1:◆wjd7R.7O.A 2013/07/11(木) 14:28:50 ID:/dbLtNBo

2: 2013/07/11(木) 14:35:23 ID:/dbLtNBo
~ブリタニア本国 ラウンズ邸宅~

コンコン

???「……朝か」ムク

???「咲世子です」

???「……入っていい」

咲世子「失礼いたします」スッ

咲世子「調子はいかがですか?ルルーシュ様」

ルルーシュ?「残念ながら好調だよ」

ルルーシュ?「さあ、準備を頼む」

ルルーシュ?「慣れたものだろう」

咲世子「……ええ」

咲世子「……本当に、慣れてしまいました」

ルルーシュ?「そんな顔をするな」
バンプレスト コードギアス 反逆のルルーシュ EXQフィギュア ~ルルーシュ・ランペルージ~ (プライズ)

6: 2013/07/12(金) 15:31:08 ID:7gRc8DQ.
咲世子「あれから、なんの連絡も無いのですか?」

咲世子「……もっとも、既に二年も前の話」

咲世子「流石に今更かもしれませんが」

ルルーシュ?「あいつは簡単には氏なない」

ルルーシュ?「私はあいつが休んでいる間変わってやっているだけだ」

ルルーシュ?「お前はルルーシュに仕えているんだろう」

ルルーシュ?「それならただ信じて待てばい」

咲世子「……そうですね」

咲世子「CC様」

CC「……」

13: 2013/07/18(木) 12:00:04 ID:my56EOwk
咲世子「この髪も……」スッ

咲世子「きっとルルーシュ様は悲しまれるでしょうね」

CC「……面倒だから切っただけだ」

CC「その程度でとやかく言う奴じゃない」

咲世子「そうでしょうか……?」

CC「ああ」

CC「……よし、今日も見事な手際だ」

咲世子「ありがとうございます」

CC「今日の予定は?」

咲世子「これからユーフェミア様とエリア11復興ライブのスケジュールおよび興行予定の協議」

咲世子「その後はコーネリア様と会食」

咲世子「新造ナイトメアに関する調整をラクシャータ様と」

咲世子「そして夜にはエリア入りです」

CC「過密スケジュールだな」

14: 2013/07/18(木) 12:04:09 ID:my56EOwk
咲世子「ですので、その前にナナリー様とお会いしてはいかがですか?」

CC「……そうか、今はこっちに交換留学中だったな」

咲世子「最近なかなかお会いする時間がございませんでしたから」

咲世子「ナナリー様も寂しがっておられました」

CC「……そうだな、会おう」

咲世子「そう言ってくださると思っていました」

咲世子「それでは参りましょう、あまり時間に余裕があるわけでもありませんし」

15: 2013/07/18(木) 12:08:06 ID:my56EOwk
~学生寮~

男子生徒A「おい、あれって……」

男子生徒B「ナイトオブゼロ、イレヴンの手先さ」

女子生徒A「どうして皇帝陛下はあんな男をラウンズにしたのかしら」

女子生徒B「見た目はいいんだけどね」

男子生徒A「ナイトオブセブンといい、おかしいよ全く」

咲世子「………」

CC「……」

寮監「ご用件は?」

咲世子「特別寮棟まで」

寮監「あいよ、行きな」

咲世子「ありがとうございます」

CC「……」

16: 2013/07/18(木) 12:16:18 ID:my56EOwk
CC「……なかなかルルーシュのようにはいかないな」

CC「ブリタニア人には嫌われてしまった」

咲世子「ここは政府高官のご子息ご息女が数多く在籍していますから」

咲世子「仕方ないのです、彼らに罪はありません」

CC「分かっているさ」

CC「だが、堪える」

咲世子「……行きましょう」

CC「ナナリーは虐められたりしていないだろうな?」

咲世子「大丈夫です」

咲世子「どちらかというと、あんな兄を持って不憫だという流れになっていますし」

CC「……まあそれならいい」

咲世子「さあ、着きましたよ」

29: 2013/08/08(木) 21:45:01 ID:MmrkbRBY
CC「…」コンコン

咲世子「私は外で待機しておりますので」

CC「頼む」

ナナリー「どなたですか?」

CC「…久しぶりだな」

ナナリー「お兄様…」

CC「入っても?」

ナナリー「はい、どうぞ」

CC「失礼する」パタン

ナナリー「ふふ、本当にお兄様の声にしか聞こえませんね」

CC「ラクシャータの技術は凄まじいな」

ナナリー「戻せるんですか?」

CC「生体ナノだからな、スイッチで自由自在に」ポチ

CC「どうだ?こちらの方が落ち着くか?」

ナナリー「ええ、そうですね」フフ

30: 2013/08/08(木) 21:50:26 ID:MmrkbRBY
ナナリー「どうですか?最近の調子は」

CC「ままならないことが多いな」

CC「ルルーシュは凄い奴だよ」

CC「やるべきことが分かっている」

CC「オルゴールに入っていたデータのおかげで何をしたかったのかがやっと理解できた」

ナナリー「日本は随分といい国になったと聞きます」

CC「自治区も拡大したし、今は観光業をメインに据えているからな」

CC「街並みの整備も進み、疎開も幾つかは解体された」

CC「かつての瓦礫の山は、もう殆どない」

CC「サクラダイト交易も順調だ、問題はないのだが」

CC「……如何せんそちらに気をやり過ぎてな、今ではナイトオブゼロは売国奴だと言う輩も増えている」

CC「ナナリーには苦労をかけてしまっているな」

31: 2013/08/08(木) 21:54:22 ID:MmrkbRBY
ナナリー「いえ」

ナナリー「日本が急速に復興したのは紛れもない事実です」

ナナリー「私も、特に虐められたりはしていませんよ?」

CC「だが、気分は良くないだろう」

CC「兄を悪く言われるのは」

ナナリー「…それは、CCさんの方がそうなんじゃないですか?」

CC「……」

ナナリー「お兄様はお元気なのでしょうか」

CC「もちろんだ」

CC「あいつが簡単にお前の前から居なくなるはずがないだろう?」

ナナリー「……そう、ですよね」

ナナリー「…でも、最近はCCさんの方が心配になります」

CC「私が?」

32: 2013/08/08(木) 21:58:00 ID:MmrkbRBY
ナナリー「だって、お兄様の代わりをするということは」

ナナリー「CCさんがCCさんで居られなくなる、ということですよね」

ナナリー「それは、とても辛いことです」

CC「…もうすぐルルーシュは帰ってくる」

CC「それまでに、私ができることをしているだけさ」

ナナリー「……」

ナナリー「CCさん、聞いて下さい」

CC「何だ?」

ナナリー「CCさんは、もう十分にお兄様の為に働いたと私は思います」

ナナリー「ですから、もういいんじゃないですか?」

CC「……何の話か分からんな」

ナナリー「…もう、お兄様は…」

CC「…っ!」

ナナリー「…すみません、言葉が過ぎました」

CC「……いや」

33: 2013/08/08(木) 22:05:28 ID:MmrkbRBY
ナナリー「CCさんにはCCさんの未来があります」

ナナリー「私は、それを失うことを」

ナナリー「お兄様が望んでいたとは思えません」

CC「……だが、私はあいつに頼まれたんだ」

CC「あいつに夕食を作る約束もな」

CC「約束は、……契約は絶対だ」

ナナリー「CCさん……」

コンコン

CC「……何だ?」ピッ

咲世子「ルルーシュ様、そろそろお時間です」

ナナリー「…行ってしまわれるのですね」

34: 2013/08/08(木) 22:09:41 ID:MmrkbRBY
CC「ああ」

CC「明日からは日本だ」

CC「ナナリーが帰ってくるまでに、より良い国にするさ」

ナナリー「無理だけはしないで下さいね」

CC「…気には止めておくよ」パタン

ナナリー「お兄様……」

ナナリー「居るならば早く帰ってきて下さい」

ナナリー「……そうでないと、CCさんが」

ナナリー「……」

ナナリー「……お兄様……」

35: 2013/08/08(木) 22:14:10 ID:MmrkbRBY
短いけどこれだけ。

次は雑巾とか、今のカレンやスザク、特派の人たち出せればなぁと。


ルルーシュさんはいつ出てきますかねぇ。生きてるといいんですけど。

それでは、また次回。乙バレー

42: 2013/08/18(日) 23:54:32 ID:I6uc17Tk
咲世子「乗って下さい」ガチャバタン

咲世子「……ナナリー様とは?」

CC「いつも通りだよ」

CC「あの子は他人を気にしすぎる」

咲世子「……」

CC「それより、次はユーフェミアか」

咲世子「はい、少し急がないといけませんね」

CC「そうだな」

CC「着いたら起こしてくれ、少し寝る」

咲世子「かしこまりました」

CC(ナナリーも相当無理をしているな)

CC(兄が消えて二年、だが氏体は上がっていない)

CC(……)

43: 2013/08/18(日) 23:57:43 ID:I6uc17Tk
CC(だが、二年も音沙汰無しとはどういうことなんだ?)

CC(連絡なんてどんな方法でも取れる)

CC(それこそ、一年前は私もナナリーも日本にいた)

CC(それでも何も無いとなれば……)

CC(……)

咲世子(ルルーシュ様、貴方の存在はお二人にとってあまりに大きすぎます)

咲世子(このままでは、いずれ取り返しのつかないことになりそうで……)

咲世子(……私が、…いえ、それは無理です)

咲世子(……)

44: 2013/08/18(日) 23:58:32 ID:I6uc17Tk
ユーフェミア「よく来てくれました、ランペルージ卿」

ルルーシュ「ご無沙汰して」

45: 2013/08/19(月) 00:02:02 ID:Omsu/ipQ
ユーフェミア「よく来てくれました、ランペルージ卿」

ルルーシュ「ご無沙汰しております、ユーフェミア皇女殿下」

ユーフェミア「護衛は結構です、後は彼に任せて下がっていなさい」

SP「それでは、外で待機しています」

ルルーシュ「咲世子、お前も下がっていろ」

咲世子「はい」

ユーフェミア「これで二人きりですね」

ユーフェミア「お久しぶりです、ルルーシュ」

ルルーシュ「変わりないようで何よりだ」

ユーフェミア「ええ、お陰様で」

46: 2013/08/19(月) 00:07:01 ID:Omsu/ipQ
ユーフェミア「最近は仕事も随分落ち着きましたし、むしろ退屈です」

ルルーシュ「この前のステージは見させてもらったよ」

ルルーシュ「まさかユフィにこんな才能があったとはな」

ユーフェミア「わたくしはやりたいようにしているだけです」

ユーフェミア「カグヤも偏見や立場、色々な事情があるのに」

ユーフェミア「仲良くしてくれますから」

ルルーシュ「うまく行っているようでなによりだ」

ルルーシュ「スケジュールは事前に渡した内容で問題ないか?」

ユーフェミア「ええ」

47: 2013/08/19(月) 00:11:30 ID:Omsu/ipQ
ユーフェミア「カグヤは先に日本へ帰国していますし」

ユーフェミア「段取りは任せて欲しいと言っていました」

ルルーシュ「凱旋ライブだからな、張り切っているんだろう」

ユーフェミア「わたくしも久々の日本です」

ユーフェミア「ルルーシュが作った日本を満喫しなければ」

ルルーシュ「俺が作った訳じゃないさ」

ルルーシュ「皆の助けがあってこそだ」

ユーフェミア「謙遜は必要ありません」

ユーフェミア「モデルケースとして、各自治区でも取り入れられつつあると聞きました」

ユーフェミア「観光や娯楽、人を楽しませることが世界を平和にしていくというのは」

ユーフェミア「素晴らしいことです」

48: 2013/08/19(月) 00:15:17 ID:Omsu/ipQ
CC(ユーフェミアは相変わらずだな)

CC(果たして、本気で私をルルーシュと思っているのか、それすらも測れんが)

CC(だが、まだギアスの力は残っているようだし)

CC(この子は知らないほうがいいだろう)

CC(いや、知らない振りでもいい)

CC(何故かは分からないが)

CC(……ユーフェミアとルルーシュの話をしてはいけない気がする)

62: 2013/09/05(木) 01:15:25 ID:GIIsPpWc
ルルーシュ「最近変わったことはないか?」

ユーフェミア「変わったこと?」

ルルーシュ「一応確認程度にな」

ユーフェミア「いえ、毎日充実しています」

ユーフェミア「スザクもラウンズとして頑張っていると聞きますし」

ルルーシュ「会っていないのか?」

ユーフェミア「騎士とはいえ、そこまで束縛している訳ではありませんわ」

ユーフェミア「今度の日本ライブにはついて来てくれると言っていましたが」

ルルーシュ「ああ、警護も兼ねてな」

ルルーシュ「俺も姉上にはそう頻繁には会っていないが」

ユーフェミア「ふふ、お姉さまはさぞ寂しがっておられるでしょうね」

ルルーシュ「そうか?」

ユーフェミア「ええ、きっとそうです」

63: 2013/09/05(木) 01:18:40 ID:GIIsPpWc
ユーフェミア「今日のご予定は?」

ルルーシュ「その姉上と会食だな」

ユーフェミア「あら、そうでしたか」

ユーフェミア「参加したかったです」

ルルーシュ「来るか?」

ユーフェミア「残念ながら、これからインタビューを受けなくてはなりません」

ルルーシュ「いつもの、やりたいことをしているだけ、か?」

ユーフェミア「そういうからかいは嫌いです」

ユーフェミア「ですが、まあそうですね」

ルルーシュ「芸能人は大変だな」

ユーフェミア「そうでもないですよ」

ユーフェミア「事実を言うだけですし」

ルルーシュ「ユフィがそれでいいなら、俺も何も言わないさ」

ユーフェミア「本当、ルルーシュは変わりましたね」

64: 2013/09/05(木) 01:22:34 ID:GIIsPpWc
ルルーシュ「変わった?俺が?」

ユーフェミア「ええ」

ユーフェミア「なんだか……とっても寂しそう」

ルルーシュ「……っ!」

ユーフェミア「CCさんのことですか?」

ルルーシュ「…関係ないさ」

ユーフェミア「困った時や、辛い時は言ってくださいね」

ユーフェミア「話を聞くくらいなら、わたくしにもできます」

ルルーシュ「……その時は頼む」

ユーフェミア「はい」

ユーフェミア「それでは、お姉さまによろしくお伝え下さい」

ユーフェミア「あまり時間を使うと、外のSPの方が心配します」

ルルーシュ「そうなのか?」

ユーフェミア「ええ」

65: 2013/09/05(木) 01:24:20 ID:GIIsPpWc
ユーフェミア「わたくし、このままでは二股姫と呼ばれてしまうかも」

ルルーシュ「…はは、ラウンズに二股か」

ユーフェミア「ええ…ふふ」

ルルーシュ「それは避けないとな」

ユーフェミア「いえいえ、それもまた楽しそうです」

ユーフェミア「ともかく、わたくしはわたくしで上手くやりますから」

ユーフェミア「ルルーシュは無理をしすぎないように」

ユーフェミア「約束ですよ?」

ルルーシュ「……ああ、約束だ」

ユーフェミア「よろしい」

ユーフェミア「それでは、また日本で会いましょう」

ルルーシュ「そうだな」

66: 2013/09/05(木) 01:32:38 ID:GIIsPpWc
~高級レストラン~

コーネリア「なるほど、ユフィがそんなことをな」

コーネリア「あいつは意外と人をよく見ているから」

コーネリア「お前も自覚していない部分があるんじゃないか?」

ルルーシュ「そうなんですかね?」

コーネリア「私にはよく分からないがな」

コーネリア「まあ、昔の生意気さは無くなったと思うが」

ルルーシュ「私も大人になったと言うことですよ」

コーネリア「ふん、可愛げも無くなったかな」

コーネリア「20歳になったくせに酒にも付き合わんとは何事だ」

ルルーシュ「失敗したくないので」

コーネリア「姉に対してそのくらいの失態は許されるんじゃないか?」

コーネリア「まあ、少しは記憶も戻ってきたようだし、それで良しとしよう」

ルルーシュ「ほんの少しですが」

67: 2013/09/05(木) 03:03:30 ID:GIIsPpWc
コーネリア「実感はわかないか?」

ルルーシュ「ええ」

コーネリア「……まあ、今のお前にとってはそちらの方が都合がいいのかも知れんな」

ルルーシュ「と言うと?」

コーネリア「今やナイトオブラウンズだろう?」

コーネリア「余計な権力争いに巻き込まれるよりは、今の地位を盤石にする方が得だ」

コーネリア「私も、まさかこうまで出世するとは思わなかったが」

ルルーシュ「自分でも驚いていますよ」

コーネリア「何、ルルーシュの実力が正当に評価された結果だ」

コーネリア「何度も言うようだが、エリア11では助けられてばかりだったからな」

ルルーシュ「それは謙遜ですよ」

コーネリア「そんなことはない」

コーネリア「神根島の大量破壊兵器、それに巨大ナイトメア」

コーネリア「到底私の手には負えなかった」

68: 2013/09/05(木) 03:07:26 ID:GIIsPpWc
コーネリア「……もっとも、こちらも手痛い損失はあったがな」

コーネリア「CC、あの子とはもっと色々な話がしたかったよ」

ルルーシュ「……そう、思いますか?」

コーネリア「ああ」

コーネリア「あいつ程お前のことを考えていた女は居なかったぞ?実際」

コーネリア「頭も切れる、いいコンビだと思った」

コーネリア「おっと、少々失言が過ぎたか」

ルルーシュ「いえ」

ルルーシュ「あいつも喜ぶと思います」

コーネリア「有能な人間ほど早く居なくなってしまうのは何故なんだろうな」

コーネリア「……だがな、ルルーシュ」

ルルーシュ「はい?」

コーネリア「私は何故か、CCが生きているように感じるんだ」

ルルーシュ「……?」

コーネリア「変なことを言っている自覚はあるさ」

69: 2013/09/05(木) 03:12:26 ID:GIIsPpWc
コーネリア「よくは分からない」

コーネリア「だが、確かにそう感じるんだ」

コーネリア「また二人で私の前に現れるような、そんな感覚があるんだ」

ルルーシュ「…気休めはいりませんよ」

コーネリア「気休めなどではない」

コーネリア「ルルーシュ、お前も諦めるな」

コーネリア「お前はこの二年、一人でキチンとやってきた」

コーネリア「だが、以前のように人を使う、いや」

コーネリア「人を頼る、と言うべきか」

コーネリア「そういう、言わば余裕が無いように感じる」

コーネリア「お前の周りにはいい仲間が沢山いる」

コーネリア「もう少し任せてみたらどうだ?」

ルルーシュ「……はい、そうします」

98: 2013/09/30(月) 15:17:32 ID:cXo9cVl6
~ラウンズ執務室~

カレン「へー、コーネリアがそんなことをねぇ」カチャカチャ

CC「ああ」

カレン「ま、仕方ないっちゃ仕方ないでしょ」

カレン「だって、あんたはルルーシュじゃないんだから」

カレン「あ、そこのレンチとってくれる?」

CC「これか?」スッ

カレン「さんきゅ」

カレン「あたしからすれば、随分上手くやってると思うけど」グイッ

カレン「やっぱ、あいつにしか出来ない判断ってのはあるし」

カレン「それに、きっとあたしらの見てるところよりはさ」

カレン「ちょっと先を見てたと思わない?」

99: 2013/09/30(月) 15:39:03 ID:cXo9cVl6
CC「そうかもしれんな」

カレン「また素直に認めないんだから」

カレン「別にあんたの能力云々の話をしてる訳じゃないの」

カレン「ただ、あんたとルルーシュじゃ役割が違うでしょってこと」

CC「役割?」

カレン「ルルーシュが突っ走って」

カレン「CCが止める」

カレン「みたいな?」

CC「いや、私に聞かれてもな」

カレン「とにかく、ルルーシュと全く同じだとしたら、あんたたちが一緒にいた意味なくなっちゃうじゃない」

カレン「だから、あんまり気にしない方がいいわよ」

カレン「そのうちルルーシュもひょっこり帰ってくるだろうから」

100: 2013/09/30(月) 16:06:36 ID:cXo9cVl6
CC「お前は、ルルーシュが生きていると思うか?」

カレン「ええ」

カレン「むしろ、あんなやつどうやったら殺せるのか分からないわ」

カレン「その辺は、あんたと同じね」

カレン「よし、これで完了っと」

カレン「プロトの調整しといたから、ラクシャータのとこに行ったあと確認しといてね」

カレン「一応あんたの癖には合わせてあるつもりだけど」

CC「すっかり一端のメカニックだな」

カレン「ま、あたしの仕事なんてこれくらいしかないからね」

カレン「可翔式も最近乗ってないなぁ」

CC「荒事はスザクが片付けているから、仕方あるまい」

カレン「あいつも良くやるわよね」

カレン「少なくとも、無力化だけで全てを対処するなんて、あたしには出来ないわ」

101: 2013/09/30(月) 17:10:38 ID:2QYpW8rE
CC「……あいつもルルーシュの影を追っている一人だからな」

カレン「まさにそんな感じね」

カレン「戦神スザクなんて大層な二つ名もらったみたいよ」

CC「そういうお前にもあるじゃないか」

カレン「……あんなの、いらないし」

CC「なんだったか」

カレン「分かっててとぼけてるでしょ」

CC「ふふ、そうカッカするな」

CC「鬼神のカレン様」

カレン「ほんと、センスないわよね」

カレン「女の子になんて名前贈ってくれるのかしら、まったく」

102: 2013/09/30(月) 17:16:30 ID:2QYpW8rE
CC「スザクは無理をしているな」

カレン「明らかにそうでしょ」

カレン「相手は頃す気で来てるのよ」

カレン「それを、こっちは殺さずに対応しなきゃいけないんだから」

カレン「……その分こっちもフォローしてるけど」

カレン「あたしは、あんまりいいとは思わない」

CC「そうなのか」

カレン「だって、無力化を貫けば貫くほど」

カレン「相手は余裕をもってこっちに攻撃してくるようになる」

カレン「だから、向こうが恐れるように」

カレン「…きっちりやった方がいいのよ」

103: 2013/09/30(月) 17:19:09 ID:2QYpW8rE
CC「……お前たちは、鬼神と戦神でいいのかもしれんな」

カレン「ええ」

カレン「あいつが変わらないなら、あたしがあいつの分まで」

カレン「皆の恐怖の対象になるしかないもの」

CC「嫌じゃないのか?」

カレン「嫌に決まってるでしょ」

カレン「……でも、仲間が氏ぬより全然マシよ」

カレン「だって戦いなんだもん」

カレン「……人は氏ぬわ」

CC「……」

カレン「はい、暗い話はおしまい」

カレン「ラクシャータは研究室の方にいるはずだから、早く行きなさい」

CC「カレン、お前は……」

カレン「いいから」

104: 2013/09/30(月) 17:21:16 ID:2QYpW8rE
カレン「あんたはあんたなりにルルーシュのことを考えなさい」

カレン「あたしはあたしなりに」

カレン「これからのあたしたちについて考えて、やってるつもり」

CC「……すまんな」

カレン「ルルーシュが帰ってきたら、今までの分謝らせてやるわ」

カレン「じゃあね」

CC「ああ」

カレン「今日の日本入り、あたしも同じ時間だから」

カレン「先に行って待っとくわ」

CC「それでは、またその時に」

125: 2013/10/26(土) 22:36:42 ID:deKUtIqA
~ラウンズ直属 研究室~

ラクシャータ「あらぁん、よく来たわねぇら」

CC「元気そうだな」

ラクシャータ「あんたこそ」

ラクシャータ「ま、座ってよ」

ラクシャータ「いつもの、先にやっちゃうからさぁ」

CC「ああ、頼む」

ラクシャータ「あたしも、別にこーいうの得意って訳じゃないから」トントン

ラクシャータ「チクっとするわよ」

CC「こんなもの、慣れているさ」

ラクシャータ「ふふ、でしょうね」プス

ラクシャータ「……はーい、採血終わりー」

CC「何か分かったか?」

126: 2013/10/26(土) 22:42:22 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「何かって言われてもねぇ」

ラクシャータ「分かりやすい話でいいなら」

ラクシャータ「……とりあえず、あんたは人間とは違ってるってとこかしら」

CC「そんなこと、言われなくても分かっているさ」

ラクシャータ「血液は人間とさほど違わないんだけど」

ラクシャータ「驚異的な保存能力ね」

CC「何の話だ」

ラクシャータ「修復ってより、形状記憶って言えばいいのかしら」

ラクシャータ「原理は分からないけど」

ラクシャータ「あんたを作ってるタンパク質だったり、鉄分だったり」

ラクシャータ「カルシウムも、挙げればキリがないけど」

ラクシャータ「あんたって存在に戻ろうとする性質があるのよ」

127: 2013/10/26(土) 22:48:03 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「それがどのラインで決まるのかは謎」

ラクシャータ「首が飛んでも大丈夫なのか、はたまた身体から血液が無くなっても平気なのか」

ラクシャータ「腕が無くなったら、そこから生えてくるのか」

CC「あまり耳触りのいい言葉ではないな」

ラクシャータ「あたしも言ってて気分悪いわ」

ラクシャータ「でも、その辺の研究はあんまり進んでなかったみたいね」カタカタ

CC「それが、C計画の報告書か」

ラクシャータ「かなり高度に暗号化されてるけど」

ラクシャータ「この二年で六割以上解読したわ」

129: 2013/10/26(土) 22:56:15 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「薬物に対する耐性は相当ね」

ラクシャータ「現存する毒物を手当たり次第に調べられてる」

CC「……」

ラクシャータ「あんたの記憶には、肉体的に痛めつけられたのとかは無いわけ?」

CC「……焼かれたことはあるな」

ラクシャータ「なるほど、焼氏はしない、と」

ラクシャータ「それと、胸のとこの傷」

ラクシャータ「それが消えないのは…」

CC「私がこの身体になる前の傷は治らない」

ラクシャータ「そういうこと」

130: 2013/10/26(土) 23:03:48 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「あんたの言うギアスの契約やコードについて」

ラクシャータ「あたしはあんまり信用出来なかったけど」

ラクシャータ「調べれば調べるほど、あたしの知る科学じゃ説明できないことだらけでさ」

CC「ギアスとは世界との契約だ」

CC「人間を超え、世界の理を超えた力を得る代わりに」

CC「……その人間は、人間で無くなっていく」

ラクシャータ「ルルーシュも、そうだったのね」

CC「……」

131: 2013/10/26(土) 23:06:42 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「……あたしはさ」

ラクシャータ「別にそいつが人間だろうが機械だろうが」

ラクシャータ「…化物だろうがいい」

ラクシャータ「たぶん、それはロイドも一緒」

ラクシャータ「ルルーシュはルルーシュ、カレンはカレン」

ラクシャータ「スザクはスザクで」

ラクシャータ「あんたはあんた、よ」

CC「……二年経っても、変人なままだな」

ラクシャータ「そうね、あたしもその辺」

ラクシャータ「人間からズレちゃってるのかも」

132: 2013/10/26(土) 23:18:17 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「さ、暗い話はこれでおしまいよ」

ラクシャータ「何か分かったら、その都度連絡を入れてあげる」

CC「……ああ」

ラクシャータ「さ、こっちこっち」

ラクシャータ「ラウンズってのはいいわよねぇ」

ラクシャータ「これだけの設備を独り占めなんて、贅沢すぎる気もするけど」

ラクシャータ「おかげさまで、これだけのナイトメアが作れるなら文句無いわよねぇ」

CC「これが、新しいナイトメア……」

ラクシャータ「久々の」

ラクシャータ「あたしとロイド共同製作ね」

134: 2013/10/26(土) 23:33:04 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「もっとも」

ラクシャータ「あんたにこいつを乗りこなせるかどうかは微妙だけどねぇ」

CC「いい、気にするな」

CC「これはルルーシュ用に造れ、そう言っておいたはずだ」

ラクシャータ「ま、あたしもあいつは生きてると思うけどさ」

ラクシャータ「早く戻ってきてくんないと、こいつが旧型って言われかねない時代がきちゃうわよ、全く」

CC「その時は改良してもらうしかないな」

ラクシャータ「……あたしはさ」

ラクシャータ「ルルーシュのやり方が気に入ってるし、あいつが頃しても氏なないような奴ってのも知ってる」

135: 2013/10/26(土) 23:39:59 ID:deKUtIqA
ラクシャータ「あんたはあたしより長くルルーシュといたんだ」シュボ

ラクシャータ「あたしよりもずっと色んなこと知ってんでしょ?」フー

ラクシャータ「帰ってくると思ってる?」

CC「ああ」

ラクシャータ「わーお、即答」

ラクシャータ「それは、やっぱりギアス関係で分かるってこと?」

CC「……いや」

ラクシャータ「?」

149: 2013/11/03(日) 01:53:10 ID:OS6taNqU
CC「……ルルーシュのギアスの反応に似たものは感じる」

ラクシャータ「似たものってなにさ」

CC「あの時、確かにルルーシュのギアスは一度消えた」

CC「だが、数ヶ月後に少し違った反応が現れたんだ」

ラクシャータ「あんたは、それがルルーシュだと思うの?」

CC「……ああ」

ラクシャータ「ま、あたしはギアス云々のこと、よく知らないけど」

ラクシャータ「あの甘えん坊やがあんたのとこから居なくなるってのも変な感じだし」

ラクシャータ「気長に待つとするわ」

CC「……」

ラクシャータ「いつもは自信満々のくせに、変に気弱なんだから」

150: 2013/11/03(日) 02:02:36 ID:OS6taNqU
~日本 トウキョウ疎開 空港~

カレン「ふあぁ~」

CC「緊張感を持て、カレン」

カレン「しかしですね、ランペルージ卿」

カレン「気持ちとしては里帰りですし」

カレン「それに、時差とか結構弱いんですよ」

CC「全く、これからが大変だというのに」

カレン「情報部からの新人でしたっけ?」

カレン「2人くらい来るって話だったような」

CC「覚えているならシャンとしろ」

CC「ただでさえ、我々のやり方は情報部の受けが良くないんだ」

カレン「へーい」

CC「……全く」

151: 2013/11/03(日) 02:07:31 ID:OS6taNqU
カレン「でも、不思議な感じ」

カレン「つい二年前まで、ここはブリタニアだったのに」

カレン「今や日本自治区の一部だなんて」

CC「騎士団も上手くやっているということさ」

CC「じきにここの疎開も解体する方向で話が進むだろう」

カレン「……ほんと、不思議」

カレン「あれだけガムシャラに抵抗してたなんて、信じられない」

CC「どんな組織も、内側は脆いものだ」

CC「特に、ブリタニアのような大きな国はな」

カレン「ま、これだけ短時間で出来たのは協力者の力も大きいけどね」

CC「それは間違いないな」

153: 2013/11/03(日) 02:12:37 ID:OS6taNqU
カレン「日本人を纏める騎士団と」

カレン「それを上手く操作するための内部工作」

カレン「ルルーシュは、一体どこまで想定していたのかしらね」

CC「言い方には気をつけろ」

CC「……あいつ自身、最初はここまで考えてなどいなかったさ」

カレン「そう思う?」

CC「こうなったのは、あいつが人の心を持っていた、それだけのことだからな」

カレン「意味不明ね」

CC「危うい綱渡りの連続だったということだ」

CC「様々な問題が、偶然いい結果に繋がったに過ぎん」

154: 2013/11/03(日) 02:13:28 ID:OS6taNqU
>>152
おつである。遅いが付き合ってください。

後悔はさせない。

155: 2013/11/03(日) 02:18:27 ID:OS6taNqU
CC「さあ、政庁に向かおう」

CC「明日から、またやることが山積みだからな」

カレン「憂鬱だわ」

カレン「ま、それが必要なことなのは分かってるから、やるけどね」

CC「それでいい」

CC「私は少し野暮用がある、着いたら先に休んでいていい」

カレン「野暮用?」

カレン「そういや、あんたいつも日本に来るとどこか行くわよね」

CC「大した用事じゃない、気にするな」

カレン「…ま、余計な詮索はやめとこうかしらね」

CC「やはり、お前は賢い女だな」

カレン「ま、生きてりゃ色んなことあるわよ」

カレン「さーて、早くベッドに潜り込まないと」

CC「……」

156: 2013/11/03(日) 02:28:40 ID:OS6taNqU
~政庁~

CC「ふう」

CC「この机にも馴染んでしまったな」

CC「……」

こんこん

CC「入れ」

軍人「お疲れ様です、ランペルージ卿」

CC「どうした?」

軍人「情報部から派遣された者が挨拶をしたいと申しておりまして」

軍人「いかがなさいますか?」

CC「……通せ」

軍人「は、了解いたしました」

軍人「君、入りなさい」

???「はい」

CC「……!」

157: 2013/11/03(日) 02:31:59 ID:OS6taNqU
CC「……人払いは済ませた」

CC「それで、何故君がここに?」

CC「…シャーリー」

シャーリー「久しぶり、だね」

CC「確か、君は本国の大学に進学したと聞いたが」

シャーリー「うん、表向きは」

CC「表向き?」

シャーリー「実は、アッシュフォードを出てから、軍の養成機関に入ったの」

シャーリー「わたし、結構頑張ったから」

シャーリー「訓練生として、情報部から出向になったの」

CC「それにしても、たった二年で…」

158: 2013/11/03(日) 02:36:47 ID:OS6taNqU
シャーリー「ふふ」

シャーリー「ルルーシュにこんなことを言っちゃうとガッカリするかもしれないけど」

シャーリー「エリア11に行きたいって言う人、すごく珍しいんだよ?」

CC「…だろうな」

CC「道理で二人も送られてくる訳だ」

シャーリー「あはは、まだ一人前じゃないってことだね」

シャーリー「これでも、一応少尉階級なんだけどなぁ」

CC「だが、何故軍なんかに」

CC「君に向いているとは……」

159: 2013/11/03(日) 02:38:15 ID:OS6taNqU
シャーリー「……確かに、辛いことも沢山あったけど」

シャーリー「わたしはわたしなりにルルーシュのお手伝いがしたかったんだ」

シャーリー「だから、これからよろしくね」

シャーリー「ランペルージ卿」

CC「……」

シャーリー「仕事は明日からだったよね」

シャーリー「ごめんね、時間とらせちゃって」

CC「いや、構わないが」

シャーリー「ばしばしこき使ってもらいますので」

シャーリー「それでは!」パタン

CC「……」

160: 2013/11/03(日) 02:42:07 ID:OS6taNqU
CC(シャーリーが軍人……)

CC(養成機関では過酷な訓練が行われる)

CC(あの優しい娘が、その厳しい環境を耐え抜いたのか……)

CC(……)

CC(……とにかく、あそこに行こう)

CC(あまり時間もない)ギイッ

CC「……」

軍人「おや、ランペルージ卿」

軍人「どちらへ」

CC「所用で少し留守にする」

CC「何かあったら連絡しろ」

軍人「それでは例によって…」

CC「ああ、護衛はいらん」

161: 2013/11/03(日) 02:45:04 ID:OS6taNqU
軍人「了解いたしました」

軍人「ここは治安が良くなっているとはいえ、まだまだ反抗する人間も多い土地です」

軍人「どうか、ご無理はなされませんよう」

CC「ああ、気遣い感謝する」

軍人「それでは、こちらはお任せ下さい」

CC「……」

162: 2013/11/03(日) 02:52:20 ID:OS6taNqU
CC(……ここも、随分といい所になったな)

軍人「ランペルージ卿!お帰りなさい」

CC「ああ」

CC「かわりなかったか?」

軍人「はい!」

軍人「この国も、どんどん住みやすい所になって」

軍人「今度、うちの課で日本復興記念式典を企画することになりました」

CC「去年もしていたじゃないか」

軍人「これからは、恒例行事にしようということです」

CC「……報告書をあげておけ、目を通す」

軍人「ありがとうございます!」

CC(土地も人も、変わる)

???「……」

163: 2013/11/03(日) 02:56:42 ID:OS6taNqU
CC「……」

???「……」ペコリ

CC(…見かけない顔だな)

CC(新しく入ったのか?)

キイィィィィィン

CC「!!」

CC(これは、ギアス!)

???「……何故動ける」

CC「無駄だ、私にギアスは効かん」

CC「貴様、何者だ」

???「……」

CC「答えないなら、ここで氏んでもらうことになる」

???「………」

ふっ

164: 2013/11/03(日) 02:58:08 ID:OS6taNqU
CC(ギアスの反応が弱まった、解除したのか)

CC(特に変わった所はない、先程の言葉から考えるに)

CC(時間を操作するか、空間に干渉するタイプのギアスだな)

???「……ルルーシュ・ランペルージ」

???「聞いていた通り、普通じゃないみたいだね」

CC「ああ、そうだ」

CC「お前も、随分と普通からは遠いようだが」

165: 2013/11/03(日) 03:01:44 ID:OS6taNqU
???「僕の名前はロロ」

ロロ「情報部から出向してきた」

CC「目的は私の暗殺か」

ロロ「半分正解ってとこかな」

ロロ「僕の仕事は君の監視と」

ロロ「出来るなら口を封じることだ」

CC「それなら、諦めて帰るがいい」

ロロ「……そういう訳にもいかないさ」

ロロ「今日のところは顔合わせってことで我慢するよ」

ロロ「じゃあね」

CC(あの目……)

CC(あんな話をしながら、全く興味を感じさせない)

CC「……厄介だな」

171: 2013/11/06(水) 10:46:55 ID:cYTW2mYg
~アパート~

CC「……ここに来るのも久しぶりだな」

CC「我ながら、一体何をしているのか」カタン

CC「……ルルーシュ」

CC「この写真を撮った時は、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった」

CC「呑気に笑って…」

CC「……」

CC「帰ろう…」

がたん

CC「!」

174: 2013/11/06(水) 13:00:00 ID:cYTW2mYg
CC(今の音、寝室からか)

CC「……」ギィ

ふらっ

CC「誰だ」

???「何も変わらないな、ここは」

CC「!」

???「久しぶりだな、CC」

CC「……嘘だ、夢……」

???「残念ながら、夢じゃない」

???「帰ってきたぞ」

CC「ルルー……シュ」

CC「ルルーシュ!」ダッ

175: 2013/11/06(水) 13:03:41 ID:cYTW2mYg
CC「お前!今までどこに……!」ギュッ

ルルーシュ「どうした、子供のようじゃないか」

CC「うるさい!」

CC「私が、今までどんな想いでいたと思っている」

ルルーシュ「はは、さみしかったか?」

CC「寂しくないわけ無いだろう!」

ルルーシュ「よしよし、泣くな泣くな」ポンポン

CC「泣いてない!」

ルルーシュ「……もっとも、俺も寂しくなかったわけじゃないがな」

CC「……?」

ルルーシュ「ゆっくり話そう、今までの話と」

ルルーシュ「そして、これからのことを」

176: 2013/11/06(水) 13:12:32 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「食事はまだか?」

CC「あ、ああ」

ルルーシュ「よし、俺が作ってやろう」

ルルーシュ「最近やっと日本に戻って来られてな」

ルルーシュ「暫くここに住んでいる」

ルルーシュ「中華料理でいいな?」

CC「何でも構わないが」

ルルーシュ「少し待っていろ」

CC「……」

CC「それより、お前のその格好は何なんだ?」

ルルーシュ「それも今から教えてやるさ」

ルルーシュ「どうだ?似合っているだろう」

CC「学園祭を思い出す」

177: 2013/11/06(水) 13:21:27 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「……よし、完成だ」

ルルーシュ「貝式糖醋桜桃肉」

CC「パイ式桃色肉の甘酢風味か」

ルルーシュ「さすがに中華連邦に居ただけのことはあるな」

ルルーシュ「とにかく食え、味は保証する」

CC「……美味い」

ルルーシュ「そうだろう」

ルルーシュ「さて、どこから話すか」

ルルーシュ「……俺はあの日、一度氏んだ」

CC「氏んだ?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「さっき俺に抱きついた時」

ルルーシュ「違和感を感じなかったか?」

178: 2013/11/06(水) 13:40:27 ID:cYTW2mYg
CC「違和感……」

ルルーシュ「まあ、見せた方が早いな」シュル

CC「お、おい」

CC「急に脱ぐな」

ルルーシュ「いや、よく見ろ」

ルルーシュ「これが、今の俺だ」

CC「……その腕は」

ルルーシュ「そもそもどうやってガウェインのコックピットから出たのかも分からない」

ルルーシュ「だが、発見された時」

ルルーシュ「俺は心肺停止状態で海岸に流れ着いていた」

ルルーシュ「そんな俺を救ったのが、バトレーの研究」

CC「S2計画の……?」

ルルーシュ「そうだ」

ルルーシュ「残念ながら手足はフレイヤの爆発で焼き切れてしまってな」

179: 2013/11/06(水) 13:56:39 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「この機械の手足と、そして」

ルルーシュ「胸にあるギアス晶が、俺の命を繋いでいる」

CC「このカバーの中か」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「こんな体でもギアスは健在だ」

CC「だから包帯を巻いていたのか」

ルルーシュ「暴発されては困るからな」

ルルーシュ「バトレーの研究所で暫く、俺は妙なポッドの中で身体の回復を待っていた」

ルルーシュ「この髪も、その時に伸びたままだ」

CC「地毛だったのか」

ルルーシュ「その後に便利だったからな、敢えて切らなかった」

ルルーシュ「数ヶ月後、俺は施設ごと放棄された」

ルルーシュ「恐らく、それもバトレーによる計らいだろう」

CC「何か理由があるのか?」

ルルーシュ「分からない」

180: 2013/11/06(水) 14:04:18 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「施設を抜け出した後、俺はあてもなく彷徨っていた」

ルルーシュ「幸いこの手足は疲れを知らなかった、どこまでも行ける」

ルルーシュ「だが、生身の部分はそうもいかん」

ルルーシュ「気が付けば、俺は空腹で倒れていた」

ルルーシュ「そんな時に、俺はあいつに出会ったんだ」

CC「あいつ?」

ルルーシュ「聞いて驚け」

ルルーシュ「マオだ」

CC「まさか」

ルルーシュ「この広い世界でこんな偶然があるとは思わなかったよ」

181: 2013/11/06(水) 14:15:29 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「マオには助けられた」

ルルーシュ「日本に来る時も、マオの姉としてだからな」

ルルーシュ「一つの場所に留まるのも危険だと各地を転々としていた時も、サポートしてもらった」

ルルーシュ「おかげで言葉も覚えた」

ルルーシュ《こんな風にな》

CC《なるほど、随分色々学んだようだ》

CC「こっちに帰ってくるのが遅れた理由は?」

ルルーシュ「単純に資金もなかった」

ルルーシュ「それと、もう一つ」

CC「何だ?」

ルルーシュ「中華連邦のギアス研究所を探っていた」

CC「!」

182: 2013/11/06(水) 14:41:59 ID:cYTW2mYg
ルルーシュ「俺の居た研究所にも様々なデータが残されていたが」

ルルーシュ「調べてみれば、かなりの数の研究所が各地に点在していた」

ルルーシュ「無論、S2計画だけでなく、ギアスを使ったおぞましい計画の数々もな」

CC「……」

ルルーシュ「そのデータは、ここに持ち帰ってきてある」

ルルーシュ「今後、必要になるだろう」

CC「……そう、だな」

CC「……なあ、ルルーシュ」

ルルーシュ「何だ」

CC「……それでは」

CC「……私に関する研究も……」

ルルーシュ「……見た」

183: 2013/11/06(水) 14:47:10 ID:cYTW2mYg
CC「…そ、そうか」

ルルーシュ「気にするな、俺も気にしないい」

CC「……知っての通り、私は人間ではないが」

CC「……実験体としての私は、知られたくなかったよ」

ルルーシュ「……はぁ」ギュッ

CC「ルルーシュ…」

ルルーシュ「俺も、もはや人間じゃない」

ルルーシュ「原理としては、ナイトメアの方が近いだろう」

ルルーシュ「おかげで、生身でお前を抱きしめてやることも出来ん」

ルルーシュ「そんな俺を、お前は嫌うか?」

CC「……いや、嫌わない」

ルルーシュ「俺も同じだ」

ルルーシュ「俺たちは共犯者、ギアスによって離れることも出来ない存在」

CC「……うん」

226: 2013/12/24(火) 00:35:17 ID:pszQLoHs
ルルーシュ「しかし、妙な気分だ」

CC「?」

ルルーシュ「自分が目の前にいるようでな」

CC「そうか、変装を解いていなかったな」バリッ

ルルーシュ「いいのか、そんなに乱雑にして」

CC「いいさ」

CC「もう、必要ない」

227: 2013/12/24(火) 00:35:56 ID:pszQLoHs
ルルーシュ「髪は切ってしまったのか」

CC「気に入らんか?」

ルルーシュ「新鮮だな」

ルルーシュ「なかなか似合っているぞ」

ルルーシュ「俺も髪を切らなければならんな」

CC「それはそれで勿体無い気もするが」

ルルーシュ「仕方あるまい」

ルルーシュ「とにかく、まずは俺に戻らなければ」

CC「ふふ、面白い言い方だ」

ルルーシュ「……行こう」

CC「咲世子を呼ぶ、待っていろ」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ「時間は……あまり残されていないのかもな」ズキン

229: 2013/12/24(火) 12:30:37 ID:XUSYxw3o
~政庁 私室~

メイド「こちらです」

メイド「咲世子様は中で準備をしておりますので」

ルルーシュ「助かった」

CC「入り口の警備は頼むぞ」

メイド「はっ」

ぎぃっ……ばたん

咲世子「ああ……ああ!」

咲世子「ルルーシュ様、お待ちしておりました」

ルルーシュ「久しいな、咲世子」

ルルーシュ「戻ってきたぞ」

咲世子「またお会いできて嬉しゅうございます」

咲世子「……おいたわしい」スッ

ルルーシュ「気にするな」

ルルーシュ「生きていただけで幸運だった」

230: 2013/12/24(火) 12:34:39 ID:XUSYxw3o
CC「挨拶はそれくらいにしろ」

CC「少々油断ならないやつがここに配属されてきている」

ルルーシュ「そうか」

ルルーシュ「咲世子、早速で悪いが」

咲世子「心得ております」

咲世子「CC様も、こちらへ」

CC「頼む」

咲世子「ふふ」

ルルーシュ「どうした?」

咲世子「いえ」

咲世子「またこうして、お二人の並ぶ姿を見られて」

咲世子「私、とても楽しいのでございます」

231: 2013/12/24(火) 12:38:03 ID:XUSYxw3o
CC「……そうだな」

ルルーシュ「心配するな」

ルルーシュ「これからは急にいなくなったりはしない」

咲世子「お願いいたします」

咲世子「それでは」

咲世子「ルルーシュ様はルルーシュ様に」

咲世子「CC様は…」

咲世子「もう少し女性らしく整えますか」シャキ

ルルーシュ「相変わらず多才だな」

ルルーシュ「むしろ、咲世子に出来ないことがあるのか」

CC「少しおっちょこちょいだな」

咲世子「そんなことは…ない、はず」

ルルーシュ「まあ、それが人間味というものだ」

232: 2013/12/24(火) 12:47:53 ID:XUSYxw3o
~三十分後~

ルルーシュ「ふむ」

ルルーシュ「見事なものだ」

咲世子「ありがとうございます」

CC「私はかなり、なんというか」

ルルーシュ「ボーイッシュだな」

ルルーシュ「少年のようで可愛らしいじゃないか」

CC「なんだ?そんな趣味があったのか?」

ルルーシュ「慣れずに照れるのは分かるが」

ルルーシュ「誤解を生む発言はするんじゃない」

CC「ふん、聞いているのはここにいる三人だけだろう」

咲世子「あの」

咲世子「ルルーシュ様、眼帯を」

ルルーシュ「そうだな」

233: 2013/12/24(火) 12:48:38 ID:XUSYxw3o
ルルーシュ「このままでは咲世子にもギアスを掛けかねない」

咲世子「私は構いませんが」

咲世子「これ以上何を遵守すれば良いのでしょうか」

ルルーシュ「どういうものかも知っているのか」

CC「私が教えた」

CC「咲世子は信頼できる」

ルルーシュ「まあ、それは分かるが」

咲世子「ルルーシュ様がその力をあまり使おうとされないことも知っております」

咲世子「私にもそのお手伝いができればと」

ルルーシュ「それに関しては充分だと思うが」

242: 2013/12/28(土) 23:21:46 ID:G8uN9gOs
ルルーシュ「これでよし」キュッ

ルルーシュ「ふむ、白い眼帯というのもなかなか……」

CC「いいものだろう?」

ルルーシュ「なんだ、得意げだな」

CC「ふふ、これはなかなか評判がいいんだ」

ルルーシュ「そうなのか?」

CC「当然だ」

CC「やはり少々影があるくらいがちょうど良い」

ルルーシュ「……よく分からんが」

ルルーシュ「まあいい」

ルルーシュ「火傷の痕も隠れる、以前よりは必要だと言えるからな」

咲世子「厨二病乙」

ルルーシュ「なんだって?」

咲世子「いえ、口が勝手に」

243: 2013/12/28(土) 23:36:01 ID:G8uN9gOs
ルルーシュ「…しかたない、今の言葉は聞き流そう」

咲世子「恐縮です」

ルルーシュ「おふざけはここまでだ」

ルルーシュ「二人とも、まず何をしなければならないか理解しているか?」

CC「現状の確認か?」

ルルーシュ「それは潜伏中にある程度把握している」

ルルーシュ「CCは本当に良くやってくれた」

CC「……そんなことは」

ルルーシュ「いや、およそ思い描いていた通りのシナリオだ」

ルルーシュ「すまない、こちらの準備が整うまで怠けさせてもらった」

CC「ふん、分かっていたならとっとと戻ってこい」

244: 2013/12/28(土) 23:38:34 ID:G8uN9gOs
ルルーシュ「本当に悪かった」クシャ

CC「や、やめろ」

咲世子「ふふ、そうしているとまるでご兄弟のようですね」

ルルーシュ「それは困るな」

CC「困るのか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「先ほど言ったやらなければならないことに関わる」

咲世子「はて」

咲世子「一体何なのか見当もつきませんが」

ルルーシュ「日本で一大イベントを起こす」

CC「イベント?」

CC「虐殺☆皇女のライブならもう決定しているが」

247: 2013/12/29(日) 00:26:41 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「それはいい」

ルルーシュ「問題はお前だ」ビシッ

CC「私?」

ルルーシュ「お前は、公的に氏んだことになっていたな」

ルルーシュ「それを撤回せねば」

CC「そんなもの、書類でどうにでもなるだろう?」

ルルーシュ「それではつまらんだろう」

ルルーシュ「俺たちらしくやろうじゃないか」

CC「私たちらしく?」

ルルーシュ「ふん、察しの悪い」

CC「む」

ルルーシュ「日本も復興右肩上がり」

ルルーシュ「ここでブリタニアとさらに関係を深めておけば」

ルルーシュ「これからさらにやりやすくなるだろう」

248: 2013/12/29(日) 00:34:04 ID:a5otzKlk
CC「もったいぶらずに言え」

ルルーシュ「咲世子」

咲世子「はい、なんでしょうか」

ルルーシュ「今すぐ関係各所に伝えて欲しい」

ルルーシュ「今日はナイトオブゼロ、結婚の日だ」

CC「は?」

咲世子「まぁ!」

ルルーシュ「二年越しになってしまったが」

ルルーシュ「今こそ必要だろう」

CC「待てルルーシュ!勝手に何を……」

ルルーシュ「咲世子!」

咲世子「はい、二秒で済ませます!」ダッ

CC「ちょっ!?」

ルルーシュ「ふはは、形が欲しかったのがお前だけだと思ったら大間違いだ!」

CC「わ、私のロマンスを返せぇぇぇぇ!」

249: 2013/12/29(日) 00:45:10 ID:a5otzKlk
~ブリタニア本国~

ロイド「……んん?」

セシル「あら、ロイドさん」

セシル「お仕事サボってネットサーフィンですか?」

ロイド「あー、うん」

ロイド「それについては謝らないでもないんだけど」

セシル「回りくどい上に、上から目線ですね」

ロイド「いやぁ、これのインパクト強すぎて」チョイチョイ

セシル「?」

250: 2013/12/29(日) 00:52:59 ID:a5otzKlk
ロイド「ルルーシュくん、結婚するらしいよ?」

セシル「は!?」

ロイド「生きててよかったねー」

ロイド「ざぁんねんでしたぁとは言えないなぁ」

セシル「ちょ、ちょっと見せて下さい!」

ロイド「セシルくん、仕事は?」

セシル「そんなことしてる場合ですか!?」バンッ

ロイド「ひゃ、ひゃい」

セシル「とりあえず、これから日本に向かいますよ」

ロイド「えぇ~?別にいいんじゃなぁい?」

セシル「お黙りなさい!」バンバンッ

ロイド「あいさー!?」

251: 2013/12/29(日) 01:06:12 ID:a5otzKlk
~日本 政庁~

カレン「入るわよ!」ドンッ

ルルーシュ「相変わらず騒々しい奴だ」

カレン「CC、いる!」ビシッ

CC「……ああ」

カレン「咲世子さん、いる!」ビシッ

咲世子「はい」

カレン「つまり、あんたはルルーシュだ!」

ルルーシュ「当然だ」

カレン「帰ってくるなら、連絡くらいよこせ!」

カレン「このスットコドッコーイ!」

カレン「はぁ……はぁ……」

ルルーシュ「気はすんだか?」

カレン「とりあえず殴らせてもらえる?」

ルルーシュ「断る」

252: 2013/12/29(日) 01:13:46 ID:a5otzKlk
カレン「じゃあ、何か言うことは?」

ルルーシュ「今までご苦労」

ルルーシュ「これからもよろしくな」キラ

カレン「その爽やかさムカつくのよ!」

カレン「ゼロのことも含めて、色々文句が……」ジワッ

カレン「うっ……」

ルルーシュ「泣くほど嬉しいか」

カレン「バカ!嬉しいに決まってるでしょうが!」

カレン「お帰り馬鹿野郎ー!」ガバッ

ルルーシュ「おっと」

咲世子「CC様」

CC「いい、そのままにしてやれ」

CC「強がりが過ぎる女なんだよ」

咲世子「私たち、似たもの同士ですわね」

CC「類は友を呼ぶ、だ」

253: 2013/12/29(日) 01:25:57 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「悪かった、カレン」

カレン「そう思うなら、全部教えなさいよね」

カレン「あんたとCCが抱えてるもの全部」

カレン「いいわね?」

ルルーシュ「……そうだな」

ルルーシュ「その代わり、聞いたら協力してもらうことになるぞ」

カレン「上等よ」

カレン「これでも二年間、あんたの剣やってんだから」

ルルーシュ「ふむ」

ルルーシュ「とりあえず、離れないか?」

カレン「……!」バッ

カレン「い、言っとくけど友人としてだからね!」

254: 2013/12/29(日) 01:28:55 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「分かっているさ」

ルルーシュ「それに、今日から妻帯者でな」

ルルーシュ「流石に目の前で浮気という訳にもいくまい?」

CC「目の前じゃなくてもするんじゃないぞ」

ルルーシュ「らしい」

カレン「何、いきなり結婚?」

ルルーシュ「二年前の約束があってな」

カレン「いや、まあ割と今更なのかもしれないけど」

カレン「結婚する意味は?」

ルルーシュ「いいところに気が付いたな」

CC「意味があったのか」

255: 2013/12/29(日) 01:39:34 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「ここにいる者には発表しておこう」

ルルーシュ「ズバリ、結婚する意味は」

カレン「何よ」

CC「何だ」

咲世子「何でしょう」

ルルーシュ「俺がいない間についてしまった、男色疑惑を払拭するためだ!」

CC「は?」

カレン「あぁ、そういうことね」

CC「どういうことだ?」

ルルーシュ「こればかりはCCを責める訳にもいかんが」

ルルーシュ「どうしても、変装に女らしさが出てしまうんだろう」

カレン「CC、あんたには言わなかったけど」

カレン「ランペルージ卿が男色家って噂は割とあったのよ」

CC「な、何故……」

256: 2013/12/29(日) 01:46:56 ID:a5otzKlk
咲世子「恐らく、カレンさんの見た目が良いことも影響しているのでしょうね」

咲世子「あまりに女性との醜聞がなさ過ぎたのでしょう」

カレン「CCのことを知らない人も多いからね」

カレン「単純に女に興味がないって方が批判としてはやりやすかったのかも」

咲世子「一部の方には、むしろ人気が出ていましたが」パチパチ

咲世子「ざっと算盤いたしましても、イメージは数%アップする見込みです」ザッ

ルルーシュ「うむ」

ルルーシュ「やはりイメージは大切だ」

CC「なんというか…すまん」

ルルーシュ「これからは愛妻家でいくぞ」

CC「そ、それはお前次第だ」

ルルーシュ「ディートハルトにも連絡しておけ」

咲世子「既に恙無く」

カレン「なんていうか、この緊張感の無さが久々で」

カレン「戻ってきた感じするわ」

262: 2013/12/29(日) 23:40:46 ID:a5otzKlk
カレン「ま、いいわ」

カレン「何はともあれ酒よ」ドンッ

CC「どこから取り出した」

カレン「もともと、あんたと酒盛りでもしようと思ってたのよ」

カレン「ま、メイドさんにルルーシュのこと聞いたから飛んできたんだけど」

カレン「さ、グラス取って」

CC「まったく、酒飲みはこれだから……」

ルルーシュ「……ふっ」

咲世子「混ざらなくてよろしいのですか?」

ルルーシュ「どのみち強制参加だろうさ」

ルルーシュ「お前こそどうした?」

咲世子「?」

ルルーシュ「何か聞きたそうに見えるが」

263: 2013/12/29(日) 23:45:27 ID:a5otzKlk
咲世子「あら、私のポーカーフェイスもまだまだでしょうか」

ルルーシュ「俺の知る咲世子は、何も無ければグラスやら氷やらで世話を焼き始めるからな」

咲世子「なるほど」

ルルーシュ「それで?何が聞きたい?」

咲世子「そうですね」

咲世子「さしあたって、CC様と結婚されることの真意、でしょうか」

ルルーシュ「また不思議なことを聞く」

咲世子「もちろん、先ほどまでのお話も本当のことでしょうが」

咲世子「それ以上の何かがあると感じましたので」

ルルーシュ「それは、女の勘か?」

咲世子「そうかもしれません」

咲世子「少なくとも、CC様も同じ疑問を持たれているようですから」

264: 2013/12/29(日) 23:49:06 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「CCも?」

咲世子「ええ」

咲世子「もっとも、CC様は聞こうとはなさらないと思いますが」

ルルーシュ「ほう、またどうして?」

咲世子「もちろん、ご結婚のお話が嬉しいからに決まっています」

咲世子「もしCC様が根掘り葉掘り聞こうとされれば」

咲世子「まるで結婚を渋っているようではありませんか」

ルルーシュ「……なるほどな」

ルルーシュ「そこまで分かっているのなら、むしろお前も聞かない方がいいんじゃないか?咲世子」

咲世子「そうかもしれませんね」

咲世子「ですが、好奇心もありますので」

ルルーシュ「……殺されぬようにな」

咲世子「承知いたしました」

ルルーシュ「まあ、大した理由という訳では無いのだがな」

266: 2013/12/29(日) 23:56:40 ID:a5otzKlk
ルルーシュ「咲世子、外交をするにあたって必要なものは何か分かるか?」

咲世子「お得意の問答ですわね」

咲世子「しかし、選択肢が多すぎる気がします」

ルルーシュ「そうだな」

ルルーシュ「仮に、同じ立場で同じ力を持つ者が二人いたとして」

ルルーシュ「その二人に優劣をつけるとしたらどこか?ということだ」

ルルーシュ「外交に限らず、社会と大きく括ってもいい」

咲世子「なるほど」

ルルーシュ「まあ、質問の発端を考えればすぐに答えは出るがな」

咲世子「ルルーシュ様はお若すぎる、ということですね?」

ルルーシュ「その通りだ」

268: 2013/12/30(月) 00:09:00 ID:gvm6y8zg
ルルーシュ「詳しくはまだ話せないが」

ルルーシュ「これから、俺は持てる権力を全て使って中華連邦を切り崩す」

咲世子「そのためには、国内外を問わず交渉の場が嫌でも増える、と」

ルルーシュ「妻帯は、やはり一人前として認められるために必要だからな」

ルルーシュ「……と、まあ理由が無いわけではなかったのだが」

咲世子「?」

ルルーシュ「野暮じゃないか?」

咲世子「そのようですね」

ルルーシュ「俺も理屈無しで」

ルルーシュ「形を求めているのさ」

咲世子「寂しさを感じていたのは、お一人では無かったということですね」

ルルーシュ「女々しいか?」

咲世子「いえ」

咲世子「素敵だと思います」

269: 2013/12/30(月) 00:15:07 ID:gvm6y8zg
カレン「さ、話はおしまい?」

ルルーシュ「ああ、すまんな」

カレン「ほら、奥さんが拗ねちゃうわよ」

CC「拗ねてなどいない」

カレン「ほら、既に自覚があるんだから」

CC「揚げ足を取るんじゃない」

カレン「んじゃ、準備も終わったことだし」

カレン「再会と、そして二人の結婚を祝わないと」

カレン「咲世子さんも、今日は混ざってもらうからね」

咲世子「ふふ、ご相伴させていただきますわ」

カレン「ほい、ルルーシュ」カラン

ルルーシュ「ああ、ありがとう」

カレン「かんぱーい!」

270: 2013/12/30(月) 00:17:56 ID:gvm6y8zg
CC「今更だが、シャーリーは呼ばないのか?」

カレン「だって、ルルーシュとの再会は祝えないでしょ?」

CC「む、なるほど」

カレン「それに、ねぇ?咲世子さん」

咲世子「そうですわね」

咲世子「彼女には、時間も必要でしょうから」

ルルーシュ「?何の時間だ?」

カレン「知らぬは本人ばかりなり、ってね」

CC「……」

カレン「ほら、今日こそ潰れてもらうんだからね」

278: 2013/12/31(火) 20:33:06 ID:ZagBVYY.
~三時間後~

カレン「……」スゥ

咲世子「あらあら」

CC「今日は持った方だ」

ルルーシュ「そうなのか」

CC「むしろ、私としてはお前がこれだけ飲めるとは思っていなかったな」

CC「まあ、家系的に弱いという訳では無いだろうが」

ルルーシュ「……本来はどうなのか分からんが」

ルルーシュ「この身体では酔えんらしい」

CC「……私も無理でな」

CC「まあ、味の思い出に浸るくらいか」

ルルーシュ「ほう」

ルルーシュ「俺にはソフトドリンクがお似合いだろうな」

咲世子「ふふふ」

280: 2014/01/02(木) 04:56:27 ID:onqqR7Ts
咲世子「私、カレンさんを運んできます」

咲世子「お二人はまだ積もるお話もあるでしょうし」

CC「いつもすまないな、後処理を任せて」

咲世子「いえ、これが私の仕事ですから」

咲世子「よいしょ」グイッ

咲世子「それでは」パタン

ルルーシュ「……やはり咲世子が一番の強者だな」

CC「その辺りは何も変わっていない」

CC「あそこまで掴めない人間も久々だ」

ルルーシュ「以前にもいたのか?」

CC「一人だけ、な」

308: 2014/02/19(水) 21:31:37 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「……なるほど」

ルルーシュ「シャーリーに、ロロとかいう情報部の人間」

ルルーシュ「本国も牽制に必氏というわけだ」

CC「ロロは恐らくシャルルかVVの差し金だ」

CC「周囲の時間に干渉する面倒なタイプのギアス能力を持っている」

ルルーシュ「油断は出来んな」

CC「奴に関しては詳しく調べる必要がありそうだ」

ルルーシュ「ディートハルトの線は生きているのか?」

CC「情報収集ならスザク側から当たった方がいいかも知れん」

CC「表から当たっても、デタラメな経歴が出てくる確率が高いからな」

309: 2014/02/19(水) 21:36:42 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「そちらは任せていいか?」

CC「ああ、構わない」

CC「お前はどうする?」

ルルーシュ「俺はシャーリー側の調査だ」

CC「調査もなにも……」

CC「そういえば、シャーリーが軍人になったと聞いても驚かないんだな」

ルルーシュ「いや、驚いてはいる」

ルルーシュ「それより気になることがあるだけだ」

CC「気になること?」

ルルーシュ「シャーリーが受けている命令だ」

CC「軍部が情報部にゴネられて人を派遣するのは珍しくことじゃない」

CC「現にシャーリー、ロロの前にも何人か送られて来ている」

ルルーシュ「それはそうだろう」

ルルーシュ「だが、二人送って来たことには何か理由があるはずだ」

310: 2014/02/19(水) 21:41:40 ID:9dAwpqbA
CC「単純にシャーリーが未熟だからではないのか?」

ルルーシュ「それならばロロ一人でことは足りる」

CC「人質という線は?」

ルルーシュ「シャーリーを人質に使うには、些かリスクが大きすぎるな」

ルルーシュ「フェネット氏はギアス研究においても多少踏み込み過ぎていた部分もあるし」

ルルーシュ「それ以外の鉱石研究でも著名な人物だ、おいそれと手を出す訳にもいかないだろう」

ルルーシュ「だから、俺が直接シャーリーから聞き出す」

CC「つまり、見当もつかないと」

ルルーシュ「俺は予言者ではないからな」

CC「……まあいいさ」

CC「私が聞くよりは話しやすいだろうし」

ルルーシュ「明日にも動くつもりだ」

CC「お膳立ては必要か?」

ルルーシュ「ロロに注意を払って貰えれば、それでいい」

CC「分かった」

311: 2014/02/19(水) 21:45:38 ID:9dAwpqbA
CC「そして、肝心な話だ」

ルルーシュ「これからどうするか、だろう?」

CC「その通りだ」

CC「あのオルゴールに入っていたメモリーの通り、私は日本の確立をメインに進めてきたが」

CC「結果ブリタニア属の独立自治区であることに変わりは無い」

CC「それに、警戒されているのかシャルルや皇族達との接触もままならん」

CC「一体これからどうするつもりだ」

ルルーシュ「よくぞ聞いてくれた」

ルルーシュ「いかにも、このままでは日本はいつまでたっても大国ブリタニアの属国でしかない」

ルルーシュ「だが、暫くはそのままでいいんだ」

CC「何?」

312: 2014/02/19(水) 21:49:04 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「俺はずっと中華連邦にいたが」

ルルーシュ「何も遊んでいたわけじゃない」

ルルーシュ「確かな確信を持って探っていたのだ」

CC「何を?」

ルルーシュ「決まっている」

ルルーシュ「ギアスだ」

CC「……」

ルルーシュ「中華連邦では、ブリタニアとは違う独自の研究が今でも進められている」

ルルーシュ「俺はブリタニアと中華連邦の対立を進め」

ルルーシュ「そのギアス研究を打ち崩したい」

CC「ちょっと待て、話が飛びすぎだ」

313: 2014/02/19(水) 21:54:03 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「一つ分かっていることがある」

CC「何だ」

ルルーシュ「シャルル、VVが恐らく共通に持っている方針について」

ルルーシュ「シュナイゼルも噛んでいるだろうが」

ルルーシュ「それは、ギアスだ」

CC「……」

ルルーシュ「神根島の装置もそうだが」

ルルーシュ「やつらはギアスの力を自分の意のままにすることを目的に様々な研究を行なっている」

ルルーシュ「やつらと同じ土俵に立つためには中華連邦の最奥で行われている実験のデータが必要だ」

ルルーシュ「無論、その研究は打ち切らせる」

CC「ギアスに近づけば近付くほど、底の無い闇に囚われることになるぞ」

314: 2014/02/19(水) 22:00:25 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「ならば、これからの世界にギアスを残さないことを考えれば?」

CC「……ギアスは不滅だ、途絶えたと思っても、どこからかまた産まれてしまう」

ルルーシュ「その連鎖を断ち切りたい」

ルルーシュ「ブリタニアの打倒、日本の再建」

ルルーシュ「そしてギアスの根絶」

ルルーシュ「それが俺の目的だ」

ルルーシュ「シャルルにもVVにも繋がる強固な線ともなるだろう」

CC「……馬鹿馬鹿しいが」

CC「お前は言い出したら聞かないからな……」

CC「だが、分かっているのか?」

CC「ギアスが無くなれば、私は……」

315: 2014/02/19(水) 22:02:11 ID:9dAwpqbA
ルルーシュ「心配するな」

ルルーシュ「ギアスが無ければ消えるのは、もうお前だけじゃない」

ルルーシュ「俺も一緒だ」

ルルーシュ「頼む、手伝ってくれないか?」

CC「自頃するようなものだ」

CC「……だが、消えるのも」

CC「ルルーシュ、お前と一緒になら悪くない」

ルルーシュ「……ありがとう」

ルルーシュ「そのためにも、まずは火を付けなければな」

CC「火?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「世界を変える、その前の灯火さ」

316: 2014/02/19(水) 22:09:00 ID:9dAwpqbA
~次の日~

咲世子「おはようございます」バンッ

ルルーシュ「元気がいいな」

CC「騒々しいともいうな」

咲世子「お二人のお声を早く聞きたくてつい早起きを」

咲世子「式の用意は急がせましたが」

咲世子「何分急なもので来場者の選定も終わらず」

咲世子「披露宴も含めて一週間後ということになりました」

ルルーシュ「ふむ、まあ仕方ないな」

咲世子「書類等もそれに合わせましてご用意いたします」

咲世子「世間にはイベントとして大々的に公表しましたので」

咲世子「収支は大幅な黒字が見込めるかと」

CC「……あまり祝い事で金銭の話をするな」

317: 2014/02/19(水) 22:23:08 ID:9dAwpqbA
咲世子「CCさまも意識不明の重体から奇跡的に復帰されたというシナリオを」

CC「世間は納得するのか?」

咲世子「情報は大きく流せば勝手に尾ひれが付くものです」

咲世子「ネット掲示板でも、CCさまファンスレッドがすでに4つ、アンチスレッドが13個」

咲世子「真偽を議論するスレッドでは自称軍部関係者が有る事無い事書き込みを始め」

咲世子「真実の追及は既に不可能かと」

ルルーシュ「いい傾向だな」

CC「アンチスレが多いのが気になる」

ルルーシュ「人気がある証拠さ」

咲世子「お二人の人気が影響していますね」

327: 2014/02/20(木) 21:53:22 ID:vqOeqPog
咲世子「それと、ルルーシュ様」

ルルーシュ「ん?」

咲世子「シャーリー様より今後の任務について詳しく打ち合わせたいと」

ルルーシュ「ほう……」

CC「どういうことだ?」

CC「情報部はいつも監視くらいしか送ってこない」

CC「打ち合わせなどある訳がないが……」

ルルーシュ「丁度いい、それも含めて探りを入れるチャンスだ」

ルルーシュ「咲世子、俺はすぐにシャーリーの話を聞きに行く」

ルルーシュ「CCはこのまま咲世子とインタビュー記事の作成に向かってくれ」

CC「インタビュー?」

328: 2014/02/20(木) 21:58:27 ID:vqOeqPog
ルルーシュ「氏亡したという誤情報まで流して存在を隠した理由をこちらから公表する」

CC「まさか包み隠さず言う訳ではあるまい?」

ルルーシュ「当然だ」

ルルーシュ「これからの事も考え、CCには暗殺の危険があったことにする」

ルルーシュ「意識不明だったこともこの関連ということで落ち着けるつもりだ」

CC「暗殺か」

ルルーシュ「ただでさえ俺のやり方は目立つ」

ルルーシュ「疑う要素は薄いだろう」

ルルーシュ「これで不穏分子も公には動きにくくなる」

CC「なるほどな」

ルルーシュ「いいか?咲世子」

咲世子「かしこまりました」

329: 2014/02/20(木) 22:02:42 ID:vqOeqPog
~会議室~

ルルーシュ「……こほん」コンコン

シャーリー「はい」

ルルーシュ「待たせたな、シャーリー」

シャーリー「入って下さい」

ルルーシュ「ああ」ガチャ

シャーリー「……!」

ルルーシュ「ん?どうした?」

シャーリー「やっと、会えた……」

ルルーシュ「はは、昨日会っただろう」

シャーリー「ううん」

シャーリー「本物のルルに」

ルルーシュ「……何?」

シャーリー「あ、座って下さい」

ルルーシュ「……ああ」

330: 2014/02/20(木) 22:05:28 ID:vqOeqPog
シャーリー「久しぶりだね、ルル」

ルルーシュ「……どこまで知っているんだ?」

シャーリー「どこまで?」

ルルーシュ「今の発言だ」

ルルーシュ「まるで、今までの俺が俺ではなかったような口ぶりだったが」

シャーリー「あはは、そのくらい分かるよ」

シャーリー「だって、自分が好きになった人だもん」

ルルーシュ「……」

シャーリー「あ、ごめん、気にしないで」

シャーリー「結婚のことは聞いてるし」

シャーリー「特に何かしたいとかもないから」

ルルーシュ「……それで?」

ルルーシュ「これは情報部としてではなく、シャーリー・フェネットとしての情報なのか?」

シャーリー「うん、多分」

331: 2014/02/20(木) 22:07:48 ID:vqOeqPog
ルルーシュ「多分では困るな」

シャーリー「ミレイさんもちょっと不思議がってたし、少しなら気付いた人もいるかもしれない」

シャーリー「あ、わたしは上に報告するつもりはないよ」

シャーリー「おかえり、ルル」

ルルーシュ「……上か」

シャーリー「あはは、わたしこんなんでも情報部から来たスパイみたいなものだかるね」

シャーリー「でもね、これもわたしなりにルルの力になれるよう考えた結果なの」

ルルーシュ「説明してもらえるか?」

シャーリー「うん、もちろん」

332: 2014/02/20(木) 22:13:31 ID:vqOeqPog
シャーリー「わたし、ルルがルルじゃなくなったのはすぐ分かったの」

シャーリー「理由もなんとなく」

シャーリー「もしかしたら氏んじゃったかもって」

ルルーシュ「……」

シャーリー「でもね」

シャーリー「ルルじゃないルルの目が」

シャーリー「……なんだか生きてるって思わせてくれた」

ルルーシュ「ほう?」

シャーリー「なんだか、目はルルそのものみたいだった」

333: 2014/02/20(木) 22:15:05 ID:vqOeqPog
シャーリー「たぶん、CCさん、だよね?」

ルルーシュ「……」

シャーリー「記録とかはしてないよ」

シャーリー「咲世子さんのお墨付き」

ルルーシュ「……分かった、信じよう」

ルルーシュ「いかにも、俺は氏にかけて」

ルルーシュ「CCには俺の代わりをやってもらっていた」

シャーリー「……ほんと敵わないよねぇ」

ルルーシュ「俺もあいつも特殊だからな」

シャーリー「ふふ、そうかも」

334: 2014/02/20(木) 22:19:37 ID:vqOeqPog
シャーリー「ま、そんなこんなで」

シャーリー「ルルが戻ってきた時に何か出来ないかなって思ってたの」

シャーリー「そうしたら、お父さんの言葉で思いついたんだ」

ルルーシュ「どんな言葉だ?」

シャーリー「あはは、大したことじゃないんだけど」

シャーリー「ルルーシュくんのお友達には情報部出身の人がいないんだねって」

シャーリー「まだ軍のことなんて全然わからなかったけど」

シャーリー「それを聞いてから調べてみたの」

シャーリー「情報部と軍部の関係とか」

ルルーシュ「なるほどな」

335: 2014/02/20(木) 22:24:06 ID:vqOeqPog
シャーリー「ブリタニア軍の中も色々わかれてて」

シャーリー「あんまり仲良くないのも分かったから」

シャーリー「えー、こほん」

シャーリー「ここに呼んだのも、その後の話がしたかったからなの」

ルルーシュ「……なんとなく分かったような気がする」

シャーリー「そう?」

ルルーシュ「シャーリー、君は」

ルルーシュ「こちらの都合のいいように情報部を動かせるようにしようとしているのか?」

シャーリー「あったりー」

336: 2014/02/20(木) 22:30:11 ID:vqOeqPog
シャーリー「わたしの力ではまだまだ情報部全体を動かすことは出来ないけど」

シャーリー「ルルがやろうとしていることを隠したり、向こうの情報を流したりならできるかなって」

ルルーシュ「……」

シャーリー「どうかな?」

ルルーシュ「……結論から言おう」

ルルーシュ「やめておけ」

シャーリー「え……?」

ルルーシュ「危険すぎる」

ルルーシュ「情報部はロロとかいうやつも一緒にここへ送り込んで来ているんだ」

ルルーシュ「君が不穏な動きをすれば、消される可能性だってある」

ルルーシュ「とにかく、君は君の命じられたことだけをやるべきだ」

ルルーシュ「そもそも軍にいるべきではない」

337: 2014/02/20(木) 22:43:36 ID:vqOeqPog
シャーリー「そんなの、ルルが決めることじゃない」

ルルーシュ「何?」

シャーリー「わたしは、わたしの意思で今ここまで来たんだから」

ルルーシュ「俺は君の為を思って……」

シャーリー「それはわかるけど」

シャーリー「でも、わたしも厳しい訓練に耐えて軍人になったの」

シャーリー「もう今までの何も出来ないわたしじゃないから」

シャーリー「自分のことは自分でどうにか出来るよ」

ルルーシュ「おい、シャーリー」

シャーリー「とにかく、わたしに任せて」

シャーリー「それじゃ、わたしこっちの軍人さん達に挨拶してくるから」

シャーリー「失礼します!」パタン

ルルーシュ「……言いたいことだけ言っていなくなってしまった」

ルルーシュ「……」

353: 2014/03/13(木) 12:11:00 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ(おそらく、シャーリーは今何を言っても聞かないだろう)

ルルーシュ(だが、放置するのは危険だ)

ルルーシュ(ロロは時間に干渉するタイプのギアス使い、今のところCCにしか対策は難しい)

ルルーシュ(効果範囲が分からない以上、咲世子にシャーリーを監視させても効果は薄いだろう)

ルルーシュ(……となれば、すべきことは一つしかないな)ガチャ

ルルーシュ「……俺だ」

ルルーシュ「そっちが片付いたら、部屋まで来てくれ」

ルルーシュ「……ああ、少々予定に変更があってな」

ルルーシュ「何、ロロとシャーリーの問題を纏めて解決する策を練ろうと思ってな」

355: 2014/03/13(木) 14:30:39 ID:VTL7Yi4U
CC「……すまん、遅くなった」

ルルーシュ「構わんさ」

ルルーシュ「こちらも色々調べなければならなかったしな」

CC「色々?」

ルルーシュ「ロロについてだ」

ルルーシュ「ギアス能力者ということだったのでな」

CC「そこからどう調べられるんだ?」

ルルーシュ「俺の持って帰ってきたデータに載っていると思ったんだ」

CC「?」

ルルーシュ「お前に言うのも野暮かもしれんが」

ルルーシュ「ギアスはどうやって拡散するかを考えてみろ」

CC「そんなもの、考えるまでもない」

CC「ギアスはコードを持った者と契約することで発現する」

CC「ギアスは呪いだ、そうやすやすとばら撒かれても困るからな」

356: 2014/03/13(木) 14:38:29 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「それでは、考えたことがあるか?」

CC「何をだ?」

ルルーシュ「はじまりのギアスを持っていたのは誰なのか、だ」

CC「……いや」

CC「私の知る限り、ギアスは既に存在していた」

CC「私もVVもそれぞれコードを奪うことで今の身体になっている」

ルルーシュ「ギアス饗団のことは知っているな?」

CC「ああ」

ルルーシュ「その研究は多岐に渡っていたが」

ルルーシュ「専らのテーマは……」

ルルーシュ「人工的なギアス能力者を造ることだった」

CC「……なんだと?」

357: 2014/03/13(木) 14:44:26 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「ギアスの始まりは判然としていなかったが」

ルルーシュ「VVはその答えに一番近いことは分かっている」

CC「何故だ」

ルルーシュ「あいつはギアスの起源に最も近いコードを持っているからだ」

ルルーシュ「そして、その記憶が饗団を作ることを強要させたのだろう」

CC「ルルーシュ、お前はどこまで……」

ルルーシュ「内部から情報を得るのはそう難しいことではないということだ」

ルルーシュ「俺を救ったS2計画も、人工的なギアス能力者を造るための手段に過ぎない」

ルルーシュ「コード保持者にはリスクが伴うからな」

CC「リスク?」

ルルーシュ「自分がコードを奪われる可能性だ」

358: 2014/03/13(木) 14:48:19 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「VVが饗団を作ってはじめにしたこと」

ルルーシュ「それがコードの研究だ」

ルルーシュ「もちろん、その過程でCC、お前のデータも使われている」

CC「ま、待て」

CC「さっきから変だ」

CC「そもそも、私もVVもコードを入手した頃から」

CC「すでにギアス饗団は存在していたはず」

ルルーシュ「いや、存在していない」

ルルーシュ「正確には、その頃にお前がいないんだ」

CC「頭がおかしくなりそうだ」

ルルーシュ「結論を言うとな」

ルルーシュ「VVは少なくとも、1000年以上前から既に存在している」

CC「!?」

359: 2014/03/13(木) 14:52:31 ID:VTL7Yi4U
CC「そんなバカな……」

CC「あいつはシャルルの兄ではないのか?」

ルルーシュ「奴はあの姿のままずっとブリタニアを影から操り続けてきたんだ」

ルルーシュ「歴代皇帝の影に隠れ、表舞台に立たないようにな」

ルルーシュ「そして、コード狩り」

ルルーシュ「世間には魔女狩りとして知れ渡っているが」

ルルーシュ「あれを先導したのは、他ならぬVVだ」

CC「バカな……」

ルルーシュ「お前も囚われの身から解放された頃に」

ルルーシュ「いくつかコードを奪っただろう?」

CC「……ああ」

ルルーシュ「あれは最後の実験だったんだよ」

CC「意味が分からない」

ルルーシュ「コードを複数持つことで、自分のコードを守ることが出来るか、ということのな」

360: 2014/03/13(木) 14:57:58 ID:VTL7Yi4U
CC「いや、それは無理だ」

CC「現に私は一つのコードしか認識できない」

ルルーシュ「その通りだ」

ルルーシュ「VVは焦っただろう」

ルルーシュ「自分を脅かすコード保持者を消したはいいが、肝心の自分を脅かす契約者の問題は何一つ解決策が浮かばなかったのだから」

CC「……」

ルルーシュ「コードを持っている者は、契約者がいないと生きていけない」

ルルーシュ「コードの力は一人で抱えるには大きすぎる」

ルルーシュ「Cを経由して世界に支えてもらわなくては、いずれ崩壊してしまう」

ルルーシュ「恐らく今ギアスの契約者になっているのは」

ルルーシュ「シャルル・ジ・ブリタニア、違うか?」

CC「……そうだ」

361: 2014/03/13(木) 15:21:22 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「今までもそうやって歴代皇帝を契約者にし」

ルルーシュ「頃合いで次の皇帝候補を唆して殺害させる」

ルルーシュ「そうやって契約者を更新して生きながらえてきたのだろう」

ルルーシュ「今回の役目はシュナイゼルあたりだろうがな」

CC「だが、それと人工ギアス能力者と何の関係がある?」

ルルーシュ「危険が伴うことにかわりはないからな」

ルルーシュ「奴は考えた」

ルルーシュ「自分のコードを奪うことのできない、一方通行の契約を結ぶ方法は無いかとな」

CC「その結果がロロだと?」

ルルーシュ「ああ」

362: 2014/03/13(木) 15:25:32 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「最初に聞いた時から考えていた」

ルルーシュ「ロロは誰と契約したのかをな」

ルルーシュ「今存在するコードはCCとVVのみ」

ルルーシュ「しかし、VVはコードをばら撒くことを避けるはずだ」

ルルーシュ「そしてCCではないとすれば」

ルルーシュ「人工ギアスが完成したということだろう」

CC「そんな……」

ルルーシュ「俺も計画が進行していることは知っていたが」

ルルーシュ「ギアスの力を無理やり人に定着させようとすると負荷が大きすぎるらしい」

ルルーシュ「お前もジェレミアが陥った狂化については知っていたんだろう?」

CC「ああ」

CC「私は最強の兵士を造る計画だと聞かされていたがな」

363: 2014/03/13(木) 15:31:03 ID:VTL7Yi4U
ルルーシュ「肉体を強化しても、ギアスの力を制御するには至らなかった」

ルルーシュ「ロロは奇跡的にギアスと適合したと考えるのが妥当だろう」

CC「それで、その確証は得られたのか?」

ルルーシュ「被験体リストをさらってみた」

ルルーシュ「軍の登録証の写真と照合した結果がこれだ」カタカタ

ルルーシュ「こいつだ」

CC「No0810……」

ルルーシュ「かなり幼いが、その頃から様々な裏の訓練を受けていたようだな」

ルルーシュ「やつは手強い、懐柔するには骨の折れる相手だ」

CC「懐柔?」

ルルーシュ「ああ、実はシャーリーがな……」

364: 2014/03/13(木) 15:37:30 ID:VTL7Yi4U
CC「……なるほど」

CC「あのお転婆娘がまた暴走しているのか」

ルルーシュ「ロロを何とかすれば、シャーリーの危険は軽減される」

ルルーシュ「だから、なんとしてもロロをこちら側につけたい」

CC「方法は?」

ルルーシュ「このレポートに興味深い内容が載っていてな」

CC「ん?」

CC「……No0810は、人工子宮より無事誕生、さらにギアス能力者共振反応炉、通称R2に移動」

CC「……しかし、やはり負荷は大きく、そのまま氏亡……?」

ルルーシュ「VVの真の目的、resonance reacter計画」

ルルーシュ「通称R2計画のサンプルだ」

ルルーシュ「何があったのか分からんが、俺たちの前にいる以上、どうにかして復帰したのだろう」

365: 2014/03/13(木) 15:40:14 ID:VTL7Yi4U
CC「ギアス狂化による超人的能力を、人に植え付ける……」

ルルーシュ「連中は恐ろしいことを考えるものだな」

ルルーシュ「それは今後どうにかする、もうひとつの項目を見てくれ」

CC「……」

CC「まさか」

ルルーシュ「これが真実かどうかは分からない」

ルルーシュ「何せ数が多いからな、その一人とも限らないし、そうでないかもしれない」

ルルーシュ「だが、これを使う価値は十分にあるとは思わないか?」

CC「……うまくいくのか?」

ルルーシュ「いかせるさ」

ルルーシュ「それに、俺にも奥の手はある」

CC「?」

376: 2014/04/05(土) 20:14:58 ID:UlB8gwpI
~執務室~

ロロ「……」コンコン

ルルーシュ「入ってくれ」

ロロ「失礼します」パタン

ロロ「なんでしょうか、突然」

ルルーシュ「まあ座ってくれ」

ルルーシュ「なに、少し話がしたくてな」

ロロ「話?」

ルルーシュ「ああ」ギシッ

377: 2014/04/05(土) 20:15:42 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「ここは腹を割って話そう」

ルルーシュ「君の出自については、調べがついている」

ルルーシュ「ギアスを使えることもな」

ロロ「……そうですか」

ルルーシュ「驚かないのか?」

ロロ「そうですね、別段驚くこともないかと」

ルルーシュ「そうか」

ルルーシュ「言っておくが、別にかまをかけているのではない」

ルルーシュ「人工ギアスの持ち主だということも知っているぞ?」

ロロ「………!」

ルルーシュ「ふ、やっと反応したな」

ロロ「……どこでそれを」

ルルーシュ「おそらく、俺はお前たちが思っているより」

ルルーシュ「ギアスについては知っている」

378: 2014/04/05(土) 20:18:32 ID:UlB8gwpI
ロロ「……」

ルルーシュ「そう怖い目で見るな」

ルルーシュ「確かに誇れる経歴では無いようだが」

ルルーシュ「お前はお前だ、気にすることはない」

ロロ「………」キィィィィン

ルルーシュ「やめておけ」スッ

ルルーシュ「これを見ろ」

ルルーシュ「お前になら、意味は分かるだろう」

ロロ「その腕……」

ロロ「!まさか」

ルルーシュ「やはり知っているか」

379: 2014/04/05(土) 20:21:27 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「お前のギアスは、俺に通用しない」

ルルーシュ「だから話をしようじゃないか」

ロロ「……武器を突きつけたまま話すなんて、随分と感覚のおかしな人間ですね」

ルルーシュ「好きに言うがいいさ」

ルルーシュ「こうでもしないと、お前は協力してくれそうもないんでね」

ロロ「協力……?」

ルルーシュ「言っただろう?ギアスについては詳しいと」

ルルーシュ「もちろん、お前のような人工ギアス能力者についても、だ」ペラ

ルルーシュ「これは、お前自身も知らないことだろう」

ロロ「?」

380: 2014/04/05(土) 20:25:16 ID:UlB8gwpI
ロロ「……これは」

ルルーシュ「お前に関する研究レポートだ」

ルルーシュ「大したものだよ、実際」

ルルーシュ「あのジェレミア卿が耐えきれなかったのだからな」

ルルーシュ「生還したのは奇跡だ」

ロロ「……だけど、これに何の意味が」

ルルーシュ「俺が言いたいのは、研究内容の事じゃない」

ルルーシュ「お前の生まれだ」

ルルーシュ「正確には、遺伝子」

ロロ「……」

381: 2014/04/05(土) 20:30:19 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「ギアスの研究には危険が伴う、もちろん氏者も多い」

ルルーシュ「それだけの数の子供を、何処かから誘拐してくるわけにもいかん」

ロロ「……」

ルルーシュ「だからお前たちは」

ルルーシュ「……人工的に作られた」

ルルーシュ「精子と卵の組み合わせを変えられ、人工子宮で産み落とされ続けた」

ロロ「なにが言いたい」

ルルーシュ「お前も疑問に思ったはずだ」

ルルーシュ「自分の親はだれなのか」

ロロ「……」

382: 2014/04/05(土) 20:32:53 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「その答えが、そこに書いてある」

ロロ「嘘に決まっている」

ルルーシュ「そう疑うことも無いだろう」

ルルーシュ「なんなら検査してみるか?」

ルルーシュ「……レポートによれば、お前は間違いなく」

ルルーシュ「俺の母、マリアンヌの卵から生まれている」

ロロ「……」

ルルーシュ「俺たちは兄弟ということだな」

ロロ「……信用できない」

ルルーシュ「ほう?」

ロロ「それなら何故、僕があなたの監視、それに……」

ルルーシュ「暗殺任務につけられたのか、か?」

ロロ「……!」

383: 2014/04/05(土) 20:35:05 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「難しいことではないだろう」

ルルーシュ「お前に俺は殺せない」

ロロ「どういうことだ」

ルルーシュ「俺は以前にもギアス能力者を撃退している」

ルルーシュ「それに、お前たちのギアスには欠点があるようだな」

ロロ「……」

ルルーシュ「能力を制御出来ないことが、氏につながる」

ルルーシュ「そんな中途半端なやつに、俺が殺されるはずはない」

ルルーシュ「……こいつもあることだし、な」カチャ

ロロ「それと、僕がこの任務についたことと」

ロロ「何の関係がある」

384: 2014/04/05(土) 20:37:11 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「お前にも人間の心があるようだから聞く」

ルルーシュ「仮に自分を殺そうとする人間がいて」

ルルーシュ「返り討ちにすると」

ルルーシュ「そいつは自ら命を断つわけだ」

ルルーシュ「お前も、そうするだろう?」

ロロ「だから何だ」

ルルーシュ「そうしたら、俺の敵は俺に向かってこう言う」

ルルーシュ「お前が氏なせたのは、弟だと」

ロロ「……」

385: 2014/04/05(土) 20:40:13 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「確かに直接的な繋がりはないかも知れん」

ルルーシュ「だが、同じ母の遺伝子を継ぐ存在を自らの行動で氏なせれば」

ルルーシュ「……俺は動揺するだろう」

ロロ「そうは見えないけど」

ルルーシュ「自分で言うのも何だが、俺は母に固執していてね」

ルルーシュ「その辺りは、シャルルにもVVにも知られているだろう」

ロロ「……」

ルルーシュ「だから、お前と話をしたかった」

ルルーシュ「その思惑に乗るか?ロロ」

ロロ「……」

386: 2014/04/05(土) 20:42:59 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「どう思うかは分からないが」

ルルーシュ「俺の中では、お前は兄弟であり」

ルルーシュ「お前の母はマリアンヌだ」

ルルーシュ「俺はマリアンヌを頃した人間が知りたい」

ルルーシュ「そして、守らなかったシャルルにも制裁を加えたいんだ」

ルルーシュ「それに、協力してほしい」

ロロ「……」

ロロ「協力って、何をさせたいんだ」

ルルーシュ「危険なのは承知しているが」

ルルーシュ「報告内容を、俺の都合のいいようにして欲しい」

387: 2014/04/05(土) 20:45:27 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「シャーリーも、それに協力してくれるはずだ」

ロロ「あの女?」

ルルーシュ「そうだ」

ルルーシュ「もう一つ、シャーリーを守って欲しい」

ロロ「……」

ルルーシュ「お前の力なら、そう難しいことでも無いだろう」

ロロ「……」

ロロ「あなたの言葉に、嘘が無いと言い切れない」

ルルーシュ「……そうか」

ルルーシュ「それならば、もっと分かりやすくいこう」カチャン

ルルーシュ「氏にたくなければ、俺の言う通りにすることだ」

388: 2014/04/05(土) 20:48:53 ID:UlB8gwpI
ロロ「……さっきと言っていることが違う」

ルルーシュ「すまないが、俺はお前のことをまだ理解しきれていない」

ルルーシュ「交渉も出来ず、危険だと判断すれば」

ルルーシュ「俺の意思で、お前の存在を消す」

ロロ「……」

ロロ「とりあえず、腕を下ろしてよ」

ロロ「僕だって、わざわざ氏にたくはない」

ルルーシュ「……ああ」

ロロ「……報酬は?」

ルルーシュ「報酬?」

ロロ「僕に何の得もないんじゃ」

ロロ「やる気も起きない」

389: 2014/04/05(土) 20:52:42 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「それもそうか……」

ルルーシュ「何が欲しい?」

ロロ「そうだね」

ロロ「あなたが信頼できる人間なのか見る時間と」

ロロ「……それと」

ルルーシュ「?」

ロロ「いや、いい」

ロロ「とにかく、僕があなたを信用するのと同じように」

ロロ「あなたにも僕を信用してもらう」

ルルーシュ「具体的には?」

ロロ「僕を、あなたの直属として側において欲しい」

ロロ「もちろん、裏工作も含めた全ての活動を見せてもらう」

390: 2014/04/05(土) 20:55:44 ID:UlB8gwpI
ルルーシュ「……」

ロロ「気になる?」

ロロ「僕が裏切るかも知れないって」

ルルーシュ「……そうだな」

ルルーシュ「だが、いいだろう」

ルルーシュ「俺も、お前を信用する」

ロロ「……」

ルルーシュ「シャーリーのこと、そしてシャルル、VVの方の工作は任せてもいいな?」

ロロ「……分かった」

ロロ「近くで、どんな人間か判断するよ」

ルルーシュ「ふん、お互いに、な」

391: 2014/04/05(土) 20:57:46 ID:UlB8gwpI
ロロ「それなら、僕に監視をつけて欲しい」

ルルーシュ「何?」

ロロ「変に疑われて殺されたくないんでね」

ロロ「一番腕のいい人を頼むよ」

ルルーシュ「……なるほど」

ルルーシュ「よし、そういうことなら分かった」

ロロ「それじゃあ、またね」

ロロ「……兄さん」パタン

ルルーシュ「!」

392: 2014/04/05(土) 21:02:44 ID:UlB8gwpI
CC「……」

CC「バレたか?」

ルルーシュ「お前のことには気付いていないだろう」

ルルーシュ「助かった、見張っていてくれて」

CC「それは構わないが」

CC「その腕、一体何の秘密がある?」

ルルーシュ「……後で教えるさ」

CC「何だ?良心の呵責でも感じているのか?」

ルルーシュ「いや、そういうわけではない」

ルルーシュ「事実、やつがマリアンヌの遺伝子からうまれた可能性はあるのだから」

CC「それなら、どうした?」

ルルーシュ「……いや」

ルルーシュ(一瞬、ロロの額にギアスの紋章が見えた……)

ルルーシュ(まさか、Cの言っていたのは……)

ルルーシュ(……いや、まだ確信はできない、か)

404: 2014/04/30(水) 17:46:26 ID:xoCPh.wk
~ナイトメア格納庫~

ラクシャータ「はぁい、ルルーシュ」

ラクシャータ「随分ご無沙汰よねん」

ルルーシュ「そうだな、ラクシャータ」

ルルーシュ「すまん、お前たちには苦労をかけた」

ラクシャータ「その言葉はロイドに言ってやってよ」

ラクシャータ「あいつもかなり気揉んでたから」

ルルーシュ「もちろん、そのつもりだ」

ルルーシュ「それで、急に呼びたてたのは
……」

ラクシャータ「ナイトメアのことでしょ、分かる分かる」

ラクシャータ「CCが造らせてた新造機、無駄にならなくて助かったわ」

405: 2014/04/30(水) 17:49:57 ID:xoCPh.wk
ルルーシュ「この機体か?」

ラクシャータ「そそそ」

ラクシャータ「その名も蜃気楼」

ルルーシュ「性能はどうなんだ?」

ラクシャータ「現行機では最新鋭ね」

ラクシャータ「ヴィンセントは見たことあるんだっけ?」

ルルーシュ「ランスロットの量産機か?」

ラクシャータ「それそれ」

ラクシャータ「あっちと違って、こっちは挙動では若干劣るかなぁ」

ラクシャータ「何せ、それ以外の機能にマシンスペックとられてるから」

ルルーシュ「というと?」

406: 2014/04/30(水) 17:57:45 ID:xoCPh.wk
ラクシャータ「こいつはね、指揮官機ってだけじゃなく」

ラクシャータ「全体の統率を取ることメインで設計されてるのさ」

ルルーシュ「?」

ラクシャータ「蜃気楼の名前からも分かるかもしれないけど」ピッ

ルルーシュ「……電磁迷彩か」

ラクシャータ「そそそ」

ラクシャータ「熱源探知にもかからない優れものよん」

ルルーシュ「凄まじいな」

ラクシャータ「原理としては単純なんだけどね」

ラクシャータ「ゲフィオンディスターバーが無効化出来るようになって、機体には影響しなくなったからさ」

ラクシャータ「勿体無いってんで、フィールド状に展開できる構造にしてみたのよ」

ラクシャータ「ファクトの機能を阻害するわ」

407: 2014/04/30(水) 18:01:19 ID:xoCPh.wk
ラクシャータ「それと拡散構造相転移砲に」

ラクシャータ「ガウェインも沈んじゃったからドルイド引っ張って積んである」

ラクシャータ「こいつの情報処理能力はガウェインレベルってことね」

ルルーシュ「かなりのものだ」

ラクシャータ「それと、目玉はこれね」

ラクシャータ「絶対守護領域」

ルルーシュ「名前の通りか?」

ラクシャータ「そうよん」

ラクシャータ「全面展開可能なシールドを出せる」

ラクシャータ「至近距離でヴァリス食らっても、傷一つつかないんだから」

ルルーシュ「……」

ラクシャータ「驚いた?」

ルルーシュ「ああ」

ラクシャータ「ま、近接戦闘は想定に入れてないから、それは勘弁ね」

408: 2014/04/30(水) 18:04:29 ID:xoCPh.wk
ラクシャータ「可変で水中も行き来出来るし、文句はないでしょ?」

ルルーシュ「あるわけがない」

ラクシャータ「それなら良かったわん」

CC「お披露目は済んだか?」

ラクシャータ「CC、何してたのよ」

CC「こっちも仕事だ、察しろ」

ラクシャータ「新妻も大変ねぇ」

CC「……うるさい」

ルルーシュ「シャーリーとロロは?」

CC「ロロなら向こうにいる」

CC「シャーリーはカレンと一緒に各所の確認作業だ」

CC「ロロも呼ぶか?」

ルルーシュ「……そうだな」

409: 2014/04/30(水) 18:09:49 ID:xoCPh.wk
ルルーシュ「ラクシャータ、ここまでやってもらっておいて言いにくいんだが」

ラクシャータ「はいはい、次は何のお仕事?」

ルルーシュ「これから連れてくる奴用に、ヴィンセントの調整をしてもらいたい」

ルルーシュ「機体はあるか?」

ラクシャータ「そりゃあ天下の日本だもの」

ラクシャータ「パーツ込みで明日には組み上がるけど」

ルルーシュ「いつのまにかそんなレベルまで復興しているんだな」

CC「ブリタニアのナイトメア産業も割とカツカツだからな」

CC「こちらも軍需で潤っているというわけだ」

ルルーシュ「複雑だが、今回は助かる」

ルルーシュ「CC、ロロを呼んできてくれ」

CC「あいつにナイトメアを?」

ルルーシュ「これから必要になる」

ルルーシュ「ロロと信頼関係も築かなければならない、のけ者は良くないな」

CC「……まあ、お前に任せるさ」

410: 2014/04/30(水) 18:12:34 ID:xoCPh.wk
ラクシャータ「いいのぉ?不満げだけど」

ルルーシュ「大丈夫だ、問題ない」

ルルーシュ「予算は出す、出来るだけ高性能で仕上げてくれ」

ルルーシュ「それと、CCの分もだ」

ラクシャータ「そっちは平気よん」

ラクシャータ「新製プロトのカラーリングでも変えればいいわ」

ルルーシュ「新製でもプロトなんだな」

ラクシャータ「もう型番みたいなもんだし」

ラクシャータ「今までの偽ルルーシュが使ってたものだから」

ルルーシュ「なるほどな」

411: 2014/04/30(水) 18:14:49 ID:xoCPh.wk
ラクシャータ「でも、やっぱりCCは戦場に駆り出されるわけね」

ルルーシュ「それに関しては、少し予定があってな」

ラクシャータ「聞かせてもらえるのかしら?」

ルルーシュ「もちろんだ」

ラクシャータ「はいはい、余計なことは聞きませんって……え?」

ルルーシュ「今日の夜にスザクが来る」

ルルーシュ「ラクシャータ、お前も同席してくれ」

ラクシャータ「……どういう風の吹き回しなの?」

ルルーシュ「これからは俺のターン、ということさ」

451: 2014/09/08(月) 15:31:00 ID:8loBaNH.
~宿舎~

ロロ「ふぅ……」

ロロ(なんというか、居心地の悪いところだ)

ロロ(ルルーシュ・ランペルージ、いや、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア)

ロロ(あいつは一体何なんだ?)

ロロ(僕を脅したかと思えば協力しろと言うし)

ロロ(それに、あの腕)

ロロ(完成するはずはないと思っていたけど)

ロロ(あれの存在を知らなかったから、僕が暗殺任務にあたることになったのか)

ロロ(……むしろ知っていたからこそ、僕が選ばれたのか)

ロロ(僕がマリアンヌ妃の遺伝子から産まれた、本当にそうなのだろうか)

452: 2014/09/08(月) 15:33:34 ID:8loBaNH.
~~~~

???「やあ、はじめまして」

???「ガラス越しで申し訳ない」

ロロ「……誰だ、あんたは」

???「何、知る必要はないさ」

???「いつもの"仕事"だ、頼めるかい?」

ロロ「……どうせ、断れないんだろ?」

???「ふふ、そうだね、断るということは、氏ぬことに繋がるから」

???「僕も、そうはしたくない」

ロロ「標的は?」

???「ナイトオブゼロ、ルルーシュ・ランペルージだ」

453: 2014/09/08(月) 15:36:55 ID:8loBaNH.
ロロ「ラウンズを?本気?」

???「本気だとも」

???「彼には色々とやっかいなことばかりされていてね」

???「邪魔なんだ」

???「報酬は、君の解放と、そうだね」

???「研究レポートもあげよう」

???「君がどうやって産まれたのか、ずっと知りたがっていたんだろう?」

ロロ「………」

ロロ「まあ、いいよ」

ロロ「そのルルーシュを殺せばいいんだね?」

???「ああ、だが油断は禁物だよ」

???「彼は不思議な力を持っているから」

454: 2014/09/08(月) 15:40:28 ID:8loBaNH.
ロロ「不思議な力?ギアス?」

???「はは、それもあるけれど」

???「とにかく、気をつけることだ」

???「………からね」

ロロ「え?今なんて……」

???「それじゃあ、よろしく頼んだよ」

ロロ「あ……」

~~~~~~

ロロ(ルルーシュ暗殺を依頼してきた人物、あれが誰かは分からないけど)

ロロ(わからないことの方が多いし、ルルーシュは実際に僕に関する情報を持っていた)

ロロ(向こうもすんなり暗殺出来るとは思っていないだろうし、こちらが報告を操作することも難しくはない)

455: 2014/09/08(月) 15:44:03 ID:8loBaNH.
ロロ(まずはルルーシュの思惑を知り、出来ることなら僕に関する情報をさらに引き出す)

ロロ(シャーリーとかいうあの情報部の女も、ルルーシュにとっては拘りがあるみたいだし)

ロロ(いざという時に使えるように、守る体裁だけは整えておくか)

ロロ(そのためにも、まずはルルーシュにとって、僕が使える駒だとアピールする必要がありそうだな)

ロロ(僕にとっては、確執のあるどちらが勝ってもいいんだから)

ロロ(強い方につけるよう、立場の形成からだ)

ロロ「ふふ、せいぜい役に立ってくれよ、兄さん」

456: 2014/09/08(月) 15:49:48 ID:8loBaNH.
~レストラン~

ルルーシュ「よく来たな、スザク」

スザク「やあ、久しぶりだね」

スザク「ラクシャータさんも一緒なのか」

ラクシャータ「ねー、なんでかついて来ることになったのよ」

ルルーシュ「向こうの部屋だ」

ルルーシュ「咲世子が検査した、盗聴の類も仕掛け爆弾もない」

ルルーシュ「CCとロロも警護に回っている、防音も完璧だ」

ルルーシュ「話したいこともあるだろう」

スザク「ああ、もちろんだ」

スザク「じゃあ、行こうか」

ラクシャータ(うぇー、なんか重ーい話になりそぉ)

457: 2014/09/08(月) 15:58:10 ID:8loBaNH.
スザク「で、CCがいるってことは」

スザク「君は本物のルルーシュってことだよね?」

ルルーシュ「その通りだ」

ルルーシュ「遅くなったが、帰ってきた」

スザク「ぱっと見たところは、前と変わらないようだけど」

ルルーシュ「……これで何と無く分かってもらえるか?」スッ

スザク「握手?」

ギリッ

スザク「痛っ」

458: 2014/09/08(月) 15:58:45 ID:8loBaNH.
スザク「これって、ルルーシュが氏ぬほど鍛えたとかじゃあないよね?」

ルルーシュ「もちろん違う」

ルルーシュ「爆発のおかげでな、身体の殆どが吹き飛んでしまった」

スザク「そっか……」

スザク「これから、前に出来なかった質問を全部したいんだけど」

スザク「偽りなく答えてくれるかい?」

ルルーシュ「もちろんだ」

ルルーシュ「黒の騎士団、軍、作戦についても」

ルルーシュ「なんでも聞いてくれ」

ラクシャータ(お、さすがラウンズ御用達、いいワインねぇ)グビッ

462: 2014/09/08(月) 21:18:43 ID:8loBaNH.
スザク「そうか……」

ルルーシュ「満足したか?」

スザク「尊大な態度は相変わらずだね」

スザク「まあ理解はできたよ」

スザク「納得はしていないけど」

ルルーシュ「マッチポンプの演出がか?」

スザク「それもあるかな」

スザク「でも、何より」

スザク「何の相談もなかったことにだよ」

ルルーシュ「ギアスのことを聞いて、お前は納得したか?」

スザク「……無理だろうね」

スザク「今も、あまり信用はしてない」

スザク「ただ、ユフィの今の姿とかね」

スザク「不可解なことも実際にあるところを考えると」

スザク「そっちはあるんだろうなって感覚だ」

463: 2014/09/08(月) 21:22:03 ID:8loBaNH.
スザク「僕にはギアスを使っていないのかい?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「使う用事がなかったからな」

スザク「ある意味、僕は君の思惑通りだったってことかな」

スザク「まあいいよ」

スザク「本当は、色々と言ってやろうと考えてたんだけど」

スザク「僕らを騙していたり、言っていなかったこと以上に」

スザク「ルルーシュはもう罰を受けているみたいだし」

スザク「……それを救えなかったのは僕らだ」

ルルーシュ「僕ら、というのは?」

スザク「カレンの分もってことさ」

スザク「文句も言われなかったろう?」

ルルーシュ「……そうだな」

スザク「多分言わないと思ったよ」

464: 2014/09/08(月) 21:26:06 ID:8loBaNH.
スザク「あの神根島で」

スザク「僕が協力したのはカレンのおかげだ」

スザク「あそこで僕一人だったら、CCの説得も聞かずに」

スザク「取り返しのつかないことになっていたと思う」

ルルーシュ「……」

スザク「カレンは、黒の騎士団のゼロという存在も」

スザク「軍人のルルーシュ・ランペルージという存在も」

スザク「同じくらい、大切なんだと思う」

スザク「二人とも、自分を変えてくれたって」

ルルーシュ「……そうか」

スザク「だから、僕が代わりに小言を言おうと思ってたんだけどね」

スザク「やっぱり、ルルーシュは僕の思うルルーシュだった」

465: 2014/09/08(月) 21:30:37 ID:8loBaNH.
スザク「それで?」

ルルーシュ「なんだ?」

スザク「これからはどうするつもりなんだい?」

ルルーシュ「力を貸してくれるか?」

スザク「答えなんて知ってるくせに、よく言うよ」

スザク「もともとCCと今みたいなラウンズとして付き合っていたのは僕だよ?」

スザク「日本の復興も目覚ましいし」

スザク「ブリタニアの支配も、新しい形に移行すべきだっていう主張もある」

ルルーシュ「……スザク」

ルルーシュ「とりあえず一杯飲もう」

スザク「なんでだい?」

ルルーシュ「今の情勢を、全て聞かせてもらいたい」

ルルーシュ「俺が考えすぎていればそれで構わないが」

ルルーシュ「そのためにも、口の滑りはいい方が、な」

スザク「なるほど」

466: 2014/09/08(月) 21:34:43 ID:8loBaNH.
スザク「正直な話をしようか」

スザク「同じラウンズとして」

ルルーシュ「頼む」

スザク「……今の状況は相当にきな臭い」

スザク「今まで、CCが政治、僕が軍部の担当で政策を進めてきたけど」

スザク「政治面では上手く行っているよ」

スザク「……その代わり、軍部は裏の動きがかなり活発になってきた」

スザク「特に、皇族でも踏み込めない最高ランクのセキュリティクリアランスでね」

ルルーシュ「シャルルか」

スザク「もしかしたらシュナイゼルかもしれない」

スザク「ユフィにも、コーネリア様にも立ち入れなかった、僕にも全容は見えないけど」

スザク「……日本を、世界を破壊しようとしていた男が絡んでいるとなれば、おとなしく見ているわけにもいかない」

467: 2014/09/08(月) 21:38:45 ID:8loBaNH.
スザク「なにより、今ブリタニアの情勢は危ういんだよ」

スザク「中華連邦との折り合いも良くなくて、軍事部門の浪費もバカにならない」

スザク「軍事産業は発達するばっかりだ」

ラクシャータ「軍産複合体ねぇ」

ラクシャータ「技術者的にもお口挟ませてもらっていいかしら?」

ルルーシュ「構わない、そのために呼んだんだ」

ラクシャータ「ふふ、どうだか」

ラクシャータ「でもね、現状あたしとロイドがナイトメア開発の頭抑えてる状態」

ラクシャータ「需要ばっかり膨れ上がってて、ナイトメアの発展だけに絞れば、もっと効率のいいものも簡単に作れるわ」

468: 2014/09/08(月) 21:41:26 ID:8loBaNH.
ルルーシュ「効率、か」

ラクシャータ「ええ、お察しの通り」

スザク「……効率よく、殺戮するための」

ラクシャータ「そそそ」

ラクシャータ「今はランスロット系列の量産機、ヴィンセント出してお茶を濁してる感じ」

ラクシャータ「ロイドも今の状況で新造すれば未来は見えてるからって」

ラクシャータ「幸い、あたしらはどっちもラウンズ付きなんでね、誰かにしたがわされることもないからいいけど」

ルルーシュ「……お前たち以外の人間が開発する可能性も」

ラクシャータ「もちろん、あるわよねぇ」

469: 2014/09/08(月) 21:44:12 ID:8loBaNH.
スザク「そういえば、もう一つ気になる情報もあるんだ」

ルルーシュ「なんだ?」

スザク「新型の兵器に関してなんだ」

スザク「どういうものなのか、詳細は全くの不明なんだけど」

スザク「どうやら、爆弾のように範囲のある破壊兵器らしい」

ルルーシュ「どこが開発している?」

スザク「残念ながら、最近ブラックマーケットであがってきた内容だから」

スザク「ホラばなしかもしれないし」

ルルーシュ「……」

スザク「それで、ルルーシュの見たものってなんなんだい?」

スザク「僕らが聞いたり見たりしていることと、何か関係が?」

470: 2014/09/08(月) 21:46:48 ID:8loBaNH.
ルルーシュ「まだ、何か関わりがあるとは言えないが」

ルルーシュ「中華連邦のことなんだ」

ルルーシュ「ラクシャータ、中華連邦のナイトメア事情は詳しいか?」

ラクシャータ「調べればわかるかなって程度」

ルルーシュ「そうか」

ルルーシュ「俺が直されたのは、中華連邦のとある施設なんだが」

ルルーシュ「そこに、ギアス関連の資料と一緒に」

ルルーシュ「作戦の立案書が入っていてな」

スザク「どんな?」

471: 2014/09/08(月) 21:53:07 ID:8loBaNH.
ルルーシュ「ブリタニアによる、中華連邦への侵攻だ」

スザク「……いや、不可能だよ」

スザク「今のブリタニアに、そんな力はない」

スザク「EU方面もごたついているし、地盤を固めてるところだからね」

ルルーシュ「だから、引っかかっていたんだ」

ルルーシュ「中華連邦に固執する理由は、ギアスで間違いないと思うが」

ルルーシュ「中華連邦にギアスの何があるのか、それが分からなくてな」

ルルーシュ「だが、考えていたんだ」

ラクシャータ「何をよ」

ルルーシュ「ギアス饗団という言葉に、聞き覚えは?」

ラクシャータ「あたしは知ってるわよ」

ラクシャータ「以前の式根の調査とか」

ラクシャータ「それからも、ちょっかいだしてくるアングラの奴らが何か噛んでるみたいなこと聴いてるわ」

スザク「僕の方は、特に無い」

472: 2014/09/08(月) 21:56:35 ID:8loBaNH.
ルルーシュ「簡単に言えば、饗団はギアスの研究機関だ」

ルルーシュ「咲世子」

咲世子「は、何か御用でしょうか」シュタ

ラクシャータ「神出鬼没ってレベルじゃないわよねぇ」

ルルーシュ「CCとロロを連れてきてくれ」

ルルーシュ「方針が固まった、カレンには後で俺が伝える」

咲世子「かしこまりました」ヒュッ

スザク「さっきの問答で何が分かったんだい?」

ルルーシュ「饗団の目的、というよりやり方だな」

ラクシャータ「対策とかもあるわけ?」

ルルーシュ「……そうだな、やりたいことはあるが」

ルルーシュ「まあ、俺らしく」

ルルーシュ「……正攻法でいこう」

473: 2014/09/08(月) 21:57:42 ID:8loBaNH.
今日はここまで、の予定。

次回はシリアスだけじゃなくしたいところだけど、まだ説明パート必要そうなんで、確約はできぬ。

また次回、乙バレー
【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「……そうだな」R2【後編】

引用: ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「……そうだな」R2