ほむら「エスト瓶よ」【前編】
222: 2012/10/06(土) 18:05:56 ID:XlYAwe9.
バッサバッサ…

ほむら「逃がさないわ!」ガシッ

ニート「おまっ!?いてててて…千切れる!足千切れる!」グラグラ

ほむら「ちょっ!暴れないで!」

バッサバッサ…ホムラチャーン…

ほむら「!?…まどかの声が背中から!…くっ、ニート反転しなさい」

ニート「出来るか」

バッサバッサ…


223: 2012/10/06(土) 18:07:38 ID:V1Q3a0TY
※アノール・ロンド※

ニート「なるほどな…あのリングが移動スイッチって訳だ…」キョロキョロ

ほむら「まどかぁー!」ギュ

まどか「わ、わわ…」///

ほむら「貴方達も一言言って運びなさい、攻撃出来る状況だったらどうするのよ…」

バッサバッサ…

ほむら「バサバサバサバサ…その口は飾りなの?」

まどか「…だと思うよ」

ニート「あー、アノール・ロンドまで来ちまったか…」ポリポリ

ほむら「そういえば、センの古城までの約束だったわね…」

まどか「このまま、一緒に来ては頂けませんか?」

ニート「…悪いな」フルフル

ニート「考えはそれぞれだし、古の王の信仰もわかっちゃあいるが…俺には、どうも信用できん…」

まどか「…」

ニート「下手な事言って、怒りを買うかも知れんしな…ここで降りるよ」ハハハ

224: 2012/10/06(土) 18:09:34 ID:gw33hEDg
まどか「そうですか…」

ほむら「怒りっぽいのかしら?」

…怒りを買うかも知れないのは私もなんだけど…

まどか「分かりました、戻っても無理はしないで下さいね…」

ニート「するかよ…俺を誰だと思ってんだ?」ハハハ

ほむら「じゃあ、また…祭祀場で会いましょう?」

ニート「あぁ…」

まどか「あ!そうだ!」

ニート「?」

まどか「ニートさん、これ、お願いします!」

ほむら「鍵?…あぁ思い出したわ…」

ニート「…そういや、じぃさん捕まってたな…わかった。ついでに拾ってくわ…」

まどか「ありがとうございます!」

225: 2012/10/06(土) 18:11:15 ID:XlYAwe9.
ニート「ははは…じゃあな」

まどか「無いとは思いますけど…」

ニート「?」

まどか「鍵は無くさないでくださいね?…後で回収しますから」ティヒヒ

ニート「…」

ニート「…おぅ」

ほむら「…」

まどかの目は笑ってない…


226: 2012/10/06(土) 18:23:03 ID:HUbxr7z2
篝火が燃えている。

女騎士「ふふ…それにしても、こんな所までよく来たものだな…」

ニートと別れ、先に進むと篝火を見つけた。

ほむら「…って事は、貴女も火防女なの?」

女騎士「そうだ」

ほむら「…?…火防女が居る篝火と、居ない篝火があるかしら?」

他の篝火にも、見えない所に潜んでいたのだろうか?

女騎士「居ない篝火もある…火防女が見ている火は、どれも若いモノばかりだ」

ほむら「若い?」

女騎士「ふふ…まぁ簡単に言ってしまうと、時間が経てば火防女無しでも火は保たれるのさ」

ほむら「…そぅ」

時間の概念が不安定なこの土地では、なにぶん理解し辛い話だ…

227: 2012/10/06(土) 18:24:14 ID:8aNAQWb.
まどか「ま、まぁ考えても仕方ないよ…先に進も?」

ほむら「…そうね、ありがとう。元気で…」スタスタ

女騎士「ふふふ、貴公もな…」

まどか「…」ペコリ

女騎士「…」ペコ


228: 2012/10/06(土) 18:30:34 ID:84pN0Nvs
ほむら「ふぅ」チャキ

ガーゴイルに襲われた。

一匹だけだったので苦戦はしなかったが…

ほむら「まさか、またこいつが居るなんてね」

まどか「懐かしいね」

ほむら「そんなに昔では無いわよ?」

まどか「てぃひひ、そうだっけ?」

ほむら「しかし…」キョロキョロ

辺りを見回す…

ほむら「この先に道は無いわよ、まどか?」

まどか「うーん、そうだね…」

229: 2012/10/06(土) 18:31:22 ID:uN28HXSQ
まどか「…他に進めそうな道も無かったし…」

ほむら「壁や屋根づたいに進むしか無さそうね…」

まどか「この高さで?」

ほむら「この高さで、よ」

まどか「…」

まどか「うぅー」


230: 2012/10/06(土) 18:37:04 ID:hAW6U9WE
まどか「わー!わー!手を離したら駄目だよ!?」ギュー

ほむら「大丈夫よ、ほら…ゆっくり進みましょう…」

まどか「うぅー、ほむらちゃんは度胸が座りすぎだよ…」

ほむら「そんな事無いわよ…あら?」

まどか「何ぃ?」

ほむら「行き止まりだわ…戻りましょう、まどか?」

まどか「うぇひー!?」


232: 2012/10/06(土) 18:47:18 ID:2Vscldws
まどか「やっと…やっと床がある…」

まどか「二度とやりたく無いや…」グスン

ほむら「この建物から、先に行ければいいけど…」パリン

窓を割って侵入する。

随分と中は広い…

ほむら「下までかなりあるわね…」

遥か下に建物のエントランスらしき場所が見える…

まどか「確かに高いね…階段はあるかな?」キョロキョロ

ほむら「…」キョロキョロ

梯子が一つ…それも梁に伸びた物だけだ…

ほむら「まどか?」

まどか「もっと他に方法があるはずだよ!」

ほむら「梁をつたって、進むわよ…」

まどか「ひーっ!?」


233: 2012/10/06(土) 18:55:56 ID:kL//p2Ms
梁の上で白装束が襲いかかってきた。

よせば良いのに、私の攻撃をバク転で避けて…

落ちた。

ヒューーー……クチャ

その光景をみた、まどかがピクリとも動かなくなった。

ほむら「今まで平気だったじゃない?最初の鐘とか…」ナデナデ

まどか「掴む場所があったんだよ…片側は壁だったし…」

まどか「何より道だったよね…」

なるほど…

234: 2012/10/06(土) 18:56:54 ID:gw33hEDg
ほむら「病み村でもスタスタ歩いてたし、高いところは平気なのよね?」ナデナデ

まどか「限度はあるよね…」

確かに…

まどか「うぅ…センの古城みたいに、下が近ければ良いのに…」ソロソロ

ほむら「偉いわまどか…ゆっくりで良いからね…」

まどか「ごめんね…ありがとう、ほむらちゃん」ソロソロ

ほむら「構わないわ」ニコ


235: 2012/10/06(土) 19:09:47 ID:LVfHa9T2
まどか「やっと…抜けた…」フゥ

ほむら「よく頑張ったわね」ナデナデ

まどか「てぃひひ…?」

まどか「…ほむらちゃん?…あれ何かな?」

まどかが指差す場所を見ると、謎の仕掛けレバーがある…

この建物の構造を思い出す。

ほむら「なるほど、ここが中心の仕掛けなのね…」

まどか「中心?」

ほむら「ほら、不自然に道が切れてる場所が幾つもあったでしょ?…このレバーを回すと…」グググ

ガコン…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

床が動きだしゆっくりと降下を始める…

236: 2012/10/06(土) 19:11:11 ID:LVfHa9T2
ほむら「行き止まりだった場所に道を繋げられるのよ…」

まどか「凄いよ、ほむらちゃん!…あれ?って事は私達、この装置の周りをぐるぐる上ってたって事かな?」

ほむら「…そうね」

まどか「なんか…ちょっと、ね?」

ほむら「まぁ言いたい事は解るわ…」


237: 2012/10/06(土) 19:18:35 ID:FUBBP0Bo
まどか「凄い…」

装置を使い、開けた道の先…

長い階段の上に巨大な神殿が覗く。

ほむら「ここ、かしら?」

まどか「うん…たぶんだけど…」

ここがまどかの、巡礼の目的の地なのだろうか…

ほむら「とりあえず、門の前の巨人をなんとかしないとね…」

まどか「センの古城の巨人見て来たから、あまり大きく感じないよね…私だけ?」

確かに…


238: 2012/10/06(土) 19:27:21 ID:HUbxr7z2
ほむら「…」グッグッ

ほむら「…」グググ…

ほむら「ふぎぎぎ…」グググググ…

ほむら「…」ハァ…ハァ…

ほむら「開かないわ」ファサッ

正門(?)は開く気配が無い。

まどか「うぅ、また回り込むのか…」

ほむら「ここで待ってる?」

まどか「大丈夫だよ!一緒に行こ?…足手
纏いかも知れないけど…」

ほむら「そんな事ないわ、行きましょう?」ニコ

まどか「…」

まどか「てぃひひ」


239: 2012/10/06(土) 19:36:15 ID:lc0m3Btk
案の定、屋根と壁づたいを歩く羽目になった。

まどか「弓持った、騎士さんがこっちを見てるけど…」

ビュン

まどか「わわ!」サッ

ガスッ

ほむら「これは不味いわね…」

今のまどかのスピードだと鴨撃ちにされる…

ほむら「よし」

まどか「?」

カチッ

カチッ

ズルッ…アーーーー…

ほむら「何故か騎士達がよろめいて落ちていくわ!まどか、今のうちよ!」

まどか「…」


240: 2012/10/06(土) 19:48:29 ID:V1Q3a0TY
ついに建物の内部に来た。

左右に幾つもの扉がある。

まどか「中は普通だね…」ガチャ

ほむら「と、扉は慎重に開けましょう?ね?」

ほむら「…」ソー

小部屋を開けると篝火が見えた…

ほむら「篝火だわ…」ガチャ

そして、篝火の脇に…

ソラール「ん?おお!…ほむらか?久しいな!」

ほむら「ソラール!」ホッ

ソラール「元気そうで何よりだな!ウワッハッハ!」

まどか「は…初めまして…」ペコ

ソラール「そうか、貴公とは生身で会うのは初めてだったか…ソラールだ」スッ

まどか「あ…まどか、です」ギュ

241: 2012/10/06(土) 19:50:38 ID:V1Q3a0TY
ソラール「ウワッハッハ!貴公とはいつか話を、と思っていた。俺の同志に花を手向けてくれた事、礼を言う…ありがとう」

まどか「あ…」

ソラール「…?」

まただ…

また、一瞬だけまどかの顔が歪んだ…

まどか「ソラールさん…あの…」

まどか「あの…しm…」

まどか「…」チラ

私を見る…

ほむら「まどか?」

まどか「…てぃひひ…一緒に行きませんか?」

242: 2012/10/06(土) 19:51:30 ID:XlYAwe9.
ソラール「?」

まどか「駄目ですか?」

ソラール「うむ…しかし…」

ほむら「…私からもお願いするわ…貴方が居れば心強いし」

ソラール「そう、か…ウワッハッハ!良いだろう、ならばアノール・ロンドの探索は貴公等に同行するさ!」

まどか「ありがとうございます!」

まどか「…ほむらちゃん、ありがとね」

ほむら「本心を言っただけだわ」


243: 2012/10/06(土) 20:03:47 ID:.BdQ4XHs
ガキン…バシッ…ザクザクッ

ソラール「ふんっ」ズシャ

銀鎧の騎士が次々に倒れる…

ほむら「相変わらず、出鱈目なパワーね…」

ソラール「ウワッハッハ!ほむらもな!俺の氏角の敵を優先する辺り優しいじゃないか!」

ほむら「なっ…気のせいよ!」

まどか「そっか、それでいつもと動きが…」

ほむら「まどかまで変な事、言わないでよ」

ソラール「ウワッハッハ!戦いやすかったのは事実だ!共闘も悪くないな!」

ほむら「…」ホム

まどか「照れてる?」

ほむら「…」///

244: 2012/10/06(土) 20:16:10 ID:LVfHa9T2
ソラール「しかし、登り下りがこうも多いと、地形を描きにくいな…」ガチャ

まどか「あ」

ほむら「見たことあるオブジェだわ」

マイヤー「むぅ…むぅ…」Zz

まどか「また寝てる」

ソラール「器用な奴だな。知り合いか?」

ほむら「えぇ、ジークマイヤーもこっちに来てたのね…」

まどか「私達が道を繋げたのに、なんで皆先回りしてるんだろ…」

ほむら「…」

屋根壁の攻防があったからだと思うけど…

ソラール「俺は壁づたいに来たからな、道なりよりも早かったんじゃないか?」

まどか「…私達も屋根づたいに来たんです」

ソラール「そ、そうか」

245: 2012/10/06(土) 20:24:57 ID:nIMB3sCU
ほむら「こんなに話してるのに、起きる気は無さそうね…朝よ!」ゴチン

まどか「うわ」

マイヤー「んおぉ!?すまんなリン、眠ってs…ん?…んん?夢か?…おや?貴公等何処かで…」

まどか「また会いましたね、ジークマイヤーさん」ティヒヒ

マイヤー「おお!やはり、センの古城の二人か!」

ほむら「ここで何やってるの?」

マイヤー「いやはや、帰るところだったんだがなぁ…」

扉の向こうを指差す。

カチャ…ソー

狭い部屋に数体の騎士が屯している。

ほむら「なるほど…」

246: 2012/10/06(土) 20:34:20 ID:62ikMeMk
マイヤー「それで、まぁ一人で蹴散らす術を模索していたのだが…」

ソラール「そうか、ならば加勢しよう…カタリナの騎士よ」

マイヤー「おお!そう呼ばれたのはいつ以来であろうな…」

ソラール「依然、世話になった事がある。カタリナの鎧に相応しい屈強な騎士だった」

マイヤー「ガハハハ!そうか!ならばこのジークマイヤーも騎士の力を見せる時だな!加勢されよ、名も知らぬ騎士殿!」

ソラール「ウオオォォオ!」ドタドタ

マイヤー「ガハハハ!」バタバタ

ほむら「…」

ドカバキ…ギッコン…バッタン…

ほむら「二人で盛り上がって、勝手に走ってったわ…」

ほむら「男…ってやつかしら?」

まどか「さぁ」


247: 2012/10/06(土) 20:47:40 ID:djCmalCs
ほむら「で?」

ほむら「なんでジークマイヤーも付いてきてるのよ?」

マイヤー「ガハハハ!聞けば、神殿の奥に向かうとか…貴公等には借りもあるしな!」

ソラール「多いに越した事は無いだろうしな!ウワッハッハ!」

マイヤー「ガハハハ!」

まどか「凄い賑やかだね!」

ほむら「まどかが嬉しそうで何よりだわ…」

マイヤー「ほれ、この先だ」

大広間に出た。

ほむら「また、でかい扉があるわね…ん?」

なんだろう…不思議な感覚に襲われる。

マイヤー「あの先に、どうも不穏な気配を感じてな!ここで踵を反したのだ!」

ほむら「…」キョロキョロ

ソラール「ほむら?大丈夫か?」

ほむら「…」ゴソゴソ

249: 2012/10/06(土) 20:56:48 ID:8aNAQWb.
まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「!…ごめんなさい、大丈夫よ」

ソラール「ジークマイヤー殿が扉の先に、何か居ると仰っている。気合いを入れてくぞ!」

ほむら「えぇ」

当てになるのかしら…

ゴゥン…ギギギギ…

またも続く広間…

その先に3m程の太った騎士が佇む。

ほむら「でかいハンマーね…彼が番人?」

ソラール「もう一人だ…」

ソラールが視線を上に向ける…

淡く輝く槍をもつ鎧騎士は、ゆっくりと降りてくる。

マイヤー「あの鎧…武器…」

ソラール「竜狩りのオーンスタイン」

250: 2012/10/06(土) 21:17:47 ID:2Vscldws
オーンスタイン「…」スタ

まどか「…生きてたんだ…」

ほむら「…」キリッ

誰?

この世界では有名っぽいけど…

誰よ!?聞くに聞けない空気だし…

あと、下に居た太った騎士にも少しくらい興味を示してあげれば良いのに…

スモウ「…」←下の騎士

まどか「あの!」

オーンスタイン「…」

まどか「フラムトさんに言われて参りました…グウィネヴィア様にお会いしろと…」

オーンスタイン「…」ブォン

二人の騎士はそれぞれに武器を構える…

251: 2012/10/06(土) 21:21:15 ID:hAW6U9WE
マイヤー「語るに及ばずだな…」

ほむら「?」

ソラール「力を示せ、と言うことらしい」

ほむら「あぁ、そういう事…」

まどか「あの…」

ソラール「わかってるさ…だか加減出来る手合いかどうか…」

ほむら「来る!」

緩慢な太った騎士とは対照的にオーンスタインが凄まじい速度で間合いを詰めてくる。

マイヤー「むぅぅ!」ガキィン

ソラール「ジークマイヤー殿!」ブンッ

スカッ

正面からジークマイヤーが迎え撃ち、足止めしている所をソラールが断つ…

しかし、すぐさまオーンスタインは身を翻し、ソラールの剣を受け流した。

252: 2012/10/06(土) 21:33:49 ID:7RYdjshs
ほむら「とった…」ブン

更に、その動きを先読みした私が氏角から切りつける…

…が、振り向きもせず私の剣は槍の柄に弾かれる…

更にはまどかが撃ったであろう矢がオーンスタインの手に握られていた。

ほむら「!…なにこいつ…」

ソラール「流石は竜狩り…」

スモウ「…」ズシン…ズシン…

マイヤー「むぅ、きおったか!」

マイヤー「こっちは足止めしておこう!…頼んだぞ!」ダッ

ソラール「感謝する、行くぞ!」バチバチ

ソラールの手に光の束が集約している。

オーンスタイン「…」バチバチ

オーンスタインの槍にも似たような反応が起きている。

253: 2012/10/06(土) 21:41:14 ID:uN28HXSQ
ソラール「ウオオォォオォォ!」

オーンスタイン「!」

バチバチバチバチ…カッ

互いの放った光は相殺され、閃光が走る。

ほむら「!」カチッ

その一瞬、オーンスタインが作った僅な隙を私は見逃さない…

ほむら「…このまま首を」

ほむら「…」

ほむら「脇腹ね…」ズブ

カチッ…ザシュ…

オーンスタイン「!?」

突然の傷に怯むオーンスタイン。

シュルル…バンッ

まどかが放った光の矢で体勢を大きく崩す…

目の前にはソラール。

254: 2012/10/06(土) 21:50:48 ID:344NAqfc
ソラール「そりゃ」ガシッ

オーンスタインの手を取り、ソラールが突き飛ばすが…

ソラール「なんと!?」ガキッ

飛ばされる瞬間にソラールを槍で凪ぎ払う…

互いに反対側に弾かれる。

ほむら「…凄いわね」

ガラッ…

ソラール「ウワッハッハ!」バチバチ

オーンスタイン「…」バチバチ

カッ

ほむら「まどか!」サッ

まどか「うん!」ガシッ

カチッ

まどかと私…

取り囲むように矢を巡らせる。

255: 2012/10/06(土) 21:51:50 ID:5yxjKHH.
ほむら「ありったけよ、食らいなさい…」カチッ

オーンスタイン「!?」カチャン

咄嗟に構えを替えた!?

一秒も無い僅かな時間だ…

なのに…

まどか「殆ど弾いた…」

ほむら「流石ね…でも…」

ソラール「ウワッハッハ!…流石だなほむら!」ガシッ

オーンスタインの背後にはソラール。

オーンスタイン「!?」グルン

振り向いた時にはもう遅い。

ソラール「うおぉおおぉぉお!」ブオン

ゴキャ

ほむら「背負い投げ…頭からいったわね…」

256: 2012/10/06(土) 22:00:35 ID:HUbxr7z2
マイヤー「む、む!くうっ!?」ガインガイン

ほむら「あ、ジークマイヤー!大丈夫?」パスパス

スモウ「!」ザクザクッ

マイヤー「むぅ…ハンマー直撃は堪える…」ガイン

ソラール「あとは、貴公だけだな!」ガハハ

スモウ「!?」バッ

ほむら「まだよ…」

オーンスタイン「…」グググ

ふらつきながらも距離をとるオーンスタイン。

スモウも下がり合流した。

ソラール「竜狩り、まだ立つか…」

257: 2012/10/06(土) 22:09:07 ID:XlYAwe9.
オーンスタイン「…」フラ

ほむら「オーンスタインは限界ね…注視すべきはあのでかいのだ…け…」

オーンスタインの背後、太った騎士がハンマーを振り上げる。

反応する間もなく、降り下ろされるハンマー…潰れる音。

まどか「ひっ」

降り下ろされたそこは、満身創痍のオーンスタインが居た場所だった…

バチバチバチバチ…

ほむら「オーンスタインの力を…吸ってる?」

ソラール「らしいな…体も更に膨れ上がった…」

マイヤー「むぅ…帯電というのは不味いかもな…」

258: 2012/10/06(土) 22:15:16 ID:V1Q3a0TY
奴の力に彼の技と速度が加わるのは…

ほむら「まずいわね…」

スモウ「…」ガチャ

まどか「なんで…」

ほむら「まどか!来るわよ!」

ガッチャ…ガッチャ…ガッチャ…

ほむら「…」

ほむら「スピードは変わらないのね…」

ソラール「みたいだな…」

ほむら「…」


259: 2012/10/06(土) 22:35:13 ID:.BdQ4XHs
スモウ「…」バタリ

的がでかくなっただけだった。

マイヤー「ガハハ!まぁ、鈍足なのは致命的だな!」

ほむら「貴方がそれを言うのね…」

ソラール「しかし、4騎士の生き残りがこんな最後とは…なぁ?」

視線の先に、潰れた鎧と祈るまどかの姿…

ほむら「こんなものでしょ…」

ほむら「戦いに身を置いた者の最後なんて…」

ソラール「…」

ソラール「確かにな…」


260: 2012/10/06(土) 22:36:57 ID:hAW6U9WE
エレベーターを進むと篝火があった。

まどか「この先…だね…」

ソラール「らしいな…」

まどか「あの…ソラールさん…」

ソラール「なんだ?はやく行くぞ?」

まどか「あ…ありがとうございます」ティヒヒ

261: 2012/10/06(土) 22:37:30 ID:P5HZ3lRU
ほむら「まどか?」

まどか「何かな?」

ほむら「私はここで待ってて良いかしら?」

ほむら「ニートもああ言ってたし、私も余計な事言っちゃいそうだから…」

マイヤー「ガハハハ!ではほむらよ!ワシの武勇でも聞きながら待とうでは無いか!」

まどか「あ、うん!じゃあソラールさんと行ってくるね」

まどかが安堵の表情を浮かべる…

この世界のまどかの癖の様なものが、少しずつ解ってきた。

私に知られたくない事があるという事も…

ほむら「いつか、話してくれるかしら…」ボソ


262: 2012/10/06(土) 22:50:56 ID:84pN0Nvs
マイヤー「行ったな…」

ほむら「武勇伝は聞かないわよ?」

マイヤー「分かっておるわ。で?何をする気だ?」

ほむら「気付いてたの?」

マイヤー「ガハハ!伊達に長生きしとらん!」

ほむら「さっき、反応があったのよ…これに…」

暗い瞳のオーブを見せる。

マイヤー「なるほど、復讐霊のオーブか…まだ反応しているなら近くにいるぞ?使うのか?」

ほむら「えぇ、こういう輩は潰しておくわ」

まどかに被害が及ぶ前に…

263: 2012/10/06(土) 22:51:46 ID:eYvHY5j.
マイヤー「…行くと良い」

ほむら「ありがとう、この事は…」

マイヤー「解っている。皆まで言うな」ガハハ

不氏人達には何らかの強い覚悟がある…

だから、他人の覚悟も理解してくれるのだろう…

私の隠し事なんて、お見通しなのかも知れない…

ほむら「…」スッ

グニャア…


264: 2012/10/06(土) 23:05:49 ID:8aNAQWb.
グニャア…

ほむら「…」パチ

ほむら「これが、ファントム…変な感じね…」

どうやら、前室の広間に出たようだ。

そして入り口の大扉が開いた…

ゴゴゴゴゴゴ…

ほむら「そう…貴方だったのね…」

教会で出会った、金の鎧の男…

たしか、名前はロートレク…

ロートレク「ほう、愚かな野盗の類いかと思えば…貴公であったか」ククク

265: 2012/10/06(土) 23:06:56 ID:V1Q3a0TY
ほむら「なぜ?火防女を頃したの?」

ロートレク「人間性を溜め込んだ者は狙われるさ…他に何がある…」

ほむら「そうね…それがこの世界では当たり前の事…」

ロートレク「いかにも」ククク

ほむら「だから私も…貴方から人間性を奪う事にするわ…」チャキ

ほむら「根刮ぎ、ね」

ロートレク「貴公は冷静だと買っていたが…残念だ…」クイ

後ろから彼の仲間が現れる。

ロートレク「これほど愚かとはな」

ほむら「愚か者がどちらかは直ぐに解るわ…」

ほむら「私は篝火に触れた直後なのよ?」クス


266: 2012/10/06(土) 23:19:49 ID:LVfHa9T2
グニャア…

ほむら「…」パチ

マイヤー「戻ったか、早いな…流石と言うべきか…」

ほむら「…失敗したとは思わないの?」フフ

マイヤー「…思わんよ、このジークマイヤーが認める戦士だ」

マイヤー「ん?」

ほむら「どうしたの?」

マイヤー「オーブを託したのは火防女だったか…」ヒョイ

267: 2012/10/06(土) 23:20:33 ID:LVfHa9T2
ほむら「?」

マイヤー「そうか…見えんのだったな…これは火防女の魂と呼ばれる物だ」

ほむら「ソウルとか人間性と同系統の物なのね…」

ほむら「オーブは火防女の氏体の傍にあった物よ…祭祀場のね」

マイヤー「では、ワシが返しておこう」

ほむら「良いの?」

マイヤー「貴公が持っておれば、あの娘が勘ぐるぞ?」

ほむら「…あ、ありがとう」///

マイヤー「ガハハ!気にするな!」


268: 2012/10/06(土) 23:28:03 ID:7RYdjshs
タッタッタ

走る音が近くなる…

まどか「ただいま!ほむらちゃん!」

ほむら「あら、何か進展があったみたいね…」

まどかの表情は明るい。

まどか「うん!いったんフラムトさんの所に戻ろう?」

ほむら「フラムト?」

まどか「あ、教えてなかったね…祭祀場に居たでっかい蛇さんの名前だよ!」

ほむら「あぁ、あの…」

やはり、あれは蛇なのか…

269: 2012/10/06(土) 23:41:26 ID:c2fSb8Sg
ソラール「…」

ソラール「行くぞ」

ほむら「え?ソラールも一緒に来てくれるの?」

ソラール「あぁ、しばらく共に動く事にした…」

ほむら「…あなたの目的は良いの?」

ソラール「ウワッハッハ!心配するな!俺の時間は多分にある!」

ソラール「…それにな」

ソラール「見つかりそうなんだ…貴公等と歩む方が、な…」

ほむら「そう」

ソラールの声は穏やかだ。

それが喜びか悲壮によるモノかはわからなかったけど…

ほむら「じゃあ、改めて…よろしく」ニコ

270: 2012/10/06(土) 23:42:16 ID:lHedVCP.
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+7
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+2/老魔女の指輪
魔法:ソウルの矢/ソウルの太矢/音送り
■ソラール
武器:太陽の直剣+10/太陽のタリスマン
  :太陽の盾+10
装備:鉄の一式+5/黒焦げた橙の指環
魔法:雷の槍/大回復
■ジークマイヤー
武器:ツヴァイヘンダー+4
  :ピアスシールド+2
装備:カタリナ一式/青い涙石の指環
魔法:無し

※info※

273: 2012/10/07(日) 19:02:36 ID:mPFFDW.s


※火継ぎの祭祀場※

ほむら「え?じゃあ何?ただのメダルなの?」

ソラール「太陽が描かれた、ありがたいメダルだな」ウワッハッハ

ほむら「何か特殊な力は…」

ソラール「無い」

ほむら「…」

ほむら「そう、ありがとう」ゴソゴソ

ほむら「…しかし、賑やか過ぎない?」

周りを見渡す…

274: 2012/10/07(日) 19:18:36 ID:6wuw9BjI
篝火周辺。

まどか「うん…だから…こう?」

ローガン「そう…そうじゃ…どっかのバカ弟子より飲み込みが良いの…」ホッホ

グリッグス「…」

まどか「そ、そんな事は…」

グリッグス「良いんですよ…本当の事ですし…」グスン

ローガン「…自覚しとるなら、努力せぇ」

グリッグス「…」

275: 2012/10/07(日) 19:26:32 ID:ZKJzBdAY
フラムト周辺。

フラムト「?…玉葱が歩いとる…夢?」

マイヤー「うーむ、貴公は臭いなぁ…ガハハハハハハ!」

フラムト「…玉葱が喋っとる…」

マイヤー「むーん…」

フラムト「…」

ラレン「すげぇな、こんな呪術始めて見た…」

マミ「あら、そうなのね?ならば教えてあげるわ!地の底で生まれた呪術の真髄を!」

ほむら「あれ?マミがいる…」

ソラール「知り合いか?」

276: 2012/10/07(日) 19:42:06 ID:Y58RXFvs
マミ「あら!待っていたのよアケミさん!」

ほむら「ここに来てたのね…」

マミ「少し前に着いたのだけど、貴女達を探してると話したら、下にいるニートさんが待ってろって言うから」

ほむら「あの…あの時はありがとう」

マミ「何かあったかしら?…まぁ私が覚えて無いのだから気にする事は無いわよ」フフフ

ほむら「…」

ほむら「相変わらずね…」クス

ほむら「そう言えば、ニートに挨拶して無いわね…」

マミ「あ、案内するわ」スタスタ

ほむら「いや、どうせ篝火でしょ?」スタスタ

マミ「まぁまぁ、良いじゃない」

ソラール「ん?貴公は来んのか?」

ラレン「行かねぇな…」


277: 2012/10/07(日) 20:11:23 ID:ApV1dINs
ニート「はぁ、無事だったか…」

ほむら「あら、心配してくれたの?」

ニート「一応な…で、どうだったんだ?」

ほむら「進展はあったみたいよ?詳しくは聞いてみないとだけど」

ソラール「俺には聞かんのだな」

ほむら「必要なら言ってくれるでしょ?」

ソラール「確かにそうだ…」ウワッハッハ

ソラール「信頼されるのは嬉しいが、少しこそばゆいな…」

マミ「…アケミさん?まさかこの人達にも前世の因果が!?」

ニート「何言ってんだこいつ?」

278: 2012/10/07(日) 20:13:35 ID:ApV1dINs
ほむら「そう言えば、ペトルス…昇降機の側に居た僧兵さんはどこ行ったの?」

ニート「ん?あぁ、何ぞ向かえが来たとかで墓地に向かって行ったが…」

ほむら「そう…」

ニート「それよりも、だ」グイ

ニートが顔を寄せてくる。

ニート「篝火が灯ったって事は上手く相手を見つけたみたいだな…」ヒソ

ほむら「えぇ、彼女は無事?」

ニート「多分な、心配なら見てくりゃいい」


279: 2012/10/07(日) 20:23:32 ID:PSL/sy0U
ほむら「ソラールは付いて来るのね…」

ソラール「駄目か?」

ほむら「そんな事は無いわ」フフ

火防女アナスタシア(以下アナ)「…」

ほむら「よかった…無事で…」

アナ「ジークマイヤー様からお話は…救って頂きありがとうございます」

アナ「祈りを絶やすわけにはいきませんでしたから…」

アナ「汚れた声を聴かせてしまい、申し訳ありません…ただ礼を…言わねばと…」

アナ「…」ペコリ

ほむら「…え、えぇ…」ペコリ

280: 2012/10/07(日) 20:44:29 ID:ypuQwL6E
ソラール「…」

ソラール「そこから出るつもりは無いのか?」

アナ「…」フルフル

ソラール「そうか…邪魔したな…」スタスタ

ほむら「ソラール?…あ、では行きます。お元気で…」

アナ「…」


281: 2012/10/07(日) 20:45:43 ID:obenbmtk
篝火に、話を終えたまどか達が居た。

まどか「ほむらちゃん!…てぃひひ、凄い人数だね…」

ほむら「そうね…」

まどか「私、ロードランでこんなに人が集まってるの初めてだよ!」

…?

ほむら「そう…なんだ…」

まどか「しかも、全部ほむらちゃんの知り合い…」

ほむら「もう、貴女の知り合いでもあるわ…」

まどか「てぃひひ、うん…そうかな…」

ほむら「そうよ」

まどか「そう、だよね…」

ソラール「話すのか?」

まどか「はい!みなさん聞いてください!」


282: 2012/10/07(日) 20:59:02 ID:QTOyGI5k
マミ「4つの王のsoul…それを集めるの?」

ほむら「何やら面倒ね…」

まどか「…かな?」

ソラール「場所は解ってるし、そうでもないさ…」

マイヤー「ガハハハハ!このジークマイヤーの騎士たる力!見せるときが来たようだな!」

ニート「なんでおっさんが居るんだよ…」

ほむら「で?どう集めるかよね…」

マミ「バラで動いて、持ち寄れば良いわ!皆、腕に覚えは在るようだし…」

ニート「ねぇよ」

まどか「無いです…ごめんなさい」

283: 2012/10/07(日) 21:16:05 ID:L9XaI5dI
ソラール「…」

ソラール「俺は行きたい場所がある…」

ほむら「?」

訝しげに腕をくみ、ソラールは空を見上げる。

ソラール「イザリスだ…そこに俺の探している物があると聞いてな」

マミ「探し物?」

ソラールが笑う。

ソラール「太陽、俺の傍らで輝き続ける…俺だけの…太陽…」

ソラール「…見つけたいんだ」

ほむら「…」

284: 2012/10/07(日) 21:29:36 ID:9mFmOqzQ
ローガン「儂は書庫に向かうぞ…恩は十二分に返したしな…」

まどか「ありがとうございました」ペコリ

グリッグス「私は、師にお供します」

ほむら「…貴方達二人は心配ね…」

ローガン「まぁ、それは大丈夫じゃろ?のぅ?」

ニート「?」

ニート「俺?」

ほむら「頼んだわよ…ニート」

ニート「おい、まじかよ!?」

マミ「まぁまぁ私も付き添ってあげるから…」ペシペシ

ニート「…めんどくせぇな」

285: 2012/10/07(日) 21:43:17 ID:6wuw9BjI
ほむら「…だったら私とまどかはソラールに着いていく、それでいい?」

まどか「うん!」

マイヤー「ならば、決まりだな!」ガシッ

ソラール「では、行こう!ガハハハ!」ガシッ

ジークマイヤーは私達について来るようだ…

まどか「…」ニコニコ

まどかは楽しそうにその場を見ている…

だったら良いか…

ほむら「じゃあ…マミ、ニート…頼んだわよ?」

ローガン「…手厳しいのぅ」

ほむら「冗談よ…ローガンも宜しくね」

グリッグス「手厳しいですね…」

ほむら「…」

グリッグス「…実に手厳しい」


286: 2012/10/07(日) 21:56:59 ID:z17qpwwg
マミ達は行ってしまった…

ほむら「さて…もう一頑張り…」

ほむら「だと良いけど…」

相変わらず砂時計は動かないままだ…

ラレン「おぅ…お疲れ」

ほむら「貴方はここに残るのね?」

ラレン「あの女から教わった呪術をモノにしたくてな…」

ラレン「どっか行ってる場合じゃねぇんだよな、これが」

ほむら「だったらお願いしていい?」

ラレン「?」

ほむら「もう、火防女が襲われないように少し気にしてあげてくれない?」ヒソヒソ

ラレン「…」

ほむら「何?駄目?」

287: 2012/10/07(日) 22:14:50 ID:0KRa/w7s
ラレン「…あんたにゃ借りがあるし、構わねぇよ?…しかし、あんた…優しすぎねぇか?」

ほむら「これでも、前居た所では冷血呼ばわりされてたんだけど…」

ラレン「そりゃお気の毒…ろくな奴に会わなかったな」ハッハッハ

ラレン「もう一人もだ…折れた花を集めて何してんのか見たら、その辺の亡者に手向けてやがった…」

ほむら「そう…」

ラレン「得はねぇよ?」

ほむら「…」フフ

ほむら「貴方だって、私の頼みを断らないじゃない?」

ラレン「口だけかもしれんだろ…」

ほむら「そんな事無いわ…絶対に」

ラレン「…じゃあ…そう思ってな」ハッハッハ

ほむら「頼んだわよ」ニコ

ラレン「…」

ラレン「とっとと行けよ…おっさんが待ってるぞ?」

288: 2012/10/07(日) 22:34:04 ID:PSL/sy0U
ソラール「…」

ほむら「!…居たのね」

ソラール「…あぁ」

ほむら「…」

ソラール「なぁ、ほむら?…貴公は何者だ?」

ほむら「どういう意味?」

ソラールの口調は弱く、穏やかだ…

私を心配してくれているのが解る。

でも…

信じて貰えるだろうか…

ほむら「ただ…この盾を直すためにここに来た…ただの…」

人…?

違う…私は…

289: 2012/10/07(日) 22:49:04 ID:vCPNw.BE
ソラール「…」

ソラール「…あの娘がそれを直せるのか?」

ほむら「まどかの事よね?」

ソラール「…」コクリ

ほむら「わからないわ…」フルフル

まどかを救えば、私の祈りは再び動き出す…

そう信じてはいるけれど…

290: 2012/10/07(日) 23:11:39 ID:9mFmOqzQ
ソラール「貴公等はこの世界には、些か不釣り合いな存在だな…」

ほむら「まどかは、私とは違うわ…私の様に弱くない…」

ソラール「俺から見れば変わらんさ…まるで…」

ソラール「…」

ほむら「まるで?」

マイヤー「おーい!待ちくたびれたぞ!」ガッシャガッシャ

ソラール「ウワッハッハ!…おぉ、そうだ!行くぞほむら!」

ほむら「…」

ほむら「えぇ」

…もう少し。

…もう少しで、まどかの望みは叶う。

それだけを信じよう…

291: 2012/10/07(日) 23:12:21 ID:ZDd3W81o
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+8
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+2/老魔女の指輪
魔法:強いソウルの太矢/ソウルの槍
  :追尾するソウルの矢/魔法の盾
■ソラール
武器:太陽の直剣+10/太陽のタリスマン
  :太陽の盾+10
装備:鉄の一式+5/黒焦げた橙の指環
魔法:雷の槍/大回復
■ジークマイヤー
武器:ツヴァイヘンダー+5
  :ピアスシールド+2
装備:カタリナ一式/青い涙石の指環
魔法:無し

※info※

296: 2012/10/08(月) 18:01:48 ID:ynDhMlzE


※デーモン遺跡※

篝火が燃えている。

ほむら「…」グビグビ

喉が渇く…

篝火に当たり、エスト瓶を満たす。

ソラール「ここを越えればイザリスだな!」

ほむら「…」ジリジリ

至るところでマグマの噴流が起きている。

まどか「ほむらちゃん大丈夫?」

マイヤー「ふぅ…貴公が一番涼しげではあるがな!ガハハ、ハ…」

一同「「暑い…」」

ハモる事で一段と暑さが増した気がする…

297: 2012/10/08(月) 18:02:50 ID:0AjNq63U
ソラール「…」

ソラール「行くか…」

マイヤー「しかし、この暑さは異常だな…以前はもっと、こう…」

マイヤー「…」

ほむら「どうしたの?」

ジークマイヤーの目線の先、溶岩の海に燃え盛る巨人が居る…

ソラール「体から溶岩が流れ出ているな…」

まどか「彼が原因かな?」

ほむら「随分ナンセンスな話だけど…そうでしょうね…」

マイヤー「ウワッハッハ!ならばあの者をどうにかすれば、以前の気候に戻るやも知れぬ!と言う事だな!」

だだ漏れのマグマは収まるだろうが…

噴流は起きているのだから気温はあまり変わらない気がするのだけど…


298: 2012/10/08(月) 18:04:17 ID:E9WapfnY
ほむら「でっかい…」

ソラール「でかいな…」

最下層のドラゴンよりも、さらに大きい…

爛れ続ける者「…」

マイヤー「気付かれては無いな…」

ガラッ

ソラール「!?」

まどか「わ、わわ!」ズルッ

ほむら「まどか!」ガシッ

足場が脆かった様だ…

慌ててまどかの腕を掴む。

まどか「はぁはぁ…ありがと、ほむらちゃん」

ほむら「えぇ…」チラ

爛れ続ける者「…」ジー

ばれた。

299: 2012/10/08(月) 18:05:02 ID:LGF42NcE
マイヤー「ばれたな…」

爛れ続ける者「ォオオォオォォオ!」メキメキメキメキ…

ソラール「来るぞ!一旦下がれ!」

まどか「は、はい!」タタッ

ほむら「あのサイズ…」

銃は愚か、爆弾も効かないだろうし…

爛れ続ける者「!」グググ

ほむら「ちょっ…何かするつもりよ!」タッタッ

ソラール「!?」

爛れ続ける者「ォオオ!?」バンッ

ジャンプした!?

マイヤー「跳んだ!?」

ほむら「まz…

爛れ続ける者「オ?」ズルッ

ヒューーーー…グワガラグワガシャーン

300: 2012/10/08(月) 18:05:44 ID:LGF42NcE
ほむら「…」

ソラール「…」

まどか「…」

マイヤー「…」

マイヤー「落ちたな」

ほむら「落ちたわね…」

ソラール「まぁ、あのサイズで跳べばなぁ…」

足場は崩れる、か…

まどか「マグマに沈んじゃった…」

ほむら「…」

マイヤー「行くか…」

ソラール「…だな」


301: 2012/10/08(月) 18:29:41 ID:sNjDT/gw
まどか「わわー!見たことあるシルエットが!」ヒュン

山羊頭「…」ズシンズシン

この場所はデーモン遺跡と言うらしい。

ほむら「ソラール!そっち一匹行ったわよ!」

牛頭「…」ドスンドスン

そして、名の通り大量のデーモンが襲いかかってきた…

ソラール「多いな…ジークマイヤー殿!」

マイヤー「ガハハハ!任された!」ガキンッ

流石に4人いる状態でも油断出来ない…

ほむら「…」キョロキョロ

牛頭「…」ドス…バタリ

ほむら「片付いたかしら?」

ソラール「中々の手合いだったな…」ウワッハッハ

まどか「!…ほむらちゃん!」

302: 2012/10/08(月) 18:40:31 ID:E9WapfnY
ほむら「まだ!?」

まどかに視線を移す。

少し困った様な表情。

ほむら「?」

マイヤー「おや?この感じ…むぅ…」

まどか「違うの…ファントムが…」

ほむら「敵は敵じゃない…どうしたの?」

まどか「う、うん…でもこの感じ…こないだの…」

ソラール「こないだの?」

タッタッタ

まどか「あ、やっぱりほら」

さやか「わっはっはー!リッベーンジィィーー!!」タッタッタ

ほむら「さやか…」

刺々の馬鹿が来た…

303: 2012/10/08(月) 18:59:44 ID:0AjNq63U
さやか「おらー!今度こそ人間性をーっ!?…って多っ!?多いなー!」

ソラール「運が無かったな」チャキッ

さやか「ストーップ!多勢は卑怯だよ?さやかちゃん泣いちゃうぞ!?…1対1だ!1対1を所望する!」

ほむら「じゃあ私がやるわ…知り合いだし…」

まどか「ソラールさん、ほむらちゃんに任せて大丈夫だから…」ティヒヒ

マイヤー「なんじゃ知り合いか…ガハハ」

ソラール「ほむらの知り合いは、変わった連中が多いな!」ウワッハッハ

アッハッハッハ…

さやか「…」

さやか「なんだ…このフワフワした空気は…」ギリギリ

304: 2012/10/08(月) 19:01:13 ID:ZDpAZmxo
ほむら「はいはい、さっさとやるわよ…」ゴソゴソ

さやか「あっ!駄目ーっ!」

ほむら「?」

さやか「黒いのだろ!黒いのは禁止!」

ほむら「…構わないけど」

ソラール「凄い奴だな…正直と言うか…」

さやか「本当だな?聞いたからな?」

ほむら「えぇ…使わないわよ?だから、さっさとやりましょ?」

さやか「わははー!愚か者めー、そんな状態でさやかちゃんに…

カチッ…カチッ

さやか「…あ?あれ?愚か者は?」キョロキョロ

ほむら「隣よ?あと愚か者じゃ無くて私はほむら…」ニコ

さやか「ぴゃー!?」

ほむら「…」ケリッ

305: 2012/10/08(月) 19:19:55 ID:Lh2drBHk
さやか「ああぁァァー…

火口に落ちていく…

ほむら「他愛も無いわね…あれ?さやかの剣が落ちてる…」ヒョイ

ソラール「色々と酷かったな…」

まどか「悪い人じゃ無さそうなんだけど…」

マイヤー「ガハハハ!まぁ良い!行くぞ!」


306: 2012/10/08(月) 19:20:46 ID:Lh2drBHk
デーモンを倒しつつ下に下に降りて行く…

ほむら「暑いわ…」ジリジリ

ほむら「…あと」

ソラール「?」

ほむら「最下層ってあったわよね?」

ほむら「…はるか上に」

まどか「そうだね…」

ほむら「何をもって最下層なのか、名付けた奴に小一時間聞きたくなるわね…」

マイヤー「まぁそうイライラするな!」ガハハ

ソラール「ほら、建物に入れそうだぞ」

ほむら「ほっ、熱風が防げるだけでも助かるわ…」


307: 2012/10/08(月) 19:35:15 ID:xuKzXjUo
ブォオオオ…

デーモンの炎司祭(以下、炎司祭)「オォァオオ!!」

熱風が吹き荒れる…

ほむら「こんな事だと思ったわ…」ダラダラ

マイヤー「大丈夫だ!こやつを叩けば涼しくなるぞ!」

ほむら「もう騙されないわよ」

ほむら「まぁ、倒すけど…」

ソラール「しかし、燃えてて近付けんぞ?俺の雷も残弾は少ないしな…」

ほむら「よし、まどか!手を!」ギュッ

まどか「へ?」

カチッ

まどか「…」

まどか「!?…あれ?オーンスタインさんの時の?」

ほむら「暑くて敵わないから、ありったけの魔法をあいつに当ててくれない?」

まどか「あっ、うん」シュルル

308: 2012/10/08(月) 19:58:31 ID:Yfg0Mu8E
ほむら「…」パスパスパスパスパスパス…

キュウゥン…シュルル…シュルル…シュルル…シュルル…

パスパスパスパスパスパスパスパスパスパス…

ほむら「…もう良いわよ」

まどか「…これは」

カチッ

炎司祭「!?」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…

ソラール「!?」

マイヤー「!?」

デーモンはピクリとも動かなくなった。

まどか「ほむらちゃん…その魔法凄すぎるよ…」

ほむら「そう?」

ソラール「何度見ても慣れんな…仕組みも解らんし…」


309: 2012/10/08(月) 19:59:37 ID:Yfg0Mu8E
ソラール「なるほど…ほむらしか使えんのは救いだな…」

マイヤー「触れていれば、魔法の影響を受けないのか…いややや?受けるのか?」ムーン

ほむら「受ける、が正しいわね…あら?」

道が上下に別れている。

ほむら「ほむ…」スタスタ

まどか「ほむらちゃん…上が正解なの?」

ほむら「涼しいからよ…」スタスタ

ソラール「…」

まどか「…」

マイヤー「ガハハハ!儂も涼しいほうが良いな!」スタスタ


310: 2012/10/08(月) 20:20:13 ID:ZDpAZmxo
ほむら「…」

クラーグ「…」

ほむら「…」ペコリ

クラーグ「…」ペコリ

ほむら「それっぽい台座だから、当たりだと思ったのに…」

まどか「まさか、クラーグさんの住処に出るエレベーターなんて…」

エンジー「またお主らか…そこはイザリスとここを繋ぐ、クラーグ様達の抜け道じゃ」

マイヤー「ならば初めからここを使えば良かったな!ガハハハ!」

ほむら「言っちゃった…」

エンジー「お主らイザリスに向かうのか?」

まどか「はい、そうです」

エンジー「なら、もう一つ抜け道があるから、そこを使ったらえぇ」

エンジー「あ…じゃが塞がれとったかの?」

ほむら「じゃあ駄目じゃない…」

311: 2012/10/08(月) 20:21:02 ID:0AjNq63U
エンジー「とりあえず、行ってみぃ…場所は…」

クラーグ「?」ジー

マイヤー「?」

まどか「玉葱じゃ無いですよ?」

クラーグ「…」

マイヤー「…食うなよ?」


312: 2012/10/08(月) 20:34:51 ID:.BrZTgq6
ほむら「言ってたのは、この先よね?」

エンジーに言われた場所に向かうことにした。

まどか「確かに空気は流れてくるね…」

涼しい…

ほむら「あら?誰かしら?」

通路の縁に人が座っている。

ソラール「この先に誰か居るのか?」

マイヤー「暗くてなんも見えん…」

ほむら「あ、いやそこの縁に…」

まどか「…?」ジー

ほむら「え?そんな目を凝らす様な距離じゃ…」

?「ほぅ私が見えるのか?」

ほむら「!?」

頭に直接響くような声…

静かな、優しい声だ…

313: 2012/10/08(月) 20:55:56 ID:UmphCHvU
まどか「ほむらちゃん?」

ほむら「少し待ってて、ね?」スタスタ

ソラール「?」

ほむら「貴女は、どちら様?」

クラーナ「私はクラーナ…」

クラーナ「お前たちを何度か見たよ…」

ほむら「?」

クラーナ「姉を殺さずに居てくれてありがとう…」

ほむら「姉?」

クラーナ「クラーグだ…向こうの娘には妹も世話になっているみたいだが…」フフ

ほむら「クラーグの…」

ほむら「貴女は…人間なのね…」

クラーナ「姿はな…お陰で酷く不安定な存在になってしまった…」

クラーナ「皆を見捨てて逃げた罰…だろうな」

ほむら「…」

314: 2012/10/08(月) 21:10:05 ID:5n4ECRm6
クラーナ「お前に見えた事は幸いだな…孤独を感じなくて済む…しかし、何故だろうな…遥か昔にも一人居たが…」

ほむら「さぁ…」

ほむら「…似たような罪があるから、かしらね…」

クラーナ「おもしろい事を言うな…お前は」フフ

クラーナ「クラーグの命の礼もある…この先を開放してやろう…」

ほむら「あら、ありがとう」

まどか「誰か居るの?」ヒョコ

まどかが様子を見に来た。

ほむら「えぇ…クラーグの姉妹のクラーナよ?」

手で座っている場所を示す。

まどか「見えなくてごめんなさい。初めましてクラーナさん」ペコリ

ほむら「信じるのね…見えないのに…」

まどか「ほむらちゃんが嘘言わない顔だったから…」ティヒヒ

315: 2012/10/08(月) 21:17:36 ID:ivNCa6Qc
クラーナ「…」

クラーナ「ふふふ…お前は、この世界に似つかわしく無いな…」

ほむら「よく言われるわ…」クス

ほむら「まどか、この先に案内してくれるそうよ?ソラールに伝えてもらえる?」

まどか「やった!教えて来るね!」

クラーナ「ふふ…おもしろい連中だ…」


316: 2012/10/08(月) 21:34:14 ID:MaT79PcI
道の先は行き止まりだ…

ほむら「本当にここ?」

クラーナ「あぁ」ピト

ゴゴゴゴ…

まどか「壁が…」

マイヤー「ガハハハ!凄いものだな!」

壁が動き、道が拓けた…

クラーナ「まっすぐ向かえば、イザリスの中心に着く…そこにイザリスの末路がある」

クラーナ「私が終わらせねばならぬ相手だった…」

クラーナ「…すまない」

ほむら「…」

まどか「なんか、たくさん虫がいるね…」

たしかに、30cmくらいの虫がピョンピョンと跳び跳ねている…

317: 2012/10/08(月) 21:56:44 ID:ZDpAZmxo
クラーナ「あぁ、太陽虫か」

ほむら「太陽虫…と言うらしいわよ?」

ソラール「なんだと!?」ガシッ

ほむら「ソラール!?」

凄い力で肩を掴まれた…

痛い…

ソラール「こいつらが!?こんな…こんな奴らがそうなのか!?」グググ

ほむら「ク、クラーナが言うには…そうらしいわ…」

ソラール「こんな…」ペタン

床にへたり込んでしまった。

ソラール「こんなモノが…太陽…」

318: 2012/10/08(月) 21:58:33 ID:IZQGeh/6
ソラール「俺の太陽…太陽よぅ…」

まどか「ソラールさん…太陽虫を探していたんですか?」

ソラール「…」

ソラール「ロードランが最後の希望だった」

ソラール「太陽の名を冠した…光輝く生物がいると…」ザクッ

太陽虫の一匹を仕留める…

それはぼんやりと光り、消えた。

ソラール「こんな道一つ、照らせない脆弱な光とは…な…」

マイヤー「…」

ほむら「ソラール…」

ソラール「…大丈夫だ…だが、少し…一人にしてくれないか?」

319: 2012/10/08(月) 22:00:18 ID:yWy8VdHk
ほむら「…」

ほむら「じゃあ、先に行ってるわね…」

クラーナ「この男は私が見ていよう…どうせこの先に私は踏み入れん」

ほむら「そう…助かるわ」

クラーナ「何、ついでだ…知った者に何かあっては寝覚めが悪くなるしな…」

ほむら「ありがとう…クラーナも気を付けて…」ボソ

まどか「待ってますから…ソラールさん…」

ソラール「…」


320: 2012/10/08(月) 22:20:32 ID:N4I7J.Vo
※混沌の廃都イザリス※

ほむら「…」ヌラ

まどか「…その亡者は…知り合い?」

マイヤー「貴公か言うから、手は出さずにいたが…何なのだ?」

ほむら「たぶん…クラーグ達の姉妹…」

まどか「あ…」

クラーナと同じ装束の亡者に教われた…

もしかすると、クラーナの体だったのかも知れない…

今はそれを確認する術は無いけれど…

ほむら「…彼女達は助かっただけ、他の姉妹よりもマシだと考えたのかしら…」

まどか「でも、それは…」

マイヤー「む!?」チャキッ

まどか「…っ!ファントム!」

321: 2012/10/08(月) 22:35:59 ID:LGF42NcE
まどか「…あれ?またこの感じ?」

ほむら「?」

まどか「ほら!」

振り向くと、さやかがソロソロと近付いてきていた。

スタスタスタ…

さやか「…」キョロキョロ

なにか様子がおかしい…

ほむら「さやか?」

さやか「…ほむら…だっけ?」

ほむら「えぇそうよ」

さやか「私の剣、知らない?」

ほむら「…」ゴソゴソ

ほむら「これ?」ヒョイ

322: 2012/10/08(月) 22:50:23 ID:5n4ECRm6
さやか「やっぱり!あの後、崖ん所で必氏に探したんだからな!」

さやか「返せ!返せよ!それはさやかちゃんの物だぞ!」ムキー

ほむら「どおぞ」ポイ

さやか「…」

さやか「あり?」

ほむら「何よ?」

さやか「いや、返してくれないと思ってたから…」

ほむら「要らないわよ、そんな小汚い剣…」

さやか「ムキーッ!言い方があるだろ!」

まどか「まぁまぁ」

さやか「あんた誰さ」

まどか「まどかです。よろしくお願いします」ペコリ

さやか「これはこれは、ほむらとは大違いだね」ハッハッハ

ほむら「…」イラッ

323: 2012/10/08(月) 23:09:16 ID:Yfg0Mu8E
まどか「そんな事ないです!その剣を使うつもり無いのに拾った理由を考えてみて下さい!」

さやか「…」

さやか「おや?」

さやか「ままま、まさか…さやかちゃんに返すため?」

まどか「きっとそうです!」ティヒヒ

違う…

断じて違う…

さやか「なんだー…ほむらはツンデレちゃんだったのかー!」

ほむら「違うわよ?消し飛ばすわよ?」

さやか「照れるなってー!さやかちゃんの嫁になるが良いぞ?」ハッハッハ

まどか「…」ムッ

ほむら「…」ゴソゴソ

さやか「本当ありがとね!この剣、思い出の品だったからさー!お礼に情熱的なベーゼを…」

ほむら「…」バンッ

さやか「いやはやツンデレすなぁ…シュウウ…

324: 2012/10/08(月) 23:25:42 ID:yWy8VdHk
マイヤー「…」

マイヤー「今度は盾を落としてったぞ…」

ほむら「…」

まどか「拾わないの?」

マイヤー「拾わんのか?」

ほむら「…」ハァ

ほむら「…」イソイソ…ゴソゴソ

まどか「…」ウェヒヒ

マイヤー「さて、と…この先だな…」

ほむら「随分、急な下りね…まるで滑り台だわ…」

まどか「何事も無く、ソウルが回収出来れば良いけど…」

ガシャ…ガシャ…

325: 2012/10/08(月) 23:27:00 ID:N4I7J.Vo
マイヤー「なぁに…」チラ

マイヤー「この4人なら大抵の事は切り抜けられるわ!ガハハハ!」

ほむら「そうね…頼らせて貰うわ」

まどか「あ…えと…そ、そうだね!」チラ

ソラール「ウワッハッハ!まぁ任せてくれ!」

ほむら「当たり前よ…大部分は貴方に任せるわ」

ソラール「まじか…」

ほむら「遅れて来た罰よ」

まどか「てぃひひ…行こう!」

マイヤー「ガハハハ!」


326: 2012/10/08(月) 23:43:32 ID:LGF42NcE
シューーー…ズザッ

坂を下る…

パキ…パキパキパキ…

目の前に現れたのは巨大な樹木…

ほむら「これが王?」

まどか「そう、だね…」

パキ…パキパキパキ…ズザザザザ…

まどか「根本に安置された遺体がこの樹を動かしてるんだって…」ヒョイ

ソラール「クラーグ達から聞いたのか?」

まどか「うん…」

パキパキ…パキパキパキ…ズザ…

マイヤー「しかし、ヘンテコなキラキラが邪魔をして入れんなぁ…」ガキン

動きが単調だから避けるのは難しく無いけど…

ほむら「どうやって、根本にたどり着くかよね…」

327: 2012/10/08(月) 23:54:50 ID:N4I7J.Vo
パキ…パキパキ…ズザッ

ソラール「このサイドの根は叩き切れれな…」ザクッ

パキパキ…ズザザザザ…

ほむら「この端の根だけはバリアが無いのね…」スパスパ

ソラール「なんじゃこれ?」バキッ

ぼんやり光る幹がある…

ほむら「怪しさが溢れてるわね…」パキン

幹をへし折ると光が弾けて消えた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

マイヤー「な、なんと…床が!?」

まどか「床が落ちてく?わわ、わ!」ガシッ

ソラール「ウワッハッハ!しかし、主幹の防壁は無くなったようだな!」ガシッ

マイヤー「ガハハハ!ならば根を這い上がり、遺体に向かうのだな!」ガシッ…ヨジヨジ

ほむら「…なるほどね」ワシッ…バッ

こうなれば、私の身軽さが役に立つ…

328: 2012/10/09(火) 00:05:00 ID:MKs59gB6
ヒュイ…ピョーン…ガシッ…ピョーン…

マイヤー「ガハハハ!やるなぁ、猿のようだ!」ヨジヨジ

ソラール「ふむ、鎧に手を掛けておけ」ヨジヨジ

まどか「ご、ごめんなさい…ソラールさん」ガシッ…ヨジヨジ

足場のしっかりした場所につく…

下の方から、嬉しくもないマイヤーの猿コールが響いてくる。

ほむら「どこよ…遺体は…」バキッ…ベキン

ほむら「あ…」パキ…バキベキ…

ほむら「…これかしら?」

上等な服を着た遺体がある…

腹部には丸々と太った太陽虫…

329: 2012/10/09(火) 00:15:18 ID:j7BWTb06
ほむら「…」

ほむら「酷いものね…」ザクッ

太陽虫もろとも遺体に剣を突き立てる…

あっさりと樹木は静寂に還って行く…

こんなにも脆い遺体が、呪いを吐き、クラーグ達を生んだのかと思うと…

…少し、怖くなった。

330: 2012/10/09(火) 00:18:57 ID:uR9CWr6o
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+8
  :砂時計の盾/棘の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+2/老魔女の指輪
魔法:ソウルの矢/ソウルの太矢/音送り
■ソラール
武器:太陽の直剣+10/太陽のタリスマン
  :太陽の盾+10
装備:鉄の一式+5/黒焦げた橙の指環
魔法:雷の槍/大回復
■ジークマイヤー
武器:ツヴァイヘンダー+5
  :ピアスシールド+2
装備:カタリナ一式/青い涙石の指環
魔法:無し

※info※

334: 2012/10/09(火) 19:05:00 ID:H0wWfLpM


※火継ぎの祭祀場※

マミ「あら、遅かったわね?」

ほむら「貴女達が早いのよ…」

祭祀場に戻ると、書庫に向かったマミ達がくつろいでいた。

マミ「皆無事のようね!さすがアケミさん!」

ほむら「?…ローガンとグレッグスは?」

ニート「あぁ…あいつらか…」

マミ「…」

ほむら「まさか…氏んだの?」

335: 2012/10/09(火) 19:17:05 ID:gg1d73pk
ローガン「勝手に殺さんでくれ…」

岩影から二人が出てきた。

ほむら「おどかさないでよ…」

マミ「驚いたのは、私達だわ…」

ニート「まったくだ…あの岩影を覗いてみな…」ハァ

ほむら「?」スタスタ…ヒョイ

ほむら「ぶっ!?」

グリッグス「あ、ご無事でしたか」ペコリ

目の前に広がる、グリッグスと大量の本、本、本…

336: 2012/10/09(火) 19:31:01 ID:a02U3C1o
ほむら「な、何よこれ?」

マミ「帰りにね、ローガンさんが戻りたくないって駄々こねだして…説得も聞いてくれないし…」

ニート「めんどくせぇから、置いて行こうって話してたんだが…」

マミ「祭祀場で落ち着いて本を読みたい派のグリッグスが帰り際に幾つか持ち出したの…」

ほむら「いや、グリッグス…そこは師匠と残りなさいよ…」

グリッグス「いえいえ!私は師を居場所を確認に来ただけで、心中に来た訳ではありませんから」

ローガン「…」

グリッグス「私は、安全な場所で知識を深めたいのです」ウンウン

マミ「まぁ、その本の中にローガンさんのお目当ての物もあってね…」

まどか「揉めたんだね…」ティヒヒ

マミ「言葉だと一言だけど揉めに揉めたのよ」

ニート「ドン引きするほどな…」

337: 2012/10/09(火) 19:49:14 ID:.4Gw.GOU
マミ「最終的に読みたい蔵書を全て持って帰る方向で話がついたのだけど…」

ソラール「それがこれ、か」

ニート「運んだのは俺達だしな…」

マミ「そうなのよ!そこなのよ!」プンプン

マイヤー「なるほどなぁ…」ガハハ

ニート「笑えねぇよ…」


338: 2012/10/09(火) 19:51:59 ID:u6aYc.42
まどかはまたローガン達と話し込んでいる。

ほむら「とにかく、あと二つよね…」

ソラール「だな…」

ほむら「貴方は平気なの?…その…」

ソラール「探し物の話か?」

ほむら「…えぇ」

ソラール「ウワッハッハ!気にするな!」

ソラール「正直な…ショックではあったが、すぐに喪失感は無くなったんだ…」

ソラール「むしろ、その事に驚いてな…俺の太陽への執着はこの程度の物なのか?とな…」

ほむら「…答えは出たの?」

ソラール「さてな…」ウワッハッハ

タッタッタッ…ガサッ…

ペトルス「…ここでしたか…」

339: 2012/10/09(火) 20:05:38 ID:j7BWTb06
ほむら「ペトルス…さん?」

ほむら「墓地の方に向かったと聞きましたけど…?」

ペトルス「そうです…そうだったのですが…」

ソラール「?」

ペトルス「仲間とはぐれてしまいまして…祭祀場に戻っては居ないかと…」

ほむら「…」チラ

ソラール「…」フルフル

ほむら「見てないわ」

ペトルス「あぁ…何と言うことだ…調子づいて巨人墓地まで踏み込んだばかりに…」

ペトルス「戻ってないとすれば、もはや手遅れでしょう…嘆かわしい事だ…」

340: 2012/10/09(火) 20:20:43 ID:Lnwzw5xo
ほむら「私達も今から墓地に向かうつもりですが…居なくなったのは何人です?」

ペトルス「!?…今から向かわれるのですか?」

ほむら「えぇ…何か?」

ソラール「…」

ペトルス「はぐれたのは3人、です」

ほむら「探してみます、それとも一緒に行きますか?」

ペトルス「い、いえ…私は…」

目を伏せる…

恐怖?

何があるのだろう…

ほむら「では、私達で探しますので…」ニコ

ペトルス「…お願い…致します」

ソラール「…」


341: 2012/10/09(火) 20:42:17 ID:MrYoKC.Q
まどか「あと二つ、深淵と墓地だよ」

ニート「あの馬鹿二人は本に齧りついてるぜ?」

ほむら「あれ?ジークマイヤーは?」

マミ「あぁ…言ってなかったわね…書庫に行った時にね?…娘さんに会ったの」

ほむら「娘?」

ほむら「娘!?…娘なんていたの?」

ニート「あぁいたんだとよ…で、フラムトん所で何やら話してる…」

まどか「ジークリンデさんだって!ほむらちゃんも後で挨拶に行こう?」

ほむら「そう、ね…」

じゃあ、ジークマイヤーも待機かしら…

342: 2012/10/09(火) 20:44:39 ID:.xQIHx.6
ほむら「とりあえず、墓地に行きたいの…はぐれた人が居るみたいだし」

まどか「そうだね…でもそうなると深淵は後回しかな?」

ニート「いや、俺がいく…」

ほむら「ニートが?」

ニート「俺は小ロンドに向かうまでは、順調に各地を歩いてたんでな…」

ニート「やる気ついでに、色々取り戻すさ…」

マミ「たしかに墓地は足場が狭いから多勢で向かうのもどうかと思うわ…」

ソラール「だったら、俺も深淵に向かおう…アルトリウスの足跡を辿るのも悪くない」

ほむら「じゃあ、墓地は私とまどか…?」

マミ「と、私ね!」ニコニコ

343: 2012/10/09(火) 20:51:01 ID:PcrBI8Q2
ほむら「ソラールはそれで良い?」

ソラール「構わんぞ?」

ラレン「何なら俺が行こうか?」

ほむら「あら、助けてくれるの?」

ラレン「呪術の調整も終わったしな、後は実践ってな…深淵歩き…付き合うぜ?」

マミ「ふふ…決まりね!」


344: 2012/10/09(火) 21:13:57 ID:S3NuRz.A
フラムト「あり得ん…」ムムム

マイヤー「…」

ジークリンデ(以下リンデ)「…」

フラムト「玉葱が分裂した…」

マイヤー「…」ガチャガチャ

リンデ「…」ガチャガチャ

フラムト「たっ!玉葱が!震動しとる!」

ほむら「…」

フラムトの前で鎧を揺らしてる…

まどか「うぇひー」

ほむら「何してるのよ…貴方達…」

マイヤー「おおっ!?」ガチャ

リンデ「!…」///

345: 2012/10/09(火) 21:28:36 ID:xzxQsDTk
マイヤー「なんだ貴公か!紹介しよう!娘のリンだ!…どうした?話していたほむらだぞ?」

リンデ「…ジークリンデと申します。申し訳ありません、父が随分とご迷惑をかけたようで…」ペコリ

ほむら「これはこれは御丁寧に…」ペコリ

まどか「ジークマイヤーさんには沢山助けて頂きましたよ?」

リンデ「あら?そうでしたか?」

マイヤー「言ったではないか!このジークマイヤーの剣技、リンにも見せたかったものだ!」

リン「もう、父さん?社交辞令を真面目に受け取るものでは無いのよ?…すぐ調子に乗るんだから…」

マイヤー「むぅ…」

ほむら「残りのソウルを見つけてくるわ…二人はこれからどうするの?」

リンデ「私は父に従います」

マイヤー「まだ決めてはおらんなぁ…」ガハハ

ほむら「だったら…

346: 2012/10/09(火) 21:42:42 ID:7o/kstX2
まどか「でしたら、私達が戻るまで…ここに居てもらえませんか?」

ほむら「?」

マイヤー「むーん…むぅ…」

ほむら「ひ、火防女の事もあるし私からもお願いしたいのだけど…」

マイヤー「おぉ、なるほどそうか!…あいわかった!篝火の番でもしておくとしよう!」

ほむら「ありがとう、助かるわ。ジークリンデさんも宜しくね?」

まどか「…」ホッ

ほむら「…」


347: 2012/10/09(火) 21:57:10 ID:MKs59gB6
マミ「こっちよ!」フンフーン

フラムトの場所から墓地に抜ける…

この先から地下に入れるようだ…

ほむら「地下だらけよね?この大陸…」

まどか「そうだね」

マミ「…」フンフフーン

まどか「マミさん機嫌良いね」

ほむら「確かに…」

ドタタタタタ…

マミ「誰!?」

走る音が近付いてくる…

348: 2012/10/09(火) 22:14:30 ID:7o/kstX2
さやか「見ーつーけーたーぞーっ!」ドタタァ

さやかだ…

兜で顔がよく見えないが、涙声なのは何故だろう?

ほむら「久しぶりね」ゴソゴソ

さやか「ストーップ!生身!今生身だから!」

ほむら「知ってるわ、冗談よ?」

まどか「どうしたんですか?」

さやか「…」グスッ

さやか「盾…返して…」

ほむら「はい」ポイッ

さやか「やたー!ありがとーほむらー!」

マミ「アケミさん?もしかして彼女…」

ほむら「…前世組よ」

マミ「あらやだ」キャー

349: 2012/10/09(火) 22:32:18 ID:FN3ftle6
さやか「いやー、いつもの調子で防御したらさー、盾ないじゃん?」

まどか「うぇひー」

さやか「…ようやく行く先々で、亡者にボッコスコにされる日々とはおさらばだー!」

さやか「しっかし、襲い掛かる私をねじ伏せたのに、何も奪わないなんてね!そんなやつぁ初めてですよ!」

ほむら「まぁ、貴女は驚異でも無かったし…」

さやか「そう言うほむらも胸囲は無さそうですなぁ」ハッハッハ

ほむら「…」イラッ

まどか「…」ショボーン

マミ「…」ボイーン

さやか「はっ!?」

マミ「…」ボインゴ

さやか「なんだあの化物は…」ガクガク

351: 2012/10/09(火) 22:45:04 ID:xzxQsDTk
ほむら「コントは済んだ?…じゃあもう行くわね…」スタスタ

さやか「マジ!?ちょっ、ちょっと話くらいしようよー!」スタスタ

まどか「…仲良いですね…」

マミ「確かにね…前世では親友かしらね?」

まどか「むー…」

ほむら「えっ!?付いてくるの?」

さやか「オマケみたいに言うなー!私は強いんだぞ!」

心が安らぐ…

…穏やかな日々を思い出す。

352: 2012/10/09(火) 22:47:16 ID:H0HVxNFc
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+10
  :砂時計の盾
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+5/老魔女の指輪
魔法:ソウルの槍/ソウルの結晶槍
  :追尾するソウルの塊/強い魔法の盾
■マミ
武器:肉断ち包丁+5/呪術の火+10
  :木板の盾
装備:ずた袋のみ+10/錆びた鉄輪
魔法:毒の霧/鉄の体
  :激しい発汗/内なる大力
■さやか
武器:棘の直剣+5
  :棘の盾
装備:棘一式/毒噛みの指輪
魔法:無し

※info※

360: 2012/10/10(水) 14:08:20 ID:pwZlTB9M


※地下墓地※

ほむら「…」スタスタ

ゴチン

さやか「イタッ!」グラ…ワシッ

マミ「誰よ!変なとこ触らないの!」

まどか「落ち着いて…落ち着いてくださいね?真横崖だよ?」ソロソロ

ほむら「…」

さやか「…」

まどか「…」

マミ「…」

ほむら「暗いのよ!」

マミ「!?」ビクッ

361: 2012/10/10(水) 14:09:21 ID:JA7pm0LE
ほむら「若干見えるけど、動きやすい環境では無いわ…」

さやか「確かにね…こりゃランタン使った方が良いかも…」

まどか「あれば使うんだけど…」ウェヒヒ

さやか「?…さやかちゃんが持ってるよ?」

マミ「…」

ほむら「…」


362: 2012/10/10(水) 14:23:40 ID:UyZM/nHo
ペッカー

さやか「何も殴らなくても良くない?」ヒリヒリ

ほむら「っと…貴女との掛け合いは常に実力行使だったわ」ズババッ

マミ「前世から変わらないやり取りなのね!素晴らしいわ!」

さやか「前世?…ねぇまどか…あの、マミさん?だっけ?…ちょいちょい挟んでくるけど何なの?」ヒソヒソ

まどか「うぇひー」

さやか「やっぱ、胸でかいと頭に栄養が行かないのかね…」

マミ「貴女に言われたくはありません!」

さやか「やべ聞こえてた!?まどかガード!」

まどか「ひゃっ!?」

キャイキャイ…

ほむら「…」ザシュ…ケリッ

最後のスケルトンを崖に落とす…

ほむら「…手伝いなさいよ」


363: 2012/10/10(水) 14:34:48 ID:VQDV7rmo
外と中の出入りを繰り返す為、一向に暗闇に慣れない…

ほむら「下り階段かしら…?」

ほむら「暗くなってるから、足下に気を付けてね?」

マミ「えぇ」

まどか「はーい!」

ほむら「…」

ほむら「暗いわよ?さやかが先頭に…さやかは?」

マミ「あら?」キョロキョロ

まどか「いないね」

ほむら「…」

ランタンが居なくなった…

364: 2012/10/10(水) 14:44:41 ID:VQDV7rmo
ほむら「とりあえず、ゆっくり下に向かうわよ…」

マミ「さやかさーん!」

ヤカサー…カサー…サー…サー…

道は真っ暗だ…

まどか「さやかちゃーん!」

ヤカチャー…カチャー…チャー…チャー…

タースケチクリーー…

まどか「居た!い、今声が!」

ほむら「今の聞こえかただと何処に居るか特定できないわ、まどか…とりあえず落ち着いて…

まどか「いったい何処から声g…ズルッ

マミ「まどかさん!?」

ウェヒー…ドサッ

ほむら「だから言ったのにーっ!」

365: 2012/10/10(水) 14:55:39 ID:CtgO5pWs
ッタノニー…タノニー…ノニー…ニー…ニー…ニー…

ほむら「…」ゴクリ

ほむら「ま、まどかー?」

ホムラチャ…ズルッ…ウェヒー…

ほむら「…」

マミ「さらに落ちたわね」

マミ「…行くの?」

ほむら「行くわよ…もう慣れたわ…」

底は暗く見えない…

私は慣れた…私は慣れた…私は慣れた…

ほむら「えいっ」ピョン

マミ「氏にませんように…」ピョン


366: 2012/10/10(水) 15:08:02 ID:H9XeItYk
カツーン…カツーン…カツーン…

バモス「ほれ」

大柄な骸骨から打ち直した武器を受け取る。

落ちていくまどかを追って飛び込んだ先に鍛冶屋を見つけた…

ただの鍛冶屋なら安心するところだが、もろ骸骨フェイスのバモスに迎えられ…

…大騒ぎした。

まどか「バモスさん、五月蝿くしてすみませんでした…」

ほむら「骸骨感が有りすぎなのよ…」

マミ「もう、アケミさん!」

ほむら「一番騒いだのはマミ、貴女よ?」

マミ「…」///

バモス「何でもえぇから、はよどっか行け」

バモス「気が散るワイ」カツーン…カツーン…

367: 2012/10/10(水) 15:23:13 ID:r6em3XKI
まどか「失礼しました」

ほむら「バモスー、出口は何処かしら?見当たらないけど?」キョロキョロ

マミ「この壁脆そうだけど、ぶち抜いて良いの?」

まどか「ちょっと、二人とも!」

バモス「五月蝿いやっちゃ…」フゥ

バモス「その辺の壁を崩して出ていけ」

まどか「あ、それで良いんだ」

バモス「お前も出ていけ…」

まどか「はい!ありがとうございました」ペコリ

バモス「何もしとらん」カツーン…カツーン…


368: 2012/10/10(水) 15:39:15 ID:u1.mdI2c
壁を壊して外に出た…

目の前に大きめの空洞が広がる。

そして…

カンカンカンカンカンカンカンカンカン…

車輪をつけた骸骨が壁に向かって突進を続けていた…

さやか「ややっ!ほーむらー!マミさーん!助けてー!」ブンブン

マミ「高台にさやかさんが…」

ほむら「なるほど、骸骨の狙いはさやかか…」

まどか「早く助けないと!」キリキリ

ほむら「貴女、今までそれで、よく生きてたわね…」パスパス

さやか「へへへ」///

マミ「誉めてないのよ?」


369: 2012/10/10(水) 15:53:55 ID:ni/LsMmI
横たわる夥しい骸骨…

ほむら「ふぅ、終わったわ…降りてきなさい?」

さやか「…」

マミ「どうしたの?」

さやか「あ、いやー…ここにサイン見つけまして…」

まどか「召喚サイン?」

さやか「そだよ?」

じゃあ、それに助けて貰いなさいよ…

ほむら「なるほど、さやかを生かしてきたのは運ね…」

マミ「確かに…」

私の知ってるさやかより、格段に運が良さそうだ…

まどか「不氏人になった時点で、幸運でない気はするけど…」

前言撤回…

明るく振る舞う事で、状況に潰されないよう生きてきたのかも知れない…

370: 2012/10/10(水) 16:07:44 ID:w3klR9xI
ほむら「なんだかんだ、心も安定してるしね…」

この世界のマミやさやかだったら…

まどか「?」

ペカー…

ほむら「!?…ちょっと何してるのよ?」

さやか「いやー、折角だから呼びだしてみようかと…」

マミ「この先に何か居るのかしら?」

さやか「そこも教えてもらいましょう!」

シュウウ…

ほむら「…!」

この世界が覚悟を強めるなら…

彼女はどちらに転んだのか…

ほむら「…杏子」

371: 2012/10/10(水) 16:19:01 ID:vqiy407Y
キョウコ「ん?…今、あたしの名前呼んだか?」シュウウ…

さやかと共に降りてくる。

キョウコ「どっかで会ったっけ?」

ほむら「いえ、初めまして…名前を当てるのが得意なの」

キョウコ「はっはっは、そりゃ役に立たねぇ特技だね」ニコ

キョウコ「しっかし、4人か…」

マミ「えっと、キョウコさんで良いの?」

まどか「宜しくお願いします」ペコリ

キョウコ「畏まらなくて良いよ…あたしはキョウコだ。宜しく」

さやか「私、さやか!宜しくねキョウコ!」

キョウコ「まぁ、取り合えず目的を果たそうぜ?あたしの時間は限られてるし…」ニコ

ほむら「…」

ほむら「そうね…行きましょ?」


372: 2012/10/10(水) 16:38:11 ID:pwZlTB9M
マミ「この先?」

キョウコ「あぁ、厄介な奴が住んでんだが…少し前に不氏人を取り逃がしたとかでぶちギレてんだよね…」

さやか「不氏人捕まえて何すんのさ?」

キョウコ「実験だってさ…切ったり貼ったり…」ペラペラ

さやか「…聞かなきゃ良かった」

まどか「これだけ居れば大丈夫だよね?」

キョウコ「ま、楽勝っしょ?」ニコ

ほむら「先に行くわね」タッ

マミ「気合い入れなきゃ」タッ


373: 2012/10/10(水) 16:49:38 ID:MmWgudt2
薄暗い部屋の奥にぼこぼこと蠢く塊がある…

塊はゆっくりと体を反転させ、三つの顔を覗かせた。

三人羽織「キョキョキョキョキョキョ!」

さやか「うげ、変なのがいる」

ほむら「とっとと殺るわよ」パスパス

ブスブス…

三人羽織「!?」パァァ…

矢が刺さったとたん、塊が消えた…

ほむら「どこに…」キョロキョロ

マミ「さやかさん!後ろよ!」

さやか「ほぁっ!?」ガキン

まどか「ほむらちゃん!隣に現れたよ!」

ほむら「なっ?」バッ

キョウコ「分身してんなぁ…おらっ」ブン

杏子の振りかぶる一撃が幾つかの塊を霧散させる。

374: 2012/10/10(水) 17:00:17 ID:H9XeItYk
キョウコ「ま、殴ってきゃいずれ本物に当たるってね?」

さやか「なーる!」ズバッ

三人羽織「!?」ブシュ

さやか「本物だー!これ!これ本物ー!」ザックー

ほむら「五月蝿いわね…」パスパス

まどか「てぃひひ」シュルル…バァン…

マミ「なるほど…良くも悪くも引きが強いわ…」

キョウコ「あたし要らねーなぁ、楽に稼げるってな良いねぇ」ハッハッハ


375: 2012/10/10(水) 17:19:11 ID:4UC1CbYc
マミ「凄い…注ぎ火と呪いに関してここまで研究してるなんて…」

まどか「そうですね…やっぱり、そう…なんだ…」

まどか「でも…」

まどか「…それだけ犠牲になった人達も…」ギュ

キョウコ「…じゃ、あたしは行くよ?」ニコ

シュウウ…

ほむら「…」

ほむら「…助かったわ、ありがとう」ニコ

キョウコ「あたしも、ここに来たばっかで心細いしな…また、どっかで会おうなぁ」

シュウウ…

さやか「行っちゃった。良い奴だったね」ハハハ

ほむら「…」

376: 2012/10/10(水) 17:21:25 ID:W5lXybPs
マミ「この先が巨人墓場よ?」

ほむら「ペトルスの言ってた場所ね…」

全員無事だと良いけれど…

横目には祈りを捧げるまどか…

さやか「まどかって魔術師だよね?グウィンの信仰って訳じゃ無さそうだし…」

マミ「まどかさんの祈りは白教のモノでも無いのよね…」

ほむら「?…どういう意味?」

マミ「…いえ、彼女は何に祈りを捧げてるのかと、ね?」

ほむら「氏者を弔うのに、祈る相手なんて考えてないわよ…まどかの祈りはそういう類いのモノでは無いわ」

マミ「そう…そんな考え方もあるのね」


377: 2012/10/10(水) 17:32:51 ID:DxaaH5Qg
※巨人墓場※

地下墓地よりも遥かに暗い…

何も見えない…

ほむら「さやかしか見えないわ…」

さやか「うっひょー!頃し文句ですなぁ…」

突っ込む気も起きない。

マミ「み、皆居る?」

まどか「いますよ?」

マミ「本物よね?実は声だけ聞こえてて実物は…なんて事無い?」

ほむら「怖い事言わないでよ」

さやか「光輝く私についてくるのだー!」

さやか「…おや?」

ほむら「何?」

さやか「道が無いけど、どーすんのさ?」

確かに柱の様な物が倒れてるだけで崖になってる…

378: 2012/10/10(水) 17:44:19 ID:r6em3XKI
ほむら「柱は根本があるからここに倒れてるのよね?」

さやか「まじ?」

ほむら「私から行くわ…大丈夫なら合図を送るから…」ズッ…

まどか「ほむらちゃんって全然躊躇わないよね…」

マミ「不氏人で無いのを忘れそうになるわ…」

さやか「え!?ほむら呪われてないの!?」

余計な事を…

ズッ…ズッ…ズザザ

ほむら「ふぅ、大丈夫よ。そんなに高さも無いわ」

379: 2012/10/10(水) 17:56:52 ID:JA7pm0LE
まどか「良かった…」ズザザ

さやか「ねぇ?あんたは何でここに来たのさ?」ズザァ

ほむら「ロードランにって事?」

さやか「ん」コク

ほむら「何で知りたいのよ?」

さやか「いいじゃーん!教えなよー!」ペシペシ

ほら、うざい。

ほむら「盾の仕掛けを元に戻したいのよ…」

さやか「ふーん」

まどか「…」


380: 2012/10/10(水) 18:07:47 ID:gY01E5aQ
明かりが見える…

さやか「敵かな?こそこそ進む?」

ほむら「いや、こっちも明かりがあるんだから互いにバレてるわよ…」

マミ「ランタンを貸してくれない?一人で近づいてみるわ…何かあったら合図するから」

まぁ、見た目的には一番の威圧感だし…

ほむら「頼んだわ」

岩影に隠れる。

明かりが接触した。

アラアラ…コンナトコロデ…ヒトニ アウダナンテ…キグウネェ

マミは不自然に大きな声で喋っている…

ほむら「バレるわよ、馬鹿マミ」

まどか「あれ?い、移動してるよ?」

さやか「何してんだろ?」

ドンッ…キャーー

明かりが一つ消えた。

381: 2012/10/10(水) 18:17:24 ID:qIIaE4oc
カチッ…カチッ

スキンヘッドの男が立ってる。

パッチ「へっへっへ、あんたも間抜けだな!精々亡者になって俺の生活の足しになんなよ!?」

ほむら「…」

パッチ「さてと、動かなくなるまでは…」クル

ほむら「こんにちわ」

パッチ「ひ!ひぃぃ!?」ザザッ

よほど驚いたのか、思ったより大きなリアクションをして…

ズルッ…アーッ

落ちた。

382: 2012/10/10(水) 18:28:45 ID:4UC1CbYc
テメェ…ナンテコトシヤガ…ア…イエ…ゴブジデシタカ…

ほむら「…」

イダッ…イヤアレハ ジコデ…イダダダダ…

さやか「先行くなよー」スタスタ

まどか「マミさんは?」

ゴメンナサイゴメンナサイ…スンマセ…オンギャア!…

ほむら「元気みたいね…」

タスケッ…ギャー…オレタ!オレタカラ!…イヤホントニ…ギェピー…


383: 2012/10/10(水) 18:40:22 ID:CtgO5pWs
マミ「酷い目にあったわ!」プンプン

パッチ「…ずんまぜん」ピクピク

さやか「あったあった、あれ?ランタン二つに増えてる?」

ほむら「それにしても…」チラ

この禿げに落とされたのはマミだけでは無かったようだ…

まどか「すみません、連れのお二人は…」

レア「そうでしたか…いえ、彼らを止めていただいて感謝しております…」

助かったのは一人だけ…

ほむら「…」ジロ

パッチ「な、何だよ…俺だって生きるのに必氏なんだよ…わかるだろ?な?」

ほむら「わかるわ…だから私も生きる為に危険な相手は排除すべきだと考えてるの…」ガシッ

崖の淵まで引きずる…

ほむら「理解してくれるわよね?」

384: 2012/10/10(水) 18:51:45 ID:gY01E5aQ
パッチ「止めてくれよ…は、反省してる…あんたらには手ぇ出さないって…」

パッチ「悪かった!氏にたくねぇんだ!」

ほむら「…」グググ

パッチ「い、嫌だ!もうしねぇよ!もう誰も騙さねぇ!ほ、本当だ!本当なんだ!」

ほむら「…」チラ

まどか「…」フルフル

パッチ「頼む…頼むよぉ…」

まどか「本当に…約束できます?」

パッチ「へ?…あ、あぁ!勿論だ!」

まどか「誰も騙らない、殺さない…」

パッチ「約束するよぉ!いや、話のわかる奴がいて助かった…」

こいつ…

385: 2012/10/10(水) 19:04:29 ID:ni/LsMmI
パッチ「俺はパッチだ…この礼は必ずするぜ?」ヘヘヘ

マミ「良いの?」

まどか「レアさんも同じ考えだったから…」

まどか「マミさんもそれで良い?」

マミ「私は構わないけど…」

まどか「良かった」ティヒヒ

ほむら「…」

386: 2012/10/10(水) 19:15:42 ID:ni/LsMmI
さやか「いやはや、ここ色々落ちてたよ…あれ?何か変な空気…」

さやか「…」

さやか「空気に敏感なさやかちゃんは、レアさんの所に居るよ」ソソクサ

まどか「ほむらちゃん、ごめんね?」

ほむら「何でまどかが謝るのよ…」

まどか「ほむらちゃんの気持ちを、解ってたのに…あんな事させちゃったから…」

ほむら「考えすぎよ…私は本当に落とすつもりだったわ」

貴女は優しすぎる…

私は悲しみたくないだけなのに…


387: 2012/10/10(水) 19:29:22 ID:E6frLhGE
篝火が燃えている。

パッチに案内された場所で休息をとる。

さやか「どーすんの?多くない?」

マミ「…」

マミ「私が二人を祭祀場に連れていくわ」

ほむら「それが一番、かしらね…」

マミ「アケミさん、後宜しくね?」

ほむら「まどかもさやかも居るし、なんとでもなるでしょ?」

さやか「ハッハッハ!まどか共々信頼されてますなー!」

まどか「てぃひひ」

まどか「これでペトルスさんも安心だね…」

レア「ペトルスは…無事でしたか」

ほむら「えぇ、貴女とはぐれた後、祭祀場に戻ったみたいよ?」

パッチ「はぐれた?」

ほむら「?」

388: 2012/10/10(水) 19:40:02 ID:aWuN3SiM
パッチ「ペトルスってな、デブの僧兵だよな?」

ほむら「まぁ、たぶんそれね」

パッチ「は、はぐれた!はぐれたんだってよ!?聞いたかい聖女さん!」

レア「…」

パッチ「流石だぜ、彼奴はもろに聖職者って面だったからなぁ!」

ほむら「黙りなさい、どういう事?」

レア「いえ、気になさらず…私が力量を見誤り、ここまで踏み込んだ事が問題で、彼に責任はありません」

パッチ「そもそもは彼奴が、付き人の一人を落としたのさ…聖女様に大事な話があったみたいでな!」

パッチ「それで、もう一人とも…あの傷がなけりゃあ、あの二人は生きてたかもなぁ?」

レア「っ…」

389: 2012/10/10(水) 19:51:13 ID:nVmuDuPM
マミ「追い討ちをかけたのは貴方でしょ?」

パッチ「いや、まぁ…へへへ」

パッチ「で、でもよぉ?俺が来たから、あのデブは逃げたんだぜ?…言ってみりゃ聖女様の救世主って奴だ、な?」

さやか「んで、その後レアさんを突き落とした、と」

パッチ「…蒸し返すなよ」

ほむら「…」

ほむら「マミ、二人を頼んだわね?」

マミ「任せなさい、あの父娘も居るしね」


391: 2012/10/10(水) 20:47:12 ID:dAFvFAUI
マミ達と別れ、先へ進む…

さやかからランタンを一つ貰った。

分裂したそうだ…

まどか「絶対、分裂じゃ無いと思うよ?」

さやか「細かいことは気にしないー♪」

ほむら「ま、明かりがあるのは良い事だわ」

さやか「そゆことそゆこと」ウンウン

道幅が狭い…

ほむら「この人数で正解ね…」

巨体の骸骨を倒しつつ進む…

カシャン…

ほむら「?」

392: 2012/10/10(水) 20:59:39 ID:JA7pm0LE
ガッシャ…ガッシャ…

さやか「何か来た!」

ガッシャガッシャガッシャガッシャ…

ほむら「この音…確か…」

さやか「黒騎士だー!」

まどか「へっ?」

ほむら「まずい!」カチッ

咄嗟に時間を止める…

やはり、はじめの頃に対峙した騎士だ。

ほむら「…こいつは駄目だわ」ゴソゴソ

ジャコン…ダン!…ダン!…

カチッ

ドスドスッ

黒騎士「!?」グラ

さやか「あり?体勢が…今ださやかちゃんアターック!」パリィ

393: 2012/10/10(水) 21:08:40 ID:4UC1CbYc
ドンッ…アー…

バランスを崩した騎士はさやかの盾に弾かれて落ちていった…

さやか「へっへーん、黒騎士も大したことないね!」

まどか「凄いよ!さやかちゃん!」

ほむら「やるじゃない…」

さやか「もっと誉めたまえよ」ナッハッハ


394: 2012/10/10(水) 21:22:37 ID:gY01E5aQ
さやか「おー、ここは明るいねぇ」

ほむら「他に比べればだけどね…」

大きな空洞に出た…

壁際の細い道をゆっくりと進む…

まどか「あ!」

ほむら「どうしたの?」

さやか「…侵入者だ」

まどか「あれ?…でもこの感じ…」

ほむら「?」

現れるファントムの影…

ほむら「…杏子」

キョウコ「…なんだお前らか」ニコ

395: 2012/10/10(水) 21:33:42 ID:r6em3XKI
さやか「脅かすなー!」

キョウコ「悪ぃ、悪ぃ」スタスタ

ほむら「…」

キョウコ「いやぁ墓荒しが多くてね…」

まどか「そうなんですか?」

キョウコ「墓守り気取ってるって訳さ」ニコ

キョウコ「あれ?ほむらはもしかして…」

意地の悪い笑顔を作る。

キョウコ「襲われるなんて思っちゃったか、なっ!!」ブンッ

…バコォン!

396: 2012/10/10(水) 21:49:20 ID:MmWgudt2
キョウコ「!?」

私の目の前で杏子が振り上げた武器は、まったく検討違いの壁に降り下ろされた…

キョウコ「…へぇ、凄ぇな」

キョウコ「あんたの顔に当てたはずだけど?…どうやって移動した?」

ほむら「貴女を移動させただけだけどね?」

キョウコ「おっかしいねぇ…比較的信用してもらえたと思ったんだが…」ポリポリ

まどか「キョウコちゃん…」

ほむら「私、貴女に一つ嘘をついたわ」

ほむら「…本当は貴女の事良く知ってるの…」

キョウコ「なるほど、信用されない訳だ」ハッハッハ

さやか「ほむら凄ぇー!」

397: 2012/10/10(水) 22:03:00 ID:DxaaH5Qg
ほむら「逆よ、信用していたの…貴女の行動を…共に戦った事もあるしね…」

キョウコ「あたしは誰とつるんだ記憶も無いけど?不氏人にゃなったばっかだしね…」

ほむら「そう…でもどうする?」

カチッ…カチッ

後ろに回り込む…

ほむら「続ける?…この状況で貴女に勝ち目は無いわよ?」

キョウコ「だね…やめだやめだ…こうも手の内を知られてるとあっちゃね…」

キョウコ「で?…あたしをどうすんだい?」

ほむら「別にどうもしないわ…言ったでしょ?戦友だって…貴女が覚えて無くてもね?」

キョウコ「…だったら」

ほむら「こう言う言い回しが嫌いなのも知ってるわ…それに、利害の一致があれば共闘出来る事も…」

キョウコ「ハッハッハ!面白いじゃ無いか…交渉しようってんだ?」

398: 2012/10/10(水) 22:15:33 ID:UyZM/nHo
さやか「あれ?…って事は…」

さやか「時間止めて、キョウコをいそいそ運んだのか…なんかシューr…

ほむら「…」クワッ

さやか「…すいません」

ほむら「…オホン」

ほむら「今はファントムでしょう?…話を聞く気なら祭祀場に来なさい。仲間は多い方が良いわ…よね?」チラ

まどか「へ?…う、うん」

キョウコ「考えとくよ…」シュウウ…

399: 2012/10/10(水) 22:27:22 ID:vqiy407Y
ほむら「行ったわね…」フゥ

まどか「ほむらちゃん、あの…なんで…」

ほむら「まどかは分かりやすいのよ…ジークマイヤーにしろ、ソラールにしろ…対応を見ていれば何か考えてる事くらい解るわ」

まどか「ご、ごめんなさい」

ほむら「話せる時が来たら聞かせてね?」

まどか「…」

まどか「うん」ティヒヒ

さやか「…」

さやか「私の時と対応が違いすぎない?」

ほむら「さやかはさやか、杏子は杏子よ?」

さやか「納得できねぇー!」


400: 2012/10/10(水) 22:41:06 ID:JA7pm0LE
うず高く積まれた骨の上でさやかが騒いでる…

さやか「ふははー!勝利のポーズ!私、調子に乗ってんねー!」

ほむら「確かに…冷静に見てたけど、さやかも腕は立つのよね…」

さやか「もっと言って!もっと言って!」フフン

まどか「ほむらちゃん、ソウル回収したよ?」

ほむら「しかし、最初の氏者が動き回るって矛盾だわ…」

さやか「なんで?」

ほむら「独り言よ…この世界の氏の概念は一生理解出来ないだろうし…」

まどか「これで、ソラールさん達が戻って来てれば…」

ほむら「今度こそ終わり?」

まどか「うん!」

その時…

砂時計はまた動き出すだろうか?

この世界のまどかを救う事が出来たなら…

きっと、きっと…

401: 2012/10/10(水) 22:42:21 ID:JA7pm0LE
※info※

■ほむら
武器:ショートソード+5/ライトクロスボウ+10
  :砂時計の盾/頭蓋ランタン
装備:魔法少女一式
魔法:時間停止
■まどか
武器:ロングボウ+5/魔術師の杖
  :レザーシールド+5
装備:薄汚れた一式+5/老魔女の指輪
魔法:ソウルの槍/ソウルの結晶槍
  :追尾するソウルの塊/強い魔法の盾
■さやか
武器:棘の直剣+5/頭蓋ランタン
  :棘の盾+5
装備:棘一式/毒噛みの指輪
魔法:無し

※info※

406: 2012/10/13(土) 19:09:03 ID:.sxwIsdE


※火継ぎの祭祀場※

フラムト「おぉぉ!遂に!遂に!グウィンを継ぐ事が出来るのか!」

フラムト「おぉーん!おぉーん!」

まどか「…」

ほむら「…これ泣いてるのよね?」

さやか「…だろうね」

フラムト「おぉーん!おぉーん!」

まどか「…」

ほむら「嬉しそうで、何よりだわ」


407: 2012/10/13(土) 19:10:06 ID:msRX044.
ほむら「また増えてる…」

さやか「あぁー!嘘!?ヒトミ!?」

ヒトミ「あらさやかさん?」

魔女魔女しい格好をした仁美がいる。

ソラール「いやはや、彼女に色々助けられてな…」ウワッハッハ

マイヤー「結局最後まで共に、と言うわけだ!」ガハハ

ニート「まぁ、ソラールが大分無理言ったんだがなぁ…」

まどか「そうなんだ…」

ほむら「あっちの赤いお爺さんも?」

真っ赤なローブの老人がなに食わぬ顔で立っている。

ニート「いや、あっちは戦力外。勝手に祭祀場に来ただけだ」

ソラール「おいおい、俺が誘ったんだぞ?」

408: 2012/10/13(土) 19:10:43 ID:t.OU7VAg
そう言えばマミが居ない…

ほむら「…」キョロキョロ

さやか「結局、ヒトミも呪われたんだ…」

ヒトミ「申し訳ありません、彼を託されたと言うのに…」

さやか「いいって、いいって、こればっかりはしゃーないよ…」

ほむら「!…居たわ…」スタスタ

パッチ「…?」

ほむら「貴方だけ?」キョロキョロ

パッチ「あの女共なら、俺にここに居ろっつって脅したあと…教会区に向かったぜ?」

ほむら「あの二人に何かしてたら、脊椎を引きずり出すからね…」スタスタ

パッチ「怖っ!?」


409: 2012/10/13(土) 19:25:18 ID:UuHp61ew
ほむら「まどか?」

まどか「あっ、ほむらちゃん!これで全員かな?」

ほむら「マミ達を呼んでくるから、少し待ってて…」

まどか「うん!」

ほむら「…」キョロキョロ

居ないのはマミ、レア…それと…

ソラール「俺達が戻った時には既に居なかったぞ?」

ほむら「?」ビクッ

ほむら「…えっと」

ソラール「ペトルス殿だろう?レア殿達も探していた…」

ほむら「逃げた…のかしら?」

ソラール「さぁな」


410: 2012/10/13(土) 19:37:23 ID:eq7RHN4k
カラカラカラカラ…カシャン…

※城下不氏教区※

祭壇の前でレアは手を合わせている。

マミ「あら、アケミさん?…無事だったのね!」

レア「貴女方には、なんとお礼を言って良いか…」フカブカ

ほむら「気にしないで…まどかが今いる不氏人に話したい事があるらしいから祭祀場に来てもらえる?…良ければレアさんも…」

ほむら「…強制はしないけどね?」

マミ「じゃあ、行きましょ?」

レア「あと少し、祈りを捧げたら向かいます…先に降りていて貰えますか?」

マミ「あら、だったら…

ほむら「そうね、先に降りてましょ」

マミ「え?…えぇ、じゃあ待ってるわね?」

レア「ありがとう…」

スタスタ…カチャン…

カチッ…カチッ

411: 2012/10/13(土) 19:49:25 ID:.gFJjx7w
カチャ…カラカラカラカラカラカラカラ…

レア「…」

レア「貴方にも詫びなければなりません」

ペトルス「わざわざ一人になってまで…律儀なものですね…」スッ

柱の影からペトルスが現れる。

レア「巨人墓場へ踏みいった判断も貴方を御しきれなかった事も全て私の…責任です」

ペトルス「責任ね…では、どうやって償って頂けますかな?」

レア「あの二人を巻き込んでしまった事は償いきれぬ罪です…貴方に憎悪を与えてしまった事に関しては…」

レア「…」

レア「お好きな様に…私を頃す事で気がすむのなら…」

ペトルス「ははは…」

ペトルス「憎悪ですか…それだけではありませんが…まぁ良いでしょう」ニヤ

ペトルス「では、氏んで貰います…少し楽しませて貰ってからね…」ガシッ

412: 2012/10/13(土) 20:06:40 ID:PzJ8t2hs
レア「貴方を導けなかった事も私の罪…ですが神に捧げた身…」

レア「汚そうと言うのなら自ら命を絶ちます…」

ペトルス「構いませんよ?…私は聖女などと呼ばれ、図に乗ったお前を辱しめる事さえ出来るなr…

カチッ

ここには、あの騎士が捕まっていた場所があった事を思い出す…

探せばすぐに見つかるものだ…

カチッ

ペトルス「らば…!?…貴女は…むぐっ!?」

ほむら「こんにちは」

ペトルス「っ!?…!?」ググ

ほむら「…貴方は亡者として生きる方が似合いそうね?」

ペトルス「ーーっ!?」ジタバタ

ほむら「大丈夫よ…」

ほむら「辱しめたりはしないわ」


413: 2012/10/13(土) 20:19:33 ID:HNVD3/Jk
カラカラカラカラカラカラ…カシャン…

※火継ぎの祭祀場※

ほむら「…」スタスタ

まどか「あっ!ほむらちゃんが最後だよ!」

さやか「おっそいぞー!」

キョウコ「おっせえぞー!」

ほむら「…」

ほむら「…」ジー

キョウコ「何だよ?あんたが来いっつったんだろ?…おいしい話があるからって」

そんな事は言ってないけど…

414: 2012/10/13(土) 20:20:49 ID:OhzNHS22
レア「…」チラ

ほむら「…」

レア「…」ペコリ

ま、気付かれるか…

ソラール「さて、と」

まどか「あ、あの…皆さんに聞いて欲しい事があります!」


415: 2012/10/13(土) 20:36:29 ID:19KSFGp.
マイヤー「火を継ぐのか?グウィン王から?」

まどか「そ、そうです」

マミ「全員で?」

ソラール「そうだ」

ニート「んな事出来るのか?」

ソラール「知らん、だが試す」

まどか「私、考えたんです…」

まどか「火を継がなければ、世界から火が消えて闇に覆われる…また寒い世界に戻れば今の世界は生きられない…」

まどか「でも、火を継げば…確かに闇に支配される事は無いけれど…」

まどか「継いだ者の力が強ければ強いほど、火が作り出す影も濃いものになる…」

まどか「耐性の無い者が不氏人に…不氏人ならまだしも、体に変化が起きれば最下層に追われる人々がまた産まれてしまう…」

マミ「まどかさん…」

416: 2012/10/13(土) 20:47:16 ID:THTqQnqU
まどか「私は…最下層で消える事の無い呪いを一身に受け止めている方に会いました」

まどか「…」

キョウコ「…」

まどか「私は…呪いを絶ちたいんです…」

ラレン「あー、なるほどな…火の力をそれぞれに分散出来ないかと考えた訳だ…」

まどか「はい、それで呪いの力が弱まるなんて保証は無いです。火を継いだ皆さんにどんな変調が起こるかも…」

マミ「火が強大になるような事は無いかしら、グウィン王もそれを考えて仲間を募ったのよね?」

まどか「イザリスの火や地下墓地の実験を考えればそれは無いと思います…本物の火では無いのであれですけど…」

ほむら「…」

417: 2012/10/13(土) 20:59:43 ID:OhzNHS22
やっと少し解った。

まどかの行動の意味…

恐らく、考え始めたのはクラーグの住処を訪れた時だ。

そして、世界の仕組みを知ったのがフラムトに会った時。

それから、まどかはずっと…

ずっと悩んでいた…

ほむら「…」

まどか「それでも…試してほしいんです」

ソラール「結局は、個人の判断に委ねる…やれる奴だけ同行してくれ」


418: 2012/10/13(土) 21:12:06 ID:EzJimdu2
まどか「フラムトさんも渋々だけど認めてくれたよ!…失敗だけは勘弁してくれって」

ほむら「そう…なら安心ね…」

まどか「てぃひひ、ごめんね?今まで黙ってて…」

ほむら「良いのよ、気にしてないわ…」

ほむら「だから、皆をここに留めようとしてたのね」

まどか「…」

まどか「うん」

まどか「無責任かな…」

まどか「火を継げば、炉から動けなくなるかも知れないのに…」

ほむら「だから強制はしなかったんでしょ?」

ほむら「大丈夫よ、上手くいくわ…」


419: 2012/10/13(土) 21:28:03 ID:zGLrFs5U
ソラール「さてと…少し時間を作ったが、何人が賛同するか…」

レア「私は同行いたします…」

ほむら「ありがとう」

レア「貴女方に救われた命ですから…」

ローガン「おぉまだ居ったか…良かった良かった」ホッホ

ソラール「ローガン殿も来られるか?」

ローガン「火を継ぐなど、求道者としては見逃せんイベントじゃからな…」

グリッグズ「その…私も…」

まどか「嬉しいです、グリッグズさん」

ほむら「心中はしないとか何とか…」

グリッグズ「ははは…」

420: 2012/10/13(土) 21:43:41 ID:19KSFGp.
マミ「私たちも手伝うわ…戦友だものね?」

さやか「感謝するが良いぞ?」

キョウコ「ま、そういう賭けは嫌いじゃないしね…不氏人じゃどうせまともな未来は無いからさ…」

ヒトミ「…私は素晴らしい考えだと思いますわ」

ほむら「ふふ…助かるわ」

マイヤー「ガハハハ!貴公等の意思確かに届いたぞ!なぁに呪いなぞ儂一人でも払い除けてやるわ!」

リンデ「父さん…あ、私も手伝いますね?」

次々に集まる…

言葉はないが、ニートもいつの間にか横に座っている…

ここに居た者、全て…

それぞれの意思で集まってくる…

ほむら「あら?貴方も来るの?」

パッチ「はっ、わりぃかよ?貰えるもんは貰う主義でね」


421: 2012/10/13(土) 21:56:29 ID:t.OU7VAg
王のソウルを捧げる…

私には見えないけれど…

器から押し出される火が、その存在を感じさせてくれた。

※最初の火の炉※

ほむら「広い…」

耳が痛くなるほどの静寂…

さやか「広っ!?やっほほー!」

マイヤー「なんと、足元は全て灰か…歩き辛いものだなぁ」ガハハ

…でも無くなった。

皆で進む。

422: 2012/10/13(土) 21:58:06 ID:msRX044.
そして…


423: 2012/10/13(土) 22:20:15 ID:zqKor/.w
大きな扉が開かれた。

その先は見えない。

ソラール「この先がグウィン王の間か?」

まどか「そうみたい」

ソラール「本当に、来たい者だけで良いぞ?」

ラレン「はぁ?とっとと行くぞ?」

ニート「戻るのも面倒だしな…」

皆が進んで行く…

ソラール「何が起きるか解らん。火を継げん者は来るなよ?」

マミ「じゃあ、行ってくるわね?アケミさん」

ほむら「え、えぇ…」

さやか「そっか、ほむらは不氏人じゃ無いんだっけ…」

キョウコ「え!?…まじ?」

ほむら「そうよ…だから火とやらは継げないわ」

424: 2012/10/13(土) 22:20:55 ID:UuHp61ew
そうだ…

私は不氏人ですらない…

結局、私は部外者なんだ…


425: 2012/10/13(土) 22:38:44 ID:EzJimdu2
ニート「…また後でな、ほむら」スタスタ

残りは三人。

ソラール「じゃあ、行ってくる。待っていてくれよ?」

ほむら「信じてるわ」

まどか「必ず、必ず成功しますから…」

ソラール「ウワッハッハ!…ではな、ほむら…」

ほむら「えぇ」

私はここで皆の無事を…



ソラール「…まどかも、な」



まどか「はい…お願いします…」

…え?


え?

426: 2012/10/13(土) 22:54:12 ID:PzJ8t2hs
…扉が閉まる。

私とまどかを残して…

ほむら「ま、どか?」

まどか「ほむらちゃん…」

火を継がない?

違う…まどかはそんな選択をしない…

だったら…継げない…

まどか「私ね、ほむらちゃんに出会えて良かった」

まどか「私だけだったら、何も出来なかったから…」ティヒヒ

ほむら「…」

まどか「本当に幸運だったの…まるで魔法みたいに…ほむらちゃんが突然現れた…」

427: 2012/10/13(土) 23:07:30 ID:zqKor/.w
まどか「…」

まどか「ねぇ、聞いてくれる?」

不意に思い出したのは…

たくさんの違和感。

まどか「今さらだけど、聞いてほしいんだ…」ティヒヒ

悲しいまどかの笑顔。

この世界のルール。

私は気付いてた…ただ…

…考えないようにしてただけだ。

432: 2012/10/14(日) 19:43:26 ID:I3.sLrTM
……


※昔、祭祀場に篝火さえ無かった頃※

まどか「ここが…ロードラン…」

まどか「パパ…ママ…」グス

まどか「…」

まどか「ダメダメ…強くなるって決めたんだから!」フルフル

まどか「そうだ!」

この近くにサインを書いて…


433: 2012/10/14(日) 19:46:05 ID:ATBPeHNQ
まどか「出来た!」

まどか「これで私を知ってる人が来たら、反応するはず…」

まどか「誰かが触れてくれます様に…」

それで二人でいれば寂しくないよね…


434: 2012/10/14(日) 19:55:02 ID:EMsPFk76
まどか「バーニス騎士団の方でしたか…ありがとうございます!」

まどか「うぇひひ…私、ドジだから…」

まどか「…え?」

まどか「一緒に…?」

彼は無口で、無愛想で、優しくて…


435: 2012/10/14(日) 20:04:24 ID:TksJC9FI
まどか「ごめんなさい…ここからは一人で…」

まどか「もう、私は巡礼を続けられない…」

まどか「ここの亡者達の救いに…」

まどか「ごめんなさい…ごめんね…」

これ以上、貴方の傷を見たくない…


436: 2012/10/14(日) 20:13:20 ID:EMsPFk76
まどか「痛い…痛いなぁ…」ティヒヒ

まどか「もう、顔も面影無いよね…」

まどか「…?…誰?」

まどか「あ…どうして?」

まどか「…また…守って、くれるの?」

どうしよう…嬉しいや…


437: 2012/10/14(日) 20:21:54 ID:oLborS0o
まどか「相変わらず喋らないね…」

まどか「ん?」

まどか「わわ!…フード取らないで!私…」

…ワシャワシャ

まどか「…」

まどか「…てぃひひ」

ありがとう…ありがとう…


438: 2012/10/14(日) 20:31:07 ID:IP9xMLX2
まどか「…」

ねぇ…

まどか「…」

聞こえてる?

まどか「…」

もう、守らなくて良いよ?

もう、私は…

……

439: 2012/10/14(日) 20:32:14 ID:IP9xMLX2
『?…見間違いかしら?』

……

440: 2012/10/14(日) 20:42:57 ID:JTl84qrs
※最初の火の炉※

私は役目を終えていた。

終えていたと思っていた。

まどか「私が不氏人だった頃、同行者が欲しくて祭祀場にサインを書いたの…」

私を知っている人が現れたら、いつだって協力して…

まどか「でもね、誰も現れなかった」

何年も、何年も…

まどか「その内、この世界を歩いて…私の力では巡礼を終えることが出来ないと解ったの…」

まどか「だからね?私は不氏人を辞めた…」

少しでも呪われた人々の救いになれたら…

ほむら「まどかは、火防女…だったのね…」

441: 2012/10/14(日) 20:54:40 ID:IP9xMLX2
まどか「ねぇほむらちゃん、人間性って何だか知ってる?」

ほむら「見えないものは…理解なんて…」

まどか「人間性はね、具現化した精霊…人間性一つ一つが生きてるの…」

まどか「でも、皆深く考えずに使っちゃう」ティヒヒ

まどか「使われた後…姿を失った精霊が氏ぬことは無いんだ…」

まどか「精霊は消えずにさ迷うの…そして、近くの火防女に宿る…」

まどか「人間性として形作る為に、火防女の心と体を食い潰す…」

まどか「そして、群がる精霊の尽くが人間性に変わった頃…生きる術を無くした火防女は役目を終えて、その思念は消えることの無い篝火になる」

ほむら「そんな…」

まどか「私はね?ほむらちゃんがロードランを訪れた時、既に役目を終えていたんだ…」

骨と皮だけが祭壇に祀られて…

それで良いと思ってた。

442: 2012/10/14(日) 21:07:30 ID:WcmuS4hc
まどか「でもね?…ほむらちゃんがサインに触れた…」

幸運だったのは、最後まで私に同行してくれた彼が居たこと。

意思を失ってなお、私の魂を守り抜いてくれた。

まどか「本来はソウル体で召喚されるはずの体。でも肉体を失って魂だけの私には奇妙な現象が起きたの…」

ほむら「その姿…?」

まどか「うん、生きていた頃の体…」

ほむら「じゃあ…まどかは…」

まどか「てぃひひ、何故か召喚されたのは自分の遺体の前だったけど…」

それから、ほむらちゃんを待って…

まどか「すぐにわかったよ。あ、この人だって…それにほむらちゃん、私の名前呼ぶんだもん」ティヒヒ

びっくりしちゃった…

まさか知らない人だと思わないから。

443: 2012/10/14(日) 21:22:59 ID:FrS9WOFg
まどか「マミさんに話した異世界の話しも…冗談混じりだったけど、私も嘘だと思わなかった…」

ほむら「…」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

まどか「異世界の私は…どんなだったの?」

ほむら「…」ポロ

まどか「…」

まどか「そっか…ごめんね…きっと私と同じで沢山迷惑をかけたんだね…」

ほむら「そんな事…ない…」ポロポロ

それから…

クラーグさんの姉妹にあって…

まどか「クラーグさんの妹は、耐性が無くて姿すら保てない不氏人の呪いを肩代わりしていたの…」

それなのに…

クラーグさんは妹の為に人間性を貪欲に求めて…

彼女はそんな姉への罪悪感に押し潰されていた…

悲しい、連鎖だった。

444: 2012/10/14(日) 21:40:31 ID:EMsPFk76
ほむら「…何で…」ポロポロ

まどか「フラムトさんに私では火は継げないと教えられて…当然だよね…」ティヒヒ

ソラールさんに、アノール・ロンドで話して…

火を継いでもらう為に。

ほむらちゃんには、言わないでって…

だって、ほら…

泣いちゃうんだもん…

ほむら「ごめ…なさ…」ポロポロ

てぃひひ、優しいなぁほむらちゃんは…

ほむら「じゃあ…」

ほむら「じゃあ、貴女はどう…なるの…」

まどか「成功したら、役目を果たしたら…私は眠るの…今度こそ、本当に…」

445: 2012/10/14(日) 21:54:58 ID:JTl84qrs
ほむら「そんな…これから、平和に…これから…」

まどか「そうだよ、だからもう良いの…」ティヒヒ

ほむら「…まどかが望んだ世界になるんじゃないの?…まだ皆とだって…ヒック…」

ほむら「…」

ほむら「どうして…なんで…」

まどか「もう、良いんだ…私は本当は何も出来なかった…何も出来ずに氏んでいったの」

火防女になっても…

私が救えたのは一握り…

まどか「でもね?…ほむらちゃんがチャンスをくれたの…だからこれは存在しない時間…」

ほむら「…ヒック…グス…」ポロポロ

泣かないで欲しいなぁ…

私まで泣いちゃいそうだよ…

446: 2012/10/14(日) 22:07:36 ID:7ysBgIJY
まどか「ねぇほむらちゃん、お願い聞いてくれる?」

ほむら「…え?」グス

まどか「最後はほむらちゃんの笑顔…見ておきたいんだ」ニコ

ほむらちゃん…ソラールさん…そして彼も…きっと偶然じゃ無いんだよね?

こんなにも人の意思に溢れた奇跡なら…

成功しない理由なんて、きっと無いから…

ほむら「…ヒック…」

もうすぐ私は役目を終えるはずだから…

まどか「駄目、かな?」

ほむら「グス…ヒック…」グシグシ

必氏に笑顔を作るほむらちゃん…

てぃひひ。

本当に私には勿体ない友達…

447: 2012/10/14(日) 22:20:52 ID:IP9xMLX2
ほむら「…」スー…ハァ

ほむら「…この世界は…救われるの?」

まどか「きっとね」

ほむら「貴女は、幸せ…だった?」

まどか「うん、最後まで幸せだった…」

まどか「…ほむらちゃんのお陰だよ?」

ほむら「そぅ…」

ほむら「…」

ほむら「ありがとう…楽しかったわ…」

やった…


いつものほむらちゃんだ…

448: 2012/10/14(日) 22:34:26 ID:7ysBgIJY
ほむら「大好きよ、まどか」ニコ



うん…うん…

ほむら「あら、まどかったら…」フフ



私も…大好きだよ…

ほむら「貴女が泣いたら、意味無いじゃない…」

…シュウウ



まどか「てぃひひ…」ポロ




バイバイ…




シュウウゥゥ…

449: 2012/10/14(日) 22:38:01 ID:U2/dAxus
ほむら「…バイバイ、まどか」

カチッ…

サラ…サラサラサラ…

………
……

450: 2012/10/14(日) 22:53:29 ID:IP9xMLX2


※火継ぎの祭祀場※

ソラール「行くのか?」

ほむら「えぇ、砂時計も動いたし…」

ソラール「しかし、本当に異界から来たとはな…」

ほむら「そうよ…幾つもの世界を犠牲にしてきた…」

ソラール「それでも、まだ求めるのだろう?」

ほむら「貴方は旅を続けるの?」

ソラール「あぁ、弱まったとは言え、呪いの影響を調べんとな…」

ほむら「あら、探し物はもう良いの?」

ソラール「見つけたさ、俺の…俺だけの太陽…」

ソラール「形は無いがな…確かに今、俺の中にある」

ほむら「ふふ、あの娘も喜ぶわ…」

451: 2012/10/14(日) 23:02:23 ID:FrS9WOFg
ソラール「ウワッハッハ!もう俺は迷わん!」

ソラール「ほむら!忘れるな!…困ったときは俺のサインを探すといい!」

ソラール「光輝く太陽のサインだ!」

ほむら「えぇ…」

ほむら「貴方の事、忘れないわ」ニコ

ほむら「…ありがとう、ソラール」

カチッ…

キュルルル…


452: 2012/10/14(日) 23:02:59 ID:wI/vEjfU
ソラール「ありがとう、か…」

ソラール「礼を言うべきは俺だがな……お前たち二人に…俺の太陽にな…」

ソラール「いや?…ほむらは月明かりの方が似合いそうだ…ふむ」

ソラール「…まぁ月も讃えればすむことか!ウワッハッハッハ!」

………
……

453: 2012/10/14(日) 23:14:15 ID:tFO7aubg


キーンコーンカーンコーン…

まどか「えっと、暁美さん?…お弁当、一緒に食べない?」

ほむら「…」チラ

さやか「…やっほー」フリフリ

ほむら「お邪魔しても良いのかしら?」

まどか「勿論だよ!」ティヒヒ

仁美「あら、暁美さんはパンですのね?」

さやか「栄養偏るぞー」ヒヒヒ

ほむら「ほむらで良いわ…パンも良いものよ?」ガサガサ…チャリン

ほむら「あ」

コロコロ…ヒョイ

454: 2012/10/14(日) 23:27:33 ID:U2/dAxus
まどか「はい、落としたよ?…ほ、ほむら…ちゃん…」///

ほむら「ありがとう、鹿目さん」

まどか「それは外国のお金?」

ほむら「違うわ。大切な御守りなの」

仁美「初めて見ますわね…」

まどか「てぃひひ、綺麗なコインだね!…あ、あと…その…私もまどかで良いよ?」

ほむら「解ったわ。ありがとう、まどか」ニコ

まどか「うぇひひ」///

さやか「あーヤバイ、何かほむらにまどか取られそうだわ…」

まどか「うぇぇ!?何言ってるのさやかちゃん!」

455: 2012/10/14(日) 23:34:42 ID:xbKppgwE
仁美「ふふふ…あら?…変わった水筒ですのね?」

まどか「わ、本当だ…綺麗な色」

さやか「へぇー…硝子とは違うみたいだね…」



ほむら「えぇ…これはね…」








終わり

457: 2012/10/14(日) 23:37:22 ID:xbKppgwE
終わりです

最後まで読んでくれた、方ありがとうございました

おやすみなさい

456: 2012/10/14(日) 23:36:44 ID:d8SBpaN2
あっさりした終わり方だけど不思議な雰囲気で面白かった

458: 2012/10/14(日) 23:37:40 ID:nPz26Tv6
タイトルのセリフにつながると


462: 2012/10/14(日) 23:51:13 ID:DhAd197g


まどマギの方しか知らんかったけど、面白かった

引用: ほむら「エスト瓶よ」