朝倉「さてさて、もはやお馴染みのゲストの紹介をするわね」

朝倉「長門さんに喜緑さんでーす！」

喜緑「こんばんは。喜緑江美里です。えぇ、喜緑『江』美里ですよ。間違いありません」

朝倉「喜緑さんは永い間、自分の名前を間違えていたので、ここで一気に軌道修正をしたいみたいね。え？なんの事かわからない？わからない人はいいの」

長門「……」

朝倉「あらあら、長門さんは相変わらずね。さあ長門さん、名前だけでもいいから、自己紹介して」

長門「……朝倉さん。わたしこういうの始めてだから、どうしたらいいかわからない」

朝倉「え……あれ？」

長門「……朝倉さん？」

朝倉「………」

朝倉「………！」

朝倉「間違えて、違うほうの長門さん持って来ちゃった！」

喜緑「違うほうと、いうと、長門さんが改変した世界の？」

朝倉「えぇ、とんだ手違いだわ。というか長門さん、もしかして面倒になって、身代わりを送ってきたんじゃないでしょうね」

長門「？」

朝倉「うぅ、駄目よ長門さん。そんな無垢な瞳であたしを見ないで、そんな目で見られた。あたし、あたし……長門さんの事を抱きしめたくなっちゃうでしょー！」

長門「……ちょっと朝倉さん」

喜緑「どうやら、長門さんを守るという、人格設定がもう一人の長門さんから流れ出しているようですね」

朝倉「長門さん、長門さん。あなたはあたしが守る。守るからっー！」

喜緑「しかたありません」

朝倉「………はっ！？あたしはいったいなにを」

喜緑「長門さん（眼鏡）にあてられて、思考を乱されていましたので。私が乱れの調律とプロテクト処理を施しておきました」

朝倉「そ、そうだったの。あ、ありがとう。くっ、恐るべき長門さん（眼鏡）ね」

長門（眼鏡）「？」

朝倉「さ、さて気を取り直して。ラジオのパーソナリティを始めなきゃね。この長門さん（眼鏡）も基本は無口だし、支障はないわ」

長門（眼鏡）「………」

喜緑「そうですね。ではお便りを読みます。『眉毛いつになったら俺と結婚してくれんの？早く子供作ろうよ』」

喜緑「………子供」

喜緑「………」

喜緑「／／／」

朝倉「ちょっと！喜緑さんになんてものを読ませるのよ！」

朝倉「あと、あたしの事を眉毛って言うな！」









長門（眼鏡）「／／／」

朝倉「まったく。嫁、嫁って。なんか軽い言葉ね。あたしだけに使っているならまだしも、どうせ他の人にも言ってるんでしょう？」

喜緑「おそらく、そうでしょうね」

長門（眼鏡）「結婚するなら、わたしだけを見てくれる。一途な人がいい」

朝倉「そうそう。長門さん（眼鏡）の言うとおり」

朝倉「さてと、お便りが届かないという、これもまたお馴染みの事態に陥ってしまった訳だけど」

長門（眼鏡）「……」

喜緑「この感じ、落ち着きますね」

朝倉「まったくもってね」

長門（眼鏡）「それでいいの？」










長門（眼鏡）「……結婚はお断りします。ごめんなさい」

朝倉（眼鏡）「朝倉涼子ですぅ」










長門（眼鏡）「？」

喜緑「朝倉さんになにをさせたいのか、わかりませんね」

朝倉（カラーコンタクト）「まったくですぅ。さすが、ちびにんげんと同じ種類の人間どもですぅ。暑さのせいで頭が湧いていやがるんですぅ」

喜緑「あ、朝倉さん？」

朝倉「……」

喜緑「朝倉さん？」

朝倉「なんか、ちょっと恥ずかしかったわ」

喜緑「パーソナリティとしてリスナーの要望を立派に叶えていたと思いますよ」

朝倉「そ、そう？ならいいんだけど」

長門（眼鏡）「……」






長門（眼鏡）「……ですぅ」ボソッ

朝倉「！！」

朝倉「眉毛、眉毛って。リスナーはわたしの眉毛しか見えてないかのようね」


喜緑「目立ちます、しね」

朝倉「き、喜緑さん、点のつける箇所。おかしくない？」

喜緑「……？なんの事ですか？」



長門（眼鏡）「そういえば、朝倉さんって眉毛太い」

喜緑「眉毛だけ動いたら、ゲジゲジ虫にそっくりですね」

長門（眼鏡）「わたし、虫は駄目」


朝倉「ゲジゲジって…」






朝倉「えっと……本気で傷つくんだけど」

朝倉「夢の中なら、とめようもないし、しかたないけど」

喜緑「朝倉さん、随分と寛大ですね。気持ち悪いの一言ぐらいはでるかと思いましたけど」

長門（眼鏡）「……」





朝倉「いちいち、報告してくるところは、気持ち悪いわね」

朝倉「ストレートにかわいいって言われと。素直に嬉しいな。ありがとうね。あなたには、朝倉涼子御用達の特製マグカップをプレゼントするわね！」

喜緑「もふもふですか。そうですね。機会があれば構いませんよ。私の髪でよければ使ってください」


長門（眼鏡）「………」

長門（眼鏡）「いちゃいちゃ……」

朝倉「夢よ、夢。だめよ、認めないわ。長門さんと彼じゃ、釣り合ってないもの。それに彼は変な女の子が好きなんでしょう？」




喜緑「プロテクトが弱まってきてますね」

朝倉「３時までやるかはわからないわね。決まりに縛られないのが、朝倉涼子のオールナイトニッポンスタイルなのよ」

喜緑「私達も普段は皆さんと同じように食事をとっていますよ。その食事から栄養を採取して、エネルギーにするのはなんらかわりありません」

長門（眼鏡）「喜緑さん。なんの話し？」




朝倉「なんで、あたしが彼の妹さんの真似しなきゃいけないのよ」

朝倉「ふふふ。ここにきて朝倉派が大多数をしめてきたわね」

喜緑「本編に出番があまりないと言うのに、この人気の秘密はいったい何なんでしょうか」

長門（眼鏡）「羨ましい」

朝倉「長門さん宛てにメールが。何？この内容。あたしの長門さんになんて事聞いてんの？刺すわよ？」

長門（眼鏡）「あ、朝倉さん」

喜緑「そろそろ、朝倉さんと長門さん（眼鏡）を一緒の時空間に存在させておくのは限界かもしれませんね」

朝倉「ふーん。そうなんだ？とんだ変態ね。けど、長門さんにおかしな事するんなら、容赦しないわよ？」

朝倉「次、長門さんに何かした人は問答無用でいくからね」

長門（眼鏡）「あ、朝倉さん…」





朝倉「大丈夫よ。長門さん、あなたはあたしが守るから。長門さんはなにも心配しなくていいの」

朝倉「……」
カチャ

長門（眼鏡）「朝倉さん……そのナイフは…？」

朝倉「安心して、長門さん。あなたを脅かす輩はあたしが一人ずつ消してきてあげる」

朝倉「さて、再三忠告したのに聞かないあなた達には、しかたないわよね？そうして欲しいんでしょうし。今から一人ずつまわって氏、へみゅ！？」
バタッ

喜緑「ふぅ、」

長門（眼鏡）「あ、朝倉さん！喜緑さんなにを」

喜緑「完全に長門さんの改変プログラムにあてられてしまいましたね。おそらく長門さん（眼鏡）から無意識に伝達されたのでしょう」

喜緑「そろそろ長門さん（眼鏡）には自分の時空間に帰ってもらうとしましょう」

長門（眼鏡）「あ、あの喜緑さん。わたしが帰るってどうゆう……」

喜緑「長門さん（眼鏡）、朝倉さんも寝てしまいましたし。朝倉涼子のオールナイトニッポン５はそろそろ終了です」

長門（眼鏡）「そう……なんですか？」

喜緑「はい、ですので長門さん（眼鏡）、私が家まで送りましょう」

長門（眼鏡）「え」

喜緑「大丈夫です。こんな夜中ですから、長門さん（眼鏡）を一人帰らせる訳にはいきません。ささっ帰りましょう」

長門（眼鏡）「けど、朝倉さんが」

喜緑「朝倉さんもしばらくしたら目を覚ましますから。大丈夫です。さあ、いきますよ。先に外に行っててください」

長門（眼鏡）「あ……はい。わかりました」
ガチャ、バタン。

朝倉「Ｚｚ…Ｚｚ…」

喜緑「長門さん（眼鏡）が帰れば、朝倉さんも目が覚めた時には正気に戻っているでしょう」

喜緑「さて、私は長門さん（眼鏡）を元の時空間に送り届けて、記憶の改変をしなくてはなりません」



喜緑「それではリスナーの皆さん。またどこかでお会いましょうね」

朝倉「Ｚｚ…Ｚｚ…」




ガチャ、バタンッ

涼子ー

やっと見つけたと思ったら終わりかい！

朝倉さんもどってきてーーーーー！！！

朝倉「Ｚｚ…駄目よ長門さん…Ｚｚ…」

朝倉「そんな…ところに……Ｚｚ…」

朝倉「Ｚｚ…そんなものを……かけないでぇ…」

朝倉「いやぁ…Ｚｚ…
」

朝倉「違うのぉ、これは違うのよ…Ｚｚ…」












朝倉「これはゲジゲジ虫じゃないの、殺虫剤かけないでぇ……Ｚｚ…
」

朝倉「ん……」

朝倉「あれ？ここは……あぁ夢……だったのね」



朝倉「夢でよかったわ。現実ならさすがに、立ち直れそうになかったもの」

朝倉「うぅ、それにしても、昨日はどうしたんだっけ？あたしいつのまに寝ちゃったんだろう。思いだせないわ」

朝倉「喜緑さんも、長門さん（眼鏡）もいない」

朝倉「おいてきぼり……」

朝倉「一人じゃ、なにも出来ないしあたしも帰ろうかな」