1: 17/08/02(水) 16:13:06 ID:0ku
はい、なんだかんだ3スレめですね
提督「赤城のヤキモチ」シリーズ
最初から:提督「赤城のヤキモチ」【その1】
前回:提督「赤城のワガママ」【その10】
10: 17/09/14(木) 19:03:22 ID:cf5
ー愉快な登場人物紹介ー
・提督
宿毛湾泊地の長、階級は大佐
起きて空母、寝て空母、嫁も空母
普段は締りのないマイペースな男だが、いざスイッチが切り替わるととんでもない戦闘力を発揮する艦隊の最終兵器に変貌する
第一艦隊は空母のみだが、通常ありえない戦法で目標を駆逐させる奇跡の様な戦闘指揮をとる事で少し有名
彼を知る軍関係者からは皮肉を込めて「宿毛の空母馬鹿」と呼ばれている
ちょっと前赤城&加賀と結婚、飛龍&蒼龍と婚約した。
・赤城
提督の嫁、秘書官、第一艦隊旗艦と忙しい一航戦の赤い彗星
提督の最初の嫁になる為、加賀と二人で独断先行するも、僅差で加賀に先を越される
その後、提督との命を駆けたラストスパートで最高練度を迎え、無事提督の嫁となった
加賀の卓越した提督察知能力を前に、同じ事ができない自分は提督への気持ちが加賀より劣っているのでは?と自身を疑う…なんて事はなく、寧ろ同じ事をしてやろうと奮起している
何処でどの様にしたのかは謎だが、最近少し提督の気配が分かるようになってきた。
・加賀
提督の嫁、艦隊最強の矛であり、艦隊のエースを務める一航戦の蒼き流星
当艦隊の中で提督から渾名で呼ばれるというレアなカテゴリーに属する一人
提督の最初の嫁になる為、赤城と二人で独断先行し、見事最高練度を果たした勝利者
その後、紆余曲折を経て無事赤城と共にゴールインをする
現存する艦娘を更に人の手を加え強化する、と言う名目で実験が行われていた研究所の最後の生き残り、らしい
提督のみを察知する最強の電探を標準装備しており、建物内くらいの範囲なら提督の所在が瞬時に分かる
何故そんな事ができるのか……それは愛の成せる技。
・提督
宿毛湾泊地の長、階級は大佐
起きて空母、寝て空母、嫁も空母
普段は締りのないマイペースな男だが、いざスイッチが切り替わるととんでもない戦闘力を発揮する艦隊の最終兵器に変貌する
第一艦隊は空母のみだが、通常ありえない戦法で目標を駆逐させる奇跡の様な戦闘指揮をとる事で少し有名
彼を知る軍関係者からは皮肉を込めて「宿毛の空母馬鹿」と呼ばれている
ちょっと前赤城&加賀と結婚、飛龍&蒼龍と婚約した。
・赤城
提督の嫁、秘書官、第一艦隊旗艦と忙しい一航戦の赤い彗星
提督の最初の嫁になる為、加賀と二人で独断先行するも、僅差で加賀に先を越される
その後、提督との命を駆けたラストスパートで最高練度を迎え、無事提督の嫁となった
加賀の卓越した提督察知能力を前に、同じ事ができない自分は提督への気持ちが加賀より劣っているのでは?と自身を疑う…なんて事はなく、寧ろ同じ事をしてやろうと奮起している
何処でどの様にしたのかは謎だが、最近少し提督の気配が分かるようになってきた。
・加賀
提督の嫁、艦隊最強の矛であり、艦隊のエースを務める一航戦の蒼き流星
当艦隊の中で提督から渾名で呼ばれるというレアなカテゴリーに属する一人
提督の最初の嫁になる為、赤城と二人で独断先行し、見事最高練度を果たした勝利者
その後、紆余曲折を経て無事赤城と共にゴールインをする
現存する艦娘を更に人の手を加え強化する、と言う名目で実験が行われていた研究所の最後の生き残り、らしい
提督のみを察知する最強の電探を標準装備しており、建物内くらいの範囲なら提督の所在が瞬時に分かる
何故そんな事ができるのか……それは愛の成せる技。
9: 17/09/14(木) 19:02:00 ID:cf5
皆様、お久しブリーフ
待たせてごめんなさい、再開します
待たせてごめんなさい、再開します
11: 17/09/14(木) 19:04:05 ID:cf5
・飛龍
第一艦隊の特攻隊長其ノ壱
提督絡みが主であるが、一回頭に血が上ると途端にキレだす現代っ子
>>>1元々、友提督の鎮守府に建造にて配属されたものの、空母は要らぬと門前払いを食らった
それにカチンときた飛龍と蒼龍は、反旗を翻すも権力の前にあえなく膝を崩す
このままでは解体処分…そこに颯爽と現れた救いのヒーロー、それが提督である
現在は蒼龍と共に提督と婚約を交わし、最高練度に向け邁進している最中。
・蒼龍
第一艦隊の特攻隊長其ノ弍
事提督となると、ハイライトがお留守になるダークドラゴン
ダークドラゴンと化した蒼龍は、提督を除く全てを否定し、如何なる存在であろうと駆逐しにかかる
>>>1以下同文
ダークドラゴン化していない時の蒼龍は、若干気が弱く涙脆い
彼女がその一線を超えるか否かは提督の選ぶ選択肢一つにかかっている。
12: 17/09/14(木) 19:04:30 ID:cf5
・翔鶴
第一艦隊の不幸担当
周囲からは淑やかで真面目な印象を持たれている彼女
それは印象だけでなく、彼女の本質はそうであるのに間違いはないのだが…
その裏では、ダークドラゴンと共謀し提督の部屋着を文字通り着服したり
榛名と提督のおデートをストーキングしたりと少しお変態な一面を持つ
そんな彼女も、いざ提督の御前となるや否やとたんにしおらしくなり、肝心な場面で大体瑞鶴にキラーパスを投げる
そのせいか、現在提督の隣争奪戦において若干影が薄いのが彼女の何よりの悩みである。
・瑞鶴
第一艦隊の比較的常識人
加賀と同様、提督から渾名で呼ばれるレアなカテゴリーに属する一人
空母組の中で最も良識のある人物とされているが、それも周りが事提督となると途端に手段を選ばなくなるバーサーカー揃いであるところから、傍から見るとまともに見えるだけなのかもしれない
基本的に幸運艦の筈の彼女だが、度々不幸な目にあっているのは、彼女の姉であるアノ人からの伝染なのか
機嫌を損ねた加賀やんの標的にされる事もしばしば
提督の隣争奪戦において、一航戦二航戦の後輩、翔鶴の妹であるが故に最下層に位置付けられるものの、本人は下克上する気満々であったりする。
13: 17/09/14(木) 19:05:36 ID:cf5
・大和
とある理由で、正規ではないルートから配属されたイスカンダル担当
提督の隣に立つのは戦艦大和が相応しいと、隙を見つけては提督にアタックをかけるも、何かと邪魔が入るのは何者かの意図する所なのか、或いは偶然か
長編のタイトル候補の一人。
・長門
貴様が私に標準を合わせ、引き金を引き、放たれた砲弾が私に届くまでの間に、私は貴様に五発の拳を叩き込むぞ
でお馴染みの彼女、ながもん
彼女も極めて限定的ではあるが、渾名で呼ばれていた
着任当初提督とタイマンの果て敗北し、提督の強さに惚れ込む
それからというもの、撃つより殴(う)つほうが早くて強いと、砲雷撃戦の最中深海棲艦を素手で駆逐しだしたある意味問題児
提督の事は敬愛している、と本人は言っているが、むっちゃんの目にはそうは写っていない模様
現在、ダラダラと蛇足し続けている長編の主人公
・陸奥
あらあら、提督に渾名で呼ばれているの戦艦組で私だけなのよ?どう、悔しい?
でお馴染みのむっちゃん
長門の影に埋もれがちだが、提督の隣を狙っている勢の一人
色々と残念な姉を持つ艦隊の苦労人
あの手この手で提督を懐柔しようとするも、ことごとく失敗しているのは運がないせい
14: 17/09/14(木) 19:06:41 ID:cf5
・扶桑
前鎮守府にて扶桑の不幸がアウトブレイクし、発生源である扶桑は現提督の元に厄介払い、理由を言うまでもなく山城もセットで着任した
厄介者扱いされた理由を当人は理解しており、同時に気にもしていた
しかし、提督にすんなり受け入れられ扶桑は嬉しかった
そしてそんな提督を山城も慕っていた事を知ってもっと嬉しかった
・山城
前鎮守府にて扶桑姉様の溢れんばかりの魅力がアウトブレイクし、発生源である扶桑姉様は現提督の元に緊急FA、理由を言うまでもなく私もセットで着任しました
FAされた理由を私だけは理解しており、同時に誇りに思っています
当然、提督にすんなり受け入れられ扶桑姉様は嬉しそうでした
そしてそんな提督を私も慕っ……
「手記はここで途切れている。」
15: 17/09/14(木) 19:07:52 ID:cf5
・金剛
大和や長門型を抑え、戦艦組の練度トップに座る自称提督LOVE勢筆頭
普段天真爛漫に提督を追っかけ回す彼女だが、喧しいからといって蔑ろにあつかうと凹むし泣いちゃう、だって女の子だもん
元々違う鎮守府に配属されており、そこでは実質エースを務めていた
しかしそこでの育ちが悪かったせいか、やたらと気性の荒い彼女は、ブラックな提督と馬が合わず頗る険悪な関係にあった
当時から艦隊が空母だけだった提督らとの演習の際
負けた原因を擦り付けられ暴力を振るわれていた所を提督に救われ、ゾッコンに
今現在、丸くなった彼女ではあるものの、ふとした瞬間もう一人の金剛が顔を出す事があるようだ
・比叡
ヒエー
カレーがクソまずい
提督に美味いカレーを作ってあげたいと思ってはいるが、どうやら彼女の脳と手は繋がってないらしい
16: 17/09/14(木) 19:08:39 ID:cf5
・榛名
提督を恋い慕う乙女系戦艦
近頃、姉である金剛の提督に対するアグレッシブさを変な方向で捉えてしまいがち
最近の出来事では、クリスマスに新しい生命を提督に求めドン引きされている
が、流石に駄目だと却下された後、妥協案として提督と遊園地デートを提案し可決
五航戦二人にストーキングされているとも知らず、二度目の悪い娘になった
・霧島
メガネ
・明石
提督の実質初期艦
経緯は未だ語られていないが、古参のメンバーから見ても並々ならぬ仲の良さだと認知されている謎多き厄介娘
提督と手を組み、はたまた独断で他の明石には出来ない事をちゃっちゃとこなすドラえもん的存在
17: 17/09/14(木) 19:11:25 ID:cf5
・その他愉快な仲間達
毎回やってたらネタ的に力尽きた様子。
登場してる推しの紹介ねぇじゃねぇかと怒り心頭の貴方
こんなので良ければ追加しますのでどうぞ
なんなら登場してない推しでもよくってよ
毎回やってたらネタ的に力尽きた様子。
登場してる推しの紹介ねぇじゃねぇかと怒り心頭の貴方
こんなので良ければ追加しますのでどうぞ
なんなら登場してない推しでもよくってよ
18: 17/09/14(木) 19:20:01 ID:cf5
こんな感じで次回から本編の続きですな
いきなり人物紹介のカットインが入るかもしれないけど気にしたら負けだ
長々と3スレ目ですが、気長によろしくお願いします
いきなり人物紹介のカットインが入るかもしれないけど気にしたら負けだ
長々と3スレ目ですが、気長によろしくお願いします
27: 17/11/25(土) 17:25:56 ID:q99
ーー
ー
ー施設内・地下ー
長門「あれからずっと一本道だが」スタスタ
長門「これは出口に向かっているのだろうか…」
長門「……ん、扉か」ピタ
長門「少し開いているな……?」
長門「風…外に繋がっているのか?」
長門「この扉、目立った破損はないが…」
ガシ
長門「んんんんん!!」グググ
ギギッ、ギギギギ
長門「ふう、老朽化はしていた様だが」
長門「これで先に進めるな」スッ
ー
ー施設内・地下ー
長門「あれからずっと一本道だが」スタスタ
長門「これは出口に向かっているのだろうか…」
長門「……ん、扉か」ピタ
長門「少し開いているな……?」
長門「風…外に繋がっているのか?」
長門「この扉、目立った破損はないが…」
ガシ
長門「んんんんん!!」グググ
ギギッ、ギギギギ
長門「ふう、老朽化はしていた様だが」
長門「これで先に進めるな」スッ
28: 17/11/25(土) 17:26:41 ID:q99
ピタ
長門「………」
長門「外に出て、それからどうしようか…」
長門「これ以上ここに、この島に留まる訳にはいかん」
長門「しかし、海に出た所で行く宛など…」
長門「鎮守府の方角も、距離も分からない」
長門「偽装の燃料は……半分以下、か」
長門「ここへ真っ直ぐ辿り着いたか分からんが」
長門「最短でも足らんのか」
長門「………」
長門「………」
長門「……はは」
長門「困ったな、八方塞がりではないか」
長門「行くも地獄、戻るも地獄と」
長門「……もう、疲れたな」ヘタリ
長門「いっその事、諦めてしまおうか…」
長門「…………」
29: 17/11/25(土) 17:27:06 ID:q99
長門「だが、せめて…」
長門「せめて…玉砕の覚悟で奴をーー」グッ
ヘタリ
長門「………」
長門「……立つこともできない、か」
長門「なんだ、連合艦隊旗艦ともあろう者が」
長門「たかが、敵の一隻でっ…こんなっ」
長門「くそっ、動け、腰抜けめ」フラフラ
長門「動かなければ、奴が…っ」ピクッ
ガラッ、ガシャン
??「ヤツガ、何ダッテ?」ニタァ
ーー
ー
30: 17/11/25(土) 17:28:26 ID:q99
ー海上ー
明石『そろそろ島が見えてくる頃だと思うんですけど、どうです?』
提督「見えたっちゃあ見えたね」
提督「まだ遠くて島影しか見えないけど」
陸奥「海上からもちょこっと見えたわ」
提督「長門、いるかな」
陸奥「もしいなかったら振り出しなんでしょ?」
明石『いや、いると思いますよ』
提督「なんで?」
明石『あくまでスペック上での計算ですが、長門型の艤装だとここまで来るのに消費する燃料が満タンから大体半分以下になります』
明石『泳いで来たとか泳いで帰るとかしない限り、ここから動くのが得策でない事くらい分かる筈ですからね』
明石『そろそろ島が見えてくる頃だと思うんですけど、どうです?』
提督「見えたっちゃあ見えたね」
提督「まだ遠くて島影しか見えないけど」
陸奥「海上からもちょこっと見えたわ」
提督「長門、いるかな」
陸奥「もしいなかったら振り出しなんでしょ?」
明石『いや、いると思いますよ』
提督「なんで?」
明石『あくまでスペック上での計算ですが、長門型の艤装だとここまで来るのに消費する燃料が満タンから大体半分以下になります』
明石『泳いで来たとか泳いで帰るとかしない限り、ここから動くのが得策でない事くらい分かる筈ですからね』
31: 17/11/25(土) 17:28:54 ID:q99
提督「あいつ、泳いで帰りそう」
陸奥「私もそう思うわ」
明石『…長門さんが少し気の毒です』
提督「まぁ、冗談はさておいてだな」
陸奥「え、冗談だったの?」
提督「有り得なくもないけど…長門が無理矢理島を出るしたら」
提督「それはそれで緊急を要する状況だった時位だと思うんだよね」
明石『それに、もう島は見えてますから』
明石『今出てきてくれれば逆に見つけやすいんですよ』
陸奥「成程ねぇ」
提督「ま、何にせよも少し近づかないとだね」
明石『そですねぇ』
ーー
ー
32: 17/11/25(土) 17:29:39 ID:q99
ー施設内・地下ー
長門「…もう追い付かれたか」
??「鬼ゴッコハ終ワリカ?」
長門「………」
??「コノ先ヲ真ッ直グ行ケバ海ニ出ラレルガ」
長門「………」
??「ドウシタ、逃ゲナイノカ?」
長門「…さっき貴様は、もうじき仲間が来ると言っていたな」
長門「海に出たところで、フクロにされるのが関の山だ」
33: 17/11/25(土) 17:30:18 ID:q99
??「ククク…分カッテルデハナイカ」
??「ダガ、ドウスル?」
??「ココニ留マッタトコロデ結果ハ変ワランゾ」
長門「………」
??「私ヲ倒セバ、ドウニカナルトデモ思ッタカ?」
長門「………」
??「大人シク私ノ糧トナルナラバ、痛ミナク氏ヌ事ハデキルガ…」
長門「………」
??「…フン、ソンナ気ハ更々無イ、トイッタ目ダナ」
長門「…当たり前だ」
??「ダッタラドウスルンダ?」
34: 17/11/25(土) 17:30:58 ID:q99
長門「そんなもの決まっている」ググッ
長門「…生きて」ガクガク
長門「あの人の元へ」
長門「帰る!!!!」ギソウテンカイ
??「ナッ!!?」
ドッゴオオォォン!!
長門「今のうちに!」タッタッタ
??「クソ、油断シタ…」
??「既ニ反撃スル気力ナド残ッテナイモノダト思ッテイタガ…」
??「マァイイ、奴ハ苦シミナガラ氏ニタイ様ダ」
??「ククク…存分ニ絶望スルガイイ」スクッ
スタスタスタ…
ーー
ー
35: 17/11/25(土) 17:34:36 ID:q99
ー海上・鎮守府近海ー
赤城「明石さん、私達の足で提督の所まではどの位かかりそうですか?」
明石『全速力で向かっても恐らく二時間はかかるかと』
加賀「………」
飛龍「私達鈍亀だからねぇ…」
瑞鶴「私と翔鶴姉はそうでもないけど」
翔鶴「私達はこの中じゃ最新だから…」
加賀「…喧嘩なら買いますが」ギロ
翔鶴「ひぃ!?」ビク
蒼龍「加賀さんがイライラしてる…」
赤城「後で構ってもらうと言ってたのに、提督が近くにいないからでしょうね」
瑞鶴「あの人、周りからはめっちゃクールで無愛想な人って印象なんだけど…」
飛龍「うん、私もそれ聞いた事ある」
赤城「概ね正解よ、提督の前でもそれは変わらないもの」
赤城「ただ、いつも見てる加賀さんがそのまま提督に甘えてたりするだけね」
36: 17/11/25(土) 17:35:11 ID:q99
瑞鶴「それってどうなの…?」
赤城「それでも加賀さんなりに表に出てるそうよ」
飛龍「そうって、提督が?」
赤城「ええ、提督は加賀さんの微細な表情の変化が分かるみたいなの」
蒼龍「愛されてるなぁ…羨ましい」
加賀「今は提督が優先ですが、戻ったら演習をします…翔鶴と」
翔鶴「それだけは勘弁して下さい」ドゲネ
瑞鶴「翔鶴姉が土下寝しながら海上を進んでる…」
飛龍「何あれwめっちゃ面白いんだけどwww」
蒼龍「器用な事するんだね」
明石『緊張感無いのかお前ら』
ーー
ー
37: 17/11/26(日) 21:41:12 ID:i1J
ー洞窟ー
長門「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」タッタッタ
タッタッタ……スタ、スタ
長門「ふぅっ、近くまで追って来てはいない様だが…」
長門「ここは…洞窟、か」
長門「中央は水路になっている様だが…」
長門「当時はここから出入りしていたのか…?」
長門「その癖道が湾曲していて出口が見えんな…」
長門「潮の匂いが分かるようになってきたからもうじき海に出られる筈だが…」
長門「………」
長門「…呼吸は整った、走らねば」
タッタッタ…
長門「………ん、あれはーーー」
ーー
ー
38: 17/11/26(日) 21:42:30 ID:i1J
ー海上ー
提督「島まで後……んんキロだ」
陸奥「分からないなら何で言ったのよ」
提督「分かると思ってレーダー見たんだけど、分からんなくてさ」
陸奥「まぁでも、そんなにかからないんじゃない?」
提督「そうだね」
陸奥「はぁ…少し疲れちゃったわ」
提督「そろそろお昼にする?」
陸奥「鳳翔さんのご飯が食べたいわ」
提督「あ、俺もだわ」
明石『こっちもかよ』
39: 17/11/26(日) 21:42:52 ID:i1J
提督「ん?何が?」
明石『揃いも揃って緊張感の欠片も無いって言いたいんですよ』
提督「向こうもなんだ」
明石『加賀さんが提督に会えないからってイライラしてるんですよね』
提督「愛いやつめ」
陸奥「………」ムゥ
明石『ほら、島まで後少しなんですから』
明石『気を引き締めないと、何があるか分からないんですよ?』
提督「そうだねぇ」
陸奥「私はいつでもいけるわよ」
明石『提督、長門さんが無事かどうかもまだ確認出来てないんですから…』
提督「………」
提督「…ん、分かったよ」ピリ
明石『声色が変わりましたね、オッケーです』
ーー
ー
40: 17/11/26(日) 21:43:24 ID:i1J
ー洞窟の先ー
長門「……海に出たな」
長門「ここは…そうか、あの時見えていた…」
長門「ここからは艤装を使わねばならんが…」チラ
長門「……燃料も弾薬も心許無いな」
長門「兎に角、島を出て行ける所まで行こう」
長門「限界まで足掻いてやる、それでも駄目ならその時はーーー」
41: 17/11/26(日) 21:44:03 ID:i1J
ザパァ、ザパァ、ザパァ
長門「ふん、早速お出ましか…」
長門「数は多いが駆逐艦ばかりか…いや」
長門「後ろにも…かなり先まで控えているな」
長門「空母に戦艦…はは、大艦隊ではないか」
長門「先までは少し圧倒されていた、が」
長門「海に出ればいつもの事だ」
長門「単艦ではあるが、な」
長門「孤高の旗艦か…響きは良いが」
長門「さぁて、何処までやれるものか…腕が鳴るな」
長門「旗艦長門、推して参る!!!」
ーー
ー
42: 17/11/26(日) 21:44:34 ID:i1J
長門「ハァ……ハァッ…」
長門「来るかっ!ってぇええええ!!」
ガチンッ!
長門「くっ…弾切れかーーーぐぁあ!!」ショウハ
長門「ちぃっ、まだ全然数を減らせていないと言うのに……」
深海棲艦「タマギレカ」
深海棲艦「コノカズダ、タリルハズガナイ」
長門「万事休すか…くそっ…」
長門「何か手は無いのか、何かーーー」
ーー
ー
43: 17/11/26(日) 21:45:11 ID:i1J
長門『あぁあぁぁぁ!』スタタタタタ
明石『あ、長門さ…え?』
長門『うわぁぁあああ!』タタタタタ
明石『えっと…頼まーーた例のーーー、完成ーーー…』
長門『あぁぁぁ!』ビュン
ーー
ー
44: 17/11/26(日) 21:45:52 ID:i1J
長門「…そうだ、断片的だが確か…」
長門「明石は、完成したと…」
長門「………ん?このスイッチは…今まで無かった筈だが…」
パチッ
『戦艦長門、近接戦闘モードニ移行』
『艤装ヲ転衣シマス』
ガコン、プシュー……
長門「ほう、これは…」
ピーーー
『長門さん、聞こえますね』
45: 17/11/26(日) 21:46:24 ID:i1J
長門「っ!明石か、聞こえるぞ!」
『これは自動音声です、長門さんがこの艤装を使用した時に予め用意した物ですので受け答えには限りがあります』
長門「そ、そうだったのか…」
『そして、恐らく受け答えなんかしてる暇ないと思うので簡単に説明しますね』
『この艤装はご存知の通り、近接戦闘に特化した長門さん専用の明石オリジナルフレームになります』
『艤装を転衣した段階で、強制的に耐久値、燃料、長門さんのコンディション諸々が出撃時の状態に戻ります』
長門「確かに身体が軽くなったな」
『そしてこの艤装最大の特徴である近接戦闘についてですが』
『簡単に言うと、島風より早く戦艦の火力を以て敵を直接殴る蹴る』
『ただし、燃費が氏ぬ程悪い』
『です、短期決戦をオススメ…と言うか絶対燃料が無くなるより先に、敵を亡くして下さいね』
長門「了解した」
『すいません、如何せんプロトタイプなので…では御武運を』
長門「あぁ、ありがとう」
プツッ
46: 17/11/26(日) 21:49:38 ID:i1J
長門「ふむ」
長門「これはいいな」グッ
長門「………さて、と」
長門「ふぅ、この型をするのも久々だが…」
長門「………」
長門「……フーッ」スーッ
長門「………」
長門「………」
長門「…………フッ」ピタ
長門「よし」
長門「お前ら、覚悟しろ」キッ
ーー
ー
52: 18/05/08(火) 22:20:20 ID:ef6
皆さん超お久しブリーフ
仕事だ、仕事が忙しかったんだ
決してFGOとかpixivでやりだしたとかどうとかじゃあない
待ってくれていた貴兄に感謝、続きます
仕事だ、仕事が忙しかったんだ
決してFGOとかpixivでやりだしたとかどうとかじゃあない
待ってくれていた貴兄に感謝、続きます
53: 18/05/08(火) 22:21:35 ID:ef6
ー海上ー
加賀「………」イライラ
翔鶴「………」ビクビク
瑞鶴「………」ミナイフリ
飛龍「………」ミナイフリ
蒼龍「………」ミナイフリ
赤城「…明石さん」ボソ
明石『はい?』
赤城「目的地までの時間は?」
明石『この速度だと後1時間かかりませんねぇ』
赤城「はぁ……」タメイキ
明石『加賀さんですか?』
赤城「はい」
明石『そんなに怒らなくてもいいのに』
赤城「怒ってると言うよりご機嫌斜めと言った方が正しいと思いますが…」
明石『…まぁ、それもあと少しの辛抱です』
赤城「それまでこの場が保てればいいのですが…」
明石『おまけに鬱憤まで晴らせそうですよ』
赤城「……敵ですか?」
明石『えぇ、多数補足、島に向かってます』
赤城「私達だけで対処できそうですか?」
明石『……今は何とも』
赤城「っ…兎に角急ぎましょう」
ーー
ー
加賀「………」イライラ
翔鶴「………」ビクビク
瑞鶴「………」ミナイフリ
飛龍「………」ミナイフリ
蒼龍「………」ミナイフリ
赤城「…明石さん」ボソ
明石『はい?』
赤城「目的地までの時間は?」
明石『この速度だと後1時間かかりませんねぇ』
赤城「はぁ……」タメイキ
明石『加賀さんですか?』
赤城「はい」
明石『そんなに怒らなくてもいいのに』
赤城「怒ってると言うよりご機嫌斜めと言った方が正しいと思いますが…」
明石『…まぁ、それもあと少しの辛抱です』
赤城「それまでこの場が保てればいいのですが…」
明石『おまけに鬱憤まで晴らせそうですよ』
赤城「……敵ですか?」
明石『えぇ、多数補足、島に向かってます』
赤城「私達だけで対処できそうですか?」
明石『……今は何とも』
赤城「っ…兎に角急ぎましょう」
ーー
ー
54: 18/05/08(火) 22:24:09 ID:ef6
ー海上ー
「……さっきので最後か?」
ーーーーープスン
「………ッ!」ガクンッ
「燃料切れ…こんなにも早いのか!?」
グググ…
「くっ、身体が重いな…」
『長門さん、聞こえますか?』
「明石、これも自動音声か?」
『こちらはシステムチェックの自動音声なのでそれに関する質問にしか答えることができません』
「そうか…それで?」
『はい、艤装の燃料が切れました』
「だろうな、それと思う様に身体が動かないんだが」
「普段の艤装なら仮に燃料が切れたとしても、ここまではならない」
「これも仕様なのか?」
『いえ、普段の艤装と同じ仕様になっています』
「なら何故だ……不具合か?」
『いえ、システムにエラーは出ていません』
「……艤装には何も問題がない、と」
『はい、外的要因であると考えます』
55: 18/05/08(火) 22:25:00 ID:ef6
「………なら、原因は一つだな」
「私に、問題がある…そうだな?」
『はい、この艤装は私と提督が暇を見つけては開発を進めていた物で、本来ならば艤装を使用する長門型戦艦の艦娘、長門さんと陸奥さんの身体データを元に開発する予定でした』
『しかし急遽、長門型戦艦と異なる身体データを対象に開発する旨となりました』
「その身体データは誰のだ」
『はい、提督です』
「………」
『提督は開発に当たり、艤装の能力を長門型ベースにする事を反対されました』
「…何故だ?」
『以降、録音音声データに切り替わります』
『ザザッ…』
56: 18/05/08(火) 22:26:28 ID:ef6
『え、長門さんが使う艤装なんだから長門さんの身体データ入れるのが一番フィットするに決まってるでしょ?』
『それじゃあダメでしょ』
「これは…明石と提督か…」
『じゃあ誰の身体データをベースにするんです?』
『大和さんとか?』
『俺だよ』
『は?』
『今の長門が能力をフルで使える程度の艤装じゃ、意味がないでしょ』
『長門はこれからも強くなる、本来の艤装なら本人と同等に能力が向上するものだけど』
『これは都度都度でアップグレードするしかないんでしょ?』
『そうですねぇ、この艤装は所謂社外パーツみたいな物ですから』
『長門さん本人とリンクさせるのは流石に無理です』
57: 18/05/08(火) 22:26:53 ID:ef6
『だからこそ、伸び代を作っておかないと』
『感情があるものってのは、いつどんな要因で伸びるか分からないからねぇ』
『いざ使って次の日に物足りないなんて言われたら面倒でしょ?』
『確かに…この上なく面倒臭いです』
『だからだよ、艤装に今の長門以上のポテンシャルを持たせておく』
『それを最大限引き出せるか、持て余すか』
『そこは長門次第だけどね』
『でも、ハナから使いこなせない、なんて事も…』
『馬鹿言うんじゃないよ』
『俺の長門だ、必ず我がものにしてくれるさ』
『ザザッ……以上、録音音声データの再生を終了します』
58: 18/05/08(火) 22:28:03 ID:ef6
「………」
「そうか…この艤装は提督の…」
「だからなのか…」
「身体が重く、動きが鈍いのは…」
「私が、未熟だから…なのか」
「…鍛錬が足りないか」
「しかし、今見える範囲に敵影は無い」
「………私の、勝ちだ」
ザパァ…
「ソレハ、ドウカナァ…」
59: 18/05/08(火) 22:28:40 ID:ef6
「っ…貴様は…」
「アノ数ヲ相手ニ単騎デ突破スルトハ」
「オ前、タダノ長門デハナイナ?」
「…只の長門ではない、か」
「そうだな」
「宿毛の長門は伊達ではない」
「覚えておけ」
「ホウ…デハ試シテヤル」
ジャコン
「くっ、回避を…」
ーーガクンッ
「くそ、動けーー」
ズガァアン!!
「が……はっ…」プスプス
「ドウシタ、避ナイノカ?」
60: 18/05/08(火) 22:29:02 ID:ef6
「ぐっ…動け!動いてくれ!」ガンガン
「ソラ、モウ一発ダ!」
ドゴァアン!!
「ぐ…ごはっ……」ビチャビチャ
「ナンダ、的ニデモナルツモリカ?」
「……ま、ずい…このまま、では…」ゼェゼェ
「ヨシ、ドコマデ立ッテイラレルカ」
「試シテヤルヨ」スタスタ
ドスッ、バキッ、ドゴッ
「ぐっ、がっ、あぁあ!!」
「沈ンダ仲間ノ数ダケ殴ッテヤルヨォ!!」
バキッ、ボコッ、ガスッ
アハハハハハ…
ーー
ー
61: 18/05/08(火) 22:30:12 ID:ef6
ー海上ー
明石「提督、こちら明石」
提督「ん、どした?」
明石「長門さんを補足しました」
陸奥「本当!?無事なの!?」
明石「ええ、一応無事です」
陸奥「よかった…」
明石「いえ、あまり良くはありません」
提督「何があった?」
明石「つい先程から一個隊強の敵影が島に向かっているのを補足していました」
提督「うん」
明石「それを解析して報告しようと思ったんですが」
提督「それで?」
明石「島の付近で長門さんも特定、程なくして交戦しました」
明石「更に程なくして、敵影が消滅」
提督「長門が『あれ』使ったのかな」
明石「使った以外に考えられないですねぇ」
陸奥「ねぇ、アレって何なの?」
明石「それに関しては後後説明します」
提督「話はそれで終わりじゃないってことね」
明石「そうです」
明石「その後直ぐに再度敵影を補足」
明石「今度は単騎です」
62: 18/05/08(火) 22:30:42 ID:ef6
提督「長門は弾薬を使い切った後、あれを使っただろうから」
提督「下手すると長門は弾薬と燃料が、既に空って事だよね」
明石「そうです」
提督「単騎だとしても、敵の艦種次第じゃあ…」
明石「ですね、今絶賛ボコボコにされてます」
陸奥「そんな…」
提督「そこまで後どの位?」
明石「提督はもう見えます、ロクマル秒切りました」
提督「よし、俺を落として」
明石「了解です、くれぐれも氏なないように」
提督「分かってるよ」
明石「陸奥さんが遅れて行きますので」
提督「了解」
ーー
ー
63: 18/05/09(水) 00:05:53 ID:vAN
「…………」
「サァ、ソロソロ終イニシヨウ」
「………」
「モウ話ス気力モ残ッテイナイカ」
「………」
「…ククッ、アッハッハッハッハッ」
「………」
「シカシ愉快ナモノダナ、戦艦長門ヨ」
「………」
「アレダケ自身ノ提督ヲ信用シテオキナガラ」
「………」
「ソノ提督ハ、部下ガ命ノ危機ニ晒サレテイルニモ関ワラズ」
「助ケノヒトツモ寄越サナイ」
「………」ピクッ
「結局、何モ変ワラナイデハナイカ」
64: 18/05/09(水) 00:07:50 ID:vAN
「……が…ぅ」
「私ヲ売ッタアノ男ト」
「オ前ヲ見捨テタ提督」
「根元ハ同ジ、腐ッタ人間ダ」
「………違、う」
「ナニ?」
「…一緒に、する…な」ググッ
「……ホウ」
「マダ、立チ上ガルカ」
「…提督は、私、を…」
「見捨、てて…なん、か……ない」
「見上ゲタ忠誠心ダ」
「ダガ、現実ヲ見ロ」
「救援ハ来ナイ」
「……ッ」
「自分デモ、分カッテイルノダロウ?」
65: 18/05/09(水) 00:09:16 ID:vAN
「モシ、助ケガ来ルノデアレバ」
「モットハヤク、既ニ到着シテイル筈ダ、ト」
「……だった、ら」フラッ
「ン?」
「私が、貴様を…」
「倒し、て…帰、る…だけ、だ」フラッ
ポス
「ククク…ナンダソノ拳ハ」
「……ッ」フラッ
ポス
「アッハッハッハ、ドウシタ」
「ソンナノデハ私ハ倒センゾ?」
「…だ、まれ」フラッ
ポス
フラッ、ポス
フラッ、ポス
66: 18/05/09(水) 00:10:39 ID:vAN
「………」
「…く、そ」
「……アー、ナンダ」
「モウイイ、オ前ニハ飽キタ」
「ま、だ…だ」フラッ
ポス
「ソンナ身体デハ私ノ器ニモナリ得ナイ」
フラッ、ポス
「私ハ別ニ、器ヲ探ストシヨウ」
「…てい、と…く」ググ
「後、一撃ダ」
「次ガ、オ前ノ最後ノ一撃ニナル」
ジャコン
「…わた、し……は……」グググ
「ソレデ私ヲ倒セナケレバ、オ前ガ氏ヌ」
「………」グググ…
「サァ!!フィナーレダ!!!」ガコン!
69: 18/05/22(火) 23:05:46 ID:Gwq
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーー
ー
『ーーー降参だ』ガクッ
『まるで隙だらけだ、よくそんなので殴り合いがどうとか言えたな』
『くっ…』
『グウの音も出まい』
『………っ』ギリ
『なーんてな』
『………は?』
『まだ人型になって間もないんだもん、仕方ないよね』
『貴方は、さっきから何を…』
『俺がお堅い司令官様かと思ったんだろうが』
『それは検討違いだって事だよ』
『ほら、立てるかい?』
『っ……すまない』
『………』
ーー
ー
『ーーー降参だ』ガクッ
『まるで隙だらけだ、よくそんなので殴り合いがどうとか言えたな』
『くっ…』
『グウの音も出まい』
『………っ』ギリ
『なーんてな』
『………は?』
『まだ人型になって間もないんだもん、仕方ないよね』
『貴方は、さっきから何を…』
『俺がお堅い司令官様かと思ったんだろうが』
『それは検討違いだって事だよ』
『ほら、立てるかい?』
『っ……すまない』
『………』
70: 18/05/22(火) 23:07:12 ID:Gwq
『どしたの?』
『その……』
『…私は、指揮官である貴方に手を…』
『俺が焚き付けたんだ、別にいいよ』
『し、しかし……』
『それに、楽しかった』
『楽し、かった…?』
『そそ』
『お互いに恨み辛みもない』
『明確な殺意もない』
『純粋な喧嘩、久々だったから』
『………』
『………提督』
『ん?』
『私は……』
『…私は、貴方の様に強くなりたい』
71: 18/05/22(火) 23:07:44 ID:Gwq
『なれるかな?』
『なるとも』
『……だからではないが』
『…貴方を』
『その……師としても良いだろうか』
『………』
『手取り足取りは教えないよ』
『分かっている、盗んでみせるさ』
『その意気だ、期待してる』
『あぁ、よろしく頼む』
72: 18/05/22(火) 23:08:24 ID:Gwq
ーーー最初は
貴方の腕っぷしの強さに惚れた
貴方の底抜けの笑顔に見入った
73: 18/05/22(火) 23:08:54 ID:Gwq
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『……お前なぁ』
『すまないと思ってる』
『何に対して?』
『私が至近弾を貰い、撤退したばかりに』
『後一歩だった海域突破を…』
『………』
『…本当にーーーっ』
『…何故、頭を撫でる』
『違うから』
『違わないだろう、私はーーー』
『違うんだって』
『っ……』
74: 18/05/22(火) 23:09:43 ID:Gwq
『長門が切り込む事なんて分かってた』
『それを上手く活かしてやれなかった』
『俺の落ち度なんだ』
『すまなかった』
『そんな、私はーーー』
『痛かったろ』
『っ……』
『悔しかったろ』
『………』
『ごめんな』
75: 18/05/22(火) 23:10:19 ID:Gwq
『………』
『……貴方に』
『………』
『貴方に、認めて…欲しかった』
『………』
『少しでも、近づけた所を…』
『海域突破の武勲で…』
『………』
『見てたよ』
『長門の勇姿、ちゃんと見てた』
『っ………』
『海域こそ突破出来なかったけど』
『長門、お前は強くなった』
『………』
『頑張ったな』
『ーーーっ』
76: 18/05/22(火) 23:11:02 ID:Gwq
ーーー私は
貴方の優しさに触れた
貴方の心の強さを知った
77: 18/05/22(火) 23:12:40 ID:Gwq
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『長門ぉ』
『……何だ』
『気持ち悪いぃ』
『具合が悪くなるまで飲むからだ』
『だってさぁ』
『だってもクソもない、ったく』
『部屋に戻るぞ、立つんだ』
『クラクラするぅ』
『肩を貸すから、ほら』
『………』
『………』
78: 18/05/22(火) 23:13:32 ID:Gwq
『…何か、あったのか?』
『………』
『……俺の』
『俺の艦隊運営は出鱈目だって』
『戦いを舐めるなって、言われたよ』
『大本営のジジイ共に』
『……そうか』
『なぁ、長門』
『ん?』
『俺さぁ…間違ってっかな』
『さぁ?どうだろうか』
『駄目なのかなぁ、俺』
『………』
『…あくまでも、私個人の考えだが』
『うん』
79: 18/05/22(火) 23:14:13 ID:Gwq
『私は、貴方のやり方が…その、好きだ』
『他の連中もそう言うだろう』
『ほんとにござるかぁ』
『本当だ、私が信じられないか?』
『………』
『貴方は、貴方の信じる道を進めばいい』
『言うより簡単な道じゃないのかもしれないが』
『それでも、一人ではない』
『皆と、私がいる』
『だから安心してくれ』
『貴方は間違ってなんてない』
『………』
『本当だ』
『………』
80: 18/05/22(火) 23:14:38 ID:Gwq
『………頭回んないから、わかんないや』
『そうか』
『ほら部屋だ、後は大丈夫だろう?』
『あぁ、すまんね』
『なぁに、酔っ払いの介抱など雑作もない』
『それではな』
『……あぁ、それじゃ』
パタン
『………』
『………』
『……長門、ありがとう』
『………』
『…次は、面と向かって言うんだな』
81: 18/05/22(火) 23:15:35 ID:Gwq
ーーー私は
貴方の弱さを知った
それを乗り越える力がある事も知った
そして
その力に私もなれていると、思えた
82: 18/05/22(火) 23:16:03 ID:Gwq
楽しかった
貴方と拳を交わせるのが
嬉しかった
貴方の側にいられるのが
悲しかった
貴方が暗い顔をするから
悔しかった
貴方の力になれなくて
寂しかった
貴方が私を見てくれなくて
83: 18/05/22(火) 23:18:03 ID:Gwq
本当は、好きだった
私なんかが、貴方の事を
でも、恥ずかしくて、言えなくて
その場所に
届きそうで、届かなくて
その瞳に
映りたくて、映っていても、数多の中で
もし、貴方でなければ
届いたかもしれない、辿り着けたかもしれない
だけど、貴方でなければ
私は、貴方の長門でいられなかった
だから、私は『私』で良かったと思う
84: 18/05/22(火) 23:19:07 ID:Gwq
そして
もし
もし、こんな私が貴方のーーー
そんな未来が、こんな私にも、あるならば
その時はーーーーーーー
85: 18/05/22(火) 23:21:05 ID:Gwq
「幕引キダ……氏ネ」
86: 18/05/22(火) 23:21:48 ID:Gwq
ーーーその時は、貴方の隣でーーー
さようならだ、提督
87: 18/05/22(火) 23:21:48 ID:Gwq
ーーーその時は、貴方の隣でーーー
さようならだ、提督
88: 18/05/22(火) 23:24:34 ID:Gwq
ゲキガンッッッーーーー
フレアァァァァァ!!!!!
89: 18/05/22(火) 23:25:13 ID:Gwq
ヒュンッーーー
ゴッッッッ!!!!
「ーーーーガァアッ!!!?」
ザザザザザーーバシャァァアン!!
ーーーフラッ
ガシッ
90: 18/05/22(火) 23:25:43 ID:Gwq
「長門、しっかりしろ」
「………ぁ」
「待ってろ、直ぐに手当てを」
「…て……と…く」
「あぁ、もう大丈夫だ」
「……て…と……く」
「そうだ、提督だ」
「……ゆ、め」
「夢なもんか、ほら」テニギリ
「……ぁ、あ…て…と」
「遅れて悪かった」
「…わ、た……すま、な…」
「今はいい、もう話すな」
「………」クタ
91: 18/05/22(火) 23:26:34 ID:Gwq
「ガハァ…ゴボッ…ギィイ」
「………」チラ
「誰ダ、貴様ァ」
「ウチの長門が世話んなったな」
「オ前ガ、長門ノ言ッテタ奴カ」
「如何にも、提督だ」
「助ケニ、来タノカァ?」
「当たり前だ、少し遅れたけどな」
「………」
「覚悟は、出来てるな?」スッ
「……ソウカ、ワカッタゾ」
「…何がだ?」
「ソノ長門ヲ、餌ニシタナ?」
「……餌?」ピク
「ソウダ」
92: 18/05/22(火) 23:27:18 ID:Gwq
「コノ島ト、地下ニアル研究所」
「今ノオ前ラニトッテハ価値ノ無イモノナンダロウガ」
「ソコニ残サレタ負ノ遺産デアル我々ノ存在ヲ、オ前ラガ知ラナイ筈ガ無い」
「………」
「今マデモ、偵察機ガ幾度無ク島ヲ旋回シテイッタ」
「私ノ同志ハ、力ヲ蓄エル為ニ姿ヲ隠シタ」
「少シズツ、ソノ数ヲ増ヤシナガラ」
「水面下デ、反撃ノ機会ヲ伺ッテイタノサ」
「ソシテ、長門ガ現レタ」
「………」
93: 18/05/22(火) 23:28:03 ID:Gwq
「………」
「我々ハ、艦ノ怨念」
「本来ナラ、怨念(ソレ)ダケデ形ヲ成セル」
「ダガ、ソレダケデハ」
「弱インダヨ、存在モ、力モ」
「ダカラ、憑代ヲ使ウ」
「我々ヨリ精度ノ高イ、ホンモノヲナ」
「………艦娘、か」
「ゴ名答」
「オ前、指揮官クラスヲ見タ事ガアルカ?」
「………」
「姫級ヤ鬼級ノ事ダ」
「……ある」
「疑問ニ、思ワナカッタカ?」
「奴ラハ、眼前ノ敵トタダ戦ウダケノ兵器ダッタカ?」
「………っ」ギリ
94: 18/05/22(火) 23:28:36 ID:Gwq
「知ッテイル様ナ顔ツキダナ、ソレトモ今気付イタカ?」
「ソウダトモ、指揮官クラスノ深海棲艦ハ」
「轟沈シタ艦娘ヲベースニシテイル」
「………」
「言ッテイル意味ガ分カルカ!?」
「我々ト艦娘ガ世ニサラケダサレタ原因ガ!ソノ諸悪ノ根源ガ!」
「アル日突然!降ッテ湧イタトデモ思ッタカ!?」
「深海棲艦ハ!討チ滅ボスべキ敵ダト!教ワッタカ!?」
「………」
95: 18/05/22(火) 23:29:54 ID:Gwq
「違ウヨ、若造」
「我々ヲ世ニ生ミ出シタノハ」
「貴様ラ人間ダ」
「人間ヨリ丈夫デ、単独ノ航行ガ可能ナ換エノキク兵士」
「ソノ成功ノ産物ガ、艦娘ダ」
「…ダガ」
「成功ノ裏ニハ失敗ガ付キ物ダ」
「ソノ数エキレナイ程膨大ナ数ノ失敗作」
「艦娘ノ最初期、ベースヲ作ル為ニ犠牲トナッタ人間ノ少女」
「既ニ自意識ガ形成サレタ後ニ、失敗作ダト言ワレ処分サレタ艦娘」
「艦娘トシテ成功シタ筈ナノニ、薬漬ケニサレテ壊サレタ艦娘」
「ソレラヲ、弔ウドコロカ」
「人間ハ、アロウ事カ海ニ棄テタ」
「分カルカ?」
「人間ハナ、自分達ノ犯シタ罪ヲ」
「知ッテカ知ラズカ、自分達デ償ワサレテイルンダヨ」
96: 18/05/22(火) 23:30:35 ID:Gwq
「………」
「貴様ラハココニ長門ヲ寄越シタ」
「憑代ヲ必要トスル、我々ヲ誘キ出ス為ニ」
「違ウカ?」
「………」
「………」
「……俺は」
「お前と同じ境遇の艦娘を知ってる」
「…同ジ、境遇?」
「一言に同じと言うと彼女に失礼ではあるけどな」
「ドウイウ事ダ」
「研究所が廃棄された原因」
「俺は、被験体の暴走、つまり不慮の事故だと聞いてるけど」
「………」
「合ってるかな?」
97: 18/05/22(火) 23:31:30 ID:Gwq
「違ウ」
「ほう、なら真相は?」
「教エルト思ッタカ?」
「だよねぇ」スッ
「ワタシトヤル気カ?」
「………」
「……なぁ、お前さ」
「ナンダ」
「………」
「…まだ、俺と対等だと思ってんのか?」テイトクニラミ
「アァ?ナンダッーーーッッッ」ビクン
98: 18/05/22(火) 23:31:53 ID:Gwq
「俺の長門と随分楽しく遊んでくれたみたいだな」
「ア……ナニガ…」ビクビク
「そう怖がるなよ」
「今度は俺が」
『アソンデヤルカラヨ』
ーー
ー
99: 18/05/22(火) 23:32:49 ID:Gwq
ー海上ー
ー島の付近ー
加賀「ーーーっ!!」
赤城「加賀さん、どうしました?」
加賀「提督が近くにいるわ」
赤城「…明石さん?」
明石『はー、すっげぇ』
蒼龍「何がすごいの?」
明石『ありえない位置から提督を特定したからですよ』
飛龍「なんでだろ瑞鶴」
瑞鶴「知らないわよ」
翔鶴「私も提督の場所が分かるようになりたいわ瑞鶴」
瑞鶴「知らないわよ」
加賀「知ろうとしなければいつまで経っても二流よ、瑞鶴」
瑞鶴「何で全部私に振んだよ」
明石『でも、なんかいつもより範囲が広くないです?』
加賀「えぇ、だけれど仕方がないわ」
赤城「仕方がない、ですか?」
加賀「何せ提督、今凄く怒っているから」
100: 18/05/22(火) 23:34:38 ID:Gwq
飛龍「え、怒ってんの?」
蒼龍「なんでだろ」
明石『まぁー、長門さんの件がありますから』
翔鶴「長門さん見つかったんですか?」
明石『えぇ、超満身創痍でしたし、後一秒到着が遅かったらお終いでしたけど』
瑞鶴「てことは、提督さんギリギリ間に合ったんだ」
明石『そゆことです』
蒼龍「でも、提督が怒ってるってことは…」
赤城「まだ、敵対勢力は残ってるんですね」
明石『そゆことです』
飛龍「早く行かないと!」
翔鶴「提督は生身で深海棲艦と戦うおつもりなのでしょうか…」
加賀「えぇ、そうでしょうね」
赤城「明石さん」
明石『なんです?』
赤城「提督は今、『提督』ですか?」
明石『え?………あー』
赤城「………」ゴクッ
明石『大丈夫ですよ、『まだ』提督です』
赤城「…そうですか」
明石『心配ですか?』
赤城「はい…」
明石『大丈夫ですよ』
赤城「………」
赤城「…兎に角、急ぎましょう」
101: 18/05/22(火) 23:36:58 ID:Gwq
ー海上ー
??「何ガッ、遊ンデヤル、ダ…」
提督「………」
??「人間ニシテハ、多少デキル様ダガ…」ググッ
??「コレナラドウダァアア!!」グワッ
キィィィィィン!!
提督「っ…これは…」ミミオサエ
ザパァ、ザパァ、ザパァ…
提督「増援……仲間を呼んだのか」
??「ククク…人間風情ガ、コノ数相手ニドウスルカ…」
??「セイゼイ、楽シマセテクレヨ?」ニタァ
提督「………」
提督「…うーん、数が多すぎるなぁ」
提督「………」
提督「……赤城、すまん」
提督「………」スッ
ジャラッ
102: 18/05/22(火) 23:37:53 ID:Gwq
明石『敵対勢力多数補足!増援です!』
赤城「なんですって!?」
加賀「提督は!提督は無事なんですか!?」
明石『まだ大丈夫ですが…交戦は免れないかと…』
瑞鶴「急がないと提督さんが!」
蒼龍「でも、提督なら…」
明石『参ったな、あと少しで合流できそうなのにーーーあっ、提督ーーー』
103: 18/05/22(火) 23:38:53 ID:Gwq
提督「なぁ、明石」
明石『状況は把握してます』
提督「このままじゃ無理そうなんだけど」
明石『…私は賛成しません』
提督「分かってるよ」
明石『後少しで、赤城さん達の制空権です』
提督「なら大丈夫だ」
明石『馬鹿ですか、このままだとアンタと嫁らが交戦になる可能性があるって言ってんだよ』
提督「………」
提督「…この前のアレ、俺のデータ取ってた?」
明石『勿論』
提督「なら、一時間経つまで索敵範囲に皆を入れないで」
明石『………』
104: 18/05/22(火) 23:39:42 ID:Gwq
明石『……やっぱりダメです』
提督「………」
明石『また、あの人達を泣かせるつもりですか?』
提督「………」
明石『大丈夫かそうでないか、ではないんです』
提督「………」
明石『分かってください、ね?』
提督「………」
明石『私のお願いでは、ダメですか?』
提督「…分かったよ」
明石『烈風が赤城さん達より一足先に到着します』
明石『その数相手でも互角に戦える筈ですから、提督は後退して下さい』
提督「ん、了解」
明石『………』
明石『……提督』
提督「ん?」
明石『あの…いえ、何でもありません』
提督「……?」
ーー
ー
105: 18/05/22(火) 23:40:41 ID:Gwq
提督は後退し、入れ違う様に烈風が敵艦隊に突撃、瞬く間に攻勢は逆転するも
後一歩の所で烈風は撃墜され、その報を聞いた提督は膝から崩れ落ちた
その後、苦悶の表情を浮かべた提督と艦隊が合流し、五航戦と陸奥は長門を連れ泊地へ引き返した
烈風が墜ちた後の残存勢力を一航戦、二航戦、怒りに染まりかけた提督で殲滅し、いざ勝鬨と思った矢先に
提督がある事に気付く
ーー
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106: 18/05/22(火) 23:41:16 ID:Gwq
提督「………」
加賀「提督、どうかしたの?」
提督「…あいつがいない」
赤城「あいつ、ですか?」
提督「そ、長門をボコボコにしたやつ」
飛龍「倒しちゃったんじゃない?」
提督「いや、そんな筈は…」
明石『ないですね』
蒼龍「そうなの?」
明石『はい、深海棲艦が一隻島に入って行くところをキャッチしました』
明石『おそらく、ヤツですね』
提督「………」
107: 18/05/22(火) 23:41:57 ID:Gwq
明石『提督、どうします?』
提督「うーん…」
赤城「敵の懐です、深追いは得策ではないのでは?」
蒼龍「うん、私もそう思う」
飛龍「でも敵なんでしょ?」
加賀「………」
提督「加賀やんは、どう思う?」
加賀「……私は」
加賀「いえ、提督はどう思っていて?」
提督「俺?」
加賀「ええ、私達は提督の指示に従うわ」
加賀「それに…」
加賀「何か、事情があるのではなくって?」
提督「………」
加賀「隠しても分かります」
提督「……加賀やん」
加賀「はい」
提督「今から話す内容は、加賀やんにとって決して楽しいものじゃないんだけど…」
加賀「貴方の話しなら何だって聞きます」
提督「…分かった」
提督「皆聞いてくれ、実はーーー」
ーー
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110: 18/09/19(水) 08:34:35 ID:XDw
ここの加賀さんすき
111: 18/09/23(日) 15:11:59 ID:W4q
衣笠さんはいずこ……
126: 20/10/27(火) 07:48:42 ID:KdR
ここまでやっと来たんだ、最後まで見せてもらおうか
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