1: 2011/07/01(金) 20:12:07.76 ID:wARXhob20
2: 2011/07/01(金) 20:12:46.53 ID:wARXhob20

◇あらすじ

第三次世界大戦後、アレイスターから風紀委員の活動に協力するよう命令を受けた『グループ』
『グループ』は一方通行、結標淡希が抜け土御門元春、海原光貴の2人しかいなかったが
理事会の指示により上条当麻、青髪ピアスが『新生グループ』に加入。
『アイテム』、『スクール』の暗部の組織も風紀委員の活動に協力することに。
彼らと凶悪犯罪者との戦いを描くアクションストーリー! ではなく平和な日常を描いた物語。


◇注意事項

・SSに都合がいいようになってますが目を瞑って下さい。
・基本、週に2~4回投下。
・主人公が出ない期間もしばしば。
・特定のカップリング以外認めない方は閉じてね。
・魔術側は全然出てきません。フィアンマくらい。
・ぐだぐだ、ほのぼの、ぽりぽりの三拍子を心掛けてます。



◇主要登場人物は>>3-5でご紹介します。
『三沢塾(かがくすうはい)』
4: 2011/07/01(金) 20:13:37.39 ID:wARXhob20

◇上条当麻
新生グループのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
フレンダと交際中。インデックスは英国に帰国し現在は一人暮らし。


◇垣根帝督
スクールのリーダー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
吹寄制理の恋人。電話帳の登録が増えるのがささやかな喜び。
          

◇フレンダ=セイヴェルン
アイテムのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
上条と交際中。フレメアと二人暮らし。


◇海原光貴(エツァリ)
新生グループのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
アステカの魔術師。美琴が絡まなければ紳士。滝壺とは良き友人。
          

◇滝壺理后
アイテムのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
浜面の彼女。海原とは良き友人。


◇土御門元春
新生グループのリーダー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
上条の親友で同級生。舞夏と上条を守る頑張り屋さん。

5: 2011/07/01(金) 20:14:09.06 ID:wARXhob20

◇青髪ピアス
新生グループのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
上条の親友で同級生。正体は学園都市第6位の超能力者。笑顔の裏には、暗い過去も。
                  

◇固法美偉
第一七七支部所属の風紀委員で、皆の頼れるリーダー。
垣根と麦野が唯一頭が上がらない人物。風紀委員達の間で女王と呼ばれている。


◇絹旗最愛
アイテムのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
あすなろ園に実妹がいる。柵川中学二年生。


◇浜面仕上
アイテムのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
滝壺の恋人。第一七七支部でもアイテムと同じいじられキャラ。


◇麦野沈利
アイテムのリーダー。風紀委員の活動に協力中。第一七七支部に所属。
初春、佐天に出会い妹属性に目覚め彼女らと親交を深める。


◇白井黒子
第一七七支部所属の風紀委員。御坂美琴LOVE。絹旗と仲良し。
風紀委員である前に、彼女は性人である。


◇初春飾利
第一七七支部所属の風紀委員。風紀委員に参加してきた麦野と仲良くなる。       
初春の花飾りには、フィアンマも驚愕した程。    

6: 2011/07/01(金) 20:15:01.17 ID:wARXhob20

◇フレメア=セイヴェルン
フレンダの妹。人懐っこく、元気一杯な小学生。
打ち止めとは、同級生で親友。


◇削板軍覇
学園都市第七位の超能力者。風紀委員の活動に協力中。第一八○支部に所属。
心理定規とはいい感じらしい。


◇原谷矢文
第一八○支部所属の風紀委員。削板の相棒。アニメオタク。
姫神に一目惚れし、いい感じになってるっぽい。


◇心理定規
元スクールのメンバー。風紀委員の活動に協力中。第一八○支部に所属。
削板とはいい感じらしい。


◇吹寄制理
上条達の同級生。垣根の恋人。


◇姫神秋沙
上条達の同級生。上条に失恋するも、原谷といい感じっぽい。


◇フィアンマ
元ローマ正教の神の右席。レッサーと二人で世界を旅している。
学園都市にはちょくちょく来る。ローマ正教の現状を嘆いている。

7: 2011/07/01(金) 20:15:44.90 ID:wARXhob20

登場人物は>>4-6に変更。

前スレ埋め次第投下します。

これからもよろしくです!

9: 2011/07/01(金) 20:41:30.61 ID:wARXhob20

スレ埋め、ご協力誠にありがとうございました。

そしてこれからもよろしくお願いします。

いつ終わるんだかって感じですよね、はい。

それでは投下します!

10: 2011/07/01(金) 20:42:33.99 ID:wARXhob20

~ 一時間後 ~



上条「しかし、魔術師来なかったな」テクテク


土御門「油断は禁物だぜい、カミやん」テクテク


フィアンマ「……」テクテク


上条「そうだな」


土御門「……ん?」


フィアンマ「お前も気づいたか?」


土御門「……ああ」

11: 2011/07/01(金) 20:43:16.01 ID:wARXhob20


上条「ど、どうしたんだ?」


フィアンマ「なに、お前を狙う魔術師が近くにいるだけだ」


上条「なっ!?」


フィアンマ「いるんだろ? 出て来い」



フィアンマがそう言い終えると、電柱の影から一人の男が現れた。
髪はスキンヘッド、格好は見るからに魔術師という感じだ。



魔術師「ほほう。俺様の気配に気づくとは中々やるな」


上土(俺様?)


フィアンマ「ふん。お前がドイツ精教の魔術師か?」

12: 2011/07/01(金) 20:44:02.77 ID:wARXhob20

魔術師「そうだ。私はドイツ精教のナンバー3、ミハエ――――――」



ドイツ精教の魔術師の言葉が途切れる。
何故か。理由はフィアンマの第三の右腕が、魔術師のわき腹に直撃したからだ。



魔術師「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


フィアンマ「雑魚が……やはり、土御門だけで十分だったな」



魔術師の男は、そのまま意識を途絶えた。
彼が半年もかけて立てた計画は、元ローマ正教の魔術師により一瞬で砕け散った。



魔術師「……」


土御門「圧倒的すぎるぜい……」


上条「なんて理不尽な負け方だ……」

13: 2011/07/01(金) 20:44:59.17 ID:wARXhob20

土御門「確かに。せめて自己紹介くらいはさせてやれにゃー……」


フィアンマ「ふん。俺様は、そんな男に興味がないのでな。それに……」


上土「それに?」


フィアンマ「一人称が俺様と被っていたからな」


上土「」


フィアンマ「……さて、アレイスターにメール送るか」



フィアンマは、そう言うとアレイスターからプレゼントされた最新式の携帯電話を取り出し、メールを打ち出した。
彼の足元には、上条当麻を狙った魔術師がうつ伏せで倒れているが、彼を注目している者など最早誰もいなかった。



フィアンマ「ターゲットの駆逐完了。さっさと回収しろ……と」

14: 2011/07/01(金) 20:45:43.76 ID:wARXhob20
上条「……なぁ、土御門」


土御門「なんだ、カミやん」


上条「一応、ドイツ精教ナンバー3って言ってたからそれなりの魔術師なんだよな?」


土御門「……恐らく」


上条「あははは……」


土御門「よくあいつに勝てたな、カミやん」


上条「……そうだよな」


フィアンマ「さて、十分後に回収に来るそうだからそれまではここにいるぞ?」


15: 2011/07/01(金) 20:46:24.45 ID:wARXhob20

上条「お、おう」


土御門「了解だぜい」


フィアンマ「……それと、そろそろ出てきたらどうだ? アステカの魔術師」



海原「……おやおや、ばれてましたか」


上条「海原!?」


土御門「お前?」


フィアンマ「まぁな。だがそこで倒れている男よりはマシだったがな」


海原「それはそれは……」

16: 2011/07/01(金) 20:47:04.61 ID:wARXhob20

フィアンマ「貴様も俺様に何か用か?」


海原「……いえいえ。ただ、神の右席であろう方が本当に上条さんの護衛に来たか確認しに来たわけです」


フィアンマ「……なるほど。用心深いことはいいことだ。褒めてやるぞ?」


海原「ありがとうございます」


フィアンマ「……それで、俺様が言ってたことは信じてもらえたかな?」


海原「ええ。もちろん」


フィアンマ「ふっ。上条当麻、お前は仲間に恵まれているな」


上条「え? あ、ああ……海原もわざわざ悪かったな」

17: 2011/07/01(金) 20:47:59.16 ID:wARXhob20

海原「いえいえ。貴方にもしものことがあれば、御坂さんが悲しみますので」


土御門「相変わらず『超電磁砲』LOVEだにゃー」


海原「……それでは、自分はこれで失礼します」


上条「おう、またな」


海原「はい」



フィアンマ「……おい、アステカの魔術師」


海原「はい?」


フィアンマ「……せいぜい、原典に食い殺されないように気をつけることだな」ヒソヒソ

18: 2011/07/01(金) 20:48:51.60 ID:wARXhob20

海原「―――――――ッ!?」


上土「?」


海原「……なぜ、わかったんです?」ヒソヒソ


フィアンマ「それは俺様だからだ」


海原「答えになってませんね……」


フィアンマ「安心しろ。誰にも言わん」


海原「…………多少、不安ですが今はそのお言葉を信じましょう」


フィアンマ「ああ」


海原「それでは、自分はこれで」


フィアンマ「ああ」



十分後、アレイスターの部下達が現場に駆けつけ、ドイツ精教の魔術師は回収された。
上条達は、結局魔術師の名前がわからないままお別れすることになった。

19: 2011/07/01(金) 20:50:19.23 ID:wARXhob20

~ 22時 上条宅 ~



上条「……しかし、圧倒的だったな」


フィアンマ「ふん、雑魚だったからな」


上条「でもドイツ精教のナンバー3なんだろ?」


フィアンマ「……あんなのがナンバー3だから、ドイツ精教は駄目なのだ」


上条「そ、そっか……」


フィアンマ「さて、俺様は明日、朝早いのでそろそろ寝るぞ」


上条「何時頃出るんだ?」


フィアンマ「……八時頃だな」


上条「結構早いのな。朝飯は食ってけよ?」


フィアンマ「……ああ。有難く頂こう」


上条「それじゃー、俺も寝るかな。おやすみ」


フィアンマ「……ああ」

20: 2011/07/01(金) 20:51:05.04 ID:wARXhob20

~ 翌日 七時 ~



アサデスヨー



上条「……ん……」


上条(七時か……確かフィアンマ、八時に出るんだったな)


上条(そろそろ起きるか……)チラッ


上条「ん!?」


上条「あれ、フィアンマがいない!?」


上条「……」


上条「あいつ、黙って出ていきがって……」


上条「もう一回くらい感謝させろよな……」

21: 2011/07/01(金) 20:51:48.10 ID:wARXhob20

~ 同時刻 窓もドアもないビル ~



アレイスター「『幻想頃し』の護衛、感謝する」


フィアンマ「ふん。あんな雑魚が相手だったら俺様の力なんか必要なかったな」


アレイスター「そう言うな。念には念をだからな」


フィアンマ「……あの男はどうするんだ?」


アレイスター「おや、自分が倒した相手を気遣うとはな」ニヤリ


フィアンマ「黙れ。さっさと質問に答えろ」


アレイスター「ふむ。暫くは拘束をして、その後はドイツ精教との交渉材料に使わせて貰おう」


22: 2011/07/01(金) 20:52:15.01 ID:wARXhob20

フィアンマ「なんだ、殺さないのか?」


アレイスター「もう私は、無闇な殺生はせんよ」


フィアンマ「お前がジョークを言うとは面白いな」


アレイスター(ジョークじゃないんだけどな……)ションボリ


フィアンマ「それじゃー、俺様はまた旅に戻るとするぞ」


アレイスター「ああ。次は何処に行くんだ?」


フィアンマ「……イギリスだ」


アレイスター「ほう、イギリスか。何故だね?」


23: 2011/07/01(金) 20:52:50.49 ID:wARXhob20

フィアンマ「……じゃじゃ馬娘を迎えに行ってくる」


アレイスター「相変わらず仲がいいな、君達は」


フィアンマ「冗談はよせ。それじゃー、失礼する」


アレイスター「ああ」









フィアンマ「……」


フィアンマ(ぬっ!? しまった、俺様としたことが忘れ物を!? それにあれもないではないか!?)


フィアンマ「……仕方ない、戻るとするか……面倒くさいが……」

24: 2011/07/01(金) 20:53:28.66 ID:wARXhob20

~ 8時 上条宅 ~



ピンポーン



上条「はいはーい」ガチャン




























フィアンマ「よう」

25: 2011/07/01(金) 20:54:04.28 ID:wARXhob20

上条「」


上条「……あれ、もう帰ったんじゃ?」


フィアンマ「携帯電話を忘れてしまった。お邪魔するぞ、上条当麻」


上条「」


フィアンマ「ついでにチケットも失くしてしまった。もう空港まで行く元気もない。もう一泊させてもらうぞ」


上条「……」


フィアンマ「とりあえず、朝食だ。和食、洋食問わん」


上条「……」


フィアンマ「どうした? さっさと朝食の準備をしろ」


上条「……不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

26: 2011/07/01(金) 20:54:50.71 ID:wARXhob20

~ 二日後 イギリスとある女子寮 ~



レッサー「……暇です」ハァー


禁書「私達が暇ってことは、平和ってことなんだよ。いいことかも」


アンジェレネ「そうですねぇ。くつろげますし」


禁書「先週は、三つも魔術結社を壊滅させたから今週はゆっくりしていたいかも」


レッサー「一週間で三つも……相変わらず怪物ですね……」


禁書「ぬぬぬっ!? 私の何処が怪物なのかな!?」


アンジェレネ「食欲?」

27: 2011/07/01(金) 20:55:32.17 ID:wARXhob20

レッサー「……ああ、それもですね」


禁書「二人とも、乙女の私に向かってちょっと失礼かも!!」


レッサー「乙女は、一週間で魔術結社を三つも壊滅させたりしません」


禁書「うぅぅぅ……だって、あの人達はとうまを狙ってたんだもん……」


レッサー「……それにしても、建物ごと破壊するとは……」


禁書「それは私じゃなくて、あっちに文句言って欲しいかも!!」



ギー



フィアンマ「邪魔するぞ」


アンジェレネ「あっ、フィアンマさん」

28: 2011/07/01(金) 20:55:57.29 ID:wARXhob20

禁書「フィアンマだ。レッサーをお迎えに来たのかな?」


レッサー「フィアンマさん……」


フィアンマ「さぁな。おい、禁書目録、アンジェレネ、土産だ」


禁ア「」ニパァー


禁書「これは久しぶりに日本の食べ物が食べれるんだよ!! フィアンマ、ありがとなんだよ!!」


アンジェレネ「私、紅茶入れてきますね!!」ダダダッ


レッサー「」ムスッ


レッサー「……私には、お土産はないんですかぁ?」

29: 2011/07/01(金) 20:56:29.42 ID:wARXhob20

フィアンマ「……お前には、必要ないだろうが」


レッサー「」シュン






























フィアンマ「……どうせ、俺様と一緒に旅をするのだからな」

30: 2011/07/01(金) 20:57:00.30 ID:wARXhob20

レッサー「!?」


フィアンマ「早く支度をしろ。置いてくぞ?」


レッサー「い、今、準備してくるので待ってて下さい!!」ダダダッ


フィアンマ「……」


禁書「ふふふ。レッサーは、フィアンマのことが大好きなんだね」


フィアンマ「……何を言ってるんだ、お前は」


禁書「レッサーの顔を見ればわかるんだよ」


フィアンマ「ちっ……」

31: 2011/07/01(金) 20:58:08.92 ID:wARXhob20

レッサー「どうもお待たせしました!! さぁー、行きましょう!!」


フィアンマ「待ちくたびれたぞ」


レッサー「レディーは、準備するのに時間がかかるものなんです」


フィアンマ「ガキが何を言ってるんだか……」


レッサー「むむむっ。今夜こそは、私の勝負下着の虜にしてやりますよ?」


フィアンマ「ほざけ。それじゃー、邪魔したな」


禁書「うん、気をつけてね!!」フリフリ


アンジェレネ「お土産期待してまぁす!!」フリフリ

32: 2011/07/01(金) 20:58:43.57 ID:wARXhob20

レッサー「それじゃー、お二人ともお元気で!!」



ギー バタン



禁書「……」


アンジェレネ「……」


禁書「やっぱりレッサーは、フィアンマの隣にいる時が一番楽しそうかも」ニコッ


アンジェレネ「そうですねぇ」ニッコリ


禁書「……さて、久しぶりの日本の食べ物を堪能するんだよ!!」


アンジェレネ「はい!!」

42: 2011/07/02(土) 20:05:00.84 ID:IMwx0Csu0

~ 7月2日 セブンスミスト前 ~



原谷(いよいよ、初デートだ……)


原谷(うぅぅ……緊張するなぁ……)



原谷は、生まれて初めて異性と待ち合わせをしていた。
そんなガチガチに緊張している原谷を影から見守っている二人の少年がいる。



垣根「おいおい、あいつ緊張しまくりだろ」


上条「いやいや、初デートは緊張するもんだろ? ってか、やっぱ尾行とかやめねぇか?」


垣根「今更怖気づいたのかよ?」


上条「そんなんじゃねぇけどよ……」

43: 2011/07/02(土) 20:06:16.85 ID:IMwx0Csu0

話は二日前に遡る。
原谷は、姫神との初デートを控え垣根に電話でアドバイスを求めていた。



垣根「そうか、姫神さんと初デートか」


原谷『はい。ていうか女子とデートとかしたことないもんで……』


垣根「なるほどな。それで可愛い彼女がいる俺にアドバイスを求めてきたわけだ」


原谷(この人、自分で自分の彼女可愛いって言っちゃってるよ……)


原谷『まぁ、そういうことです。垣根さんは経験豊富そうだし』


垣根「了解だ。俺に任せておけ(本当は、制理しか付き合った人いないけど……)」


垣根「とりあえず、褒めまくれ」

44: 2011/07/02(土) 20:06:59.89 ID:IMwx0Csu0

原谷『褒めまくりですか?』


垣根「ああ。私服可愛いな、とかな」


原谷『なるほど』


垣根「褒められて嫌な気分になる女はいねーからな」


原谷『ふむふむ』メモメモ


垣根「ちなみにどこに行くんだ?」


原谷『セブンスミストですけど。後は第六学区辺りでも』


垣根「無難だな」

45: 2011/07/02(土) 20:07:28.16 ID:IMwx0Csu0








垣根「それじゃー、デート頑張れよ」


原谷『はい、失礼します』


垣根「」プチッ ツーツー


垣根「……うし、上条にも電話するか」ニヤリ



そして、現在に至る。



垣根「大事な友人の晴れ舞台なんだぜ? 俺達が見守っててやんねーとな」


上条「なぜその結論に至るんだよ……」

46: 2011/07/02(土) 20:08:08.33 ID:IMwx0Csu0

垣根「それは俺だからな」


上条「へいへい、さようですか……」



「あれー? 上条さんと垣根さんじゃないですか?」 



上垣「!?」
























佐天「どうも!!」

47: 2011/07/02(土) 20:08:39.45 ID:IMwx0Csu0

垣根「佐天さんか。びっくりしたぜ」


上条「佐天さんは、買い物?」


佐天「はい! と言ってもあまりお金がないのでウィンドウショッピングがメインですけど……」タハハ


上条「そっか」


佐天「お二人は何してるんですかー?」


垣根「そういえば佐天さんも原谷と面識あったな。実はな―――――――」


佐天「―――――――え? 休日に二人でそんな……」


上条(やっぱり引かれるよな……)

48: 2011/07/02(土) 20:09:42.50 ID:IMwx0Csu0

佐天「……面白いことしてるんですか~!? 私も混ぜてくださいよ~!!」


上条「」


上条「…………え?」


垣根「おう、いいぜ」


佐天「やったー!! では佐天涙子、原谷さん見守り隊に加入させて頂きます!!」ビシッ


上条「勝手に変な名前をつけられているっ!?」


佐天「……それで、原谷さんのお相手というのは?」


垣根「おう、もうすぐ来るはずだぜ?」

49: 2011/07/02(土) 20:10:14.78 ID:IMwx0Csu0

佐天「」ワクワク


上条「」ハァー


上条「……来た!!」


佐天「!?」


垣根「頑張れよ、原谷」



姫神「ごめん。お待たせ」


原谷「あっ、全然!!」


原谷(うぉぉぉぉ!! ミニスカの姫神さん半端ねぇぇぇぇぇ!!)

50: 2011/07/02(土) 20:10:45.32 ID:IMwx0Csu0

姫神「……そ。その恥ずかしいから。あまりジロジロ見ないで欲しい///」


原谷「」ドキッ


原谷「す、すいません!! あまりに可愛かったもので!!」アセアセ


原谷「あっ……」


姫神「」


姫神「……え?」カァー


姫神「え。えっと……あ。ありがと///」


原谷「……いえいえ」

51: 2011/07/02(土) 20:11:20.55 ID:IMwx0Csu0

上条「初々しい二人だな」


佐天「おぉぉぉ!! 美人さんじゃないですか!! 誰なんです?」


上条「姫神秋沙。俺の同級生だよ」


佐天「上条さんの? それじゃー、上条さんが紹介した口ですか?」


上条「……まぁ、そうなるのかな?」


垣根(俺の時よりテンパリ具合が酷いな……)


垣根(でも素直に褒めてたし、問題なさそうだな)

52: 2011/07/02(土) 20:12:53.55 ID:IMwx0Csu0

原谷「そ、それじゃー、行きましょうか?」


姫神「」コクリ



佐天「あっ、セブンスミストの中に入っていきますよ?」


垣根「よし、俺達も行くぞ」


佐天「了解です!!」ビシッ


上条「あいよー」


佐天「」ワクワク


上条(佐天さん、凄い楽しそうだなー)

53: 2011/07/02(土) 20:13:30.01 ID:IMwx0Csu0

~ セブンスミスト内 ~



原谷「今日は、夏服買うんでしたっけ?」


姫神「うん。原谷君も?」


原谷「はい。姫神さんは、結構服買う方ですか?」


姫神「適度に。原谷君は?」


原谷「僕は、春夏秋冬とシーズン前に買い揃える感じですかね」


姫神「つまり年に四回?」


原谷「そういうことになりますね。あまり服とか詳しくないんですよね」アハハ

54: 2011/07/02(土) 20:14:34.00 ID:IMwx0Csu0

姫神「私も。あまりブランドとかわからない」


原谷「そうなんですか? 僕と同じですね」


姫神「」コクリ




佐天「結構、楽しそうにお喋りしてますね」


上条「ああ。姫神もなんだか楽しそうだ」


垣根(おし、いい感じだぜ)


佐天(私も服買いたくなってきちゃった……)



55: 2011/07/02(土) 20:15:12.79 ID:IMwx0Csu0

~ ショップ内 ~



姫神「これ。どうだろう?」


原谷「似合うと思いますよ」


姫神「これは?」


原谷「いいと思います」


姫神「これ」


原谷「似合うんじゃないですかね?」


姫神「」ムスッ

56: 2011/07/02(土) 20:15:46.88 ID:IMwx0Csu0

姫神「……さっきから。適当に答えてるような気がする」ジー


原谷「うぐっ!?」


姫神「……やっぱり。男子は女子のお買い物に付き合うのは。嫌なのかな」シュン


原谷「ち、違いますよ!! 僕、ファッションセンスないんで!! それに姫神さんは可愛いから何でも似合うし!!」アセアセ


姫神「」ドキッ


姫神(この人も。あの人と同じで。無自覚に卑怯なことを言う……)


原谷「……もっと服に詳しければいいお答えできると思うんですけどね。すいません……」


姫神「……ううん。さっきの言葉で十分///」

57: 2011/07/02(土) 20:16:12.79 ID:IMwx0Csu0

原谷「そ、そうですか……」


姫神「///」コクリ




佐天「原谷さんもやりますねぇ……」


上条「あいつ、よくあんなこと言えるよな」


垣根「お前が言えた口かよ……」


上条「へ?」


佐天「あぁ……確かに……」

58: 2011/07/02(土) 20:16:46.99 ID:IMwx0Csu0

~ 本屋 ~



姫神「原谷君は。読書好きなの?」


原谷「はい。と言っても漫画とライトノベルばっかりですけどね」


姫神「そうなんだ。今日は。買う本決まってるの?」


原谷「はい!! 『物語』シリーズと『デュラララ!!』9巻を」


姫神「わ。わからない……」


原谷「あはは。知らない人も多いですから」


姫神「面白いの?」

59: 2011/07/02(土) 20:17:17.15 ID:IMwx0Csu0

原谷「はい。凄い面白いですよ!!」


姫神「それじゃー。読み終わったら私にも貸して欲しい」


原谷「っ!?」


原谷「も、もちろん!!」


姫神「原谷君は。青髪君と。趣味が似てる?」


原谷「……あぁ、そうかもしれないですね」




佐天「なるほど。10巻は8月発売ですから、買い忘れてた9巻を購入するって感じですね?」


上条「え? なにが?」

60: 2011/07/02(土) 20:18:40.94 ID:IMwx0Csu0

佐天「『デュラララ!!』ですよ」


垣根「あっ、青髪から借りてアニメ見たぜ?」


佐天「垣根さんが? 垣根さんがアニメとか意外ですね」


垣根「だろ? でも結構面白かったぜ」


佐天「……ですよね!! 私は、新羅が好きなんですよ!!」


垣根「俺は紀田だな」


上条(何を言ってるのか、わからねぇ……俺も青髪から借りてみるか……)


61: 2011/07/02(土) 20:19:23.66 ID:IMwx0Csu0

~ 13時 ファミレス ~



原谷「買い物してたら、お昼遅くなっちゃいましたね」


姫神「うん。でも逆にお店が空いてたからよかったかも」


原谷「確かに。そういえば、姫神さんはまだバイトしてるんですか?」


姫神「うん。週に三回にだけど」


原谷「それじゃー、また上条さん達と食べに行きますね」


姫神「うん」


原谷(姫神さんの和服姿も見れるしね……)フフフ


姫神「?」

62: 2011/07/02(土) 20:21:05.54 ID:IMwx0Csu0

佐天「……そういえば、原谷さんはもう告白してるんですか?」


垣根「いや、今日告白すると言ってたぜ?」


佐天「本当ですか!? 原谷さん、上手くいくといいな……」


上条「あんだけ仲良ければ、大丈夫じゃないのか?」


佐天「……そうですけどぉ、不安じゃないですか~」


上条「……まぁ、確かに」


垣根「人の心はわからねぇからな……」


佐天「……でも、原谷さんは『心理解析』の能力あるんですよね? 能力使えば姫神さんの気持ちわかるんじゃないですか?」


垣根「……いや、あいつはそんなことしないだろ」


上条「だな。原谷の性格からして異性の気持ちを知る為に、能力使うなんてありえないな」


佐天「……そうでしたね。原谷さんは、そんなことする人じゃないですもんね!!」

63: 2011/07/02(土) 20:21:53.87 ID:IMwx0Csu0

~ 1時間後 第六学区 ~



佐天「第六学区とか来るの久しぶりですねー」


上条「金欠?」


佐天「正解です。えへへ」


垣根「また服の買いすぎか?」


佐天「うぐっ!? よくおわかりで……」


垣根「また初春さんに、なんか言われるんじゃねぇかぁ?」


佐天「もう言われてます……」

64: 2011/07/02(土) 20:22:25.24 ID:IMwx0Csu0


原谷「そういえば、この道でしたね。姫神さん連れて逃げたの……」


姫神「…………うん」


姫神(……あの時。誰も助けてくれないと思ってたら。この人が来てくれて……)


原谷「ついこないだなのに、なんだか懐かしい感じがしますねぇ……」


姫神(見た目は、全然強くなさそうなのに……)ジー


原谷「あの時は、氏ぬほど走ったな……」


姫神(かっこよかったな……)ジー


原谷「……あの?」

65: 2011/07/02(土) 20:22:53.17 ID:IMwx0Csu0

姫神「」ビクッ


原谷「僕の顔になんかついてます?」


姫神「……え?」


原谷「さっきからジーっと見てるので……」


姫神「え。えっと……なんでもない!!」アセアセ


原谷「そうですか……」


姫神「」ドキドキ

66: 2011/07/02(土) 20:23:23.07 ID:IMwx0Csu0

垣根「ああ、そういえばここか……」


上条「何が?」


垣根「実はだな―――――――――――」




佐天「―――――――――――おお!! 原谷さん、かっこいいじゃないですか!!」


上条「だな。あいつも勇気あんだな」


佐天「女の子の立場からしたら、それは惚れちゃいますよ!!」


垣根「そんなもんなのか?」


佐天「そんなものですよ!!」



67: 2011/07/02(土) 20:24:00.58 ID:IMwx0Csu0

~ 18時半 第七学区 ~



佐天「あれ? ラーメン屋さんに入っていきましたよ?」


垣根「デートの最後にラーメンって……どんなセンスしてんだよ……」


上条(あれ? あの店の名前……)



店員「いらっしゃい。天井ラーメンへようこそ。何名様ですか?」


原谷「二人です」


店員「かしこまりました。テーブル席へどうぞ!!」


原谷「どうも」テクテク


姫神「」テクテク

68: 2011/07/02(土) 20:24:33.31 ID:IMwx0Csu0

上条「天井ラーメン……やっぱり」


佐天「やっぱり?」


上条「実はあの店、修学旅行で北海道に行った時に食べにいった店なんだ。学園都市にもチェーン店できたんだな」


垣根「……ってことは、誘ったのは姫神さんの方ってことか?」


上条「だろうな」


佐天「姫神さんも、独特な方なんですね」アハハ


上条「まぁな。しかし、どうする? さすがに店内入ったらばれんだろ?」


垣根「安心しろ。『未元物質』で変装グッズを作っておいた」

69: 2011/07/02(土) 20:25:27.63 ID:IMwx0Csu0

佐天「おお!! 凄いじゃないですか!!」


垣根「まーな。上条は、右手で触るなよ? 消えちゃうから」


上条(『未元物質』の無駄使いだな……)



【変装中】



上条「そういえば、佐天さんは帰り大丈夫なのか?」


佐天「はい。門限厳しくないので」


上条「そっか。でも帰りは送ってくな? 何かあったら大変だし」


佐天「ありがとうございます」ペコリ

70: 2011/07/02(土) 20:26:00.88 ID:IMwx0Csu0

上条「いえいえ」


垣根(……こうやって次々にフラグ立ててるんだろうな)


垣根「うし、行くぞ」


佐天「はーい」


上条「あいよ」




原谷「へぇ、これが姫神さんが言ってた天井ラーメンですね」


姫神「うん。美味しかったら。原谷君にも食べてもらいたくて……」


原谷「ありがとうございます。それにしても僕も北海道行きたかったなぁ……

71: 2011/07/02(土) 20:26:36.00 ID:IMwx0Csu0

姫神「北海道好きなの?」


原谷「いや、姫神さんと同じ学校なら修学旅行一緒に行けたのに、と思って」


姫神「」ドキッ


原谷「これは長点上機に入学したのは、失敗しましたかね?」アハハ


姫神(この人は本当に……)ドキドキ


姫神「だ。大学」ボソッ


原谷「……え?」


姫神「高校は。もう駄目だから。一緒の大学に行けたら……嬉しい///」ゴニョゴニョ

72: 2011/07/02(土) 20:27:16.92 ID:IMwx0Csu0

原谷「」ドキッ


原谷「……そ、そうですね。僕も姫神さんと同じ大学に行きたいです」


姫神「!?」


原谷「それじゃー、今度から一緒に受験勉強でもしますか?」


姫神「う。うん」コクリ



店員「はい、お待ちどうさまでした~!!」



原谷「あっ、どうも」


姫神「すみません」

73: 2011/07/02(土) 20:27:48.71 ID:IMwx0Csu0

店員「では、ごゆっくりどうぞ~!!」



原谷「うわ、凄い美味しそうですね!」


姫神「うん」


原谷「それじゃー、頂きます!!」


姫神「頂きます」



垣根「くそっ、席が遠くて何を喋ってるのかわからねぇな……」


上条「まぁー、仕方ないだろ」


佐天「ですね。でも雰囲気見れば、なんとなくわかりますよ」


垣根「……だな。デートが上手くいって、兄さんは嬉しいぜ」


上条「誰が兄さんだ、誰が……」


佐天「あはははは」

74: 2011/07/02(土) 20:28:24.96 ID:IMwx0Csu0

~ 30分後 ~



原谷「ふぅ、美味しかったです」


姫神「そう。よかった」ニコッ


原谷「」ドキッ


原谷「そ、それじゃー、会計してきますね」


姫神「あ。お金……」


原谷「いえ。ここは自分が奢りますよ」


姫神「でも。ファミレスでも私。出してない」

75: 2011/07/02(土) 20:28:53.15 ID:IMwx0Csu0

原谷「こういう時は、男にかっこつけさせてください」ニコッ


原谷(よし、今のは完全に決まった!!)


姫神「……それじゃー。お言葉に甘える」


原谷「はい。では行って来ますね」


原谷(今日は楽しかったな。またデートしたいなぁ……)


原谷(……ん? なんか大事なこと忘れてないか?)


原谷「……」


原谷(しまったぁぁぁぁぁ!! まだ告白してなかったぁぁぁぁぁぁ!!)

76: 2011/07/02(土) 20:30:21.11 ID:IMwx0Csu0

原谷(くそっ!! 計画なら15時35分に公園のベンチで告白するつもりだったのに……)


原谷(クレープ食べたら、忘れてたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)


原谷(くそ、クレープめ!!)


原谷(これは現実だ。ギャルゲと違って女子から告白なんて甘い幻想があるわけじゃない!!)


姫神「原谷君。立ち止まってどうしたの?」


原谷「……あの」


姫神「はい?」


原谷「僕と付き合って下さい?」

77: 2011/07/02(土) 20:30:57.54 ID:IMwx0Csu0

姫神「」


店員「」


客「」


姫神「…………え?」


姫神(え? 私。告白されてる? ラーメン屋さんで?)


姫神「……あの。この場で言うこと?」


原谷「」


原谷(しまったぁぁぁぁぁぁ!! 何、ラーメン屋さんで告白してるんだぁぁぁぁぁ!!)


78: 2011/07/02(土) 20:31:27.03 ID:IMwx0Csu0


原谷(ロマンのロの字もないじゃないかぁぁぁぁぁぁ!!)



ザワザワ



原谷(しかも、他のお客さんたちに聞かれてるし……)


原谷(最悪だ……)ガックシ


原谷「す、すみません……場所を考えてませんでした……」



垣根「なんだ? あっちざわざわしてんぞ?」


上条「原谷が突っ立ってるけど、なんかあったのか?」


佐天「なんですかね? まさかここで告白するわけないだろうし……」

79: 2011/07/02(土) 20:32:21.20 ID:IMwx0Csu0


上条「だよな」


垣根「流石にラーメン屋はないよな」


一同「あははははっ!!」



姫神「え。えっと……」


原谷「……」


姫神「わ。私でよければ……」


原谷「」


原谷「…………へ?」

80: 2011/07/02(土) 20:32:51.54 ID:IMwx0Csu0

姫神「よ。よろしくお願いします」ペコリ


原谷「」ポカーン



<おー!! 兄ちゃん、やったじゃねーか!!


<ヒューヒュー!! 若いっていいねぇ!!



店員「おめでとうございます!!」


原谷「あ、あひがとございます」ボー


姫神「///」カァー


原谷「……あ、お会計してきます」

81: 2011/07/02(土) 20:33:18.92 ID:IMwx0Csu0

姫神「///」コクリ



天井「ちょっと待ちたまえ」



原谷「はい?」


店員「店長!!」


原谷「え? 店長さん?」


天井「お代は結構だ」


原谷「……え? でも……」


天井「いいものを見させてもらったからな」

82: 2011/07/02(土) 20:34:10.58 ID:IMwx0Csu0

店員「流石、店長!!」



<おー!! 店長かっこいい!!


<俺も無料にしてくれ!!


<ところがぎっちょん!!



原谷「……いいんですか?」


天井「ああ。私は、経営者としては甘ちゃんだからね。名前が天井なだけに」


店員「」


客「」


姫神「」

83: 2011/07/02(土) 20:34:52.93 ID:IMwx0Csu0

原谷「(寒いギャグは置いといて)ありがとうございます」ペコリ


姫神「あ。ありがとうございます」ペコリ


天井「いやいや。そのかわり、また来てくれな?」


原谷「もちろんです!! 友達を連れてきて売上に貢献します!!」


天井「ふふふ。それは、楽しみにしておこう」


原谷「では、ご馳走様でした」


姫神「でした」


天井「あいよ。ありがとうございましたー!!」


店員「ありがとうございましたー!!」

84: 2011/07/02(土) 20:35:35.21 ID:IMwx0Csu0


















垣根「……え? 原谷、告白したのか?」


上条「……マジで?」


佐天「……嘘?」



その後、天井ラーメンは学園都市でも大繁盛した。
中には、月に20万も費やす白い学ランの少年がいたり、月に一回来店する銀髪のシスターが二十杯以上も食い上げたそうな。

85: 2011/07/02(土) 20:36:17.67 ID:IMwx0Csu0

~ 5分後 ~



原谷「いい店長さんでしたね」


姫神「うん。でも。まさかラーメン屋さんで告白されるとは思わなかった」


原谷「うっ!?」


姫神「人生で初めて告白された場所が。ラーメン屋さん」


原谷「うぅぅぅぅぅ!?」


姫神「……でも嬉しかった」


原谷「……え?」


姫神「……人に。好きって言われるのがこんなにも嬉しいものだってなんて。知らなかったから……」

86: 2011/07/02(土) 20:36:46.22 ID:IMwx0Csu0

原谷「姫神さん……」


姫神「……原谷君」


原谷「は、はい!!」


姫神「私は。結構嫉妬深い」


原谷「……だ、大丈夫です!! なんせ、僕は全くもてないですから!!」


姫神「それに束縛もすると思う」


原谷「大歓迎です!!」


姫神「……そう。原谷君。少し目を瞑ってくれる?」


原谷「……へ? は、はい!!」

87: 2011/07/02(土) 20:37:20.31 ID:IMwx0Csu0

姫神「」ドキドキ


原谷「……」




チュ




原谷「……へ?」


姫神「///」


原谷「……い、今のは?」


姫神「は。初めてだから頬っぺたで……///」


原谷「え、えっと///」


姫神「お。お口は。また今度///」

88: 2011/07/02(土) 20:37:50.78 ID:IMwx0Csu0

原谷「……は、はい///」


姫神「か。帰る?」


原谷「そ、そうですね。送っていきますよ」


姫神「ありがとう」









原谷「」テクテク


姫神「」テクテク


原谷「」チラッ


姫神「!?」

89: 2011/07/02(土) 20:38:18.90 ID:IMwx0Csu0

姫神「///」


原谷(やばい……橘さん、貴方はいつもこんないい思いをしてたんですね……)


原谷(……姫神さんと、手繋ぎたいな……)ジー


姫神「……」


原谷「ひ、姫神さん!!」


姫神「は。はい!!」ビクッ


原谷「あ、あ、あの……」


姫神「……」

90: 2011/07/02(土) 20:38:56.01 ID:IMwx0Csu0

原谷「……お、おてて、繋いでいいかにゃ?」


姫神「…………え?」


原谷(しまったぁぁぁぁ!! 何がおててだよ!! 僕は幼稚園児かぁぁぁぁぁぁ!?)


原谷「あ、あうぅぅぅ……」


姫神(おてて……)クスッ


姫神「はい」スッ


原谷「……え?」


姫神「おてて。繋いであげる」

91: 2011/07/02(土) 20:39:46.99 ID:IMwx0Csu0

原谷「……あ」


姫神「……///」


原谷「じゃ、じゃー」ギュ


姫神「」ギュ


原谷「そ、それじゃー帰りましょうか?」


姫神「うん」コクリ








上条「へっ、中々御似合いじゃねーか」


佐天「いいなぁ。私も、恋愛したくなってきました~」


垣根「佐天さんは、可愛いからすぐ彼氏できんだろ?」


佐天「そんなことないですよ~」


上条(姫神、原谷……おめでとさん)ニッコリ



上条は、初々しくも手を繋いで歩く姫神と原谷をいつまでも見つめていた。
非常に幸せそうな笑顔で。

107: 2011/07/04(月) 19:50:24.19 ID:h5WQlLVV0

~ 7月8日18時 フレンダ宅 ~



ピンポーン



ガチャ



フレンダ「いらっしゃーい!!」


滝壺「やっほ」


吹寄「お邪魔します」


姫神「お邪魔します」


フレンダ「さっ、狭いお家だけど上がって欲しいわけよ」

108: 2011/07/04(月) 19:50:50.50 ID:h5WQlLVV0

吹寄「これで狭いって……」


姫神「1DKの。私の部屋は……」


滝壺「よいしょ」



姫神「フレンダさん。冷蔵庫は何処?」


吹寄「そうね。飲み物は早く冷蔵庫に入れないと」


フレンダ「あっ、ありがと。案内するね」


滝壺「材料も入れないと」


フレンダ「そうね。でも夏場にすき焼きなんてどうなの?」

109: 2011/07/04(月) 19:51:20.31 ID:h5WQlLVV0

姫神「大丈夫。雑誌を見たら結構してる人いるみたい」


吹寄「これから暑くなるし、体力もつけておかないとね」


滝壺「暑いのは、苦手……そういえば、ふれめあはどうしたの?」


吹寄「あっ、そういえば」


フレンダ「フレメアなら一方通行の家にお泊まりってわけよ」


吹寄「一方通行ってあの第一位の?」


フレンダ「うん」


滝壺「それまたなんで?」

110: 2011/07/04(月) 19:52:00.82 ID:h5WQlLVV0

姫神(誰だろう?)


フレンダ「えっと、一方通行は黄泉川先生のお家に居候していて、フレメアの同級生の子も一緒に住んでるわけよ」


フレンダ「……だから、黄泉川先生のお家にお泊まりって言った方が正しいのかな?」


滝壺「なるほど」


吹寄「へー、黄泉川先生が……」


姫神(それよりお腹。減っちゃった)









滝壺「それじゃー、私は材料を切るね」


姫神「私も手伝う」

111: 2011/07/04(月) 19:54:01.05 ID:h5WQlLVV0

吹寄「それじゃー、私はお鍋や食器の準備するわ」


フレンダ「えっと、それじゃー私は、私は……」


滝壺「ふれんだは、野菜を切ってくれる?」


フレンダ「了解!!」


吹寄「フレンダさん、食器どれ使えばいい?」


フレンダ「えっと……」


滝壺「姫神さん、頑張ろうね」


姫神「うん」

112: 2011/07/04(月) 19:54:33.72 ID:h5WQlLVV0

吹寄「それじゃー、私はお鍋や食器の準備するわ」


フレンダ「えっと、それじゃー私は、私は……」


滝壺「ふれんだは、野菜を切ってくれる?」


フレンダ「了解!!」


吹寄「フレンダさん、食器どれ使えばいい?」


フレンダ「えっと……」


滝壺「ひめがみさん、頑張ろうね」


姫神「うん」

113: 2011/07/04(月) 19:55:09.87 ID:h5WQlLVV0

~ 1時間後 ~



フレンダ「それじゃー」


一同「頂きます!!」


一同「」モグモグ


吹寄「うん、美味しいわね!」


滝壺「完璧」


姫神「美味」


フレンダ「姫神さん、台詞が渋いわけよ……」

114: 2011/07/04(月) 19:55:47.99 ID:h5WQlLVV0

吹寄「すき焼きなんて、久しぶりだから実は結構楽しみにしてたのよね」


姫神「私は。よく小萌先生のお家で食べてた」


フレンダ「小萌先生のお家で?」


姫神「うん。以前。居候してたから」


滝壺「それは初耳」


姫神「あの人は。迷える子羊を招き入れるのが好きだから」


フレンダ「へー。それじゃー、今も誰か居候してるのかな?」


姫神「……確か。結標って人が居候している」

115: 2011/07/04(月) 19:56:40.37 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「」ピクッ


滝壺「」ピクッ


フレンダ(結標? もしかして『グループ』の?)


滝壺(こもえ先生がむすじめあわきんと?)


吹寄「もしかして、赤い髪の人?」


姫神「うん。吹寄さん。知ってるの?」


吹寄「一度、お届け物を届けに行ったことがあってね。その時に会ったきりだけど」


姫神「特徴的な格好してた?」

116: 2011/07/04(月) 19:57:14.37 ID:h5WQlLVV0

吹寄「そ、そうね……」


姫神「やっぱり」


吹寄「ま、まぁ、センスは人それぞれだしね……」


フレンダ(情報通り、サラシ巻きなんだ……)


滝壺(私もやってあげたら、はまづら喜ぶかな?)


姫神「あ。卵取ってもらっていい?」


滝壺「はい」スッ


姫神「ありがと」


吹寄「そういえば、卵が大量に冷蔵庫に入ってたんだけど?」

117: 2011/07/04(月) 19:57:47.70 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「あー、フレメアが卵料理好きなわけよ。それで特売があったら沢山買ったわけ」


吹寄「特売? もしかして『スーパー絶対等速』?」


フレンダ「うん。当麻とよく買い物しに行くんだけど……吹寄さんも知ってるの?」


吹寄「もちろん!! あそこは特売が多いからね」


姫神「私もよく行く」


滝壺「特売って?」


吹寄「滝壺さん、特売知らないの?」


滝壺「」コクリ


吹寄「それは女子として知っておかないと駄目よ。いい? 特売っていうのはね――――」



その後、吹寄の滝壺への特売への説明は十五分以上にも及んだ。
滝壺が途中から目を開けたまま寝ていたことには、触れないでおこう。

118: 2011/07/04(月) 19:58:44.79 ID:h5WQlLVV0

~ 同時刻 黄泉川宅 ~



一方通行「そンじゃ」


一同「頂きます!!」


フレメア「」モグモグ


フレメア「美味しい。にゃあ」


打ち止め「ふふふ。この人は、顔に似合わずお料理がお上手なのって、ミサカはミサカは意外な事実を明かしてみたり」


番外個体「ひゃはっ。本当に顔に似合わずだね」


芳川「あら? お料理ができる男ってもてるのよ。いいことじゃない」

119: 2011/07/04(月) 19:59:20.51 ID:h5WQlLVV0

黄泉川「これならいつでもお婿さんにいけるじゃんよ」


一方通行「うぜェ……」


フレメア「」モグモグ


一方通行「ン? おい」


フレメア「?」


一方通行「ちょっと箸の持ち方が違ェぞ? いいか? こうやってだなァ」スッ


フレメア「にゃあ」


一方通行「姉貴に教わらなかったのか?」

120: 2011/07/04(月) 20:00:14.67 ID:h5WQlLVV0

フレメア「うん。あんまり言われなかった」


一方通行(チッ、あの金髪女、しっかりしやがれ。大人になったら恥かくだろうが……)


番外個体(一方通行が子供に箸の持ち方をレクチャーしてるよ……)プププ


打ち止め「……ミサカもよく箸の持ち方で怒られてたなぁって、懐かしい思い出に浸ってみたり」


打ち止め「そういえば、フレメアちゃん」


フレメア「なーに? ミサカちゃん」


打ち止め「フレメアちゃんのお姉ちゃんとヒーローさんはうまくいってるの? ってミサカはミサカは、二人の現状の確認をしてみたり」


フレメア「うん。大体、仲がいい」


一方通行(英雄、上手くやってンだなァ……)


121: 2011/07/04(月) 20:01:17.76 ID:h5WQlLVV0



番外個体「ヒーローさんに彼女ができたおかげで妹達の負の感情が来て、ミサカは大変だったんだけどね……」


黄泉川「一方通行は、好きな子とかいないのか?」


一方通行「くだらねェ……」


番外個体「この人は、打ち止め一筋だからね。ひゃはっ☆」


打ち止め「番外個体の発言に、ミサカは、ミサカは頬を赤らめてみたり///」


芳川「相思相愛ね」クスッ


黄泉川「おっと、一方通行には打ち止めがいたか。忘れてたじゃんよ」


フレメア「ミサカちゃんと一方通行が恋人だったなんて……大体、びっくり」


一方通行「……誰か助けろ」

122: 2011/07/04(月) 20:02:02.19 ID:h5WQlLVV0

吹寄「よし、洗い物も終わったことだしお風呂にしましょうか」


姫神「ここで。一つ提案」


滝壺「はい、ひめがみさんどうぞ」


姫神「四人で。銭湯なんてどう?」


フレンダ「銭湯? いいね!!」


吹寄「銭湯かぁ……うん、賛成」


滝壺「私も」


姫神「それじゃー。皆で行こうか」


一同「うん」

123: 2011/07/04(月) 20:02:36.64 ID:h5WQlLVV0

~ 三十分後 銭湯 ~



滝壺「……これが銭湯」


姫神「滝壺さん。初めて?」


滝壺「」コクリ


フレンダ「私も初めてなわけよ」


吹寄「二人とも初めてなのね」









滝壺「結構広い」


フレンダ「本当だ。富士山の絵画はないわけね」

124: 2011/07/04(月) 20:03:02.72 ID:h5WQlLVV0

姫神「銭湯全部にあるわけじゃないから」


吹寄「そうね。あっ、滝壺さん」


滝壺「ん?」


吹寄「き、今日は胸揉まないで頂戴ね……」


滝壺「……大丈夫。この前、揉ませてもらったから」b


フレンダ「一度揉めばOKなわけね。私は揉んでもらったことないけど……」


滝壺「ふれんだは、揉むほど胸ないから」


フレンダ「」グサッ

125: 2011/07/04(月) 20:03:32.38 ID:h5WQlLVV0

吹寄(滝壺さん、たまに毒を吐くわね……)


姫神「ドンマイ」ナデナデ


フレンダ「」ショボーン









フレンダ「ふぅ、いいお湯ってわけよ」


滝壺「ちょっと熱い」


姫神「ちょっと熱いくらいがいい」


吹寄「そうね。熱いのを我慢するくらいがいいわね」

126: 2011/07/04(月) 20:04:00.40 ID:h5WQlLVV0

滝壺「……二人とも、M?」


姫神「え?」


吹寄「なんでそうなるの?」


滝壺「なんとなく」


姫神「……確かに。否定はできないかも」


吹寄「わ、私は……」ゴニョゴニョ


滝壺「ふれんだはどっち?」


フレンダ「え? 私はどっちでもないかな……」

127: 2011/07/04(月) 20:04:44.86 ID:h5WQlLVV0

滝壺「ふむふむ」


フレンダ「そういう滝壺は、見た目とは裏腹にSよね?」


滝壺「そうかな?」


一同「うん」









一同「」ゴクゴク


吹寄「うん! やっぱりお風呂上りは牛乳よね!!」


姫神「久しぶりに飲むけど。美味しい」

128: 2011/07/04(月) 20:05:20.13 ID:h5WQlLVV0

滝壺「お風呂上りだと、特に美味しいかも」


フレンダ「これは、新たな発見ってわけよ!! 吹寄さんは、よく牛乳飲んでるわけ?」


吹寄「ええ。一日三杯は飲んでるわね」


フレンダ(よし、明日から牛乳を飲んで目指せBカップてわけよ!!)


姫神「そういえば。ここはマッサージ機もついてるんだった」


吹寄「そんなのもあるの? やってみていい?」


滝壺「うん」


フレンダ「私もやってみたいし、いいよ」

129: 2011/07/04(月) 20:05:47.13 ID:h5WQlLVV0


吹寄「ありがと。最近、肩こりが激しくてね……」


滝壺「……そんなに胸大きいと、大変なんだね」


吹寄「そうなのよ。もっと小さくならないかしら。滝壺さんくらいが丁度いいわね」


滝壺「そう?」


吹寄「うん」


フレンダ「……」


姫神「……どんま」


フレンダ「大丈夫。微かな希望が出てきたわけよ」


姫神「?」

130: 2011/07/04(月) 20:06:24.00 ID:h5WQlLVV0

~ 一時間後 帰り道 ~



フレンダ「そういえば、今日は珍しくジャージじゃないのね」


滝壺「流石に暑かったから」


姫神「そのTシャツ。カッコいい」


吹寄「本当」


滝壺「えへへ。FALL OUT BOYってバンドのTシャツ」


フレンダ「滝壺がFOB知ってることに、驚きを隠せないわけよ」 


滝壺「うなばらがアルバム持ってて、借りて聞いたら好きになった」

131: 2011/07/04(月) 20:07:22.21 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「海原君から? どおりで。浜面って洋楽全然わからなさそうだから誰から教えてもらったのか気になったわけよ」


滝壺「正解」


吹寄「滝壺さん、海原君って?」


滝壺「親友」ニッコリ


フレンダ「滝壺、海原君と特に仲がいいもんね」


滝壺「うん。はまづらもだけど」


姫神「これが。噂にいう男女間を越えた友情……」


132: 2011/07/04(月) 20:07:50.26 ID:h5WQlLVV0


ナンパA「ねぇ、彼女達。俺達と一緒に遊びに行かない?」


ナンパB「うん。奢るからどう?」



吹寄「……間に合ってるので、遠慮しておきます」


フレンダ「……ということで、バイバイ」


ナンパA「つれないなぁ……ちょっとくらいいいじゃん」グイッ


滝壺「っ!?(面倒くさい……)」


ナンパA「うおっ!? この子、すげータイプだわ!!」


吹寄「しつこいわね。放してあげてくれないかしら?」

133: 2011/07/04(月) 20:08:20.22 ID:h5WQlLVV0

ナンパB「いやいや、君達可愛いからさー。諦め切れないんだよね」


姫神(仕方ない……)


フレンダ「しょうがない……」トントン


ナンパA「ん?」


フレンダ「その子より、私といいことしない?」ニコッ


ナンパA「……お、いいね~!! 何してくれるのかな?」


フレンダ「……そうね。これなんてどうかしらっ!!」ビュン


ナンパA「……は?」

134: 2011/07/04(月) 20:09:54.11 ID:h5WQlLVV0

ナンパA「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ!?」ドスッ


吹寄「と、巴投げ!?」


滝壺「お見事」パチパチ


フレンダ「ふぅ……しつこい男は嫌われるわけよ」


ナンパA「」チーン


ナンパB「お、おい!!」ユサユサ


ナンパA(あれ? おばあちゃんが川の向こうから呼んでる……)


ナンパB「て、てめぇら……」

135: 2011/07/04(月) 20:11:07.57 ID:h5WQlLVV0

ナンパA(いや、違う。来るなと言ってるんだ……)


フレンダ「あら、逆切れ? 本当に小さい男達ってわけね」ニヤリ


ナンパB「あんだとぉぉぉぉぉぉ!?」


姫神「えい」バチバチバチ


ナンパB「あばばばばばばばばっ!?」


姫神「貴方の。ハートをビリビリしちゃうぞ?」


ナンパB「」チーン


吹寄「」ポカーン


フレンダ「ひ、姫神さん?」

136: 2011/07/04(月) 20:11:35.39 ID:h5WQlLVV0

滝壺「今のは、魔法少女カナミンの台詞」


姫神「正解。滝壺さんも見てるの?」


滝壺「うん。それは魔法のステッキ?」


姫神「うん。私の必需品」


滝壺「私も今度、買ってみようかな……」


姫神「うん。お勧め」


滝壺「じゃあー、今度案内してね。そろそろ行こう?」


姫神「うん」


吹寄「えっと……」


フレンダ「……」

137: 2011/07/04(月) 20:12:32.23 ID:h5WQlLVV0
~ 十五分後 フレンダ宅 ~



フレンダ「こうやってお布団敷いて、皆で寝るのも楽しいわけよ」


吹寄「そうね。修学旅行はベットだったしね」


滝壺「それじゃー、電気消すね?」


姫神「うん」


滝壺「」カチッ


フレンダ「……と言っても、まだ皆寝ないよね?」


吹寄「もちろん」

138: 2011/07/04(月) 20:13:31.51 ID:h5WQlLVV0

滝壺「うん」


姫神「むしろ。ここからが本番」


フレンダ「だよね。そしたら……姫神さんからお話聞いちゃうわけよ」


姫神「……え?」


吹寄「そうね。原谷さんと上手くいったようだけどどっちから告白したの?」


滝壺「ふれんだ」チョンチョン


フレンダ「なに?」


滝壺「はらたにって誰?」

139: 2011/07/04(月) 20:14:10.30 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「そっか。滝壺は会ったことないわけね。第一八○支部所属の風紀委員よ。研修合宿で知り合ったの」


滝壺「……そうなんだ」


姫神「……えっと。告白はむこうから」


吹寄「場所は?」


フレンダ「ベタに遊園地とか?」


滝壺「もしくは、彼のお家」


フレンダ「きゃー!!」


姫神「……ラ。ラ……」

140: 2011/07/04(月) 20:14:46.66 ID:h5WQlLVV0

姫神(どうしよう。流石にラーメン屋さんとは。言いたくない……)


一同「ラ?」


























姫神「ラ。ラ。ラルクの曲を流しながら彼のお家で……」

141: 2011/07/04(月) 20:15:16.66 ID:h5WQlLVV0

吹寄「あら、随分凝ったシチュエーションじゃない」


フレンダ「原谷君が? 意外すぎるわけよ……」


滝壺「なかなかやる」


姫神(な。なんとか誤魔化せた……)ホッ


フレンダ「……それで、どこまでいったの?」


姫神「」


姫神「…………え?」


フレンダ「A!? B!? それとも……」

142: 2011/07/04(月) 20:15:49.40 ID:h5WQlLVV0

滝壺「ふれんだ、興奮しすぎ」


姫神「……えっと。ほっぺにキスしただけ///」


吹寄(ほっぺに? やはりいきなり口は早かったのかしら?)


滝壺(やだ、可愛い)ギュ


姫神「あぅぅ///」


フレンダ「滝壺、何で姫神さんを抱きしめてるわけよ?」


滝壺「可愛かったから」ギュ


姫神「」ボケー

143: 2011/07/04(月) 20:16:22.70 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「まさか、滝壺はあっちの気が……」


滝壺「ううん。私ははまづら一筋。スキンシップみたいなもの」


吹寄「よ、よくわからないわね……」


姫神「と。とりあえず放してくれるとありがたいかも……」


滝壺「あっ、ごめん」


姫神「ううん。……そういえば。皆はどうだったの?」


一同「え?」


姫神「どっちから告白したの? 私だけ答えるのは卑怯」

144: 2011/07/04(月) 20:17:49.38 ID:h5WQlLVV0

フレンダ「そ、そうよね……私は自分から」


吹寄「私も自分からね」


滝壺「……」


姫神「皆。積極的。滝壺さんは?」


滝壺「……まだお互いちゃんと告白してない」


一同「」


一同「…………え?」


滝壺「好きとか離れないでとは、言ったけど……付き合って下さいとは言ってないし、言われてない」


145: 2011/07/04(月) 20:18:27.06 ID:h5WQlLVV0

吹寄「そうなの?」


フレンダ「浜面、しっかりしなさいよね……」


姫神「……じゃあー。これから告白しよ」


一同「え?」


姫神「こういうのは。ちゃんと言っておかないと駄目だと思う」


吹寄「それは同意見ね」


フレンダ「うんうん」


滝壺「……わかった。それじゃー、はまづらに電話するね」

146: 2011/07/04(月) 20:18:53.10 ID:h5WQlLVV0

姫神「ファイト。滝壺さん」


滝壺「」コクリ


フレンダ「それじゃー、電気つけるね」カチッ



トゥルトゥルー



浜面『もしもし、どうした?』


滝壺「はまづら、今大丈夫?」


浜面『ああ。全然大丈夫だぞ』


滝壺「そっか。それじゃーね、はまづらに言いたいことがあるの」


浜面『なんだ?』

147: 2011/07/04(月) 20:19:34.81 ID:h5WQlLVV0

滝壺「……私ははまづらが大好き。だから付き合って下さい」


浜面『』


浜面『…………え?』


滝壺「はまづらの答えを聞かせて」


浜面『……え、えっと……俺達もう付き合ってるんじゃー?』


滝壺「私もそう認識してたけど、こういうのはちゃんと言葉にしないと駄目なんだって」


浜面『そ、そうだったのか……(確かに面と向かって付き合って下さいとは言ってねーな……)』


浜面『……俺も大好きだ。付き合って下さい』

148: 2011/07/04(月) 20:20:06.47 ID:h5WQlLVV0

滝壺「……うん///」


浜面『ずっと一緒にいような?』


滝壺「うん。はまづら、ありがとうね」


浜面『何、言ってんだよ』


滝壺「えへへ。それじゃー、おやすみ」


浜面『おう、おやすみ』プチッ ツーツー


滝壺「……」


149: 2011/07/04(月) 20:20:45.43 ID:h5WQlLVV0

滝壺「告白したよ」


一同「おー!!」パチパチパチ


フレンダ「……やっぱり、滝壺は行動力は凄いわけよ」


姫神「うん。今のは。かっこよかった」


吹寄「ええ。聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるほどに」


滝壺「えへへ」ニッコリ



その後、女子四人によるガールズトークは深夜三時まで及んだ。
この一夜を境に、彼女達の友情はより一層深まっていったのである。

150: 2011/07/04(月) 20:21:33.54 ID:h5WQlLVV0

その頃、黄泉川宅はというと……



フレメア「」スースー


打ち止め「」スースー


一方通行「……気持ちよさそうに寝てやがンな」



黄泉川「」グガーグガー


芳川「」スピカー


一方通行「ったく、ビールくらい自分で片しやがれ」

151: 2011/07/04(月) 20:22:55.79 ID:h5WQlLVV0

ため息をつきながら、黄泉川達が平らげたビールの空き瓶を片付けていく一方通行。
そんな一方通行を笑顔で見つめる同居人がいる。明るい笑顔とは程遠い笑顔であるが。



番外個体「相変わらず面倒見がいいことで」


一方通行「オマエも手伝え」


番外個体「ミサカ、今からお風呂だから無理だにゃーん♪」


一方通行「……だったら、早く入ってこい」


番外個体「言われなくても。なんなら一緒に入る? ミサカがご奉仕してあげるよ? きゃはっ☆」





























一方通行「……わかった」

152: 2011/07/04(月) 20:24:08.20 ID:h5WQlLVV0

番外個体「」


番外個体「…………え?」


番外個体「なっ、なっ、なっ、なっ!?///」


一方通行「……ククククク。ジョークだ。馬鹿が」ニヤリ


番外個体「っ!?」


一方通行「純情なくせに、無理してンじゃねェよ。番外個体ちゃン?」


番外個体「」イラッ


番外個体「……やられっ放しは気に入らないなぁ」

153: 2011/07/04(月) 20:25:06.99 ID:h5WQlLVV0

一方通行「はン。お子様は、風呂入ってさっさと寝やがれ」


番外個体(こうなったら……)グイッ


一方通行「あ?」


番外個体「そんじゃー、ミサカとお風呂行こうか」グイグイ


一方通行「っ!? おい、やめろ!! 引っ張ンなァァァァァァァァァ!!」アセアセ


番外個体「逃がさないよ。いひひひっ」



その後、何とか難を逃れた一方通行だったが、その日を境に迂闊に番外個体を挑発することが出来なくなった。
更にこの情報がMNWに流れたことにより、一方通行をからかおうとする妹達が黄泉川宅に遊びに来ることが多くなったことも付け加えておこう。

164: 2011/07/08(金) 20:19:43.15 ID:9qZs8owa0

~ 7月13日 冥土帰しの病院 ~



海原「頼まれていた雑誌ですよ。ショチトル」


ショチトル「すまんな、エツァリ」


海原「いえいえ。自分にはこれくらいしかできませんから」


ショチトル「……何を言ってるんだ。私の命を救ってくれただろうが」


海原「ははは。あれは、自分が原典に気に入られただけですよ」


ショチトル「……ますます、魔術師としての差を感じるよ」


海原「……」

165: 2011/07/08(金) 20:20:22.24 ID:9qZs8owa0

ショチトル「そういえば、風紀委員はどうだ?」


海原「ええ。順調ですよ。仲間にも恵まれていますしね」


ショチトル「……顔を見ればわかるよ。"あの時"より顔が生き生きしている」


海原「それはそれは」


ショチトル「……もう、暗部の仕事はしていないのか?」


海原「はい。暗部自体もうなくなってますから」


ショチトル「そうか……」


海原「今は、普通に風紀委員として活動しているだけですよ」

166: 2011/07/08(金) 20:21:04.45 ID:9qZs8owa0

ショチトル「ならよかった」


海原「ご心配ありがとうございます」ニコッ


ショチトル「っ!? いや、私はただ……」


ショチトル(エツァリお兄ちゃんがいなくなったら……)ゴニョゴニョ


ショチトル(って言えるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)


海原「?」


海原(顔が赤いですね。風邪でしょうか?)

167: 2011/07/08(金) 20:21:54.56 ID:9qZs8owa0

その頃、海原光貴(エツァリ)の想い人である御坂美琴も同じく病院を訪ねていた。
目的はもちろん、妹達に会うためである。



美琴「あっ、この前買ったペンダントつけてくれてるのね」


御坂妹「はい。もちろんです。お姉さまが私達にプレゼントしてくれた物ですから、とミサカはお姉さまに改めて感謝致します」


美琴「別にいいのよ、そのくらい」


19090号「お姉さま。ミサカはまたセブンスミストでお洋服を買いたいと、ミサカはお姉さまにおねだりします」


御坂妹「ぬ? それなら私も欲しいです、とミサカもおねだりします」


10039号「私もです」


13577号「私もです」

168: 2011/07/08(金) 20:22:38.96 ID:9qZs8owa0

美琴「わ、わかったわよ!! だから四人で顔近づけてくんなぁぁぁぁぁぁ!!」アセアセ


19090号「かしこまりました、とミサカは自分の要求が通ったので素直に言うことを聞きます」


御坂妹「作戦成功ですね、とミサカは安堵します」


美琴「作戦だったんかい!!」


御坂妹「はい。そういえば、お姉さま」


美琴「なによ?」


御坂妹「ゲコ太のストラップが新しいのに変わってますね、とミサカは指摘します」


美琴「え? うん。前のも随分使ってたしね」

169: 2011/07/08(金) 20:23:17.22 ID:9qZs8owa0

御坂妹(お姉さまもやっとあの人のこと吹っ切れたんですかね、とミサカは少し安心します)


美琴「それじゃー、私そろそろ帰るわね。またメールするから」


19090号「お気をつけてお帰り下さい、とミサカはお姉さまとの別れを惜しみます」


御坂妹「メール待ってます」


13577号「」フリフリ


10039号「グッドラック! とミサカは新しく覚えたお別れの挨拶を披露します」


美琴「うん、ばいばい」フリフリ

170: 2011/07/08(金) 20:23:55.60 ID:9qZs8owa0








美琴(あの子達も、随分個性が出てきたわね)


美琴(……ていうか、19090号なんて私よりスタイルいいじゃない!!)


美琴(ちょっと悔しいわね……)



<そういえば、『超電磁砲』とはどうなんだ?


<御坂さんのことですか?



美琴(私の話してる? 誰かしら?)


美琴(……あそこの病室からね)

171: 2011/07/08(金) 20:24:35.92 ID:9qZs8owa0

美琴(ドアが少し空いてる……ちょっと覗いてみようかしら……)


美琴(ちょっとだけ……)ジー



ショチトル「そうだ」


海原「…………特に今までと変わりませんよ。自分は彼女が安心して暮らせるよう、火の粉を振り払ってるだけですから」


ショチトル「……そうか。相変わらずだな」



美琴(海原さんと誰かしら?)


美琴(外人の子よね? それに火の粉を振り払うって……)


美琴「……」

172: 2011/07/08(金) 20:25:32.65 ID:9qZs8owa0

美琴(そういえば、昔と比べて名を轟かせようと私に挑戦してくる奴らが減ってきたわね……)


美琴(もしかして……)



ショチトル「……本当、お前は馬鹿だよ。他人の為に自分の組織を裏切ってまで暗部に堕ちるなんて」


海原「……自覚していますよ。大馬鹿者だってね」


ショチトル「本当だ。本人だけでなく好きな奴の母親まで守るなんてな……」


海原「彼とは、彼女と彼女の周囲の世界を守る約束をして貰いましたからね。自分も頑張らないといけないと思いまして」


ショチトル「……ふん」



美琴(……暗部? どういうことよ!?)


美琴(それにママを守ったなんて……)


美琴(それにあの"言葉"は……もしかしてあの人、海原さんじゃなくてっ!?)

173: 2011/07/08(金) 20:26:41.53 ID:9qZs8owa0



海原「それでは自分は、そろそろ失礼しますね」


ショチトル「ああ。またな、エツァリ」


海原「はい」



美琴(エツァリ……)


美琴「っ!?」


美琴(やばっ!! こっちに来る!!)



御坂は、海原がドアに向かって来てることを確認すると足早にその場を立ち去っていった。
五分後、病院を出た御坂は混乱をする頭の中を必氏に整理しようと心を落ち着かせる。



美琴(……一体、どういうことなのよ)

174: 2011/07/08(金) 20:27:29.38 ID:9qZs8owa0

美琴「……」


美琴(まずいつも黒子達と一緒にいたのは、海原さん本人じゃない……)


美琴(まさか去年の夏休みの終わりの……)


美琴(それにママのことも……それに暗部って……)


美琴(……もしかして、学園都市には『絶対能力化計画』以上の深い闇があるっていうこと?)


美琴「……」


美琴(ええい、考えてもラチあかないわね!!)


美琴「とりあえず、情報召集するかな……」


美琴(もう私だけ、知らないなんて嫌なんだからっ!!)ギリッ

175: 2011/07/08(金) 20:28:08.90 ID:9qZs8owa0

~ 翌日 第一七七支部 ~



佐天「お願いします!! 海原さん!!」


海原「はぁ……」



ギー



黒子「お疲れ様ですの……って?」


黒子「海原さん、佐天さん、どうなさいましたの?」


海原「あっ、どうも」


佐天「あ、白井さん、いいところに!!」

176: 2011/07/08(金) 20:28:35.63 ID:9qZs8owa0

黒子「へ?」


佐天「実はですね」ゴニョゴニョ


黒子「ふむふむ」


佐天「……というわけで、白井さんからもお願いして下さい!!」


黒子「……かしこまりましたの。彼女は、私のご友人でもありますし」


黒子「……というわけで、海原さん」


海原「は、はい……」


黒子「私からもお願いしますの!!」ペコリ

177: 2011/07/08(金) 20:29:23.84 ID:9qZs8owa0

黒子「どうか、どうか……」





























黒子「春上さんと一回デートして下さいまし!!」ペコリ

178: 2011/07/08(金) 20:30:03.49 ID:9qZs8owa0

佐天「お願いします!!」ペコリ


海原「え、えっと……」


海原(ま、参りましたね……)


佐天「一回だけでいいんです!! よろしくお願いします」


黒子「海原さん……」


海原(ど、どうすればいいんでしょうか……)



ギー



固法「あら、二人とも早いわね。それに佐天さんも……って」

179: 2011/07/08(金) 20:31:09.96 ID:9qZs8owa0

その時、固法の目に飛び込んできたのは女子中学生二人が海原に頭を深々と下げている光景だった。
彼女達が何をやらかしたのか、と真っ先に固法は推測する。



固法「……な、何をやってるのかしら?」


海原(もう仕方ない……)


海原「わかりました。一回だけでしたら」


佐天「」ニパァ


黒子「」ニパァ


佐天「あ、ありがとうございます!!」


黒子「感謝致しますわ。海原さん」

180: 2011/07/08(金) 20:32:16.95 ID:9qZs8owa0

海原「いえいえ。でも、自分は彼女の気持ちに答えることはできないと思いますよ」


佐天「それでもいいんです!! 春上さんも重々承知の上ですから!!」


固法「誰か私に反応していくれないかしら……」


佐天「それじゃー、私はこれで!! 失礼します!!」ダダダッ


黒子「お気をつけて。佐天さん」


海原「」ハァー


固法「流石に泣くわよ、私でも……」


垣根「……おつかれーって、固法さんどうした?」

181: 2011/07/08(金) 20:32:56.42 ID:9qZs8owa0

~ 二十分後 公園 ~



春上「」ドキドキ


枝先「上手くいくといいね」モグモグ



佐天「お待たせ!!」ハァハァ



春上「お、おかえりなさいなの」


枝先「お疲れ様。どうだったの?」


佐天「ふふふ……」


春枝「?」

182: 2011/07/08(金) 20:33:36.98 ID:9qZs8owa0

佐天「無事、オーケーもらってきました!!」


枝先「おー!!」パチパチ


春上「あ、ありがとなの!!」


佐天「いえいえ。でもね春上さん……」


春上「は、はい!!」


佐天「私はあくまでデートの約束をしてもらっただけ。あとは、春上さんの頑張り次第だからね」


春上「……り、了解なの」


佐天「……うん!!」

183: 2011/07/08(金) 20:34:04.97 ID:9qZs8owa0

枝先「佐天さん、はい、クレープ」スッ


佐天「ありがとう!! 枝先さん」


佐天「」モグモグ


佐天「うーん、運動後のクレープは格別ですな~」


枝先「やだ、おじさんっぽいよ」クスクス


春上「佐天さんが、おじさん化してるの」クスクス


佐天「ちょっとお二人さん、私はまだ中学二年の女子ですよ~?」


「「「あははははは」」」

184: 2011/07/08(金) 20:35:03.00 ID:9qZs8owa0

~ 同日十七時 上条宅近く ~



上条「しかし、久しぶりにゲーセンいったけど結構機種変わってんのな」


土御門「だにゃー。ゲーセンも入れ替わりが激しいぜい」


上条「だな。って、あれは……」



「……あっ」



上条「よぉ、御坂じゃねーか」


美琴「ひ、久しぶり」


上条「おう」

185: 2011/07/08(金) 20:35:35.35 ID:9qZs8owa0

土御門「カミやんに用かにゃー? そしたら俺は先に行くぜい」


美琴「ちょっと待って下さい!!」


土御門「ん?」


美琴「今回は、二人に聞きたいことがあるの」


上条「俺達に?」


土御門「俺も、とは珍しいぜい」


上条「なんだよ、言ってみろよ? それともここじゃなんだし、公園でも行くか?」


美琴「う、うん。土御門さんもいいですか?」


土御門「……別に俺は構わないぜい」


美琴「ありがとうございます」ペコリ

186: 2011/07/08(金) 20:36:21.05 ID:9qZs8owa0

~ 五分後 とある公園のベンチ ~



上条「……んで、話ってなんだ?」


美琴「えっとね……」


上条「……もしかして、妹達に何かあったのか!?」


美琴「ち、違うわよ!! あの子達は平和に暮らしてる……」


上条「……そっか」


土御門(……なーんか、嫌な予感がするぜい)


美琴「あんたさ……去年、私のママをスキルアウトから助けてくれたでしょ?」

187: 2011/07/08(金) 20:36:57.77 ID:9qZs8owa0

上条「っ!?」


土御門「っ!?」


美琴「……その反応、本当だったのね」


上条「な、なんでお前がそのこと……」


美琴「ママから聞いたのよ。……と言っても知るきっかけは、病院でなんだけどね」


上条「病院?」


土御門(……海原の奴、聞かれやがったのか)


美琴「うん。後はハッキングして事件のデータを探ってみたのよ」

188: 2011/07/08(金) 20:37:37.02 ID:9qZs8owa0

上条「ハッキングって、お前……」


美琴「……うん。いけないことだってわかってるわよ。でもママが危険な目に合ってたなんて知らなくて……」


上条「御坂……」


美琴「でも事件に関してはデータが一切残ってなかった……」


土御門(だろうな……)


美琴「……ねぇ、教えてよ!! なんでママが狙われたの!? それに……」














美琴「あの海原さんは本物じゃないんでしょ!?」

189: 2011/07/08(金) 20:38:48.56 ID:9qZs8owa0

土御門(……そこまで知ってるのか)


上条(暗部? なんだそりゃ……)


上条(いや、そんなことより海原の正体を知ってるのか……)


上条(でもこいつには……)


土御門「……わかった、俺から説明するぜい」


美琴「……ほ、本当ですかっ!?」


上条「土御門!!」


土御門「……もうここまで知ってしまったんだ。もう隠すのは無理だにゃー」

190: 2011/07/08(金) 20:39:44.35 ID:9qZs8owa0

上条「……」


土御門「『超電磁砲』には俺から説明しておく。カミやんは、先に帰ってくれないかにゃー?」


上条「っ!? で、でもよ……」


土御門「頼むから」


上条「…………わかったよ」


美琴「あっ……」


上条「お前のお母さんのこと隠してて悪かったな、御坂……」


美琴「ううん。ママから私には知らせないでって言われたんでしょう? 感謝こそはすれど、あんたが謝ることなんてないわよ」

191: 2011/07/08(金) 20:40:25.37 ID:9qZs8owa0

上条「……」


美琴「まー、前の私なら感情的になって、食いかかってたんだろうけど……」


上条「……かもな」クスッ


上条「そんじゃー、またな」


美琴「うん、悪かったわね」


土御門「また明日だぜい」


上条「……」






192: 2011/07/08(金) 20:41:10.95 ID:9qZs8owa0

土御門(これでいい。カミやんには余計な心配は掛けたくないし、暗部のことも知ってほしくないしな)


土御門「それじゃー、『超電磁砲』話すぞ?」


美琴「……はい。後、超電磁砲って呼ぶのやめてくれませんか?」


土御門「……了解した。では御坂、まず事件の経緯を説明するぞ」


美琴「」コクリ



そして、土御門は御坂美琴に告げた。
何故、彼女の母親が学園都市に狙われたのか。
どういった形で、事件は終焉を迎えたのか。
そして、海原光貴の正体と彼の真意を。



美琴「…………そんなことが」

193: 2011/07/08(金) 20:42:08.45 ID:9qZs8owa0

土御門「信じれないか? でも全部本当のことだぜい」


美琴「……で、でも……それに魔術って」


土御門「……確かにすぐには信じられないだろう」


美琴「」コクリ


土御門「だがアレイスターから聞いた話だと、お前もロシアに行ったんだろう?」


美琴「はい」


土御門「その時に見たはずだ。大天使を……」


美琴「っ!?」

194: 2011/07/08(金) 20:42:51.62 ID:9qZs8owa0

土御門「ちなみに俺も能力者でもあり、魔術師でもある」


美琴「え?」


土御門「まぁー、俺のことはどうでもいいか」


美琴「それじゃー、あいつも……」


土御門「いや、カミやんの『幻想頃し』は魔術じゃない。正直、正体不明としか言えん」


美琴「そ、そうですか……後、海原さんが私の為に……」


土御門「海原のことなら気にするな。あいつが勝手に暗部に堕ちてきただけだ」


美琴「そ、そんな言い方っ!!」

195: 2011/07/08(金) 20:44:29.14 ID:9qZs8owa0

土御門「……御坂は優しい人間だにゃー」


美琴「……え?」


土御門「どれ、今は頭の中が混乱してると思うから今日はここまでにしとくぜい」


美琴「あっ」


土御門「……また話が聞きたくなったら、俺のところに来るといいぜい」


美琴「……あ、ありがとうございました」ペコリ


土御門「んじゃー、俺は愛しの舞夏が待ってるから失礼するぜい」


美琴「……」



この日、御坂美琴は自分の知らなかった深い闇の世界を知ることとなった。
憤り、悲しみの感情が入り混じる中、不謹慎ながらも若干嬉しい気分でもあった。
自分が知らなかった世界を知れたことに。
そして、自分の為に懸命になってくれる者の存在を知れたことに。

211: 2011/07/11(月) 00:22:26.38 ID:oLG87Af70

~ 7月16日 第七学区駅前 ~



海原(……今日は、一体何処に連れていかれるのでしょうか)


海原(……しかし、白井さんも佐天さんも友達思いなのですね)


海原(きっと春上さんはいい子なんでしょうね……)


春上「海原さん、お待たせしましたなの」


海原「いえいえ。自分が早く着きすぎただけですので」ニコッ


春上「あ、ありがとなの///」


春上「あ、あの」

212: 2011/07/11(月) 00:23:20.29 ID:oLG87Af70

海原「はい?」


春上「私のこと覚えてくれてますか?」


海原「!? ええ、もちろん」


春上「」ニパァ


春上「よ、よかったの……」ホッ


海原「あの時は大変でしたね。それで、今日はどちらに?」


春上「え、えっと……第六学区の遊園地に……」

213: 2011/07/11(月) 00:24:29.68 ID:oLG87Af70

海原「……遊園地ですか」


春上「……は、はいなの。嫌でした?」ジー


海原「いえいえ。自分は、遊園地に行ったことがないので楽しみです。ありがとうございます」


春上(よ、よかったの……)


海原「それでは、そろそろ行きましょうか?」


春上「は、はいなの!!」


春上(やっぱり海原さんは、素敵なの)

214: 2011/07/11(月) 00:25:12.74 ID:oLG87Af70

~ 三十分後 遊園地 ~



海原「春上さんは、よく来るのですか?」


春上「え、えっと……月に一回くらい」


海原「佐天さん達とですか?」


春上「」コクリ


海原「仲がよろしいんですね」


春上「佐天さん達とは親友なの」ニッコリ


海原「親友ですか。いいものですね」

215: 2011/07/11(月) 00:25:44.82 ID:oLG87Af70

春上「はい。皆、大切な人達なの」


海原「そうですか。では、まず何から乗りましょうか?」


春上「あ、あれに乗りたいの」ビッ


海原「い、いきなりジェットコースターですか?」


春上「あの重力感が好きなの。海原さん、絶叫系は苦手ですか?」


海原「いえ。ただ驚いただけです。では行きましょう」


春上「はいなの」

216: 2011/07/11(月) 00:26:17.16 ID:oLG87Af70

~ ジェットコースター ~



スタッフ「はい、きちんと安全バーしめてくださいね」


春上「」ドキドキ


海原(落ちたりしませんよね?)


スタッフ「では……」



ビューン



春上「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁなの!!」


海原(これは中々……)

217: 2011/07/11(月) 00:26:42.82 ID:oLG87Af70


海原(おお!? 逆さまになってますね!!)


春上「」チラッ


春上(……凄い冷静なの)



海原(なるほど。これは癖になりそうですね)


海原(このG。溜まりませんね)ニッコリ


春上(あっ、笑ったの)



ビューン



春上「スピードが上がったの!!」


海原「これはこれは……」

218: 2011/07/11(月) 00:27:24.39 ID:oLG87Af70


垣根「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


吹寄「びびりすぎよ!!」



海原(ん? 聞き覚えがあるお声が……)


海原(まぁ、気のせいですね)








春上「ふぅ、満足なの」ニッコリ


海原「ジェットコースターは初めてでしたが、あれははまりますね」


春上「海原さんに気に入ってもらえてよかったの」


海原「ええ。また乗りたいですね」

219: 2011/07/11(月) 00:27:58.90 ID:oLG87Af70

春上「」ピカーン


春上「……そしたら、絶叫系はまだまだ沢山あるから今日は完全制覇するの!!」


海原「他にもあるのですか!?」


春上「はいなの」


海原「それは楽しみですね」




垣根「はぁはぁ……」


吹寄「……相変わらず、情けないわね」


垣根「うるせぇぇぇぇぇぇ!! 苦手なもんは苦手なんだよぉぉぉぉ!!」


220: 2011/07/11(月) 00:28:50.63 ID:oLG87Af70

吹寄「いつも自分の翼で飛んでるくせに」


垣根「それとこれは別!!」


吹寄「はいはい」



その後、海原と春上はお昼までずっと絶叫系のアトラクションを堪能した。
デートでこの内容はいかがなものかと思うが二人にはそんなことは関係なかった。



海原「……では、そろそろお昼にしますか」


春上「はいなの」


海原「春上さんは、行きたいお店などありますか?」

221: 2011/07/11(月) 00:29:18.38 ID:oLG87Af70

春上「……えっと」


海原「?」


春上「……実は、お弁当を作ってきたの」モジモジ


海原「……お弁当ですか?」


春上「」コクリ


海原「それはありがとうございます。大変でしたでしょう?」


春上「普段から料理はするので、大丈夫なの」


海原「そうなんですか。では、適当に座る場所を確保しましょう」


222: 2011/07/11(月) 00:29:59.74 ID:oLG87Af70

春上「はいなの」









春上「ど、どうぞお召し上がれなの」ドキドキ


海原「おー、これは随分美味しそうですね」


春上「お口に合えば嬉しいの」ドキドキ


海原「では、有難く頂きます」


海原(お弁当か……そういえば、去年動物園に行ったときに御坂さんのお弁当を頂きましたね)


海原(今となってはいい思いです……)

223: 2011/07/11(月) 00:30:33.94 ID:oLG87Af70

海原(……おっと、いけない。こんなこと思っていては春上さんに失礼ですね)


海原「では」ヒョイ


海原「」モグモグ


春上「」ドキドキ


海原「うん、美味しいですね」ニコッ


春上「」ホッ


春上(よかったの)


海原「それに春上さんらしい、可愛らしいお弁当ですね」

224: 2011/07/11(月) 00:31:16.28 ID:oLG87Af70

春上「……え?///」


春上「ど、どうもありがとなの……///」


海原「いえいえ。自分も自炊はするのですが、中々料理の腕が上がらず……羨ましいかぎりです」


春上「海原さんもお料理するんですか?」


海原「ええ。もちろん、春上さんに比べれば腕は数段落ちますけどね」


春上「そ、そんなことないの」アセアセ


海原「ふふふ。お気遣いありがとうございます」ヒョイ


海原「この星型ハンバーグも可愛らしいですね」

225: 2011/07/11(月) 00:31:53.08 ID:oLG87Af70


春上「あ、ありがとなの///」


春上(海原さんが、美味しそうにお弁当食べてくれてるの……)




垣根「うん、うめぇな」モグモグ


吹寄「ふふふ、ありがと」


垣根「……制理」


吹寄「なに?」


垣根「……お願いがあるんだが」キリッ


吹寄「な、なによ?」


垣根「その卵をな……」


吹寄「た、たまご?」

226: 2011/07/11(月) 00:32:22.13 ID:oLG87Af70

垣根「口移しで俺に食べさせてく――――――」


吹寄「ふん!!」ドガッ


垣根「がはぁぁぁぁぁ!!」バタン


垣根「いてててて……何も頭突きしなくてもいいじゃねぇか……」


吹寄「ひ、人前でそんなことできるわけないでしょ!!///」


垣根「」ピクッ


垣根「……ということは、人前じゃなければいいんだな?」


吹寄「……え? そ、それは///」ゴニョゴニョ


垣根「よし、今日の晩飯に実行するぞ」キリッ


吹寄「え、えっと……///」


垣根(今から晩飯が楽しみだぜ……)フフフ


吹寄(ど、どうしよう……///)

227: 2011/07/11(月) 00:32:54.41 ID:oLG87Af70

~ 二時間後 ~



海原「おー、いい眺めですね」


春上(海原さんと二人で観覧車乗れたの///)


海原(観覧車か……御坂さんと二人で……って、何を考えてるんですかね、自分は……)


海原(自分は、御坂さんとは違う世界の住人なんです。おごましい考えは捨てましょう……)


春上(海原さん、ずっと景色眺めてるの)









海原「今日はありがとうございました。とても楽しかったですよ」


春上「お、お礼を言うのはこっちなの!! ありがとうございましたなの!!」ペコリ

228: 2011/07/11(月) 00:33:25.30 ID:oLG87Af70

海原「いえいえ。有意義な休日を過ごせました」


春上「……」


海原「では、そろそろ帰りましょうか。送っていきます」


春上「……海原さん」


海原「はい」


春上「……その前に、海原さんに聞いて欲しいお話があるの」


海原「……なんでしょうか」


春上「……わ、わ、わ……」ドキドキ

229: 2011/07/11(月) 00:34:02.40 ID:oLG87Af70

海原「……」


春上「私は海原さんのことが好きなの!!」


海原「っ!?」


春上「……」


海原「……じ、自分は」


春上「言わなくていいの」


海原「……え?」

















春上「海原さんに好きな人がいるのは知ってるの……」

230: 2011/07/11(月) 00:34:40.92 ID:oLG87Af70

海原「……」


春上「初春さんから教えてもらったの……」


海原「初春さんからですか?」


春上「」コクリ


春上「初春さんは、私のルームメイトなの」


海原「そ、そうだったんですか……」


春上「だから初春さんからも止められたの。海原さんとデートすることを……」


海原「では何で……」

231: 2011/07/11(月) 00:35:10.74 ID:oLG87Af70

春上「す、好きだったから……」


海原「……」


春上「例え相手が私のことを思ってなくても、自分の気持ちだけは伝えたかったの」グスッ


海原「」ズキッ


春上「だから……」


海原「……」


春上「今日はありがとうございましたなの。いい思い出になったの」ペコリ


春上「海原さんがその人と上手くいくことを願ってるの」

232: 2011/07/11(月) 00:35:40.52 ID:oLG87Af70

海原「春上さん……」


春上「そ、それじゃー……失礼しますなの!!」ダダダッ


海原「あっ……」


海原「……」


海原(いや、自分に彼女を追いかける資格はありませんね……)


海原(自分は、彼女に気持ちに応えることは出来ないのだから……)


海原「……」

233: 2011/07/11(月) 00:36:13.39 ID:oLG87Af70








『例え相手が私のことを思ってなくても、自分の気持ちだけは伝えたかったの』










『海原さんがその人と上手くいくことを願ってるの』






海原「」ズキッ


海原(じ、自分はどうすれば……)

234: 2011/07/11(月) 00:36:50.97 ID:oLG87Af70

~ 二時間後 上条宅 ~



ザー



上条「おいおい、凄い雨降ってきたな……」


上条「さっきまでの天気が嘘みてーだな」



ピンポーン



上条「ん?」


上条「はいはい、誰ですかー?」ギー


海原「……」


上条「う、海原?」

235: 2011/07/11(月) 00:37:24.08 ID:oLG87Af70

海原「……すみません」


上条「どうしたんだよ? それにびしょ濡れじゃねーか!?」


海原「……どうすればいいのか……わからないんです……」


上条「……」


上条「と、とにかくさ!! 上がれよ!! なっ!?」









上条「服は乾燥機に掛けておくから」


海原「す、すみません……シャワーのみならず、服まで貸して頂いて……」

236: 2011/07/11(月) 00:37:57.41 ID:oLG87Af70

上条「気にすんなって。あんままじゃ風邪ひいちまうしな」


海原「……」


海原(なんで、自分はこの人の家まで来たのだろうか……)


上条「ほい、上条さん特製コーヒー。これ飲んで暖まれ」スッ


海原「あ、ありがとうございます」


海原「」ズズー


海原「……温かい」


上条「……それで、どうしたんだよ? 俺でよかったら話聞くからさ」


海原「……実は―――――――――――――」

237: 2011/07/11(月) 00:38:27.38 ID:oLG87Af70

上条「―――――――――――――なるほど。春上さんがね……」


海原「彼女は、とてもいい子です。自分には勿体無いくらいに……」


上条「……なら、何で断ったんだよ?」


海原「……聞かなくても、貴方ならわかるでしょう」


上条「……まぁな」


海原「……春上さんに言われたんですよ。自分の想い人と上手くいくように、って……」


上条「……」


海原「でも……」ギリッ

238: 2011/07/11(月) 00:39:13.88 ID:oLG87Af70

海原「自分は、御坂さんと違う世界の人間なんです。彼女にこれ以上近づくなんて……」


上条「……」


海原「だけど、このままでは春上さんに対して申し訳なく思うんです……」


海原「彼女は、自分に想い人がいるのを知った上で思いを告げてくれた。そして、自分の幸せも願ってくれました……」


海原「そこまでしてくれたのに自分は……何も出来ない!!」ギリッ


上条「海原……」


海原「自分は……僕は……俺は……」
















海原「どうすればいいのかわからないんですよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

239: 2011/07/11(月) 00:39:50.94 ID:oLG87Af70

海原「はぁはぁ……」


上条「……」


海原「……すみません。自分としたことが、取り乱してしまいました」


上条「いや、気にすんな。それと海原」


海原「はい?」


上条「ちょっと下向いてくれないか?」


海原「は、はぁ……」

240: 2011/07/11(月) 00:40:32.23 ID:oLG87Af70

上条は、海原の顔が下を向いたことを確認すると彼の後頭部に右腕を振りかざした。
もちろん、殴りつけたわけではない。食らわせたのは軽い空手チョップだ。



海原「」キョトン


海原「あ、あの?」


上条「馬鹿野郎」


海原「は?」


上条「……もうわかってんだろ? 自分が何をしたいのか」


海原「っ!?」


上条「御坂のことが好きなんだろ!? 自分の組織を裏切ってまで守ってきたんだろう!?」

241: 2011/07/11(月) 00:41:04.25 ID:oLG87Af70

海原「……」


上条「お前はすげぇよ。好きな女の為に、ここまで出来る奴なんて俺は知らない……」


海原「……」


上条「俺だって、ここまで出来るかわからねぇ……」


海原「……しかし、自分は学園都市の人間ではない。この顔も借り物ですよ」


上条「だったら、本当の自分をあいつの前に曝け出せばいいだろ」


海原「じ、自分は彼女を遠くから見守るだけで……」


上条「満足か? なら、なんで……」

242: 2011/07/11(月) 00:41:47.78 ID:oLG87Af70

上条「そんな苦しい顔してんだよ?」


海原「――――――――――ッ!?」


上条「いいじゃねぇか。お前が学園都市の人間じゃなくたって、魔術師だっていいじゃねぇか……」


上条「思いを告げるのに、そんなの関係ねぇだろうが!!」


海原「……」


上条「本当は、あいつの近くで守ってやりたいんだろ?」


海原「……否定は出来ませんね」


上条「ならやることは一つだろ」

243: 2011/07/11(月) 00:42:15.25 ID:oLG87Af70

海原「……でも、御坂さんが自分の想いに応えてくれるとは思えませんけどね」


上条「……そりゃーそうだ。でも、大事なのはそこじゃないだろ?」


海原「……」


上条「あいつに自分の思いを告げる。後は、御坂の気持ち次第だからな。上手くいくとは限らなねぇ……」


海原「……相変わらず最低な答えだ、貴方は」


上条「……悪いな」


海原「……でも、そうして初めて御坂さんにも、春上さんにもしっかりと顔向けすることが出来るんでしょうね」


上条「かもな」

244: 2011/07/11(月) 00:42:45.18 ID:oLG87Af70

海原「……ふっ、自分としたことこんなことを貴方に相談するなんてね」


海原(彼には人を惹きつける力があるんでしょうね……)


海原「通りで、今日は大雨が降ってきたわけです」


上条「ちょっとその言い方は、上条さん少し傷つきますよ?」


海原「傷ついたのなら、フレンダさんに癒してもらえばいいでしょう?」


上条「言うな、こいつ……」


海原「」フッ


上条「」フッ

245: 2011/07/11(月) 00:43:57.61 ID:oLG87Af70









海原「それでは、失礼します。色々ありがとうございました」


上条「別に俺は、服乾かしたくらいだけどな」


海原「それでは……」


上条「頑張れよ……」























上条「エツァリ」

246: 2011/07/11(月) 00:44:35.01 ID:oLG87Af70

海原「!?」


海原「どうしてその名を……」


上条「土御門に聞いたんだよ、お前の本当の名前をな」


海原「土御門さんですか……全く、余計なことをしてくれます」


上条「そう言うなって。あいつもあいつなりに、お前のことを考えてるんだろ」


海原「どうでしょうね。彼の頭の中は、義妹のことだけしか考えてなさそうですが」


上条「……それは、否定できないな」


海原「……では、失礼します」ペコリ


上条「ああ。またな」



バタン



上条「……上手くいくといいんだけどなぁ」

247: 2011/07/11(月) 00:47:01.93 ID:oLG87Af70

今夜はここまでです。

また明日の夜8時くらいに投下します。


浜面「なんで、俺ばっかりもげろって言われるんだ……」

滝壺「大丈夫。もげたはまづらでも私は愛せるよ」

浜面「滝壺……」

男子B「堪忍袋の緒が切れたぞ、ハマヅラ!!」

253: 2011/07/11(月) 20:16:18.54 ID:oLG87Af70

~ 同時刻 常盤台女子寮 ~



美琴「……」


美琴(はぁ……色んなこと知りすぎて、中々整理できないわね……)


美琴(でも知れてよかった……)


美琴「海原さんかぁ……いや、本名は違うのよね……」


美琴(なんで私なんかの為に……)


美琴(私なんて、そこまでしてもらえる価値なんかないと思うんだけどなぁ……)


美琴「……」

254: 2011/07/11(月) 20:17:08.69 ID:oLG87Af70

美琴「私なんかの、何処がいいんだろ」ボソッ


美琴(……とりあえず、お礼はしておかないとね)


美琴(黒子に呼び出してもらうかなぁ……)



黒子「ふぅ、いい湯でしたの」


美琴「あっ、おかえり」


黒子「ただいまですの」


美琴「ねぇ、黒子」


黒子「はい?」

255: 2011/07/11(月) 20:17:54.01 ID:oLG87Af70

美琴「海原さんってどんな人?」


黒子「海原さんですか?」


美琴「うん」


黒子(意外ですの。上条さん以外の異性のことをお聞きになさるなんて……)


黒子「まさかお姉さま……」


美琴「ん?」


黒子「上条さんの次は、海原さんのことを……」


美琴「は? 違うわよ!! ただ、気になっただけだっつーの!!」

256: 2011/07/11(月) 20:18:37.10 ID:oLG87Af70

黒子「はぁ……」


黒子(怪しいですの……)


黒子(ここは悪く言って置きたいですが、海原さんには小さいお姉さまの写真を貰った恩がありますの)


黒子「……海原さんは、とても紳士的でお優しい方ですの」


美琴「ふぅーん。黒子がそこまで褒めるなんて、珍しいわね」


黒子「そうですか? 後、入院している妹様がいるようでございますの」


美琴「妹さん? (もしかして、病室にいた……)」


黒子「ええ。よくお見舞いに行くようで、とても妹思いの方ですわ」

257: 2011/07/11(月) 20:19:19.18 ID:oLG87Af70

美琴「そっか……ありがとね、黒子」


黒子「いえ」


美琴「そんじゃー、私寝るわね」


黒子「はい。おやすみなさいまし」


美琴「ん」



翌日、学校帰りの御坂美琴の前に一人の少年が現れた。
髪は黒髪でウェーブがかかっており、肌は小麦色で整った顔立ちをしている。
年齢は御坂と同じくらいだろう。少年は、流暢な日本語で御坂に話しかけてきた。



「どうも、御坂さん」


美琴「……誰?(誰? この外人さん)」

258: 2011/07/11(月) 20:19:58.27 ID:oLG87Af70

「……おっと、この姿で会うのは初めてでしたか」


美琴(……この姿? もしかして……)


エツァリ「海原光貴です。こっちが本来の顔なんですが」


美琴「……にせ海原さん?」


エツァリ「はい」


美琴(まさか、あっちから来てくれるなんてね……)


エツァリ「実は、御坂さんに伝えたいことがありまして……」


美琴「……そう。それじゃー、立ち話もなんだし公園のベンチにでも座る?」

259: 2011/07/11(月) 20:21:12.92 ID:oLG87Af70

エツァリ「いえ。すぐ終わりますので1分だけ時間くれませんか?」


美琴「いいけど……」


エツァリ「ありがとうございます」




























エツァリ「自分は……御坂さんのことが好きです。大好きです」

260: 2011/07/11(月) 20:22:00.31 ID:oLG87Af70

美琴「」


美琴「……え?」


美琴(ちょっと、私告白されてるぅぅぅぅぅぅ!?)


美琴(なんなのよ!! 唐突すぎるじゃない!?///)


エツァリ「返事はいりません。以上です。では失礼します」ペコリ



軽く会釈をし、エツァリはその場を立ち去ろうとする。
その顔には、若干満足感が漂っていた。



エツァリ(これでいい。自分の気持ちを直接伝えられただけで満足だ)

261: 2011/07/11(月) 20:22:28.69 ID:oLG87Af70



だが、エツァリの足が止まる。
理由は簡単。御坂が肩を掴んでエツァリが立ち去るのを止めたからだ。



エツァリ「…………え?」


美琴「ちょっと待ちなさいよ、あんた!!」


エツァリ「はい?」


美琴「言いたいことだけ言って逃げるんじゃないわよ!!」


エツァリ「……」


美琴「こっちだって、あんたに言いたいことや聞きたいことが沢山あるのよ」


エツァリ「しかし……」

262: 2011/07/11(月) 20:23:10.75 ID:oLG87Af70

美琴「公園のベンチに行くわよ?」


エツァリ「ですが……」


美琴「行くわよ!?」



鋭い眼光を放ち、若干漏電をしながらエツァリを睨みつける御坂。
エツァリは、戸惑いながらも渋々彼女の要望に従うことにした。
下校時間の公園には、学生がちらほら見受けられる。



美琴「……まず、あんたがいつも第一七七支部にいる海原さんってことでいいのね?」


エツァリ「ええ。そうです」


美琴「そう……」

263: 2011/07/11(月) 20:23:54.73 ID:oLG87Af70

エツァリ「あまり驚かないんですね?」


美琴「土御門さんから、大体は聞いてるからね」


エツァリ「っ!?」


美琴「あっ、土御門さんを責めないでよ? そもそも気づいたのは、あんた達の病院での会話がきっかけだったんだから」


エツァリ(病院?)


エツァリ(まさか、ショチトルとの会話が!?)


美琴「まぁ、盗み聞きしたのは謝るけどさ……話の内容が内容だったからね……」


エツァリ「……ということは、自分のことも詳しく知ってるわけですね」

264: 2011/07/11(月) 20:24:39.44 ID:oLG87Af70

美琴「まぁね。とりあえず……」


エツァリ「……」


美琴「ママを助けてくれてありがとう」



御坂は、深々と頭を下げ感謝の言葉を述べた。
エツァリは、まさかお礼を言われるとは思ってなかったのだろう。
きょとん、とした顔で御坂の後頭部を見つめたままだった。



エツァリ「……え?」


美琴「あんたが裏で色々してくれたんだってね。それも土御門さんから聞いた」


エツァリ「……暗部のことも知っているんですね」

265: 2011/07/11(月) 20:25:32.22 ID:oLG87Af70


美琴「うん。でも、あんたが学園都市の人じゃないとか、暗部の人間とか関係ない」


エツァリ「……」


美琴「ママを助けてくれたのは事実だから。本当にありがとう」


エツァリ「いえ。自分が好きでしたことですから。顔を上げてください」


美琴「……そう」


エツァリ「まさか、御坂さんからお礼を言われるとは思いませんでしたよ」


美琴「なによ? 普通、家族の命の恩人ならお礼を言うもんでしょう」


エツァリ「……まぁ、そうですね」

266: 2011/07/11(月) 20:26:08.21 ID:oLG87Af70

美琴「……あんた、私が礼儀知らずだと思ってるわけ?」


エツァリ「っ!? いえいえ、そんなことはないですよ!!」アセアセ


美琴「……そう、ならいいんだけど」


美琴「……それより、あんたに聞きたいことが山ほどあるんだけどいいかしら?」


エツァリ「……言いも何も、答えるまで帰してくれないのでしょう?」


美琴「まぁね」



そして、エツァリは御坂美琴に告げた。
何故、学園都市に来たのか。
何故、組織を裏切ってまで暗部に身を堕としたのか。
何故、今こうして本来の姿で御坂美琴の前に、現れたのかを。



エツァリ「――――――――――――以上で自分の話は終わりです」

267: 2011/07/11(月) 20:26:46.74 ID:oLG87Af70

美琴「……」


エツァリ「本当なら、御坂さんには暗部のことなど知ってほしくなかったのですが……」


美琴「……そうね、知らない方が幸せだったのかもね」


美琴「……でもね、もう自分が知らないところで、自分の為に傷つく人がいるなんて嫌なのよ」


エツァリ「……」


美琴「だから話してくれてありがとう」


エツァリ「……いえ」


美琴「ていうかさ……」

268: 2011/07/11(月) 20:27:22.41 ID:oLG87Af70

エツァリ「はい?」


美琴「私なんかのどこがいいのよ? 私よりもいい子なんて沢山いるでしょう?」


エツァリ「いえ。自分にとって御坂さんが一番の女性ですので」


美琴「っ!? ///」


美琴「あんた、よく真顔でそんなこと言えるわね……恥ずかしくないの?」


エツァリ「ええ。事実を言ってるまでですから」


美琴「そう……」


エツァリ「それでは、そろそろ自分はこれで」

269: 2011/07/11(月) 20:27:49.63 ID:oLG87Af70

美琴「だから、ちょっと待ちなさいってぇぇぇぇぇぇの!!」


エツァリ「……え?」


美琴「ま、まだ……私が……その……」


エツァリ「御坂さん?」


美琴「返事してないでしょうが!!」


エツァリ「はい?」


美琴「はい? じゃないわよ!! それだけ言っておいて返事もさせないなんてあんた馬鹿!?」


エツァリ「うっ!?」

270: 2011/07/11(月) 20:28:17.02 ID:oLG87Af70

美琴「まったく……」


エツァリ「しかし、自分は自分の気持ちを伝えることが出来ただけで満足なのですが……」


美琴「そんなの知らないわよ!! 私が返事するって言ってるんだから、返事させなさいよっ!!」


エツァリ「す、すみません!!」ビクッ


美琴「えっと……」


エツァリ「……」


美琴「まだ、あんたのことよく知らないし……名前自体知らないし……」


エツァリ「エツァリと言います」

271: 2011/07/11(月) 20:28:49.69 ID:oLG87Af70

美琴「え?」


エツァリ「自分の本当の名前です」


美琴「エツァリ、ね……」


美琴「……だから」


エツァリ(そうだ、これでいい。自分は、御坂さんに気持ちを伝えられただけで満足なのだから)
























美琴「お、お友達から……///」ゴニョゴニョ

272: 2011/07/11(月) 20:29:40.64 ID:oLG87Af70

エツァリ「」


エツァリ「…………え?」


美琴「」カァー


美琴「だから、お友達になろうって言ってんのよ!!」


エツァリ「……え? え?」


美琴「は、恥ずかしいんだから二回も言わせんじゃないわよっ!!」


エツァリ「……し、しかし、先ほども言ったように自分は魔術師ですよ? 本来ならここにいてはいけない……」


美琴「そんなの関係ないわよ。誰かを好きになったり、守るのに能力者、魔術師なんて関係ないでしょ」

273: 2011/07/11(月) 20:30:54.05 ID:oLG87Af70

エツァリ「っ!?」



御坂の言葉が、彼女の真っ直ぐな眼差しと共にエツァリの胸に重く突き刺さる。



エツァリ「御坂さん……」


美琴「とりあえずさ……あんたの番号とメアド教えてよ」


エツァリ「は、はい」


美琴「ん」



連絡先の交換を終えた二人は、再度ベンチに腰掛けていた。
そして、エツァリはある決意をする。



エツァリ(どうやら、御坂さんは打ち止めさん、番外個体さんの存在を知らないようですね)

274: 2011/07/11(月) 20:31:26.15 ID:oLG87Af70

エツァリ(流石に、土御門さんもそこまでは教えませんでしたか……)


エツァリ(だが、彼女には知る権利がある)


エツァリ「みさ―――――」



ふと、エツァリの言葉が途切れる。
視界の中に自分の知る顔が映りこんできたからだ。



美琴「ん? あれは佐天さん達じゃないかしら?」


エツァリ「え?」


美琴「あんた、その格好で大丈夫なの?」


エツァリ「だ、大丈夫じゃありません!!」


276: 2011/07/11(月) 20:33:30.45 ID:oLG87Af70

美琴「だったら、早く変身しないと!!」



そんな戦隊ものの変身とは違うんですけどね、と軽く否定しエツァリは、海原への姿と変貌する。
御坂は、生まれて始めてみる光景に唖然としていた。



美琴「……そ、そういう風に変身出来るのね」


海原「え、ええ」


佐天「御坂さんに海原さんじゃないですかー」



御坂美琴の親友、佐天涙子が二人に話しかけてきた。
珍しい組み合わせだと思いつつ、佐天は二人に駆け寄った。
彼女の傍らには、枝先絆理、そして春上衿衣の姿が見える。



美琴「こ、こんにちは」

277: 2011/07/11(月) 20:34:05.64 ID:oLG87Af70

海原「ど、どうも……」


枝先「こんにちは」


佐天「どうも」


春上「こ、こんちにはなの……」



若干、重たい空気が流れる。
五人とも原因はわかっていたが敢えて口には出さなかった。
重たい空気が流れ続ける中、切り出したのは春上だった。



春上「海原さん」


海原「……はい」

278: 2011/07/11(月) 20:34:55.90 ID:oLG87Af70

春上「この前は、どうもありがとうございましたなの」ペコリ


海原「いえ、こちらこそ」


美琴(この前?)


佐天(春上さん……)


枝先(衿衣ちゃん)


海原「春上さんのおかげで、自分は前に進めることが出来ました。本当に感謝しています」


春上「そ、そんなことないの!!///」


佐天(やっぱり海原さん、顔綺麗だなぁ……春上さんが惚れるのもわかるかも……)

279: 2011/07/11(月) 20:35:43.24 ID:oLG87Af70

美琴(なーんか、嫌な予感がするんだけど……)


春上「そ、それで海原さんにまたお願いがあるの……」


海原「なんでしょう? 自分に出来ることであればご協力しますよ」


春上「え、えっと……///」























春上「……私のお兄ちゃんになってほしいの///」

280: 2011/07/11(月) 20:36:14.80 ID:oLG87Af70

一同「」


海原「…………え?」


佐天「春上さん?」


美琴「」ポカーン


枝先(本当に言っちゃったよ、この子……)


海原「お、お兄ちゃんですか?」


春上「」コクリ


海原「あ、あの……」

281: 2011/07/11(月) 20:37:03.39 ID:oLG87Af70

春上「海原さんに好きな人がいるのは知ってるの」


美琴「」ドキッ


春上「だから彼女になるのは諦めてるの……」


海原「……」


春上「……でも、この前遊園地でデートしてる時に思ったの」


美琴「」ピクッ


美琴(デート?)


春上「なんか、面倒を見てくれるお兄ちゃんみたい、って思ったの」


282: 2011/07/11(月) 20:37:57.32 ID:oLG87Af70

海原「は、はぁ……」


春上「……だから、これからもたまには私の面倒を見て欲しいの」


佐天(春上さんには、常識は通用しなかった……)


美琴(ど、どういうことよ……)


海原「あ、あの……(ちょっと頭が混乱してますね)」


枝先「あ、あの!!」


海原「はい」


枝先「私から説明させて頂きますとですね」

283: 2011/07/11(月) 20:38:27.61 ID:oLG87Af70

海原「はい」


枝先「こ、この子はあまり恋愛とかわかってなくて……とにかく遊んでくれるお兄ちゃんのような人が欲しかったみたいなんです!!」


枝先「ね? 衿衣ちゃん?」


春上「?」キョトン


枝先(駄目だ、本人もわかってない……)


海原「……なるほど。そういうことですか」


枝先「!? そういうことなんです!!」


海原「……ふむ。それくらいでしたらいいですよ」ニコッ

284: 2011/07/11(月) 20:39:09.34 ID:oLG87Af70

美琴「なっ!?」


佐天「いいんだ!?」


春上「あ、ありがとうなの!!」


枝先「あ、ありがとうございます!!」ペコリ


海原「いえいえ。一人、妹分がいますのでもう一人増えても構いませんよ」


春上「ありがとう、光貴お兄ちゃん」ニッコリ


海原「!?」


海原(光貴お兄ちゃん……なんだか新鮮ですね……)

285: 2011/07/11(月) 20:40:06.93 ID:oLG87Af70



その時、海原光貴はある異変に気づいた。
自分の真後ろから、電気が帯びていることに。
恐る恐る振り返ってみると、そこには憤怒の表情をした最愛の女性の姿がそこにあった。
ていうか御坂美琴だった。



海原「み、御坂さん?」


美琴「あんたは……あんたってやつは……」ワナワナ


美琴「あのショチトルって子といい……今回の春上さんのことといい……」


海原「」ダラダラ


美琴「そんなに妹って言葉が好きかァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」バチバチ


海原「す、すみません。自分は用事があるのでこれで」

286: 2011/07/11(月) 20:43:14.36 ID:oLG87Af70

















美琴「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁ!!」


海原「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいい!! 自分は『幻想頃し』がないんですよぉぉぉぉぉぉぉ!?」


美琴「そんなの知るかぁぁぁぁぁぁぁ!! 告白しときながら友達を義妹にしてんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」



この日、エツァリにとって特別な一日となった。
想い人に自分の想いが伝わったこと。
義妹が一人増えたこと。
また、この話を聞いた土御門が義妹の話題を頻繁に持ちかけてくるようになったそうな。


287: 2011/07/11(月) 20:43:59.34 ID:oLG87Af70

三日後、御坂美琴と海原光貴は第三学区にある個室サロンに足を運んでいた。
目的は、未だ顔を見たことがない"妹達"に会うためだ。



美琴「……ていうかさ、わざわざこんな高いところセッティングしてくれなくても」


海原「いえいえ。誰にも邪魔されない所がいいと思いまして」


美琴「……そっか。ありがと」



感謝の言葉を述べた御坂だったが、彼女の声はわずかながら声が震えている。
もちろん、海原はそんな御坂のわずかな動揺を見逃さない。



美琴「……」


海原「会うのが怖いですか?」

288: 2011/07/11(月) 20:44:52.82 ID:oLG87Af70

美琴「少しね。知らなかったとはいえずっと放置してたんだから……」


海原「……大丈夫ですよ。二人共いい子です」


美琴「……そう」


海原「なんなら自分もお供しましょうか?」


美琴「……ううん。こればかりは、私が一人で行かないと駄目な気がするのよ」


海原「……かしこまりました。それでは、自分は向かいの喫茶店で待っていますので」


美琴「うん。ありがと」


海原「では、失礼します」



海原が立ち去った後、暫く立ち尽くしていた御坂だったが一呼吸を入れ店内へ一歩踏み出した。
歩幅は距離にしてほんの数十センチしか進んでいない。
しかし、御坂美琴にとっては大きく前進した一歩であった。

289: 2011/07/11(月) 20:47:21.52 ID:oLG87Af70

今夜は以上で終了です。
>>275は美琴の最後の台詞が「こんちには」になってしまいましたので>>276で修正しました。

次は7/15(金)に投下します。

皆さん、熱中症にお気をつけてね。

土御門「新グループ結成だにゃー」R4【中編】

引用: 土御門「新グループ結成だにゃー」R4