322: 2015/11/04(水)20:17:09 ID:t04
こんばんは

少し再開します

提督「赤城のヤキモチ」シリーズ

最初から:提督「赤城のヤキモチ」【その1】

前回:提督「赤城のヤキモチ」【その3】


323: 2015/11/04(水)20:19:57 ID:t04



ー5年前ー


赤城「提督」ガチャ

提督「はいよ」

赤城「大本営より通達です」

提督「なんて書いてある?」

赤城「最重要事項との事なので、直に目を通されて下さい」

提督「えー、クビとかだったらどうしよう」

赤城「…心当たりが?」

提督「んー、ないねぇ」

赤城「なら問題ないのでは?」

提督「とりあえず開けてみようか」ビリビリ

提督「どれどれ」カサッ


提督「………」

提督「…ん、了解」

赤城「問題が無ければ内容を教えてもらえますか?」

提督「アレだよ、新しい海域を早く開放しろってさ」

提督「有り体に言えば、督促状ってやつ」

赤城「はぁー、緊張しました」フゥ

提督「何で赤城が緊張すんのさ」ハハハ

赤城「提督がクビだったらどうしようかと」

提督「だから問題ねぇって」オイ

提督「………」
ねんどろいど 艦隊これくしょん -艦これ- 赤城 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア
324: 2015/11/04(水)20:20:26 ID:t04

提督「あ、そうだ赤城」

赤城「何でしょう」

提督「新しい烈p…艦載機、欲しくないかい?」

赤城「烈風はもういりません」キッパリ

提督「さいですか」

赤城「しかし、新しい艦載機は吝かではありません」

提督「何で上からなんだよ」

提督「まぁいいや、作っておいでー」

赤城「えらく突然ですね」

提督「いやさ、デイリー消化してなかったなーって」

赤城「ふむ…では行ってきますね」

提督「烈風を頼むぞー」

赤城「烈風はたくさんあるじゃないですか!」

スタスタ…パタン





提督「…行ったか」ガサ

提督「………」

325: 2015/11/04(水)20:20:51 ID:t04

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最重要事項
研究所ヨリ被検体ノ脱走ヲ報告セリ
発見次第速ヤカニ処分シ 研究所ニ打電セヨ
被検体ヘノ過度ノ接触ヲ禁止ス
尚 非検体の保護 尋問ハ厳罰ニ処ス

被検体No.26正規空母 加賀

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

326: 2015/11/04(水)20:21:17 ID:t04

提督(…艦娘の…人工的な薬物投与による強化)クシャ

提督(今まで風の噂程度でしか聞いた事がなかったけど…まさか存在してたなんて)

提督(正規空母加賀…赤城の相方…か)

提督(これは…言えないなぁ)

提督(しかし…)

提督(…人間はどこまで残酷になれるんだろうね)ギリ


ーーー
ーー

327: 2015/11/04(水)20:21:48 ID:t04


ー5日後ー


赤城「………」スタスタ

赤城(最近、提督が変です)

赤城(ふと見ると曇った表情をしている時があったり…)

赤城(いつもの様にふざけ半分で執務を終わらせた後、急に真剣な面持ちで調べ物をしだしたり)

赤城(夜が耽た頃、どこかに出歩いていたり)

赤城(しかもそれを私達に悟られまいとしています)

赤城(私にはバレバレですが…)

赤城(そんな素振り、今まで見せたこともした事もないのに…)

赤城「何か原因があるのでしょうか…」ウーン

328: 2015/11/04(水)20:22:14 ID:t04

赤城「……!」

赤城(まさか、先日の通達…)

赤城(提督は督促状だと言ってましたが)

赤城(まさか…)

赤城(本当に、除名だったり…)

赤城(それで提督はあんな行動を…)

赤城(夜な夜な出歩いているのは…)

赤城「……!」

赤城(ヤケになって散財している…?)

赤城(…いえ、散財はいつもの事ですから)

赤城(…ま、まさか)

赤城(除名のショックで自害を…)サーッ

赤城「………」

赤城「何はともあれ」

赤城「とりあえずあの書類を確認しましょう」

赤城「提督のあの変わりよう、只事ではありませんから」スタタ…

329: 2015/11/04(水)20:22:39 ID:t04

明石「…バレちゃったかな?」

明石「…やっばいな」コソ



ーーー
ーー

330: 2015/11/04(水)20:23:22 ID:t04

ー執務室ー

オヒルスギ

赤城「…失礼します」ヒョコ

赤城「提督は、いませんね」コソコソ

赤城「では早速…」

赤城「ここですね、提督の秘密の引き出し」ゴク

赤城「鍵は…」スッ

赤城「…かかってませんね、不用心です」

赤城「5日前の書類…」ゴソゴソ

赤城「…ん?」

赤城「このファイルは…マル秘?」メクリ

赤城「…航空母艦の写真、ですか?」メクリ

赤城「モノクロのものばかり…まぁ当然ですか、ボロボロのもありますね」メクリ

赤城「あ、加賀さんです」メクリ

赤城「私もありますね」メクリ

赤城「…あれ?次のページも?」メクリ

赤城「………」メクリメクリメクリ

赤城「何でしょう、私達の写真だけやたらと多いんですが…///」パタン

赤城「しかし、軍艦時代の写真だけに複雑ですけど」ナオシ

331: 2015/11/04(水)20:23:45 ID:t04

赤城「……目的を忘れてました」

赤城「………」ゴソゴソ

赤城「…今度はアルバム?見るな、ですか」メクリ

赤城「提督の士官学校時代の写真ですね」メクリ

赤城「うーん」メクリ

赤城「…ふふっ、とっても緊張した顔をしていますね」クスクス

赤城「この頃の提督は真面目だったんでしょうか」メクリ

写真の提督「烈風顔ダブルピース」

赤城「…あんまり変わってないみたいですね」アハハ

赤城「……だから違いますって」パタン

赤城「………」ゴソゴソ

赤城「ん?これは…」カサッ


赤城「あ、これですね」ヨミヨミ


赤城「ーーーっ!!」

赤城「これって…そんな、」

赤城「…まさか、提督」

赤城「……急がなくては!」タタタッ


ーーー
ーー

332: 2015/11/04(水)20:24:08 ID:t04


ー少し前ー


明石「………」カチャカチャ

提督「明石」ガチャ

明石「提督、お待ちしてましたよ」

提督「…それで?」

明石「はい、まずはこれを見て下さい」ピッ

明石「私の開発した無人偵察型烈風による超高高度からの広海域偵察の結果です」

提督「…流石烈風、期待通りだね」

明石「そこは流石明石では?」

提督「烈風でなければ不可能だった、そうは思わないかい?」

明石「いえ、正直艦載機であれば何でもよかったです」

提督「あ、そうなの?」

明石「はい。で、今度はこの映像データです」

333: 2015/11/04(水)20:24:33 ID:t04

提督「…これは無人島か」

明石「はい、この無人島…島と言ってもかなり小規模なものですが」

明石「ここに、3日程前から熱源反応を確認しました。これです」ズーム

提督「うん、人?の様に見えるけど…」

明石「シルエットで言えばそうですが…」

提督「人にしてはちょっと変だなぁ」

明石「あ、気が付きました?」

提督「まずは周囲の状況だね、この島の周辺に船はおろかその残骸すらないよね」

提督「ここ最近大規模な嵐なんて確認されてない、人間が漂着しているとは考えにくいね」

提督「でも、例えば漂着したのが人間だったとして」

明石「はい」

提督「うん、無人島に3日…食料や水のあるなしもあるけど、多少衰弱すると思うんだ」

提督「ここ最近、少し冷えてきたからね」

明石「そうですねぇ」

提督「それでこれだよ、熱源反応から分かるんだけど…この人まだ体温高いね」

明石「はい、それも…」

提督「平均よりも少し高い、人なら発熱してる状態、艦娘だったら加賀だろうね」

334: 2015/11/04(水)20:25:04 ID:t04

明石「…言い切りますね」

提督「まぁ、何にしてもこの人助けないとだね」

明石「うーん、ちょっと私の考察と違うんだけど…」

明石「提督が言うなら間違いないんでしょうね」

提督「まぁね、因みにここ…管理下?」

明石「あ、はい。場所は割り出せてます」カタカタ

明石「ウチの管理下ですね、ギリギリですけど」

提督「鬼ラッキー、じゃあ行ってくるね」

明石「ちょ、ちょっと!行くって何処に!?」

提督「そりゃあ迷子の空母迎えに行くんでしょうがよ」

明石「まだ確実ではないでしょ!それに深海凄艦の罠かもしれないじゃないですか!」

提督「そんときゃそんときってことで」スタスタ

明石「もう!ちょっと待って下さい!」タタタッ


ーーー
ーー

335: 2015/11/04(水)20:25:27 ID:t04

ー港ー


明石「本当に一人で行くんですか?」

提督「うん、あれが例の加賀だった場合、表立って行動できないからね」

明石「てことは、黙って連れてくるってことですか?」

提督「当たり前じゃん」

明石「バレたら大事ですよ?」

提督「バレないよ、多分」

明石「私が密告するかもしれませんよ?」

提督「…するの?」

明石「しませんよ」

提督「なら大丈夫やね」

明石「…せめて護衛の一人くらい」

提督「大丈夫、あの辺は既に開放済みだから」

明石「ですけど…」

提督「心配症だなぁ、明石だから頼んでんのに…」

明石「複雑です」ムー

提督「ここからそんなにかかんないし、今からなら夕方には帰ってくるよ」

明石「…はーい」アキラメ

提督「…でも、万が一の時は頼むね」

明石「全戦力を向かわせます」ムン

提督「お、おう」

明石「では、これの説明をするので乗り込んで下さい」

提督「待ってました」ワクワク

336: 2015/11/04(水)20:26:05 ID:t04


明石「これは私達艦娘が海上を移動する仕組みを応用した超小型船舶です」

明石「今回の救出に合わせた急ごしらえなんで、必要最低限の装備しかないですけど」

提督「うんうん」キラキラ

明石「それでその必要最低限ってのが」

明石「如何なる監視衛星だろうがレーダーだろうが電探だろうがかかってこいや!大本営にも深海凄艦にも見つけられないステルス性能」

明石「核ミサイルでも大丈夫!軽くて丈夫な明石製タフフレーム!」

明石「ゆったり寛げる前後ツーシーター」

明石「馬鹿でも簡単操作!デュアルショック型操縦桿」

明石「急な空腹も安心!間宮羊羹!あとは水とか色々!」

明石「てな感じですね…あ、ステルスに関しては私のみ特定できる仕様なので安心して下さい」

337: 2015/11/04(水)20:26:32 ID:t04

明石「あと、一応拳銃も積んでいます。抑止力程度もあるかどうかですが」

提督「無いよりマシってとこだね」

提督「というか明石って便利だな」

明石「馬鹿にしてます?」

提督「してないよ?」

明石「そうですか」

提督「うん、なら早速出発しようかな」ヨイショ

明石「エンジン始動はPSボタンを長押しです」

提督「おぉ、すごい」ヴォンボボボボ

明石「ステルスとはいえ目視では丸見えですし、この船は非武装です。くれぐれも気をつけて下さいよ」

提督「あいよ、いってきまぁぁぁあはぇええええ!!!」ブイーーン!!

ーーー
ーー

341: 2015/11/07(土)21:04:33 ID:1zR


明石「…いっちゃった」

赤城「行っちゃいましたね」

明石「えっ?」クル

赤城「はい?」ニコ

明石「やば…」タラー


ーーー
ーー




ー明石ラボー


赤城「…さて」

明石「………」グルグルマキ

赤城「提督はどこですか?」

明石「…黙秘します」

赤城「…明石さん、貴女には黙秘権はおろか、この場においては生きる権利以外何も存在しないんですよ」

明石「………」ダラダラ

赤城「それを踏まえて、もう一度聞きます」

赤城「提督は、どこですか?」

明石「…つ、釣りに出かけました」メソラシ

赤城「………」

赤城「………」バキッ

明石「あああっ!?」

342: 2015/11/07(土)21:04:59 ID:1zR

赤城「あら、何か踏み潰してしまいましたね」

明石「そっ、それ!もうすぐ完成する予定だったのに!」

赤城「提督は、どこですか?」

明石「…実家に帰りました」

赤城「……おっと」グシャ

明石「ああああ!提督に頼まれてたミニ烈風フィギュアが!!」

赤城「残念でしたね」

赤城「提督は、どこですか?」

明石「い、言えないんです!提督に口止めされてるんですよ!」

赤城「ダメです、提督の所在を吐くまでこの部屋にある物への慢心は留まることを知りません」

赤城「あ、こんな所に壊し甲斐のありそうなパソコーー」

明石「分かりました吐きます」キッパリ

赤城「よろしい、ではお願いします」

明石「…それがーーー」


ーーー
ーー

343: 2015/11/07(土)21:05:29 ID:1zR

ー2時間位あとー


ババババババ


提督「ちょっと疲れてきたねぇ」

提督「もうそろそろ島が見えてもいい頃なんだけど…」

提督「…お、あれかな?」


ピー、ネンリョウガヤバイデス


提督「…えー、マジで?」

提督「おいおい明石ぃ…」ハァ

提督「せめて島までもってくれよ、エンジンちゃん」


ババババババ…





ー小さな無人島ー


ウィーン、バシュウ


提督「よく頑張ったな、偉いね」

提督「てなわけで着いたんだけど」キョロ

提督「何故か明石と連絡取れないし、小さい島って言っても来てみたらやっぱり大きいね」

提督「…ちょっとうろついてみますか」

提督「あ、拳銃持ってこ」スタスタ…


ーーー
ーー

344: 2015/11/07(土)21:05:55 ID:1zR


ドザーーーーー


提督「ひいぃぃ!!」

提督「何で雨降るんだよ!!畜生!!」

提督「とりあえず雨宿りしないと!」

提督「どこか!なんかないの!?」

提督「お、洞窟?」ピタ

提督「しのごの言ってらんねぇな」

提督「…おじゃましまーす」ボソ

提督「これでとりあえず雨風は凌げる」フゥ

提督「…うわ、この洞窟結構奥まで続いてんなぁ」ナァ…ナァ…

提督「……入口近くにいよう」フクシボリ

提督「あー、寒い」ブル


提督「…加賀は、濡れてないかな?」ボソ


ーーー
ーー

345: 2015/11/07(土)21:06:23 ID:1zR


ー明石ラボー


赤城「…それは、本当ですか?」

明石「はい…黙っててごめんなさい」

赤城「提督の指示とあれば仕方がないでしょう、しかし…」

明石「行きますか?」

赤城「いえ、提督の言う通り私達が出張って表立つのも得策ではありませんからね…」

明石「……あ」

赤城「どうしました?」

明石「無線…忘れてました」スタタ

明石「あちゃあ、やっぱり来てる」カタカタ

カチ

提督『おーい明石ー、なんか燃料が片道切符なんだけどこれって神風特kーーー』ブチ

明石「」サー

赤城「…明石サン?」カタツカミ

明石「…いえその」ガクブル


イヤァァァア…


ーーー
ーー

346: 2015/11/07(土)21:07:48 ID:1zR


ー洞窟・入口ー


提督「………」ブルブル

提督「…さ、さみぃよ」ガチガチ

提督「入口はやっぱり風が…」ヘックシ

提督「ちょっとだけ…お、奥に行ってみるかな」ガタガタ


スタスタ…


提督「………」スタスタ

提督「……あっ」ツマズキ

提督「…っとと、なんかあるなぁ」ライターテラシ

提督「木の枝?しかも沢山…」

提督「…誰か、いるのかねぇ」

提督「何にせよ、とりあえず暖をとろう」


ーーー
ーー

347: 2015/11/07(土)21:08:18 ID:1zR


パチッ、パチパチ


提督「いやぁ、あったかい」ヌクヌク

提督「このまんま服まで乾いてくれないかな」

提督「しかしあれだね、俺ってサバイバルの才能あるよね」←慢心

提督「どうせなら缶詰とか持ってくればよかったかなー」

提督「…雨がやんだら一旦船に戻ってみよう」

提督「……明石、無線気付くかもしれないし」

提督「………うん、流石提督!こんな時でも冷静に状況判断が下せる!ヤダカッコイイ!」

提督「………」

提督「…はぁ、何でこんな事に」オチコミ

提督「…加賀はいねぇし、雨は降るし、寒いし」

提督「……へ、へっ」ムズ

提督「……イーッキシ!!」キシ…キシ…キシ

提督「ふぅ、くしゃみもよく響くね」

348: 2015/11/07(土)21:08:43 ID:1zR


ゴソ、ヒタ…ヒタ…

349: 2015/11/07(土)21:09:13 ID:1zR

提督(…やっば、奥に誰かいるねぇ)カチャ

提督(いや、加賀だったら銃はまずいかな)ナオシ

提督「………」


ヒタ…ヒタ…


提督「…誰かいるのか?」


…ピタ


??「…人間が何の用?」

提督「…君は世紀空母、加賀じゃないのか?」

??「っ、やはり追ってきたのね」…キリ

提督(弦が軋む音…弓を持ってるのか)

??「…出て行きなさい」

提督「待ってくれ、俺は君の敵じゃない」

提督「助けに来たんだ」

??「騙されないわ」

提督(まぁそうなるな)

提督「分かった、両手を挙げておくから姿を見せて欲しいな」

??「………」

??「………」スタスタ

提督「やはり君か」

加賀「………」

350: 2015/11/07(土)21:10:17 ID:1zR

加賀「海軍の人間…私を連れ戻しに来たのね」ギロ

提督「違うよ、助けにきただけ」

提督「本当だ」

加賀「人間の言うことなんて信用しないわ」

提督「…だよねぇ」

加賀「どうせ、貴方以外の人間も外に待機しているのでしょう?」

提督「いないよ、信じちゃもらえないだろうけどね」

加賀「………」


バシュッ!


提督「うわ!!」


ブゥーン


提督(偵察機を外に飛ばしたのか)

加賀「………」

加賀「…本当に一人なのね」

提督「そうだよ」

加賀「…何故?」

提督「君を助けに来たからさ」

加賀「…またそれですか」

提督「どうしたら信じてくれるかな」

加賀「………」

351: 2015/11/07(土)21:10:44 ID:1zR

加賀「…武器は持っていて?」

提督「腰に拳銃がある」

加賀「…両手を挙げたままにしていてください」スタスタ

提督「はいよ」

加賀「これね」チャキ

提督「俺、殺される?」

加賀「抵抗しないなら殺さないわ」

加賀「その代わり縛らせてもらいます」

提督「もしもの時は人質ってわけね」

加賀「それもあります」ウシロデシバリ

提督「これで、話だけでも聞いてもらえるのかな?」

加賀「…分かりました」


ーーー
ーー

352: 2015/11/07(土)21:11:28 ID:1zR


ー明石ラボー


明石「提督ー!提督ー!」ボロッ

赤城「どうですか?」

明石「応答がありませんね、あと全身が痛いです」

赤城「提督は無事なのですか?」

明石「…正直、分かりません」

赤城「………」スッ

明石「イヤァァ!もう烈風はやめてぇ!」ビク

赤城「…まぁいいでしょう」ナオシ

赤城「で?対策はあるのですか?」

明石「そうですねぇ…」

明石「一応場所は特定できてますから、あの船なら沈まない限り追い続けれます」

赤城「縁起でもない事を…」ギロ

明石「じ、事実です!でも船は既に島に着いてますからね」

明石「提督が島にいるのは間違いないですよ」

赤城「ならーー」

353: 2015/11/07(土)21:12:48 ID:1zR

明石「と、ここまではいいんですが」

赤城「…まだ何か問題が?」

明石「はい、最初に言っていた『私達が動く事』です」

赤城「…少人数なら問題ないんじゃないですか?」

明石「まぁそうですが、万が一敵艦隊に出くわしでもしたら」

明石「提督抜きで海戦、ですよ?」

明石「これも万が一ですが、それで誰かしらが轟沈でもした日には…」

明石「提督に会わせる顔がありませんし、提督も傷心されるでしょうから」

赤城「………」

354: 2015/11/07(土)21:13:25 ID:1zR

赤城「…何も、できないって事ですか?」

明石「いえ、非常事態である以上最悪のケースを考慮して動くべきです」

明石「今からでも対策を考えます」

赤城「私に、何か出来ることは?」

明石「…まだ、ありませんね」

赤城「…そうですか」シュン

明石「落ち込むにはまだ早いですよ」

明石「あの提督です、おいそれと氏ぬ様な人ではありませんからね」

赤城「…はい」

明石「だから、戻って来た時の為に執務を終わらせといてあげたらどうですか?」ニコ

明石「あの人、執務はてんでダメですからね」ニコ

赤城「………」

赤城「…そう、ですね」ニコ

明石「とりあえずは私に任せて下さい」

明石「何かあればお呼びしますから」

赤城「分かりました」


ーーー
ーー

355: 2015/11/07(土)21:14:01 ID:1zR

ー洞窟ー

提督「やっぱり、研究所は存在してた」

提督「君はそこから逃げて来たんだね?」

加賀「そうよ」

提督「その研究所で…その、何をされたのか教えてくれない?」

加賀「………」

提督「いいや、やっぱりーー」

加賀「研究所では、艦娘の能力を飛躍的に向上させる、と言う体で開発された新薬の実験」

加賀「投薬された後の変化、副作用や人間への影響、実戦データの収集」

加賀「その非検体にされていました」

提督「そうか」

提督「ごめん、嫌な事思い出させちゃったね」

加賀「思い出すも何も、ずっと頭の中に残っていましたから」

提督「…本当に、申し訳ない」

加賀「何故貴方が謝るの?」

提督「…俺も、人間だからだよ」

提督「俺は、君達を人間と同じだと思ってるからね」

提督「だから…君みたいに非人道的な扱いを受けた艦娘がいる事は、許せない」

提督「でも現実、俺なんかじゃ何も変えられない」

提督「それが、申し訳なくてね」

356: 2015/11/07(土)21:14:32 ID:1zR

加賀「……変な人」

提督「よく言われるよ」

加賀「それだけではありません」

提督「…?」

加賀「軍人である貴方は本来あちら側の人間、それなのに立場の弱い艦娘を守ろうとしています」

加賀「だから、変な人」

提督「………」

加賀「だけれど、それなりに信用はしています」

提督「!」

提督「そっか」ニコ


ーーー
ーー

357: 2015/11/07(土)21:15:10 ID:1zR

ー少ししてー


提督「雨、止んだねぇ」

加賀「そうですね」

提督「…なぁ、加賀」

加賀「何ですか?」

提督「俺と一緒に帰らないか?」

加賀「………」

提督「まだ信用に足らないのは分かってるが、このままじゃいけないのも事実だろ?」

加賀「………」

提督「見つかるのも、君の体力が底を尽きるのも、時間の問題だ」

加賀「………」

提督「…守ってやるから、な?」

358: 2015/11/07(土)21:15:47 ID:1zR

加賀「…調子に、乗らないで下さい」チャキ

提督「………」

加賀「貴方を信用した、と言ったのはこの場だけの話です」

提督「だが、このままどうする?」

提督「俺と不通になった部下がいずれ助けに来る」

提督「そしたら大人数の目に触れる事にもなるし、艦娘を海に出した以上報告書も出さなきゃいけない」

提督「俺の部下であると共に、国の戦力でもあるからな」

提督「だからーー」

ダァン!

提督「っ!」

加賀「黙って下さい」

加賀「脅しには屈しません」

提督「………」

加賀「…私は、二度と人間に関わらない」

加賀「あの研究も、関わった人間も…全て」

加賀「いずれーー」

359: 2015/11/07(土)21:16:22 ID:1zR

提督「復讐するのか?」

加賀「…っ」

提督「やめときなよ」

提督「復讐なんて、いいもんじゃない」

加賀「したことがあるの?」

提督「ないけど」

加賀「……は?」

提督「ないけど分かるんだよ」

提督「復讐に囚われた人は、絶対に幸せにはなれない」

提督「仮に目的を果たしたとしても、後に待ってるのは虚無感だけだって」

提督「俺はそう思うけどなぁ」

加賀「…貴方に、私の何が…」

提督「分からないさ」

提督「自分自身の苦しみは、その人にしか分からないからね」

加賀「………」

加賀「…それなら私はーー」

361: 2015/11/09(月)23:27:50 ID:Nsq


??「ここにいるのは分かっている!出てこい!」


加賀「っ!!」

提督「まじか」

加賀「まんまと騙されました」キッ

提督「ちょ、違うよ」

加賀「索敵にかからない場所で待機させていたんでしょう?」

提督「俺は一人で来た、本当だ」

加賀「油断した私が、悪かったわ」

提督「だから違うと」

加賀「もういいわ」

加賀「行きますよ」グイッ

提督「おい、行くって…」


加賀「…信じていたのに」ボソ


提督「…!………」ゴソ


ーーー
ーー

362: 2015/11/09(月)23:28:58 ID:Nsq


ー明石ラボー


赤城「明石さん!」ガチャ

明石「赤城さん、こっちへ!」

赤城「何があったんですか!?」

明石「提督と加賀さんらしき人物が接触したみたいです」

明石「…それと」

明石「提督のいる島にイージス艦が来ました」

赤城「それって…」

明石「はい、大本営の艦です」

赤城「そ、そんな」

明石「恐らく、島にいたあの反応は加賀さんだったんでしょう」

明石「それを大本営もキャッチしていたんですね」

赤城「提督は!提督は無事なんですか!?」

明石「焦らないで下さい、大本営ですよ?提督の同業者です」

363: 2015/11/09(月)23:29:30 ID:Nsq

明石「本来なら何の問題もないんですが…」

赤城「ただ…」

明石「はい、大本営側は恐らく加賀さんを渡すよう提督に言うでしょう」

赤城「提督が素直に引き渡すとは考えにくいですね」

明石「というか絶対拒否しますよ」

赤城「でしょうね」

明石「あぁ…まっずいなぁ」ガシガシ

赤城「……提督」


ーーー
ーー

364: 2015/11/09(月)23:29:56 ID:Nsq

ー洞窟の入口ー



大佐「出てきたか…ん?」

大佐「…何のつもりだ」

加賀「この人を失いたくなければ今すぐここを去って下さい」チャキ

提督「…た、大佐!?」

大佐「貴様、何故ここにいる」

大佐「そして、何故そんな事になっているんだ」

提督「まぁ、色々ありまして」タハハ

大佐「問題児なのは士官学校から変わってないな」

提督「ですかね」

大佐「悪い方にだ、馬鹿者」

提督「…あはは」ニガワライ

大佐「さて、話を戻すが」

大佐「いつまで捕まっているつもりだ?」

提督「あれ、バレてましたか?」

加賀「…?」

365: 2015/11/09(月)23:30:20 ID:Nsq

スルッ…ガシ


加賀「ああっ」ツカマリ

加賀「…全部、演技だったのね」ギリ

提督「ごめんね、騙すつもりはなかったんだ」

加賀「結局貴方も人間だったって事ね」

提督「うーん、物理はあまり好きじゃないだけ、かな?」

加賀「…私が、馬鹿だったわ」ギリッ

大佐「よし、その欠陥品を連れてくるんだ」

提督「………」

加賀「欠陥品だなんて、人間がそうした癖に」

大佐「どうした、早く来るんだ」

366: 2015/11/09(月)23:30:52 ID:Nsq

提督「…大佐」

大佐「ん?」

提督「立場を弁えない発言の許可を下さらないでしょうか」

大佐「…言ってみろ」

提督「…この正規空母加賀を、私の元へ配属させていただけないでしょうか」

加賀「なっ!?」

大佐「…なんだと?」

提督「私の基地には正規空母が赤城しかおりません」

提督「なので、正規空母が欲しいのです」

大佐「…通ると思っているのか?」

提督「思っていないからこそ、大佐にお話しているのです」

加賀「な、何を勝手な!」

提督「黙っていろ」グイ

加賀「………」キッ

367: 2015/11/09(月)23:31:22 ID:Nsq

大佐「…ならば」

大佐「大本営から五航戦二人をよこそう」

提督「………」

大佐「それで手打ちだ、悪くない話だろう?」

提督「…何故そこまでして、この正規空母を?」

大佐「五航戦配属に関しては、発見に伴う報酬とでも伝えておこう」

大佐「旧誼だ、運が良かったな」

提督「…質問の応えになっておりません」

大佐「…貴様は知らなくていい事だ」

提督「私も一介の軍人です」

大佐「手の届かない所の話だよ」

提督「しかし、艦娘を現場で指揮しているのは我々です」

大佐「…相変わらずだな」

大佐「旨い話で転がらない辺りも昔のままだな」

大佐「実に頑固、痛い目を見るぞ」

368: 2015/11/09(月)23:31:45 ID:Nsq

提督「……加賀に話を聞きました」

大佐「ほう、厳罰の対象だな」

大佐「それ以前に、無断で接触した時点で厳罰だったな」

加賀「…どういう事ですか?」

提督「発見次第、処分しろとの命令だったんだ」

加賀「………」

大佐「そいつに何の話を聞いた?」

提督「…研究所、そこで行われている非人道的な実験…その全てです」

大佐「非人道的とは酷い言われようだな」

大佐「それも、深海凄艦との戦いに勝つ為」

大佐「ひいては、人類存亡の為」

大佐「それに伴う多少の犠牲など、仕方がない事だと思わないか?」

369: 2015/11/09(月)23:32:13 ID:Nsq

提督「思いません」

大佐「即答だな、しかし妄言に過ぎん」

大佐「争いに犠牲は付き物だ」

大佐「貴様も、その片棒を担いでいるんだぞ?」

提督「大佐の言う犠牲は、必要の無いものです」

提督「争いに伴う犠牲とは、違う」

大佐「同じだよ」チャキ

提督「………」

大佐「そして貴様もまた、その糧になるか?」

大佐「この場で処罰を下す事も可能だ」

提督「元より覚悟の上です」

大佐「氏ぬぞ?」

提督「知っています」

大佐「そいつを渡せば、助かるぞ」

提督「揺るぎません」

大佐「…最後に聞こう」

提督「何なりと」

370: 2015/11/09(月)23:32:44 ID:Nsq

大佐「何故、貴様はその空母に」

大佐「代わりのいる兵器に、命を賭けてまで拘る?」

提督「………」

提督「…運命には、抗えます」

提督「それを証明する為に私は空母で戦う」

提督「空母が私の正義、だからです」

大佐「………」

提督「………」

371: 2015/11/09(月)23:33:39 ID:Nsq

大佐「……くくっ」

提督「……?」

大佐「ハッハッハ!貴様は本当に馬鹿者だ!」

提督「………」

大佐「余程空母を侍らせたいと見た、貴様も好き者だな」ゲラゲラ

提督「そういう訳では…」

大佐「なぁに、分かっている」スタスタ

提督「っ!」チャキ

大佐「身構えるな、銃はしまう」スッ

提督「…一体何が」

大佐「貴様の返答次第では…貼り付けた様な正義を語ろうものなら貴様の眉間に穴が空いていたな」

提督「………」ゾク

大佐「しかし蓋を開けたらこれだ」

大佐「拍子抜けだよ」

提督「…つまり、どういう事なんでしょう」

372: 2015/11/09(月)23:34:39 ID:Nsq

大佐「貴様の処罰は免除、その空母は連れていけ」

提督「良いのでしょうか?」

大佐「貴様がそこまでして見せたんだ、俺だって無理してみせるさ」

大佐「それと、研究所は」

提督「……?」

大佐「先日、廃棄された」

提督「!」

大佐「原因は、ある艦娘の暴走によるものだ」

提督「…まさか」

大佐「いや、加賀ではない」

大佐「加賀はその騒動に紛れて脱走した」

大佐「言わば、唯一の生存者って事だ」

提督「暴走の原因は、やはり…」

大佐「過度な実験による不測の事態、となっているが」

大佐「真相は闇の中だ」

提督「氏人に口なしって事ですか」

大佐「まぁ、そうだな」

提督「………」

373: 2015/11/09(月)23:37:51 ID:Nsq

大佐「…実際のところ、俺もあの研究はよく思っていなかった」

大佐「兵器とはいえ、まだ年端の行かぬ娘」

大佐「どうも情が移って仕方がない」

提督「大佐…」

大佐「この立場だ、公私混同などとてもじゃないが、な」

大佐「大方、今の貴様と同じ心境だ」

大佐「…長く話過ぎたな」

提督「………」

大佐「研究所の件は極秘事項だ、他言するなよ」

提督「了解しました」

大佐「…貴様が、昔のままでよかった」

提督「………」

大佐「そうでなかったら、その空母は救えなかったぞ」クル

大佐「…報告書はいらない、ではな」スタスタ

提督「大佐の英断、感謝致します」ケイレイ

大佐「………」テアゲ


ーーー
ーー

374: 2015/11/09(月)23:38:18 ID:Nsq

ー大佐が去ってー


明石「提督!大丈夫ですか!生きてますか!


提督「氏ぬかと思ったけど生きてるよ」

赤城「でいどぐ、私っ、えぇーん」ビエー

提督「ほらほら、泣かないの」

提督「明石、どの位で届く?」

明石「後30分程で届くかと」

提督「はいよ、暮れる前には帰るね」

明石「…絶対ですよ?」

提督「明石まで何だよ」

明石「し、知りません!では!」プチ

375: 2015/11/09(月)23:38:37 ID:Nsq

提督「……よし」

加賀「………」

提督「…加賀は、ここに残るか?」

加賀「………」

提督「資材と食料は遠征がてら届けさせる」

提督「幸いここは俺の管轄下だからね」

加賀「………」

提督「あの洞窟はあんまりだから、小さい家でも建てて、そうだね…軍の備蓄庫って体で…」

377: 2015/11/10(火)00:32:33 ID:p3f

加賀「……貴方は」ボソ

提督「ん?」

加賀「…私を、配属するのではなくて?」

提督「……え?」

提督「…来てくれるの?」

加賀「…守って、くれるんでしょう?」

提督「そりゃ勿論」

加賀「…そう」

提督「…だけど、本当にいいの?」

加賀「………」

提督「俺だって人間だぞ?それに、他の人間とも関わらなくちゃいけなくなる」

提督「それでも、ついて来てくれるかい?」

加賀「…貴方は」ボソ

378: 2015/11/10(火)00:33:20 ID:p3f
<<376
久々のコメ嬉しい氏ねる
まだまだ続くぜぇw

379: 2015/11/10(火)00:34:00 ID:p3f

提督「?」

加賀「…他の人間とは違ったわ」

提督「………」

加賀「…私を、必要としてくれました」

加賀「他でもない、欠陥品の私を…」

提督「欠陥品だなんて」

加賀「分かりません」

加賀「もしかしたら、もう私は余り長く生きられないかもしれませんから」

提督「………」

加賀「…これから先、環境が変わると」

加賀「私自身、自分がどうなるかも分かりません」

加賀「そんな私を、貴方は本当に引き取ってくれるのかしら?」

提督「…そんな事で、俺の気は変わらないよ」

加賀「……本当に、変な人ね」

提督「本当はもっと変だよ」ニコ

加賀「っ」プイ

加賀「…なら、最後に一つ…聞かせて貰えますか」

提督「…なんだい?」

380: 2015/11/10(火)00:38:51 ID:p3f

加賀「何故、そんなリスクを負ってまで私を選ぶの?」

加賀「私…正規空母加賀は、他にも配属する手段はあります」

加賀「それなのに、何故?」

提督「………」

提督「…うーん」ポリ

提督「…まずは」

加賀「………」

提督「…キミを配属するにあたってのリスク
、これがなんの事だか俺には分からないね」シラ

加賀「だからそれは」

提督「まぁ聞いて」

加賀「っ」ダマリ

381: 2015/11/10(火)00:40:34 ID:p3f

提督「…そして、何で目の前にいる正規空母加賀がいいのか、なんだけど…」

提督「たまたま、だよ」

加賀「………」

加賀「…それで、納得すると思って?」

提督「…うーん、難しいなぁ」

提督「じゃあ、ちょっとカッコつけるからね」

提督「引かないでおくれよん」

加賀「……?」

提督「………」スゥ

382: 2015/11/10(火)00:41:03 ID:p3f



提督「俺は、俺が初めて出会った正規空母加賀が欲しかった」

提督「正直、普通の加賀に比べたらリスクはあるかもしれない」

加賀(…さっきは分からないと言ったのに)

提督「だけど、絶対じゃない」

提督「もし、それが運命だったとしても」

提督「抗ってみせるさ」

提督「運命は、変えられる」

提督「……そうだろ?」ニコ

加賀「………」

提督「……何か言ってよ」

383: 2015/11/10(火)00:42:00 ID:p3f

加賀「…本当に、変な人」

提督「」グサ

加賀「言ってることもまるで物語の主人公、夢物語の様です」

提督「」バコ

加賀「それに間違いもあります」

提督「」ボコォ

加賀「運命は既に変わっているわ」

提督「」チーン

384: 2015/11/10(火)00:42:25 ID:p3f




加賀「もう貴方が、変えてくれました」ニコ



385: 2015/11/10(火)00:42:51 ID:p3f

提督「………」

提督「…もう、辛い思いはさせないからね」

加賀「…信じていいんですね」

提督「勿論」ニコ

加賀「分かり、ました」ジワ

提督「………」

提督「…おいで」テヒロゲ

加賀「…調子に乗らないで下さい」スタスタ


ギュッ


提督「…もう、大丈夫だからね」ダキ

386: 2015/11/10(火)00:43:47 ID:p3f


加賀「……あの」

387: 2015/11/10(火)00:44:09 ID:p3f


提督「ん?」

388: 2015/11/10(火)00:44:28 ID:p3f


加賀「私、これでも今、とっても…」グスッ

389: 2015/11/10(火)00:44:53 ID:p3f



加賀「…幸せ、なのですけれど」ギュウ



390: 2015/11/10(火)00:46:01 ID:p3f

ーーー
ーー




ーエンダァァから30分位後ー


ブゥーーン!ポイ


バサッ…フワフワ…


提督「あ、燃料きた」

加賀「………」ギュウ

提督「ほら加賀、燃料ーー」

加賀「…嫌です」

提督「え?」

加賀「貴方には加賀と呼んで欲しくありません」

提督「…なんで?」

加賀「私にとって貴方は、心の許せる唯一無二の人間です」

加賀「そんな特別な人に、他の人間と同じ呼ばれ方は…嫌です」

提督「うーん…」カンガエ

391: 2015/11/10(火)00:46:36 ID:p3f

提督「…じゃあ…加賀やん?」

加賀「………」

提督「…あー、えーと今のはーー」アセ

加賀「やりました」キラキラ

提督「え?」

加賀「もう一度呼んで下さい」ジッ

提督「え…加賀やん?」

加賀「はい」

提督「えーと、気に入ってくれたのかな?」

加賀「はい」

提督「そっか、加賀やん」

加賀「そうです」ギュッ

提督「…じゃあ、燃料取りに行こうか」

加賀「嫌です」ギュウ

提督「…えー」

加賀「離れたくありません」

提督「…以外と甘えん坊なんだね」ナデナデ

加賀「………」ギュウ

提督「おぶってやるから、行こうね」

加賀「やりました」


ーーー
ーー

392: 2015/11/10(火)00:47:09 ID:p3f


ー鎮守府近海ー


加賀「…あれが、貴方の…」

提督「そうだよ」

加賀「…船着場に誰かいます」

提督「うげっ、あいつら来てる…」

加賀「貴方の、部下の艦娘?」

提督「そうさ、皆いい奴だから安心して」

加賀「はい」



ブゥゥゥン…プスン


提督「帰りもギリかよ」

明石「提督!」タタタッ

提督「おう、明石」

明石「よかった、本当に…」ウル

提督「はは、泣いてら」

明石「…ごめんなさい、私のせいで…」

提督「明石のせい?」

提督「おかげの間違いだね」

提督「ついでに流石も付けとこう」

明石「………」

393: 2015/11/10(火)00:47:41 ID:p3f

提督「明石の協力が無かったら、助けられなかった」

提督「感謝してるよ」ナデナデ

明石「……はぃ」グス

赤城「でいどくぅうう!!」バタバタ


ガバッ


提督「おっとと、どうしたのよ」

赤城「じんばいじたんですから!」ギュウゥ

提督「あぁ、ごめんごめん」ナデナデ

赤城「もうどごにもいがないでくだざい!」ビエー

提督「あぁ、約束するから泣き止んで」

赤城「いやでず!」ズビ

提督「あ、そうだ赤城」

赤城「なんでずが?」ズズ

394: 2015/11/10(火)00:48:03 ID:p3f

加賀「赤城さん」スタ

赤城「か、がさん」

加賀「久しぶりね」

赤城「~~ッ」ガバッ


ウワーンカガサーン

アカギサンナキヤンデクダサイ

ムリデスー


提督「………」フゥ


ーーー
ーー

395: 2015/11/10(火)00:55:49 ID:p3f
書き溜めが無くなり申した

おやすみんごす

396: 2015/11/10(火)22:48:52 ID:290
加賀さんかわいいすねーww
いつまでもまってますww

次回:提督「赤城のヤキモチ」【その5】


引用: 【艦これSS】提督「赤城のヤキモチ」