1: 2013/04/01(月) 00:30:40.14 ID:meeE1GIP0
サイレンとまどマギのクロスssです

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

2: 2013/04/01(月) 00:37:05.62 ID:meeE1GIP0
見滝原市

ほむら「マミ、今よ」

マミ「ティロフィナーレ!」

この世界のある特殊な少女たちの間では伝承がある
絶望しかけたり、魔翌力を出し尽くしてソウルジャムが濁りきったとき
ピンクの髪をした純白の女神様が天国へ導いてくれる、と……


中野坂上高等学校

「聞いたか、また出たらしいぞ」

「噂の武装少年?」

最近、巷ではある都市伝説が噂になっている
過去に大量殺人や大量失踪事件があった場所に必ずといっていいほど現れる
猟銃や日本刀などで武装した少年がいる、と……

3: 2013/04/01(月) 00:37:42.06 ID:meeE1GIP0
まど神「あの子達そろそろ限界かな……」

彼女は『鹿目まどか』……
いや、かつて『鹿目まどか』と呼ばれていた元女子中学生である

魔法少女の悲劇を終わらせるため、自分の手で全ての魔女を生まれる前に消し去る運命を背負い
その結果、過去も未来も並行世界さえ飛び越え、永遠に魔女を消し続ける存在
……つまり女神、通称『円環の理』になった



須田「これでここは終わりか。次の異界に行くか」

彼の名は『須田 恭弥』
彼もまた、かつては一般的な16歳の男子高校生だった

美耶子と『すべてを終わらせる』と約束したため、異形が住まう異界を全て破壊する運命を背負い
その結果、氏ぬことさえ許されず、時空を超え永遠化け物を狩る存在
……つまり『異界ジェノサイダー』になった

4: 2013/04/01(月) 00:38:18.99 ID:meeE1GIP0
魔法少女A「ゼェ……ゼェ……」

魔法少女B「魔獣の群れ……全部倒せたね……」

魔法少女A「でもソウルジャムが真っ黒に……」

ピシッ

魔法少女B「それにヒビまで入りはじめたね」

魔法少女A「もう潮時かな」

魔法少女B「ピンク髪の女神様、まだかな」

魔法少女A「円環の理ってほんとにいるのかな?」

魔法少女B「さあ、でもどっちにしろもうすぐわかるよ」


ザッザッザッ……

魔法少女A「……誰か近づいて来るよ」

魔法少女B「きっと女神様だよ!」

須田恭弥「なんだお前ら?」

魔法少女A、B「「え!?」」

須田恭弥「異形の化け物が産まれそうな気配がしたから来てみたら、ただのコスプレ少女かよ」

魔法少女A「この人が円環の理?」ヒソヒソ

魔法少女B「違うでしょ……ていうか化け物って何のこと?」ヒソヒソ

須田恭弥「でも異形の反応あるし、どうすればいいんだ……」

5: 2013/04/01(月) 00:38:54.38 ID:meeE1GIP0
ヒューーーン

まど神「ティヒヒ、2人とも遅くなってゴメンね。導きに来たよ」

魔法少女A「神々しい人……」

魔法少女B「今度こそ噂どおりだね」

恭弥「またコスプレ少女かよ」

まど神「え!?魔法少女でもないのに私の姿見えるの?」

恭弥「お前こそ化け物でもないのになんで見えるんだよ、俺の姿」

まど神「………………」

恭弥「………………」

まど神、恭弥「「どういうこと!?」」

12: 2013/04/01(月) 16:51:09.83 ID:meeE1GIP0
まど神「と、とりあえずこの2人導いて戻ってくるからここで待ってて」

恭弥「よくわかんねえけど、ここで待っとけばいいんだな?」

まど神「うん。じゃあ行こっか、円環に」

魔法少女A「なんか大変そうだけど、とりあえず導いてくれるみたいだね」

魔法少女B「もう魔獣倒さなくていいんだね」

まど神「ティヒヒ、よく頑張ってきたね。お疲れ様」

13: 2013/04/01(月) 16:52:26.37 ID:meeE1GIP0
恭弥(待ってろって言われたけど、導くとか円環ってなんだ?)

恭弥(あのピンク髪の正体も気になるし……)

恭弥(よし、視界ジャックしてみるか)

ザーーーーー


まど神「……ご褒美に……ザザザッ……同じ……ザーー……転生……」

恭弥(ピンク髪の視界をジャックできたみたいけど雑音ばっかだな)

恭弥(別れた後、一瞬で雑音だらけになる距離まで移動したのか?)

まど神「……逝ってら……ザザッ」

スッ

恭弥(ん?コスプレコンビに手をかざしてる。何する気だ?)

魔法少女A「……さような……」フッ

魔法少女B「…どこに……転生…」フッ

恭弥(えっ!?消えた!?)

まど神「早く戻……ないと……」

14: 2013/04/01(月) 16:53:16.79 ID:meeE1GIP0
まど神「お待たせー」

恭弥「もう帰ってきたか、お前いったい何者?」

まど神「ウェヒヒ、それはこっちも聞きたいよ」

恭弥「俺の正体は話すと長くなるけど、いいか?」

まど神「その前に長話にうってつけの場所があるからついてきて」

恭弥「ファミレスか?できれば人のいないところがいいんだけど」

まど神「違うよぉ。むしろ普通の人間が入れない場所だよ」

恭弥「え……」

まど神「大丈夫、あなたならきっと入れるよ。今、空間裂いて通り道作るから待ってて」

15: 2013/04/01(月) 16:54:49.97 ID:meeE1GIP0
異空間

ピンク髪の少女が手を突き出すと目の前の空間が裂け、入り口らしきものができた
中に入ってみると、真っ白で平坦な砂の地面が水平線の果てまで続いており
その砂の上を数cmほどの深さの水が覆っている
水面が光を反射し、水平線を境にまるで鏡のように上下反転した青空と雲を映し出している
そこに大量の椅子や様々な武器が不規則に配置されており、禍々しさこそないものの魔女の結界に似ている
現実世界にあるウユニ塩湖と似ていて絶景と呼べるほど綺麗だが、どこか寂しげな空間でもある

恭弥「どこだここ?“いんふぇるの”?」

まど神「やっぱりあなたもこの空間に入れたね」

恭弥「えーと一応聞くけど、ここ現実の空間じゃないよな?」

まど神「うん、私が休憩用に作った空間だよ。」

恭弥「こんなただっ広くて明るい場所で休憩って……」

まど神「慣れると結構落ち着くよ。それにしてもあんまり驚かないんだね」

恭弥「前にも似たような空間で神様を頃したことあるから」

まど神「え……」

恭弥「信じられないかもしれないけど、ほんとのことだから」

まど神「……とりあえずお互いがどんな存在なのか白状し合おうか」

恭弥「そういえばそれが目的だったな」

16: 2013/04/01(月) 16:56:51.39 ID:meeE1GIP0
恭弥「俺は高2の時に夏休みを利用して、大量殺人があった羽生蛇村に……」

恭弥「変な警察官とか村人に襲われたり、他人の視界が見えるようになったり……」

恭弥「赤い水と呪いの力で不氏身になったけど、美耶子が儀式のせいで魂だけになってしまって……」

恭弥「元凶の堕辰子っていう神様の首はねて、屍人全滅させたけど元の世界に戻れなくなって……」

恭弥「とりあえず今はいろんな世界の異形の化け物を狩り続けていて、異界ジェノサイダーって呼ばれてる」

まど神「……………」



まど神「私は学校にすごい綺麗な転校生がやってきたところから始まって……」

まど神「変な髭の生えた綿に襲われてたところを魔法少女に助けてもらって憧れたけど……」

まど神「でも実際は希望を祈った後は絶望しかなくて……」

まど神「ほむらちゃんっていう子が私の運命を変えるために何度も頑張ってくれて……」

まど神「“希望を抱くこと自体が間違い”ってことを否定したくて……」

まど神「結果的に今は神様やってて、円環の理って呼ばれてる」

恭弥「……………」

17: 2013/04/02(火) 06:12:53.86 ID:MVPShcDr0
恭弥「……俺が言うのもなんだけど、すげえ経歴だな」

まど神「ティヒヒ、神様を1柱頃した人に言われたくないよ」

恭弥「でもあんまり神様っぽくなかったぞ」

まど神「堕辰子だっけ?たしか神業界ではかなり下位だったらしいよ」カチャカチャ

恭弥「まあ、ド田舎の村限定だった時点でうすうすそんな気がしてたけど」

まど神「日本には神が八百万いるから、ほんとピンキリだよ」コポコポ

恭弥「円環の理さんの位はどの辺なんだ?」

まど神「新入りの神だけど、宇宙の法則を書き換えたから一応上位だよ。あと、まどかでいいよ」

恭弥「神様にもいろいろあるんだな」

18: 2013/04/02(火) 06:14:20.92 ID:MVPShcDr0
まど神「意外と楽しいよ。はい、ココア入ったよ」

恭弥「サンキュー、ココアとか何年ぶりだ」

まど神「ウェヒヒ、何年とか私たちにはもう関係ないでしょ」

恭弥「そうだけど、異界ってろくな食い物ねえから久しぶりなんだ」

まど神「ジェノサイダーさんも大変だね」

恭弥「いくら餓氏しないと言ってもうまいもの食べたいし」

まど神「それだったら、いっそのこと神になっちゃえば?」

恭弥「は?」

まど神「時間も世界も関係なくて、不氏身なんだから私が推薦すれば多分認められて神様になれるよ」

恭弥「えーーー」

まど神「冗談じゃなくてホントだよ」

恭弥「……やめとくよ、まだ現実世界に美耶子と戻るの諦めてないし」

まど神「そう……まぁ今でも半分神みたいな存在だけど……」

19: 2013/04/02(火) 06:15:00.22 ID:MVPShcDr0
まど神「……………」

恭弥「(ちょっと落ち込んでしまったな。話題を変えよう)ところであの大量の武器なんだ?」

まど神「へ?あぁ、あれは導いてきた魔法少女たちの置き土産だよ」

恭弥「“魔法”少女なのに斧やらサーベルやら銃って……」

まど神「物理武器に魔翌力をまとわせて使うのが基本だからね」

恭弥「宇理炎のほうがよっぽど魔法っぽいじゃねえか」

まど神「確かにそう……この気配!!」

恭弥「!!」

まど神「ごめん。ちょっと用事ができたから行ってくる」

恭弥「俺も行く。どうせ相手は化け物だろ」

20: 2013/04/02(火) 06:15:45.03 ID:MVPShcDr0
見滝原

ほむら「どういうことよ、これ……」

マミ「魔獣が100体……いえ、それ以上ね」

杏子「群れっていうレベルじゃねえぞ」

マミ「でも、全部倒さなきゃ」

弓や銃や槍を持った少女の眼前には見渡す限り魔獣たちで埋め尽くされている
おそらく200体はいるだろう
3人とも武器を構えて戦闘態勢に入っているが、あまりの数に少しおよび腰である


数十分後

ほむら「倒しても倒してもキリがないわね」

杏子「あと何十体ぐらい残ってる?」

マミ「まだ100体以上いるわ」

杏子「うそだろ……」

マミ「もしかして私たちここで……」

ほむら「まどか……」

21: 2013/04/02(火) 06:16:38.71 ID:MVPShcDr0
???「シュ……ティ……グスター!」

マミ「空に何かでてきたわ!」

杏子「なんだあれ?ピンクの魔法陣?」

ほむら「あれはまさか……」

バシュン

ヒュヒュンヒュヒュヒュン

杏子「おい、今度は矢が降ってきたぞ」

マミ「矢に貫かれて魔獣がどんどん減っていく。誰だか知らないけど助かったわ」

杏子「もう魔獣10体もいねえじゃねえか。残党にとどめを刺すか」

ほむら「まどか?あなたなの?」

22: 2013/04/02(火) 06:18:31.65 ID:MVPShcDr0
??「煉獄の炎!」

ピカーーーーー

マミ「ピンクの魔法陣の次は青い光?」

ゴーーーーーー

杏子「今度は火の玉が魔獣を消し飛ばしていってやがる」

ほむら「あの子、青い火の球降らせるなんて技あったかしら?」

杏子「あの子ってまどかとかいう奴のことか」

マミ「こんな強力な技をつかえる魔法少女このあたりにいたかしら?」

ほむら「少し気になるところがあるけど、ありがとう、まどか」

26: 2013/04/03(水) 02:10:55.22 ID:5kTwEqj20
まど神「間にあってよかった」

恭弥「あの子が暁美ほむらか……」

まど神「ああやって見えないのにお礼を言ってくれるんだよ」

恭弥「なんかノリで宇理炎発動させたけど、あの坊主みたいなのなんだ?」

まど神「魔獣っていう呪いの象徴みたいな存在だよ」

まど神「本来なら魔法少女たちが自力で倒さないといけないんだけど、たまに手に負えないぐらい大量発生するの」

まど神「いつもは現実世界に干渉しちゃダメなんだけど、大量発生のときは例外的に倒すの手伝ってオッケーなの」

恭弥「それにしても矢を雨のように降らせる技すげえな」

まど神「そっちこそいきなり火球がたくさん降ってきてびっくりしたよ」

27: 2013/04/03(水) 02:12:11.52 ID:5kTwEqj20
こうして1柱の女神と1人のジェノサイダーは一緒にいるようになった
魔獣が大量発生すれば弓矢と宇理炎を使って群れを一瞬で消し飛ばし
たまに魔翌力がつきた魔法少女を円環まで導き
暇なときは異空間で雑談したり、物を食べたりして息抜きをした

人外になった元人間どうし2人はそれなりに楽しく過ごしていた
そんな日々を何百万回と繰り返し続けたある日のこと……

28: 2013/04/03(水) 02:13:05.68 ID:5kTwEqj20
ある日

恭弥「あれからかなりたったな」

まど神「いつの間にか人間も絶滅しちゃったね」

恭弥「地球上に残ってるのは数体の魔獣と最後の魔法少女、暁美ほむらだけか」

まど神「がんばってほむらちゃん、もうすぐだよ」

29: 2013/04/03(水) 02:13:44.42 ID:5kTwEqj20
荒野

???「ガンバッテ……」

ほむら「ふふふ……」

荒れ果てた荒野の中を黒髪の少女が歩いている。手には以前のように弓は持っていない
少し前……少しと言っても数十年前だが、長年の酷使がたたり弓が折れてしまったのだ
かわりに手にははるか昔に暴力団事務所から盗んできて
そのまま使わず、ずっと仕舞いっ放しにしていた日本刀が握られている


ほむら「……この群れが最後のようね」ゴゴゴゴ

少女は背中から黒く禍々しい翼を展開させると
魔獣の攻撃を弾き返しながら、紫色の魔翌力を纏わせた日本刀を片手に
そのまま群れに突っ込んでいった

30: 2013/04/03(水) 02:14:12.86 ID:5kTwEqj20
しばらくして

ほむら「おわりよ!」

ザシュゥゥゥウウウウウ

日本刀で魔獣の頭を両断すると、ゆっくりと巨体が倒れていった
とうとう群れの最後の魔獣……いや、地球上にいた最後の魔獣を倒したようだ

31: 2013/04/03(水) 02:14:38.82 ID:5kTwEqj20
ほむら「ハァ……ハァ……」

ほむら「おわった……」ドサッ

ほむら「まどか、いるなら聞いて……」

ほむら「私やったよ、まどか」

ほむら「この世の呪い全部消したわ」

ほむら「結局人間も滅んでしまって、あなたの守ろうとした街もなくなってしまったけど」

ほむら「もういいよね?」

ほむら「もうそっちにいっていいわよね?」

ほむら「まだ濁ってないけど連れてってくれる?」

32: 2013/04/03(水) 02:15:04.49 ID:5kTwEqj20
まど神「ほむらちゃん……」

恭弥「迎えに行ってあげたら?もういいだろ」

まど神「うん、行ってくる」

恭弥「おう」

33: 2013/04/03(水) 02:16:13.13 ID:5kTwEqj20
荒野

まど神「ほむらちゃん!」

ほむら「まどか!?まどかー!!」

まど神「ティヒヒ、本当にお疲れ様。迎えに来たよ」

ほむら「ずっと、会いだかった……」グスグス

まど神「ほむらちゃん……」

ほむら「まどかぁ……」グスグス

34: 2013/04/03(水) 02:18:24.63 ID:5kTwEqj20
数時間後

まど神「落ち着いた?」

ほむら「ええ、ありがとう」

まど神「立てる?」

ほむら「大丈夫よ」

まど神「とりあえずこんな殺風景なところで立ち話もなんだし、ちょっと移動しよ」

ほむら「どこに?」

まど神「私が作った結界みたいなところ。お友達もいるよ」

ほむら「お友達?」

35: 2013/04/05(金) 07:50:04.10 ID:NN0kbkiC0
異空間

恭弥「おっす、そっちにとっては初めましてだよな」

ほむら「誰?」

まど神「須田恭弥くん。異界ジェノサイダーだって」

ほむら「異界ジェノサイダー?」

恭弥「実はカクガクシカジカ……」

36: 2013/04/05(金) 07:50:49.09 ID:NN0kbkiC0
恭弥「……という感じで今はジェノサイダーやってる」

ほむら「……………………」

ほむら「……要約するとあなたはまどかと数千年の間、2人だけの空間で同居してたってことね」

恭弥「え?そっちに注目する?」

ほむら「魔獣は全部倒したと思ってたけど、こんなところに1体残ってたのね……」チャキン

まど神「ウェヒヒ、ほむらちゃん刀抜いて何する気?」

ほむら「まどか邪魔しないで。まったく、名前に“恭”がついてる男はろくな奴がいないわね」

まど神「上条くんの悪口はやめようよ」

ほむら「よくわかったわね」

恭弥「とりあえず刀しまえ。どうせ氏なないけど」

ほむら「あら、冗談だったのに」

恭弥「目が本気だったぞ」

まど神「ティヒヒヒ……(意外とこの2人相性いいね)」

37: 2013/04/05(金) 07:51:30.02 ID:NN0kbkiC0
まど神「それにほむらちゃん何度か恭弥くんに助けてもらったんだよ」

ほむら「え?」

まど神「たまに空から青い火球が降ってきて助けられたでしょ?」

ほむら「ええ」

恭弥「それ俺がやってたんだ」

ほむら「え!?あれまどかがやってたんじゃないの?」

まど神「違うよぉ」

ほむら「でも、どうやってあんな技を?」

恭弥「この“宇理炎”っていう神器を使っていたんだ」

ほむら「なんだかよくわからないけど、あなたもつくづくチートね」

38: 2013/04/05(金) 07:52:04.32 ID:NN0kbkiC0
ほむら「それにしてもこの空間武器だらけね」

まど神「全部魔法少女たちの物だよ」

ほむら「……鉤爪と宝玉まであるわね」

まど神「思うところあるかもしれないけど、こっちの世界では健気に魔獣退治がんばってたよ」

恭弥「なんか別の世界でいろいろあったみたいだな」

ほむら「まあ、今となってはどうでもいいことだわ」

まど神「ほむらちゃんも円環に行く前に何か置いていく?」

ほむら「弓矢を……と言いたいところだけど、壊れてしまったからこの刀にするわ」ザクッ

39: 2013/04/08(月) 00:51:10.98 ID:fxSG2SRV0
まど神「ほむらちゃん、武器も置いたことだしそろそろ……」

恭弥「導くのか?」

まど神「うん、それが使命だから」

ほむら「まどかはどうするの?」

まど神「私もほむらちゃん導いたあと、すぐにそっちに行くよ」

恭弥「じゃあ、もうすぐお別れか……」

40: 2013/04/08(月) 00:51:40.37 ID:fxSG2SRV0
まど神「そういうことだから先に導くね、ほむらちゃん」

ほむら「ええ、頼んだわ」

まど神「長い間ほんとにお疲れ様」

ほむら「まどかこそお疲れ様」

まど神「一旦さようなら」スッ

ほむら「先に逝って待ってるわ」フッ

41: 2013/04/08(月) 00:52:29.19 ID:fxSG2SRV0
恭弥「逝ったか……」

まど神「うん、私も逝くね。今までありがとね」

恭弥「おう、一緒にいれて楽しかったぞ。ありがとな」

まど神「こちらこそ。あと、この弓あげるよ」

恭弥「サンキュー大事に使わしてもらうよ」

まど神「異形退治がんばってね」

そう言って弓をわたすと、女神は暁美ほむらの残した日本刀を首に近づけ魔力を込め始めた
刀に残っていた暁美ほむらの紫色をした魔力と女神の桃色をいた魔力が融合し
刀身が神々しく青色に光り始めた

42: 2013/04/08(月) 00:53:50.35 ID:fxSG2SRV0




まど神「ティヒヒ、さようなら」フッ





43: 2013/04/08(月) 00:54:28.85 ID:fxSG2SRV0
青い魔力を纏った刃が首に触れた瞬間、女神が消えた
『すべての魔女を自分の手で生まれる前に消し去る』という使命を全うし
ようやく無限の時間から解放されたのだ
消えたあとは他の魔法少女たちと同様に『円環』へ行くことだろう


恭弥「まどかも逝ったか……」

恭弥「この世界にはもう俺一人だけ」

グラグラグラ……

恭弥「え?地震!」

ピシッピシッ……

44: 2013/04/08(月) 00:54:56.73 ID:fxSG2SRV0
ここは女神が創った異空間である。地震などあるはずがない
では、この揺れは一体何か?
答えは簡単である

創造主である女神を失い、空間そのものが崩壊を始めたのだ
地面には無数のヒビが入り……
いや、地面そのものがどんどんなくなっていっている

空間の崩壊により地面に並べられていた魔法少女たちの武器もどこかに落ちていった
おそらく、大部分は空間と共に消失するだろう。大部分は……

45: 2013/04/08(月) 00:55:27.50 ID:fxSG2SRV0
恭弥「“いんふぇるの”の崩壊の時と似てるな」

恭弥「もしかしてまた別の世界に飛ばされるのか?」

バキッ

恭弥「地面が!?うわああああああ!!」

ヒュ―――――……

46: 2013/04/08(月) 00:56:32.67 ID:fxSG2SRV0
24:32:10     不明

ヒュ―――……ドサッ

恭介「いたたた……こんどはどんな世界だ?」

キョロキョロ



永井「うわあああああああああ」

ダダダダダダダ

闇人1「***!?**……」

闇人2「***!****!」

赤い空、黒い太陽、普通の生活を営む怪物たちと絶叫しながら銃を乱射する軍人らしき人

47: 2013/04/08(月) 00:57:10.70 ID:fxSG2SRV0
恭弥「今度はくつろぎ異空間も女神もいねぇみたいだな」

恭弥「あんまり長居したい世界じゃないし……」

恭弥「さっさと終わらすか」

恭弥「シューティングスター!」

キリリリ……ヒュン

48: 2013/04/08(月) 00:58:25.45 ID:fxSG2SRV0



???村     西暦????年

ヒューーーー……ザクッ

「なんだ、ありゃ?」

「空から刀が降ってきた!」

暁美ほむらの刀は結局空間とともに消滅せず、
どれかの世界のとある時代のどこかの村に落下した
当の村人たちはいきなり空から降ってきた刀に騒いでいる


「どうする?」

「神代家の人に伝えよう」

「そうだな」

49: 2013/04/08(月) 00:59:49.68 ID:fxSG2SRV0
数分後

「神代様、これです」

神代「この刀が空から降ってきたと……」

「信じられねえかもしれないけど、本当なんです」

「何かの祟りですかね?」

神代「もしかすると天の神からの賜りものかもしれない」

「神様の!?」

「だとしたら、どうされます?」

神代「これは神代家が代々祀ることにする」


こうしてこの刀は村の有力者である『神代家』の人間により神器として祀られることになった
その後、この刀は村が異教徒の弾圧にあった時、強力な力で村の危機を何度も救い、
いつの頃からか偶然にも『焔薙(ほむらなぎ)』と呼ばれるようになった
強い力を宿した神刀の噂は広まり、何百年と受け継がれていった

50: 2013/04/08(月) 01:00:35.27 ID:fxSG2SRV0



産婦人科の病院     20??年

???「おぎゃーーーー!!」

産科医「おめでとうございます。元気な女の子です」

母親「よかった……」

産科医「名前はどうされます?」

母親「女の子なら……名は『ほむら』で……」

産科医「『暁美ほむら』ちゃんですか?」

母親「ええ」

産科医「やっぱり、あの刀が由来ですよね」

母親「燃え上がるような強い子に育ってほしいので……」

暁美ほむら「おぎゃーーー」




おしまい

51: 2013/04/08(月) 22:16:47.59 ID:FKctnKvK0
出来ることが何も無いと自嘲する一人の女の子が概念に成り果てても、結局世界は滅んでしまうわけか。

52: 2013/04/09(火) 20:06:50.53 ID:utRg2Qs10

そしてウロボロスの輪は繋がった

引用: 須田恭弥「円環の理?」   まど神「異界ジェノサイダー?」