627:◆5elc53sAMI 2013/03/09(土) 23:18:16.81 ID:AGJ2O6tDO
◇舞台4◇
*商店街の外れにある薬局
カラカラ…
ロレンス「こんにちは」
ディアナ「あら、ロレンスさん。お久し振りね」
ディアナ「私の差し上げたお薬は効いたかしら?」ニコ
ロレンス「…ええおかげさまで」
ロレンス「一度氏んだような思いです。逆に清々しいですね」
ディアナ「あら。それはよかった」
ディアナ「腕に寄りをかけて作った甲斐があったわ」
ロレンス「料理じゃあるまいし…」
628: 2013/03/09(土) 23:20:09.98 ID:7ipBlQ2To
ディアナ「それで? わざわざそのお礼を言いに来て下さったのかしら」
ロレンス「それももちろんですが、常備薬の買い足しです」
ディアナ「そうね。それは大事だわ」
ディアナ「ホロちゃんが来たときは、それはもう必氏な様子だったもの」クス
ロレンス「…ええ。いい教訓になりました、揃えるものはきちんと揃えておかないと」
ディアナ「そうね」ニコニコ
629: 2013/03/09(土) 23:22:04.77 ID:AGJ2O6tDO
ロレンス「…」
ディアナ「…ところで」
ディアナ「何か浮かない表情に見えるけれど、本当はまだ風邪が治っていないのではないかしら?」
ディアナ「よかったら、もっとよく効く薬を…」
ロレンス「い、いえ。体調はもうばっちりですので」
ディアナ「あらそう? 残念だわ」クスクス
ロレンス「…」ハハ…
630: 2013/03/09(土) 23:24:29.76 ID:7ipBlQ2To
ロレンス「実はご相談したいことが」
ロレンス「…こんなことを聞ける相手は、私にはディアナさんくらいのものですので」
ディアナ「あら。嬉しいことを言って下さるのね」
ディアナ「一体なにかしら?」
ロレンス「ええ。実は先日、」
ロレンス「お隣のノーラさんに、…ごくつまらないことで、少し悲しい思いをさせてしまって」
ディアナ「(あ、相談ってそんな感じの相談なのね)」
631: 2013/03/09(土) 23:26:29.37 ID:AGJ2O6tDO
ロレンス「それで、何か仲直りするのにきっかけというか」
ロレンス「…アドバイスを頂けたらなと思いまして」
ロレンス「あ、あの、もちろん、あくまでついででして。本来はただお礼に来ただけなのですが…」
ディアナ「いいえ。誰かに頼ってもらえることは、嬉しいことよ」ニコ
ディアナ「それにそう言うことなら、私に妙薬があるわ」
ロレンス「本当ですか!?」
ロレンス「…って、え? 妙薬?」
632: 2013/03/09(土) 23:29:08.83 ID:7ipBlQ2To
ゴソ
ディアナ「はい、これ」
ロレンス「…これは?」

ロレンス「…」
ロレンス「え何で? 盛って解決ってなんですかそれ」
ディアナ「?」
ディアナ「だって、私を」
ディアナ「この錬金術師の私を頼って来たのだから、ねえ?」
ロレンス「錬金術!? 製薬って錬金術なんですか!?」
ディアナ「おっと失言」コホン
633: 2013/03/09(土) 23:30:48.85 ID:AGJ2O6tDO
ロレンス「別にそう言うつもりでディアナさんを頼ったわけでは…」
ロレンス「それに、何も告白の相談に来たわけじゃないですから!」
ディアナ「…残念だわ」
ロレンス「(何がだ!)」
ディアナ「けれど誤解よ? 惚れ薬とは言うけれど、要するに一種の気つけだから」
ディアナ「ちょこっと飲ませて上げれば、会話が弾んだり、気分が昂揚したり」
ディアナ「そうね、なんなら自分が服用してもいいんじゃないかしら」
ロレンス「どんな変態ですかそれ」
ディアナ「あら?」
634: 2013/03/09(土) 23:32:55.05 ID:7ipBlQ2To
ディアナ「だめかしら?」
ロレンス「だめでしょう」
ロレンス「町の薬局でなにしれっと物騒なものを売っているんですか」ハア
ディアナ「うふふ」
ロレンス「そのタイミングで笑っても何もごまかせないですからね?」
ディアナ「あらあら」クスクス
ロレンス「(この人は、まったく…)」
635: 2013/03/09(土) 23:34:43.88 ID:AGJ2O6tDO
ロレンス「それはともかく」ゴホン
ロレンス「風邪薬、本当にありがとうございました。助かりました」
ロレンス「それに、ホロが一人で来たりしてご迷惑を」ペコ
ディアナ「お気になさらず」
ロレンス「(結局、相談にはならなかったが…)」
ディアナ「…」
ディアナ「ロレンスさん。最後に一つよろしいかしら」
636: 2013/03/09(土) 23:36:04.82 ID:7ipBlQ2To
ロレンス「はい?」
ディアナ「先ほど受けた相談のことだけれど」
ディアナ「きっと、なるようになるから。心配しなくてもいいんじゃないかしら」
ロレンス「…はあ」
ロレンス「…まあ、そうですね。その助言、ありがたく受け取っておきます」
ディアナ「ええ」
ロレンス「では、また」ペコ
ディアナ「…」ニコ
637: 2013/03/09(土) 23:37:58.26 ID:AGJ2O6tDO
・ ・ ・ ・ ・
ロレンス「ホロー」
ほろ「む」
タタッ
ロレンス「悪い。待たせたな」
ほろ「まったくじゃ! まったく、わっちをほうり出してまったく!」
ロレンス「ホロは語彙が貧弱だなぁ」
ほろ「な!? と、とうとつにしんらつすぎるじゃろ!」
ロレンス「お前こそ唐突に語彙が豊富になったな」
638: 2013/03/09(土) 23:43:07.06 ID:7ipBlQ2To
ほろ「むう!」プクー
ロレンス「…ふむ」
ロレンス「なあ、ホロ。以前から少し気になってはいたんだが」
ほろ「なんじゃ!」
ロレンス「お前さ、平仮名を使っていれば」
ロレンス「多少難しい言葉を口にしても口リキャラでいられると思っているんじゃないだろうな?」

639: 2013/03/09(土) 23:46:26.10 ID:AGJ2O6tDO
ほろ「ぬ、ぬしさまよ」
ほろ「いろいろとつっこみたいところはありんす」
ロレンス「ほお。言ってみろ」
ほろ「ま、まず。か、かいわでひらがなを使うとは、どういうことかや?」
ロレンス「何かこう、舌足らずな発音ってことだ」
ほろ「したたらず?」
ロレンス「うん。それそれ」
ほろ「(…わからぬ…)」
640: 2013/03/09(土) 23:47:30.99 ID:7ipBlQ2To
ロレンス「あーあ何だ。全然幼女っぽくないぞ、お前」
ロレンス「普通に賢狼キャラだな。差別化できていない。よくない、よくないよ」ウンウン
ほろ「…ぬ、ぬしさまよ…」
ほろ「わっちにはぬしさまが言っておることがよくわからぬ…」
ロレンス「いいか? もっとこう、口リホロらしい魅力ってのをだな…」
ノーラ「…あの、商店街のど真ん中で、一体何のお話を…?」
ロレンス「ひぃ」
641: 2013/03/09(土) 23:49:30.31 ID:AGJ2O6tDO
ほろ「おお、ノーラじゃ!」
ほろ「こんにちは」ニパッ
ノーラ「うん。こんにちはー」
ロレンス「(お、思わず叫んでしまった)」ドキドキ
ロレンス「ごほん」
ロレンス「ノーラさん。どうもこんにちは」キリ
ノーラ「はい。お久し振りです」ペコ
642: 2013/03/09(土) 23:50:57.36 ID:7ipBlQ2To
ノーラ「…」
ロレンス「(…ノーラさんの様子に妙なところはない…)」
ロレンス「(もしかして、もう先日のことは何とも思っていないんだろうか)」ドキドキ
ノーラ「あの、ロレンスさん」
ロレンス「は、はい。何でしょうか」
ノーラ「…その」
ノーラ「よかったら今日の夕食、ご一緒しませんか?」
ロレンス「え?」
643: 2013/03/09(土) 23:52:42.15 ID:AGJ2O6tDO
ロレンス「い、いいんですか?」
ノーラ「その、ロレンスさんと、ホロちゃんさえよろしければ…」
ほろ「おーたのしそうでいいのー」
ロレンス「も、もちろんです! ホロもこう言っていることですし」
ロレンス「では、今日はこのまま一緒に買い物へ行きましょうか」
ノーラ「あ、いえ。材料はもう」ガサ
ノーラ「家にある分と、その他はちょうど買ったところですから」
644: 2013/03/09(土) 23:54:46.74 ID:7ipBlQ2To
ノーラ「なので、うちに来てくだされば助かります」
ほろ「わーい! ちょっとだけお出かけじゃなー」
ノーラ「ふふ。お隣だけどね」
ロレンス「(ディアナさんの言う通りだった。なるようになりそうだ)」ホッ
ロレンス「すいません、ではお言葉に甘えまして…」
ロレンス「ちなみに夕食は何を?」
645: 2013/03/09(土) 23:55:59.36 ID:AGJ2O6tDO
ノーラ「…」
ノーラ「ジンギスカン、です」ニコ
ロレンス「…あぁ」
ロレンス「(ふえぇ…なにもかいけつしてなさそうだよぅ…)」
▽つづく!
648: 2013/03/10(日) 12:18:28.91 ID:XRCOPxjzo
▽続き
パチ
ほろ「おじゃまします」ペコ
ノーラ「ただいまー」
ほろ「おかえりなさい!」ニコ
ノーラ「…」
ノーラ「ふふ、ありがとう。ただいま」
ほろ「うむ!」
ロレンス「(微笑ましい)」
649: 2013/03/10(日) 12:20:00.03 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「(だが俺の胃は緊張で今にも穴が空きそうだ…)」
ロレンス「(ディアナさんのところで、胃薬も買っておけばよかったか…)」ズキズキ
ほろ「む?」
ほろ「ぬしさま、なんだか辛そうじゃな…だいじょうぶかの?」
ロレンス「お、おう」
ほろ「…」ナデナデ
ロレンス「…」
ほろ「いたいのいたいの、とんでけじゃ」ニコ
ロレンス「…」
ロレンス「うん。ありがとう、ホロ」
650: 2013/03/10(日) 12:21:19.61 ID:XRCOPxjzo
ガサ
ノーラ「大丈夫ですか? あの、私お水を入れて来ますね」タッ
ロレンス「あ、すいません」
ロレンス「(早速気を使わせてしまった…)」キリキリ
ノーラ「どうぞ」ニコ
ロレンス「ありがとうございます」コク
ノーラ「…」
651: 2013/03/10(日) 12:24:27.17 ID:+XSBnKHDO
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「へんなさらじゃ」ポンポン
ロレンス「正確には鍋だな」
ノーラ「ホロちゃんは、羊のお肉が好きなの?」ニコ
ロレンス「(…胃が)」ググ
ほろ「…たべるのは初めてでありんす。しかし」クンクン
ほろ「なんだかなつかしい香りがする」
ロレンス「…懐かしい、ね」
652: 2013/03/10(日) 12:26:58.31 ID:XRCOPxjzo
ロレンス「羊肉の臭いは独特と言うが、お前は平気なんだな」
ほろ「うむ」
ノーラ「どんなものでも、生きている臭いは他にないものですからね」
ノーラ「結局、慣れているかどうかの問題なんだと思います。私も何ともありませんから」
ほろ「わっちといっしょじゃ!」
ノーラ「そうね」ニコ
653: 2013/03/10(日) 12:28:24.16 ID:+XSBnKHDO
ほろ「…やさいばかりじゃな」
ノーラ「この上に、お肉を乗せて行くの」ペタペタ
ほろ「おー」
ほろ「これはなかなか…」ジュル
ロレンス「よだれよだれ」
ほろ「む、む」ゴシゴシ
ロレンス「…袖でふくなよ」
ロレンス「(と言うかそもそも生肉を見てよだれを出すな)」
ほろ「くふ♪ たのしみじゃー」
654: 2013/03/10(日) 12:29:09.55 ID:XRCOPxjzo
ジュー
ほろ「ほー」
ほろ「いい香りがするでありんす!」
ロレンス「そうだな」
ロレンス「っと、ホロ、これ」
ほろ「んむ?」
ロレンス「前掛け。油が飛ぶからしておきなさい」
ほろ「着けてくりゃれ?」
ロレンス「はいはい」
ノーラ「ふふ。二人は本当に仲のいい親子みたいですね」
655: 2013/03/10(日) 12:30:32.14 ID:+XSBnKHDO
ほろ「そんなことありんせん」
ほろ「わっちは、ぬしさまの…」チラ
ロレンス「?」
ほろ「…は、はずかしので言わないでおく…」//
ロレンス「なに一人で盛りあがっているんだ?」
ほろ「くふふ♪」//
ノーラ「あはは…」
656: 2013/03/10(日) 12:34:21.03 ID:XRCOPxjzo
ほろ「では」
ほろ「いただきます!」
ロレンス「おあがり」
ほろ「…」モグ
ほろ「…! これは」

ほろ「うまい!」
ロレンス「そいつはよかった」モグモグ
ほろ「ぬしさまよ! おちついておるばあいではありんせん!」
ほろ「これはたいへんなことじゃ!」パクパクー
ロレンス「何がだよ落ち着け」モグモグ
657: 2013/03/10(日) 12:36:02.71 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「味付きの肉なんですね」モグモグ
ノーラ「ええ。その方が、ホロちゃんも食べ易いかなって」
ロレンス「…ありがとうございます。気を使って頂いたみたいで」
ノーラ「い、いえ! そんな、大してことはありませんから…」ゴニョゴニョ
ほろ「ほれ! ぬしさまもたべんと、わっちがぜんぶたべてしまうでありん
すー」パクー
ロレンス「ああ、どうせお前は大して量は食べられないからな。俺はゆっくり食べるよ」パク
ほろ「む! わっちをばかにしおってー」ガーッ
ロレンス「野菜も食べなさい」
658: 2013/03/10(日) 12:36:51.26 ID:XRCOPxjzo
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「…ぉぅ」
ロレンス「食べ過ぎだな」ポンポン
ほろ「…おなかを、たたくでない…」
ロレンス「…」ポンポン
ほろ「…ぬ、ぬしさまの…たわけぇ…」ウップ
ノーラ「(可愛い)」
659: 2013/03/10(日) 12:38:22.21 ID:+XSBnKHDO
ほろ「…む…」コク
ロレンス「はは。そしていつも通りおねむだな」
ロレンス「担いで帰ってやるから、寝ていいぞ」
ほろ「…ふむ…そうかや…」カクン
ほろ「では、あとは、たのんだ…でありんす…」
ロレンス「だからその」
ロレンス「眠くなったときの無駄に格好いい口調はなんなんだ」
ほろ「…」クー
660: 2013/03/10(日) 12:40:47.34 ID:XRCOPxjzo
・ ・ ・ ・ ・
ロレンス「よっと」
ほろ「むふ」オェ
ロレンス「…頼むから戻さないでくれよ…」
ロレンス「あの、ホロを寝かせて来ます。すぐ片付けの手伝いに戻りますので」
ノーラ「そんな。ホロちゃんを一人にしちゃダメですよ」
ロレンス「…とはいえ、こんな頂くだけ頂いた形で帰るわけには…」
ノーラ「…あの」
661: 2013/03/10(日) 12:42:29.72 ID:+XSBnKHDO
ノーラ「…まだ、材料は残っているんですよね…」
ロレンス「へ?」
ロレンス「ああ、そうですね。沢山用意して頂いていたようで」ハハ
ノーラ「は、はい」
ノーラ「…なので、もしよければ」
ノーラ「つ、続きはどうでしょうか。二人で、今度はお酒も入れて」
ロレンス「…」
ロレンス「(アカン)」
ロレンス「(そう言えば、何も解決していなかった…)」ダラダラ
662: 2013/03/10(日) 12:45:29.21 ID:XRCOPxjzo
ロレンス「(これはもしかして)」
ロレンス「(これから大変なお説教が始まったりするのでは…)」ダラダラ
ノーラ「…」
キュ
ロレンス「…」
ノーラ「…その」
ノーラ「だ、だめですか?」
ロレンス「…」
ノーラ「…」プルプル
ロレンス「…」
ロレンス「…いえ、喜んで」
▽つづく!
667: 2013/03/10(日) 23:45:10.35 ID:9M45qndIo
*二回戦
ノーラ「で、では。焼きますね」
ロレンス「は、はい」
カチッ
ジュー…
ノーラ「…」
ロレンス「…」
ロレンス「(気まずい…)」チラ
668: 2013/03/10(日) 23:47:25.05 ID:+XSBnKHDO
ノーラ「…」
ロレンス「(くそ、ノーラさんが一体何を考えているのかさっぱりだ)」
ロレンス「(…じーっと見ているとなんだか頭がぼーっとして来た…火が近いからか…?)」
ロレンス「(あーもうなにがなんだか)」
ジュー…
ほろ「んが」クンクン
ロレンス「…」
ロレンス「(…気の抜ける)」
669: 2013/03/10(日) 23:48:03.71 ID:9M45qndIo
ノーラ「…」クス
ノーラ「もしかすると、好物の臭いに気がついているのかもしれませんね」
ロレンス「はは。そうかもしれません」
ほろ「…」ムニャ
ロレンス「ホロならそれで目を覚ますくらい、当たり前のようにしそうですから」
ノーラ「そうですね」ニコ
ノーラ「…でも」
ロレンス「?」
ノーラ「今は起きて欲しくないなぁ、なんて…」
ロレンス「…ノーラさん?」
670: 2013/03/10(日) 23:49:27.99 ID:+XSBnKHDO
ノーラ「…」ニコ
ノーラ「何でもないです。あの、ロレンスさん。お酒はどうしますか?」
ロレンス「…ああ、えっと」
ロレンス「ビールってあります?」
ノーラ「ありますよ。すぐ持って来ますね」タタッ
ロレンス「すいません」
ロレンス「…」
ロレンス「(何だこれ…)」グルグル
671: 2013/03/10(日) 23:50:22.15 ID:9M45qndIo
ジュー…
ロレンス「では」パキュ
ノーラ「はい。乾杯」
パコッ
ロレンス「こう言っては失礼かもしれませんが」
ノーラ「はい?」ゴク
ロレンス「ノーラさんも、ビールはお好きなんですね」
ロレンス「少し驚きました」ゴク
ノーラ「…そうですね」
ノーラ「実はあまり好みではないんですけど」
672: 2013/03/10(日) 23:51:42.64 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「え?」
ノーラ「…せっかくの機会ですから、ロレンスさんと同じ物を飲んでいたいと思いました」コク
ロレンス「…」
ロレンス「(…あざといのは羊飼いも同じだったか…)」
ロレンス「(って! 何を考えているんだ俺は)」
ロレンス「(あー頭が回らない。もうどうにでもなれだ)」グイッ
ノーラ「ほら。焼けましたよ」ハイ
ロレンス「おっと。ありがとうございます」プハー
673: 2013/03/10(日) 23:52:24.52 ID:9M45qndIo
・ ・ ・ ・ ・
ジュー…
ロレンス「…」チビチビ
ロレンス「あの、ノーラさん」
ノーラ「はい?」
ロレンス「…酔った頭でこんな話をすることを、許してください」
ロレンス「…こうでもしないと、私は、ノーラさんの前では」
ロレンス「緊張するような話はできないようです」
ノーラ「…」ドキ
ノーラ「は、はい。何でしょう」
674: 2013/03/10(日) 23:53:57.84 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「ずっと…謝らなくてはと思っていたんです」
ノーラ「…え?」キョトン
ノーラ「…謝る、ですか?」
ロレンス「え、ええ。先日ノーラさんの前で」
ロレンス「…その、こうして羊を食べるような話をしてしまって」
ロレンス「私はノーラさんを傷つけてしまったので、そのことを」
ノーラ「…あ…」
ロレンス「本当にすいませんでした」ペコ
675: 2013/03/10(日) 23:54:26.62 ID:9M45qndIo
ノーラ「…」
ロレンス「…」ドキドキ
ノーラ「…」
ロレンス「…あ、あの、ノーラさん…?」
ノーラ「…ぅ」
ロレンス「え」
ノーラ「…ぅぇぇ…」ポロポロ
ロレンス「なっ」
ロレンス「(泣き出したー!)」
676: 2013/03/10(日) 23:56:24.01 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「えっと、あのその」オロオロ
ノーラ「…ご、ごめんなさい。急に、こんな…」グシ
ロレンス「いえ! どうせまた何か俺が余計なことを…」
ノーラ「ち、違うんです。私の方こそ」グシグシ
ノーラ「てっきりロレンスさんに嫌われてしまったのではないかと…」
ロレンス「え?」
677: 2013/03/10(日) 23:57:43.25 ID:9M45qndIo
ロレンス「私が、ノーラさんを、ですか?」
ノーラ「は、はい」
ノーラ「街で会ったとき、挨拶もせず…」
ノーラ「とても失礼な態度をしてしまったので」グス
ロレンス「…いやまさか」ハハ
ロレンス「私がそんなことでノーラさんのことを嫌に思ったりするはずがありません」
ノーラ「…そうは言っても」ズズ
ノーラ「あれからしばらく、ロレンスさんは私に会って下さいませんでしたから…」
ロレンス「…そうですね…」
678: 2013/03/10(日) 23:59:09.60 ID:+XSBnKHDO
ロレンス「じ、実はですね」
ロレンス「今日こうしてノーラさんがジンギスカンを振舞ってくださったのも」
ロレンス「…ひょっとして、私への当てつけだったのかと…思ってしまいました」
ノーラ「…」
ノーラ「私、そんなに嫌な人だと思われていたんでしょうか…」ウルウル
ロレンス「い、いえとんでもない! 私の勝手な思い違いだと、もうはっきりしましたから!」
ノーラ「冗談です。私の方こそごめんなさい」グス
679: 2013/03/11(月) 00:00:40.39 ID:WaIEDN4po
ロレンス「…要するに」
ノーラ「お互い、思い違いをして相手に距離を取っていた、ということですね」
ロレンス「そのようです」
ロレンス「…何と言うか、こんな歳にもなって」ハハ…
ロレンス「青臭いというか。不器用なことをしてしまいました」
ノーラ「そうですね」ニコ
ノーラ「でも…とにかく、ロレンスさんに嫌われてしまったわけじゃなくて、…本当によかったです」
ロレンス「それは私も同じ気持ちです」
680: 2013/03/11(月) 00:02:02.01 ID:HM8OOgaDO
ロレンス「いずれにせよ、誤解が解けてよかった」
ロレンス「これからも、隣同士よろしくお願いします」ペコ
ノーラ「あ、…その」
ロレンス「? はい」
ノーラ「…隣同士だから、じゃなく…」
ノーラ「その、何と言うか…」ゴニョゴニョ
ロレンス「?」
ノーラ「あ、あのですねっ」ズイッ
681: 2013/03/11(月) 00:03:12.51 ID:WaIEDN4po
ゴロッ
ロレンス「おわっ」
ほろ「…」
ロレンス「…どこから転がって来たんだ、一体」
ほろ「…くふ…」スヤスヤ
ノーラ「…」
ロレンス「っと、失礼しました。話を切ってしまって」
ノーラ「…いえ」
ノーラ「何でもないです」ニコ
ロレンス「…そうですか?」
682: 2013/03/11(月) 00:05:45.30 ID:HM8OOgaDO
ズキ
ロレンス「っ」
ノーラ「…ロレンスさん?」
ロレンス「(いかん。ほっとしたら、また体が熱くなって来た…)」
ノーラ「…あの、大丈夫ですか?」キョトン
ロレンス「…」
ロレンス「(…まずい)」ムラ
683: 2013/03/11(月) 00:06:31.57 ID:WaIEDN4po
ロレンス「な、何でもありません」
ロレンス「そろそろ帰りますね。ずいぶん長居してしまいました」ヨット
ほろ「…んあー」
ノーラ「そ、そうですね」
ノーラ「もう遅いですもんね…」シュン
ロレンス「…」
ロレンス「(…あーくそノーラさん可愛いなぁ抱き締めたい…じゃ、ない。落ち着け俺)」グルグル
684: 2013/03/11(月) 00:08:44.12 ID:HM8OOgaDO
ガチャ
ロレンス「で、では。お邪魔しました」
ノーラ「あの、ロレンスさん」
ロレンス「はい?」
ノーラ「…その」
ノーラ「ま、また明日」ニコ
ロレンス「…はい。また、明日」
685: 2013/03/11(月) 00:09:27.78 ID:WaIEDN4po
バタン
ノーラ「…はふぅ」
ズルズル
ペタン
ノーラ「よ、よかったぁ…ロレンスさんと仲直りできた…」
ノーラ「えへへ」//
ノーラ「(嬉しくて笑いがとまりません)」
ノーラ「でも、誰も見ていないし…今くらいは、いいよね」エヘヘ
686: 2013/03/11(月) 00:11:26.17 ID:HM8OOgaDO
ノーラ「これって、やっぱりディアナさんに頂いた薬のおかげなのかなぁ…」
ノーラ「また今度お礼を言いに行かないと」
ノーラ「あ…お片付けしなきゃ。…た、立てるようになってから…」コシヌケチャッタ…
ノーラ「…えへへ♪」
ノーラ「…」
ノーラ「…次こそ…がんばろう」ウン
687: 2013/03/11(月) 00:11:47.76 ID:WaIEDN4po
バタン
ほろ「くあ?」
ロレンス「…」
ほろ「…むー…あー、かえってきたのかや…」
ほろ「ぬしさまよー、おろしてくりゃれー…ふあぁ」ペタ
ロレンス「…」
ほろ「…なんじゃぬしさま。だまってしまって」
ロレンス「…なあホロ」
ほろ「んむ」
ロレンス「ごめん」
ほろ「む?」
688: 2013/03/11(月) 00:13:21.40 ID:HM8OOgaDO
ギュ
ほろ「ほあ!?」
ロレンス「…」スリスリ
ほろ「な、なんじゃぬしさまよ! とつぜんだきついて、く、くすぐったいでありんす!」
ほろ「あとひげがいたい! ひげをじょりじょりするでない!」
ロレンス「…」スリスリ
ほろ「むごんですりすりするでない! こ、こわいではないかぁ…!」ウワーン
ロレンス「…」スリスリ
*火照った体を冷ますために、
その後ロレンスは小一時間ホロを愛で続けました。
▲終わり
689: 2013/03/11(月) 00:14:49.00 ID:LF9KWzxZ0
パソコンから乙でござる!
690: 2013/03/11(月) 00:19:25.30 ID:nQ4U/pcxo
乙可愛い
引用: ホロ「忙しいの」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります