313: 2014/01/05(日) 15:18:25.77 ID:3EsdsSZ20
最初から:渋谷凛『不思議なお店?』
前回:【モバマス】渋谷凛『不思議なお店?』第五話「ループ」
千川ちひろ「好きな人と結婚できる権利と親友の未来、どっちを選びますか?」
千川ちひろ「恋愛運が上がる指輪とライバルを不幸にする腕輪、どっちを選びますか?」
千川ちひろ「金銭次第では、たいていの願いがかなうこの世の中」
千川ちひろ「ねえ、奈緒ちゃんはどうする?私と契約しませんか?」
神谷奈緒「どうするって、どうもしなけど?」
千川ちひろ「本当に?」
神谷奈緒「する理由ないじゃん」
千川ちひろ「奈緒ちゃんを襲ったストーカー兼通り魔」
神谷奈緒「…っ」ピクッ
千川ちひろ「いつかは出てきちゃいますよね」
神谷奈緒「そ、そうだけど」
千川ちひろ「モバPさんが傍にいれば守ってくれるでしょうね」
神谷奈緒「う、うん」
千川ちひろ「でも、いつも傍にいてくれるとは限らない」
千川ちひろ「アイドルと小梅ちゃんなら小梅ちゃんの身の安全を優先するでしょうし」
神谷奈緒「それは……」
千川ちひろ「たぶん、今、一番のお気に入りは周子ちゃんでしょうしねぇ」
神谷奈緒「知ってる」
千川ちひろ「ねえ、奈緒ちゃん。私と契約しませんか?」
千川ちひろ「ちゃーんと、守ってあげます」
千川ちひろ「モバPさんと一緒にもいれるようにしてあげます」
神谷奈緒「……」
『アナタ ナラ ケイヤク シマスカ?』
不思議なお店 第六話 『契約』
323: 2014/01/19(日) 22:56:39.85 ID:ZhMCqEyX0
神谷奈緒(何年か前の話、あたしは変質者にストーカーされたことがある)
奈緒(まあ、ストーカーする奴なんて変質者しかいないんだけど)
奈緒(警察にも相談したけど、あまり効果は無かった)
奈緒(んで、刺されそうになって)
奈緒(Pさんに助けられて、何故かアイドルになった)
奈緒(正直な話、最初はアイドルになるつもりはなかった)
奈緒(ただ、お礼を言いたかった)
奈緒(なのにいつの間にか、アイドルやってる)
奈緒(恩を返すことは、最初はあんまり考えてなかった)
奈緒(あまり、人前で話すのは得意な方ではないし)
奈緒(でも、まだ、アイドルを続けている)
奈緒(別にアイドル活動が嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ)
奈緒(凛や加蓮とも仲良くやっている)
奈緒(…ただ、不安になる)
奈緒(次、あんなことがあったらどうしよう)
324: 2014/01/19(日) 22:59:07.53 ID:ZhMCqEyX0
奈緒(あたしはメンタルが弱い方だ)
奈緒(ライブとかではあまり緊張しない)
奈緒(凛と加蓮がいるから)
奈緒(一人の夜とか、雨の日に不安になる)
奈緒(ちひろさんに『契約書』を貰った)
奈緒(コレに署名して、印鑑を押せば…)
奈緒(あたしの身の安全が保障される)
奈緒(胡散臭い)
奈緒(物凄く怪しい)
奈緒(でも、気になる)
奈緒(別にアニメとか、漫画とかでもない限り、ピンチの時に颯爽と助けてくれるヒーローはいない)
奈緒(あのストーカーがまた、狙ってきたら)
奈緒(今度は助からないかもしれない)
325: 2014/01/19(日) 23:04:41.13 ID:ZhMCqEyX0
奈緒(たまたま、運良く、Pさんに助けて貰えた)
奈緒(たまたま、友人に恵まれ、両親は理解のある人達だった)
奈緒(茄子さんでもない限り、運は連続したりしない)
奈緒(これから、あたしはどうなるんだろう)
奈緒(どう生きるんだろう)
奈緒(なんか、不安だ)
奈緒(この契約書にサインすればいい。それだけ)
奈緒(嘘くさい)
奈緒(コレは良くないものだ)
奈緒(…悪魔の誘惑ってこんな感じ?)
奈緒(あたしは顔に出やすい)
奈緒(直ぐに赤面するし、語尾がどもる)
奈緒(小学校の頃は、よくいじられた)
奈緒(この不安な感じも全部顔に出ているのかな)
奈緒(もう寝よう。明日決めよう)
326: 2014/01/19(日) 23:10:24.99 ID:ZhMCqEyX0
ちひろ「こんばんは、奈緒ちゃん」
奈緒「…は?」
ちひろ「駄目でしょ、アイドルがそんなに口を開けちゃ」
奈緒「ちひろさん」
ちひろ「はい♪気の利く事務員さんですよ~」
奈緒「ここ、あたしの部屋」
ちひろ「違いますよ」
奈緒「……いやいや、何言って」
奈緒(あたしの部屋じゃない)
奈緒(ここどこだ?)
ちひろ「プロデューサーさんのご実家です」
奈緒「はい?」
ちひろ「正確にはプロデューサーさんのご実家の店舗部分のカウンターの後ろです」
奈緒「な、なんであたしはここに?」
奈緒(…何かおかしい)
327: 2014/01/19(日) 23:24:57.87 ID:ZhMCqEyX0
ちひろ「ここの窓からリビングが見えますよ」
奈緒(あの人が凛の言ってた若すぎるお母さんか)
奈緒(外見若っ!って、違う!今はそんな場合じゃない!)
奈緒(OK。あたしはさっきまで自分の部屋にいた)
奈緒(なのにいつの間にかPさんの実家らしき場所にいる)
ちひろ「奈緒ちゃん」
奈緒(…なんだこの状況)
ちひろ「コトリバコって知ってますか?」
奈緒(コトリバコ?どっかで聞いたような気がする)
329: 2014/01/19(日) 23:37:10.61 ID:ZhMCqEyX0
ちひろ「コトリバコのことは、呪われた箱って思ってください」
奈緒「……」
ちひろ「その契約書にサインすると、コトリバコが自動的に奈緒ちゃんに危害を加える可能性がある人間に送られます」
奈緒「…あのストーカーにも?」
ちひろ「もちろん最優先で」
ちひろ「それで終わりです」
ちひろ「もう二度と奈緒ちゃんが脅かされることはありません」
ちひろ「ただし」
奈緒「ただし?」
ちひろ「奈緒ちゃんがコトリバコの所有者になります」
332: 2014/01/19(日) 23:50:15.97 ID:ZhMCqEyX0
奈緒「ちょっと待って、呪われてる箱って相当危険なんじゃ」
ちひろ「もちろん、危ないですよ」
奈緒(デスノートみたいなもの?)
ちひろ「リスク以上のメリットはあります」
奈緒「……」
奈緒(話だけ聞く。もし、凛と加蓮も同じ話をもちかけられていたら止めないと)
ちひろ「コトリバコは危険ですが、取り扱いに注意すれば比較的安全です」
ちひろ「もし、このナカミを味方にできれば、ほぼできないことはないでしょう」
ちひろ「トップアイドルになることも、プロデューサーさんを独占することも」
ちひろ「全て実現可能です」
333: 2014/01/20(月) 00:02:21.48 ID:mmwuZVh70
奈緒「…嘘だ」
ちひろ「はい。嘘です。本来ならば」
奈緒「……」
ちひろ「この箱は爆弾のようなものです。傍にあるだけで脅威となり、害を放つ」
ちひろ「武器として元々作られたものですから」
ちひろ「保管方法も決まっていて、先祖代々受け継がないといけません」
ちひろ「燃やしたり、壊したりできません。ナカミが万が一溢れるかもしれないので」
ちひろ「ここで私の腕の見せ所」
ちひろ「コトリバコの呪いに方向性を持たせます」
奈緒「対象を限定するってこと?」
ちひろ「さすがに理解が早いですね。そう、無差別な呪いに方向性を持たせて、対象を限定する」
ちひろ「今回の対象は『神谷奈緒に危害を加える者』です」
334: 2014/01/20(月) 00:10:07.01 ID:mmwuZVh70
ちひろ「しかも、自動的に手元に送りつけられる追尾機能つきです」
奈緒「絶対に契約しない」
ちひろ「本当に?」
ちひろ「邪魔な相手は自動退場になりますよ。絶対的な効果と安全をお約束します」
奈緒「いらない」
ちひろ「今度は攫われて、ひどい目にあうかもしれませんよ」
奈緒「…そうかもしれない。でも、さすがにその箱はいらない」
ちひろ「じゃあ、止めましょう」
奈緒「あれ?」
ちひろ「いらないんですよね?」
奈緒「そうなんだけど、意外とあっさりしているなと」
ちひろ「無理強いはよくないですから」
335: 2014/01/20(月) 00:26:41.42 ID:mmwuZVh70
ちひろ「では、こちらを」
奈緒「卵?」
ちひろ「即ボテ出産ナノマシンというものらしいです」
奈緒「ん?」
ちひろ「飲み込むと即座に既成事実が作れます」
奈緒「い、いらない」カオマッカ
ちひろ「かわいいですね。まあ、これは冗談ですけど」
奈緒「…」ホッ
ちひろ「ムッツリですね」
ちひろ「まあ、いいでしょう」
336: 2014/01/20(月) 00:42:01.16 ID:mmwuZVh70
ちひろ「本命はこちらです」
奈緒「電子手帳?」
ちひろ「スケジュール帳ですよ。奈緒ちゃんの人生のスケジュールが詰まっています」
奈緒「レッスンとか、仕事とかだけじゃなくて?」
ちひろ「これから先、どのような過程を歩み、終わりを迎えるのか。書いてあります」
ちひろ「あくまでスケジュールですから、ある程度は書き換えることができます」
ちひろ「有効な範囲内で」
ちひろ「これがあれば、いつ危険な状況に陥るか分かります」
ちひろ「事前に確認できますしね」
ちひろ「私と契約しましょう。これで奈緒ちゃんは『先を知らない不安』から自由になれます」
奈緒「……」
348: 2014/01/27(月) 02:19:11.85 ID:NS4z8SCy0
奈緒「止めとく」
ちひろ「へえ、なんでですか?」
奈緒「…なんとなく」
ちひろ「こんなチャンスなのに?」
奈緒「強いて言えば、ちひろさんだからかな?」
ちひろ「酷い理由ですね」
奈緒「え、えっと、信用してないとかそういう意味じゃなくて」
奈緒「ある意味信用してるんだけど」
ちひろ「どうぞ」
奈緒「なんか、こう簡単に楽させてくれない気がする」
奈緒「だって、なんだかんだ言ってちひろさんはアイドルに優しいから」
奈緒「近道なんてさせてくれない気がする」
奈緒(まあ、モバPさんからは笑顔でお金毟り取ってるけど)
349: 2014/01/27(月) 02:22:32.41 ID:NS4z8SCy0
ちひろ「そうですねぇ」
奈緒「だから、止めとく」
ちひろ「……はい。大正解です」
ちひろ「ちなみに、明日の朝刊かニュースちゃんと見てから事務所来てくださいね」
ちひろ「良い夢を」
奈緒「え?」
奈緒(気が付いたら、あたしは自分の部屋に戻っていた)
奈緒(夢だったのか、現実だったのか、分からないまま悶々とした気分で布団に潜り込んだ)
奈緒(ほとんど寝れなかったけど、布団から出る気にもなれなかった)
奈緒(翌朝、あたしを襲ったストーカーが氏んだことが報道されていた)
奈緒(詳しいことは未だ分からない。喧嘩に巻き込まれたらしい)
奈緒(朝、早くからモバPさんが実家に来てくれた)
350: 2014/01/27(月) 02:37:22.82 ID:NS4z8SCy0
奈緒(なんて思えばいいのか分からなかった)
奈緒(安心したのか、ホッとしたのか、それとも怖かったのか)
奈緒(整理はできなかったけど、モバPさんは黙って傍にいてくれた)
奈緒(普段なら、部屋に入れる前に緊張して、適当な理由を述べて避けてる)
奈緒(ただ、そんな気分にもなれなくてモバPさんと向き合って、黙って座っていた)
奈緒「仕事いいのか?」
モバP「何故か、ちひろさんが代行を用意してくれてたよ」
奈緒「……そっか」
奈緒(昨日のことを言うべきなのかな)
奈緒(もし、ちひろさんが関わっていたら、どうするんだろ?)
360: 2014/02/09(日) 23:37:01.07 ID:nFWpQxCu0
奈緒「……Pさんとちひろさんってただの同僚?」
モバP「就職する前からの知り合いだけど」
奈緒「その、ちひろさんも不思議な道具とか持ってたりする?」
モバP「たぶんね」
奈緒「たぶん?」
モバP「うちの母親の大学時代の後輩らしい。持っていても不思議ではない」
奈緒「…ん?」
奈緒「ちひろさんって、Pさんより年上?」
モバP「ああ」
奈緒「…何歳?」
モバP「さあ?」
362: 2014/02/09(日) 23:37:49.42 ID:nFWpQxCu0
モバP「ちひろさんがどうかした?」
奈緒「昨日、会った。夢だったのかよく分からないけど」
モバP「それで?」
奈緒「なんか契約したらあたしを守ってくれるって言ってた」
奈緒「でも、断った。なんか、怪しかったから」
奈緒「なのに、こうなった」
モバP「…」
奈緒「なあ、Pさん。デスノートみたいな道具ってある?」
モバP「昔、あった」
奈緒「あったってことはもう無い?」
モバP「…もう無い。一つも無い」
363: 2014/02/09(日) 23:38:40.12 ID:nFWpQxCu0
奈緒「コトリバコは?」
モバP「…それ、ちひろさんが言ってた?」
奈緒「うん」
モバP「無いよ。絶対に」
奈緒「なあ、Pさん。本当に無いの?一個も?」
モバP「…ああ」
奈緒「あたしが昨日それを見たって言ったらどうする?」
奈緒「Pさん。もし、そんな道具があったとして、ちひろさんがソレを持っていたら」
奈緒「使うかな、あたしのために」
モバP「…使わないよ。ちひろさんはそんな人じゃない」
奈緒「そうだと思うけどさ」
モバP「そもそも、そんな危険な道具はもう一つもない」
364: 2014/02/09(日) 23:39:50.48 ID:nFWpQxCu0
奈緒「絶対に?」
モバP「絶対だ」
奈緒「本当に?」
モバP「燃やした。一つ残らず全部。僕が。父親が氏んだときに、コトリバコも含めて」
奈緒「え?」
モバP「僕の父親は考古学者で母さんとは道具の鑑定とかで知り合ったらしい」
モバP「収集癖が酷くて、よく母さんに怒られてたよ」
奈緒「…」
モバP「コトリバコも父親が取り寄せたものの一つだった」
モバP「ちょうどその頃、母さんは小梅を妊娠していて入院中」
モバP「僕もそっちに気を取られていて道具のことはあまり気にしていなかった」
モバP「その結果、父親は亡くなった」
モバP「…その後、僕は全国を回って、危ない道具を探しては燃やした」
モバP「特にコトリバコだけは念入りに探して燃やした。呪いもちゃんと手順を踏んで対処した」
モバP「もし、間違っていたなら、僕がここで生きているはずがない」
モバP「だから、もう一つも残ってないよ。賭けてもいい」
奈緒「…わかった。Pさんがそこまで言うなら信じる」
366: 2014/02/09(日) 23:41:16.57 ID:nFWpQxCu0
モバP「ありがとう」ナデナデ
奈緒「…たしが見たのは夢だったのかな?」
モバP「…夢だよ。ただの悪い夢」ナデナデ
モバP「少し寝た方がいい。アイドルがそんな顔じゃファンが嫌がるよ」ナデナデ
奈緒「ねむい」
奈緒(なんか、急に眠くなってきた)
モバP「ゆっくり、おやすみ」ナデナデ
奈緒「ん」
モバP「寝たか」
モバP(寝顔本当に可愛いな)
奈緒「…たしが見たのは夢だったのかな?」
モバP「…夢だよ。ただの悪い夢」ナデナデ
モバP「少し寝た方がいい。アイドルがそんな顔じゃファンが嫌がるよ」ナデナデ
奈緒「ねむい」
奈緒(なんか、急に眠くなってきた)
モバP「ゆっくり、おやすみ」ナデナデ
奈緒「ん」
モバP「寝たか」
モバP(寝顔本当に可愛いな)
367: 2014/02/09(日) 23:42:36.90 ID:nFWpQxCu0
モバP「で、どうだった?」
『チカクノ パパラッチ ハ アラカタ クッタ。 イイユメ ミテルゼ』
モバP「ありがとう。引き続き頼むよ」
『リョウカイ』
モバP「ちひろさんが正直そんなリスク取るとも思えないし」
モバP「そもそも金銭的にメリットが無い」
モバP「なんかあのストーカーの自滅って可能性が一番高い気がする」
のあ「正解よ」
モバP「いきなり背後から出てくるの止めて」
のあ「つまらない反応ね。可愛げの無い」
モバP「ずぅっと母さんの息子やっているからね」
のあ「そう」
368: 2014/02/09(日) 23:43:32.26 ID:nFWpQxCu0
のあ「結末から聞きたい?」
モバP「大体予測はできてるけど」
のあ「人を呪わば穴二つ」
モバP「呪いは失敗した場合」
のあ、モバP「倍になって己に還る」
のあ「そして、あのストーカーが呪ったのは」
モバP「当然、奈緒ちゃんじゃなくて、僕だろうね」
モバP「あの時、奈緒ちゃんを助けたのは僕だから」
のあ「愚か」
モバP「それなりに対策はしてたから」
モバP「それが跳ね返って自滅したと」
のあ「そういうこと」
369: 2014/02/09(日) 23:50:14.07 ID:nFWpQxCu0
モバP「結局、ちひろさんはなんだったのさ?」
のあ「相変わらず」
モバP「今度はどんなお金になる話をもってきたの?」
のあ「本人曰く『夢の中でアイドルとにゃんにゃん♪できる機械』を作ったらしいわ」
モバP「は?」
のあ「にゃんにゃん♪」
モバP「歳考えて」
のあ「にゃんにゃん♪」
モバP「あー、はいはい」
370: 2014/02/09(日) 23:53:47.61 ID:nFWpQxCu0
のあ「まあ、欲しがる輩はいくらでもいそうね」
モバP「もしかして、奈緒ちゃんが昨日見たちひろさんって」
のあ「試運転中だったらしいわ」
のあ「ちなみに、あのストーカーの氏亡は深夜には報道されていた」
モバP「それで、わざとあんな言動を?」
のあ「ちゃんとお仕置きしたわ」
モバP「ならいいけど」
のあ「ちなみに」
モバP「ん?」
のあ「処Oだったわ」
モバP「…何したの?」
のあ「詳しく聞きたいのね。私の息子も所詮ケダモノ」
モバP「おいこら」
371: 2014/02/10(月) 00:01:15.41 ID:Ws+HAoIb0
のあ「ちょっと、にゃんにゃん♪しただけよ」
モバP「気に入ったんだ」
のあ「ちなにみ10万モバコインだったわ」
モバP「…夢とはいえ、アイドルの価値を安く見過ぎてるよ」
のあ「初期契約料が」
モバP「はい?」
のあ「実際に使用するとなると最低70万はいるわ」
モバP「いつものちひろさんで安心したよ」
372: 2014/02/10(月) 00:10:59.85 ID:Ws+HAoIb0
のあ「少し話し合ったのだけど」
モバP「うん」
のあ「何故、一般人よりもお金を持っているアイドルを市場として見れないのか指摘したわ」
モバP「どういうこと?」
のあ「要するに、アイドルに『Pと夢でにゃんにゃん♪する機械』を売ればいいと」
モバP「…何してくれんじゃこの若作り」
のあ「あなたも欲しいわよね」
奈緒「……」
モバP「奈緒ちゃん。いつから起きてた?」
奈緒「ちゃん付けするな」
モバP「ごめん」
モバP(かわいい)
のあ(いじりたい)
『タベタイ』
374: 2014/02/10(月) 00:26:57.88 ID:Ws+HAoIb0
奈緒「あの、Pさん。あたしさ、もう大丈夫だから」
モバP「ならいいけど」ナデナデ
モバP(いつの間にか母親とあの子がいなくなっているのは触れないでおこう)
奈緒「そ、その、Pさん。もう起きるから!膝枕しなくていいから!」
モバP「もう少しだけいいかな?」ナデナデ
奈緒「だ、駄目!」
モバP「お願いします」ナデナデ
奈緒「も、もう少しだけだから」
モバP「髪はやっぱり奈緒ちゃんが一番だね」ナデナデ
奈緒「ちゃん付けするな」
375: 2014/02/10(月) 00:51:01.26 ID:Ws+HAoIb0
奈緒「あ、あのさ、Pさん。あたしさ、えっと」
モバP「うん。聞いてるよ」ナデナデ
奈緒「もうアニメとか、少女マンガとか信じる年じゃないけどさ」
奈緒「Pさんはあたしに何かあったら助けてくれるよな」
モバP「もちろん」ナデナデ
奈緒「そっか」
奈緒「…なら、いいや」
モバP「助けないと思った?」ナデナデ
奈緒「す、少し。最近、周子と仲いいし」ゴロゴロ
モバP「…」ナデナデ
奈緒「少なくとも、Pさんが助けてくれるって、あたしは信じてるから」ゴロゴロ
モバP「大丈夫。ちゃんと約束するよ」ナデナデ
奈緒「ん」
加蓮「へぇ、人が心配して見に来れば」
凛「奈緒も隅に置けないね」
まゆ「うふふふ、そうですねぇ」
周子「あはっ、なぁにやってるのかな?」
小梅「…お、お兄ちゃん?」
376: 2014/02/10(月) 01:34:37.41 ID:Ws+HAoIb0
奈緒「Pさん。あたし信じてるからな」
モバP「あははは、そんないい笑顔で言われてもね」ナデナデ
モバP「むーりぃー」
モバP「まあ、しょうがないか」
モバP「理不尽なことは起こるけど、それに耐え抜くしかないからさ」ナデナデ
奈緒「…たまにいいこともあるけど」
モバP「そういうことを大事にしないとね」
奈緒「うん」
小梅「わ、悪い夢見せてあげる」
モバP「軽めで頼む」ナデナデ
小梅「だ、大丈夫」
小梅「オヤスミ」
奈緒(その後、あたしは夢を見た)
奈緒(少女マンガみたいな展開の夢)
奈緒(ピンチに陥ったあたしを助けに来てくれるPさん)
奈緒(結局、恋人にも家族にもなれなかったけど)
奈緒(近過ぎず、遠過ぎず。誰よりも、気軽に話せて)
奈緒(不器用で、素直じゃないあたしも気軽に話せる)
奈緒(何かあったら、助けてくれる)
奈緒(そんな、あたしとPさんの関係)
奈緒(今までと変わらない)
奈緒(そんな日々がずっと続く夢を見た)
奈緒(なあ、Pさん。あたしをアイドルにするって約束したんだから)
奈緒(ちゃんと、最後まで、アイドルとプロデューサーの契約通りに)
奈緒(傍に居てね)
奈緒(そんな優しい夢を見た)
377: 2014/02/10(月) 01:36:09.03 ID:Ws+HAoIb0
第六話『契約』は以上で終了となります。
次回の第七話が最終話となります。
ここまで読んでくださった方々に心からお礼を申し上げます。
次回の第七話が最終話となります。
ここまで読んでくださった方々に心からお礼を申し上げます。
378: 2014/02/10(月) 12:09:27.75 ID:e4Ksktlso
更新来てたのか、次も期待
379: 2014/02/10(月) 12:12:11.47 ID:AMyZ2sbRo
おつおつ
……70万で繰り返し使用できますか?
……70万で繰り返し使用できますか?
引用: 渋谷凛『不思議なお店?』
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります