1: 2012/11/14(水) 22:46:43 ID:aE2gNPp2
さやか「じゃ、また学校でね!」


「うん、またね!」

―――――

まどか「もうちょっと遊んでいたかったけど、仕方ないよね」

まどか「うーん、まだ門限まで結構あるけど…」

まどか「…一人ぼっちじゃ、何してもつまんないよね…」


まどか「………ほむらちゃんっていつも何してるのかなぁ」
もう誰にも頼らない
2: 2012/11/14(水) 22:49:08 ID:aE2gNPp2
まどか「かっこよくて何でもできて、私なんかとは大違い」

まどか「だけど、お誘いしてもお昼とか帰りとかあんまり一緒になってくれないし、休み時間にお喋りとかも全然……」

まどか「たぶん魔法少女のことで大変なんだと思うけど…」

まどか「……でも、でも、私はほむらちゃんとも仲良くしたいな」

まどか「魔法少女とかそんなの関係なしに、普通のお友だちになりたい」

まどか「やっぱり、もっとほむらちゃんのこと知らないとね」

まどか「…そうだ、ちょっとのぞき見してみちゃおうっと!」

まどか「 自分を知り相手を知ればナントカだね !」ティヒヒ!

3: 2012/11/14(水) 22:52:19 ID:aE2gNPp2
―――――

まどか「とりあえず、ほむらちゃん家まできたのはいいけどどうしよう…」マドマド

まどか「あ、ほむらちゃん中にいるのかな」

まどか「よーし、耳を済まして…………」ピト

………………ガサ……………コトン…………

まどか「うん、中にいるみたい」

まどか「でもどうやってほむらちゃんを観察しようかな」

まどか「窓からのぞくのは……うーん、双眼鏡を持ってくればできたかも」

まどか「どこかに合鍵が隠してあったりして」ゴソゴソ

まどか「そんなわけないっか……」

4: 2012/11/14(水) 22:55:02 ID:aE2gNPp2
まどか「むー…」

まどか「そういえばちゃんと鍵がかかってるのかな」

まどか「しっかり者のほむらちゃんだけど鍵をかけ忘れちゃったりなんて」

まどか「確認してみないとね」

まどか「ゆっくーり、音を立てないように………」

ソローリソローリ

5: 2012/11/14(水) 22:58:29 ID:aE2gNPp2
―――――

ほむら「掃除機掛けもお終い」カチャッ

ほむら「ちょっと疲れたし、休憩にしましょう……」

カタッ
チャポチャポチャポ

ほむら「ん………やっぱりティーパックじゃマミの紅茶には及ばないわね」コトン


6: 2012/11/14(水) 23:01:25 ID:aE2gNPp2
ほむら(いよいよ二日後になってしまった)

ほむら(……何時頃からだったかしら、こんな事をするようになったのは)

ほむら(今日という今日を何度も何度も繰り返してきたはずなのに)

ほむら(居ても立ってもいられなくって、どうしようもなくて)

ほむら(決意の表れだったのか、それとも諦めの肯定だったのか)

ほむら(とにかく、せめて少しでも後腐れの無いようにと)


ほむら(すっきり綺麗に何もなくしてしまうようになったのは)


7: 2012/11/14(水) 23:05:30 ID:aE2gNPp2
気付けば、自分が魔法少女になったあの日がまるで遠い昔のようで。
それなのに、ここまで辿ってきた道程はつい昨日のようで。

ただ、長い長い戦いを経て漸くここまで来た。


繰り返す中で、まどかが契約しないように策を散々弄してきたけれども。
結局、その最適解は「大団円」へと収束していった。

ただただ偏に、まどかが優しかったから。
誰か一人でも傷つけば、まどかは躊躇うことなく契約してしまう。

8: 2012/11/14(水) 23:08:12 ID:aE2gNPp2
まどかさえ助けられればいいと思っていたけど。
まどかを救わなければならないのだと思い知った。

それまでだって手を抜いたつもりは勿論無い。
しかし、それからはもう氏に物狂いだった。
余計な感情を圧し頃して、何もかもかなぐり捨てて。

私は私自身に強さを求めた。
素質が無いことになんて甘んじられない。
限界だと思っていたものを振り切って。

9: 2012/11/14(水) 23:13:03 ID:aE2gNPp2
ちっぽけな魔力から大きな魔法を引き出す技術を。
僅かばかりの容量を少しでも増す方法を。
経験から模索し、繰り返す魔女との戦いの中で実践した。

もちろん、基礎体力も補わなければならない。
暇さえあればトレーニングに勤しんだ。


初めて成果が感じられたの
は、どれだけ繰り返したか思い出せなくなった頃だったと思う。
あまりに微塵な進歩でも、ようやくの第一歩。

身体の弱かった私はもういない。

10: 2012/11/14(水) 23:18:58 ID:aE2gNPp2
私は理想の結末を邪魔するものを拒んだ。
ただ繰り返しただけでは変えられなかった。
成すべきことは多い。

武器の確保。
グリーフシードの収集。
インキュベーターの勧誘の妨害。
まどかと美樹さやかの契約の阻止。
巴マミと佐倉杏子との和解。
魔法少女の真実の伝達。
魔女化の抑止。
ワルプルギスの夜を想定した戦闘訓練。

時にはイレギュラーへの対処も強いられる。

11: 2012/11/14(水) 23:23:23 ID:aE2gNPp2
全く同じ過去は一度として無かったけど、作業効率は加速度的に上がっていった。
遥か彼方に望む未来へ、確かに歩み続けている。

どんくさかった私はもういない。



今だからこそそんな考えが浮かぶことは無くなったけど。
何度も投げ出しそうになった。
気を抜けばいつでも狂ってしまいそうだった。

それでも、必氏に堪えて前に進み続けた。
私が救えなかった人たちを。
私が見棄ててきた人たちを。
そんな犠牲を無為になんてできる訳がない。

12: 2012/11/14(水) 23:26:41 ID:aE2gNPp2

あいつはチェックメイトを宣言したつもりでいたのだろう。

いつのことだったか、まどかの膨大な素質は私が繰り返した結果であるのだとインキュベーターが宣ったが。

その言葉は寧ろ、私を更に奮い起たせた。

だったら出来る限り繰り返さないよう努力するだけ。
それすら踏み越えて行くだけ。
まどかを守り通すだけ。

そんなことで絶望できる私ではなくなっていた。



ワルプルギスの夜の本性を目の当たりにしたのは、この時間だった。

13: 2012/11/14(水) 23:29:59 ID:aE2gNPp2
さすがにへし折れてしまいそうだったけど。

しかし、投げ出せる訳がない。
私の後にはもう、引き返せる道なんか残っていない。
幽かな可能性を我武者羅に追い求めるだけ。

少しずつ、それでも次第に。
その差を確実に縮めていった。

繰り返す度に成長するのはまどかの素質だけじゃない。
この私だって更に。


何度敗れたって。
何度だって這い上がる。

14: 2012/11/14(水) 23:32:37 ID:aE2gNPp2
そして、前回。

決氏で食い下がって。
後一歩の所でやられてしまったけど。

確かな手応えが残っている。
この感覚がそのまま確信になる。




万全を期した。

今回こそ、撃破できる。撃破してみせる。




15: 2012/11/14(水) 23:34:42 ID:aE2gNPp2
そうすれば、インキュベーターはまどかを唆す手立てを失うはず。
そうすれば、まどかが私達のことで気を揉むこともなくなるはず。
私自身だって十分に強くなった。
身体能力だけなら杏子にだって引けを取るつもりはない。


でも、しかし。
砂が落ちきってしまえば。
時間を止められなくなってしまえば、足手まといになってしまう可能性が否定できなくなる。


迷惑はかけたくない。

16: 2012/11/14(水) 23:39:24 ID:aE2gNPp2
……ワルプルギスの夜を倒したらどうしようか。

出口があるかもわからない迷路の外側の事なんか考えもしなかった。
迎えたことのない未来が今、手を伸ばせば届きそうな所にある。

今後のことも決めていかないと。


どこか遠くに行こう。
ここを離れなければ。

それだけはもうずっと前から決めている。

北に行こうか、南に行こうか。
海外でもどこでもいい。
どうだっていい。


それから、……それから。

17: 2012/11/14(水) 23:41:45 ID:aE2gNPp2

それから?



「あれ?」



……わたし、は。






「……………どうしたらいいの?」







18: 2012/11/14(水) 23:45:50 ID:aE2gNPp2
カチャ

ほむら「?!」

ガチリッ


ほむら「つい時間を止めてしまったけど……」

ほむら「…空き巣か何かかしら?」

ほむら「…やっぱり、開けっぱなしにしておくのは良くないわね……」

19: 2012/11/14(水) 23:49:20 ID:aE2gNPp2
ほむら「…既に半開きじゃない」スタスタ

ほむら「一体誰がこんなことを……」チラッ


ほむら「……………………」

ほむら「………っ」

ほむら(………………どうして。どうして、こんな時に…………)

ほむら(……………………)


ガチリッ

20: 2012/11/14(水) 23:52:16 ID:aE2gNPp2
―――――

カチャ

まどか「?!」

まどか「ちょ、ちょっと音がでちゃったけど、たぶん気づかれてないよね」アセアセ

まどか「でも、本当に鍵をかけ忘れちゃってるなんて」

まどか「ほむらちゃんにも抜けてるとこがあったんだね」

まどか「後はゆっくり開いて……」ソォーット

21: 2012/11/14(水) 23:54:47 ID:aE2gNPp2
まどか「よし、いよいよだね…」ドキドキ

まどか「ほむらちゃんは何してるのかな?」ヒョコッ




ほむら「…………」
まどか「…………」




まどか「………てぃひひ」ダラダラ

22: 2012/11/14(水) 23:57:11 ID:aE2gNPp2
ほむら「……まどか、あなたはここで一体何をやってるの」

まどか「え、えっと、あのー、ううぅ……………てぃひひ」アセアセ

ほむら「…………」

まどか「えと、そうだ、この前ほむらちゃんに借りたマンガを返そうと思って」アセアセ


ほむら「……私、漫画は持ってないわよ」

まどか「」ダラダラダラダラ

23: 2012/11/14(水) 23:59:18 ID:aE2gNPp2
まどか「えっと、えっと、ほむらちゃんは元気かなーって」ダラダラ
まどか「ほむらちゃん、転校してきてからずっと休みがちだし…」

ほむら「……怒ったりしないから、誤魔化さないで」

まどか「…ほ、ほむらちゃんの私生活ってどんなのかなーって…」

ほむら「………そう…」


まどか「…ごめんなさい」ペコリ

24: 2012/11/15(木) 00:01:18 ID:4pIcoM8w
ほむら「……私だったから良かったようなものの、もうこんなこと絶対にしては駄目よ」

まどか「はい…」

ほむら「………」


まどか「……ほむらちゃん?」

まどか「…なんだか元気ないみたいだけど、どうしたの?」

ほむら「……っ、別に、なんでもないわ…」


まどか「ううん、そんなはず無い。私じゃなくってもわかっちゃうよ」

25: 2012/11/15(木) 00:03:02 ID:4pIcoM8w


まどか「だって、ほむらちゃん」



まどか「とっても辛そうで、今すぐ泣き出しちゃいそうな顔してる」



26: 2012/11/15(木) 00:06:09 ID:4pIcoM8w
まどか「…私じゃあ、何か力になれないかな?」

まどか「お話を聞くぐらいはしてあげられると思うから…」

まどか「誰かに相談するだけで、少しは楽になると思うの。私もそうだから……」


ほむら「………」

ほむら「………本当に、本当に。いつまでたっても変わらない……」ポソリ

ほむら「…………………少し、上がっていくかしら?」

まどか「………うん!」パァァ

27: 2012/11/15(木) 00:08:27 ID:4pIcoM8w
まどか「お邪魔しまー……あれ?」

まどか「こないだみんなで来たときはなんだかすごかったけど」

ほむら「あの時はね。必要だったからそうしたまでよ」

ほむら「今はもう必要ないから、魔法を解いただけ。本当はこんな部屋なのよ」

まどか「でも…」


まどか「この部屋の中に机だけっていうのも……」

まどか(………………)

28: 2012/11/15(木) 00:11:23 ID:4pIcoM8w
ほむら「……掃除の途中だからよ。邪魔な物はひとまずこの中に放り込んでしまうの。」カシャン

まどか「…そっか、だから魔法少女の姿になってるんだね」

まどか「すらっとしててかっこいい……って、ほむらちゃん!ソウルジェムが真っ黒だよ!!」

ほむら(…そういえばまどかにはまだ見せてなかったわね)

まどか「え、ええ?グリーフシードは残ってるの??ないの?どうしようどうしよう??!」オロオロ

ほむら「まどか、落ち着いてよく見てみなさい」スッ

まどか「え……?」ジー
まどか「…真っ黒だけど濁ってない………なんだか夜空みたい」

ほむら「本当はそんな色じゃなかったはずなのだけど、いつの間にかね」

まどか「そうなんだ…………びっくりしちゃった」フゥ

29: 2012/11/15(木) 00:13:08 ID:4pIcoM8w
まどか「えっと、もともとはどんな色だったの?」

ほむら「紫色よ。ぼんやりとしか思い出せないけど……」

まどか「そうなんだ。でも、どうして色が変わっちゃったんだろう?」

ほむら「……こればっかりは私にも解らないわ」


ほむら「…………何か飲み物を用意しましょうか?」

ほむら「お湯と紅茶とコーヒーしかないけど…」

ほむら「紅茶はティーパックでコーヒーはインスタントだけど……」

まどか「えっと、紅茶がいいな」

30: 2012/11/15(木) 00:15:26 ID:4pIcoM8w
ほむら「じゃあ好きなのを選んでちょうだい」ヒョイ

まどか「本当に何でも入ってるんだね」ドレニシヨウ?

ほむら「…ええ、最近は中身の管理も大変だわ」

まどか「そんなにいっぱい何か入ってるの?」コレガイイカナ

ほむら「…色々ありすぎて説明しきれないわね」


ほむら「……それにしても、どうしたら私の私生活なんかに興味がわくのかしら?」チャポチャポ

ほむら「私のなんて無味乾燥もいいところなんだけど…」ハイドウゾ カタッ

まどか「…うん、今日はさやかちゃんと遊んでたんだけどね」イタダキマス

31: 2012/11/15(木) 00:18:03 ID:4pIcoM8w
まどか「さやかちゃん、今日は用事があるって早く帰っちゃって」

まどか「まだ時間があるけど、一人ぼっちじゃつまんないなーって思って」

まどか「…そしたらね、ほむらちゃんのことが頭に浮かんできたの」

まどか「ほむらちゃん、学校でもいっつも一人でいるから…」

まどか「マミさんも杏子ちゃんも、ほむらちゃんが一人で魔女退治してるのを心配してるし」

まどか「…それなのにほむらちゃんっていつも、なんだか寂しそうで……」

ほむら「……」

32: 2012/11/15(木) 00:20:48 ID:4pIcoM8w
まどか「私ね、ほむらちゃんが転校してきてからずっと、友達になりたいなって思ってたの」

まどか「保健室に行く途中であんなこと言われたのにはびっくりしたけど…」

まどか「その時のほむらちゃん、声も体も震えてたの、よく覚えてる」


まどか「それから、わたしとさやかちゃんを助けてくれて」

まどか「マミさんと杏子ちゃんと仲良くなって」

まどか「…ほんとは、魔法少女同士はあまり仲良くしないんだって、マミさんが言ってたの」

33: 2012/11/15(木) 00:23:33 ID:4pIcoM8w
まどか「それにね、マミさん、私たちみたいな後輩ができて嬉しかったって」

まどか「一緒に戦ってくれる仲間ができて嬉しかったって」

まどか「ほむらちゃんには感謝してもしきれないわねって」


まどか「さやかちゃんもね、ほむらちゃんのお陰で自分の気持ちに向き合うことができたって」

まどか「上条くんの事も諦めずに励まし続けてみせるって」

まどか「でも、ありがとうなんて恥ずかしくって言えないや…って」


まどか「杏子ちゃんもね、もうマミさんと昔みたいに一緒にいられないと思ってたって」

まどか「それに、また、人の為にも魔法を使おうかなって」

まどか「いつか、ちゃんとお礼を言わないとなって」


まどか「みんながほむらちゃんに感謝してるんだよ」

ほむら「……」

34: 2012/11/15(木) 00:26:11 ID:4pIcoM8w
まどか「それにね、わたしもありがとうってちゃんと言いたいの」

まどか「あの時わたしとさやかちゃんを助けてくれて」
まどか「それに、私たちの知らないところで助けてくれていて、ありがとう」


まどか「でもね、私は助けられるばかりじゃ嫌なの」

まどか「ほむらちゃんみたいに誰かの為に何かできるようになりたい」
まどか「本当は一緒に魔法少女として戦いたい」


ほむら「っ、……それ、だけは…………」

35: 2012/11/15(木) 00:28:04 ID:4pIcoM8w
まどか「うん、それだけはしない」

まどか「前にみんなでここに来たとき、約束したもんね」

ほむら「……………………………」

まどか「だから、そうじゃないところで力になってあげたいの」
まどか「ほんのちょっとでも、ほむらちゃんを支えてあげたい」

まどか「みんな揃っているときでも、ほむらちゃんってどこか遠くにいるみたいで……」

36: 2012/11/15(木) 00:31:29 ID:4pIcoM8w
まどか「……えへへ、話がすっごく逸れちゃったね」


まどか「私が今日のぞきをしようとしたのはね」

まどか「ほむらちゃんと友達なるきっかけが欲しかったからなの」


ほむら「……………目的、と手段がちょっと、捻くれてるわね……」

まどか「…他に、思い付かなくって」

ほむら「……あなた、らしいわ………」
ほむら「…本当に、どれだけ経っても変わらない………」ボソ

まどか「…ほむらちゃん、改めてお願いするね」


まどか「私と、お友達になってください」



37: 2012/11/15(木) 00:33:41 ID:4pIcoM8w
ほむら「……………………」

ほむら「……………っ、ごめん、なさい……」

まどか「…」

ほむら「……今は、明後日のことで、っ精一杯で…」

ほむら「…………あなたの気持ちは、とても、嬉しい…」グッ

まどか「………」

ほむら「………私、なんかのことを、っ気遣ってくれていて……………」プルプル

ほむら「……………だから、返事は、………っ、すべてが終わってからで、い、いいかしら……」



まどか「…………やっぱり、そうなんだ」ボソ

38: 2012/11/15(木) 00:35:56 ID:4pIcoM8w
まどか「……ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「………………」

まどか「………わたしの顔を見てほしいな」

ほむら「……………………」

まどか「…ほむらちゃんは」

まどか「ほむらちゃんは明後日のことが終わったら」



まどか「本当に返事をしてくれるの?」




39: 2012/11/15(木) 00:38:07 ID:4pIcoM8w
ほむら「ぅ……………」

まどか「……私ね、ほむらちゃんが転校してくる前の日に夢を見たの」

まどか「一人の女の子がとっても大きな何かと戦ってて」
まどか「町中がぼろぼろになって、その女の子も傷だらけになって」
まどか「でも、最後にはその何かを女の子がやっつけたの」

まどか「でね、その女の子が私のところまで来てこう言ったの」

まどか「『これで全部おしまい。そしてお別れ。元気でね、まどか』って………」


まどか「…そう言って、私の目の前から………消えちゃった」
まどか「すごく悲しそうな顔して、泣いてたの…」

40: 2012/11/15(木) 00:40:09 ID:4pIcoM8w
まどか「…私ね、わかっちゃった」

まどか「ほむらちゃんが本当はお掃除してたんじゃないんだって」

まどか「…本当はお引っ越しの準備だったんだよね」

ほむら「ぁ……………」

まどか「ほむらちゃんが初めて教室に入ってきたとき、私、びっくりしちゃった」

まどか「夢の中で出逢った子は、ほむらちゃんだった」

ほむら「……ぅ………ぅあ……」ジワ

まどか「あんなに泣いてた子が、どうしてこんなに冷たい目をしてるんだろうって」


まどか「……きっと、とても辛いことがあったんだろうなって」

41: 2012/11/15(木) 00:45:51 ID:4pIcoM8w
まどか「………もっと早くお話ししたかったけど」

まどか「ほむらちゃん、私たちと一緒にいるのを避けてるみたいだったから………」

まどか「私たちのことあんまりよく思ってないのかなって……」

まどか「…それで、声をかける勇気がでなくって……」
まどか「本当に嫌われてたらどうしようって思って……」

ほむら「………違う、……っ、違うのよぉ…っ」ウルウル

まどか「……」

42: 2012/11/15(木) 00:49:03 ID:4pIcoM8w
まどか「………ふと思ったの」
まどか「このままじゃ本当にいなくなっちゃうって」

まどか「だから、……いてもたってもいられなくって…!」

ほむら「ぁあ………ぁ、まどか………」グスッ

まどか「…ほむらちゃん、どうしてどこかに行っちゃうの?」

まどか「ほむらちゃんが決めたことなら、しょうがないけど」

まどか「でも、理由ぐらいは教えてほしいな」

まどか「私の…私のわがままだけど……」

ほむら「ぁ……ぅ、まどか、っ、あなたは…」ポロ

43: 2012/11/15(木) 00:51:28 ID:4pIcoM8w
ほむら「……ぁ、あなたはっ……優し、すぎる…」ポロリ

ほむら「…っ、やさしくて、強くって、っ、他人のい、…痛みには、びん感で」ポロ

ほむら「ぅう、…わたし、っにはぁ、まぶしすぎて!」ポロポロ

ほむら「っ、ずっと!ずっと!わたしの、あこがれだったのに!!」ボロッ

ほむら「あなたはっ、わっ、わたしのすべて、っなのにぃ!」ボロ

ほむら「なのに、なのに!わたし、わたしはっ!!わたしはあぁ………」ボロボロ



ほむら「……ぅぅううううぅぅぁぁぁあああああ!!!」ボロボロボロ


まどか「……………」

まどか「……ほむらちゃん…」スッ

44: 2012/11/15(木) 00:55:18 ID:4pIcoM8w

ギュウウウウゥ

ほむら「ぐうぅう、うううう!」ボロボロ

まどか「きっと、辛かったんだね、苦しかったんだね…」

まどか「辛くって、苦しくって、泣くこともできなかったんだね…」

ほむら「うぅ、ううぅぅ…」コクコク

ギュウッ


まどか「…だったら、今はいくらでも泣いていいんだよ」ナデナデ


ほむら「……ぁぁぁああああ!ぅああああああぁぁ!!」ボロボロボロ

45: 2012/11/15(木) 01:07:28 ID:4pIcoM8w
――――――――
―――

ほむら「…ぅ………う…」ポロポロ

まどか「…」ナデナデ

ほむら「………………」ポロポロ

まどか「…………」ギュ

ほむら「ぅ………………」グスッ

まどか「よしよし」ナデナデ

ほむら「………」ギュッ

まどか「……」ナデナデ


ほむら「…………………私は」ポツリ

46: 2012/11/15(木) 01:09:36 ID:4pIcoM8w
ほむら「……もう、誰にも頼らないって決めたのに………」

ほむら「…結局、あなたに助けられてばかりで………」グスッ

ほむら「あなたを助けられなくって……!」ジワァ

まどか「…」

ほむら「私ね、未来から来たんだよ…」ポロ

ほむら「この一ヶ月を、何度も何度でも繰り返したの…」ポロポロ

ほむら「ただ、あなたと交わした約束を守りたかった……」ギュ

ほむら「っ、それが、私に残された、たったひとつの道標で」ポロポロ

ほむら「…だからっ、私は…、わたしはぁぁぁ………ぅ」ボロボロ

ほむら「ぅぅうぅ…」ボロボロ

ほむら「わけわかんないよね……、っ、きもちわるいよね……」ポロポロ

47: 2012/11/15(木) 01:12:37 ID:4pIcoM8w
まどか「……」ナデナデ

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」ナデナデ

まどか「…私には、ほむらちゃんが背負ってるものも」ギュ
まどか「ほむらちゃんがどれだけ苦しんでるのかも分かってあげられないけど」ナデナデ


まどか「でもね、分けてもらうことならできるから」
まどか「私も一緒に、少しでも背負ってあげたいから…」


まどか「私も、がんばって受け止めてあげるから」ダキッ

ほむら「ぅあ……ぅ、まどか、まどかぁ…!」ボロボロ

48: 2012/11/15(木) 01:15:28 ID:4pIcoM8w

ほむら「…わたし、何もできないだめな子なのに」ポロポロ

ほむら「あなたは、友達になってくれて」グス

ほむら「魔法少女のあなたが、私を助けてくれたのに」エグッ

ほむら「わたしの、っ目の前で、あなたはぁ、しんでしまった!」ボロッ

まどか「…………」ギュウ

ほむら「なにもぉ、何もできないわたしがくやしくて、かなしくってぇ!」ボロボロ

ほむら「っだから、わたしも魔法少女になったのに」グスッ

ほむら「まどかとの出逢いをやり直したいって、まどかを守れるわたしになりたいって…」ポロポロ

49: 2012/11/15(木) 01:18:13 ID:4pIcoM8w
ほむら「転校してくる前まで戻ってきたのに」グス

ほむら「わたし、あなたを助けられなかった…」ポロ

ほむら「何回やり直しても、たすけられなかった………!」ポロポロ

まどか「……」ナデナデ

ほむら「わたしね、あなたと約束したの」ポロ

ほむら「キュウべぇに騙される前のあなたを助けてあげるって」グスッ

まどか「!………」

ほむら「だから、何度もやり直したの…」グス
ほむら「…でも、全然うまくいかなくって……」グスグス

ほむら「その数だけ、あなたたちを見棄ててきた…」ポロ
ほむら「わたしが、ころしてしまったことだって………」ポロッ

50: 2012/11/15(木) 01:20:20 ID:4pIcoM8w
ほむら「…だから!一緒にいることは……できないの………」ポロポロ

ほむら「そんなの、誰にも許してもらえないから……」グスグス

ほむら「これが終わったら、ここを去って…」ポロポロ

ほむら「どこか遠くにいくつもり、だったのに……」ポロポロ

ほむら「どうしていいか、わかんなく、なっちゃった……」グスッ

ほむら「…わたしはなんで、こんなことになっちゃったんだろう……」ポロポロ

まどか「……ほむらちゃん」ナデナデ

ほむら「こんなわたしと仲よくしてくれて、嬉しかった…」ポロポロ

ほむら「何回、やり直しても、あなたたちはいつでもそうだった……」ポロポロ

51: 2012/11/15(木) 01:23:14 ID:4pIcoM8w
ほむら「…だから、別れる時に悲しくなって……」ポロポロ

ほむら「また会ったときに、余計に辛くなって………!」ポロポロ

ほむら「そんなのっ、っ、耐えられなくってぇ……」ボロボロ

ほむら「だから、離れようと、っしたのに…」グスッ

ほむら「そんなの、寂しくって、できなくってぇ!」ボロボロ

まどか「……」ギュウウ



ほむら「っ、わたし、わたしは!」ボロボロ


ほむら「ほんとは、ほんとは!ほんとはあぁっ!!!」ボロボロ

53: 2012/11/15(木) 01:25:04 ID:4pIcoM8w







「…XxX、XxXXXXXXXxX………!!」








54: 2012/11/15(木) 01:28:07 ID:4pIcoM8w

まどか「…ほむらちゃん!」グイッ

ほむら「!?」

まどか「私の顔、見える?」

ほむら「?、??、え、ええ……」ポロポロ

まどか「私と手、つないでくれる?」ギュ

ほむら「……ええ、………あったかい…」ポロポロ

まどか「私の声、聞こえる?」

ほむら「…よく、聞こえる………」ポロポロ


まどか「なら、今、私はここにいるんだよ」

まどか「ほむらちゃんのおかげで、今の私がいるんだよ…!」


55: 2012/11/15(木) 01:31:07 ID:4pIcoM8w
まどか「ごめんね、私がわがままいったばっかりに…」

まどか「ほむらちゃんを、こんなに苦しめて……」

ほむら「……まどかのせいじゃない!わたしが、勝手にやったことだから……」ポロポロ

ほむら「っ、それに、あさってで全部おしまいだからぁ……」ポロポロ

ほむら「だから、もう気にしなくていいからぁ………」ポロポロ



まどか「………」

まどか「ううん、おしまいなんかじゃない」

56: 2012/11/15(木) 01:34:39 ID:4pIcoM8w
まどか「全部終わったら、またひとつ始まるんだよ…」

まどか「こんなことじゃ全然足りないと思う………」
まどか「なんの埋め合わせにもならないと思う…………それでも」

まどか「一通りおしまいにしたら」

まどか「みんなでどこかに遊びにいこうよ」

まどか「みんなでお洋服買いにいこうよ」

まどか「またみんなで学校にいこうよ」

まどか「ほむらちゃんは、ひとりぼっちじゃないんだよ」

まどか「ほむらちゃんのこと、みんなもきっとわかってくれるよ」

57: 2012/11/15(木) 01:38:51 ID:4pIcoM8w
まどか「ほむらちゃんが寂しかった分だけ、ずっと一緒にいてあげる」

まどか「嬉しい時は、一緒に笑おうよ」

まどか「悲しいことがあったら、私が受け止めてあげる」

まどか「巻き戻した分だけ、一緒に先に進もうよ」

まどか「今度は私にほむらちゃんを助けさせて」

まどか「私にほむらちゃんの願いを叶えさせて!」

まどか「だから…」

58: 2012/11/15(木) 01:41:21 ID:4pIcoM8w

まどか「だから、まずは」


まどか「これから私と、最高の友達になってほしいの!!」


59: 2012/11/15(木) 01:43:57 ID:4pIcoM8w

ほむら「ぅ、っ、わたし、わたし」ポロポロ


ほむら「わたしは、いい、の?」ポロポロ

ほむら「あなたと、ともだちになっていいの?」ポロポロ

ほむら「あなたを、あなたたちを、ずっとまもれなかったのに、みすててきたのにっ」ポロポロ

ほむら「そんなわたしなんかと、ともだちに、なってくれるの?」ポロポロ


まどか「………うん!」ニコッ


60: 2012/11/15(木) 01:46:22 ID:4pIcoM8w
ほむら「う、ぅうう、ぁううぅう…」ポロポロ

まどか「…やっと、ほむらちゃんと仲よくなれるね」ナデナデ
まどか「これからもっともっと、うんと仲よくなろうね」ギュ

ほむら「……ごめんなさい………」ポロポロ

ほむら「ごめんなさい……ごめんなさい…!」ボロボロ

まどか「私はほむらちゃんのこと、全部許してあげるからね」ヨシヨシ

ほむら「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!」ボロボロ


ほむら「ごめん……なさい…………!」ボロボロ

ほむら「ぅう………ううぅ……」ボロボロ

61: 2012/11/15(木) 01:48:46 ID:4pIcoM8w
―――――

ほむら「………だいぶ、落ち着いたわ」グスッ

ほむら「見苦しい所を見せてしまったわね」グシグシ

まどか「私は、嬉しかったな」
まどか「ほむらちゃんが私を頼ってくれたと思うから」


ほむら「……ふふ」クスッ

まどか「あ、笑った!」

まどか「やっぱり、笑ってた方がかわいいね」

ほむら「ありがとう」
ほむら「でも、笑うだなんていつ以来かしら」

62: 2012/11/15(木) 01:52:13 ID:4pIcoM8w
ほむら「結局、最後まであなたに助けられっぱなしだったわね」

まどか「もう、最後じゃないってさっき言ったでしょ?」プンス

ほむら「…ちゃんと、分かっているわ」
ほむら「あなたには私の願い事を叶えてもらうんだから」クスクス

まどか「あぅ、そ、そうなんだけどさ///」


ほむら「……ふふ」ニコリ
まどか「えへへ」ニコッ


まどか「あっ、紅茶…」
ほむら「どうせ安物だし、気にしないで」

63: 2012/11/15(木) 01:55:21 ID:4pIcoM8w
ほむら「あら、もうこんな時間ね」

まどか「えっ?あっ、ほんとだ!」
まどか「どうしよう、ちょっと遅くなっちゃうかも…」アセアセ

ほむら「なら、私が送っていってあげる」
ほむら「もう準備はできてるかしら?」

まどか「う、うん。とりあえず…」アセアセ

ほむら「それじゃあ、行きましょうか」ニギ

ガチリッ

64: 2012/11/15(木) 01:58:49 ID:4pIcoM8w
まどか「?、??」

ほむら「手を放しては駄目よ、あなたの時間まで止まってしまうから」

まどか「これがほむらちゃんの魔法…」
まどか「なんだか、不思議な気分」

ほむら「このまま帰れば、十分に間に合うわね」

テクテク

まどか「本当に何もかも止まってる…」
まどか「でも、こんなことで魔法を使って大丈夫なの?」

ほむら「そうね、確かに無駄遣いはよくない」

65: 2012/11/15(木) 02:01:38 ID:4pIcoM8w
ほむら「あと二、三時間もぶっ続けてしまえばまずいわね」

まどか「え、そんなに?」

ほむら「断続的に行えばもっと持つわ」
ほむら「初めは精々三分位だったのだけど…」


ほむら「しかし、これとももうすぐお別れかと思うと、少し名残惜しいわ」

まどか「?」

ほむら「私の魔法はね…」

66: 2012/11/15(木) 02:03:45 ID:4pIcoM8w
―――――

まどか「そっか、止められなくなっちゃうんだ…」

ほむら「正直いって大打撃よ」
ほむら「魔女とまともに渡り合えるかどうか…」

ほむら「そうなれば、いつやられてしまってもおかしくないから…」

まどか「だから、どこかに行っちゃおうとしたの?」

ほむら「まあ、その理由の一つになるわね」
ほむら「…そんな顔しないで、もうどこにも行かないから」


ほむら「必ず帰ってくるわ」

67: 2012/11/15(木) 02:07:12 ID:4pIcoM8w
まどか「…うん、私、待ってるからね」

ほむら「ちゃんと避難所で大人しくしているのよ」

ほむら「キュウべぇに何を言われても契約しては駄目よ」

まどか「もう、分かってるってばー!」プクー

ほむら「うふふ」


ほむら「さて、着いたわね」

まどか「うん、ありがとう!」

ほむら「どういたしまして」

69: 2012/11/15(木) 02:09:23 ID:4pIcoM8w
まどか「…あのね、ほむらちゃん」

まどか「ほむらちゃんが転校してきた日に言ってたことだけど…」

ほむら「?、それにしても、あんな台詞をよく覚えてたわね…」

まどか「そりゃあ、いきなりあんなこと言われたら誰だってびっくりするよ」

ほむら「うーん………?」

まどか「それでね、私、変わろうと思う」

ほむら「?!、あなたまさか、この期に及んで…」

まどか「違うよ、奇跡にも魔法にも頼らないの」

70: 2012/11/15(木) 02:12:29 ID:4pIcoM8w
まどか「私、得意な科目も取り柄も何にもないってずっと思ってた」

まどか「だから、そんな自分から変わりたいって思ってた」


まどか「けどね、ほむらちゃんが教えたくれたんだよ」

まどか「私が、私を変えるの」
まどか「何にもないなら、見つければいいんだよね?」

ほむら「……そうかもしれないわね」

まどか「だから、私も頑張るよ」

まどか「絶対に、ほむらちゃんの願いを叶えてあげる!」

71: 2012/11/15(木) 02:16:25 ID:4pIcoM8w
まどか「だから、絶対に帰ってきてね、約束だよ!」

ほむら「……ええ!」

まどか「それじゃ、指切り!」スッ

ほむら「ふふ、相変わらず、子供っぽいのね」スッ

「「せーのっ」」
「「ゆーびきーりげーんまーん」」
「「うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーーますっ」」

「「ゆーびきった!!」」

ほむら「あなたの為なら針千本ぐらいどうということはないのだけど」

まどか「それは何か違うよ…」

72: 2012/11/15(木) 02:21:37 ID:4pIcoM8w

ほむら「さて、やらなくちゃいけないことができてしまったし、もう行くわね」

まどか「もう遅いし、無理はしちゃダメだよ」

ほむら「あなたの為なら無理を通して道理を引っ込めることぐらい朝飯前よ」ファサッ
ほむら「実際にそうしてきたのだし」

まどか「そうじゃなくってぇ!」

ほむら「明後日の準備の再確認をしてくるだけよ」

ほむら「絶対に帰らなければならないのだから、ね」ニコ

まどか「……気をつけてね」

73: 2012/11/15(木) 02:23:25 ID:4pIcoM8w
ほむら「ふふっ、それじゃあね」

まどか「うん、またね!」

ガチリッ

まどか「あ、いなくなっちゃった…」


まどか「…よし、私も頑張らなくっちゃ!」


まどか「ただいまー!」ガチャ

「おーぅ、おかえりー」
「まろかー!」
「お帰り、まどか」

まどか「…ママ、パパ、あのね……!」

74: 2012/11/15(木) 02:28:22 ID:4pIcoM8w
――ワルプルギスの夜、前日――
―――――

ほむら「さて、明日の最終確認よ」

ほむら「まず、ワルプルギスの夜は98.3%この時刻に」
ほむら「97.6%この位置に出現するわ」

杏子「…なぁ、どうしてそこまで言い切れるんだ?」

杏子「いや、あんたのことを信用してない訳じゃないんだけどさ」

ほむら「統計よ」

杏子「…確かにあんたはそれで色んな魔女の居場所や特徴を当てて見せた、けど」

杏子「データはどっから出てくるんだ?」


マミ「私、気になってちっとも眠れなかったわ」
杏子「微妙な嘘をつくな」

75: 2012/11/15(木) 02:31:03 ID:4pIcoM8w
ほむら「 それは後から嫌というほど聞かせてあげる」

マミ「ほんとっ?!」ガタッ
杏子「落ち着け」

ほむら「それで、出現してからだけど」
ほむら「まずは町中に仕込んだ重火器で迎撃するわ」

ほむら「二人は魔力を温存しておいて」

杏子「しっかし、現代兵器なんかが通るのか?」

ほむら「勿論統計に基づいているわ」
ほむら「魔力も込めてあるから、巻き添えにあったら大変よ」

76: 2012/11/15(木) 02:33:43 ID:4pIcoM8w
ほむら「そのうち奴が堪らずひっくり返ろうとするから」
ほむら「私が時を止めてあなたたちを回収する」

ほむら「重火器による迎撃も奴の上方にシフトさせるから」
ほむら「できる限り全力の攻撃をぶちこんでちょうだい」

マミ「ふふっ、腕がなるわね」ワキワキ

ほむら「…本気でやらないと氏ぬわよ」
杏子「だろーね」

マミ「ぅ…」シュン

78: 2012/11/15(木) 02:38:23 ID:4pIcoM8w
ほむら「奴が完全に反転すれば、辺りに甚大な被害が出てしまう」
ほむら「だから、短期決戦。一瞬でケリをつけるわよ」


ほむら「その為に、グリーフシードも大量に用意しておいたわ」ドザァ
ほむら「好きなだけたっぷり使ってちょうだい」ドババババ

杏子「ちょ、うっわ!うっわ!!」ジャラジャラ
マミ「いやぁ!私のお部屋が真っ黒にぃ!」ジャラジャラジャラ

ほむら「まぁ、持ちきれないでしょうから私が逐次配給するわ」ジャラジャラ

ほむら「あと、キュウべぇに回収させる余裕もないでしょうから、一つを使いすぎないで」ジャラジャラ

79: 2012/11/15(木) 02:44:23 ID:4pIcoM8w
ほむら「…まぁ、基本事項だけ確認しておけば後は問題ないわよね?」ヒョイヒョイ

杏子「んー。ま、いけるっしょ」
マミ「任せてちょうだい!」ドン!

ほむら「心強いわね」ヒョイヒョイ


マミ「暁美さん、さっきのお話!」キラキラ
杏子「…あんたはいつからそんなお子様になっちまったんだ?」

マミ「だって、あのミステリアスな暁美さんのことなのよ!」マミン
杏子「あのって、本人目の前だし」

ほむら「っと、これで最後」ヒョイ


ほむら「……さて、と」
ほむら「これからあなた達に語るのは、暁美ほむらの真実よ 」

80: 2012/11/15(木) 02:47:57 ID:4pIcoM8w
―――――

マミ「…暁美しゃん、あけみしゃん……ぐすっ」ウルウル

杏子「…どうしてすぐに話してくれなかったんだよ、そんな大事なこと!」

ほむら「マミ、当てつけがましくその胸を押し付けないで」
マミ「でもぉ、暁美しゃんがかわいそうでぇ……ひぐっ」ウルウル

杏子「…あたしら、仲間なんじゃねーのか?いつだって相談してくれればよかったんだぞ?!」

ほむら「ごめんなさいね、どうしても踏ん切りがつかなくって」ナデナデ
マミ「わたし、これから暁美しゃんのこと、ほむらちゃんって呼ぶね……ぐす」ウルウル


杏子「だぁーっ!締まらねぇ!!」クシャクシャ

81: 2012/11/15(木) 02:51:03 ID:4pIcoM8w
杏子「…ともかく、やっと歩み寄ってきてくれたな」

杏子「ずっと待ってたよ」

ほむら「待たせてしまって、ごめんなさい」

杏子「へへっ、そうそう。素直が一番だ」

ほむら「あなたが言うと言葉に重みがあるわね」クス

杏子「ぐっ……ほっとけ!」

杏子「それよりも、さ。辛気くせー話はまた今度ってことで」
杏子「せっかくだし」


マミ「私の特製ケーキ、くうかい?」テヘペロッ

杏子「そりゃあたしんだ、返せ!」ムキー
ほむら「よく似合ってるわ」クスクス

82: 2012/11/15(木) 02:53:06 ID:4pIcoM8w
―――――

QB「……わけがわからないよ」

QB「至高の存在であるまどかを見つけたっていうのに」

QB「あのイレギュラーが現れてからというものの……」

QB「見滝原どころか日本中の魔女が殲滅されて」

QB「対応に追われているうちにとりつく島も無くなって」

QB「正体を探ろうとしても尻尾を見せもしない」

83: 2012/11/15(木) 02:55:39 ID:4pIcoM8w
QB「まあ、大体の予測は立ったけど」

QB「こうも見事に詰まされていると、もうどうしようもないね」

QB「それに、あの様子を見ると」
QB「本当にワルプルギスを倒してしまうだろう」

QB「…わけがわからない」

QB「どうにか言いくるめられるだろうか…」

QB「…明日が最後」


QB「……」トボトボ


QB「マミー、ただいまー」ヒョイッ
マミ「あら、お帰りなさい、キュウべぇ」ニコッ

84: 2012/11/15(木) 02:58:16 ID:4pIcoM8w
――ワルプルギスの夜、当日――
―――――

―5―

マミ「…すごい風ね」

―4―

杏子「ま、どってことないさ」
杏子「やるべきことをやるだけだしな」

―ほむら「……!」ポチッ―

―2―

杏子「ん?なんだありゃあ」

―1―

ヒュゥウウウウウウウウウウウウ
ゴォォオオオオオオオオオオオオ

85: 2012/11/15(木) 03:00:13 ID:4pIcoM8w



「アッハハチュドンドゴバガガドガバダダ



杏子「ひっでぇな、登場一秒で弾幕の嵐かよ!」

マミ「ふざけてないで集中しなさい!!」ティロッ!!

杏子「お、おう?」

ほむら「反転するわよ!気を引き締めなさい!」

杏子「えっ、いくらなんでも早す
ガチリッ

86: 2012/11/15(木) 03:04:03 ID:4pIcoM8w
――同刻――

まどか「……」

QB「ほむら達のことが心配かい?まどか」ヒョコ

まどか「あ、キュウべぇ」

QB「いくら彼女達がベテランでも、最強の魔女の前には霞んでしまうからね」

QB「ひょっとしたら、今頃もうぼろぼろになっているかもしれないよ」

QB「それでも君は、こんなところでじっとしていられるかい?」

QB「君が魔法少女になれば、あの魔女を倒すことなんて造作もないんだよ」

まどか「…私はね、みんなを信じてるよ」

87: 2012/11/15(木) 03:08:03 ID:4pIcoM8w
まどか「それに、ほむらちゃんと約束したもん」

まどか「だから、絶対に契約はしない」

QB「そうか…」

QB「…」

QB「今回はここで引き下がるよ」

QB「それに、あちこちを補填して回らないといけないし」

QB「こんなところで時間を無駄にしている場合じゃないんだ」

QB「まぁ、もし気が変わって、宇宙のために氏んでくれるのなら」

QB「いつでも呼んでくれればいい」ヒョコ

まどか「……」

88: 2012/11/15(木) 03:11:04 ID:4pIcoM8w

まどか「ほむらちゃん…」

まどか「ほんとは、私も泣き出したかった」ジワッ

まどか「私がほむらちゃんをあんなにしちゃったんだもん」ウル

まどか「でも、私が支えてあげないと、私しかいないって思ったから……」ウルウル

まどか「私なら助けられるなんて、根拠はこれっぽっちもないのに……」グスッ

まどか「…自分勝手でごめんね……」ポロポロ


まどか「ん……」グシグシ

まどか「……私も、強くなるんだもん」グシグシ


まどか「……嵐、止んでる」

89: 2012/11/15(木) 03:14:58 ID:4pIcoM8w
さやか「あー、いたいた!まどか見っけー!」ピョコッ

まどか「!?、ごめん、さやかちゃん!」ダッ

さやか「あ、ちょっと!どこいくつもりなのさ?!」タッタッ

まどか「ほむらちゃんたちのところに行くんだよ!」タタタッ

さやか「いやいやいや、こんな天気なのに外出ちゃ駄目でしょーが!」タッタッ
さやか「それに、待っててあげるって言ってたじゃん!」タッタッ

まどか「でも、でもっ!」タタタッ


パシッ

90: 2012/11/15(木) 03:18:35 ID:4pIcoM8w
さやか「まどか、落ち着きなって」
さやか「まどかから約束を破ってどーすんのさ?」

まどか「……っ、で、でもっ」ゼェゼェ

さやか「心配なのはわかるよ、あたしだってそう。でも」

さやか「転校生…じゃなくて、ほむらはまどかのこと信じてくれたんでしょ?」

さやか「ならさ、まどかもちゃんと信じてあげなよ」
さやか「ほむらと友達になるんでしょ?」


さやか「それともさ、まどかが一昨日言ったことって全部嘘だったの?!」


まどか「ぅ、……さやかちゃんの、いじわる……」ポロポロ

まどか「そんなわけ……ないよぉ…」ボロボロ

さやか「んー、わかればよろしい!」ニヒ

91: 2012/11/15(木) 03:21:45 ID:4pIcoM8w
さやか「でもさ、びっくりしたよ」

さやか「相談があるって急に呼び出されたと思ったら」
さやか「あんなこと言い出すんだもんね」

さやか「まどかもいつの間にか成長しちゃって、さやかちゃんも感無量!」ジーン…

さやか「…まだいろいろとお子様だけど」プクス

まどか「も、もう……!」ポロポロ

さやか「あっはは、怒ってるか泣いてるのかどっちなのさー!」ニヘラヘラ

まどか「…さやかちゃんのことなんか知らない」プイ

さやか「ありゃ、嫌われちゃったかー」サヤカチャンショック!



さやか「……さ、戻ろっか」

92: 2012/11/15(木) 03:27:50 ID:4pIcoM8w
―――――――――
――――

―――それから。

「ほむらちゃん、ほむらちゃん!」ウルウル

「おい、ほむら!しっかりしろよ!!」

「………やっと、越えられたのね………」

「ああ、そうだよ!あんたはやって見せたんだよ!」

「ほむらちゃん、ほむらちゃぁん……」エグッ



「………疲れきってしまったわ…」
「………少しぐらい、休ませて…………」




93: 2012/11/15(木) 03:29:43 ID:4pIcoM8w
―――――――――
――――

―――あっという間に時間が過ぎて。


「しっかし、あの校長ほんっと話ばっか長いんだもん、やんなっちゃう!」ファーァ

「終業式なのですから仕方無いですわ」

「さやかちゃんったら相変わらずなんだから」


「んじゃ、あたしら今日はこっちだから」
「仁美ちゃん、またね」

「ええ、それではまた」ニコッ

94: 2012/11/15(木) 03:32:18 ID:4pIcoM8w

―――ほむらちゃんは。

「しかし、せっかく皆でマミさん家に集まるっていうのに……」

「…仕方ないよ」

「……そだね、こんなことで沈んじゃうのもね」

「そのぶん、さ。いっぱい楽しんでいっぱいケーキ食べちゃおうじゃん!」

「杏子ちゃんにも負けない食い意地だね」

「ぬ、言うようになったのーお主!」

「さて」

ピンポーン

95: 2012/11/15(木) 03:35:04 ID:4pIcoM8w

―――結局、あの家に戻ることはなかったの。

「あら、丁度いいところに来たわね」

「おーう、入れ入れ」

「なにそれ、我が物顔じゃーん!」

「居候してんだしいいんじゃねーの?」

「私は同棲のつもりよ?」

「なっ、はぁ!?!」

「うふふ、冗談に決まってるじゃない」

「なぁんだ、びっくりしちゃった……」

「おっとぉ、あんたは他人事じゃないでしょーが」

96: 2012/11/15(木) 03:37:47 ID:4pIcoM8w

―――なぜかって?

「さて、丁度焼き上がったことだし…」

「私たちの特製ケーキ、くうかい?」

「あ、それ、杏子のやつじゃないですかー!」

「…もうめんどくせーからあげた」

「うふふ」

「でも、私たちって?」

「…手伝わされた」

「あらあら、満更でもなかったみたいだけど?」

「エプロン着てケーキ作り………ぶはっ!」ケラケラ

「っ!てめぇ!!ちょっと表でろ!」

97: 2012/11/15(木) 03:40:05 ID:4pIcoM8w
―――――

―――それはね。

「しっかし、ほんと心配して損したよ」

「休ませてとか言ってぶっ倒れたと思ったら、寝ちまっててさ」

「かわいかったわねー、ほむらちゃんの笑顔」

「あれは、なんていうか、その」

「「「守りたくなる」」」

「な」
「わね」
「うん」

「あれ、ひょっとしてあたしだけ……?」

98: 2012/11/15(木) 03:42:30 ID:4pIcoM8w
―――――

―――ほむらちゃんが約束を守ってくれて。

「あら、もうこんな時間ね」

「あ…!私、行かなくちゃ」

「ごめんなさい、お先に失礼します」

「あたしはもうちょっとお邪魔してます」

「邪魔しちゃ悪いしねー」ニヤニヤ

「気をつけて帰れな」

「今度はちゃんと集まりましょうね」

「はい……お邪魔しました!」

99: 2012/11/15(木) 03:45:46 ID:4pIcoM8w
バタン

「…しっかし、まどかをとられちゃった気分ですわ」

「早く、私も甘えてもらえるようにならなくっちゃ」

「だって、正真正銘の先輩だったのよ?」
「巴先輩………なんて甘美な響きなのかしら」ウットリ

「…あたし、時々あんたのことが分かんなくなるよ」

「あら?私はあなたのことも諦めてないわよ」
「いつか取り戻してみせる、在りし日の『マミさん』を!」フンス

「うげぇ」

「あはは…」

100: 2012/11/15(木) 03:47:36 ID:4pIcoM8w
―――――

―――もうひとつ、私のわがままを聞いてくれたの。

タッタッタッタッ

「ごめん、待った?」ハァハァ

「いいえ、ついさっき終わったところよ」

「…そっか」フゥ

「じゃ、帰ろっか!」

「ええ」

ギュッ

101: 2012/11/15(木) 03:50:35 ID:4pIcoM8w

―――あのね。

「すっかり日も傾いてしまったわね」

「そうだね」

「…あのへんの空の色、ほむらちゃんのソウルジェムみたい」

「ふふ、本当ね」キラッ

「でも、夕空が見せる物悲しい紫ではないの」

「…朝焼けの空の、燃えるような紫だもんね」

「ええ、あなたが私を明けない夜から連れ出してくれたのよ」

「今日のほむらちゃんは、なんだかロマンチストさんだね」

「ふふ、ちっとも大袈裟なんかじゃないのよ」

102: 2012/11/15(木) 03:56:17 ID:4pIcoM8w
―――――

―――私たち、鹿目家に。

「いい臭いがするわ」

「今日は私の大好物、クリームシチューだもん!」

「そっか、楽しみね」

「えへへ」

ガチャ

「おーう、おかえりー」
「まろかー!ほむらー!」
「二人とも、お帰りなさい」


「「ただいま!!」」

103: 2012/11/15(木) 03:57:33 ID:4pIcoM8w






―――家族がもう一人、出来ました!―――






ほむら「ずっと、ずっと一緒にいたかった」
これで、おしまい。

104: 2012/11/15(木) 03:58:30 ID:4pIcoM8w
―――でも、まだまだ終わりじゃないもんね!

―――ええ、あなたと一緒なら、何時までも。

105: 2012/11/15(木) 04:13:04 ID:4pIcoM8w
以上、今度こそおしまいです
初めてで一気に締めちゃうには分量多すぎで
まどかの一人称がぶれっぶれでほむほむ独り言長すぎでした
あ、あとスレタイは飾りです

ほむらとさやかの絡みが本編に無いので明日?にでもちょびっと書き足しておきます

長々失礼しました

107: 2012/11/15(木) 05:50:03 ID:MmNQLkiA
スニーキングミッションとは何だったのか
って突っ込もうとしたら既にセルフ突っ込みが入ってた

111: 2012/11/16(金) 01:39:45 ID:jJ9WHbYA
―ほむらちゃん―

杏子「時間止められなくなったら足手まといになるとか言ってたけどさ」

ほむら「ちぇすとーーーーー!!」ドゴォ

マミ「爆弾も使わずに素手で戦ってるわね」

ほむら「まぁだまだぁーーーー!!」メキィ

杏子「これじゃ立場全く逆じゃん」トオイメ
マミ「私もあんな格好いい戦い方ができるようになるかしら?」キラキラ

ほむら「ガッデエェェェェェエム!!」ボキッ

112: 2012/11/16(金) 01:41:27 ID:jJ9WHbYA
―ほむほむ―

ほむら「ふぅ、いい汗かいたわ」

杏子「…お疲れさん」
マミ「ほむらちゃん、すっごくかっこよかったわ!」

ほむら「さて、結界が消えないうちに…」ゴソゴソ

杏子「?グリーフシードならもう回収したじゃんか」

ほむら「よっと」ダバダバダバダバ
ほむら「まどかの所にお世話になっているのだから、いらない家具とかを処分しようと思って」ドスドスッ
ほむら「普通に投棄するんじゃお金もかかってしまうしね」ドンガラガッシャン

マミ「さすがほむらちゃん!」
杏子「」

113: 2012/11/16(金) 01:44:24 ID:jJ9WHbYA
―さやかちゃん―

さやか「聞いたよ、素手で魔女を倒しちゃうんだって?」

ほむら「日々の努力の賜物よ」ファサァ

さやか「それにしても、筋肉質じゃなくてスレンダーな体ってのがすごいわ」ジー

ほむら「…そんなにじろじろ見られると少し恥ずかしいわね」

さやか「ふむふむ、あー、そっか!鍛えちゃってるから出るとこがでてなベギッ」


ほむら「良かったわね美樹さやか、これで上条君とお揃いよ」ニコニコ

さやか「」パクパク

114: 2012/11/16(金) 01:48:28 ID:jJ9WHbYA
―マミさん―

杏子「しっかしさ、ほむらのお陰でマミとまた仲良くなれたのはいいが」

杏子「随分子供っぽくなっちまってないか?」

ほむら「………早くに親を亡くしているから、甘え足りないんじゃないかしら?」

ほむら「実の所は分からないけど、それだけ私達が頼られている証拠だと思うわ」

杏子「ん……やっぱりむず痒いわ」ポリポリ

杏子「でもさ」

――――――――
マミ『ねえ杏子、今晩はハンバーグにする?オムライスがいいかしら?』
マミ『それともわ・た・し?』キャッ///
――――――――

杏子「流石にこれはないわ」

ほむら「それ、本気で言ってるのかしらね………」

115: 2012/11/16(金) 01:52:50 ID:jJ9WHbYA
―鹿目さん―

まどか「ほむらちゃーん、そろそろ学校いくよー?」

モウスコシマッテクレナイカシラ?


トットットットッ

まどか「やっと降りてき………」

まどか「」

ほむら「昔の格好をしてみたのだけど、久し振りで三つ編みに手間取ってしまってね」

ほむら「…やっぱり、似合わないかしら?」


まどか「…………かわいいっ!」ダキッ
まどか「かっこよくて美人さんなのに更にかわいいなんて、ほむらちゃんずるい!!」スリスリ

ほむら「ちょ、ちょっと、まどか?」
まどか「んもぉー、まったくこれだからほむらちゃんはー!」ナデナデ

まどか「んっふふふふふー!!」ティヒヒヒ!

116: 2012/11/16(金) 01:57:53 ID:jJ9WHbYA
―あんこちゃん―

さやか「しっかし杏子はからかいがいがありますよねー」

マミ「ちょっとつっつくだけであの慌てようだものね」ウフフ

まどか「あんまりいじめちゃ…」

さやか「まぁまぁ、そんなひどい事する訳じゃないし」

マミ「つんけんしてるのもいいけど、デレた時の愛らしさといったら筆舌に尽くしがたいわよ?」

さやか「そうそう、醸し出すは小動物の雰囲気!潤んだ瞳がもーたまらんのですわ!!」

まどか「…そんなにかわいいの?」ドキッ



杏子「お、何の話をしてたんだ?」ヒョコ

「あ」「あら」「おやおや」
「「「ちょうどいい所に」」」

杏子「ひっ」ゾクゾクッ

117: 2012/11/16(金) 02:04:41 ID:jJ9WHbYA
―美樹さやか―

さやか「あのさ、ほむら」

ほむら「この間の事だったらごめんなさいね、ちょっと脅かそうと思って」

さやか「あれは冗談にしてはキツすぎ……」
さやか「っと、それもそうなんだけどさ」

ほむら「どうしてどこかよそよそしいのかって?」

さやか「む、まぁそうなんだけど」
さやか「あたしだって、ほむらともっと友達らしく付き合いたいんだけどね」

さやか「やっぱりあんた、ちょっと距離置いてるし」



ほむら「私だって自覚してるわ…」

118: 2012/11/16(金) 02:10:52 ID:jJ9WHbYA

さやか「…本当はあたしの事、嫌いだったりする?」

ほむら「……決して嫌いではないの」

ほむら「ただ、苦手意識がまだ少し拭えなくて……」
ほむら「…あなたとは特に色々とごたごたがあったから……」

さやか「…ふーん」

ほむら「……いつになるか分からないけど、努力はしているから…」



さやか「…あたしね、あんたが未だに昔の事を引きずってる所が大っ嫌い」

さやか「もう終わった事なら、さっさとお別れして今のこと考えなよ」
さやか「この期に及んでうじうじしちゃてさ」

さやか「いい加減その殻も破っちゃいなよ」


ほむら「…あなたって」

119: 2012/11/16(金) 02:15:25 ID:jJ9WHbYA
ほむら「向こう見ずで意地っ張りで」

ほむら「人の事を大切にするくせに自分は蔑ろで」

さやか「それはあんたも一緒じゃん」

ほむら「人の気も知らないで見切り発車で行動して」

ほむら「あなたが動くだけでトラブルが巻き上がって」

ほむら「一口に言ってしまえば単純バカで」

さやか「ぐむっ」

ほむら「…それでも、嫌いにはなれなかった」


ほむら「嫌いになれる訳ないのよ、あなただって友達だったから…」



さやか「…んじゃさ」

120: 2012/11/16(金) 02:19:21 ID:jJ9WHbYA
さやか「後はもっと好きになってもらうだけ、ということで」

さやか「ほむらもあたしの嫁になるのだー!」ギュ

ほむら「あ、ちょっと」ムグ



さやか「…初めの頃は強く当たっちゃったからさ、すごくバツが悪いんだけど」

さやか「ありがとね」

さやか「ほむらが引き止めてくれなかったら、本当の自分と向き合えなかった」


さやか「おかげで、恭介の事も諦めずに励まし続けられたよ」

さやか「恭介、やっぱりバイオリン弾きたいって」

さやか「片手が動かなくても諦めないってさ」


さやか「奇跡も魔法もある」
さやか「けど、それは自分の手で掴むものだってあんたが教えてくれた」

121: 2012/11/16(金) 02:31:37 ID:jJ9WHbYA
さやか「だからこそ、あんたとは出来るだけ対等でいたい」
さやか「魔法少女とかそうじゃないとか、そういうのは抜きでさ」


ほむら「…………あの、さやか?」

ほむら「私、あなたとの結婚はちょっと……」

さやか「今そこに食いつく?!あたしの真面目はどこいっちゃうのさ!!」

ほむら「ふふ、あなたとはこういう関係がいいのかなと思って」

ほむら「それに、ちゃんと伝わってるわよ」
ほむら「ありがとうね、さやか」

さやか「…あっはっは、ならもう言うことなし!」


ほむら「…ああ、私はこんなにも果報者だったんだ」
ほむら「こんなにも温かい仲間が、ずっと近くにいてくれてたのね」

さやか「きっとほむらの努力が報われたんだよ」


さやか「そんじゃ」
ほむら「これからも」


「「よろしく!」」パシッ

122: 2012/11/16(金) 02:40:29 ID:jJ9WHbYA
これにて後日談もとい蛇足もおしまいです
ほむらとさやかのなんと絡ませづらいこと…


それでは、お付き合いいただきありがとうございました!

引用: まどか「すにーきんぐみっしょん!」