1: 2015/10/14(水) 20:58:01.77 ID:jZKfbZlJo
~ 始まりと終わりのプロローグ♀ ~
2010年7月28日水曜日
ラジ館8階会議室
倫子「ドぉぉぉクぅぅぅターぁぁぁっ!」プルプル
まゆり「(ひざが震えてる……頑張って、オカリン)」
中鉢「なんだね君は?」
倫子「オ、オレが誰なのかはどうでもいい! この"ジョン・タイター"のパクリめっ!」
中鉢「誰か、その美少女をつまみ出せ!」
倫子「お、大きな声を出すなぁ!」ウルウル
まゆり「(涙ぐんでる……あとで良い子良い子してあげるからね)」
紅莉栖「ちょっとあなた」
ガシッ
倫子「ヒィッ、すいませ……ん?」
紅莉栖「……(この子、よく見るとかわいい)」
2010年7月28日水曜日
ラジ館8階会議室
倫子「ドぉぉぉクぅぅぅターぁぁぁっ!」プルプル
まゆり「(ひざが震えてる……頑張って、オカリン)」
中鉢「なんだね君は?」
倫子「オ、オレが誰なのかはどうでもいい! この"ジョン・タイター"のパクリめっ!」
中鉢「誰か、その美少女をつまみ出せ!」
倫子「お、大きな声を出すなぁ!」ウルウル
まゆり「(涙ぐんでる……あとで良い子良い子してあげるからね)」
紅莉栖「ちょっとあなた」
ガシッ
倫子「ヒィッ、すいませ……ん?」
紅莉栖「……(この子、よく見るとかわいい)」
3: 2015/10/14(水) 20:59:38.81 ID:jZKfbZlJo
紅莉栖「(色白の肌、ピンクの唇……女の私でもドキッとしちゃう)」
紅莉栖「(ボーイッシュなショートヘアの黒髪がキレイ……でもどうして前髪オールバック?)」
紅莉栖「(それにヨレヨレの白衣、もっとかわいい服着ればいいのに)」
紅莉栖「(一人称はオレ……声はキレイなのに、残念ね)」
紅莉栖「(だけど科学者としてはこの残念な感じがたまらん……ってか私の大好きな先輩にこの辺が似てる)」
紅莉栖「(背は高い……膝が震えてるからよくわからないけど、結構高身長?)」
紅莉栖「(胸は控え目、私と同じくらいかしら。全体的なバランスはスレンダーね……)」
5: 2015/10/14(水) 21:01:31.61 ID:jZKfbZlJo
紅莉栖「こっちに来てくれない?」
倫子「き、貴様、"機関"の人間かっ!?」ウルッ
紅莉栖「だ、大丈夫よ! 怖くないから、一緒に行こう?」ニコッ
倫子「オ、オレを、狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真と知っての狼藉かぁ!」ガタガタ
まゆり「あの、オカリンが心配だからまゆしぃもついていくね」
紅莉栖「(この子もかわいいわね……)」
6: 2015/10/14(水) 21:02:16.11 ID:jZKfbZlJo
ラジ館7階踊り場
倫子「オレだ。"機関"のエージェントに捕まった……ああ、牧瀬紅莉栖だ、あの女には気を付けろ……」
紅莉栖「……」ヒョイ
倫子「あ、何をする! オレのケータイを返せぇ!」ジタバタ
紅莉栖「……って、電源入ってないじゃない」
倫子「小癪な真似を! 卑怯だぞぉ!」ジタバタ
紅莉栖「……こっちだぞー」プラプラ
倫子「か、返せよぉ……」ウルッ
紅莉栖「(かわいい)」
倫子「オレだ。"機関"のエージェントに捕まった……ああ、牧瀬紅莉栖だ、あの女には気を付けろ……」
紅莉栖「……」ヒョイ
倫子「あ、何をする! オレのケータイを返せぇ!」ジタバタ
紅莉栖「……って、電源入ってないじゃない」
倫子「小癪な真似を! 卑怯だぞぉ!」ジタバタ
紅莉栖「……こっちだぞー」プラプラ
倫子「か、返せよぉ……」ウルッ
紅莉栖「(かわいい)」
7: 2015/10/14(水) 21:04:16.92 ID:jZKfbZlJo
まゆり「えっと、オカリンはドキドキを抑える時にね、そうやって機関の人と連絡を取るのです」
倫子「何を言うかっ! ドキドキなどしてないもんっ!」
紅莉栖「スポーツ選手のルーティンみたいなものね。効果は脳科学的にも証明されてる」
倫子「だから違うと言っとるだろーがぁ!」
紅莉栖「ところで、さっき私になにか言おうとしてたわよね? すごく……悲しそうな顔をして」
倫子「ヒィッ! な、な、な、なんのことだっ!?」
紅莉栖「まるで、今にも泣き出しそうで、それにすごく辛そうだった」
紅莉栖「……どうして? 私、前にあなたに会ったこと、ある?」
倫子「何この人、怖い」
まゆり「オカリンより電波さんなのかな……」
紅莉栖「ぐはぁ!」
倫子「フン! 天才脳科学者よ、次会う時は敵同士だなっ!」プルプル
まゆり「(オカリン震えてる……この人のことが怖いんだ)」
倫子「さらばだっ、ふぅーはははぁ!」ダッ
まゆり「あ、待ってオカリン」
紅莉栖「嫌われちゃったかな……」
8: 2015/10/14(水) 21:08:25.29 ID:jZKfbZlJo
倫子「何か変なムービーメールまで来た。もうイヤ、帰りたいよぉ……」
まゆり「うん、もう帰ろう……あーっ!」
倫子「ど、どうしたまゆり!?」
まゆり「メタルうーぱがいなくなっちゃった……」
倫子「落としちゃったの?」
まゆり「たぶん……」
倫子「……ふぅーははは! オレの人質から許可なく脱走するとは卑劣なやつめ! 見つけ次第火あぶりにしてくれるわっ!」
まゆり「オカリン、無理しなくていいよ?」
倫子「なに、たかがうーぱではないか。一緒に探せばすぐに見つかるだろう」
まゆり「……オカリン、大好きだよ」
倫子「ん? 何か言ったか」
まゆり「う、ううん! オカリンありがとおーって!」
9: 2015/10/14(水) 21:09:40.34 ID:jZKfbZlJo
倫子「全然見つからないよぉ……まゆり、ごめんねぇ……」グスッ
まゆり「気にしないで。オカリンが探してくれただけですっごく嬉しいのです」
??「きゃぁぁぁぁあああああ!!!!!!」
倫子「ビクッ! い、今の……」
まゆり「女の人の悲鳴……かな? なんだか怖かったね……」
倫子「……まゆり、ここにいて」
まゆり「えっ」
倫子「オ、オ、オレの人質を怖がらせるとは、全くもって許せん! しょ、正体を見破らなければ!」プルプル
まゆり「……一緒に行こう? 手を握ってあげるから」
倫子「……うん」
12: 2015/10/14(水) 21:11:13.00 ID:jZKfbZlJo
従業員通路奥の倉庫
倫子「嘘……なんで……」
まゆり「そんな……」
紅莉栖「」
まゆり「氏ん……でるの……?」
倫子「い、いやああああああああっ!!!!!!」ガクッ
まゆり「オカリン!! 大丈夫!?」
司会者「何があった……!? け、警察! 誰か! 救急車も呼べ!」
倫子「嘘……なんで……」
まゆり「そんな……」
紅莉栖「」
まゆり「氏ん……でるの……?」
倫子「い、いやああああああああっ!!!!!!」ガクッ
まゆり「オカリン!! 大丈夫!?」
司会者「何があった……!? け、警察! 誰か! 救急車も呼べ!」
13: 2015/10/14(水) 21:12:39.68 ID:jZKfbZlJo
司会者「誰か、止血を!……君たちはここから離れたほうがいい!」
倫子「こ、腰が……」
まゆり「うん、ゆっくりでいいからね。まゆしぃが支えてあげるから」
倫子「あ、ありがとうまゆり。……あっ」シャー
まゆり「……先にトイレ、行こうね」
倫子「……ごめん」ウルッ
倫子「そ、そうだ。こういう時はダルに連絡しなきゃ」
To ダル
Sub ヤバい
牧瀬紅莉栖が男に刺されたみたいだ。
男が誰かはしらないけどさ。
ヤバいかも。大丈夫かな。
まゆり「……きっと、救急隊員の人が助けてくれるよ」
倫子「うん……送信するね」
ピッ
14: 2015/10/14(水) 21:14:26.66 ID:jZKfbZlJo
―――――――――――――――――――
1.13024 → 0.52074
―――――――――――――――――――
15: 2015/10/14(水) 21:16:35.52 ID:jZKfbZlJo
第1章 時間跳躍のパラノイア♀
倫子「うっ……あ、頭が、痛い……」
倫子「あ、あれ、さっきまでラジ館の中に居たはずなのに、ここは中央通り……?」
倫子「誰も、いない……!?」アワアワ
倫子「そんな……何が、どうなってるの……」ワナワナ
まゆり「どうかしたー?」
倫子「ま、まゆりっ!! よかったぁ……まゆりが居るぅ……!!」ダキッ
まゆり「変なオカリン。まゆしぃがオカリンのそばから離れるわけないのです」ヨシヨシ
倫子「グスッ……えっと、それで、どうしてみんな消えちゃったの?」
まゆり「消えちゃった?」
倫子「うん。ここを歩いてる人たちが一斉に……」
まゆり「うーん? 最初からこの辺には誰もいなかったよー。もしかしてオカリン、熱中症……?」
倫子「そ、そんなバカな!? オレは幻を見ていたというのか……!?」
16: 2015/10/14(水) 21:17:47.69 ID:jZKfbZlJo
倫子「下着も乾いている……?」
まゆり「オカリンの体調が心配だから、もうラボに帰ろう?」
倫子「……そうだ。牧瀬紅莉栖はどうなったん……だ……なぁっ!?」
倫子「ラジ館に巨大な何かが突き刺さっている……だと……!?」
警官「そこの君たち! ここは立ち入り禁止だ、すぐに出て行きなさい」
倫子「な、なぁ制服警官さん! 牧瀬紅莉栖は、ラジ館で刺された少女は無事なのかっ!?」
警官「なにを言っているんだ? 迷い込んでしまったなら、案内してあげよう」
倫子「ひ、必要ない! 触るな、汚らわしい! まゆり、すぐにラボへ帰るぞっ!」
まゆり「あ、うん。待って、オカリーン」
17: 2015/10/14(水) 21:20:08.92 ID:jZKfbZlJo
未来ガジェット研究所
倫子「……一体何が起こっているんだ」カタカタ ッターン
まゆり「なにかわかったー?」
倫子「ラジ館に謎の物体が墜落した以外の情報がない。ドクター中鉢の発表会はどうなってしまったんだ?」
ダル「それなら中止になったってオカリン言ってたっしょ」
倫子「中止?……ククク、そうか、そういうことか!」
倫子「これもすべて"機関"の隠ぺい工作だな! 警察すら屈するとは、国家規模か……」
倫子「だが、オレの目はごまかせんぞ。いつか必ずヤツらの所業を暴き、その支配構造に終止符を打ってやる……」
まゆり「はい、ドクペ♪」
倫子「わーい♪……じゃなかった。ごくろう、まゆり」
倫子「……一体何が起こっているんだ」カタカタ ッターン
まゆり「なにかわかったー?」
倫子「ラジ館に謎の物体が墜落した以外の情報がない。ドクター中鉢の発表会はどうなってしまったんだ?」
ダル「それなら中止になったってオカリン言ってたっしょ」
倫子「中止?……ククク、そうか、そういうことか!」
倫子「これもすべて"機関"の隠ぺい工作だな! 警察すら屈するとは、国家規模か……」
倫子「だが、オレの目はごまかせんぞ。いつか必ずヤツらの所業を暴き、その支配構造に終止符を打ってやる……」
まゆり「はい、ドクペ♪」
倫子「わーい♪……じゃなかった。ごくろう、まゆり」
18: 2015/10/14(水) 21:22:51.39 ID:jZKfbZlJo
倫子「ごく、ごく、ごく」
まゆり「(飲み方がかわいいのです)」
倫子「くーっ、頭脳労働の後のドクトルペッパーは相変わらずうまいな!」
ダル「オカリンの飲みかけのドクペ……昔はよくハァハァしてたっけ」
倫子「ダル。計画は順調に推移しているか」
ダル「え、計画ってなんぞ?」
倫子「8号機の調整以外になにがあると言うのか」
ダル「ああ、それ。なにかとおもた」
倫子「そろそろお前がオレの相棒となって3年半ほどになる。いい加減オレの会話についてこられるようになってくれ」
ダル「……ごめんお、オカリン」
倫子「…………」グスッ
倫子「司令官と副官の"思わせぶりで意味深に聞こえる会話"をするのが夢なのに……」ウルッ
まゆり「ダルくん? まゆしぃはがっかりなのです」
ダル「いやあ、僕にはハードルが高すぎるっつーか」
ダル「その分、マシンの調整は任せてくれなのだぜ!」
倫子「う、うむ! さすが我が頼れる右腕<マイフェイバリットライトアーム>!」キラキラ
まゆり「(かわいい)」
ダル「(かわいい)」
20: 2015/10/14(水) 21:26:49.63 ID:jZKfbZlJo
倫子「それで、8号機『電話レンジ(仮)』の不調の原因究明は進んだか?」
ダル「うーん、一応実験繰り返して統計取ってるけど、なにか変数が足りないかもしらんね」
倫子「電話レンジ(仮)に入れたまゆりの大好物の冷凍からあげが、解凍されるどころか逆に冷凍されるとは」
まゆり「もうまゆしぃは気にしてないよ?」
倫子「オ、オレが気にしているのだっ! 目の前で発生している未知の現象を解き明かせずしてなにがマッドサイエンティストかっ!」
まゆり「ふふっ。頑張ってね、負けず嫌いのマッドサイエンティストさん♪」
倫子「まゆりっ! バナナを持ってこいっ!」
まゆり「はーい! またゲルバナを作るんだねー」
倫子「そして、オレの携帯から電話レンジ(仮)の携帯の番号に電話をかける……」プルルルル
まゆりの声『こちらは電話レンジ(仮)です―――#ボタンを押した後、温めたい秒数をプッシュしてください』
倫子「ここであえて"120#"と誤った入力を行う。そうするとターンテーブルが逆回転を始めるんだったな」
ウィーン
チン♪
まゆり「ゲルバナのできあがり~」
倫子「うぅ……気持ち悪い……ダ、ダルよ! これをテーブルへ移動させろ!」
ダル「はいはい」
21: 2015/10/14(水) 21:29:04.30 ID:jZKfbZlJo
>>19
俺もそのSS読んで変えようかと思ったけど
紅莉栖も「栗悟飯」だし、鈴羽も「JOHN」だし、女の子って男っぽい名前のハンネが多いよなと思って
この倫子だったら絶対妄想空間では男の名前だろうと踏みましたたのしかったです
俺もそのSS読んで変えようかと思ったけど
紅莉栖も「栗悟飯」だし、鈴羽も「JOHN」だし、女の子って男っぽい名前のハンネが多いよなと思って
この倫子だったら絶対妄想空間では男の名前だろうと踏みましたたのしかったです
23: 2015/10/14(水) 21:37:32.73 ID:jZKfbZlJo
まゆり「ゲルバナは、デロデロでぶにゅぶにゅだったよー」
倫子「た、食べたのかぁ!? まゆり、すぐうがいをするのだっ!」
まゆり「い、今じゃないよー」
ダル「まゆ氏、"あなたのバナナ、ぶにゅぶにゅだね……"って言ってみて」
まゆり「んーっとね、あなたのバナナ、ぶにゅぶにゅ……」
倫子「って、言わせるなHENTAI!」ポカッ
ダル「我々の業界ではご褒美ですっ!」
まゆり「ダルくん役得だねー」
倫子「ダルよ、お前がHENTAIなのは構わんが、オレのことを女として性的な目で見たら切り落とすからな」
ダル「僕ニハ虹嫁トフェイリスタンガ居ルオー(棒)」
24: 2015/10/14(水) 21:39:46.86 ID:jZKfbZlJo
ダル「んじゃそろそろATF行こうず、オカリン」
まゆり「オカリンオカリン、今くらいはおめかしして行ってもいいんじゃないかなー?」
倫子「フン、この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真が化粧だと? 笑わせてくれる」
まゆり「いつも前髪を後ろにべとーってさせるのはあんまり良くないのです。毛先もくしゃくしゃだし……」
まゆり「それに服もよれよれのTシャツと白衣にチノパンで……もう夏休みだし、オシャレしてみない?」
倫子「だが断るっ! オレのこの姿は世を忍ぶ姿、いつ何時オレを襲ってくるヤカラが居るともわからんしなっ!」
まゆり「ダルくんが守ってくれるよー」
倫子「ダルはオレの右腕だ。仲間を危険にさらすわけには行かない」
ダル「あ、いや、僕も素のオカリンのことは知ってるわけだが、あれはまぶしすぎて直視できない罠」
ダル「なので今の格好のほうが助かるっつーか」
まゆり「まゆしぃは諦めないのです!」
倫子「フン、好きにしろ。ゆくぞ、ダル!」
25: 2015/10/14(水) 21:41:09.34 ID:jZKfbZlJo
大ビル5階 エレベーターホール
倫子「ダルよ、電話レンジ(仮)は運命石の扉<シュタインズ・ゲート>を開く鍵だと思うのだが」
ダル「イミフ杉ワロタ」
??「きゃっ」ドンッ
倫子「おっと、すまない。大丈夫か?」
倫子「あ……!?」
倫子「あ……あ……!!」
??「あの、なにか?」
倫子「牧瀬ぇ……紅莉栖ぅ……!!」ダキツ
紅莉栖「うわあっ!」
倫子「よかったぁ……生きてたんだぁ……」グスッ
紅莉栖「(な、なんぞーっ!? 突然残念系美少女に泣きながら抱きつかれるとか、これなんて工口ゲ!?)」
倫子「ダルよ、電話レンジ(仮)は運命石の扉<シュタインズ・ゲート>を開く鍵だと思うのだが」
ダル「イミフ杉ワロタ」
??「きゃっ」ドンッ
倫子「おっと、すまない。大丈夫か?」
倫子「あ……!?」
倫子「あ……あ……!!」
??「あの、なにか?」
倫子「牧瀬ぇ……紅莉栖ぅ……!!」ダキツ
紅莉栖「うわあっ!」
倫子「よかったぁ……生きてたんだぁ……」グスッ
紅莉栖「(な、なんぞーっ!? 突然残念系美少女に泣きながら抱きつかれるとか、これなんて工口ゲ!?)」
26: 2015/10/14(水) 21:43:48.03 ID:jZKfbZlJo
倫子「ケガはもう、大丈夫なの?」ウルッ
紅莉栖「う、うん! 全然大丈夫よ!? (なんのことかわからんけど役得!!)」
ダル「あれ、その話1週間前に僕にメールで送らなかったっけ?」
倫子「メール? なんのこと?……あ、いや、一体なんのことだダル。説明しろ」
ダル「なんか、牧瀬紅莉栖が何者かに刺されたとかなんとか」
紅莉栖「ちょっと、勝手に殺さないでくれますか? 私ピンピンしてますんで」
ダル「そいや、あのメール、送信日時が1週間後になってたお」
紅莉栖「未来から来たメール……興味深いわね」
倫子「このオレ、鳳凰院凶真の送りし時空超越メールが牧瀬紅莉栖の命を救った、ということだな! 感謝するのだ、ふぅーははは!」ドヤァ
紅莉栖「(かわいい)」
27: 2015/10/14(水) 21:45:25.92 ID:jZKfbZlJo
教授「牧瀬さん。そろそろ時間ですし、始めましょう」
紅莉栖「え? あ、はい……っ」
紅莉栖「あ、あの、講義にあなたたちも出席されます?」
倫子「無論だ。そのためにここまで来たのだからなっ」
紅莉栖「(よ、よかったー! ならまだアドレス交換のチャンスはあるわね!)」
紅莉栖「じゃ、また後で会いましょ!」
ダル「えっと、オカリン。いつの間に天才脳科学者と知り合いになったのだぜ?」
倫子「……どういう理屈かは全くわからんが、しかし、それでも」
倫子「あの子が生きていて、よかった……」
28: 2015/10/14(水) 21:46:25.78 ID:jZKfbZlJo
会議室
倫子「なっ、牧瀬紅莉栖が講師だったのか……」
紅莉栖「こういうのは初めてなので緊張してますが、ガチガチなのは大目に見てください。どうぞよろしく」
パチパチパチ
紅莉栖「」チラッ
倫子「(睨まれている……!?)」ドキッ
紅莉栖「(かわいい……よし、がんばらなきゃ!)」
倫子「(『今度あったら敵同士』……そうだった。今、オレとあいつは敵同士なのだ!)」
紅莉栖「今回、『タイムマシン』をテーマに話してほしいと言われまして。正直、専門外なのですが、頑張って話してみようと思います!」
紅莉栖「最初に結論を言ってしまうと、タイムマシンなんていうのはバカらしい代物だということです」
紅莉栖「(う、うまく言えたかな……)」チラ
倫子「(なるほど、それが貴様の宣戦布告というわけか……受けてたとう!)」
倫子「異議ありっ!」
紅莉栖「ふぇっ!?」
倫子「なっ、牧瀬紅莉栖が講師だったのか……」
紅莉栖「こういうのは初めてなので緊張してますが、ガチガチなのは大目に見てください。どうぞよろしく」
パチパチパチ
紅莉栖「」チラッ
倫子「(睨まれている……!?)」ドキッ
紅莉栖「(かわいい……よし、がんばらなきゃ!)」
倫子「(『今度あったら敵同士』……そうだった。今、オレとあいつは敵同士なのだ!)」
紅莉栖「今回、『タイムマシン』をテーマに話してほしいと言われまして。正直、専門外なのですが、頑張って話してみようと思います!」
紅莉栖「最初に結論を言ってしまうと、タイムマシンなんていうのはバカらしい代物だということです」
紅莉栖「(う、うまく言えたかな……)」チラ
倫子「(なるほど、それが貴様の宣戦布告というわけか……受けてたとう!)」
倫子「異議ありっ!」
紅莉栖「ふぇっ!?」
30: 2015/10/14(水) 21:48:26.89 ID:jZKfbZlJo
倫子「タイムマシンが作れないと決めつけるのは早計だっ!」プルプル
ダル「オカリン、膝が震えてるお……ムチャしやがって」
紅莉栖「(えっと、これって、私とディスカッションしたいってこと?)」
紅莉栖「……いいですよ。そのほうが話も弾むでしょうし」
紅莉栖「(鳳凰院ちゃんとお話できるチャンスktkr!)」
・・・
紅莉栖「……どうです、鳳凰院さん。宇宙ひも理論でのタイムトラベル、挑戦できると思いますか?」
紅莉栖「ところで鳳凰院さん。ワームホールって、どんなものか知ってますか?」
紅莉栖「その理論だと、こっちの理論を否定しちゃいますけど。鳳凰院さん?」
紅莉栖「ふふ」ドヤァ
紅莉栖「(私の能力、認めてもらえたかしら?)」
・・・
31: 2015/10/14(水) 21:51:00.36 ID:jZKfbZlJo
倫子「うわぁぁぁぁぁん……うぅ……ひぐっ……ぐすっ……」ボロボロ
モブA「おいおい、女の子泣かせるかよ普通……」
モブB「名指しでいじり倒すとか、容赦ねぇな……」
モブC「俺に白羽の矢が当たらなくてよかった……」
ダル「(こりゃガチ泣きだな)……す、すみません。ほら、オカリン、ちょっと外で待ってような?」
倫子「ひぐっ……ぐすん……」ポロポロ
紅莉栖「…………」
紅莉栖「…………」
紅莉栖「…………」
紅莉栖「(やっちまったーっ!?)」
32: 2015/10/14(水) 21:53:16.58 ID:jZKfbZlJo
・・・
倫子「うぅ……ぐすっ……」
ダル「おまた~。こっちは終わったお。そっちは落ち着いた?」
倫子「う、うん。いつもありがとう……」
ダル「ちょ、しおらしいのは胸がときめいちゃうので勘弁なのだぜ」
倫子「わ、わかっている……! ダルよ、今回の働き、ご苦労であったぞ」
ダル「調子戻ったっぽいね」
倫子「オレはこれから柳林神社へ行く。まゆりに時空超越メールのことを相談したら、『お祓いしてもらったほうがいいよー』と言われてな」
ダル「神社まで送るお」
倫子「……うむ、ごくろう」
33: 2015/10/14(水) 21:56:06.98 ID:jZKfbZlJo
柳林神社
まゆり「オカリン、トゥットゥルー♪」
るか「岡部さん、こんにちは」
倫子「ルカ子はいつ見ても大和撫子だな(だが男だ)」
るか「そ、そんな、ボク、恥ずかしいです……」
倫子「仮にルカ子が女の子だったら、このオレでさえその色香に惑わされていたかも知れない」
るか「そ、そんな……!」
まゆり「女の子のるかくんかー。きっとかわいいんだろうなー♪」
るか「まゆりちゃんまで……」
まゆり「オカリン、トゥットゥルー♪」
るか「岡部さん、こんにちは」
倫子「ルカ子はいつ見ても大和撫子だな(だが男だ)」
るか「そ、そんな、ボク、恥ずかしいです……」
倫子「仮にルカ子が女の子だったら、このオレでさえその色香に惑わされていたかも知れない」
るか「そ、そんな……!」
まゆり「女の子のるかくんかー。きっとかわいいんだろうなー♪」
るか「まゆりちゃんまで……」
34: 2015/10/14(水) 21:57:13.31 ID:jZKfbZlJo
倫子「修行は欠かさずしているか?」
るか「は、はい。あんな素敵なものをプレゼントしていただいて、感謝しています」
倫子「自衛は女の必須スキルだからな。お前は男だが、辻斬りや拐かし(かどわかし)はそうは思ってくれない」
倫子「くれぐれも妖刀五月雨の素振りを忘れるでないぞ」
るか「はい、岡部さん」
倫子「オレは岡部ではない。鳳凰院凶真だ」
るか「ご、ごめんなさい、凶真さん」
倫子「わかればよろしい。では、合言葉を」
るか「(ここでわざと間違えて……)」
るか「エル……プサイ……コンガリゥ……?」
倫子「違うっ! コンガリゥではなく、コングルゥだっ!」
るか「(そして正しく言い直すと……)」
るか「はいっ! エル、プサイ、コングルゥ……」
倫子「うむっ」ニコッ
るか「!!」ドキッ
るか「(岡部さんの貴重な笑顔が見れるんですよね……!!)」グッ
まゆり「美しい師弟関係だねー。まゆしぃは百合厨じゃないけど、ちょっとドキドキしてきちゃうよー」
るか「ボ、ボクは男だよ、まゆりちゃん!」
35: 2015/10/14(水) 21:59:10.93 ID:jZKfbZlJo
倫子「それで、ルカ子よ。実は、お、お、お祓いを頼みたいのだが、例のアレを持ってきてくれ」
るか「例のアレ、ですか」
倫子「そうだ、例のアレだ」
るか「え……と……?」
倫子「……棒に白い紙がふさふさーっと付いていて、それをわさわさーっと振るやつだ」
まゆり「今のオカリンの説明、かわいいねー」
るか「あっ、大幣<おおぬさ>ですね。わかりました」トテトテ
まゆり「じゃ、まゆしぃはこれからバイトだからもう行くね」
倫子「(まゆりはあの時、ラジ館で紅莉栖の亡骸を見たことを覚えているだろうか)」
倫子「(……いや、聞くべきではないな。あんな怖い思いは二度とごめんだ)」
倫子「そうか、気を付けて行けよ」
まゆり「うん! また明日ねー。トゥットゥルー♪」
36: 2015/10/14(水) 22:00:29.32 ID:jZKfbZlJo
るか「大幣、借りることができました。よかったです」
倫子「では、お、お、お祓いを今すぐ始めるのだ」プルプル
るか「(本当はお祓いが怖いんですよね、岡部さん……)」
るか「えっと、何に対するお祓いを……?」
倫子「な、なんでもいいっ! 早くやっちゃってくれ! このままではっ!」ガクガク
るか「え、えいっ。えいっ」フリフリ
倫子「ひぃぃ……!!」
るか「あ、悪霊よ……! おかべさ――じゃなくて、凶真さんから、出て行ってくださいぃ」ウルウル
倫子「うぅ……も、もう大丈夫だっ! 悪霊は去ったようだ、よくやったぞ、ルカ子」フーッ フーッ
るか「お、お役に立ててよかったです……(無理してる岡部さんかわいい)」ドキドキ
37: 2015/10/14(水) 22:01:44.91 ID:jZKfbZlJo
未来ガジェット研究所
倫子「今帰還したぞ」
ダル「お帰りー。オカリンオカリン、テレビの調子がちょっと悪いんだぜ」
倫子「なに? あのハゲ、不良品をつかませやがったな」
ダル「タダでもらい受けたわけだが」
倫子「ちょっと修理依頼ついでに文句言ってくるっ!」
ダル「僕が直そうか?」
倫子「わざわざ我が右腕の能力<チカラ>を発動させるまでもないわ!」
ダル「(オカリン優しいな)」
ダル「はいはい。テレビは僕が持つお」
倫子「今帰還したぞ」
ダル「お帰りー。オカリンオカリン、テレビの調子がちょっと悪いんだぜ」
倫子「なに? あのハゲ、不良品をつかませやがったな」
ダル「タダでもらい受けたわけだが」
倫子「ちょっと修理依頼ついでに文句言ってくるっ!」
ダル「僕が直そうか?」
倫子「わざわざ我が右腕の能力<チカラ>を発動させるまでもないわ!」
ダル「(オカリン優しいな)」
ダル「はいはい。テレビは僕が持つお」
38: 2015/10/14(水) 22:03:11.48 ID:jZKfbZlJo
ブラウン管工房
天王寺「おう、どうした岡部」
倫子「ミスターブラウン! 貴方からもらったテレビが壊れたのです」
天王寺「……そうか。貸して見ろ」
ダル「(この人、オカリンには優しいんだよね……まるで自分の娘みたいに扱って)」
倫子「今日は遅くまでやっているんですね。普通だったら夜7時までには閉めるでしょう」
天王寺「今日は客が来るんでな」
倫子「客? 例の小動物ですか」
天王寺「お前の身長からしたら小動物かもしれんが、二度とその名で呼ぶなよ」
天王寺「まぁ、姉妹みたいに仲良くしてやってくれ」
倫子「タダ働きを強要するとは、地に落ちたな! それ相応の対価をいただこう」
天王寺「だからこうしてブラウン管を直してやってんだろ」
倫子「……クッ、仕方ない。本望では無いが、今度綯と遊んでやろう」
天王寺「ああ、よろしく頼むわ」
天王寺「おう、どうした岡部」
倫子「ミスターブラウン! 貴方からもらったテレビが壊れたのです」
天王寺「……そうか。貸して見ろ」
ダル「(この人、オカリンには優しいんだよね……まるで自分の娘みたいに扱って)」
倫子「今日は遅くまでやっているんですね。普通だったら夜7時までには閉めるでしょう」
天王寺「今日は客が来るんでな」
倫子「客? 例の小動物ですか」
天王寺「お前の身長からしたら小動物かもしれんが、二度とその名で呼ぶなよ」
天王寺「まぁ、姉妹みたいに仲良くしてやってくれ」
倫子「タダ働きを強要するとは、地に落ちたな! それ相応の対価をいただこう」
天王寺「だからこうしてブラウン管を直してやってんだろ」
倫子「……クッ、仕方ない。本望では無いが、今度綯と遊んでやろう」
天王寺「ああ、よろしく頼むわ」
39: 2015/10/14(水) 22:03:57.94 ID:jZKfbZlJo
??「おっはー」
倫子「お……おっはー?」
天王寺「…………」
ダル「…………」
??「あ、あれ……えーっと、さっき電話した者です。バイトの面接に来ました」
天王寺「俺が店長の天王寺だ。で、名前は」
鈴羽「阿万音鈴羽です」
天王寺「歳は」
鈴羽「18」
天王寺「なんでウチで働きたいんだ」
鈴羽「かわいい女の子が好きだから」
天王寺「採用。明日から来い。子守りも頼むわ」
倫子「ちょっ!? これはコントか!?」
40: 2015/10/14(水) 22:07:26.07 ID:jZKfbZlJo
鈴羽「ところで、君は誰?」
倫子「オレか?……やめておけ。それを知ることでお前にも災厄が降りかかるかもしれん」
天王寺「アホな妄想垂れ流してんじゃねーよ。この変な姉ちゃんは、2階に間借りしてる岡部倫子だ」
倫子「岡部ではない。オレは鳳凰院――」
天王寺「うるせぇ。家賃1000円上乗せするぞ」
鈴羽「……ほ、鳳凰院!!」ガタッ
倫子「む?」
鈴羽「あ、いや、あの、もしなにか困ったことがあったらあたしに相談して! 力になるよ!」
ダル「はい?」
鈴羽「キ、キミと出会えたのはきっと運命なんだ! あたしは、キミを守る戦士になりたい!」
天王寺「は?」
鈴羽「キミみたいなキレイな女の子を狙うやつが居たら、拷問や洗脳で廃人にしてあげるから!」
倫子「ミスターブラウン。彼女は採用しない方がいいと思う」
天王寺「騒ぎ起こしたらクビにするからな」
41: 2015/10/14(水) 22:15:54.01 ID:jZKfbZlJo
◆◆◆
2010年7月29日木曜日
ヨドダシカメラ
倫子「ジョン・タイター? どうして今更……。ここは日本の@ちゃんだぞ?」
343 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 20:47:42 ID:0A4nAofm0
タイムマシンはSERNによって独占されています。
一般人も、国家も、企業も、手に入れる事は出来ません。
彼らはそれを自身の利権の為だけに用いて、世界にディストピアをもたらしました。
そこでは同性愛も百合もレOも禁止され、人間の生産調整が行われています。
争いは完全に消えましたが、それは偽りの平和に過ぎません。
347 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 20:51:00 ID:Yhdly4Ep0
ジョンタイターさんはょぅι゛ょの可能性が微レ存
476 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 22:07:41 ID:0A4nAofm0
私は現在を(あなたがたから見れば未来ですね)変えるという崇高な使命の為にやって来ました。
ワルキューレの女騎士(この時代の表現ではテ口リストのリーダーです)を保護すること。
それによって、SERNのディストピアを破壊し、再び自由を手にする為です。
ょぅι゛ょとは何でしょうか。
481 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 22:12:15 ID:Yhdly4Ep0
タイターたんかわいいよタイターたん
523 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 22:43:19 ID:0A4nAofm0
私のタイムマシンは、SERNの技術を盗んで作ったプロトタイプと言うべきでしょう。
あまり性能は良くありません。
2036年を例えるならば、独裁者によって地球が支配されたようなものです。
世界の支配構造を破壊できるのは、ワルキューレの女騎士その人だけです。
私は命に変えてでも彼女を守らなければならない。
525 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 22:44:51 ID:Yhdly4Ep0
え、なにそれSERN=独裁者とか言いたいの?
SERNがどんな機関か知らないとかこの幼女可愛いhshs
倫子「なんだこの栗悟飯とかいうクソコテ……さっきから気持ち悪いな」
2010年7月29日木曜日
ヨドダシカメラ
倫子「ジョン・タイター? どうして今更……。ここは日本の@ちゃんだぞ?」
343 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 20:47:42 ID:0A4nAofm0
タイムマシンはSERNによって独占されています。
一般人も、国家も、企業も、手に入れる事は出来ません。
彼らはそれを自身の利権の為だけに用いて、世界にディストピアをもたらしました。
そこでは同性愛も百合もレOも禁止され、人間の生産調整が行われています。
争いは完全に消えましたが、それは偽りの平和に過ぎません。
347 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 20:51:00 ID:Yhdly4Ep0
ジョンタイターさんはょぅι゛ょの可能性が微レ存
476 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 22:07:41 ID:0A4nAofm0
私は現在を(あなたがたから見れば未来ですね)変えるという崇高な使命の為にやって来ました。
ワルキューレの女騎士(この時代の表現ではテ口リストのリーダーです)を保護すること。
それによって、SERNのディストピアを破壊し、再び自由を手にする為です。
ょぅι゛ょとは何でしょうか。
481 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 22:12:15 ID:Yhdly4Ep0
タイターたんかわいいよタイターたん
523 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 22:43:19 ID:0A4nAofm0
私のタイムマシンは、SERNの技術を盗んで作ったプロトタイプと言うべきでしょう。
あまり性能は良くありません。
2036年を例えるならば、独裁者によって地球が支配されたようなものです。
世界の支配構造を破壊できるのは、ワルキューレの女騎士その人だけです。
私は命に変えてでも彼女を守らなければならない。
525 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 22:44:51 ID:Yhdly4Ep0
え、なにそれSERN=独裁者とか言いたいの?
SERNがどんな機関か知らないとかこの幼女可愛いhshs
倫子「なんだこの栗悟飯とかいうクソコテ……さっきから気持ち悪いな」
42: 2015/10/14(水) 22:18:40.05 ID:jZKfbZlJo
689 名前:JOHN TITOR :2010/07/28(水) 23:31:58 ID:0A4nAofm0
所謂、祖父のパラドックスと言うものですね。
しかしそれは発生しない事が証明されています。
勿論、過去の自分に会う事は出来ます。
たとえ自分とレO[ピ--]しても何も起こらないと言うのが2036年における主流の考え方です。
692 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 23:34:26 ID:Yhdly4Ep0
「素粒子物理学の研究機関」なんかより可愛い女の子が世界征服を成し遂げるべきだろw
807 名前:JOHN TITOR◆f8VuYnoyWU :2010/07/29(木) 00:50:57 ID:4Co5c6io0
>>692それには同意します。
世界線は、無数に並行して流れる川のようなものです。
途中で幾つにも分岐していきます。
あなたがノーマルから百合に目覚めた場合は世界線変動率が変化します。
と言っても、ほんの0.000002%程度でしょうけれど。
戦争や大きなテロ等が起きれば、その数値の幅も大きくなります。
今日は少し疲れてしまったので、また後日。
692 名前:栗悟飯とカメハメ波 :2010/07/28(水) 23:34:26 ID: OGj/ui2d0
おやすみタイターたん
倫子「……というか、どうして誰も10年前のジョン・タイターについて言及しないんだ?」
倫子「"ジョン・タイター"でググってみるか……え、たった12件!? しかも全部ニセモノについての情報じゃないか!」
倫子「これも"機関"による陰謀か……!?」
43: 2015/10/14(水) 22:21:00.05 ID:jZKfbZlJo
倫子「(とにかく、困った時はダルに電話だ!)」プルルル
ダル『どしたん』ピッ
倫子「オレだ。状況は?」
ダル『……もうちょっとヒントくんないと対応に困るわけだが』
倫子「今どこにいるのかと聞いている」
ダル『今は"メイクイーン+ニャン2"にいるお』
倫子「……内密に話がある。オレが行くまでそこを動くなっ!」
ダル『来るの? いいけど』
倫子「あと、オレが入店する時フェイリスたちを引きつけておくように!」
ダル『あぁそれ……うん、オーキードーキー』
ピッ
61: 2015/10/16(金) 20:07:53.04 ID:NFKvM7RTo
ラジ館前
女性レポーター「謎の人工衛星墜落から一夜明けた秋葉原です。警察による規制は解除され、駅前にはものすごい数の人が集まっています!」
女性レポーター「墜落した人工衛星がどこの国のものなのかについては、現在も調査中とのことで、詳しいことが分かるまで撤去ができない状態です」
倫子「すごい人の数だな……。あの人工衛星、今、爆発とかしないよね……」
??「…………」パシャ
倫子「っ!? いきなり人の写真を撮るとは、し、し、失礼ですよ!」ガタガタ
盗撮女「…………」
倫子「ちょ、そこの貴女! 待って! 待ってくださいっ!」
堂々と写真を撮る女「……?」パシャ
倫子「やめてぇ! 撮らないでぇ!……まさか、"機関"の差し金かぁっ!?」ウルッ
スパイの可能性がある女「…………」
倫子「違うとしても問題がありますっ! オレの写真を持っていると"機関"に知られれば、貴女にもヤツらの魔の手が伸びるかもしれない……」
倫子「オレのせいで人が傷つくところは、もう2度と見たくない……」
スパイじゃないらしい女「……"オレ"?」
倫子「とにかく、即刻削除してくださいお願いします」
ノーリアクションの女「不快にさせたなら、謝る」
女性レポーター「謎の人工衛星墜落から一夜明けた秋葉原です。警察による規制は解除され、駅前にはものすごい数の人が集まっています!」
女性レポーター「墜落した人工衛星がどこの国のものなのかについては、現在も調査中とのことで、詳しいことが分かるまで撤去ができない状態です」
倫子「すごい人の数だな……。あの人工衛星、今、爆発とかしないよね……」
??「…………」パシャ
倫子「っ!? いきなり人の写真を撮るとは、し、し、失礼ですよ!」ガタガタ
盗撮女「…………」
倫子「ちょ、そこの貴女! 待って! 待ってくださいっ!」
堂々と写真を撮る女「……?」パシャ
倫子「やめてぇ! 撮らないでぇ!……まさか、"機関"の差し金かぁっ!?」ウルッ
スパイの可能性がある女「…………」
倫子「違うとしても問題がありますっ! オレの写真を持っていると"機関"に知られれば、貴女にもヤツらの魔の手が伸びるかもしれない……」
倫子「オレのせいで人が傷つくところは、もう2度と見たくない……」
スパイじゃないらしい女「……"オレ"?」
倫子「とにかく、即刻削除してくださいお願いします」
ノーリアクションの女「不快にさせたなら、謝る」
62: 2015/10/16(金) 20:10:50.33 ID:NFKvM7RTo
観光に来たらしい女「……証明。自分が今日、どこを歩いたか」
倫子「証明……」
変な女「桐生、萌郁」
倫子「は、はい。オレの名は鳳凰院凶真だ」
萌郁「聞きたいことがある」
萌郁「幻の、レトロPC。秋葉原のどこかにあるらしくて」スッ
倫子「このケータイ画面に映し出されたPCは……」
萌郁「『IBN5100』」
倫子「ああ、ジョン・タイターが手に入れようとしたやつか」
萌郁「っ!! 見たことがある……?」
倫子「いや、名前を聞いたことがあるだけだ」
萌郁「詳しい人、知らない?」
倫子「ダルなら知っているかも……あ、いや、なんでもない」
63: 2015/10/16(金) 20:13:21.58 ID:NFKvM7RTo
倫子「ではオレは行く。お姉さん、メディア・スクラムもほどほどにな」
萌郁「あ……」
ガシッ
倫子「な、なにをする!?」ゾワワッ
萌郁「メルアド……教えて」
倫子「はぁっ!?……なにが狙いだ」プルプル
倫子「(オレのメルアドを聞いて来るやつにはロクなやつがいない)」
萌郁「詳しい人に、会わせてほしい」
倫子「(ダルが狙いだと言うならなおさらだ)」
倫子「(もう、あんな思いはしたくない……)」
倫子「だ、だが断るっ! さらばだっ!」ダッ
萌郁「…………」
64: 2015/10/16(金) 20:16:48.83 ID:NFKvM7RTo
倫子「ちらっ。……あの女、ついてきている!?」
萌郁「…………」スタスタ
倫子「(こわいっ!! こわいよぉっ!!)」タッタッ
萌郁「……(私より少し背が高いのに足が遅い)」タッタッ
倫子「ま、回り込まれてしまった……」ガクガク
萌郁「あなたの写真……メルアド、教えてくれたら削除する」
倫子「貴様ぁ、脅そうというのかぁ!?……うわぁぁぁぁん……誰か助けてぇ……ぐすっ」ボロボロ
萌郁「えっ!? な、泣かないで……」
警官「キミ、そこで何をやっている」
萌郁「っ!! これ、私のアドレス……見つけたら、メール頂戴」タッタッタッ
警官「お嬢ちゃん、大丈夫か? 怪我はないか?」
倫子「さ、触るなっ!……ありがとう、ございます」
65: 2015/10/16(金) 20:21:50.42 ID:NFKvM7RTo
メイクイーン+ニャン2
倫子「(オレが来店すると、その場にいた常連客どもが同時に注文を開始し、オレを出迎えるメイドは一人もいなかった)」
倫子「(ダルの作戦が成功したようだ。こうでもしないとフェイリスの奴、オレを客席に座らせずに延々と厨二トークを垂れ流し続けるからな)」
倫子「それにしても、ひどい目にあった」
ダル「僕のこと売らなかったんだろ? ありがとな、オカリン」
倫子「当たり前だ。オレはお前を失いたくない」
ダル「嬉しいこと言ってくれるじゃん」
ダル「けど、オカリンの写真は消してもらえてないんしょ?」
倫子「お、おそらく……」
ダル「その女とは僕がやりとりしとくからさ」
倫子「それでは本末転倒ではないかッ!」
ダル「あ、そっか。うーん、携帯端末にハッキングして画像消去はやったことないけど、今度挑戦してみるお」
倫子「アドレスしかわからんが、可能か?」
ダル「僕をあなどってもらっちゃ困るのだぜ」
倫子「さすが、我が頼れる右腕<マイフェイバリットライトアーム>だ」
倫子「(オレが来店すると、その場にいた常連客どもが同時に注文を開始し、オレを出迎えるメイドは一人もいなかった)」
倫子「(ダルの作戦が成功したようだ。こうでもしないとフェイリスの奴、オレを客席に座らせずに延々と厨二トークを垂れ流し続けるからな)」
倫子「それにしても、ひどい目にあった」
ダル「僕のこと売らなかったんだろ? ありがとな、オカリン」
倫子「当たり前だ。オレはお前を失いたくない」
ダル「嬉しいこと言ってくれるじゃん」
ダル「けど、オカリンの写真は消してもらえてないんしょ?」
倫子「お、おそらく……」
ダル「その女とは僕がやりとりしとくからさ」
倫子「それでは本末転倒ではないかッ!」
ダル「あ、そっか。うーん、携帯端末にハッキングして画像消去はやったことないけど、今度挑戦してみるお」
倫子「アドレスしかわからんが、可能か?」
ダル「僕をあなどってもらっちゃ困るのだぜ」
倫子「さすが、我が頼れる右腕<マイフェイバリットライトアーム>だ」
66: 2015/10/16(金) 20:25:53.37 ID:NFKvM7RTo
フェイリス「凶真、よく来たニャン。ゆっくりしていってね♪」
まゆり「ご注文はニャににしますか、お嬢様、ご主人様♪」
ダル「あ、いつもので」
フェイリス「今日も"機関"打倒のための極秘会議かニャ?」
倫子「そんなところだが、フェイリス……」
フェイリス「わかってるニャ。凶真からダルニャンを奪ったりしないニャ」
倫子「勘違いするような言い方はやめろ。別にこの童Oピザメガネがどこの馬の骨と性交渉しようが知ったことではない」
ダル「ふぉっ!?」
倫子「それよりもオレはお前が心配なんだ。悪い虫がつかなければいいんだが……」
フェイリス「凶真ってフェイリスのママみたいな心配をするんだニャー。大丈夫、虫なんて、ハニー・トラップで一撃だニャ!」
倫子「自信家なのは良いことだが……なにかあったらオレに連絡してくれよ」
フェイリス「ニャゥ~! 凶真が男の子だったらフェイリス、今堕ちてたニャ!」
67: 2015/10/16(金) 20:31:11.58 ID:NFKvM7RTo
倫子「何度口説かれてもオレは貴様のモノになるつもりはない」
フェイリス「あ、あの時は悪かったニャ~。凶真が素敵すぎるのがいけないんだニャ!」
まゆり「でもね、お金にモノを言わせて女の子を買収しようとしたのは、まゆしぃドン引きですニャン」
フェイリス「でも凶真を執事に仕立て上げたい気持ちはわかるニャン?」
まゆり「うん、すっごく」
倫子「オレは誰のモノにもならん。もちろん執事にもメイドにもな」
フェイリス「それはもう諦めたニャ~。だから、こうしてたまにお客さんとして来てくれるだけでも、フェイリスは嬉しいニャ♪」
倫子「別にフェイリスのことは嫌いではない。普通に友達として付き合えばいいではないか」
フェイリス「と、友達……! なんだか恥ずかしいニャァ///」
68: 2015/10/16(金) 20:36:56.40 ID:NFKvM7RTo
ダル「で、僕になんの用事だったん」
倫子「……ジョン・タイターについて、知っているよな」
ダル「誰ぞ?」
倫子「アメリカに10年ほど前に現れた、自称未来人だ。お前とは以前、こいつの話題をしたはずだぞ」
ダル「またオカリンのいつもの"設定"?」
倫子「設定とか言うなぁ! オレが言う事はいつも真実だぁ!」
フェイリス「(かわいい)」
ダル「まーいいけどさ、そのタイターってのが未来人であるソースは?」
倫子「待て、なんで初耳のような言い方をするのだ」
ダル「事実初耳だもん」
倫子「……忘れちゃったの?」ウルッ
ダル「うっ。ちょ、ちょっと待つお。今思い出すから。うーむむむ……」
倫子「そういえばラボにタイターの本があったはずだ。それを見れば記憶力に難があるお前でも思い出すに違いないっ!」
ダル「……この間本棚整理したけど、そんな本はなかったと思われ」
倫子「くっ、ブックオフに売ってしまったか……」
69: 2015/10/16(金) 20:40:36.86 ID:NFKvM7RTo
倫子「あと、『IBN5100』について、なにか知っているか?」
ダル「へぇ、オカリンがそんなPCを知ってるなんて」
倫子「知っているのか?」
ダル「知ってるもなにも、1か月ぐらい前にネットで話題になってたお」
ダル「ただ、捜索班が出たけど発見されなかったって」
倫子「本当にアキバのどこかにあるのか……?」
ダル「ごめんお、あんまり力になれんくて」
倫子「そんなことはどうでもいい。それで、1つだけ確認したいのだが、IBN5100は世界が滅亡する超危険アイテムなのだな?」
フェイリス「世界滅亡しちゃうのかニャ? ご注文の品、お持ちしましたニャン♪」
ダル「フェイリスたんのオムライス最高だお!」
『 凶真LOVE♡ 』
倫子「なぜオレのオムライスだけ……」
フェイリス「世界滅亡の前に、どうぞ召し上がれ♪」
70: 2015/10/16(金) 20:42:45.82 ID:NFKvM7RTo
未来ガジェット研究所
倫子「@ちゃんにまたジョン・タイターが現れているな……」
229 名前:JOHN TITOR◆f8VuYnoyWU :2010/07/29(木) 15:04:29 ID:4Co5c6io0
タイムトラベルは重力を変える事で行います。
基本的概念は双子のパラドックスを用いていると考えてもらえれば良いです。
しかしそれだけでは時間を逆行は出来ません。
234 名前:鳳凰院凶真:2010/07/29(木) 15:06:39 ID:1kz7Z7Sn0
>>229
ティプラー・シリンダーとカー・ブラックホールを使っているのだろう?
やはり10年前に現れたときとまったく同じだな!
そしてお前が乗っているタイムマシンは1970年代製のシボルエだ!
264 名前:栗悟飯とカメハメ波:2010/07/29(木) 15:19:38 ID:0WM1H5LT0
>>234
ティプラー・マシンのことを言ってるんでちゅか?
シボルエにそんなもん乗せるより鳳凰院ちゃんと一緒にドライブしたいお
タイターたんはどう思う?
265 名前:JOHN TITOR◆f8VuYnoyWU :2010/07/29(木) 15:20:29 ID:4Co5c6io0
これは驚きました。
鳳凰院凶真は別の世界線で私を見たと言う事だと思います。
少なくとも私はまだ2000年へは行っていません。
是非機会があれば私も鳳凰院凶真とドライブしたいものです。
271 名前:栗悟飯とカメハメ波:2010/07/29(木) 15:25:34 ID:0WM1H5LT0
ちょwww否定しないとかwww
鳳凰院ちゃんの話に乗ってあげるタイターたんマジ天使
倫子「栗悟飯……大丈夫か、こいつ」
倫子「@ちゃんにまたジョン・タイターが現れているな……」
229 名前:JOHN TITOR◆f8VuYnoyWU :2010/07/29(木) 15:04:29 ID:4Co5c6io0
タイムトラベルは重力を変える事で行います。
基本的概念は双子のパラドックスを用いていると考えてもらえれば良いです。
しかしそれだけでは時間を逆行は出来ません。
234 名前:鳳凰院凶真:2010/07/29(木) 15:06:39 ID:1kz7Z7Sn0
>>229
ティプラー・シリンダーとカー・ブラックホールを使っているのだろう?
やはり10年前に現れたときとまったく同じだな!
そしてお前が乗っているタイムマシンは1970年代製のシボルエだ!
264 名前:栗悟飯とカメハメ波:2010/07/29(木) 15:19:38 ID:0WM1H5LT0
>>234
ティプラー・マシンのことを言ってるんでちゅか?
シボルエにそんなもん乗せるより鳳凰院ちゃんと一緒にドライブしたいお
タイターたんはどう思う?
265 名前:JOHN TITOR◆f8VuYnoyWU :2010/07/29(木) 15:20:29 ID:4Co5c6io0
これは驚きました。
鳳凰院凶真は別の世界線で私を見たと言う事だと思います。
少なくとも私はまだ2000年へは行っていません。
是非機会があれば私も鳳凰院凶真とドライブしたいものです。
271 名前:栗悟飯とカメハメ波:2010/07/29(木) 15:25:34 ID:0WM1H5LT0
ちょwww否定しないとかwww
鳳凰院ちゃんの話に乗ってあげるタイターたんマジ天使
倫子「栗悟飯……大丈夫か、こいつ」
71: 2015/10/16(金) 20:48:24.88 ID:NFKvM7RTo
ダル「オカリン。ゲル化について大学で調べてきたお。分子レベルでズタズタになってた」
倫子「……オレだ。計画は第2段階を迎えた。……ああ、これも運命石の扉<シュタインズ・ゲート>の選択だ。エル・プサイ・コングルゥ」ドキドキ
ダル「(オカリンってグロに免疫ないんだよな……)」
ダル「マシンの接続の方も終わったぜぃ」
倫子「バナナは用意してある。まゆりには感謝しなければな」
ダル「(まゆ氏も人がいいよな。気持ちはわからんでもないけどさ)」
ダル「ケータイからタイマー入力よろ」
倫子「『120#』っと……」
チン
ダル「お……おお!?」
72: 2015/10/16(金) 20:53:02.67 ID:NFKvM7RTo
倫子「何をしている」
ダル「いや、えっと……消えた……」
倫子「な、なにっ!? バナナが、消えた……!?」アワアワ
倫子「オ、オレだ! えーっと、何が、どうなってしまったんだ! バナナはどこに行った!?」
ダル「お、おちけつ! ケータイ耳に当てるの忘れてるお!」
倫子「残りのバナナでも食って落ち着こ……う……な、なに……?」
ダル「バナナが房に戻ってる……!? このゲルバナ、完全にくっついてるな……」
倫子「テレポー……テーション……!?」
??「ふーん。興味深い実験してますね」
73: 2015/10/16(金) 20:57:35.45 ID:NFKvM7RTo
倫子「だ、誰だっ!?」ガクガク
紅莉栖「ノックはしたんですけど」
倫子「ま、牧瀬紅莉栖っ!? 一体どういうことだ!! 何が目的でここへ!!」ブルブル
ダル「(完全に怯えてる……そりゃトラウマもんだろうし)」
紅莉栖「あなたに会いに来たの、岡部倫子さん。じゃなくて、鳳凰院ちゃん、だった?」
倫子「な、な、な、なぜオレの本名を!? 貴様、やはり"機関"のエージェントだな……!」
紅莉栖「女の子に限ってペンネームとかコテハンを男っぽい名前にしちゃうのよね。私も経験あるわ」
倫子「(というか、さっきからダルが驚いていない……!?)」
倫子「ダル、まさか、オレを裏切ったのかぁ!?」
倫子「牧瀬紅莉栖に弱みを握られたかっ!? それとも色香に惑わされたかっ!?」
倫子「オレの右腕を、よくも……!! 牧瀬紅莉栖ッ!!」ギロッ
倫子「許さん……絶対に許さんぞぉ、このヴィッチがぁぁぁぁぁうわぁぁぁん!!!」ポロポロ
紅莉栖「あっ……ち、違うの! 落ち着いて!」アセッ
74: 2015/10/16(金) 21:01:19.38 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「この場所のことは、昨日橋田さんから聞いたの。あなたの名前もね」
倫子「うわぁぁぁぁぁん……ダルが、ダルがぁぁぁぁ……グスッ……」ボロボロ
ダル「ちょ、オカリン泣くなって。僕はオカリンのこと、裏切ってないお」
倫子「ふぇ?」
紅莉栖「(かわいい……じゃなくて!)」
紅莉栖「あなたに昨日のことで直接謝りたくて……。本当にごめんなさい」
紅莉栖「私はあなたにひどいことをしてしまったから……それで、その、お詫びと言ってはなんだけど、コレ」スッ
倫子「これは?」
紅莉栖「ドクトルペッパーが好きだって橋田さんから聞いたから、ペットボトル5本を差し入れようかと思って……」
倫子「ふ、ふん! このオレ、鳳凰院凶真がそんなもので買収されるわけが……」
倫子「…………」
倫子「ホントにくれるの?」
紅莉栖「(かわいい)」
75: 2015/10/16(金) 21:06:06.88 ID:NFKvM7RTo
倫子「謝罪の機会を作ってあげたというわけか。さすがオレの右腕、優しい巨漢だ」ゴク、ゴク
ダル「いや正直牧瀬氏をオカリンに会わせるのもどうかと思ったけど、あんまり必氏だったからさ」
紅莉栖「そ、そう! 別にあなたから橋田さんをとろうとか、そういうつもりは一切ないから」
倫子「貴様は何を勘違いしているのだ、この脳内お花畑め」
倫子「ダルはオレの男ではないし、オレを裏切る男でもない」
紅莉栖「へ……?」
ダル「僕らはただの友達だお」
紅莉栖「だ、男女の間で友情が芽生えるわけないでしょ!? 馬鹿なの、氏ぬの!?」
ダル「ルイスちゃんの名台詞ktkr!」
倫子「お前、友達いないだろ」
紅莉栖「ぐっ……!?」
76: 2015/10/16(金) 21:10:00.54 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「改めまして、牧瀬紅莉栖です。よろしく」スッ
倫子「握手か。まあいいだろう」
ギュッ
紅莉栖「(手、やわらかい……!)」
倫子「鳳凰院凶真。今年で19歳だが、敬語は不要だ」
紅莉栖「う、うん」
倫子「こいつはオレの右腕、ダル。橋田至だ」
ダル「オカリンとは高校の時からの付き合いなんだお」
紅莉栖「一体どんな関係なのかしら……」
77: 2015/10/16(金) 21:12:18.43 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「……それにしても、このバナナ、本当に興味深いですね」ブスッ
倫子「あっ!? だ、大丈夫か触って……?」
紅莉栖「ビビりすぎ。……味は無しか、まっず」ペロッ
倫子「ひぇぇ……」ワナワナ
ダル「ま、牧瀬氏。オカリンの目の前でグロは勘弁だお」
紅莉栖「えっ……あっ、ご、ごめんなさい」
倫子「べ、別に!? 気にすることはないぞ!?」
紅莉栖「……詳しく教えて」
倫子「電話レンジ(仮)についてか?」
紅莉栖「いや、倫子ちゃんについて」ネットリ
倫子「はぁっ!?」
78: 2015/10/16(金) 21:14:36.86 ID:NFKvM7RTo
倫子「貴様ッ!! 女のくせに、女に欲情するとはHENTAIだなッ!?」
紅莉栖「へ、HENTAIちゃうわ! ただ、ちょっと倫子ちゃんがかわいいなって思っただけで……」モジモジ
ダル「さすがにドン引きなのだぜ、牧瀬氏」
倫子「今後一切オレのことを『リンコちゃん』などと、某革新的恋愛ゲームのヒロインのような名前で呼ぶことを禁じる!!」
紅莉栖「ぐはっ!!」
ダル「(そのせいで僕はマナカちゃんとネネちゃんしか攻略できなかったお……)」
79: 2015/10/16(金) 21:16:40.57 ID:NFKvM7RTo
倫子「クリスティーナと言ったか」
紅莉栖「言っとらん……ううん、りん……岡部さんが呼びたいように呼んでいいわ」
倫子「さんづけもやめろ。呼び捨てでいい」
紅莉栖「わかったわ、岡部……」
倫子「それで、クリスティーナよ。このレンジやバナナの実験、そしてオレのことを詳しく知りたいというHENTAI的欲求を満たしたくば、オレと取り引きしてもらおう」
紅莉栖「乗ったわ」
ダル「まだ条件すら提示されてないわけだが」
80: 2015/10/16(金) 21:22:14.23 ID:NFKvM7RTo
倫子「まず1つ。貴様にはラボメンとなってもらう」
紅莉栖「ラボ……メン? 研究所のメンバーに迎えてくれるってこと?」
倫子「うむ」
紅莉栖「イヤッホォォォォォォ……うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ダル「ちょ、歓喜したと思ったら泣き出した件について」
紅莉栖「わ、私、8月中にアメリカに帰らなきゃいけないの……グスッ……」
倫子「期間限定で構わん。他者に秘密を漏らさないと誓えばな」
紅莉栖「誓う誓う!! イエスにでもブッダにでも誓うわ!!」
ダル「うわぁ……」
倫子「ラボメンとなった暁には、帰国するまでその頭脳を我がラボのために役立ててもらって結構だ」
紅莉栖「それでそれで、2つ目の条件は!?」
82: 2015/10/16(金) 21:25:32.15 ID:NFKvM7RTo
倫子「このオレが貴様に対して行った行為について、すべて不問にすることだ」
紅莉栖「……へ?」
ダル「なんのことだお?」
倫子「……大ビルのエレベーターホールで、初対面なのにいきなり飛びついて悪かった」
紅莉栖「あぁ、そのこと……」
ダル「オカリン、人としての器がおっきいお! しっかり謝れる子はポイント高いっつーか」
紅莉栖「別に気にしてないわよ、ラッキースOベだったし」
倫子「……頼むからHENTAI度はもう少し控え目にしてくれないか。お前の個性は否定しないが」
紅莉栖「……以後、気を付けます」
83: 2015/10/16(金) 21:30:51.18 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「そう言えばあの時、私が生きてるとか殺されたとか言ってたわよね。あれってなんだったの?」
倫子「……気にするな。オレの妄想だ」
紅莉栖「あなたは自分の妄想をわざわざメールに書いてまでヒトに送信する人間なの? それも不謹慎な内容で」
倫子「……わかった。正直に話そう」
倫子「だが、あまりにも荒唐無稽なのだ。オレが幻覚を見たに過ぎない可能性がある」
紅莉栖「幻覚だろうと、岡部の脳が認識したのなら、それは脳内においては現実よ」
紅莉栖「脳科学的な見地から何かアドバイスできるかも知れない。だから、言って」
倫子「……オレは確かにラジ館の8階で―――」
倫子「―――お前が刺されて氏んでいるのをこの目で見たんだ」
84: 2015/10/16(金) 21:35:08.59 ID:NFKvM7RTo
・・・
紅莉栖「……なるほど。だいたいわかった」
ダル「うーん、なんかいつものオカリンの設定にしては妙にリアルっつーか」
紅莉栖「橋田さん。さっきも言ったけど、こういうのは視た人にとっては現実なの。否定しないであげて」
ダル「あぅ……ごめんな、オカリン」
倫子「いい。そう思われて当然だろう。それに、やはり現実でなかったのだから考察するだけ時間の無駄だ」
紅莉栖「いいえ、そうとも限らないわ。あなたが体験したのは、脳が見せた世界だったのかもしれない」
倫子「脳? 白昼夢だと言いたいのか」
紅莉栖「日常的非病的乖離症状ね。そうなると心因性の可能性が高い」
ダル「『夢の中で逢った、ような……』ということですねわかりません!」
85: 2015/10/16(金) 21:39:40.26 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「わからないけど、もし岡部の身体や脳に少しでも異変があるようなら言って。HENTAI抜きにしても心配よ」
倫子「フン、貴様に心配される筋合いなど無い。せいぜいラボでの研究に励むがよい」
紅莉栖「……ふふっ。わかったわ」
倫子「オレへの下心は丸見えだからな。馬車馬のようにこき使ってやろう、クリスティーナよ!」
紅莉栖「ティーナじゃないけど、岡部がそう呼びたいなら別に……」モジモジ
ダル「(下心は否定しないんすな……)」
倫子「貴様はこの時をもってラボメンナンバー004だ。歓迎しよう、蘇りし者<ザ・ゾンビ>よ!」
紅莉栖「……私が蘇ってて、良かった?」
倫子「……意地の悪い質問をするな、バカモノっ」プイッ
ダル「(かわいい)」
紅莉栖「(かわいい)」
86: 2015/10/16(金) 21:44:33.59 ID:NFKvM7RTo
倫子「(その後、ダルから電話レンジ(仮)実験についてクリスティーナに説明してもらい、天才の脳をして分析、実験させた)」
ダル「あっ! 房にゲルバナが戻ったお」
倫子「ヒィッ……」
紅莉栖「104秒経過した時に、消えちゃった……」
倫子「……やはりテレポートなのだっ! 人類史上初のなっ!」ワナワナ
紅莉栖「結論ありきで考えるのは危険よ!」
倫子「ならば天才少女よ、今の現象はなんだと言うのだ」
紅莉栖「……とっかかりが欲しい。この電話レンジについて何か他に情報は無い?」
ダル「あ、そうだ。1度、こいつからすごい放電が起きたお」
倫子「なにっ!? そんな話は初耳だぞっ!?」
ダル「オカリンが居ない時だったからね。オカリンがドクター中鉢の発表会を見に行った時」
紅莉栖「(ドクター中鉢……)」
倫子「そう言えば、オレはその時例のメールをダルに送ったんだったな。着信は1週間前だったか」
紅莉栖「送信履歴はどうなってるの?」
倫子「ちょっと待て……。あ、あれ、無い……どこにも、どこにも送信履歴が無い……!?」ガタガタ
87: 2015/10/16(金) 21:47:34.23 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「1週間前にメールを送信し、履歴を削除した事実を忘却して、それを今になって思い出した……? でも、そうするとメールの内容との整合性が……」
倫子「オ、オレはいつも真実しか言わん! 信じてくれぇ!」ウルッ
紅莉栖「ごめんね、疑ってるわけじゃないの。あくまで可能性だから」
ダル「送受信のタイムスタンプ、放電現象のタイミング、メールの内容……なにがどうなってるん?」
倫子「……ククク、なるほどな。"そういうこと"だったのか」
倫子「やはりオレは、天才マッドサイエンティスト、自分の才能が恐ろしい……!」
ダル「ここでスイッチ入っちゃったかー」
紅莉栖「な、なに?」
倫子「オレが送った不可思議な現象と、放電が起きたことには……ッ!」
倫子「なにか関係があるッ!!!!!!!!!」
ダル「…………」
紅莉栖「……わ、わー! すごい! 鳳凰院ちゃん天才!」
倫子「フフン、そう褒めるな。あと"ちゃん付け"はやめろ」
ガチャ バタン
まゆり「ただいまー。はふー、外は暑いねー」
88: 2015/10/16(金) 21:52:20.09 ID:NFKvM7RTo
まゆり「あれれ? お客さ~ん? まゆしぃ☆です。よろしくねー」
紅莉栖「牧瀬です。ラボメンになったみたいです」
まゆり「えー? 本当? 女の子のラボメンだー」
紅莉栖「あれ、岡部も女の子じゃ……?」
まゆり「あー、オカリンはねー、"女の子"として扱われるのが嫌いなのです」
紅莉栖「ふぅん……(トラウマでもあるのかしら?)」
倫子「まゆりっ! ジューシーからあげナンバーワンを電話レンジ(仮)の中へ!」
まゆり「みんなもからあげ食べる? 1個ずつならあげてもいいよー」スッ
倫子「(今度はPCから……120#……っと)」カタカタ ッターン
ブーン……
89: 2015/10/16(金) 21:55:32.81 ID:NFKvM7RTo
倫子「そこに突っ立っている助手!」
紅莉栖「……私? 私のこと、"助手"って呼んでくれたの!?」キラキラ
倫子「めんどくさいやつめ。いいから、オレのケータイになにかメールを送れ」
紅莉栖「えっと、その、岡部のアドレスを教えて欲しいわけだが……」モジモジ
倫子「……ダル。オレのケータイにメールを送れ」
紅莉栖「ぐはぁ!」
ダル「でもなんて送るん?」
倫子「『じょしゅはHENTAI』、これで送れ」
紅莉栖「ぐぅ……私、M属性は無いんだけど……」
倫子「なぜ貴様の性癖に合わせねばならんのだ」
90: 2015/10/16(金) 22:00:37.24 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「で、でも、私、岡部が望むならM属性も開発するから……っ!」
まゆり「まゆしぃはドン引きなのです」
紅莉栖「とか言いながら、まゆしぃさんも岡部のかわいさに堕ちた側の人間でしょ?」
まゆり「もちろんだよー」
倫子「嫌な分類をするなっ!」
まゆり「オカリンをぎゅーって抱きしめるとね、なんだか幸せな気分になるのです」
紅莉栖「だ、だきっ!? まゆしぃさん、そんな高レベルなことを既に……!」
紅莉栖「わ、私も是非、岡部の抱き心地を試させていただきたいっ!」ワキワキ
倫子「やめろぉ! 近づくなぁ! こっちへ来るなぁ!」
紅莉栖「ダイジョウブよぉ、イタくしないからぁ」ウフフフフ
ダル「送信送信ポチッとな」ピッ
倫子「おわっ!? こ、転ぶーっ!!」
ガシッ(電子レンジの取っ手をつかむ音)
バキッ(電子レンジの扉が開く音)
バチバチバチバチッ!
倫子「ふおわぁ!?」
91: 2015/10/16(金) 22:04:23.06 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「放電してる!」
まゆり「っ!! 危ないオカリンっ!!」
ドォォォォォォォン……
倫子「ゴホッ、ゴホッ。ぜ、全員ケガはないか……?」
ダル「だいじょぶだおー」
紅莉栖「いの一番に仲間の安否確認をする優しい鳳凰院ちゃん……」
倫子「貴様は元気そうだな」
まゆり「オ、オカリン、なにが起きたのかな……?」ギューッ
倫子「大丈夫か? オレをかばってやけどとかしてないか?」
まゆり「うん……どこも痛くないからヘーキだよ」ギューッ
紅莉栖「(この混乱に乗じて身長差を利用した二の腕ギューだと!? まゆしぃさん、中々やるわね……!)」
92: 2015/10/16(金) 22:09:41.15 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「って、なにこれ!? テーブルが壊れてる!?」
ダル「うおっ!? いくら電子レンジでも床に穴を空けるほど重くはないっしょ……」
倫子「な……なに、これ……」ガタガタ
ダル「(オカリンが震えてる……ここはスイッチ入れて凌ぐか)」
ダル「まさか、これがオカリンの言ってた、シュタインズ・ゲートの選択かお……ッ!?」
倫子「ハッ……!?」
倫子「ク、ククク、ふぅーははは! す、すべて計算通り!」
倫子「……あっ、ケータイ、電話レンジ(仮)に刺しっぱなしだった……エル・プサイ・コングルゥ」ボソッ
紅莉栖「……落ち着いた?」
倫子「う、うん……」
93: 2015/10/16(金) 22:14:01.10 ID:NFKvM7RTo
倫子「そうだ! 受信履歴を確認しなければ……お、おおっ!?」
ダル「どうだった?」
倫子「......7月24日、ダルから、『じょしゅはH』」
紅莉栖「おい橋田こら」
ダル「ちょ」
倫子「内容はどうでもいい! やはり、5日分の時間遡行メール……!」
倫子「……すべてが繋がった。この電話レンジ(仮)に隠された機能の真実……っ!」
倫子「メールは過去へと送られた」
倫子「溶けかけたからあげは冷凍状態に戻った」
倫子「房から千切られたバナナは房へと戻った」
紅莉栖「……まさか」
倫子「そのまさかだ……この電話レンジ(仮)は……」
倫子「―――タイムマシンだっ!!!!!!!!!」
94: 2015/10/16(金) 22:18:20.70 ID:NFKvM7RTo
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
倫子「すぅ……すぅ……」
まゆり「今日は色んなことがあったから疲れて眠っちゃったね」
紅莉栖「はぁ……なんて癒される寝顔なのかしら……」
ダル「ってか牧瀬氏、どうして素のオカリンを見たことないのにそんなにベタ惚れしてるん?」
紅莉栖「そりゃ、初めて会った時に運命感じたから……って、ちょっと待って。"素の岡部"ってなに!?!?」
まゆり「寝る前にシャワー浴びた時とかは、髪の毛サラサラで着ぐるみパジャマ(※まゆり作)のもっとかわいいオカリンになるのです」
紅莉栖「なん……だと……!?」
紅莉栖「というか、岡部ってどうしてこんな不思議ちゃんになっちゃったの?」
ダル「あー、確かに説明しないとわからん罠」
まゆり「じゃー、まずはまゆしぃからオカリンの昔話するねー」
紅莉栖「わくわく」
倫子「すぅ……すぅ……」
まゆり「今日は色んなことがあったから疲れて眠っちゃったね」
紅莉栖「はぁ……なんて癒される寝顔なのかしら……」
ダル「ってか牧瀬氏、どうして素のオカリンを見たことないのにそんなにベタ惚れしてるん?」
紅莉栖「そりゃ、初めて会った時に運命感じたから……って、ちょっと待って。"素の岡部"ってなに!?!?」
まゆり「寝る前にシャワー浴びた時とかは、髪の毛サラサラで着ぐるみパジャマ(※まゆり作)のもっとかわいいオカリンになるのです」
紅莉栖「なん……だと……!?」
紅莉栖「というか、岡部ってどうしてこんな不思議ちゃんになっちゃったの?」
ダル「あー、確かに説明しないとわからん罠」
まゆり「じゃー、まずはまゆしぃからオカリンの昔話するねー」
紅莉栖「わくわく」
95: 2015/10/16(金) 22:23:58.94 ID:NFKvM7RTo
・・・
まゆしぃとオカリンはご近所さんでね、物心ついた時からの幼馴染だったんだー。
オカリンはその頃からすっごく可愛い女の子でね、小学校ではみんなのアイドルだったのです。
まゆり「女の子のまゆしぃでもドキッとすることがあるよー」
倫子「そうかな……」
まゆり「うん、すっごくキレイ! 色白の肌、信じられないほど美しいストレートヘアー、ピンクの唇……」
倫子「それ、少女漫画のセリフだろ」
それで、男の子みんながオカリンのトリコになっちゃって……
オカリンは、困るからって全部断ってたんだけど、女の子たちがそれ見て怒っちゃってね。
……それから、クラスの雰囲気は最悪だったのです。
○○ちゃんの好きな男の子を振った、とか、オカリンのせいでみんな恋ができない、とか。
それで、オカリンはいじめられるようになっちゃって……
まゆしぃはね、ずっとオカリンのお友達で居たかったんだけど、
オカリンがね、自分の側に居るとまゆしぃまでいじめられちゃうからって言って、
まゆしぃを守るために、自分を犠牲にしようとして、
1年くらい、まゆしぃとお話してくれなくなっちゃったのです。
96: 2015/10/16(金) 22:26:01.16 ID:NFKvM7RTo
訂正
×クラスの雰囲気
○学校の雰囲気
×クラスの雰囲気
○学校の雰囲気
98: 2015/10/16(金) 22:32:03.37 ID:NFKvM7RTo
その年にまゆしぃのおばあちゃんが氏んじゃって……
まゆしぃね、おばあちゃん子だったから、すっごく落ち込んじゃったの。
失語症みたいになっちゃって、最初は周りも慰めてくれたんだけど、
半年も続いたらみんなまゆしぃのこと気味悪がっちゃった。
たぶん、オカリンはまゆしぃを励ましたかったんだと思うんだけど、
でも、まゆしぃに話しかけたら、今度はまゆしぃがいじめられるかもって葛藤しててね。
それでもオカリンはまゆしぃを助けてくれたの。
『まゆりは人体実験の人質だ』って言って。
自分が"鳳凰院凶真"っていう悪役になれば、まゆしぃがいじめられることは無いって考えたんだと思うなー。
実際にね、学校だと『オカリンがまゆしぃをいじめてる』って話になって、まゆしぃはいじめられなかったのです。
つらかったし、悲しかったけど、オカリンとまたお話できるようになって本当によかったなー。
・・・
99: 2015/10/16(金) 22:35:23.96 ID:NFKvM7RTo
まゆり「今はね、オカリンに守られてばかりのまゆしぃじゃなくて、オカリンを支えてあげたいなーって思う人質なのです」
ダル「オカリンはちっちゃい時からずっと大切なモノを守るために戦ってきたんだお」
まゆり「そのために長くてキレイだった髪もバッサリ切っちゃって……」
紅莉栖「そうだったの……グスッ……」
ダル「それで、鳳凰院凶真を名乗ったり、ダサダサファッションをするようになったのは中学の途中かららしい」
まゆり「私服の学校だったんだよー」
紅莉栖「そっか……男の子に好かれないように」
ダル「だけど、途中からだったから周りは素のオカリンのこと知ってたし、体育の時とか研修旅行でどうしてもオカリンの魅力があふれ出ちゃってさ」
ダル「それに、今じゃ信じられないけど、表向きには言動もそこまで厨二病じみてなかったっぽいし。設定だけは考えてたらしいけど」
ダル「だから、男子は『自分好みの女に開発してやる』って息巻いて、ストーカーまがいの行為までされて」
ダル「んで、結局女子全員からいじめられるっていう小学校の二の舞になっちゃったってわけ」
紅莉栖「壮絶ね……」
まゆり「でも女子高には進学しなかったんだよね」
ダル「それだけは負けた気がするって。オカリン、負けず嫌いでいつも無茶するからひやひやもんだお」
紅莉栖「レOの巣窟に行かなくてよかった……」
ダル「その後、遠くの高校に入学して、僕と出会うことになるんだお」
まゆり「言動をマッドサイエンティストにすれば、男の子は自分に興味を無くすかもって言ってたなー」
ダル「あれは入学式の日だった……」
100: 2015/10/16(金) 22:37:11.09 ID:NFKvM7RTo
・・・
2007年
□△高校 入学式
昇降口
タッタッタッ ドンッ
ダル「痛っ! な、なんだお」
倫子「待って! いや、違った、えっと、貴様、待てぇ!」
ダル「そんな前髪垂らして顔隠してるから前見えなくて人に当たるんだお」
倫子「そんなことはどうでもいい!」
倫子「貴様、いかにもな風体だが、趣味はなんだ? どうせPCゲーかガンプラあたりのオタクだろう!」
ダル「オ、オタクをバカにすんな! いずれオタク文化は世界に羽ばたくんだお!」
ダル「(なんなんこの言葉も見た目も汚らしい女子……いくら女子とまるで縁が無い僕でもちょっと頭に来ちゃったのだぜ……)」
倫子「そんなことはどうでもいい! 貴様のその見るからに女にモテなさそうな肉体が気に入った!」
倫子「オレの、右腕になれっ!!!!」
101: 2015/10/16(金) 22:40:53.19 ID:NFKvM7RTo
ダル「はいィ?」
倫子「具体的にはいついかなる時もオレの側に居てくれるだけでいい! いや、それこそが崇高な任務だと言っても過言ではない!」
ダル「何言ってるん」
倫子「……オレは常に某国の女スパイどもから命を狙われているのだ。故に、女子が生理的に話しかけたくない男ナンバーワンの貴様こそ、オレの仲間にふさわしい!」
ダル「つかさ、まともに顔を見せて話さないようなやつの偉そうな頼みをこの僕が聞くと思ってるん? バカにするのもいい加減にしろっつーか」
倫子「……貴様の言う事も一理ある。ほら、前髪を上げてやるから、オレの顔を見ろ」
倫子「これならオレの顔を男どもに見られずに済むと思ったが、思いのほかうっとうしかった……明日からはやめよう……」ボソボソ
倫子「その代わり、その瞬間から貴様はこのオレ、狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真の右腕になるのだぁ!」ファサッ
ダル「……ぬぁぁぁぁっ!?!?!?!?」
倫子「ククク……オレの恐ろしいスカーフェイスの恐怖に身悶えるがいい……」
102: 2015/10/16(金) 22:42:19.41 ID:NFKvM7RTo
ダル「ってこれ、傷かと思ったらシールじゃん」ビリッ
倫子「ひゃん!」
ダル「……ん? き、君って、もしかして、超美人……!?」
倫子「バ、バカなことを言うな! オレは、狂気のぉ……」
ダル「もしかして、工口ゲ的展開キタコレ……? 我が世の春がきた……?」
倫子「お、おい。話を聞け……」
ダル「お、お、お、オッケーだお! 右腕でも左腕でもなんでもやるおっ!!」
倫子「……まあいい。一応言っておくが、オレはこれから3年間貴様と常に一緒に居るつもりだが、男女関係には氏んでもならん!」
ダル「ぐはぁ!……だ、男女関係はなくてもギャルゲーのイチャラブ展開が……」
倫子「では選ばせてやろう。このオレと3年間ともに過ごすがオレを性的な目で見ない、あるいはオレにずっと無視され続ける。さあどっちだ」
ダル「一生ついていきます! ムッハー」
倫子「これだから男は……」
103: 2015/10/16(金) 22:45:30.76 ID:NFKvM7RTo
倫子「鳳凰院凶真だ、よろしく」
ダル「橋田至だお」
倫子「ならば、貴様のコードネームは『ダル』だな」
ダル「いきなりニックネーム呼びとか……もしかして、彼氏のフリをしろってこと? 某少女漫画的展開?」
倫子「断じて違う。いいか、オレは一切男に興味が無く、貴様のような残念な人間にしか興味が無い残念な子なのだ。そういうことにしろ」
ダル「イマイチわからんのだが……どうしてそんなにかわいいのに、女の子らしさ皆無なん?」
倫子「オレが目立つと、"ヤツら"がオレを狙ってくる……」
ダル「(神は二物を与えず、ってことなんかな)」
倫子「……もう、友を失うのも、友に裏切られるのも、こりごりだ」
ダル「ん……なんだかよくわからんけど、君が真剣に悩んでるってのだけはわかったお」
ダル「僕でいいなら、力になってあげるのだぜ?」
倫子「ダル……!!」
ダル「そ、そ、そ、その代わり、鳳凰院氏のリコーダーをペロペロさせて欲しい件」ハァハァ
倫子「オレが貴様にHENTAI行為を強要されたと校長に直訴したらどうなるかな、ククク……」
ダル「じょ、冗談だお……」
・・・
104: 2015/10/16(金) 22:47:00.30 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「HENTAIは氏ね」
ダル「それブーメランっしょ」
まゆり「ようやくオカリンは楽しい学校生活を手に入れたのです。2人は学校のみんなが暖かい目で見守る名コンビだったんだよねー」
紅莉栖「なるほどね……それで今の岡部が出来上がった、と。納得した」
紅莉栖「ところで橋田さん。本当に岡部にHENTAI行為はしなかったんでしょうね?」
ダル「しなかったし、これからもしないお」
ダル「ホント言うとさ、僕、こんなアレだから、いついじめられてもおかしくなかったんだよね」
ダル「それがなかったのはやっぱりオカリンのおかげなんだお」
ダル「オカリン、仲間思いだから、僕になにかあるとすぐ助けようとしてくれたし。助けられたことはほとんどないけど」
ダル「だから、オカリンは仲間なんだお。もう性的な目で見ることもないお」
まゆり「あれれー? でもこの間、タケコプカメラーさんが背の高い木に引っかかっちゃった時……」
倫子「ダル……肩車……ムニャムニャ」zzz
紅莉栖「それで? 岡部のふとももの感触は良かったかしら?」ゴゴゴ
ダル「……正直たまりませんでした」
105: 2015/10/16(金) 22:48:14.54 ID:NFKvM7RTo
紅莉栖「そして今ではこの発明サークルをやってると」
まゆり「多分だけど、オカリンは信頼できる仲間が欲しかったんじゃないかな」
ダル「それでいて、友達が居ないような人には自分と同じ思いをさせたくないとも思ってるのだぜ」
紅莉栖「あっ……それで私、ラボメンに……」
まゆり「ク、クリスティーナちゃんが友達少ないとか、そういうことじゃ……」
紅莉栖「私の名前、"紅莉栖"ね。ううん、実際私に友達と呼べるような人は居なかった。少なくともこの7年は」
紅莉栖「唯一仲良い先輩が居るけど、どこかでライバル視されてて、親友っていう感じじゃないし……」
紅莉栖「だから、メンバーに入れてくれるってだけでも嬉しかった」
ダル「ま、ラボはオカリン中心に回ってるからさ、オカリンの魅力が伝わってるなら僕たちも仲良くなれると思われ」
紅莉栖「正直タイムマシンなんて信じたくないけど……これからよろしく、2人とも」
まゆり「もちろんだよー♪」
倫子「どこにも……行かないで……グゥグゥ」zzz
115: 2015/10/21(水) 21:36:33.01 ID:eILJOQKko
第2章 空理彷徨のランデヴー♀
2010年7月30日金曜日
未来ガジェット研究所
倫子「んぅ……寝てしまったのか。ふぁぁ、ダルしか居ないしシャワー浴びよう」
シャー
倫子「(昨日はあれから色んなものをスーパーで買ってきて実験したが全部変化は無かった)」
ゴシゴシ
倫子「(火事対策も、質量増大対策も施した。ラボメンに危害が加わってはいけないからな)」
ワシャワシャ
倫子「(紅莉栖がタイムマシン実験そのものに否定的だったのには少し驚いた)」
倫子「(オレが『ダメか?』というと手伝ってはくれたが、あまり無理強いするのも良くないな)」
キュッキュッ フキフキ
倫子「ダルー。上がったぞー。こっち見たら切り落とすー」
ダル「ぐごぉぉっぉぉ……んぐぁっ」zzz
2010年7月30日金曜日
未来ガジェット研究所
倫子「んぅ……寝てしまったのか。ふぁぁ、ダルしか居ないしシャワー浴びよう」
シャー
倫子「(昨日はあれから色んなものをスーパーで買ってきて実験したが全部変化は無かった)」
ゴシゴシ
倫子「(火事対策も、質量増大対策も施した。ラボメンに危害が加わってはいけないからな)」
ワシャワシャ
倫子「(紅莉栖がタイムマシン実験そのものに否定的だったのには少し驚いた)」
倫子「(オレが『ダメか?』というと手伝ってはくれたが、あまり無理強いするのも良くないな)」
キュッキュッ フキフキ
倫子「ダルー。上がったぞー。こっち見たら切り落とすー」
ダル「ぐごぉぉっぉぉ……んぐぁっ」zzz
116: 2015/10/21(水) 21:37:59.13 ID:eILJOQKko
倫子「ポストは相変わらずゴミばかり……ん? なんだこの手紙の束? 15通は同じのが投函されているな……」
――――――――――――――
横暴飲今日まちゃんへ♪
萌郁だよ♪ ごめんね、昨日跡をつけちゃった(^^;)
今日まちゃんはこのビルで暮らしてるの?
どうしても私、ダルさんっていう人のことと、ジョンさんのこと、教えてもらいたいなv(^.^)v
画像は削除した(気づいたら消えてた!?)から、お願い♪
・・・
――――――――――――――
倫子「…………」ゾワワァ
倫子「ダルっ! 起きろ、ダルっ! "奴"に、殺されるぅ!!」ガタガタ
ダル「な、なんぞっ!?」
117: 2015/10/21(水) 21:41:13.51 ID:eILJOQKko
ダル「これはひどい」
倫子「今までもストーカーされたことはあったけど、まさかラボに来るなんて……」ウルウル
ダル「うーん、一度正面切って話し合ってみた方がいいんじゃね? 相手は女性だし、なんなら僕も同席するお」
ダル「ただIBN5100について知りたいだけっぽいから普通に話してもいいし」
倫子「我がラボを守るためには致し方なしか……こうなったら軍門に下らせてやるっ!」
倫子「今に目にモノを見せてくれよう! この鳳凰院凶真を挑発したことを後悔するがいいっ! ふぅーはははっ!」
ダル「待つおオカリン。こういうのは時間を置いて、ホームで交渉するのに限るお」
ダル「2日後にメイクイーンにメールで呼び出すけどおk? その間、連続ポストはアク禁って伝えとくから」
倫子「う、うむ。店側に迷惑がかからなければいいが……」
ダル「(フェイリスたん、オカリンのことなら喜んで協力してくれるんだよね)」
118: 2015/10/21(水) 21:42:45.78 ID:eILJOQKko
倫子「そう言えばダル、PCで何を見ていたのだ?」ピョコン
ダル「ああこれ? LHC<ラージハドロンコライダー>たんだお。SERNが持つ粒子加速器なのだぜ」
倫子「SERN……」
ダル「建設当初はブラックホールが生成されて地球がヤバイ! みたいな話もあったけど、ブラックホール生成はできなかったってSERNが公式で発表してる」
倫子「(10年前の書き込みでは、タイターのタイムマシンはミニブラックホールを使ったものだったはず)」
倫子「(そして2034年にタイムマシンを完成させたのはSERN……火の無いところに煙は立たない……)」
倫子「(それに、なぜオレの周りの奴らは揃いも揃って10年前のタイターを忘れている?)」
倫子「(SERNは何かを隠している……一流の研究機関がふざけた真似を……)」
倫子「……ククク、オレを誰だと思っている。すべては運命石の扉<シュタインズ・ゲート>の選択だよ。エル・プサイ・コングルゥ」
ダル「(このスイッチは……)」
倫子「SERNにハッキングしろ」
ダル「あーはいは……はぁっ!?」
119: 2015/10/21(水) 21:46:08.53 ID:eILJOQKko
ダル「それはひょっとしてギャグで言ってるん?」
倫子「オレはいつも本気<マジ>であるっ!」ドヤァ
ダル「(このドヤ顔には逆らえないお……)」
ダル「それで、報酬は?」
倫子「助手のムレムレ黒タイツを心ゆくまでくんかくんかさせてやろう」
ダル「うはwwwみwなwぎwっwてwきwたwww」
バターン!!
紅莉栖「ムレてないからっ!! ってゆーか勝手にそんなわけのわからん取り決めを……」
倫子「おーっと助手よ、今ダルはスーパーハカーモードなのだ。オレたちは席を外そう」
ダル「ハカーじゃなくてハッカーな」
紅莉栖「えっと、それって、もしかして私たち2人でお出掛け……!?」トゥンク
倫子「いちいちオレにときめくんじゃない……」
120: 2015/10/21(水) 21:49:12.60 ID:eILJOQKko
芳林公園
倫子「クリスティーナ、これを見て欲しい」スッ
紅莉栖「これって、@ちゃんじゃない」
倫子「今、ジョン・タイターを名乗る自称未来人がオカルト板に降臨してるわけだが、これについて助手の意見を聞きたい」
紅莉栖「ふむん……まず、ダイバージェンスとかいうものの変動を認識できない点がイミフ。だったらそもそもどうやって計算してるのって話だし」
紅莉栖「それに、この議論はタイムマシンの存在前提で話してるけど、そこが嘘でしたってなったらただの思考実験になっちゃうわ」
倫子「やはり助手はタイムマシンには否定的か」
紅莉栖「もう少し考えさせて……自分の中で色々整理してから前に進みたいの」
倫子「……もし嫌なら無理をしなくてもいいのだ」
倫子「ただの友達で居てくれてもいいのだから、我がラボのタイムマシン研究に関わる必要は……」
紅莉栖「だから、もう少し考えさせてって言ってるでしょ!! あっ……」
倫子「……」
紅莉栖「ご、ごめん、そんなつもりじゃ……」
倫子「クリスティーナ、これを見て欲しい」スッ
紅莉栖「これって、@ちゃんじゃない」
倫子「今、ジョン・タイターを名乗る自称未来人がオカルト板に降臨してるわけだが、これについて助手の意見を聞きたい」
紅莉栖「ふむん……まず、ダイバージェンスとかいうものの変動を認識できない点がイミフ。だったらそもそもどうやって計算してるのって話だし」
紅莉栖「それに、この議論はタイムマシンの存在前提で話してるけど、そこが嘘でしたってなったらただの思考実験になっちゃうわ」
倫子「やはり助手はタイムマシンには否定的か」
紅莉栖「もう少し考えさせて……自分の中で色々整理してから前に進みたいの」
倫子「……もし嫌なら無理をしなくてもいいのだ」
倫子「ただの友達で居てくれてもいいのだから、我がラボのタイムマシン研究に関わる必要は……」
紅莉栖「だから、もう少し考えさせてって言ってるでしょ!! あっ……」
倫子「……」
紅莉栖「ご、ごめん、そんなつもりじゃ……」
121: 2015/10/21(水) 21:50:53.36 ID:eILJOQKko
倫子「ふぅーははは! オレは知的好奇心を満たしたいだけだっ!」
倫子「だが、それは同時に危険を孕んでいる……無論、"機関"にやられる鳳凰院凶真ではないがな」
倫子「故にっ! オレは、いつまでもお前を待つ! この記憶のある限りな……」
紅莉栖「岡部……」
倫子「さらばだ。いずれまた、運命が2人を導くだろう……」スタスタ
紅莉栖「あっ……」
紅莉栖「(この後特に予定ないから岡部とおしゃべりしてたかったけど今ここで呼び止めたら格好がつかなくなるだろうから声がかけづらい……!!)」
122: 2015/10/21(水) 21:51:45.34 ID:eILJOQKko
大檜山ビル前
鈴羽「あっ! ちょーどいいところに! 鳳凰院凶真!」
倫子「オレの真名を呼ぶとは……貴様は一体……?」
鈴羽「修理頼まれてたテレビ、直ったよ。今持っていこうと思って」
倫子「ああ、自称女好きのレOビアンか」
鈴羽「レ……ッ!? 違うよ! あたしは戦士だよっ!」
倫子「戦士? ネコとかタチとかいうそっち系の隠語か?」
鈴羽「隠語じゃなくて、そのままの意味だってば! もう、失礼しちゃうな」
倫子「ではなんの戦士なのだ」
鈴羽「もちろんっ! ワルキューレの女騎士を守護する、約束されし時空の戦士ッ!」
倫子「(こいつもフェイリスタイプか……)」
鈴羽「あっ! ちょーどいいところに! 鳳凰院凶真!」
倫子「オレの真名を呼ぶとは……貴様は一体……?」
鈴羽「修理頼まれてたテレビ、直ったよ。今持っていこうと思って」
倫子「ああ、自称女好きのレOビアンか」
鈴羽「レ……ッ!? 違うよ! あたしは戦士だよっ!」
倫子「戦士? ネコとかタチとかいうそっち系の隠語か?」
鈴羽「隠語じゃなくて、そのままの意味だってば! もう、失礼しちゃうな」
倫子「ではなんの戦士なのだ」
鈴羽「もちろんっ! ワルキューレの女騎士を守護する、約束されし時空の戦士ッ!」
倫子「(こいつもフェイリスタイプか……)」
123: 2015/10/21(水) 21:54:35.68 ID:eILJOQKko
倫子「バイト戦士よ、お前、友達居るか?」
鈴羽「それ、あたしのこと?……仲間なら居た、かな。遠いところに、だけど」
倫子「上京してきたのか」
鈴羽「まあ、そんなところ」
倫子「(そういう状況ならば、心細く思う時もあるだろう)」
倫子「どうせこんな寂れた店のバイトなどヒマなはずだ。時間を持て余すようだったら2階に遊びに来てもいいぞ。今はダメだがな」
鈴羽「え、いいの? これでヤツラからワルキューレの女騎士――レジェンド――を守りやすくなった……」
倫子「誰から何を守るって?」
鈴羽「闇の機関、SERNは唾棄すべき連中だよ! キミみたいなかわいい子を常に狙ってるんだから!」
倫子「(う゛っ、こいつ、相当に面倒くさいぞ!)」
124: 2015/10/21(水) 21:55:24.18 ID:eILJOQKko
鈴羽「それじゃ、テレビ運ぶね。うんしょ……おっとっと!」
倫子「お、おい! 大丈夫かっ」ダキッ
鈴羽「ひゃああ/// あ、ありが、ありがとう、ございます、鳳凰院様……」カアアッ
倫子「無茶をするな。あと敬語はやめろ」
鈴羽「レジェンドと抱擁しちゃうなんて……」ドキドキ
倫子「(さっきからレジェンドとは何のことだ、と質問しかけてオレはやめた。どうせ"設定"なのだろう、聞いたところで話が長くなる)」
倫子「一応言っておくが、オレに好意を寄せるのは構わん。オレだって同姓からだろうが嬉しいものは嬉しい」
倫子「(人間関係の問題から言えばむしろ同姓からの方が嬉しい)」
鈴羽「えっと……?」
倫子「だがな、それは自己責任だ。何かあったとして、オレのせいにされてはたまったものではない」
鈴羽「あ、いや、そんなつもりじゃ!」
倫子「無茶をするなと言っている。一緒にテレビを持とう。元々持ってもらうのも申し訳ないくらいだ」
鈴羽「あ……」
倫子「ほら、そっちを持て。せーのっ」
鈴羽「う、うん。ありがとう……///」
125: 2015/10/21(水) 21:57:13.84 ID:eILJOQKko
未来ガジェット研究所
鈴羽「はい、これで取り付け完了」
倫子「配線まで悪いな」
鈴羽「キミの力になれるなら……って、何この手紙の束?」
倫子「ああ、それか。オレは今粘着質ストーカーに追われているようでな……」
鈴羽「ス、ストーカー!? ワルキューレの女騎士の情報を引き出そうとするなんて、SERNの犬め……許さないッ!!」
倫子「待て待て! こいつはIBN5100について知りたいだけらしい! オレとは関係ない」
鈴羽「IBN5100ッ!?」
倫子「知ってるのか?」
鈴羽「あ……ええっと、ほら、掲示板で話題になってたじゃん? それでさ……」
倫子「なんだそれでか。しかし、どうしてレトロPCなんかを欲しがるものか」
鈴羽「そりゃ、隠された機能があるからでしょ?……って知り合いが言ってたんだけどさ、あはは」
倫子「……そう言えば2000年のタイターもそんなことを言っていたな。プログラミング言語がどうとか」
鈴羽「何かあったらすぐに言ってね! あたしがキミを守るから!」
鈴羽「はい、これで取り付け完了」
倫子「配線まで悪いな」
鈴羽「キミの力になれるなら……って、何この手紙の束?」
倫子「ああ、それか。オレは今粘着質ストーカーに追われているようでな……」
鈴羽「ス、ストーカー!? ワルキューレの女騎士の情報を引き出そうとするなんて、SERNの犬め……許さないッ!!」
倫子「待て待て! こいつはIBN5100について知りたいだけらしい! オレとは関係ない」
鈴羽「IBN5100ッ!?」
倫子「知ってるのか?」
鈴羽「あ……ええっと、ほら、掲示板で話題になってたじゃん? それでさ……」
倫子「なんだそれでか。しかし、どうしてレトロPCなんかを欲しがるものか」
鈴羽「そりゃ、隠された機能があるからでしょ?……って知り合いが言ってたんだけどさ、あはは」
倫子「……そう言えば2000年のタイターもそんなことを言っていたな。プログラミング言語がどうとか」
鈴羽「何かあったらすぐに言ってね! あたしがキミを守るから!」
126: 2015/10/21(水) 21:58:40.23 ID:eILJOQKko
2010年7月31日土曜日
未来ガジェット研究所
倫子「(あれからダルは夜通しPCと向かい合っている)」
倫子「(少し休んだらどうだ、と声をかけたが)」
ダル『がんばれ♡ がんばれ♡ って言ってくれたらもっと頑張れるお』
倫子「(とほざいたので耳をつねってやった)」
倫子「(SERNの陰謀を暴いた暁には何か褒美をやらねばならんな)」フッ
倫子「それはそれとして、例のタイターが掲示板上でオレにメールを送るよう求めてきた……」
倫子「オレのメルアドを聞く奴にろくな奴はいなかったが、これは今までとは毛色が違う気がする」
倫子「奴はオレの正体を知らない。ならば、純粋に10年前の書き込みの情報が知りたいだけなのか?」
倫子「……@ちゃんでメルアドを晒すという危険行為に及んでまでオレと連絡を取りたいと言うのだ。これは奴からの挑戦と受け取るべきだろう」
倫子「さて、なんとメールを送るか……」
未来ガジェット研究所
倫子「(あれからダルは夜通しPCと向かい合っている)」
倫子「(少し休んだらどうだ、と声をかけたが)」
ダル『がんばれ♡ がんばれ♡ って言ってくれたらもっと頑張れるお』
倫子「(とほざいたので耳をつねってやった)」
倫子「(SERNの陰謀を暴いた暁には何か褒美をやらねばならんな)」フッ
倫子「それはそれとして、例のタイターが掲示板上でオレにメールを送るよう求めてきた……」
倫子「オレのメルアドを聞く奴にろくな奴はいなかったが、これは今までとは毛色が違う気がする」
倫子「奴はオレの正体を知らない。ならば、純粋に10年前の書き込みの情報が知りたいだけなのか?」
倫子「……@ちゃんでメルアドを晒すという危険行為に及んでまでオレと連絡を取りたいと言うのだ。これは奴からの挑戦と受け取るべきだろう」
倫子「さて、なんとメールを送るか……」
127: 2015/10/21(水) 22:02:02.21 ID:eILJOQKko
To ジョン・タイター
Sub 10年前の件
ジョン・タイター様
初めまして、鳳凰院凶真と
申します。
この度はご連絡ありがとう
ございました。
未来人の件で、いくつかご
質問があります。
IBN5100の隠された機能
・・・
等々、10年前のジョンの予
言は、いくつか的中しませ
んでした。
それはなぜでしょうか。
長文失礼致しました。何卒
よろしくお願いいたします。
鳳凰院凶真
倫子「これなら失礼はないよな……」ドキドキ
128: 2015/10/21(水) 22:03:27.51 ID:eILJOQKko
まゆり「トゥットゥルー♪ お風呂上がりのオカリン、いい匂いだねー♪」ダキッ
倫子「入ってくるなり抱き着くなっ!」
まゆり「やっぱり髪下ろしてる方がかわいいよー」クンカクンカ
倫子「ええい、嗅ぐな! そんなことより、こんな朝早くからどうしたのだ?」
まゆり「2人が2日連続でラボに缶詰ってスズさんから聞いたからね、差し入れ買ってきたよー」
まゆり「じゃーん! おでん缶。まゆしぃからのプレゼントだよー!」
倫子「おおっ! ごくろうまゆり! さすがラボメンナンバー002、その名に恥じぬ活躍だな」ヨシヨシ
まゆり「えっへへー。オカリンに撫でられると幸せいっぱいになるのです♪」
倫子「お前はご飯を腹いっぱい食べても幸せそうだが?」
まゆり「腹が減ってはなんとやらだよーオカリン」
倫子「まゆりはどれだけ食べても太らないからな」
まゆり「そ、そんなことないよー」
倫子「すべて胸に行っているのだろう! 羨ましいやつめ!」ワシッ
まゆり「ひやあっ! 急に、揉むのは、だめだよぅ……」アワアワ
ダル「ビクン! ビクビク……」
倫子「ダルが百合フィールドに反応して痙攣している……」
129: 2015/10/21(水) 22:06:04.04 ID:eILJOQKko
まゆり「でもハッキングって悪いことなんだよね? あんまり危ないことはしてほしくないのです……」
倫子「スーパーハカー、いやハッカーとしての腕前を使わなければ、ダルはダルではなくなってしまうからな」
まゆり「そっか……ダルくんがダルくんじゃ無くなるのは嫌だなぁ……」
ダル「おほっ、キタキタキター、いいよいいよ、おら、観念して俺の前に全部晒しやがれっつの、素っ裸にされてる気分はどうだよ、ヒャッハー」
まゆり「ダルくん全開だねー」
倫子「ダル、やったのか?」
ダル「ミッションコンプリート」キリッ
倫子「そ、そうか! さすが我が右腕! 褒美として、マユシィ・ニャンニャンに『あーん』してもらっておでん缶を食べる権利をやろう」
ダル「マジで? なにそれ勝ち組すぐる」
まゆり「ダルくんおつかれさまー♪ はい、あーん」
倫子「ラボメンには常に仲良くあってほしいからなっ」エヘン
135: 2015/10/22(木) 22:01:21.22 ID:JmjnxdPWo
倫子「それで、世界滅亡計画の証拠は見つかったか?」
ダル「まだ繋がっただけ。ここまで来れば後は楽勝だけど」カタカタ
倫子「ならば、疲れているところ悪いがさっそく調べてくれ。きっとあるはずなのだ、陰謀の影がっ!」キラキラ
ダル「倫子ちゃんに期待の眼差しを送られたら断れるわけないのだぜっと」カタカタ ッターン
倫子「倫子ちゃん言うなっ!」
まゆり「あのね、他人のメールを勝手に見るのって、すごくごめんなさいって気持ちになる……」
倫子「……オレはとっくに悪の道に踏み込んだマッドサイエンティスト、なんの良心の呵責も感じないのだ、ふぅーははは!」
倫子「責任はすべてこのオレが取る。ダルやまゆりに罪を被せるつもりはない」
ダル「うほっ。僕、オカリンになら掘られてもいい」
倫子「どんな状況かわからんが、それは氏んでもお断りだ」
まゆり「オカリンが捕まっちゃうの、嫌だよ……」
倫子「法という正義は所詮国家の暴力。自分を守るのは結局自分自身でしかない」
倫子「(オレは警察が大嫌いだ。助けを求めたところで鼻の下を伸ばすことしかできない無能……ッ!)」
倫子「鳳凰院凶真は悪であり、法を隠れ蓑にする世界の巨悪と戦わなければならないのだ。オレを信じろ、まゆり」
まゆり「うん……」
136: 2015/10/22(木) 22:02:21.97 ID:JmjnxdPWo
ダル「LHCの実験レポートが見つかったっぽい」
倫子「タイムマシンのヒントはあるか?」ピョコン
ダル「……んー、どのメールにも"タイムマシン"って単語は出てこないけど、"Zプログラム"って単語がこの数か月で100カ所以上も使われてる」
倫子「ブラックホールの生成実験か?」
ダル「添付ファイル開くお……『なお、ミニブラックホール生成ミッションはすでに確立しているため報告は省く』……んん?」
倫子「やはりSERNはLHCを使ったミニブラックホール生成に成功していたのだっ! その先はっ!」
ダル「えっと……『実験結果:エラー。ヒューマンイズデッド、ミスマッチ』」
倫子「……どういう意味だ」
ダル「……人が氏んだ、って意味じゃね」
倫子「人が……氏んだ……!?」
137: 2015/10/22(木) 22:03:13.15 ID:JmjnxdPWo
倫子「(お、落ち着け鳳凰院凶真。奴らに恐れを気取られでもしたらそれこそ一大事だ)」プルプル
倫子「(そもそも、ここまで来たらもうどこまで行こうとも変わらぬはず。ならばSERNの悪事を暴くのが先ではないか)」ドキドキ
ダル「……オカリン。今ならまだ引き返せるお」
倫子「気休めを言うな。そうでないことぐらいはオレでもわかる」
ダル「う、うん」
倫子「オレはお前の腕を信じている。足がつくヘマなどしていないのだろう?」
ダル「なんだか照れるのだぜ」
ダル「ちなみにさ、今見てたのがSERNの一番でかいサーバーなんだけど、実はもう1個、妙なデータベースがあったんだよね」
倫子「妙、とは?」
ダル「バグってた……いや、バグっつーか、一応プログラムのコードらしきものは出てくるんだけど……」
ダル「そもそもプログラムとして成立してないんだよね。ただ、そんな誰にも見れないものがなんで置いてあんのかは気になる」
倫子「たしかに、気になるな」
ダル「ちょっと解析してみるお」カタカタ
138: 2015/10/22(木) 22:04:16.84 ID:JmjnxdPWo
・・・
ダル「ここまで来れば余裕だと思ってた時期が僕にもありますた……orz」
倫子「一度しっかり休め。ほら、シャワーも浴びろ。臭うぞ」
ダル「げっ、マジで? さすがに頭働かんくなってきたし、身体洗ったら寝るわ」
pppppp
倫子「ん? タイターからメールか……」
From ジョン・タイター
Sub あなたは本物ですか?
あなたは非常に興味深い存在です。
特にIBN5100に隠された機能があ
る事は私は誰にも話していません。
もちろん、SERNに狙われる前にワ
ルキューレの女騎士には教えるつも
りですが・・・
139: 2015/10/22(木) 22:07:21.74 ID:JmjnxdPWo
倫子「かなりの長文メールで、その大半は自分の使命についてうっとうしく書かれていた……」
倫子「そう言えば下のバイトも似たような話をしていたな。ちょっと窓から声をかけてみよう」
倫子「おーい、バイト戦士。ホントにIBN5100の隠された機能を誰にも話していないかー!」
鈴羽「もちろん! メールにだってそう書いたじゃん! あたしが鳳凰院凶真を裏切るわけないよ!」
倫子「アヤツのメルアドをオレは知らんのだが……まんまとオレのカマかけ<サイズハング>に引っかかったな、おっちょこちょい未来人め」
倫子「このジョン・タイターが阿万音鈴羽なのはほぼ確定だが、そんなことはともかく……」
倫子「とりあえずプログラムコードを写メってタイター(自称)に送っておこう」ピッピッ
倫子「ダルっ! 今シャワー室か!? 開けるぞっ!」ガラッ
ダル(全裸)「いやん! っつか誰得だよこの状況!」
倫子「もしかすると例のプログラムの正体、判明するかもしれん!」
ダル「ど、どうやって?」クルッ
倫子「ま、ま、ま、前を隠してから振り返れバカモノっ///」
ダル「おっと、タオルタオル……」
ppppppp
倫子「……丁度メールの返信が来た。これを見ろ!」
140: 2015/10/22(木) 22:08:33.60 ID:JmjnxdPWo
From ジョン・タイター(たぶん阿万音鈴羽)
Sub それをどこで?
それは、1975年以前に使われていた
IBN独自のとても古いプログラム言語
であり、解読するにはIBN5100を使
うしかないでしょう。
ダル「……わかったけど、あのバイトの子の言葉を信じるん?」
倫子「ダルよ、わかっていないな。奴は未来から送られたエージェント」
ダル「自称な件」
倫子「つまりこれは、時空操作の因果が生み出した必然……ッ! これこそが運命石の扉<シュタインズ・ゲート>の選択だっ!」
ダル「いやさすがにありえないっしょ。それじゃタイムマシンが存在することになっちゃうわけで……あっ」
倫子「ククク……タイムマシンなら、"そこ"にあるではないかっ。いや、正直タイムトラベルだの未来人だのはこの際関係ないのだ」
ダル「うーん……でもSERNが独自のデータベースを構築してる意味もわからん罠」
倫子「外部からのクラッキングに対する最高のセキュリティ方法はなんだ?」
ダル「そりゃスタンドアロンだろ―――ハッ」
141: 2015/10/22(木) 22:11:22.15 ID:JmjnxdPWo
倫子「そこに眠るのは、SERNにとって最重要機密のはずだっ!」
倫子「まゆり、ダル、2人とも聞けっ! これより未来ガジェット研究所は緊急極秘作戦を発動させる!」
まゆり「なにかななにかなー」ワクワク
ダル「ちょ、今パンツ履くから待ってほしい件」
倫子「これは世界を陰から操る巨大な闇との戦いの第一歩となるだろう! 敵はSERN! 世界的な研究機関でありながら邪悪に魅入られた連中!」
倫子「ヤツらに先んじられる前に我らが出し抜いてやろうっ!」
『おおーっ!!』
まゆり「……外からスズさんの声が聞こえたね」
ダル「で、具体的には?」
倫子「……IBN5100を手に入れる。このアキバのどこかにあるというレトロPCだっ」
倫子「ダルは寝てろ。まゆりは……」
まゆり「ごめんね、オカリン。まゆしぃはバイトとコス作りがあるから」
倫子「む、そうであった。ならばやる気満々のバイト戦士と共に探すか」
142: 2015/10/22(木) 22:12:45.39 ID:JmjnxdPWo
大檜山ビル前
鈴羽「おっはー、鳳凰院凶真♪」
倫子「楽しげだな。何か良いことでもあったのか?」
鈴羽「えっへへー、あたしの戦士としての使命が1つ達成された、って感じかな」
倫子「(こいつ、自分からジョン・タイターだと正体をバラしてしまったことに気付いてないのか……仕方ない、しばらく付き合ってやろう)」
倫子「少し話があるんだが、いいか?」
鈴羽「いつでもいいよ、キミと接触する時間を確保するのは特級の任務だからね」
倫子「一応言うが、オレのために無理だけはするなよ」
鈴羽「う、うん。わかってるよ。それで、話って?」
倫子「IBN5100はどこにある」
鈴羽「…………」
鈴羽「…………」
鈴羽「うぐぅぅっ……ひっく……ぐすん……失敗したぁぁぁ……」ポロポロ
倫子「なッ!?!?」
鈴羽「おっはー、鳳凰院凶真♪」
倫子「楽しげだな。何か良いことでもあったのか?」
鈴羽「えっへへー、あたしの戦士としての使命が1つ達成された、って感じかな」
倫子「(こいつ、自分からジョン・タイターだと正体をバラしてしまったことに気付いてないのか……仕方ない、しばらく付き合ってやろう)」
倫子「少し話があるんだが、いいか?」
鈴羽「いつでもいいよ、キミと接触する時間を確保するのは特級の任務だからね」
倫子「一応言うが、オレのために無理だけはするなよ」
鈴羽「う、うん。わかってるよ。それで、話って?」
倫子「IBN5100はどこにある」
鈴羽「…………」
鈴羽「…………」
鈴羽「うぐぅぅっ……ひっく……ぐすん……失敗したぁぁぁ……」ポロポロ
倫子「なッ!?!?」
143: 2015/10/22(木) 22:15:06.08 ID:JmjnxdPWo
鈴羽「ごめんねぇ、鳳凰院凶真ぁ……あたし、この時代に寄ってる場合じゃないよねぇ……」ウルウル
倫子「なんの話だ!? というか何故泣く!?」オロオロ
鈴羽「一応ね、時間を見つけてはこのMTBに乗ってIBN5100、というかIBN5100について知ってる人を探して回ってるんだけど……全然見つからなくて……」
倫子「(こいつも未来のためにSERNの陰謀を暴きたいんだよな……本当かどうかはわからんが)」
倫子「そうとは知らず、済まなかった」
倫子「オレも今日からIBN5100を探すことにした。つまりそれは、必ず見つかるという事だ」
倫子「だから泣くな、バイト戦士よ」
鈴羽「うん……見苦しいところを見せちゃってごめんね」
倫子「そう言えば、お前の知り合いに例の隠し機能について知っている人物が居るんだったな? そいつに連絡は取れないのか?」
鈴羽「……無理」
倫子「何故?」
鈴羽「もう氏んじゃった」
144: 2015/10/22(木) 22:17:46.95 ID:JmjnxdPWo
鈴羽「氏んじゃった……何年も前に……」ウルッ
倫子「……重ねて詫びよう。済まなかった。大切な人だったのか?」
鈴羽「……」コクッ
倫子「……オレでよければ胸を貸そう」
鈴羽「鳳凰院凶真ぁ……」ダキッ
倫子「つらい時は泣け。泣き止んだら、また自転車を漕ぎ出せばいい」ヨシヨシ
鈴羽「キミって、良いやつだね……」グスッ
紅莉栖「ああーーーーーーーーッ!!!!!!!」
倫子「」ビクッ!!
145: 2015/10/22(木) 23:11:34.04 ID:JmjnxdPWo
紅莉栖「は な れ な さ い よ ッ!!!」
鈴羽「ちょっと!? いきなり何すんのさ!」
倫子「お、おい、落ち着け助手」オロオロ
鈴羽「助手って、鳳凰院凶真の助手……? そんな人、居たかな……」
紅莉栖「白昼の往来で何抱き合ってるのよ!! 百合なの!? ねぇ百合なの!?」
倫子「嫉妬は見苦しいぞ、クリスティーナよ!」
紅莉栖「ええ、どうせ嫉妬ですよ! で、この娘は誰なの!?」
鈴羽「あたしは阿万音鈴羽、鳳凰院凶真を守る戦士だよっ!」
紅莉栖「厨二病乙! ラボメンでも無いのにちょっかい出さないでくださいー!」
倫子「小学生か」
鈴羽「そういうキミはだ……れ……ッ!?」
倫子「あー、この百合女はだな……」
鈴羽「その顔……マキセクリスッ!!!!!!」ギロッ
倫子「ヒィッ!?」ビクッ
紅莉栖「ッ!?」
146: 2015/10/22(木) 23:12:29.41 ID:JmjnxdPWo
倫子「コワイコワイコワイ」ガクガクブルブル
紅莉栖「あなたが私の名前を科学雑誌読んで知ってくれてるのは嬉しいけど、そんな親の仇に会ったみたいな顔しないでよ……」
鈴羽「どうしてコイツがラボに……まさか、スパイ……鳳凰院凶真に近づいて、暗殺……」ブツブツ
倫子「バイト戦士は急にどうしてしまったというのだ……」ワナワナ
紅莉栖「バイト? いや、私にもわからないわ……」
天王寺「おうこらおめえら! 営業妨害してんじゃねぇ! 散れ散れ! バイトは仕事しろ!」
倫子「ひぇっ、ミスターブラウン! 助かった、クリスティーナ、ここは退散するぞっ!」ギュッ
紅莉栖「えっ、あっ、そんな、私の手を握って走り出すなんて……///」
鈴羽「マキセコロスマキセコロスマキセコロス……」ブツブツ
147: 2015/10/22(木) 23:13:39.71 ID:JmjnxdPWo
ラジ館前
倫子「ふーっ、ふーっ……ここまで来れば大丈夫だろう」
紅莉栖「なんなの、あの人。私も大概だってのは自覚してるけど」
倫子「貴様と鉢合わせるまでは元気いっぱい健康的でジョン・タイターな少女だったのだが……」
紅莉栖「よくわからんが。ってことは私のせいってこと? 2人が抱き合ってるのを邪魔しただけであそこまで怒るかな……」
倫子「……もしかしたらお前が忘れているだけで、鈴羽になにか嫌な思いをさせたことがある、とか」
紅莉栖「な、無いわよ……って言い切れないのがつらいところね」
紅莉栖「仮にあの人のお父さんが科学者だったとして、私の論文のせいで学会を追われた、って可能性も無くはないし」
倫子「……貴様は修羅の世界で戦っていたのだな」
紅莉栖「物のたとえだけど……まあ、実際大変よ。私みたいな若い女が先進的な論文を書いて、何人の恨みを買ってるかわからない」
紅莉栖「嫌がらせもいっぱいされたしね。でも、そんなことでへこたれる私じゃない」
倫子「強いのだな」
紅莉栖「そんなこと、ないけど……」
倫子「強い女はオレは好きだぞ」
紅莉栖「きゅ、急に口説かないでよ……ドキドキしちゃうじゃない……///」
倫子「(そんなつもりはこれっぽっちも無かったが……こいつの前では偉そうにしている方が良さそうだ)」
倫子「ふーっ、ふーっ……ここまで来れば大丈夫だろう」
紅莉栖「なんなの、あの人。私も大概だってのは自覚してるけど」
倫子「貴様と鉢合わせるまでは元気いっぱい健康的でジョン・タイターな少女だったのだが……」
紅莉栖「よくわからんが。ってことは私のせいってこと? 2人が抱き合ってるのを邪魔しただけであそこまで怒るかな……」
倫子「……もしかしたらお前が忘れているだけで、鈴羽になにか嫌な思いをさせたことがある、とか」
紅莉栖「な、無いわよ……って言い切れないのがつらいところね」
紅莉栖「仮にあの人のお父さんが科学者だったとして、私の論文のせいで学会を追われた、って可能性も無くはないし」
倫子「……貴様は修羅の世界で戦っていたのだな」
紅莉栖「物のたとえだけど……まあ、実際大変よ。私みたいな若い女が先進的な論文を書いて、何人の恨みを買ってるかわからない」
紅莉栖「嫌がらせもいっぱいされたしね。でも、そんなことでへこたれる私じゃない」
倫子「強いのだな」
紅莉栖「そんなこと、ないけど……」
倫子「強い女はオレは好きだぞ」
紅莉栖「きゅ、急に口説かないでよ……ドキドキしちゃうじゃない……///」
倫子「(そんなつもりはこれっぽっちも無かったが……こいつの前では偉そうにしている方が良さそうだ)」
148: 2015/10/22(木) 23:20:01.29 ID:JmjnxdPWo
紅莉栖「そういえば、例の電話レンジはどうなった?」
倫子「かっこかり」
紅莉栖「へ?」
倫子「だから、(仮)をつけろと言っている」
紅莉栖「……ああ、ごめん。そうよね、岡部がせっかくつけた名前だもの、ちゃんと呼ばないともったいないわよね」
倫子「助手にはヤンデレ属性があるかも知れないな……」ボソッ
紅莉栖「え、なに?」
倫子「い、いや!? なんでもないぞっ!?」
149: 2015/10/22(木) 23:21:57.62 ID:JmjnxdPWo
倫子「実験に進展はない。助手の天才的頭脳があれば、あるいは……」
紅莉栖「…………」
倫子「……なぁ、オレに話してくれないか。お前がタイムマシンについて、何を悩んでいるのか」
紅莉栖「たいしたことじゃないの。ただ、トンデモ科学には抵抗がある……父と同じ失敗は繰り返したくない」
倫子「父?」
紅莉栖「父はタイムトラベル研究に執着するあまり学会から追放に近い扱いを受けた……ッ!」ギリリ
倫子「ヒッ……お、落ち着け、顔が人頃しのソレだぞ……」
紅莉栖「……ごめん。感情的になった」
倫子「……父親想いなのだな」
紅莉栖「別にそんなんじゃないわよ……」シュン
倫子「(この顔……父親との間に何かあるのか?)」
倫子「……無理にラボメンに誘って迷惑かけたな。もう二度とラボに来なくていい」
倫子「ラボメンナンバー004は永久欠番としておく。この番号は、ずっとお前のものだ」
紅莉栖「えっ……」
紅莉栖「…………」
紅莉栖「…………」
紅莉栖「な゛ん゛て゛そ゛ん゛な゛こ゛と゛い゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛っ゛!!!!!」ポロポロ
倫子「」ビクッ!!
150: 2015/10/22(木) 23:24:26.19 ID:JmjnxdPWo
紅莉栖「待ってくれるってぇ……待ってくれるって言ったのにぃ……」グスッ
倫子「い、いや、家族の問題があるならオレが無理強いさせるわけには……」
紅莉栖「私は倫子ちゃんと一緒に研究したいぃぃぃぃっ!!」ダキッ
倫子「倫子ちゃん言うなっ! あと離れろっ!」ンググ
紅莉栖「同世代の日本人のかわいい女の子で理系で話が合っておもしろそうな研究やってるラボで研究したいぃぃぃぃっ!!」ギュゥ
倫子「わ、わかった!! 気が済むまでラボに居てくれ!! 貴様はラボメンなのだからな!!」
紅莉栖「ホ、ホント!? 私、ラボに居ていいの!?」パァァ
倫子「良いと言っている! だからひっつくなーっ!!」ジタバタ
151: 2015/10/22(木) 23:25:46.78 ID:JmjnxdPWo
萌郁「あっ……今日ま、さん……(こんなところで会えるなんて偶然だね!)」
倫子「はなれ……ひぃぃっ!? ストーカー女っ!?」プルプル
紅莉栖「えっ、ストーカーですって! ちょっと、あなた岡部に何したんですか!」
萌郁「岡部……? (あれ、本名は岡部さんって言うのかな?)」
倫子「明日ケリをつけるまではコンタクトを取ることを禁じたはずだ!」
倫子「それを自ら破るとは……貴様、わかっているのだろうな!?」ガタガタ
萌郁「ここに来たのは偶然……(なんか私嫌われてるっぽいー><。)」
紅莉栖「明日ケリをつけるって、どういうこと?」
倫子「情報取引を明日、メイクイーン+ニャン2で極秘に行う密約を交わしたのだが……」
紅莉栖「私も行く」
倫子「即決か!」
紅莉栖「早くここから離れましょ。何されるかわからないわ」ギュッ
倫子「あ、おい、ちょっと、手を離せっ!」タッタッタッ
萌郁「…………(行っちゃった。明日、教えてくれるかなー?)」
152: 2015/10/22(木) 23:28:02.87 ID:JmjnxdPWo
2010年8月1日日曜日
メイクイーン+ニャン2
紅莉栖「なにこの店……これがメイド喫茶か……」
まゆり「お帰りにゃさいませお嬢様♪ お連れ様がお待ちですにゃん」
倫子「今日はやけに客が多いな」
ダル「午後からフェイリス杯、えっと、雷ネットABのイベントがあってさ」
ダル「ここに居るのはその待機組ってわけ。みんなオカリンの味方だお」
倫子「それでこの日を選んだのか! さすが我が右腕!」
フェイリス「待つニャ! 凶真はホントに無血開城するつもりニャ!?」
フェイリス「フェイリスの魔力はいつでも解放限界180%だニャ!」
倫子「お前の手を汚させるような真似はしない。ただ、オレが帰らなかったら……その時は、頼んだぞ」
フェイリス「凶真ァ~! 帰らないなんてイヤだニャ! 絶対、ぜ~ったい生きて帰って来てほしいニャァ~!」ウルウル
倫子「なに、その時は地獄の門番と交渉してでもお前の元に戻って来てやるさ。だから心配するな」
フェイリス「ニャウゥ~///」
紅莉栖「…………」チッ
ダル「(オカリンの売り言葉に買い言葉癖、なんとかならんかな……)」
メイクイーン+ニャン2
紅莉栖「なにこの店……これがメイド喫茶か……」
まゆり「お帰りにゃさいませお嬢様♪ お連れ様がお待ちですにゃん」
倫子「今日はやけに客が多いな」
ダル「午後からフェイリス杯、えっと、雷ネットABのイベントがあってさ」
ダル「ここに居るのはその待機組ってわけ。みんなオカリンの味方だお」
倫子「それでこの日を選んだのか! さすが我が右腕!」
フェイリス「待つニャ! 凶真はホントに無血開城するつもりニャ!?」
フェイリス「フェイリスの魔力はいつでも解放限界180%だニャ!」
倫子「お前の手を汚させるような真似はしない。ただ、オレが帰らなかったら……その時は、頼んだぞ」
フェイリス「凶真ァ~! 帰らないなんてイヤだニャ! 絶対、ぜ~ったい生きて帰って来てほしいニャァ~!」ウルウル
倫子「なに、その時は地獄の門番と交渉してでもお前の元に戻って来てやるさ。だから心配するな」
フェイリス「ニャウゥ~///」
紅莉栖「…………」チッ
ダル「(オカリンの売り言葉に買い言葉癖、なんとかならんかな……)」
153: 2015/10/22(木) 23:29:08.95 ID:JmjnxdPWo
萌郁「…………(知らない人が多くて怖いなぁ)」
倫子「待たせたな、ストーカー。まず言っておくが、ここに居るのは全員オレの仲間だ。妙な真似をしたら……」
萌郁「あなたが……ダルさん……? (うわ、すごいソレっぽい)」
ダル「あ、はい」
倫子「お、おい。オレの話を……」
萌郁「…………(FBの指令だから頑張らなくちゃ!)」ポチポチポチポチ ピロリン♪
倫子「なんと素早いケータイさばきなのだ……その動き、閃光の指圧師<シャインイング・フィンガー>の名がふさわしい……」
ダル「ん、メール? 『IBN5100について知ってることを教えてほしい』?」
倫子「教えろと聞かれて教えるアホがどこに居るか。貴様は交渉術のコの字も知らんようだな」
萌郁「…………(この人、せっかく美人なのにどうしてこんなしゃべり方なんだろう。って、モエカもヒトのこと言えないぞ^^ おいおい♪)」
倫子「そもそもお前はなぜIBN5100を探しているのだ。まずはそこを話せ」
萌郁「…………(正直には言えないよー><。)」ポチポチ ピロリン♪
154: 2015/10/22(木) 23:30:38.30 ID:JmjnxdPWo
ダル「またメール? えー、『編プロの仕事で、秋葉原の都市伝説を追ってるから』……?」
フェイリス「嘘ニャ」
萌郁「っ!? (な、なんでわかったの!?)」
倫子「ふん、二流め。動揺し過ぎだ」
萌郁「……ッ!! (かまかけられたぁー! がーん!(´;ω;`) )」ギロッ
ダル「うおっ、急に目つきが怖いお!」
フェイリス「お嬢様~? ここはみんなの憩いの場ですニャン」
フェイリス「和を乱そうとするなら、それなりの対応をするのでよろしくニャン♪」
萌郁「…………(可愛いメイドさんだけど、只者じゃないオーラがすごいなぁ^^; )」
倫子「さあ、観念して本当の理由を話せ。でなければ貴様は永遠にIBN5100の情報を手に入れることはできない」
155: 2015/10/22(木) 23:31:50.55 ID:JmjnxdPWo
萌郁「…………(一応FBに本当の理由言っていいか聞いてみよっ)」ポチポチポチポチ
倫子「さっきから一体誰にメールしているのだ?」
ダル「誰かに確認取ってるって感じだけど……」
萌郁「(やっぱりダメでした><; )……理由は、言えない」
紅莉栖「いい加減虫が良すぎるわよ、あなた。それとも何、IBN5100の情報が手に入らないと家族でも殺されるの?」
萌郁「家族は……居ない……(FBが本当のお母さんだったらよかったけど)」
紅莉栖「あっ……ごめんなさい」
倫子「ふむ……理由は言えない、か。だが、貴様も相当に差し迫った状況のようだ」
倫子「ならば選択肢をやろう」
倫子「一つ目は、我が軍門に下り、IBN5100の情報を外部へは報告しない。すべて己の知的好奇心のためだけに行動するというなら、教えてやらないこともない」
萌郁「…………(軍門って、仲間になるってこと?)」
倫子「二つ目は取引だ。オレが知りたいのはタイムマシン研究やSERNに関する情報。その機密を持って来れば、取引に応じないこともない」
倫子「さあ、どうする」
萌郁「…………(大学生のサークルかー、青春って感じだね!)」ポチポチポチ ピロリン♪
156: 2015/10/22(木) 23:34:27.18 ID:JmjnxdPWo
ダル「えっと……」
『両方対応すれば絶対教えてくれるよね♪ 私、岡部さんの仲間になりたいなー。もちろん、内部情報は守るよ! それから私、SERNについてすごいウワサ知ってるんだー……』
倫子「なんだと!? ケータイ貸せ!」
『……SERNは「ラウンダー」っていう名前の非公式で私設の特殊部隊を持っててね、メールでメンバーを募集したりしてるんだよー……』
倫子「なぜそんなことを知っている!?」
萌郁「……私にも、メールが来たから(ここは秘密ってわけじゃないから大丈夫だもん!)」
紅莉栖「なんだ、イタズラか。迷惑メール、不幸の手紙の亜種ね」
倫子「助手よ、そう決めつけるのは早計だ。火の無いところに煙は立たない……」
倫子「ククク、やはりSERNはそこまでして知られたくない秘密を保有しているようだな」
倫子「無論、その情報をバラしたということは、指圧師はそのラウンダーの募集に応じなかったのだな。まあ、そういうことだろう」
萌郁「しあつ……? 私は……岡部さんの……仲間になりたい……」
萌郁「(もし友達になれるなら……ううん、私みたいな女の子じゃ嫌われちゃうよね……今までもそうだったし……)」
フェイリス「…………」
倫子「素晴らしい情報だ、桐生萌郁! その功績を讃え、貴様をラボメンナンバー005に任命するッ!」
萌郁「……っ! (ホント!? やったー!! \(^o^)/ )」
紅莉栖「ちょ、ちょっと! ホントにこの人信頼して大丈夫なの!?」
倫子「……ヤツの寂し気な目を見ろ。オレはあいつを放っておけない」ボソッ
萌郁「…………(でも、今までラウンダー以外に仲間なんて居なかったから、ちょっと不安だなぁ(+o+) )」
紅莉栖「……もう、何があっても知らないわよ」
158: 2015/10/22(木) 23:37:38.58 ID:JmjnxdPWo
倫子「ほら、ラボメン同士、握手だ」スッ
萌郁「…………(仲間だもんね!)」スッ
ギュッ
萌郁「……ッ!? (な、なにこの感じ! やわらかいっ!)」ドキッ
萌郁「…………(そう言えば私、もう何年も人間の肌に触れたことなかったんだった)」
倫子「よし、次はまゆり!」
まゆり「よろしくねー、萌郁さん」ギュッ
萌郁「よろ……しく……(まゆりさんはドキドキしないのに、どうして岡部さんの時だけ?)」
倫子「ダルを飛ばしてクリスティーナ」
ダル「3次元に希望を持っていた時期が僕にもありますた……」
紅莉栖「牧瀬です。私のナンバーは004、よろしくね」ギュウッ!!
萌郁「い……痛い……(なんでこの人強く握ってくるのー!? ><。)」
159: 2015/10/22(木) 23:46:54.14 ID:JmjnxdPWo
萌郁「それで……IBN5100は……」
ダル「んじゃ教えるけど、どうもIBN5100はSERNのデータベースにあったイミフなコードを解析できるっぽい。ソースはジョン・タイターなんだけどさ」
倫子「そこには間違いなくタイムマシン研究に関する何かが隠されている……ッ!」
萌郁「タイター……タイムマシン……(そうだったんだ! 私、末端だからSERNのこと全然知らないなぁ><。 )」
紅莉栖「えっ、嘘、あんたたちハッキングしてたの!?」
ダル「足がつくようなヘマはしてないのだぜ」
紅莉栖「そういう問題じゃ……でもそれ、根拠はあるの?」
倫子「IBN5100を入手すれば、すべてが解明される」ドヤァ
紅莉栖「結果主義ですかそうですか……ハァ」
萌郁「まだ、手に入れてない……?」
倫子「目下捜索中だ。もっとも、もはや鳳凰院凶真の手の届くところまで来たがな! ふぅーははは!」
萌郁「手に入れたら……教えて……(岡部さんって頼りになるお姉さんって感じがする(^^♪ )」
倫子「いいだろう」ドヤァ
160: 2015/10/22(木) 23:48:51.03 ID:JmjnxdPWo
萌郁「メルアド……教えてくれて……ありがとう…… (これでいっぱいお話できるね♪)」
倫子「だが、できるだけメールではなく直接話す練習をするのだぞ」
ピロリン♪
倫子「言ったそばから……」
『頑張るね(^^♪ それじゃ、かわいいラボのリーダーさんのためにも早速探しに行ってきまーす! 待っててね♪ 萌郁』
倫子「……この二重人格ぶりだ」
紅莉栖「私でさえ岡部のメルアドを教えてもらってないのに……ぐぎぎ……」
倫子「……後で教えるから、ハンカチを噛むのをやめろ?」
萌郁「それじゃ……(みんなー、バイバーイ! (@^^)/~~~ )」
倫子「外を出歩く時は気を付けろ。機関に狙われている可能性があるからな」
萌郁「…………(心配性だなー、岡部さん。なんだかFBみたい……FBじゃないよね?)」
161: 2015/10/22(木) 23:49:51.70 ID:JmjnxdPWo
フェイリス「いってらっしゃいませ、モエニャンお嬢様♪……」
フェイリス「……凶真、ちょっと耳を貸すニャ」ヒソヒソ
倫子「どうした? 異世界の電波でも受信したか?」ヒソヒソ
ダル「オウフ……またフェイリスたんとオカリンの固有結界が出来上がってるお」
紅莉栖「なにあれ」
まゆり「厨二病耐性の無いクリスちゃんは近づかない方がいいと思うにゃー」
紅莉栖「くっ……岡部と楽しく会話するためには厨二病を発症せねばならんのか……!」
162: 2015/10/22(木) 23:52:41.11 ID:JmjnxdPWo
フェイリス「実は……凶真にだけ特別に教えるけど、フェイリスが子どもの時、柳林神社に奉納したのニャ」
倫子「は? 何を」
フェイリス「……世界を混沌に陥れるマスターアイテム、IBN5100」
倫子「なん……だと……!!」
フェイリス「ホントはあんまり人に言いたくニャいんだけど……戦友<とも>の凶真を信じて教えるニャ」
フェイリス「パパの遺言……ううん、パパの大学時代の先生の遺言だったんだニャ」
倫子「遺言?」
フェイリス「遺言には続きがあったニャ……『いつかこれを必要とする若者が現れるから、それを快く貸してあげてほしい』」
フェイリス「小さい頃のフェイリスにはニャんのことかわからなかったけど……これって、モエニャンか凶真のことだと思うニャ」
倫子「……ククク、まさに女神の導き。これこそ運命石の扉<シュタインズ・ゲート>の選択だっ!」
フェイリス「だけど……モエニャン、たぶん、どこかで嘘を吐いてたニャ」
倫子「なに?」
フェイリス「モエニャンが凶真と仲良くなりたいってのは本当みたいニャけど……気を付けた方がいいニャ」
倫子「ふむ……わかった。他でもないフェイリスの忠告だ、心しておこう」
フェイリス「ふニャァ~、マジな話をすると疲れるニャ」
倫子「台無しだっ!」
163: 2015/10/22(木) 23:58:35.79 ID:JmjnxdPWo
柳林神社
倫子「(IBN5100を求め、フェイリス杯に出場するダルとバイト中のまゆりを残し、助手と2人で神社を訪ねた)」
るか「あ、岡……凶真さん。こんにちは。こちらの方は……?」
倫子「助手だ」
紅莉栖「鳳凰院ちゃんの助手、牧瀬紅莉栖です。あなたは?」
倫子「ちゃん付けするなっ!」
紅莉栖「私のことまともに紹介しなかったお返しよっ」ウフフ
倫子「助手のくせに生意気だぞっ!」
紅莉栖「(かわいい)」
るか「喧嘩は……やめてください……」グスッ
紅莉栖「(この娘もかわいい)」
るか「えっと……ボクは、凶真さんの弟子……漆原るかです」
紅莉栖「弟子?……ギリギリ勝った」ッシ
倫子「全方向に喧嘩を売っていくスタイルをやめろ?」
倫子「(IBN5100を求め、フェイリス杯に出場するダルとバイト中のまゆりを残し、助手と2人で神社を訪ねた)」
るか「あ、岡……凶真さん。こんにちは。こちらの方は……?」
倫子「助手だ」
紅莉栖「鳳凰院ちゃんの助手、牧瀬紅莉栖です。あなたは?」
倫子「ちゃん付けするなっ!」
紅莉栖「私のことまともに紹介しなかったお返しよっ」ウフフ
倫子「助手のくせに生意気だぞっ!」
紅莉栖「(かわいい)」
るか「喧嘩は……やめてください……」グスッ
紅莉栖「(この娘もかわいい)」
るか「えっと……ボクは、凶真さんの弟子……漆原るかです」
紅莉栖「弟子?……ギリギリ勝った」ッシ
倫子「全方向に喧嘩を売っていくスタイルをやめろ?」
164: 2015/10/22(木) 23:59:24.33 ID:JmjnxdPWo
倫子「ルカ子、父上に伝言があるのだが、いいか」
るか「あ、はい。ちょうどお父さんもいるので」
紅莉栖「だったら直接話せばいいじゃない」
倫子「それが出来れば苦労はしない……ルカ子の父上は、悪い人ではないのだが、オレとまともに会話ができないのだ」
紅莉栖「えっ、それってどういう……」
栄輔(ルカパパ)「やあ、鳳凰院さん。いつもるかが世話になっていますね。ところで巫女服に興味は無いかな?」
倫子「あ、生憎ですが、オレはこの白衣が気に入っているので……」
栄輔「そうですか。では忍者服はどうですか? もちろんくノ一仕様ですよ」
倫子「い、いえ、だから、あの……」
紅莉栖「HENTAIだ……」
栄輔「おや、あなたもるかのお友達ですか? ふむ、ブレザーもいいですが、セーラー服も似合うかもしれませんね」
紅莉栖「ひっ!?」ゾワワァ
るか「お、お父さん、やめてよぉ……」グスン
166: 2015/10/23(金) 00:04:19.45 ID:rESYi6jFo
・・・
栄輔「……なるほど。それでうちの神社に来たのですか」
倫子「そ、そういうことです」ゼーッ ゼーッ
紅莉栖「二言目にはコスプレの話……もう、疲れた……」
栄輔「秋葉さんから預かっていますよ。今持ってきましょう」
倫子「よかった……倉庫に取りに来てくださいと言われたとして、オレはあの人と共に暗がりに行く自信がなかった」
紅莉栖「生物的に危機を感じるわね……」
るか「本当にすみません……」
栄輔「よいしょ。重たいですが、このダンボール箱に入っていますよ」
倫子「どれ……これが、IBN5100っ!」
紅莉栖「ホントにあるなんて……」
倫子「ふぅーははは! 我、ついにアキバの都市伝説を解明せりっ!」
栄輔「ふむ。ドロンジョ様も似合うかもしれない……」ブツブツ
紅莉栖「お、岡部! こんなとこ早くずらかりましょう!」
167: 2015/10/23(金) 00:05:35.50 ID:rESYi6jFo
万世橋
紅莉栖「急いでたから手で運ぶことになっちゃってごめんね……」フーッ フーッ
倫子「い、いや、むしろ助かった。あの場は戦略的撤退が最善策だ」フーッ フーッ
紅莉栖「(腕がもう限界だけど、お見合い状態で接近しててラッキーかも……)」ニヘラ
倫子「顔が緩んでいるぞ。運ぶことに集中しないとオレまで転んじゃうからやめろ?」
紅莉栖「(ああ、腕の感覚がなくなってきて、神経が岡部と一体になってるような錯覚が……)」デヘヘ
倫子「お、おい! 助手! しっかり歩け! 転んじゃうからーっ!!」
紅莉栖「急いでたから手で運ぶことになっちゃってごめんね……」フーッ フーッ
倫子「い、いや、むしろ助かった。あの場は戦略的撤退が最善策だ」フーッ フーッ
紅莉栖「(腕がもう限界だけど、お見合い状態で接近しててラッキーかも……)」ニヘラ
倫子「顔が緩んでいるぞ。運ぶことに集中しないとオレまで転んじゃうからやめろ?」
紅莉栖「(ああ、腕の感覚がなくなってきて、神経が岡部と一体になってるような錯覚が……)」デヘヘ
倫子「お、おい! 助手! しっかり歩け! 転んじゃうからーっ!!」
181: 2015/10/23(金) 20:44:52.06 ID:rESYi6jFo
大檜山ビル前
鈴羽「あっ……」
紅莉栖「げっ……」
倫子「お、お前ら、今はやめろ……むしろバイト戦士よ、オレを助けてくれっ」プルプル
鈴羽「わかった。牧瀬紅莉栖を殺せばいいんだね?」
倫子「うぇいうぇい! 何をどうしたらそうなった! コレを運ぶのを手伝ってくれぇ!」
天王寺「ったくうるせぇやつらだ……俺が運んでやるから引っ込んでろ」
紅莉栖「あっ、店長さん! ありがとうございます」
倫子「正直、腕が限界だ……ミスターブラウン、頼みます」
天王寺「よっと。全く重てぇなぁ、何が入ってんだ?」
倫子「聞きたいか? ククク……そのパンドラの箱の中には、世界に変革をもたらす封印されしチカラが……」ドヤァ
天王寺「やっぱり聞くんじゃなかった。取りあえず2階に運び入れとくぞ」
鈴羽「あっ……」
紅莉栖「げっ……」
倫子「お、お前ら、今はやめろ……むしろバイト戦士よ、オレを助けてくれっ」プルプル
鈴羽「わかった。牧瀬紅莉栖を殺せばいいんだね?」
倫子「うぇいうぇい! 何をどうしたらそうなった! コレを運ぶのを手伝ってくれぇ!」
天王寺「ったくうるせぇやつらだ……俺が運んでやるから引っ込んでろ」
紅莉栖「あっ、店長さん! ありがとうございます」
倫子「正直、腕が限界だ……ミスターブラウン、頼みます」
天王寺「よっと。全く重てぇなぁ、何が入ってんだ?」
倫子「聞きたいか? ククク……そのパンドラの箱の中には、世界に変革をもたらす封印されしチカラが……」ドヤァ
天王寺「やっぱり聞くんじゃなかった。取りあえず2階に運び入れとくぞ」
182: 2015/10/23(金) 20:49:35.36 ID:rESYi6jFo
鈴羽「……それで、あのダンボール箱の中には何が入ってるの?」
倫子「IBN5100だ、と言ったらどうする?」フフン
鈴羽「あいび……嘘ッ!?!?」
紅莉栖「目の色が変わった?」
鈴羽「どこっ!? どこにあったの!?」ガシッ
倫子「お、落ち着け。柳林神社だ」
鈴羽「じん……じゃ? なんたってそんなところに……」
鈴羽「でも、よかった……IBN5100はあったんだ……"あたし"は、成功したんだ……」ウルウル
鈴羽「ってことは、多分"あたし"も成功する……うぐぅぅぅっ……」ポロポロ
紅莉栖「今度は泣き出した!? ど、どうしたの、バイトさん?」
鈴羽「……これを見つけたのは君たち2人なんだよね。あたし、牧瀬紅莉栖のこと、勘違いしてたかも」
紅莉栖「へっ?」
183: 2015/10/23(金) 20:52:49.68 ID:rESYi6jFo
鈴羽「このままいけばSERNの野望は砕かれる……なら、この世界線の牧瀬紅莉栖はタイムマシンの母になることもない……」
鈴羽「あとはワルキューレ初期メンバーの生命の確保だけ考えれば……いや、牧瀬紅莉栖が寝返る可能性も……ブツブツ」
倫子「おい、鈴羽? 大丈夫か?」
鈴羽「う、うん! 大丈夫大丈夫!」
紅莉栖「意味がわからない……あなたが私に何を勘違いしてたのか、説明してほしいのだけど」
鈴羽「んー……えっと、君が鳳凰院凶真を独り占めしようとしてたのが許せなくてさ、あはは」
紅莉栖「はあ?」
鈴羽「ホントそれだけなんだ! 深い意味はないよ」アセッ
倫子「オレを取り合って仲たがいなどもってのほかだ。そんなこと、このオレが許さんっ」ムッ
紅莉栖「……ごめんね、岡部。阿万音さん? もごめんなさい、確かに私の行動は良くなかった」
紅莉栖「はい、仲直りの握手」スッ
鈴羽「あー……」
紅莉栖「ん? ほら、これで喧嘩は終わりにしましょ」ズイッ
鈴羽「ひっ!」ビクッ
184: 2015/10/23(金) 20:55:01.58 ID:rESYi6jFo
倫子「安心しろバイト戦士。クリスティーナは確かにクソレOだが見境なしに手を出したりはしない。無論、鈴羽だって可愛い女の子であることは違いないが――」
紅莉栖「クソレO言うなっ!! さすがに泣くわよっ!?」
鈴羽「い、いや、その、なんていうか……牧瀬紅莉栖は、生理的に無理」
紅莉栖「生理的に……」ガクッ
鈴羽「ち、違うんだ! えっと、顔を見ただけで吐き気がする、というか……」
紅莉栖「あは、あはは……」
鈴羽「あ、あのね! 今の牧瀬紅莉栖は悪くないよ! 悪いのは将来性であって……」
紅莉栖「orz」チーン
鈴羽「ああもう! なんて言ったらいいの!?」
倫子「これはひどい……」
185: 2015/10/23(金) 20:57:30.35 ID:rESYi6jFo
未来ガジェット研究所
紅莉栖「私ってヒトに嫌われて当然よね……生理的に無理よね……だからパパにも、アハハ……」
ダル「心ここにあらずって感じで帰ってきたと思ったら、ソファーに体育座りして独り言をつぶやき始めた件」
まゆり「クリスちゃん、元気出して」ギュゥ
紅莉栖「うぇぇ……ぐすっ……まゆりぃ……」
倫子「今はただ抱きしめてやれ……バイト戦士の奴も悪気は無さそうだったが、何故あんなことを……」
まゆり「でもね、まゆしぃそろそろ帰らないとだから、オカリンがバトンタッチしてあげて?」
紅莉栖「(えっ……ってことは、岡部が私を慰めてくれる!?)」ドキドキ
倫子「勿論、そういうことならやぶさかではない。クリスティーナは大事なラボメンだ、落ち込まれていては研究が捗らんしな」
紅莉栖「(まさか、そんな、ホントにっ!?!?)」ワクワク
紅莉栖「私ってヒトに嫌われて当然よね……生理的に無理よね……だからパパにも、アハハ……」
ダル「心ここにあらずって感じで帰ってきたと思ったら、ソファーに体育座りして独り言をつぶやき始めた件」
まゆり「クリスちゃん、元気出して」ギュゥ
紅莉栖「うぇぇ……ぐすっ……まゆりぃ……」
倫子「今はただ抱きしめてやれ……バイト戦士の奴も悪気は無さそうだったが、何故あんなことを……」
まゆり「でもね、まゆしぃそろそろ帰らないとだから、オカリンがバトンタッチしてあげて?」
紅莉栖「(えっ……ってことは、岡部が私を慰めてくれる!?)」ドキドキ
倫子「勿論、そういうことならやぶさかではない。クリスティーナは大事なラボメンだ、落ち込まれていては研究が捗らんしな」
紅莉栖「(まさか、そんな、ホントにっ!?!?)」ワクワク
186: 2015/10/23(金) 20:59:01.68 ID:rESYi6jFo
~~~~~
倫子『紅莉栖、お前は強く美しい女性であり、可憐な少女でもある』ギュゥ
紅莉栖「(初めて名前で呼ばれた……はわわわわ……///)」
倫子『バイト戦士のアレは何かの間違いだろう。少なくともオレは、お前のことを嫌いになったりはしない』ナデナデ
紅莉栖「(わふぅ……///)」
倫子『今日は2人で重いものを持って疲れたな。今はゆっくり休むといい』
倫子『せっかくだ、膝枕をしてやろう。こういうのが好きなんだろう?』
紅莉栖「(いやっほぉぉぉっ!!!!!!)」
~~~~~
187: 2015/10/23(金) 21:00:17.54 ID:rESYi6jFo
紅莉栖「えへへ……おかべぇ……」zzz
倫子「まゆりに抱きしめられて寝落ちするとは、かなり体力を消耗していたらしい。今はうーぱクッションを枕にソファーで寝転んでいるが」
ダル「なんか知らんけど、幸せそうな夢を見てるっぽい?」
倫子「悲しい夢よりよほど良い」フッ
ダル「つかさ、オカリンも結構そっちのケあるよな。いや? 僕は一向にかまわんのだが?」
倫子「ち、違うっ!! オレは盛った男が嫌いなだけであって、女が好きって訳じゃないもん!」アタフタ
ダル「ちょ、声でかいって。牧瀬氏起きちゃうお」
倫子「……それで、IBN5100の首尾はどうだ?」
ダル「電源と配線は取りあえず終わったけど、こいつの使い方覚えるのに時間かかりそう」
倫子「ふむ。ならばサーバ管理者のID探しを優先させてくれ」
ダル「オーキードーキー」
倫子「む? クリスティーナのやつ、寝返りをうってソファーから落ちそうになっているな……」
紅莉栖「むにゃむにゃ……」zzz
188: 2015/10/23(金) 21:02:09.61 ID:rESYi6jFo
~~~~~
紅莉栖「岡部……私もその、まゆりや阿万音さんみたいに、抱きついてもいい? いいよね!」
スカッ
倫子『…………』
紅莉栖「あ、あれ? どうして避けるの……?」
倫子『貴様、オレのことを"岡部"と呼んだか』
紅莉栖「えっ……で、でも、敬語とかさん付けはしなくていいって岡部が……」
倫子『違うッ!!』
紅莉栖「っ!?」ビクッ
倫子『オレは岡部ではないッ! 鳳凰院凶真だッ!!』
紅莉栖「お、大きい声出さないでよ……嫌いにならないで……」ウルウル
~~~~~
189: 2015/10/23(金) 21:05:03.23 ID:rESYi6jFo
紅莉栖「凶真ぁ……凶真ぁ……」ジタバタ
倫子「泣きながらオレの真名を連呼するとは、どんな夢を見とるんだこいつは」
倫子「そうだ、指圧師に連絡を入れておこう。『ブツは手に入れた。我がラボを訪ねてこい』……と」ポチポチ
ドテーン!!
紅莉栖「ふごっ!? あ、あれ? 凶真は?」パチクリ
倫子「オレはここだ。思いっきり床に身体を打ちつけたようだが、大丈夫か?」
紅莉栖「……もしかして、夢?」
倫子「脳科学者のくせに夢と現実の区別がつかんとは滑稽だな。ほら、手を貸すから起き上がれ」スッ
紅莉栖「夢でよかった……ありがとう、岡部」
倫子「そこは真名で呼ぶべきではないのか?」
紅莉栖「別になんでもいいでしょ、鳳凰院ちゃん」
倫子「ちゃん付けするなぁ!」
190: 2015/10/23(金) 21:06:04.88 ID:rESYi6jFo
紅莉栖「ってもう夜!?」
倫子「今日はもう遅い。また明日ラボに来い」
紅莉栖「……今SERNにハッキングしてるんでしょ? 1マイクロ秒でも早く真実を知りたい」
ダル「とかなんとか言ってオカリンと寝泊まりしたいだけなんしょ? わかります」
紅莉栖「っさいわね! あんただってそうでしょ!? 羨ましいのよ男のくせに岡部と寝泊まりするなんて!」
倫子「オレの寝込みを襲わないと約束するなら構わん」
紅莉栖「そんなに信用されてないか私……この白衣借りるわよ」バサッ
倫子「おお―――」
紅莉栖「やっぱり落ち着くなー、白衣」ニコッ
倫子「素晴らしいっ!!!!!!!」ギュッ
紅莉栖「ちょっ―――!? (急に両手を握られた!?)」
191: 2015/10/23(金) 21:06:57.82 ID:rESYi6jFo
倫子「まゆりもフェイリスもルカパパも、揃いも揃って白衣を否定することしか無かったが、助手は白衣の良さをわかっているのか……っ!!」ウルウル
紅莉栖「(か、かわいすぎる……なんだこの天使……)」
倫子「ダルに何度言ってもヤツは着てくれなかったっ! しかし助手は、オレが言う前に自分から着てくれたっ!」キラキラ
倫子「その白衣はお前にプレゼントしよう。あるいは、お前に巡り合うべくして巡り合ったのかもしれないっ」
倫子「やはりオレの目に狂いはなかったっ! クリスティーナ、お前は、最高の―――助手だっ!」ダキッ
紅莉栖「(あっ、やばい、また意識が……これも夢かな……)」ポーッ
倫子「……お、おい。どうした? 起きてるか? 帰ってこーい」ペチペチ
192: 2015/10/23(金) 21:08:44.37 ID:rESYi6jFo
倫子「(意識を取り戻した助手は一通り電話レンジ(仮)実験に挑んだ、が、芳しい成果は得られなかった)」
倫子「ここに泊まるのはいいが、親に連絡しなくていいのか?」
紅莉栖「……父親とはかれこれ7年は会ってない。母親はアメリカ。私は今は御茶ノ水でホテル暮らし」
倫子「ホテル暮らしだとぉ!? お前、セレブだったのか……」
紅莉栖「そういう訳じゃないけど」
倫子「では、父親の件について聞こう。何度も引き合いに出すからには相談に乗ってほしいのだろう? そうだろう?」
倫子「お前はオレの助手だ。助手の悩みには乗ってやらねばなっ」フッ
紅莉栖「……無意識のうちに助けを求めてたのかな。気づいてくれてありがとう、岡部」
紅莉栖「私は7年間、この問題を独りで抱え込んでた。なんとかしようと思っても、自分ではどうにもできな――――」
ダル「キターーーーーーーッ!!!!!!」
紅莉栖「」ビクッ!!
倫子「」ビクッ!!
193: 2015/10/23(金) 21:09:55.11 ID:rESYi6jFo
倫子「ダル、やったのかっ!?」ピョコン
ダル「ミッションコンプリート。これで視姦し放題だぜひゃっほう!」
倫子「早速タイムトラベル理論についての情報があるか調べてくれっ!」キラキラ
ダル「オーキードーキー……うほっ、見つけた! って、jpegかよ、翻訳ソフト使えねーじゃん!」
ダル「こっちのゼリーマンズレポートってのも気になる罠……うーん、どうしよう」
紅莉栖「……『時空の支配とそれに基づく歴史の破壊、言い換えれば過去から未来までを含む"委員会"による完全なる理想郷を実現することは、21世紀に向けてのSERNの存在意義となるだろう』」
ダル「あそっか! 牧瀬氏英語できるんじゃん!」
倫子「わーい♪ でかした助手っ! お前がアメリカに留学したのも、すべて今日このときのためだったのだなっ!」ピョンピョン
紅莉栖「私は運命論者じゃないけど……そういう運命もあっていいかも」ニヘラ
194: 2015/10/23(金) 21:11:30.14 ID:rESYi6jFo
紅莉栖「なになに……『Zプログラムは極秘共同プロジェクトであり、電磁波研究と同じく"300人委員会"から承認を受けた最優先研究事項である』」
倫子「Zプログラムの具体的な内容は書かれていないのか?」
紅莉栖「ん……っと、あった。これは……ッ!?」ガタッ
倫子「ど、どうした?」ビクッ
紅莉栖「……『Zプログラムでは、高エネルギーの陽子・陽子衝突を用いた、時空間転移実験を行う』」
倫子「それはつまり―――タイムトラベル実験っ!!」
ダル「ちょ……とりあえず窓閉めるお」
紅莉栖「40年近く前から、世界中の科学者を欺いてきたって言うの?……パパが学会から追放された理由って……ッ!!」
倫子「世界はあらゆる欺瞞で満ちている。お前たちが思っているほど、美しくはないのだよ」
ダル「オウフ……子どもの頃から見えない敵と戦ってたオカリンが言うと説得力が違うぜ……」
195: 2015/10/23(金) 21:17:18.79 ID:rESYi6jFo
紅莉栖「……『プログラム第4段階、人体実験』」
ダル「……マジで?」
倫子「…………」ゾクッ
ダル「な、なあオカリン。前に書いてあったのは、実験結果エラー。ヒューマンイズデッド、ミスマッチ」
倫子「そ、そ、そ、それって……」ワナワナ
紅莉栖「岡部……」
ダル「オカリン……」
倫子「……だからと言って、この陰謀に見て見ぬふりをするのも後味が悪い」
倫子「ダル、ゼ、ゼリーマンズレポートを、さ、探してくれ……」ブルブル
ダル「オ、オーキードーキー……」
倫子「た、ただし、クリスティーナ。お前はもう帰れ」
紅莉栖「えっ―――」
196: 2015/10/23(金) 21:18:16.77 ID:rESYi6jFo
倫子「ゼリーマンズレポート……イヤな予感がする。お前はその若さで『サイエンス』誌に論文が載るほどの天才、有望な将来を捨てる必要はない」
紅莉栖「もしかして心配してくれてる?」
倫子「当たり前だっ! お前はオレの助手だからな」
紅莉栖「岡部……」トゥンク
紅莉栖「気遣ってくれてありがと。でも帰らないわよ、この事実を世間に告発しないと」
倫子「ダメだっ! それは危険すぎる!」
紅莉栖「ここまで来てビビらないでよ! 私はSERNが許せない……」
倫子「これは遊びじゃないのよっ!……じゃないのだぞ」
紅莉栖「……分かった。告発はやめる。でも帰らないから。気になって眠れない」
倫子「後悔しないな?」
紅莉栖「しない。そういうあんたは震えてるじゃない。ほら、手」ギュッ
倫子「う、うむ……」
197: 2015/10/23(金) 21:19:22.85 ID:rESYi6jFo
倫子「ダルはどうする? 覚悟はできているか?」
ダル「ま、僕はスーパーハッカーだし。このラボを守るくらい余裕っつーか」
倫子「よし、決まりだ。本作戦名は"業火封殺の箱<レーギャルンのはこ>"とする」
紅莉栖「なんで北欧神話?」
倫子「……カッコイイからだ」ボソッ
紅莉栖「(かわいい)」
ダル「(かわいい)」
倫子「ええい、まじまじとオレの顔を見るなぁ! ダル、作戦開始っ!」
198: 2015/10/23(金) 21:20:24.73 ID:rESYi6jFo
ダル「それじゃ開くお……なんだろこれ、履歴書?」
紅莉栖「被験者リストね……それと、新聞の切り抜き?」
倫子「まさか、ゼリーマンズレポートの、ゼリーマンと言うのは……」
紅莉栖「……『超重力による無限圧縮、及びカー・ブラックホール内の特異点通過に耐えられなかったと思われる』」
紅莉栖「『身元不明の男の氏体は全身がブヨブヨのゼリー状になっていた』……」
倫子「ゲル……バナ……ッ!?!?」フラッ
紅莉栖「ちょっと、大丈夫!? 岡部―――おか―――お―――……」
205: 2015/10/25(日) 22:44:53.47 ID:1x+JDDiqo
第3章 蝶翼のダイバージェンス♀
2010年8月2日月曜日
未来ガジェット研究所
倫子「う、うーん……」
紅莉栖「(寝顔は、そりゃ可愛かったけど、つらそうな顔だった……)」
紅莉栖「おはよ。気分はどう?」
倫子「ああ……えっと、オレは昨日……?」
ダル「ゲル化人間を見て卒倒したんだお。覚えてる?」
倫子「ゲル化人間……うっ、おえっ」ウルウル
紅莉栖「大丈夫? トイレ行く?」
倫子「……思い出した。ヤツら、とんでもない実験を……うっぷ」
紅莉栖「ほら、一度吐いちゃった方がいいわ。肩貸すわよ」
2010年8月2日月曜日
未来ガジェット研究所
倫子「う、うーん……」
紅莉栖「(寝顔は、そりゃ可愛かったけど、つらそうな顔だった……)」
紅莉栖「おはよ。気分はどう?」
倫子「ああ……えっと、オレは昨日……?」
ダル「ゲル化人間を見て卒倒したんだお。覚えてる?」
倫子「ゲル化人間……うっ、おえっ」ウルウル
紅莉栖「大丈夫? トイレ行く?」
倫子「……思い出した。ヤツら、とんでもない実験を……うっぷ」
紅莉栖「ほら、一度吐いちゃった方がいいわ。肩貸すわよ」
206: 2015/10/25(日) 22:46:14.85 ID:1x+JDDiqo
倫子「(紅莉栖とダルはあの後SERNのタイムトラベル理論について調べたらしい)」
紅莉栖「SERNの理論はジョン・タイターの語ったものと同じだった……なんかはめられた気分」
ダル「だけどタイムトラベルの送り先が時間も場所もバラバラになってたんだよね。あとリフターの調整もうまくいってない」
紅莉栖「リフターってのはLHCの陽子衝突地点に置かれた変な装置のことね」
紅莉栖「ミクロ特異点の重力調整がうまくできていない。だから完全な裸の特異点を作れていない」
紅莉栖「その結果、あらゆる物質がフラクタル構造になってしまった……これでゼリーマンの出来上がりってわけ」
倫子「う、うむ……そろそろ慣れてきたぞ……」プルプル
ダル「(強がりオカリン……縮めて、つよがりん……)」
207: 2015/10/25(日) 22:48:11.25 ID:1x+JDDiqo
倫子「つまり、オレたちが先に電話レンジ(仮)を完成させれば、SERNを出し抜くことも可能というわけだ……!」キラキラ
紅莉栖「SERNでさえ完成できてないものを私たちで作れるとは思えないけど……」
倫子「なに、簡単な話だ。タイターは我がラボの階下に居る」
倫子「奴にタイムマシンを借りればいい。我ながら冴えているな」ドヤァ
紅莉栖「それってタイムパラドックスに……ならないわね。タイターの言う多世界解釈が正しいなら」
ダル「いや、だからそれ、自称だってば」
紅莉栖「それに、個人的に阿万音さんには近づきたくないし……」
ダル「ごめん、僕少し寝るお」
紅莉栖「私はもうちょっとSERNのレポートを読んでみる」
倫子「困ったものだな……」
208: 2015/10/25(日) 22:49:20.23 ID:1x+JDDiqo
まゆり「トゥットゥルー♪ うわー、おっもーい空気が漂ってるよ? 空気入れ替えるねー」ガララッ
倫子「いい機会だ、久々に円卓会議を開こうと思う」
倫子「(ラボメン全員が揃っていないのは残念だが……ちなみに萌郁から『今日は用事があるから、明日ラボに行くねー♪ 萌郁』とメールが入っていた)」
まゆり「かいぎなんて今までやったことあったかなー」
紅莉栖「アーサー王? さすがにちょっと無理があるんじゃないかしら」
倫子「…………」ウルッ
紅莉栖「そ、そうねっ! きっと私たちの心の中に円卓があるんだわ!」アセッ
まゆり「クリスちゃん、だいぶ慣れてきたねー♪」
倫子「とにかく、まゆりには今の状況を教えておく。お前を仲間外れにするわけにもいかないしな」
209: 2015/10/25(日) 22:51:41.98 ID:1x+JDDiqo
・・・
まゆり「……まゆしぃはね、オカリンを守るよ。その、こわーい黒服さんが現れてもね、人質パワーでやっつけちゃうのです」
倫子「フッ、期待しておこう。いずれにせよ、我がラボとSERNとの最終聖戦<ラグナロック>は避けられなくなった」
紅莉栖「こっちはまだ2回しか過去へメールを送れていないけどね。やっぱり電子注入がネックかしら……」
倫子「ところで、“過去へ送れるメール”では言いにくいな。名前を付けようではないか」
紅莉栖「どうせヘンテコな名前を付けたいんでしょ?」フフッ
まゆり「オカリンはね、自分で考えた名前を付けちゃう癖があるのです」エヘヘ
倫子「失敬なっ! ならばオレの名づけを発表しよう。その名も――」
倫子「時を超えた郷愁への旅路<ノスタルジアドライブ>ッ!!」ドヤァ
紅莉栖「(だ、だめよ……笑っちゃだめ……イミフな名前にこんな満足そうな顔、かわいすぎるけど……微笑ましく思ったら失礼……)」プルプル
まゆり「(クリスちゃんが笑いをこらえてる……)」
210: 2015/10/25(日) 22:53:10.90 ID:1x+JDDiqo
紅莉栖「い……いいんじゃ、ない、かしら……フフッ」
倫子「そうであろう、そうであろうっ!」パァァ
まゆり「でも、まゆしぃは長い名前は覚えられないよー」
倫子「仕方ない、ならば頭文字<イニシャル>を取ってNDとしよう」
紅莉栖「それだとわかりにくいわ。NDメール、ううん、もうNも取ってDメールでいいんじゃない?」
まゆり「じゃあ、Dメールに決定しまーす!」
倫子「それだと味気ないが……まあ、ラボメンが意見を出し合って決まったのなら良しとしよう」
紅莉栖「そうそう、ラボメンは大切にね」
倫子「フッ、知れたことを」
211: 2015/10/25(日) 22:54:56.38 ID:1x+JDDiqo
倫子「さて、今語るべきは、電話レンジ(仮)をタイムマシンとして使えるようにするにはどうしたらいいか、だ」
紅莉栖「……ねぇ岡部。どうしてタイムマシンを作りたいの? SERNを出し抜くためだけ?」
倫子「……だって、タイムマシン、使ってみたいんだもん」
まゆり「(かわいい)」
紅莉栖「(かわいい)」
紅莉栖「まあ、気持ちはわかるわ。誰もが抱く純粋な好奇心よね」
まゆり「まゆしぃもね、タイムマシンがあったら過去に行ってみたいな……そしたらおばあちゃんにちゃんとお別れを言いたいかも」
紅莉栖「えっと、ちゃんとお別れできなかったの?」
倫子「お前は。また土足でヒトの心を踏み荒らすつもりか」
紅莉栖「えっ?……あっ、ご、ごめんねまゆり!? 話したくないわよね……」
まゆり「……ううん、まゆしぃこそごめんね。変な空気にしちゃって」
倫子「謝るな。お前はオレの人質なのだから」ダキッ
まゆり「うん……」ギュッ
212: 2015/10/25(日) 22:56:22.01 ID:1x+JDDiqo
まゆり「怖いけど……今、ちゃんと言うね。そうしないと、まゆしぃの世界がまた暗くなっちゃいそうだから……」
紅莉栖「無理はしなくていいのよ?」
まゆり「うん、大丈夫。ありがと、クリスちゃん」
まゆり「実はね、おばあちゃんが氏んじゃった日、まゆしぃは一緒にお団子をつくって食べようねって約束してたんだ」
倫子「初耳だな」
まゆり「だけど、まゆしぃはお友達に誘われてお祭りに出掛けちゃって……おばあちゃんとの約束を破っちゃった……」
まゆり「おばあちゃんとはいつでも会えるし、また明日でもいいねって……」ウルウル
まゆり「だけど、その明日はこなかったんだ……」グスッ
まゆり「おばあちゃん、一人暮らしだったから、倒れてから誰にも気づかれなくて、それで氏んじゃったの」
まゆり「まゆしぃがきちんと約束を守ってたら、おばあちゃんは氏なずに済んだのに……」
まゆり「今まで誰にもこのことは話せなかったの。まゆしぃがおばあちゃんを頃したんだって言われるのが、こ、怖く、て……」プルプル
紅莉栖「そ、そんなわけない! まゆりの、まゆりのせいなんかじゃない!!」
倫子「そんな考えはあの婆さんが一番望んでいない。まゆりは愛されているのだから」
まゆり「うん……ありがと、クリスちゃん。オカリン」
倫子「(そうか、それであの頃、恐怖やら自責の念やらでまゆりの心は遠く離れていたのか……)」
213: 2015/10/25(日) 22:57:46.05 ID:1x+JDDiqo
まゆり「暗い迷路からまゆしぃを助け出してくれたのは中学生のオカリンだったんだよ。えへへ、今もまた助けてくれたね」
倫子「オレたちはラボメンだ。互いを仲間として認め合う。一人で抱え込むことなど、この鳳凰院凶真が断じて許さん」
まゆり「うん……ラボメンで良かったー、えへへ」グスッ
紅莉栖「……やるだけやってみましょ、タイムマシン作り」
まゆり「あ、でもね、まゆしぃは別に、本当に過去に行きたいわけじゃ……」
倫子「フン、人質の分際でオレから離れて時空間移動できると思っているのか? その時はオレも同行しよう」
まゆり「で、でもでも~」
紅莉栖「ふふっ。一応言っとくけど、こういうのを机上の空論って言うのよ。マシンが完成してから心配しなさい」
まゆり「じゃあ、今は心配しなくていいの?」
倫子「無論だ。ふぅーはははっ!」
まゆり「そっかー。よかったー♪」
214: 2015/10/25(日) 22:59:42.68 ID:1x+JDDiqo
紅莉栖「それで、どこから取りかかればいいか……」
倫子「放電現象が起きるか起きないかはランダムだと思っているようだが、オレには仮説がある」
倫子「発生条件の再現だよ、クリスティーナ。オレたちは、最も単純で最も決定的な“条件”を見落としていた」
倫子「すなわち、発生時刻だっ!」エヘン
紅莉栖「あっ……ということは、12時頃か、18時頃! あるいは12時から18時の6時間ってとこかしら」
倫子「とにかく実験だ、試してみる価値はあるっ!」キラキラ
紅莉栖「岡部もたまには良いサゼスチョンを提供してくれるのね。関心関心」
倫子「たまには、は余計だっ! ほらダル、起きろ! 実験を再開するっ!」ゲシッ
ダル「ふごっ!? 美少女にお腹を蹴られるとか、我々の業界(ry」
紅莉栖「黙れHENTAI!」
まゆり「ぷよぷよのお腹が揺れてるねー」
215: 2015/10/25(日) 23:01:32.22 ID:1x+JDDiqo
大檜山ビル前
倫子「(やはり条件は時間帯だったようで、ゲルバナ実験もDメール実験も成功した。ククク、さすがは鳳凰院凶真……)」
倫子「(今はちょっと休憩中だ。オレとダルでコンビニに行ったのだが……)」
鈴羽「ちぃーっす。なんか朝から愉快そうなことしてる?」
倫子「おお、ジョン・タイターか、丁度いいところに」
倫子「実は今オレたちはタイムマシン実験をしているのだが、貴様のシボルエを見せてはもらえないだろうか」
鈴羽「へっ?……はぁぁっ!? あ、あ、あ、あたしがジョン・タイターなわけないじゃん!? 何言ってんの!?」
ダル「驚きすぎだろJK……つーかそう簡単に秘密バラしちゃっていいの、オカリン」
倫子「シマッター(棒) バイト戦士よ、今オレが話したことは内密に頼む。クックック……」
ダル「(ああ、そういうこと……)」
鈴羽「オーキードーキー! 時をかける戦士として、タイムマシンの秘密は氏守するよ!」
倫子「おまっ! 声がデカいぞバカモノっ!」オロオロ
ダル「(未来人だってこと、隠す気あるんかな……)」
倫子「(やはり条件は時間帯だったようで、ゲルバナ実験もDメール実験も成功した。ククク、さすがは鳳凰院凶真……)」
倫子「(今はちょっと休憩中だ。オレとダルでコンビニに行ったのだが……)」
鈴羽「ちぃーっす。なんか朝から愉快そうなことしてる?」
倫子「おお、ジョン・タイターか、丁度いいところに」
倫子「実は今オレたちはタイムマシン実験をしているのだが、貴様のシボルエを見せてはもらえないだろうか」
鈴羽「へっ?……はぁぁっ!? あ、あ、あ、あたしがジョン・タイターなわけないじゃん!? 何言ってんの!?」
ダル「驚きすぎだろJK……つーかそう簡単に秘密バラしちゃっていいの、オカリン」
倫子「シマッター(棒) バイト戦士よ、今オレが話したことは内密に頼む。クックック……」
ダル「(ああ、そういうこと……)」
鈴羽「オーキードーキー! 時をかける戦士として、タイムマシンの秘密は氏守するよ!」
倫子「おまっ! 声がデカいぞバカモノっ!」オロオロ
ダル「(未来人だってこと、隠す気あるんかな……)」
216: 2015/10/25(日) 23:03:54.23 ID:1x+JDDiqo
鈴羽「あと、店長がキミたちのタイムマシン実験について、揺れるしホコリが落ちてくるしで怒ってたよ」
倫子「なにっ!?……さすがに謝りに行かねばならないか」
鈴羽「そんな! ワルキューレの女騎士にそんな情けない真似はさせられないよ!」
倫子「はあ?」
鈴羽「既にあたしが綯を人質に取ることでキミたちの実験を黙認することを約束させておいたから! 安心して!」エッヘン
倫子「……綯は今どこに」
鈴羽「んー? ××の廃工場の中で眠らせてるけど」
倫子「ダルっ! 今すぐ小動物の救出に迎え! オレはミスターブラウンに全力で謝罪してくるっ!」ダッ
ダル「オ、オーキードーキー!」ダッ
鈴羽「レジェンドの作戦行動!? えっと、あたしはどうすればいいですか!?」キラキラ
倫子「貴様は目と口と耳を塞いでここから一歩も動くなぁっ!! うわぁん!!」
217: 2015/10/25(日) 23:08:14.71 ID:1x+JDDiqo
ブラウン管工房
倫子「(取りあえず綯の件は口八丁で乗り切った。バイトの話は冗談だったとして安心したようだ)」
天王寺「それで、岡部。おめぇらが上で何をやってようと知ったこっちゃねぇがな」
天王寺「このビルのオーナーは俺だ。このビルはな、俺にとっては大切なモンなんだ」
天王寺「俺が若い頃こっちに来てから母親のように面倒見てくれた、大切な人との思い出があってな……って、興味ねぇか」
倫子「い、いえ、そんなことは……」
天王寺「どうもお前の目付きや出で立ちはあの人に似ている気がしてならねぇ……そのせいでつい口が滑っちまった」
倫子「ほう? ということは、その人もマッドサイエンティストだったのでしょうね」
天王寺「マッドは余計だ。確かに白衣を着こなした大学教授だったが……」
天王寺「ともかく、コイツももう歳だからな。おめぇらがガタガタ揺らすと、壁にヒビでも入るんじゃねぇかと気が気じゃねぇ」
倫子「そのような大切なものだとは知らず、申し訳なかった。(床が少しへこんでしまったことは謝りづらい……)」
天王寺「わかってくれりゃいいんだ。岡部は言動は変だが、美人な上に根は良い娘で親御さんも―――」
……ガタガタガタガタッ!!!!
倫子「(取りあえず綯の件は口八丁で乗り切った。バイトの話は冗談だったとして安心したようだ)」
天王寺「それで、岡部。おめぇらが上で何をやってようと知ったこっちゃねぇがな」
天王寺「このビルのオーナーは俺だ。このビルはな、俺にとっては大切なモンなんだ」
天王寺「俺が若い頃こっちに来てから母親のように面倒見てくれた、大切な人との思い出があってな……って、興味ねぇか」
倫子「い、いえ、そんなことは……」
天王寺「どうもお前の目付きや出で立ちはあの人に似ている気がしてならねぇ……そのせいでつい口が滑っちまった」
倫子「ほう? ということは、その人もマッドサイエンティストだったのでしょうね」
天王寺「マッドは余計だ。確かに白衣を着こなした大学教授だったが……」
天王寺「ともかく、コイツももう歳だからな。おめぇらがガタガタ揺らすと、壁にヒビでも入るんじゃねぇかと気が気じゃねぇ」
倫子「そのような大切なものだとは知らず、申し訳なかった。(床が少しへこんでしまったことは謝りづらい……)」
天王寺「わかってくれりゃいいんだ。岡部は言動は変だが、美人な上に根は良い娘で親御さんも―――」
……ガタガタガタガタッ!!!!
218: 2015/10/25(日) 23:09:11.47 ID:1x+JDDiqo
倫子「(ビルが揺れた。天井からホコリやらコンクリート片やらがパラパラと降ってくる)」
倫子「(助手よ……タイミングが最悪だぞ……)」
天王寺「…………」イラッ
倫子「(その時、ハゲ頭に青筋が立つのが見えた)」
倫子「ただでさえデカいマッチョマンとこのクソ狭い空間に居るだけでオレは生理的な恐怖を感じるというのに……)」ガクガク
倫子「(何より、この状況はオレの人生において最も忌々しい記憶を想起させる……)」ワナワナ
倫子「(もちろん、店長がオレに手を出すような下衆な男でないことは周知の事実だが、怖いもんは怖いっ!)」プルプル
倫子「ミ、ミスターブラウン! 我が名誉に懸けて今日はもう揺らさないと誓おう! さらばだっ!」ダッ
鈴羽「んん~~~~!! んん、んんん~~~~!!」
倫子「ええい、うっとうしい! 命令解除っ!!」
219: 2015/10/25(日) 23:11:04.01 ID:1x+JDDiqo
未来ガジェット研究所
倫子「クリスティーナ! 今すぐ実験は中止だっ!」
まゆり「ごめんねオカリン。まゆしぃのからあげを温めるついでにDメール実験をしようってなって……」
倫子「そ、そうか。だがせめてオレに報告をしてからだな……」
紅莉栖「メール見てないの? 5日も前に連絡しておいたのに」ニヤニヤ
倫子「わかるわけないだろぉ! というか、オレがミスターブラウンに怒られるのは真面目に勘弁してほしい!」ウルウル
紅莉栖「ご、ごめん。そんなつもりじゃなかった……」
倫子「……いちいち凹むな、助手よ。とにかく今日は、これ以上の実験は中止だ」ハァ
紅莉栖「うん、データは充分取れた。さすがに眠いし、シャワー浴びてゆっくり眠りたい」
まゆり「シャワーならここにもあるよ。オカリンはいつもここのを使ってるよねー」
紅莉栖「ホ、ホント!? ちょっと匂いを……は嘘で、ぺろぺろ……も違った、テイスティング……じゃなくて!!」
倫子「ダルも使ってるぞ」
紅莉栖「オロロロロロロロ!!!!」
倫子「クリスティーナ! 今すぐ実験は中止だっ!」
まゆり「ごめんねオカリン。まゆしぃのからあげを温めるついでにDメール実験をしようってなって……」
倫子「そ、そうか。だがせめてオレに報告をしてからだな……」
紅莉栖「メール見てないの? 5日も前に連絡しておいたのに」ニヤニヤ
倫子「わかるわけないだろぉ! というか、オレがミスターブラウンに怒られるのは真面目に勘弁してほしい!」ウルウル
紅莉栖「ご、ごめん。そんなつもりじゃなかった……」
倫子「……いちいち凹むな、助手よ。とにかく今日は、これ以上の実験は中止だ」ハァ
紅莉栖「うん、データは充分取れた。さすがに眠いし、シャワー浴びてゆっくり眠りたい」
まゆり「シャワーならここにもあるよ。オカリンはいつもここのを使ってるよねー」
紅莉栖「ホ、ホント!? ちょっと匂いを……は嘘で、ぺろぺろ……も違った、テイスティング……じゃなくて!!」
倫子「ダルも使ってるぞ」
紅莉栖「オロロロロロロロ!!!!」
220: 2015/10/25(日) 23:11:59.62 ID:1x+JDDiqo
紅莉栖「ホテルに帰ってシャワー浴びて寝るわ……」ガックシ
倫子「高級ホテルでセレブ気分のバスタイムか。オレも連れて行ってほしいものだ」
紅莉栖「だがことわ……断らないっ!! え、岡部、今なんてっ!?!?」ドキドキ
まゆり「まゆしぃも行ってみたいなー」
紅莉栖「まゆりも大歓迎よ!! ふ、ふふ、落ち着け栗悟飯……まだ笑うな……こらえるんだ……しかし……」デヘヘ
倫子「……また今度にしような、まゆり」
まゆり「オカリンがそう言うならー」
紅莉栖「ぐはっ!」ガーン
221: 2015/10/25(日) 23:13:47.10 ID:1x+JDDiqo
ダル「ただいま~。綯ちゃん氏は無事だお。鈴羽お姉ちゃんと遊んでるうちに寝ちゃったーとか言ってたからギリセーフっぽい」
倫子「それは良かった……もうイヤ……」
倫子「さて、ダルも帰ってきたところで、『過去を司る女神』作戦<オペレーション・ウルド>の実験成果について、この場で検討しようではないか」
ダル「オペレーション・ウルドってなんぞ?」
紅莉栖「Dメール送信実験のことでしょ」
倫子「いかにも。ふむ、助手とはかなり意志疎通が取れるようになってきたようだ……ククク」
紅莉栖「そろそろ素直に喜べないわね……大丈夫か私……」
紅莉栖「ともかく、実験の成果はあった。原理はまだわからないけど、取りあえず書き出してみる」
222: 2015/10/25(日) 23:16:00.41 ID:1x+JDDiqo
・・・
倫子「ふむ、最大で英文36文字、日本語文18文字しか送れない、というのは不便だな」
まゆり「ブラックホールの穴がきついんだと思うなー」
ダル「ま、まゆ氏。今のセリフ……」ハァハァ
倫子「ダル? 切り落とされたいか?」ニコッ
ダル「わおっ」キュッ
紅莉栖「おそらくSERNのタイムマシンと同じ原因ね」
紅莉栖「リフターの調整がうまくできてないから完全な裸の特異点を作れない。そのせいで36バイト+αしか送れない」
紅莉栖「そもそもリフターに代わるものがなんなのかすらわかってない」
ダル「でも、タイマーの1秒が現実の1時間になるっていう、いつへ送るかの調節ができるのを発見したのはすごくね?」
紅莉栖「とは言ってもこんなんじゃ物理的タイムトラベルなんて夢のまた夢よ。タイターの予言だと、あと24年かかるんだっけ」
倫子「確かに今のオレたちでは物理的なタイムマシンは無理かもしれんな。だが……」
倫子「オレたちはタイムトラベル実験に成功した。データを過去へ送ったのだ」
倫子「―――決して忘れるな。それだけは、オレたちの栄誉だ」
223: 2015/10/25(日) 23:18:29.85 ID:1x+JDDiqo
~~~
倫子「(ラボに居たメンバーはオレ以外帰宅の途に着いたが、しかし過去にメールを送れるとは改めて考えると夢のような力だ)」
倫子「(やはり宝くじでも当てるか。ラボの研究資金になるなっ! あるいは……)」
~~~
まゆり「(過去にメールを送るとしたら……おばあちゃんの約束を守るように送る?)」
まゆり「(……ううん、それだと、オカリンと今の関係じゃなくなっちゃう気がする)」
まゆり「(……オカリンといつまでも仲良くね、って送ろーっと♪)」
~~~
ダル「(過去に送れるメールか……やっぱりフェイリス杯での優勝だよな、フェイリスたんの手料理食べたかったお)」
ダル「(あるいは子どもの頃の僕に、もっと早くオタ道へ進め、って言うとか。あー、エヴァのTV放送をリアルタイムで観たかった)」
~~~
紅莉栖「(過去にメッセージを送ると世界はどうなるのかな。SFみたいに改変される?)」
紅莉栖「(そんなの非科学的すぎる……けど、変えられるなら、やっぱりパパとの関係……)」
紅莉栖「(ううん、あれがあったから今の私がある。否定はできない)」
紅莉栖「(……日本に居た頃の私に、岡部と友達になるよう送れば幼馴染属性が追加されるかしら)」ウフフフフフ
224: 2015/10/25(日) 23:18:57.63 ID:1x+JDDiqo
今日はここまで
229: 2015/10/27(火) 21:56:33.60 ID:MldcXf8vo
2010年8月3日火曜日
未来ガジェット研究所
ピロリン♪
倫子「んー……もう朝か」
ピロリン♪
倫子「また鳴った? 誰からメールだ……って、指圧師から15通!?」
『今、秋葉原駅にいるの 萌郁』
『今、中央通りにいるの 萌郁』
『今、末広町交差点にいるの 萌郁』
『今、大檜山ビルの前にいるの 萌郁』
『今、ラボの扉の前にいるの 萌郁』
『今、あなたの目の前にいるの 萌郁』
倫子「……は?」
萌郁「…………」
倫子「どぅわああっ!?!? も、萌郁っ!! おどかすなっ!!」フーッ フーッ
萌郁「鍵、開いてた……(お邪魔してまーす(^^♪ )」
倫子「しまった……次からは気を付けなければ……」ドキドキ
未来ガジェット研究所
ピロリン♪
倫子「んー……もう朝か」
ピロリン♪
倫子「また鳴った? 誰からメールだ……って、指圧師から15通!?」
『今、秋葉原駅にいるの 萌郁』
『今、中央通りにいるの 萌郁』
『今、末広町交差点にいるの 萌郁』
『今、大檜山ビルの前にいるの 萌郁』
『今、ラボの扉の前にいるの 萌郁』
『今、あなたの目の前にいるの 萌郁』
倫子「……は?」
萌郁「…………」
倫子「どぅわああっ!?!? も、萌郁っ!! おどかすなっ!!」フーッ フーッ
萌郁「鍵、開いてた……(お邪魔してまーす(^^♪ )」
倫子「しまった……次からは気を付けなければ……」ドキドキ
230: 2015/10/27(火) 22:01:42.13 ID:MldcXf8vo
萌郁「汗、びっしょり……(髪がしっとりしててセクシーだなー)」
倫子「誰のせいだ誰の!! あとでシャワーを浴びねば……」
萌郁「(私のせいー?><。 )……からだ、洗ってあげる」
倫子「べ、別にいい。そんな子どものような真似、できるか!」
倫子「(というか、その2つの大きなモノの迫力に勝てそうにない……羨ましいわけではないが)」
萌郁「(でもやっぱり申し訳ないし(T_T) )……遠慮、しなくていい。服、脱いで」グイッ
倫子「え? ちょ、うわ、やめろ! 脱がすなぁ! 引っ張るなぁ!!」ジタバタ
萌郁「(ボディーライン、綺麗……)ボディーライン、綺麗……」
倫子「ひんむかれた……うぅっ……」カァァ
倫子「一応確認しておくが、貴様にそっちの気はないよな?」
萌郁「……? (なんのことだろう(・・? )」
倫子「(どうやらノーマルだな……ひとまず安心だ)」フゥ
231: 2015/10/27(火) 22:02:32.21 ID:MldcXf8vo
シャワー室
萌郁「……(うわあ、裸の岡部さん、すっごくキレイ……ホントに美人なんだなぁ(≧▽≦) )」
倫子「うぅっ……こっち見るな……」
シャー……
萌郁「髪、洗うね……(わざと髪の毛くしゃくしゃにするの、やめればいいのにー )」
倫子「ほ、ほんとにやるのか……ひゃん! も、もっとやさしく頼む……っ!」ビクッ
倫子「(というか、さっきから背中に当たっている……萌郁の、温かくて柔らかくて大きいソレが……)」
萌郁「ごめん……(はわわ! もっとやさしくしなきゃ!>< )」ワシャワシャ
倫子「あっ……う、うむ、上手だぞ。なかなかに気持ちいい」ポーッ
倫子「(子どもの頃を思い出すなぁ。人にされるのもたまには悪くないかも……い、いやいや、何を考えてるの私、じゃなくてオレは!)」
萌郁「そう……(喜んでもらえてよかったー!\(^o^)/ )」ワシャワシャ
倫子「(ああ……気持ちいい……篭絡される……)」ポーッ
萌郁「……(うわあ、裸の岡部さん、すっごくキレイ……ホントに美人なんだなぁ(≧▽≦) )」
倫子「うぅっ……こっち見るな……」
シャー……
萌郁「髪、洗うね……(わざと髪の毛くしゃくしゃにするの、やめればいいのにー )」
倫子「ほ、ほんとにやるのか……ひゃん! も、もっとやさしく頼む……っ!」ビクッ
倫子「(というか、さっきから背中に当たっている……萌郁の、温かくて柔らかくて大きいソレが……)」
萌郁「ごめん……(はわわ! もっとやさしくしなきゃ!>< )」ワシャワシャ
倫子「あっ……う、うむ、上手だぞ。なかなかに気持ちいい」ポーッ
倫子「(子どもの頃を思い出すなぁ。人にされるのもたまには悪くないかも……い、いやいや、何を考えてるの私、じゃなくてオレは!)」
萌郁「そう……(喜んでもらえてよかったー!\(^o^)/ )」ワシャワシャ
倫子「(ああ……気持ちいい……篭絡される……)」ポーッ
232: 2015/10/27(火) 22:03:28.78 ID:MldcXf8vo
未来ガジェット研究所
談話室
倫子「ふわぁ~……指圧師に指を使わせたらヤバイということがわかった。今後は気を付けなければ……」ポーッ
萌郁「(髪を下ろした岡部さん、かわいいな(^^♪ )」
倫子「それで、お前はIBN5100を見に来たのだな?」
萌郁「(そだよん♪)」コクッ
倫子「というか、昨日はどうして来れなかったのだ?」
萌郁「……取材」
倫子「(編プロのバイトとか言ってたな。それは嘘だったのでは……いや、仕事自体はしているのか)」
倫子「なるほど、わかったぞ。貴様、本当の狙いはこのオレの取材だなっ!?」ガタッ
萌郁「……? (えっと……?)」
談話室
倫子「ふわぁ~……指圧師に指を使わせたらヤバイということがわかった。今後は気を付けなければ……」ポーッ
萌郁「(髪を下ろした岡部さん、かわいいな(^^♪ )」
倫子「それで、お前はIBN5100を見に来たのだな?」
萌郁「(そだよん♪)」コクッ
倫子「というか、昨日はどうして来れなかったのだ?」
萌郁「……取材」
倫子「(編プロのバイトとか言ってたな。それは嘘だったのでは……いや、仕事自体はしているのか)」
倫子「なるほど、わかったぞ。貴様、本当の狙いはこのオレの取材だなっ!?」ガタッ
萌郁「……? (えっと……?)」
233: 2015/10/27(火) 22:08:07.88 ID:MldcXf8vo
倫子「ククク……世界を股にかける狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真への潜入取材となれば、ネタ的にはかなりおいしいだろう」ニヤニヤ
倫子「だがっ! それは断じて許すことができないっ! オレは各国のスパイ、そして“機関”に追われる身だからな……すまない、指圧師よ」フッ
萌郁「……IBN5100、見せて」
倫子「(まさかの真スルー……こいつ、なかなかできるな……)」スッ
倫子「……オレだ。奴はスキル持ちのようだ。……ああ、わかっている。その対処法を編み出したのは元々オレだということを忘れたのか? まあいい、そちらは頼んだぞ。エル・プサイ・コングルゥ」
萌郁「……? (誰と電話してるんだろう……まさか、FB!?)」ポチポチ
ピロリン♪
倫子「(またメールか……『FB?』、だと? フッ、やられたらやりかえす。こちらもスルースキル発動だ)」
倫子「これが例のブツが入ったダンボールだ」
萌郁「……っ! (本物だぁ♪ やったよFB、ついに見つけたよ!(≧▽≦) )」ポチポチポチポチ
ピロリン♪
倫子「……またメールか。『これを貸してほしいな 萌郁』」
倫子「こんなクソ重いものを1人で運ぶ気か?」
ピロリン♪
倫子「『運ぶのを手伝ってもらえたらうれしいな。いつでも身体洗ってあげるから、お願い♪ 萌郁』……」
倫子「くっ、姑息な手段を……この“姑息”が日本語として間違った使い方なのはわかっているが、この言い方がカッコイイのだ……じゃなくて!」
倫子「甘言に屈する鳳凰院凶真ではないわっ! そもそも外部への持ち出しは禁止だと言っただろう」
萌郁「…………(そうだけど、FBが! でも岡部さんもFBの命令で動いてるとしたら? うーん、私一体どうしたら(+o+) )」
倫子「それにこれは借り物だ。神社へ返さねばならん」
萌郁「……神社? (なんのこと?(・ω・) )」
倫子「元々これは柳林神社に奉納されていたもの。オレたちは一時的に借りているに過ぎないのだ」
萌郁「…………(そんなところにあったんだ!)」
234: 2015/10/27(火) 22:10:06.04 ID:MldcXf8vo
萌郁「……どうしてもダメ?」
倫子「だめ」
萌郁「……お願い」
倫子「だめったらだめ」
ピロリン♪
倫子「……『そんなのずるいよー>< 萌郁』。ええい、小学生か!」
倫子「こんなことを言いたくはないがな、萌郁。IBN5100は我がラボにとってトップシークレット」
倫子「それを外に持ち出すという事は、背信、裏切り、仲間に対する最大の侮辱だ」
萌郁「…………(あっ、ご、ごめんね(T_T) )」
倫子「……だが、話せばわかるとはよく言ったものだ」
倫子「理由を言え。場合によっては力になってやらんこともないのだからな」
萌郁「ほ、ほんと……!」
倫子「当たり前だ。貴様は既にこのラボのメンバー、ラボメンなのだから」ニコッ
萌郁「……っ!(お、お姉ちゃんと呼ばせてくださいぃっ!///)」
235: 2015/10/27(火) 22:10:44.99 ID:MldcXf8vo
萌郁「でも……理由は……言えない……」シュン
倫子「……そうだったな。ならば質問を変えよう。お前はコレを何に使うつもりなのだ?」
萌郁「……知らない」
倫子「使用目的を知らないだと? もしかしてコレクターに売りつけるのか?」
萌郁「…………」
倫子「黙秘は肯定と受け取るが、いいか?」
萌郁「……売りつけは、しない」
倫子「売りはしない、だと?……無償提供か」
萌郁「…………」
倫子「……それは、お前の人生にとって大事なことなのか」
萌郁「えっ……?」
萌郁「……かなり、大事……私の人生の、すべて……」
倫子「そうか……」
236: 2015/10/27(火) 22:17:24.40 ID:MldcXf8vo
倫子「なあ、指圧師。お前、どうしてそんなに無口なのだ? それに珍妙なコミュニケーション方法を取るし……」
ピロリン♪
倫子「『口で話すの苦手だから 萌郁』」
倫子「……過去になにかあったのか?」
萌郁「…………」
倫子「言いたくないこと、か。だが、オレは貴女の人生を知っておきたい」
倫子「その虚ろな目に潜んだ真実を。双眸に映した世界の欺瞞を」
萌郁「…………」
倫子「いや、フェアじゃなかったな。オレが一方的に聞き出すばかりでは」
萌郁「……?」
倫子「座れ」ポンポン
萌郁「…………」スッ
倫子「……お前の口のかたさを信じて、オレの……いや、私の過去を話す」
倫子「仲間となる者にはいずれ話さなければならないことだ……」
倫子「女、岡部倫子の、人生最大の汚点にして、最悪の記憶……」
萌郁「…………」
倫子「わ、私はっ……」プルプル
倫子「……っ!」
倫子「中学の時、レOプされかけた……ッ!!」
萌郁「っ!?!?」
237: 2015/10/27(火) 22:21:00.77 ID:MldcXf8vo
・・・
あれは中学2年の夏、まゆりが言葉を取り戻してすぐの頃だった。
私は浮かれていた。
まゆりと新しい関係を築けたこと、まゆりというかけがえのない友人を取り戻したことに。
あの頃、地元で私はちょっとした有名人で、岡部青果店の娘さんが美人だってウワサは町のみんなが知ってた。
学校のみんなも……
男の子たちは私に執拗にちょっかいを出すし、女の子たちは私を妬んだ。
典型的な嫌がらせを受ける毎日だった。
そんな状況で私は、自分はともかく、まゆりに害が及ぶことを極端に恐れていた。
まゆりとの本当の関係を世間に知られたくなかった私は徹底的にソレを隠すことにした。
建前としては、私がまゆりをいじめていることにした。
何かあってもまゆりだけは助かるための保険。
高校に行くまでの1年半隠し通せばいいと思っていた。
自分だけがいじめられればいいと思っていた。
238: 2015/10/27(火) 22:22:43.94 ID:MldcXf8vo
そんな時、家で飼っていた柴犬が殺された。
私は悲しかったし、悔しかった。
だけど、それ以上に、これでようやく反旗を翻せるとも思った。
器物損壊罪―――
当時の私は法律に詳しくは無かったけど、“ヤツら”はついに失敗したと思った。
刑事ドラマのように鑑識が出れば科学捜査で犯人は特定され、“ヤツら”は少年院送りになると確信した。
勝ったのだと。これで長きに渡る戦いに終止符が打たれ、私の人生は変わるのだと信じたかった。
その日のうちに近所の交番に駆け込んだ。
そこには毎日挨拶をする程度には顔を見知ったお巡りさ……警察官の青年が居た。
××××。当時27歳。顔も名前も一生忘れることはないその男。
私は彼に事情を話すと、奥の部屋に居たもう一人の警官に私の家に行くよう命じた上で、私から話を聞くと言って私を奥の部屋へと連れ込んだ。
239: 2015/10/27(火) 22:25:50.82 ID:MldcXf8vo
その部屋はとても狭かった。
彼はまず部屋の鍵を閉めた。内側から鍵をかけられる構造だった……防犯上の理由だろう。
それで、私が事件のあらましについて説明しようとしたところでハンカチを口に当てられた。
クロロホルム。私は激しい頭痛に襲われ、気が動転した上に身動きが取れなくなった。
あっという間に私の手足は机に拘束され、猿ぐつわを咬まされ、机の上にあおむけに寝そべる形になった。
拳銃が机の上に無造作に投げ出された。余計な真似をしたら頃すと言わんばかりだった。
……それこそ、まるでマッドサイエンティストの人体実験のようだと幼ながらに思った。
身体をまさぐられた。とにかくおぞましかった。気持ち悪かった。
怖かった。氏を覚悟した。
そいつは行為に及びながら、お前が悪いんだなんだと、全部私の容姿のせいにしてきた。ふざけた話だ。
結局犬を頃したのもそいつだった。
犬を殺されたら自分を頼るくらいの信頼を築くために、日ごろから私に紳士的に接してきたのもそいつの作戦だったってわけだ。
丸裸にされて写真を撮られた。写真で私を脅すつもりだったらしい。
だけど、性交に至るすんでのところでもう一人の警官が帰って来て事件が発覚することになった。
一応警察に助けられた形にはなったが……そもそも私は裏切られた。
国家に。権力に。そして……親しみをもって接してきた大人に。
私が信じた正義なんてものは、初めから世界に存在しなかった。
240: 2015/10/27(火) 22:27:30.64 ID:MldcXf8vo
そいつは捕まった。当時新聞やテレビで結構報道されたから、少し調べれば事件が出てくると思う。
事件は解決したことになった。学校でのいじめも一旦は止んだ。だが……
この忌々しい記憶は私が氏ぬまで脳内に残り続ける。
世界に正義など無い。世界は敵意で満ち溢れている。
裏切りと、暴力と、氏―――
真に信じられるのは、この世で唯一まゆりだけだった。
私は……オレは、自分の力だけで、自分自身も、まゆりのことも、すべてを守らなければならないのだと悟った。
それが世界の理なのだと理解した。
だからオレは……まゆりを抱きしめた時には既に心の中で生まれていた“鳳凰院凶真”を、この世に顕現させる決意をした。
まあ、こんな事件が無かったとしても高校デビューと同時に鳳凰院凶真を開花させるつもりではあったが……
不氏鳥<フェニックス>の鳳凰に、院。凶悪なる真実と書いて、“鳳凰院凶真”。
女の子らしさがなんだ。まともな人間である必要がどこにある。
平和だの日常だのというのは気狂いの妄言であり、“機関”の陰謀なのだ。
欺瞞の仮面を取り去り、かき乱してやりたい。カオスにしてやりたい。
世界は―――常にオレたちを陥れようとしているのだから。
・・・
241: 2015/10/27(火) 22:29:36.34 ID:MldcXf8vo
萌郁「…………」
倫子「これがオレの過去だ。このことはまだ、まゆりとダルしか知らないけどな」
萌郁「……岡部、さん。その……(こんな時、なんて言えばいいの……)」
倫子「……ふぅーはははっ! 封印されし真実<サンゲタル>を知ってしまったからには貴様はもはや引き返せんっ!」
倫子「さあ、悪魔の取引だ。貴様の過去をすべて吐き出すがよいっ!」
倫子「そして我がラボのために働けっ! その身を捧げ―――」
萌郁「」ダキッ
倫子「ふおわっ!? きゅ、急になにをする!」ドキドキ
萌郁「……貴女は、強いひと」ギュッ
倫子「……何を知れたことを」プルプル
242: 2015/10/27(火) 22:30:52.42 ID:MldcXf8vo
未来ガジェット研究所の入口前
鈴羽「(な、な、な、なんだってーーー!?!?!?!?!?!?)」
鈴羽「(あのSERNの犬【※鈴羽の妄想】であるストーカー女が分厚い面<ツラ>してラボに入っていくもんだから玄関扉に貼りついて聞き耳を立ててたら……)
鈴羽「(ワルキューレの女騎士にそんな想像を絶する過去があったなんて……許せない……ッ!!)」
鈴羽「(……待てよ、あたしが過去へ行ってその男、××××を殺害すればっ!!)」
鈴羽「(仮に収束で殺せないとしても、陰部を切断するとか、産まれる前に母親を頃すとか、他にも色々試せばいいっ!!)
鈴羽「(あたしが……あたしが過去へ行って、レジェンドを救う!!)」
鈴羽「(IBN5100はこの世界線で既に手に入ってるけど……あたしは過去に行ってやらなきゃいけないっ!!)」
鈴羽「待っててね、鳳凰院凶真! あたしが貴女を必ず救うからっ!!」ダッ
鈴羽「(な、な、な、なんだってーーー!?!?!?!?!?!?)」
鈴羽「(あのSERNの犬【※鈴羽の妄想】であるストーカー女が分厚い面<ツラ>してラボに入っていくもんだから玄関扉に貼りついて聞き耳を立ててたら……)
鈴羽「(ワルキューレの女騎士にそんな想像を絶する過去があったなんて……許せない……ッ!!)」
鈴羽「(……待てよ、あたしが過去へ行ってその男、××××を殺害すればっ!!)」
鈴羽「(仮に収束で殺せないとしても、陰部を切断するとか、産まれる前に母親を頃すとか、他にも色々試せばいいっ!!)
鈴羽「(あたしが……あたしが過去へ行って、レジェンドを救う!!)」
鈴羽「(IBN5100はこの世界線で既に手に入ってるけど……あたしは過去に行ってやらなきゃいけないっ!!)」
鈴羽「待っててね、鳳凰院凶真! あたしが貴女を必ず救うからっ!!」ダッ
243: 2015/10/27(火) 22:32:25.65 ID:MldcXf8vo
未来ガジェット研究所
談話室
萌郁「…………」
倫子「…………」
萌郁「…………」
倫子「(もうかれこれ5分は抱き合ったままだ……体感では30分くらいに感じる……)」
萌郁「……昔」
倫子「……うむ」
萌郁「……昔、何もかも嫌になって……生きてる意味がわからなくなって……」
萌郁「氏のうって思ったとき……1通のメールが来て……親身になって話を聞いてくれて……」
萌郁「メールでなら……人と話しやすいことに気付いて……」
談話室
萌郁「…………」
倫子「…………」
萌郁「…………」
倫子「(もうかれこれ5分は抱き合ったままだ……体感では30分くらいに感じる……)」
萌郁「……昔」
倫子「……うむ」
萌郁「……昔、何もかも嫌になって……生きてる意味がわからなくなって……」
萌郁「氏のうって思ったとき……1通のメールが来て……親身になって話を聞いてくれて……」
萌郁「メールでなら……人と話しやすいことに気付いて……」
244: 2015/10/27(火) 22:34:06.81 ID:MldcXf8vo
萌郁「私……いらない子だって、ずっと言われ続けて……ずっとずっと……」
萌郁「だから、本当に自分はいらない子なんだぁって、ずっとずっと思ってて……」
萌郁「そう思うことで、私、安心して……」
萌郁「だって、いらない子の私なら……誰も私を見ない……」
萌郁「誰も私に期待しない……誰も私に失望しない……だから……私……」
倫子「……お前の目を見た時から、オレはお前のことを放っておけなかった。その理由が今わかった」
倫子「だが、もう諦めろ。貴様の能力はオレに期待されている」
萌郁「…………」グスッ
倫子「ラボは既にお前の居場所だ。いつでもここに遊びに来い」
倫子「オレへのメールの連投は勘弁してほしいが……まあ、話し相手くらいにはなってやろう」
萌郁「うれ……しい……」
倫子「だが、IBN5100については少し待ってほしい」
倫子「ダルに使い方をマスターさせ、SERNの陰謀を暴いてから、ルカパパに頼んで萌郁に貸すよう頼んでみる」
萌郁「少しって、どれくらい……」
倫子「そうだな……ダルなら2週間もあれば大丈夫だろう」
萌郁「わかった……それまで、待つ……」
245: 2015/10/27(火) 22:35:19.77 ID:MldcXf8vo
ダル「グーテンモルゲン。おぉ~桐生氏がラボに来てるとは。いらっしゃいなのだぜ」
萌郁「お邪魔……してます……」
ダル「そうそう、電話レンジだけどさ、ちょっと改良しようと思うんだよね」
ダル「もっと簡単な手順でDメールを過去に送れるようにして、専用ケータイからの転送も可能にしようかと」
倫子「わかった。手伝おう」スッ↑
倫子「(ここでクールにハイタッチを決めることで、オレたちがいかに“出来る”名コンビかを萌郁に知らしめてやろう!)」
ダル「……んお? 虫でも居たん?」
倫子「……なんでもないっ///」スッ↓
萌郁「(かわいい)」
246: 2015/10/27(火) 22:37:00.30 ID:MldcXf8vo
ピロリン♪
倫子「ん? 指圧師か。『今、“メールを過去に送る”って話してたよね? どういうこと? 教えて! 萌郁』」
倫子「フフッ。逆に問おう。なんだと思う?」
まゆり「トゥットゥルー♪ あのね、タイムマシン実験をする前にまゆしぃのから揚げを……」
萌郁「タイムマシン……(ホントにタイムマシンを作ってるんだ! すっごーい!(゜o゜) )」
倫子「まゆりっ! 台無しだぁ!」
倫子「まあ良い……我がラボはタイムマシン研究をしていると言っただろう。やはり、俄かには信じられんようだなぁ」ククク
倫子「(ああ、助手のひんまがった解釈ではなく、素直な好奇心を寄せられることはこんなにも優越感に浸れるものなのだな……)」ツヤツヤ
まゆり「わぁー萌郁さんだー! 来てくれたんだねー」ダキッ
萌郁「……! (胸に、椎名さんの顔が……///)」
まゆり「うほほーっ、萌郁さんおっきいねぇ~」スリスリ
ダル「お、大きいのは身長ではなくて、おっ、おっ、おっp」
倫子「黙れHENTAI! まゆりも指圧師が困っているからやめろ」
まゆり「あっ、ごめんね萌郁さん……」
萌郁「……いい(ちょっとドキドキしちゃった♪ 若いっていいなー)」
倫子「早速だがラボメンナンバー005、桐生萌郁に任務を与える……」
倫子「今後行う実験におけるメールの文面を考え、送信することっ! 機関に気付かれぬよう慎重になっ!」ニコッ
258: 2015/11/13(金) 00:30:21.17 ID:gZBHMClko
倫子「震えよ、我が右腕……。契約に基づき命じる、漆黒の獄炎を纏いて、我が望み、すなわち破壊の衝動を満たせッ!」
バキッ(電子レンジの扉が外れる音)
ダル「(キャラ作り云々の前にオカリンって厨二なんだよな……)」
紅莉栖「それじゃ、実験再開ね」
まゆり「でも、店長さんに怒られないかなー」
倫子「……オレがブラウン管工房へ交渉に行ってこよう。一応、振動対策をしたことも伝えねばなるまい」
萌郁「だい……じょうぶ……?」
倫子「案ずるな。オレもミスターブラウンもこのビルに愛着を持っていることには変わらん。話せばわかるさ」フッ
紅莉栖「(たまにかっこつけたがるわよね、岡部って)かわいい」
ダル「牧瀬氏、逆逆」
259: 2015/11/13(金) 00:31:55.11 ID:gZBHMClko
大檜山ビル前
倫子「バイト戦士よ。仕事をサボってケータイいじりとは、いい身分だな」
鈴羽「えっ……うわぁ!? 鳳凰院凶真っ!?」
倫子「何をそんなに慌てている……何か調べ物か?」
鈴羽「う、うん。ちょっと昔の事件をね」アセッ
倫子「事件?」
鈴羽「ななな、なんでもないよ!! 過去に跳んだ時に頃す人間を調べてたとかじゃないから!! ホントだよ!!」アタフタ
倫子「(こいつホントに秘密を隠すのが下手だな……)」
倫子「バイト戦士よ。仕事をサボってケータイいじりとは、いい身分だな」
鈴羽「えっ……うわぁ!? 鳳凰院凶真っ!?」
倫子「何をそんなに慌てている……何か調べ物か?」
鈴羽「う、うん。ちょっと昔の事件をね」アセッ
倫子「事件?」
鈴羽「ななな、なんでもないよ!! 過去に跳んだ時に頃す人間を調べてたとかじゃないから!! ホントだよ!!」アタフタ
倫子「(こいつホントに秘密を隠すのが下手だな……)」
260: 2015/11/13(金) 00:33:17.32 ID:gZBHMClko
鈴羽「それより店長に用事? 今は居ないよ。ね、綯!」
綯「こ、こんにちは」ペコリ
倫子「ゲッ、小動物……居たのか」
鈴羽「ん? 鳳凰院凶真って、子ども苦手なの?」
倫子「い、いや、そういうわけではないが……」
綯「その……凶真、おねえちゃん……また、遊んでほしいな……」モジモジ
鈴羽「なぁんだ、人気あるじゃん」
倫子「うむ……こいつに好かれるのは別に構わん」
倫子「いや、本当は狂気のマッドサイエンティストが幼女と仲良く遊んでいるのはイメージダウンなんだが……」
鈴羽「そんな理由?」
倫子「……この子と一緒に遊ぶとオレの身体に生傷が絶えない」
鈴羽「へ?」
倫子「ごっこ遊びを越えて、もはや格ゲーなのだ、こいつの機動力は……」ハァ
鈴羽「へー、そうなんだ! 綯、あたしも格闘技好きだよ! 今度一緒に遊ぼう!」
綯「えぇー……鈴羽おねえちゃんはちょっと……」
261: 2015/11/13(金) 00:34:32.15 ID:gZBHMClko
未来ガジェット研究所
倫子「今店長は留守だそうだ。思う存分実験ができるぞ、よかったなお前達」
ダル「ま、なんかあっても過去を変える実験に成功すれば問題ナッシング! 実験した過去を変えちゃえばいいだけだし」
萌郁「メールは……任せて……」
倫子「"過去を変える"……ククク、いよいよこの日が来たようだな」
まゆり「オカリン楽しそうだねー」
倫子「今日の実験では、作戦を第2段階へと進める。……すなわちッ! 『過去を変える』ッ!!!!!!」ガバッ
ダル「それ僕がさっき言ったわけだが」
倫子「…………」ウルッ
紅莉栖「(かわいい)」
ダル「(かわいい)」
萌郁「(かわいい)」
倫子「……まぁいい。それと助手、いいのか? てっきりお前なら反論してくると思ったのだが」
紅莉栖「……えっ。ひゃぁ!? えっと、ごめん、岡部の笑顔と泣き顔に見惚れてて話聞いてなかった……」
倫子「さすがにちょっと引くぞ……」
倫子「今店長は留守だそうだ。思う存分実験ができるぞ、よかったなお前達」
ダル「ま、なんかあっても過去を変える実験に成功すれば問題ナッシング! 実験した過去を変えちゃえばいいだけだし」
萌郁「メールは……任せて……」
倫子「"過去を変える"……ククク、いよいよこの日が来たようだな」
まゆり「オカリン楽しそうだねー」
倫子「今日の実験では、作戦を第2段階へと進める。……すなわちッ! 『過去を変える』ッ!!!!!!」ガバッ
ダル「それ僕がさっき言ったわけだが」
倫子「…………」ウルッ
紅莉栖「(かわいい)」
ダル「(かわいい)」
萌郁「(かわいい)」
倫子「……まぁいい。それと助手、いいのか? てっきりお前なら反論してくると思ったのだが」
紅莉栖「……えっ。ひゃぁ!? えっと、ごめん、岡部の笑顔と泣き顔に見惚れてて話聞いてなかった……」
倫子「さすがにちょっと引くぞ……」
262: 2015/11/13(金) 00:37:13.76 ID:gZBHMClko
倫子「宝くじを当てる」ドヤァ
ダル「大賛成」
まゆり「おくまんちょーじゃだねー♪」
萌郁「……」ポチポチ
ピロリン♪
倫子「『成功したらすごいことになるね(≧▽≦)』……指圧師も楽しみか。そうかそうか」フフッ
紅莉栖「阿万音さんの言う多世界解釈なら確かにバタフライ効果が起こってもパラドックスは起きないけど……ブツブツ」
ダル「やってみなきゃわからんっしょ」
倫子「助手よ、実は試してみたくてうずうずしているのだろう?」
倫子「欲望に忠実に実験する。実にマッドではないかぁ!」
紅莉栖「欲望に忠実……(*´Д`)ハァハァ」
倫子「……なぁダル。助手はどうしてしまったのだ?」ヒソヒソ
ダル「たぶん、ここに来る前に阿万音氏にまたボロクソ言われて心が壊れちゃったんだと思われ」
倫子「……一度脳内走査してもらったほうがいいかもな」
ダル「大賛成」
まゆり「おくまんちょーじゃだねー♪」
萌郁「……」ポチポチ
ピロリン♪
倫子「『成功したらすごいことになるね(≧▽≦)』……指圧師も楽しみか。そうかそうか」フフッ
紅莉栖「阿万音さんの言う多世界解釈なら確かにバタフライ効果が起こってもパラドックスは起きないけど……ブツブツ」
ダル「やってみなきゃわからんっしょ」
倫子「助手よ、実は試してみたくてうずうずしているのだろう?」
倫子「欲望に忠実に実験する。実にマッドではないかぁ!」
紅莉栖「欲望に忠実……(*´Д`)ハァハァ」
倫子「……なぁダル。助手はどうしてしまったのだ?」ヒソヒソ
ダル「たぶん、ここに来る前に阿万音氏にまたボロクソ言われて心が壊れちゃったんだと思われ」
倫子「……一度脳内走査してもらったほうがいいかもな」
263: 2015/11/13(金) 00:38:13.04 ID:gZBHMClko
ダル「ほい、ロト6の過去の当選番号出たお。1等は……ちょっ、2億とか!」
倫子「え、に、2億!? いや、待て、1等はマズイ!」アタフタ
紅莉栖「さ、さすがに2億は……ビビっちゃうわよね」
倫子「だ、誰がビビりだとぉ!? そうではなくだな……ほ、ほら! 目立ってしまうだろう!?」
倫子「ただでさえSERNや機関に我がラボは狙われているのだ、そこに2億当選しようものなら……たとえこの鳳凰院凶真でも、お前たちを守り切れるかどうか……」フッ
紅莉栖「必氏すぎワロタ(かわいい)」
ダル「ん? 牧瀬氏いま……」
倫子「まさか、@ちゃん……?」
紅莉栖「へ?……ハッ。と、ともかく、2億は無理! 過去改変リスクが大きすぎるっ!」アタフタ
倫子「一理あるな。では、3等の70万にしよう」
紅莉栖「ほっ」
264: 2015/11/13(金) 00:39:19.49 ID:gZBHMClko
紅莉栖「送り先は1週間前、170#でセットしましょ」
萌郁「『021219343537 ロト6で買え 絶対当たる!』……これで、いい?」
倫子「うむ、いい感じだぞ、萌郁」ナデナデ
萌郁「……///」
まゆり「なんだかとってもうさんくさいねー♪」フミッ
萌郁「……!? (椎名さんが私の足を踏んで来た!?><。 )」
ダル「じゃ、レンジ起動させるぜよ!」
倫子「では、送信するぞ……ッ!」
紅莉栖「どきどき……」
まゆり「わくわく……」
倫子「エル・プサイ・コングルゥ……ッ!!」
265: 2015/11/13(金) 00:39:56.21 ID:gZBHMClko
―――――――――――――――――――
0.52074 → 0.51015
―――――――――――――――――――
266: 2015/11/13(金) 00:41:02.77 ID:gZBHMClko
倫子「……っ。なんだこの目眩は……気持ち悪い……」
まゆり「オカリン、どうかした?」
倫子「……ハッ。まゆりか。いや、なんでもない。心配するな」
まゆり「だいじょーぶー?」
ダル「も、もしかして、お、お、お、女の子の日的なアレですかわかりません!」
倫子「まゆり、ハサミを持ってこいっ!」
まゆり「ちょっきんちょっきんだよー♪」
ダル「うほっ」キュッ
267: 2015/11/13(金) 00:45:18.05 ID:gZBHMClko
倫子「あ、あれ? 電話レンジ(仮)が止まってる……? それにセレセブよ、いつの間にソファーにテレポートしたのだ?」
紅莉栖「私に異能属性を付け加えるのはやめて? あとセレセブ呼び、唐突すぎだろ」
倫子「そういえば、メールはどうなった?」
ピッピッピッ
倫子「……受信されている。1週間前、あの内容の文章。なぜか送信履歴は無いが……」
倫子「ロト6は当たったのか?」
まゆり「えー、なんのことー?」
紅莉栖「岡部、さっきからどうしたの? ぽんぽん痛いの?」
萌郁「……(どうしたのかな(・・? )」
倫子「ダル、オレはたった今、ロト6の当たり番号を電話レンジ(仮)で送った。そうだな?」
ダル「おぉ、その発想はなかったわ。今すぐ実験すべきだろJK! うっひょう!」
倫子「何なのだ、これは……どうすればいいのだ?!」ブルブル
268: 2015/11/13(金) 00:46:02.68 ID:gZBHMClko
ガチャ
るか「あ、あの、こんにちは……」
まゆり「あ、るかくんだー。いらっしゃーい♪」
るか「あの、おか……凶真さんに、謝らないといけないことが……」
倫子「オレに?……って、それはロト6の券! お前、これをどこで!?」ガシッ
るか「は、はわっ!? 凶真さんに、手を握られると、ボク、ボク……」ドキドキ
ダル「おお、百合劇場ハジマタ? あ、いや、ノンケか……でも僕は大歓迎だお!」
紅莉栖「ん?」
倫子「教えてくれ、ルカ子。そのロト6の券はどこで手に入れたっ!?」
るか「え……あの、ボク、1週間前に凶真さんに数字を教えてもらって……」
倫子「オレが?……ククク、なるほど。そうか、そうかぁ! そういうことかぁ!!」ニヤリ
倫子「過去を変える実験……成功すれば、当然過去が変わる。それはつまり、"現在"も変わるということ!!」
倫子「だがどうしてお前達ラボメンは覚えていない? 先ほどのDメール送信実験を」
紅莉栖「えっと……いつもの設定、ってわけじゃなさそうね」
倫子「……オレを、疑うのか」ウルッ
紅莉栖「う、疑えない」グッ
269: 2015/11/13(金) 00:47:07.45 ID:gZBHMClko
ダル「ってかいくら当たったん!? 僕たち億万長者!?」
るか「ごめんなさい、数字を1個、間違えて記入しちゃって……」
倫子「当選金は70万ではなく5000円か……まあ、金額は問題じゃない。実験は成功した」
紅莉栖「……実験、やっぱりしたのね。私たちの記憶にはないけれど」
倫子「そうだ、そこなんだ。どうしてオレだけがあの実験の記憶がある?」
倫子「そりゃ、過去が変われば現在が変わるというのはわかる。宝くじDメールを受信したために、宝くじDメール実験をしなくなったというバタフライ効果も、まあわからなくはない」
倫子「だが……どうしてオレとお前たちの間に記憶の齟齬がある? まるでオレだけ機関に洗脳されたような……」
バーン!!
鈴羽「洗脳ッ!? 目を見せてッ!!」
クパァ!!
倫子「きゃぁ!? いたたたっ!? 目がっ、目があああああっ!!」
紅莉栖「ちょ、阿万音さん!?」
ダル「眼姦はさすがにレベル高杉だお……」
鈴羽「……大丈夫。洗脳チップは挿入されてない」ホッ
270: 2015/11/13(金) 00:48:24.03 ID:gZBHMClko
紅莉栖「突然飛び込んできてあんた何してんのよ!? バカなの!? 電波なのぉ!?」
鈴羽「ッ!? 本性を現したか、牧瀬紅莉栖ッ!!」キッ
倫子「うぇいうぇい! やるなら外でやれバカモノどもがっ!!」
鈴羽「レジェンド、どいて! そいつ殺せない!」
ダル「伝説の元祖ヤンデレ台詞ktkr! いいよぉ、もっと愛が激しくてもいいんだぜ?」
倫子&紅莉栖「「黙れHENTAI!」」
ダル「HENTAIじゃないよ! HENTAI紳士だよッ!!」
るか「な、なにがどうなって……」
萌郁「……(カオスだなー(+_+) )」
まゆり「もう、喧嘩はめっ、だよー?」
271: 2015/11/13(金) 00:49:36.79 ID:gZBHMClko
倫子「(鈴羽に、『それ以上我が助手をいじめるようならお前とは二度と口をきかん』と伝えたら泣きじゃくりながら土下座してきたので一件落着した)」
紅莉栖「腑に落ちないわけだが」
倫子「そんなことより、どうしてタイムマシン実験の成功を誰も記憶していないのだ?」
るか「えっ、タ、タイムマシン?」
鈴羽「やっぱり、成功したんだね。レジェンドならタイムトラベルをやり遂げると信じてたよ」グスッ
倫子「……そうか、悩む必要など無かった。おい、自称未来人、この現象について説明しろ」
鈴羽「ふぇ?」
倫子「ふぇ? ではない。お前が本当にジョン・タイターなら説明できるだろう?」
鈴羽「だからさー、あたしはジョン・タイターじゃないって言ってるじゃん」
倫子「……お前も萌郁と同じでメールじゃないと連絡しないクチか」
萌郁「……(えっ、同類!?(/・ω・)/ )」
鈴羽「違うってばー!」
ガシッ!
天王寺「何が違うんだ、バイトォ。42型つけっぱなしの上、店ほっぽらかしてよぉ、あぁん?」ゴゴゴ
鈴羽「……失敗した失敗した」ブツブツ
るか「あ、あの、あの人、担がれていっちゃいましたけど……」
倫子「(ホントに何がしたいんだ鈴羽は……)」
272: 2015/11/13(金) 00:51:38.66 ID:gZBHMClko
倫子「鈴羽が店長に連れ去られた後、まゆりとダルはメイクイーンに、ルカ子は謝り倒した挙句帰宅、萌郁は無言で退室……なんだかんだで助手と2人きりになってしまった」
紅莉栖「……なに? 私を追い出したいの?」
倫子「どうせ友達もいないし、ホテルに帰っても独りぼっちだからこの鳳凰院凶真に構ってほしいのだろう?」フッ
紅莉栖「半分正解だけど、半分不正解」
倫子「なに?」
紅莉栖「あんた、今元気無さそうな顔してる。悩みがあるなら聞いてあげようと思って」
倫子「ふん、セレセブに気遣われる鳳凰院凶真ではないわ」
紅莉栖「そっ。ならいいけど。……でも、側に居させて。女同士だし、別にいいでしょ」
倫子「お前の場合危機を感じるのだが……」
紅莉栖「わ、私は見境なく襲ったりするレOじゃないっ!! 鳳凰院ちゃんはお友達だからぁっ!!」
倫子「ちゃん付けするなぁ!」
273: 2015/11/13(金) 00:52:56.47 ID:gZBHMClko
倫子「お前には悪いが、これから自称未来人にメールで相談しなければならない」
紅莉栖「……そうだったわね。全く、あの足の生えた爆竹みたいな人、なんとかならないかしら」
倫子「もしかしてクリスティーナよ、下で鈴羽に会いたくないから18時過ぎまでここに居ようとしているのか?」
紅莉栖「……正直、それもある」
倫子「……早いうちになんとかしなければな」ポチポチ
紅莉栖「それで、なんて聞くの?」
……過去が改変されたら、世界線は変わってしまうのですか?
出来事が"なかったこと"になっていたのですが、他にも影響はありますか?……
紅莉栖「そんなこと言ってたわね……。あの人に解決できるかしら」
倫子「やつも今バイト中だ、18時を過ぎないと返事が来ないかもな」ピッ
274: 2015/11/13(金) 00:54:02.34 ID:gZBHMClko
・・・
倫子「…………」
紅莉栖「恋する乙女が、好きな相手からのメールを待ってるみたい」フフッ
倫子「……クリスティーナ、嫉妬深いのはあまりよくないぞ」
紅莉栖「私だって結構活躍してると思うんだけど?」
倫子「あー、うん。そうだな。助手のおかげでここまでこれたのは事実だ。リスペクトしている」
紅莉栖「名前すらまともに呼んだことないくせに、よく言う……」
倫子「それについては済まないと思っている」
紅莉栖「えっ……えっ!?!?(まさか、名前で呼んでくれるの!?)」キラキラ
倫子「紅莉栖……と呼べばお前がつけあがることは火を見るよりも明らかだからな。すまないが、耐えてくれ」
紅莉栖「(身から出た錆でござった……orz)」
275: 2015/11/13(金) 00:57:50.05 ID:gZBHMClko
ppppp
倫子「きゃっ……メールか。『状況を詳しく教えてほしい……』、そりゃそうか。よし……」ポチポチポチ
紅莉栖「まだ16時半じゃない……バイト中ね」
倫子「おそらくミスターブラウンが出掛けたのだろう」
紅莉栖「……あんな人の言う事、ネットでもリアルでも信じたくないけど」
ppppp
……あなたが過去へ送ったメールによって世界線変動率(ダイバージェンス)は僅かながら変わった筈
……唯一分からない点は、あなたには過去改変前の記憶が存在しているという事です
倫子「なんだ? まだ俺のこと、洗脳されてると思ってるのか?」
紅莉栖「そうじゃないと思う。世界が塗り替えられたなら、岡部の記憶も改変されてなくちゃおかしいってこと」
倫子「あ、そうか……」
276: 2015/11/13(金) 01:02:11.48 ID:gZBHMClko
倫子「(その後、タイターから様々な説明を受けた。アトラクタフィールド理論はよくわからなかったが……)」
倫子「ますますわからん。オレに特別な能力<チカラ>があるとでも言うのか?」
紅莉栖「そんなわけない……岡部は、私にとっては特別だけど、なにも全人類にとって特別じゃない。うぬぼれんな」
倫子「う、うぬぼれてなどないっ! そりゃ、異能の一つや二つ、この鳳凰院凶真が持っていてもおかしくはないがなぁ?」ニヤニヤ
紅莉栖「……私は、あんたと対等な友達で居たいわ」
倫子「この黄昏時に何をたそがれているのだ、クリスティーナよ。たとえ禁忌の力を得ようとも、オレはオレだ」
紅莉栖「うん……そうだよね……」
ppppp
……もしかすると、キョーマはその稀にしか存在しない収束観測の力を有している可能性が有ります
あなたならば世界を導く事が出来るかも知れません
世界線変動率1%の向こう側へ
アトラクタフィールドと呼ばれる壁の向こう側へ
倫子「な、なんだこれは? タイターが突然電波ゆんゆんになったぞ」
紅莉栖「ふむん……もっと情報を聞き出して」
277: 2015/11/13(金) 01:04:57.41 ID:gZBHMClko
ppppp
その先に待つのは、真の自由です
逆に言うと、その壁を超えられなければ未来は変わらずディストピアとなる
私の目的は、未来を変える事なのです
そしてそれを可能にするのは、あなたなのかも知れない
紅莉栖「しらじらしいわね……未来から来たなら、岡部に力があることくらい知ってるくせに……」
倫子「たしかに……」
ppppp
私はキョーマに、救世主、ワルキューレの女騎士になって欲しい。
倫子「わけがわからん……これが、鈴羽が未来から過去へ来た理由だと言うのか?」
紅莉栖「……前から気になってたんだけど、タイターの言う『ワルキューレの女騎士』って二つ名、いかにも岡部っぽいのよね」
倫子「オレが北欧神話好きだからといって短絡的すぎるぞ」
紅莉栖「今だって『狂気のマッドサイエンティスト』って名乗ってるでしょ? 狂気とマッドで意味がかぶってる」
倫子「う、うるさいなぁ! 語感がすべてなのっ! じゃなくて、なのだっ!」
紅莉栖「ワルキューレって女性なのに、わざわざ女騎士って言っちゃってるところなんかそっくりなネーミング」
倫子「う……確かにちょっとかっこいいと思うが……」
278: 2015/11/13(金) 01:07:39.78 ID:gZBHMClko
倫子「すると何か。オレは将来的に自称を変えて、それを未来で生まれた鈴羽が知っていて、それを過去に来てオレに伝えた、ということか?……因果がループしているぞ」
紅莉栖「していない。多世界解釈、じゃなかった、そのアトラクタフィールド理論とかいう都合のいい話が本当ならだけど」
倫子「むむむ……だが、一つだけ納得できない」
紅莉栖「そうよね。納得できないことばっかr」
倫子「オレはぁ! 世界の支配構造を破壊し、混沌に陥れる、狂気のマッドサイエンティストだぁ!」
紅莉栖「お、おう」
倫子「そのオレがメシアだとぉ? ヴァルキュリアだとぉ? フッ、笑わせてくれる」
倫子「権力の破壊の後に始まるのは、秩序なき混乱っ! その中心に立つ存在こそ、このオレ、鳳凰院凶真だっ! フゥーハハハ!」
紅莉栖「まったく、どうしてこんなにかわいいダークヒーローに育っちゃったんだか」フフッ
倫子「か、かわいいは余計だっ!」
279: 2015/11/13(金) 01:10:18.82 ID:gZBHMClko
3章終了
更新遅くなってごめんなさい
書き溜めを誤って消去してガンナエしてエタってもいいやってなってました
遅くなりましたが今日からまた頑張ります
更新遅くなってごめんなさい
書き溜めを誤って消去してガンナエしてエタってもいいやってなってました
遅くなりましたが今日からまた頑張ります
281: 2015/11/13(金) 04:45:44.93 ID:j5/VMYaZO
おつ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります