1:◆hAKnaa5i0. 2017/10/18(水) 18:49:18.72 ID:VQrtZZuj0
志希博士の薬シリーズ第16弾。
今作は飲んだ人が「だらける」ようになる薬です。

薬の効果は違っていても展開は変わりません。いつも通りアイドルたちとキャッキャウフフする話です。

またしばらくの間、お付き合いいただけると嬉しいです。
始めます。

【公式】二次元コスパ アイドルマスター シンデレラガールズ 一ノ瀬志希「実験中」 セリフアクリルスタンド

2: 2017/10/18(水) 18:50:42.75 ID:VQrtZZuj0
グツグツグツ...ボ-ン!!
 
志希「んふふ~♪ できたよ~♪」

P「俺さ。前回、『薬をつくるなら人の役に立つものにしなさい』って釘を刺しておいたよね。大丈夫なのかい?」

志希「うん。言いつけはちゃんと守ったよ♪」

志希「これはね。『ダラケタクナール』っていう薬なんだー♪」

P「名前で何となくわかるけど一応聞いておこう。どんな薬なんだ?」

志希「飲んだ人が『だらけたくなる』ようになる薬♪」

P「やっぱり、そのまんまだなぁ」

志希「この薬を張り切り過ぎてる人に飲ませればね、ぐてーっとして、ぽわーっとして、むふふになること間違いなし♪ 良薬だよ♪」

P「なるほど。使う機会はないかもしれないけど持っておくよ。ありがとう」

志希「うん。使ったら報告してね~♪」

P「はいよ」

3: 2017/10/18(水) 18:51:46.68 ID:VQrtZZuj0
ケース1. 日野茜

(レッスンルーム)

茜「うぉぉぉぉ!」ド-ン!

P「おはよう。茜」

茜「おはようございますっ! プロデューサー!」ド-ン!

P「何してるの?」

茜「見ての通りですっ! ふんっ!」ド-ン!

P「サンドバッグに向かってタックルをしているね」

茜「はいっ! 亜季さんが天井吊り下げ型のサンドバッグを持ってきてくれたので、汗を流しているんですっ!」ド-ン

P「どうしてタックルをするんだい?」

茜「そこにサンドバッグがあるからですっ!」ド-ン

P「なるほど。わからないけど可愛いな」

茜「ふっ! むんっ!」ド-ン!

P「タックルするたびに水飛沫のように汗が飛び散るね」

茜「私は燃えているんです!! 熱いです! とてもアツいんです!!」ド-ン!

茜「うぉぉぉぉ!! 負けませんっ!」ド-ン

P「(もう10月も終わりなのに熱気がすごいなぁ…)」

4: 2017/10/18(水) 18:52:21.19 ID:VQrtZZuj0
茜「ぜいぜい…ふぅ。いい汗流しましたね!」

P「茜。レッスン終わりだったんだろ。帰って休まなきゃ駄目じゃないか」

茜「サンドバッグを見たら身体が勝手に動いてしまったので…つい」

P「キミは猫じゃらしに翻弄される猫か」

茜「プロデューサーもサンドバッグを見たらパンチしたくなるでしょう?」

P「そうだけど。タックルはなんか違う」

P「(ふむ。このままオーバーワークさせてしまうと、いつか茜が故障しかねないぞ)」

P「(ここは一度クールダウンをさせて、休むことの大切さを教えねば…)」

5: 2017/10/18(水) 18:53:06.37 ID:VQrtZZuj0
P「…」

茜「どうかしましたか?」

P「何でもないよ。それよりほら。水分補給をしたほうがいい」

スッ

茜「ありがとうございます」

茜「…ところで変わった色のドリンクですね?」

P「志希特性のドリンク(薬)だよ。疲労に効くらしい」

茜「志希さんはすごいですね。では、いただきます!」

ゴクゴクゴク...ボンッ!!

茜「…」

P「(さて。どうなるかな)」

6: 2017/10/18(水) 18:53:36.29 ID:VQrtZZuj0
茜「…プロデューサー」

パタリ

P「うん?」

茜「疲れましたー」グデ-

P「待て。レッスンルームの床で仰向けで寝るんじゃない」

茜「エネルギー切れです。もう一歩も動けませーん」グデ-

P「予想以上に露骨に効くな。コレ」

7: 2017/10/18(水) 18:54:05.45 ID:VQrtZZuj0
茜「暑いですし、喉乾いてますし、汗でトレーニングウェアが重くなってますし。おまけにお腹が空きましたー」グデ-

P「じゃあ、立ち上がって。まずはシャワーと着替えだな。そのあとご飯に行こう」

茜「…嫌です」

P「ご飯に行くのが?」

茜「いいえ。シャワーと着替えです。動く気力がないです」グダ-

P「キミはどれだけ面倒臭がり屋になってしまったんだ」

茜「プロデューサ~。もう服を脱がせてシャワーを浴びさせてくださーい」

P「それは無理です」

茜「服を脱がせるだけでいいですから」

P「それも無理です」

8: 2017/10/18(水) 18:54:42.59 ID:VQrtZZuj0
茜「仕方ありません。寝たまま服を脱いで、シャワー室に行きますか」

ヌギヌギ...

P「待て待て待て! ここで脱ぐな! 下から脱ぐな!」

茜「でも、このままだと風邪引いてしまいますし」

P「更衣室に行って脱ぎなさい」

茜「服が重いので『軽量化』するんです。そのままシャワーを浴びに行ったほうが合理的でしょう?」

P「合理的な選択の代わりに『恥』を失ってしまうぞ」

茜「…えー」

茜「…」グデ-

茜「なんか。面倒臭くなってきたので、とりあえず脱いでから考えますね」

ヌギヌギ...

P「」

9: 2017/10/18(水) 18:55:22.16 ID:VQrtZZuj0
P「俺が部屋から出ます。帰り支度が整ったら教えて」

茜「わかりました。では、私はここでしばらく寝てますね」

P「人が見てないと動きすらしないのか!」

茜「だるいですからー」ヌギヌギ

P「脱がないでくれぇ!!」

茜「では、プロデューサーがお世話をしてください」

P「無理」

茜「では、服をーーー」ヌギヌギ

P「ヤメロォォォ!!」

ウワァァァン!!

10: 2017/10/18(水) 18:56:06.90 ID:VQrtZZuj0
(しばらくして)

テクテクテク

茜「はー、プロデューサーにおんぶされるのは楽ですねぇ」グデ-

P「更衣室までだぞ?」

茜「ここまできたらシャワーも浴びさせてくださいよ」

P「何を言うか。色々見てしまうぞ」

茜「プロデューサーならいいですよー」グデ-

P「」

茜「面倒ですしねぇ」グデ-

P「...面倒だから見られて構わないのか。俺だから見られて構わないのかどっちなんだ?」

茜「んー…」

茜「…」

茜「どっちなんですかねぇ…どうでもいいです」グデ-

11: 2017/10/18(水) 18:56:39.94 ID:VQrtZZuj0
P「考えることまで放棄し始めてるね」

茜「あ。プロデューサー。私がシャワーを浴びている間、トレーニングウェアを洗濯しておいてもらえませんか? 汗びっしょりなので」

P「肌着とかは自分で洗いなさい」

茜「いいじゃないですかー。プロデューサ~。硬いことを言わないで洗ってくださいよぉ~」ユサユサユサ

P「背中で暴れるんじゃない」

ムニュッ...ムニュッ...ムニュッ...

P「何か柔らかいものがバウンドしているような気もするが気のせいだ。気のせいのはずだ」

茜「私。結構、大きいですから」

P「わかってるから言わなくていい。茜。180度人間が変わってしまったな」

茜「ぼんばー…」グデ-

P「申し分程度のボンバーだなぁ」

12: 2017/10/18(水) 18:57:08.86 ID:VQrtZZuj0
茜「洗ってくれるならシャツの匂いを嗅いでいいですから~」

P「俺がそんな匂いフェチだとでも?」

茜「私は人の匂い。好きですよー」

P「」

茜「今もプロデューサーの匂いに安心感を感じてますしねぇ」グダ-

P「」

茜「それくらい信頼してますから。お世話してください」

P「それとこれとは別だ」

茜「えー」

13: 2017/10/18(水) 18:57:49.82 ID:VQrtZZuj0
(しばらくして)

P「(茜はシャワーを浴び始めた。そこまではいい)」

P「(だが結局…茜のウェアとシャツの入ったビニールを渡されてしまった)」

P「(普通。ドアの隙間から女子が自分の服を投げ捨てるか?)」

P「(まあ、過ぎたことは仕方ない。この中身を洗濯機に入れさえすればOK…だが)」

茜『嗅いでいいですよー』

P「…」

P「いやいやいや! 人として、プロデューサーとしてそれはアウトだろ!」

P「…」

14: 2017/10/18(水) 18:58:19.37 ID:VQrtZZuj0
P「いやいやいや! そんな変態じゃあるまいし!」

P「…」

P「…ちょっとだけなら」

P「いや!! やめるんだ俺!!嗅がないぞ! 普通は匂いになんか興奮は…」

茜『私は人の匂い好きですよー』

P「うわぁぁぁぁぁぁ!!」モダエモダエ

P「…」

ポイッ...ピッピッ...グォングォングオン...

P「…俺の意気地なし」グズッ

15: 2017/10/18(水) 18:59:07.39 ID:VQrtZZuj0
(しばらくして)

茜「シャワー浴びてきましたー」グデ-

P「予想はしていたけど髪を結うどころか。乾かしてすらいないね」

茜「ドライヤーはあるんですけどね。コンセントを差すのが面倒くさいのでー」

P「杏でもそこまで面倒臭がり屋じゃないぞ」

茜「プロデューサー。髪を乾かしてくださーい」グデ-

P「致し方ない。ソファに座れ」

茜「はい。ソファに寝ます」

P「寝るな。座れ。起きるんだ」

茜「大丈夫です。頭の部分だけソファの外側に出しますから」

P「美容院かよ」

16: 2017/10/18(水) 18:59:41.11 ID:VQrtZZuj0
茜「風邪引いちゃうのでお願いしまーす」

P「はいはい」

グォォォン...ファ-....

茜「♪」

P「お客様。かゆいところはございませんか?」

茜「ありません」

P「何かあればお申し付けください」

茜「では、ごはん屋さんに行く時もおんぶをお願いします」

P「そのようなオプションは受け付けておりません」

17: 2017/10/18(水) 19:00:19.55 ID:VQrtZZuj0
茜「なら抱っこでいいです」

P「『なら』ってなんだ。『なら』って」

茜「仕方ありません。妥協してお姫様抱っこでいいです」

P「パワーアップしているじゃないか」

茜「ケチっ子ですね」

P「立って歩け。キミには自分の足があるだろう」

茜「プロデューサーの薄情者ぉ~。私の足はもう動かないんですよぉ~」グデ-

P「この薬。いささか効果が強すぎるな」

18: 2017/10/18(水) 19:01:16.49 ID:VQrtZZuj0
(少しして)

ブォォォ...フゥ-...

P「よし。終わり」

茜「きちんと乾いてます? 腕をあげるのが面倒なので触って確かめてください」

P「はいはい」

ワシャワシャ...サワサワ...

茜「…♪」ムフ-

P「はい。サラサラかつふわふわです。乾いてます」

茜「…」

19: 2017/10/18(水) 19:02:15.66 ID:VQrtZZuj0
茜「そんな触り方では確認しきれてませんよ。頭を撫でてきちんと確認してください」

P「ん?」

茜「お願いしますよー」グデ-

P「…」

P「撫でてほしいだけ?」

茜「まさかー」グデ-

P「なるほど」

ワシャワシャ

茜「♪」

P「OK。完璧」

茜「まだ物足りません」

P「もう隠す気ないし。それよりごはんを食べに行こう」

20: 2017/10/18(水) 19:03:00.23 ID:VQrtZZuj0
茜「では、おんぶで」

P「ここぞとばかりに甘えてくるな」

茜「お願いしまーす」グデ-

P「今回だけだぞ」

ヒョイ...テクテクテク

茜「♪」ムフ-

茜「あ。更衣室に忘れ物をしたのでこのまま入って行ってください」

P「茜はそんなに俺を『変質者』にしたいのか!」

21: 2017/10/18(水) 19:03:30.90 ID:VQrtZZuj0
(ごはん屋さん)

茜「ん~っ! 美味しいですねっ!」ンミャイ///

ムシャムシャムシャ!!

P「不思議だ。ご飯が運ばれてきてから薬の効果が切れてしまったようだ」

茜「ご飯大盛りでおかわりお願いします!」

P「あ。俺もお願いします」

店員「かしこまりました」

P「何はともあれ食べるぞ!」

茜「はいっ!!」

ムシャムシャムシャ...!!

22: 2017/10/18(水) 19:04:07.40 ID:VQrtZZuj0
(しばらくして)

茜「お腹いっぱいで動けません」グデ-

P「なんてことだ。元に戻ってしまった」

茜「もう一歩も歩けませーん」グデ-

P「茜。お腹が見えてるぞ」

茜「恥ずかしいですー」グデ-

P「なら隠しなさいよ。まったく」

サッ

茜「あ。人の服を勝手に下げましたね?」

P「お腹を隠してあげただけじゃないか。優しさじゃないか」

茜「セクハラです」

P「なんてことだ。善意が不幸を招いてしまった」

23: 2017/10/18(水) 19:04:36.77 ID:VQrtZZuj0
茜「怒りました。もうおんぶされても家には帰りません」

P「何をしろと?」

茜「とりあえずおんぶして歩いてください。指示をします」

P「…嫌な予感がするがいいだろう」

ヒョイッ...

茜「行きましょう。まずは右です」グデ-

P「はいはい」

24: 2017/10/18(水) 19:05:05.68 ID:VQrtZZuj0
(しばらくして)

テクテクテク...
ミギデス
オ-ケ-

P「茜さんや」

茜「はい?」

P「ものすごく見慣れた道なんだけど。間違ってない?」

茜「間違ってません。次は左に」

P「俺の家に向かってない?」

茜「はて?」

P「とぼけるな」

25: 2017/10/18(水) 19:05:52.57 ID:VQrtZZuj0
茜「もうここまできたら泊めてくださいよ」

P「いや無理です」

茜「もし、いまから寮に届けるというなら『変質者!』と叫びます」

P「えぇ…」

茜「お願いします。いまから帰るのも面倒ですし」グデ-

P「…はぁ。世話がやけるなぁ」

茜「♪」ニコ-

26: 2017/10/18(水) 19:06:36.78 ID:VQrtZZuj0
(P宅近く)

P「(さて。来てしまったがどうしようか)」

茜「♪」ムギュ-

P「心なしか。茜は逃しまいとしがみついてるし、もう遅い時間だし」

P「…泊めるしかないか」

茜「♪」ムフ-

未央「おや?」

藍子「あら♪」

2人「「プロデューサー(さん)だ♪」」

P「おや。未央に藍子じゃないか」

茜「!」

27: 2017/10/18(水) 19:07:22.45 ID:VQrtZZuj0
未央「おーっと、茜ちん。偶然だねー♪」

未央「…プロデューサーの背中でくつろいじゃって何してるのかな?」ゴゴゴゴ

藍子「偶然ですね。茜ちゃん♪」

藍子「…まさか、家に転がり込もうなんて考えてませんよね?」ゴゴゴゴ

茜「…あ、あの。2人とも。不穏なオーラを鎮めてくださいっ。こ、これには深い訳があるので…」

P「帰るのが面倒臭い、が深い訳?」

茜「ぷ、プロデューサー! 言わないでください!」

28: 2017/10/18(水) 19:08:06.03 ID:VQrtZZuj0
未央「…」ゴゴゴゴ

藍子「…」ゴゴゴゴ

茜「…」

ガシッ!!

2人「「帰るよ!!」」

茜「あああ!! ま、待ってください!」

P「…ま。ちょうどよかったかな。未央。藍子。茜。おやすみ」バイバイ

茜「プロデューサァー!」

未央「茜ちん。じっくりと話を聞かせてもらうよ?」ゴゴゴゴ

藍子「場合によっては…寝かせませんよ?」ゴゴコゴ

茜「」

ヒィィィィ!! タスケテクダサ-イ!!

P「(おんぶしっぱなしで疲れたな)」

ケース1. 日野茜 end

29: 2017/10/18(水) 19:08:41.92 ID:VQrtZZuj0
(後日)

P「カクカクジカジカ」

未央「なるほど。だから茜ちんがぐでーっとしてたわけね」

藍子「ちょっと様子がおかしいなとは思いました」

P「悪かったな。ところで2人はどうしてあの日、俺の家の近くにいたんだい?」

未央「ん?」

藍子「え?」

P「2人とも。あの辺に用なんてないよね?」

未央「ね、猫を追いかけてて気付いたらあそこに…」

藍子「さ、散歩をしていまして気付いたらあの場所に…」

P「…」ジト-

未央「人を疑うのヨクナイ」

藍子「ヨクナイ♪」

P「なぜ片言なんだ」

30: 2017/10/18(水) 19:09:27.67 ID:VQrtZZuj0
休憩ボンバー
次は周子です

31: 2017/10/18(水) 19:55:46.79 ID:OBNXBBjRo
おつ!

次回:ケース2. 塩見周子


引用: 志希「脱力! 『ダラケタクナール(だらけたくなる)』だよ♪」