1: 2009/04/22(水) 22:52:57.95 ID:2BZu0usUO
ゆの「うん。今日こそ…」

宮子「今日こそなにー?」ひょこ

ゆの「宮ちゃんに、好きって…好き…好き…え?」

宮子「おー。私もゆのっち好きだよ?」

ゆの「…宮ちゃん?いつから私の部屋に…」

宮子「今日こそ言おう!ってところから」

ゆの「えぇぇ!?」

3: 2009/04/22(水) 22:54:14.58 ID:2BZu0usUO
宮子「よかったよかった。これからも親友だね!」

ゆの「あ…違くって…」

宮子「んー?」

ゆの(……やっぱり、やめとこう)

ゆの(宮ちゃんとの仲を崩したくないもんね…)

宮子「?」

ゆの(…だめだめ。決めたんだから。頑張って私!)

4: 2009/04/22(水) 22:55:48.60 ID:2BZu0usUO
宮子「ゆのっち、何か隠してる?隠し事は関心せんなー」

ゆの「じ、実は…!」

宮子「お、言う気になったか!白状しろー」

ゆの「実は!私、宮ちゃんが好きなの!」

宮子「だから私も好きだってー。このこの」ぐりぐり

ゆの「じゃなくて…!」

宮子「ん?」

ゆの「宮ちゃんをね…?こ、恋人にしたいの…!」

ゆの(言っちゃったあぁ!!)かぁぁ

7: 2009/04/22(水) 22:57:56.80 ID:2BZu0usUO
宮子「え?」

ゆの「…ごめんね?変だよね、女の子なのに」

宮子「ゆのっち…」

ゆの「…うん」

宮子「……ごめん、無理」

ゆの「………うん」

14: 2009/04/22(水) 23:00:24.65 ID:2BZu0usUO
宮子「それって、もしかして…ゆのっちはアレ?レOビアンとか、そういうの?」

ゆの「…うん。今までそんな事なかったんだけど」

宮子「私が初めて?」

ゆの「…いつの間にか、好きになっちゃってた。ごめんね」

宮子「……うーん。ごめん!さすがにゆのっちでもダメだ!」

ゆの「やっぱりそうだよね。良いの…私が変なのは自覚してるから」

15: 2009/04/22(水) 23:01:46.66 ID:2BZu0usUO
宮子「偏見とか差別とかはしないつもりだったけど、さすがに当事者になるのはねー」

ゆの「…ごめんなさい。忘れてね」

宮子「いやぁ、ちょっと…忘れたいけど…忘れられないな」

ゆの「宮ちゃん…」

宮子「出来るだけ今までどーりにするよ!私もゆのっちとぎこちなくなるの嫌だしねー」

ゆの「…覚悟はしてたよ。嫌いになった?」

宮子「ぜんぜん?」

21: 2009/04/22(水) 23:05:01.50 ID:2BZu0usUO
宮子「私はゆのっち好きだって言ったではないかー」バシバシ

ゆの「痛た…でも、私…告白しちゃったのに」

宮子「うんうん」

ゆの「…フラれちゃったのに」

宮子「そうだねー。でもゆのっちはゆのっちでしょ?私は友達としてゆのっちが好きだもん」

ゆの「…気持ち悪いよね?」

宮子「まぁちょっとだけ!でも嫌いにはならないなー」

25: 2009/04/22(水) 23:08:43.03 ID:2BZu0usUO
ゆの「でも気持ち悪いんだね…」ずーん

宮子「そりゃ女の子同士だからね。でも気にしないでいいよ」

ゆの「…これからも、親友?」

宮子「え?当たり前でしょ?」

ゆの「…!!」

宮子「えー?ゆのっちは親友やめたいの?」

ゆの「やめたくないよぅ…」

宮子「だったら問題ないよね?親友親友!」

26: 2009/04/22(水) 23:11:16.07 ID:2BZu0usUO
ゆの(あれ?…私、あんまり傷ついてない?)

ゆの(宮ちゃんが嫌いにならないでいてくれるから?)

ゆの(…自分でおかしいと思ってるから?始めから諦めてたから?)

ゆの(……きっと、全部かな)

宮子「どうしたゆのっち!ぼーっとするなー」ぴん!

ゆの「痛っ!もー!デコピンしないでよー!」

30: 2009/04/22(水) 23:14:45.65 ID:2BZu0usUO
ゆの「あ!そうだ!」

宮子「晩御飯ですな!オーケーオーケー、いただくー!」

ゆの「なんでわかったの!?」

宮子「あはは、だってゆのっちの考えてる事はだいたいわかるもん」

ゆの「え?」ドキ

宮子「それに」

ゆの「それに?」

宮子「3、2、1…」

ゆの「?」

宮子「ゼロ!」ぐぅ~~~

32: 2009/04/22(水) 23:19:03.21 ID:2BZu0usUO
ゆの「ぷ…」

宮子「ご覧の通り、宮子の体内時計が夕飯時をお知らせしましたー」

ゆの「あはははは!なにそれー」

宮子「私の体内時計は寸分たりとも狂わないからね。今19時21分でしょ?」

ゆの「え?ホントだ…」

宮子「すごいでしょ?」

ゆの「ホント、すごい人だね宮ちゃんは…」

ゆの(だから…こうやっていつも私に元気をくれるから)

ゆの(私はどうしようもなく宮ちゃんを好きになっちゃったんだなぁ)

35: 2009/04/22(水) 23:23:53.48 ID:2BZu0usUO




宮子「いやー、いつ食べても美味い。嫁に来る?」

ゆの「もう、その冗談は笑えないよぉ」

宮子「あはは、ごめんごめん。ちょっくら横にならせてね」ゴロン

ゆの「牛になっちゃうよ?」

宮子「んもぉおおおおぅ!!!」

ゆの「牛真似うまいーー!?」

36: 2009/04/22(水) 23:27:03.59 ID:2BZu0usUO
宮子「ふぁー、満腹満腹」ぽんぽん

ゆの(わ、わ…タンクトップだから横から見えちゃうよ…!)

ゆの(…ふわぁ…。相変わらずおっきぃなぁ~)

ゆの(…どうしよう。私、すっごいドキドキしてる)

37: 2009/04/22(水) 23:30:03.93 ID:2BZu0usUO
ゆの「……」ドキドキ

宮子「くぅ……くぅ……」

ゆの「宮ちゃん?」

宮子「くぅ……ぐぅ……」

ゆの「寝ちゃった……」

ゆの「……綺麗な寝顔だなぁ」

ゆの「こんな所で寝ちゃったら、私がもんもんしちゃうよ…宮ちゃんの意地悪」

宮子「ぐぉ……くぅ……」

38: 2009/04/22(水) 23:34:20.44 ID:2BZu0usUO
ゆの「…キスしたら、バレちゃうかな」

ゆの「起きなかったらバレないよね」

すっ

ゆの「宮ちゃんの唇…」ドキドキ

宮子「!」ぱち

ゆの「あ…」

宮子「ゆのっち…何してんの?」

85: 2009/04/23(木) 05:30:25.87 ID:WXgI0VibO
ゆの「!宮ちゃん…」

宮子「ねぇ、ゆのっちー?何をしようと?」

ゆの「…ごめん」

宮子「何しようとしてたの?」

ゆの「……キス」

宮子「寝てる私に?」

ゆの「ごめんなさい」

宮子「……」

87: 2009/04/23(木) 05:47:28.46 ID:WXgI0VibO
宮子「…ま、ここで寝ちゃった私も悪いよね!」

ゆの「…」

宮子「じゃあ今日は帰るね。ゆのっち、晩御飯ごちそうさまー」

ゆの「ちょ、ちょっと待って!」

宮子「ん?」

ゆの「…無理矢理キスしようとして、ごめんなさい」

宮子「…ちょっとショックだったかな」

93: 2009/04/23(木) 06:07:58.88 ID:WXgI0VibO
ゆの「……宮ちゃんの寝顔が、あんまり可愛かったから…」

宮子「…」

ゆの「だから、つい…キスしたくなっちゃった。ホントにごめん…」

宮子「ねぇ、ゆの」

ゆの「は、はい」

ゆの(呼び捨て……)

宮子「もうそういう事言うのやめよ?正直な話、ちょっと…ね?」

ゆの「……ごめん」

97: 2009/04/23(木) 06:18:00.31 ID:WXgI0VibO
宮子「じゃ、おやすみー」すっ

トテトテ

トテトテ

ゆの「あ…」

宮子「また明日ね!」

ゆの「って…」

ガチャ

バタン!

ゆの「待ってよ……宮ちゃん……」

ゆの「…私のバカ。なんであんな事しちゃったんだろ」

ゆの「宮ちゃん怒らせちゃった……」

107: 2009/04/23(木) 07:12:35.30 ID:WXgI0VibO
【翌朝】

ゆの「…結局ほとんど寝られなかったよ…」

ゆの「宮ちゃんも帰ったらすぐ寝たみたいだし…」

ゆの「はぁ…朝ごはん作らなきゃ」

すっ

トテトテ
トテトテ

ゆの「トーストでいっかぁ。あんまり食欲ないし」

ゆの「宮ちゃーん、朝ごはん食べるー?」

ゆの「…あれ」

110: 2009/04/23(木) 07:18:07.22 ID:WXgI0VibO
ゆの「まだ寝てるのかな?」

ゆの「起こしてあげなきゃ…」

ガチャ

トテトテ
トテトテ

ゆの「宮ちゃーん、朝だよ。起きてー」

コンコン

ゆの「宮ちゃーん?」

コンコン

ゆの「……学校…行っちゃったのかな…」

112: 2009/04/23(木) 07:27:06.08 ID:WXgI0VibO
トテトテ

ゆの「あ、トースト焦げちゃったな…」

ゆの「…一人で朝ごはんか。寂しいなぁ」

ゆの「やっぱり、言わなきゃよかった…なんで言っちゃうかな」

ゆの「ホント、私ってバカだな…。こうなるのはわかってたじゃない」

ゆの「覚悟も…してたんだけどなぁ…」

119: 2009/04/23(木) 08:18:10.60 ID:WXgI0VibO
ゆの「…」もぐもぐ

ゆの「ごちそうさま…」

ゆの「顔洗おう。しゃきっとしなきゃ!」

トテトテ

ゆの「うわ…ひどい顔。クマ出来てるよ…」


ゆの「ダメダメ。ゆの、元気出して」

ざぶざぶ

ゆの「こんな顔で学校行ったら皆に笑われちゃうよ」

120: 2009/04/23(木) 08:21:31.55 ID:WXgI0VibO
【学校】

ゆの「あ、宮ちゃん…」

宮子「おー、ゆのっち!おはよー」

ゆの「…おはよ」

宮子「いやー、ごめんね!今日残ってた課題するために早く来たんだよ」

ゆの「そうだったんだ。良いよ良いよ」ニコ

123: 2009/04/23(木) 08:25:46.43 ID:WXgI0VibO
ゆの「…宮ちゃん、昨日ごめんね?もうしないから…」

宮子「ん、昨日?」

ゆの「キス…しそうになった事…」

宮子「あはは、あれかぁ。良いよ!私も悪いしね」ひらひら

ゆの「ううん、宮ちゃんは悪くないよ。私が変なだけだから…」

宮子「まぁ確かに変だけど、そんなに気にしなくて良いんじゃない?」

ゆの「でも…」

宮子「ゆのにそんな顔されたら私も心苦しいしさ」

ゆの「そ、そうだね。ごめんね…」

宮子「いーってば。ほら、授業はじまるよ」

138: 2009/04/23(木) 10:49:55.14 ID:WXgI0VibO
吉野家「はい、みなさんおはようございます」

吉野家「今日は人物ですね。みなさん、誰かお友達とペアになってくれますか?」

ゆの(う…)

吉野家「二人一組になったら、さっそく始めちゃって下さい♪」

ゆの「…宮ちゃん、私とペア…」

宮子「え?あ、もちろん。今までもずっとペアだったもんね」

ゆの「だよね。…えへへ、よかったぁ」

141: 2009/04/23(木) 11:12:05.92 ID:+1StAOvP0
宮子「ゆの、さっさと書いちゃおうよ」

ゆの「うん!そうだね。先にモデルやる?」

宮子「うーん…いや、私が先に書くよ」

ゆの「そう?じゃあお願いしようかな」

宮子「はいはいーい。じゃあポーズ取ってくれる?」

ゆの「う、うん。どんな感じがいいかな?」

宮子「あはは、普通でいいよ、普通で。座っててくれる」

ゆの「はい。こうかな?」すっ

142: 2009/04/23(木) 11:14:56.70 ID:+1StAOvP0
ゆの「……」ドキドキ

宮子「…う~ん」しゅっしゅっ

ゆの(うぅ…昨日の今日だから、じっと宮ちゃんを見るの恥ずかしいな)

宮子「ねぇ」

ゆの「は、はい?」

宮子「ごめん、ちょっと横向いてくれない?なんか集中できなくて…」

ゆの「うん……ごめんね」

宮子「?なんで謝るのー?」

146: 2009/04/23(木) 11:38:09.10 ID:WXgI0VibO
宮子「うーん…」しゃっしゃっ

ゆの「…」

ゆの(緊張するなぁ…宮ちゃんも珍しく手が進んでないし)

ゆの(こんな疲れ顔してるから書きにくいのかな…)

ゆの(……次は私の番。えへへ、早く宮ちゃん書きたいな)

148: 2009/04/23(木) 11:41:27.07 ID:WXgI0VibO
ゆの「…あれ?」

宮子「……」しゃっしゃっ

ゆの「ねぇ宮ちゃん、そろそろ時間だね…」

宮子「うーん、ごめんもうちょっと待って?なんか上手くいかないんだよなー」

ゆの「うん、ごめんね…」

ゆの「…」

ゆの(まさか、私に描かれるのが嫌だから…)

ゆの(わざと遅く描いてるとか?)

宮子「うーん…?」しゃっしゃっ

ゆの(なんて…考え過ぎだよね。宮ちゃんがそんな事するわけないもん)

150: 2009/04/23(木) 11:44:37.56 ID:WXgI0VibO
吉野家「はーい、そろそろ手を止めましょうか」

ゆの「終わっちゃった…」

宮子「ごめんねー、なんか調子悪くってさ。時間かかっちゃった」

ゆの「…ううん」

吉野家「では提出してください。まだの人は次回の授業まで待ちますので」

宮子「!」

ゆの「え…!」

151: 2009/04/23(木) 11:48:41.96 ID:WXgI0VibO
ゆの「あはは、課題になっちゃったね」

宮子「申し訳ない!このとーり!」

ゆの「全然。今日帰ったら仕上げちゃおうよ」

宮子「うん、そだね」



キーンコーンカーンコーン

ゆの「あ、もうお昼休みだ」

宮子「お腹減ったね!」

ゆの「あのね、宮ちゃん。私今日実は宮ちゃんに…」

宮子「じゃーん!珍しく宮子特製弁当ー」さっ

ゆの「…お弁当………」

153: 2009/04/23(木) 11:51:46.03 ID:WXgI0VibO
宮子「朝から頑張っちゃったよ!昨日ちりめんじゃこが安かったからね」

ゆの「…そうなんだ」

宮子「じゃーん。ちりめんご飯弁当!」

ゆの「わぁー、おかずなし!?」

宮子「うむ。そんな余裕も腕前もない」

宮子「おぉ、ゆのは弁当二つ?育ち盛りだねぇ」

ゆの「……違うもん」

156: 2009/04/23(木) 11:56:12.63 ID:WXgI0VibO
ゆの「これね、宮ちゃんにと思って作って来たんだよ?」

宮子「そーなの!?申し訳ない!」

ゆの「…よかったら、おかずだけでもいる?」

宮子「いただくいただく!」

ゆの「!」ぱぁぁ

ゆの「えっと、じゃあね、この卵焼きとか自信作で…」

宮子「ほう。ゆのは相変わらず良い女ですなぁ」

ゆの「えへ、そうかな?宮ちゃん、はい」

宮子「ん?」

ゆの「あーん…」てれてれ

宮子「お!このミートボールおいしそう!いただきー」

ひょいぱく

ゆの「……」

158: 2009/04/23(木) 11:59:49.50 ID:WXgI0VibO
宮子「ふむふむ。いやなかなか!美味しいよ!」

ゆの「あ、ありがと…だけどそれレトルト…」

宮子「そっか!でも美味しい美味しい!」もごもご

ゆの「ありがと…」

宮子「卵焼きもいただくねー」ひょいぱく

ゆの「うん。美味しい…?」

宮子「もちろん!」

ゆの「ホント?よかったぁ…」

宮子「ゆのっちが作ったものがまずい訳ないよー」

ゆの「!」

160: 2009/04/23(木) 12:04:17.21 ID:WXgI0VibO
ゆの「宮ちゃんにそう言ってもらえるとうれしいなぁ」ニコ

宮子「優しい、器量よし、可愛い!あたしが男だったら間違いなく嫁にもらうね」

ゆの「…」ズキ

宮子「残念だなー。男に生まれればよかった。もったいない」

ゆの「ホントだね。私は全然大丈夫なのに」

宮子「残念!宮子さんは至ってノーマルなのだよ」

ゆの「…うん。わかってる」

宮子「ほらぁ、そんな暗い顔しない。ね?」

ゆの「ごめん…」

163: 2009/04/23(木) 12:17:52.25 ID:WXgI0VibO
【放課後】

宮子「いやぁー終わった終わった!」

ゆの「お疲れ様。課題いつやろうか?」

宮子「いつでも!そっちの都合良い時間で良いよ」

ゆの「ホント?じゃあ…今からでも良い?」

宮子「オッケー。早く終わらせよう!」

168: 2009/04/23(木) 12:28:57.60 ID:WXgI0VibO
ゆの「じゃあ…今から私の部屋でやる?」

宮子「え?んー、どうせだし下行かない?」

ゆの「ヒロさんの部屋?…どうして?」

宮子「ん?なんとなく。皆居た方が楽しいし」

ゆの「そ、そうだね。そうしようか」

ゆの「…」

ゆの(やっぱり気のせいじゃない…)

174: 2009/04/23(木) 12:33:45.40 ID:WXgI0VibO
ゆの(二人っきりになるのを避けられてる)

ゆの(…………)

【101号室】

ガチャ

宮子「ただいまー」

ヒロ「あら、いらっしゃい。遊びに来たの?」

宮子「ううん。課題やりに来た」

ヒロ「へ?私の部屋で?」

宮子「うん。ついでにお茶しようかと思って!良い匂いしたし」ニコ

ヒロ「それが本音ね。いいわよ、ちょうどスコーン焼いてたの」

178: 2009/04/23(木) 12:37:36.45 ID:WXgI0VibO
ゆの「ごめんなさい、お邪魔しちゃって…」

ヒロ「ふふ、良いのよ。一人じゃ食べ過ぎだしね。課題は?」

ゆの「あ、汚れないものです。構いませんか?」

ヒロ「良いわよ。あら、人物画?懐かしいわね」

ゆの「ヒロさんはやっぱり紗英さんを描いたんですか?」

ヒロ「もちろん。知ってる人を描くのって楽しいわよね」

179: 2009/04/23(木) 12:41:10.67 ID:WXgI0VibO
ゆの「はい!楽しいです」

ヒロ「普段相手が自分をどんな風に見てるんだろう、とか」

ヒロ「私が見てる紗英を二人で見るのとか」

ヒロ「モデルの目をじっと見てると、考えてる事がわかる気がしたり…」

ヒロ「なんだか…絵を描く楽しさの原点よね」

ゆの「…そう、ですよね」

ゆの(モデルの考えてる事がわかる、かぁ)

ゆの(だから宮ちゃんは、私の目を見ないように横顔を…)

183: 2009/04/23(木) 12:44:25.78 ID:WXgI0VibO
ゆの「じゃあ宮ちゃん、始めようか」

宮子「うむ。はひめよーではないか」もぐもぐ

ヒロ「あー!スコーン!」

宮子「実に美味しい。このサクサクしっとり…なかなか素人には出せない味だね」

ヒロ「楽しみにしてたのにぃ…」

ゆの「クス…宮ちゃんらしいね」

184: 2009/04/23(木) 12:48:14.67 ID:WXgI0VibO
ゆの「宮ちゃん、じゃあモデルお願い」

宮子「おー」

ゆの「…」じーっ

宮子「…」もごもご

ゆの「…」じーっ…

ゆの(こうして改めて眺めると、やっぱり可愛いな…)

ゆの(スタイルも良いし、背も高いし…)

ゆの(私をじっと見るおっきな目も…)

ゆの(すっごく…ドキドキする)

宮子「…」ちらっ

ゆの「!」

ゆの(目を逸らされた…)

186: 2009/04/23(木) 12:51:03.97 ID:WXgI0VibO
宮子「…」うずうず

ゆの「…」

宮子「…」うずうず

ゆの「…宮ちゃん、ちょっとじっとしてて…」

宮子「うー…」

ヒロ「ふふ、良いじゃない。宮子らしくて」

ゆの「でもモデルさんが動くと…」

ヒロ「良いのよ。動いてない宮子なんてらしくないじゃない?」

ゆの「確かに…」クス

187: 2009/04/23(木) 12:53:27.54 ID:WXgI0VibO





ゆの「…よし、出来た」

宮子「はぁー!やっと終わったぁ!!」ぴょん

ゆの「ごめんね、時間かかっちゃった」

宮子「あたしもだからお互い様だよー!じゃ、ちょっと身体動かしてくる!」

トテトテ

ガチャ

バタン!

ヒロ「あらあら。よっぽど動きたかったのね」クス

188: 2009/04/23(木) 12:55:56.06 ID:WXgI0VibO
ヒロ「さぁ、どんな感じに仕上がったかしら?見せてもらって良い?」

ゆの「あ、あの…あんまり出来はよくないです」

ヒロ「良いのよ。要はゆのから宮子がどんな風に見えてるか、なんだから」

ゆの「そうですね…。はい、どうぞ」

すっ

ヒロ「…?」

ゆの「……」

ヒロ「…ふぅん?」

191: 2009/04/23(木) 13:06:53.79 ID:WXgI0VibO
ゆの「…やっぱり、下手ですよね」

ヒロ「確かに人物画としてはまだまだだけど、でも…」

ゆの「でも?」

ヒロ「ふぅん。興味深いわね。あなたには宮子がこんな風に見えてるの?」

ゆの「へ?なんかおかしいですか?」

ヒロ「だって、この子…いつもみたいに笑ってるけど」

ヒロ「なんだか、泣きそうな顔してるじゃない?」

196: 2009/04/23(木) 13:21:10.95 ID:WXgI0VibO
>>194>>195
なんだっけ?

205: 2009/04/23(木) 13:53:00.12 ID:WXgI0VibO

ゆの「泣きそう…ですか?」

ヒロ「えぇ。こんな宮ちゃん、初めて見るわ」

ゆの「…きっと、こんな顔をされるのは私だけです」

ヒロ「え?」

ゆの「宮ちゃんは、誰にでも優しいから…」

ガチャ!

宮子「ただいまー!」

206: 2009/04/23(木) 13:59:24.87 ID:WXgI0VibO
ゆの「お帰り…って!宮ちゃんドロドロ!どうしたの!?」

ヒロ「もう、どうしたらそんなにすぐに汚れるの?」

宮子「走ってたら転んじゃったー」

ヒロ「しょうがないわねぇ。洗濯してあげるから脱ぎなさい」

宮子「いーよいーよ!自分でやる」

ゆの「え?!」

ヒロ「珍しいわね?遠慮しなくて良いのよ?」

209: 2009/04/23(木) 14:07:20.82 ID:WXgI0VibO
宮子「いつも皆に迷惑かけっぱなしも悪いし」

ヒロ「?変な宮ちゃん…」

宮子「じゃあ課題も終わったし、私は帰るねー」ふりふり

ヒロ「え?ちょっと宮ちゃ…」

ガチャ

バタン!

ヒロ「…?」

ゆの「宮ちゃん…」

210: 2009/04/23(木) 14:10:44.37 ID:WXgI0VibO
ヒロ「…で、ゆのさん。何があったの?」

ゆの「え?」

ヒロ「今日は二人ともおかしいわよ。ケンカでもしたみたい」

ゆの「ケンカ…じゃないんですけど」

ヒロ「あら、違うの?」

ゆの「……違います」

212: 2009/04/23(木) 14:20:26.45 ID:WXgI0VibO
ゆの「えっと…上手く言えないですけど…。私、宮ちゃんに嫌われちゃったかも…」

ヒロ「そんな事はないと思うけど…」

ゆの「ううん。気のせいじゃないんです…自覚はありますから」

ヒロ「もしそうだとしても、気にしすぎないほうが良いわよ」

ゆの「…」

ヒロ「私と紗英だって気まずくなる事もあるんだし…ね?」

213: 2009/04/23(木) 14:28:53.51 ID:WXgI0VibO
ヒロ「案外時間が解決してくれたり、ちょっとしたきっかけで元通りになるものよ」

ゆの「…そうですか?」

ヒロ「そうよ。だから、気にしすぎないで元気出してね」ニコ

ゆの「はい。ありがとうございます…」

ヒロ「ふふ、焦らないで良いからゆっくり仲直りしたら良いじゃない」

ゆの(…ヒロさん…。これは普通のケンカじゃないんです)

ゆの(きっともう、宮ちゃんとは元通りには…)

ゆの「…う」じわ

214: 2009/04/23(木) 14:32:13.02 ID:WXgI0VibO
ヒロ「ほら、ゆのさん。泣かないで」なでなで

ゆの「…ごめん…なさい…」ぽろぽろ

ヒロ「大丈夫大丈夫。すぐ宮ちゃんも元通りになるわ」なでなで

ゆの「…無理だもん」ぽろぽろ

ヒロ「…ゆのさん」

ゆの「…ごめ、なさい。ヒロさんに当たっても仕方ないのに…」

ヒロ「ううん。良いのよ」

ゆの「私は…宮ちゃんの事が好きなのに…」ぽろぽろ

241: 2009/04/23(木) 16:59:49.23 ID:WXgI0VibO
ゆの「ごめんなさい、ヒロさん。迷惑かけちゃいました…」

ヒロ「ううん。全然迷惑なんかじゃないわ」ニコ

ゆの「…私…今日はもう帰りますね。ありがとうございました」

ヒロ「そう?また淋しくなったらいらっしゃい」

ゆの「ありがとうございます。ちょっとゆっくり考えますね」

ヒロ「そうね。あまり思い詰めないようにね?」

245: 2009/04/23(木) 17:07:44.37 ID:WXgI0VibO

ゆの「はい。…ヒロさんって、やっぱり頼りになる先輩ですね」

ヒロ「ふふ、そんな事ないない。誰でも通る道だもの」

ゆの「……」

ヒロ「じゃあ気をつけてね。って言ってもすぐ上だけど」

ゆの「はい。じゃあ、失礼します」ペコリ

ガチャ

バタン

247: 2009/04/23(木) 17:19:45.98 ID:WXgI0VibO

ガチャ

ゆの「はぁ…」

ゆの「誰もが通る道、かぁ」

ゆの「そうだったらどんなに楽だろうな…」

ゆの「まさか、私がこんなふうになるなんて思ってなかったよ…」

ゆの「……なんで、私…女の子が好きなんだろう」

ゆの「なんで、こんな変な子になっちゃったんだろうなぁ…」

249: 2009/04/23(木) 17:26:13.75 ID:WXgI0VibO
ゆの「でもやっぱり…私は宮ちゃんが好きだよ…」

ゆの「宮ちゃん…。こんな事言われたら、気持ち悪いよね」

ゆの「えへへ…良い迷惑だな」

ゆの「……宮ちゃん」

宮子『んー?なにー?』

ゆの「!!」びくっ

ゆの「き…聞こえちゃった?」

宮子『んーん。呼ばれたような気がしたから』

ゆの「そっか…。ううん、なんでもないよ!」

251: 2009/04/23(木) 17:40:37.79 ID:WXgI0VibO
宮子『ねぇねぇ』

ゆの「うん?」

宮子『今から部屋行っていい?』

ゆの「え?!」

宮子『ゆっくり話しようよ。私もこのままは嫌だしさ!』

ゆの「う、うん…わかった!」

254: 2009/04/23(木) 17:48:36.18 ID:WXgI0VibO
ガチャ

宮子「や。お邪魔しまー」

ゆの「う、うん。いらっしゃい」

宮子「ごめんねー、夕飯時に」

ゆの「大丈夫だよ。もうそんな時間かぁ…お腹減ってないから気付かなかった」

宮子「そっかぁ」

ゆの「…うん」

宮子「…」

ゆの「…」

257: 2009/04/23(木) 17:55:55.20 ID:WXgI0VibO
宮子「私さ」

ゆの「!」

宮子「別にゆのっちが変だとは思わないんだけど」

ゆの「え…!」

宮子「同性愛者は珍しくもないしね。理解はあるんだよ?」

ゆの「…理解…。私、でも…」

宮子「…ただ、当事者にはなれないんだなぁ。やっぱり」

ゆの「そ…だよね。ごめんね、私が変な事言っちゃったから」

宮子「だから謝らなくても良いってば!ゆのっちは悪くないよ」

ゆの「ううん。私が悪いの…私が変だから、こんな事に…」じわ

260: 2009/04/23(木) 18:04:26.65 ID:WXgI0VibO
ゆの「私、このひだまり荘が大好きだったのに…私のわがままで、この環境を壊しちゃったよぅ…」

宮子「ほらほら、泣かない。ゆのっちは泣き虫なんだから」

ゆの「だって…私のせいで、宮ちゃんに嫌われて…」

宮子「嫌いじゃないってば。言ったでしょ?」

261: 2009/04/23(木) 18:09:49.10 ID:WXgI0VibO
ゆの「宮ちゃん…」

宮子「ゆのっちが私の事好きだっていうのはわかった」

ゆの「…」

宮子「残念だけど、その気持ちは受け取れない」

ゆの「うん…」

宮子「だけど、私だってゆのっちとの関係を崩したくないよ」

ゆの「…うん。ごめん…」

宮子「今回の事は、私の胸にしまっとくから」

宮子「だから!これからも親友!ね?」

ゆの「…うん。うん……」ぽろぽろ

266: 2009/04/23(木) 18:16:05.80 ID:WXgI0VibO
ゆの「…う…あ、ありがとう…宮ちゃ…」ぽろぽろ

宮子「良いよ良いよー。だから泣かないで」

ゆの「うん…でも、ごめん…も、ちょっとだけ…泣かせて……」

宮子「おー、よしよし。私の胸でお泣き」なでなで

ゆの「うぇぇん…」ぎゅうぅ

269: 2009/04/23(木) 18:20:03.74 ID:WXgI0VibO
宮子「落ち着いた?」

ゆの「うん。ごめんね。今日は泣いてばっかりだよ…」

宮子「そんな日もあるよ」ニコ

ゆの「うん…」

宮子「お」ぐぅ~~…

ゆの「?」

宮子「こりゃ失礼。安心したらお腹減ったー」

ゆの「くす…。もう、宮ちゃんったら。何か作ろうか?」

宮子「本当?いやー、ありがたし」

270: 2009/04/23(木) 18:24:49.53 ID:WXgI0VibO




宮子「ふぃ~…ごちそうさま」

ゆの「えへへ、お粗末さまでした」

宮子「ゆのっち、今日は泊まっていい?」

ゆの「へ?」

宮子「今日は二人の記念日だからさ。親友記念日!」

ゆの「…うん。そうだね。親友記念日かぁ。なんか良いなぁ」

273: 2009/04/23(木) 18:27:36.68 ID:WXgI0VibO
宮子「ねぇゆのっち」

ゆの「ん?なぁに?」

宮子「こうやって話出来てよかったねー。あのままじゃ私淋しかったよ」

ゆの「そうだね。ありがとう…ホントに、感謝してるよ宮ちゃん」

宮子「うん、私もー」ニコ

宮子「そろそろ寝ようか。明日も学校だしねー」

ゆの「そうだね。私下で寝るからベット使っていいよ」

宮子「良いよ!私が下で」

ゆの「そう?遠慮しなくて良いのに…」

宮子「お構いなくー。じゃ、おやすみ」

ゆの「おやすみなさい…」ニコ



ゆの「………。」

276: 2009/04/23(木) 18:30:59.38 ID:WXgI0VibO
宮子「くかー……」

ゆの(親友…かぁ)

ゆの(うん。ありがとう宮ちゃん)

ゆの(…あんな事があったのに。私を嫌わないでくれて)

ゆの(大好きだよ、宮ちゃん…)

宮子「ぐぅ……ぐー…」

ゆの(かわいい宮ちゃん…)

279: 2009/04/23(木) 18:33:31.56 ID:WXgI0VibO
ゆの(明日からは、ちゃんと親友だからね)すっ

トテトテ

ゆの(だから、最後に一回だけお願い)

トテトテ

ゆの(今日だけ。ううん、一瞬だけで良い…唇に)

ゆの(大好きだよ、宮ちゃん…)

すっ

ちゅ

282: 2009/04/23(木) 18:37:23.59 ID:WXgI0VibO
宮子「…ん…ぐー…」

ゆの(柔らかい…)

ちゅぅ…っ

宮子「う…ゆのっち…?」ぱち

ゆの(宮ちゃんの唇が…)

…ちゅ

宮子「ゆの!!!」がばっ

ゆの「!!」

287: 2009/04/23(木) 18:41:46.73 ID:WXgI0VibO
宮子「今…!」

ゆの「ち、違う…違うの……!!」

宮子「……!!」

ゆの「ごめんなさい…ごめんなさい…!!」

宮子「…!!」じわ

ゆの「…ごめん、宮ちゃん…」ぽろぽろ

ぱぁん!

ゆの「っ!」

293: 2009/04/23(木) 18:46:23.19 ID:WXgI0VibO
宮子「……ごめん」

ゆの「ごめん、宮ちゃんごめん…!ごめんなさい…!!」ぽろぽろ

宮子「…帰るね。叩いてごめん」すっ

ゆの「待って!ごめんなさい!もうしないから…!!宮ちゃん待って…!」ぽろぽろ

宮子「引っ張らないで」

ゆの「!」ぱっ

宮子「…」

すたすた
バタン!!

306: 2009/04/23(木) 19:01:20.57 ID:WXgI0VibO
ゆの「……」

ゆの「どうして…もうしないって…言ったのに…」

ゆの「う、うぐ…ひぅ……我慢…できないんだ…ろ…」

ゆの「宮ちゃん…宮ちゃん…!!」

ゆの「うわぁぁん!!!」ぽろぽろ

311: 2009/04/23(木) 19:08:20.21 ID:WXgI0VibO
コンコン

ガチャ

紗英「どうした?こんな夜中に…近所迷惑だぞー」

ゆの「うわぁぁぁん!!」ぽろぽろ

紗英「ゆの!?どーしたの!」ダッ

ゆの「あぁぁん!」ぽろぽろ

紗英「ゆの、落ち着いて。何があったの?」

ゆの「さ、えさん…!私、わたし…宮ちゃんに…!」ぽろぽろ

316: 2009/04/23(木) 19:13:50.38 ID:WXgI0VibO
紗英「ゆの、頬っぺた赤くなってるじゃない。宮子?宮子がやったの?」

ゆの「ち、ちが…うぇぇん」

紗英「とにかく落ち着いて。大丈夫だから」

ゆの「大丈夫じゃない…!もう大丈夫じゃないよ…!」

ガチャ

ヒロ「どーしたの…?起きちゃった…」ごしごし

紗英「ヒロ…ゆのがわんわん泣いててね。どうしようかと思って…」

319: 2009/04/23(木) 19:18:27.57 ID:WXgI0VibO
ヒロ「ゆのさん、大丈夫だから…泣かないで。落ち着いて話を聞かせて」なでなで

ゆの「う…ヒロさん……ぐす…」

紗英「おぉ、さすが…」

ヒロ「ゆのさん。私達がいるから大丈夫。ゆっくり深呼吸して」

ゆの「ひっ…う、すぅー…はぁ…ひぐ、すぅー…はぁ…」

紗英「だいぶん落ち着いたみたいだね。話せるようになった?」

ゆの「……はい…すいません…こんな夜中に…」

322: 2009/04/23(木) 19:23:23.87 ID:WXgI0VibO
紗英「宮子となんかあったの?ケンカした?」

ゆの「ケンカじゃないんです…」

紗英「ケンカじゃないのに叩かれたの?」

ゆの「宮ちゃんが泊まりにきてたんですけど…私、宮ちゃんが嫌がる事しちゃって…」

紗英「嫌がる事…なにしたの?」

ゆの「それは…」

紗英「?」

ヒロ「…言いたくなかったら良いわ。で、宮ちゃんが出ていったのね?」

ゆの「…」こく

327: 2009/04/23(木) 19:28:28.04 ID:WXgI0VibO

沙英「…とにかく、宮子のところ行ってくるよ。あの子が人を叩くなんてよっぽどだろうし」

ヒロ「うん、お願い」

ガチャ
バタン

ヒロ「…ゆのさん、お昼の事でなにかあったのね?」

ゆの「私が悪いんです。宮ちゃんは許してくれたのに、また…」

ヒロ「…きっと、誰も悪くないわ。ちょっとしたすれ違いだけ。大丈夫だからね」

ゆの「…」ぶんぶん

ヒロ「ゆのさん…」

ゆの「今回はもうどうしようもないんです…。私、取り返しのつかない事をしちゃったから…」

331: 2009/04/23(木) 19:38:09.06 ID:WXgI0VibO
ゆの「……私、ここ出て行きます」

ヒロ「ゆのさん!?」

ゆの「もし宮ちゃんが最後に会ってくれたら、ちゃんと謝って…それからもう出て行きます」

ヒロ「そんな…!」

ゆの「私、ひだまり荘が大好きだったけど…私もうここには住めません」

ヒロ「…考え直して?私もここが好きよ。みんな…もちろんゆのさんも、みんな大好きなの」

ゆの「……ごめんなさい」

333: 2009/04/23(木) 19:41:39.39 ID:WXgI0VibO
ガチャ

ヒロ「ありがとう沙英。宮ちゃんは?」

沙英「はぁ…はぁ…。ど、どうしよう」

ヒロ「沙英?どうしたの?」

沙英「宮子が居ない…!!」

ヒロ「え!?」

ゆの「…!」じわ

ヒロ「こんな夜中に…どこ行っちゃったの宮ちゃん!」

335: 2009/04/23(木) 19:45:32.70 ID:WXgI0VibO
ゆの「私のせいです…」

ヒロ「ゆのさん…大丈夫、心配しないで」

ゆの「私があんな事しちゃったから、宮ちゃん出て行っちゃった…」

ヒロ「…そんな事ない。落ち着いてゆのさん」

ゆの「こんな夜中に、もし宮ちゃんになにかあったら…!」

ゆの「…私、宮ちゃん探して来ます!」ダッ

ヒロ「ゆのさん!!」

ガチャ
バタン!

339: 2009/04/23(木) 19:51:11.29 ID:WXgI0VibO
沙英「ゆの!待ちなさい!」

ヒロ「どうしよう…!?沙英、どうしたら良い…!?」

沙英「ヒロも落ち着いて。私はゆのを追い掛けるから、ヒロは宮子を探して」

ヒロ「う、うん」

沙英「すぐ追いつけると思うから、私もそれから宮子を探すよ。大丈夫?」

ヒロ「大丈夫…私達がなんとかしてあげないと」

沙英「そうだね。でもヒロも、絶対気をつけて。良い?」

ヒロ「…わかったわ」

沙英「じゃあよろしく頼んだよ!」ダッ

340: 2009/04/23(木) 19:53:15.79 ID:WXgI0VibO
ヒロ「私が落ち着かなきゃ…。よし、しっかり、ヒロ!」

ヒロ「宮ちゃん、どこに居るかしら…」

ヒロ「とにかく探さないと。何かあってからじゃ遅いし」



ヒロ「…あら…?これは…」

341: 2009/04/23(木) 19:57:16.69 ID:WXgI0VibO
タッタッタ

沙英「ゆの!」

ゆの「宮ちゃん!宮ちゃーん?!」トテトテ

沙英「待ちなさいゆの!」

ゆの「沙英さん!でも、宮ちゃんが…」

沙英「ちょっと落ち着きなさい。宮子に何かあったって決まった訳じゃないんだから」

ゆの「でも…!」

沙英「でもじゃない!」

ゆの「!」ビクッ

沙英「ゆのが無茶して、ゆのまで何かあったらどうするの?」

ゆの「ご、ごめんなさい…」

沙英「…良いよ。さぁ、一緒に、ゆっくり宮子を探そ?大丈夫、すぐ見つかるから」

ゆの「はい…」

344: 2009/04/23(木) 20:04:50.04 ID:WXgI0VibO
ヒロ「宮ちゃん?どこに居るのー?」

沙英「ヒロ、そっちはどう?」

ヒロ「ダメ、見つからない…」

沙英「…私とゆのは二人でちょっと遠くまで調べてみるよ。ヒロは一人だから、ひだまり荘の近くをお願い」

ヒロ「うん、わかった…沙英も気をつけてね?ゆのさんも…」

ゆの「は、はい…あの、ヒロさん」

ヒロ「はい?」

ゆの「…ごめんなさい」

ヒロ「……大丈夫よ。誰も怒ってないからね。さ、早く宮ちゃんを見つけてあげましょ」

ゆの「はい!」

沙英「じゃあ、また後で!」

346: 2009/04/23(木) 20:09:13.01 ID:WXgI0VibO
【ひだまり荘】

ヒロ「宮ちゃん…」

トテトテ

ヒロ「どこに行っちゃったんだろう…」

トテトテ

ヒロ「…皆心配してるのよ?」

ヒロ「宮ちゃん、早く帰って来て…」

ヒロ「宮ちゃん…」

ガタッ

ヒロ「?」

347: 2009/04/23(木) 20:11:55.71 ID:WXgI0VibO
ヒロ「もしかして……」

よじよじ

ヒロ「んしょ、んしょ…!」

よじよじ

ヒロ「ひぃ…宮ちゃん、よくこんな所登れるなぁ…」

よじよじ

ミシ…ミシ…

ヒロ「う…」

よじ…

ヒロ「よいしょ。ふぅ…やっぱり居た」


宮子「ヒロさん…」

354: 2009/04/23(木) 20:16:54.29 ID:WXgI0VibO
ヒロ「こんな所に居たのね。ふふ、心配したのよ」

宮子「うん、ごめんなさい…」

ヒロ「泣いてたの?」

宮子「!」ぐいっ

宮子「うん…ちょっとだけ」

ヒロ「…そっかぁ。どうして屋根になんか登ってたの?皆、出て行っちゃったかと思ってたわよ?」

宮子「ちょっと一人になりたくて。でもひだまり荘から離れるのは嫌だったから…」

359: 2009/04/23(木) 20:21:48.50 ID:WXgI0VibO
ヒロ「ゆのさん、宮ちゃんに謝りたいって」

宮子「……」

ヒロ「……泣いて良いのよ?私が来て邪魔しちゃったかしら」

宮子「ううん。もう十分泣いたしねー」

ヒロ「そっか。宮ちゃん、ゆのさんと仲直りできないかしら」

宮子「…出来ないなぁ。…ヒロさん…私、ゆのっち叩いちゃった」

361: 2009/04/23(木) 20:30:30.07 ID:WXgI0VibO
ヒロ「みたいね。ゆのさんも言ってたわ」

宮子「最低だよね。もうダメだ」

ヒロ「……終わった事はしょうがないわよ。宮ちゃん」

宮子「……ゆのっちに謝らなきゃ」

ヒロ「ふふ…あなた達、ホントに似た者同士ね」

宮子「?」

365: 2009/04/23(木) 20:34:11.65 ID:WXgI0VibO
ヒロ「謝ってあげて。それからゆのさんからも謝らせてあげてね?」

宮子「…でも、もし謝っても、もう元通りにはならないよ?」

ヒロ「あら、どうして?」

宮子「私とゆのっちは、違うから」

ヒロ「え?」

宮子「ゆのっちと私は、違いすぎるから…もう親友には戻れない」

ヒロ「……」

宮子「この違いは、絶対に埋まらないから…」

397: 2009/04/23(木) 21:13:24.35 ID:++M7xqG+O
宮子「…決めた!今日こそ言おう!」

宮子「好きだあぁぁぁゆのっち~!愛してるぞ~!」

ゆの「あわわわわっ!宮ちゃん声大きい!」

宮子「えへへ~。声の大きさはあたしのゆのっちに対する愛の大きさなのだ」

ゆの「み、宮ちゃん…」

宮子「…ゆのっちは?」

ゆの「ふぇ!?」

宮子「……」

ゆの「(宮ちゃん?)わ、私も宮ちゃん大好きだよ」

宮子「うははは。光栄ですなぁ~。さ、ヒロさんの部屋に行こ」

ゆの「うん(よかった。いつもの宮ちゃんだ)」


宮子(ゴメンゆのっち。LIKEじゃなくLOVEの方なんだよ)

398: 2009/04/23(木) 21:13:38.13 ID:JaSbPuuZO
ヒロ「もしかして……」

よじよじ

ヒロ「んしょ、んしょ…!」

よじよじ

ヒロ「ひぃ…宮ちゃん、よくこんな所登れるなぁ…」

よじよじ

ミシ…ミシ…

ヒロ「う…」

バギッ!!

ヒロ「きゃあああああっ!!」

宮子「ヒロさん!!」

403: 2009/04/23(木) 21:21:33.26 ID:p+rfYo+m0
ヒロ「人は皆違うものじゃない?」

宮子「そうだよね…。だけど、この違いはどうしようもないよ」

ヒロ「それが何かは言えないの?」

宮子「言えない。ゆのっちとの約束だから…」

ヒロ「そう。…それは、ゆのさんのため?」

宮子「うん。私の胸にしまっておくって言ったからねー」

ヒロ「そうかぁ…。ふふ、宮ちゃんは優しいね」ニコ

405: 2009/04/23(木) 21:25:30.74 ID:p+rfYo+m0
ヒロ「でもね。そういう違いは、きっとゆのさんも勇気が必要だったと思うよ」

宮子「…ヒロさん、知ってるの?」

ヒロ「ううん。ただなんとなく」ニコ

宮子「……」

ヒロ「だけど、勇気を出してもどうしようもない事だってあるわ」

宮子「そう、だよね」

ヒロ「それが相手に理解されないと、ただの独りよがりになっちゃうもの。ゆのさんもきっと悩んだと思うわ」

宮子「私も、理解はしてるんだよ?でも…ううん、理解してないのかもしれないな」

ヒロ「それもしょうがないこと。だって、人は皆違うんだものね」

411: 2009/04/23(木) 21:29:59.75 ID:p+rfYo+m0
宮子「じゃあ、やっぱり…もう元通りにはなれないの?」

ヒロ「そうじゃないのよ」

宮子「でも、私…この違いは埋められないよ?理解できても、共有はできない…」

ヒロ「それはゆのさんにとっても同じ事じゃないかしら」

宮子「ゆのっちも同じ?」

ヒロ「そう。宮ちゃんと自分が違うことに悩んでいると思うわ。その証拠に、ほら」

すっ

宮子「これは…今日の課題?」

414: 2009/04/23(木) 21:35:46.90 ID:p+rfYo+m0
宮子「ゆのっちが書いてくれた私だね」

ヒロ「そう。これを見て宮ちゃんはどう思う?」

宮子「んー。私、ゆのっちにこんな顔してたのかな…?」

ヒロ「どうかな?もしかしたらゆのさんにそう見えてただけかも知れないわね」

宮子「ゆのっち…」

ヒロ「きっとゆのさんの瞳には、宮ちゃんはこう映ってたんだと思わない?」

宮子「そうかも。…こんな顔しちゃ、ゆのっちは辛いよね」

ヒロ「そうね。ゆのさんも悩んだんだと思うな」

426: 2009/04/23(木) 21:43:13.56 ID:p+rfYo+m0
ヒロ「それ、宮ちゃんからゆのさんに返してあげてくれる?」

宮子「うん、わかった!返すよ」

ヒロ「ありがと。ふふ、その画、よく描けてるわよね」

宮子「そうだね。ゆのっちらしい絵だなー」

ヒロ「ホント。ゆのさんに似て、正直な絵よね」クス

宮子「そだねー」ニコ





沙英『ヒロ!宮子居たー?』

ヒロ「あ、沙英達も帰ってきたみたい。じゃあ、私は先に下りるわね?」

宮子「うん!ヒロさん、ありがとう!」

ヒロ「うふ、かわいい後輩のためだもの。お安いご用よ」

宮子「…」ニコ

ヒロ「んしょ、んしょ…!」よじよじ

433: 2009/04/23(木) 21:46:24.89 ID:oWRiCGWSO
紗英「ゆの、待ちなって!」

ガシッ

ゆの「紗英さん…でも、私、宮ちゃんに取り替えしのつかないこと…」

紗枝「大丈夫、きっと元通りになるよ。」

ゆの「うぅ…紗英さぁん…」

紗英「ほらほら、そんなとこにうずくまらないで、顔あげて?」

ゆの(うん…帰ったら宮ちゃんに謝ろう。ヒロさんと紗英さんにも御礼言わなきゃ…あれ?紗英さんの足細くて綺麗…)

ペロペロペロペロ

パァン!

437: 2009/04/23(木) 21:48:19.01 ID:p+rfYo+m0
ぽてっ

ヒロ「よいしょっ。宮ちゃん居たわよ。この上」

沙英「屋根に?なんでまた…」

ヒロ「ふふ、ひだまり荘から離れたくなかったんだって」

沙英「なにそれ?まぁ無事でなによりだね」

ヒロ「そうね。さぁゆのさん。宮ちゃんの所に行ってあげてくれる?」

ゆの「私……行く資格ないです。宮ちゃんに謝りたいけど、でも…」

ヒロ「そんなことないわ。宮ちゃんもゆのさんに会いたがってたわよ」

ゆの「そうなんですか…?」

ヒロ「うん。行ってあげて?」

441: 2009/04/23(木) 21:54:33.24 ID:p+rfYo+m0
ゆの「宮ちゃん怒ってましたか…?」

ヒロ「そんな事ないわよ。頑張ってゆのさん、行ってあげて」

ゆの「わかりました…。ヒロさん、沙英さん。ご迷惑をおかけしました」ペコリ

沙英「いーよいーよ。それより早く、宮子と仲直りしちゃいな?」

ゆの「出来るかな…」

ヒロ「きっと出来ると思うわよ」ニコ

ゆの「ヒロさん、沙英さん…ありがとうございます」

沙英「ん。行ってらっしゃい」ニコ

442: 2009/04/23(木) 21:57:25.93 ID:p+rfYo+m0
沙英「で…結局なんだったの?」

ヒロ「うん?ちょっとしたスレ違いよ」

沙英「ふぅん。ケンカじゃないんでしょ?」

ヒロ「違うわよ。あの子達は、私達とは違うみたいだもん」

沙英「?」

ヒロ「ふふ、なんでもないわよ」

443: 2009/04/23(木) 22:00:40.37 ID:p+rfYo+m0
よじ…
よじ…

ゆの「ひぃ、ひぃ…んしょっ…!」

よじよじ…

ゆの「……宮ちゃん」

宮子「ゆのっち…」

ゆの「……」

宮子「……」

ゆの「あの……宮ちゃん」宮子「ゆのっち…」

ゆの「!」

宮子「お先にどーぞ」

ゆの「う、うん。あの…宮ちゃん。さっきは本当にごめんなさい…」

宮子「……」

448: 2009/04/23(木) 22:05:05.47 ID:oWRiCGWSO
学校

ゆの「あの、宮ちゃ…」

宮子「ごめん、次選択だから…」

ゆの「あ、ヒロさん!」

ヒロ「あ…ごめんなさい、今急いでるの。」

ゆの「……あ!紗英さん。」

嫌そうな顔してトイレにUターンする紗英

ゆの「うっ…自分のせいだってわかってる。わかってるけど…」

吉野家先生「あらあら、ゆのさん。どうしたの?可愛い顔が台なしよ?」

ゆの「うぅ…吉野家先せ…」

パァン!

449: 2009/04/23(木) 22:05:08.62 ID:p+rfYo+m0
ゆの「私の部屋で、親友記念日って言ってくれて、私本当に嬉しかったんだ」

ゆの「あんな事言っちゃった私を許してくれて、これからも親友で居てくれるって…」

ゆの「なのに、私……ひどい事しちゃったね」

ゆの「最後だからって勝手に言い訳して…宮ちゃんに嫌なことしちゃったの」

ゆの「…本当に、ごめんなさい」

宮ちゃん「…ゆのっち」

ゆの「許してくれなくてもいいの。最後にこれだけ言っておきたかったから」ニコ

宮ちゃん「へ?最後?」

460: 2009/04/23(木) 22:12:41.91 ID:p+rfYo+m0
ゆの「うん。最後に謝りたかったの」

宮子「なんで最後?」

ゆの「親友で居てくれた宮ちゃんに、謝りたかったの。ごめんね?」

宮子「…なんで最後なの?」

ゆの「私、明日にでもここを出て行くから。本当に迷惑かけてごめんね」

宮子「え?」

ゆの「宮ちゃんにこんなひどいことして、もうここには居られないから…」

宮子「ゆのっち、ストップ!」

ゆの「?」

宮子「私の言いたいことも言わせてよー」

464: 2009/04/23(木) 22:15:16.11 ID:p+rfYo+m0
宮子「ゆのっち」

ゆの「…はい」

宮子「私の方こそ、ゴメンナサイ」ペコ

ゆの「へ?」

宮子「さっきね、ヒロさんにこれ見せてもらったんだー」

ペラ

ゆの「これって…今日の課題だよね?」

宮子「そうそう。ゆのっちが書いてくれた奴」

468: 2009/04/23(木) 22:23:13.57 ID:p+rfYo+m0
宮子「いやー、さっき初めて見たんだけどさ」

宮子「私、ゆのっちにこんな顔してたんだね」

ゆの(…あ。ヒロさんが『泣きそうな顔』って言ってた…)

宮子「ホント、ごめん」

ゆの「…宮ちゃんが謝ることないよ。悪いのは私なんだから」

宮子「私、ゆのっちに告白された時ね?正直、びっくりした」

ゆの「…うん」

宮子「はじめは冗談だと思った。でもゆのっちの目も、口調も…冗談じゃなかったから」

ゆの「うん。本気だったんだよ…」

宮子「だよね。うん。でも私はあの時、拒絶しかしなかったでしょ?」

470: 2009/04/23(木) 22:29:20.88 ID:p+rfYo+m0
宮子「それは無理とか、当事者になるのは嫌だとか。今思えば酷い事ばっかり」

ゆの「だって…女の子にあんな事言われたら、気持ち悪いでしょ?」

宮子「…あの時は『気持ち悪い』って言っちゃったんだよね。ゆのっちの気持ちなんてなんにも考えずに」

ゆの「それは…しょうがないよ」

宮子「ううん。しょうがなくないよ。だって私達、親友でしょ?」

ゆの「…!」

480: 2009/04/23(木) 22:36:31.03 ID:p+rfYo+m0
宮子「親友なのに、ゆのっちの事全然考えてなかったね、私」

宮子「これじゃ、ゆのっちの親友失格だ」

ゆの「そんなことないよ!宮ちゃんは優しいから…」

宮子「…ずっと、冷たくしちゃってたもんね」

宮子「それなのに、親友でいようなんて…。私、ゆのっちの気持ちを全然本気で考えられてなかったなー」

宮子「だから、ゆのっちが描いてくれた私は、こんな顔してるんだと思う」

ゆの「…泣きそうな顔…」

宮子「ゆのっち」

ゆの「…なぁに、宮ちゃん」

宮子「ゆのっちの気持ち、全然考えてなかったよ。…本当にごめん」

486: 2009/04/23(木) 22:42:44.74 ID:p+rfYo+m0
宮子「許してくれる?」

ゆの「宮ちゃん…」じわ

宮子「ちゃんと、親友として謝るよ。ゆのっち、ごめん」

ゆの「ううん。私こそ…私こそ、ごめんね…?」ぽろぽろ

宮子「うん、良いよ。だからもう、ここを出て行くなんて言わないでよー?」

ゆの「うん…。う、うぇぇん…」ぽろぽろ

宮子「ほら、またすぐ泣くー」

ゆの「だって、だって……宮ちゃんが、や、やさしいから…!!」

宮子「よしよし。ごめんね、今まで…。私達、親友だよね?」なでなで

ゆの「うん…!!うぁぁぁん…!!」ぎゅ

宮子「…」なでなで

495: 2009/04/23(木) 22:48:07.51 ID:p+rfYo+m0
宮子「ちゃんと、親友として、ゆのっちの気持ちを考えたんだ」

ゆのっち「うん…!」ぽろぽろ

宮子「今日をさ、やっぱり『親友記念日』にしよう!」

ゆのっち「記念日…。うん!」

宮子「私とゆのっちの違いは埋まらないけど…」

宮子「お互いの気持ちを強制しないで、理解しあえばいいよね?」

ゆの「気持ちを強制しないで…」

宮子「そーそー。そうすればきっと、違いはなくならなくても距離は縮まるって!」

ゆの「うん、そうだね…!ありがと…宮ちゃん」

宮子「よし、じゃあ今日は…ゆのと宮子の親友記念日だね!」

503: 2009/04/23(木) 22:53:35.05 ID:p+rfYo+m0
ゆの「私、これからもひだまり荘に居ていいんだよね?」

宮子「もちろん!むしろ出て行かせないよー」

ゆの「えへへ…ありがと」

宮子「そうそう!そうやって笑ってる方が可愛いんだからゆのっちは!」

ゆの「可愛い、かぁ。宮ちゃんに言われると嬉しいよ」ニコ

宮子「ほうほう。それは光栄」

ゆの「明日から、また親友だね。でもね、宮ちゃん」

宮子「うん?」

ゆの「私、まだ宮ちゃんのこと好きだよ…?それでも良いの?」

509: 2009/04/23(木) 22:57:38.40 ID:oWRiCGWSO
ゆの「宮ちゃん、朝ご飯でき…」

パァン!

ゆの「宮ちゃん、お弁当一緒…」

パァン!

ゆの「宮ちゃん、数がk…」

パァン!

ゆの「宮ちゃん、…」

パァン!

ゆの「宮ち…」

パァン!

ゆの「みy…」

グサッ。

510: 2009/04/23(木) 22:58:19.88 ID:p+rfYo+m0
宮子「全然いいよ?」

ゆの「え…いいの?」

宮子「うん。だって、それがゆのっちの気持ちでしょー?」

ゆの「…うん」

宮子「私だって、ゆのっちを恋人には出来ないよ?それなのに親友でいいの?」

ゆの「うん。私も、宮ちゃんとずっと親友で居たいもん」

宮子「じゃあ決まりじゃない!ちなみに!」

ゆの「ん?」

宮子「親友は明日からじゃなくて今日から!」

ゆの「!あはは、そうだね」

519: 2009/04/23(木) 23:03:20.59 ID:p+rfYo+m0
宮子「よし、ゆのっち。約束しようか?」

ゆの「なにを?」

宮子「これが最後!」

ゆの「へ?」

宮子「最後だよ?」すっ

ゆの「…ううん。いい。大丈夫」

宮子「?」

ゆの「宮ちゃんが私と親友で居てくれるんだから。私だって親友で居てもらえる努力しなくちゃね」ニコ

宮子「おー、なるほど。お互い成長したのかもね、ゆのっち」

ゆの「えへへ、どうだろ」

528: 2009/04/23(木) 23:09:16.40 ID:p+rfYo+m0
ゆの「ねぇ、宮ちゃん。夜更かしついでにお願いがあるんだけど」

宮子「お!もしや同じこと考えてたかも!」

ゆの「ホント?じゃあ答え合わせしてみる?」

宮子「いいね。自信あるよ?」

ゆの「私だって。せーの、」

『課題やり直そう!』

宮子「おー。大正解」

ゆの「えへへ、やっぱり親友だね」

宮子「だねー」

ゆの「今だったら、もっとちゃんと可愛い宮ちゃん描けると思う」

宮子「期待してますぜゆのっち!じゃあ早速はじめますか!」

533: 2009/04/23(木) 23:15:04.94 ID:p+rfYo+m0
ゆの「よいしょっ」

宮子「とーう」

すとっ

沙英「おかえり。時間かかったね」

ヒロ「ホント。仲直りはできた?」

宮子「おかげさまー!」

ゆの「本当に、お世話になりました…」ペコリ

沙英「良かった良かった。一件落着だね」

ヒロ「ふわぁ…疲れちゃったぁ。二人とももう寝なさいね?明日遅刻するわよ?」

宮子「実はもう一仕事残っているのでね。ねーゆのっち!」

ゆの「うん!実はもう一回課題やり直そうと思ってるんです。今ならちゃんと描けそうだから」

538: 2009/04/23(木) 23:19:09.25 ID:p+rfYo+m0
ヒロ「あらあら。あまり遅くなりすぎないようにね?」

ゆの「はぁい!宮ちゃん、行こうか!」

宮子「おー。じゃ、ヒロさん沙英さん、おやすみなさいー」

ゆの「おやすみなさーい」ふりふり

沙英「元気だなぁ…さっきまで泣いてた子とは思えない」

ヒロ「まぁまぁ、いいじゃない。元通りになってよかったわ」

沙英「だね。私達ももう寝ようか」

ヒロ「そうね。私ももう眠いわ…」

549: 2009/04/23(木) 23:22:26.74 ID:p+rfYo+m0
【翌日・昼休み】

沙英「で、結局学校来てないし…」

ヒロ「ふふ、起きられなかったのねぇ。ゆのさんまで、珍しい」

沙英「やれやれ…世話のかかる後輩だねー。様子見に行こうか」

ヒロ「そうね。起こしてあげなきゃ」


557: 2009/04/23(木) 23:26:17.08 ID:p+rfYo+m0
【ひだまり荘】

ガチャ

沙英「おーおー。気持ちよさそうに…」

ヒロ「きっと朝方まで描いてたのね。二人仲良く寝坊かぁ」

沙英「で、肝心の課題は?」

ヒロ「出来てるみたいよ。ほら」

沙英「へぇ…よく出来てるじゃない。上出来」

ヒロ「本当ね。この宮ちゃん、良い顔で笑ってるなぁ…」

沙英「うん、宮子はやっぱりこうでないとね」

ヒロ「どうする?起こしてあげようか?」

沙英「………良いんじゃない?」




宮子・ゆの「すぅー…ぐぅー…」

560: 2009/04/23(木) 23:26:54.38 ID:4W3A8V3bO
昨晩――――



ゆの「うんっ!これでいいかな?」

宮子「おっ?完成?どれどれー」

ゆの「宮ちゃん待って!恥ずかしいよ~」

宮子「…でも…今からもっと恥ずかしいコトするでしょ?」

ゆの「えっ?///」

宮子「…今のゆのっちならいいよ…///」

ゆの「いいの?///」

宮子「…うん///」



パァン!

561: 2009/04/23(木) 23:27:46.21 ID:p+rfYo+m0
終わりです。
長々と続いてしまい申し訳ありません。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
保守・支援thxでした。
ひだまりSSなんて初めて書きました。細かいミスの指摘ありがとうです

563: 2009/04/23(木) 23:28:30.83 ID:qYmC+rbD0

564: 2009/04/23(木) 23:28:41.88 ID:8fcm58Yy0
おもしろかった。乙

引用: ゆの「…決めた!今日こそ言おう!」