51: 2017/10/19(木) 16:19:32.11 ID:3wpVkKLS0


前回:ケース2. 塩見周子

ケース3. 水本ゆかり

(事務所)

ゆかり「(ふぅ…つい自主レッスンに夢中になりすぎてしまいましたね)」

ゆかり「(昼からずっと動いていて喉が渇いちゃいました…)」

ゆかり「…」

ゆかり「(そういえば、この前、有香ちゃんがお水を用意してくれると言ってましたね。冷蔵庫に入っているのでしょうか?)」

ガチャッ...ガサゴソ...

ゆかり「…」ジッ
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52: 2017/10/19(木) 16:20:12.56 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「(このペットボトル…『飲むな』と文字の書かれた紙が貼ってあります)」

ゆかり「(つまり。有香ちゃんが私のために用意してくれたものとみて間違いないでしょう)」

ゆかり「(この注意書きは他の人が飲まないための配慮ですね)」

ゆかり「…ありがたくいただきましょうか。あとでお礼を言わなければなりませんね」

カラカラ...クピクピクピ...ボン!!

ゆかり「…?」

ゆかり「急に…身体が重く…」

ゆかり「…あ、もういいです。私。寝ます」パタリ

ゆかり「…ソファ最高です」グデ-

53: 2017/10/19(木) 16:20:52.41 ID:3wpVkKLS0
(少しして)

カチャ

P「おや?  ゆかり。寝てるのか?」

ゆかり「...おはようございます。プロデューサーさん。起きてますよ」グデ-

P「どうした、仰向けになってくったりとして?」

ゆかり「私…恋をしてしまったみたいなんです」

P「…は?」

ゆかり「もう2度と離れたくありません…」

P「あ、相手は誰なんだ!?」

ゆかり「このソファです…」

P「…ん?」

54: 2017/10/19(木) 16:21:18.29 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「こんな気持ち初めてなんです…私の身体を安心して任せることができています」

ゆかり「一歩もここから動きたくないのです…」グデ-

P「…」

P「ゆかり。もしかして手足に力が入らなかったりする?」

ゆかり「さすがプロデューサーさん。なんでもお見通しですね。その通りです。手足に力が入らないです」

ゆかり「…この感覚こそが恋…勉強になります」

P「ゆかり。それは恋じゃなくて『だるみ』だよ」

ゆかり「?」

55: 2017/10/19(木) 16:21:59.12 ID:3wpVkKLS0
(少しして)

ゆかり「つまりソファから離れなくないこの気持ちは『だるみ』が原因であると?」

P「そうだね」

ゆかり「冷蔵庫に入っていた飲み物は『ダラケタクナール』というお薬であったと?」

P「その通り」

ゆかり「…まぁ。大変ですね」

P「のんびりしてるなぁ」

ゆかり「ふふ…私。だるみなんて初めての経験かもしれません♪」グデ-

P「どうしてキミは嬉しそうなんだ」

ゆかり「せっかくですので、この感覚を楽しませていただきます♪」グデ-

P「えぇ…楽しむって何さ」

ゆかり「心に素直になることですよ。ふふふ」

P「嫌な予感しかしない」

ゆかり「ではまず。プロデューサーさん」

P「ん?」

ゆかり「ここのソファは硬くて寝心地が悪いので仮眠室まで抱っこして連れて行ってもらえませんか♪」

P「」

56: 2017/10/19(木) 16:22:39.13 ID:3wpVkKLS0
P「素直になるのはいいよ」

ゆかり「はい」

P「でも、俺の力を当てにするのは良くないと思うんだ」

ゆかり「プロデューサーさんに運んでもらいたいんです...」ジッ

P「ぐぅ。その純真無垢な眼を向けないでおくれ」

ゆかり「…」キラキラキラ

P「…わかったよ。仕方ない」

ゆかり「ありがとうございます。ソファさんとはお別れですね」

P「さっきは恋をしたとまで言ってたのに…」

ゆかり「勘違いだったみたいです」

P「あっさりしてるなぁ」

57: 2017/10/19(木) 16:23:07.71 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「ほらほら。行きましょう♪」グダ-

P「自分で立とうとは思わないの?」

ゆかり「動こうという意思が起こらないんです。すごいです」

P「すごいね。すごいダメ人間だよ」

ゆかり「あ、できればお姫様抱っこがいいです。私。されてみたいので」

P「いつになくわがままだな」

ヒョイッ

ゆかり「ふふっ♪  頼りにしてますよ♪」クタ-

P「…へーい」

58: 2017/10/19(木) 16:23:37.95 ID:3wpVkKLS0
(仮眠室)

ポイ-...ボフッ

ゆかり「わ…ふかふかなんですね。このベッド」キャッキャ

P「杏が選んでくれた『ぐっすりベッド』だよ。時々、俺も寝てる」

P「じゃ、俺は帰るから」

ゆかり「え?」

P「ん?」

ゆかり「…」ジ-

P「…ここにいろと?」

ゆかり「…」コクコク

P「俺。ここにいる意味ある?」

ゆかり「私。お腹が空きました」グゥ-

P「作れってか。俺に作れってか?」

59: 2017/10/19(木) 16:24:12.14 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「最近、私は料理番組の審査員を夢見ているんです」

P「夢見るだけなら『食いしんぼの小学生』でもできるよ。というか、夢見てるだけなら初心者じゃないか」

ゆかり「誰もは初めは初心者なのです」

P「自分で言うことじゃないと思うんだ」

ゆかり「…ごはん」シュ-ン

P「はいはい。しょうがないな」

ゆかり「ありがとうございます♪  ここで応援して待っていますね♪」グデ-

P「だらけることをこの国では応援とは呼ばない」

ゆかり「ふれー…ふれー…プロデューサーさん♪」グッデグッデグデ-

P「『女々しくて』っぽい手の動きだなぁ」

ゆかり「いまの私の精一杯の応援なのです」ダラ-

P「普段に輪をかけて天然がひどい」

60: 2017/10/19(木) 16:25:08.79 ID:3wpVkKLS0
(しばらくして)

コトリ...

P「はい。グラタンだけどいい?」

ゆかり「ありがとうございます。とても美味しそうですね♪」

P「だろ」

ゆかり「ええ♪」ワクワク

P「…」

ゆかり「…♪」ワクワク

P「…ん?」

ゆかり「早く食べさせてください♪」ギュルルル

P「そういうパターンかーい」

61: 2017/10/19(木) 16:25:44.80 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「あーんです、あーん♪」パクパク

P「コイじゃないんだから口をパクパクさせないで待ってなさい」

カチャカチャ...スッ...

P「(…このまま食べさせると火傷しそうだな)」

ゆかり「プロデューサーさん。ふーふーも忘れないでくださいね」グデ-

P「心を見抜いてきたか」

ゆかり「私。猫舌なんです」

P「えぇ…知らねぇよぉ」

62: 2017/10/19(木) 16:26:25.68 ID:3wpVkKLS0
(しばらくして)

スッ...フ-フ-...ア-ン...モグモグ

P「お味は?」

ゆかり「…♪」モグモグゴクン

P「…」

ゆかり「はぁ…とても美味しそうです♪」

P「マイペースで食べるなぁ」

ゆかり「デザートは冷蔵庫に入っていたプリンでいいですよ。果物を切ってもらうのは申し訳ないので」

P「デザートまで食べるんかーい」

ゆかり「…キッチンには忍さんが持ってきてくれたリンゴが置いてありますが…さすがに気が引けますので切らなくてもいいですよ?」チラッ

P「…」

ゆかり「…切らなくてもいいです」キラキラキラ

P「もぉぉぉ!  切るよ!  切ってやるよ!」

ゆかり「…♪」ムフ-

P「ちょっと待ってろよ?」

ゆかり「あ、プロデューサーさん」

P「うん?」

ゆかり「うさぎさんとか作らなくていいですから。私。皮なしが好みです」

P「…かしこまりました。お嬢様」

63: 2017/10/19(木) 16:27:33.74 ID:3wpVkKLS0
(しばらくして)

P「はい。どーぞ」

ゆかり「ありがとうございます♪」ア-ン

P「え?  リンゴも?」

ゆかり「♪」ア-ン

P「…はい」

スッ...アムアムアム...

ゆかり「♪」

チュッ...ペロッ...♪

P「!」

ゆかり「んー…美味しいですね♪」

P「(いま、指先を舐めてきたぞ。この子)」

ゆかり「ジューシーかつシャキシャキ…雪国で育った素晴らしいリンゴです…♪」

64: 2017/10/19(木) 16:29:13.86 ID:3wpVkKLS0
P「(これはわざとか…それとも…)」

ゆかり「プロデューサーさん…もっとです…!」ア-ン

P「(いや、これは『一滴も無駄にはしたくない』という純粋な食欲だな)」

P「(指先についた汁まで残さないってか)」

スッ...アムアムアム...

ゆかり「♪」

チュッ...ペロッ..♪

P「ぐぅ」ゾクッ

ゆかり「美味しいです…♪」

P「(何やらイケないプレイをしているような気分になってくるな)」

65: 2017/10/19(木) 16:31:14.72 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「次です。プロデューサーさん♪」ア-ン

P「俺まだ1つも食べてないんだけど?」

ゆかり「まだたくさんありますから。後で剥いて食べてください♪」

P「いま剥いた分は食べちゃ駄目なんだな」

ゆかり「ばっちこーい、です♪」ア-ン

P「まったく…」

シャキシャキシャキ...モグモグモグ...

66: 2017/10/19(木) 16:32:25.72 ID:3wpVkKLS0
(しばらくして)

ゆかり「満腹ですね…♪」グデ-

P「左様ですか」

ゆかり「私。ちょっと寝ますね」グデ-

P「どうぞ。俺は脇で本でも読んでるよ」

ゆかり「…」ジッ

P「ん?」

ゆかり「添い寝してください♪」

P「」

67: 2017/10/19(木) 16:33:20.45 ID:3wpVkKLS0
P「1人でも寝れるよね?」

ゆかり「ええ、でも。嫌です♪」

P「もうただの甘えん坊じゃないか」

ゆかり「添い寝しないとイタズラしますよ♪」グデ-

P「そんなだらけきった姿で脅されてもなぁ…しかも脅しになってないし」

ゆかり「かもんです♪」グデ-

P「…ちょっとだけだぞ?」

スッ...ゴロン

P「はい。これでいーーー」

ゆかり「♪」ギュム-

P「!?」

ゆかり「♪」ムフ-

P「…あの。ゆかりさん?」

ゆかり「はい?」

P「なぜに抱きついたのですか?」

68: 2017/10/19(木) 16:33:58.85 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「添い寝されると小さい頃を思い出すんです」

ゆかり「プロデューサーさんもお母さんやお父さんにしがみついたりしませんでしたか?」

P「多少、そんな記憶はあるけどキミはもう15歳だからね?」

ゆかり「童心に帰ってみました♪」

ギュ-...ムニュ...

P「(童心に帰れねぇよ!)」

P「(ああ、なんかめっちゃいい匂いするし、あったかいし、柔らかいし)」

P「(あかん…理性が…)」ボ-ッ

プシュゥゥ...(薬の切れる音)

69: 2017/10/19(木) 16:34:36.67 ID:3wpVkKLS0
ゆかり「…わ」

P「…ど、どうした?」

ゆかり「だるみがなくなりました…」

P「…やっとか」ハァ

ゆかり「…」

P「じゃあ、そろそろ離れて…」

ゆかり「いえ、せっかくの機会なので」

ギュッ…スリスリ...♪

P「」

P「ゆ、ゆかりさん?」

ゆかり「しばらくこのまま…お願いします♪」

P「」

【終電までには帰れました】

ケース3. 水本ゆかり end

次回:志希『ダラケタクナール』ケース4. 五十嵐響子


引用: 志希「脱力! 『ダラケタクナール(だらけたくなる)』だよ♪」