1: 2011/10/12(水) 22:50:58.93 ID:hbzU6hpg0
弟「か、母さんが飯だって」

姉「ふーん、今電話中だから、後で行く」

弟「あ、ああ」

 バタンッ

姉「……あ、うん、ごめん。今さ、弟が。うん、うざいよねー」

弟「……」


冷たい姉がデレる感じで
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)
9: 2011/10/12(水) 23:02:39.25 ID:hbzU6hpg0
 夕食

母「あれ、姉は?」

弟「電話中」

母「ったく、あの子は」

弟「……」

母「さっさと食べてお風呂入りなさいよ」

弟「……うん」

10: 2011/10/12(水) 23:07:41.17 ID:hbzU6hpg0
 風呂

弟「姉貴、まだ電話してんのか?」

弟「……」

弟「……はぁ、誰と話してんだろ」

弟「友達?」

弟「……」

弟「……彼氏とか」

弟「……」

11: 2011/10/12(水) 23:12:58.45 ID:hbzU6hpg0
 翌日――階段前

弟「お、おはよう」

姉「……」ジッ

弟「……っ」

姉「……」トントン

弟「……」

 リビング

母「あれ? 今日は早いのね」

姉「うん、今日、一限からあるから」

母「そう、お弁当作ろうか?」

姉「いらない。大学で食べる」

母「そう」

弟「……」

14: 2011/10/12(水) 23:19:19.40 ID:hbzU6hpg0
 玄関

姉「行ってきます」

母「はい、いってらっしゃい」

 バタンッ

弟「ごちそうさまっ」

母「え? もういいの?」

弟「うん、行ってきます!」タタタ

母「なに急いでるのかしら?」

16: 2011/10/12(水) 23:26:50.68 ID:hbzU6hpg0
 通学路

姉「……」スタスタ

弟「……」スタスタ

姉「……」

弟「……」

姉「なんでついてきてんの?」

弟「べ、べつに……ついて行ってねぇよ」

姉「……」ジッ

弟「……っ」

姉「……」スタスタ

弟「……」スタスタ

17: 2011/10/12(水) 23:33:02.63 ID:hbzU6hpg0
姉「はぁ」

弟「……っ」

姉「あのさー」

弟「な、なに?」

姉「離れて歩いて」

弟「……」

姉「……」スタスタ

弟「……」

20: 2011/10/12(水) 23:42:59.36 ID:hbzU6hpg0
 学校

弟「……はぁ」

友「なに、溜息ついてんだ?」

弟「いや、べつに」

友「嘘つけ。顔が氏んでるぞ」

弟「……うっせ、ほっとけ」

友「まぁ、なんかあれば相談乗るぞ」

弟「あー……お前って兄弟いるっけ?」

友「あ? 俺? 妹が居るけど」

弟「妹と仲良い?」

友「はぁ? まぁ、悪くはねぇよ」

弟「マジかぁ……」

22: 2011/10/12(水) 23:50:58.08 ID:hbzU6hpg0
友「なんなんだよ」

弟「兄弟って普通仲悪いもんじゃねぇの?」

友「そうか? まぁ、よくケンカはするけど」

弟「……」

友「もしかしてお姉さんのことか?」

弟「うん、まぁ」

友「ふーん、仲良くないのか?」

弟「……ああ」

23: 2011/10/12(水) 23:56:53.00 ID:hbzU6hpg0
友「そっか、まぁ、でも無理に仲良くしなくてもいいじゃね?」

弟「……」

友「俺も妹とケンカした時、半年くらい無視ってたし」

弟「……」

友「べつに兄弟なんか仲良くなくなって問題無いし」

弟「……有るだろ」

友「そうかー?」

弟「俺は有るんだよ」

友「ふーん」

弟「……」

26: 2011/10/13(木) 00:01:51.57 ID:HhPBx84U0
 自宅前

弟「……姉貴帰ってるかな」

弟「……」

 玄関

弟「靴あるってことは居るのか」

 リビング

姉「うん、わかった。今から行くね、うん」

弟「た、ただいま」

姉「……」チラッ

姉「うん、了解。わかったからそんな何度も言わなくても。あはは」

弟「……」

28: 2011/10/13(木) 00:09:34.09 ID:HhPBx84U0
姉「うん後で、じゃあ、ばいばい」ピッ

弟「どっか行くのか?」

姉「……」スタスタ

弟「早めに帰ってこないと母さんに怒られるぞ」

姉「……」ジッ

弟「……っ」

姉「あんたさ、前から思ってたんだけど、なんなの?」

弟「なにって……べ、べつに早く帰らないと母さんと父さんが心配するし……」

姉「そのこと訊いてるじゃないんだけど」

弟「え?」

姉「もういい」

弟「……」

31: 2011/10/13(木) 00:18:03.38 ID:HhPBx84U0
姉「それから」スタスタ

弟「な、なんだよ」

姉「いちいちあたしの行動に難癖つけるのやめてくんない?」

弟「べ、べつに俺は」

姉「キモいから」

 バタンッ

弟「……」

32: 2011/10/13(木) 00:19:35.67 ID:HhPBx84U0
 夜

父「姉はどうした?」

母「友達と遊びに行ってるみたいよ」

父「こんな時間までか?」

母「いいじゃない。大学生なんだから」

父「そうは言ってもな……もう8時だぞ」

母「サークルの付き合いとかもあるんだから仕方ないでしょ」

父「母さんはあいつに甘くないか?」

母「お父さんが厳しいのよ。これくらいまだ遅くないでしょ」

弟「……いや、遅いよ」

父「だろ?」

母「弟まで」

弟「ちょっと電話してくる」

36: 2011/10/13(木) 00:25:12.06 ID:HhPBx84U0
 廊下

弟「……」ドキドキ

弟「……」ピッ

弟「……」

弟「糞っ……出ない」

 リビング

父「どうだった?」

弟「出ない」

父「なにやってるんだ、あいつは」

弟「母さんが電話してみてよ」

母「ん? あんたが電話して出なかったんでしょ?」

弟「いいから」

母「? わかった。本当、ウチの男どもは心配症なんだから」

37: 2011/10/13(木) 00:31:46.83 ID:HhPBx84U0
母「……」ピッ

母「あ、もしもし? 姉?」

母「うん、そろそろ帰ってきなさい。お父さんが心配してるわよ」

母「うん。弟も心配してさっきあんたに電話かけたけど、なんで出なかったの?」

弟「……っ」

母「そう。気付かなかったの。うん、わかった。早めに帰りなさいよ」

母「うん。気をつけてね」ピッ

父「なんて言っていた?」

母「帰るって」

父「そうか、うん、ならいい」

母「全くうちの男ふたりは」

弟「……」

40: 2011/10/13(木) 00:39:53.80 ID:HhPBx84U0
 弟の部屋

弟「俺の電話に出なかった癖に母さんのには……」

弟「……」

弟「……まだ帰って来ねぇのかよ」

 リビング

母「あら寝たんじゃなかったの? って、なにその格好」

弟「……姉貴迎えに行く」

母「はぁ……べつにもうすぐ帰ってくるでしょ」

弟「……行ってくる」

母「ちょっ、弟」

弟「……」スタスタ

 バタンッ

母「全く……あの子、シスコンかしら」

44: 2011/10/13(木) 00:46:35.77 ID:HhPBx84U0
 駅

弟「……さむっ」

弟「もっと着こんでくりゃ良かった」

弟「……」

弟「……まだかよ」

弟「電車着たな、これに乗ってるのか」

弟「……あれか?」

姉友「――――」

姉「――――」

弟「……近付いてみるか」

45: 2011/10/13(木) 00:52:30.07 ID:HhPBx84U0
女A「このままあたしん家来ればいいじゃん」

姉「んー、でも、お母さんから帰ってこいって電話着たからさ」

女A「そっかー。だよねー」

男A「んだよー。姉ちゃん帰っちゃうの?」

姉「すみません、先輩」

男B「しゃーねーよ。送ろうか?」

姉「いえ、大丈夫です」

女C「男B先輩はこっちです!」ギュッ

男B「っつてもな。姉ひとりで帰らすわけにも」

男A「なんだよ。男Bお前、姉ちゃんのこと……もしかして」

女C「えーうそー。違いますよねー?」

男B「違うって」

48: 2011/10/13(木) 00:59:13.19 ID:HhPBx84U0
姉友「私も帰るんで。心配しなくていいですよ」

姉「え? いいの?」

姉友「うん、私疲れたし」

男A「えー姉友ちゃんも帰っちゃうのー」

姉友「すみません」

男B「そっか。まぁ、気をつけて」

姉「はい。失礼します」

姉友「……」ペコ

男A「またあそぼーねー」

女C「ばいばーい」

弟「やべ……こっち来てる」サササ

51: 2011/10/13(木) 01:07:50.00 ID:HhPBx84U0
 夜道

姉友「疲れたー」

姉「そうだね」

姉友「ごめん、なんか急に付き合わせちゃって」

姉「べつにいいよ」

姉友「でも、姉、つまんなさそうな顔してた」

姉「え? べ、べつに」

姉友「うーん、私もつまんなかったし」

姉「そうなんだ」

姉友「あーゆーの苦手なんだよねー私」

姉「あー、姉友はそんな感じだよね」

姉友「姉もじゃない?」

姉「うーん、どうだろ。わかんない」

53: 2011/10/13(木) 01:13:52.53 ID:HhPBx84U0
 姉達の後方

弟「……なにやってんだよ、俺」

弟「迎えに来たんじゃねぇのかよ」

弟「はぁ……」

55: 2011/10/13(木) 01:15:54.07 ID:HhPBx84U0
姉友「ねぇ、男B先輩。姉に気があると思うんだけど」

姉「え? いや、無いでしょ」

姉友「そうかなー。なんか姉ばっか気にしてたし」

姉「そうでもないと思うよ」

姉友「興味無い?」

姉「……」

姉友「男Aとかはダメだけど男B先輩なら良い感じだと思うな、私」

姉「好きなの?」

姉友「いや、私は無い。姉は私の好み知ってるでしょ?」

姉「そっか。そうだよね」

57: 2011/10/13(木) 01:22:52.86 ID:HhPBx84U0
姉友「で、姉はどうなの? 男B先輩」

姉「うーん、かっこいいと思う」

姉友「あー、そうなんだ」

弟「……っ」

姉友「付き合ったりとかは?」

姉「わかんない。てか、男B先輩ってモテそうだし、彼女居そう」

姉友「居ないでしょ」

姉「なんでわかるの?」

姉友「言ってたし」

姉「言ってたっけ?」

姉友「……全然興味無しか。まぁ、いっか」

弟「……ふぅ」

60: 2011/10/13(木) 01:32:37.28 ID:HhPBx84U0
 別れ道

姉友「じゃ、私はここで」

姉「うん、気をつけて」

姉友「はいはい、そっちもね」

姉「うん」

 自宅前

姉「……ただいまー」ガチャッ

 バタンッ
 
弟「……どうしよう」

弟「入りづれー」

弟「……」ストン

63: 2011/10/13(木) 01:42:04.60 ID:HhPBx84U0
弟「ちょっと時間経ってから入ろ」

弟「……」

 ガチャッ

姉「……」

弟「っ」ビクッ

姉「……」キョロキョロ

姉「……」

姉「……あの馬鹿」ピッ

 ブーブー

弟「……(や、やべっ)」ピッ

姉「……」スタスタ

弟「……っ」

姉「……」

67: 2011/10/13(木) 01:50:47.84 ID:HhPBx84U0
弟「お、おっす」

姉「……こんなとこでなにしてんの?」

弟「い、いや」

姉「……」

弟「……」

姉「あんた駅まで来たの?」

弟「あ、うん、まぁ」

姉「あたしはあんた見てないけど」

弟「いや、友達居たみたいだし……だから、邪魔したら悪いかなって」

姉「駅からずっとついてきてたわけ? ……きもっ」

弟「……っ」

69: 2011/10/13(木) 01:59:13.86 ID:HhPBx84U0
姉「……」

弟「……」

姉「……」スタスタ ガチャッ

弟「……」

姉「さっさと入りなさいよ」

 バタンッ

弟「……はぁ」

弟「迎えに行ったのに感謝されるどころかキモいか」

弟「さむっ……入ろ」

70: 2011/10/13(木) 02:03:17.96 ID:HhPBx84U0
 リビング

母「あんた何しに行ってたのよ」

弟「いや……うん」

母「うんって……まぁ、いいわ。帰って来たんなら」

弟「姉貴は?」

母「お風呂」

弟「ふーん……俺、寝るわ」

母「そう」

弟「うん、おやすみ」

母「おやすみ」

85: 2011/10/13(木) 02:37:53.88 ID:QJndtOd8O
弟「…………」


弟(寝れねえ)

弟(くそっ、あー、もうなんかもやもやする……)

ガチャッ

弟(誰だよ……面倒くさ。寝たふり寝たふり)

?「迎え……その……来るならちゃんとしなさいよ……バカ」

ガチャッ

弟(え?今の声って……姉貴……だよな?)

89: 2011/10/13(木) 02:46:18.02 ID:QJndtOd8O


リビング

弟「おはよう……」

母「おはよう、早くご飯食べなさい」

弟「いただきます……」

弟「モグモグ」

母「……姉なら今日は講義遅いらしいから、まだ寝てるわよ」

弟「……別に何も聞いてないじゃん」

母「そ。気になってるかと思って」

弟「……ごちそうさま。いってきます」

母「いってらっしゃい」

90: 2011/10/13(木) 02:51:49.76 ID:QJndtOd8O
リビング

姉「……もう行った?」

母「はあ、あんた大学生にもなって何してるの?」

姉「うるさいなー。今日は顔合わせたくなかったの」

母「だからって、朝食の皿もって隠れる、普通?」

姉「しつこい!ごちそうさまっ」ドタドタ

母「姉弟そろって子供ね~」

91: 2011/10/13(木) 02:57:02.30 ID:QJndtOd8O
学校

友「よお、弟。今日も浮かない顔してんな」

弟「…………」

友「またお姉さんか?」

弟「…………」コクッ

友「まぁ、話してみ?」

弟「実は……」



弟「で、朝確かめようと思ったんだが、居なくてな。なんか、こう、もやもやすんだよ」

友「ほぉ……」ニヤニヤ

弟「なんだよ?」

92: 2011/10/13(木) 03:01:21.85 ID:QJndtOd8O
友「それはどうやってでも今日中に確かめるべきだな」

弟「そのつもりだけどさ」

友「うーん、多分、今までのお前のままだったら、今日は聞けずに終わるぞ?」

弟「……根拠は?」

友「俺だったらそうするから」

弟「……参考にならないだろうが、一応聞いてやろう」

友「よし、なぜかというとだな……」

94: 2011/10/13(木) 03:06:56.82 ID:QJndtOd8O
夕飯

父「姉は?」

母「今日は外食するって、連絡あったわ」

父「今日もか……」

弟「…………」

弟(友が言ったとおり、姉貴帰ってこないな)

弟(案外、あいつの言うことも馬鹿にできないかもな……)

弟(とすると、多分今日も……)

母「…………」

96: 2011/10/13(木) 03:14:26.81 ID:QJndtOd8O


玄関

弟「…………」ゴソゴソ

母「昨日の駅よ」

弟「うわっ!」ビクッ

母「迎え、行くんでしょ?」

弟「そうだけど……」

母「気をつけて、いってらっしゃい」

弟「なんで……?」

母「……さっき電話したら、もうすぐつくって言ってたわよ。ほら、早く」

弟「……ありがと、いってきます」

ガチャッタッタッタッ

母「ふふ、わかりやすい子」

98: 2011/10/13(木) 03:22:00.05 ID:QJndtOd8O


弟「はあ……はあ……少し、遅れたかも……」

?「今日……とう……」

弟「あれは、昨日の?今日は2人なのか?近づいてみよう」

男B「いや……気に……いで。それで……しがある……けど」

弟「よし、この距離なら聞こえる」

姉「なんですか?」

男B「好きだ。つきあってくれないか?」

弟(え?ちょ、まじかよ……)

101: 2011/10/13(木) 03:28:17.04 ID:QJndtOd8O
弟(友は、なんて言ってたっけ……)

回想

友「今日も多分お姉さんは遅くに帰ってくる。昨日よりも」

友「お前が寝てる時間に帰ってきて、お前と顔を合わせないつもりだろう」

友「だが、お前は迎えに行き、お姉さんをきちんと迎えるんだ」

友「そして、帰り道に昨日のことを聞け。何言われてもな。」

友「健闘を祈る」

回想終了

弟(流石にこれは予想できないよな……ここでもし姉がOKしたら……)

姉「凄く嬉しいです」

103: 2011/10/13(木) 03:34:32.99 ID:QJndtOd8O
男B「じゃあ」

姉「ですが、すいません。私なんかじゃ、男Bさんにはもったいないです」

男B「そんなことないよ」

姉「ごめんなさい。今日はこんなところまで送って下さってありがとうございました」

男B「いや、家まで送るよ」

姉「いえ、本当に」

弟「ここからは自分が送りますので、大丈夫です」

106: 2011/10/13(木) 03:41:33.47 ID:QJndtOd8O
弟(ふぅ……よかった……)

弟(でも落ち着いて考えろ)

弟(ここで出ていったら、かなり空気読めてないんじゃないか?)

弟(いきなり知らない奴が出てきて俺がいますから、とか、訳が分からない)

弟(……でも、絶対、あの男家まで送るっていうよな)

弟(そしたら、友の計画パーだし、なにより、昨日の姉貴が言ったことが果たせない……)


男B「いや、家まで送るよ」

弟(きた……言え、言うんだ俺!)

姉「いえ、本当に」

弟「ここからは自分が送りますので、大丈夫です」

110: 2011/10/13(木) 03:48:10.12 ID:QJndtOd8O
男B「……あの、失礼ですが、どなたさまでしょうか?」

姉「ちょっ……あんた……」

弟「この姉の親族のものです。ご丁寧にありがとうございました」

弟「夜も冷えますので、お体を冷やさないうちに」

アナウンス(白線の内側までお下がりください)

男B「……わかりました。ちょうど電車も来ましたので、これで失礼いたします。では」


プシューガタンゴトン

111: 2011/10/13(木) 03:57:06.20 ID:QJndtOd8O
姉「あんた……今日も来たの?気持ち悪い。それに、あそこで普通出てくる?帰りなさいよ」

弟「……昨日、姉貴に言われたから。迎えにくるなら、ちゃんとしろって」

姉「な、あんた、起きて……」

弟「……どうだった?ちゃんと、期待にお応えできましたか?」

姉「……ふふ、全然ダメね。何、あの登場の仕方?カッコつけすぎよ」

弟「いや、だってその……」

姉「ま、及第点ってことにしといたげる。」ニコッ

弟「あ、その……うん」

姉「さ、帰るわよ」

114: 2011/10/13(木) 04:06:41.99 ID:QJndtOd8O
弟「…………」

姉「……久しぶりにこうやって帰るね」

弟「うん……昔、よくこうして帰ったっけ」

姉「いつからだろうね……素直に話せなくなったのは」

弟「……姉貴のデザート勝手に食ったとかで口喧嘩した時からじゃないっけ」

姉「あれ、私のアクセサリーを壊したときじゃないっけ?」

弟「……そ、そんなことしたっけ?」

姉「したした。あの時はもの凄く怒ったもん」

弟「あー……今も?」

姉「……どうでしょう?」

弟「ごめん……」

姉「謝るだけでいいなら、警察いらないわよ」ニヤニヤ

弟「じゃあ……」

116: 2011/10/13(木) 04:12:33.13 ID:QJndtOd8O
翌日


弟「おはよー」

姉「おはよー」

母「あら、二人そろってとは珍しいわね。それも休日の朝に」

姉「ま、たまにはね」

姉弟「「いただきまーす」」

母(ふふ、昨日うまくいったみたいね)

母「今日のご予定は?」

姉弟「「買い物」」

母「そう、気をつけていきなさいよ」

姉弟「「ごちそうさまー」」

母「お粗末様でした」

母(よっぽど楽しみなのね、2人とも)

117: 2011/10/13(木) 04:19:04.47 ID:QJndtOd8O
市街地

弟「じゃ、まずはデザート食べよう」

姉「……朝食食べたばっかりじゃない」

弟「デザートは別腹だよ!」

姉「……そういえば昔から甘いもの好きだったわね……だから昨日真っ先にあれ言ったの?」ジトーッ

弟「いやー……あはは……」

姉「……ま、いいでしょ、行くわよ。?どうしたの?」

弟「あー、その……そこ人気でさ……人たくさんいるから、あの……」

ギュッ

姉「手繋いどけば、はぐれないでしょ」プイッ

弟「……うん、いこっか」ニコニコ

123: 2011/10/13(木) 04:25:34.35 ID:QJndtOd8O
夕方

姉「今日は楽しかったね」

弟「デザート美味しかったし」

姉「あんた、そればっかり」ジトーッ

弟「はは……」

姉「じゃ、今日のメインイベントに……」

弟「姉、実は……もうそれ出来ないんだよ」

姉「え?あんたもしかしてお金足りなくなったの?信じられない、馬鹿?」

弟「……というか、しなくていいっていうか」

姉「え?」

124: 2011/10/13(木) 04:34:08.12 ID:QJndtOd8O
弟「こっち、来て」

姉「うん……」

弟「目、閉じて」

姉「ん……」

ガサガサ

姉「これ、もしかして……」

弟「あ、まだ目あけちゃだめだよ。……つけるの難しいなこれ」

弟「よし、いいよ」

姉「……綺麗なネックレス」

弟「……似合ってるよ、姉」

姉「ありがとう」ニコッ

抱き寄せた姉は凄く華奢で、今更ながら、姉も女の子なんだって思った。

今まですれ違ったりしたけど、大好きだよ、姉

127: 2011/10/13(木) 04:53:23.59 ID:QJndtOd8O
後日談

弟「ってなわけ」

友「へぇ、よかったじゃん。俺のお陰か?」ニヤニヤ

弟「かもな。ありがと」ニコッ

友「気にすんな。ん、でも、結局お前はお姉さんをどう思ってんの?」

弟「さ、どうだろうな」

友「教えろよー」

弟「そのうち……な」

128: 2011/10/13(木) 04:55:40.00 ID:QJndtOd8O
駅から帰る夜

弟「姉貴、真剣な話があるんだ」

姉「……いいよ、言ってみなさい」

弟「俺は、弟としてじゃなく、一人の男として、姉貴が好きだ」

姉「……そう」

弟「断られだろうって思ってる。でも、伝えないままじゃいれないから。」

姉「……私は、まだちゃんとした返事は出来ない。そんな簡単にしていいことじゃないから」

姉「だから、私を姉って呼ぶことを、まずは許してあげる」

姉「そして……」

姉は近づいてきて俺の前にたつと、少し背伸びして目を閉じた。

ファーストキスは、甘く、そして少し苦かった。

姉「これが、今の私に出来る精一杯の解答」

弟「ありがとう、姉」

そして、二度目のキスは、優しく、長い、キスだった。

fin

129: 2011/10/13(木) 04:59:46.08 ID:/vKQsrAT0
おつ

131: 2011/10/13(木) 05:03:01.56 ID:QJndtOd8O
自分は>>1ではないです。
突然の乗っ取りすいませんでした。

そにもかかわらず保守してくださった方々、読んでくださった方々、ありがとうございました。


アクセサリーは、既に予約していたので、買い物中にとりにいった設定です。

細かく書きたかったのですが、時間的に無理でした。
端折ってすいません。

最後の後日談は、いらない人にはいらないと思います。

姉で終わるのか、恋人で終わるのか。

両方の主義の方がいらっしゃると思うので。

ただ、これだけは言える。


姉最高!


みなさん良い夢を!

132: 2011/10/13(木) 06:09:11.28 ID:UD1JuKyN0
乙!

引用: 姉「なにか用?」