1: 2011/01/29(土) 00:28:50.60 ID:wzxs1IhIo
━第1話━
2: 2011/01/29(土) 00:29:32.99 ID:wzxs1IhIo
梓「不可抗力でした」
律「でも お前、『えいっ』とか言ってたじゃん」
梓「さわ子先生のメガネを破壊したら、
どういう反応をするんだろうという好奇心を抑えきれなかったという意味での
不可抗力です」
澪「すごいな梓」
「前世は暴君ハバネロだったんだろうな」
紬「かわいそうな さわ子先生」
唯「よしよし」ナデナデ
さわ子「うっ、うぅっ……」グスッ
3: 2011/01/29(土) 00:30:12.59 ID:wzxs1IhIo
律「まぁでもさ、メガネが割れたくらいで泣くことないじゃん」
「大人なんだし」
さわ子「えっ」
澪「確かにな」
梓「本当ですよ」
「まるで私が悪い事をしたみたいじゃないですか」
律「いや、お前は悪だけどな」
「純粋なる」
4: 2011/01/29(土) 00:30:52.81 ID:wzxs1IhIo
さわ子「違うのよ違うのよ」
唯「え?」
さわ子「メガネのレンズが割れたことが悲しいんじゃないの」
「メガネのレンズを割られたことが悲しいのよ……」グスン
梓「まったく同じじゃないですか」
唯「さわちゃん、何言ってるの?」
律「おバカさんじゃないの?」
さわ子「あれっ」
「今の言い回し、分からなかった?」
「伝わらなかった?」
5: 2011/01/29(土) 00:31:32.15 ID:wzxs1IhIo
澪「その連中は人として何かが欠落しているんでアレですけど
私には伝わりましたよ」
紬「私も」
律「ア、アタシも」
さわ子「そうよね!?」
「ちょっと自信を失いかけたけど
3対2で、おかしいのは唯ちゃんと悪魔ちゃんに決定!!」
梓「待て待て待て」
さわ子「なぁに?」
梓「アクマ?」
さわ子「確か そんな感じの名前じゃなかったっけ」
アズサ「まぁそんな感じの名前ですけど」
6: 2011/01/29(土) 00:32:00.31 ID:wzxs1IhIo
梓「えぃっ」
バリンッ
さわ子「あぁっ、残った片方のレンズまで割られた……」
梓「わざとです」
さわ子「うぅっ……」ポロポロ
7: 2011/01/29(土) 00:32:55.63 ID:wzxs1IhIo
紬「さわ子先生のメガネが粉々になったから
お茶にしよう?」
唯「そうだね」
さわ子「どういうことなの」
梓「ムギ先輩の紅茶を飲むと、すっごく元気になるんですよ!」
澪「元気を根こそぎ奪ったのは誰だっけ」
「おっと、貴様だった」
8: 2011/01/29(土) 00:33:57.66 ID:wzxs1IhIo
紬「今日のおやつはチョコケーキです」
さわ子「これで、ちょこっと景気が良くなるわね!」キャ♪
唯「え?」
さわ子「チョコっと ケーキが よくなるわね」
唯「う、うん……」
「なんで2回言ったの?」
紬「えぃっ」
メシャメシャ
さわ子「あぁっ、無事だったフレームまでグシャグシャに……」グスッ
紬「親が稼いだ お金で弁償しますよ」
「ほらっ」パサッ
律「あっ、10万円」
さわ子「ムギちゃん!! 」
「お金でなんでも解決すると思ったらダメよ!!」サッ
澪「だけど、しっかり お金をポケットに突っ込んだぞ」
唯「お金は大事なものだからね」
梓「あの、さわ子先生……」
さわ子「なぁに?」ルン♪
9: 2011/01/29(土) 00:35:59.22 ID:wzxs1IhIo
梓「元はと言えば、私がレンズを割ったから
こういう流れになったので
5万円ください」
さわ子「えぇっ!?」(残り5万円)
律「それを言い出したら
アタシがけいおん部を発足したからこそ
今日の この日があったワケだから
1万円くらいもらう権利があるハズだ」
さわ子「えっ」(残り4万円)
唯「じゃあ私はあずにゃんにあだ名をつけたから
1万円くらいもらえるよね」
さわ子「えっ」(残り3万円)
紬「よく考えたら10万円は多すぎるので
1万円返して下さい」
さわ子「はぅ」(残り2万円)
澪「わ、私ひとりだけ貰えないのは仲間はずれみたいだから
2万円くださいぃ」ウゥッ
さわ子「何故よ!?」(※残金ゼロ)チーン
唯「世の中わからない事だらけだよ」
10: 2011/01/29(土) 00:37:05.06 ID:wzxs1IhIo
さわ子「お願いします。弐萬圓堂のメガネを買うから
2万円だけはガチで ください、お願いです!!」ヘコヘコ
律「土下座した」
梓「いい大人なのに」
唯「かわいそうな さわちゃん」
さわ子「お願いよるォれぇ」ペロペロ
澪「頼みもしないのに私達のクツを舐め始めた」
唯「正直、今、誰も得してないよ」
律「だけど想いは伝わった」
紬「じゃあ仕方ないので私の1万円は あきらめます」(※-10万円)
律「アタシもさすがに気の毒になってきたから1万円の権利を放棄するぜ」(※±0円)
さわ子「あ、ありがとお~~~;;」ダキッ(※+2万円)
唯「さわちゃん、これで2万円ゲットだね!」(※+1万円)
澪「やれやれだな」(※+2万円)
梓「やれやれです」(※+5万円)
紬「なにか色々とおかしい気がするわ」
11: 2011/01/29(土) 00:38:07.79 ID:wzxs1IhIo
梓「先生のメガネって100円ショップで売ってるアレでしたよね」
さわ子「そうね」
律「あれって老眼鏡じゃ……?」
さわ子「でも よく見えるのよ」
梓「元々が100円のメガネなら
2万円は もらい過ぎじゃないんですか?」
さわ子「私だって、オシャレしたいのよ!!」
澪「自分のお金でオシャレするべきだと思います」
紬「私も そう思う」
澪「な! ムギも そう思うよな!」
紬「じゃあ澪ちゃんと梓ちゃん、お金 返してくれるかしら」
澪「え」
梓「それとはこれとは関係ないですよ!!」
「だから絶対に返しません!!」
律「いや、関係なくても返してやれよ」
12: 2011/01/29(土) 00:39:13.56 ID:wzxs1IhIo
紬「梓ちゃんと澪ちゃんから5万円、2万円、確かに受け取りました~」¥チーン♪¥
梓「あー……」
澪「くそっ、梓が余計なこと言うからだぞ!!」
ゴチーン!!
梓「ギャッ!!」
「澪先輩が ぶった!!うわぁあああああん!!」ウェ~ン
唯「よしよし」ナデナデ
梓「エヘヘ、アパパァww唯せんぱぁい」トロ~ン
律「コイツ、心の病なんじゃないか」
「とても深刻な」
梓「あー……」
澪「くそっ、梓が余計なこと言うからだぞ!!」
ゴチーン!!
梓「ギャッ!!」
「澪先輩が ぶった!!うわぁあああああん!!」ウェ~ン
唯「よしよし」ナデナデ
梓「エヘヘ、アパパァww唯せんぱぁい」トロ~ン
律「コイツ、心の病なんじゃないか」
「とても深刻な」
13: 2011/01/29(土) 00:40:32.14 ID:wzxs1IhIo
唯「じ~っ」
澪「なんだ、唯」
「さっきから さわ子先生の顔を見つめて」
さわ子「えっ、どうしたの?」
唯「えへへ~、メガネはずした さわちゃんって珍しいから」
さわ子「そうかしら?」
梓「ふふ、確かに珍しい顔をした生き物ですよね」
さわ子「なにか言い方が おかしい」
14: 2011/01/29(土) 00:41:12.46 ID:wzxs1IhIo
律「こうしてジックリ見ると実際、キレイだよな さわちゃん」
澪「それなのに どうして彼氏がいないんだろう」
紬「よっぽど中身が終焉を迎えているのね」
唯「な、なるほど~」
梓「チャンチャン♪」
さわ子「ちょっと待てメンバー」
15: 2011/01/29(土) 00:42:26.50 ID:wzxs1IhIo
梓「なんですかメンバーって」
さわ子「5人でグルになるのを やめなさい」
唯「グルになんか なってないよ」
澪「それぞれが、それそれの想いで必氏に戦っているだけです」
さわ子「なぜ私と戦う必要があるのよ」
律「それもそうだな」
「さわちゃんなんか放っておいてチョコケーキ食べよっぜー!」
唯「わぁい!! ムギちゃん いっただきま~す!!」
紬「えぇ、どうぞ♪」
さわ子「極端なのよ!!」
律「なにが?」ムシャムシャ
唯「おいしいおいしい!!」モシャモシャ
16: 2011/01/29(土) 00:43:04.80 ID:wzxs1IhIo
さわ子「邪険に扱われたくはないけど、構ってほしいの」
梓「面倒くさい人だなぁ」
律「これだから女ってヤツは」
澪「それじゃ具体的に どうすればいいんですか?」
さわ子「え? そうね……」
「えっと……」
「なんか胴上げするとか」
唯「なにを?」
さわ子「私を」
17: 2011/01/29(土) 00:43:57.33 ID:wzxs1IhIo
澪「な、なんの理由もなく胴上げされるって
逆にイヤじゃないですか?」
さわ子「そんなことないわ」
「あなた達が『さわこ!さわこ!』と言いながら
全力でワッショイしてくれたなら
私、感激して きっと空中でオシッコ漏らすわ」
唯「私達が胴上げしてる最中に?」
梓「最悪の災厄だ」
18: 2011/01/29(土) 00:45:13.86 ID:wzxs1IhIo
━━━翌日、学校━━━
ωω唯たちのクラスωω
さわ子「みんな、おはよう」
エリ「おはよー、先生」
信代「先生!!今日はどんなバナナを食べた?」ウホッ
さわ子「えっ、その質問ってセクハラ?」
唯「ねぇねぇ、セクハラってなんのこと?」ヒソヒソ
姫子「なんだろうね」
和「多分、バナナを別の何かと置き換えたんじゃないかしら」
姫子「えっ、別の何かって、」
唯「なになに? 和ちゃん、教えて~」
姫子「……///」カーッ
和「姫子、正解」
唯「なにが正解なの? 姫子ちゃん、何か分かったの?」
姫子「知らない知らないっ」
19: 2011/01/29(土) 00:47:02.28 ID:wzxs1IhIo
エリ「あれっ、先生 メガネ変わってない?」
さわ子「えぇ、変わったわよ」
しずか「ホントだ。いつもの100円均一のヤツはどうしたのー?」
さわ子「そんなの もはや卒業よ」
「私も もう いい大人だもの!」エッヘン
紬「先生は梓ちゃんによって、大人にされたのね」
律「金を払ったのはムギだけどな」
エリ「え、なにそれ?」
「梓ちゃんって、あの けいおん部のセルジュニアみたいな子でしょ?」
エリ「先生が大人にされたってどういうこと?」
律「え? いや~、アレな~」
「どうしよっかな~」
律「アタシの口からは ちょっとな~」
澪「わた
いちご「あの子、時々 獣欲に満ちた眼つきで平沢さんを見てたけど……」
エリ「もしかして、私達のかわいい さわちゃん先生を毒牙に!?」
いちご「まぁ 別に いいけど」
エリ「いいんだ……」
━第1話━
おわり
20: 2011/01/29(土) 00:47:41.65 ID:wzxs1IhIo
━2話━
21: 2011/01/29(土) 00:48:27.13 ID:wzxs1IhIo
キーンコーン カーンコーーン
━━━昼休み━━━
ζζ梓たちの教室ζζ
憂「梓ちゃん、一緒にお昼 食べよー」
梓「うん」コポコポ
憂「あっ、カップ焼きそばUFO?」
梓「私 好きなんだ」
純「うん。そりゃ おいしい食べ物だけどさ」
「教室で食べるには適さないんじゃないかなー」
梓「なんで?」
憂「なんでだろうね」
純「いやホラ。魔法びんに お湯を入れて持ってきたまではいいけどね」
「そのお湯を捨てに洗い場まで行くの面倒じゃん?」
梓「大丈夫だよ、窓から捨てるから」ドボドボドボドボドボdボdボ
純「ああああああああああーーーーーーーッ!!!!!」
22: 2011/01/29(土) 00:49:48.78 ID:wzxs1IhIo
梓「ビックリしたぁ……」
「いきなり大きな声出して、アタマがヘンになっちゃったの?」
憂「違うよ梓ちゃん」
「純ちゃんはアタマじゃなくて髪の毛が変なんだよ」
梓「そうだった。ごめんごめん」
純「謝れ!!」
梓「いま謝ったじゃん」
純「謝るベクトルが違うし、どっちかというと謝るべきは憂だと思うんだ」
憂「ご、ごめんね~」
「なにがなんだか分からないけど」
梓「ほら、やっぱり変なのはアタマだったんだよ」
憂「ホントだ~。梓ちゃんの言うとおりだったね~」アッハハ
梓「わーっはっはははは!!」
純「謝れっ!!」
23: 2011/01/29(土) 00:50:34.96 ID:wzxs1IhIo
梓「窓からお湯を捨てたのがイケナイ事なの?」
純「いや、なんか……ほら、下の階の人が
もしも窓から頭を出してたら熱湯が かかっちゃうし他にも色々」
憂「アハハ。窓から頭を出す人なんて この世にいるワケないよ~」
梓「そうそう」
純「いやいやいや、絶対いないって程
レアな行動ではないと思うよ?」
24: 2011/01/29(土) 00:51:12.49 ID:wzxs1IhIo
ズルズル もぐもぐ
純「そういえばさー」
梓「うん」
純「さっきパン買いに行った時に小耳に はさんだんだけどさー」
憂「なになに」
純「えーっとね、けいおん部の さわ子先生がねー」
梓「さっさと話してよクソ野郎」
純「これくらいでクソ野郎呼ばわりするな!!」ガタン
梓「えっ、な、なに怒ってるの?」
25: 2011/01/29(土) 00:52:19.45 ID:wzxs1IhIo
純「梓は突然、友達にクソ野郎呼ばわりされたら どう思う?」
梓「容赦しないよ」
純「そ、そう」
梓「トーゼンだよね」
純「えーと……私達って友達?」
梓「私、『俺達は仲間じゃないか!!』ってノリ、好きじゃないんだ」
憂「しきりに『友達』とか『仲間』って言葉を口に出すと
逆に薄っぺらくなる事も あるもんね」
純「はぁ……」
梓「だから、私は何も言わないよ」
「純は私の行動と態度から、心情を察してほしいな」
純「梓の行動か。よーし、来い!!」
梓「クソ野郎」
純「ん?」
梓「クソ野郎♪」
純「その嬉しそうな顔を 私は どうとればいいのか」
━第2話━
おわり
26: 2011/01/29(土) 00:52:53.03 ID:wzxs1IhIo
━第3話━
27: 2011/01/29(土) 00:53:28.51 ID:wzxs1IhIo
━部室━
ガチャ
梓「こんにちわー」
澪「やぁ、梓」
梓「あれ? 澪先輩1人ですか?」
澪「うん。律たちはトイレに行くから今日は部活に来れないんだって」
梓「そうなんですか」
澪「あ、そうだ!」
「たまには私が お茶を淹れるよ」
澪「いつもはムギに まかせっきりだから」
梓「わー、珍しい日だ」
「えへへ、なんだか今日は いい事あるかも知れません」
澪「ふふっ、なんだよ それ」アハハ
梓「ところでトイレに行くから部活に来られないって
どういう意味なんですか」
澪「分からないよ」
「その件に関しては深く考えないようにしているんだ」
梓「澪先輩がそれでいいなら 私は黙って お茶に付き合いますよ」ズズー
28: 2011/01/29(土) 00:54:08.87 ID:wzxs1IhIo
ガチャッ
さわ子「やっほー、私が来たわよー」
澪「見れば分かります」
さわ子「あらっ」
「今日は2人だけなの?」
梓「はい、先生も来たので3人になりました」
さわ子「おやつは?」
澪「ありません」
さわ子「私は何故ここに来たの?」
梓「知りません」
29: 2011/01/29(土) 00:54:56.65 ID:wzxs1IhIo
さわ子「おーやーつ! おーやーつ! おーやーつ!」ワァアアア
澪「落ち着いてください」
さわ子「分かったわ」ピタリ
梓「物わかりが いいなぁ」
澪「さすが大人だよな」
さわ子「落ち着いたから、おやつちょうだい」
澪「ありません」
さわ子「……」
「……うっ……うぅぅ」ポロポロ
梓「泣いた」
澪「私が悪いのか?」
梓「流れ的には そうなります」
澪「うーん、困ったな……」ゴソゴソ
澪「あっ、カバンの中に いちごポッキーがあったから
これを与えてみよう!」
梓「与えてみましょう」
30: 2011/01/29(土) 00:55:51.58 ID:wzxs1IhIo
さわ子「いちごポッキーのピンク色の部分だけ削り集めて
甘いところだけ私にちょうだい」
梓「なに言ってんですか この人」
澪「帰ろう」
梓「はい」
さわ子「ちょっと!! 冷たいわよ あなた達ぃぃ!!」
「唯ちゃんや りっちゃんなら、もっとノッてくるのに!!」
澪「すいません、私 さわ子先生みたいな人間と話してると、とても疲れるんです。心底」
梓「実は私もなんです。本当に ごめんなさい」
さわ子「どういたしまして」
澪「アッ、疲れる……」ハァ
31: 2011/01/29(土) 00:57:01.70 ID:wzxs1IhIo
さわ子「それで、ムギちゃん達はどうしたの?」
梓「みんなで お手洗いに行ったそうです」
さわ子「なんだ。じゃ、そのうち来るのね(おやつが)」
澪「みんな、今日は部活に来ないそうです」
さわ子「それはトイレに行ったというか
帰った、って言うんじゃないかしら」
澪「ウワァアアアアアアア!?」ガタン
さわ子「えっ!? ど、どうしたの!?」
梓「さわ子先生がヒドイ事を言うからですよ」
32: 2011/01/29(土) 00:58:21.43 ID:wzxs1IhIo
澪「……なんで私だけ置いて帰っちゃったんだよぅぅ」ウゥッ
「き、きっとみんなで 遊びに行ったんだ!! 楽しんでいるんだ!!」ウワァァァ
梓「ご覧のあり様です」
さわ子「う~ん。澪ちゃん、気付かないうちに
みんなを怒らせるようなことしたんじゃないの?」
澪「そんな……」
「私はいつもどおりだったし、律たちも普段どおりで」
梓「あっ」
「ひょっとすると」
澪「えっ、何か心あたりがあるのか!?」
梓「いつもどおりだったのに、澪先輩は仲間はずれみたいにされた……」
澪「うん」
梓「これはつまり、澪先輩が普段から嫌われていたということに他ならないのでは!!」
さわ子「他に可能性はないわね」
澪「あるもん!!」
さわ子「ちょっとかわいい」
澪「エヘヘ」
33: 2011/01/29(土) 00:59:56.74 ID:wzxs1IhIo
梓「澪先輩がいつもうるさく「練習しろ」というのを
疎ましく思っていたのかも知れません」
澪「うっ……。で、でも、それなら梓だって同じだぞ」
梓「えぇ。だからホラ、私もこうして唯先輩たちに誘われることなく
音楽準備室にノコノコやって来たでしょ?」
澪「あ、なるほど」
梓「……」
「うっ……うぅっ……」ポロポロ
澪「な……泣くなよぅ」グスッ
さわ子「うわー。私、職員室に戻るわね」
梓「うわー、ってなんですか」
澪「教師として顧問として人として この状況に何かフォローは無いんですか?」
さわ子「ごめんなさいね」
「私 澪ちゃんみたいな人間どもと話してると心底 疲れてしまって……」ハァ
梓「おつかれさまでした」
「早く帰ってください」
さわ子「そんな言い方されたら帰りたくなくなるじゃない」
澪「あっ、なんか女心っぽいなぁ」
━第3話━
おわり
34: 2011/01/29(土) 01:01:04.85 ID:wzxs1IhIo
━第4話━
35: 2011/01/29(土) 01:01:57.32 ID:wzxs1IhIo
ザワザワ ガヤガヤ
─夜の繁華街─
唯「映画、おもしろかったね~」
律「帰るの遅くなっちったけどな」
紬「でも、楽しかったから良かったぁ~」
律「そだなー……うん?」
さわ子「あらっ、あなた達……」
唯「あっ、さわちゃんだ~!」
紬「ホントだ~」
唯「さわちゃんさわちゃん~♪」タッタッタ
さわ子「なによ どうしたの? ふふ、仕方ないわね~こんな街中でハシャいじゃって!」
「みんな、先生のことが大好きなのね」
唯「さわちゃんは好きだけど
大好きというほどではないよ」
さわ子「げぁっ」
36: 2011/01/29(土) 01:03:33.71 ID:wzxs1IhIo
さわ子「今、わざわざ訂正する必要があったのかしら」
唯「でも、言葉はとても大切なモノだから、って憂が……」
さわ子「うん?」
律「憂ちゃん、なんて言ってたんだ?」
唯「言葉の使い方には気をつけないと、ときとして
思わぬカタチで人を傷つける事があるからって……」
紬「そうね」
「好きだなんて適当なことを言って気をもたせて
実はそれほど好きじゃなかった、って知ったら
その人は深く傷ついてしまうわ」
律「そうか。安心してくれ さわちゃん」
「アタシ達は さわちゃんのことが大して好きでもないんだ」
さわ子「なによなによ!!私だってねぇ!!」
「昔のメンバーとは、すっごく仲良しなんだからねッ!?」
さわ子「かわいがられているんだからねッ!?」
律「それって 夏フェス、ドタキャンした人たち?」
さわ子「うん……」
唯「気の毒なさわちゃん」ナデナデ
さわ子「優しくしないでっ」ウルッ
37: 2011/01/29(土) 01:04:52.38 ID:wzxs1IhIo
さわ子「そういえば、一人ぼっちと言えば」
律「誰もそんな事 言ってないからね?」
さわ子「澪ちゃんが部室で寂しそうにしてたけど
ひょっとして私のクラスでイジメが起きているのかしら」
紬「えっ」
さわ子「担任一年目にして、しかも私が顧問をしている部活でそういうのは
ちょっとアレなのよ。やめてください。お願いです」
律「ドラマに出てくるダメなサイドの教師だ」
紬「でも正直で好感が もてるわ」
さわ子「じゃあイジメやめてくれる?」パァ~ッ
唯「というか、そもそもイジメなんてしないよ~!」
さわ子「えっ」
「私、この前 メガネ割られたけど……」
律「あれはほら。お金で解決したじゃん」
さわ子「そうね!」
唯「みんなが幸せだね!」
紬「よかったぁ~」
38: 2011/01/29(土) 01:07:22.74 ID:wzxs1IhIo
さわ子「澪ちゃんにも、ちゃんと2万円くらい渡しておくのよ?」
律「そんな生徒指導、聞いたことないなぁ」
さわ子「で、イジメの理由はなんなの?」
唯「だからイジメじゃないよ~」
紬「唯ちゃんが『観たい怖い映画がある』って話をしだして
私達も観て見たいと思ったんですけど……」
さわ子「えっ、怖い映画?」
律「澪って怖がりだけど、自分だけ仲間はずれは嫌がるから
結局、無理して映画についてくるだろうし」
律「それで怖い思いさせるのも悪いかなぁと思って」
紬「だから、怖い映画を観に行くこと自体、ナイショにしたんです」
唯「それで、私が機転をきかせてトイレに行くふりして、みんなで映画館に来たんだよー!」
さわ子「なるほど。澪ちゃんのことを思いやっての行動だったのね」
唯「うん!」
さわ子「でも、最後でツメを誤ったわね」
唯「ぇあ?」
律「いや、まぁ……」
紬「やっぱりムリがあったのね」
━第4話━
おわり
39: 2011/01/29(土) 01:08:07.22 ID:wzxs1IhIo
━第5話━
40: 2011/01/29(土) 01:09:27.76 ID:wzxs1IhIo
━部室━
澪「そういうことだったのか」
律「ごめんな?」
澪「いや、仕方無いさ」
「私が普段 怖い怖いって言いすぎてたのがいけないんだし」
澪「それに、みんなに嫌われたワケじゃないと分かっただけで
すごくホッとしたよ」
唯「私が澪ちゃんを嫌いになるハズないよ~」ギュ
澪「わっ、だ、抱きつかなくてもいい!!」
律「ひひ、嬉しいくせに」
「それー」ギュ
紬「私も~」ムギュ
澪「うわ、離せ~」アハハ
唯「あははは」
律「あははは」
澪「あははは」
紬「うふふふ」
梓「あははは」
「私はなぜ誘ってもらえなかったんですか?」
律「ん?」
梓「私はなぜ誘ってもらえなかったんですか?」
唯「だって、あずにゃんは学年が違うから……」
梓「あはははッ」
41: 2011/01/29(土) 01:10:19.44 ID:wzxs1IhIo
律「ひょっとして梓も映画に誘ってほしかったのか」
梓「はい!」
紬「ごめんね?」
「あの時 梓ちゃんに声をかけるっていう選択肢が
完全に頭に無かったわ」
律「アタシもだ」
梓「くそっ」
唯「大丈夫だよ!」
「私はちゃんと あずにゃんのこと覚えてたけど
あえて誘わなかったんだよ~」
梓「それはそれでショックですよ!!」
律「わがままだなぁ」
42: 2011/01/29(土) 01:11:16.31 ID:wzxs1IhIo
唯「でも、あずにゃんだって
家族でお寿司を食べに行くとき
トンちゃんを連れてかないでしょ?」
梓「そ、そりゃそうですけど」
唯「トンちゃんだって、おいしい お魚が食べたかったハズだよ?」
梓「確かに……」
唯「あずにゃんは自分だけ お寿司を食べて
トンちゃんに悪いと思わないのかな」
梓「う……」
「……」
「ごめんなさい、私が間違ってました!!」
梓「トンちゃん、今度 お寿司屋さんに行く時は
必ず連れて行ってあげるからね!!」
㌧「」コポコポ
澪「ふふ。よかったな、トンちゃん」
唯「やさしい あずにゃんで良かったね!」
梓「えへへ、私は そんな話がしたかったかのかなぁ」
━第5話━
おわり
43: 2011/01/29(土) 01:11:42.46 ID:wzxs1IhIo
━第6話━
44: 2011/01/29(土) 01:12:36.97 ID:wzxs1IhIo
和「天和」
唯「どうしたの、和ちゃん」
和「ちょっと言ってみただけよ」
唯「ちょっと言ってみただけなんだ!!」
「和ちゃんスゴイね~!!」ゥフーッ ゥフーッ
和「ふふっ。からかわないで」
姫子「ちょっと待ってちょっと待って」
唯「どうしたの姫子ちゃん」
姫子「色々と、意味が分からなくて」
和「天和とは、親の配牌の時点で既に和了の形が完成している状態の役満」
「英語では、天より来たりし神の御手『Heavenly Hand』と言うらしいわ」
唯「すごいね!!和ちゃんが何いってるか全然分からなイーッ!!」ゥフーッ ゥフーッ
和「ふふっ、唯ったら」
姫子「とりあえず、唯のゥフーゥフーは何を意味しているの?」
唯「興奮しているんだよ」
姫子「そうなんだ」
和「私、せいとか
姫子「言わせねーよ!?」
和「くっ、やるわね」
姫子「あっ、ゴ、ゴメン」
45: 2011/01/29(土) 01:13:58.58 ID:wzxs1IhIo
和「さすがに桜高の特攻姫と言われるだけあって
突っ込みには自信があるようね」
姫子「突っ込みはともかく、特攻姫とか誰がそんなこと言ってるの?」
和「みんなよ」
姫子「私、やっぱり そんな目で見られているんだ……」シュン
唯「違うよ!!姫子ちゃんは見た目がアレなだけで
本当は優しい子だって、スッポンモドキもザリガニも知ってるよ!?」
姫子「唯、ありがとう……」
「色々 突っ込みたいけど」
姫子「すごく、いろんなことに突っ込みたいけど」
46: 2011/01/29(土) 01:14:47.54 ID:wzxs1IhIo
和「ほうら、やはりアナタは桜吹雪のツッコミ姫なのよ」
姫子「さっきと通り名が微妙に変わってるけど」
唯「あっ、また突っ込んだ!!」
和「ハハッ、あぁ怖い」
姫子「くっ、生徒会長の思うツボ!?」
和「アハハハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\!!」
さわ子「そこ、うるさい!!」
和「全部、立花さんが悪いんです」
さわ子「やっぱりね」
姫子「えぇ~~~~っ」
47: 2011/01/29(土) 01:15:27.67 ID:wzxs1IhIo
ガタン
律「先生!! 姫子は見た目はアレだけど
授業中、周りに迷惑かけるようなヤツじゃないぜ!!」
ガタン
エリ「そうだよ!見た目はアレだけど!!」
姫子「み、みんな……」
姫子「見た目は どう見えているの?」
エリ「ひぃいいいいい!?」
「ご、ごめんなkclsんぃ」」ガtガタ
律「おい、姫子!!かばってくれたエリを脅すなんて最低なヤツだな!!」
「やっぱり見た目通りの最低なクズ女だぜ!!」
姫子「えぇ~~~~~~っ」
48: 2011/01/29(土) 01:16:12.82 ID:wzxs1IhIo
和「やめなさい、律!!」
「人を見かけで判断するなんて、とても愚かな行為よ」
和「このデコポンが」
律「えぇ~~~~~っ」
姫子「ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って」
和「どうしたの?」
姫子「どこから突っ込んでほしい?」
和「今の発言のどこに突っ込む要素が?」
さわ子「ちょっと!!他の教科ならいいけど
私の授業中にケンカはやめなさい!!」
紬「さわ子先生が また自分のことだけを考えているわ」
澪「正直な大人だ」
49: 2011/01/29(土) 01:16:49.96 ID:wzxs1IhIo
唯「さわちゃんさわちゃん!!」
さわ子「な、なによ唯ちゃん……じゃなくって平沢さん」
しずか「あれっ、今 なんで 呼び方を変えたんだろ」
いちご「きっと 2人は 禁じられた関係」
紬「その話に興味があります」
さわ子「これが学級崩壊か」
51: 2011/01/29(土) 01:18:52.21 ID:wzxs1IhIo
さわ子「で、どうしたの?」
唯「うん。思ったんだけど、音楽の授業って
受験の役に立たないから、ティータイムにならないかなって」
さわ子「」
律「確かにモータルトが昭和何年に生まれたか知ったところで
ケツ拭く紙ほども役に立たないな」
いちご「確かに」
和「一理あるわね」
唯「一理どころか真理しかないよ!!」
澪「あっ、唯が賢そうなことを」
姫子「そもそも昭和生まれのモータルトってなんなの」
紬「じゃあ私、お茶 淹れてくるねッ」
信代「じゃあアタシ、酒 持ってくるねッ」
さわ子「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタン
和「まったく、どうしようもないクラスね」
━第6話━
おわり
54: 2011/01/29(土) 08:53:14.83 ID:wzxs1IhIo
━第7話━
55: 2011/01/29(土) 08:53:45.74 ID:wzxs1IhIo
ジャンジャン♪ジャンジャカ♪ジャーン
律「ようっし!!練習終わりいいいっ!!」
唯「や、やったーっ!!」
澪「まだ5秒しか練習してないぞ」
梓「正確には4,2秒です」
唯「細かいなぁ~」
梓「いや、今さら0,8秒くらいどうでもいいですけどね」
「なんせ今週はトータルで5分も練習してないんですから」
律「くそっ、5日間で5分も練習しちまうとは……」
唯「来週こそ記録更新だよ!!」
澪「一体、何を目指しているんだ」
56: 2011/01/29(土) 08:54:42.01 ID:wzxs1IhIo
澪「しかし まぁアレだな」
唯「なぁに?」
澪「いや、唯は 仕方ないとも思うんだ」
「私達が無理矢理 けいおん部に誘ったフシもあるワケだし」
唯「うんうん、そうだよ。なんだか分らないけど」
澪「解せないのは お前だよ田井中律」
律「あん?」
澪「自分から けいおん部の部長になりたい、目指せ武道館ライブとまで言っておきながら
何故、そこまで練習しないのか」
律「だって、めんどう、くさいから」
唯「あっ、俳句」
梓「えっ」
57: 2011/01/29(土) 08:55:22.26 ID:wzxs1IhIo
梓「今、全然 五七五じゃ無かったですよね」
唯「五七五だったもん。絶対、五七五だったもん」
梓「『だってめんどうくさいから』のどこが五七五なんですか」
①澪「そんなのどうだっていいだろ、それより練習だ!!」
②紬「『だってめんどう』が七だから
その前に五文字 入れれば成立するんじゃないかしら?」
律「②の選択肢の方がおもしろそうだなぁ」
58: 2011/01/29(土) 08:55:58.54 ID:wzxs1IhIo
律「ゴマ油、だってめんどう、くさいから」
唯「あっ、今度こそ五七五だよ!」ピンピロリロリン♪
紬「ゴマ油もなんだか季語っぽいわ!」ピンピロリロリン♪
「何月なのか まったく伝わってこないけど」
梓「季節どころか日本語の文章として、まったく意味不明ですけどね」デロロロン……
律「おっと、唯とムギの好感度は上がったが
梓の好感度が下がってしまった」
澪「なんの話だよ!!」ドギュゥゥン
唯「あっ、ものすごい勢いで澪ちゃんの好感度が下がってるよ!」ピンピロリロリン♪
60: 2011/01/29(土) 08:58:44.57 ID:wzxs1IhIo
律「まぁ ぶっちゃけ、武道館なんてムリじゃん」
梓「毎日、お茶してるだけの野球部が甲子園行って優勝するようなもんですからね」
紬「それで夏の大会前にだけ本気出して、生まれ変わったような気になるのね」
「子供のころから努力し続けたエリートを何故か敵視しながら」
唯「恐ろしいことだよ」
澪「あ、甲子園と言えば、もしドラって読んだ?」
律「もしドラってなんだ?」
唯「えっ、りっちゃん知らないの!?バカだ~」
紬「唯ちゃん、無知とバカは違うわ」
唯「そっか、ごめんね?」
律「なぁに、いいってことよ」ヘヘッ
澪「それにしても唯がベストセラー小説に興味があるなんて意外だな~」
律「で、なんなの?」
唯「もしもドラえもんが野球部のマネージャーだったら」
澪「誰も努力しなくなっちゃうよ!!」
梓「私は半分、予測してましたよ」
61: 2011/01/29(土) 08:59:46.31 ID:wzxs1IhIo
ガチャッ
さわ子「話は聞かせてもらったわ」
澪「来た……」
さわ子「なによ、来たって」
澪「あぁ いや……キタ──って言おうとしたらテンションを間違えて」
さわ子「よくあることよね」
律「で、どしたの?」
さわ子「実は私も もしドラ読んだのよ」
澪「おおっ」
62: 2011/01/29(土) 09:00:25.28 ID:wzxs1IhIo
梓「それじゃ、先生も あのマネージャーのように
私達を武道館に導いてくれるとか、そういう流れですか!?」
さわ子「正確には もしドラをアマゾンで注文しようとしたら
売れ筋ランキング一位の『もしドラ』より
二位の『女医が教える本当に気持ちのいい』に
目がいって、そっちを注文して読んだのよ」
梓「バカかコイツ」
紬「梓ちゃん、工口とバカは違うわ」
63: 2011/01/29(土) 09:01:17.07 ID:wzxs1IhIo
さわ子「女子校生が工口い格好して、そこそこ演奏が上手ければ注目度抜群」
「あとは何らかのプロデューサーを本当に気持ちのいいで
メロメロにすれば、ノリで武道館に立たせてくれるわ」
律「なんだよ、その何らかのプロデューサーって」
さわ子「なんかそういう話、よく聞くじゃない」
梓「この人、ドラッカーをヤク中とカン違いしているんじゃないですか」
紬「初歩的なミスね」
澪「初歩で軌道修正できれば問題ないが
カン違いしたまま歩き続けた人生がここにある」
唯「恐ろしいことだよ」
64: 2011/01/29(土) 09:02:04.98 ID:wzxs1IhIo
澪「さぁみんな、こうなりたくなかったら
武道館には行けないまでもマジメに練習しよう」
律「そうだな」
唯「さすがの私も、こんなのを見せられちゃ、やらざるをえないなぁ」
紬「じゃあ やりましょう!」
梓「やってやるです!」
カン カン
律「ワンツー♪スリーフォー♪」
ジャンジャカ♪ジャンジャン♪
さわ子「くそっ」
━第7話━
おわり
74: 2011/01/29(土) 22:01:57.22 ID:wzxs1IhIo
━━第8話━━
75: 2011/01/29(土) 22:02:52.62 ID:wzxs1IhIo
─朝、通学路─
憂「ハッハッハッ」タッタッタ
和「あらっ」
「待ちなさい、憂」
憂「あっ、和さんちゃんさん」
和「なぜ、高笑いしながら走っているの?」
憂「高笑いじゃなくて息切れです」ハッ ハッ ハッ
和「あぁ、納得したわ」
憂「よく考えたら分かりそうなことなのに」
和「私、学校では生徒会長として色々、神経を使っているから
学校に着くまでは、何一つ考えたくないの」
憂「はぁ」
76: 2011/01/29(土) 22:03:42.20 ID:wzxs1IhIo
和「でも、まだ遅刻する時間でもないのに
なぜ走っていたの?」
憂「お姉ちゃんに何かあった時のために
体をシッカリ鍛えているんです!!」
和「あぁ、まぁ、そう、へぇぇ」
憂「よく考えたら分かりそうなことなのに」
和「分からなきゃいけない事なのかしら」
77: 2011/01/29(土) 22:04:29.05 ID:wzxs1IhIo
和「今日は唯と一緒じゃないの?」
憂「お姉ちゃんは早起きして二度寝してます」
和「さすがね」
憂「起こそうかと思ったんだけど
私なんかがお姉ちゃんの行動に口出ししてはいけないと思って
エアコンの電源を入れておきました」
和「すごく快眠できるわね」
「もう、ちょっとやそっとじゃ 起きないわね」
憂「お姉ちゃんの幸せそうな笑顔は
私にとって ごちそうなんです!!」
和「だけど唯が寝坊して遅刻したら
その笑顔も曇ってしまうんじゃないかしら」
憂「大丈夫です! 大丈夫なんです!」
和「また私は余計なことを聞いてしまったのかしら」
78: 2011/01/29(土) 22:05:37.70 ID:wzxs1IhIo
憂「ごちそうばかりじゃなくて
たまには、おいしくないけど 体に良いモノも
食べなくちゃいけないじゃないですか」
和「そうね」
憂「『どうして起こしてくれなかったの~~;;』って泣きながら
校舎に駆け込んでくる お姉ちゃんを教室の窓から見下ろして観察していると
ものすごい背徳感に襲われて、全身の細胞が活性化するんです」
和「あぁ、それは分からなくもないわ」
「分からないけど」
79: 2011/01/29(土) 22:06:33.46 ID:wzxs1IhIo
唯「ハッハッハッハ」タッタッタ
憂「あれっ!?」
和「唯、待ちなさい」
唯「和ちゃん、おはよう!!」シュピッ
和「なぜ、息切れしてまで走っているの?」
唯「息切れじゃなくて高笑いだよ」ワッハッハ
和「あぁ、納得するしかないわ」
憂「お、お姉ちゃん どうして起きれたの!?」
「エアコンの温度設定は完璧だったハズなのに……」
唯「たぬき寝入りだったんだよ~」
憂「そんな~」
80: 2011/01/29(土) 22:08:09.35 ID:wzxs1IhIo
和「なぜ、早起きして二度寝して たぬき寝入りしてたの?」
唯「憂の幸せそうな笑顔はごちそうだけど
たまには憂がお姉ちゃんにしてやられたショックな顔で
ご飯がおいしいもんね!」
和「あぁ、何言ってるか分からないけど どうでもいいわ」
唯「じゃあね!!私は憂のショッキング野菜パワーで
一足先に学校へレッツゴーだよー!!」タッタッタ
憂「行っちゃった……」
和「残念そうね、憂」
憂「はあぁ~……私を罠にハメたと思って喜ぶ お姉ちゃん、かわいかったなぁ~」
「おかげで私のお姉ちゃんエネルギーが満タンになっちゃった!」
和「すべてが計算づくだったとは この真鍋 和、心底 感服いたした」
81: 2011/01/29(土) 22:09:43.44 ID:wzxs1IhIo
━学校━
唯「ルンルン♪」
澪「やぁ唯。珍しく早いなぁ」
紬「嬉しそうだけど何かあったの?」
唯「私が 憂を 罠にハメたと思ってハシャいでる姿を見て
今頃、憂が元気になっているかと思うと 私も嬉しいんだよ~」ピョン ピョン
澪「そうか、私も憂ちゃんを罠にハメて喜んでる唯の姿を見た憂ちゃんが
今頃、喜んでると思うと嬉しくなる唯を見ると微笑ましいよ」
律「そうか、何言ってんだ お前ら」
紬「私は カツ丼が 食べたいわッ」
澪「う、うん」
━第8話━
おわり
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