1: 2015/03/09(月) 18:44:25.79 ID:EHSxihyoo
モバP「見た目は何の変哲もない、ヘッドマウントディスプレイだな」

晶葉「ふっふっふ。これは装着した人間の脳に直接働きかけるのだ。すると」

P「すると?」

晶葉「その者が心から『苦手だ』『怖い』『克服したい』と願うシチュエーションが映像に変換され、再生される」

P「トラウマプレーヤーじゃねーか!」

晶葉「甘いぞ助手。強く願えば、映像の中での行動を変えることができる。行動が変われば……」

P「結果を、変えることができる」

晶葉「そのとおり。現実はやり直しが効かない。だから、これを使って何度も練習すればいい」

P「流石あきえもん! よーし早速、被験者を探しに行くぞ!」

アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(12) (電撃コミックスEX)

2: 2015/03/09(月) 18:45:33.99 ID:EHSxihyoo
P「おっ、あそこにいるのは……おーい」

幸子「何ですか? 今日もカワイイボクに」

P「頼む。その可愛さを見込んで、一つ協力してほしいんだが」スッ

幸子「ごついサングラスですね。まあ、カワイイボクには似合ってしまうのが怖いですが!」スチャ

晶葉「実はこれはカクカクシカジカシカクイムーブ」

幸子「弱点克服ですか……カワイイボクにそんなものがあるのか不安ですが、協力しましょう」ドヤァ


晶葉「この部屋には大画面ディスプレイがあるから、これとシミュレーターを繋ぐ。すると」

P「幸子の見ている映像を、俺達も見られるというわけか」

晶葉「準備はいいか? シミュレーターの電源を入れてくれ」

幸子「わかりました、ってウワアアア――!?」

3: 2015/03/09(月) 18:46:42.88 ID:EHSxihyoo
P「青い空、白い雲、そして急降下していく視点……」

晶葉「伝説のスカイダイビングライブの、再現というわけか」

ビュオオオ

幸子「風を切る音まで、あの時と同じじゃないですかヤダー!!」

P「あの時は、最後の最後でセットに引っかかったんだよな。
『今度は』完璧に着地するための練習だと思え」

幸子「またいつかやらせる気ですね、このカワイイボクに――!!」

晶葉「おっ、地上が見えてきた」

P「落ち着いて防寒具を脱いで、パラシュートを開くんだ。イメージイメージ」

幸子「そうですよね、落ち着けばできる。ボクはカワイイんですから……」

P「よし、ステージ衣装に着替えられたな。あとは鉄骨に注意しろ!」

幸子「はっはい……最後まできちんと指示してくださいよ!」

ストッ

幸子「ちゃんと降りられましたよ! さすがボク! 天使!!」

P「ふう。バーチャルとはいえ、すさまじい臨場感だ。手に汗握ったな」

晶葉「『今度は』上手くできそうかな、幸子」ニヤリ

幸子「勘弁して下さいよ……」ゲッソリ

4: 2015/03/09(月) 18:47:58.51 ID:EHSxihyoo
P「お次は……」

みちる「フゴフゴ! プロデューサーさん、今日もパンが美味しいです」

晶葉「被験者としては興味深い人材が来たな」

P「まあ、パンがらみだろうな……おーいみちる、カクカクシカジカシカクイムーブ」

みちる「フゴフゴフゴフゴフゴゴゴフーゴ?」


晶葉「ではスイッチオンだ。実験中は食べるのをやめて、映像に専念してくれ」

みちる「えー……」

P「えーじゃない」

みちる「ではスイッチオン……こ、これは!?」

P「東京ドームに見渡す限りのパンの山!? うえ、胸焼けしてきた……」

みちる「バラエティ番組ですね。これを食べ尽くしたらお金もらえるみたいですよ」

晶葉「これが、みちるの『怖い』と思う状況なのか? さすがに、この量は荷が重い気もするが……」

みちる「分かりました! 限界に挑戦しろということですね!」

P「味や感触まで再現されるのか?」

晶葉「そんなはずはないと思うが……人間の、思い込みの力は凄いから、あるいは……」

5: 2015/03/09(月) 18:49:29.10 ID:EHSxihyoo
1時間経過

みちる「フゴフゴフゴフゴフゴ――!!」

P「快調に飛ばしてるぞ」

晶葉「バーチャルだからな。喉に詰まることも、顎が疲れることもないんだろう」

P「ディスプレイ付けて口をモグモグさせるなよ……」


2時間経過

みちる「フゴ……フゴ……パ、パンが怖い……かも……」

P「おや、ペースが落ちてきた」

晶葉「映像を見ることで、脳の満腹中枢が騙されているのかもしれんな」


3時間経過

みちる「フゴ……ギブアップです」

P「うっぷ。俺、当分パンは見るのも嫌だ」

晶葉「無限にパンが出てくる状況は怖かったか?」

みちる「はい。パンの怖さを思い知りました!」ニコニコ

P「その割には嬉しそうだな」

みちる「ここらで一杯の熱いお茶はもっと怖いです。あっ出てきました、どうもー」ズズー

晶葉「???」

P「おーい悪用されてるぞー」

6: 2015/03/09(月) 19:32:48.37 ID:3OBQfQLJ0
饅頭こわいかw

12: 2015/03/09(月) 22:35:16.47 ID:EHSxihyoo
晶葉「そういう落語があるのか。意外と策士だな」

P「弱点どころか、いい思いをする奴も出てきそうだ。さて次っと」

美優「プロデューサーさん、お疲れ様です」ニコッ

P「美優さんを実験台に……心が痛むが……」

晶葉「年長組のデータも取っておきたい。協力を頼もう」


美優「弱点克服ですか……その、私なんて弱点だらけで、大丈夫でしょうか……」

P「強く願えば行動が変わり、結果も変わりますよ」

美優「分かりました。私、プロデューサーさんを信じてみます」

晶葉「ではスイッチオン」

13: 2015/03/09(月) 22:37:07.74 ID:EHSxihyoo
美優「あ、あの……私、こういうことするの、初めてで……良い妻になれるでしょうか……」

P「布団は一つ、枕は二つ――!? 美優さん、寝間着姿だし! てか相手は!」

晶葉「助手……だと……!?」

美優「ん……キスの仕方、これでいいんですか……」チュ

P「美優さん、もっと舌を差し込んでもいいんですよ」キリッ

晶葉「お、おい……バーチャルに介入するな」ドキドキ

美優「男の人のコレ……どう扱えばいいのかしら」

晶葉「見たことがないからか、形状が不明瞭だな」ゴクリ

P「指先で優しく、フェザータッチでお願いできますか。
特に、先っぽの筋みたいになってるところとか」

美優「は、はい、こうでしょうか」サスサス

P「ヤバイ、この実験めっちゃヤバイ」

美優「はぁはぁ……!
は、はしたないとは思うのですが、純潔を捧げるのは自分から旦那様にまたがっt」

14: 2015/03/09(月) 22:38:11.09 ID:EHSxihyoo
晶葉「ストップストーップ!!」プチッ

P「あー……いや、正直止めてくれて助かった。リアルとバーチャルがごっちゃになり始めていた」

晶葉「シミュレーターの優秀さが、イヤというほど分かったよ」

美優「この先のイメージトレーニングが、大事なのでは……」ポッ

P「俺プロデューサー貴女アイドル! 忘れましょう! お互いに!」

16: 2015/03/09(月) 23:30:57.11 ID:5UflWY6Zo
弱点とは一体・・・うごご

23: 2015/03/14(土) 07:32:56.66 ID:v6OGbpAto
P「……ふう、お待たせ」スッキリ

晶葉「長いトイレだったが、腹の調子でも悪かったのか?」

P「晶葉14歳マジピュア」


晶葉「今更ながら、泉の組んだプログラムは凄すぎる。被験者はよく選んだほうがいい」

P「さすがIQ150……おや、足元に、二つ折りにした10000円札が」

スカッ

スカッスカッ

P「……あれ? 取れない!?」

麗奈「アーッハッハッハ! 引っかかったわね、それはシールよ!」

P「(#^ω^)ビキビキ」

晶葉(あ、マジギレ……助手も大人げないなあ)

24: 2015/03/14(土) 07:35:24.24 ID:v6OGbpAto
麗奈「こ、こんな部屋に連れ込んで何をするつもりよ」

晶葉「カクカクシカジカシカクイムーブ」

麗奈「弱点ー? このレイナサマに? 面白いわ、何でもかかってらっしゃい!」スチャ

P「ん?」

晶葉「では電脳世界へダイブ!」


麗奈「ねえ晶葉。この機械、調子悪いんじゃないの?」

晶葉「おかしいな、まるで画面全体にモザイクがかかっているような……」

P「目を細めて見ると、某夢の国っぽいぞ? 千葉なのに東京を名乗っちゃうネズミーランドか?」

晶葉「だから安全のためにモザイクがかかったのか? 凄まじく嫌な予感がする。
麗奈、行動には気をつけた方がいい」

麗奈「ああもう、二人とも何ビビってるのよ? アタシは誰が相手でも、イタズラを止めないわ!」

ハハッ

麗奈「あら目の前に、世界一有名なあのネズミ(モザイク処理済み)が出てきたわ」

P「まさか……」

ヤア、ボク

麗奈「アーッハッハッハ! ここは電脳世界なんでしょ? 先制攻撃でバズーカ発射――!」

P「やめろォ――!!」

ドカーーン

25: 2015/03/14(土) 07:37:42.02 ID:v6OGbpAto
晶葉「あのネズミの頭が、木っ端微塵に吹っ飛んだぞ!」

麗奈「え、え? 何この威力、聞いてないわよ」

P「その中から人」



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28: 2015/03/14(土) 18:35:35.61 ID:v6OGbpAto
プチッ

晶葉「実験強制終了だな」

麗奈「」

P「物事を甘く見るのが、お前の弱点というわけだ。反省しろよ」

麗奈「わ、わかったわよ……次はもう少し穏便なイタズラを、世界一有名なあのアヒルに」

P「一ミリも反省してねーだろ!!」

27: 2015/03/14(土) 08:15:25.05 ID:7poEo323O
??「ハハッ麗奈ちゃんおふざけはその辺にしておこうか」(もげた頭が生えてくる音)

引用: 晶葉「出来たぞ! 弱点克服シミュレーターだ!」