187:◆5elc53sAMI   2013/02/25(月) 12:17:41.10 ID:pIOI7nV0o
  
  「狼と酒場の娘」 

*結婚し日本へやって来たホロとロレンスの山なく落ちのないほのぼのなお話です。
*原作ベースよりなおさらあまあまと言いますか、
ホロがとてもちょろい子になっています。不快な人もいるかもなのでご注意ください。
便宜上「ホロ」→「ほろ」と表記してます

188: 2013/02/25(月) 12:19:29.23 ID:x0uD9DHDO

ほろ「むぅ…」

ヘレーナ「あれ? どうしたの、ホロちゃん」

ほろ「む」

ほろ「おお、ヘレーナかや! こんにちはじゃ」

ヘレーナ「はいはい。こんにちはー」

ヘレーナ「今日は一人? ひょっとして、おつかい?」

ほろ「いや?」フリフリ

ほろ「ぬしさまといっしょじゃ」

ヘレーナ「…ロレンスさん、いないみたいだけれど」

ほろ「なにっ」バッ
狼と香辛料 (電撃文庫)
189: 2013/02/25(月) 12:20:53.11 ID:pIOI7nV0o

ほろ「…む」

ほろ「どうやら、ぬしさまはまいごみたいじゃな」

ほろ「まったく、こまったお人でありんす」

ヘレーナ「あはは、ホントにね」

ほろ「まあよい。のう、ヘレーナよ」

ヘレーナ「なに、ホロちゃん」

ほろ「ヘレーナは、どっちがいいと思うかの」パッ

190: 2013/02/25(月) 12:22:48.13 ID:x0uD9DHDO

ヘレーナ「…キャベツ太郎と、…まけんグミ」

ほろ「うむ。ぬしさまは、一つしか買ってくれないからの」

ほろ「なやましいところじゃ、どっちにするか…」ウーン

ヘレーナ「それで悩んでいたのかー」

ヘレーナ「(可愛いわ)」

ヘレーナ「(…下手に男の人をからかうよりも、この子と遊んでいたいわねぇ)」クスクス

ほろ「…?」ゾク

ほろ「な、なんだかさむけがするの…」

191: 2013/02/25(月) 12:23:54.49 ID:pIOI7nV0o

ヘレーナ「よかったら、私が一つ買ってあげましょう」

ほろ「!? ほんとうかやっ」

ヘレーナ「ええ」

ヘレーナ「(癒してもらった分、お菓子くらい安いわ)」


  \ ホロー! /


ほろ「んむ?」

ロレンス「…はぁ、はぁ」

ほろ「おお、ぬしさまじゃ」

ヘレーナ「あら、ロレンスさん。ダメじゃないですか、ホロちゃんを一人にしちゃ」

ロレンス「…ヘレーナさん、これは格好悪いところを」ハハ

192: 2013/02/25(月) 12:26:12.92 ID:x0uD9DHDO

ロレンス「…ホロ、頼むから勝手に走って行くのはやめてくれ」

ほろ「しかたなかろう! おみせを出るまぎわに、ぬしさまがおかしを買っても
よいと言うのじゃから」

ほろ「まったく、いつも初めからみとめておけばよいものを…」

ロレンス「…お前が、いつもそこでぐずるからだろうが…」

ヘレーナ「(ロレンスさん、相変わらずホロちゃんに甘いわね…)」


193: 2013/02/25(月) 12:27:24.50 ID:pIOI7nV0o

ヘレーナ「それじゃあ、行きましょうか」

ロレンス「ん? それは」

ヘレーナ「ええ。一つだけ、私がホロちゃんに買ってあげます。いいでしょう?」

ロレンス「それは、…ヘレーナさん、ありがたいですが」

ロレンス「あまりホロを甘やかさないで下さい」ハア

ヘレーナ「あら、あなたには言われたくないわね」

ロレンス「…ぐ。からかわないで下さい」

ヘレーナ「ふふ。だったら、たまにはうちにも来て下さいね?」

ヘレーナ「ホロちゃんとなら追い返したりしないし。ね?」

ロレンス「…分かりました。まったく、ヘレーナさんには上手くあしらわれてばかりだ」

ヘレーナ「あら」

194: 2013/02/25(月) 12:28:41.68 ID:x0uD9DHDO

ヘレーナ「私、まだロレンスさんのこと」

ヘレーナ「あしらおうなんて思ったこと、ありませんけど」

スッ

ヘレーナ「酷い言い方じゃないですかぁ?」

ロレンス「…顔が近いです」

ほろ「ぬしさまの言うとおりじゃ!」

ギュ

ほろ「これ、ヘレーナ! ぬしさまはわっちのものじゃからな!」

ほろ「かってに手を出すと、わっち、おこるからの!」

ヘレーナ「あらあら。ごめんなさい」

195: 2013/02/25(月) 12:29:53.26 ID:pIOI7nV0o

グイッ

ほど「おぅ」

ロレンス「俺はお前のものでもないっての」

ロレンス「先に行ってるぞ。ヘレーナさん、ありがとうございます」

ヘレーナ「いえいえ」

ほろ「ああっ、ぬ、ぬしさま、待ってくりゃれー」トテトテ

197: 2013/02/25(月) 23:56:41.52 ID:x0uD9DHDO


その2


*獣と魚の尻尾亭


ガラッ

ヘレーナ「いらっしゃいませー」

ヘレーナ「あ、ロレンスさんじゃないですかー」

ロレンス「どうも」

ほろ「わっちもおるぞー」

ヘレーナ「はいはい。こんばんはー、ホロちゃん」

ほろ「うむ」

198: 2013/02/25(月) 23:57:35.88 ID:adHJe9tqo

ロレンス「えっと、座敷でも大丈夫ですかね」

ヘレーナ「ええ、いいですよ」

ヘレーナ「ちゃんと平日の夜を狙って来る辺り、相変わらず気を利かせるお人ですね」

ロレンス「…からかわないで下さい」

ヘレーナ「ですから、そんなつもりじゃないですってばー」

199: 2013/02/25(月) 23:58:59.23 ID:x0uD9DHDO

ポイポイッ

ほろ「ほっ。おお、なにやら穴があるの」

ロレンス「こら、きちんと靴を揃えなさい」

ほろ「…」

ロレンス「…何で掘り炬燵に潜って行くんだ」

ほろ「穴があったら」

ロレンス「今は多分そのときではないな」

200: 2013/02/26(火) 00:02:58.11 ID:PxE+YDG+o

ヘレーナ「何にします?」

ロレンス「とりあえず、ビールと」

ロレンス「ホロはオレンジジュースでいいか?」

ほろ「かまわぬー」

ロレンス「いつも思うんだが、お前のその尊大な口調はどこで覚えたものなんだろうな?」

ほろ「…ぬ? そんだい?」

ロレンス「いや、ひとり言だがな」

ロレンス「とりあえずそれで。料理は飲み物を頂いたときにお願いすることにします」

ヘレーナ「はーい。では少しお待ち下さいね」

201: 2013/02/26(火) 00:08:31.14 ID:ZJODi/UDO

ヘレーナ「お待たせしましたー」

ヘレーナ「ロレンスさんには、一緒に、お通し」

ロレンス「どうも」

ほろ「わっちにはないのかや?」

ヘレーナ「あら、出した方がよかったかしら」

ロレンス「ああ、ホロ。俺の分食べていいぞ」

ほろ「おお、すまんなぬしさまよ」パクーオレンジジュースグビー

ほろ「ぷは、いきかえるのー」

ロレンス「それは一日働いた奴にしか許されないフレーズだ」

202: 2013/02/26(火) 00:12:03.88 ID:PxE+YDG+o

ロレンス「お前、遊んでしかいないだろ」

ほろ「そんなことないわい!」

ほろ「わっちには、わっちにしかできぬだいじなやくめがありそれをなしておる!」

ロレンス「ほう? 何だそれ」グビ

ほろ「ぬしさまをいやすというたいやくじゃな!」ドヤァッ

ロレンス「…」


no title

204: 2013/02/26(火) 00:15:10.61 ID:ZJODi/UDO

ヘレーナ「ロレンスさん、あんまりいじめちゃダメですよ」ヨシヨシ

ほろ「うぬぅ、ヘレーナー」

ロレンス「はいはい」

ロレンス「ほら、早く注文してしまうぞ」

ロレンス「食べたいもの決まったか?」

ほろ「てんぷらが食べたい!」

ロレンス「じゃあ、盛り合わせで」

ロレンス「あと、魚の尻尾料理もお願いします」

ヘレーナ「はーい」


205: 2013/02/26(火) 00:16:08.91 ID:PxE+YDG+o

ほろ「おいしいの」

ロレンス「そいつはよかった」

ロレンス「…ヘレーナさんも食べます?」

ヘレーナ「まあ、いいんですか?」

ロレンス「…いいんですかもなにも」

ロレンス「そんなとこで一緒に飲まれたら、誘えと言っているようなものじゃないですか」

ヘレーナ「だって、まだ暇な時間なんですもの。それに今日は平日だし」グビ

ヘレーナ「じゃあお言葉に甘えて♪」パク

ロレンス「まったく」パク

206: 2013/02/26(火) 00:18:22.86 ID:ZJODi/UDO

ほろ「さかなのしっぽもおいしいの!」パクパク

ロレンス「…まさか本当にあいつの尻尾ではありませんよね?」

ヘレーナ「いやだな、そんなものここじゃ出せませんよー」

ロレンス「…意味深な言い方だなー」

ヘレーナ「うふふ」

ほろ「?」パクパク


207: 2013/02/26(火) 00:19:12.72 ID:PxE+YDG+o

グシグシ

ほろ「…むぅ」

ロレンス「何だ、お前眠いのか」

ほろ「…しょんなこと、ありんせん…」ムニャ

ロレンス「まあ、たくさん食べたしな」

ヘレーナ「ええ。こんな小さな子でも、こんなに食べられるんですね。びっくりしちゃった」

ほろ「…くふふ、そんなにほめるでない」

ロレンス「褒めてない」

208: 2013/02/26(火) 00:21:27.52 ID:ZJODi/UDO

ロレンス「よっと」

ロレンス「では、ごちそうさまでした。というか何だか、いろいろとご迷惑をか
けまして」

ヘレーナ「あら、そんなことないですよ」

ヘレーナ「またきっと来てください。というか」

ヘレーナ「誘わないと来て下さらないなんて、私いやですから」

ロレンス「…はい。次は必ずこちらから」

ヘレーナ「うふ。待ってます」

ロレンス「では、また」ペコ

209: 2013/02/26(火) 00:22:21.79 ID:PxE+YDG+o

ガラガラ
ピシャ


ヘレーナ「ありがとうございましたー」

ヘレーナ「…うーん、やっぱりいい人なんだけどなー」

ヘレーナ「ホロちゃんがいるうちは、手を出すのは申し訳ないわね。残念だけど」

ヘレーナ「…さ、お片付けしなきゃー♪」

パタパタパタ…

210: 2013/02/26(火) 00:24:52.91 ID:ZJODi/UDO

ほろ「むぅ…」

ロレンス「ほら、ちゃんと掴まってないと危ないぞ」

ほろ「くふ、ぬしさまのせなかじゃ…」スリスリ

ほろ「あたたかいの…」ムニャ

ロレンス「…もしかして、こいつが偉そうな態度なのは俺が甘やかすからか?」

211: 2013/02/26(火) 00:26:22.10 ID:PxE+YDG+o

ロレンス「…」

ほろ「…くふふ…♪」

ロレンス「まあ、いいか」

ロレンス「(こいつは、俺が目一杯甘やかしてやらないとな)」

ほろ「くふ、ぬしさまー…だいすきじゃー…♪」ムニャ

ロレンス「はいはい」
no title

                                     「狼と酒場の娘」   完


212: 2013/02/26(火) 00:29:35.69 ID:ZJODi/UDO


このお話は以上です。
途中、他スレに誤爆しました…すいませんでした…。
許して下さった方、ありがとうございます。
以後気を付けます…。

215: 2013/02/26(火) 11:09:42.59 ID:6Y1MIDrSO
乙乙

引用: ホロ「忙しいの」