1: 2013/11/24(日) 22:05:29.32 ID:9jx/xeBR0
・モバマスのSSです

・若干ホラー要素有

・拙い文章力故に更新が遅くなるかもしれませんが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

・登場人物等のリクエストは随時募集しております。



2: 2013/11/24(日) 22:07:37.57 ID:9jx/xeBR0
モバP「……すいません、電話出てもいいですか?」

凛「別に私に聞かなくてもいいんじゃない?」

モバP「失礼。はい、モバPです」ピッ

凛(私こと、『渋谷凛』は現役アイドル。この人にプロデュースされてアイドルになった)

凛(苦労はあるけど、毎日充実はしている。友人も増えたし、知らなかった世界に触れることもできた)

凛(アイドルになって良かったとは思っている)チラッ

モバP「…っ、……」デンワチュウ

凛(私のプロデューサーは不思議な人だ。優しく、物腰も丁重、礼儀正しいのに固い感じがしない)

凛(顔も悪くは無い、身体つきもいい。何より安心できる匂いがする)クンクン

凛(敬語だけは何回言っても止めてくれないけど)

凛(ただ、少しだけ変わっている。なんか、予知能力のようなものがある。そうとしか思えない)

3: 2013/11/24(日) 22:08:50.02 ID:9jx/xeBR0
~回想中~

モバP「今日の営業先は徒歩の方が近いので歩いていきましょう」

凛「天気も良いし、別にいいけど」

モバP「たまにはいいでしょう」テクテク

凛「まあ、悪くは無いかな」テクテク

モバP「………危ないっ!」

凛(なんでスーツケース振り被ってるの?)

凛(殴った!?あのプロデューサーが人を!?)

凛(え!?なんで!?)

「え、何?」
「喧嘩か?」
「おい、今あの人がスーツケースで誰か殴り飛ばさなかったか?」

4: 2013/11/24(日) 22:10:06.53 ID:9jx/xeBR0

「おい、ちょっと待て、なんでアイツ包丁持ってるんだ?」

「誰か警察呼べ!」
「あの包丁野郎目がヤバい」

凛(プロデューサー、何しているの?訳が分からないよ?)

凛(その後、警察が来てプロデューサーさんも同行、私は一旦事務所に戻ってちひろさんと待機。慌てて、社長が出て行った)

凛(両親が迎えに来てくれて、訳が分からないまま家に帰った)

凛(ニュースを見たら昼間のことがやっていた。薬物中毒者が幻覚を見て路上で包丁を振り回そうとしたところ、通りすがりの男性がスーツケースで包丁叩き落し、取り押さえた)

凛(過去にも薬物関係で問題を起こした人だったらしい)

凛(刺されそうになった女子高生はしばらく前からストーカー被害を受けていて、警察にも連絡済み)

凛(でも、プロデューサーは相手が包丁を取り出す前にスーツケースを振り被っていた。まるで、相手が包丁を取り出すのを待っていたみたいに)

5: 2013/11/24(日) 22:10:58.39 ID:9jx/xeBR0
凛(ちなみに、その時に助けられた女子高生が奈緒)

凛(別にアイドルとか興味無いからな!助けられた恩返しだからな!とか言ってるけど、どう見ても恋する女の子)

凛(スカウトじゃなくて、直接事務所に来て、応募してる時点でバレバレ。ツンデレに成りきれないツンデレって需要あるのかな?)

~回想終了~


6: 2013/11/24(日) 22:11:49.92 ID:9jx/xeBR0

モバP「すいません、少しだけ寄り道してもいいですか?」

凛「いいけど、どこに?」

モバP「実家です」

凛「え?実家?」

モバP「ちょっと取に行きたい物があって」

凛「ふーん、プロデューサーの実家って確かアンティークショップだよね?」

モバP「よく覚えてたね」

凛「ふふ、結構人の事はちゃんと覚えてるよ」

凛(動揺すると口調が変わるんだよね。昔から)

凛(プロデューサーの両親ってどんな人なんだろう?)

モバp「…ただいま、母さん」

「おかえりなさい」

モバP「担当の子も一緒なんだけど」

「早く連れてきなさい」

凛「失礼し……ま…す?」


7: 2013/11/24(日) 22:13:50.01 ID:9jx/xeBR0

凛(え、ちょっ、何?さすがにこれは無いよ!?)

高峯のあ「いらっしゃい」

凛(若っ!若すぎるよ!どう見ても20代の息子がいる外見じゃないよ!)

高峯のあ「ここは普通ではない、不思議なアンティークを売っているお店」

高峯のあ「使用者次第では益にも、害にもなる」

高峯のあ「さて、渋谷凛。あなたは何をお望みかしら?」

モバP「いい年して止めてくれ。見てるこっちが恥ずかしいんだけど」

高峯のあ「別にいいじゃない。たまには」プクー

モバP「頼むから年齢考えてくれ」

凛(カワイイ)

高峯のあ「さぁて、あなたに相応しいアンティークは何かしら?」





19: 2013/11/25(月) 00:38:17.94 ID:/ORTn2hC0

高峯のあ「これはどうかしら?」

凛(凄い綺麗なピアス)

モバP「…これって確か小梅の友達の」

高峯のあ「お友達が増えるわ」

モバP「止めろ。さすがにシャレにならない」

凛(大丈夫なのかな?このお店)

高峯のあ「なら、これは?」

凛(手掘りの木箱とダイヤル?)

モバP「まだあったんだ、ソレ」

高峯のあ「あなたの初期の作品。あなたの最初のアイドルにふさわしいのではなくて」

モバP「…確かにね。分かった。貰って帰るよ」

高峯のあ「おみやげ、期待してるわ」ニヤリ

20: 2013/11/25(月) 00:39:24.49 ID:/ORTn2hC0

モバP「高い買い物だな」

高峯のあ「当然、甘えるなと教えたはずよ」フフン

凛(よく分からないけど、カワイイお母さんだ)ワカイ

モバP「それじゃあ、渋谷さん」

モバP「いつもありがとうございます」スッ

凛「…これくれるの?」

モバP「昔、僕が作ったモノですけどね」

凛「へえ、これはダイヤルロック付きの箱?」

凛(箱に掘り込んであるひまわりとか本当に再現力とか高い。綺麗)

モバP「タイムカプセルかな?」

凛「ごめんなさい。ちょっと分からないや」

モバP「秒、分、時間、日付、年のダイヤルを設定してこの窪みを押す」

凛(ああ、時間指定でロックが解除されるんだ)

モバP「すると箱が消えます」シュンッ

凛「なんで!?」


21: 2013/11/25(月) 00:43:10.44 ID:/ORTn2hC0
モバP「10秒に設定しておいたので10秒後に手元に戻ってきます」シュンッ

凛「ど、どういう仕掛け」アセアセ

モバP「割とシンプルなトリックですよ」

凛「…何に使うの?」

モバP「タイムカプセルとか。渋谷さんも事務所内で仲の良い人が増えましたし、何か入れてみたらどうですか?」

凛「ま、まあ折角貰えるんだし、貰っておこうかな。ありがとう、プロデューサー」

凛(プロデューサー器用なんだなぁ。この一言で納得してしまう自分も毒されてるなぁ)トオイメ

モバP「あと、それなんでも入るんで注意してくださいね」

凛「なんでも?」

モバP「なんでも」

22: 2013/11/25(月) 00:45:07.55 ID:/ORTn2hC0
凛「た、たとえば?」

高峯のあ「うふふふ、例えば『モバPの財布』とか」シュンッ

モバP「あっ!?」

凛「…え?箱の中に財布が入ってる」スポッ

モバP「今のは悪い使用例です」

凛「…うん。そうだね」

モバP「ライブの写真とかが無難でしょう」

凛「うん。そうだね」

モバP「あ、あのー、渋谷さんなんですか、その肉食獣みたいな笑みは?」


24: 2013/11/25(月) 00:56:07.24 ID:/ORTn2hC0
凛「プロデューサーに私がいつも言っていることってなんだっけ?」

モバP「敬語を止めて普通に接しろと」

凛「なんでかな?」

モバP「それはアイドルとプロデューサーの適切な距離感を保つために」

高峯のあ「面白みに欠けるわね」

モバP「いったいどうしろと?」

高峯のあ「いつだって観客は修羅場を望んているわ」

モバP「おい、母親」

凛「全然、自分の事話してくれないし」

モバP「ここ実家なんですが」


25: 2013/11/25(月) 01:07:55.51 ID:/ORTn2hC0
凛「ふーん、そうなんだ」ニコニコ

高峯のあ「プライベートのモノがたくさんあるわね、日記帳とか」

モバP「ちょっと待てコラ」

凛「皆気にしてたよ。プロデューサーに助けてもらってばかりなのに、何も個人的に恩返しできないって」

凛(ツンデレの眉毛が可愛い子とかね)

モバP「仕事上の関係ですので、そういうのはちょっと」

高峯のあ「女の心を弄ぶような子供を育ててしまったわ」シクシク

凛「酷いよ、プロデューサー」

凛(ノリいいなぁ)

モバP「渋谷さん。止めましょう。お願いしますマジで」

高峯のあ「箱に入りなさい『モバPが一番アイドルに見せたくないもの』全部」

モバP「母さん!?」

凛「来たっ」シュンッ

27: 2013/11/25(月) 01:30:23.27 ID:/ORTn2hC0
モバP「待て、待て、流石にソレは不味い!」

凛「アルバム?」

高峯のあ「あら、まだ写真撮ってたのね」

モバP「か、金縛り?頼むから放してくれ!小梅と映画見なかったことは謝るから!」


XXXX年Y月U日『初担当』
渋谷凛さん

『プロデューサーとしての新人研修が終わり、初めて担当を持つことになった。
感謝を口にするのが苦手らしいが、芯が強く、優しい新人アイドルだ。
花屋の娘である彼女が精一杯、自分を伸ばせるよう、まずはてきることを』

凛「……へえ」

モバP「そこまでにしてください」

高峯のあ「次行きましょうか」

モバP「…」


XXXX年Z月R日
雑誌の切り抜き

『アイドル渋谷凛としての初仕事、雑誌のモデル。写真の写り映えは悪くないと思うが、やはり渋谷凛の最大の魅力は人を惹きつける動作にあり、個人的にはこの写真では十分伝わらないと思う』

『渋谷さんのご両親と面談。やはり、大学進学はして欲しいとのこと、将来のため給与の一部を学費のために積み立てることを決定。どのような道に進むにしろ、きっと魅力的な女性になるのだろう』

凛「…あぅ」

モバP「やめてください。しんでしまいます」

高峯のあ「恥ずかしいわね」

28: 2013/11/25(月) 01:40:03.89 ID:/ORTn2hC0
XXXY年S月I日
『初のソロライブ』

『緊張のため手足が震えていたが、一度始まるとプロの顔』
『自分を含め、完全に呑まれていた』
『ディレクターが天才と呼んでいたが、そんな安い言葉は好きではない』


追記:性的な目で見ている連中には制裁を加えておいた。
   今後は渋谷さんの安全も十分に配慮しなければ

高峯のあ「それであの時アレを取りに来たのね」

モバP「そうだけど」

高峯のあ「ツンデレ乙」ビシ

モバP「歳考えろ」

凛(何歳なんだろう?)

モバP「…頼むからもう止めてくれ、さすがに怒るぞ」

凛「分かった。止める」

29: 2013/11/25(月) 01:55:47.59 ID:/ORTn2hC0
高峯のあ「その代わり」ニヤ

凛「一つだけ条件があるよ」ニヤニヤ

モバP「…なんだ?」

~数日後~

モバP「凛!撮影現場行くぞ!」

凛「ちょっと待って鞄持ってくるから」

奈緒(なんで凛だけ敬語じゃないんだよ)イライラ

加蓮(ヤキモチ奈緒カワイイ)

まゆ「うふふふっ、駄目ですよぉ。一人だけ特別扱いなんてしたら」

凛「大丈夫。皆の誕生日ちゃんと届くようにしておいたから」

凛(プロデューサーの恥ずかしい本音がね)

30: 2013/11/25(月) 01:56:20.60 ID:/ORTn2hC0
高峯のあ「なんでも入るってことは、なんでも入れられると同意義」

高峯のあ「例えば、好きなヒトのココロ」

高峯のあ「例えば、嫌いな人」

高峯のあ「例えば、隠しておきたい秘密」

高峯のあ「例えば、心臓だけ抜き取って箱に入れるとか」

高峯のあ「臭いものに蓋をすることができる不思議な箱」

高峯のあ「あの箱を手にしたのが『渋谷凛』でなければナニを入れていたのかしら?」

第一話 何でも入る箱 ~終~

サア ナニヲ イレヨウカナア




31: 2013/11/25(月) 01:57:28.83 ID:/ORTn2hC0
お目汚し大変失礼致しました。

需要があれば若干ホラー要素を濃いめに続けたいと思っております。

32: 2013/11/25(月) 02:04:19.10 ID:ULV69yaio
なかなか面白いし、興味深い。
若林さんを、ぜひ出して欲しい!

33: 2013/11/25(月) 02:05:15.62 ID:PCOqeTyqo
面白い
期待してまつ


引用: 渋谷凛『不思議なお店?』