1:◆6RLd267PvQ 24/03/13(水) 18:06:40 ID:gsNJ
掌編。それこそ何でもない話。

2: 24/03/13(水) 18:06:59 ID:gsNJ
加蓮「……すんっ…」ウルッ

P「ほら鼻」ハイヨ

加蓮「ん……」フキフキ

P「全く天下のアイドル様が何て顔してやがる」チャリン ガコン

加蓮「だって……正直こんな刺さるとか思わないじゃん…奏だよ?」

P「奏推薦の映画がB級ばっかみたいな言い方はやめてやれ」ホイッ

加蓮「…ありがと」キャッチ

3: 24/03/13(水) 18:07:19 ID:gsNJ
P「……にしてもまぁ予想は裏切ってきたな、まさかあそこで脇役だと思ってたアイツがなぁ」チャリン ガコン

加蓮「えー、Pさんそっちなんだ」

P「お前もグッと来てたろ、見てんだぞ」

加蓮「うぇ、画面見なよ」

P「こういうのは横のやつの反応含みだろ」

加蓮「私さぁ」

P「うん」

加蓮「映画みたいだなって思う時、あるんだよね、生きてて」

P「実際映画化したろ」

4: 24/03/13(水) 18:07:34 ID:gsNJ
加蓮「それと別で!もー、話の腰折らない」

P「へいへい」

加蓮「ずーっと部屋の中が世界の全てでさ?何の変哲もない毎日で、学校にもろくに行けてなかったし、決まった時間に薬飲んで、決まった日に採血してレントゲン撮って、それで、決まった時間に消灯してさ」

P「………」

加蓮「生きてるって感じ、しなかったんだよね」

5: 24/03/13(水) 18:07:50 ID:gsNJ
P「……初めて会った日のお前の目をさ、何だか…妙に覚えてんだよな、それこそたまに夢に見ちまうくらい」

加蓮「私そんな変な目してた?」

P「氏んでたな、アレは」

加蓮「そっか……そうかも」

P「けど、今はこうして何とはなしの話題でも、盛り上がれるだろ」

加蓮「盛り上がったかなあ」

P「話の腰」

加蓮「はいはい」

6: 24/03/13(水) 18:08:08 ID:gsNJ
P「まぁつまり……俺が言いたいのは……えー…」

加蓮「……このまま解散はつまんないからポテトを食べにファミレスへゴー、とか」

P「バカ言え、そんな安っぽい話じゃ」

加蓮「私には安っぽい話じゃないもんねーだ」

P「この女……」

きっと、他の人から見たらありふれた、何でもない話。
そんな何でもない話を、これからずっと、続けていけたらって。

今は、そう思えるんだ。

ーおしまいー

7: 24/03/13(水) 18:08:30 ID:gsNJ
物語はきっと、始まったばかり。

お目汚し、失礼をば。

引用: 北条加蓮「何でもない特別な日を」