214: 2014/05/31(土) 09:32:40.79 ID:IXIHGs2t0
前回:ζ*'ヮ')ζ『和解と訴訟』
最初:やよい「はいたーっち!」 P「えいっ」ふにっ
~一週間後・○×法律事務所~
弁護士「……こちらが、先日、765プロ側から届いた回答の書面となります」スッ
高槻母「あ……ありがとうございます」
高槻父「……ありがとうございます」
弁護士「……ここに書かれてある内容を、端的に申し上げますと……765プロ側としては、①□□氏がやよいさんの身体に触ったのは事実だが、それは胸ではなくお腹であって、かつ、あくまでコミュニケーションの一環として触ったものに過ぎない②それでも、やよいさんに不快な気分を味わわせてしまったことは事実なので、速やかな紛争解決のために200万円を支払いたい、と……こういうことになりますね」
高槻母「……え、えっと……先生……これは、その、どうなんでしょう……?」
高槻父「…………」
弁護士「そうですね……率直に申し上げて、破格の提示額だと思います」
高槻母「……それは……普通より高い方、という意味でですか?」
弁護士「はい」
高槻父「…………」
弁護士「最初にもご説明しました通り……この種の事案、つまり被害者ご本人の証言くらいしか有力な証拠が望めないような場合において、請求された側が最初に行う回答としては……事実関係を完全に否認したうえで、損害賠償にも一切応じない、という姿勢を示すのが通常です」
弁護士「しかしそうはいっても、普通は訴訟なんて起こされたら事実上大変なので……その煩雑さを回避するために、そこそこのお金を支払って紛争を終わらせる、ということはよくあります。ただし、この種の事案では、その場合の和解金額は高くても30万円程度でしょう。50万円を超えることはほとんどないと考えていいと思います」
弁護士「その点でいくと、この765プロの初回提示金額の200万円というのは、はっきり言って異常な金額です。向こうにしてみれば明らかに勝ち筋なのに、最初からここまでの金額を提示してくるというのは、よっぽどの理由があるのだろうと考えられます」
高槻母「よっぽどの、理由……ですか?」
弁護士「はい。要するに……『絶対に訴訟だけは起こされたくない』……と、いうことでしょうね」
高槻父「…………」
弁護士「……まあ、社員が元所属アイドルからセクハラで訴えられた――……などと報道されたら、765プロとしての企業イメージは一気にガタ落ちしますからね。ゆえに、将来的な利害得失までをも見据えたうえでの判断だと思います」
高槻母「……なるほど……」
高槻父「…………」
弁護士「……そのような状況を踏まえた上で、こちらとしては、次にどのような回答をするのか……。それを、高槻さんには考えて頂く必要があります」
高槻母「……はい」
高槻父「…………」
弁護士「……たとえばまず、今この時点で、向こうの提示額である200万円での合意に応じてしまう。これも、一つの方法ですね」
高槻母「えっ、もう……応じてしまって、いいんですか?」
高槻父「…………」
弁護士「はい。勿論、あくまでも一つの方法として……ですけどね。そもそもこの事案は、訴訟でいえば完全に負け筋です。判決までいってしまうと、こちらが敗訴する可能性が極めて高い。仮に和解に持ち込めたとしても、この金額には到底達しないでしょう」
弁護士「それならば、訴訟前の現段階で、200万円での和解に応じれば、訴訟を提起した場合以上の経済的利益を得られるうえ、コストもほぼ最小限に抑えられます。また何より、紛争自体をここで終了させられるというメリットもある」
弁護士「訴訟提起となると、私に対しても追加の着手金をお支払い頂く必要が生じますし、何よりも時間が掛かります。これは一般論ですが――……請求している側からしても、紛争自体が長期化するのは、精神的に非常に辛いものがあります」
高槻母「…………」
高槻父「…………」
弁護士「……次に考えられるのは、このまま和解交渉を継続し、もう少し増額が見込めないかやってみる、というものです。通常、請求を受けた側はある程度の限界ラインを想定しています。つまり『ここまでなら和解できる。しかしこれを超えるようであれば訴訟もやむを得ない』というラインです。そのため、交渉初期の段階では、最初からこの限界ラインを提示せずに、ある程度の増額幅を持たせたうえで、そのラインより低い金額でまず打診してみるのが一般的です」
弁護士「ただ今回の場合は、最初から200万円という、極めて高額の提示をしてきていますので、そこまで極端な増額は見込めないかもしれませんが……それでも、250万円くらいまでならば、上げられる可能性はあると考えます」
高槻母「……なるほど……」
高槻父「…………」
弁護士「最後に、ここでもう和解交渉を打ち切り、速やかに訴訟を提起する、という方法もありますが……正直これは、おすすめしません」
高槻母「…………」
高槻父「…………」
216: 2014/05/31(土) 10:49:13.22 ID:IXIHGs2t0
弁護士「それはまず、今言ったように、訴訟を提起しても敗訴する可能性が高いこと、仮に和解に持ち込めたとしても、到底、現段階で相手方から提示されている金額には及ばないであろうこと、そのうえ、高槻さん側には、今以上に金銭的、時間的コストがかかること……などといった理由からです」
弁護士「それに何より、訴訟となった場合……こちら側の証拠がやよいさんご自身の証言しか無い以上……勝訴するためには、やよいさん自らが証言台に立って、ご自身の受けた被害事実を、裁判官の面前で、詳細に話さなければならなくなります」
高槻母「! ……そ、それは……」
高槻父「…………」
弁護士「つまり、裁判官に対し、『これは、本当にセクハラがあったんだろうな』という心証を抱かせるためには、やよいさん自身が、当時の状況を、克明かつ具体的に供述しなければならない、ということです。……これは、やよいさんにとっては、極めて大きな心理的負担になると考えられます」
弁護士「しかも、本人尋問は通常、訴訟の終盤に行われます。その頃には、おそらくこの訴訟の存在はマスコミの、すなわち世間の知るところとなっていることが予想されます。そうなると、まず間違いなく傍聴席は満席となり、やよいさんは、多数の傍聴人――当然、興味本位の野次馬根性で来ている人も大勢いるでしょう――の前で、自らが受けたセクハラ被害について話さなければなりません。それも、裁判官に分かってもらえるよう、詳細かつ具体的に……です」
弁護士「そしてそこまでしても、結局、敗訴する可能性が高いことに変わりはありません。そして実際に敗訴となると、やよいさんは世間から、『虚偽の事実で元所属事務所を訴えたアイドル』などと非難されてしまうことも……十分にありえると思います」
高槻母「……そんな……」
高槻父「…………」
弁護士「……ですので、こういった点からも、私は訴訟を起こすのはリスクが高過ぎると考えます。その理由は今言った通りですが、何よりも……訴訟を通じて、今既にやよいさんが負っている心の傷が、より一層深くなってしまう可能性が高いからです」
弁護士「……したがって、私としては、先ほどご説明させて頂いた二つの方法……①今の提示金額の200万円で和解する②もう少しの増額を目指して交渉を継続する、のいずれかが良いのではないか、と思います」
弁護士「①の方法であれば、今すぐに紛争を終わらせられるというメリットがありますし、②の方法であれば、経済的利益が増加する可能性があります。……もっとも、最終的な解決までに、もう少し時間はかかりますが」
弁護士「この両者の選択であれば、どちらの方が絶対的に良い、ということは無いように思います。紛争の早期解決を選ぶか、経済的利益が増加する可能性を選ぶか……そのいずれのメリットを重視するのか、ということですので」
弁護士「なので、私としましては、やよいさんご自身の現在の心境なども踏まえたうえで、ご決断頂ければと思います。やよいさん自身が、『もう早くこの事件の事は忘れてしまいたい』などと強く思われているようであれば、①の方が良いだろうと思いますし」
弁護士「……では、今言った点についてご検討の上、方針が決まりましたら、またご連絡頂いても宜しいでしょうか」
高槻母「……はい。分かりました。……どうも、ありがとうございます」
弁護士「……お父さんも、それで宜しいでしょうか」
高槻父「…………」
弁護士「……もし、何かご不明な点があれば、遠慮なく言って下さって結構ですよ」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……先生」
弁護士「はい」
高槻父「……私どもは、法律の事については、てんで素人です。ですので、基本的には……先生のご判断で、良いと思うように進めてもらえたら、と思っております」
弁護士「…………」
高槻父「……ただ……」
弁護士「……ただ……?」
高槻父「……この、向こうが言っている、『触ったのは胸じゃなくてお腹だ』ってとこ、なんですけど……」
弁護士「…………」
高槻父「……ここを、その、向こうにちゃんと認めさせて、謝らせるってことは、やっぱり……難しいんでしょうか」
弁護士「……つまり、『触ったのは胸である』ということを認めさせたうえで、かつ謝罪をさせることはできないか……と、いうことでしょうか」
高槻父「……はい」
弁護士「…………」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
弁護士「……最初に、ここに相談に来られた時にも申し上げましたが……それは、難しいですね」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
弁護士「それに何より、訴訟となった場合……こちら側の証拠がやよいさんご自身の証言しか無い以上……勝訴するためには、やよいさん自らが証言台に立って、ご自身の受けた被害事実を、裁判官の面前で、詳細に話さなければならなくなります」
高槻母「! ……そ、それは……」
高槻父「…………」
弁護士「つまり、裁判官に対し、『これは、本当にセクハラがあったんだろうな』という心証を抱かせるためには、やよいさん自身が、当時の状況を、克明かつ具体的に供述しなければならない、ということです。……これは、やよいさんにとっては、極めて大きな心理的負担になると考えられます」
弁護士「しかも、本人尋問は通常、訴訟の終盤に行われます。その頃には、おそらくこの訴訟の存在はマスコミの、すなわち世間の知るところとなっていることが予想されます。そうなると、まず間違いなく傍聴席は満席となり、やよいさんは、多数の傍聴人――当然、興味本位の野次馬根性で来ている人も大勢いるでしょう――の前で、自らが受けたセクハラ被害について話さなければなりません。それも、裁判官に分かってもらえるよう、詳細かつ具体的に……です」
弁護士「そしてそこまでしても、結局、敗訴する可能性が高いことに変わりはありません。そして実際に敗訴となると、やよいさんは世間から、『虚偽の事実で元所属事務所を訴えたアイドル』などと非難されてしまうことも……十分にありえると思います」
高槻母「……そんな……」
高槻父「…………」
弁護士「……ですので、こういった点からも、私は訴訟を起こすのはリスクが高過ぎると考えます。その理由は今言った通りですが、何よりも……訴訟を通じて、今既にやよいさんが負っている心の傷が、より一層深くなってしまう可能性が高いからです」
弁護士「……したがって、私としては、先ほどご説明させて頂いた二つの方法……①今の提示金額の200万円で和解する②もう少しの増額を目指して交渉を継続する、のいずれかが良いのではないか、と思います」
弁護士「①の方法であれば、今すぐに紛争を終わらせられるというメリットがありますし、②の方法であれば、経済的利益が増加する可能性があります。……もっとも、最終的な解決までに、もう少し時間はかかりますが」
弁護士「この両者の選択であれば、どちらの方が絶対的に良い、ということは無いように思います。紛争の早期解決を選ぶか、経済的利益が増加する可能性を選ぶか……そのいずれのメリットを重視するのか、ということですので」
弁護士「なので、私としましては、やよいさんご自身の現在の心境なども踏まえたうえで、ご決断頂ければと思います。やよいさん自身が、『もう早くこの事件の事は忘れてしまいたい』などと強く思われているようであれば、①の方が良いだろうと思いますし」
弁護士「……では、今言った点についてご検討の上、方針が決まりましたら、またご連絡頂いても宜しいでしょうか」
高槻母「……はい。分かりました。……どうも、ありがとうございます」
弁護士「……お父さんも、それで宜しいでしょうか」
高槻父「…………」
弁護士「……もし、何かご不明な点があれば、遠慮なく言って下さって結構ですよ」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……先生」
弁護士「はい」
高槻父「……私どもは、法律の事については、てんで素人です。ですので、基本的には……先生のご判断で、良いと思うように進めてもらえたら、と思っております」
弁護士「…………」
高槻父「……ただ……」
弁護士「……ただ……?」
高槻父「……この、向こうが言っている、『触ったのは胸じゃなくてお腹だ』ってとこ、なんですけど……」
弁護士「…………」
高槻父「……ここを、その、向こうにちゃんと認めさせて、謝らせるってことは、やっぱり……難しいんでしょうか」
弁護士「……つまり、『触ったのは胸である』ということを認めさせたうえで、かつ謝罪をさせることはできないか……と、いうことでしょうか」
高槻父「……はい」
弁護士「…………」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
弁護士「……最初に、ここに相談に来られた時にも申し上げましたが……それは、難しいですね」
高槻父「…………」
高槻母「…………」
220: 2014/05/31(土) 12:10:29.06 ID:IXIHGs2t0
弁護士「向こうが最初から認めているのならともかく、否認している内容を後で認めさせるというのは……基本的には、まずできないものと思って下さい」
高槻父「…………」
弁護士「仮に後で認めたとなると、『じゃあ何故最初は認めていなかったのか。嘘をついていたのか』ということになりますからね。なので向こうの言い分の中の、『触ったのは胸ではなくお腹である』という部分は、おそらく最後まで変わらないと思います。こちらが、有力な客観的証拠でも出さない限りは」
高槻父「…………」
弁護士「ただ、まあ……そうですね、具体的な内容は明らかにしないで、『不適切な行為を働いたことを認める』という程度ならば、向こうも書面上、記載していることですし……合意書の中に、入れ込むことは不可能ではないかもしれません」
弁護士「ただ、『謝罪』というレベルまで要求するのは……基本的には難しいと思って下さい。たとえそれが『お腹を触ったこと』についてであったとしても、です」
高槻父「…………」
弁護士「元々、和解というのは、互譲……つまり、お互いに譲歩することによって成立するものです。要するに、どちらの方が悪いとか、悪くないとかをあえてうやむやにしたままで、紛争を解決させるという手段なのです。だから、どちらかだけが一方的に非を認め、相手に対して謝罪する……などということは、たとえ書面上の事だけでも、基本的には難しいと思って下さい」
高槻父「……じゃあ、たとえば、直接、やよいに謝らせるってことは……」
弁護士「尚の事、難しい……いえ、それはもう無理だと思ってもらった方がいいと思います」
高槻父「…………」
弁護士「向こうにも会社としての面子がありますからね。流石にそこまでの要求には応じられないでしょう」
高槻父「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……先生」
弁護士「はい」
高槻父「……正直言いまして、私ら、お金は……別にいいんです」
高槻母「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……ただ、ただ……悔しい。悔しくて、仕方が無いんです」
弁護士「…………」
高槻父「……あの日、やよいが……プロデューサーから胸を触られたって日、私は、そのことにまったく気付かなかった」
高槻父「いつも通りに夕食の準備の手伝いをして、いつも通りに弟や妹たちの世話をしているやよいを見て、私は、何ひとつ、違和感を持たなかったんです」
高槻父「それから一週間くらいの間も、やよいはずっと、いつも通りで……私も、何とも思ってませんでした」
高槻父「そしたらある日、やよいが事務所早退してきたって、妻から聞いて……。でも理由を聞いても何も答えない、って……。それで私、職場に無理言って、午後から早退して、家に帰ったんです。そしたらやよいは、部屋に籠ったままで……一歩も、外に出てこようとしませんでした」
高槻父「それでも、何とか話をしてくれって、私らずっとドア越しに声を掛け続けて……そしたらようやく、出てきてくれて……開口一番、こう言ったんです」
高槻父「……『お父さんお母さん、ごめんなさい。私もう、アイドル続けられない』って。何でそんなこと言うのかも分からなかったですけど、とりあえず、私は、『何があったか知らないけど、アイドルを続けるのも続けないのもお前の自由だ。だから別に、そんなことで謝らなくていい』って、言ったんです。……そしたら、やよいは、『だって私がアイドルやめちゃったら、もうおうちにお金、入れられなくなるから……』って。『だからごめんなさい』って……」
弁護士「…………」
高槻父「……それでその後、話を聞いたら、一週間前の日に、プロデューサーに胸を触られてた、って……。しかも本人は、そのことを、全然覚えてないみたいだって……」
高槻父「それ聞いて、私はもう、居ても立ってもいられなくなって……やよいが、まだ中学二年生のやよいが、一人で悩んで、苦しんで、親である私らにも言えないままで、極力心配掛けさせないようにって、なるべく普段通りに振舞っていたのかと思うと、もう……」
高槻父「それで私、すぐさま事務所に乗り込んでやろうと思ったんです。でもそしたら、やよいが、『それだけはやめて』って。『他の皆に迷惑が掛かるから』って……」
高槻父「やよいは……あいつは、ああいう子なんです。自分がどんなに辛い目に遭っても、自分より周りの事を考えてしまう」
高槻父「自分が一番辛いはずなのに、自分が一番泣き出したいはずなのに……そういうの全部飲みこんで、『家に迷惑を掛けてしまう』とか、『事務所の皆に迷惑を掛けてしまう』とか……そういうことを、考えてしまう子なんです」
高槻父「なので先生、どうか、どうか……。765プロの社長と、その例のプロデューサーに、やよいにしたこと、認めさせて……やよいの面前で、謝罪させてやりたいんです。そうじゃないと、やよいは、やよいは……」
弁護士「……高槻さん。お気持ちはよく分かりますが……」
高槻父「……先生。私らには、もう先生だけが頼りなんです。本当は、私らが直接事務所に行って、その場で、他のアイドルの子たちとかも居る前で、謝らせてやりたかった。……でもやよいが、『それだけはやめて』って、泣きながら言うから、だから……」
高槻父「……だからこうして、先生の所へ相談に来させていただいて、法律的に、きちっと手続き踏んで、やってもらおうと思ったんです。だからどうか、どうか……」
高槻父「…………」
弁護士「仮に後で認めたとなると、『じゃあ何故最初は認めていなかったのか。嘘をついていたのか』ということになりますからね。なので向こうの言い分の中の、『触ったのは胸ではなくお腹である』という部分は、おそらく最後まで変わらないと思います。こちらが、有力な客観的証拠でも出さない限りは」
高槻父「…………」
弁護士「ただ、まあ……そうですね、具体的な内容は明らかにしないで、『不適切な行為を働いたことを認める』という程度ならば、向こうも書面上、記載していることですし……合意書の中に、入れ込むことは不可能ではないかもしれません」
弁護士「ただ、『謝罪』というレベルまで要求するのは……基本的には難しいと思って下さい。たとえそれが『お腹を触ったこと』についてであったとしても、です」
高槻父「…………」
弁護士「元々、和解というのは、互譲……つまり、お互いに譲歩することによって成立するものです。要するに、どちらの方が悪いとか、悪くないとかをあえてうやむやにしたままで、紛争を解決させるという手段なのです。だから、どちらかだけが一方的に非を認め、相手に対して謝罪する……などということは、たとえ書面上の事だけでも、基本的には難しいと思って下さい」
高槻父「……じゃあ、たとえば、直接、やよいに謝らせるってことは……」
弁護士「尚の事、難しい……いえ、それはもう無理だと思ってもらった方がいいと思います」
高槻父「…………」
弁護士「向こうにも会社としての面子がありますからね。流石にそこまでの要求には応じられないでしょう」
高槻父「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……先生」
弁護士「はい」
高槻父「……正直言いまして、私ら、お金は……別にいいんです」
高槻母「…………」
弁護士「…………」
高槻父「……ただ、ただ……悔しい。悔しくて、仕方が無いんです」
弁護士「…………」
高槻父「……あの日、やよいが……プロデューサーから胸を触られたって日、私は、そのことにまったく気付かなかった」
高槻父「いつも通りに夕食の準備の手伝いをして、いつも通りに弟や妹たちの世話をしているやよいを見て、私は、何ひとつ、違和感を持たなかったんです」
高槻父「それから一週間くらいの間も、やよいはずっと、いつも通りで……私も、何とも思ってませんでした」
高槻父「そしたらある日、やよいが事務所早退してきたって、妻から聞いて……。でも理由を聞いても何も答えない、って……。それで私、職場に無理言って、午後から早退して、家に帰ったんです。そしたらやよいは、部屋に籠ったままで……一歩も、外に出てこようとしませんでした」
高槻父「それでも、何とか話をしてくれって、私らずっとドア越しに声を掛け続けて……そしたらようやく、出てきてくれて……開口一番、こう言ったんです」
高槻父「……『お父さんお母さん、ごめんなさい。私もう、アイドル続けられない』って。何でそんなこと言うのかも分からなかったですけど、とりあえず、私は、『何があったか知らないけど、アイドルを続けるのも続けないのもお前の自由だ。だから別に、そんなことで謝らなくていい』って、言ったんです。……そしたら、やよいは、『だって私がアイドルやめちゃったら、もうおうちにお金、入れられなくなるから……』って。『だからごめんなさい』って……」
弁護士「…………」
高槻父「……それでその後、話を聞いたら、一週間前の日に、プロデューサーに胸を触られてた、って……。しかも本人は、そのことを、全然覚えてないみたいだって……」
高槻父「それ聞いて、私はもう、居ても立ってもいられなくなって……やよいが、まだ中学二年生のやよいが、一人で悩んで、苦しんで、親である私らにも言えないままで、極力心配掛けさせないようにって、なるべく普段通りに振舞っていたのかと思うと、もう……」
高槻父「それで私、すぐさま事務所に乗り込んでやろうと思ったんです。でもそしたら、やよいが、『それだけはやめて』って。『他の皆に迷惑が掛かるから』って……」
高槻父「やよいは……あいつは、ああいう子なんです。自分がどんなに辛い目に遭っても、自分より周りの事を考えてしまう」
高槻父「自分が一番辛いはずなのに、自分が一番泣き出したいはずなのに……そういうの全部飲みこんで、『家に迷惑を掛けてしまう』とか、『事務所の皆に迷惑を掛けてしまう』とか……そういうことを、考えてしまう子なんです」
高槻父「なので先生、どうか、どうか……。765プロの社長と、その例のプロデューサーに、やよいにしたこと、認めさせて……やよいの面前で、謝罪させてやりたいんです。そうじゃないと、やよいは、やよいは……」
弁護士「……高槻さん。お気持ちはよく分かりますが……」
高槻父「……先生。私らには、もう先生だけが頼りなんです。本当は、私らが直接事務所に行って、その場で、他のアイドルの子たちとかも居る前で、謝らせてやりたかった。……でもやよいが、『それだけはやめて』って、泣きながら言うから、だから……」
高槻父「……だからこうして、先生の所へ相談に来させていただいて、法律的に、きちっと手続き踏んで、やってもらおうと思ったんです。だからどうか、どうか……」
224: 2014/05/31(土) 13:09:49.03 ID:IXIHGs2t0
弁護士「……高槻さん。最初にもご説明したとおり、法律も万能ではありません。ましてや和解ともなると、当然、ある程度の妥協はしなければならないんです」
高槻父「で、でも……」
高槻母「あなた、もう先生も困ってらっしゃるし……。それに、『謝罪まで求めるのは難しいだろう』って、最初からご説明して下さってたじゃない」
高槻父「……ああ、分かってる。俺が無理を言っているってことくらい……。でも、でも先生……」
弁護士「……それでは、現状ではなかなか難しいとは思いますが、ある程度増額の交渉をしながら、少しでも高槻さんのご納得のできる和解条項となるよう、相手方と話をしてみる……というのは、いかがでしょうか」
高槻母「増額交渉をしながら……ですか?」
弁護士「ええ。あまりにあれもこれもと要求して、交渉を打ち切られたら元も子も無いので、加減を見極めながら、ですが……。要は向こうも、『金銭的支出が抑えられるなら、ある程度は向こうの言い分に沿った条項にしてもいいか』と考える可能性はありますからね。もっともその場合でも、先ほど言ったように『不適切な行為をしたことを認める』という程度の記載が限界だと思いますが」
高槻父「……そうですか……」
弁護士「まあいずれにせよ、やよいさんご自身のお気持ちも重要になりますので、その点も再度ご確認された上で、今後どのように進めていきたいのか、ご検討頂けますか」
高槻母「はい。ありがとうございました」
高槻父「……ありがとうございました」
弁護士「それでは、ご連絡をお待ちしておりますので」
高槻母「はい。失礼します」
高槻父「……失礼します」
バタン
弁護士「…………」
事務員「……先生、お疲れ様です」コトッ
弁護士「おお、ありがとう」
事務員「……で、どうなりそうなんですか? 高槻やよいちゃんの件」
弁護士「んー……まあ、300~350ってとこだろうな。400いけたら御の字かな」
事務員「えっ! セクハラでそんないくんですか? しかも胸一回触っただけでしょ?」
弁護士「そりゃあ普通の会社ならこうはいかんだろ。でも何せアイドル事務所だからなあ」
事務員「あー、訴訟になったらすごそうですもんね。報道とか」
弁護士「そうそう。まあそのへん考えての金額なんだろ。いきなり200とか普通まず考えられんからな。何の証拠も無いのに」
事務員「へー。お金あるんですねー。まあ今765プロの子って至る所で見ますもんね」
弁護士「……ま、後は依頼者次第だな……」
事務員「ってことは、200万でまだ納得してないんですか?」
弁護士「いや、『お金じゃないんです。ただ謝ってほしいんです』って」
事務員「あー、そのパターンですか。でもそういうこと言う人に限って、最後は結局お金だったりするんですよね」
弁護士「まあね。それに訴訟になったら完全負け筋ってのは口酸っぱくして言ってるし、仮に訴訟上の和解でも絶対200にはならないって言ってるからな」
事務員「訴訟になっちゃったら、もう向こうとしては大枚はたいて和解する意味無いですもんね」
弁護士「というか多分、和解の話にすらならんだろうな。起こされた以上、向こうはもう勝つしかないし」
事務員「じゃあ後は依頼者をどう説得するか、ですか」
弁護士「ああ。まあ一応250くらいまではいけるかもしれないって言っといたから、それで最終的に300とか350とかになったら多分うんって言うと思うんだけどな」
事務員「でも、謝罪の件はどうするんですか?」
弁護士「そこはまあ上手いこと、どっちからも好意的に解釈できるような条項にするしかないだろ。こっちからは向こうが非を認めてるように見えて、向こうからは体裁を守れてるような感じに見えるやつに」
事務員「うーん、なかなか難しいですね……」
弁護士「ま、お金で納得してくれたらそれが一番なんだけどな」
事務員「そうですね、本当……」
弁護士「結局、いくら謝られたって……それで心の底からすっきりすることなんか、ないんだから」
高槻父「で、でも……」
高槻母「あなた、もう先生も困ってらっしゃるし……。それに、『謝罪まで求めるのは難しいだろう』って、最初からご説明して下さってたじゃない」
高槻父「……ああ、分かってる。俺が無理を言っているってことくらい……。でも、でも先生……」
弁護士「……それでは、現状ではなかなか難しいとは思いますが、ある程度増額の交渉をしながら、少しでも高槻さんのご納得のできる和解条項となるよう、相手方と話をしてみる……というのは、いかがでしょうか」
高槻母「増額交渉をしながら……ですか?」
弁護士「ええ。あまりにあれもこれもと要求して、交渉を打ち切られたら元も子も無いので、加減を見極めながら、ですが……。要は向こうも、『金銭的支出が抑えられるなら、ある程度は向こうの言い分に沿った条項にしてもいいか』と考える可能性はありますからね。もっともその場合でも、先ほど言ったように『不適切な行為をしたことを認める』という程度の記載が限界だと思いますが」
高槻父「……そうですか……」
弁護士「まあいずれにせよ、やよいさんご自身のお気持ちも重要になりますので、その点も再度ご確認された上で、今後どのように進めていきたいのか、ご検討頂けますか」
高槻母「はい。ありがとうございました」
高槻父「……ありがとうございました」
弁護士「それでは、ご連絡をお待ちしておりますので」
高槻母「はい。失礼します」
高槻父「……失礼します」
バタン
弁護士「…………」
事務員「……先生、お疲れ様です」コトッ
弁護士「おお、ありがとう」
事務員「……で、どうなりそうなんですか? 高槻やよいちゃんの件」
弁護士「んー……まあ、300~350ってとこだろうな。400いけたら御の字かな」
事務員「えっ! セクハラでそんないくんですか? しかも胸一回触っただけでしょ?」
弁護士「そりゃあ普通の会社ならこうはいかんだろ。でも何せアイドル事務所だからなあ」
事務員「あー、訴訟になったらすごそうですもんね。報道とか」
弁護士「そうそう。まあそのへん考えての金額なんだろ。いきなり200とか普通まず考えられんからな。何の証拠も無いのに」
事務員「へー。お金あるんですねー。まあ今765プロの子って至る所で見ますもんね」
弁護士「……ま、後は依頼者次第だな……」
事務員「ってことは、200万でまだ納得してないんですか?」
弁護士「いや、『お金じゃないんです。ただ謝ってほしいんです』って」
事務員「あー、そのパターンですか。でもそういうこと言う人に限って、最後は結局お金だったりするんですよね」
弁護士「まあね。それに訴訟になったら完全負け筋ってのは口酸っぱくして言ってるし、仮に訴訟上の和解でも絶対200にはならないって言ってるからな」
事務員「訴訟になっちゃったら、もう向こうとしては大枚はたいて和解する意味無いですもんね」
弁護士「というか多分、和解の話にすらならんだろうな。起こされた以上、向こうはもう勝つしかないし」
事務員「じゃあ後は依頼者をどう説得するか、ですか」
弁護士「ああ。まあ一応250くらいまではいけるかもしれないって言っといたから、それで最終的に300とか350とかになったら多分うんって言うと思うんだけどな」
事務員「でも、謝罪の件はどうするんですか?」
弁護士「そこはまあ上手いこと、どっちからも好意的に解釈できるような条項にするしかないだろ。こっちからは向こうが非を認めてるように見えて、向こうからは体裁を守れてるような感じに見えるやつに」
事務員「うーん、なかなか難しいですね……」
弁護士「ま、お金で納得してくれたらそれが一番なんだけどな」
事務員「そうですね、本当……」
弁護士「結局、いくら謝られたって……それで心の底からすっきりすることなんか、ないんだから」
229: 2014/05/31(土) 13:44:42.06 ID:IXIHGs2t0
~同日夜・高槻家~
高槻母「……ねぇ、あなた」
高槻父「……ん」
高槻母「その……やよいの件なんだけど」
高槻父「…………」
高槻母「やっぱりその、向こうもある程度は非を認めてるんだし……もう、今の段階で合意してしまった方がいいんじゃないかしら」
高槻父「…………」
高槻母「そりゃあ私だって、やよいがあんな目に遭ってるんだから、謝罪くらいはしてもらいたかったけど……でも、やっぱりそれは難しいって話だし……」
高槻父「…………」
高槻母「それならもう、いつまでもこんな紛争を続けるよりは、早いとこ終わらせた方が、やよいのためにも……」
高槻父「…………」スッ
高槻母「? どこ行くの?」
高槻父「……やよいに、向こうの言い分を伝えた上で、今の気持ちを聞いてみる。先生も言ってただろ、やよい本人の気持ちが大事だって」
高槻母「……でも、変に相手の言い分を伝えると、あの子、またショック受けちゃうんじゃないかしら……。向こうは結局、肝心なところは認めてないわけだし……」
高槻父「だったら尚の事、やよいにもちゃんと現状を伝えておくべきだろ。その上でやよいが『もういい』って言うのなら、やめにすればいい。でも逆にやよいが望むなら、訴訟だって何だってやるべきだ」
高槻母「訴訟って、あなた……」
高槻父「……たとえばの話だよ。とにかく、今から話してくるから」
高槻母「…………」
~やよいの部屋~
コンコン
高槻父「やよい? まだ起きてるか?」
やよい「……うん。起きてるよ。どうぞ」
ガラッ
高槻父「すまんな、こんな夜更けに」
やよい「ううん。どうしたの?」
高槻父「えっとな……実は今日、お父さんとお母さんで、弁護士の先生の事務所に行ってきたんだ」
やよい「!」
高槻父「そのことで、ちょっと、話があるんだが……いいか? もちろん、やよいが聞きたくないなら無理強いはしないが……」
やよい「……わかった。いいよ」
高槻父「……じゃあ、話すぞ。あのな、やよい。……ちょっと、ショックを受けるかもしれないが……」
やよい「……えっ、な……何?」
高槻父「……765プロの方はな、その……プロデューサーがお前の身体に触ったことは認めるが、それは胸じゃなく、お腹だった、って言ってるようなんだ」
やよい「! ……えっ……」
高槻父「あとそれは『コミュニケーションの一環だった』とも、言ってるようなんだ」
やよい「…………」
高槻父「なあやよい。もう一度だけ確認させてくれ。あのときお前が胸を触られたっていうのは、間違いないことだよな?」
やよい「……そ、それは……」
高槻母「……ねぇ、あなた」
高槻父「……ん」
高槻母「その……やよいの件なんだけど」
高槻父「…………」
高槻母「やっぱりその、向こうもある程度は非を認めてるんだし……もう、今の段階で合意してしまった方がいいんじゃないかしら」
高槻父「…………」
高槻母「そりゃあ私だって、やよいがあんな目に遭ってるんだから、謝罪くらいはしてもらいたかったけど……でも、やっぱりそれは難しいって話だし……」
高槻父「…………」
高槻母「それならもう、いつまでもこんな紛争を続けるよりは、早いとこ終わらせた方が、やよいのためにも……」
高槻父「…………」スッ
高槻母「? どこ行くの?」
高槻父「……やよいに、向こうの言い分を伝えた上で、今の気持ちを聞いてみる。先生も言ってただろ、やよい本人の気持ちが大事だって」
高槻母「……でも、変に相手の言い分を伝えると、あの子、またショック受けちゃうんじゃないかしら……。向こうは結局、肝心なところは認めてないわけだし……」
高槻父「だったら尚の事、やよいにもちゃんと現状を伝えておくべきだろ。その上でやよいが『もういい』って言うのなら、やめにすればいい。でも逆にやよいが望むなら、訴訟だって何だってやるべきだ」
高槻母「訴訟って、あなた……」
高槻父「……たとえばの話だよ。とにかく、今から話してくるから」
高槻母「…………」
~やよいの部屋~
コンコン
高槻父「やよい? まだ起きてるか?」
やよい「……うん。起きてるよ。どうぞ」
ガラッ
高槻父「すまんな、こんな夜更けに」
やよい「ううん。どうしたの?」
高槻父「えっとな……実は今日、お父さんとお母さんで、弁護士の先生の事務所に行ってきたんだ」
やよい「!」
高槻父「そのことで、ちょっと、話があるんだが……いいか? もちろん、やよいが聞きたくないなら無理強いはしないが……」
やよい「……わかった。いいよ」
高槻父「……じゃあ、話すぞ。あのな、やよい。……ちょっと、ショックを受けるかもしれないが……」
やよい「……えっ、な……何?」
高槻父「……765プロの方はな、その……プロデューサーがお前の身体に触ったことは認めるが、それは胸じゃなく、お腹だった、って言ってるようなんだ」
やよい「! ……えっ……」
高槻父「あとそれは『コミュニケーションの一環だった』とも、言ってるようなんだ」
やよい「…………」
高槻父「なあやよい。もう一度だけ確認させてくれ。あのときお前が胸を触られたっていうのは、間違いないことだよな?」
やよい「……そ、それは……」
233: 2014/05/31(土) 14:20:30.47 ID:IXIHGs2t0
やよい(……胸じゃなくて、お、お腹……?)
やよい(そんな……そんなはずないよ。だってあのとき、確かに……)
やよい(……私の胸に、プロデューサーの手が……)
やよい(…………)
やよい(……うん。間違い、無いと思う……)
やよい(……いくらなんでも、触られたのが胸だったかお腹だったかなんか、間違えるわけないもん……)
やよい(……それにあのとき、すごく嫌な気持ちになったし……)
やよい(…………)
やよい(でも、じゃあ……プロデューサーは今、嘘をついてるってこと……?)
やよい(…………)
高槻父「……やよい?」
やよい「あっ、ごっ、ごめんなさい、お父さん。え、えっと……」
高槻父「……ああ。ゆっくりでいい。やよいのタイミングで良いからな」
やよい「う、うん。えっと……やっぱり、胸を触られたのは間違いない、と、思う……」
高槻父「……ああ、そうだよな、うん。ごめんな、辛いこと思い出させて」
やよい「う、ううん……」
高槻父「それでな、今後の事だが……やよいは、どうしたいと思う?」
やよい「えっ、ど……どうしたい、って?」
高槻父「まあ簡単に言うと……今の状況で、765プロを許せるかどうか、ってことだ」
やよい「……許せるか、どうか……」
高槻父「そうだ」
やよい「…………」
高槻父「……正直、お父さんとしては、許すことはできないと思ってる」
やよい「…………」
高槻父「だから弁護士の先生にもお願いして、なんとか向こうに、やよいにしたことを認めさせて、謝らせてやりたいと思ってるんだ」
やよい「…………」
高槻父「……なあ、やよい。やよいはどうだ? 許すことができるか? さっき言ったような、子供騙しみたいな嘘を平気でつく、こんな会社を……」
やよい「……そ、それは……」
高槻父「…………」
やよい「…………」
高槻父「…………」
やよい「……えっと、ごめんなさい、お父さん。ちょっと……よく分からないよ」
高槻父「…………」
やよい「私にとっての765プロは、やっぱり今でも素敵な場所で、そこにいる人たちも皆良い人で……」
高槻父「…………」
やよい「だから、その……許すとか許さないとかは、ちょっと、よく分からないけど……でも、やっぱり私は今でも、765プロの事……悪くは、思えないよ」
高槻父「…………」
やよい(そんな……そんなはずないよ。だってあのとき、確かに……)
やよい(……私の胸に、プロデューサーの手が……)
やよい(…………)
やよい(……うん。間違い、無いと思う……)
やよい(……いくらなんでも、触られたのが胸だったかお腹だったかなんか、間違えるわけないもん……)
やよい(……それにあのとき、すごく嫌な気持ちになったし……)
やよい(…………)
やよい(でも、じゃあ……プロデューサーは今、嘘をついてるってこと……?)
やよい(…………)
高槻父「……やよい?」
やよい「あっ、ごっ、ごめんなさい、お父さん。え、えっと……」
高槻父「……ああ。ゆっくりでいい。やよいのタイミングで良いからな」
やよい「う、うん。えっと……やっぱり、胸を触られたのは間違いない、と、思う……」
高槻父「……ああ、そうだよな、うん。ごめんな、辛いこと思い出させて」
やよい「う、ううん……」
高槻父「それでな、今後の事だが……やよいは、どうしたいと思う?」
やよい「えっ、ど……どうしたい、って?」
高槻父「まあ簡単に言うと……今の状況で、765プロを許せるかどうか、ってことだ」
やよい「……許せるか、どうか……」
高槻父「そうだ」
やよい「…………」
高槻父「……正直、お父さんとしては、許すことはできないと思ってる」
やよい「…………」
高槻父「だから弁護士の先生にもお願いして、なんとか向こうに、やよいにしたことを認めさせて、謝らせてやりたいと思ってるんだ」
やよい「…………」
高槻父「……なあ、やよい。やよいはどうだ? 許すことができるか? さっき言ったような、子供騙しみたいな嘘を平気でつく、こんな会社を……」
やよい「……そ、それは……」
高槻父「…………」
やよい「…………」
高槻父「…………」
やよい「……えっと、ごめんなさい、お父さん。ちょっと……よく分からないよ」
高槻父「…………」
やよい「私にとっての765プロは、やっぱり今でも素敵な場所で、そこにいる人たちも皆良い人で……」
高槻父「…………」
やよい「だから、その……許すとか許さないとかは、ちょっと、よく分からないけど……でも、やっぱり私は今でも、765プロの事……悪くは、思えないよ」
高槻父「…………」
237: 2014/05/31(土) 14:56:37.66 ID:IXIHGs2t0
高槻父「……そうか」
やよい「……ごめんなさい。なんか、上手く言えなくて……」
高槻父「いや、いいさ。こんなこと急に聞かれても、上手く答えられなくて当然だ。お父さんも悪かった。……今日はもう遅いから寝なさい」
やよい「……うん」
高槻父「お休み、やよい」
やよい「……おやすみなさい」
ガララ…
やよい「…………」
やよい(……胸じゃなくて、お腹……)
やよい(……プロデューサー、なんでそんなこと言ったのかな……)
やよい(プロデューサーは、そんな嘘をつく人じゃないと思うけど……)
やよい(でも、それを言ったら、そもそもプロデューサーって、私の……女の子の胸を、悪ふざけで触ったりする人じゃないよね……)
やよい(…………)
やよい(もしかして、本当にお腹を触ろうとしてたけど、何かの拍子に胸に手が当たっちゃった、とか……)
やよい(…………)
やよい(……ううん。そんなことないよね……。あのときの感触って、そんな、『偶然当たっただけ』みたいな感じじゃなかったもん……)
やよい(……………)
やよい(……なんで、こんなことになっちゃったんだろう……)
やよい(……………)
~高槻家・居間~
ガララ…
高槻父「…………」
高槻母「あなた。どうだった? やよい……」
高槻父「……うん。話したけど、やっぱりちょっと混乱しているみたいだったよ」
高槻母「……そう」
高槻父「それと、今後の事だけど……とりあえず、先生が最後に言っていた方針で進めてもらうようにしよう」
高槻母「……増額交渉をしながら、和解条項を調整するってやつ?」
高槻父「ああ。まだやよいの気持ちがはっきり固まっていない以上、できることはしておいた方がいい」
高槻母「……そうね」
高槻父「そして最終的には、なんとか、謝罪までもっていってもらいたいもんだが……」
高槻母「……それは……やっぱり、難しいんじゃないかしら」
高槻父「たとえそうだとしても……俺たちは、今できる限りのことをやるべきだ。もう一度、やよいに笑顔を取り戻させるためにも」
高槻母「……ええ。そうね……」
やよい「……ごめんなさい。なんか、上手く言えなくて……」
高槻父「いや、いいさ。こんなこと急に聞かれても、上手く答えられなくて当然だ。お父さんも悪かった。……今日はもう遅いから寝なさい」
やよい「……うん」
高槻父「お休み、やよい」
やよい「……おやすみなさい」
ガララ…
やよい「…………」
やよい(……胸じゃなくて、お腹……)
やよい(……プロデューサー、なんでそんなこと言ったのかな……)
やよい(プロデューサーは、そんな嘘をつく人じゃないと思うけど……)
やよい(でも、それを言ったら、そもそもプロデューサーって、私の……女の子の胸を、悪ふざけで触ったりする人じゃないよね……)
やよい(…………)
やよい(もしかして、本当にお腹を触ろうとしてたけど、何かの拍子に胸に手が当たっちゃった、とか……)
やよい(…………)
やよい(……ううん。そんなことないよね……。あのときの感触って、そんな、『偶然当たっただけ』みたいな感じじゃなかったもん……)
やよい(……………)
やよい(……なんで、こんなことになっちゃったんだろう……)
やよい(……………)
~高槻家・居間~
ガララ…
高槻父「…………」
高槻母「あなた。どうだった? やよい……」
高槻父「……うん。話したけど、やっぱりちょっと混乱しているみたいだったよ」
高槻母「……そう」
高槻父「それと、今後の事だけど……とりあえず、先生が最後に言っていた方針で進めてもらうようにしよう」
高槻母「……増額交渉をしながら、和解条項を調整するってやつ?」
高槻父「ああ。まだやよいの気持ちがはっきり固まっていない以上、できることはしておいた方がいい」
高槻母「……そうね」
高槻父「そして最終的には、なんとか、謝罪までもっていってもらいたいもんだが……」
高槻母「……それは……やっぱり、難しいんじゃないかしら」
高槻父「たとえそうだとしても……俺たちは、今できる限りのことをやるべきだ。もう一度、やよいに笑顔を取り戻させるためにも」
高槻母「……ええ。そうね……」
241: 2014/05/31(土) 15:31:39.39 ID:IXIHGs2t0
~数日後・765プロ事務所~
P(社長が向こうの弁護士宛に書面を送ってから、もう一週間くらい経つな……)
P(もうそろそろ、何かしらの返事が来る頃かもな……)
P(……まさかとは思うけど、『200万円なんて到底納得できません。速やかに訴訟提起致します』とか……無いよな……。まあ、社長は無いだろう、って言ってたけど……)
P(……ただそれはそれとしても、俺個人に対する刑事告訴の可能性もまだ消えてないんだよな……ああくそっ……落ち着かん……)
春香「プロデューサーさん?」
P「うおぉう! は、春香!? ……って、なんかちょっと前にもこういうやりとりあったような……」
春香「? 何の話ですか?」
P「ああいや……何でもないよ、こっちの話。それよりどうした? 今日は確か、現場から直帰する予定じゃなかったか?」
春香「ええ、そうだったんですけど……でもやっぱり一日の最後は、ここに来ないと落ち着かなくって」
P「……そっか」
春香「はい!」
P「…………」
春香「あ、プロデューサーさん、コーヒーかなんか飲みます? 私、淹れますよ?」
P「ああ……今はいいよ。せっかくくつろぎに来たんだろ? ゆっくりしていけよ」
春香「そうですか? えへへ……じゃあ、お言葉に甘えて」ポフッ
P「…………」
春香「なーんか、このソファに座ると、つい眠たくなっちゃいますね……美希みたいに、このまま寝ちゃおうかな」
P「こらこら。今から寝たら帰れなくなるだろ。お前家遠いんだから」
春香「冗談ですよ、冗談。……って、あれ? この手すりのとこ、ホコリがついてる」
P「あれ、本当だ。珍しいな」
春香「そうですよね。だっていつもやよいが……あっ」
P「あ…………」
春香「…………」
P「…………」
春香「……すみません。私、その……」
P「あ、謝ることないだろ別に……誰もやよいの名前を口にするな、なんて言ってないんだし」
春香「そ、そうか。そうですよね……はは……」
P「…………」
春香「…………」
P「……この前、美希と話してる時も思ったんだけどさ」
春香「? はい」
P「その……皆、聞かないんだな。やよいのこと……」
春香「そりゃあ、まあ……聞くなって、言われてますし。それに……」
P「それに?」
春香「……私達、『約束』したんです」
P「……約束?」
春香「はい!」
P(社長が向こうの弁護士宛に書面を送ってから、もう一週間くらい経つな……)
P(もうそろそろ、何かしらの返事が来る頃かもな……)
P(……まさかとは思うけど、『200万円なんて到底納得できません。速やかに訴訟提起致します』とか……無いよな……。まあ、社長は無いだろう、って言ってたけど……)
P(……ただそれはそれとしても、俺個人に対する刑事告訴の可能性もまだ消えてないんだよな……ああくそっ……落ち着かん……)
春香「プロデューサーさん?」
P「うおぉう! は、春香!? ……って、なんかちょっと前にもこういうやりとりあったような……」
春香「? 何の話ですか?」
P「ああいや……何でもないよ、こっちの話。それよりどうした? 今日は確か、現場から直帰する予定じゃなかったか?」
春香「ええ、そうだったんですけど……でもやっぱり一日の最後は、ここに来ないと落ち着かなくって」
P「……そっか」
春香「はい!」
P「…………」
春香「あ、プロデューサーさん、コーヒーかなんか飲みます? 私、淹れますよ?」
P「ああ……今はいいよ。せっかくくつろぎに来たんだろ? ゆっくりしていけよ」
春香「そうですか? えへへ……じゃあ、お言葉に甘えて」ポフッ
P「…………」
春香「なーんか、このソファに座ると、つい眠たくなっちゃいますね……美希みたいに、このまま寝ちゃおうかな」
P「こらこら。今から寝たら帰れなくなるだろ。お前家遠いんだから」
春香「冗談ですよ、冗談。……って、あれ? この手すりのとこ、ホコリがついてる」
P「あれ、本当だ。珍しいな」
春香「そうですよね。だっていつもやよいが……あっ」
P「あ…………」
春香「…………」
P「…………」
春香「……すみません。私、その……」
P「あ、謝ることないだろ別に……誰もやよいの名前を口にするな、なんて言ってないんだし」
春香「そ、そうか。そうですよね……はは……」
P「…………」
春香「…………」
P「……この前、美希と話してる時も思ったんだけどさ」
春香「? はい」
P「その……皆、聞かないんだな。やよいのこと……」
春香「そりゃあ、まあ……聞くなって、言われてますし。それに……」
P「それに?」
春香「……私達、『約束』したんです」
P「……約束?」
春香「はい!」
246: 2014/05/31(土) 16:19:32.52 ID:IXIHGs2t0
P「(そういや、美希もなんかそんなこと言ってたような……)なんだ? 約束って……」
春香「はい。私達、『当分の間、やよいが事務所に来れなくなった』って聞いた日に……皆で集まって、決めたんです」
P「…………」
春香「まず、これから先、やよいがお休みしている理由については、誰にも聞かないでおこう、絶対に詮索したりしないようにしよう、って」
P「…………」
春香「そして……いつかまた、やよいが765プロに戻ってきたときに、以前とまったく変わらない私達で、迎えてあげられるようにしよう、って。……そしてそのために、今まで以上に、アイドルのお仕事頑張って……いつ、やよいが戻ってきても、大丈夫なようにしておこう、って。……そう、皆で『約束』したんです」
P「! …………」
春香「だってほら、いざやよいが戻ってきたときに、事務所に活気が無かったら、やよいも不安になっちゃいますよね? だから、そんなことないよ、って! 私達は元気だよ! って。いつやよいが帰ってきても、そう胸を張って言えるように、しておきたいんです」
P「……春香……」
春香「……なんて、ちょっとかっこつけすぎですかね? えへへ……」
P「…………」
春香「……って、あ! そういえばこれ、私達だけの『秘密の約束』だったんだ! す、すみません、プロデューサーさん! い、今のは、ここだけの話ってことで……」
P「…………え?」
春香「! ……ぷ、プロデューサーさん……。もしかして、泣いてます……?」
P「……えっ!? なっ、泣い……? あ、あれ? ち、違うぞ春香! こ、これは……これは、目にゴミが!」
春香「…………」
P「…………」
春香「……そっか」
P「……え?」
春香「……随分、大きなゴミだったんですね!」
P「……あ、ああ……まあ……」
春香「……じゃあ私、今日はこのへんで帰りますね! また明日、宜しくお願いします! お疲れ様でした!」
P「お、おう。お疲れ……」
春香「では、失礼しまーす!」
バタン
P「…………」
P(…………)
P(……ごめんな、春香……)
P(…………)
P(……やよいはもう、この事務所には戻ってこないんだ)
P(……だって、やよいは、もう……)
P(……765プロのアイドルじゃ――……ないんだから)
P(…………)
P(……俺の、所為で……)
P(…………)
春香「はい。私達、『当分の間、やよいが事務所に来れなくなった』って聞いた日に……皆で集まって、決めたんです」
P「…………」
春香「まず、これから先、やよいがお休みしている理由については、誰にも聞かないでおこう、絶対に詮索したりしないようにしよう、って」
P「…………」
春香「そして……いつかまた、やよいが765プロに戻ってきたときに、以前とまったく変わらない私達で、迎えてあげられるようにしよう、って。……そしてそのために、今まで以上に、アイドルのお仕事頑張って……いつ、やよいが戻ってきても、大丈夫なようにしておこう、って。……そう、皆で『約束』したんです」
P「! …………」
春香「だってほら、いざやよいが戻ってきたときに、事務所に活気が無かったら、やよいも不安になっちゃいますよね? だから、そんなことないよ、って! 私達は元気だよ! って。いつやよいが帰ってきても、そう胸を張って言えるように、しておきたいんです」
P「……春香……」
春香「……なんて、ちょっとかっこつけすぎですかね? えへへ……」
P「…………」
春香「……って、あ! そういえばこれ、私達だけの『秘密の約束』だったんだ! す、すみません、プロデューサーさん! い、今のは、ここだけの話ってことで……」
P「…………え?」
春香「! ……ぷ、プロデューサーさん……。もしかして、泣いてます……?」
P「……えっ!? なっ、泣い……? あ、あれ? ち、違うぞ春香! こ、これは……これは、目にゴミが!」
春香「…………」
P「…………」
春香「……そっか」
P「……え?」
春香「……随分、大きなゴミだったんですね!」
P「……あ、ああ……まあ……」
春香「……じゃあ私、今日はこのへんで帰りますね! また明日、宜しくお願いします! お疲れ様でした!」
P「お、おう。お疲れ……」
春香「では、失礼しまーす!」
バタン
P「…………」
P(…………)
P(……ごめんな、春香……)
P(…………)
P(……やよいはもう、この事務所には戻ってこないんだ)
P(……だって、やよいは、もう……)
P(……765プロのアイドルじゃ――……ないんだから)
P(…………)
P(……俺の、所為で……)
P(…………)
248: 2014/05/31(土) 16:34:55.37 ID:IXIHGs2t0
~事務所からの帰路~
プルルルル……
千早『……はい』
春香「あっ、千早ちゃん? 私。春香だけど」
千早『ああ、春香。どうしたの?』
春香「うん。私、今、事務所出たとこなんだけどね」
千早『? 事務所? あなた……今日は確か、現場から直帰じゃなかったかしら?』
春香「まあまあ、そんな細かいことは置いといて……あのさ、千早ちゃん」
千早『? 何?』
春香「私達……明日から、今まで以上に、もっとも~っと、アイドルのお仕事、頑張ろうね!」
千早『? え、ええ……そうね。でもどうしたの? 急に……』
春香「……んーとね、えへへ……ちょっとした、決意表明ってやつかな」
千早『?? 相変わらず唐突ね……春香の言うことは……』
春香「あ、あはは……ごめんね。いきなりこんなこと言われて、ちょっと迷惑だった、かな……?」
千早『ううん。そんなことないわ。こんな時だからこそ……私達には、春香みたいな元気が必要なんだと思う』
春香「……千早ちゃん……」
千早『――頑張りましょう、春香。いつかまた、高槻さんが――……笑顔で、事務所に帰って来られるように』
春香「……うん! 頑張ろうね! み~んなで、いっしょに!」
プルルルル……
千早『……はい』
春香「あっ、千早ちゃん? 私。春香だけど」
千早『ああ、春香。どうしたの?』
春香「うん。私、今、事務所出たとこなんだけどね」
千早『? 事務所? あなた……今日は確か、現場から直帰じゃなかったかしら?』
春香「まあまあ、そんな細かいことは置いといて……あのさ、千早ちゃん」
千早『? 何?』
春香「私達……明日から、今まで以上に、もっとも~っと、アイドルのお仕事、頑張ろうね!」
千早『? え、ええ……そうね。でもどうしたの? 急に……』
春香「……んーとね、えへへ……ちょっとした、決意表明ってやつかな」
千早『?? 相変わらず唐突ね……春香の言うことは……』
春香「あ、あはは……ごめんね。いきなりこんなこと言われて、ちょっと迷惑だった、かな……?」
千早『ううん。そんなことないわ。こんな時だからこそ……私達には、春香みたいな元気が必要なんだと思う』
春香「……千早ちゃん……」
千早『――頑張りましょう、春香。いつかまた、高槻さんが――……笑顔で、事務所に帰って来られるように』
春香「……うん! 頑張ろうね! み~んなで、いっしょに!」
249: 2014/05/31(土) 16:35:43.93 ID:IXIHGs2t0
251: 2014/05/31(土) 16:59:32.40 ID:zOajjqPO0
1乙
気が滅入る展開だな…
ハラハラするわ
気が滅入る展開だな…
ハラハラするわ
252: 2014/05/31(土) 17:07:52.61 ID:1Xvemu9k0
乙
269: 2014/06/01(日) 12:59:00.52 ID:N9dO35FKo
父親が引っかき回しているだけにしか見えないのがなんとも……
273: 2014/06/02(月) 02:15:49.14 ID:G25NvAV6o
これSSというよりはアイマス教養講座だよな
基本的に当事者だんまりだし
基本的に当事者だんまりだし
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります