290: 2018/03/18(日) 16:20:13.97 ID:IzaM8m+h0
過去スレ
シンゲキロンパ CHAPTER 01
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ【前編】
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ【中編】
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ【後編】
シンゲキロンパ CHAPTER 02
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ CHAPTER 02【前編】
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ CHAPTER 02【中編】
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ CHAPTER 02【後編】
シンゲキロンパ CHAPTER 03
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ CHAPTER 03【その1】
【ダンロン×進撃】シンゲキロンパ CHAPTER 03【その2】
CHAPTER 03
DAY 12
アルミン(翌朝、僕たちは食堂で朝食を摂っていた)
アルミン(同じテーブルにいるのは、コニー、ヒストリア、そしてアニ…)
コニー「…他の奴らはどうした?」モグモグ
ヒストリア「ライナーとベルトルトはともかく…
ミカサとジャンもいないね」
アニ「…ミカサは訓練でしょ。ジャンは知らないけど」
コニー「訓練か… 今までちょいちょい居なくなってたけど、
まさかそういう事だったとはなあ…」モグモグ
291: 2018/03/18(日) 16:45:13.47 ID:IzaM8m+h0
ヒストリア「………………」
コニー「………………」モグモグ
ヒストリア「…ねえ」
コニー「…うん?」ゴックン
ヒストリア「大丈夫なのかな、訓練…
このままだとミカサが1位になっちゃうけど…」
コニー「別にいいんじゃねーか? 結局【裏切り者】は
ライナーとベルトルトって事になったんだし…」
コニー「【裏切り者】が1位を取る心配が無くなったんだから、
むしろ俺は安心してるけどな」
コニー「………………」モグモグ
ヒストリア「…ねえ」
コニー「…うん?」ゴックン
ヒストリア「大丈夫なのかな、訓練…
このままだとミカサが1位になっちゃうけど…」
コニー「別にいいんじゃねーか? 結局【裏切り者】は
ライナーとベルトルトって事になったんだし…」
コニー「【裏切り者】が1位を取る心配が無くなったんだから、
むしろ俺は安心してるけどな」
292: 2018/03/18(日) 16:50:16.22 ID:IzaM8m+h0
アニ「…本当にそう思ってるの?」
コニー「…え?」
アニ「本当に… あいつら2人が【裏切り者】だと思ってるの?」
コニー「ど、どういう意味だよ…
だって、モノクマがそう言ってたじゃねーか」
アニ「ライナーも言ってたけど、どうしてモノクマの言う事を
そう簡単に信じるの?」
アニ「これはどう考えても、私たちにコロシアイをさせるための口実…」
アニ「つまりは動機だよ」
コニー「………………」
アニ「あいつの口車に乗せられてどうするのさ…」
コニー「…え?」
アニ「本当に… あいつら2人が【裏切り者】だと思ってるの?」
コニー「ど、どういう意味だよ…
だって、モノクマがそう言ってたじゃねーか」
アニ「ライナーも言ってたけど、どうしてモノクマの言う事を
そう簡単に信じるの?」
アニ「これはどう考えても、私たちにコロシアイをさせるための口実…」
アニ「つまりは動機だよ」
コニー「………………」
アニ「あいつの口車に乗せられてどうするのさ…」
293: 2018/03/18(日) 17:00:02.93 ID:IzaM8m+h0
アルミン「………………」
ヒストリア「…アルミン、どうしたの?
さっきから黙り込んでるけど…」
アルミン「………………」
アルミン「…やっぱりおかしいよ」
ヒストリア「…え?」
アルミン「昨日からずっと考えていたんだ…
どうしてモノクマは【裏切り者】の正体を明かしたんだろうって」
ヒストリア「それは… 今アニが言ったように、
私たちにコロシアイをさせるためじゃ…」
アルミン「もちろんそれはあるだろうけど、
それでも腑に落ちない点がいくつかあるんだ」
ヒストリア「…アルミン、どうしたの?
さっきから黙り込んでるけど…」
アルミン「………………」
アルミン「…やっぱりおかしいよ」
ヒストリア「…え?」
アルミン「昨日からずっと考えていたんだ…
どうしてモノクマは【裏切り者】の正体を明かしたんだろうって」
ヒストリア「それは… 今アニが言ったように、
私たちにコロシアイをさせるためじゃ…」
アルミン「もちろんそれはあるだろうけど、
それでも腑に落ちない点がいくつかあるんだ」
294: 2018/03/18(日) 17:15:30.32 ID:IzaM8m+h0
アルミン「まず、ライナーとベルトルトが
本当に【裏切り者】だったとして…」
アルミン「それをあの場で明かす意味って、
あんまりないと思うんだよね」
アルミン「だって、正体を明かしちゃったら…
もう【裏切り者】としては機能しなくなっちゃうから」
ヒストリア「だから、それはコロシアイを…」
アルミン「僕たちにコロシアイをさせるためだったら、
正直に【裏切り者】を明かす必要はないんだよ」
アルミン「僕がモノクマだったら、全く別の人物の名前を言うと思う」
アルミン「真の【裏切り者】の正体は言わずに…」
本当に【裏切り者】だったとして…」
アルミン「それをあの場で明かす意味って、
あんまりないと思うんだよね」
アルミン「だって、正体を明かしちゃったら…
もう【裏切り者】としては機能しなくなっちゃうから」
ヒストリア「だから、それはコロシアイを…」
アルミン「僕たちにコロシアイをさせるためだったら、
正直に【裏切り者】を明かす必要はないんだよ」
アルミン「僕がモノクマだったら、全く別の人物の名前を言うと思う」
アルミン「真の【裏切り者】の正体は言わずに…」
295: 2018/03/18(日) 17:20:09.47 ID:IzaM8m+h0
ヒストリア「…えっ?」
コニー「…?」
アニ「………………」
アルミン「………………」
ヒストリア「そ、それってつまり…」
コニー「…?」
アニ「………………」
アルミン「………………」
ヒストリア「そ、それってつまり…」
296: 2018/03/18(日) 17:25:03.69 ID:IzaM8m+h0
ヒストリア「あの2人以外に真の【裏切り者】がいるってこと…?」
298: 2018/03/25(日) 16:25:17.46 ID:CvI3+c0k0
アルミン「…そう考えればしっくりくるんだ」
アルミン「そもそも、【裏切り者】っていうのは
モノクマ側の人間を指すんだろうけど…」
アルミン「あの2人は… モノクマと
敵対しているようにしか見えなかった」
アニ「………………」
アルミン「つまり、ライナーとベルトルトは
【裏切り者】なんかじゃなくて…」
アルミン「【裏切り者】の濡れ衣を
着せられただけなんじゃないかな」
アルミン「真の【裏切り者】の存在を隠すために…」
アルミン「そもそも、【裏切り者】っていうのは
モノクマ側の人間を指すんだろうけど…」
アルミン「あの2人は… モノクマと
敵対しているようにしか見えなかった」
アニ「………………」
アルミン「つまり、ライナーとベルトルトは
【裏切り者】なんかじゃなくて…」
アルミン「【裏切り者】の濡れ衣を
着せられただけなんじゃないかな」
アルミン「真の【裏切り者】の存在を隠すために…」
299: 2018/03/25(日) 16:45:07.77 ID:CvI3+c0k0
コニー「…? え、えーっと…」
アルミン「…モノクマにとっては一石二鳥の作戦だよ」
アルミン「真の【裏切り者】の存在を
僕らの目から遠ざけられる上に…」
アルミン「僕たちを疑心暗鬼にさせ、仲間割れさせる事で、
コロシアイが起きやすい状況を作り上げる…」
アルミン「…今の状況のようにね」
アルミン「…モノクマにとっては一石二鳥の作戦だよ」
アルミン「真の【裏切り者】の存在を
僕らの目から遠ざけられる上に…」
アルミン「僕たちを疑心暗鬼にさせ、仲間割れさせる事で、
コロシアイが起きやすい状況を作り上げる…」
アルミン「…今の状況のようにね」
300: 2018/03/25(日) 16:50:09.46 ID:CvI3+c0k0
ヒストリア「そ、そんな… それじゃあ、私たちは…」
ヒストリア「まんまとモノクマの策略に乗せられてたって事…?」
アニ「…だから、最初からそう言ってるでしょ」
アニ「あんなに凝った小道具まで作って…
本当に悪趣味なやつだよ」
コニー「こ、小道具…?」
アニ「どこかの誰かが大騒ぎしてた例の本さ」
ヒストリア「まんまとモノクマの策略に乗せられてたって事…?」
アニ「…だから、最初からそう言ってるでしょ」
アニ「あんなに凝った小道具まで作って…
本当に悪趣味なやつだよ」
コニー「こ、小道具…?」
アニ「どこかの誰かが大騒ぎしてた例の本さ」
301: 2018/03/25(日) 17:00:11.61 ID:CvI3+c0k0
九つの巨人
302: 2018/03/25(日) 17:05:25.60 ID:CvI3+c0k0
コニー「ま、まさか… あれもモノクマが仕組んだってのか?」
アニ「…他に誰がやるのさ」
コニー「…!!」
アニ「あんなデタラメを真に受けた誰かさんが
大声で喚き散らしたおかげで…」
アニ「何の関係もないライナーとベルトルトは
私たちから孤立してしまった」
アルミン「………………」
アニ「まったく… もう少し冷静に考えて行動してほしいね」
アニ「…他に誰がやるのさ」
コニー「…!!」
アニ「あんなデタラメを真に受けた誰かさんが
大声で喚き散らしたおかげで…」
アニ「何の関係もないライナーとベルトルトは
私たちから孤立してしまった」
アルミン「………………」
アニ「まったく… もう少し冷静に考えて行動してほしいね」
303: 2018/03/25(日) 17:15:20.35 ID:CvI3+c0k0
カチャ
アニ「…ごちそうさま」
コニー「ん? まだ半分くらい残ってるじゃねえか」
アニ「あんまりお腹減ってなくて」
ヒストリア「大丈夫?」
アニ「いつものことだよ。私、朝は弱いから」
アルミン「………………」
アニ「じゃあね」
アニ「…ごちそうさま」
コニー「ん? まだ半分くらい残ってるじゃねえか」
アニ「あんまりお腹減ってなくて」
ヒストリア「大丈夫?」
アニ「いつものことだよ。私、朝は弱いから」
アルミン「………………」
アニ「じゃあね」
304: 2018/03/25(日) 17:30:04.07 ID:CvI3+c0k0
― 訓練所 ―
アルミン「アニ!」
アニ「…アルミン?」
アルミン「はあ……はあ……」
アニ「どうしたの? まだ朝食食べてたでしょ?」
アルミン「…追いかけてきたんだ、アニを」
アルミン「アニ!」
アニ「…アルミン?」
アルミン「はあ……はあ……」
アニ「どうしたの? まだ朝食食べてたでしょ?」
アルミン「…追いかけてきたんだ、アニを」
305: 2018/03/25(日) 17:40:06.00 ID:CvI3+c0k0
アルミン「これからどこに行くの?」
アニ「ライナーとベルトルトのところだよ。
無茶してないか心配だからね」
アルミン「………………」
アニ「…何? 何か言いたそうな顔だけど」
アルミン「…いや、別に」
アニ「…まあいいや。私もあんたに聞きたい事があったんだよね」
アニ「ライナーとベルトルトのところだよ。
無茶してないか心配だからね」
アルミン「………………」
アニ「…何? 何か言いたそうな顔だけど」
アルミン「…いや、別に」
アニ「…まあいいや。私もあんたに聞きたい事があったんだよね」
306: 2018/03/25(日) 17:45:06.77 ID:CvI3+c0k0
アルミン「…聞きたい事?」
アニ「さっき食堂でしてた話だけど…
あんた、肝心な事を話してなかったよね」
アルミン「…え?」
アニ「真の【裏切り者】は誰なのか…って事だよ」
アルミン「………………」
アニ「さっき食堂でしてた話だけど…
あんた、肝心な事を話してなかったよね」
アルミン「…え?」
アニ「真の【裏切り者】は誰なのか…って事だよ」
アルミン「………………」
307: 2018/03/25(日) 17:55:14.00 ID:CvI3+c0k0
アニ「もし、あんたの言う通り、ライナーとベルトルトが
【裏切り者】の汚名を着せられただけで…」
アニ「真の【裏切り者】が他にいるとしたら…
それは誰だと思ってるの?」
アルミン「………………」
アニ「何の考えも無しに、あんな話をした訳じゃないんでしょ?」
アルミン「………………」
アルミン「真の【裏切り者】は…」
【裏切り者】の汚名を着せられただけで…」
アニ「真の【裏切り者】が他にいるとしたら…
それは誰だと思ってるの?」
アルミン「………………」
アニ「何の考えも無しに、あんな話をした訳じゃないんでしょ?」
アルミン「………………」
アルミン「真の【裏切り者】は…」
308: 2018/03/25(日) 18:00:07.44 ID:CvI3+c0k0
アルミン「アニじゃないかと思ってる」
311: 2018/04/01(日) 06:50:06.06 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」
アニ「…私?」
アルミン「………………」
アニ「私が真の【裏切り者】だって… そう言ってるの?」
アニ「私がモノクマと通じてるって…?」
アルミン「…うん」
アニ「…私?」
アルミン「………………」
アニ「私が真の【裏切り者】だって… そう言ってるの?」
アニ「私がモノクマと通じてるって…?」
アルミン「…うん」
312: 2018/04/01(日) 06:55:06.57 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」
アニ「…あはっ」
アニ「あはははははははははははははははっ!!」
アルミン「…!?」
アニ「すごいねアルミン… あんたって奴は」
アニ「まさかここまでとは思わなかったよ…」
アニ「…あはっ」
アニ「あはははははははははははははははっ!!」
アルミン「…!?」
アニ「すごいねアルミン… あんたって奴は」
アニ「まさかここまでとは思わなかったよ…」
313: 2018/04/01(日) 07:00:08.94 ID:lauY8/fN0
アルミン「アニ、それじゃあ…」
アニ「まったく… 傷つくよ」
アルミン「…!」
アニ「一体… いつから」
アニ「アルミン… あんたは私を
そんな目で見るようになったの?」
アニ「まったく… 傷つくよ」
アルミン「…!」
アニ「一体… いつから」
アニ「アルミン… あんたは私を
そんな目で見るようになったの?」
314: 2018/04/01(日) 07:05:06.81 ID:lauY8/fN0
アルミン「……3日前の夜」
アニ「…え?」
アルミン「見たんだ、僕…」
アルミン「君が、ライナーとベルトルトと…」
アルミン「訓練所の隅で話しているのを…」
アニ「…え?」
アルミン「見たんだ、僕…」
アルミン「君が、ライナーとベルトルトと…」
アルミン「訓練所の隅で話しているのを…」
315: 2018/04/01(日) 07:10:07.75 ID:lauY8/fN0
ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
【女型】が狙われる可能性もある』
ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』
ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』
316: 2018/04/01(日) 07:15:28.80 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」
アニ「…そう、あれを聞いたんだ」
アルミン「…うん」
アニ「………………」
アルミン「安心して。この事はまだ誰にも話してないから」
アニ「…そう、あれを聞いたんだ」
アルミン「…うん」
アニ「………………」
アルミン「安心して。この事はまだ誰にも話してないから」
317: 2018/04/01(日) 09:55:09.24 ID:lauY8/fN0
アニ「…それで、望みは何?」
アルミン「…え?」
アニ「私を脅しに来たんでしょ? 何をしてほしいの?」
アルミン「いや、そういう訳じゃなくて…」
アニ「じゃあ、この場でその話を打ち明けた理由は何?」
アルミン「それは…」
アニ「………………」
アルミン「…え?」
アニ「私を脅しに来たんでしょ? 何をしてほしいの?」
アルミン「いや、そういう訳じゃなくて…」
アニ「じゃあ、この場でその話を打ち明けた理由は何?」
アルミン「それは…」
アニ「………………」
318: 2018/04/01(日) 10:05:27.46 ID:lauY8/fN0
ガッ
アルミン「…!!」
アニ「あんたさぁ… 一体どういうつもり?」
アニ「あの場面を盗み見て、私を脅すでもなく
ノコノコとこの場にやって来て…」
アニ「馬鹿なの? 口封じに殺されるとは思わなかった?」
アルミン「ア、アニは… そんな事しないだろ…!」
アニ「あんたに私の何がわかるの?
出会って10日くらいしか経ってないのに…」
アニ「私がそんなに良い人に見えた?」
アルミン「…!!」
アニ「あんたさぁ… 一体どういうつもり?」
アニ「あの場面を盗み見て、私を脅すでもなく
ノコノコとこの場にやって来て…」
アニ「馬鹿なの? 口封じに殺されるとは思わなかった?」
アルミン「ア、アニは… そんな事しないだろ…!」
アニ「あんたに私の何がわかるの?
出会って10日くらいしか経ってないのに…」
アニ「私がそんなに良い人に見えた?」
319: 2018/04/01(日) 10:15:14.70 ID:lauY8/fN0
アルミン「い、良い人…?」
アルミン「そ、その言い方は… あまり好きじゃない…」
アニ「…え?」
アルミン「だって、それって…」
アルミン「自分にとって都合の良い人のことを…
そう呼んでいるだけじゃないか…!」
アニ「…っ!」
アルミン「そ、その言い方は… あまり好きじゃない…」
アニ「…え?」
アルミン「だって、それって…」
アルミン「自分にとって都合の良い人のことを…
そう呼んでいるだけじゃないか…!」
アニ「…っ!」
320: 2018/04/01(日) 10:20:26.92 ID:lauY8/fN0
アルミン『良い人か…』
アルミン『それは… その言い方は僕はあまり好きじゃないんだ』
アルミン『だってそれって… 自分にとって都合の良い人のことを
そう呼んでいるだけのような気がするから』
アニ『……』
アルミン『すべての人にとって都合の良い人なんていないと思う』
アルミン『誰かの役に立っても他の誰かにとっては
悪い人になっているかもしれないし…』
アルミン『だから… アニがこの話に乗ってくれなかったら…』
321: 2018/04/01(日) 10:25:30.29 ID:lauY8/fN0
アルミン『アニは僕にとって悪い人になるね…』
322: 2018/04/01(日) 10:30:18.70 ID:lauY8/fN0
ドサッ
アルミン「うっ… ゲホッ! ゲホッ!」
アニ「………………」
アルミン「アニ… 僕はただ…」
アルミン「君の力になりたいだけなんだ…」
アルミン「良い人でも悪い人でもなく… 1人の仲間として…」
アニ「………………」
アルミン「うっ… ゲホッ! ゲホッ!」
アニ「………………」
アルミン「アニ… 僕はただ…」
アルミン「君の力になりたいだけなんだ…」
アルミン「良い人でも悪い人でもなく… 1人の仲間として…」
アニ「………………」
323: 2018/04/01(日) 10:35:09.95 ID:lauY8/fN0
アニ「……もう少し早く言ってほしかったよ」
アルミン「…え?」
アニ「…何でもない」
アニ「とにかく、アルミン… あんたの気持ちはよくわかった」
アニ「だけど、これはあくまで私たちの問題だから…
あんたの力を借りるわけにはいかない」
アニ「気持ちだけ受け取っておくよ」
アルミン「…え?」
アニ「…何でもない」
アニ「とにかく、アルミン… あんたの気持ちはよくわかった」
アニ「だけど、これはあくまで私たちの問題だから…
あんたの力を借りるわけにはいかない」
アニ「気持ちだけ受け取っておくよ」
324: 2018/04/01(日) 10:40:28.53 ID:lauY8/fN0
ギュッ…
アルミン「…!? ちょ、ちょっ… アニ…!?」
アニ「――――――」
アルミン「…!!」
アニ「アルミン… おかげで少し気が楽になったよ」
アニ「ありがとう…」
アルミン「う、うん…」
アルミン「…!? ちょ、ちょっ… アニ…!?」
アニ「――――――」
アルミン「…!!」
アニ「アルミン… おかげで少し気が楽になったよ」
アニ「ありがとう…」
アルミン「う、うん…」
325: 2018/04/01(日) 10:45:10.70 ID:lauY8/fN0
バッ
アニ「………………」
アルミン「………………」
アニ「…ごめんね、急に抱き着いたりして」
アルミン「い、いや、別に…」
アニ「じゃあ、また」
アニ「………………」
アルミン「………………」
アニ「…ごめんね、急に抱き着いたりして」
アルミン「い、いや、別に…」
アニ「じゃあ、また」
329: 2018/04/08(日) 06:05:22.81 ID:fdspCi7l0
― 大浴場 ―
アニ「…来たね」
アルミン「………………」
アニ「尾けられてない?」
アルミン「大丈夫…だと思う」
アニ「…そう」
アニ「…来たね」
アルミン「………………」
アニ「尾けられてない?」
アルミン「大丈夫…だと思う」
アニ「…そう」
330: 2018/04/08(日) 06:10:11.79 ID:fdspCi7l0
アルミン(アニと訓練所で別れた後、僕は大浴場に来ていた)
アルミン(彼女と再び話をするために…)
アニ『1時間後に大浴場に来て。そこで全て話す』
アルミン(訓練所で僕に抱き着いたアニは、耳元でそう囁いた)
アルミン(僕はその言葉を信じて、アニに従ったのだ)
アルミン(彼女と再び話をするために…)
アニ『1時間後に大浴場に来て。そこで全て話す』
アルミン(訓練所で僕に抱き着いたアニは、耳元でそう囁いた)
アルミン(僕はその言葉を信じて、アニに従ったのだ)
331: 2018/04/08(日) 06:15:14.30 ID:fdspCi7l0
アルミン「…でも、どうして場所を変えたの?」
アニ「あそこだと誰の目があるかわからないからね。
誰かさんにも秘密の会話を聞かれたし」
アルミン「だからって、なんで大浴場に…」
アニ「この時間に風呂に入るやつなんていないでしょ」
アルミン「………………」
アニ「あそこだと誰の目があるかわからないからね。
誰かさんにも秘密の会話を聞かれたし」
アルミン「だからって、なんで大浴場に…」
アニ「この時間に風呂に入るやつなんていないでしょ」
アルミン「………………」
332: 2018/04/08(日) 06:20:24.19 ID:fdspCi7l0
アニ「…さて、本題に入ろうか」
アルミン(アニはそう言うと、ゆっくりと歩み寄ってきた)
アルミン(下を向いて息を吐き、意を決したように僕の目をのぞき込む)
アニ「…はじめに聞かせてほしいんだけど」
アルミン「…?」
アニ「訓練所であんたが言った言葉… あれは本心?」
アルミン(アニはそう言うと、ゆっくりと歩み寄ってきた)
アルミン(下を向いて息を吐き、意を決したように僕の目をのぞき込む)
アニ「…はじめに聞かせてほしいんだけど」
アルミン「…?」
アニ「訓練所であんたが言った言葉… あれは本心?」
333: 2018/04/08(日) 06:25:26.05 ID:fdspCi7l0
アルミン『アニ… 僕はただ…』
アルミン『君の力になりたいだけなんだ…』
アルミン『良い人でも悪い人でもなく… 1人の仲間として…』
アルミン「…うん、本心だよ」
アニ「本当に私の力になってくれるの?」
アルミン「うん」
アニ「これから私が打ち明ける話を聞いても?」
アルミン「それは…」
アニ「………………」
アルミン「…話の内容によるかな」
アニ「…それもそうだね」
334: 2018/04/08(日) 06:30:10.37 ID:fdspCi7l0
アルミン(アニは少しだけ笑って下を向いた)
アニ「………………」
アルミン(それからしばらく、アニは何も話さなかった)
アルミン(伏目になり、髪を耳にかける動作を何回も繰り返している)
アルミン「………………」
アルミン(僕はただ黙って、アニの言葉を待った)
アニ「………………」
アルミン(それからしばらく、アニは何も話さなかった)
アルミン(伏目になり、髪を耳にかける動作を何回も繰り返している)
アルミン「………………」
アルミン(僕はただ黙って、アニの言葉を待った)
335: 2018/04/08(日) 06:35:25.08 ID:fdspCi7l0
アニ「………………」
アニ「…結論から言うね」
アルミン「………………」
アニ「結論から言うと…
あんたの予想は半分当たってて、半分外れてる」
アルミン「半分…?」
アニ「当たってる方の半分は… あんたが盗み聞きした会話のこと」
アニ「…結論から言うね」
アルミン「………………」
アニ「結論から言うと…
あんたの予想は半分当たってて、半分外れてる」
アルミン「半分…?」
アニ「当たってる方の半分は… あんたが盗み聞きした会話のこと」
336: 2018/04/08(日) 06:40:12.98 ID:fdspCi7l0
ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
【女型】が狙われる可能性もある』
ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』
ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』
337: 2018/04/08(日) 06:45:09.12 ID:fdspCi7l0
アルミン「それじゃあ…!」
アニ「…そう」
アニ「私の正体は女型の巨人…」
アニ「ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…」
アニ「大勢の人たちの命を奪った」
アニ「…そう」
アニ「私の正体は女型の巨人…」
アニ「ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…」
アニ「大勢の人たちの命を奪った」
340: 2018/04/15(日) 09:10:04.68 ID:v2mDp9T10
アルミン「…!!」
アニ「………………」
アルミン「『ライナーとベルトルトと一緒に』って事は…」
アニ「…そう、ライナーは鎧の巨人で、ベルトルトは超大型巨人」
アニ「だから、モノクマの言っている事は事実なんだ」
アニ「………………」
アルミン「『ライナーとベルトルトと一緒に』って事は…」
アニ「…そう、ライナーは鎧の巨人で、ベルトルトは超大型巨人」
アニ「だから、モノクマの言っている事は事実なんだ」
341: 2018/04/15(日) 09:30:09.61 ID:v2mDp9T10
アルミン「だ、だけど… あの時の襲撃に女型の巨人なんて…」
アニ「…忘れた? あの本に書かれていた女型の巨人の説明」
② 女型の巨人
汎用性に優れた巨人。
高い機動力と持続力に加え、硬質化能力も併せ持つ。
範囲は狭いが『無垢の巨人』を呼び寄せることができる。
アニ「女型の巨人は『無垢の巨人』…
つまり九つの巨人以外の巨人たちを呼び寄せることができる」
アニ「私はその能力を使って、島の巨人たちを引き付けながら
壁に近づいた」
アニ「そして壁に到達すると… ライナーとベルトルトが
壁を破壊して、その騒動に紛れる形で壁内に潜入した」
アニ「…忘れた? あの本に書かれていた女型の巨人の説明」
② 女型の巨人
汎用性に優れた巨人。
高い機動力と持続力に加え、硬質化能力も併せ持つ。
範囲は狭いが『無垢の巨人』を呼び寄せることができる。
アニ「女型の巨人は『無垢の巨人』…
つまり九つの巨人以外の巨人たちを呼び寄せることができる」
アニ「私はその能力を使って、島の巨人たちを引き付けながら
壁に近づいた」
アニ「そして壁に到達すると… ライナーとベルトルトが
壁を破壊して、その騒動に紛れる形で壁内に潜入した」
342: 2018/04/15(日) 10:40:36.05 ID:v2mDp9T10
アルミン「じゃあ、あの本に書かれている内容も…」
アニ「事実さ。少なくとも、私の知見とは【完全に一致してる】」
アルミン「それなら、僕たちは…」
アニ「パラディ島に逃れたエルディア人の子孫さ」
アニ「そして、私たち3人は、その中に潜む【始祖の巨人】を
奪還するために送り込まれたマーレという国の戦士…」
アニ「…大陸側に残ったエルディア人の末裔なんだよ」
アニ「事実さ。少なくとも、私の知見とは【完全に一致してる】」
アルミン「それなら、僕たちは…」
アニ「パラディ島に逃れたエルディア人の子孫さ」
アニ「そして、私たち3人は、その中に潜む【始祖の巨人】を
奪還するために送り込まれたマーレという国の戦士…」
アニ「…大陸側に残ったエルディア人の末裔なんだよ」
343: 2018/04/15(日) 10:55:19.47 ID:v2mDp9T10
アルミン「………………」
アニ「…あの本はどこまで読んだの?」
アルミン「大体は目を通したよ」
アルミン「だから、エルディアとかマーレとかパラディ島とか…
それらの名前が何を指しているかくらいはわかってる」
アルミン「アニたちが【始祖の巨人】を取り戻そうとしている理由も、
巨人の力を所有するマーレの国力を確固たるものにするため…だよね」
アニ「…すごいね、アルミン。ただでさえ突飛な内容なのに、
もうそこまで読み取ったの?」
アルミン「うん… でも、何ていうか… 現実味がないんだよね」
アルミン「まるで、おとぎ話を読んでいるみたいで…」
アニ「…あの本はどこまで読んだの?」
アルミン「大体は目を通したよ」
アルミン「だから、エルディアとかマーレとかパラディ島とか…
それらの名前が何を指しているかくらいはわかってる」
アルミン「アニたちが【始祖の巨人】を取り戻そうとしている理由も、
巨人の力を所有するマーレの国力を確固たるものにするため…だよね」
アニ「…すごいね、アルミン。ただでさえ突飛な内容なのに、
もうそこまで読み取ったの?」
アルミン「うん… でも、何ていうか… 現実味がないんだよね」
アルミン「まるで、おとぎ話を読んでいるみたいで…」
347: 2018/04/22(日) 08:10:37.89 ID:1qsJDujk0
アニ「……現実味がない、か」
アルミン「…え?」
アニ「…いや、無理もないよ」
アニ「結局、私たちは箱の中の猫だからね。
箱を開けてみなければ、その中の猫の生氏はわからない」
アニ「…いや、もしかすると、はじめから
箱の中に猫なんていないのかもしれない」
アニ「それがわかるのは、箱を開けた人間だけ…」
アルミン「…え?」
アニ「…いや、無理もないよ」
アニ「結局、私たちは箱の中の猫だからね。
箱を開けてみなければ、その中の猫の生氏はわからない」
アニ「…いや、もしかすると、はじめから
箱の中に猫なんていないのかもしれない」
アニ「それがわかるのは、箱を開けた人間だけ…」
348: 2018/04/22(日) 08:20:16.32 ID:1qsJDujk0
アルミン「…アニ?」
アニ「…ああ、ごめん。話が逸れたね」
アルミン「………………」
アニ「とにかく… 今の私に言えるのはこれだけだよ」
アニ「あの本の内容は真実で、私たち3人の正体は巨人…」
アニ「あんたらは、かつてフリッツ王と共にパラディ島へと逃れた
エルディア人の子孫で、世界中の憎まれ者…」
アニ「私たちは、フリッツ王と袂を分かち、かつてエルディア人が犯した
罪を償うためにマーレに残ったエルディア人の末裔…」
アニ「私たち3人は、その贖罪の一環として
【始祖の巨人】を取り戻すために送り込まれたマーレの戦士…」
アニ「…ああ、ごめん。話が逸れたね」
アルミン「………………」
アニ「とにかく… 今の私に言えるのはこれだけだよ」
アニ「あの本の内容は真実で、私たち3人の正体は巨人…」
アニ「あんたらは、かつてフリッツ王と共にパラディ島へと逃れた
エルディア人の子孫で、世界中の憎まれ者…」
アニ「私たちは、フリッツ王と袂を分かち、かつてエルディア人が犯した
罪を償うためにマーレに残ったエルディア人の末裔…」
アニ「私たち3人は、その贖罪の一環として
【始祖の巨人】を取り戻すために送り込まれたマーレの戦士…」
349: 2018/04/22(日) 08:25:43.20 ID:1qsJDujk0
アニ「…わかる? あんたらにとっては
私たちが【裏切り者】に見えるだろうけど…」
アニ「私たちにとっては… あんたらこそが【裏切り者】なんだよ。
少なくとも、私たちは大人からそう教わった」
アニ「立場によって誰が【裏切り者】なのかは変わるんだ」
アニ「…それだけは忘れないで」
アルミン「………………」
私たちが【裏切り者】に見えるだろうけど…」
アニ「私たちにとっては… あんたらこそが【裏切り者】なんだよ。
少なくとも、私たちは大人からそう教わった」
アニ「立場によって誰が【裏切り者】なのかは変わるんだ」
アニ「…それだけは忘れないで」
アルミン「………………」
350: 2018/04/22(日) 08:40:28.00 ID:1qsJDujk0
アニ「…でも、立場の是非について
今ここで議論するつもりはないよ」
アニ「今はもっと話さなきゃいけない事がある…」
アニ「私たちにとっても、あんたらにとっても…
想定外の事が起きているからね」
アルミン「…それって、ここでの生活のこと?」
アニ「…そう。その事に関しては、私たちもあんたらも状況は同じ」
アニ「同じ入団式で急に意識を失って、
気が付いたらこの施設に閉じ込めれていて…」
アニ「モノクマを名乗る何者かに頃し合いを強要されている」
今ここで議論するつもりはないよ」
アニ「今はもっと話さなきゃいけない事がある…」
アニ「私たちにとっても、あんたらにとっても…
想定外の事が起きているからね」
アルミン「…それって、ここでの生活のこと?」
アニ「…そう。その事に関しては、私たちもあんたらも状況は同じ」
アニ「同じ入団式で急に意識を失って、
気が付いたらこの施設に閉じ込めれていて…」
アニ「モノクマを名乗る何者かに頃し合いを強要されている」
351: 2018/04/22(日) 09:10:22.46 ID:1qsJDujk0
アニ「…これが外れてる方の半分」
アニ「私がモノクマと通じてるっていう、あんたの予想」
アルミン「………………」
アニ「私は真の【裏切り者】なんかじゃない」
アニ「あんたらと同じ… この監禁事件の被害者なんだよ」
アニ「私がモノクマと通じてるっていう、あんたの予想」
アルミン「………………」
アニ「私は真の【裏切り者】なんかじゃない」
アニ「あんたらと同じ… この監禁事件の被害者なんだよ」
352: 2018/04/22(日) 09:15:41.15 ID:1qsJDujk0
アルミン「でも、それならどうして…
アニはモノクマに名指しされなかったの?」
アルミン「君もあの2人と同じなのにどうして…」
モノクマ『ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーです』
アニはモノクマに名指しされなかったの?」
アルミン「君もあの2人と同じなのにどうして…」
モノクマ『ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーです』
353: 2018/04/22(日) 09:40:12.61 ID:1qsJDujk0
アニ「おそらくだけど… あいつは
私たち3人の仲間割れを狙ったんだと思う」
アルミン「えっ…?」
アニ「今あんたが言ったことは、
ライナーとベルトルトも感じていたんじゃないか…ってね」
アニ「あの2人から直接聞いたり言われたりした訳じゃないけど…」
アニ「…あの一件以来、どうにも避けられているような気がするんだ」
私たち3人の仲間割れを狙ったんだと思う」
アルミン「えっ…?」
アニ「今あんたが言ったことは、
ライナーとベルトルトも感じていたんじゃないか…ってね」
アニ「あの2人から直接聞いたり言われたりした訳じゃないけど…」
アニ「…あの一件以来、どうにも避けられているような気がするんだ」
354: 2018/04/22(日) 12:25:15.49 ID:1qsJDujk0
アルミン「避けられているって… アニが?
ライナーとベルトルトに?」
アニ「…そう」
アニ「あんたが覗き見したあの日から… 私たちは毎晩、
こっそり集まって話し合いをしていたんだ」
アニ「…まあ、毎晩と言ってもまだ2回しかやってないけどね」
アニ「昨日の夜に3回目をやるはずだったんだけど…
私にはお声が掛からなかったんだ」
ライナーとベルトルトに?」
アニ「…そう」
アニ「あんたが覗き見したあの日から… 私たちは毎晩、
こっそり集まって話し合いをしていたんだ」
アニ「…まあ、毎晩と言ってもまだ2回しかやってないけどね」
アニ「昨日の夜に3回目をやるはずだったんだけど…
私にはお声が掛からなかったんだ」
355: 2018/04/22(日) 12:40:24.44 ID:1qsJDujk0
アニ「モノクマがあいつらを【裏切り者】として
名指ししたのが昨日…」
アニ「…私には、あの一件で
あいつらの心境に変化が生じたとしか思えない」
アニ「“なぜ自分たちだけが名指しされて、
同じ『九つの巨人』を持つアニの名が呼ばれなかったのか…”」
アニ「“もしかして、アニはモノクマと通じているんじゃないか…”」
アニ「…そんな疑念を抱いたとしか思えないんだ」
名指ししたのが昨日…」
アニ「…私には、あの一件で
あいつらの心境に変化が生じたとしか思えない」
アニ「“なぜ自分たちだけが名指しされて、
同じ『九つの巨人』を持つアニの名が呼ばれなかったのか…”」
アニ「“もしかして、アニはモノクマと通じているんじゃないか…”」
アニ「…そんな疑念を抱いたとしか思えないんだ」
356: 2018/04/22(日) 12:45:08.99 ID:1qsJDujk0
アルミン「つまり、モノクマのあの発表は、
ライナーたちと僕らの仲を切り裂く事だけが目的じゃなくて…」
アルミン「ライナーたちの間でも
仲間割れを起こさせるのが目的だった…っていう事?」
アニ「…私にはそうとしか考えられない」
アニ「悔しいけど… 完全にやられたよ」
アニ「おかげでライナーとベルトルトは孤立して、
私もライナーたちやあんたから疑念の目を向けられた」
アニ「コロシアイが起きやすい状況を作るという
あいつの策略にまんまとハマってしまったんだ」
ライナーたちと僕らの仲を切り裂く事だけが目的じゃなくて…」
アルミン「ライナーたちの間でも
仲間割れを起こさせるのが目的だった…っていう事?」
アニ「…私にはそうとしか考えられない」
アニ「悔しいけど… 完全にやられたよ」
アニ「おかげでライナーとベルトルトは孤立して、
私もライナーたちやあんたから疑念の目を向けられた」
アニ「コロシアイが起きやすい状況を作るという
あいつの策略にまんまとハマってしまったんだ」
357: 2018/04/22(日) 12:55:51.63 ID:1qsJDujk0
アルミン「コロシアイ…」
アルミン「コロシアイが… 起きやすい状況…」
エレン『おい…ミーナ…』
ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』
ユミル『……ウ……ァ……』
サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん~~~~!!!!』
アルミン「そんなの駄目だ…!」
アルミン「あんな悲劇は… もう…!」
アルミン「コロシアイが… 起きやすい状況…」
エレン『おい…ミーナ…』
ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』
ユミル『……ウ……ァ……』
サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん~~~~!!!!』
アルミン「そんなの駄目だ…!」
アルミン「あんな悲劇は… もう…!」
358: 2018/04/22(日) 13:00:52.86 ID:1qsJDujk0
アニ「…アルミン、私に力を貸してほしい」
アルミン「アニ…」
アニ「私たち3人がやったこと…
あんたにも思うところはあると思う」
アニ「私たちの立場、あんたらの立場…
ここで語り尽くせない思いはお互いにある」
アニ「だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい」
アニ「目の前の脅威からみんなを守るために…」
アルミン「………………」
アニ「アルミン… どうか私に力を貸して」
アルミン「アニ…」
アニ「私たち3人がやったこと…
あんたにも思うところはあると思う」
アニ「私たちの立場、あんたらの立場…
ここで語り尽くせない思いはお互いにある」
アニ「だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい」
アニ「目の前の脅威からみんなを守るために…」
アルミン「………………」
アニ「アルミン… どうか私に力を貸して」
359: 2018/04/22(日) 13:05:31.96 ID:1qsJDujk0
アルミン「………………」
アルミン「…わかった」
アニ「…!」
アルミン「力を貸すよ。断る理由があるもんか」
アニ「アルミン…」
アニ「…ありがとう」
アルミン「…わかった」
アニ「…!」
アルミン「力を貸すよ。断る理由があるもんか」
アニ「アルミン…」
アニ「…ありがとう」
360: 2018/04/22(日) 13:10:15.92 ID:1qsJDujk0
アルミン「…それで、これからどうする?」
アニ「うん… まずはあの2人に会いに行こう」
アルミン「あの2人って…」
アニ「ライナーとベルトルトさ」
アニ「この状況を打ち破るには… あいつらの力も必要だからね」
アニ「うん… まずはあの2人に会いに行こう」
アルミン「あの2人って…」
アニ「ライナーとベルトルトさ」
アニ「この状況を打ち破るには… あいつらの力も必要だからね」
363: 2018/04/29(日) 06:20:23.23 ID:bT3kFqUr0
― 研究開発所 ―
アルミン(僕たちがやって来たのは、
今回新しく開放された建物だった)
ヒストリア『色んな部品や機械が置いてあって…
作業場…? いや、研究開発所みたいな…』
アルミン『何かを作る場所ってこと?』
ヒストリア『うん、そんな感じかな。
作りかけの装置なんかも結構あったから』
アルミン(ヒストリアが言っていたように、
中にはおびただしい数の機械や装置類があった)
アルミン(見覚えのあるものから、まったく使い途のわからないものまで、
様々な物体がごちゃまぜになって散乱している)
アルミン(僕たちがやって来たのは、
今回新しく開放された建物だった)
ヒストリア『色んな部品や機械が置いてあって…
作業場…? いや、研究開発所みたいな…』
アルミン『何かを作る場所ってこと?』
ヒストリア『うん、そんな感じかな。
作りかけの装置なんかも結構あったから』
アルミン(ヒストリアが言っていたように、
中にはおびただしい数の機械や装置類があった)
アルミン(見覚えのあるものから、まったく使い途のわからないものまで、
様々な物体がごちゃまぜになって散乱している)
364: 2018/04/29(日) 06:25:13.70 ID:bT3kFqUr0
アニ「…ここにはいないね」
アルミン「あれ? 2人がいる場所は知らないの?」
アニ「言ったでしょ。避けられてるって」
アニ「モノクマのあの発表以来、
私とあの2人は行動を別にしているんだよ」
アニ「まったく、どこで何をしているやら…」
アルミン「あれ? 2人がいる場所は知らないの?」
アニ「言ったでしょ。避けられてるって」
アニ「モノクマのあの発表以来、
私とあの2人は行動を別にしているんだよ」
アニ「まったく、どこで何をしているやら…」
365: 2018/04/29(日) 06:30:14.54 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…アニ、1つ聞いてもいいかな?」
アニ「ん?」
アルミン「アニはさ… 入団式以前の記憶はあったの?」
アニ「…入団式以前の記憶?」
アルミン「ほら、ライナーとベルトルトは
入団式直前までの記憶がないって言ってたじゃないか」
アニ「ん?」
アルミン「アニはさ… 入団式以前の記憶はあったの?」
アニ「…入団式以前の記憶?」
アルミン「ほら、ライナーとベルトルトは
入団式直前までの記憶がないって言ってたじゃないか」
366: 2018/04/29(日) 06:40:17.19 ID:bT3kFqUr0
ライナー『改めて説明させてもらうと、こういう事だ』
ライナー『みんなには入団式直前までの記憶があるようだが、
俺たち2人に限ってはそうじゃなかった』
ライナー『自分の名前と必要最低限の知識…それしか残されていなかった』
ライナー『話を聞いてるうちに思い出してきた部分もあるが、
それでもぼんやりとしかわからない』
ライナー『ミーナは家族の為に殺人を犯したと言っていた。
だが俺たちは…家族の名前すら思い出せない』
367: 2018/04/29(日) 06:45:09.67 ID:bT3kFqUr0
アニ「…ああ、あれね」
アルミン「うん、つまり…」
アニ「つまり、あの2人の言っている事が本当なら、
あいつらの一味である私も同じ状態だったんじゃないか…」
アニ「あんたが聞きたいのは、そういう事?」
アルミン「…うん」
アルミン「うん、つまり…」
アニ「つまり、あの2人の言っている事が本当なら、
あいつらの一味である私も同じ状態だったんじゃないか…」
アニ「あんたが聞きたいのは、そういう事?」
アルミン「…うん」
368: 2018/04/29(日) 06:50:13.59 ID:bT3kFqUr0
アニ「結論から言うと… 私は違うよ」
アルミン「…え?」
アニ「私には最初から入団式以前の記憶があった…
あいつらと違ってね」
アルミン「『あいつらと違って』って…
じゃあ、あの2人の言ってる事は…」
アニ「本当だよ。あいつらには本当に
入団式より前の記憶が無かったんだ」
アニ「ここでの生活が始まったばかりの頃、私はこっそり
あの2人に巨人の話を持ち掛けた事があるんだけど…」
アニ「…2人とも、何の話かわからないって様子だったからね」
アルミン「…え?」
アニ「私には最初から入団式以前の記憶があった…
あいつらと違ってね」
アルミン「『あいつらと違って』って…
じゃあ、あの2人の言ってる事は…」
アニ「本当だよ。あいつらには本当に
入団式より前の記憶が無かったんだ」
アニ「ここでの生活が始まったばかりの頃、私はこっそり
あの2人に巨人の話を持ち掛けた事があるんだけど…」
アニ「…2人とも、何の話かわからないって様子だったからね」
369: 2018/04/29(日) 06:55:21.81 ID:bT3kFqUr0
アルミン「それじゃあ、あの2人は…
途中でその記憶を取り戻したって事?」
アニ「そう言ってたよ。具体的には、
【ユミルの事件のすぐ後】にね」
アルミン「【ユミルの事件のすぐ後】って…」
アニ「そう… あんたがちょうど
私たちの密会を盗み見た頃さ」
アニ「あいつらは記憶を取り戻して、自分たちの使命を
思い出した事で、私にも召集をかけたんだ」
途中でその記憶を取り戻したって事?」
アニ「そう言ってたよ。具体的には、
【ユミルの事件のすぐ後】にね」
アルミン「【ユミルの事件のすぐ後】って…」
アニ「そう… あんたがちょうど
私たちの密会を盗み見た頃さ」
アニ「あいつらは記憶を取り戻して、自分たちの使命を
思い出した事で、私にも召集をかけたんだ」
370: 2018/04/29(日) 07:00:43.59 ID:bT3kFqUr0
アルミン「【ユミルの事件のすぐ後】に、
2人の記憶がそろって戻った…?」
アルミン「………………」
アニ「…まあ、ここであれこれ考えるより、
詳しい話は本人たちから直接聞けばいいんじゃない?」
アニ「どうせこれから会うんだし」
アルミン「…ああ、それもそうだね」
アニ「じゃあ、このまま他の場所も回ってみようか」
2人の記憶がそろって戻った…?」
アルミン「………………」
アニ「…まあ、ここであれこれ考えるより、
詳しい話は本人たちから直接聞けばいいんじゃない?」
アニ「どうせこれから会うんだし」
アルミン「…ああ、それもそうだね」
アニ「じゃあ、このまま他の場所も回ってみようか」
371: 2018/04/29(日) 07:10:16.92 ID:bT3kFqUr0
アルミン(その後、僕たちは施設内の建物を見て回った)
アルミン(食堂、倉庫、書庫、ライブハウス…)
アルミン(しかし、確認した建物のいずれにも…)
アルミン(ライナーとベルトルトの姿はなかった)
アルミン(食堂、倉庫、書庫、ライブハウス…)
アルミン(しかし、確認した建物のいずれにも…)
アルミン(ライナーとベルトルトの姿はなかった)
372: 2018/04/29(日) 07:35:48.41 ID:bT3kFqUr0
― 訓練所 ―
アルミン「うーん… どこにもいないね…」
アニ「………………」
アルミン「2人ともどこに行ったのかな…」
アルミン「まだ確認してない場所もあるけど…」
アルミン「うーん… どこにもいないね…」
アニ「………………」
アルミン「2人ともどこに行ったのかな…」
アルミン「まだ確認してない場所もあるけど…」
373: 2018/04/29(日) 07:40:16.50 ID:bT3kFqUr0
アニ「…どこにもいないというより」
アニ「誰もいないね」
アルミン「…え?」
アニ「ライナーとベルトルト以外の連中の姿も見えないよ」
アニ「これじゃまるで…
私とあんたの2人しかいないみたいだ」
アニ「誰もいないね」
アルミン「…え?」
アニ「ライナーとベルトルト以外の連中の姿も見えないよ」
アニ「これじゃまるで…
私とあんたの2人しかいないみたいだ」
374: 2018/04/29(日) 07:45:14.08 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…まあ、この施設ってかなり広いからね」
アルミン「こんな巨大な空間にたったの8人しかいないんだから…
ばったり出くわす確率の方が低いよね」
アニ「………………」
アルミン「こうなったらもう、全部探してみるしか…」
ポタッ
アルミン「こんな巨大な空間にたったの8人しかいないんだから…
ばったり出くわす確率の方が低いよね」
アニ「………………」
アルミン「こうなったらもう、全部探してみるしか…」
ポタッ
375: 2018/04/29(日) 07:50:22.17 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…え?」
ポタッ
アニ「…雨?」
ポタポタッ
ポタッ
アニ「…雨?」
ポタポタッ
376: 2018/04/29(日) 07:55:14.15 ID:bT3kFqUr0
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アルミン「えぇ!? あ、雨!?」
アニ「…!?」
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アルミン「し、しかも、すごい土砂降りだよ!」
アニ「くっ… とりあえず、近くの建物に避難するよ!」
アルミン「えぇ!? あ、雨!?」
アニ「…!?」
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アルミン「し、しかも、すごい土砂降りだよ!」
アニ「くっ… とりあえず、近くの建物に避難するよ!」
382: 2018/05/06(日) 07:30:06.61 ID:0yOF2WY+0
― 寄宿舎 ―
アルミン(大雨から逃げるように、僕たちは
一番近くにあった建物に駆け込んだ)
アルミン「ハァ…ハァ…」
アニ「………………」
アルミン(たった10秒ほど走っただけなのに、
僕もアニも全身がずぶ濡れになっていた)
アルミン(髪は水気を吸って顔に張り付き、
足元には大きな水溜まりが広がっている)
アルミン(大雨から逃げるように、僕たちは
一番近くにあった建物に駆け込んだ)
アルミン「ハァ…ハァ…」
アニ「………………」
アルミン(たった10秒ほど走っただけなのに、
僕もアニも全身がずぶ濡れになっていた)
アルミン(髪は水気を吸って顔に張り付き、
足元には大きな水溜まりが広がっている)
383: 2018/05/06(日) 07:45:24.67 ID:0yOF2WY+0
コニー「…どうしたんだ、お前ら?」
アルミン「…! コニー!」
コニー「お、おいおい… 全身びしょ濡れじゃねえか!
ちょっと待ってろ、拭くもの持ってくるから…」
アルミン(コニーはそう言うなり、大浴場から
2人分のタオルを持ってきてくれた)
アニ「…ありがとう、助かったよ」
コニー「一体何があったんだ?
まるで大雨にでも当たったみたいじゃねえか」
アルミン「…その通りだよ」
コニー「…え?」
アルミン「突然、雨が降り始めたんだ…
ほんの、ついさっき…」
アルミン「…! コニー!」
コニー「お、おいおい… 全身びしょ濡れじゃねえか!
ちょっと待ってろ、拭くもの持ってくるから…」
アルミン(コニーはそう言うなり、大浴場から
2人分のタオルを持ってきてくれた)
アニ「…ありがとう、助かったよ」
コニー「一体何があったんだ?
まるで大雨にでも当たったみたいじゃねえか」
アルミン「…その通りだよ」
コニー「…え?」
アルミン「突然、雨が降り始めたんだ…
ほんの、ついさっき…」
384: 2018/05/06(日) 07:50:12.10 ID:0yOF2WY+0
コニー「あ、雨って… この施設内でか?」
アルミン(信じられぬという顔で、
コニーが僕たちの後ろの扉を開ける)
アルミン(そして、外の様子を一瞥するなり… すぐに閉めた)
コニー「…マジだ。雨が降ってる」
アニ「だから、そう言ってるでしょ」
コニー「い、いや、でもよ… なんでいきなり…」
コニー「つーか、どうやって降らせてんだ?
ここって一応、屋内… なんだよな?」
アルミン(信じられぬという顔で、
コニーが僕たちの後ろの扉を開ける)
アルミン(そして、外の様子を一瞥するなり… すぐに閉めた)
コニー「…マジだ。雨が降ってる」
アニ「だから、そう言ってるでしょ」
コニー「い、いや、でもよ… なんでいきなり…」
コニー「つーか、どうやって降らせてんだ?
ここって一応、屋内… なんだよな?」
385: 2018/05/06(日) 07:55:41.30 ID:0yOF2WY+0
アルミン「それ自体は不思議な事じゃないよ」
コニー「…え?」
アルミン「以前モノクマが言っていたように、
ここの天井には光を調整して発する機構があるんだ」
アルミン「溜めた水を雨のように降らせる事だってできるかもしれない」
アルミン⦅この施設にも昼と夜がある⦆
アルミン⦅数十メートル上にある天井の照明で光量を調整し、
外の時間帯をリアルに再現する…⦆
アルミン⦅…というのがモノクマの説明だった⦆
コニー「…え?」
アルミン「以前モノクマが言っていたように、
ここの天井には光を調整して発する機構があるんだ」
アルミン「溜めた水を雨のように降らせる事だってできるかもしれない」
アルミン⦅この施設にも昼と夜がある⦆
アルミン⦅数十メートル上にある天井の照明で光量を調整し、
外の時間帯をリアルに再現する…⦆
アルミン⦅…というのがモノクマの説明だった⦆
386: 2018/05/06(日) 08:00:13.23 ID:0yOF2WY+0
コニー「マジかよ… そんな事できんのか」
アニ「まあ、モノクマならそれくらいやっても驚かないね」
アルミン「うん…」
アルミン(だけど… 何だ?)
アルミン(このモヤモヤした感じ…)
アルミン(何か引っかかる…)
アニ「まあ、モノクマならそれくらいやっても驚かないね」
アルミン「うん…」
アルミン(だけど… 何だ?)
アルミン(このモヤモヤした感じ…)
アルミン(何か引っかかる…)
387: 2018/05/06(日) 08:05:29.34 ID:0yOF2WY+0
コニー「それよりもお前ら、風呂入ってきたらどうだ?」
コニー「服は相変わらずびしょ濡れだし、そのままだと風邪引くぞ」
アニ「ああ、そうさせてもらうよ。
アルミン、先に入ってもいい?」
アルミン「えっ… ああ、うん」
コニー「はあ、早く止んでくれるといいけどな…
これじゃあ、飯食いに食堂にも行けねーぞ」
コニー「服は相変わらずびしょ濡れだし、そのままだと風邪引くぞ」
アニ「ああ、そうさせてもらうよ。
アルミン、先に入ってもいい?」
アルミン「えっ… ああ、うん」
コニー「はあ、早く止んでくれるといいけどな…
これじゃあ、飯食いに食堂にも行けねーぞ」
388: 2018/05/06(日) 08:10:39.45 ID:0yOF2WY+0
アルミン(その後、僕とアニは交代で風呂に入って体を温めた)
アルミン(しかし、突然降りだした雨は一向に止む気配がなく…)
アルミン(食堂へ行けなくなった僕たちは、コニーが部屋に持ち込んでいた
【詰め合わせスペシャル】を分け合って食べた)
アルミン(そして、そのまま部屋で談笑しているうちに一日が終わり…)
アルミン(僕は自室へ戻ってベッドに横になった)
アルミン(しかし、突然降りだした雨は一向に止む気配がなく…)
アルミン(食堂へ行けなくなった僕たちは、コニーが部屋に持ち込んでいた
【詰め合わせスペシャル】を分け合って食べた)
アルミン(そして、そのまま部屋で談笑しているうちに一日が終わり…)
アルミン(僕は自室へ戻ってベッドに横になった)
389: 2018/05/06(日) 08:15:30.90 ID:0yOF2WY+0
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アルミン(かすかに聞こえる大雨のノイズ)
アルミン(暗い部屋の中、僕はその音にじっと耳を傾けながら
静かに目を閉じた)
アルミン「………………」
アルミン(少しずつやって来る睡魔)
アルミン(まどろみの中で、僕は確かに感じていた)
アルミン(胸の内で不安が渦巻いているのを…)
アルミン(かすかに聞こえる大雨のノイズ)
アルミン(暗い部屋の中、僕はその音にじっと耳を傾けながら
静かに目を閉じた)
アルミン「………………」
アルミン(少しずつやって来る睡魔)
アルミン(まどろみの中で、僕は確かに感じていた)
アルミン(胸の内で不安が渦巻いているのを…)
391: 2018/05/13(日) 06:20:40.82 ID:CnL0JfM80
◆ モノクマげきじょう ◆
モノクマ「…落ち着いて聞いてくれ。
焦ってはいかん」
モノクマ「なぁに、キミがこのモノクマ劇場を見ている時点で、
すべてはもう手遅れなんだ」
モノクマ「キミらのような若い者にはわからんかもしれんが、
ボクのような綿100%のマスコットにとっての希望は…」
モノクマ「コロシアイをしてでも生き残りたいと、
希望に燃える若者がいることなんだ」
モノクマ「もし、それが失われることがあれば、
これほど絶望的なことはないよ…」
モノクマ「愛する生徒のみんなが…人類の希望の担い手が…」
モノクマ「裏切りあい、騙し合い、頃し合う様を思うだけで…」
モノクマ「ボクは…悲しくて悲しくて…」
モノクマ「血と涙を流し、希望に歪むみんなの顔が、
見たくて見たくて…」
モノクマ「………………」
モノクマ「つい。やってしまったよ」
モノクマ「…落ち着いて聞いてくれ。
焦ってはいかん」
モノクマ「なぁに、キミがこのモノクマ劇場を見ている時点で、
すべてはもう手遅れなんだ」
モノクマ「キミらのような若い者にはわからんかもしれんが、
ボクのような綿100%のマスコットにとっての希望は…」
モノクマ「コロシアイをしてでも生き残りたいと、
希望に燃える若者がいることなんだ」
モノクマ「もし、それが失われることがあれば、
これほど絶望的なことはないよ…」
モノクマ「愛する生徒のみんなが…人類の希望の担い手が…」
モノクマ「裏切りあい、騙し合い、頃し合う様を思うだけで…」
モノクマ「ボクは…悲しくて悲しくて…」
モノクマ「血と涙を流し、希望に歪むみんなの顔が、
見たくて見たくて…」
モノクマ「………………」
モノクマ「つい。やってしまったよ」
392: 2018/05/13(日) 07:00:09.66 ID:CnL0JfM80
「キーン、コーン… カーン、コーン」
モノクマ『オマエラ、おはようございます!
朝です、7時になりました! 起床時間ですよ~!』
モノクマ『さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』
393: 2018/05/13(日) 07:05:24.73 ID:CnL0JfM80
CHAPTER 03
DAY 13
アルミン(朝か…)
アルミン「………………」
アルミン(なんだか体が重い…)
アルミン(でも、とりあえず起きなきゃ…)
DAY 13
アルミン(朝か…)
アルミン「………………」
アルミン(なんだか体が重い…)
アルミン(でも、とりあえず起きなきゃ…)
394: 2018/05/13(日) 07:15:14.27 ID:CnL0JfM80
ド ゴ ー ー ー ー ー ー ー ー ン ! !
395: 2018/05/13(日) 07:20:30.41 ID:CnL0JfM80
アルミン「!?」
アルミン(な、なんだ…!?)
アルミン(何かが爆発したような轟音が…)
ミシミシッ…
アルミン(かなり近くだ…!)
アルミン(みんなは…!?)
アルミン(な、なんだ…!?)
アルミン(何かが爆発したような轟音が…)
ミシミシッ…
アルミン(かなり近くだ…!)
アルミン(みんなは…!?)
396: 2018/05/13(日) 08:20:26.17 ID:CnL0JfM80
― 寄宿舎 ―
アニ「アルミン!」
アルミン「アニ! 今のは!?」
アニ「寄宿舎の外で爆発があったんだ。
今、ミカサが現場を見に行ってる」
アルミン「…!!」
アニ「私たちも行こう」
アニ「アルミン!」
アルミン「アニ! 今のは!?」
アニ「寄宿舎の外で爆発があったんだ。
今、ミカサが現場を見に行ってる」
アルミン「…!!」
アニ「私たちも行こう」
397: 2018/05/13(日) 08:30:41.19 ID:CnL0JfM80
― 爆発現場(寄宿舎の外) ―
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「アルミン…」
アルミン「…!! こ、これは…」
ミカサ「…見ての通り。ここで何かが爆発した」
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「アルミン…」
アルミン「…!! こ、これは…」
ミカサ「…見ての通り。ここで何かが爆発した」
398: 2018/05/13(日) 08:45:26.45 ID:CnL0JfM80
アルミン(僕たちがミカサを見つけたのは、
寄宿舎を出てすぐの場所だった)
アルミン(ミカサの隣には、大きく抉られて
穴の開いた地面が広がっている)
ミカサ「おそらく、爆発物は地面の中に
仕込まれてあったのだと思う」
アルミン「地面の中…?」
ミカサ「昨日の大雨で地面がぬかるんでいたせいで、
爆発時にこんなに大きな穴ができた…」
寄宿舎を出てすぐの場所だった)
アルミン(ミカサの隣には、大きく抉られて
穴の開いた地面が広がっている)
ミカサ「おそらく、爆発物は地面の中に
仕込まれてあったのだと思う」
アルミン「地面の中…?」
ミカサ「昨日の大雨で地面がぬかるんでいたせいで、
爆発時にこんなに大きな穴ができた…」
399: 2018/05/13(日) 09:30:13.32 ID:CnL0JfM80
アルミン(僕は自分の足元を見た)
アルミン(雨は一晩のうちに上がっていたようだが、
水を吸った地面は足跡をくっきり残すほどぬかるんでいる)
アルミン「………………」
アルミン(この大穴が爆発によってできたものだとしても…)
アルミン(どうして、爆発物を地面に…)
アルミン(雨は一晩のうちに上がっていたようだが、
水を吸った地面は足跡をくっきり残すほどぬかるんでいる)
アルミン「………………」
アルミン(この大穴が爆発によってできたものだとしても…)
アルミン(どうして、爆発物を地面に…)
400: 2018/05/13(日) 10:00:08.08 ID:CnL0JfM80
アニ「アルミン、あれ…」
アルミン「ん?」
アルミン(僕はアニの指し示す先を見る)
アルミン(そこには、地面の穴から一筋の足跡が
ある方向に向かって続いていた)
アルミン「…足跡?」
ミカサ「それは私も気になっていた。
まるで、この穴から誰かが這い出たように…」
アルミン「ん?」
アルミン(僕はアニの指し示す先を見る)
アルミン(そこには、地面の穴から一筋の足跡が
ある方向に向かって続いていた)
アルミン「…足跡?」
ミカサ「それは私も気になっていた。
まるで、この穴から誰かが這い出たように…」
401: 2018/05/13(日) 10:05:42.90 ID:CnL0JfM80
ジャン「お前ら!」
アルミン「ジャン!」
ジャン「な、何だよこれは… どうなってんだ!?」
アニ「さっきここで爆発があったんだ。
こんな風に、地面が大きく抉れるくらいにね」
ジャン「爆発って…!」
アルミン「ジャン!」
ジャン「な、何だよこれは… どうなってんだ!?」
アニ「さっきここで爆発があったんだ。
こんな風に、地面が大きく抉れるくらいにね」
ジャン「爆発って…!」
402: 2018/05/13(日) 10:10:23.82 ID:CnL0JfM80
ド ゴ ー ー ー ー ー ー ー ー ン ! !
403: 2018/05/13(日) 10:15:18.03 ID:CnL0JfM80
アルミン「!?」
アニ「!?」
ミカサ「…!!」
ジャン「なっ…! ま、また爆発か!?」
ミシミシッ…
ミカサ「この方向は…」
アニ「あの足跡が続く先…!」
アニ「!?」
ミカサ「…!!」
ジャン「なっ…! ま、また爆発か!?」
ミシミシッ…
ミカサ「この方向は…」
アニ「あの足跡が続く先…!」
404: 2018/05/13(日) 10:25:05.69 ID:CnL0JfM80
アニ「確かめに行くよ!」
アルミン「アニ!」
アニ「嫌な予感がする… 早く行かないと!」
アルミン「危険だよ! それに、他のみんなは!?」
ミシミシッ…
ジャン「…こうなったらどこにいても危険は同じだ」
ジャン「オレは寄宿舎に残って他の奴らの安否を確かめる!
お前らは先に今の爆発を確かめて来てくれ!」
アルミン「ジャン!」
ジャン「いいから早く行け!」
アルミン「アニ!」
アニ「嫌な予感がする… 早く行かないと!」
アルミン「危険だよ! それに、他のみんなは!?」
ミシミシッ…
ジャン「…こうなったらどこにいても危険は同じだ」
ジャン「オレは寄宿舎に残って他の奴らの安否を確かめる!
お前らは先に今の爆発を確かめて来てくれ!」
アルミン「ジャン!」
ジャン「いいから早く行け!」
407: 2018/05/20(日) 08:25:26.90 ID:4/Tr0ycO0
― 爆発現場(研究開発所の外) ―
アルミン(ジャンに背中を押されるように、
僕たちは爆発現場にやって来た)
アルミン(第2の爆発があったのは…)
アルミン「ここって… 研究開発所だよね?」
アニ「そうだね。さっきの爆発と同じで、
建物に被害はないようだけど…」
ミカサ「…爆発の痕跡もよく似ている。
こんなに地面が抉れて…」
アルミン(ジャンに背中を押されるように、
僕たちは爆発現場にやって来た)
アルミン(第2の爆発があったのは…)
アルミン「ここって… 研究開発所だよね?」
アニ「そうだね。さっきの爆発と同じで、
建物に被害はないようだけど…」
ミカサ「…爆発の痕跡もよく似ている。
こんなに地面が抉れて…」
408: 2018/05/20(日) 08:55:41.98 ID:4/Tr0ycO0
アルミン(僕は目の前に広がる地面の凹みを見た)
アルミン(穴の中央からいくつも伸びた筋と焦げ跡が
爆発の勢いを物語っている)
アルミン(それは、さっき寄宿舎の外で見た
爆発の痕跡とそっくりだった)
アニ「…足跡はここで終わってるね」
ミカサ「………………」
アルミン(寄宿舎の爆発現場から伸びていた足跡は、
ここの爆発痕で途切れていた)
アルミン(まるで、爆発でできた穴に吸い込まれるように…)
アルミン(穴の中央からいくつも伸びた筋と焦げ跡が
爆発の勢いを物語っている)
アルミン(それは、さっき寄宿舎の外で見た
爆発の痕跡とそっくりだった)
アニ「…足跡はここで終わってるね」
ミカサ「………………」
アルミン(寄宿舎の爆発現場から伸びていた足跡は、
ここの爆発痕で途切れていた)
アルミン(まるで、爆発でできた穴に吸い込まれるように…)
409: 2018/05/20(日) 09:20:10.35 ID:4/Tr0ycO0
ミカサ「…まさか、ここで誰かが爆発したんじゃ」
アルミン「いや、それはないよ」
ミカサ「…え?」
アルミン「もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
血肉とか、衣服の残骸とか…」
アルミン「でも、ここに見られるのは爆発の筋と
僅かな焦げ跡だけだから…」
アルミン「寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
そこが爆発しただけだと思う」
アルミン「いや、それはないよ」
ミカサ「…え?」
アルミン「もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
血肉とか、衣服の残骸とか…」
アルミン「でも、ここに見られるのは爆発の筋と
僅かな焦げ跡だけだから…」
アルミン「寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
そこが爆発しただけだと思う」
410: 2018/05/20(日) 09:35:09.01 ID:4/Tr0ycO0
アニ「じゃあ、誰かが寄宿舎から
研究開発所に歩いて行って…」
アニ「その後を追うように、そこが爆発したってこと?」
アルミン「うん。そして、足跡がここで途切れているから…」
アルミン「その人は多分、今も建物の中に…」
研究開発所に歩いて行って…」
アニ「その後を追うように、そこが爆発したってこと?」
アルミン「うん。そして、足跡がここで途切れているから…」
アルミン「その人は多分、今も建物の中に…」
411: 2018/05/20(日) 09:55:10.49 ID:4/Tr0ycO0
アルミン(僕はそう言って研究開発所の扉を見た)
アルミン(昨日アニと来たときには誰もいなかった場所)
アルミン(その中に今、誰かがいる…)
アニ「………………」
ミカサ「………………」
アルミン「………………」
アルミン(昨日アニと来たときには誰もいなかった場所)
アルミン(その中に今、誰かがいる…)
アニ「………………」
ミカサ「………………」
アルミン「………………」
412: 2018/05/20(日) 10:10:09.66 ID:4/Tr0ycO0
アニ「…開けるよ」
アルミン「…うん」
アルミン(僕は扉に手を伸ばす)
アルミン(力を入れると、ゆっくりと軋む扉…)
アルミン(ゆっくりと開く絶望への扉…)
アルミン「…うん」
アルミン(僕は扉に手を伸ばす)
アルミン(力を入れると、ゆっくりと軋む扉…)
アルミン(ゆっくりと開く絶望への扉…)
413: 2018/05/20(日) 10:20:31.54 ID:4/Tr0ycO0
アルミン(そして僕らは目撃する)
アルミン(後に、この監禁生活で最大の謎となる…)
アルミン(新たな惨劇の始まりを…)
414: 2018/05/20(日) 10:30:18.37 ID:4/Tr0ycO0
アルミン「うわああああああああああああああっ!!」
ミカサ「…ッ!!」
アニ「……な……」
アニ「ベル…トルト…?」
ミカサ「…ッ!!」
アニ「……な……」
アニ「ベル…トルト…?」
415: 2018/05/20(日) 10:35:08.89 ID:4/Tr0ycO0
CHAPTER 03
僕と私の兵団裁判
非日常編
416: 2018/05/20(日) 10:40:14.49 ID:4/Tr0ycO0
今日はここまで
420: 2018/05/27(日) 06:15:18.70 ID:ShtYurY10
アルミン(それはあまりにも異様な光景だった)
アルミン(研究開発所の中にいたのは…)
アニ「ベルトルト!!」
アルミン(アニが“その人”に駆け寄る)
アルミン(その後を追うように、僕とミカサも現場に足を踏み入れた)
アルミン(研究開発所の中にいたのは…)
アニ「ベルトルト!!」
アルミン(アニが“その人”に駆け寄る)
アルミン(その後を追うように、僕とミカサも現場に足を踏み入れた)
421: 2018/05/27(日) 06:35:22.40 ID:ShtYurY10
ミカサ「こ、これは一体…!?」
アルミン(ミカサが思わず口元を押さえる)
アルミン(僕はこみ上げてくる何かに必氏に抗いながら、
“その人”とアニに近づいた)
アニ「…そ…」
アニ「そんな…」
アルミン(アニは放心状態になっていた)
アルミン(僕はそんな彼女を横目で見ながら、状況の把握を始める)
アルミン(ミカサが思わず口元を押さえる)
アルミン(僕はこみ上げてくる何かに必氏に抗いながら、
“その人”とアニに近づいた)
アニ「…そ…」
アニ「そんな…」
アルミン(アニは放心状態になっていた)
アルミン(僕はそんな彼女を横目で見ながら、状況の把握を始める)
422: 2018/05/27(日) 06:55:10.54 ID:ShtYurY10
アルミン(この現場の異様な点は3つある)
アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)
アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)
アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
多数の剣が突き刺さっていること…)
アニ「ベル…トルト…」
アルミン(被害者は顔のど真ん中を槍で貫かれているため、
誰であるかの判別が難しくなっている)
アルミン(しかし、身長や体つき、髪や耳などのパーツから、
その氏体がベルトルトであることは明らかだった)
アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)
アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)
アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
多数の剣が突き刺さっていること…)
アニ「ベル…トルト…」
アルミン(被害者は顔のど真ん中を槍で貫かれているため、
誰であるかの判別が難しくなっている)
アルミン(しかし、身長や体つき、髪や耳などのパーツから、
その氏体がベルトルトであることは明らかだった)
423: 2018/05/27(日) 07:10:19.73 ID:ShtYurY10
ジャン「おい、無事か!?」
コニー「何の悲鳴だ!?」
アルミン「…! みんな…」
ヒストリア「…!!」
ヒストリア「きゃああああああああああああああっ!!」
コニー「何の悲鳴だ!?」
アルミン「…! みんな…」
ヒストリア「…!!」
ヒストリア「きゃああああああああああああああっ!!」
424: 2018/05/27(日) 07:15:33.80 ID:ShtYurY10
「ピンポンパンポーン…!」
モノクマ『氏体が発見されました!』
モノクマ『一定の自由時間の後、『兵団裁判』を開きまーす!』
428: 2018/06/03(日) 00:20:31.04 ID:An2ve1v30
モノクマ「いやっほうっ!!」
モノクマ「アドレナリンがぁーーー染み渡るーーーッ!!」
アニ「………………」
モノクマ「いやあ、今回はいつコロシアイが起きるのかと
ハラハラしてたけど…」
モノクマ「やっぱりオマエラは期待を裏切らないッ!
優秀な教え子を持ってボクは幸せだよ!」
モノクマ「アドレナリンがぁーーー染み渡るーーーッ!!」
アニ「………………」
モノクマ「いやあ、今回はいつコロシアイが起きるのかと
ハラハラしてたけど…」
モノクマ「やっぱりオマエラは期待を裏切らないッ!
優秀な教え子を持ってボクは幸せだよ!」
429: 2018/06/03(日) 00:25:05.52 ID:An2ve1v30
コニー「べ、ベルトルト…!? ベルトルトなのか!?」
ジャン「嘘だろ…!? なんでこんな…」
モノクマ「なんでって… 当たり前でしょ」
モノクマ「だって、コイツは罪のない多くの人達を
氏に追いやった張本人なんだよ?」
モノクマ「このくらいの報いは受けてしかるべきじゃない?」
ジャン「嘘だろ…!? なんでこんな…」
モノクマ「なんでって… 当たり前でしょ」
モノクマ「だって、コイツは罪のない多くの人達を
氏に追いやった張本人なんだよ?」
モノクマ「このくらいの報いは受けてしかるべきじゃない?」
430: 2018/06/03(日) 00:40:15.25 ID:An2ve1v30
ヒストリア「ま、まだそうと決まったわけじゃない!
それはあなたがそう言っているだけで…」
モノクマ「あー、うんうん、それもそうだね。
でも、そんな事はこの際どうでもよくってさ」
モノクマ「実際にこうして殺人が起きたんだから、
次にオマエラが何をしなければいけないのか… わかるよね?」
ヒストリア「な、何をって…」
それはあなたがそう言っているだけで…」
モノクマ「あー、うんうん、それもそうだね。
でも、そんな事はこの際どうでもよくってさ」
モノクマ「実際にこうして殺人が起きたんだから、
次にオマエラが何をしなければいけないのか… わかるよね?」
ヒストリア「な、何をって…」
431: 2018/06/03(日) 00:45:22.91 ID:An2ve1v30
ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』
サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん~~~~!!!!』
ヒストリア「また… あれをやるの…?」
432: 2018/06/03(日) 01:00:09.60 ID:An2ve1v30
8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。
9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
クロだけが処刑されます。
10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。
モノクマ「もちろん!」
モノクマ「だって、それがルールだから!
コロシアイが起きた以上は…」
モノクマ「兵団裁判という別のコロシアイを
生き抜かないといけないんだよぉ!」
ヒストリア「…!!」
433: 2018/06/03(日) 01:05:06.49 ID:An2ve1v30
モノクマ「さてと、そういう訳ですので…」
モノクマ「今回もこれを渡しておくね。
ボクがまとめた氏体に関するファイル。その名も…」
モノクマ「…ザ・モノクマファイル3!!」
モノクマ「そしてなんと! 今回は特別サービスとして…」
モノクマ「事件の真相につながる2つのヒントを
オマエラに教えちゃいまーす!!」
モノクマ「今回もこれを渡しておくね。
ボクがまとめた氏体に関するファイル。その名も…」
モノクマ「…ザ・モノクマファイル3!!」
モノクマ「そしてなんと! 今回は特別サービスとして…」
モノクマ「事件の真相につながる2つのヒントを
オマエラに教えちゃいまーす!!」
434: 2018/06/03(日) 01:10:17.10 ID:An2ve1v30
ミカサ「…ヒント?」
モノクマ「そう! 1回しか言わないからよく聞いてね!」
モノクマ「ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!」
モノクマ「つまり、前回のブラウスさんみたいに、
知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!」
モノクマ「ヒントその2! ルールをよく読め!」
モノクマ「以上となりまーす!!」
モノクマ「そう! 1回しか言わないからよく聞いてね!」
モノクマ「ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!」
モノクマ「つまり、前回のブラウスさんみたいに、
知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!」
モノクマ「ヒントその2! ルールをよく読め!」
モノクマ「以上となりまーす!!」
435: 2018/06/03(日) 01:25:06.91 ID:An2ve1v30
ジャン「ま、待て待て! いきなり過ぎて訳がわかんねーよ!」
ジャン「大体、ヒントってなんだ!? そんなの今まで無かったじゃねーか!」
モノクマ「だから、特別サービスだって言ってるじゃん」
モノクマ「これくらい言ってあげないと不公平だと思ってね」
ジャン「はあ!?」
モノクマ「だってさ、今回の事件…」
ジャン「大体、ヒントってなんだ!? そんなの今まで無かったじゃねーか!」
モノクマ「だから、特別サービスだって言ってるじゃん」
モノクマ「これくらい言ってあげないと不公平だと思ってね」
ジャン「はあ!?」
モノクマ「だってさ、今回の事件…」
436: 2018/06/03(日) 01:30:12.10 ID:An2ve1v30
モノクマ「ある意味、ユミルさんの事件よりも難解だから…」
437: 2018/06/03(日) 01:35:16.02 ID:An2ve1v30
アルミン(…ユミルの事件よりも難解?)
ヒストリア「ど、どういう意味…?」
モノクマ「うぷぷ… それはね…」
モノクマ「今ボクが配ったモノクマファイルを読めばわかると思うよ」
ヒストリア「ど、どういう意味…?」
モノクマ「うぷぷ… それはね…」
モノクマ「今ボクが配ったモノクマファイルを読めばわかると思うよ」
438: 2018/06/03(日) 01:45:17.92 ID:An2ve1v30
アルミン(僕たちは手元の冊子に目を落とした)
アルミン(ページに手をかけ、そっとめくる)
アルミン(それが真犯人の仕掛けた罠であるとも知らずに…)
439: 2018/06/03(日) 01:50:15.38 ID:An2ve1v30
■ モノクマファイル 3 ■
被害者はライナー・ブラウン。
氏亡時刻は午前4時頃。
被害者はライナー・ブラウン。
氏亡時刻は午前4時頃。
443: 2018/06/10(日) 07:20:19.23 ID:duRfaNFE0
ミカサ「………………」
ヒストリア「…え?」
モノクマ「うぷぷ…」
コニー「お、おい… こりゃどういう事だ…?」
モノクマ「どういう事も何も、書いてある通りだよ」
モノクマ「今回クロに殺されたのはライナー・ブラウンくんで、
これからオマエラはその捜査をするんだ」
ヒストリア「…え?」
モノクマ「うぷぷ…」
コニー「お、おい… こりゃどういう事だ…?」
モノクマ「どういう事も何も、書いてある通りだよ」
モノクマ「今回クロに殺されたのはライナー・ブラウンくんで、
これからオマエラはその捜査をするんだ」
444: 2018/06/10(日) 07:25:15.11 ID:duRfaNFE0
ジャン「お前… ふざけてんのか?」
ジャン「あそこで氏んでるのはベルトルトだろ?」
モノクマ「ボクはいたって真面目ですけど?」
ジャン「い、いや… いやいやいや…」
ジャン「どう考えたっておかしいだろ!
あの氏体はどう見たってベルトルトだろうが!」
モノクマ「だーかーらー! 今回殺されたのはライナー・ブラウンくん!
それ以上でもそれ以下でもないの!」
ジャン「あそこで氏んでるのはベルトルトだろ?」
モノクマ「ボクはいたって真面目ですけど?」
ジャン「い、いや… いやいやいや…」
ジャン「どう考えたっておかしいだろ!
あの氏体はどう見たってベルトルトだろうが!」
モノクマ「だーかーらー! 今回殺されたのはライナー・ブラウンくん!
それ以上でもそれ以下でもないの!」
445: 2018/06/10(日) 07:30:12.58 ID:duRfaNFE0
アニ「…違う」
アニ「あの氏体はベルトルトだ…
私が見間違えるはずがない…」
モノクマ「…あのさ、オマエラがどう思おうが勝手だけど」
モノクマ「今回クロに殺されたのはブラウンくんで間違いないよ」
モノクマ「いくらフーバーくんの事を気にしても仕方ないんだよ。
だって彼は捜査の対象外だもの」
アニ「あの氏体はベルトルトだ…
私が見間違えるはずがない…」
モノクマ「…あのさ、オマエラがどう思おうが勝手だけど」
モノクマ「今回クロに殺されたのはブラウンくんで間違いないよ」
モノクマ「いくらフーバーくんの事を気にしても仕方ないんだよ。
だって彼は捜査の対象外だもの」
446: 2018/06/10(日) 07:35:28.17 ID:duRfaNFE0
ジャン「お、お前… いい加減に…!」
モノクマ「いい加減にするのはオマエラの方だろっ!!」
ジャン「…!!」
モノクマ「最初の兵団裁判のとき、みんなの前で言ったよね?」
モノクマ『あのねぇ…あのファイルはね、
いわば兵団裁判をスムーズに進める為の潤滑剤なんだ』
モノクマ『議論が滞ったとき…ちょうど今のような状態のときに、
助け舟としてオマエラを支えてくれる存在なんだ』
モノクマ『冷静に考えてみなよ。
ボクがそんなキーアイテムに不正を施すと思う?』
モノクマ「今までずっとそうだったでしょ?」
モノクマ「イェーガーくんの事件、ユミルさんの事件…
どれもモノクマファイルに書いてあることは本当だったでしょ?」
モノクマ「そりゃそうだよ。あのファイルに不正を働いたら、
ゲームが成立しなくなっちゃうんだもん」
モノクマ「いい加減にするのはオマエラの方だろっ!!」
ジャン「…!!」
モノクマ「最初の兵団裁判のとき、みんなの前で言ったよね?」
モノクマ『あのねぇ…あのファイルはね、
いわば兵団裁判をスムーズに進める為の潤滑剤なんだ』
モノクマ『議論が滞ったとき…ちょうど今のような状態のときに、
助け舟としてオマエラを支えてくれる存在なんだ』
モノクマ『冷静に考えてみなよ。
ボクがそんなキーアイテムに不正を施すと思う?』
モノクマ「今までずっとそうだったでしょ?」
モノクマ「イェーガーくんの事件、ユミルさんの事件…
どれもモノクマファイルに書いてあることは本当だったでしょ?」
モノクマ「そりゃそうだよ。あのファイルに不正を働いたら、
ゲームが成立しなくなっちゃうんだもん」
447: 2018/06/10(日) 07:40:12.57 ID:duRfaNFE0
モノクマ「つまり、そのファイルに書いてある内容も本当の事…」
モノクマ「今回殺されたのはライナー・ブラウン!
これはまごうことなき事実だあっ!!」
ジャン「…っ!」
モノクマ「さてと… そういう事だから、ボクは退散するね」
モノクマ「後ほど、裁判場でお会いしましょう… うぷぷぷぷ」
モノクマ「今回殺されたのはライナー・ブラウン!
これはまごうことなき事実だあっ!!」
ジャン「…っ!」
モノクマ「さてと… そういう事だから、ボクは退散するね」
モノクマ「後ほど、裁判場でお会いしましょう… うぷぷぷぷ」
448: 2018/06/10(日) 07:45:15.12 ID:duRfaNFE0
モノクマ「アーッハッハッハッハッハ!!」
449: 2018/06/10(日) 07:50:16.47 ID:duRfaNFE0
ポヨヨーン
アルミン(邪悪な笑い声と共に、モノクマは姿を消した)
アルミン(ただ唖然とする僕らを残して…)
コニー「な、なあ… 何が一体どうなってんだ…?」
コニー「あの氏体が… ライナーだっていうのか?
ベルトルトじゃなくて…」
アルミン(邪悪な笑い声と共に、モノクマは姿を消した)
アルミン(ただ唖然とする僕らを残して…)
コニー「な、なあ… 何が一体どうなってんだ…?」
コニー「あの氏体が… ライナーだっていうのか?
ベルトルトじゃなくて…」
450: 2018/06/10(日) 07:55:09.19 ID:duRfaNFE0
アニ「違うッ!」
コニー「…!!」
アニ「あれはベルトルトだ! 私が見間違えるはずがない!」
アルミン「ア、アニ… 落ち着いて」
ジャン「ああ、ありゃどう見たってベルトルトだ…」
ジャン「確かに顔は潰れちゃいるが、
背丈や外観はまさしくあいつのものだ」
コニー「…!!」
アニ「あれはベルトルトだ! 私が見間違えるはずがない!」
アルミン「ア、アニ… 落ち着いて」
ジャン「ああ、ありゃどう見たってベルトルトだ…」
ジャン「確かに顔は潰れちゃいるが、
背丈や外観はまさしくあいつのものだ」
451: 2018/06/10(日) 08:00:33.21 ID:duRfaNFE0
ヒストリア「で、でも、モノクマは…」
ジャン「ああ… あの氏体がライナーだって言ってる」
ジャン「正直オレも何が何だかわからねえが…
このまま手をこまねいているわけにもいかねえだろ」
ジャン「何もしなかったら、オレたちも殺されるんだからよ」
ジャン「ああ… あの氏体がライナーだって言ってる」
ジャン「正直オレも何が何だかわからねえが…
このまま手をこまねいているわけにもいかねえだろ」
ジャン「何もしなかったら、オレたちも殺されるんだからよ」
452: 2018/06/10(日) 09:05:09.28 ID:duRfaNFE0
ヒストリア「………………」
アルミン「…ジャンの言う通りだね」
アルミン「捜査を始めよう。僕たちにできる事をやるんだ」
アルミン(そう… 僕たちにできる事…)
アルミン(コロシアイを防げなかった以上、今の僕たちにできるのは…)
アルミン(知恵を絞って、これ以上被害を広げない事だけだ)
アルミン「…ジャンの言う通りだね」
アルミン「捜査を始めよう。僕たちにできる事をやるんだ」
アルミン(そう… 僕たちにできる事…)
アルミン(コロシアイを防げなかった以上、今の僕たちにできるのは…)
アルミン(知恵を絞って、これ以上被害を広げない事だけだ)
453: 2018/06/10(日) 09:10:29.15 ID:duRfaNFE0
アニ「………………」
アニ「……許さない」
アルミン「…え?」
アニ「絶対に許さない…」
アニ「今回だけは… 絶対に…」
アニ「……許さない」
アルミン「…え?」
アニ「絶対に許さない…」
アニ「今回だけは… 絶対に…」
454: 2018/06/10(日) 09:15:11.53 ID:duRfaNFE0
― 捜 査 開 始 ―
460: 2018/06/17(日) 09:40:35.81 ID:Pe5Zloa50
ミカサ「…じゃあ、捜査を始めよう」
ジャン「ああ、だがその前に… 見張り役はどうする?」
コニー「見張り役?」
ジャン「殺害現場の見張り役だよ。
いつもはライナーとベルトルトがやってくれてただろ」
ライナー『俺たちか?俺たちはまぁ…“見張り役”ってやつだな』
アルミン『“見張り役”?』
ライナー『現場を荒らされない為に監視する人間のことだ。
犯人に証拠を隠滅されたら、手詰まりになりかねないからな』
ライナー『現場の見張り役は任せておけ。
俺とベルトルトがここに残る』
アニ『…わかった。頼んだよ』
ジャン「ああ、だがその前に… 見張り役はどうする?」
コニー「見張り役?」
ジャン「殺害現場の見張り役だよ。
いつもはライナーとベルトルトがやってくれてただろ」
ライナー『俺たちか?俺たちはまぁ…“見張り役”ってやつだな』
アルミン『“見張り役”?』
ライナー『現場を荒らされない為に監視する人間のことだ。
犯人に証拠を隠滅されたら、手詰まりになりかねないからな』
ライナー『現場の見張り役は任せておけ。
俺とベルトルトがここに残る』
アニ『…わかった。頼んだよ』
461: 2018/06/17(日) 09:45:29.51 ID:Pe5Zloa50
コニー「ああ、そうか… 今回はあいつら、いないんだったな」
アニ「………………」
ヒストリア「それなら、私が残るよ。
私が捜査するよりも、その方がいいと思うし…」
ミカサ「…もう1人は? 見張り役は2人必要だったはず」
コニー「俺がやるよ。だからお前ら… 頼んだぞ」
アニ「………………」
ヒストリア「それなら、私が残るよ。
私が捜査するよりも、その方がいいと思うし…」
ミカサ「…もう1人は? 見張り役は2人必要だったはず」
コニー「俺がやるよ。だからお前ら… 頼んだぞ」
462: 2018/06/17(日) 10:35:43.27 ID:Pe5Zloa50
アルミン(ついに始まった3度目の捜査…)
アルミン(ヒストリアとコニーの2人は現場の見張り役に着き、
僕、ジャン、アニ、ミカサの4人が捜査を開始する)
アルミン「じゃあ、まずは…」
アニ「………………」
アルミン「アニ!」
アニ「…!」
アルミン「アニ… 気持ちはわかるけど、今は」
アニ「…ああ、そうだね。ごめん」
アルミン(ヒストリアとコニーの2人は現場の見張り役に着き、
僕、ジャン、アニ、ミカサの4人が捜査を開始する)
アルミン「じゃあ、まずは…」
アニ「………………」
アルミン「アニ!」
アニ「…!」
アルミン「アニ… 気持ちはわかるけど、今は」
アニ「…ああ、そうだね。ごめん」
463: 2018/06/17(日) 10:50:24.71 ID:Pe5Zloa50
アニ「…まるで1回目の事件とは逆だね」
アルミン「…え?」
アニ「何でもない。それよりも、まずは…
これを見てみようか」
アルミン(アニがそう言って示したもの)
アルミン(それは、ついさっき配られた黒い冊子…
モノクマファイルだった)
アルミン「…え?」
アニ「何でもない。それよりも、まずは…
これを見てみようか」
アルミン(アニがそう言って示したもの)
アルミン(それは、ついさっき配られた黒い冊子…
モノクマファイルだった)
464: 2018/06/17(日) 11:00:17.15 ID:Pe5Zloa50
アルミン「モノクマファイル? それはさっき読んだけど…」
アニ「じゃあ、気付かない?
この内容には明らかにおかしな点があることに」
アルミン「…え?」
アニ「私は読んだ瞬間に気付いたけどね」
アニ「じゃあ、気付かない?
この内容には明らかにおかしな点があることに」
アルミン「…え?」
アニ「私は読んだ瞬間に気付いたけどね」
465: 2018/06/17(日) 11:05:05.28 ID:Pe5Zloa50
■ モノクマファイル 3 ■
被害者はライナー・ブラウン。
氏亡時刻は午前4時頃。
被害者はライナー・ブラウン。
氏亡時刻は午前4時頃。
466: 2018/06/17(日) 11:15:13.40 ID:Pe5Zloa50
アルミン(このファイルのおかしな点…)
アルミン(ぱっと思いつくのは、氏体と被害者が一致しないって事だけど…)
アルミン「………………」
アルミン(…待てよ?)
アルミン(アニが言ってるのって、もしかして…)
【モノクマファイル 3】
アルミン(ぱっと思いつくのは、氏体と被害者が一致しないって事だけど…)
アルミン「………………」
アルミン(…待てよ?)
アルミン(アニが言ってるのって、もしかして…)
【モノクマファイル 3】
467: 2018/06/17(日) 11:30:20.25 ID:Pe5Zloa50
アルミン(ファイルから目を上げた僕は、そのまま事件現場に視線を移す)
アルミン「………………」
アルミン(この現場の異様な点は3つ…)
アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)
アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)
アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
多数の剣が突き刺さっていること…)
アルミン「………………」
アルミン(この現場の異様な点は3つ…)
アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)
アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)
アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
多数の剣が突き刺さっていること…)
468: 2018/06/17(日) 11:55:41.43 ID:Pe5Zloa50
コニー「なんつーか、見れば見るほど異様だよな…」
コニー「あの氏体がライナーでもベルトルトでも…
正直、『ここまでやるか?』って感じだ」
アルミン(被害者を拘束して、槍や剣でメッタ刺し…)
アルミン(一見すると、相当な恨みを持った人間の犯行のように思える)
アルミン(そして… その恨みにも、僕たちには心当たりがある)
コニー「あの氏体がライナーでもベルトルトでも…
正直、『ここまでやるか?』って感じだ」
アルミン(被害者を拘束して、槍や剣でメッタ刺し…)
アルミン(一見すると、相当な恨みを持った人間の犯行のように思える)
アルミン(そして… その恨みにも、僕たちには心当たりがある)
469: 2018/06/17(日) 12:00:15.28 ID:Pe5Zloa50
モノクマ『なんと!? あの2人の正体が巨人!?』
モノクマ『しかも、人類の仇そのものである
超大型巨人と鎧の巨人ですと…!?』
アルミン(…でも、本当にそうなのか?)
アルミン(本当に… 恨んでいただけであんな頃し方をしたのか?)
アルミン(もし、あれらの1つ1つにちゃんとした意味があるんだとしたら…)
アルミン「あの氏体… ちゃんと調べてみようか」
アニ「…そうだね」
470: 2018/06/17(日) 12:05:11.62 ID:Pe5Zloa50
今日はここまで
474: 2018/06/24(日) 08:30:19.35 ID:Z6GPAua60
― 研究開発所(氏体近辺) ―
アルミン「うっ……」
アニ「………………」
アルミン(間近で氏体を見ると、その凄惨さに改めて驚く)
アルミン(エレンやユミルの氏体も
目を覆いたくなるようなものだったけど…)
アルミン(この氏体は、群を抜いて異質だった)
アルミン「うっ……」
アニ「………………」
アルミン(間近で氏体を見ると、その凄惨さに改めて驚く)
アルミン(エレンやユミルの氏体も
目を覆いたくなるようなものだったけど…)
アルミン(この氏体は、群を抜いて異質だった)
475: 2018/06/24(日) 08:35:13.42 ID:Z6GPAua60
アルミン「…アニ、大丈夫?」
アニ「………………」
アルミン(アニの顔が青い)
アルミン(平静を保っているように見えても、
その内心は激しく動揺しているようだった)
アルミン「少し休んだ方がいいんじゃ…」
アニ「…私は大丈夫」
アルミン「………………」
アニ「続けよう」
アニ「………………」
アルミン(アニの顔が青い)
アルミン(平静を保っているように見えても、
その内心は激しく動揺しているようだった)
アルミン「少し休んだ方がいいんじゃ…」
アニ「…私は大丈夫」
アルミン「………………」
アニ「続けよう」
476: 2018/06/24(日) 08:45:09.29 ID:Z6GPAua60
アルミン(アニが氏体を調べ始める)
アルミン(僕は一つ呼吸をおいて、アニに続くように氏体に向き直った)
アルミン「………………」
アルミン(最初に目がいったのは、頭部と胴体を貫く黒い槍だった)
アルミン(宙に浮いた体の急所を貫く2本の凶器…)
アルミン(僕は一つ呼吸をおいて、アニに続くように氏体に向き直った)
アルミン「………………」
アルミン(最初に目がいったのは、頭部と胴体を貫く黒い槍だった)
アルミン(宙に浮いた体の急所を貫く2本の凶器…)
477: 2018/06/24(日) 08:50:41.63 ID:Z6GPAua60
アルミン「…ちょっと手に持ってみてもいいかな?」
コニー「ん? ああ…」
アルミン(僕は見張り役のコニーに一声かけてから、槍に手を伸ばした)
アルミン「ふんっ…!」
アルミン(力を入れ、胴体に刺さった槍を引き抜こうとする)
アルミン(しかし…)
コニー「ん? ああ…」
アルミン(僕は見張り役のコニーに一声かけてから、槍に手を伸ばした)
アルミン「ふんっ…!」
アルミン(力を入れ、胴体に刺さった槍を引き抜こうとする)
アルミン(しかし…)
478: 2018/06/24(日) 09:05:10.83 ID:Z6GPAua60
アルミン「な、何だこれ… 重っ…!」
アルミン(精一杯力を入れても、その槍はびくともしなかった)
アルミン(床に突き刺さってはいるようだけど、それにしても…)
コニー「お、おい! あんまり現場を荒らすな!」
アルミン(慌ててコニーが制止に入る)
アルミン(僕は槍から手を離し、一歩下がって氏体を見つめた)
アルミン(精一杯力を入れても、その槍はびくともしなかった)
アルミン(床に突き刺さってはいるようだけど、それにしても…)
コニー「お、おい! あんまり現場を荒らすな!」
アルミン(慌ててコニーが制止に入る)
アルミン(僕は槍から手を離し、一歩下がって氏体を見つめた)
479: 2018/06/24(日) 09:40:07.87 ID:Z6GPAua60
アルミン(槍は宙に浮いた頭部と胴体を貫いている…)
アルミン(特に頭部は、その形を綺麗に保ったまま貫かれている)
アルミン(かなりの強い勢いじゃないと、こうはならないはずだ)
アルミン「………………」
アルミン(あの槍は1人でどうこうできるほどの重さじゃなかった)
アルミン(そんな槍を… どうやって勢いよく氏体に突き刺したんだ?)
【2本の黒槍】
アルミン(特に頭部は、その形を綺麗に保ったまま貫かれている)
アルミン(かなりの強い勢いじゃないと、こうはならないはずだ)
アルミン「………………」
アルミン(あの槍は1人でどうこうできるほどの重さじゃなかった)
アルミン(そんな槍を… どうやって勢いよく氏体に突き刺したんだ?)
【2本の黒槍】
483: 2018/07/01(日) 07:30:06.59 ID:jWVc5fPV0
アルミン(続いて目に入ったのは剣だった)
アルミン(氏体や周りの床に突き刺さった多数の剣…)
ミカサ「これって…」
アルミン「え?」
アルミン(ミカサが床に刺さった剣の1本を引き抜く)
アルミン(刀身に視線を這わせ、しばらく何かを考え込んでいたが…)
アルミン(氏体や周りの床に突き刺さった多数の剣…)
ミカサ「これって…」
アルミン「え?」
アルミン(ミカサが床に刺さった剣の1本を引き抜く)
アルミン(刀身に視線を這わせ、しばらく何かを考え込んでいたが…)
484: 2018/07/01(日) 07:35:14.29 ID:jWVc5fPV0
コニー「お、おい! どこに行くんだ!?」
ミカサ「ちょっと調べ物」
コニー「調べ物って…
こ、こら! 剣は持って行くな!」
アルミン(コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
建物の外へと向かっていった)
コニー「…ったく! どいつもこいつも…」
アニ「………………」
ミカサ「ちょっと調べ物」
コニー「調べ物って…
こ、こら! 剣は持って行くな!」
アルミン(コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
建物の外へと向かっていった)
コニー「…ったく! どいつもこいつも…」
アニ「………………」
485: 2018/07/01(日) 09:05:41.18 ID:jWVc5fPV0
アルミン「ミカサ、待って!」
アルミン(僕は建物から出ていこうとするミカサを
慌てて呼び止めた)
ミカサ「?」
アルミン(ミカサを追い越して研究開発所の扉を開ける)
アルミン(外を見ると、いくつかの足跡があった)
アルミン(寄宿舎の方向からこちらに向かう足跡が、全部で7人分…)
アルミン(僕は建物から出ていこうとするミカサを
慌てて呼び止めた)
ミカサ「?」
アルミン(ミカサを追い越して研究開発所の扉を開ける)
アルミン(外を見ると、いくつかの足跡があった)
アルミン(寄宿舎の方向からこちらに向かう足跡が、全部で7人分…)
486: 2018/07/01(日) 09:30:08.12 ID:jWVc5fPV0
アルミン「…ありがとう。もういいよ」
ミカサ「…? うん…」
アルミン(ミカサは困惑しながらも、建物の外へ出て行った)
【足跡】
ミカサ「…? うん…」
アルミン(ミカサは困惑しながらも、建物の外へ出て行った)
【足跡】
487: 2018/07/01(日) 09:55:43.80 ID:jWVc5fPV0
アルミン(ミカサを見送った僕は、改めて氏体に向き直る)
アルミン「………………」
アルミン(ミカサが引き抜いていったあの剣…)
アルミン(何本かは氏体の腕や脚に、そして残りの大半は床に突き刺さっていた)
アルミン「………………」
アルミン(この氏体の致命傷は2本の黒槍によるものだ)
アルミン(一方で、この剣が刺さっているのは腕や脚…
とても致命傷にはなり得ない)
アルミン(頃すために刺したんじゃないとしたら… 一体何のために?)
【多数の剣】
アルミン「………………」
アルミン(ミカサが引き抜いていったあの剣…)
アルミン(何本かは氏体の腕や脚に、そして残りの大半は床に突き刺さっていた)
アルミン「………………」
アルミン(この氏体の致命傷は2本の黒槍によるものだ)
アルミン(一方で、この剣が刺さっているのは腕や脚…
とても致命傷にはなり得ない)
アルミン(頃すために刺したんじゃないとしたら… 一体何のために?)
【多数の剣】
493: 2018/07/08(日) 07:35:52.92 ID:hT/RuanN0
ヒストリア「………………」
コニー「ん、どうした? ヒストリア」
ヒストリア「いや、この氏体の状態…
なんだか、最初の事件に似てるなって思って…」
コニー「最初の事件って… エレンか?」
ヒストリア「うん… エレンも発見されたときは、
こんな感じで宙づり状態だったでしょ?」
コニー「ん、どうした? ヒストリア」
ヒストリア「いや、この氏体の状態…
なんだか、最初の事件に似てるなって思って…」
コニー「最初の事件って… エレンか?」
ヒストリア「うん… エレンも発見されたときは、
こんな感じで宙づり状態だったでしょ?」
494: 2018/07/08(日) 07:40:07.28 ID:hT/RuanN0
アルミン『エレン!!!!』
495: 2018/07/08(日) 07:45:04.71 ID:hT/RuanN0
コニー「ああ、そういやそうだったな…」
アルミン「………………」
コニー「あのときは確か、姿勢制御の練習中に
エレンがバランスを崩して…」
コニー「無防備になったエレンを
ミーナが殴り頃したんだっけか…」
アルミン「………………」
コニー「あのときは確か、姿勢制御の練習中に
エレンがバランスを崩して…」
コニー「無防備になったエレンを
ミーナが殴り頃したんだっけか…」
496: 2018/07/08(日) 07:50:07.41 ID:hT/RuanN0
モノクマ『何度でも言うけどね…』
【エレン・イェーガーを頃す】
【エレン・イェーガーを頃す】
【エレン・イェーガーを頃す】
モノクマ『“オマエ”に選択肢なんてないんだよ!!』
【エレン・イェーガーを頃す】
【エレン・イェーガーを頃す】
【エレン・イェーガーを頃す】
モノクマ『“オマエ”に選択肢なんてないんだよ!!』
497: 2018/07/08(日) 07:55:16.11 ID:hT/RuanN0
ヒストリア「………………」
コニー「でもよ… 今回の事件はあれよりも酷いぞ」
コニー「あの事件は後頭部に石を振り下ろしただけだったけどよ…
今回は槍や剣でメッタ刺しだぜ?」
コニー「なんか、すげえ執念を感じるよな…」
コニー「でもよ… 今回の事件はあれよりも酷いぞ」
コニー「あの事件は後頭部に石を振り下ろしただけだったけどよ…
今回は槍や剣でメッタ刺しだぜ?」
コニー「なんか、すげえ執念を感じるよな…」
498: 2018/07/08(日) 08:00:15.02 ID:hT/RuanN0
アルミン「いや、それ以前に…」
アルミン「そもそも、どうしてこの氏体は
こんな場所で宙づりになってるんだろう?」
コニー「…え?」
アルミン「エレンの場合は、姿勢制御の練習中にバランスを崩したから
説明がつくんだけど…」
アルミン「この氏体の場合は… 宙づりになってる理由が
まるでわからないんだ」
アルミン「まさか、こんな場所で姿勢制御の練習を
していたわけでもないだろうし…」
アルミン「そもそも、どうしてこの氏体は
こんな場所で宙づりになってるんだろう?」
コニー「…え?」
アルミン「エレンの場合は、姿勢制御の練習中にバランスを崩したから
説明がつくんだけど…」
アルミン「この氏体の場合は… 宙づりになってる理由が
まるでわからないんだ」
アルミン「まさか、こんな場所で姿勢制御の練習を
していたわけでもないだろうし…」
499: 2018/07/08(日) 08:05:04.57 ID:hT/RuanN0
アニ「その理由なら、もう見つけたよ」
アルミン「えっ…」
アニ「これを見てごらん」
アルミン(アニがそう言って差し出したのは…)
アルミン(少し厚みのある紙束だった)
アルミン「えっ…」
アニ「これを見てごらん」
アルミン(アニがそう言って差し出したのは…)
アルミン(少し厚みのある紙束だった)
500: 2018/07/08(日) 08:10:38.13 ID:hT/RuanN0
開発品リスト
①立体起動装置 12台
②時限爆弾 3台
③特殊ガス発生装置 1台
④蓄音機 1台
⑤金属探知機 1台
⑥拘束トラップ 1台
①立体起動装置 12台
②時限爆弾 3台
③特殊ガス発生装置 1台
④蓄音機 1台
⑤金属探知機 1台
⑥拘束トラップ 1台
501: 2018/07/08(日) 08:15:32.25 ID:hT/RuanN0
アルミン「これは…?」
アニ「この建物にある装置の一覧… らしいよ」
アニ「どうやらこの場所では色んな装置が作られていて、
これはそれらをリスト化したものみたいだね」
【開発品リスト】
アニ「この建物にある装置の一覧… らしいよ」
アニ「どうやらこの場所では色んな装置が作られていて、
これはそれらをリスト化したものみたいだね」
【開発品リスト】
502: 2018/07/08(日) 08:25:11.44 ID:hT/RuanN0
アルミン(アニの説明を聞いた僕は紙束をめくった)
アルミン(それぞれのページには、詳細な図とともに
各装置の使い方や注意点が細かく記されている)
アルミン(僕はそのままペラペラと紙束をめくっていたが…)
アルミン(あるページを見た瞬間、ぴたりと手が止まった)
アルミン(それぞれのページには、詳細な図とともに
各装置の使い方や注意点が細かく記されている)
アルミン(僕はそのままペラペラと紙束をめくっていたが…)
アルミン(あるページを見た瞬間、ぴたりと手が止まった)
503: 2018/07/08(日) 08:30:16.97 ID:hT/RuanN0
⑥拘束トラップ
<概要>
フットスイッチを踏んだ相手を瞬時に拘束できるトラップです。
<使い方>
(1)装置を組み立てます(四脚を立てて下さい)。
(2)フットスイッチを任意の場所にセットします。
(3)四脚の交点から伸びるワイヤーをフットスイッチに繋げます。
(4)相手がフットスイッチを踏むのを待ちます。
<その他機能>
・ 折り畳んで持ち運ぶことができます。
・ フットスイッチが反応する重量を設定できます。
・ 四脚にあるスイッチで拘束の解除が可能です。
<概要>
フットスイッチを踏んだ相手を瞬時に拘束できるトラップです。
<使い方>
(1)装置を組み立てます(四脚を立てて下さい)。
(2)フットスイッチを任意の場所にセットします。
(3)四脚の交点から伸びるワイヤーをフットスイッチに繋げます。
(4)相手がフットスイッチを踏むのを待ちます。
<その他機能>
・ 折り畳んで持ち運ぶことができます。
・ フットスイッチが反応する重量を設定できます。
・ 四脚にあるスイッチで拘束の解除が可能です。
504: 2018/07/08(日) 08:35:23.62 ID:hT/RuanN0
アルミン「ねえ、この【拘束トラップ】って…」
アニ「…気付いたみたいだね」
アニ「そう… その氏体を拘束しているのが、まさにそれさ」
アルミン「それじゃあ、この人は…」
アニ「ああ… このトラップに引っかかって、捕まったんだろうね」
アニ「…気付いたみたいだね」
アニ「そう… その氏体を拘束しているのが、まさにそれさ」
アルミン「それじゃあ、この人は…」
アニ「ああ… このトラップに引っかかって、捕まったんだろうね」
505: 2018/07/08(日) 08:40:19.76 ID:hT/RuanN0
アルミン(僕は氏体を拘束している装置を見た)
アルミン(氏体は天井付近から伸びた1本のワイヤーで吊るされていたが…)
アルミン(よく見ると、ワイヤーの付け根から4本の脚が伸びていて、
それぞれが部屋の角で踏ん張るような形になっていた)
コニー「へえ~… でっかいテントの骨組みって感じだな。
この部屋全体を覆ってたのか」
ヒストリア「大きいけど、折り畳めば持ち運びもできるみたいだね…
一応、1人でもセッティングはできるみたいだよ」
アルミン(氏体は天井付近から伸びた1本のワイヤーで吊るされていたが…)
アルミン(よく見ると、ワイヤーの付け根から4本の脚が伸びていて、
それぞれが部屋の角で踏ん張るような形になっていた)
コニー「へえ~… でっかいテントの骨組みって感じだな。
この部屋全体を覆ってたのか」
ヒストリア「大きいけど、折り畳めば持ち運びもできるみたいだね…
一応、1人でもセッティングはできるみたいだよ」
506: 2018/07/08(日) 08:45:31.97 ID:hT/RuanN0
アルミン(リストに夢中になっているコニーとヒストリアを尻目に、
僕は4つの脚のうちの1つに向かった)
アルミン(調べると、何やらスイッチのようなものがある。
押してみると…)
ガチャ…
アルミン(氏体を拘束していたワイヤーが外れ、プラプラと宙で踊った)
僕は4つの脚のうちの1つに向かった)
アルミン(調べると、何やらスイッチのようなものがある。
押してみると…)
ガチャ…
アルミン(氏体を拘束していたワイヤーが外れ、プラプラと宙で踊った)
507: 2018/07/08(日) 08:50:17.40 ID:hT/RuanN0
コニー「…! お、おい! またお前ってヤツは…!」
アルミン「あ、ああ… ごめんごめん」
アニ「…怒る前に、あんたらも仕事しなよ。見張り役なんでしょ?」
ヒストリア「…ごめんなさい」
ジャン「………………」
アルミン「あ、ああ… ごめんごめん」
アニ「…怒る前に、あんたらも仕事しなよ。見張り役なんでしょ?」
ヒストリア「…ごめんなさい」
ジャン「………………」
508: 2018/07/08(日) 08:55:06.97 ID:hT/RuanN0
アルミン(シュンとして定位置に戻るコニーとヒストリアを見届けてから、
僕はアニに話しかけた)
アルミン「この装置の説明によれば、どこかにフットスイッチっていうのが
あるはずなんだけど…」
アニ「ああ、それならこの建物の入口にあったよ」
アルミン「…入口?」
アニ「この建物に入ってすぐの所さ。そこに仕掛けられてたみたいだね」
僕はアニに話しかけた)
アルミン「この装置の説明によれば、どこかにフットスイッチっていうのが
あるはずなんだけど…」
アニ「ああ、それならこの建物の入口にあったよ」
アルミン「…入口?」
アニ「この建物に入ってすぐの所さ。そこに仕掛けられてたみたいだね」
509: 2018/07/08(日) 09:00:17.16 ID:hT/RuanN0
アルミン(僕は建物の入口付近を振り返る)
アルミン(目を凝らすと、扉のすぐ内側の床に
四角の板のようなものが敷いてあるのがわかった)
アルミン「全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?」
アニ「そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから」
アルミン「あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
だとしたら、この建物に入ろうとして…?」
アニ「…そう考えられるね」
【拘束トラップ】
アルミン(目を凝らすと、扉のすぐ内側の床に
四角の板のようなものが敷いてあるのがわかった)
アルミン「全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?」
アニ「そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから」
アルミン「あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
だとしたら、この建物に入ろうとして…?」
アニ「…そう考えられるね」
【拘束トラップ】
510: 2018/07/08(日) 09:05:17.82 ID:hT/RuanN0
アニ「…それと、ちょっと気になる事があるんだ」
アルミン「気になる事?」
アニ「リストにある開発品…
その何個かが見当たらないんだよ」
アルミン「…え?」
アニ「見当たらないのは、時限爆弾2つと…」
アニ「…特殊ガス発生装置」
アルミン「気になる事?」
アニ「リストにある開発品…
その何個かが見当たらないんだよ」
アルミン「…え?」
アニ「見当たらないのは、時限爆弾2つと…」
アニ「…特殊ガス発生装置」
511: 2018/07/08(日) 09:15:27.98 ID:hT/RuanN0
アルミン(時限爆弾と特殊ガス発生装置…)
アルミン(その2つが見当たらない…?)
アルミン「…他の場所も調べる必要がありそうだね」
アニ「そうだね… 行ってみようか」
アルミン(その2つが見当たらない…?)
アルミン「…他の場所も調べる必要がありそうだね」
アニ「そうだね… 行ってみようか」
515: 2018/07/15(日) 13:30:24.29 ID:eDVuOUNY0
― 爆発現場(研究開発所の外) ―
アルミン(研究開発所から出ると、爆発現場が視界に飛び込んできた)
アルミン(それと、さっき見た7人分の足跡に加えて、
新たな足跡がもう一筋…)
アルミン「これはミカサの足跡だね」
アニ「みたいだね。この方向からすると…」
アルミン(アニが足跡の続く先に視線を向ける)
アルミン(僕も同じように視線を追うと、
煙を上げる巨大な煙突が目に入った)
アルミン(研究開発所から出ると、爆発現場が視界に飛び込んできた)
アルミン(それと、さっき見た7人分の足跡に加えて、
新たな足跡がもう一筋…)
アルミン「これはミカサの足跡だね」
アニ「みたいだね。この方向からすると…」
アルミン(アニが足跡の続く先に視線を向ける)
アルミン(僕も同じように視線を追うと、
煙を上げる巨大な煙突が目に入った)
516: 2018/07/15(日) 13:55:46.92 ID:eDVuOUNY0
アニ「…どうする? 私たちも行ってみる?」
アルミン「…いや、まずは目の前にあるものから見ていこう」
アルミン(僕はそう言って地面に開いた穴に向き直る)
アルミン(アニはしばらく足跡の先を見つめていたが、
思い直したように僕の隣に屈み込んだ)
アルミン「…いや、まずは目の前にあるものから見ていこう」
アルミン(僕はそう言って地面に開いた穴に向き直る)
アルミン(アニはしばらく足跡の先を見つめていたが、
思い直したように僕の隣に屈み込んだ)
517: 2018/07/15(日) 14:00:10.98 ID:eDVuOUNY0
アニ「それにしても、大きな穴だね」
アルミン「うん… 雨が降って地面が
ぬかるんでいたっていうのもあると思うけど…」
アルミン「ここまで地面が抉れるって事は、
よほど大きな爆発だったんだろうね」
【巨大な爆発痕】
アルミン「うん… 雨が降って地面が
ぬかるんでいたっていうのもあると思うけど…」
アルミン「ここまで地面が抉れるって事は、
よほど大きな爆発だったんだろうね」
【巨大な爆発痕】
518: 2018/07/15(日) 14:15:05.62 ID:eDVuOUNY0
アニ「今回の爆発… やっぱり犯人が仕組んだ事だと思う?」
アルミン「…うん、多分ね」
アルミン「寄宿舎から研究開発所に続く足跡、
その始めと終わりに立て続けに起きた爆発…」
アルミン「そして、それらを追うようにして発見した氏体…
どれも無関係とは思えないよ」
アニ「………………」
アルミン「…うん、多分ね」
アルミン「寄宿舎から研究開発所に続く足跡、
その始めと終わりに立て続けに起きた爆発…」
アルミン「そして、それらを追うようにして発見した氏体…
どれも無関係とは思えないよ」
アニ「………………」
519: 2018/07/15(日) 14:25:07.07 ID:eDVuOUNY0
アルミン(だけど、それだと疑問が残る…)
アルミン(この爆発も犯人の計画の一部だとしたら、
一体何のために…?)
ミカサ『…まさか、ここで誰かが爆発したんじゃ』
アルミン『いや、それはないよ』
ミカサ『…え?』
アルミン『もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
血肉とか、衣服の残骸とか…』
アルミン『でも、ここに見られるのは爆発の筋と
僅かな焦げ跡だけだから…』
アルミン『寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
そこが爆発しただけだと思う』
アルミン(この爆発も犯人の計画の一部だとしたら、
一体何のために…?)
ミカサ『…まさか、ここで誰かが爆発したんじゃ』
アルミン『いや、それはないよ』
ミカサ『…え?』
アルミン『もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
血肉とか、衣服の残骸とか…』
アルミン『でも、ここに見られるのは爆発の筋と
僅かな焦げ跡だけだから…』
アルミン『寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
そこが爆発しただけだと思う』
520: 2018/07/15(日) 14:35:06.91 ID:eDVuOUNY0
アルミン(…待てよ?)
アルミン「ねえ、アニ… さっきのリスト持ってるかな?
開発品が載ってたやつ」
アニ「…ああ、これ? 一応持って来てるよ」
アルミン「ちょっと見せてもらっていい?」
アニ「…? いいけど…」
アルミン「ねえ、アニ… さっきのリスト持ってるかな?
開発品が載ってたやつ」
アニ「…ああ、これ? 一応持って来てるよ」
アルミン「ちょっと見せてもらっていい?」
アニ「…? いいけど…」
527: 2018/07/22(日) 17:20:17.87 ID:FmGaI8870
開発品リスト
①立体起動装置 12台
②時限爆弾 3台
③特殊ガス発生装置 1台
④蓄音機 1台
⑤金属探知機 1台
⑥拘束トラップ 1台
①立体起動装置 12台
②時限爆弾 3台
③特殊ガス発生装置 1台
④蓄音機 1台
⑤金属探知機 1台
⑥拘束トラップ 1台
528: 2018/07/22(日) 17:25:10.03 ID:FmGaI8870
②時限爆弾
<概要>
指定した時間に爆発させることができる爆弾です。
AとBの2つのモードがありますので、状況に応じて使い分けて下さい。
<使い方>
(1)モードを選択します。
(2)時間を設定します。
(3)爆発させたい場所に仕掛けます。
<モード選択>
・ Aモード
爆発時に破片を飛ばします。
殺傷能力は高いですが、爆発範囲は狭くなります。
・ Bモード
爆発時に破片をミクロの状態まで細分化します。
殺傷能力は低いですが、爆発範囲は広くなります。
<概要>
指定した時間に爆発させることができる爆弾です。
AとBの2つのモードがありますので、状況に応じて使い分けて下さい。
<使い方>
(1)モードを選択します。
(2)時間を設定します。
(3)爆発させたい場所に仕掛けます。
<モード選択>
・ Aモード
爆発時に破片を飛ばします。
殺傷能力は高いですが、爆発範囲は狭くなります。
・ Bモード
爆発時に破片をミクロの状態まで細分化します。
殺傷能力は低いですが、爆発範囲は広くなります。
529: 2018/07/22(日) 17:45:08.10 ID:FmGaI8870
アニ「…時限爆弾?」
アルミン「うん… 爆発っていう言葉でピンと来たんだ。
今回の爆発に使われたのは、この時限爆弾じゃないかって…」
アニ「…なるほどね」
アニ『リストにある開発品…
その何個かが見当たらないんだよ』
アルミン『…え?』
アニ『見当たらないのは、時限爆弾2つと…』
アニ『…特殊ガス発生装置』
アルミン「うん… 爆発っていう言葉でピンと来たんだ。
今回の爆発に使われたのは、この時限爆弾じゃないかって…」
アニ「…なるほどね」
アニ『リストにある開発品…
その何個かが見当たらないんだよ』
アルミン『…え?』
アニ『見当たらないのは、時限爆弾2つと…』
アニ『…特殊ガス発生装置』
530: 2018/07/22(日) 18:00:39.38 ID:FmGaI8870
アニ「研究開発所からは時限爆弾2つが消えていた…」
アニ「今回起こった爆発は2回だから、もしかすると…」
アルミン(いや… それだけじゃない)
アルミン(僕の考えが正しければ、今回の爆発は…)
【時限爆弾】
アニ「今回起こった爆発は2回だから、もしかすると…」
アルミン(いや… それだけじゃない)
アルミン(僕の考えが正しければ、今回の爆発は…)
【時限爆弾】
531: 2018/07/22(日) 18:10:07.21 ID:FmGaI8870
アルミン「爆発現場はもう1つあったよね」
アニ「…寄宿舎のすぐ外だね。行ってみる?」
アルミン「うん」
ガチャッ
ジャン「おい、ちょっと待て!」
アルミン「…ジャン?」
ジャン「お前ら、念のために言っとくが…
ここから先は絶対に1人になるんじゃないぞ」
アニ「…どういう事?」
ジャン「わからねえのか!?」
アニ「…寄宿舎のすぐ外だね。行ってみる?」
アルミン「うん」
ガチャッ
ジャン「おい、ちょっと待て!」
アルミン「…ジャン?」
ジャン「お前ら、念のために言っとくが…
ここから先は絶対に1人になるんじゃないぞ」
アニ「…どういう事?」
ジャン「わからねえのか!?」
532: 2018/07/22(日) 18:15:04.43 ID:FmGaI8870
ジャン「“もう1人”が襲ってくるかもしれねえって事だよ!」
547: 2018/07/30(月) 18:25:15.33 ID:uKrYqmO+0
アルミン「“もう1人”って… 誰のこと?」
ジャン「決まってんだろ! ライナーだよ!」
ジャン「いや、正確には…
“ライナーと呼ばれてた人間”だ!」
アニ「…“ライナーと呼ばれてた人間”?」
ジャン「あの氏体はどう見たってベルトルトだった…」
ジャン「なのに、あれがライナーだっていうんなら…
考えられる可能性はそれしかねえだろ!」
ジャン「決まってんだろ! ライナーだよ!」
ジャン「いや、正確には…
“ライナーと呼ばれてた人間”だ!」
アニ「…“ライナーと呼ばれてた人間”?」
ジャン「あの氏体はどう見たってベルトルトだった…」
ジャン「なのに、あれがライナーだっていうんなら…
考えられる可能性はそれしかねえだろ!」
548: 2018/07/30(月) 18:35:38.27 ID:uKrYqmO+0
アルミン「…もしかして、あの2人が偽名を名乗ってた
って言いたいの?」
ジャン「ああ、そうだよ!」
ジャン「オレたちがベルトルトだと思ってたのが
実はライナーっていう名前で…」
ジャン「ライナーだと思ってたのが
全く別の名前の人間だった…」
ジャン「そう考えれば辻褄が合うんだよ!
あの意味不明な状況もな!」
アニ「………………」
って言いたいの?」
ジャン「ああ、そうだよ!」
ジャン「オレたちがベルトルトだと思ってたのが
実はライナーっていう名前で…」
ジャン「ライナーだと思ってたのが
全く別の名前の人間だった…」
ジャン「そう考えれば辻褄が合うんだよ!
あの意味不明な状況もな!」
アニ「………………」
549: 2018/07/30(月) 19:05:08.00 ID:uKrYqmO+0
アルミン「でも、襲ってくるっていうのは…」
ジャン「氏体発見を知らせるモノクマの“声”
が聞こえても、あいつは姿を見せていない…」
ジャン「おかしいと思わねえか?
大きな爆発もあったっていうのによ」
アニ「………………」
ジャン「だからオレはこう考えた。
あいつが今も姿を隠しているのは…」
ジャン「精神的に危険な状態にあるからじゃねえか…ってな」
ジャン「氏体発見を知らせるモノクマの“声”
が聞こえても、あいつは姿を見せていない…」
ジャン「おかしいと思わねえか?
大きな爆発もあったっていうのによ」
アニ「………………」
ジャン「だからオレはこう考えた。
あいつが今も姿を隠しているのは…」
ジャン「精神的に危険な状態にあるからじゃねえか…ってな」
557: 2018/08/08(水) 13:15:27.77 ID:M4hO0dul0
アルミン「精神的に危険な状態…?」
ジャン「あいつら… ライナーとベルトルトは
巨人の疑いをかけられて、オレたちから孤立してた」
ジャン「超大型巨人と鎧の巨人といやあ、
オレたち人類にとっては仇そのものだ」
ジャン「アルミン… お前だって忘れたわけじゃないだろ?」
ジャン「なにせお前は、奴らから直接被害を受けた
シガンシナ区の出身なんだからよ」
ジャン「あいつら… ライナーとベルトルトは
巨人の疑いをかけられて、オレたちから孤立してた」
ジャン「超大型巨人と鎧の巨人といやあ、
オレたち人類にとっては仇そのものだ」
ジャン「アルミン… お前だって忘れたわけじゃないだろ?」
ジャン「なにせお前は、奴らから直接被害を受けた
シガンシナ区の出身なんだからよ」
558: 2018/08/08(水) 13:20:03.38 ID:M4hO0dul0
エレン『駆逐してやる!!』
エレン『この世から… 一匹残らず!!』
559: 2018/08/08(水) 13:25:17.59 ID:M4hO0dul0
アルミン「………………」
ジャン「要するに、あいつらは… オレたち全員に
殺される動機を持たれていたんだ」
ジャン「そんな中で、あいつらのうちの1人が氏んだ…」
ジャン「“もう1人”はこう思うはずだ。
『次に殺されるのは自分なんじゃないか』ってな」
ジャン「要するに、あいつらは… オレたち全員に
殺される動機を持たれていたんだ」
ジャン「そんな中で、あいつらのうちの1人が氏んだ…」
ジャン「“もう1人”はこう思うはずだ。
『次に殺されるのは自分なんじゃないか』ってな」
560: 2018/08/08(水) 13:30:13.65 ID:M4hO0dul0
アルミン「…ジャンの言いたい事がわかったよ」
アルミン「つまり、“もう1人”は自分が
殺されるかもしれないという疑心暗鬼に陥っていて…」
アルミン「自分の身を守るために、僕たちを
攻撃してくるかもしれないって事だね?」
ジャン「…そういう事だ」
ジャン「最悪の場合、ガチで頃しに来るかもしれねえ。
だから、お前らも…」
アルミン「つまり、“もう1人”は自分が
殺されるかもしれないという疑心暗鬼に陥っていて…」
アルミン「自分の身を守るために、僕たちを
攻撃してくるかもしれないって事だね?」
ジャン「…そういう事だ」
ジャン「最悪の場合、ガチで頃しに来るかもしれねえ。
だから、お前らも…」
561: 2018/08/08(水) 13:35:12.96 ID:M4hO0dul0
アニ「…よく言うよ」
ジャン「あ…?」
アニ「あいつらを孤立させたのはどこの誰?」
アニ「事の真偽もわからないまま、モノクマの情報に踊らされて…」
アニ「必要以上に騒ぎ立てて、あいつらを追い詰めたのは…
一体どこの誰なの?」
ジャン「あ…?」
アニ「あいつらを孤立させたのはどこの誰?」
アニ「事の真偽もわからないまま、モノクマの情報に踊らされて…」
アニ「必要以上に騒ぎ立てて、あいつらを追い詰めたのは…
一体どこの誰なの?」
562: 2018/08/08(水) 13:40:11.58 ID:M4hO0dul0
ジャン「…お前、オレに喧嘩売ってるのか?」
アニ「ああ、売ってるよ」
アニ「私はね… あいつらを孤立させるきっかけを作った
あんたが一番怪しいとすら思ってる」
ジャン「てめえ…!!」
アニ「ジャン、あんたさあ…」
アニ「ああ、売ってるよ」
アニ「私はね… あいつらを孤立させるきっかけを作った
あんたが一番怪しいとすら思ってる」
ジャン「てめえ…!!」
アニ「ジャン、あんたさあ…」
563: 2018/08/08(水) 13:45:05.13 ID:M4hO0dul0
アニ「まだ私たちに隠してる事があるんじゃないの?」
564: 2018/08/08(水) 13:50:11.81 ID:M4hO0dul0
ジャン「なっ… 何言ってんだよ、急に…!」
アニ「あんたの様子がおかしかったのは、てっきり
例の本を見つけたせいだと思ってたんだけど…」
アニ「どうやら、それだけじゃないみたいだね」
ジャン「…っ!」
アニ「どうにも気に入らないんだよ…」
アニ「私たちの身を案じて忠告するようなフリをしながら、
ジロジロと探りを入れてるようなその態度が…」
アニ「あんたの様子がおかしかったのは、てっきり
例の本を見つけたせいだと思ってたんだけど…」
アニ「どうやら、それだけじゃないみたいだね」
ジャン「…っ!」
アニ「どうにも気に入らないんだよ…」
アニ「私たちの身を案じて忠告するようなフリをしながら、
ジロジロと探りを入れてるようなその態度が…」
565: 2018/08/08(水) 13:55:31.97 ID:M4hO0dul0
アニ「ねえ、ジャン…」
アニ「この期に及んで… あんたは一体何を隠してるの?」
ジャン「し、知らねえよ!」
バッ
ジャン「とにかく、忠告はしたからな!
あとはどうなっても知らねえぞ!」
ジャン「じゃあな!」
アニ「この期に及んで… あんたは一体何を隠してるの?」
ジャン「し、知らねえよ!」
バッ
ジャン「とにかく、忠告はしたからな!
あとはどうなっても知らねえぞ!」
ジャン「じゃあな!」
566: 2018/08/08(水) 14:00:08.86 ID:M4hO0dul0
ダッダッダッ
アルミン「………………」
アニ「…ジャンの言ってる事はあり得ないよ」
アルミン「…え?」
アニ「あの2人が偽名を使ってたって話さ」
アニ「私は幼いときからあいつらを知ってる。
偽名なんて使ったら一発でわかるよ」
アルミン「………………」
アニ「…ジャンの言ってる事はあり得ないよ」
アルミン「…え?」
アニ「あの2人が偽名を使ってたって話さ」
アニ「私は幼いときからあいつらを知ってる。
偽名なんて使ったら一発でわかるよ」
567: 2018/08/08(水) 14:15:28.24 ID:M4hO0dul0
アニ「だから、今回殺されたのはベルトルト…
それは確かなんだ」
アニ「間違いないんだよ…」
アルミン「………………」
アニ「…アルミン?」
アルミン(何だ? この違和感…)
アルミン(何か、とんでもないものを見落としてるような…)
それは確かなんだ」
アニ「間違いないんだよ…」
アルミン「………………」
アニ「…アルミン?」
アルミン(何だ? この違和感…)
アルミン(何か、とんでもないものを見落としてるような…)
572: 2018/08/12(日) 10:00:19.69 ID:nS39C8200
アニ「アルミン!」
アルミン「…!!」
アニ「どうしたの、ぼーっとして」
アルミン「あ、ああ、ごめん… 何でもない」
アニ「………………」
アルミン「…!!」
アニ「どうしたの、ぼーっとして」
アルミン「あ、ああ、ごめん… 何でもない」
アニ「………………」
573: 2018/08/12(日) 10:10:13.27 ID:nS39C8200
アルミン「えーっと… それじゃあ、
1回目の爆発現場に行こうか」
アニ「…そうだね」
アニ「あと、一応… 警戒だけはしておこう」
アルミン「…え?」
アニ「“もう1人”が襲ってくる事に対しての警戒さ」
1回目の爆発現場に行こうか」
アニ「…そうだね」
アニ「あと、一応… 警戒だけはしておこう」
アルミン「…え?」
アニ「“もう1人”が襲ってくる事に対しての警戒さ」
575: 2018/08/12(日) 10:15:15.86 ID:nS39C8200
アルミン「それって、ジャンの言ってた…?」
アニ「うん… 癪だけど、
あいつの言う事にも一理あるからね」
アニ「“もう1人”… ライナーの行方がわからない以上、
どんな可能性も起こり得るって事さ」
アルミン「………………」
アニ「それじゃあ、行こうか」
アニ「うん… 癪だけど、
あいつの言う事にも一理あるからね」
アニ「“もう1人”… ライナーの行方がわからない以上、
どんな可能性も起こり得るって事さ」
アルミン「………………」
アニ「それじゃあ、行こうか」
576: 2018/08/12(日) 10:50:10.34 ID:nS39C8200
― 爆発現場(寄宿舎の外) ―
アルミン(現場に到着するなり、
僕は巨大な爆発痕の調査を始めた)
アルミン(だいぶ足跡で荒されているけど、
僕が見たかったものに対しては支障がないはずだ)
アルミン「………………」
アルミン(時には地面に顔を近づけ、細かい部分まで観察する)
アルミン(そして、ゆっくりと隅々まで見た後、
ついには観察対象を大穴の外にまで広げていった)
アルミン(現場に到着するなり、
僕は巨大な爆発痕の調査を始めた)
アルミン(だいぶ足跡で荒されているけど、
僕が見たかったものに対しては支障がないはずだ)
アルミン「………………」
アルミン(時には地面に顔を近づけ、細かい部分まで観察する)
アルミン(そして、ゆっくりと隅々まで見た後、
ついには観察対象を大穴の外にまで広げていった)
577: 2018/08/12(日) 10:55:21.71 ID:nS39C8200
アニ「…どうだった? アルミン」
アルミン「うん…」
アルミン(ひとしきり調査を終えると、僕はアニに向き直った)
アルミン「やっぱり無いね」
アニ「…そう。それじゃあ…」
アルミン「うん… おそらく、さっき話した推測の通りだと思う」
アルミン「うん…」
アルミン(ひとしきり調査を終えると、僕はアニに向き直った)
アルミン「やっぱり無いね」
アニ「…そう。それじゃあ…」
アルミン「うん… おそらく、さっき話した推測の通りだと思う」
578: 2018/08/12(日) 11:05:35.68 ID:nS39C8200
アルミン(…よし、少し時間は掛かったけど、
これで爆発の手掛かりは掴めた)
アニ「次はどうする?」
アルミン「うーん…」
アルミン(僕は次に捜査すべき場所を考える)
アルミン(一応、候補はあるけど…)
これで爆発の手掛かりは掴めた)
アニ「次はどうする?」
アルミン「うーん…」
アルミン(僕は次に捜査すべき場所を考える)
アルミン(一応、候補はあるけど…)
579: 2018/08/12(日) 11:10:25.50 ID:nS39C8200
アルミン(僕は考えながら周囲に視線を巡らせる)
アルミン(そしてふと、すぐ近くにある
寄宿舎の入口に目が留まった)
アルミン「………………」
アニ「…? どうかした?」
アルミン「…ねえ、アニ」
アルミン(そしてふと、すぐ近くにある
寄宿舎の入口に目が留まった)
アルミン「………………」
アニ「…? どうかした?」
アルミン「…ねえ、アニ」
580: 2018/08/12(日) 11:15:25.45 ID:nS39C8200
アルミン「もしかして… “もう1人”は
寄宿舎にいるんじゃないかな」
585: 2018/08/19(日) 05:30:23.34 ID:ndPtDpkL0
アニ「…え?」
アルミン「今までの手掛かりを総合すると、
そうとしか考えられないんだ」
アルミン「まず、今朝の状況を
思い出してほしいんだけど…」
アルミン『…足跡?』
ミカサ『それは私も気になっていた。
まるで、この穴から誰かが這い出たように…』
アルミン「最初の爆発があったとき、寄宿舎から
研究開発所に続く【1人分の足跡】があったよね?」
アルミン「大雨が降る少し前に、僕たちは
研究開発所の中を確認してるけど…」
アルミン「その時は、あの氏体がなかったから…」
アルミン「あの【1人分の足跡】は
ベルトルトのものである可能性が高いんだ」
アルミン「今までの手掛かりを総合すると、
そうとしか考えられないんだ」
アルミン「まず、今朝の状況を
思い出してほしいんだけど…」
アルミン『…足跡?』
ミカサ『それは私も気になっていた。
まるで、この穴から誰かが這い出たように…』
アルミン「最初の爆発があったとき、寄宿舎から
研究開発所に続く【1人分の足跡】があったよね?」
アルミン「大雨が降る少し前に、僕たちは
研究開発所の中を確認してるけど…」
アルミン「その時は、あの氏体がなかったから…」
アルミン「あの【1人分の足跡】は
ベルトルトのものである可能性が高いんだ」
586: 2018/08/19(日) 05:35:26.22 ID:ndPtDpkL0
アニ「…どうして?」
アルミン「帰りの足跡がなかったからだよ」
アルミン『全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?』
アニ『そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから』
アルミン『あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
だとしたら、この建物に入ろうとして…?』
アニ『…そう考えられるね』
アルミン「状況から見て、ベルトルトは
研究開発所の入り口に仕掛けられたフットスイッチを踏んでる」
アルミン「そして、罠に拘束された後、
【2本の黒槍】に貫かれて殺された…」
アルミン「つまり、あの足跡は…
ベルトルトが寄宿舎を出て殺されるまでの道筋なんだよ」
アルミン「帰りの足跡がなかったからだよ」
アルミン『全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?』
アニ『そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから』
アルミン『あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
だとしたら、この建物に入ろうとして…?』
アニ『…そう考えられるね』
アルミン「状況から見て、ベルトルトは
研究開発所の入り口に仕掛けられたフットスイッチを踏んでる」
アルミン「そして、罠に拘束された後、
【2本の黒槍】に貫かれて殺された…」
アルミン「つまり、あの足跡は…
ベルトルトが寄宿舎を出て殺されるまでの道筋なんだよ」
587: 2018/08/19(日) 05:40:11.81 ID:ndPtDpkL0
アニ「…犯人の足跡である可能性は?」
アルミン「もし、あれが犯人の足跡だったのなら、
ベルトルトの足跡がないのは不自然だよ」
アルミン「足跡を隠さなきゃいけないのは、
ベルトルトよりも犯人の方だと思うから…」
アニ「………………」
アルミン「おそらく、この事件には…
何かしらのトリックが使われているんだ」
アルミン「足跡を残さずに研究開発所に向かい、
ベルトルトを頃すことのできるトリックが…」
アルミン「もし、あれが犯人の足跡だったのなら、
ベルトルトの足跡がないのは不自然だよ」
アルミン「足跡を隠さなきゃいけないのは、
ベルトルトよりも犯人の方だと思うから…」
アニ「………………」
アルミン「おそらく、この事件には…
何かしらのトリックが使われているんだ」
アルミン「足跡を残さずに研究開発所に向かい、
ベルトルトを頃すことのできるトリックが…」
588: 2018/08/19(日) 05:45:13.97 ID:ndPtDpkL0
アニ「…もし、あの足跡がベルトルトのものだったとして、
それがさっき言った事とどう繋がるの?」
アルミン『もしかして… “もう1人”は
寄宿舎にいるんじゃないかな』
アルミン「あの足跡がベルトルトのものだったっていう事は…」
アルミン「“もう1人”は、寄宿舎から出ていないって事になるんだよ」
アニ「どうして? 他の場所に潜伏してる可能性も…」
アルミン「それはないよ。だって…」
それがさっき言った事とどう繋がるの?」
アルミン『もしかして… “もう1人”は
寄宿舎にいるんじゃないかな』
アルミン「あの足跡がベルトルトのものだったっていう事は…」
アルミン「“もう1人”は、寄宿舎から出ていないって事になるんだよ」
アニ「どうして? 他の場所に潜伏してる可能性も…」
アルミン「それはないよ。だって…」
589: 2018/08/19(日) 05:50:23.09 ID:ndPtDpkL0
3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。
アルミン「兵団規則では…
寄宿舎の個室以外では眠れないことになっているから」
アニ「…!!」
アルミン「今朝見たときに、足跡が
ベルトルトのものしかなかったって事は…」
アルミン「雨が降ってから爆発が起きるまで… つまり、昨日一晩で
寄宿舎を出た人間はいなかったっていう事だよ」
アルミン「そして、今確認しても… 足跡はこの爆発痕周辺と
研究開発所に続く【7人分の足跡】しかないから…」
アルミン「“もう1人”は多分、今も中に…」
590: 2018/08/19(日) 06:05:13.89 ID:ndPtDpkL0
アニ「………………」
アルミン「…寄宿舎の中、調べてみない?」
アルミン「もしかしたら…」
アニ「…わかった」
アニ「調べてみよう」
アルミン「…寄宿舎の中、調べてみない?」
アルミン「もしかしたら…」
アニ「…わかった」
アニ「調べてみよう」
592: 2018/08/26(日) 08:40:14.08 ID:ndsMlkS30
― 寄宿舎 ―
アルミン「ここがライナーの部屋…」
アニ「………………」
アルミン「開けるよ」
アニ「…うん」
アルミン「ここがライナーの部屋…」
アニ「………………」
アルミン「開けるよ」
アニ「…うん」
593: 2018/08/26(日) 08:45:04.21 ID:ndsMlkS30
ガチャガチャ
アルミン「鍵がかかってる…」
アニ「………………」
アルミン「うーん、これじゃあ…」
アニ「仕方ない、開けてもらおう」
アルミン「えっ?」
アニ「モノクマ」
アルミン「鍵がかかってる…」
アニ「………………」
アルミン「うーん、これじゃあ…」
アニ「仕方ない、開けてもらおう」
アルミン「えっ?」
アニ「モノクマ」
594: 2018/08/26(日) 08:50:13.49 ID:ndsMlkS30
モノクマ「お呼びですかーーーーっ!?」
アルミン「おわっ!?」
アニ「ライナーの部屋に入りたいんだけど、開けてくれない?」
モノクマ「えっ!? レオンハートさんが!?」
モノクマ「ブラウンくんの部屋に!?」
アニ「…何よ」
モノクマ「い、いやあ… まさか…」
モノクマ「さすがのボクも、そっち方向の矢印は
想像していなかったから…」
595: 2018/08/26(日) 08:55:11.91 ID:ndsMlkS30
アルミン「…矢印?」
モノクマ「だってさあ、レオンハートさんって
ブラウンくんに対してはツンデレっていうより…」
モノクマ「ツンしかなかったじゃない!
殺意すら感じるほどに!」
アニ「………………」
モノクマ「でもやっぱり、人は見かけによらないんだね…
ボクもまだまだ修行が足りないなあ」
モノクマ「だってさあ、レオンハートさんって
ブラウンくんに対してはツンデレっていうより…」
モノクマ「ツンしかなかったじゃない!
殺意すら感じるほどに!」
アニ「………………」
モノクマ「でもやっぱり、人は見かけによらないんだね…
ボクもまだまだ修行が足りないなあ」
596: 2018/08/26(日) 09:00:10.59 ID:ndsMlkS30
アニ「開けて」
モノクマ「あっ、でもアルレルトくんにとっては複雑かな?
まあそういう三角関係も…」
アニ「開けて」
モノクマ「…わかったよ。開ければいいんでしょ、開ければ」
カチャッ
モノクマ「はい、開けたよ。後はお好きに…」
モノクマ「あっ、でもアルレルトくんにとっては複雑かな?
まあそういう三角関係も…」
アニ「開けて」
モノクマ「…わかったよ。開ければいいんでしょ、開ければ」
カチャッ
モノクマ「はい、開けたよ。後はお好きに…」
597: 2018/08/26(日) 09:05:13.78 ID:ndsMlkS30
アルミン「あっ、待って」
モノクマ「?」
アルミン「ライナーの部屋だけじゃなくて…
この寄宿舎の中の鍵は全部開けてくれない?」
モノクマ「えっ、全部?」
アニ「…アルミン?」
アルミン「“もう1人”が潜んでるのはこの部屋とは限らないよ。
念のために、ね」
モノクマ「?」
アルミン「ライナーの部屋だけじゃなくて…
この寄宿舎の中の鍵は全部開けてくれない?」
モノクマ「えっ、全部?」
アニ「…アルミン?」
アルミン「“もう1人”が潜んでるのはこの部屋とは限らないよ。
念のために、ね」
598: 2018/08/26(日) 09:10:25.02 ID:ndsMlkS30
モノクマ「まあ、ボクは別にいいよ。
1つも全部も変わらないし」
カチャカチャカチャッ…
モノクマ「はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ」
アルミン「ありがとう、もういいよ。
また何かあったら呼ぶから」
モノクマ「…なんかクマ使いがこなれてきてない?
ていうか、荒くなって…」
アルミン「それじゃあ行こうか、アニ」
アニ「うん」
モノクマ「………………」
1つも全部も変わらないし」
カチャカチャカチャッ…
モノクマ「はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ」
アルミン「ありがとう、もういいよ。
また何かあったら呼ぶから」
モノクマ「…なんかクマ使いがこなれてきてない?
ていうか、荒くなって…」
アルミン「それじゃあ行こうか、アニ」
アニ「うん」
モノクマ「………………」
603: 2018/08/27(月) 14:00:49.10 ID:SJyNgyB00
― 大浴場 ―
アニ「アルミン」
アルミン「アニ、どうだった?」
アニ「駄目だね… 女子の部屋は全員分見たけど、
誰もいなかった」
アルミン「こっちもだよ… 男子の部屋には誰も」
アニ「そう… その様子だと、この大浴場も
ハズレみたいだね」
アニ「アルミン」
アルミン「アニ、どうだった?」
アニ「駄目だね… 女子の部屋は全員分見たけど、
誰もいなかった」
アルミン「こっちもだよ… 男子の部屋には誰も」
アニ「そう… その様子だと、この大浴場も
ハズレみたいだね」
604: 2018/08/27(月) 14:05:09.48 ID:SJyNgyB00
アルミン「部屋にもいない、大浴場にもいない、か…」
アニ「………………」
アルミン「この寄宿舎の出入り口って、1つだけだよね」
アニ「…そうだね。裏口どころか、
この建物には窓が1つも無いからね」
アルミン「………………」
アニ「残念だけど、あんたの推理は不正解…ってこと?」
アニ「………………」
アルミン「この寄宿舎の出入り口って、1つだけだよね」
アニ「…そうだね。裏口どころか、
この建物には窓が1つも無いからね」
アルミン「………………」
アニ「残念だけど、あんたの推理は不正解…ってこと?」
605: 2018/08/27(月) 14:45:31.36 ID:SJyNgyB00
アルミン「………………」
アニ「いや、そういえば… まだ見てない場所があるね」
アルミン「…え?」
アニ「この寄宿舎に、外から入れる
もう1つの扉があるんだけど… 知ってた?」
アルミン「えっ… さっき、裏口はないって…」
アニ「裏口じゃないよ。この寄宿舎の
どこにも繋がっていないからね」
アルミン「…?」
アニ「要するに、寄宿舎に併設してる外付けの部屋ってことさ」
アニ「この施設の調査でも何回か確認したんだけどね…
2回の裁判を経ても、未だに施錠されてる所だよ」
アニ「いや、そういえば… まだ見てない場所があるね」
アルミン「…え?」
アニ「この寄宿舎に、外から入れる
もう1つの扉があるんだけど… 知ってた?」
アルミン「えっ… さっき、裏口はないって…」
アニ「裏口じゃないよ。この寄宿舎の
どこにも繋がっていないからね」
アルミン「…?」
アニ「要するに、寄宿舎に併設してる外付けの部屋ってことさ」
アニ「この施設の調査でも何回か確認したんだけどね…
2回の裁判を経ても、未だに施錠されてる所だよ」
606: 2018/08/27(月) 14:55:31.69 ID:SJyNgyB00
アルミン「でも、施錠されてるなら… あっ」
アニ「そういう事… さっきモノクマが言ってたでしょ」
モノクマ『はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ』
アニ「あの場所も寄宿舎の一部だと見なされているなら、
鍵が開いた可能性がある…」
アニ「たとえそこが、兵団裁判を終えないと
開かないような場所でもね」
アルミン「………………」
アニ「せっかくだから、そこも調べてみる?」
アルミン「…そうだね」
アニ「そういう事… さっきモノクマが言ってたでしょ」
モノクマ『はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ』
アニ「あの場所も寄宿舎の一部だと見なされているなら、
鍵が開いた可能性がある…」
アニ「たとえそこが、兵団裁判を終えないと
開かないような場所でもね」
アルミン「………………」
アニ「せっかくだから、そこも調べてみる?」
アルミン「…そうだね」
610: 2018/09/02(日) 09:00:35.55 ID:fgC5o6vT0
― ??? ―
アニ「着いたよ」
アルミン「本当だ… 今まで全然気が付かなかった」
アニ「目立たない所にあるからね。
私も偶然発見したようなもんだし」
アルミン「………………」
アニ「…それじゃあ、開けるよ」
アルミン「…うん」
アニ「着いたよ」
アルミン「本当だ… 今まで全然気が付かなかった」
アニ「目立たない所にあるからね。
私も偶然発見したようなもんだし」
アルミン「………………」
アニ「…それじゃあ、開けるよ」
アルミン「…うん」
611: 2018/09/02(日) 09:05:10.03 ID:fgC5o6vT0
ガチャッ…
アルミン「開いた…!」
ギギギギ…
アニ「…真っ暗だね」
アルミン「うん… 何も見えな…」
アルミン「開いた…!」
ギギギギ…
アニ「…真っ暗だね」
アルミン「うん… 何も見えな…」
612: 2018/09/02(日) 10:00:16.63 ID:fgC5o6vT0
パチッ
アルミン「うわっ!?」
アニ「…!!」
アルミン「きゅ、急に明かりが…」
アニ「ア、アルミン… これ…」
アルミン「…!!」
アルミン「うわっ!?」
アニ「…!!」
アルミン「きゅ、急に明かりが…」
アニ「ア、アルミン… これ…」
アルミン「…!!」
613: 2018/09/02(日) 10:20:35.91 ID:fgC5o6vT0
③特殊ガス発生装置
<概要>
特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。
<使い方>
(1)ガスカプセルをセットします。
(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。
(3)ガス発生のスイッチを押します。
<ガスカプセル>
・ 毒カプセル(紫)
致氏性の毒ガスを発生させます。
・ 麻痺カプセル(黄)
身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
効果時間は約5分間です。
・ 睡眠カプセル(水色)
深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
効果時間は最低18時間です。
・ 淫乱カプセル(ピンク)
エOチな気分にさせるガスを発生させます。
<概要>
特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。
<使い方>
(1)ガスカプセルをセットします。
(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。
(3)ガス発生のスイッチを押します。
<ガスカプセル>
・ 毒カプセル(紫)
致氏性の毒ガスを発生させます。
・ 麻痺カプセル(黄)
身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
効果時間は約5分間です。
・ 睡眠カプセル(水色)
深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
効果時間は最低18時間です。
・ 淫乱カプセル(ピンク)
エOチな気分にさせるガスを発生させます。
614: 2018/09/02(日) 10:40:17.30 ID:fgC5o6vT0
アルミン「間違いない、この外観…」
アルミン「開発品のリストに載ってる
特殊ガス発生装置だ…」
アニ「………………」
アルミン「これって確か、2つの時限爆弾と一緒に
無くなってたんだよね?」
アニ「…ああ、そうだね」
アルミン「どうしてこんな所に…」
ゴオオオオ…
アルミン「…ていうか、この場所は…?」
アルミン「開発品のリストに載ってる
特殊ガス発生装置だ…」
アニ「………………」
アルミン「これって確か、2つの時限爆弾と一緒に
無くなってたんだよね?」
アニ「…ああ、そうだね」
アルミン「どうしてこんな所に…」
ゴオオオオ…
アルミン「…ていうか、この場所は…?」
618: 2018/10/17(水) 22:50:43.78 ID:iykOB/xh0
モノクマ「お答えしましょーう!!」
アルミン「うわっ!?」
モノクマ「ここはずばり、空調室です!」
アニ「…空調室?」
モノクマ「一言で言うなら、空気を循環させるための部屋!」
モノクマ「新鮮な空気をオマエラの部屋にお届けするための
重要な部屋なんだよ!」
619: 2018/10/17(水) 22:55:05.33 ID:iykOB/xh0
アルミン(僕は部屋の中を見回した)
アルミン(よく見ると、高速で回転する丸いものが
壁に埋め込まれている)
アルミン「…もしかして、あれで空気を?」
モノクマ「おっ、よくわかったね。その通りだよ」
モノクマ「あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…」
モノクマ「中にあるフィルターで綺麗にしてから、
それぞれの部屋に送り届けてるの」
アルミン(よく見ると、高速で回転する丸いものが
壁に埋め込まれている)
アルミン「…もしかして、あれで空気を?」
モノクマ「おっ、よくわかったね。その通りだよ」
モノクマ「あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…」
モノクマ「中にあるフィルターで綺麗にしてから、
それぞれの部屋に送り届けてるの」
620: 2018/10/17(水) 23:00:07.77 ID:iykOB/xh0
アルミン「空気を送り届ける…?」
アルミン(僕は改めて壁の回転物体を見た)
アルミン(そのすぐ手前には、先ほど僕たちが見つけた
特殊ガス発生装置が置かれている)
アルミン「………………」
アルミン(その位置関係を見たとき…
僕の中で閃くものがあった)
アルミン(僕は改めて壁の回転物体を見た)
アルミン(そのすぐ手前には、先ほど僕たちが見つけた
特殊ガス発生装置が置かれている)
アルミン「………………」
アルミン(その位置関係を見たとき…
僕の中で閃くものがあった)
621: 2018/10/17(水) 23:05:04.60 ID:iykOB/xh0
モノクマ「ほら、寄宿舎の部屋って窓がないでしょ?
それでもオマエラが息苦しさを感じなかったのは…」
アニ「…アルミン?」
アルミン(僕は閃いた予感を抱きつつ、
特殊ガス発生装置に近付いていく)
アルミン(装置を調べると、丸く凹んだ部分に収められた
派手な色の物体を発見した)
アルミン(その色とリストの説明文を見比べ、僕は確信する)
それでもオマエラが息苦しさを感じなかったのは…」
アニ「…アルミン?」
アルミン(僕は閃いた予感を抱きつつ、
特殊ガス発生装置に近付いていく)
アルミン(装置を調べると、丸く凹んだ部分に収められた
派手な色の物体を発見した)
アルミン(その色とリストの説明文を見比べ、僕は確信する)
622: 2018/10/17(水) 23:10:37.62 ID:iykOB/xh0
モノクマ「まあ、今のオマエラに説明してもピンと来ないだろうけど、
これも文明の利器ってやつで…」
アルミン「アニ、寄宿舎に戻ろう」
アニ「…え?」
モノクマ「ねえ、ちょっと、聞いてる?」
アニ「寄宿舎はもう調べたでしょ? 今さら何を…」
アルミン「もう一度調べてみるんだ」
モノクマ「………………」
アルミン「…ある人物の部屋を」
これも文明の利器ってやつで…」
アルミン「アニ、寄宿舎に戻ろう」
アニ「…え?」
モノクマ「ねえ、ちょっと、聞いてる?」
アニ「寄宿舎はもう調べたでしょ? 今さら何を…」
アルミン「もう一度調べてみるんだ」
モノクマ「………………」
アルミン「…ある人物の部屋を」
623: 2018/10/17(水) 23:15:04.79 ID:iykOB/xh0
― ある人物の個室 ―
アルミン(その人物の部屋は、廊下の一番奥にあった)
アルミン(僕の中の確信がますます深まる)
アニ「…で? この部屋に何があるって言うの?」
アニ「ここはあんたが調べたんでしょ?
あんたの言う通り、ライナーはいないみたいだけど…」
アルミン「探してるのはライナーじゃない」
アニ「…え?」
アルミン(その人物の部屋は、廊下の一番奥にあった)
アルミン(僕の中の確信がますます深まる)
アニ「…で? この部屋に何があるって言うの?」
アニ「ここはあんたが調べたんでしょ?
あんたの言う通り、ライナーはいないみたいだけど…」
アルミン「探してるのはライナーじゃない」
アニ「…え?」
624: 2018/10/17(水) 23:20:05.01 ID:iykOB/xh0
アルミン(怪訝そうに眉をひそめるアニを尻目に、
部屋の中を見渡す)
アルミン(ベッドがある壁に四角い金網を見つけると、
僕はゆっくりと近づいていった)
アニ「それにしても、この部屋…
なんか変じゃない?」
アニ「昨日来たときにも思ったけど、
妙に息苦しいっていうか…」
部屋の中を見渡す)
アルミン(ベッドがある壁に四角い金網を見つけると、
僕はゆっくりと近づいていった)
アニ「それにしても、この部屋…
なんか変じゃない?」
アニ「昨日来たときにも思ったけど、
妙に息苦しいっていうか…」
625: 2018/10/17(水) 23:25:08.39 ID:iykOB/xh0
アルミン「やっぱりそう思う?」
アニ「…?」
アルミン(僕はベッドの上に上り、金網に手をかけていた)
アルミン(両手で枠をつかみ、ガタガタと揺さぶる)
アルミン(すると、ほどなくして金網が外れ、
真っ暗な空間が姿を現した)
アニ「…?」
アルミン(僕はベッドの上に上り、金網に手をかけていた)
アルミン(両手で枠をつかみ、ガタガタと揺さぶる)
アルミン(すると、ほどなくして金網が外れ、
真っ暗な空間が姿を現した)
629: 2018/10/28(日) 08:45:06.90 ID:wWGjctwz0
アルミン(僕はそのまま空間に顔を突っ込んだ)
アルミン(中は小さな通路のようになっているようだが、
光が届かないせいで奥まで見ることができない)
アルミン「ねえ、アニ… 明かりとか持ってないかな?」
アニ「………………」
アルミン「…アニ?」
アニ「持って来てもいいけど…」
アニ「いい加減に教えてくれない?
あんたが今何を調べているのか…」
アルミン(中は小さな通路のようになっているようだが、
光が届かないせいで奥まで見ることができない)
アルミン「ねえ、アニ… 明かりとか持ってないかな?」
アニ「………………」
アルミン「…アニ?」
アニ「持って来てもいいけど…」
アニ「いい加減に教えてくれない?
あんたが今何を調べているのか…」
630: 2018/10/28(日) 15:20:19.02 ID:wWGjctwz0
アルミン(僕は振り向いてアニを見た)
アルミン(相変わらずの無表情だが、
どこか不貞腐れているようにも見える)
アルミン「えっと… さっきモノクマが
空調室の説明をしてたよね?」
アルミン『…もしかして、あれで空気を?』
モノクマ『おっ、よくわかったね。その通りだよ』
モノクマ『あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…』
モノクマ『中にあるフィルターで綺麗にしてから、
それぞれの部屋に送り届けてるの』
アルミン(相変わらずの無表情だが、
どこか不貞腐れているようにも見える)
アルミン「えっと… さっきモノクマが
空調室の説明をしてたよね?」
アルミン『…もしかして、あれで空気を?』
モノクマ『おっ、よくわかったね。その通りだよ』
モノクマ『あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…』
モノクマ『中にあるフィルターで綺麗にしてから、
それぞれの部屋に送り届けてるの』
631: 2018/10/28(日) 15:25:39.50 ID:wWGjctwz0
アルミン「おそらく… この穴は空調室に通じてるんだ」
アニ「…どうしてそう思うの?」
アルミン「モノクマは、空調室で作られた空気を
それぞれの部屋に送り届けてるって言ってたよね」
アルミン「それと、空気を循環させるとも…」
アルミン「つまり… 僕らの部屋には新しい空気を取り込む入口と、
古い空気を排出するための出口があるはずなんだ」
アニ「…どうしてそう思うの?」
アルミン「モノクマは、空調室で作られた空気を
それぞれの部屋に送り届けてるって言ってたよね」
アルミン「それと、空気を循環させるとも…」
アルミン「つまり… 僕らの部屋には新しい空気を取り込む入口と、
古い空気を排出するための出口があるはずなんだ」
632: 2018/10/28(日) 15:35:04.68 ID:wWGjctwz0
アニ「…なるほど、その金網に覆われた穴が
空気の出入口だと考えたんだね」
アルミン「うん。向かい側の壁には、
もう1つ同じような金網があるしね」
アルミン(おそらくは、これらのどちらかが入口で、
もう一方が出口なのだろう)
アルミン(そして… 空気の流れから察するに、
僕が金網を外したのは入口の方だ)
アニ「…でも、それがどうしたの?
今回の事件と何か関係があるの?」
空気の出入口だと考えたんだね」
アルミン「うん。向かい側の壁には、
もう1つ同じような金網があるしね」
アルミン(おそらくは、これらのどちらかが入口で、
もう一方が出口なのだろう)
アルミン(そして… 空気の流れから察するに、
僕が金網を外したのは入口の方だ)
アニ「…でも、それがどうしたの?
今回の事件と何か関係があるの?」
633: 2018/10/28(日) 15:45:24.57 ID:wWGjctwz0
アルミン「空調室にあった特殊ガス発生装置は、
部屋に空気を送り出す回転体の手前に置いてあったんだ」
アニ「それは私も見たけど…」
アルミン「そして、特殊ガス発生装置には、
【水色】の物体が収められていた…」
アルミン(瞬間、アニがはっと目を見開いた)
アルミン(僕が言いたいことを理解したのだろう)
部屋に空気を送り出す回転体の手前に置いてあったんだ」
アニ「それは私も見たけど…」
アルミン「そして、特殊ガス発生装置には、
【水色】の物体が収められていた…」
アルミン(瞬間、アニがはっと目を見開いた)
アルミン(僕が言いたいことを理解したのだろう)
634: 2018/10/28(日) 15:55:14.41 ID:wWGjctwz0
アニ「…ねえ、あの装置は確か、
ガスを発生させる時間を決めることができたよね?」
アルミン「うん。さっき調べてるときに
ガスの設定時間も確認したけど…」
アルミン「【あの時間】には、間違いなく
ガスが発生していたはずだよ」
アニ「…なるほど」
アルミン(アニは何事かを考え込んだ末、僕に言った)
アニ「明かりを取りに行こう。ついてきて」
ガスを発生させる時間を決めることができたよね?」
アルミン「うん。さっき調べてるときに
ガスの設定時間も確認したけど…」
アルミン「【あの時間】には、間違いなく
ガスが発生していたはずだよ」
アニ「…なるほど」
アルミン(アニは何事かを考え込んだ末、僕に言った)
アニ「明かりを取りに行こう。ついてきて」
638: 2018/11/03(土) 19:15:05.13 ID:k5Bk2gEb0
― アニの個室 ―
アニ「…これだよ、ほら」
アルミン(僕たちがやって来たのは、アニの個室だった)
アルミン(アニは部屋に入るなり、“それ”が置いてある
机の上に向かっていった)
アルミン「それって… ランタン?」
アニ「そうだよ。倉庫から持ってきたんだ」
アニ「…これだよ、ほら」
アルミン(僕たちがやって来たのは、アニの個室だった)
アルミン(アニは部屋に入るなり、“それ”が置いてある
机の上に向かっていった)
アルミン「それって… ランタン?」
アニ「そうだよ。倉庫から持ってきたんだ」
639: 2018/11/03(土) 19:20:42.73 ID:k5Bk2gEb0
アニ「それじゃあ、戻ろうか」
アルミン「うん」
アルミン(アニがランタンを手にして部屋を後にする)
アルミン(僕はアニに続いて部屋を出ようとした)
アルミン「………………」
アニ「アルミン? 行くよ」
アルミン「あっ、うん…」
アルミン「うん」
アルミン(アニがランタンを手にして部屋を後にする)
アルミン(僕はアニに続いて部屋を出ようとした)
アルミン「………………」
アニ「アルミン? 行くよ」
アルミン「あっ、うん…」
640: 2018/11/03(土) 19:25:07.81 ID:k5Bk2gEb0
― ある人物の個室 ―
アルミン(元の部屋に戻ると、僕たちは
先ほど開けた四角い穴へと駆け寄った)
アルミン(アニがランタンに明かりを灯し、僕に渡してくる)
アルミン「ありがとう」
アルミン(アニは黙って頷き返す)
アルミン(僕は手にしたランタンと一緒に、
顔を穴の中に突っ込んだ)
アルミン(元の部屋に戻ると、僕たちは
先ほど開けた四角い穴へと駆け寄った)
アルミン(アニがランタンに明かりを灯し、僕に渡してくる)
アルミン「ありがとう」
アルミン(アニは黙って頷き返す)
アルミン(僕は手にしたランタンと一緒に、
顔を穴の中に突っ込んだ)
641: 2018/11/03(土) 19:30:40.29 ID:k5Bk2gEb0
アニ「どう? 何か見える?」
アルミン「うーん、奥は突き当りになってるみたいだけど…」
アルミン(あるとしたら、あの突き当りを曲がった先か)
アルミン(幸い、僕は体が小さいから、
このまま上半身も滑り込ませられそうだ)
アルミン「もうちょっと奥を見てみるね」
アニ「…あんまり無茶しないでよ?」
アルミン「うーん、奥は突き当りになってるみたいだけど…」
アルミン(あるとしたら、あの突き当りを曲がった先か)
アルミン(幸い、僕は体が小さいから、
このまま上半身も滑り込ませられそうだ)
アルミン「もうちょっと奥を見てみるね」
アニ「…あんまり無茶しないでよ?」
642: 2018/11/03(土) 19:35:10.27 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(僕はランタンを持った手を前に伸ばしながら、
体を穴の中にねじ込んだ)
アルミン(体を揺すりながらゆっくりと前進すると、
徐々に突き当りへと近付いていく)
アルミン「くっ…」
アルミン(想像していたものの、やっぱり体勢がキツかった)
アルミン(体が締め付けられて上手く息ができない)
体を穴の中にねじ込んだ)
アルミン(体を揺すりながらゆっくりと前進すると、
徐々に突き当りへと近付いていく)
アルミン「くっ…」
アルミン(想像していたものの、やっぱり体勢がキツかった)
アルミン(体が締め付けられて上手く息ができない)
643: 2018/11/03(土) 19:40:16.68 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(だけど、僕の予想通りなら…
息が苦しいのは体勢のせいだけじゃないはずだ)
アルミン「ふぬっ…!」
アルミン(僕は気合で体を前進させ、
ついに突き当りまで顔を到達させた)
アルミン(そのままゆっくりと顔を横に向けると…)
息が苦しいのは体勢のせいだけじゃないはずだ)
アルミン「ふぬっ…!」
アルミン(僕は気合で体を前進させ、
ついに突き当りまで顔を到達させた)
アルミン(そのままゆっくりと顔を横に向けると…)
644: 2018/11/03(土) 20:05:04.15 ID:k5Bk2gEb0
アルミン「うわああああああああああああああああああああ!!」
645: 2018/11/03(土) 20:15:18.20 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(僕は恐怖で完全に取り乱した)
アルミン(急いで穴から離れようとするが、
体がつかえて上手く動けない)
アニ「アルミン!?」
アルミン(アニの声が遠くから聞こえる)
アルミン(次の瞬間、腰に誰かの腕が絡みつくのを感じた)
アルミン(僕を穴から引きずり出そうとしているのだろう)
アルミン(急いで穴から離れようとするが、
体がつかえて上手く動けない)
アニ「アルミン!?」
アルミン(アニの声が遠くから聞こえる)
アルミン(次の瞬間、腰に誰かの腕が絡みつくのを感じた)
アルミン(僕を穴から引きずり出そうとしているのだろう)
649: 2018/11/04(日) 14:00:11.11 ID:GzPPaT5x0
ググッ
アルミン(腰にかけられた強い力で引っ張られ…)
バッ
アルミン(ほどなくして、僕は穴から抜け出すことができた)
アルミン(腰にかけられた強い力で引っ張られ…)
バッ
アルミン(ほどなくして、僕は穴から抜け出すことができた)
650: 2018/11/04(日) 14:05:15.22 ID:GzPPaT5x0
アルミン「はぁ……はぁ……」
アニ「大丈夫…!?」
アルミン(アニが心配そうに駆け寄ってきた)
アルミン(どうやら、急に暴れ出した僕を見て
引っ張り出してくれたらしい)
アニ「大丈夫…!?」
アルミン(アニが心配そうに駆け寄ってきた)
アルミン(どうやら、急に暴れ出した僕を見て
引っ張り出してくれたらしい)
651: 2018/11/04(日) 14:10:15.61 ID:GzPPaT5x0
アルミン「あ、ありがとう… 助かったよ」
アニ「どうやら怪我はないみたいだね。
それなら…」
アルミン(アニは僕の目を覗き込んできた)
アニ「アルミン、あんたは一体何を見たの?」
アニ「どうやら怪我はないみたいだね。
それなら…」
アルミン(アニは僕の目を覗き込んできた)
アニ「アルミン、あんたは一体何を見たの?」
652: 2018/11/04(日) 14:15:07.05 ID:GzPPaT5x0
アルミン(さっきの光景が頭をよぎる)
アルミン(僕は質問に答える代わりに、アニにランタンを手渡した)
アニ「………………」
アルミン(答えようとしても、言葉が出てこなかったのだ)
アルミン(実際に見てもらう方が早いだろう)
アルミン(僕は質問に答える代わりに、アニにランタンを手渡した)
アニ「………………」
アルミン(答えようとしても、言葉が出てこなかったのだ)
アルミン(実際に見てもらう方が早いだろう)
653: 2018/11/04(日) 14:25:12.53 ID:GzPPaT5x0
アルミン(アニはランタンを受け取ると、
穴の中に身を滑り込ませた)
アルミン(僕以上に小柄なアニは、
するすると中を進んでいく)
アルミン(そのまま、アニは壁から
下半身だけを出した状態になっていたが…)
アニ「…っ!!」
アルミン(ほどなくして小さな悲鳴を上げると、
僕の助けを借りながら穴の外へ這いずり出た)
穴の中に身を滑り込ませた)
アルミン(僕以上に小柄なアニは、
するすると中を進んでいく)
アルミン(そのまま、アニは壁から
下半身だけを出した状態になっていたが…)
アニ「…っ!!」
アルミン(ほどなくして小さな悲鳴を上げると、
僕の助けを借りながら穴の外へ這いずり出た)
655: 2018/11/04(日) 14:30:05.78 ID:GzPPaT5x0
アニ「はぁ……はぁ……」
アルミン「………………」
アニ「な、なんで…」
アニ「なんでモノクマがいるの…?」
アルミン「………………」
アニ「な、なんで…」
アニ「なんでモノクマがいるの…?」
656: 2018/11/04(日) 14:40:06.95 ID:GzPPaT5x0
アルミン(そう… 僕たちが見たのはモノクマだった)
アルミン(あの狭くて暗い空間で、
モノクマが僕たちを見つめていたのだ)
アルミン「わからない… でも、明らかに異様だった」
アルミン(モノクマはピクリとも動かなかった)
アルミン(そして、その身体は奇妙な方向にねじ曲がり、
穴の中に乱暴に押し込められたような状態だった)
アルミン(まるで残虐氏体のように…)
アルミン(あの狭くて暗い空間で、
モノクマが僕たちを見つめていたのだ)
アルミン「わからない… でも、明らかに異様だった」
アルミン(モノクマはピクリとも動かなかった)
アルミン(そして、その身体は奇妙な方向にねじ曲がり、
穴の中に乱暴に押し込められたような状態だった)
アルミン(まるで残虐氏体のように…)
657: 2018/11/04(日) 14:55:31.67 ID:GzPPaT5x0
アニ「誰かがやった…ってこと?」
アルミン(何のために?)
アルミン(なんでモノクマを…?)
アルミン「モノクマ、いるか?」
アルミン(僕はどこへともなくモノクマを呼んでみた)
アルミン(しかし、部屋の鍵を開けてもらった時とは違い、
モノクマは一向に姿を現さない)
アルミン(何のために?)
アルミン(なんでモノクマを…?)
アルミン「モノクマ、いるか?」
アルミン(僕はどこへともなくモノクマを呼んでみた)
アルミン(しかし、部屋の鍵を開けてもらった時とは違い、
モノクマは一向に姿を現さない)
658: 2018/11/04(日) 15:00:36.69 ID:GzPPaT5x0
アルミン「………………」
アルミン(おそらく、これ以上は考えても仕方がないだろう)
アルミン(それに… 予想とは違う結果だったけど、
見たいものは見ることができた)
アルミン(正直言って、もうここに用はない)
アルミン「次の場所に行こうか」
アニ「えっ、あれはいいの?」
アルミン「もういいよ。あとで聞けばわかる事だし」
アニ「あとで聞くって…」
アルミン「………………」
アニ「はぁ… まあ、いいけど」
アルミン(おそらく、これ以上は考えても仕方がないだろう)
アルミン(それに… 予想とは違う結果だったけど、
見たいものは見ることができた)
アルミン(正直言って、もうここに用はない)
アルミン「次の場所に行こうか」
アニ「えっ、あれはいいの?」
アルミン「もういいよ。あとで聞けばわかる事だし」
アニ「あとで聞くって…」
アルミン「………………」
アニ「はぁ… まあ、いいけど」
659: 2018/11/04(日) 15:25:15.92 ID:GzPPaT5x0
今日はここまで
662: 2018/11/08(木) 20:40:32.00 ID:kAN7vNR00
― 観測所 ―
アルミン(次に僕たちがやって来たのは観測所だった)
アルミン(建物に入ってすぐ、巨大な望遠鏡が目に付く)
アニ「ああ、ここね…」
アルミン(この場所には一昨日、
アニに連れられてやって来ていた)
アルミン(だから、ここを訪れるのは今回で2度目だ)
アルミン(次に僕たちがやって来たのは観測所だった)
アルミン(建物に入ってすぐ、巨大な望遠鏡が目に付く)
アニ「ああ、ここね…」
アルミン(この場所には一昨日、
アニに連れられてやって来ていた)
アルミン(だから、ここを訪れるのは今回で2度目だ)
663: 2018/11/08(木) 20:45:06.04 ID:kAN7vNR00
アニ「…で? こんな所に何の用?」
アルミン「うん、ちょっと気になる事があって…」
アルミン(僕はそう言いながら目的のものを探す)
アルミン(それは一昨日と同じように、部屋の隅に置かれていた)
アルミン「うん、ちょっと気になる事があって…」
アルミン(僕はそう言いながら目的のものを探す)
アルミン(それは一昨日と同じように、部屋の隅に置かれていた)
664: 2018/11/08(木) 20:50:23.84 ID:kAN7vNR00
DAY 13 曇り
DAY 14 晴れ のち 曇り
DAY 15 晴れ
DAY 16 曇り
DAY 17 曇り
DAY 18 曇り
DAY 19 晴れ
665: 2018/11/08(木) 21:00:14.74 ID:kAN7vNR00
アルミン「………………」
アニ「この黒板がどうかした?」
アルミン「これってさ…
今日から7日分の天気の予報なんだよね?」
アニ「…そうだけど」
アルミン「それじゃあ、昨日までの天気予報は
全部消されちゃったのかな…」
アニ「この黒板がどうかした?」
アルミン「これってさ…
今日から7日分の天気の予報なんだよね?」
アニ「…そうだけど」
アルミン「それじゃあ、昨日までの天気予報は
全部消されちゃったのかな…」
666: 2018/11/08(木) 21:05:16.57 ID:kAN7vNR00
アニ「ああ、それなら…
こっちの紙にまとめてあるよ」
アルミン「え、あるの?」
アニ「うん、ほら…」
アルミン(アニはそう言って、黒板のそばに掛けられた
紙束を引っ張り上げる)
アルミン(僕はそれを受け取り、中身に目を通した)
こっちの紙にまとめてあるよ」
アルミン「え、あるの?」
アニ「うん、ほら…」
アルミン(アニはそう言って、黒板のそばに掛けられた
紙束を引っ張り上げる)
アルミン(僕はそれを受け取り、中身に目を通した)
667: 2018/11/08(木) 21:15:12.06 ID:kAN7vNR00
DAY 01 晴れ
DAY 02 晴れ のち 曇り
DAY 03 曇り
DAY 04 晴れ
DAY 05 晴れ
DAY 06 曇り
DAY 07 曇り のち 晴れ
DAY 08 曇り
DAY 09 晴れ
DAY 10 晴れ
DAY 11 晴れ のち 曇り
DAY 12 曇り のち 大雨 時々 雷
668: 2018/11/08(木) 21:25:13.61 ID:kAN7vNR00
アルミン「…!」
アルミン(やっぱりそうだ…)
アルミン(これは… どう考えてもおかしい)
アニ「…アルミン?」
アルミン「アニ… 次の場所に行こう」
アニ「………………」
アルミン「おそらく、次で最後だから…」
アルミン(やっぱりそうだ…)
アルミン(これは… どう考えてもおかしい)
アニ「…アルミン?」
アルミン「アニ… 次の場所に行こう」
アニ「………………」
アルミン「おそらく、次で最後だから…」
672: 2018/11/13(火) 19:55:11.86 ID:74bAmRE+0
― 訓練所 ―
アルミン(“最後の場所”に向かう途中、
僕たちは2人の人物と出くわした)
アルミン「ミカサ! ジャン!」
ミカサ「アルミン」
ジャン「よ、よう…」
アニ「………………」
アルミン(“最後の場所”に向かう途中、
僕たちは2人の人物と出くわした)
アルミン「ミカサ! ジャン!」
ミカサ「アルミン」
ジャン「よ、よう…」
アニ「………………」
673: 2018/11/13(火) 20:05:11.82 ID:74bAmRE+0
アルミン(手を上げるミカサとは対照的に、
ジャンはどこか気まずそうにしている)
ジャン「………………」
アルミン(おそらく、あの出来事が尾を引いているのだろう)
アルミン(ふとアニを見ると、彼女もまた
ジャンを無遠慮に睨みつけていた)
ジャンはどこか気まずそうにしている)
ジャン「………………」
アルミン(おそらく、あの出来事が尾を引いているのだろう)
アルミン(ふとアニを見ると、彼女もまた
ジャンを無遠慮に睨みつけていた)
674: 2018/11/13(火) 20:10:04.73 ID:74bAmRE+0
アニ『まだ私たちに隠してる事があるんじゃないの?』
675: 2018/11/13(火) 20:20:30.75 ID:74bAmRE+0
ミカサ「どう? 捜査の方は」
アルミン「まあ、色々とわかったかな。そっちは?」
ミカサ「…こっちも色々と」
アルミン(お互いに煮え切らない返事を返す)
アルミン(情報共有なら後でできるし、
今はそんな事をしている時間もない)
アルミン「まあ、色々とわかったかな。そっちは?」
ミカサ「…こっちも色々と」
アルミン(お互いに煮え切らない返事を返す)
アルミン(情報共有なら後でできるし、
今はそんな事をしている時間もない)
678: 2018/11/17(土) 15:40:14.58 ID:fvFA8fLy0
アルミン「これからどこに行くの?」
ミカサ「倉庫。アルミンは?」
アルミン「僕たちは… 溶鉱炉に」
ミカサ「…そう」
アルミン(ミカサはしばらく何かを考え込んでいたが…)
アルミン(やがて僕を見据えると、何かを差し出してきた)
ミカサ「倉庫。アルミンは?」
アルミン「僕たちは… 溶鉱炉に」
ミカサ「…そう」
アルミン(ミカサはしばらく何かを考え込んでいたが…)
アルミン(やがて僕を見据えると、何かを差し出してきた)
679: 2018/11/17(土) 15:45:27.22 ID:fvFA8fLy0
アルミン「…? これは?」
ミカサ「超硬質ブレード。兵団専用の、巨人頃しの剣」
アルミン(ミカサから差し出された剣を受け取る)
アルミン(独特の形状を持つそれは、僕には見覚えがあった)
アルミン「これってもしかして…」
ミカサ「超硬質ブレード。兵団専用の、巨人頃しの剣」
アルミン(ミカサから差し出された剣を受け取る)
アルミン(独特の形状を持つそれは、僕には見覚えがあった)
アルミン「これってもしかして…」
680: 2018/11/17(土) 15:55:15.41 ID:fvFA8fLy0
コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』
ミカサ『ちょっと調べ物』
コニー『調べ物って…
こ、こら! 剣は持って行くな!』
アルミン⦅コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
建物の外へと向かっていった⦆
ミカサ「そう。それは、私が現場から持って行った剣」
アルミン「…どうしてこれを?」
ミカサ「その剣は溶鉱炉で作られている」
アルミン「えっ…!?」
681: 2018/11/17(土) 16:15:26.82 ID:fvFA8fLy0
アルミン(意外な事実に驚き、僕は改めて剣を見る)
アルミン(じゃあ、現場にあった無数の剣は…)
ミカサ「あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
自動精製されている」
ミカサ「今まで作られたものがストックされているから、
そのブレードと比べてみるといい」
アルミン「えっ、比べるって…」
ジャン「おい、いつまで立ち話してるんだ。
もう時間ないだろ。行くぞ」
ミカサ「ああ、うん…」
アルミン(じゃあ、現場にあった無数の剣は…)
ミカサ「あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
自動精製されている」
ミカサ「今まで作られたものがストックされているから、
そのブレードと比べてみるといい」
アルミン「えっ、比べるって…」
ジャン「おい、いつまで立ち話してるんだ。
もう時間ないだろ。行くぞ」
ミカサ「ああ、うん…」
682: 2018/11/17(土) 16:20:43.25 ID:fvFA8fLy0
アルミン(ミカサとジャンが背を向ける)
アルミン(その姿を見届けるようにして、
アニも反対方向に歩き出した)
アニ「アルミン、私たちも行くよ。
溶鉱炉でしょ?」
アルミン「あっ、うん…」
アルミン(その姿を見届けるようにして、
アニも反対方向に歩き出した)
アニ「アルミン、私たちも行くよ。
溶鉱炉でしょ?」
アルミン「あっ、うん…」
683: 2018/11/17(土) 16:25:52.46 ID:fvFA8fLy0
ザッザッザッ
アルミン「………………」
クルッ
ダッダッダッダッ
アルミン「………………」
クルッ
ダッダッダッダッ
684: 2018/11/17(土) 16:30:13.28 ID:fvFA8fLy0
アルミン「ミカサ」
ミカサ「…? どうしたの? 溶鉱炉に行くんじゃ…」
アルミン「いや、その前に…」
アルミン「ちょっとお願いがあるんだけど…」
ミカサ「…? どうしたの? 溶鉱炉に行くんじゃ…」
アルミン「いや、その前に…」
アルミン「ちょっとお願いがあるんだけど…」
686: 2018/11/27(火) 20:40:33.65 ID:lRiuTful0
― 溶鉱炉 ―
アルミン「暑っ…!」
アルミン(建物に入ってからの第一声がそれだった)
アルミン(中には巨大な溶鉱炉があり、
グツグツとした紅いもので満たされていた)
アルミン「暑っ…!」
アルミン(建物に入ってからの第一声がそれだった)
アルミン(中には巨大な溶鉱炉があり、
グツグツとした紅いもので満たされていた)
687: 2018/11/27(火) 20:50:07.24 ID:lRiuTful0
アニ「これは… 中々凄い場所だね」
アルミン(アニが額に汗を浮かべながら呟く)
アルミン(『マジで溶けちまうかと思った』という
コニーの表現は誇張ではなかったようだ)
アニ「…あまり長居はしたくないね」
アルミン「うん… もう時間もないし、早く調べよう」
アルミン(アニが額に汗を浮かべながら呟く)
アルミン(『マジで溶けちまうかと思った』という
コニーの表現は誇張ではなかったようだ)
アニ「…あまり長居はしたくないね」
アルミン「うん… もう時間もないし、早く調べよう」
689: 2018/12/08(土) 16:35:09.83 ID:66sDkX0i0
アルミン(僕はさっそく辺りを見渡した)
アルミン(よく見ると、空間の隅に
鋭く光るものが並べられている)
アルミン「あれは…」
アルミン(その光るものには見覚えがあった)
アルミン(それはまさに、僕がミカサから渡された剣…
超硬質ブレードだった)
アルミン(よく見ると、空間の隅に
鋭く光るものが並べられている)
アルミン「あれは…」
アルミン(その光るものには見覚えがあった)
アルミン(それはまさに、僕がミカサから渡された剣…
超硬質ブレードだった)
691: 2018/12/08(土) 17:10:13.29 ID:66sDkX0i0
ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
自動精製されている』
ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
そのブレードと比べてみるといい』
アニ「…ミカサの言ってた事は本当だったみたいだね」
アルミン「うん… それにしても凄い数だ」
アルミン(壁沿いにならべられた剣は
ざっと見ただけでも100本以上ある)
アルミン(剣はいくつかのグループに分かれていて、
グループの上部には日付が記されていた)
692: 2018/12/08(土) 17:15:44.00 ID:66sDkX0i0
アルミン「…もしかして、製造された日付ごとに
分けられているのかな?」
アニ「………………」
アルミン「アニ? どうかした?」
アニ「ちょっと聞きたいんだけど…」
アニ「あんたが最後の場所としてここを選んだのは
どういう理由?」
分けられているのかな?」
アニ「………………」
アルミン「アニ? どうかした?」
アニ「ちょっと聞きたいんだけど…」
アニ「あんたが最後の場所としてここを選んだのは
どういう理由?」
693: 2018/12/08(土) 17:20:22.10 ID:66sDkX0i0
アルミン「えっ…」
アニ「………………」
アルミン「理由は…」
アルミン「えーっと… ミカサが研究開発所を出て
真っ先に向かった場所だからだよ」
アルミン「ほら、憶えてる? 僕たちが研究開発所から
外に出たときの事…」
アニ「………………」
アルミン「理由は…」
アルミン「えーっと… ミカサが研究開発所を出て
真っ先に向かった場所だからだよ」
アルミン「ほら、憶えてる? 僕たちが研究開発所から
外に出たときの事…」
694: 2018/12/08(土) 17:25:25.21 ID:66sDkX0i0
アルミン『これはミカサの足跡だね』
アニ『みたいだね。この方向からすると…』
アルミン⦅アニが足跡の続く先に視線を向ける⦆
アルミン⦅僕も同じように視線を追うと、
煙を上げる巨大な煙突が目に入った⦆
アルミン「ミカサの足跡はこの溶鉱炉まで伸びていたよね?」
アルミン「だから、ちょっと気になってたんだ。
ミカサはどうして溶鉱炉に目を付けたんだろうって」
695: 2018/12/08(土) 17:35:17.87 ID:66sDkX0i0
コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』
ミカサ『ちょっと調べ物』
コニー『調べ物って…
こ、こら! 剣は持って行くな!』
アルミン「でも、ここに来てその謎が解けたよ」
アルミン「ミカサは溶鉱炉に向かう前に
やけに剣を気にしていた…」
アルミン「つまり、ミカサは現場にあった剣が
この溶鉱炉で作られたものだと知っていたんだ」
アルミン「だから、どうしてその剣が現場に残されていたのか…
その事が気になったんだと思う」
696: 2018/12/08(土) 17:40:27.44 ID:66sDkX0i0
アニ「へぇ…」
アルミン「へぇって… どうしてそんな事を聞いたの?」
アニ「別に… じゃあ、この場所を“最後”だなんて
言ったのはどうして?」
アルミン「それは… 今までの捜査時間から考えて、
あと回れるのは1ヶ所くらいだなって思っただけだよ」
アニ「そう…」
アルミン「へぇって… どうしてそんな事を聞いたの?」
アニ「別に… じゃあ、この場所を“最後”だなんて
言ったのはどうして?」
アルミン「それは… 今までの捜査時間から考えて、
あと回れるのは1ヶ所くらいだなって思っただけだよ」
アニ「そう…」
697: 2018/12/08(土) 17:50:26.47 ID:66sDkX0i0
アルミン(どうしたんだろう、さっきから…)
アニ「………………」
アルミン(アニは相変わらず表情を変えない)
アルミン(この場所の熱気のせいで顔には汗が浮かんでいるが、
それ以外で外観に変化は見られない)
アルミン(彼女の頭の中では、一体何が渦巻いているのだろうか)
アニ「………………」
アルミン(アニは相変わらず表情を変えない)
アルミン(この場所の熱気のせいで顔には汗が浮かんでいるが、
それ以外で外観に変化は見られない)
アルミン(彼女の頭の中では、一体何が渦巻いているのだろうか)
698: 2018/12/08(土) 17:55:14.52 ID:66sDkX0i0
アルミン(アニの様子を気にかけていた時だった)
アルミン「…ん?」
アルミン(視界の隅に何かが映った)
アルミン(最初は気のせいかと思ったが、どうも違うらしい)
アルミン(非常に目立たないが、それは確かにそこにあった)
アルミン「…ん?」
アルミン(視界の隅に何かが映った)
アルミン(最初は気のせいかと思ったが、どうも違うらしい)
アルミン(非常に目立たないが、それは確かにそこにあった)
701: 2018/12/10(月) 21:10:09.23 ID:SUeLXehU0
グツグツグツ…
アルミン(熱く煮えたぎる紅い液体)
アルミン(溶鉱炉という名前から考えて、あれが超硬質ブレードの
元になるのだろう)
グツグツグツ…
アルミン(それは巨大な炉から少し離れたところにあった)
アルミン(目を凝らさないとわからない、床についた小さな痕…)
アルミン(熱く煮えたぎる紅い液体)
アルミン(溶鉱炉という名前から考えて、あれが超硬質ブレードの
元になるのだろう)
グツグツグツ…
アルミン(それは巨大な炉から少し離れたところにあった)
アルミン(目を凝らさないとわからない、床についた小さな痕…)
702: 2018/12/10(月) 22:00:12.40 ID:SUeLXehU0
アルミン「これは…?」
アルミン(何の痕だろう)
アルミン(どうしてこんな場所に…?)
グツグツグツ…
アルミン(取り立てて気に留めるべきものではないかもしれない)
アルミン(だけど何故か、僕にはそれが気になって仕方なかった)
アルミン(何の痕だろう)
アルミン(どうしてこんな場所に…?)
グツグツグツ…
アルミン(取り立てて気に留めるべきものではないかもしれない)
アルミン(だけど何故か、僕にはそれが気になって仕方なかった)
703: 2018/12/10(月) 22:10:20.47 ID:SUeLXehU0
アルミン(僕はそのまま溶鉱炉の周りを回ってみた)
アルミン(すると、同じような痕が1つ、2つ…)
アルミン(全部で4つの痕が炉の周りに残されていた)
グツグツグツ…
アルミン(4つの痕は円形の炉を囲んで等間隔に並んでいる)
アルミン(これは一体…)
【炉の周りの小さな痕】
アルミン(すると、同じような痕が1つ、2つ…)
アルミン(全部で4つの痕が炉の周りに残されていた)
グツグツグツ…
アルミン(4つの痕は円形の炉を囲んで等間隔に並んでいる)
アルミン(これは一体…)
【炉の周りの小さな痕】
704: 2018/12/10(月) 22:15:08.83 ID:SUeLXehU0
今日はここまで
705: 2018/12/12(水) 18:40:16.61 ID:Y4KxLkDe0
アニ「アルミン」
アルミン(名前を呼ばれて振り返ると、
アニが怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた)
アニ「何やってんの。危ないよ」
アルミン「えっ… ああ」
アルミン(どうやら心配してくれていたらしい)
アルミン(僕は気付かないうちに、開きっぱなしの炉に
かなり近づいてしまっていた)
アルミン(名前を呼ばれて振り返ると、
アニが怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた)
アニ「何やってんの。危ないよ」
アルミン「えっ… ああ」
アルミン(どうやら心配してくれていたらしい)
アルミン(僕は気付かないうちに、開きっぱなしの炉に
かなり近づいてしまっていた)
706: 2018/12/12(水) 18:45:15.33 ID:Y4KxLkDe0
アルミン「ここ… かなり危ないよね。
落ちたらひとたまりもないよ」
アニ「そうだね… でも、一応
安全対策はしてあるみたいだよ」
アルミン「安全対策?」
アニ「もう少し炉に近付いてみて」
アルミン(何のことかわからず、僕は言われるがままに
炉に足を踏み出した)
アルミン(すると…)
落ちたらひとたまりもないよ」
アニ「そうだね… でも、一応
安全対策はしてあるみたいだよ」
アルミン「安全対策?」
アニ「もう少し炉に近付いてみて」
アルミン(何のことかわからず、僕は言われるがままに
炉に足を踏み出した)
アルミン(すると…)
707: 2018/12/12(水) 18:50:14.13 ID:Y4KxLkDe0
ウィィィィィィィィン
ウィィィィィィィィン
アルミン「え!? な、何…」
ガタン
アルミン(それは一瞬の出来事だった)
アルミン(僕が足を踏み出すと同時に、
けたたましい音が鳴り響き…)
アルミン(開いていた炉が、金属の蓋で覆われたのだ)
ウィィィィィィィィン
アルミン「え!? な、何…」
ガタン
アルミン(それは一瞬の出来事だった)
アルミン(僕が足を踏み出すと同時に、
けたたましい音が鳴り響き…)
アルミン(開いていた炉が、金属の蓋で覆われたのだ)
708: 2018/12/12(水) 19:00:06.60 ID:Y4KxLkDe0
アニ「その炉に近付きすぎると、床が検知して
自動的に炉が閉じる仕組みらしいよ」
アニ「そこの壁に説明が書いてあった」
アルミン「へ、へぇ…」
アルミン(だったら最初から閉じればいいのに…)
アルミン(そう言葉が出かかったが、口に出すだけ無駄だろう)
アルミン(アニの言葉を借りれば、
ここはそういう場所なのだから…)
【溶鉱炉の安全対策】
自動的に炉が閉じる仕組みらしいよ」
アニ「そこの壁に説明が書いてあった」
アルミン「へ、へぇ…」
アルミン(だったら最初から閉じればいいのに…)
アルミン(そう言葉が出かかったが、口に出すだけ無駄だろう)
アルミン(アニの言葉を借りれば、
ここはそういう場所なのだから…)
【溶鉱炉の安全対策】
709: 2018/12/12(水) 19:05:11.31 ID:Y4KxLkDe0
今日はここまで
712: 2018/12/13(木) 19:35:15.75 ID:fcNAnGok0
アニ「…で? 大体見終わった?」
アルミン「いや、まだ確かめたい事があるんだ」
アルミン(僕はそう言って手にした剣を眺めた)
アルミン(ミカサから渡された1本の剣…)
アルミン「いや、まだ確かめたい事があるんだ」
アルミン(僕はそう言って手にした剣を眺めた)
アルミン(ミカサから渡された1本の剣…)
713: 2018/12/13(木) 19:45:35.73 ID:fcNAnGok0
ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
そのブレードと比べてみるといい』
アルミン「ミカサはこの剣を
“比べてみろ”って言ってたよね」
アニ「…ああ、そうだったね」
アルミン(僕は剣を手にしたまま壁に近付いた)
アルミン(日付ごとに区分けされた多数の剣…)
アルミン(それらを眺めているうちに、ある疑問が浮かんできた)
714: 2018/12/13(木) 19:50:38.80 ID:fcNAnGok0
アルミン「これって、いつの剣なんだろう?」
アニ「え?」
アルミン「ミカサから渡された…
つまりは現場にあった剣だよ」
アルミン「あそこにある多数の剣が
ここから持ち出されたものだとしたら…」
アルミン「あれらはいつ作られたものだったんだろう?」
アニ「え?」
アルミン「ミカサから渡された…
つまりは現場にあった剣だよ」
アルミン「あそこにある多数の剣が
ここから持ち出されたものだとしたら…」
アルミン「あれらはいつ作られたものだったんだろう?」
715: 2018/12/13(木) 20:05:11.78 ID:fcNAnGok0
アニ「なんでそんな事が気になるの?
作られた日付に意味があるとでも?」
アルミン「それはわからないけど… あっ!」
アルミン(僕はある日付が記された剣の一群に目を向けた)
アルミン「ほら、あの日付だけ剣の数が少なくなってるよ!」
アニ「…本当だね。他のグループの半分以下だ」
アルミン(改めて日付を確認してみる)
アルミン(『DAY 12』… この生活が始まって12日目…)
アルミン(今日は13日目だったはずだから、つまりは昨日だ)
作られた日付に意味があるとでも?」
アルミン「それはわからないけど… あっ!」
アルミン(僕はある日付が記された剣の一群に目を向けた)
アルミン「ほら、あの日付だけ剣の数が少なくなってるよ!」
アニ「…本当だね。他のグループの半分以下だ」
アルミン(改めて日付を確認してみる)
アルミン(『DAY 12』… この生活が始まって12日目…)
アルミン(今日は13日目だったはずだから、つまりは昨日だ)
716: 2018/12/13(木) 20:20:20.10 ID:fcNAnGok0
アルミン「犯人はこの日付の剣を持ち出したのかな?」
アニ「そうかもしれないけど…」
アルミン(日付にまでこだわるのは
さすがに考えすぎではないか…)
アルミン(きっとアニはそう思っているのだろう)
アルミン「………………」
アルミン(だけど…)
アルミン(もし、そこに重大な意味があるとしたら…?)
アニ「そうかもしれないけど…」
アルミン(日付にまでこだわるのは
さすがに考えすぎではないか…)
アルミン(きっとアニはそう思っているのだろう)
アルミン「………………」
アルミン(だけど…)
アルミン(もし、そこに重大な意味があるとしたら…?)
717: 2018/12/13(木) 20:30:09.21 ID:fcNAnGok0
「キーン、コーン… カーン、コーン」
モノクマ『楽しいなっ、楽しいなっ!
兵団裁判が始まるぞっ!!』
モノクマ『兵団裁判…それは花火のような一瞬のキラメキ…
生と氏のぶつかり合いが生む、魂の閃光…』
718: 2018/12/13(木) 20:35:06.45 ID:fcNAnGok0
モノクマ『…という訳でッ!!』
モノクマ『そんじゃあ、オマエラは、
いつもの場所に集合をお願いしまーす!』
モノクマ『ユー、施設のフロア末端にある
赤い扉にインしちゃいなよ!』
モノクマ『うぷぷ、じゃあ後でね~!!』
719: 2018/12/13(木) 20:40:15.61 ID:fcNAnGok0
アルミン「…!!」
アニ「どうやら時間切れみたいだね」
アルミン「しまった… まだちゃんと比較できてないよ」
アニ「仕方ないよ。詳細はミカサから聞こう」
アルミン「そうだね…」
アニ「どうやら時間切れみたいだね」
アルミン「しまった… まだちゃんと比較できてないよ」
アニ「仕方ないよ。詳細はミカサから聞こう」
アルミン「そうだね…」
720: 2018/12/13(木) 20:45:07.25 ID:fcNAnGok0
ガタン
アルミン「…!? な、何…!?」
アニ「どうやら、閉じていた炉がまた開いたみたいだね」
アルミン「炉が…?」
グツグツグツ…
アルミン「………………」
アニ「…アルミン? 行くよ」
アルミン「あっ、うん…」
アルミン「…!? な、何…!?」
アニ「どうやら、閉じていた炉がまた開いたみたいだね」
アルミン「炉が…?」
グツグツグツ…
アルミン「………………」
アニ「…アルミン? 行くよ」
アルミン「あっ、うん…」
722: 2018/12/15(土) 16:05:10.35 ID:YmhSY/Fm0
― 赤い扉 ―
アルミン(赤い扉の向こうでは、
モノクマの号令を聞いたみんなが集まっていた…)
ジャン「…これで全員か?」
アルミン(ジャンが僕たちの顔を見回した)
アルミン(ここにいるのは、僕、アニ、ミカサ、ジャン、
コニー、ヒストリアの6人…)
アルミン(赤い扉の向こうでは、
モノクマの号令を聞いたみんなが集まっていた…)
ジャン「…これで全員か?」
アルミン(ジャンが僕たちの顔を見回した)
アルミン(ここにいるのは、僕、アニ、ミカサ、ジャン、
コニー、ヒストリアの6人…)
723: 2018/12/15(土) 16:15:35.66 ID:YmhSY/Fm0
ミカサ「…“もう1人”は?」
アルミン(ミカサがみんなの疑問を代弁する)
アルミン(しかし、いくら待っても
“もう1人”がやって来る気配はない…)
コニー「ていうか… モノクマもどうしたんだ?
俺たちを呼び出しておいて…」
アルミン(ミカサがみんなの疑問を代弁する)
アルミン(しかし、いくら待っても
“もう1人”がやって来る気配はない…)
コニー「ていうか… モノクマもどうしたんだ?
俺たちを呼び出しておいて…」
724: 2018/12/15(土) 16:25:52.08 ID:YmhSY/Fm0
モノクマ「ボクならここだよ~!!」
コニー「おわっ!?」
モノクマ「うぷぷ、驚いた?」
モノクマ「実はボク、オマエラが到着する前から
ずっとここにいたんだよ…?」
コニー「えっ…」
モノクマ「気付かなかった…?
うぷぷぷ… ずっと… オマエラの背後に…」
コニー「なっ…!
きゅ、急に怖いこと言い出すんじゃねーよ!」
725: 2018/12/15(土) 16:40:20.77 ID:YmhSY/Fm0
アルミン「モノクマ… 今までどこにいたの?」
モノクマ「は? だから、ずっとここにいたって…」
アルミン「ふーん… それで、寄宿舎で呼んでも
全然気付かなかったんだね」
モノクマ「…? いやいや、空調室の鍵、開けてあげたじゃん」
アルミン「まあしょうがないよね。
あんな場所でああなってたら…」
モノクマ「いや、だからさっきから何の話を…」
モノクマ「は? だから、ずっとここにいたって…」
アルミン「ふーん… それで、寄宿舎で呼んでも
全然気付かなかったんだね」
モノクマ「…? いやいや、空調室の鍵、開けてあげたじゃん」
アルミン「まあしょうがないよね。
あんな場所でああなってたら…」
モノクマ「いや、だからさっきから何の話を…」
726: 2018/12/15(土) 16:50:18.44 ID:YmhSY/Fm0
ジャン「おい、モノクマ!」
モノクマ「もう! 今度は何さ!」
ジャン「“もう1人”… ライナーはどうした!
まだ来てねえぞ!」
モノクマ「だ・か・ら! 何回言えばわかるんだよ!
ブラウンくんは今回の被害者でしょーが!」
ジャン「ふざけんな! あそこで氏んでるのはベルトルトだろうが!」
モノクマ「知るかっ! 大体、あんな状態で
どうやってここに連れて来いって言うのさ!」
モノクマ「もう! 今度は何さ!」
ジャン「“もう1人”… ライナーはどうした!
まだ来てねえぞ!」
モノクマ「だ・か・ら! 何回言えばわかるんだよ!
ブラウンくんは今回の被害者でしょーが!」
ジャン「ふざけんな! あそこで氏んでるのはベルトルトだろうが!」
モノクマ「知るかっ! 大体、あんな状態で
どうやってここに連れて来いって言うのさ!」
727: 2018/12/15(土) 17:00:17.22 ID:YmhSY/Fm0
アニ「…埒が明かないね」
モノクマ「全くだよ。そういうのは
これから思う存分解き明かしてくれればいいのに」
アニ「………………」
モノクマ「という訳で、さっさと昇降機に乗り込んじゃって」
モノクマ「楽しい楽しい裁判が待ってるから…」
モノクマ「全くだよ。そういうのは
これから思う存分解き明かしてくれればいいのに」
アニ「………………」
モノクマ「という訳で、さっさと昇降機に乗り込んじゃって」
モノクマ「楽しい楽しい裁判が待ってるから…」
728: 2018/12/15(土) 17:05:23.43 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(そうだ…)
アルミン(やらなくちゃ…)
アルミン(やらなくちゃ…いけないんだ…)
アルミン(殺人を犯した犯人を
放っておく訳にはいかない…)
アルミン(残った僕らの為にも…)
アルミン(そして、氏んだ“彼”のためにも…)
アルミン(やらなくちゃ…)
アルミン(やらなくちゃ…いけないんだ…)
アルミン(殺人を犯した犯人を
放っておく訳にはいかない…)
アルミン(残った僕らの為にも…)
アルミン(そして、氏んだ“彼”のためにも…)
729: 2018/12/15(土) 17:15:29.71 ID:YmhSY/Fm0
ライナー『俺とベルトルトには、
この施設に連れて来られるまでの記憶が一切なかった』
ライナー『自分の出身はもちろん、家族の名前や
小さい頃の思い出なんかが全部…抜け落ちてしまっているんだ』
ベルトルト『唯一覚えていたのは自分の名前と、
日常生活や壁の中についての知識…』
ベルトルト『それと、“自分は兵士にならなきゃいけない”っていう…
異様な使命感だけなんだよ』
アルミン(ライナーとベルトルト…)
アルミン(あの2人には謎が多かった)
アルミン(モノクマは、あの2人が【裏切り者】だと言っていた)
アルミン(それだけでなく、壁を襲撃して
大勢の人間の命を奪った巨人の正体だとも…)
730: 2018/12/15(土) 17:30:10.53 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(そして…)
アニ『私の正体は女型の巨人…』
アニ『ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…』
アニ『大勢の人たちの命を奪った』
アルミン(アニは僕に全てを明かした)
アルミン(モノクマの語った内容は真実であること…)
アルミン(自らも彼らの仲間として、多くの人々を殺めたことを…)
アニ『私の正体は女型の巨人…』
アニ『ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…』
アニ『大勢の人たちの命を奪った』
アルミン(アニは僕に全てを明かした)
アルミン(モノクマの語った内容は真実であること…)
アルミン(自らも彼らの仲間として、多くの人々を殺めたことを…)
731: 2018/12/15(土) 17:40:14.31 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(だけど…)
アルミン(それでも…)
アニ『私たち3人がやったこと…
あんたにも思うところはあると思う』
アニ『私たちの立場、あんたらの立場…
ここで語り尽くせない思いはお互いにある』
アニ『だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい』
アニ『目の前の脅威からみんなを守るために…』
アルミン(アニはみんなを守ると言った)
アルミン(あの言葉に嘘はない…)
アルミン(僕はそう感じた。だから、彼女を信じたんだ)
アルミン(それでも…)
アニ『私たち3人がやったこと…
あんたにも思うところはあると思う』
アニ『私たちの立場、あんたらの立場…
ここで語り尽くせない思いはお互いにある』
アニ『だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい』
アニ『目の前の脅威からみんなを守るために…』
アルミン(アニはみんなを守ると言った)
アルミン(あの言葉に嘘はない…)
アルミン(僕はそう感じた。だから、彼女を信じたんだ)
732: 2018/12/15(土) 17:50:07.35 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(僕はちらりとアニを見た)
アニ「………………」
アルミン(平静を装っているが、固く握られた拳が
細かく震えているのがわかる)
アルミン(あの震えに嘘はない)
アルミン(僕は… アニの思いを踏みにじった犯人が許せない)
アニ「………………」
アルミン(平静を装っているが、固く握られた拳が
細かく震えているのがわかる)
アルミン(あの震えに嘘はない)
アルミン(僕は… アニの思いを踏みにじった犯人が許せない)
733: 2018/12/15(土) 17:55:18.30 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(僕は、肺の奥から大きな息を吐き出し…)
アルミン(昇降機に向かって歩き出した)
アルミン(そして、メンバー全員が、
昇降機に乗り込んだところで…)
アルミン(昇降機の扉は自動で閉まり…)
アルミン(そして、動き出した)
アルミン(昇降機に向かって歩き出した)
アルミン(そして、メンバー全員が、
昇降機に乗り込んだところで…)
アルミン(昇降機の扉は自動で閉まり…)
アルミン(そして、動き出した)
734: 2018/12/15(土) 18:00:05.60 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(ゴウン、ゴウン…という音と共に、
僕らは高く高く昇っていく…)
アルミン(もう、後戻りは出来ない…)
アルミン(すべての決着を付けない限り、
僕らはもう戻れない…)
アルミン(しばらくした後、
ようやくエレベーターは上昇をやめ…)
アルミン(そして扉が開く…)
アルミン(残酷な運命の扉が…)
僕らは高く高く昇っていく…)
アルミン(もう、後戻りは出来ない…)
アルミン(すべての決着を付けない限り、
僕らはもう戻れない…)
アルミン(しばらくした後、
ようやくエレベーターは上昇をやめ…)
アルミン(そして扉が開く…)
アルミン(残酷な運命の扉が…)
735: 2018/12/15(土) 18:05:10.70 ID:YmhSY/Fm0
― 裁判場 ―
モノクマ「ふむふむ…
こうやって全員揃ったところを見てみると…」
モノクマ「なんだか、ずいぶんと人数が減っちゃったよね!
兵団生活もいよいよクライマックスって感じかしら!」
ヒストリア「全部、あなたのせいでしょ…!」
コニー「なんで…俺らに、
こんな残酷な事をさせるんだよ…!」
モノクマ「ありゃりゃ? ボクって嫌われてんの!?
こんなにカワイイのに!?」
モノクマ「ふむふむ…
こうやって全員揃ったところを見てみると…」
モノクマ「なんだか、ずいぶんと人数が減っちゃったよね!
兵団生活もいよいよクライマックスって感じかしら!」
ヒストリア「全部、あなたのせいでしょ…!」
コニー「なんで…俺らに、
こんな残酷な事をさせるんだよ…!」
モノクマ「ありゃりゃ? ボクって嫌われてんの!?
こんなにカワイイのに!?」
736: 2018/12/15(土) 18:10:04.95 ID:YmhSY/Fm0
アニ「いつまでふざけている気なの。
さっさと始めてよ…」
モノクマ「…もちろん始めますとも!」
モノクマ「緊迫の兵団裁判はCMの後で、
みたいな引き延ばし演出をするつもりもないしさ!」
モノクマ「…じゃあ、始めますよ!
自分の名前が書かれた席に着いてくださーい!」
さっさと始めてよ…」
モノクマ「…もちろん始めますとも!」
モノクマ「緊迫の兵団裁判はCMの後で、
みたいな引き延ばし演出をするつもりもないしさ!」
モノクマ「…じゃあ、始めますよ!
自分の名前が書かれた席に着いてくださーい!」
737: 2018/12/15(土) 18:15:11.71 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(そして、またもや幕が開く…)
アルミン(命がけの裁判…命がけの騙し合い…命がけの裏切り…)
アルミン(命がけの謎解き…命がけの言い訳…命がけの信頼…)
アルミン(命がけの……兵団裁判……)
738: 2018/12/15(土) 18:20:10.72 ID:YmhSY/Fm0
兵団裁判 開廷!
739: 2018/12/15(土) 18:25:04.93 ID:YmhSY/Fm0
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