216: 2015/03/12(木) 00:19:27.14 ID:wpFsLQaH0

【艦これ】提督「安価で艦娘を壊したい」【前編】
【艦これ】提督「安価で艦娘を壊したい」【中編】

提督「さて……次はどうするか……」


下四つの高コンマの艦娘を壊します
もう壊れてる艦娘は指定不可能です

220: 2015/03/12(木) 00:20:24.64 ID:wq7P1CfJO
夕張
224: 2015/03/12(木) 00:25:36.79 ID:wpFsLQaH0
提督「夕張……か」

提督「あいつは……いつもひとりでいるよな」

提督「飯も工廠で一人で食っているみたいだし」

提督「最近は明石と仲が良かったようだが……」

提督「……そうだな、あいつはもういない」

提督「まあいいか、壊し方は……>>227」
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録 参 (カドカワデジタルコミックス)
228: 2015/03/12(木) 00:27:41.46 ID:XDdO5VPzO
明石の事を暴露して絶望させる

239: 2015/03/12(木) 21:59:32.26 ID:wpFsLQaH0
提督「そうだ……仲がいいことを利用して……」

提督「あいつに、明石の最後を見せてやろう」

提督「ふくくっ、きっと絶望するぞー?」

提督「最後の明石の恨みつらみ、あれをきいたら幻滅するに違いない」

提督「それに……ぐちゃぐちゃのあいつの手も見せてみたいしな」

提督「よーし……」

提督「……だが、映像を見せるだけで壊れるだろうか」

提督「最悪俺を襲ってくるかもしれない」

提督「……また拘束するか」

240: 2015/03/12(木) 22:09:30.93 ID:wpFsLQaH0
工廠

提督「さて……夕張の奴は……」

夕張「明石さーん、このジョイントの部分なんだけど……」

提督「……」ニヤニヤ

夕張「あ……そっか……いま遠征に出てるんだっけ」

夕張「まだ、帰ってこないのかな」

夕張「もう一週間も過ぎてるし……なにかあったのかな」

提督「……」ニヤニヤ

夕張「ん……提督?どうしたの?にやにやして」

提督「ん、こほん、なんでもない」

夕張「変な提督」

241: 2015/03/12(木) 22:19:39.69 ID:wpFsLQaH0

提督「それより、明石の情報、知りたくないか?」

夕張「え、明石さんの!?」

提督「ああ、いつ帰ってくるか、知りたいだろ?」

夕張「うんっ!うんっ!」コクコク

提督「本当は機密事項なんだがな、お前は明石と仲が良かったから、特別に教えてやる」

夕張「え、大丈夫なの?それって……」

提督「ああ、問題ない、いまから俺の部屋で話そうか」

夕張「うんっ!」

提督「じゃあ、ついてこい」

夕張「……」テトテト

242: 2015/03/12(木) 22:27:44.62 ID:wpFsLQaH0

執務室

夕張「それで……明石さんはいつ帰ってくるの?」

提督「うむ……それがだな」

提督「向こうから映像が届いてな?少しばかりショッキングな映像なんだが……」

夕張「そ、それって!まさか!」

提督「あ、いや、安心しろ、何も氏んだわけじゃない」

夕張「ほっ……」

提督「だが……かなりショッキングな映像だ」

夕張「……」

提督「……もしお前が暴れでもした場合、俺は止められん」

提督「だから……この映像を見る際には拘束させてもらうが……いいか?」

夕張「そ、そんなにひどい……の?」

提督「……ああ」

245: 2015/03/12(木) 22:36:41.13 ID:wpFsLQaH0

夕張「うん、わかった」

夕張「提督を殴ったりとかはしないと思うけど、気持ちが抑えられなくなることはあるかもしれない」

提督「ああ」

夕張「でも明石さんの事は知りたい、だから」

夕張「私を拘束して」

提督「すまないな、じゃあそこの椅子にすわってくれ」

夕張「ん……」

提督「すわったな?じゃあ……」

提督「最悪のショーの、幕開けだな」ピッ

夕張「えっ……どういうこと……!?ぐっ!」

提督「これでお前は身動き一つとれない」

提督「映像を見せながら、煽りに煽って、お前の精神を……」

提督「壊してやる」

夕張「っ……!?」

246: 2015/03/12(木) 22:43:09.48 ID:wpFsLQaH0

夕張「ど、どう言う事!?明石さんは!?」

提督「いや、安心してくれ、明石は生きている」

夕張「じ、じゃあ、さっきの発言は……」

提督「まあまあ、いいじゃないか」

提督「とりあえず、この映像だな、すべてはこれを見てからだ」

提督「でも安心してくれ、明石は氏んじゃいない、ちゃんといきている」

夕張「そ……そう……なら……」

提督(まあ嘘だけど)

提督「とりあえずこれを見てくれ」ピッ

247: 2015/03/12(木) 22:50:09.27 ID:wpFsLQaH0

明石「ん……ここは……」

明石「シェルターの中?」

夕張「え、シェルターって……うちの鎮守府の……?」

提督「そうだな、あそこにあるやつだ」

明石「確か……提督に眠らされて……」

夕張「なっ!」

夕張「どういうこと!提督!?」ジタバタ

提督「まあまて、最後まで見ろ」

提督「明石はちゃーんといきているから」

248: 2015/03/12(木) 22:54:50.28 ID:wpFsLQaH0

明石「……あれ、これは、爆弾?」

明石「っ!!!起動してる!?」

夕張「あの……爆弾は!」

提督「そう、お前もお察しの通り」

提督「起動したら止められない、特製の爆弾だ」

明石「は、早く出なきゃ!」

夕張「明石さん!早く逃げて!」

提督(映像に何言ってんだこいつ)

夕張「た、たしかあのシェルターは内側から簡単にあくはず!」

249: 2015/03/12(木) 22:57:29.62 ID:wpFsLQaH0

明石「は、早く脱出を!」

夕張「10分もあればすぐに外に!」

明石「なっ……シャッターが!」

夕張「!?」

提督「あ、ちなみにシャッターは俺がしめたよ」

夕張「なん……でそんなこと!」

提督「あいつの焦る顔が見たかったからさ」

提督「でも最後はちゃんと脱出するから大丈夫だって」

夕張「さい……てい!」

250: 2015/03/12(木) 23:00:23.62 ID:wpFsLQaH0

明石「爆弾の時間はあと七分……」

明石「提督!助けてください!私はここにいます!」

夕張「っ!提督!もういいよこんな映像!」

夕張「早く明石さんにあわせてよ!いきてるんでしょ!?」

提督「まだだめだ、ちゃんとこれを最後まで見ないと」

提督「明石は、生きていられなくなる」

夕張「それは……どうゆう……」

提督「だから最後まで見ろって」

251: 2015/03/12(木) 23:05:50.76 ID:wpFsLQaH0

明石「落ち着いて……私、まだ爆発まで5分もある」

明石「なんならこのシャッターを破壊してっ!」

夕張「無理に決まってるじゃない明石さん!」

夕張「砲撃にも耐えられる頑丈な作りなのに!そんな力で殴ったら!」

提督「ね、手がぐちゃぐちゃになっちゃうよね、しかも艦娘の力で殴ったらなおさらだよね」

明石「提督は、どこにいったんだろう……っ!」ガンッ

明石「たすけなきゃ!」ガンッ

夕張「ど、どういうこと……明石はさっき提督に眠らされたはずって……」

提督「あれじゃないか?極限状態で思考がおかしくなってるとか」

提督「それよりみてくれよ夕張!あいつの必氏な顔!真っ赤な手!」

提督「うわぁ……俺を探すためとはいえ……醜い手だな……きもちわりっ」

夕張「てい……とくぅ!!!」ギリッ

提督「そう怒るなよ、顔が不細工になってるぞ」

252: 2015/03/12(木) 23:12:40.03 ID:wpFsLQaH0
明石「提督!提督!今たすけます!」

提督「ほらほらこいつ、必氏になっちゃってまあ」

提督「みっともない顔して、ぐちゃぐちゃになった手を振りかざして」

明石「あはは……真っ赤だ、私の手」

明石「提督とドリルを開発した時も……こんなになっちゃったっけ」

明石「でも提督に怪我がなくてよかったって言ったら、頭なでてほめてくれたんだっけ」

提督「これな!これな!この発言!」

提督「傑作だろ!?肉の繊維まで見えるくらいずたずたの手、気持ち悪かったぜ!?」

提督「そのあとバケツで元通りだったんだけどさ!本当おまえら艦娘って気持ち悪いのな!」

夕張「提督……!!!!いい加減やめてよ!明石さんがかわいそう!」

夕張「はやく明石さんにあわせて!もうこんなのいいから!」

提督「あれ、もう俺に恨みごと言わないの?」

夕張「もうそんなことより!明石さんの無事だけ確かめたいの!お願い!」

提督「だめだめ、今見るのやめたら本当に明石が氏んじゃうからさ」

明石「あと二分で爆発か……私、ドロドロに溶けてなくなっちゃうのかな」

夕張「提督!」

提督(無視無視)

253: 2015/03/12(木) 23:15:12.96 ID:wpFsLQaH0
明石「あと……少しで爆発か」

明石「提督にはもう一度……あいたかった」

提督「明石」

明石「提督!?」

夕張「モニターの中から……提督の声?」

提督「そうそう、このあたりで俺がネタばらししたんだよ」

夕張「ネタばらしってことは……もうすぐこの映像も終わり……?」

提督「ああ、もう「終わり」だ」

254: 2015/03/12(木) 23:19:45.32 ID:wpFsLQaH0

明石「提督、シェルターの入り口をしめてください」

明石「貴方が生きていてくれるのなら……私はどうなってもいいや」

提督「これな、これこれ、自己犠牲の精神!」

提督「どうせ本心では何とも思ってないんだよ、こういえば自分が助かると思ってんだよこいつは」

提督「俺のことだって、疑ってたに違いない、だから神経を逆なでしないようにこいつは嘘を……」

夕張(……明石さん)

明石「爆発まであと30秒です」

提督「まだ助けてもらえると思ったんだろうな、希望を持った顔をしてやがるし」

提督(だが助からないと知るや否や、こいつは罵倒を浴びせてきた)

提督(所詮艦娘なんてそんなもんさ、最後は恨みつらみを言うんだ)

提督(明石だって、そうだった)

夕張(……提督?)

256: 2015/03/12(木) 23:24:05.29 ID:wpFsLQaH0

提督「そこにお前を置いていったのは、俺だ」

明石「……えっ」

提督「そうそう、ここでネタばらししたんだよ」

夕張「そ、それより!もうシャッターを開けないと!明石さんが!」

提督「大丈夫大丈夫、あいつは氏なない」

夕張「でもっ!」

提督「お、今から俺の名言だぞ?」

提督「理由が知りたいか?でもお前なら、大体想像はつくんじゃないか?」

明石「……なる、ほど」

提督「ふむ、お察しの通り」

提督「俺は艦娘が壊れるのを見るのが」

提督「大好きなんだ」



夕張「さいっあくな趣味ね!」ギロリ

提督「そうほめるな」

257: 2015/03/12(木) 23:26:24.01 ID:wpFsLQaH0

提督「はい、じゃーここからはノーカットね」

提督「しっかり聞いとけよ夕張」

夕張「……」



明石「……そう、でしたね」

提督「それと明石、お前の必氏な姿、ものすごい笑えたぜ」

提督「なんだなんだ?ずたずたになった手でも提督は優しくしてくれるだぁ?」

提督「お前がドリルで手を削られたとき、俺は内心ゾクゾクしてたんだ」

明石「っ……」

提督「艦娘の血も、赤いのか……ってな」

提督「正直気っ持ち悪かったぜ?肉の繊維まで見えてたしな」

提督「それと同時に、興奮したわけだが」

明石「……」ポロポロ

提督「ま、それと同じで、俺を救おうと奮闘して、真っ赤にずたずたになったお前の手」

提督「気っ持ち悪ぃ!」

明石「くっ……ふうっ……」ポロポロ

258: 2015/03/12(木) 23:28:08.07 ID:wpFsLQaH0
明石「わた……しは……おろかでした」

提督「ん?」

明石「貴方がやろうとしていること、貴方の考え」

明石「本当は、いけないことで、止めなきゃいけないことだって、わかってたんです」

提督「ほう?」

明石「でもね、あなたと同じ道を行けば、きっとあなたに愛してもらえるんじゃないかと思って」

明石「私、心を押し頃して、色々な道具を開発しました」

明石「あの媚薬だって使ってほしくはなかった、でもあなたに愛してほしかったから」

提督「……そうか」

明石「……ねえ、どこで間違えたのかな、私」

明石「最初の時点で、あなたを止めていれば、こんなことにはならなかったのかな」

提督「さあね」

明石「……ふふっ、くははははっ……!」

明石「あははははははっ!!!!!!」

提督「あ、壊れたかな」


提督「いやー、楽しいなやっぱり、こういう映像を人と見るっていうのは」

夕張(明石さん……!)

259: 2015/03/12(木) 23:31:34.89 ID:wpFsLQaH0
明石「あーはははははっ!!!」

明石「あはははっ……」

明石「はあっ……」

提督「気分はどうだい?明石」

明石「そう……ですね」

明石「爆発まで10秒ですが……本音を話しておきましょうか」



夕張「10秒って……」

夕張「提督っ!早くしないと明石さんがっ!」

提督「だから大丈夫だっての、ちゃんと「生きてる」から

260: 2015/03/12(木) 23:32:36.66 ID:wpFsLQaH0
提督「はい、じゅーう」

明石「まず、あなたの性癖、艦娘を壊したいという願望」

提督「きゅーう」

明石「心の底から、気っ持ちわるいです」

提督「はーち」

明石「それに、いま貴方から聞かされた、あなたの気持ち」

提督「なーな」

明石「絶望です、失望です、さいっあくです」

提督「ろーく」

明石「今まで一緒にやってきた、すべての事、否定された気持ちです」

提督「ごー」



夕張「提督っ!提督っ!!!!!」ジタバタ

提督「暴れんなって」

261: 2015/03/12(木) 23:34:38.80 ID:wpFsLQaH0
明石「そもそも、こんなことを考えるあなたは……もう人間じゃない」

提督「よーん、ほお?」

明石「なんで私はこんな人を好きになったのか、理解に苦しみます」

提督「さーん、そんなこといわれてもな」

明石「本当に最低、最悪、私って男を見るセンスないな」

提督「にー、もう終わるよお前」

明石「ふう……いっぱい悪口言ったらスッキリしました」

提督「いーち、はい次の一言でお終いね」

明石「ふうっ……」

提督「はいっ……ぜーろ」

明石「提督」



提督「ほらな、最後は恨みつらみだ」

提督「だれだってそうさ、氏ぬときに他人を思いやるなんて、それはありえない」

提督「生物なんて醜いもんさ、みんなみんな、最後は自分が一番可愛いんだ」

夕張(そ……んな……これじゃ明石さんはしんじゃ……っ!)

262: 2015/03/12(木) 23:38:16.42 ID:wpFsLQaH0


明石「でもあなたが氏ななくて、生きていてくれて、ほっとしています」

明石「さようなら、大好きだったあなた」


夕張「えっ……明石さん……?」

提督「これこれ、最後のこれだけは聞き取れなかったんだよな」

提督「くぅーっ!惜しいことしたよな!さいごの恨み言葉!ききたかったのによ!」

夕張「えっ……これじゃ……明石さんは氏ん……」

提督「いやいや、この映像を見たことで、明石は生きたじゃないか」

提督「お前の心の中に……な」

夕張「え……え……えっ……」

夕張「そんな……明石さんが……明石さん……が氏ん……」

提督「どう?こわれた?こわれた?」

提督「お前も最後は恨み言を言って壊れていくのかな?」

264: 2015/03/12(木) 23:42:22.63 ID:wpFsLQaH0

夕張(明石さんの最後の言葉……あれは恨み言なんかじゃない)

夕張(あなたが生きていてくれてよかった……って、言っていた)

提督「あれ……壊れてない?まあ俺もさ、今回はぬるいかなーと思ってたわけよ」

夕張(この人は……明石さんの最後の言葉をきいていなかった?)

提督「まあでも、これを見られちゃったわけだし、ちょっとつまらないけど……解体しちゃうか」

提督「壊れてない艦娘なんてつまらないからな」

夕張「てい……とく」

提督「ん?なんだ?こわれた?」

夕張「明石さんの最後の言葉……きいた?」

提督「んにゃ?どうせ恨み言だろ?」

夕張「……っ!違う!」

提督「うおっ……なんだよ」

265: 2015/03/12(木) 23:47:22.89 ID:wpFsLQaH0
夕張「私は聞こえたよ、最後の言葉」

提督「ん?本当か?じゃあ教えてくれよ」

提督「あいつがいったいどんな言葉を発して、消えていったのか」

夕張「……提督はさ、哀れだよね」

提督「なんだと」

夕張「あなたは、すべての人や物を、自分基準で考えてる」

夕張「自分ならこうするだろう、そういう考えでしか動いていない」

夕張「だから、明石さんの最後の言葉も、恨み言と決めつけている」

提督「それはあたりまえじゃないか」

提督「だってそうだろ?あいつは直前まで、俺を罵倒していた」

提督「もし、タイマーが0になる直前まで、恨み言を言っていなければ」

提督「つまらなくて、あいつを助けていたんだ」

提督「……少しは情があったからな、あいつには」

夕張「……ばかだね、提督は」

266: 2015/03/12(木) 23:50:16.33 ID:wpFsLQaH0

夕張「じゃあ、明石さんの最後の言葉」

夕張「明石さんはね」




夕張「でもあなたが氏ななくて、生きていてくれて、ほっとしています」

夕張「さようなら、大好きだったあなた」




夕張「……って」

提督「は……?」

268: 2015/03/12(木) 23:54:27.38 ID:wpFsLQaH0

提督「じゃあ何か?あいつは最後の最後まで俺を罵倒したけど」

提督「氏ぬ最後の一瞬だけは、俺を案じていた……と?」

夕張「……そうだよ、提督」

提督「……………………」

提督「はははははっ!!!嘘も大概にしろよ!」

提督「あの状況で!あの立場で!他人を案じるだと!」

提督「そんなことは絶対にありえない!ありえてはいけない!」

提督「夕張!でたらめを言うのはやめろ!ふざけるな!このくそやろう!」

提督「俺はな!明石を「壊した」んだよ!最愛のあいつを!」

提督「壊したんだ!俺は確かに壊した!壊してないわけがない!」

提督「絶対に壊したんだ!そうだろ!夕張!明石はこわれてたんだよな!」

夕張「っ……」フルフル

提督「ちがう!壊したんだ!」

提督「壊した壊した壊した壊した!」

273: 2015/03/13(金) 00:00:30.38 ID:W3rz2RXU0

提督「壊したんだ……」

提督「壊していなかったら……俺はあいつを何のために頃したのか……わからないじゃないか」

夕張「明石さんは壊れてなんかいない、最後まで提督の事を思っていた」

提督「だが!壊した!そうだよ!壊した!」

提督「壊した壊した壊した壊した!」

夕張「ちがう!壊れてない!あなたは明石さんに負けたんだ!提督!」

提督「ちが……う……こわした」

提督「そうか……お前は……俺を「壊そう」と、嘘をついたんだな?」

提督「ふふっ、そうかそうか、そう考えたらつじつまが合う」

夕張「ちが……っ!?」

提督「それ以上しゃべるな……もういい」

提督「俺の明石の壊れたさまを……侮辱するな」グッ

夕張(首が……しまって……っ!)

提督「明石は俺が壊した……心も体も」

提督「お前は「壊れて」いない……この状態で頃すのは俺の美に反する……が」

提督「明石を愚弄した罰だ……今、くびり頃してやる……壊してやる……」

夕張「っ……ぐっ!があっ!」

278: 2015/03/13(金) 00:06:28.28 ID:W3rz2RXU0
提督「どうだ……どうだ……くそっ!」グッ

夕張「あ……がっ……」

提督「こんな壊し方は俺の壊し方じゃない!」

提督「俺は……「勝って」壊すのが好きなんだ!」

提督「相手の心を!何をしてでも!「折って」!「壊す!」」

提督「こんな負け犬のような気持ちで「壊す」のは……違うんだ!」

提督「こんなのは……「頃し」とかわらない!」

夕張「う……げっ……ぐっ……」

提督「……だがお前は、「壊した」艦娘を侮辱した……!それは何よりも俺の逆鱗に触れる行為!」

提督「だから俺は……自分の美に反するやり方で……お前を「頃す」」

提督「「壊す」のではない……!「頃す」!」

提督「さあ……俺に殺されろ……夕張ィ!」グッ

夕張(い……きが……)

279: 2015/03/13(金) 00:20:53.28 ID:W3rz2RXU0

提督「くははははっ!どうだ!どうだ!」

提督「くそっ!くそくそくそっ!ちがうんだよ!こんなのは!」グッ

夕張「ぅ……あ……」

提督「「壊して」ない!「壊れて」ない!」

提督「夕張は「壊れて」ない!「壊れて」いるのは俺だ……!」

夕張「て……く……」

提督「なんだ……夕張……壊れた俺に何か言う事があるのか……?」

夕張「……し……ね……」

提督「っ!!!!」

提督「そう……か……やっぱりお前も……」

提督「みんなそうだ……みんなみんなみんな」グッ

夕張「……」

提督「俺は「壊れた」「負けた」」

提督「夕張の言った明石の言葉を少しでも信じてしまった時点で、もう「壊れた」」

夕張「……」

提督「大したやつだよ、明石、夕張」

提督「お前ら二人は、俺を「壊した」「負かした」

提督「もう俺の心は「折れて」「負けた」」

提督「こうしてお前を頃してしまったのが、俺が負けた証拠だ、夕張」

夕張「」

280: 2015/03/13(金) 00:21:03.10 ID:Swapm+UR0
コナンのテーマ流れてそう

281: 2015/03/13(金) 00:25:17.52 ID:W3rz2RXU0

提督「さて、俺の壊しの美学」

提督「「壊れた」者の処分だが」

提督「そうだな、今回の処分は自分で決めよう」

提督「とはいっても、もう処分は決定済み」

提督「ごめんな夕張、お前を頃す必要は全くなかった」

提督「最後の最後の、俺のわがままだった」

提督「「負けて壊れた」自分を、見られたくなかったから」

提督「ごめんなぁ……ごめんなぁ……夕張……」ポロポロ

提督「……泣いていても仕方ない、さあ、行こうか」

283: 2015/03/13(金) 00:30:50.57 ID:W3rz2RXU0

シェルター

提督「……さて、ここが明石が氏んだ場所」

提督「ま、もちろん明石は影も形もないわけだが」

提督「ごめんな明石、夕張の言葉が本当だったら、お前は殺さなくて済んだのかもしれない」

提督「だからせめて償いとして、同じ「壊れ方」をしようと思う」

提督「この間の特製爆弾はもうないから、ただのタイマー式の爆弾だが」

提督「でもただの爆弾でも、人間の俺はバラバラになれる」

提督「タイマーは……10分だな、よし」

提督「ふう……さて……人生で一番長くて短い10分だ」

提督「シャッターもすべておろして……」

提督「ははっ、明石はこういう状況で氏んでいったのか!」

提督「はははっ!これはまた!」




提督「……随分と寂しいもんだな」

284: 2015/03/13(金) 00:34:11.73 ID:W3rz2RXU0

提督「ふむ……残り9分」

提督「折角だから明石と同じことをしてみよう」

提督「シャッターを全力で!」ガンッ

提督「っ!これは……きついな……」

提督「おら……!おら……!」ガンッ

提督「っ……ははっ、人間の俺程度の力で殴ったって、手はぐちゃぐちゃにならないか」

提督「だけどあと5分は……殴り続けよう……!」ガンッ

提督「ははっ!明石!見てるか!お前とおんなじことをしてるぞ!」

提督「はははっ!あーっはっはっはっ!」

285: 2015/03/13(金) 00:40:22.11 ID:W3rz2RXU0
提督「っ!ふっ!はぁ!はぁ!」

提督「はー……疲れた……」

提督「ぐちゃぐちゃにはならなかったか……」

提督「お……っと、爆発まであと一分しかないのか」

提督「じゃ……明石と同じように独白でもしますかね」

286: 2015/03/13(金) 00:44:16.73 ID:W3rz2RXU0
提督「まず……俺はお前が好きだったんだろう、明石」

提督「お前はいつもいつも俺のそばにいてくれた」

提督「そうだな、ドリルから俺をかばってくれた時だって、本当は嬉しかったんだ」

提督「ごめんな、ぐちゃぐちゃだとか、気持ち悪いなんていって」

提督「今なら言えるよ、かばってくれたお前の手は、気持ち悪くなんかない」

提督「とても……綺麗だ」

提督「真っ赤になってたって、肉の繊維が見えてたって」

提督「お前の手は、いつだって綺麗だった」

提督「俺に食事を作ってくれたお前の手」

提督「背中を流してくれたお前の手」

提督「一緒に手をつないで出かけた、あの手」

提督「いつもいつも暖かくて、素敵だった」

288: 2015/03/13(金) 00:46:45.49 ID:W3rz2RXU0
提督「でもな……俺はいつもいつも、お前を壊したいとも思っていた」

提督「俺はきっと最初から、どうしようもなく「壊れて」いたんだろう」

提督「だから、最初に氏ぬべきはお前じゃなくて、この俺だったはずなんだよな」

提督「俺の美学は、「壊れた」ものを「壊す」」

提督「だから最初から壊れていた俺が、壊されるべきだったんだ」

提督「今考えれば、夕張のセリフも信じられる

提督「お前は、こんな俺と一緒にいながら、「壊れなかった」」

提督「だからきっと、お前の最後の言葉は、夕張の言った通りなんだろうな」

提督「ふう……一気にしゃべったらつかれちまったよ」

289: 2015/03/13(金) 00:51:39.24 ID:W3rz2RXU0

提督「おっと……あと10秒か」

提督「最後くらい男らしく大の字で寝て氏のうか!」ドサッ

提督「ふー……海は……向こうかな」クルッ

提督「……これ……って……」

提督「……そうか、お前は最後まで俺と一緒なんだな」

提督「ふふ……明石、お前はいつもこれを大事そうに使っていた」

提督「小さく溶けて、形もわかりにくいが……これは確かに」

提督「明石の使っていた……ネジ……だな……」

提督「さようなら……明石……」



290: 2015/03/13(金) 00:52:19.90 ID:W3rz2RXU0

終わりでち

293: 2015/03/13(金) 00:57:40.27 ID:VcdnVuh0o
乙でち
明石と夕張の安価を取った人達のファインプレーだったでちね
多分その安価が無かったら某でち公スレのようにクソ提督になる事待ったなしだったと思うでち

引用: 提督「安価で艦娘を壊したい」