1: 2011/03/26(土) 21:03:15.64 ID:cNU2j9qx0

坂本「ん? どうした宮藤、急に……」


芳佳「シャーリーさんが野球の道具をいっぱい持っていて、貸してくれたんです」

芳佳「どうせならこれで何かしたいなあと思って……」


坂本「ふむ……構わないぞ」


芳佳「えへへ……」

芳佳「誰かとキャッチボールするなんて、お父さんとした時以来です」




坂本「よし宮藤、思いっきり投げてこい!」バンバン

芳佳「はーい!」

芳佳「てやぁ!」ビュン

3: 2011/03/26(土) 21:05:14.93 ID:cNU2j9qx0

坂本「……!」パンッ

坂本「中々いい球を投げるじゃないか……宮藤!」ヒュッ


芳佳「わっ!」バシッ!

芳佳「……うう、凄い威力……手がビリビリする……」

芳佳「凄いコントロールですね、坂本さん!」ビュン


坂本「はっはっは」パシッ

坂本「お前もやるじゃないか! 宮藤!」ヒュンッ


芳佳「……!」バシィッ

芳佳「負けませんよ、坂本さん!」ビュン



坂本「宮藤っ!」パヒュッ!

芳佳「坂本さんっ!」バヒュン!

6: 2011/03/26(土) 21:07:24.62 ID:cNU2j9qx0

坂本「宮藤ぃ!!」ヒュッ

芳佳「坂本さぁん!!」バシッ

坂本「宮藤ぃ!!」ヒュッ

芳佳「坂本さぁん!!」バシッ



シャーリー「お、やってるな。二人とも」


芳佳「はぁ……はぁ……。あ、シャーリーさん」

坂本「どうした? シャーリー」


シャーリー「いや、別に急ぎの用事じゃ無いんだけど……」

シャーリー「二人が使ってるそのグローブ、ちょっと返さなくちゃいけないみたいでさ……」


芳佳「え? これシャーリーさんのじゃないんですか?」


9: 2011/03/26(土) 21:09:23.25 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「整備兵あてに届いていたから、うちの部隊の物だと思ったんだけど……」

シャーリー「どうやらそれ、ここを経由してロマーニャ基地に送る物だったらしいんだ」

坂本「なんだ、そうだったのか」


シャーリー「一応今梱包中だからさ。時間も掛かりそうだし」

シャーリー「夕方までに戻しに来てくれればいいよ」スタスタ



芳佳「……」

芳佳「うちの部隊のものじゃ、無かったんですねー」ヒュン


坂本「うむ」パンッ

坂本「ん……? しかしこのグローブには、統合戦闘航空団のマークがあるぞ」ヒュッ


芳佳「え? ホントだー。気付きませんでしたー」

芳佳「あいたー!」ポカーン

10: 2011/03/26(土) 21:12:55.50 ID:cNU2j9qx0


坂本「宮藤! 大丈夫か!」

芳佳「いたた……」


坂本「……大きな怪我は無いようだな。全く、不注意だぞ」

芳佳「えへへ、ごめんなさい……」


坂本「どうする? 止めにするか?」

芳佳「あ、いいえ。もうちょっと続けたいです」

芳佳「坂本さんとのキャッチボール、楽しいですから!」



坂本「……ふむ」

坂本「そうだ……どうせならもう少し、大掛かりにしてみようか」


芳佳「え?」

12: 2011/03/26(土) 21:16:39.79 ID:cNU2j9qx0

坂本「宮藤、お前、野球は好きか?」


芳佳「えっと……見るのは好きです!」

芳佳「でもやったこと無くて……」


坂本「なら、ちょうどいい」

坂本「この基地で、野球チームを作って、私と対戦しよう」


芳佳「ええっ!」

芳佳「ちょ、ちょっと待って下さい。や、野球ですか?」


坂本「ああ。面白そうじゃないか」ニヤリ

坂本「今週末、お前の作ったチームと、私の作ったチームとで、試合をしてみるんだ」

坂本「皆素人とはいえウィッチだからな……どんな試合になるか、見物じゃないか」

14: 2011/03/26(土) 21:21:09.01 ID:cNU2j9qx0

坂本「どうだ? この勝負、受けてみるか?」

芳佳「わ、私は……」


芳佳(坂本さんとの、真剣勝負……)

芳佳(野球でも……やってみたい!)



芳佳「わかりました! その勝負、受けます!」

坂本「よく言った! それでこそ扶桑の魔女だ!」


坂本「そうだな……なら、膳は急げだ」

坂本「今からメンバーを集めてこい! 駆け足!」


芳佳「はい! 行ってきます!」タタタタッ

坂本「……」

18: 2011/03/26(土) 21:24:14.98 ID:cNU2j9qx0

 【 食堂 】


リーネ「ふんふん……」カタカタ


 タタタタタッ  バタン!

芳佳「リーネちゃん! 」


リーネ「よ、芳佳ちゃん?」

リーネ「どうしたの? 今日はご飯の当番じゃ無いよね……何か用?」


芳佳「うん、あのね……」

芳佳「今、坂本少佐と試合するために、野球のメンバーを集めてるの!」

芳佳「リーネちゃん! 私のチームに入ってくれない?」


リーネ「や、野球? 坂本少佐と?」

19: 2011/03/26(土) 21:27:18.26 ID:cNU2j9qx0


リーネ「私は構わないけど……」

リーネ「…私、野球やったこと無いよ……」


芳佳「大丈夫! 私もはじめてだから!」

リーネ(何が大丈夫なんだろう……)


芳佳「えっと、これで二人だね」

芳佳「野球って、何人必要なんだろう……」


リーネ「九人だよ。芳佳ちゃん」

芳佳「そっかー。じゃあ、あと七人探さないと駄目なんだね」

芳佳「誰を誘えばいいんだろう……」

  ガチャ

ペリーヌ「あら、宮藤さん。貴方も食事当番でしたの?」

21: 2011/03/26(土) 21:30:17.92 ID:cNU2j9qx0


芳佳「あ、ペリーヌさん!」

リーネ「芳佳ちゃんは、野球チームのメンバーを探しているんです」

ペリーヌ「野球……また、宮藤さんらしいような、らしくないような……」


芳佳「ペリーヌさん、私のチームに入りませんか?」

ペリーヌ「遠慮しておきますわ」

ペリーヌ「私、あまり野蛮なスポーツは好みませんの」


芳佳「あうう……」

リーネ「残念だったね、芳佳ちゃん」

芳佳「うん……早く九人集めないと、坂本さんと試合が出来ないよぉ……」


ペリーヌ「……」ピクッ

ペリーヌ「お、お待ちなさい宮藤さん……坂本少佐、ですって?」

22: 2011/03/26(土) 21:34:23.00 ID:cNU2j9qx0

芳佳「はぁい! 私と坂本少佐でチームを作って、試合をするんです!」

芳佳「その為のメンバーを集めているんです……」


ペリーヌ「そうでしたの……」


芳佳「……」

ペリーヌ「……」


芳佳「ペリーヌさん?」

芳佳「良かったら、私のチームに……」


ペリーヌ「……私、急用を思い出しましたわ」

ペリーヌ「リーネさん? しばらく厨房をお任せします」バタン! タタタッ


リーネ「行っちゃった……」

芳佳「あう……」

23: 2011/03/26(土) 21:37:23.48 ID:cNU2j9qx0

芳佳「とりあえず、早く七人集めないと……」


リーネ「シャーリーさんとか、どうかな?」

リーネ「リベリオンの人は、みんな野球うまいって聞くよ……」


芳佳「そうだね! シャーリーさんを探してみる!」

芳佳「ありがとうリーネちゃん! またねー」タッタッタッタ


リーネ「頑張ってね、芳佳ちゃんー」

リーネ「……」



リーネ「ペリーヌさん、食事当番なのに……」

リーネ「早く帰ってこないかなあ……」


24: 2011/03/26(土) 21:40:20.97 ID:cNU2j9qx0

 【 談話室 】


エイラ「それでサーニャがな、言うんだよ……」

エイラ「『エイラ、おはよう……』ってさあ。ワタシは起きて着替えてたんだけど……」

エイラ「その時のサーニャがさ、すっごく……何と言うか、守らなきゃ、って感じでさー」

エイラ「なんでだろうなー、あれ。わっかんないよなー」


ゲルト「うむ……理解は、出来るな」

ゲルト「サーニャには、独特の魅力……愛顧見にも似た何かがあるな」

ゲルト「悩ましい所だが……」


エイラ「そうなんだよなぁー! なんでサーニャはあんなに可愛いんだろうなー!」バタバタ

ゲルト「落ち着け、エイラ」


   ガチャ

芳佳「あ、バルクホルンさん、エイラさん」

27: 2011/03/26(土) 21:44:28.20 ID:cNU2j9qx0


芳佳「二人とも、何をされてたんですかぁ?」


ゲルト「いや、少し世間話をな」

エイラ「そ、そうだぞ。別に関係無い話だ」

芳佳「……?」


ゲルト「どうしたんだ? 何か用事があったんじゃないのか?」

芳佳「あー、そうでした!」


芳佳「エイラさん、バルクホルンさん!」

芳佳「私の野球チームに、入ってください!」


エイラ「や、野球……?」

ゲルト「……」

28: 2011/03/26(土) 21:47:41.00 ID:cNU2j9qx0


芳佳「実は、かくかくしかじかで……」


エイラ「なるほど……週末に坂本少佐と野球かー」

エイラ「いいぞ。お前のチームに入ってやる」


芳佳「ほ、ほんとですか、エイラさん!」

エイラ「ちょうど暇してたところだったからなー」

エイラ「ワタシが味方に付いたからには、坂本少佐なんて目じゃないさ」


芳佳「あの、バルクホルンさんは……」

ゲルト「……。……いや、私は遠慮しておこう」


芳佳「そうですか……」

30: 2011/03/26(土) 21:50:39.13 ID:cNU2j9qx0

   ガチャ


サーニャ「あ……」

エイラ「あ、サーニャ! おかえりー!」


芳佳「サーニャちゃん、おはよう」

サーニャ「おはよう。芳佳ちゃん…」

サーニャ「あの、野球するって、聞いたんだけど……」


芳佳「うん! 坂本さんとね!」

芳佳「誰から聞いたの?」


サーニャ「さっき、そこで坂本少佐本人に会って……」

サーニャ「少佐のチームに入る事、約束しちゃったから……」

31: 2011/03/26(土) 21:54:12.17 ID:cNU2j9qx0

エイラ「……っ!!」


芳佳「そうなんだ……じゃあサーニャちゃんは坂本さんのチームなんだね」

サーニャ「ごめんね芳佳ちゃん……」

サーニャ「エイラは、芳佳ちゃんのチームに入るの?」


エイラ「……」

サーニャ「……エイラ?」


エイラ「い、いや、まだ決めてなかったんだよな、あはは……」

エイラ「サーニャが坂本少佐のチームに入るなら、ワタシもそっち行こうかなー……」

芳佳(えっ)


ゲルト「おい、エイラ……」

エイラ「な、何だよ……あ、その……」

34: 2011/03/26(土) 21:59:30.77 ID:cNU2j9qx0

芳佳「……」

エイラ「う……うう……」

エイラ「その、ミヤフジ、な……あの……」


サーニャ「もしかして、エイラ……芳佳ちゃんのチームに入る予定だった……?」

エイラ「い、いや! そんな事ないぞ! ワタシは坂本少佐のチームがいいなって……」


芳佳「で、でもエイラさん……」

エイラ「は、始めはミヤフジと一緒のチームが良かったんだけど……でも、サーニャが……」


サーニャ「私の、せいなの……?」

エイラ「……え、いや、違……」


ゲルト「しょうがない奴だな……全く」

ゲルト「おい宮藤。私がお前のチームに入ってやる」

36: 2011/03/26(土) 22:02:21.34 ID:cNU2j9qx0

芳佳「い、いいんですか、バルクホルンさん……」


ゲルト「人数が足りないのはお前も困るだろう。仕方がない」

ゲルト「ハルトマンもお前のチームに入れてやる。これで二人分だ」


エイラ(大尉、サンキューな!)

エイラ(ミヤフジ、ゴメンっ!)


ゲルト「……全く」

ゲルト「……で、あと何人必要なんだ?」


芳佳「えーっと、バルクホルンさんに……ハルトマンさんも入ってくれるなら……四人だから……」

芳佳「あと、五人です!」


ゲルト「……足りないんじゃないか?」

37: 2011/03/26(土) 22:05:17.35 ID:cNU2j9qx0


芳佳「え……け、計算は合ってますよ……」

ゲルト「いや、違う。部隊のメンバーの数だ」

ゲルト「そもそもこの部隊には11人しかいないんだ……どうやって二チーム作るつもりだ?」


芳佳「……、……あっ!」

ゲルト「残っているのは四人……必要なのは五人」

ゲルト「そもそも坂本少佐はチームをどうやって作るつもりだ?」


芳佳「あー、えっと……どうやってでしょう……」

ゲルト「話にならんな」

ゲルト「行くぞ宮藤。少佐に確認を取らなくては試合にならない」ガタッ

エイラ(ノリノリじゃないか)


芳佳「あ、はい! バルクホルンさん!」

38: 2011/03/26(土) 22:08:46.71 ID:cNU2j9qx0

 【 ハンガー 】

  ガヤガヤ...


芳佳「えーっと、坂本さんここにいないかなぁ……」

ゲルト「やけに騒がしいな……」



ルチアナ「……あ。……どうも、宮藤さん。お久しぶりです」

芳佳「あ、あれ? ルチアナさん?」


フェル「やっほー、宮藤ちゃん、バルクホルン大尉ー」

ゲルト「フェルナンディア中尉……? なぜ、ここに?」


フェル「ふっふふー。面白い事やるそうじゃなーい?」

フェル「ちょーっと荷物を引き取りに来るだけのはずだったんだけど……」

フェル「話を聞いてるうちに、興味が湧いてきてねー」

41: 2011/03/26(土) 22:12:10.35 ID:cNU2j9qx0

坂本「ああ、宮藤か」

坂本「どうだ? メンバーは集まったか?」


芳佳「四人までは集まりましたけど……」

芳佳「でも、やっぱり11人じゃ足りないんじゃないかって思いまして……」


坂本「なんだ、そんな事か」

坂本「問題無いぞ。足りない人数はなんとかなる」


芳佳「……?」


坂本「やはりな、さっき私達が使っていた野球道具……」

坂本「ロマーニャ基地のウィッチ宛て……第504戦闘航空団の備品だったんだ」


芳佳「え、ええー!」

44: 2011/03/26(土) 22:15:44.64 ID:cNU2j9qx0

ルチアナ「説明します」

ルチアナ「今、ロマーニャではLIR(ロマーニャ野球連盟)の活動により、野球が盛んでして」

ルチアナ「今回、総指揮のドッリオ少佐が体力作りの一環として野球を訓練メニューに取り入れたんです」


坂本「そのために注文した用具が、何かの手違いでこの基地に届けられた……」

坂本「と、言うわけだ」


芳佳「へぇー、そうだったんですかぁ」

芳佳「504の皆さんも、野球をされるんですか?」


フェル「ええ。けっこう私は上手いわよ」

フェル「宮藤ちゃん! 試合を楽しみにしていなさい!」


芳佳「え? あ、あの、もしかして……」

坂本「そう、そのまさか、だ」

46: 2011/03/26(土) 22:18:54.72 ID:cNU2j9qx0


坂本「今回の試合、504統合戦闘航空団にも協力を仰ぐ事にした」

坂本「元々、501のメンバーだけでは試合は不可能だからな」


フェル「ふふ……私達も初試合だから。待ちきれないわね!」

フェル「ちなみに、私は宮藤ちゃんの敵よ! 敵チームなんだから!」


芳佳「ふ、フェルナンディアさん……坂本さんの方に着くんですかぁ……」

フェル「勝負の世界は非常よ!」


ルチアナ「あ、あの……宮藤さん」

ルチアナ「頼りないかもしれませんが、私は宮藤さんのチームに入りたいです」


芳佳「おっぱ……ルチアナさん!」

芳佳「ありがとうございますっ!」

47: 2011/03/26(土) 22:22:30.52 ID:cNU2j9qx0

フェル「とりあえず、練習用に用具一式は置いておく事にしたわ」

フェル「私達504の中には初心者はいないし……そっちにはいっぱい居るらしいじゃない?」

フェル「とりあえず、少しでも対等にしてもらいたいものよねぇ」


坂本「……まあ、努力しよう」

坂本「一応、そちらも足りない人数は集めておいてくれ」


フェル「オーケーオーケー、任せなさーい」

フェル「んじゃルチアナ! 帰るわよ!」

ルチアナ「はい、隊長……」

    バラバラバラ........


シャーリー「いやあ、面白い事になったじゃないか」

芳佳「シャーリーさん!?」

49: 2011/03/26(土) 22:26:08.79 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「話はだいたい聞かせてもらったよ」

シャーリー「いつの間にキャッチボールが野球試合になったんだい?」


芳佳「えっと……」

坂本「まあ、いいじゃないか」

坂本「ところでシャーリー、お前はどっちに入るんだ?」


シャーリー「さあて……どうするかな」

シャーリー「今、どのくらいのメンバーが集まっているんだい?」


坂本「私は、サーニャとミーナに声を掛けたが……」

坂本「そういえば先程、ペリーヌもチームに入りたいと来たな」

芳佳(ペリーヌさん……)


52: 2011/03/26(土) 22:31:43.30 ID:cNU2j9qx0


シャーリー「ふうん……それにエイラと赤ズボンの中尉、と……」

シャーリー「ルッキーニ! お前はどっちに入りたいー!」


芳佳「え? ルッキーニちゃん?」


  ルッキーニ『んとねー、んとねー!』

  ルッキーニ『シャーリーと試合したーい!』


芳佳「あ、あんな高いところにいる……!」

坂本「ふむ……ルッキーニはシャーリーと別のチームに入るらしいな……」

坂本「まあ人数的にも別れてくれた方がありがたい」


シャーリー「うーん……迷うなあ」

シャーリー「バルクホルン、お前はどっちのチームなんだ?」

53: 2011/03/26(土) 22:34:47.43 ID:cNU2j9qx0


ゲルト「私か? 私は宮藤のチームに加わる」

ゲルト「人数が足りないからな……仕方なく、だ」


シャーリー「ふうん? そうか」

シャーリー「なら、私も宮藤のチームに加えてくれよ」


芳佳「え? 良いんですか? シャーリーさん!」


シャーリー「ああ。バランス的にも、こっちは危うそうだからな」

シャーリー「堅物軍人に任せるよりは、私が入った方が良さそうだ」


ゲルト「何だとリベリアン。お前は私よりも上手いのか」

シャーリー「あははは! 野球はリベリオンの国技さ! もちろん上手いに決まってるじゃないか!」

シャーリー「なんならここで勝負でもしてみようか? どうだー?」


ゲルト「こいつ……!」

54: 2011/03/26(土) 22:38:14.21 ID:cNU2j9qx0

芳佳「あ、あの、二人とも……落ち着いて……」



坂本「さて、私もそろそろ行くか」

坂本「試合までにウィッチ用の細かいルールの設定しないとな……」


坂本「宮藤は責任を持って週末までに自分のチームの練習メニューを組む事……」

坂本「まあバルクホルン、監督してやってくれ」

ゲルト「了解した」


坂本「シャーリーは野球の基本をメンバーに説明しておくこと」

坂本「こちらもルールが決まり次第報告する」

シャーリー「なんだ? ルールを変えるのか?」


坂本「ただの野球では、休暇と変わらんからな……」

坂本「一応、訓練という名目にしたいので、……ウィッチらしい要素を加える」ニヤリ

56: 2011/03/26(土) 22:42:12.50 ID:cNU2j9qx0

坂本「じゃあな宮藤。良いチームを作れよ」

坂本「週末を楽しみにしているぞ。はっはっはっは!」スタスタスタ



ゲルト「……、さて、宮藤」

ゲルト「皆の練習メニューを考えるぞ。私の部屋に来い」


シャーリー「まあ待て。まずは全員の実力を確認した方がいいんじゃないか?」

シャーリー「練習メニューはそれから……」

ゲルト「週末までに時間が無い。一人一人の練習メニューを組む事は不可能だ」

ゲルト「坂本少佐のチームに打ち勝つには、最も効率良い動きをする必要がある」


シャーリー「なら、個人技よりもチームワークに絞るべきか……」

ゲルト「ああ。打撃と捕球の基礎連携を固めさせる事が大事だな」


芳佳(わ、私することないや……)

57: 2011/03/26(土) 22:47:03.80 ID:cNU2j9qx0

  こうして、週末に向けて……
  バルクホルンさんとシャーリーさんによる特訓が始まりました!


 【 滑走路 】


ゲルト「宮藤! あと一週! 後が迫っているぞ!」

シャーリー「リーネー。ちゃきちゃき走れー!」


芳佳「ハァ……ハァ……、はい…っ!」

リーネ「もう……限界……」

エーリカ「あー、眠いよー……」


シャーリー「どうだ? 皆の様子は?」

ゲルト「ふむ……宮藤とリーネは、体力に難有りだな……」

58: 2011/03/26(土) 22:49:12.05 ID:cNU2j9qx0

   ビィィィ――ッッ!


ゲルト「休憩!」


芳佳「……ハァ……ハァ」

ゲルト「五分後に打撃練習に移る。しっかり息を整えておけ」


芳佳「……あの、バルクホルンさん?」

芳佳「私、キャプテンですよね……?」


シャーリー「キャプテンって、うちの軍では大尉の事を言ったなあ」

シャーリー「なんてこった! 私もキャプテンじゃないか!」


ゲルト「私が先任大尉だ。文句は許さん」

芳佳「あ、あうう……」


61: 2011/03/26(土) 22:53:46.84 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「行くぞ! ハルトマン!」シュッ


エーリカ「必殺! シュトゥルム打ちー!」ガキーン

ゲルト「ぐあっ!」ビュァー


エーリカ「あ、ごめん、トゥルーデ」

ゲルト「……」


シャーリー「バッターボックスで嵐を起こすのは、流石に怒られるんじゃないか?」

エーリカ「そっかー。別の必殺技、考えないと駄目だよねー」


芳佳(必殺技かあ……)

芳佳(私も何か考えようかなー)


エーリカ「シュトゥルム斬―っ!」カーン

ゲルト「ぎゃあっ!」

62: 2011/03/26(土) 22:57:25.80 ID:cNU2j9qx0

ゲルト「今から捕球練習を行う」

ゲルト「自分の名が呼ばれたら、球を捕ってシャーリーへ投げ返せ」

ゲルト「……宮藤!」カーン


芳佳「は、はい!」パシッ

芳佳「やっ」ビュン

シャーリー(宮藤は……なんか、投球に癖があるな)パシッ


ゲルト「リーネ!」カーン


リーネ「はい……あっ!」パスッ

リーネ「やあっ」ヒュッ


シャーリー(球速はある……リーネは良い肩をしているな)バシッ

シャーリー(コントロールはそれほど無いが……)

63: 2011/03/26(土) 23:00:23.04 ID:cNU2j9qx0

エーリカ「ばっちこーい!」


ゲルト「……」

ゲルト「エーリカ!」カーン


エーリカ「せやっ」パシッ

エーリカ「シュトゥルム投法!」バシュッゥゥゥ!


ゲルト「……!?」

ゲルト「貴様ぁ!」カキーン


エーリカ「うわっ! 打ち返した!」バシッ


シャーリー(……あいつは)

シャーリー(まあ、戦力にはなりそうなのかな……?)

64: 2011/03/26(土) 23:03:30.75 ID:cNU2j9qx0

  スタスタ...

坂本「おお、やっているな」

シャーリー「……少佐か。上手くやれそうだよ」

シャーリー「バルクホルンが経験者だったのが幸いだな」


坂本「なるほど……まあ、敵情視察は止めておこう」

坂本「当日の楽しみが無くなるからな」


シャーリー「ん? じゃあ何の用事なんだ」

坂本「……ルールが完成したので、手渡しておこうと思ってな」


芳佳「あれ? 坂本さん……」

坂本「ちょうど良い。宮藤、お前も聞け」

70: 2011/03/26(土) 23:08:32.91 ID:cNU2j9qx0

坂本「まず、基本的なルールはリベリオンのOBRを基礎とする」

坂本「そこから、今回のルールに特徴的な改正点を加えた」


シャーリー「……ふんふん」


坂本「まず、第一に人数の変更」

坂本「センターを減らし、八人でのゲームとする」


シャーリー「お、おいおい……いきなり凄い所を切ってくれたな……」

シャーリー「センターを減らすと、外野は穴だらけになるじゃないか」


坂本「うむ、理解している」

坂本「それを防ぐため……外野の二人には、ストライカーユニットを装着してもらう」


芳佳「ストライカーをですか……?」

73: 2011/03/26(土) 23:11:56.19 ID:cNU2j9qx0

坂本「うむ。右翼手、左翼手それぞれ着用……」

坂本「そして、外野手が飛球を捕った場合はアウトとは数えない」


シャーリー「……まあ、妥当だろうけど……」

シャーリー「ストライカーを履かせたら、ゲームバランスが壊れないか……?」

坂本「そればっかりは実際にやってみなんと解らんな、はっはっは」


芳佳「えっと、つまり……どういう事ですか?」


シャーリー「外野が二人になって、それぞれストライカーを履くんだよ」

シャーリー「そしてその二人は球をノーバウンドで捕っても、アウトにならないんだ」

シャーリー「直接走者を刺すしかなくなるのさ」


芳佳「えーっと……」

芳佳「あれ? そのルールだと、外野まで打てばヒットになりやすいって事ですか?」

77: 2011/03/26(土) 23:16:36.34 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「一概にそうとは言えないだろうけど……。まあ、外野からでは走者を止められない」

シャーリー「点取り合戦になるんじゃないのか?」


坂本「ふむ、それは気になっている……」

坂本「点さえ取ればいいというゲームでは、守備が緩みがちだからな……」

坂本「一応、30点という目安を定めてみた」


シャーリー「それを越えるとどうなるんだ?」

坂本「強制コールドゲームだ。先攻後攻関わらずな」

坂本「9回までの延長戦無し……まあ、そこまで得点が取れるとは思わないが」


芳佳「ゲームは9回の裏までで……」

芳佳「途中でどちらかが30点まで取っちゃったら、そっちのチームが勝ちなんですね!」


坂本「そうだ、宮藤」

78: 2011/03/26(土) 23:20:22.34 ID:cNU2j9qx0


坂本「場所はロマーニャの公用球技場を提供してくれるらしい」

坂本「どうも、公軍が動いてくれているらしいな……」


シャーリー「504もこの試合に本気なんだな……」

シャーリー「恥ずかしい野球は見せられないぞ! 宮藤!」


芳佳「はい! 私、頑張ります! シャーリーさん!」

芳佳「そして、坂本さんにも負けませんから!」


坂本「はっはっは、言うじゃないか」

坂本「まあ、良い試合になる事を期待しているぞ。はっはっはっは!」スタスタスタ


芳佳(ロマーニャの球場か……私、野球場とか始めてだなあ)

芳佳(坂本さんに相手に、どれだけやれるか解らないけど……)

芳佳(やれるだけ、やってみよう!)

80: 2011/03/26(土) 23:24:32.17 ID:cNU2j9qx0

    そして、試合の日がやってきた――!


  【 ローマ・コロッセオスタジアム 】


    ワー ワー   ワー ワー

      ザワザワザワ.........


芳佳「う、うわあ! 凄い人ですよ坂本さん!」

坂本「あ、ああ……これは少し意外だな……」



   ミヤフジサーン   コッチムイテー

      ショウサー    サムライー   サカモトショウサー


芳佳「わーい、えへへ……照れます……」

坂本「ここまでこの試合が宣伝されているとは……」

坂本「ロマーニャ軍の仕業にしては、大きすぎる効果だな……」

82: 2011/03/26(土) 23:26:20.58 ID:cNU2j9qx0

  【 宮藤サイド 】


芳佳「宮藤芳佳です! キャプテンです! 宜しくお願いします!」


シャーリー「シャーロット・イェーガーだ。一応、コーチやってるよ」

ゲルト「ゲルトルート・バルクホルンだ。このチームの監督を兼ねている」

リーネ「リネット・ビショップです……今日はよろしくお願いします」

エーリカ「エーリカ・ハルトマンだよー。くじけない程度に頑張るよー!」


竹井「竹井醇子。宮藤さんが心配でこっちに来てみたんだけど……問題無さそうね」

ティナ「マルチナ・クレスピだよー! こっちに見方することに決めたんだ!」

ルチアナ「ルチアナ・マッツェイです……どうぞ、よろしく……」

ゴッドフリー「ジェーン・ゴッドフリーです! よ、よろしくです!」

五色「諏訪五色よ。芳佳ー、おひさー。今日はがんばろうね」

疾風「中島疾風……よろしく……」

86: 2011/03/26(土) 23:29:33.06 ID:cNU2j9qx0

  【 坂本サイド 】


坂本「私が坂本美緒だ。このチームのコーチ、および指揮を勤める」


ミーナ「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケよ。今日は階級も気にせず、無礼講でね」

エイラ「エイラ・イルマタル・ユーティライネン。打撃には自信があるぞ」

サーニャ「サーニャ・ウラジミーロヴナ・リトヴャクです……よろしくお願いします……」

ペリーヌ「ペリーヌ・クロステルマン、ですわ。今日は勝利を目指して、共に励みましょう」

ルッキーニ「あたしはフランチェスカ・ルッキーニだよ。よろしくねっ!」ででん!


フェル「フェルナンディア・マルヴェッツィよ。打つのはあんまり得意じゃないわー」

諏訪「は、はわ……す、諏訪天姫です! 今日はよろしくお願いします!」

中島「自分は、中島錦です。今日は宜しくお願いします」

ドミニカ「ドミニカ・ジェンタイル。少し二日酔いだが、問題無いさ」

パトリシア「私はパトリシア・シェイド。よろしくね、みんな」


88: 2011/03/26(土) 23:34:15.97 ID:cNU2j9qx0


   『さあ、始まりました。前例無き、ウィッチ同士のベースボールゲーム!』


マリア『司会は私、ロマーニャ公国第一皇女、マリア・ピア・ディ・ロマーニャと……』

ドッリオ『ロマーニャ空軍第51航空団、第20航空群第151飛行隊長……』

ドッリオ『及び504統合戦闘航空団総指揮、フェデリカ・ニクロ・ドッリオ少佐が行います』


ドッリオ『このたびはウィッチによる公的球場使用の許可、ありがたく存じます』

ドッリオ『いや、私としましても……まさか降りるとは思わず……恐縮しております』


マリア『遊び心を忘れては、いけませんものね』

マリア『我が友人であるウィッチ達の活躍が見られるとあれば、私としても大賛成ですわ』



ルッキーニ「あ! マリアだ! いぇーい!」ぶいっ


マリア『ルッキーニさぁーん!!』

ドッリオ『殿下ー』

93: 2011/03/26(土) 23:37:46.18 ID:cNU2j9qx0

 ドッリオ『オーダー選出までしばらく時間を必要とします。しばらくお待ち下さい……』


  【 三塁ベンチ(芳佳サイド) 】


シャーリー「さて、今からポジションと打順を決めるぞ」

シャーリー「一応、全員の希望とするポジションは見させてもらった」


シャーリー「この際、防御面は実験的な試しみたいなもんだ。気にしなくていい」

シャーリー「どんだけ打たれても気にするなー! 次の回で取り返せばいいからな!」

ゲルト「それをさせないための30点コールドルールだろうが……」


シャーリー「ともかく、打撃順……守備位置を、発表する!」

シャーリー「まず、宮藤キャプテン!」

芳佳「……はい!」



シャーリー「ベンチを温めておいてくれ!」

芳佳「あ、はい!」

96: 2011/03/26(土) 23:40:37.22 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「同じく、エーリカ・ハルトマン、及び竹井醇子」

シャーリー「控えメンバーとして、ベンチにて待機してもらいたい」

竹井「了解したわ」

エーリカ「え? 寝れるの?」


シャーリー「では、先発メンバーを発表する!」

シャーリー「まず一番……シャーロット・イェーガー! ピッチャーだ!」

シャーリー「まあ私なんだが、……一応様子見として先発を取らせてもらう」


シャーリー「次に二番。マルチナ・クレスピ! ファースト!」

ティナ「え? ボクがファースト? やったー!」


シャーリー「捕球技術が高いそうなので、採用させてもらった」

ゲルト「ただ、体格が小さいので、当たり負けしないかどうか心配だな……」

98: 2011/03/26(土) 23:42:50.06 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「三番、諏訪五色。セカンド」

シャーリー「特に目立った特徴は無いが、目立った欠点もないので、安直に決まった」

五色「……地味って事かな。ちょっと傷付いた…」

疾風「……よしよし」


シャーリー「四番。ゲルトルート・バルクホルン。キャッチャー」

シャーリー「本人が希望したので、その位置に置かせてもらった」


シャーリー「五番、ルチアナ・マッツェイ。……ライト」

シャーリー「狙撃手としての肩の強さを重視した。打撃能力にも秀でている」

ルチアナ「きょ、恐縮です……」


シャーリー「六番。ジェーン・ゴッドフリー。サード」

シャーリー「オールラウンドなプレイヤーであり、三塁打線を任せるには、十分だと判断した」

ゴッドフリー「え、選ばれたからには頑張りますよ! もちろん!」

99: 2011/03/26(土) 23:45:22.85 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「七番。中島疾風。ショート」

シャーリー「その俊敏な動きと、セカンドとの連携に期待したい」


疾風「……うん……」



シャーリー「八番。リネット・ビショップ。レフト」

シャーリー「この際、外野には捕球能力よりも投球能力に重きを置いた」

シャーリー「ストライカーを上手く使えば、併殺など余裕で行えるだろうさ」


リーネ「う、うう……が、頑張ってみます……」



シャーリー「宮藤キャプテン! 確認してくれ!」

芳佳「だ、大丈夫だと思います! たぶん!」

102: 2011/03/26(土) 23:49:08.47 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「よし、じゃあこれで決定だな……」

シャーリー「後は、チーム名を決めようじゃないか!」


芳佳「えっ……チーム名、ですか?」


シャーリー「ああ。記入しないと、試合が始められない」

シャーリー「キャプテン。さくっと決めてくれ」


芳佳「え、ええ……わ、私がですかぁ……」

芳佳(どうしよう……何もおもいつかない……)

芳佳「り、リーネちゃん、何かある?」


リーネ「えっ……」

リーネ「え、えっと……ストライクウィッチーズじゃ駄目なのかな……」

ティナ「このチーム、アルダーウィッチーズの方が多いよー」

103: 2011/03/26(土) 23:51:48.80 ID:cNU2j9qx0

シャーリー「501と504が混ざっているからな……」

シャーリー「やはり、『ウィッチーズ』は避けよう。向こうもウィッチだしさ」


竹井「なら、連合軍下のチームなんだから、頭にJFWを付けるのはどう?」

竹井「そこから呼びやすい名前を下に付ければ……」


ティナ「JFW、ボロニーズ!」

五色「芳佳は海兵だし……JFWマリーンズ!」

ゴッドフリー「身の丈を越えるよう、JFWジャイアンツで行きましょう!」


エーリカ「もうJFWウィッチーズでいいよう……」



ゲルト「……時間が無いな」

ゲルト「私が監督権限で、決めさせてもらうぞ!」


106: 2011/03/26(土) 23:54:58.98 ID:cNU2j9qx0


  【 一塁ベンチ(坂本サイド) 】


坂本「……チーム名か…」

坂本「……『ロマネスク烈風突撃隊』しか思いつかん…」

ミーナ「美緒、やめて、本当にやめて」


ドミニカ「シンプルに、『ウィッチーズ』じゃあ駄目なのか」

エイラ「でも、むこうとかぶったら目も当てられないぞ……ここは慎重に」


サーニャ「やっぱり、かっこいい名前がいいと思います……」

ペリーヌ「野球のチーム名……と言えば、動物の名前も多いですわね……」


中島「ロマーニャと言えば、闘牛のイメージが強いですが……」

中島「闘牛……バッファロー……」

中島「牛……倶利伽羅峠……牛鬼……」

諏訪「錦さん! 明らかにおかしな方向に向かってます!」

107: 2011/03/26(土) 23:57:03.64 ID:cNU2j9qx0

坂本「駄目だ。思いつかんな」

坂本「もうこうなったら、ロマネスク疾風突撃隊で登録するしかなかろう」


ミーナ「ま、待って美緒! 早まらないで!」

坂本「しかしミーナ。これだけの客を待たせるわけにはいかん」


エイラ「ど、どうすんだ! 誰か、相手とかぶらなくてかっこいいチーム名考えろ!」

ドミニカ「さて」

パトリシア「無理ねー。私には……」


ルッキーニ「あ、あたし思いついたよ!」

ミーナ「ど、どんな? ルッキーニさん! それはどんな名前!?」

エイラ「ほ、ほら早く言えよ! 突撃隊になっちゃうぞ!」


ルッキーニ「んとねー……」

108: 2011/03/26(土) 23:59:17.59 ID:cNU2j9qx0

ドッリオ『……!』

ドッリオ『今、オーダーが出揃ったようですね』


ドッリオ『それでは、これよりマリア皇女殿下より、開式のお言葉を頂きます』

ドッリオ『殿下、どうぞ』


マリア『今日はこのコロッセオスタジアムにお集まり頂き、ありがとうございました』

マリア『私と致しましても、よりよい試合になることを祈っております』

マリア『ただいまより、……』




ドッリオ『……?』

マリア『……』

109: 2011/03/27(日) 00:02:18.14 ID:8CKVvI2S0

ドッリオ『殿下?』

マリア『……』

マリア『あ、いえ……失礼しましたわ』


マリア『ただいまより、ロマーニャ公下ウィッチ公式試合』

マリア『  【フランチェスカヒーローズ】 対 【JFWシスターズ】 の試合を行います!』


   ワアァァァァァァアアアアアアア............!!!


シャーリー「だーっはっはっはっは!!!」

シャーリー「フラ、フランチェスカ、ヒーローズ、う、くくく……」

芳佳「しゃ、シャーリーさん、笑っちゃまずいですよぅ……」


サーニャ「シスターズ……?」

エイラ「あー、やっちゃったなー大尉……」

エイラ「サーニャはあっち行っちゃダメだかんな! 絶対だぞ!」

111: 2011/03/27(日) 00:07:02.19 ID:8CKVvI2S0

芳佳「あの、バルクホルンさん……なんでシスターズなんですか?」


ゲルト「それはだな……我々は、501と504の組み合わせ、急造チームだ」

ゲルト「しかし。この戦いが終わるまでは、まさしく姉妹のように心を通わせ、力を合わせなければならない!」

ゲルト「そう言った意味を込めて、命名した」


芳佳「そうでしたか……バルクホルンさんの気持ち、伝わりました!」

ルチアナ「そう見れば、とても良いチーム名です。……頑張れそうです」

竹井「ええ。私達の結束、見せてあげましょうね!」



エーリカ「……」

ゲルト「なんだハルトマン、その目は」


113: 2011/03/27(日) 00:09:39.51 ID:8CKVvI2S0

ドッリオ『これより、始球式を行います』

ドッリオ『貴賓席兼、放送席のマリア皇女より、選手に記念ボールが与えられます』


ルッキーニ「あ、いいなー」

ルッキーニ「アタシがやりたい! あれ、アタシがやりたーい!」


坂本「いや、シスターズが優先になるだろう」

坂本「向こうの捕手が、皇女殿下からのボールを授けられる習わしだ」



マリア『フランチェスカ・ルッキーニ中尉、お願いします』


エイラ「うわっ! 指名が入った!」

ルッキーニ「やったあー!」テテテテッ


ルッキーニ「おーいマリア! こっこだよー!」ぶんぶん

マリア『はーい!』

116: 2011/03/27(日) 00:12:46.36 ID:8CKVvI2S0

マリア『行きます……振りかぶって……』

ドッリオ(殿下……はしたないです……)


マリア『えいっ!』


   ヒューン.....



ルッキーニ「ルゥッキィーニ……スゥーパァー」テテテテッ タンッ

ルッキーニ「きゃあっーっち!」パシュ



 マリア『きゃあー! ルッキーニさーん!』

ルッキーニ「まーりあぁー! うじゅあー!」


    ウワァァァァァァアアアアアアアアアアアア...........!!!


117: 2011/03/27(日) 00:15:26.20 ID:8CKVvI2S0

ドッリオ『お疲れ様でした。皇女殿下』

ドッリオ『如何ですか? ボールをお投げになった感想は?』

マリア『はい……輝かしい選手達の試合の場に一投を加えるという美式、とても緊張しました』

マリア『ましてやルッキーニさんにそれを受け止めてもらえるなんて……』

マリア『まだ、胸の高鳴りが抑えられませんわ……』



ドッリオ『この試合は、変則ルールにより、ストライカーユニットの使用が認められております』

ドッリオ『外野を一人減らした少人数試合であり、欠員による没収試合は想定されていません』


ドッリオ『なお、今回は両チーム代表により先制30点ルールが選定されており』

ドッリオ『どちらかのチームが30得点に達しますとその場で宣告試合となります』


ドッリオ『これより前半戦、フランチェスカヒーローズの攻撃からとなります』

マリア『わくわくです!』

119: 2011/03/27(日) 00:18:00.82 ID:8CKVvI2S0

  【フランチェスカヒーローズ・先発メンバー】


  1.  フランチェスカ・ルッキーニ

  2.  エイラ・イルマタル・ユーティライネン

  3.  ペリーヌ・クロステルマン

  4.  中島 錦

  5.  ドミニカ・ジェンタイル

  6.  アレクサンドラ・V・リトヴャク           [控え]  坂本 美緒

  7.  フェルナンディア・マルベッツィ       [控え]  諏訪 天姫

  8.  ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ       [控え]  パトリシア・シェイド



芳佳「坂本さん……先発じゃないんですね」

竹井「ええ。余裕のつもりかしらね……」

竹井「点を取り続ければ、そのうち嫌でも出てくるわ」

120: 2011/03/27(日) 00:21:41.53 ID:8CKVvI2S0
no title

坂本「外野には剛肩の狙撃手が二人。内野陣共に守備は動き良し」

坂本「宮藤にしては、意外にマトモなポジションに付けてきたな……」


坂本「しかし、それでこそ倒しがいがあると言うものだ」

122: 2011/03/27(日) 00:25:24.26 ID:8CKVvI2S0

ドッリオ『マウンドに上がるのは、リベリオン出身。シャーロット・E・イェーガー。大尉』

ドッリオ『別名、グラマラス・シャーリーとも呼ばれる、今世紀最大の肉体美の持ち主ですね』

マリア『まあ……』


シャーリー「……」

シャーリー「……っ!」シュン


ゲルト「……!」バシン!


ドッリオ『それを受けるはゲルトルート・バルクホルン。カールスラント出身。大尉』

ドッリオ『その凄まじい体力、気力、判断力を生かし、この試合ではイェーガー大尉の女房役を務めます』

ドッリオ『入院されているかわいらしい妹さんのために、ホームランを約束されているそうです』

マリア『まあ……きっと深い事情がおありなのでしょうね……』


ゲルト「……、シャーリー。残り三球、もう少し球速を落とせ」

124: 2011/03/27(日) 00:28:53.69 ID:8CKVvI2S0

ミーナ「美緒……シャーリーさんの球、どう見る?」


坂本「うむ……速いな。素晴らしい肩をしている」

坂本「しかし、それだけだ」



ルッキーニ「……ん! ……ん!」ブン!ブン!


ドッリオ『ヒーローズの先頭打者、フランチェスカ・ルッキーニ。中尉』

ドッリオ『最年少でありながら、ロマーニャ代表として501統合戦闘航空団の一員』

ドッリオ『チームのマスコット的存在として、重要な一角を担っております』

ドッリオ『実は……ロマーニャ公下枢密院では、彼女のファンクラブが存在しており……』


マリア『きゃあ! ルッキーニさん! がんばってー!』

ドッリオ『ファーストナンバー、マリア会長からの励ましのお言葉を頂きました』


127: 2011/03/27(日) 00:33:02.86 ID:8CKVvI2S0

審判『プレイ!』


ルッキーニ「……」

シャーリー「……」バシッ



ドッリオ『さあ、試合開始の合図と共に、ルッキーニ中尉がバッターボックスへと立ちます』

ドッリオ『投手のシャーリー大尉は、同じ501部隊での親友であるそうですね』

ドッリオ『これは、面白い勝負が期待出来そうです』

マリア『しかしルッキーニさんの、敵ではありませんわね』



ルッキーニ「こぉい! シャーリー!」

シャーリー「行くぞ、ルッキーニ!」


ゲルト「……」サッ

105: 2011/03/26(土) 23:52:55.59 ID:ds7ao8pS0
がんばれ

110: 2011/03/27(日) 00:05:20.88 ID:bc+ynETw0
エイラ最強だろ

引用: 宮藤「坂本さん! キャッチボールしましょう!」