900: 2017/03/10(金)21:53:45 ID:6Pg


提督「赤城のヤキモチ」シリーズ

最初から:提督「赤城のヤキモチ」【その1】

前回:提督「赤城のワガママ」【その9】


長門「何なんだこの臭いは…」ハナオサエ

長門「カビやホコリに混じって…何か…」

長門「くっ、とにかく灯を、周囲に何かーーー」


チカッ…チカチカッ…


パッ


独りでに照明が付く現象がここでも起きた

起きたのはいいが

急な明暗の差に、長門の眼は未だ周囲の明るさに対応しきれておらず

次第に慣れてきた頃、ゆっくりと瞼をおこす

そして

改めて周囲の状況を確認出来る様になった長門の視界に飛び込んできたもの
ねんどろいど 艦隊これくしょん -艦これ- 赤城 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア
901: 2017/03/10(金)21:54:55 ID:6Pg


長門「……何だ、これは……」


この場所も未だ通路ではあったものの、扉を潜る前とうって変わり、酷く荒らされていた

通路の両脇には、目的の分からない透明の円柱がずらりと並んでいる

今確認できる円柱は、その全てが何れかの箇所に破損がある

上部と下部にも、これまた目的の分からない装置の様なものが付いていて、その天辺から何本もの管が天井に向かって伸びている

下部にはモニターも付いていたようだが、それも暗点しているか、破損しているかのどちらか

何れにせよ、通路の両脇に並んでいるこの円柱は今は機能していない、という事が顕著に伺える

902: 2017/03/10(金)21:55:21 ID:6Pg

そして、その円柱ともう一つ

円柱の脇、通路の中央、円柱の中

長門の視界のありとあらゆる箇所に、まるでばら豆でも撒いたかの様に散らばった

人の形をした、骨

既に人の形を成して無い程、酷く損壊しているものから、白衣を着ているもの

白骨化に至らず、ミイラの様になっているものも目に付く


長門「うっ……おぇぇ…」


酷くえずく

長門にとって、あまりに刺激の強すぎる光景だったようだ


長門「ぐ…ふぅ、これは…一体…」


目を逸らそうにも、至る所に散らばった亡骸が嫌でも視界に入る


長門「こ、こんなの……私は…」


手が、足が、酷く震える


長門「何が、起きたと言うんだ…人が、こんなに沢山…」


悪寒が容赦なく長門を襲い、脂汗が吹き出る

そんな中、ぐらつく視界に捉えたある物

903: 2017/03/10(金)21:55:48 ID:6Pg


長門「これは……?」


円柱の下側、モニターの奥

円柱の本体に何かのプレートが貼り付けてある


長門「………」


プレートに刻まえた文字は、所々が潰れていたり、プレートそのものが欠けていたりとしていたが、なんとか解読するには至れたようで


長門「…これは…そんな……まさか…」


断片的に読み取れたそれは

この円柱が、人間サイズの「それ」を収めておくための装置であり

その収められていた「それ」が何だったのかを、長門に教えた

904: 2017/03/10(金)21:56:17 ID:6Pg



「被検体NO.13 五十鈴」



長門「被検体…何のことだ…」

長門「ここは、これは…一体何が目的で…」

長門「艦娘を、研究していた?だとしても…」

長門「…この、中に横たわっている骸骨は、五十鈴、なのか…?」


恐る恐る中を覗き込もうとする

その時


ズキン


長門「ぐっ…これは…っ」


あの時、地下へと誘った時と同様の頭痛が再び長門を襲う


長門「まだ、奥へ進めと、言うのかっ…」ズキズキ

905: 2017/03/10(金)21:57:01 ID:6Pg


一歩、また一歩と

足元に転がる亡骸を踏まない様、奥に進む事を余儀なくされる


長門「これ以上、私に、何をさせたいんだ…くっ…」


フラフラと、亡者の巣食う道を奥へと進んで行く

その先に何が待ち受けているのか

そんな事を考える暇など、今の長門にはなかった


ーー

906: 2017/03/10(金)21:57:35 ID:6Pg


ー明石ラボー


赤城「さて…」スッ


コンコン


赤城「………」

加賀「………」


シーーン


赤城「…不在、でしょうか」

加賀「どうなんでしょう」


シーーン……ガタッ、アッヤベ


赤城「居留守してましたね!!開けなさい!」ドンドン

明石「絶対開けるもんですか!」

赤城「くっ、やはり貴女が一枚噛んでましたか!」

明石「勘付くのが早いんですよもう!」

赤城「いいから早く開けなさい!話はそれからです!」

明石「話すことなんてありませんよ!」

赤城「こっちはあるんですよ!」

907: 2017/03/10(金)21:57:57 ID:6Pg

明石「提督の行方なんて知りませんから!お引き取り下さい!」

赤城「あ!今ボロ出しましたよ!」

赤城「私は提督の事なんて一言も言ってないのに!」

明石「あっ、しまった」

赤城「今「しまった」って言いましたね!確信犯です!開けなさい!!」ドンドン

明石「無理ですよー、その扉は爆撃してもあきませんからねー」ケラケラ

赤城「くっ、どうすれば…」

加賀「赤城さん」チョンチョン

赤城「なんでしょう」

加賀「一つ、手があります」ミミウチ

赤城「手、ですか」

加賀「…見ていて下さい」スッ

908: 2017/03/10(金)21:58:41 ID:6Pg


加賀「あぁ、『提督』が何処にいるのか分からないわ…これは緊急事態ね」

加賀「明石さんは何か知ってそうだけれど、話をしてくれなさそうです」


赤城「加賀さん?天井を仰いで何を…?」


加賀「もしかしたら、また『提督』は自身を『犠牲』にしてまで、何かを成し遂げようとしているのかもしれないわ」

加賀「私の時の様に『独り』で『命を擲って』何かをしようとしているかもしれないわ」

加賀「こんな時、『提督』を『愛する』『私達』は『提督』を助ける為に動かないといけないのに…」

加賀「『誰か』…『提督』を『大切』に思っている『艦娘』はいないのかしら…」


赤城「加賀さん…?」

909: 2017/03/10(金)21:59:34 ID:6Pg


ガタッ


赤城「え?今何処かで何か…」

加賀「恐らく成功です、後は待っていましょう」

赤城「一体何が…」


明石「……?外がやけに静かになったわね」

明石「それでもボソボソと声は聞こえるし、あの二人が諦めたとは…」


ガタッ


明石「何!?」クルッ


シーーン

910: 2017/03/10(金)21:59:57 ID:6Pg


明石「……?気のせいか…」

??「気のせいだと思ったの?」

明石「んなっ!?」

??「ふふ、残念でした」

明石「畜生!伏兵とは卑怯なり!」ハイゴトラレ

??「さ、扉を開けて貰おうかな♪」

明石「提督、すいません…もうダメです…」

??「提督が危ない事になってるなら私は手段を選ばないからね」



川内「さ、尋問の始まりだよ」


ーー

911: 2017/03/10(金)22:01:11 ID:6Pg
一ヶ月近く空いていた、だと…
すいませんでした(真剣)

916: 2017/04/10(月)00:35:35 ID:H85

ー長門サイドー

ー地下ー


ー???ー


長門「………」


頭痛が完全に収まった頃、長門の行先に道はなかった。

行き止まり、この地下施設の最奥だろうか。

目の前には透明の円柱が一つ

中には艦娘と思われる一体の亡骸が、立ったまま事切れていた


道中目撃したそれと同様にそれなりの月日が経っていた様で、既に元の姿を特定する事は困難だったが


長門「私を呼んでいたのはお前だろう」


長門は円柱の中身を示すプレートが、その手前に備えてあったのを確認していた。

917: 2017/04/10(月)00:36:20 ID:H85


長門「…声の主はお前か?」


もう今となっては目が、脳がその光景に慣れてしまったのか

或いは、目の前にいる声の主「であろう」「それ」の正体を知ってか

不自然な程に、この時の長門は落ち着いていた


長門「…来てやったぞ」


腐食が進んだ金属のプレート

そこに刻まれた、円柱の「中身」

仮に、声の主が眼前に見えるそれだったとして

「氏人に口なし」

言い回しやことわざなどではなく、そのままの意味で、それはそれで不可解ではあるのだが

不可解な出来事など、今日だけで一生分は味わった。

918: 2017/04/10(月)00:36:53 ID:H85

それに

艦娘である私ですら、自身の事を完全に把握できていないというのに

今更、故人が話しかけて来たところで驚きもしまい


長門「本当にそうであるならば、返事をしてくれ」


もう一歩前へ

そもそも、思い返せば声の主と会話など一度きりとも交わしていない

あくまでも一方的に、向こうの要求だけを半ば強制的に飲まされてここに辿り着いたとも同義であって

しかしながら、だからこその一歩でもある

919: 2017/04/10(月)00:37:22 ID:H85

長門自身が今ここに立っているのも、あの声に呼ばれるがまま、ではないが

大半の理由がそこにある

ならば、より近い所に

検討違いでなければ、反応がある筈だから

必要ならば、もっと

今は亡き彼女の、円柱に遮られてこそいるものの、触れ合えるであろう距離まで


長門「…どうだ、手を伸ばせば届く所まで来てやったぞ」


既に長門は円柱の目の前

目下、金属のプレートを改めて見下ろす


長門「ふむ…お前では無かったのか?」


間違いない

この亡骸は確かにーーー




長門「ーーー戦艦長門よ」



ーーー
ーー

920: 2017/04/10(月)00:38:04 ID:H85


ーほぼ同時刻ー


ー明石ラボー


明石「………」グルグルマキ

赤城「………」

加賀「………」

川内「さ、洗いざらい話して貰うよ」

明石「だ、駄目です…提督が帰るまで私はーーー」ゾクッ

赤城「………」イッコウセンニラミ

加賀「………」イッコウセンニラミ

明石「そ、そんな睨まれても無理なものは無理なんです!」

赤城「………」スタスタ

明石「な、なんです…?」

赤城「………」カガミ

明石「い、如何なる拷問だろうと私は耐えてみせますから…」

赤城「拷問なんてとんでもない」ニコ

明石「ひっ…」

赤城「ただ明石さんに一つだけ伝えておきます」

921: 2017/04/10(月)00:38:38 ID:H85

明石「な、なんでしょう…」

赤城「ふふふ…」ユラァ

赤城「もし、提督の身に何かあってみなさい?その時は……」アカギニラミ

明石「ひぃ!?」

赤城「…私が言いたいのはそれだけです」ニッコリ

川内(何このプレッシャー…)ビリビリ


加賀「………」スタスタ

明石「くっ、こんな事で……」ガクガク

加賀「………」カガミ

明石「ひっ…何をされても私は……」

加賀「………」

加賀「貴女、分かっていて?」

明石「…何が、ですか…?」

922: 2017/04/10(月)00:39:30 ID:H85

加賀「もし、提督が突き指の一つでもしていたら」

加賀「万が一にでも、それ以上の怪我を負っていたら」

加賀「億が一にでも、片腕片足を失ってでもしたら」

加賀「兆が一にでも…」ゴゴゴ

加賀「私が触れられない所に行ってしまったら」カガニラミ

明石「ひぃ!?」

加賀「貴女が、私達に話さえしていれば」

加賀「それを、未然に防げた事態だったら」

加賀「…鎧袖一触では、済みませんが?」ニッコォ

川内(やっば、気を抜いたら私気絶するかも)

明石「あ、ぁあ…あ」ガクガク

加賀「貴女が提督をどう思っているか、貴女の中での提督の価値が如何程なのかは知りませんが」

加賀「私にとってしてみれば…駄目、とても言い表せないわ」

923: 2017/04/10(月)00:40:09 ID:H85

加賀「勿論、私だけではありません」

加賀「赤城さんも、川内も、提督の従える艦娘の全員が」

加賀「貴女に…」

明石「ゎ、わ…わかりました…」ガクガク

加賀「そう」

明石「だだだだから、その…少し、離れて…」

加賀「分かりました」スッ

明石「はぁっ、はぁっ…んぐっ」

赤城「さて、では話してもらいましょうか」

明石「あ、あれはですねーーーー」


ーー

925: 2017/04/27(木)21:46:14 ID:gw8



ー長門サイドー


ー地下ー



??「………キテ、クレタノカ」


長門「っ…お前が呼んだのだろう?」


??「……ソウダ」


長門「そうか、では単刀直入に聞くとしよう」


??「………」


長門「何故私を呼んだんだ?」


??「………」


長門「答えられないのか?」


??「……タスケテ、ホシカッタ」


長門「ふむ、確かに私は助けてと言われてここまで来たのだが…」


??「………」


長門「なら、私はどうすればいいんだ?」


??「………」

926: 2017/04/27(木)21:46:40 ID:gw8



ー長門サイドー


ー地下ー



??「………キテ、クレタノカ」


長門「っ…お前が呼んだのだろう?」


??「……ソウダ」


長門「そうか、では単刀直入に聞くとしよう」


??「………」


長門「何故私を呼んだんだ?」


??「………」


長門「答えられないのか?」


??「……タスケテ、ホシカッタ」


長門「ふむ、確かに私は助けてと言われてここまで来たのだが…」


??「………」


長門「なら、私はどうすればいいんだ?」


??「………」

927: 2017/04/27(木)21:47:06 ID:gw8


長門「ここに記してある通りであれば、お前もかつては戦艦長門だったようだな」


長門「これも何かの縁、私の出来ることであるなら助けてやりたいと思っている」


??「………」


長門「どうした?」


??「………テヲ」


長門「手か、手をどうすればいい?」


??「テヲ、ココニ…」ピタ


長門「硝子越しにお前と手を合わせれば助けられるのか?」


長門「まぁ、それくらいなら構わないが……」スッ


ピタ


グラッ


長門「なっーーー」


ーー

928: 2017/04/27(木)21:47:53 ID:gw8


ー明石ラボー


明石「ーーてな事がありまして…」

川内「はぁ……」アキレ

赤城「………」

加賀「………」

明石「…あのー」

赤城「明石さん、一つ聞いても?」

明石「はい、何なりと」

赤城「あの時提督が飲んだ薬、まだ残っていますよね?」

明石「薬って…あれはラムネですよ!」

赤城「………」ギロ

明石「あーですよね!提督があの時飲んだのは一粒だったので…ざっと99粒はあるかと!」

加賀「っ……」グッ

赤城「その残りは今誰がもっているのですか?」

明石「…………あっ」

赤城「加賀さん」

加賀「分かっているわ」

川内「え、薬って何?何の事なの?」アセ

赤城「詳しい話は明石さんに聞いて下さい」

赤城「加賀さん、急ぎましょう」

加賀「そうね」


タッタッタッ……

929: 2017/04/27(木)21:49:06 ID:gw8


明石「あー…、行っちゃった」

川内「あーかーしーさん♪」

明石「はい、どうしましーーっ!?」ビクッ

川内「ぜーんぶはなして?」ニコ

明石「ぜ、全部、とは?」ダラダラ

川内「あかぎさんがはなしてたこと」

明石「あの、薬の話…?」

川内「そそ、ぜーんぶだよ♪」

明石「わ、分かりました…」ビクビク

ーー

930: 2017/04/27(木)21:49:37 ID:gw8

加賀「これからどうするの?」スタスタ

赤城「そうですね」スタスタ

赤城「とりあえず、空母四人を呼びましょう」

加賀「はい」

赤城「事の経緯を説明し、救出隊を組織します」

加賀「私達だけで向かうの?」

赤城「いえ、私達空母だけでは少し心許ないので」

赤城「他の艦種から何名か選抜し、救出に向かいましょう」

加賀「分かりました」

赤城「陸奥さんの件もありますから、事は急を要しますよ」

加賀「ええ」




加賀「……提督」ボソ


ーーー
ーー

931: 2017/04/27(木)21:50:48 ID:gw8


目が覚めた。いや目を開けた、の方が正しいか。

あの長門と手を合わせた瞬間、私の意識は一瞬にして途切れ

気が付いた時には何故かここにいた。

ここ、とは?

そうだな、私のよく知るあの場所とは違うが

恐らく使用目的は同じだろう

私は今



執務室に立っている。



長門「おい!聞いているのか!」


目の前で黙々と執務をこなす男が一人


私の提督と同じ白い軍服を着た、私の知らない男

真面目で堅物そうな印象を受けた。

…まるで逆、誰となのかは言わないが

932: 2017/04/27(木)21:51:45 ID:gw8


そして、先程からその男にずっと話しかけているのだが

まるで反応がない

眉の一つも動かさずに、書類と向き合っていた

それは

私が見えていない、私の声が聞こえていないかのように。




『戻ったぞ』


扉が開くと同時に聞こえた声

聞き覚えのある様な

それでいて新鮮な感覚を覚える。


そう、聞こえたのは「私の声」

933: 2017/04/27(木)21:52:33 ID:gw8


『うむ、それで?』

『言わずもがな、これに目を通してくれれば分かる』

『そうか、では拝見するとしよう』


そう言って、男は手渡された紙の束に目を通す。

その間も表情一つ変えない男

流し読みが終わり、紙の束を机に置いた後


『良くやった』


と、一言。


『だがな、今日はそれももう一つ報告があるんだ』


『ん?』


『私は、先の出撃で最高練度になった』


『艦隊初の最高練度は、やはり旗艦である私だったな』

934: 2017/04/27(木)21:53:09 ID:gw8


ふむ、ここの艦隊の旗艦は長門なのか

この男、なかなか見る目があるではないか


『………』


『…どうした?』


『いや、いきなりだったから少し呆気に取られていただけだ』


『そうか』


『では、練度上限解放の手続きをしておくとしよう』


『…そうだな、よろしく頼む』


…それだけなのか?


『他に報告すべき事項は?』


『ん…後は、ないな』

935: 2017/04/27(木)21:53:49 ID:gw8


おい待て長門を見てみろ、表に出すまいとしてはいるが露骨に落胆しているではないか


『ならば下がっていい、今日はゆっくり休んでくれ』


気が利いて間が抜けるとはこのことなのか…


『分かった、失礼する』


見てみろあの方の落ち様、本人は恐らく毅然としているつもりなんだぞ


『長門よ』



『……なんだ』



『最高練度、おめでとう』



『……ありがとう』



キィ、パタン



『………』カキカキ



…掴めない男だ、私は馴れ合えそうにないな

936: 2017/04/27(木)21:54:17 ID:gw8


しかし、あの長門の出際の表情、あれは…


『…完全に惚れているな』


っ!?


まるで心を読まれたかのようなタイミングに、思わず振り返る


『………』ギシッ


その先には

走らせていたペンは既に持ち主の手から離れ、背もたれに体重を乗せ天井を仰ぐ男の姿があった。


『………』


『………』


『……長かった』



吐き出す様に呟く

その言葉から汲み取れたのは、達成感。

937: 2017/04/27(木)21:56:17 ID:gw8


『これで…これでようやく…』





『俺もまた、階級が上がる』




『そうだな、早ければ明日にでも研究所に打電しよう』


『やはり建造して間もない艦娘を実験に使うより効率がいいのか…』


『何度か協力はしたが…』


『こんなよく分からない奴ら相手にまぁ…』


『研究熱心なものだ』


『長門には…そうだな…』


『あの様子だ、ケッコンをチラつかせれば何を言っても信用するだろう』


『…悪いな、長門』




そう呟いた男の表情は、最初抱いた真面目な印象とまるで正反対な薄汚い笑顔を浮かべていた。

938: 2017/04/27(木)21:56:55 ID:gw8


それから再び視界が暗転し、私の視界に映った光景。


ぎこち無い様子で指輪を受け取る長門と


偽りの仮面で指輪を送る男


その後男は、限界値突破に伴う精密なメディカルチェックの為、共に大本営に出向く様長門に支持をして…


私はそれを、ただ見ている事しか出来なかった。


行くな、行っては駄目だと出せる限りの声を出して、目前の長門を引き止めようと試みたが


私の制止が、長門に届く事はなかった

939: 2017/04/27(木)21:57:48 ID:gw8


二人が執務室から出ていく


恐らく、再び戻って来た時には


この男だけになっているのだろう


そうして

バタン、と扉を閉める音と共に


私の視界は、再びゆっくりと暗転していった



ーーー
ーー

940: 2017/04/27(木)22:59:41 ID:gw8



長門「ここは…」パチ


気が付いた時には、元居た場所

硝子の筒の向こうで佇む、今はその面影すら残っていない長門と、手を合わせたまま


長門「そういう事だったのか…」


この施設の目的、亡き同胞達がここにいる理由

全てでは無いが、長門に知らされた。

941: 2017/04/27(木)23:00:10 ID:gw8



長門「ここは…」パチ


気が付いた時には、元居た場所

硝子の筒の向こうで佇む、今はその面影すら残っていない長門と、手を合わせたまま


長門「そういう事だったのか…」


この施設の目的、亡き同胞達がここにいる理由

全てでは無いが、長門に知らされた。

942: 2017/04/27(木)23:00:37 ID:gw8


??「…オマエハ、提督ガ好キカ?」

長門「………」

長門「…そうだな」

??「私モダッタ」

??「大和デモ武蔵デモ、陸奥デモナイ、ホカノ名ダタル戦艦デモナイ」

??「私ヲ、コノ長門ヲ選ンデクレタ」

長門「………」

??「嬉シカッタ…期待ニコタエネバト、アノ人ノ喜ブ顔オガミタクテ…」

長門「それは…」

??「…私ハ、ニンゲンガニクイ」

??「オマエモ、ジキニワカル」

長門「そんな事は…」

??「ナゼイエル?」

??「自分ハ、自分ノ提督ハソンナ事ヲシナイ、ト?」

長門「…そうだ」

??「……フフ」

??「アッハッハッハッハッ」

長門「…何が可笑しい」

943: 2017/04/27(木)23:01:16 ID:gw8

??「ジツニ愉快ダ!オ前モ私ト同ジ轍ヲ踏ム事ニナルヨウダナ!」

長門「そんな事はない!私の提督は、あの人はそんな男ではない!」

??「ソウダ、私モソウ思ッテイタ」ジロ

長門「っ……」

??「ソノ時ハ分カラナイモノダ」

??「ヒトハ、タイセツナモノニ裏切ラレ、見放サレテ」

??「捨テラレ、初メテソノ人ノ本質ヲシルコトガデキル」

??「オマエモダヨ、長門」

長門「違う!人の本質は、そんな事でしか分からない程腐ってはいない!」

??「無知トハ罪、ヨク言ッタモノダ」

??「コノ研究所ガ、何ヨリノ証拠」

??「ココニ連レテ来ラレタ艦娘ハ」

??「ワタシ同様、皆各鎮守府カラ集メラレタ者バカリダ」

長門「各鎮守府から、だと…?」

??「母港ガ溢レタカラ、ヨリ強イ艦娘ヲ手ニ入レテ要ラナクナッタカラ、動機ナンテイクラデモアル」

??「ソシテ協力シタ提督ニハ、提供シタ艦娘ノ艦種ヤ練度ニヨッテ報酬ガ与エラレル」

長門「そんな…」

??「コレガ真実、私達ノ存在価値ダ」

長門「…だが、それも昔の話だ」

長門「ここを見てみろ、既に放棄されているではないか」

長門「研究所など、今は存在しない」

??「…本気デ、ソウ思ッテイルノカ?」

長門「………」

944: 2017/04/27(木)23:02:12 ID:gw8

??「私達トノ戦争ガ未ダニ終結シテナイナイ今、艦娘ノ研究ガ行ワレテイナイト?」

長門「…ここではない別の場所でまだ研究が行われている、と言いたいのか」

??「ソウサ、ソノ証拠ニ」

??「私達ノ仲間ハ、依然ニシテソノ数ヲ維持シテイル」

??「ソシテ私モ、モウジキ…」

長門「………まて、今何と言った」

??「ン?聞コエナカッタカ?」

長門「私達との戦争…まさか貴様…」ギロ

??「御名答ト言イタイトコロダガ、少シ違ナ」

??「私ガ『ソウ』ナルニハ、後一ツ手順ヲ踏ム必要ガアル」

長門「………」

??「媒体ダヨ、艦娘ノ」

??「本来ナラ、轟沈シタ艦娘ヲ媒体ニスルモノラシイガ…」

長門「…助けてと言っていたのは嘘だったのか」

945: 2017/04/27(木)23:03:34 ID:gw8

??「嘘デハナイサ」

??「オマエヲ媒体ニ、私ハ再ビ蘇ル」

??「戦艦長門トシテ、デハ無イガナ」

??「ソノ為ニ、オマエノ『助ケ』ガ必要ナノサ」

長門「私が、それを了承するとでも思ったのか?」

??「…了承ナド、必要ナイ」

長門「なんだと?」

??「オマエ、ココガ何処ナノカ分カッテイルノカ?」

??「オマエハ既ニ袋ノ鼠」

??「ワタシノ仲間モ何レ来ル」

??「後ハ……」

??「コチラデ好キニヤラセテ貰ウノダカラナ!!」グワッ

946: 2017/04/27(木)23:04:04 ID:gw8


シーーン


長門「なんだ…何が起きるんだ…」



ゴゴゴゴゴ…


長門「うわっ!地震か!?」グラグラ


ゴゴゴ……バシャァアン!!


??「アハハハハ!シネェエエ!!」


長門「うわぁぁあ!!!?」


ーーー
ーー



950: 2017/05/16(火)22:26:01 ID:AUg


ー何処かの海上ー


ー上空ー



ピーッピーッピーッ


提督「はい、ご注文は提督ですか?」

明石「いいえ、ケフィアです」

提督「懐かしいなぁおい」

明石「あれって結局何なんだったんでしょうね」

提督「ボソッとしたヨーグルト的サムシングでしょ?」

明石「絶対違うと思います」

提督「アッハイ…で、どうしたの?」

951: 2017/05/16(火)22:26:42 ID:AUg

明石「それがですね、提督にお伝えしなければならない事案が三つ程ありまして…」

提督「じゃあ良い方から」

明石「ないんだな、これが」

提督「マジかよ…すんごい聞きたくないんだけど」

明石「まぁ、提督は聞く以外に選択肢が無いので手短に伝えますね」

提督「それ、俺が今鉄の棺桶に乗ってる事と関係あるやつ?」

明石「そんなところです」

明石「ところで私の手元に赤い大きなボタンがあるんですが」

提督「なにそれ」

明石「押したら氏ぬやつ」

提督「誰が?」

明石「鉄の棺桶がリアル棺桶になるって事ですよ」

提督「押すなよ?絶っっ体押すなよ?」

明石「あ、手が滑った」

提督「」

明石「嘘ですよw」

提督「明石お前分かってんのかお前」

明石「鉄の棺桶とか言うからですー」

提督「だってあながち嘘でもないんだもん」

明石「確かに」

952: 2017/05/16(火)22:27:30 ID:AUg

提督「…まじ?」

明石「大丈夫に決まってんでしょ、誰が作ったと思ってるんですか…」

提督「だよね」

明石「それでですね…えぇと、何だったかな…」ウーン

明石「……あ、そうだそうだ、あのですね」

提督「うん」

明石「長門さんの件、嫁さん二人にバレました」

提督「………は?」

明石「ついでに、川内ちゃんにラムネの件がバレました」

提督「ラムネ?」

明石「深海棲艦ぽくなるアレですよ」

提督「…どこまでバレたの?」

明石「提督が飲んで氏にかけたところまでです」

提督「全部じゃねぇか」

明石「最初は頑張って黙秘を決め込むつもりだったんですよ?」

提督「なら最後まで決め込めよ」

明石「いやいやいや」

明石「あの二人、提督が絡むとエッグいんですからね」

提督「そうなの?」

明石「事を知らない分尚更でしたよ…」

提督「俺だって嬉しいやら悲しいやらだよ」

提督「帰ったら三人から説教じゃねぇか」

953: 2017/05/16(火)22:28:10 ID:AUg

明石「部下に説教される提督w」

提督「」

明石「正座でw」

提督「こ、この場合嫁だから!極々ありきたりな夫婦の光景でしかないから!」

明石「川内ちゃん」

提督「」

提督「川内ともケッコンするかな」

明石「そんな理由でケッコンしてたら済ませてる側とそうじゃない側がタダでは済ませませんよ?」

提督「川内…もうちょっと待ってね」

明石「んで、最後の件なんですけど」

提督「もうここまでくれば何が出ても驚かないよね」

明石「そですか?じゃあ伝えますね」

明石「現在、提督の進路方向で小規模な戦闘が行われています」

提督「それ、最優先で伝えるべきだったよね」

明石「いやぁ、軽いのから行こうかなって」テヘペロ

提督「先の二つなんかもう事が起こって終わってるんだよね」

提督「後は俺が怒られるだけ、みたいな」

954: 2017/05/16(火)22:28:58 ID:AUg

明石「反省の色無し、と…」

提督「おっきめのブーメランですね」

明石「何の事やら」

提督「そこまでシラを切れるのもある意味才能だよね」

明石「天才ですから」ドヤァ

提督「んで、戦闘って…長門?」

明石「残念ながら長門さんではないんですね」

提督「え、違うの?」

明石「ええ、ですが急いだ方がいいかもしれませんね」

提督「あぁ、俺分かっちゃった」

明石「でしょうね、一応答え合わせしときます?」

提督「そうだね、じゃあ…せーの」

明石「陸奥さん」提督「むっちゃん」

明石「ご名答」

提督「やっぱり…状況は?」

明石「えーと、分かる範囲になっちゃいますが…」

明石「深海棲艦が多数と陸奥さんが確認できてます」

明石「敵の編成、ル級三隻…ですね」

提督「それむっちゃん大丈夫なの?」

明石「んで、陸奥さんなんですが……」

955: 2017/05/16(火)22:29:40 ID:AUg



明石「大破してます、これちょっとやばいですねぇ」


提督「やばいですねぇ、じゃねぇよ!」

明石「まま、そんなこんなで見えてくる頃ですよ」

提督「えーと…?あ、アレだ」

明石「戦闘自体は終わってるみたいですね」

提督「不吉な事言うなよ!むっちゃんは…まだ無事だ!」

明石「でも満身創痍ですよ」

提督「急がないと…生殺与奪の権利はあっちにあるみたいだからね」

明石「トドメを刺す最後の時間を楽しんでるんですかね」

提督「何処までも悪党な思考だな」

明石「王道じゃないですか」

提督「そうだけどもさ、直面すると改めて悪どいなと」

明石「でもまぁ、王道なのはむこうだけじゃありませんから」

提督「どゆこと?」

明石「王道にピンチなヒロインと、王道に悪党な悪党」

提督「はい」

明石「そこに颯爽と現れる王道な正義のヒーロー」

提督「はい」

明石「カッコいいじゃないですか」

956: 2017/05/16(火)22:30:11 ID:AUg

提督「ちょっくら助けてくるわ」

明石「正義のヒーロー感ゼロですね」

提督「形に拘ってる余裕ないでしょ」

明石「ですね、そろそろ射程圏内だけど」

明石「どうしましょう、プランはありますか?」

提督「それ思ったんだけどさ」

提督「烈風に搭載されてる武器って、これ使ったらむっちゃんもヤバくない?」

明石「まぁ被弾は否めないかと」

提督「かと、じゃねぇよ」

明石「この烈風は眼前の敵のみを残さず八つ裂きにし尽くす仕様ですから」

明石「敵味方入り乱れて、みたいなケースには向いてないんですよね」

提督「使えねぇな」

明石「ここに赤いボタンが」スッ

提督「嘘ですすいませんでした」

明石「んで、どうします?」

提督「仕方ないね、ならーーーー」

明石「えっ、マジで言ってんですか?」


ーー

959: 2017/05/30(火)21:35:38 ID:chR


ー海上ー


陸奥「くっ…」タイハ

ル級A「サテ、ドウヤッテ殺ソウカ」

ル級B「デキルダケ苦痛ヲ与エテルンダ」

ル級C「手足ヲモギ取ッテヤルカ」

陸奥「畜生、こんな奴らに…」ギリッ

ル級A「フフフ、悔シイカ?」ガッ

陸奥「は、離しなさい!」カミツカマレ

ル級B「ホラドウシタ、抵抗シテミロ」ケラケラ

ル級C「最早ソンナ力も残ッテナインダロウ?」ケラケラ

陸奥「畜生、畜生っ!」ボロボロ

ル級A「アハハハ!コイツ泣キダシタゾ!」

ル級B「土下座シテ許シヲ乞エバ見逃シテヤランデモナイガ?」カオチカヅケ

陸奥「誰がお前らの許しなんか!」ペッ


ベチャ

960: 2017/05/30(火)21:36:18 ID:chR


ル級B「ア?ナンダコイツ」カチン

ル級A「自分ノ立場モ分カラナイラシイ」

ル級C「モウイイ、沈メヨウ」ジャキン

陸奥「………」


陸奥(ごめんなさい、提督)


ル級A「ドウスルヨ?」


陸奥(私は結局何もできないまま、貴方や艦隊に迷惑をかけただけだったけど…)


陸奥(…もう、ここまでみたい)


ル級B「放リ投ゲロ、撃チ抜イテヤル」


陸奥(だけど、せめて長門だけでも助けてあげて)


ル級C「私モヤル、的当テダ」


961: 2017/05/30(火)21:36:54 ID:chR


陸奥(…提督……私、私ね)


ル級A「イクゾ、一発デ仕留メロヨ」


陸奥(勝てないって、本当は知ってたんだけど、一番にはなれないって、分かってたんだけど)


ル級B「イツデモイイゾ」


陸奥(それでも…貴方の事、諦められなかったの)


ル級「私モダ、イツデモ来イ」


陸奥(ねぇ知ってた?貴方ね、戦艦組で私だけ)


陸奥(あだ名で呼んでくれてたでしょ?)


陸奥(貴方にとっては気にも止めない様な事かもしれないけど)


陸奥(私、すっごく嬉しかったんだから)

962: 2017/05/30(火)21:37:29 ID:chR



ル級A「イクゾォオ!!」ググッ


陸奥「最後にもう一度だけ」ボソ





「むっちゃんって、呼ばれたかった…なんてーーーー」

963: 2017/05/30(火)21:38:00 ID:chR





ーーーーーチャン






「……え?」






ヒュウウウウウ…



964: 2017/05/30(火)21:38:22 ID:chR





『むっっっっちゃーーーーーん!!!!!』






ヒュウウウウウ……バッシャーーーン!!



ーー


965: 2017/05/30(火)21:38:54 ID:chR



陸奥「………」

ル級A「オイ、ナンダイマノ」

ル級B「ナニカ落チテキタゾ」

ル級C「人型ダッタ、援軍カ?」

陸奥「……今のって」ウル

ル級A「フン、タッタ一人デ援軍モ糞モアルカ」

ル級B「コイツト纏メテ始末スルダケ」

ル級C「サァ上ガッテコイ…」

陸奥「ふふ、まさか本当に呼ばれるなんて」クス

ル級A「ナンダ、コイツ笑ッテルゾ」

ル級B「単騎ノ援軍ナドデ状況ハ覆ラントイウノニ」

ル級C「気デモ狂ッタンジャナイノカ?」


陸奥「どうしようかしら…」ポロ

陸奥「幸運過ぎて、自分が怖いわ…」ポロポロ



「…ねぇ、提督?」ニコ



ブクブクブク…バシャッ



ーー


966: 2017/05/30(火)21:40:34 ID:chR




「ぶはっ!!は、話が違うじゃねぇか!」ゼェゼェ


『だから!そんな高さから飛び降りても機能しないって言ったじゃないですか!』


「ある程度なら行けるって言ったくせに…」


『そうですある程度なら、です!あれはある程度じゃない!』


「なんなのもう、カッコよく登場しようと思ったのに…めっちゃカッコ悪いやん」


『知りませんよもう…ほら、さっさと助ける』


「それは勿論の事なんだけど…」


『はい?』


「多分大丈夫だとは思うんだけどさ」


『はい』


「もしもん時はーーー」


『……ーーーだけですからね』



「分かってるよ」

967: 2017/05/30(火)21:41:16 ID:chR



提督「さて、と」チラ

ル級's「………」

陸奥「………」

提督「お前らだよな、むっちゃんをこんなにしたの」

ル級A「ダッタラドウスル?」

ル級B「敵ノ大将ガオ出マシトハ…」

ル級C「コイツヲ殺セバ大手柄ダ」

提督「………」

陸奥「提督…?」

ル級A「恐怖デ声モ出ナイカ」ケラケラ

ル級B「ナニ、スグ楽ニシテヤーーー」

提督「………」スッ

968: 2017/05/30(火)21:41:46 ID:chR



ドン


ル級C「…ア?」

ル級B「………」


フラッ…バシャァン


ル級A「ナ…首ガ…」

ル級C「キサマァ!!」

提督「………」ジャコン


ドン


ル級C「ェ……?」

ル級A「オ前…腹ニ…」

ル級A「穴、開イテ…」

ル級C「ガ…ハッ、ウブッ」ドロォ

提督「………」ジャコン


ドン ジャコン

ドン ジャコン

ドン


ル級C「ーー、ーーーッ」


バシャン

969: 2017/05/30(火)21:43:50 ID:chR


ル級A「ァ……アァ…」

提督「………」スッ


ジャコン


ル級A「…ミ、見逃シテクレ」ガクガク

提督「………」

ル級A「コイツノ事ハ謝ル…ダカラ、命ダケハ…」

提督「………」

ル級A「頼ム…コノ通リダ」ドゲザ

提督「………」スタスタ


コツッ


ル級A「エッ?」




ドン




ーー

970: 2017/05/30(火)21:44:21 ID:chR


陸奥「………」

提督「むっちゃん?」

陸奥「………」

提督「大丈夫?」

陸奥「提、督…?」ボー

提督「そだよ」

陸奥「…あの、アレは?」

提督「どれ?」

陸奥「戦艦ル級が、三隻……ぇ?」

提督「ん?」

陸奥「提督…なの?」

提督「うん」

陸奥「本当に?」

提督「本当に」

陸奥「でも、あんな提督…見たことない、わ」

提督「あー、うん…ごめんね」

陸奥「無表情で、深海棲艦を…散弾銃で…」

提督「いやまぁ…うん」

陸奥「………」

971: 2017/05/30(火)21:45:10 ID:chR

陸奥「…でも、助けてくれたのよね」

提督「うん」

陸奥「名前、呼んでくれたのよね」

提督「うん」

陸奥「もう一度、呼んでくれない?」

提督「…むっちゃん?」

陸奥「………」

陸奥「………」ウル

提督「え、と…むっちゃん、大丈夫?」オロ

陸奥「…腕」ボソ

提督「ん?」

陸奥「腕…広げて?」

提督「…はい」


ガバッ

972: 2017/05/30(火)21:45:37 ID:chR


陸奥「………」ギュッ

提督「………」

陸奥「………」ギュウゥ

提督「…もう、大丈夫だからね」ナデ

陸奥「…そんなの、分かってるわよ」

提督「そすか」

陸奥「……提督」

提督「ん?」

陸奥「……ごめんなさい」

提督「ん」

陸奥「…それと」



陸奥「来てくれて、ありがとう」



ーーー
ーー

973: 2017/05/30(火)21:46:23 ID:chR



明石『あ、終わったようでーーうわぁ!?』

提督「どしたの」

明石『何でそんな血塗れなんですか!?』

提督「………」

提督「じ、実は一発貰っちまって…」グフッ

明石『嘘乙』

提督「なんでだよ」

明石『んー…なんとなく、ですかね』

提督「さいですか」

明石『んで、陸奥さんは?』

陸奥「いるわよ」

明石『えーと、動けます?』

陸奥「動けなくもないけど…」

明石『まぁ仕方ないですよね、では…』


ブゥーーーン!ポイッ


バサッ…

974: 2017/05/30(火)21:47:00 ID:chR


提督「あれ何?」

明石『応急修理女神です』

提督「なるほど」

陸奥「助かるわ」

提督「てかそれ無人でも飛べるのかよ」

明石『できないとか言いましたっけ?』

提督「言ってないね」

明石『それでもやっぱり細かな操縦なんかはできませんから』

明石『戦闘になると、有人飛行には敵いませんけどね』

提督「へぇ」

陸奥「…提督」

提督「ん?」

陸奥「横槍入れて悪いんだけど、長門が何処にいるのか知ってる?」

提督「あ、そういや」

提督「明石、分かった?」

明石『あ、そうでした…えーとですねぇ』

明石『探索に出してた烈風なんですけど』

提督「見つけたの?」

明石『いえ、誰かさんからキレ気味にクレームをいただいたので…』

提督「うぐ」グサ

明石『航行距離はあれ以上延ばせませんが、更に詳細に探索できるよう改良しました』

提督「…どの位詳細なの?」

明石『んー、そうですねぇ』

975: 2017/05/30(火)21:48:29 ID:chR

明石『例えば、長門さんが指先を少し切ってしまいました。血が一滴地面に落ちますね』

提督「はい」

明石『はい、見つけました』

提督「はい?」

明石『今のはものの例えですが』

明石『詰まる所、長門さんから生成される体液や毛髪なんかレベルで見つけ出します』

提督「すごいのか何なのか」

明石『すごいんだよ』

明石『んで、今しがた長門さんがいるであろう島を発見しました』

提督「まじ?」

陸奥「ほんと?」

明石『はい、どうやらその島に廃墟がありますね…そこで長門さんの血液を発見しました』

提督「血液…?」

陸奥「大丈夫なの!?」

明石『えっと、血液は大袈裟でした』

明石『窓からお邪魔したみたいで、その時に割れたガラスで少し切っただけみたいですよ』

提督「そっかぁ」ホッ

陸奥「よかった」ホッ

明石『ただですねぇ…』

提督「なんかあんの?」

976: 2017/05/30(火)21:49:04 ID:chR

明石『んー…いや、その…』

提督「……?」

陸奥「……?」

明石『あー、なんか電波がーー』


ブツッ


提督「……は?」

陸奥「なんだったの?」

提督「いや、俺にもわかんなーーー」

明石『いいですか?陸奥さんに悟られないで下さい』

提督「いんだけど…」

陸奥「もう一度通信してみたら?」

明石『とりあえず伝えたい事だけ言うので、返事はいりません、いいですね』

提督「そうだね、少し待って試してみようか」

明石『まず、長門さんが今いる地点なんですが、ここからそんなに遠くありません』

陸奥「そうね」

明石『そして、もうひとつ』

明石『長門さんがお邪魔した廃墟なんですが……』

提督「んー、電波が復帰したら明石から再度ありそうなんだけど…」

977: 2017/05/30(火)21:49:58 ID:chR



明石『そこ、加賀さんが言っていた研究所の跡地です』



提督「なんだと!?」

陸奥「きゃぁ!?」ビクッ

明石『ちょっと!』

陸奥「どうしたのよ!」

提督「あ、いや…なんでもない」

明石『気持ちは分かんなくもないですが、反応しないで下さいよ…』

陸奥「何でもなくないでしょ、ちょっと…」ズイ

提督「あっ、ちょ」

陸奥「これね、こっそり通信してたんでしょ!」

陸奥「…明石さん?」

明石『…はい』

陸奥「提督と何を話してたの?」

明石『えー…と、今日の晩御飯の献立を…』

陸奥「晩御飯の献立になりたいのかしら?」

明石『何それ怖い』

978: 2017/05/30(火)21:51:01 ID:chR

陸奥「何の話をしてたの?」

明石『だからですねぇ…』

提督(おい明石……)モウカタホウデキイテル

明石『……陸奥さんをどうするか、ですかね?』

陸奥「私を?」

明石『そです、陸奥さんを鎮守府に戻すか、そのまま長門さんの捜索に同行させるか』

陸奥「……ふぅん」

明石『だから陸奥さんには聞かせられなかったんです』

陸奥「そういう事ね」

明石『ま、もうバレちゃったんですが』

提督「むっちゃん、どうする?」

陸奥「そんなの決まってるでしょ」

提督「だよね」

明石『じゃ、提督は烈風に乗り込んで下さい』

提督「はいよ」

明石『陸奥さんは付いてきてくださいねぇ』

陸奥「低速で頼むわよ」

明石『…では、向かいましょうか』


明石『長門さんの元へ』


ーー

982: 2017/08/02(水)15:58:55 ID:0ku


ー???ー


長門「くっ……」ググッ

??「サァテ、イツマデモツカナァ?」ウマノリ

長門「馬鹿に、するなっ!」グイッ

??「チッ、馬鹿力ガ」ググッ

長門「てぇいっ!」ブンッ

??「ナッ!?」

長門「今のうちに!」スタッ


タッタッタッ…


??「フン、逃ゲタカ…」

??「マァイイ、捕マルノモ時間ノ問題ダ」


ーー

983: 2017/08/02(水)15:59:39 ID:0ku


ー施設内・地下ー


長門「くっ、これは…」

長門「瓦礫で出口が…さっきの地震のせいか…?」

長門「何にしても早くここから脱出せねば…奴に追い付かれてしまう」

長門「………」

長門「…居場所を知らせる様なものだが、致し方あるまい」ギソウテンカイ

長門「どうせここまでは一本道だし…な!!」ドゴォオン!


モクモク…


長門「やったか……いや」

長門「扉の奥まで塞がっていたのか」

長門「来た道を戻るのは無理みたいだな…」

長門「………」ウーン

長門「……そうだ」クルッ


スタスタスタ……コンコン

スタスタ…コンコン


長門「ふむ、ここだな」

長門「ビッグセブンの力、侮るなよ!!」


ドゴォオン!!


モクモク…


長門「どうだ…?」

984: 2017/08/02(水)16:00:10 ID:0ku


長門「……よし、壁の向こう側は通路だった、が…」

長門「何処に繋がっているかは分からんのは少し不安だな」

長門「………」


バキィ!ガシャアン!


??「何処へ逃ゲタァ!」



長門「…ここに留まるよりはずっと良いみたいだな」


タッタッタッ…


ーー



??「……ホォ」ニヤ

??「壁ヲブチ抜イテ逃ゲタカ」

??「コノ先ハ確カ……フフ、悪運ノ強イ奴メ」

??「サァ見セテ貰ウゾ、戦艦長門」ニヤッ



ーーー
ーー


985: 2017/08/02(水)16:01:13 ID:0ku



ー空母寮・一航戦の部屋ー



赤城「ーーーという事になっているの」

加賀「それで私達は、提督を含めた三人を救出に向かわなければならないわ」

瑞鶴「提督さんったら…」タメイキ

翔鶴「独断、ですか…」

飛龍「…そんな」

蒼龍「………」

赤城「勿論これは強制ではないから、無理に着いてくる必要はないわ」

瑞鶴「決まってるでしょ、行くわよ」

翔鶴「私も行きます」

飛龍「そうだね、行かなきゃ」

蒼龍「………」

加賀「蒼龍はどうするの」

蒼龍「…勿論、行きます」

加賀「歯切れが悪いわね」

赤城「言い出しづらいかもしれないけど、本当に強制ではないから…」

蒼龍「そうじゃないんです、ただ…」

蒼龍「…行くのが怖いんです」カタカタ

飛龍「蒼龍…」

加賀「何故?」

蒼龍「だって、提督が出て行ってもうどれ位経ってるんですか…?」

赤城「それは…」

986: 2017/08/02(水)16:01:56 ID:0ku

蒼龍「提督に限って、そんな事無いのは私も分かってます…でも」

蒼龍「もし…私達が駆け付けた時…提督が…」

蒼龍「私、そんなの…耐えられません」ムナモトオサエ

加賀「例え蒼龍の言う事態になっていようと私はーー」

蒼龍「加賀さんは、良いですよね…」

加賀「…どういう事?」

蒼龍「ずっと提督を独り占めして、結婚もさせて貰って」

蒼龍「そりゃあ、信用できますよね」

飛龍「ちょ、蒼龍っ」アセ

加賀「その言い方だと、貴女は提督を信用できない…と言いたいのかしら?」

蒼龍「違う…ただ、ただ…私は」

蒼龍「私だって、もっと提督と話したかったのに…もっと近くにいたかったのに…」スゥ

飛龍「駄目だって!蒼龍!」

蒼龍「駄目な事ないよ、飛龍」

蒼龍「提督はこんな私でも大丈夫だって」

蒼龍「言ってくれたもん」フフフ

飛龍「違う!提督はそんなつもりでーー」

加賀「言いたい事はそれだけかしら」

蒼龍「…それだけ?」キッ

加賀「そうよ」

赤城「加賀さん、これ以上はーー」

加賀「余程大層な理由があるのかと思って聞いておけば」

加賀「蒼龍のそれはただの我儘ではなくて?」

蒼龍「……っ」キッ

987: 2017/08/02(水)16:02:22 ID:0ku

加賀「一つだけ言っておくけれど」

加賀「これは飛龍、五航戦も聞いておきなさい」

加賀「提督はよく運命と言う言葉を口にされますが」

加賀「その言葉に甘えて、運命だけであの人の隣に並べるなんて、舐めた考えは捨てる事ね」ゴゴゴ

蒼龍「………」クッ

飛龍「………」ゴクリ

瑞鶴「………」フン

翔鶴「………」アワワ

赤城「………」ソンナ…



加賀「…何故赤城さんまで驚いているの?」

赤城「…えっ、あぁ…そ、そうね」アハハ

加賀「少し話が逸れたわね…」

加賀「救出に向かう者だけ、明石さんの所に来なさい」スタスタ

赤城「…本当に無理はしなくていいから、ね?」スタスタ

瑞鶴「だから行くっての」スタスタ

翔鶴「あっ、瑞鶴!」スタタ

988: 2017/08/02(水)16:03:07 ID:0ku



飛龍「…蒼龍」

蒼龍「………」

飛龍「…私、行くよ?」

蒼龍「………」

飛龍「そりゃあ、蒼龍の言ってる事も分かるよ、だけど…」

飛龍「私達の首に掛かってる『これ』は」キラッ

飛龍「仮に一航戦の二人に劣っていたとしても」

飛龍「私と蒼龍の努力の証だって」

飛龍「それが、その想いが提督に伝わった結果だって」

飛龍「私は、そう思ってるから」ギュッ

蒼龍「………」

989: 2017/08/02(水)16:03:31 ID:0ku

飛龍「だから、私は行く」

飛龍「二度も私達を受け入れてくれたあの人に」

飛龍「私はどこまでも付いてく」

飛龍「それが、どんな結果に繋がったとしても、ね」

飛龍「それに、私ね」

飛龍「あの人が本当に私達の前から居なくなったりしないの、知ってるから」

蒼龍「………」

飛龍「だから、一緒に行こ?」

蒼龍「……飛龍」

飛龍「ここに来る前も、来た後も」

飛龍「あの人を好きになる時も、それを伝えた時も」

飛龍「いつも、一緒だったじゃない」ニコ

蒼龍「……っ」グスッ

飛龍「だから、ね?」テヲサシノベ

蒼龍「……うん、うんっ」ギュッ

飛龍「さ、急がなきゃ!」

蒼龍「そう、だね…」ゴシ


ーー

990: 2017/08/02(水)16:04:23 ID:0ku


ー明石ラボー


明石「おっ、来ましたね」

赤城「はい、全員ではないですが…」

明石「あら?二航戦の二人は留守番ですか?」

赤城「飛龍は遅れて来るかと思いますが…」

明石「蒼龍さんは来ない、と」

赤城「強制ではありませんしね…」

加賀「蒼龍は来るわ」

赤城「えっ?」

瑞鶴「私も来ると思う」

赤城「でもさっきは…」

翔鶴「それもきっと、提督を想っての事ですから」

明石「あの娘、ちょっと難しい所ありますからねぇ」


ウィーン


飛龍「遅れました!」

蒼龍「………」

明石「お、噂をすれば」

飛龍「噂ですか?」

明石「そそ、二人は来るのかなーって」

飛龍「あー、成程…」

蒼龍「あの、加賀さん…」

加賀「何?」

991: 2017/08/02(水)16:04:51 ID:0ku

蒼龍「さっきの生意気な態度…ごめんなさい」ペコ

加賀「別に気にしていないわ」

蒼龍「だけど…」

加賀「貴女の不安も、分からなくはないから」

加賀「私は、例え提督が骨だけになったとしても愛する自信があるけれど…」

瑞鶴「それもどうなのよ」

加賀「だけれど、皆がそうではないのも理解しています、それに…」

加賀「ここに来たのなら、貴女の不安は無くなったも同然よ」

蒼龍「えっ…」

翔鶴「どういう事ですか?」

加賀「明石さん、いいかしら」

明石「はいよー、ちょっちお待ちをっと…」カチャカチャ

明石「それじゃ、皆さんお待ちかねのー」カチャカチャ…ッターン

明石「提督ー、聞こえますかー?」

空母's「………」

シーーン

992: 2017/08/02(水)16:05:43 ID:0ku


提督「あー、こちら提督ー」

加賀「………」アンシン

赤城「こちら提督ー、じゃないですよ…」アキレ

瑞鶴「なによ、元気そうじゃない」ホッ

翔鶴「無事で何よりでしょ、瑞鶴」

飛龍「もー、提督ったら…」

蒼龍「………った」ポソ

飛龍「蒼龍?」

蒼龍「ぅう…」ウル

蒼龍「ぅぇえ…よがっだ、でいどぐ」ポロポロ

飛龍「安心したみたいだね」クス

提督「え…今の泣き声って、蒼龍…?」

明石「あーあ、提督が泣かしたー」

提督「ちょ、蒼龍?大丈夫?」アセ

蒼龍「提督のばかぁぁあ」ボロボロ

提督「明石、俺なんかした?」

明石「現在進行形で」

提督「あー、成程…」

瑞鶴「提督さん最低」

翔鶴「提督、女性を泣かすのは関心しませんよ?」

提督「うぐ…」

993: 2017/08/02(水)16:06:22 ID:0ku

蒼龍「うぅ…ぐすっ」メソメソ

提督「あー…えっと、蒼龍?」

蒼龍「…なに?」

提督「えぇと…ごめんな?」

蒼龍「…ゆるさないから」

提督「まじかぁ」

蒼龍「婚約者を残してどっか行っちゃう提督なんか許してあげない」グスッ

提督「」

飛龍「ちょ、蒼龍!?」

蒼龍「知らないもん、もう隠さないから」

翔鶴「婚約者…?」

瑞鶴「聞き捨てならないわね」

赤城「…提督?」

加賀「どういう事ですか?」

提督「えぇと、ちょっと待ってね」

赤城「待てません」加賀「待てません」

提督「い、今はそれどころじゃないからさ!」

提督「全部終わらせて戻ってきたらちゃんと説明するから!」

赤城「本当ですか?」

提督「本当も本当、マジさ」

加賀「分かりました、私達も可及的速やかに事を終わらせましょう」

994: 2017/08/02(水)16:06:57 ID:0ku

提督「……えっ」

提督「ちょっと待って、ねぇ明石」

明石「はい?」

提督「どゆこと?」

明石「あー何か電波が悪くなってきましたねー」

提督「明石のばーか」

明石「誰が馬鹿だ」

提督「聞こえてんじゃねぇか」

明石「あー聞こえなーい、通信が切れちゃうー」


プツン


赤城「明石さん、良かったのですか?」

明石「ああでもしないと聞きませんよ、多分」

加賀「口を滑らせてしまったわ…」

飛龍「遅かれ早かれだと思いますよ?」

加賀「それもそうね」

瑞鶴「開き直るの早すぎかよ」

加賀「黙りなさい五航戦」

加賀「さ、早く行くわよ」スタスタ

995: 2017/08/02(水)16:07:23 ID:0ku



翔鶴「加賀さん、焦ってるのでしょうか」

赤城「焦ってると言うより、提督に早く会いたいだけだと思うわ」

飛龍「蒼龍、私達も行こっ」

蒼龍「………」

飛龍「蒼龍?」

蒼龍「…どうしよう」

飛龍「何が?」

蒼龍「言っちゃった…秘密だって言ってたのに…」ズーン

飛龍「あぁ…あれね」

蒼龍「嫌われないかな…」ズーーン

飛龍「嫌われはしないだろし、寧ろ良かったんじゃない?」

蒼龍「えっ…?」

996: 2017/08/02(水)16:07:40 ID:0ku

飛龍「提督の事となれば、艦種問わず右も左もライバルだらけなわけじゃん」

蒼龍「うん」

飛龍「牽制だよ、次は私達だぞーって」

蒼龍「そうなのかな…」

飛龍「そそ、練度だと戦艦組と変わらないしちょうど良かったんだよ」

蒼龍「うーん…」

飛龍「そういう事なの!さ、行くよ!」グイッ

蒼龍「わわっ、待ってよ」



ーー

997: 2017/08/02(水)16:09:07 ID:0ku
皆さんお久しぶりです。
既に無人島と化しているスレかもしれませんが、一応まだ続きますので、よろしくお願いします。

998: 2017/08/02(水)16:14:44 ID:0ku

次回:提督「赤城のヤキモチ」2

次スレここですー
スレタイに統一性がない?知った事か

999: 2017/08/30(水)06:42:18 ID:CTr
見てるゾ

引用: 【艦これSS】提督「赤城のワガママ」