1:◆wjd7R.7O.A 2013/03/15(金) 10:48:38 ID:0THf6XqI

2: 2013/03/15(金) 11:02:30 ID:0THf6XqI
前回までのあらすじ

正攻法を貫くと、CCや周りの力を借りながら自分の道を歩むルルーシュ。

強敵マオを下し、フクオカも平定。さらには日本の自治権も獲得した。

CCとの結婚も決意したことで順風満帆に見えるルルーシュに、新たな敵が襲いかかる。

果たして、ルルーシュは全てを守りきれるのか。

今、その力が再び試される。
バンプレスト コードギアス 反逆のルルーシュ EXQフィギュア ~ルルーシュ・ランペルージ~ (プライズ)

11: 2013/03/15(金) 23:41:17 ID:0THf6XqI
~酒場~

ヴィレッタ「……」カランコロン

扇「いらっしゃいませ」

扇「ですが、まだ開店前……」

扇「ああ、ヌゥさんでしたか」

ヴィレッタ「……玉城、いつものカレーを頼む」

扇「はい、かしこまりました」

扇「いつもご贔屓にしていただいて、ありがとうございます」

ヴィレッタ「……気まぐれだ」

ヴィレッタ「他の店より安くて美味い」

ヴィレッタ「…悪いな、開店前に」

扇「いえ、マスターも黙認していますし」

扇「それに、ここはあまり治安も良くありませんから」

扇「この時間の方が落ち着くでしょう」

12: 2013/03/15(金) 23:44:51 ID:0THf6XqI
ヴィレッタ「…うむ、やはり美味い」

ヴィレッタ「玉城が作っているんだったな」

扇「ええ」

扇「ヌゥ様のおかげで、めでたくメニュー入りです」

ヴィレッタ「……ヴィレッタでいい」

扇「はい?」

ヴィレッタ「今は開店前だ」

ヴィレッタ「気楽に話したい」

ヴィレッタ「……最近、思うんだ」

ヴィレッタ「富士の自治区は知っているだろう?」

扇「はい、それはもちろん」

ヴィレッタ「あれはな、私も関与しているんだよ」

扇「そうなんですか?」

13: 2013/03/15(金) 23:51:44 ID:0THf6XqI
ヴィレッタ「…私の職場は特殊でな」

ヴィレッタ「あまり人種や身分の壁がない」

ヴィレッタ「軍では異質とも言えるが」

扇「僕らみたいな人間から見れば、羨ましいですね」

扇「やはり、ナンバーズ差別は無くなりませんから」

扇「もっとも、ヌ…ヴィレッタ様はそれで言えばやはり珍しいですがね」

ヴィレッタ「そうか?」

扇「そもそも、イレヴンである自分と話すブリタニア人は多くありません」

ヴィレッタ「……だろうな」

ヴィレッタ「私も、もともとそういう思想だった」

ヴィレッタ「初めて店にきたときは、迷惑をかけた」

扇「はは、もう忘れましたよ、そんな昔のことは」

14: 2013/03/16(土) 00:08:22 ID:06F/DiPg
ヴィレッタ「私は、…上司と同僚に教えられた」

ヴィレッタ「人は人種や身分では測れない」

ヴィレッタ「だが、そう思わない人間の方が大多数だ」

ヴィレッタ「生まれた国が違うだけで差別し、身分の違いで己が高潔であると錯覚する」

ヴィレッタ「……なんて、お前に話しても仕方ないな」

扇「いえ」

扇「ブリタニアにもそういう考えを持っている人がいるというだけで嬉しいですよ」

扇「僕も、自治区の方に移ろうと思っていますが」

ヴィレッタ「このカレーも食べられなくなるのか」

ヴィレッタ「残念だ」

15: 2013/03/16(土) 00:14:49 ID:06F/DiPg
ヴィレッタ「だが、その方がお前も暮らしやすいだろう」

ヴィレッタ「向こうでも元気でな、玉城」

扇「……」

ヴィレッタ「どうした?」

扇「…いえ、あの」

扇「今更話すようなことでも無いとは思うんですが」

ヴィレッタ「歯切れが悪いな」

ヴィレッタ「スパッと言ってしまえ」

ヴィレッタ「ここには私とお前しか居ないのだから、聞かれることもないぞ」

扇「……実は、僕の名前は…」

ごごごごごごご……

ヴィレッタ「む、地震か?」

扇「みたいですね…」

扇「外に出ましょう、ここでは危険です」

ヴィレッタ「ああ、そうだな」

18: 2013/03/16(土) 00:48:04 ID:06F/DiPg
ヴィレッタ「……何だあれは」

扇「ナイトメア?」

ヴィレッタ「馬鹿な、あんなもの見たこともないぞ…」

ヴィレッタ「それが、突然租界の中央に現れるか!?」

扇「お、俺にも何がなんだか……」

ヴィレッタ「……私は軍に戻る」

ヴィレッタ「玉城は逃げるんだ」

扇「あの、俺は……」

ヴィレッタ「早くしろ、間に合わなくなっても知らんぞ」バタン

ヴィレッタ「いいな、氏ぬんじゃないぞ!」ブロロロロ…

扇「……結局名前を言えなかった…」

扇「……と、騎士団に連絡しないと」

19: 2013/03/16(土) 00:51:55 ID:06F/DiPg
~バトレー研究所~

研究員「ば、バトレー様」

バトレー「どうした」

研究員「オレンジの活性化が確認されました」

バトレー「おお!それは…」

研究員「いえ、マズイです」

研究員「異常活性に加え、神経伝達も規定数値を大きく上回っています!」

研究員「狂化を制御しきれません」

バトレー「そ、それでは……」

ごぼぼぼぼ…

研究員「バトレー様、逃げないと…」

バリィンッ

バトレー「……何と……」

21: 2013/03/16(土) 00:57:29 ID:06F/DiPg
ジェレミア「……おはようございました」

ジェレミア「……む、私は……」

バトレー「…意識はハッキリしているようだが?」

研究員「た、確かに……」

ジェレミア「……そうだ、確か……」

バトレー「じ、ジェレミア卿?」

ジェレミア「君は何者だね」

ジェレミア「ワタクシの名前とはジェレミアにて相違ないが」

バトレー「話を聞いてくれないか?」

バトレー「私は君の敵ではない」

22: 2013/03/16(土) 01:01:13 ID:06F/DiPg
ジェレミア「敵とは…」

ジェレミア「我が敵は純血派を脅かすもの…ではあったのだが、今は何であったのでしょうか」

ジェレミア「そう、かつてつい先程起こるべくして炸裂した光が…」

研究員「まだ言語に異常が…」

バトレー「むしろこの程度で済んでいることが奇跡だ」

ジェレミア「そう、確か守らねばならぬものが…」

ジェレミア「キミタチ、私の仲間がどこに行ってしまったかワタシは君達に聞いたかな?」

バトレー「は?」

ジェレミア「ルルーシュだ、ルルーシュをどこへ連れて行った?」

研究員「ルルーシュ?」

24: 2013/03/16(土) 01:08:28 ID:06F/DiPg
ジェレミア「ヴィレッタ、ロイド、皆どこへ行ったとすれば」

ジェレミア「だが、ワタシは今もここで居る」

研究員「バトレー様、精神状態が乱れて居ます!」

研究員「恐らく、意識を失う直前の感情が一気に……」

バトレー「お、オレンジ……」

ジェレミア「わ、ワタシは私は……」

ジェレミア「オレンジでは、なぁい!!」

ジェレミア「そうだ、破壊しなけれバ」

ジェレミア「ナリタを崩されるのは、ワタシに許されない!」ダッ

バトレー「ど、どこへ行く!」

研究員「あっちには……ナイトギガフォートレスが…」

バトレー「まさか、ジークフリートを!?」

27: 2013/03/16(土) 01:11:28 ID:06F/DiPg
バトレー「今すぐジークフリートの制御を掌握しろ!」

バトレー「あんなものがここで暴れれば、租界が壊滅してしまう!」

研究員「い、今やっています!」

研究員「……よし、操作系統は奪いました」

研究員「これで、リンクしても動かせないはずです」

バトレー「よくやった!」

バトレー「人をやって、オレンジを拘束しろ」

バトレー「狂化を耐えた検体だ、我が君もお喜び下さるだろう」

29: 2013/03/16(土) 01:19:40 ID:06F/DiPg
ジェレミア「なるほど、これが私の剣…」

ジェレミア「操作は……このケーブルを繋がれましたか」ガチン

ジェレミア「……む、動くとは思いたかったですな」

ジェレミア「だが、この程度でワタクシが止まるはずがありませんからね」

ジェレミア「……むぅん!!」ギュイィィィイン

ぐごごごごご……

30: 2013/03/16(土) 01:28:47 ID:06F/DiPg
バトレー「な、何だ!?」

研究員「お、オレンジです!」

研究員「システムごと乗っ取られました!」

バトレー「そ、そんな事、出来るはずが…」

研究員「ギアスによる活性化が想定を超えています」

研究員「今のオレンジは、まさに化け物…」

バトレー「……止めなければ」

研究員「は?」

バトレー「早く止めなければ、取り返しのつかないことになってしまう」

バトレー「システムをこちらに取り戻すんだ」

研究員「しかし……」

バトレー「やれ!私は政庁のコーネリア様に避難を進言してくる!」

研究員「危険です、バトレー様!」

36: 2013/03/16(土) 02:07:53 ID:06F/DiPg
ルルーシュ「……くっ、移動を始めたか」

CC「…こっちに向かって来ているような」

ルルーシュ「何であろうと、まずは武器がないことには戦えん」

ルルーシュ「今は一刻も早くガウェインを…」

CC「……!危ない!」

ルルーシュ「くっ……!?」

ガシャァアン

ルルーシュ「まずい、奴が現れたせいで租界がガタガタだ」

CC「気を付けろ、さすがの私も地面が無くなっては動けん」

ルルーシュ「何をどう気を付ければいいんだ」

CC「気持ちの問題だ、気持ちの」

37: 2013/03/16(土) 02:15:18 ID:06F/DiPg
ルルーシュ「おい、向こうから来るサザーランド…」

CC「…一機で何をしているんだ?」

ヴィレッタ「ルルーシュ、CC」

ルルーシュ「その声、ヴィレッタさん?」

ヴィレッタ「私のナイトメアは本部にあったからな」

ヴィレッタ「特派まで運んでやる、掴まれ」

ルルーシュ「CC」

CC「ああ」ガシ

ヴィレッタ「避難が思うように進んでいない」

ヴィレッタ「私もお前達を運んでからそちらに合流する予定だ」

ヴィレッタ「お前達は、ガウェインであのナイトメアを頼む」

ルルーシュ「了解です」

38: 2013/03/16(土) 02:21:09 ID:06F/DiPg
ルルーシュ(……そうだ、騎士団を動かせば)

ルルーシュ(すぐに連絡をとらなくては)ピピ

CC「こんな時に電話か?」

ルルーシュ「緊急事態だ」

ルルーシュ「このままでは、多くのにんけが氏ぬ」

ルルーシュ「それは止めなければ…」

ルルーシュ「…私だ、その声は玉城か」

ルルーシュ「租界の事件は知っているだろう」

ルルーシュ「今すぐ人間を揃えて、租界の避難誘導をしろ」

ルルーシュ「質問に答えている時間はない、頼むぞ」ピッ

CC「騎士団、動くか?」

ルルーシュ「分からないが、咲世子には頼めん」

ルルーシュ「ナナリーや生徒会の皆もどうなっているか…」

39: 2013/03/16(土) 02:25:41 ID:06F/DiPg
CC「ガウェインを取るついでに、そちらも見よう」

CC「隣だ、すぐに済む」

ルルーシュ「しかし…」

CC「その位の依怙贔屓は許されるさ」

CC「お前に心配事があれば、操作に迷いが出るかもしれんしな」

ルルーシュ「……すまない」

CC「私も望んでいることだ、気にするな」

ヴィレッタ「…!二人とも、気を付けろ!」ギャルルルルッ

ルルーシュ「うおっ!?」

CC「ルルーシュ!」ガシッ

ルルーシュ「一体何が……」

ヴィレッタ「例のナイトメアだ!」

40: 2013/03/16(土) 02:28:35 ID:06F/DiPg
ヴィレッタ「離れていろ、二人とも」

ヴィレッタ「特派トレーラーまであと少しだ」

ヴィレッタ「ここは私が食い止める」

ルルーシュ「無茶です!」

ルルーシュ「あのサイズ、サザーランドでどうにかなる相手じゃ…」

ヴィレッタ「ふん、そんなものは腕でカバーするさ」

ヴィレッタ「時間がない、早く……」

CC「ルルーシュ、行くぞ!」

CC「アレを止められるのはガウェインだけだ」

ルルーシュ「……分かった」

ルルーシュ「ヴィレッタさん、すぐに戻ります」

ヴィレッタ「ああ、それでいい」

41: 2013/03/16(土) 02:33:19 ID:06F/DiPg
ヴィレッタ(あのナイトメアの攻撃)

ヴィレッタ(一発たりとも後ろには通せん)

ヴィレッタ「……ジェレミア卿、私に力を」

ジークフリート「………」ゴゴゴゴ

ヴィレッタ「ふん、図体ばかり大きな奴め」

ヴィレッタ「来い、こっちだ!」ギャルル

ジークフリート「……」ゴゴゴ

ヴィレッタ(とにかく、隙を突くんだ……)

42: 2013/03/16(土) 02:37:44 ID:06F/DiPg
~ジークフリート内部~

ジェレミア「私は……私に」

ジェレミア「全ては、ギアスの元へ還る」

ジェレミア「私がすべきは、破壊、破壊、はかい」

ジェレミア「守る為に壊す、ルルーシュ、守らなければならない」

ジェレミア「う、ううう………」

ジェレミア「……」

ジェレミア「全てを無へと変換する」

ジェレミア「ただ、ギアスの元に……」

43: 2013/03/16(土) 02:40:48 ID:06F/DiPg
~騎士団本部~

玉城「おい、お前ら何言ってんだよ!」

扇「ん、集まっているのか?」

扇「玉城、一体どうした?」

玉城「扇、来るのが遅いぜ」

玉城「お前にも言ってやってくれよ」

扇「話が見えないんだが」

玉城「こいつら、ゼロの命令に逆らおうとしてんだ」

扇「ゼロの命令?」

44: 2013/03/16(土) 02:46:47 ID:06F/DiPg
井上「租界の住民を避難誘導しろって言ってたらしいけど…」

井上「…ねえ?」

杉山「別に、俺たちがやらなくても、ブリタニアの奴らがやるだろ」

杉山「あんなどでかい奴が暴れてるところに言ったら」

杉山「それこそ、俺たちが氏んじまう」

井上「もう少ししたら、私たち自治区の公式機関の地位もあるし」

井上「こんなところで氏にたくないかなって」

杉山「それに、殆どブリタニア人か名誉ブリタニア人だろ、あそこにいるのって」

杉山「俺たちを馬鹿にしたり、裏切った奴らだぜ?」

杉山「いい気味っていうかさ」

45: 2013/03/16(土) 02:52:05 ID:06F/DiPg
玉城「馬鹿言うなよ!」

玉城「あそこには日本人だっているし、そうじゃなくたって目の前で人が氏んじまうかもしれないんだぞ?」

玉城「助けるのが正義の味方だろうが!」

井上「正義の味方って言っても、自分達をまず優先しないと」

井上「こっちが逆に危なくなってしまうし」

扇(……皆、今まで安全な作戦ばかりで必要以上に怯えている)

扇(それに、安定が得られる可能性を守りたいがあまり……)

玉城「……!ああ、もういいぜ」

玉城「お前らなんか知らねぇ」

杉山「何だよ、熱くなるなって」

杉山「ゼロだって言ってたろ?氏ぬなって」

46: 2013/03/16(土) 02:57:35 ID:06F/DiPg
玉城「……ゼロが氏ぬなって言ってくれたのはな」

玉城「今のお前らみたいな、腐った奴らにじゃねぇんだよ」

井上「そんな言い方しなくてもいいじゃない」

玉城「昔のお前らは、そんなんじゃなかったよ!」

玉城「何が自分を優先だ!ブリタニア人だから氏んでもいいだ!」

玉城「そんなの、俺たちが一番嫌いだった扱いだろうが!」

井上「…それは」

杉山「…でも、やっと頑張りが報われそうなのに…」

玉城「頑張り?全部ゼロに従った結果じゃねえか」

48: 2013/03/16(土) 02:59:51 ID:06F/DiPg
玉城「頑張りなんて言えるのはな」

玉城「自分でなんでもやってきた奴だけなんだよ」

玉城「俺たちは、ゼロ無しじゃここまで来られなかったんだ」

玉城「だったら、最後まで従うのが筋だろ」

玉城「それが、部下の誇りってもんじゃんか」

玉城「……俺は情けねぇよ」

扇「玉城の言うとおりだ」

玉城「扇…」

49: 2013/03/16(土) 03:07:03 ID:06F/DiPg
扇「ブリタニア人も日本人も関係ない」

扇「助けられるのに動かないのは、それこそただの外道だ」

扇「玉城、俺が指揮を取る、すぐに動ける人間を集めてくれ」

扇「……お前たちは、そこにいていい」

井上「で、でも……」

杉山「……」

扇「やる気がない人間がいても邪魔になるだけだ」

扇「行こう、玉城」

玉城「お、おう」

井上「あ……」

50: 2013/03/16(土) 03:12:56 ID:06F/DiPg
南「……すみません、見苦しいところを」

藤堂「構わんさ」

藤堂「彼らの心情も察して余りある」

藤堂「私に責めることは出来ない」

南「どうしますか?」

藤堂「…ゼロに従うさ」

藤堂「彼の正義の味方気質は、余り好きではないが」

藤堂「それが正しい行動であるのは間違いない」

藤堂「それは、君達と行動を共にするようになって、よく見てきたつもりだ」

藤堂「……それより、君はどうするんだ?」

52: 2013/03/16(土) 03:19:32 ID:06F/DiPg
南「……俺も行かないと」

藤堂「理由があるのか?」

南「これ、見てくださいよ」

藤堂「テレビか?」

南「はい」

神楽耶「ブリタニア人、日本人の皆さん」

神楽耶「今、租界に現れた兵器は、無差別に破壊を繰り返しています」

神楽耶「今はいがみ合う時ではありません、手を取り合うのです」

神楽耶「喧嘩は、相手がいるから出来るのですから」

神楽耶「慌てずに、ゲットーの方まで避難してください」

神楽耶「黒の騎士団、わたくしのファンクラブの方々が、皆様を安全な場所まで誘導してくれます」

神楽耶「繰り返します、慌てずに……」

藤堂「神楽耶様が…」

54: 2013/03/16(土) 03:24:00 ID:06F/DiPg
南「騎士団のファンクラブ、手配したのは俺なんです」

南「こんな小さな子が頑張ってるのに、へたってられないから」

藤堂「……いい目をしているな」

藤堂「ゲットーの方は任せる」

藤堂「あのナイトメアは私と四聖剣に任せろと、扇に伝えてくれるか?」

南「…はい」

南「お互い、生きて帰ってきましょう」

藤堂「ああ、もちろんだ」

南「それでは……」

藤堂「おっと、一ついい忘れていた」

南「何ですか?」

藤堂「ファンクラブ、私も入れてくれるかね?」

南「……会員証、用意しておきますよ」

藤堂「よろしく頼む」

55: 2013/03/16(土) 03:27:39 ID:06F/DiPg
~租界テレビ局~

神楽耶「すみません、無理を言ってしまって」

ディートハルト「いえいえ」

ディートハルト「ゼロも、きっとこうしたはずです」

ディートハルト「さて、我々も避難しましょうか」

神楽耶「はい」

ディートハルト「それはそうと、ユーフェミア様はどうしたんですか?」

神楽耶「ユフィさんは、わたくしに出来ないことをしに行っています」

ディートハルト「?」

56: 2013/03/16(土) 03:30:23 ID:06F/DiPg
今日はここまで。随分書いた気がします。

ここからの予定では、咲世子さんが気になる言葉遊びをすると思います。

咲世子さんのセリフで引っかかっても、突っ込まないであげてください。演出です。

あと、予想を裏切る展開になると思うので、お楽しみに。

それでは、また。おやすみなさいノシ

72: 2013/03/16(土) 23:46:02 ID:06F/DiPg
~総督府~

ダールトン「ギルフォード、姫様!」バンッ

コーネリア「遅いぞ、ダールトン」

ダールトン「申し訳ありません」

ダールトン「ですが、租界に正体不明のナイトメアが……」

コーネリア「分かっている」

ギルフォード「総督、ご指示を」

コーネリア「……」

コーネリア「現在の避難状況は?」

ダールトン「順調とは言いかねます」

ダールトン「黒の騎士団の誘導により、一部の避難は完了していますが」

ダールトン「やはり租界の連結が途絶えた地区が多く、中央部の避難は難航しております」

コーネリア「軍の方はどうだ?動かせるか?」

73: 2013/03/16(土) 23:48:50 ID:06F/DiPg
ギルフォード「指揮系統の乱れが響いています」

ギルフォード「ナイトメアの一部は落下し、使い物にならないものも多く」

ギルフォード「軍車輌も満足に動けないと」

コーネリア「……あんな巨大なもの、どうやって突然…」

ダールトン「目撃者によりますと、租界の下部から現れた、と」

コーネリア「…つまり、建造されたのはここで、ということか?」

ダールトン「恐らくは」

コーネリア「……」

74: 2013/03/16(土) 23:52:56 ID:06F/DiPg
コーネリア「…よし」

コーネリア「ギルフォード、ダールトン、指示を出す」

ギルフォード「はっ」

ダールトン「何なりと」

コーネリア「まず、住民の避難が最優先だ」

コーネリア「周囲の租界に連絡し、ゲットーに避難した者を移動させる」

コーネリア「騎士団と連携をとれ」

コーネリア「ヘリ、輸送機、何を使っても構わん」

コーネリア「租界に避難所を設け、怪我人、病人、女子供を優先して乗せるんだ」

ギルフォード「し、しかし、黒の騎士団は……」

ダールトン「一介のレジスタンスに協力したとなれば、姫様の本国での立場が……」

75: 2013/03/16(土) 23:57:43 ID:06F/DiPg
コーネリア「そんなことを言っている場合ではない!」

コーネリア「騎士団を見ろ、我々より早く事態に対応している」

コーネリア「意地を張って犠牲になるのは我々ではない、力を持たない人々だ」

コーネリア「ブリタニア人、イレヴンの差別は許さん、迅速に全員の安全を確保しろ」

コーネリア「いいな、ダールトン」

ダールトン「……」

コーネリア「答えろ!」

ダールトン「……了解しました」ダッ

76: 2013/03/17(日) 00:02:38 ID:r4aG4R/s
コーネリア「それからギルフォード」

ギルフォード「…はい」

コーネリア「グラストンナイツを率い、避難の進んでいない地区の応援に向かえ」

コーネリア「兵力もそちらに割いて構わん」

ギルフォード「しかし、原因となっている巨大ナイトメアは…」

コーネリア「そちらは私が対応する」

ギルフォード「危険です!私も…」

コーネリア「数が居ても動きにくいだけだ」

コーネリア「心配ない、特派も巨大ナイトメア撃退に動いている」

コーネリア「フロートのない我々より、奴らの方が善戦できるはずだ」

77: 2013/03/17(日) 00:05:00 ID:r4aG4R/s
ギルフォード「…それでも……」

コーネリア「今は議論する時間も惜しいのだ、ギル」

ギルフォード「姫様…」

コーネリア「私の腕は知っているだろう?」

コーネリア「そう簡単にやられはせん」

コーネリア「お前は自分の仕事を速やかに遂行し、私に合流することを考えろ」

ギルフォード「……了解しました」

ギルフォード「くれぐれも、御身の安全を最優先に」

コーネリア「分かっているさ」

コーネリア「指揮権は預ける、存分に働け」

ギルフォード「はっ!」

78: 2013/03/17(日) 00:07:23 ID:r4aG4R/s
コーネリア「……私も行かねば」

コーネリア「特派が動いているということは、ルルーシュも戦うことになる」

コーネリア「……姉として、私が守ってやらねば」

コーネリア「……よし、出陣だ」パンッ

コーネリア「勝てる、勝つ」

コーネリア「私の管理するエリアを、簡単に落とせると思うな、化物め!」

79: 2013/03/17(日) 00:11:56 ID:r4aG4R/s
~租界大通り~

ヴィレッタ「……くっ!」ダダダダダッ

ジークフリート「……」キィンッ

ヴィレッタ「サザーランドの攻撃が通用しない…」

ヴィレッタ「…いや、諦めるのはまだ早
いか」

ヴィレッタ「こい、デカブツ!私はここだ!」

ジークフリート「……」ズズズズ

ヴィレッタ「…しかし、アレを動かしているのは誰だ?」

ヴィレッタ「そもそも人が乗っているのかも分からん」ギャルルルル

ヴィレッタ「……ちっ、ここも通れないか」

ヴィレッタ「租界のあちこちが歪んでしまっている」

ヴィレッタ「逃げ回るのにも限界があるか……」ギュイイン

ヴィレッタ「どこかで攻めに転じなければ…」

80: 2013/03/17(日) 00:16:11 ID:r4aG4R/s
ヴィレッタ「……あの図体だ、狭い通路は動きにくいだろう」

ヴィレッタ「銃弾が効かずとも、瓦礫で押しつぶしてしまえば、ダメージを入れられるはずだ」

ヴィレッタ「……やるしかない」

ヴィレッタ「適当に威嚇射撃をしつつ、誘導する、それしか道は無いんだ」

ヴィレッタ「…出来る、私なら」

ヴィレッタ「……よし、二ブロック先のビル街だ」

ヴィレッタ「そこで決める!」ギュインッ

81: 2013/03/17(日) 00:29:46 ID:r4aG4R/s
ヴィレッタ「ここで……」ギュイン

ヴィレッタ「!何故こんなところにテレビ局のバンが……」

ヴィレッタ「こんな時に撮影するつもりか!?馬鹿が…!」

ヴィレッタ「おい、早く逃げろ!」

ジークフリート「……」

ジークフリート「……システム掌握」

ヴィレッタ「何だ……?」

ジークフリート「ハカイだ……」

ジークフリート「守る、守る為の破壊…」キイィィィィイン

ジークフリート「ハ、カ、イ」ドンッ

ヴィレッタ「!?急加速だと!?」

82: 2013/03/17(日) 00:33:14 ID:r4aG4R/s
ヴィレッタ(バンの退避は間に合わない…)

ヴィレッタ「……」

ヴィレッタ「……ええい!させるか!」ガシッ

ヴィレッタ(ハーケンを使えば……)ヒュンッ

ヴィレッタ「そっちには、行かせん……!」グググ

ヴィレッタ「ま、が、れぇ……」ズズズ

ジークフリート「………」

ジークフリート「…邪魔を、するな!!」ブンッ

ヴィレッタ「ぐあっ!?……」

83: 2013/03/17(日) 00:38:35 ID:r4aG4R/s
ヴィレッタ(……租界のプレートが…無い)

ヴィレッタ(私は今……落ちているのか?)

ヴィレッタ(ハーケンは……使えない)

ヴィレッタ(バンは、逃げられたか?)

ヴィレッタ(脱出は……いや、地面に激突するだけか)

ヴィレッタ(あっけない、これで何もかも終わり)

ヴィレッタ(……)

ヴィレッタ(ルルーシュ、カレン、枢木、奴を止めてくれ)

ヴィレッタ(あいつは、逃げ切れただろう)

ヴィレッタ(カレー、…最後に食べておいて、良かった)

どがしゃあぁぁぁぁああん!

84: 2013/03/17(日) 00:43:07 ID:r4aG4R/s
扇「誰か!逃げ遅れた人はいませんか!」ブロロ…

扇「ん?あのバンは…」

扇「おい!早く逃げるんだ」

ディートハルト「安全な道を教えていただきたい」

扇「ディートハルト?それに……」

神楽耶「貴方、騎士団の方ですわね?」

扇「ええ」

神楽耶「さっき、ブリタニアのナイトメアが下に落ちて行きました」

神楽耶「わたくしたちを庇って下さったのです」

神楽耶「まだ生きていらっしゃるかもしれません、助けてあげてください」

85: 2013/03/17(日) 00:45:18 ID:r4aG4R/s
扇「わ、分かりました」

扇「ディートハルト、道なら外周に沿って行くんだ」

扇「まだ道がある」

ディートハルト「了解です」

ディートハルト「神楽耶様、参りましょう」

神楽耶「パイロットさんを、よろしくお願いしますね」

扇「はい、分かりました」

扇「……下か、行ってみよう」

86: 2013/03/17(日) 00:52:21 ID:r4aG4R/s
~租界プレート下部~

扇「……この辺りのはずだが」

扇「あ!あれか」ダダッ

扇「ええと、ハッチを開くには……」

扇「くそっ、こんなことならもっと乗っておくんだった…」

扇「!これか…」カチッ

プシュッ

扇「だ、大丈夫……」

扇「ヴィレッタさん!」

ヴィレッタ「……」

扇(頭を打っているのか)

扇(揺すったらダメなんだよな)

扇「ヴィレッタさん、俺です、分かりますか?」

扇「酷い血だ……すぐにゲットーの救護に連れて行かないと」

87: 2013/03/17(日) 00:57:11 ID:r4aG4R/s
扇「まずは、簡単に止血して…」キュッ

扇「レジスタンスやってて良かった…」

扇「よし、そっとだ、そっと車まで運ぶんだ…」グッ

扇「間に合うさ、そうに決まってる」

扇「ごめんなさい、背負わせてもらいますよ」

扇(……軽い)

扇「…すぐに、ちゃんと手当てしますから」

扇「ヴィレッタさん、お願いだから氏なないで下さいよ!」

扇「俺、まだあなたに本当の名前すら教えて無いんですから!」

88: 2013/03/17(日) 01:06:01 ID:r4aG4R/s
~特派 ナイトメア格納庫~

ルルーシュ「カレン、ラクシャータ!」

カレン「ルルーシュ、それにCCも」

CC「ガウェインはどうだ?」

ラクシャータ「すぐにでも行けるよぉ」

ルルーシュ「カレン、学園の皆は?」

カレン「わ、分からないわよ」

カレン「あたしもこの子達の整備やってるとこだったし」

ルルーシュ「…そうか」

ルルーシュ「CC!まずはそっちに行くぞ」

CC「ああ、分かった」

カレン「ルルーシュ、あのでっかい奴は相当危ないわよ」

カレン「あまり無理しないでね」

ルルーシュ「もちろんだ」

90: 2013/03/17(日) 01:14:20 ID:r4aG4R/s
ルルーシュ「ラクシャータ、スザクから連絡はあったか?」

ラクシャータ「ええ、少し前にねぇ」

ラクシャータ「空港からこっちに来てるって」

ルルーシュ「分かった」

ルルーシュ「他に何かあればすぐに連絡してくれ」

ラクシャータ「オッケー、任せなさぁい」

ラクシャータ「……それと、無理なら戻って来なさいよ」

ラクシャータ「あんなの、アタシもロイドも見たこと無いんだから」

ラクシャータ「どんな武器があるかも分からないし」

ルルーシュ「心配するな、ヘマはしない」

91: 2013/03/17(日) 01:16:52 ID:r4aG4R/s
CC「ルルーシュ!行くぞ」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「それでは、行って来る」

ルルーシュ「ここは任せたぞ」

ラクシャータ「はいはぁい」

カレン「あたしもすぐに行くから、手柄は残しときなさいよ!」

ルルーシュ「それなら、せいぜい急ぐんだな」

ルルーシュ「CC、発進してくれ」

CC「よし、まずはアッシュフォード学園だな」

92: 2013/03/17(日) 01:27:58 ID:r4aG4R/s
~アッシュフォード学園 校庭~

ミレイ「皆、揃ってるわね?」

リヴァル「はい、会長」

ミレイ「くっ、こんなことになるなら、休日に予定を入れるんじゃ無かったわね」

ミレイ「でも、嘆いたところで事態は好転しないわ」

ミレイ「咲世子さん、ナナちゃんをよろしくお願いします」

咲世子「かしこまりました」

シャーリー「……」

ニーナ「……」

ミレイ「ほら、二人とも落ち込まないで」

リヴァル「会長、カグヤが言ってたゲットーの方に逃げましょう」

リヴァル「時間はかかるけど、一番確実です」

ミレイ「…そうね」

ナナリー「お兄様は大丈夫でしょうか」

咲世子「ルルーシュ様にはCC様もついていらっしゃいますから」

93: 2013/03/17(日) 01:36:02 ID:r4aG4R/s
ニーナ「…ねえ、あれ何?」

ミレイ「え?」

リヴァル「あれって、ナイトメア?」

ミレイ「ちょっとちょっと、新手ってこと?」

ミレイ「あーん、こんなことなら告白だけでもしておけばよかったぁ」

リヴァル「だ、誰に告白するつもりだったんですか!?」

ミレイ「もうお終いよぉ」

咲世子「いえ、あれは私達を助けに来たようですよ」

ミレイ「へ?」

ルルーシュ「皆、無事か!」

シャーリー「ルル…」

130: 2013/03/24(日) 01:38:27 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「良かった、まだ全員ここに居たのか」

咲世子「あの不可思議なナイトメアの登場で、動くに動けませんでした」

咲世子(無闇に動くよりも、この方が安全と判断いたしました)

ルルーシュ(良くやった)

ミレイ「ちょっとルルーシュ!」

ミレイ「あのオレンジ色の奴何!?軍の秘密兵器か何か?」

ミレイ「お偉いさんなんでしょ?何か知ってるの?」

リヴァル「か、会長落ち着いて下さいよ」

ミレイ「落ち着ける訳、無いでしょ!」

ルルーシュ「」

131: 2013/03/24(日) 01:42:11 ID:v4tdOfA6
CC「ルルーシュ、黙ってないで何か言ってやれ」

ルルーシュ「あ、ああ」

ルルーシュ「会長が動転するところは初めて見たものでな、あっけに取られてしまった」

CC「あいつも人間だ、どんなに強がっても怖いものは怖い」

CC「むしろ、お前は信頼されているということじゃないか」

ルルーシュ「どうしてそうなる?」

CC「ミレイは姉御肌で、自分もそれを自覚している」

CC「有事の際は、周りの人間を助けなくてはと使命感に燃えるタイプだ」

CC「その女が、お前が来た途端取り乱すんだぞ?」

ルルーシュ「単に聞きたいことが多いのでは無いのか?」

CC「……鈍感め」

133: 2013/03/24(日) 01:53:50 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「……まあいいか」

ルルーシュ「皆、聞いてくれ」

ミレイ「やっぱり軍の訓練?」

ルルーシュ「…残念ながら、あの兵器については不明なことだらけです」

ルルーシュ「とにかく、あいつは俺とCCでどうにかする」

ルルーシュ「全員速やかにゲットーにある避難所まで逃げるんだ」

ルルーシュ「正面門のところに、軍用トレーラーを運んで来た」

ルルーシュ「咲世子さん、運転は……」

咲世子「お任せ下さい」

ルルーシュ「よし、それでは皆乗り込んでくれ」

リヴァル「ほら会長、行きましょうよ」

ミレイ「わ、分かってるわよ」

ミレイ「さあ!皆、ついてきて!」

134: 2013/03/24(日) 02:01:17 ID:v4tdOfA6
シャーリー(これが、ルルの乗ってるナイトメア……)

シャーリー(これで、いつも戦ってるんだ……)

シャーリー(……皆を守るために)

シャーリー(……それを、CCさんは助けてるんだ)

シャーリー(……でも、私は……)

ルルーシュ「シャーリー、君も早く」

シャーリー「……ルル」

ルルーシュ「ん?話なら後で……」

135: 2013/03/24(日) 02:09:43 ID:v4tdOfA6
シャーリー「私に、出来ることは無いの!?」

ルルーシュ「ど、どうしたんだ急に」

ニーナ(……私に出来ること…か)

ニーナ(……やっぱり、ルルーシュに渡そう)

ニーナ(きっと、上手く使ってくれるよね)タッ

シャーリー「私、ルルの役に立ちたいの」

シャーリー「出来ることはそんなに多くないけど、私だって…」

CC「ルルーシュ」

ルルーシュ「…分かっているさ」

ルルーシュ「シャーリー、よく聞いてくれ」

シャーリー「うん、何?」

136: 2013/03/24(日) 02:24:48 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「今君に出来ることは、ここから無事逃げることだ」

ルルーシュ「皆がいると、俺たちも全力で戦えない」

シャーリー「でも……」

ルルーシュ「戦うのは俺たちの仕事だ」

ルルーシュ「何も気兼ねすることは無い」

シャーリー「……っ!」ドンッ

CC「きゃっ…!?」

ルルーシュ「シャーリー!」

シャーリー「う、動かないで!」ガチャ

CC「しまった、銃を……」

137: 2013/03/24(日) 02:31:19 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「シャーリー、やめるんだ」

ルルーシュ「落ち着いて銃を下ろせ」

シャーリー「嫌!」

シャーリー「だって、ルルはあのナイトメアに乗って戦いに行っちゃうんでしょ!」

シャーリー「もしかしたら、氏んじゃうかもしれないのに……」

ルルーシュ「大丈夫だ」

ルルーシュ「そのために、普段から訓練しているんだからな」

シャーリー「でも、あんなのと戦うことなんて、想定してないでしょう!?」

ルルーシュ「それは……」

138: 2013/03/24(日) 02:37:50 ID:v4tdOfA6
シャーリー「ねぇ、一緒に逃げよう?」

シャーリー「ルルがやらなくても、誰かがやっつけてくれるよ」

シャーリー「ね?そうしよう?」

ルルーシュ「……それは出来ない」

シャーリー「どうして!」

ルルーシュ「今はまだ大人しいが」

ルルーシュ「あのナイトメアが暴れ出せば、この租界だけじゃない」

ルルーシュ「この国全体が危険に晒される」

ルルーシュ「それは、絶対に避けなければならない」

シャーリー「……」

ルルーシュ「分かってくれ」

ルルーシュ「これは、俺自身も望んでいることなんだ」

139: 2013/03/24(日) 02:55:21 ID:v4tdOfA6
シャーリー「……ダメ、やっぱりダメ!」

ルルーシュ「シャーリー……」

シャーリー「ごめんね、ルル」

シャーリー「でも、怪我してたら戦えないよね?」カチ

ルルーシュ「……俺を撃つのか?」

シャーリー「……だって、これしか…」

シャーリー「これしか、ルルを止められないんだもん!」

CC「シャーリー……」

咲世子(ルルーシュ様?)チラ

ルルーシュ(いや、いい)

142: 2013/03/24(日) 15:08:48 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「……それなら、やってみろ」スッ

シャーリー「……え?」

CC「ルルーシュ!」

ルルーシュ「シャーリーの気持ちは分からないでも無い」

ルルーシュ「どの道、今の俺に彼女を止める術は無いからな」

ルルーシュ「好きにしてくれ」

シャーリー「わ、私が撃たないと思ってるんでしょ?」ガタガタ

シャーリー「で、でも、あ、脚くらいなら……」

ルルーシュ「……」

シャーリー「……っ」ググッ

ダァン………

144: 2013/03/24(日) 15:14:15 ID:v4tdOfA6
咲世子「……何と」

シャーリー「……うぐっ」ガチャン

ルルーシュ「撃つと決めたのなら、すぐに引鉄を引け」カチャ

ルルーシュ「敵に時間を与えれば、こうして反撃を受けることになる」クルクル スッ

咲世子(……正確に銃本体を撃つなんて…)

咲世子(ルルーシュ様、貴方はどれだけ……)

シャーリー「……て、敵じゃないもん」

ルルーシュ「俺の邪魔をする人間は全て敵だ」

ルルーシュ「たとえそれがシャーリー、君でもな」

シャーリー「ルル……」

145: 2013/03/24(日) 15:24:22 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「これを人に向けるということは、同じく向けられるということだ」

ルルーシュ「そして、撃っていいのは撃たれる覚悟のある人間だけ」

ルルーシュ「君にはそのどちらの覚悟も無い」

シャーリー「……」

ルルーシュ「君の手は、銃を握る為のものじゃないんだ」

ルルーシュ「大人しく避難して欲しい」

シャーリー「…でも」

ルルーシュ「…本当に俺の為を思うなら、必ず生き残ることだ」

ルルーシュ「残念ながら、皆を守りながら戦うことは出来ない」

ルルーシュ「ナナリーを守ってくれ」

ルルーシュ「…頼めるか?」

シャーリー「……うん」

ルルーシュ「よし、それでいい」

146: 2013/03/24(日) 15:26:45 ID:v4tdOfA6
シャーリー「……ルル!」

ルルーシュ「まだ何かあるのか?」

シャーリー「私、今はまだ何も出来ないけど」

シャーリー「きっと、必ずルルの力になるから!」

シャーリー「ルルを助けられるようになるから!」

シャーリー「……だから、絶対に生きて帰って来て……」

ルルーシュ「当然だ」

ルルーシュ「まだまだやるべき事は山積みだからな」

シャーリー「…約束だからね」

ルルーシュ「ああ、約束だ」

147: 2013/03/24(日) 15:30:23 ID:v4tdOfA6
CC「ルルーシュ、大丈夫か?」

ルルーシュ「……悪いが、こいつを預かっておいてくれ」

CC「何故だ?」

ルルーシュ「お前の銃は壊してしまったからな」

ルルーシュ「それに、俺の手はこの様だ」プルプル

CC「お前……」

ルルーシュ「マオの時から腕は磨いたつもりだったが」

ルルーシュ「どうやら、俺の心はそんなに強くないらしい」

CC「……そんな事はないさ」

CC「よく頑張ったな、ルルーシュ」

ルルーシュ「労いなら、事件が終わってからにしてもらおうか」

ニーナ「ルルーシュ!」

ルルーシュ「…ん?」

148: 2013/03/24(日) 15:35:26 ID:v4tdOfA6
ニーナ「っ、はぁ、良かった、間に合ったみたい」

ルルーシュ「どこに行っていたんだ?」

ニーナ「ラボに行ってきたの」

ニーナ「あの、これ」

CC「……鍵?」

ルルーシュ「何の鍵なんだ?」

ニーナ「私の作ったフレイアの鍵」

ニーナ「これ、スペックと仕様が入ったメモリ」

ルルーシュ「フレイア?」

ニーナ「きっと、役に立つと思う」

ニーナ「とにかく、ガニメデの所にあるから持って行ってね」タッ

ルルーシュ「おい、ニーナ!」

ニーナ「頑張って、ルルーシュ!」

CC「……一体何なんだ?」

ルルーシュ「……さぁ?」チャリ

149: 2013/03/24(日) 15:37:48 ID:v4tdOfA6
ルルーシュ「…まあいい」

ルルーシュ「CC、行くぞ」

CC「ああ」

咲世子「ルルーシュ様、お待ち下さい」

ルルーシュ「ん?お前も何かあるのか?」

咲世子「ええ」

咲世子「あのナイトメアが現れてから、用意しておきました」

ルルーシュ「…何だ?このカバンは」

咲世子「いわば、ゼロ変身セットです」

咲世子「ルルーシュ様のマスクも入っています」

150: 2013/03/24(日) 15:42:15 ID:v4tdOfA6
咲世子「私は、ナナリー様をお守りしなくてはなりません」

咲世子「今回ばかりは、ゼロを任せていただくことが出来ないのです」

咲世子「ですから、CC様とどちらもこなせるように、ご用意いたしました」

咲世子「どうぞ、お持ち下さい」

ルルーシュ「……本当に、お前は優秀だな」

咲世子「恐縮です」

ルルーシュ「こちらは任せておけ」

ルルーシュ「お前は自分の仕事に集中するんだ」

咲世子「了解いたしました」

ルルーシュ「皆を頼むぞ」

咲世子「ええ、ルルーシュ様もご武運を」

152: 2013/03/24(日) 15:49:15 ID:v4tdOfA6
咲世子「最後に一つだけ、よろしいでしょうか?」

ルルーシュ「手短に頼む」

咲世子「日本には、的を射ると的を得るという言葉があります」

ルルーシュ「何が言いたい?」

咲世子「的を射るというのは、文字通り矢を射放つこと」

咲世子「的を得るというのは、その中央を射抜くことです」

咲世子「努力をすれば、的を射ることが出来る人間は少なくありません」

咲世子「ですが、的を得ることの出来る人間は、そう多くありません」

153: 2013/03/24(日) 15:51:39 ID:v4tdOfA6
咲世子「ルルーシュ様は、的を得ることの出来るお方」

咲世子「どうか、正しいご決断を」

ルルーシュ「…分かっている」

ルルーシュ「これまでも、間違ったつもりはない」

咲世子「……それでは、また後ほど」

ルルーシュ「ああ」クルッ

咲世子「……」

咲世子(どうか、ご無事で……)

154: 2013/03/24(日) 16:05:53 ID:v4tdOfA6
CC「話は済んだのか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「これを貰った」

CC「何のカバンだ?」

ルルーシュ「変装用だ」

CC「なるほど、そういうことか」

ルルーシュ「出られるか?」

CC「すぐにでもな」

ルルーシュ「よし」

ルルーシュ「さっさと終わらせるぞ」

155: 2013/03/24(日) 16:06:27 ID:v4tdOfA6
CC「そうだな」

CC「私たちの目の前で暴れたのが運の尽きだ」

ルルーシュ「ガウェイン、発進だ」ビシッ

CC「格好だけは付けるんだな」

ルルーシュ「そうでもしないと落ち着かんのだ」

CC「……まあ、想定外のことにしては、まだマシになった方か」

CC「了解、ガウェイン発進だ」ヒュイィィィイン

156: 2013/03/24(日) 16:16:30 ID:v4tdOfA6
~アヴァロンデッキ~

ラクシャータ「ロイド、パーツは全部運び終わったよぉ」

ロイド「技術士官は?」

ラクシャータ「ちょうど別租界に居たっぽいわぁ」

ラクシャータ「残念だけど、最低限いるかどうかってとこぉ」

ロイド「……まあ仕方ないか」

ラクシャータ「医療班は揃ってるから、怪我の方はどうにかなりそうねぇ」

ラクシャータ「マシンの方はアタシたちで頑張るしかないかしらぁ」

ロイド「分かった」

ロイド「セシルくん、発艦許可は?」

セシル「ダメです、出ません」

セシル「本部も混乱状態で、余裕が無いみたいで……」

ロイド「…そうか」

157: 2013/03/24(日) 16:29:32 ID:v4tdOfA6
ラクシャータ「どうする?」

ラクシャータ「カレンもランスロットも積んじゃってるし、アレも運んじゃったけど」

ロイド「……これ以上時間はかけられない、か」

ロイド「仕方ない、発艦しよう」

セシル「で、ですが……」

ロイド「責任は僕が取る、すぐに用意するんだ」

ラクシャータ「あらぁ?アタシを忘れんじゃないわよ」

ラクシャータ「……今度は、あんただけに背負わせたりしないからさ」

ロイド「心強いよ、ラクシャータ」

ロイド「セシルくん」

セシル「もう、知りませんからね」

セシル「それでは、強制発進を……」

ユーフェミア「お待ちなさい!」

セシル「え?ユーフェミア様?」

158: 2013/03/24(日) 16:35:16 ID:v4tdOfA6
ロイド「…あちゃあ」

ラクシャータ「早い結末だったわねぇ」

セシル「あ、あの、これは……」

ユーフェミア「すみません、通信をお借りします」ピッ

セシル「え?」

ユーフェミア「スザク、用意は出来ましたか?」

スザク「はい、いつでも行けます」

ユーフェミア「結構、次の命あるまで待機していなさい」

スザク「了解しました」ピッ

ユーフェミア「さて、これでよし、です」

ロイド「あ、あのぉ?」

ラクシャータ「どゆこと?」

159: 2013/03/24(日) 16:40:00 ID:v4tdOfA6
ユーフェミア「現在、軍の指揮系統は完全に麻痺しています」

ユーフェミア「残念ながら、この艦を発進させることは、副総督であるわたくしにも出来ません」

セシル「そ、それはそうなのですが……」

ユーフェミア「で、す、が!」

セシル「は、はい!」

ユーフェミア「この艦はシュナイゼル兄様の大切な旗艦」

ユーフェミア「このまま租界に埋める訳にもまいりません」

ユーフェミア「よって、わたくしは副総督として、妹としてこの艦をすぐに安全区域まで待避させる必要があります」

ユーフェミア「その過程で戦闘行為に介入してしまうのも、致し方無いことでしょう」

ロイド「…ということは?」

160: 2013/03/24(日) 16:45:21 ID:v4tdOfA6
ユーフェミア「この艦を待避させるにあたり、あの不明ナイトメアという脅威排除を最優先とします!」

ユーフェミア「皆さん、ご協力願えませんか?」

ラクシャータ「…だそうよ?」

ロイド「…のようだね」

ユーフェミア「ロイドさん、指揮はお任せしても?」

ロイド「もぉちろぉんですよぉ!」

ロイド「セシルくん、全艦放送で指示を出して」

ロイド「ラクシャータは飛翔滑走翼の調整、急いでね」

ロイド「セシルくんは、終わったら操艦お願い」

ロイド「僕は例のマシン完成させるからさ」

ラクシャータ「オッケェイ」

セシル「は、はい!」

161: 2013/03/24(日) 16:51:30 ID:v4tdOfA6
ユーフェミア「それでは、まいりましょうか」

ユーフェミア「平和を脅かすあのナイトメアを、何としてでも止めるのです」

ロイド「りょおかぁい!」

ロイド「さぁ、お偉いさんのお墨付きもあるわけだしぃ」

ロイド「いっちょ、やってやろうかぁ!」

ラクシャータ「おーう」

セシル「さっきまではいい緊張感だったのに……」

ユーフェミア「わたくしのやりたい事がこれで出来ます」

ラクシャータ「さて、どうなる事やら、ねぇ」

162: 2013/03/24(日) 16:57:26 ID:v4tdOfA6
~アヴァロン射出カタパルト前~

カレン「スザク、機体に問題は無いわよね?」

スザク「ああ、完璧だよ」

カレン「それならいいんだけど」

カレン「未だに、あたし一人で整備するのは落ち着かないのよね」

スザク「そうなのかい?」

カレン「だって、あたしに機体の全部がかかってんのよ?」

カレン「整備不良なんて起こしたら、乗ってる奴が氏ぬかもしれないんだから」

カレン「あんたも、ルルーシュも、CCも、もちろんあたしだって」

カレン「誰も氏なせないように整備やってんのよ」

164: 2013/03/24(日) 17:06:49 ID:v4tdOfA6
スザク「……カレンは変わったね」

カレン「なにが?」

スザク「最初は、もっと特派を嫌がっていたし」

スザク「僕のことも嫌いだっただろ?」

カレン「え?」

スザク「僕は裏切り者の日本人だからね」

スザク「でも、最近は違う」

スザク「思えば、今の君と初めて会ったのはナイトメア戦だったね」

スザク「あの時のトゲトゲしさが、嘘みたいだ」

カレン「何よ突然、気持ち悪いわね」

165: 2013/03/24(日) 17:20:08 ID:v4tdOfA6
スザク「いや、ふと思っただけなんだ」

スザク「確かに、変だったかもしれない」

カレン「……ま、あたしもここに来て色々知ったからね」

カレン「あんたが何を考えてたのかもわかったし」

カレン「…ブリタニアだとか日本だとかで縛られるのも勿体無く感じちゃっただけよ」

カレン「もちろん、日本を取り戻したいって目的は変わってないけど」

カレン「周りを全否定してすることじゃ無かったんだなってさ」

スザク「……そうだね」

スザク「僕は、あのフクオカで救われたんだ」

カレン「ユフィに、でしょ?」

スザク「君にさ」

カレン「え?」

166: 2013/03/24(日) 17:25:07 ID:v4tdOfA6
スザク「ここまでやってきたんだから貫けって」

スザク「何があったって離れて行ったりしないって」

カレン「あ、はは……そんなこと言ったっけ?あたし」

スザク「あの言葉で、僕は覚悟を決められたんだ」

スザク「ありがとう」

カレン「べ、別にいいわよ」

カレン「あたしも覚えてないし」

スザク「それでも、さ」

カレン「……ま、それであんたの気が済むならいっか」

167: 2013/03/24(日) 17:29:47 ID:v4tdOfA6
カレン「でも、戦いの前にそういう事を言うもんじゃないわよ」

カレン「終わってから言いなさいな」

スザク「はは、そうだね」

スザク「今度、食事にでも誘うよ」

カレン「はいはい、良いもの食べさせなさいよね」

スザク「お手柔らかに頼むよ」

カレン「さ、早く乗りなさい」

カレン「あたしもすぐに行くからさ」

スザク「その前に終わらせておくよ」

カレン「軽口禁止、いい?」

スザク「はは、了解」

212: 2013/04/12(金) 18:36:19 ID:.JBidxow
コーネリア「……あれが元凶か」ギャルルッ

コーネリア「あまりに巨大……」

ジークフリート「……」ズズズ

コーネリア「妙に大人しいのが引っかかるが」シャキン

コーネリア「これ以上暴れさせるわけにもいかん」

コーネリア「聞け!ナイトメアに乗っている人間!」

コーネリア「私はコーネリア・リ・ブリタニア!このエリアの総督である!」

コーネリア「投降すれば悪いようにはしない、今すぐ破壊活動をやめろ!」

ジークフリート「………」ズズズ

コーネリア「くっ、聞く耳持たんか」

213: 2013/04/12(金) 18:40:52 ID:.JBidxow
コーネリア「それなら、力尽くで取り押さえるまで」

コーネリア「ラウンズも認める腕、とくと見せてくれよう」

ジークフリート「………」ジャキン

コーネリア「うおおおおぉぉ!!」ギャアアア

ジークフリート「……ル…ル……ア……」

ジークフリート「グワアアアア」ヒュンッ

214: 2013/04/12(金) 18:46:22 ID:.JBidxow
~ジークフリート内部~

ジェレミア「ぬう……っ」ドサッ

ジェレミア「ダレだ……ワタシを惑わすのは……」ズキズキ

ジェレミア「ヤメロ……ワタシには使命がアル……」

ジェレミア「我がシメイ……ハカ……イ」

ジェレミア「ハカイ……では……ない?」

ジェレミア「それでは……イッタイ……」

ジェレミア「む………アレは……」

ジェレミア「コーネリ……ア……様の」

ジェレミア「そう、だ、私は……」

215: 2013/04/12(金) 18:49:00 ID:.JBidxow
???「全てを破壊するんだ」

???「僕らも君も、それを望んでいる」

ジェレミア「き、さま……何も……」

???「考える必要はないんだ」

???「大丈夫、ルルーシュはCCが守ってくれる」

???「僕らの計画に、何らの支障もないんだ」

ジェレミア「ルル……シュ」

ジェレミア「C……C」

216: 2013/04/12(金) 18:54:28 ID:.JBidxow
???「さあ、目の前にあるのは何だい?」

ジェレミア「グロースター……」

???「それ、粉々にしていいよ」

???「君の想う国の為に、ね」

ジェレミア「そう……国の……」ズキン

ジェレミア「国の……為に」

???「さあ、いってらっしゃい」

???「……オレンジくん」

ジェレミア「ワタシは……オレンジでは……ない」

ジェレミア「そう、いつからか敵はホロボサねば」

ジェレミア「我が血塗られし宿命を」

ジェレミア「オールハイル、ブリタニア!!」

217: 2013/04/12(金) 18:59:43 ID:.JBidxow
~ガウェインコックピット~

ルルーシュ「……思っていたより、破壊が進行していない」

CC「気になるか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「あまりに大人しすぎる」

ルルーシュ「攻撃の為でないなら、何の為に現れたんだ?」

CC「さあな」

CC「残念だが、私には分からん」

ルルーシュ「ともかく、好都合ではある」

ルルーシュ「何とか事態を収拾し、これを機に軍事、政治ともに再編成を行う」

CC「再編成?」

218: 2013/04/12(金) 19:07:16 ID:.JBidxow
ルルーシュ「コーネリアの補佐をしていて、一番の問題はエリアの特殊性だと気付かされた」

CC「コーネリアがか?」

ルルーシュ「すっぱり否定も出来ないが、それではない」

ルルーシュ「このエリアについてだ」

CC「ふむ……」

ルルーシュ「分かるか?」

CC「……いや、分からない」ズキ

CC「……それで?説明はしてくれるんだろうな?」

ルルーシュ「?あ、ああ」

ルルーシュ「大丈夫か?」

CC「何の話だ」

ルルーシュ「今、一瞬辛そうに感じた」

CC「気のせいだ、問題ない」

ルルーシュ「そうか……」

220: 2013/04/12(金) 19:18:18 ID:.JBidxow
ルルーシュ「まあ、説明という程大したことではない」

ルルーシュ「この国が、他のエリアと決定的に違う所」

ルルーシュ「つまり、サクラダイトだ」

CC「サクラダイト自体は、他のエリアでも採掘されているだろう」

ルルーシュ「単に採掘ならば、な」

ルルーシュ「だが、ナンバーズが実質的に採掘を取り仕切っているのは、ここが唯一だ」

CC「……確かに」

ルルーシュ「それが、この国の支配構造を複雑にしている」

ルルーシュ「この国の利権は、実際のところ本国が握っているわけではない」

CC「そうなのか?」

ルルーシュ「例えばシュタットフェルト」

ルルーシュ「本国でも名のある名家だ」

ルルーシュ「それが何故、こんな辺境に赴任している?」

221: 2013/04/12(金) 19:25:06 ID:.JBidxow
CC「なるほど、全てはサクラダイトを巡る争いか」

ルルーシュ「その通りだ」

ルルーシュ「もはやエネルギー伝達物質として欠かすことの出来ない資源であるサクラダイト」

ルルーシュ「それを専売した時の利益は、キョウトの規模からも察しは付くだろう」

CC「たしかに、植民地化されているとは思えん」

ルルーシュ「だが、今回の騒動で、利権を狙っていた連中は殆ど本国へとんぼ返りだ」

ルルーシュ「カレンは、どうやら付いていかなかったようだが」

CC「母親は残された、そのせいだろう」

ルルーシュ「何とも、やりきれない話だな」

222: 2013/04/12(金) 19:38:01 ID:.JBidxow
ちょっと飲んで来る。きっとまた書けると信じる。

228: 2013/04/13(土) 20:12:51 ID:srB1oMpY
ルルーシュ「とにかく、今日本は丸裸と言っていい」

ルルーシュ「今こそ、全支配権を一旦ブリタニアに統一させる」

CC「しかし、そんなことをすれば」

CC「キョウトは壊滅してしまうんじゃないか?」

ルルーシュ「ああ、そうなるだろう」

CC「いいのか?」

CC「騎士団はともかく、桐原はお前の正体を知っているんだぞ?」

CC「報復を企てられたら」

ルルーシュ「その為の自治区だ」

CC「何?」

ルルーシュ「ここで、日本自治区が使える」

ルルーシュ「あの巨大ナイトメアは誤算だったが、これは使える材料だ」

229: 2013/04/13(土) 20:16:58 ID:srB1oMpY
ルルーシュ「まずはキョウトの本拠を自治区に移し」

ルルーシュ「トウキョウ租界の立て直しを支援してもらう」

CC「支配層に食い込ませるのか?」

ルルーシュ「いや、それでは利権を取るのが桐原になるだけで何も変わらない」

ルルーシュ「あくまで主体はブリタニアに任せる」

CC「話が見えない」

ルルーシュ「ようは、自治区としての地位を底上げするんだ」

ルルーシュ「サクラダイト利権をブリタニアに譲渡し、貿易のみを自治区に限定する」

CC「……それは、どうなるんだ?」

ルルーシュ「少し複雑ではあるが」

ルルーシュ「支配自体はブリタニアに統一される」

ルルーシュ「これによって、やがて日本を完全に独立させるにあたって交渉する相手をブリタニア皇族に一本化できる訳だ」

230: 2013/04/13(土) 20:52:44 ID:srB1oMpY
ルルーシュ「現状、今の日本を独立させようとすれば」

ルルーシュ「様々な貴族やその他企業を全て根回しした挙句、相当な金銭、物資、さらには人員が必要になる」

ルルーシュ「それを用意するには、莫大な時間がかかるだろう」

ルルーシュ「俺の力の及ばぬところで動く影も多いことだしな」

CC「……なるほど、それがブリタニアに一本化されていれば」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「俺がラウンズになるだけで、一気に条件をクリアできる」

ルルーシュ「当初の計画とは変わってしまうが、こちらの方が早く事が済む」

CC「そのためには、さっさとあいつを片付ける必要がありそうだな」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「それが第一条件だ」カチカチ

231: 2013/04/13(土) 22:35:49 ID:srB1oMpY
CC「……見えた」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「……だが、妙だな」

CC「めちゃくちゃだが、暴れまわっているな」

CC「…おい、あれは」ピッ

ルルーシュ「コーネリアか?」

CC「どうやら、交戦中らしいな」

CC「まずいぞ、グロースターでどうにかできるとは思えん」

ルルーシュ「ハドロンを撃つ、操作は任せるぞ」

CC「分かっている、派手にやれ」グイッ

ルルーシュ「言われなくても!」ピピッ

245: 2013/04/29(月) 22:25:38 ID:Elq1J4gs
コーネリア「ぐあっ!!………」ズシャアアッ

コーネリア(何てパワーとスピードだ……機体性能が違いすぎる……)

コーネリア(突然動きが変わった、何故…)

コーネリア「くっ!?」ガキィン

ジークフリート「ナイトメアのパイロットよ」

コーネリア(交信?今更何の目的だ?)

コーネリア「何だ?降伏する気になったか?」

ジークフリート「もう無駄な抵抗はやめたほうがいい」

ジークフリート「私は完成されてしまった」

ジークフリート「もはや、この地を焦土と化すまで、止まることはできない」

ジークフリート「私の中に残る微かな感情が、貴公を生かさねばならぬと騒ぐのだ」

ジークフリート「大人しく逃げて欲しい、そうでなければ、私は再び、私を裏切らなければならなくなる」

247: 2013/04/29(月) 22:31:57 ID:Elq1J4gs
コーネリア「裏切る?どういうことだ!」

ジークフリート「もはや、それが何の残り香なのかも分からぬ」

ジークフリート「だが、確かにあるのだ」

ジークフリート「我が破壊は、ブリタニアの為に……」

コーネリア(ブリタニアの為?それに先程から何を訳の分からないことを言っているんだ?)

コーネリア(だが、あの機体)

コーネリア(フロートシステムや挙動、まさしく枢木のランスロットと同じ……)

コーネリア(グロースターを超える最新世代、そして……)

コーネリア「……まさか、お前をここで暴れさせているのは……!」

ジークフリート「私は何も分からぬ」

ジークフリート「だが、破壊せねばならぬ」

ジークフリート「そう、全てを無に帰し、新たなブリタニアの栄光を」

ジークフリート「そして、ギアスの繁栄を!」

コーネリア「ギアス……?」

248: 2013/04/29(月) 22:35:21 ID:Elq1J4gs
VV「うーん、まずいな」

シュナイゼル「どうかされましたかな?」

VV「どうやら、あのパーツは適性があったようだ」

VV「完全に制御しきれていない」

VV「このまま話されても、面倒なことになる」

シュナイゼル「何か対策を?」

VV「……そうだね」

VV「残念だけど、コーネリアには氏んでもらうしかなさそうだ」

シュナイゼル「心が痛みますが、致し方ないでしょう」

VV「ふふ、君にまだ人の心が残っているなら、きっとそう言うんだろうね」

VV「…もちろん、僕ら化け物にはそんな感傷」

VV「もう存在しないけど」

249: 2013/04/29(月) 22:38:41 ID:Elq1J4gs
???「オレンジ、もうお喋りは終わりだ」

ジェレミア「……」

???「君は何も考えなくていい」

???「目の前にあるのは何だい?」

ジェレミア「グロースター、です」

???「いいや、違うよ」

???「あれは石ころだ」

???「邪魔な石ころは、どうすればいいかな?」

ジェレミア「……破……壊」

???「そうだ」

???「さあ、仕事を終わらせて」

???「優しい世界ですることがあるんだろう?」

ジェレミア「………」ギギギ

ジェレミア「イエス、ユアハイネス」

250: 2013/04/29(月) 22:41:44 ID:Elq1J4gs
コーネリア「おい、貴様!」

コーネリア「話を続けろ!一体何を知っている」

ジークフリート「……」

コーネリア「おい!」

ジークフリート「オールハイル……」ジャキン

コーネリア「!!」

ジークフリート「ブリタニア!!」ギュルルルッ

コーネリア「くっ、肝心な所を話さずにっ!」グラッ

コーネリア「しまっ……!?」

ジークフリート「破壊破壊破壊」

ジークフリート「全て、破壊だぁっ!!」

コーネリア「……!くっ……」ギュッ

251: 2013/04/29(月) 22:45:43 ID:Elq1J4gs
がきぃぃぃぃぃいんっ

コーネリア「……何……?」

藤堂「大丈夫か、ブリタニア皇女コーネリア」ギギギギ

コーネリア「貴様、黒の騎士団の……」

藤堂「武将は勇ましく有るべきだとは思うが」

藤堂「人を率いる為には、時として冷静になることも大切だ」

藤堂「足場の確保は、戦術の基本だろう?」

コーネリア「……言われなくても分かっている」

藤堂「それならば、今自分がすべきことを考えるのだな」ガインッ

ジークフリート「……石ころが二つ……」

???「残念ながら、もう一つ追加だよ!」

どぉんっ

ジークフリート「何?」ビリビリッ

252: 2013/04/29(月) 22:52:17 ID:hR5nxGno
???「うわ、全然効いてませんよロイドさん」

ロイド「ルミナスのエナジーだって有限だ」

ロイド「そのまま押し込んじゃえば、いけるさ、きっとぉ」

カレン「スザク、集中集中」

スザク「おっと、そうだね」

スザク「ユーフェミア様の騎士、枢木スザク」ビシッ

スザク「緊急事態により、戦闘に介入します!」

カレン「……そういうのは要らないのよ……」

コーネリア「枢木!」

藤堂「スザクくんか、暫くぶり、と言うべきか」

253: 2013/04/29(月) 22:54:37 ID:hR5nxGno
スザク「騎士団によるトウキョウ租界での武力行使は、本来認められていませんが」

スザク「事態の収束を最優先とします」

スザク「今は協力してください」

藤堂「……了解だ!」

ジークフリート「……邪魔な……」

ぎいぃぃぃぃぃいん!!

ジークフリート「ぬうっ!?」

コーネリア「この光は……」

スザク「ルルーシュ!」

藤堂「ルルーシュ?」

ルルーシュ「コーネリア様、ご無事ですか!」

コーネリア(そこは姉上と呼んで欲しかった……いや、もっと言うならお姉ちゃんと……)

254: 2013/04/29(月) 23:15:04 ID:hR5nxGno
スザク「ルルーシュ、コーネリア様のことは任せる!」

スザク「藤堂さん、よろしくお願いします」

藤堂「微妙に呑み込めんが」

藤堂「そう長く議論も出来ないようだ」

ジークフリート「破壊……」ズズズ

スザク「ルルーシュ、早くコーネリア様を安全な所へ」

スザク「ガウェインなら運べるだろう?」

ルルーシュ「任せておけ」

コーネリア「いや、私はまだ……」

ジークフリート「破壊!!」

スザク「行きます!」

藤堂「応!」

255: 2013/04/29(月) 23:16:06 ID:hR5nxGno
ルルーシュ「CC、頼む」

CC「退屈だったぞ」

CC「まあ、お姫様を助けてやらねばな」ガシッ

コーネリア「あ、おい……」

ルルーシュ「飛ばすぞ、CC」

ルルーシュ「早くスザク達に合流しなければ」

CC「まったく、こちらの姫にも気を遣ってくれないものか…」ボソッ

ルルーシュ「…それは終わってからだ」

CC「!」

コーネリア「……イチャイチャするんじゃない」

CC「い、行くぞ!」ブォン

258: 2013/04/30(火) 05:42:15 ID:nvZYdkG2
ジークフリート「ぬぅん!」グルルル

藤堂「くっ、大きな図体の割に素早いな」ギンッ

ジークフリート「破壊……」

藤堂「ナイトメアではなく租界のプレートを狙うのはいい作戦だ」

藤堂「攻め方をよく考えている、敵ながら見事」

藤堂「……もっとも、あくまで敵が私一人であればの話だがな」

スザク「でやぁぁぁぁあ!!」ガキィン

スザク「まだまだ!せいっ!」ギンッ

ジークフリート「鬱陶しい……」グリン

259: 2013/04/30(火) 05:43:07 ID:nvZYdkG2
スザク「藤堂さん!」

藤堂「ああ、万事承知している」カチャ

藤堂「使い慣れないが、選り好み出来る状況でもないな」

藤堂「ふんっ」ダダダダダッ

ジークフリート「ちょこまかと、無駄だというのが分からんか!」チュィンチュィン

スザク「無駄かどうか!」ヒュンッブンッ

藤堂「自分の身をもって知るといい!」ギャルルルッ

ジークフリート「氏に急ぐ兵に、勝利などありえん!」

260: 2013/04/30(火) 05:50:20 ID:nvZYdkG2
~トウキョウ租界郊外 避難区域~

ルルーシュ「ここなら安全だろう」

CC「よし、降ろすぞ」スッ

コーネリア「ここはどこだ?」

ルルーシュ「租界の外縁です」

ルルーシュ「ともかく、今は指揮系統の再構築を……」

コーネリア「いや、機体を修理してすぐにでも奴のところへ…」

CC「それは無理だ」スタッ

コーネリア「何?」

261: 2013/04/30(火) 05:51:25 ID:nvZYdkG2
CC「……やはりな」カシュッ

コーネリア「私を見下ろすんじゃない」

CC「自分の脚で立てるのか?」

コーネリア「……」

ルルーシュ「怪我か?」スタ

CC「機体が歪んでいる、おそらくは挟まれたのだろう」

CC「ルルーシュ手伝え、この見栄っ張りをコックピットから出す」

コーネリア「貴様、誰に向かって……」

CC「怪我人に向かって、だ」

コーネリア「!」

CC「今は細かいことを言い争う時間もない」

CC「不敬罪なら全て終わってから受け付ける、大人しくしていないと二度と両の脚で立てなくなるぞ」

ルルーシュ「CC、もう少し言い方を考えろ」

262: 2013/04/30(火) 05:57:43 ID:nvZYdkG2
ルルーシュ「コーネリア様、その脚では出撃など到底できません」

ルルーシュ「あの巨大ナイトメアは我々でどうにかします」

ルルーシュ「ですから……」

コーネリア「……あまり他人行儀な話し方をするな」

ルルーシュ「は?」

コーネリア「私も自分のことくらい分かる」

コーネリア「……だが、あのナイトメアのパイロットが妙なことを言っていたんだ」

ルルーシュ「妙なこと?」

コーネリア「私を頃したく無いとか、完成されてしまったとか」

コーネリア「それに……」

CC「勿体ぶるな、今も枢木や藤堂は戦っているんだぞ」

コーネリア「うるさい、今話そうとしていたんだ」

コーネリア「少し見ないうちに随分ふてぶてしくなりおって」

CC「信頼の証と受け取ってくれ」

263: 2013/04/30(火) 06:18:44 ID:k5eqW2hk
ルルーシュ「それで?続きは何ですか?」

コーネリア「ああ、そうだったな」

コーネリア「確か……ギアスと言ったか」

ルルーシュ「!」

CC「……」

コーネリア「何のことかは分からないが、重要ではあるだろう」

ルルーシュ(……CC)

CC(何だ?)

ルルーシュ(あの機体とギアスが関連しているのは、まあいい)

ルルーシュ(仮にギアスの秘密が漏洩する恐れがあった場合、お前ならどうする?)

CC(……私なら、機密保持の為にコーネリアの口を封じる)

ルルーシュ(……だろうな)

ルルーシュ(まずいな、コーネリアがギアスのことを知り、それを公表でもすれば)

CC(まず間違いなく、命はない)

264: 2013/04/30(火) 06:23:18 ID:k5eqW2hk
コーネリア「何をこそこそ話している?」

ルルーシュ(既に裏で糸を引いている人間にコーネリアのことがバレている可能性は?)

CC(そう高くはないはずだ)

CC(だがコーネリア側ではなく、ナイトメアのパイロット側の行動が掴まれていれば……)

ルルーシュ(なるほど、ありえないとは言えんな)

コーネリア「私を無視するなー」

CC(どうする?)

ルルーシュ(……)

コーネリア「おーい」

ルルーシュ「…仕方あるまい」スッ

コーネリア「ん?どうしたルルーシュ」

265: 2013/04/30(火) 06:30:06 ID:k5eqW2hk
ルルーシュ「姉上、これは貴女を守るためなんだ」キイィン

コーネリア「ど、どうした?怖い顔をして」

コーネリア「それに、姉上なんて……」

CC「ルルーシュ…」

ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」

ルルーシュ「ギアスに関することを全て忘れろ!」キュイィィィン

コーネリア「え?」

コーネリア「……分かった」

ルルーシュ「指揮官として、事態の終結に向けて行動する方が得策ではないか?」

コーネリア「そう、かもしれない」

ルルーシュ「よし、ならばまずは脚の治療に向かう、いいな?」

コーネリア「……ああ、そうしよう」

266: 2013/04/30(火) 06:37:00 ID:k5eqW2hk
ルルーシュ「…よし、コーネリアは引き渡した、時期に意識もハッキリするだろう」

ルルーシュ「医務官達も、ショックによる一時的な混乱と判断するはずだ」

CC「……」

ルルーシュ「何か言いたそうだな、CC」

CC「あんなくだらないことでギアスを使うな」

CC「どのみち情報が渡った可能性があると知れているなら、もはやコーネリアがギアスのことを覚えていようがいまいが関係ない」

ルルーシュ「くだらなくはない」

ルルーシュ「この戦局を乗り切ってしまえば、コーネリアを暗頃する機会は少ないからな」

ルルーシュ「グラストンナイツもいる、俺も対策は可能だ」

CC「何故そうまでしてコーネリアを守る」

CC「奴はブリタニア軍侵攻の先陣を切っていたような女だ」

CC「言わばお前の理想の対極、相入れない存在」

CC「それを……」

267: 2013/04/30(火) 06:44:19 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「……どんな事情があろうとも、氏ぬべき人間など居ない」

ルルーシュ「まして、コーネリアは俺の姉だ」

ルルーシュ「ここで見捨てることは、シャルルが俺の母にしたことと何も変わらない」

CC「…マリアンヌは…っ!」

ルルーシュ「ん?何か知っているのか?」

CC「……言えない」

ルルーシュ「言えない?隠し事はしないんじゃなかったのか?」

CC「……言えないんだ」

ルルーシュ「……」

CC「だが、これだけは言える」

CC「お前の考えは正しい、氏ぬべき人間は存在しない」

CC「だが、それはまずお前自身のことを考えてからの話だ」

CC「前にも話しただろう」

CC「ギアスは単なる契約ではない、身体を蝕み、心を蝕んでいく」

268: 2013/04/30(火) 06:50:09 ID:RVeHpM1M
CC「私自身、そうして取り返しのつかないことになったんだ」

CC「だから、お前には全うな人間としての生を……」

ルルーシュ「…今更何を言っている」

ルルーシュ「お前と契約した時点で、全うな人間としての生など、とうに不可能だ」

CC「だが、私やマオのようにならないことは出来る!」

CC「お前がギアスを使えば使うほど、ギアスはお前をボロボロにしてしまう」

CC「使うなとは言わない、だが慎重に考えろ」

CC「それに、コーネリアからマリアンヌの情報を掴めたかもしれないんだぞ?」

ルルーシュ「……」

CC「絶対遵守は、ギアスの中でも強力な部類に入る」

CC「その分、侵食も進みやすいんだ」

269: 2013/04/30(火) 06:54:47 ID:RVeHpM1M
CC「だから……」

ルルーシュ「…」ポン

CC「!」

ルルーシュ「言いたいことは分かるさ」ナデ

ルルーシュ「心配してくれているのだろう、俺のことを」ナデナデ

CC「……当たり前だ、ばか」

CC「狂化して理性を保てる例はごく稀だ」

CC「最悪の場合、狂化に耐えきれずに精神が崩壊してしまう」

CC「それは、氏と同じだ」

CC「そんなことになったら、私は……」

ルルーシュ「……」ナデ

270: 2013/04/30(火) 06:57:57 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「……CC、お前は随分人間らしくなった」

CC「?」

ルルーシュ「出会った頃を覚えているか?」

ルルーシュ「自分勝手で、愛想が無くて、口も悪くて」

ルルーシュ「いや、それは今でも余り変わっていないか」

CC「……突然貶すな」

ルルーシュ「貶している訳じゃない」

ルルーシュ「それだけだったお前が、今こうして俺の為に怒って、そして悲しんでくれる」

ルルーシュ「それは素直に嬉しい」

CC「な、何が言いたいんだ」

CC「回りくどいのは嫌いなんだ、私は」

ルルーシュ「…そうだったな」

271: 2013/04/30(火) 07:01:24 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「コーネリアのことは必要な措置だ」

ルルーシュ「確かに粗暴で好戦的だが、悪人ではない」

ルルーシュ「ギアスなんてものに関わる必要は無いんだ」

CC「それはそうだが…」

ルルーシュ「コーネリアが氏ねば、次にこのエリアを統治する人間が現れる」

ルルーシュ「……俺の推測が正しければ、シュナイゼルがな」

CC「本格的に征服するつもりか」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「自治区日本は出来て間も無い」

ルルーシュ「キチンとした法整備も追いつかない今なら、うやむやのうちに吸収することも可能だ」

272: 2013/04/30(火) 07:05:41 ID:RVeHpM1M
CC「つまり、コーネリアに氏なれれば、今後の計画に響くと?」

ルルーシュ「ああ」

CC「……後付けでよくそこまでペラペラと話せるものだ」

ルルーシュ「…流石に見透かされたか」

CC「当然だ、どれだけお前を見て来たと思っている」

ルルーシュ「どのくらいだ?」

CC「……」

CC「と、ともかくそれはただの言い訳だろう」

ルルーシュ「まあ全て嘘っぱちではないさ」

ルルーシュ「ギアスに関わらせたくないのは本心だ」

273: 2013/04/30(火) 07:11:56 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「ギアスについては、俺とCC」

ルルーシュ「二人で対処すべきだ」

ルルーシュ「無闇に首を突っ込ませれば、それこそ命の危険もある」

CC「それは…でも…」

ルルーシュ「皇妃マリアンヌに関しては、コーネリアに直接で聞けばいい」

ルルーシュ「ギアスも濫用するつもりはない、心配は無用だ」

CC「…私に聞かなくていいのか?」

ルルーシュ「母のことを?」

CC「…うん」

274: 2013/04/30(火) 07:16:45 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「いいさ」

CC「え……?」

ルルーシュ「お前は今まで、俺の不利になるようなことは一度もしなかった」

ルルーシュ「そんなお前が、俺の知りたがっている母のことを話せないと言っているんだ」

ルルーシュ「理由があるんだろう?」

CC「……うん」

ルルーシュ「そうしょげるな、無理に話させはしない」

ルルーシュ「俺もずっとお前を見て来た、信頼もしている」

ルルーシュ「な?」ポン

CC「……いちいち頭を叩くな」

CC「……ありがとう」

ルルーシュ「それは、何に対しての感謝だ?」

CC「……色々だ、色々」

275: 2013/04/30(火) 07:22:06 ID:RVeHpM1M
ルルーシュ「よし、続きは落ち着いてからだ」

ルルーシュ「急ごう、ガウェインの力が必要だろうからな」

CC「…ああ!」

???「ここは……助かったのか……」

ルルーシュ「ん?あれは……」

CC「何だ?行かないのか?」

ルルーシュ「いや、あれを見てくれ」

???「どうなっているんだ……」

CC「確か、どこかで見たことがあるような……」

ルルーシュ「行ってみよう」

ルルーシュ「見たところ酷く疲弊している、避難してきたなら助けなければ」

CC「お人好しも大概に、と言いたいが」

CC「確かに、捨て置くのも後味が悪いな」

ルルーシュ「ぶつぶつ言っていないで、こっちだ」グイ

CC「ひ、引っ張るな!」

276: 2013/04/30(火) 07:22:37 ID:RVeHpM1M

引用: ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.4