811: 2013/01/07(月) 21:36:56.02 ID:v2CIp3n50
前回:【禁書目録】ミサカ妹「詠矢さん…?どちら様でしょうとミサカは率直に問いかけます」
(ジャッジメント177支部)
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…(カリカリ)」
初春「…(カタカタ)」
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…(カリカリ)」
初春「…(カタカタ)」
白井「…初春、出来ました。入力をお願いしますわ」
初春「あ、はい…わかりました…」
白井は書きあがった書類を初春に手渡す。
詠矢「…忙しそうだ…ねえ…」
スマートフォンの上に指を走らせながら、詠矢はポツリと言った。
白井「そう、ではなくて実際に忙しいのです!」
白井「…詠矢さんも…お忙しそうで…」
当然ながら、その口調には皮肉が込められていた。
810: 2013/01/07(月) 21:35:54.63 ID:v2CIp3n50
こんばんわ。
短編が書きあがりました。
今回は前後編になります。
まずは前編を投下します。
短編が書きあがりました。
今回は前後編になります。
まずは前編を投下します。
812: 2013/01/07(月) 21:37:44.48 ID:v2CIp3n50
詠矢「んー、まあ、調べ物とかね…忙しくはねえけど…」
詠矢「…あ、なんか手伝おうか?」
白井「結構です!!ここには部外者に頼める仕事などありません!!」
詠矢「そっか、そりゃ失礼しました…」
軽く答える詠矢を白井はじとっと睨む。今更ながら、この人物に支部への出入りを許したことを少し後悔していた。
初春「…えっと…、今の書類で今日の分は終わりですから…」
初春「白井さんも少し休憩したらどうですか?」
白井「…そうですわね…では、お言葉に甘えてひと息入れさせていただきますわ…」
初春の助け舟に促され、白井は手を休め、ふうと小さく息を吐いた。
詠矢「…ん、と…食うかい?(ポチポチ)」
指を休めないまま、詠矢は紙袋を差し出す。
白井「…なんですの?」
詠矢「差し入れだよ…シュークリーム…美味しいと思うよ…」
詠矢「…あ、なんか手伝おうか?」
白井「結構です!!ここには部外者に頼める仕事などありません!!」
詠矢「そっか、そりゃ失礼しました…」
軽く答える詠矢を白井はじとっと睨む。今更ながら、この人物に支部への出入りを許したことを少し後悔していた。
初春「…えっと…、今の書類で今日の分は終わりですから…」
初春「白井さんも少し休憩したらどうですか?」
白井「…そうですわね…では、お言葉に甘えてひと息入れさせていただきますわ…」
初春の助け舟に促され、白井は手を休め、ふうと小さく息を吐いた。
詠矢「…ん、と…食うかい?(ポチポチ)」
指を休めないまま、詠矢は紙袋を差し出す。
白井「…なんですの?」
詠矢「差し入れだよ…シュークリーム…美味しいと思うよ…」
813: 2013/01/07(月) 21:38:28.14 ID:v2CIp3n50
白井「あら…ありがとうございます…。頂きますわ…」
詠矢「初春サンも手が空いたら食べなー」
初春「あ、はい!いつもありがとうございます…」
白井「では早速…(ガサ)…(パク)…」
白井「…(モグ)…美味しいですわね…」
詠矢「そらよかった…(ポチポチ)」
白井「…」
詠矢「…」
白井「…(モグ)」
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…」
白井「…はあ…」
思わず大きなため息を付く白井。
詠矢「どした…幸せが逃げるぜー」
白井「…逃げるほどの幸せもござませんわ」
詠矢「初春サンも手が空いたら食べなー」
初春「あ、はい!いつもありがとうございます…」
白井「では早速…(ガサ)…(パク)…」
白井「…(モグ)…美味しいですわね…」
詠矢「そらよかった…(ポチポチ)」
白井「…」
詠矢「…」
白井「…(モグ)」
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…」
白井「…はあ…」
思わず大きなため息を付く白井。
詠矢「どした…幸せが逃げるぜー」
白井「…逃げるほどの幸せもござませんわ」
814: 2013/01/07(月) 21:39:12.86 ID:v2CIp3n50
詠矢「そりゃまたお疲れだねえ…」
詠矢「その雰囲気は…仕事疲れ…ってだけでもなさそうだね…」
白井「…その無遠慮な洞察力…相変わらずですわね…」
詠矢「ん、まあ、いろいろと想像は付くからね…」
詠矢「確か…御坂サンと同室なんだっけか…まあ、そりゃ疲れるわな…」
白井「お姉さまが毎日幸せそうなのはよろしいのですが…」
白井「毎度毎度…お二人の話を聞かされるのは…少々…」
詠矢「うわあ…結構すごそうだなあ…それ」
白井「さすがに最近はお姉さまも気を使っていただいて…」
白井「あまりお話はされないのですが…」
白井「全身から発せられるオーラというか…雰囲気がどうも…食傷気味でして…」
詠矢「そりゃ大変だねえ…。俺だと聞かされるのはバイト中ぐらいだからなあ」
詠矢「同じ部屋だと逃げる場所もねえもんな…」
詠矢「その雰囲気は…仕事疲れ…ってだけでもなさそうだね…」
白井「…その無遠慮な洞察力…相変わらずですわね…」
詠矢「ん、まあ、いろいろと想像は付くからね…」
詠矢「確か…御坂サンと同室なんだっけか…まあ、そりゃ疲れるわな…」
白井「お姉さまが毎日幸せそうなのはよろしいのですが…」
白井「毎度毎度…お二人の話を聞かされるのは…少々…」
詠矢「うわあ…結構すごそうだなあ…それ」
白井「さすがに最近はお姉さまも気を使っていただいて…」
白井「あまりお話はされないのですが…」
白井「全身から発せられるオーラというか…雰囲気がどうも…食傷気味でして…」
詠矢「そりゃ大変だねえ…。俺だと聞かされるのはバイト中ぐらいだからなあ」
詠矢「同じ部屋だと逃げる場所もねえもんな…」
815: 2013/01/07(月) 21:40:16.44 ID:v2CIp3n50
白井「かといって部屋を変わるつもりは毛頭ございませんし…。慣れるしかないのでしょうが…」
詠矢「ま、そのうち二人とも安定してくるだろ。しばらくのガマンさ…」
白井「だとよろしいのですが…」
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…(モグ)」
初春「…(カタカタ)」
初春「…!!」
初春「白井さん!!事件みたいです!!」
白井「…!!どこですの!初春、詳細を!!」
白井は椅子から勢い良く立ち上がると、初春の後ろに回りパソコンのモニターを覗き込む。
初春「えっと…別支部で起こった強盗事件みたいです…犯人は取り逃がしたみたいで…」
初春「逃走中みたいです。応援要請が来てますね…」
白井「こっちに向かって逃げてくる犯人を、先回りして抑えればいいのですわね?」
初春「それがですね…(カタカタ)。相手は監視カメラの氏角を選んで移動しています」
初春「かなり地の利があるようですね…」
詠矢「ま、そのうち二人とも安定してくるだろ。しばらくのガマンさ…」
白井「だとよろしいのですが…」
詠矢「…(ポチポチ)」
白井「…(モグ)」
初春「…(カタカタ)」
初春「…!!」
初春「白井さん!!事件みたいです!!」
白井「…!!どこですの!初春、詳細を!!」
白井は椅子から勢い良く立ち上がると、初春の後ろに回りパソコンのモニターを覗き込む。
初春「えっと…別支部で起こった強盗事件みたいです…犯人は取り逃がしたみたいで…」
初春「逃走中みたいです。応援要請が来てますね…」
白井「こっちに向かって逃げてくる犯人を、先回りして抑えればいいのですわね?」
初春「それがですね…(カタカタ)。相手は監視カメラの氏角を選んで移動しています」
初春「かなり地の利があるようですね…」
816: 2013/01/07(月) 21:41:20.56 ID:v2CIp3n50
白井「やっかいですわね…。ですが…逆に…」
白井「移動経路を予測できるかもしれませんわ…初春、お願いできますの?」
初春「はい!やってみます…。えと…犯人は風貌からしてスキルアウトらしいので…」
初春「予想できる目標の場所と…監視カメラの抜け道の情報を組み合わせて…(カタカタ)」
初春「…んでもって…ちょっと加工を…(カタカタカタ)」
初春「出ました!!」
白井「流石ですわね初春…。あら…これは…道が2本…ですの?」
初春「はい…条件を設定して絞り込んでみたんですけど…どうしてもこの2系統が残ります…」
白井「まずいですわね…固法先輩は今別の事件の対応中ですし…」
白井「初春にはここに残ってもらわないといけませんし…」
初春「先回りするにしても…二分の一になっちゃいます…ね…」
詠矢「…」
スマートフォンから目線を外し、詠矢は二人の方に向き直る。
白井「移動経路を予測できるかもしれませんわ…初春、お願いできますの?」
初春「はい!やってみます…。えと…犯人は風貌からしてスキルアウトらしいので…」
初春「予想できる目標の場所と…監視カメラの抜け道の情報を組み合わせて…(カタカタ)」
初春「…んでもって…ちょっと加工を…(カタカタカタ)」
初春「出ました!!」
白井「流石ですわね初春…。あら…これは…道が2本…ですの?」
初春「はい…条件を設定して絞り込んでみたんですけど…どうしてもこの2系統が残ります…」
白井「まずいですわね…固法先輩は今別の事件の対応中ですし…」
白井「初春にはここに残ってもらわないといけませんし…」
初春「先回りするにしても…二分の一になっちゃいます…ね…」
詠矢「…」
スマートフォンから目線を外し、詠矢は二人の方に向き直る。
817: 2013/01/07(月) 21:42:56.16 ID:v2CIp3n50
詠矢「手伝おう…か?」
白井「へっ?」
白井「いえ…お気持ちはありがたいですが…お断りします…」
白井「一般人を事件に巻き込むわけにはまいりません!」
詠矢「巻き込まれるのは今に始まったことじゃねえけどな…」
白井「これは既にジャッジメントで対応している事件です。あくまでこちらで対応します!」
詠矢「まあ…正論…だけどね…大丈夫かい?」
白井「お気になさらず…なんとかしてみますわ」
初春「…」
初春『白井さん白井さん…』
白井『なんですの!』
初春『せっかくだからお願いしちゃいましょうよ!』
白井『何をバカな事を!この程度の事件、部外者の力を借りなくても…』
初春『でも今の状況じゃ完全に賭けになっちゃいますよ?』
白井『う…それは…』
白井「へっ?」
白井「いえ…お気持ちはありがたいですが…お断りします…」
白井「一般人を事件に巻き込むわけにはまいりません!」
詠矢「巻き込まれるのは今に始まったことじゃねえけどな…」
白井「これは既にジャッジメントで対応している事件です。あくまでこちらで対応します!」
詠矢「まあ…正論…だけどね…大丈夫かい?」
白井「お気になさらず…なんとかしてみますわ」
初春「…」
初春『白井さん白井さん…』
白井『なんですの!』
初春『せっかくだからお願いしちゃいましょうよ!』
白井『何をバカな事を!この程度の事件、部外者の力を借りなくても…』
初春『でも今の状況じゃ完全に賭けになっちゃいますよ?』
白井『う…それは…』
818: 2013/01/07(月) 21:43:45.80 ID:v2CIp3n50
詠矢「…(なんか揉めてるねえ)」
白井『ですが、状況的にはかなり危険です。もし何かあったら…』
初春『その辺は、ほら、大丈夫じゃないですか?』
初春『なんだかんだいって、詠矢さん、お強いですし…』
白井『それとこれとは…話が別です!』
初春『うーん…じゃあ、ですね…』
初春『危なくない範囲で、協力してもらえれば…いいんじゃないでしょうか…』
白井『…』
白井「そうですわね…」
白井「詠矢さん…では、ご協力いただけますか?」
詠矢「ういよ…喜んで!」
詠矢は立ち上がると、やる気をアピールするかのように首を回し腕を回す。
詠矢「んで、何やればいい?」
白井『ですが、状況的にはかなり危険です。もし何かあったら…』
初春『その辺は、ほら、大丈夫じゃないですか?』
初春『なんだかんだいって、詠矢さん、お強いですし…』
白井『それとこれとは…話が別です!』
初春『うーん…じゃあ、ですね…』
初春『危なくない範囲で、協力してもらえれば…いいんじゃないでしょうか…』
白井『…』
白井「そうですわね…」
白井「詠矢さん…では、ご協力いただけますか?」
詠矢「ういよ…喜んで!」
詠矢は立ち上がると、やる気をアピールするかのように首を回し腕を回す。
詠矢「んで、何やればいい?」
819: 2013/01/07(月) 21:44:26.89 ID:v2CIp3n50
白井「見張り、ですわ」
白井「逃走経路の一方に待機していただき、犯人が通過するかどうかを確認してください」
白井「わたくしは別の経路を確認します」
詠矢「…んで、見つけたらどうすりゃいい?」
白井「こちらに連絡頂ければ結構です」
白井「更に先回りして、犯人を確保します」
詠矢「なるほど…白井サンなら、追いつくのは簡単だもんな」
白井「間違っても、ご自分で犯人と対峙しないように…」
詠矢「わかってる…その辺はわきまえてるさ…」
白井「約束ですわよ?」
白井「では、参ります!」
白井が詠矢の腕を掴むと同時に、二人の姿は掻き消えた。
白井「逃走経路の一方に待機していただき、犯人が通過するかどうかを確認してください」
白井「わたくしは別の経路を確認します」
詠矢「…んで、見つけたらどうすりゃいい?」
白井「こちらに連絡頂ければ結構です」
白井「更に先回りして、犯人を確保します」
詠矢「なるほど…白井サンなら、追いつくのは簡単だもんな」
白井「間違っても、ご自分で犯人と対峙しないように…」
詠矢「わかってる…その辺はわきまえてるさ…」
白井「約束ですわよ?」
白井「では、参ります!」
白井が詠矢の腕を掴むと同時に、二人の姿は掻き消えた。
820: 2013/01/07(月) 21:45:50.66 ID:v2CIp3n50
(とある路地 廃屋)
二人は、朽ちた室内に現れる。
白井「…ここですわ」
詠矢「っと…なるほど…張り込みのポイントか…」
白井「この前の路地が、予想される逃走経路の一つです」
白井「詠矢さんは、ここを対象が通過するか確認してください」
詠矢「わかった…んで、見かけたら白井サンに連絡すればいいわけだね?」
白井「ええ、その通りです」
白井「対象の風体に関しては、初春から詠矢さんの携帯にデータが送られて来ます」
白井「そちらで確認してくださいまし」
詠矢「うい。で、いつまで張ってりゃいいのかな?」
白井「撤収するタイミングはこちらで指示します。それまではよろしくお願いします」
二人は、朽ちた室内に現れる。
白井「…ここですわ」
詠矢「っと…なるほど…張り込みのポイントか…」
白井「この前の路地が、予想される逃走経路の一つです」
白井「詠矢さんは、ここを対象が通過するか確認してください」
詠矢「わかった…んで、見かけたら白井サンに連絡すればいいわけだね?」
白井「ええ、その通りです」
白井「対象の風体に関しては、初春から詠矢さんの携帯にデータが送られて来ます」
白井「そちらで確認してくださいまし」
詠矢「うい。で、いつまで張ってりゃいいのかな?」
白井「撤収するタイミングはこちらで指示します。それまではよろしくお願いします」
821: 2013/01/07(月) 21:46:37.63 ID:v2CIp3n50
詠矢「了解。逆にこっちが発見されるとマズイだろうから…」
詠矢「隠れながら監視できるポイントでも探しとくか…」
白井「あと、しつこいようですが…」
詠矢「わかってるっての…出過ぎたマネはしねえよ…」
白井「なら結構ですわ…」
白井「わたくしも移動します」
詠矢「おう、んじゃ頑張って…」
白井「…では(シュン)」
詠矢「ってと…」
詠矢は辺りを見回しつつ張り込むポイントを探す。
詠矢「隠れながら監視できるポイントでも探しとくか…」
白井「あと、しつこいようですが…」
詠矢「わかってるっての…出過ぎたマネはしねえよ…」
白井「なら結構ですわ…」
白井「わたくしも移動します」
詠矢「おう、んじゃ頑張って…」
白井「…では(シュン)」
詠矢「ってと…」
詠矢は辺りを見回しつつ張り込むポイントを探す。
822: 2013/01/07(月) 21:47:13.75 ID:v2CIp3n50
詠矢「(おあつらえ向きに壁のトタンは穴だらけだな)」
詠矢「(覗き込むには苦労しねえが、相手から発見される可能性も高いな)」
詠矢「(ま…進行方向は向こうみたいだから…この辺…かね)」
適当な場所を見つけると、詠矢は静かに腰を下ろした。
詠矢「(ブブブ)…(お、メール来た…添付写真をっと…)」
詠矢「(…下品なツラしてやがんなあ…なんでこの手の奴って)」
詠矢「(判で押したような悪人面なのかね…)」
詠矢「(ま、確認しやすくていいがね…)」
詠矢「(…さて…)」
詠矢「(…暇なもんだな…)」
詠矢「(当たり前か…)」
詠矢「…」
詠矢「(覗き込むには苦労しねえが、相手から発見される可能性も高いな)」
詠矢「(ま…進行方向は向こうみたいだから…この辺…かね)」
適当な場所を見つけると、詠矢は静かに腰を下ろした。
詠矢「(ブブブ)…(お、メール来た…添付写真をっと…)」
詠矢「(…下品なツラしてやがんなあ…なんでこの手の奴って)」
詠矢「(判で押したような悪人面なのかね…)」
詠矢「(ま、確認しやすくていいがね…)」
詠矢「(…さて…)」
詠矢「(…暇なもんだな…)」
詠矢「(当たり前か…)」
詠矢「…」
823: 2013/01/07(月) 21:55:54.28 ID:v2CIp3n50
詠矢「…お?」
五分とかからず変化が起こった。
足音と思われる、地面を蹴り上げるような音が近づいてくる。
強盗犯「ハアッ…ハアッ…」
息を切らせ、男が走ってくる。先ほどの悪人面の主である。
詠矢「…(来たか…こっちが当たりとはね…)」
詠矢「…(さて…集中しますか…)」
足音はあっという間に大きくなる。そして、それが最大音量となったとき。
詠矢のいる廃屋の前を通過した…。
強盗犯「ハアッ…ハア…」
詠矢「…!」
詠矢は息を潜め、走り抜ける男の顔を確認する。
詠矢「…(間違いねえ…コイツだ…!)」
五分とかからず変化が起こった。
足音と思われる、地面を蹴り上げるような音が近づいてくる。
強盗犯「ハアッ…ハアッ…」
息を切らせ、男が走ってくる。先ほどの悪人面の主である。
詠矢「…(来たか…こっちが当たりとはね…)」
詠矢「…(さて…集中しますか…)」
足音はあっという間に大きくなる。そして、それが最大音量となったとき。
詠矢のいる廃屋の前を通過した…。
強盗犯「ハアッ…ハア…」
詠矢「…!」
詠矢は息を潜め、走り抜ける男の顔を確認する。
詠矢「…(間違いねえ…コイツだ…!)」
824: 2013/01/07(月) 21:56:48.03 ID:v2CIp3n50
送られてきた写真と対象を再度確認すると、すばやく詠矢はスマートフォンを操作する。
詠矢「(対象が目の前を通過。容貌から犯人であることを確認)…(約一分前に通過…っと)」
必要最小限の情報を入力すると、詠矢はすぐさまメールを送信した。
詠矢「…」
詠矢「…(こんで、仕事終わりかな?)」
詠矢「…(ブブブ)…(お、返信か…)」
詠矢「…『ご苦労様です。後はこちらで対処します。撤収願います』…か…」
詠矢「本格的に終わりだね…さて…」
詠矢「もう行っちまった…よな?」
路地に人の気配が無いことを確認すると、詠矢は人の通れる場所を探して外に出た。
詠矢「もう、白井サンが先回りしてるんだよな…」
詠矢「んじゃ、大人しく帰りますかね…」
詠矢「…」
詠矢は、犯人が走り抜けていった路地の先をなんとなく見る。
詠矢「なんか…やな予感するなあ…」
詠矢「…どうするか…ねえ」
詠矢「(対象が目の前を通過。容貌から犯人であることを確認)…(約一分前に通過…っと)」
必要最小限の情報を入力すると、詠矢はすぐさまメールを送信した。
詠矢「…」
詠矢「…(こんで、仕事終わりかな?)」
詠矢「…(ブブブ)…(お、返信か…)」
詠矢「…『ご苦労様です。後はこちらで対処します。撤収願います』…か…」
詠矢「本格的に終わりだね…さて…」
詠矢「もう行っちまった…よな?」
路地に人の気配が無いことを確認すると、詠矢は人の通れる場所を探して外に出た。
詠矢「もう、白井サンが先回りしてるんだよな…」
詠矢「んじゃ、大人しく帰りますかね…」
詠矢「…」
詠矢は、犯人が走り抜けていった路地の先をなんとなく見る。
詠矢「なんか…やな予感するなあ…」
詠矢「…どうするか…ねえ」
825: 2013/01/07(月) 21:57:40.66 ID:v2CIp3n50
(とある路地 空き地)
強盗犯「ハアッ…ハアッ…ここまで…逃げれば…」
かなりの距離を走り続けた男は、周囲の静かさに安心したのか、その足を緩めた。
強盗犯「ハアッ…さすがに…ハア…追ってこねえ…だろ…」
膝の上に手を置き、息を整えようとした直後。
(キイン タスタスタス)
強盗犯「…!!何だ!!」
突然、男の足元に金属の矢が突き立った。
白井「そこまでですわ!!」
強盗犯「…テメエ…」
白井「ジャッジメントですの!」
白井は腕章を見せ、自分の立場を誇示した。
白井「ずいぶんとお疲れのようですわね?そろそろ終わりにしてはいかがでしょう?」
白井「鉄格子の向こうで、ゆっくり休んで頂けますわ」
強盗犯「ハアッ…ハアッ…ここまで…逃げれば…」
かなりの距離を走り続けた男は、周囲の静かさに安心したのか、その足を緩めた。
強盗犯「ハアッ…さすがに…ハア…追ってこねえ…だろ…」
膝の上に手を置き、息を整えようとした直後。
(キイン タスタスタス)
強盗犯「…!!何だ!!」
突然、男の足元に金属の矢が突き立った。
白井「そこまでですわ!!」
強盗犯「…テメエ…」
白井「ジャッジメントですの!」
白井は腕章を見せ、自分の立場を誇示した。
白井「ずいぶんとお疲れのようですわね?そろそろ終わりにしてはいかがでしょう?」
白井「鉄格子の向こうで、ゆっくり休んで頂けますわ」
826: 2013/01/07(月) 21:58:37.23 ID:v2CIp3n50
強盗犯「野郎…ナメやがって…」
白井「あなたのような小物に、時間をかけるわけに参りません」
白井「とっとと終わらせていただきます(シュン)」
白井は消えた、得意の転移ドロップキックだ。
強盗犯「ぐわっ!!」
突如、後頭部を襲う攻撃など避けられるわけもなく、男は簡単に地に伏した。
白井「終わりです!」
拘束するための鉄矢を手に取った瞬間、白井は勝利を確信していた。
だが、男は突然身を翻す。
強盗犯「けっ!!これでも食らえ!!」
男は台詞の直後に目を閉じる、そして。
白井「…!!!」
白井の目の前に突然強い閃光が発生する。
白井「あなたのような小物に、時間をかけるわけに参りません」
白井「とっとと終わらせていただきます(シュン)」
白井は消えた、得意の転移ドロップキックだ。
強盗犯「ぐわっ!!」
突如、後頭部を襲う攻撃など避けられるわけもなく、男は簡単に地に伏した。
白井「終わりです!」
拘束するための鉄矢を手に取った瞬間、白井は勝利を確信していた。
だが、男は突然身を翻す。
強盗犯「けっ!!これでも食らえ!!」
男は台詞の直後に目を閉じる、そして。
白井「…!!!」
白井の目の前に突然強い閃光が発生する。
827: 2013/01/07(月) 21:59:49.03 ID:v2CIp3n50
その視界が真っ白に塗りつぶされた。
白井「し…まっ…!!」
強盗犯「うるあぁ!!」
上体を起こしながら、男は白井の胴体に拳を放った。
白井「ぐはっ!!!」
たまらず膝が落ちる白井。
強盗犯「まだまだあぁ!!」
男は完全に立ち上がると、前のめりになった白井の腹部を力任せに蹴り上げた。
浮き上がった白井の体は宙を舞い、落下し地面に叩きつけられた。
白井「ゲフッ…ん…ぐ…」
白井「…あなた…能力…者…」
強盗犯「ヘっ…爆裂閃光(フラッシュボム)ってな…空間に光を発生させるだけの」
強盗犯「チンケな能力だがなあ…」
白井「し…まっ…!!」
強盗犯「うるあぁ!!」
上体を起こしながら、男は白井の胴体に拳を放った。
白井「ぐはっ!!!」
たまらず膝が落ちる白井。
強盗犯「まだまだあぁ!!」
男は完全に立ち上がると、前のめりになった白井の腹部を力任せに蹴り上げた。
浮き上がった白井の体は宙を舞い、落下し地面に叩きつけられた。
白井「ゲフッ…ん…ぐ…」
白井「…あなた…能力…者…」
強盗犯「ヘっ…爆裂閃光(フラッシュボム)ってな…空間に光を発生させるだけの」
強盗犯「チンケな能力だがなあ…」
828: 2013/01/07(月) 22:00:39.83 ID:v2CIp3n50
強盗犯「使い方によっちゃあ…刺さるだろ!?」
言葉と同時に男は白井の背中を踏みつける。
白井「…ぐ…ぎっ!!」
強盗犯「さあて…どうしてやろうかねえ…」
強盗犯「アジトに連れ込んで…イジメ倒してやろうか…?ええ!!」
白井「…こ…の…!!」
強盗犯「まあ、どっちにしろ、もう少し弱らせてから…だなあ!」
(ザッ)
再び男が背中を踏みつけようとした瞬間。誰かが走りこんできた。
詠矢「ハアッ…ハア…」
強盗犯「なんだ…テメエは…!?」
詠矢「なんか、ヤバそうだったんで…急いで追っかけてきてみたんだが…」
詠矢「間に合った…いや、合わなかったのかな?」
言葉と同時に男は白井の背中を踏みつける。
白井「…ぐ…ぎっ!!」
強盗犯「さあて…どうしてやろうかねえ…」
強盗犯「アジトに連れ込んで…イジメ倒してやろうか…?ええ!!」
白井「…こ…の…!!」
強盗犯「まあ、どっちにしろ、もう少し弱らせてから…だなあ!」
(ザッ)
再び男が背中を踏みつけようとした瞬間。誰かが走りこんできた。
詠矢「ハアッ…ハア…」
強盗犯「なんだ…テメエは…!?」
詠矢「なんか、ヤバそうだったんで…急いで追っかけてきてみたんだが…」
詠矢「間に合った…いや、合わなかったのかな?」
829: 2013/01/07(月) 22:01:33.61 ID:v2CIp3n50
強盗犯「仲間…か?」
詠矢「仲間ってのは間違いないが…通りすがりの一般人だよ…」
白井「…!(この声は…詠矢さん!)」
白井「詠矢さん、逃げてください!!。あたなたが関わることではありません!!」
詠矢「お小言なら後で聞くよ」
詠矢「そんな状態の白井サンを置いて、逃げれるわけねえっしょ…」
白井「…っ!!」
強盗犯「テメエもナメた野郎だなあ…。コイツは、使いたくなかったが…」
男は腰のベルトからバタフライナイフを取り出した。
詠矢「おーおー…定番だねえ…」
詠矢「そういうもの出せばビビると思ってんのならお生憎様」
詠矢「こちとら結構見慣れててね…」
強盗犯「なんだ…やるってのか…?」
詠矢「仲間ってのは間違いないが…通りすがりの一般人だよ…」
白井「…!(この声は…詠矢さん!)」
白井「詠矢さん、逃げてください!!。あたなたが関わることではありません!!」
詠矢「お小言なら後で聞くよ」
詠矢「そんな状態の白井サンを置いて、逃げれるわけねえっしょ…」
白井「…っ!!」
強盗犯「テメエもナメた野郎だなあ…。コイツは、使いたくなかったが…」
男は腰のベルトからバタフライナイフを取り出した。
詠矢「おーおー…定番だねえ…」
詠矢「そういうもの出せばビビると思ってんのならお生憎様」
詠矢「こちとら結構見慣れててね…」
強盗犯「なんだ…やるってのか…?」
830: 2013/01/07(月) 22:03:34.43 ID:v2CIp3n50
詠矢「逃がすつもりなら追って来ねえいっての…」
白井「詠矢さん!コイツは光を使います!!気つけてください!」
詠矢「ああ…こっちに向かってるときに…なんか光が見えたんだが…能力者だったのか…」
強盗犯「…このアマ…」
強盗犯「余計なこと口走ってんじゃねえ!!」
男は力の限り白井の背中を踏みつける。
白井「が…っ…は…!!」
詠矢「…!」
いつもゆるいの詠矢の表情が、一気に鋭くなる。
ぎりっと奥歯を噛み締めると、静かに相手の距離を詰める。
詠矢「来い…相手してやるよ…」
強盗犯「…ナニ余裕かましてんだテメエェェ!!氏んどけやあぁあ!!」
男は躊躇無く顔面を突いてくる。
白井「詠矢さん!コイツは光を使います!!気つけてください!」
詠矢「ああ…こっちに向かってるときに…なんか光が見えたんだが…能力者だったのか…」
強盗犯「…このアマ…」
強盗犯「余計なこと口走ってんじゃねえ!!」
男は力の限り白井の背中を踏みつける。
白井「が…っ…は…!!」
詠矢「…!」
いつもゆるいの詠矢の表情が、一気に鋭くなる。
ぎりっと奥歯を噛み締めると、静かに相手の距離を詰める。
詠矢「来い…相手してやるよ…」
強盗犯「…ナニ余裕かましてんだテメエェェ!!氏んどけやあぁあ!!」
男は躊躇無く顔面を突いてくる。
831: 2013/01/07(月) 22:04:58.23 ID:v2CIp3n50
詠矢「…!」
上体を反らし、詠矢はそれをギリギリでかわす。頬に浅い切創が浮かび、血がにじむ。
詠矢「…!!」
すぐさま詠矢は男の手首を取り、ひねり上げようとするが…。
強盗犯「(今だ!!)」
詠矢「…っ!!」
詠矢の目の前に強い閃光が発生する。と同時に、しばし両者の動きが止まる。
強盗犯「ケッ…チョロイもんだ…」
勝ち誇った男は目を開ける。だが、その視界に移ったのは…
正面から自分の顔面に向かってくる、相手の拳だった。
強盗犯「なっ…!!ガフッ!!」
詠矢の拳は、男の鼻筋に正確に命中した。
だが、腕をとられたまま倒れることも出来ない。
上体を反らし、詠矢はそれをギリギリでかわす。頬に浅い切創が浮かび、血がにじむ。
詠矢「…!!」
すぐさま詠矢は男の手首を取り、ひねり上げようとするが…。
強盗犯「(今だ!!)」
詠矢「…っ!!」
詠矢の目の前に強い閃光が発生する。と同時に、しばし両者の動きが止まる。
強盗犯「ケッ…チョロイもんだ…」
勝ち誇った男は目を開ける。だが、その視界に移ったのは…
正面から自分の顔面に向かってくる、相手の拳だった。
強盗犯「なっ…!!ガフッ!!」
詠矢の拳は、男の鼻筋に正確に命中した。
だが、腕をとられたまま倒れることも出来ない。
832: 2013/01/07(月) 22:05:36.84 ID:v2CIp3n50
詠矢「ナントカに刃物って奴だな…。とりあえず大人しくしてもらおうか?」
詠矢は取った腕をひねり上げると、相手の体をうつぶせに倒し、そのままのしかかって肩と肘を極める。
強盗犯「い…いでででで!!…てめえ…目は…」
詠矢「あ?アホかてめえは?」
詠矢「まぶしいのはお前も同じなんだろ?能力を使う前に目を閉じないと、自爆するわけだ」
詠矢「同じタイミングでこっちも目を閉じれば、影響なんぞ受けるわけねえだろ…」
詠矢「初見ならともかく…わかってて引っかかるような能力じゃねえな」
強盗犯「…く…っそ…て…めえ!!」
詠矢「はいはい、暴れると余計痛いよ…」
極めた腕を詠矢は更に締め上げる。
強盗犯「いぎぎぎぎぎぎぎいい!!」
詠矢は取った腕をひねり上げると、相手の体をうつぶせに倒し、そのままのしかかって肩と肘を極める。
強盗犯「い…いでででで!!…てめえ…目は…」
詠矢「あ?アホかてめえは?」
詠矢「まぶしいのはお前も同じなんだろ?能力を使う前に目を閉じないと、自爆するわけだ」
詠矢「同じタイミングでこっちも目を閉じれば、影響なんぞ受けるわけねえだろ…」
詠矢「初見ならともかく…わかってて引っかかるような能力じゃねえな」
強盗犯「…く…っそ…て…めえ!!」
詠矢「はいはい、暴れると余計痛いよ…」
極めた腕を詠矢は更に締め上げる。
強盗犯「いぎぎぎぎぎぎぎいい!!」
833: 2013/01/07(月) 22:07:02.18 ID:v2CIp3n50
詠矢「白井サン!無事かい!!」
詠矢「動けるんなら!コイツの拘束を頼む!」
白井「…はい…なんと…か…」
よろよろと立ち上がる白井。視界はどうにか回復したようだ。
白井「…んっ!!」
鉄矢が転移され、男の上着の数箇所を地面に縫い付けた。
強盗犯「なっ!!」
詠矢「これで動けんな…」
強盗犯「…く…っそ…おぉぉぉお!!」
詠矢「ま、観念しな…」
強盗犯「…おい、テメエ!」
詠矢「何だよ…」
詠矢「動けるんなら!コイツの拘束を頼む!」
白井「…はい…なんと…か…」
よろよろと立ち上がる白井。視界はどうにか回復したようだ。
白井「…んっ!!」
鉄矢が転移され、男の上着の数箇所を地面に縫い付けた。
強盗犯「なっ!!」
詠矢「これで動けんな…」
強盗犯「…く…っそ…おぉぉぉお!!」
詠矢「ま、観念しな…」
強盗犯「…おい、テメエ!」
詠矢「何だよ…」
834: 2013/01/07(月) 22:08:02.66 ID:v2CIp3n50
強盗犯「いつまでのしかかかってんだよ!もういいだろうがよ!」
詠矢「…まあ…そうだな」
強盗犯「ならとっととどけよ!!」
詠矢「…」
詠矢「…あ、手が滑った…(ゴキャッ)」
強盗犯「へっ?…ガ…ギィャアアアアァァァァアアア!!!」
強盗犯「…(ガクッ)」
肩関節を外された痛みで、男は気を失った。
詠矢「やれやれ…静かになったな…」
詠矢「白井サン!大丈夫か!!」
まだおぼつかない足取りの白井の傍に詠矢は駆け寄る
詠矢「…まあ…そうだな」
強盗犯「ならとっととどけよ!!」
詠矢「…」
詠矢「…あ、手が滑った…(ゴキャッ)」
強盗犯「へっ?…ガ…ギィャアアアアァァァァアアア!!!」
強盗犯「…(ガクッ)」
肩関節を外された痛みで、男は気を失った。
詠矢「やれやれ…静かになったな…」
詠矢「白井サン!大丈夫か!!」
まだおぼつかない足取りの白井の傍に詠矢は駆け寄る
835: 2013/01/07(月) 22:08:47.22 ID:v2CIp3n50
白井「はい…この程度…なんてこと…(ゴホッ)」
詠矢「無理すんなって…ほら…」
詠矢は白井の腕を抱えて体を支える。
白井「詠矢さんこそ…血が…」
詠矢「まあ、この程度カスリ傷さ…白井サンに比べればね…」
詠矢「とにかく、容疑者は確保した。応援を呼んで、早いこと医者行こう!」
白井「ええ…その方が…よろしいですわ…ね…」
詠矢「無理すんなって…ほら…」
詠矢は白井の腕を抱えて体を支える。
白井「詠矢さんこそ…血が…」
詠矢「まあ、この程度カスリ傷さ…白井サンに比べればね…」
詠矢「とにかく、容疑者は確保した。応援を呼んで、早いこと医者行こう!」
白井「ええ…その方が…よろしいですわ…ね…」
836: 2013/01/07(月) 22:09:43.51 ID:v2CIp3n50
(常盤台中学女子寮 御坂と白井の自室)
白井「ということがありまして…」
御坂「アンタも大変ねえ…こんなに生傷増やして…」
胸に巻いた包帯を取り替えつつ、御坂は後輩の体の傷を確認しながら呟いた。
白井「職務上仕方ありませんわ…覚悟の上です…」
御坂「そんなこと言って…アンタも女の子でしょ?…まったく…」
御坂「はい、これでいい?」
白井「ありがとうございます…お姉さま」
御坂「なに水臭いこと言ってんのよ。これぐらいお安い御用よ」
包帯と、湿布の交換を終え、御坂はねぎらうように白井の肩をぽんぽんと叩いた。
白井「しかし…今回ばかりは詠矢さんに助けられました」
白井「あの方が居なかったらどうなっていたことか…」
御坂「まあ…意外と頼りになるもんね…あの人…」
白井「ということがありまして…」
御坂「アンタも大変ねえ…こんなに生傷増やして…」
胸に巻いた包帯を取り替えつつ、御坂は後輩の体の傷を確認しながら呟いた。
白井「職務上仕方ありませんわ…覚悟の上です…」
御坂「そんなこと言って…アンタも女の子でしょ?…まったく…」
御坂「はい、これでいい?」
白井「ありがとうございます…お姉さま」
御坂「なに水臭いこと言ってんのよ。これぐらいお安い御用よ」
包帯と、湿布の交換を終え、御坂はねぎらうように白井の肩をぽんぽんと叩いた。
白井「しかし…今回ばかりは詠矢さんに助けられました」
白井「あの方が居なかったらどうなっていたことか…」
御坂「まあ…意外と頼りになるもんね…あの人…」
837: 2013/01/07(月) 22:10:37.88 ID:v2CIp3n50
御坂「…」
御坂「黒子…さあ…」
白井「なんでしょう?」
御坂「最近…詠矢さんの話…多いわよね?」
白井「へっ…?」
白井「それは…まあ…三日と開けずに支部に来ていれば…」
白井「自然と話題も多くなりますわ」
御坂「…へえ…そう…なんだ…」
白井「…なんですの…その妙な勘ぐりは…」
白井「絶賛恋愛脳のお姉さまの基準で判断されては困りますわよ!?」
御坂「ああ…ゴメン…そういう意味じゃないんだけど…さ」
御坂「黒子から、そんな風に誰かを評価する話って」
御坂「あんまり聞いたことが無かったから…さ」
白井「…まあ…確かに…」
御坂「黒子…さあ…」
白井「なんでしょう?」
御坂「最近…詠矢さんの話…多いわよね?」
白井「へっ…?」
白井「それは…まあ…三日と開けずに支部に来ていれば…」
白井「自然と話題も多くなりますわ」
御坂「…へえ…そう…なんだ…」
白井「…なんですの…その妙な勘ぐりは…」
白井「絶賛恋愛脳のお姉さまの基準で判断されては困りますわよ!?」
御坂「ああ…ゴメン…そういう意味じゃないんだけど…さ」
御坂「黒子から、そんな風に誰かを評価する話って」
御坂「あんまり聞いたことが無かったから…さ」
白井「…まあ…確かに…」
838: 2013/01/07(月) 22:11:16.09 ID:v2CIp3n50
白井「一部高い能力をお持ちであることは…認めざるを得ませんが…」
御坂「普通の高校生のレベルは、逸脱しちゃってるわね…」
白井「…おねえさま…ずいぶんとあの方に肩入れしますのね…」
御坂「え?…あれ?…いや、そうかな?」
白井「お姉さまは上条さんのこともあって、印象は良いのかもしれませんけど…」
白井「わたくしからすれば、詠矢さんはお二人を結びつけた憎き人物なのです!」
白井「そうです、忘れていましたわ…最初からお姉さまに攻撃をしかけたり…」
白井「やはり、あの方相容れる人物ではございませんわ!」
御坂「…」
御坂「…でもさあ…。そこまで悪く言うことも無いと思わない?」
御坂「詠矢さんなりに、いろいろ頑張ってるみたいだし…
御坂「普通の高校生のレベルは、逸脱しちゃってるわね…」
白井「…おねえさま…ずいぶんとあの方に肩入れしますのね…」
御坂「え?…あれ?…いや、そうかな?」
白井「お姉さまは上条さんのこともあって、印象は良いのかもしれませんけど…」
白井「わたくしからすれば、詠矢さんはお二人を結びつけた憎き人物なのです!」
白井「そうです、忘れていましたわ…最初からお姉さまに攻撃をしかけたり…」
白井「やはり、あの方相容れる人物ではございませんわ!」
御坂「…」
御坂「…でもさあ…。そこまで悪く言うことも無いと思わない?」
御坂「詠矢さんなりに、いろいろ頑張ってるみたいだし…
839: 2013/01/07(月) 22:12:02.30 ID:v2CIp3n50
白井「…」
白井「まあ…それは…」
白井「(確かに…傀儡の事件も、あの方が居なければ解決出来たかどうか…)」
白井「(以前にも、わたくしとの約束を命がけで守ろうとしてくださいましたし…)」
白井「…」
御坂「…どしたの?黒子?」
白井「え?…いえ…なんでもありません…わ…」
御坂「うーん…じゃあさあ」
御坂「こういうのはどう?」
白井「まあ…それは…」
白井「(確かに…傀儡の事件も、あの方が居なければ解決出来たかどうか…)」
白井「(以前にも、わたくしとの約束を命がけで守ろうとしてくださいましたし…)」
白井「…」
御坂「…どしたの?黒子?」
白井「え?…いえ…なんでもありません…わ…」
御坂「うーん…じゃあさあ」
御坂「こういうのはどう?」
840: 2013/01/07(月) 22:12:46.65 ID:v2CIp3n50
(ジャッジメント177支部)
詠矢「うい、こんちわー」
詠矢はいつもの調子で支部の扉をくぐる。
頬には傷を覆うテーピングがまだ残っていた。
初春「あ、こんにちわー」
白井「…こんにちわ」
詠矢「お、白井サンもう出てきてもいいのかい?」
白井「あの程度のケガでいつまでも休んでられませんわ」
詠矢「まあ、元気そうで何よりだけど…無茶せんようになー」
白井「わかっておりますわ…」
白井「それはそうと詠矢さん…お話がありますの…」
詠矢「え?俺に?…」
詠矢「(あー、こないだは出しゃばり過ぎたしなあ…約束も守らなかったし…)」
詠矢「(さすがにお小言かな?)」
詠矢「ん…と…なんだい?」
白井「詠矢さん…」
白井「ジャッジメント…やりません…こと?」
詠矢「うい、こんちわー」
詠矢はいつもの調子で支部の扉をくぐる。
頬には傷を覆うテーピングがまだ残っていた。
初春「あ、こんにちわー」
白井「…こんにちわ」
詠矢「お、白井サンもう出てきてもいいのかい?」
白井「あの程度のケガでいつまでも休んでられませんわ」
詠矢「まあ、元気そうで何よりだけど…無茶せんようになー」
白井「わかっておりますわ…」
白井「それはそうと詠矢さん…お話がありますの…」
詠矢「え?俺に?…」
詠矢「(あー、こないだは出しゃばり過ぎたしなあ…約束も守らなかったし…)」
詠矢「(さすがにお小言かな?)」
詠矢「ん…と…なんだい?」
白井「詠矢さん…」
白井「ジャッジメント…やりません…こと?」
845: 2013/01/22(火) 23:44:15.03 ID:OFtBr7qi0
こんばんわ。
後編が書きあがりましたので投下します。
後編が書きあがりましたので投下します。
846: 2013/01/22(火) 23:45:26.97 ID:OFtBr7qi0
(ジャッジメント177支部)
詠矢「俺が…ジャッジメント?」
白井「そうですの」
詠矢「はあ…って…俺に…勤まるのかね?」
白井「…あくまでわたくしの判断ですが」
白井「詠矢さんの格闘術、捕縛術に関しては…」
白井「あらためて訓練が必要のないレベルですし」
白井「判断力や倫理観も十分にお持ちです」
白井「加えて、あなたの絶対反論(マジレス)…は」
白井「能力者の犯罪に対して、切り札となる可能性もあります」
詠矢「…ずいぶんと評価してもらってるのはうれしいけど…」
詠矢「俺が…ねえ…」
詠矢「俺が…ジャッジメント?」
白井「そうですの」
詠矢「はあ…って…俺に…勤まるのかね?」
白井「…あくまでわたくしの判断ですが」
白井「詠矢さんの格闘術、捕縛術に関しては…」
白井「あらためて訓練が必要のないレベルですし」
白井「判断力や倫理観も十分にお持ちです」
白井「加えて、あなたの絶対反論(マジレス)…は」
白井「能力者の犯罪に対して、切り札となる可能性もあります」
詠矢「…ずいぶんと評価してもらってるのはうれしいけど…」
詠矢「俺が…ねえ…」
847: 2013/01/22(火) 23:48:54.92 ID:OFtBr7qi0
詠矢「っても、急に志願してもなれるもんなのかい?」
白井「もちろん、訓練と試験は必要となりますが…」
白井「詠矢さんなら問題なくクリアできると思います」
白井「いかがでしょう、我々は慢性的に人手不足です」
白井「あなたのような方に加わって頂ければ…」
白井「なんというか…その…」
詠矢「…ん?」
白井「たっ…頼もしい…かと…思いまして…」
初春「…」
初春「…(うわぁ、白井さん無理してるなあ…)」
詠矢「…」
詠矢「…そう…なんか…な?」
初春「えっと…ですね」
初春「…私もそう思います…よ?」
詠矢「…」
白井「もちろん、訓練と試験は必要となりますが…」
白井「詠矢さんなら問題なくクリアできると思います」
白井「いかがでしょう、我々は慢性的に人手不足です」
白井「あなたのような方に加わって頂ければ…」
白井「なんというか…その…」
詠矢「…ん?」
白井「たっ…頼もしい…かと…思いまして…」
初春「…」
初春「…(うわぁ、白井さん無理してるなあ…)」
詠矢「…」
詠矢「…そう…なんか…な?」
初春「えっと…ですね」
初春「…私もそう思います…よ?」
詠矢「…」
848: 2013/01/22(火) 23:49:29.26 ID:OFtBr7qi0
詠矢「…んー…」
珍しく声に出して悩むと、詠矢は後頭部を数回掻き毟る。
詠矢「…ちょっと時間くれないかな?」
詠矢「いろいろ考えること多くてさ…」
白井「わかりました。確かに急に決められるものではありませんね」
白井「決心が付くまで…しばらく待たせていただきますわ」
詠矢「ん…ゴメンな…」
白井「…いえ、それはかまいません」
白井「よいご返事を…期待していますわ」
詠矢「…んと…じゃあ…これ…」
どこからとも無く紙袋を取り出す。
詠矢「ロールケーキなんだけどさ…」
白井「いつもありがとうございます」
白井「お茶でも入れましょうか?」
珍しく声に出して悩むと、詠矢は後頭部を数回掻き毟る。
詠矢「…ちょっと時間くれないかな?」
詠矢「いろいろ考えること多くてさ…」
白井「わかりました。確かに急に決められるものではありませんね」
白井「決心が付くまで…しばらく待たせていただきますわ」
詠矢「ん…ゴメンな…」
白井「…いえ、それはかまいません」
白井「よいご返事を…期待していますわ」
詠矢「…んと…じゃあ…これ…」
どこからとも無く紙袋を取り出す。
詠矢「ロールケーキなんだけどさ…」
白井「いつもありがとうございます」
白井「お茶でも入れましょうか?」
849: 2013/01/22(火) 23:50:43.27 ID:OFtBr7qi0
(とあるコンビニ)
詠矢「…」
上条「…20円のお返しになりまーす…」
詠矢「…」
上条「ありがとうございましたー…」
詠矢「…」
詠矢「…あっ…ありがとうございました…」
上条「…」
上条「詠矢…品出し終わったのか?」
詠矢「ん…と…これで終わり…だ…」
詠矢は倉庫から持ってきた商品を並べ整頓する。
上条「…どした、詠矢?」
詠矢「いや、別にどうもしねえけど…?」
上条「なんか考え事か?」
詠矢「まあ…考えてるのは…いつものことだけどさ…」
上条「なんか…違うな…」
詠矢「何がだよ…」
詠矢「…」
上条「…20円のお返しになりまーす…」
詠矢「…」
上条「ありがとうございましたー…」
詠矢「…」
詠矢「…あっ…ありがとうございました…」
上条「…」
上条「詠矢…品出し終わったのか?」
詠矢「ん…と…これで終わり…だ…」
詠矢は倉庫から持ってきた商品を並べ整頓する。
上条「…どした、詠矢?」
詠矢「いや、別にどうもしねえけど…?」
上条「なんか考え事か?」
詠矢「まあ…考えてるのは…いつものことだけどさ…」
上条「なんか…違うな…」
詠矢「何がだよ…」
850: 2013/01/22(火) 23:51:20.25 ID:OFtBr7qi0
上条「だってさあ、お前って考え事してるときって」
上条「どっか楽しそうなんだよな…」
上条「…でもさっきまでは違った。本気で悩んでる感じだったぜ?」
詠矢「…そっか…そうだったか…」
詠矢「上条サンなかなか鋭いねえ…」
上条「なんかあったのか?俺でよかったら相談に乗るぜ?」
上条「まあ…詠矢が考えてわからない事が」
上条「俺に答えられるとは思わねえけどさ…」
あくまで軽く、上条は自嘲気味に笑った。
詠矢「いやいや…そういう言葉は一番ありがたいさ」
詠矢「やっぱ、持つべきものは友達だねえ…」
詠矢「そこまで言ってもらったんじゃあ…黙ってるわけにもいかんね」
上条「…やっぱ、なにかあるんだな?」
詠矢「心配してもらうようなことじゃないんだけどさ…」
上条「どっか楽しそうなんだよな…」
上条「…でもさっきまでは違った。本気で悩んでる感じだったぜ?」
詠矢「…そっか…そうだったか…」
詠矢「上条サンなかなか鋭いねえ…」
上条「なんかあったのか?俺でよかったら相談に乗るぜ?」
上条「まあ…詠矢が考えてわからない事が」
上条「俺に答えられるとは思わねえけどさ…」
あくまで軽く、上条は自嘲気味に笑った。
詠矢「いやいや…そういう言葉は一番ありがたいさ」
詠矢「やっぱ、持つべきものは友達だねえ…」
詠矢「そこまで言ってもらったんじゃあ…黙ってるわけにもいかんね」
上条「…やっぱ、なにかあるんだな?」
詠矢「心配してもらうようなことじゃないんだけどさ…」
851: 2013/01/22(火) 23:52:02.14 ID:OFtBr7qi0
詠矢「ジャッジメントやってみないかって…誘われたんだよ」
上条「へえ…。誘われたって言うと…やっぱ白井か?」
詠矢「あ、うん」
上条「で、やってみるかどうか悩んでるってわけか…」
詠矢「まあ、そういうわけだな」
上条「ジャッジメント…か…」
上条「じゃあ、俺が思ったこと、ストレートに言ってみていいか?」
詠矢「お、貴重なご意見賜れますか?」
上条「んじゃ…俺は詠矢なら、やれると思う」
詠矢「…そうか…な?」
上条「お前とは会ってからあんまり経ってねえけどさ」
上条「今まで一緒にやってきたことを考えれば…素直にそう思えるぜ?」
詠矢「…」
詠矢「そっか…。そいつは褒めてもらってるてことで、いいのかな?」
上条「おいおい、そんなモン疑う余地無く褒めてるんだろうが」
上条「へえ…。誘われたって言うと…やっぱ白井か?」
詠矢「あ、うん」
上条「で、やってみるかどうか悩んでるってわけか…」
詠矢「まあ、そういうわけだな」
上条「ジャッジメント…か…」
上条「じゃあ、俺が思ったこと、ストレートに言ってみていいか?」
詠矢「お、貴重なご意見賜れますか?」
上条「んじゃ…俺は詠矢なら、やれると思う」
詠矢「…そうか…な?」
上条「お前とは会ってからあんまり経ってねえけどさ」
上条「今まで一緒にやってきたことを考えれば…素直にそう思えるぜ?」
詠矢「…」
詠矢「そっか…。そいつは褒めてもらってるてことで、いいのかな?」
上条「おいおい、そんなモン疑う余地無く褒めてるんだろうが」
852: 2013/01/22(火) 23:52:40.84 ID:OFtBr7qi0
上条「少なくとも、お前は自分の力がどうやったら人の役に立てるかって」
上条「いつも考えてるだろ…それくらいは俺にだってわかる」
上条「だからさ、そういうとこだけ考えてみても…」
上条「向いてるんじゃないか?ジャッジメント…」
詠矢「…そうか…ねえ…」
上条「あくまでこれは俺の意見…だけどな」
詠矢「そりゃま、決めるのは俺…だわな」
詠矢「わかってんだけどなあ…」
上条「…」
詠矢「お、お客さんだぜ。無駄話は終わりだ…」
上条「あ、いらっしゃいませー!!」
??「あ、いたいた、ここだったのねえ!」
詠矢「…!!」
上条「えっと…何か…?」
詠矢「母さん!!」
上条「いつも考えてるだろ…それくらいは俺にだってわかる」
上条「だからさ、そういうとこだけ考えてみても…」
上条「向いてるんじゃないか?ジャッジメント…」
詠矢「…そうか…ねえ…」
上条「あくまでこれは俺の意見…だけどな」
詠矢「そりゃま、決めるのは俺…だわな」
詠矢「わかってんだけどなあ…」
上条「…」
詠矢「お、お客さんだぜ。無駄話は終わりだ…」
上条「あ、いらっしゃいませー!!」
??「あ、いたいた、ここだったのねえ!」
詠矢「…!!」
上条「えっと…何か…?」
詠矢「母さん!!」
853: 2013/01/22(火) 23:53:27.40 ID:OFtBr7qi0
上条「…えっ!!」
??「寮の近くのコンビニで働いてるって聞いてたけど…」
??「結構数があるのよねえ、探しちゃったわよ、もう!」
上条「え…と…もしかして…詠矢…くん…のお母さんです…か?」
??「あらあら…こちら…もしかして上条さん?」
沙希「空希の母の、詠矢沙希(ヨメヤ サキ)と申します。いつも息子がお世話になって」
母と名乗った女性は、上条に向かって深々と頭を下げる。
上条「え…と…いや…こちらこそ…」
つられた上条も同じように頭を下げる。
詠矢「母さん!来るなら来るで先に連絡ぐらいしてくれよ!!」
沙希「なに言ってんのよ、こういうのはいきなり来るから面白いんじゃない!」
詠矢「って…もう…」
沙希「ねえ、この方、電話で何度かお聞きした上条さん?」
詠矢「まあ…そうだけど…」
沙希「まあまあ、始めましてぇ…」
??「寮の近くのコンビニで働いてるって聞いてたけど…」
??「結構数があるのよねえ、探しちゃったわよ、もう!」
上条「え…と…もしかして…詠矢…くん…のお母さんです…か?」
??「あらあら…こちら…もしかして上条さん?」
沙希「空希の母の、詠矢沙希(ヨメヤ サキ)と申します。いつも息子がお世話になって」
母と名乗った女性は、上条に向かって深々と頭を下げる。
上条「え…と…いや…こちらこそ…」
つられた上条も同じように頭を下げる。
詠矢「母さん!来るなら来るで先に連絡ぐらいしてくれよ!!」
沙希「なに言ってんのよ、こういうのはいきなり来るから面白いんじゃない!」
詠矢「って…もう…」
沙希「ねえ、この方、電話で何度かお聞きした上条さん?」
詠矢「まあ…そうだけど…」
沙希「まあまあ、始めましてぇ…」
854: 2013/01/22(火) 23:54:20.42 ID:OFtBr7qi0
上条「あ、どうも…です…」
沙希「空希の友達になってくださったそうで、ありがとうございます!」
沙希「もー、この子昔から小うるさい子でねえ、友達なんて出来たこと無かったんですけど」
詠矢「…母さん…やめてくれって…マジで…」
詠矢はたまらずレジの上に突っ伏す。
沙希「あらそうなの?」
上条「えっと…俺も…詠矢…くん…にはお世話になってまして…」
日本の母親がもつ独特の迫力に気圧される上条は、たどたどしく答える。
沙希「これはこれは、ご丁寧にどうも」
詠矢「…いいからさ…もう…」
詠矢「俺、もう少しでバイト終わりだからさ…どっかで待っててくれよ…」
詠矢「そう…今日はお仕事終わりなのね…じゃあ丁度いいわ」
沙希「…ねえ、空希。今日が何の日か覚えてる?」
詠矢「…」
詠矢「…忘れるわけ…ねえっしょ…」
沙希「じゃあ、行きましょうか」
詠矢「行くってどこにだよ…」
沙希「そりゃ決まってるじゃない」
沙希「お墓参りよ!」
沙希「空希の友達になってくださったそうで、ありがとうございます!」
沙希「もー、この子昔から小うるさい子でねえ、友達なんて出来たこと無かったんですけど」
詠矢「…母さん…やめてくれって…マジで…」
詠矢はたまらずレジの上に突っ伏す。
沙希「あらそうなの?」
上条「えっと…俺も…詠矢…くん…にはお世話になってまして…」
日本の母親がもつ独特の迫力に気圧される上条は、たどたどしく答える。
沙希「これはこれは、ご丁寧にどうも」
詠矢「…いいからさ…もう…」
詠矢「俺、もう少しでバイト終わりだからさ…どっかで待っててくれよ…」
詠矢「そう…今日はお仕事終わりなのね…じゃあ丁度いいわ」
沙希「…ねえ、空希。今日が何の日か覚えてる?」
詠矢「…」
詠矢「…忘れるわけ…ねえっしょ…」
沙希「じゃあ、行きましょうか」
詠矢「行くってどこにだよ…」
沙希「そりゃ決まってるじゃない」
沙希「お墓参りよ!」
855: 2013/01/22(火) 23:55:07.48 ID:OFtBr7qi0
(とある墓地)
詠矢「まったく…母さんは強引だねえ…」
沙希「何よもう、まさか嫌だったって言うの?」
詠矢「いや、そんなことはねえけどさ…」
詠矢「今年は帰らないつもりだったから…」
学園都市から電車を乗り継ぎ数時間、詠矢の実家に程近い場所に、その小さな墓地はあった。
沙希「あら、まさかお金の心配とかしてたの?」
詠矢「え?…そりゃまあ…新幹線とか結構かかるし…母さんだって楽じゃないだろうから…」
沙希「もう…相変わらず心配性ねえ」
沙希「大丈夫よ!学費だってそんなに高くないし。空希が出て行って逆に楽になってるぐらいよ?」
詠矢「なら…いいんだけど…さ」
沙希「はいはい、いいから。お墓洗ってあげて?」
詠矢「んー…」
詠矢「まったく…母さんは強引だねえ…」
沙希「何よもう、まさか嫌だったって言うの?」
詠矢「いや、そんなことはねえけどさ…」
詠矢「今年は帰らないつもりだったから…」
学園都市から電車を乗り継ぎ数時間、詠矢の実家に程近い場所に、その小さな墓地はあった。
沙希「あら、まさかお金の心配とかしてたの?」
詠矢「え?…そりゃまあ…新幹線とか結構かかるし…母さんだって楽じゃないだろうから…」
沙希「もう…相変わらず心配性ねえ」
沙希「大丈夫よ!学費だってそんなに高くないし。空希が出て行って逆に楽になってるぐらいよ?」
詠矢「なら…いいんだけど…さ」
沙希「はいはい、いいから。お墓洗ってあげて?」
詠矢「んー…」
856: 2013/01/22(火) 23:55:58.65 ID:OFtBr7qi0
たわしと雑巾を受け取ると、詠矢はバケツに張った水を墓石にかける。
それからしばらく、親子二人は言葉も少なく淡々と作業を進める。
墓石を洗い、花を供え、火を付けた線香を立てる。
独特な香りと共に、静かに煙が立ち上がる。
詠矢「…」
沙希「…」
二人はほぼ同じタイミングで手を合わせ、目を閉じた。
詠矢「…」
沙希「…」
拝み終わった後も、詠矢は静かに墓石を見つめている。
沙希「空希…?」
息子の横顔に何かを感じ取った母は、静かに語りかけた。
詠矢「…ん?」
沙希「お父さんのこと…まだ…割り切れてない?」
それからしばらく、親子二人は言葉も少なく淡々と作業を進める。
墓石を洗い、花を供え、火を付けた線香を立てる。
独特な香りと共に、静かに煙が立ち上がる。
詠矢「…」
沙希「…」
二人はほぼ同じタイミングで手を合わせ、目を閉じた。
詠矢「…」
沙希「…」
拝み終わった後も、詠矢は静かに墓石を見つめている。
沙希「空希…?」
息子の横顔に何かを感じ取った母は、静かに語りかけた。
詠矢「…ん?」
沙希「お父さんのこと…まだ…割り切れてない?」
857: 2013/01/22(火) 23:56:49.63 ID:OFtBr7qi0
詠矢「そりゃ…ね…」
詠矢「警察官が殉職なんて…あることなんだろうけどさ」
詠矢「あの…氏に方は…な…」
沙希「そうね…。私にとっても、父さん…流(ナガル)さんはとても大切な人だった…」
沙希「それを急に…あんな形で…だもんね…」
詠矢「悲しいとか辛いとか言うのはもうねえけどさ…」
詠矢「まだ、ちょっとね…」
沙希「…そう」
沙希「…」
沙希「ま、仕方ないわよね」
沙希「でもきっと空希なら、考えて考えて、その向こうに必ず答えを見つけてくれるわ!」
詠矢「こういうのって…考えてどうにかなるもんなのかね…」
沙希「あなたはずっとそうやってきたでしょ?だから大丈夫よ!」
詠矢「警察官が殉職なんて…あることなんだろうけどさ」
詠矢「あの…氏に方は…な…」
沙希「そうね…。私にとっても、父さん…流(ナガル)さんはとても大切な人だった…」
沙希「それを急に…あんな形で…だもんね…」
詠矢「悲しいとか辛いとか言うのはもうねえけどさ…」
詠矢「まだ、ちょっとね…」
沙希「…そう」
沙希「…」
沙希「ま、仕方ないわよね」
沙希「でもきっと空希なら、考えて考えて、その向こうに必ず答えを見つけてくれるわ!」
詠矢「こういうのって…考えてどうにかなるもんなのかね…」
沙希「あなたはずっとそうやってきたでしょ?だから大丈夫よ!」
858: 2013/01/22(火) 23:57:27.14 ID:OFtBr7qi0
詠矢「なーんか、信用されてんだか放任されてんだか…ねえ」
詠矢「でも…ここに来て…悩んでることの答えが一つ出たよ…」
沙希「あらそうなの?ならよかったじゃない」
詠矢「んじゃあ…早速帰って話しないとな」
沙希「…今日はもう遅いでしょ?泊まっていきなさい」
沙希「久しぶりに帰ってきたんだから…ゆっくりしていきなさいよ」
詠矢「そっか…そだな…そんなに慌てて帰ることもないか…」
沙希「そーそ、たまには母さんの言うことも聞いて頂戴!」
沙希「どうせロクなもの食べてないんでしょ?ついでだから…」
沙希「何か美味しいもの食べに行きましょ!!」
詠矢「でも…ここに来て…悩んでることの答えが一つ出たよ…」
沙希「あらそうなの?ならよかったじゃない」
詠矢「んじゃあ…早速帰って話しないとな」
沙希「…今日はもう遅いでしょ?泊まっていきなさい」
沙希「久しぶりに帰ってきたんだから…ゆっくりしていきなさいよ」
詠矢「そっか…そだな…そんなに慌てて帰ることもないか…」
沙希「そーそ、たまには母さんの言うことも聞いて頂戴!」
沙希「どうせロクなもの食べてないんでしょ?ついでだから…」
沙希「何か美味しいもの食べに行きましょ!!」
859: 2013/01/22(火) 23:58:16.20 ID:OFtBr7qi0
(学園都市 とある駅)
詠矢「さあて…戻ってきた…か」
実家で一晩過ごした詠矢は、翌日の午後に学園都市に戻っていた。
詠矢「んじゃ、早速連絡しねえとな…(ポチポチ)」
詠矢「……あ、白井サンかい?いきなり電話して悪いね」
詠矢「いやいや…うん…ちょっと話したいことあってさ…」
詠矢「今から会えないかな?…うん…あ、そうなんか…」
詠矢「んじゃ、そっちまで移動するよ…うん…」
詠矢「じゃあ後で…(ピ)」
詠矢「よっと…」
目的地が決定した詠矢は、淡々と歩き出した。
詠矢「さあて…戻ってきた…か」
実家で一晩過ごした詠矢は、翌日の午後に学園都市に戻っていた。
詠矢「んじゃ、早速連絡しねえとな…(ポチポチ)」
詠矢「……あ、白井サンかい?いきなり電話して悪いね」
詠矢「いやいや…うん…ちょっと話したいことあってさ…」
詠矢「今から会えないかな?…うん…あ、そうなんか…」
詠矢「んじゃ、そっちまで移動するよ…うん…」
詠矢「じゃあ後で…(ピ)」
詠矢「よっと…」
目的地が決定した詠矢は、淡々と歩き出した。
860: 2013/01/22(火) 23:59:15.78 ID:OFtBr7qi0
(とあるショッピングモール)
詠矢「いやいや、どーもこんちわ…」
白井「こんにちわ…何のご用ですの?」
詠矢「ちょっと話したいことがあってねえ…」
詠矢「しかし、外出中だったのか…もしかして仕事中かな?」
白井「いえ、今日は非番ですので…ちょっとショッピングですわ」
詠矢「へえ、一人でかい?」
白井「ええ、あいにく皆さんお忙しいようで…」
白井「お姉さまは言わずもがな…ですわね…」
詠矢「なるほどねえ…じゃあ、用事が済んでからでいいよ」
詠矢「せっかくの休み、邪魔しちゃ悪いしね」
白井「よろしいのですか?」
詠矢「ん、まあ別にそこまで急ぐ話でもねえし…」
詠矢「出来れば早く話してえなと思ってただけだからな」
詠矢「んじゃ、ごゆっくり…時間があれば後で電話してくれ…」
詠矢「いやいや、どーもこんちわ…」
白井「こんにちわ…何のご用ですの?」
詠矢「ちょっと話したいことがあってねえ…」
詠矢「しかし、外出中だったのか…もしかして仕事中かな?」
白井「いえ、今日は非番ですので…ちょっとショッピングですわ」
詠矢「へえ、一人でかい?」
白井「ええ、あいにく皆さんお忙しいようで…」
白井「お姉さまは言わずもがな…ですわね…」
詠矢「なるほどねえ…じゃあ、用事が済んでからでいいよ」
詠矢「せっかくの休み、邪魔しちゃ悪いしね」
白井「よろしいのですか?」
詠矢「ん、まあ別にそこまで急ぐ話でもねえし…」
詠矢「出来れば早く話してえなと思ってただけだからな」
詠矢「んじゃ、ごゆっくり…時間があれば後で電話してくれ…」
861: 2013/01/22(火) 23:59:56.95 ID:OFtBr7qi0
白井「…」
立ち去ろうとする詠矢の背中を、白井が見つめる。
白井「…」
白井「…!(あ)」
突然、白井の中に何かが閃いた。なにやら含みの有る笑顔が自然と浮かぶ。
白井「ちょっとお待ちください詠矢さん!」
詠矢「…ん?どしたね?」
白井「どうせお暇なのでしたら…」
白井「荷物持ちをお願いできませんこと?」
詠矢「そりゃーアレかい?買物に付き合えってこと…かい?」
白井「まあ、そういうことですわね」
詠矢「そりゃまあ…楽しそうだけどねえ…」
白井「詠矢さん、いろいろなことにご興味があるようですが」
白井「女の過酷な買物に付き合ってみるのも、よい経験になりましてよ?」
白井はふふんと鼻を鳴らすと、挑発するような笑顔を浮かべて見せた。
立ち去ろうとする詠矢の背中を、白井が見つめる。
白井「…」
白井「…!(あ)」
突然、白井の中に何かが閃いた。なにやら含みの有る笑顔が自然と浮かぶ。
白井「ちょっとお待ちください詠矢さん!」
詠矢「…ん?どしたね?」
白井「どうせお暇なのでしたら…」
白井「荷物持ちをお願いできませんこと?」
詠矢「そりゃーアレかい?買物に付き合えってこと…かい?」
白井「まあ、そういうことですわね」
詠矢「そりゃまあ…楽しそうだけどねえ…」
白井「詠矢さん、いろいろなことにご興味があるようですが」
白井「女の過酷な買物に付き合ってみるのも、よい経験になりましてよ?」
白井はふふんと鼻を鳴らすと、挑発するような笑顔を浮かべて見せた。
862: 2013/01/23(水) 00:00:36.62 ID:4llnpRlv0
詠矢「…(あ、なんか悪い顔してる)」
詠矢「まあ…いいぜ…お役に立てるんなら…」
白井「では、決まりですわね、参りましょう」
詠矢「うい…」
白井「(フフフ、わたくしが今日どこに行こうとしてたか…)」
白井「(想像も出来ないでしょうね…)」
白井「(ちょっと最近やられっぱなしで面白くありませんでしたの)」
白井「(今日は、少々困らせてやりますわ…)」
白井「…ンフフフフ…」
詠矢「…」
詠矢「…(なんだかねえ)」
白井の背中から立ち上る黒いオーラに不安を感じつつも、その後を黙って付いていった。
詠矢「まあ…いいぜ…お役に立てるんなら…」
白井「では、決まりですわね、参りましょう」
詠矢「うい…」
白井「(フフフ、わたくしが今日どこに行こうとしてたか…)」
白井「(想像も出来ないでしょうね…)」
白井「(ちょっと最近やられっぱなしで面白くありませんでしたの)」
白井「(今日は、少々困らせてやりますわ…)」
白井「…ンフフフフ…」
詠矢「…」
詠矢「…(なんだかねえ)」
白井の背中から立ち上る黒いオーラに不安を感じつつも、その後を黙って付いていった。
863: 2013/01/23(水) 00:01:29.56 ID:4llnpRlv0
(とあるランジェリーショップ)
詠矢「(うわ…なんだこの店)」
ショッピングモールのはずれに有るとある店は、妖艶な店構えのランジェリーショップだった。
白井「(驚いてますわね…しめしめ…)」
白井「さ、入りますわよ…」
詠矢「お…おう…」
詠矢「(おーう…店構えもすごいが売ってるモンもすげえなあ…)」
詠矢「(おわっ!これとか…こんなデザインでどこ隠そうっていうんだよ…)」
詠矢「白井サン…いつもこんな店来てるのか?」
白井「ええ、普通のお店では、わたくしの趣味に合う品があまり手に入りませんでしたが…」
白井「最近ここを見つけまして…重宝しておりますのよ?」
詠矢「あ…重宝って…そうなんか!?」
答える詠矢の声が思わず裏返る。
白井「そうですわよ?…ほらほら…詠矢さん、こういうのいかがでしょう?」
詠矢「って…それ殆ど紐じゃ…」
ただひたすら動揺する詠矢。その姿を白井は満足げに見る。
詠矢「(うわ…なんだこの店)」
ショッピングモールのはずれに有るとある店は、妖艶な店構えのランジェリーショップだった。
白井「(驚いてますわね…しめしめ…)」
白井「さ、入りますわよ…」
詠矢「お…おう…」
詠矢「(おーう…店構えもすごいが売ってるモンもすげえなあ…)」
詠矢「(おわっ!これとか…こんなデザインでどこ隠そうっていうんだよ…)」
詠矢「白井サン…いつもこんな店来てるのか?」
白井「ええ、普通のお店では、わたくしの趣味に合う品があまり手に入りませんでしたが…」
白井「最近ここを見つけまして…重宝しておりますのよ?」
詠矢「あ…重宝って…そうなんか!?」
答える詠矢の声が思わず裏返る。
白井「そうですわよ?…ほらほら…詠矢さん、こういうのいかがでしょう?」
詠矢「って…それ殆ど紐じゃ…」
ただひたすら動揺する詠矢。その姿を白井は満足げに見る。
864: 2013/01/23(水) 00:02:19.83 ID:4llnpRlv0
白井「(フフフ…やはりこの手のことには免疫が無いご様子…)」
白井「(もう少しからかって差し上げましょうか…)」
白井「こっちなかなかいいですわねえ…」
白井「いかがですか詠矢さん?」
詠矢「いや、そう聞かれてもだな…えっと…」
詠矢「…ん…?」
白井「どうしましたの?」
詠矢「…白井サン、こういうの着るんだよな…?」
白井「ええ…もちろんですわよ?」
詠矢「…」
詠矢「…ダメだな…」
白井「はい?」
白井「(もう少しからかって差し上げましょうか…)」
白井「こっちなかなかいいですわねえ…」
白井「いかがですか詠矢さん?」
詠矢「いや、そう聞かれてもだな…えっと…」
詠矢「…ん…?」
白井「どうしましたの?」
詠矢「…白井サン、こういうの着るんだよな…?」
白井「ええ…もちろんですわよ?」
詠矢「…」
詠矢「…ダメだな…」
白井「はい?」
865: 2013/01/23(水) 00:02:56.29 ID:4llnpRlv0
詠矢「似合わねえよ…」
白井「…え?」
詠矢「白井サン、体細いんだからさ、こんな露出度の高いもの着ると」
詠矢「下着だけ浮いちまうぞ」
白井「…な…」
白井「なんですの!人の趣味にケチつけないで頂けますの!?」
詠矢「いや、好き嫌いとは別にだな、似合う似合わないっていう判断基準は明確に有る」
白井「…え?あ、いや…でも動きやすさと掃き心地重視ですから…」
詠矢「あー、違うぞそれ。布地が少ないほど動きやすいと思ってるのは完全な誤解だ」
詠矢「最近の下着は機能性が高くてなあ」
詠矢「体型をサポートして、動きを補助してくれるものが沢山ある」
詠矢「特に白井サンは職務上動き回ることが多いし」
詠矢「こんなネタ重視のもの身に付けてちゃダメだ」
白井「…え?」
詠矢「白井サン、体細いんだからさ、こんな露出度の高いもの着ると」
詠矢「下着だけ浮いちまうぞ」
白井「…な…」
白井「なんですの!人の趣味にケチつけないで頂けますの!?」
詠矢「いや、好き嫌いとは別にだな、似合う似合わないっていう判断基準は明確に有る」
白井「…え?あ、いや…でも動きやすさと掃き心地重視ですから…」
詠矢「あー、違うぞそれ。布地が少ないほど動きやすいと思ってるのは完全な誤解だ」
詠矢「最近の下着は機能性が高くてなあ」
詠矢「体型をサポートして、動きを補助してくれるものが沢山ある」
詠矢「特に白井サンは職務上動き回ることが多いし」
詠矢「こんなネタ重視のもの身に付けてちゃダメだ」
866: 2013/01/23(水) 00:03:27.72 ID:4llnpRlv0
詠矢「…んー」
白井「…」
白井「あの…詠矢さん?」
一人考え込む詠矢。白井はおずおずと声をかけた。
詠矢「確か、その手の店がこのモールにあったはずだ…」
白井「…あの…聞いてます?」
詠矢「よし、見に行ってみよう、確か(ガシッ)こっちだ!」
白井「え?…って…あわわわぁ!」
詠矢は白井の手首を掴むと、そのまま腕を引いて移動を始める。
白井は転移で逃げることも忘れ、引きずられるように連れて行かれてしまった。
白井「…」
白井「あの…詠矢さん?」
一人考え込む詠矢。白井はおずおずと声をかけた。
詠矢「確か、その手の店がこのモールにあったはずだ…」
白井「…あの…聞いてます?」
詠矢「よし、見に行ってみよう、確か(ガシッ)こっちだ!」
白井「え?…って…あわわわぁ!」
詠矢は白井の手首を掴むと、そのまま腕を引いて移動を始める。
白井は転移で逃げることも忘れ、引きずられるように連れて行かれてしまった。
867: 2013/01/23(水) 00:04:10.48 ID:4llnpRlv0
(とある学生寮 上条の自室)
上条「それじゃあ、詠矢をジャッジメントに勧めたっての、美琴だったのか?」
御坂「そそ、黒子に言ってみたの」
テーブルの上に並べられた惣菜に箸を伸ばしつつ、上条は言った。
上条「はー…、美琴からそんな話を出してたなんてなあ」
御坂「そう?私は向いてると思うけどなあ…」
上条「そりゃ俺だってそう思うけどな、ちょっと意外だったぜ?」
御坂「んー…ちょっと…心配なことがあってね…」
上条「…心配って、何だよ」
御坂「黒子のことよ…」
御坂「あの子、ずっとジャッジメントの仕事と、私のことばっかりだったから…」
御坂「私が当麻と付き合いだしてから、ちょっと元気なかったのよね…」
上条「そりゃ、申し訳ないつーかなんていうか…」
御坂「だから、喧嘩友達でも出来ればなあ…ってね?」
上条「喧嘩友達かぁ?…まあ、確かにあんまり仲良さそうじゃないけどな。あの二人」
上条「それじゃあ、詠矢をジャッジメントに勧めたっての、美琴だったのか?」
御坂「そそ、黒子に言ってみたの」
テーブルの上に並べられた惣菜に箸を伸ばしつつ、上条は言った。
上条「はー…、美琴からそんな話を出してたなんてなあ」
御坂「そう?私は向いてると思うけどなあ…」
上条「そりゃ俺だってそう思うけどな、ちょっと意外だったぜ?」
御坂「んー…ちょっと…心配なことがあってね…」
上条「…心配って、何だよ」
御坂「黒子のことよ…」
御坂「あの子、ずっとジャッジメントの仕事と、私のことばっかりだったから…」
御坂「私が当麻と付き合いだしてから、ちょっと元気なかったのよね…」
上条「そりゃ、申し訳ないつーかなんていうか…」
御坂「だから、喧嘩友達でも出来ればなあ…ってね?」
上条「喧嘩友達かぁ?…まあ、確かにあんまり仲良さそうじゃないけどな。あの二人」
868: 2013/01/23(水) 00:04:53.59 ID:4llnpRlv0
御坂「ううん、それは多分違う…」
御坂「言い争えるってことは、相手のことを認めてるってことだもん」
上条「そんなもんなんか…ねえ」
御坂「ま、当麻にはいくら説明してもわからないだろうけどー」
上条「なんだよ、その手の話になるといつもその結論ですな」
御坂「だってそうじゃない…まあいいけどさ」
御坂「とにかくあのコ、しっかりしてるようで危なっかしいトコもあるから」
御坂「詠矢さんみたいな人が支えてくれればいいかなって」
上条「確かに、アイツなら力にはなってくれるだろうな…」
上条「ってもよ、危なっかしいって言えば美琴も同じだぜ?」
御坂「…いーのよ。私には当麻がいてくれるから」
上条「お、そっちに落としますか御坂センセー」
御坂「ふふっ…」
微笑を交わす二人。食事は静かに進んでいった。
御坂「言い争えるってことは、相手のことを認めてるってことだもん」
上条「そんなもんなんか…ねえ」
御坂「ま、当麻にはいくら説明してもわからないだろうけどー」
上条「なんだよ、その手の話になるといつもその結論ですな」
御坂「だってそうじゃない…まあいいけどさ」
御坂「とにかくあのコ、しっかりしてるようで危なっかしいトコもあるから」
御坂「詠矢さんみたいな人が支えてくれればいいかなって」
上条「確かに、アイツなら力にはなってくれるだろうな…」
上条「ってもよ、危なっかしいって言えば美琴も同じだぜ?」
御坂「…いーのよ。私には当麻がいてくれるから」
上条「お、そっちに落としますか御坂センセー」
御坂「ふふっ…」
微笑を交わす二人。食事は静かに進んでいった。
869: 2013/01/23(水) 00:05:35.29 ID:4llnpRlv0
(とあるショッピングモール フードコート)
詠矢「…まことに申し訳ございません…」
小さなテーブルを挟んで差し向かいに座る二人。
詠矢はそのテーブルに手をつき、膝を擦り付ける勢いで頭を下げていた。
白井「まったく…詠矢さん思ったより強引ですのね…」
白井は膝元に置いた紙の手さげ袋に目を落としつつ言った。
詠矢「女の子に下着を勧めて買わせるとか、我に返ってみるとなんと大それたことを…」
白井「もういいですわ…詠矢さん…。最後はちゃんと納得して決めましたし」
白井「店員の方の説明を聞くうちに、わたくしも少し興味がわきましたわ」
詠矢「いやほんとゴメン。論証に入るとつい熱くなっちまって…」
白井「あら、これも論証ですの?」
詠矢「問題に対して思考し、対策を考えて結論を出す。同じことだよ」
許しを得たと解釈したのか、詠矢は静かに頭を上げた。
詠矢「…まことに申し訳ございません…」
小さなテーブルを挟んで差し向かいに座る二人。
詠矢はそのテーブルに手をつき、膝を擦り付ける勢いで頭を下げていた。
白井「まったく…詠矢さん思ったより強引ですのね…」
白井は膝元に置いた紙の手さげ袋に目を落としつつ言った。
詠矢「女の子に下着を勧めて買わせるとか、我に返ってみるとなんと大それたことを…」
白井「もういいですわ…詠矢さん…。最後はちゃんと納得して決めましたし」
白井「店員の方の説明を聞くうちに、わたくしも少し興味がわきましたわ」
詠矢「いやほんとゴメン。論証に入るとつい熱くなっちまって…」
白井「あら、これも論証ですの?」
詠矢「問題に対して思考し、対策を考えて結論を出す。同じことだよ」
許しを得たと解釈したのか、詠矢は静かに頭を上げた。
870: 2013/01/23(水) 00:06:19.92 ID:4llnpRlv0
詠矢「とにかく、気に入らなかったら弁償するからさ」
白井「お気になさらず…下着の一つや二つ着こなしてみますわ」
詠矢「ん…、そういってくれると気が楽だね」
白井「…」
詠矢「…」
会話が終わった後に、なんとも言いがたい間が発生する。
詠矢「…えっとな?」
口火を切ったのは詠矢の方だった。
白井「なんでしょう?」
詠矢「用事も終わったみたいだし、話…いいかな?」
白井「ええ、よろしいですわ…」
詠矢「こないだの、ジャッジメットやってみないかって話だけどさ」
詠矢「申し訳ないけど、お断りさせてもらうわ…」
白井「…」
白井「お気になさらず…下着の一つや二つ着こなしてみますわ」
詠矢「ん…、そういってくれると気が楽だね」
白井「…」
詠矢「…」
会話が終わった後に、なんとも言いがたい間が発生する。
詠矢「…えっとな?」
口火を切ったのは詠矢の方だった。
白井「なんでしょう?」
詠矢「用事も終わったみたいだし、話…いいかな?」
白井「ええ、よろしいですわ…」
詠矢「こないだの、ジャッジメットやってみないかって話だけどさ」
詠矢「申し訳ないけど、お断りさせてもらうわ…」
白井「…」
871: 2013/01/23(水) 00:07:13.20 ID:4llnpRlv0
白井「そう…ですの…」
白井「残念ですわ…。引き受けていただけるものだと、思っておりました…」
詠矢「ゴメンな?」
詠矢「理由…説明しといたほうが、いいかな?」
白井「…差し支えなければ、お聞きしたいですわ」
詠矢「俺の父さんがさ、警察官だったんだ」
白井「だった…過去形ですの?」
詠矢「ん、まあ、殉職してるんだよ」
白井「…!!、そう…でしたの…」
詠矢「白井サンさあ、何年か前に、くすり中毒の暴力団員が、銃を持って民家に立てこもった事件って覚えてるかな?」
白井「ええ…たしかあの時、対応した警官が…え!?…まさか?」
詠矢「そう、そのとき撃たれて氏んだのが俺の父さんなんだ」
白井「…」
白井「残念ですわ…。引き受けていただけるものだと、思っておりました…」
詠矢「ゴメンな?」
詠矢「理由…説明しといたほうが、いいかな?」
白井「…差し支えなければ、お聞きしたいですわ」
詠矢「俺の父さんがさ、警察官だったんだ」
白井「だった…過去形ですの?」
詠矢「ん、まあ、殉職してるんだよ」
白井「…!!、そう…でしたの…」
詠矢「白井サンさあ、何年か前に、くすり中毒の暴力団員が、銃を持って民家に立てこもった事件って覚えてるかな?」
白井「ええ…たしかあの時、対応した警官が…え!?…まさか?」
詠矢「そう、そのとき撃たれて氏んだのが俺の父さんなんだ」
白井「…」
872: 2013/01/23(水) 00:08:08.72 ID:4llnpRlv0
詠矢「父さんは厳格で正義感の強い人だった」
詠矢「最後の最後まで、警察官としての正しさを貫いて」
詠矢「ヤク中のヤクザを安全に確保しようとして…殺された」
詠矢「結構それから大変でさ、心無い奴からいろいろ言われたよ」
詠矢「臆病者とか、腰抜けだとか…なんで先に撃たなかったんだとかさ」
詠矢「それでちょっと荒れてた時期もあったんだけどね…」
白井「…」
詠矢「まあいいや、そんな話は」
詠矢「でも俺は父さんのやったことは間違っていないと今でも思う」
詠矢「現行の法規の中で、最大限正しい判断だったと思う」
詠矢「でも…もし、相手の安全を省みなかったら、『正しい』判断をしなかったら」
詠矢「父さんは氏なずに済んだんじゃないかと思うと…ね」
白井「…」
詠矢「最後の最後まで、警察官としての正しさを貫いて」
詠矢「ヤク中のヤクザを安全に確保しようとして…殺された」
詠矢「結構それから大変でさ、心無い奴からいろいろ言われたよ」
詠矢「臆病者とか、腰抜けだとか…なんで先に撃たなかったんだとかさ」
詠矢「それでちょっと荒れてた時期もあったんだけどね…」
白井「…」
詠矢「まあいいや、そんな話は」
詠矢「でも俺は父さんのやったことは間違っていないと今でも思う」
詠矢「現行の法規の中で、最大限正しい判断だったと思う」
詠矢「でも…もし、相手の安全を省みなかったら、『正しい』判断をしなかったら」
詠矢「父さんは氏なずに済んだんじゃないかと思うと…ね」
白井「…」
873: 2013/01/23(水) 00:08:47.40 ID:4llnpRlv0
詠矢「俺の悪い癖で、いろいろ考えすぎちまってさ」
詠矢「そういうことに整理が付いてない人間が、ジャッジメントみなたいな公的な機関で」
詠矢「働いちゃいけないと思うんだよな…」
詠矢「…ってまあ、そういうわけなんだ」
白井「…」
白井「わかりました」
白井「そのようなご事情がおありなら…仕方ありませんわね…」
白井「わたくしこそ、詠矢さんの心情も考えず」
白井「勝手なことを言いまして…申し訳ありませんでした…」
詠矢「いやいや、謝らないでくれよ!そんなことわかるわけないんだからさ!」
白井「いえ…でも…」
詠矢「こっちこそご期待に添えなくて申し訳ない!」
白井「…」
白井「…詠矢さん」
詠矢「…ん?」
詠矢「そういうことに整理が付いてない人間が、ジャッジメントみなたいな公的な機関で」
詠矢「働いちゃいけないと思うんだよな…」
詠矢「…ってまあ、そういうわけなんだ」
白井「…」
白井「わかりました」
白井「そのようなご事情がおありなら…仕方ありませんわね…」
白井「わたくしこそ、詠矢さんの心情も考えず」
白井「勝手なことを言いまして…申し訳ありませんでした…」
詠矢「いやいや、謝らないでくれよ!そんなことわかるわけないんだからさ!」
白井「いえ…でも…」
詠矢「こっちこそご期待に添えなくて申し訳ない!」
白井「…」
白井「…詠矢さん」
詠矢「…ん?」
874: 2013/01/23(水) 00:09:13.68 ID:4llnpRlv0
白井「詠矢さんのお父様の判断、わたくしも正しかったと思います」
白井「ですが、わたくしも同じような状況になった場合、どのような判断が出来るかわかりません」
白井「同じく法を守るものとして、この話は深く心に刻み付けておきたいと思います」
詠矢「そっか…なんかありがとな?」
詠矢「父さんを認めてくれる人が増えて、ちょっとうれしいよ」
白井「恐縮…ですわね…」
詠矢「んじゃあ…話は終わりだね」
詠矢「俺は失礼するよ」
詠矢は静かに席を立つ。
詠矢「んじゃ、またなー」
白井「ええ…また…」
遠のいていく詠矢の背中を、白井は静かに見つめていた。
白井「ですが、わたくしも同じような状況になった場合、どのような判断が出来るかわかりません」
白井「同じく法を守るものとして、この話は深く心に刻み付けておきたいと思います」
詠矢「そっか…なんかありがとな?」
詠矢「父さんを認めてくれる人が増えて、ちょっとうれしいよ」
白井「恐縮…ですわね…」
詠矢「んじゃあ…話は終わりだね」
詠矢「俺は失礼するよ」
詠矢は静かに席を立つ。
詠矢「んじゃ、またなー」
白井「ええ…また…」
遠のいていく詠矢の背中を、白井は静かに見つめていた。
875: 2013/01/23(水) 00:09:52.31 ID:4llnpRlv0
(常盤台中学学生寮 御坂と白井の自室)
白井「…ふむ」
自室に一人の白井は、買って来たばかりの下着をなんとなく身に着けてみた。
白井「試着のときにも思いましたが…確かに動きやすいですわね」
白井「肌と衣服が衣服が触れ合うことも少ないですし…着心地も悪くありませんわ…」
四肢を軽く動かし、白井は着心地を確かめる。
御坂「ただいまー」
突然扉が開かれる。
白井「お、お姉さま…おかえりなさいまし…」
枕を引っつかんで慌てて体を隠す白井。
御坂「あら…どうしたのその下着」
白井「えっ…いえ…ちょっと…着心地を…」
御坂「ちょっと見せてよ!」
枕を剥ぎ取る御坂。白井にはもう隠す手段はない。
白井「…」
白井「…ふむ」
自室に一人の白井は、買って来たばかりの下着をなんとなく身に着けてみた。
白井「試着のときにも思いましたが…確かに動きやすいですわね」
白井「肌と衣服が衣服が触れ合うことも少ないですし…着心地も悪くありませんわ…」
四肢を軽く動かし、白井は着心地を確かめる。
御坂「ただいまー」
突然扉が開かれる。
白井「お、お姉さま…おかえりなさいまし…」
枕を引っつかんで慌てて体を隠す白井。
御坂「あら…どうしたのその下着」
白井「えっ…いえ…ちょっと…着心地を…」
御坂「ちょっと見せてよ!」
枕を剥ぎ取る御坂。白井にはもう隠す手段はない。
白井「…」
876: 2013/01/23(水) 00:10:36.52 ID:4llnpRlv0
御坂「いいじゃない、ちょっと地味だけど落ち着いた感じで」
御坂「似合ってるわよ?」
白井「あ、ありがとうございます…」
御坂「でもどうしたの?いつものと全然違うじゃない?」
白井「えと…いえ…たまにはちょっと…変化球をと…」
御坂「アンタはいつも着てるのがデッドボール並の変化球でしょうが…」
御坂「たまにはそういうストレートなものも着なさいって…」
白井「お…お姉さまには言われたくありませんわ!!」
白井「お先にお風呂失礼します!」
御坂を押しのけ、白井は逃げるように脱衣場に入ってしまった。
御坂「…なに慌ててるんだか」
御坂「ま、いっか。なんか元気出たみたいだし…」
愛すべき後輩の様子に、御坂は素直に微笑む。
それぞれの思いを包み込みながら、学園都市の夜は静かに更けていった。
御坂「似合ってるわよ?」
白井「あ、ありがとうございます…」
御坂「でもどうしたの?いつものと全然違うじゃない?」
白井「えと…いえ…たまにはちょっと…変化球をと…」
御坂「アンタはいつも着てるのがデッドボール並の変化球でしょうが…」
御坂「たまにはそういうストレートなものも着なさいって…」
白井「お…お姉さまには言われたくありませんわ!!」
白井「お先にお風呂失礼します!」
御坂を押しのけ、白井は逃げるように脱衣場に入ってしまった。
御坂「…なに慌ててるんだか」
御坂「ま、いっか。なんか元気出たみたいだし…」
愛すべき後輩の様子に、御坂は素直に微笑む。
それぞれの思いを包み込みながら、学園都市の夜は静かに更けていった。
877: 2013/01/23(水) 00:11:16.71 ID:4llnpRlv0
以上となります。
この話はこれで完結です。
ありがとうございました。
この話はこれで完結です。
ありがとうございました。
878: 2013/01/23(水) 00:32:28.40 ID:OjKSQPXvo
乙!
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