海未「おお、やる気ですね」

希「じゃあ、凛ちゃんGO!!」

凛「にゃー!」ピュー

233: 2016/12/07(水) 17:55:36.19 ID:fknhe4b3.net
真姫「エリー!それ私が狙ってた肉よ!取らないで!」

絵里「まだ他にもあるじゃない。そんなにムキにならなくても...」

真姫「取らないで!」

絵里「わ、分かったわよ」

ことり「にこちゃん、白菜食べる?」

にこ「さっき食べたから、ことり食べていいわよ」

ことり「ありがとー♪」

絵里「白菜が好きなんてことりも変わってるわね」

ことり「そうかな?美味しいよ」

234: 2016/12/07(水) 17:56:12.78 ID:fknhe4b3.net
凛(ふふふ...さーて、どれを取ろうかな...)ソロー

凛(とりあえずにこちゃんの後ろから近づけばバレないから...よし)ソロー

にこ「真姫、あんた野菜も食べなさいよ」

真姫「白菜なんて美味しくないわよ。トマト出しなさいよトマト」

にこ「トマト鍋はまた今度ね」

凛(今にゃ!)サッ

希「おっ」

海未「取りましたね」

235: 2016/12/07(水) 17:57:50.00 ID:fknhe4b3.net
凛「むふふー、成功だよー」

希「やるなぁ凛ちゃん」

海未「ほほう、なるほど...」

236: 2016/12/07(水) 17:58:29.04 ID:fknhe4b3.net
希「次はどうする?」

海未「では、私が」

希「OK、ウチが最後か」

海未「では行ってきます」

237: 2016/12/07(水) 17:59:06.40 ID:fknhe4b3.net
絵里「にこ、ポン酢とって」

にこ「はい」

絵里「ありがとう」

真姫「にこちゃん、お肉とって」

にこ「ダメ。野菜を食べなさい」

真姫「何でよ!いいじゃない」

ことり「真姫ちゃん、白菜美味しいよ。ほら」

真姫「いらない。私はお肉が食べたいの!」

238: 2016/12/07(水) 18:00:07.36 ID:fknhe4b3.net
にこ「この子こんなに食いしん坊だったかしら」

絵里「よっぽど鍋の肉が気に入ったのかしらね」

にこ「普通のスーパーで買ったお肉なんだけど」

希「んんー...ウチも早く食べたい」

凛「美味しかったよー」

希「海未ちゃん、早く戻ってきてー」

239: 2016/12/07(水) 18:01:03.05 ID:fknhe4b3.net
凛「あれ、そういえば海未ちゃんどこいったんだろ」

希「んん?たしかに見当たらんね」

凛「えーと...あっ、いた」

希「どこどこ?」

凛「ほら、天井のところに」

海未「...」フワフワ

希「ホントだ。あそこからどうやって取るつもりやろ...」

240: 2016/12/07(水) 18:02:08.13 ID:fknhe4b3.net
海未(精神統一...静かな心で...)

海未「...」

真姫「ちょっと!私のお皿に野菜入れないでよ!」

にこ「つべこべ言わずに食べなさい!」

ことり「ふ、二人とも、落ち着いて」

絵里「ほらほら、食事中に暴れないの」

海未(今です!)カッ

シュバッ!

希「消えた!」

241: 2016/12/07(水) 18:03:06.27 ID:fknhe4b3.net
海未「モグモグ...ふむ、これは美味ですね」

凛「わっ!いつの間に後ろに!」

海未「余裕でしたよ」

希「さすが海未ちゃん。目に見えない速さでかすめ取ってくるとは...」

海未「ふふ、日頃の修行の成果です」

242: 2016/12/07(水) 18:03:48.43 ID:fknhe4b3.net
凛「じゃあ最後は希ちゃん」

希「よっし!いっちょやったる!」




絵里「そろそろ締めね」

にこ「そうね、どうする?」

真姫「どうするって何が?」

ことり「雑炊にするか、うどんにするかだよ」

真姫「ゾースイ?」

にこ「え、雑炊知らないの?」

真姫「初めて聞いたわ」

絵里「嘘でしょ...」

243: 2016/12/07(水) 18:04:26.27 ID:fknhe4b3.net
真姫「何?バカしてるの!?」

絵里「いや、してないわよ」

ことり「あのね真姫ちゃん。雑炊っていうのは...」

244: 2016/12/07(水) 18:05:11.56 ID:fknhe4b3.net
希(あちゃー、もう締めに入るか...どうしようかな)

希(いや、まだ鍋の中には少し具材が入ってる...それを狙って)

希(あーそれにしてもお腹空いた...早く食べたい)グゥ

真姫「へぇ、つまり美味しいお粥みたいなものね」

ことり「まぁ、そうかな?」

絵里「お粥っていうと途端に味気がなくなるけど」

にこ「じゃ、ご飯持ってくるわね」

245: 2016/12/07(水) 18:05:43.96 ID:fknhe4b3.net
希「今やーー!」バッ

にこ「ん?」

海未「あ」

凛「ばか...」

にこ「...ほほう」

希「あれ、声出てた?」

246: 2016/12/07(水) 18:06:26.56 ID:fknhe4b3.net
絵里「どうしたの?にこ」

にこ「あ、いやちょっと虫がね」

希「にこっち?そ、そのハエたたきは何かな~?」

真姫「え、虫?どこよ」

にこ「ここよ!」ビュン

希「や、やめ」

バチコーーーーーーーン!!

247: 2016/12/07(水) 18:07:03.15 ID:fknhe4b3.net
にこ「よし、退治したわ」

ことり「おおー、にこちゃん頼もしい!」

絵里「さすがにこね」

にこ「じゃ、雑炊たべましょうか」

ワイワイ キャッキャッ


希「...ごちそうさまです...」ピクピク

うみりん「ご愁傷さまです」

・9 終わり

257: 2016/12/07(水) 23:26:27.81 ID:oN64Gfww.net
・10

希「...」ゴロゴロ

希「...」ゴロゴロ

希「...暇や」

希「にこっちは出かけておらんし...海未ちゃんと凛ちゃんも用事あるって言って構ってくれんし...」

希「暇すぎて氏ぬ~...もう氏んでるけど」

258: 2016/12/07(水) 23:27:01.76 ID:oN64Gfww.net
希「...」ゴロゴロ

希「...こんなときは散歩やな」

259: 2016/12/07(水) 23:27:32.78 ID:oN64Gfww.net
希「ふんふ~ん♪」フヨフヨ

希「今日はいい天気やね」

希「何か面白いことないかな~」

希「...おっ」

穂乃果「まんじゅうまんじゅう~♪」

希「和菓子屋の元気娘やん。随分ゴキゲンやね」

260: 2016/12/07(水) 23:28:09.65 ID:oN64Gfww.net
穂乃果「おまんじゅうは~あんこが中に入ってて~」

希「まんじゅうの歌かな?」

穂乃果「あんこだらけで~♪もう~♪」

穂乃果「飽きた~♪」

希「ええ...」

穂乃果「...はぁーあ、洋菓子屋の娘に生まれたかった...」

希「和菓子屋の娘がそれ言ったらいかんやろ...」

261: 2016/12/07(水) 23:28:55.40 ID:oN64Gfww.net
穂乃果「うぐいす餅は~意外と~うぐいすに似てない~♪」

希「何歌っとるんやあの子は...」

穂乃果「桜餅は~...おっ」

花陽「ふんふ~ん♪」ヨタヨタ

希「あら、あの俵を担いだ女の子は...」

穂乃果「はなよっちゃーん!」

花陽「ぴゃあ!?」

262: 2016/12/07(水) 23:29:32.67 ID:oN64Gfww.net
穂乃果「久しぶりー!」

花陽「とと...あ、穂乃果ちゃん。久しぶり」

穂乃果「相変わらず俵担いでるねー」

花陽「い、いつもは担いでないよ?」

穂乃果「えー?花陽ちゃんといえば米俵って感じだけど」

花陽「そ、そうなの?」

穂乃果「うん!」

花陽「えー...」

263: 2016/12/07(水) 23:30:12.39 ID:oN64Gfww.net
穂乃果「一人じゃ大変でしょ?手伝おうか?」

花陽「だ、大丈夫。一人で持てるから...っとと」

穂乃果「ほらほら、遠慮しない」ヒョイ

花陽「わっ...相変わらず力持ちだね穂乃果ちゃん」

穂乃果「ふっふーん、まあね。アパートの前まででいい?」

花陽「うん、ありがとう」



希「へぇ~あの二人知り合いやったんやね」

264: 2016/12/07(水) 23:30:49.22 ID:oN64Gfww.net
希「さてさて、次はどこ行こうかな」

アハハ キャッキャッ

希「ん?」

「もういいかい?」

「まーだだよ!」

希「ここ公園があったんやね。ちょっと寄っていこ」スィー

265: 2016/12/07(水) 23:31:19.46 ID:oN64Gfww.net
希「えーと...あ、あそこのベンチ空いてる」

ストン

「こんにちはー」

「あら、こんにちは」

「チサトちゃん、ブランコしよ!」

「いいよー!」


希「ふふ、何だか懐かしいねぇ」

266: 2016/12/07(水) 23:32:01.98 ID:oN64Gfww.net
「ほら、これこれ!吸ってみて!」

「ほんとに甘いの~?」

「ホントだって!百万円かけるから!」


希「ん?」


「ウソだったらホントに百万円だからね!」

「いいよー!はい!」

267: 2016/12/07(水) 23:32:33.00 ID:oN64Gfww.net
「...」チュー

「どう?どう?」

「...ほんとだ!甘い!」

「ね?ね?」

「すごいねこれ!アカリちゃんたちにも教えようよ!」

「うん!」

タッタッタッタ...


希「...」キョロキョロ

希「...」スィー

268: 2016/12/07(水) 23:33:11.80 ID:oN64Gfww.net
希「花...ああー」

希「そういえば、小学生くらいの子達って花の蜜吸う子おるねぇ。なんか甘い味がするとか」

希「ホントなんかな...」プチッ

希「...」チュー

希「...おお、甘い!」

希「はぇー、ホントやったんかぁ」

希「お土産ににこっちに持って帰ってあげよ」プチプチ

269: 2016/12/07(水) 23:33:49.49 ID:oN64Gfww.net
希「ふんふ~ん♪」プチプチ

希「...ん?」

「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタッタ

希「お、えらい黒髪美人さんがランニングしてる」

270: 2016/12/07(水) 23:34:31.28 ID:oN64Gfww.net
希「えらいおっOいでかいな...ウチと同じ...いや、それ以上...」

「ふっ、ふっ、ふっ...」バインバイン

希「揺れてるなぁ...にこっちが見たら羨ましさで氏にそう...」

271: 2016/12/07(水) 23:35:51.59 ID:oN64Gfww.net
「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタッタ

希(んー?なんかあの人...)

希「...気のせいかな」

希「ま、いいや。満足したし帰ろ」スィー

274: 2016/12/07(水) 23:38:17.08 ID:oN64Gfww.net
「ふっ、ふっ...」タッタッ

ピタッ

「...」

タッタッタッ...

275: 2016/12/07(水) 23:39:02.47 ID:oN64Gfww.net
ーー

にこ「ただいまー」

希「おかえり、にこっち!」

にこ「大人しくしてたー?」

希「してたよー。あのね、にこっち」

にこ「んー?」

276: 2016/12/07(水) 23:39:48.42 ID:oN64Gfww.net
希「これ、お土産!」

にこ「お土産?どっか行ったの?」

希「ううん、その辺散歩しただけ。はい!」バラバラ

にこ「...なにこれ」

希「花や花!この花をこっち側から吸うと...」チュー

希「んーあまーい♡にこっちもどう?懐かしいやろ?」

にこ「...」ポイポイ

希「あー!捨てるなんて酷い!」

にこ「いらないもん持って帰って来るんじゃないわよ!」

277: 2016/12/07(水) 23:40:17.75 ID:oN64Gfww.net
希「あ、そうか。にこっちは最近まで小学生だったから懐かしくないたい!」

にこ「ふん!あんたは今日飯抜き!」

希「ごめーん!にこっち!許してー!」

・10 終わり

288: 2016/12/08(木) 13:08:11.12 ID:UVDhMAII.net
・11

ー深夜ー

にこ「...ん...」

にこ(...トイレ...)

にこ「よいしょ...」

トテトテトテ

289: 2016/12/08(木) 13:08:56.08 ID:UVDhMAII.net
にこ「ふう...まにあっ」ガチャ

希「ばあああああああああ!!!!」

にこ「ぎぃやあああああああああ!!!」

希「あははー、びっくりした?」

にこ「」ピクピク

希「ウチも一応幽霊やからね、これくらいは...ん?」

にこ「」

希「あれー?にこっちー?おーい...わっ、なんか濡れて...」

290: 2016/12/08(木) 13:09:43.08 ID:UVDhMAII.net
ー朝ー

にこ「...」モグモグ

希「な、なあにこっち」

にこ「...」モグモグ

希「ご、ごめんて...やり過ぎた」

にこ「...」ゴクゴク

291: 2016/12/08(木) 13:10:16.80 ID:UVDhMAII.net
希「ほんの出来心やったんよ...ちょっと驚かしてやろうかなー?って」

にこ「...ごちそうさま」スクッ

希「た、確かにやりすぎたけど!まさかおもらsーへぶっ!!」

にこ「ふん!」

ガチャ バタン

希「冥土が見えた...」ピクピク

292: 2016/12/08(木) 13:11:02.45 ID:UVDhMAII.net
ーー

にこ「」ブッスー

真姫「どうしたのよ、そんなにむくれて」

絵里「にこ、何かあったの?」

にこ「別に」

真姫「いや、絶対何かあったでしょ」

にこ「何もないって」

絵里「分かった、あの日ね」

にこ「シバくわよ」

293: 2016/12/08(木) 13:11:47.64 ID:UVDhMAII.net
にこ「何でもないから。さ、練習するわよ」スクッ


真姫「絶対何かあったわよね、あれ」

絵里「更年期かしら...」

真姫「エリーってポンコツって言われるでしょ」

絵里「な、何でそれを!?」

真姫「やっぱり...」

294: 2016/12/08(木) 13:12:13.01 ID:UVDhMAII.net
ーー

海未「なるほど...にこを本気で怒らせてしまったと」

凛「いつものことじゃないの?」

希「違うんよ。いつもは2、3発ゲンコツしたら許してくれるんやけど...今回は全然許してくれなくて」

295: 2016/12/08(木) 13:12:53.22 ID:UVDhMAII.net
海未「希の話からするに...おそらく、そのおもらしが一番の原因でしょう。まさか大学2年生にもなっておもらしをさせられた屈辱が怒りの火を持続させてるのです」

凛「にこちゃんがおもらししても別に違和感ないけど...」

希「凛ちゃん、そんなこと言ったら消されるよ」

296: 2016/12/08(木) 13:13:25.43 ID:UVDhMAII.net
希「海未ちゃん、どうやったらにこっちは許してくれるかな?」

海未「ここはただ謝るのではなく、別のやり方で謝ってみてはどうでしょう?」

のぞりん「別のやり方?」

海未「そうですね、例えば...」

297: 2016/12/08(木) 13:13:49.44 ID:UVDhMAII.net
・11続きます

301: 2016/12/08(木) 15:55:44.91 ID:Ig4Niscc.net
にこ「ふう...」ガチャ

希「おかえりベイビー(イケボ)」

にこ「ん?」

希「昨日は済まなかったな...俺がどうかしてた(イケボ)」

にこ「な、なによあんた」

302: 2016/12/08(木) 15:56:21.47 ID:Ig4Niscc.net
希「君の心に深い傷を負わせてしまった...慰めさせてくれ(イケボ)」ズイッ

にこ「ちょ」

希「ベイビーちゃん(イケボ)」オデコニチュッ

にこ「へ?ちょおお!?」

希「先にシャワー浴びてこいよ(イケボ)」ボソッ

にこ「...!!」

303: 2016/12/08(木) 15:56:48.72 ID:Ig4Niscc.net
希(おお、これは効いてるんへばっ!?」

にこ「バカやってんじゃないわよ!」

希「」ピクッピクッ

にこ「ったくもう...」スタスタ


凛「失敗みたいだよ」

海未「おかしいですね...イケメンならなんでも許してくれると本に書いてあったのですが...」

凛「何の本読んだの?」

304: 2016/12/08(木) 15:57:13.60 ID:Ig4Niscc.net
ーー

希「話が違うやん!余計怒らしただけやん!」

海未「まぁ失敗は誰にでもありますよ。落ち着いてください」

凛「失敗というより根本的に間違ってた気がするけど...」

305: 2016/12/08(木) 15:57:38.91 ID:Ig4Niscc.net
希「どうしよう...このまま口聞いて貰えんくなったら...」

海未「私に秘策があります」

希「それ大丈夫なん?」

凛「また変なこと言い出すんじゃ...」

海未「今度こそ大丈夫です。まぁ、聞いてください」

306: 2016/12/08(木) 15:58:07.75 ID:Ig4Niscc.net
ーー

絵里「にこ、最近なんだかボーッとしてるけど大丈夫?」

にこ「ボーッとなんかしてないけど」

真姫「してるわよ。ほら、このマヌケ面」スマホスッ

にこ「なっ...!い、いつの間にとったのよ!消して!」

307: 2016/12/08(木) 15:58:34.87 ID:Ig4Niscc.net
真姫「いやよ」ヒョイ

にこ「真姫!」

真姫「ちなみにこれ撮ったのエリーだからね」

にこ「絵里!?あんた...あれ?」

絵里「...」ソローッ

にこ「あ!こら!待ちなさい!」

絵里「バレた!」ダッ!

にこ「こらーーーーー!!」ダダダダ

308: 2016/12/08(木) 15:59:29.09 ID:Ig4Niscc.net
ーー

にこ「ったく、絵里のやつ...」ガチャ

希「...」

にこ「ん?」

希「...お帰りなさいませ、殿」

にこ「...」

309: 2016/12/08(木) 16:00:00.99 ID:Ig4Niscc.net
希「先日のご無礼...誠に申し訳ありませんでした」

希「拙者の塵より軽い言葉をいくら紡いだところで...許されることではありません」

にこ「...」

希「そこで...拙者、腹を切ることを決意いたしました」

にこ「...あんた」

310: 2016/12/08(木) 16:00:38.12 ID:Ig4Niscc.net
希「止めないでください!もう...もう拙者の決意は鉱石より固い!」バッ

にこ「希!」

希「一思いに...えいやぁあああああああ!!」ドスッ

にこ「希ぃぃいい!!」


 


   


     



にこ「いや、あんた既に氏んでるくせに何してるのよ」

希「あ、そうか」

311: 2016/12/08(木) 16:03:04.94 ID:Ig4Niscc.net
ーー

希「もー全然ダメやん」

海未「武士は罪を償うために切腹をするのですが...おかしいですね」

凛「おかしいのは海未ちゃんの頭だよ...」

312: 2016/12/08(木) 16:03:45.71 ID:Ig4Niscc.net
希「どうしよう...このままホントに許してくれんかったら」

海未「それは大丈夫ですよ。にこは必ず許してくれます」

希「そうかなぁ...」

海未「ええ、必ず」

凛「海未ちゃんの言うことは信憑性にかけるにゃ」

海未「何故です」

凛「なんでと言われても...」

ドウイウコトデスカ リン ジブンノムネニキイテミルニャ


希「...よし」

313: 2016/12/08(木) 16:04:48.80 ID:Ig4Niscc.net
ーー

にこ「ただいま...」ガチャ

ガチャーン! アア、ヤッテモウタ!

にこ「ん?」

オットト...アツッ!

にこ「希ー?何してんの...」

314: 2016/12/08(木) 16:05:15.48 ID:Ig4Niscc.net
希「あ、おかえり!にこっち!」

にこ「エプロンなんか着てどうしたのよ...つて何この匂い」

希「あ、あのね、今日はウチが夕飯作ってみたんや!」

にこ「夕飯?あんたが?」

希「うん!あんまり上手くいかんかったけど...」

315: 2016/12/08(木) 16:05:49.02 ID:Ig4Niscc.net
にこ「なんで急に?」

希「...お詫びに」

にこ「お詫び?」

希「ほら、この前驚かしてしまったから...そのお詫びに」

にこ「ああー...なるほど。ここ最近あんたの奇行の理由が分かったわ」

希「き、奇行って」

316: 2016/12/08(木) 16:06:14.28 ID:Ig4Niscc.net
にこ「別にもう怒ってないわよ」

希「...ほ、ホント?」

にこ「ええ。にこにーは心が広いからね!」

希「おもらしさせたこと、気にしてない?」

にこ「それは言うんじゃない」

希「はい」

317: 2016/12/08(木) 16:06:42.23 ID:Ig4Niscc.net
にこ「さて、じゃああんたが作った夕飯を食べましょうか」

希「あ、あの、あんまり上手く...」

にこ「...んん、中々美味しいわね」

希「うそ」

にこ「嘘じゃないわよ。ま、私ほどじゃないけどね」

希「...」

にこ「ほら、あんたも食べなさい。全部食べちゃうわよ」

希「うん!」

318: 2016/12/08(木) 16:07:11.85 ID:Ig4Niscc.net
海未「ふふ、良かったです。仲直りできて」

凛「そうだね」

海未「私のアドバイスが良かったんですね」

凛「それはない」

・11 終わり

325: 2016/12/08(木) 21:56:49.02 ID:sq8VBcwo.net
・12

ナンデヤネーン!

希「あっはっはっはっは!」

にこ「希ー、そろそろ夕飯の準備するから手伝って」

オマエアホチャウカ!? アカーン!

希「あっはっはっはっは!お腹痛い!」

326: 2016/12/08(木) 21:57:17.84 ID:sq8VBcwo.net
にこ「...」ピッ

プツン

希「あー!何で消すん!?」

にこ「夕飯の準備手伝ってって」

希「えー...」

にこ「手伝わないんならあんたのメニュー盛り塩にするわよ」

希「手伝います!」

327: 2016/12/08(木) 21:57:47.73 ID:sq8VBcwo.net
ピンポーン

にこ「誰か来たわね」

希「はーい」スィー

にこ「ちょ、あんたが出るな」

ガチャ

にこ「はーい...あら」

花陽「こんばんは」

328: 2016/12/08(木) 21:58:34.03 ID:sq8VBcwo.net
にこ「花陽。どうしたの?」

花陽「えっとね...その、夕飯食べた?」

にこ「いや、これからだけど」

花陽「あのね、ちょっと作りすぎちゃって...良かったら一緒にどうかな?」

にこ「え、いいの?」

花陽「うん、ぜひ」

329: 2016/12/08(木) 21:59:17.20 ID:sq8VBcwo.net
にこ「じゃあ...お言葉に甘えちゃおうかしら」

花陽「どうぞどうぞ」

希「ウチも行くー」

にこ(えー...来るの?)

希「そ、そんな嫌な顔せんでもいいやん...」

にこ(大人しくしときなさいよ?)

希「うん、分かってる」

330: 2016/12/08(木) 22:00:10.58 ID:sq8VBcwo.net
にこ「おじゃましまーす」

希「しまーす」

花陽「ごめんね、散らかってるけど...」

にこ「そんなことないわよ。綺麗にしてるじゃない」

花陽「えへへ...ご飯持ってくるね」

331: 2016/12/08(木) 22:01:24.28 ID:sq8VBcwo.net
希「へぇー、可愛らしいお部屋やね」

にこ(こら、あんまりジロジロ見ないの)

花陽「んしょ、んしょ...はい!」ドン!

にこ「おー...え!?」

希「わー...」

にこ「花陽...これは?」

花陽「おにぎりだよ。張り切って作りすぎちゃって...」

332: 2016/12/08(木) 22:02:18.62 ID:sq8VBcwo.net
にこ「いや作りすぎたって...いくつあるのよ一体」

花陽「うーん...80個くらいかな」

にこ「は、はちじゅう...」

希「すごいなぁ。こんなにおにぎりが並んでるのウチ初めて見るよ」

花陽「さすがに一人じゃ食べきれないから...」

にこ「これ食べきるって相当よ...」

333: 2016/12/08(木) 22:02:52.28 ID:sq8VBcwo.net
花陽「あ、あのね。もう一人友達呼んでるんだけどいいかな?」

希「どれどれ、一口...」

にこ「構わないわよ」ペシッ

希「あてっ」

花陽「多分もうすぐ来ると思うけど...」

ピンポーン

花陽「あ、来た来た。はーい」トテトテトテ

334: 2016/12/08(木) 22:03:51.14 ID:sq8VBcwo.net
にこ「あの子友達いたのね。何だか安心だわ」

希「お母さんみたいやね、にこっち」

にこ「誰がお母さんよ。あ、ひとつ言っとくけど、あんた多分これ食べられないわよ」

希「何で?」

にこ「そりゃ、おにぎりっていったら塩使ってるからに決まってるじゃない」

希「はっ!」

にこ「浄化されたいなら食べてもいいけど」

希「そんなぁ...」

にこ「うちにカ口リーメイトあるから食べてきなさい」

希「口パサパサなるやん...」

335: 2016/12/08(木) 22:04:33.52 ID:sq8VBcwo.net
ドタドタ

穂乃果「こーんばんは!!」

にこ「あ」

希「お」

穂乃果「おー!」ビシッ

にこ「人を指さすんじゃない」ペシッ

穂乃果「なんでにこちゃんが?」

にこ「あんたこそ何で...」

336: 2016/12/08(木) 22:05:13.45 ID:sq8VBcwo.net
花陽「あれ、二人共知り合いだったの?」

にこ「知り合いというかなんというか...」

穂乃果「あのね、この前にこちゃんが迷子になってうちの店に迷い込んできたの!」

にこ「違うわよ!嘘つくんじゃない!」

希「にこっち~、チョコ味なかったから買っといて~」モグモグ

337: 2016/12/08(木) 22:05:42.54 ID:sq8VBcwo.net
ーー

にこ「へ~、花陽はあそこの常連だったのね」

花陽「うん。『穂むら』のおはぎは絶品だからね」

穂乃果「にこちゃんは花陽ちゃんのお隣さんだったのかー」

にこ「ええ、そうよ」

338: 2016/12/08(木) 22:06:10.16 ID:sq8VBcwo.net
穂乃果「じゃあ今度にこちゃんの家に遊びに行くね」

にこ「別に来なくていいけど...」

穂乃果「あ、それツンデレってやつでしょ?ホントは来てほしいくせに~」ツンツン

にこ「鬱陶しいわねこいつ...」

339: 2016/12/08(木) 22:06:45.36 ID:sq8VBcwo.net
穂乃果「それで今日はおにパって聞いたんだけど」

にこ「おにパ?」

穂乃果「おにぎりパーティのことだよ。これくらい常識じゃーん!」

にこ「いや初めて聞いたけど」

穂乃果「そうなの?にこちゃんおっくれてるぅ~」

希「おっくれてるぅ~」

にこ「この子いつもこんな感じなの?」

花陽「あはは...うん、穂乃果ちゃんいつもこんな感じだから...」

にこ「あんた心広いわね...」

希「何でウチだけ叩かれるんや...」サスサス

340: 2016/12/08(木) 22:08:05.62 ID:sq8VBcwo.net
ーー

にこ「んん、美味しい!」

穂乃果「さっすが花陽ちゃん!」

花陽「えへへ、ありがとう。どんどん食べてね」

にこ「しっかしまぁ、よくこんなに作ったわね」

花陽「つい夢中になっちゃって...気がついたらこんなに」

にこ「すごい集中力ね」

穂乃果「はむはむはむ」パクパク

341: 2016/12/08(木) 22:08:53.41 ID:sq8VBcwo.net
にこ「花陽は普段何してるの?」

花陽「大学生だよ。音ノ木坂大学の一年生」

にこ「うそ?同じ大学?」

花陽「え、にこちゃんも?」

にこ「ええ、音大の二年生よ」

花陽「えー、じゃあ先輩なんだ...」

にこ「そうね。かといって、また敬語とかやめてよね」

花陽「うん、分かった」

342: 2016/12/08(木) 22:09:23.24 ID:sq8VBcwo.net
にこ「それにしても今まで知らなかったなんて...」

花陽「うふふ、おかしな話だね。この前も一緒にご飯食べたのに」

にこ「ふふ、そうね」

343: 2016/12/08(木) 22:10:02.24 ID:sq8VBcwo.net
にこ「穂乃果は普段もお店にいるの?」

穂乃果「うん。私あそこの跡取り娘なんだー」

にこ「え、じゃあ和菓子作ってるの?」

穂乃果「うん。お父さんに毎日しごかれながら修行中」

にこ「へー、意外と頑張ってるのね」

穂乃果「ふふん、見直した?」

にこ「まぁ、少しはね」

希「...むにゃ...おうどん食べたい...」スヤスヤ

344: 2016/12/08(木) 22:10:30.34 ID:sq8VBcwo.net
ーーー

にこ「うっぷ...もう食べられない...」

穂乃果「んぷ...私も...」

花陽「二人共大丈夫?」

345: 2016/12/08(木) 22:10:52.92 ID:sq8VBcwo.net
にこ「あんたは平気なの?」

花陽「うん、まだ食べられるよ」

穂乃果「花陽ちゃんの胃袋どうなってるの...」

にこ「これ私たちいらなかったんじゃ...」

結局花陽がほとんど食べた

346: 2016/12/08(木) 22:11:37.69 ID:sq8VBcwo.net
ー夜中ー

希「お、にこっちおにぎり持って帰ってきてるやん」

希「...」キョロキョロ

希「...」パクッ

希「ぎゃああああああ!!浄化されるうううううううう!!」シュウウウウ

希「あ、美味しい」

希「ああああああ!!でも浄化されるうううううううう!!」シュウウウウ

にこ「うるさい!!」

・12 終わり

360: 2016/12/09(金) 17:31:16.80 ID:oncpntMi.net
・13

にこ「いくわよ」

真姫「OK」

にこ「ワン、ツー、スリー...」

361: 2016/12/09(金) 17:31:54.19 ID:oncpntMi.net
ベベンボンビョローン

にこ「だーーー!!」

真姫「ちょっとエリー!いい加減にしてよ!」

絵里「ご、ごめんなさい」

にこ「何回目よこれ!あんた気抜けすぎじゃないの?」

真姫「これじゃ練習にならないわ」

362: 2016/12/09(金) 17:32:29.10 ID:oncpntMi.net
絵里「も、もう一回!次はちゃんとするから!」

にこ「ダメダメ。今日はもう終わりにしましょう。それより...」

絵里「な、何?」

にこ「あんた何かあったの?」

絵里「そ、それは...」

真姫「明らかに様子がおかしいわよ」

にこ「何かあるなら話してみなさい」

363: 2016/12/09(金) 17:32:56.46 ID:oncpntMi.net
絵里「...笑わない?」

にこまき「笑わない笑わない」

絵里「えっと...実は、妹のことなんだけど」

にこ「妹...たしか亜里沙ちゃん、だったかしら」

364: 2016/12/09(金) 17:33:27.31 ID:oncpntMi.net
絵里「ええ。その、亜里沙の様子が最近少しおかしくて...」

絵里「何か隠し事してるみたいで...夜にこっそり出かけてるみたいなの」

真姫「亜里沙ちゃんは高校生だったわよね?」

絵里「そうよ」

にこ「女子高生が夜に出歩くなんて、ちょっと危ないわね」

絵里「ええ。亜里沙にもそう言ってるんだけど、聞いてくれなくて」

365: 2016/12/09(金) 17:34:04.59 ID:oncpntMi.net
真姫「理由は聞いたの?」

絵里「教えてくれないわ」

にこ「...あんた信用されてないんじゃないの?」

絵里「そ、そんなことない!...と思う」

真姫「ダメよにこちゃん。思ってても口に出しちゃ」

366: 2016/12/09(金) 17:34:41.80 ID:oncpntMi.net
にこ「だってそう考えるのが...」

真姫「エリーを見なさい」

絵里「...そんなことない...信用されてるはず...あ、でも...」グスグス

にこ「ちょ、ちょっと泣かないでよ」

絵里「だってぇ...」ウルッ

真姫「あーあ、泣かした」

にこ「わ、私のせいなの!?」

真姫「そうでしょ」

絵里「亜里沙ぁぁあ...」シクシク

367: 2016/12/09(金) 17:35:13.84 ID:oncpntMi.net
にこ「だー!分かったから!私たちも一緒に亜里沙ちゃんが何してるか調べてあげるから!ほら、泣かないで!」

絵里「ほ、ほんと?」

にこ「ええ、だから泣きやみなさい」

絵里「にこーー!!」ダキッ

にこ「うわ!鼻水!あんた鼻水が!」

368: 2016/12/09(金) 17:35:42.90 ID:oncpntMi.net
真姫「じゃあお疲れ様。頑張ってね」

にこ「待ちなさい」ガシッ

真姫「離してよ、私忙しいんだから」

にこ「ダメよ。あんたも来るの」

真姫「えー...」

369: 2016/12/09(金) 17:36:10.27 ID:oncpntMi.net
絵里「真姫...お願い...」ウルウル

真姫「うっ...」

絵里「まきぃ...」ウルウル

真姫「...あーもー、しょうがないわね...」

絵里「真姫!」ダキッ

真姫「ちょっと!だから鼻水拭いて!」

376: 2016/12/09(金) 22:40:37.37 ID:kc/s9H3y.net
ーー

亜里沙「...」キョロキョロ

亜里沙「...」タタタ





「...行った?」

「ええ」

「早くどきなさいよ!重い!」

「にこちゃんうるさい」

377: 2016/12/09(金) 22:41:13.24 ID:kc/s9H3y.net
絵里「ふう...」ヒョコ

真姫「一体どこいくのかしら」ヒョコ

にこ「あんたらお尻でかいのよ」

真姫「誰のお尻がでかいですって?」

絵里「喧嘩しないでよ。亜里沙にバレちゃう」

真姫「エリーもバカにされてるのよ」

絵里「亜里沙亜里沙...」タタタ

にこ「聞いてないわね」

378: 2016/12/09(金) 22:41:48.06 ID:kc/s9H3y.net
真姫「今何時?」

にこ「23時過ぎね」

真姫「高校生が出歩いていい時間じゃないわね」



希「そうやね~、変な幽霊に取り憑かれたら大変や~」フヨフヨ



にこ「また...!」

真姫「?どうしたの?」

にこ「いやなんでも...」

379: 2016/12/09(金) 22:42:24.93 ID:kc/s9H3y.net
希「あ、金髪さん行っちゃうよ。追いかけな」

にこ(あんた何しに...いや、愚問ね)

希「うん、暇やったから」

にこ(まぁ、もしかしたらあんたがいた方がいいかもしれないわね。何があるか分からないし)

希「のぞみんに任しとき!」

にこ(はいはい)

絵里「にこー真姫ー!早く!見失っちゃう!」

真姫「ちょっと待ってよエリー」

にこ「行くわよ希」

希「おっけー!」

380: 2016/12/09(金) 22:43:15.19 ID:kc/s9H3y.net
ーー

亜里沙「こっちこっち!」

「亜里沙!声大きい!近所迷惑になるよ」

亜里沙「ごめんね。さ、行こう」

「うん」


絵里「...誰かと合流したわね」

真姫「同い年くらいの子...かしら」

にこ「女子高生が2人、こんな夜中に何を...」

381: 2016/12/09(金) 22:43:40.22 ID:kc/s9H3y.net
絵里「まさか...なにか悪いヤツらと悪いことを...」

真姫「まぁ...ありえない話ではないわね」

絵里「亜里沙はそんなことしないわよ!」

真姫「自分で言ったんでしょ!」

にこ「あ、2人がどっか行くわよ。追いかけましょ」

382: 2016/12/09(金) 22:44:16.70 ID:kc/s9H3y.net


絵里「ここは...神社?」

真姫「なんでこんなところに...」

希(んー?ここ...)

「いるかな?」

亜里沙「どうかな...あ!いた!」

絵里「...?社務所の裏でなにかしてるわね」

真姫「何してるのかしら...」

383: 2016/12/09(金) 22:44:51.54 ID:kc/s9H3y.net
にこ「ん?」

ニャーニャー

亜里沙「元気にしてた?」

「今ご飯あげるからね」

にこ「...なるほど」

真姫「子猫...五匹も」

絵里「...」

384: 2016/12/09(金) 22:45:30.88 ID:kc/s9H3y.net
ニャーニャー

亜里沙「うふふ、かわいいなぁ...」

「そうだね」

絵里「亜里沙」

亜里沙「お姉ちゃん!」

にこ「こんばんは、亜里沙ちゃん」

亜里沙「あ、こんばんは...」

絵里「こういうことだったのね。最近、夜にこそこそ出かけてたのは」

385: 2016/12/09(金) 22:46:03.58 ID:kc/s9H3y.net
亜里沙「あ、あのこれは...」

絵里「もう、心配したのよ」

亜里沙「ごめんなさい...」

真姫「どうして絵里に隠してたの?」

亜里沙「それは...あの」

絵里「うちじゃ猫が飼えないから...でしょ?」

亜里沙「うん...」

にこ「そうなの?」

絵里「ええ。うちはペット禁止のマンションでね」

386: 2016/12/09(金) 22:46:43.61 ID:kc/s9H3y.net
真姫「この子達はどこで拾ったの?」

「すぐそこのごみ捨て場に」

絵里「あなたは?」

「あ、申し遅れました。私、高坂雪穂といいます」

にこ「高坂?」

亜里沙「雪穂は和菓子屋さんの娘なんだよ」

真姫「へぇー、跡取りってこと?」

雪穂「いえ、跡を継ぐのは姉が...」

387: 2016/12/09(金) 22:47:10.03 ID:kc/s9H3y.net
にこ「和菓子屋って、まさか『穂むら』?」

雪穂「ええ。ご存知でしたか」

にこ「ってことはあなた穂乃果の妹?」

雪穂「姉を知っているのですか?」

にこ「ちょっとね...へぇー、お姉ちゃんと違ってしっかり者ね」

雪穂「いえ、それほどでも...」

388: 2016/12/09(金) 22:47:40.42 ID:kc/s9H3y.net
絵里「それで、ごみ捨て場に捨てられてたこの子達をここで飼ってたっていうわけね...」

亜里沙「うん...」

絵里「事情はわかったけど、夜中に行くのは止めなさい。危ないわよ」

亜里沙「だ、だって心配だったから...」

絵里「あなたの身に何があったらどうするの」

亜里沙「...ごめんなさい」

389: 2016/12/09(金) 22:48:25.97 ID:kc/s9H3y.net
にこ「...で、この子達どうする?」

絵里「うちはさっき言った通り無理ね」

にこ「うちもペット禁止だし...」

雪穂「うちもちょっと...食べ物を扱いますので」

亜里沙「お姉ちゃん...」

絵里「うーん...」


真姫「じゃあ、うちで引き取るわ」

絵里「え?」

にこ「真姫?」

390: 2016/12/09(金) 22:49:28.73 ID:kc/s9H3y.net
真姫「うちなら問題ないし。前からペット飼いたいって言ってたのよね、ママが」

絵里「いいの?五匹とも?」

真姫「問題ないわ。広いし」

にこ「ぐっ...」

391: 2016/12/09(金) 22:49:57.90 ID:kc/s9H3y.net
真姫「亜里沙ちゃん」

亜里沙「は、はい」

真姫「というわけで、この子達は私が引き取るわ。会いたかったらいつでもうちに来なさい」

亜里沙「いいんですか?」

真姫「当たり前よ。あなたもこの子の飼い主なんですから」

亜里沙「...ありがとうございます!」

392: 2016/12/09(金) 22:50:50.98 ID:kc/s9H3y.net
真姫「いいえ。それと...雪穂ちゃん、だったかしら」

雪穂「はい」

真姫「あなたも一緒にね」

雪穂「はい...ありがとうございます」

絵里「真姫、ありがとう」

真姫「別にいいわよ」

亜里沙「雪穂!やった!飼ってくれるって!」

雪穂「うん!良かったね亜里沙!」

キャッキャッ

393: 2016/12/09(金) 22:51:45.07 ID:kc/s9H3y.net
にこ「...ん?」

希「...」

にこ「あんたどうしたのよ。やけに大人しいけど」

希「いや...なんだか変な感じがして」

にこ「変な感じ?」

394: 2016/12/09(金) 22:52:21.86 ID:kc/s9H3y.net
希「うーん、なんというか落ち着かないというか、もやもやするというか」

にこ「何よそれ」

希「さぁ...」

にこ「さぁってあんた...」

395: 2016/12/09(金) 22:52:52.93 ID:kc/s9H3y.net
真姫「にこちゃん、迎え来てもらうから乗っていきなさいよ」

にこ「ああ、悪いわね」

真姫「?何してたの?」

にこ「いや、何でもないわ」

にこ(希、私は真姫のところに送ってもらうから)

希「うん。ウチもすぐ帰る」

希(うーん...なんなんやろこれ)

396: 2016/12/09(金) 22:53:26.72 ID:kc/s9H3y.net
ーー

「お迎えにあがりました、お嬢様」

真姫「さ、乗って」

絵里「こ、これって」

にこ「リムジン!?」

雪穂「す、すごい...」

亜里沙「ハラショー...」

397: 2016/12/09(金) 22:53:52.63 ID:kc/s9H3y.net
真姫「乗らないの?」

絵里「真姫ってホントにお嬢様だったのね...」

真姫「そう?これくらい普通じゃない?」

にこ「ぐぬぬ...」

398: 2016/12/09(金) 22:54:31.72 ID:kc/s9H3y.net
希「さてさて、ウチも帰ろーっと」

タッタッタッタッ

希「ん?」

「ふっ、ふっ、ふっ...」

希「んー...あのランニングしてる黒髪美人は...」

「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタッタッ

希「この前の公園にいた人やん。こんな時間にもランニングしてるんやね」

399: 2016/12/09(金) 22:55:28.94 ID:kc/s9H3y.net
「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタッタッ

希「んー?なんかこの人...」

希「...気のせいかな」

希「おっとと、早く帰ってあげないとにこっちが寂しがっちゃう」

希「全速力ー!」ピュー

400: 2016/12/09(金) 22:56:00.47 ID:kc/s9H3y.net
タッタッタッタッ

タッタッ

ピタッ

「...」

「......希」

タッタッタッタッ...

・13 終わり

415: 2016/12/10(土) 23:17:10.21 ID:cUX4xXLL.net
・14

にこ「お昼ご飯どうする?」

絵里「たまには学食で食べましょうよ」

にこ「いいわね。真姫は?」

真姫「構わないわよ」

にこ「決定ね。行きましょ」

416: 2016/12/10(土) 23:17:54.92 ID:cUX4xXLL.net
ワイワイガヤガヤ

にこ「多いわね...」

絵里「席空いてないわね...どうしましょう」

真姫「あ、あそこ空いてるわよ」

にこ「どこ?」

真姫「ほら、あそこ」

絵里「ホントね。あんなど真ん中なのに何であそこ3つだけ誰も座ってないのかしら」

にこ「3つ?」

417: 2016/12/10(土) 23:18:26.92 ID:cUX4xXLL.net
希「...」

海未「...」

凛「...」

のぞりん「...ぶっ!」

海未「はい吹き出しましたね!二人の負けです!」

418: 2016/12/10(土) 23:18:57.77 ID:cUX4xXLL.net
希「くく...なんでそんなに...ぷっ...真顔なのに...」

凛「にゃっはっはっは!海未ちゃんの真顔面白いにゃー!」



にこ「...はぁ」ガクッ

絵里「どうしたのにこ?」

にこ「いや...先に食券買ってて。取っとくから」

419: 2016/12/10(土) 23:19:24.42 ID:cUX4xXLL.net
希「では真顔にらめっこ2回戦いきます」

海未「次も勝ちます」

凛「負けにないにゃー!」

希「いくよー。にーらめっこしましょわらうとまけよあっぷっ」

ゴチン

希「ぷ!?」

420: 2016/12/10(土) 23:20:01.73 ID:cUX4xXLL.net
海未「あら、にこではありませんか」

凛「こんにちは!」

にこ(何してんのよあんた達)

希「いったー...」

海未「真顔にらめっこですよ。にこもやります?」

凛「楽しいよ!」

にこ(やらないわよ。座るからどいて)

421: 2016/12/10(土) 23:20:38.46 ID:cUX4xXLL.net
希「ウチらをどかしたいならにらめっこで勝負や!」

海未「私たちを負かしたらいいですよ」

凛「勝負にゃ!」

にこ「えーっと塩塩...」

希「さ!にこっちたちに迷惑やからどこうか!」

海未「そうですね!」

凛「あー、そろそろ立ちたいと思ってたんだよねー」

にこ「ったく...」

422: 2016/12/10(土) 23:21:12.57 ID:cUX4xXLL.net
ーー

にこえりまき「いただきます」

絵里「午後は講義あるの?」

にこ「私は今日は終わりね」

真姫「3限まであるわ」

絵里「私も3限までね」

にこ「じゃあ先に部室行ってるわね」

絵里「講義終わったらすぐ行くから」

にこ「うん」

423: 2016/12/10(土) 23:21:42.99 ID:cUX4xXLL.net
希「にこっち、ハンバーグ一口頂戴」

凛「凛も凛も!」

海未「じゃあ私はお味噌汁で我慢します」

にこ「...」バクバク

のぞりん「ああー!」

にこ「...」ズズズズ

海未「ああっ!そんなひと思いに!」

にこ「ごちそうさま」

のぞうみりん「ああー...」

424: 2016/12/10(土) 23:22:16.72 ID:cUX4xXLL.net
絵里「あら、もう食べたの?」

真姫「早食いは体に良くないわよ」

にこ「早く食べないとなくなっちゃうから」

絵里「別に取らないわよ」

にこ「取られるの!」

えりまき「??」

にこ「先に部室に行ってるわね。じゃ」ガタッ


絵里「どうしたのかしら、にこってば」

真姫「さぁ...」

425: 2016/12/10(土) 23:22:44.26 ID:cUX4xXLL.net
ー部室ー

希「ひどいやんにこっち!1口くらいくれたって!」

凛「そーにゃ!にこちゃんのケチ!」

海未「まさかにこがそんな人だったとは...見損ないました」

にこ「うるさいわね!あんな大衆の面前でやれるわけないでしょうが!それにあれは私のお昼ご飯よ!」

426: 2016/12/10(土) 23:23:11.25 ID:cUX4xXLL.net
希「にこっちがケチだと思う人手ぇ挙げてー」

うみりん「はーい」

にこ「...」ガタッ

希「にこっちが世界一かわいいと思う人手ぇ挙げてー!!」

うみりん「はーーい!!」

427: 2016/12/10(土) 23:24:14.23 ID:cUX4xXLL.net
にこ「あんた達といると疲れるわ...余計に年取りそう」

希「胸から年取ったらちょうど良くなるんじゃない?」

ドゴーーーン!!

希「ホームラン!」ピュー

うみりん「ナイスバッチー」

428: 2016/12/10(土) 23:24:51.85 ID:cUX4xXLL.net
ーー

海未「凛、そろそろ行きますよ」

凛「はいよー」

にこ「どこ行くの?」

海未「少し用事があって」

にこ「へぇ...あんた達よく用事があるわよね」

凛「幽霊にもいろいろあるのだー」

にこ「あ、そう」

429: 2016/12/10(土) 23:25:22.39 ID:cUX4xXLL.net
海未「興味なさそうですね」

にこ「興味ないというか、別に人のプライベートまで詮索するなんて野暮だからね」

凛「人というか幽霊だけどね」

にこ「うるさいわね...」

海未「では希、にこ。私たちはこれで」

凛「ばいばーい!」

希「じゃあねー」

430: 2016/12/10(土) 23:25:48.98 ID:cUX4xXLL.net
にこ「あんたは行かないの?」

希「ウチは別に何もないから」

にこ「ふうん...仲間はずれ?」

希「ち、違うよ!なぁ、二人とも?」

海未「今日はどこで希の悪口を...」

凛「あそこでいいんじゃない?ほら...」

希「海未ちゃん!?凛ちゃん!?」

431: 2016/12/10(土) 23:26:32.63 ID:cUX4xXLL.net
海未「冗談ですよ、希」

凛「そんなことするわけないにゃー」

希「もういい...ウチ幽霊不信になる...」

海未「ごめんなさい。こんどハーゲンダッツ奢りますから」

凛「機嫌直して希ちゃん」

希「ホント?」

うみりん「ほんとほんと」

希「じゃあ許そう!」

にこ「幽霊がどうやってアイス買うのよ」

432: 2016/12/10(土) 23:27:06.52 ID:cUX4xXLL.net
海未「では、お2人とも。またどこかで」

凛「今度こそばいばーい!」

希「ばいばーい!」



にこ「...あの2人の用事って何かしら」

希「さぁ...」

にこ「聞いたことないの?」

希「うん。別に聞かんでも問題ないし」

にこ「あっそう...」

433: 2016/12/10(土) 23:28:25.21 ID:cUX4xXLL.net
にこ「ん?あんた...」

希「?どうしたん?」

にこ「いや...何でもないわ」

希「そう?ウチのおっOい欲しかったとかじゃなくて?」

にこ「違うわよバカ!」ゴチン

希「いったーーい!」

にこ(なんか一瞬希の髪が紫に見えたような...気のせいかしら)

434: 2016/12/10(土) 23:28:56.68 ID:cUX4xXLL.net
ガチャ

絵里「ごめんなさい、遅くなったわ」

真姫「講義が長引いたの」

にこ「来たわね。早速練習しましょう」

希「ウチもしていい?ギター弾きたい!」

にこ(大人しくしときなさい、バカ)ゴチン

希「あてっ!」

・14 終わり

446: 2016/12/12(月) 00:24:35.63 ID:4LiQE/Mm.net
・15

希「なーなーにこっち」

にこ「何?」

希「にこっち達のバンドってライブとかせんの?」

にこ「してるわよ」

447: 2016/12/12(月) 00:25:09.23 ID:4LiQE/Mm.net
希「え?そうなん?」

にこ「ええ。毎月定期ライブしてるの。結構人気なのよ、私たち」

希「何で教えてくれんかったん?観に行くのに!」

にこ「だってあんたうるさいから...」

希「いやいや、ライブってハッチャケて盛り上がるもんやろ?うるさくてもええやん!」

にこ「それは曲とかにもよるけど」

448: 2016/12/12(月) 00:25:37.75 ID:4LiQE/Mm.net
希「今月はいつ?もしかしてもう終わった?」

にこ「え?来るの?」

希「うん!いつ?」

にこ「...3日後」

希「おお!すぐやん!」

449: 2016/12/12(月) 00:26:21.10 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「えー...あんた来るの?」

希「邪魔せんから!な?いいやろ?」

にこ「...絶対よ?」

希「うん!」

にこ「邪魔したらゲンコツじゃ済まないからね?」

希「うんうん!」

にこ「約束よ」

希「うん!やったーーー!!にこっちのライブやーー!」クルクル

にこ「...なーにがそんなに嬉しいのよ」

450: 2016/12/12(月) 00:26:47.58 ID:4LiQE/Mm.net
希「海未ちゃんたちも連れてきていい?」

にこ「別にいいけど」

希「よっし!じゃあ今から誘ってくるね!」

にこ「あ、ちょっと希!」

希「全速力ー!」ピュー

にこ「...全く」

にこ「...」

にこ「...ふふっ、頑張らないと」

451: 2016/12/12(月) 00:27:11.80 ID:4LiQE/Mm.net
ー次の日穂むらー

ほのぱな「ライブ?」

にこ「ええ、明後日なんだけど来る?」

穂乃果「いふいふ!ほもひろほう!」モグモグ

にこ「食べりながら喋らないの。っていうかあんた仕事中でしょ...」

452: 2016/12/12(月) 00:27:41.36 ID:4LiQE/Mm.net
穂乃果「んむ...どこであるの?」

にこ「うちの大学よ」

花陽「何時から?」

にこ「17時からよ。来れる?」

花陽「うん、行けるよ。楽しみだなぁ」

にこ「ふふん、私たちのライブは凄いわよ?」

穂乃果「爆発とかするの?ドカーンて!」

にこ「しないわよ。爆発したら事故でしょ...」

453: 2016/12/12(月) 00:28:07.00 ID:4LiQE/Mm.net
花陽「楽しみにしてるね」

にこ「ええ」

穂乃果「おまんじゅう持っていくね!」

にこ「え、ええ。気持ちだけで十分よ」

454: 2016/12/12(月) 00:28:33.54 ID:4LiQE/Mm.net
雪穂「お姉ちゃーん!また仕事中につまみ食いしたでしょ!」

穂乃果「やばっ!」

雪穂「お母さんに言いつけるよ?」

穂乃果「そ、それだけは」

雪穂「ホントにお姉ちゃんはもう...そんなことでちゃんと後継ぎで出来るの?」

穂乃果「で、できるよ!」

455: 2016/12/12(月) 00:28:59.58 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「この前ぶりね、雪穂ちゃん」

花陽「こんにちは」

雪穂「あ、こんにちはにこさん花陽さん」

花陽「久しぶり、雪穂ちゃん」

雪穂「お久しぶりです。にこさん、この前はありがとうございました」

にこ「いーえ。お礼なら真姫にいいなさい」

雪穂「今度亜里沙と真姫さんの家に行きます」

にこ「ええ、そうしてあげて」

456: 2016/12/12(月) 00:29:40.06 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「あ、そうそう。雪穂ちゃん達も私たちのライブ来ない?」

雪穂「ライブ...ですか?」

にこ「明後日なんだけど、もし都合がよかったら」

雪穂「えっと...特に予定はありませんね」

にこ「じゃあぜひ。亜里沙ちゃんと一緒に」

雪穂「はい、じゃあ行かせてもらいます」

にこ「ええ、待ってるわね」

穂乃果「ライブ楽しみにしてるね!」

にこ「任せときなさい。最高に楽しませてあげるわ」

457: 2016/12/12(月) 00:30:06.81 ID:4LiQE/Mm.net
ーー

花陽「んふふ♪」

にこ「随分たくさん買ったわね。何をそんなに」

花陽「えっとね、おはぎにおまんじゅうにきんつば、うぐいすもち、水ようかん、それに」

にこ「OK、もういいわ」

458: 2016/12/12(月) 00:31:01.80 ID:4LiQE/Mm.net
花陽「食後の楽しみなんだぁ」

にこ「あんた...太るわよ?」

花陽「へ?い、いや大丈夫だよ!確かに最近お腹が少しーあ、いやなんでもなくてねその」

にこ「花陽...」

459: 2016/12/12(月) 00:31:27.33 ID:4LiQE/Mm.net
花陽「分かってるんだけど...ついつい」

にこ「運動でもすれば?ほら、ウォーキングとか」

花陽「運動苦手で...」

にこ「典型的な太るタイプね」

花陽「自覚しております...」

460: 2016/12/12(月) 00:33:45.89 ID:4LiQE/Mm.net
花陽「にこちゃんはいいなぁ...コンパクトで」

にこ「それはどういう意味かしら?」

花陽「え?あ、いや!そういうことじゃなくてね、ほらお腹まわりとか...」

にこ「いいわよ、余計な気遣いしなくて。自分でもわかってるから。もう成長期がこないことくらい」

花陽「そ、そこまで言ってないけど...」

461: 2016/12/12(月) 00:34:19.99 ID:4LiQE/Mm.net
タッタッタッタッ

にこ「ん?」

「ふっ、ふっ、ふっ...」

にこ「おお...」

花陽「わぁ...」

462: 2016/12/12(月) 00:35:10.79 ID:4LiQE/Mm.net
「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタ

花陽「綺麗な人だね...」

にこ「ええ、それにスタイル抜群だし」

「ふっ、ふっ、ふっ...」タッタッタッタッ

463: 2016/12/12(月) 00:35:36.41 ID:4LiQE/Mm.net
ピタッ

にこ「!」

花陽「ん?」

「...」ジッ

にこ(...こっち見てる?)

花陽(うん...知り合い?)

にこ(いや...)

464: 2016/12/12(月) 00:36:08.95 ID:4LiQE/Mm.net
「...」スタスタスタ

にこ「こっち来た...」

花陽「な、なんか怖い...」

「...矢澤にこさん、ですね?」

にこ「へ?...そ、そうですけど」

465: 2016/12/12(月) 00:36:43.01 ID:4LiQE/Mm.net
「ふむ...なるほど」ジッ

にこ「あの...どちら様で?」

「ああ、失礼。私...」


「東條と申します」

・15 終わり

480: 2016/12/12(月) 15:35:31.36 ID:4LiQE/Mm.net
・16

にこ「東條?」

東條「ええ」

にこ「東條って...」

花陽「やっぱり知り合いだったの?」

481: 2016/12/12(月) 15:36:05.29 ID:4LiQE/Mm.net
東條「...」クイッ

にこ「へ?わっ!」

東條「...希とは仲良くしてくれてるみたいね」ボソッ

にこ「!」

東條「じゃあね。また会うことになるわ」

タッタッタッタッ...

482: 2016/12/12(月) 15:36:33.77 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「何で...」

花陽「何か言われたの?にこちゃん」

にこ「いや...」

にこ(なんで希のこと...何者なのあの人)

花陽「にこちゃん?」

483: 2016/12/12(月) 15:37:31.22 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「...行くわよ花陽」

花陽「え?う、うん」

にこ(...どういうことかしら。まさか希の知り合い?)

にこ「...」

484: 2016/12/12(月) 15:40:28.91 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「ただいま」

希「おかえりー!」

にこ「はい、お土産」

希「おお、珍しい!なになに?」

にこ「穂むらのおまんじゅうよ」

希「やったー!何かいいことでもあった?」

にこ「別に」

希「?」

485: 2016/12/12(月) 15:41:00.40 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「食べるならさっさと食べちゃいなさい」

希「うん!いただきます」

にこ「...」

希「~♪」モグモグ

にこ「...ねぇ、希」

486: 2016/12/12(月) 15:41:27.28 ID:4LiQE/Mm.net
希「ふぁに?」モグモグ

にこ「あんたさ、黒髪の女の人の知り合いとかいる?」

希「黒髪の女の人?」

にこ「ええ。かなり美人の」

希「んんー...あ、もしかしておっOいでかい人?」

にこ「まぁ、そうね。知ってるの?」

希「にこっちの3倍くらいあるよねー」

にこ「余計なこと言わんでいい」ゴチン

希「あてっ」

487: 2016/12/12(月) 15:41:53.65 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「で?知り合いなの?」

希「んーん。たまにその辺ジョギングしてるの見かけるくらい。えらい美人さんやから気になってたけど」

にこ「へぇ...」

希「ああ、この前神社行った時にもおったねぇ」

にこ「そうなの?」

希「うん。ジョギング好きなんかなぁ」

488: 2016/12/12(月) 15:42:22.58 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「生前の知り合いとかじゃないの?」

希「それは分からんね」

にこ「分からないってあんた...」

希「あれ?言ったことなかったっけ。ウチ生前の記憶ないんよ」

にこ「え?」

489: 2016/12/12(月) 15:42:50.50 ID:4LiQE/Mm.net
希「生前というか、つい最近までの記憶もないんよ。覚えてるのはここ2年くらいかな」

にこ「2年くらいって...あんたいつ氏んだの?」

希「それも覚えてないなぁ...」

にこ「はぁ?どういうことよ」

希「それが分かれば苦労せんよ」

490: 2016/12/12(月) 15:43:31.19 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「記憶が無いって...じゃあ気が付いたら幽霊になってたってこと?」

希「まぁそういう感じやね。というか自分が幽霊って知ったのも海未ちゃん達に教えて貰ったから知ったん」

にこ「何でそんなに記憶が...」

希「さぁ...ま、でも記憶が無くても別に不都合ないしなぁ。幽霊やし」

にこ「なにそれ...お気楽ね」

希「ふっふーん。まぁね」

にこ「褒めてないわよ」

491: 2016/12/12(月) 15:43:57.51 ID:4LiQE/Mm.net
希「さてさて、もう一個と」ゴソゴソ

にこ(どういうことよ...あの人は一体)

492: 2016/12/12(月) 15:44:25.85 ID:4LiQE/Mm.net
ーー

希「むにゃ...もう食べられん...」スヤスヤ

にこ「...」

海未「こーんばーんはー...」ヌッ

凛「にゃー...」ヌッ

にこ「ああ、ちょうど良かった」

海未「なんだ、びっくりしないんですね」

凛「つまーんなーい」

493: 2016/12/12(月) 15:45:04.34 ID:4LiQE/Mm.net
にこ「あんた達を待ってたのよ」

海未「私たちを?」

にこ「ええ」

海未「それはそれは...なにか御用でしょうか」

にこ「...」

希「...ぐぅ...ぐぅ...」スヤスヤ

にこ「...外に出ましょう」

凛「何で?」

にこ「いいから」

502: 2016/12/13(火) 00:25:17.15 ID:170gpBCN.net
ーー

海未「こんな夜中に出歩いてはいけませんよ」

凛「ワルだにゃー」

にこ「幽霊に言われたくないわよ」

503: 2016/12/13(火) 00:26:20.18 ID:170gpBCN.net
海未「それで、用とは一体」

にこ「今日さ、希のことを知ってる人に会ったんだけど」

うみりん「!」

にこ「あんた達なにか知らない?黒髪のすごいスタイルいい人なんだけど」

504: 2016/12/13(火) 00:26:51.55 ID:170gpBCN.net
海未「...なるほど。もう...」

凛「...」

にこ「何か知ってるの?」

海未「申し訳ありませんが、私たちの口から話すことはできません」

にこ「なにか理由があるの?」

505: 2016/12/13(火) 00:27:22.74 ID:170gpBCN.net
海未「ええ。にこ、もしかして希の記憶についても聞きましたか」

にこ「え?うん、聞いたけど」

海未「そうですか...」

にこ「ねぇ、あんた達何か知ってるんでしょ?教えてよ」

506: 2016/12/13(火) 00:27:59.07 ID:170gpBCN.net
海未「今はまだ話すことはできません。しかし...」

海未「遠くないうちにお話する時が来ると思います。今はご勘弁を」

にこ「どうしても今は教えてくれないの?」

海未「はい」

にこ「...分かったわ」

海未「ありがとうございます」

507: 2016/12/13(火) 00:28:35.48 ID:170gpBCN.net
凛「海未ちゃん、そろそろ...」

海未「はい。ではにこ、私たちはこれで」

にこ「あれ、何か用があったんじゃないの?」

海未「いえ特に。ただの暇潰しです」

にこ「あ、そう...」

海未「明日のライブ頑張ってください。楽しみにしてます」

凛「観にいくからねー!」

にこ「ええ、ありがとう」

508: 2016/12/13(火) 00:29:02.26 ID:170gpBCN.net
海未「では、また」

凛「ばいばーい!」

スゥ

にこ「...消えた」

にこ「...」

509: 2016/12/13(火) 00:29:54.67 ID:170gpBCN.net
ー次の日ー

絵里「着替えた?」

にこ「ええ」

真姫「OKよ」

ことり「3人とも、カッコイイよ!」

絵里「ことりの衣装のおかげよ」

510: 2016/12/13(火) 00:30:39.18 ID:170gpBCN.net
にこ「さて...行きましょうか」

真姫「ええ」

絵里「張り切っていきましょ」

511: 2016/12/13(火) 00:31:24.13 ID:170gpBCN.net
ーー

にこえりまき「どーもー!BiBiでーす!」

キャーキャー!ワーワー!

にこ「今日はライブに来てくれてありがとー!」

絵里「初めての人も、そうでない人も楽しんでいってください」

512: 2016/12/13(火) 00:31:59.78 ID:170gpBCN.net
ニコチャーン!

にこ「ん?」

穂乃果「にこちゃーん!おーい!」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん」

雪穂「ちょっとお姉ちゃん!恥ずかしいから!」

亜里沙「お姉ちゃーん!頑張ってー!」



絵里「...ふふ、にこ」

にこ「ええ...ん?」

513: 2016/12/13(火) 00:32:27.64 ID:170gpBCN.net
希「にこっちー!きたよー!ヤーレンソーラン!」

海未「何故ソーラン節を?」

希「だってほら、何かお祭りみたいだから」

凛「お祭りじゃないよ!ライブだよ!」


にこ「...ふん」

514: 2016/12/13(火) 00:33:03.90 ID:170gpBCN.net
真姫「そろそろ最初の曲いくわよ」

絵里「ええ」

にこ「じゃあ最初の曲いきまーす!」

BiBi「Cutie Panther!!」

515: 2016/12/13(火) 00:34:10.85 ID:170gpBCN.net
ーライブ後ー

にこ「ふぅー...」

絵里「今月も無事成功してよかったわ」

真姫「そうね」

ことり「3人ともお疲れ様!はい、お水」

絵里「ありがとう、ことり」

516: 2016/12/13(火) 00:34:56.76 ID:170gpBCN.net
ことり「あ、あのね。3人にお客さん来てるよ」

にこ「お客さん?」

穂乃果「ばあ!」ドン!

にこ「わっ!」

517: 2016/12/13(火) 00:35:29.73 ID:170gpBCN.net
穂乃果「えへへ、びっくりした?」

にこ「急に後ろから大声出されたらびっくりするわよ!」

亜里沙「お姉ちゃん、お疲れ様」

絵里「亜里沙。ありがとう」

花陽「にこちゃん、かっこよかったよ」

にこ「ふっふーん、当然でしょ?」

518: 2016/12/13(火) 00:36:13.20 ID:170gpBCN.net
雪穂「あの、うちの和菓子持ってきたんですけどよかったら...」

絵里「あら、美味しそうね」

にこ「よし、じゃあ部室で少し打ち上げといきましょうか」

ことほの「さんせーい!」

穂乃果「ん?」

ことり「ほぇ?」

穂乃果「あ、どうも!高坂穂乃果と申します!」

ことり「これはご丁寧に。南ことりと申しますっ」

にこ「何やってるのよあんた達」

519: 2016/12/13(火) 00:36:47.70 ID:170gpBCN.net
ーー

真姫「部室の鍵は?」

にこ「持ってるわよ」

ー!ー!

にこ「ん?」

絵里「どうしたの?」

にこ「なにか聞こえない?」

ことり「...何も聞こえないよ?」

にこ「え?うそ...」

520: 2016/12/13(火) 00:37:25.07 ID:170gpBCN.net
にこ「...まさか」

穂乃果「なになに、どうしたの?」

にこ「ちょーっと待っててくれる?」

絵里「何で?」

にこ「いいからいいから」ガチャ

にこ「...」ソーッ

521: 2016/12/13(火) 00:37:52.10 ID:170gpBCN.net
希「Cutie Panther!わ!た!し!」

うみりん「ふー!」

希「どっこっでっもいっくよー!」

うみりん「フワフワ!」

希「きーみのー!」

うみりん「キューティ!」

希「きーみのー!」

うみりん「パンサー!」

希「こころぬすんでみせるよー!」

522: 2016/12/13(火) 00:38:16.04 ID:170gpBCN.net
にこ「...はぁ...」

希「おー!パンサー矢澤が来たよ!」

うみりん「ふーふー!」

にこ「やかましい!芸人みたいな名前付けるんじゃないわよ!」

希「どうしたんにこっち?忘れ物?」

にこ「今からここで打ち上げするのよ」

523: 2016/12/13(火) 00:38:47.31 ID:170gpBCN.net
希「おー!打ち上げやって!」

海未「楽しい夜の始まりですか」

凛「盛り上がる準備はできてるかーい!!」

のぞうみ「いえーい!」

にこ「ほらほらどいたどいた」パッパッ

希「ぎゃあああ!急な塩!」

海未「何するんですか!」

凛「凛たちごと打ち上げるつもり!?」

にこ「全然上手くないわよ。いいからどきなさい。あんた達がいたら邪魔なのよ」

524: 2016/12/13(火) 00:39:23.46 ID:170gpBCN.net
希「えー?ウチらも打ち上げ参加したーい」

にこ「幽霊は参加出来ないの!」

海未「誰が決めたんですかそれ?法律で決まってるんですかそれ?」

にこ「私が決めたのよ」

凛「なにそれ~?にこちゃんは神様かなんかなんですか~?」

にこ「あーもー!そうよ!私神様!だから早くどきなさい!」

525: 2016/12/13(火) 00:40:37.58 ID:170gpBCN.net
希「神様なら打ち上げで幽霊ハブる前に自分の胸大きくしたらどうなんですか~?」

海未「神様なら今ここに百万円用意してくださ~い」

凛「ほらほら早く~」

にこ「」イラッ

526: 2016/12/13(火) 00:41:37.73 ID:170gpBCN.net
のぞうみりん「ほらほら~」ツンツン

にこ「...」

のぞうみりん「ほらほら~」ツンツン

にこ「...」

のぞうみりん「ほらほら~」

にこ「」プツン

のぞうみりん「ほらほら~」ツンツン

にこ「...ゴッドパンチ!!!」ドゴゴゴーーーン!

のぞうみりん「ほらほらあああああああ!!」ピュー




花陽「なにか聞こえたような...」

穂乃果「気のせいじゃない?」

絵里「にこ遅いわね...」

真姫「何してるのかしら」

・16 終わり

537: 2016/12/13(火) 23:28:01.81 ID:170gpBCN.net
・17

穂乃果「今日はお休みだー!」

穂乃果「なにしよっかなー♪」

穂乃果「...そーだ!」

538: 2016/12/13(火) 23:28:32.70 ID:170gpBCN.net
ー音ノ木坂大学ー

ワイワイキャッキャッ

穂乃果「おおー、人がたくさん...」

穂乃果「大学って広いなー」

穂乃果「花陽ちゃんとかにこちゃんはどこいるのかな...」トコトコ

539: 2016/12/13(火) 23:28:56.27 ID:170gpBCN.net
穂乃果「ん?」

『音ノ木坂カフェテリア』

穂乃果「かふぇてりあ?なんだろ?」

穂乃果「入ってみよーっと」

540: 2016/12/13(火) 23:29:26.62 ID:170gpBCN.net
ガヤガヤ

穂乃果「わぁーいっぱいだー」

穂乃果「ふんふん、みんなご飯食べてる...あ、なるほど。学食ってやつなんだ」

グゥ~

穂乃果「お腹すいたし何か食べていこーっと」

穂乃果「えーっと何食べようかな...」

「カレーライスが美味しいよっ」

穂乃果「そうなの?じゃあカレーにしよっと」

穂乃果「ん?」

ことり「こんにちはっ」

穂乃果「お、ことりちゃん!」

541: 2016/12/13(火) 23:30:03.72 ID:170gpBCN.net
ことり「この前ぶりだねっ」

穂乃果「ことりちゃんもお昼ご飯?」

ことり「うん。穂乃果ちゃんも?」

穂乃果「うん。大学の学食って初めて入ったけど結構美味しそうだね」

ことり「美味しいよ~。一緒に食べる?」

穂乃果「うん!」

542: 2016/12/13(火) 23:30:33.76 ID:170gpBCN.net
穂乃果「えっと、カレーライスください!」

ことり「私もカレーライスで」

ハイヨー

穂乃果「ことりちゃん1人?」

ことり「うん。今日はみんな忙しいみたいだから1人でお昼ご飯の予定だったんだ」

穂乃果「よかったね!ぼっち飯回避できて」

ことり「あはは...」

543: 2016/12/13(火) 23:31:18.07 ID:170gpBCN.net
ことほの「いただきまーす!」

穂乃果「もぐもぐ...んん、美味しい!」

ことり「カレー久しぶりに食べたけど美味しいね」

穂乃果「大学ってすごいねー。学生じゃなくてもご飯食べられるなんて」

ことり「穂乃果ちゃん、今日お仕事は?」

穂乃果「今日はお休みなんだ。暇だったから遊びに来たの」

ことり「大学に遊びに来るって...変わってるねぇ」

544: 2016/12/13(火) 23:32:16.98 ID:170gpBCN.net
穂乃果「そうかな?楽しそうじゃん大学」

ことり「うん、まあ楽しいね」

穂乃果「でしょ?私も大学行けばよかったなぁ」

ことり「穂乃果ちゃんは高校卒業してすぐに修行し始めたの?」

穂乃果「うん。そういう約束だったからね」

ことり「大学は行こうと思わなかったの?」

穂乃果「思わなくはなかったけど...早く和菓子職人になりたかったからね」

ことり「へぇ...」

穂乃果「私、和菓子大好きだから!」ニコッ

ことり「...そっかぁ」ニコッ

545: 2016/12/13(火) 23:32:52.27 ID:170gpBCN.net
穂乃果「おっとと、早く食べないと冷めちゃう」パクパク

ことり「早食いは体に良くないよ」

穂乃果「だいじょぶだいじょぶ...むぐっ!」

ことり「穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「...!...!」ドンドン

ことり「喉に詰まったの!?大変お水!」

穂乃果「むぐぐー!」

546: 2016/12/13(火) 23:33:20.38 ID:170gpBCN.net
ーー

穂乃果「はぁ...びっくりした」

ことり「だから言ったのに~」

穂乃果「ごめんごめん」

ことり「この後はどこか行くの?」

穂乃果「うーん...特に何も無いかな。ことりちゃんは?」

ことり「私もないかなぁ。今日の授業終わっちゃったし、サークルもないし...」

穂乃果「どうしようか...」

ことり「うーん...」

547: 2016/12/13(火) 23:33:46.83 ID:170gpBCN.net
穂乃果「そうだ!にこちゃん達の部室行ってみよう!」

ことり「ええ?いいけど...何するの?」

穂乃果「分かんないけど、もしかしたらにこちゃんか誰かいるかもしれないし」

ことり「わざわざ行かなくてもLINEか電話すればわかるんじゃ...」

穂乃果「レッツゴー!」グイッ

ことり「わぁ!?穂乃果ちゃん!?」

548: 2016/12/13(火) 23:34:16.24 ID:170gpBCN.net
ーー

穂乃果「とうちゃーく!」

ことり「はぁ...はぁ...穂乃果ちゃん元気だね...」

キュイーン!ドドンドン!

穂乃果「お?中から音がする」

ことり「ホントだ。にこちゃん達いるのかな?」

549: 2016/12/13(火) 23:34:55.86 ID:170gpBCN.net
穂乃果「よっし、じゃあ早速...」ガチャ

ガタガタ

穂乃果「うん?空いてない?」

ことり「え?うそ?」

穂乃果「うん、ほら」ガタガタ

ことり「え、でも中からギターの音が...」

シン

穂乃果「あれ、何も聞こえなくなった」

ことり「おかしいなぁ...」

穂乃果「でも、確かに聞こえたよね?」

ことり「うん、聞こえた」

穂乃果「どうなってるだろう...」

ことり「うーん...」

550: 2016/12/13(火) 23:35:31.50 ID:170gpBCN.net
穂乃果「...まさかオバケ?」

ことり「えっ」

穂乃果「だって...誰もいないのに鳴り響く楽器...これって...」

ことり「や、やめてよ~まさかこんな白昼堂々オバケなんて...」

穂乃果「そうだよね~オバケなんていないよね~」

ことり「うんうんっ」

551: 2016/12/13(火) 23:36:10.30 ID:170gpBCN.net
穂乃果「でも、どっちにしろ部室には入れないし...どうしよう」

ことり「あ、じゃあさ。駅前にクレープ屋さんがあるから食べに行かない?」

穂乃果「おお!行く行くー!」

ことり「じゃあれっつごー!」

穂乃果「おー!」

552: 2016/12/13(火) 23:36:43.47 ID:170gpBCN.net
ー1時間後ー

絵里「今日はにこも真姫も5限まで授業って言ってたわね」

絵里「それまで1人で練習っと...ん?」

キュイイイン!ドドンドン!シャーン!

絵里「あら、音が聞こえるわね。もう来てるのかしら」ガチャ

553: 2016/12/13(火) 23:37:15.98 ID:170gpBCN.net
ガタガタ

絵里「え?空いてない...」

シン

絵里「音が止んだ...どうなってるの?」

絵里「取り敢えず入ってみましょう」ガチャガチャ

ギィ

絵里「...やっぱり誰もいないわね」

絵里「でもさっき確かに音が...」

554: 2016/12/13(火) 23:38:13.85 ID:170gpBCN.net
ドン

絵里「!ドラムの音...」

絵里「え?何で...私触ってないのに...」

絵里「...」

絵里「こ、怖くなってきた...」

シャーン!

絵里「ひゃああああ!?」

555: 2016/12/13(火) 23:38:36.90 ID:170gpBCN.net
キュイイイイン!!

絵里「きゃああああああああ!!勝手に動き出したああああああああ!!」

絵里「うーん...」パタン



希「ありゃー...気絶しちゃった」

海未「何をしてるのですか希」

凛「あーあ、知らないよー?」

556: 2016/12/13(火) 23:39:05.99 ID:170gpBCN.net
希「だ、だって反応が面白かったから...」

海未「限度っていうものがあるでしょう。無駄に怖がらせてはいけませんよ」

凛「そーだよー!」

希「そもそも凛ちゃんが楽器弾いてみたいって言ったから!」

凛「だってこの前のライブかっこよかったし」

希「まぁ、そうやけど...」

557: 2016/12/13(火) 23:39:35.13 ID:170gpBCN.net
海未「全く...あなた達2人はしょうがないですね」

希「一番ノリノリだったくせに何言ってるんや!」

凛「そーにゃそーにゃ!めっちゃギターかき鳴らしてたくせに!」

海未「そんなことしてません!そもそもあなた達2人が!」

希「なんやとー!」

凛「やるきかにゃー!」

にこ「なーにしてるのかしら?」

のぞうみりん「!!」

558: 2016/12/13(火) 23:40:17.19 ID:170gpBCN.net
にこ「あーあー絵里のやつのびちゃってるじゃない...この子怖いの苦手なのに」

海未「あ、あらにこ。奇遇ですね」

凛「ど、どうしたの?」

にこ「どうしたもこうもここは私たちの部室よ。全くやってくれるわね...」ギロッ

凛「ひっ!」

海未「そ、そんな顔しないでください。可愛い顔が台無しですよ」

希「...」ソローッ

にこ「待ちなさい。どこ行くの」

希「え!?い、いやこれはその...」

559: 2016/12/13(火) 23:40:53.99 ID:170gpBCN.net
にこ「ん?あんた髪が...」

希「へ?」

にこ「髪、紫なってるわよ...!」

海未「!」

凛「あっ」

希「あらら?どうなってるんやろ...」

560: 2016/12/13(火) 23:41:23.05 ID:170gpBCN.net
海未「...」スッ

凛「...」スッ

フッ

希「おおっ?戻った!」

にこ「え?どうなって...」

海未「希、そろそろ飽きてきましたし何処かへ遊びに行きませんか?」

希「へ?」

凛「ほらほら!行こうよ!」グイッ

希「ちょ、ちょっと二人共!」

凛「レッツゴー!」ピュー

希「わああああぁぁぁ...」ピュー

561: 2016/12/13(火) 23:41:56.07 ID:170gpBCN.net
海未「...」スッ

にこ「待ちなさい海未!」

海未「すみません、少し用ができましたので」

にこ「ちょっと!」

海未「失礼します」スゥ

にこ「...!」

562: 2016/12/13(火) 23:42:37.17 ID:170gpBCN.net
ガチャ

真姫「あら、来てたのねにこちゃん」

にこ「...」

真姫「どうしたの?...ってエリー?なんでこんなところで寝てるのよ」

真姫「ねぇ、にこちゃん」

にこ「...悪いけど、今日は帰るわね」

真姫「え?何で?」

にこ「また明日ね」

ガチャ バタン

・17 終わり

574: 2016/12/14(水) 17:31:54.78 ID:nPHKKcNO.net
・18

にこ「...」スタスタ

にこ「そういや、あいつらがどこに行ったかなんて分かりっこないわね」

にこ「方面的には神社の方だったけど...」

にこ「うーん...」

にこ「とりあえず行ってみましょう」

575: 2016/12/14(水) 17:32:27.44 ID:nPHKKcNO.net
ーー

にこ「着いた」

にこ「でも見当たらないわね...ここじゃないのかしら」

タッタッタッタ

にこ「!」

「ふっ、ふっ、ふっ...」

にこ「あ、あなたは...」

東條「ふぅ...こんばんは、矢澤にこさん」

にこ「...東條さん」

579: 2016/12/14(水) 17:40:12.50 ID:nPHKKcNO.net
東條「希に探してるのかしら?」

にこ「!え、ええそうです」

東條「ちょっと待ってね。まだ済んでないから」

にこ「済んでない...?あの、あなたは一体」

580: 2016/12/14(水) 17:40:53.60 ID:nPHKKcNO.net
東條「にこさん」

にこ「は、はい」

東條「あなたは今、楽しい?」

にこ「え?」

東條「今を楽しんで生きてるかしら?華の大学生だけど」

にこ「え、ええ...まぁそれなりに」

581: 2016/12/14(水) 17:41:31.75 ID:nPHKKcNO.net
東條「そう...希との生活も?」

にこ「!」

東條「あなたの『楽しい』にあの子との生活も入ってる?」

にこ「それは...」

東條「...」

582: 2016/12/14(水) 17:42:10.06 ID:nPHKKcNO.net
にこ「...ええ、入ってます」

にこ「うるさくて、空気読めなくて腹が立つことも多いですが...何だかんだ楽しんでる自分がいます」

東條「そう、それは良かったわ。希もとっても楽しそうだし」

にこ「あの!あなたは...」

にこ「あなたは一体何者なんですか?」

東條「...」

583: 2016/12/14(水) 17:42:38.79 ID:nPHKKcNO.net
にこ「私と希のこと知ってるし...それに、東條って」

東條「胡散臭いかもしれないけど...私は霊能力者ってやつよ」

にこ「霊能力者...?」

東條「ええ。まあ、ちゃんとした仕事もしてるんだけど。これでも、結構名が通ってるのよ」

にこ「はぁ...」

東條「それとこれは...名乗る資格なんてないのかもしれないけど...」

にこ「?」

東條「東條希の母親よ」

584: 2016/12/14(水) 17:43:09.06 ID:nPHKKcNO.net
にこ「え...希のお母さん?」

東條「ええ。私は希の母親」

にこ「本当...なんですか?」

東條「本当よ。ま、今のあの子は私のことなんて覚えてないけど」

にこ「そんなこと...自分の母親くらい」

東條「生前から最近までの記憶がないって言ってたでしょ?」

にこ「...はい」

東條「そういうことよ。あの子は記憶が無いの」

585: 2016/12/14(水) 17:43:42.27 ID:nPHKKcNO.net
にこ「どうして記憶が無いんですか?」

東條「私が記憶ごと希を封じ込めてるからよ」

にこ「封じ込めてる?」

東條「希は塩に触れると浄化するでしょう?」

にこ「は、はい」

東條「塩には清めの力があるのよ。何を清めるかというと」

586: 2016/12/14(水) 17:44:09.81 ID:nPHKKcNO.net
東條「怨念や恨みを持った思念体。所謂悪霊ってやつね」

にこ「悪霊...?え、まさか」

東條「そうよ、希は悪霊なの。相当な怨念を持った」

608: 2016/12/16(金) 00:47:11.77 ID:sEkGY27E.net
にこ「希が悪霊?何を言って...」

東條「」ビシッ

にこ「!」

東條「そこに浮遊霊がいるわ」

にこ「え?どこ?」

東條「見えるようにしてあげるわね」スッ

パチン

「...」ボウ

にこ「え?わっ!」

609: 2016/12/16(金) 00:48:00.36 ID:sEkGY27E.net
東條「この浮遊霊は意思もほとんど持たない無害な霊...見ててね」スッ

東條「」パッパッ

にこ「何を...?」

「...?」

東條「ね?」

にこ「ね?って...何を?」

610: 2016/12/16(金) 00:48:56.27 ID:sEkGY27E.net
東條「塩をかけたのよ。普通の霊ならこんな風に何も起きない」

にこ「はぁ...?」

東條「ピンと来てないみたいね。まぁ、別にいいわ...南無」スッ

「...」シュウウウ

にこ「あ、消えた...」

東條「すぐに分かる日が来るから」

611: 2016/12/16(金) 00:49:42.93 ID:sEkGY27E.net
にこ「あの、希は何で氏んじゃったんですか?」

東條「自殺よ」

にこ「自殺...?」

東條「ええ。あなたが今住んでるアパートで」

612: 2016/12/16(金) 00:53:23.12 ID:sEkGY27E.net
にこ「...!自殺の理由は?」

東條「それは...」

海未「終わりましたよ」

凛「疲れた...」

にこ「海未に凛!」

海未「!にこ」

凛「おー?追いかけてきたの?」

613: 2016/12/16(金) 00:54:03.39 ID:sEkGY27E.net
東條「ご苦労さま、2人とも」

海未「いえ...しかし、時間がありません。そろそろ急がなければ」

凛「もう抑えておくのも限界だよ」

東條「ええ、分かってるわ」

にこ「何?どういうことよ?」

614: 2016/12/16(金) 00:54:55.89 ID:sEkGY27E.net
東條「にこさん。希は先に家に帰ってるわ」

海未「早く帰ってあげてください。寂しがっていますよ」

にこ「待ちなさいよ。あんた達はどういう関係なの?説明しなさい」

凛「早く帰らないと希ちゃん待ってるよ?」

にこ「嫌よ。ちゃんと説明してくれるまで帰らない」

東條「この子達も悪霊よ」

海未「ちょ...」

凛「言っちゃうんだ...」

615: 2016/12/16(金) 00:55:37.96 ID:sEkGY27E.net
にこ「海未と凛も悪霊?」

東條「ええ。この2人も塩で浄化されちゃうでしょ?覚えがあるはずよ」

東條「ちょっと事情があってね、手伝ってもらってるの」

にこ「手伝ってもらってるって...」

東條「希の成仏と監視をね」

にこ「え...」

616: 2016/12/16(金) 00:56:06.73 ID:sEkGY27E.net
東條「詳しい話はまた今度ね。近いうちにまた会うことになるから」クルッ

海未「では、にこ。またどこかで」スゥ

凛「じゃあね、にこちゃん」スゥ

にこ「待って!」

東條「」タッ

タッタッタッタ...

にこ「...」

617: 2016/12/16(金) 00:56:43.43 ID:sEkGY27E.net
ーー

にこ「ただいまー」

希「おかえりにこっち!」

にこ「すぐご飯にするわね」

希「うん、お腹ペコペコー」

にこ「...」

希「ん?どうしたん?」

618: 2016/12/16(金) 00:57:28.45 ID:sEkGY27E.net
にこ「...いや、何食べたい?」

希「うーん...何でもいいかな?」

にこ「何でもいいが一番困るのよ」

希「だってにこっちの料理なんでも美味しいし!」

にこ「...!」

619: 2016/12/16(金) 01:01:45.31 ID:sEkGY27E.net
希「だから何でもいいかな~」

にこ「...ふん、褒めても何も出ないわよ」

希「お?照れてる?」

にこ「うるさい!」

希「顔赤いよ~」ニヤニヤ

にこ「塩入れるわよ」

希「わー!ごめんごめん!」

にこ「ふん、全く...作るから手伝いなさい」

希「はーい!」

・18 終わり
希「だから何でもいいかな~」

にこ「...ふん、褒めても何も出ないわよ」

希「お?照れてる?」

にこ「うるさい!」

希「顔赤いよ~」ニヤニヤ

にこ「塩入れるわよ」

希「わー!ごめんごめん!」

にこ「ふん、全く...作るから手伝いなさい」

希「はーい!」

620: 2016/12/16(金) 01:02:49.58 ID:sEkGY27E.net
>>619
ミスった。本文はこんだけです

希「だから何でもいいかな~」

にこ「...ふん、褒めても何も出ないわよ」

希「お?照れてる?」

にこ「うるさい!」

希「顔赤いよ~」ニヤニヤ

にこ「塩入れるわよ」

希「わー!ごめんごめん!」

にこ「ふん、全く...作るから手伝いなさい」

希「はーい!」

621: 2016/12/16(金) 01:03:26.04 ID:sEkGY27E.net
ーー

希「ぐう...ぐう...」スヤスヤ

にこ「...」

にこ「...希」


『希は悪霊なの。相当な怨念を持った』


にこ「こいつが悪霊...」

にこ「...」

ポスン

カチッ

・18 終わり

628: 2016/12/16(金) 12:42:56.50 ID:IMBd/RVI.net
・19

にこ「...」ボー

花陽「それでね、そこで穂乃果ちゃんがー」

にこ「...」ボー

花陽「にこちゃん?」

にこ「...」ボー

花陽「おーい、にこちゃーん」フリフリ

にこ「...ああ、ごめん。何だっけ」

629: 2016/12/16(金) 12:43:27.54 ID:IMBd/RVI.net
花陽「にこちゃんどうしたの?今日はなんだか心ここにあらずって感じだけど」

にこ「いやちょっとね...」

花陽「何かあるなら話を聞くくらいなら出来るよ?」

にこ「んー...」

630: 2016/12/16(金) 12:44:03.91 ID:IMBd/RVI.net
にこ「あのね、花陽」

花陽「うん」

にこ「もし、私が...私の昔のことを知る人から実は矢澤にこがものすごく悪いやつだったって言われたらどうする?」

花陽「えぇ?うーん...」

にこ「遠慮しないで正直に答えて」

631: 2016/12/16(金) 12:44:40.77 ID:IMBd/RVI.net
花陽「そうだなぁ...」

にこ「...」

花陽「...別に今までと変わらないかな」

にこ「変わらない?」

花陽「うん。そんなこと言われたら気にはなるけど...昔は昔だし。今のにこちゃんが悪い奴だーとはならないからね」

花陽「過去は悪いことしてたかもしれない...でも、今のにこちゃんはとってもいい人だし」

花陽「ご飯一緒に食べてくれたり、お買い物に付き合ってくれたり...こんな私とも仲良くしてくれるし」

にこ「花陽...」

花陽「昔は昔だよ。私は今のにこちゃんを信じてるから」

632: 2016/12/16(金) 12:45:09.61 ID:IMBd/RVI.net
にこ「今の私...」

花陽「うん」

にこ「そう、ありがとう」

633: 2016/12/16(金) 12:45:52.31 ID:IMBd/RVI.net
ーー

にこ「あら」

穂乃果「おーにこちゃん!」

ことり「こんにちはっ」

にこ「珍しいわね、二人揃って」

穂乃果「ふふん、最近ことりちゃんとマブイからねー!」

ことり「えへへー穂乃果ちゃんとはマブダチなのだっ」

ことほの「ねー」

634: 2016/12/16(金) 12:46:19.74 ID:IMBd/RVI.net
にこ「マブダチってあんた達何歳よ...っていうかいつの間にそんなに仲良くなったの?この前会ったばかりでしょうに」

穂乃果「いつの間にか仲良くなっちゃったの」

にこ「答えになってないわよ...」

ことり「仲良くなるのに時間は関係ないからね」

にこ「!」

穂乃果「そうそう、過ごした時間の長さなんて関係ないのだ!」フンス

にこ「...」

635: 2016/12/16(金) 12:47:33.42 ID:IMBd/RVI.net
ことり「あれ?どうしたのにこちゃん」

穂乃果「変な顔しちゃって、なんか悩み事?」

にこ「誰の顔が変よ!」

ことり「何かあるならお話聞くよ?」

穂乃果「にこちゃんも一応お友達だからね!」

にこ「一応って何よ一応って...別になんでもないわ」

ことり「そう?いつでも相談してね」

穂乃果「私が力になってあげる!」

にこ「...ええ、ありがとう」

636: 2016/12/16(金) 12:48:03.27 ID:IMBd/RVI.net
ーー

~♪

真姫「ストップ」

にこ「なに?どうしたのよ」

真姫「にこちゃん、何かあったでしょ」

にこ「はぁ?急に何よ」

絵里「何ていうか...にこのギターの音がいつもと違うというか」

にこ「別にいつもと同じじゃない」

637: 2016/12/16(金) 12:49:02.72 ID:IMBd/RVI.net
真姫「いや、明らか違うわ。絶対何かあったでしょう」

にこ「しつこいわね、早く練習しないと時間無くなるわよ」

絵里「にこ、今日は帰りなさい。恐らく今のあなたはいつも通りの演奏ができないわ」

にこ「そんなこと...」

真姫「顔、険しいわよ」

にこ「え?」

638: 2016/12/16(金) 12:49:31.35 ID:IMBd/RVI.net
真姫「ずっと眉間にシワが寄ってる。そんな顔されてると迷惑なのよ」

にこ「...」

絵里「なにか嫌なことでもあった?私たちでよければ相談に乗るけど」

にこ「いや...」

真姫「何なのよ。ハッキリしなさいよ」

にこ「...分かった、今日は帰るわね」

真姫「そう...ちゃんと万全の状態で来てよ。次のライブ控えてるんだから」

にこ「ええ、また明日ね」

絵里「また明日。気をつけてね」

639: 2016/12/16(金) 12:49:59.53 ID:IMBd/RVI.net
ーー

にこ「...」テクテク

にこ「...ふう」

ガチャ

にこ「ただいま」

シン

にこ「...?希?」

640: 2016/12/16(金) 12:50:39.64 ID:IMBd/RVI.net
にこ「いないのかしら...」

希「...」

にこ「わっ!何だ、いるんじゃない」

希「...にこっち」

にこ「どうしたの?あんたやけに...」

にこ「って、あんた髪がまた紫に...」

希「にこっち、逃げて」

にこ「え?」

641: 2016/12/16(金) 12:51:33.93 ID:IMBd/RVI.net
ビリッ

にこ「!」

にこ(う、動けない!)

希「ああ...うぅううううう!!!」

にこ「希!?」

希「ぁぁぁぁあああああああ!!」カッ

にこ「!」オオッ

642: 2016/12/16(金) 12:52:04.56 ID:IMBd/RVI.net
『また転勤?』

『...うん、私は大丈夫。友達ならまた作ればいいし』


にこ(なに、これ...頭の中に何か流れ込んでくる...!)


『東條希です。宜しくお願いします』


にこ(これって...希の記憶?)

643: 2016/12/16(金) 12:52:39.54 ID:IMBd/RVI.net
『あの転校生...暗いよね』

『話しかけても全然反応してくれないし...』

『近寄りがたいよねー』



『また引っ越すの?』

『...うん、分かった』



『東條希です。宜しくお願いします』


にこ(転校を繰り返してるみたいね...)

644: 2016/12/16(金) 12:53:08.85 ID:IMBd/RVI.net



『あ、あの!』

『わ、私と友達に...』

『...えと、その』

『何?聞こえないよ』

『もうちょっと大きな声で言ってよ』

『あ...えっと』

『行こ、何だか気味悪い』

『うん』

『あ...待って!』

『...』


にこ(...)

645: 2016/12/16(金) 12:53:43.05 ID:IMBd/RVI.net
『東條希です。宜しくお願いします』

『あ、あの!私と友達に...』


『東條希です。宜しくーー』

『私とーー』


『東條希です。宜しくーー』

『あ、あの!私とーー』


にこ(転校ばっか...)

646: 2016/12/16(金) 12:54:11.29 ID:IMBd/RVI.net
『あのね、お父さんお母さん』

『大学に入ったら...一人暮らししたい』

『うん、大丈夫。何とかするよ』



『私...ウチ、東條希って言います!』

『うん!よろしくね!』

647: 2016/12/16(金) 12:54:38.30 ID:IMBd/RVI.net
『希って面白いねー』

『そう...かな?』

『うん!おしゃべりしててとっても面白いし』

『えへへ、ありがとう』


にこ(友達...できたのね)

648: 2016/12/16(金) 12:55:08.64 ID:IMBd/RVI.net
『ーえ?』

『希って高校の時陰キャだったらしいじゃん』

『な、何を...』

『友達もいなかったらしいしねー。大学デビューってやつ?』

『あはは、そのヘンテコな口調もキャラなの?』

『あ、あの...』

『陰キャのクセに頑張ってたんだねー』

『チョー可愛いんだけどー!』

『...!』


にこ(...希...!)

649: 2016/12/16(金) 12:55:58.46 ID:IMBd/RVI.net
『東條さんて大学デビューらしいよ』

『高校の頃は友達いないくそ陰キャだったんだってー』

『あたし、オタクだって聞いたけど』

『えー?チョーキモイんだけど』

アハハハ!!

『...』

650: 2016/12/16(金) 12:56:39.53 ID:IMBd/RVI.net
『...』


にこ「...?天井から紐...」


『...お父さん、お母さん』

『ごめんね。私もう...』

『疲れたよ』

スッ


にこ「ちょ...!」



『...』ギシッ

『さようなら』

ガタン

651: 2016/12/16(金) 12:57:38.71 ID:IMBd/RVI.net
にこ「!!!」ハッ

希「...」

にこ「...希...」

希「見た?私の記憶」

にこ「あんた...」

希「ねぇ、にこっち」スッ

にこ「!うっ!」

652: 2016/12/16(金) 12:58:40.75 ID:IMBd/RVI.net
希「孤独って...どんな気分がわかる?」ギュウウウウウ

にこ「ぐっ...うっ!」

希「友達だと思ってた人に裏切られるって、どんな感じかわかる?」

にこ「...の、のぞ...!」

希「にこっちには分からないよね。にこっちには素敵なお友達がたくさんいるから」

にこ(息が...息ができない)

653: 2016/12/16(金) 12:59:07.64 ID:IMBd/RVI.net
希「こんなもんじゃないんだよ?私の苦しみはこんなものじゃ」グッ

にこ「!がふっ!」

希「ふふ...」グググ

にこ「うっ...おえっ...」


海未「にこ!」バッ

凛「にこちゃんをはなせーーー!!!」ドン!

希「!!」パッ

654: 2016/12/16(金) 12:59:42.43 ID:IMBd/RVI.net
にこ「ぷはっ!」

海未「にこ!大丈夫ですか?」

にこ「はぁ...はぁ...何とか」

希「2人とも...」

凛「やっぱり封が解けてる...怨念が復活して溢れ出てる」

海未「やはり時間でしたか...もうやるしかまりませんね」

希「邪魔しないでよ2人とも。にこっちにも私の苦しみを分からせてあげるんだから」

655: 2016/12/16(金) 13:00:23.70 ID:IMBd/RVI.net
海未「凛!」

凛「うん!」バッ

凛「はあああああ!!」

希「!」

シュン!

にこ「消えた!」

海未「神社へ強制転移させました」

656: 2016/12/16(金) 13:00:55.43 ID:IMBd/RVI.net
凛「行くよ海未ちゃん!」

海未「ええ!」

にこ「待って!私も連れていきなさい!」

海未「しかし...」

にこ「いいから!」

海未「...わかりました。捕まってください!」

・19 終わり

668: 2016/12/16(金) 18:54:38.89 ID:5XR+H4TC.net
・20

希「ここは...」

東條「希」

希「!お母さん...」

東條「封が解けて記憶を取り戻したようね」

希「...」スッ

ビリッ

東條「金縛り...」

669: 2016/12/16(金) 18:55:13.48 ID:5XR+H4TC.net
希「あなたのせいだよ」

東條「...」

希「あなたが...あなた達が転勤を繰り返すから...」

希「私は...いつまでも、独りで」

希「ずっと独りぼっちで!友達の作り方なんか分からなくて!」

東條「...ええ。私のせいよ」

670: 2016/12/16(金) 18:56:12.49 ID:5XR+H4TC.net
東條「あなたの苦しみに...気づいてあげられなかった」

東條「だから...」パチン

希「!動いて...」

キィィィン

希「これは...」

東條「あなたを成仏させる陣よ。ここの神社の力を借りてるの」

東條「もう...苦しまなくていいのよ。今楽にしてあげる」スッ

希「ぐっ!」ビリッ

671: 2016/12/16(金) 18:56:56.67 ID:5XR+H4TC.net
東條「...ごめんなさい、希。私はダメな母親だわ」

東條「私がしてあげられるのは...こんなことだけ」

東條「許してくれなくていいわ。そんな資格私にはないから」

東條「その陣は怨念を強制的に浄化させて、霊を成仏させるもの。少しだけ苦しいけど...すぐに楽になるから我慢してね」

東條「...いくわよ」スッ

672: 2016/12/16(金) 18:57:32.24 ID:5XR+H4TC.net
希「...ふっ」

シュウウウウン

東條「なっ!」

希「甘い...」

東條「陣が消えた...!」

希「こんなので私を解放できると思わないで」

東條「希...」

673: 2016/12/16(金) 18:58:08.44 ID:5XR+H4TC.net
希「本当昔から変わらないね...。私のことを全く見てない、分かってない」

希「私の監視だって海未ちゃん達に丸投げして...」グッ

東條「うっ!」

東條(な、なにこの力...解けない!)

希「もういいよ。私の前から消えて」

東條「くっ...!」


にこ「希!」


希「!」

674: 2016/12/16(金) 18:59:29.64 ID:5XR+H4TC.net
にこ「あんた何してんのよ」

希「にこっち...」

東條「にこさん」

海未「大丈夫ですか?」

凛「この金縛り...かなり強い。凛たちじゃ解けないよ」

希「邪魔しないでにこっち。私は」

にこ「...」スタスタ

東條「にこさん!今の希に近づいてはダメ!」

海未「にこ!戻りなさい!」

にこ「...ふん」タッ

凛「にこちゃん!」

675: 2016/12/16(金) 19:00:14.85 ID:5XR+H4TC.net
希「なに?先に消してほしいの?じゃあ...」

ゴチン!

希「あてっ!」

東條「なっ...」

海未「殴った...?」

希「何を...」


にこ「帰るわよ希。夕ご飯の時間よ」


希「は?」

676: 2016/12/16(金) 19:01:02.17 ID:5XR+H4TC.net
にこ「聞こえなかったの?それともご飯いらないのかしら」

希「何を言って...」

にこ「はぁー、あんたは全く。いつもいつもトラブル起こして...ちょっとは落ち着きなさいよ」

希「ちょ...」

にこ「私疲れたから手伝って頂戴。今日のメニューはあんたが好きなハンバーグよ」

にこ「もちろん、塩抜きのね」

海未「にこ...?」

東條「...」

677: 2016/12/16(金) 19:01:43.47 ID:5XR+H4TC.net
希「何で...何で!?私は悪霊なんだよ!?にこっちを苦しめたし、自分の母親を今殺そうとした...」

にこ「そんなの知ったこっちゃないわ」

にこ「私にとってあんたはふざけてて、バカでお気楽で迷惑なルームメイトよ」

にこ「それ以上でもそれ以下でもないわ」

希「...!」

にこ「大体、自分で自分のことを悪いって言うやつほど悪くないのよ」

東條「にこさん、希は正真正銘の悪霊よ?これまでいくつもの善良な霊や人間に害を与えてきた...」

にこ「そんなこと知りません」

東條「!」

678: 2016/12/16(金) 19:02:09.08 ID:5XR+H4TC.net
にこ「私が知る希はお馬鹿な幽霊です。生前にどんなことがあったか、私と出会う前は悪霊だっただとかそんなの関係ありません」

にこ「過去のことなんか関係ない。誰がどう言おうが、あんたがどんな奴だったなんて関係ない」

にこ「私は今の希を信じてるから」

希「にこっち...」

にこ「あんた達も」クルッ

海未「は、はい?」

凛「凛たち?」

679: 2016/12/16(金) 19:02:43.58 ID:5XR+H4TC.net
にこ「あんた達も悪霊とか言ってたけど、私にとっては希のうるさい友達ってやつよ」

にこ「いっつも3人で暴れて...全く、あんた達といるとホントに疲れるわねぇ」

海未「にこ...」

凛「にこちゃん...」

にこ「ほらほら帰るわよ。あんたらもうちで食べていくでしょ?」

希「に...にこ...っち」

にこ「...なーに泣いてんのよ。情けない」

希「だって...」

にこ「ほら涙吹きなさい。あーあー鼻水もだして...」

680: 2016/12/16(金) 19:03:16.36 ID:5XR+H4TC.net
希「うぅ...!にこっち...!」シュウウ...

海未「あ...怨念が...」

凛「浄化されていく...!」

希「にこっち、私...」

にこ「似合わないわね。いつものヘンテコな関西弁はどうしたのよ」

681: 2016/12/16(金) 19:03:44.45 ID:5XR+H4TC.net
希「...ウチ」

にこ「うん?」

希「ウチ...にこっちの友達名乗っていいかなぁ...?」

にこ「...へ?」

希「あの、ねにこっち。ウチと友達になってくれる?」

682: 2016/12/16(金) 19:04:22.15 ID:5XR+H4TC.net
にこ「...ぷっ」

希「!」

にこ「あはははははは!!」

希「え、ちょ...何で笑うん?」

にこ「なーに言ってんのよ!」ペシッ

希「あてっ」

にこ「あんた今までどういうつもりで私と暮らしてきたの?」

希「え、え?」

683: 2016/12/16(金) 19:04:50.05 ID:5XR+H4TC.net
にこ「希、私といて楽しい?」

希「えっと...」

にこ「私は楽しいわよ」

希「...!」

にこ「あんたはどうなの?」

684: 2016/12/16(金) 19:05:17.53 ID:5XR+H4TC.net
希「...楽しい」

希「ウチ、にこっちと一緒にいるのが1番楽しい!」

希「...生きてるうちに、会いたかったって何度も思ったくらいに」

にこ「...ふふ。そうでしょ?」

希「うん」

685: 2016/12/16(金) 19:05:45.77 ID:5XR+H4TC.net
にこ「あんた達はどう?私や希といて楽しい?」

海未「...ええ、とっても」

凛「楽しいにゃー!」

にこ「だって。一緒にいて楽しいんだったらそれは友達なんじゃない?」

希「...そう、かな」

にこ「そーよ。この私が言うんだから間違いないわ」

希「うん...うん!」

686: 2016/12/16(金) 19:06:18.95 ID:5XR+H4TC.net
すこまで
潰されないことを祈る

702: 2016/12/17(土) 15:29:57.64 ID:VNeKFFQX.net
にこ「帰るわよ希」

希「うん!」

ポテッ

希「...あれ?」

にこ「何してるの?」

703: 2016/12/17(土) 15:30:51.86 ID:VNeKFFQX.net
希「ちょっと待ってな...よいしょ」

ポテッ

にこ「希?」

希「あれ...?おかしいな...」

にこ「何してるのよ。捕まりなさい」

ギュッ

希「...えへへ」

にこ「何笑ってんのよ。ほら、帰るわよ」

希「うん!」

704: 2016/12/17(土) 15:31:23.46 ID:VNeKFFQX.net
にこ「東條さん」

東條「!」

にこ「あなたも一緒にご飯食べませんか」

東條「え...っと」

にこ「腕によりをかけて作りますよ」

東條「...いいのかしら」

705: 2016/12/17(土) 15:32:29.96 ID:VNeKFFQX.net
にこ「いいわよね?希」

希「...うん。お母さんも一緒に食べよう」

東條「希...」

希「にこっちの料理は美味しいんだよ!」

東條「...じゃあ」

706: 2016/12/17(土) 15:33:03.84 ID:VNeKFFQX.net
ーー

にこ「はーい出来たわよー!」

海未「凛、運ぶのを手伝いなさい」

凛「はーい」

東條「にこさん、茶碗はこれでいいのかしら」

にこ「ええ。希!机拭いといてー!」

希「りょーかいあいさー!」フキフキ

にこ「ってそれ雑巾!台拭きはこっち!」

707: 2016/12/17(土) 15:33:35.11 ID:VNeKFFQX.net
4人「いただきます」

東條「...ん、美味しい」

希「でしょ?」

東條「ええ。お料理上手なのねにこさん」

にこ「それほどでも...」

凛「海未ちゃんの一口もーらい!」

海未「あ、こら!」

凛「むふふー美味しい!」

海未「返しなさい!」ムニー

凛「ふぐぐー!」

にこ「こーら!暴れないの!」

708: 2016/12/17(土) 15:34:08.89 ID:VNeKFFQX.net
東條「...」

希「お母さん」

東條「ん?」

希「ごめんね」

東條「いえ...謝らなければいけないのは私よ。あなたが生きている間、私は何も出来なかった」

東條「あなたの苦しんでるのに...何もしてあげられなかった」

709: 2016/12/17(土) 15:34:35.36 ID:VNeKFFQX.net
東條「ホントに、ダメな母親だわ...ごめんね、希」ポロッ

東條「ホントにごめんね...あなたはもう氏んじゃってるけど...会えてよかったわ」ポロポロ

希「ううん...!私も、会えてよかった...!」ポロポロ

東條「希...!」


にこ「...ふふ」

海未「良かった...」

凛「うん」

710: 2016/12/17(土) 15:35:02.07 ID:VNeKFFQX.net
にこ「さ、さっさと食べちゃいなさい」

希「うん!」カチャ

ポロッ

希「あら?」

にこ「ちょっと、何してんのよ。落としちゃって」

希「えへへ、ごめんごめん」スッ

711: 2016/12/17(土) 15:35:47.67 ID:VNeKFFQX.net
ポロッ

希「...あれ」

にこ「あんた何して...」

希「掴めない...」

希「力が...入らない」

にこ「何で...」

712: 2016/12/17(土) 15:36:20.22 ID:VNeKFFQX.net
スカッ

にこ「え?すり抜けた...」

希「あれ?あれ?」


東條「時間...ね」


にこ「時間?」

713: 2016/12/17(土) 15:36:54.10 ID:VNeKFFQX.net
海未「...怨念が晴れた悪霊は、成仏するのみ...」

にこ「成仏...?」

凛「うん...希ちゃんはもう...」

にこ「そんな...待ちなさいよ!希はやっと!」

714: 2016/12/17(土) 15:37:30.03 ID:VNeKFFQX.net
にこ「...そうだ!東條さん!どうにかできないんですか!?」

東條「ごめんなさい...成仏を止めることは何者にもできないのよ...」

東條「霊は本来、この世にはもういてはいけない存在だから...」

にこ「そんな...」

715: 2016/12/17(土) 15:38:21.53 ID:VNeKFFQX.net
希「そっかぁ...ウチ、もう成仏しちゃうんかぁ...」

にこ「何いってんのよ!あんた...!」

希「ありゃー...せっかくにこっちが夕飯作ってくれたのになぁ...」

希「ごめんなぁにこっち。全部食べられんで」

にこ「残すのは許さないわよ...!ちゃんと全部食べなさい...!」

希「うん、そうしたいんやけど...」

716: 2016/12/17(土) 15:38:55.29 ID:VNeKFFQX.net
にこ「何よ!ほんとあんたってやつは!」

希「ごめんね、にこっち」

にこ「何で謝るのよ...!」

にこ「いつもみたいにヘラヘラしてなさいよ!ふざけなさいよ!ゲンコツしてあげらから!」ブン!

スカッ

にこ「...!」

希「にこっち...」

717: 2016/12/17(土) 15:39:25.61 ID:VNeKFFQX.net
にこ「...海未!凛!」

にこ「希が馬鹿なこと言ってるわよ!どうにかしなさい!」

海未「にこ!希はもう...!」

にこ「うるさいうるさい!いつものふざけたテンションはどうしたのよ!3人で暴れなさいよ!」

凛「にこちゃん...!もうやめて...!」

にこ「何なのよ!ほんっっとにあんたってやつは...!」

718: 2016/12/17(土) 15:39:56.98 ID:VNeKFFQX.net
希「うふふ...ありがとうにこっち」

にこ「はぁ...はぁ...」

希「もう...いいんよ。ね?」

にこ「...希...」

719: 2016/12/17(土) 15:40:29.96 ID:VNeKFFQX.net
希「...ごめんなぁ、最後までこんなんで」

にこ「そうよ...迷惑なことこの上ないわ」

希「...いっぱいゲンコツされたなぁ」

にこ「あんたが馬鹿なこと言うからでしょ」

希「...ごめんね、ハンバーグ全部食べられんで」

にこ「食事中は立ちなさんなっていつも言ってるでしょうが」

希「うん...ごめんね」

720: 2016/12/17(土) 15:41:11.63 ID:VNeKFFQX.net
にこ「はぁ...疲れたわ」

希「疲れた時は甘いもんやん。『穂むら』の和菓子食べな」

にこ「そうね。あんたの好きなおまんじゅうとかいいかも」

希「うふふ......穂乃果ちゃんと雪穂ちゃんによろしく」

にこ「......ええ」

希「花陽ちゃんとも、お隣同士仲良くするんよ?」

にこ「あんたに心配されることじゃないわ」

721: 2016/12/17(土) 15:41:44.33 ID:VNeKFFQX.net
希「ことりちゃんと絵里ちゃん、真姫ちゃんにもね」

にこ「ええ」

希「にこっちたちのライブカッコよかった...頑張ってな」

にこ「言われずとも。最高のバントになってみせるわ」

希「うん...!」

722: 2016/12/17(土) 15:42:17.16 ID:VNeKFFQX.net
海未「希...」

凛「希ちゃん」

希「海未ちゃん、凛ちゃん。今まで、本当にありがとう」

希「2人と居るのがホントに楽しかった!」

海未「こちらこそ...!私も楽しかったです...!」

凛「凛...も。凛も!希ちゃんと一緒にいるの楽しかった!もっと遊びたかった!」

723: 2016/12/17(土) 15:42:44.24 ID:VNeKFFQX.net
希「それと、ウチの監視ご苦労さまです!お礼にのぞみんの頑張ったで賞あげる!」

海未「ふふ...ありがたく受け取っておきます」

凛「ありがとうにゃー!」

724: 2016/12/17(土) 15:43:09.89 ID:VNeKFFQX.net
希「...お母さん」

東條「希...」

希「見て。こんなに友達できた」

東條「...!ええ...!」

東條「いい友達をもったわね...!」

希「うん!」

725: 2016/12/17(土) 15:43:42.93 ID:VNeKFFQX.net
スゥゥゥゥ

にこ「希の体が...」

希「にこっち!」

にこ「!」

希「ウチ、氏んでにこっちに会えてほんとーーーーーに良かった!」

にこ「...ぷっ!なによそれ...!」

希「だってホントのことやもん!」

にこ「アンタは全く最後の最後まで...」

726: 2016/12/17(土) 15:44:38.34 ID:VNeKFFQX.net
にこ「...ええ、私もあんたと会えて良かったわ」

希「んふっ!ありがとう!」ニコッ

スゥゥゥゥ

にこ「...希!」

希「...バイバイ」

フッ

・20 終わり

741: 2016/12/18(日) 00:22:01.59 ID:cyolpqDA.net
・21

にこ「最後の曲いくわよーー!!」

キャーキャー!

絵里「ちゃんと付いてきねー!」

真姫「へばってんじゃないわよー!」

ウオオオオオオオ!!

にこ「じゃ最後の曲はー」

742: 2016/12/18(日) 00:22:31.54 ID:cyolpqDA.net
ーー

ことり「お疲れ様っ♪はい、タオル」

絵里「ありがとう」

にこ「ことり、どう?」

ことり「頑張ったよ~上手く撮れてるかは分からないけど」

にこ「ちょっと見せて」

ことり「うん、はい」

743: 2016/12/18(日) 00:22:54.45 ID:cyolpqDA.net
真姫「カメラ?何を撮ったの?」

絵里「あら、ライブ中の私たちじゃない」

ことり「どうかなぁ?」

にこ「うん、よく撮れてる。ありがとう」

ことり「いいえ~」

744: 2016/12/18(日) 00:23:19.10 ID:cyolpqDA.net
真姫「その写真どうするの?売るの?」

にこ「違うわよ。ちょっとね」

絵里「にこ、現像したらその写真頂戴」

にこ「言われなくてもあげるわよ。待ってて」

745: 2016/12/18(日) 00:23:44.35 ID:cyolpqDA.net
ーー

穂乃果「はい!ほむまん5個お待たせ!」

にこ「ありがとう」

穂乃果「5個も一人で食べるの?太るよ~」

にこ「うるさいわね、余計なお世話よ。ほらお会計」

穂乃果「はーい!えーっと、18400円です!」

にこ「ぬわぁんでよ!違うでしょ!」

746: 2016/12/18(日) 00:24:12.06 ID:cyolpqDA.net
穂乃果「あ、ごめんごめん。えー、1840000円です!」

にこ「だから違う!」

穂乃果「あれー?疲れてるのかな?」

にこ「疲れた時は甘い物がいいのよ」

穂乃果「そうなんだ!にこちゃん物知りー!」

にこ「ふふん、でしょ?」

穂乃果「じゃ、早速...あむっ」

にこ「いやそれ私のおまんじゅう!」

747: 2016/12/18(日) 00:25:03.17 ID:cyolpqDA.net
ーー

東條「着いたわ」

にこ「...ここが...」

東條「ええ、希のお墓よ」

にこ「ありがとうございます。案内してもらって」

東條「いえ、このくらいは」

748: 2016/12/18(日) 00:25:37.20 ID:cyolpqDA.net
にこ「じゃあ...」ゴソゴソ

にこ「希、あんたの好きな穂むらのおまんじゅう持ってきたわよ」

にこ「あんまり生ものをお供えするのは良くないんだけど...ま、あんたならすぐ食べちゃうでしょ」

にこ「それと...」スッ

東條「その写真は?」

にこ「私たちのライブの様子です。バンド組んでて」

東條「へぇ...」

749: 2016/12/18(日) 00:26:09.17 ID:cyolpqDA.net
にこ「あんたまたライブ見に来たいって言ってくれたから...ごめんね、写真だけど」

にこ「今度は動画撮ってくるわ」

にこ「また近いうち必ず来るわね」

750: 2016/12/18(日) 00:26:54.00 ID:cyolpqDA.net
東條「...にこさん」

東條「私が言うことじゃないけど...希があなたと出会えて本当に良かった」

東條「できれば、希が生きているうちに出会って欲しかったと心から思うわ」

にこ「過ぎた事を言っても仕方ありません。私が幽霊になった希と出会ったのも何かの縁ですから」

にこ「私は、幽霊のあの子と出会って本当に良かったと思います」

にこ「とっても騒がしかったですけど...本当に楽しかった。私は希と出会えたことを誇りに思います」

東條「...ありがとう。本当に」

にこ「いえ...」

東條「いつか...あなた達のライブを見に行ってもいいかしら」

にこ「ええ、ぜひ」ニコッ

751: 2016/12/18(日) 00:27:23.14 ID:cyolpqDA.net
ーー

にこ「ふう...」ガチャ

海未「こんばんは、にこ。お邪魔してます」

凛「お邪魔してまーす!」

にこ「また勝手に入ってる...全く」

海未「ふふ、ごめんなさい」

凛「ごめんね!」

にこ「反省してないでしょ...で、何の用?」

752: 2016/12/18(日) 00:28:15.44 ID:cyolpqDA.net
海未「お別れを言いに来ました」

にこ「え?」

凛「希ちゃんの監視役が終わったから、料理達はこの場を離れるんだ」

にこ「そう...なの」

海未「私たちはこの地の地縛霊ではありませんから...あまり悪霊である私達が長居するものではありません」

753: 2016/12/18(日) 00:28:47.08 ID:cyolpqDA.net
にこ「気になってたんだけど...あんた達は何で悪霊化したの?生前何をしたの?」

海未「...悪霊には二種類あります」

海未「一つは希のような生前に大きな苦しみを受けて、氏した時にその苦しみによって怨念をまとってしまうもの」

海未「もう一つは生前に大きな罪を犯して、氏を持ってもしても償いきれず悪霊化する者」

凛「凛たちは二つ目の方なんだ。だから、希ちゃんのように怨念をすすがれて成仏することができない」

754: 2016/12/18(日) 00:29:30.02 ID:cyolpqDA.net
にこ「あんた達が罪人...?そんなこと信じられないけど」

海未「いえ...私たちは間違いなく罪人でした。それは紛れもない事実です」

海未「氏んで、霊となってから後悔しても遅いのです」

にこ「じゃあ...あんた達はどうやったら成仏できるの?」

凛「犯した罪が許された時だよ」

にこ「それはどれくらいかかるの?」

755: 2016/12/18(日) 00:29:59.42 ID:cyolpqDA.net
海未「それは...分かりません。もしかしたら永遠に許されないかもしれない」

にこ「そんな...じゃああんた達は」

凛「しょうがないことなんだ。正に自業自得だから」

にこ「私に手伝えることはないの?何でもするわよ」

756: 2016/12/18(日) 00:30:27.84 ID:cyolpqDA.net
海未「...ふふ、にこは本当に優しいですね」

にこ「笑ってないでちゃんと答えてよ!」

海未「いえいいんです...お気持ちだけで十分です」

海未「あなたは今を生きる人。氏人の私達なんかに構わないでください」

にこ「そんなこと...!あんた達だって友達なのよ。困ってたら助けるのは当たり前よ」

757: 2016/12/18(日) 00:31:27.40 ID:cyolpqDA.net
凛「...にゃふふ」

ガバッ

にこ「わっ!」

凛「にこちゃん大好きにゃー!」ギュー

にこ「ちょ、苦しい...!」

758: 2016/12/18(日) 00:32:03.98 ID:cyolpqDA.net
凛「...ありがとう、にこちゃん」

にこ「凛...」

海未「私も大好きですよ、にこ」ニコッ

にこ「海未...!」

海未「あの方は...私たちを必ず成仏させると言ってくれました。それができるか分かりませんが...今は、あの方についていこうと思います」

凛「凛たちも頑張るから...にこちゃん、祈っててくれないかな」

凛「凛たちが成仏できるように」

海未「お願いします、にこ」

759: 2016/12/18(日) 00:32:38.44 ID:cyolpqDA.net
にこ「...ふぅ」

にこ「どこまでも困ったやつらね...分かったわ」

にこ「...祈っててあげる。この宇宙で一番の祈りをあんた達に捧げてあげるわ」

凛「うん...!ありがとう!」

海未「ありがとうございます...!」

にこ「バカ...泣いてんじゃないわよ」

760: 2016/12/18(日) 00:33:07.51 ID:cyolpqDA.net
海未「では...私達はこれで」

凛「バイバイ、にこちゃん」

にこ「ええ...あ、そうだ。一つ言い忘れた」

うみりん「?」

にこ「たまには顔を出しなさい...夕飯くらい出してあげるわ」

にこ「腕によりをかけて作ってあげる。美味しすぎて成仏しちゃうくらい!」

761: 2016/12/18(日) 00:33:39.92 ID:cyolpqDA.net
にこ「わかった?」

海未「にこ...!」

凛「にこちゃん!」

にこ「返事は?」

海未「...はい!」

凛「分かったにゃー!」

762: 2016/12/18(日) 00:34:48.61 ID:cyolpqDA.net
にこ「よろしい。じゃあ、またね」

海未「ええ。さようなら、にこ」

凛「バイバーイ!」

にこ「あんた達が成仏できることを、心から祈ってるわ」

763: 2016/12/18(日) 00:35:34.79 ID:cyolpqDA.net
ーーー

にこ「さて...ご飯にしましょう」

にこ「ん?」ガサガサ

にこ「...買いすぎたわね。つい、癖で...」

にこ「ま、明日以降に回せばいいか...」

764: 2016/12/18(日) 00:36:04.79 ID:cyolpqDA.net
にこ「...」

にこ「...」スッ

プルルル プルルル

にこ「もしもし絵里?暇ならご飯一緒に食べない?...ええ、真姫も誘って。にこにー特製カレーご馳走してあげる!」

にこ「...うん...うん。亜里沙ちゃんも一緒に連れてきなさい。じゃあ後でね」

765: 2016/12/18(日) 00:36:35.84 ID:cyolpqDA.net
にこ「さてさて、花陽と穂乃果達も誘いましょ」

にこ「賑やかになるわね!」

にこ「...ふふっ」

・21 終わり

766: 2016/12/18(日) 00:38:02.99 ID:cyolpqDA.net
終わりです
見てくれた人、レスしてくれた人ありがとう

ではでは

767: 2016/12/18(日) 00:38:28.62 ID:Eq7vnZsk.net
泣いた

次回作も期待しています
お疲れ様でした!!!

768: 2016/12/18(日) 00:39:19.38 ID:qSM86Wnr.net
乙。面白かった。個人的には今年の5本の指に入ると思う。

769: 2016/12/18(日) 00:39:22.78 ID:qYrMI3YW.net
乙乙
良かったよ

807: 2016/12/20(火) 17:38:02.23 ID:kGwDKu32.net

引用: 希「幽霊のんたんと!」にこ「にこの大学生活」