1: 2012/09/27(木) 20:38:34 ID:aP0DTqGg
ほむら「ここはどこかしら…?」

ほむら「また失敗して、巻き戻して…」

目の前に広がるのは中世の町並み。

私の描いていた、イメージそのもの。

でも…

行き交う人々の目に光を感じない。

どこか後ろ暗い…そんな空気。

女性「あの…」

ほむら「!…何かしら?」

女性「導師様でいらっしゃいますか?」

ほむら「?」

男性「呪われた娘の為に、祈っては頂けないでしょうか?」

二人は夫婦だろうか…誰かに似ている気がする…

2: 2012/09/27(木) 20:46:50 ID:2m3MNbV.
麻布を染料で薄く染めただけの服を見る限り、二人の身分は高いものでは無いのだろう。

ほむら「…呪われた?」

女性「はい、不氏の呪いです」

ほむら「…」キョロキョロ

男性「どう、されました?」

ほむら「いえ…その娘は?」

二人は顔を見合わせる。

まずい事を言ったのだろうか?

女性「導師様は修験の身で?」

ほむら「え、えぇ…ここの者では無いの…」

男性「それは、失礼いたしました…ここヴァンハイムでは不氏人となれば、はるか失われた地へ投獄されるのです」

ほむら「ちょっと待って…」

私の心に不安が生まれた。

4: 2012/09/27(木) 20:54:53 ID:IjKr05Wo
そうだ…

二人の姿が記憶の人物と重なる。

ほむら「その娘の名前って…」

私がここに来たことは意味がある…私は、私の願いを思い出す。

この世界にも彼女がいて…だから、私は呼ばれた。

私の願いを叶えるために…

ならば…

向かわなければ…私の願いの為に、彼女との約束の為に…



ほむら「…ロードランへ」

■dark souls■




5: 2012/09/27(木) 21:03:28 ID:AqIp.fDc
※火継ぎの祭祀場※

篝火が燃えている。

ほむら「火にかざすと、液体が溜まるのね…不思議…」

ほむら「エスト瓶…と言っていたかしら?」

この地へ向かうと知って、あの夫婦が持たせてくれたものだ。

ほむら「不氏人ではないけれど、私にも効果はあるみたいね…」

飲むとソウルジェムの穢れが、微量だが消えている。

ほむら「ずっとここに居れば魔女化する事も無いかしら…」

心折れた戦士(以下ニート)「何だってんだ…最近は客がよく来るな…」ポリポリ

ほむら「…他にも訪問者が?」

ニート「ん?…あぁ、最近だと、牢獄から赤い髪の女が来てたな…」

ほむら「!…その娘はどこに行ったの?」

6: 2012/09/27(木) 21:10:12 ID:gVBHc6Gs
ニート「知るかよ、使命を果たすってんなら、どこぞ上の方で亡者にでもなってるだろうよ…」

ほむら「上?…ありがとう…行ってみるわ」

ニート「ついでに、鐘も鳴らしてきてくれよ?」ハハハ

ほむら「…ここは不思議な場所ね」

この地へ踏み入るや否や、私はこの祭祀場に立っていた。

ニートが言うには、ここが誰もが降り立つ最初の場所との事だ。

ほむら「上と言っても、壁を登り続けるのは無理そうだし…」スタスタ

少し上に向かうと水場があった。

ほむら「川も無いのに…湧水かしら?澄んでいて綺麗な水…」

ほむら「?」チャプ

その周り、水場の少し奥に私は不思議な物を見た。

崩れた女神像がぼんやりと光っている。

近づいて触れてみると、その光はゆっくりと消えてしまった。

7: 2012/09/27(木) 21:17:49 ID:IjKr05Wo
ほむら「?…見間違いかしら?」ペタペタ

ペトルス「おや?」

ほむら「…?」チラ

ペトルス「ふむ、随分と珍しい装束ですな…装飾も凝っている…これは…」ブツブツ

ほむら「…」

ペトルス「おっと、これは失礼しました。私はペトルス…見た所、身分のある方とお見受けしますが、なぜこのような地に?」

ほむら「探し人よ…」

ペトルス「ご足労な事ですね。では、目的が終われば故郷に?」

ほむら「そうね…そう…なりますね」

ペトルス「そうですか」ウンウン

ペトルスと名乗った男は、深く頷くと何やら考えを巡らせる。

ペトルス「そうです!…探し人がどういった方かお聞かせいただけますか?…これも何かの縁、見かけたらここに引き留めておきますよ?」

ほむら「ありがとう…助かります…特長は…」

ペトルス「ふむふむ…今の所、見てはいませんね…」

8: 2012/09/27(木) 21:26:54 ID:8KAPxJWE
ほむら「行きそうな場所に心当たりは?」

ペトルス「牢獄から来た者なら、恐らく使命から、鐘を鳴らしに行ったのでは?」

ほむら「…使命」

ここに来る途中にも人々から聞く機会があった。

この地、ロードランに眠る王を識る巡礼。

その先にあるものは皆、わからない。

様々な憶測が飛び交い誰も答えを持たなかったが、何かしらの救いを求めて不氏人はこの地の巡礼を行うそうだ。

ほむら「真面目な娘だから…きっとそうでしょうね…」

ペトルス「この先は、亡者が蠢いております。何とぞお気をつけて…」ペコリ

ほむら「ありがとう…」

ほむら「前回のワルプル戦で武器の殆どを消費したのよね…ここで銃弾の補充は難しそうだし…」スタスタ

ほむら「慎重に行かないと…」

9: 2012/09/27(木) 21:28:14 ID:AqIp.fDc
※info※

■ほむら
武器:砂時計の盾(無限箱効果有り)
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
★盾内にハンドガン+爆弾(共に小数)

※info※

14: 2012/09/28(金) 20:21:10 ID:Orv59WMk
※城下不氏街※

ほむら「これで、終わり!」ガスッ

ほむら「…」キョロキョロ

ほむら「もういない…わよね?安全?」

ほむら「…見た目が心臓に悪すぎるのよ…」フゥ

襲われた。

物凄い襲われた。

走って撒こうとするも、しつこく付いてきて、水路を抜けた頃にはとんでもない数を相手する事になってしまった。

ほむら「爆弾一つ使っちゃったじゃない…あら?」

ほむら「この剣、錆びてないわね…こんな状態の良い物があるなんて…」ヒョイ

ほむら「貰って行きましょう、投げ飛ばすより幾分ましだわ…」

ほむら「…まさか、私が剣を使うことになるなんて、ね」

15: 2012/09/28(金) 20:36:51 ID:tgtfpmC.
戦いの中で、気付いた事があった。

時間停止が乱用できないのだ…エスト瓶でソウルジェムを輝かせても使えない。

使用時間に極端な制限が出ている様だった。

ほむら「しかも砂時計も…動いていない…」

ほむら「壊れた?」フリフリ

ほむら「このままだと、本気で永住する羽目になるわね…」

ほむら「…」ゾク

ほむら「駄目駄目…考えないようにしましょう…いずれ戻るわよ…うん」


16: 2012/09/28(金) 20:39:02 ID:i2c12Dd6
どこもかしこも、亡者。

どこまで行っても、亡者。

亡者、亡者、亡者亡者亡者もじゃもじゃモジャモジャモジャ…

ほむら「と、飛び道具が欲しいわ…このペースで銃を使うわけにもいかないし…」ハァ…ハァ…

障害物を叩き壊し、近くの建物に潜む。

亡者は目標を見失い、徘徊している。

ほむら「マシンガンで凪ぎ払いたいわね」

男商人「なんでぇ、騒がしいと思ったら亡者じゃねぇのが暴れてたのか…」

ほむら「また!」クルッ

男商人「ひひひ…待て待て、おりゃ正常だ、見てわかんだろ?…商売やってんだよ」

ほむら「わからないわよ、思いっきり亡者フェイスじゃない…」

17: 2012/09/28(金) 20:48:10 ID:nEGbBXjw
男商人「んな事より、何か買わねぇかい?…安くしとくぜ?」

ほむら「あまりお金は持ってないわ」

男商人「ひひひ、金なんざ要らんよ…支払って貰うのはソウルさ…」

ほむら「ソウル?」

男商人「…」

ほむら「何?」

18: 2012/09/28(金) 20:49:40 ID:nEGbBXjw
男商人「不氏人じゃねぇのか?」

ほむら「違うわ」

男商人「んだよ…氏んじまえ糞が」チッ

ほむら「へっ?」

男商人「逝っちまえっつったんだよ。耳だけ亡者かよ屑が…」ペッ

ほむら「…」ベチャ

ほむら「…」ゴシゴシ

ほむら「…」

ほむら「…」スチャ

ダンダンダンッ


19: 2012/09/28(金) 21:04:18 ID:iMY7SO3s
男商人「あ、ありがとうごぜぇました…」ブルブル

ほむら「ボウガンが500円(ワンコイン)で手に入ったわ」ホムホム

ほむら「これでようやく、補充可能な飛び道具を手に入ったわ」スタスタ

男商人「…」ブルブル

少し先に見つけた、篝火でエスト瓶をみたす。

ほむら「?…この感じ…やっぱり!…時間停止も使えるようになってる…」

少し期待したが、やはり砂時計は動かないままだ…この地の歪みの影響だろうか?

ほむら「時間停止さえ慎重に使うことになるなんて…篝火は命綱ね…」


20: 2012/09/28(金) 21:19:53 ID:UXT/lIX.
ほむら「もうやだ…」ハアハア

燃え盛る樽が転がってきた。

ほむら「何なのよ!…あいつら、知能があるんだか、無いんだか…あら?下にも道があるのね…」

下り階段を降りてみる。

大きな甲冑が背を向けて立っている…

ほむら「…誰かしら?鎧の騎士?」コソコソ

ほむら「ピクリとも動かないわね…」

ほむら「敵?…でも動く気配も無いなんて…」ニジリニジリ

黒騎士「…」クルッ

ほむら「あ」

黒騎士「…」ガッシャガッシャ

ほむら「ちょっ急に!?…何よこいつ!」バシュ

黒騎士「…」カキン

ほむら「…」

21: 2012/09/28(金) 21:22:01 ID:iMY7SO3s
ボウガンを放つものの、歩みを止める事すら叶わない。

黒騎士「…」ブンッ

ほむら「はやっ!?」

カチッ

ほむら「…っ」

時間を止めたとき、すでに敵の刃は喉元まで来ていた。

嫌な汗が額を濡らす…

ほむら「…こんなのばかり出てきたら、流石に打ち止めになるわよ」スチャ

ダンッ…ダンッ…

カチッ

黒騎士「!?」ドスドスッ…グラッ

ほむら「これでっ!」ズッ

よろめく瞬間を逃さず、鎧の隙間に剣をねじ込む。

22: 2012/09/28(金) 21:24:30 ID:IEXEXmmA
敵は力が抜けたようにダラリと倒れこんだ…そして…

黒騎士「…」シュウウ…

ほむら「なっ?…溶けて消えた?」

ほむら「?」バッ

ほむら「…酸の類いでは無いみたいね」

ほむら「何かしら…これ?石?」

消えた跡に鉱石の塊が残されていた。

鉛とも違う…不思議な鉄塊だ…使い道はわからないが、盾にしまっておく。

ほむら「何か重要な物かも知れないしね」

ほむら「それにしても、まだまだ上ね…本当に…会えるのかしら…」


23: 2012/09/28(金) 21:38:59 ID:o.v7Fy1M
ほむら「ぎゃーっ!」

ほむら「でっかい!でっかい!」ダダダ

牛頭「まーー!」ズシンズシン

ほむら「…何なのよ!唯でさえ足場が狭いのに!」

カチッ

物見塔を抜けた所で、巨大な牛に襲われた。

あまり残っていなかったが、時間停止を使い高台に登る。

ほむら「…邪魔!」ケリッ

高台に陣取る亡者を蹴りおとし、時間停止を解く。

牛頭「ま?ま?」キョロキョロ

ほむら「探してる、探してる…」フフン

ほむら「どうしようかしら…下に落とすのが一番楽よね…よし!」

24: 2012/09/28(金) 21:42:09 ID:nEGbBXjw
私を見失った牛は、辺りを警戒しながらも、私に背中を向け歩き出した。

すかさず、右足に矢を当てる。

牛頭「ま!?」グラッ

ほむら「今っ!」カチッ

時間を止め、一気に近付く。

片足を浮かせたままの牛は、あっさりと重心を崖側にずらす事が出来た。

ほむら「これでよし」カチッ

牛頭「まーーーーー… …クチャ

ほむら「倒せたけど…時間停止を使い切っちゃったわね…」

ほむら「…」

ほむら「急に不安になってきた…篝火!篝火はどこ?…一旦戻って…でも…うーん」チラ

下の方に元来た道の篝火が見える。

結構遠い…

ほむら「先に進みましょう…」


25: 2012/09/28(金) 21:51:21 ID:91RUfrew
ほむら「…」コソコソ

また、見渡しの良い高台に出た。

今度は足場も広いが、遠目にも亡者が大量に見て取れる。

ほむら「この辺りに篝火があったり…しないわよね…」キョロキョロ

とりあえず、辺りを散策する。

近くに扉を一つ見つけたが、まったく開かない…下に降りる為のものだろうか?

ソラール「…」

なにかいる…

甲冑を着てるため顔は解らない…

ほむら「…敵?」ジリ

26: 2012/09/28(金) 22:03:39 ID:UXT/lIX.
ソラール「ん?…おお!珍しいな!」

ほむら「亡者…では無いのね?」

ソラール「貴公もだろう?…こんな場所で人に会えるとはな!」ウワッハッハ

ほむら「貴方も、巡礼?」

ソラール「いや、ひどく個人的な探し物だな!」

ほむら「あの…一つ聞きたいのだけど…」

ソラール「何だ?」

ほむら「…この辺に篝火は無いかしら?」

ソラール「篝火か?…おぉ!あるぞ!この大橋の真反対だが、すぐの場所だ!」

27: 2012/09/28(金) 22:10:41 ID:tgtfpmC.
ほむら「って事は、あの亡者達を抜けないと駄目なのね…」ハァ

ソラール「…」

ソラール「…おぉ!そうだ!そうだった!俺も篝火に行く所だったのだ!…よし!共に行こうではないか?」

ほむら「…」

ほむら「…ふふっ」

ソラール「どうした?」

ほむら「貴方は好い人かしらね…ありがとう…私はほむらよ」

ソラール「俺はソラールだ!よろしくな、ほむら!」ウワッハッハ


28: 2012/09/28(金) 22:22:50 ID:91RUfrew
※城下不氏教区※

篝火が燃えている。

ほむら「助かったわ…ソラールはかなり腕が立つのね…」

ソラール「…」

ほむら「どうしたの?」

ソラール「いや、役目を終えた亡者にな…」

ほむら「?」

ソラール「花が…添えてあるんだ」

ほむら「珍しい花か何か?」

ソラール「いや、この辺りに群生している花だが…俺が驚いているのは…」

ほむら「?」

ソラール「ソウルは奪われずに残ったまま…手向けの為だけに花を添えるなんぞ…」

ほむら「…」

ソラール「ふぅ…ここに眠る亡者は、俺の同志…共に太陽を信仰してきた連中だ…」

ソラール「少し報われた気がしてな…」

29: 2012/09/28(金) 22:27:35 ID:Je1XVTnU
私の頭に彼女がよぎる…

ほむら「最近、供えられた物かしら?」

ソラール「そのようだな」

ほむら「…」

ソラール「心当たりが?」

ほむら「私の…探し人かも、知れない」

ソラール「ほう、そうなのか?…だったらその辺で会えるかもな」

ほむら「そうね、先を急ぐわ…付き添ってくれてありがとう、ソラール」

ソラール「いや、良い。そいつにあったらよろしく言っといてくれ」

そう言うと、ソラールは来た道を戻って行った。

ソラール「あ、そうだ。ほむら、もし助けが必要なら…輝く俺のサインを探すと良い。…いつでも力になるぞ!」ウワッハッハ

ほむら「?」

ソラールの言葉の意味が良くわからないままだったが、とりあえず、私は道の先に進む事にした。


31: 2012/09/28(金) 22:35:58 ID:WvPnfs82
ほむら「凄い教会ね…」

棄てられる前は、とても綺麗だったのだろう。

壊れた机や動かない鎧の亡者が転がっているのが、物悲しい。

ほむら「…」

その最奥…

一際大きな鎧が道を阻むように倒れていた。

鎧の向こうには小さな祭壇があり、氏体が安置されている。

不氏人達に慕われていたのだろうか?

ほむら「花は添えられてないわね…こっちには来てないのかしら?」キョロキョロ

?「わわ、急に…きゃ…」

教会に声が響き渡った。

ほむら「!…二階から?…それに…あの声!」

32: 2012/09/28(金) 22:46:50 ID:IEXEXmmA
走って二階に向かう。

そこには大量の亡者に襲われる、少女の姿があった。

ほむら「ちっ…こいつら!」カチッ

ザクザク…ブスブスブス…ポイポーイ…ケリッ…ケリッ

カチッ

停止解除と共に倒れる亡者、その真ん中に現れる私…

決まった。

ほむら「危なかったわね…怪我は無い?」ファサッ

やっぱり…

?「あ…ありがとう、ございます」

やっぱりだ…例えどんな世界でも…

ほむら「まどか」ボソ

まどか「ひゃっ?…えっと…名前、どうして?」

ほむら「え!?…あ、あぁ勘ぐらないで!…ヴァンハイムで貴女のご両親に聞いただけよ?」

声に出してしまっていたらしい…無意識は怖い。

33: 2012/09/28(金) 23:00:07 ID:nEGbBXjw
まどか「パパと…ママ?」

ほむら「えぇ、とても心配してたわ」

まどか「そっか、まだ元気なんだ…良かった…」

まどか「改めて、ありがとうございます」フカブカ

ほむら「礼を言う必要は無いわ…こちらも目的のついでだったから」

まどか「…助けられた事には代わりありません」

ほむら「あの…そんなに畏まらないで欲しいのだけれど?」

まどか「?…ですが貴族の…」

ほむら「違うわ…私は貴族じゃ無いのよ…だから、ね」

まどか「…はい」

ほむら「私はほむらよ。よろしくまどか」

私は手を差し出す。

まどかは、少し戸惑ってからゆっくりと手を包み込んでくれた。

まどか「よろしく…ね」ニコ

34: 2012/09/28(金) 23:01:51 ID:kbXG0IU.
※info※

■ほむら
武器:ショートソード/ライトクロスボウ
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+2
  :魔術師の杖
装備:薄汚れた一式/老魔女の指輪
魔法:音送り/治癒

※info※

37: 2012/09/29(土) 18:32:39 ID:gMvB7s2s


篝火が燃えている。

カツーン…カツーン…

ほむら「こんな所にも篝火があったのね…」

まどか「ほむらさ…ちゃんは…不氏街から来たんだから、ここは解らないよね…」ティヒヒ

ほむら「えぇ…?…よく知ってるわね」

まどか「へっ?…えっと、皆そうだもん…解るよ…」

一度体勢を立て直すため近くの篝火に来ていた。

カツーン…カツーン…

ほむら「ところで、この…」

カツーン…カツーン…

ほむら「うるさい音は何かしら?」

38: 2012/09/29(土) 18:34:51 ID:S62FJZ5Q
まどか「これ?…下の階に鍛冶屋さんがあるんだけど、その音だよ?」

ほむら「鍛冶屋?」

まどか「てぃひひ、行ってみる?」

まどかに連れられ下に降りた…

カツーン…カツーン…

大柄の男が一心不乱に鉄を打っている…

まどか「アンドレイさん!」

アンドレイ「ん?…おお、嬢ちゃんか…まだウロウロしてたのか?」

ほむら「凄い…本当に鍛冶屋だわ」

39: 2012/09/29(土) 18:37:05 ID:aPyQOBnw
アンドレイ「誰だい?」

まどか「ほむらちゃんだよ!」

ほむら「…」ペコリ

アンドレイ「宜しくな、嬢ちゃん。武器を鍛え直すなら、いつでも寄ってくれ…格安で鍛えてやるぞ」

ほむら「やっぱりお金…じゃないわよね?」

アンドレイ「不氏人に金なんぞ無意味さ…貰うのはソウルだな」

ほむら「また…ソウル…」

この大陸、この地において全ての対価はソウルで支払うもののようだ。

こっちはソウルが何かも解ってないと言うのに…

まどか「どうしたの?ほむらちゃん?」

アンドレイ「ん?…」

何やら不思議そうに、こちらを見ている。

40: 2012/09/29(土) 18:39:43 ID:WmcL6TLg
アンドレイ「…嬢ちゃんは不氏人じゃねぇのか!?」

ほむら「?…わかるの?」

まどか「え?…えっ?本当に?」

アンドレイ「雰囲気がちょっとな…そりゃソウルも、見えないわなぁ」

ほむら「…」

まどか「え…でも…でも何で…わざわざこの地に…」

まどかが酷く動揺している。

流石に、貴女を守るためとは言えない…

ほむら「これを動くようにしたいのよ…」

アンドレイに盾を見せる。

41: 2012/09/29(土) 18:49:51 ID:I5S3iRlM
ほむら「直せないかしら?」

アンドレイ「こりゃ、えらい複雑な装飾の盾だな…この砂が動けばいいのか?」

アンドレイ「…」

アンドレイ「?」

アンドレイ「…」

アンドレイ「…無理だな。こりゃ、魔力の細工が施してある…俺が下手に触らん方が良い…」

ほむら「そう…」

アンドレイ「不氏人でも無いのに、ここに来るくらいだから大事なモンなんだろうが…すまんな」

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「気にしないで…二人共ありがとう。いつか、動き出すわよ…」

まどか「…ごめんなさい」

ほむら「?…まどかが謝る事じゃ無いわ」

まどか「うん」ティヒヒ

42: 2012/09/29(土) 19:10:45 ID:WmcL6TLg
アンドレイ「ふぅ、嬢ちゃんの武器を見せな…修理してやる」

ほむら「え?…でもソウル…」

アンドレイ「持たん奴に要求はせんよ…珍しいモン見せてくれた礼だ」

まどか「…良かったね、ほむらちゃん!」

ほむら「ありがたいけど、何だか悪いわね…」

何か払える物があればいいが、お金の類いは意味が無いようだし…

そういえば、謎の鉱石があったはずだ。

ほむら「あのアンドレイ?…これ知ってる?…珍しい物ならあげるわ、お礼になるか解らないけど…」ゴトッ

アンドレイ「!…こりゃ、楔石の塊じゃねぇか!」

まどか「初めて見た…凄い…凄いよ!ほむらちゃん!」

ほむら「えっ?…珍しい物なの?」

アンドレイ「あぁ…珍しいモンだ。…どうやってこれを?」

ほむら「変な鎧が持ってたのよ」

まどか「?」

アンドレイ「…なるほど変な鎧ね…ガッハッハ!…王の近衛を変な鎧か!?…ガッハッハ気に入ったぞ嬢ちゃん!ほら、早く武器を寄越せ!」

43: 2012/09/29(土) 19:11:54 ID:9QkO.o6w
アンドレイの笑いが気になったが喜んでくれたようだ…

まどかも修理を頼んだようで、一緒に預ける事にした。

アンドレイ「少しかかるから、上で待ってな…」

カツーン…カツーン…

鉄を打つ音が鳴り響く…

44: 2012/09/29(土) 19:23:19 ID:MIBSUkKc
二人で篝火に戻った。

まどか「ねぇ、ほむらちゃん…」

ほむら「何かしら?」

まどか「さっきの話…本当なの?…その、不氏人じゃないって」

ほむら「そうね、違うわ」

人でも無いけどね…

まどか「…そう…なんだ…」

…?

まどかはショックを受けている様子だ…

ほむら「どうしたの?」

まどか「ううん…その盾、とても大事な物なんだね…」

ほむら「そうね」

なんだろう…

空気が重い…

45: 2012/09/29(土) 19:54:47 ID:KmKTrPYc
ほむら「えっと…ま、まどかは?…やっぱり使命ってのを全うするの?」

まどか「うん。…鐘を鳴らして…その先どうなるかは解らないけど…」

ほむら「…私も付いていって良いかしら?」

まどか「え?…でも、ほむらちゃんにはほむらちゃんの目的が…」

ほむら「あまりにも手掛かりが無いから、色々な場所を巡りたいの…迷惑かしら?」

まどか「そんな事ないよ!…本当に一緒に来てくれるの…かな?」

それが私の目的だから…

ほむら「ふふっ、私が頼んでるのに…可笑しなまどか…」

まどか「てぃひひ…そうかな?…じゃあ、盾を修理出来るまで…宜しくね?」

ほむら「宜しく」

良かった…笑ってくれた…

46: 2012/09/29(土) 19:56:48 ID:aPyQOBnw
アンドレイ「…待たせたな」

ほむら「あら?」

いつの間にか下からアンドレイがやって来ていた。

アンドレイ「ほれ、出来たぞ」

武器を渡してくれる。

ほむら「!…これは…」

アンドレイ「ガッハッハ、鍛え上げておいたぞ?…使いやすくなったろ?」

ほむら「…良いの?」

アンドレイ「かまわん、塊とじゃまだまだ釣りがくる」

まどか「わ!?…私のまで強化されてる!」

ほむら「ありがとう、アンドレイ。…また何かお土産持ってくるわね?」

アンドレイ「そうか?そいつは良いな!楽しみにしとるぞ!」

笑いながら下に降りていった。

しばらくすると、また金槌の音が響きはじめる…

カツーン…カツーン…

47: 2012/09/29(土) 19:58:23 ID:CfNFgZR6
まどか「私まで得しちゃった!…ありがとね?ほむらちゃん!」

ほむら「ふふっ、じゃあそろそろ行きましょうか?」

まどか「そうだね!じゃあ、さっきの教会へ!」

まどか「…あの教会の上に一つ目の鐘があるんだよ!」


48: 2012/09/29(土) 20:12:00 ID:/1rV4Y5I
ほむら「凄い高さ…目が眩みそうね…」

梯子を昇りきると、屋根の上に出た。

風が気持ちいい…

まどか「あれだよ!…あの物見塔の上の鐘を鳴らすんだよ!」タッタッ

更に高い位置、まどかが指差す場所に確かに鐘が見える。

ほむら「まどか、こんな場所で走ったら危ないわよ」

パキパキ…

ほむら「ん?」

ピキピキ…バキン…パラパラ…

まどか「何か降ってきた…砂?」ヒョイ

上を見上げるまどかに合わせるように目線を上げた。

ほむら「なっ!?」

ガーゴイル「ギュルルル!」パキバキ

石像が動いてる…

49: 2012/09/29(土) 20:19:30 ID:m9Q5qIPo
ほむら「まどか!…一旦こっちへ!」

ガーゴイル「ギュアアア!」ブォン

ほむら「くっ…間に合わない!」カチッ

時を止め、まどかを引き寄せる。

カチッ

ガーゴイル「ギュルルル!」ドガァ

まどか「きゃっ…え?…あれ?」キョロキョロ

ガーゴイル「ギュル?…!…ギュアア!」クルッ

ほむら「まどか…来るわよ!」

まどか「へ?…う、うん」ギュ…キリキリ

低空飛行で槍を振り回し距離を詰めてくる…

速い!

50: 2012/09/29(土) 20:25:58 ID:gMvB7s2s
ほむら「まどかは後退!」

すかさず石像の背後に回り込む…

ガーゴイル「ギュア?」ヴォン

石像は私を狙い反転した。

ほむら「まどか!」

まどか「えぃっ!」キリキリ…ヒュン

…ザクッ

ガーゴイル「ギュアア!?」

まどかの矢は見事に石像の後頭部に突き刺さる。

目標をまどかに変え、石像が背を向けた。

ほむら「愚かね」パスパスパス

ガーゴイル「ギュルルル!」ブォン

挟み撃ちにされ、石像は尻尾と槍を振り回し暴れている。

上手く撹乱出来ているようだ…

51: 2012/09/29(土) 20:32:22 ID:S62FJZ5Q
必氏に避けながらも攻撃を繰り返す…

ほむら「時間はかかるけどこれなら行けそうね…」パスパス

パキバキ…

ほむら「パキバキ?」

まどかが大きくジェスチャーしてる…

上?

ほむら「なにかしr…」

ガーゴイル2「ギュラララ!」パキーン

ほむら「…」

あ、駄目だこれ…


52: 2012/09/29(土) 20:41:28 ID:gMvB7s2s
まどか「まだうろうろしてるよ…」チラ

とりあえず、教会内に避難した。

ほむら「あと2つの石像も動き出すんじゃないでしょうね…」コソコソ

まどか「あんなに凄いのが居るなんて…」

まどか「一旦、出直そうか?」

ほむら「…?」

まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「あれ何かしら?」

ぼんやりと床が光っている…

よく読めないが、文字が浮かび上がっている様だ…

ほむら「まどかは何だか解る?」ペタ

…ペカー

触れたら光りだした…

ほむら「なっ!?…トラップ!?」バッ

53: 2012/09/29(土) 20:54:27 ID:3QnLZyfs
ペカー

ほむら「…」ゴクリ

まどか「あ!」

ソラール「…\[T]/…」パァァ

ほむら「…」

ほむら「…」

ほむら「何?」

まどか「これは…ファントムだよ!」

ほむら「ファントム?」

ソラール「ふぅ…ん?」シュウウ

なんか透明感溢れるソラールが現れた…

54: 2012/09/29(土) 20:58:52 ID:M87.V.Y6
ソラール「おぉ!ほむら!貴公が呼んだのか!」

ほむら「脅かさないでよ…」

まどか「知り合い?」

ほむら「えぇ…少し前に…」

ソラール「まてまて、ファントム化の時間は限られてる!…先ずは目的を終わらせるぞ!…世間話だけしてハイサヨナラとはなりたくないからな!」ウワッハッハ

ほむら「目的?…だったら、この先で石像が暴れてるのだけど…手伝って貰える?」

ソラール「ウワッハッハ…お安いご用だ!」


55: 2012/09/29(土) 21:14:49 ID:/1rV4Y5I
ソラール「よしっ」ズルッ

ガーゴイルの氏体から剣を引き抜いている…

まどか「す、凄いね…ソラールさん…」

ほむら「本当にね…」

殆どソラール一人で倒していた。

今も息切れ一つしていない…

ほむら「助かったわ…ほぼ任せてしまって、ごめんなさい」

ソラール「気にするな!…見たところ探し人には会えたようだな」ウワッハッハ

ほむら「えぇ…紹介するわ。…まどかよ」

まどか「初めまして、ソラールさん」ニコッ

ソラール「いやはや良い眼だ、なるほど…貴公とは改めて話をしたいものだな…」シュウウ…

ソラールの体が消えてゆく…

ソラール「では、今度は生身でな…あ!そうだ…受け取れほむら!」シュウウ…

何かを投げて寄越した。

56: 2012/09/29(土) 21:24:30 ID:MIBSUkKc
ほむら「?…メダル?…ソラールこれって」

シュワワー…

ほむら「…」

ほむら「…」チラ

まどか「…知らないよ?」フルフル

ほむら「…」

ほむら「…今度聞けば良いわよね」ゴソゴソ

まどか「じゃあ私、鐘を鳴らしに行ってくるね!…ほむらちゃんは下で待ってて!」

ほむら「え?…あ、うん」

カンカンカンカン

ほむら「行っちゃった…この世界のまどかは元気ね…」

オズワルド「おや?番兵が倒れている…変わった先客が居るようですね…」

57: 2012/09/29(土) 21:34:44 ID:80Jsicxs
ほむら「誰?」サッ

オズワルド「おぉ、いけない…誰にも敵意を向けるのはいけません…争いは罪を増やすだけですよ?」

ほむら「…」

オズワルド「私はオズワルド。しかし不思議な方ですね…」

ほむら「何がかしら?」

オズワルド「不氏人で無いが、人でも無い…」

ほむら「!?」

オズワルド「アヒ…それに魂…」

ほむら「…」

ソウルジェムを手で覆う。

58: 2012/09/29(土) 22:08:06 ID:KR551VTQ
オズワルド「貴女の魂には…アヒャ…罪が罪を呼んで…灌ぎきれない程に呪いが染み付いている…アヒャ、アヒャヒャ!」

ほむら「それが何…」

オズワルド「まぁ、気にする事はありませんよ?…真に罪なき者などおりませんから…ただ、貴女は私の力では免罪出来ぬ罪ばかりですがね…アーヒャヒャヒャッヒャヒャヒャ」

嫌な笑い声だ…

ほむら「…別に貴方に…

ギンゴーン…ギゴーン…ゴーン…ゴーン…

オズワルド「おや?鐘が…連れ合いがおりましたか…巡礼とはご苦労な事で…」ペコリ

ほむら「…」

59: 2012/09/29(土) 22:10:26 ID:9QkO.o6w
オズワルド「貴方に一つ忠告を…」

オズワルド「この地に深く関わらず、貴方の世界に戻りなさい?」

ほむら「…目的を果たしたらそうするわ」

オズワルド「アヒャ…失礼。貴方の魂はこの世界を知るのに、些か脆すぎる…ただ罪だけを残して消えるおつもりですか?」

ほむら「…私は…氏なないわ」

オズワルド「氏なずとも、逃げてしまえば同じ事ですよ?…お連れの方も…

シュルルル…カン…

まどか「ただいま、ほむらちゃん!…あれ?どちら様?」

オズワルド「!」

ほむら「気にしなくて良いわ…先に進みましょ…」スタスタ

60: 2012/09/29(土) 22:19:50 ID:Qk/SrmPc
ほむら「私は罪を許してもらおうなんて思わないわ…」ボソ

オズワルド「…そう、ですか」

まどか「?…あっ、待ってほむらちゃん!」タッタッタ

オズワルド「…」

まどか「…」クルッ…ペコリ…タッタッタ

逃げる事も同じ…

砂時計を動かしても、その世界が救われた訳じゃない…

ほむら「わかってるのよ…そんな事」スタスタ

鐘の音は耳を抜け、小さく消えていく…

61: 2012/09/29(土) 22:21:23 ID:S62FJZ5Q
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+5
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+1
装備:薄汚れた一式/老魔女の指輪
魔法:音送り/治癒

※info※

64: 2012/09/30(日) 20:02:57 ID:PkmgKrFU


梯子を下りた。

ほむら「あの昇降機は、祭祀場につながってるの?」スタスタ

まどか「そうだよ?…仕掛けは動かしたからいつでも戻れるけど…」スタスタ

?「ほぅ…鐘を鳴らしたのは貴公達か…」

ほむら「今度は誰よ…」

ロートレク「ロートレクだ…」

全身が金の鎧で覆われた男が立っている。

ほむら「…」ジリ

ロートレク「そう、警戒するな…少しへまをしてな…牢から抜けるのに随分時間を喰ってしまった…」

まどか「捕まってたんですか?」

ロートレク「あぁ、この先でな…誠、気に食わん亡者共だ…なぁ?」

ほむら「…そうね」

特に何が…と言うわけでは無いが…

嫌な感じを纏った不氏人だ。

65: 2012/09/30(日) 20:06:47 ID:rcJOUhE.
聞けば、彼は祭祀場に向かうそうで、昇降機まで同行する事になった。

ロートレク「貴公達は戻らんのか?」

まどか「私達は、このまま大橋から最下層を目指すんです」ティヒヒ

ロートレク「巡礼か…」

ロートレク「おっと、ここか…ではな、貴公達。また会う事もあるだろう」カチャ

ほむら「そうかもね…」

ロートレク「もっとも、どの様な再開かは解らんがな…」クックック

カラカラカラカラ…カシャン


66: 2012/09/30(日) 20:16:31 ID:rSWF.tWI
篝火が燃えている。

ソラールに案内してもらった祭壇だ。

ほむら「さっき、最下層…と言ってたかしら?」

まどか「うん、もう一つの鐘がその先にあるんだよ!…この大橋の扉から下に行けるの!」

ほむら「この先の扉?…たしか、開いて無かった様な…」

まどか「じゃーん!」

ほむら「…鍵ね」

まどか「鍵だよ!」

ほむら「…あぁ、そう言う事ね…じゃ、行きましょう」スタスタ

まどか「あれ?ほむらちゃんのテンションが上がらない…」トテトテ


67: 2012/09/30(日) 20:26:58 ID:0AY9IydQ
※不氏街下層※

ほむら「…」コソコソ

まどか「…」コソコソ

ほむら「グロい犬がいるわ」

まどか「うん、いっぱいいるね…」

あまり相手にしたくない…

…ハッハッハッ…ウロウロ

ほむら「できるだけ、ばれない様に進むわよ…」コソコソ

まどか「そうだね」コソコソ

?「誰だ?人か?…誰かいるのか!?」

ほむら「!」ビクッ

建物の中から声が聞こえてきた。

68: 2012/09/30(日) 20:29:40 ID:0AY9IydQ
?「助けてくれー!ここから出してくれ!」ガタガタ

まどか「わわ、わ」アタフタ

ほむら「ちょっと!誰だか知らないけど少し静かに…はっ!?」

ほむら「…」チラ

グルル…グルルルル…


69: 2012/09/30(日) 20:45:24 ID:PmMyhXsM
カチャ

グリッグス「た、助かった!」

ほむら「…」

まどか「…大丈夫でした?」

グリッグス「いや、一時はどうなる事かと…そちらの方はどうされました?」

ほむら「…」

まどか「まぁまぁ…結果何事も無かったんだし、ね」ドウドウ

ほむら「…そうね」

何かあってからでは遅いのだけれど…

まどか「そ、それにしても、ほむらちゃんの魔法凄いよね!時間停止なんて初めて見たよ!」

まどかは話題のそらし方が下手だ…

まぁ、乗っかるけど。

70: 2012/09/30(日) 20:49:42 ID:PmMyhXsM
ほむら「そうかしら?ありがとう」フフッ

まどか「私も魔術を使うけどダメダメで…」

グリッグス「何と!…君たちは魔術の心得があるのか?…だったら良かった、恩を返せそうだ…」

ほむら「?」

グリッグス「申し遅れました、私はヴァンハイムのグリッグス。魔術の師を追って、この地を訪れた者です」

まどか「ヴァンハイムって事は同郷ですね」

グリッグス「そうでしたか!…ならばビックハットローガンはご存知でしょう?彼こそ我が師、近代魔術の始祖です!」

言葉に熱がこもってる…随分と誇らしげだが…

ほむら「知ってる?」

まどか「…」フルフル

グリッグス「えっ!?…ヴァンハイムで魔術に携わりながら知らないのですか?」

まどか「ヴァンハイムはまだオリジナルの魔術研究が始まったばかりだし…ウーラシールとかなら有名な魔術師も多いけど…」

グリッグス「始まったばかり?」

71: 2012/09/30(日) 21:29:01 ID:yilY/9ig
まどか「?」

グリッグス「第一、ウーラシールは遥か昔に滅びたでは無いですか?」

まどか「へ!?…ウーラシール無くなっちゃったんですか?」

グリッグス「私が生まれた時にはすでに滅びていたはずですが?」

まどか「?」

グリッグス「?」

どうも話が噛み合ってないようだ。

そして、私はおいてけぼりだ…

グリッグス「…ふむ、なるほど興味深い」

まどか「?」

グリッグス「この地は、時の概念すら不安定だと聞いておりました。…我々は別の時代に生きていた者かも知れませんね…」

72: 2012/09/30(日) 21:30:41 ID:lC3rKD6A
まどか「え?…でも…」

ほむら「そうなると変ね…私はまどかの後を追って、すぐに出会えてるわけだし…運?」

グリッグス「ですかね…私だけが過去に来た可能性もありますし。はぁ…師と無事に会えれば良いのですが…」

まどか「そっか…そうなんだ…」

グリッグス「とりあえず、私は一度祭祀場に戻ります。その時にでも魔術をお教え致しますよ…」

まどか「あ、はい…ありがとうございます」ペコリ

グリッグス「いえいえ、では」スタスタ

何故か私達が向かう方向に歩いていった。

ほむら「この先から祭祀場に着くのかしら?」

まどか「知らないよ?」

73: 2012/09/30(日) 21:34:06 ID:DAOiPNdY
タッタッタ…ダダダ…

グリッグス「ぅわー!」ダダダ…

…戻ってきた。

グリッグス「助けてください!私を捕らえたデーモンが!」ハァ…ハァ…

まどか「へ?」

ほむら「デーモン?」

ドシンドシンドシンドシン…

大きな足音が迫って来る。

山羊頭のデーモン(以下、山羊頭)「グゥゥゥ…」ドシンドシン

ほむら「…」

巨大な鉈をもった山羊の化け物がこちらに走ってきている…

74: 2012/09/30(日) 21:49:21 ID:0AY9IydQ
ほむら「貴方トラブルメーカーだわ…はぁ…手伝ってもらうわよ?」

まどか「わ、わわわ」

グリッグス「私も!?」

ほむら「当たり前よ…行くわよ」ダッ

建物の影から飛び出し、手近な屋根に飛びうつる…

力に制約を受けているとはいえ、このくらいの跳躍は可能の様だ。

山羊頭「グゥ?」

案の定、こちらに注意が向く。

基本的に、この世界の化物達は思考が単純だ…

人型にしても、行動原理は動物のそれに近い。

ほむら「飛び道具は無さそうね」パスパス

山羊頭「グゥゥ!?」

75: 2012/09/30(日) 21:56:20 ID:Bin/spP6
ほむら「この位置からなら一方的に…って」

山羊頭「グァア!」バッ

!?

山羊の化け物が飛び上がり、何と屋根まで刃を届かせた。

ほむら「ちっ、あのサイズで何て動きよ…」ババッ

先ほどまで、立っていた場所は鉈に押し潰され瓦礫と化している…

山羊頭「グゥゥ…」ドシン…ドシン…

キリキリ…ヒュン

山羊頭「グア!?」ユラ

化け物の足に矢が突き刺さる。

ほむら「まどか!」

まどか?「ほむらちゃん!むらちゃん!らちゃん!ちゃん!ゃん!」

ほむら「え?…何この音?」

76: 2012/09/30(日) 22:09:24 ID:T6sDugXE
矢とは別の方向からまどかの声が響く。

山羊頭「グ?グゥ?」キョロキョロ

まどか?「ほむらちゃん!むらちゃん!らちゃん!ちゃん!ゃん!」

まどか?「ほむらちゃん!むらちゃん!らちゃん!ちゃん!ゃん!」

至るところからまどかの声が鳴り響く。

…なんだこれ?

山羊頭「?…グゥゥゥ?」

ほむら「何だかよくわからないけど混乱してるみたいね…」チャキ

私が剣を構えると、見計らった様に矢と青い光が化け物の両手に炸裂した。

山羊頭「グァアア!?」ガラン…ガラン…

鉈が化け物の手から離れる。

グリッグス「今です!」

ほむら「なによ…」

ほむら「…戦えるんじゃないの」タッ


77: 2012/09/30(日) 22:17:13 ID:0AY9IydQ
ほむら「なるほど、目が退化してたのね…」

グリッグス「えぇ…まどかさんが音送りを使えたのは幸いでした」

まどか「てぃひひ!鍵だよ、鍵を見つけたよ!」

まどかが道の突き当たりから鍵を見つけたようだ…

ほむら「…」

ほむら「そういえば、貴方が捕まってた家も普通に開けてたわ…」

グリッグス「お好きなんですかね?…鍵」

ほむら「…さあ?」

見つけた鍵を鍵束に納めている…

まどか「てぃひひ、鍵ー♪」

嬉しそうだ…

ほむら「行きましょう、まどか」

まどか「うん!」


78: 2012/09/30(日) 22:34:21 ID:yilY/9ig
グリッグス「では、こちらから祭祀場に向かえますので、私はこれで…本当にありがとうございました」

まどか「気を付けてくださいね」

ほむら「本当にね」

グリッグス「ははははは」

ほむら「…」

グリッグス「はは…すいません」

グリッグスはそそくさと去っていった。

まどか「じゃ、行こっか?」

鍵を使い、小さな扉を開く…

腐敗した匂いが流れてくる…

ほむら「体に悪そうね」

まどか「住んでる人もいるみたいだよ?」

ほむら「そぅ…なら大丈夫かしら」


79: 2012/09/30(日) 22:43:17 ID:Bin/spP6
※最下層※

暗い、臭い、汚い…

ほむら「まどか?」

まどか「何かな?」

ほむら「暗いし臭いし汚いわ」

まどか「…私も、ここまでとは思ってなかったよ…」

大きなテーブル、たくさんの椅子、油断しきった亡者…そして…

ターン…ターン…

亡者コック「…」

ほむら「亡者食堂、かしらね」コソコソ

まどか「何の肉かは考えたくないや…」コソコソ


80: 2012/09/30(日) 23:16:31 ID:DAOiPNdY
ザクッ…ブシュ…

ほむら「あと、コックだけね…」

まどか「料理?に夢中で気付いてないよ?」

ターン…ターン…

ほむら「敵意はあるのかしら?」

まどか「たぶん…」

ほむら「意外とフランクに接したら見逃してくれるかも…」

まどか「例えば?」

ほむら「…」

まどか「…」


81: 2012/09/30(日) 23:17:34 ID:lBley6t6
ほむら「…」スタスタ

コック「!」

ほむら「大将、今日のおすすめは何かしら?」ニコ

まどか「こんにちは、まだやってますか?」ニコ

コック「…」


82: 2012/09/30(日) 23:18:47 ID:lC3rKD6A
大将のまかないにされかけた。

ほむら「駄目だったわね…」

まどか「き、聞き方の問題かな?」

ほむら「…違うと思うわ」

まどか「綺麗にしてれば、立派な厨房なのに…」キョロキョロ

ほむら「そうね、使われてない火種もあるし…」

それにしても立派な火種だ…

ズルッ…ウェヒー…

アンドレイが喜ぶかもしれない…

ほむら「持って帰りましょう…」イソイソ

ほむら「それにしても…ウップ…近くで見ても何の肉か解らないわね…ねぇ?」

ほむら「あれ?」キョロキョロ

83: 2012/09/30(日) 23:29:35 ID:lC3rKD6A
ほむら「ま、まどか!まどか!?」

ホムラチャーン

ほむら「まどか!…え!?落ちたの?」

ティヒヒ

ほむら「大丈夫?今行くわ!」

ワー…マッテマッテ!

ほむら「?…どうしたの?」

カナリタカイシ…オッキナ ネズミサンガイル…

人の身である私を気遣ってくれてる様だ。

とりあえず、まどかは安全な場所に居るらしい…

ほむら「わかったわ、回り込んでみるからそこを動かないでね?」

ウン…ムチャシナイデネ?…

ほむら「…」スック

ほむら「急ぎましょう!」


84: 2012/09/30(日) 23:39:57 ID:PkmgKrFU
ジャブジャブ

ほむら「T字路?…ほむ…」

ほむら「左かしら?」タッタッタ

樽だらけの部屋についた。

ほむら「行き止まりじゃない…」

?「おっし!助かった!…嬢ちゃん、この樽を…

ほむら「右だったのね」スタスタ

?「うぉぉぃ!?…まじか?まじか嬢ちゃん?…助けてくれよ!」

ほむら「五月蝿いわね…急いでるのに…」メキメキ…バキバキ

ラレンティウス(以下ラレン)「いや、まさかあの距離で見捨てられそうになるとは…」コキッコキッ

ほむら「じゃ」タッタッタ

ラレン「ありがとな…っておオーィ

…!…!

何か遠くの方でごちゃごちゃ五月蝿い…

85: 2012/09/30(日) 23:55:07 ID:yilY/9ig
ほむら「まどかの落ちた位置からすれば…」

足下に水が流れている…

入り組んだ水路のようだ…

ほむら「えーと、あそこを曲がって、こう来たから…」

ボチャ

ほむら「ここを下に行けば…」

ボチャ…ボチャボチャ…

ほむら「何よ?今度はボチャボチャ五月蝿いわ…ね…」

86: 2012/09/30(日) 23:55:53 ID:jZ3/Go7Y
ウジュル…ウジュル…

何だろう…これは…

肉の塊に取り囲まれている。

ボチャ

天井を見上げると、まだまだ張り付いているようだ…

動きは遅い…

ウジュル…ウジュル…

動きは遅いけど…

ほむら「気持ち悪すぎる…」カチッ

時間を止めて突っ切った。


87: 2012/10/01(月) 00:02:48 ID:fhpOlgjk
ほむら「ふぅ、もうそろそろだと思うんだけど…」

鼠を操っていた魔法使いから剣を引き抜く。

ほむら「まどかぁー!」

マドカァー…ドカァー…カァー…カァー…カァー…

…ホムラチャン!

ほむら「!…こっちだわ」ジャブジャブ

声を頼りにまどかを探す。

ほむら「危ないわね…排水口かしら…?」ヒョイ

人が入れるほどの穴が空いている。

底は見えない…

ほむら「落ちないようにしないと…」

穴を飛び越えると広い水路に出た。

88: 2012/10/01(月) 00:11:28 ID:1qTNXlvo
馬鹿みたいにデカイ鼠が隅でこっちを見てる…

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか!」

まどか「あ、じゃあ飛び降りるね…」ヒョイ

ほむら「あ、危ない」ガシッ

とっさにまどかを受け止めた。

まどか「あ…」

軽い…

あと、可愛い。

まどか「あっと…てぃひひ、下ろしてくれるかな?」///

ほむら「ご、ごめんなさい!」ソッ

ほむら「…」

89: 2012/10/01(月) 00:20:41 ID:sAFM/e3k
ほむら「こほん、あの鼠は襲って来ないのね」

まどか「さっきまで暴れてから、少しお仕置きしたの…」

大ねずみ「…」プルプル

ほむら「…凄いわね」

まどか「ありがと、ほむらちゃん」

折角の再会なのに、滝の音と悪臭で集中できない…

ほむら「匂い取れなかったらどうしよう…」スンスン

まどか「だねー」ティヒヒ

まどか「そういえば、先に進めそうな場所はあった?」

ほむら「少し戻った所に開かない扉はあったけど…」

まどか「さっき拾った鍵で開くかな?」

いつの間に…?

ほむら「じゃあ、戻りましょう」

まどか「てぃひひ、こっちだね」ジャブジャブ

90: 2012/10/01(月) 00:31:26 ID:D.b5lBlc
ほむら「あ!まどか!…その先に穴が…

ズルッ…ウェヒー…

ほむら「…」

ほむら「まじ?」

ほむら「まどか!…まどか!?」

返事は無い。

ほむら「行くしか…無いわね…」

ほむら「…無いわよね?」

大ねずみ「…」コクコク

ほむら「…」

ほむら「えぃっ!」ピョン

穴は臭く暗く臭く深い…

どこまでも落ちていく気がした。

91: 2012/10/01(月) 00:32:48 ID:fhpOlgjk
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+5
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+1
装備:薄汚れた一式/老魔女の指輪
魔法:音送り/治癒

※info※

96: 2012/10/01(月) 17:22:22 ID:ePWva3Ck


ほむら「…」ベチャ

ほむら「ぷはっ!」プルプル

髪の毛が重たい…

巴マミが聞いたら卒倒しそうな環境だ…

まどか「うぅ…ごめんなさい…」

ほむら「まどかはもう少し慎重に歩くことね…」

まどか「…うん」シュン

ほむら「それにしても、大分落ちたわね…」

まどか「そうだね…」

この状況はストレスが溜まる一方だ…

ほむら「とりあえず、道を探しましょう…」ジャブジャブ

まどか「うん…」ジャブジャブ

97: 2012/10/01(月) 17:24:05 ID:SgRMti.Y
ほむら「こんな所に鐘があるの?」

まどか「鐘はまだ下だよ?」

ほむら「凄いわ…お遍路とは訳が違うわね…」

まどか「オヘンロ?」

ほむら「私の故郷の巡礼みたいなモノよ?」

まどか「へぇー、てぃひひ…変な名前だね」

ほむら「そうかし…どうしたの?まどか?」

まどか「…」キョロキョロ

まどかが立ち止まった。

何かを警戒している。

98: 2012/10/01(月) 17:25:21 ID:Yh/zXfnA
まどか「この感じ…ファントムだ…」

ほむら「ソラールかしら?」

まどか「ううん、これは違うよ…私達を狙って侵入してきてる…」

ほむら「侵入?…とりあえず敵って事?」

ザバザバ…

遠くから水音が近付いてくる。

まどか「…」コクン

ほむら「わかったわ、まどかは少し下がってて…」

ザバザバザバ…

まどか「…」ギュ

ほむら「…」ゴクリ

まどか「来た!」

バシャッ…


99: 2012/10/01(月) 18:05:12 ID:zmxpyvQU
さやか「おりゃー!刺々の騎士さやかちゃんだぞー!…人間性を寄越すのだー!」ザバザバ

ほむら「…」

まどか「あれがファントムだよ!気を付けて!」

ほむら「…」

さやか「おや?二人もいる…こりゃラッキーですなぁー!」ザバザバ

ほむら「…」

まどか「ほむらちゃん!油断しないでね?…ほむらちゃん?」

ほむら「…」

まどか「どうしたの?ほむらちゃん?…目が氏んでるよ?」ユサユサ

100: 2012/10/01(月) 18:06:59 ID:oRJS.Lco
ほむら「まどか?」

まどか「な、何かな?」

ソラールの件で、まどかからファントムの事を少し教わっていた。

ファントムは意識を共有できる分身の様なモノらしい…

ほむら「あれ、ファントムって事は…何やっても本体は氏なないのよね?」

まどか「そうだよ…?」

まどか「…たぶん」

さやか「何をごちゃごちゃ言ってるのかなぁー?…ははーん、私に恐れをなして逃げる算段だなぁー?…逃がさんぞー!」ザバザバ

ほむら「…」

ほむら「まどかは下がってて…何もしなくて良いから…」ゴソゴソ

まどか「でも!」

そういえば、前回はさやかに邪魔されて色々ご破算になった…

101: 2012/10/01(月) 18:09:57 ID:aRAJ0XWM
ほむら「大丈夫…あれは大丈夫、大丈夫な類いの奴だから」ジャコン

思い出せば思い出す程に…

さやか「何だね?…その黒い塊は?…そんなもので、このさやk

ダンッ

まどか「ひゃっ!?」ビクッ

さやか「…」

さやか「な、なんぞ?」

ほむら「…ちっ」

頬をかすめただけだった…

ほむら「鈍ってるわね…」ジャコン

さやか「ちょ!ちょまー!?一旦落ちt…

ダンダンッダンッ…

さやか「…しどい」ガクリ…シュウウ…

よし当たった。

102: 2012/10/01(月) 18:40:37 ID:qxSnzLq6
ファントムが消えてゆく…

ちょっとだけスッキリした…

ほむら「ふぅ」

まどか「…」

ほむら「さぁ行きましょう、まどか…まどか?」

まどか「…今の…ほむらちゃんの魔法?」

ほむら「違うわ…武器よ」

まどか「凄い威力だね…」

ほむら「そうね…あまり使えないけど…」

まどか「うん、その方が良いよ…」

103: 2012/10/01(月) 18:41:56 ID:fhpOlgjk
まどか「てぃひひ、持ち主がほむらちゃんで良かった…」

ほむら「どういう事?」

まどか「優しい人だから…相手が氏なないと分かったから使ったんだよね?」

ほむら「…」

ほむら「私は、別に…」

まどか「てぃひひ、行こっか?」ザブザブ

ほむら「まd…

まどか「どうしたの…行こ?」ザバザバ

ほむら「…」

私は、優しくなんて無いのに…

まどか「ほむらちゃん!行こっ?」

ほむら「…えぇ」ジャブジャブ


104: 2012/10/01(月) 18:51:45 ID:qxSnzLq6
ほむら「この先?」

まどか「鍵が閉まってるね…」グイグイ

?「やぁ、こんな所に珍しいね」

ほむら「…あなたもね」

まどか「こんにちは」ペコリ

ドーナル「僕はドーナル。珍品を扱ってるんだけど、見てくかい?」

ほむら「ここの鍵はあるかしら?」

ドーナル「無いね」

ほむら「なら、結構よ」

ドーナル「それは残念だ…因みにそこの鍵は下の水路にあったはずだけど?」

まどか「そうなんですか!?」ガバッ

ほむら「!」ビクッ

ドーナル「僕も下に取りには行ったんだけど、この最下層の主が住み着いていてね…」

ほむら「主?」

105: 2012/10/01(月) 18:59:41 ID:gMPeJ1Hc
まどか「ほむらちゃん、行こう!…鍵の為だよ!」

ほむら「えぇ、でも主って…」

まどか「てぃひひ、膳は急げだよ!」ガシッ

ほむら「まっ…まってまどか、主の情報を…」ズルズル

ドーナル「竜は手強いけどがんばってね」

ほむら「今、変なワードが聞こえたわ!聞こえたのよ!…まどか?まどか!?」ズルズル


107: 2012/10/01(月) 19:48:28 ID:r0kM0Uhs
ドドドドドドドドド…

まどか「この先みたいだね」

ほむら「凄い水音ね…あら?」

床が光っている…

この文字は見覚えがある。

ほむら「これは、まさか…」ピト

まどか「どうしたの?」

ペカー

ソラール「…\[T]/…」パァァ

ほむら「やはり…」

まどか「あ、ソラールさん」

ソラール「…おお!ほむら達か!」

ソラールが辺りを見回す。

109: 2012/10/01(月) 19:57:50 ID:r0kM0Uhs
ソラール「最下層…しかし、よくもまぁこんな辺境のサインを見つけたもんだ…ある程度理解はしてたが、貴公等もとんだ変態だな!ウワッハッハ!」

まどか「この先に、ここの主が居るらしいんですけど、ご存知ですか?」

ソラール「あぁ、知ってる。…主と言っても、流れ落ちてきた何もかもを喰い続けて肥大化した竜の成れの果てだがな…叩くのか?」

ほむら「そこに必要な物があるみたいなの」

ソラール「なるほど解った…加勢しよう」

ドドドドドドドドド…

まどか「わー、広い!」

ほむら「主とやらは居ないわね…鍵を探しましょう!」

ソラール「鍵か…うーん」キョロキョロ

まどか「こっちかな?鍵の匂いがする…」テッテッ

ソラール「匂い?」クンクン

ほむら「匂い?」スンスン

ソラール+ほむら「「?」」

110: 2012/10/01(月) 20:08:02 ID:1qTNXlvo
まどか「あっ!」

ほむら「どうしt…あれは…」

人より少し大きい位の蜥蜴が滝壺から顔を覗かせている。

…ヒョコ

ほむら「あら、可愛い」

キョロキョロ…

ソラール「可愛いか?」

メキメキメキメキメキメキメキメキ…

まどか「か、可愛い?」

メキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキメキ…

小さいのは頭だけだった…

滝壺から全身を現したそれは、とてつもなく巨大な竜。

ほむら「撤回するわ」

貪食ドラゴン(以下、貪食)「ギュアアアァァ!!」バキバキ

111: 2012/10/01(月) 20:24:43 ID:zmxpyvQU
ソラール「随分でかくなったなぁ」ガハハ

ほむら「何よそれ…親戚の叔父さん?」

ソラール「違うぞ?」

ほむら「…」

まどか「あわわ」タッタッ

ほむら「まどか!鍵はあった?」

まどか「まだ見つからないよ!」

ほむら「やるしか、無いわね…」カシャン

貪食「ギュアアオオ!」ドシン…ドシン…

竜はこちらを見据えると、脇目も振らず突っ込んできた。

ほむら「柱も瓦礫も構わず巻き込んでるわね…」タタタ

まどか「サイドに回り込めば…」タッタッ

ほむら「まぁ、避けるのは簡単…ってソラール?貴方何して…」

直進する竜に向かって正面から突進するソラールが見える…

112: 2012/10/01(月) 20:43:23 ID:SgRMti.Y
ソラール「ウワッハッハ、任せておけ!」

貪食「ギュルルルゥ!!」ドシン

ソラール「ふんっ」ガッ

ほむら「ソラール!」

ほむら「…」

まどか「竜が…」

ほむら「止まった…嘘でしょ?」

貪食「ギュアアゥォ?」グググ

ソラール「ヌォォオオオ…」グググ

ソラールが竜の頭を押さえつけて離さない…

ほむら「…はっ!何かあれだけど、今のうちにやるわよ!まどか!」ザクザクッ

まどか「う、うん!」キリキリ…ヒュン

貪食「ギュアアアアア!」ビタンビタン

ほむら「くっ、尻尾が邪魔だわ」

113: 2012/10/01(月) 20:45:10 ID:gMPeJ1Hc
ほむら「大人しく…」

ほむら「落ちなさい!」ズバッ

貪食「ギュアゥォオオ!?」バッサァ

尻尾を落とした衝撃で、竜が飛び上がった。

ソラール「おぉ、あれじゃ押さえられん…」

ほむら「…」

ほむら「逃げたわね…」

竜はそのまま、滝壺に消えていった…

ソラール「逃げたな」ガハハ

114: 2012/10/01(月) 20:55:44 ID:.Ij1zffI
まどか「あったよー!」ブンブン

遠くでまどかが叫んでいる。

ほむら「何がかしら?」

ソラール「鍵じゃないか?」

ほむら「あぁ、なるほど」

ソラール「この広さでよくも見付けられるものだな!非常識な才能だ!」シュウウ…

ほむら「貴方が常識をって…あら?」

ソラール「時間のようだ…ほれ!」シュウウ…

パシッ

ほむら「またこのメダル?…これって一体…」

シュウウ…

ほむら「…」

115: 2012/10/01(月) 21:00:06 ID:ZvTFZxrg
まどか「あぁー、ちゃんとお礼言えなかった…」タッタッ

ほむら「…」

ほむら「生身で会った時にきちんとお礼を言いましょう?」

そしてメダルの意味を聞きましょう…

まどか「うん!そうだね!」ティヒヒ


116: 2012/10/01(月) 21:15:11 ID:aRAJ0XWM
ドーナル「いやぁ、凄いね…」

ほむら「ありがとう」

ドーナル「じゃあ、僕もそろそろ移動するよ…」

まどか「またね、ドーナルさん」

ドーナル「うん、またね」

まどか「じゃあ、開けるよほむらちゃん」

ほむら「えぇ」

ガチャン…ギギギ…

乾いた空気が流れてくる…

しかしこの匂い…

117: 2012/10/01(月) 21:18:12 ID:N6iHjF7E
ほむら「今度はカビとの戦いなのね…」

まどか「体は大丈夫そう?」

ほむら「問題ないわ」ファス…

髪が傷んでる…ファサッてならない…

まどか「良かった…この先は病み村って言うの…」

ほむら「村?」

まどか「そう…行き場を無くした人達の村」

まどか「呪いに耐性の無い人はね、人としての形を保てなくなる…」

まどか「ここはそんな人達の最後の居場所だから…」

ほむら「…まどか」

まどか「出来るだけ、静かに通りたいよね?」ティヒヒ


118: 2012/10/01(月) 21:32:17 ID:ePWva3Ck
※病み村※

まどかは優しい。

この世界でもそれは変わらない。

ただ、なんだろう…

ほむら「次に行く?」

まどか「うん、ごめんね?付き合わせちゃって…」

ほむら「気にしないで」ニコ

動かなくなった亡者に、異形の者に、まどかは祈りを捧げる。

村の住人はただ静かにそれを眺めている…

彼等が襲ってくる事はなかった。

119: 2012/10/01(月) 21:33:27 ID:1qTNXlvo
ほむら「…」

ほむら「貴方は立派だわ…」

まどか「そんな事無いよ」ティヒヒ

悲しそうに笑う…

それ以上何も聞けなくなる…

ほむら「いいえ、立派だわ」

私も亡者に手を合わせる。

まどか「…」

まどか「ありがと、ほむらちゃん」ティヒヒ


120: 2012/10/01(月) 21:55:13 ID:9I4fKFho
広い場所に出た。

ほむら「これは…」

ほむら「ここ地下…よね?」

まどか「そのはずだよ?」

明らかに体に悪そうな沼が足元に広がっている。

ほむら「広すぎないかしら?」

まどか「私も驚いてるよ…」

まどか「ここの何処かに鐘があるはずなんだけど…」

ほむら「そう…」

骨が折れそうだ…

ほむら「まぁ、とりあえず降りましょう」ズブ

まどか「うひぃ、躊躇なく行くねほむらちゃん…」ズブ

ほむら「とりあえず、空気の流れを追うわ」

まどか「そうだね…少しでも浄化された場所に行きたい」


121: 2012/10/01(月) 22:12:49 ID:ePWva3Ck
篝火が燃えている。

まどかはじっと座ったままだ…

私は篝火の先に見つけた吸気口の前で涼んでいた。

ほむら「カビ臭いけど腐敗臭より、いくらかましだわ…」フゥ

深く呼吸をする。

早く外に出たい。

まどか「ほむらちゃん?大丈夫?」

ほむら「あら?来てたの…えぇ大丈夫よ」

まどか「そろそろ…」

ほむら「そうね、行きましょう」

まどか「てぃへへ…うん」

まどか「…?」キョロキョロ

122: 2012/10/01(月) 22:19:58 ID:dJ5YhWto
ほむら「?…どうしたの?」

まどか「この感じ…また侵入だ…」

ほむら「さやかかしら?」

まどか「…わかんない」

辺りを警戒する…

ほむら「ここで待機しましょう。足場がしっかりしている方が良いわ」

まどか「そ、そうだね」

吸気口の前で、様子を伺う。

来た…

来たけど…

まどか「す、凄い格好だね」///

ほむら「かろうじて股と胸は隠れてるけど…」

ユッサユッサ

遠目にわかるほど揺れている…

ほむら「…あのサイズ」チッ

124: 2012/10/01(月) 22:32:58 ID:hULaExUg
顔はずた袋を被っていてよく見えない…

見えないが…

ほむら「…」

ほむら「貴女…マミ?」

まどか「?」

マミ「あら?…私も有名になったものね…そうよ私はマミ…混沌に生きる者soul eaterマミよ」キリッ

あぁなんだろう、この感じ…

まどか「ほむらちゃん、知り合い多いね…」

ほむら「そうかもね…」

マミ「私を知ってるなら、抵抗が無意味である事は理解しているわね?」

ほむら「まどか…何も言わず話を合わせて」ヒソ

まどか「へ?」

125: 2012/10/01(月) 22:43:31 ID:ssPqUC7s
マミ「さ、観念してソウルと人間性を寄越しなさい!」

ほむら「ふふ…」スッ

ほむら「…久しぶりの再会にそれは無いんじゃない?」

マミ「…?…何処かで会ったかしら?」

ほむら「貴女なら、と思っていたけど残念ね…記憶を無くしてるなんて…」

マミ「…記憶を?…私が?」

ほむら「私はほむら。何か思い出さない?」

マミ「…」

マミ「…確かに聞き覚えがあるような…」

ほむら「流石マミだわ…でも当然かしら?前の世界では共に戦った仲間だもの、ね?」

マミ「…」ピク

126: 2012/10/01(月) 22:45:24 ID:sAFM/e3k
まどか「?…??」

マミ「…」

マミ「…」フルフル

色々葛藤があるようだ…

ほむら「まだ思い出さない?…貴女と過ごした日々を話して聞かせましょうか?」

マミ「聞かせて…貰える?」キリッ


127: 2012/10/01(月) 22:58:11 ID:hG6WyHOE
三人で篝火を囲んだ…

一部、誇張を交えつつマミとの過去を話す。

マミ「ケーキ…良いわよね。この地に来て食べることも無くなったけど…」ホゥ

ほむら「信じてもらえた?」

マミ「素晴らしいわ、私は貴女の師匠だったのね!…確かに、アケミさんを見た時懐かしい感じがしたのよ!」

それは何より。

マミ「まさか…まどかさんも?」

ほむら「えぇ、ただマミと違って…まどかは完全に記憶が消えてるのだけど…」

マミ「貴女も奴に記憶を消されたのね…」

まどか「うぇひー、はい、まぁ」

奴?

そんな話したっけ?

ほむら「でも、この世界でマミに出会えたのは幸運としか言えないわ!」

マミ「もぅ、大袈裟よ?ねぇ?まどかさん?」///

まどか「うぇひー」

128: 2012/10/01(月) 23:14:34 ID:GGmcnvZY
マミ「あら?」シュウウ…

マミ「残念ね…時間みたい…今度は生身で会いましょう?…」シュウウ…

マミ「私のサインを見つけたら遠慮なく呼んでね?…いつでも構わないから!…本当、私の都合とか考えなくて良いかr…シュウウ…

シュウウ…

まどか「…」

ほむら「行ったわね」

まどか「良かったのかな?」

ほむら「敵対するよりマシだわ…」

まどか「…」

まどか「確かにそうだね」ティヒヒ

このままだと、あと一人も現れそうだ…

こういった世界では一番厄介であろう彼女が…

129: 2012/10/01(月) 23:15:58 ID:D.b5lBlc
ほむら「ま、その時はその時よね…」

まどか「…」

ほむら「まどか?」

まどか「ひゃ!?…ごめん、考え事しちゃってた!」ティヒヒ

ほむら「そう?…行きましょう?」

まどか「うん!行こっ!」

131: 2012/10/01(月) 23:17:10 ID:hG6WyHOE
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+5
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+1
装備:薄汚れた一式/老魔女の指輪
魔法:音送り/治癒

※info※

135: 2012/10/02(火) 17:23:57 ID:v5DDh6vQ


※クラーグの住処※

ほむら「…」

ほむら「場所が判りづらいわ…まどか」

まどか「私に言われても…」

やっとそれらしい場所に着いた。

散々、沼を歩いた結果、沼関係無い所に入り口があった…

ほむら「不思議な場所ね…」

まるで巣だ…この壁はなんだろう…

まどか「凄い、地面が温かい…」

ほむら「ここの鐘を鳴らしたらおしまい?」

まどか「ううん」フルフル

まどか「グウィン王の歩みを辿る筈だけど…詳しい事はよく…ごめんね?」

ほむら「そう…」

136: 2012/10/02(火) 17:32:44 ID:bW1Qgd36
まどか「?」

ほむら「あれ、何かしら?」

目の前には背中の肥大した人間が複数。

背中は不気味に脈打っている…

まどか「ここに住んでる人?」

近付いて見るが反応はない…

ほむら「まるで私達は眼中に無いのね…」

まどか「この先に何かあるのかな?」

誰も彼も一様にこの道の先を向いて伏している。

まどか「あっ…少し先に広間があるみたい」スタスタ

ほむら「油断しないでね…」スタスタ

ほむら「?…このサイン…」

見たことないサインだ…

ソラールのものでは無い…

137: 2012/10/02(火) 17:59:23 ID:2X/6eTMY
まどか「どうしたの?」

ほむら「いえ、このサインが…」ペタ

ペカー…

まどか「わ」

ほむら「なるほど」

マミ「ふっ、私を喚ぶ者よ汝のnって、あら!…あらあら!…アケミさんじゃない!?早速呼んでくれたのね!」キャー

まどか「こんにちわ、マミさん」ニコ

マミ「こんにちわ、まどかさん」ニコ

ほむら「この奥って何があるの?」

マミ「ここはクラーグと言う魔物の住処よ?運が悪いと出逢う事もあるけど、そうそう…」

メキメキ…

マミ「出逢わない…」

ザクッ…ザクッ…

マミ「はず…」

?「!」ニコ

138: 2012/10/02(火) 18:00:51 ID:bW1Qgd36
マミ「…」

女性がこちらを見据えている。

下半身は巨大な蜘蛛だが…

ほむら「あれがクラーグ?」

マミ「運が悪いことに、ね…」

まどか「…」

まどか「あれ?…この人…」

マミ「どうやら目を付けられたわね」キリッ

ほむら「好戦的なの?」

マミ「周りを見たらわかるでしょ?」

ほむら「?」

ああ…

ようやく気が付いた。

この壁は亡者だ…

絡め取られた夥しい亡者達によって造られたモノなんだ。

139: 2012/10/02(火) 18:16:28 ID:G4iChmug
クラーグ「…」カチカチ

ゴウッ…

クラーグから火炎液が振り撒かれる。

ほむら「まどか!」バッ

まどか「へっ?あ!…うん」サッ

範囲は広いが狙いが甘い…

あっさりと避けられた。

マミ「不味いわ…」

ほむら「何がよ?」

マミ「退路を塞がれたわよ…」

ほむら「っ!」

しまった…

そもそも狙いが違ったのか…

140: 2012/10/02(火) 18:29:40 ID:8Gbp0CU6
クラーグ「…」ニコ

ほむら「やるしか無いのね」

まどか「さっきの声は…空耳かな?」キョロキョロ

ほむら「まどか?」

マミ「来るわよ!」

火を振り撒きクラーグが迫ってくる…

ほむら「まどか!逆側に回り込んで!」バッ

まどか「うん!」タッ

クラーグ「!」

まどか「え?」ピタッ

マミ「まどかさん!?」

ほむら「まどか!?」

カチッ

クラーグ「…」ブンッ

クラーグの持つ剣がまどかのいた場所を凪ぎ払う…

141: 2012/10/02(火) 18:57:57 ID:dcc2MJQA
クラーグ「?」キョロキョロ

まどか「あ!」

ほむら「どうしたの?まどか?」

まどか「あ…ごめん…ほむらちゃん」

まどかが動揺している…

どうしたんだろう?

マミ「ワープした?…やるわねアケミさん!」ザクッ

クラーグ「!」

ほむら「まどかは下がってて…今の貴女では危険だわ」パスパス

クラーグ「!?」ヨロ

まどか「やっぱり…!」

ところ構わず火炎液を撒き散らすのが厄介だ…

142: 2012/10/02(火) 19:10:03 ID:1UIRnqC6
ほむら「くっ、足場が…」ババッ

ほむら「…」

ほむら「なんでマミは火の中で平気なのよ?」

クラーグ「…」ブンッ

マミ「はっ!」キィン

ギリギリ

よく見ると、マミが尋常じゃない量の汗をかいてる事に気付いた。

ほむら「ただでさえ、裸同然なのに色々問題のある絵面だわ」

マミ「甘いわっ!」ガキンッ

マミがクラーグの剣を弾き飛ばした。

ほむら「よくやったわ、マミ!」パスパス

クラーグ「!」ザクザクッ

クラーグ「…」グラッ

143: 2012/10/02(火) 19:26:13 ID:8Gbp0CU6
マミ「怯んだわね!ナイスよアケミさん!…これで!」

クラーグ「!」

まどか「駄目っっ!…マミさん!ほむらちゃん!駄目だよっ!」ダッ

マミとクラーグの間にまどかが飛び出した。

マミ「ちょっ!」

クラーグ「!」バンッ

隙を逃さず、クラーグは飛び上がり、距離を取る。

剣も拾ってしまった…

マミ「どうしたの!…絶好のチャンスだったのに…」

まどか「駄目なんです!…私が、私が話してみますから!」

ほむら「交渉出来る手合いなの?」

まどか「わからないけど…やらなきゃ…」グッ

マミ+ほむら「「?」」

144: 2012/10/02(火) 19:40:33 ID:bW1Qgd36
まどかが真正面から近付いて行く。

まどか「クラーグさん!私達、鐘を鳴らしたいだけなんです!」

クラーグ「…」ブンッ

ほむら「ちっ」カチッ

クラーグ「?」グルン

ほむら「…」スタッ

まどか「あ…ほむらちゃん」

ほむら「交渉、するんでしょ?」

まどか「あ、うん!…聞いてください!貴女の大事なモノを奪ったりしないから!」

クラーグ「!」カチカチ

ゴウッ

火炎液が振り撒かれる。

まどか「お願い!お願いだから!」


145: 2012/10/02(火) 20:29:16 ID:SsiZh.ME
クラーグが攻撃する度、私が時間停止でまどかを運ぶ…

まどかの言葉は届かない。

マミ「アケミさん?…その魔術も無限では無いのよね?」

ほむら「もうあと一、二回使えるかどうかよ…」ハァハァ

まどか「う…」

マミ「次の言葉が聞き入れられなければ、攻撃するわよ?」

まどか「…っ…はい」

ほむら「まどか…」

まどか「クラーグさん!お願い!」

クラーグ「?」

まどか「違う!違うよ!そんな事しても…」

クラーグ「!」ブンッ

ほむら「…」カチッ

146: 2012/10/02(火) 20:43:16 ID:7nwiKeTA
まどか「ほむら…ちゃん」スタッ

ほむら「もう、止められないわ…」

マミ「残念ね」チャキッ

ほむら「まどかは下がりなさい」スチャ

クラーグ「!」ドシン…ドシン…

まどか「駄目だよ、ごめん…クラーグさんを攻撃しないで…」

まどかが行く手を阻む。

クラーグに背を向けたまま、動かない。

ほむら「何やってるの!貴女は!」

クラーグ「!」ブンッ

ほむら「まど…」

メリッ

147: 2012/10/02(火) 20:55:11 ID:mno8/8a2
視界が暗転する。

何かが私と衝突した。

マミ「二人共っ!?」

私の足元には…まどか…

ほむら「う…まど、か?」

ほむら「まどか?」ユサユサ

揺する…

まどか「ほ、むら…ちゃ…」

弱々しく笑う…

ほむら「…」

ほむら「…頃すわ」ジャコッ

クラーグ「!」ドシン…ドシン…

ガシッ

ほむら「なっ…まどか!?」

148: 2012/10/02(火) 21:12:31 ID:8Gbp0CU6
まどか「…駄目、だよ…」

クラーグ「…」

まどか「ごめんね…わがままばかり…」グッ

クラーグ「…」

マミ「まどかさん…」

マミ「!?」

マミ「周りの火が、消えた?」

クラーグ「…」ズシン…ズシン…

マミ「行っちゃったわ…交渉成功?」

まどか「…よ…かっ…」

ほむら「まどか!まどか!?…まどかのエスト瓶はどこよ!?」

マミ「…」シュウウ…

149: 2012/10/02(火) 21:31:03 ID:1UIRnqC6
マミ「…これを使いなさい」シュウウ…

ほむら「これは?」

マミ「女神の祝福よ?素敵な名前でしょう?傷なんてあっと言う間にn…シュウウ…

ほむら「まどか!」キュポッ

シュウウ…

パァァ…

まどか「…あ…ほむらちゃん」

ほむら「あぁ、良かった!良かった…」ギュッ

まどか「私、不氏なんだから…大げさだよ…」ティヒヒ

ほむら「な…!」

150: 2012/10/02(火) 21:37:25 ID:nuyWANto
ほむら「ふざけないで!不氏だから何!?…貴女が氏ぬのを何度も見ろって言うの!?」

ほむら「…私に、そんな光景を見続けろとでも言うの!?…冗談じゃないわ!」

ほむら「…私は…」ポロポロ

まどか「…」

ほむら「…そんなの…私には…」ポロポロ

まどか「ごめん…ごめんね…」ギュッ

まどか「…ごめんなさい、そうだよね…大事な人が傷付くのを考えれば簡単に理解できる事なのに…」

まどか「…ごめんね…守ってくれて、ありがとう」ポロ


151: 2012/10/02(火) 21:48:14 ID:FEn.wd1s
ギンゴーン…ギゴーン…ゴーン…ゴーン…

まどか「これで…」

ほむら「何か変わった様子は無いわ」

まどか「うーん」

ほむら「どうでもいいけど、まどか?…クラーグが来てるわよ?」

クラーグ「!」

まどか「え?…そうなの?」

クラーグの元に歩いてゆく…

既にクラーグに敵意は無いようだ…

まどか「ほむらちゃん!下に降りてみよう?」

ほむら「えぇ、でもまどか?…貴方はクラーグの言葉がわかるのよね?」

まどか「ほむらちゃん達には聞こえないんだっけ?…うーん、なんでだろ?」

ほむら「才能かしら?」

まどか「てぃひひ…それは無いよ…」

152: 2012/10/02(火) 22:01:33 ID:7UiU9lqk
クラーグ「!」

まどか「…ありがとう、ほむらちゃんはここで待ってて?」スタスタ

まどかは一人で奥に進んでゆく。

ほむら「…」

クラーグ「…」

ほむら「…」チラ

クラーグ「?」

ほむら「…」ペコリ

クラーグ「…」ペコリ

…気まずい。

まどか…早く、早く!

153: 2012/10/02(火) 22:07:21 ID:mno8/8a2
ほむら「…」

ズルッ…ズルッ…

ほむら「?」

卵背負い(以下、エンジー)「おぉクラーグ様…ここにおられましたか…」

入り口に居た者と同じ姿の男が這い出てきた…

エンジー「さっきの娘の連れか?」

ほむら「?…えぇそうよ」

エンジー「…卵も背負わぬ半端者共が…クラーグ様に許されたからと調子づきおってからに…」ブツブツ

ほむら「…」

エンジー「儂なんか、遥かに昔からお二人にお仕えしとるわい…」フフン

ほむら「…」

ほむら「り、立派ね」

エンジー「ほぅじゃろ、ほぅじゃろ」

154: 2012/10/02(火) 22:20:26 ID:a8rw0OUg
エンジー「お主もお二人の言葉が解るのか?」

ほむら「…」フルフル

エンジー「そうか、あの娘だけか…まぁ、言葉なぞ無くとも、出来る事は多分にある…羨ましく無いわい…」

ほむら「そうね…たとえ理解されなくても守る事は出来るから…私はそれで十分だわ」

エンジー「おぉ…お主、ええ事言ったな!…卵を負わぬのが勿体無いのぅ!」

ちょっと近付いてきた…

若干気に入られたっぽい。

クラーグ「…」


155: 2012/10/02(火) 22:39:34 ID:X4Q8feJM
ほむら「そう…クラーグ達に救われたのね…」

エンジー「そうじゃ、なのに儂は何もしてやれん…こうしてお側に…ん?」

ほむら「まどか!」

まどか「…」

ほむら「まどか?」

まどか「…うん、ただいま…てぃひひ」

何かあったのだろうか…

ほむら「まど…」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「…何かしら?」

まどか「私は…どうしたら良いのかな…このまま巡礼を続けても…」

ほむら「続けても?」

まどか「…ううん」フルフル

まどか「諦めちゃ駄目だよね!」ニコ

ほむら「…?」

156: 2012/10/02(火) 22:41:03 ID:2X/6eTMY
ほむら「…?」

まどか「よーし!ほむらちゃん、一旦祭祀場に戻ろう?」

ほむら「え、えぇ」

何を知ったの?

何を聞いたの?

この世界のまどかには、そんな簡単な質問さえ躊躇わせる空気がある…

この世界のまどかは強くて…優しくて…

私はたじろぐばかり…


157: 2012/10/02(火) 22:52:20 ID:bW1Qgd36
カチャカチャ…ガチャリ

不思議な空気の場所に出た。

ほむら「…ここは?」

まどか「えーと、祭祀場の下だから小ロンド遺跡だね」

ほむら「祭祀場の下なの?…そんな風に繋がってたのね…」

まどか「うん、こっちだよ」ティヒヒ

まどかに手を引かれる。

158: 2012/10/02(火) 22:54:18 ID:FEn.wd1s
ほむら「ここの亡者は大人しいのね…」

まどか「…」

まどか「ここや、牢獄の亡者は人間性を失って、まだ日が浅いから…」

ほむら「そう…」

頭を抱える亡者。

動かない者に話しかける亡者。

ほむら「まだ人で在ろうとしてるのね…」

まどか「…うん」

まどか「…」スタスタ

まどか「あ、ここだよ。この昇降機…」ガチャ

カラカラカラカラ…ガシャン


159: 2012/10/02(火) 23:09:36 ID:mno8/8a2
カラカラカラカラ…ガシャン

※火継ぎの祭祀城※

ほむら「いい風だわ…生き返る」ホムー

まどか「ここを上っちゃえば…篝火があるんだよ!」スタスタ

ほむら「最初の場所ね」スタスタ

まどか「これでようやく…あっ!」

ほむら「?…何か」チラ

ほむら「!?」

まどかの視線の先、朽ちた石牢の中から細い腕が覗いている。

まどか「…!」ダッ

駆け寄るまどかを追って、私も石牢に近付いた…

まどか「酷い…」

ほむら「っ…確かに…非道いわね…」

160: 2012/10/02(火) 23:22:11 ID:bW1Qgd36
石牢の中で若い女性が氏んでいる。

格子に固定された状態で何度も刺された後があった…

更に昔に付けられたであろう、夥しい量の傷痕が惨状をより凄惨なモノにしていた。

まどか「何で、何でこんな目に…」ポロポロ

ほむら「抵抗できないのを良いことに…許せないわね…」

まどか「…」ギュッ

女性の手を取り、まどかは弔う…

ほむら「…」

ほむら「…」コツン

足元に何か落ちている…

まどかは気付いてない様だ。

161: 2012/10/02(火) 23:37:05 ID:7nwiKeTA
ほむら「?」

何だろう…この黒い玉は?

犯人の手がかりだろうか?

ほむら「他に何か落ちてないかしら?」ボソ

辺りを探す事にした。

更に階段を上ると、初めの篝火の場所に出た。

ほむら「ここに出るのね…」

何故か篝火から火が消えている。

ニート「何だ、生きてたか…」

ほむら「あら、久しぶり」

ニート「探し人は見つかったかい?」

ほむら「えぇ、下に居るわ」

ニート「すげぇな。鐘鳴らしたのもあんただろ?」

ほむら「そうね、私たちだわ。よく知ってるのね」

ニート「はは…今時、真面目に巡礼しようなんて輩は限られてるんでな…この調子で頼むわ…」

162: 2012/10/02(火) 23:48:59 ID:Y6C2RjxA
ほむら「ねぇ、一つ聞いてもいい?」

ニート「?」

黒い玉を見せる。

ほむら「これ何かしら?」

ニート「宝珠だな…」

ほむら「オーブ?」

ニート「あぁ、ファントムは知ってるか?」

ほむら「…」コクリ

ニート「それは、復讐の為のファントムを生み出す道具だ…復讐対象の痕跡を見つければそいつが反応するんだよ」

ニート「あとは、その辺りで宝珠を設置しておけば、対象が現れた時に復讐霊として召喚される訳だ…」

ほむら「自分がファントムになる道具って事ね…」

あの場所に落ちていたと言う事は、おそらく彼女が生んだ物だろう…

そうなると、復讐対象はおそらく犯人だ…

もし不氏人が犯人なら…

163: 2012/10/02(火) 23:57:30 ID:X4Q8feJM
ほむら「まどかには言わない方が良いわね…ありがとう」ゴソゴソ

ニート「?…あぁ…」

ほむら「あと、何で火が消えてるの?」

ニート「そりゃ、火防女が氏んだら消えるだろ…」

ほむら「?」

ニート「下の氏体、見てないのか?」

ほむら「え?彼女?」

ほむら「?…彼女が燃やしてたの?」

ニート「燃やしてたってか、篝火が彼女そのものなんだが…」

ほむら「?」

164: 2012/10/03(水) 00:12:17 ID:jIL/W2TE
ニート「めんどくせぇな…とにかく、あの女が篝火で、それが氏んだから火が消えたんだ。そんだけだ…」

ほむら「そう…なのね…」

いまいち、理解できない…

ニート「んで、そういう篝火と共に在る連中を火防女と呼んでんのさ」

ほむら「火防女…」

まどか「あ、ここに居たんだ…」

まどかが上に上がってきていた。

ほむら「もういいの?…いつもより感情的だったから…」

まどか「うん…ありがとう。もう大丈夫だよ…」

165: 2012/10/03(水) 00:19:50 ID:dWKWSAEE
ニート「そいつが連れか?」

まどか「えっと、初めまして…」ペコ

ニート「はは…」

ほむら「ニートよ、こっちはまどか」

まどか「ニートさん?」

ニート「あぁ?」

まどか「あの、何か変わったこと起きませんでしたか?」

ニート「あー…篝火が消えたのと…そうだ」

頭を抱え、ため息をついた。

ニート「鐘が響いた直後なんだが…」

ニート「とんでもなく臭い野郎がこの先に現れたぞ?」

166: 2012/10/03(水) 00:22:54 ID:HvFnEbDU
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+5
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+1
装備:薄汚れた一式/老魔女の指輪
魔法:音送り/治癒

※info※

169: 2012/10/03(水) 18:40:44 ID:F6jpry2o


まどか「ほんとだ臭い」

ほむら「臭いわね」

ほむら「…もう、遠目にも見えてるけど、あれ何?蛇?」

水場があった辺りから巨大な何かが顔を出している。

?「はぁ…臭ぇし、騒がしぃし…諦めて移動するか…」ムクリ

ほむら「?」

?「ん?…あ!あん時の嬢ちゃん!」

草むらで腰を下ろしている男が話しかけてきた。

ほむら「私?…?」

まどか「ほむらちゃんは知り合いが多いね」

170: 2012/10/03(水) 18:45:55 ID:HvFnEbDU
ラレン「ほら、最下層で!樽の!」

ほむら「あぁ!」

ほむら「…」

ほむら「?」

ラレン「おいおい、記憶力皆無か?」

ほむら「覚えてるわ、ちょっとした冗談よ?」

ラレン「どーだか…」

まどか「うーん、じゃあほむらちゃんはここで待ってて?…私あの大きい人と喋ってくるから…」

…人?

ほむら「大丈夫よ?私も行くわ」

まどか「てぃひひ…いいから、いいから」スタスタ

気を使われてしまった…

171: 2012/10/03(水) 18:51:07 ID:MlbMoZAA
ラレン「紹介しとくな、俺はラレンティウスだ」

ほむら「…ほむらよ」

ラレン「しっかし、あの時は助かった。礼をしなければとここで待ってたんだが…」

ほむら「結構よ」

ラレン「まぁ、そう言うな…あんたは呪術に興味は無いか?」

ほむら「呪術?」

ラレン「なんだ、知らんのか?」

ほむら「知らないわ」

ラレン「…」

ラレン「て事は、偏見も無いよな…」フンフン

ほむら「?」

172: 2012/10/03(水) 18:55:27 ID:dWKWSAEE
ラレン「…なぁあんた、呪術を学んで見ないか?」

ほむら「遠慮するわ」

ラレン「即答かよ!?」

ほむら「そもそも、不氏人で無い者も使いこなせるの?」

ラレン「いや、そいつは問題ないが…ん?…不氏人じゃないのか?」

ほむら「…」コクリ

ラレン「!?」

随分驚いてる…

この不氏人の件も飽きてきた…

ラレン「はぁ、物好きが居たもんだ…」

ほむら「そうかもね」

ラレン「とりあえず、呪術を学ぶにしろ学ばんにしろ、火を分けるから礼として受け取ってくれ…」ボウッ

ラレンティウスの右手が燃え上がる。

173: 2012/10/03(水) 18:57:59 ID:Xa6QF/UU
ほむら「凄いわね…?…どうやって受け取るの?」

ラレン「ん?…俺の手をとりな」

ほむら「熱くないの?」

ラレンティウスの右手に触れると、炎が私の左手に伝わってきた…

不思議な事に熱は感じない…

ゆっくりと炎が左手を包み込んで行く…

まどか「お待たせ、ほむらちゃん!」

ほむら「!」ビクッ

まどかが戻ってきていた。

174: 2012/10/03(水) 19:01:00 ID:HvFnEbDU
ラレン「よぅ」

まどか「てぃひひ…ほむらちゃん、それ呪術の火?」

ほむら「えぇ、そうらしいわ」

ラレン「あんたも呪術を?」

まどか「ごめんなさい、私は魔術を…」

ラレン「まぁ、そうだよな…」

ほむら「すごい…私の手が赤く透き通ってる…」

ほむら「…あら?」

ほむら「…?…火が消えたわ」

ただの手に戻った…

ラレン「?」

まどか「あれ?」

ラレン「なんでだ?…破滅的に才能が無いのか?」

ほむら「…」

人間で無いからだろうか…

175: 2012/10/03(水) 19:06:34 ID:aNFPMw4Y
ほむら「まぁ、いいわ…それよりまどか?何か分かった?」

ラレン「良いのかよ…」

まどか「へっ?あ、うん。えっとね次にいく場所が分かったよ?」

ほむら「そう…とりあえず、匂いがきついから、下で話しましょう?」

まどか「てぃひひ、そうだね」

グリッグス「おぉ!やはり!聞いた声だったのでもしやと思いましたが!覚えておいでですか?…グリッグスです」

ほむら「あぁ、次から次に…」フイ

まどか「もぅほむらちゃん!…お久しぶりですグリッグスさん…と、あと…?」ペコ

ペトルス「これはこれは、ほむら殿」ペコ

ほむら「あら、ペトルスさんだったかしら?…お久しぶりです」

グリッグス「ペトルス殿もお知り合いでしたか!」

まどか「良かったです。無事に祭祀場についた見たいで…」

グリッグス「そうです!…お礼をしなければなりませんでした!ヴァンハイムの近代魔術をお見せしますよ!」

まどか「わ、ほんとですか!?」

まどか「…」ウズウズ…チラ

176: 2012/10/03(水) 19:09:19 ID:zD8kLsvA
ほむら「行ってきていいわよ?篝火の所で待ってるから」フフ

まどか「ありがとう!すぐ戻るね!」

ペトルス「…」

ペトルス「ご友人には会えた様ですね」

ほむら「えぇ、ありがとうございます」

ペトルス「では、もう戻られるのですかな?」

ほむら「いえ…」フルフル

ペトルス「っ!?」

ほむら「彼女の巡礼に同行する事にしました…」

ペトルス「…」

ペトルス「そうですか…では…」スタスタ

ほむら「?」


177: 2012/10/03(水) 19:33:22 ID:VryeqAG2
暫くしてまどかが戻ってきた…

ほむら「センの古城…?」

まどか「そうだよ!そこからアノール・ロンドに向かうの!」

ニート「…」

ほむら「何?」

ニート「いや…」

ニート「随分、頑張るもんだと思ってな…」

まどか「目的があるんです…だから…」

ニート「目的ねぇ」

ほむら「…」

ニート「まぁ頑張れよ…俺にも目的が無い訳じゃ無かったしな…」ハハ

まどか「だったら…」

ニート「心が折れるまでは、な…」

まどか「…」シュン

178: 2012/10/03(水) 19:49:01 ID:b.FB26GE
ニート「…」

ニート「だが…鐘、鳴らしたんだよなぁ…」

まどか「はい!」

ニート「…」ハァ

まどか「…と言っても私はほむらちゃんに助けられてばかりですけど…」

まどか「てぃひひ…」

ニート「…はぁ…もう少しだけ抗ってみるか…」

まどか「!」

まどか「あの!でしたら!」

ニート「?」

まどか「私達と行きませんか?」

ほむら「?」

ニート「俺が?」

ほむら「これが?」

ニート「失礼な奴だな…」

179: 2012/10/03(水) 19:52:19 ID:i56oCygY
まどか「あの…駄目ですか?」

ニート「一緒に…ねぇ」チラ

こちらを見る…

ほむら「私は構わないわよ?協力者は多いに越した事は無いし…」

ニート「…」

ニート「はぁ…センの古城までなら…アノール・ロンドには同行しない。それで良いなら、な?」

まどか「ありがとうございます!てぃひひ、やった!ほむらちゃん!」

ほむら「そうね…ココロヅヨイワ」

ニート「心込もってねぇなぁ…」

まどか「ほむらちゃんは素直じゃ無いから」ティヒヒ

ほむら「なっ」///

ニート「じゃあ、まぁ、よろしくな…」

まどか「お願いします」ペコ

ほむら「よろしく」


180: 2012/10/03(水) 20:07:12 ID:7b6ZNbA6
※城下不氏教区※

カツーン…カツーン…

篝火が燃えている…

まどか「アンドレイさん喜んでたね!」

ほむら「えぇ、良かったわ」

まどか「でも、どこで火種なんて見つけたの?」

ほむら「ほら、亡者食堂で見つけた物よ…まどかが落ちた時に」

まどか「うぇひー」

181: 2012/10/03(水) 20:08:33 ID:jgeh5WsU
ニート「で?この先がセンの古城だが…もう、行くか?」

ほむら「ニートは準備できてるの?」

ニート「あぁ、ここまでの亡者共で多少肩慣らし出来たしな…」

確かに、亡者相手の立ち回りは見事だった…

火継ぎの祭祀場に引きこもっていたとは言え、そこはやはり不氏者の戦士なんだろう…

ほむら「まどかは?」

まどか「うん。行こっ?」

ニート「じゃ、行くか…」コキッ…コキッ…


182: 2012/10/03(水) 20:19:29 ID:cPd2BRA.
※センの古城※

まどか「…」ウェヒー…ウェヒー…

ニート「…」ゼェ…ゼェ…

ほむら「…」ハァ…ハァ…

ほむら「何なのよ…ここは…」

まどか「罠だらけだね…」

ニート「蛇だらけの間違いだろ…」フゥ

道幅が狭い上、振り子刃が至るところに仕掛けられている…

矢も変なところから飛んでくるし…

何故か蛇も罠の犠牲になってたけど。

ほむら「何目的で誰がこんなの作ったのよ…」

ニート「蛇野郎じゃ無いのだけは確かだな…」

183: 2012/10/03(水) 20:36:29 ID:oXOH4AKI
まどか「…」チラ

まどか「道の先に蛇さんがいるけど…」

ほむら「…」

その間には、振り子刃と細い道…

ほむら「仕方ないわね…」カチッ

スタスタ…ケリッ…カチッ

アーッ…

ニート「…」

ほむら「二人ともこっちよ」

まどか「はーい!」

ニート「お前の魔法反則だろ…」

184: 2012/10/03(水) 20:38:58 ID:Xa6QF/UU
ほむら「床が変に浮いている所は気を付けてね、まどか。罠の可能性が高いから」

まどか「へっ?」ガコン

ほむら「あ」

ヒュン

ニート「あぶねっ」キン…カキン…カキン

カチカチカチ…ガチャン

また壁から矢が飛んできた…

ニート「盾が見る見るボロボロになってくな…」

まどか「ご、ごめんなさい」

ほむら「形ある物いつかは壊れるから、気にしないで?…ほら、あの先外じゃないかしら!」スタスタ

ニート「…」


185: 2012/10/03(水) 20:49:44 ID:MlbMoZAA
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

ほむら「…」ビュン

ほむら「今、鼻先を巨大な石球が掠めたように感じたわ…夢?」

まどか「たぶん、現実だよ…」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

…ギャー

目の前で蛇が巻き込まれた…

ほむら「ちょっと…これどうするの?」

ニート「間をぬって、上に…」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

…ギェー

ニート「下に行ってみるか」

ほむら「ま、安全な方から確認よね…」

186: 2012/10/03(水) 20:59:14 ID:VryeqAG2
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

まどか「今だよ!」スタター

ほむら「ちょっ!まどか!」タッタッ

ニート「ったく、他のトラップがあったらどうすんだよ…」タッタッ

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…

まどか「うぇひひ、間に合ったよ!」

ほむら「蛇の氏体だらけだわ…」

ニート「こいつらここに住んでんだよな?」

しかし…

ほむら「…」キョロキョロ

先に進む道は無さそうだ…

まどか「上に行くしか無さそうだね…」

187: 2012/10/03(水) 21:16:19 ID:jIL/W2TE
ほむら「…」

ニート「どうした?」

ほむら「…玉葱が寝てる」

まどか「タマネギ?」

ニート「?」

行き止まりの所、崖の横…

玉葱型の鎧が寝息を立てている。

まどか「寝てるね…」

?「むぅ…むぅ…」Zzz

ニート「この鎧…確かどっかの…」

ニート「…」

ニート「あぁ、カタリナだ…」

まどか「風邪引かないかな?あの…起きてください」ユサユサ

ほむら「そう言う問題では無いわ…」

そもそも不氏人は風邪引くのかしら?

188: 2012/10/03(水) 21:27:26 ID:ESwJ1dSo
まどか「…」ユサユサ

まどか「起きない」ユサユサ

まどかにゆさゆさで起こしてもらっておいて…

ほむら「この玉葱が!」ガツン

?「おお?…むぅ!?」

ほむら「起きたわ」

ニート「お前、ひでぇな」

?「な、何だ貴公等!?儂の精神統一を妨げるとは!」

ほむら「寝てただけじゃない…」

?「失敬な!あのゴロゴロをどうにかせねばと策を練っておったのだ!」

ニート「んで、何も出なかったと」

?「むぅ」

189: 2012/10/03(水) 21:37:25 ID:i56oCygY
?「この上にゴロゴロ射出装置が有るようなのだが、儂の体格ではな…」

ほむら「どれくらいの距離かわかるかしら?」

?「ほれ、彼処だ」

上を指差す。

確かに岩の射出口が見える。

ほむら「分かったわ」

ジークマイヤー(以下、マイヤー)「おお!貴公が行ってくれるのか!?…いや、しかし幼き者を単身向かわせたとあっては、このジークマイヤー騎士の名折れ…」ブツブツ

190: 2012/10/03(水) 21:39:12 ID:MlbMoZAA
ほむら「でも間に合わないのでしょう?」

マイヤー「むぅ…」

ほむら「安心して、スピードには自信あるから…」

まどか「気を付けてね?」

マイヤー「しかしなぁ…危険な目に…」ブツブツ

ニート「まだ余裕はあんのか?」

ほむら「えぇ、じゃあ行ってくるわ」カチッ


191: 2012/10/03(水) 21:48:48 ID:i56oCygY
カンカンカン…ゴトン

ほむら「ふう」

ほむら「外に向けとけば何も無さそうだし大丈夫よね?」

ゴロゴロ…グシャ

ギェー

ほむら「蛇があんな所にも…」

結局どこに向けても、蛇は巻き込まれる様だ…

ほむら「恨まないでね」ナムナム

高台に出ると、下の方にまどか達が見えた。

ほむら「まどかぁー!」ブンブン

ホムラチャン!

まどかが手を振ってる…

192: 2012/10/03(水) 21:55:59 ID:HvFnEbDU
ほむら「可愛い…」

両手で○のジェスチャーを送る…

ぱたぱたと走ってくる二人と玉葱…

玉葱…遅っ!

あ、まどか転けた…

ほむら「だ、大丈夫かしら!?」ハラハラ

起き上がって、手を降ってる…

大丈夫なようだ…良かった…

ほむら「時間停止も使いきったし…慎重に行きたいわ」


193: 2012/10/03(水) 22:05:00 ID:dWKWSAEE
マイヤー「ガハハハ!このジークマイヤー恐れ入った!貴公には助けられたな!」

ほむら「気にしないで」ファサッ

マイヤー「対した事も出来んが、こいつは礼だ」

ほむら「これ何かしら?」

マイヤー「奇跡の物語の一編を記した物だ。儂はこの奇跡を放つフォースと呼んでおる!」

ほむら「奇跡?」

まどか「神職の人が使う魔術みたいなモノだよ」ヒソヒソ

ほむら「あぁ、白魔法ね…」

マイヤー「では、儂はこれで失礼する。また会うこともあるだろうな!ガハハハ!」

一人何処かに消えていった…

ほむら「マイペースに忙しない人だったわ…」

まどか「ジークマイヤーさん…だったっけ?」

ニート「確かな…まともに名乗っちゃいなかったが…」

194: 2012/10/03(水) 22:14:55 ID:Xa6QF/UU
ほむら「で?これからどう進むの?」

まどか「?」

ニート「…」キョロキョロ

ニート「ジークマイヤーが行った道を除けば、二方向だな…」

まどか「あれ?あの場所に道なんてあったけ?」

ほむら「あぁ…あれね…その、装置を弄った時にちょっと…壁を、ね」

ニート「おいおい…崩れたらどうすんだよ…」

ほむら「…」プイ

まどか「でも道が続いてるみたいだよ?」

ニート「案外、隠し部屋だったりしてな…」


196: 2012/10/03(水) 22:24:44 ID:cPd2BRA.
ほむら「何も無いわね…」

あるのは無数の牢屋ばかり…

?「おぅい、お主ら…」

ニート「何だ?このじいさん…」

ローガン「儂はローガン。すまんが、解放してもらえんか?」

牢屋の中に不氏人が囚われている…

ほむら「鍵がかかってるわね」ガチャガチャ

まどか「よーし!」ジャラッ

まどかが鍵束を取り出す。

ニート「多っ」

まどか「全部試すよ!」


197: 2012/10/03(水) 22:33:22 ID:HvFnEbDU
まどか「全部駄目だったよ…」シュン

ほむら「…」ナデナデ

まどか「…」///

ほむら「えっと、ローガンさんで良いのよね?鍵を探してまた来るわ…」

ローガン「待っとるよ」ホッホッ

ニート「危機感のねぇじいさんだな…」

ほむら「とりあえずもう一方の道に行きましょう…」スタスタ

まどか「そうだね…近くに鍵の気配は無いし…」

ほむら「あら残念ね」

ニート「意味が分からん…」


198: 2012/10/03(水) 22:45:43 ID:oXOH4AKI
ニート「まず、言っておけよ…」ボロ

ほむら「ごめんなさい、時間停止は使いきったわ…」

ニート「あぁ、だからもう少し前に言ってくれたらな…」

ニート「俺が蛇にタコ殴りにされる事もな…」

ニート「無かったと思うんだよ…」

ほむら「それは無いわね」

ほむら「どうせ急時にしか、使うつもりは無いから」ファサッ

ニート「…ほむらこのやろう」

まどか「あの…二人共…」

ほむら「何かしら?」

ニート「なんだ?」

まどか「あれ、何かな…」

200: 2012/10/03(水) 22:56:23 ID:jgeh5WsU
壁際で外の様子を伺う。

ほむら「…」チラ

ニート「巨人だな」

ほむら「こっち見てるわね…」

少し先の尖塔の上に巨人がいた…

まどか「あの担いでる岩なんだけどね…」

ビュン

まどか「わわ、避けて!避けて!」

ほむら「?…この位置なら当たらな…」

ドゴーーーーーーーン!!

201: 2012/10/03(水) 22:59:54 ID:jIL/W2TE
ニート「げほっ…んだ?これ?」

ほむら「爆発した…」

まどか「そう!爆発するんだよ!」

ニート「何で、ちょっと興奮してんだよ…」

ほむら「これ不味いわよ?時間停止も使えないのに…」

ニート「バラで動いて撹乱するが一番だな…」

ニート「問題は誰が始めに…って何だよ、その突き上げた拳は…」

ほむら「じゃんけんよ!」


202: 2012/10/03(水) 23:08:46 ID:HvFnEbDU
ニート「…負けた」

まどか「…勝っちゃった」

ほむら「じゃあ、まずまどかが弓であいつの注意を引くから、ニートは全力で走りなさい…奴の意識がニートに向いたら私、私に向いたらまどか…」

まどか「おー!」

ほむら「とりあえずあの尖塔を目指すわ。何度も言うけど時間停止は使えないから、危険ならすぐ反れてね?…」

ニート「わかってるさ…」

まどか「じゃあ、始めるよ!」

キリキリ…ヒュン

ニート「よし…じゃあな」タッ

ドゴーーーーン!!

ほむら「じゃあ、まどかも気を付けて!」タッ

爆発が道の先で起こる。

ニートは脇道に逃れた様だ…

203: 2012/10/03(水) 23:18:45 ID:ESwJ1dSo
ほむら「あの、石橋から向かえば注意をひけるわね…」

巨人は私に標的を替えた…

しかし…

ほむら「私の方が速い!」ダッ

ドガーーーーン

背後で爆発音。

ほむら「悠々間に合ったわね…」チラ

ほむら「!」

煙が散ると、反対側の塔にまどかの姿があった。

どうやら、私と同じルートを進んでたらしい…

ほむら「ふぅ…無事で何よりだわ…」

道の先には尖塔内部…

ほむら「ちゃっちゃと倒して、二人を迎えに行きましょう…」


204: 2012/10/03(水) 23:34:28 ID:HvFnEbDU
モクモク…

ほむら「…」ガラッ…パラパラ…

ほむら「けほっ…ぶふっ…」ボフボフ

ほむら「…氏ぬかと思った…」ケホッ

上に登ると、岩がたくさんあった…

すぐ終わらせようと巨人が抱えてた岩の一つを射ってみた…

…全部爆発した。

ほむら「我ながら浅はかだったわ…」

ほむら「物見台ごと吹っ飛ぶなんてね…」

随分見晴らしが良くなったなぁ…

ほむら「さて、まずはまどかを回収しましょう」スタスタ


205: 2012/10/03(水) 23:44:16 ID:HvFnEbDU
ほむら「こっち側だったはずなんだけど…」

鎧商人「なんだ…また変な格好の奴が来たな…」

ほむら「こんな所にも人が居るのね…」

鎧商人「ここなら氏ぬ事も無いしな…」

ほむら「何か似たようなセリフを誰かから聞いたわ…あ、それよりこっちに桃色の髪の可愛い女の子が来なかったかしら?」

鎧商人「?…あのガキか?…それなら鍵の匂いがどうとかっつって下に降りてったぞ?」

ほむら「あー、そう…ありがとう」スタスタ

鎧商人「足掻くねぇ…どいつもこいつも」ハァ

206: 2012/10/03(水) 23:46:54 ID:91i6F2PE
ほむら「随分、深いわね…」スタスタ

まどか「あ!ほむらちゃん!」

丁度まどかが登って来ていた。

ほむら「無事かしら?鍵はあった?」

まどか「てぃひひひひ」

自慢げに鍵を掲げてる…

まどか「これでローガンさんを助けられるよ!」

あぁ…そんな人居たわね…

ほむら「じゃあ、戻りましょ?…ニートと合流しないと…」


207: 2012/10/03(水) 23:57:21 ID:VryeqAG2
ニート「…」ハハ

ニート「どうだい、俺もやるもんだろ?」

鎧を纏った大型の亡者が倒れている…

どこかで見たような…?

まどか「バーニス騎士…」

ほむら「知ってるの?」

まどか「うん…戒律が厳しくて有名な騎士団だったから…」

ニート「ま、大方ここの守りを任されたまま亡者になったんだろうな…糞真面目な連中らしい最後だな…」

まどか「うん、そうだね…」ギュッ

手を組み、まどかが祈る…

208: 2012/10/03(水) 23:59:04 ID:dWKWSAEE
まどか「お疲れ様」

見ず知らずの者だ、私はまどかの様な顔は出来ない。

まどかの祈る姿に慣れてしまった自分が嫌になる…

ほむら「ニート、この先は?」

ニート「ん?行き止まりだが?」

ほむら「じゃあ、尖塔に戻りましょう…幾つか道を見つけたから…」


209: 2012/10/04(木) 00:08:46 ID:ysYaoE7U
まどか「…」ジー

まどか「動くに一票」

ニート「動くに一票」

ほむら「満場一致ね…」

道の先に巨大な鉛の像が立っている…

動く気満々の形だ…

この世界のルール…動きそうなモノは動く。

間違いなく動く。

…そして襲ってくる。

ほむら「先にもう一方の道に行きましょう」スタスタ

ニート「だな」

まどか「できれば行きたくないよね…」ティヒヒ

210: 2012/10/04(木) 00:17:48 ID:A6Hl9l6Q
ほむら「さて、こっちは…あら?行き止まりじゃない…」

まどか「じゃあ、やっぱり…」

ニート「あっちに行かないとな…」

ほむら「嫌になるわね…あ」

床に隠すように書かれたサインを見つけた。

私が見たどのタイプでも無い…

ほむら「…」ペタ

シュウウ…

まどか「わ、またファントム?誰かな?」

ほむら「さぁ?」

シュウウ…

?「…」

全身を鎧で固めた騎士が現れた。

ナカザワ「我、ナカザワ」

211: 2012/10/04(木) 00:28:16 ID:jhPtVBhA
ほむら「中沢くん?」

ナカザワ「我、剛力を以て汝を助く」

ほむら「全然顔が見えないけども、声は中沢君ね…」

何かしら、この変な喋り…

まどか「てぃひひ、またほむらちゃんの知り合いだ!」

ニート「お前、重くねぇの?」

ナカザワ「否!」

ほむら「とりあえず手伝ってくれるのよね?」

ナカザワ「ナカザワ此処に有り!」

まどか「大丈夫かな?」

ほむら「さぁ?」


212: 2012/10/04(木) 00:35:45 ID:z2hzonVY
ほむら「さて、気合い入れないとね…」

まどか「ナカザワさん、こっち!こっちだよ!」

ガッチャガッチャ…

ナカザワ「はぁ…貴公等…はぁはぁ…電雷の如し…はぁ…はぁ」ガッチャ

ニート「いや、遅すぎるだろ…」

ほむら「あの短距離で息切れとか…ナカザワ君、見学してる?」

ナカザワ「否!」ガチャチャ

ナカザワ「む!?貴奴が討ち取るべき兵(つわもの)か!」

まどか「そうだけd…

ナカザワ「いざ行かん!我に続け!」ガッチャ

ほむら「ちょっと…」

一人で走って行ってしまった…

アイアンゴーレム「…」ゴゴゴ…

ニート「やっぱり動いたな…」

ほむら「わかってた事でしょ?…ほら行くわよ」タッ

213: 2012/10/04(木) 00:45:32 ID:oo7594vI
ナカザワ「我、疲労」ハァ…ハァ…

アイアンゴーレム「…」ギギギ

ブンッ

巨像は力任せに斧を降り下ろす。

ナカザワ「我、うわっ…我!」ガキン

ほむら「凄い…耐えたわよ…」

ニート「崖っぷちだけどな…」

アイアンゴーレム「…」ギギギ

ナカザワ「我、間合いを得たり」

ほむら「まあ、あの距離なら…」パスパス

ガイン…ガイン…

ボウガンが効いてる様子は無い…

ブンッ

巨像がまたも斧を降り下ろす。

距離を取ったナカザワ君には当たらない…

214: 2012/10/04(木) 00:57:55 ID:DyR0CyPU
筈だった。

ニート「衝撃波かよ!?」

ナカザワ「我…」ガキン…ズルッ

ナカザワ「我、窮鼠…ちょっ…まっ…これ洒落にナラn…

アーーーーー…

ほむら「…」

ほむら「…落ちた」

ニート「おらっ」ザクッ

アイアンゴーレム「?」

ほむら「ナイスよ」ザシュッ

アイアンゴーレム「?」

ニート「ただ…あんま効いてねぇな…」

ほむら「確かにね…」

撹乱しつつ剣撃を加えるが、致命打は望めそうに無い…

215: 2012/10/04(木) 01:12:14 ID:cJgFonxE
ヒュッ…パァン

アイアンゴーレム「!?」グラ

ほむら「よろめいた?」

巨像の頭を閃光が走る。

まどか「やっと当たった…よーし!バンバン射つよ!」シュルル

ほむら「なるほど、グレッグスが使っていた魔術ね…」

ほむら「ニート、私達は撹乱に徹するわよ」

ニート「お、おぅ」

まどかから光の矢が次々と放たれる…

出会った時のまどかを思い出した。


216: 2012/10/04(木) 01:23:12 ID:aPLkqnjs
ニート「どうだぃ…俺だってやりゃあできんだよ…」ゼェゼェ

ほむら「…最後はニートの一撃だったわね」

まどか「てぃひひ、やったね」

ほむら「素晴らしい働きだったわ、まどか」

ニート「そうだな、ありゃあ凄げぇ」

まどか「うぇひひ、二人が注意を引いてくれたからだよ!」

ほむら「ふぅ、これで何にせよ先に進めるわ…ね…?」

道は無い…

まどか「このソウル…さっきの巨人さんのかな?」

ニート「だろうな」

あるのは壁と奈落だけだ…

ニート「このソウル貰っていいのか!?」

まどか「うん、差し上げます。あとこの輪っか何でしょうね?」ツンツン

ほむら「倒し損?」

バッサバッサ…

217: 2012/10/04(木) 01:33:06 ID:cJgFonxE
ニート「お、おい!」

まどか「はぇ?」ガシッ

ほむら「あんな巨像が配備されててハズレなんて…ねぇまどか?」クルッ

ほむら「先に進め無いけど…あれ?ニートだけ?まどかは?」

ニート「…」クイ

空を指差す…

謎の生物と連れ去られるまどか。

バッサ…ウェヒー…バッサバッサ…

ほむら「…」

ほむら「ま…まどかぁーーーー!?」

今度は空へ…

遥か遥か高みへ…

218: 2012/10/04(木) 01:34:16 ID:QMEN2Ihw
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+7
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+2/老魔女の指輪
魔法:ソウルの矢/ソウルの太矢/音送り
■ニート
武器:ロングソード+2
  :ヒーターシールド+2
装備:チェイン、レザー複合
魔法:無し

※info※

219: 2012/10/04(木) 01:37:27 ID:jhPtVBhA
寝ます

読んでくれた方、ありがとうございます

次は土曜の夜の予定です、おやすみなさい

220: 2012/10/04(木) 18:12:42 ID:TP7dQBV.

引用: ほむら「エスト瓶よ」