420: 2016/05/16(月)23:34:13 ID:CC5
お待たせしました
提督「赤城のヤキモチ」シリーズ
最初から:提督「赤城のヤキモチ」【その1】
前回:提督「赤城のワガママ」【その4】
421: 2016/05/16(月)23:35:13 ID:CC5
マルサン マルマル
ー提督の部屋ー
提督「さぁて、寝るとするかな」
コンコン
提督「やっぱり気のせいじゃなかったようだね」
ガチャ
赤城「ししし失礼します!」カチコチ
加賀「赤城さん、予定と違うわ」
赤城「やっぱり恥ずかしいですよ…」
加賀「夫婦の間にそんなもの必要ありませんよ」
提督「どうしたの二人共…」
加賀「夫婦たるもの、同じ布団で褥に付くものだと思いましたので」
提督「早速過ぎない?」
赤城「だから私はやめておこうと…」
加賀「…赤城さんは戻っても構わないのだけれど」チラ
赤城「それは駄目です」キッパリ
提督「いやいや、ちょっと待ってよ」
加賀「はい」
提督「何で一緒に寝る流れになってるの?」
加賀「何か問題があって?」
提督「問題しかないと思うんですが…」
422: 2016/05/16(月)23:35:48 ID:CC5
加賀「………」スッ
加賀「…赤城さん」
赤城「あ、あぁ…はい」スッ
提督「二人して手の甲突きつけてどうし、あぁ…」
加賀「先程も言いましたが、私達は貴方の妻です」
加賀「重ねて言います、何か問題があって?」
提督「いや、それは…」タジ
加賀「………」ジィ
赤城「………」
提督「寝るだけ、だからな」ハァ
赤城「………」ホッ
加賀「赤城さん、何を安心しているのですか?」
赤城「えっ?いや…その…」カァ
加賀「今日という日は一度しかないんですよ」
赤城「そう、ですが…」メソラシ
加賀「赤城さんが『しない』と言うのであれば私だけ『して』頂きますので」
赤城「それはっ…」タジ
提督「あのー…」ハイ
加賀「何か?」
423: 2016/05/16(月)23:36:28 ID:CC5
提督「その、するしないって言うのは?」
加賀「今宵は結婚初夜です」
加賀「夫婦の営み…夜伽の事です」
提督「あぁ、そういう…」
加賀「…まさか、私達を抱いて頂けないのですか?」
赤城(私達…)
提督「いや、そういう訳じゃないんだけど…」
提督「ほら俺、まごう事なきDTだからさ」
提督「二人相手に上手くできるかも分からないし、満足させてやれるかも分からないから…」
加賀「……はぁ」
加賀「提督、私達も初めてなのを分かっていて?」
提督「…まぁ」
加賀「それなら、上手い下手なんて知っているわけがないでしょう?」
提督「…はい」
加賀「それに…」
加賀「貴方に抱かれるのであれば…」
加賀「それだけで…私は満足です、から」カァ
提督「っ…」ドキ
加賀「だから、お願いします」スッ
加賀「私を、貴方の女にして頂けないかしら」
424: 2016/05/16(月)23:36:52 ID:CC5
提督「………」
提督「…分かったよ」
加賀「っ!」
提督「据え膳だ、腹括るよ」
加賀「貴方…」
提督「赤城、お前はどうする」
提督「無理強いはしないよ」
赤城「………」
赤城「………」グッ
赤城「そんなの…決まっています」スッ
赤城「私も、貴方の女にして下さい」
提督「うん、分かった」
赤城「よ、よろしくお願いします」
提督「ん、じゃあ…」
提督「二人共、おいで」
加賀「はい」ピト
赤城「はい」ススッ
425: 2016/05/16(月)23:37:10 ID:CC5
不肖提督、これよりーーー
夜戦に突入す!!
ーーー
ーー
ー
426: 2016/05/16(月)23:37:45 ID:CC5
マルロクマルマル
ー提督の部屋ー
ー事後ー
チチ、チュンチュン
提督「…ん」ムクッ
提督「……ふぁ」ゴシゴシ
提督「………」チラ
赤城「………」スヤスヤ
加賀「………」スヤスヤ
提督(とりあえず起こさない様に…)ゴソ
赤城「……んっ」
提督(お、起こさない様に…珈琲を…)ゴソ
加賀「……んぅ」
提督(くそ、川の字の真ん中だから…っ)
ゴソゴソ、ゴソゴソ
提督「よし、なんとか…」
カチャ、キィ…
提督「赤城、加賀やんはも少し寝てていいからね」ボソ
427: 2016/05/16(月)23:38:36 ID:CC5
赤城「…はぃ?」ムク
加賀「…提督?」ムク
提督「…えっ、あ…」
提督「抜かった!!!」ガン!
赤城「提督、おはようございます」コシコシ
加賀「………」ボー
提督「あ、あぁ、おはよう」フイ
赤城「…?どうしたのですか?」
提督「…え、いや二人共まっぱだからさ」
提督「目のやり場が、さ」
赤城「…まっ、ぱ?」チラ
赤城「~~っ!?」ガバ
提督「…明るいと何か恥ずかしいね」ハハハ
赤城「わ、私…ななな何でぜぜぜ全裸…」
提督「そりゃあ、ねぇ…」
提督「夜の事、忘れちゃった?」
赤城「夜……あっ」オモイダシ
赤城「…そう、でした、ね」カァ
428: 2016/05/16(月)23:39:09 ID:CC5
提督「加賀やんも、ほら」
加賀「………」ポケー
提督「服着ないと…」
加賀「………ぁ」
提督「ん?」
加賀「…提督」
提督「はい」
加賀「見ないで、いただけるかしら」マッカガ
提督「あっ、すいません」クルッ
加賀「………」スッ
スタスタ、ギュッ
提督「加賀やん…?」
加賀「………」
提督「どうしたの?」
加賀「…貴方の」ボソ
加賀「身も心も、貴方のものになれたのが」
加賀「下腹部の痛みが、それを実感させてくれて…」
加賀「堪らなく、嬉しくて…」ギュゥ
提督「そ、そっか」ポリ
加賀「はい」
429: 2016/05/16(月)23:39:58 ID:CC5
提督「痛いの、大丈夫?」
加賀「歩けない程ではないけれど、動くと痛いです」
加賀「だけれど、貴方から貰った痛みならそれすら嬉しいもの」
提督「っ、ふーん」
加賀「…耳が真っ赤ですが」
提督「う、うるさいな!」
加賀「照れているの?」
提督「悪いかよ!」
加賀「やりました」ギュウ
提督「ところで、赤城は大丈夫なの?」
赤城「ひゃいっ!?」ビクン
提督「えっ?」
赤城「い、いえ…何でもありません」
赤城「…痛みは、今のところありませんね」サスサス
提督「人によるのかな?」
赤城「どうなんでしょう…」
430: 2016/05/16(月)23:40:34 ID:CC5
加賀「赤城さんは、非処Oだったようね」
赤城「ち、違います!ちゃんと提督が初めてですよ!血だって出てたのに!」
赤城「それに!私はずっと提督だけです!」
提督「へぇ、嬉しいなぁ」ニコニコ
赤城「くっ、恥ずかしい…」マッカギ
加賀「私も、貴方だけなのだけれど」ジィ
提督「うん、ありがとう」ナデナデ
加賀「やりました」ホッコリ
赤城「さっきから見てれば、加賀さんだけずるいですよ!」スッ
赤城「私だって提督の妻なのですから!」
提督「何か吹っ切れてない?」
赤城「加賀さんだけに独占はさせませんよ!」スタッ
ズキンッ
431: 2016/05/16(月)23:41:04 ID:CC5
赤城「っ!!?くぅ…」ウズクマリ
提督「赤城、大丈夫?」スッ
赤城「お、おへその辺りが…」
提督「この辺が痛いの?」サスサス
赤城「ズキズキします…」
提督「ほら、今日はここでゆっくりしてていいから」
提督「ベッドで横になってなよ」
赤城「痛くて立てません…」
提督「…しょうがないな」ヨット
赤城「きゃあ!」
加賀「!?」
赤城「ててて提督!?これはっ!」
提督「世に言うお姫様抱っこだね」
提督「さ、大人しくしてるんだよ?」
赤城「は、はい…」マッカギ
加賀「………」
提督「何か入用な時は俺が持って来るからね」
赤城「そんな、悪いです…」
提督「少しは夫を頼ってくれないかなぁ」
赤城「おっ、と…」マッカギ
提督「ね?」ナデナデ
赤城「はぅ…」プシュー
432: 2016/05/16(月)23:41:49 ID:CC5
加賀「………」
加賀「……あぁ」ヘタリ
提督「加賀やん?」
加賀「私も、痛くて動けません」
提督「さっき歩いて俺のとこまで来てたじゃないの」
加賀「…痛くて動けません」
提督「………」
赤城「………」
加賀「痛いです」
提督「………」
赤城「………」
加賀「……赤城さんだけお姫様抱っこ」ボソ
提督「最初からそう言えばいいのに」ヨット
加賀「ぁ……」
提督「どうですか、お姫様?」
加賀「…これは、いいものね」
提督「お気に召した様でなにより」ニコ
加賀「…やりました」
433: 2016/05/16(月)23:42:12 ID:CC5
提督「さ、加賀やんもベッドで」
加賀「降りたくありません」ギュウ
提督「おっ、と…加賀やん?」
加賀「降りたらまた痛くなります」
提督「我が儘言わないで、ね?」
加賀「…また、して頂けて?」
提督「いつでもしてあげるよ」ニコ
加賀「やりました」トス
提督「じゃ、俺は行ってくるから」
提督「何かあったら内線で呼んでね?」
赤城「すいません、お言葉に甘えさせて頂きます」
加賀「収まったら向かいますので」
提督「ん、無理はしなくていいからね」
提督「じゃ、お昼に来るからねー」フリフリ
パタン
ーーー
ーー
ー
438: 2016/05/22(日)17:50:14 ID:irR
マルナナマルマル
ー執務室ー
提督「んー、静かだねぇ」ノビー
ドタドタドタ…
提督「…ん?」
ガチャ!
天龍「て、提督!いるか!?」
提督「………」
天龍「い、いた!早く来てくれ!」
提督「んだよフフ怖、人が新しい朝を迎えて静寂に包まれながらモーニングコーヒーを頂いてる時に」イラ
439: 2016/05/22(日)17:50:36 ID:irR
天龍「大変なんだよ!」
提督「何でお前が来た時は大体大変なんだよ」
提督「後、主語を言え主語を」
天龍「いいから来てくれ!」グイ
提督「ちょ、あちち!あぁっ!」パリーン
提督「てめぇ天龍鶏冠に来たぞ!」
提督「俺のお気に入りの烈風マグカップが割れちゃったじゃねぇか!」
天龍「す、すまん!だけど急ぎなんだ!」
天龍「お叱りは後で受けるから!な!?」
提督「ったく、なんなの…」
スタスタ…バタン
ーーー
ーー
ー
440: 2016/05/22(日)17:51:05 ID:irR
ー正面玄関前・広場ー
天龍「ほ、ほらあそこ!」ユビサシ
提督「ん?飛龍に蒼龍、翔鶴とずいずいもおるね」
提督「あ、長門もおるってことは…」
天龍「あぁ…二航戦と長門が喧嘩してんだよ」
提督「またかぁ」ミケンオサエ
提督「んで?原因はなんだったの?」
天龍「俺が食堂で朝飯食ってる時だったんだけどーーー」
ーー
ー
441: 2016/05/22(日)17:52:04 ID:irR
ー少し前・食堂ー
飛龍「………」モグモグ…チッ
蒼龍「………」ザクザクザクザク
ズモモモモ…
天龍「なぁ、あの二人どうしたんだ?」
川内「知らないよ、でも何かすごいね」
天龍「二人の周り、真っ黒じゃねぇか」
川内「目を合わさない方がいいかもね」
天龍「そうだな…」
陸奥「ねぇ、あの二人」チラ
長門「ん?誰のことだ?」モグモグ
陸奥「二航戦の二人よ」クイ
長門「…えらく機嫌が悪そうだな」
陸奥「そんなレベルじゃないでしょ…」
陸奥「飛龍は一口食べる度に舌打ちしてるし…」
陸奥「蒼龍に至っては無表情でパンに絶え間なくフォーク刺してるじゃない」
陸奥「目に生気を感じないわ…」
442: 2016/05/22(日)17:52:35 ID:irR
長門「パンがぐしゃぐしゃだな、勿体ない」
陸奥「パンの事はいいのよ」
長門「パンが可哀想だろう?」
陸奥「パンから頭を離しなさい」
長門「うむ、それで?」
陸奥「誰かと何かが起こる前に処理しとかないとでしょ?」
長門「…私にそれをしろと?」
陸奥「他に誰がいるのよ」
長門「ふむ……よし!」ガタ
長門「おい二人共、おはよう!」ニコ
飛龍「……何?」ジロ
蒼龍「………」ザクザク
長門「いやな、朝から頗る不機嫌な二人に何があったのか聞こうと思ってな!」
飛龍「……別に」
蒼龍「………」ザクザク
長門「そんな事はないだろう、私に話してみないか?」
443: 2016/05/22(日)17:52:55 ID:irR
飛龍「…関係、ないでしょ」
蒼龍「………」ザクザク
長門「ふむ、困ったな…」ウーン
長門「!」ピン
長門「もしかして二人は昨日、提督からプレゼントをもらい損ねたのか?」
飛龍「っ……」ピク
蒼龍「」ピタッ
長門「そうか図星か、だが安心しろ」
長門「とか言う私も、貰ってないからな」
飛龍「………」モグモグ
蒼龍「………」
飛龍「………」モグモグ、ゴクン
カタ
444: 2016/05/22(日)17:53:25 ID:irR
飛龍「…で、長門は何をお願いしたの?」
長門「あぁ、私はだな」
長門「物を貰わない代わりに、提督の武運長久をお願いしたのだ」ドヤァ
飛龍「………」
蒼龍「………」
長門「だから物理的に貰えてない立場としては同じだな!全く提督も困ったものだ」
飛龍「……あのさ」
長門「ん、どうした?」
飛龍「一緒にしないでくれる?」
長門「なに?」
飛龍「『貰ってない』と『貰えてない』を一緒にするなって言ってるの」
長門「それは…」
飛龍「アンタはそれで満足だったんでしょ?」
飛龍「私達はそうじゃないから」
飛龍「だから、一緒にしないでって事」
445: 2016/05/22(日)17:53:48 ID:irR
長門「まぁ、それは最もだ」
長門「私の落ち度だ、申しわけない」ペコ
長門「だが、そんなどす黒いオーラを常時展開されると困るんだ」
長門「皆の士気に関わる」
長門「不機嫌になるのは勝手だが、表に出すなら部屋に戻ってからにしてもらえないだろうか」
飛龍「は?そんなのーーー」
ガタッ
蒼龍「………」
飛龍「蒼龍、どうしたの?」
蒼龍「ウルサインダヨ」
長門「なんだと?」ピキ
蒼龍「ヤンノ?」
長門「上等だ、表に出ろ」
飛龍「二対一だけど、まさか卑怯とか言わないよね」ズイ
長門「当たり前だ、まとめてかかってこい」
ーーー
ーー
ー
446: 2016/05/22(日)17:54:11 ID:irR
天龍「てな訳なんだよ」
提督「あちゃあ…」ガシガシ
天龍「プレゼント、やってねぇのか?」
提督「なんて言うのかな…ちょっと複雑でね」
ズイズイカクカク
天龍「それは提督が悪い」
提督「だよねぇ」
天龍「あと結婚おめでとう、だな」
提督「ありがとよ」
天龍「これ、空母の連中以外で知ってるやついるのか?」
提督「いや、多分まだ知らないんじゃない?」
天龍「そっか……へへっ」
提督「んだよ」
天龍「あー、何でもねぇよ」ニカ
447: 2016/05/22(日)17:54:36 ID:irR
提督「ん、じゃあ本題ね」
天龍「提督が仲裁するしかないだろ」
提督「えー、やっぱり?」
天龍「そりゃあな…あ」
天龍「五航戦の二人がこっちに気付いたぞ」
提督「こっちに来るね」
瑞鶴「提督さん!」スタタ
翔鶴「提と…あっ」コケッ、ズザザザー
翔鶴「い、痛いです」
提督「大丈夫?」
翔鶴「翔鶴は大丈夫です…」
天龍「榛名か」
提督「ほら、膝擦りむいてる」ハンカチアテ
翔鶴「あっ、提督それは…」
提督「いいのいいの」
翔鶴「申し訳ありません…」
提督「気にしないで、救護室行ける?」
翔鶴「今はそれどころではありません、それに…」チラ
翔鶴「一番良い治療をしていただけたので…」ボソ
提督「え?」
456: 2016/05/27(金)21:39:47 ID:eUX
翔鶴「なっ、何でもありません…それより二航戦のお二人を」
瑞鶴「提督さん、ごめんなさい」
提督「え、何が?」
瑞鶴「あの日、私達が二航戦の二人は大丈夫って言ったから…」
提督「あぁ、それね」
提督「俺もバタついてて忘れてたのもあるから」
提督「二人が責任を感じる事はないよ」
翔鶴「ですが…」
提督「ま、後のことは俺がしとくから」
提督「巻き込まれる前に戻ってなよ」
瑞鶴「うー」
提督「どしたの?」
瑞鶴「悪いなーって思ったのよ」
提督「ずいずいはいい子だね」ナデナデ
瑞鶴「なっ、そんなんじゃない、わよ」ナデラレ
翔鶴(いいなぁ…)
提督「てなわけだから、ね?」
457: 2016/05/27(金)21:40:17 ID:eUX
提督「フフ怖、お前は後で覚えてろよ」
天龍「何卒ご勘弁を」ドゲネ
提督「嘘だ馬鹿、天龍も戻ってな」
天龍「お、おう…ごめんな?」
提督「ん、いいよ」
提督「向こう20年は根に持つけどね」
天龍「持ち過ぎだろ」
提督「嘘だよ、ほら帰った帰った」
天龍「おう、無事を祈ってるぜ」
翔鶴「…ごめんなさい、では失礼します」
瑞鶴「無理しないでよ」
提督「分かってるよ」
ーー
ー
提督「さて…」チラ
458: 2016/05/27(金)21:41:00 ID:eUX
長門「ふん空母の一人や二人くらい」スッ
飛龍「黙れよ鈍亀戦艦が」ギソウテンカイ
蒼龍「…、…、、」ブツブツ
蒼龍「………」ギソウテンカイ
長門「鈍亀だと?そっくりそのまま返してやる」ヒュッ
飛龍「なっ!?」
長門「あの艤装は重くてかなわん」ブンッ
飛龍「くっ…」カイヒ
長門「ほう、よく避けーー!」ピクッ
蒼龍「………」キリキリ
長門「…二対一だったな」ウシロトラレ
長門「しかし、その距離で艦載機など発艦させていいのか?」
蒼龍「………」キリキリ
長門「…なるほど、艦載機ごと私に当てるつもりだな」
長門「それだと飛龍が爆発に巻き込まれるが、どうするつもりだ?」
飛龍「そんなの、決まってるでしょ?」スタッ
長門「だろうなっ!」バッ
蒼龍「っ!?」ツカマレ
グルン、ドサッ
459: 2016/05/27(金)21:41:28 ID:eUX
蒼龍「がっ、は…」
飛龍「蒼龍っ!」
長門「どうだ?鈍亀戦艦の一本背負いは」マウント
蒼龍「離せ!」ジタバタ
長門「そうはいかん、単純な力比べなら負けんからな」
長門「…さて、まずは貴様からだ」コブシフリアゲ
蒼龍「なっ…」ビクッ
憲兵『まずは、そうだな…』
憲兵『貴様からだ!』
蒼龍「いっ…」
蒼龍「い、いや…やめて…」
長門「何を今更!天誅っ!」ブンッ
パシッ
460: 2016/05/27(金)21:42:13 ID:eUX
長門「ん…?」クル
提督「………」
長門「て、提督!?」ビク
蒼龍「いや!提督、助けてぇ!」ジタバタ
提督「………」
長門「て、提督、話を聞いてくれないか?」ゾゾッ
提督「………」チラ
長門「…っ、分かった」カラダドカシ
蒼龍「ひぐっ…うぇ」メソメソ
提督「………」
長門「お、お願いだ提督、怒らないでくれ」
提督「………」
提督「…事の顛末は天龍から聞いてる」
提督「部屋に戻るんだ」テイトクニラミ
長門「あ、あぁ…分かった」
ーー
ー
461: 2016/05/27(金)21:42:47 ID:eUX
提督「…蒼龍」スッ
蒼龍「てい、とく…?」
提督「さ、もう大丈夫だからね」
蒼龍「…提督、提督っ」ガバッ
提督「おっと」ウケトメ
蒼龍「うぇえ、ぅぐ」グシュ
提督「ん、怖かったね」ナデナデ
飛龍「………」
提督「飛龍も、大丈夫かい?」
飛龍「うん、大丈ーー」ハッ
飛龍「し、知らないっ!」プイ
提督「あー…うん、そうだね」
提督「二人共、一緒に執務室行かない?」
蒼龍「なん、で…?」グスッ
飛龍「………」ツーン
提督「それは来てみないと分からないよ」
蒼龍「…ついてく」
飛龍「………」ツーン
提督「飛龍は来ないの?」
飛龍「……いく」
提督「よし、じゃあ行こうか」
グイ
462: 2016/05/27(金)21:43:09 ID:eUX
提督「ん?」
蒼龍「………」ソデツカミ
提督「蒼龍?」
蒼龍「…立てない」
提督「ほら、よっと」グイ
蒼龍「んっ、あぅ」ヘタリ
提督「ありゃ」
蒼龍「…歩けない」フルフル
提督「ほら、おいで」クル
蒼龍「…うん」ヨジヨジ
提督「よっ、と」オンブ
蒼龍「…おもく、ない?」
提督「あと3蒼龍はいけそうだね」
蒼龍「なに、それ」クス
飛龍「………」ムス
ーーー
ーー
ー
463: 2016/05/27(金)21:43:37 ID:eUX
ー執務室ー
ガチャ
提督「うーい…あら」
蒼龍「誰もいないね」
提督「あ、そっかそっか」ピン
蒼龍「どうしたの?」
提督「いんや、いない理由が分かっただけだよ」
提督「さ、蒼龍は降りようか」
蒼龍「……やだ」ギュッ
提督「えー、困ったな」
蒼龍「…なら降りる」
提督「ソファに座りなぁ」ヨイショ
蒼龍「…ありがと」
提督「はいよ」
飛龍「………」
提督「さて、まずは二人に言わないといけない事があるんだけど…」
464: 2016/05/27(金)21:44:03 ID:eUX
提督「すいませんでした」ドゲネ
蒼龍「………」
飛龍「………」
提督「…あのー」ドゲネ
蒼龍「……くくっ」プルプル
提督「蒼龍さん?」
蒼龍「ダメだよ、いきなりうつ伏せなんて…卑怯だよ」クスクス
提督「あっはい」
蒼龍「五航戦の二人から聞いてるから、私は大丈夫だよ」ニコ
提督「ありがと…飛龍は?」
飛龍「私は…許してあげない」
提督「…どうしたら許してくれる?」
飛龍「さぁね」プイ
提督「…うーん」セイザ
蒼龍「………!」トコトコ
蒼龍「…提督?」ボソ
提督「…なに?」
465: 2016/05/27(金)21:44:34 ID:eUX
蒼龍「飛龍にも優しくしてあげて」ボソ
提督「え?」
飛龍「き、聞こえてるんだけど!」
蒼龍「理由はどうあれやっぱり楽しみにしてたから、その分不安だったんだと思うの」
蒼龍「提督は私達の事、どうでもいいのかなって」
提督「そんなこと…」
蒼龍「分かってるんだけど、でも、私達はほら…」
蒼龍「一度、捨てられた身…だから」
提督「………」
蒼龍「提督がそんな事する人じゃないの、本当は分かってるんだけど…やっぱりね」
蒼龍「私もそうだったから」
提督「蒼龍はもう不安じゃないの?」
蒼龍「うん、提督に会ったら忘れちゃった」ニコ
提督「でも、飛龍はまだ怒ってるから…」
蒼龍「それなら大丈夫」
蒼龍「多分、不貞腐れてるだけだから」ニコ
466: 2016/05/27(金)21:45:14 ID:eUX
飛龍「ちょっと!何を勝手に…」
提督「飛龍」クル
飛龍「なっ、何?」プイ
提督「………」ジリジリ
飛龍「こっちに来ないで!」
提督「ほーら、逃げないと捕まえちゃうぞ」ジリジリ
飛龍「やだ!逃げるっ!」ダッ
提督「しかし回り込まれた」バッ
飛龍「いやぁ!」トンッ
飛龍「なっ…」
提督「ふふふ、後ろは壁…退路を絶たれたな」ニコ
飛龍「だ、だったらどうするの?」アセ
提督「こうする」ギュ
飛龍「っ…」
提督「………」
提督「飛龍、ごめんな」
飛龍「…知らないったら」
提督「どうでもいいなんて事、ないからね」
飛龍「………」
提督「ちゃんと、準備してあるから」
飛龍「………」
提督「機嫌、直してくれないかな」
飛龍「……ぅん」
提督「ありがとう」スッ
467: 2016/05/27(金)21:45:44 ID:eUX
飛龍「あっ…」
提督「ん?」
飛龍「…優しく、するって」ボソ
提督「……?」
飛龍「まだ、足りないよ」ギュウ
提督「あらら」
蒼龍「私もー」ギュウ
提督「二航戦サンドじゃん」
蒼龍「えへへ、参ったかー」ギュウゥ
提督「参った参った、降参だ」
飛龍「でもやめてあげないから」ギュウ
提督「それだと渡せないから」
飛龍「…ずるい」スッ
蒼龍「待ってましたぁ」キャッ
提督「それじゃ二人共、こっちに」
飛龍・蒼龍「はい!」
ーー
ー
469: 2016/05/30(月)10:25:40 ID:lrz
提督「えーっとね、ここに…」ゴソゴソ
提督(ん?これ……あっ)ピク
飛龍「どうしたの?」
提督「いや、あったあった」
コト、コト
飛龍「おぉ…」ゴクリ
蒼龍「わぁ」パァ
提督「じゃ、渡そうと思うんだけど…」
提督「どっちから渡そうか」
飛龍・蒼龍「えっ」
提督「そりゃあ同時にって訳にはいかないでしょ?」
飛龍「あー、確かに」チラ
蒼龍「だったら…」チラ
飛龍「………」
蒼龍「………」
飛龍「…ねぇ蒼龍?」
蒼龍「…何?」
飛龍「私、先がいいんだけど」
蒼龍「私もだよ」
飛龍「そっか、どうする?」
蒼龍「…私は、譲れないなぁ」
提督「ちょ、喧嘩はだめだよ」
470: 2016/05/30(月)10:26:50 ID:lrz
飛龍「でも私、提督の事だけは蒼龍に負けたくないんだよね」
蒼龍「…でも私の方が提督の事好きだから」ボソ
飛龍「は、何言ってんの?」ジロ
飛龍「私より練度低いくせに」
蒼龍「…たった、2デショ」ハイライトオフ
飛龍「下は下でしょ?」
蒼龍「…ヤンノ?」ニコウセンニラミ
飛龍「上等だよ」ニコウセンニラミ
飛龍「………」バチバチ
蒼龍「………」バチバチ
提督「こらこら、二人共」グイ
飛龍「提督、邪魔しないで」
蒼龍「提督を邪魔者扱い?」ギロ
提督「喧嘩するなら両方あげないよ」
飛龍・蒼龍「ごめんなさい」
提督「よろしい」
提督「それに、二人同時が物理的に無理だって話なだけでさ」
提督「ホントのとこ、同時みたいなものだからね?」
提督「俺の込めた気持ちに優劣はないから」
提督「後か先かなんて、些細な問題だよ」
471: 2016/05/30(月)10:27:08 ID:lrz
飛龍「………」
蒼龍「………」
提督「だから、適当でいんだよ適当で」ニコ
飛龍「蒼龍、ごめん」
蒼龍「私も、ごめんね…」
提督「うんうん」
提督「ならおふたりさん、ジャンケンをして下さい」
提督「勝った方が先、文句なしね」
飛龍「…うん!蒼龍、負けないよ!」
蒼龍「私だって負けないから!」
提督「それじゃいくよ…」
提督「じゃーん、けーん」
飛龍・蒼龍「ぽん!」パッ
483: 2016/06/01(水)23:45:46 ID:GwU
蒼龍「やった、勝ったぁ!」
飛龍「負けちゃった…」ガクッ
提督「んじゃ、蒼龍からね」
蒼龍「はーい」
飛龍「………」シュン
提督「まぁまぁ飛龍、気にしないの」ナデナデ
飛龍「うー」ナデラレ
蒼龍「提督、早く」クイ
提督「わ、分かったから」
飛龍「私、外に出てようか?」
提督「……いや、蒼龍の隣にいて」
飛龍「でも……」
提督「決めたのは渡す順番だけだから」
飛龍「…分かった」
484: 2016/06/01(水)23:46:51 ID:GwU
提督「じゃあ蒼龍、おいで」
蒼龍「はぁい♪」
ーー
ー
提督「えぇと、こっちだね」スッ
蒼龍「わぁ、綺麗」
提督「後ろ向いて」
蒼龍「うん」
ーー
提督「はい、着いたよ」
蒼龍「…どう?」クル
提督「うん、似合ってるよ」
蒼龍「嬉しいなぁ」テレテレ
提督「ん、気に入ってくれて何より」ホッ
蒼龍「………」ジィー
提督「どしたの?」
蒼龍「何か言う事、ない?」ジィー
提督「あぁ、そゆことね」
提督「……えぇとね、飛龍」
飛龍「はい?」
提督「今から話すのは、二人に向けてだから」
485: 2016/06/01(水)23:47:16 ID:GwU
飛龍「うん」
提督「だから、その前に飛龍も」スッ
飛龍「やった!」
提督「ん、じゃあ同じ様に」
飛龍「はーい」クル
ーー
提督「よし、もういいよ」
飛龍「おぉ、すごいね」マジマジ
提督「飛龍の為だけに作ったからね」
飛龍「えへへぇ」ニヘラ
提督「気に入ってくれて良かったよ」
提督「…じゃあ、ちょっと真面目な話するからね」
飛龍「うん」
蒼龍「はぁい」
ーー
486: 2016/06/01(水)23:47:39 ID:GwU
提督「じゃあ改まって、飛龍、蒼龍」
飛龍「はいっ」
蒼龍「はい」
提督「突然だけど、二人には申し訳ない事をしてしまった」
提督「まず、それを謝るよ」
蒼龍「えっ…謝るような事なんて…」
飛龍「なんの事…?」
提督「…あの時さ」
蒼龍「あの時…?」
提督「そう、二人が解体されそうになった時」
飛龍「あっ…」
蒼龍「で、でも!提督は助けてくれたから…」
蒼龍「だから、謝る事なんて…」
提督「あるんだよ、人としてね」
飛龍「人…として…?」
487: 2016/06/01(水)23:48:00 ID:GwU
提督「そ、あそこの提督が俺の同期だったってのも然ることながら」
提督「人間と艦娘、こう言っちゃなんだけど、どうしても立場の差ができちゃう」
提督「だからこそ俺達人間は、人間と同じ感情を持った艦娘と言う存在を、人間と同じ様に大切にしなきゃいけないんだよ」
提督「自分達が、己の指示一つで戦場に駆り出してるのなら、尚更ね」
飛龍「………」
提督「でも、現状そうも言えない様な環境が確かに存在してるのも事実で」
提督「アイツも、君達の件にそこまで責任を感じてる様子じゃなかった」
提督「少なくとも、二人の人間に関する様な物言いではなかった」
飛龍「それは…」
蒼龍「………」グッ
提督「だからって、アイツが悪かと言うと、そうとも言えなかったりもしてね」
提督「…俺達は、士官学校時代にこう教わったんだ」
提督「艦娘に感情移入をしてはならない」
提督「それは、ある意味で理にかなってる」
提督「指揮官である俺達が、数多いる艦娘の一人にでも感情移入してしまったら」
提督「艦隊が機能しなくなる可能性があるから」
提督「そして最も問題なのが、感情移入したその先で、艦娘の為に自らを投げ出す様な愚か者が現れる可能性だってある」
提督「所謂、恋愛関係なんかに発展しちゃったらって事だね」
提督「それが何故問題なのか、それは艦娘と指揮官じゃ実戦投入出来るようになるまでの時間も数にも限りがあるから」
提督「そんな理由が含まれているんだ」
蒼龍「………」
488: 2016/06/01(水)23:48:29 ID:GwU
提督「俺は当時から、その教えに納得がいかなかった」
提督「…だから、学んだんだ」
提督「一人の犠牲も出さない、そんな夢物語の様な艦隊戦術と…」
提督「そして」
提督「俺一人の力で、俺の下に就く艦娘全員を守る為の方法を」
提督「それを一人だけ応援してくれた上官がいたんだ」
提督「立場上、影でしか支えて貰えなかったけど」
提督「その人の教えのお陰で、今の俺がいるんだよ」
飛龍「………」
提督「…今まで、それを完璧にこなせて来たかどうかは分からない」
提督「ただ、そのスタンスは貫いてきた」
提督「そして、これからも曲げるつもりは毛頭ない」
提督「……だけど」
提督「皆が皆、俺と同じじゃない」
提督「当時の教えを完璧に遂行する提督もいる、それを湾曲して捉えてる馬鹿だって五万と居るんだ」
提督「その点、アイツも感覚が麻痺していたんだと思う」
提督「だから、他所からここに来た艦娘に対して」
提督「俺達が、他でもない人間が、君達に酷い仕打ちをした事実に」
提督「謝罪をしなきゃいけないんだよ」
提督「……それに」
489: 2016/06/01(水)23:49:03 ID:GwU
提督「…どちらかと言えば、俺が酔狂者なんだろうけどね」
蒼龍「…っ、そんな、事っ…」
提督「いいや、それが現実さ」
提督「間違ってるのは、俺の方なんだよ」
飛龍「そんな事…」ボソ
飛龍「そんな事ないよ!!」
提督「……っ」
飛龍「他所の提督がどうかなんて、私達には関係ない!」
飛龍「艦娘の立場が弱い事だって、分かりきってる!」
飛龍「それが仕方が無い事だって!」
飛龍「ただ……私達はっ…」ポロ
飛龍「私達は、貴方が提督でいてくれるだけでっ…それだけで…っ」ポロポロ
飛龍「…あの時だって、私達を必要としてくれて、凄く嬉しかった」
飛龍「提督の事だからっ、たまたま空母だったからってだけかも知れないけどっ…」
飛龍「でもっ、私達がそうで、提督がそうだったのも…」
飛龍「きっと、運命だったんだと思えたからっ…」
提督「っ!」
飛龍「そんな提督だから、私達の事を大切にしてくれる他でもない貴方だったからっ…」
飛龍「私はっ、わたしはっ…」スワリコミ
提督「…飛龍」
490: 2016/06/01(水)23:50:20 ID:GwU
蒼龍「…提督」
提督「………?」
蒼龍「私だって、同じなんだよ?」
提督「………」
蒼龍「提督が、私達をただの兵器としか思ってなかったら」
蒼龍「あの時、私達は解体されてた」
蒼龍「赤城さんも、加賀さんも、瑞鶴も翔鶴も…ここの艦隊のみんなが」
蒼龍「提督の事、ただの上官としか思ってなかったんだと思う」
蒼龍「でも、提督はそんな人じゃないから」
蒼龍「だから、みんな提督の事が大好きなんだよ?」
提督「………」
蒼龍「私も、飛龍も、艦隊のみんなも」
蒼龍「建造で来た娘も、そうじゃない娘も」
蒼龍「ここに、提督の元に来れたことを幸せに思ってる」
蒼龍「…確かに、他所で酷い仕打ちを受けてる艦娘もいるかもしれない、けど」
蒼龍「それが、私達の本来の在り方だったとしたら…」
蒼龍「知らない所の、見てない出来事まで提督が背負い込む必要は、ないと思うの」
提督「………」
蒼龍「でも…提督のそんな所も」
蒼龍「私達の為に無理してくれる、貴方が」
蒼龍「大好きなんだから」
491: 2016/06/01(水)23:51:45 ID:GwU
蒼龍「だから、私達の大好きな提督を」
蒼龍「自分自身で卑下しないで?」
提督「蒼龍…」
蒼龍「…それに」
蒼龍「私は、そんな事を言って欲しかったわけじゃないよ?」
飛龍「そう、だよっ…」グスグス
提督「………」
提督「そう、だね」ニコ
蒼龍「えへへ、やっと笑ってくれた♪」
提督「え?」
蒼龍「私ね、提督の笑った顔が一番好き」
提督「…うん」
蒼龍「飛龍はね?眠そうな時の提督ーーー」
飛龍「蒼龍…や、やめてよ…」グスッ
蒼龍「やめないよ、私は言ったもん」プク
蒼龍「飛龍も、泣いてる場合じゃないでしょ?」
飛龍「そう、だけど…」
蒼龍「………」
蒼龍「………」チラ
提督「……!」
提督「…あー、飛龍?」
飛龍「なに、よ」
492: 2016/06/01(水)23:52:31 ID:GwU
提督「俺の為に、泣いてくれてありがとう」
提督「凄く嬉しかったし、何より飛龍がそう思ってくれてて、頑張って良かったって思えてるから」
飛龍「…そんな、私はただ…」
提督「いや、大切に思ってる人に応えて貰える程、幸せな事はないよ」ナデ
飛龍「んっ…」
提督「飛龍のおかげで、俺はまた頑張れるから」
提督「だから、泣き止んで?」
飛龍「…うん、泣き止む」ゴシゴシ
提督「立てる?」
飛龍「…一人じゃ立てない」
提督「はいよ」ヨイショ
飛龍「…ん、ありがと」
蒼龍(あ、いいなぁ…)
ーー
ー
493: 2016/06/01(水)23:53:03 ID:GwU
提督「じゃ、続きと言うかなんと言うか」
蒼龍「うん」
飛龍「…ん」
提督「まだ少し先になるだろうけど」
提督「二人が最高練度になった時か」
提督「何を節目にするかは二人に任せるけど」
提督「もしその時、二人がまだ俺の事を想っていてくれていたら」
提督「改めて、俺から告白させて欲しい」
提督「そして今日、まずは婚約という形で」
提督「俺と、結婚してくれませんか?」
蒼龍「………」
飛龍「………」
提督「…どしたの?」
飛龍「ううん、ちょっと…」ポロッ
蒼龍「…ぅ、うぇえ」ポロポロ
提督「………」
飛龍「あはは…、どうしよう」ポロポロ
蒼龍「すごく、嬉しい、なぁ」ポロポロ
提督「…おいで、飛龍、蒼龍」
蒼龍「っ…」ギュウ
提督「これからもよろしくね」
蒼龍「うん、うんっ」ギュウゥ
494: 2016/06/01(水)23:53:34 ID:GwU
蒼龍「…私っ、もっと頑張るから」
提督「うん」
蒼龍「もっともっと頑張って、最高練度になって…」
蒼龍「他の誰よりも早く、提督と結婚するから」
飛龍「私も」
飛龍「蒼龍に抜かれない様に、頑張る」
飛龍「二人で、切磋琢磨する」
提督「待ってるよ」ナデ
蒼龍「うん………ねぇ、提督」
提督「ん?」
蒼龍「…あの時、私達を助けてくれて」
飛龍「本当に、ありがとう」
提督「うん、どういたしまして」ニコ
蒼龍「…大好き、なの」
提督「っ……」
蒼龍「あの時は、まだ感謝しか無かったけど」
飛龍「それも…助けてくれた事も含めて」
蒼龍「今も、これからも提督が大好き」
提督「……うん」
495: 2016/06/01(水)23:54:38 ID:GwU
提督「……うん」
飛龍「えへへ、提督照れてる」クス
提督「二人だって、真っ赤じゃないの」
蒼龍「それは……だって」
提督「お互い様だね」ニコ
蒼龍「うん♪」
提督「そうだ指輪、服の中にしまっといてね」
飛龍「はぁい」
蒼龍「…ねぇ、提督」
提督「ん?」
蒼龍「ちょっと」クイクイ
提督「なになに?」カオチカヅケ
ガシッ
提督「えっ、蒼りゅ…」
ーー
提督「……ったく」プイ
蒼龍「私の、初めてだよ」マッカ
提督「不意打ちはやめなさい」
蒼龍「いいの!」
496: 2016/06/01(水)23:55:06 ID:GwU
飛龍「ずるい!私も!」
ガシッ
提督「なっ、んぐっ!?」
ーー
飛龍「わ、私も初めてなんだから!」
提督「だから二人共…」
飛龍「良いでしょ!婚約者なんだから!」
提督「だぁあ、でかい声であんまりだな…」
ヤイノヤイノ
ーーー
ーー
ー
499: 2016/06/02(木)20:48:20 ID:PTP
空母勢大好きだから、最高ですた
五航戦も気になるな
五航戦も気になるな
次回:提督「赤城のワガママ」【その6】
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