1: 2011/11/01(火) 02:03:35.28 ID:m3/nQuhl0

響「なぁ美希」

美希「ん?どうしたの響」

響「自分達…本当に良かったのかなって思って」

美希「……961プロの事?」

響「うん…」

美希「響、ミキ達はもう使えないと言われて捨てられた身なの」

美希「だから今更後悔しても遅いの」

響「だけど……自分、今からどうしていけば良いかわかんないぞ…」

3: 2011/11/01(火) 02:07:25.73 ID:m3/nQuhl0

美希「響…」

響「自分、沖縄からこっちに来る時住む場所とか全部961プロにしてもらったから…」

響「……住む所も無くなっちゃって」

美希「響…」

響「じ、自分、沖縄に帰ろうかな」

美希「なっ、何言い出すの!?」

響「だって…じゃあ自分、コレからどうすればいいんだ?」

6: 2011/11/01(火) 02:10:27.37 ID:m3/nQuhl0

美希「それは…」

響「…」

美希「じゃ、じゃあミキの家に来ると良いの!」

響「美希の家に…?」

美希「うん!ミキの家」

響「でも…それじゃあ美希に迷惑かけちゃうぞ…」

美希「し、心配無用なの!ミキに任せるの」

響「…ありがとう、美希」

美希「だからミキ達も頑張るの」

響「な、なにを頑張るんだ?」

7: 2011/11/01(火) 02:12:46.64 ID:m3/nQuhl0

美希「もちろん、アイドルを!」

響「ア、イドル?」

美希「うん!もう961プロのアイドルじゃないけど」

美希「ミキ、アイドル続けるよ」

響「……でも」

響「961プロから捨てられる時に言われた言葉…あれ、多分嘘じゃないぞ」

美希「…」

8: 2011/11/01(火) 02:16:04.49 ID:m3/nQuhl0

「お前達…捨てられると言う事を理解してないな」

美希「言いたい事はそれだけ?ならもうミキ達は行くの」

響「み、美希…」

美希「こんな所、こっちから願い下げなの!」

「……続けられると思うなよ」

美希「っ」

「ふふふ…アイドルを続けられると思うなよ星井美希」

「ここを出たらお前達は一生普通の女の子になるんだからなぁ」

「他の会社に雇ってもらう…甘いな」

美希「ミキはミキなの!あんたなんかに決められる程安い女じゃないの!!」

9: 2011/11/01(火) 02:18:36.44 ID:m3/nQuhl0

美希「…」

響「あの時の社長の言葉…」

美希「あんな奴、社長でもなんでも無いの」

美希「……くっ」ギリ

響「そんなに強く握ったら爪が割れちゃうぞ」

美希「わ、わかってる……わかってるけど」

美希「絶対に終わらない…こんな所で終わりたくないの」

響「…」

11: 2011/11/01(火) 02:23:08.41 ID:m3/nQuhl0

美希「響…お腹は空いてない?」

響「うん、大丈夫」

響「って!ミキに心配かけるなんて自分…ダメダメだぞ」

響「自分の方がお姉さんなのにな…」

美希「ご、ごめんなさい…」

響「なんで美希が謝るさー、悪いのは自分だぞ」

美希「……ごめんなさい」

響「美希…や、やめてよ」

響「そんな表情されると…じ、自分までっ……グス」


12: 2011/11/01(火) 02:25:29.40 ID:m3/nQuhl0

響「自分……怖いよ」

響「明日からどうすればいいか…怖いよ」

美希「…ミキも」

美希「これから……どうすればいいかわかんないの」

美希「……怖い」

美希「さっきまでアイドルだった!」

美希「ミキはさっきまでアイドルだったの!!」

美希「……961プロの」

美希「アイドルだったの……」

14: 2011/11/01(火) 02:28:31.63 ID:m3/nQuhl0

響「…」

美希「……本当は、続けたかった」

美希「要らないって言われた時ね」

美希「頭の中が真っ白になったの」

美希「……反発も出来なかった…」

美希「ただ、強がりを言うしかあの時は出来なかったの」

響「自分なんて…何も言えなかった」

響「突然過ぎて……考える時間も無かったさぁ…」

15: 2011/11/01(火) 02:31:05.04 ID:m3/nQuhl0

響「……自分、やっぱり沖縄に帰る」

美希「なっ!?響?」

響「やっぱり美希には迷惑かけれないから」

響「だから自分、実家に帰って……」

響「…ま、また……普通の女の子にっ…ぐっ…うぅ…」

美希「いや……響と離れたくない」

美希「響と離れちゃったら…ミキ、自分を保てそうに無いの…」

16: 2011/11/01(火) 02:34:05.49 ID:m3/nQuhl0

美希「だからお願い…ミキのわがまま、聞いてほしいの」

響「…み…美希」

美希「……」

美希「と、とりあえず響のアパートに行こっ?」

響「自分の…アパートにか?」

美希「うん!ミキの家に住むんだから荷物を取りに行かないと」

響「……ありがと、美希」ボソッ

美希「ん?何か言ったの?」

響「うぅん、なんでも無いぞ」

美希「変な響」

響「あぁっ!変って言うなー!」

17: 2011/11/01(火) 02:38:27.73 ID:m3/nQuhl0

~アパート~

響「……えっ」

美希「な、何も無いの…」

響「えっ?えっ!えっ!?」

響「な、何で何も無いんだ!?」

響「部屋の中の物全部!!」

響「どこいったのさー!」

美希「響、お、落ち着くの」

響「これが落ち着いてられる!?」

響「自分のアパート!自分の荷物!!」

響「な、なんで……」プルプル

響「なんでなにも無いのさ…」

プルルルルッ

美希「響…電話なの」

響「…ぐっ」カチャ

19: 2011/11/01(火) 02:42:38.35 ID:m3/nQuhl0

「やぁ響ちゃん……いや、我那覇響」

響「…黒井社長」

「言い忘れていたよ」

「君の部屋の物、全て私が回収した」

響「なっ、何で黒井社長がそんな事するのさ!」

「おやぁ?言わなかったかね」

「私はお前を捨てたんだ」

響「……さっき聞いたぞ」

「だからね、君の部屋、私が用意した物だよねぇ……我那覇響」

響「そ、それと自分の荷物…なんの関係があるのさ」

21: 2011/11/01(火) 02:46:47.73 ID:m3/nQuhl0

「ははは…面白い事を言うねぇ」

響「…自分の荷物、返せ」

「返せ?……あははははは!こりゃあ傑作だ」

響「……返せ」

「私が君に与えた物を回収しただけ……と、言った筈だが」

響「……」プルプル

美希「響…」

「お前の物、買えたのは私がお前にお金を渡していたからだろう?」

「だからね……回収させてもら


響「あぁあ"ああ!!」ブンッ

ガシャンッ

……ツーッツーッツー

24: 2011/11/01(火) 02:49:50.55 ID:m3/nQuhl0

美希「響…携帯が」

響「……くそっ!!」

響「くそっ!くそっ!くそっ!!!」

響「自分の物全部全部全部全部ッ!!」

響「自分の思い出全てをっ!!」

響「なんで黒井社長に管理されなきゃなんないんだ!!」

響「自分の……自分の思い出…」

響「返して……返してよぉ…」

響「アイドルだけじゃなくて……」

響「なんで思い出まで自分から取っちゃうのさぁ……」

響「……ゔっ…ぁあ"っ……ぁ」

美希「響…」

26: 2011/11/01(火) 02:53:20.61 ID:m3/nQuhl0

響「……美希、ごめん」

美希「えっ?」

響「嫌でも美希の家に世話になっちゃうぞ……あ、あはは…ごめんなさい」

響「沖縄にも…帰れなくなっちゃったさぁ」

美希「み、ミキは最初からそのつもりなの」

美希「だから響、今からミキのお家にいこ?」

美希「とりあえず……今は落ち着かないと」

響「…ありがとうな、美希」

27: 2011/11/01(火) 02:56:33.42 ID:m3/nQuhl0

美希「ちなみに響、お財布は」

響「通帳も回収されちゃってるからお財布が頼りなんだけど…」

響「……2万4309円しか入ってないぞ」

美希「そ、それだけ有れば当分は大丈夫なの」

響「ごめんなさい…」

美希「もー!謝るの禁止!」

美希「それに、響はミキよりお姉さんなの」

美希「だからミキに気兼ねなく言ってきてよ」

響「美希…」

響「う、うん…」

30: 2011/11/01(火) 02:59:40.83 ID:m3/nQuhl0

美希「とりあえず…お昼にでもする?」

響「…うん」

響「自分が出すよ!」

美希「で、でもそんな事したら」

響「自分、美希よりお姉さんなんだぞ!」

響「だからお姉さんの言う事はハイって返事するだけでいいんだぞ」

美希「……ありがとう、響」

響「じゃあ何処に食べに行く?あっ、あんまり高い所は無しで…」

美希「うーんと…」

32: 2011/11/01(火) 03:04:52.77 ID:m3/nQuhl0

貴音「…何故、美希と響を」

「不要なゴミを捨てるの当然の事だろう?……貴音ちゃん」

貴音「不要なゴミ…」

貴音「まさか黒井殿の口からその様な言葉を聞く事になるとは」

貴音「わたくし、思ってもみませんでした」

「……だったらどうなんだ」

貴音「わたくしが961プロでアイドルを続けていけたのは彼女達のおかげ」

貴音「それなのに…貴方は」

「……ふっ、お前も私に逆らう気か」

34: 2011/11/01(火) 03:08:08.64 ID:m3/nQuhl0

貴音「…黒井殿」

「なんだ…」

貴音「今からでも遅くは御座いません、美希達を早急に引き戻してください」

「私にゴミを回収しろ……と」

貴音「彼女達はゴミでは御座いません!961プロのアイドルです!」

「お前が声を荒げるのは初めてじゃないのか?」

「……まだ調教が足りなかったか」

貴音「っ!?」

「忘れたとは言わせんぞ…」

貴音「黒井殿……あなた様と言うおかたは」

「ふふふ…気持ち良かっただろう?」

36: 2011/11/01(火) 03:11:24.21 ID:m3/nQuhl0

「何故お前達が多忙な毎日を送れたか」

「もちろん、私の裏金も有るが……」

「一番は…貴音、お前の成果なんだぞ」

貴音「…くっ」

「お偉いさんに尻尾を振って何度も何度も助け船を出してもらってたよなぁ」

「あのゴミ達の為に……」

「自分を捨ててまで……くっくっくっく」

「傑作だ…」

貴音「……黒井殿」

貴音「わたくし、決めました」


37: 2011/11/01(火) 03:15:13.68 ID:m3/nQuhl0

~すき家~

美希「こ、ここは…」

響「あははは…」

響「や、安くてお腹いっぱい食べれるんだぞ!」

響「自分も961プロ入りたての頃はお世話になったんだし」

美希「ミキ、牛丼屋なんて初めてなの…」

響「ゔぅ…や、やっぱり嫌か?」

美希「ううん、嫌とは言ってないよ?」

響「じゃあ入るぞ」

美希「レッツゴーなのー!」

39: 2011/11/01(火) 03:18:35.91 ID:m3/nQuhl0

貴音「…」

貴音「結局、わたくしも茨の道を歩まねばならない運命だったのですね…」

貴音「美希…響…」

貴音「わたくしは……」

貴音「いいえ、今は前だけ見つめなければ」

貴音「…」グルルル

貴音「お腹が…空きました」

貴音「何処か、美味しいお店は」キョロキョロ

40: 2011/11/01(火) 03:21:30.94 ID:m3/nQuhl0

美希「えっと…ねぇ響」

響「ん?なんだ」

美希「この特盛?」

美希「これは何なの?」

響「あっ、それは自分達には関係無いぞ」

美希「ミキ達には関係無いの?」

響「うん…だって食べれな

美希「牛丼の特盛一つくーださいっ!」

店員「かしこまりました」

響「なななっ、何言ってるんだ!?美希には絶対食べれないぞ!」

41: 2011/11/01(火) 03:25:14.35 ID:m3/nQuhl0

美希「大丈夫なの」

響「だ、大丈夫な訳無いさー!」

美希「ほらー、響も早く頼まなきゃ、店員さん困ってるの」

響「ゔあっ…え、えっと…」

響「牛丼の並、卵二つ」

店員「並に卵お二つ…以上で?」

響「あっ!つゆダクダクダクで」

美希「だ、…ダク?」

響「あっ、美希は知らないんだな」

響「丼に汁を沢山入れてくれるんだぞ」

美希「へー……じゃあ店員さん」

美希「ミキもつゆダクダクダクで」

店員「ご注文も確認をさせていただきます」

45: 2011/11/01(火) 03:29:48.04 ID:m3/nQuhl0

店員「牛丼特盛、つよダクのお客様」

店員「お待たせしました」コトッ

美希「……な、なんなのコレ」

響「もー、だから言ったさぁ食べれないって」

美希「量の多さも予定外だけど…」

美希「なんなのこの汁…丼満タン入ってるの」

響「それが良いんだぞ、美希はまだ子供だなぁ」

美希「ムッ!美希もう子供じゃないの」

美希「…」スッ

美希「あつっ!……丼が熱くて持てないの」

46: 2011/11/01(火) 03:33:39.07 ID:m3/nQuhl0

店員「牛丼並、卵二つのお客様、お待たせしました」コトッ

響「…」

美希「響…なんで卵二つも頼んだの?」

響「自分、牛丼食べる時は黄身を二つ入れないとなんか物足りなくて」

美希「そうなんだ…」

響「あと美希、食べる時は丼を持つんじゃ無いぞ」

美希「えっ?」

響「当たり前さー、そんな熱つい丼、持てって言うのが無理な話しだぞ」

美希「じゃ、じゃあどうやって食べればいいの?」

響「教えてあげるから、ちょっと待つさ、今白身と黄身を分けてるから」

47: 2011/11/01(火) 03:38:16.38 ID:m3/nQuhl0

響「まず箸を持つ」

美希「持ったの」

響「次に箸を置くんだぞ」

美希「?わ、分かったの」

響「丼に顔を近づける」

美希「うん、近づけたよ」

響「そして……」

美希「そして?」

ズズズズズズ

美希「!?」

響「んぐっ…んっんぐっ」

美希「響…」

響「ぷはっ」

響「ほらぁ、美希も汁を啜るさぁ」

美希「……冷めるまで待つの」

48: 2011/11/01(火) 03:45:08.34 ID:m3/nQuhl0

貴音「…」

貴音「やってしまいました」

貴音「961プロから自ら抜けたのは良いのですが…」

貴音「お財布を……忘れてきてしまいました」

貴音「しかし、わたくしはもう普通の女の子」

貴音「あそこにはもう…戻れません」

グルルル

貴音「はあぁっ!」

貴音「お、お腹が…空きました」

49: 2011/11/01(火) 03:50:55.39 ID:m3/nQuhl0

店員「ありがとうございましたー」


美希「…お、美味しかったの」

響「本当?半分位残してたから心配したんだぞ」

美希「お腹いっぱいになっちゃったから…」

響「そっか、なら良かった」

美希(…もう当分は行かないの)

響「えっと…じゃあさっ、美希」

美希「ん?」

響「その……美希の家に行きたいなぁって」

美希「あっ」

響「だ、駄目かな」

美希「じゃあ行くの、ミキの家に」

響「う、うん!」

51: 2011/11/01(火) 03:55:08.29 ID:m3/nQuhl0

~美希宅~

美希「今はママとパパが居ないけど」

美希「後でミキから事情は説明しとくから、心配しなくて良いの」

響「うん…じゃあ、おじゃまします」

美希「そんなに硬くならなくても…」

美希「初めてじゃないんだからべつに良いの」

響「…わ、わかった」

52: 2011/11/01(火) 03:57:26.60 ID:m3/nQuhl0

美希「……」

響「あ、あのさ」

美希「…なあに響」

響「今、平日なんだよね」

美希「うん…そうだよ」

響「……普通の女の子はさ」

響「今頃…学校だよね」

美希「………うん」

響「自分、学生服が無いから…」

響「明日からどうやって学校に行こうかな……あは、あはは」

響「…」

54: 2011/11/01(火) 04:00:53.51 ID:m3/nQuhl0

響「……美希にだけ」

美希「えっ?」

響「美希にだけ言うけどさ…」

響「ほらっ、自分、ずっと961プロでアイドルやってたからさ」

響「あんまり同級生との接点が無いっていうか……あんまり話してないというか」

響「美希と違って自分…あまり他人とコミュニケーション取れなくて」

響「いっ……いつも…学校で…」

響「アイドルだから……だっ、誰に近寄らなくて……」

響「自分……学校は嫌いだぞ…」

美希「響…」

59: 2011/11/01(火) 04:07:24.82 ID:m3/nQuhl0

響「沖縄から来て…こっちで高校に入学して…」

美希「もうその頃にはミキ達は961プロの売れっ子アイドルだったの」

美希「…だから学校へはあまり行けなかった」

響「ゔん…だからたまに行く学校でも……一人ぼっちだったさぁ」

響「最初はアイドルの自分を羨ましがって話し掛けてきてくれる子もいたんだけど…」

響「……やっぱり学校に行く日の方が少なかったから」

響「気づいたら自分……皆と離されてて」

響「だけどっ…美希達と一緒に仕事出来たから」

響「…だから学校の事はあまり気にしない様にしてた」

61: 2011/11/01(火) 04:11:37.30 ID:m3/nQuhl0

響「……怖い」

響「明日から…」

響「明日からアイドルの自分じゃなくて、普通の女の子として学校に行かなきゃならない…」

響「…それも、学生服も無し」

響「どうすればいいのさ…自分」

響「またあんな辛い思いを…」

響「毎日味合わなくちゃいけないんだぞ」

響「自分…狂っちゃいそうだぞ」

美希「響…あ、あのね」

響「自分は……美希じゃないから」

美希「…」ズキッ

64: 2011/11/01(火) 04:15:55.11 ID:m3/nQuhl0

響「美希は明るいから」

響「美希は何でも出来るから…」

美希「ひ、響」

響「中学時代の頃だってそうだった…」

響「仕事で全然学校に来れなくても」

響「たまにしか行かない学校でも……」

響「美希の周りには何時も大勢の人がいたぞ」

美希「…」

響「……自分は一人だったのに」

響「美希だけ…」

67: 2011/11/01(火) 04:18:54.72 ID:m3/nQuhl0

美希「そ、そんな事無いの」

響「……なんで嘘なんかつくのさ」

響「自分が哀れだからか?」

美希「違う」

響「自分が可哀想だからか?」

美希「違う!」

響「……違わないぞ」

美希「響、何かおかしいの!さっきからどうしちゃったの!?」

響「……」

響「黙れ」

美希「え"っ」

響「……黙れ」

69: 2011/11/01(火) 04:23:01.54 ID:m3/nQuhl0

響「美希には家族が居る……すぐそばに」

美希「ひ、響?」

響「自分は一人ぼっち、家族は遠い沖縄に居る」

響「……自分は一人ぼっち」

響「学校で……広い教室に一人だけ」

美希「ひ、響!」

響「美希は一人じゃない…沢山沢山」

響「……自分は一人」

美希「響!いい加減にするの!!」

響「自分は一人ぼっち…何時も」

響「いまから…ずっと…ずっと!」

美希「響!」

響「う"っ…あぁ…あ"っ」

響「うぁ"あぁああ"!!」

70: 2011/11/01(火) 04:25:42.03 ID:m3/nQuhl0

美希「ひ、響!」

響「いや"だあ"!」

響「一人ぼっちは嫌だぞぉ"!」

響「こわいぃ!暗いよぉ"お!」

響「あ"っ!ま、まただぞ!また皆が自分を見てくる!」

響「悲しい悲しい目で自分をっ!!」

響「うがぁあ"あ!い、いやだあぁあ!」

響「こわいっ?!あぁあ"っ!」

美希「響!響?!響!!」

響「があ"ぁあ"あ!」


73: 2011/11/01(火) 04:30:51.45 ID:m3/nQuhl0
「あっ、来たわよ…」
「我那覇さんよ…」
「あぁ、あのアイドルの」

「ずっと学校に顔出さないでいてたまに出したと思ったらあの態度」
「何様のつもり?ちょっと売れてるからって生意気よね」
「ねぇ…今度から我那覇さんを避けない?」
「あっ、賛成」

「あはは、昼休みに一人で出かけてると思ったら」
「一人でご飯食べてるのね」
「アイドルなのにねぇ…」
「孤高のヒロインを演じたいのよきっと」

「私たちと生きてる世界が違うって自慢?」
「うわぁ、ムカつくんですけどぉ」
「なら良いわよ…一人にしてあげる」
「我那覇は一緒一人ぼっち」


一人ぼっち……

…一人ぼっち


響「あぁ"あア"亜"」

美希「響!!響!」

75: 2011/11/01(火) 04:35:42.65 ID:m3/nQuhl0

響「み、美希!」ガバッ

美希「きゃっ!」

響「今からでも遅くないぞ!」

響「黒井社長の所にい"っで謝ろう"!」

響「あやま"っでまたアイドルやらせてもら"おう"!」

美希「ちょっ、い、痛いの…離して…」

響「また三人でアイドルやろ"!?」

響「もどろ!?またアイドルに戻ろう!!」


78: 2011/11/01(火) 04:42:06.07 ID:m3/nQuhl0

響「美希!で、電話貸して!」

美希「な、なにするつもりなの」

響「自分の電話!さっき壊れたから電話かけれないんだ」

響「く、黒井社長に電話をかけさせてよ!ま、また自分達にアイドルやらせてもらえるように自分っ!いうがら!」

美希「ミキ達はもう捨てられたの!」

響「だから電話して謝るんだぞ!謝ったら許してもらえる!!」

響「謝ったらまたアイドルさせてもらえる!だから美希っ!がしでえぇ"」

響「電話さぜでえ"ぇ!」

美希「ッッ!ひ、響!!」ヒュッ

パチーンッ!

79: 2011/11/01(火) 04:46:40.58 ID:m3/nQuhl0

響「いっ…」

美希「ハァ…っはぁ…」

響「な、なにするんだよ…美希ぃ」

美希「響…ミキ達は捨てられたの」

響「す、捨てられた…?」

美希「そう…捨てられた」

美希「961プロに……あいつに」

響「……」

美希「だから今から再スタートなんだよ?」

美希「新しい自分を探さないといけないの」

美希「なのに……後ろしか見ないのは響…間違いだとミキは思うな」

響「ぁ…」

81: 2011/11/01(火) 04:51:33.84 ID:m3/nQuhl0

美希「確かに…落ち着けってのは無理が有ると思う」

美希「特に響はミキ達と違って何も残らなかったから当然なの」

美希「だけどそれじゃいけない…」

美希「響、逆に考えて見ないかな」

響「逆に……?」

美希「うん、逆に」

響「なにを…逆に考えるんだ?」

美希「響は、あいつから全てを奪われたんだよね」

響「……うん、回収された」

美希「だったらさ、こう考えれば少しは楽になるの」

美希「回収されたんじゃなくて、向こうに返したんだって」

82: 2011/11/01(火) 04:56:16.04 ID:m3/nQuhl0

美希「要らないから向こうに送り返したんだって」

響「送り返した…」

美希「うん!あいつの物なんて響が管理する必要無かったの」

美希「だから全部あいつに返した」

美希「要らないから向こうに送りつけたんだって」

響「……うん」

響「…そう考えてみるぞ」

美希「今すぐにってのは無理だと思うけど、少しづつ少しづつ頑張っていこ?」

響「……う、うん」

美希「じゃあさ響」

響「ん?どうしたんだ美希」

美希「電話してみない?……貴音に」

響「貴音に?」

85: 2011/11/01(火) 05:03:41.28 ID:m3/nQuhl0

美希「そう……貴音に」

美希「ミキ達は三人でユニットを組んでたの」

響「…そうだな、貴音はまだクビじゃ無かったんだよな」

美希「だからね、貴音に連絡をとって相談してみるの」

響「な、何を?」

美希「これからの事」

響「ちょっ、ちょっと待つさー」

響「貴音は関係無いぞ、貴音はまだ961プロのアイドルなんだし」

響「それに、下手に自分達と連絡とってるのがあいつにバレたら…」

響「貴音…何されるかわかんないぞ」

86: 2011/11/01(火) 05:09:02.12 ID:m3/nQuhl0

美希「……そこまで考えて無かったの」

響「貴音は961プロからアイドルやってた方が絶対幸せだぞ」

響「だから貴音はそっとしとくさぁ」

美希「でも、やっぱり気になるの」

響「貴音なら大丈夫だぞ!一番お姉さんなんだしな」

美希「ま、まぁ貴音の事だから大丈夫とは思うけど…」

響「それに、いずれ貴音のほうからかけてくるさ」

美希「確かに…」

90: 2011/11/01(火) 05:15:22.89 ID:m3/nQuhl0
すみませんおきたらすぐ書きます

143: 2011/11/01(火) 14:09:13.78 ID:m3/nQuhl0

美希「で、これからどうするの?」

響「どうするって…」

美希「だって響…学校に行く為の服や教科書、何も無いんでしょ?」

響「そうだけど……」

響「い、今は考えたく無いっていうか…その…」

美希「そんなんじゃ駄目なの」

響「ゔぅ…」

美希「ミキ達は普通の女の子……今はだけど」

美希「だから学校へは行かないと…」

響「わ、分かってるさ…」

145: 2011/11/01(火) 14:13:09.88 ID:m3/nQuhl0

響「でもお金が無いから…」

美希「それ位ミキが出すの」

響「い、良いって!そこまでしてもらいたく無いぞ!」

美希「だったらどうするの?明日から」

響「それは……」

美希「響の事だからずっと行かないつもりなの」

響「……」

美希「それじゃあ変わるどころか前よりも悪くなってるの」

響「うん…そうだな…」

美希「じゃあ決まり!今から教科書と学生服を買いに行くのー!」

響「……おっ、おー…」

響(ゔぐぅ…どうせなら学校辞めたかったさぁ)

151: 2011/11/01(火) 14:18:13.81 ID:m3/nQuhl0

貴音「…」グルルル

貴音「はあぁっ!?……くうぅ…」

貴音「み、美希に連絡して何か食べ物を……」

貴音「……だ、ダメです」

貴音「あの二人はわたくし以上に辛い筈」

貴音「わたくしが弱音を吐くなどあってはならぬ事……」

貴音「…貴音……今は耐えるのです」

貴音「家に着けば食べ物位いくらでも有る筈」

貴音「……」グルルル

貴音「うぅ……」

152: 2011/11/01(火) 14:22:13.05 ID:m3/nQuhl0

ー秋田書店ー

美希「ここに響の高校の教科書があるの?」

響「うん…そうさぁ」

美希「じゃあ早速買いに行くの」

響「……うん」

ウィーン

店員「いらっしゃいませ」

美希「あの、○○高校の教科書が欲しいんですけど…」

店員「少々お待ちください」

響「…(なんで有るのかなぁ…無いって一言いってくれればすっごい楽になるのに)」

美希「良かったね響!」

響「う、うん…」

154: 2011/11/01(火) 14:27:30.55 ID:m3/nQuhl0

「あれ?……あー!やっぱ美希じゃん」

美希「えっ?」

響「…(アレは確か美希の友達の)」

「奇遇だねーまさかこんな所で会うなんてさぁ」

美希「そうだね、偶然なの」

響(自分、どっかにいっといた方が良さそうだな…)

「あれ?響先輩?」

響「…うん、久しぶり…」

「久しぶりですねぇ、アイドル始めて高校に入ってぶりじゃないですか?」

響「あ、あはは……そ、そうだっけ」

響「…(アイドル…自分、もうアイドルじゃないぞ)」

155: 2011/11/01(火) 14:31:53.82 ID:m3/nQuhl0

「いやぁ、で、高校生活、どうなんですか?」

響「……」

「響先輩?」

美希「響…」

響「…な、なんとかやってるさぁ!仕事であんまし行けないけど……」

響「それでも自分……頑張ってるぞ…」

「そうですかぁ、やっぱりアイドルは凄いなぁ。私、いつか響先輩や美希に負けない位のアイドルになってみせますよ」

美希「……そう」

「ん?どうしたの美希?」

美希「…頑張ってね……アイドル」

「美希と違って私は何も出来ないから頑張らなくっちゃ!」

美希「………そんな甘い考えなら諦めた方が良いよ」

「えっ?」

響「み、美希」

美希「…そんなに甘いもんじゃないの」

156: 2011/11/01(火) 14:37:06.60 ID:m3/nQuhl0

美希「頑張らなくちゃじゃ通用しないよ……」

美希「出来て当然にしないと…」

「美希?な、なんか何時もとちがくない?」

美希「……アイドルになってから?」

美希「…そんなんじゃ遅すぎる……」

美希「いきなり何も知らない所に放り投げられて…」

美希「無理やり……身体に叩き込まれる辛さを…」

響「美希…も、もう」

美希「…分からないから言えるの……」

「美希?なんか怖いよ」

美希「……ごめんなさい」

美希「ミキ、ちょっと風に当たって来るの…」

スタスタスタ

「あっ…」

響「…」

157: 2011/11/01(火) 14:40:55.14 ID:m3/nQuhl0

「い、行っちゃいましたね…」

響「う、うん…」

「……わ、私も行きます」

響「あっ…うん」

「響先輩も…アイドル、頑張ってくださいね」

響「……うん」

「さよなら」

スタスタスタ


響「…」

響「美希、アイドル…楽しく無かったのかな」

響「自分は……楽しかったよ」

響「身体に叩き込まれたけど…無理も言われたけど」

響「……でも」

響「自分は…楽しかった」

158: 2011/11/01(火) 14:44:04.08 ID:m3/nQuhl0

美希「……はぁ」

美希「なに言ってんだろ…」

美希「何であんな事言ったの?」

美希「捨てられた事への憂さ晴らし?」

美希「……楽しく無かった」

美希「少なくとも、アイドルやってた頃はそんな事思った事無かったのに…」

美希「なんで今になって…」

美希「ミキ、最低なの……」

美希「情けない…自分が…情けないの」

161: 2011/11/01(火) 14:50:44.70 ID:m3/nQuhl0

響「美希」

響「どうしたのさ、急に飛び出していって」

美希「ごめんなさい…」

響「じ、自分に謝らなくて良いけどさ…友達にはちゃんと謝っといた方が」

美希「うん…分かってる」

美希「後でちゃんと謝るの…」

響「なら良いけど…」

美希「…響」

響「ん?」

美希「……」

美希「教科書…取りに行こ?」

響「……うん」

美希「それが終わったら次は制服なの!」

美希「早い内に済ませて今日はもうあがりにするの」

響「そ、そうだなっ!」

162: 2011/11/01(火) 14:55:24.40 ID:m3/nQuhl0

美希「け、結構有るの…」

響「あ、あはは…自分が全部持つから良いよ」

美希「ううん、ミキにも持たせて」

美希「響一人には重たいと思うの」

響「自分…そんなに力弱いかな」

美希「間違いなくミキよりは弱いの」

響「ゔぅ…」

美希「響は軽すぎなの、それに背も低いし」

響「美希…それ以上言われたら自分……泣いちゃいそうさぁ」

美希「事実なの」

響「…な、なんくるないさ」

163: 2011/11/01(火) 15:02:40.50 ID:m3/nQuhl0

P「えーっと、今何時だぁ…」

春香「プロデューサーさん、早くしないと間に合いませんよ?」

P「うわぁ…マジだ、間に合うかなぁ」

千早「こんな時に限って車が使えないなんて…」

P「すまん…昨日電柱に突っ込んじまって大破しちゃった」

千早「いえ…プロデューサーを責めるつもりはありません」

千早「ただ、仕事に間に合わないのはちょっと…」

P「だからタクシー捕まえようとしてるんだけどなぁ」

P「あーもっ!ぜんっぜん捕まらん!」

春香「プロデューサーさん、大丈夫なんですかぁ?」

P「ゔうぅ…」

164: 2011/11/01(火) 15:06:56.42 ID:m3/nQuhl0

P「えっと…こっから車で10分くらいか」

春香「はい!あと30分で収録開始ですねプロデューサーさん!」

P「……しるか」

千早「はい?」

P「走るか」

春香「はし……る?」

P「飛ばせば間に合うだろ…多分」

千早「プロデューサー?」

P「とにかく、走るぞ」

春香「ええぇ!?は、走って行くんですかぁ?!」

P「間に合わないよりマシ……だろ?」

千早「……」

春香「千早ちゃん?」

千早「…春香、走るわよ」

春香「ち、千早ちゃんまで…」

166: 2011/11/01(火) 15:11:30.66 ID:m3/nQuhl0

タッタッタッタッタ

P「あはははは、すまんな二人共!」

春香「本当ですよぉー!」

春香「せっかく律子さんにセットしてもらったのに…」

春香「現場に着く頃にはぐしゃぐしゃじゃ無いですかー!」

千早「春香、口を動かす暇が有ったら足を動かして」

春香「ゔぅ…千早ちゃんまでぇ」

P「たまには良いじゃないか、走って行くのも!」

春香「プロデューサーさん!帰りは絶対タクシー拾ってくださいね!!」

P「分かってる分かってる……ほらっ、急ぐぞ」

春香「ぷ、プロデューサーさん!ま、待ってくださーい」

169: 2011/11/01(火) 15:17:33.42 ID:m3/nQuhl0

響「え?このまま行くのか?」

美希「うん…どうせならこのまま制服も買いに行くの」

響「じゃ、じゃあ自分、タクシー呼ぶさー」

美希「そんな勿体無い事しなくても良いの」

響「でも…」

美希「どうせ制服が売ってある所まで近いんだから…」

美希「このまま行っちゃうよ、ねっ?」

響「うー…なんかすっごく悪い事してるみたいだぞ」

美希「響は少し考えすぎなの」


172: 2011/11/01(火) 15:21:20.65 ID:m3/nQuhl0

響「だって」

美希「だってはもう禁止」

美希「二人で居る時位は遠慮なんてしちゃいけないの」

響「美希…」

美希「心配しなくても、ミキも響に頼るつもり」

美希「だから今は響の番…」

美希「ね?響」

響「……わ、分かった」

響「そ、そのかわり今日はもう美希に頼んないぞ!こ、これでお終い!」

響「制服は自分で持つからな!」

美希「……うん、わかったの」

173: 2011/11/01(火) 15:24:54.34 ID:m3/nQuhl0

タッタッタッタッタ

P「あぁあー!ヤバい!間に合わねぇよ」

春香「プロデューサーさんのせいですよ!」

千早「……プロデューサー、こっちから行きましょう」

P「は?」

千早「少し近道を」

春香「さっすが千早ちゃん!プロデューサーさんの数倍は頼りになるよ!」

P「春香…お前案外毒舌なんだな」

春香「事実ですから!」

P「……」

千早「プロデューサー」

P「あぁ…分かってる」

175: 2011/11/01(火) 15:30:08.93 ID:m3/nQuhl0

響「えへへ、ようやくゲットだな!」

美希「えっと…これで全部だよね」

響「うん!ありがとな、美希」

美希「どういたしましてなの」

響「これで明日から学校に行けるぞ」

美希「明日から……か」

響「どうした?美希」

美希「ううん…なんでもないの」

響「じゃあ自分、タクシー呼ぶさー」

176: 2011/11/01(火) 15:34:39.83 ID:m3/nQuhl0

P「はぁ…っはぁ」

春香「な、なんとか間に合いましたね…」

P「すまん……今度からは気をつける」

春香「…気をつけるじゃなくて無い様にしてください!!」

P「……すみません」

春香「許しません」

千早「春香…その辺にして今は」

春香「千早ちゃんは嫌じゃないの?!」

千早「…」

178: 2011/11/01(火) 15:38:11.20 ID:m3/nQuhl0

春香「間に合ったって言ってもギリギリだよ?」

春香「千早ちゃんが近道を教えてくれなかったら間に合って無かったんだよ?」

P「だから悪かったって…」

春香「……」

春香「早く行きましょうよ」

P「あぁ」

千早「プロデューサー、春香と何かあったんですか?」

P「な、なにがだ?」

千早「いえ…なんか今日の春香、プロデューサーにキツい様な気がするので」

P「さぁ?」

千早「さぁって…」

182: 2011/11/01(火) 15:42:01.03 ID:m3/nQuhl0

P「あっ!」

千早「どうかしたんですか?」

P「そういえば今日…」

P「事務所の机あるだろ?あのソファの目の前の」

千早「…はい」

P「あの上にリボンが置いてあってな」

千早「リボン?……春香のですか」

P「あぁ、それでそのリボン…」

P「邪魔だから捨てちゃったんだ…」

千早「…」

P「だって…客人が来るって聞いてたからさ」

185: 2011/11/01(火) 15:46:14.28 ID:m3/nQuhl0

P「春香ってさ、毎日別の色のリボン付けて来てるだろ?」

千早「そうですね」

P「だから…机の上に放置されてたからさ」

P「もう使わないリボンなんだと勝手に思っちゃってさ」

千早「それで捨てたと…」

P「あぁ、捨てた」

P「それがいけなかったのかなぁ…」

千早「間違いなくそれだと思います…」

千早「春香に謝ったんですか?」

188: 2011/11/01(火) 15:51:02.75 ID:m3/nQuhl0

P「いや、謝ってないよ」

千早「…」

P「だって今の春香、リボン付けてるだろ?」

千早「そうですね…黄色のリボンを付けてますね」

P「ちなみに俺が捨てたのは赤色のリボンな」

千早「赤色って…春香が一番気に入ってる色ですよ……」

P「だからさ、春香に野口を渡したんだよ」

千早「野口?」

P「1000円札、これで買いなおせば良いだろって言ったっきりあの態度なんだよ」

千早「……今すぐ春香に謝ってください」

P「なんでさ」

千早「当たり前です」

194: 2011/11/01(火) 15:55:17.07 ID:m3/nQuhl0

千早「春香…きっと今泣いてますよ」

P「俺には怒ってる様にしか見えなかったんだけど…」

千早「プロデューサー」

千早「ただでさえ皆から不評なんですよ?」

P「えっ」

千早「……やっぱり知らなかったんですね」

P「俺が……嫌われてる?」

千早「はい」

千早「ものすごく嫌われてます」

P「……た、例えば誰に…何をしたってんだ」

196: 2011/11/01(火) 15:58:49.54 ID:m3/nQuhl0

千早「今は仕事に集中しましょう」

P「…あ、あぁ」

千早「これが終わったら春香に謝ってください」

P「……」

千早「プロデューサー」

P「わ、分かりました…」

P「謝ります」

千早「私、先に行ってますから」

P「はい…」

スタスタスタ

P「嫌われてる……俺が…皆に」

198: 2011/11/01(火) 16:04:09.38 ID:m3/nQuhl0

春香「はい、始まりましたぁ」

千早「昼特ラジオ、パーソナリティは私、如月千早と」

春香「天海春香です」

春香「千早ちゃん千早ちゃん、今日私、とっても嫌な事があったんですよ」

千早「へぇ…何かしら(春香…台本と全然違うわよ)」

春香「それがね、今日事務所にお気に入りのリボンを置いてたんだけどね」





スタッフ「台本と違う事言ってんだけどさぁ君んとこのアイドル」

P「すみません…」

スタッフ「まぁ…別に良いんだけどね、人気有るし……けどねぇ」

P「ほんとすみません」

200: 2011/11/01(火) 16:08:34.49 ID:m3/nQuhl0

春香「じゃあそろそろお別れの時間です」

千早「お疲れ様でした」

春香「それじゃあお別れはこの曲です」

千早「…あの曲なのね」

春香「如月千早で…」

春香「おはよう!あさごはん」

千早「…くっ」




スタッフ「…相変わらず凄いね、この曲」

P「はい!俺が何度も彼女に指摘してやっと完成した曲なんです」

P「何度も反発されたんですけど曲げずに貫き通した結果がこの曲です!」

203: 2011/11/01(火) 16:13:56.60 ID:m3/nQuhl0

P「お、おつかれ…」

春香「…千早ちゃん、行こっ」

千早「えぇ」

P「ち、千早」

千早「触らないでください」

P「えっ」

千早「……行きましょう、春香」

春香「うん」

スタスタスタ

P「……」

P「やっぱりそうだ…千早の奴」

P「あの曲を流した日の機嫌の悪さは尋常じゃないんだよなぁ…」

P「なんでだろ」

204: 2011/11/01(火) 16:17:57.84 ID:m3/nQuhl0

春香「千早ちゃん」

千早「……」

春香「気にしちゃ駄目だよ」

千早「私は…何度もプロデューサーに言ったわ」

千早「最初は可愛らしく歌ったんだけど…」

千早「思い切り反発された……お前にそんな歌い方は似合わないって」

千早「……その結果があれよ」

春香「だから気にしちゃ駄目だってば」

千早「あの曲のせいで私のファンは激減……」

千早「忘れもしないわ…あの曲をライブで披露した時のファンの反応」

春香「……」

205: 2011/11/01(火) 16:21:26.68 ID:m3/nQuhl0

P「おーい!」

春香「…来た」

千早「…」

P「春香、お前なんで台本通りに進めなかったんだ?」

P「それになんだよあの内容…お前の愚痴をこぼすラジオじゃないんだぞ?」

春香「すみませんでした」

P「な、なんだよその態度」

春香「謝りましたよ?」

P「…」

春香「早くタクシー呼んでください、事務所に帰りたいんです」

P「あ、あぁ…今呼ぶ」

207: 2011/11/01(火) 16:25:02.34 ID:m3/nQuhl0

~車内~

P「…」

春香「…」

千早「…」

P「な、なぁ春香」

春香「…」

P「その…」

春香「千早ちゃん、ガム食べる?」

千早「ありがとう」

P「…」

208: 2011/11/01(火) 16:27:18.84 ID:m3/nQuhl0

春香「じゃあお金は払っといてくださいね」

P「言われなくても払うっつーの」

春香「当たり前ですよね、だって私たちのプロデューサーさんなんだから」

P「……あぁ、そうだな」

千早「事務所で待機ですか?」

P「…勝手にしろ」

千早「…」

春香「千早ちゃん、行こうよ」

千早「えぇ…」

209: 2011/11/01(火) 16:31:31.61 ID:m3/nQuhl0

ガチャ

P「…ただいま」

律子「プロデューサー、これ、次の仕事の資料です」

律子「一通り目を通しといてくださいね」

P「あぁ…あ、あのさっ、律子」

律子「それじゃあ私は次の仕事が有るんで」

P「わかった…頑張れよ」

律子「言われなくても頑張ります」

P「…」

小鳥「プロデューサーさん」

211: 2011/11/01(火) 16:34:47.67 ID:m3/nQuhl0

P「…なんすか」

小鳥「床、今掃いてるんです」

P「そうですか」

小鳥「掃いてるんですけど」

P「…だからなんだよ」

小鳥「床、掃いてるんですけど」

P「だからなんだよ!」

真「気づかないんですかぁ?邪魔だからどけって言ってるんですよ」

P「はぁ?」

真「プロデューサーが邪魔だから掃けないって言ってるんですよ」

P「…そうなのか」

小鳥「床…掃きたいんですけど」

215: 2011/11/01(火) 16:41:01.64 ID:m3/nQuhl0

P「…」

亜美「ねぇ兄ちゃん」

P「ん?どうした亜美」

亜美「冷蔵庫にあったプリン…知らない?」

P「あーあれ亜美のだったのか」

P「美味しかったよ」

亜美「……」

亜美「兄ちゃん」

P「ごちそうさまでした」

亜美「もう亜美に近寄らないでね」

P「はっ?」

218: 2011/11/01(火) 16:44:25.61 ID:feEvraTF0

P「近寄らないでねって…」

P「たかがプリンでそこまで怒るか普通」

P「まぁ別に良いけどさ」

P「どうせすぐに向こうから話しかけてくるだろ」

やよい「プロデューサー」

P「んあっ?どうしたやよい」

220: 2011/11/01(火) 16:45:48.78 ID:zYeNYq0A0
実際こういう人っているのかな

221: 2011/11/01(火) 16:47:34.11 ID:feEvraTF0

やよい「私の財布、知りませんか?」

P「財布?」

やよい「はい…いつも私が使ってた財布です」

P「なんの事だ?」

やよい「いつも私が首からぶら下げてた財布です」

P「……あー!あれやよいの財布だったのか」

P「いつも身につけてるからアクセサリーかと思ってた」

やよい「知ってるんですか?」

P「あぁ、あの緑のがま財布だろ?」

やよい「はい」

222: 2011/11/01(火) 16:51:19.73 ID:feEvraTF0

P「捨てたよ」

やよい「えっ」

P「随分くたびれてたからな」

P「それにあれ、中身空っぽだったんだろ?」

やよい「……」プルプル

P「ほらっ、俺の財布やるよ」スッ

やよい「…中身……空っぽじゃないです」

やよい「お給料が出る日だったから…」

やよい「小銭は家に置いてたんです……」

P「ま、まさか…あの中身には」

やよい「お給料……全部入ってました」

224: 2011/11/01(火) 16:52:35.49 ID:P1taRbnk0
このPの部屋はめっちゃさっぱりしてるんだろうな

229: 2011/11/01(火) 16:54:42.95 ID:feEvraTF0

P「あ、あはは…」

やよい「笑い事じゃないです…」

P「幾ら入ってたんだ」

やよい「……言ったらなんなんですか」

P「給料って言ってもたかが知れてるだろうからさ」

P「良いよ、払う」

やよい「……プロデューサーは知らないんです」

やよい「あのお財布…べろちょろは……」

やよい「べろちょろは春香さんに…」

やよい「ずっと使ってたお財布…なんです」

P「だったら同じの買ってやるよ、それで良いだろ?」

230: 2011/11/01(火) 16:59:04.40 ID:feEvraTF0

やよい「…プロデューサー」

やよい「もう二度と……私に構わないでください」

P「はぁ?なにいってんだよ」

P「金は返すし、財布も新しくなる」

P「あんなボロボロの財布、みっともないだろ」

やよい「……氏んでください」

P「は?」

やよい「私、もう二度とプロデューサーと一緒にお仕事したくないです」

P「い、意味わかんないっつーの」

やよい「……お金はもう要りません」

やよい「だから二度と、私の私物に触らないでください」

P「いやいや、金は払うって、お前貧乏じゃん」

236: 2011/11/01(火) 17:03:10.21 ID:feEvraTF0

やよい「…」

P「困るだろ?お金が無いと」

P「確か五人兄弟姉妹だよな?やよいの家」

P「両親も共働きなんだしさ、お前の給料が無いと色々と大変だろ」

やよい「……要りません」

P「だから、お前ん家貧乏なんだから

やよい「貧乏でもっ!!」

やよい「貧乏でもプロデューサーの力なんか無くてもっ!」

やよい「……私、やっていけますから」

P「いや、無理だろ」

やよい「決めつけられたく無いです」

やよい「……プロデューサーの顔なんてもう見たく無いです」

P「はぁ?なにいってんだよ」

やよい「さようなら…」

バタンッ

239: 2011/11/01(火) 17:06:28.41 ID:feEvraTF0

P「あっ…」

P「なんだよアイツ…意味わかんね」

P「金は元に戻る、財布も新調される」

P「こんなに上手い話無いだろ」

P「あーあー、貧乏人の考える事はわかんないねぇ」

P「心の底まで貧乏じゃねーか」

P「ったく、何が俺の顔を見たくないだよ」

P「こっちから願い下げだっつーの」


雪歩「あの」

240: 2011/11/01(火) 17:09:35.87 ID:feEvraTF0

P「あん?」

雪歩「ひゃうっ」

P「……悪い、なんだ?」

雪歩「…」カキカキ

雪歩「…」スッ

P「なぁ雪歩…いい加減その紙に書いて俺に言葉を伝えるのやめないか?」

雪歩「…」

P「…分かったよ、みれば良いんだろみれば」

『私のスコップ、知りませんか?』

241: 2011/11/01(火) 17:12:41.51 ID:feEvraTF0

P「…知らない」

雪歩「…」カキカキ

『嘘ですよね』

P「嘘じゃねーっつーの」

『真ちゃんがプロデューサーが触ってる所を見たって』

P「しるかよ、バーカ」

『黄色のスコップです』

P「……黄色……黄色」

P「あっ」

『やっぱり…嘘ついたんですね、私に』

P「黄色のスコップだよな」

『はい、そうです』

243: 2011/11/01(火) 17:15:57.47 ID:feEvraTF0

P「事務所の窓から投げ捨てた」

雪歩「……」

P「当たり前だろ?あんな土がこびり付いたスコップ、汚いから捨てたよ」

雪歩「…」プルプル

P「お前もさ、いい加減砂遊びやめたら?」

P「餓鬼かよ」

雪歩「…」カキカキ

『プロデューサーの人でなし』

P「はぁ!?お前、いい加減にしろよ」

雪歩「…い……」

雪歩「いい加減にするのはプロデューサーの方でっす…」

247: 2011/11/01(火) 17:19:54.37 ID:feEvraTF0

P「でっす?……なに噛んでんだよ」

雪歩「…五月蝿い」

P「だったら耳塞げよ」

P「だいたいお前何歳だ?もう17歳」

P「高校生だぞ?何時までも餓鬼じゃないんだからさ」

P「……だからいつまで経ってもその男嫌いが治らねーんだよ」

雪歩「……私は…男の人が苦手なだけです」

P「一緒じゃねーか、間違ってるか?」

雪歩「…でも、プロデューサーの事は嫌いです」

P「あーあーそうですか?嫌いですか!?」

P「じゃあ出てけよ!」

250: 2011/11/01(火) 17:24:12.41 ID:feEvraTF0

雪歩「…」

P「その性格のせいで人前でもろくに話せない」

P「良い例が撮影の仕事だよな?」

P「お前だけ何時までも何時までも終わらない」

P「挙げ句の果てには泣き出して撮影中止になる始末」

P「俺がどんだけ頭下げたと思ってんの?」

P「分からねーよな?!お前は泣いてるだけだったもんな!!」

雪歩「…」

P「無能なアイドルを何とかしようと頑張ってる俺の気持ち……」

P「考えた事あんのかよ!!」

P「それが分からないなら出てけ!邪魔だっ!」

雪歩「……」

バタンッ

253: 2011/11/01(火) 17:28:44.69 ID:feEvraTF0

P「くっそ…急に声変わりしやがって」

真「プロデューサー!」

P「なんだよ」

真「なんだよじゃ無いですよ!雪歩、どうするんですか!!」

P「はぁ?逃げた獲物を追う程俺は酷く無いんでね」

真「なっ、なにぃ」プルプル

P「いいよ、お前も逃げたいなら逃げろよ」

P「アイドルなんて強制じゃないんだし」

P「辞めたいなら辞めろよ」

P「別にお前一人減った所で大きな痛手にはならないしな」

真「…あ、あなたって人は」プルプル

真「わかりました!ボクも辞めます!今までありがとうございました!」

バタンッ

255: 2011/11/01(火) 17:31:26.82 ID:feEvraTF0

P「……はぁ」

P「餓鬼の考える事はわからんねぇ」

P「…三人も辞めちまった」

P「まっ、765プロには律子率いる竜宮小町が居るから大丈夫だよなぁ」

P「逆にアイドルが減ったら俺の給料増えるかも!」

P「にひひっ、なんてね」

真美「ねぇ兄ちゃん」

257: 2011/11/01(火) 17:35:40.78 ID:feEvraTF0

P「なんだよ、もう折れたのか?」

真美「え?なんの事?」

P「とぼけんなっつーの」

P「さっき近寄らないでねって言ったばっかだろ」

真美「に、兄ちゃん?なんか勘違いしてな

P「たくっ、亜美は子供だなぁ」

真美「……えっ」

真美「あ……亜美?」

P「なに自分の名前呼んでんだよ亜美」

真美「…」プルプル

260: 2011/11/01(火) 17:40:51.35 ID:feEvraTF0

P「あれ?髪型変えた?」

真美「…兄ちゃん」

P「うーん…前の方が良いぞ」

真美「……」

P「その髪型じゃ亜美の良い所全部頃してるぞ」

真美「…」ズキッ

P「お前は竜宮小町のメンバーなんだからさ」

P「そんな髪型じゃファンが逃げちまうぞ」

真美「…ばか」

P「はい?」

真美「兄ちゃんの……ばか」

真美「兄ちゃんのばか!!」

バタンッ

261: 2011/11/01(火) 17:44:03.01 ID:feEvraTF0

P「あれれ?」

P「ちょっと言いすぎたかなぁ」

春香「プロデューサーさん」

P「あっ、春香…」

春香「名前で呼ばないでください」

P「……どうしたんだ天海」

春香「さっきの…真美ですよ」

P「えっ」

春香「だから、さっきの…真美ですよ」

P「えっ…ま、真美の方だったの?」

春香「はい」

262: 2011/11/01(火) 17:46:52.39 ID:feEvraTF0

P「や、やば…」

春香「もう遅いですけどね」

P「ま、真美……」

春香「どうするんですか?四人目ですよ?」

P「…」

春香「いい加減気づいてくださいよ」

春香「屑で無能なのはどっちなのかを」

P「…屑で無能」

春香「じゃあ私はもう帰りますね」

P「あ、あぁ…じゃあな春香」

春香「名前で呼ばないでください」

P「…お疲れ、天海」

春香「はい、また明日」

265: 2011/11/01(火) 17:50:25.37 ID:feEvraTF0

P「…」

千早「プロデューサー」

P「なぁ…」

P「俺ってさ…屑なのかな」

千早「え?」

P「出された課題をこなしてる俺が…」

P「屑で無能な訳無いよな……」

千早「…」

P「俺の言う事をこなさないあいつらの方が……」

P「屑で無能だよな」

千早「プロデューサー」

P「千早はちゃんとやってくれてるから心配すんな」

P「お前は含まれちゃいないさ」

267: 2011/11/01(火) 17:53:53.14 ID:feEvraTF0

千早「…」

P「意味わかんね」

P「餓鬼の考えが全然わかんねぇ」

千早「プロデューサーは…」

P「…んだよ」

千早「プロデューサーは、私達の事、知ろうとした事…ありますか?」

P「はぁ?」

千早「私達の考えを…理解しようと努力した事ありますか?」

P「千早……お前まであいつらに毒されたのか?」

千早「……失礼します」

P「あっ!おい!」

バタンッ

P「……なんだよ」

268: 2011/11/01(火) 17:56:47.01 ID:feEvraTF0

P「はぁ…」

P「ははっ、千早まで出て行きやがった」

P「あと誰が残ってる?」

P「もう竜宮小町しか残って無いぞ…」

P「あっ…は、春香が…」

P「…天海が残ってるか」

P「一人だけ…」

P「……だ、大丈夫さ」

P「なんとかなるっつーの」

269: 2011/11/01(火) 18:00:27.16 ID:feEvraTF0

小鳥「プロデューサーさん」

P「…すみません」

小鳥「お茶、飲みますか?」

P「すみません」

小鳥「そうですか…」

P「……俺も帰ります」

小鳥「良い訳無いじゃないですか」

小鳥「まだ仕事は残ってますよ」

P「……」

バタンッ!

小鳥「ちょっ!?」

271: 2011/11/01(火) 18:04:26.30 ID:feEvraTF0

~美希宅~

美希「あっ、鞄はこれでいいかな?」

響「うん、なんでも良いぞ」

美希「後は……なんにも無いよね」

響「これで明日の準備は終わったさー」

響「後は美希のお父さんとお母さんにここに泊めて貰う様に話してみるだけだぞ」

美希「大丈夫なの、ミキがお願いしたら絶対に断らないから」

響「えっ?そ、そうなのか?」

美希「うん」

274: 2011/11/01(火) 18:09:38.37 ID:feEvraTF0

響「なんだか…」

響「それって悲しいな」

美希「えっ?」

美希「な、何言ってるの?」

響「だってさ、それって…ぶつかり合えないって事だと思うんだ、自分」

美希「ぶつかり合えない?」

響「そうさー、美希の言い分だけ通って、向こうが何か言う事は無いんだろ?」

美希「……うん」

響「それってすっごく悲しい事だぞ」

275: 2011/11/01(火) 18:13:48.99 ID:feEvraTF0

響「ぶつかり合えないって事は…」

響「一生分かり合えないって事だぞ」

美希「な、なに言ってるの?ミキはパパもママとも分かり合ってるよ?」

響「ううん、それは美希が勝手に思ってるだけ」

響「美希は両親の事…なんにも分かってないぞ」

美希「…なっ…なに言って」

響「一度でも、両親の顔をちゃんと見た事ある?」

響「……多分無い筈さぁ」

280: 2011/11/01(火) 18:19:09.40 ID:feEvraTF0

響「そんなんじゃ…変われないぞ」

美希「…や、やめて」

響「幾ら変わったとしても…」

響「それは美希の勘違い」

美希「やめて…」

響「なんで両親に…なんで大切な人と…」

響「どうしてぶつかり合おうとしないのさ!」

美希「やめて!」

281: 2011/11/01(火) 18:23:05.19 ID:feEvraTF0

響「いいや辞めない!今辞めたらまた何時もの美希に…」

響「一生変われない美希に戻ってしまうさー」

美希「響、もうやめてほしいの!」

響「やめない!絶対やめない!」

響「分かろうよ、分かってあげようよ」

響「一番大切な人だよ?一番身近人なんだよ?!」

響「どうして逃げるのさ!」

美希「関係ない!響には…響には関係ないの!」

響「関係あるよ!」

響「だって…だって自分!美希のし

バチンッ!

響「つっ…」

美希「はぁ…はあっ…ハァ」

282: 2011/11/01(火) 18:26:37.40 ID:feEvraTF0

響「……」

美希「…あっ」

美希「ご、ごめんなさい」

美希「今湿布持ってくるから」

響「なんでさ…」

美希「えっ」

響「自分とはこうやってぶつかり合えるのに…」

響「どうして両親とぶつかり合わないのさ」

美希「ぁ…」

響「美希は、自分の考えが違うと思ったから手を出したんだよね」

響「美希の思ってる事が……自分と合わなかったからぶつけて来たんだよね」

美希「響…」

285: 2011/11/01(火) 18:30:04.38 ID:feEvraTF0

響「今日の美希のお仕事…決まったぞ」

美希「ミキのお仕事…?」

響「うん、今日美希は両親と話し合うさぁ」

響「それが今日の美希のお仕事…」

美希「…」

響「いっぱいいーっぱい話すんだぞ?」

響「明日…また美希の家に来るから」

美希「ひ、響はどうするの!?」

287: 2011/11/01(火) 18:32:58.73 ID:feEvraTF0

響「自分は…今日の所は一人ですごす」

美希「無理に決まってるの!家も無いのに…どうするつもりなの?!」

響「大丈夫……自分を信じてよ」

美希「…響」

響「そのかわり、明日から美希の家にお世話になるから」

響「だから両親にもちゃんと話し…進めといてね?約束だよ?」

美希「でも…」

響「自分を信じてくれないの?」

美希「それは……」

288: 2011/11/01(火) 18:38:24.73 ID:feEvraTF0

響「信じてくれるよね」

美希「……ズルいの」

美希「そんな言い方されたら…」

美希「嫌でも信じなきゃいけなくなっちゃうの」

響「…ありがとうな、美希」

美希「絶対だよ…絶対明日、美希の家に来てよ」

美希「……約束」

響「うん!必ず来るさー!」

291: 2011/11/01(火) 18:42:23.51 ID:feEvraTF0

響「じゃあまた明日」

響「あっ!おっきなリュック、ありがとな、美希」

美希「本当に大丈夫なの?明日ちゃんと学校に行ける?」

響「心配しすぎさー!これでも沖縄に居る頃はよく家出してたんだから」

響「…大丈夫、なんくるないさ!」

美希「またね、響」

響「うん!また明日」


292: 2011/11/01(火) 18:44:58.46 ID:feEvraTF0

P「あぁあ"あ…」

P「アレから探し回ったけど……」

P「誰一人見つからねぇ」

P「そういえば俺…」カチャ

P「電話番号、誰からも教えて貰った事無かったなぁ…」

P「律子のが……それも仕事用の番号だけ」

P「…なはは」

P「どうしよ…」

294: 2011/11/01(火) 18:51:02.49 ID:iWH9X+zh0

P「あはは…もう19:16分だし」

P「腹減ったなぁ」

P「近くにいい店無いかねぇ…」


「お客さん…払えないってどう言う事かな」

「…すみません」

「謝るのは良いからさぁ…お代を払って欲しいんだよね」

P「ん?」

P「このラーメン屋から…かな?」

ガララララッ

299: 2011/11/01(火) 18:54:07.80 ID:iWH9X+zh0

貴音「すみません…」

店長「いやぁ、だからさぁ」

貴音(わたくしとしたことが…なんたる不覚)

貴音(大食いチャレンジ…その途中で猛烈な吐き気に襲われるとは)

P「あー、大食いミスってあれかな?金払えないとかか」

P「うわぁ…周りめっちゃ見てるし」

P「……ん?」

P「なんか見た事有るなぁアイツ」

303: 2011/11/01(火) 18:58:19.73 ID:iWH9X+zh0

貴音「どうしても…許してくれないのですか」

店長「決まりは決まりだ、嬢ちゃんはチャレンジに失敗したんだ」

店長「だからお代はきっちり払って貰うぞ」

貴音(……仕方ありません、わたくしを代金としてこの場を)

P「おっちゃん!」

P「チャレンジするぜ!」

店長「あん?なんだい坊主」

P「大食い……チャレンジャーだ」

304: 2011/11/01(火) 19:01:57.55 ID:iWH9X+zh0

P「この子が残した分…プラスでな」

貴音「!?」

P「制限時間内に喰えたら見逃してくれねぇか」

店長「はぁ?何言ってんだい坊主」

P「何度も言わすなよ…俺は大食いチャレンジャーだぜ」

P「食い切れなかったら倍の倍……つまり四倍、払ってやるよ」

P「それで良いよなぁ?オヤジ」

店長「……四倍だな」

P「あぁ、喰えなかったらの話しだがな」

店長「ふふっ……分かったよ」

305: 2011/11/01(火) 19:06:08.22 ID:iWH9X+zh0

貴音「あの…」

P「……サイン」

貴音「はい?」

P「後でサインくれよ…俺、ファンなんだ」

貴音「あっ…」

P「なぁに、ここは任せとけって」

貴音「…」

店長「へいお待ち!ラーメン5人前に特盛チャーハンだ」

P「…ふひっ(多過ぎだろ…)」

店長「それプラスそっちの嬢ちゃんが残した分で制限時間は同じ……良いな」

P「あ、当たり前田のクラッカー…」

店長「よしっ、合図はお前がどちらかを口に入れた瞬間からスタートだ」

P「………」

P「いただきます」

310: 2011/11/01(火) 19:09:57.26 ID:iWH9X+zh0

P「すいませんすいません」

店長「まぁ…代金は貰ったからよしとするか」

P「ほんっとすいません…彼女の分さえ食べれませんでした」

貴音「か、彼女…」

店長「嬢ちゃんと…知り合いなのかい」

P「ファンです」

店長「は?」

P「ファンです」

店長「ま、まぁ良いが…嬢ちゃん」

貴音「は、はい」

店長「良かったなぁ、世の中…捨てたもんじゃねーぞ」

貴音「…すみません」

314: 2011/11/01(火) 19:13:20.91 ID:iWH9X+zh0

店長「また来いよ!今度はお金を持ってな!」

ガララララッ


P「…うっぷ」

貴音「あの…」

P「ごめん…今話しかけないで…吐きそうだから」

貴音「す、すみません」

P「よくあんなの挑戦しようと思ったな…」

貴音「食べるのが好きですから…」

P「…へっ、へぇ…」

317: 2011/11/01(火) 19:16:15.32 ID:iWH9X+zh0

貴音「なぜですか?」

P「だから今話しかけないで…」

貴音「…」

P「………ゔっぶ!?」


P「ゔごえぇ"え"げぅ"っごががが」

ビチャベチャビチャッビッ

貴音「…」

P「ハァハァ…っはぁ……っぷ」

ベチャビッヂャ

P「はぁ……っはぁ」

貴音「あの…」

P「わるい"…あそこの自販機で水買って来て…財布渡すから」

貴音「は、はい」

318: 2011/11/01(火) 19:20:38.40 ID:iWH9X+zh0

貴音「どうぞ…」

P「あ"り"がと…」

P「…ん」

ゴクゴクゴクッ

P「……ぷぁ」

P「氏ぬかと思った…」

貴音「あれは…どうするのですか?」

P「知らない、ラーメン屋の前に思い切り吐いたからなぁ」

P「へっ、ざまぁみやがれ」

321: 2011/11/01(火) 19:23:17.92 ID:iWH9X+zh0

P「で、俺からも良い?」

貴音「……はい」

P「961プロのトップアイドルが、なんでお金も持たずにラーメン屋なんかに居たんだよ」

貴音「…」

P「話せない?」

貴音「…すみません」

P「許さない」

貴音「えっ」

P「話さないと返さないから」

貴音「あ……」

P「場所変えようか…こんなゲロ臭い所じゃ話すに話せないだろうし」

326: 2011/11/01(火) 19:27:16.57 ID:iWH9X+zh0

~ラOホテル~

貴音「…」

P「やっぱここだね~ロッテのトッ◯」

貴音「……分かりました」

P「ノリ良いねぇ…ウェルカムビXチ」

貴音「…お金は」

P「俺が払うから問題無し」

P「つーか金持ってないんだろ」

貴音「はい…」

P「じゃあ入ろうぜ」

331: 2011/11/01(火) 19:31:58.76 ID:iWH9X+zh0

婆「…8000円だよ」

P「高くないか?」

婆「だったら他をあたりな」

P「……ほら婆、1万円だ」

P「釣りは要らんからビールくれ」

婆「…はいよ、スーパードライだよ」スッ

P「俺は一番しぼりが好きなんだけど」

婆「だったら返しな」

P「誰も要らないとは言ってないだろ、耳ん中詰まってんのか?」

332: 2011/11/01(火) 19:35:09.56 ID:iWH9X+zh0

ガチャ

P「ほえー広いなぁ」

貴音「…初めてなのですか?」

P「当たり前だろ?俺まだ童Oだよ」

P「今日お前で卒業だ」

貴音「そうですか…」

P「……じゃあシャワー浴びて来いよ」

貴音「はい」

スタスタスタ


P「………」

P「やっふうぅう!!」

P「YESッYESッYESッ!!!」

337: 2011/11/01(火) 19:37:13.02 ID:iWH9X+zh0

P「マジかよぉお!!」

P「ノリで来たのは良いけどマジで本番OKなの!?」

P「くうぅ……」

P「寄って良かったぁ…ラーメン屋」

P「俺の頑張りは無駄じゃ無かったんだな!!」

P「うほっほほほほほ!」

P「俺のマグナムがパンパン撃ち抜くぜたええぇ!」

342: 2011/11/01(火) 19:40:35.91 ID:iWH9X+zh0

P「あはははは!」

P「あの四条貴音を!」

P「あの961プロの歌姫の四条貴音を!!」

P「週に二回程彼女に犯される妄想でパンツを真っ白に染めてたあの日々とは」

P「もうSAYONARA!!!」


P「ひゃっはあぁああ!!」

347: 2011/11/01(火) 19:45:08.83 ID:iWH9X+zh0

~シャワールーム~

貴音「…」

貴音「汚いですね…」

貴音「恩返し…わたくしに出来る恩返し」

貴音「……こんな事しか出来ない」

貴音「ですが…初めてです」


貴音「わたくしが自らの意志で求めるというのは…」

貴音「誰かも知らない殿方に…わたくしは何を思っているのでしょうか」

貴音「……一晩だけの付き合いなのです」

貴音「そういった感情は邪魔になるだけ……捨てなければ、今すぐに」

350: 2011/11/01(火) 19:47:16.33 ID:iWH9X+zh0

P「えーっと…」

P「あったあった!コンドーム」

P「コレをこのピンで真ん中に穴をっ」

プチッ

P「……いひひ」

P「あははは」

P「おほほほほ」

P「いよっしゃあぁああ!孕ませたるでえぇ!」

354: 2011/11/01(火) 19:51:57.18 ID:iWH9X+zh0

貴音「…あがりました」

P「あ、うっ、ぁっ、は、はひっ!」

貴音「その様に硬くならないでください」

貴音「…あなた様」

P「あにゃっ!?あっ、あ、あっ」

P「あなた様!???!」

貴音「はい…あなた様」

P「ふひぃいぃ!!」

P「あ、あはっ、あ、あなた様…あなた様だってよ…」



356: 2011/11/01(火) 19:54:35.62 ID:iWH9X+zh0

貴音「…お風呂はどうなさいますか」

P「あっ…風呂か、入った方が良いかな」

貴音「わたくしは…今のあなた様を感じていたい」

貴音「よろしければ……このままでしたいのですが」

貴音「…あなた様が決めてください」

P「はっ、はひ!」

P「えっ、えっと…あ、あのっ…」

P「あー……えええっと…」

P「……な、なぁ」

貴音「はい?」

357: 2011/11/01(火) 19:58:22.76 ID:HuMxMEXm0
すがすがしい屑だな

358: 2011/11/01(火) 19:58:22.28 ID:iWH9X+zh0

P「い、一応確認していいかな」

貴音「…良いですよ、あなた様」

P「そのバスローブ、脱ぐんだよな」

貴音「……それは」

貴音「で、出来ればこのままの方が…」

P「いやっ、俺は寧ろ着ていた方が興奮するから良いんだけどさ」

貴音「大丈夫です…行為の時には身体に被せるだけになります」

貴音「ですから……肌と肌は触れ合います」

P「……」

P「もう一つ質問」

359: 2011/11/01(火) 20:00:17.88 ID:nFnOSnjY0
なんか急に冷静になったぞ

360: 2011/11/01(火) 20:01:27.54 ID:iWH9X+zh0

P「961プロのアイドルユニット」

P「四条貴音、我那覇響、星井美希」

P「……何故だ」

貴音「な、なにがですか?あなた様」

P「なんで一度も水着の写真が雑誌に載った事が無いんだ」

貴音「…」

P「おかしいよな?お前等三人ともスタイルは悪く無いのになぁ…」

P「……脱げよ、バスローブ」

P「全部な」

貴音「あなた様…」

361: 2011/11/01(火) 20:04:06.77 ID:lj5hpWlJ0
今までの分が帳消しになるから急にかっこよくなるのはヤメロッテ!

362: 2011/11/01(火) 20:05:18.80 ID:iWH9X+zh0

P「どうした?脱げない理由…有るのか」

貴音「…」

P「それに…もう一つ気になる事が有る」

P「お前…961プロに入ったの何年前だ」

貴音「…それは」

P「俺が知る限り少なくとも二年前から活動を始めていた筈なんだけどなぁ」

P「……お前、その時学校行ってたか?」

貴音「い、今はその様な事…」

P「…答えろよ」

貴音「…」

367: 2011/11/01(火) 20:09:41.63 ID:iWH9X+zh0

貴音「い、忙しかったので…」

P「夏場もか?」

貴音「…」

P「じゃあなんで水着の写真が一枚も無いんだ?」

P「多分だが…他の二人は撮影出来た」

P「お前だけだろぅ?撮影出来ないのは」

貴音「……ふふ」

P「笑う様な事かい?笑って流せる位、軽い事なのかい?」

貴音「素晴らしいです…」

貴音「どなたか存じませんが…正解でございます」

P「だから言っただろ、ファンだよ、お前の」


貴音「見せてあげます……わたくしの真実を」

370: 2011/11/01(火) 20:13:39.38 ID:iWH9X+zh0

P「ゔっ…」

貴音「…」

P「な、なんだよその背中…」

P「なんで…誰がこんな事」

貴音「皮膚が腫れ上がり…無数の火傷の跡」

P「それだけじゃないよな……抉れてる箇所もある…」

貴音「…ナイフで刺され…その上からまたナイフで刺されました」

貴音「傷口を何度も何度も…」

P「……うっぷ」

ベチャビチャビチャベチャ

379: 2011/11/01(火) 20:17:13.17 ID:iWH9X+zh0

P「はぁ…っゔ…」

貴音「……まだ有ります」

P「もう良い…喋るな」

貴音「初めてなのです…初めて他人に話しているのです」

貴音「お願いです…最後までお聞きください」

P「…予想外だよ」

P「正直な話し、お前が枕をやってるのはホテルのやりとりで想像は出来た」

P「やっぱりな……それがあの時の感想」

P「でも、まだ何か隠してるとは思ってたが……これ程とは…」

385: 2011/11/01(火) 20:21:44.44 ID:iWH9X+zh0

貴音「暗い部屋…周りには知らない殿方」

貴音「わたくしは決まってその場で目隠しを手渡され、その場で付けてました」

貴音「……それが始まりの合図」

貴音「…嬲られ、傷つけられ」

貴音「わたくしはその瞬間、人としてでなく…」

貴音「玩具として……扱われました」

P「が、玩具…」

貴音「…そうです、わたくしに放たれる一言一言が」

貴音「わたくしを蝕み……壊していきました」


391: 2011/11/01(火) 20:27:25.53 ID:iWH9X+zh0

貴音「、壊れないオモチャ」

貴音「忘れようとも忘れられない…」

貴音「毎晩毎晩…悪夢にうなされていました」

P「な、なんで……なんで断ろうとしなかったんだよ」

貴音「…あなた様には分からぬ事」

貴音「それがアイドル業界と言うものなのです」

P(分かるさ…俺だってプロデューサーだ、それ位わかってる)

げんに何度かそういう誘いは有った…彼女達を一晩貸してくれないか……と
でもそれだけに絶対にしなかった、したくなかった。
俺が幾ら嫌われようが、765プロが売れなくなろうが……彼女達だけは売れなかった

398: 2011/11/01(火) 20:32:40.27 ID:iWH9X+zh0

貴音「あなた様に分かりますか」

貴音「目の前で突然言い放たれる一言…」

貴音「お前の所にはもう仕事を回さない」

貴音「この一言の重みが…分かりますか」

P「…わ、分からない(分かってるさ、だから今、彼女達に仕事は皆無)」

俺が断り続けたから…俺が彼女達を守って来たから。

貴音「…わたくしは怖かった」

P「こ、怖い?」

貴音「今まで積み上げた物が一瞬にして崩れ去るのが…」

P「だから……あの二人の為に」

貴音「……わたくしは、自身を捨てました」

403: 2011/11/01(火) 20:38:39.76 ID:iWH9X+zh0

P「捨てたって……なんでそんな軽く言えるんだよ」

P「親は、親にバレなかったのかよ!」

貴音「……わたくしのご両親は」

貴音「…961プロダクションの社員です」

P「な"っ……ぁ…」

貴音「実際にこの姿を見せてはいません」

貴音「…しかし、そういった行為そのものは知っている筈」

P「…お、親公認なのか」

P「お前の親は……なんとも思わないのかよ」

貴音「…幼少の頃から、わたくしは両親と間で口数が少ない事で有名でした」

P「…お前が生まれた時から両親は」

貴音「……961プロダクションの仕事が忙しく…触れ合う機会はごく僅か」

407: 2011/11/01(火) 20:43:39.21 ID:iWH9X+zh0

P「…」

貴音「わたくしは……寂しかった」

貴音「学校でも…浮いた存在でした」

貴音「近寄りにくい女…周りにはそう映っていたのでしょう」

P「…まさか、お前…」

貴音「高校は…961プロの圧力により、入学をし……それきりです」

P「やっぱりな…やっぱりいってなかったのか」

貴音「…話を戻しましょう」

P「お前がなんで…そんな事をしたのか……か」

貴音「はい…」

412: 2011/11/01(火) 20:47:53.71 ID:iWH9X+zh0

貴音「中学も残り僅か、そんな時、わたくしは声をかけられた」

P「……黒井にか」

貴音「はい…もちろん、わたくしは断りました」

貴音「アイドルなど…わたくしには理解出来ない仕事」

貴音「しかし…わたくしは」

P「両親に無理やり…連れていかれた」

貴音「…はい」

P「他人をどうこう言いたくないけどさ……屑だよ、お前んとこの親」

貴音「すみません」

P「謝るんじゃねぇよ、お前は悪くないから…」

421: 2011/11/01(火) 20:55:51.25 ID:iWH9X+zh0

貴音「無理やり連れていかれた所で、わたくしは運命の出会いをします」

P「……あの二人か」

貴音「そうです、空っぽのわたくしの心に、一滴の雫が降りかかりました」

P「それで、お前はアイドルを」

貴音「はい…初めて心の底から楽しいと感じました……二人が居たから」

貴音「…だからこそ、あの二人と離れたく無かった……」

P「それでとった行動が……枕」

貴音「それしか無かったのです!わたくしに出来る事……自らを捨て、彼女達との時間をとる…」

P「ふ、二人は知らないんだよな」

貴音「はい…あの二人にバレてしまったら……それもまた、彼女達とわたくしを引き裂いてしまうかもしれない」

貴音「…繰り返すしか無かった……殿方を満足させるしか無かった!」

426: 2011/11/01(火) 21:01:23.07 ID:iWH9X+zh0

貴音「ですが……それももう終わり」

P「お、終わり?」

貴音「わたくしは……わたくし達は」

貴音「……捨てられました」

P「すっ、捨てられた…」

貴音「はい…本日、わたくし達は…黒井殿に」

貴音「…わたくしの今まではなんだったのですか?」

貴音「わたくしの努力は……なんだったのですか…」

P「じゃっ、じゃあ星井美希と我那覇響はどうなんだよ…あいつ」

P「そうだ!我那覇響は、アイツ、確か沖縄からの上京だろ!?」

P「黒井の支配下に居たアイツは

貴音「全て奪われました…持ち物の一つ一つ……全てを」

P「…マジかよ」

443: 2011/11/01(火) 21:29:32.73 ID:iWH9X+zh0

P「じゃ、じゃあ我那覇響は今どこに…」

貴音「わかりません…わたくしは携帯と言う物を持ってないのです」

P「持ってないんじゃ無いんだろ」

貴音「……はい、持たせてくれなかった」

貴音「これが真実です…騙してすみませんでした」

P「外部からの連絡すら許してもらえない…」

P「……だから、だからこそ」

貴音「はい…彼女達との時間を大切にしたかった」

貴音「仕事の時のみ、触れ合うのが許されていた…」

貴音「……それだったのに」

P「解散…」

444: 2011/11/01(火) 21:33:03.98 ID:iWH9X+zh0

貴音「…わたくしはこれからどうすれば」

P「なぁ…四条、お前はどうしたい」

貴音「えっ」

P「お前はどうしたいんだよ」

貴音「それは…」

P「……服、着ろ」

貴音「あ、あなた様…?」

P「こんな所で得体のしれない性欲の塊と寝る事がお前のやりたい事なのか?」

貴音「……それは」

P「だったら服着ろ」

448: 2011/11/01(火) 21:36:01.51 ID:iWH9X+zh0

P「お前……今フリーなんだよな」

貴音「は、はい?」

P「961プロ、辞めたんだよな」

貴音「…はい」

P「今から暇か?」

貴音「……」

P「暇ですか?」

貴音「は、はい…」

P「だったらさ、探しに行かないか」

P「その沖縄娘を…な」

貴音「えっ」

452: 2011/11/01(火) 21:38:18.26 ID:iWH9X+zh0

貴音「あなた様…」

P「無理して呼ぶな、どうせ他人なんだし」

P「お前でもてめぇでも好きに呼んでくれ」

貴音「…」

P「あっ!あのさ」

貴音「な、なんですか」

P「……」

P「後でコンビニで買うからさ」

P「その靴した…」

P「くれませんか?」

貴音「…」

458: 2011/11/01(火) 21:41:30.19 ID:iWH9X+zh0

貴音「わ、わかりました」

P「マジっすか!!?」

貴音「靴下で宜しいのなら…別に」

P「Foooooooo!!」

P「四条貴音の靴下ゲッチュウゥウウ!!」

P「やったー!これで当分はズリネタに困らないぜえぇえっっと!!」

貴音「ず、ズリネタ?」

P「あっ、いやいやいやいやなんでもないよ気にしないで」

貴音「…?」

459: 2011/11/01(火) 21:44:11.27 ID:iWH9X+zh0

P「えっと、あ、あの」

貴音「?」

P「そのバスローブ、貸してくれ」

貴音「は、はい」スッ

P「…」

P「あいたたたたたたた!」

貴音「あ、あなた様!?」

P「きゅ、急にお腹が痛くなった…こ、これはすぐさまトイレに行かないと…」

貴音「大丈夫なのですか?」

P「…と、トイレいくっ!」

ダタッ

バタンッ!

貴音「あっ…」

464: 2011/11/01(火) 21:46:53.48 ID:iWH9X+zh0

貴音「バスローブを持って…」

貴音「……」

貴音「そういう事ですか…」

貴音「わたくしを覆っていたバスローブ」

貴音「…辛い過去を、流しに行き…」

貴音「そして、わたくしに着替える時間を与えてくれた…」

貴音「…初めてです」

貴音「殿方で…わたくしをこれ程まで思い、大切に扱ってくれた人は……」

貴音「あなた様…」

468: 2011/11/01(火) 21:49:07.74 ID:iWH9X+zh0

~トイレ~

P「ハァハァ…た、貴音のバシュローブ!」

P「…」クンカクンカ

P「すううぅー………」

P「ぶはあぁああ」

P「あぁあ…貴音の匂いがしゅりゅう」

P「ハァハァ…ッハァ…ハァ」

P「…」ギュッ



471: 2011/11/01(火) 21:54:03.53 ID:iWH9X+zh0

ンハァーッ!タカネ!ダスゾッ!!


貴音「あなた様のお声が聞こえてきます」

貴音「わたくしを想って…わたくしの忌まわしい過去を洗い流そうと戦ってくれている」

ウッアアァ‼ハラメッ!ハラメッッ!!
オレノコヲハラメ!

貴音「あなた様…そのお気持ちだけで十分です」

貴音「洗い流す事は出来ませんが…」


ンガアァアアアッッ!デルー!

貴音「上から塗りつぶす事は不可能ではございません…」

貴音「それに気づかせてくれたのは…」


タカネ━━━━!

貴音「あなた様です…」

475: 2011/11/01(火) 21:59:34.51 ID:iWH9X+zh0

ガチャ

P「……」

貴音「あなた様」

P「あなた様?…違うね」

P「俺はお前の熱狂的なファンだよ」

P「ふっ…行くぞ、貴音」

貴音「あ、あなた様」

P「なんだい?貴音」

貴音「あ…な、名前で呼んでくれるのですか…?」

P「何言ってんだ…貴音は貴音だろ?」

479: 2011/11/01(火) 22:03:03.52 ID:iWH9X+zh0

P「俺は貴音の力になりたいだけなのさ」

貴音「?(先ほどまでとは別人の様ないでたち)」

貴音「ありがとうございます(やはりあなた様は…わたくしを救おうと必氏になってくれて)」

P「俺はいつでも良いぜ」

貴音「あ、あなた様…」

P「ん?どうした貴音」

貴音「い、嫌なら良いんです…」

貴音「瞳を…閉じてください」

P「瞳?……あぁわかった」

480: 2011/11/01(火) 22:07:31.63 ID:iWH9X+zh0

P「…」

貴音「…」

何故でしょう、ドキドキしています。
赤の他人、先ほど知り合ったばかりの殿方
キスなんて…嫌な程してきた筈

いえ…わたくし自らは初めて
わたくしを救ってくれた、真実を受け止めてくれた初めてのお方。


貴音「…し、しつれいします」

あなた様の唇、少しだけ乾いています
任せてくださいね…すぐに潤してあげます


P「!???!!」


483: 2011/11/01(火) 22:09:39.06 ID:iWH9X+zh0

貴音「…」

P「ぷ……な、なにを」

貴音「すみません…」

P「ぁ。…かっ…あ」

貴音「あ、あなた様?」

P「……」

P「あいたー!お腹がー!!」

貴音「あなた様」

P「これはヤバいなー、ちょっとトイレに行ってくる!」

ダタッ

バタンッ

貴音「…行ってしまわれた」

486: 2011/11/01(火) 22:13:08.42 ID:iWH9X+zh0

~5分後~

P「……ふぅ」

貴音「あの…大丈夫なのですか?」

P「大丈夫だ」

P「じゃあ行くぞ、我那覇響を探しに」

貴音「は、はい」

P「彼女が行きそうな場所とかわかるのか」

貴音「……すみません」

P「そうか…いや、ならいい」

P「ふっ…俺と貴音なら探し出せるさ」

貴音「あなた様…」

490: 2011/11/01(火) 22:17:37.55 ID:iWH9X+zh0

P「婆」

婆「…なんだいもう帰るのかい、お金はかえさないよ」

P「このバスローブ、幾らだ」

婆「……6000円だよ」

P「1万…釣りは要らん、持ってけ泥棒」

婆「いっひっひっひ…まいど」

貴音「あなた様…どうなされるのですか?」

P「……まだ邪気が取り付いているからな」

P「供養しないといけないんだよ」

貴音「はぁ…」

492: 2011/11/01(火) 22:20:56.37 ID:iWH9X+zh0

P「……なるほど」

P「つまり星井美希と我那覇響が最初に……その」

貴音「大丈夫です…」

P「悪い、最初に二人が捨てられた」

貴音「はい」

P「それから少しして貴音が自ら辞めたと…」

P「うーん…だったらアレじゃ無いのか?星井美希の自宅に居るんじゃないかな」

貴音「響の家には何も無い…つまり美希の家に住まわせてもらっている……ですね」

P「うん、つーかそれしか考えつかん」

493: 2011/11/01(火) 22:24:48.97 ID:iWH9X+zh0

貴音「しかし…」

P「…あー、そっか」

貴音「美希の住所までは分からないのです」

P「そりゃそうだよなぁ…外部からの連絡手段が一切無いんじゃそうなるよな」

貴音「美希本人からは何度が聞いた事はあるのですが…」

貴音「それだけで見つけるのは困難なのです」

P「例えば?」

貴音「赤い屋根…」

P「そ、それだけ?!」

貴音「……すみません」

P「難易度なけぇなおい」

496: 2011/11/01(火) 22:28:01.49 ID:iWH9X+zh0

響「…ゔうぅ」ガタガタガタガタ

響「さ、寒いぞ」

響「……っくしゅ!」

響「ゔぅ"うう…」ガタガタ

響「さ、流石に公園はやりすぎたかな」

響「でも…きょ、今日は我慢するぞ」

響「……携帯、壊すんじゃ無かったなぁ」

響「…」


499: 2011/11/01(火) 22:30:44.65 ID:iWH9X+zh0

響「…流石に教科書と学生服を持ってコンビニに行くのは恥ずかしいし」

響「かといってここに置いて行く訳にも行かないし」

響「……」

響「やっちまったさー…」

響「…」グルルルル

響「お腹空いたぞ…」

502: 2011/11/01(火) 22:33:22.61 ID:iWH9X+zh0

P「なぁ…他にヒントは無いのか?」

貴音「赤い屋根…」

貴音「それと……表札に星井」

P「いや、それは当たり前だろ」

貴音「……」

貴音「あなた様」

P「はい?どうしました」

貴音「わたくし、すっかり忘れていました」

P「なにをだ…」

貴音「…」ガサガサ

貴音「ここに、二人の電話番号を書き写した紙があります」

P「……」

504: 2011/11/01(火) 22:35:33.03 ID:iWH9X+zh0

貴音「わたくし…お金が無かったので」

P「まぁ良いや、それかしてくれ」

貴音「はい」スッ

ヒュオォオオッ!

P「あっ」

貴音「…そ、そんな」

P「飛んでいったな…」

貴音「…」

P「誰かに拾われずに雨で文字が潰れるのを祈ろうか」

貴音「……はい」

509: 2011/11/01(火) 22:39:43.03 ID:iWH9X+zh0

P「……」

P「今は…うわっもうこんな時間かよ」

貴音「あなた様?」

P「貴音の家って何処なんだ?」

貴音「なっ!?ま、まさかわたくしの家に」

P「いや…泊まらないっつーの」

貴音「そうですか…」

P「多分我那覇響は星井美希の家に宿泊してもらってるんだろうからさ」

P「今日はもうやめにして帰ろうか」

貴音「…それとわたくしの家になんの関係が……」

P「タクシーだよタクシー」

510: 2011/11/01(火) 22:42:56.51 ID:iWH9X+zh0

貴音「…」

P「ほら、俺達歩きだろ?だから今日はタクシー呼んで帰るぞ」

貴音「わたくしの家には…誰も居ません」

P「そっか、961プロって遅くまでやってるんだな」

貴音「…」

P「じゃあタクシー呼ぶからその時に言ってくれよ」

貴音「わかりました……あなた様」

P「携帯取り出しぽぱぴぷぺ~」

512: 2011/11/01(火) 22:45:49.77 ID:iWH9X+zh0

響「……」

ヒュオォオオッ

響「ぞぞぞぞぞぞ」ガタガタガタガタ

響「だ、ダメだ…寒すぎるぞ」

響「やっぱり外だからいけないんだよな…」

響「……臭い、大丈夫かな」

響「でも寒いよりは良い筈だぞ」


ヒュオォオオッ!

響「ぞぞぞぞぞぞ」ガタガタガタガタ

響「ゔぅ…早くトイレにいくさー」

513: 2011/11/01(火) 22:48:43.94 ID:iWH9X+zh0

~車内~

P「…」

貴音「…」

「お客さん、行き先は」

P「ほら…早く言えよ」

貴音「…」

「あの…お客さん?」

P「あっ、すみません、もう少し待ってください」

貴音「…」

P「おい」

貴音「…」

514: 2011/11/01(火) 22:52:09.01 ID:iWH9X+zh0

P「いや…確かにあの時は言ったよ?」

P「ウェルカムビXチってさ」

貴音「…」

P「だけどな…俺達はこれでお終いなの」

貴音「嫌です…あなた様」

P「嫌ですって言われてもな…」

P「俺だって明日仕事が有る身なんだし」

貴音「わたくしの真実を受け止めてくれた初めての人…」

貴音「それがあなた様なのです…」

「あのぉ、お客さん」

P「もっ、もう少し待ってください」

517: 2011/11/01(火) 22:55:01.90 ID:iWH9X+zh0

P「だったら携帯番号教えるから」

貴音「お金が…」

P「お金もあげるから」

貴音「……」

P「わかった?」

貴音「…分かりました」

「お客さん、いい加減決まりましたか?」

P「すみません、今から言います」

P「ほらっ」

貴音「……◯通りの■丁目×▷△」

「はい、分かりました」

P「ふぅ、やっとかよ」

522: 2011/11/01(火) 22:58:39.81 ID:iWH9X+zh0

~貴音宅~

P「じゃあまたな」

貴音「…はい」

P「とりあえず……17:00頃に電話いれてくれたら大丈夫だから」

貴音「わかりました」

P「貴音……辛いのはわかるが頑張れよ」

貴音「……はい」

P「じゃあまた明日な」

貴音「あなた様…」

P「ん?」

貴音「いえ…なんでも」

P「変な奴」

526: 2011/11/01(火) 23:01:07.43 ID:iWH9X+zh0

P「やっとひと段落ついた」

「あの子、彼女さんですか?」

P「まさか…彼女なんて作る気無いっすから」

「モテますぜ、旦那は」

P「そうだと良いんですけどねぇ」

P「俺の周りの女はクソ餓鬼ばっかですから」

「あはは…で、目的地は」

P「あぁ、はい」

527: 2011/11/01(火) 23:03:10.23 ID:iWH9X+zh0

~公園のトイレ~

響「…温かいぞ」

響「ここならなんとか明日まで過ごせるな」

響「……」グルルルル

響「ゔぅ」

響「教科書と制服、ここに置いて大丈夫かなぁ…」

響「……」

響「な、なんくるないさー!」

タッタッタッタッタ

530: 2011/11/01(火) 23:05:58.15 ID:iWH9X+zh0

P「ありがとうございました」

「旦那も気をつけて」

P「なにいってんすかぁ、すぐそばっすよ、家は」

「あはは、一応ですよ一応」

P「はい…気をつけます」

「それじゃあお元気で」

P「お疲れさんっす」


ブロロロロロ

532: 2011/11/01(火) 23:08:51.91 ID:iWH9X+zh0

~玄関前~

P「……な"っ」

P「な、なんで…」

P「扉が…思い切り凹んでる…」

P「そ、それに落書きがしてあるし」

『Fuck you!』
『もやし祭りDeath』

P「……」

P「なっ!扉のポストの中に大量のもやしが!?」

P「だ、誰だよ…嫌がらせのレベルを超えてるだろ」

536: 2011/11/01(火) 23:12:35.20 ID:iWH9X+zh0

P「…」

P「ポストの中に真っ赤なスコップが…」

P「…あっ、紙が付いてるな」

P「えっと、なになに…」

『お前のお腹に穴掘って埋まっときますうぅ』

P「…は?」

P「つまり…このスコップで俺の腸をえぐりだすと」

P「ざけんなよ、返り討ちにしてやるっつーの」

541: 2011/11/01(火) 23:15:42.92 ID:iWH9X+zh0

ガチャ

P「……」

P「床がなんだこれ…べちょべちょじゃねぇか」

P「…」クンクン

P「これは……プリン」

P「外の扉の郵便受けから大量に入れたんだな」

P「よく見たらスコップの先端にもプリンついてるし」

P「誰がこんな事やったんだよ……」

P「くそったれ…頃してやる」

545: 2011/11/01(火) 23:18:46.56 ID:iWH9X+zh0

~コンビニ~

響「…何食べよっかなぁ」

響「とりあえず弁当と…あ、あと飲み物に」

響「……どうせならお菓子も欲しいさー」

響「…こんな無駄使いして良いのかなぁ」

響「……」

響「な、なんくるないさー!」

548: 2011/11/01(火) 23:21:22.50 ID:iWH9X+zh0

P「…あれ?」

P「なんだ…プリンに埋れて気がつかなかった」

ヌチャッ

P「手紙か?」

P「…」ガサガサ

P「えっと…なになに」


『真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美
真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美真美』


P「うわっ!?」

P「な、なんだよこれ…」

584: 2011/11/02(水) 00:30:20.92 ID:R/61PJqh0

プロデューサーが貴音とラOホテルでわっほいしている間

765プロを辞め、苛立ちを隠せずにいる彼女達


真美・やよい・千早・真・雪歩

春香(例外)・亜美(例外)


例外を含む合計7人のアイドル達のほんの些細な復讐がハジマル

587: 2011/11/02(水) 00:33:22.64 ID:R/61PJqh0

春香「ここがプロデューサーさんの家だよ」

真美「真美は真美だもん真美は真美真美は真美は真美は真美」

亜美「兄ちゃん…そんなにプリンが欲しいならたっくさんプレゼントしてあげる」

千早「メカご飯……絶対に許さない」

真「雪歩を泣かせたクソ野郎だ…」

雪歩「私のスコップ…お気に入りのスコップだったのになぁ」

春香「…ふふふ」

592: 2011/11/02(水) 00:36:36.00 ID:R/61PJqh0

春香「…」

ピンポーンッ!

………

真美「真美は真美は真美は真美は真美は真美真美真美真美真美!!」

雪歩「…もう一回押してよ春香ちゃん」

春香「はーい」

ピンポーンッ!

………

真「……」プルプル

真「出てこいよっ!!」

真「うがあぁああ"!」

ズドンッ!

真の本気の一打にて思い切り凹む扉、後のゔぁい!に繋がる重要な役割を担う事になる。

595: 2011/11/02(水) 00:39:43.52 ID:R/61PJqh0

真「ハァハァ……」

雪歩「真ちゃん…」

春香「凄いね真、思い切り凹んでるよ」

真「くそぉお!こんな、こんな奴のせいで雪歩はっ!!雪歩はあぁ!!!」

雪歩「…」


雪歩「…」スッ

雪歩が何食わぬ顔で扉に付いている郵便受けに入れた真っ赤なスコップ
後に血塗られたスコップとまで言われる様になる彼女のスコップ

それを彼女が知る由も無い……

597: 2011/11/02(水) 00:43:34.92 ID:R/61PJqh0

真美「真美真美真美真美真美真美真美真美」

雪歩「真美ちゃん…後悔はしちゃいけないんだよ」

真美「真美真美真美真美真美真美真美真美」

真美「兄ちゃん?真美は真美だよ…ねぇ兄ちゃん…真美は兄ちゃん」

真美「兄ちゃんは真美真美亜美じゃなくて兄ちゃんは兄ちゃんだよ?兄ちゃんじゃなくて真美だよ?真美だもん真美真美」

真美「真美……真美」スッ


彼女は一通の手紙を郵便受けに入れる
後に真美が氏ぬ前に欲しい物はなんですか?の問い掛けにこの手紙と答えるのを

彼女が知る由も無い…

600: 2011/11/02(水) 00:46:46.81 ID:R/61PJqh0

亜美「…」

亜美「真美、いい加減どいてよ」

真美「ごめん真美なさい、ゆるして真美さい」

雪歩「真美ちゃん…」

亜美「バケツいっぱいの丼プリンだよ兄ちゃん…」

亜美「あははは…」


ドポドポドポドポドポドポッ

亜美がプロデューサーの為に郵便受けに流し込んだ大量のプリン
後のプリン虐殺事件の鍵を握る事になるなど

彼女が知る由も無い…

605: 2011/11/02(水) 00:49:27.92 ID:R/61PJqh0

やよい「あはは…」

やよい「勿体無いですよー」

亜美「兄ちゃん…」

やよい「まずはこのスプレーで落書きしちゃいましょー!」

シュウウゥッ!

春香「あはは、やよいったらやっるー」


千早「…プロデューサーが握ったドアノブ」

千早「……んじゅ…じゅりゅっぷ」

春香「何してるの?千早ちゃん」

千早「…な、なんでもないわ」

610: 2011/11/02(水) 00:52:36.37 ID:R/61PJqh0

やよい「うっうー!出来ましたー」

春香「じゃあ次はこれだね」

やよい「あー、勿体無いですよぉ」

春香「やよいには後で焼肉に連れてってあげるからね」

雪歩「焼肉!?」

やよい「うっうー!だったらいいですー」

春香「プロデューサーさん、30円のモヤシ20袋ですよ」

ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ

千早「…じゅるゅ…っぷ…じゅりゅりゅ」

春香「千早ちゃん…何しに来たの?」

千早「…なんでもないわ」

612: 2011/11/02(水) 00:54:52.41 ID:uDtt36+k0
千早は相変わらずだな

614: 2011/11/02(水) 00:56:23.90 ID:R/61PJqh0

春香「じゃあ皆で焼肉に行こうよ!」

真美「はるるん、真美達も良いの?」

春香「当たり前だよー!だってね…」

春香「今日、車の中でプロデューサーの通帳手に入れちゃったから」

やよい「うっうー!本当ですかー!?」

春香「うん!もちろんお金は全部引き出したからね」

春香「ほらっ、450万」

やよい「うっうー!!!」

618: 2011/11/02(水) 00:57:50.76 ID:prS2NRDu0
765プロカスばっかじゃねーかwww

623: 2011/11/02(水) 01:00:01.69 ID:R/61PJqh0

亜美「んっふっふ~そちも悪よのぉ」

春香「亜美様ほどではございませぬよぉ」

やよい「うっうー!!焼肉食べ放題ですー!」

雪歩「それにしても春香ちゃん、よくプロデューサーの暗証番号わかったね」

春香「そんなの簡単だよ、だってプロデューサーさん、童Oだよ?」

千早「!!!(プロデューサーが童O!?こ、これはチャンス!!)」

春香「それっぽい番号を入力したら解除出来ちゃった」

やよい「うっうー!!!ハラミばっか食べますー!」

626: 2011/11/02(水) 01:03:04.66 ID:R/61PJqh0

春香「じゃあ焼肉屋へレッツゴー!」

やよい「うっうー!!!!!」

雪歩「焼肉焼肉焼肉焼肉!」

真美「真美はタン塩ばっか食べよっと」

亜美「亜美はユッケを食べるよ→」

千早「…プロデューサーが童O」

真「ボクは……まぁゆっくり楽しもうっと」

633: 2011/11/02(水) 01:06:26.38 ID:R/61PJqh0

~焼肉酒家えびす~

春香「皆、焼肉屋ですよ焼肉屋!」

やよい「うっうー!!」

雪歩「早く行こうよ春香ちゃん」

真美「タン塩→」

亜美「ユッケユッケ→」

真「うん、お腹八部目にしとこ」

千早「童O…童O……わ、私が初めてになる可能性もゼロじゃない…」

春香「千早ちゃーん!早く早くー!」

642: 2011/11/02(水) 01:09:25.69 ID:R/61PJqh0

店員「ご注文がお決まりになりま

春香「生一つ」

真「ボクも」

やよい「うっうー!」

亜美「亜美も」

真美「真美はウーロン茶」

千早「私は……私もウーロン茶で」

雪歩「私はカルピスを」

春香「真美は仕方ないとしてさー、二人ともノリ悪いよー!」

雪歩「私、あんまりお酒強くないから」

千早「私はまったく飲めないわ…ごめんなさい」

春香「ぶー!」

648: 2011/11/02(水) 01:13:37.30 ID:R/61PJqh0

店員「ユッケをご注文のお客様」

亜美「はいはいは→い!」

店員「こちら、当店ご自慢のユッケになります」コトッ

亜美「先に食べてて良い?」

春香「…」ゴクゴクッ

春香「ぷはあぁ…うんみゃー」

真「やっぱり生だね生」

春香「あっ、いいよ、先に食べてても」

亜美「いっただっきま→す」

モグモグ

亜美「う~ん!美味しい!」

652: 2011/11/02(水) 01:17:41.19 ID:R/61PJqh0

店員「お待たせしました、タン塩10人前でございます」

真美「先に言っとくけどこれ全部真美んだかんね!」

亜美「あっ!ユッケ3人前追加で」

春香「生おかわり」

真「ボクも」

やよい「うっうー!ピッチャー持ってこいですー!!」

亜美「やよいっち飲むね→」

657: 2011/11/02(水) 01:21:50.82 ID:R/61PJqh0

やよい「んぐっんぐ…」ゴクゴクッ

ガンッ!

やよい「うっうー!!おかわりDeathー!」

春香「やよい、完全に酔ったね」

真美「あーっ!まこちん◯それ真美のだよ→」

真「良いだろ?まだ有るんだから」

真美「よくないよーまこ◯んぽのバカー!」

真「ボクは女だっ!…あっ店員さん、生おかわり」

雪歩「あっ、私もカルピスおかわり」

千早「私もウーロン茶を」

662: 2011/11/02(水) 01:24:29.51 ID:R/61PJqh0

千早「ねぇ萩原さん」

雪歩「ん?どうしたの千早ちゃん」

千早「なんでカルピスなの?」

雪歩「えっ?」

千早「さすがに胃がもたれない?」

雪歩「うーん……」

雪歩「白いからかな」

千早「白いから?」

雪歩「うん、白いから」

雪歩「それにここのカルピス、ちょうど良いんだよ?濃さが」

千早「…カルピス、白い……濃さ」

千早「……店員さん、カルピスください」

673: 2011/11/02(水) 01:28:27.82 ID:R/61PJqh0

亜美「…」モグモグ

雪歩「亜美ちゃんさっきからユッケしか食べてないけど大丈夫?お腹冷えない?」

亜美「ゆきぴょんこそ、さっきからカルピスしか飲んでないよ?」

雪歩「えっと…ま、まぁ私は皆が酔い潰れた後にゆっくり食べようかなって」

亜美「ゆきぴょん…意外に考えてますなぁ」モグモグ

雪歩「あはは…さ、さすがにあの中じゃあね」


春香「うわははははwwww店長ー!」

やよい「もっと酒持ってこいDeathー!」

真「あひひひひwwwwやよい最高!」

675: 2011/11/02(水) 01:31:55.73 ID:8duMd7P80
こいつらwww
Pの屑だが、こいつらもこいつらだな

676: 2011/11/02(水) 01:32:03.10 ID:R/61PJqh0

~トイレ~

千早「…持って来てしまった」

千早「少し濃いめのカルピス」

千早「…」ヌギヌギ

千早「こ、この穴にストローを…いっ…れっ」

ニュプ

千早「んあっ!?」

千早「…ふうぅー」

千早「膣に力を込めて……」

千早「吸い上げ…」

ジュルュリュルルル



んあー

678: 2011/11/02(水) 01:32:36.77 ID:Ek82Czop0
いおりんが出なくてよかったぜ
こんなんになってたらどうしようかと

686: 2011/11/02(水) 01:37:40.52 ID:R/61PJqh0

彼女達がえびすに着いて2時間後

春香「春香ちゃん歌っちゃいまーすwww」

やよい「うっうー!!下手だったらグラスで頭かち割ってやるから覚悟しとけDeathー!!」

真「春香ー!愛してるーwwww」

春香「ごまえーごまえーww」

やよい「下手過ぎますー!」ヒュ

バリンッ!

春香「あいたーwwww」

真「割れちゃったwwwグラス割れちゃったwww」



雪歩「そろそろ私も食べようかな」

千早「店員さん…カルピスおかわり」

雪歩「千早ちゃん…さっきからカルピス頼んではトイレに捨てに行ってない?」

690: 2011/11/02(水) 01:41:11.91 ID:R/61PJqh0

千早「そんなことは無いわ…」

雪歩「そう?なら良いんだけど」

亜美「あっ!ユッケ5人前追加→」

雪歩「亜美ちゃんも食べるね、もう50人前は食べてるよ?」

亜美「だって美味しいんだもん!ゆきぴょんも食べる?」

雪歩「私は生のお肉はちょっと…」

亜美「ふーん…美味しいのに」

店員「お待たせしました、カルピスです」

千早「…」スッ

雪歩「またトイレ?」

千早「えぇ…」

696: 2011/11/02(水) 01:45:00.16 ID:R/61PJqh0

~トイレ~

千早「やっとわかったわ…」

千早「そのままカルピスを膣内に入れても良いのだけれど…」

千早「もっと興奮する方法」

千早「まずは割り箸をティッシュで覆う…」

千早「その後カルピスで存分に濡らす……」

千早「そして……目を瞑る」

千早「……膣内に割り箸を近づけ……って」

ニュプッ



んあー!!

704: 2011/11/02(水) 01:50:50.19 ID:R/61PJqh0

雪歩「あっ!すみません、カルビとタン塩、それぞれ一人前追加で」

亜美「やっと酔い潰れてくれたねはるるん達」

春香「……」ピクピク

雪歩「結局グラスで頭の殴り合いをして最初にやよいちゃんがダウン…」

やよい「…」ピクピク

真美「そしてまこちんが突然グラスを自分の頭で割り始めてダウン…」

真「…」ピクピク

千早「春香も真と真似をし始めてそのままダウン…」

雪歩「ふふ、やっと焼肉を楽しめるね」

710: 2011/11/02(水) 01:56:11.87 ID:R/61PJqh0

亜美「……」

ギュルルルルルッ!!

亜美「あ"う"っ!?」

雪歩「どうしたの亜美ちゃん?」

亜美「……」

ギャルュリュリュリュッ!

亜美「ぁあ"っ!」

真美「んっふっふ~早くいっトイレ→」

亜美「ぅ……う"ん」

千早「お腹が冷えたのかしら?はい、タオル、お腹に当てるといいわ…」

亜美「ありがとう……千早おね

ギャルュリュリュリュッ!!

亜美「あ"っ」

713: 2011/11/02(水) 01:59:56.09 ID:R/61PJqh0

~トイレ~

亜美「はぁ…ハァ……」

ギャルュリュリュリュッ!

亜美「んぎっ!?」

亜美「ぉ、お腹がいたいよぉ…」

亜美「神様ぁ…一生のお願いだから今すぐ亜美のお腹の痛みをけ

ギャルュリュリュリュッ!!!

亜美「んぎっひいぃ!?」

亜美「いだいよぉ…いたいよぉ…」

716: 2011/11/02(水) 02:04:40.36 ID:R/61PJqh0

トイレには→それは→綺麗な→
め→が→み→さ→まがおる→ん→や→で→

亜美「神様あぁあ!」

亜美「神様ナノ様」

亜美「O☆NE☆GA☆I☆」




ビチッ




亜美「……」ポー

ビチビチビチビチビチッッ

717: 2011/11/02(水) 02:06:19.70 ID:R/61PJqh0

亜美「あっあっあっあっあっあっあ」

ブビビーッ!

ビチビチビチビチビチ


亜美「あ"→→→→」

ビビッブリュリュリュリャリャ

亜美「あ→→→→→→」

ビチビチビチビチビチ


亜美「あっ…あっあ"っ」

ブリュリュリュリュリュリュ

720: 2011/11/02(水) 02:11:15.16 ID:R/61PJqh0

雪歩「亜美ちゃん遅いね」モグモグ

千早「萩原さん、そのカルビ…私が焼いたんだけど」

雪歩「千早ちゃん…小さいのは胸だけにしてよ」モグモグ

千早「……は?」

雪歩「心まで小さいなんて…」

千早「萩原さん、それを言うなら心が狭い……でしょ?」

雪歩「そうだねぇ…でもさ」

雪歩「千早ちゃんの胸は小さいよね」モグモグ

千早「……店員さん、生一つ、中身抜きで」

721: 2011/11/02(水) 02:14:19.86 ID:R/61PJqh0

雪歩「すみません、私も生一つ」

雪歩「…もちろん中身抜きで」

店員「な、中身抜きだとグラスだけになりますが」

千早「構わないわ…」

雪歩「私のはたっぷり濡らしといてください」

雪歩「その方が洗うのも楽でしょうし」

千早「……私もたっぷり濡らしといてください」

千早「拭き取るのが多少は楽になるから…」


真美「亜美おっそいな→」モグモグ

724: 2011/11/02(水) 02:19:44.12 ID:R/61PJqh0

後に語り継がれる様になるえびす事件
彼女達アイドルの熾烈な戦い、氏者は出なかったものの終わって見れば酷すぎる惨状。


一人は頭から血を流し倒れ込み

やよい「…」ピクピク

一人はデコを深く切り重傷

真「…」ピクピク

一人は白目を剥き出しに倒れ

春香「…」ピクピク

二人…彼女達は抱きしめ合うかの様に倒れ込み

雪歩「…」千早「…」

一人は永遠に喰らい続け

真美「亜美ったらお肉なくなっちゃうよ→」モグモグ

一人はトイレで血便を垂れ流していた

亜美「あ"→→→→」

763: 2011/11/02(水) 03:38:45.98 ID:5ds6+Giz0

~夜中の公園~

響「…ゔぅ、寒いぞ寒いぞ~」

タタタッ

響「早くトイレに行かないと自分、凍え氏ぬさー」


~トイレ~

響「はあぁ…全然違うぞ」

響「温かいさ~…」

響「…っとと、早く弁当食べなきゃ冷めちゃうぞ」カパッ

響「……はは」

響「学校以外の場所で…トイレで食べるなんて」

響「……」

響「…いただきます」

765: 2011/11/02(水) 03:41:45.20 ID:5ds6+Giz0

響「…」モグモグ

響「なんで携帯壊しちゃったのかなぁ…あの時」

響「ゔぅ…でもっ!」

響「あの時は仕方なかったさー…」

響「頭ん中がぐちゃぐちゃになっちゃって…」

響「気がついたら携帯を床に叩き落としてて…」

響「…」モグモグ

響「なんくるないさ!別に携帯なんか無くったってなんとかなるよ」

響「……」

響「なんくるなくないさぁ…」モグモグ

766: 2011/11/02(水) 03:44:47.36 ID:5ds6+Giz0

響「そういえば…」

響「えっと」ガサガサ

響「この学生服……」

響「やっぱり少しは汚しといた方が良いかなぁ」

響「さすがにピカピカの学生服は…」

響「うゔう……」

響「でもせっかく美希に買って貰った学生服だし汚す訳には…」

響「で、でもこのままピカピカで行くのも……」

響「あーもう!わかんないぞー」

767: 2011/11/02(水) 03:48:26.01 ID:5ds6+Giz0

P「…そういえば明日」

P「春香と二人なのかぁ……」

P「俺あいつ苦手なんだよなぁ…」

P「なんつーか、俺の言う事に対して必ず反発してくるし」

P「それなのにプロデューサーさん、プロデューサーさんって媚び売った様な話し方」

P「……あいつも辞めないかなぁ」

P「もう765プロは竜宮小町だけで良いよもう」

769: 2011/11/02(水) 03:50:38.97 ID:5ds6+Giz0

P「つーか千早が辞めたのが想定外」

P「明日もラジオの収録が有るってのに春香だけだもんな……」

P「相手が居なくて大丈夫なのか?」

P「そもそも番組として成立するのか?」

P「………」

P「一発抜いて寝るか」

P「……あっ」

P「あぁあァあ"ああ!!!」

770: 2011/11/02(水) 03:53:48.44 ID:5ds6+Giz0

P「し、しまった…」

P「貴音の靴下、貰うの忘れてた…」

P「うぁ、アレが有れば事務所でも車の中でも何時でもオXXー出来たのに……」

P「自宅じゃバスローブで良いんだけどなぁ」

P「それに今、車修理に出してるし…」

P「バスローブなんて持ち運べないしなぁ」

P「……」

P「今は関係無いか」

P「えっと、バスローブバスローブっと」







771: 2011/11/02(水) 03:59:31.14 ID:5ds6+Giz0

~美希ルーム~

美希「…響、ミキね、いっぱいいっぱいお話ししたの」

美希「パパとママ、それにお姉ちゃんも…泣いてミキを抱きしめてくれたよ」

美希「……響の事も喜んで引き受けてくれるって…」

美希「響は今何をしてるの?」

美希「暗い暗い夜を一人で彷徨ってるの?」

美希「……携帯さえ使えたらね」

美希「飛んで響の所に駆けつけるのに…」

美希「…あふぅ」

美希「響…おやすみなの」

773: 2011/11/02(水) 04:03:23.41 ID:5ds6+Giz0

響「うーん」

響「どうやって眠れば良いかわかんないぞ…」

響「便器の蓋に座って寝るのか…」

響「それとも便器の蓋を枕にして寝るのか」

響「……」

響「美希から貰ったリュックに制服を入れてっと」ガサガサ

響「便器の蓋を閉じて…」パタンッ

響「上に座る…」

響「リュックを抱きしめて…寝る」

響「うん!完璧だぞ!」

響「…美希、おやすみ」

774: 2011/11/02(水) 04:06:37.01 ID:5ds6+Giz0

~翌朝~

チュンチュン チュンチュン

P「……んあ」

P「あ、さかぁ」

P「なんか寝れた様な寝れなかった様な…」

P「今は……まだ7時ね」

P「ゆっくり着替えて事務所にいきますかぁ」

P「………あっ」

P「そうだった…今日はあのクソ生意気なクソ餓鬼共は居ないんだっけな」

P「あーすっげぇ嬉しい」

776: 2011/11/02(水) 04:09:50.64 ID:5ds6+Giz0

~事務所~

ガチャ

P「…おはようございます」

小鳥「…」

P「無視かよ」ボソッ

小鳥「これ、律子さんからあなたへ」ドサッ

P「…なんですかコレ」

小鳥「仕事の依頼です、目を通しといてください」

P「依頼……珍しいですね」

小鳥「別に…」

P「…ちっ」

小鳥「唾が床に散るので舌打ちはやめてください」

P「あーあー、分かってるよわかってますよ!」

777: 2011/11/02(水) 04:13:42.48 ID:5ds6+Giz0

P「ったく…事務員の癖に生意気すぎるだろあの三十路」

小鳥「プロデューサーさん」

P「……なんですか?」

小鳥「次そんな事言ったら…社長に言って飛ばしてもらいますから」

P「…」

小鳥「私、嘘はつきませんよ」

P「そうですか、そりゃ結構」

小鳥「謝ってください」

P「はぁ?」

小鳥「謝ってください」

778: 2011/11/02(水) 04:18:20.16 ID:5ds6+Giz0

P「…ふざけんなよ」

小鳥「あっ!今の言葉使い」

P「……」

小鳥「…まぁ良いですよ」

小鳥「今はプロデューサーさんに謝って貰う事の方が先ですから」

P「…嫌だぞ」

小鳥「だったらクビですね」

P「私情で俺をクビに出来ると思ってんのか?」

小鳥「出来ますよ…そうですね」

小鳥「彼女達をクビにしたのは全てプロデューサーさんに脅されたから…」

小鳥「そう言えば一発でクビですね」

P「ぐっ…」プルプル

781: 2011/11/02(水) 04:21:07.13 ID:5ds6+Giz0

小鳥「ほら、早く謝ってください」

P「……すみません」

小鳥「はい?」

P「言っただろ」

小鳥「舐めてません?」

P「はぁ?」

小鳥「誰が一言って言いました?」

小鳥「私に対する謝罪が一言」

小鳥「……すみません」

小鳥「舐めてますよね?完全に私を舐めてますよね?」

P「……」ギリッ

782: 2011/11/02(水) 04:24:26.51 ID:5ds6+Giz0

小鳥「私の方がキャリアは上、つまり貴方は私の下にいる存在」

P「…」プルプル

小鳥「ははっ、そんなんだから律子さんに抜かされちゃうんですよ」

小鳥「仕事もろくに探せない」

小鳥「彼女達からの人望は無いに等しい」

小鳥「ははは…言っても良いですかぁ?」

P「……言いたきゃいえよ」

小鳥「なんであなたが辞めなかったんですか?ww」

785: 2011/11/02(水) 04:27:14.96 ID:5ds6+Giz0

P「あ"?」

小鳥「なんで彼女達が辞めなきゃいけないんですかね?」

小鳥「あなたが辞めてしまえば全てマルクス収まった気がするんですけど」

小鳥「おかしいですねぇ……」

小鳥「私、間違ってますか?」

P「……」グググッ

小鳥「あれあれ?握り拳なんか作っちゃって……殴りたいんですか?」

小鳥「別に良いですよ?」

小鳥「あっ…もちろん私に手をだしたらクビですけど」

786: 2011/11/02(水) 04:30:06.33 ID:5ds6+Giz0


P「…なんて言えば良いんだ」

小鳥「はい?」

P「なんて言ったら許してくれるんだ」

小鳥「ふふ、そうですよ…最初からそうすれば良かったんですよ」

小鳥「そうですね……」

小鳥「小鳥さん、すみませんでした、もう二度とあなたに逆らいません」

小鳥「……これでお願いしますね」

小鳥「…プロデューサーさん……ふふ」

P「…」

788: 2011/11/02(水) 04:32:25.17 ID:5ds6+Giz0

P「……こ、小鳥さん」

小鳥「…」

P「す、すみませんでした…」

P「もう二度と……あなたに逆らいません」

P「……」

P「言ったぞ」

小鳥「はあぁ?」

小鳥「なに途切れ途切れ言ってるんですか?」

小鳥「もう一回言い直してください」

P「ふざけんなよ!言っただろ!!」

小鳥「……クビですね」

P「……あ"ー!!」

791: 2011/11/02(水) 04:39:24.30 ID:sYXZZrNX0

P「小鳥さんすみませんでしたもう二度とあなたに逆らいません!」

P「……ほらよ、言ったぞ」

小鳥「よく出来ました」

小鳥「貴方みたいな人でもやれば出来るんですね」

小鳥「……ぷっ」

P「…」ギリッ

小鳥「あははは……はーあ、すっきりさはた」

小鳥「プロデューサーさん、雑巾渡しますから床拭いといてくださいね」

P「…」プルプル

小鳥「私に逆らわないんですよね?」

793: 2011/11/02(水) 04:42:29.29 ID:sYXZZrNX0

ガチャ

律子「おはようございます小鳥さん」

小鳥「おはようございます」

P「…」フキフキ

律子「プロデューサー、少し良いですか」

P「黙れ…見てわかるだろ」

律子「床拭きなんて後で良いから聞いてください」

P「聞くなら動きながらでも聞けるだろ」

P「お前が喋れよ…クソが」

律子「…小鳥さん、こいつ後で締めといてください」

小鳥「わかりました」

796: 2011/11/02(水) 04:45:47.12 ID:sYXZZrNX0

P「…」フキフキ

律子「聞きますよ?」

P「早く喋れやメガネ」

律子「…亜美は何処ですか?」

P「知るかよばーか」

律子「亜美は昨日、プロデューサーと接触したのが最後ですよね」

P「だから知らないって言ってるだろ!」

P「そもそも亜美はお前の!!」

P「竜宮小町のメンバーだろ?!」

P「たった三人も面倒見来れないでプロデューサー語んじゃねぇぞ」

800: 2011/11/02(水) 04:48:59.44 ID:sYXZZrNX0

律子「私は事実を言ったまでです」

律子「亜美は昨日、プロデューサーと接触して居なくなりました」

律子「……疑われて当然でしょ?」

P「…あっそ、勝手に疑ってろ」

P「何度も言うが俺は知らないし関係無いから」

P「調子のんなよパイナップル野郎」

律子「……小鳥さん、お茶ください」

小鳥「どうぞ」

律子「……」

パシャァ

P「ぷっ……」

803: 2011/11/02(水) 04:52:52.80 ID:sYXZZrNX0

P「……なにすんだよ」

律子「これで済んだんです、寧ろ感謝してください」

P「んだとメガネ…」

律子「数々の私に対する暴言」

律子「その気になれば裁判であなたを裁けるんですよ?」

律子「それも知らないで何やらべらべら並べてますが……」

律子「覚えておいてくださいね」

律子「貴方は私のおかげでここに居られてるんですから」

P「……」

律子「仕事も全部私が取って来てあげてる」

律子「ほんと…無能プロデューサーですね」

805: 2011/11/02(水) 04:56:08.04 ID:sYXZZrNX0

P「…はい、すみませんでした」

律子「分かれば良いんですよ分かれば」

P「……」

律子「じゃあ私は伊織達と一緒に亜美を探しに行きますから」

律子「もし亜美と連絡がとれたら……私の携帯に電話してくださいね」

P「はい…わかりました」

律子「勘違いされては困るんで一応言っておきますが…」

律子「仕事用の番号なので」


807: 2011/11/02(水) 04:59:14.88 ID:sYXZZrNX0

バタンッ!

P「…くっ……」ギリッ

小鳥「ほらっ、早くしないと春香ちゃんが来ちゃいますよ」

小鳥「雑巾掛けもまともに出来ないんですか?」

P「……もう誰も居ないんだよな」

小鳥「は?」

P「…律子達はもう来ない」

P「春香もまだ来ない……」スッ

小鳥「なに立ち上がってるんですか」

小鳥「早く雑巾掛けしてくださいよ!」

小鳥「ほんっと、役に立ちませんね」

P「……」ギリッ

811: 2011/11/02(水) 05:04:12.49 ID:sYXZZrNX0

~トイレ~

響「…」ヌギヌギ

響「っと、早く学生服に着替えないと…」

響「さっき公園の時計で時間確認したんだけど…」

響「ゔぅ…遅刻しちゃうぞ」

響「早く行かないと」

響「じゃなかった、早く着替えないと」

響「いやっ、早く行かないとも正解だし…」

響「ゔー!どうすればいいのさー!」

812: 2011/11/02(水) 05:08:28.78 ID:sYXZZrNX0

響「よっし!準備完了」

響「じゃあ行くぞー!」

タッタッタッタッタ


響「……」

響「…」

響「だ、大丈夫かな」

響「自分…笑えるかな」

響「……ううん」

響「自分は今日から少しの間普通の女の子なんだ!」

響「だから今は学校に行って皆と仲良くするぞ!」

816: 2011/11/02(水) 05:11:17.34 ID:sYXZZrNX0

~教室~

ガララララ

響「…は、はいさい」

「…うそ、我那覇さんよ」
「久しぶりね…仕事、休みなのかしら」
「また私達を見下しに来たんだわ」

響「…」スタスタ

「わっ、私達の方へ来てるわよ」
「…無視よ無視」
「私達はあんたと違って一般人だからね」

響「…お、おはよう」

「…」
「…」
「…」

響「……」スタスタ

818: 2011/11/02(水) 05:15:40.20 ID:sYXZZrNX0

「見た?あの制服」
「みたみた、もう新しくしちゃってる」
「アイドルだからお金が有るのよ、だからすぐに買い替えれるんだわ」

響「はぁ…(全部聞こえてるぞ)」

「あっ、机に顔を伏せたわよ」
「やっぱり一人が良いのね」
「そんなに私達と関わりたく無いならお望み通りにしてあげる」

響「…グス…(もう嫌だ…帰りたいよ)」

なんで自分だけこんな目にあわなきゃなん無いんだ?
もう自分も普通の女の子なのに…どうしてなのさ

結局自分…変われないのかな
変わっちゃダメなのかな……わかんない
わかんないよ…

822: 2011/11/02(水) 05:22:00.30 ID:sYXZZrNX0

ガララララ

「はーい、お前ら席につけよ、出席とるからな」

「きりーつ、気をつく、れい……着席」

響「…」

胃が痛い…きりきりする
少しは変われると思ってた…甘かった

自分が変われる気でいたから、周りも変わってくれるもんだと思い込んでた。

情けないさぁ…自分、バカだぞ
これから学校が終わるまでの間


またひとりぼっち……

広い教室内に……自分ひとりだけ


「我那覇……我那覇」

響「は、はい!?」

「居るなら返事しろ…ただでさえお前は仕事で来れないのにな」

響「……ごめんなさい」

823: 2011/11/02(水) 05:26:24.74 ID:sYXZZrNX0

クスクス

「我那覇さん、上の空みたいね」
「仕事の事でも考えてるんじゃないの」
「売れっ子アイドルは違うわねぇ」

響「……ちがう」プルプル

「そうよ、私達とは違うのよ」
「見下すだけなら来なけりゃいいのに」
「あはは、言えてる」

響「…」

「こらーそこ、私語はやめろ」

「はーい!」
「我那覇さんのせいで怒られた」
「やっぱり我那覇さんって必要無いわよね」
「来なければ良いのにね」

響「っ!!」

ダンッ!

響「違う!」

824: 2011/11/02(水) 05:29:28.01 ID:sYXZZrNX0

………


「あー…我那覇?どうしたんだ」

響「……」

ダタッ

ガララララ

「お、おい我那覇!?」

「先生、進めてください」
「そうですよ、あんな奴居ても居なくても変わらないと思いまーす」


アハハハハ

「言えてる~」
「あいつ学校来る意味あんのかよ」
「アイドルでやってけてるなら学校くんなっつーの」

828: 2011/11/02(水) 05:36:00.06 ID:sYXZZrNX0

~トイレ~

響「……結局ここに来るんだな」

響「結局…またここなんだな」

響「……自分、わかんないよ」

響「どうすれば良いのさ…」

響「せっかく美希から貰ったチャンスなのに」

響「…あんなにやる気だったのに」

響「……嫌だよぉ」

響「ひとりぼっちなんてやだよぉ…」

830: 2011/11/02(水) 05:45:05.23 ID:sYXZZrNX0


響「……帰ろう」

響「美希には悪いけど自分…もう無理だぞ」

響「教科書と唯一の私服…鞄の中だぞ」

響「あっ…私服は公園のトイレに置いて有るリュックの中だっけ」

響「……美希、ごめん」

響「やっぱり自分…」



響「変われないさぁ」

835: 2011/11/02(水) 05:49:38.20 ID:sYXZZrNX0

スタスタスタ

響「…まだホームルームの時間だぞ」

響「……」

タッタッタッタッタ

響「っ…」



~学校外~

響「…とりあえず公園に向わないと」

響「この制服も…もう要らないぞ」

響「……ごめん…美希……ごめん」

841: 2011/11/02(水) 05:56:28.61 ID:sYXZZrNX0

~公園~

響「はぁ…結局帰って来ちゃったぞ」


マッブタヲアッケテッサッワヤカオメザメ

響「……ん?」

キッラキラッアサヒッチッキュッウニオッハヨオッ

響「な、なんだ…この変な歌い方」

アッラアラッオッナカガッグルグルウタッテッル


千早「アッレッレッレアッタッマッガクラクラオッドル」


響「…あの人が歌ってるのか?」

845: 2011/11/02(水) 06:04:24.10 ID:sYXZZrNX0

響「…下手くそだぞ」


千早「サッアッイッパッイッタベヨッオッヨ」

千早「ハヤオッキッデッキタッゴホッオッビ」

響「邪魔だぞ…あそこに立たれてたらトイレに行く途中バレちゃうよ…」

千早「ホラッミンッナッデッタベヨッオッヨ」

千早「オヒルッマッデッモツヨッオ」


響「……あっ、歌い終わったみたいだな」

846: 2011/11/02(水) 06:08:03.23 ID:sYXZZrNX0

千早「…ダメね」

千早「この歌い方じゃあファンも離れて当然だわ…」

響「…」スタスタ

響「……なんとか気づかれずにトイレまで行けそうだぞ」

千早「今日、本当ならラジオの収録なんだけど…」

千早「いえ……学校よね」

千早「……逃げて来ちゃった」

響「えっ?!」

千早「…あら?」

響「ゔえっ!?」

千早「あなた…確か」

響「ななな、なんでもないさー!!」

ダタッ

千早「あっ」

847: 2011/11/02(水) 06:10:41.24 ID:sYXZZrNX0

千早「あのポニーテール…」

千早「それに小柄で黒髪」

千早「……あの顔」

千早「ま、まさかね…」

千早「あの961プロのアイドルがこんな時間にこんな所に来る筈無いわよね」

千早「……」

千早「トイレにでも行こう…プロデューサーを思い出してしまったわ……」

849: 2011/11/02(水) 06:15:44.23 ID:sYXZZrNX0

~事務所~

小鳥「こ、こんな事してタダで済むと思ってるんですか!?」

P「あ"?黙れや」

P「椅子に縛り付けただけだろ」

小鳥「く、クビです!」グググッ

P「はいはい、お前の力で外せたら世の中の拷問なんざ成立してねぇんだよばーか」

小鳥「あ、あなた!早くこの縄をほどいて!」

P「嫌だ」

P「もう我慢の限界なんでな…」

855: 2011/11/02(水) 06:19:59.05 ID:sYXZZrNX0

P「たかだか事務員の分際でプロデューサーである俺に命令?」

P「はっ…笑わせんなよ」

小鳥「絶対にクビにしてみせますよ…」

小鳥「い、いま解いたら見逃してあげます」

P「別に…クビにしたけりゃすればいいさ」

小鳥「なっ?!」

P「もうね…」スタスタスタ

P「限界なの」

P「えっと…ポットの水は……うっし、大丈夫だな」

小鳥「な、何をするつもりなんですか!」

856: 2011/11/02(水) 06:23:15.51 ID:sYXZZrNX0

P「……はは」

P「洗ってやるんだよ、お前の髪を」

小鳥「わ、私の髪…」

P「あぁ、お前の髪を……」

P「このポットの熱湯でなぁ」

小鳥「ば、馬鹿な事を言うのはやめてください!警察呼びますよ」

P「呼べるもんなら呼んでみろや」

P「よっと」グイッ

P「両手足が塞がったその状況でよ」スタスタスタ

小鳥「わ、私に近寄らないでください!」

858: 2011/11/02(水) 06:27:03.98 ID:sYXZZrNX0

P「…」スタスタスタ

小鳥「こ、来ないで!」

P「嫌だね」

小鳥「ひっ…来ないでくださいぃ!」

P「ほーら、頭の上にポットが有りますよー」

小鳥「ぁっ……あ」ガタガタ

P「蓋を開けて」カパッ

小鳥「あぁあ"っ?!」

P「……氏ね」

小鳥「ぁ"あ"あぁ!!」ビクンッ

859: 2011/11/02(水) 06:29:05.93 ID:sYXZZrNX0

P「……」

小鳥「…」ビクンッビクン

P「はっ、掛ける前に気絶してやんの」

P「誰がかけるかよ、お前に熱湯なんて」

P「カップラーメンが作れなくなっちまうからな」

P「えーと…そろそろ春香が来る頃だな」

P「カップラーメンでも作って食べるか」

862: 2011/11/02(水) 06:40:54.08 ID:sYXZZrNX0

ガチャ

春香「…」

P「あ、おはようはる

春香「名前で呼ばないでください」

P「……天海」

春香「プロデューサーさん、小鳥さん、どうしたんですか?」

P「…しらない」

春香「へぇ、白目むいて椅子にエビ反りになってますよ」

P「俺が来た時にはこうなってたからな」

春香「まっ、どうでもいいですけどね」

P「あ、あのさ…天海」

春香「なんですか?プロデューサーさん」

863: 2011/11/02(水) 06:44:05.75 ID:sYXZZrNX0

P「あ、亜美の奴知らないかな」

春香「亜美?」

P「あぁ、あのクソメガネから亜美を見つけたら連絡してくれって言われたから」

春香「……さぁ」

春香「今頃トイレ何じゃ無いですか?」

P「トイレ?」

春香「多分トイレで泣いてますよ」

P「ど、何処のトイレだよ」

春香「感ですよ…カン」

P「…」

春香「ほらっ、早くラジオの収録に行きましょうよ」

春香「……無能プロデューサーさん」

867: 2011/11/02(水) 06:51:22.11 ID:sYXZZrNX0

P「…今からタクシー呼ぶから」

春香「はぁ?まだ呼んで無かったんですか」

春香「やっぱり屑ですね」

P「悪い…」

春香「あっ、認めるんですね」

P「…」

春香「今度は無視ですか?さすが屑はやる事が猿以下ですね」

P「あっ、もしもし?はい…はいっ……はい」

春香「はいしか言えないなんて…さすが無能プロデューサーさんですね」

874: 2011/11/02(水) 06:58:58.63 ID:sYXZZrNX0

P「タクシー…あと10分したら来るそうだ」

春香「そうですか」

春香「あっ!プロデューサーさん」

P「…なんだよ」

春香「何か飲みたい物有りますか?買って来てあげますよ」

P「いきなりどうしたんだよ…」

春香「別に…ほら、何が飲みたいんですか?」

P「……金は」

春香「私が出しますよ」

877: 2011/11/02(水) 07:01:40.85 ID:sYXZZrNX0

P「…要らない」

春香「はいぃ?」

P「お前に貸しなんて作りたく無いからな」

春香「へぇー……そうですか」

P「早く下に降りろよ」

春香「プロデューサーさんはどうするんですか?」

P「お前が残るなら下に降りる、お前が下に降りるならここに残る」

春香「……言いますね」

P「お前と一緒の空間に居たく無いからな、反吐が出るわ」

879: 2011/11/02(水) 07:05:41.21 ID:sYXZZrNX0

春香「……屑の分際で偉そうですね」

P「その屑に突っかかるお前の方が屑だよ」

P「…はは、くーず」

春香「…」ギリッ

P「で、下に降りるの?ここに残るの?」

春香「プロデューサーさんはどうするんですか?」

P「何度も言わすなよ屑が」

春香「ちっ」

P「じゃあ俺は降りる…」

881: 2011/11/02(水) 07:12:18.08 ID:sYXZZrNX0

~駐車場~

P「…はぁ」

P「やっぱあいつ苦手だわ」

P「そばに居るだけで吐き気がする」

P「ムカつく…氏んでほしい」

春香「残念ですね、まだ私、氏にませんから」

P「悪趣味だなクソ野郎」

P「独り言を拾うんじゃねぇぞ」

春香「プロデューサーさん」

P「……」

春香「せっかく呼んであげたのに」

春香「本当にどうしようもない人なんですね」

888: 2011/11/02(水) 07:45:21.15 ID:sYXZZrNX0

春香「あっ、タクシー来たみたいですよ」

P「…そうだな」

春香「……ふふ」

P「なにがおかしいんだよ、俺の顔か?」

春香「いえ…」

春香「早く乗りましょうよ」

P「…あっ、あぁ」

春香「今日もお仕事頑張りましょうね」

P「思ってもない事を…」

バタンッ

890: 2011/11/02(水) 07:47:54.53 ID:sYXZZrNX0

~車内~

「お客さん、行き先は」

P「○●の建物までお願いします」

「はいよ」

春香「……プロデューサーさん」

P「なんだよ天海」

春香「タクシー代、私が出しますよ」

P「良いって言ってんだろ」

P「お前に貸し作る位なら氏んだ方がマシだ」

春香「……私、お金持ってるんですよ?」

891: 2011/11/02(水) 07:53:05.60 ID:sYXZZrNX0

P「あっそ…そりゃあ良かったな」

春香「…」

春香「450万円」

P「……は?」

春香「まぁ今はだいたい400万位ですけどね」

P「…嘘だろ」

春香「嘘じゃ無いですよ」

春香「ほらっ、証拠です」スッ

P「何処で手に入れた…そんな大金」

春香「……」

P「答えろ」

893: 2011/11/02(水) 07:55:47.99 ID:sYXZZrNX0

春香「屑な無能野郎から貰ったんですよ」

P「…」

春香「もちろん、もう私の物ですから返しませんよ?」

P「てめぇ…殺されたいのか」

春香「無能さん、通帳……返しますね」スッ

春香「もう必要有りませんから」

春香「お金だけ抜いた通帳…ふふ」

春香「中身が無い……まるでプロデューサーさんですね」

897: 2011/11/02(水) 08:00:07.45 ID:sYXZZrNX0

P「…」

春香「あははは、使わないから入れてたんですよね?」

春香「だったら使っちゃう方が良いじゃないですか」

春香「その方がお金も喜びますよ」

P「…そうか」

春香「はい!だから私が使ってあげます」

春香「プロデューサーさんのお金…」

春香「大切にね…」


「着きましたよ」

春香「一万円からで…あっ、お釣りは要りません」

899: 2011/11/02(水) 08:03:26.68 ID:sYXZZrNX0

春香「…じゃあプロデューサーさん」

春香「私、頑張ってお仕事こなしてきますね」

春香「……私の活躍、見ててくださいね」

春香「プロデューサーさん…」

P「今から仕事じゃなかったらお前を頃してでも奪い返してたが…」

P「いいさ…その金はお前にやる」

春香「あはっ!ありがとうございます」

P「早く行け…」

春香「はーい!」

900: 2011/11/02(水) 08:06:23.51 ID:sYXZZrNX0

P「…」カチャ

~♫

P「律子か」

律子『亜美、見つかったんですか?』

P「いや…そうじゃない」

律子『だったら切ります、貴方と口も聴きたくないですから』

P「確かよ…あったよな」

律子『はぁ?意味が分からないんですけど』

P「仕事の割りに何故か大金が入ってくる仕事」

904: 2011/11/02(水) 08:08:58.57 ID:sYXZZrNX0

律子『あぁ…ありましたね』

P「あれ……OKしてくれ」

律子『…馬鹿ですか?』

P「あぁ…」

律子『誰が見ても分かりますよね?』

P「あぁ」

律子『売るんですか?誰かを』

P「あぁ」

律子『で、誰を売るんですか』

P「そんなの決まってる」

律子『じゃあ早く言ってくださいよ、私忙しいんです、あなたと違って』

P「悪い…そいつの生なんだけどな」

905: 2011/11/02(水) 08:12:08.53 ID:sYXZZrNX0

律子『……彼女をですか』

P「……報酬は山分け」

律子『へぇ…5割ですね』

P「あぁ…キッチリ半分やる」

律子『ふふ……良いですよ』

P「ありがとう」

律子『あなた……最低の屑ですね』

P「あぁ」

律子『なんだが痺れちゃいました』

P「あぁ」

律子『ゴミ以下ですね』

P「あぁ」

律子『……さよなら』

プツッ

906: 2011/11/02(水) 08:13:04.05 ID:lpj7eKAV0
了承するりっちゃんもクズだよ

907: 2011/11/02(水) 08:13:46.02 ID:huqy1TuQ0
サバサバした人間関係

908: 2011/11/02(水) 08:15:21.26 ID:sYXZZrNX0

P「…450万」

P「あははは…安いな」

P「あのメガネと山分けしても500万は入ってくる計算だ」

P「今の内に楽しめよ…俺の金で」

P「次はお前の金で俺が遊ぶ番だ…」

P「まっ…メガネと山分けなんてする気無いんだけどな」

P「世の中金だよ金……」

P「あはは」

P「天海……俺は今日」

P「お前を売った……くくく」

912: 2011/11/02(水) 08:21:12.22 ID:sYXZZrNX0

春香「皆さんおはようございます、司会の天海春香です!」

春香「本日は相方の千早ちゃんが居ない為私一人でラジオをお送りいたします」

春香「あっ!でも大丈夫、心配しないでくださいね」

春香「とびきりビックな話題、用意してますから」

春香「なんと!」

春香「私、宝クジで…」

春香「500万円当てちゃいましたー!」

914: 2011/11/02(水) 08:23:36.28 ID:sYXZZrNX0

「また台本無視してるね、君の所の」

P「すみません…本当にすみません」

P「彼女に悪気は無いんです」

「……まぁ、春香ちゃんのアドリブは天下一品だから悪い方には進まないんだけどさ」

「やっぱり……もう少しねぇ」

P「すみませんすみません!」

915: 2011/11/02(水) 08:25:49.54 ID:sYXZZrNX0

春香「それでですね!」

春香「昨日友達の皆と焼肉屋に行ったんですよ!」

春香「楽しかったですよー!」


P「…ふ」

P「そうやって笑っとけ…」

P「二度と笑えなくしてやるからな」

P「…天海春香」

917: 2011/11/02(水) 08:33:03.02 ID:sYXZZrNX0
終わり

920: 2011/11/02(水) 08:36:23.13 ID:pcm6OxOj0

えっ?

922: 2011/11/02(水) 08:37:19.59 ID:9cE0zlTl0
せめて響だけでも助けてあげてよ

引用: P「今日から765プロに入る事になった三人組だ」