316: 2010/10/24(日) 22:05:30.25 ID:qoNVKgAO


垣根「ジャッジメントか……悪くねぇ」【前編】



浜面「ぜはー、ぜはぁー……ちょっ……待てって……いや待ってくださいお願いします!」ヨロヨロ

麦野「遅いよ浜面、大の男がだらしない」グイグイ

滝壺「頑張ってはまづら、私はそんなヘタレなはまづらを応援してる」ズリズリ

浜面「シャラアァッップ!!!」

滝壺「」

浜面「俺はフレンダと絹旗を担いで走り回ってんだ!それに対してお前らは何だ!?っつーか滝壺をキャリーバッグみたいに引き摺るなっつの!!」

フレンダ「ダメだよ皆ぁ~!もっと遠くに逃げないと殺されちゃうよ~!」メソメソ

浜面「……」ポイッ

フレンダ「あ痛いっ!?」ベシャッ
とある魔術の禁書目録 5巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
317: 2010/10/24(日) 22:10:02.37 ID:qoNVKgAO
フレンダ「こっ、この馬鹿投げるなっ!こっちはメチャクチャに踏みつけられて腰が限界を迎えてるわけよ!?」プンプン

浜面「うるせぇ!あの戦場から生きて帰れただけでも神様に感謝しやってんだ!!」

フレンダ「あぁそうなのよね、何だかんだで結局生き延びれたわけよ……これも日頃の行いよね……ナンマイダー」ナム

麦野「はーまづらぁ」

浜面「はいぃっ!?」

麦野「アンタ何戻って来ちゃってんの?何か忘れ物でもしたわけ??まさかとは思うけど本当に垣根を倒せると思ってた程アホじゃないよね???」ズイッ

浜面「そ、それは……!」タジ…

麦野「同業者の『グループ』が来てくれたから良かったものを……あのままなら確実に『残骸』は奪われてたよね?もしそうだったらどう責任取るつもり?あ、責任以前にあのまま垣根に銃殺されてたか」アハハ

浜面「ち、違う!俺は来いって言われたから命令通り来ただけだ!一方通行から逃げ切るだけの簡単なお仕事ですって言われたから……」ワタワタ

麦野「ん……誰に?制御役から?」

浜面「……」チラッ

フレンダ「ギクッ!?」

318: 2010/10/24(日) 22:14:29.03 ID:qoNVKgAO
麦野「……ふーん」

フレンダ「……」ダラダラダラ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


麦野「フ、レ、ン、ダぁ~?」

フレンダ「ひゃい!?」ビクッ

麦野「殺されかけたからって垣根に情報売ろうとするわ、風紀委員である一方通行を敵に回すわ……オシオキ程度じゃ済まされないのはわかってる?」ツカツカ

フレンダ(結局殺される!?)

麦野「ちょーっと、頭のネジが弛んでるみたいだね」ガシッ

フレンダ「むむむむむ麦野っ!?一体何を―――!」


麦野「締 め 直 し て 欲しい?」グッ


フレンダ「」


…………ゴキュッ!!



319: 2010/10/24(日) 22:16:40.86 ID:qoNVKgAO
麦野「……さてと、『アイテム』のこれからだけど……」パンパン

フレンダ「ブクブクブク……」ガクガクッ

浜面「アーメンソーメン生ラーメン」

滝壺「南無大師遍照金剛……」ナムナム

麦野「ホラそこ、水でもぶっかけてさっさと叩き起こしなさい」

絹旗「に……ちゃ……」グッタリ

麦野(……こっちはもう使い物にならないか)チッ


    ンデンデンデー♪


麦野「むっ」ゴソゴソ
(アイツか……)

321: 2010/10/24(日) 22:19:22.05 ID:qoNVKgAO


    ウェルカムネコマネキー♪


麦野(調子に乗っちゃダメ~♪)ピッ

麦野「……何よ今更、私ら今忙しいから後にしてくんない?」


    『ここここいつときたらーっ!!いつまで経っても「残骸」が搬入されて来ないらしいんだけどどういう了見よ!?まさか失敗したとか言うんじゃないでしょうねーっ!!?』


浜面「『アイテム』の制御役かぁ……」

滝壺「けたたましいね」

麦野「多分大丈夫よ、『グループ』の構成員が持ってったから」

    『多分って何よこいつときたら!「スクール」が既に学園都市を裏切ってるってのに他の組織も信用出来るとは断言できないでしょーっ!?』

323: 2010/10/24(日) 22:25:09.44 ID:qoNVKgAO
麦野「それだけど……もしかして『猟犬部隊』も裏切ってんじゃないの?何か『残骸』運んでたヤツを襲おうとしてたらしいけど」チラッ

浜面「んだんだ」コクコク

    『アイツらは何せアレイスターの直轄だからね、私達には分かんないわ』

麦野「ちょっ、何よそれ……巻き込まれるとか堪んないっつーの」イライラ

    『はぁー……まぁ良いわ、もし裏切ってたらアンタらに狩らせれば良い話だし……それで「スクール」の残党はどうなのよ?アンタらが生きてるって事はオーダーはクリアしたってのでオッケーかしらん?』

麦野「ん、悔しいけどあっさり戦闘不能にされちゃった」テヘッ


    『また失敗かこいつらときたらあぁぁッッ!!!』


麦野「やっかましいなクソ馬鹿!そして一体どういう事よ!?『スクール』のリーダー垣根帝督、アイツは少なからずウチらの情報を持っていた!!機密レベルは『アイテム』や『グループ』と同等じゃなかったの!?」

    『だって「スクール」の制御役が殺されちゃってたんだもん、こいつときたらっ』クスン

麦野「なん……だと……」

324: 2010/10/24(日) 22:31:48.59 ID:qoNVKgAO
    『こっちのデータの漏洩は何とか途中で防げたけど……あっちは綺麗サッパリ抹消されてる、心理定規とも連絡取れないし本当にこのままじゃヤバいんだってば!』メソメソ

麦野(制御役が殺された……って全然制御仕切れてないじゃねぇか使えねぇ!!)ギリッ

    『―――っつかアンタ、「スクール」の正規の狙撃手ブッ頃したから親船最中の暗殺はないって言ったよね?「アイテム」を配備する程じゃないって言ったよね?こいつときたら!何とか現場の風紀委員と「グループ」が阻止したらしいけど怒られるの誰だか分かってんのー!?』

麦野「心理定規の情報を鵜呑みにしたテメーにも責任はあるだろうが!?」

    『うわーん!うるさいうるさいこいつときたらー!!』

麦野(本当にこんなのが制御役で良いのか……)

フレンダ「う、う~ん……」ムクリ

滝壺「……フレンダ、歪んだ顔してるね」

フレンダ「どういう意味よ!?」

滝壺「頭の角度がおかしい」

フレンダ「え、嘘っ!?治して治して!」

滝壺「うん」ガシッ


…………グリュッ!


浜面「Wow!」

325: 2010/10/24(日) 22:36:02.43 ID:qoNVKgAO
    『とにかく次のオーダーよ、アンタらは「グループ」の援護に回って!「残骸」を「スクール」や、世にも奇妙な「猟犬部隊」に奪われるのだけは何としても阻止―――』

麦野「悪いそれ無理だわ」

    『キーッ!何よそれどーなってんのよーっ!?』

麦野「何故なら、これからその『残骸』を奪おうとするクソ野郎共を皆頃しにするからです」

浜面「えっ」

    『……意味一緒じゃね?』

麦野「結果的にはそうかもね」

    『まぁ良いわ……でもそれ、しくじると同時に人生も終わる位の危機感持って行動しなさいよ』

麦野「え?」

    『今まで積みに積もった失態の数々……アンタら全員クビって意味よこいつときたら!言わせんな恥ずかしい////』

麦野「ちょまっ!!?フザけん……」

    『じゃ、そうならないように頑張りなさいな♪』プチッ


    ツー、ツー、ツー……


麦野「……クソがッッ!!」

326: 2010/10/24(日) 22:38:18.69 ID:qoNVKgAO
浜面「な、なぁ……」

麦野「……なによ?」

浜面「まさかとは思うが……アイツらとまた闘うつもりなのか?」

麦野「そうだね」

浜面「そうだねってお前……っ!」

麦野「―――滝壺」

滝壺「?」

麦野「あのホ〇ヤロー共に逆襲開始よ、氏んでも結果を出してもらうんだから」

滝壺「うん」ゴソゴソ

浜面「おい聞けよ!!」

麦野「うるさい」

327: 2010/10/24(日) 22:40:56.91 ID:qoNVKgAO
滝壺「検索対象は『未元物質』で良い?」パサパサ

麦野「そうね、一方通行の能力使用モードってのは一五分しか持たないらしいし……できるだけ搾り取ってから狙うとしますか」

フレンダ「えぇっ!?ど、どうして一方通行まで……!?」

麦野「あのハゲは『残骸』を破壊しようとしてるわけでしょ?だから私はわざわざこう言ったのよ、『「残骸」を狙うヤツらを 皆 殺 し にする』ってね……これで風紀委員を頃しても問題ナッシン♪」

浜面「何考えてんだよ……勝てるわけねぇだろ!?現にお前だって手も足も出なかったじゃねぇか!!」

麦野「ゴチャゴチャ騒ぐなよ童O、闘うのはアンタじゃないんだからさ」

浜面「お前達の心配してやってんだろぉ!?主力の絹旗なんてマトモに動け―――!!」

麦野「しつっけぇな……うるさいっつってんだろ、なァ?」グイッ

浜面「……ッ」

329: 2010/10/24(日) 22:44:07.31 ID:qoNVKgAO
麦野「まだスキルアウトみたいな仲良し感覚とごっちゃになってるのかなァ……ついさっきアンタ以外の下部組織の連中が目の前で殺されたの忘れちゃった?―――……遊びでやってんじゃないんだよーぅ?」ギロッ

浜面「……!!」ゾワッ

フレンダ「お、落ち着いてよ麦野っ!ね?……ね?」ワタワタ

麦野「……フン、分かったらさっさとアシとシャケ弁見つけてきな」パッ

浜面(こ、怖えぇ~……!)ゲホゲホ

麦野「どうせやるしかないのよ、もう後には引けないんだしさ」

フレンダ「えっ……?」

麦野「終わりだって、『残骸』を奪われたらもう終わり、ここには居られなくなる」

滝壺「……!」ピクッ

330: 2010/10/24(日) 22:45:41.89 ID:qoNVKgAO
麦野「仮に生き延びれたとしても表舞台に居場所なんて無いんだし、アンタ達だってバニー服とか着せられて身体売る生活なんてしたくないでしょ?」

滝壺「やだ……」

フレンダ「結局、一生闇に食い潰される運命なのよね……」ショボン

浜面(バニー服かぁ……良いかも)ボケー

麦野「アンタ達は私みたいにLv5じゃないんだから研究所にも拾ってもらえないだろうし……頑張りなさい、失敗したらジ・エンドにゃん♪」

フレンダ「うぅ……」

滝壺「ん……」ペロッ

浜面(でも……やっぱりおかしいだろ、こんなのアリかよ……)

331: 2010/10/24(日) 22:52:23.88 ID:qoNVKgAO
―――第七学区 地下街


打ち止め「む~、お姉ちゃん達とはぐれちゃったかもってミサカはミサカは現在の状況を確認してみたり」トテトテ

打ち止め「あっ、コレは決して迷子じゃないんだからねってミサカはミサカは釘を刺してみる」ビシッ

打ち止め「―――って強がってみたけど、あの人に会う前みたいでやっぱり一人は不安なのってミサカはミサカは……」グスッ

打ち止め(助けて固法お姉ちゃ~ん!初春のお姉ちゃ~ん!!でも白井のお姉ちゃんはヤダ~!!!)メソメソ


打ち止め「……むむっ!?」ビビッ


打ち止め「うーん、あの人があっちにいる感じがするってミサカはミサカはミサカアンテナからの情報に足を運ばせてみるんだけど……」トテトテ


鋼盾「はががが……!だ、誰か風紀委員を~~~~~~~!!!」ジタバタ


打ち止め「あっ」

332: 2010/10/24(日) 22:56:34.87 ID:qoNVKgAO
不良「暴れんじゃねぇよこのトド野郎、早く金を出さねぇか!?」ゲシッゲシッ

不良「最凶の風紀委員が飛んで来ちまうだろぉ!?このご時世はスピードが大事なんだよ!!」

鋼盾「助けてくれよ僕のヒーロー!!!」


    オマエタスケロヨー

    ムリムリー


打ち止め「あやや~、あんなのってまだ絶滅してなかったんだ……でも都合良くあの人が来てくれるわけないし……!」オロオロ

不良「……よし、あったぜ!」ゴソゴソ

不良「ッッシャアァァ!!急げ!」ザッ


打ち止め「まままま待ちなさい!ってミサカはミサカは腰に手を当ててビシッと大声出してみる!!」ドーン!!



334: 2010/10/24(日) 23:01:58.85 ID:qoNVKgAO
不良「……は?」ピタッ

鋼盾「キタ!風紀委員キ……タと思ったらそんな事なかったー!!?」

不良「んだよ?この可愛いお嬢ちゃんは……」


打ち止め「……ふ」プルプル


打ち止め「ふっっふーんだ!ミサカの保護者は風紀委員なんだもん!それもさっきアナタ達が言ってた最凶の風紀委員、一方通行!!だからアナタ達なんて全然怖くないんだから!!!ってミサカはミサカは虎の威を借りてみたり」フンス

不良「……」

不良「……フーン」シレー

打ち止め「あぁっ!その眼は信じてないよね!?本当だもん!風紀委員だけじゃなくて警備員も自宅警備員も一万人以上のミサカも各種取り揃えてるもん!!ミサカは嘘ついてないもーんってミサカはミサカは必氏に弁明してみたりーっ!!!」ワタワタ

335: 2010/10/24(日) 23:04:56.42 ID:qoNVKgAO
不良「おぉーソイツは恐ろしい……つまり嬢ちゃんよぉ、てめぇを痛めつけりゃあアイツの悔しがる顔が見れるってわけだよな?」ザッ

打ち止め「ほぇっ?」

不良「どうなんだ、えぇ?」

打ち止め「え、え~と……あの人はミサカが大好きだから、その場合仕返しがとんでもない事になっちゃうかもってミサカはミサカは……あ、他にも変態空間移動系能力者もいるしってミサカは更に後押ししてみるんだけど……」タジタジ

不良「そうか……まぁそれが本当の話ならなぁぁ!!?」

不良「ヒャッハー!汚物は消毒だー!!」

打ち止め「ひーっ!?逆効果ぁーっ!!!」ワタワタ


    「……オイ待ちな、何をやってる」


不良「「へっ?」」

鋼盾「あぁっ!?」

打ち止め「ま、まさか……!!?」クルッ


削板「大の男二人がかりでこんな小っせぇお嬢ちゃんをなぁ……スゲェなお前ら、とんでもぇ根性無しだ」ザッザッ



340: 2010/10/24(日) 23:14:22.77 ID:qoNVKgAO
打ち止め(一方―――じゃなかった!!誰っ!!?)

不良「―――何だてめぇは?」ギロリ

不良「オ、オイ!?右腕見てみろ!」ボソッ

鋼盾(あ、あの腕章は……っ!!)

削板「貴様ら小悪党に名乗る名などは持ち合わせていない……と、言いたい所だがッッ!!」シュババッ


    ドドドドドドドンッ!!!


削板「ここは第七七七支部の新人ジャッジメント、削板軍覇と言わせて貰おう!貴様らの腐り切った根性……この俺が入れ直してやるゥッ!!」ビシッ


打ち止め「ジャッジメントぉ~~~~~~~!!!」パアァァ

鋼盾(後ろから色とりどりな爆粉だとっ!?コイツ……出来る!!)

356: 2010/10/26(火) 20:42:41.57 ID:yudgPMAO
不良「チイィ!この馬鹿どうする!?」

不良「落ちけつ!今あの白ランは新人っつったろ?つまりは……」ニヤッ

不良「ただの下っ端風紀委員って事かァ!!」ダッ!

不良「二対一だ!大人しくくたばりやが―――!」


    ズダンッッ!!!


削板「―――覇ッッ!!!」ドウッ!


    ブオオァァアアアアアッッ!!!


不良「「お……おおォォぉぉぉぉぉぉぉ―――!!?」」ブアァッ


…………バガラッシャアアァァァァン!!!



357: 2010/10/26(火) 20:44:47.16 ID:yudgPMAO
削板「……足りねぇなぁ、根性が全然足りてねぇ、わざわざ拳を振るうまでもないとはどういう事だ?」


不良「「は……が……」」ピクピクッ


打ち止め「ひ、ひえぇ~っ!ってミサカはミサカは口を開けて驚愕してみる……」ポカーン

削板「気絶されちまったら根性入れ直せないな、一昨日来やがれスットコドッコイ」

鋼盾「な、何だそれ……アホすぎる……!何なんだ今の衝撃破は……!?」ゴクリ

削板「己の周囲に不安定な波を発生させ、それを一気に四散させる……その名も新技、すごいフィールド!!」ガハハ

鋼盾(最初の踏み込みで床が砕けている……このパワーは……!?)

削板「嬢ちゃんにそこの肉ダルマよ、ケガはねぇか?」

359: 2010/10/26(火) 20:47:51.13 ID:yudgPMAO
打ち止め「すっごーい!ありがとうお兄ちゃんってミサカはミサカは感謝の気持ちを現してみたり!」ペコリ

鋼盾(肉ダルマ……)ヒクッ

削板「たった一人でヤンキーに立ち向かうたぁ大した根性だな!」ニカッ

打ち止め「えへへ、誉められちゃったかもってミサカはミサカは頬を染めてみたり」テレテレ

店主「……」ツンツン

削板「ん?」クルッ

店主「コレ、破壊した店の修理代ね」ペラッ

削板「どれどれ、ヒーフーミー……ヨー……」


削板「……」パクパク

360: 2010/10/26(火) 20:48:25.33 ID:yudgPMAO
打ち止め「わぁ、ゼロがいっぱいだぁ」

削板「ぬ……!」プルプル

鋼盾「ぬ?」

削板「ぬがあーっ!!」ビリビリバリ

店主「なっ!!?」


削板「すごいエスケープ」スタコラサッサ


打ち止め「あぁっ!待ってよ~!!」トテトテ

店主「逃げやがった!!?だ、誰かその風紀委員を捕まえてー!!」

鋼盾(何だったんだ……)

361: 2010/10/26(火) 20:53:09.65 ID:yudgPMAO
―――第七学区 とある街角


固法「ふっふふん♪ふっふふん♪ふっふっふ~ん♪」テクテク

初春「はうぅ……」ガタガタ


    ンデ…♪


初春「!!」ビクッ


    ンデンデー♪(ニャア)ニャーンデ♪


固法「むふー、キタキタ♪」ピッ

初春(白井さんらめぇええぇぇぇぇぇぇ!!!)

黒子『初春ーっ、次は何処に行けばよろしいんですの?』

固法「そうねー、まずは私のトコまで戻って来てくれる?このバカチン」

362: 2010/10/26(火) 20:54:48.66 ID:yudgPMAO
黒子『―――って!せ、先輩!?何故に初春のケータイに……!!?』

固法「あらぁ、いちいち説明が必要かしら?」ニコニコ

初春(そ、相当怒ってますよーっ!!)ヒーッ!

黒子『ぐぐ……!』

固法「犯人、追ってるんだって?それも大ケガしてるにも関わらず」

黒子『申し訳ありませんの……私の責任ですの』

固法「責めるつもりは毛程も無いわ、私が怒ってるのは今の白井さんの行動よ」

黒子『しかし……』

固法「また独断専行?前もこんな事あったわよね……自分の力量も考えずに突っ込んで、沢山の人に迷惑かけて」

黒子『……』

初春(……白井さんが悪いんですからねー)

363: 2010/10/26(火) 20:57:32.59 ID:yudgPMAO
固法「今回も一時の感情に流されて追いかけ回してるんでしょうけど……もしかしてアレから何も学んでないのかしら?」

黒子『し、しかし結標を追えるのは……!』

固法「そうね、確かに空間移動系能力者なら警備員の包囲網さえ簡単に突破できるかもしれない」

黒子『ですから―――』

固法「無理ね……今の白井さんでは彼女を捕らえるのは不可能よ、勝る要素が一つも無いんだから返り討ちが関の山とは思わない?」

黒子『……』

初春「ふえぇ……」オドオド

固法「黙らないの、何とか言ってみなさい」


黒子『……「己の信念に従い、正しいと感じた行動を取るべし」』


初春「ッ!」

364: 2010/10/26(火) 21:00:13.64 ID:yudgPMAO
黒子『この言葉を私に教えて下さったのは他でもない……固法先輩、アナタではありませんの』

初春「はわわ……!」

黒子『私はジャッジメントの白井黒子ですの、身を呈して街の人々を守るのが我々の役割でしょう!?」

固法「……」

黒子「例え先輩に何を言われようと……ここで退くわけには参りませんの!!』

固法「……えぇ、その通りよ白井さん」

黒子『……』

黒子『……はい?』

固法「ゴメンなさいね、試すようなマネしちゃって」ニコッ

初春「???」

黒子『ま、まったく……お人が悪いですわよぉ……』ホッ

365: 2010/10/26(火) 21:03:53.34 ID:yudgPMAO
固法「また熱くなって周りが見えてないかもって心配だったんだもん……でも、その調子なら大丈夫かな?」

黒子『セ口リさんのような危なっかしい方が下に入って来て、私も先輩の今までの苦労を知りましたもの』

固法「……そっか、やっぱり一通くんと白井さんを組ませたのは間違いじゃなかったみたいね♪」

黒子『はいデスノー』

初春「ほぇ~、『人のフリ見て我がフリ直せ』って言いますもんね、先輩ってばそこまで考えて……」

黒子「先輩、警備員は……」

固法「ん、何故かは知らないけど……警備員はこの事件には消極的なのよね、取り入ってくれたのは区間道路の閉鎖程度」

黒子『やはり……』

固法「まぁ何が起こっているにしろ……警備員が動けないのなら、私達―――」

黒子『風紀委員が動くまで、ですの♪』

初春「はいです!」

固法「ちなみに……こっちも結標さんについて面白い情報を手に入れたのよ?」フフッ

初春「私が見つけたんですよー!」

黒子『情報……?』

366: 2010/10/26(火) 21:06:13.58 ID:yudgPMAO





    ドッッッッッッッ!!!!


猟犬「ヤラレマシター」バタリ

一方通行「……さてどォする?木原を追うにしてもアテがねェ」ポリポリ

垣根「んー?」ゴソゴソ

一方通行「なァにコイツらの服漁ってンだァ?オマエやっぱりホ―――」

垣根「知ってるか?『猟犬部隊』ってのは女もいるんだぜ……お、コイツかな」ヒョイ

一方通行「ンだァ?その拳銃みてェなマイクみてェな……」

垣根「何だと思う?」ニヤニヤ

一方通行「チッ……オイ」

猟犬「ッ!?」ビクッ

一方通行「わざわざ一人だけ残してやった意味は分かンだろ、説明しろ」

猟犬「……」

垣根「おっ、黙り利かすつもりだぜコイツ」

367: 2010/10/26(火) 21:08:09.57 ID:yudgPMAO
一方通行「その小っせェ脳ミソで良く考えろボケ、俺達と木原……どちらに付けばオマエはより長く生きられるのかをな」

猟犬「グ……」

垣根「俺達を殺せなかった時点でテメェらの氏刑は確定してんだろ、くだらねぇ事に時間を食わすな」

一方通行「氏ぬか生きるか……オマエが選べよ」

猟犬「……」

猟犬「―――……そ、それは『嗅覚センサー』……対象の匂いを記憶して追跡する為の小道具だ」

一方通行「……ほォー、要は警察犬の機械化か」

垣根「コイツで標的に近づき、重武装でさっさと頃すのが『猟犬部隊』のやり方ってわけだな」

一方通行「気に食わねェな、必ず奇襲される側に回っちまうってなァ好ましくねェ」

垣根「木原はさっきの女の血をアテに追跡してるハズだ……どうする、白井お嬢様のピンチだぜ?」

368: 2010/10/26(火) 21:10:29.17 ID:yudgPMAO
一方通行「心配ねェよ、アイツらは空間移動系能力者……点から点への移動なら嗅覚センサーで追うにしても難航するハズだ」

垣根「ふんふん」
(やっぱそう考えるか……)

一方通行「それならコイツを利用して逆に奇襲してやるってのもイイが……まァ木原の事だ、そン位は想定して匂いを消す対策はしてンだろ」

垣根「そうなのか?」

猟犬「あ、あぁ……匂いを消す洗浄剤ってのがある」

一方通行「オマエはソレを持ってンのか?」

猟犬「いいや、足跡を追う係と消す係は分業だ……持ってない」

一方通行「チィ……抜かりねェな、あのインテリヤローは」

369: 2010/10/26(火) 21:12:31.54 ID:yudgPMAO
垣根「テメェらの移動手段は?」

猟犬「此処に来るまでは黒のワンボックスだった……が、パレードの準備やら親船暗殺未遂やらで交通規制が酷い、車両での移動は無いかもしれない」

一方通行「……いンや、木原にそンなモンは関係ねェ……その気になりゃブルドーザーで爆笑しながら渋滞を無双しかねないよォなイカレたクレイジー野郎だ」

垣根「だったらどうする?嗅覚センサーでは木原も白井も追えやしねぇぞ」

一方通行「まさか馬鹿みてェにあの大人数で一人を追跡するわけじゃねェだろ……野郎の目的は『残骸』だけじゃねェ、俺を如何に苦しめて頃すかで頭ン中いっぱいだろォよ……っつー事ァ―――」

猟犬「な、なぁ……」

一方通行「……あン?」

猟犬「ほ、本当に大丈夫なんだろうな?アンタ達を信じても良いんだよな?」

一方通行「チッ、ごッちゃごちゃやかましい野郎だなァ」

猟犬「嫌だ、氏にたくない……」

垣根「……ッ」イラッ

370: 2010/10/26(火) 21:15:54.72 ID:yudgPMAO
猟犬「氏にたくない……氏にたくない!氏にたくないんだよ!!だから助けろよ!!!アンタ達は街の人間を守る風紀委員だろうがよ!!?」

垣根「……オイ、何言ってやがんだテメェ」グイッ

猟犬「ひっ……!?」

垣根「闇の世界に浸っておいてテメェの口から『氏にたくない』だの表の組織に『助けてくれ』だの……」

猟犬「うっ、うぅぅ……!」

垣根「寝言を言ってんじゃねェぞボケが、テメェはそうやって命乞いしたヤツらを何人も頃して来たハズだ、そんな人頃しにまだ救いの道が用意されてると思ってやがんのか、あぁ?」

一方通行「……」

猟犬「……何だよ、怒ってんのか?何なら頃してみろ!正義の風紀委員が俺を殺せるのか!?出来るわけないよな?はははっ!」

垣根「……」

猟犬「はははっ、はは……は……―――え?」ゾク…


垣根「……ムカついた」ギロッ


猟犬「ヒ……!?」

371: 2010/10/26(火) 21:18:48.29 ID:yudgPMAO
一方通行「待て、よせよ垣根ェ」ガシッ

垣根「……あ?」

一方通行「ソイツの言う通りだ、相手がどンなクズだろォが頃しちまうのは許さねェぞ」

垣根「はっ、ヌリぃ台詞吐いてんじゃねぇぞ一方通行……こんなゴミ一人燃やした所で何の罪にも問われやしねぇよ」

一方通行「そン時は俺がオマエを裁く」

垣根「……ほおォ~」ニヤリ

猟犬「ち、ちくしょう……もう嫌だ!お前ら全員バケモノだ!!殺される……俺達は木原さんに殺される!い、いやヘタしたら……こ、頃してもらえないかもしれない……!!」

一方通行「……そンなに氏ぬのは嫌か」

猟犬「あ、あぁ」ガタガタ

一方通行「このまま生き延びてェか」

猟犬「あああ当たり前だろおォォ!?さっきからそう言ってるじゃねぇか!!氏んだ方が良いなんて生き方じゃねぇ!ちゃんと大手を振って生きてみてぇよ!!」

一方通行「よォ~っく分かってンじゃねェか」ニヤリ


…………グシャッッ!!



372: 2010/10/26(火) 21:22:38.71 ID:yudgPMAO
猟犬「え……?」ズキン

垣根「ヒュ~ッ♪」

猟犬「が!?うぎゃあああああああああああッッッッ!!?脚が……!俺の脚があああああぁぁぁぁぁ!!!」ジタバタ

一方通行「三下が、美学が足りてねェからこォいうハメになるンだよ……こンな世界に生きて、散々人ォ踏みつけにして、オマケに俺達や木原を敵に回してまだ幸せに生きてみたいだと?」

猟犬「ぐぎっ……い゛……」ガタガタ

一方通行「上等だ、オマエは氏なねェよ……そォ簡単に氏ぬのは俺が許さねェ、生きて氏ぬまで詫び続けろよ、己の過ちってヤツをなァ」

猟犬「お、お前は……わかってないからそんな台詞が言えるんだ、木原さんの本性を……あの人は相手が地球の裏側にいようが笑顔で頃しに来るような人なんだ……俺だって知らなきゃ良かったよ、あの人の恐ろしさを……ッッ!!」ズキズキ

一方通行「ほォ、そォかい」ピッピッ

猟犬「き、聞いてんのか……!?」

一方通行「感謝しろよ、今病院に運ぶよォに手配してやっからよ」

猟犬「病院に行った所で何になるってんだよぉ……警備員は上から圧力が掛かって動けないんだ……」

一方通行「俺がアテにしてるクソ医者は一応患者を見捨てるよォな人間じゃねェらしい、涙が出るよォな話だな?」

373: 2010/10/26(火) 21:25:44.50 ID:yudgPMAO
一方通行「治療を受けてェならオマエの身体はオマエが守るこったな、それまでに木原のクソが俺にボコボコにされちまえば話は別だが」

猟犬「な、なんだ……アンタ、実は良いヤツだろ?」

一方通行「……ンなわけねェだろ、俺ァ悪党だ」

一方通行「―――正義名乗ンには程遠い……クソッタレの悪党だよ」

垣根(フン、風紀委員の身分で悪党……ね)

猟犬「うぅ……ぅ」バタリ

垣根「あーあ、気絶しちまったよ」

一方通行「チッ、まだ聞きてェ事が山ほどあンのによ……」

垣根「俺達の時間稼ぎを課せられるような使い捨てだ、どうせ大した情報も持ってねぇよ」

一方通行「木原を直接叩くしかねェって事か……」

374: 2010/10/26(火) 21:27:26.74 ID:yudgPMAO
垣根「そうだな、んじゃ……俺は先に行くぜ」ザッ

一方通行「行くって……何処にだよ?」

垣根「白井に加勢して勝利を確実の物にする……そうだな、ついでに『残骸』もブッ壊しといてやるよ」

一方通行「嗅覚センサーは使えねェンだぞ」

垣根「俺には俺のやり方がある……気にすんな」

一方通行「……アテがあンのか?」

垣根「んなモンねぇよ」

一方通行「おいィ?」

垣根「だがな、俺は『未元物質』の垣根帝督……常識が通用しない男だ」ニヤリ

一方通行「何だそりゃ?だったら初春さンと連絡とりゃイイ、アイツは結標を追える手段を持ってっからよ」

垣根「ははっ、流石は風紀委員の『守護神(ガーディアン)』……」

375: 2010/10/26(火) 21:29:45.85 ID:yudgPMAO
一方通行「……悪りィな」

垣根「は?」

一方通行「俺の勝手に付き合わせちまってよォ」ポリポリ

垣根「ぅげっ……」ゾワッ

一方通行「……ンだよ?」


垣根「気持ちが悪りぃ」


一方通行「チッ、うるせェよ」

垣根「くくっ、まさかテメェの口からそんな台詞が飛び出すたぁな?」ニヤニヤ

一方通行「うるせェっつってンだ」ケッ

垣根「構わねぇって、仲間なんだろ?……俺達は」ニッ

376: 2010/10/26(火) 21:33:06.84 ID:yudgPMAO
一方通行「……なァ、垣根ェ」

垣根「ん?」

一方通行「俺ァさっき偉そォにオマエを止めたけどよ……以前の俺ならコイツをブチ頃してたかもしンねェ」

垣根「そうしなかったのは今のテメェは風紀委員だから……か?」

一方通行「まァ……確かにそれもあるだろォよ、だがそれ以外にも……」

垣根「……何だ?」

一方通行「……ハッ、何でだろォな?わっかンねェ」

垣根「俺はさっきからテメェの言ってる意味が分かんねーがな」

一方通行「チッ、平和ボケしてヤキでも回ったンだろ……ちくしょォめ」

377: 2010/10/26(火) 21:40:19.75 ID:yudgPMAO
垣根「忠告しといてやるよ、これからアイツらと闘おうってんなら……さっきみてぇな甘さは捨てた方が良いんじゃねぇか?正義の悪党よ」

一方通行「俺ァ……」

垣根「じゃないと氏ぬぜ?テメェだけじゃねぇ……テメェが守ろうとしてるアイツらも、だ」

一方通行「……」

垣根「……あばよ、一方通行」ザッ

一方通行「なァ垣根……オマエは―――」クルッ

一方通行「……って」

一方通行「チッ、消えンのが早えェっつーの……」フゥ


一方通行「……」


一方通行(甘い……か、確かにな……)

392: 2010/10/27(水) 06:53:49.39 ID:t8aqDsAO
―――とあるビルの屋上



結標「うぇ……気分悪ぅー、休憩休憩……」ストン

結標(あの風紀委員を撒く為とはいえ……何度も自分を飛ばすのはやっぱキツいのよね……)フゥ


結標「―――……うふっ♪」


結標「……ふふ、うふふふふ……♪でも『残骸』は手に入れたんだし……後はコレを『グループ』の隠れ家に持ち帰れば任務完りょ―――」


    「お 待 ち な さ い な ♪」


結標「……へ?」


…………ヒュガッッ!!


結標「ぎィ……っ!?」ズキッ!


    ドスッ、ドブ!ガシュッッ!!


結標「うぁ……!?ぁぁぁぁああああああああ゛あ゛あ゛っっっ!!?」


黒子「ごめんあそばせ♪あまりにも隙だらけでしたので狙い撃ちしてしまいましたの」ニコニコ


394: 2010/10/27(水) 06:57:42.87 ID:t8aqDsAO
結標「ぃあ゛っ……!う…あぁ……!!」ゴロンゴロン

黒子「あらあら、それほど無様にのたうち回られればダーツが余計に食い込んでしまいますわよ?」

結標「な、何故……?何故……此処が……!?」ズキンズキン

黒子「んまっ、浅薄ですのね……二度や三度の空間移動ごときで我々風紀委員の目から逃れられると本気でお考えでしたの?」クスクス

結標(監視カメラは避けて移動した、人目に付かないように屋根を飛んだ……まさか……!)ハッ


結標「まさか……衛星……!?」


黒子「……ご名答、しかし気付くのが少々遅かったみたいですわね」

結標「そんなのあり得ない……いくら風紀委員と言えど、こんなにも早く衛星使用の許可が下りるハズが……!」

黒子「一七七支部には憎ったらしいですが優秀なオペレーターがおりましてね……許可を取るより奪った方が早いでしょう?」

結標「奪う……?―――……成る程、その優秀なオペレーターとやらは今、アナタのその耳に付いている……」スッ


…………ヒュンッ


結標「このヘンテコな携帯端末の向こう側にいるのかしら?」パシッ

黒子「……『座標移動』……」


395: 2010/10/27(水) 07:03:47.70 ID:t8aqDsAO
結標「それなら話は簡単、この端末を……」ポロ…ッ


…………ガシャッ!


結標「こうやって踏み潰してしまえばアナタはもう私を追って来る事はできない……!」ゴリゴリ

黒子「他人の所有物の窃盗、及びそれの破損……また罪を増やしてしまいましたわね、結構気に入ってましたのよ?その携帯電―――」

結標「……一々 う る さ い のよ、アナタ」スッ

黒子(来る……!上っ!?)ヒュンッ


…………ゴッシャアァッッ!!!


結標「私の『座標移動』の転移可能最大重量は四五二〇kg」

黒子「今のように貯水タンクを飛ばす程度なら造作もない、とでも?」シュタッ

結標「そうね、不出来なアナタと違って……」スッ


    ガオンッッ!!!


黒子「ちッ!!」ヨロッ…
(私の足場の空間ごと……ッ!?)

結標「―――優 秀 な 私なら!!」ヒョイ


396: 2010/10/27(水) 07:07:15.76 ID:t8aqDsAO
黒子(また頭上に……はん)

結標「サンドイッチにしてあげるわ……!白井さんッ!!」

黒子「……ワンパターンですこと」ボソッ


    ガラガラガラガラガラァァ!!!!


結標「アハハハッ!アハハハハハハハハ!!アハハハハハハハ―――!!!」


    ヒュンッ


黒子「演算が複雑な能力者同士の闘いは……肉体よりも精神と精神の削り合い」シュタッ

結標「ハ……!?」

黒子「先に飛べなくなった者が敗れますのよ?」ヒュパッ


    ザスンッ!!


結標「あぁっ!?」
(警棒が……!)

黒子「どちらを向いてますの……よッッ!!」ブンッ!

結標(しま……っ!!)


    ズドッッ!!!


結標「ぐぎゅ……ぃっ!!?」メキメキッ…!

黒子(このまま……振り抜くっ!)グンッ!


…………ドッシャアァッッ!!


結標「あううぅっ!!」

397: 2010/10/27(水) 07:11:44.40 ID:t8aqDsAO
黒子「……油断大敵、物事はそう自分の思い通りには進まないモノですわよ?」

結標「痛ァっ……!ぁい……あ゛……!?」ビクッビクン
(い、息……が……!!?)

黒子「とてつもなく痛いでしょう?学生鞄の角で思いっきり殴られるのは」

結標「はぁー……!はー……っ!!はー……!!!」

黒子「『座標移動』の弱点は……その強力すぎる能力故、繊細な制御を行う場合に著しく不安定になってしまう事ですの」

結標「はー……、はー……」ガクガクッ

黒子「ですからアナタは警棒を振るって能力に基準を付けていたわけですのね……まぁ、それも先ほど私がルーズリーフで真っ二つに切断させて頂きましたが」

結標(わ、私が……負け…る……?最もLv5に近い……この、私が……!?)フラッ…

黒子「警棒を失ったアナタは今までのように能力を上手く扱えない……投降なさいな、これ以上の戦闘は無意味ですのよ?」

結標「ハァ……ハァ……わ、悪いけど……それはできないわ?」ストッ

黒子「む……?アナタが腰掛けているキャリーケース……ホテルの一室では持ってませんでしたわよねぇ?」

398: 2010/10/27(水) 07:13:10.93 ID:t8aqDsAO
結標「あ、あら……そうだった……かしら?」ハァ…ハァ

黒子「……ソレには何が入ってますの?まさかさっきの狙撃手のバラバラ氏体では……」

結標「アナタには……うっ!……関係ない……物、よ」

黒子「まぁ……宜しいですわ、どうせ後で分かる事ですし」フンッ

結標(悔しい……けど、ここは……!)フー…


…………ヒュンッ


黒子「……あら」キョロキョロ

黒子(あの状態で空間移動を……しかし、移動したポイントでしたら大方予想はできますの)

黒子「私とアナタの能力は非常に良く似ていますものね……また直ぐにお会いしましょうか、結標淡希さん?」ザッ


…………ヒュンッ



410: 2010/10/27(水) 21:03:48.91 ID:t8aqDsAO



滝壺「……対象は南西へ現在も高速移動中」

麦野「浜面」

浜面「渋滞なんだよ、無茶言うな」

フレンダ(このまま時間が解決してくれるってのは……無いわよね、結局)ボケー

麦野「もうシャケ弁無くなっちゃった……あー、何かイライラしてきた……」イライラ

フレンダ「ははは浜面二等兵っ!!」ワタワタ

浜面「くっ……これが最後のシャケ弁だっ!味わって食え!」スッ

麦野「今日のシャケ弁……何だか昨日とは違う気がするんだよにゃーん」モグモグ

浜面(いやいや、どれも一緒だろ……)

フレンダ(お弁当食べてる時は機嫌が良いわけよ)フゥ

絹旗「スー……スー……」

411: 2010/10/27(水) 21:05:48.27 ID:t8aqDsAO
滝壺「はー……はー……」

フレンダ「ちょっと滝壺……大丈夫!?」

滝壺「う……ん、大丈夫だよ、フレンダ」ハァ…ハァ

フレンダ「で、でも変な汗かいてるじゃん!」フキフキ

麦野(滝壺の限界も近い……此処でモタついてる暇は無いって事か)モグモグ

浜面「なぁ麦野、やっぱり病院に連れてった方が……」

麦野「ごちそーさん、充電完了!」ガチャ

浜面「お、おい!?」

麦野「滝壺にフレンダ、こっからは歩いて行くよ」

フレンダ「う、うん……」ガチャ

滝壺「あ……ま、待って……」フラッ


…………ドサッ



412: 2010/10/27(水) 21:07:39.93 ID:t8aqDsAO
フレンダ「滝壺っ!?」

浜面「あ……っ!」

滝壺「だ、大丈夫……大丈夫だから……」ハァ…ハァ

麦野「……滝壺、やっぱアンタは付いて来なくて良いわ」

滝壺「っ!?わ、私……まだやれるよ……!!」

麦野「えっ?当たり前よ、だから垣根の位置は電話で知らせて?フラフラのアンタが一緒でも私達にとっては一利も無いから」

滝壺「……っ」ハァ…ハァ

麦野「安心なさい、言ったでしょ?氏んでも結果を出してもらう……って♪」ニコッ

浜面(あ、アンタにとっちゃ仲間ってのはその程度のモンなのかよ……!?)

麦野「浜面は此処で待機、絹旗が目覚めたら大至急こっちに向かわせてね」ザッ

浜面(もうアンタには……付き合いきれねぇよ……!!)ギリッ

413: 2010/10/27(水) 21:10:04.44 ID:t8aqDsAO
フレンダ「ゴメンね浜面……二人をお願い」タタッ

浜面「……くそっ」

滝壺「はぁ……はぁ……」グッタリ


浜面「何でだよ……っ!意味分かんねぇ……!!」


滝壺「はまづら……?」

浜面「勝てる勝てないの問題じゃねぇ!命懸けで闘って……たとえそれで勝ったとしてもだ!!」

滝壺「……」

浜面「それで得られるのはアイツ一人の自己満足だけじゃねぇのかよ!?結局はアイツが気に入らない野郎をブチ頃したいだけじゃねぇのかよッッ!!?」バンッ!

滝壺「……『アイテム』だけだから」

浜面「……え?」

滝壺「私達の居場所……此処だけだから……」ゼーゼー

414: 2010/10/27(水) 21:13:47.96 ID:t8aqDsAO
浜面「だからってお前……」

滝壺「はまづらも……スキルアウトっていう居場所を失いたくなかったから、風紀委員……一方通行と闘ったんでしょ?」

浜面「……ッ」

滝壺「それと……一緒だよ……」フー…

浜面(……あぁ、そうか……俺はあの時……一方通行にやられた日……)


―――『ぎゃはははははははははッッ!!!何だなンだァ!?頃す覚悟ァあっても殺される覚悟はねェ……ってかァァ!!?』―――


浜面(俺は今のコイツらみたいに……何かの為に命を懸けてまで闘う事ができなかったんだ……)

滝壺「……どうしたの?はまづら……」

浜面(ついさっきだって……ちくしょう……俺は……っ!!)

絹旗「んぅ……?」パチ

浜面「絹旗……?目ェ覚ましたのか」


絹旗「お兄ちゃん」


浜面「……は?」

417: 2010/10/27(水) 21:18:17.04 ID:t8aqDsAO
絹旗「あれ……お兄ちゃんは?」キョロキョロ

浜面「目覚めたと思ったら開口一番何を仰っているのでせうか絹旗さん、話が全く見えないのですが」

絹旗「超浜面っ!!」グイッ

浜面「ひっ!?」

絹旗「私のお兄ちゃんは一体何処に行ったんですかあぁっ!!?」ギリギリギリ

浜面「ぐ、苦じい氏ぬ……首から手を離してくださいますか絹旗さん……生命の維持が困難ですたい……」ミシミシミシ

絹旗「お兄ちゃん……せっかく会えたのに……!」ガチャ

浜面「ぅげほっげほっ!!……ぅおぉーいっ!?お前まで何処に行くつもりなんだよーっ!!?」


    オニーチャーン!!ドコデスカー!?


浜面「くそっ、何なんだよ……アイツって兄妹いたのか?」

滝壺「いないと思う、私達は『置き去り』だから……」

浜面「……そうか、悪りぃ」

滝壺「良いよ別に、私は気にしてないし」


418: 2010/10/27(水) 21:20:06.48 ID:t8aqDsAO
浜面「……」

滝壺「……」

浜面「……よっしゃ、俺達も行くぞ滝壺!」ガチャ

滝壺「え……?」

浜面「病院だよ病院、ほら掴まれ」スッ

滝壺「でも……」

浜面「絹旗もどっか行っちまったし、このまま此処に留まってる理由もねぇだろ?」


滝壺「―――っ!!?」ゾワッ



419: 2010/10/27(水) 21:23:03.17 ID:t8aqDsAO
浜面「俺バカだからさ、難しい話は良くわかんねぇよ……でもこれだけはわかるんだ、お前みたいな―――」


滝壺「逃げて」


浜面「……へ?」

滝壺「はまづら……!私の事はいいから早く逃げてっ!!」

浜面「逃げろってお前……何言って……?」


    「おー、いたいた」


浜面「う……ッ!!」ゾク…
(この……声は……!?)

420: 2010/10/27(水) 21:23:55.00 ID:t8aqDsAO


…………ドクン


浜面「あ、ああぁ……!!そんな……嘘だろ……!?どうしてアイツが……!!?」

滝壺「お願い……はまづら、お願いだから……」


…………ドクンッ!



    「見つけた見つけた」ザッザッ


滝壺「早く……逃げてっ!」

浜面「……最悪だ、ちくしょう……」ギリッ


…………ドクンッ!!


浜面「『未元物質』……!垣根…帝、督……っ!!」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


垣根「……見 つ け た、よん♪」ニィッ



435: 2010/10/29(金) 20:08:05.96 ID:DBsm1gAO
―――とある駅前



一方通行(チンタラやってたら大分時間を食っちまったか……)ピッピッ


    トゥルルルル……カチャ


一方通行「こンのクソガキャアアア!!オマエ一体今何処にいやが―――!!!」


    『うっっるさあああいっ!!耳元で怒鳴るな三下ァッッ!!!』


一方通行「うえェっ!?」ビクッ

    『……ふふ、教えてあげるわ一通くん……私の怒りはグレンラガンも真っ青な程に限界突破してるのよ?ふふふのふ』

一方通行「そ、その声……まさか眼鏡先輩っスかァ……?」オドオド
(このテンションは……キ、キレてやがる……だと……!?)

固法『……まったく、今何処にいるか聞きたいのは私の方よ!いっつもいっつも勝手ばかりして!!本当に怒られるのが大好きみたいね一通くんはっ!!!』


436: 2010/10/29(金) 20:11:19.63 ID:DBsm1gAO
一方通行「で、でもよォ……でもですよォォ……!?」アセアセ

固法『ふーん……でも、何?何か正当な言い訳でもあるのかしら?私を黙らせる程の理由が言えるのなら、ムギューって抱き締めて頭ナデナデしてあげる』

一方通行「ェー、あー垣根の馬鹿がっスねェ……」

固法『……』

一方通行「……サ、サーセン」

固法『ん、分かればよろしい』

一方通行(相変わらずマジ怖えェなこの人……)

固法『白井さんから話は聞いてるわよね?まぁ……その様子だとまだあの迷子は見つけれてないみたいだけど』

一方通行「……?打ち止めのケータイをアンタが持ってるって事ァ、そっちにいるンじゃねェのかよ?」

固法『それがね……あの子ったら携帯電話だけ道端に落っことしてたのよ、GPS機能でさっさと見つけたかったんだけど……これでまた振り出しね』フゥ

一方通行「……ったく、ケータイ持ってる意味マジで皆無だなァあのクソガキは……」ポリポリ
(いや……待てよ?)


437: 2010/10/29(金) 20:13:21.30 ID:DBsm1gAO
一方通行「眼鏡先輩よォ、アンタ今何処にいンだ?」

固法『んーと……ちょっと待ってね、確か……』

一方通行(俺の手元には『猟犬部隊』から奪った嗅覚センサーがある、打ち止めのケータイから匂いを探知できりゃ……)

固法『うん……分かったわ、第七学区の地下商店街北口よ?』

一方通行「了ォ解だ、俺も今からそっちに向かう、そのまま待っててくれや眼鏡先輩よォ……」キョロキョロ

固法『……って事は何か手掛かりがあるわけね?』

一方通行「そォいうこったな、へィタクシーっ!」スッ


…………キキッ!


一方通行「ジャッジメントだァ、悪りィが事件解決に協力してもらうぜ?」ガチャ

運転手「治安維持の方ですか、どちらまで?」

一方通行「第七学区の地下商店街北口だ、急ぎで頼む」バタン


438: 2010/10/29(金) 20:16:19.08 ID:DBsm1gAO
運転手「とは言いましてもねーお兄さん」

一方通行「御託はイイからさっさと出せ、交通状況が悪りィのは承知してる」

運転手「分かりましたよ……でも、此処からだと結構掛かっちゃうよ?」

一方通行「裏技がある、表通りは通らなくてイイから人通りの少ない裏道を回れ」


    ブロロロロロロ…………


運転手「うーん、おじさん裏道はあんまり詳しくないなぁ~」ハハハ

一方通行「あァ?そンなので良く運転手やってられンなァ」

運転手「暗い道はスキルアウトの溜まり場だからねー、まぁ最近はその数も減ってきたみたいだけど……」

一方通行「チッ、だったら俺の言う通りに車ァ動かせよ」

運転手「お兄さん詳しいの?」

一方通行「ったりめーだ、俺ァ風紀委員だぞ?街ン中の大体の地理はこの脳ミソに詰め込ンでる」トントン

運転手「ハハハ、これは頼もしい……ま、風紀委員の方が一緒なら襲われる心配もないかな」

固法『―――ねぇ、一通くん……?』

一方通行「お?」


439: 2010/10/29(金) 20:20:04.68 ID:DBsm1gAO
固法「白井さんから聞いたわ、ていとくんや一通くんも変なのに巻き込まれてる……って」

一方通行「……あァ」

固法『今この街で何が起こってるのかは分からないけど……だ、大丈夫よね?白井さんも打ち止めちゃんも、他の皆も……』

一方通行「……らしくねェな」

固法『え……っ?』

一方通行「そンな自信のねェ弱気な態度なンざ、全っ然アンタらしくねェよ」

固法『な……っ!?し、心配させてるのは何処の誰だと思ってるのよっ!!』

一方通行「ハッ、俺達一七七支部のメンバーはそンな簡単にやられるよォなタマかよ?俺らの実力を一番良く知ってンのは誰でもねェ、アンタだろォが」

固法『……バカ、一通くんは無責任よ……結果オーライなんてダメなの、私は誰にも傷ついて欲しくないのに……!』

一方通行「……心配すンなよ委員長、アンタの後ろには俺達が付いてンだろォが」

固法『……っ』


440: 2010/10/29(金) 20:27:58.61 ID:DBsm1gAO
一方通行「アンタは何だって一人で背負い込み過ぎなンだっつーの、ちったァ俺達に背中ァ預けて楽になれよ……じゃねェと潰れちまうぜ?」

固法『な、何よっ……人の気も知らないで……』クスン

一方通行「何なら風紀委員長の座、俺に引き渡しちまっても一向に構わねェンだぜェ?」ニヤニヤ

固法『ダ、ダメよっ!一通くんみたいな無責任男は絶対にダメっ、ムリ!!私以外にこの役はあり得ないっ!!!』

一方通行「あァ……そォでなきゃな、アンタは今まで通りに堂々と胸ェ張ってりゃイイ、俺達のリーダーはアンタしかいねェンだ」

固法『……もぅ、だったら少しは安心させてよね』

一方通行「任せとけよ眼鏡先輩、きっと……いンや、俺が絶対にキレイに収めてみせるからよ」

固法『ホー……ント、自信だけはたっぷりねぇ一通くんは』

一方通行「何せ学園都市の一位と二位が組ンでンだ、ハナっから結果は見えてンだよ」

固法『うん……そうよね、一通くんに励まされてる程度じゃ私もまだまだね……』

一方通行「へっ、心配すんのも面倒臭せェだろ?俺がすぐに犯人のクソ野郎を叩き潰してやっからよ」

固法『……うんっ♪待ってる!』


    プツッ、ツー…ツー…ツー…



441: 2010/10/29(金) 20:31:00.87 ID:DBsm1gAO
一方通行(あァ……そォだ、コイツらの世界を守ンのが俺の……)

運転手「随分楽しそうだったね……もしかして彼女?」

一方通行「アホ、聞いてなかったか?風紀委員の先輩だァ……あ、そこ右な」

運転手「良いなぁ~お兄さん青春してるなぁ~、おじさん羨ましいなぁ~」

一方通行「……悪りィがオマエのコントに付き合ってる暇はね―――」

運転手「……ってわああああああああっっ!!?」


    ダゴンッッッ!!!!


一方通行「ぶべっえェ!!?」ゴンッ!

運転手(や、やっちゃった……!)

一方通行「グ、オおおおォォォ……!!」ヒリヒリ

運転手「あわ、あわわわわ……!!」ガタガタ
(やっちまったぁ~~~~~~~!!!)


443: 2010/10/29(金) 20:33:17.22 ID:DBsm1gAO
一方通行「く、そ……!?事故りやがったのか……!!痛っ……てェー……!」ピクピク

運転手「ゴ、ゴメンねお兄さん……」プルプル

一方通行「ああァ!?」ガバッ

運転手「おおお女の子……撥ね飛ばしちゃった……!!」

一方通行「じょ、冗談じゃねェぞ……!?このクソオヤジ……ッ!!」グイッ

運転手「だ、だって急に飛び出して―――!」


    「あはっ♪超ラッキー!随分捜したんですよっ!!」


一方通行「……あ?」ピクッ

運転手「あぁ良かった!女の子には傷一つ無いなんて何たる奇跡!!俺……神様信じる!!!」

一方通行(無傷だと……!?そりゃそォだ、コイツの能力は―――!)


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


絹旗「―――『窒素装甲』、絹旗最愛です……覚えてますか?」トコトコ



444: 2010/10/29(金) 20:37:24.03 ID:DBsm1gAO
運転手「え、なに?お兄さんのお知り合い?」

一方通行(此処で闘る気か……ツイてねェ!!)カチッ


…………バガァンッッ!!!


運転手「や、屋根があああああ!!商売道具があああああああ!!!」

一方通行「とっとと失せろ!巻き込まれたくねェならな!!」ザッ

絹旗「や~ん!超シビれるぅ~っ!!」キャーッ!

一方通行(こンなボロ雑巾相手にバッテリーなンざ割いてらンねェ……節約だ)カチッ

運転手「逃げたいけど……!で、でもタクシー代が……!!」

一方通行「仕事に忠実なのは評価するが、オマエはブン殴られてェのか?」


445: 2010/10/29(金) 20:40:20.85 ID:DBsm1gAO
絹旗「隙ありぃーっ!!」ガバッ

一方通行「うおおォっ!!?」ドテッ

運転手「お兄さんっ!?」

一方通行「ンの野郎ォ……!!」ギロッ
(調子に乗りやがって……!)

絹旗「えへへ……超会いたかったですよ、私のお兄ちゃんっ!!」ムギュッ


一方通行「……」


一方通行「……は、はァァ??」


絹旗「うぅ~ん、お兄ちゃんの胸板ってば超硬いんですね……抱き締め甲斐があるってもんです!」スリスリ

一方通行「お兄ちゃン……だと……?」

絹旗「そうですよ?大好きなお兄ちゃん……超発見ですっ♪」ニコッ


448: 2010/10/29(金) 20:42:58.38 ID:DBsm1gAO
一方通行「……だ、誰がアニキだこの野郎離せコラ……!人違いってレベルじゃねェぞ!?俺にゃ兄妹なンざいねェし仮にいたとしても俺の妹がこンなにババァなわけがねェェェ!!!」グイグイ

絹旗「は、離しませ~ん!アナタは私のたった一人の家族なんです~っ><」ムギューッ

一方通行「トチ狂った事ホザいてンじゃね―――って痛てェ!?痛てェっつの!!痛でででででで!!!」ミシミシ…!
(ヤベ……これってピンチじゃねェのかクソッタレ!!)

絹旗「あぁっ!大丈夫ですかっ!?」パッ

一方通行(―――と思ったら今度は攻撃を中断した……?)

絹旗「ごめんなさい、嬉しさの余り……思わず能力を超発動させちゃいました♪」テヘッ

一方通行(意味分かンねェな……コイツ確か俺を恨んでたンじゃねェのかよ?)

絹旗「……む?」キョトン

一方通行(この眼には敵意ってモンが全く感じらンねェし、フザけてるわけでもねェらしい……)ジー

絹旗「お、お兄ちゃん……どうしたんです?も、もしかして超怒ってるんです……か?」オドオド


450: 2010/10/29(金) 20:46:51.31 ID:DBsm1gAO
一方通行「……オマエ、男の目の前で無様なローアングルを晒してンじゃねェよ」


絹旗「……へ?」チラッ


絹旗「―――っわ!?わわわぁっ!!?////」ババッ


一方通行「チィ……とにかく退け、いつまで上に乗っかってやがる」

絹旗「は、はーい」ササッ

運転手「……何だ、お兄さんの妹さんだったのかい」フゥ

一方通行「あァ……気が動転しちまってたが、落ち着いて良く見りゃコイツは俺の妹だわ」ポリポリ

絹旗「もぅ!お兄ちゃんってば……だから私は何度もそう言ってるじゃないですかーっ!」プンプン

一方通行(どォなってやがンだちくしょォ……痛め付けすぎてマジで頭イカれてンじゃねェだろな……?)


運転手「それならお兄さん、タクシーの修理代請求するね」



452: 2010/10/29(金) 20:48:57.69 ID:DBsm1gAO
一方通行「あ、あァァ!!?」

運転手「だってその子が飛び出して来たからこっちに非は無いんだし……」

一方通行「おいオッサン……オマエ正気か?道路交通法って知ってるか?」

運転手「それにお兄さん急いでるんでしょ?事後処理やってる場合じゃないんじゃないの?お兄さんが屋根吹っ飛ばしたのは紛れも無い事実なんだし……」

絹旗「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!それは超理不尽じゃないですか!?そもそもアナタは人を轢いてるんですよ!!?もし私でなかったら……!!」プンスカ

運転手「でもねー妹さん、お互いの為なら―――」

絹旗「でも、じゃないですよおおおおおおおッッ!!これ以上お兄ちゃんを困らせないでくださいっっ!!!」バンッ!


    グワッシャァァアアアアアアンッッ!!!!


絹旗「あ」

一方通行「」

運転手「タ、タクシーが……」


453: 2010/10/29(金) 20:50:28.56 ID:DBsm1gAO
絹旗「……」

運転手「……」

一方通行「~~~~~~~ッッ!!!」プルプル

絹旗「フ、フン!ど……どうです!?アナタもこんな風に超悲惨なスクラップになりたくなければ―――」


    ゴンッッ!!


一方通行「こ、の、馬鹿野郎ォォ~~ッ!!」

絹旗「あぁうあぅあぁ~っ!!」ズキズキ

運転手「あ~ぁ……こりゃダメだ、商売道具がオシャカになっちゃった……」

一方通行「……」

絹旗「えへへ、また怒られちった……////」ヒリヒリ

運転手「……」チラッチラッ

一方通行「ちくしょォォ……ッ!風紀委員にツケとけクソッタレ!!」

運転手「まいど♪」

470: 2010/10/30(土) 21:09:11.57 ID:eoKReoAO



打ち止め「―――と、言うわけだから風紀委員経由で何とか一七七支部の人達と連絡取れないのかな?ってミサカはミサカは聞いてみたり」トテトテ

削板「俺だって根性出して何とかしてやりたいが……悪いな嬢ちゃん、そいつぁ無理なお願いだ」キリッ

打ち止め「えーっ?」

削板「何せ俺は新米風紀委員、この仕事の全貌を全く把握していないノダ」ガハハ

打ち止め「いやいや、そこ胸張る所じゃないし……だったらすごいお兄ちゃんの先輩達に連絡取ろうよってミサカはミサカは提案してみる」

削板「悪いな嬢ちゃん、そりゃ無理だ」

打ち止め「えぇーっ!?」

削板「何故なら俺は携帯電話という近代科学に頼り切った根性の無い代物を持っちゃいない」キリリッ

打ち止め(学園都市で何言ってんだろうこの人……ってミサカはミサカは心中コソっと心配してみたり)

471: 2010/10/30(土) 21:12:28.74 ID:eoKReoAO



    ドドドドドドドンッッ!!!


削板「加えて!何を隠そう我が七七七支部にゃこの俺、削板軍覇しか人員がいないのだーッッ!!」

打ち止め「ええぇーっ!!?指導者もいないのにこんなのをほったらかしにして大丈夫なのってミサカはミサカは不安要素がK点突破ー!―――……って、ウザいねこの煙!!」ケホケホ

削板「コラコラコラーっ!こんなのとは余計だぞ嬢ちゃん!!これでも漢、削板軍覇は学園都市に七人―――」

打ち止め「って言うか、どうしてすごいお兄ちゃんしかいないの?ってミサカはミサカは小首を傾げて素朴な疑問を投げ掛けてみたり」

削板「えっ?あー……新しい支部を立ち上げてもらったんだよ、貝継のじーさんに殴り込みに行ったらすんなりOK貰ってな、昨日の今日から俺も立派な風紀委員ってわけだ」フンス

打ち止め「へっ?支部を……?」

削板「うん」コクリ

打ち止め「……」

削板「……」


打ち止め「……か、軽っ!?ナメてるよね?すごいお兄ちゃんもその貝継って人も風紀委員のお仕事を完っ全にナメてるよね!?」


削板「なっ!ナメてなどいないぞ!?強いヤツと闘い己を磨き、オマケに街の平和も守れるという正に一石三鳥の素晴らしい仕事じゃないかッ!!」

打ち止め「分かってない全然分かってないっ!風紀委員が街の平和を守るのをオマケに感じてるってどういう事なの!?ってミサカはミサカは問いただしてみる!!」


472: 2010/10/30(土) 21:15:50.43 ID:eoKReoAO



原谷(不幸だ……せっかくの休日だというのに、まさか筋肉モリモリのこの人に捕まっちまうとは……)チラッ

横須賀「憎っくきナンバーセブンは何処だぁ~ん?」トコトコ

原谷「……内臓入りのモツ鍋さん、どうせ負けるんですからそろそろ削板さんに決闘仕掛けるのは辞めにしません?っつか、モツ鍋さんが勝とうが負けようが正直どうでも良いんで無関係な通行人Aの俺を毎度毎度巻き込まないで頂けますかしら?」

横須賀「例えナンバーセブンを倒したところで証人がいなければ意味が無いだろ?貴様はこれから『内臓潰し』の横須賀サマ伝説を子々孫々に渡って語り継ぐハメになるのだ、感謝しろ」

原谷「……それって別に俺じゃなくてもモツ鍋さんの舎弟に任せれば良いのでは―――んん!?」ギョッ



打ち止め「ガミガミガミ!!」

削板「……」ショボン



原谷「っっぴゃあああっああああああああ!!!!!!????」

横須賀「何だいきなり……さんまか貴様は」


473: 2010/10/30(土) 21:17:03.00 ID:eoKReoAO
原谷「だってホラ、アレですアレ!アレ見てくださいよ、削板さんですよ削板さんっ!!あのナンバーセブンがこの往来で正座して幼女に説教垂れ流されてんですよおおおおお!!?」



打ち止め「だから風紀委員のお仕事は―――って、ちゃんと聞いてるの!?ってミサカはミサカは両手を組んで怒鳴ってみたり!!」カッ!

削板「はい……すいません」クスン



原谷「しかもちょっと涙目ーっ!!?ナンバーセブンが幼女にしてやられているううううう!!!」

横須賀「おっしゃ見つけたぜ削板ァァああああああああ!!!」ビシッ

原谷「わああああこんなに美味しいツッコミ所満載なのにいきなり切り開いたーっ!?この人脳ミソまで筋肉だ絶対そうだーっ!!」

削板「……ん?」チラッ


削板「おー、ナベアツ」


原谷「ブフォッ!」


474: 2010/10/30(土) 21:20:31.59 ID:eoKReoAO
横須賀「クフフ……この『内臓潰し』の横須賀、今日こそ貴様に引導を渡してやるぞ」ニヤリ

原谷「はわわわわわモツ鍋さんっ!?ナベアツにすらツッコまないんですか!?堂々とあだ名間違えちゃってんですよ!!?『既に横須賀の原型留めてねぇなオイ!!ビシッ』みたいな返しくらい言ってくださいよおおおぉぉぉ!!!そんなので良いんですかモツ鍋もとい『内臓潰し』の横須賀さああああん!!?」

    ナンダナンダァ?

    ケンカダケンカダー


    ゾロゾロゾロ…………


横須賀「よしよし、良い感じにギャラリーも集まって来たか……」

原谷「シカトされたあああああ!!?もしかして間違ってるのは俺なのかーっ!!!」ゴロンゴロン

打ち止め「わわっ、見るからに強そうな人ってミサカはミサカは焦ってみたり」アセアセ

削板「俺の後ろに下がってな嬢ちゃん、ケガするぜ」ザッ

打ち止め「でもあぁいう人って存在自体が歩く氏亡フラグなんだよねってミサカはミサカは小声で一言付け足してみる」ボソッ

横須賀「削板よ……悪りぃが、この大観衆の前で負けてもらうぜ?」

削板「応ッ!!」

原谷(いや応じたらあかんやろ……あ、ツッコんじゃった)


475: 2010/10/30(土) 21:22:41.48 ID:eoKReoAO



    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


横須賀「……」ニヤリ

削板「……」ニッ


削・横「―――……決闘(デュエル)ッッ!!!」カカッ!


打ち止め「ちょっとちょっとちょっとー!!?一体何を始めるつもりなのってミサカはミサカは……」

削板「えー……何だよ嬢ちゃん、せっかくアツい場面だったのに……」クルッ

横須賀「火蓋は切って落とされた!!何処向いてやがんだこんにゃろう削板氏ねやああああ!!!」ダッ!

原谷「……いや、やっぱやめた方が良いんじゃないですかナベアツさん」

横須賀「ちょ、人がせっかく……おいソコ、やる気削ぐような台詞言うなってー」クルッ

原谷(あ、構ってくれた嬉しい……でもナベアツにはツッコまないのね)


476: 2010/10/30(土) 21:25:27.16 ID:eoKReoAO
打ち止め「すごいお兄ちゃんは風紀委員なんでしょっ、決闘だか何だか知らないけどむやみに暴力振るっちゃダメってミサカはミサカは指導してみたり」ビシッ

削板「暴力ではないぞ?俺はコイツの根性を拳を以て叩き直そうとしただけだ」

打ち止め「えーと……ちょっと何言ってるか分かんないから考えさせてねってミサカはミサカは三分間だけ時間が欲しいな~って」

削板「うむ、良く悩む歳頃か嬢ちゃん」

打ち止め「うん分かった、薄々感ずいてたけどすごいお兄ちゃんはとってもお馬鹿サンなんだねってミサカはミサカはネットワークで導き出された結論を述べ―――」


削板「バカって言うなッッ!!!」カッ!


打ち止め「」

原谷「どういうわけか削板さん……風紀委員になってるみたいですし、今までみたいに軽い気持ちでケンカふっかけるわけにもいかないんじゃないですかね?」

横須賀「良く見りゃ本当だな……でもそんなの関係―――」

原谷「冷静に考えて相手は治安維持組織ですし、ヘタしたら逮捕とか……?」

横須賀「……」タラリ


477: 2010/10/30(土) 21:29:06.19 ID:eoKReoAO
削板「う~む……悪いなナベアツ、この嬢ちゃんが言うにはどうやら俺から仕掛けるのはムリみたいだ」

横須賀「あーもう、じゃあどうやって収拾着ける気だぁ?せっかく集まってくれた皆さんに失礼だとは思わねぇのか、プロレスだったら椅子が飛んで来るトコだぞ」

削板「そうだな、だからお前が俺を先に殴れ」

横須賀「は?」

削板「ホレ、早く」ズイッ

横須賀「いやいやいや……え、良いの?俺の『内臓潰し』を喰らわせちまって良いのコレ、なぁ問題ナシ?」

原谷「仲間だと思われたくないのでやっぱりこっちを見ないで話しかけないで!」

削板「早くしろ!正義の味方が先に拳を振るうわけにはいかんのだ!!」ウズウズ

横須賀「あ、わかったぞコイツぅ……俺は騙されんからな!そうやって俺を悪者に仕立て上げて手柄を立てるつもりだろ!?危っぶねぇ危ねぇもう少しで引っ掛かるトコだったぜ」ホッ

削板「んなわけあるかぁっ!!俺の魂は光輝く太陽の如く―――」

横須賀「バーカバーカうるせー氏ね!」

削板「バカって言うな怒ったぞこの野郎すごいパーンチ」

横須賀「ハハハっ、やれるもんならやってみドゥブルチ!!?」メキィ!

原谷「あ、殴った」

削板「あっ」


478: 2010/10/30(土) 21:31:03.59 ID:eoKReoAO
打ち止め「……」ジー

削板「……」

横須賀「」

原谷「……」


削板「―――正義は勝つ、と言う事か」グッ


打ち止め(……ダメだこの人達)テクテク


    ド ズ ン ッ ッ ! ! !


打ち止め「ひゃわあぁっ!!?ってミサカはミサカはいきなりのGO-ONに跳びはねてみたりー!!」ビクッ

原谷「雑だな!何て雑すぎる急展開なんだ!!」

削板「おぉっ、事件か!?」クルッ

打ち止め「ち、ちょっ……!行くつもりなの!?ってミサカはミサカは余計ややこしくなりそうだから止めてみる!!」


480: 2010/10/30(土) 21:33:58.05 ID:eoKReoAO
削板「フッ、任せてな嬢ちゃん……何せ俺は風紀委員なんだからな!!」ザッ


…………ドンッッ!!!


原谷「っわ……!?」

削板「うおおおおおすごい青春マッハ垂直跳びぃぃッッ!!俺より強いヤツに会いに行くーっっ!!!」

打ち止め「―――って結局平和は二の次なのー!?」

原谷「……キミ、一々ツッコミ入れてたら身が持たないよ?」


横須賀「」


原谷「あ……それと、この人病院まで運ぶの手伝ってくれるかな?」

打ち止め「泣きたい」クスン

481: 2010/10/30(土) 21:36:50.39 ID:eoKReoAO



猟犬「―――ッが!?あがが、ががァ……ッ!!」ミシミシ…ッ

麦野「え、浜面くん今なんて?ちょっと目の前の犬野郎がうるさくてさー……聞き違えたかもしんないからもう一度言ってくれるカナ?」ギリギリギリ

浜面『何度だって言ってやる……悪りぃが俺も滝壺も、もうアンタには付いて行けない』

麦野「……へぇ~」ヴンッ

猟犬「あ゛―――!?」


    ッドォウウゥッッ!!!


フレンダ「ひいぃっ!」ビクッ

麦野「……あ~ぁ」


    ブシュウウゥゥゥ…………!!


麦野「跡形もなく灼き払っちゃたじゃーん……ねぇ、はーまづらぁ」

浜面『……』

麦野「……もしかしちゃったりするとアンタもこうなりたいのかな?」ニッコリ


482: 2010/10/30(土) 21:40:14.79 ID:eoKReoAO
浜面『今……アンタがやろうとしてるのは只の自殺行為だ、そんなモンに滝壺を付き合わせるわけにはいかねぇ』

麦野「……はは」

浜面『そんな無駄遣いで……アイツの命を終わらせてたまるか』

フレンダ(ど、どうしちゃったのよ浜面……アンタの方が自殺行為だっての!)オロオロ

麦野「ウフフ♪どういう風に餌付けされたの浜面……滝壺のカワイー顔つきにやられたとか?」

浜面『……アンタは、垣根帝督には勝てない』

麦野「……あ゛?」ピキッ

浜面『実際に対峙して分かった、第四位とか第二位とかの問題じゃねぇ……多分アンタは、もっと違う部分でもあの男に負けてやがる』

フレンダ(ヤ、ヤバいって……!)

浜面『アイツも外道は外道だったが、それでも格下の人間を見逃すぐらいの人間性はあった……敵である滝壺が目の前で力尽きても、止めを刺そうとも……!今のアンタみたいに「体晶」を酷使させようともしなかったんだ!!』


483: 2010/10/30(土) 21:42:35.10 ID:eoKReoAO
麦野「エラく強気だと思ったら……テメーら、まさか「スクール」に寝返ったのかい?」

フレンダ「……っ!」

浜面『そんなんじゃねぇ……もう何処かに行っちまったよ、そう言やぁアイツはアンタの事なんか気にも止めてなかったぜ?未元物質にとっちゃその程度でしかねぇんだよ、アンタはな』

麦野「……ッ」ギリッ

浜面『今更アイツの居場所が分かった所でそれが何になるんだよ、仮に倒せたとして今度は更に上位に君臨する一方通行も……だぁ?』

フレンダ(それ以上は……言っちゃダメだっての……!!)

浜面『もう止めにしようぜ麦野、素人目の俺でも分かる……不可能だ、馬鹿げてる』

麦野「……うん、そうだね……もう良い、分かったよ浜面」

浜面『……?』


484: 2010/10/30(土) 21:47:42.01 ID:eoKReoAO
麦野「別に……意見を求めてるわけじゃないしさ、だから……―――」

フレンダ「……ゴクリ」


麦野「テメーら二人まとめて焼きゴテの刑に決定だ、離れたくねェなら結合部で溶接してやっから汚ったねェ〇ン〇洗ってそこで待っとけ」ミシミシ…ッ!


…………ベキバキバギンッ!!


麦野「っつーわけで標的追加、浜面仕上に滝壺理后……」バラ…ッ

フレンダ「む、麦野ぉ……」ガタガタ

麦野「あ?……何だ」

フレンダ「あの二人を頃すって……ほ、本気な―――」


    ザザザザザザザザッッ!!

猟犬「……いたゾ!こっちだ!!」ザッ

フレンダ「えっ!?ま、また来た!!?」

麦野「あは、あはははは……」クスクス


485: 2010/10/30(土) 21:51:19.00 ID:eoKReoAO
猟犬「相手はLv5だ!構わん撃ち殺―――」ジャカッ


    ズバアアアァァァァァ!!!


麦野「足りない、全っっ然足りないねェ……!!オーバーヒートしちまいそうなこのムカつきを静めてくれる……赤黒く染まった冷却水がさあァ!!?」ザッ

フレンダ(も、もしかして……!ブチ頃し確定モード!?)ゾク…


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


麦野「ぎゃはははははははははッッ!!溶けた鉄と一緒に絡めて冷やして面白オブジェに変えてやらァァああああああッッ!!!」ザッザッ

フレンダ(『アイテム』がバラバラになっちゃう……!私……どうしたら良いの……!?)ペタン


フレンダ「……こ、こうなったら私も『スクール』に寝返って第二の人生を―――……って、アハハ……まさか、ね……」


フレンダ「は、ぅ……うぅ……助、けて……誰か……!」グスッ
(こんなんじゃ……皆氏んじゃう、殺されちゃうよ……!)


    「うおっ、何だこりゃぁ!?」


フレンダ「ひゃいぃっ!!?」ビクッ


486: 2010/10/30(土) 21:55:09.41 ID:eoKReoAO
削板「さっきの爆音はこの壁の大穴かぁ……?すげぇな、向こう側までポッカリだ」

フレンダ「なっななななななな!?アンタ何処からっっ!!?」ワタワタ
(敵っ!?ばばば爆弾爆弾ボムボムBOMBーっ!!!)

削板「おっ?どうした嬢ちゃ―――」

フレンダ「えぇーいっ!!!」ポイポイポイッ

削板「……ん?」


    B O M B ! ! !


フレンダ「はぁー、はぁー……!」ドキドキ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


フレンダ「アハ……?や、やった―――」


削板「ぶっっはあぁっ!!」ボフッ!


フレンダ「」


487: 2010/10/30(土) 21:58:57.74 ID:eoKReoAO
削板「いや~ビックリしたぞ嬢ちゃん……いや、ビックリさせちまったのは俺の方なのか?」ケホッ

フレンダ「あ……ぁ……っ」ガタガタ
(む、無傷……コイツもバケモノ……!)

削板「うむ、そりゃあ悪かったな……ホラ立てるか?手ェ貸す―――」スッ


フレンダ「ひっ!?い、嫌……!やめて……っ!!お願いだから殺さないでぇっ!!!」ババッ


削板「oh……」

フレンダ「もう、やめてよ……パパ……!ママ……っ!!」ブルブル…

削板「……お前さん、よっぽど怖い目に遭ったんだな……だが、風紀委員が来たからにはもう大丈夫だ!」フンス

フレンダ「……え?」クスン
(ジャッジ……メント……)

削板「―――安心しな、助けに来たぜ?」ニカッ

フレンダ「ふぇ……!」グスッ
(助、けに……!!)

削板「お?」

フレンダ「ふぇぇええぇぇぇぇぇ……!」メソメソ

削板「おぉっ!?どうした煙が目に染みたのか!!?」ワタワタ


508: 2010/11/05(金) 20:37:59.12 ID:tLZEnMAO



浜面「ぅっげ、マジかよアイツ……ケータイを握り潰しやがったのか……!?」

滝壺「……むぎのにあんな事言って大丈夫なの……?」

浜面「ハハ、実はまだ脚が震えてんだよ……でも、あれぐらい強気で行かないとLv5とは渡り合えない」トコトコ

滝壺「闘うつもりなんてない癖に……」

浜面「当たり前だ、無能力者が超能力者に勝てるハズがねぇ……俺はまた思い知らされた」

滝壺「……」

浜面「でも、この騒動が落ち着くまで逃げ続けてやるさ……『アイテム』からはリタイアしちまうが、お前だって絶対に『崩壊』なんてさせねぇよ」

滝壺「……うん」コクリ

浜面「大物達の争いに下手に手を出せば自分がケガするんだ、その為には……―――」

滝壺「他力本願?」


浜面「……当 た り 前 だ」


509: 2010/11/05(金) 20:40:18.77 ID:tLZEnMAO
滝壺「結局……かきねの目的って何だったのかな……?」

浜面「さぁな……俺達みたいな地獄の三丁目程度にいる人間には理解できないのかもしれない」

滝壺「……」

浜面「でも、アイツにはそれを成すだけの理由があるんだろうな……ずっと、ずっと深い闇の悲劇を覗いて来た一人の人間だから……」

滝壺「……哀しいね」

浜面「え?」

滝壺「あの時、かきねのAIM拡散力場から……とても哀しそうな信号を感じたから」

浜面「……そうか、アイツって本当は……―――」トコトコ

滝壺「うん」ギュッ

510: 2010/11/05(金) 20:43:41.34 ID:tLZEnMAO
―――数分前



浜面「……ダ、未元物質……ッ!どうしててめぇが……!?」

垣根「どうして……だと?そいつは俺がテメェらの居場所を掴んだ方法なのか、それとも―――」ザッザッ

浜面「……ッ」ゴクッ

垣根「テメェの後ろに隠れている『能力追跡(AIMストーカー)』、ソイツの検索結果が違った理由なのか……どっちだ?」ザッ

滝壺「……!」ゼーゼー

垣根「……はっ、そんなモンを知ってどうする?説明すればこの絶望的な状況を打破できるヒントにでも繋がんのか―――……ん?」ピクッ

浜面「ぅ……あぁ……!く、くそっ……震えてんじゃねぇよ!!」ガタガタガタ

滝壺「はまづら……」

垣根「蛇に睨まれた蛙……ってヤツか、オイオイ……なぁにビビってんだよ?女の前でみっともねぇな」ニヤニヤ

浜面(ち、近づかれただけでこうも違うのか……!?同じLv5なのに……麦野とは迫力も、存在感も!プレッシャーも……ッッ!!)ブルブル


511: 2010/11/05(金) 20:45:59.10 ID:tLZEnMAO
垣根「さっきまで俺に銃口向けてた人間たぁ思えねぇ豹変っぷりだな……ま、頭は鈍くても身体は優秀じゃねぇか、『どう足掻こうが目の前の男には適わない』……ってェ現実に拒絶反応を起こしちまってんだろ」

滝壺「私の事は……」

浜面「う、うるせぇ……ソコから出て来るんじゃねぇぞ」

垣根「……つまんねぇな、コレじゃまるで俺が悪者だ」

浜面「……さ、さっきの質問……俺が聞いてるのはそんな話じゃねぇんだ」

垣根「ん?」

浜面「麦野達はもういない……今いるのは非戦闘員が二人だけだ、アンタが此処に留まる理由はないハズだろ……?」

垣根「はぁ……麦野、ねぇ……」ポリポリ

浜面「……?」

垣根「アホかテメェは、何でこの俺がわざわざ格下を潰しに足を運ばなきゃならねぇんだ?」


512: 2010/11/05(金) 20:49:05.52 ID:tLZEnMAO
浜面「ッ!!む、麦野と闘いに来たんじゃねぇのかよ!?」

垣根「弱い者イジメに興味はねぇよ、氏にたい野郎は勝手に氏ねば良い……俺が此処に来た理由、それは―――」スッ

浜面「え……お、俺っ!?」ドキッ

垣根「なわけねーだろ無能、後ろだ後ろ」シッシッ

浜面「―――……まさか」

滝壺「ぅ……」フラッ


垣根「あァ……滝壺理后、テメェだよ」ニヤリ


浜面「っな……!?」

垣根「『能力追跡』は優秀な能力だ……一度記憶しちまったAIM拡散力場ならば、例え対象が太陽系の外に逃げ出そうが確実に捕捉する事ができる」ザッ

浜面「っ!く、来るな……っ!!」タジ…
(武器になるのはスペアの拳銃一丁……だが、コイツでは……!!)


513: 2010/11/05(金) 20:51:46.60 ID:tLZEnMAO
垣根「だからソイツを使って『残骸』を持ち去った『グループ』の居場所を突き止めてやろうってんだよ……なぁに、協力的になってくれるんなら―――」

浜面「くそ……っ!くそっ、くそっ!!来るなって……滝壺に近付くなって言ってんだろォォおおおおおおおおおおおおぉぇぶっっ!!?」メキ…ッ!


    ぱぐしゃッッ!!!


垣根「―――……黙ってろ」

浜面「……痛、あ……っ!?ぐあッあああああああッッ!!!」
(は、鼻……が―――ッ!?)

滝壺「はまづら……っ!!」

垣根「つっても滝壺を置いて逃げれば『アイテム』に始末され、だからって俺に抵抗すりゃ殺される板挟みか……ははっ、大変だなぁ下っ端は」

浜面「ぐ……あ、あぁ……!」ボタボタ

垣根「だが、まぁ……俺も鬼じゃねぇんだよ、だから……」パシッ


…………グギッッッ!!


浜面「あ゛……ッ!?」ズキン


垣根「仕方ねぇなァ……指二本で許してやるよ、うん」ニッコリ



515: 2010/11/05(金) 20:56:28.76 ID:tLZEnMAO
浜面「うぁっ!?うわああああああああああああ―――あぷっ!?」

垣根「……はぁ、ギャーギャーと喚くなよ」グイッ

浜面「も、ご……っ!?」

垣根「……このまま顎も握り潰されてぇのならサービスしてやるが……」ギロッ

滝壺「や、めて……!」

浜面(……ダメだ、やっぱり……この男には……!)ブルブル

垣根「ははっ、どうする?滝壺理后」

浜面(垣根帝督には……勝て、ない……っ!!)

滝壺「お願いだから……!もう……やめて……!!」

垣根「……だな」ブンッ

浜面「……ぐぅっ!!」ドシャッ

垣根「大人しくそこで寝てろボケ、俺だって今は目立つような真似をしたくはねぇんだ」


517: 2010/11/05(金) 20:59:05.01 ID:tLZEnMAO
浜面「う……う、ぅ……」ズキズキ

滝壺「……分かった、アナタに……協力するから……!」

垣根「あぁ、それが良いな……さっきテメェも言ってやがったろ浜面仕上、確か……」

浜面「……ダメ……だ」

垣根「―――……『平和に行こうぜ』、だったか?」ニヤニヤ

浜面「ダメだ……滝、壺……殺され―――」

滝壺「大丈夫、私はLv4だから……Lv0のはまづらを、きっと……きっと、守ってみせる」ゴソゴソ

浜面「……ッ!!」

垣根「……ん?」ピクッ

滝壺「はぁ……はぁ……」パサパサ

垣根「オイ……ちょっと待て」ズイッ

滝壺「え……?」ハァ…ハァ

垣根(コイツの……この、汗は……―――)


…………ガシィッ!!


垣根「……あん?」

浜面「手を……出すな……っ!!」


518: 2010/11/05(金) 21:01:28.50 ID:tLZEnMAO
垣根「……何だテメェ、汚い手で足に触るな」

浜面「命なんか……賭けちゃいなかったんだ……」

垣根「……はぁ?」

浜面「ただ気に入らないって理由だけで一方通行に喧嘩振っかけて……アイツは風紀委員だから、まさか殺されるような真似はしないだろと……勝手に思ってた……!」ギリッ

滝壺「……」

浜面「『頃す覚悟はあっても殺される覚悟はない』……か、はは……その通りだよクソッたれ、俺なんて麦野よりか全然タチが悪りぃじゃねぇか」

垣根「……ハァ」

浜面「でも、滝壺は……!!こんな打算だらけのクソ野郎に氏んで欲しくないって言ったんだ!そういう事を言えるヤツなんだよ滝壺理后は!!そんなヤツは幸せにならなくちゃいけないんだ!!!」

滝壺「はまづら……」

浜面「人の上に立つのは俺でもテメェでもねぇ……!優しい馬鹿が頂点に立って皆を導くような社会を作らなくちゃ、このクソッたれな世界はいつまで経っても救われねぇんだよッッ!!」

垣根「……」

浜面「はぁ……はぁ……!」

滝壺「……私……」

519: 2010/11/05(金) 21:03:21.39 ID:tLZEnMAO
垣根「―――……あぁ、そうだな……だが残念だ、俺がどうこうするまでもなくコイツの方は勝手に氏んじまうってのがな」パシッ

滝壺「あ……っ」

浜面「え……?氏ぬ……って、な……何言ってんだ!?」

垣根「このケースん中に入ってる白い粉は『体晶』ってヤツなんだが……この女が使ってるのは知ってたか?」ポイッ


…………カランカランッ


浜面「……能力を、発動させる為の……」

垣根「厳密には意図的に拒絶反応を起こし、能力を暴走させるってぇシロモンだ……ま、ちょっと詳しく言うと『暴走能力の法則解析用誘爆実験』ってので使われてたヤツだな」

浜面「暴、走……?だから滝壺は……!?」

滝壺「……」

垣根「『暴走能力の法則解析用誘爆実験』……身寄りのねぇ『置き去り』を被験者に、AIM拡散力場を刺激して暴走の条件を探るっつー愉快な研究なんだが……」

浜面(『置き去り』を……!?)


520: 2010/11/05(金) 21:05:26.89 ID:tLZEnMAO
垣根「―――そこで引金にされていたのがこの『体晶』、大抵の場合はデメリットしかないハズなんだが……ごく稀に暴走状態の方が良い結果を出せる野郎もいるらしい、コイツもその類いなんだろ」

浜面「……そうだ、滝壺は……滝壺はどうなるんだよッッ!!?」

垣根「……こんな状態なら長くは保たねぇよ、今日から一生能力を使わないっつーなら大丈夫だろうが……あと一回か二回チカラを使えば、この女は確実に『崩壊』する」

浜面「ちょ、ちょっと……待ってくれ……!何だよ『崩壊』って……!?」

垣根(……馬鹿に説明は疲れる……)フゥ

浜面「『体晶』だとか……その暴走何たら実験とかもだ……!そんな事をどうしてアンタは……っ!?」

垣根「……」

滝壺「アナタ……もしかして……」

浜面「……え……?」


垣根「―――……当たり前だ、俺が潰した」



537: 2010/11/11(木) 21:36:38.80 ID:Zr5tu2AO
滝壺「っ!」

浜面「潰、した……?アンタが……!?」

垣根「あまりにもムカついたんでな……だがまぁ、その検体が……」チラッ

滝壺「ぁ……」

垣根「―――……今度は暗部に堕ちちまってるんなら世話ねぇわな」

浜面「そんな……おかしい、おかしいぞ……!?アンタみたいなのが、どうしてそんな善人みたいな真似を……っ!?」

垣根「善人……?」ピクッ

浜面「滝壺を……『置き去り』を助ける為に……?」

垣根「馬鹿言え、助けようとするなら今コイツが此処にいるのは何故だ?……俺が勝手にムカついて勝手に潰した、それだけだ」

浜面「ムカついたから……って、結局はアンタもその実験がイカれてると思ったからだろ、それが理由じゃねぇのかよ!?」

垣根「……テメェには関係ねぇだろうが、それに……そもそも俺に、人は……―――」

浜面「……人、は……?」

滝壺「……っ」


538: 2010/11/11(木) 21:37:56.69 ID:Zr5tu2AO
垣根「……チ、しかし……ま、こっちはハズレだったか……『体晶』が無ければコイツの能力はたかが知れてる、索敵はできても検索なんてのは不可能だろ」

浜面「俺達を……殺さないのか……?」

垣根「言ったろうが……今はあまり騒ぎを起こしたくねぇ、能力の使えねぇ能力者なんざに興味はねぇしな……クソッ」ポリポリ

浜面「そ、そうか」ホッ
(よ、良かったぁ~~~~~~~!!!)


滝壺「―――……一度なら……」ボソッ


浜面「……!?」

滝壺「あと一度くらいなら……大丈夫だよ……ね?」ハァ…ハァ

浜面「た、滝壺っ!?」

垣根「……っ」

滝壺「はまづらが言った通りだから……アナタにその気が無くても……アナタが来てくれなかったら、私の命はあそこで終わってたから……」


539: 2010/11/11(木) 21:40:39.36 ID:Zr5tu2AO
垣根「……分かってねぇな、そこら中をピョンピョン飛び回る空間移動系能力者の絶対座標を一度や二度掴んだトコで何になる?」

浜面「そ、そうだぞ滝壺!せっかく命拾いしたんだ、無理に能力を使う必要は……」アセアセ

滝壺「でも、私……」

垣根「……悪りぃがただの迷惑だ、次の一回でテメェが『崩壊』を起こさない保証ってのもねぇし、そんなモンに巻き込まれるのはゴメンだ」

滝壺「……ぅ」ショボン

浜面「な、なぁ……一つ、良いか?」

垣根「……何だ」

浜面「一方通行と組む為に風紀委員に潜伏してるわけじゃない……それぐらいは俺にだって分かる、アンタ達は目的が食い違ってるんだからな」

垣根「……」

浜面「組織を失って……『スクール』の最後の一人になってまで、アンタは……垣根帝督は、『残骸』を手に入れて一体何をするつもりなんだ……?」

垣根「テメェ……何言ってんだ?」

浜面「下手したらその一方通行とも闘うハメになるかもしれないってのに、そこまでしてアンタがやろうとする理由って―――……え?」

540: 2010/11/11(木) 21:43:46.02 ID:Zr5tu2AO
垣根「……拍子抜けだな、さっきの絹旗といい……本当にそんなのもあの野郎から聞かされてねぇのかよ」

浜面「あの野郎……?」

垣根「チッ、心理定規に決まってんだろが……アイツはテメェら『アイテム』に寝返ったんじゃなかったのか」

浜面「だ、だって俺は下部の人間だし……」

滝壺「……彼女は……心理定規は……行方を眩ませたよ」ゼーゼー

垣根「……なに?」

滝壺「彼女と直接顔を会わせたわけじゃないけど……『裏切り者の私には必要無いモノだから後は好きにしちゃって?終わったら全てを話すわ♪』って……」

垣根(それはコイツのサーチ能力を事前に知り得ていたからだ……元から逃げるつもりだったなあの野郎)

滝壺「罠かもしれないとも思ってたけど、話には乗ってみないと分からないし……実際に『残骸』はあの路地裏に運び込まれてて、敵の数も情報通りだったから……てっきり私達は……」

浜面「む、無理するなよ滝壺……」

滝壺「ぅ……ん……」

垣根(心理定規はどこまで暗躍してやがる……『アイテム』だけじゃねぇ、『グループ』も『猟犬部隊』も出てくるタイミングが絶妙すぎた……薄々感ずいてたが他の組織にも……―――)

垣根「……」


541: 2010/11/11(木) 21:46:38.86 ID:Zr5tu2AO


垣根「―――いつからだったか……随分と昔に俺は、全てを失っている」


浜面「……え?」

垣根「知りたがってたろ、俺が闘う理由をよ」

浜面(い、いきなり何言って……!?)

垣根「テメェらと違って今までに俺はそれなりの地獄を見て来たっつー事だ」

滝壺「……」

垣根「闘う理由なんてのはな……それだけで充分なんだよ」

浜面「……なぁ、アンタ……―――」

    「あーっ!見つけましたよ、ていとさーんっ!!」


垣根「……」

浜面「げっ」
(あの……ハワイアンな風紀委員は―――!)


542: 2010/11/11(木) 21:57:09.56 ID:Zr5tu2AO
初春「一体何処行ってたんですかー!?全員分のとばっちり受けたの私なんですからねっ!!」プンスカ

浜面(忘れやしねぇぞ……!あん時、一方通行と一緒にいやがった風紀委員だ……それに、こっちの眼鏡の風紀委員って―――!!)


固法「ヤレヤレ……やっと一人捕まえたわ」ザッ


垣根「……固法さん、アンタもか」

固法「コラ、私に何か言う事はないの?」ムスッ

垣根「ははっ、怒ってる顔でも相も変わらず素敵でいらっしゃる」ニコニコ

固法「ん、ありがと♪……ってこのバカチン、誤魔化そうとしたってそうは―――……む?」ピクッ

浜面(や、ヤバいぞ……この女はヤバい……!!)ドキドキ

滝壺(……しんどい……)ゼーゼー

固法「ていとくん」

垣根「うぃっす」

固法「―――……この二人は?」ギュン
(鼻骨が折れている……そして中指と薬指の脱臼、もう一人の症状は……)

543: 2010/11/11(木) 22:04:33.08 ID:Zr5tu2AO
初春「はわわ……て、ていとさんまさか……!?」

浜面「い、いや違うんだよこれはだな……!」アセアセ

垣根「あぁ、コイツが無免許運転してやがったから制裁してやったんだよ」ビシッ

浜面「うん、そうそう……―――ってうぉおおーいっ!!?」
(せ、せっかくフォロー入れてやろうと思ったのに……このド外道が……っ!?)

垣根「あぁ?違うのかよ」ギロッ

浜面「本当でず;;」

固法「本当なのね」

初春「だ、だからってこんなボコボコにしなくてもーっ!」ワタワタ

垣根「あれ、鉄拳制裁ってダメなのか?だって一方通行は―――」

初春「一通さんの真似しないでくださーい!!」


544: 2010/11/11(木) 22:14:46.03 ID:Zr5tu2AO
固法「まったくもぅ……ゴメンなさいね、ウチの後輩ったら血の気が多い子ばっかりだから」

浜面「イエ、デハボクタチハコレデ……」ザッ

固法「待ちなさい」ガシッ

浜面「……」ダラダラ

固法「そこの女の子を背負うにしても、この指じゃ力入らないでしょ?」パシッ

浜面「へ」


…………グキンッッ!!


浜面「アァオゥッ!?」ビクン

固法「痛くなかったでしょ?これで大丈夫っ」ニコッ

浜面(関節技……!?こ、この女……やっぱり本物だ……!!)ゾク…

垣根「何だ今の?」

初春「固法先輩の十八番です~」タハハ

545: 2010/11/11(木) 22:16:48.36 ID:Zr5tu2AO
固法「本当は此処で補導したいトコなんだけど……どうやら病院に行くのを優先した方が良いみたいね」ゴソゴソ


…………ガチャン


固法「それと……優秀なドクターを紹介するわ、このメモを参考にして頂戴」カキカキ

浜面「……あの~……」

固法「ん?」

浜面「指を治してもらったのには感謝してる」

固法「ん」

浜面「しかもアンタは病院への手配までしてくれようとしてる」

固法「ん!」ニコッ


浜面「それなのにどうして僕は手錠を掛けられているのでせうか……」



546: 2010/11/11(木) 22:21:09.60 ID:Zr5tu2AO
固法「ちょっと甘いトコ見せると逃げ出す輩が多いからね……ホラ、もう片方はアナタに……」スッ

滝壺(……私、何も悪い事してないのに……)


…………ガチャン


垣根「……面倒くせぇやり方だな」

初春「仕方ないですよー、今は非常事態ですし人員を裂けませんから」

固法「―――これでよし、っと……病院に着いたらメモに書いてる番号に連絡してくれる?部下に鍵を持って行かせるから」

浜面「あ、あぁ……さ、行くか滝壺」スック
(一刻も早く此処から立ち去りてぇよ……)

滝壺「待って、はまづら」

浜面(えぇー……)

滝壺「かきね」

垣根「……?」


滝壺「―――……ありがとう」


垣根「っ……!」

547: 2010/11/11(木) 22:27:16.32 ID:Zr5tu2AO
浜面(あ……)

滝壺「あの時から、ずっと……言いたかったから」

垣根「……」

滝壺「……」

初春「……ほぇっ?」

滝壺「―――……行こ、はまづら」

浜面「お、おぅ……」ザッ

初春「今の……ど、どういう意味ですか?」

固法「イマイチ話が見えないんだけど……説明してくれる?」

垣根「んー……じゃあ以前路地裏で助けた女の子って設定で」

固法「ふーん……そっか」

初春「でも暴力はダメですよっ!」ビシッ


垣根(―――……クソッタレが)



548: 2010/11/11(木) 22:30:41.88 ID:Zr5tu2AO



浜面「……良かったのか?」トコトコ

滝壺「何が?」

浜面「いや、本当はもっとアイツと話したかったんじゃないかなーって」

滝壺「どうして?」

浜面「そりゃ……滝壺にとっちゃ、アイツはヒーローなんだし」

滝壺「……はまづらも、カッコ良かったよ?」ギュッ

浜面「そ、そうか?」テレッ

滝壺「うん、かきねの次に」

浜面(Nooooooooooooooooッッ!!!)

滝壺「それにはまづら、何だか逃げたがってたし」

浜面「あぁ……まぁ、風紀委員ってのはスキルアウトの天敵だからなぁ……」

滝壺「……それだけじゃないよね?」

浜面「……良いか滝壺、スキルアウトには『コイツにだけは近付くな』、『コイツを見かけたら武器もプライドも全てを捨ててさっさと逃げろ』、『氏にたくなければ抵抗するな』ってェ程の風紀委員や警備員の要注意人物が何人か存在する」

549: 2010/11/11(木) 22:34:16.97 ID:Zr5tu2AO
滝壺「……」

浜面「そん中でもタチが悪いのが言わずもがな『白髪で紅眼の最凶の風紀委員』、身も心もズタズタに引き裂く『風紀委員の腹黒空間移動系能力者』……しかし、その二人をも震え上げさせるのがさっきの眼鏡の風紀委員長……その通り名は『関節技(サブミッション)』!!」

滝壺「関節技……?」

浜面「あぁ……『透視能力』ってのは人間の筋肉や骨の動き、勿論眼球の向きだって直接視る事ができるわけだ……あの女の恐るべきはソイツを使って相手の次の行動を先読みし、それら全てをカウンターで対処できるレベルのしなやかな体術にある」

滝壺「……何だか地味」

浜面「だが強い、Dr.スランプアラレちゃんで言えば、めちゃんこ強い」

滝壺「……」

浜面「そもそも風紀委員長ってのは風紀委員をまとめる風紀委員で、俺達で言う麦野ポジションでエリートの中のエリートっつーか存在そのものがルールって言うか―――」ウンタラカンタラ

滝壺「はまづら」

浜面「え?」

滝壺「氏にそう」

浜面「そ、そうか……うん、そうだよなっ!」アセアセ

滝壺「うん」コクリ

浜面(恋敵はLv5か……喧嘩も能力も適わないかもしんねぇけど……そんな事よりも、まずは滝壺を氏なせるわけにはいかねぇんだ……!)

550: 2010/11/11(木) 22:38:50.23 ID:Zr5tu2AO
浜面(……俺には垣根が言ってた『崩壊』ってのが具体的にどんなのか分かんねぇけど……でも、どうせろくでもない事に決まってる、とにかく滝壺に能力を使わせなきゃ―――)


    マヨラ~♪


滝壺「……はまづら、ケータイ鳴ってるよ」

浜面「あぁ悪い、両手塞がってるから取ってくれるか?」

滝壺「うん」ゴソゴソ


    コノッテッヲーヒークモノナドイナイ♪


滝壺「……むぎのだ」

浜面「……俺が出る」

滝壺「うん」ピッ


551: 2010/11/11(木) 22:40:43.34 ID:Zr5tu2AO
麦野『はーまづらぁ、そっちに滝壺理后はいるかな?』

浜面「……あぁ」

麦野『やっぱ面倒くさいよねー、いちいちアイツ頃すのにこんな手間取らないといけないなんてさ……また向こうから来てくれりゃ楽なんだけど』

浜面「―――……アンタ、知ってたんだよな……滝壺の身体の事、『体晶』の事……」
(今、この街は……俺達はこんな事をしてる場合じゃないってのに……!)

麦野『うん、それがどうかした?』

浜面(こんな時に……!何やってんだよ、アンタは……ッ!?)ギリッ


    『―――ッが!?あがが、ががァ……ッ!!』


浜面「聞こえるか麦野、悪りぃが俺達はもう……アンタには付き合えねぇよ」



580: 2010/11/21(日) 04:10:04.22 ID:OFeLrgAO



フレンダ「……」

削板「アッチョンブリケ」ギュー

フレンダ「……」プイッ

削板(くっ、コレもダメとなると……)

フレンダ「……ねぇ、アンタ」

削板「おっ、やっと口開いてくれ―――」

フレンダ「まさかとは思うけど……もしかして、その変顔で笑わせようとしてるつもり?」

削板「応!!」

フレンダ「つまんない、っつーかアンタみたいなのは結局ウザイわけよ」

削板「なん……だと……?」

フレンダ「だからそれがウザイ」

削板「すいませんでした」


フレンダ「それに……別に、助けなんて求めてないし」ツンッ



581: 2010/11/21(日) 04:12:09.03 ID:OFeLrgAO
削板「でも泣いてたじゃねーか」

フレンダ「アンタには関係ないでしょ」

削板「あぁアレか、お前みたいなの……え~と、ツン、ツン……ツンデレドジっ娘メイドキャラって言うんだっけか?」ハハハ

フレンダ「デレてないし、そもそも私の何処がメイドなわけよ」

削板「もし俺で良かったら相談乗るぞ?」

フレンダ「アンタじゃダメだから乗らなくていい」プイッ

削板「さっきの様子だと誰かに襲われたのか?」

フレンダ「そんなんじゃないっての」

削板「じゃあ道に迷ったのか!?」

フレンダ「この歳で迷子になって泣くって何なのよ」

削板「親父さんとお袋さんに会いたくなったのか?両親と離ればなれだからなぁ……確かホームシックって―――」

フレンダ「……アンタ、次その話したら頃すわよ」ギロッ


582: 2010/11/21(日) 04:15:46.81 ID:OFeLrgAO
削板「むぅ……だったらこの大穴は何なんだ……?なぁ、自然現象?」

フレンダ「……ガス爆発じゃないの」ボソッ

削板「おぉ、それにびっくりしちまったわけか……成る程、納得」ポンッ

フレンダ(……馬鹿だコイツ)

削板「まぁ何だ……とにかくお前さんが無事で良かった、女の子に傷が付くと大変だもんな!」ニカッ

フレンダ(それに……変なヤツ)プイッ

削板「……なぁ、無視しないで聞いてくれるか」キリッ

フレンダ「っ!……な、何よ?」

削板「恐らくコレが風紀委員になっての俺の初仕事になると思うんだが……」

フレンダ「……」

削板「―――ところで俺はコイツをどう対処すれば良いんだ?」ポリポリ

フレンダ「……アンタみたいなのが、良くもまぁ風紀委員になれたもんよね」

削板「そんな褒めるなよ////」

フレンダ「うわウザっ」


584: 2010/11/21(日) 04:17:13.17 ID:OFeLrgAO
削板「……っ」ショボン

フレンダ(今度はホントに落ち込んじゃってるし……どんだけ繊細なわけよ)

削板「……」ウジウジ

フレンダ「……っだぁーもう分かった!私が悪かったわよ、だから元気出しなさいっての!!男でしょ!?」

削板(ヲトコ……!?)ピクッ


    ドドドドドドドドンッッ!!!!


削板「応ッッ!!そうだな、漢が根性見せずにウジウジしててもカッコ悪いもんな!!!」ガハハ

フレンダ(……結局、どうして私が励ます側になってんのよ……っつか、この煙は一体何なわけ?)ケホッ

削板「ありがとな、お前良いヤツだな!!」

フレンダ(ホント……変ヤツ)クスッ

削板「おっ、やっと笑ってくれたか」

フレンダ「……!!」


585: 2010/11/21(日) 04:20:59.82 ID:OFeLrgAO
削板「人間ってのはせっかく笑う事ができる生き物なんだからな、辛気臭い顔してても幸せが逃げちまうだけだぜ!」

フレンダ「べ、別に笑ってなんか……!」

削板「……」

フレンダ「う、ん……何かアンタ見てたら、私もちょっと元気出た気がする」
(幸せ……か……)

削板「おぉそうか、そいつぁ良かったな」ガハハ

フレンダ「……ホントはね、コレ……私の友達がやっちゃったの、警備員とかには内緒にしててくれる?」

削板「え、マジ?」

フレンダ「うん、だから私……もう行かなきゃ」スック
(このまま私と一緒にいたら……この馬鹿まで不幸になっちゃう)

削板「……そうか、そりゃ残念だな」

フレンダ「私達……もう会う事も無いかもしんないけどさ、アンタ―――」

削板「そんな事ねぇよ」

フレンダ「え……?」

削板「もう会えないなんて……そんな悲しい事言うなよな、同じ街の中に住んでんだぜ?生きてりゃその内バッタリ再会ってのも不思議じゃねぇだろ」フンス


586: 2010/11/21(日) 04:22:37.22 ID:OFeLrgAO
フレンダ「生きてれば……」ボソッ

削板「ん?」

フレンダ「うぅん、何でもない!あのさ……結局アンタ、名前なんて言うの?」

削板「よくぞ聞いてくれた!!第七七七支部所属……ジャッジメントの削板軍覇だ!!!」ビシッ

フレンダ「そっか……ねぇ、削板ぁ」

削板「応!!」

フレンダ「世界中の人間がさ、もしアンタみたいな能天気馬鹿だったら……争いなんて起きないのかもしんないのにね」ニコッ

削板「人類皆削板化計画か……―――って、俺は馬鹿じゃねぇぞッッ!!」プンスカ

フレンダ「……ふふっ♪バーカ」ベーッ

削板「むぅ……」

フレンダ(……ありがと)クルッ

削板「……」

フレンダ「……」


    「―――……さよなら」



587: 2010/11/21(日) 04:25:13.69 ID:OFeLrgAO



削板「……」

削板「―――ったく、何が『元気出た』だ……嘘つけよ、メチャクチャ哀しそうな眼ェしてたじゃねーか」

削板(しかも帽子忘れて行っちまってるし……それに気付かねぇ程に思い詰めてんだろ)ヒョイ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


削板(しっかしこの圧倒的破壊力……そして分かり難いが、辺りに蒸発した血肉の匂い……つい先程、複数の人間が此処でアイツの友達に虐殺された)

削板(こんな芸当ができんのは深い闇に堕ちたLv5超能力者……ってトコか、そしてソイツは今もこの街を徘徊してる)

削板「……」


削ぎ板「―――……仕方ねぇ、根性出して届けてやるとすっか」ザッ



596: 2010/11/21(日) 21:04:49.89 ID:OFeLrgAO
ヘッドギア「実は黒幕は俺だったりする」

砂皿「そうか、では投下だ」

598: 2010/11/21(日) 21:07:44.94 ID:OFeLrgAO
―――とある路上バザー通り



佐天「おっちゃん!天然ヤシの実ジュース一丁!!」

オヤジ「へィらっしゃい!モヤシジュース入りやっしたー!!」

佐天「おいおいおいおい堂々と間違えるなっ!!違う違う私がドリンクしたいのはそんな得体の知れない液体ではなく、南国ワイハでたわわに実った―――」

オヤジ「お待ちどう、380円ね」ドンッ

佐天「……ぅおーい、完全スルーかよコンチクショウ」

オヤジ「しっかし嬢ちゃん物好きだねぇ、新商品なのに誰も手をつけてくんないからさぁ……やっぱ若者にはウケないかな」ハハハ

佐天「……うん、まぁ……私も頼んでないんだけどね、可哀想だから買ったげる」チャリンチャリン

オヤジ「ちなみに言うとこのモヤシ、自家栽培なんだ」

佐天「……うん、まぁ……聞いてないんだけどね」


599: 2010/11/21(日) 21:11:26.96 ID:OFeLrgAO
オヤジ「また来てねっ!!」フリフリ

佐天(二度と来るかっ!)テクテク


    ワイワイガヤガヤニギニギヤカヤカ


佐天「……せーっかくの休日だってのに初春は風紀委員のお仕事があるって言うし、ホント暇だなぁ~」ズゾゾー

佐天(……むぅ、意外と美味なのが悔しいな……)

佐天(初春の頭ってモヤシ育つのかなぁ……)ボケー

佐天「……ん?」ピクッ


結標「はぁ……はぁ……」ヨロヨロ


佐天「……」ズゾゾー

結標「うぶ……っ、ぐっ……!」フラッ


600: 2010/11/21(日) 21:15:08.72 ID:OFeLrgAO
佐天「―――……え?え~っと……??」
(ち、血塗れのお姉さんが今横を通り過ぎて行ったけど……え、映画の撮影で良い……の、かな?)

結標「はぁ……っ!う、ぁ゛……!?」ガクンッ

佐天(え、演技凝ってるなぁ~……ってか、もしホントに撮影だったら私……こんなガン見してても良いのかな?カ、カメラ回ってるんだよね……もっとオシャレして来たら良かったかも)ズゾゾー

結標「あっ……あ、あ……っ!?」ブルルッ

佐天(それにこのお姉さん、服装とか汗とか凄いし……ち、ちょっと……工口、い……?もしかしてそっち系の……)ムラッ


結標「うぷっ」


佐天「へ?」


結標「ぇ……うげぇッ!ぉえ゛……っ!!うえ゛え゛えええぇぇぇぇぇ……!!!」ビチャビチャビチャ


佐天「わわわわわわわっ!!?だ、大丈夫ですかっ!?」タタッ
(ウ、ウソっ吐いた!?これマジじゃん!マジゲロじゃん!!)

結標「ぶが……っぇ……」ビクンビクッ

佐天(と、とりあえず背中をさすってみよう……)サスサス

結標「っ!うぁ……や、らめぇ……っ」ハァ…ハァ

佐天「うわぁ……エッッロい顔……―――じゃなかった!い、今救急車呼びますからねっ!!」ワタワタ


    「いい~え、結構ですの……その必要はございませんわよ?」



602: 2010/11/21(日) 21:17:19.83 ID:OFeLrgAO
佐天「ッ!……こ、この一度聞いたらクセになる声帯の持ち主は―――!?」クルッ


    パシュッ…………ポンッッ!!!


吹寄「えっ……風紀委員の避難信号弾!!?」

姫神「色は赤(コードレッド)。第一級避難警告……つまり―――。」


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


Ω ΩΩ(((『氏にたくねぇならとっとと失せろ!!!』だとォー!!?)))


黒子「ジャッジメントですのっ!!一般人の方々は今すぐ私の視界から消え失せてくださいまし!!!」ザッ


佐天「し、白井さんっ!!?」
(こ、こっちもボロボロだ……っ!)

黒子「……佐天さん、聞こえませんでしたの?そこの女は大変危険な能力者ですの……早く他の方々と同様に逃げてくださいましよ、この領域は直に戦場と化しますわ」

結標「……しら……い……」プルプル


603: 2010/11/21(日) 21:22:39.54 ID:OFeLrgAO
佐天「で、でも……」オロオロ

黒子「でも、ではございませんでしょう?……分からないのならば、と~っても耳寄りな情報を教えてさしあげますわ?」ズイッ

佐天「え……?」

黒子「空間移動系能力、『座標移動』……その女のチカラは最大射程八〇〇メートル、つまり彼女の視界全域が攻撃可能範囲と言っても過言ではありませんのよ……無能力者なアナタの身体を、その空間ごと抉り取れば一体どうなるかぐらいはご想像できて?」ニッコリ

佐天「……っ!」ゾク…

黒子「ご理解頂けたのならば回れ右、決して振り返らずに逃げてくださいな?四方三里にいる内は、巻き込まれても救う手立ては私にはございませんことよ?」

佐天「……でっ、でもそれは白井さんだって同じじゃん!」

黒子「ご心配なさらずに、空間移動系能力者同士は互いの能力に干渉できない法則というモノがありますのよ……彼女を止められるのはセ口リさんでも、ていとさんでもない……学園都市中でも私しかいませんの」ポンッ

佐天「や、やだよ!白井さ―――!!」ヒュンッ


黒子「……アリーデヴェルチ(さようなら)」



604: 2010/11/21(日) 21:24:38.26 ID:OFeLrgAO
結標「はぁ……はぁ……!!」

黒子「そうそう、先程は渡しそびれてしまったのですが……私、アナタにくれてやる物がありますのよ」ゴソゴソ

結標「ぁ、あ……?」

黒子「……どうぞ、ご自由にお使いなさって?」ポイッ


…………ポトッ


結標(コレは……?チューブ型……止血剤……)

黒子「さぁ……服を脱いで下着も取って、みっともなく這いつくばって……傷の手当てをしてくださいな?」

結標「……は?」ビキッ

黒子「私が味わった屈辱をアナタにも身を以て受けてもらうと言ってるんですのよ、私とアナタはそこまでやって初めて お、あ、い、こ ですのよ?このクズ野郎」ニッコリ


606: 2010/11/21(日) 21:28:13.25 ID:OFeLrgAO
結標「……やって、くれたわね?……でも、こういう子供みたいな仕返しは嫌いじゃないわ」

黒子「いいえ、単なる仕返しとは違いますわね……アナタはそれによって、今こうして私に追い詰められているのですから……」


…………ドクンッッ


結標「―――……なん、ですって……?」

黒子「あら、まだお気付きになりませんの?通信機器を失った私が、何故アナタの居場所が此処だと分かったのか……不思議だとは思いませんでしたの?」

結標(さっきの携帯端末はフェイクとでも……?まさか、まだ隠し球が―――)


黒子「ブブーッ残念、ハズレですの~っ」ベーッ


結標「っ!?」

黒子「右肩、左脇腹、右太股、右ふくらはぎ……簡単ですわよねぇ?自分がやられた場所を、そのまま貫けばよろしいんですもの」ニヤニヤ

結標(っ!ま、さか……いや、そんな……!?)ハッ


607: 2010/11/21(日) 21:32:41.49 ID:OFeLrgAO
黒子「ふふっ、その苦い顔……理解できましたの?……でしたら、わざわざ説明するまでもありませんわよね?」

結標(この状況……この怪我、この場所!そして……この、能力!!同系統の能力者である私と同じ状況を作り出す事で、その行動パターンをも予測したとでも……!!?)


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


黒子「―――……それにしても、マズイですわよねぇ……」フフッ

結標(このっ……小娘が……ッッ!!)ギリッ

黒子「公でこんな騒ぎを起こしてしまえば、あのLv5の風紀委員共が直ぐにでも駆け付けてしまいますの♪」ニコニコ


結標「!!!」


黒子「私がハッタリでも使っているとお思いでしたら、『座標移動』で逃げてしまってもよろしくてよ?……しかし、例えアナタが地球の裏側に逃げてしまおうが私は必ず逃走先を暴きますケド」

結標(一方通行……垣根帝督……っ!マズい……マズいわ……!!今の状況に加えて、更に強力な能力者まで乱入して来るとすれば、私の勝利など……っ!!!)

黒子「書庫からの事前情報、アナタと刃を交わした時に得た経験、そして同系統能力者としての似たような心理構造……私は己の直感を、既に様々な情報で補強していますの」

結標(ならば……私が取るべき行動は―――!!)ギロッ


608: 2010/11/21(日) 21:40:02.02 ID:OFeLrgAO
黒子「さぁ……どうすれば良いんでしょうねぇ?こんな時、せめて自分の体を軽々と空間移動できれば少しは気休めにでもなるのでしょうに……」

結標「……っ」ピクッ

黒子「ふふっ、確かアナタ……二年前の時間割(カリキュラム)において、転移座標の計算ミスにより片足が壁にめり込んでしまった……とか」

結標「……それが何か?」
(やはり調べ上げている……『座標移動』の、結標淡希の致命的な欠陥を……!)

黒子「その事故で大怪我を負い、大きなトラウマを生む……それ以来、自分への能力作用時には体調を狂わせるほどの激しい精神的消耗が伴うようになってしまった、と」

結標「……黙りなさい」

黒子「……墓穴、掘ってしまいましたわね?決氏の覚悟で行使した空間移動も無駄に終わり、既にアナタは疲労困憊……後は赤子の首を捻るようなものですの」

結標「だ、ま、れ、と言っている……ッ!!」

黒子「確かにアナタの能力は私の『空間移動』よか遥かに強力……しかし今は、初見ではなくお互いの手の内は明かされてますのよ?そのトラウマがある時点で私とアナタの戦力差はひっくり返ってますの」

結標(そんな……ハズがない、私の……『座標移動』は―――)

黒子「もう一度言いますわね……結標淡希さん、投降なさい」

結標「黙れ……っ!黙れ、黙れ黙れ黙れぇ……ッッ!!」

黒子「はぁ……三下、ですわね」ヤレヤレ

結標「……っ!!」ビキビキッ


609: 2010/11/21(日) 21:43:09.66 ID:OFeLrgAO
黒子「本来は超能力者(Lv5)認定される程の怪物能力、『座標移動』……しかし、己を飛ばせぬ空間移動系能力者などは私にとって既に恐るるに足らず……フン」

結標「白、井……っ!?」プルプル
(言うな……それ以上は……!!)



黒子「―――……陳腐な能力者ですこと」ボソッ


結標「~~~~~~~ッッ!!!」ブチブチブチッ


…………カシャンッ


黒子「っ……!?」ピクッ
(乗用車のウィンドウがいきなり……これは攻撃?否―――)


    ヒュンッ、ヒュンッ…………


結標「う、ううう゛ううううぅぅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……っっ!!!」ガシガシガシ

黒子(―――……こ)ゾク…


    ヒュンヒュンッヒュッヒュンヒュンッ…………!!


黒子(これは……!?)

結標「  し  ら  い  ・  ・  ・  ・  っっ!!」ギロッ


    ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ・ ・ ・ ・


結標「しらいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッ!!!!」

黒子(能力の……暴、そ―――!!)


    ゴアッッッッ!!!!



630: 2010/11/27(土) 22:25:22.58 ID:T/w0OEAO
―――とある街角



絹旗「お兄ちゃんっ♪」

一方通行「……」トコトコ

絹旗「あ、あれっ?待ってくださいお兄ちゃーん!」トテトテ

一方通行「……ッ」プルプル

絹旗「超お兄ちゃんっ><」

一方通行「うるせェェええええええええええッッ!!!」

絹旗「なうっ!?」ビクッ

一方通行「さっきからお兄ちゃンお兄ちゃンお兄ちゃンお兄ちゃンあああああああああもォォォおおおおおおおおおッッ!!!オマエは俺のトラウマに新なる一ページを刻むつもりかそォなのか!!?」

絹旗「よ、呼んでるのにお兄ちゃんが返事してくれないからじゃないですかっ!!」プンスカ

一方通行「何なンですかァこの展開はあァァ!!?クッソ一大事な時に次から次へとどいつもこいつも俺の邪魔ばっかりしやがってェェええええええッッ!!!」ゴロンゴロンッ


631: 2010/11/27(土) 22:28:39.35 ID:T/w0OEAO
絹旗「私は邪魔なんかしてませんっ!例え世界中を敵に回しても最愛はお兄ちゃんの超味方ですよっ?」ムギュッ

一方通行「オーケーオーケー、感激して涙がちょちょ切れちまいそォだなァ?オマエがイカれてンのは充分理解したから一々引っ付くンじゃねェっつの!!」グイグイ

絹旗「お、男だったらこんな時は『な、何か腕に超ムニムニした柔ァーらかい感触がァ~』とかって超照れながらも心中堪能するモンだと思いますけどねっ!?」

一方通行「俺にそのセリフを言わせる程の膨らみをオマエは持ち合わせちゃいねェだろ、漫画の読みすぎだ」

絹旗「漫画ではなく超C級映画の影響ですよーっ><」ムギュー

一方通行「だから離せってンだろこの野郎!街行く人々の冷たい視線が突き刺さってンだろォがよおォォ!?」

絹旗「……おや?」ピクッ

一方通行「……何だ」

絹旗「お兄ちゃんってば良く見たら頬っぺた超怪我してますね……バイ菌でも入れば大変ですっ!!」ワタワタ

一方通行「あァ……?」
(番外個体の磁力砲の……)

絹旗「待っててくださいね、今私が……」ゴソゴソ

一方通行「……っ!?」ゾクッ


絹旗「―――……液体窒素で瞬間凍結させますので♪」ニコッ



632: 2010/11/27(土) 22:31:49.67 ID:T/w0OEAO
一方通行「オ……オマエは馬鹿か!?ンなモンやったら顔面粉々になって御陀仏に決まってンだろ!!」グイグイ

絹旗「う、上手くやりますから大丈夫ですよー!!」

一方通行「大丈夫ってェ自信はオマエの何処から湧き出て来やがンだァァ!!?」

絹旗「うぅ……!」グスッ

一方通行「ンな……!?」

絹旗「窒素ぱーんち><」ブンッ


    ボグシャアァッッ!!!


一方通行「がっ、ァァああああああああああッッ!!?」ゴロゴロゴロンッ

絹旗「酷いです酷いです!お兄ちゃんってば超酷いです!!いつもなら超優しい言葉掛けてくれたり私の頭いっぱいナデナデしてくれるのにぃっ!!!」

一方通行「ち、ちょっと……待て、俺の知ってる一方通行さンとはイメージが余りにもかけ離れてンだがァ……?」ヨロヨロ

絹旗「お兄ちゃんが傍にいてくれたから最愛は実験だって超頑張れたんですっっ!!」


633: 2010/11/27(土) 22:34:12.08 ID:T/w0OEAO
一方通行「っ……!?」
(『暗闇の五月計画』……確か俺の演算パターンを参考に……そうか、コイツまさか……!?)

絹旗「ふええっふぇぇぇぇぇぇぇん……!!」メソメソ

一方通行「あ、あァ~分かった分かった、俺が悪かった……だから泣き止め、な?」

絹旗「ナデナデしてくれるなら泣き止むかもですよ?」

一方通行「」

絹旗「うわーんうわーん」ビエーッ

一方通行「ッッ~~~~~~~!!!」ナデナデ

絹旗「えへへ……////」クスン

一方通行(……学習装置(テスタメント)で強制入力されたのか、コイツが自分で暗示を掛けてたのかは知らねェが……俺の肉親と信じ込む事で『自分だけの現実』を最適化しよォとした……?)グシグシ

絹旗「ち、ちょっ、痛っ!?お、お兄ちゃん力入りすぎです!頭ハゲます超ハゲます!!」

一方通行(ソイツを俺がフラッシュバックさせちまったってェのかァ?そンな奇跡があって堪るかよクソッタレ!!)ガシガシガシ

絹旗「ハ、ハゲーッッ!!!」


634: 2010/11/27(土) 22:37:20.56 ID:T/w0OEAO
一方通行「―――なァ、オマエ」

絹旗「な、なんです?」ヒリヒリ

一方通行「……何でこンなくだらねェ事件起こしやがった?」

絹旗「むぅー……お兄ちゃんってば、まだ勘違いしているんですね……でもそういうトコも可愛くて超大好きなんですけどっ♪」ニコニコ

一方通行「真面目に答えろ」ギロッ

絹旗「うぅっ……わ、私達は『アイテム』です……今回の親船暗殺騒動を引き起こしたのは『スクール』っつー超馬鹿共ですよっ」

一方通行(『スクール』……確か、第四位も言ってやがった……)

絹旗「私達『アイテム』の活動内容は学園都市統括理事会を含む上層部や極秘集団の暴走の阻止です、今回の『スクール』の反逆を事前に阻止する事はできませんでしたが……」

一方通行(『スクール』、『アイテム』……そンで確か結標の野郎は『グループ』っつってたな、狙撃手は『スクール』の構成員……ならば俺は誰を取っ捕まえりゃイイ……?)

絹旗「私だって好きでこんな超クソッタレな仕事をやっているわけではありませんよ、ただ『置き去り』である私達には他に居場所が無い……それだけです」


635: 2010/11/27(土) 22:40:22.41 ID:T/w0OEAO
一方通行「……そォか」
(成る程ねェ……そォいう使い捨てのイカれた実験は全て『置き去り』が被るワケか)

絹旗「でも、お兄ちゃんが超カッコ良く颯爽と助けに来てくれたから私は超オッケーなんです!」ムギュッ

一方通行「あァ?」

絹旗「風紀委員の身寄りがいるとなれば、きっと私もこんな闇からオサラバできるはずなんですからーっ♪」スリスリ

一方通行(やっぱりコイツも……)

絹旗「えへへ♪」ニコニコ


    「いィィィィィィィっつうゥゥゥゥゥゥゥゥゥクゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……?」


一方通行「……ッ!?」ゾクッ

絹旗「んぅ?」チラッ


固法「い、一体何をやっているのかしらぁ~……?」ヒクヒク


一方通行「ばびゃばらはばばぶァら」



636: 2010/11/27(土) 22:44:06.92 ID:T/w0OEAO
固法「あ、あぁ~ナルホドね……私に見せたい物ってソレの事だったの、ふーん……白井さんが頑張ってるってのに、アナタは女の子引っ掛け回してヘラヘラ遊んでいたと……」

一方通行「ち、違うンスよォォ……!」アセアセ

固法「ふーんだ、何よ……見直して損したわっ!」プイッ

一方通行(ど、何処から説明すりゃイイってンだァ……!?考えろ、俺ァ学園都市一の頭脳を持つ―――)

絹旗「むうぅ~!!」ムスッ


…………もにゅんっ


固法「え……っ」ビクン

絹旗「ちょっとお兄ちゃん!!一体誰なんですか、さっきから偉そうなこの超ニセ乳女はっ!!?」モミモミ

一方通行「」

固法「な、っな……?なぁ……////」カアアァ…

一方通行「バァァあ゛あ゛ああああああああああああああああッッ!!?」


637: 2010/11/27(土) 22:45:07.72 ID:T/w0OEAO
絹旗「む……むむ?」ムニムニ

固法「……っ!ちょ……こ、コラぁ……んっ」

絹旗(こ、この感触は……)フニフニ

固法「や……やめなさい!いきなり何するのっっ!!?」シュババッ

絹旗「……」ワキワキ


    ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・ ・


絹旗「―――な、何ですか……妙に本物っぽいじゃないですかぁ……」

固法「本物だあああッッ!!!」プンスカ

一方通行(どォしてこォなった)


638: 2010/11/27(土) 22:48:39.97 ID:T/w0OEAO
絹旗「お兄ちゃんっ!」ジロッ

固法「一通くんっ!!」ギロッ

一方通行「っっ!!?」ビクッ

固法「またこんな小さい子を捕まえて……どういう事か説明しなさいっっ!!!」ズイッ

一方通行「ま、『また』って何だよ……!?それじゃ俺がただのホワイト口リータみてェじゃねェかよォォ……」

絹旗「ち、小さいって何ですか!?私の胸だってあと二、三年もすれば……」

固法「胸の話をしているんじゃないのっ!!」

絹旗「ううぅぅ!お、お兄ちゃん的には巨Oさんが超ヒットなんですかっ!?」ズイッ

一方通行「バ、馬鹿野郎ォ……乳のデカさなンてモンはステータスなンだよォォ……」


640: 2010/11/27(土) 22:53:10.47 ID:T/w0OEAO
固法「本っっ当に呆れたわ……もう良い分かった、ずっとそうしてなさい」ヤレヤレ

絹旗「言われなくてもそうしますよ~―――だばッ!!?」ミシ…ッ

    げ ん こ つ !!!!


一方通行「もォ頼むからオマエは黙ってろ!!」

絹旗「ど、どうしてですか~っ!?」ヒリヒリ

固法「いいわよ、私もう行くから」プイッ

一方通行「ッ!だ、だから違げェンだよ!!俺がアンタに渡したかったのはコイツだ!!!」スッ

固法「……何?コレ」
(銃……ではないわね、流石に)

一方通行「嗅覚センサーってヤツだ、アンタが持ってる打ち止めのケータイから足跡を辿れるハズなンだよ」

固法「こんな物を何処から……―――ってのは」チラッ

絹旗「むっ」ササッ

固法「……聞けば長くなりそうね……分かったわ、一息ついたら話して頂戴」

642: 2010/11/27(土) 22:55:28.09 ID:T/w0OEAO
一方通行「あァ、ついでに言っとくが俺ァ遊ンでワケじゃねェぞ」

固法「ん、分かったからちょっとこっち来なさい」チョイチョイ

一方通行「あァ?」

固法「気付いてないの?ホラ鼻血……みっともない」フキフキ

一方通行「ぶァい」

絹旗「っ!?」

固法「―――と、頬の切り傷ね……ハイ、絆創膏……っと」ペタッ

一方通行「……サーセン」

固法(他にも殴られた跡が沢山だけど……話してくれないわよね……)

絹旗「ちょちょちょ!アナタ一体何やってんです!!?」ワタワタ

固法「ん?何って……傷の手当だけど」

絹旗「私がやりますから超結構です!お兄ちゃんもどうしてアッサリと受け入れてんですか!?私の時は超全力で拒否ってたのにぃっ!!」

一方通行「オマエのは何か殺意が籠ってる」

絹旗「超誤解ですうううぅ!そんな事ないですってばー!!」ゴロンゴロンッ


644: 2010/11/27(土) 22:58:26.18 ID:T/w0OEAO
固法「ふぅ、じゃあ私もう行くけど……アナタは白井さんの応援に行ってあげて、初春さんなら先にあるカフェでていとくんと休憩してるから」

一方通行「うっス」

固法「それから一通くん、何度も言ってるけど……アナタの何でも一人でこなそうとするその癖、直さなきゃダメよ?」

一方通行「……」

固法「皆の為に頑張るのは良い事だけど、力があるからって一人で突っ込むのはまた別よ?私達はチームで動いてるの、だからしばらくは彼と一緒に行動しなさい」

一方通行「っ!?な、何でアイツと……!」

固法「先輩命令よ、理由は……何となく分かるわね?」

一方通行「……チ」

固法「ん、素直でよろしい!」ニコッ


645: 2010/11/27(土) 23:00:14.73 ID:T/w0OEAO
一方通行「ちっくしょー……ババァはともかく、どォしてアイツなンかと……」ブツブツ

固法「それじゃ……くれぐれも無理はしない事」

一方通行「チッ……だからアンタは心配し過ぎだっつの」

固法「されてる内が華だと思いなさい、バカモノ」クルッ

一方通行「……眼鏡先輩よォ」

固法「ん?」

一方通行「ババァは俺が何とかする、だから……クソガキを頼む、アイツも狙われてるかもしれねェンだ」

固法「『俺が』じゃなくて、『俺達が』……でしょ?」

一方通行「あァ……俺達が、何とかする」ポリポリ

固法「……よし来た、先輩に任せなさいっ♪」ニコッ

647: 2010/11/27(土) 23:03:38.44 ID:T/w0OEAO
今日分終わりー

一回の投下で一パートずつ終わらしてく事になりそう

ではまたノシ

引用: 垣根「ジャッジメントか……悪くねぇ」