844: 2018/10/27(土) 01:05:05 ID:aVLVUSo6
845: 2018/10/27(土) 01:05:40 ID:aVLVUSo6
……………… “愛してるゲーム” 後 緒方家
理珠 「………………」
―――― 『あ……あいしししししししししししししししし』
―――― 『緒方さんがバグった!!』
―――― 『今度はまた別のイミで壊れたレコーダーに!!』
理珠 (まったく、不可解です……)
理珠 (なぜ私はあんな単純なゲームで後れを取ったのでしょうか)
理珠 (せっかく、成幸さんにゲームで勝利するチャンスだったというのに……)
理珠 (成幸さんのお友達相手ならいくらでも言えることが、どうして成幸さんには言えなかったのでしょうか)
理珠 (なぜ……)
理珠 「“愛してる” ……」 ボソッ
理珠 「……っ」 カァアアア……
理珠 「………………」
―――― 『あ……あいしししししししししししししししし』
―――― 『緒方さんがバグった!!』
―――― 『今度はまた別のイミで壊れたレコーダーに!!』
理珠 (まったく、不可解です……)
理珠 (なぜ私はあんな単純なゲームで後れを取ったのでしょうか)
理珠 (せっかく、成幸さんにゲームで勝利するチャンスだったというのに……)
理珠 (成幸さんのお友達相手ならいくらでも言えることが、どうして成幸さんには言えなかったのでしょうか)
理珠 (なぜ……)
理珠 「“愛してる” ……」 ボソッ
理珠 「……っ」 カァアアア……
846: 2018/10/27(土) 01:07:12 ID:aVLVUSo6
理珠 (い、いけません。なんだかわかりませんが、これはきっと、ダメです)
理珠 (しかし、ずっと負けっぱなしというのもなんとも情けない話です)
理珠 (なんとか、成幸さんにゲームで勝つことはできないでしょうか……)
理珠 「………………」
ハッ
理珠 (……逆説的に考えれば、勝てるゲームを探せばいい……!?)
理珠 (なんということでしょう。私は天才ですか。成幸さんに勝てるゲームで勝負をすればいいんです)
理珠 (そうと決まれば、インターネットで少し調べてみましょうか)
理珠 「……えっと、そうですね……。“男子に勝てる ゲーム” あたりで調べてみましょうか」
理珠 「………………」
理珠 「……? 合コン必勝法……? 王様ゲームで優位に立つ……?」
理珠 「王様ゲーム?」
理珠 「……!?」 (す、すごい情報です……! 王様ゲームに持ち込めば、女子は絶対男子に勝てる!?)
理珠 (王様ゲームというゲームなら、成幸さんに勝てるのですね……!)
理珠 (しかし、ずっと負けっぱなしというのもなんとも情けない話です)
理珠 (なんとか、成幸さんにゲームで勝つことはできないでしょうか……)
理珠 「………………」
ハッ
理珠 (……逆説的に考えれば、勝てるゲームを探せばいい……!?)
理珠 (なんということでしょう。私は天才ですか。成幸さんに勝てるゲームで勝負をすればいいんです)
理珠 (そうと決まれば、インターネットで少し調べてみましょうか)
理珠 「……えっと、そうですね……。“男子に勝てる ゲーム” あたりで調べてみましょうか」
理珠 「………………」
理珠 「……? 合コン必勝法……? 王様ゲームで優位に立つ……?」
理珠 「王様ゲーム?」
理珠 「……!?」 (す、すごい情報です……! 王様ゲームに持ち込めば、女子は絶対男子に勝てる!?)
理珠 (王様ゲームというゲームなら、成幸さんに勝てるのですね……!)
847: 2018/10/27(土) 01:08:19 ID:aVLVUSo6
………………翌日 一ノ瀬学園 3-B教室
理珠 「……と、いうことで、今日の放課後、四人で王様ゲームをしましょう」
成幸 「………………」
成幸 「うん。とりあえず、何が 『と、いうことで』 なのか分からんが……」
成幸 「今日の放課後も勉強だよ! 何考えてるんだお前は!」
理珠 「そ、そんな! せっかくクジも用意してきたんですよ!?」
成幸 「何に情熱燃やしてんだお前は!? どんだけ王様ゲームやりたいんだ!?」
文乃 「ま、まぁまぁ。成幸くんもおさえておさえて……」
文乃 「りっちゃん、どうしていきなり王様ゲームなんて言い出したの?」
理珠 「む……それは……」
―――― ((す、すごい情報です……! 王様ゲームに持ち込めば、女子は絶対男子に勝てる!?))
理珠 (妙なことを言って成幸さんに警戒されるわけにはいきませんね……)
理珠 「わ、わたしがやりたいと思ったからです。面白そうなゲームだから……」
文乃 「面白そう!? 王様ゲームが!?」
理珠 「……と、いうことで、今日の放課後、四人で王様ゲームをしましょう」
成幸 「………………」
成幸 「うん。とりあえず、何が 『と、いうことで』 なのか分からんが……」
成幸 「今日の放課後も勉強だよ! 何考えてるんだお前は!」
理珠 「そ、そんな! せっかくクジも用意してきたんですよ!?」
成幸 「何に情熱燃やしてんだお前は!? どんだけ王様ゲームやりたいんだ!?」
文乃 「ま、まぁまぁ。成幸くんもおさえておさえて……」
文乃 「りっちゃん、どうしていきなり王様ゲームなんて言い出したの?」
理珠 「む……それは……」
―――― ((す、すごい情報です……! 王様ゲームに持ち込めば、女子は絶対男子に勝てる!?))
理珠 (妙なことを言って成幸さんに警戒されるわけにはいきませんね……)
理珠 「わ、わたしがやりたいと思ったからです。面白そうなゲームだから……」
文乃 「面白そう!? 王様ゲームが!?」
848: 2018/10/27(土) 01:08:56 ID:aVLVUSo6
うるか 「でも、リズりんいいの? 成幸もいるんだよ?」
うるか 「成幸にエOチな命令とかされちゃったらどうする~?」
理珠 「え、エOチな命令!?」
ジトーーーーッ
理珠 「な、成幸さん、不潔です! 最低です!」
成幸 「俺何も言ってないんだけどな!?」
ハァ
成幸 「まぁ、やる気がなくなったならちょうどいいや。やめておこう。な?」
理珠 「そ、そんなことは言ってません!」
理珠 「お願いします。そんなに時間は取りません。少しだけでも、やってみたいんです……」
成幸 (どんだけ王様ゲームがやりたいんだ、こいつは……。とはいえ……)
文乃 (王様ゲームって、合コンとかでやるいやらしいゲームってイメージだから……)
文乃 (桐須先生あたりにバレたらめちゃくちゃ怒られると思うんだけど……)
成幸 (古橋は乗り気じゃなさそうだし、うるかは……)
うるか 「成幸にエOチな命令とかされちゃったらどうする~?」
理珠 「え、エOチな命令!?」
ジトーーーーッ
理珠 「な、成幸さん、不潔です! 最低です!」
成幸 「俺何も言ってないんだけどな!?」
ハァ
成幸 「まぁ、やる気がなくなったならちょうどいいや。やめておこう。な?」
理珠 「そ、そんなことは言ってません!」
理珠 「お願いします。そんなに時間は取りません。少しだけでも、やってみたいんです……」
成幸 (どんだけ王様ゲームがやりたいんだ、こいつは……。とはいえ……)
文乃 (王様ゲームって、合コンとかでやるいやらしいゲームってイメージだから……)
文乃 (桐須先生あたりにバレたらめちゃくちゃ怒られると思うんだけど……)
成幸 (古橋は乗り気じゃなさそうだし、うるかは……)
849: 2018/10/27(土) 01:10:07 ID:aVLVUSo6
うるか 「………………」
うるか (……王様ゲームって、よく考えたら、あたしが王様になったら成幸に命令できるってことだよね)
ポワンポワンポワン……
『成幸、あたしの肩を揉んで』
『はい。うるか女王』
『成幸、今度は足をマッサージして』
『はい。うるか女王』
『成幸、今度は優しく抱きしめなさい』
『はい。うるか女王……いや、かわいい俺のうるか姫』
『あっ……こらっ。どこ触って……』
『いいだろ? ほら、女王様? それじゃかわいい顔が見せませんよ?』
……ポワンポワンポワン
うるか 「………………」 ニヤァ
成幸 「……!?」 ゾワッ (な、なんだ、あのだらけきった顔は……)
うるか 「はいはいはーい! あたしもリズりんにさんせーい! ちょっと気晴らしにやろーよ!」
うるか (……王様ゲームって、よく考えたら、あたしが王様になったら成幸に命令できるってことだよね)
ポワンポワンポワン……
『成幸、あたしの肩を揉んで』
『はい。うるか女王』
『成幸、今度は足をマッサージして』
『はい。うるか女王』
『成幸、今度は優しく抱きしめなさい』
『はい。うるか女王……いや、かわいい俺のうるか姫』
『あっ……こらっ。どこ触って……』
『いいだろ? ほら、女王様? それじゃかわいい顔が見せませんよ?』
……ポワンポワンポワン
うるか 「………………」 ニヤァ
成幸 「……!?」 ゾワッ (な、なんだ、あのだらけきった顔は……)
うるか 「はいはいはーい! あたしもリズりんにさんせーい! ちょっと気晴らしにやろーよ!」
850: 2018/10/27(土) 01:11:02 ID:aVLVUSo6
成幸 「ん……うるかもやりたいのか、王様ゲーム」
成幸 「……どうする、古橋。俺もまぁ、気晴らしになるならいいかなと思うけど」
文乃 「………………」
ジーーーッ
成幸 「な、なんだよ、その目は」
文乃 「成幸くん、わたしたちにいやらしい命令、しない?」
成幸 「!? しねーよ! 信用ないな俺!」
文乃 「冗談だよ。成幸くんがそんなことしないって知ってるよ」
クスッ
文乃 「しょうがないなぁ。少しだけだよ、りっちゃん」
理珠 「やってくれますか。ありがとうございます! 嬉しいです」
ニヤリ
理珠 (ここまでは計画通りです。あとは、いかに効率的に命令を下し……)
理珠 (成幸さんに勝利するか、それだけです!!)
成幸 「……どうする、古橋。俺もまぁ、気晴らしになるならいいかなと思うけど」
文乃 「………………」
ジーーーッ
成幸 「な、なんだよ、その目は」
文乃 「成幸くん、わたしたちにいやらしい命令、しない?」
成幸 「!? しねーよ! 信用ないな俺!」
文乃 「冗談だよ。成幸くんがそんなことしないって知ってるよ」
クスッ
文乃 「しょうがないなぁ。少しだけだよ、りっちゃん」
理珠 「やってくれますか。ありがとうございます! 嬉しいです」
ニヤリ
理珠 (ここまでは計画通りです。あとは、いかに効率的に命令を下し……)
理珠 (成幸さんに勝利するか、それだけです!!)
851: 2018/10/27(土) 01:11:56 ID:aVLVUSo6
………………放課後 空き教室
理珠 「では、ルールを説明します」
理珠 「ここにクジがあります。1~3の番号が振られたものが一本ずつと、王様と書かれたものが一本です」
理珠 「クジを引く際は、番号が自分以外の人に見えないようにだけ注意をしてください」
理珠 「順番にクジを引いてもらい、王様を引いた人が番号をコールして命令を出します」
理珠 「ただしその際、絶対に実行不可能な命令や、常識の範囲を外れた命令は無効となります」
理珠 「その判定は全員で行いましょう」
文乃 (ふむ……。りっちゃんのことだからとんでもないことを言い出すんじゃないかと身構えたけど、)
文乃 (常識という言葉も盛り込まれたし、あまり心配はなさそうかな……)
理珠 「そして、常識的かつ実行可能な命令を遂行できなかった者が、負けになります」
文乃 (……そもそも王様ゲームって勝ち負けを決めるようなゲームじゃないと思うんだけど)
理珠 「……他、細かいルールは実際にやりながら確認していきましょう。では、はじめます」
理珠 (ふふふ……王様ゲームの必勝法はリサーチ済みです)
理珠 (絶対に負けません! 王様を取ったら、絶対に勝ちます! 成幸さんに!)
成幸 (……なぜそんな熱い視線を俺に向けるんだ、緒方。怖いんだけど)
理珠 「では、ルールを説明します」
理珠 「ここにクジがあります。1~3の番号が振られたものが一本ずつと、王様と書かれたものが一本です」
理珠 「クジを引く際は、番号が自分以外の人に見えないようにだけ注意をしてください」
理珠 「順番にクジを引いてもらい、王様を引いた人が番号をコールして命令を出します」
理珠 「ただしその際、絶対に実行不可能な命令や、常識の範囲を外れた命令は無効となります」
理珠 「その判定は全員で行いましょう」
文乃 (ふむ……。りっちゃんのことだからとんでもないことを言い出すんじゃないかと身構えたけど、)
文乃 (常識という言葉も盛り込まれたし、あまり心配はなさそうかな……)
理珠 「そして、常識的かつ実行可能な命令を遂行できなかった者が、負けになります」
文乃 (……そもそも王様ゲームって勝ち負けを決めるようなゲームじゃないと思うんだけど)
理珠 「……他、細かいルールは実際にやりながら確認していきましょう。では、はじめます」
理珠 (ふふふ……王様ゲームの必勝法はリサーチ済みです)
理珠 (絶対に負けません! 王様を取ったら、絶対に勝ちます! 成幸さんに!)
成幸 (……なぜそんな熱い視線を俺に向けるんだ、緒方。怖いんだけど)
852: 2018/10/27(土) 01:12:50 ID:aVLVUSo6
………………一回目
文乃 (……うおう)
『王様だーれだ!』
文乃 「はい、わたしです……」
理珠 (……まぁ、仕方ありません。最初から王様をとれるとは思っていません)
文乃 (うーん。どうしようかなぁ……。まぁ、最初は無難に……)
文乃 「……えっと、じゃあ、3番に肩を揉んでもらおうかな」
成幸 「げっ……」 ピラッ 「3番、俺だ……」
文乃 「へっ……」
文乃 (な、成幸くん!? しまったぁああああ、だよ! 成幸くんのことを忘れてた!)
文乃 「や、やっぱ今のナシで――」
理珠 「ダメです。王様の命令は、たとえ王様であっても取り消しはできません」
文乃 (なんですとー!?)
文乃 (……うおう)
『王様だーれだ!』
文乃 「はい、わたしです……」
理珠 (……まぁ、仕方ありません。最初から王様をとれるとは思っていません)
文乃 (うーん。どうしようかなぁ……。まぁ、最初は無難に……)
文乃 「……えっと、じゃあ、3番に肩を揉んでもらおうかな」
成幸 「げっ……」 ピラッ 「3番、俺だ……」
文乃 「へっ……」
文乃 (な、成幸くん!? しまったぁああああ、だよ! 成幸くんのことを忘れてた!)
文乃 「や、やっぱ今のナシで――」
理珠 「ダメです。王様の命令は、たとえ王様であっても取り消しはできません」
文乃 (なんですとー!?)
853: 2018/10/27(土) 01:13:45 ID:aVLVUSo6
成幸 「いや、でもさすがにさ、俺が女子の肩に触れるっていうのは、いくらなんでも……」
文乃 「……ううん。いいよ。軽率だったわたしが悪いし」
文乃 「来て、成幸くん! 肩揉んでください!」
理珠 「ほら、成幸さん。王様の命令は絶対ですよ」
成幸 「……あー、わかったよ」
スッ
成幸 「悪い。古橋。行くぞ?」
文乃 「う、うん……」 ドキドキドキドキ……
グッ……グイッ……ググッ……グイッ
文乃 「んっ……」 (へぇ……? な、なにこれ……?)
文乃 (とてつもない快感が……)
文乃 「ふへぇ~~~ふにゃぁ~~~~~~」
うるか 「成幸!? 文乃っちに何してるの!? 文乃っちが壊れちゃったよ!?」
成幸 「何って、肩揉んでるだけだけど……」
うるか (いいなぁ、文乃っち。あたしも成幸に肩揉まれたいよぅ……)
文乃 「……ううん。いいよ。軽率だったわたしが悪いし」
文乃 「来て、成幸くん! 肩揉んでください!」
理珠 「ほら、成幸さん。王様の命令は絶対ですよ」
成幸 「……あー、わかったよ」
スッ
成幸 「悪い。古橋。行くぞ?」
文乃 「う、うん……」 ドキドキドキドキ……
グッ……グイッ……ググッ……グイッ
文乃 「んっ……」 (へぇ……? な、なにこれ……?)
文乃 (とてつもない快感が……)
文乃 「ふへぇ~~~ふにゃぁ~~~~~~」
うるか 「成幸!? 文乃っちに何してるの!? 文乃っちが壊れちゃったよ!?」
成幸 「何って、肩揉んでるだけだけど……」
うるか (いいなぁ、文乃っち。あたしも成幸に肩揉まれたいよぅ……)
854: 2018/10/27(土) 01:14:31 ID:aVLVUSo6
成幸 「もういいか? 古橋?」
文乃 「ふにゃぁ……」
成幸 「よさそうだな」 パッ
文乃 「……ふぅ。す、すごかったよぅ……」
文乃 「肩を全方位からくすぐられているような、それでいて心地よい圧力をかけられているような……」
文乃 「今まで味わったことのない感触だったよ……」
文乃 「しかも肩も軽くなった気がする! ありがとう、成幸くん」
成幸 「そりゃ良かった。でも、古橋、あんまり肩凝ってるように感じなかったぞ」
成幸 「俺の見立てでは、緒方とうるかの方が肩凝りがひどそうだな」
文乃 「………………」
ギロリ
文乃 「……見立て、って、一体どこを見て言っているのかな? 成幸くん?」
成幸 「!? ち、違うぞ!? そういう意味じゃなくて、単純に肩だけを見てだな!」
文乃 「そういう意味ってどういう意味なのかな? ねぇ、教えてほしいなぁ?」
成幸 「つ、次行こう! 次! 早くクジの準備をしよう、緒方!」
文乃 「ふにゃぁ……」
成幸 「よさそうだな」 パッ
文乃 「……ふぅ。す、すごかったよぅ……」
文乃 「肩を全方位からくすぐられているような、それでいて心地よい圧力をかけられているような……」
文乃 「今まで味わったことのない感触だったよ……」
文乃 「しかも肩も軽くなった気がする! ありがとう、成幸くん」
成幸 「そりゃ良かった。でも、古橋、あんまり肩凝ってるように感じなかったぞ」
成幸 「俺の見立てでは、緒方とうるかの方が肩凝りがひどそうだな」
文乃 「………………」
ギロリ
文乃 「……見立て、って、一体どこを見て言っているのかな? 成幸くん?」
成幸 「!? ち、違うぞ!? そういう意味じゃなくて、単純に肩だけを見てだな!」
文乃 「そういう意味ってどういう意味なのかな? ねぇ、教えてほしいなぁ?」
成幸 「つ、次行こう! 次! 早くクジの準備をしよう、緒方!」
855: 2018/10/27(土) 01:15:49 ID:aVLVUSo6
………………二回目
文乃 (どういうことなのかな、これは……)
『王様だーれだ!』
文乃 「……ごめんなさい。またわたしです」
理珠 (ぐぬぬっ……いえ、まだまだ二回目。チャンスはまだまだあります)
うるか (ぬー、うらやましいよ文乃っちー!)
文乃 (胃が痛いなぁ……) キリキリキリ (被害が少なくて、なおかつ成幸くんでも問題ないような命令……)
文乃 「えっと、じゃあ……2番の人、ゲームが終わるまでポニーテールにしてください」
理珠 「む……2番はわたしです」
文乃 「ん、じゃあ髪ゴム貸してあげるから、やってあげるね」
スッ……キュッ……
文乃 「できた……けど……」 (やっぱり髪が短いから、ちょんまげみたいになっちゃったなぁ……)
理珠 「ど、どんな感じになっていますか? 怖いです……」
うるか 「ほら、手鏡。こんな感じだよー」
理珠 「っ……く、屈辱です……!」
文乃 (どういうことなのかな、これは……)
『王様だーれだ!』
文乃 「……ごめんなさい。またわたしです」
理珠 (ぐぬぬっ……いえ、まだまだ二回目。チャンスはまだまだあります)
うるか (ぬー、うらやましいよ文乃っちー!)
文乃 (胃が痛いなぁ……) キリキリキリ (被害が少なくて、なおかつ成幸くんでも問題ないような命令……)
文乃 「えっと、じゃあ……2番の人、ゲームが終わるまでポニーテールにしてください」
理珠 「む……2番はわたしです」
文乃 「ん、じゃあ髪ゴム貸してあげるから、やってあげるね」
スッ……キュッ……
文乃 「できた……けど……」 (やっぱり髪が短いから、ちょんまげみたいになっちゃったなぁ……)
理珠 「ど、どんな感じになっていますか? 怖いです……」
うるか 「ほら、手鏡。こんな感じだよー」
理珠 「っ……く、屈辱です……!」
856: 2018/10/27(土) 01:16:51 ID:aVLVUSo6
うるか 「えーっ、似合ってると思うよー」 (赤ちゃんみたいでかわいいし)
文乃 「う、うん! 似合ってるよりっちゃん!」 (赤ちゃんみたいで!)
理珠 「……ふたりとも目が泳いでいますよ?」
うるか&文乃 「「うっ……」」 ギクッ
成幸 「………………」 ジーーーッ
理珠 「!? あ、あまり見ないでください!」
成幸 「あ、いや、すまん。かわいいと思ってさ」
理珠 「……!? か、かわいい、ですか……?」
成幸 「うん。まぁ、普段の緒方の方がいいとは思うけど、かわいいぞ」
理珠 「そ、そうですか……///」
成幸 (……子連れ狼の大五郎みたいで)
成幸 (とは、言わない方がいいだろうな……)
文乃 「う、うん! 似合ってるよりっちゃん!」 (赤ちゃんみたいで!)
理珠 「……ふたりとも目が泳いでいますよ?」
うるか&文乃 「「うっ……」」 ギクッ
成幸 「………………」 ジーーーッ
理珠 「!? あ、あまり見ないでください!」
成幸 「あ、いや、すまん。かわいいと思ってさ」
理珠 「……!? か、かわいい、ですか……?」
成幸 「うん。まぁ、普段の緒方の方がいいとは思うけど、かわいいぞ」
理珠 「そ、そうですか……///」
成幸 (……子連れ狼の大五郎みたいで)
成幸 (とは、言わない方がいいだろうな……)
857: 2018/10/27(土) 01:17:50 ID:aVLVUSo6
………………三回目
文乃 (……もしかしてりっちゃん、何か仕組んでる?)
『王様だーれだ!』
文乃 「またまたわたくしめでございます……」
理珠 (ぬー! どうして文乃ばかりー!) ハッ (い、いけません。冷静に、冷静に……)
うるか (あたしも早く成幸に命令したいー!)
文乃 「えっと、じゃあ……どうしようかな……1番の人、逆立ち、とかどうかな?」
うるか 「あっ、1番あたしだ」
うるか 「ふふふん、逆立ちなんか朝飯前だよー」
文乃 「あっ、今日体育あったから、ハーフパンツあるから、貸すよ」
うるか 「心配ごむよーだよ、文乃っち。じゃあ行くよー」
成幸 「!? ち、ちょっと待て! そのまま逆立ちしたら、スカートが……!」
うるか 「いきまーす!」
ヒョイッ……タン
文乃 「わひゃっ!? 成幸くん、見ちゃダメ!」 ガバッ
文乃 (……もしかしてりっちゃん、何か仕組んでる?)
『王様だーれだ!』
文乃 「またまたわたくしめでございます……」
理珠 (ぬー! どうして文乃ばかりー!) ハッ (い、いけません。冷静に、冷静に……)
うるか (あたしも早く成幸に命令したいー!)
文乃 「えっと、じゃあ……どうしようかな……1番の人、逆立ち、とかどうかな?」
うるか 「あっ、1番あたしだ」
うるか 「ふふふん、逆立ちなんか朝飯前だよー」
文乃 「あっ、今日体育あったから、ハーフパンツあるから、貸すよ」
うるか 「心配ごむよーだよ、文乃っち。じゃあ行くよー」
成幸 「!? ち、ちょっと待て! そのまま逆立ちしたら、スカートが……!」
うるか 「いきまーす!」
ヒョイッ……タン
文乃 「わひゃっ!? 成幸くん、見ちゃダメ!」 ガバッ
858: 2018/10/27(土) 01:18:28 ID:aVLVUSo6
成幸 「うお!? 視界が!」 (っていうか俺の目を隠しているつもりなんだろうけど、古橋!)
成幸 (勢いつけすぎて俺に抱きついてるみたいになってるぞ!?)
理珠 「………………」 ジーーーッ 「……近いですよ、文乃」
うるか 「あははっ、ってゆーか大丈夫だって! ほら!」
うるか 「あたし、今日は夜練あるから、もう水着に着替えちゃってるし!」
うるか 「パンツじゃなくて水着だから、見られても全然平気だもんねー」
理珠 「……えっと、でも、うるかさん?」
文乃 「そうは言っても……正直……」
うるか 「うん?」
文乃 「……スカートがめくれ上がって、真っ白な水着の下だけ見えてるって……」
文乃 「……その、大変言いにくいんだけど、パンツよりいやらしいと思う」
うるか 「……!? わっ……わわわ……」
スタッ
うるか 「な、成幸見た!? 見てないよね!?」
成幸 「み、見てねーよ!」
成幸 (勢いつけすぎて俺に抱きついてるみたいになってるぞ!?)
理珠 「………………」 ジーーーッ 「……近いですよ、文乃」
うるか 「あははっ、ってゆーか大丈夫だって! ほら!」
うるか 「あたし、今日は夜練あるから、もう水着に着替えちゃってるし!」
うるか 「パンツじゃなくて水着だから、見られても全然平気だもんねー」
理珠 「……えっと、でも、うるかさん?」
文乃 「そうは言っても……正直……」
うるか 「うん?」
文乃 「……スカートがめくれ上がって、真っ白な水着の下だけ見えてるって……」
文乃 「……その、大変言いにくいんだけど、パンツよりいやらしいと思う」
うるか 「……!? わっ……わわわ……」
スタッ
うるか 「な、成幸見た!? 見てないよね!?」
成幸 「み、見てねーよ!」
859: 2018/10/27(土) 01:19:03 ID:aVLVUSo6
………………四回目
文乃 (うそでしょ……)
『王様だーれだ!』
文乃 「……はい」
理珠 (なぜ!? どんな強運の持ち主ですか文乃!)
うるか (あーん! ずるいよ文乃っちー!)
文乃 (あー、なんかもう、純粋にゲームを楽しんだ方が楽な気がしてきた)
文乃 (……どうせだし、一石を投じてみようかな。その結果として胃が痛くなるかもだけど、もう知らないよ)
文乃 「じゃあ、2番の人、何かひとつ、恥ずかしい秘密を暴露してください」
成幸 「げっ……。2番、俺だよ……」
文乃 「!?」 (ふたりに一石を投じるつもりが一番投げちゃいけない方向に爆弾を投げてしまったー!)
成幸 (秘密……秘密ねぇ……)
文乃 (うそでしょ……)
『王様だーれだ!』
文乃 「……はい」
理珠 (なぜ!? どんな強運の持ち主ですか文乃!)
うるか (あーん! ずるいよ文乃っちー!)
文乃 (あー、なんかもう、純粋にゲームを楽しんだ方が楽な気がしてきた)
文乃 (……どうせだし、一石を投じてみようかな。その結果として胃が痛くなるかもだけど、もう知らないよ)
文乃 「じゃあ、2番の人、何かひとつ、恥ずかしい秘密を暴露してください」
成幸 「げっ……。2番、俺だよ……」
文乃 「!?」 (ふたりに一石を投じるつもりが一番投げちゃいけない方向に爆弾を投げてしまったー!)
成幸 (秘密……秘密ねぇ……)
860: 2018/10/27(土) 01:19:42 ID:aVLVUSo6
成幸 (うーん、今ぱっと思いつくのは、やっぱりこの三人との間の秘密かなぁ)
成幸 (緒方は……)
―――― 『あ あの 昨日のアレは…… 物理現象としてはアレ……かもしれませんが……違いますから……』
―――― 『ただの接触事故…… ですからね』
成幸 (言えるかーーーー!! 接触事故があったなんて言えるかーーーー!!)
成幸 (これは却下だ。ダメだ。絶対言っちゃダメなやつだ)
成幸 (あとは、うるか……)
―――― 『お前の好きな奴って…… 俺……?』
成幸 (言えるかぁあああああ!! 言えるわけねえだろ!!)
成幸 (俺が何日間布団の中で恥ずかしくて悶え苦しんだかわかってんのか!?)
成幸 (しかも古橋には友達の話って体で相談してるし!)
成幸 (それを今さら実は自分のことでしたー、なんて言えるかぁああああああ!!)
成幸 (緒方は……)
―――― 『あ あの 昨日のアレは…… 物理現象としてはアレ……かもしれませんが……違いますから……』
―――― 『ただの接触事故…… ですからね』
成幸 (言えるかーーーー!! 接触事故があったなんて言えるかーーーー!!)
成幸 (これは却下だ。ダメだ。絶対言っちゃダメなやつだ)
成幸 (あとは、うるか……)
―――― 『お前の好きな奴って…… 俺……?』
成幸 (言えるかぁあああああ!! 言えるわけねえだろ!!)
成幸 (俺が何日間布団の中で恥ずかしくて悶え苦しんだかわかってんのか!?)
成幸 (しかも古橋には友達の話って体で相談してるし!)
成幸 (それを今さら実は自分のことでしたー、なんて言えるかぁああああああ!!)
861: 2018/10/27(土) 01:21:29 ID:aVLVUSo6
成幸 (あとは古橋……は……)
―――― 『大丈夫です』
―――― 『姉弟ですから!!!』
成幸 (……まぁ、これは緊急避難的な意味合いもあったから、言っても大丈夫とは思うが)
成幸 (前、言おうとしたら古橋に止められたし、言わない方がいいんだろうなぁ)
成幸 (しょうがない。俺単独の秘密を思い出すか。うーん……)
成幸 「……あっ、そうだ。少し恥ずかしいけど、話せる秘密があるな」
うるか 「な、なになに? どんな秘密?」 ズイッ
理珠 「どんな秘密ですか」 ズイズイッ
文乃 (うるかちゃんもりっちゃんも食いつきすぎだよ……)
文乃 (でもまぁ、わたしも気にならないと言えば、うそになるけど……)
成幸 「大して面白い話じゃないぞ? 俺と妹の話だよ」
成幸 「俺さ、小学生の頃ずっと、水希と結婚するもんだと思い込んでたんだよな」
文乃 「……へ?」 うるか 「えっ」 理珠 「………………」
―――― 『大丈夫です』
―――― 『姉弟ですから!!!』
成幸 (……まぁ、これは緊急避難的な意味合いもあったから、言っても大丈夫とは思うが)
成幸 (前、言おうとしたら古橋に止められたし、言わない方がいいんだろうなぁ)
成幸 (しょうがない。俺単独の秘密を思い出すか。うーん……)
成幸 「……あっ、そうだ。少し恥ずかしいけど、話せる秘密があるな」
うるか 「な、なになに? どんな秘密?」 ズイッ
理珠 「どんな秘密ですか」 ズイズイッ
文乃 (うるかちゃんもりっちゃんも食いつきすぎだよ……)
文乃 (でもまぁ、わたしも気にならないと言えば、うそになるけど……)
成幸 「大して面白い話じゃないぞ? 俺と妹の話だよ」
成幸 「俺さ、小学生の頃ずっと、水希と結婚するもんだと思い込んでたんだよな」
文乃 「……へ?」 うるか 「えっ」 理珠 「………………」
862: 2018/10/27(土) 01:22:08 ID:aVLVUSo6
文乃 (本人は軽いノリで話し始めたみたいだけど、こっちは結構ドン引きだよ!?)
成幸 「小さい頃から水希に、兄妹は結婚するものだよ、って言われ続けてな」
成幸 「そういう神話とか物語とかもたくさん読み聞かせられて、」
成幸 「そのせいで俺もそういうものなんだと思い込んでてさ」
成幸 「葉月と和樹が生まれるとき、双子のきょうだいだって知って、」
成幸 「母さんに 『生まれてくる子たちはふたりで結婚できるな!』 って言っちゃって」
テヘッ
成幸 「そこでようやく姉弟や兄妹が結婚するってありえないことなんだって知ったんだよ」
成幸 「いやー、こんな話を改めてすると恥ずかしいな。ま、子どもの頃の話だしな!」
うるか 「う、うん、そうだね……」 プイッ
理珠 「そうですね。次、いきましょうか」 プイッ
成幸 「!? なぜ目を逸らす!? 恥ずかしいからせめて笑ってくれるとありがたいんだけど!?」
文乃 (笑えるかーーーー!! 唯我家の闇を見た気持ちだよ!?)
文乃 (っていうか、水希ちゃんは一体なぜそんなことをしたんだろう……)
文乃 (……やめよう。考えたらいけない気がしてきたよ)
成幸 「小さい頃から水希に、兄妹は結婚するものだよ、って言われ続けてな」
成幸 「そういう神話とか物語とかもたくさん読み聞かせられて、」
成幸 「そのせいで俺もそういうものなんだと思い込んでてさ」
成幸 「葉月と和樹が生まれるとき、双子のきょうだいだって知って、」
成幸 「母さんに 『生まれてくる子たちはふたりで結婚できるな!』 って言っちゃって」
テヘッ
成幸 「そこでようやく姉弟や兄妹が結婚するってありえないことなんだって知ったんだよ」
成幸 「いやー、こんな話を改めてすると恥ずかしいな。ま、子どもの頃の話だしな!」
うるか 「う、うん、そうだね……」 プイッ
理珠 「そうですね。次、いきましょうか」 プイッ
成幸 「!? なぜ目を逸らす!? 恥ずかしいからせめて笑ってくれるとありがたいんだけど!?」
文乃 (笑えるかーーーー!! 唯我家の闇を見た気持ちだよ!?)
文乃 (っていうか、水希ちゃんは一体なぜそんなことをしたんだろう……)
文乃 (……やめよう。考えたらいけない気がしてきたよ)
863: 2018/10/27(土) 01:23:36 ID:aVLVUSo6
………………五回目
うるか 「やったー!! あたし! あたし王様だよ!」
理珠 「王様だれだ、の前に言わないでください! 次やったら反則ですよ!」
理珠 (悔しいです……まだ一度も王様になれていないなんて)
うるか 「えへへ、ごめんごめん。嬉しくてつい、ね」
うるか 「さてさて、じゃあ何をしてもらおうかな~」
うるか (なんてね! 実はもうしてもらうことなんて決まってるんだよ!)
うるか (しかも、偶然ちらっと、成幸の引いたくじの番号が見えちゃったし……)
うるか (少し反則かもしれないけど! ごめんね、みんな!)
うるか 「じ、じゃあねー、えへっ……2番の人に、『愛してる』 って言ってもらおうかな、なんて……」
うるか (成幸の番号は2番だったはず! これなら……――)
文乃 「……2番、わたしだよ?」
うるか 「えっ!?」
成幸 「なんつー危ない命令を出すんだ、うるか。俺が2番だったらどうするつもりだったんだよ!」
うるか (成幸3番だー! 先端で2だと勘違いしちゃったの!?)
うるか 「やったー!! あたし! あたし王様だよ!」
理珠 「王様だれだ、の前に言わないでください! 次やったら反則ですよ!」
理珠 (悔しいです……まだ一度も王様になれていないなんて)
うるか 「えへへ、ごめんごめん。嬉しくてつい、ね」
うるか 「さてさて、じゃあ何をしてもらおうかな~」
うるか (なんてね! 実はもうしてもらうことなんて決まってるんだよ!)
うるか (しかも、偶然ちらっと、成幸の引いたくじの番号が見えちゃったし……)
うるか (少し反則かもしれないけど! ごめんね、みんな!)
うるか 「じ、じゃあねー、えへっ……2番の人に、『愛してる』 って言ってもらおうかな、なんて……」
うるか (成幸の番号は2番だったはず! これなら……――)
文乃 「……2番、わたしだよ?」
うるか 「えっ!?」
成幸 「なんつー危ない命令を出すんだ、うるか。俺が2番だったらどうするつもりだったんだよ!」
うるか (成幸3番だー! 先端で2だと勘違いしちゃったの!?)
864: 2018/10/27(土) 01:24:19 ID:aVLVUSo6
理珠 「……まぁ、常識的な範囲ではあると思いますので、実行してください、文乃」
文乃 「まぁ、べつにいいけど……」 チラッ
うるか (うぅ……2番じゃなくて3番かぁ……) シクシクシク
文乃 (成幸くんに言ってもらうつもりだったんだろうなぁ……)
文乃 (ま、いいや。パパッと済ませちゃおう)
文乃 「はい、うるかちゃん。こっち向いて」
うるか 「……うん」
ドキッ
うるか (わっ……改めて真正面から見ると、文乃っち、本当に美少女だなぁ……)
文乃 (わぁ、うるかちゃんって目が大きくて可愛いなぁ……)
文乃 「……う、うるかちゃん。いくよ?」
うるか 「う、うん」
文乃 「……うるかちゃん、愛してるよ」
うるか 「はわっ……////」
文乃 「うぅ……///」
文乃 「まぁ、べつにいいけど……」 チラッ
うるか (うぅ……2番じゃなくて3番かぁ……) シクシクシク
文乃 (成幸くんに言ってもらうつもりだったんだろうなぁ……)
文乃 (ま、いいや。パパッと済ませちゃおう)
文乃 「はい、うるかちゃん。こっち向いて」
うるか 「……うん」
ドキッ
うるか (わっ……改めて真正面から見ると、文乃っち、本当に美少女だなぁ……)
文乃 (わぁ、うるかちゃんって目が大きくて可愛いなぁ……)
文乃 「……う、うるかちゃん。いくよ?」
うるか 「う、うん」
文乃 「……うるかちゃん、愛してるよ」
うるか 「はわっ……////」
文乃 「うぅ……///」
865: 2018/10/27(土) 01:25:01 ID:aVLVUSo6
成幸 「………………」 (……なんか、その、なんていうか)
成幸 (……淫靡だ) ドキドキドキ……
うるか (め、めっちゃドキドキした~! 変な気分だよ~~~~!!)
文乃 (何かに目覚めちゃいそう……)
理珠 「はい、ではクリアということで、次行きましょう」
文乃 「わたし結構がんばったのにドライすぎないりっちゃん!?」
成幸 「っていうか、そろそろやめにしないか? 勉強もあるし……」
成幸 (なんかとんでもないことになりそうな気がするし……)
理珠 「……勝ち逃げするつもりですか、成幸さん?」
ギロリ
成幸 (何で怒ってるの緒方さん!? っていうか俺も一回も王様になってないんですけどー!?)
成幸 (お、おい、古橋) コソッ (緒方の奴、自分が王様になるまでやめるつもりないみたいだぞ)
文乃 (みたいだね。仕方ない。どうにかしてりっちゃんに王様を引かせてあげようか) コソッ
成幸 (そうは言ってもな……。緒方がクジを握っている以上、逆不正もできないし……)
成幸 (……淫靡だ) ドキドキドキ……
うるか (め、めっちゃドキドキした~! 変な気分だよ~~~~!!)
文乃 (何かに目覚めちゃいそう……)
理珠 「はい、ではクリアということで、次行きましょう」
文乃 「わたし結構がんばったのにドライすぎないりっちゃん!?」
成幸 「っていうか、そろそろやめにしないか? 勉強もあるし……」
成幸 (なんかとんでもないことになりそうな気がするし……)
理珠 「……勝ち逃げするつもりですか、成幸さん?」
ギロリ
成幸 (何で怒ってるの緒方さん!? っていうか俺も一回も王様になってないんですけどー!?)
成幸 (お、おい、古橋) コソッ (緒方の奴、自分が王様になるまでやめるつもりないみたいだぞ)
文乃 (みたいだね。仕方ない。どうにかしてりっちゃんに王様を引かせてあげようか) コソッ
成幸 (そうは言ってもな……。緒方がクジを握っている以上、逆不正もできないし……)
866: 2018/10/27(土) 01:25:36 ID:aVLVUSo6
………………十数回目
理珠 (……ふふ、苦節十数回。ようやくです)
『王様だーれだ!』
理珠 「私です」
文乃 (や、やっとだよ……)
成幸 (や、やっとか……)
理珠 「では、いきますよ。ふふ、ふふふふ……」
―――― 『2番の人に、『愛してる』 って言ってもらおうかな、なんて……』
理珠 (緒方さんもいい線いっていましたが、完全に勝利するにはもう一押しでしたね!)
理珠 「命令します。1番、2番、3番、全員、わたしに 『愛してる』 と言ってください」
成幸 「!?」
理珠 (……ふふ、苦節十数回。ようやくです)
『王様だーれだ!』
理珠 「私です」
文乃 (や、やっとだよ……)
成幸 (や、やっとか……)
理珠 「では、いきますよ。ふふ、ふふふふ……」
―――― 『2番の人に、『愛してる』 って言ってもらおうかな、なんて……』
理珠 (緒方さんもいい線いっていましたが、完全に勝利するにはもう一押しでしたね!)
理珠 「命令します。1番、2番、3番、全員、わたしに 『愛してる』 と言ってください」
成幸 「!?」
867: 2018/10/27(土) 01:26:24 ID:aVLVUSo6
………………十数回目
理珠 (……ふふ、苦節十数回。ようやくです)
『王様だーれだ!』
理珠 「私です」
文乃 (や、やっとだよ……)
成幸 (や、やっとか……)
理珠 「では、いきますよ。ふふ、ふふふふ……」
―――― 『2番の人に、『愛してる』 って言ってもらおうかな、なんて……』
理珠 (うるかさんもいい線いっていましたが、完全に勝利するにはもう一押しでしたね!)
理珠 「命令します。1番、2番、3番、全員、わたしに 『愛してる』 と言ってください」
成幸 「!?」
868: 2018/10/27(土) 01:27:13 ID:aVLVUSo6
成幸 「ち、ちょっと待て、全員か!?」
理珠 「ええ、全員です」 ムフー
文乃 (りっちゃん、すごいドヤ顔してる……)
うるか 「そ、その手があったかーーー!!!」
ガクッ
うるか 「うぅ、そうしていれば……」 (成幸に確実に愛してるって言ってもらえたのにー!)
理珠 「ふふ、そうですよ、うるかさん」 (これなら確実に成幸さんに勝てるんです!)
文乃 (絶対すれ違ってるよねこのふたり)
文乃 「……ま、いいや。王様の命令は絶対だもんね。じゃあ、わたしから」
文乃 「愛してるよ、りっちゃん」
理珠 「……?」
うるか 「じゃあつぎあたしー! リズりん、愛してるよっ!」
理珠 「?」
理珠 「ええ、全員です」 ムフー
文乃 (りっちゃん、すごいドヤ顔してる……)
うるか 「そ、その手があったかーーー!!!」
ガクッ
うるか 「うぅ、そうしていれば……」 (成幸に確実に愛してるって言ってもらえたのにー!)
理珠 「ふふ、そうですよ、うるかさん」 (これなら確実に成幸さんに勝てるんです!)
文乃 (絶対すれ違ってるよねこのふたり)
文乃 「……ま、いいや。王様の命令は絶対だもんね。じゃあ、わたしから」
文乃 「愛してるよ、りっちゃん」
理珠 「……?」
うるか 「じゃあつぎあたしー! リズりん、愛してるよっ!」
理珠 「?」
869: 2018/10/27(土) 01:28:06 ID:aVLVUSo6
理珠 「……あの、なんか、さっきと比べてふたりとも軽くないですか?」
文乃 「へ……? そ、そんなことないと、思うけどな……?」
文乃 (しまった……)
うるか 「うん。ぜんっぜん、そんなことないと思うけどなぁ~」
うるか (ただでさえ幼いリズりんがちょんまげヘアだから……)
文乃&うるか ((子どもを相手にしてるような気持ちで軽く言っちゃった……))
理珠 「………………」 ジトッ
理珠 「……まぁ、いいです。さぁ、成幸さんの番ですよ?」
成幸 「ほ、ほんとに俺も言うのか……?」
―――― 『あ……ッ あ う…… あ…… ぁぃし…………』
理珠 「当然です。王様の命令は絶対ですから」
理珠 (ふふ、“愛してるゲーム” でリサーチ済み。成幸さんは絶対に言えないはずです)
理珠 (この勝負、私の勝ちです!)
成幸 (……うぅ、本当に言うのかよ)
文乃 「へ……? そ、そんなことないと、思うけどな……?」
文乃 (しまった……)
うるか 「うん。ぜんっぜん、そんなことないと思うけどなぁ~」
うるか (ただでさえ幼いリズりんがちょんまげヘアだから……)
文乃&うるか ((子どもを相手にしてるような気持ちで軽く言っちゃった……))
理珠 「………………」 ジトッ
理珠 「……まぁ、いいです。さぁ、成幸さんの番ですよ?」
成幸 「ほ、ほんとに俺も言うのか……?」
―――― 『あ……ッ あ う…… あ…… ぁぃし…………』
理珠 「当然です。王様の命令は絶対ですから」
理珠 (ふふ、“愛してるゲーム” でリサーチ済み。成幸さんは絶対に言えないはずです)
理珠 (この勝負、私の勝ちです!)
成幸 (……うぅ、本当に言うのかよ)
870: 2018/10/27(土) 01:28:44 ID:aVLVUSo6
理珠 (ふふ。言えないはずです。私の勝ちです) ムフー
成幸 (……ん?)
成幸 (でも、なんかただでさえ小動物っぽい緒方が、ご満悦顔で……)
成幸 (しかも今はちょんまげヘアの大五郎スタイル……)
成幸 「………………」
成幸 「……愛してるぞ、緒方」 サラッ
理珠 「……!?」
文乃 (言えちゃうの!?)
うるか (あーん!! リズりん羨ましいよーーーー!!)
理珠 (言われた……? あ、あれ……?)
カァアアアア……
―――― 『……愛してるぞ、緒方』
理珠 「ふぁ、ふぁ……////」
成幸 (い、言えたは言えたが……さ、さすがに恥ずかしいな……)
成幸 (……ん?)
成幸 (でも、なんかただでさえ小動物っぽい緒方が、ご満悦顔で……)
成幸 (しかも今はちょんまげヘアの大五郎スタイル……)
成幸 「………………」
成幸 「……愛してるぞ、緒方」 サラッ
理珠 「……!?」
文乃 (言えちゃうの!?)
うるか (あーん!! リズりん羨ましいよーーーー!!)
理珠 (言われた……? あ、あれ……?)
カァアアアア……
―――― 『……愛してるぞ、緒方』
理珠 「ふぁ、ふぁ……////」
成幸 (い、言えたは言えたが……さ、さすがに恥ずかしいな……)
871: 2018/10/27(土) 01:29:57 ID:aVLVUSo6
文乃 「あっ、も、もうこんな時間かー。さすがにそろそろ勉強始めないとだね。そろそろ終わりにしようか」
理珠 「ほわぁ……」
文乃 (りっちゃんがポーッとしてる今がチャンスだよ! なんとかこの不毛な勝負を終わりに……――)
うるか 「――ええっ!? ちょっと待ってよ文乃っち! あたしまだやりたいよー!」
文乃 「えっ!?」 (りっちゃんがおとなしくなったと思ったら今度はうるかちゃん!?)
うるか (あたしも成幸に愛してるって言ってもらいたいよー!)
成幸 「さ、さすがに勉強の時間が取れないからダメだ! ほら、終わりだ終わり」
うるか 「うぅ……はーい。分かったよ……」
文乃 (やっと終わったよ……)
文乃 (本当に不毛の極みだったよ。りっちゃんは結局何がしたかったのかな?)
理珠 (うぅ……不可解です。なぜこんなに、ドキドキするのでしょうか……)
理珠 (今日も成幸さんに勝てませんでした。悔しいです……)
理珠 「………………」 (『愛してる』 ですか……////)
文乃 (……でもまぁ) クスッ (りっちゃん、すごく嬉しそうだから、いいか)
おわり
理珠 「ほわぁ……」
文乃 (りっちゃんがポーッとしてる今がチャンスだよ! なんとかこの不毛な勝負を終わりに……――)
うるか 「――ええっ!? ちょっと待ってよ文乃っち! あたしまだやりたいよー!」
文乃 「えっ!?」 (りっちゃんがおとなしくなったと思ったら今度はうるかちゃん!?)
うるか (あたしも成幸に愛してるって言ってもらいたいよー!)
成幸 「さ、さすがに勉強の時間が取れないからダメだ! ほら、終わりだ終わり」
うるか 「うぅ……はーい。分かったよ……」
文乃 (やっと終わったよ……)
文乃 (本当に不毛の極みだったよ。りっちゃんは結局何がしたかったのかな?)
理珠 (うぅ……不可解です。なぜこんなに、ドキドキするのでしょうか……)
理珠 (今日も成幸さんに勝てませんでした。悔しいです……)
理珠 「………………」 (『愛してる』 ですか……////)
文乃 (……でもまぁ) クスッ (りっちゃん、すごく嬉しそうだから、いいか)
おわり
872: 2018/10/27(土) 01:30:33 ID:aVLVUSo6
………………幕間1 夜 「グッジョブ」
成幸 「今日は学校で王様ゲームをやってさ」
水希 「は?」
成幸 「ん? 王様ゲームをやったんだけどさ」
水希 「は? 何ゲーム?」
成幸 「いや、だから、王様……」
水希 「……王様ゲーム? 緒方さんたちと?」
成幸 「そうだけど……」
水希 「……うん。そっか。へぇ」 ゴゴゴゴゴ……!!!
成幸 「それで昔、俺とお前が結婚すると思い込んでたことを話したら、みんな少し引いてたんだよ」
水希 「グッジョブ」
成幸 「へ?」
水希 「お兄ちゃん、グッジョブ」
成幸 「今日は学校で王様ゲームをやってさ」
水希 「は?」
成幸 「ん? 王様ゲームをやったんだけどさ」
水希 「は? 何ゲーム?」
成幸 「いや、だから、王様……」
水希 「……王様ゲーム? 緒方さんたちと?」
成幸 「そうだけど……」
水希 「……うん。そっか。へぇ」 ゴゴゴゴゴ……!!!
成幸 「それで昔、俺とお前が結婚すると思い込んでたことを話したら、みんな少し引いてたんだよ」
水希 「グッジョブ」
成幸 「へ?」
水希 「お兄ちゃん、グッジョブ」
873: 2018/10/27(土) 01:31:05 ID:aVLVUSo6
………………幕間2 翌日 「王様ゲームのプロ」
大森 「唯我ー! お姫様たちー! 今日は王様ゲームをやろうぜ!」
大森 「何を隠そう俺は王様ゲームのプロだぜ!」
成幸 (昨日の今日でまた厄介な奴が……!)
理珠 「!? 王様ゲームですか!? 受けて立ちますよ!」
理珠 (今日こそ成幸さんに勝って見せます!!)
うるか 「あたしもやりたーい! やろうやろう!!」
うるか (今日こそ成幸にあんなことやこんなことしてもらうんだ!!)
大森 「よっしゃー! 初めて女子とやれるー!」
文乃 「……!?」 (……女子以外の誰とやってプロに……?)
成幸 「悪い、大森。昨日の遅れを取り戻さなきゃだからやれないよ」
理珠 「あっ、成幸さんが不参加なら私もパスで」 うるか 「あたしもー」
大森 「なぜ!? ちくしょー! 唯我このヤロー!」
成幸 「なぜ俺に怒る!? っていうか勉強してるんだよ邪魔すんな大森!!」
おわり
大森 「唯我ー! お姫様たちー! 今日は王様ゲームをやろうぜ!」
大森 「何を隠そう俺は王様ゲームのプロだぜ!」
成幸 (昨日の今日でまた厄介な奴が……!)
理珠 「!? 王様ゲームですか!? 受けて立ちますよ!」
理珠 (今日こそ成幸さんに勝って見せます!!)
うるか 「あたしもやりたーい! やろうやろう!!」
うるか (今日こそ成幸にあんなことやこんなことしてもらうんだ!!)
大森 「よっしゃー! 初めて女子とやれるー!」
文乃 「……!?」 (……女子以外の誰とやってプロに……?)
成幸 「悪い、大森。昨日の遅れを取り戻さなきゃだからやれないよ」
理珠 「あっ、成幸さんが不参加なら私もパスで」 うるか 「あたしもー」
大森 「なぜ!? ちくしょー! 唯我このヤロー!」
成幸 「なぜ俺に怒る!? っていうか勉強してるんだよ邪魔すんな大森!!」
おわり
874: 2018/10/27(土) 01:33:31 ID:aVLVUSo6
>>1です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
>>842さんがくださったアイディアを元に書きました。ありがとうございます。
コメディとしてはそれなりのものが書けたと思います。ありがたいことです。
また何かアイディアやネタがありましたら、実現できるかわかりませんがいただけると嬉しいです。
また投下します。
読んでくださった方、ありがとうございました。
>>842さんがくださったアイディアを元に書きました。ありがとうございます。
コメディとしてはそれなりのものが書けたと思います。ありがたいことです。
また何かアイディアやネタがありましたら、実現できるかわかりませんがいただけると嬉しいです。
また投下します。
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります