713: 2016/08/19(金)22:11:46 ID:e8N
714: 2016/08/19(金)22:13:18 ID:e8N
フタサンマルマル
ー廊下ー
ー食堂入口ー
提督「着いたけど…」チラ
大和「…まだ、離したくありません」
提督「そう言わないでさ」
大和「むぅ…」
提督「ほら、クリスマスのお願いもある事だし、ね?」
大和「あの券、額に入れて大切に保管していますので」ムン
提督「あ、そうなの?」
大和「はい、万が一にでもなくす様な事がないように」ニコ
提督「まぁ、無碍に捨てられるよりかは嬉しいけれども…」
大和「そんな事する位なら大和が貰います」
提督「自分でお願いしといて、目の前で捨てたらソイツただのドSだからね」
大和「それもそう、ですね」ニコ
提督「まぁ、アレには特別期限は設けてないから」
提督「俺が大丈夫なタイミングなら何時でもーー」
715: 2016/08/19(金)22:13:48 ID:e8N
バターーン!!
??「ああぁあぁあぁぁ!!」スタタタタ
大和「ひぃ!?」ビックゥ
陸奥「ちょっと!何処行くのよ!」タタタッ
大和「む、陸奥?一体何が…」ドキドキ
陸奥「大和じゃない、提督は?」
大和「えっ、提督ならさっきまで…」キョロキョロ
キィ…
陸奥「あ、大和」チョイチョイ
大和「どうしたのーーー提督!?」
提督「」カベニウモレ
陸奥「扉と壁に挟まれてたのね」アラアラ
大和「大丈夫ですか!?提督!!」グイグイ
提督「」イテテテテイタイイタイ
陸奥「トム○ジェリーじゃないんだから…」
ーー
ー
716: 2016/08/19(金)22:14:22 ID:e8N
提督「んで、俺がいない間に何があったの…」
陸奥「話せば長く…はならないわね」
提督「んっとにもう…いてて」
大和「提督、動かないで下さい」ショウドク
陸奥「え、あれギャグじゃなかったの?」
提督「ギャグで壁に埋まってたまるかよ」
大和「陸奥、提督に失礼よ?」
陸奥「はいはーい、ごめんなさーい」
提督「まぁ怒っちゃないけど…」
陸奥「流石提督、そういう所好きよ」
大和「すき?」ピク
提督「はいはい、ありがとー」
陸奥「…私の真似?」
提督「さぁね、それよりさ」
陸奥「何よもう…分かったわよ」
大和「………」ホッ
陸奥「あれは…そうね、提督が居なくなってからなんだけど」
ーー
ー
717: 2016/08/19(金)22:14:56 ID:e8N
ー少し前ー
ー食堂ー
長門「…そうか、提督が」
陸奥「そ、私も今日聞いたんだから」
長門「………」
陸奥「………」ヤレヤレ
陸奥「ほら、さっきも言ったでしょ?」
長門「………」
陸奥「うちの提督は、三度の飯より空母が好きなの」
陸奥「だから、空母からケッコンしていくのは仕方の無い事でしょ?」
長門「…それは分かってる」
陸奥「なら、空母の後は私達にチャンスがあるのも分かってるわよね?」
長門「…あぁ」
陸奥「だったら何でそんなに落ち込んでるのよ」
長門「うん…?落ち込んでなどいない」
陸奥「だったら何なのよ」
718: 2016/08/19(金)22:15:30 ID:e8N
長門「…提督は」
長門「カッコカリをした訳では、ないのだろう?」
陸奥「カッコカリも兼ねて、らしいわ」
長門「つまり、一航戦の二人とは」
長門「本当の結婚をしたんだな」
陸奥「そういう事になるわね」
長門「………」
陸奥「……?それを気にしてるの?」
長門「あぁ…」
陸奥「…まぁ、それは…そうね」
陸奥「私達だって、カッコカリはいずれして貰えるでしょうけど」
陸奥「結婚ってなると…ねぇ」チラ
長門「なんだ…?」
陸奥「ちょーっと、難しいかもしれないわねって」
長門「いや、そうではない」
陸奥「えっ…?」キョトン
長門「勿論それもあるが…本質はそこではなくてな」
長門「………」
陸奥「なら、なんなの?」
長門「提督は…本気で艦娘と添い遂げるつもりなのか?」
719: 2016/08/19(金)22:16:12 ID:e8N
陸奥「…そうじゃないの?」
長門「だが…いくら、人間と同じ感情を持っていて」
長門「どれだけ、人間と同じ形をしていても」
長門「…私達は、兵器なんだ」
陸奥「………」
長門「提督は私達を人間と同じ立場で接してくれるが、それは提督一個人の考えでしかない」
長門「それで提督と私達の、抗えない隔たりが無くなるわけではないんだ」
陸奥「それは…」
長門「赤城と加賀も、それを忘れてるんだ」
長門「…いや、忘れさせられているの方が正しいか」ウーム
陸奥「…提督がそう仕向けてるって言いたいの?」
長門「あの人がそこまで器用な事を出来ると思うか?」
陸奥「それもそうね」クス
長門「私の言い方も悪かったな」
陸奥「…まぁでも、私はいいと思うわ」
長門「ん?」
720: 2016/08/19(金)22:16:52 ID:e8N
陸奥「艦娘との結婚よ」
長門「何故そう思う?」
陸奥「確かに問題は山積みだと思うし、これから…それこそ戦争が終わった後なんて」
陸奥「私達、どうなるかも分からないじゃない?」
長門「…そうだな」
陸奥「人間の女性と結婚するのに比べて、越えなきゃいけない課題なんて比じゃないと思うわ」
長門「うむ…」
陸奥「…だけど結婚って、そんな打算的にする事じゃないと私は思うの」
陸奥「お互いに、お互いが好きだから」
陸奥「この人と氏ぬまで一緒に居たいから」
陸奥「結婚てそういうものだと思うわ」
長門「………」
陸奥「まぁ、中には例外もあるんでしょうけどね」
長門「そうだろうがな」
陸奥「でも、それを言うなら提督は凄いわよ?」
陸奥「誰がどう見ても、艦娘と結婚なんて不都合の方が多いじゃない」
陸奥「それを、『好きだから』ってだけで二人同時に娶ったんだから」
長門「見方次第な気もするが」
陸奥「若気の至りってほど提督も若くないし、ロマンチックだと思わない?」
長門「…当事者にならんと思えんな」フン
721: 2016/08/19(金)22:18:43 ID:e8N
陸奥「応援してあげないの?」
長門「しないとは言ってないだろう」
陸奥「…色々言ってたけど、本当は羨ましいだけじゃないの?」
長門「なっ」
陸奥「図星じゃない」
長門「…そんな事は、ない」フイ
陸奥「………」ジィー
長門「…本当だ」
陸奥「じゃあ、提督にプロポーズされたらどうするの?」
長門「……………喜んで受ける」
陸奥「…素直じゃないんだから」ハァ
長門「うるさい!陸奥だって受けるくせに!」
陸奥「そんなの当たり前じゃない」
長門「くっ、開き直るのは卑怯だぞ」
陸奥「卑怯もへったくれもないわよ」
陸奥「さ、この話は終わり」パンッ
長門「…腑に落ちん、こうなれば飲み明かしてやる!」
陸奥「お酒強くないんだから、程々にするのよ?」
ーー
ー
722: 2016/08/19(金)22:19:50 ID:e8N
ー30分後ー
長門「わぁあぁあぁああ…」ボロボロ
陸奥「って言った側から…」タメイキ
長門「提督は私が嫌いなんだぁぁあ」オオナキ
陸奥「はいはいそんな事ないから、ね?」
長門「うううぅぅ…」グシュ
陸奥「大丈夫よー、嫌われてないわよー」ナデナデ
長門「ほ、本当か?」ウルウル
陸奥「本当よー」
長門「私が、一番か?」ウルウル
陸奥「あー、それは…」メソラシ
長門「わぁあぁあぁぁん」オオナキ
陸奥「しまった…」
ーー
ー
723: 2016/08/19(金)22:20:21 ID:e8N
長門「うぅ、ぐすっ」グシグシ
陸奥「落ち着いた?」サスサス
長門「ん」
陸奥「よかった…泣き止まなかったらどうしようかとーーー」
バターーン!!
金剛「ムツー!」
陸奥「金剛じゃない、そんな急いでどうしたの?」
金剛「大和が抜け駆けしてたネ」
陸奥「あ、やっぱり」
金剛「証拠もバッチリ掴んだから突撃するネー!」ムン
陸奥「証拠?」
金剛「ハイ、青葉から貰ったヨ」スッ
陸奥「やっぱり出処は青葉だったのね…」ウケトリ
724: 2016/08/19(金)22:21:15 ID:e8N
陸奥「あら、いい雰囲気ね」フーン
長門「………」
金剛「クゥ、そこに私が立ちたいネ」
陸奥「まぁまぁ、たまにはいいじゃない」
長門「……うっ」
金剛「ウーン、そうデスかネー…」
陸奥「実際、蓋を開けたら二人で話してただけ、なんてのがオチだと思うわよ?」
長門「……うぅ」
金剛「ワタシもそうだとは思いマスが…って長門?」
陸奥「あっ」
長門「……うぇえ」ウルウル
陸奥「違うのよ!これはそういう風に見えるけど…えーと、とにかく違うの!」アタフタ
金剛「陸奥?そんなに焦ってどうし…って泣いてるネ!?」
長門「…やはり、大和は…うぁあ」ボロボロ
陸奥「あちゃあ…」アタマカカエ
金剛「…長門に何があったノ?」
陸奥「話せば長いわ…一言で言えば酔って泣上戸になってるだけよ」ハァ
長門「…うわぁあぁぁあ」ボロボロ
725: 2016/08/19(金)22:21:56 ID:e8N
長門「もう氏んでやるぅ…」ガッ
陸奥「ちょっと!お酒の瓶掴んでどうするのよ!」
金剛「危ないネ!」
長門「んっ!」カポ
ゴクゴクゴクゴク…
陸奥「一気飲みだったのね」ホッ
金剛「安心してる場合じゃないネ」
長門「…ぷはぁ」
陸奥「えっ!?あれ全部飲んだの!?」
金剛「ほぼ残ってたネ」
長門「………」ポケー
陸奥「ちょっと!大丈夫!?」
726: 2016/08/19(金)22:22:27 ID:e8N
長門「……な……か」
陸奥「吐きそうなの!?ちょっと我慢して!」
長門「氏ねないではないかぁ!」
金剛「What!?」
長門「うわぁぁぁああぁぁあ!!!」スタタタタタ
陸奥「あっ!待ちなさい!」
金剛「………」ポカーン
ー
ーー
ーーー
740: 2016/08/29(月)04:31:55 ID:ESs
陸奥「とまぁこんな感じよ」
提督「マジか…」
大和「それで、長門はどこに?」
陸奥「知らないわよ」
提督「部屋か、道中の何処かで潰れてるか…だろうね」
陸奥「ほんっとにもう…」タメイキ
提督「いいよ、俺探してくるから」
大和「えっ」
陸奥「それは悪いわよ…」
提督「他が行っても聞かないかもしれないでしょ」
陸奥「あー、確かに」
大和「提督、大和も…」
陸奥「それは絶っっ対に駄目よ」
大和「…何故?」キッ
提督「陸奥の話だと、俺と大和が一緒に居たのが原因ぽいから…」
提督「今、長門の前に俺と大和が行ったらちょっとよくないよね」
陸奥「そういうこと」
741: 2016/08/29(月)04:32:21 ID:ESs
大和「むぅ…仕方ないですね」グヌヌ
提督「ま、そゆことだから」ヨイショ
提督「それっぽいとこ探してみるよ」
陸奥「…姉が迷惑かけるわね」
提督「なぁに、手がかかる娘程可愛いもんなのさ」
陸奥「…ふぅん」ジィ
大和「………」ジィー
提督「いや、手がかからない娘が可愛くないって訳じゃないからね」アセ
提督「お願いだから自ら望んでそうならないでね?」
陸奥「検討しとくわ」
742: 2016/08/29(月)04:32:53 ID:ESs
大和「手がかかる娘…でも、提督に迷惑は…」ブツブツ
提督「はいそこ葛藤しないで、大和は今のままで充分手がかかっーー…可愛いんだから」
大和「…今、何か言いかけませんでしたか?」ジト
提督「そ、そんなことないから…」
陸奥「大和『は』?」ジト
提督「言葉の端々で揚げ足とるのやめて!」
ーー
ー
ー回想の後ー
ー明石ラボの近くー
長門「あぁあぁぁぁ!」スタタタタタ!
明石「あ、長門さ…え?」
長門「うわぁぁあああ!」タタタタタタ!
明石「えっと…頼まれてた例の兵装、完成してるんです、けど…」
長門「あぁぁぁ!」ビュン!
明石「うおっ!?」
明石「凄い速度で通り過ぎてった…」
明石「てかめっちゃ泣いてたんだけど…」
明石「…なんだったの?」
ーー
ー
743: 2016/08/29(月)04:33:35 ID:ESs
フタヨン マルマル
提督「んー、いないねぇ…」スタスタ
提督「後、探してないのって…明石んとこから奥、か」
提督「うーん、居なかったらいよいよやばいんだけど…」
提督「……さて」ガチャ
提督「え、開かない」ガチャガチャ
ピッ
提督「液晶画面…?」
ウィーン
提督「何これ…push?」
ボタンヲレンダシテトビラヲアケロ!
ヒラケバアカシラッシュゲット!
提督「連打ねぇ、てか明石ラッシュてなんだよ…」
レェンダシロ!!
提督「オラオラオラオラ!!」ズダダダダダ
提督「てかボタンちっさ!連打しにくい!」
デェン…シッパイ
提督「失敗てなんだよ!」ダンッ!
テイトクゥーーー!!
提督「えっ?何これ…カットイン?」
ギギギ、ガチャ
提督「あ、開いた」
744: 2016/08/29(月)04:34:29 ID:ESs
明石「ん?提督ですか」
提督「あの扉なんだったの?」
明石「明石の拳の復活演出ですよ」
提督「なんだよそれ…」
明石「提督カットインは2%です」
提督「知らねぇよ…」
明石「それより、どうしたんです?」
提督「あぁ…そうそう、明石さ」
提督「長門、見てない?」
明石「長門さんですか?あぁ、そういや…」
ズイズイカクカク
提督「やっぱりこっち来てたんだ」
明石「はい、執務室の方から見てだと奥の方に走って行きましたよ」ユビサシ
提督「てことは…居るとしたら」
明石「お風呂(入渠)か、倉庫か…ですね」
提督「んー、だといいけど…」
明石「けど?」
提督「万が一海に出てたらってさ」
明石「あぁ…でも、海なら大丈夫なんじゃないです?」
明石「人間なら危ないけど、艦娘ですし」
提督「いや、長門泥酔してんだよね」
明石「は?」
745: 2016/08/29(月)04:35:03 ID:ESs
提督「だから、泥酔してんの」
明石「泥酔して、あの猛ダッシュ…?」
提督「俺だって壁に埋もれたんだぞ」
明石「ひぇー、マジかぁ…」
提督「そ、だから心配なの」
明石「それはちょっとまずいですねぇ」
提督「何か仕出かす前に早めに見つけないと」
提督「陸奥も心配してたしねぇ」
明石「だったら私も探しましょうか」
提督「そうだね、助かるよ」
明石「そうと決まれば早速…」スクッ
ピーーッ!
明石「えっ…」ピタ
提督「今の何の音?」
明石「えぇと」
提督「爆発とか勘弁だからね」
明石「いや、今のはですね…」
明石「ここの施設の防犯アラーム…です」
提督「えっ、それって…」
746: 2016/08/29(月)04:35:43 ID:ESs
明石「ここの鎮守府内のあらゆる施設は、各々が本来使わない時間帯になると、対物センサーが作動するようになってます」
明石「つまり、時間外に人の出入りがあった、とか」
明石「時間外に施設の何かしらが作動した、などをこちらで確認できる、言わば防犯システムですね」
提督「へぇ」
明石「普段も、主に食堂を中心に作動する事はあるんですが」
提督「…食堂?」ピク
明石「えぇ、報告の必要性を成さないレベルなので黙っていましたが…」
提督「それって、盗み食い摘み食いの類いってこと?」
明石「まぁそれが主に」
提督「誰?」
明石「チクリはしないタチなので」
提督「ほう、なら共犯だな」ガタッ
明石「アンタの嫁さんらだよ!」ズビシ
提督「すいませんでした」ドゲネ
提督「アイツら、言っとかないと…」アキレ
明石「いやぁ、それは止めといた方がいいかと」
提督「なんで?」
明石「もうチクっちゃったので背に腹は変えられませんからね、言いますけど」
提督「……?」
747: 2016/08/29(月)04:36:46 ID:ESs
明石「あの二人、嫁さんになる前から夜な夜な料理の練習してたんですよ」
提督「!」
明石「まぁ、摘み食いも度々見受けられましたが」
提督「アイツら…」トゥンク
明石「加賀さんはある程度料理出来てましたからね、赤城さんがメインで」
提督「今すぐアイツら抱き締めてくる」ダッ
明石「ちょっと!長門さんはいいんですか!?」
提督「っ!」ピタ
提督「畜生っ…長門め…」グヌヌ
明石「まぁまぁ、あの二人は提督から否が応でも離れませんから、ね?」
提督「まぁ、ね」テレ
明石「きんも」
提督「辛辣だなぁおい」
ーー
ー
748: 2016/08/29(月)04:37:35 ID:ESs
明石「まぁそれで、私自身24時間体制でチェック出来るわけじゃないので」
明石「システム側で、ある程度チェックさせてるんです」
提督「ふむ」
明石「ここに配属されてる艦娘と提督は、システム内に登録されてますから」
明石「システムが作動した際に、そこにいる誰かが、登録されている人物かどうかをチェックして」
明石「問題が無ければ、ここが緑に光ります」ユビサシ
提督「さっきは緑だったね」
明石「はい、だからとりあえずは問題ないですね」
提督「なら、そうじゃなかった場合は…?」
明石「ここが赤に光って、施設内全ての電気が付いて、出入口の全てをシャットアウトして、けたたましいサイレンが施設内全てに鳴り響きます」
提督「おぉ、マジか」
明石「つまり、施設内の関係者全員に侵入者の存在をお知らせするんですね」
提督「でも、それさ…」
明石「はい」
749: 2016/08/29(月)04:38:37 ID:ESs
提督「もし、こっち側のスパイとかだったらどうするの?」
明石「緑に光った場合でも、その時の映像を記録出来ていますから」
明石「だから一航戦の花嫁修業も知ってたんですよ」
提督「抱き締めてくる」ダッ
明石「落ち着けアンドレ」ピッ
提督「クソッ!開かねぇ!」ガンガン
明石「その扉、ミサイル当てても壊れませんから、さぁ戻って」
提督「…くそぅ」スワリ
明石「だから一応そこに誰がいて、何をしているのかまでは分かりますよ」
提督「じゃあ、さっきのはさ」
提督「何処に誰がいたのか分かる?」
明石「勿論ですとも!ちょっと待って下さいねぇ」カタカタ
明石「えっ、と…場所は…」カタカタ
明石「艦娘の出発ゲートですねぇ」カタカタ
提督「」
明石「モニター出ますよー」カタカタ、タァン
ピッ
750: 2016/08/29(月)04:39:12 ID:ESs
明石「」
提督「」
明石「…えーと」
提督「」
明石「明石製ハイテク防犯システムの解説してる場合ではありませんでしたね…」アチャア
提督「」
明石「で、どうします?」
提督「…酔ってる奴以外、執務室に集めて」タメイキ
提督「緊急事態だよ、もう…」ハァア
ーーー
ーー
ー
751: 2016/08/29(月)04:39:57 ID:ESs
マルヒト マルマル
ー執務室ー
提督「………は?」
明石「だから、素面の艦娘にだけ収集をかけてきましたって…」
提督「で、その素面の艦娘はどこにいるの?」
明石「こ↓こ↑」ユビサシ
提督「………は?」
明石「だから、こ↓こ↑」ユビサシ
提督「明石だけ…?まじかよ…」
明石「まぁ、仕方ないですよねぇ」
提督「んー、確かになぁ…」
明石「で、どうします?」スワリ
提督「ほっとけないでしょ」
明石「でも、夜なんですよねぇ」
提督「ウチ、夜偵ってあったっけ?」
明石「川内が改二になった時確か…」
提督「それ、飛ばしてみて…ってそっか」
明石「飛ばせる艦娘、へべれけなんですよねぇ…」
提督「現状、打つ手なしって感じか…」
提督「俺が単独で出てもいんだけど」チラ
明石「絶対ダメです♪」ニッコリ
提督「ですよねぇ…」
ーー
752: 2016/08/29(月)04:40:47 ID:ESs
明石「ところで提督」ポリポリ
提督「ん?あっ!お前それどっから!」
明石「そこの棚から」
提督「俺のとっときのお菓子!」
明石「ケチんないケチんない」
提督「んっとに…で?」
明石「1個、報告するのを忘れてた事がありましてですねー」
提督「えっ、なに?」
明石「私、さっき食堂行って素面の艦娘がいるか見に行ったじゃないですか」
提督「うん」
明石「嫁さん二人が、提督探してましたよ」
提督「う、うん…?」
明石「ベロンベロンに酔った状態で」
提督「…ちょっと様子見てくる」スク
明石「今晩はお楽しみですね」
提督「それどころじゃ無さそうなんだけど…」
提督「兎に角行って様子を見て来ーー」ガチャ
赤城「………」
加賀「………」
提督「ーーる必要も無かったね」アハハ…
明石「ですねぇ」ケラケラ
ーー
ー
753: 2016/08/29(月)04:41:58 ID:ESs
提督「だぁから、違うっての…」
赤城「ちがわないです、ていとくはあかしさんとうわきしました」
提督「してないって…」
加賀「ていとく、ていとく」クイクイ
提督「はいー?」
加賀「……すきです」ジィ
提督「俺も好きだよー」
加賀「やりましたぁ♪」
赤城「わたしのことはすきではないのですか?」ジッ
提督「あー、赤城も好きだよー」
赤城「あかぎ、まいります」ギュ
提督「はいはい」ナデナデ
明石「………」ウワァ
提督「はいそこ、ドン引きしない」
明石「いえあの…提督にと言うかですね」
明石「この二人、酔うとこんななるんですねぇ」
提督「あぁ、加賀やんは知ってたけど」
提督「赤城は知らなかったなぁ」
赤城「およびですか?」ジッ
提督「ん?大丈夫だよ」ナデ
赤城「そうですか」ナデラレ
明石「どうします?これ」
提督「寝るまで収拾つかないんじゃないかな…」
754: 2016/08/29(月)04:42:58 ID:ESs
明石「長門さんの件は?」
提督「ええと、とりあえず明けるまでは身動き取れないから」
提督「明朝、例の烈風飛ばしてみて」
明石「了解しました」
提督「あれ、一つしかないの?」
明石「元は一機でしたが、も少し量産しときますね」
提督「ん、助かる」
提督「まぁ、いくら泥酔しているとはいえ長門の事だ、余程のことがない限り大丈夫だとは思うが…」
赤城「またていとくがうわきしています」プク
提督「はいはい、ヤキモチ妬かないの」ナデ
赤城「むーー」
提督「てなわけだから」
明石「了解ですー、んじゃあ邪魔者はさっさと退散しますかねぇ」
提督「邪魔者って…二人寝かしつけたらそっち行くからね」
明石「期待しないで待ってます、ではごゆっくりー」ヒラヒラ
パタン
755: 2016/08/29(月)04:45:07 ID:ESs
提督「さて…赤城、加賀やん?」
赤城「………」ツーン
加賀「…はぃ」ギュウ
提督「もう座っててもキツイでしょ?」
赤城「しりません…」
加賀「ていとくがいればわたしは…」
提督「はいはい、二人共ベッド行こうね」
ーー
加賀「…んぅ、てい、と…く」スヤァ
提督「加賀やんは速攻か」フゥ
赤城「………」
提督「赤城は寝ないの?」
赤城「………」
提督「…寝てるみたいだし、俺もそろそろ行こうかな」ヨット
赤城「やぁです」クイ
提督「起きてんじゃん」
赤城「ていとくがいないとねれません」
提督「子供じゃないんだから…」
赤城「おっとにあまえてはいけませんか?」ジッ
提督「んぐ、それを言われると…」
756: 2016/08/29(月)04:45:36 ID:ESs
赤城「となりにいてください」キュッ
提督「わあったよ、寝るまでいるから」ヤレヤレ
赤城「…やりました」
提督「お前は加賀やんか」
ーー
ー
提督「………」ウツラウツラ
赤城「…ていとく」クイクイ
提督「んぁっ?赤城か、どうした?」
赤城「…あたまがいたいです」ガンガン
提督「あぁ、二日酔いでしょ」
赤城「たすけてください」
提督「にしても早いね、そんなに飲んだの?」
赤城「おさけはいっぱいだけです」
提督「下戸過ぎか」
757: 2016/08/29(月)04:46:42 ID:ESs
赤城「ていとく、いたいです…」
提督「少し辛抱したら収まるからね?」ナデナデ
赤城「わたしは、しぬのですか…?」
提督「二日酔いなんかで氏なないよ」クス
赤城「いや、いたい…です」フルフル
赤城「しにたくない…ていとくと、はなれたく…ない、です」ギュウゥ
提督「…赤城」
提督「大丈夫、俺が付いてるからな」ナデナデ
赤城「ていとく、ていとく…」ギュウ
提督「俺が守ってやるから、な?」
赤城「は、い…てい、と…」ウト
提督「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ
赤城「…ん、すぅ…すぅ…」スヤァ
提督「ふぅ…ったく」スッ
赤城「ぁ……ゃ、ぁ…」モゾ
提督「っと……」ナデナデ
赤城「……すぅ」スヤァ
提督「あはは、長門のターンなのにな」ナデナデ
ーー
ー
758: 2016/08/29(月)04:47:48 ID:ESs
マルフタ マルマル
ー明石ラボー
提督「…また連打しなきゃなのかな」スッ
ガチャガチャ
提督「やっぱりか…」
ウィーン
提督「はい、液晶画面からの」
ガコン
提督「ボタンね」
ハァァァア!!ホァタァ!!
ボタンヲオスンダァァア!!
提督「え、1回でいいの?」
ポチッ…バァン!!
提督「うおっ!?」
明石「あれ提督、早かったですね」
提督「いやいや…今の、何?」
明石「あぁ、バトルモードの一撃pushですね」
提督「は、はぁ…?」
明石「それより、お二人はちゃんと寝かしつけたんですか?」
提督「うん、相当酔ってたみたいでさ」
提督「ベッドに寝かせたらすぐ寝ちゃったよ」
759: 2016/08/29(月)04:48:36 ID:ESs
明石「ふた揉み程してきた、と?」
提督「してねぇよ」
明石「ふっ、どうだか」フッ
提督「お前の脳みそをふた揉みしてやろうか?ん?」
明石「勘弁」ドゲネ
提督「土下寝までが早いわw」
明石「ささ、こちらで珈琲でも」
提督「ん、ありがとう」
明石「それで、とりあえずなんですけど」
明石「無人探査型烈風はそれなりの数準備しました」
提督「ほう、早いね」
明石「まぁ、幾ら艦娘とはいえ長門さんは戦艦ですし、夜は当然ながら視界も悪いですから」
明石「一晩で移動出来る距離には限界があると推測します」
明石「それが酩酊状態なら尚更ですからね」
提督「ふむ」
明石「加えてここらの海域は、海も敵も他所に比べると穏やかではありますから」
明石「あの練度の長門さんなら、仮に駆逐イ級なんかに出くわして、一晩中撃ち続けられても轟沈なんてしませんよ」
提督「まぁ、そうだね」
明石「更に言うならこの辺り、もう少し沖へ出れば離れ小島が点々としてますからね」
明石「途中で酔い潰れたとしても、何処かに流れ着く可能性は大いに有り得ます」
明石「なので、恐らく明朝からの探索でも充分かなと改めて判断させていただきました」
明石「どうでしょ」
提督「うん、それで大丈夫なんじゃないかな」
760: 2016/08/29(月)04:49:57 ID:ESs
明石「ま、後は朝から動ける艦娘が何人いるかですが」
提督「んー、明けてしまえば俺一人でも…」チラ
明石「絶対ダメです♪」ニッコリ
提督「…なんでそんなに過保護なの?」
明石「アンタ目を離したらすぐ氏のうとするからだよ」ジト
提督「別に氏のうとしてるわけじゃ…」
明石「はぁ…分かってますよ」
明石「ただ、リスクは最小限に抑えたいだけです」
提督「あ、はい」
明石「ま、そういう訳なので」
明石「提督は早めに就寝なさって下さい」
提督「んー、そうだねぇ」
明石「明朝までもうあんまりありませんし」
提督「じゃあお言葉に甘えようかな」ンーッ
761: 2016/08/29(月)04:50:23 ID:ESs
明石「なんならここで寝てもいいんですよ?」チラッ
提督「いや止めとくわ」キッパリ
明石「…何で即答なんですか?」
提督「だってさ」
提督「朝起きたら体半分サイボーグになってました、とか嫌じゃん?」
明石「んな事するかよ」
提督「いいや、分かんないね」
明石「んもぅ、私を何だと思ってるんですか?」
提督「ダイジョーブ博士」
明石「よし任せろ冷蔵庫にしてやる」
提督「勘弁だ、そして逃げる」スタタター
オヤスミアカシー!
明石「っとに…」タメイキ
ーー
ー
762: 2016/08/29(月)04:51:07 ID:ESs
ー執務室の近くー
ー廊下ー
提督「ん、執務室の前に誰か…」スタスタ
提督「体操座りして…寝てるのかな」
提督「なーんか見覚えのあるシチュなんだけど…」
提督「おーい、どちらさーーーーあぁ」
提督「むっちゃん、どうしたのこんな所で」
陸奥「…提督、何処行ってたのよ」カオアゲ
提督「あぁ、明石の所にね」
陸奥「そう…それで?」
提督「え?」
陸奥「長門は見つかった…?」
提督「あー、えーと…」
陸奥「そう、やっぱりね」カオウズメ
提督「その…何と言うか、すまん…」
763: 2016/08/29(月)04:51:53 ID:ESs
陸奥「提督が謝る事じゃないわ」
陸奥「あの人の、自業自得だもの…」
提督「しかし…」
陸奥「………」
提督「………」
陸奥「……無事、かしら…」ポツリ
提督「……恐らくな」
陸奥「………」
提督「………」
提督「…ちょっと、寄ってく?」
陸奥「…え?」
提督「一人よりいいかなってさ」
陸奥「………」
陸奥「……お言葉に甘えさせてもらうわ」
ーー
ー
764: 2016/08/29(月)04:52:43 ID:ESs
ー執務室ー
ガチャ
提督「珈琲かなんか飲む?」
陸奥「寝れなくなっちゃうじゃない」
提督「あはは、そうだね」
陸奥「………」
提督「……えぇと」
陸奥「………」
提督「むっちゃん?」フリムキ
陸奥「……っ」ガバッ
提督「おっ、と」ウケトメ
陸奥「………」ギュウ
提督「………」
陸奥「……もし」ポツリ
提督「ん?」
陸奥「もし、長門の身に何かあったら…」
陸奥「もう、二度と会えなかったら…」
陸奥「一人になると、そんな事ばっかり」ギュウ
提督「大丈夫さ」サスサス
陸奥「分からないじゃない…」
提督「いいや、分かるね」
提督「俺の知ってる長門は…」
提督「俺の許可無しに沈む様な奴じゃない」
陸奥「…許可無しに出ていったけどね」
765: 2016/08/29(月)04:53:31 ID:ESs
提督「色々溜まってたんだろうさ」
陸奥「……分かってる、つもりだったの」
提督「…うん」
陸奥「長門の事なら、誰よりも分かってるつもりだった…」
陸奥「でも、全っ然」
陸奥「私、分かってなかった」ギュウ
提督「そんな事ないさ」
陸奥「………」
提督「むっちゃんが、誰よりも長門を気にかけてたのは俺もよく知ってる」
提督「それでも…幾ら姉妹でも」
提督「本人にしか分からないことなんて、沢山あるんだから」
陸奥「………」
提督「だからね、むっちゃん」
提督「今回の事も含めて、むっちゃんばかりが責任を感じる必要は、ないと思うんだよ」
陸奥「………」
提督「俺も、少し勘違いしてた節がある」
陸奥「勘違い…?」
766: 2016/08/29(月)04:54:55 ID:ESs
提督「正直、長門があそこまで繊細で、乙女な奴だとは思ってもいなかった」
陸奥「それ、本人に言っちゃ駄目よ?」
提督「…墓場まで持っていこう」
陸奥「ふふ、それがいいわ」クス
提督「ん、笑ったね」ニコ
陸奥「っ///」ポフッ
提督「照れてるw」
陸奥「う、うるさい」カァ
提督「さて、立ちっぱなしもなんだし」
提督「そろそろ…ね」
陸奥「……嫌よ」ギュウ
提督「あらら」
陸奥「こ、このまま、ソファに行きましょ」
提督「えっ、俺後ろ向きなんだけど」
陸奥「いいから行くの!」グイグイ
提督「わわっ、ちょっと!」グラッ
ボフン
提督「いてて…」
陸奥「捕まえたわ」ギュウ
提督「…今日はやけに積極的ですこと」
陸奥「お酒が入ってるのもあるけど…」
陸奥「こんな日ですもの、女は心細くなるものなのよ?」
提督「さいですか」
767: 2016/08/29(月)04:57:07 ID:ESs
陸奥「…それに」
提督「…?」
陸奥「…私ね、提督が思ってる程強くないのよ?」
提督「戦艦なのに?」
陸奥「……もう、ばか」
陸奥「…分かってるくせに」ギュウ
提督「バレてら」
陸奥「だから…たまにでいいの」
陸奥「たまーに、その…私だけを見てくれる時間?みたいなのを」
陸奥「作ってくれないと…」
提督「くれないと?」
陸奥「提督の知らない所で、こっそり泣いちゃうから」
提督「それは駄目だねぇ」
陸奥「だったら、分かったでしょ?」
提督「はいよ、何時でもおいで」ナデナデ
陸奥「んっ…ありがと♪」ナデラレ
ーー
768: 2016/08/29(月)05:01:42 ID:ESs
提督「ところでむっちゃんや」
陸奥「ふふ、なぁに?」スリスリ
提督「貴女、酔ってる?」
陸奥「………」ピク
提督「酔ってるにしては…そのねぇ?」
陸奥「酔ってるのはほんとよ!」
陸奥「お酒、ちゃんと飲んだもの!」
提督「でも全然お酒臭くないし…」
提督「もしかして、酔ってるから仕方ないを装ってーーんぐっ!?」
陸奥「ーーーっはぁ」
提督「む、むっちゃん…」
陸奥「ど、どう?ちゃんとお酒の味、したでしょ?」マッカァァ
提督「お酒の味なんて1ミリもしないし寧ろこれがむっちゃんの味かぁ、なんてーー」
陸奥「黙って寝なさい、爆発するわよ」
提督「ひぃい!?」
陸奥(ほんっとに、変な所で鋭いんだから…)
ーーー
ーー
ー
769: 2016/08/29(月)05:02:36 ID:ESs
ー???ー
ー???ー
「…ん、ここ…は?」ムク
「…くぅ…何だ、この頭痛は…っ」
「…兎に角、状況を…」スク、フラフラ
「……暗くて、何も見えないが…外か…?」フラフラ
「くっ、駄目だ…視界が、定まらな、い」フラッ
ーーー
ーー
ー
770: 2016/08/29(月)05:04:14 ID:ESs
マルゴー マルマル
ー執務室ー
明石「提督、提督」ユサユサ
提督「んぁ…赤城か…?」ムク
明石「私が赤城さんだったら提督は永遠の二度寝に突入ですよ」
提督「へぁっ?」ゴシゴシ
提督「あぁ、明石かぁ…」
明石「感謝こそされど、残念そうにさせる謂れはないと思うんですが」
提督「さっきから何言ってんのさ」ノビー
明石「隣見て物言えってんだよ」ジト
提督「んー…となりー?」チラ
陸奥「……zzz」スヤァ
提督「………」
明石「目が覚めましたか?」
提督「……あー、明石?」
明石「はい」
提督「ありがとうございます」
明石「いえいえ」
771: 2016/08/29(月)05:05:29 ID:ESs
提督「そっか、二人共隣で寝てるからねぇ」
提督「あっぶねぇ」ホッ
明石「つまり、疚しいことをしたと?」
提督「してないけど、現行犯だと弁解の余地もないでしょ?」
明石「なるほど」
提督「さ、無益な争いが起こる前にここをでよう」ソソクサ
明石「時に提督」チョイチョイ
提督「はい?」
明石「隣で寝てる二人って、誰と誰でしたっけ?」
提督「えっ、そんなのあかーーっ!」ビクッ
明石「あか?」ケラケラ
提督「てめぇ…なんて危険な事を…」ドキドキ
明石「よく耐えましたね、それじゃ行きましょうかw」
提督「んったく…」
スタスタ…パタン
陸奥「………」
ーー
ー
774: 2016/09/04(日)22:04:59 ID:1A2
明石「さぁてやりますか」
提督「なら早速烈風を…って」
明石「どうしました?」
提督「探索用の烈風ってさ、どうやって飛ばすの?」
明石「ゲートの所に専用のカタパルトを併設してますから、そこで」
提督「それ、夜偵飛ばせたんじゃないの?」
明石「あっ…」
提督「………」
明石「………」
提督「………」
明石「それではゲートの所に行きましょうか」
提督「そうだね」ジト
明石「うぅ…」
ーー
ー
775: 2016/09/04(日)22:05:38 ID:1A2
ー艦娘用入出ゲートー
提督「あれ、ここって…」キョロキョロ
明石「…はい?」ドキッ
提督「加賀やん助けに行く時にさ、ボート乗ったやん?」
明石「そ、そうでしたっけ?」
提督「…なんでこんなにSFチックになったんの?」
明石「ところで提督、軍用施設の先行投資って必要だと思いません?」
提督「話を微妙に逸らせてないよね」
明石「艦娘も増えたし、それなりの設備が必要になって来ますよね?」
提督「まぁそこに関しては同意するけど」
提督「なんか、無駄に凝ってない?」
明石「そんなことありませんよ!備えあれば憂いなしって言うじゃないですか!」
提督「その備えの出処の事を言ってんのよ」
明石「それはー…まぁ、聞かない約束で」アハハー
提督「やっぱりか!!どっからハネた!?」
明石「大本営からの支給をちょこーーっとだけ」テヘペロ
提督「…何か言い残す事はあるか?」テイトクニラミ
776: 2016/09/04(日)22:06:38 ID:1A2
明石「ほんとマジで勘弁してつかぁさい」ドゲネ
提督「………」
明石「…見逃していただけるのであれば、何でも言う事ーーー」
提督(馬鹿め、交渉を急いだな)ニヤ
明石「ーー聞くとまでは言えませんが」
提督「何でだよ!そこは言っとけよ!」
明石「だって、それで以前散々だったんですもん」
提督「いや、お前も嬉嬉としてやってたやん…」
明石「まぁ?やってるうちに楽しくはなってきましたよ?」
明石「でも翌々考えたら無茶苦茶ですよ」
明石「原寸大の烈風を作れなんて」ムゥ
提督「そうかな」
明石「私じゃなかったら無理でしたね」ドヤ
提督「明石じゃなかったら頼んでないし」
明石「それ、褒めてます?」
提督「んー、そうなるかな」
明石「なら良しとしましょう」ムン
777: 2016/09/04(日)22:07:08 ID:1A2
明石「さ、烈風飛ばしますよ」
提督「明石さん?」
明石「ど、どうしました?」
提督「何か忘れてない?」ニッコリ
明石「…気のせいですよ」フイッ
提督「………」
提督「…程々にしといてよ」タメイキ
ーー
提督「……へぇ」
明石「よし、全機発艦完了ーーって」
明石「提督どうしたんですか?」
提督「え、何が?」
明石「いやなんか、何と言うか…」
明石「すんごい目キラキラさせてるから」
提督「あぁ、うん」
提督「やっぱカタパルトはロマンだよねぇ」キラキラ
778: 2016/09/04(日)22:07:37 ID:1A2
明石「お気に召して頂けたみたいで良かったですよ」
提督「赤城達の偽装もカタパルトにしようよ」
明石「大改造もいいとこですね」
提督「明石ならできるでしょ」
明石「私だって出来ない事位ありますよ」モゥ
提督「えー、提督ガッカリ」ガッカリ
明石「そんなにカタパルト見たいなら、ちとちよ着任させたらいいじゃないですか」
提督「簡単に言うなぁ…」
明石「こっちの台詞ですよ、ったく」
提督「…まぁ、とりあえずこれで様子見ってところかな」
明石「そですね、後はモニターで確認しながらその後の対応を考えましょうか」スタスタ
提督「ちょ、ゲート開きっぱなしだけど…」
明石「探索終わらせた烈風が勝手に戻ってきますからいいんですよ」
提督「あぁ、なるほどねぇ」
明石「ほら提督、行きますよ」コイコイ
提督「はいよ」スタタ
ウィーン…プシュー
??「……行ったわね」
ーー
ー
782: 2016/09/11(日)22:00:18 ID:QxG
ー???ー
長門「……ん」
長門「ここは……?」
長門「……そうだったな」
長門「私は昨日…」
長門「………」
長門「…もう、彼処には戻れないか」
長門「あれだけの痴態を晒したんだから、な」
長門「………」
長門「………」グゥゥ
長門「……お気楽な胃袋を持ったものだ」
長門「こんな気分の時でも腹は減るんだからな」
長門「…とりあえず状況を把握せねば」スク
長門「っと、まだ少し痛むな…」ズキ
スタスタ…
ーー
783: 2016/09/11(日)22:01:04 ID:QxG
ー砂浜ー
長門「今見える範囲に島影はない」ジーッ
長門「どれだけ遠くに来たのだろうか…」
長門「ここは無人島なのか?」
長門「森の中に入れば水も食糧もありそうなものだが…うむ…」
長門「まずは島の周りを一周するとしよう」
長門「小さい島だ、それほど時間もかかるまい」
ーー
ー岩場ー
長門「ふむ、砂浜は一旦ここで終わりか」
長門「この岩場にいるゴキブリみたいな生き物はなんなんだ?」
長門「沢山いて気持ち悪いな」ブルッ
784: 2016/09/11(日)22:01:38 ID:QxG
長門「それに、ゴツゴツしていて歩きにくいぞ…」フラフラ
長門「くそ、この岩、大きい、な」ヨジヨジ
長門「んしょ、と」
長門「……ふむ」ナガメ
長門「ここから先は、陸地と岩場がどんどん離れていっているみたいだ」
長門「進んでもいいが、あそこから向こうは島の裏側…その先がどうなっているか分からないな…」
長門「海上を進んでもいいが…燃料は出来るだけ節約したい…」
長門「………」
長門「仕方が無い、来た道を戻って反対側から……ん?」
長門「あれは…なんだ?」ジーッ
長門「島の反対側に差し掛かるギリギリの所に、何か…」ジィーッ
長門「…洞窟、か?」
長門「…行ってみたいが、距離が離れすぎているな…」
長門「あれは後回しにして、反対側に行ってみるとしよう」ヨイショ
ーー
785: 2016/09/11(日)22:02:08 ID:QxG
ー砂浜・反対側ー
長門「ふむ、ここまでか」
長門「砂浜の面積が徐々に狭くなって来ていたから、まさかと思ったが…」
長門「この先は泳ぐか水上を渡らないと先に進めないな」
長門「泳いでもいいが…無駄に体力を消耗するわけにもいかん」
長門「やはり、森に入るしか道はないか…」
長門「………」ジーッ
長門「こ、怖くなど…私はビッグセブン…大丈夫、大丈夫だ」ス、スタスタ
長門「なぁに、暗くなる前にここに戻ってくれば問題ないのだからな」スタスタ
長門「とにかく、今は食糧と水を確保する事が先決だ」
長門「そうしていれば必ず助けが来る」
長門「提督が、助けに来てくれる筈だ」
長門「…必ず、来てくれる」グッ
ガサ、ガサ、ガサ…
ーー
ー
786: 2016/09/11(日)22:02:58 ID:QxG
マルロク マルマル
ー明石ラボー
提督「どんな感じ?」
明石「んー、まだ発見には至ってないみたいですねぇ」
提督「もう少し範囲を拡げてみる?」
明石「それをするには一旦回収しないといけませんよ」
明石「元々長距離飛行向けではないので」
提督「んー、それもやむ無しだね」
明石「時間があればそれも改善できたんですけどねぇ」
提督「いやいや、急に頼んだから仕方ないよ」
明石「そう言ってもらえると助かります」
提督「戻ってくるの、どれ位かかる?」
明石「そですね、大体1時間位かと」
787: 2016/09/11(日)22:03:33 ID:QxG
提督「そか、なら俺は一旦食堂の様子を見てくるから」
提督「何か動きがあれば、その時は」
明石「了解です…多分、氏屍累々だと思いますので…」
提督「元より覚悟の上だよ」
明石「何の覚悟ですか…」
提督「何となく予想できる予期せぬ事態への覚悟、かな」
明石「矛盾も甚だしいですよ」
提督「ま、何時でも動けるようにはしとくから、とりあえずよろしくね」
明石「任されました」b
提督「んじゃ、何もなければ1時間後にー」フリフリ
ウィーン、ガシャン
788: 2016/09/11(日)22:04:08 ID:QxG
明石「さぁて、烈風をお迎えする準備でもーっと」ノビー
明石「その前に珈琲珈琲…」スタスタ
チカッチカッ…
明石「あっれー?砂糖どこやったっけ…」ゴソゴソ
明石「これは……違うか…」ゴソゴソ
チカッチカッ…
明石「あ、あったあった!」
明石「ブラックなんて泥水だからね、やっぱり珈琲は甘くないとーーーん?」クルッ
…フッ
明石「今防犯システムのランプ、光ってた?」
明石「んー、通常人が出入りする時間帯のアラートはオフにしてるけど…」
明石「………」ジーッ
明石「……ま、気のせいか」
ーー
789: 2016/09/11(日)22:06:04 ID:QxG
ー食堂ー
提督「………え?」アゼン
シーーン
提督「何で……無人…?」
提督「てっきり、酒に呑まれた有象無象が雑魚寝してるとばっかり…」
提督「テーブルの上も、床も…綺麗にしてある…」
提督「誰かが、片付けた…?」ウーン
提督「…まぁ、恐らく鳳翔なんだろうけど」
提督「だとしたら、一人で酔っぱらいを全員介抱、部屋に戻して」
提督「その後、あの宴会の後を一人で後片付けしたのか…」
提督「………」
提督「悪い事、しちゃったな…」
提督「………」
ガタンッ!
提督「ふんもっふ!?」ビックゥ
シーーン
提督「………?」キョロキョロ
790: 2016/09/11(日)22:06:40 ID:QxG
提督「あれっ、誰もいない…?」
提督「音は確かに、厨房から聞こえたんだけど…」
提督「………」
スタスタ
提督「………」ゴ、ゴクリ
提督「だぁれか、いるんですのー?」ノゾキコミ
提督「………」
提督「……え?」
提督「そ、そんな…こんなのって…」
提督「まさか、そんな筈は…」
提督「何でお前がこんな所で、こんな姿に…」
提督「嘘だ、こんなの、出鱈目だ」
提督「そうだろう?なぁ、返事してくれよーーーーー」
ーー
ー
791: 2016/09/11(日)22:07:16 ID:QxG
ー森の中ー
長門「くっ、木が邪魔だな…」ガサガサ
長門「道無き道を進むのは大変だ」ガサガサ
長門「今来た道には川も無かった、困ったな」ガサガサ
長門「くそ、また木が…」ガッ
チクッ
長門「痛っ…幹にトゲがあるのか…」イテテ
長門「………」
長門「だ、駄目だ…日が落ちるまでに安全な場所に行かなければ…」
長門「あれから大分登った、もう少し進めば頂上に出る筈だ」ガサガサ
長門「……提督」ポツリ
ーー
792: 2016/09/11(日)22:08:20 ID:QxG
ー森を抜けてー
長門「やっと出られた…」クタ
長門「普段から鍛錬は惜しんでない筈なのに…」
長門「慣れない事をすると、やはり疲れるな」
長門「………」ボーッ
長門「森の中にいたから気付かなかったが…辺りが曇ってきてるな」
長門「…あまり長々と休憩もしてられないな」ヨイショ
長門「ここは…小高い丘のようだが」
長門「何か無いのか…何か…」キョロ、キョロ
長門「……!あれは…」
長門「建物…?間違いなく人工物だな…」ジーッ
793: 2016/09/11(日)22:08:52 ID:QxG
長門「木々に覆われて全体像こそ見えないが、そこそこ大きな建物ではないか…?」
長門「誰かが住んでいたら、助けを呼んで貰えるかもしれない…」
長門「訪ねてみるか…しかし…」ウーン
長門「………」ウーン
ポツ
長門「…えっ?」ミアゲ
ポツ…ポツ…
長門「雨か…悩む必要が無くなったな」
長門「とにかく近くまで行ってみよう」
長門「訪ねずとも、軒下で雨宿りくらいなら…」
タッタッタッタ…
ーー
ー
796: 2016/09/18(日)21:18:27 ID:Olx
ー食堂ー
提督「ーーー鳳翔」
鳳翔「……ん…提、督?」パチ
提督「こんな所で寝てたら風邪ひいちゃうよ?」
鳳翔「……はい…」ネボケ
鳳翔「…ですが…じゃがいもの…下拵えを…」ポケー
提督「え?」
鳳翔「…牛肉が…うぅん…」
提督(鳳翔が寝惚けてる…)
鳳翔「らっきょうが…逃げ出します…だから…」
提督(これもしかして激レアなんじゃないかな)
鳳翔「提督……」
提督「あっはい」
鳳翔「…提督を……」
提督「小生を?」
797: 2016/09/18(日)21:19:03 ID:Olx
鳳翔「……短冊切りに…」
提督「ひぃい!?」アトズサリ
トンッ
提督「えっ?」
カシャーン!
鳳翔「ひゃあぁあ!?」ビクンッ
提督「あらら、お鍋落としちゃった…お?」
提督「おはよう、鳳翔」ニッコリ
鳳翔「て、提督!?何故ここに!?」アタフタ
提督「何故って聞かれてもねぇ」
鳳翔「聞かれてもねぇって!断りもなく女性の部屋に…あら…?へ…や?」キョロキョロ
提督「へぇ、鳳翔キッチンに住んでたんだ」ニコ
鳳翔「そんな…わ、私ったら…」カァ
798: 2016/09/18(日)21:19:32 ID:Olx
提督「疲れて転た寝してたとか、そんなとこでしょ?」
鳳翔「もっ、申し訳ありませんでした!」ペコ
提督「いやいや、何で謝るのさ」アセ
鳳翔「寝惚けていたとはいえ提督に失礼を…」シュン
提督「まぁ、誰でもある事だから」
鳳翔「大きな声を出して…」シュシュン
提督「いつも怒られてるから慣れてるよw」
鳳翔「それとは別です、提督は何も悪い事をしていないのに私は…」シュシュシュン
提督「珍しい事もあるもんだなぁ」
鳳翔「…私は理不尽に怒り散らす人間にみえていたのですね…」ズーン
提督「ちょ、違うよ」アセ
鳳翔「しかし、そう思われても仕方がありませんよね…」ガチヘコミ
提督「え、ほんとどうしたの…?」
799: 2016/09/18(日)21:20:08 ID:Olx
鳳翔「いえ、何とも…ヒック」
提督「え、今…え?」
鳳翔「私なんて…旧世代の、はぅ」ヘタリ
提督「いや、旧世代で言えば天龍なんて目も当てられないやん」
提督「アイツ、石炭石油混燃なんだから」
鳳翔「こん、ねん…?」ポワワ
ーー
天龍「ブルルァっくし!!」
木曽「ん、風邪か?」
天龍「いや、そんな筈は…!?」デローン
木曽「うわっ、お前ばっちいな」ズザザ
天龍「」
ーー
800: 2016/09/18(日)21:22:38 ID:Olx
ーー
ー
提督「鳳翔がやたらとレアだったのはこれが原因か」チラ
鳳翔「……zzz」スヤァ
提督「大方、全部の片付けを終わらせた後一人で飲んでた」
提督「そしたら、疲れてたのか思いの外酔いが早く回ってそのまま寝落ち」
提督「更にそのまま朝になって、そこに俺様登場」
提督「そんなとこでしょ」
鳳翔「……んっ」スヤァ
提督「部屋まで運んであげたいんだけど…誰かとエンカウントしたら事だし…」ウーン
提督「……ぁ」ピン
提督「………」
提督「……せんだーい」ボソ
801: 2016/09/18(日)21:23:01 ID:Olx
シュタ
川内「はーい♪」ニコ
提督「やっぱりね」
川内「貴方の川内が馳せ参じたよ!」
提督「いっつもなの?」
川内「何が?」キョトン
提督「俺の真上にいるの」
川内「暇な時はいつもだよ♪」
提督「なんで?」
川内「なんでって、護衛とか?」
提督「……夜とかは?」
川内「流石にしないよぉ」
提督「……そ、良かった」ホッ
川内「…何が良かったの?」ジト
802: 2016/09/18(日)21:23:31 ID:Olx
提督「そんなのアレだよ…プライベート的なアレだよ」
川内「ふーん」
提督「ま、いつも見守ってくれてるのは嬉しいけどね」ナデ
川内「んふふー♪」
川内「提督は私が護るんだからね♪」
提督「はいはい、頼りにしてるよ」
川内「それで?って聞くのも野暮なんだろうけど…」チラ
提督「そうだね」
提督「鳳翔、部屋に運んでくれない?」
川内「ん!任っかせてよ!」
提督「ごめんね、雑用みたいにして」
川内「んーん、いいのいいの」
川内「提督が困った時は一番に私を頼って欲しいから」ニコ
提督「川内、お前いい奴だな」ジーン
川内「それ今更!」
提督「それもそうだねw」
803: 2016/09/18(日)21:23:58 ID:Olx
川内「ま、鳳翔さんは任せといて、っと」ヨッコラ
提督「ん、頼んだ」
川内「んっと、この人軽いなぁ」
提督「ちゃんと食べてるのかな、心配だよ」
川内「分かんないけど…?」
提督「無くてはならない存在だからね、ここにも…勿論、俺にも」
川内「…今度本人に言ってあげなよ」
提督「そうする」
川内「ん、じゃあ行ってくるねー」スタスタ
提督「おー、頼むねー」
ーー
ー
804: 2016/09/18(日)21:24:40 ID:Olx
スタスタスタ…
川内「ねぇ、起きてるんでしょ」
ピクッ
…………。
川内「…まぁ、これは独り言だけど」
川内「次、誰かさんが一人の時に、提督が一人で来た時が楽しみだね」
………。
川内「たまにはうんと甘えてもいいんじゃない?」
………。
川内「聞いてたんでしょ?提督の気持ち」
………。
ギュッ
川内「ま、どうするかは本人次第だからなぁ」クスクス
………。
スタスタスタ…
ーーー
ーー
ー
805: 2016/09/18(日)21:25:11 ID:Olx
ー???ー
ザーーーッ…
長門「…ふぅ、なんとか間に合ったな」
長門「降り出したと思ったらいきなりこの大雨だ」
長門「島の天気は変わりやすいなんて、まさにだな」
長門「………」
ザーーーッ…
長門「ふむ、見える限りは真っ黒な曇天、か」
長門「これは長くなりそうだぞ…」
長門「………」
長門「…しかし、近くに来てみて驚いたが」チラ
806: 2016/09/18(日)21:25:59 ID:Olx
長門「…まさか、廃墟だったとはな」
長門「そして、改めて見ると大きい建物だ」
長門「これ程の大きさ、廃れる前は何だったのだ?」
長門「工場…ではなさそうだし」
長門「家、だとしたら大豪邸だが…っ」
ビュウウゥ…ザーーーッ
長門「くそ、軒下で雨を凌げると思ったが…」
長門「風もあるな、雨が横なぶりになってきたぞ」
長門「………」
長門「……入るか?」
長門「いや、まだ廃墟と決まった訳ではないし…」
807: 2016/09/18(日)21:26:34 ID:Olx
長門「しかし、中ならば雨風が凌げる…」
長門「人が居たら居たで、助けを呼ぶ手立てを持っているかもしれない…」
長門「………」
ザーーーッ、ピシャァ!ゴロゴロ…
長門「くっ、雷まで…」
長門「……寒いな」ブルッ
長門「……腹も減った」グゥゥ
長門「………」
長門「………」
長門「…入口は、確かこっちに…」スタスタ
ーー
ー
808: 2016/09/19(月)17:46:50 ID:wnD
今晩もお楽しみですね状態なんやな、悲劇やな
次回:提督「赤城のワガママ」【その9】
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