1:◆IM.RhdmmmE 2008/07/06(日) 15:57:11.87 ID:HeUAPAyTO
ザー……

ベジータ「ブルマと喧嘩をして家を出てきたはいいが、運が悪いな」

ベジータ「くそっ、土砂降りになってきやがった……!!!」

ベジータ「どこかで雨をしのぐしかないな」

ベジータ「……かといっていったい何処へ…」

5: 2008/07/06(日) 15:59:29.82 ID:HeUAPAyTO
ザー……

ベジータ「カカロットの野郎に世話になるのは論外だ」

ベジータ「元はといえばあいつとの修行でカプセルコーポレーションを吹き飛ばしてしまったのが原因だからな」

ベジータ「カカロットの野郎め、一人だけ逃げやがって…!!」

ベジータ「くそっ、大口を叩いて壊れた建物は俺一人で直してやるなど言わなければよかったぜ…」

ベジータ「ドラゴンボールを集めようにもレーダーを借りることも出来ん……」

6: 2008/07/06(日) 16:03:24.09 ID:HeUAPAyTO
ザー……

ベジータ「うぅ……雨のせいですっかり体が冷えちまったじゃねーか」

ベジータ「とりあえずあそこの洞窟で雨宿りをするか……」

パチパチ……

ベジータ「焚き火…?チッ、先客がいるみたいだな…」

ベジータ「どこか別の場所を探すか……」

?「…ベジータか?」

ベジータ「その声は…」

8: 2008/07/06(日) 16:08:37.20 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「ああ、俺だ」

ベジータ「やはり貴様か、こんな所で何をしていた」

ピッコロ「こんな所とはなんだ、俺は普段からこの辺りで修行をしている」

ピッコロ「今は雨が降ってきたからここで休んでいたんだ」

ベジータ「貴様も雨宿りという訳か」

ピッコロ「ああ、ついでに瞑想でもしようと思ってな」

ベジータ「そうか…」

10: 2008/07/06(日) 16:14:10.96 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「じゃあな、俺様は行くぞ」

ピッコロ「お前も雨をしのげる場所を探していたんじゃないのか」

ベジータ「そうだが…」

ピッコロ「しばらくここで休んでいけばいい、わざわざこの雨の中を飛ぶのも大変だろう」

ベジータ「だ、だが…」

ピッコロ「それにびしょ濡れじゃないか、風邪をひくぞ」

ベジータ「それもそうだな…今日に限って地球人の服をきていたせいですっかり水を吸ってやがる」

12: 2008/07/06(日) 16:18:35.43 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「悪いが焚き火にあたらせて貰うぞ」

ピッコロ「まて、ベジータ」

ベジータ「な、なんだ」

ピッコロ「その前にいったん服を絞ってきたほうがいいぞ」

ベジータ「そうか」

ピッコロ「……ククッ」

ベジータ「な、何を笑っている!!?」

ピッコロ「いや、少し昔の事を思い出してな」

14: 2008/07/06(日) 16:21:56.86 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「昔だと…?」

ピッコロ「ああ、まあとにかく服を絞ってこい、力を入れすぎて引き千切るなよ」

ベジータ「わ、わかってる!!!俺様がその様な失敗など……」

ピッコロ「悟飯はよくしたんだ」

ベジータ「カカロットの息子が?」

ピッコロ「ああ、俺が修行をつけてやっていた頃にな」

ベジータ「そういやそういう話を聞いたことがあるな」

16: 2008/07/06(日) 16:26:36.18 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「確かお前を倒すためにだったな」

ベジータ「……」

ピッコロ「まあ、それも昔の話だからな」

ピッコロ「俺も昔は孫たちと敵だった」

ベジータ「不思議なものだな、ああやって頃し合おうとしていた時期があったのに……」

ピッコロ「ククッ、お前も変わったな」

ベジータ「ふん…貴様も人の事は言えんだろう」

19: 2008/07/06(日) 16:31:56.11 ID:HeUAPAyTO
パチパチ……

ピッコロ「……」

ベジータ「……」

パチパチ……

ピッコロ「……」

ベジータ「…はくしゅん!!!」

ピッコロ「……風邪でも引いたか」

ベジータ「惑星ベジータの王子である俺様が風邪など……はくしゅん!」

ピッコロ「いくらサイヤ人でも風邪くらいひくだろう」

ベジータ「風邪ごときに負けるわけが…はくしゅん!」

ピッコロ「どれ」

ベジータ「……っ!!??」

24: 2008/07/06(日) 16:36:34.14 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「ふむ、熱はまだ出ていないようだな」

ベジータ「き、貴様…!何いきなり人の顔に…!」

ピッコロ「?悟飯が風邪をひいた時はこうして熱を確かめてやっていたんだが…」

ベジータ「ガキと一緒にするな!!」

ピッコロ「そ、そうか…すまない…」

ベジータ「い、いや別に貴様に悪気があった訳ではないのはわかるが…はくしゅん!」

ピッコロ「くしゃみが止まらないようだな、ブルマの所まで送っていくか?」

27: 2008/07/06(日) 16:40:38.05 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「そ、それは困、いや…遠慮しておく…はくしゅん!」

ピッコロ「そうか…まあ無理にとは言わないが」

ベジータ「それよりももうしばらく休ませてくれ」

ピッコロ「ああ、だが…」

ベジータ「ん?どうかしたか?」

ピッコロ「その前に服を脱げ、ベジータ」

28: 2008/07/06(日) 16:44:11.84 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「!!!??き、貴様、いったいなにを…!!?はくしゅん!」

ピッコロ「何を動揺しているんだ、濡れた服をきていては体が冷えて良くないだろう」

ベジータ「あ、ああ…そういうことか…」

ピッコロ「代わりの服くらい俺が魔術で出してやろう」

29: 2008/07/06(日) 16:50:16.05 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「わ、悪いな…」

ベジータ「だがなんで、貴様とお揃いなんだ」

ピッコロ「駄目か?悟飯は喜んで……」

ベジータ「まあ服が乾くまでの間だからな」

ピッコロ「ターバンとマントもいるか?」

ベジータ「い、いらんわ!はくしゅん!」

ピッコロ「冗談だ、ククッ…」

30: 2008/07/06(日) 16:54:59.94 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「この大雨に外出してブルマたちが心配しているんじゃないのか?」

ベジータ「あ、あんな女しるか!!」

ピッコロ「何かあったようだな」ニヤリ

ベジータ「ふん、俺様は別に……!!!」

ピッコロ「孫の奴もよくチチと喧嘩をして俺の所へ逃げて来るんだ」

ベジータ「カカロットがか…はくしゅん!」

31: 2008/07/06(日) 17:02:01.65 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「ああ、不思議だな」

ベジータ「何がだ」

ピッコロ「お前らならチチやブルマくらい簡単に倒せるだろう、何故そうしないんだ」

ベジータ「な、何故って……はくしゅん!」

ピッコロ「愛だの恋だのといった感情がないナメック星人にはわからぬものだろうな」

ピッコロ「まあクリリンの所はわからなくもないがな、ククッ」

32: 2008/07/06(日) 17:06:32.72 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「…はくしゅん!」

ピッコロ「なかなかくしゃみがとまらなそうだな…」

ベジータ「さ、寒い…」

ピッコロ「やはり熱が出てきそうだな」

ベジータ「悪いが少し横にならせてもらうぞ」

ピッコロ「ああ」

ベジータ「……」

ピッコロ「……」

ベジータ「……別に添い寝などしなくてもいいぞ」

ピッコロ「だが、悟飯が風邪をひいた時は……」

ベジータ「だから一緒にするな!!はくしゅん!」

ピッコロ「わ、悪い…」

33: 2008/07/06(日) 17:10:06.98 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「……」

ベジータ「……はっ!」

ベジータ「すっかり眠ってしまっていたようだな…」

ファサッ…

ベジータ「これは…ピッコロのマント……そういえばピッコロは?」

ベジータ「…気配がないな」

ザー……

ベジータ「この雨の中外に出たのか…?」

ベジータ「暗くなってきやがったな……はくしゅん!」

ベジータ「いったいどこにいったんだ…」

ベジータ「寒気は随分と収まったな、探しにいくか…はくしゅん!」

34: 2008/07/06(日) 17:14:29.46 ID:HeUAPAyTO
ザー…

ピッコロ「確かこの草が風邪に良かったはずだ」

ピッコロ「懐かしいな…悟飯にもよくこうやって薬を作ってやったものだ」

ピッコロ「すっかり暗くなってきたな……」

ピッコロ「ベジータは目を醒ましただろうかな」

ピッコロ「さて、そろそろ戻るか……」

ピッコロ「お、あの飛行機は…?」

43: 2008/07/06(日) 18:35:24.48 ID:HeUAPAyTO
ブルマ「ちょっとー!!!」

ピッコロ「やはりブルマか」

ブルマ「うちのベジータ見なかったー?」

ピッコロ「……いや、知らんが」

ブルマ「そう、もし見かけたら早く帰って来るように言ってくれる?」

ピッコロ「ああ、わかった」

ブルマ「あの人単純で頑固だからさー、冗談で言ったことまにうけちゃって」

ピッコロ「ベジータらしいな」

ブルマ「でしょー!!!今回も一人でドラゴンボール集めてやるーって飛び出ちゃってさー」

ブルマ「あ、そーだ!!!あの人に帰ってこいって言っても聞かなそうだから、これ渡しといてくれる?」

ピッコロ「レーダーか…わかった」

45: 2008/07/06(日) 18:43:15.12 ID:HeUAPAyTO
ブルマ「会わなかったら捨てちゃってもいいから!それじゃよろしくねー!!」

ブーン!

ピッコロ「ブルマもベジータの事をちゃんとわかっているようじゃないか」

ピッコロ「夫婦とはそういうものなのだろうな……」

ピッコロ「悟飯とビーデルもやがてそうなっていくのか…」

ピッコロ「……」

ザー……

ピッコロ「さて、ベジータの所へ戻るか」

46: 2008/07/06(日) 18:49:51.57 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「……いない?」

ピッコロ「帰ったのか?」

ピッコロ「いや、初めに着ていた服が置いたままだ」

ザー…

ピッコロ「小便にでもいったか?」

ピッコロ「……」

ピッコロ「さっきの薬草を調合しておこう」

ザー…

ピッコロ「……」

ピッコロ「…遅いな」


ピッコロ「ふん、手間のかかるやつだ」

ピッコロ「……悟飯の時はこのようなことなどなかったぞ」

48: 2008/07/06(日) 19:05:57.32 ID:HeUAPAyTO
ザー…

ベジータ「くそったれ……めまいが酷くて歩けないなど情けない……」

ベジータ「大人しくピッコロが戻るのを待つべきだったな…はくしゅん!」

ベジータ「あ、頭が痛い……」

ザー…

ベジータ「……」

?「……あれは!ベジータさんじゃないか?」

?「なんで倒れて…」

?「ベジータさん!大丈夫ですか?」

ベジータ「う…ピッコロか…?すまん…」

?「ピッコロさん…?」

?「なんでベジータさんがピッコロさんに…?」

51: 2008/07/06(日) 19:14:04.95 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「おーい、どこにいるー?」

ピッコロ「あ、あそこか?」

ピッコロ「誰かもう一人いる…悟飯?」

悟飯「ピッコロさーん!ここにベジータさんが倒れてますよー!」

ピッコロ「やっぱり悟飯か、そいつを探していたんだ」

悟飯「……ピッコロさんがベジータさんを?」

ピッコロ「どうした悟飯、難しい顔をして」

悟飯「あ、いや…べ、別になんでもないですよ!!」

ピッコロ「そうか」

グイッ

悟飯「あ、ピッコロさん!ベジータさんを運ぶなら僕が!」

ピッコロ「いや、このくらい大丈夫だ」

悟飯「そ、そうですか…」

悟飯「……」

ザー…

52: 2008/07/06(日) 19:24:21.06 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「馬鹿め、余計に悪化してるぞ」

悟飯「ベジータさん、風邪ですか」

ピッコロ「ああ、そうみたいだな……薬を飲ませようと思っていたんだが…」

悟飯「あー懐かしいなー!僕も風邪をひいた時に作ってもらってましたよね!!」

ピッコロ「ああ、よく覚えていたな」

悟飯「当たり前じゃないですかなんてったっ」ベジータ「うぅ…」

ピッコロ「ベジータ?気が付いたか?」

ベジータ「あ、ああ…ピッコロ…すまないな…」

ピッコロ「なんでそんな体で外に出たんだ」

ベジータ「すまん……」

悟飯「……」

56: 2008/07/06(日) 19:40:50.76 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「とにかく薬を作ったから飲め」

ベジータ「…薬?」

ピッコロ「ああ、起きられそうか?悟飯手をかしてやってくれ」

悟飯「は、はい!!!」

グイッ

ベジータ「うおっ!!?」

バタッ

ピッコロ「馬鹿者っ!!相手は病人だぞ、力を加減しろ!!」

悟飯「す、すみません…」

ピッコロ「大丈夫かベジータ?」

ベジータ「あ、ああ…」

悟飯「……」

57: 2008/07/06(日) 19:41:20.40 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「ほら、ベジータ薬を飲め」

ベジータ「わかった…うっゲホッ!!!」

ピッコロ「苦かったのか?」ニヤリ

ベジータ「この俺様が苦かったなど…!!!」

ピッコロ「ククッ」

ベジータ「……!!!!」
悟飯「……」

59: 2008/07/06(日) 19:46:09.82 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「悟飯は苦くてむせたことなんかなかったよな?」

ピッコロ「……悟飯?」

ベジータ「帰ったようだな」

ピッコロ「そうか……せっかく来てくれたのに悪いことをしたな……」

60: 2008/07/06(日) 19:47:40.76 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「悪いな、俺のせいで……」

ピッコロ「そう思うなら早く家に帰れ」

ベジータ「……」

ピッコロ「寝たふりをして誤魔化すな、ガキでもあるまい」

ベジータ「ふん、よくわかったな」

ピッコロ「ふざけるくらいなら良くなってきたようだな、今日はもう寝るぞ」

ベジータ「泊まっていいのか?」

ピッコロ「俺はこの雨の中に病人を追い出すようなやつに見えるか」

ベジータ「すまないな」

ベジータ「……だが、添い寝はいらん」

ピッコロ「あ、ああ…そうだな…」

62: 2008/07/06(日) 19:57:01.37 ID:HeUAPAyTO
ザー…

悟飯「ピッコロさん……僕以外の人にもあんなに優しいんだな……」

悟飯「しかもベジータさん……」

悟飯「そういやなんであの二人が一緒にいたんだろう……」

悟飯「まさか…!!僕がいない時にはよく二人で会っていたとか……!??」

67: 2008/07/06(日) 20:16:23.52 ID:HeUAPAyTO
悟飯「だったらなんだっていうんだよ、別にいいじゃないか…」

悟飯「僕にはビーデルさんが…ビーデルさん…」

悟飯「ピッコロさん……」

ザー…

悟飯「……」

悟飯「あれ?まいったな…またピッコロさんのおうちの方に来ちゃったよ……」

70: 2008/07/06(日) 20:18:34.32 ID:HeUAPAyTO
悟飯「ちょっとだけ様子を見ていこうかな……」

悟飯「あ、もう二人とも寝てるんだ……」

悟飯「ベジータさん、ピッコロさんと同じ胴着を着てる…」

悟飯「マントを布団代わりに…」

悟飯「昔だったら…僕が…」

75: 2008/07/06(日) 20:28:52.13 ID:HeUAPAyTO
悟飯「目を覚まさないで下さいよ……」

コソコソ

悟飯「ふふ、これでピッコロさんはまた僕に優しくしてくれますね……」

悟飯「僕にだけ……」

81: 2008/07/06(日) 20:44:09.81 ID:HeUAPAyTO
チュンチュン…

ピッコロ「ふあぁ…朝か……」

ピッコロ「雨は上がったようだな……」

ピッコロ「!!?」

82: 2008/07/06(日) 20:48:33.09 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「またベジータがいないな……」

ピッコロ「今度こそ帰ったようだな、服もなくなっている」

ピッコロ「一言礼くらい言ってから帰ってもよいだろうに…」

ピッコロ「……この方があいつらしいか、ククッ」

ピッコロ「さて、朝の瞑想でもするかな……」

84: 2008/07/06(日) 20:59:14.58 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「うぅ……」

悟飯「ベジータさん、起きましたか?」

ベジータ「悟飯!!?何故貴様が…?ここはどこだ!!?」

悟飯「ここは僕の勉強部屋ですよ、おうちからは少し離れた所にあります」

悟飯「僕がベジータさんをピッコロさんの所から連れ出したんですよ、寝ているうちにね」

ベジータ「な、何故そんな…そしてなんだこの鎖は、手足が動かせないではないか」

86: 2008/07/06(日) 21:04:21.32 ID:HeUAPAyTO
悟飯「質問ばっかりですね、ベジータさん」

ベジータ「なんだその君の悪い笑顔は……」

悟飯「今自分がどんな立場にあるのか分かっていないようですね」

ドゴッ

ベジータ「うぅっ!!!?」

悟飯「ふふ、倒れたくても手足を止められているから無理ですよ、それにまだまだこれからですから」

ベジータ「ご、悟飯?」

88: 2008/07/06(日) 21:12:24.47 ID:HeUAPAyTO
悟飯「あ、助けを期待するなら無駄ですよ」

ベジータ「どういう事だ…?」

悟飯「この部屋は気を遮断する特殊な造りになっているんです」

悟飯「お父さんたちに勉強を邪魔されないようにブルマさんに作って貰ったんです」

悟飯「それに場所を知っているのもブルマさんだけ、そしてベジータさんはブルマさんと喧嘩中…」

91: 2008/07/06(日) 21:18:17.94 ID:HeUAPAyTO
悟飯「昨日の夜まではベジータさんのこと探してたみたいですよ」

ベジータ「昨日の夜、まで?」

悟飯「ええ、そのうち戻ってくるだろうって諦めたみたいです、ふふ、ブルマさんらしいじゃないですか」

ベジータ「ぐぅ……」

ガチャガチャ

悟飯「鎖を外そうとしても無駄ですよ、この部屋がお父さんに見つかったときに使おうと思っていた物ですから」

悟飯「風邪で弱っているベジータさんでは確実に外せませんよ」

ベジータ「く、くそったれ……」

92: 2008/07/06(日) 21:24:08.43 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「悟飯、こんなことをして…いったいどうしたいんだ?」

悟飯「……そうですね、どうするつもりもないです」

ベジータ「それならこんなこ」

バゴッ!

ベジータ「ぐはっ!!」

悟飯「何を偉そうな口をきいているんですか」

93: 2008/07/06(日) 21:30:07.21 ID:HeUAPAyTO
悟飯「僕はね、これが気にくわなかったんですよ」

ベジータ「それは…昨日俺が着ていた胴着…そういえばいつの間にか着替えているな」

悟飯「僕が着替えさせたんですよ、ピッコロさんと同じ胴着を誰かが着ているなんて耐えられなくて」

ベジータ「悟飯…まさか貴様…」

94: 2008/07/06(日) 21:33:23.78 ID:HeUAPAyTO
悟飯「ええそうです、僕はピッコロさんが好きなんですよ、ビーデルさんというガールフレンドがいるにもかかわらず」

悟飯「だからピッコロさんが僕以外の誰かに優しくしているのが耐えられなかったんです」

ベジータ「そ、それはすまないことをしたな……」

95: 2008/07/06(日) 21:38:10.88 ID:HeUAPAyTO
悟飯「別に謝らなくていいんですよ、ベジータさんのおかげで自分の本当の気持ちに気がつくことができたんですから…それに」

ドゴッ

ベジータ「グハッ!!?」

悟飯「ベジータさんにはここで氏んでもらいますよ、そうしなきゃいくら謝られたって気がすみませんから」

ベジータ「な、なんだって…ハァハァ…」

98: 2008/07/06(日) 21:45:06.85 ID:HeUAPAyTO
悟飯「どうせドラゴンボールで生き返るなんて甘く考えているんでしょう」

ボカッ!

ベジータ「うっ…!!!」

悟飯「残念ながらドラゴンボールの1つはこの部屋にあるんですよ、しかもこの部屋の中のドラゴンボールはレーダーに感知されません」

ベジータ「ハァ…ハァ…」
バキッ!

ベジータ「ギャアッ!!?」

悟飯「つまりドラゴンボールは集まらない」

101: 2008/07/06(日) 21:51:56.99 ID:HeUAPAyTO
悟飯「まあ、時間はたっぷりありますからゆっくりといたぶってあげますよ、ふふふ」

悟飯「今日は学校がありますから、この辺にしておきますか」

悟飯「それでは」

バタンッ

ベジータ「なんで…こんなことに…」

ベジータ「はあ、腹減ったな…」

ベジータ「ブ、ブルマ……」

103: 2008/07/06(日) 22:05:24.83 ID:HeUAPAyTO
三日後

悟飯「さて、そろそろ帰らないと」

ビーデル「今日も真っ直ぐ帰っちゃうの?悟飯くん…」

悟飯「はは、今ちょっと忙しくてさ」

ビーデル「毎日何をしてるのよー」

悟飯「ビーデルさんには関係ないことだよ」

ビーデル「な、何よそれ!!?」

悟飯「まあまあ、気にしない気にしない、あはは」

悟飯「じゃ、また明日!」

ビーデル「あー今日もデート出来なかったなー…」

104: 2008/07/06(日) 22:11:12.10 ID:HeUAPAyTO
悟飯「ベジータさーん、ただいまー!」

ベジータ「……」

悟飯「おかえりぐらい言ってくれてもいいのに」

メキメキメキ…

ベジータ「う、ぅ…」

バキッ

ベジータ「ギャアッ!」

悟飯「なーんだ、まだちゃんと声が出せるじゃないですか」

107: 2008/07/06(日) 22:18:20.30 ID:HeUAPAyTO
ベジータ「か、肩の骨が…」

悟飯「うわー痛そうですねー」

悟飯「そろそろ楽にしてあげますよ」

悟飯「最期くらいどうやって欲しいか選ばせてあげます」

悟飯「ベジータさん、どうされたいですか?」

ベジータ「……」

悟飯「なにか言ってくださいよ、ねえ」

パシッ!パシッ!

ベジータ「くっ…ぐはっ…」

ギリギリギリ…

悟飯「ベジータさん、早く言わないと氏んじゃいますよ」

110: 2008/07/06(日) 22:22:26.55 ID:HeUAPAyTO
ギリギリギリ…

バキッ

ベジータ「……カハッ!」

ガクッ

悟飯「あ、首の骨が……」

悟飯「氏んじゃったようだな」

悟飯「あーようやくすっきりした!」

悟飯「久しぶりにピッコロさんの所に行ってみようかな」

悟飯「こないだはゆっくりお話出来なかったし……」

コンコンッ

悟飯「…?誰だ…?ブルマさん?」

116: 2008/07/06(日) 22:26:41.80 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「悟飯?いるんだろう、今すぐここをあけろ!!!」

悟飯「ピ、ピッコロさん!!!?なんで…」

カチャ

ピッコロ「悟飯入るぞ……!!!??」

悟飯「どうぞ、なに驚いた顔をして…」

ピッコロ「ベジータ…遅かったか…」

120: 2008/07/06(日) 22:31:08.47 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「デンデから聞いたんだが、まさか本当に悟飯が……」

悟飯「そうかー神様には全部おみとおしでしたか」

ピッコロ「悟飯、どうしてお前…」

悟飯「それは……」

ギュッ

ピッコロ「ご、悟飯…!!?」

悟飯「ピッコロさんのせいですよ…うっ…」

ピッコロ「……泣いている、のか?」

122: 2008/07/06(日) 22:35:34.01 ID:HeUAPAyTO
悟飯「ピッコロさんが、僕以外の人に優しくするから…グスッ」

ピッコロ「悟飯……泣くな、俺が悪かったんだな…」

悟飯「う…ひっく…」

ピッコロ「だからといってベジータを頃すのは間違っている、わかるな」

悟飯「は、はい…」

ピッコロ「さあ、この部屋にある四星球を出すんだ」

悟飯「な、なんで…」

124: 2008/07/06(日) 22:39:05.48 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「決まっているだろう、ベジータを生き返らせるんだ、他の六つはすでに集めてきた」

ピッコロ「さあ、早く持ってくるんだ」

悟飯「は、はい…」

ピッコロ「いい子だ、さて、外に出るぞ!!」

ピッコロ「よし、いでよ神龍!!!」

128: 2008/07/06(日) 22:42:15.43 ID:HeUAPAyTO
神龍「願い事はなんだ」

ピッコロ「ベジータを生き返らせ、ブルマのところへ返してやってくれ」

神龍「お安い御用だ…」

神龍「これで二つの願いを叶えた…あと一つはなんだ?」

ピッコロ「あと一つは…」

悟飯「あと一つは…?」

132: 2008/07/06(日) 22:47:57.20 ID:HeUAPAyTO
ピッコロ「悟飯の記憶から俺を消してくれ」

悟飯「…!!!??ピッコロさん!!!?」

神龍「お安い御用だが、本当によいのか?」

悟飯「酷い、駄目ですよ、そんなぁ…!!!!」

ピッコロ「ああ、構わない…悟飯、じゃあな」

悟飯「うわぁあああああ!!!!」

神龍「…願いは叶えた、さらばだ」

139: 2008/07/06(日) 22:51:59.82 ID:HeUAPAyTO
ザー……

ピッコロ「今日も雨、か…」

ピッコロ「…悟飯?」

ピッコロ「まさか、な」

ベジータ「すまんな、俺で」

ピッコロ「ふん、体はよくなったのか」

ベジータ「おかげさまでな…」

ピッコロ「そうか、良かったな…」

ザー……

ベジータ「ピッコロ…」

ピッコロ「…なんだ…」

ベジータ「……泣いていたのか?」

ピッコロ「……」

ピッコロ「ふん……悪いか?」

143: 2008/07/06(日) 23:00:09.42 ID:HeUAPAyTO BE:567270836-2BP(2369)
ザー……

ビーデル「悟飯くーん!どうしたの?空ばっかりみちゃって」

悟飯「あ、ビーデルさん…」

ビーデル「最近本当に変よ、なんだか心ここにあらずって感じ」

悟飯「僕もよくわからないんだ、なんだか胸に穴が空いてしまったような…」

悟飯「雨を見上げているとなにか思い出せそうな気がして…」

ビーデル「風邪ひいちゃうわよ」

悟飯「いいんです、もう少しで思い出せそうな気がするんで…」

ビーデル「そう、じゃあ私も付き合うわ」

悟飯「あ、ありがとうございます…」

ビーデル「思い出せるといいわね」

悟飯「はい…」

ザー……

おわる

145: 2008/07/06(日) 23:02:45.33 ID:hKF/6zdxO
完結?
乙!楽しませてもらいました

146: 2008/07/06(日) 23:03:06.28 ID:Rv7T5GK/O
あれ?スレタイベジータなのだが…






名作だった!>>1乙

148: 2008/07/06(日) 23:06:15.07 ID:HeUAPAyTO BE:252120724-2BP(2369)
本当はもっとベジータベジータしたかったのですが、眠かったので減りました。
お付き合い下さった方ありがとうございました。
またいつか。おやすみなさいです。

153: 2008/07/06(日) 23:12:55.64 ID:Y2Bp6r9MO
お疲れ

引用: ベジータ「チッ、雨が降ってきやがったぜ」