270: 2012/11/18(日) 11:26:19 ID:y98Msv7g
おはようございます

今日はずいぶんと早いですがはじめちゃいます
男「修学旅行だ!」【前編】
ふらいんぐうぃっち コンパクト Blu-ray BOX

271: 2012/11/18(日) 11:27:20 ID:y98Msv7g
ヲタ「ふぅ~…次はぼっちどのいかがかな?」

ぼっち「え、えええー!」

男「ヲタがうますぎて…」

友「なんというかこう…」

根暗「次元が違ったわね…」

6人「「そうそれ」」

ぼっち「が、頑張ってはみるけど…」

272: 2012/11/18(日) 11:27:33 ID:y98Msv7g
カラオケ機「衝動(B’z)」

デデテテレテデデテテレテデデテテレテ

ぼっち「イェア!」

6人「「えええええええええ」」

ぼっち「ンなぁがいぃっよぅるぅにぃめぇざぁぁあめてえぇぇえ」

ヲタ「スイッチ入ってるでござるな」

根暗「かっこよすぎるわよぼっち…」

幼馴染「たまにキャラかわるよね」

・・・
・・

273: 2012/11/18(日) 11:27:52 ID:y98Msv7g
根暗「じゃ、私いこうかな」

男「おう」

友「ぼっちー!やるじゃん!」

ぼっち「あぅぅ」

委員長「うまかったわよ」

ぼっち「あぅぅ…」

カラオケ機「猫耳スイッチ(初音ミク)」

ヲタ「あ、拙者踊れるでござる」

友「それはやめておけ」

男「ボカ…ロだっけ?」

委員長「正式にはボーカロイドね」

幼馴染「機械が歌うんだよね」

274: 2012/11/18(日) 11:28:07 ID:y98Msv7g
根暗「君と私で ヒュー↑ヒュー↑ アツい鼓動刻んだら、かわいいねこみみつけて、ふたりでゴロゴロしましょ♪」

幼馴染「根暗ちゃん…かわいい…」

友「結局踊るのか」

ヲタ「踊らにゃ損損、でござる」シュッバッ

委員長「カオスとはこう言う事を言うのね」

・・・
・・

275: 2012/11/18(日) 11:28:34 ID:y98Msv7g
~3時間後~

男「いやあ、結構歌ったなぁ」

幼馴染「ゔん」

ヲタ「まだまだ歌えるでござる!」

根暗「ぢょ、げんがい…」

友「俺は…わりと平気」

ぼっち「…」クテーン

委員長「ぼっちくん氏んでるわよ?」

友「大丈夫だろ」

ぼっち「うんーっ…」

男「そういえば、さっき明日の予定話してたって言ってたけどさ」

友「あぁ」

ぼっち「…あのね、カラオケ行こうよって事になってたの」

276: 2012/11/18(日) 11:28:50 ID:y98Msv7g
友「復活したか」

ぼっち「うん、まあ」

男「そうだったのか…」

幼馴染「なんが悪いごどじぢゃっだね」

委員長「全然構わないわよ」

根暗「幼馴染、じゃべらないほうが…ゲホッ」

ヲタ「根暗殿もでござる」

男「…!閃いた」

277: 2012/11/18(日) 11:29:07 ID:y98Msv7g
友「ほう」

男「ここのスキー場は、観光地にもなってるのは知ってるか?」

根暗「ぼん…あーあー…本でよんだわ」

男「なんか、有名な寺みたいなの建ってるらしいんだけど…」

友「そこに…行くn」

幼馴染「行ぎだい!」

友「…幼馴染ちゃん?」

幼馴染「行ぎたい!ね、ね、ね?」

278: 2012/11/18(日) 11:29:23 ID:y98Msv7g
委員長「あー、幼馴染は確か…」

ヲタ「まさか、神社仏閣系ヲタでござるか?」

男「正解」

幼馴染「ね、ね?お願いー!」

根暗「今までになく積極的ね」

幼馴染「お願いー!」

友「幼馴染ちゃんがそこまでいうなら…なあ?」

委員長「ええ、構わないわ」

ヲタ「拙者も構わないでござる」

ぼっち「僕も大丈夫だよ」

根暗「私も行きたいわ」

男「んじゃ、きまりだな」

279: 2012/11/18(日) 11:29:40 ID:y98Msv7g
友「じゃあ、朝飯はここで食ってから出発って事でいいか」

男「大体そんな感じだろうな」

男「昼は向こうにある茶屋で食べれると思うから…」

委員長「それできまりね、集合は午後8時だから…」

根暗「まあ、大丈夫でしょ」

ぼっち「どの位の距離があるの?」

男「山の上だからなぁ…まあ、距離にするとざっと20kmくらいか」

280: 2012/11/18(日) 11:30:00 ID:y98Msv7g
委員長「20っ…」

友「なんだ近いな」

委員長「遠いわよ馬鹿!」

ヲタ「ちょっとしたハイキングでござる」

根暗「…やっぱりやめようかしら」

幼馴染「たのしそー!」

男「お前らな、ぶっ続けで20kmなわけないだろ…」

委員長「え…?」

幼馴染「あのね、距離が長い山の上とかの所は大体の場合途中に休憩所とか色々あるんだよ」

281: 2012/11/18(日) 11:30:18 ID:y98Msv7g
ヲタ「確かにそうでござるな」

根暗「なるほど、それなら楽しそうね」

委員長「安心したわ…」

ぼっち「じゃあ、明日は何時に集合にする?」

友「5時に食堂だろ」

ぼっち「はやい!

委員長「早すぎよ!」

男「いや、そんくらいが妥当だな」

委員長「な、なぜ?」

282: 2012/11/18(日) 11:30:50 ID:y98Msv7g
男「さっきも言った通り、20kmの道のりをのんびり休憩しながら歩くんだ」

友「さっさと歩き続けるならまだしも、休憩を挟みつつこの人数だとすれば」

男「行き帰りに5時間はとったほうがいいな」

友「そうすると、向こうにいられる時間は自然と4時間以下になる」

男&友「つまり、これ以上遅くする事は不可能ってことだ」

委員長「う…」

ヲタ「なんかのラスボスのような喋りでござったな」

ぼっち「かっこいい…」

根暗「息ぴったりね」

283: 2012/11/18(日) 11:31:06 ID:y98Msv7g
男「そう」

友「我らは」

男&友「兄2人弟でな1のつだ」

委員長「バラバラじゃない」

根暗「前言撤回するわ」

男「…」

友「…」

幼馴染「ともかく、5時に食堂に集合なのね?」

男&友「うん…」

284: 2012/11/18(日) 11:31:26 ID:y98Msv7g
委員長「…はぁ」

根暗「いいじゃない、ディズニー行くようなイメージよ」

委員長「そうかしら…」

根暗「アトラクションが無くてキャラが居ないだけじゃない」

ぼっち「それはディズニーと言わないよ…」

根暗「そんなに変わらないわよ」

幼馴染「明日5時ならそろそろ解散の方がいいかもね」

男「んー…そうだな、多分起きれないだろ」

285: 2012/11/18(日) 11:31:44 ID:y98Msv7g
ぼっち「それじゃあ…」

友「おう、また明日な」

委員長「おやすみなさい」スタスタ

根暗「良い夢を」スタスタ

ヲタ「乙でござる」スタスタ

友「…」

男「俺らもいくか」

友「だな」

幼馴染「…」

男「あれ?幼馴染なにしてるんだ?」

幼馴染「…ううん何でもないの」

友「…じゃあ俺先行くわ」ニヤッ

男「まて貴様、その不敵な笑みはなんだ」

友「じゃ」スタスタ

286: 2012/11/18(日) 11:32:02 ID:y98Msv7g
幼馴染「…」

男「ったく…んで、どうしたんだ?」

幼馴染「なんかね、なんか悲しいの」

男「なんで急に?明日が最終日だからか?」

幼馴染「ううん、なんか…なんて言ったら良いんだろう…」

男「???」

幼馴染「さっき、皆が解散したじゃない?」

男「おう」

幼馴染「その時に…こう、もう皆に会えないって思ったの」

男「そんな馬鹿な」

幼馴染「頭ではわかってるんだけど…」

男「そうか…」

幼馴染「…」グスッ

287: 2012/11/18(日) 11:34:14 ID:y98Msv7g
男「…」

ぎゅっ

幼馴染「ふぇ…」

男「心配すんな、皆とはまた明日会える」ぎゅうう

幼馴染「…うん」グスン

男「俺がついてる」

幼馴染「うん…」スンスン

男「ほら、部屋行くぞ」

幼馴染「…うん」コクン

男(皆に、会えない…か)

・・・・
・・・
・・

288: 2012/11/18(日) 11:35:26 ID:y98Msv7g
ガチャ

パタン

男「ふぅ…」ステステ

友「男」ボォォ

男「っおっふ!?」ビックゥ

友「そんなに驚くなよ」

男「バカ!暗闇からいきなりでてくんなよ!」

友「そんなこといいじゃねえか」

友「で、告白できたのか?」

男「はぁ?」

友「幼馴染ちゃんにさ」

男「はぁぁ?」

友「してないのか…」

男「なんでそんなことしなきゃいけねぇんだよ」

289: 2012/11/18(日) 11:35:47 ID:y98Msv7g
友「夜の廊下、2人きり、何か考え込んでる幼馴染ちゃん」

友「これ以上シチュが揃うことなんてあるかよ」

男「おれは…」

友「幼馴染ちゃんが考え込んでたのだってお前の事じゃないのか?」

男「ちげーよ」

友「なんだ、聞いたのか」

男「おう」

男「なんでも、お前らにもう二度と会えなくなるような気がして怖かったんだと」

友「…」

男「そんなことあるわけねぇって諭したら納得したみたいだけどさ」

友「女の…感か」

男「そんなもんじゃねぇって」

290: 2012/11/18(日) 11:36:23 ID:y98Msv7g
男「それより早く寝ようぜ、明日は早いし」

友「…そうだな!風呂入るか!」

男「お一人でどうぞ、俺は朝入る」

友「連れないやつめ」

男「なんとでも言えや、おやすみ」

友「あぁ、おやすみ」

・・・
・・

291: 2012/11/18(日) 11:36:48 ID:y98Msv7g
「…け…てい…」

「ゆ…じゅん…」

「いし…もて」

「し…な!」

・・・
・・

292: 2012/11/18(日) 11:37:04 ID:y98Msv7g
男「起床!」ガバッ

男「ふぅ、さすが俺だな」

男「夜更かししてもきっちり起きる」

男「あれ…」

男「友ー!」

男「んん?」

男「…」

男「まいっか」

293: 2012/11/18(日) 11:37:26 ID:y98Msv7g
~風呂場~

ザァァァア

男「シャワーきもちええええええええ」ザァァァ

男「あったけーーーー」ザアァ

男「出たくねー」ザァァ

男「…」ザァァ

男「~♪」キュッ

ガチャッ

フキフキ

バササッ

男「よしっ」パリッ

男(んで、友は…)

男「友ーーー」

294: 2012/11/18(日) 11:37:42 ID:y98Msv7g
シーン

男「???」

男「とm」

ガチャ

男「お」

友「あえ?」

男「どこいってたんだ?」

友「んー、ちょっとな」

男「ふーん」

友「なんだよその疑った目は」

男「べつにー」

295: 2012/11/18(日) 11:37:59 ID:y98Msv7g
友「…」

男「ま、そんなことより早く食堂行こうぜ」

友「んあぁ、そうだな」

~食堂~

看板「close」

男「まだ空いてなかったか」

友「でも、もう空くだろ」

ぼっち「おはよう…」

男「おお、ぼっち」

ぼっち「ふぁぁ…」

友「眠そうだな」

ぼっち「まだスイッチが入らない感じ…」

296: 2012/11/18(日) 11:38:17 ID:y98Msv7g
根暗「男子のくせに情けないわね」

男「おう、根暗」

友「お前は元気だな」

根暗「早起きは得意技よ」

幼馴染「おはよー!」

男「おはよう」

友「幼馴染ちゃんも元気だな」

ぼっち「委員長さんは…?」

幼馴染「あれ?さっきまで一緒に…」

ヲタ「どうも!皆様おはようでござ…ん?」

297: 2012/11/18(日) 11:38:36 ID:y98Msv7g
ズルッ…ペタン…ズルッ…ペタン


ヲタ「あ、あ、あ、悪霊退散ぁぁああん」

委員長「しつ…れいね…」ズルッ…ペタッ…

男「お、おはよう委員長」

ぼっち「こわい…」

友「どっかで見た…」

根暗「貞子…」

友「それそれ」

ヲタ「ひぃぃい」

委員長「だれが…貞子よ」

幼馴染「そっくりだよ」

委員長「朝に弱いのよ…」

友「ま、なんにせよ全員揃った訳だ」

男「そうだな、それにそろそろ食堂も…」

看板「OPEN」

298: 2012/11/18(日) 11:38:53 ID:y98Msv7g
男「ほら」

友「よっしゃ、入ろうぜ」

一同「「はーい」」

・・・
・・

299: 2012/11/18(日) 11:39:21 ID:y98Msv7g
ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

委員長「ねえ」

ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

幼馴染「なぁに?」

ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

委員長「…5時でもこのペースなの?」

男「…」ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

友「…」ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ

幼馴染「基本的には…」

根暗「騒々しいわね」

300: 2012/11/18(日) 11:39:40 ID:y98Msv7g
ヲタ「ルヒー並でござるな」

ぼっち「相変わらずだなぁ」

男「…んぐっ…ぷはっ」

友「…ふぅ…」

幼馴染「食事って言うより、捕食に近いと思う」

根暗「たしかに」

ぼっち「野生な感じが差否め無いね」

委員長「終わったみたいよ」

男「ごちそーさまでした」ゲフゥ

友「おなじく!」グフゥ

男「あれ?皆もう終わってるの?」

委員長「普通、朝からそんなに入らないわよ」

301: 2012/11/18(日) 11:39:56 ID:y98Msv7g
ぼっち「朝ごはんは食べれないから…」

ヲタ「サラダで充分でござるよ」

根暗「コーヒーでしょ」

幼馴染「私は紅茶かな」

友「そんなもんか?」

男「さぁ…」

委員長「あなた達が異常なの!」

302: 2012/11/18(日) 11:40:14 ID:y98Msv7g
ヲタ「そんなことより、そろそろ出発するでござるよ」

男「そだな、いざ山の上へ!」

5人「「おー!」」

・・・・
・・・
・・

303: 2012/11/18(日) 11:40:47 ID:y98Msv7g
ちょっと休憩…

今日中に本編は終われるかも…しれません

305: 2012/11/18(日) 16:02:46 ID:y98Msv7g
長々とごめんなさい
再び投下しますね

306: 2012/11/18(日) 16:03:28 ID:y98Msv7g
~ホテル前~

男「まだ真っ暗だな」

友「そりゃあ、冬なわけだし」

幼馴染「寒いいいいいいい」カタカタ

委員長「かかかけけけ…」カタカタ

男「委員長が壊れた」

委員長「ううううううるるるる」カタタタタ

友「わかった、わかったから」

男「動けばあったまるって」

307: 2012/11/18(日) 16:03:51 ID:y98Msv7g
ヲタ「必勝、脂肪の壁でござる」

男「ヲタは元気だな」

根暗「私も平気」

友「ほう、意外だな」

根暗「いやまあカイロのおかげなんだけどね」ホカホカ

ぼっち「」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

友「問題はこいつか」

男「ぼっちー」

ぼっち「」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

男「ダメだこりゃ」

308: 2012/11/18(日) 16:04:29 ID:y98Msv7g
友「既に戦意喪失してるからなあ」

男「こいつ冬の山舐めてただろ」

男「はぁ…仕方ねえな、とりあえず…」

男「おい、ぼっち」

ぼっち「?」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

男「ほら湯たんぽ貸してやるから」ヒョイッ

ぼっち「ああああありりりりり」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

男「いいからいいから、さっさといくぞ」

6人「「はぁい」」

309: 2012/11/18(日) 16:04:46 ID:y98Msv7g
~10分後~

委員長「少しあったまってきたわ」

幼馴染「この調子ならなんとかなりそうだね」

男「耳当てだけはしっかりな、耳やられると頭も痛くなってくるから」

幼馴染「うん、一昨年男にもらった奴あるから大丈夫」

友「詳しく聞こうか」ズイッ

男「ただの誕生日プレゼントだよバカ」

幼馴染「これくれる時に男がね」

男「えっ」

友「ほう」

男「まてまてまてまてまてまて!」

310: 2012/11/18(日) 16:05:07 ID:y98Msv7g
幼馴染「『俺が居なくて寂しくても、これがあれば大丈夫だろ?(キリッ』って」

男「」

委員長「うわー厨二」

友「ちょっとそれはないわ」

ぼっち「臭いね」

根暗「プププ」

ヲタ「黒歴史wwww」

男「違うんだ!違うんだ聞いてくれ!」

友「そういえば男って1年の頃…」

男「」

311: 2012/11/18(日) 16:05:25 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・
・・


~出発から1時間~

男「」

友「せんせー、男くんが息してませーん」

男「私もうお嫁にいけない…」

委員長「最高の過去ね」

ヲタ「デュフフフフwww」

ぼっち「だ、だれにでも一つはあるよ!」

根暗「そうよ、誰にだって1つや2つ…プフッ」

男「」

312: 2012/11/18(日) 16:05:46 ID:y98Msv7g
友「んふふっ」

幼馴染「まぁ…そんなに…落ち込…クスッ」

男「…」ムスッ

友「ひひひっ…そ、そろそろ休むか?」

ぼっち「そ、そうだね!そうしようよ」

男「…」ムスッ

幼馴染「休憩するって言っても、周り草ばっかで…」

男「…」ツンツン

幼馴染「なに?」

男「…あと少しで茶屋がある」ムスッ

幼馴染「そうなんだ!じゃ、そこまで我慢だね」

313: 2012/11/18(日) 16:06:00 ID:y98Msv7g
男「ほら、あそこに見える」

幼馴染「あ、ほんとだー」

委員長「え?暗くてよく分からないけど…」

友「あれかぁ、もうすぐだな」

委員長「ええ?」

幼馴染「あそこだよ?委員長、どこみてるの?」

ぼっち「僕にもわかんない…」

ヲタ「近くにそんなところは見当たらないでござる」

根暗「ねえ、まさかあのとおおおおぉくに見える小さな灯りじゃないわよね?」

男「そこ以外にどこがあるってんだ」

委員長「どこがもうすぐよ!!」

315: 2012/11/18(日) 16:06:19 ID:y98Msv7g
ヲタ「あれは流石に近くとは言わないでござる…」

ぼっち「3人とも…あれは近くないよ…」

友「そうかぁ?」

幼馴染「うーん?」

男「またまたご冗談を」

委員長「え?幼馴染?あなたこっち側の人間だったわよね??」

男「いつからそう錯覚していた…?」

委員長「なん…ですって…?」

316: 2012/11/18(日) 16:07:50 ID:y98Msv7g
根暗「いやよあんなとこまで歩くの」

男「まあ、そんなことも考えてレジャーシート持ってきてるから心配すんな」

委員長「先にそれ言いなさいよ…」

ヲタ「レッツ休憩タイムでござる」

~数分後~

男「そろそろどうだ?」

委員長「私は大丈夫」

ぼっち「僕もだよー」

ヲタ「いつでも出撃できるでござる」

根暗「あたしもokよ」

317: 2012/11/18(日) 16:08:27 ID:y98Msv7g
友「んじゃいくか」

幼馴染「まあ、すぐまた休憩だけどね」

委員長「絶対すぐじゃないわよ…」

男「しゅっぱーつ!!」

~数十分後~
in茶屋

男「おお、こんな時間からあいている」

幼馴染「早起きさんだねー」

委員長「感心するわね」

ぼっち「何があるのかな」

根暗「麦茶、緑茶、焙じ茶、センブリ茶、どくだみ茶…etc」

318: 2012/11/18(日) 16:08:58 ID:y98Msv7g
ヲタ「お茶ばっかでござる!!」

男「茶屋だし」

友「普通だよな」

幼馴染「茶屋だしね」

ヲタ「拙者がおかしいのでござるか!?」

委員長「茶菓子とかはついてくるんでしょ」

委員長「とにかく入りましょうよ…すいませーん」

魔女「イーヒヒヒヒヒ、ぃらっしゃぁい」

委員長「キャーー?!」

魔女「なんだい人の顔みて悲鳴上げるなんて…ヒヒヒ」

319: 2012/11/18(日) 16:09:16 ID:y98Msv7g
ぼっち「委員長さんどうしたn…

ぼっち「ぼぼぼぼ僕は美味しくありませんよっ!!!!」ガタガタ

ヲタ「おお、これ見よがしに魔女でござる」

男「それ以外に形容し辛いな」

友「ほんとだ」

根暗「同感」

幼馴染「みんな!失礼だよ!!」

魔女「ぃいのさいぃのさ、ヒヒヒッ」

320: 2012/11/18(日) 16:09:37 ID:y98Msv7g
男「えーとね、俺焙じ茶!」

根暗「あたしあずき茶」

幼馴染「私生姜茶」

ヲタ「拙者は、ブレンド黒ウーロンで」

友「俺は…そうだな、無難に緑茶!」

委員長「ね、ねぇ…この"怪しいブレンド茶"って…?」

魔女「"怪しい"ブレンド茶さ…イーヒヒヒ」

ぼっち「僕…麦茶…」

男「やめとけ」

ぼっち「なんで??」

男「麦茶は体を冷やすからな、冬はよろしくない」

魔女「ヒーヒヒ、お兄ちゃんよく知ってるねぇ」

魔女「僕ちゃんにはあの子と同じ生姜茶をオススメするよぅ」

321: 2012/11/18(日) 16:10:06 ID:y98Msv7g
ぼっち「じゃ、じゃあそれで」

魔女「あい、かしこまりましたよ」スタスタ

委員長「あ、あれ?私は"怪しいブレンド茶"になったの!?」

魔女「オーダーキャンセルはうけつけないよぉーぅ」

委員長「そ、そんな…」

男「業に入っては業に従え」

男「ものは試しだ、飲んでみろよ」

委員長「名前に"怪しい"ってついてるじゃないの!自ら怪しいって誇示してんのよ!?」

友「もう遅い、諦めろ」

幼馴染「楽しみだねー」

322: 2012/11/18(日) 16:10:24 ID:y98Msv7g
委員長「ううぅ」

委員長「と言うか、おばあさん…どこかで会ったような…」ブツブツ

友「ほら、ダメだったら変えてあげるから」

委員長「はい…」

ヲタ「ふぃー….不思議とお店はあったかいでござるな」

ぼっち「入り口は暖簾(のれん)だけなのにね」」

根暗「風情があって素敵ね」

魔女「ありがとうよぉ」

根暗「!!」ビクッ

魔女「ヒヒヒ、お茶とお菓子持ってきたからねえぇ」コトッコトッコトッ

男「どーもー」

323: 2012/11/18(日) 16:10:42 ID:y98Msv7g
友「あ、手伝いますよ」

魔女「ありがとう、でも大丈夫だよぅ」

委員長「この….お菓子は?」

魔女「ヒーッヒ、当ててご覧よ」

ぼっち「始めて見るなぁ」

ヲタ「拙者もでござる」

根暗「私これ食べたことあるけど…名前わかんないわ」

男「えっ、お前ら"なごやん"しらねぇの??」

友「聞いたことねぇよ」

幼馴染「名古屋のお菓子だよ??しらないの??」

魔女「お兄ちゃん、正解だよぅ」

魔女「あたしが好きでねぇ…とり寄せてるのさ」

324: 2012/11/18(日) 16:10:58 ID:y98Msv7g
ヲタ「いや~…しらないでござるなぁ」

委員長「でも、美味しそうね」

魔女「イチオシだよぅ」

ぼっち「いただきまーす」パクッ

男「うまいだろ?」

ぼっち「うん!白餡なのかな?初めて食べたよ!!」

根暗「なごやんっていうのね」パクッ

ヲタ「意外と硬いでござるな」モグモグ

男「かじると、ポロポロ崩れるから気をつけて」

友「あと2秒早く言って欲しかったな」バラバラ

委員長「甘くて美味しいわね!」

幼馴染「んー!おいしー!お茶に合うね!」ズズズ

325: 2012/11/18(日) 16:11:27 ID:y98Msv7g
男「っあぁ~…沁みる」

ヲタ「お茶美味しいでござる!!」ズズズ

根暗「本当、口当たりに角がないわ…」

魔女「イーヒッヒ、難しい言葉を使うねぇ、ありがとうよ」

友「あ、委員長はどうだったんだ?」

委員長「…」ゴクッゴクッゴクッ

友「おおぅ、凄い飲みっぷり…」

魔女「イーッヒッヒッヒ、なんたって特製だからねぇ…」

326: 2012/11/18(日) 16:11:46 ID:y98Msv7g
委員長「プハァッ」

ぼっち「いっきだったね…」

委員長「言葉にするのがぁおこがましいほどぉ美味しかったわぁ…」

魔女「特製、だからねぇ」

ヲタ「変なもん入れてないでござるか…?」

魔女「イーッヒッヒ」

委員長「なんかフワフワするぅ」

ぼっち「なにを入れたんですか…?」

魔女「なーに、ただのウイスキーの麦茶割りだよ」

男「それ茶じゃねえ!!」

友「未成年に何のましてんだよ!」

魔女「ま~さか一気飲みするとはねぇ…イーッヒッヒッヒ」

327: 2012/11/18(日) 16:12:17 ID:y98Msv7g
委員長「皆っ」

委員長「あーたしに続きなさぁあいっ」ステステ

幼馴染「委員長!危ないよぉ!」

男「アルコール回るの早過ぎだろ!」

魔女「特製だからねぇ~」

友「おい行っちゃったぞ」

ぼっち「直ぐに追おう!」タタタ

男「婆ちゃん、勘定これで!」

魔女「タダ券だね、毎度あり~」

魔女「イーッヒッヒ」

・・・
・・

328: 2012/11/18(日) 16:12:35 ID:y98Msv7g
ぼっち「委員長さーん!!」

委員長「まだまだ遅いわっ!ほらほら!」タタタタッ

ぼっち「早い…っ」ゼエゼエ

友「俺が捕まえる!」

ぼっち「友くんお願いっ…」ゼエゼエ

友「委員長!」タタッ

友「捕まえたっ」ガシッ

委員長「キャー!痴漢ー!誰かー!いやぁー!」ジタバタ

友「えっ」

329: 2012/11/18(日) 16:12:52 ID:y98Msv7g
男「おい友!お前っ!」

ヲタ「どさくさに紛れてなにしてるでござるか!」

根暗「あんた…そんな奴だったのね」

幼馴染「えOちいのはよくないよ!!」

友「え、えええええええええ…」

ぼっち「友くん…」

友「ぼっちぃ…助けt」

ぼっち「変態」ボソッ

友「」

委員長「やだー!○されるぅぅー!」キャッキャッ

330: 2012/11/18(日) 16:13:10 ID:y98Msv7g
男「酔っ払うとタチ悪いな」

幼馴染「忘れてた…」

ヲタ「アレでござるな、抑制されていた物が弾ける感じでござるな」

ぼっち「真面目だから…溜まってたのかもね」

友「」

委員長「いーかげん離しなさいよアンタ!」ゴスッ

友「はぉぅっ」チーンッ

男「…!!」ゾクッ

ぼっち「うわっ…」

ヲタ「全力金的でござるぅ…」

331: 2012/11/18(日) 16:13:27 ID:y98Msv7g
幼馴染「そんなに痛いの?」

根暗「聞いた話では、生理痛が一気にドーンと来るイメージらしいわ」

友「」ピクピク

幼馴染「うわぁ…それは…」

男「内臓の痛みなんだよなぁアレ」

ヲタ「らしいでござるな」

ぼっち「お腹痛くなるよね」

男&ヲタ「「たしかに」」

友「」ピクピク

委員長「あいむうぃなぁぁぁあ」クルクル

男「委員長楽しそうだなぁ…」

332: 2012/11/18(日) 16:13:51 ID:y98Msv7g
・・・
・・


~数十分後~

委員長「うー…」

幼馴染「大丈夫?」

委員長「記憶が…」

男「なにしでかしたか聞きたい?」ニヤニヤ

委員長「…やめとく」

委員長「ね、ねえ友!」

友「!!」ビクッ

友「な、なななんでしょう!」

委員長「なんでそんなに挙動不審なのよ…」

ヲタ「明らかにトラウマでござるな」

ぼっち「それは…あんなことされたら…ねぇ?」

333: 2012/11/18(日) 16:14:08 ID:y98Msv7g
根暗「あんたが眠るまで大変だったんだから」

委員長「えっ…」

男「聞きたい?」ニヤニヤ

委員長「…」

根暗「ま、すくなくとも私は委員長とお酒を飲みに行きたくは無いわね」

幼馴染「うん、確かに」

委員長「…」

男「ねぇ、聞きt」ゴスッ

委員長「黙りなさい」

男「あ…あい」ピクピク

334: 2012/11/18(日) 16:14:33 ID:y98Msv7g
根暗「あ、そろそろ次の店が見えてきたわよ」

幼馴染「ほんとだー、周りも少しづつ明るくなってるね」

ヲタ「なんだかんだで時間が経つのは早いでござるな」

友「それはまあ、委員長が突っ走ってくれたかr」

委員長「笑止!!」ゴスッ

友「はうっ」

男「おお、またまたまたのたまたまに…」

ぼっち「男くんなに言ってるの…?」

幼馴染「さー!次のお店はもうすぐだよっ!急ごー!」

根暗「そうね、氏んでるのは置いてゆきましょう」

335: 2012/11/18(日) 16:14:54 ID:y98Msv7g
ヲタ「流石根暗殿、クールですな」

男「そんなもんだって、行こうぜ」

4人「「おーっ」」

友「うぅ…」

・・・・
・・・
・・


幼馴染「ついたーっ!」

ヲタ「今度のお店は…」

ぼっち「お、おかし屋?」

根暗「普通…お菓子屋よね」

委員長「ひらがなってのがちょっと引っかかるわね」

336: 2012/11/18(日) 16:15:19 ID:y98Msv7g
幼馴染「もしかして可笑し屋だったりして」

委員長「楽しそうね」

男「犯し屋だったり…」

委員長「下品!!」ブゥン

男「当たらん」サッ

委員長「な、なんですって…」

男「ふふふ、俺に攻撃を当てるなど100年早い」

幼馴染「変態」ボソッ

男「なぅっ」グサッ

337: 2012/11/18(日) 16:15:39 ID:y98Msv7g
委員長「効いたみたいね」

友「待ってくれ…おいてくなんて酷いじゃねえか」

友「ん?犯し屋?」

委員長「あんたはさっきから!」ゴスッ

友「デジャヴッ」ガクッ

根暗「そろそろ潰れるわよアレ」

ぼっち「もう潰れてるんじゃないかな」

ヲタ「気にしたら負けな気がするでござる」

338: 2012/11/18(日) 16:16:03 ID:y98Msv7g
男「…入ろうぜ」ボソボソ

委員長「ふんっ」

友「」

幼馴染「すいませーん」

脂男「ぐへへへへ、いらっしゃい、お嬢ちゃん可愛いね」

幼馴染「お、犯し屋だぁぁぁあっ!!」

5人「「「?!」」」

339: 2012/11/18(日) 16:17:25 ID:y98Msv7g
・・・
・・


脂男「ウチはちゃんとしたお菓子屋だよ…」

幼馴染「ご、ごめんなさい」

委員長「ねぇ今…」ヒソヒソ

男「あぁ、確かに」ヒソヒソ

ぼっち「びっくりしちゃった」ヒソヒソ

根暗「カワイイ顔して…」ヒソヒソ

幼馴染「なに話してるの?」

・・・・
・・・
・・

340: 2012/11/18(日) 16:17:57 ID:y98Msv7g
男「うめー!」

ヲタ「こんなの食べたことないでござる!」

根暗「甘くてコクがあってさっぱりしてるお菓子って…一体…」

幼馴染「お土産に買って帰ろっと」

委員長「繊細な味…」

友「痛みなんて吹き飛んだぜ!」

ぼっち「本当美味しいなぁ…」

脂男「グヘヘ、ありがとうね」

幼馴染「帰りも寄りますんでお土産としてお願いしますね!」

脂男「勿論さ、沢山食べてね」

友「お金は…」

脂男「取るよ?」

友「…」

341: 2012/11/18(日) 16:18:42 ID:y98Msv7g
男「下の茶屋と提携したらいいのに」

脂男「あぁ、ママンの所に寄ってくれたのかい」

ぼっち「ママン…?」

脂男「そう、黒髪ロングがチャームポイント!マイ・ママンさ!!」HAHAHA

委員長「あのおばあさんが…?」

脂男「そうだよ?」

友「怪しいブレンド茶って言う、ウイスキーの麦茶割り飲まされて大変な目にあったんだぞ!」

脂男「ママンはそんなの出してないよ!?」

男「そんなバカな、しっかり飲まされたぞ…」

委員長「…」

脂男「だとしたらママンのいたずらだと思うよ」

脂男「ママンはチャーミングだからね!」

ヲタ「だとしたらとんでもないお母さんでごさるな」

根暗「ふふ、面白いわね」

342: 2012/11/18(日) 16:19:23 ID:y98Msv7g
男「ゴチソー様でしたー」

脂男「はい、また来てね」

脂男「そうそう、ここから暫くお店は無いから覚悟してね」

ぼっち「なんで無いんですか?」

脂男「変な話ね…この辺りの山には妖怪が出るんだ」

ぼっち「えっ」

脂男「人を見つけては生気を吸い取るってんで、地元の連中が怖がっちゃってここから先は人が居ないのさ」

男「妖怪って…」

委員長「まさかぁ…」

友「でも…」

根暗「ふふっ」

脂男「まあ、君らも気をつけてね」

幼馴染「はーい…」

友「い、いくか」

6人「「「お、おー…」」」

343: 2012/11/18(日) 16:19:56 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・
・・


幼馴染「…」テクテク

友「…」テクテク

根暗「…」テクテク

男「…」テクテク

ヲタ「…」テクテク

ぼっち「…」テクテク

ぼっち「…辞めにしない?」

男「はいぼっちアウトー」

ぼっち「ぼ、僕は意見を述べただけだよ!」

友「それでも喋ったことに代わりはないなぁ」

ぼっち「うぅ…」

344: 2012/11/18(日) 16:20:55 ID:y98Msv7g
根暗「ぼっち、このゲームはね?如何に沈黙に打ち勝ち、自分の世界に没頭するかが大事なのよ?しかし、没頭しすぎてもいけない、没頭できなくてもいけない…そんな世界なのよ」

幼馴染「喋ったら負けゲームってそんなに深かったっけ?!」

ヲタ「どんなゲームも、それなりにプロが居るのでござるよ」

委員長「…」

男「どうしたら委員長、ゲームは終わったぞ」

委員長「…うん、わかってる」

友「どうした?なんか悩んでるのか?」

委員長「いや…そうじゃないんだけど…」

345: 2012/11/18(日) 16:21:19 ID:y98Msv7g
男「ならどうしたんだ?」

友「よせよ男、ほら、女のコの日だy」

ゴスゥッ

友「あうらっ」ガクッ

委員長「…次のお店はまだかなって思っただけよ」

幼馴染「…あ、わかったぁ」

委員長「え?」

幼馴染「トイレでしょ」

委員長「…」

ヲタ「図星でござるな」

ぼっち「男の子ならその辺にするんだけど…」

男「なーるほど」

委員長「…っ」カァァア

346: 2012/11/18(日) 16:21:59 ID:y98Msv7g
男「じゃ、急ぐか」

男「おい、友起きろ」

友「うっ…くっ…はっ…」ノソノソ

男「お前委員長おぶれ」

委員長「…え?」

男「走るぞ」

友「オッケ…」プルプル

委員長「い、イイわよそんなの!」

根暗「本当にいいの?ここで急がなきゃ後でもっと恥ずかしい目に合うのよ?」

委員長「でも…」

友「俺なら平気だし、その方が山頂にも早く着くだろ」

委員長「…」

347: 2012/11/18(日) 16:22:17 ID:y98Msv7g
幼馴染「甘えなよ委員長」

委員長「そ、そうね…お願いするわ」

友「よしきた」ヒョイッ

委員長「わ!わっ!」カァァァ

男「おーし、皆!走るぞ!」

一同「「おおー!!」」

委員長「…///」プシューッ

・・・・
・・・
・・

348: 2012/11/18(日) 16:22:41 ID:y98Msv7g
~安易休憩所~

委員長「ごめんなさいね…」

幼馴染「気にしないでよ」

根暗「結果的に早く到着出来そうだし大丈夫よ」

ヲタ「一気に半分は終わったでござるからな」

ぼっち「後半分だね!」

男「…甘いな」

ぼっち「え?」

男「今のは麓からの半分に過ぎん」

ぼっち「…!」

男「わかったな?」

ぼっち「僕…大丈夫かなぁ」

男「まー、ヘタったら助けてやるよ」

349: 2012/11/18(日) 16:23:11 ID:y98Msv7g
委員長「…しっかり休みましょ」

根暗「そうね」

ヲタ「こっからが本番でござるな」

友「うーし、気合入れて行くぞー!」

一同「「おぉー!」」

・・・
・・

350: 2012/11/18(日) 16:23:39 ID:y98Msv7g
~出発から4時間~

幼馴染「ついたあぁぁぁ!」

委員長「つ、疲れ、疲れた…わ」ガクッ

根暗「なかなか堪えるわね…」

男「なんだだらしない」

根暗「そっちの男共にも言ってやりなさいよ…」

ヲタ「」ゼヒューッゼヒューッ

ぼっち「」ゼェ…ゼェ…

男「虫の息かよ」

351: 2012/11/18(日) 16:23:59 ID:y98Msv7g
友「だらしないなぁ…」

男「まあ、ペースは少し早かったけどな」

幼馴染「仕方ないよね」

委員長「幼馴染??なんであなた平気なの?あなたこっちサイドよね?」ハァ…ハァ…

幼馴染「えー?」

男「幼馴染は好きな物に関しては化け物級だからな」

友「まさか好きなものが神社仏閣とは思わなかったが」

男「変わってんだよ、むかしから」

352: 2012/11/18(日) 16:24:18 ID:y98Msv7g
友「昔から…ねぇ」ニヨニヨ

男「てめっ…!」

根暗「あんた達、くだらないやり取りしてないで見なさいよ」

男「なにをだよ」

根暗「ほら、正面の景色」

男「ん?あぁ…」

友「おぉ…」

男「なるほど…」

ヲタ「そ、壮大でござる…」ゼーゼー

ぼっち「す、凄い…」

353: 2012/11/18(日) 16:24:36 ID:y98Msv7g
委員長「きれい…」

幼馴染「」ポケー

男「言葉失ってるよ」

友「そんなに感動したか」

根暗「それほど好きって事ね」

幼馴染「」ポケー

男「いつまでも突っ立ってても仕方ないな」

友「中入ろうか」

・・・・
・・・

354: 2012/11/18(日) 16:25:01 ID:y98Msv7g
委員長「…まるでゲームみたいね」

男「確かに」

友「ゲームより遥かにゲームっぽいな」

幼馴染「ほぇー…」

ヲタ「FFっぽいでござるな」

根暗「そういう例えしかできないのは悔しいけど、本当綺麗ね」

ぼっち「すごい綺麗…昔の人が建てたんだよね?」

男「ガイドブックによると、いつ頃建造されたかは判明してないらしいぞ」

ぼっち「え?どういうこと?」

355: 2012/11/18(日) 16:25:29 ID:y98Msv7g
男「普通、材料とかで判断したりするんだが、様々な年代のものが混じり合っててよくわからないらしい」

男「1番有力な説は、複数年に渡りパーツを作り上げ、一気に組み立てたってのらしい」

男「言うなればプラモかな?」

ぼっち「なるほど…」

根暗「今だに謎が多いのよね」

男「根暗は知ってるのか?」

根暗「少しね」

友「へー、聞かせてくれよ」

根暗「そうね、休憩がてらお話するわ」

根暗「まずこの場所は、正確に神社かお寺かという分かれ目はないの」

ヲタ「どういうことでござるか?」

根暗「簡単に神社と寺の違いを説明すると、仏教の違いなのよ」

根暗「でも、この場所には、決まった宗教がないから、神が祀られていないの」

ぼっち「神が居ないなら…それって唯の建造物になるんじゃ…」

356: 2012/11/18(日) 16:25:46 ID:y98Msv7g
根暗「本来ならそうなるはずなんだけど…そこからはよくしらないわ」

委員長「へぇ…簡単に言ったら謎が多いってことね」

ぼっち「それ最初の方に言われてたよね?」

委員長「…!」ハッ

友「一週回って戻ってきたんだな」

男「根暗、ここに祀られてる?ものみたいなの知ってるか?」

根暗「さぁ…そこまでは」

幼馴染「神器とか?」

男「ふふ、それは奥にいけばわかるんだなぁ」

幼馴染「えー…教えてよー」

男「自分の目でみた方がいい」

357: 2012/11/18(日) 16:26:09 ID:y98Msv7g
ぼっち「その様子だと…男くんはなにか知ってるの?」

男「ああ、昨日の夜ガイドブック読んだんだ」

友「気になるなぁ、ちゃっちゃとみに行こうぜ」

ヲタ「そうでござるな」

根暗「楽しみだわ」

幼馴染「いこー!」トテテテテ

委員長「幼馴染!待ちなさい!」タタタタタ

男「元気だなぁ」

ぼっち「僕らも行こうよ!」

友「ああ、そうだな」

・・・・
・・

358: 2012/11/18(日) 16:26:30 ID:y98Msv7g
幼馴染「ここかー!」

根暗「まだ入り口だけどね」

委員長「おっきいわね」

ヲタ「ふむ…シンメトリー…」

ぼっち「装飾凝ってるねぇ」

友「早く入ろうぜ!」

男「なんでいつも俺たちは入り口で足止め食らうのか」

幼馴染「ゆくぞー!」トテテテテ

男「あっ、ちょ!」

友「幼馴染ちゃんフワフワしてるな」

委員長「好きなものに囲まれてるからかしらね」

ヲタ「拙者達も追うでござる」

359: 2012/11/18(日) 16:26:55 ID:y98Msv7g
・・・
・・

幼馴染「わあー!」

委員長「綺麗ね…」

男「そう、ここはでっかい天然石を祀って?ていうのか」

男「とりあえず、主体は天然石なんだよな」

根暗「なるほど、だから宗派が無いのね」

ヲタ「それにしても大きいでござるな」

友「これ売ったら幾らだろ」

ぼっち「無粋だよ…」

男「あ、そだ」

男「お前らさ、少しここに居てくれ」

360: 2012/11/18(日) 16:27:14 ID:y98Msv7g
幼馴染「なんで?」

男「ほら、よくお守りってあるだろ」

委員長「買ってくるの?」

男「おう、どうせだから皆の分も買ってこようかと思ってな」

ぼっち「あ、じゃあお金…」

男「ここは奢らせてくれ、頼む」

ぼっち「あ…うん」

根暗「なんか思惑ありそうね」

友「まあ、任せるとしようぜ」

男「恩にきる」タタタタ

・・・
・・

361: 2012/11/18(日) 16:27:37 ID:y98Msv7g
男「えーと…コレを…7つ下さいな」

巫女「はーい、3500円になります」

男「はいっ、丁度」

巫女「ありがとうございます」

巫女「ふふ、いいですねそれ」

男「でしょ?7人で分けるんです」

巫女「あなたの思いが叶いますように」ニコッ

男「へへ、ありがとうございました」タタタタ

・・・・
・・・
・・

362: 2012/11/18(日) 16:28:07 ID:y98Msv7g
幼馴染「遅いなー」

委員長「売り場遠かったから…」

根暗「男なら一瞬だと思ったんだけど」

友「人間扱いしてやれよ」

ヲタ「いや…人間かどうかも疑わしい…」

ぼっち「否定できないとこがまた怖いね」

男「誰が人間じゃねえだコラ」

根暗「うわっ」

委員長「でた!」

男「俺は妖怪か何かか?」

友「半分な」

363: 2012/11/18(日) 16:28:27 ID:y98Msv7g
委員長「あんたも同類よ」

友「…」

ヲタ「お疲れ様でござる」

ぼっち「なにを買ってきたの?」

男「これ」サッサッサッ

男「皆に、俺からの気持ちだ」

友「えっ…ヤダ、告白とかじゃないでしょうね」

男「黙って受け取れホ〇野郎」

根暗「!!!」

364: 2012/11/18(日) 16:28:49 ID:y98Msv7g
友「俺はノーマルだっ」

幼馴染「根暗ちゃんのスイッチが…」

根暗「男は…そして…友…いっしょに…」ブツブツ

委員長「入ったわね」

男「まあなんでもいいや、とりあえず開けてみてくれ」

委員長「なにがでるかな♪っと」

友「てれれれれんてんてれれれん♪」

幼馴染「…勾玉?」

365: 2012/11/18(日) 16:29:26 ID:y98Msv7g
・・・・
・・

幼馴染「…」

委員長「…」

友「…」

ヲタ「…」

根暗「…」

ぼっち「…」

男「…メッセージ伝わったかったか?」

友「お前…」

委員長「良いわね…」

根暗「ちょっと圧倒されちゃったじゃないの」

ヲタ「拙者…拙者っ」

ぼっち「嬉…しいな」

幼馴染「男ぉ…」

男「今の俺たちにぴったりだろ?」

366: 2012/11/18(日) 16:29:48 ID:y98Msv7g
ぼっち「僕…ずっと一人だったから…」グス

男「泣くほどじゃないだろう」

ぼっち「うん…うれしい…」グスグス

男「これからは、俺たちと一緒だ」

ぼっち「…うん…うん…」

根暗「たまには…1人より大勢の方がいいわね」

男「飯も、1人よりみんなで食った方が旨いって」

根暗「ふふ、そうね」

367: 2012/11/18(日) 16:30:06 ID:y98Msv7g
ヲタ「拙者…アニメのような事がしたいと切に願ってきたでござる…」

男「ぽいだろ?コレ」

ヲタ「男殿ぉお…」ダキッ

男「ちょ!苦しいって!」

ヲタ「ずっと一緒でござるぅぅう」ムギュゥゥウ

男「わーった!わーったから!」

友「このチョイスは卑怯だろ…」

男「イイと思わないか?」

友「お前にしては上出来だ」

男「ぬかせ」

友&男「へへへ」

368: 2012/11/18(日) 16:30:31 ID:y98Msv7g
委員長「…みんなお揃いね」

男「色は違うけどな」

男「丁度7色あったんだ」

委員長「ふふ、虹の色と同じね」

男「ロマンチックじゃね?」

委員長「嫌いじゃないわ、こういうの」

男「毎度」

幼馴染「男ぉ…」ウルウル

男「幼馴染…」

幼馴染「ありがとう…」

男「俺たちは会えなくなったりしない」

男「ずっと一緒だ」

幼馴染「うん…うん!」

369: 2012/11/18(日) 16:30:50 ID:y98Msv7g
男「よしよし」ナデナデ

幼馴染「…///」テレッ

男「うっし、せっかくだし色々回るぜ!」

6人「「おおーー!」」

・・・・
・・

370: 2012/11/18(日) 16:31:12 ID:y98Msv7g
~滝~


男「さむっ!滝さむっ!」

委員長「やややややばいわ」ガタガタ

幼馴染「たたた退散!退散!」

友「うひゃーっ!」

371: 2012/11/18(日) 16:31:37 ID:y98Msv7g
~森~


根暗「落ち着くわね…」

ぼっち「心地いい…」

ヲタ「肌寒い位がちょうどいいでござる」

372: 2012/11/18(日) 16:32:01 ID:y98Msv7g
~お食事どころ~


ヲタ「どれも美味しそうでござる」

男「俺はこの結晶ラーメン特盛にしようかな」

ぼっち「じゃあ僕は岩石丼で」

幼馴染「うーん、迷うなぁ…」

373: 2012/11/18(日) 16:32:46 ID:y98Msv7g
~おみくじ~


友「大凶?!」

男「末吉」

根暗「吉だったわ」

友「くっそ!もう一回だ!」

友「…」ゴソゴソ

友「大凶?!」

374: 2012/11/18(日) 16:33:09 ID:y98Msv7g
~天然石展示館~

委員長「綺麗…」

ヲタ「キラキラしてるでござるな」

委員長「宝石みたい…って宝石も石だったわね」

根暗「でも、原石ってのもなかなか乙ね」

委員長「ワイルドさを感じるわ」

男&友「ワイルドだr…」

ぼっち「言わせないよ?」

375: 2012/11/18(日) 16:33:32 ID:y98Msv7g
~数時間後~

男「堪能したぁ…」

友「おれもだ」

幼馴染「うーん、私まだかな」

委員長「更に?!」

ヲタ「貪欲でござるな…」

根暗「せめて積極的とかにしてあげましょうよ」

ぼっち「僕疲れちゃった」

友「帰りあるぞ」

ぼっち「ひぇえ…」

幼馴染「私、あそこ行きたいの」

男「あそこって…指さされても困る」

幼馴染「あのね、さっきあっちの方に登り階段あるの見つけたんだ」

男「ほほう」

376: 2012/11/18(日) 16:33:58 ID:y98Msv7g
幼馴染「…登りたい」

男「…」

男「皆いけるか?」

5人「「ムリムリ」」

男「…だそうだ」

幼馴染「うぅ…」

友「男はどうなんだよ」

男「俺?俺は別に平気だけど…」

委員長「なら2人で行ったらいいじゃない」

ぼっち「僕達、適当に休んでるよ」

ヲタ「その方がいいでござるな」

377: 2012/11/18(日) 16:34:21 ID:y98Msv7g
根暗「私も賛成だわ、もう歩けないもの」

男「…」

幼馴染「…男?」

男「いくか」

幼馴染「やたっ」

友「じゃ、食事処にでも居るよ」

男「わかった」

幼馴染「男!早くー!」トテテテ

男「ああ、今いくよ」タッタッタッ

友「…」ニヤッ

・・・・
・・・

378: 2012/11/18(日) 16:34:50 ID:y98Msv7g
幼馴染「ここだよここ!」

男「よくこんな細いの見つけたな」

幼馴染「えへへー」

幼馴染「はやくいこ?」

男「そうだな」

幼馴染「なにがあるかなーっ」

男「…楽しそうだな」

幼馴染「だってー、久しぶりに男と2人きりだもん」

男「それが?」

幼馴染「嬉しいの」

男「へ、へぇ…」

幼馴染「高校入ってから男と関わること少なくて…」

幼馴染「少し寂しかったの」

379: 2012/11/18(日) 16:35:15 ID:y98Msv7g
男「寂しいって…俺たち同じクラスじゃんよ」

幼馴染「確かにクラスは一緒だったし、席も遠いわけじゃないけど…なんか、男が遠くに行っちゃった気がして…」

男「…」

幼馴染「…でも、またこうやって2人で居られるから、今は幸せ」

男「…そっか」

幼馴染「うん…」

男「…」

幼馴染「…」

男「…か、階段長いな」

幼馴染「そうだね…どこまで続くんだろ」

男「天国までとか?」

380: 2012/11/18(日) 16:35:38 ID:y98Msv7g
幼馴染「やだそれ…」

男「冗談だって」

幼馴染「もう…」

男「…」

幼馴染「…」

男「…なぁ」

幼馴染「ん?なに?」

男「幼馴染ってさ…最近変な夢見てない?」

幼馴染「例えば?」

男「例えば…階段から落ちるとか…」

幼馴染「うーん?」

幼馴染「どうだろ…あ…でも最近、夢で誰かに呼ばれてる気がする」

381: 2012/11/18(日) 16:36:00 ID:y98Msv7g
男「呼ばれる?」

幼馴染「うん、なんて言ってるか聞き取れないんだけど、私を呼んでるのはわかるの」

男「へぇ…」

男「不思議だな」

幼馴染「うん、私もよくわからないの」

幼馴染「所で突然なんで?」

男「あ、いや、なんとなく」

幼馴染「ふーん…」

男「…お?」

幼馴染「てっぺん見えてまいりました!」

382: 2012/11/18(日) 16:36:28 ID:y98Msv7g
男「やっとか」

幼馴染「ね、走ろ?」

男「ああ!」

幼馴染「イエーイ!」トテテテテテテテテ

男「ウィーィ!」タタタタタタタタ

・・・・
・・

383: 2012/11/18(日) 16:36:48 ID:y98Msv7g
男「俺が先だっ」ダッ

幼馴染「まーけーなーいっ」タタタタタタ

男「うおおっ」ダダダッ

幼馴染「まてっ」グイッ

男「危ねえ!」グラッ

幼馴染「えへへ、お先に!」タタタタタッ

男「ちょ!」

幼馴染「ごーる!!」スタッ

男「頃す気かよ!」ゼェゼェ

幼馴染「男なら大丈夫かと思って」

男「お前…」

384: 2012/11/18(日) 16:37:07 ID:y98Msv7g
幼馴染「えーと…」

男「登ったけど…」

幼馴染「なんにも見えないね…」

男「周りもなにも無いし…」

男「高台ってのかなこれ」

幼馴染「雲に覆われてよくわからないよ」

男「うーん…」

幼馴染「…」ショボン

男「…」

サァァァァアアアアアッ

男「風で…雲が…」

385: 2012/11/18(日) 16:37:34 ID:y98Msv7g
フワァァァアアアアアア…


幼馴染「わぁぁ…!」

男「おおお…」

幼馴染「ここ、こうなってたんだ!」

男「白銀の山…」

幼馴染「日の光が当たって綺麗…」

男「すげぇ…」

386: 2012/11/18(日) 16:38:09 ID:y98Msv7g
幼馴染「…」

男「…」

幼馴染「…」

男「…」ゴクッ

男「なぁ…」

幼馴染「なあに?」

男「…」

幼馴染「…?」



━━━ 好きだ ━━━



幼馴染「え?…」

男「俺はお前が好きだ」

幼馴染「え?」

387: 2012/11/18(日) 16:38:41 ID:y98Msv7g
男「友達としてじゃなくて、1人の異性として」

男「ずっと前から…思ってた」

幼馴染「…」

男「…」

幼馴染「遅いよ…」

男「ごめん」

幼馴染「しかも…ここでだなんて…」ウルウル

男「嫌…だったか?」

388: 2012/11/18(日) 16:39:07 ID:y98Msv7g


幼馴染「最高じゃん…」ウルウル


幼馴染「男は…いつも卑怯だよ…」ポロ…


幼馴染「かっこよすぎるもん…」ポロポロ


幼馴染「うえええん」ポロポロ…

男「…」ギュッ

男「待たせてごめん」

男「なかなか言えなくてごめん」

男「許して欲しい」ギュウゥ

幼馴染「許す…」ギュッ

389: 2012/11/18(日) 16:39:31 ID:y98Msv7g
男「…ありがと」

幼馴染「でも…」

幼馴染「でも代わりに…」

幼馴染「キス…して?」

男「…」

男「目…閉じて」

幼馴染「ん…」

・・・・
・・

390: 2012/11/18(日) 16:40:04 ID:y98Msv7g
鼓動が…熱い
胸が痛い
足が震える
手が震える
息も…震える

目を閉じた幼馴染を前に、俺は冷静だった
プクリとした唇、風に揺れる髪
どれもが一級品だと思う
愛おしくて、愛おしくて堪らない

俺は、ゆっくり思い出した

初めて出会った日
初めて話した日
初めて遊んだ日
初めて好きと認識した日
初めてケンカした日

思い出したどの日よりも、今この瞬間が輝いていた

愛しいヒトが目の前に、俺自身の腕の中に居る感触
今にも握りつぶせてしまいそうな小さな身体を俺に託して
ジッ…とキスを待ってる

その全てが可愛くて
その全てが愛おしくて
その全てを護りたいから…

俺は、そっと唇を重ねた

391: 2012/11/18(日) 16:40:26 ID:y98Msv7g
・・・・
・・

幼馴染「…」

男「…」

スッ…

幼馴染「プハッ」

男「息止めてたのかよ」

幼馴染「キスって…やり方知らなくて…」

男「俺もなんですけどね」

幼馴染「友くんとしてたよね?」

392: 2012/11/18(日) 16:40:44 ID:y98Msv7g
男「そ、それは事故だって…」

幼馴染「ふふっ」

幼馴染「….初めて、奪われちゃった」

男「奪ったって…ファーストキスは随分昔じゃん」

幼馴染「いーの!」

幼馴染「どっちみち私は男に初めてのキスを奪われたの!」

幼馴染「だから、責任持って面倒みてくださいっ」

男「はい」

幼馴染「…」

男「…」

男&幼馴染「「へへへへっ」」

393: 2012/11/18(日) 16:41:05 ID:y98Msv7g
男「そろそろ降りるか」

幼馴染「うん!」

男「…」

幼馴染「…?」

男「手…繋ごうか」

幼馴染「!!」パァァア

幼馴染「うんっ!」

・・・・
・・

394: 2012/11/18(日) 16:41:34 ID:y98Msv7g
男「ただいま~」

幼馴染「ただいまー」

委員長「おかえりなさい」

友「意外と早かったな」

ヲタ「お帰りなさいでござる」

ぼっち「じゃあ…そろそろいく?」

根暗「そうね、遅れる訳にもいかないし」

男「そいじゃ、行くか」

6人「「おーっ」」

395: 2012/11/18(日) 16:41:54 ID:y98Msv7g
・・・
・・


幼馴染「~♪」

根暗「随分ご機嫌ね?」

幼馴染「えへへー、良いことあったからね」

委員長「良いこと?」

ヲタ「委員長殿、察するのでござるよ」

委員長「…」ニヤァ

男「こら貴様ら、こっちを見るんじゃない」

友「男もなかなかやりますなぁ」

396: 2012/11/18(日) 16:42:09 ID:y98Msv7g
ぼっち「白昼堂々ってやつかな」

ヲタ「良い展開でござる」

幼馴染「~♪♪」

根暗「ふふ、幸せいっぱいって感じね」

幼馴染「うん!」

委員長「お幸せに~」ニヤニヤ

男「…まいど」

・・・・
・・

397: 2012/11/18(日) 16:42:33 ID:y98Msv7g
~ホテル前~

ぼっち「疲れたぁ」

ヲタ「行く時より…疲れたでござる」ハァ…ハァ

根暗「本当ね…」ゼェゼェ

委員長「早く…休憩したいわ…」

男「どのみちもうすぐバスに集合だ」

友「荷物は纏めてあるし、勝手に運んでくれるんだろ?」

幼馴染「そうらしいね」

男「なら、バスに向かうか」

委員長「なんでもいいわ…早く…」

男「後少しだ、頑張れ」

398: 2012/11/18(日) 16:42:55 ID:y98Msv7g
~バス~

男「ふーーぅ」

友「疲れたな」

男「流石にな」

男「でも、すっげえ楽しかった」

友「同意するわ」

男「これで…悔いは無いかな」

友「彼女も出来たしな」

男「うるせーやい」

友「いいじゃん別に」

男「…まあそうだけど」

399: 2012/11/18(日) 16:43:20 ID:y98Msv7g
男「あ!そうだ、お前はどうなんだよ」

友「お、俺?」

男「勝負って言ってたよな?」

友「な、なんのことだか…」

男「どうなんだ、告ったのかよ」

友「…ああ」

男「返事は?」

友「もっと早く言いなさいよ」

友「ってさ」

男「委員長だったのか」

友「よくわかったな」

男「いや、真似が似てたから」

友「…」

400: 2012/11/18(日) 16:43:40 ID:y98Msv7g
ブルルフン

男「あ、出発だ」

友「さらばゲレンデ」

男「さらばホテル」

友「…寝る」

男「あ、そうかお前…」

友「…」

男「俺も寝ようかな」

男「おやすみ」

友「…おやすみ」

男「…」

友「…」

男「…zZZ」

401: 2012/11/18(日) 16:44:05 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・

「…とこ」

「お…」

「男!」

男「!!」

友「やーっと起きたか」

男「友…?」

男「着いたのか??」

友「いや、違う」

友「予定だと、もう少し早く終わるはずだったんだが…手違いが起きてな、申し訳ない」

委員長「あんたがめんどくさい事するから…あんなことなるんでしょ?」

友「結果オーライじゃねえか」

ぼっち「まあ、夢オチとかよりはいいとは思うけど…」

根暗「ゲームやりすぎじゃないの?」

ヲタ「ベタ展開過ぎたでござるな」

402: 2012/11/18(日) 16:44:34 ID:y98Msv7g
男「え…?お前ら…なに言って…?」

男「つーか…ここどこだ?真っ白で何も無いけど…」

根暗「ほら、男が混乱してるわよ」

ぼっち「僕が説明するよ」

ぼっち「男くん、よく聞いてね」

男「ああ…」

ぼっち「修学旅行のバスの出来事覚えてる?」

男「それとこれと…どこに関係が…」

ぼっち「覚えてる?」

男「…ああ」

403: 2012/11/18(日) 16:44:52 ID:y98Msv7g
ぼっち「渓谷に差し掛かった時、バスが止まったよね」

男「…ああ、止まったな」

ぼっち「その後、土砂崩れが起きたんだ」

男「…は?」

男「なに言ってんだよぼっち…」

ぼっち「起きたんだよ」

男「だって…俺たちは修学旅行満喫したじゃないか…」

ぼっち「えーと…そのへんは…」

ヲタ「ぼっち殿、代わるでござる」

ぼっち「そ、そうだね」

404: 2012/11/18(日) 16:45:11 ID:y98Msv7g
ヲタ「男殿」

ヲタ「男殿は修学旅行をループしたでござろう?」

男「!!!」

ヲタ「現実にそんなこと起きると思うでござるか?」

男「それは…」

ヲタ「そんなの、アニメやゲーム、空想の中だけでござる」

男「でも…俺は確かにループしたぞ!」

ヲタ「男殿、落ち着いて」

ヲタ「男殿は確かにループしたでござる」

ヲタ「正確にいえば、拙者達がループ"させた"と言うのが一番でござるが」

男「…わけわかんねぇよ」

ヲタ「そうでござろうな」

405: 2012/11/18(日) 16:45:25 ID:y98Msv7g
男「簡単に…簡単に纏めてくれ」

ヲタ「拙者達が男殿をループさせた」

ヲタ「ただそれだけのはなしでござるよ」

男「さっきお前がループなんてアニメや空想やゲームの中だけだって…」

ヲタ「そうでござる」

男「ならなんで…」

ヲタ「ここは言うなれば空想世界でござる」

ヲタ「もっと正確に言えば、男殿の夢の中でござる」

男「夢?」

406: 2012/11/18(日) 16:45:45 ID:y98Msv7g
ヲタ「そう、夢でござる」

男「俺は起きてるのに?」

ヲタ「男殿、ここは夢の中でござるよ」

ヲタ「夢の中でも、自分は起きているという自覚はござろう?」

男「…たしかに」

男「じゃあ…現実の俺は今眠っていて、お前たちも俺の想像の産物にすぎないと…?」

ヲタ「えー…男殿が眠っているという所までは正解でござるが…」

ヲタ「その先はなんといえばいいのでござるか…」

根暗「ヲタ、良ければ代わるわよ?」

ヲタ「おお、是非お願いするでござる」

407: 2012/11/18(日) 16:46:04 ID:y98Msv7g
根暗「男、今の話は理解できた?」

男「ああ…3割ほど…」

根暗「それでいいわ」

根暗「さっきあんたが言った、"現実の男は眠っていて、夢をみている"」

根暗「ここまでは正解よ」

根暗「でも、私たちが男の想像の産物にすぎないってのは違うわ」

男「お前たちは現実のお前たちだってことか…?」

根暗「んー、まあそんな感じね」

根暗「私たちは空想の存在じゃなくて、実在している存在なの」

男「つまり、寝ている俺の夢になんらかの方法でお前たちが入り込んでいる」

男「そういうことか?」

408: 2012/11/18(日) 16:46:41 ID:y98Msv7g
根暗「概ね正解よ、今85%くらいね」

男「つまり、俺はあのバスで寝てて…」

根暗「いいえ、違うわ」

男「…話が見えないぞ」

根暗「男、わかってきてるはずよ?」

男「…」

根暗「土砂崩れ、寝てる」

根暗「それだけで十分な単語だわ」

男「…俺は…土砂崩れにあっで、今は病院で…」

根暗「正解よ」

男「じゃあ…お前達も?」

根暗「…」

409: 2012/11/18(日) 16:47:01 ID:y98Msv7g

根暗「それは…」

根暗「…っ」

委員長「根暗、辛いんでしょ?代わるわよ」

根暗「ええ…」

男「…」

委員長「ころころ代わってごめんなさいね」

委員長「突然だけど、男ってオカルト好きな方?」

男「オカルト…」

委員長「お化けだとか、幽霊だとか」

男「さあ…興味はあるが、信じては居ないかな」

410: 2012/11/18(日) 16:47:22 ID:y98Msv7g
委員長「そう…」

委員長「えーと…」

委員長「まあ…そうね…」

男「…?」

委員長「簡単に、すごくわかりやすく伝えると…」



━━━私達、氏んだのよ━━━


男「…は?」

委員長「氏んだの」

男「いるじゃん、今ここに」

委員長「今の私たちは、幽霊なの」

男「は?」

委員長「幽霊なの」

男「いやいやいや」

411: 2012/11/18(日) 16:47:51 ID:y98Msv7g
委員長「理解し難いのは分かるわ」

男「マジでどう言う事だよ」

委員長「私達は、氏んだの」

委員長「あ、でも貴方はまだ生きてるわよ」

委員長「意識は戻ってないけど、病院のベットで寝てるの」

男「俺は…生きてる…?」

委員長「そう」

委員長「で、私たちはみんな氏んだの」

男「嘘だろ…だってお前たち…今ここに…」

委員長「今は魂しかいないわ」

男「やめてくれよ…ドッキリなんだろ?なぁ…?」

友「…現実を受け入れろ」

412: 2012/11/18(日) 16:48:17 ID:y98Msv7g
男「現実?!今目の前に居るやつに『自分達は氏んだ』って言われる状況が現実だと?!」

男「そんなことを受け入れられるわけが無いだろ!」

根暗「あなたは受け入れられないんじゃない」

根暗「受け入れたくないだけよ」

男「…っ!」

友「…でもな、現実なんだよ」

男「嘘だ…」

友「…こういう状況で、俺が嘘ついたことあったか?」

男「っ…!」

男「…ぁぁぁ」ポロ…

413: 2012/11/18(日) 16:48:35 ID:y98Msv7g
委員長「男」

ぼっち「男君」

根暗「男!」

ヲタ「男殿」

友「男」

男「…なんで…」ポロッ

男「なんでだよ…」ポロポロ…

男「なんで俺は…っ」ギリッ

友「自分を責めるな」

ぼっち「ありがとう、男君」

ヲタ「男殿は優しいでござるな」

根暗「別にあんたのせいじゃないわよ」

委員長「誰も…悪くないの」

委員長「事故だったのよ」

414: 2012/11/18(日) 16:48:54 ID:y98Msv7g
男「でも!でも!!」ギリッ

友「仕方なかったんだ」

友「お前がどうにかできたことじゃない」

男「クソッ…クソッ…!!!」ポロポロポロポロ

男「…気づいてたんだっ」ギリギリ

友「…!」

男「薄ら薄らだけど…」

男「…予感はしてたんだ」

友「…」

男「お前らが…お前らが何か関わってるんじゃないかって…」

男「でも!考えないようにしてた…!」

男「だって…そんなことできるってことは…つまり…」

友「…」

415: 2012/11/18(日) 16:49:15 ID:y98Msv7g
男「だから…嫌だったから…お前らを失うのが嫌だったからっ…!考えないように…っ!」ポロポロポロポロ

ヲタ「男殿、泣かないで」

ヲタ「拙者、楽しかったでござる」

ヲタ「PSPとか、雪合戦とか、カラオケとか」

ヲタ「すごく楽しかったでござる!」

ぼっち「そうだよ」

ぼっち「僕もたのしかったよ!」

根暗「全部、あんたのおかげなのよ」

委員長「そう、貴方がいなければ何も楽しくなかったわ」

416: 2012/11/18(日) 16:49:48 ID:y98Msv7g
委員長「ありがとう、男」

ぼっち「ありがとう!」

ヲタ「感謝してるでござる」

根暗「ありがと」

友「…男」

男「…っ…っ…!」ヒックヒック

友「なんで俺たちがお前をループさせたか分かるか?」

男「…」フルフル

友「お前が心配だったんだ」

男「…」

友「俺達は氏んだ」

友「それでもお前と幼馴染ちゃんに幸せになって欲しかった」

友「だから、お前の夢に入って弄らせてもらった」

417: 2012/11/18(日) 16:50:17 ID:y98Msv7g
友「お前が幼馴染ちゃんに告白するようにな」

男「…!!」

男「生き残ったのは俺だけなのか…?」

男「幼馴染は…?」

委員長「…生きてるわ」

委員長「彼女もまだ意識は無いけど、生きてる」

男「…だからか」

友「そうだ」

友「だから、修学旅行を計画した」

友「計画どおりにいかないこともあったけどな」

ぼっち「幼馴染さんの転落とかね」

ヲタ「本当ビックリしたでござる」

根暗「修正大変だったわよね」

418: 2012/11/18(日) 16:50:36 ID:y98Msv7g
男「そう…だったのか」

男「てことは…幼馴染もループを…」

友「そうだな」

根暗「彼女もループしてる」

根暗「ただ、ループの記憶が少し薄いみたい」

ヲタ「なぜかはわからないでござるがな」

委員長「男」

男「…?」

委員長「幼馴染を、大事にしてやってね」

男「…当たり前だ」

友「まあ、俺達氏んだけども」

友「多分暫くはお前のこと見守ってるからさ」

友「悲しむなよ」

男「…おう」

419: 2012/11/18(日) 16:51:10 ID:y98Msv7g
根暗「泣かないでよ?」

男「もう…泣かねぇ」キッ

ヲタ「それでこそ男殿でござるよ」

ぼっち「男君に涙は似合わないよ」

委員長「そうね、男は笑ってなきゃ」

友「それが、お前らしさだからな」

男「ああ、わかった」

友「…」

友「じゃあ、そろそろお別れかな」

男「…」

友「…」

420: 2012/11/18(日) 16:52:05 ID:y98Msv7g
友「ストラップ…」

男「…え?」

友「ストラップありがとな」

男「ああ…」

友「お前の気持ち、しっかり伝わったから」

ぼっち「天国にも持っていけるかな」

根暗「それくらいならいいんじゃないかしら?」

ヲタ「いざとなったらゴリ押しでござるよ」

委員長「ふふ、良いものもらったわ」チャラッ

男「…みんなで、一つだ」

友「ああ」

男「俺達は、例え離れたとしても繋がってる」

男「その証明だ」

421: 2012/11/18(日) 16:52:33 ID:y98Msv7g
委員長「ええ」

男「…元気でな」

ヲタ「氏人に元気も何もないでござるよww」

男「確かにそうだわ…」

ぼっち「ふふ、男君こそ長生きしてね!」

男「お前らの分もたっぷり生きてやる」

ぼっち「向こうで待ってるよ」

男「ああ、ずっと待たせてやるよ」

根暗「…待つのは嫌いじゃないわ」

男「よろしく頼むよ」

422: 2012/11/18(日) 16:53:09 ID:y98Msv7g
根暗「ストラップありがと」

男「色は気に入ってくれたか?」

根暗「すごく私好みよ」

根暗「ありがとう」

男「照れるな…」

友「男…」

男「ああ」

友「また、来世で」

男「そうだな…」



━━━また、会おう━━━━

423: 2012/11/18(日) 16:53:32 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


"沈黙"その後に見えたのは見知らぬ天井だった

色んな管が俺から伸びて、色んな機械に繋がっている

身体が石のように重い

でも、幸か不幸か頭だけはこの上なく冴え渡っていた

だからこそ
友の氏を
ぼっちの氏を
ヲタの氏を
根暗の氏を
委員長の氏を
クラスのみんなの氏を痛感した

424: 2012/11/18(日) 16:53:52 ID:y98Msv7g
悲しみに暮れる俺の元に、母親がやってきた
俺が目を開けているのを見て花瓶にを落として驚くというベタな下りをして、慌てて出て行った

視線を母親から再び天井に戻した時、手に違和感があるのに気づいた

重たい腕をやっとの思いで持ち上げ、自身がしっかりと握り込んでいた手を覗き込む

俺は目を疑った

そこにあったのは、あの場所で買ってきたストラップだった

425: 2012/11/18(日) 16:54:13 ID:y98Msv7g
ガイドブックを読み、いくつかの種類の中から分けるのにぴったりなものを俺が選んだ

作りは至ってシンプル
天然石の勾玉に、漢字が一文字掘ってあるだけ

ただそれだけのものだったが、彼奴らに俺の気持ちを伝えるのには十分すぎる一文字


   絆


そう刻まれた小さなストラップが今は凄く大きく…とても重たく感じて、涙が溢れてきた

でも、俺は泣かない

笑ってやる

いつでも、どんな時でも笑うって
そうやって約束をしたから

あいつらと約束したから

俺は泣かない

426: 2012/11/18(日) 16:56:34 ID:y98Msv7g
・・・・・
・・


あれからどれだけ経っただろうか…

今思い出しても不思議な出来事だった

あのストラップは今も大事にとってある

墓参りに行く時に持っていく以外にはあまり出さないようにしている

今年もあの季節が来た
寒い寒いあの季節

今でも、あの出来事が本当に夢なのか疑わしい程記憶に残ってる
寒さも、痛みも、嬉しさも悲しみも、楽しさも

本当に夢なのかわからない

427: 2012/11/18(日) 16:56:50 ID:y98Msv7g
あ、妻が呼んでる

今からあいつらの墓参りだ

玄関に降りていくと妻が既に支度を整えて待っていた

軽く謝り、靴を履こうと屈んだとき、妻がカバンにつけている勾玉のストラップが俺の額にぶつかった

色違いで同じ文字が入ったストラップ

あいつらとの絆は、まだ色あせてはいない

fin

428: 2012/11/18(日) 16:58:11 ID:y98Msv7g
以上、終劇とさせていただきます

沢山の乙をありがとうございました

429: 2012/11/18(日) 19:32:50 ID:y98Msv7g
うっしゃ
番外編、行きます

430: 2012/11/18(日) 19:33:23 ID:y98Msv7g
幼馴染の場合

なんとなく覚えてる
隣の子と話してたら、突然土がバスの中に入ってきた事

でも、そこからは覚えてない

気がついたらバスの中

私は寝てしまった事になっていた

不思議に思いながらもまだ重たい目をこすり、バスを降りる

「幼馴染!」

名前を呼ばれた

この声を聞くたび、胸がキュンとなる

私の大好きな人の声

431: 2012/11/18(日) 19:33:38 ID:y98Msv7g
ただ、今はなにか切羽詰まってる感じがする
何だろう?

「お前、無事か?なんともないのか?」

強く身体を揺すられる

やっぱりさっき何かあったのだろうか

でも、そんな事よりも男の顔が凄く近いことが問題だった
少し背伸びすればキスできてしまいそうな程近い

鼓動が伝わってしまう
顔が暑くなる

それを隠すように、私は言葉を発した

「えぇ?私はなんともないよぅ?」

ちゃんと言えただろうか
変に声が上ずった気がする
変な子だとおもわれたらどうしよう…

432: 2012/11/18(日) 19:33:57 ID:y98Msv7g
「本当?本当だな?」

さらに強く揺すられる
あああぁ…ふらふらするぅ

「ふにゃあぁ」

「急になんだお前?なんか変だぞ?」

友くんだ
男といつも一緒に居る仲良しさん
少し、羨ましいな

「男?どうしたの取り乱して」

委員長も来た
しっかり者のお姉さんみたいな人
スタイルだってボンッキュッボンのナイスボディ

私だって胸ぐらい…

ペターン

…あんな風に胸があったら、男は振り向いてくれるんだろうか

433: 2012/11/18(日) 19:34:17 ID:y98Msv7g
「ああ、…少し、寝ぼけてたみたいだ」

寝ぼけちゃったって…男ったら昔からあんま変わってない


昔…

男はあの約束をまだ覚えて居るのだろうか

…男の事だから忘れちゃってるんだろうな
でも、そんな所も大好き

「夢に出るほど幼馴染ちゃんのこと想ってるのか….」

友君が茶化す
そんな風に思われてたらいいな…

434: 2012/11/18(日) 19:34:41 ID:y98Msv7g
「ち、違…」

ほら、違うって…
ちょっと悲しいかも

先生が呼んでる
集合しなきゃ

・・・・
・・・
・・

435: 2012/11/18(日) 19:35:06 ID:y98Msv7g
先生も相変わらずの変人だ
どの位かっていうと、学校に来てた来客の人を本気で口説く位の変人

あ、変人の話が終わった

男にこの後の予定でも聞いてみよう
もし、特になければ…一緒に…なんて

「男~!」

なぜかビックリしてる
どうしたんだろ?
私の事でも考えてくれてたのかな?

…それはないな

あ、そうだ
予定を聞きにきたんだった

「この後の予定ある?」

436: 2012/11/18(日) 19:35:25 ID:y98Msv7g
良かったら私と一緒に…なんて言えなかった
何故って、断られたら怖いから
嫌われてたらイヤだから…

「えーと…この後は友とスキーして回ろうかなと」

やっぱり…
そうだよね、高校生にもなって女の子と遊ぶのって少し変だもん
まるで…デートみたい
それでも残念

「ど、どうかしたのか?」

一緒に居たかったの
なんて言えるわけない
そんな事言ったら爆発しちゃう

「…ううん、なんでもないの」

437: 2012/11/18(日) 19:35:42 ID:y98Msv7g
しまった
ちょっと残念な感じが出ちゃった

早く逃げよう
男に心配かけたくない

「じゃ…」

ふぅ、脱出成功
委員長と一緒に遊ぼうかな

さて、委員長はどこに…

・・・・
・・・

438: 2012/11/18(日) 19:36:01 ID:y98Msv7g
長い

いくらなんでも長すぎる
ディズニーランドじゃあるまいし
おかしいでしょこの列

「ああもう!」

ほら、委員長も癇癪起こしかけてる

「ねえ、幼馴染」

「なに?」

「やっぱやめにしない?」

別にそれでもいいけど…
でも、私にはスキー用品を借りる以外にも目的があるから

439: 2012/11/18(日) 19:36:20 ID:y98Msv7g
「えー、今までの時間をドブに捨てるような事したくないよぅ…」

ウソ
本当は前の方に並んでる男を見てたいだけ

友くんと何話してるんだろ
きになるなぁ

・・・・
・・

440: 2012/11/18(日) 19:36:41 ID:y98Msv7g
うー…寒い
委員長は少し前から妄想モードに入ってる
たまに漏れる単語から、どうやら今回の妄想は雪山で遭難したシチュだという事がわかる

委員長もほんとそういうの好きだよなぁ…

委員長といえば、委員長の好きな人を私は知ってる

でも、素直になれないみたい
まあ、その気持ちはわからなくもないかな

ん?男と友君がリズムに乗りはじめた

なにしてるんだろ
手拍子してるけど…

あ、笑った
いいなぁ、加わりたいなぁ

・・・・
・・・

441: 2012/11/18(日) 19:36:58 ID:y98Msv7g
長い
寒い

委員長はそろそろ氏にそうな顔してる
抱きついてあげようかな

ぎゅーっ

「な、なによ幼馴染」

「あったかいでしょ?」

「…」

あれ?委員長?
なんか目が怖い
あれ?
ちょっと、その手は何?

「幼馴染ぃ…」

怖い!怖いから!
あ、ちょ、頭撫でないで!ちょっと!抱きつかないで!スリスリしない!あ、そこはダメだって!
ちょっと!委員長ーー?!

442: 2012/11/18(日) 19:37:16 ID:y98Msv7g
・・・
・・


堪能された
隅々までワキワキされた

ま、そこまで悪い気もしないからいいや

そろそろ並んで2時間になる
いくらなんでもこれは酷い
本当に

あーもう

443: 2012/11/18(日) 19:37:36 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


男達はもう借り終わったみたい

いいなぁ
まあ、進みからすると私達もあと5分程度だけどね

委員長がさっきから怪しい目つきで私を見てくる
手がワキワキ動いてるけど、その手は…?

ちょ!また?!やめて!恥ずかしい!
そこは…やだっ!ちょっとお!!
いやぁぁあああああああっ!
助けて男おおおおぉぉぉっ!
男おおおおぉっ!!

444: 2012/11/18(日) 19:38:00 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


また堪能された
おっOい揉まれた、ほとんど無いけど…
委員長は百合じゃないと信じてるけど、ちょっと今夜が心配になってきた

さて、装備もつけたし滑りますか…
本当は男に教えてあげたかったな
初めてだーっていってたし

445: 2012/11/18(日) 19:38:23 ID:y98Msv7g
…あれ?

「委員長は何も持ってないの?」

「…ソリ借りたのよ」

なるほど、そういえば委員長は体育ダメだったんだ
スキーとソリって異様な組み合わせだけど、楽しそうだからいいや
滑ろう!

・・・・
・・

446: 2012/11/18(日) 19:38:45 ID:y98Msv7g
お昼になった
お腹空いたしカフェに移動中

午後からは委員長の提案でホテルのお風呂でゆったりするつもり…
さっきのことでお風呂が心配だ

うわぁっ…予想以上にカフェが混んでた
よく考えたらお昼時だしね…

「幼馴染、ホテルの食堂にしましょうよ…」

委員長の目が真剣だ
もう並ぶのは嫌なんだろう

「いいよー」

私も嫌だし、ホテルに行くことにした

447: 2012/11/18(日) 19:39:01 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・

うん、そこまで混んでない

ホテルはバイキング形式だから、好きなだけ食べれるってのがいい

大食いな男にとっては天国なんだろうな

さーて、食べますか!

・・・・
・・・

448: 2012/11/18(日) 19:39:24 ID:y98Msv7g
うーん

人前で服を脱ぐっていうのは、例え同性の前でも恥ずかしいな…

「幼馴染、先いくわね」

その点委員長は凄い
パパッと脱いで行っちゃった

私も急がなきゃ…

スルル…

パサッ

…胸がない

・・・・
・・・

449: 2012/11/18(日) 19:39:49 ID:y98Msv7g
はぁー…良い湯だなぁ

温泉だっけ?
効能が何処かに書いてあるはず…どこだろ

あったあった

・肩こり
・腰痛
・血行改善
・美肌

ありきたりだなぁ…
ん?最後のこれは…?

・このお湯には龍神様の力が宿っているとされており、浸かった者の願いが叶うとされている

…胸!!じゃなくて、男が振り向いてくれますように…

450: 2012/11/18(日) 19:40:13 ID:y98Msv7g
「おーさーなーなーじーみっ!!」

殺気!

ザパァ

「きゃーーーーーー」

「うへへぇ、捉えたわよぉ」

「委員長?顔が赤いよ?」

「向こうの方でぇーおばあさんにぃーお水貰ったのよぅ」

「いいーぃ気分だわぁ」

絶対お酒だ

やばい、貞操がヤバイ
逃げなきゃ、逃げなきゃ

「にぃーがぁーさぁーないわっ」

両手捕まれちゃった、ヤバイ

…こうなったら

451: 2012/11/18(日) 19:40:28 ID:y98Msv7g
「あ!友君がっ!」

「えっうそ?!どこっ?!」

今だっ

「あ、ちょ!幼馴染ぃ!」

危なかった
初めては男に…って何考えてるんだ私は!

さっさと服きちゃお

・・・・
・・

452: 2012/11/18(日) 19:40:50 ID:y98Msv7g
「ううー…」

委員長、お風呂の時にお酒は飲んだらダメだよ…

ピ口リローン

メールだ

ポロロン

委員長も?

パカッ

男から…

件名:皆様いかがお過ごしかな?
本文
皆様、お楽しみのところ申し訳ない
突然ですが明日、朝11時より雪合戦大会を開催することにしました!
決して強制ではございませんので、参加できる人はお返事下さいな
ではでは

453: 2012/11/18(日) 19:41:07 ID:y98Msv7g
…雪合戦大会かぁ
男と居られるなら、氏んでもも参加するよ

「幼馴染、どうする?」

「勿論参加するよ!」

「ふふ、そうだろうと思ったわ」

返信しなきゃね

・・・・
・・・

454: 2012/11/18(日) 19:41:24 ID:y98Msv7g
部屋に来た
随分と豪華だけど…

「豪華ねぇ…」

やりすぎじゃない…?
という委員長の呟く声が聞こえたけど、なんのことだかわからない

「さて、なにする?」

「うーん…」

特にやりたいことも浮かばないし…

「ちょっと疲れちゃったな…」

「そうね、少し休みましょうか」

明日が楽しみだな…

眠い…眠…zZZ

・・・・
・・・

455: 2012/11/18(日) 19:41:53 ID:y98Msv7g
「こ…た…」

なに?

「き…な…」

なんて言ってるの?

「こ…こ…かわ…」

聞こえないよ

「お…」

え?

「おさ…」

だれ?

「幼馴染!」

「はいっ!!」

「やっと起きたわね」

「…??」

456: 2012/11/18(日) 19:42:07 ID:y98Msv7g
さっきの声は…?

「ご飯いかない?」

言われてみればお腹がすいたな

「そうだね、いこっか」

・・・・
・・

457: 2012/11/18(日) 19:42:24 ID:y98Msv7g
ガヤガヤしてるなぁ
席空いてるかな

「夕飯だ!」

「バイキングだ!」

「「食べ放題だ!!」」

この声は…

「まったく、あの2人は…」

そんなこといいながも笑顔な委員長
きっと友くんを探してるんだろうな

私も男を探そう

あ!

「男~!」

458: 2012/11/18(日) 19:42:40 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


「ごちそうさまでした!」

美味しかったぁ
それに、男も隣に居るし…

委員長も心なしか幸せそう

にしても、男の味解説は凄かったな

「まさかあの後、男の味の解説がずっと続くとは思わなかったよ」

「味にはうるさいって」

「私…料理苦手だなぁ」

しまった、つい本音が…

459: 2012/11/18(日) 19:43:01 ID:y98Msv7g

「幼馴染の料理は美味しかったぞ?」

「ほんと?!」

嬉しい、嬉しい嬉しい!
男に褒められた!
これで、堂々と料理を作ってあげれる…
嬉しいなぁ
うふふふ…

そうだ
今なら男を誘えるかもしれないな

「この後暇?」

「特に予定は無いな」

やたっ!
それなら…

460: 2012/11/18(日) 19:43:17 ID:y98Msv7g
「4人でカラオケ行かない?」

「行かない理由が見つからないな」

やったー!
男と遊べる!

なに歌おうかなぁ

・・・・
・・・

461: 2012/11/18(日) 19:43:34 ID:y98Msv7g
…はしゃぎ過ぎた
声が枯れちゃったよ
でも、男は元気そう

「なんで男は平気なのー?…ゴフ」

「俺は腹から声だしてるからな」サスサス

な、撫でられたぁぁぁ!
うわぁ…久しぶり…
あったかい手
おっきい手
男の手…
きもちいいなぁ

・・・・
・・

462: 2012/11/18(日) 19:43:52 ID:y98Msv7g
バタン

まさか男がお向かいの部屋だとは思わなかった
近くに男が居る
そう意識するだけで、少しだけ安心する

「お風呂どうする?」

「あ、私は後でいいや」

「わかった、先に入るわね」

「うんー」

楽しかったなぁ
また、皆でカラオケ行きたいな

そういえば、男が少し考え事してたような気がする
気のせいかな?

463: 2012/11/18(日) 19:44:31 ID:y98Msv7g
・・・・
・・

「あ…ぞ」

まただ

「お…て!」

だから、なんて言ってるの?

「め…さま…」

はっきり聞こえないよ

「…お」

ん?

「おさ…」

あ、この声は…

「幼馴染」

「はいはい」

「わっ、起きた…」

464: 2012/11/18(日) 19:45:00 ID:y98Msv7g
「起こしたのは委員長じゃない…」

「いや、まさか軽く呼ぶだけで起きるとは…」

ははーん、今の体制からすると起きなかったら何かしらワキワキ堪能されてたな
危ない危ない

「友たち呼んで朝ごはん行きましょ」

「うん、わかった」

早く着替えなきゃ…

465: 2012/11/18(日) 19:45:26 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


ガチャッ

ガチャッ

扉を開けたその先に、いきなり好きな人の姿があるって凄い心臓に悪い
氏ぬかと思った

でもこれで、今日一日一緒にいられる気がする
嬉しいな

「おはよ、幼馴染は喉大丈夫か?」

私の心配をしてくれてる
それだけで、心がポカポカする

466: 2012/11/18(日) 19:45:44 ID:y98Msv7g
「うん!すっかり良くなっちゃった!」

「そりゃあ良かった」

うん、本当に良かった
ありがとう、男

「うーし、皆の衆!戦地は近い!行くぞ!」

「「おおーー!」」

・・・・
・・

467: 2012/11/18(日) 19:45:58 ID:y98Msv7g
雪合戦か…
昔に友達とやったことがある
その時はただ雪をぶつけ合うだけだったけど、今回はフラッグの奪取が目的みたい

なんだかFPSみたいで楽しそう

さーて、はじまるぞぉっ

・・・・
・・

468: 2012/11/18(日) 19:46:22 ID:y98Msv7g
同性愛ってよく聞くけど、実際目にする機会は稀だとおもう

てことは、私はラッキーなのかな?

目の前でキスする2人の異性

469: 2012/11/18(日) 19:46:37 ID:y98Msv7g
なんというか、友くんに嫉妬じゃないけど、もやっとした感情が湧いてきた
なんだろう

殺意?



…違う違う
多分、憧れだ
男とキスできた事に対する憧れだ

いいなぁ…私も男と…なんて

でも、ファーストキスは…えへへ

471: 2012/11/18(日) 19:47:23 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・

男に叩かれちゃった
全然痛くない
でも、ちょっと悲しかった
でも、手はあったかかった

男はなんで話されるの嫌がったんだろう
恥ずかしい思い出って事になってるのかな
黒歴史とでも言うのかな

私とキスした事は封印したい事なのかな…

そう思うと、胸が締め付けられて涙が出そうになる

…風に当たりに行こうかな

472: 2012/11/18(日) 19:47:58 ID:y98Msv7g
・・・・
・・


冷たい風、冷えた体、人恋しくて~♪
なんてね、友くんが歌ってたなぁ

…男は…私の事どう思ってるんだろ
ただの友達?
ただの幼馴染?
ただの…他人?

わかんないよ
中学までは一緒に遊んだりもしたけど…
高校になってからあんまり話す事もしなくなっちゃって…

怖いよ
男が私をどう思ってるのか
わからないよ…

…寒くなってきた

473: 2012/11/18(日) 19:48:16 ID:y98Msv7g
あ…くしゃみ…で…る

「ヘクチョブ!」

も…いっか…

「ヘクチョブ!」

ふぅ、スッキリした

「幼馴染!」

「ほぇ?」

男の声…!
来てくれたんだ

「なにしてんだ?こんな寒いのに」

「えへへ…風に当たりたくなって…」

474: 2012/11/18(日) 19:48:32 ID:y98Msv7g
半分ウソ
皆に涙見せられなかったからってのもある

「風に当たるのはいいけど、寒いだろ?」

バサッ

男の…上着

「俺の予備だから少しブカいかもな」

あったかい…
そして、男の匂いがする…

ほわほわして、かいでるだけで幸せになれる匂い
昔から、私はこの匂いが好きだった
昔よく抱きついたのもこの匂いをかぐためだった

いい匂い…

「やめろよ…」

やめたげなーい

「…」

475: 2012/11/18(日) 19:48:45 ID:y98Msv7g
急にどうしたんだろ
匂いかがれるのそんなに嫌だったのかな
悪いことしちゃったかな…
それとも、何か他にあるのかな…?

「どしたの?急に黙って」

「いや…なんでもないさ」

「…そう」

どうしたんだろう…ちょっと怖い顔してるし

悩みでもあるのかな?

それとも…私に…

「…」

「…まだ、当たるか?」

「え、何が?」

476: 2012/11/18(日) 19:49:04 ID:y98Msv7g
「風に」

「あー…」

そうだよね
そんなわけないよね…
何期待してるんだろ私

「もう、いいかな…」

もういい
うん、もう…いいの…

「…」

「なあ」

「ん?」

「カラオケ行かね?」

また?
あ!そうか、ぼっち君と根暗ちゃんとヲタ君が加わったしね

いいね、また行きたいと思ってたし…それに
男と一緒に居たいし…ね

・・・・
・・

477: 2012/11/18(日) 19:49:22 ID:y98Msv7g
あれー?
委員長も根暗ちゃんも居ないなぁ…

お風呂…には居ない

部屋は…さっき見たしなぁ

食堂には…居ないか

あとは…あ、男だ

「男!」

「おお、根暗と委員長は?」

「部屋にも食堂にも、お風呂にもいなかったの」

どこいったんだろう


「予測はついてるんだけど…」

なんで…だろう?

478: 2012/11/18(日) 19:49:41 ID:y98Msv7g
ガチャッ

「やっぱり…」

あ、皆出てきた…
なにしてたんだろう?

・・・・
・・

479: 2012/11/18(日) 19:50:11 ID:y98Msv7g
「委員長ー!友くーん!はーやーくー!」

早く歌いたい
沢山男と一緒に居たい

ただそれだけの為に、私は走る
いやまあ、テンション任せなところが大半だけど…

「ほら、ここ階段だぞ!転けるなよ!」

心配御無用!
走りぬけちゃうよっ

ガッ

「あっ…」

体制が崩れる
体が180度反転して、男が見える。ヤッホー元気?
なんて考えてるうちにどんどん倒れてゆく
あ…前にもこんな事あったような…
もう少し早くデジャヴしたら回避できたかもね
氏ぬのかなぁ…ここ高いしなぁ…

「幼馴染!!」

ガッ…ゴロゴロゴロゴロゴロゴロガッ

男…?

480: 2012/11/18(日) 19:50:35 ID:y98Msv7g
・・・・
・・・
・・


「おとこ!」

「おとこ!!」

「男ぉ!」

起きて!起きてよ!!
なんで男が!
私のせいだ…私が転けたから!
起きてよ!起きてよおおお!
男!!
ねえ!
男ったらぁぁぁあ!

「男おぉ!」ベシベシベシベシベシベシ

「あててててて」

私のせいだ…私の…うううううう

「男!起きてよぉぉ!」ポロポロ

「起きてる!起きてるから!」

481: 2012/11/18(日) 19:51:09 ID:y98Msv7g
起きてよおおおおおっ…?
あり?

「もう起きてるから!」

起きてたあ!!!
ごめんねぇ!叩いて痛かったねええぇ
男ぉ!ごめんねぇぇ…男ぉ…
うわあんっ!

男「こんなにピンピンしてんだ、問題ないって」

良かった…良かったぁ
男が氏んじゃったら…私…私…

・・・・
・・・
・・

482: 2012/11/18(日) 19:51:22 ID:y98Msv7g
はしゃぎすぎた
喉がまた痛い…

でも、楽しかったなぁ
また皆で来たいな…えへへ

・・・
・・

483: 2012/11/18(日) 19:51:44 ID:y98Msv7g
お寺!お寺!
お寺あるなんて初耳だなぁ
楽しみだなぁ!
なんと言うか、凛とした空気が良いよね
どこか清潔な空気が漂ってさ

「明日5時ならそろそろ解散の方がいいかもね」

「んー…そうだな、多分起きれないだろ」

「それじゃあ…」

「おう、また明日な」

「おやすみなさい」スタスタ

「良い夢を」スタスタ

「乙でござる」スタスタ

「…」

「俺らもいくか」

「だな」

484: 2012/11/18(日) 19:52:02 ID:y98Msv7g
あれ…なんだろ…

変だな…
なんか…嫌だ

あれ…?
皆…遠くに行っちゃうような…

嫌だ…そんなの嫌だよ…

なんで…こんな気持ちになるんだろ…
怖いよ…嫌だよ…

・・・・
・・・
・・

485: 2012/11/18(日) 19:52:23 ID:y98Msv7g
「頭ではわかってるんだけど…」

「そうか…」

「…」グスッ

男…は何も感じなかったのかな
私が変なだけなのかな…
嫌だよ…皆と離れたくないよ…

ぎゅっ

え…?

「ふぇ…」

「心配すんな、皆とはまた明日会える」ぎゅうう

男は…優しいなぁ…

・・・・
・・・
・・

486: 2012/11/18(日) 19:52:38 ID:y98Msv7g
ガチャ

パタン

はぁ…
落ちついたけど…まだなんかなあ

委員長…は、もう寝てるかな
あ、ベット膨らんでるや
寝てるみたい

…シャワー浴びて寝よう
思い過ごしだよね…きっと…

・・・・
・・

487: 2012/11/18(日) 19:52:59 ID:y98Msv7g
委員長、起きないなぁ

まあ、私が少し早く起きただけだけど

でも、そろそろ起きないとヤバイよねぇ

「委員長…」

「委員長!」

ダメだ起きない
どうしよ
あ、そうだ

「委員長、友くんが来てるよ!委員長!」

「はい!」

タタタタタ…

パタン

どうしよう
部屋の外行っちゃった

どうしよう…

・・・・
・・・

488: 2012/11/18(日) 19:53:17 ID:y98Msv7g
結局戻ってきた委員長にワキワキされちゃった
でもまだ眠そうだなぁ

あ、男だ!

「おはよー!」

「おはよう」

「幼馴染ちゃんも元気だな」

「委員長さんは…?」

え?隣に居たはずだけど…

「どうも!皆様おはようでござ…ん?」


ズルッ…ペタン…ズルッ…ペタン


「あ、あ、あ、悪霊退散ぁぁああん」

489: 2012/11/18(日) 19:53:33 ID:y98Msv7g
「しつ…れいね…」ズルッ…ペタッ…

キャー貞子よ貞子!
委員長怖いよぅ

・・・
・・

490: 2012/11/18(日) 19:53:53 ID:y98Msv7g
さて!ご飯も食べたし…山登りだあっ



・・・・
・・・
・・


今日は…楽しかったなあ
男にも告白されちゃったし…えへへぇ

幸せだなぁ

あ、バス動くみたい

寝ようかな
楽しい夢でも見よう
皆で…また…遊ぶ夢でも…

・・・・
・・・
・・

491: 2012/11/18(日) 19:54:18 ID:y98Msv7g
次に目を開けた時、状況の理解に5秒ほどかかった
なるほど
今までの事は夢だったんだ
多分、土が流れ込んでくるところまでは現実で…

そこまで考えて、私は考えるのを辞めた
何故なら、あの瞬間
土が入って来て、友達が吹き飛ばされてゆくのを視界の端に捉えていたから
そもそもあの渓谷に落下して生き延びるなんて奇跡だ

つまり…私以外の皆は…おそらく…
委員長も
友くんも
ヲタくんも
ぼっちくんも
根暗ちゃんも
…男も

そこまで考えた時、病室の外から大好きな声が聞こえた

492: 2012/11/18(日) 19:54:43 ID:y98Msv7g
男だ…!

体を起こそうとしたとき、初めて右手の違和感に気付いた

恐る恐る右手を開いてみると、そこにあったのは…



fin

493: 2012/11/18(日) 19:57:09 ID:y98Msv7g
以上終了!
友編とか考えてたけれど、蛇足になるだけなので辞めておきます

長々とお疲れ様でした
そして、ありがとうございました


>>470
申し訳ないです

なにぶん書き溜めなもので融通が…

僕の書くSSは基本バッド風味なハッピーエンドです…ごめんなさい

495: 2012/11/19(月) 22:23:23 ID:yKRIjpp2

引用: 男「修学旅行だ!」