602: 2016/07/07(木)23:23:19 ID:D3W
603: 2016/07/07(木)23:23:37 ID:D3W
提督「どしたの?」
榛名「えっ…?」
提督「いや、なんかさ」
提督「すんごい、泣きそうな顔してるから」
榛名「いっ、いえ…榛名は、泣いてなんて…」
提督「そう?ならいいんだけど」
榛名「…はい」
提督「でも、一つだけ」
榛名「…?」
提督「結婚してようがしてまいが」
提督「俺は、皆の提督だから」
提督「勿論それは」
提督「榛名の提督でもあるって事だからね」
榛名「っ…」
榛名「………」グッ
榛名「提督」
提督「ん?」
601: 2016/07/07(木)23:22:41 ID:D3W
瑞鶴「ホットドッグ食べたい」
翔鶴「あそこに売店があるわ、ちょっと待ってて」
翔鶴「あそこに売店があるわ、ちょっと待ってて」
604: 2016/07/07(木)23:24:45 ID:D3W
榛名「榛名は…その…」
榛名「榛名…また、悪い娘になってもよろしいでしょうか…」
提督「………」
提督「…ん、いいよ」
榛名「……では、失礼します」スッ
ーーー、
榛名「……っ」スッ
提督「………」
榛名「…榛名は」
榛名「やはり、提督の事を…」
榛名「…お慕い、しています」
榛名「指輪を見た時、諦めてしまおうかとも思ったのですが…」
榛名「例え、提督の一番になれなくとも」
榛名「榛名の、この気持ちに嘘はつけません」
提督「………」
榛名「ですが…もし、榛名の我侭を」
榛名「一つだけ、聞いていただけるなら…」
榛名「その……」チラ
提督「…言ってごらん?」
榛名「いつか、榛名が最高練度になった時」
榛名「提督が、榛名でも大丈夫だと仰って頂けるのなら」
榛名「榛名も、提督と結婚がしたいです」
提督「………」
榛名「カッコカリではなく、提督の本当の妻に」
605: 2016/07/07(木)23:25:40 ID:D3W
榛名「榛名は艦娘…人間ではありませんし、空母でもありません…」
榛名「提督が…それでもいいと、言って…」
提督「いいよ」
榛名「ーーっ!」
提督「榛名のその時に、榛名が俺の事を好いていてくれていたら」
提督「榛名との結婚、喜んで受けるよ」
榛名「いいの、ですか?」
提督「俺は、俺の艦隊の皆が大好きだ」
提督「だから、俺が絶対に全員を幸せにする」
提督「その幸せが結婚だって言うのなら」
提督「それも、叶えるさ」
榛名「……提督」グス
提督「だから、もう泣かないで、ね?」
榛名「は、はい…」メソメソ
提督「ほら、折角遊園地来たんだから」
提督「笑って帰りたいやん?」
榛名「ですが…嬉しくて、涙が…」グシグシ
提督「そ、そんなに…?」
榛名「そんなに、です」
606: 2016/07/07(木)23:26:38 ID:D3W
提督「なら泣き止むまでこうしてやる!」グイ
榛名「ひゃっ!?」ポフ
提督「ふふふ、漢の膝枕を喰らうがいい」ナデナデ
榛名「そんな、悪いです…」カァ
提督「だったら早く泣き止む事だね」
榛名「えっ、えぇと…」
榛名「それだと、榛名…泣きやめません」ジィ
提督「…えっ、あ…そう」ドキ
榛名「ふふ、冗談です」クス
提督「…提督を騙すとは不届き者め」
榛名「今の榛名は、悪い娘ですから」ニコ
提督「そうだったね」
榛名「はい♪」
ーー
ー
607: 2016/07/07(木)23:27:30 ID:D3W
榛名「もうすぐ降りないといけなくなりますね」ウデダキ
提督「そうだね」
榛名「榛名、降りたくありません」ギュッ
提督「そうもいかないよね」
榛名「………」プク
提督「膨れても可愛いだけだからね」
榛名「いいです、榛名離れてあげませんから」ギュー
提督「えー…ん?」
榛名「どうかされましたか?」
提督「いや、あれ」ユビサシ
榛名「えぇと、どれでしょうか」
提督「あのツインテールと白髪ロング」
榛名「えっ、あれってーーー」
ーーー
ーー
ー
608: 2016/07/07(木)23:28:33 ID:D3W
ー数分前ー
瑞鶴「でも私、初めての観覧車は提督さんと乗りたいんだよね」
翔鶴「奇遇ね、私もよ」
瑞鶴「だったら、今日は観覧車止める?」
翔鶴「そうね、そろそろ帰りましょうか」
瑞鶴「うん」
ーーー
ーー
ー
ヒトハチマルマル
ー遊園地・入口ゲート付近ー
提督「あの二人、外出許可書出してたっけかな」スタスタ
榛名「どうなんでしょうか…」
提督「もしかしたら執務室に提出してるかもしれないけどね」
榛名「だとしても、提督が知らなければ意味がないのでは…?」
提督「そうだけど、俺いなかったしね」
提督「待ってられなかったんでしょ」
提督「それくらい大目に見るさ」
榛名「…提督は優しいのですね」
提督「帰ってから無断だって分かったらお仕置きだけどね」ニコ
榛名「お二人が提出している事を願っています…」
提督「ま、何にせよ俺達も帰らなきゃね」
榛名「あ、お土産ありがとうございました」
609: 2016/07/07(木)23:29:12 ID:D3W
提督「ん、でも金剛型だけで良かったの?」
榛名「はい、本当は全員にと言いたいところなんですが…」
榛名「提督に買って頂いた手前、そんな無茶は言えませんし…」
榛名「提督とふたりきりで遊園地に…なんて、あまり言いふらせる事ではありませんから」
提督「…それもそうだね」
榛名「なので、これで大丈夫です」ニコ
提督「はいよ、じゃあ出ようか」
榛名「何だか名残惜しい気もします…」
提督「また来ればいいじゃん」
榛名「そうですが…」チラッ
提督「ん?」
榛名「また、二人で来れるでしょうか…?」
提督「来れるさ」ナデ
榛名「んっ…はい♪」パァ
ーーー
ーー
ー
610: 2016/07/07(木)23:29:38 ID:D3W
ー駅・券売機ー
瑞鶴「………」
翔鶴「………」
瑞鶴「…えっ、どうしたの翔鶴姉」
翔鶴「…おかしいわ」
瑞鶴「何が…?」
翔鶴「帰りの電車賃が…ないの」マッサオ
瑞鶴「えっ」
瑞鶴「だって、来た時はギリギリ足りるって…」ゴソゴソ
瑞鶴「あれ!?私も足りない!」ガーン
翔鶴「来た時はちゃんと確認したわ」
瑞鶴「何で…あれ?」
瑞鶴「これ何…?」カサ
翔鶴「どうしたの?」ズイッ
「園内売店のレシート」
瑞鶴「あっーーー」
611: 2016/07/07(木)23:30:17 ID:D3W
ー
ーー
瑞鶴「ほら、飲み物買ってきたから」スッ
翔鶴「ありがとう瑞鶴」ゴクゴク
『ほら、飲み物買ってきたから』
『飲み物買ってきたから』
『買ってきたから』
『カッテキタカラ』
『カッテキタカラ…キタカラ…タカラ…カラ…カラ…』
ーー
ー
瑞鶴「ぐふっ!」
翔鶴「何してるのよ瑞鶴!…あら?」
翔鶴「これ、何かしら」スッ
瑞鶴「………」ズイッ
「園内売店のレシート」
翔鶴「えっーー」
612: 2016/07/07(木)23:30:54 ID:D3W
ー
ーー
瑞鶴「ホットドッグ食べたい」
翔鶴「あそこに売店があるわ、ちょっと待ってて」
『あそこに売店があるわ、ちょっと待ってて』
『あそこに売店があるわ』
『売店があるわ』
『バイテンガアルワ』
『バイテンガアルワ…バイテンガ…バイテン…テン…テン…テン』
ー
ーー
翔鶴「なぁっ!?」
瑞鶴「…翔鶴姉もじゃない」ハァ
翔鶴「そんな…私…」ワナワナ
瑞鶴「はぁぁ…どうするの…」ガックリ
翔鶴「ちょっと、何で私が悪いみたいになっているの?」ムッ
瑞鶴「だって、ギリギリ足るなら大丈夫だっていったの翔鶴姉じゃん…」
瑞鶴「それに、私は翔鶴姉がダウンしてたから飲み物買ったんじゃない」ハァ
翔鶴「それを言ったら私だって」
翔鶴「瑞鶴がホットドッグ食べたいって言うから買ってきたんじゃない」
瑞鶴「食べたいって言っただけで、買ってきてなんて行ってないもん」プイ
翔鶴「んなっ…」
613: 2016/07/07(木)23:31:22 ID:D3W
翔鶴「それはあんまりじゃない?瑞鶴」イライラ
瑞鶴「だってそうでしょ?」フン
翔鶴「…そう、ならいいわ」クル
瑞鶴「…どこいくのよ」
翔鶴「私一人ならここよりもう少し鎮守府に近い駅まで行けるから」チラ
瑞鶴「…なにそれ、私を置いてくつもりなの?」イラ
翔鶴「瑞鶴は電車賃が無いんでしょう?」
翔鶴「なら仕方が無いわね」ニッコォ
瑞鶴「……チッ」
翔鶴「…今舌打ちしたわね」ギロ
瑞鶴「別に翔鶴姉にした訳じゃないんだけど?」ギロ
翔鶴「じゃあ何に対してしたのよ」
瑞鶴「そうね…」
瑞鶴「『幸運』な私が、『何故か』『不幸』な事に対して、かな」ワルイエガオ
翔鶴「は?」ゴコウセンニラミ
瑞鶴「あ?」ゴコウセンニラミ
ーー
614: 2016/07/07(木)23:31:53 ID:D3W
ー同時刻ー
ー駅・券売機前ー
提督「………」ポカーン
榛名「………」ポカーン
提督「…あの二人、何してんの?」
榛名「なにか良くない雰囲気ですね…」
提督「ほぼゼロ距離でメンチ切りあってんじゃん…」
榛名「あのままでは喧嘩が起きてしまいます…」キュッ
提督「もう…そういうのは敷地内でやれってあれほど…」ハァ
榛名「…提督」ジッ
提督「…うん、止めないとだねぇ」
ーー
瑞鶴「なに?ここでやんの?」
翔鶴「別に私は帰るだけだから、電車で」
瑞鶴「だったら早く帰れば?」
翔鶴「その態度を改めさせてからね」
瑞鶴「あ?」
翔鶴「は?」
ゴゴゴゴゴ…
615: 2016/07/08(金)20:25:46 ID:PRQ
提督「こら」ポカッ、ポカッ
瑞鶴「痛い!」
翔鶴「きゃあ!」
提督「二人してこんな所で何してんのよ」
瑞鶴「提督さん!?」ビックゥ
翔鶴「提督!?」ビックゥ
提督「さ、全て話して貰おうかな」ニコ
瑞鶴「ひぃ!?」
翔鶴「は、話しますから…」
ズイズイカクカク
提督「青葉が…?」ピク
瑞鶴「そうなの、それで…」
提督「俺と榛名をつけていた、と」
翔鶴「ごめんなさい…」
提督「それで、なんやかんやで帰りの電話賃が足りなくて」
提督「原因の擦り付け合いの果て、一触即発になった、と」
瑞鶴「……うん」
616: 2016/07/08(金)20:26:18 ID:PRQ
提督「いやまぁ、決して褒められた事じゃないけど…榛名は?」
榛名「はい…?」
提督「この二人どうする?」
榛名「どうする、とは…」
提督「解体処分?それとも解体処分?」
瑞鶴「ひぃ!?」ビクン
翔鶴「そんな…」サーッ
榛名「そんなっ!?」
提督「ま、それは嘘なんだけど」
瑞鶴「はぁあ…」ヘナヘナ
翔鶴「…よかった」ドックンドックン
榛名「…榛名は、別に怒ってませんよ?」
提督「ほう」
榛名「元を辿れば、私が差し出がましい事をしていたのですから」
榛名「それと…」チラ
翔鶴・瑞鶴「……?」
榛名「今日は『提督と二人きりで』とても楽しかったので」ニコ
翔鶴・瑞鶴「……っ」
提督(あ、これ悪い榛名だ)
617: 2016/07/08(金)20:26:53 ID:PRQ
榛名「なので、私からは何もありません」
提督「ん、なら俺からも何もないや」
翔鶴・瑞鶴「………」ホッ
提督「…ただ、二人共」
翔鶴・瑞鶴「………」ピク
提督「外出許可書、出してる?」
翔鶴「っ!」ギクッ
瑞鶴「っ」プイ
提督「成程、無断だったのか…」ニッコリ
翔鶴「ご、ごめんなさい…」ビクビク
瑞鶴「提督さん、許してぇ…」ビクビク
提督「…本来なら、厳罰の対象(嘘)なんだけど」
提督「特別に、簡単な罰で許してあげよう」
瑞鶴「本当…?」
翔鶴「………」
提督「大丈夫、提督嘘つかない」
榛名「…余り厳しいのはやめてあげて下さいね」キュッ
提督「大丈夫だよ、罰って言ってもあれだから」ニコ
翔鶴・瑞鶴「……?」
提督「とりあえず電車乗るよ、運賃は俺が出すから」
翔鶴「…ありがとうございます」ペコ
瑞鶴「提督さんごめんなさい…」ペコ
ーーー
ーー
ー
618: 2016/07/08(金)20:27:18 ID:PRQ
瑞鶴「重い!」ズシ
翔鶴「瑞鶴、文句言っては駄目よ?」ズシ
提督「そうだぞ?これは罰なんだから」
榛名「榛名もお手伝いしますから…」アセ
提督「榛名はいいから、ね?」
榛名「ですが…」
瑞鶴「もう無理ー」
翔鶴「鎮守府まであと少しだから、ね?」
提督「お前ら一個ずつでしょ?」
提督「俺四つ持ってんのに!」
榛名「だから榛名がお持ちしますから…」
提督「榛名はいい娘だなぁ…」ウンウン
榛名「そんな事は…」
瑞鶴「ところでこれ、何なの?」
翔鶴「食材のようですが…」
提督「え、言ってなかったっけ?」
提督「この前のアレ、夕立のお願いでね」
提督「クリスマスパーティーするんだよ」
619: 2016/07/08(金)20:31:47 ID:PRQ
最近投稿ペースがめっきり遅くて見てくれてる人も少ないかと思います。それでも見てくれてる好き者共よ、ありがとう。
んで、次回より久々の長編とは名ばかりの長編を予定していますので、恒例のアンケートです。見たい方を選んでね。
今回ダメだった方も、違うタイミングで投稿しますのでご安心を。
んで、次回より久々の長編とは名ばかりの長編を予定していますので、恒例のアンケートです。見たい方を選んでね。
今回ダメだった方も、違うタイミングで投稿しますのでご安心を。
620: 2016/07/08(金)20:35:47 ID:PRQ
1.裏目ばかりの長門、それでも頑張る。
2.天龍の改二計画、その結末とは?
締切は今週いっぱい位を予定しています。
2.天龍の改二計画、その結末とは?
締切は今週いっぱい位を予定しています。
635: 2016/07/15(金)01:35:28 ID:B3E
私は、戦艦長門。
かの大日本帝国海軍時代、旧長門国に因んだその名を与えられ、日本海軍の象徴と親しまれていた。
その後、ワシントン海軍軍縮条約によって大型艦の建造が制限される海軍休日の後、私と陸奥、米、英の戦艦を指して。
『世界七大戦艦』と呼ばれるようになった。
世界のビッグセブン、の方が分かりやすいか。
そんな映えある戦艦長門もいざ終戦してみれば、敗戦国の無様な生き残りでしかなくて。
そして…忘れもしない1946年、夏。
記憶の彼方にある、あの光景。
敵味方の艦と、あの巨大な光。
それが、そこまでが、かつて連合艦隊旗艦を務めた栄光ある戦艦長門の、記録。
そしてーーー。
その生まれ変わりが、私。
636: 2016/07/15(金)01:36:09 ID:B3E
【艦これSS】提督「赤城のワガママ」長編
孤高の旗艦編
637: 2016/07/15(金)01:36:42 ID:B3E
ヒトキュウマルマル
ー提督の部屋ー
ー良くない雰囲気ー
提督「だから、ごめんって…」
加賀「………」ツーン
赤城「………」ツーン
提督「確かに後から様子見に来るって言ったけどさ…」
提督「ほら、クリスマスのお願いだから…」
加賀「………」
赤城「………」
提督「その、二人もそうだった様にね…」
提督「榛名や他の娘のお願いも聞いてあげないと、不公平じゃないの」
加賀「………」
赤城「………」
提督「……忘れてた訳じゃ、ないんだよ」
加賀「………」
赤城「………」
提督「っ……」ショボン
638: 2016/07/15(金)01:37:09 ID:B3E
加賀「………」チラ
赤城「………」チラ
提督「……お土産、ここに置いとくから」スク
提督「あと、もうすぐ食堂でクリスマスパーティーもあるからね…もう皆集まってるはずだから」
提督「気分が乗るようなら出ておいで…」クル
スタスタ…パタン
加賀「………」
赤城「………」
加賀「…少し、意地悪が過ぎたかしら」
赤城「…提督、しょんぼりしていましたね」
加賀「放ったらかしにされたのは許せませんが、提督の立場も加味しなくてはいけませんでした…」
赤城「そうですね、仕方がない事かも知れません」
加賀「私達も、もう少し余裕を持たないといけませんね」
639: 2016/07/15(金)01:37:31 ID:B3E
赤城「正妻の余裕、と言うやつですね」
加賀「はい」
赤城「提督、そのままパーティーに行かれるのかしら」
加賀「おそらく皆が待っていると思うから、行くと思うわ」
赤城「もう少ししたら、私達も行きましょうか」
加賀「はい」
ーーー
ーー
ー
640: 2016/07/15(金)01:38:02 ID:B3E
ー廊下ー
提督「………」ハァ
提督「新婚早々、これじゃあなぁ…」グッタリ
提督「やっぱり難しいよなぁ…」
提督「…あぁ、どうすっかねぇ」
??「……!」タタタッ
提督「あの様子じゃ、一時口聞いて貰えないだろうなぁ…」
??「誰が口聞いてくれないのよ」
提督「なぁっふ!?」ビクッ
提督「…いきなり脅かさないでよ」ドキドキ
提督「むっちゃん」
陸奥「失礼ね、脅かすつもりなんて無かったのに」プク
提督「あぁ、そのなに…ごめんね」
陸奥「あら、どうしたのよ」
陸奥「元気ないじゃない」ノゾキコミ
提督「んにゃ、何でもないよ」フイ
陸奥「………」ムッ
陸奥「へぇ、そう…」スッ
提督「……?」
陸奥「私じゃ役不足って言いたいのね」プイ
提督「えっ!?いやそんな…」
641: 2016/07/15(金)01:38:37 ID:B3E
陸奥「だったら話してよ」ズイッ
提督「あー、どうだろう」
陸奥「やっぱりダメなんじゃない!」プクー
提督「そんな言ってもだねぇ…」
陸奥「………」ジィ
提督「今はなんと言うか…」
陸奥「………」ジィ
提督「大体、こんな話聞いても…」
陸奥「………」ジィ
提督「…あぁもう、分かったよ」アキラメ
陸奥「最初からそうしてれば良かったのよ」
フフーン
提督「…あー、うん」
陸奥「で!?何があったの!?」ズズイッ
提督「まぁまぁ、そんな面白い話でもないからさーーー」
ーー
ー
642: 2016/07/15(金)01:39:15 ID:B3E
陸奥「…ふーん」シラー
提督「ほら言ったやん…」ハァ
陸奥「いや、まさか惚気話聞かされるとは思ってもいなかったから…」
提督「惚気って…俺は本気で悩んでだな…」
陸奥「誰も本気じゃないとは言ってないでしょ?」
陸奥「それより、いつの間に一航戦と結婚してたのよ」
陸奥「私、聞いてないんだけど」ジト
提督「そりゃあ誰にも言ってないからね」
陸奥「そうなの?」
提督「うん、それこそ長門や大和なんかも知らない筈だけど」
陸奥「ふーん、ならいいわ」フン
陸奥「…その…結婚、おめでとう」
提督「あぁ、ありがとう」
陸奥「………」
提督「………」
陸奥「なんか変な空気になっちゃったじゃない!」
提督「知らねぇよ!むっちゃんのせいでしょ!?」
643: 2016/07/15(金)01:40:17 ID:B3E
陸奥「何よ!私のせいだって言いたいの!?」
提督「言いたいも何も、今しがたむっちゃんのせいにしたばっかりだよ!」
ナニヨ!バクハツスルワヨ!
ソレハカンベン
アラ、イガイトアッサリナノネ
アーダコーダ…
ーーー
ーー
ー
644: 2016/07/15(金)01:40:50 ID:B3E
提督「ところでさ」
陸奥「なぁに?」
提督「むっちゃん、何でこんな所にいたの?」
陸奥「え?」
提督「クリスマスパーティー、行かないの?」
陸奥「あぁそれね、今向かってたとこなのよ」
提督「なるほどね」
陸奥「………」
陸奥「…何でか、聞かないの?」
提督「えっ…?」
陸奥「何で皆と同じタイミングじゃなかったのか、聞かないの?」
提督「……?」
提督「…じゃあ、何で?」
陸奥「教えてあげないわ」フーン
提督「なんだよそれ…」
陸奥「ここで私から言っちゃったら、二度目になっちゃうもの」
陸奥「さ、クリスマスパーティー行きましょ」
提督「腑に落ちないなぁ…」
陸奥「なぁに、行けば分かるわよ」
提督「ふぅむ…」
ーーー
ーー
ー
645: 2016/07/15(金)01:41:44 ID:B3E
ー食堂ー
ワイワイガヤガヤ
提督「おー、やってるやってる」
陸奥「ウチは少ない方なんだろうけど、集まると賑やかねぇ」
提督「赤城と加賀やんも来てるね」
赤城・加賀「!」
陸奥「何でこの距離で提督に気付けるの…?」
提督「アイツらは特別なんだよ」アハハ
陸奥「妬けちゃうわねぇ」
提督「……あれ?」
陸奥「あら、もう気付いたの?」
提督「うん、長門がいないね」
陸奥「…ほんっと、妬けちゃうわ」
提督「えぇと、さっきの話って…」
陸奥「さぁ?」
提督「はぁ…分かったよ」
646: 2016/07/15(金)01:42:13 ID:B3E
提督「むっちゃんは先に楽しんでおいで」
提督「俺、長門んとこ顔だしてから来るから」
陸奥「あらそう?分かったわ」
陸奥「あの気難しい姉を、よろしくね」フリフリ
スタスタ…
提督「何があったんだ…?」
ーー
ー
赤城「提督はまた何処かに行きましたね」モグモグ
加賀「部下のケアも仕事のうちですから」モグモグ
赤城「あら、切り替えが早いですね」モグモグ
加賀「後でうんと構って貰います」モグモグ
ーーー
ーー
ー
655: 2016/07/20(水)22:09:44 ID:qmQ
ー数刻前・長門型の部屋ー
長門「いや、私はいい」
陸奥「なんでよ」
長門「今はそんな気分になれないからだ」
陸奥「…まだ気にしてんの?」
長門「うるさい、大きなお世話だ」
陸奥「提督だって、最後は言うほど怒ってなかったじゃない」
長門「………」
陸奥「今だって行けば普通に接してくれるわよ」
長門「しかし…」
陸奥「ここで不貞腐れてても何も始まらないわよ?」
長門「………」ムッ
長門「別に不貞腐れてなど」
陸奥「なら何なのよ」
656: 2016/07/20(水)22:10:03 ID:qmQ
長門「それは、だな…」グヌヌ
陸奥「ほら、やっぱり不貞腐れてるんじゃないの」ハァ
長門「だから違うと!」ガバッ
陸奥「だったら布団から出て提督に謝罪の一つでもすればいいじゃないの」
長門「ぐっ…」
長門「だ、黙れ!大きなお世話と言ってるだろ!」ポイポイ
陸奥「ちょ、ちょっと!そこらにある物構わず投げないでよ!」
長門「出てけ!」ポイポイ
陸奥「もう!分かったわよ!」バタン
長門「っ……くそっ」
ーー
ー
657: 2016/07/20(水)22:10:35 ID:qmQ
フタマルマルマル
提督「おーい」コンコン
長門「っ……」コソ
提督「なーがーとー」コンコン
長門「………」イルス
提督「いないのー?」コンコン
長門「………」イルス
提督「………」
提督「……おい」ボソ
長門「っ……」ピク
提督「開けろっつってんのが聞こえねぇのか?」ヒクイコエ
長門「ひっ…」ビクッ
658: 2016/07/20(水)22:11:09 ID:qmQ
提督「居るのは分かってんだ、早く開けねぇと…えーと…」
長門「…?」
提督「とりあえず入りまーす」ガチャ
長門「なっ、まだ開けていいとは!」
提督「いるじゃん、知ってたけど」
長門「あっ…」
提督「クリスマスパーティー、来ないの?」
長門「いや、私は…」フイ
提督「…どうしたのよ、らしくない」
長門「うむ…」
提督「当事者が言うのも何だけど、話聞こうか?」
長門「いや、提督の手を煩わせる程では…」
提督「ここに来た時点で煩ってるの、知ってた?」
長門「………」シュン
提督「…嘘だって、手間だなんて思ってないから」
長門「………」
提督「ね?吐き出しゃちょっとは楽になるかもしれないしさ」
長門「……分かった」
ーー
ー
659: 2016/07/20(水)22:11:45 ID:qmQ
長門「ーーだから、私はあまり出しゃばるのを止めようと思ったんだ」
提督「成程ねぇ…」
長門「私は何時もそうだ」
長門「皆の、提督の為を想って行動しても空回って、最後には迷惑をかけてしまう」
長門「だからーーー」
提督「俺は、迷惑だなんて思った事ないけどな」
長門「しかし…」
提督「叢雲の時も、二航戦の時だって長門が動いたから、今が丸く収まってるんじゃないかなって思うんだけどなぁ」
長門「………」
提督「あれで長門が隣に居なかったら、どっちかが氏んでたかもしれないし」
提督「あの時長門が止めに行かなかったら、あの二人も怒りっぱなしだったかもしれないし」
長門「…それは、結果論に過ぎない」
提督「まぁ、そうなんだけどさ」
660: 2016/07/20(水)22:12:05 ID:qmQ
提督「過程に長門が入ったから、結果が丸く収まったって考えたら」
提督「長門の介入は、プラスだったって事やん」
長門「………」
提督「確かに、その時その瞬間は長門が損を被ってる様に感じるかもしれないけど」
提督「俺は、どっちかってと感謝してる方なんだよ」
長門「感謝など…」
提督「してるさ」
提督「俺の目の届かない所で、ちゃんと他の娘達を見てくれてるじゃないの」
提督「例えに出すようで悪いけど、赤城や加賀やんには出来ない事だよ」
ーー
661: 2016/07/20(水)22:12:28 ID:qmQ
ーー
加賀「っくしゅん」
赤城「へっ、へぁっくし!」ブホッ
翔鶴「きゃあ!ご飯粒が!」
瑞鶴「散弾銃かよ」
ーー
662: 2016/07/20(水)22:12:57 ID:qmQ
長門「………」
提督「だから、空回る事もあるだろうけど」
提督「俺には、そんな存在がいてくれて凄く助かってる」
提督「流石、連合艦隊旗艦を務めただけはあるってね」
長門「………」
長門「…そこまで言われたら、その、なんだ…」
長門「嬉しく、なってしまうではないか…」テレ
提督「でしょ?」ニヤニヤ
長門「なっ!?」
長門「煽て上げただけだな!本心じゃなかったんだな!」プンスコ
提督「本心だよ」シンケン
長門「いきなり真顔になってもダメだからな!」
663: 2016/07/20(水)22:13:38 ID:qmQ
提督「煽て文句であんな事言えないよ」シンケン
長門「くっ、騙されるな私…」ブンブン
提督「騙すなんて…」ズイッ
長門「っ!?」
提督「…そんな事、しねぇよ」ミミウチ
長門「んあぁっ!!?」ビクビクッ
提督「あっはっはwww」ゲラゲラ
長門「なな、何だ今の声は!?」キッ
提督「提督の1000000000000個の必殺技の一つ」
提督「悩殺イケボ耳打ちだ」ドヤァ
長門「い、一兆個もあるのか…」ゴクリ
提督「あるわけないでしょw」
長門「謀ったな!」
提督「謀ったよ」
長門「開き直るな!馬鹿にして!」プンスコ
提督「まぁまぁ、そう怒らないでさ」ドウドウ
長門「怒らせたのは誰だ!」プイ
提督「俺」ドヤァ
長門「~~っ!!」プルプル
長門「このっ!」ガバッ
提督「なっ!?」
ーー
ー
664: 2016/07/20(水)22:14:36 ID:qmQ
ー30分後ー
長門「も…やめっ、ああぁあぁぁあ!」
提督「お、なら一緒に来るかい?」ハガイジメ
長門「だからっ、私は行かないとあはははは!」
提督「なら駄目だよ」コチョコチョ
長門「もうやめぇえぇえぇ!!」
提督「来る?」ピタッ
長門「わ、わかっ、た…行く、からっ…」ゼェハァ
提督「よし、なら開放だよ」スッ
長門「はぁ、はぁ…」グッタリ
長門「やはり…提督には勝てない、か」
提督「部下に負ける様じゃ提督なんて務まらないよ」ケラケラ
長門「そういう訳ではないと思うが…」
提督「じゃあ俺が態度だけでかいヘナチョコモヤシ提督でもいい?」
長門「それは嫌だな」
提督「でしょ?」
長門「例えが極端過ぎる気がするが…」
665: 2016/07/20(水)22:15:29 ID:qmQ
長門「…まぁ、しかしだな」
提督「ん?」
長門「いくら腕っぷしが艦娘以上だったとしても」
長門「頭が切れる天才だったとしてもだ」
提督「うん」
長門「それをひけらかすようでは話にならん」ウン
長門「それを踏まえて考えると…やはり」
提督「やはり?」
長門「貴方の元に配属された私は、その…」チラ
提督「その?」
長門「いっ、いちいち復唱するんじゃない!馬鹿者!」ボフッ
提督「んむっ!?」
長門「貴方という人は本当にーー?」グイ
長門「提督、離さないか」グイ
666: 2016/07/20(水)22:16:05 ID:qmQ
提督「このクッション長門の匂いがする」クンクン
長門「んなっ!?」カァ
長門「離せ!今すぐ離すんだ!」グイグイ
提督「長門お前寝ながら涎垂らしただろ」
長門「いいから離せと!」グイグイ
提督「ここちょっと臭いぞ」クンクン
長門「ななななな」マッカァア
長門「デリカシーが無いのか貴様は!!」グイッ
提督「あっ、馬鹿ーー」グラッ
ゴチン
長門「んあ"っ!?」
提督「ぁだあっ!」
ゴロガッシャーン
ナニヲスル!イタイデハナイカ!
イテェエエエエエ!!
ーー
ー
675: 2016/08/02(火)23:44:39 ID:c3T
長門「ったく…提督の石頭には困ったものだ」
提督「大佐の拳骨より硬いんだ」
長門「艦娘との頭突き合いで平然としてられるのはどうかと思うが…」
提督「今更でしょ」
長門「…まぁ、提督だからな」クス
提督「そゆこって」
長門「………」スタスタ
提督「………」スタスタ
長門「…しかし、アレだな」
提督「ん?」
長門「途中から行くのは少しバツが悪いな…」
提督「なんでさ」
長門「準備するのにも、それなりの人数が参加していたのではないのか?」
提督「あぁ、それなら大丈夫なんじゃない?」
長門「何故、そう言いきれる」
提督「今日非番の奴らばっかり駆り出されてたから、かな」
676: 2016/08/02(火)23:45:14 ID:c3T
長門「……それだと全員ではないか」
提督「あー、違う違う」
提督「そもそもがゲリラ企画だったからさ」
提督「非番と言うか、今日予定の無い暇人を寄せ集めて準備してたみたいなんだよ」
長門「うむ…」
提督「だから俺も居なかったし、赤城と加賀やんも、五航戦も参加してないよ」
提督「だから長門が気に止む必要はないんじゃない?」
長門「…そうだろうか」ウーム
提督「……!」
提督「そんなに悩むならさ」
長門「……?」
提督「今からでも、行って盛り上げて来なよ」
長門「しかし…」
677: 2016/08/02(火)23:46:54 ID:c3T
提督「なぁに、いつも皆を気にかけてる長門が出張るんだ」
提督「きっと盛り上がるさ」ニコ
長門「う、うむ…」
提督「それに、もう一つ」
長門「なんだ」
提督「俺が長門のとこに来たの、誰の差し金だと思う?」
長門「………陸奥か?」
提督「正解、俺には気にしてない様に振舞ってたけど」
提督「やっぱり、心配だったんでしょ」
長門「………」
提督「むっちゃんももう来てるから」
提督「気持ちが晴れた所も見せとかないと、でしょ?」
678: 2016/08/02(火)23:47:19 ID:c3T
長門「…そう、だな」
長門「分かった、この長門に任せておけ」
提督「ん、その意気だよ」
長門「そんな話をしていたら着いてしまったな」
提督「じゃ、入ろうか」
長門「よし提督!この長門に続け!」ガチャ!
ア!ナガトガキタヨ!
オッセーンダヨ!
アァ、ワルカッタナ
ワイワイガヤガヤ
サーテウロウロスルカー
ーーー
ーー
ー
679: 2016/08/02(火)23:47:57 ID:c3T
フタヒトマルマル
提督「…二人共どれだけ食べたの?」
加賀「そんなに食べていません」
赤城「腹八分位です」
提督「嘘つけ、ここだけ異常に皿が積んであるじゃないの」
加賀「瑞鶴、女の大食らいは恥ずかしいわよ」
瑞鶴「そっくりそのまま返してあげるわよ」
赤城「わ、私は本当に腹八分で抑えてですね…」
飛龍「提督提督」チョンチョン
提督「ん?」
飛龍「さっき、赤城さんがね…」
飛龍『げっふ、ちょっと食べ過ぎました、満腹です』
飛龍「って言ってたよ」
680: 2016/08/02(火)23:48:25 ID:c3T
提督「へぇ、赤城、腹八分なんだ、へぇ」ジトー
赤城「いやー、そのー…」ヨソミ
蒼龍「二人共なんで沢山食べたの提督に隠すのかな…」モグモグ
翔鶴「乙女心、と言うやつではないでしょうか」モグモグ
加賀「黙りなさい貧O」グググ
瑞鶴「うっさいわね、私は美乳なのよ」グググ
赤城「こうなったら…一航戦赤城、食べます!」モグモグ
提督「ええい開き直るな!腹八分じゃなかったのかよ!」
ーー
ー
681: 2016/08/02(火)23:49:16 ID:c3T
隼鷹「えへへぇ提督ぅ、飲んでるかぁい」ダキッ
提督「うお、隼鷹か…って臭!!」
隼鷹「おいおい、女に向かって臭いはないだろぉ」ギュー
提督「酒臭いって言ってんの、どんだけ呑んだんだよ」
隼鷹「んー…」ウーン
隼鷹「あっはっはw覚えてねぇやw」
提督「まぁ、楽しく呑むのは構わないけど、程々にしときなよ」
隼鷹「はぁーい」
提督「で、俺は何時まであすなろ抱きされてればいいの?」
隼鷹「あすなろー?」
提督「貴女のたわわに実ったダブル勅令が俺の背中で制空権取ってるんだけど」
隼鷹「なんだよそれー」ケラケラ
提督「言わせんな恥ずかしい」
682: 2016/08/02(火)23:49:53 ID:c3T
隼鷹「それ、つまりこういう事なんだろー?」スリスリ
提督「っ!?」
隼鷹「どうだい提督ぅ、軽空母だって馬鹿にできないだろー?」スリスリ
提督「…可及的速やかにそのストロークをややめ給え」
提督「背中に全神経が集中してしまう」
隼鷹「何真面目ぶってんのさぁ」ニヤニヤ
隼鷹「素直になりなよぅ」ニヤニヤ
提督「よし分かった」ガタッ
隼鷹「へっ?」
提督「隼鷹、部屋行くぞ」
隼鷹「いっ、いきなりどうしたのさっ」アセ
提督「いきなりも何も、そっちが誘ってきたんだろ?」ズイ
隼鷹「ちょ、ち、近いよ…」ドキドキ
提督「なぁに、これからもっと近い仲になるんだから…」スッ
隼鷹「わわっ!」ビク
683: 2016/08/02(火)23:50:26 ID:c3T
提督「今夜は、寝かさないぜ?」ミミウチ
隼鷹「ひゃあぁ!?」ビクビクッ
隼鷹「ま、ままま待ってくれよう!私、まだそんな!」アタフタ
隼鷹「風呂にも入ってないし!初めてがこんな酔ってる時なんてやだよう!」ブンブン
隼鷹「でっ、でも提督が嫌な訳じゃないんだからな!ただ、世の中タイミングってもんが…?」
提督「…ぷっ、くっ」プルプル
隼鷹「えっ、と…提督?」
提督「ぶっふwwwむ、無理っwww」ブフッ
隼鷹「何笑ってんのさ…」
提督「必氏過ぎwww」ゲラゲラ
隼鷹「んなっ!?」
提督「いやー、ここまで焦る隼鷹もなかなかないよねw」
684: 2016/08/02(火)23:50:59 ID:c3T
隼鷹「か、からかったのかい…?」プルプル
提督「ごめんごめんwいやぁいいもんみれーー」
隼鷹「提督のばかやろーー!!」キンテキ
提督「あぁあ"っ!!?」キンッ
隼鷹「自棄酒してやるーー!」スタタタタ
提督「ンンンンンン!!」ウズクマリ
瑞鳳「提督…大丈夫ぅ?」サスサス
提督「あんまり大丈夫じゃないぃ」
瑞鳳「もう…あんまり意地悪しちゃ駄目だよ?」サスサス
提督「はいぃ…」
ーー
ー
685: 2016/08/02(火)23:53:07 ID:c3T
ー外ー
提督「ちょっと飲みすぎたかな」フー
提督「まだキャンタマ痛いし…」サスサス
大和「提督、お隣よろしいでしょうか?」
提督「!?」サッ
大和「どうかなさいましたか…?」
提督「んや、どうぞ」ニ、ニコ
大和「失礼します」スッ
提督「大和、楽しんでる?」
大和「はい、それはもう」ニコ
提督「そっか、よかった」
大和「戦いとは関係のない催し事は初めてだったので、なんと言うか…」
提督「今までは海域突破の祝勝会みたいなのばっかりだったね」
提督「それだとどうしても、海に出た娘とそうじゃない娘で温度差ができちゃうからなぁ」
686: 2016/08/02(火)23:53:33 ID:c3T
大和「皆、喜んでいたのは確かなんですが…」
提督「その時は、俺もそれに気付けなかったからね」
提督「俺の落ち度だよ」
大和「………」
大和「…そんな事、ありませんよ?」ヨリソイ
提督「………」
大和「…私達は兵器なんです」
大和「だから、本来の役割…提督の命令を卒無くこなし、敵とされている目標を殲滅する」
大和「ただ、それだけでいい筈なんです」
大和「不平不満、要望、願望、欲望、そんな感情を持つべき存在であってはならないんです」
提督「そんな事っーーー」
大和「そうです。だから皆、提督をお慕いしているんですよ?」
687: 2016/08/02(火)23:54:00 ID:c3T
提督「っ……」
大和「提督が私を、私達艦娘を一人の女性として見てくれるから」
大和「私達も、それに応える事ができて」
大和「そして、提督を一人の男性として」
大和「想い、恋慕う事ができるんです」ギュッ
提督「大和…」
大和「例えこの先、提督のやり方が間違っていると誰かが意義を称えたとしても」
大和「少なくともここの艦娘と、大和は貴方の味方であり続けますから」
提督「…うん、ありがとう」
大和「ふふっ、少し飲み過ぎてしまったみたいです」クス
提督「え?」
大和「提督と二人きりでゆっくりお話をするのが久方ぶりだったので」
大和「嬉しくて、つい喋りすぎてしまいました」ニコ
692: 2016/08/07(日)20:48:46 ID:Ld2
提督「確かに、大和と二人きりで話すのは久しぶりかもしれないね」
大和「あの時を、思い出します」
大和「大和と提督が出会った、あの日をーーー」
ーーー
ーー
ー
693: 2016/08/07(日)20:49:14 ID:Ld2
提督「いやぁ、懐かしいねぇ」
大和「えっ、あれ…?」
提督「ん?」
大和「いっ、いえ、何でもありません」
提督「……?」
大和「おかしいわ、今まではこの流れだと過去の描写に…」ブツブツ
提督「………」
提督「ま、それはそのうちね」ポン
大和「そんなぁ…」ムゥ
提督「大丈夫だって、皆大和の事も好きだろうから」メメタァ
大和「皆…?」
提督「おっと、この話はこのへんにしとこうかな」
大和「……?」キョトン
提督「さ、そろそろ戻ろうか」
提督「いい感じに酔も冷めてきたし」
大和「何かはぐらかされている気がします」プク
694: 2016/08/07(日)20:49:41 ID:Ld2
提督「そんな事ないからさ、大和はどうする?」
提督「もちっとここにいるかい?」
大和「………」ムー
大和「…提督が戻るなら、大和も戻ります」
提督「ん、じゃ行こうか」
大和「…だったら」ボソ
提督「…?」
大和「その…手を…」
提督「手?」
大和「食堂に戻る手前までで構いませんので、手を…」
大和「手を、繋いでいただけないでしょうか…?」 チラ
提督「ん、いいよ」スッ
大和「やったぁ♪」パァ
提督「そんなに?」
大和「はい♪では失礼してーーーっ!?」
695: 2016/08/07(日)20:50:13 ID:Ld2
提督「どしたの?」
大和「これっ、指輪…」プルプル
大和「提督、結婚なされたのですか?」プルプル
提督「あぁ、そうだよ」
大和「い、いっ、いい一体、どど何方と…?」プルプル
提督「赤城と加賀やんだよ」
大和「あ、あぁ…よかった…」ヘナヘナ、ペタン
提督「や、大和?大丈夫?」アセ
大和「はい…大丈夫です」
提督「どうしたのさ」
大和「それが、提督の結婚指輪が、もし…人間の女性だったらと思ったら…」
大和「大和は、それが怖くて…」
提督「あの二人と何が違うのよ」
大和「だって…私達との間ではカッコカリでしかありませんが…」
大和「人間の女性となると…その…」
大和「正真正銘の、結婚に…」
696: 2016/08/07(日)20:50:55 ID:Ld2
提督「正真正銘の結婚もしたんだけどね」
大和「……えっ?」キョトン
提督「だから、カッコカリも含めて」
提督「本当の結婚をしたの」
大和「え、えぇと…誰と誰が、ですか…?」
提督「俺と、一航戦の二人」
大和「えっ…それは、本当ですか…?」
提督「本当だってば」
大和「………」
提督「えっとその…怒ってる?」
大和「いえ…ただ、ひとつ聞いても?」
提督「なんなりと」
大和「それでは…提督」
大和「貴方はーーーーーー?」
ーー
697: 2016/08/07(日)20:51:23 ID:Ld2
ー同時刻ー
ー食堂ー
ワイワイガヤガヤ
長門「……ん?」モグモグ
陸奥「どうしたの?」
長門「…へいほふはほほは?」
陸奥「飲み込んでから話してよ」
長門「ん……」モグモグ、ゴクン
長門「提督はどこだ?」
陸奥「提督ならさっきあそこに…あら?」
陸奥「確かに見当たらないわね」キョロキョロ
長門「また空母の連中と抜け駆けか?」
陸奥「ううん、空母は全員いるわよ」
長門「ふむ…トイレか」
陸奥「いや待って、大和がいないわ」
698: 2016/08/07(日)20:51:52 ID:Ld2
長門「大和、だと?」ピク
陸奥「まぁたまたまかもしれないけど」
長門「………」
陸奥「あの娘も今日呑んでたから」
陸奥「ここぞとばかりに、提督にアタックかけに行ったのかもしれないわね」
長門「…うむ」
陸奥「どうしたの?」
長門「いや、何も」
陸奥「先、越されちゃったって?」
長門「んなっ!?そんな事一言も!」ガタッ
陸奥「じゃあなんなのよ」
長門「むぅ…それは…」タジ
陸奥「もう、分かりやすいんだから…」ハァ
長門「…お前は随分と余裕なんだな」
陸奥「え、私?」
699: 2016/08/07(日)20:52:27 ID:Ld2
長門「あぁ…それとも、どうでもいいのか?」
陸奥「別にどうでもよくはないわよ」
陸奥「寧ろ、由々しき事態だわ」
長門「にしては…ではないか」
陸奥「何が言いたいの?」
長門「その…焦りというかだな…」
陸奥「あぁ、それは大丈夫よ」
長門「………」
陸奥「何故言い切れる?って顔してるわね」
長門「む…なら聞こうか」
陸奥「そんなの簡単じゃない」
陸奥「提督の事を知ってれば、自ずと分かる筈よ?」
長門「提督の、事…か」ウーン
長門「………」ウーン
長門「………」ウーン
長門「………」ウーン
長門「…受け入れる未来しか見えないではないか」ズーン
陸奥「はぁ…ほんっと単純なんだから」タメイキ
700: 2016/08/07(日)20:53:12 ID:Ld2
長門「なんだと!!」ガタッ
陸奥「そういう所も含めて言ってるのよ」
長門「っ…分かった」スワリ
陸奥「じゃあ教えてあげる」
陸奥「何故、私が余裕でいられるか」
陸奥「その答えは、あそこにあるわ」ユビサシ
長門「あれは…空母の連中ではないか」
陸奥「まだ分からないの?」
長門「いや、提督が空母好きなのは最初から知っているが…」
長門「それと陸奥の余裕に何の関係が…?」ウーン
長門「………」ウーン
陸奥「……分かったわよ、答えおしえてあげるから」ハァ
長門「…今呆れたな」キッ
陸奥「もう、そんな事ないから聞きなさい」
701: 2016/08/07(日)20:53:43 ID:Ld2
陸奥「いい?提督は無類の空母好きなのは知ってるでしょ?」
長門「あぁ」
陸奥「じゃあ、ウチの第一艦隊の編成は?」
長門「…全員空母だな」
陸奥「そこまで分かってたら」
陸奥「提督がカッコカリの指輪を送るであろう最初の6人が分かったでしょ?」
長門「うむ、分かるな」
陸奥「んで、今ケッコンを済ませてるのは赤城と加賀だけでしょ?」
長門「そうだn……は?」
陸奥「えっ?」
長門「ちょっとまて陸奥、それは初耳なんだが」
陸奥「あっ…」
長門「詳しく聞かせて貰おうか」ガシッ
陸奥「ちょっ、ちょっとまって!」アセ
陸奥「それも後で話してあげるから!」アセアセ
長門「本当か?」ギロ
陸奥「本当よ!」
長門「分かった」スッ
702: 2016/08/07(日)20:54:26 ID:Ld2
陸奥「もう…びっくりしたわ」
陸奥「えぇと、どこまで話したか忘れたじゃない…」
陸奥「…そうそう、まぁ詰まるところはね?」
陸奥「早くても、あと四人がカッコカリするまでは」
陸奥「私達も他の戦艦も、先越される事はない、かもしれないって事よ」
長門「成程」
陸奥「絶対とは言えないけどね」
陸奥「まぁでも、私達の練度を考えたら」
陸奥「警戒すべきは、金剛かしら」
長門「私達より上だからな」
陸奥「上も下もあんまり変わらないんだけどね」
長門「うむ…精進せねばな」
陸奥「ほんと、そぉねぇ」
長門「ところで、提督が結婚したと言う話をだな」
陸奥「あ、覚えてたのね」
ーー
ー
704: 2016/08/12(金)12:39:17 ID:dAQ
支援
707: 2016/08/14(日)23:49:31 ID:oMm
まさか追い付けるとは思わなかったw
待ちます。こんな長編見逃せる訳がない
待ちます。こんな長編見逃せる訳がない
次回:提督「赤城のワガママ」【その8】



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