1: 2014/08/25(月) 22:31:52 ID:VrowudKw
「ゲラゲラポー」

やすな「おおお!」




やすな「オッハよー!ソーニャちゃん」

ソーニャ「ああ、やすなか」

やすな「見てよこれ!カッコいいでしょ?」

ソーニャ「腕時計が?別にかっこよくない。というかなんだその丸っこいカプセルは」

やすな「普通の時計にガチャガチャのカプセルをくっ付けたの。いいでしょー?」

ソーニャ「またへんな事をしてるな……ふぁぁあ」

やすな「うっわースッゴい大あくび。どうしたの?」

ソーニャ「昨日、ちょっと色々とあってな」

やすな「あっ!もしかしたら妖怪の仕業じゃない?」

ソーニャ「は?」

2: 2014/08/25(月) 22:35:16 ID:VrowudKw
やすな「きっとソーニャちゃんに眠気を誘う妖怪がとりついてるんだよ」

ソーニャ「また、なにかに影響されたのか」

やすな「じゃじゃーん、そんな時はこれを使います」

ソーニャ「それをか?」

やすの「なんとこのカプセルを起こして、これを通して見ると妖怪が見えるのです」

ソーニャ「へー」

やすな「どれどれ?おっ!?右肩にいますねー」

ソーニャ「そうか、良かったな」

3: 2014/08/25(月) 22:43:41 ID:VrowudKw
やすな「もーノリが悪いよー!知らないのこれ流行ってるんだよ?」

ソーニャ「腕時計にカプセルをつけるのがか?」

やすな「そうじゃなくて、妖怪が」

ソーニャ「ふーん」

やすな「昨日の夜テレビであってて、とっても面白かったんだー」

ソーニャ「へー」

4: 2014/08/25(月) 22:46:15 ID:VrowudKw
やすな「もういい、一人で遊ぶからね」

ソーニャ「そんなので遊べるのか?」

やすな「遊べるよ。あっ!妖怪発見」

ソーニャ「なんだよ?」

やすな「名前はふむふむ、不機嫌そうにゃ。ソーニャちゃんだけに」

ソーニャ「名前もじっただけじゃないか」

やすな「妖怪の名前にはこんなのがおおいんだよ」

5: 2014/08/25(月) 22:49:36 ID:VrowudKw
ソーニャ「アホなことしてないで早く行くぞ……次は体育なんだから」

やすな「もう本当に興味ないの?面白いんだよ?」

ソーニャ「よく知らないが、少なくともそんなのじゃ面白くないだろ。正規品ならともかく」

やすな「そんなことないよー!ソーニャちゃんはやっぱりブームには鈍感なのかな?ふふふ」

ソーニャ「貸してみろ!」

やすな「おっやっと乗り気になったね」

ソーニャ「それじゃあおまえにはこれがとりつてるな。くちうるサイ」

やすな「お、お!いいねーソーニャちゃん」

ソーニャ「さ、妖怪はいなくなったぞ。喋りが減るはずだ」

やすな「あ、そうだった……ムグッ」

ソーニャ「静かになったな。よし、いくか」

7: 2014/08/25(月) 22:51:54 ID:VrowudKw

放課後

ソーニャ「やすな、図書室にいたのか」

やすな「ごきげんよう」ニコッ

ソーニャ「な、なんだ今の挨拶……」

やすな「……」ジーッ

ソーニャ「バカな……あのやすなが新聞なんか読んでる」

やすな「ソーニャさん……どうかされたのですか?」

ソーニャ「ソ、ソーニャさん?」

やすな「えっ、どうしてそのように驚かれるのですか?もしかして私の顔になにかついていますでしょうか……」

8: 2014/08/25(月) 22:54:40 ID:VrowudKw
ソーニャ「お前、そのふざけた喋り方をやめろ!なんか腹立つ」

やすな「気分を害されたのなら謝ります。ですがどうして腹をお立てになっているのかわからなくて」

ソーニャ「いいから、ちょっとこい!」

やすな「ら、乱暴はよしてください……箸より重いものを」

ソーニャ「乱暴なんかしない!あぎりのところに連れていくだけだ」

9: 2014/08/25(月) 22:57:14 ID:VrowudKw
あぎり「やすなちゃんが変?」

ソーニャ「ああ」

やすな「私、どうしてソーニャさんがこのような事を言われるのか検討がつきません」

あぎり「たしかにおかしいですね」

ソーニャ「おかしなものでも食ったのかもしれない」

あぎり「これはもしかしたらアレの仕業かもしれません」

ソーニャ「お前もかあぎり」

あぎり「お前もかって?」

ソーニャ「朝、こいつもおんなじことをいってたんだよ。なんか腕時計をつけて」

あぎり「あーアレね最近流行ってるからねー」

ソーニャ「あぎり何か知ってるのか?」

10: 2014/08/25(月) 22:59:48 ID:VrowudKw
あぎり「私達忍者は古くからの日本の事を受け継いでます。そのなかには超自然のものも多くあるの」

ソーニャ「それで?」

あぎり「こうなったのもそれの1つ。たぶんやすなちゃんになにかがとりついているのね」

ソーニャ「まったく面倒事ばかり起こしやがって……そのままにしとくと、喋りがイラっとするからなんとかしたいな」

あぎり「それだったらいいものがあるの。じゃーん」

ソーニャ「なんだこれは?」

あぎり「忍者ウォッチです」

ソーニャ「やすなのと同じでパチモンみたいだが」

あぎり「失礼な。今の忍者の必需品なのよ」

ソーニャ「そうなのか?」

あぎり「ええ、ストップウォッチにもタイマーにもなるし、なんと今の時刻を知ることも出来るの」

ソーニャ「ただの時計じゃないか」

11: 2014/08/25(月) 23:03:17 ID:VrowudKw
あぎり「まあまあ、お安い値段でオモチャ屋にもうってありますよ」

ソーニャ「騙す気まんまんじゃないか……もういい、他になにかないのか?」

あぎり「……そうですねぇ」

やすな「あれ!?わ、わたし今まで何を?」

ソーニャ「あ、戻った」

やすな「あれ?朝からの記憶が無いけど……ま、いいか」

ソーニャ「本当にわざとじゃないのか?」

やすな「何が?」

12: 2014/08/25(月) 23:07:10 ID:VrowudKw
ソーニャ「お前、お嬢様言葉でしゃべってた」

やすな「私が?まっさかー」

あぎり「たしかに喋っていましたよ」

やすな「またまたー」

ソーニャ「新聞読んでただろ?」

やなな「もー学校でそんなの読むわけないじゃん」

ソーニャ「さっき図書室で読んでたやつを持ってきてるぞ。ほらお前右手に持ってるじゃないか」

やすな「あ、ほんとだ……ってことは私、本当になにかにとりつかれてたんだ!これはきっと妖怪だよ」

ソーニャ「またそれか」

13: 2014/08/25(月) 23:09:23 ID:VrowudKw
やすな「確信した。妖怪は実際に存在するんだよ」

あぎり「幽霊は存在しますから、妖怪もいるかもしれませんねー」

ソーニャ「はぁ?幽霊って……」

やすな「ようし、今度は捕まえて、正体を暴いてやる!今日から妖怪に用かい部を発足します!」

あぎり「いいですね」

やすな「部員は三人、私とあぎりさんとソーニャちゃんね!」

ソーニャ「私は入らないからな」

あぎり「まぁまぁいいじゃない」

やすな「活動内容は妖怪の発見。以上。早速今日から活動するよー!」

あぎり「おー」

ソーニャ「まったく……」

14: 2014/08/25(月) 23:11:41 ID:VrowudKw

やすな「と言うわけで、山奥へやって来ましたー!」

ソーニャ「くそ、あぎりのやつ仕事があったとかいってうまく逃げやがって」

やすな「まあまあいいじゃん!それじゃあ早速始めるよ」

ソーニャ「始めるったって、どうするんだ?」

やすな「このダウジングマシンを使います!」

ソーニャ「それでできるのか?」

やすな「下手な鉄砲でも一杯撃てば当たるって言うでしょ?とにかくやってみようよ。はいこれソーニャちゃんの分」

ソーニャ「絶対意味がないと思うが……」

15: 2014/08/25(月) 23:14:10 ID:VrowudKw
やすな「おおっ!反応してる!」

ソーニャ「バカな!?自分で動かしてるに決まってる」

やすな「違うよ!本当に反応してるんだってば。とにかく掘ってみよう」

ソーニャ「おい、妖怪はどうした」

やすな「はあ?こんなので妖怪を見つけられるわけないじゃん」

ソーニャ「お……お前な」プルプル

やすな「それに妖怪なんてあとあと、もしかしたら埋蔵金かもしれないよ」

ソーニャ「そんな都合のいい話があるか」

やすな「えっとここの地面か……」ザクザク

ソーニャ「そんな簡単に」

やすな「は、はわわわ……」ガタガタ

ソーニャ「なんだ?」

16: 2014/08/25(月) 23:16:38 ID:VrowudKw
やすな「ま、埋蔵金だ……」

ソーニャ「なんだって?壺に小判がぎっしり入ってる。しかも本物の金だ……」

やすな「徳川埋蔵金はここにあったんだ!ってどうしようソーニャちゃん」

ソーニャ「とりあえず交番に届けよう」

やすな「えっ!?どうして」

ソーニャ「色々と面倒そうだからな。それか埋め直すか」

やすな「う、うん……じゃあ埋める……でも一枚くらいなら」ザクザク

ソーニャ「まったく……さ、もう帰るぞ」

17: 2014/08/25(月) 23:18:41 ID:VrowudKw
やすな「えーっ?もう帰るのー?」

ソーニャ「気がすんだだろ。さあ……」

やすな「もう少しだけいようよ」

ソーニャ「……」

やすな「ど、どうしたの?」


ソーニャ「さぁもう帰りましょうか、やすなさん」

やすな「え……」

ソーニャ「山奥は危険ですわ。蛇さんや熊さんが出るかもしれませんし」

やすな「ヒーッヒーッ!なに?そのしゃべり方!? 」

18: 2014/08/25(月) 23:20:37 ID:VrowudKw
ソーニャ「何を笑っているのですか?」

やすな「だ、だって……プっ。動画にとっておこう」

ソーニャ「あら、私ソーニャと申します。ご機嫌いかが?」

やすな「あはははははは」

ソーニャ「やすなさん……や、や……」

やすな「はーっはーっ笑い疲れた」

19: 2014/08/25(月) 23:22:41 ID:wYU1oYNo
ソーニャ「うぉーっ!」バキッ

やすな「い、いたいっ!」

ソーニャ「ハッ……私は一体何を?……やすなの笑い声に苛ついて本能的に殴ってしまったが」

やすな「もう酷いよソーニャちゃん!いきなり殴るなんて!」

ソーニャ「それが、わたしにもよくわからない」

20: 2014/08/25(月) 23:24:47 ID:wYU1oYNo
やすな「わからない?この動画みてみてよ」

ソーニャ「……記憶にないぞ。それにこれはさっきのお前のとそっくりだ」

やすな「それじゃ妖怪の仕業?」

ソーニャ「それは分からないが……気味悪いな」

やすな「あーっ!妖怪だ!」

ソーニャ「また、適当なこと言って、私を怖がらせるつもりだろ」

やすな「チッ……引っ掛からなかったか」

ソーニャ「もうそろそろ暗くなってきたし、帰るぞ」

21: 2014/08/25(月) 23:26:51 ID:wYU1oYNo

ソーニャ「くそ、私としたことが……」

やすな「もー落とし物するなんて、そそっかしいなー」

ソーニャ「あった……じゃあ次こそ帰ろう……え」ボトリ


やすな「どうしたの?」

ソーニャ「あ、あ……」

やすな「うわっ!?こ、小判が浮いてる?」

ソーニャ「で、出たーっ!?」

やすな「ま、まってよー!ソーニャちゃん!」

22: 2014/08/25(月) 23:29:26 ID:wYU1oYNo
次の日

ソーニャ「まったく……昨日はやすなのせいでひどい目にあった」

やすな「ソーニャちゃん……ど、どうしよう。昨日の小判一つ持ってきちゃったよ」

ソーニャ「うおっ?近づけるな。なんで持ってきたんだよ?」

やすな「だ、だって、一つぐらいならいいと思って」

ソーニャ「返しに行ってこいよ!」

やすな「一緒に行ってくれないの?」

ソーニャ「私は行かない。君子危うきに近づかずだ」

やすな「まったく頃し屋ってのも案外臆病者なんだね」

ソーニャ「なんだと?」

23: 2014/08/25(月) 23:31:25 ID:wYU1oYNo
やすな「それによく考えたら、私は妖怪に用かい部の部長。昨日のが妖怪の仕業だとしたら放っておけないよ。はい、部長命令です。ついてきてください」

ソーニャ「部活もなにも、そんなの
口だけじゃないか」

やすな「いいから、来て!」ギュツ

ソーニャ「あ、おい!」

24: 2014/08/25(月) 23:34:05 ID:wYU1oYNo

やすな「とはいったものの、やっぱり怖い……」

ソーニャ「はやく終わらせてさっさと帰るぞ」

やすな「たしかここだったね……あの、ゴメンなさい……昨日一枚もっていっちゃいまして、返しにきました。許してくれるなら昨日みたいに小判を浮かしてください」

ソーニャ「げっ!?壺と小判が浮いてる……」

やすな「おお、許してくれるんですね……それじゃあ置いていきますね」


ガッシャャャャン


やすな「ひ、ひぃぃい!壺が割れた!やっぱり怒ってる!?」

ソーニャ「おい!早く逃げよう!」

25: 2014/08/25(月) 23:36:34 ID:wYU1oYNo
やすな「う、うん……でもちょっと待って!小判が動いてる!」

ソーニャ「何か文字を作ってるな」

やすな「きっとメッセージだよ!私たちと話すつもりなんだ!」


ソーニャ「えっと……」

やすな「キニツナイデ?……も、も、もしかして、木にくくりつけてやるぞって事!?」

ソーニャ「くそっ!やすな早く小判を置け!やっぱり怒ってるぞ!」

やすな「ひーっ!ゴメンナサい!ゴメンナサい!ゴメンナサい!」

26: 2014/08/25(月) 23:38:27 ID:wYU1oYNo
あぎり「お困りのようですねー」

ソーニャ「あぎり!」

やすな「あぎりさん!どうしてここに?」

あぎり「これを持ってきたんですよ」

やすな「おお、これはあのオモチャ!でもなんか違う」

あぎり「忍者ウォッチですからね」

ソーニャ「またそれか……」

やすな「ニセモノじゃないですか!」

あぎり「失礼な。ちゃんと効果はありますよ。そういわずに使ってみてください」

27: 2014/08/25(月) 23:41:29 ID:wYU1oYNo
ソーニャ「効果だと?使ったらどうなる?」

あぎり「見えない物が見えるようになるの」

ソーニャ「信じられんが、とにかく今はこいつの言う通りにしよう」

やすな「わかった……おおっ!着物姿の凄く美人な人が立ってる!」

「えっ?私が見えるのですか?」

やすな「声も聞こえる!スゴい!」

ソーニャ「なに?貸してみろ……マジだ」

28: 2014/08/25(月) 23:43:54 ID:wYU1oYNo
あぎり「ね?効果があったでしょ……さぁ誤解を解きましょうか」

やすな「そうですね!あのスミマセン!この小判返します。許して下さい!」

「構いませんよ。壺は手が滑ってしまって、それに先ほど気にしないでと小判を並べたのですが」

やすな「あー、私がシとツを読み間違えてたのか」

ソーニャ「まったく人騒がせだな」

「私の方こそスミマセン。怖がらせてしまって」

やすな「いえいえ、全然いいですよー。ソーニャちゃんだけですから、怖がってたのは」

ソーニャ「お前もだろ!」

29: 2014/08/25(月) 23:46:34 ID:wYU1oYNo
「本当によかったです……返しに来てくれて。そうじゃなかったら……」

やすな「いやーでも驚いた。ホントにいるんだなー 」

あぎり「どうやらこの方は人にとりついてお嬢様風にさせるみたいですね」

やすな「なるほどなるほど」

「あ、そうですわ。皆さん、私とお友達になりませんか?」

やすな「ホントに!?やったぁ!妖怪と友達になった。アニメみたい!」

「それでは皆さん、またいつかお会いしましょう」

やすな「さようならー!ふぅ……いやーいい人だったね」

ソーニャ「人と言っていいのかわからないけどな」

30: 2014/08/25(月) 23:49:14 ID:wYU1oYNo
やすな「それにしても驚きましたよ。あぎりさんが妖怪を見れる道具を持ってたなんて」

ソーニャ「ああ、昨日の話はデマじゃなかったんだな」

あぎり「妖怪?なんの話ですか」

やすな「え?だってこれって、アニメのやつみたいに妖怪を、見る機械なんですよね?」

あぎり「違いますよー。これは幽霊を見れる道具なんです。生の幽霊はどうでした?」

やすな「え……ゆ、幽霊?」サーッ

ソーニャ「な……あ……」サーッ

あぎり「だから昨日いったじゃない?幽霊ならいるけどって。ま、幽霊も妖怪も一緒みたいなものだけどね」


ソーニャ「……や、やすな……やっぱり逃げるぞーーーっ!」ダッ

やすな「う、うわーーっ!ま、まってよー!」


おわり

引用: やすな「へーこんな時間にアニメかー」