479: 2014/09/18(木) 21:57:08 ID:upp/JDdg


【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」【前編】
【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」【後編】

【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.2【前編】
【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.2【後編】

【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.3【前編】
【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.3【後編】

【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.4【前編】
【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.4【後編】

【コードギアス】ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「……そうだな」R2【前編】

CC「なんだ、私たちはここに必要ないんじゃなかったのか?」

ロロ「僕も警護だけと聞いていましたが」

ラクシャータ「結局全員揃っちゃうのねん」

スザク「ルルーシュ、この子は?」

ルルーシュ「おそらく、お前が思っているほど子供ではないが」

ロロ「情報部から配属された、ロロと申します」

スザク「彼も交えていいのかい?」

ルルーシュ「ああ、ギアスについて理解のある人間が多いに越したことはない」

スザク「ギアス……?」ジロ

ルルーシュ「ロロ、スザクは俺の陣営だ、お前の素性は多少公開してもいいか?」

ロロ「……あまり深く話さなければ、構いません」
ラクシャータ「」
バンプレスト コードギアス 反逆のルルーシュ EXQフィギュア ~ルルーシュ・ランペルージ~ (プライズ)

480: 2014/09/18(木) 22:02:52 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「……へぇ、ギアスって割と大盤振る舞いなのねぇ」

ラクシャータ「ロイドには何か言ってるの?」

ルルーシュ「すぐに会うことになるさ、その時にでも言えばいいだろう」

ルルーシュ「今後も、ギアスに関することは、記録の残らない口頭で極力説明していく」

スザク「どうして?」

CC「……後世に残さない為だ」

ロロ「……」

ルルーシュ「ここに宣言しておこう」

ルルーシュ「俺の目的は、ギアスという存在そのものの抹消だ」

ルルーシュ「シャルル、VV、シュナイゼル、今現在暗躍する勢力の全てに、ギアスは悪用されている」

ルルーシュ「その結果が、ジェレミア卿であり、このロロだ」

ラクシャータ「……ルルーシュもそうだけど、あんたも調べてみたくはあるわねぇ」

481: 2014/09/18(木) 22:07:30 ID:upp/JDdg
ロロ「僕は……」

ルルーシュ「いいさ、ロロ」

ルルーシュ「ロロ含め、人工ギアスを移植された被験体のデータはある」

ルルーシュ「そして、今後の話をさせてもらうぞ」

スザク「うん、これからどうするのか」

スザク「僕もギアスは必要ないと思うんだ」

スザク「ただ、実際に無くすとなると、どうすればいいのか」

ラクシャータ「割とポピュラーにされつつあるもんねぇ」

ラクシャータ「事実、ギアス関係でもここに三人、前のカレン誘拐でも一人でしょ?」

482: 2014/09/18(木) 22:11:29 ID:upp/JDdg
ルルーシュ「ロロにも話を聞かせようと思ったのはそこだ」

ルルーシュ「これから先、俺たちの前に立ちはだかるのは」

ルルーシュ「恐らく、何らかの形でギアスを持った人間になる可能性が高い」

スザク「ギアスってのは、そんなに簡単に手に入るのかい?」

CC「強い望みがあれば、な」

CC「それと、人間としては氏ねなくなる」

ラクシャータ「どういうことぉ?」

ルルーシュ「ギアスを持つと、しばらくは安定した状態になる」

ルルーシュ「表面上はな」

CC「実際は、徐々にギアスに侵されていく」

CC「そして、ある一定の期間を過ぎると」

ロロ「……暴走する」

483: 2014/09/18(木) 22:15:48 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「あんたもあったの?」

ロロ「……僕らは、ギアスを移植された時点でこの暴走状態から始まるんだ」

ロロ「それも、普通の暴走じゃない」

ルルーシュ「ジェレミア卿のように、ギアスの力を無理矢理引き出すわけだ」

ルルーシュ「大抵の者は精神に異常をきたし、氏に至る」

スザク「……それと、おいそれとばら撒けないことと、何か関係があるのかい?」

スザク「たしか、CCのようにコード?を持っていないと、他人にギアスの契約はさせられないんだよね?」

ルルーシュ「その通りだ」

ルルーシュ「だが、それにもリスクはある」

ルルーシュ「コード保持者は基本的に氏ぬことがなく、またギアスも通用しない」

ルルーシュ「だが、そいつを頃す方法もある」

ラクシャータ「……なんとなく読めてきたわね」

484: 2014/09/18(木) 22:18:19 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「ようは、コードを奪えば氏ぬってことじゃないの?」

CC「その通りだ」

CC「そして、それが出来るのは」

ルルーシュ「同じコードから生まれたギアスを持つものだけ」

スザク「なるほど」

スザク「ギアス契約者を増やせば、それだけ氏ぬリスクもあがるってことか」

ルルーシュ「そういうことだ」

ルルーシュ「それを避け、かつギアスの力を使うために」

ルルーシュ「VVは自分の力を研究し続け、CCも利用した」

485: 2014/09/18(木) 22:22:36 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「んー」

ラクシャータ「とりあえず、VVを倒すのは難しそうじゃない?」

ルルーシュ「現状、立ち向かえるのはCCか俺だけだ」

スザク「ルルーシュも?」

ルルーシュ「正確には、ギアスに抵抗力があるというだけだ」

ルルーシュ「CCも、能力としてはコード保持者、VVと同じだが」

CC「……残念ながら、出来るのはやつにコードを奪われないことくらいだろう」

スザク「コード保持者は、コードを他のコード保持者から奪える?」

ラクシャータ「なんか、頭痛くなりそうな質問ね」

CC「コード保持者が、著しく力を制限された状態なら、な」

スザク「制限?」

486: 2014/09/18(木) 22:27:05 ID:upp/JDdg
CC「……そのために、VVは平和に暮らしていた者も含めて」

CC「コード保持者を罠にかけ、一人一人を拷問し、コードを奪った」

CC「私の知る限り、残っているコードはCCとVVのみだ」

ルルーシュ「とまあ、そんな理由があって、VVの対処は不可能ではないが、かなり難しい」

ラクシャータ「それが元凶だってんだから、キツいわねぇ」

ロロ「具体的に、これから何をすればいいのか」

ロロ「策はあるんでしょう?」

ルルーシュ「無ければここに呼ばないさ」

ルルーシュ「現在分かっていることは」

ルルーシュ「ギアス関連の研究施設は、多くが中華連邦に作られているということだ」

487: 2014/09/18(木) 22:30:36 ID:upp/JDdg
スザク「中華連邦?なんであそこに」

スザク「研究をしているのはブリタニアなんだから、ブリタニアでやればいいじゃないか」

ロロ「そういう訳にもいかなくなっているんです」

スザク「?」

ルルーシュ「ギアスの人体実験自体は、人工的に生み出された子供たちで行っていたが」

ルルーシュ「それでも、成功率はかなり低い」

ルルーシュ「そこで、ギアス饗団は方針を変えた」

ルルーシュ「VVの知る以前、ギアスが生まれた原点を探ることにしたんだ」

ラクシャータ「理屈としては分からなくも無いけど」

ラクシャータ「それこそ、コストもかかるし非効率に感じるわねぇ」

488: 2014/09/18(木) 22:34:51 ID:upp/JDdg
CC「確かに、効率は悪そうだ」

ルルーシュ「その辺りは現実に起こっている事態から推測するしかないが」

ルルーシュ「第一に安定しないこと」

ルルーシュ「そして第二に、別の方面からアプローチしている研究者がいるということだ」

スザク「?向こうも一枚岩じゃないってこと?」

ルルーシュ「それが、俺を蘇らせたこのS2計画と」

ルルーシュ「そして新造されつつあるという兵器だ」

スザク「そもそも、向こうの目的って、具体的には何なんだろう」

スザク「そこが見えないと、話が飲み込めない」

489: 2014/09/18(木) 22:38:54 ID:upp/JDdg
ルルーシュ「これは、また俺の推測だが」

ルルーシュ「VVとシャルルは同じ理想を追っているようだ」

ルルーシュ「そうだな?CC」

CC「ああ、少なくとも15年程前まではな」

CC「……私も、いちじは賛同していた」

ルルーシュ「………」

ラクシャータ「へぇ」

ラクシャータ「それって、なぁに?」

CC「……優しい世界を作ることだ」

スザク「優しい世界?」

CC「人の意識が直接つながり、一つの集合意識になる」

CC「一人の意見は全体の意見と完全一致し、そこに争いは生まれない」

490: 2014/09/18(木) 22:41:58 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「あたしもロイドもカレンもセシルもみんな同んなじってこと?」

CC「まあ、そうなる」

ラクシャータ「……なんか、気持ち悪いし」

ラクシャータ「面白味の無さそうな世界ねぇ」

CC「……あの頃の私は病んでいたんだ、少しくらい許せ」

ラクシャータ「いや、別に責めるとかじゃないけどさぁ」

ルルーシュ「……だが、恐らくシュナイゼルは別の思惑があるようだ」

スザク「一体どんな?」

ルルーシュ「ロロ、お前も研究所でシュナイゼルのことは見たことがあるか?」

ロロ「映像でなら、あるよ」

ロロ「……僕はしばらく眠らされていたから、その間は分からないけど」

491: 2014/09/18(木) 22:46:42 ID:upp/JDdg
ルルーシュ「優しい世界と言われる、人間の精神をつなぐことの実現のために」

ルルーシュ「VVとシャルルは人類自体を選別しようとしている」

ルルーシュ「ギアスの力で接続するには、ギアスに耐えられる人間でなければならないからな」

ルルーシュ「それが、神根島での事件の発端だ」

スザク「あれに耐えられた人が、次の精神接続される人ってことだね?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「だが、この計画にシュナイゼルがただ従っているようには思えない」

ラクシャータ「確認するけど、皇帝はギアスを持ってるの?」

CC「ああ、間違いない」

CC「能力自体は、私にも分からないが」

CC「契約をする時、私もいたからな」

492: 2014/09/18(木) 22:51:17 ID:upp/JDdg
CC「コードにも、それぞれある特徴のようなものが存在する」

CC「私のコードは、人の内側、精神に干渉する能力が発現し」

CC「VVの場合は外側、物理的なものに干渉する能力が発現する」

スザク「皇帝の能力も、そういう類の物になっているってことか」

ルルーシュ「だが、先述したようにギアスには適正が無ければならないし」

ルルーシュ「VVのことだ、裏切る可能性のあるシュナイゼルに自分を消す能力をおいそれと与えることもしないだろう」

ラクシャータ「……それで、ギアスキャンセラーってわけね」

ルルーシュ「察しがいいな」

ラクシャータ「もともと、たしかあの機材もシュナイゼルに持っていくって話だったし」

ラクシャータ「ようは、シュナイゼルがそれに耐えられる確証がないってことでしょ?」

493: 2014/09/18(木) 22:56:02 ID:upp/JDdg
スザク「ううん、だんだん頭が痛くなってきた」

ロロ「……まとめると」

ロロ「皇帝、VVの計画には、シュナイゼルがいられる確証がないから」

ロロ「利用はしても、完全に一致団結はしていないってことでしょう?」

ルルーシュ「おそらくはな」

ルルーシュ「月並みではあるが、シュナイゼルの望みは世界のトップに君臨することだと思う」

ルルーシュ「そのためには、人類の意識を結合されるのは不都合が多いというわけだ」

ラクシャータ「ギアスの力は欲しいけど、それ以上はVVたちに従う気はないだろうってこと?」

ルルーシュ「そのためのS2計画だと、俺は踏んでいる」

ルルーシュ「シュナイゼルにとって、ギアスはあくまでも兵器だ」

ルルーシュ「そのために、奴は独自でギアスに対抗する力をもとめ、VVとしてもそれを監視しながら駒として利用しようという腹だろう」

494: 2014/09/18(木) 23:00:14 ID:upp/JDdg
ラクシャータ「敵の敵は味方みたいな理論でつるんでるのね」

ルルーシュ「だから、この決定的な不和につけいる隙があると、俺は考えている」

CC「どうするつもりだ?」

ルルーシュ「ネックになるのは、VVがシュナイゼルをある程度自由にしている点だ」

ルルーシュ「そもそも何故、VVはシュナイゼルのような思想を持つ者と手を組んでいるのか」

ルルーシュ「どう考える?」

スザク「うーん」

スザク「利用する価値があるってことだよね?」

ラクシャータ「そうねぇ」

ラクシャータ「いっそ、VVもシュナイゼルみたく世界を支配したいとかだったりしてね」

ルルーシュ「それだ」

ラクシャータ「へ?」

ルルーシュ「俺は、それが答えだと思う」

495: 2014/09/18(木) 23:16:58 ID:LwzSXrVc
ラクシャータ「でも、それならVVと皇帝も根本的に考えが違うってことになるけど」

ルルーシュ「ああ、最終的にはな」

ルルーシュ「だが、そう考えればVVの行動の多くに説明がつく」

ルルーシュ「シュナイゼルと違うのは、VVには多くの時間、そして不氏の肉体があるということだ」

ルルーシュ「コード保持者を減らそうとしたことも、ギアス能力者を契約以外に生み出そうとすることも」

ルルーシュ「自分に対する危険を排除し、かつ特権を一人で行使出来るようにだろう」

スザク「じゃあ、なんで皇帝にはギアス能力を与えたんだろう」

ルルーシュ「恐らくは、表立って動く人間が必要だからだろう」

ルルーシュ「VVは、記録によればブリタニアの創立時期から、誰かの兄弟や養子として存在している」

ルルーシュ「外見は子供のようだし、そうしなければ大国を動かすことはできないだろう」

CC「不老というのも、表立って動けない理由の一つだろうな」

スザク「そっか、皇帝がずっと成長しないなんて、かなり不自然だろうし」

496: 2014/09/18(木) 23:17:45 ID:LwzSXrVc
ルルーシュ「それに、契約者は不老不氏にはならない」

ルルーシュ「時が経てば老い、そして氏ぬ」

ラクシャータ「うまく使い倒したあと、ボロ雑巾みたく捨てちゃうってことね」

ロロ「……なんだろう、変な寒気が」

ルルーシュ「風邪か?」

ラクシャータ「なんなら、検査がてら診療してあげようか?」ワキワキ

ロロ「遠慮します」

497: 2014/09/18(木) 23:31:56 ID:LwzSXrVc
スザク「とりあえず、正確に言えば三つの考えがうまく纏まって見えてるだけってことだよね」

ルルーシュ「そうなるな」

ルルーシュ「だから、まずはシュナイゼル、ひいてはVVの計画から阻止する」

ルルーシュ「中華連邦にある研究所を根こそぎ破壊し、データも破棄するんだ」

スザク「でも、そのためにはどこにあるのか正確な情報が必要だよね?」

ルルーシュ「そのために、俺は中華連邦との交渉を試みる」

ラクシャータ「中華連邦って言ったら、EUと並んでブリタニアと膠着してる国よ?」

ラクシャータ「さすがにラウンズの交渉になんか応じないと思うけど」

ルルーシュ「ああ、難しいだろうな」

ルルーシュ「……そのために、黒の騎士団と日本には力を使ってもらう」

スザク「……まさか」

ルルーシュ「日本には再び独立宣言をさせ、今度こそ完全にブリタニアの支配を離れさせる」

498: 2014/09/18(木) 23:34:35 ID:LwzSXrVc
スザク「僕は反対だ」

スザク「せっかく落ち着いてきたのに、また日本の人々を戦火に巻き込むことになる」

ルルーシュ「遅かれ早かれ、このまま放っておけば全員犠牲になる」

ルルーシュ「その前に先手を打つだけだ」

ラクシャータ「あたしも、賛成はできないわねぇ」

ラクシャータ「ようは、日本独立運動に中華連邦を巻き込もうってことでしょ?」

ラクシャータ「そうなれば、ブリタニアと中華連邦の争点は日本になるし」

ラクシャータ「それこそ、あんたらの立場もなくなるでしょう」

ラクシャータ「まぁたロイドが荒れちゃうわ」

499: 2014/09/18(木) 23:39:52 ID:LwzSXrVc
ルルーシュ「そのために、今度の結婚も利用する」

CC「どういうことだ?」

ルルーシュ「考えてみろ、自分の妻が人質に取られて動けないことを、果たして万民が責めるか?」

ルルーシュ「それが、今まで親日に努めていたらどう思う?」

ロロ「裏切られた、だろうね」

ルルーシュ「形だけならどんなことも取り繕うことができる」

ルルーシュ「日本との険悪な関係を、俺が演出することで」

ルルーシュ「効果は大きくなるはずだ」

ラクシャータ「でも、それによって日本人とブリタニア人にできた友好的な関係はこじれそうだけどねぇ」

ルルーシュ「それは……」

スザク「ルルーシュ、確かに案としてはいいかも知れない」

スザク「でも、それはあくまでゲームの戦略としてだ」

500: 2014/09/18(木) 23:42:19 ID:LwzSXrVc
スザク「今盤面にいる駒は全て生きていて、それぞれの生活がある」

スザク「それも必要な犠牲だというなら」

スザク「僕は君と敵対する」

ルルーシュ「……」

CC「ルルーシュ、スザクの言う通りだ」

CC「どうも、お前の計画にしては急ぎすぎている」

CC「以前のように、じっくり取り組めとは言えないが」

CC「まだそれ以外に手があると思う」

ルルーシュ「だが……」

ロロ「……あの」

ルルーシュ「?どうした」

501: 2014/09/18(木) 23:46:09 ID:LwzSXrVc
ロロ「それならいっそ、ラウンズであることを生かしたらいいんじゃないかな?」

ルルーシュ「……!」

ルルーシュ「なるほど、そういう手もあるか」

ラクシャータ「はいはーい、天才アピールはやめてちょうだいよぉ」

ラクシャータ「あたしら凡人にも、分かりやすく言って欲しいわ」

スザク「なんだか、それも嫌味っぽいけど」

ラクシャータ「うるさい」

スザク「……はい」

ルルーシュ「つまり、ブリタニアの意向に乗るということだな?」

ロロ「うん、そっちの方が楽じゃないかな?」

ロロ「今なら、恐らくエリア11を統括しているに……ランペルージ卿が指揮をとることになるだろうし」

502: 2014/09/18(木) 23:49:53 ID:LwzSXrVc
CC「中華連邦を侵略する気か?」

ルルーシュ「ありていに言えばな」

ルルーシュ「ラクシャータ、中華連邦のナイトメアはどの程度の戦力になる」

ラクシャータ「基準がなきゃ比べられないわよ」

ルルーシュ「そうだな」

ルルーシュ「ランスロットと紅蓮、それに俺の新型ナイトメアにヴィンセント、プロト」

ルルーシュ「現在の戦力で無力化だけするのは可能か?」

ラクシャータ「いっそゲフィオンディスターバーでもばら撒いた方が早そうだけど」

ロロ「ゲフィオンディスターバー?」

ラクシャータ「サクラダイト反応を無効化するのよ」

ラクシャータ「蜃気楼にも搭載されてるシールドやら、ハドロンの制御に使っている技術だけど」

503: 2014/09/18(木) 23:52:58 ID:LwzSXrVc
ルルーシュ「とにかく、可能だということだな?」

ラクシャータ「ま、そんなに難しくはないんじゃない?」

ラクシャータ「さっきの話からすると、中華連邦に踏み込まないのって、なんだか意図があるみたいだし」

ラクシャータ「攻めたらすぐって感じかもね」

CC「そうか、仮にブリタニアが制圧してしまうと」

CC「研究施設が明るみに出る可能性もあるからな」

スザク「中華連邦を攻めないのは、圧倒的な兵の数と、それによる損失が大きな問題だと言われているけど」

スザク「たしかに、そう考えるとわざとブリタニアの干渉外に置いているみたいだ」

ルルーシュ「シャルルから隠しているという線も濃厚だな」

504: 2014/09/18(木) 23:56:48 ID:LwzSXrVc
ルルーシュ「あとは名目をつけなければな」

ルルーシュ「どうすべきだ?」

CC「普通にブリタニアの統一のためとかはどうだ?」

ルルーシュ「極力侵略戦争の形は避けたいところだが」

CC「だが、フクオカでも尻尾を出さずに乗り切ろうとした国だ」

CC「おいそれときっかけを与えるとは考えにくいな」

スザク「……もしかして」

ルルーシュ「どうした?」

スザク「いや、本当思いつきなんだけど」

スザク「ゼロと、そして中華連邦の姫の力があれば出来るかも」

ラクシャータ「こーいうヒラメキ系って、案外普段愚鈍なのから出てくるから悔しいわ」

ロロ「あなた、結構やりたい放題言いたい放題だよね」

ラクシャータ「あ、ばれたぁ?」

505: 2014/09/19(金) 00:01:44 ID:mOQyJaWo
ルルーシュ「……それでいこう」

スザク「本当かい?」

CC「スザクにしては冴えた案だな」

ラクシャータ「そもそも、その姫ってやつが本当にこいつの言う通りの待遇なら、だけどね」

スザク「嘘じゃないよ」

スザク「それに、オデュッセウス殿下が、中華連邦に打診したって話も聞いたし」

CC「む、それは私も聞き覚えがあるな」

スザク「あの人、かなりマニアックだって噂だし」

スザク「ブリタニアと中華連邦の友好のためって話も疑われてはいたんで」

ラクシャータ「話は見送られてたってことねん」

ロロ「そっちも焚きつける?」

ルルーシュ「あまり話はややこしくしたくないのだがな」

CC「だが、今回は派手な方がやりやすいんじゃないか?」

スザク「そうだろうね」

ルルーシュ「……よし、ゼロには再び、救世主となってもらおう」

516: 2014/10/05(日) 18:19:38 ID:940wUKHA
~自治区 日本~

???「要さん、起きて下さい」

???「今日は会合があるんでしょう?」

???「遅刻したらいけません」

扇「ん……んが」

???「本当に、寝起きの悪い人なんだから」ペチ

扇「ヴィレッタ……?」

ヴィレッタ「ここにいる間は千草、なんでしょう?」

ヴィレッタ「ほら、本格的に起きなさい」

扇「あ、ああ……」ゴソゴソ

扇「しかし、ヴィ、千草は早起きだな」

ヴィレッタ「ふふ、あんまり寝坊助がいると、不思議に目が覚めるんですよ」

517: 2014/10/05(日) 18:27:41 ID:940wUKHA
扇「一応聞くけど、まだ記憶は……?」

ヴィレッタ「残念ですが、今のところ」

扇「そうか、まあそれならそれでいいさ」

扇「俺も突然捨てられたくないしな!あはは」

ヴィレッタ「もう、すぐそうやって茶化す」

ヴィレッタ「ともかく、騎士団の仕事は疎かにしてはいけません」

ヴィレッタ「私がこうして暮らしていけるように取り計らって下さった、ゼロさんにもご迷惑がかかります」

扇「そうだな」

扇「よし、顔洗ってくるよ」

ヴィレッタ「……」

518: 2014/10/05(日) 18:48:10 ID:940wUKHA
扇「千草、今日はどうする?」

扇「俺は行かなきゃならないけど」

ヴィレッタ「私は家事がありますし」

ヴィレッタ「今晩のお買い物でもしておきます」

扇「無理に俺といる必要はないんだぞ?」

扇「部屋だって、別に借りても……」

ヴィレッタ「はいはい」

ヴィレッタ「その時は、私から言いますね」

扇「……」

ヴィレッタ「それじゃ、きちんと決めてきて下さいね」

扇「あ、ああ、もちろんだ」

519: 2014/10/05(日) 18:50:08 ID:940wUKHA
ヴィレッタ「いってらっしゃい」

扇「いってきます」

ヴィレッタ「あ、忘れ物」チュッ

扇「い、いってくるよ!」ドタバタ

ヴィレッタ「ふふふ」

ヴィレッタ「……」フリフリ

ヴィレッタ(……どうするか)

ヴィレッタ(……とりあえず、洗濯物を片付けよう)

520: 2014/10/05(日) 19:01:30 ID:940wUKHA
ヴィレッタ(あのナイトメア襲撃事件からもう二年か)

ヴィレッタ(あの時、要に助けられてから)

ヴィレッタ(初めの頃は記憶喪失があったものの)

ヴィレッタ(……今は完全に記憶も回復している)

ヴィレッタ(私はヴィレッタ・ヌゥ、特派に所属していた純血派の……)

ヴィレッタ(……だが、それも)

ヴィレッタ(今となっては、どうでもいい事だ)

ヴィレッタ(この生活に、私自身が喜びを感じている)

ヴィレッタ(それに、今までに無かった平穏な暮らし)

ヴィレッタ(……このまま扇千草として生きるのも、悪くないのかもしれない)

521: 2014/10/05(日) 19:14:02 ID:940wUKHA
ヴィレッタ(……まあいい)

ヴィレッタ(特派のことは気になるが、今のところ誰が私を探しているわけでもない)

ヴィレッタ(このまま、忘れ去られてしまっても構わない)

ヴィレッタ「さぁ、考えるのはやめよう」

ヴィレッタ「掃除もしなければならないし、ご近所の集会にも参加しておかなければ」

ヴィレッタ「やることはある、それが終わってからでも遅くはないさ」

523: 2014/10/05(日) 20:05:16 ID:940wUKHA
主婦「あら、千草さん」

ヴィレッタ「こんにちは」

主婦A「相変わらず綺麗ねぇ」

主婦B「扇さんが羨ましいわぁ」

ヴィレッタ「いえ、そんなことは……」

主婦A「ねぇ、そういえば聞いた?」

主婦B「今度、総督さんが結婚するって」

主婦C「ああ、ニュースでやってたわね」

主婦C「確か、学生時代からのお付き合いだったかしら」

ヴィレッタ(ルルーシュが結婚……)

ヴィレッタ(そうか、あいつもそんな歳だろうな)

ヴィレッタ(相手は誰だ?CCはたしかあの事件で……)

ヴィレッタ(……祝いに行ってやりたいが、今の立場では難しいだろうな)

524: 2014/10/05(日) 20:55:51 ID:940wUKHA
主婦A「それにしても、不思議よねぇ」

ヴィレッタ「何がですか?」

主婦A「今こうやって普通に生活できることが、よ」

主婦B「たしかに、自治区域も拡大したし」

主婦B「私たちみたいに名誉ブリタニア人になりたがらなかったのも」

主婦B「日本人として生きていけるなんて」

主婦C「ゲットーと比べると雲泥の差よね」

ヴィレッタ「そう、ですね」

ヴィレッタ「すみません、これから日用品を買いに行くので」

ヴィレッタ「失礼します」

525: 2014/10/05(日) 21:00:53 ID:940wUKHA
ヴィレッタ(こちら側で生活していて思う)

ヴィレッタ(ブリタニアの支配でどれだけの人が被害を被ったのか)

ヴィレッタ(今でこそ、なんとか打ち解けたようにはなっているものの)

ヴィレッタ(ブリタニア人と日本人の溝は未だ深い)

ヴィレッタ(私は本当にここでのうのうと暮らしていいのだろうか)

ヴィレッタ(何か、出来ることがあるはずだ)

ヴィレッタ(……だが)

ヴィレッタ(私がヴィレッタ・ヌゥに戻れば、今のように要と一緒に居るのは難しい)

ヴィレッタ(私は……)

540: 2014/11/11(火) 23:03:17 ID:3EyNKYw2
CC「くしゅん」

ルルーシュ「へぶしっ」

CC「なんだ、変なくしゃみの仕方だな」

ルルーシュ「余計なお世話だ」

CC「今日は久々にゼロでの登場だが」

CC「演じきれるのか?」

ルルーシュ「いわば、俺の原点だ」

ルルーシュ「懐かしさこそあれ、忘れることなどありえない」

CC「ふ、それならばいいが」

CC「あと一時間程度で着くな」

541: 2014/11/11(火) 23:05:31 ID:3EyNKYw2
ルルーシュ「飛行機ならばもう少し早かったものを」

CC「ゼロの格好で移動したくないと言ったのは誰だ全く」

CC「お陰様で久々に私服で移動出来るんだぞ?いいじゃないか」

CC「ついでに、日本を見てみるといい」

CC「どうせ扇のことだ、少しくらい待たせても問題ない」

ルルーシュ「……まぁ、視察は大切だな」

CC「ふふ、決まりだな」

ルルーシュ「しかし、眼帯はやはり目立ってしまうな」

ルルーシュ「あの余計な装飾が取れたことは素直に喜ばしいが」

CC「私のお手製が役に立って嬉しいよ」

CC「真っ赤な瞳というのは、あまり見せるものでもないだろう」

542: 2014/11/11(火) 23:19:19 ID:3EyNKYw2
ルルーシュ「あれはギアスの力の影響なのか?」

CC「いや、ギアスとはまた違うな」

CC「恐らく、その身体とも関係があるのだろう」

CC「ギアスは使えるようだし、見た目意外に気にすることもないだろう」

CC「……私は、別に何がどう変わろうと問題ない」

ルルーシュ「ふはは、それは助かるな」

ルルーシュ「不思議なものだ、この身体も」

ルルーシュ「生きていることすらも、おかしなことだらけだ」

CC「……」ギュッ

ルルーシュ「CC……」

CC「もう、行かせはしない」

CC「お前は私はとの約束を守るためにこうして生きているんだ、それでいいじゃないか」

ルルーシュ「……そうだな」

543: 2014/11/11(火) 23:25:18 ID:3EyNKYw2
CC「お前は私を悲しませた、これは許されない」

CC「罰として、今日は私の気のすむまで楽しませろ」

ルルーシュ「分かった、約束しよう」

CC「ふふ、それでいい」

CC「さぁ、デートだぞ、嬉しいだろう?」

ルルーシュ「もちろんだ」

ルルーシュ「さて、お姫様はまず何がご所望なのかな?」

CC「とりあえずは町並みを見よう」

CC「私が言うのもなんだが、ゼロとしてきちんと責務は果たしたぞ」

CC「美しい街だ」

ルルーシュ「そこで暮らす人々にとって良いものなら、それでいいさ」

CC「ふふ、期待しておけ」

544: 2014/11/12(水) 00:11:34 ID:5YIYkQJw
~駅前通り~

CC「ふぅ、やっと外だな」

ルルーシュ「なかなか賑わっているじゃないか」

CC「そうだろう?観光地としても有名で、それだけ力も入れているのさ」

CC「しかし、傷を隠すためとはいえ眼帯は目立つな」

ルルーシュ「仕方ないだろう、こればかりは」

ルルーシュ「帽子も被っているし、この賑わいだ」

ルルーシュ「気付かれることもないだろう」

CC「まあ、それもそうか」

CC「それでは、まずはあっちだ」ギュッ

ルルーシュ「この辺りは本当に何も知らない、行きたいところに連れていってくれ」

CC「まずは腹ごしらえだ」

CC「ここにはな、ヤキイモを売っている店もあるんだ」

ルルーシュ「なに、それは是非行かなければ」

CC「ふふ、こっちだ」

545: 2014/11/12(水) 00:17:12 ID:5YIYkQJw
ルルーシュ「買ったはいいが、歩きながら食べるのはどうなんだ?」

CC「普通だと思うが」

CC「ヤキイモは熱いからな、座って食べたい」

ルルーシュ「しかし、これは季節限定の商品だと思っていたが」

CC「どうにも懐かしいとかで売れるみたいだぞ?」

ルルーシュ「……まあ、普通に買えるだけでも、ということか」

CC「まあ難しいことはいいじゃないか」

CC「冷めないうちに食べよう」

ルルーシュ「それもそうだな」

562: 2014/12/11(木) 20:41:17 ID:98Fshb3M
ルルーシュ「やはり美味いな」

CC「実は、こっちの甘い方より」

CC「じゃがバター?の方が好きだ」

ルルーシュ「たしかにアレもいいな」

ルルーシュ「俺はやはり甘い方がいいと思うが」

CC「そこまで甘党だったか?」

ルルーシュ「そういうわけではないが」

ルルーシュ「なんだろうな、季節をより感じる」

ルルーシュ「そんな感じだ」

563: 2014/12/11(木) 20:43:30 ID:98Fshb3M
CC「確かに、他ではここまできっちり四季を感じることはできないな」

ルルーシュ「……ふと思うことがある」

CC「なんだ?」

ルルーシュ「今、EUではブリタニアとの領土争いが」

ルルーシュ「中華連邦とは睨み合いの状態が続いている」

ルルーシュ「だが、ここは今平和だ」

ルルーシュ「再びこの地を戦場にはしたくない」

CC「そうだな」

ルルーシュ「しかし、俺が打倒ブリタニアを、そしてギアスの根絶を望む限り」

ルルーシュ「ここに思い入れがあればあるほど、危険にさらされる」

ルルーシュ「……その迷いが断ち切れない」

603: 2015/02/08(日) 09:03:29 ID:4LN2Eyv.
これから時間見つけてメモに書いて、それをコピペする感じで書こうかと思います。

書き溜めとはちょっと違うけども。

しかし、チェックしだすと進まない性格なので、今まで通り誤字は補完でよろしくです。

面白かったら書き込んでね、名前みたいなのができてしまうかもしれない。

では、長々申し訳ない、ちょっとだけ書くである。

604: 2015/02/08(日) 09:04:40 ID:4LN2Eyv.
CC「いいさ、悩め悩め」

ルルーシュ「……髪型が崩れる、やめろ」

CC「気にするタイプだったか?」

ルルーシュ「それなりにな」

CC「結局、なるようにしかならないものだ」

ルルーシュ「?」

CC「お前のその賢い頭を持ってしても、全ては想定できないだろう?」

ルルーシュ「悪意を感じる」

CC「私が思うに、な」

CC「ブリタニアと日本に関して、私たちがやるべきことは残っていないのではないかと」

CC「どうだ?」

605: 2015/02/08(日) 09:05:16 ID:4LN2Eyv.
ルルーシュ「……しかし」

CC「時間をかければいいだけの問題だろう?」

CC「焦って事を進めようとしても、良いことはないぞ?」

ルルーシュ「……」

ころんころん

少年「お姉さん!ボールこっちに投げてー」ぶんぶん

CC「……しっかり掴めよ?それ!」

少年「ありがとー!」

606: 2015/02/08(日) 09:07:04 ID:4LN2Eyv.
ルルーシュ「お前は変わったな」

CC「お前ほどじゃないさ」

ルルーシュ「俺は変わらない」

CC「確実に変わっている」

CC「私と初めて出会った頃は……」

ルルーシュ「……?なんだ?」

CC「あそこにいるやつに見覚えがあるような気がしてな」

ルルーシュ「?」

ルルーシュ「……ヴィレッタさん?」

CC「行くぞ、ルルーシュ」

ルルーシュ「ああ!」

607: 2015/02/08(日) 09:11:48 ID:4LN2Eyv.
CC「おい、お前」ガシッ

ヴィレッタ「!?」ブンッ

CC「きゃっ…」

ルルーシュ「おっと、危ない」

CC「いきなり投げられたぞ!」

ルルーシュ「急に後ろから話かけるからだ」

ヴィレッタ「あ、えと」

CC「ヴィレッタ・ヌゥだろう?」

CC「私の顔は忘れたか?」

ルルーシュ「ヴィレッタさん、ルルーシュ・ランペルージです」

ルルーシュ「少し、話しませんか」

ヴィレッタ「……あ、ああ」

ヴィレッタ「ここではなんだ、ウチに来てくれ」

CC「ここの辺りに住んでいるのか」

ヴィレッタ「……色々あって、な」

608: 2015/02/08(日) 09:15:39 ID:4LN2Eyv.
~扇、千草の家~

ヴィレッタ「すまない、あまりここに人が来ることはないので」

ヴィレッタ「菓子なんかは無かった」

ルルーシュ「いえ、それは別に構いませんが」

CC「……男と2人で住んでいるのか?」

CC「それも……」

ルルーシュ「日本人」

ルルーシュ「何があったんですか?」

ルルーシュ「あの日から」

ヴィレッタ「……実は、あの日私はナイトメアごと落下し」

ヴィレッタ「知り合いだった、要、いやその時は玉城と名乗っていたか」

ヴィレッタ「その男に助けられた」

CC「要、玉城?」

CC「……扇か?」

609: 2015/02/08(日) 09:19:44 ID:4LN2Eyv.
ヴィレッタ「CC、知っているのか?」

CC「私ももともと黒の騎士団にいた」

CC「それに、ゼロもここにいるしな」

ヴィレッタ「ゼロが?」

ルルーシュ「……」

ヴィレッタ「ルルーシュ、本当なのか?」

ルルーシュ「ええ、その通りです」

ルルーシュ「黙っていて申し訳ありません」

ヴィレッタ「……そうか、二人とも要さんのことは知っているのか」

ヴィレッタ「最初の頃は、記憶が無くてな」

ヴィレッタ「世話になっているだけだったのだが」

610: 2015/02/08(日) 09:23:00 ID:4LN2Eyv.
CC「恋に落ちた、と」

CC「ロマンティックじゃないか、なぁ?」

ルルーシュ「茶化すんじゃない」

ヴィレッタ「いいさ、なんとも夢見がちだと自分でも思う」

ヴィレッタ「記憶を取り戻してからも、本国に連絡する気力はなかった」

ヴィレッタ「ゼロにも要さんが話してくれていたからな、私は会ったことも無かったが」

CC「今はここで静かに暮らしていると」

ヴィレッタ「……まぁ、その、そうだ」

ルルーシュ「このまま、ここにいるつもりですか?」

611: 2015/02/08(日) 09:27:33 ID:4LN2Eyv.
ヴィレッタ「……分からない」

ヴィレッタ「自分でも変だと思うんだ」

ヴィレッタ「だが、ここには家のしきたりも、束縛もない」

ヴィレッタ「自由だ」

ヴィレッタ「……それに、千草のキャラクターがないと、私は要さんと素直に話すこともできん」

CC「なんとまあ、難儀なやつだ」

ヴィレッタ「……そういえば、ルルーシュは結婚するらしいじゃないか」

ヴィレッタ「相手は……」

CC「私だ」

ヴィレッタ「だろうな」

ヴィレッタ「いいじゃないか、もともとそうなるとは思っていたが」

ヴィレッタ「だが、何で今なんだ?」

ヴィレッタ「と、言うより」

ヴィレッタ「CC、たしか二年前にお前は……」

612: 2015/02/08(日) 09:30:46 ID:4LN2Eyv.
CC「逆だ」

ヴィレッタ「逆?」

ルルーシュ「二年前、行方不明になったのは俺です」

ルルーシュ「最近、こっちに戻って来て」

ヴィレッタ「?」

ルルーシュ「これを見たら、分かるでしょうか」

ヴィレッタ「……この腕」

ルルーシュ「ナイトメアの爆発で、手足が無くなってしまったので」

ヴィレッタ「とんでもないことをサラリと言うな」

ヴィレッタ「そんなことがあったのか」

ヴィレッタ「しかし、ルルーシュの操縦技術は、なかなかのものだったはず」

ヴィレッタ「それを追い詰めるとは、一体誰が……」

613: 2015/02/08(日) 09:33:49 ID:4LN2Eyv.
CC「ジェレミアだ」

ヴィレッタ「ジェレミア卿?でも、あの方はもう」

ルルーシュ「俺の身体と同じ技術で、生きていました」

ルルーシュ「もっとも、まだ不完全だったようで、殆どジェレミア卿の精神ではありませんでしたが」

ヴィレッタ「今も生きていらっしゃるのか?」

ルルーシュ「それは……分かりません」

CC「ともかく、それまでは私がルルーシュの代わりをしていたんだ」

ヴィレッタ「そうだったのか」

ヴィレッタ「よく考えれば、投げ飛ばしたCCを軽々受け止めていたしな」

CC「私は羽のように軽いんだ」

ルルーシュ「……」

614: 2015/02/08(日) 09:59:17 ID:4LN2Eyv.
ルルーシュ「とにかく、どうやらこちらにはこちらの生活があるようだし」

ルルーシュ「ヴィレッタさん、今の連絡先は……」

ヴィレッタ「ああ、これだ」

ルルーシュ「とりあえずは、これで連絡がとれます」

ルルーシュ「こちらも、あまり人員がいないので」

ルルーシュ「もしよければ、力を貸して下さい」

ヴィレッタ「……分かった、真剣に考えることにする」

CC「それよりも、私は扇と何があったのか聞きたいんだが」

ヴィレッタ「そ、そんなに大それたことはない」

ルルーシュ「そういうのは、俺がいない方がいいんじゃないのか?」

CC「いいじゃないか」

CC「ほらほら、洗いざらい話せ」

ヴィレッタ「う、うるさい!」

656: 2015/04/22(水) 05:03:26 ID:3dE2Jgi2
CC「いやぁ、あの堅物を絵に描いたようなヴィレッタがなぁ」ケラケラ

ルルーシュ「無遠慮に聞きすぎだぞ」

CC「まあまあ、そうカリカリするな」

CC「あいつはあいつで、誰かに話したいところもあると思うぞ?」

CC「本当に嫌なら、ましてお前がいる前で話したりはしない」

ルルーシュ「一理あるとは思うが」

CC「あとは扇に話すかどうかだな」

ルルーシュ「……やめておこう」

CC「そうだな、それがいい」

ルルーシュ「あの人は、自分でどうにか折り合いをつけるだろうし」

CC「なにより野暮だからな」

657: 2015/04/22(水) 05:35:10 ID:3dE2Jgi2
ルルーシュ「しかし、早速いい報せができた」

CC「特派の連中は喜ぶだろう」

CC「詮索する奴らでもないしな」

ルルーシュ「少し長居し過ぎてしまった」

ルルーシュ「ここに来た目的は果たそう」

CC「こんなにいい天気なのに、勿体無い」

ルルーシュ「それなら、早く用事を終わらせる事に全力を注いだほうが」

ルルーシュ「お互いのためになるんじゃないか?」

CC「なぁに、その辺私は抜かりないよ」

ルルーシュ「ああ、よく知っているさ」

702: 2015/08/09(日) 21:05:15 ID:KWoA0HuM
~特区日本 中央管理部~

ゼロ「すまない、待たせたな扇」

扇「いや、俺は別に大丈夫です」

扇「本当ならもう少しゆっくりしてもらおうと思っていたんですけど」

ゼロ「緊急の要件だったな、内容はどこで聞ける?」

扇「俺の仕事部屋なら、他に聞かれる心配もないと思うので」

扇「そこでお話しします」

CC「お前たち、少しはレディに歩幅を合わせたらどうだ?」

ゼロ「ん?いつも通りの速度だと思うが」

CC「優雅さの欠片もないな」

扇「お、おいCC、いくらなんでもゼロに失礼だろう」

CC「平気だ、ゼロはその程度で腹をたてるほど器が小さくはないものな?」

ゼロ「そういうことにしておいてやろう」

扇「?」

703: 2015/08/09(日) 21:12:37 ID:KWoA0HuM
扇「こちらです」ガチャ

ゼロ「ああ、ありがとう」

扇「CCも色々あったばかりなのにすまない」

CC「いいさ、私はCCだからな」

ゼロ「それで?一体何があった」

扇「そ、そうでした」

扇「実は、特区日本の管理部ではなく」

扇「黒の騎士団あてにメッセージが届いたんです」

扇「今、映像を出します」カタカタ

ルルーシュ(なぁCC、扇に何か吹き込んだのか?)

ルルーシュ(話し方に違和感というか、距離を感じる)

CC(ゼロとして威厳を見せただけさ)

CC(気になるなら自分で言え)

ルルーシュ(むぅ)

705: 2015/08/09(日) 21:21:43 ID:KWoA0HuM
扇「これです」ポチ

ゼロ「ご苦労」

ゼロ「あと扇、敬語は使わなくていい」

扇「え?あ、いやでも、そういうわけには」

ゼロ「私がいいと言っているんだ」

扇「そ、そうか、それならいつも通りでいかせてもらうことにするよ」

???「初めまして、黒の騎士団の諸君」

???「そして、ゼロ」

CC「はじまったぞ」

ゼロ「加工されていて、誰なのか判別できんな」

扇「最後まで見てみてく、れ」

ゼロ「ああ、分かっている」

706: 2015/08/09(日) 21:22:23 ID:KWoA0HuM
???「訳あって姿を明かせぬ無礼を許してほしい」

???「唐突ではあるが、ゼロ、貴方にぜひ中華連邦へと足を運んでいただきたい」

???「迎えを送る、これはごく内密に行いたいので」

???「ゼロ1人であることが、こちらの望みだ」

???「前報酬、の代わりに中華連邦の中核人物の情報を添える」

???「くわしい話は我らのアジトにて、返事はこの秘密回線に通信を」

???「以上、良い返事を期待する」ブツッ

CC「……なんだ?これは」

ゼロ「端的に言えば、招待状だな」

ゼロ「なるほど、扇が呼んだ理由がよく分かった」

扇「どうする?ゼロ」

707: 2015/08/09(日) 21:29:33 ID:KWoA0HuM
ゼロ「……ふむ」

CC「罠、というには若干お粗末だな」

CC「それに、なにか」

CC「引っかかるというか」

ゼロ「妙な焦りを感じるな」

ゼロ「何か切迫しているような」

CC「それだ」

扇「一応、これが送られてきた回線を可能な限り逆探知してみたんだが」

扇「どうやら、中華連邦の一地方なのは間違いないみたいだ」

扇「危険だとは思うけど」

ゼロ「だが、現実的な話を考えれば」

ゼロ「日本の脅威である中華連邦と何かのコネクションがあるのは大きい」

708: 2015/08/09(日) 21:37:23 ID:KWoA0HuM
ゼロ「ハイリスクハイリターンだな」

扇「気になるのは、これが騎士団あてに送られてきたことなんだ」

CC「察するに、特区ではマズイことがあるんだろう?」

ゼロ「だとすれば、ブリタニアがその要因だろうな」

CC「で?どうするんだ?」

ゼロ「?」

CC「あまり聞きたくないが、まさか本気で単身中華連邦に乗り込むなんてことは」

CC「しないな?」

扇「CC、目が怖いぞ」

CC「うるさい、元からだ」キッ

扇「そ、そうか」

ゼロ「……」

709: 2015/08/09(日) 21:48:25 ID:KWoA0HuM
ゼロ「扇、すまんが少し席を外してもらえるか?」

扇「え?あ、ああ、構わない」

扇「何かあったら呼んでくれ」ガチャ

ゼロ「ふむ」

CC「どうする気だ?」

ルルーシュ「正直に言うと迷っている」

ルルーシュ「このまま中華連邦にとり入れるのであれば」

ルルーシュ「ブリタニアを介さない新しい展開を作れる」

ルルーシュ「戦争をせずに済む」

CC「そのかわり、お前が危険にさらされる」

CC「信用に足る証拠もない」

CC「せめて時間をかけるべきだ」

710: 2015/08/09(日) 21:49:04 ID:KWoA0HuM
すまん、汗がとまらん、10分待て。シャワる。

713: 2015/08/09(日) 22:07:01 ID:KWoA0HuM
ルルーシュ「それはそうだろうが」

ルルーシュ「こんなチャンスがまたと来るだろうか」

CC「これはチャンスじゃない、誘いに乗るべきじゃない」

CC「私の前からまた居なくなるのか?」

ルルーシュ「……そうはならん」

CC「どこにその確証がある」

ルルーシュ「……」

CC「私だって、伊達にお前といた訳じゃない」

CC「行きたいんだろう、武力のいらない交渉がしたいのもわかる」

CC「だが考えろ、今回はなんのために中華連邦に行くのかすら分からないんだ」

CC「ゼロの名前も、確かに知れ渡ってはいるが」

CC「かといって、全員が賛同者というわけではない」

722: 2015/08/10(月) 23:45:55 ID:1io4rvOk
~総督府~

ロロ「それで、CCに怒られたあげく保留にして戻って来たんだ」

ルルーシュ「仕方ないだろう、納得するはずがない」

ロロ「まあ、約束通り僕にも情報をくれるのはありがたいけど」

ロロ「CCは拗ねて部屋にこもってるよ」

ルルーシュ「いい、しばらくそっとしておこう」

ロロ「それで?どうするつもりなの?」

ロロ「邪魔するつもりはないけど、こればっかりは特に協力できることもないし」

ルルーシュ「ああ、やるなら俺一人でやるさ」

ルルーシュ「運のいいことに、そうそう簡単に氏ぬ身体でもないしな」

ロロ「それは皮肉?自虐?」

ルルーシュ「両方だ」

723: 2015/08/10(月) 23:49:29 ID:1io4rvOk
ロロ「なるほどね、まあそれならそれでって感じだね」

ロロ「いつ出発するの?」

ルルーシュ「まだ行くとは言っていないが」

ロロ「どのタイミングで行こうか迷ってるだけでしょ?」

ルルーシュ「そんなにわかりやすいか?」

ロロ「いや、さっき打診してるのを見てただけ」

ルルーシュ「む、一本とられたな」

ロロ「まだまだ甘いね、兄さんは」

724: 2015/08/10(月) 23:55:57 ID:1io4rvOk
ロロ「蜃気楼を使えばいいんじゃない?海も進めるし」

ルルーシュ「ふむ、確かに飛行機や船よりは安全そうだ」

ロロ「ラクシャータにパーソナルロックかけてもらっておくよ」

ルルーシュ「頼む、俺はカレンに今後のことを少し頼んでくる」

ロロ「CCはどうするの?」

ルルーシュ「……あいつも分かってくれるさ」

ロロ「後でどうなっても、僕はしらないからね」

ロロ「今夜中には出発できるよ、時間は兄さんの好きにすればいい」

ルルーシュ「ああ、そうするよ」 パタン

ルルーシュ(不確定要素ばかりだが、なんにせよあまり時間はかけたくない)

ルルーシュ(虎穴に入らずんばとも言うし、行動すべきだろう)

725: 2015/08/10(月) 23:57:18 ID:1io4rvOk
ルルーシュ「とりあえず、カレンに連絡しよう」ピピ

ルルーシュ「カレン、今どこだ?」

カレン「格納庫だけど、何か用事?」

ルルーシュ「いや、いい。今からそっちに行く」

カレン「?はいよ、待っとく」ピッ

ルルーシュ「……さて、行くか」

~格納庫~

ルルーシュ「すまないな、夜遅くに」

カレン「言ってまだ10時だし、平気よ」

カレン「それで?何の用?」

ルルーシュ「今日、CCと特区に言ってきたんだが……」

726: 2015/08/11(火) 00:01:16 ID:He4a71fg
カレン「……なるほどね」

カレン「悪いけど、あたしもCCと同じ考え」

カレン「怪しすぎる」

ルルーシュ「だが」

カレン「待ちなさい、話は最後まで聞く」

ルルーシュ「……分かった」

カレン「よろしい」

カレン「でも、今までだって別に絶対安心とか、必ず成功することばかりじゃなかったし」

カレン「それに、今回はゼロとして行くんでしょ?それならルルーシュを助けに行っても中華連邦と日本の戦争にはならないじゃない?」

ルルーシュ「ということは?」

カレン「行きなさいよ、やばくなったら藤堂さんから残月借りて、あたしが助けてあげるから」

カレン「なんなら、スザクもついでに連れて行くわよ、どうせ暇してるんだろうから」

727: 2015/08/11(火) 00:06:10 ID:He4a71fg
ルルーシュ「俺がいない間、ここを任せていいか」

カレン「ま、あたしじゃあんたの代わりは出来ないけどね」

カレン「少しだけ任されてあげる」

カレン「で、CCはどうするわけ?」

ルルーシュ「……」

カレン「はぁ」

カレン「そっちも、あたしに"任せる"ってこと?」

ルルーシュ「難しいか?」

カレン「……ま、女同士なんとかやってみるわ」

カレン「いつ行くの?」

ルルーシュ「日付が変わる頃には」

カレン「そ、だったら準備してきなさいな」

カレン「あーあ、残業代出るわよね?」

ルルーシュ「埋め合わせはする」

728: 2015/08/11(火) 00:08:27 ID:He4a71fg
カレン「んじゃ、今度長めの休みよろしく」

カレン「あたしも特区に行ってみたいから、仕事じゃなく」

ルルーシュ「ああ、お安い御用だ」

カレン「確かに聞いたからねー」ヒラヒラ

ルルーシュ(カレン、ありがとう)

ルルーシュ(さて、準備をしようか)

カレン「……」

カレン「これでいいわけ?」

CC「……」コソ

カレン「自分で言えばいいじゃない」

CC「どうせ止めたって、あいつは行くんだ」

CC「ただ、私からはそれを認める訳にはいかない」

カレン「意地っ張り」

CC「うるさい」

729: 2015/08/11(火) 00:16:22 ID:He4a71fg
カレン「ほんと、あんたら不器用すぎよ」

カレン「直接言えば早いのに」

CC「お前にもそのうちわかる」

カレン「へいへい、何千年かかることやら」

CC「私はそこまで歳ではないぞ」

カレン「冗談よ、冗談」

カレン「騎士団の方に連絡いれてくるわ、本当にあたしが行かないとかもしれないし」

CC「頼む」

カレン「ま、あたしからの結婚祝いってことにしてあげるわ」

CC「!」

カレン「ふふ、CCもそんな顔するんだ」

カレン「おっけ、頑張れそう」

CC「カレン!」

カレン「あはは、してやったりー」タタタ

CC「……全く」

730: 2015/08/11(火) 00:25:00 ID:He4a71fg
~日本海 蜃気楼 内部~

ルルーシュ「思っていたより快適だな」

ルルーシュ「数時間後には中華連邦か」

ルルーシュ「……CC、大丈夫だろうか」

ルルーシュ「だが、きっと分かってくれる」

ルルーシュ「あとは俺が上手くやるだけだ」

ルルーシュ「幸い、蜃気楼のステルス能力ならば、捉えられることもないだろうし」

ルルーシュ「……とりあえず寝ておくか」

ルルーシュ「こういうとき、この身体は不便だな」

ルルーシュ「……」

731: 2015/08/11(火) 01:11:27 ID:He4a71fg
~中華連邦 奥地~

ゼロ「ここか」

ゼロ「とりあえず、蜃気楼は隠しておこう」ピッ

ゼロ「なるほど、確かに外から見ても分からんな、ロイドとラクシャータには驚かされる」

ゼロ「さて、鬼が出るか蛇が出るか」

???「ほう、本当に来たようだぞ」

???「情報は正しかったようだな」

ゼロ「む…」

大宦官「ようこそ、ゼロ」

大宦官「早速で悪いが、君を拘束させてもらうよ」

ゼロ「私を呼んだのは貴様らではないな」

大宦官「我々にも様々な情報を手に入れる手段があるのでね」

大宦官「悪いようにはしない、大人しくしてくれるな?」

732: 2015/08/11(火) 01:19:50 ID:He4a71fg
ゼロ「……いいだろう、どこへでも連れて行くがいい」

ルルーシュ(詳細はわからんが、映像で見たことのある顔だ)

ルルーシュ(大宦官、中華連邦を実質的に支配しているうちの一人)

ルルーシュ(形は良くないにしろ、さっそく当たりを引いたとも言えるな)

ルルーシュ(しかし、だとすれば俺を呼び出した本当の相手も気になるところだ)

ルルーシュ(単に俺を売っただけなのか、それともこの連中に先を越されただけか)

ルルーシュ(まだ揉めるかもしれんな、気は抜かないようにしよう)

733: 2015/08/11(火) 01:33:42 ID:He4a71fg
~行政府 大宦官邸宅~

大宦官「狭いところでわるいが、かけてくれたまえ」

ルルーシュ(狭い、か。豪邸を絵に描いたような邸宅だが)

ゼロ「私の仮面はこのままでもいいのかな?」

大宦官「?ん、ああ構わんさ」

大宦官「我々が必要なのは君という存在であって、中身ではないのでな」

ゼロ「なるほど、ありがたいことだ」

大宦官「何か食べるかね?もっとも、そのまま食事ができるのかは分からんが」

ゼロ「気遣いは感謝するが、結構だ」

ゼロ「拘束と言う割には、待遇が良いように感じるな」

大宦官「ははは、君をコンクリートで囲まれた狭い部屋に閉じ込めたところで我らに何の得もないだろう」

大宦官「無論ここから出す訳にはいかんが、それ以外はくつろいでもらって構わない」

734: 2015/08/11(火) 01:42:17 ID:He4a71fg
ゼロ「……私も暇な訳ではない」

ゼロ「何か要件があるなら聞くが」

大宦官「まあそう焦らなくてもよかろう」

大宦官「そうだな、たっぷり一年は居てもらって構わんのだよ」

ゼロ「……なるほど?」

ゼロ「私がいなくても、黒の騎士団には影響はないと思うがね」

大宦官「ははは、冗談の訓練でもしたほうがいい」

大宦官「それでは笑うに笑えんよ」

大宦官「黒の騎士団はどう見ても君の私設軍隊だ、もちろん君という頭も無しに動けはしない」

大宦官「黒の騎士団が動けなければ、あの忌々しい特区日本を勝ち取ることなど、赤子の手を捻るよりもたやすい」

ゼロ「やはりそれが狙いか」

735: 2015/08/11(火) 01:50:58 ID:He4a71fg
ゼロ「だが、イマイチ掴めないな」

ゼロ「こういっては何だが、中華連邦にとって日本の利用価値はそれほど高いだろうか」

ゼロ「サクラダイトの埋蔵量なら、中華連邦も相当だったど記憶しているが」

大宦官「ああ、そうだとも」

大宦官「サクラダイトなど我々は必要としていない」

大宦官「必要なのは技術だ」

ゼロ「技術?」

大宦官「中華連邦は世界に冠たる大国だ」

大宦官「だが、ナイトメア開発では他国に大きく後れを取っている」

大宦官「ガン・ルゥなどという骨董品を使っていては、ブリタニアに対抗することなど到底できはしない」

736: 2015/08/11(火) 01:58:41 ID:He4a71fg
ゼロ「それで日本の技術を奪おうということか、情けない」

大宦官「なんとでも言うがいい、この国は巨大であるがゆえに統一することだけでも膨大な時間と労力を要するのだ」

大宦官「島国では持て余すだろう、我らが有効活用してやろうというのだから、むしろ感謝して欲しいくらいだ」

ルルーシュ(醜悪すぎるな)

ルルーシュ(歪んだ自尊心と民族主義が生み出した化け物というわけだ)

ルルーシュ(だが、仮に今の日本を攻めたところで、カレンやスザク、騎士団以外にも気にすべきことはあるはずだが)

ルルーシュ(単に考えていないのか、まだ奥の手があるのか)

大宦官「ふふ、まあゆっくりしたまえよ」

大宦官「ここは私の部下に見張らせておく、余計なことをしなければ不自由ない生活は保証しよう」

大宦官「それではな」バタン

737: 2015/08/11(火) 02:04:59 ID:He4a71fg
ルルーシュ(ふむ、なんとかして外と連絡を取りたいところだ)

ルルーシュ(まだ知らなければならないことがありそうだが、まずは警告だけでも発さなければ)

ルルーシュ(第一にこの場所を把握し、出来ることなら建物の構造も知りたいところ)

ゼロ「こんなことなら、腕に端末接続用の機構でも仕込んでおくんだったな」

ゼロ「……」

738: 2015/08/11(火) 02:15:26 ID:He4a71fg
~数日後~

ルルーシュ(どうしたものか)

ルルーシュ(苦労するだろうと思ってはいたが、まさかここまでとは)

ルルーシュ(電子的な設備がほとんど無く、単純な兵士の人数で監視されている)

ルルーシュ(さすがに銃弾を避けるような超人的な力は俺にはない)

ルルーシュ(逃げるのは骨が折れそうだ)

大宦官「さすがに疲れが見えるぞ」ギィ

ゼロ「ふむ、どうも枕が合わないようでな」

ゼロ「もう少し柔らかいものが好みなのだが」

大宦官「軽口を叩ける力はあるらしい」

大宦官「結構、結構、君は人質でもある、ここは元気でいてもらわなくては」

739: 2015/08/11(火) 02:19:12 ID:He4a71fg
ゼロ「……一つ聞いてもいいだろうか」

大宦官「答えられるかは分からんがね」

ゼロ「仮に騎士団が抵抗しなかったとしても」

ゼロ「日本はブリタニアの領地でもある、君らの力では攻めきれないのではないか?」

ゼロ「それこそ、ブリタニアとの全面戦争の引き金を引くことになりかねない」

大宦官「そうか、君はどうやら勘違いをしているらしい」

大宦官「我々は黒の騎士団と戦うつもりはない」

大宦官「正確には、無傷の彼らと戦うつもりはない」

ゼロ「……!」

大宦官「気付いたようだな」

大宦官「気付いたところで、君には何もできないが」

842: 2016/05/31(火) 23:44:04 ID:SN1cmXlM
ルルーシュ(奴らは再び日本人に戦争を起こさせるつもりだ)

ルルーシュ(相手として考えられるのはブリタニアだが)

ルルーシュ(今の状況からブリタニアを攻撃する要素は薄い)

ルルーシュ(だとすれば、中華連邦とブリタニアにしこりを残さない最善の策)

ルルーシュ(……こいつは日本人同士の戦争を起こさせようとしている)

大宦官「君は今、我々のところに亡命を持ち掛けているという設定でね」

大宦官「特区の連中は驚くだろうなぁ」

大宦官「中華連邦は日本人を友人と認め、完全な独立国家として扱う用意があるのだから」

843: 2016/05/31(火) 23:48:32 ID:SN1cmXlM
大宦官「いくら前よりはよくなったとはいえ、それでも彼らの国土の大半は未だブリタニアに支配されている」

大宦官「ブリタニア人への復讐心、その根は深い」

大宦官「君という指導者によって、その蟠りを見ないようにしてきたというのに」

大宦官「そのゼロ自身が亡命ともなれば、内部分裂は避けられまいよ」

大宦官「まぁ、ゆっくりしていてくれ給え」

大宦官「数日中には実行に移せる、後は見ているだけで事は済むだろうからなぁ」バタン

ゼロ「……」

844: 2016/05/31(火) 23:56:11 ID:SN1cmXlM
もうちょい書き込めたんやな、久々で文字量読めない…

ルルーシュ(どうする)

ルルーシュ(ことは単純だ、例えば特区にいる咲世子やCCにゼロをやらせるだけでいい)

ルルーシュ(幸いゼロは記号だ、実際に特区にいるのであればそちらが本物のゼロだと思われるだろう)

ルルーシュ(だが、この方策を向うに伝える手段がない)

ルルーシュ(当然のごとくここは通信妨害がされているようだし)

ルルーシュ(仮にCC達がそう考えたとしても)

ルルーシュ(ゼロに利用価値があるから、奴らは俺を生かしているのだろう)

ルルーシュ(それがなくなれば、奴らはためらいなく俺を頃す)

ルルーシュ(CCがそれを選ぶとも思えない)

ルルーシュ(どうする、このままでは今までの努力が水泡に帰す)

ルルーシュ(独立国家として日本を認める、おそらく同盟国としてブリタニア侵略の体のいい駒にされるだけだ)

ルルーシュ(それではまた血が流れるだけ)

ルルーシュ(スザクやカレンも……)

845: 2016/06/01(水) 00:04:19 ID:5A5dT0WM
ゼロ「くっ……」

ルルーシュ(侮っていた、中華連邦に行動を起こすメリットがないと)

ルルーシュ(国力の低下など考えに入っていない、奴らは疲弊した状態であっても相当に気の長い作戦を実行しようとしている)

ルルーシュ(その結果戦力としての日本も手に入るのだから、この程度の考えは読めたはず)

ルルーシュ(中華連邦に取り入れればギアスの研究所も大方つぶせるだろう)

ルルーシュ(だが、今の特区という形態、ブリタニアとの戦争を避ける要素がなくなってしまえば元も子もない)

ルルーシュ(戦う相手が変わるだけだ、しかも今の日本人にとって心情的にも戦いにくく、強い相手に)

ルルーシュ(どうする)

ルルーシュ(とにかくなんとかして連絡を取る必要がある、CCの気持ちがどうであろうと)

ルルーシュ(今は俺を見捨ててでも体制を維持してもらわなければ……)

846: 2016/06/01(水) 00:13:13 ID:5A5dT0WM
~深夜~

ルルーシュ(難しいな)

ルルーシュ(俺のパーツを分解して使えるものがあるのかもしれんが、俺にそんな装置をくみ上げる技術も知識もない)

ルルーシュ(無理やりにでも突破するか、俺という存在に利用価値があるうちは殺されない可能性も……)

ルルーシュ(何を馬鹿な、大人しくしていないのであれば頃すだろう)

ルルーシュ(おそらく最初の邂逅時点で動画か何かは残されているだろう、ゼロの声は基本的に合成音声だ、編集は容易だろう)

ルルーシュ(言うことを聞かせられれば楽だというだけ、とうに俺という人間の利用価値など対して残ってはいまい)

ルルーシュ(いっそ迎合する形で連絡を取り、その時に伝えてしまうというのはどうだ?)

ルルーシュ(……いや、直接連絡を取らせるはずがない、形式上でも手続きが済んでしまえば、それこそ取り返しがつかない)

ゼロ「八方ふさがりだ」

847: 2016/06/01(水) 00:46:17 ID:5A5dT0WM
???「さしものゼロも、今回ばかりは手詰まりということかな」

ゼロ「……誰だ!」

???「静かにしてくれ、騒ぎになるとまずい」

???「こちらの手違いで面倒をかけた、すまない」

ゼロ「私をここに呼んだのは君か?」

???「ああ、最も、大宦官どもに先を越されたがな」

???「ともかく今の状況を変えるために来た、黙ってついてきてほしい」

ゼロ「……信用できる確証は?」

???「今のところはないな」

???「だが、大宦官の目論見は知っているのだろう?そうであればこんな手段で君に接触する意味はないのではないか?」

ゼロ「……」

ゼロ「どうするつもりだ」

848: 2016/06/01(水) 00:46:48 ID:5A5dT0WM

???「詳しい話をここでするわけにはいかない」

???「ともかく、ここを出る」

???「中華連邦へはなにで?」

ゼロ「言えんな」

ゼロ「大宦官の手のもので、そちらもつぶされるわけにはいかん」

???「なるほどわかった、それならばこちらのナイトメアで運ぶ」

???「ガン・ルゥの乗り心地は悪いが、我慢してもらえるな?」

ゼロ「構わない」

???「それならばこちらへ、数人眠ってもらっているがいつ見つかるか分からないのでな」ファサ

ルルーシュ(長髪の、声は男だな、こいつは一体……)

ルルーシュ(だが、確かにここに残ったところで何かできるわけでもない)

ルルーシュ(今はついていくしかなさそうだ)

ゼロ「名前くらいは教えてもらえるかな?」

???「!失礼、自己紹介がまだだった」

星刻「私は黎星刻、さぁ行こう」

849: 2016/06/01(水) 00:56:43 ID:5A5dT0WM
~中華連邦 天子邸~

ゼロ「ここは……?」

星刻「天子様のおわす場所だ、くれぐれも失礼の無いように」

ゼロ「天子、ということは」

星刻「ああ、今回貴方を呼んだのは天子様だ」

星刻「どうやら情報が漏れて、大宦官に先を越されてしまったが」

星刻「ここは安全だ、仲間に連絡を取るなら好きにしていい」

星刻「一応名目上は天子様の方が大宦官より立場が上だ、疑わしくともおいそれと面会には来られない」

星刻「だが、その前に天子様が面会を望んでいらっしゃる」

ゼロ「……いいだろう、そちらの不手際とはいえ、助けられた恩もある」

星刻「…助かる」

850: 2016/06/01(水) 01:02:30 ID:5A5dT0WM

星刻「ここだ、私も同席するが、いいだろうか?」

星刻「いかんせん、天子様はまだ幼い」

ゼロ「ああ、問題ない」

星刻「気遣い感謝する……天子様、ゼロを連れて参りました」コンコン

天子「はい、どうぞ中へ」

ゼロ「貴女が……天子」

天子「初めまして」

天子「このような地までご足労いただいた上の、非礼の数々をお詫びいたします」

天子「お掛けください、そうお時間は取らせません」

ルルーシュ(若い……いや、まさに幼いが)

ルルーシュ(妙な落ち着きだ、そして芯の強い瞳)

ゼロ「……それで、さっそくだが話というのは?」

天子「……端的に申しあげます」

天子「私を、攫っていただきたいのです」

ゼロ「それは、一体どういった意図が?」

851: 2016/06/01(水) 01:08:33 ID:5A5dT0WM
天子「現中華連邦の支配構造を破壊したいのです」

天子「大宦官の執政には目に余るものがあり、民は疲弊し、苦しんでいます」

天子「わたくしという象徴を盾に、これ以上の暴虐を繰り返すことを止めさせたいのです」

ゼロ「日本に亡命するということか?」

ゼロ「しかし、それでは場合によって、日本、ブリタニア、中華連邦の関係性を大きく崩してしまう」

ゼロ「そのあたりはどう考えている?」

天子「……」

ゼロ「その顔、何もないわけではなさそうだが」

天子「わたくしは卑小な存在、自分自身で何かを為すほどの力は持っておりません」

852: 2016/06/01(水) 01:13:52 ID:5A5dT0WM
天子「それでも、この二年必氏に学び、見、考え、成長してきたつもりです」

ルルーシュ(どこか怯えているようで、強さを感じるのはその覚悟のせいか)

ゼロ「それは察するに余りあるが」

天子「ようは、わたくしが中華連邦から居なくなる、かつ戦争に繋がらない策が必要なのです」

天子「大宦官が権威を失えば、時をおかず国で反乱がおこり、中華連邦は自壊の道を進むでしょう」

天子「ですから、わたくしは……」フルフル

天子「貴方に娶っていただこうと」

ゼロ「……なるほど」

855: 2016/06/01(水) 01:23:34 ID:5A5dT0WM
ゼロ「自分で政略結婚をするつもりか」

天子「貴方は王ではありませんが、わたくしの夫であるゼロと事を構えることは、中華連邦も無いでしょう」

天子「黒の騎士団は言わずもがな、ブリタニアとしても止めるほどのメリットはないでしょう」

ゼロ「……たしかに、多少の筋は通っている」

ゼロ「だが、問題は山積みだ」

ゼロ「まず、君の言う疲弊した民とやらは、象徴たる天子が国外へ出ることをどう思うのか」

ゼロ「さらに内戦状態ともなれば今以上に戦火で命を落とす者が増える」

ゼロ「そして、仮にすべてがうまくいき、中華連邦が崩壊したとしても」

ゼロ「ブリタニアの支配領域がさらに拡大し、強大になる」

ゼロ「ブリタニアの支配下に置かれた人民がどうなるかは、不本意ながら日本が証明していると思うが」

ゼロ「以上を踏まえたうえで、解決策はあるのだろうな?」

天子「それは……」

ギィンッ

856: 2016/06/01(水) 01:29:15 ID:5A5dT0WM
ゼロ「…なるほど、そういうことか」

星刻「……くっ、何故…」

ゼロ「私が断った場合、そのまま消すつもりだったか」

天子「星刻!」

ゼロ「確かにゼロは素性を明かしていない、背格好からしてもお前が成り代わることはそう難しくないだろうしな」

星刻「面妖な身体を……」

ゼロ「これでも、何度か氏にかけていてな」

ゼロ「だが、剣を下してもらえるか」

ゼロ「まだ話が終わっていない」

星刻「何を……」

天子「星刻、下がりなさい」

天子「申し訳ありません、許されるとは思っていませんが」

ゼロ「なに、運よく生き延びた、気にすることはない」

857: 2016/06/01(水) 01:38:14 ID:5A5dT0WM
ゼロ「もちろん、用意していたセリフではなく、本心を話してもらえるな?」

星刻「……」ギリッ

天子「星刻、やめて」

天子「先ほどの話、あれは概ね本心です」

天子「わたくしは為政者ではありません、ですが民が苦しんでいる姿を黙ってみているのは……」

天子「もう、いやなのです」

天子「自分が、そんな政治に利用されるのも」

ゼロ「なるほど」

ゼロ「しかし、私にできることは限られる」

ゼロ「天子という素性を伏せ、貴女を国外に脱出させること自体はそう難しくないが」

ゼロ「無論、その後の扱いは君が氏んだことになるだけで、中華連邦の現状は変わらない」

天子「……」

858: 2016/06/01(水) 01:46:28 ID:5A5dT0WM
星刻「……このままでは、早晩中華連邦という形は崩れ去る」

星刻「それは、天子様がいても変わらないだろう」

星刻「今のままでは、民の不満は天子様へと向けられるだろう」

星刻「その前に、天子様だけでも安全なところへ……」

天子「星刻!それは…」

星刻「この二年で、情勢は悪化する一方です」

星刻「アジア地域での特区騒動で起きた混乱、決起も悉く」

星刻「オデュッセウスとかいうブリタニア皇族が手を引いたのも、ブリタニアが本格的に中華連邦を攻め落とす気になったからでしょう」

星刻「このままでは、天子様が……」

天子「…わたくしは」

ゼロ「……」


ゼロ「少しいいだろうか」

ゼロ「私としても、今中華連邦に倒れられるのは困る」

859: 2016/06/01(水) 01:47:35 ID:5A5dT0WM
ルルーシュ(このままこの二人を放っておいたとしても、結局何か行動を起こすだろう)

ルルーシュ(こちらの望む形になる可能性は極めて低い)

ルルーシュ(ゼロとして介入すれば、身勝手な行動をとったことでブリタニアとの折り合いがよくない)

ルルーシュ(かといって、ラウンズとして介入すれば、単に侵略の手伝いをするだけだ)


ルルーシュ(それにこの実情を、あれだけ中華連邦に研究施設を持っているシュナイゼルが把握していないはずがない)

ルルーシュ(奴にとっては、中華連邦がブリタニア傘下になっても面倒なだけだろう、それまでに研究所の移設や破棄を済ませたいはずだ)

ルルーシュ(つまり、今は好機でもある)

ルルーシュ(ここで中華連邦を自由に動き、かつブリタニアとの対立構造を維持できれば)

ルルーシュ(…安全に施設のデータを回収できる)

ゼロ「もちろん、自暴自棄になってブリタニアとの戦争を起こされてもな」

ゼロ「で、あるならば」

ゼロ「解決策は一つしかないように思えるが」

星刻「……一体どうするつもりだ?」

860: 2016/06/01(水) 02:01:00 ID:5A5dT0WM
なかなかごちゃごちゃしててごめんね、昔風呂敷広げすぎたのをたたんでるから我慢してね

ゼロ「天子に国を治めさせる」

ゼロ「大宦官の飾り物としてではなく、な」

天子「……」

星刻「不可能だ」

星刻「大宦官はそれぞれ政治に、経済に、軍事にと深く根を張っている」

星刻「現状、奴らなしでは国が動かせない、これは事実だ」

ゼロ「……」

星刻「どうしようも、ない」

ゼロ「待て、今考えている」

星刻「だから無駄だと!」

ゼロ「無駄かもしれん、だがそれは考えない理由にはならない」

ゼロ「やってから無駄だったと嘆くのは自由だが、それまでは大人しく頭を使え」

星刻「っ!」

861: 2016/06/01(水) 02:07:00 ID:5A5dT0WM
ルルーシュ(といっても、策が全くないわけではない)

ルルーシュ(幸いにもこちらには人も技術もある、中華連邦だけでは不可能でも、てこ入れは可能だ)

ルルーシュ(だが、その前に大宦官の目的が気になるところだ、俺がここに来ることが分かってから考えたにしては)

ルルーシュ(日本に取り入る話は事前に準備していたようだったし、天子とつながっている様子は今のところない)

ルルーシュ(ということは、何か別の考えを持っていて、それを流用したか)

ゼロ「一つ聞きたい、国が滅びるのは明白として」

ゼロ「大宦官はかなり気の長い作戦を実行するつもりだったようだ」

ゼロ「なぜかわかるか?」

862: 2016/06/01(水) 02:12:50 ID:5A5dT0WM
星刻「おそらく奴らは、この国をブリタニアに売り渡すつもりだ」

星刻「もともとブリタニア皇族と天子様を政略結婚させようとしたのもそれが狙いだった」

ゼロ「……そうか、道理でな」

ゼロ「値段を釣り上げるために付加価値をつけようというわけだ」

星刻「もともと、特区日本を手中にしようとしているのはこちらでも公然の噂だった」

星刻「おそらくその話は聞いただろう?」

ゼロ「ああ」

ゼロ「ブリタニアとしても、裏切った日本人ごと中華連邦をつぶせれば旨みもあるか」

ゼロ「中華連邦の崩壊、そしてまたイレヴンのように虐げられることになる国民」

ゼロ「どの道ブリタニアの支配による中華連邦の未来は変わらない、ということか」

863: 2016/06/01(水) 02:22:17 ID:5A5dT0WM
ゼロ「変わるのは、お飾りとしての天子の末路」

ゼロ「オデュッセウスの手に渡れば殺されるよりは屈辱的だろうな、なにせ奴の変態性は私の耳にも入るレベルだ」

天子「……」

ゼロ「すまない、そう怯えないでくれ」

星刻「……わかるだろう、天子様にそんな未来を生きさせたくはない」

ゼロ「ふむ」

ゼロ「確かに難儀だ」

ルルーシュ(ここ二年で、情勢も大きく動いている)

864: 2016/06/01(水) 02:24:20 ID:5A5dT0WM
ルルーシュ(話を聞く限り、大宦官とブリタニアの上層部との交渉が決裂したのだろうが)

ルルーシュ(中華連邦は閉鎖的な大国、情報が少ないからこそ内部事情の詳しいところまでは見えなかった)

ルルーシュ(思えば俺がいた時も、民衆には何も伝えられていなかったな)

ルルーシュ(やはり解決策は中華連邦の支配構造を根本的に見直すことだ)

ルルーシュ(時間は無いようである、俺が自由に動けるのはCCとの式まで)

ルルーシュ(……いや、今はそちらを考えている場合ではない)ブンブン

天子「どうかされましたか?」

ゼロ「いや、何でもない」

ルルーシュ(騎士団がレジスタンスとして動けたならば、話はもっと単純だっただろうが)

ルルーシュ(今の特区日本という立場、それを皆から奪いたくはない)

ルルーシュ(真面目に頑張っているなら尚更だ)

865: 2016/06/01(水) 02:29:27 ID:5A5dT0WM
天子「……わたくしは」

ゼロ「?」

天子「わたくしは、この国を好いたことがありません」

天子「父が倒れ、母もなく、いつも怯えていました」

天子「ですが」

天子「虐げられる今の民に対して、何も思わないわけではありません」

天子「…」

ゼロ「したい事があっても、どうすればいいかわからないか」

ルルーシュ(かつての俺と、この子は同じか)

ゼロ「まぁ私はここで殺されかかっている、君たちに何の道義も同情も持ち合わせてはいない」

星刻「…」チキ

ゼロ「落ち着け」

ゼロ「だが、中華連邦には存続してもらう必要があるし、聞いてしまった話を忘れられるほど器用でもない」

ゼロ「策がないわけでもないしな」

866: 2016/06/01(水) 02:36:05 ID:5A5dT0WM
天子「あるのですか!?」ガタッ

ゼロ「待て、そう簡単に事は運べない」

星刻「実現できなくても構わない」

星刻「どんな方法なら天子様とこの国を救える?」

ゼロ「……通信機器を持ってきてくれ」

ゼロ「相談したい相手がいる」

星刻「…難しい」

星刻「今となっては天子様の立場が悪くなる可能性が生まれる」

ゼロ「…だろうな」

ゼロ「だが、それができないことにはどうにも……」

???「それなら、僕が伝えようか?」

星刻「……!誰だ!」

ロロ「へぇ、物騒なものを提げて交渉、ねぇ?」シャキン

867: 2016/06/01(水) 02:41:17 ID:5A5dT0WM
星刻「!馬鹿な、いつの間に私の剣を」

ロロ「これって絶体絶命のピンチ?」

ゼロ「いや、そうでもないが」

ゼロ「なぜここにいる?」

ロロ「CCが心配性でね」

ロロ「すぐに動けるのは仕事の無い僕だったからさ」

ロロ「蜃気楼はもぬけの殻だし、通信送っても応答なしで、探すのに苦労したよ」

ロロ「幸い、こっちには発信機があるからね、なんとなく位置もつかめたし虱潰しでここにきたんだ」

ゼロ「発信機?」

ロロ「その仮面だよ、咲世子に感謝するんだね」

868: 2016/06/01(水) 02:45:32 ID:5A5dT0WM

ロロ「で、連絡を取るならこれ使って」ポイ

ゼロ「あ、ああ」

星刻「貴様……っ」

ロロ「動かないで」

ロロ「状況は理解してないけど」

ロロ「少しでも動いたら、そこの女の子を頃す」

星刻「……やれるものなら……!」

ロロ「そうかい?それなら」シュンッ

天子「きゃっ!」

星刻「また……!どうやって移動を」

869: 2016/06/01(水) 02:53:25 ID:5A5dT0WM
ロロ「君がそこから動くより、僕が首を掻き切る方が早い」

ロロ「何なら試してみる?このくらいの子の首は切りやすいから割と好きなんだよね」

ゼロ「そのくらいにしておけ」

ゼロ「心配するな星刻、信頼できる連中としか連絡は取らん」

ゼロ「それより、本気で動くな、奴はやると言ったらためらいなく実行する」

星刻「…くっ」

ゼロ「……」ピピピ

ゼロ「私だ」

ラクシャータ(あら、意外にお早いのねぇ)

ゼロ「それは皮肉か?」

ラクシャータ(やあねぇ、冗談よじょーだん)

ラクシャータ(あんたのデバイスがパスコードエラー吐いてたんで、一応データ全消去しちゃったわよん)

ゼロ「構わん、むしろ助かった」

ゼロ「急ですまないが、聞きたいことがある」

ラクシャータ(急は慣れっこ、一体何かしらん?)

870: 2016/06/01(水) 02:58:23 ID:5A5dT0WM
ゼロ「ナイトメアの製造をしてもらいたい」

ゼロ「中華連邦モチーフで、ブリタニアや日本製には見えないもの、かつ新世代同等の性能で、だ」

ラクシャータ(んー、まぁできなくはないだろうけど、いつまでに?)

ゼロ「私が自由に動ける間には無理か?」

ラクシャータ(ああ、なるほどCCのことね)

ラクシャータ(まぁ構想さえまとまればそんなにかからないとは思うけど)

ラクシャータ(一年はかかるわよねぇ、まして今までの系統から大きく変えるとなれば)

ゼロ「…それまで中華連邦が存続している確証はない」

ゼロ「せめて半年だ」

871: 2016/06/01(水) 03:07:50 ID:5A5dT0WM

ラクシャータ(ふふ、無理よん)

ゼロ「無理は承知だ」

ラクシャータ(……まぁ、そうでしょうねぇ)

ラクシャータ(運のいいことに、こっちは比較的暇だから)

ラクシャータ(コンセプトとデヴァイサーさえ決まれば、かなり時間短縮できると思うわ)

ラクシャータ(ただ、細かな調整はできないから、相当じゃじゃ馬ちゃんにはなるけど)

ゼロ「それでいい、あとは奴に合わせさせる」

ゼロ「データはどう送ればいい?」

ラクシャータ(んー、こればっかりは機材送って直に見ないとわからないわねぇ)

ラクシャータ(あたしが行ってもいいけど、実際に建造したりってなると設備なんかはこっちの方がいいのよねぇ)

ゼロ「方法はないか?」

ラクシャータ(そうねぇ)

874: 2016/06/01(水) 03:33:07 ID:5A5dT0WM
一週間とか…バロス

ラクシャータ(一週間で成果は出せそうにないけど、半年あればなんとかなりそうよねぇ)

ラクシャータ(どの道中華連邦の攻め方は結構変わるんでしょう?)

ゼロ「ああ、スザクの言った通りの状態になっていたしな」

ゼロ「いや、聞いていたよりもひどい」

ゼロ「ことはもはやどの陣営が関わっても大惨事になりかねない」

ラクシャータ(なるほどぉ、だから自分たちでどうにかさせるってわけねぇ)

ラクシャータ(おっけぇ、あんたらの結婚式は挙げさせないと)

ラクシャータ(お姫様が拗ねちゃうからねぇ)

ラクシャータ(カレーン、ちょーっとこっち来て)

875: 2016/06/01(水) 03:38:16 ID:5A5dT0WM
カレン(何?ルルーシュから?)

ラクシャータ(そそそ、あんたナイトメアのデヴァイサーに必要な要素とデータの取り方覚えてるぅ?)

カレン(え?まぁあたしもやられたことあるし、わかるけど)

ラクシャータ(んー、そしたらあんた今から中華連邦に飛んでくれる?)

カレン(は?あたし特区を守る仕事があるんですけど)

ラクシャータ(そっちはスザクがなんとかするわ)

ラクシャータ(カレンを送るわ、あたしよりも安全にそっちへ行けるし)

ラクシャータ(機材ごと紅蓮で運べば、すぐ作製に取り掛かれる)

ゼロ「用意が早くて助かる」

ゼロ「どういうシナリオかは聞かないのか?」

ラクシャータ(そもそも今までだって、どうなるかは聞いてなかったしぃ)

876: 2016/06/01(水) 03:44:22 ID:5A5dT0WM
ラクシャータ(それに、あんたがやることだし)

ラクシャータ(こっちが作るとなれば、保険もかけられるからね)

ゼロ「保険?」

ラクシャータ(輻射波動みたいに悪用されないように、こっちから止められる準備のことぉ)

ゼロ「なるほど、わかった」

ゼロ「すぐにその方向で進めてくれ、俺はまだ確認すべきことがある」

ラクシャータ(はいはぁい、あたしもロイド起こしてくるわ)ピッ

877: 2016/06/01(水) 04:00:11 ID:5A5dT0WM
星刻「ゼロ、一体何の……」

ゼロ「待て、まだやることが残っている」ピピ

ゼロ「私だ」

扇(ゼロ、こんな時間に一体…?)

扇(それに今は中華連邦のはずじゃ)

ゼロ「状況が変わった、近いうちに人が要る」

ゼロ「ナイトメア操縦に長けた、信頼のおける者だけほしい」

ゼロ「数はそこまでいらん、できるか?」

878: 2016/06/01(水) 04:00:48 ID:5A5dT0WM
扇(あ、ああ、それは可能だけど)

ゼロ「ガン・ルゥの仕様書の用意と訓練機へのデータ反映はできるな?それを三か月でモノにさせろ」

扇(……わかった、それが必要なんだな?)

ゼロ「頼む、人選は任せる」

扇(さっそく準備しよう)

ゼロ「ああ、また連絡する」

ゼロ「後二つか」ピピ

天子「……っ」

ロロ「ああ、悪いけどもう少し待ってて」

ロロ「終わったら解放するから」

天子「は、はい」

879: 2016/06/01(水) 04:05:21 ID:5A5dT0WM
ゼロ「すまない、起こしたか」

咲世子(いえ、ご用件は何でしょうか)

ゼロ「これから中華連邦と日本を行き来する人間が増える」

ゼロ「情報が漏れないように操作が必要だ」

咲世子(かしこまりました)

咲世子(式の方は?)

ゼロ「予定通り行う、今回は俺が動くところは最後くらいだ」

咲世子(それを聞いて安心いたしました)

咲世子(ほかには何か?)

ゼロ「警護の方を厳重に頼む」

咲世子(もちろんですわ、プロですから)

ゼロ「ああ、そうだな」ピッ

880: 2016/06/01(水) 04:10:16 ID:5A5dT0WM
ゼロ「後は……」ピピッ

ゼロ「…俺だ」

CC(ばか)

ゼロ「折り入って相談が……」

CC(あほ)

ゼロ「なぁ、確かに俺が悪いとは思う、だが……」

CC(うるさいうるさい!どうせまた危険な目にあったんだろう!)

CC(ああどうせ、これからもこんな風に行き当たりばったりで居なくなるんだ)

CC(もう知らん、私の心配も知らないで)

ゼロ「…すまない」

CC(いーや許さない)

CC(すぐに帰ってこい、それ以外認めない)

ゼロ「……わかった、とりあえず明日までにはそちらに戻る」

CC(…ふん、妙に聞き分けがいいじゃないか)

881: 2016/06/01(水) 04:14:55 ID:5A5dT0WM
ゼロ「やることはあるが、俺がすぐに動く必要はなさそうだからな」

ゼロ「定期的にこちらに来る必要はありそうだが」

CC(何をするつもりだ、聞くだけ聞いてやる)

ゼロ「中華連邦の自立を支援する」

CC(却下だ)

CC(そもそも中華連邦はブリタニア攻略にかこつけてやる予定だったんだろう)

CC(今回の小旅行で成果がなかったなら、お前がやる必要はない)

CC(そもそも今回は中華連邦と日本につながりができれば御の字、程度の話だったはずだ)

CC(もし中華連邦が自立すらできない国家ならば、どのみち日本には何のメリットもない取引になる)

CC(そんなもの、捨て置けばいいじゃないか)

882: 2016/06/01(水) 04:22:36 ID:5A5dT0WM
ゼロ「そうもいかない」

ゼロ「少し説明させてくれないか、中華連邦の現状を」

CC(……いいだろう)

~少し経って~

CC(なるほど、事情は分かった)

CC(となれば、このまま放っておくと中華連邦にあるギアスのデータはなくなってしまいそうなんだな?)

ゼロ「ああ、その可能性が高い」

CC(ギアスという言葉を使わないあたり、そっちはほかに誰かいるんだな?)

883: 2016/06/01(水) 04:26:05 ID:5A5dT0WM

ゼロ「察しがよくて助かる、天子とその付き人がいる」

CC(待て、天子だと?まだ年端もいかない女の子じゃないか)

ゼロ「あ、ああ、そうだが」

CC(何時だと思っている、すぐに寝かせろ)

CC(お前はそういうところで本当に気の利かないやつだ)

ゼロ「いや、こちらもそれなりに込み入っていてな、そう簡単に……」

CC(早くしろ、睡眠不足が成長に与える影響は計り知れないんだぞ!)

ゼロ「……わかった、分かったから大声は出すな」

ゼロ「ロロ、天子を離してやれ」

ロロ「どうするの?」

ゼロ「うちの姫が天子に睡眠をとらせるように言ってる」

ロロ「なるほど」

884: 2016/06/01(水) 04:27:44 ID:5A5dT0WM
ロロ「君、自分でベッドに戻れる?」

天子「え、あ、はい」

ロロ「じゃあ、もう寝た方がいい、うちのリーダーがそう言ってる」

ロロ「そこの人も、もう今更逆らわないよね?」

星刻「あ、ああ」

天子「星刻、あの…」

星刻「天子様、後は私がなんとかしておきます」

星刻「時間も遅いですし、お休みください」

天子「わ、分かりました」

ゼロ「……寝かせたぞ」

CC(ああ、それでいい)

ゼロ「場はさらに混沌としてきたがな……」

CC(で、私は何をすればいい?)

ゼロ「手伝ってくれるのか?」

885: 2016/06/01(水) 04:32:05 ID:5A5dT0WM
CC(さすがに、全部本気で言っていたわけじゃない)

CC(…次からは絶対に認めないからな)

ゼロ「ああ、肝に銘じよう」

CC(ぜひそうしろ)

CC(それで?)

ゼロ「実際の話、俺たちは最後まであまりやることはない」

ゼロ「詳しい話はそちらに戻ってからするが、今回はパフォーマンスしかしないからな」

CC(パフォーマンス?大国の存亡に悠長なこともあったものだな)

ゼロ「大国といっても、規模が大きいだけだ」

ゼロ「細かな変更はあるかもしれないが、大まかな手順はすでに考えてある」

CC(さすが、智将ルルーシュだな)

ゼロ「そういった揶揄は好きじゃない」

CC(はは、ルルが怒った~)

ゼロ「…まぁ、機嫌が悪いよりはいいか」

886: 2016/06/01(水) 04:40:29 ID:5A5dT0WM
CC(まあ、侵略という形じゃなくなってよかった)

CC(なんというか、キャラじゃないしな)

ゼロ「そうだな、それが改まっただけ、今回の件は意味があった」

CC(その程度でごまかされはしないがな)

ゼロ「相変わらず手厳しい」

CC(ふふ、当然だ)

CC(私はCCだからな)ピッ

ゼロ「はぁ、言いたい事だけ言って切るか」

ロロ「終わった?」

ゼロ「ああ、概ね準備はできそうだ」

星刻「やっと説明してもらえるか」

ゼロ「そうだな、実現の目途も立った」

887: 2016/06/01(水) 04:43:11 ID:5A5dT0WM

ゼロ「ロロ、蜃気楼を移動してきてくれ」

ゼロ「話し終わったらそのまま日本に戻らなければならない」

ロロ「わかった、キーは?」

ゼロ「パスワードを打ち込めばいい、ヒントはうちの姫だ」

ロロ「……最近思うけど、兄さんも大概だよね」ボソッ

ゼロ「何か言ったか?」

ロロ「ううん、何でもない」ガチャ

ゼロ「さて、手短に済ませよう」

ゼロ「話はシンプルだ、天子には反乱を起こしてもらう」

星刻「起こしてどうする」

星刻「中華連邦軍は確かに、ナイトメア自体の性能は貧弱だ」

星刻「だが数は多い、仮にさっき話に出た新型兵器があっても」

星刻「すべてを一手に片づけることはできないだろう」

888: 2016/06/01(水) 04:48:47 ID:5A5dT0WM
ゼロ「ああ、まぁ奴らの作るナイトメアなら不可能ではないかもしれないが」

ゼロ「ただ、今回の場合全滅させてしまってもまずい、天子が指揮するときに兵力が全くないでは話にならんからな」

ゼロ「今回付け入る隙があるとすれば、兵士の士気だ」

星刻「?」

ゼロ「もともとこの国では天子という象徴を中心にした統制がなされている」

ゼロ「その天子が反乱を起こすというだけでも、兵士の士気は大きく下がる」

ゼロ「そこで例えば相手に強力な兵器があったら?仲間のうち何人もが降伏していたらどうだろうか?」

星刻「……なるほど、そのためのパフォーマンスか」

ゼロ「察しがよくて助かる」

ゼロ「どうだ?あながち不可能ではないだろう?」

889: 2016/06/01(水) 04:53:40 ID:5A5dT0WM
星刻「何をしたいのかは大体わかった」

星刻「だが、大宦官はどうする?」

星刻「勝ち目がないとわかれば、すぐにでも国を裏切るだろう連中だが」

ゼロ「そちらは私がなんとかしよう」

ゼロ「お前はこれから来るだろう私の仲間の面倒を見てほしい」

ゼロ「この付近に人の寄り付かない土地はあるか?」

星刻「すぐ裏の山脈地域は資源もなく打ち捨てられた状態だが」

ゼロ「それはいい、そこを今後の拠点にするように手配しておこう」

ロロ「持ってきたよ」

ゼロ「ああ、ちょうど話もついた」

ゼロ「それではな」

星刻「……ゼロ」

890: 2016/06/01(水) 04:58:24 ID:5A5dT0WM
星刻「我々に見返りを求めないのか?」

ゼロ「見返り?そうかその話はしていなかったな」

ゼロ「それなら二つだ、今回かかる費用は大宦官が持っている私財から捻出させる」

ゼロ「それと、中華連邦内にあるいくつかの研究所を調査、その後つぶさせてもらう」

星刻「研究所?」

ゼロ「大丈夫だ、中華連邦にかかわりのあるものじゃない」

ゼロ「わたしはまだ用事がある、天子のことだけ気にしてやれ」

ゼロ「行くぞロロ」カツカツ

星刻「……恰好から何から、珍妙な奴だ」

星刻「だが、今はすがるしかない、か」

912: 2016/08/26(金) 23:06:55 ID:22lI5CAs
~総督府~

ルルーシュ「…やっと帰ってこられたな」

ロロ「自分のせいだけどね」

ルルーシュ「言うな」

ルルーシュ「助かった、ロロ」

ルルーシュ「CCはどこにいる?」

ロロ「時間も遅い、いや早いから部屋じゃない?」

ロロ「言い訳は自分でしてね、おやすみ」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ(気は進まないが、行くしかないな)

ルルーシュ(はぁ、憂鬱だ……)

913: 2016/08/26(金) 23:10:53 ID:22lI5CAs
~私室~

ルルーシュ「……ただいま」

CC「おかえり」

ルルーシュ「起きていたのか」

CC「私はそこまで睡眠を必要としないからな」

ルルーシュ「怒っているか?」

CC「怒っていたらどうする?」

ルルーシュ「謝ろうかと思っている」

CC「そうか」

CC「それなら、謝らなくてもいい」

ルルーシュ「怒っていないのか?」

CC「なんでもいいさ」

CC「こっちにこい」

ルルーシュ「?」

CC「いいから」

914: 2016/08/26(金) 23:14:58 ID:22lI5CAs
ルルーシュ「…仕方ないな」ツカツカ

CC「……」ギュ

ルルーシュ「お、おい、なんだ、どうした」

CC「…生きてる」

ルルーシュ「…当然だ、俺がそう簡単に氏ぬとでも?」

CC「ああ」

CC「人は、簡単に氏ぬ」

CC「シャワーを浴びてくるか?」

ルルーシュ「ああ、そうさせてもらうよ」

ルルーシュ「少し待っていろ」

CC「…ああ、早く戻って来いよ」

915: 2016/08/26(金) 23:18:40 ID:22lI5CAs
ルルーシュ「戻ったぞ」

CC「布団は温めておいた」

ルルーシュ「…なんだ、まるで少女だな」

ルルーシュ「どうした、布団にくるまって」

CC「女はいくつになっても少女なんだよ」

CC「ほら、疲れているだろう、入れ」

ルルーシュ「相変わらず可愛げのないやつだ」

CC「そう思うか?」

ルルーシュ「……俺もお前に毒されたかな」

CC「……ふふ」

916: 2016/08/26(金) 23:24:09 ID:22lI5CAs
CC「成果はどうだった?」

ルルーシュ「悪くはない」

ルルーシュ「中華連邦がこちら側につけば、ブリタニアまでかなり近づけるだろう」

CC「そうか」

CC「それはいいことだな」

ルルーシュ「?」

CC「私はな、ルルーシュ」

CC「ブリタニアとか、中華連邦とか、日本とか」

CC「あまり、興味はない」

ルルーシュ「……ああ、そうだろうな」

917: 2016/08/26(金) 23:31:37 ID:22lI5CAs
CC「私が心配なのはお前だけだ」

CC「不安なんだ、いつかお前がいなくなってしまうと思うと」

CC「たまらなく、怖いんだ」

ルルーシュ「もう、そんなことはないさ」

CC「分からないじゃないか」

CC「いっそ、私も連れていけ」

CC「待っているだけは、もう耐えられない」

ルルーシュ「……気持ちは嬉しいが」

ルルーシュ「俺だって、お前が心配なんだ」

ルルーシュ「ましてや、お前はVVにも狙われている」

ルルーシュ「もう二度と、あんな研究に関わらせたくもない」

CC「……」

918: 2016/08/26(金) 23:35:19 ID:22lI5CAs
ルルーシュ「CC」ギュ

ルルーシュ「お前はもう十分苦しんだ、辛い思いもした」

ルルーシュ「後は俺がやる、お前はただ見ていてくれればいい」

CC「……」

CC「私は……」

ルルーシュ「もう寝ろ、明日は仕事もない」

ルルーシュ「またゆっくり話せばいいさ」

CC「……うん」

CC「おやすみ、ルルーシュ」

ルルーシュ「……」ギュッ

919: 2016/08/26(金) 23:43:08 ID:22lI5CAs
~朝~

ラクシャータ「ふふーん」

ラクシャータ「……」 コンコン

ラクシャータ「おはよーございまーす」バンッ

ルルーシュ「……」スゥ

CC「静かにしてくれ」

CC「まだ寝ている」

ラクシャータ「へいへい、朝からお熱いことで」

ラクシャータ「一応ルルーシュの身体のチェックに来たんだけど、時間改めてよっか?」

CC「いや、それなら早い方がいいだろう」

CC「ルルーシュ、起きろ、朝だ」

ルルーシュ「……もう少し寝る」

CC「駄々をこねるな、ラクシャータも来ている」

ルルーシュ「……嫌だ、眠い」

CC「全く、その身体になってから余り寝ないんじゃなかったのか?」

920: 2016/08/26(金) 23:46:49 ID:22lI5CAs
ルルーシュ「何も無いなら、起きない……」

CC「なんだ、キスでもすればいいのか?」

ラクシャータ「あたし居るのは忘れてないわよね?」

ラクシャータ「こらルルーシュ、CCに甘えるのは後後、悪いけど早く終わらせるから起きなさいな」

ルルーシュ「……む、仕方ないな」モゾモゾ

ラクシャータ「ったく、デレデレしちゃってさ、見せつけてくれるわよねぇ」

ラクシャータ「CC、すぐ済むからちょっと出ててくれる?」

ラクシャータ「あんまり見てて楽しいものでもないし」

CC「分かった、咲世子にコーヒーでももらってくるとしよう」

921: 2016/08/26(金) 23:58:06 ID:22lI5CAs
ラクシャータ「……ほら、しゃきっとする」

ルルーシュ「ああ、問題ない」

ラクシャータ「嘘ばっかり、寝癖も直さないで何言ってるんだか」

ラクシャータ「ほら、メンテナンスのお時間よん」

ルルーシュ「すまん、よろしく頼む」

ラクシャータ「わかってるわかってる」カチャカチャ

ラクシャータ「……ねぇ、ルルーシュ」

ルルーシュ「なんだ?」

ラクシャータ「あんた、自分の身体のこと、分かってるんでしょ?」

ルルーシュ「……ああ、わかってるさ」

ラクシャータ「もともと、人間の身体に機械を付けてるんだから、いい事なんてないし」

ラクシャータ「ましてや、あんたの場合はギアスエネルギーまで使って無理やり生きている様なもの」

ラクシャータ「そう長くもつとも思えない」

ラクシャータ「……長くて1年とかよ、残りの時間」カチャカチャ

ルルーシュ「……やはり、そうか」

922: 2016/08/27(土) 00:01:16 ID:SPxaY4tY
ラクシャータ「CCは知ってるわけ?」

ルルーシュ「いや、言っていない」

ラクシャータ「はぁ、やっぱね」

ラクシャータ「あんたたち、結婚するんでしょ?意味わかってる?」

ルルーシュ「……そのつもりだ」

ラクシャータ「……いんや、分かってないわ」

ラクシャータ「あいつのことは正直よく分からない、今まで何があったのか、言いたがらないし、あたしも聞かないら」

ラクシャータ「けど、同じ女として思うところはある」

ラクシャータ「このままだと、あんたはあいつを置いていなくなるのよ」カチャカチャ

ルルーシュ「……あいつは、そういうのには慣れているさ」

ラクシャータ「……はぁ、だから分かってないって言うのよ」

923: 2016/08/27(土) 00:05:52 ID:SPxaY4tY
ラクシャータ「いい?ここ100年とかそこら、何があってもおかしくはないけど」

ラクシャータ「少なくとも、あたしが初めてCCを見てから今まで」

ラクシャータ「まるで別人みたいに変わってる」

ラクシャータ「あんたの居ない二年間に、毎日ルルーシュならこう言う、こうするってやってきた姿を、あたしは見てきてる」

ラクシャータ「だから、癪だけど言っとくわ」

ラクシャータ「ルルーシュ、あんたは特別、今あんたが居なくなったら、CCはもう耐えられない」

ラクシャータ「身体は良くても、心がもたないわ」

ルルーシュ「……」

ラクシャータ「このまま氏ぬ気でいるなら、結婚なんてやめなさい」

ラクシャータ「正直に打ち明けて、残りの時間をあの子と過ごしてあげなさいよ」

ラクシャータ「あんたがやりたがってる事は、あたしらが引き継いであげるから」

ラクシャータ「……協力してくれるやつも、沢山いそうだし」

924: 2016/08/27(土) 00:08:49 ID:SPxaY4tY
ルルーシュ「……うれしいよ、ラクシャータ」

ルルーシュ「つい、その案に縋ってしまいたくなる」

ルルーシュ「だが、それは無理だ」

ラクシャータ「無理なんかじゃないわよん」

ラクシャータ「こう見えて、あたしかなり優秀な……」

ルルーシュ「分かってるさ、お前の優秀さも、俺やCCのことを心配してくれているのも」

ルルーシュ「だが、俺がこんな状態でも生きている理由は、俺の一族が続けてきたギアスの呪いを断ち切るためだ」

ルルーシュ「それによって、俺やCCが」

ルルーシュ「……氏ぬことになったとしてもな」

925: 2016/08/27(土) 00:14:36 ID:SPxaY4tY
ラクシャータ「それはあんたの都合でしょ」

ラクシャータ「CCはどうなるのよ、あんたの時間が先に切れたら、あの子だけ遺されてしまったら」

ラクシャータ「……あんまりじゃないの」

ルルーシュ「大丈夫さ」

ルルーシュ「俺は1人じゃない、お前がいて、スザク、カレン、ユフィやロイド、他にも仲間がたくさんいる」

ルルーシュ「必ず間に合わせる」

ラクシャータ「……だから、無茶をするって言いたいわけ?」

ルルーシュ「多少強引なのは自覚している」

ルルーシュ「だが、中華連邦の研究所は全て潰さなければならない、その為には仕方なかった」

ラクシャータ「……何を言っても聞かないってことねぇ」

ルルーシュ「悪いが、譲れないところもある」

926: 2016/08/27(土) 00:21:41 ID:SPxaY4tY
ラクシャータ「あーあ、まぁ分かってたことだけどね」

ラクシャータ「ほい、特に問題無さそうよん、変な刀傷がついてるとこは後で部品持ってくるわ」

ルルーシュ「いいのか?話はまだ」

ラクシャータ「正直キャラじゃないもの、あたしは他人に興味がないタイプなのよん」

ラクシャータ「……もう、あいつが泣いてるのは見たくないけどさ」

ラクシャータ「でも、少しでも幸せがあった方がいいわよねぇ」

ラクシャータ「人生太く短くってのが良いって言うし」

ルルーシュ「……」

ラクシャータ「言っとくけど、あんたの時間に関しては、今のままなら、だからね」

ラクシャータ「これでもあたしは生物、薬理も詳しいんだから、変に早まった事だけはしないこと」

ラクシャータ「約束よん」

ルルーシュ「ああ、分かったよ」

927: 2016/08/27(土) 00:23:15 ID:SPxaY4tY
ラクシャータ「全く、ほんと放っておけない子達なんだから」

ラクシャータ「あたしは何人子供の面倒見なきゃいけないのかしらねぇ」

ルルーシュ「?」

ラクシャータ「こっちの話、ほんと皆大人になりなさいよねぇ」

ラクシャータ「ほんと、夢を追う男ほど訳分からんものもないわ」

ラクシャータ「CC呼んでくるわ、あんたもしっかり身支度しときなさい」

ラクシャータ「だらしない姿ばっかり見せると、愛想つかされちゃうかもしれないからねぇ」

928: 2016/08/27(土) 00:29:20 ID:SPxaY4tY
CC「……終わったか」

ルルーシュ「ああ、ラクシャータは何か言ってたか?」

CC「いや、問題が無かったとだけな」

ルルーシュ「そうか、それならいい」

CC「何かあったのか?」

ルルーシュ「無茶はしすぎるなと説教された」

CC「当然だ、私もしたいくらいだぞ」

ルルーシュ「勘弁してくれ、流石に懲りたよ」

ルルーシュ「今後は控えるさ」

CC「そうだな、それがいい」

CC「どうする?今日は何もないんだろう?」

ルルーシュ「式の話でも決めるのかと思ってあけておいたんだが」

929: 2016/08/27(土) 00:32:26 ID:SPxaY4tY
CC「そっちは心配いらない」

CC「というより、お前の姉が張り切っていてな……」

ルルーシュ「コーネリアが?」

CC「ああ、咲世子と組んで色々やっているみたいだ」

CC「当事者のはずの私ですら、全く関わらせてもらえない」

ルルーシュ「俺から言ってみようか?」

CC「……いいさ、ある意味やつらの世話焼きには一定の信頼がある」

CC「それに、驚きがあった方が面白いじゃないか」

ルルーシュ「ドレスのデザインや会場の様子は自分で決めたがるものかと思っていたんだがな」

CC「私はCCだぞ、どんなドレスも着こなしてみせるさ」

ルルーシュ「……まあ、お前が気にしないならそれでいいか」

930: 2016/08/27(土) 00:39:34 ID:SPxaY4tY
CC「まあ、仮に私が決めようとしても、ブリタニアの騎士で、総督で、ラウンズのルルーシュ様との結婚ともなれば」

CC「しきたりやら礼儀作法やら、結局縛りはあるさ」

CC「どうせ何かいうなら、あの女も早く相手を見つけるように言うんだな」

ルルーシュ「……そんな怖いことが言えるものか」

CC「ふふ、そうだろうな」

CC「式まではこっちにいるんだろう?」

ルルーシュ「ああ、準備が整うまではこちらから指示することがメインになる」

ルルーシュ「せっかくだ、今日は久々にだらだら過ごすのも悪くないかもな」

CC「忙しくなる前に、な」

CC「私も付き合うぞ?」

ルルーシュ「ふん、当然だ」

CC「私の旦那様は、たいした亭主関白だな」

CC「ふふふ」

ルルーシュ(……言えるわけ、ないだろうが)

ルルーシュ(CC、俺は……)

931: 2016/08/27(土) 00:53:05 ID:SPxaY4tY
~総督府 庭園~

ルルーシュ「今日はいい天気だな」

CC「ティータイムには早いが、まあいいだろう?」

CC「咲世子、妙に楽しそうじゃないか」

咲世子「そうでしょうか?」

咲世子「もしそう見えるのだとすれば、お2人がお揃いでいらっしゃることが嬉しいのでしょう」

CC「えらく他人事だが」

ルルーシュ「あまり真に受けるな、咲世子はからかっているだけだぞ」

CC「そうなのか?」

咲世子「あらあら、まさかそんなことはありませんわ」

咲世子「ルルーシュ様、お飲み物、こちらに置いておきますね」

ルルーシュ「ああ、ありがとう」

932: 2016/08/27(土) 00:53:45 ID:SPxaY4tY
ルルーシュ「CC、少しこっちに寄れ」

CC「?どうした?」

ルルーシュ「別に、ただ横が空いていてバランスが悪い」

CC「丸テーブルに横並びの方が悪いように思うがな」

CC「まあいいだろう、ルルーシュは寂しがり屋だからな」イソイソ

ルルーシュ「それでいい」

ルルーシュ「よく見ると、随分髪が伸びていないか?」

ルルーシュ「アップにするほど長さは無かったように思うが」

CC「私の身体は、ある一定の状態まではかなり早く戻るんだよ」

咲世子「月に3回は、髪を切っておりました」

ルルーシュ「ほう、厄介なのか何なのか」

CC「お前も長い方が好きだろう?」

ルルーシュ「それは否定しない」

CC「それなら問題ないな」

933: 2016/08/27(土) 01:02:37 ID:SPxaY4tY
ルルーシュ「思えば、俺はお前のことをそこまで知らないのかもな」

CC「聞きたいことがあるのか?」

ルルーシュ「ふむ」

ルルーシュ「俺の母とは、どういう関係だったんだ?」

ルルーシュ「知っているんだろう?マリアンヌを」

CC「いきなり話しにくい話題の塊みたいなものを放り込むな」

ルルーシュ「いいじゃないか、もう今更、生半では驚かない」

CC「……それもそうだな」

934: 2016/08/27(土) 01:06:20 ID:SPxaY4tY
CC「といっても、言ってしまえば私とマリアンヌは友人というだけだ」

CC「いや、途中で特務騎士になったからただの友人という訳でもないか」

ルルーシュ「特務騎士だと?」

CC「ああ、まさかお前が二人目になるとは思わなかった」

ルルーシュ「2人しかいないのか」

CC「お揃いでいいじゃないか」

ルルーシュ「ストラップじゃあるまいし、そういうものなのか?」

935: 2016/08/27(土) 01:13:34 ID:SPxaY4tY
CC「いいんだ、どうせ私は騎士としては何も出来なかった」

ルルーシュ「?」

CC「程なくして、私はVVによって仮氏状態のまま身体をいじくり回される日々を送らされるんでな」

ルルーシュ「……なるほど」

CC「お前やナナリーはまだ小さかった、遠くから見た事はあるが、覚えてはいないだろう?」

ルルーシュ「そう言われると、母の隣に女が居たような気がするな」

CC「その時は黒髪だったから、今の方がイメージが近いかもしれない」

ルルーシュ「……!居たかもしれない、ぼんやりとしか思い出せないが」

CC「いいさ、思い出したところで、何があるわけでもない」

CC「マリアンヌは私の作る菓子をよく食べた、私が今まで見てきた中でも珍しいほど素直な、真面目なやつだった」

CC「無論、戦場では閃光のマリアンヌと恐れられる存在ではあったがな」

ルルーシュ「……そうだったのか」

CC「初めて出会った時はシャルルに連れられて城の中を嬉しそうに跳ね回っていたな」

CC「私の秘密を知っても、全く気にしなかったし、変わっていたのは間違いない」

936: 2016/08/27(土) 01:21:44 ID:SPxaY4tY
ルルーシュ「しばらくは一緒にいたのか?」

CC「実際はそう長くはない」

CC「私とVVの存在は、皇族連中にも隠されていた、当然マリアンヌとシャルル以外は誰も知らなかっただろう」

CC「お前には言いにくかった、私はマリアンヌを守ることが出来なかったしな」

ルルーシュ「……いいさ、悪いのはVVだ」

ルルーシュ「もういい、変なことを聞いて悪かった」

CC「いいのか?他にもマリアンヌの話は出来るぞ?」

ルルーシュ「いい、気になっていたのはお前や母がVVやシャルルとどの程度関わっていたのかだけだからな」

CC「……前にも言ったと思うが、私たちはみな優しい世界を目指していた」

CC「マリアンヌの本心は分からないが、あいつはルルーシュ、お前が生まれてから少し変わったような気がする」

CC「少なくとも、VVの考えるような世界征服に興味があるタイプではなかった、そこは安心していい」

ルルーシュ「ああ、それで十分だ」

945: 2016/08/29(月) 14:47:09 ID:Eqp.CIk6
咲世子「……!御二方、少々問題が」

CC「どうした?」

咲世子「侵入者です、2人……」

咲世子「こちらに向かっています」

ルルーシュ「排除できるか?」

咲世子「ええ、可能ですが……」

咲世子「妙です、隠れる気がないと言いましょうか」

咲世子「ただ闇雲に進んでいるような……」

CC「ふむ」

CC「咲世子、ここに連れてこい」

ルルーシュ「おいCC」

CC「いいだろう、どんなやつか興味がわいた」

咲世子「かしこまりました、少々お待ちください」スッ

948: 2016/08/29(月) 15:15:56 ID:Eqp.CIk6
どさどさっ

???「ぺっぺっ、なんだ!?」

???「……やられた」

???「だから勝手に出歩くのを止めようっていったじゃないかアーニャ!」

???「私がこんな無様な姿を晒すことになるなんて……」

アーニャ「ジノの無様……記録」カシャ

ジノ「やめろぉ!」

ルルーシュ「……なんだこいつらは」

CC「ナイトオブスリーと、ナイトオブシックスじゃないか」

CC「ジノ・ヴァインべルグ、そしてアーニャ・アールストレイム」

ルルーシュ「ラウンズ?何故こんなところに」

949: 2016/08/29(月) 15:23:59 ID:Eqp.CIk6
ジノ「久しぶりだな、ナイトオブゼロ」

ジノ「といっても、あまり話す事は無かったように思うが」

ジノ「私はジノ・ヴァインベルグ、ナイトオブスリーをやっている」

ジノ「実はスザクからランペルージ卿が結婚すると聞いて、野次馬もとい祝福に来たというわけだ」

アーニャ「……記録」カシャ

アーニャ「……こっちがCC」

CC「?どこかで会ったことがあったか?」

アーニャ「初対面」

ルルーシュ「……まあいい」

ルルーシュ「ラウンズとは言え、総督府を勝手に彷徨くのは関心しないな」

ジノ「いやぁ面目ない、アーニャが勝手に歩いていってしまってね」

ジノ「しかし、ニンジャに捕まるとは……エリア11にはまだまだ不思議がありそうだ」

950: 2016/08/29(月) 15:27:37 ID:Eqp.CIk6
アーニャ「ニンジャ……」カシ

咲世子「申し訳ございませんが、撮影はお断りしております」

アーニャ「……写らない、どうして?」

咲世子「申し上げられません」

CC「お前達は咲世子を見ても何も感じないんだな」

CC「ブリタニア人は嫌な顔をしたりするものだ」

ジノ「ははは、スザクもそうだがナンバーズにだって凄い人間はいる」

ジノ「生れで判断するのは無意味だ」

ルルーシュ「……ほう」

アーニャ「あと……美人」カシ

咲世子「あら、ありがとうございます」

アーニャ「……なぜ、撮れない」

951: 2016/08/29(月) 15:36:47 ID:Eqp.CIk6
ジノ「ともかく、2人の時間を邪魔してしまったようだ」

ジノ「アーニャ、今度こそ庶民の暮らしを見に行こう」

アーニャ「……ごめんなさい」ペコ

CC「あ、ああ」

ルルーシュ「咲世子、送ってやってくれ」

ルルーシュ「ヴァインベルグ卿、またキチンとした場で話そう」

ジノ「ジノでいい、というか」

ジノ「はぁ、やっぱり性にあわないな、こういう堅苦しいのは!」

ジノ「改めて、ジノだ」

ジノ「よろしく、ルルーシュ!」

ルルーシュ「……ああ、よろしく」

952: 2016/08/29(月) 15:45:25 ID:Eqp.CIk6
ジノ「今度はスザクも交えて食事でもしよう」

ジノ「さあ、どっちに行けば帰れるんだ?」

咲世子「こちらでございます」

アーニャ「……ルルーシュ」

ルルーシュ「?」

アーニャ「……なんでもない、記録」カシャ

アーニャ「……また、今度」

ルルーシュ「……」

CC「なんだ、あいつらは」

953: 2016/08/29(月) 15:45:59 ID:Eqp.CIk6
ルルーシュ「会った事はあるんだろう?」

CC「ルルーシュとして、な」

CC「私は本土よりこちらにいることの方が多かった、ラウンズはそう頻繁に会うこともないし、詳しくは知らない」

CC「口ぶりからすると、スザクとは親交があるようだな」

ルルーシュ「そうだな、まずはスザクに話を聞いてみようか」

CC「さっきの話を聞かれていないか、少し心配だな」

ルルーシュ「大丈夫だ、咲世子が気付く範囲の外から声が聞こえるとは思えない」

ルルーシュ「仮に聞いていたとしても、ギアスを使えば……」

CC「ギアスはやめておけ」

CC「まあいいさ、大した話でもない」

CC「咲世子、クッキーのお代わりをたのむ」

咲世子「承知いたしました」

ルルーシュ「……慣れてきたとはいえ、本当に何が起こっているのか分からなくなるな」

咲世子「ふふふ、それは企業秘密でございます、ルルーシュ様」

954: 2016/08/29(月) 15:52:54 ID:Eqp.CIk6
アーニャ「……」

ジノ「ん、どうした?アーニャ」

アーニャ「……なんでもない」

???(やっと会えたわね)

???(どう?初めてみた感想は)

アーニャ(悪く、ないかも)

???(でしょう?)

955: 2016/08/29(月) 15:53:29 ID:Eqp.CIk6
???(ちゃんとCCに植え付けられた?)

アーニャ(うん、言われた通り、やってきた)

アーニャ(でも、本当にあの人たちの為になるの?)

???(ええ、残念だけどブリタニア本国の連中があの子達に気付くのは時間の問題)

???(守るためには仕方ないわ、ありがとう、協力してくれて)

アーニャ(ううん、いいの)

???(ただ、貴女はナイトオブシックス)

???(あんまり表立ってルルーシュの手伝いをしてはダメよ)

???(私にとって、あなたも大切な子供なんだから)

アーニャ(……うん)

アーニャ(私、がんばる)

アーニャ(見ててね、マリアンヌ様)

956: 2016/08/29(月) 15:56:19 ID:Eqp.CIk6
ジノ「おいおい、ぼんやりして」

ジノ「本当に大丈夫なのか?」

アーニャ「大丈夫」

アーニャ「おしゃべりしてた」

ジノ「おしゃべり?」

ジノ「ずっと黙ってたじゃないか」

ジノ「って、だから勝手に出歩くなって!」

ジノ「アーニャ!」

アーニャ「……」テクテク

965: 2016/09/04(日) 21:47:37 ID:9CwYdqv2
~総督府 廊下~

CC「……ふぁぁ」ムニャムニャ

ルルーシュ「なんだ、欠伸なんかして」

ルルーシュ「眠いのか?」

CC「誰かさんのおかげで、気力も使わされたし、ずっと起きていたからな」

CC「生理的な反応だ、私は寝なくても身体に影響はない」

ルルーシュ「なんなら少し休んだらどうだ?」

CC「ふふ、大胆なお誘いだな」

ルルーシュ「真面目に聞いているんだ」

CC「んー、どうしようかな」

CC「せっかくの休日を昼寝して過ごすことをどう思うか」

CC「性格の出るところだ」

966: 2016/09/04(日) 21:50:03 ID:9CwYdqv2
ルルーシュ「たまにはいいと思うぞ、俺は」

ルルーシュ「外に出るだけが休み方ではない」

CC「それもそうだな」

CC「それに」

ルルーシュ「……それに?」

CC「お前にお客さんみたいだしな」

シャーリー「あはは、ごめんね邪魔しちゃって」

CC「なんの、お前なら許すさ」

967: 2016/09/04(日) 21:58:57 ID:9CwYdqv2
CC「後は頼んだ、ルルーシュ」

CC「イブニングコールは咲世子にお願いしておくよ」

ルルーシュ「何がイブニングコールだ」

ルルーシュ「ゆっくり休めよ」

CC「当然だ、私はCCだぞ?」スタスタ

ルルーシュ「まったく」

シャーリー「ふふ、やっぱりルルはすごいね」

ルルーシュ「?なにがだ?」

シャーリー「あんなに気を許してるCCさん初めて見た」

シャーリー「いいなぁ、本当にかなわないや」

969: 2016/09/04(日) 22:05:36 ID:9CwYdqv2
ルルーシュ「ま、まぁあいつの事はいいさ」

ルルーシュ「それで?どうした?」

シャーリー「あ、そうそう」

シャーリー「本国からロイド・アスプルンド伯爵がお見えになってます」

シャーリー「今カレンが居なかったから、ルル付きの私が伝令に来たの」

ルルーシュ「ああ、すまない、そんな小間使いみたいなことをさせてしまって」

シャーリー「いいの、たまにはお話したいもの」

シャーリー「エントランスの方にいらっしゃるから、早めに行ってあげてね」

ルルーシュ「ああ、すぐに行くよ」

ルルーシュ(そうか、カレンは中華連邦に行っているんだったな)

ルルーシュ(それにしてもロイドさんか、久しぶりだ)

970: 2016/09/04(日) 22:09:19 ID:9CwYdqv2

~総督府 エントランス~

ロイド「おお!ルルーシュくん!」ブンブン

セシル「ロイドさん!そんなに手を振り回したら危ないし、子供じゃないんだからみっともないですよ!」

ルルーシュ「はは、お久しぶりです」

ルルーシュ「荷物は?」

ロイド「んふふ、さっきメイドさんたちが僕らの部屋に運んでおいてくれるってさ」

セシル「ちゃんと別のお部屋で良かったです」

ルルーシュ「驚きました、急に来られるとは思っていなかったので」

セシル「この人が驚かせたいって言うから仕方なく、ですよね?」ギロ

ロイド「あはは……やだなぁセシルくんもノリノリだったくせにぃ」

ルルーシュ(ふふ、変わらないなこの人たちも)

972: 2016/09/04(日) 22:18:40 ID:9CwYdqv2
ロイド「それにしても、広いところだねぇ」

ルルーシュ「総督府としては小規模なものですよ」

ルルーシュ「ただ、ナンバーズに批判的なブリタニア人はまだ多いですし、来客も頻繁ではないので人は少ないですが」

セシル「今日はお仕事はないの?」

ルルーシュ「ええ、さっきまでCCもいたんですが、眠いから寝てくると」

ロイド「んふふ、聞いたよ聞いたよ」

ロイド「君たち、結婚するんだろう?」

ロイド「おめでとぉ~」

セシル「お祝いのためにここまで来て、何を言ってるんですか」

セシル「でも、眠いといえば私も少し時差ボケかも」

ルルーシュ「来たばかりで、疲れもあるんでしょう」

ルルーシュ「歓迎会とかは明日にしますから、セシルさんも休んだらどうです?」

973: 2016/09/04(日) 22:19:48 ID:9CwYdqv2

セシル「ほんと、ロイドさんのお守りは気を遣うから」

セシル「ロイドさん、私が居なくても変なことしちゃダメですからね?」

ロイド「りょおかーい、大丈夫だよルルーシュくんもいるし」

セシル「それもそうですね、ごめんなさいね」

ルルーシュ「いえいえ、ごゆっくり」

ロイド「……」

ルルーシュ「?ロイドさんも時差ボケですか?」

ロイド「いんや、そんなものに僕はならない」

ロイド「ルルーシュくん、君と話したいことがあるんだ」

ロイド「今日の夜、ラボの方に来てくれない?」

ルルーシュ「?ええ、構いませんが」

ロイド「ありがとぉ、僕はラクシャータと話してくるから、君もそれまで暇しててよ」

ロイド「あと、あの子は連れてきちゃダメだからねぇ」タッタッタッ

ルルーシュ(一体どうしたんだ?)

974: 2016/09/04(日) 22:25:18 ID:9CwYdqv2
~夜 特派ラボ~

ルルーシュ「こんばんは」

ロイド「おお、よく来たねぇ」

ロイド「ささ、そっちに座ってよ」

ルルーシュ「?ラクシャータはどこへ?」

ロイド「男同士勝手に話してなさいってさ」

ロイド「バーボンでいいかな?僕ワインとか苦手でねぇ」

ルルーシュ「ええ、なんでも構いません」

ロイド「ふふ、君とこうしてお酒を飲めるってのも、感慨深いものだよ」

ロイド「君と、彼女の幸せに乾杯!」

ルルーシュ「はは、乾杯」

ルルーシュ「どうしました?今日はいつにも増してテンションが高いというか」

ロイド「それはそうだろう、何せ二年前氏んだと思っていた君と話しているんだよ?」

ロイド「……聞かせてくれるね?あの日何があったのか、君の口から」

ルルーシュ「……ええ、もちろん」

975: 2016/09/04(日) 22:35:20 ID:9CwYdqv2
ロイド「……なるほど」カラン

ロイド「ジェレミアは、その後どうなったんだい?」

ルルーシュ「分かりません、少なくとも同じ研究施設にはジェレミア卿の情報はありませんでした」

ロイド「そうか……」

ロイド「ラクシャータに、君の身体のデータは見せてもらった」

ロイド「幸いというかなんというか、僕は機械工学なら自信があってね」

ルルーシュ「ははは、そうでしょうね」

ロイド「君の身体がギアスの力で無理矢理動かされている今の状態」

ロイド「おそらくジェレミアもそうだろうけど」

ロイド「要はナイトメアと同じ仕組みだ、エネルギーさえ供給されればいい」

ロイド「人間サイズで使えるエナジーフィラーの開発は、以前僕も考えていたし」

ロイド「だから、もう自分を蔑ろにするような行動は慎むんだ」

ルルーシュ「……肝に銘じます」

978: 2016/09/04(日) 23:36:52 ID:9CwYdqv2
ロイド「不思議に思うかもしれないけど、僕は君たちが特派にくるまで」

ロイド「あまり人間を人間と思うことは無かった」

ロイド「いつからなのかは、思い出せないけど」

ロイド「……デヴァイサーをパーツとしてしか見ていなかった」

ロイド「だけど、特派に色んな人が来るようになって」

ロイド「僕は思い出した、どうしてナイトメアを作り始めたのかを」

ルルーシュ「どうしてなんですか?」

ロイド「簡単さ、僕の大切な人が氏なずに済むように、誰にも倒されない強い力が欲しかった」

ロイド「でも、それはエゴだ、今の現実を見ても」

ロイド「武器があって、人がいれば、争いは激化する」

979: 2016/09/04(日) 23:44:32 ID:9CwYdqv2

ルルーシュ「そうですね」

ルルーシュ「ギアスの力も、悪用され続け」

ルルーシュ「結果ジェレミア卿や、俺、ロロのような人間も生まれてしまった」

ロイド「ああ、例の人工ギアスの子供だね」

ロイド「本当に、過ぎた力は持つべきではないよねぇ」

ロイド「僕も大人として、君たちだけを戦わせたりしないさ」

ロイド「戦場で賭けられない分、僕らはここで賭ける」

980: 2016/09/04(日) 23:46:50 ID:9CwYdqv2
ロイド「だから、困った時は、今度はちゃんと全部話してよねぇ」

ロイド「……もう、誰かが居なくなるのは、寂しいからさぁ」

ルルーシュ「ロイドさん、酔ってます?」

ロイド「あはは、言い忘れてたけど」

ロイド「僕、お酒、強くないんだ……」グゥ

ルルーシュ「……」

ルルーシュ「部屋まで連れていこう」ヨイショ

ルルーシュ「分かっていますよ、でも」

ルルーシュ「それでも俺は、皆が傷つく方が嫌なんだ」

ロイド「……」スゥスゥ

ルルーシュ(まずは中華連邦だ、うまく事を運んで日本にいる俺が中華連邦との交渉役になれれば)

ルルーシュ(テーブルにつける、シュナイゼル、VV、そしてシャルルと繋がる席に)

981: 2016/09/04(日) 23:50:52 ID:9CwYdqv2
~客室~

セシル「ロイドさんたら、本当に困ってるんですから」

セシル「ねぇ聞いてます?ラクシャータさん」

ラクシャータ「あいよ、聞いてるってばぁ」

ラクシャータ(はぁ、ほんと変わらないわねぇ、この子も)

ラクシャータ「そういや、あんたとロイドの出会いって何なの?」

ラクシャータ「あたしは研究室に2人で来た頃からしか知らないんだけど」

セシル「出会い?出会いなんて大したものじゃないですけど」

セシル「……?」

ラクシャータ「ん?どしたの?」

セシル「あれ?私いつロイドさんに会ったんでしたっけ」

ラクシャータ「あらあら、ロイドも可哀想に」

セシル「何かあったと思うんですけどねぇ、何でしたかねぇ」ウーン

ラクシャータ「ま、思い出したら聞かせてよ」

982: 2016/09/04(日) 23:54:30 ID:9CwYdqv2
~エリア11 国際空港ロビー~

???「いやぁ、久しぶりに来たなぁ」

???「ルルーシュ、元気にしてるかな、姉さんも」

???「おっと、咲世子さんに連絡しておこう」ピピピ

マオ(マオです、今空港につきました)カチカチ

マオ(少し観光してから挨拶に行きます、2人には内緒でお願いします)カチカチ

マオ「よし、さぁて、宿に向かおうっと」

983: 2016/09/05(月) 00:01:15 ID:mOJDqg96
~特区日本 エリア境界~

係員「次の方、どうぞ」

ヴィレッタ「お願いします」

係員「扇千草さんですね?エリア11へは何のために?」

ヴィレッタ「向こうに知り合いがいるので、会いに行こうかと」

係員「なるほど、特区から出るときはブリタニアの方と揉め事を起こさないように注意してください」

係員「といっても、貴女は帰化された方でしょうから、問題ないとは思いますが」

ヴィレッタ「ええ、でもありがとうございます」

係員「いえ、良い旅を」

係員「次の方どうぞー」

ヴィレッタ(私も、ただのうのうと暮らす以外に出来ることがあるはず)

ヴィレッタ(ごめんなさい、要さん。私は自分のやるべき事を終えて)

ヴィレッタ(今度は記憶喪失の女ではなく、本当の私として)

ヴィレッタ(貴方と会いたいんです)

ヴィレッタ(……行こう、ルルーシュとCCのところに)

984: 2016/09/05(月) 00:04:51 ID:mOJDqg96
~ブリタニア本国 研究施設~

???「ほう、ついに適合者が現れたんだね」

研究員「はい、コードネームはライ、と言います」

???「ライくんか、よろしく頼むよ」

ライ「………」

???「返事が無いね」

研究員「はは、まだ眠っているんですよ」

研究員「明日にはポッドから出られるはずです」

???「ふふふ、楽しみだ」

???「次はどんな風に踊ってくれるかな?僕は楽しみで仕方ないよ」

???「ふふふ、はははははは!」

985: 2016/09/05(月) 00:16:18 ID:mOJDqg96
~ブリタニア本国 フレイヤ開発チーム 宿舎~

ニーナ「はぁ、あと少しなんだけどなぁ」

ニーナ「でも、これが完成すれば、人の争いは無くなる」

ニーナ「シュナイゼル様の言っていた通り、人を罰する機械が、今は必要よね」

ニーナ「ルルーシュ、元気にしてるかなぁ」

ニーナ「こんな仕事選んじゃったせいで、ミレイちゃんにも全然会えないし」

ニーナ「……よし、やっぱり早く完成させるしかないよね」

ニーナ「ダモクレス、人類の希望の形」

ニーナ「みんな、私、頑張るよ」

986: 2016/09/05(月) 00:22:46 ID:mOJDqg96
~エリア11 総督室~

ルルーシュ「なんだCC、起きていたのか」

CC「ああ、目が覚めてな」

ルルーシュ「嫌な夢でも見たか?」

CC「夢ならいいんだが」

ルルーシュ「……夢さ、こうして起きて話しているんだからな」

CC「なぁ、ルルーシュ」

ルルーシュ「なんだ?」

CC「私たちは、本当にVVやシュナイゼル、シャルルに」

CC「勝てるんだろうか」

ルルーシュ「勝ち負けの話で考えるなら」

ルルーシュ「勝てるさ、俺とお前なら」

ルルーシュ「いや、2人だけじゃない、俺達には助けてくれる仲間がいる」

CC「……そうだよな、すまない少し弱気になっていた」

987: 2016/09/05(月) 00:27:55 ID:mOJDqg96
ルルーシュ「マリッジブルーというやつか?」

CC「もしかしたら、そうかもな」

ルルーシュ「今日はもう遅い、早く寝てしまおう」

CC「……ああ」

CC「……なぁ、ルルーシュ」

988: 2016/09/05(月) 00:28:31 ID:mOJDqg96
ルルーシュ「今度はなんだ?」

CC「また私が怖い夢を見たら」

CC「夢の中でも、私を助けてくれるか?」

ルルーシュ「……ふん、下らない質問だ」

CC「く、下らなくない!私は本気で……」

ルルーシュ「当然だ、夢だろうとどこだろうと、俺はお前を探して救いにいく」

ルルーシュ「安心しろ」

CC「……ああ、ありがとう」

ルルーシュ「さぁ、ゆっくり眠れ、CC」

ルルーシュ「これから忙しくなる」

CC「……うん、おやすみ、ルルーシュ」

ルルーシュ「……」

989: 2016/09/05(月) 00:31:11 ID:mOJDqg96
以上!新スレ今から建てておくので、意見感想等はそちらにもどうぞ
こちらは残り埋めちゃってください、スレ建ててくれた人はごめん、悪いのは僕です。
予告編みたいになってますが、今後まだあと一人、あの子が出てきますのでお楽しみに!
さぁ、次回は結婚式編、当日まではまだ少しお話ある感じです。
それではおやすみなさい!また来週!

990: 2016/09/05(月) 00:34:41 ID:mOJDqg96

991: 2016/09/05(月) 00:42:22 ID:mOJDqg96
コテハン外れてしまってますけど、新スレは自分で立てました。紛らわしくてごめんね

998: 2016/09/08(木) 09:32:05 ID:GvMepXfI
乙!

引用: ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「……そうだな」R2