195: 2016/04/04(月)20:17:39 ID:BbV
196: 2016/04/04(月)20:18:36 ID:BbV
ヒトキュウマルマル
榛名「提督…大丈夫ですか?」アセ
提督「うん、血は止まったからね」ハナティッシュ
金剛「あーあー、ハルナのせいでテイトクが流血したネー」
榛名「榛名は…うぅ…」シュン
提督「こら金剛、榛名を責めるんじゃないよ」
金剛「…デース」
榛名「提督、ごめんなさい…」シュシュン
提督「気にしないでいいよ、たかが鼻血じゃない」ナデナデ
榛名「ですが…」
提督「俺が金剛の口車に乗ったから悪かったんだよ」
提督「女性の髪を許可なく嗅ごうとした罰だね」アハハ…
榛名「っ…」カァ
提督「あはは……あっ」
金剛「エー?テイトクそんな事しようとしていたんデスかー?」
提督「いや、今のは言葉の綾と言うか…」
榛名「……///」カァァ
197: 2016/04/04(月)20:19:00 ID:BbV
金剛「榛名、らしいデスが?」
榛名「……///」ウツムキ
提督「畜生!金剛俺に何の恨みが!?」ウオー
榛名「…は、榛名は」
金剛「ンー?」
榛名「本当は、起きていたんです…」
提督「うぉぉお!…え?」
榛名「…あぅ」カァ
提督「…どこから?」
榛名「提督に、榛名の髪を褒めていただいてる辺りから…です」
提督「あー、そうだったの」チラ
金剛「テヘペロ」
提督「だからあんな事言ってたのか」
金剛「タヌキ寝入りして提督に頭を撫でてもらおうとするハルナも悪いネー」プゥ
提督「もう二度と頭撫でてやんないから」
金剛「What!?」ガーン
提督「あー、金剛って妹に意地悪するような奴だったのかー」
提督「ショックだなー」
金剛「うぅ…」タジ
198: 2016/04/04(月)20:19:28 ID:BbV
提督「そうだなー、これからは榛名と比叡と霧島…だけ撫でてやるかなー」チラ
金剛「…そ、そんな」ウルッ
榛名「提督」
提督「ん?」
榛名「榛名は大丈夫ですから、金剛お姉様を許してあげて下さい」キュッ
提督「えー、いいのー?」
榛名「榛名が寝たふりをしていたのも事実ですから…その…」
提督「お互い様って?」
榛名「そう、です」
提督「だってさー」
金剛「ハルナ…ごめんネー」グシッ
榛名「いえ、私こそ…ごめんなさい」
デ、ハルナノアタマハクサカッタデスカ?
コンゴウオネエサマ!?///
ワカンナカッタカラ、モッカイイイ?
テイトクマデ!?///
ーー
ー
199: 2016/04/04(月)20:22:30 ID:BbV
提督「で、榛名」
榛名「はい?」
提督「再提出のカード、持ってきた?」
榛名「あ、はい!ここに…」ゴソゴソ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
艦名:榛名
欲しい物:提督とおでかけしたいです
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
提督「ふむ」
榛名「駄目でしょうか…」
提督「ん、いいよ」ニコ
榛名「榛名、感激です」パァ
金剛「………」
金剛(アノ場の雰囲気に飲まれて、叶えて貰ったとか言うんじゃなかったネ…)
提督「ただ、今日の明日じゃ難しいんだけど」
提督「少し待ってもらえる?」
榛名「はい!榛名、待ちます!」キラキラ
金剛「………」
金剛(くぅ、羨ましいデス…)
提督「さぁて、これで全員分かぁ…って」ノビー
200: 2016/04/04(月)20:23:02 ID:BbV
提督「金剛、どしたの?」
金剛「…エッ、何がデスか?」ビク
提督「いや、ずっと黙ってたからさ」
金剛「ワタシを四六時中喋ってる騒がしい奴みたいに言わないで欲しいネー」
提督「あらそう」
金剛「今はハルナのターンでしたから、自重してたんデス」ムン
提督「なるほどね」
榛名「そういえば、そろそろ一航戦のお二人が帰って来られるのではないでしょうか」
提督「の、筈なんだけどねぇ」
金剛「今日を過ぎると流石に心配ネー」
提督「あの二人だから大丈夫だとは思ってるんだけど…」ウーン
榛名「提督」
提督「ん?」
榛名「こう言ってはなんですが…もしもの時は榛名にお任せ下さい」
榛名「提督の大切な人は榛名にとっても大切ですから」ニコ
金剛「ワタシもデース!いけ好かないけど、いないと少し物足りないネー」
提督「お前ら…」トゥンク
提督「ま、まぁ…緊急の時は俺含め全力で救出しに行くから、そん時はお願いね」
榛名「榛名!全力で参ります!」
金剛「あの二人に恩を着せてやるネー!」
201: 2016/04/04(月)20:23:43 ID:BbV
提督「はいはい、頼りにしてるよ」
榛名「では、榛名はそろそろお部屋に戻りますね」
金剛「ワタシも戻るデース」
提督「ん、俺も戻ろうかねぇ」
榛名「では、失礼します」ニコ
金剛「テイトク、またネー」フリフリ
提督「おーう」
パタン
提督「………」
提督「んー…」ノビー
提督「ーーっはぁ」ヨイショ
スタスタ…ゴソゴソ
提督「えーっと、確かこのへんに…あった」
ポチ
ウィーン…プシュー、ガコン
提督「………」スタスタ
提督「えーと、どれにしようかなーっと」ピタ
提督「…これかな」スチャッ
202: 2016/04/04(月)20:24:25 ID:BbV
提督「………」クル、スタスタ…
ポチ
ウィーン、ガコーン
提督「…川内、いるんだろ?」
シーーン…
提督「…そうか」
提督「ほいじゃこれで」チャキ
提督「ばいばい、川内」ニコ
パァン
提督「」ドサッ
205: 2016/04/06(水)23:46:14 ID:btG
川内「えっ…?」シュタ
提督「」
川内「え、なんで…?」
提督「」ジワァ
川内「なんで、突然…」
川内「頭、血、いっぱい出てる…」
川内「ねぇ、提督、起きてよ」ユサユサ
提督「」
川内「提督、嘘なんでしょ?ホントは生きてるんでしょ?」ユサユサ
提督「」
川内「私、分かんないよ」ユサユサ
提督「」
川内「ねぇ、ねぇってば」ユサユサ
提督「」
川内「嫌だよ…提督、起きてよぉ…」ポロポロ
206: 2016/04/06(水)23:46:35 ID:btG
提督「何て?」ガバ
川内「きゃあぁあ!?」ビクッ
提督「ふふふ、まんまと騙されたな」
川内「騙され…た?」
提督「そ、今回も俺の勝ちだねぇ…って川内?」
川内「~~っ」プルプル
提督「えぇっと、あの…川内さん?」
川内「提督のーー」ボソ
提督「え?なんだっーー」
川内「提督の馬鹿!!!!」スパァーン
提督「アイヤァァア!」ヒューン ドガァァアン
イッテェェエ!!
ーー
ー
207: 2016/04/06(水)23:47:23 ID:btG
フタマルマルマル
川内「何で提督はいっつもいっつも」プンスコ
提督「ハイ スイマセンデシタ」
川内「青葉も悪戯で泣かしたんでしょ?」
提督「何で知ってんの?」
川内「私あの時涙をいっぱいに溜めて執務室から出てくる青葉見たから」
提督「おぉっと」
川内「提督の悪戯はね、悪戯のレベルを超越してるの、わかる?」
提督「はい」
川内「そんなに女の泣く姿が見たいの?」
提督「自分の為に泣いてくれる女の子とか」
提督「最高じゃん」
川内「最低の間違いだと思うな」ジト
提督「…はい」
川内「本当に反省してるの?」
提督「まぁ、少しは」
川内「悪戯するなとは言わないけど、あまりタチの悪い悪戯はやめてね?」
提督「頭の片隅にでも置いておくよ」
川内「本当に心配したんだから…」ボソ
提督「ありがとう」
川内「っ!そこは聞こえないフリをするのが常識でしょ!?」カァ
提督「聞こえる声で言う方が悪いんだよ」
川内「そ、そうかな…」
提督「多分ね」
208: 2016/04/06(水)23:47:48 ID:btG
川内「まぁいいや!ところで提督!」
提督「んー?」
川内「さっきの隠し部屋、何なの?」
川内「私、あんなの知らなかったよ」プク
提督「あぁ、あれ?」
提督「明石に作ってもらってた俺専用武器庫だよ」
川内「へぇ」
提督「普段使う事ないから、明石と俺以外は知らないんじゃないかなぁ」
川内「…へぇ」
提督「…何でちょっと嬉しそうなのよ」
川内「なぁーんでもないよ♪」
提督「まぁ、それだけなんだけど…」
川内「でもさ、提督に武器は必要なくない?」
川内「普通に強いじゃん?」
提督「普段使わないってのはそう言う事だよ」
提督「ここを本気で使う時があるとしたら…」
209: 2016/04/06(水)23:48:10 ID:btG
提督「空と海が真っ黒に染まる位の敵が迫って来てて…」
提督「こっちで戦えるのは俺だけ」
提督「みたいな?」
川内「どうやったらそんな状況になるの?」
提督「さぁてね、備えあれば憂いなしって言うやん?」
川内「そうだけどさ…あ」
川内「じゃあ、さっきの銃はなんだったの?」
提督「あぁ、あれはちょっと特殊なやつでね」
提督「俺の命が引き合いに出される取引の時とか、自害に見せかける時に使う銃さ」
川内「そんな状況、滅多にないでしょ…」
提督「滅多にない状況程、あった時が重要だったりするんだよ」
川内「んー、よく分かんないよ…」
提督「お前らを守るのには、力以外にも必要なもんがたくさんあるって事だよ」
川内「ちょっとだけ分かった気がする」
提督「ま、そこら辺は川内が気にする事じゃないしね」
川内「うーん、そうなのかなぁ…」ウーン
提督「さ、この話はやめやめ」パンパン
提督「そもそも、何の用だったの?」
川内「えー…あ、何だったかなぁ…」
210: 2016/04/06(水)23:48:34 ID:btG
提督「また俺が殺されるとかやめろよな」
川内「いや、そんなんじゃないんだけど…」
川内「えーと…」ウーン
提督「……あ」
川内「どしたの?」
提督「川内さ、カード出さないの?」
川内「…カード?」
提督「うん、出してないの川内だけだからね」
川内「あぁ…私はいいよ」
提督「何でまた」
川内「言い出しっぺだしね」
提督「川内が言い出したから、皆がその恩恵を受けられるんであってだね」
川内「難しい事は考えないの!」
提督「テイトク、ブカ、ミンナビョウドウ」
川内「何でインディアン調なの?」
川内「それと、平等じゃないよね」ジト
提督「テ、テイトク、センダイ、マルカジリ」
川内「私を丸かじりするの?」
提督「テイトク、センダイ、クウ」
川内「食うって…まさか…」
川内「夜戦…?///」
提督「おっとそこまでだ」
川内「なんでよー」プゥ
211: 2016/04/06(水)23:51:04 ID:btG
提督「んー、だってねぇ」
川内「私と夜戦、嫌なの?」
提督「嫌って言うか、ねぇ」
川内「やっぱり、空母じゃないから?」
提督「それ言われると、ねぇ」
川内「はぐらかすのヘタクソかよ」
提督「いやまぁ、ねぇ」
川内「むー、もういいもん」プイ
提督「おこなの?」
川内「おこだよーだ」
提督「…分かったよ」ハァ
川内「……?」
提督「夜戦、してやるから」
川内「…ほんと?」
提督「あぁ、川内にゃ負けたよ」ヤレヤレ
川内「えっと…嘘じゃ、ない?」
提督「嘘つく理由がないでしょ」
川内「…え、あ、えぇと」
川内「私、初めて…なん、だけど…」カァア
提督「嘘をつくな」
川内「う、嘘じゃないもん!」
212: 2016/04/06(水)23:51:41 ID:btG
提督「いや嘘だろ、俺知ってんだぞ」
川内「そんなのデタラメだよ!本当に初めてだもん!」
提督「何でそんなバレバレの嘘つくのよ」
川内「本当に本当だもん!初めては提督にって私ーーー」ハッ
川内「…ねぇ」
提督「どしたの?」
川内「提督の言ってる夜戦て、何?」
提督「夜戦は、夜戦だね」
川内「なんかこう、含んだ意味を持ってたり…する?」チラ
提督「何言ってんだ?」ニヤ
川内「い、いや…これはその、違うの!」アタフタ
提督「違わないでしょ」ニヤニヤ
川内「にやにやすんなー!」プンスコ
提督「そっかぁ、川内は初めてなのかー」ニッコリ
川内「うるさい馬鹿!!」ゲシッ
提督「ア゙ア゙ッ!?」
川内「ふーんだ」プイ
213: 2016/04/06(水)23:52:05 ID:btG
提督「泣き所を的確に攻撃しよってからにぃ!」ゴロゴロ
川内「しーらない!私帰る!」スタスタヒラ
川内「後、早く顔洗わないと血糊だらけだよ!」
バタンッ!
提督「あぁ、いてぇよぉ……ん?」
提督「川内、なんか落としていっ…あ」ヒロイ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
艦名:川内
欲しい物:なんにもいらない。ずっと提督と一緒にいたいなぁ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
提督「……」
提督「………」
提督「馬鹿だなぁ、こんなの…」
提督「欲しがらなくても、叶えてやるのにねぇ」チラ
提督「なぁ、川内?」ボソ
214: 2016/04/06(水)23:52:31 ID:btG
ーー
ー
ー執務室前ー
ー扉越しー
「…ふふっ」モタレ
「ありがとう、提督」
「ずっと、一緒だからね」ニコ
スタスタスタ…
222: 2016/04/10(日)09:05:58 ID:msb
フタヒトマルマル
提督「………」ジャー、キュッ
提督「……ふぅ」フキフキ
提督「さて、あの二人以外全員の希望も聞けた事だし」
提督「そろそろ準備に入らないとねぇ」
コンコン
提督「んあーい」
叢雲「何よ、その気の抜けた返事はっ、と…」ヨイショ
提督「おー叢雲さん、なにそれ」
叢雲「アンタが頼んでたプレゼントよ」ドサッ
叢雲「ここまで運ぶの、重かったんだから」フゥ
提督「おぉ、間に合ったね」
叢雲「そうね、と言うか」
叢雲「やっぱりアンタがプレゼント配るんじゃない」
提督「えっ…あっ」
叢雲「その反応、バレてないとでも思ってたの?」
提督「いやぁ、なんと言うか…ねぇ」
叢雲「そもそもこれ、私の前で買ってたじゃないの」
提督「くそぅぬかった!」
223: 2016/04/10(日)09:06:33 ID:msb
叢雲「はぁ、肝心なとこで抜けてるんだから」
提督「いやぁ完全に忘れてたよね」テヘペロ
叢雲「余りに自然過ぎて私も違和感すら感じなかったわよ」
提督「ま、黙っといて下さいな」
叢雲「それは構わないけど…」
提督「けど?」
叢雲「殆ど、気付いてると思うわよ?」
提督「なん…だと…?」
叢雲「考えてみなさいよ」
叢雲「そうでもしないと、誰がアンタにして欲しい事なんて書くの?」
提督「………」ガーン
叢雲「ま、それでもいいんじゃない?」
提督「そんな…それじゃ意味が…」ショボン
叢雲「………」ハァ
叢雲「アンタねぇ」
叢雲「ここにいるアンタの部下全員に聞いてみなさい」
提督「…なんて?」
叢雲「プレゼントを貰うならサンタクロースとアンタ、どっちからがいい?って」
提督「………」
叢雲「きっと、満場一致だと思うわよ?」
224: 2016/04/10(日)09:07:27 ID:msb
提督「…みんな俺よりサンタの方がいいってのか…」ギリッ
叢雲「本気で言ってんの?」
提督「…いやさ、自惚れてると思われたくないやん?」
叢雲「分かってんじゃない、だったら簡単よ」
提督「何がだよ」
叢雲「ここでは、アンタがサンタだって事なのよ」
提督「………」
叢雲「皆それを分かってるから、確信を突かずにアンタにお願いをしてるんじゃない?」
提督(五航戦は本気で信じてたけどな)
提督(天龍なんてもっとーーー)
叢雲「何か言いたそうね」
提督「うーん、まぁ気は晴れたよ」
叢雲「ま、そゆことよ」スタスタ
提督「あれ、もう帰るの?」
叢雲「サンタさんは、今から忙しいんでしょ?」
提督「あぁ、まぁねぇ」
225: 2016/04/10(日)09:07:56 ID:msb
叢雲「それに、新郎にもなるんだったかしら?」
提督「っ、あくまでカッコカリだからな!」
叢雲「…アンタ、くれぐれもそれを本人達の前で言わないことね」
提督「わかってらぁ」
叢雲「ならいいわ、じゃあね」フリフリ
提督「あぁ、お疲れさん」
バタン
提督「とりあえずこれはここに置いといていっか」
提督「執務室、戻んないと」
ーー
ー
226: 2016/04/10(日)09:08:34 ID:msb
ー執務室前の廊下ー
提督「…おん?執務室の電気がついてら」スタスタ
提督「俺、消し忘れてたっけ」スタスタ
提督「…あ、そっかアイツらが」スタスタ
ガチャ!
「……!!」タタタッ
ガバッ
提督「っとと、」ウケトメ
「………」ギュウゥ
提督「ん、帰ってたのね」
「…はい、貴方」
提督「まだ、少し気が早いんじゃない?」クス
「…そう」
提督「ま、何にせよ」
提督「おかえり、加賀やん」
加賀「…はい」
ーー
ー
232: 2016/04/13(水)21:42:11 ID:iHG
ー執務室ー
提督「んで、早速聞きたい事があるんだけど」
加賀「何ですか?」スリスリ
提督「あの隅っこで壁の方向いて体操座りしてる赤いの、何?」
加賀「赤城さんですが」スリスリ
提督「うん、それは知ってるんだけどね」
加賀「…?」スリ
提督「つまりは、何があったの?」
加賀「それは…」
加賀「その…」ソデツマミ
提督「ん?」
加賀「赤城さん…間に合わなかったんです」ボソ
提督「あぁ、そゆこと」
赤城「………」イジイジ
加賀「後少しではあったんだけれど…」
提督「なら頑張ってくればよかったんに」
加賀「それが、その…これを」スッ
提督「なにこれ…」
233: 2016/04/13(水)21:43:04 ID:iHG
提督「はぁぁぁあああ!?」ガタッ
加賀「っ」ビク
赤城「!!?」ビックゥ
提督「高速修復材…ゼロ…?」
加賀「提督、怒らないで」キュッ
提督「いや、怒ってはないんだけどね」
提督「数百はあったバケツが一日で虚空の彼方に消えてたら、そりゃ怒りこそしなくても驚くよね」
加賀「…ごめんなさい」
提督「いやいや、バケツはまた貯めればいいから」
提督「それに、使った目的が目的だからねぇ」
加賀「…やっぱり貴方は、優しいのね」ダキ
提督「性分なんだよ」ナデナデ
赤城「……んんっ」
提督「…?」チラ
赤城「………」イジイジ
提督「…加賀やん」ボソ
加賀「何かしら」スリスリ
234: 2016/04/13(水)21:43:51 ID:iHG
提督「見てみろよ、漫画みたいに床に八の字書いてる奴がいるよ」
加賀「赤城さんも構って欲しいんだと思います」スリスリ
提督「そうなのかな」
加賀「きっとそうです」スリスリ
提督「ねぇ加賀やん?」
加賀「何かしら」スリスリ
提督「ちょっと頬ずりし過ぎじゃない?」
加賀「そんなことないわ」スリスリ
提督「さいですか」
赤城「………」イジイジ
提督「…赤城さーん?」
赤城「………」グズグズ
提督「あちゃあ」
加賀「…帰り道からずっと塞ぎ込んでましたから」スリスリ
提督「うーん…どうしたもんかねぇ」ウーン
235: 2016/04/13(水)21:44:12 ID:iHG
加賀「………」スリスリ
提督「………」ウーン
赤城「………」イジイジ
シーーン
加賀「………」スリスリ
提督「………」ウーン
加賀「………」スリスリ
提督「………」ナデナデ←無意識
赤城「……っ」ズキ
赤城「………」スク
スタスタ…
提督「お、おい赤城」
バタン
240: 2016/04/17(日)20:56:27 ID:uZH
加賀「……提督」
提督「分かってるよ」
提督「ちょっと行ってくるからね」
加賀「はい、ここで待っていても?」
提督「構わないけど、疲れてない?」
加賀「大丈夫です」
提督「ん、眠くなったら寝てていいからね」
加賀「分かりました」
提督「じゃあ行ってくるからーー」キュッ
提督「…どしたの?」
加賀「………」ジィ
提督「はいはい、おいでーー!?」
241: 2016/04/17(日)20:56:47 ID:uZH
加賀「……っはぁ」
提督「あ、あのねぇ」
加賀「やりました」ホッコリ
提督「なんか大胆になってない?」
加賀「正妻の余裕、です」ムン
提督「だから、少し早くない?」
加賀「…そう」シュン
提督「………」
加賀「………」ウツムキ
提督「…後少し、待ってね」ナデ
加賀「………」カオアゲ
提督「赤城、連れてくるから」ニコ
加賀「…はい」ギュウ
ーー
ー
242: 2016/04/17(日)20:57:22 ID:uZH
ー明石ラボー
提督「明石、いるかい?」
明石「はいー、いますよー」
提督「………」
提督「………」
シーーン
提督「……あれ?」
明石「あ、忘れてた」スタタ
ガチャ、ギギギギギ…
明石「はい、いらっしゃい」ニコ
提督「何で手動なの?」
提督「しかもすんごい重そうだし」
明石「味があるでしょ?」
提督「凝り性だねぇ」
明石「ま、それはさておき」
明石「どうしました?」
提督「あぁ、明石に聞きたい事があってねーーー」
ーーー
ーー
ー
243: 2016/04/17(日)20:57:57 ID:uZH
フタフタマルマル
ー空母寮ー
ー赤城・加賀の部屋ー
…コンコン
シーーン
提督「入るよ」ガチャ
赤城「………」
提督「なーに塞ぎ込んでんの」ヨッコラセ
赤城「………」
提督「別に今日じゃなくても、また頑張ればいいやん?」
赤城「………」
提督「俺も、ちゃんと準備して待ってるからさ」
赤城「………」
提督「だからさ、機嫌治してさ」
提督「まず、加賀やんを祝ってやろうよ」
赤城「………」
提督「…んー」ポリ
赤城「…私は」ポツリ
244: 2016/04/17(日)20:58:33 ID:uZH
提督「ん?」
赤城「…いつかこうなるんじゃないかと、その未来が訪れるのが怖くて…」
提督「うん」
赤城「それでも、あと少し頑張れば」
赤城「後ろに控えてるのは加賀さんだけだから」
赤城「このまま、逃げ切るつもりだったのに…」
赤城「最後の最後で、加賀さんに抜かれて」
赤城「結局、間に合いませんでした」
提督「…うん」
赤城「完全に、私の慢心です」
赤城「これだけは…」
赤城「提督の最初のケッコン相手だけは…っ」
赤城「何としても、私が…」
赤城「そう、思っていたのに…」
提督「………」
提督「赤城」
赤城「……はい」
提督「諦めたの?」
赤城「っ……」
245: 2016/04/17(日)20:59:02 ID:uZH
赤城「もう、済ませて来たのでしょう?」
提督「何がよ」パッ
赤城「あれ、指輪…」
提督「待たせてんだよ、加賀やんを」
赤城「…それには、及びません」
赤城「今からでは、間に合いませんからか」
提督「………」
提督「…いいんだな?」
赤城「………」
提督「加賀やんと、先にケッコンしても」
提督「いいんだな?」ジッ
赤城「………」
赤城「…今の私に」
赤城「それを、止める権利は…」
赤城「ありません…から」
提督「………」
提督「…そっか」スク
赤城「………」
提督「……赤城」スタスタ
赤城「……はい」
246: 2016/04/17(日)21:00:10 ID:uZH
提督「見損なったよ」
バタン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
247: 2016/04/17(日)21:01:01 ID:uZH
シーーーン
「…これで、良かったんです」ポロポロ
「私が…提督の一番なんてっ…」ボロボロ
「……提督っ」グシュ
ーー
ー
248: 2016/04/17(日)21:02:12 ID:uZH
ー廊下ー
スタスタスタ
「提督ーっ!」
「明石か、どうしたの?」
「いやぁ、どうなったのかなって」
「もう、いいんだってさ」
「…えっ?」
「それって…どういう…」
「諦めるんだと」
「そんなっ、あの人に限って…」
「私、説得してきます」
「…無駄だと思うよ」
「そんな事ないです」
「何でそう言えるの?」
249: 2016/04/17(日)21:02:45 ID:uZH
「あの人が提督をどう思ってるか」
「それを一番長く見てきたのは」
「私だから、です」
「ふぅん…ま、勝手にしなよ」
「随分と軽いんですね」
「アイツが自分で言ったんだ」
「…そうですか」
「提督」
「なによ」
「私、ちょっと残念です」
250: 2016/04/17(日)21:03:24 ID:uZH
「提督だって本当は知ってたから」
「さっき、あんな事聞いたんでしょ?」
「………」
「引っ張ってでも、連れ出すと思ってたのに…」
「少し、見損ないました」スタスタスタ
「………」
「………」
「……赤城」
ーーー
ーー
ー
251: 2016/04/17(日)21:03:51 ID:uZH
ー空母寮ー
ー赤城・加賀の部屋ー
明石「赤城さん」ガチャ
赤城「…はい?」
明石「聞きましたよ」
明石「加賀さんに譲るらしいですね」
赤城「っ…そうですが」
明石「いいんですか?」
赤城「いいも何も…」
赤城「最高練度でもない私に、口を挟む権利なんて…」
明石「だったら今からでも」
赤城「無理ですよ」
明石「何故?」
赤城「もう、夜です」
赤城「空母である私が、今からどうやってーーー」
252: 2016/04/17(日)21:04:30 ID:uZH
明石「提督が、ここに来ませんでしたか?」
赤城「……来ましたが」
明石「何か、言われませんでしたか?」
赤城「…加賀さんと、本当に先にケッコンしていいか、と」グッ
明石「それで、赤城さんは何と?」
赤城「それに口出しできる権利はないから、と」
明石「ふぅん、そうですか」
赤城「もう放っておいて下さい、私はーーー」
明石「何故、提督はそう聞いたんでしょうか」
赤城「…?」
明石「何故だと思います?赤城さん」
赤城「…それは」
明石「何か、方法があったんじゃないですか?」
赤城「だとしても…」
明石「赤城さん次第で、間に合うんじゃないですか?」
赤城「………」
明石「提督は赤城さんにーーー」
赤城「もうやめて下さい!!」
明石「っ!」
253: 2016/04/17(日)21:05:08 ID:uZH
赤城「何故、こんな私にそこまで拘るんですか?」
赤城「こんな、出来損ないの私に…」
明石「…それ、本気で言ってます?」
赤城「本気も何も、事実でしょう?」
赤城「1年も先に配属されて、ずっと旗艦を務めていたにも関わらず最後には抜かれ」
赤城「その挙句、勝ち取った加賀さんを待たせてまで同時にケッコンしようなんて」
赤城「図々しいにも程がありますよ」
赤城「そう、負け犬はおとなしくしておくべきなんです」
明石「赤城さん」
赤城「私に、一番なんて…」フルフル
明石「赤城さん、それ以上はいけません」
赤城「元より、烏滸がましかったんですよ」
明石「赤城さん!」パチン!!
赤城「っ、」
明石「いい加減にしなさい」
明石「提督がどんな気持ちで二人のお願いを叶えようとしていたか」
明石「提督にとって、二人とのケッコンがどんなものなのか」
明石「それを貴女が知らない訳じゃないでしょう?」
赤城「………」
254: 2016/04/17(日)21:05:26 ID:uZH
明石「もうこの際だから言いますよ」
明石「提督はここに来る前に、私の所に来ました」
明石「そこで、提督がなんて言ったと思いますか?」
赤城「………」
ーー
ー
255: 2016/04/17(日)21:06:10 ID:uZH
明石『…艦娘の練度?』
提督『そ、実戦とか演習、遠征以外でどうやったら上がるかなって』
明石『あー、考えた事もなかったですねぇ』
提督『仲間内じゃ、ダメなんだよね?』
明石『はい、確かに実力の向上には繋がりますが、数値としては何の効果もありません』
明石『ただ、その経験が実戦や演習に活かされて』
明石『必然的に練度の上昇を手助けする、って事にはなりますが…』
提督『如何せん急ぎだからなぁ…』
明石『え?何かあったんですか?』
提督『あぁ、赤城が間に合わなかったんだよ』
明石『ありゃ、それは…』
提督『あと少しつっんで、どうにかなんないかなぁ…って』
明石『うーん、難しいですねぇ』
明石『本来、練度ってすごく曖昧なもんでして』
明石『例えば、旗艦やMVPで練度の量が増加するのはご存知の所だと思うんですが』
明石『ならその理由は?』
提督『あー、当たり前過ぎて深く考えた事なかったなぁ』
256: 2016/04/17(日)21:06:46 ID:uZH
明石『まぁ、それ自体ハッキリ分かってないんですが』
明石『仮説、と言うか最も有力なのはー』
明石『心、です』
提督『ふむ…』
明石『気持ちの向上が練度の増加に繋がる』
明石『旗艦だから頑張らないと!』
明石『MVP取れた!やった!』
明石『そんな感じですね』
提督『なるほどねぇ』
提督『でも、それで言ったら味方同士だって』
明石『だから、仮説と言ったんですよ』
提督『そこら辺はなぁなぁなのね』
明石『そゆことです』
提督『ならさ』
明石『はい』
提督『俺ならどうだろう?』
257: 2016/04/17(日)21:07:31 ID:uZH
明石『え、提督が何ですか?』
提督『俺と赤城でなら練度上がらないかな?』
明石『あー、それは…』
明石『何とも言えませんねぇ』
提督『やっぱり?』
明石『如何せん前例がありませんから…』
明石『保証はできませんし、無理と思っていた方がいいでしょうね』
提督『やっぱりかぁ…』ウーン
明石『まぁ、今から急いで練度上げようってんなら』
明石『私肥やしになります!って志願してくる深海凄艦が出てこない限り…』
提督『……明石、今なんて?』
明石『だから、ドMな深海凄艦がーー』
提督『それだよ!』
明石『は?』
提督『明石!』ガシ
明石『ちょ、提督!?』アタフタ
258: 2016/04/17(日)21:10:07 ID:uZH
提督『俺を…深海凄艦にしてくれないか?』
明石『寝言は寝て言え』
提督『…一時的に深海凄艦になれます!みたいな薬とかないの?』
明石『そんなの、あったら面白…無いですよ』
提督『明石ならできるでしょ?』
明石『いやいや、できるできないじゃなくてですよ?』
明石『そんなに急がなくても、明日じゃダメなんですか?』
259: 2016/04/17(日)21:10:41 ID:uZH
提督『………』
提督『…加賀やんを、待たせてるんだ』
明石『………』
提督『確かに、加賀やんも頑張った』
提督『本来なら、あの場で俺は加賀やんに指輪を嵌めてあげないといけなかったんだ』
提督『でも俺は、それをせずに加賀やんに待ってくれと頼んだ』
提督『だから、今加賀やんを待たせてるこの時間は』
提督『ただ、俺のワガママなんだよ』
明石『………』
提督『俺は、どちらかなんて選べない』
提督『どっちも、一緒にがいいんだ』
明石『………』
提督『頼めないだろうか』ペコ
260: 2016/04/17(日)21:11:31 ID:uZH
明石『………っとに』ハァ
明石『…提督、顔を上げて下さい』
提督『………』
明石『やれるだけやってみますが、上手くいくか分かりませんよ?』
明石『それでも、いいですか?』
提督『頼む』
明石『後は、先程言った通り、気持ちの問題でも左右されますから』
明石『赤城さんが乗るかどうかですけど』
提督『アイツなら、大丈夫さ』ニコ
明石『……ですね』ニコ
ーーー
ーー
ー
261: 2016/04/17(日)21:12:04 ID:uZH
明石「…ちょっと長くなったんですけど」
明石「言いたい事は分かりましたか?」
赤城「………」
明石「赤城さん」
明石「提督は、加賀さんと貴女を愛しています」
赤城「………」
明石「でないなら、本来焦るような事ではないから」
赤城「………」
明石「提督は、何がなんでも一緒が良かったんです」
赤城「………」
262: 2016/04/17(日)21:12:25 ID:uZH
明石「それは、捉え方を変えたら」
明石「ただの優柔不断なのかも知れませんけどね」
赤城「………」
明石「でも、それがどんな感情からなのか」
明石「それを一番知ってるのは貴女と加賀さんでしょう?」
赤城「………」
明石「…私の準備は終わっています」
明石「提督に何を言われたのかは知りませんが」
明石「提督はそれを本気で言ってないでしょう」
明石「後は、貴女次第です」
明石「夜明けまで、私達は地下闘技場にいます」
明石「……では、失礼しますね」
スタスタ…パタン
赤城「………」
ーーー
ーー
ー
269: 2016/04/22(金)00:46:35 ID:OLP
フタサンマルマル
提督「さて、プレゼント配布もなんやかんやで残りは空母か…」
提督「皆寝た振りしてたり、開き直って起きてたりしたから色々と時間食っちゃったけど」
提督「木曽と叢雲は、後日構いまくるとして…」
提督「後の物じゃない系のお願いはチケット的なサムシングで事なきを得て…」
提督「そして目の前には五航戦のお部屋があるわけで…」
提督「はぁ…赤城、どうすっかなぁ…」
ガチャッ
270: 2016/04/22(金)00:47:19 ID:OLP
瑞鶴「部屋の前で何コソコソしてるのよ」
提督「あ、やっぱり起きてた」
翔鶴「提督、いらしてたんですね」ヒョコ
提督「俺は提督じゃない、サンタさんだぞ」
瑞鶴「見た目まんま提督さんじゃん」
提督「まぁね」
翔鶴「折角ですので中にどうぞ」ニコ
提督「あんま長居はできないけど、お邪魔しまーす」
ーー
ー
瑞鶴「で、提督さん」
提督「ん?」
瑞鶴「何で軍服のままなのよ」
提督「えっ」
翔鶴「あ、そう言えば…」
瑞鶴「お願い、聞きに来てくれたんじゃないの?」
提督「あぁ、その事なんだけど…」ゴソゴソ
提督「はい、メリークリスマス」スッ
瑞鶴「なにこれ…紙?」ウケトリ
翔鶴「添い寝券、って書いてあります」
提督「そそ、その手のお願い事は今日いっぺんに叶えてあげられないから」
提督「後日使えるようにしたのよ」
271: 2016/04/22(金)00:47:55 ID:OLP
瑞鶴「えー、今日じゃないのー?」プゥ
翔鶴「こら瑞鶴、我が儘言ってはダメよ?」
翔鶴「提督は皆のお願いで忙しいんだから」
提督「まぁ、ほぼ終わってるんだけどね」
瑞鶴「だったらいいじゃない!」
翔鶴「でも、まだ全員ではないんでしょう?」
提督「そうだねぇ」
瑞鶴「誰なのよー」プクー
提督「二航戦と一航戦」
瑞鶴「それは無理だわ」
翔鶴「無理ですね」
提督「でしょ?」
瑞鶴「だって邪魔したら後が怖いし」
翔鶴「空母だと私達が一番下ですから…」
提督「そこら辺はちゃんと弁えてるのね」
瑞鶴「いや、弁えてると言うか…ねぇ」
翔鶴「あの人達、提督の事になると目の色が変わりますからね」
提督「…それ、他の艦種から見たらお前ら二人も同じだと思うよ」
272: 2016/04/22(金)00:48:25 ID:OLP
瑞鶴「えっ、そうなの?」
提督「うん」
翔鶴「提督、それは当たり前ですよ」
提督「なんで?」
翔鶴「えっ、それは…」カァ
翔鶴「えぇと…それは…その」モジモジ
提督「なに?」
翔鶴「ず、瑞鶴…?」チラ
瑞鶴「翔鶴姉、恥ずかしいからって私に振るのやめてよ」
翔鶴「だって…」
瑞鶴「まぁ、アレよ」
瑞鶴「私達だって提督さんの事」
瑞鶴「好きだからよ」プイ
提督「ありがとう」ニコ
瑞鶴「……?」
翔鶴「……提督」
瑞鶴「……提督さん」
提督「…どしたの?」
瑞鶴「提督さん、さ」
提督「ん?」
273: 2016/04/22(金)00:48:53 ID:OLP
瑞鶴「さっきから、何か元気ないよね」
提督「そう?」
翔鶴「はい、私もそう思っていました」
提督「うーん、そっかぁ…」
瑞鶴「何かあったの?」
提督「うんにゃ、何もないよ」
翔鶴「…私達では、役不足ですか?」シュン
提督「いやいや、そんな事はないんだけどね」
瑞鶴「だったら話だけでも聞かせてよ」
翔鶴「もしかしたら、お力に添えるかもしれませんから」
提督「んー…わかったよ」
ーー
ー
274: 2016/04/22(金)00:49:26 ID:OLP
提督「…って事がありまして」
瑞鶴「………」
翔鶴「………」
提督「ね、聞いてもあれだったでしょ?」
瑞鶴「えぇと、気まずくて黙ってた訳じゃなくて…」
翔鶴「提督?」
提督「はい」
翔鶴「だったら何故、こんな所にいるんですか」
瑞鶴「そうよ、何で赤城さんの側にいてあげないの?」
提督「…それは」
翔鶴「今、赤城さんを支えてあげられるのは提督だけなんですよ?」
瑞鶴「なのに放ったらかしにして…」
翔鶴「………」ジッ
瑞鶴「………」ジト
提督「あの…えっと…」
翔鶴「私達や二航戦のお二人は大丈夫ですから、赤城さんの所へ行ってあげて下さい」
瑞鶴「あの二人も、きっと同じ事言うと思うから」
提督「でも、だな…」
提督「今更、どんな顔して行けば…」
275: 2016/04/22(金)00:49:51 ID:OLP
翔鶴「そんなの簡単ですよ」
提督「…え?」
瑞鶴「いつもの提督さんでいいんじゃない?」
翔鶴「私もそれがいいかと思います」
提督「………」
翔鶴「…ずっと、楽しみにしてましたよ」
提督「……っ」
瑞鶴「提督さんの妻になるんだって、嬉しそうにしてたのよ」
提督「……赤城」
瑞鶴「ほら、もう躊躇う理由も無くなったでしょ?」
翔鶴「早く、行ってあげて下さい」ニコ
提督「…翔鶴、瑞鶴」スク
提督「…ありがとう」スタタッ
バタン!
276: 2016/04/22(金)00:50:12 ID:OLP
瑞鶴「あーあ、敵に塩送っちゃった」
翔鶴「私達も、早く練度を上げないとね」ニコ
瑞鶴「ケッコンかぁ…実感沸かないなぁ…」
翔鶴「そんな調子で、ちゃんとできるのかしら」クス
瑞鶴「なっ、ちゃんとできるもん!」
翔鶴「ふふ、瑞鶴顔が真っ赤よ?」クスクス
瑞鶴「し、知らない!私寝るから!」
翔鶴「おやすみ、瑞鶴」
ーーー
ーー
ー
277: 2016/04/22(金)00:57:01 ID:OLP
ー空母寮ー
ー赤城・加賀の部屋ー
提督「赤城っ!」ガチャッ
シーーン
提督「いない…何処に行ったんだ?」
提督「……執務室か?」バタン
タッタッタッ…
ー執務室ー
提督「加賀やん、赤城は!?」ガチャッ
加賀「っ!?」ビクッ
提督「…加賀やん?」
加賀「ぁ…提督…」
提督「えーと…何してるのかな?」
加賀「これは、その…」キュッ
278: 2016/04/22(金)00:57:38 ID:OLP
加賀「提督の上着の匂いをーー」
提督「いやまぁ、分かるんだけど…」
加賀「独りで待っているのは寂しいです」
提督「待たせてごめんね」
加賀「いえ、それより赤城さんは?」
提督「え、ここにもいないの?」
加賀「執務室には来ていませんが」
提督「じゃあ何処に行ったのかな…」
加賀「赤城さんがいないのでしょう?」
提督「うん、今探してるんだ」
加賀「それなら、つい先ほど」
加賀「明石さんなら、ここに来られましたが…」
提督「…なんて?」
加賀「地下闘技場で待っているから、と」
提督「え、何であこそなの…」
加賀「明石さん、提督にはこれだけ言えば分かるから、と早々にここを出られたので」
提督「まぁ、伝わったんだけど」
加賀「地下闘技場に、行くんですか?」
提督「そうだねぇ」
279: 2016/04/22(金)00:58:21 ID:OLP
加賀「私も一緒に…ついて行っても?」
提督「え…うん、構わないよ」
加賀「やりました」ウデダキ
提督「ちょ、このまま行くの?」
加賀「…ダメですか?」ジッ
提督「赤城が見たら、またイジイジしちゃいそうじゃない?」
加賀「分かりました」スッ
提督「後でね」ナデ
加賀「…はい」
ーー
ー
提督「さて、行くっかねぇ」
加賀「赤城さんも、そこにいるのかしら」
提督「うーん……多分」
加賀「…そう」
提督「いなかったらそれこそ一大事だよ」
加賀「その時は、皆で探しましょう」
280: 2016/04/22(金)00:58:42 ID:OLP
提督「そうだね、まぁ何にしても…」
提督「とりあえず地下闘技場に向かおうか」
加賀「………」
提督「あれ、加賀やんどしたの?」
加賀「…手を繋ぐのも、ダメですか?」スッ
提督「ん、いいよ」スッ
ギュ
加賀「…貴方の手、大きくて暖かいわ」
提督「加賀やんこそ、細くて柔こいね」ニギ
加賀「っ、そう…ですか」
提督「…照れてやんの」
加賀「うるさいです」
提督「さ、行こうか」
加賀「はい」
ーーー
ーー
ー
282: 2016/04/23(土)22:03:58 ID:cVJ
ー地下闘技場ー
提督「うわぁ、いつの間にか凄いことになってる…」
加賀「前使った時より広くなっていますね」
提督「明石の科学力は世界一だねぇ」
加賀「提督、明石さんがいましたよ」
提督「あ、ほんとだ」
提督「って、めっちゃ遠いやんか…」
ーー
ー
明石「提督、来ましたね」
提督「何でこんなに広くしたのよ…」
加賀「辿り着くまでに結構かかりました」
明石「いやぁ、どうせならもっと用途に富んだスペースにしようかなって」テヘペロ
提督「どんな用途に富んでるの?」
明石「前回使った時に比べると見違えましたよ!」
明石「地下シェルター、室内プール、コロシアム、etcです!」ムン
提督「何ここプールにもなるの?」
明石「えぇ、この下のスペース全て水が張れますよ」
明石「言っても海水ですが」
283: 2016/04/23(土)22:27:11 ID:cVJ
提督「いやそれでも凄いね」
明石「でしょ?」ドヤァ
提督「んで、赤城は?」
明石「もうじき来ると思うんですが…」
提督「やっぱりいないのか…」
加賀「提督…」キュッ
提督「心配しなくても大丈夫だよ」
加賀「しかし…」
提督「赤城なら来るさ」ナデ
加賀「貴方がそう言うなら…」
明石「フゥー!見せつけてくれちゃってぇ!」コノコノ
提督「茶化すなよ、頃すぞ」
明石「そんな顔で凄まれても怖くありませんよ新婚さん♪」
提督「まだしてねぇし」
加賀「早くしたいです」ムッ
明石「ですよねぇ、待たせてる提督は罪作りなーーー」ン?
明石「…まぁ、それもあと少しの辛抱ですから」チラ
提督「…ん、来たね」ウン
加賀「赤城さん…」
赤城「………」
284: 2016/04/23(土)22:27:45 ID:cVJ
明石「赤城さん、準備は出来てますか?」
赤城「……はい」
明石「じゃ、提督」
提督「はい?」
明石「準備は、出来てますよね?」
提督「勿論」
加賀「…何が始まるんですか?」
提督「あ、加賀やんに説明するの忘れてた」
ズイズイカクカク
加賀「………」
提督「て事だから、加賀やんも万が一に備えて装備をーー」
加賀「嫌です」
提督「…え?」
加賀「そんなの、もしもの事があったら…」
加賀「それは私が許しません」キッ
赤城「っ…」
提督「そう言わないでさ」
加賀「駄目です。いくら赤城さんの為とはいえ、限度があります」
提督「明石ぃ、過保護な加賀やんに安全性を説明してあげて」
明石「分かりました!」ズイッ
加賀「どれだけ安全かなんて私には…」
285: 2016/04/23(土)22:28:13 ID:cVJ
明石「では、この今回急ごしらえで完成させた、『誰でも深海凄艦ラムネ』はーーー」
加賀「急ごしらえ…?」
明石「誰でもとは名ばかりの実は危険な薬でしてーーー」
加賀「危険…?」
明石「飲んですぐ、猛烈な眩暈と共に身体に異変が起き、ものの数分で皆さんお馴染みの深海凄艦みたいなフォルムに大変身出来るというーーー」
加賀「猛烈な眩暈…?」
明石「そして、その人の潜在的スピリチュアルガイアパワー(曖昧)がそのまま深海凄艦の強さとして表れてーーー」
加賀「曖昧…?」
明石「そして、一時的に自我が飲み込まれ力の限り暴走し、目の前に映る動く物全てを攻撃しだします。」
加賀「もういいわ」
明石「そして、最も重要なーーえ?」
加賀「そんな物、絶対に許しません」
明石「まだ最後まで聞いてないじゃないですかー!」
加賀「聞いたところで結果は同じです」
明石「今からが重要なんです!」
加賀「…聞くだけ聞きましょう」
明石「はい、それでは続きをば…」
286: 2016/04/23(土)22:28:55 ID:cVJ
明石「えぇと、このラムネは一粒1時間刻みの、一粒で一深海凄艦です」
加賀「どういう事なの?」
明石「つまり、五粒飲んだとしたら」
明石「5時間の間、飲んだ人の深海凄艦力×5となる訳です」
加賀「………」
明石「勿論、いい事ばかりではありません」
明石「この薬の恐ろしい所は…副作用です」
加賀「………」
明石「この薬、一般人が一気に三粒以上飲むと…」
加賀「……、」ゴクリ
明石「…自我が戻ること無く、本物の深海凄艦になります」
明石「というより、氏ぬまで攻撃する事をやめない分普通の深海凄艦よりタチが悪いですよw」ケラケラ
加賀「貴女、そんな物を私の提督に…?」イッコウセンニラミ
明石「いやいや、これは用法用量を正しく使わなかった時の例ですから…」ビクッ
明石「普通に使えば問題ありませんよ」
加賀「信用できません」
明石「そんなぁ…」
287: 2016/04/23(土)22:29:27 ID:cVJ
赤城「……明石さん」
明石「はい?」ションボリ
赤城「それは、私も許可出来ません」
明石「だけど…それ以外には…」
赤城「…いいんです」
赤城「提督をそんな危険な目に合わせてまで、私のワガママを貫こうとは…」
赤城「到底、思えませんから」
明石「…いいん、ですか?」
赤城「はい」
赤城「だから、提督は加賀さんと先にーーー」クル
288: 2016/04/23(土)22:30:14 ID:cVJ
提督「これを一粒飲めばいいんだよね」ゴクリ
明石「あぁっ!?いつの間に!?」
加賀「…提督っ!吐き出して下さい!」
提督「もう飲んじゃったもんね」
加賀「そ、そんな…」ワナワナ
赤城「提督…何で…」
加賀「提督…嫌です、止めて下さい」
提督「大丈夫だって、高々1時間くらい」
加賀「もしもの事があったら…私は…」
提督「…ごめんね、加賀やん」ナデ
提督「明石」
明石「…はい」
提督「加賀やんと安全な所に」
提督「もしも時は、第一艦隊を以て俺を止めてね」
明石「…はい」
明石「さ、加賀さん」ソッ
加賀「嫌です!行きません!」グイグイ
提督「ダメだよ加賀やん、早く明石と…」クラッ
289: 2016/04/23(土)22:30:56 ID:cVJ
加賀「あぁっ!提督!?提督!!」
提督「な?カガやン…イイ娘だカラ…」
加賀「嫌です…提督…」ハアッ…ハアッ…
加賀「貴方が……私……提、督」フッ
ドサッ
明石「加賀さん、気を失って…」
提督「…あ…カし…」
明石「待って下さい!提督これを!」
提督「こ、レは……」
明石「後でまた来ますから!!」カカエ
赤城「提督…何故、こんな…」フルフル
赤城「こんな事になる位なら…私はーー」
290: 2016/04/23(土)22:31:32 ID:cVJ
提督「…アかギ」
赤城「……はい」
提督「…オまエガ、一番、だカラ」
赤城「っ…」
提督「…かガやント、アカぎガ…オれハ…ッ」ビク
提督「………」ダラン
赤城「…提督、分かりました」キッ
シュウゥゥ…
提督「………」
291: 2016/04/23(土)22:32:02 ID:cVJ
赤城「貴方の愛、この身で受け止めてみせます」
提督「………」
赤城「一航戦赤城、いざ!」ギソウテンカイ
ーーー
ーー
ー
292: 2016/04/23(土)22:32:48 ID:cVJ
ー???ー
ー???ー
「…ここは?」
「暗い…誰か、いないの?」スタスタ
「………」フッ
「提督!」
「…ん?君は…」
「提督、私です」
「君は、何処の『加賀』かな?」
「えっ…提督?」
「君は、何処の『加賀』かな?」
「提督、何で…」
293: 2016/04/23(土)22:33:17 ID:cVJ
「ほら、後ろを見てみなよ」
「えっ…」
「君を、『No.26 正規空母 加賀』を迎えに来てくれてるよ」
「嫌…嫌です…提督…」
「だから、君は俺の『加賀』じゃない」
「君は、研究所の『加賀』なんだ」
「嫌!離しなさい!」グイグイ
「提督!助けて下さい!提督!」ズズ…
「さ、俺は帰ろうかな」スタスタ
294: 2016/04/23(土)22:33:54 ID:cVJ
「私は『加賀やん』です」ズズズ…
「え?『加賀やん』?」ピタ
「提督!」
「カガヤン?シラナイネェ」クルッ
「そ、そんな…」ズズズズ…
「提督が…そんな…ーーー」ズズズズズ
「提…と」ズズ…
ーーーーズプン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
295: 2016/04/23(土)22:34:19 ID:cVJ
フタヨンマルマル
ー救護室ー
ーベッドの上ー
ガバッ!!
「うおっ、と」
「………」
「目が覚めたようですね、良かった」ホッ
「…ここ、は?」
「救護室ですよ、加賀さん過呼吸で意識を失ってたんです」
「………」
「…提督、は?」
296: 2016/04/23(土)22:34:45 ID:cVJ
「あー、まだ終わってないみたいですよ」
「………」
「明石、さん?」
「はい?」
「いつも…提督は、私の事を何と…呼んでいますか?」
「え?『加賀やん』でしょ?」
「………」キュッ
「………」スタ
「ちょ、まだ動いちゃ」
「明石さん」
297: 2016/04/23(土)22:35:14 ID:cVJ
「…はい?」
「私に、ありったけの烈風と、烈風改を」
「えっ…それって…」
加賀「提督を…連れ戻しに行きます」
スタスタ…パタン
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299: 2016/04/25(月)00:03:12 ID:6ly
なんか、いい展開になってきましたね!
ワクワクしてきました!
次回も期待してますね!
自分のペースで頑張ってください!
ワクワクしてきました!
次回も期待してますね!
自分のペースで頑張ってください!
次回:提督「赤城のワガママ」【その4】
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