99: 2017/10/14(土) 16:27:26.91 ID:ZMTUg1CX0


前回:ケース4. 堀裕子

ケース5. 橘ありす

(事務所)

ありす「はぁ…」

ありす「最近...プロデューサーさんが私のことを軽く見ている気がします」ム-

ありす「一言目には『ありす』...二言目には『可愛い』の繰り返しです...」

ありす「ひとしきり弄り終えるとすぐに仕事に戻ってしまいますし...」

ありす「...」

ありす「もっと大人として扱ってほしいな...」シュン
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100: 2017/10/14(土) 16:28:00.91 ID:ZMTUg1CX0
志希「はーい♪ 悩みを抱える薄幸の美少女・ありすちゃんにピッタリの薬がありまーす♪」ニュッ

ありす「うわぁ! し、志希さんっ!?」

志希「ヘイ。そこのありすちゃん。今日も可愛いねー♪」

ありす「...橘です」イラッ

志希「んふふ♪ ごめんにゃ~♪」

ありす「うるさいです。志希さん。からかうだけなら放っておいてくださいっ」

ありす「プロデューサーさんだけでも腹立たしいのに、志希さんにまでイジられるとストレスが溜まりますっ」プイ-

志希「ありゃ。ご機嫌ナナメ?」

ありす「ふんっ」ツ-ン

志希「…プロデューサーの気を惹く薬、欲しくない?♪」

101: 2017/10/14(土) 16:28:34.36 ID:ZMTUg1CX0
ありす「...」

ありす「...どんな薬なんですか?」

志希「キョーミあるんだ♪」

ありす「参考までに聞いておくだけです。興味なんかこれっぽっちもありませんから」

志希「まあいいや。これはね、飲んだ人が『悪』になる薬なんだよ♪」

ありす「ワルになる?」

志希「YES」

ありす「…ワルになる薬がどうしてプロデューサーさんの気を惹くことに繋がるんです」

志希「考えてみてよ、ありすちゃん。学校の先生って優等生の子とうるさい問題児の子。どっちの方を構うかな♪」

志希「優等生のありすちゃんならわかるんじゃない…?♪」

ありす「...」

ありす「...私は放っておかれることが多いです」

志希「そう! そこなんだよありすちゃん!」

ありす「...」

102: 2017/10/14(土) 16:29:09.86 ID:ZMTUg1CX0
志希「世の中理不尽なものでね。完璧に何でもこなす優等生よりも、少し欠点のある子の方が人の気は惹けるわけ♪」

志希「すなわち。悪になればプロデューサーもありすちゃんを心配してくれるようになるわけさ♪」

ありす「私は大人として扱ってほしいんですけど」

志希「ありすちゃんだって大人っぽい面はあるでしょ? まずはプロデューサーに注目してもらえなきゃ、『大人』の部分を見てもらうことすらできないよ?」

ありす「...」

志希「プロデューサーにきちんと認めてほしいなら、まずは注目されなきゃ♪」

ありす「...」

ありす「…志希さんはずるいです。自分勝手なのに人の悩みを見透かしてるように話して」

志希「♪」

103: 2017/10/14(土) 16:29:36.37 ID:ZMTUg1CX0
ありす「騙されたと思って薬を飲んであげますよ…薬。ください」

志希「まいどー♪ お代は出世払いでいいよ♪」

ありす「お金取るんですね」

志希「冗談だよ♪」

スッ...

ありす「まったく…では、いただきます」

グビグビ...ボンッ!

ありす「…」

志希「♪」

ありす「…私は悪い子…です」

104: 2017/10/14(土) 16:30:10.86 ID:ZMTUg1CX0
(少しして)

P「お、いたいた。ありす。次の仕事の打ち合わせするぞー」

ありす「はい。プロデューサーさん」

P「…あれ?」

ありす「何です?」

P「いや…『橘です』っていつも言うじゃないか。どうした?」

ありす「…」

ありす「そんなことどうでもいいでしょう。ほら、打ち合わせしましょう」ツ-ン

P「…おぅ」

P「(なんか調子狂うな)」

105: 2017/10/14(土) 16:30:41.73 ID:ZMTUg1CX0
(少しして)

P「で、この場面では観客席に向けてウィンクと投げキッス。いいかい?」

ありす「…」

ありす「ヤです」ツ-ン

P「ん?」

ありす「ヤです。投げキッスはやりません」ツ-ン

P「…理由は?」

ありす「嫌だからです」

P「理由になってないじゃないか」

ありす「嫌なものは嫌なんです」ツ-ン

P「…ふむ」

P「(いったいどうしたんだろうな)」

106: 2017/10/14(土) 16:31:20.79 ID:ZMTUg1CX0
P「投げキッス以外で、どういう演習ならいいんだい?」

ありす「…」

ありす「カッコいいポーズがいいです」

P「今回はキュート系の曲だから、それは合わないかなぁ」

ありす「…でも可愛いのは嫌です」

P「…」

P「ありす。何かあった?」

ありす「別に…何も」

P「わかった。打ち合わせは後でまたやろう。お茶でもしようか」

ありす「…はい」

107: 2017/10/14(土) 16:31:59.45 ID:ZMTUg1CX0
P「…」コポコポコポ

ありす「(何でしょう…私は悪になったのに…プロデューサーさんにわがままを言うたびに悲しくなります…)」

ありす「(プロデューサーさん…困ってますよね)」シュン

P「はい。お茶だよ」

ありす「…ありがとうございます」

P「…」

P「ありす」

ありす「は、はい」

P「考えてみたけど。さっきの曲でカッコいいポーズは無理だ。全体のバランスが崩れるからね」

ありす「…はい」

P「だからもう一曲ライブに追加する」

ありす「え?」

108: 2017/10/14(土) 16:32:26.90 ID:ZMTUg1CX0
P「ありすがやりたいことをできるだけ叶えてやりたいんだ。その代わり、さっきの曲は指示通りに踊ってくれないかな?」

ありす「…」

P「どうした? うつむいて」

ありす「...」ポロポロポロ

P「…」

ありす「…」ヒック...ヒック...ポロポロポロ

P「…ほら。ハンカチ」

スッ

ありす「…」フキフキ

109: 2017/10/14(土) 16:33:06.68 ID:ZMTUg1CX0
ありす「プロデューサーさん…ごめんなさい…ごめんなさい」ズビッ

P「いいよ。何かあった?」

ありす「…私。ちょっとだけ自分のやりたいことをはっきり言ってみたんです。可愛いのは嫌で。カッコいいのが好きなので」

P「…」

ありす「…悪いことだとはわかっていたんですけど…」

P「そっか」

ありす「…やっぱり私は子供ですね」

P「ありす。わがままを言うこと自体は悪いことじゃないよ」

ありす「…」

P「ただ慣れてないからか。ちょっと下手だったな」

ありす「…はい」

110: 2017/10/14(土) 16:33:45.08 ID:ZMTUg1CX0
P「落ち込まなくていいよ。練習してみよう」

ありす「練習?」

P「これからは1日1回、俺にわがままを言ってみるんだ。そうすれば『ちょうどいいわがまま』がわかるようになるだろ?」

ありす「…迷惑じゃ…ないですか?」

P「迷惑じゃない。ありすが成長してくれる方が嬉しいからな」

ありす「…」

ありす「やっぱり…私、自分の子供っぽさが嫌になります…」

P「…」

ありす「…だから、絶対…絶対に大人になってみせますね」

P「…ああ。楽しみにしてるよ」

ありす「待っていてくれますか?」

P「うん?」

ありす「いいから答えてください」

ありす「き、今日の分の私のわがままです…///」

ケース5. 橘ありす end

111: 2017/10/14(土) 16:36:50.61 ID:ZMTUg1CX0
休憩します
あと1人だけ書きます。
もしリクエストあれば書いておいてもらえると嬉しいです。その中から話が展開しやすそうな子を選びます。

ただ、おまけで「菜々」「仁奈」「春菜」「蘭子」「柚」を書くのでそれ以外の子でお願いします。

次回:ケース6. 小早川紗枝


引用: 志希「ラブリーチャーミー! 『ワルニナール(悪になる)』だよ♪」