840: 2011/01/31(月) 22:02:43 ID:0X0kSqdE0

841: 2011/01/31(月) 22:04:10 ID:0X0kSqdE0
私の名前は喪鬱毒造、人呼んで鬱ナせぇるすまん

ただのせぇるすまんじゃございません

私が取り扱う品物は“ココロ” 人間のココロでゴザイマス・・・

この世は老いも若きも男も女もココロの寂しい人ばかりそんなみなさんのココロのスキマお埋めします

いえお金は一銭もいただきませんお客様が満足されたら、それがなによりの報酬でゴザイマス・・・

さて今日のお客様は・・・

ミ,,゚Д゚彡 「ダルい……」

ミ,,゚Д゚彡  総擬古 修人  23歳  ニュー速ビッパーズFW

      【移籍志願者】

オーホッホッホ・・・・・・
喪黒のタンゴ

839: 2011/01/31(月) 22:00:59 ID:0X0kSqdE0
ギリギリ!じゃないと僕ダメなんだよォ!!

というわけで投下します

842: 2011/01/31(月) 22:05:23 ID:0X0kSqdE0
  ニュー速ビッパーズクラブハウスにて

ミ,,゚Д゚彡 ポケ~…

( `v´)「なにボケっとしてるんだよ」

ミ,,゚Д゚彡 「ああ喜多さん…」

総擬古が室内練習場のベンチに座っているとチームキャプテンである喜多が話しかけてきた

( `v´)「練習もいいけどそろそろ寝ろよ、明日試合だぜ」

ミ,,゚Д゚彡 「そうっすね…」ガタッ

総擬古は立ち上がりその場を後にする

ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」

明日は試合だというのに総擬古の足取りは重かった

843: 2011/01/31(月) 22:10:04 ID:0X0kSqdE0
   ヌルポスタジアムにて

(φp゚)ピィー!!

審判の笛がキックオフを告げた、両チームのサポーターの大歓声が上がった

ミ,,゚Д゚彡 「……」

総擬古は今日もベンチスタートだった、開幕してから5試合すべてスタメンからは外れている

ミ#,,゚Д゚彡 (くそお…)

総擬古は忸怩たる思いで試合を見つめていた
彼がビッパーズに加入したのは去年の夏ごろ
シベリアFCでの活躍が認められシーズン途中ながら鳴り物入りで入団したのだった
入団してすぐにスタメンに抜擢され総擬古に対する期待の大きさをうかがわせた
総擬古もその期待に応え5試合連続ゴールを決めチームに貢献した

ミ,,゚Д゚彡 「……」

総擬古の活躍でチームも波に乗り一時はリーグ首位に踊り出る
そして彼も同時期に初の代表入りを果たし充実した時を過ごしていた
しかし好調は長くは続かなかった、代表戦でケガをしてしまったのだ

844: 2011/01/31(月) 22:12:30 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」

ケガは大したほどでもなかったがリーグ戦、代表、カップ戦と過密日程で十分に治療に要する時間が取れなかった
疲労の蓄積でプレイに精彩を欠き、さらにゴシップ誌に恋人との密会現場を撮られてしまい余計に調子を落としてしまった
総擬古の失速とともにチームの順位も下降線を辿っていった
そして最終的にリーグ6位で去年はシーズンを閉じたのだった

ミ;,,゚Д゚彡 (オレがもっと頑張っていれば…)

今シーズン、ビッパーズは開幕から1勝1敗3引き分けといまいち波に乗ることが出来ていない
総擬古も出場3試合でノーゴールでチームと同じくかつてのようなキレが見られなかった
そして今日は同じVIP市にホームを置くビップスターとのダービー戦だった

ミ;,,゚Д゚彡 (ダービー戦だというのにベンチとは情けない…)

総擬古は時間を見る、試合が始まってから20分が経過していた

ミ;,,゚Д゚彡 「……」

845: 2011/01/31(月) 22:15:38 ID:0X0kSqdE0
そのまま両チーム無得点のまま前半を終了し、ハーフタイムを経て後半に突入した

( ´ 3`;)「総擬古、黒田よ」

ミ;,,゚Д゚彡 「なんでしょう監督」

監督の柳沢から声を掛けられる、去年から監督を務めているがここ最近は不調のため解任の噂が取りざたされている

( ´ 3`;)「アップしとけ、すぐ行くぞ!いいな」

(・↓・)「はい!」

ミ,,゚Д゚彡 「……」

ビッパーズは1トップを採用している、総擬古は去年まであそこで得点を量産していたのだ

 ( ・∈・:) 「ハァ…ハァ…」

FWのロッキーは明らかに調子が悪そうだった、決定機を何度も外しすでに肩で息をしている

846: 2011/01/31(月) 22:19:13 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 (ここは俺が…!)

出場に備え軽くアップを開始する

ミ,,゚Д゚彡 タタタタッ

短いダッシュを何回か繰り返す、ここ2試合は新人の黒田に出番を取られているため今日こそは出場したかった
それに加え今日はダービー戦のためなおさらだ

ミ,,゚Д゚彡 (ふぅ…)

ほどよく体が温まってきた、これならもう出れると総擬古は思った、が

( ´ 3`;)「黒田、出番だ」

(・↓・)「はい!」

呼ばれたのは総擬古ではなく黒田だった

ミ;,,゚Д゚彡 「くっ…」

その後総擬古はいつ出番が来てもいいように準備をしていたが結局この試合も出場する機会はなかった
チームも0-3となすすべなく完敗しリーグ14位に転落してしまった

847: 2011/01/31(月) 22:22:18 ID:0X0kSqdE0
  スナック「ホンダ」にて

ミ;,,゚Д゚彡 「くそお…ううう…」

( ´◎`) 「おいおいそう気を落とすなよ、今はただ悪い時期なだけだよ」

総擬古は試合が終わった後、寮には帰らずに行き付けのバーへと直行した

ミ;,,゚Д゚彡 「マスターもう一杯くれ…」

( ´◎`) 「ダメだ!スポーツ選手なんだし少しは自分のからだのことを考えろよ、このままからだ壊すぞ…」

ミ;,,゚Д゚彡 「いいんだよ別にもう壊れたって…どうせ俺はもうダメだし…」ゴクッ
  つ□と

今日の試合で総擬古のココロは折れてしまった、コップに残っていたウィスキーを一気に呷る

( ´◎`) 「たかだか数試合結果が出なかったぐらいで嘆くなよ、気持ち切り替えて頑張れよ」

ミ;,,゚Д゚彡 「無理ッス、俺はもうダメっすわ…」

848: 2011/01/31(月) 22:23:49 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「ハァ…ホントだったら今頃ゴールを量産してチームを勝利へと導いてるハズなのに…」
  つ□とチビリ

ウーロン茶を一口すする、酒では無いので味気なかった

ミ,,-Д-彡 「そんでもってスカウトの目に留まり欧州のビッグクラブへ電撃移籍です
       その欧州のクラブでも大量にゴールを奪ってチャンピオンズリーグでも大活躍ですよ」

( ´◎`) 「お前の中じゃそういうシナリオだったのか」

ミ,,゚Д゚彡 「ええ、バロンドールを獲得して世界的スターになるハズだったのに、なんでこうなっちゃったんだろうなぁ」

( ´◎`) 「頑張りゃ出来るよお前だって」

ミ,,-Д-彡 「無理っす、もう俺は自分の限界を知ってしまいました、とどのつまり俺はサッカーに向いてないんすよ…」

( ´◎`) (ダメだこいつ…)

ミ,,-Д-彡 「ハァ…チャンピオンズリーグに出たい…」

849: 2011/01/31(月) 22:27:34 ID:0X0kSqdE0
ミ*,,-Д-彡 「うう…頭痛い…」

その後店を出た総擬古は何軒か居酒屋をハシゴした

ミ*,,゚Д゚彡 「俺はビッパーズのエースストライカーやぞこらァ」フラフラ

酒を浴びるように飲んだためグデングデンに酔っぱらっていた

ミ*,,゚Д゚彡 「ちくしょう俺はもうダメなんだよ馬鹿野郎!!うぃぃ…」

VIP市の繁華街に居るために人の数は多い、あきらかに酩酊状態の総擬古を誰もが避けて通って行く

ミ*,,゚Д゚彡 「あああ…」フラ

もう立っていられなくなり、その場にへたり込んでしまった

ミ*,,-Д-彡 「あああ俺は天才なんや…天才なんや…」

その時、道端で酔い潰れている総擬古にある男が話しかけてきた

('A`) 「そんなとこで寝てたら風邪引きますよぉ」

850: 2011/01/31(月) 22:31:31 ID:0X0kSqdE0
ミ*,,゚Д゚彡 「なんだおっさん、俺になんか文句あんのか?」

('A`) 「いえいえ、ワタシはただ老婆心で忠告しただけですよ」

ミ#,,゚Д゚彡 「うるせェ余計なお世話だ!!」ガタッ

総擬古は男に胸倉をつかむ、しかし男は表情ひとつ変えなかった

('A`) 「オーホッホッ、穏やかじゃないですねぇ」

ミ#,,゚Д゚彡 「俺は今むしゃくしゃしてんだよ!黙らねェと痛い目に遭うぞ!」

m9('A`) 「落ち着いてください総擬古さん、ほらワタシの指を見てください」

ミ#,,゚Д゚彡 「あぁっ!?」

男は人差し指を総擬古の顔の近くに持ってきてぐるぐる回し始めた

m9('A`) 「オーホッホッホ」クルクル

ミ#,,゚Д゚彡 「ううう?」

ミ;,,@Д@彡 「あれ?ううう…」フラフラ

総擬古は目を回しその場に倒れ込んだ

851: 2011/01/31(月) 22:38:05 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「はっ!ここは?」

総擬古が目を覚ますとそこは公園の中だった

ミ;,,-Д-彡 「痛てて…頭痛ェ…なんでここに居るんだろ…」

('A`) 「やっと目を覚ましましたね」

ミ;,,゚Д゚彡 「うわっ!なんですかあなたは!?」

('A`) 「実はですね…」

男は総擬古にこれまでの経緯を話した、総擬古が泥酔状態だったこと、男に絡んできたことなどなど…

ミ;,,-Д-彡 「ホントすいません!俺酒を飲むと我を忘れてしまうんですよ…」

('A`) 「酒は怖いですなぁ、次からは気をつけてくださいね」

ミ;,,゚Д゚彡 「はい…」

('A`) 「ところであなたはサッカー選手の総擬古選手ですよねぇ?」

852: 2011/01/31(月) 22:43:00 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 「ええそうですけど、よくご存じですね」

('A`) 「モチロンですよぉ、リーグ屈指のストライカーではありませんか」

ミ,,゚Д゚彡 「俺はそんな大したことありませんよ、現に最近は全然ダメです」

('A`) 「だから酔い潰れてたのですかぁ?」

ミ,,゚Д゚彡 「そうです、ハァ…俺はもうダメなんですよ…」

総擬古は肩を落とす

ミ,,-Д-彡 「ちょっと前まではこれからの代表を担うとまで言われていたのに今じゃさっぱりダメですわ」

('A`) 「たしかにこのところパッとしてませんねぇ」

ミ,,゚Д゚彡 「サッカー見るんですか?」

('A`) 「ええ、個人的にシベリアFC時代からあなたのことを注目してたのですよ」

ミ,,゚Д゚彡 「シベリアFC…懐かしいですね、あの頃は常にがむしゃらでしたねぇ…」

853: 2011/01/31(月) 22:47:56 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…あの頃は輝いていたのになぁ…」

('A`) 「なにをそんなにふさぎこんでいるのですか、たった数試合結果が出てないだけではないですか」

ミ,,゚Д゚彡 「その数試合が我々には命取りなのですよ、常に結果を残さなければ消えていくのがサッカーなんですよ…」

('A`) 「ほうほう、どこの世界も厳しいですねぇ」

ミ,,゚Д゚彡 「消えて行った選手を何人も見て来ましたからね…ハァ…」

総擬古は深いため息を吐いた

ミ,,゚Д゚彡 「ヨーロッパでプレイしたかったなぁ…」

('A`) 「出来ますよ」

ミ,,゚Д゚彡 「そうですか……え?」

854: 2011/01/31(月) 22:53:40 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「ちょっそれどういうことですか!出来るんですかヨーロッパでサッカーが!」

('A`) 「ええモチロン、総擬古さんほどのプレーヤーなら欧州のクラブでも十分プレイすることは可能です」

ミ;,,゚Д゚彡 「可能って…あなた一体何者なんですか?ひょっとして代理人かなんかですか?」

('A`) 「いえいえ、ワタシはこういう者ですよ」サッ

ミ,,゚Д゚彡 「ココロのスキマお埋めします…喪鬱毒造…なんですかこれは?」

('A`) 「悩める人々を支援するなんでも屋みたいなものです
    あなたもとても大きなココロのスキマを抱えてるようですねぇ」

ミ,,゚Д゚彡 「まぁそうですけど……残念ながら俺はお金持ってませんよ」

('A`) 「安心してください、ワタシの仕事はすべて無償です、お客様が満足されたらそれだけ結構なのです」

ミ,,゚Д゚彡 「そうなんですか…でも俺が欧州でプレイなんて無理ですよ、もう己の限界に気付いてしまいましたから」

855: 2011/01/31(月) 22:57:31 ID:0X0kSqdE0
('A`) 「総擬古さんは欧州でも活躍できる実力はあると思いますけどねぇ」

ミ,,゚Д゚彡 「お言葉はありがたいですがねぇ、難しいですね…」

('A`) 「総擬古さん、あなたが一番弱いのはそのメンタル面です」

ミ,,゚Д゚彡 「メンタル面ですか?」

('A`) 「ええ、あなたはもっと自信を持ちなさい、そんないじけてたらなにも始まりませんよぉ」

ミ;,,゚Д゚彡 「で、でもどうしたらいいか…!」

m9('A`) 「大丈夫、ワタシに任せてください」

ミ;,,゚Д゚彡 「喪鬱さんにですか?」

m9('A`) 「そうです、あなたはかつての自信を取り戻しゴールの量産するのです」

ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」

m9('A`) 「もしあなたが華々しい活躍を見せたなら、欧州からたくさんのオファーを来るでしょうねぇ」

ミ;,,゚Д゚彡 「本当ですかっ!?」

m9('A`) 「本当ですよ」

m9(゚A゚) 「ドーーーーーーーン!!!!」

856: 2011/01/31(月) 23:01:26 ID:0X0kSqdE0
  数日後  試合前

( ´ 3`;)「う~ん…」

ミ,,゚Д゚彡 「監督!」

( ´ 3`)「おおどうした総擬古よ、やけに元気じゃねェかよ」

ミ,,゚Д゚彡 「今日は俺をスタメンで使ってください!」

( ´ 3`;)「なんだと!?」

ミ,,゚Д゚彡 「お願いします!ロッキーさんは今日いませんし俺を使ってください!」

エースのロッキーは代表に召集されているため今日の試合には出場できない

( ´ 3`;)「うむ…」

ミ;,,゚Д゚彡 「お願いします!今日結果出せなかったらもうクビでもいいですので…!」

( ´ 3`;)「(いつもと目の色が違う…!)よし分かった!今日はスタメンに使う!」

ミ;,,゚Д゚彡 「ありがとうございます!」

( ´ 3`)「ただし今日結果を出せなかったら次は無いからな!」

ミ;,,゚Д゚彡 「わかりました!」

857: 2011/01/31(月) 23:06:14 ID:0X0kSqdE0
  けんもう競技場 ピッチ上にて

ミ,,゚Д゚彡 (久々だな…この感覚…)

今日はアウェーでけんもうワンダラーズとの試合だった
総擬古は柳沢監督の言葉通りスタメンとしてピッチに立っている

ミ,,゚Д゚彡 「ふぅ…緊張するな…」
vw_ww_v
6L `∀´)「なに硬くなってるんだよお前は」

ミ,,゚Д゚彡 「おおすまねェな、なにせ久々なもんで…」

同期のケンイチが総擬古の緊張を解くために話しかけてきた
ケンイチとはユース代表時代から一緒にプレイする友人だった
vw_ww_v
6L `∀´)「そんな緊張したってしょうがねェだろ!肩の力抜けよコノヤロ!」

ミ,,゚Д゚彡 「おう…」
vw_ww_v
6L `∀´)「クビになったら俺のマネージャーやらせてやるから安心しろよ」

ミ,,゚Д゚彡 「なんだとコラ、お前こそ俺の華麗なプレイを見てショック受けるんじゃねェぞ!」
vw_ww_v
6L `∀´)「へいへい、俺達に楽させてくれよ、そいじゃ」

ケンイチが自分の守備位置―センターバック―へと戻って行く
いまのやりとりで総擬古の緊張が幾分和らいだ気がした

858: 2011/01/31(月) 23:07:24 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 「……」

( - 。-)「ふぅ…」

ボールが相手選手によってピッチ中央へと運ばれていく

(φд゚) チラッ

主審が時計を見ている、キックオフまでまもなくだった

ミ,,゚Д゚彡 (よしっ…!)

(φp゚)

主審がホイッスルを咥えるのを見て足にグッと力を入れる
そして主審がキックオフを告げるホイッスルを吹いた

ミ,,゚Д゚彡 ダッ!

ホイッスルが鳴るや否や、総擬古は猛然とボールへと突っ込んで行った

859: 2011/01/31(月) 23:08:08 ID:0X0kSqdE0
(;- 。-)「うおっ!」

まさか総擬古が突っ込んでくるとは思っていなかったので相手選手は虚をつかれた

ミ#,,゚Д゚彡 「……」スタタタタッ!

(;- 。-)「やべっ!」ポス

慌てた相手選手は後ろの選手へパスを出す
が、そのパスが中途半端になってしまった

ミ#,,゚Д゚彡 「頂きィ!!」

ボールを奪うと50メートル5秒5の快足を飛ばしゴールへと向かう

ミ#,,゚Д゚彡 「ほっ!ほっ!」

相手DFを軽くかわす、あとはGKだけだった

(同し同#) キッ!

GKと1対1、総擬古は冷静にフェイントを決め相手をかわす

(同し同;) 「うわぁ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「はぁっ!!」

ゴール中央へと豪快に叩きこんだ

860: 2011/01/31(月) 23:17:27 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「はぁはぁ…」

総擬古がゴールを決めても競技場の中は歓声は沸かず静まり返っていた
あまりにも突然のことで状況を把握しきれていなかったのだ

ミ;,,゚Д゚彡 「おおお…」

ミ*,,゚Д゚彡 「ヒャッハー!!ざまぁみろ決めてやってぜコノヤロー!!」

総擬古が喜びを爆発させたあとに競技場の一部から歓声が沸いた
ビッパーズのサポーターが歓喜の唄を歌っていた

( `v´)「ナイスゴールじゃねェかフサ!」グイグイ
vw_ww_v
6L `∀´)「ホント決めやがってこの野郎!」ドスドス

(`∀´)「いきなりびっくりするじゃねェか馬鹿!」ポカポカ

ミ*,,゚Д゚彡 「痛てて!ちょっとやめてくださいよぉ!」

サポーターに続いてチームメイト達も喜びを挙げる
総擬古は手荒い祝福を受けた

ミ*,,゚Д゚彡 (これだこれだ!俺が長らく忘れていた快感は…!)

861: 2011/01/31(月) 23:18:10 ID:0X0kSqdE0
その後も総擬古は果敢に相手ゴールへと攻めて行った

(`∀´)「ていっ!」パスッ!

ミ,,゚Д゚彡 ダッ!

前半12分、サトウ・ユウトのロングパスに素早く反応し前線へ飛び出す
そして相手のゴール右隅へとシュートする、しかし惜しくもポストにはじかれてしまった

ミ;,,゚Д゚彡 「くそお!」

(`∀´)「ドンマイドンマイ」

前半19分、こんどはペナルティエリア近くで喜多のパスを受ける

( `v´)「ほりゃ!」パス

ミ,,゚Д゚彡 「!!」

相手DFを背にパスを受けると振り向きざまにシュートを打った

(同し同#) 「うりゃっ!!」

しかし今度は相手のファインセーブで阻まれてしまう

862: 2011/01/31(月) 23:18:56 ID:0X0kSqdE0
総擬古の積極的な攻めが功を奏し前半32分に待望の追加点が生まれた

( ̄ー ̄) 「とうっ!」

右サイドバックのニヤリがオーバーラップをしクロスを上げた

ミ#,,゚Д゚彡 「つぁっ!!」

それを頭で合わせゴールへと流し込んだ

(同し同;) 「くうっ!」

GKは一歩も動くことが出来なかった

ミ*,,゚Д゚彡 「いえええええええ!!」

2点目を決めた後再びチームメイト達と喜びを炸裂させる

( ̄ー ̄) 「ナイスゴール!」

ミ*,,゚Д゚彡 「いえいえニヤリさんのクロスが良かったからですよ!」パンッ!

アシストを決めたニヤリと思いっきりハイタッチをかわす、この手の痛みが心地よかった

863: 2011/01/31(月) 23:19:47 ID:0X0kSqdE0
そして後半29分に今日の試合のハイライトが訪れた

( ;`v´)「フサっ!!」パスッ!

ミ,,゚Д゚彡 「!!」

ペナルティエリア手前でパスを受けると自慢の快足を飛ばし相手ゴールへと向かっていく
試合終盤に来ても体力はまだまだ無くなってはいなかった

(;∴゚ з゚ )「こら待て!」

相手選手数人に囲まれるが総擬古はそれらを振り切りゴールへと走っていく

ミ;,,゚Д゚彡 「くっ……!」

そしてDFをかわすと角度の無いところからシュートを放った

(同し同;) 「くそっ!」

ボールはGKの股下をすり抜けるとゴール左ネットへと突き刺さった

ミ*,,゚Д゚彡 「うおおおおおおおお!!!!!」

そして今日三度目の雄たけびを上げたのだった

864: 2011/01/31(月) 23:20:50 ID:0X0kSqdE0
結局、けんもうワンダラーズとの試合は3-0でビッパーズが勝利した
得点すべてが総擬古によるものでまさに独壇場と呼べる試合だった

ミ,,゚Д゚彡 「……」

TV局のインタビューを終え、総擬古はビッパーズのサポーター席へと向かう
総擬古が行くとサポーターは大歓声で彼を迎えてくれた

ミ*,,゚Д゚彡 「おおお…」

総擬古は押し寄せてくる歓喜の声にかつてない興奮を覚えていた
まさにサッカーをやってる者にとっての至福のときだった

ミ*,,゚Д゚彡 (ありがてぇ…ありがてぇ…)

歓声はいつの間にか総擬古コールに変わっていた

ミ*,,-Д-彡 ペコ

総擬古はサポーターに一礼をしロッカールームに行くためその場から離れた
彼がその場を離れてもサポーターはコールをやめようとはしなかった

865: 2011/01/31(月) 23:21:56 ID:0X0kSqdE0
ミ*,,゚Д゚彡 「ふふふ…」

ロッカールームへと続く通路の中でも興奮が冷めることはなかった
両手はいまだにわなわなと震えている

ミ*,,゚Д゚彡 (俺がやったんだ…!この調子で行けば…)

そんな総擬古にある男が話しかけてきた

('A`) 「オーホッホッ、総擬古さん素晴らしい活躍でしたねぇ」

話しかけてきたのは喪鬱だった

ミ*,,゚Д゚彡 「喪鬱さん!?なぜここに!?」

('A`) 「競技場の隅でずっと見てましたよ、あなたの華麗なプレイを!」

ミ*,,゚Д゚彡 「そうなんですか…!いやぁ喪鬱さんありがとうございます!
       あなたのおかげでハットトリックを決めることが出来ました!」

('A`) 「いえいえ、すべてあなたの実力によるものですよ」

866: 2011/01/31(月) 23:22:27 ID:0X0kSqdE0
ミ*,,゚Д゚彡 「いえ喪鬱さんのおかげですよ!あなたが僕にやる気を出させてくれたおかげで
        活躍することが出来たんですから!」

('A`) 「たしかにモチベーションを持つことは大事なことですからねぇ」

ミ*,,゚Д゚彡 「新しい目標が出来たことで道が開いたような気がします!本当にありがとうございます!」

('A`) 「それは良かったですねぇ、そういえば最初にあなたが決めたゴールはすごかったですね
    あっという間の得点劇でしたよ、ちなみに開始6秒での得点はリーグ新記録のようです」

ミ*,,゚Д゚彡 「いやぁあれはただ相手選手が慌てただけでたまたまですよ、今後はもう出来ないでしょうね」

('A`) 「この調子で得点を決めていけば海外からばんばんオファーが来るハズですからね、頑張ってくださいねぇ」

ミ*,,゚Д゚彡 「わかりました!それではまた…」トコトコ

総擬古はミーティングのためにロッカー室へと急いだ

('A`) 「……」

('A`) 「たしかにオファーは来るハズです、ただし、このまま平穏無事に行けばの話ですがね、オッホッホッ」

867: 2011/01/31(月) 23:26:45 ID:0X0kSqdE0
その後も総擬古の活躍は続いた

対ラウンジレンジャーズ (ヌルポスタジアム)

ミ#,,゚Д゚彡 スタタタタッ!

1週間後のラウンジレンジャーズ戦、この日も総擬古は絶好調だった
前半20分に先制点をあげ、後半も怒涛の攻撃を見せていた

( ´Å`)「ヘイ!」ドンッ!

ミ#,,゚Д゚彡 (倒れるかよ!)クイ

強烈なタックルをされても倒れずにそのまま持ち前の俊足を生かしゴールへと駆ける

| #‘ ‘|「くわっ!!」

GKがゴール前で構えている

ミ#,,`Д´彡 「ゴルァ!!」

総擬古はゴール左隅へと豪快なシュートを放った

| ;‘ ‘|「うがっ!!」

ボールはGKの手の先を通過し、ゴールへと突き刺さった

868: 2011/01/31(月) 23:28:47 ID:0X0kSqdE0
対倍満FC (カトリスタジアム)

ミ#,,゚Д゚彡 「おらおらっ!」

総擬古はピッチを縦横無尽に駆け回り相手の守備を脅かしていた

( ゚∀゚ ) 「アイヤッ!!」

右サイドのさいたまがクロスをあげる

ミ#,,`Д´彡 「ゴルァァッ!!」

そのクロスを左足に合わせ強烈なボレーを放った

〔;`ュ´ 〕 「!!!!!」

倍満FCのGKがショートを防ぐため横に飛ぶ、しかし反応が一歩遅れたためボールは手はボールに届かなかった

ミ*,,゚Д゚彡 「ひょおおおおおおお!!!!!」

結局のこの1点が決めてとなり倍満FCに勝利し、ビッパーズは3連勝を飾った

869: 2011/01/31(月) 23:30:07 ID:0X0kSqdE0
対ニュー速ギャラクシー (ニュー速スタジアム)

ミ;,,゚Д゚彡 「はぁはぁ…!」タタタッ

この日は乱打戦だった、スコアは総擬古の2得点を含む4-4のタイで今は後半に入っている

(;"・」・") 「ぐうううっ!!」

ミ;,,゚Д゚彡 (この野郎っ!!)ガツガツ

いつもとは違い今日の総擬古は攻撃だけではなく守備にも奔走していた
献身的に相手の攻撃のメを刈りに行く

(;"・」・") 「うわっ!!」

ミ;,,゚Д゚彡 「!!」

ニュー速ギャラクシーのエースであるドノバン米田からボールを奪いとる

ミ;,,`Д´彡 「とぅあっ!!」

総擬古はロングフィードを放った

( ゚∀゚ ) 「ヨシキタ!」

前線へと抜け出したさいたまが総擬古のパスを受け冷静にシュートを打った

(;=е=)「づわっ!!」

ボールはGKの右脇をすり抜けゴールネットへと突き刺さった、結局これが決勝点になりビッパーズは勝利したのだった

870: 2011/01/31(月) 23:30:39 ID:0X0kSqdE0
 試合終了後 スタジアム内通路にて

リノ、゚テモリ 「総擬古選手は最近になって急に得点を量産しだしましたがその理由をお聞かせください」

ミ,,゚Д゚彡 「そうですね…」

総擬古は試合が終わった後、サッカー雑誌の取材に応えていた

ミ,,゚Д゚彡 「やはりワンダラーズ戦での先制点で気持ちが吹っ切れたのが大きいかもしれませんね
       それまでは得点できずにネガティブな精神状態が続いてましたし…」

リノ、゚テモリ 「今節は2G1Aという結果でしたが今日は守備に徹する時間も多かったですね
     総擬古選手はあまり守備をするイメージは無いのですが今日は何故?」

ミ,,゚Д゚彡 「まぁそのう…以前までの自分は得点のことしか考えてなかったんですが
       やはり大事なのはチームであり、チームにとって自分が何をすればいいのかを考えてプレイするようになりましたね」

リノ、゚テモリ 「なるほど…」

そんな総擬古を遠くで見つめる男が居た

 |A`) 「……」

 |A`) (頑張ってますねぇ総擬古さん、この調子でもっと頑張ってくださいねぇ)

871: 2011/01/31(月) 23:31:17 ID:0X0kSqdE0
  スナック「ホンダ」にて

ミ*,,゚Д゚彡 「マスターこれを読んでみてくれよ」バサッ

( ´◎`) 「おう週刊パーフェクトサッカーじゃねェか、これがどうした?」

ミ*,,゚Д゚彡 「82ページを開いてください、俺の特集が載ってますよ」

( ´◎`) 「ほう」

総擬古に指示されたページを開くとそこには『エース帰還!!』と銘打たれた総擬古の特集が掲載されていた

記事『ビッパーズのエースがついに帰って来た!先月のけんもうワンダラーズ戦に今季初のスタメン出場するや否や
   開始わずか6秒でいきなりゴールをあげ、それをきっかけに自身初となるハットトリックを決める大車輪の活躍を見せた。
   その後の試合でもピッチを駆け回りゴールを量産している。フィールドを疾走するその姿は全盛期の岡野雅行を彷彿とさせる。
   スタミナやキープ力、そして決定力も向上し今のところ欠点は見当たらない。彼はパーフェクトなストライカーになる素質がある』

( ´◎`) 「岡野雅行を彷彿とさせるとかすげェじゃんか!」

ミ*,,゚Д゚彡 「へへ、最後のほうを読んでみてくださいよ」

( ´◎`) 「最後…」ペラ

『最近では攻撃だけではなく守備にも積極的に汗を流している。以前は前線でボールを待ってるだけで自己中心的なプレイも多かった。
 しかし一度不調に陥った際に己の在り方を考え意識改革を図り、チームのために働くようになった。総擬古は生まれ変わったのだ。
 プロサッカー選手としての自覚、責任感が芽生えた”新生・総擬古”はこれからどんな活躍を見せてくれるだろうか?
 ビッパーズの未来、いや代表の未来を背負って行く存在になるかもしれない。そんな総擬古に期待せずにはいられない』

872: 2011/01/31(月) 23:31:59 ID:0X0kSqdE0
( ´◎`) 「おいおい代表の未来を背負って行くかもしれないってべた褒めじゃないかよ!すごいなお前」

ミ*,,゚Д゚彡 「ふふふ…」

( ´◎`) 「ついこの前まで腐ってここで項垂れていたというのに…なにがあったんだ?」

ミ*,,゚Д゚彡 「ただ調子が良いだけですよ、そんな大それたことじゃないッスよ」

( ´◎`) 「そうか……でも最近お前ホント変わったよな、前は守備とかしなかったのに…」

ミ*,,゚Д゚彡 「そりゃやっぱチームが一番ですから、俺が得点してもチーム自体が勝たなきゃ意味ないですから…」

( ´◎`) 「お前も成長したなぁ…」ジーン…

ミ*,,゚Д゚彡 「そんなことないッスよ、俺なんかまだまだです」

( ´◎`) 「この雑誌の言うとおりお前は代表の未来を担う選手になるよきっと、最近のお前を見てるとそう思うよ」

ミ*,,゚Д゚彡 「へへへ、あざーっす」

( ´◎`) 「今日は金はいらねェからどんどん飲めよ」

ミ*,,゚Д゚彡 「いやぁ太っ腹ッスねェ、ではお言葉に甘えて…」

総擬古は上機嫌だった、なぜなら有名サッカー雑誌にパーフェクトに近いと評されたのだから
しかしそんな総擬古にも致命的な欠点があった、それを次の試合で露呈してしまう―――

873: 2011/01/31(月) 23:32:29 ID:0X0kSqdE0
対ラウンジSC  (今北ラウンジサッカー場)

この日のビッパーズは苦戦していた

ミ;,,゚Д゚彡 (くそお…!)

前半8分に総擬古のゴールで幸先よく先制したものの、その3分後の前半11分に同点にされてしまう
そして後半早々に勝ち越しゴールを決められ現在1-2でビッパーズは負けていた
しかも時間は後半39分、ビッパーズの選手に焦りの色が見えていた、総擬古も例外ではない

ミ;,,゚Д゚彡 (ハァ…ハァ…)

この試合の総擬古は1点を取ってはいるがその後は決定機をことごとくハズしていた

( ;`v´)「へい!」パスッ!

ミ;,,゚Д゚彡 「!!」スタタタッ!

喜多のスルーパスに反応し抜け出そうとする、が

( ・⊥・) 「ふん!」

ミ;,,゚Д゚彡 「くはっ!」

相手DFヨネヤマの強い寄せに倒されてしまう、荒いプレーだったが審判は笛を吹かなかった

ミ#,,゚Д゚彡 「このやろう!!」

874: 2011/01/31(月) 23:32:52 ID:0X0kSqdE0
ijd ´A`) パーン!

相手GKが前線へとボールを大きく蹴り出す

( ¨_ゝ¨)パシッ!

それをラウンジSCのストライカー・マイクが胸で落とす、すかさずケンイチがチェックにいく
vw_ww_v
6L `∀´)「おらおらっ!」

( ;¨_ゝ¨)「あっ!!」

マイクはケンイチのチェックに慌てて他の選手にパスを出す
それをボランチのサトウ・ユウトがインターセプトでボールを奪った

(`∀´)「おらっ!」パスッ!

サトウ・ユウトが総擬古へとパスを放った

ミ;,,゚Д゚彡 「……」

総擬古はそのパスをトラップするが上手く足で受けることができず、ボールは大きく相手のほうへ流れてしまった

ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」

875: 2011/01/31(月) 23:34:01 ID:0X0kSqdE0
从`・_ゝ・) シュタッ

ラウンジSCのDFタカギは総擬古のトラップミスを見逃さず、素早くボールを奪取する

ミ#,,゚Д゚彡 (ふざけんなっ!)

総擬古はボールを取り戻そうとタカギに向かってスライディングをする
しかし総擬古のスライディングはボールにではなくタカギの足へと向かっていた

从;` _ゝ ) 「うわああっ!!」

総擬古のスパイクがタカギのくるぶしに直撃した瞬間、タカギは悲鳴を上げその場に倒れ込んだ、すかさず審判がホイッスルを鳴らす

从;` _ゝ ) 「うううう!!」

激痛のあまりタカギはのたうち回る、何人かの選手がタカギの周りに集まってきた

(#・⊥・) 「テメェわざとやりやがったな!!」

ミ,,゚Д゚彡 「は!?たまたまだろ、カッカしてんじゃねェよおっさん」

(#・⊥・) 「なんだとクソガキッ!」

(#φд゚)「よさないかお前ら!」

審判が小競り合いを制止する、そして胸ポケットからイ工口ーカードを取り出した

(φд゚)つ□ バッ!

それを総擬古に向かって提示した

876: 2011/01/31(月) 23:34:35 ID:0X0kSqdE0
(#・⊥・) 「いや今のは一発レッドでしょう審判!」

ヨネヤマは判定が不服だったらしく審判に抗議するが判定は覆らない

ミ,,゚Д゚彡 「ふん」

総擬古は自分の定位置へと戻ろうとする、すると相手サイドバックのコミヤマがすれ違う際に話しかけてきた

ノノ ・ω・) 「お前さ、なに熱くなってるんの?」

ミ#,,゚Д゚彡 「あぁ!?」

ノノ ・ω・) 「君のプレイでうちらだけじゃなく自分のチームにも迷惑かけてるんだよ
      もうちょっと考えてプレイしたらどうだい総擬古くん?」

そう言うとコミヤマは自分の守備位置へと戻って行った

ミ#,,゚Д゚彡 (あのヤロウ馬鹿にしやがって!)

タカギのケガは大事には至らずなんとか立ち上がりプレイを再開した

从;`・_ゝ・) 「コミ!」パスッ

ノノ ・ω・) 「あいよ!」シュタッ!

コミヤマはタカギからパスを受けると勢いよくサイドを駆けあがって行く

877: 2011/01/31(月) 23:35:06 ID:0X0kSqdE0
( ;゚∀゚ ) 「うおっ!」

ノノ ・ω・) 「へいへいへい!」

サイドバックのコミヤマが果敢に攻め上がる、この時折見せるオーバーラップがコミヤマの持ち味だ

(; ̄ー ̄) 「お、お、お」

ノノ ・ω・) 「!!」

ニヤリと対峙する

ノノ ・ω・) 「へい!」スタタタッ

コミヤマはそのままサイドへと駆け上がる、本来なら中央へと切り込んで精確なミドルシュートを放つのだが今日は違った

(; ̄ー ̄) 「こら渡せこら!」グイグイ

ノノ ・ω・) 「誰が渡すかよ」

コミヤマはコーナーでキープを始めた、もう終了間際というので時間稼ぎをしているのだ

878: 2011/01/31(月) 23:36:27 ID:0X0kSqdE0
, vw_ww_v
6L;`∀´)「寄こせこらっ!」

ケンイチも加わり二人がかりでボールを奪おうとするが上手くいかない

(; ̄ー ̄) 「くぅ!」

ニヤリの足にボールが当たり、そのままラインの外へと転がっていく
するとラウンジSCはゆっくりとスローイングをする

d  ’_J’ノ ポン!

FWのニシからスローイングを受けるとコミヤマは再びコーナーでキープを始める

ノノ ・ω・) 「ほほほほほ~」

(; ̄ー ̄) 「くそっ!」

ケンイチ、ニヤリが苦戦していると前線から総擬古が駆けてきた

ミ#,,゚Д゚彡 「うおおおおおお!!!!」

このとき観客の誰もが総擬古もボール奪取に加わると考えたハズだ
しかし総擬古は守備には参加しなかった

ミ#,,゚Д゚彡 「ゴルァ!」バキッ!

総擬古はボールではなくコミヤマの太ももに思いっきり蹴りを入れた―――

879: 2011/01/31(月) 23:37:20 ID:0X0kSqdE0
ノノ ; ω ) 「ギニヤ!!」

コミヤマは叫び声を上げその場に転倒した、痛みのあまり顔を歪ませている

(#φq゚)ピィーッ!

即座に審判は笛を鳴らし総擬古へと駆けよる

(#φд゚)つ■ サッ!

そして総擬古の前で高らかとレッドカードを掲げたのだった

ミ#,,゚Д゚彡 「けっ」

総擬古は審判の顔を一度睨めつけると憮然とした態度でピッチから出て行く

ノノ ; ω ) 「ううう……」

ちょうど総擬古の横をコミヤマを乗せた担架が通過していった
総擬古は近くにあった給水ボトルを拾いあげ中身を口に含む

ミ,,゚Д゚彡 「へっ、弱ェやつだな」

880: 2011/01/31(月) 23:38:37 ID:0X0kSqdE0
(#・⊥・) 「テメェなんだその言い草は!」

総擬古の言葉を聞いたヨネヤマが詰め寄ってくる

ミ#,,゚Д゚彡 「だってそうでしょ、あんぐらいで担架で運ばれるなんてありえないでしょ!虚弱すぎだよ!」

(#・⊥・) 「テメェ絶対に許さねェぞ!」

从;`・_ゝ・) 「ヨネさんストップストップ!そんなんじゃヨネさんまで退場させられますよ」

タカギが激昂するヨネヤマの止めに入る

ミ#,,゚Д゚彡、「もうウゼェなぁ!俺は退場になったんだからさっさと出させろよ!ったくよ!」ペッ

唾と悪態を吐き総擬古はピッチを離れて行く

(#・⊥・) 「……!……!」

ヨネヤマがなりやら叫んでいるが総擬古は振り返らなかった

ミ#,,゚Д゚彡 (今度もっと削ってやるから覚悟しとけよ!)ムカムカ

総擬古の欠点、それは彼の気性の荒さだった

881: 2011/01/31(月) 23:39:26 ID:0X0kSqdE0
 2週間後  BAR バロ巣

('A`) 「いやぁあなたの最近の活躍はすごいですなぁ、ワタシの想像以上ですよ」

ミ,,゚Д゚彡 「ホント喪鬱さんのおかげですよ」

あの試合から2週間後、総擬古は喪鬱と「BAR バロ巣」で酒を酌み交わしていた

('A`) 「何度も言うようですが今の活躍はあなたの実力によるものですよぉ」

ミ,,゚Д゚彡 「そうですか、ありがとうございます」

('A`) 「それはそうと久しぶりのシベリアはどうですか?
    元シベリアFCの一員だった総擬古さんにとってシベリアは庭みたいなものでしょう?」

ミ,,゚Д゚彡 「まぁ懐かしいですねぇ…」

1年前まで総擬古はシベリアFCでプレイをしていた、そこでの活躍が認められニュー速ビッパーズに引き抜かれたのだった

('A`) 「明日のシャキン・シベリアにはかつての一緒にプレイした仲間たちも多いのではないですか?
    そういう人たちと懇親会とかは開かないのですかぁ?」

ミ,,゚Д゚彡 「たしかにかつて同じ釜の飯を食べた仲の人もいますが今は敵同士です
       まぁなるべくそういう人たちとは仲良くしないようにしてるんですよ」

('A`) 「なるほど」

シベリアFCが消滅したあと何人かの選手はシベリアに
本拠地を置くもうひとつのサッカークラブであるシャキン・シベリアへと移籍している
ビッパーズはそのシャキン・シベリアと明日に試合をするのだ

882: 2011/01/31(月) 23:40:38 ID:0X0kSqdE0
( ´W`)
 つ□とキュッキュッ

ミ,,゚Д゚彡 「ところで喪鬱さん…移籍のオファーの件なんですが…」

('A`) 「オッホッホッ、安心してください総擬古さん
    まだ本格的なオファーはありませんが非公式にいくつか打診を受けているのですよ」

ミ;,,゚Д゚彡 「ほ、ほんとですか!?ど、ど、どこのチームですか!?」

('A`) 「それはまだ言えませんが、欧州のビッグクラブとだけ言っときましょう」

ミ*,,゚Д゚彡 「おおおありがとうございます!」

('A`) 「いま我が国の選手は欧州でも人気があるのです、だから総擬古さんもこの波に乗ってチャンスを掴んでください」

ミ*,,゚Д゚彡 「絶対そのチャンスをモノにします!よおしやるぞっ!」

('A`) 「明日のシャキン・シベリア戦の活躍いかんでは本格的なオファーに発展するでしょうねぇ
    ただし総擬古さん、ひとつだけ気をつけてほしいことがあるのです」

883: 2011/01/31(月) 23:42:05 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 「気をつけてほしいこと?なんですかその気をつけることは?」

('A`) 「ええ、この前の試合で総擬古さん退場しましたねぇ」

ミ,,゚Д゚彡 「ああ、あれですか、まぁついつい足が出ちゃいましてね、しょうがないですよ
       でもまぁ1試合休めて良かったですよ、そのおかげでコンディションも良いですし」

('A`) 「実はそのラフプレーを今後控えてほしいのです」

ミ,,゚Д゚彡 「え?マジっすか」

('A`) 「あなたは劣勢になるとすぐに熱くなるきらいがあります、その熱くなる癖を直してほしいのです」

ミ,,゚Д゚彡 「はぁなるほど、以後気をつけます」

('A`) 「綺麗なプレーヤーのほうがオファーが来やすいですからね、マスター、総擬古さんにウォッカを」

( ´W`)つ□ タンッ

ミ,,゚Д゚彡 「どうも……」

884: 2011/01/31(月) 23:43:05 ID:0X0kSqdE0
対シャキン・シベリア  (シベリアスタジアム)

ミ,,゚Д゚彡 「……」

ホイッスルが鳴る直前、かつてのホームグランドに立ち当時のことを懐かしんでいた

ミ,,゚Д゚彡 「相変わらずぼろっちぃスタジアムだな…」

本来ならばこのスタジアムは老朽化に伴い去年で最後になり、シベリアには新しいスタジアムを建設する予定だった
しかしシベリアFCの数々の不祥事――俗に言うシベリアスキャンダル――や不景気により新スタジアムの件は無くなってしまった

ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」チラッ

(#´ 3`)

ちらりとベンチを見ると監督の柳沢が総擬古を睨みつけていた

ミ,,゚Д゚彡 (まだ怒ってるよ…)

この前のラウンジSC戦で1試合出場停止になったため先週の試合に総擬古は出ることが出来なかった
エースを欠いたビッパーズは得点を奪うことが出来ずに負けてしまったのだ
そのため試合前に総擬古はラウンジSC戦みたいにならぬように釘を刺されていた

ミ,,゚Д゚彡 「まぁ大丈夫だよきっと」

<ヽ`∀´> 「ニダニダ、久しぶりニダねぇ」

885: 2011/01/31(月) 23:46:10 ID:0X0kSqdE0
ミ,,゚Д゚彡 「ニダーさんじゃないですか!お久ぶりですねぇ、まだサッカーやってたんですか」

<ヽ`∀´> 「当たり前ニダ!ウリの実力なら引く手あまたニダ!」

シベリアFC時代の同僚であるニダーが話しかけてきた
彼はシベリアFCからシャキン・シベリアへと移籍した一人だった

ミ,,゚Д゚彡 「でもニダーさんは決定力が無いですからあまり心配しなくてもよさそうですね」

<ヽ`∀´> 「なに言ってるニダ、ウリは現時点でもう去年の2倍の得点を奪ってるニダよ!」

[ ´-`] 「2ゴールだけですけどね…」

ミ,,゚Д゚彡 「おおマキさんじゃないッスか!」

去年までシベリアFCでツートップを組んでいたマキが話しかけてきた
彼もまたシベリアFCのOBだった

[ ´-`] 「久しぶりだな、すごい活躍じゃないか最近」

ミ,,゚Д゚彡 「いやいやそれほどでもないですよ、そういえばシャキン・シベリアのツートップは…」

<ヽ`∀´> 「ウリとマキニダ」

ミ,,゚Д゚彡 「そうなんですか…(なんて守備的な前線だ…)」

886: 2011/01/31(月) 23:48:00 ID:0X0kSqdE0
(φq゚)ピィー!

審判のホイッスルで試合が開始された

( >`◇´) 「……」

ソウマ新監督率いるシャキン・シベリアは超守備的のチームだ
3バックを採用しておりどれも強力なDFを擁している

(`c_,´ )「……」

ミ;,,゚Д゚彡 (デケェ…)

特に強力なのは現役ロシア代表のロスキーだ、フィジカルが強く身長も2メートルに近い

(`c_,´ )「ふんぬ!」

ミ;,,゚Д゚彡 「ひぃ!」

(`c_,´ )「チビッコナンテチョロイデス」

ミ;,,゚Д゚彡 「くううう」

170センチちょいの総擬古は、空中戦で簡単に競り負けてしまった

887: 2011/01/31(月) 23:49:27 ID:0X0kSqdE0
( `v´)「フサッ!」パスッ

ミ,,゚Д゚彡 「よおし!」スタタタタッ!

高さがダメなら足で翻弄すれば良い、自分の小回りの良さが相手には効くハズ
そう思い総擬古は快足を飛ばそうとする、しかし
wwww
6 `ェ´) 「ピィヤッ!」

ミ;,,゚Д゚彡 「うおっ!」

前への突破を3バックの一角であるチャノに体をぶつけられ阻まれてしまう
総擬古の行動を完全に読まれていた

リ ゜ッ゜リ 「ほっほっ」シュタッ

こぼれ球をサハラが前線へと蹴り出す

ミ;,,゚Д゚彡 「審判!」

(φд゚)プイッ

審判にファールをアピールするが認められなかった

888: 2011/01/31(月) 23:50:52 ID:0X0kSqdE0
( `v´)「フサッ!」パスッ

ミ,,゚Д゚彡 「次こそっ!」スタタ

再び突破を試みようとする、が
wwww
6 `ェ´) (`c_,´ ) リ ゜ッ゜リ 

ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…」

チャノ、ロスキー、サハラの3バックを見て突破を躊躇してしまう

ミ;,,゚Д゚彡 (ううう…またさっきみたいに…)

( `~´)「おらっよこせコラッ!」

ミ;,,゚Д゚彡 「うわっ!?くそっ!」

戸惑っていると右ウィングバックのヤマダがチャージを掛けてきた、しかたなく総擬古は喜多へとバックパスを出す

ミ;,,゚Д゚彡 (噂通りの堅い守備だ…)

シャキン・シベリアはこの堅い守備で現時点リーグ最少の失点数を誇っている
この堅守はイタリアのカテナチオをもじって”シベナチオ”と呼ばれている
しかし逆に得点数はリーグ最少でチームの順位も12位で下位に甘んじていた

889: 2011/01/31(月) 23:51:17 ID:0X0kSqdE0
( ;`v´)「んん…」

ビッパーズは相手の堅守に攻めあぐねていた、なかなか相手陣内でプレイすることが出来ない
前半20分が過ぎてもいまだにシュートはゼロだった

( ;`v´)「てい!」パスッ

喜多は右サイドのさいたまにパスを出す

( ゚∀゚ ) 「ほいきたっ!」

さいたまが得意のドリブル突破を見せようとするが

(・ ∀ ・)「行かせないよっ!」バンッ

( ゚∀゚; ) 「うわっ!」

相手ボランチの沖田――この男も総擬古の元同僚――の強烈なタックルで防がれてしまった
しかし審判は今のタックルをファールと判断し笛を吹きプレイを止めた

(・ ∀ ・)「ちぇっ」

( ;`v´)バンッ!

喜多はセンターラインからゴール前へとボールを大きく蹴り出した

890: 2011/01/31(月) 23:51:47 ID:0X0kSqdE0
ミ;,,゚Д゚彡 「くおっ!」

(*`ー´*)「修人くんカモン!」

喜多が出したボールをヤマザキへと頭で落とそうとする、しかし

(`c_,´ )「ソウハサセマセン!」バスッ

ミ;,,゚Д゚彡 「ぐっ!」ヨロッ

やはり空中戦では分が悪かった、ボールは遠くへクリアされ体をぶつけられた総擬古はその場に倒れ込んだ

ミ#,,゚Д゚彡 「くそお…!」

しかしクリアが不十分だった、サトウ・ユウトがそれを拾う

(`∀´)「ヒャッハー!」スタタタッ

サトウ・ユウトはボールを拾うとすぐに強烈なミドルを放った

(ν#・ω・)ν 「たぁっ!!」バンッ!

しかし相手GKほわっちょ相田の好セーブに阻まれてしまった

891: 2011/01/31(月) 23:52:19 ID:0X0kSqdE0
(`∀´;)「うわあああ!!!くそっ!」

しかしこれでコーナーキックを手に入れた、喜多がコーナーへと走る

( `v´)バンッ

喜多が蹴ったボールが綺麗な弧を描くようにゴール前へと落ちてくる
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6L#`∀´)「うりゃっ!」ズドンッ!

ヘディングが得意なケンイチが頭で合わせゴールへと叩きつける

(ν#・ω・)ν 「うおっ!!」パシッ

が、またほわっちょに防がれてしまう

(ν#・ω・)ν パンッ!

ほわっちょはキャッチしたボールをすかざず前線へと蹴る
, vw_ww_v
6L;`∀´)「やべっ!」

ケンイチが前線に出ていたため守備が手薄だった、シャキン・シベリアが得意としているカウンターだ

892: 2011/01/31(月) 23:52:50 ID:0X0kSqdE0
(ΘωΘ)「ほっほっ」スタタタッ

シャキン・シベリアは司令塔の殊能、マキ、ニダーと3人居るのに対しビッパーズは置竹、ニヤリの2人しか自陣に居なかった

从;゚ー゚V 「おおお!!」スタタタッ

置竹が対応に行くが殊能はすかさず前線のニダーへとパスを出す

<ヽ`∀´> 「ニダっ!」

(; ̄ー ̄) 「くっ!」

ペナルティエリア前で2対1、ニヤリが詰める前にニダーはシュートを放った

(;〇`ω´〇) 「ふんぬっ!」パンッ

ビッパーズのGK中田がニダーのシュートを足で弾く、が

[ #´-`] 「うがっ!」

こぼれ球をマキがヘディングで押し込んだ

(;〇`ω´〇) 「うぐ…」

ニダーのシュートを防ぐ際にバランスを崩したため中田は反応が出来なかった
前半5分、早々とシャキン・シベリアが先制した

893: 2011/01/31(月) 23:53:12 ID:0X0kSqdE0
[ *´-`] 「ぐふふ…」

<ヽ`∀´> 「ナイス頭ニダ!」

[ *´-`] 「利き足は頭だからな」

(・ ∀ ・)「今季4ゴール目おめでとうございます!」

シャキン・シベリアのイレブンがマキのゴールを祝福する
総擬古はそんな彼らを遠くから睨みつける

ミ#,,゚Д゚彡 (くそお…調子乗りやがって…)
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6L;`∀´)「すまない…カウンターには気をつけてたつもりだったんだが…」

ミ#,,゚Д゚彡 「大丈夫オレが取り返してやるよ」
, vw_ww_v
6L;`∀´)「そうか…」

894: 2011/01/31(月) 23:54:24 ID:0X0kSqdE0
しかしこの日は思うように攻めることが出来なかった

ミ#,,゚Д゚彡 「ぬおおおお!!!」スタタタッ!
wwww
6 `ェ´) 「ピィヤッ」

ミ;,,゚Д゚彡 「うぐ…くそっ!」パスッ

チャノの強い寄せでゴールを打つことが出来ずバックパスを出す、今日はその繰り返しだった

(*`ー´*)パスッ!

ミ#,,゚Д゚彡 「よしきたっ!」

ヤマザキからパスを受けドリブル突破を試みようとするがやはりチャノに潰されてしまう
wwww
6 `ェ´) 「行かせるピャッ!」ズザザザッ

ミ;,,`Д´彡 「かはっ!」

鋭いスライディングに総擬古は倒される、しかし審判は笛を吹かない

(φд゚)「ほら早く立て」

ミ#,,゚Д゚彡 「くそお…チャノのヤロウ…!」スタタタタッ

895: 2011/01/31(月) 23:55:34 ID:0X0kSqdE0
(φq゚)ピィーっ!

ミ;,,゚Д゚彡 「ハァ…ハァ…」

結局その後は両チーム得点を奪えないまま前半を終了した
総擬古は得点を取るどころかシュートすら打てぬまま折り返したのだ

総擬古たちがロッカーへ戻ると柳沢監督の怒号が飛んだ

( #´ 3`;)「お前らさっきの失点はなんだ!あれほどカウンターには気をつけろとあれほど言っただろう!」

从;゚ー゚V 「すいません…」

( #´ 3`;)「しっかりしろ!弛んでるんじゃないのか!」
, vw_ww_v
6L;`∀´)「そういうつもりは…」

( #´ 3`;)「それと攻撃だ、完全にあのDF陣に封じられてるじゃないか、もっとこう果敢に攻めろよ!」

ミ;,,゚Д゚彡 (攻めてるよ…)

( ;`v´)「しかし監督、相手はベテランばかりです、後半になればきっとバテ始めますよ」

シャキン・シベリアのフィールドプレーヤーは、沖田、ニダー、殊能以外はみんな30歳を超えている

( ´ 3`;)「たしかに、特に守備陣は相当疲れてるハズだ、後半はもっと攻めろ、いいな!」

そう言うと柳沢はミーティングを締めた

896: 2011/01/31(月) 23:56:59 ID:0X0kSqdE0
後半開始早々にビッパーズはチャンスを得た

( ゚∀゚ ) スタタタタッ

( ;`~´)「うくっ!」

右サイドのさいたまがヤマダを振り切りゴール前の総擬古へとクロスを上げた

リ#゜ッ゜リ 「ぐおおお!!」

ミ#,,゚Д゚彡 「くおっ!」

サハラとゴール前で競り合う、総擬古はバランスを崩しながらもボールを頭で合わせた

ミ;,,゚Д゚彡 (来たか!?)ヨロッ

ボールはゴール右隅へと飛んで行く
ビッパーズが同点と誰もが思った、しかし

(ν#・ω・)ν 「入れさせるかァ!」

ほわっちょの左手が間一髪ボールに届き総擬古のシュートを防いだ

ミ;,,゚Д゚彡 「くぅ~……」ギリッ

総擬古は天を仰いだ

897: 2011/01/31(月) 23:57:59 ID:0X0kSqdE0
後半20分、ビッパーズに再びチャンスが訪れる

( ;`v´)「フサっ!」パスッ

ミ,,゚Д゚彡 (よしきたっ!)ザッ!

(`c_,´; )「シマッタ!」

疲労で集中力が切れてきたロスキーの裏をつき総擬古は前線へと飛び出した

ミ,,゚Д゚彡 「ぬおおおおおお!!!!」
wwww
6;`ェ´) 「まてピャっ!」

チャノが追ってくるがスピードが売りの総擬古に追いつけるハズもない

ミ,,゚Д゚彡 (今度こそっ!)

ペナルティエリアでGKと1対1、総擬古は落ち着いてゴール左隅へとシュートを転がす

(ν#・ω・)ν 「!!」ザッ

しかしまたもやほわっちょに止められてしまう、ほわっちょの伸ばした右足が総擬古のシュートを弾く

ミ;,,゚Д゚彡 「あ~もうっ!」

総擬古は頭を抱える、後半に入ってシュートは増えたが肝心なところでほわっちょが立ちはだかった

898: 2011/01/31(月) 23:59:24 ID:0X0kSqdE0
試合終盤、シャキン・シベリアはFW二人を下げて守備を固めてきた

<ヽ#`∀´> 「ニダァ!」ガツガツ

ミ#,,゚Д゚彡 「この野郎っ!」ガツガツ

ニダーとマキが守備に奔走するようになりビッパーズは攻めあぐねていた
しかしチャンスは突然訪れるモノ、後半39分に今日最大のチャンスが訪れる

( ;゚∀゚ ) 「ハァハァ!」

ヤマダとサハラを振り切ったさいたまはペナルティエリアへと侵入した

(ν#・ω・)ν 「!!!」

この試合神がかり的なセーブを連発しているほわっちょが立ちはだかる
しかしさいたまはシュートではなくゴール前へパスを出した

(ν;・ω・)ν 「うわっ!」

ほわっちょはそのパスに反応出来なかった

(`c_,´; )「ハァハァ……」

疲労で動きが鈍くなっていたロスキーを振り切り総擬古はゴール前で完全にフリーになっていた

ミ#,,゚Д゚彡 (決まった!!)

総擬古が足を出す、もうボールを押し込むだけだった
しかしボールはゴールへと行かず、ビッパーズサポーターが居るスタンドへと飛んで行った

899: 2011/02/01(火) 00:00:26 ID:sVzXHt1w0
ミ#,,`Д´彡 「うわああ!!くそおっ!!!」

何の変哲のないパスを総擬古は大きく浮かしてしまった、まさかのミスキックである
すかさずスタンドから総擬古を罵るヤジが飛ぶ

ミ#,,゚Д゚彡 (くそお!くそお!)バンッバンッ

総擬古は膝をつきピッチを何度も殴りつける、腹の虫が収まらなかった

( #´ 3`;)「なにやってんだよもう!」バンッ

ベンチのほうでは柳沢がベンチの背もたれを蹴っ飛ばしていた
誰もが落胆の表情を浮かべていた

ミ#,,゚Д゚彡 「くううう…!」ギリギリ

数々の好機をモノにできずフラストレーションが溜まる一方だった
そんな総擬古に元同僚の沖田が話しかける

(・ ∀ ・)「修人くん今日全然ダメっすね~」

ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとコラ」

900: 2011/02/01(火) 00:00:50 ID:sVzXHt1w0
(・ ∀ ・)「だって打てど打てど入らないじゃないですか~、完全にダメな時の修人くんっすね」

ミ#,,゚Д゚彡 「……うるせェな、黙れよ」イライラ

(・ ∀ ・)「ま、こっちはそれで助かってるんですけどね、せいぜい僕たちの勝利に貢献してくださいね」タタタッ

そう言うと沖田は自分の守備位置へと戻って行った

ミ#,,゚Д゚彡 (あのヤロウ…)

(ν・ω・)ν パンッ

ほわっちょがボールを蹴り試合が再開する、もうすでに後半40分を過ぎていた

(`∀´;)「よし!」パシ

そのボールをサトウ・ユウトが拾い急いで前線へとパスを出す、そのパスを総擬古が受けた

( ;゚∀゚ ) 「ヘイヘーイ!」

ミ,,゚Д゚彡 チラッ

総擬古がさいたまにパスを出そうとしたその一瞬、ベンチの様子が目に入った

( ・∈・ ) カチカチカチ

そこではロッキーが出場の準備をしていた

901: 2011/02/01(火) 00:01:25 ID:sVzXHt1w0
ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」スタタタッ

( ;゚∀゚ ) 「ちょっ!」

ミ#,,゚Д゚彡 (監督のやろう、このオレが信用できないのか!オレなんかロッキーを使おうてか、ふざけんな!)

自分が交代させられると思いカッとなった総擬古はさいたまへのパスはやめ、強引に前へとドリブルしていく

(`c_,´; )「ヨシナサイコラ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「どけ木偶の坊!」スタタタタッ!

疲れ切ったロスキーをドリブルでかわす
wwww
6;`ェ´) 「ピャア!!」ズサササ

チャノがスライディングで止めようとするが総擬古はフェイントでチャノをかわす

902: 2011/02/01(火) 00:01:54 ID:sVzXHt1w0
ミ#,,゚Д゚彡 「ぬおおおお!!」

(ν;・ω・)ν 「くっ…!」

今日幾度もあったほわっちょとの1対1、今回こそは決めようと総擬古は意気込む

ミ#,,゚Д゚彡 (今度こそっ!)

シュートを打つ体勢に入ったとき、何かが肩にぶつかり体がよろけた

ミ#,,゚Д゚彡 「うっ!」

[ ´-`]

マキだった、マキが激しく体を寄せてくる

ミ#,,゚Д゚彡 「この野郎っ!!」

この瞬間、総擬古は頭に血が上り我を忘れてしまった
振り返った総擬古はマキの顔に肘鉄を食らわせた―――

903: 2011/02/01(火) 00:02:26 ID:sVzXHt1w0
[; д ] 「ぐわあああ!!!!!!」

鼻を両手押さえてマキが倒れた、おびただしい鼻血が指の間から漏れ出ている

(#φq゚)ピィーッ!!

審判が慌ててプレイを止め倒れているマキへと急いで近づく

[; д ] 「ああああ……」ジタバタ

激しい痛みでマキはその場で悶え苦しむ、鼻骨が折れてるのかもしれない

(ν#・ω・)ν 「テメェなにしやがってんだコラァ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「しらねェよこいつが勝手に倒れたんだろっ!」

(ν#・ω・)ν 「ふざけんなよお前っ!」

<ヽ;`∀´> 「ケンカはやめろニダ!」

ニダーが小競り合いを止めに入る、しかしほわっちょは収まらない

904: 2011/02/01(火) 00:03:09 ID:sVzXHt1w0
(ν#・ω・)ν 「オレは見たぞ!こいつがわざとマキさんに肘討ちしたトコ!」

ijd ´A`) (д゚ )

審判は見えていなかったらしく他の審判に確認しに行っていた

(φд゚)スタタタッ

そして確認が終わると総擬古の前へと駆けよると

(φд゚)つ■ バッ

高らかとレッドカードを掲げたのだった

ミ#,,゚Д゚彡 「なんでだよっ!絶対やってないからオレ!」

判定を納得出来ない総擬古は審判に掴みかかろうとするが味方に制止される

(; ̄ー ̄) 「暴力だけダメだっ!落ち着け!落ち着くんだ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「うるせぇ離せゴルァ!!」ブンッ

止めに入った味方を振り払おうとする

(; ̄ー ̄) 「わかったから早く出ろ」

ミ#,,゚Д゚彡 「絶対やってない!絶対わざとやってないから!」

ニヤリはスタッフに総擬古を渡す、総擬古はなおも腹立ちがおさまらない

906: 2011/02/01(火) 00:03:31 ID:sVzXHt1w0
|;@Θ@)「総擬古さん早く行きましょう」

ミ#,,`Д´彡 「ふざけんな離せっ!オレに触れるな!」ブンブンッ

/;・∀・ヽ 「取りあえず落ち着きましょう!サポーターもみんな見てますよ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「うるせェっ!!」ガンッ

総擬古は近くにあった給水ボトルを思いっきり蹴っ飛ばす

/;・∀・ヽ 「ひぃっ!」

|;@Θ@)「取りあえずロッカーまで連れていきましょう…」

スタッフが二人がかりで通路入口まで総擬古を連れて行く

|;@Θ@)(なんとかここまで来れた…もうすぐロッカーだ…)

スタッフが安心しかけたその時、スタンドからヤジが飛んだ

(   ^^)「お~い総擬古、ガキみたいにギャーギャー言ってんじゃねェよバーカ」

907: 2011/02/01(火) 00:05:26 ID:sVzXHt1w0
その言葉が再び総擬古に火をつける

ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとゴルァ!」

|;@Θ@)「暴れないくださいよ!」

二人がかりで抑えようとするが総擬古の力は強くスタッフを振り払う
その拍子にユニフォームがズタズタに破れてしまうほどの荒れっぷりだった

ミ#,,゚Д゚彡 「こらかかって来いよコラ、今相手してやるからよ」

(   ^^)「ぷぷぷ、なに観客相手に熱くなってるの?ホント馬鹿だな」

ミ#,,゚Д゚彡 「っのヤロウ!!」

総擬古は近くにあった給水ボトルを投げつけようとするがスタッフがそれを必氏に止める

/;・∀・ヽ 「それだけはダメです総擬古さん!そんなことしたら大問題になりますっ!」

908: 2011/02/01(火) 00:07:51 ID:sVzXHt1w0
ミ#,,゚Д゚彡 「離せコラ!」

総擬古はスタッフを振り払う、そのはずみで給水ボトルの蓋が取れてスタッフに中身がかかる

|;@Θ@)「うわぁっ!」

ミ#,,゚Д゚彡 「オレに触れるな!ひとり歩けるよクズどもがっ!」

そう言うと総擬古は肩をいからせながらロッカーへと足早に向かった

ミ#,,゚Д゚彡 「くそお!」バンッ

通路に入っても怒りは収まらない、近くにあったゴミ箱を蹴っ飛ばす
とにかく今なにか当たりたくてしょうがなかった

と、ゴミ箱が転がって行く先に見覚えのある男がいた

('A`) 「オーホッホッホ、荒れてますねぇ総擬古さん」

そこに居たのは喪鬱毒造だった

909: 2011/02/01(火) 00:09:16 ID:sVzXHt1w0
ミ#,,゚Д゚彡 「喪鬱さんじゃないですか!」

('A`) 「ずーっと見てましたよあなたのプレイ」

ミ,,゚Д゚彡 「すいません、今日は活躍することができませんでした…」

('A`) 「そんなことは別にいいです、たかだか1試合ダメだったぐらいであなたの評価は覆りません」

ミ,,゚Д゚彡 「ホッ、良かった…」

('A`) 「しかし、あの肘討ちはいただけませんなぁ、ラフプレイは控えなさいと忠告したハズですよぉ」

ミ,,゚Д゚彡 「あれですか…あれはプレイの流れの中でたまたま肘が顔に入っただけです、サッカーじゃよくあることです」

('A`) 「ホントにそうですかぁ?ワタシには故意にあなたが肘を入れたようにしか見えませんでしたよ」

ミ,,゚Д゚彡 「喪鬱さんひとついいですか?」

('A`) 「はいなんでしょう?」

ミ,,゚Д゚彡 「あなた知らないでしょうけどサッカーというのは戦争なんですよ、負けは氏ぬことと同じなんです
       だからみんな生きることに必氏なんですよ、必氏だからこそ気を抜いた奴は大けがするんです」

('A`) 「ほう」

910: 2011/02/01(火) 00:10:17 ID:sVzXHt1w0
ミ,,゚Д゚彡 「それで喪鬱さん、例のオファーの件なんですが…」

さすがにたくさん来てるだろうと総擬古は喪鬱の言葉に期待していた
しかし喪鬱の言葉は総擬古の期待を裏切るモノだった

('A`) 「それがですね、一件もオファーは来てないのですよ」

ミ#,,゚Д゚彡 「なんだとっ!」

さきほどの怒りが再び腹の底から沸いてきた、総擬古は喪鬱にどなり声を上げた

ミ#,,゚Д゚彡 「ふざけんなよなんでオファー来てねェんだよ!おかしいだろこんな活躍したのに!」

('A`) 「おやおや、また熱くなってきましたね」

ミ#,,゚Д゚彡 「俺はあんたの言うことを信じてこんなに頑張ったんだぞっ!この野郎騙しやがったな!」

('A`) 「騙したつもりはこれっぽちもありませんけどねぇ
    総擬古さん、何故我が国の選手が最近欧州で人気かご存じですか?」

911: 2011/02/01(火) 00:12:08 ID:sVzXHt1w0
ミ;,,゚Д゚彡 「人気の理由?そりゃテクニックやそういうのじゃないんですか?」

('A`) 「たしかにそれもありますが一番の理由は我が国民の真面目さです」

ミ;,,゚Д゚彡 「真面目さ?」

('A`) 「ええ、我が国民の誠実さ、規律を重んじるところに欧州のスカウトたちは魅力を感じてるのです
    欧州や南米の選手は技術はあれど自己主張が強すぎるのです、そのためワタシたちが重宝されるのですよ」

ミ;,,゚Д゚彡 「それとこれとどういう関係が…」

('A`) 「オッホッホ、考えてみてください、あんな汚いプレイをするあなたから誠実さが感じられますか?」

ミ;,,゚Д゚彡 「う!それは…」

('A`) 「スタッフに乱暴にするあなたに他人を思いやる気持ちが感じられますか?」

ミ;,,゚Д゚彡 「だ、黙れ…」

('A`) 「観客のヤジに激昂するあなたから実直さが感じられますか?」

ミ#,,゚Д゚彡 「黙れって言ってるんだよ!ぶっ飛ばすぞゴルァ!」

('A`) 「つまりあなたみたいな粗暴なチンピラはどこも欲しがらないということですよ」

ミ#,,゚Д゚彡 「テメェ…」

('A`) 「でもまぁ、そんな選手を欲しがるモノ好きなクラブもあるのですよ」

912: 2011/02/01(火) 00:14:46 ID:sVzXHt1w0
そう言うと喪鬱は一枚の紙を出した

ミ;,,゚Д゚彡 「え?オファーあったんですか!」

('A`) 「ええ、チャンピオンズリーグにも参加してるとある国のクラブです」サッ

喪鬱が契約書を総擬古に渡す

ミ;,,゚Д゚彡 「マッコピ・バイフォFC?聞いた事無いチームだな…」

('A`) 「とある国で一番の名門なのです、そのチームと5年の契約を結んできましたよ」

ミ#,,゚Д゚彡 「ふざけんなっ!俺が行きたいのはこんな無名のクラブじゃなくて
       ACミランとかユベントスみたいなビッグクラブに行きたいんだ!」

m9('A`) 「いいえダメです、あなたはマッコピ・バイフォFCに行かなければいけないのです」

ミ;,,゚Д゚彡 「な、なんだよ!」

喪鬱が総擬古のほうへジリジリと近づいてくる

m9('A`) 「行くのです、あなたはそのクラブ行くのです」

ミ;,,゚Д゚彡 「う……」

m9('A`)

ド―――m9('∀`)―――ン!!

ミ;,, Д 彡 「がああああああああ!!!!!」

913: 2011/02/01(火) 00:26:38 ID:sVzXHt1w0
ミ;,,゚Д゚彡 「はっ!どこだここは!?」

総擬古が目を覚ますとそこは知らない部屋の中だった

(-◎3◎)「やっと目を覚ましましたネ、ミスター総擬古」

隣の椅子に座っている男が話しかけてきた

ミ;,,゚Д゚彡 「ううう…あんた誰?」

(-◎3◎)「おう申し遅れまシタ、ミーは通訳兼コーディネーターのジョニー・バシタカと言いマス」

ミ;,,゚Д゚彡 「通訳?……は!?そうだ!」

総擬古は喪鬱とのやりとりを思い出した

ミ#,,゚Д゚彡 「(あの男、本気でオレを……!)ふざけんな!オレは帰るぞ!」

(-◎3◎)「ミスター総擬古、それは無理デス、もう現地の空港に着いていマスから」

総擬古が今居るのはチャーター機の中だったのだ

ミ;,,゚Д゚彡 「そ、そんな…こ、ここはどこなんだ!なんという国なんだ!」

(-◎3◎)「ミスター総擬古、急ぎましょう、チームのみんなも待ってマス」

ジョニー・バシタカは総擬古の問いには答えず、外に出るように促した

914: 2011/02/01(火) 00:37:59 ID:sVzXHt1w0
ミ,,゚Д゚彡 「ハァ…」

空港で色々な手続きを済ませる、このあとどうなるのかわからないので総擬古は不安だった

(-◎3◎)「ミスター総擬古、手続きは済ませマシタカ?」

ミ,,゚Д゚彡 「ええ済ましましたけど…」

(-◎3◎)「では行きましょう、早くしてくだサイ」

そう言うとミスター・バシタカが足早に空港の出口へと向かう

ミ,,゚Д゚彡 「あのバシタカさん、ここはいったいどこなんですか?教えてくださいよ」

(-◎3◎)「ミスター総擬古、我が国の空港はどうデスか?なかなか綺麗でショ?」

ミ;,,゚Д゚彡 「(なんで無視するんだよ……)そうですね…」

そうこうしてるうちに出口のゲートにたどり着いた、そのゲートをくぐる

ミ;,,゚Д゚彡 「は!?な、なんだこれは!」

外を景色を見て総擬古は目を見開いた

915: 2011/02/01(火) 00:51:15 ID:sVzXHt1w0
総擬古が見た景色は想像してるモノとまったく違っていた

ミ;,,゚Д゚彡 「おいおいなんだよこれ……!」

なんとなく総擬古はここを高層ビル等が立ち並ぶ都会だと思っていた
しかし総擬古が見たのは高層ビルなどではなく瓦礫の山だった

ミ;,,゚Д゚彡 「あ、あ、あ……」

かつてはビルだったであろう瓦礫からところどころ煙があがっている
焦げ臭いにおいが総擬古の鼻をついた

ミ;,,゚Д゚彡 「どういうことですかこれっ!聞いてないっすよ!」

(-◎3◎)「実は我が国は今、近隣諸国との戦争の真っ最中なのデスよ」

ミ;,,゚Д゚彡 「せ、戦争中!?そんな……」

(-◎3◎)「空港の外に車を用意していますので急いでくだサイ」

ミ;,,`Д´彡 「いやだ!こんなトコ居たくない!帰らせてくれ!」

(-◎3◎)「ミスター・総擬古、空港の周りを見てくだサイ」

ミ;,,゚Д゚彡 「建物の残骸ばっかりですけど……」

(-◎3◎)「つまり今もっとも爆撃の標的としてふさわしいのはこの空港デスよ」ザッ!

そう言うとジョニー・バシタカは急に走って空港から離れた

916: 2011/02/01(火) 01:02:51 ID:sVzXHt1w0
ミ;,,`Д´彡 「ちょっ!ま、待ってくれっ!」

総擬古もすかさず空港から離れる、こんな時に自分の快足が役に立つなんて思いもしなかった

(-◎3◎)「さすがデスね!噂通りの脚力の持ち主ダ!」

ミ;,,`Д´彡 「ハァハァ!ふざけんなよぉ……」

いつ爆弾が落ちてくるかもしれない恐怖で総擬古のココロは張り裂けそうだった

(-◎3◎)「!!ミスター総擬古!伏せてくだサイ!」バッ

ミ;,,゚Д゚彡 「えええ?え?」バッ!

ジョニー・バシタカに言われ体を地面に伏せたその瞬間、爆音とともに衝撃が総擬古の体に押し寄せた

ミ;,,`Д´彡 「うわああああああああ!!!!痛い痛い!!」

爆風で飛んでくる色んなモノが体にぶつかってくる

ミ;,,゚Д゚彡 「はあああ……」チラリ

総擬古が振り返るとさっきまで綺麗だった空港が無残にも崩壊していた

(-◎3◎)「大丈夫デスかミスター・総擬古?」

ミ;,,゚Д゚彡 「は、は、はひ……」

総擬古は恐怖で上手く立つことが出来ない、股間が生温かかった

917: 2011/02/01(火) 01:21:20 ID:sVzXHt1w0
(-◎3◎)「やっと車にたどり着きましたネ」

ミ;,,゚Д゚彡 「はい……」

やっとのことで車にたどり着いたが生きた心地がまったくしない、膝の震えが止まらなかった

(-◎3◎)「頑張ってくだサイねミスター・総擬古、ミーたちマッコピ・バイフォFCはユーに期待してマスから!」

ミ;,,゚Д゚彡 「そうっすか……」

(-◎3◎)「これから最高の5年間を過ごしましょうネ!」

ミ;,,゚Д゚彡 「5年間……」

これから5年間この国で過ごすと思うと総擬古はなにもかもが嫌になった

ミ,,;Д;彡 「ああ…帰りてェよぉ……」





('A`) 「往年の名選手でこういう発言を残した方が居ました
    『サッカーは戦争だなどというヤツは、本当の戦争を知らないんだ』という言葉です
    総擬古さんは本当の戦争を知ってどういう思いを抱くでしょうか?
    きっともう二度とサッカーは戦争などとは言わなくなるでしょうねぇ」

('∀`) 「5年間戦場で頑張ってくださいね総擬古さん、オーホッホッホ・・・・・・」  【移籍志願者】 完

918: 2011/02/01(火) 01:24:59 ID:sVzXHt1w0
以上です、今日は長かった…まさかこんな長くなるとは思わなかった…

質問、指摘、日本語がおかしい等があればお願いしますお

919: 2011/02/01(火) 01:26:19 ID:sVzXHt1w0
ちなみに>>839はB´zの歌の歌詞ね
怒ってるわけじゃないYO!

引用: ('∀`)鬱ナせぇるすまん