1: 2010/03/25(木) 00:09:15.28 ID:TL1Bm1ch0

悟空「いよっ! おめえが一方通行って奴か?」

一方通行「あァ?」

悟空「なっ、おめえつえーんだろ?オラと勝負しねーか?」

一方通行(けっ、またバカが喚いてやがらァ。反射っと)プンッ

悟空「なーなー! ちぃっとばかしぐれぇー良いだろ?」

一方通行(……)

悟空「おーい! おーい!」

一方通行(……)

悟空「おぉーい! おぉーい! ちぇっ、おめぇ耳遠いなぁ……」

一方通行(……)

悟空「おーい!! 一方通行ぁー?」 フッ……カキン!

悟空「あれっ!? 肩に手ぇ置いたはずなのに……跳ね返ってきた?」 フッ……カキン!

4: 2010/03/25(木) 00:11:11.95 ID:TL1Bm1ch0

悟空「ひぇーっ! おめえやるなぁ!」

一方通行(……)

悟空「おっ(カキン)……ほっ(カキン)……おー、これなんか面白ぇーぞ!」

一方通行(……ちィっ、さっきからチョロチョロしやがって……)イライラ

悟空「はやく戦ってみてぇなぁー! なぁおい!」

一方通行(クソが……)イラッイラッ


悟空「なぁーオラと勝負やってみねぇk  「さっきから鬱陶ォしいンだよ三下ァ!!」  うぉっ!」


一方通行「そンなに氏にてェンならァよォ……」

一方通行「いますぐ頃してやらァ!」

一方通行(足元の小石のベクトルを変換……音速を超える速度で蹴りだして終わりだァ、へっ)

 ズギャン!

悟空「いっ!?」

9: 2010/03/25(木) 00:13:36.77 ID:TL1Bm1ch0

 バシッ!

一方通行「なっ……片手で受け止めただァ?」

悟空「うっひゃぁー、オラおでれぇーたぞ! おめぇもやしみてーな体して脚力あんなぁー!」

一方通行「クク……おもしれェ、面白ェぞ三下ァ! そんなに氏にてェンならマジで頃してやらァ!」

悟空「おっ! やーっとその気になったか! んじゃーひとまず移動しようぜ!」

一方通行「ハァ!? 戦いたいって要望してたのはオマエの方なンですがァ!? あァン!?」

悟空「いいからいいから、とりあえず触らせてくれよ」

一方通行「ざけンな。今すぐ氏ね。ベンチのベクトルを操作、派手に突っ込ンで氏ね!」

 ズギャン!

悟空「ったくおめぇ我慢弱ぇなー? もうちっと我慢しろよっと!」 ズバァッ!

一方通行「……あァ……? 俺の投げたモンが弾かれただとォ? オマエ……念動力者か何か?」

悟空「あーこまけーこたぁ後にしてさぁ、ちーっとだけでいいから触らせてくれよー」

一方通行「……チッ、触らせてやったらなンだってんだ……おら、反射切ったぞォ」

悟空「おっ、サンキューな! そんじゃさっそく神の神殿にでも行くとすっか!」

一方通行「あァ? なにをワケわかンねェこと言ってn」 シュンッ!

13: 2010/03/25(木) 00:15:25.22 ID:TL1Bm1ch0

神の神殿

一方通行「っ……ンだぁここは!? 空気が薄い……いや、それ以前に気圧が……」

ピッコロ「なっ、確かに強そうな男がいるとは言ったが連れてくるとは……大した奴だ……」

悟空「まーまーいいじゃねーか! そら、一方通行ぁ! こっちだ、ついて来いよぉ!」

一方通行「ケッ……ンァ?」

ピッコロ「む……?」

一方通行「……(なンだこの男、顔色悪くねェか? いや、でもアメコミヒーローみたいで嫌いじゃないぜィ……!)」

ピッコロ「……!?(なんだこの熱い眼差しは……ま、まさか俺を頃すつもりなのか!? やはり天才か……)」


精神と時の部屋前


悟空「こっから先はちぃっと気ぃつけねーとびびっちまうかっな? 分かったか?」

一方通行「いいから早くしやがれェ三下がァ。こっちゃいつでも頃す気十分なンですがァ!?」

悟空「へへっ、んじゃレッツゴー! だな!」

一方通行「どこであろォと頃すのは変わンねェってな……!」

15: 2010/03/25(木) 00:17:17.91 ID:TL1Bm1ch0
精神と時の部屋

一方通行「なっ……クッ……ンだぁここはァ!? ここは……一体なンなンですかァ!?」

悟空「へへっ、ここはぁ一日が一年になっちまったりするすげー場所さ!」

一方通行(気温-21度に酸素濃度が普段の25%、重力は外界の十倍……!? だが)

一方通行「過度な寒さと重力は反射ってなァ! んでもって足元の空気をベクトル操作して普段通りに戻す!」

一方通行「ハッ! なンてこたァねェ! イツモどおりの愉快快適適温空間に様変わりってェわけだ!!」

悟空「っひゃぁ~初めてとは思えねーぐらい活き活きしてんな! やるなぁおめえ!」

一方通行「くだらねェ御託並べてねェでよォ!? かかってこいよ三下ァァァァ!」 ビュンッ!

悟空「うぉっ!? おめえすげーはえーなぁ!?」 ヒュッ!

一方通行「ンなっ!? 消えただとォァっ!」

悟空「へへっ、後ろ後ろ! 隙ありっ!」 ブンッ!

悟空の回し蹴りが隙だらけの一方通行の背中に直撃するも、すぐさまその威力は反射される

悟空「っ痛ぃってぇぇえ! おめえ奇妙な技持ってんなぁおい!」

一方通行「はっ、空間移動能力に念動力まで持ってるオマエに言われたかァねェよっ!」

すさまじい速度で悟空が攻撃を繰り出す。
一方通行はそれを反射しつつ悟空に触れて血流のベクトルを操ろうとする。

17: 2010/03/25(木) 00:18:55.59 ID:TL1Bm1ch0

悟空「ふぃー……オラの連続攻撃がまったく効いてねーや、やるなぁーおめえ!」

一方通行(全部反射したはずなのに……無傷だァ?)

一方通行(しかも俺が触れられないスピードで動き回るだとォ? 何者だよオイ……)

悟空「んじゃ、こいつはどーかなっ! 波ぁーっ!」 ビューン!

一方通行「っ!? エネルギーの塊……チィッ、どんな能力だァオイ!? でもよォ……」

どんな能力であれ、どんな物質であれ、ベクトルが存在する以上気攻波とて例外ではない。
一方通行に触れる直前に能力の膜で反射される。

ピュウゥゥ……ビューン!

悟空「うわっ!」

 ドガーン!

一方通行「ケッ、三下にしちゃァよくやった方だが……その攻撃に"ベクトル"が存在する以上」

一方通行「俺に反射できねェワケねェだろうがっ!!!」 ドン!

21: 2010/03/25(木) 00:20:35.17 ID:TL1Bm1ch0

土煙が晴れる。果たして、そこには無傷の悟空が立っていた。目を見張る一方通行

悟空「いやーオラおでれーたぞ! まっさか気功波まで防ぇじまうなんてなー!」

一方通行「へェ……へェ! へェへェ! へえええェェェ!!」

一方通行「あひゃぎゃぎゃ! ……常人ならよォ、今までの殴打含めてなァ」

悟空「ん?」

一方通行「 数 千 回 は氏んでる威力だ……オマエ、一体ェ何者だ?目的はなンだ?」

悟空「ああ、オラは孫悟空! おめえがつえーやつって聞いて戦ぇーたくなってな!」

悟空「しっかしこりゃあオラもちーっとばかし本気を出さねーとやべーかもな……はぁっ!!」

悟空を基点に衝波と金色のオーラが生じ、地面に皹が入る。
髪は逆立ち金色に輝き、瞳は翠色に変色している。

23: 2010/03/25(木) 00:21:59.60 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「なンだなンだァ? 今度はパツキン姿に変身だァ? おいおいどォいうトリックだァ一体? マギーかよ」

悟空「んじゃ……いっちょやってみっか……!」

悟空が両手を合わせ、腰を深く沈める。


悟空「かぁー……めぇー……!」


一方通行「……クク、クハハハ! あひゃひゃぎゃぎゃ! いいねェいいねェかかって来いよパツキン野郎ォ!!」


悟空「はぁー……めぇー……」


一方通行「俺の能力の前じゃどんな攻撃だってなァ……」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ……


悟空「波ぁぁぁぁーッ!!!」


カッ! ずばぁぁぁんッ!!

一方通行「無駄無駄無駄ァッーヒャハハハギャハハハハハ!!!」 ド ド ド ド ド !

キュィンッギュウォンッギュギュギュアッずばぁぁぁんッ!! ドン!!!

24: 2010/03/25(木) 00:23:34.17 ID:TL1Bm1ch0
一方通行「ケッ……笑いすぎて危うく呼吸出来なくなるところだったじゃねェかァ! だが……」

一方通行の目前に広がる瓦礫と土煙

一方通行「今度こそ俺の……ってェ……オイオイ……おいィ?」

ガララっと音を立てて、瓦礫が崩れ、土煙が晴れていく。そこには、無傷の悟空の姿があった。

悟空「っひゃぁーまさかこれまで跳ね返されっとはな……久しぶりに本気の本気ってもんを出してみるか……!」

一方通行「なン……だと……? 大したやつだ……なァおい! やっぱ強敵(バケモン)ってヤツかァ!?」

悟空「ふっ……はぁーっ!」 ゴウッ!シュンシュン……ステンバーイ……

悟空を中心に小さなスパークが生じるようになる。
ただでさえ逆立っていた髪はさらに逆立ち天にも上る勢いだ。
そして――それ以上に、雰囲気が、覇気が、力が決定的に変化していたことを、一方通行は感じ取っていた。

悟空「ヘヘッ、オレが超(スーパー)サイヤ人2になるのは久しぶりだな……さーてっと」

一方通行(……こりゃァすげェ……電気使いなのか……? まさかこれが噂の第三位……)

一方通行(いや、第三位は非力な女だって話だ。強敵(バケモン)どころじゃあねェ、まるで……そう……)

悟空「ウオリャアアアアアアア!!!」

一方通行「……いいぜ、かかってこいよ好敵手(バケモン)ゥゥゥゥゥ!!」

音速の壁を遥かに超えた速度で悟空が突進し、拳と蹴りを繰り出す。
一方通行も負けじと集中力を高めて演算し、相手の体の血流を逆流させようとする。

26: 2010/03/25(木) 00:25:27.86 ID:TL1Bm1ch0

あらゆる障害を破壊する最強の矛と、
あらゆる事象を反射する無敵の盾の闘いは、永久に続くかと思われた、が。
その終わりは、意外にも早く訪れることになる。

悟空(反射され続けてるせいで流石に手足が痛くなってきたな……待てよ? 反射するっつったって……)

悟空は全ての攻撃を反射され、確実に手足を痛めながらもあることに気がついた。
                      . .  . .
悟空(……その反射はあくまで身体の外側に対ぇする事象じゃねえのか……? じゃあよ)
    . .  . .
悟空(身体の外側に対する事象はどうなんだ……?)

一方、一方通行も同じようにあることに気がついていた。

一歩通行(コイツの攻撃は確かにヤベェ、ヤベェけどよォ……要するにそれってよォ)
                . . . .
一方通行(突き詰めりゃそれだけのことじゃねェか……?)
            . . . . . . . .
一方通行(コイツが強ければ強いほどコイツの負担は増える……ハッ、攻撃せずとも勝てるわけだァ!)

悟空            不利!
       (長期戦は     だから……)
一方通行        有利!

悟空(攻撃する瞬間に手を引っ込める!)

一方通行(ベクトル操作の演算に集中する! つっても基本反射ばっかだがなァ!)

悟空・一方通行「ウオォォアァァ!!!」

30: 2010/03/25(木) 00:28:36.31 ID:TL1Bm1ch0

一方通行の演算力が鈍った訳ではない。
光すら演算して捻じ曲げることのできる彼にとっては、いかに音の壁を遥かに超えた殴打の連続とて、
単なる無数のベクトルに過ぎない。

一方通行「なっ……!?」

ただ、その一撃は、あまりにも重く、もう一撃は未体験のものだった。

超サイヤ人2の状態とはいえ、悟空は出せる力を全て込めて蹴りを繰り出し、
さらに右の拳が能力の膜に触れるその瞬間に出せる力を全て込めて手を返すことでベクトルの向きが反転。

この二つの予想外の事象に、学園都市随一の頭脳を誇る一方通行は対処できなかった。

一方通行の身体が衝撃によって弾け飛ぶ。肉片はおろか塵すらも残らずに消滅した。
そのことを一方通行は微塵も知覚することが出来なかった。
知覚するゆとりすら与えられず、木っ端微塵、否、細胞単位で消滅した。



一方通行はこの瞬間――氏んだのである。






悟空「あ、あれ……もしかして……」 シュゥン……

悟空「……オラ、やりすぎちまったんか?」

34: 2010/03/25(木) 00:30:10.04 ID:TL1Bm1ch0

神の神殿

一方通行「はっ!! こっここここおこおこはああああ!? ここっどこッどこだァ!?」

悟空「おっ、ちゃーんと生きけーったみてぇだな! ありがとなー神龍! もうけーっていいぞー!」

神龍『願い二つは持ち越しコースだな……では、さらばだ!!』 デュワッ

一方通行「なっ、なンだァ今のはァ……クソ、いったいなにがあった!?」

悟空「いやーわりぃわりぃ、オラぁおめぇのこと頃しちまってさー!」

一方通行「……ハ?」

ピッコロ「こんな子供を誘拐して勢い余って頃すなど……流石意外性NO.1サイヤ人だな……やはり天才か……」

一方通行「……ハ?」

悟空「オラとしちゃああんな手段じゃなくてってよぉー力で突き破ってみてぇーんだよなぁ!」

一方通行「……ハ?」

ピッコロ「チィ……うるせーっ! 他人は黙ってろ!! このウスラトンカチが……ぬぅっ!?」

突然ピッコロが顔を歪め、明後日の方角をにらみつけた。
悟空も同じように明後日の方角を鋭い目つきでにらみつける。

一方通行「……ハ?」

35: 2010/03/25(木) 00:30:24.39 ID:xwZuYNmb0
セ口リカワイソスwww

40: 2010/03/25(木) 00:32:16.60 ID:TL1Bm1ch0

悟空「この感じ……まさかあいつか?」

ピッコロ「だろうな、しかし信じられん。やつがあの世にいることはお前だって知っているはずだってばよ!」

悟空「ああ……そのはずなんだけどよー……」

その時、どこからか声が降り注いだ。

界王『たっ大変じゃあ悟空! あの世から ブ ロ リ ー が復活してしまったんじゃ!』

悟空「かっ、界王様! じゃあこの気はやっぱブ口リーなんか!?」

一方通行「オイ、一体全体なにがどーなってンだァ?」

ピッコロ「とても強いやつが現れたんだ……女心と秋の空って言うだろ? しかしなぜブ口リーが?」

界王『どうもあの世で不手際があったようじゃ。世界と世界が連結してるとかで、よーくわからんわい!』

界王『地球にもー存在しない都市が現れたりしとるそうじゃ、なにがなんやら!』

ピッコロ(……そういえば、学園都市などという地区は聞いたことがないな。写輪眼でも見切れない……)

悟空「じゃーオラがちょっくら退治すりゃいいんだなー!」

界王『すまんが頼んだぞい! ワシらも原因の究明に尽力するからのう!』

それっきり、天の声は聞こえなくなった。

42: 2010/03/25(木) 00:34:43.49 ID:TL1Bm1ch0

悟空「じゃあオラはちーっとばかし退治してくっから、待っててくれよな!」

そう言って走り出そうとする悟空の背を見て、一方通行が口を開いた。
その顔はいかにも不機嫌そうで、しかしどこか愉しげだった。

一方通行「おいおいおいおい! この一方通行様を置いてどこ行こうってンだァ? 寝言は寝てから言えよ三下ァ!」

悟空が振り返り、にやっと笑う。

悟空「じゃあついてくっか?」

一方通行「へっ……誰に口利いてンだよ、オイ!」

一方通行「当たり前じゃねェか! そもそも俺は許可なンざ取る気ねェよ!」

悟空「へへっ、じゃあついてこい!」

そう言って神の神殿から飛び降りた悟空を見習って、一方通行も同じように飛び降りた。
ピッコロが静止する間もなく、二人は神の神殿から姿を消した。



悟空「おめえさぁ、速く飛べねぇならそう言ってくれよぉ」

一方通行「この俺がおんぶだと……クソッ!」

46: 2010/03/25(木) 00:36:27.61 ID:TL1Bm1ch0

亀千仙人「ぐええええ!」

クリリン「悟空ー! 早く来てくげぶぁー!」

天津飯「ぬわー!」

ブウ「ブウー!」

サタン「ひょえええ!」

復活したブ口リーは、カカロット……悟空に対する敵意のみを頼りに地球で猛威を振るっていた。
あの世界を救ったミスターサタンですら一蹴され、誰もが諦めかけている中、しかしただ一人だけ、闘志を絶やしていない男がいた。





そう……ヤムチャである。

ヤムチャ「ちっ……なんて野郎だ、街をこんなに破壊しやがって!」

ヤムチャは珍しく怒り狂っていた。

仲間が傷つけられた。それは単純明快(シンプル)だが――

ヤムチャが怒り狂うのには十分すぎた。

50: 2010/03/25(木) 00:37:59.71 ID:TL1Bm1ch0

怒り狂っているヤムチャを目前にしても、ブ口リーの態度は変わらない。
うわ言のように、なにかをつぶやきながら、破壊の限りをし尽くしている。

ブ口リー「カカロット……カカロットォォ!」


ヤムチャ「いいぜ……」


ヤムチャが気を開放した。塵がぱらぱらと舞い上がり、地面にほんの少しだけひびが入る。


ヤムチャ「てめえがみんなを攻撃するってんなら!」


ヤムチャが構える。あの悟空を追い詰めた、伝説の技…… 狼 牙 風 風 拳 の構えである!

そのただならぬ雰囲気と覇気を前に、ブ口リーが始めてヤムチャを意識して視界に捉えた。

ブ口リー「ウゥゥ……ウォワァアアアア!!」

あのブ口リーが、恐れをなして飛び掛ってきた。
ヤムチャはその様を見て、フッと笑う。誰だって、自分より強いものを見ればそうするだろう。
ましてやあの見るからに頭の悪そうなブ口リーならば。
ヤムチャは内心、ブ口リーに対しほんの少しだけ同情してやった。

52: 2010/03/25(木) 00:40:10.38 ID:TL1Bm1ch0

ヤムチャ「その幻想を……!」

ブ口リー「ウウウワアアアアア!!!」

ヤムチャ「 噛 み 殺 す ! 」



ヤムチャ「灰になれ!  狼 牙 風 風 拳 !」



 狼 牙 風 風 !






ガシッ!ボカッ!ヤムチャは氏んだ。狼牙風風拳(笑)



以下平常運行

54: 2010/03/25(木) 00:40:52.81 ID:TL1Bm1ch0

悟飯「ああ! ヤムチャさん! クソ、面白半分で見物してるんじゃなかった! ハァッ!」

すぐ近くでそのやりとりを見守っていた悟飯が気を開放してブ口リーの前に現れた。
その隣には超サイヤ人3のゴテンクスの姿も見える。

ゴテンクス「へへーんだ! オレたちがいれば怖いものなしってねー! いっくぜぞー!」

悟飯「でゃぁぁぁぁ!」

ズギャンズギャギャガガヤギャガヤガヤ!!!

周辺で倒れている虫の息状態の戦士が爆風に煽られて大ダメージを負った。

ゴテンクス「まっだまだー! オラオラオラオラぁぁぁ!!!」

ドガガガガガガガガガ!

ゴテンクス「かめはめ波ァ!!」

ビュウウウゥーン! ズゴォゥン!!

とどめとばかりにゴテンクスのかめはめ波がブ口リーのいたであろう地点に突き刺さった。

56: 2010/03/25(木) 00:41:36.55 ID:TL1Bm1ch0

悟飯「まだ生きている! 接近戦だ!」

ビシュウン!

いまだ土煙が晴れぬ場所に悟飯が突っ込んだ。
そのままブ口リーの気を探すために集中する。
だが、この時の悟飯の判断は誤りだった。
今までの攻撃が蓄積されている分、ブ口リーが疲弊していると無意識の内に思い込んでいたのだ。

ブ口リー「ぬぅぁ……ヌゥァィィイイイイ!!!」

ズバアアン!!

背中に強烈な蹴りを受けて、ご飯は一瞬で意識を失った。

ブ口リー「ウガアアアア!!!」

追い討ちをかけるように悟飯の身体を蹴り飛ばす。
そして悟飯の身体が偶然ゴテンクスの目前に転がってきた。

ゴテンクス「ああ! 悟飯兄ちゃん!」

ゴテンクスが驚き、一瞬隙を見せた。だがその隙はブ口リーが相手ではあまりにも大きすぎる隙だった。

57: 2010/03/25(木) 00:42:28.15 ID:TL1Bm1ch0
ブ口リー「ヌゥオリャァアアア!」

ブ口リーが手のひらに大きな光球を生成し、それをゴテンクスに向けて放った。
避けることは可能だが、気絶している悟飯を置いていってしまうことになる。
悟飯を守ろうと、ゴテンクスは咄嗟にかめはめ波を放って相頃しようとする。

ゴテンクス「うーおりゃあああ!」

ズギャンン!

かめはめ波とエネルギーの塊が無事に相殺され、ゴテンクスはほっと一息ついて、

ドガアアアアアアン!!

再び放たれたエネルギーの塊――先ほどよりも数倍大きい――を食らって、悟飯共々吹っ飛んでゆく。

ブ口リー「グウアアア!!」

ブ口リーの猛攻は止まない。エネルギーの塊を秒間十発、二十発、三十発と放ち続ける。
ブ口リーの攻撃が止んだ時には、悟飯も変身の解けた悟天とトランクスもボロボロのグデングデンだった。

58: 2010/03/25(木) 00:43:08.52 ID:TL1Bm1ch0

再びブ口リーが破壊を再開しようとする。
しかし、ここにきて初めてブ口リーが静かになった。

その視線の先には、ベジータの姿があった。

ベジータ「てめえ……人の星でなにやってやがる……!」 ビリビリ

ブ口リー「ウゥゥ……」

ベジータ「それにオレの息子まで……クソが! 伝説の超サイヤ人!? ふざけるな!」 ズドォン!

ベジータが超サイヤ人2に変身し、ブ口リーに向かって突き進む。

ブ口リー「ウゥガアァァァ!!」

ブ口リーもすぐさまそれを撃退しようと拳を突き出す、が。

ベジータ「ふん! 甘いんだよ!」

ドギャアアアン!!

絶妙のタイミングで背後に回りこんだベジータの踵落としがブ口リーの肩に突き刺さった。

59: 2010/03/25(木) 00:43:48.97 ID:TL1Bm1ch0


ベジータ「キサマは確かに強い! そして悔しいことにオレはお前より劣っているだろう!」


ベジータ「だがな……オレはこれでもサイヤ人の王子……いや」


ベジータ「それ以上に! 一人の息子を持つ、父親なんだよ!!」


ベジータ「サイヤ人の王子の誇りと経験!!親の子を慈しむ思いやり!!」


ベジータ「この二つだけはキサマに絶対負けるわけにはいかないんだあぁぁ!!!」

ブ口リー「ウガアアガガァァァァァ!!」

シュバッギャガヤギャギャドガガガガガガガガッ!シュッシュッバッキッキッ!

ブ口リー「うぐぅ」

ベジータ「オララララ!オリャリャリャアアァァ!」

60: 2010/03/25(木) 00:44:39.82 ID:TL1Bm1ch0

ベジータ「でぇいやぁあああ!!」

ベジータの鋭い膝蹴りがブ口リーの顔に吸い込まれるようにヒットした。
そのまま追撃を加えようとベジータが気を溜めた瞬間。
今の今まで右手に力を溜めていたブ口リーが、ベジータの鳩尾に手のひらをくっつけた。

ブ口リー「ウゥゥ……」ニヤッ

キュウウウウウン! ポアアアァァァァァァ!ポゥ!

ベジータ「なっ」

めきゃきゃきゃきょきょ!ぶぐっずどおおおおおん!



ベジータ「オレは……サイヤ人の王子……トランクスの父親……ベジータ……だぞ……」

ベジータ(時間は稼いだぞ……カカロット……)



ブ口リー「ウウゥゥァァアイィンムゥゥウィィィナァァァアァァァァ!!!」

62: 2010/03/25(木) 00:45:20.23 ID:TL1Bm1ch0

悟空「クリリンに天津飯、ブウ……ひでぇ怪我だ……まるで虫の息のところ追い討ちされたみてぇだ」

一方通行「ケッ、最近は手からビーム出すのが流行なのかァ?そうなンですかァ?」

悟空「……ブ口リィイイイイイイイイ!!!!」 ゴゥン!

ピリピリ……

悟空の髪の毛が一気に増え、眉毛が消え、スパークが生じ、周囲の大気が震え上がる。
悟空が超サイヤ人3に変身したのだ。
地面には大きな亀裂が生じ、息も絶え絶えの戦士たちが地面の奥に飲み込まれていった。合唱。



ブ口リー「!! カカロットオオォォォォォォオオオオオオオ!!!!」

ビリビリ……

ブ口リーの筋肉が膨れ上がり、さらに地面が粉々に砕けていく。
あれだけの激戦の後にもかかわらず、悟空と同等……いや、それを遥かに上回るほどだ。



悟空「テメエはもう許さねえ、オレが再びあの世に送り返してやるよ!!」

63: 2010/03/25(木) 00:46:11.28 ID:TL1Bm1ch0


ドガガガガガガ!!


一方通行「なんてェバトルだ……」

一方通行「……くっ、くくっくはははは!」

一方通行「あははひゃひゃひゃぎゃぎゃぎゃぎゃギャギャギャ!!!」

一方通行「いいねいいぜェサイッコーにサイコじゃねェか! それでこそ来たカイがあるってもンだァ!!」

悟空「ぐうわああぁぁ!!」 ヒューン……ドガン!

殴り合いに敗れた悟空が一方通行の背後にある岩山にぶつかって土砂に埋もれた。

一方通行「寝てろ三下。あのボディビルマッケンジーはオレが素敵に愉快に虐頃してやっからよォ!」

ブ口リー「ウゥ……」

一方通行など眼中にないブ口リーが、手のひらにエネルギーの塊を生成して悟空を消滅しようと目論む。
そのエネルギーの量たるや、地球すら簡単に破壊出来るレベル。
衝撃波のベクトルを感知した一方通行も、心の内で思う。





一方通行(あァ、こりゃあ反射出来ねェ……)

67: 2010/03/25(木) 00:46:56.03 ID:TL1Bm1ch0

一方通行(いや、違ェな。そうじゃねェ、そうじゃねェンだ)

一方通行(正しくは……)

一方通行の顔に、笑みが浮かんだ。

諦めからくる自嘲混じりのそれではなく、新しい玩具を手にした子供のように、
無邪気で、恐ろしく、凶悪な笑みだ。

一方通行「クク……」

ブ口リー「カカロット……氏ねぇええええええ!!!」

ブ口リーの手のひらのエネルギーの塊が、放たれた。
雷速すらも突破した超高速で迫りくる光を前にしても一方通行の表情は変わらない。
一方通行がゆっくりと右手を前に出した。


一方通行「正しくは……」





一方通行「……反射出来なかった、だよォ!!!」

69: 2010/03/25(木) 00:47:54.99 ID:TL1Bm1ch0

エネルギーの塊が一方通行の右手に触れた。

一方通行「うゥゥゥおああァァッ!! あああァ!?」

絶大な集中力を持って、一方通行はエネルギーの塊のベクトルを捻じ曲げようとする。

一方通行「オウゥゥゥ!? グックハ! ヒャハハ! アアッンッアアンッ!!」

そして。

一方通行「カッ……ヒャハハハハハハ!!」

演算が、終了した。

膨大なエネルギーの塊は、ベクトルを捻じ曲げられてブ口リーに直進し始める。


ブ口リー「!!!」


エネルギーの塊は、無防備なブ口リーにぶつかって派手に爆発した。

71: 2010/03/25(木) 00:48:59.38 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「ヒャハハ……ふぅ……戦いとか馬鹿馬鹿しい。もっと真面目に生きよう(」

悟空「おーいてて……なぁ、いますげぇ音がしたんだけどよー」

一方通行「おはよゥ三下君。ボディビルマッケンジーは俺が消し去ってやったよ(」

悟空「うへぇ!? すげぇなぁーおめえ!」

一方通行「もっと褒めてもいいですよ? だいたいあんな筋肉馬鹿如きに私が――」


――ウウウウガアアアァァァァァァァァッ!!!!!!


一方通行「!?」

悟空「……どうやら第二ラウンド開始みてぇだぞ?」

一方通行「チッ……マジ冷めるわ。人がせっかくサイッコーにサイコでハイなエクスタシー感じてんのによォ」

悟空「なんだそりゃ? うめえのか?」

一方通行「食いモンじゃねェ、辿り着くモン……そォだな、目的地だ」

悟空「へえー、オレも行ってみてぇなぁー」

一方通行「ああ、一度でいいからイッてみろ。すげェぜ……」

――オオオォォァアァァァアアアアアアアアアアアッッ!!!

74: 2010/03/25(木) 00:50:05.01 ID:TL1Bm1ch0

ブ口リー「まとめて……消えうせろォァッー!!!」

ブ口リーが両手に膨大なエネルギーの塊を生成し始める。

一方通行「ヘッ、何度やったって無駄だァ! ヒャッハァ!」

悟空「……いや待て待て、あいつ地球を破壊するつもりだぞ!」

一方通行「なァンだってェェッ!?」

悟空に言われて、一方通行はブ口リーに注意を向けた。
とてつもなく巨大なエネルギーの塊を……地面に向けている。
一方通行の顔に焦りが見えた。

ブ口リー「ハァ……ガアァ!!」

一方通行「おいおいどうすンだ! 俺ァ頭痛くて簡単な反射しか出来ねェぞ!」

悟空「……瞬間移動で界王神に連れて行く。一方通行。ついてくるか?」

一方通行「……へっ、当たり前だのピーナッツだ三下ァ!」

悟空「よし……瞬間移動!」 シュン!

ブ口リー「ガァ!?」

77: 2010/03/25(木) 00:50:46.45 ID:TL1Bm1ch0

界王神界

一方通行「わっ……ぷっ、ふぅ」

悟空「ブ口リーが攻撃する! 離れるぞ!」

一方通行「ケッ、わァってるよォ!」

再び能力を解き、悟空と共にブ口リーから出来るだけ遠くの場所に瞬間移動する。
その直後、

ブ口リー「カカロットォオオオオオオ!!!」

カッ ドガアアアアアアン!!!

とてつもない爆発が起こり、ブ口リーを中心とした半径5キロメートルが跡形もなく消えうせた。

78: 2010/03/25(木) 00:52:07.01 ID:TL1Bm1ch0

老界王神「ひえぇ~頑丈なはずの界王神界があんなにぃぃ!」

界王神「すさまじい男ですね、あのブ口リーとかいうのは!」

悟空「おーいじっちゃん!界王神様!」

一方通行「あァ? 誰だァあのジジイとハゲは」

老界王神「ジジイとは何じゃまったく! それより悟空、急いであやつをなんとかせい!」

界王神「僕も何かお手伝いを!」

悟空「あーじゃあナメック星のドラゴンボールを集めてくれっかな? またなんかあった時に役に立ちそうだしよ」

界王神「あっ、それは……」

老界王神「今回はワシら側の落ち度が原因じゃ……まぁ前回もそうじゃったが、大目に見てやるわい!」

悟空「サンキューじっちゃん!」

界王神「では行って参ります!」シュン!

一方通行「オイオイなンだか仲間外れなンですがァ?」

80: 2010/03/25(木) 00:52:55.99 ID:TL1Bm1ch0
ブ口リー「ウウウウウウワッアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッォオオオオオ!!!!!!」



悟空「チッ、うるせえ奴だ……一方通行、さっきはお前がやったんだから今度は俺だよな?」

一方通行「あァ? そうだな……(三下が負けてから俺が倒したほうが映えるな)……いいぜェ」

悟空「へへーん! じゃっ、いっちょやってみっか! ハァッ!」 ドゥッ!

悟空が再び気を開放し、ブ口リーのいる場所めがけて突進した。
ブ口リーもすぐさまそれに気づき、気を開放。音速の世界を超越した速さで戦いを始める。

悟空「てめえはどうして何度も何度もぉ!だぁりゃ!」


ブ口リー「カカロットォォォオオオオ!!!!」


悟空「うらあああああ!!」


ブ口リー「ウガアアアア!!」


戦いはその激しさを増していく一方だった。

82: 2010/03/25(木) 00:53:37.65 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「……さっき起きて、いや蘇ってからどうも妙に頭が冴えるぜ……」

一方通行「さすがにあンだけのベクトルを操作した後じゃあ頭は痛ェが……」

一方通行「こンだけ強けりゃあ……誰かに襲われることも……傷つけることも……」

一方通行「……絶対能力移行計画なンぞに頼らずとも……」

一方通行「……」

老界王神(……やはり、こやつは……ってあら?)

一方通行の眉間にしわが寄ったのに気がついた老界王神は、その視線の先を追った。
追って、表情を一変させた。

老界王神「まずい! 悟空のやつ押されっ放しじゃ!」

一方通行「気づいたか、ジジイ……やべェかもな、こりゃあ」

度重なる攻撃を食らったにも拘らず、ブ口リーはその衰えない。
それどころかますます勢いづき、力が高まっていっている。
今はまだ辛うじて均衡を保っているが、それとて悟空がほんの一瞬でも隙を見せればたちまち崩れることだろう。

一方通行「いるもンだなァ……絶対的存在(バケモン)ってのはよォ……」




そして、均衡が崩れた。

83: 2010/03/25(木) 00:54:17.63 ID:TL1Bm1ch0

悟空「ぅぁうっ……!? ウギャッウガァァ!!」

ブ口リーの爪先が悟空の鳩尾に突き刺さり、そのまま一方通行たちのいる場所まで吹き飛ばされる。
すでに勝機我にありと悟ったのか、ブ口リーはあえて静かに着地し、ゆっくりと歩を進めた。
少しずつ、しかし確実にブ口リーは悟空の下に近づいてゆく。

一方通行「待てよ、絶対的存在(バケモン)。俺を忘れちゃいねェか」

だが、それを許さない人間がいた。一方通行である。
自身より遥かに大柄のブ口リーを前にしても、一方通行の態度は変わらない。

一方通行「悪りィが……こっから先は一方通行だ! 侵入は禁止ってなァ!!」

その言葉を聴いて、初めてブ口リーの表情が変化した。

ブ口リー「……」

これまでのような怒りのそれではなく――

ブ口リー「どけ」

哀れむような、そんな表情に。

84: 2010/03/25(木) 00:54:57.96 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「俺をそンな目で見ンじゃねェ、俺ァ通れねェって言たンだよ、耳ついてンですかァ!?」

ブ口リー「……」

その時、初めてブ口リーがため息をついた。
どこか呆れたような態度が癪に障ると一方通行は思った。

一方通行「てめェェェ!!」


ブ口リー「粋がるな、雑魚」


一方通行「なっ……頃す! このっ――」





一方通行「――かはっ……?」





一方通行が、血反吐を吐きながら倒れた。

86: 2010/03/25(木) 00:55:44.96 ID:TL1Bm1ch0

ブ口リーが一方通行を押しのけるように手を伸ばした次の瞬間に、一方通行は血反吐を吐いて倒れていた。

混乱する頭の中で、一方通行は何をされたのかを必氏で考えた。

可能性は……ひとつ。

         . .  . .
外側に対する事象を反射してしまったのだ。

一方通行(馬鹿な……やつはァ……俺の能力を知らないはずだ……どォ……やって……)

一方通行は考える。どうして、なぜ自分が意識を保っていられるのかを。
考えられる可能性として最も高いのは……

一方通行(やつは……攻撃してねェ……ただ……触れただけ……こんな……)

そして、一方通行の意識は途絶えた。

87: 2010/03/25(木) 00:56:28.85 ID:TL1Bm1ch0

界王神「はぁ、はぁ、なんとかドラゴンボールを集めました! 指示があればいつでも可能とのことです!」

老界王神「ばっかもん! さっさと超能力で悟空を治してやらんかい!」

界王神「えっ、えぇ!? わっ、分かりました!悟空さん!」

界王神は傷つき倒れている悟空に近づき、なんとか体力を回復させようと試みる。
だが、一方通行を捻じ伏せたブ口リーはそれを許さなかった。

ブ口リー「キッ!」 ドン!!

界王神「ひっ、うぅわああああ!」 ドーン!

眼力だけで界王神が数十メートル吹っ飛んだ。

界王神「くっ、まだだ、もう一度……」

――いや、もう十分だ……!

界王神「え……?」

悟空「はぁ……オレは……今ので少し回復した……はぁっ……じっちゃんのとこに行っててくれ……っう!」

しかし、と声を上げようとして、自分がいるだけで邪魔にしかならないと悟った界王神は
素直に老界王神の下に引き下がった。

悟空「へへっ……一方通行ぁ……おめえが時間稼いだおかげでちったぁ楽に……うぐっ!」

90: 2010/03/25(木) 00:58:22.41 ID:TL1Bm1ch0
ウッシ



ブ口リー「まだ……立ち上がるのか……?」

満身創痍でありながらまだ立ち上がる悟空を前に、初めてブ口リーが動揺した。
そして思い出したかのように気を開放し、後ろに飛び退く。

ブ口リー「まとめて……かき消してやるゥァアアアアアア!!!」

ブ口リーが今までのものとは比にならないクラスの光球を生成し始めた。
それを見た悟空が、悔しそうに歯を食いしばった。

悟空「くそっ……今のオレじゃああれに匹敵する力は出せねぇ……よくて相頃するので精一杯だ……!」

悟空「せめてもうあれさえ凌げれば……でも、ここまでなのか……!」

悟空が諦めかけたその時、

一方通行「ウッ……あァ……おい、三下ァ、そいつァマジかァ……」

一方通行の声が、悟空の耳に届いた。
悟空は咄嗟に一方通行の倒れていた地点を見る。
そして一方通行が膝を着きながらも起き上がろうとしているのに気がついた。

91: 2010/03/25(木) 00:59:02.85 ID:TL1Bm1ch0

悟空「なっ、一方通行ぁ! お前無事なのか!」

一方通行「人の質問には答えましょうってママンに習わなかったンですかァオイ三下ァ!?」

悟空「あっ……ああ、あれさえ凌げば、なんとかなるかもしんねぇ……」

一方通行「くっ……はっ……仮定の話かよ。だがまァ……」

一方通行が笑った。そして立ち上がった。
目の前で大きさを増している光球を見ながら、それでも笑みは絶やさず、

一方通行「悪かねェ……乗るかそるか、そういうこったろ……」

一方通行「三下ァ! 俺に提案がある、聞け、聞かねェと頃すぞ」

そう言った。

92: 2010/03/25(木) 00:59:55.11 ID:TL1Bm1ch0

ブ口リー「フゥゥゥゥ……!!」

光球は、もはやちょっとした島ほどの大きさになっていた。
おそらく、これほどの攻撃を放つことはブ口リーも初めてだろう。

ブ口リー「ニィ……!! ウゥワァァァァア!!!」

そして、光球の生成が完了した。

ブ口リー「氏ね……!」



ブ口リー「カカロットォァァアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!!!」



光球が、ブ口リーの手を離れて悟空らのいる場所めがけて加速しだした。
目の前にある障害全てを飲み込んで、それは直進する。
その様はまるで、巨大な隕石のようで、神の放ったメギドの火のようだ。

その先には――血反吐を吐いて立ち上がった、一方通行がいた。

97: 2010/03/25(木) 01:02:00.60 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「言ったはずだぜ絶対的存在(バケモン)……」

口の中にたまっている血を吐き捨て、
もやがかかっているような頭を振って、

一方通行「悪りィが……」

損傷しているの臓器から溢れ出る血流のベクトル操作を捨て、

一方通行「こっから先は一方通行だ! 侵入は禁止ってなァ!!」



一方通行は、もはや視界を覆いつくす程の光球に向けて――左手を向けた。


                              . . . . . . . . . . . . .
それから黙って、右手を光球の反対方向――悟空の放った全力かめはめ波に向けた。

98: 2010/03/25(木) 01:03:31.82 ID:TL1Bm1ch0
回想

悟空『オレのかめはめ波とブ口リーの光球のベクトルを操作して合体させる……?』

一方通行『ああ、もうそれしかあの絶対的存在(バケモン)に勝つ手段はねェ』

悟空『けっ、けどそれじゃお前が!』

一方通行『この期に及ンで怖気づいてンですかァ? あァ!?』

一方通行『お前だってよ――』

一方通行『立派な好敵手(バケモン)じゃねェかよ、あァ?』

悟空『……』

一方通行『俺を信じろ。必ずやり遂げてみせらァ……だからお前は』

一方通行『トドメの準備だけしてりゃあいいんだよ』

99: 2010/03/25(木) 01:05:00.53 ID:TL1Bm1ch0

一方通行(三下の攻撃が遅ェ! 予定より1.63秒遅れていやがる!)

一方通行(到達までの時間考えりゃ……その前に)

一方通行「この眩しいのをなンとかしねェとなァァアアア!!!」

一方通行の左手に、光球が触れた。

一方通行「グゥオオォァアアアアアア!!?アアッrwthッッbghqplウウゥゥ!!??」

想像を絶するインパクトとスピードによって一方通行の脳がショートしかける。
しかしそれでも一方通行は演算を試みる。
膨大なエネルギーのベクトルを観測し、算出し、その威力を、角度を、速度を、その他諸々の全てを――

一方通行「グゥゥghsbアアッ……ヒャッ、ハハハ!ハハ……アアァァッ!!???!?」

なんとか糸口が掴めたと思った矢先、右手にかめはめ波が触れた。

一方通行(あァ……こりゃァすげェ……ギンギンだ……)

そして――

一方通行「どーしてくれンだ……オレの息子がギンギンに勃っちまってるだろうがァ!!!」

演算が終了した。

100: 2010/03/25(木) 01:06:32.83 ID:TL1Bm1ch0

二つの膨大なエネルギーの塊のベクトルを完全に操れるよう演算し終わった。
とはいえ、ここから先が正念場だ。性質が似ているとはいえ膨大なエネルギーの塊を合体させねばならない。
両手をゆっくりと前に向け、少しずつ重ね合わせる。

一方通行「だがまァ……よく耐えたぜオレってやつァよ……ヒッ、ヒャハハハ!」

――もう、脳も内臓も長くは持たないだろう。心のどこかでそう思いながら、

一方通行「さらに……凝縮ゥゥッ!!」

二つのエネルギーは重なり、やがて拳大の光球に変化した。

一方通行「ギャギャハハハハヒャヒャヒャヒャ!!」

そのまま光球を、

一方通行「受け取れ――三下ァァッ!!!!」

ベクトル演算。急加速させて、真正面―― 孫 悟 空 のいる場所目掛けて放った。

102: 2010/03/25(木) 01:07:38.32 ID:TL1Bm1ch0
>>101
あえりえねぇそれだけはありえねぇ俺はあの人の足の親指にも及ばねぇ氏ぬ



悟空「へへっ……一方通行なんかじゃねぇよ……おめぇの想いは、確かに届ぇたぞ!!」

悟空「届ぇたぞ……アクセラレェタァァッ!!!!」

視界の隅で一方通行が倒れたたのを見届けた悟空が搾り出すように叫んだ。
悟空が右手を引く。その右手には、悟空の持っている気の全てが詰まっている。

悟空「はぁぁぁ……!!」

光球が悟空の目前まで飛んできたのを見計らって、全力で右手を突き出す。

悟空「超(ウルトラ)ッ!」

悟空の拳に詰まったエネルギーと、
ブ口リーの光球と全力かめはめ波の凝縮された光球がひとつになった。

悟空「龍拳ゥーッ!!!」

そして、悟空の右手から、呆然としているブ口リーの下まで一直線に突き進んでいく。

悟空「貫けえぇぇぇぇっっ!!!!」

うねりをあげて突き進むその様はまさに龍が如く。

それはより一層輝くと、ブ口リーの身体に突き刺さって爆発した。

103: 2010/03/25(木) 01:09:02.08 ID:TL1Bm1ch0

悟空「へ、へへっ……おら、やったぞ……」シュゥン……

バタッ!

老界王神「やった……のか?」

……

老界王神「やったのか!そうかそうか!よし、界王神が戻ってきたらさっさと回復を――」

だが、そんな老界王神の考えを打ち砕くかのように咆哮が響いた。

ブ口リー「ウガァァァァァ!!」

老界王神「なっ、ひえぇ!! 腹に大穴を空けてる状態で生きているじゃとぉ!?」

ブ口リー「ウゥゥ……カカロットォ……」

悟空「……くそっ、駄目なのかよ……おらたちがどんなに頑張っても、お前は……」

――諦めるな、カカロット!!

悟空「――!? この声は!」

悟空が声のした方角に目を向けた。そこには……

ベジータ「フン、この程度のことでへこたれるんじゃない!」

悟空「ベジータあぁ!?」

105: 2010/03/25(木) 01:10:39.15 ID:TL1Bm1ch0
界王神「他の人は埋まってて、すぐに治せそうなのがこの人だけでして……それに私の力ももう……」

ベジータ「フン、世話になったな。カカロットォ!」

悟空「あっああ、なんだ!?」

ベジータ「……オレの力をキサマにくれてやる!」

そう言って、ベジータは気を開放すると悟空に向けて照射した。

悟空「あっ……力が……!」

ベジータ「くっ……はぁっはぁ……さっさとケリをつけてこい! カカロット!」

悟空「ベジータ……すまねぇ! はあぁーっ!」 ズゥン!

ベジータの気を分けてもらった悟空はすぐさま超サイヤ人に変身した。

2でもなく3でもなく、ただの超サイヤ人。それが今の悟空の限界だ。

だが、相手のブ口リーはいまだに最初の状態のまま、変化していない。



だが。



106: 2010/03/25(木) 01:11:38.65 ID:TL1Bm1ch0

悟空「それでも……やんなきゃなんねぇんだ!」

ブ口リー「ウガアアァァァァ!!」

悟空「かぁー……めぇー……」

ブ口リー「ァァァ……!」

悟空「はぁー……めぇー……」

ブ口リー「ィィィ……!」



悟空「波あああぁぁぁぁーッ!!!!」

ブ口リー「ウガアアアァァァァーッ!!!!」

悟空の放ったかめはめ波と、ブ口リーのはなったエネルギー波がぶつかり合う。

その威力はほぼ同レベル――いや、わずかに悟空のほうが劣っていた。

悟空「くそっ……オラは、負けるわけにはぁぁぁッ!!!」

108: 2010/03/25(木) 01:12:29.26 ID:TL1Bm1ch0

持てる力の全てを出し切ろうと、悟空はさらに気を高める。
だがそれはブ口リーも同じだ。となれば、やはりブ口リーに分があった。

悟空「うぅあががあぁぁぁぁぁ!!!」

かめはめ波がブ口リーのエネルギー波に飲み込まれていく。

ベジータ「クソッ、オレ見てることしか出来ないのか……!? いや違う!」

ベジータ「ウォォ! ギャリック砲ォォー!!」

かめはめ波に、微弱なギャリック砲が重なった。

界王神「僕の念力で……はあぁぁっ!」

かめはめ波に、微弱な念力が重なった。

悟空・ベジータ・界王神「はあぁぁぁぁッ!」

それでもブ口リーのエネルギー波には敵わない。
少しずつ距離が縮まっていき、エネルギーの大波が悟空らを覆い尽くそうとする。
もう駄目かと思われた、そのとき!

109: 2010/03/25(木) 01:13:18.26 ID:TL1Bm1ch0

――ヘッ……言ったはずだぜ、緑黄色野菜(バケモン)……こっから先は……

悟空「……へ?」

ベジータ「これは……どういうことだ?」

界王神(ベクトルが……!?)

――一方通行……侵入は禁止ってなァ!!

エネルギーの大波の流れが逆流した。
三人の攻撃が急加速し、さらに速度を増し続ける。

ブ口リー「ウガアァッ!?」

そして、とうとうエネルギーの大波がブ口リーを飲み込んだ。

ブ口リー「がっ……ガハッ……」

ブ口リー「ガアァァッ……!!」

ギュウウウウン!!!

しかしブ口リーは倒れない。
エネルギーに飲み込まれてなお、立ち続ける。
そして新たにエネルギー波を繰り出そうと、力を溜め始める。


しかし――

118: 2010/03/25(木) 01:38:36.61 ID:TL1Bm1ch0

一方通行「もォよ、諦めろやォや、緑黄色野菜(バケモン)」 ポン

いつの間にか隣に立っていた一方通行が、ブ口リーの肩に手を置いた。

一方通行「あァ、エネルギーの中じゃ立ってるのがしんでェな……まっ、そういうこった」

ブ口リー「ガァ……」

一方通行の顔が、凶悪な笑顔を浮かべて歪んだ。

一方通行「血流と体内電気のベクトルを操作……さよならグッバイ、ブロッコリィさんよォ! ギャヒャヒャヒャ!!」

ブ口リー「!?」

一方通行「たァんと苦しめよォ!? 情けなンてかけてやァーらねェ! おっ氏んじまえよギャハハハハハ!!」

ブ口リーの動きが止まった。
そして、エネルギーがブ口リーの身体を溶かし始め――
ブ口リーは完全に、この世から消滅した。

一方通行「ッハァーハッハヒャヒャヒャヒャ!!サイッコーにサイコでハイな気分だ……!」

一方通行「ヒャハハ……ギャハハ……は……ンでも……ここで……終わり……かよォ……」

一方通行もまた、過剰演算によって脳を焼き切り、また出血多量により意識を失い――氏んだ。

119: 2010/03/25(木) 01:39:27.95 ID:TL1Bm1ch0

界王神界

一方通行「はっ!! こっここここおこおこはああああ!? ここっどこッどこだァ!?」

悟空「おっ、ちゃーんと生きけーったみてぇだな!」

一方通行「……まァたかよ。よっぽど地獄に嫌われちまってるみてェだなオイ」

界王神「ナメック星のドラゴンボールを使った甲斐がありましたね!」

ポルンガ『ブ口リーの行った行為を全て修正したぞ……さぁ、願いをあと二つだけ叶えてやろう……』

ベジータ「フンッ、もうなにもないだろう」

老界王神「ばかいえばかいえ! 今回の騒動の原因がわかったから、それも直してもらうんじゃ!」

悟空「へっ? 分かったのかじっちゃん!」

老界王神「うむ……原因は、50億年に一度起こるか起こらないかといわれている"時空振動"じゃ」

一方通行(……)

ベジータ「つまり、それが原因で地獄側がもたついたのか。どちらにしろ貴様らの不手際じゃないか!」

界王神「ですよね……すいません」

悟空「なんでもいいからよーはやく直してもらおうぜー!」

122: 2010/03/25(木) 01:40:14.05 ID:TL1Bm1ch0

老界王神「うむ……じゃが、一方通行よ。おぬしは……」

悟空「んぁー? 一方通行がどうかしたのか?」

界王神「彼はこの世界の住人ではありません。時空振動によってたまたま重なってしまった世界の住人です」

悟空「いっ!?」

ベジータ「正真正銘異世界人ってわけか」

一方通行「……だろォな、なンとなく理解できるぜ……ここは、俺のいるべき場所じゃねェ」

老界王神「そして世界はもうすでに離れてしまった……ドラゴンボールで元に戻すことは可能じゃが……」

悟空「じゃが?」

ベジータ(芋……ぷっ、くくっ) プルプル

老界王神「……ウェッホン! 我々は一方通行に関することを、一方通行は我々に関することを忘れてしまう」

悟空「いぃ!? じゃあもう会えなくなっちめぇわけか!?」

界王神「はい……そもそも、会ったという事実がなくなりますので」

123: 2010/03/25(木) 01:41:01.46 ID:TL1Bm1ch0


一方通行「けっ、それが世界の"在るべき姿"ってンなら、俺みてェな悪党はさっさと消えちまった方が正解だな」

悟空「えぇーオラもっと戦ぇてーぞぉ!」

ベジータ「わがまま言うんじゃない!」

悟空「でもよぉー!」

ポルンガ『願いを早く言え……ゴミめらが……せっかく貴様らの言葉に訳してやっているのだぞ……』

一方通行「へっ、うっせェよ化物。さっさと俺を元の世界に戻しやがれ」

悟空「一方通行……」
                                  .  .  .
一方通行「気持ち悪ィ声で名前を呼ぶんじゃねェよ、 孫 悟 空 !」

悟空「あ、おめえ初めてオラのこと名前で呼んだな!」

一方通行「気色悪ィから黙ってろォ! さっさとしろや化物!」

ポルンガ『生意気な小僧が……恥を知れ……では、やるぞ』

一方通行「おォおォそうしやがれや……じゃ、またなァ」

悟空「……ああ、また会ったら勝負しようぜ!」   フッ……

124: 2010/03/25(木) 01:41:43.79 ID:TL1Bm1ch0
学園都市

一方通行「……」

右を見る。見慣れた街の平和な風景。

一方通行「……」

左を見る。見慣れた街の平和な風景。

一方通行「あァ、なンっか違ェんだよな……夢か?」

一方通行「……クソが、イライラしやがる」

一方通行「……すげェ苦戦してた夢だ。だがすげェ気持ちよかったような……」

一方通行「足りねェ……力が足りねェ……」

一方通行「……絶対能力移行計画……」

一方通行「やってみる価値ァ……あるな……」





この後、一方通行の抱いた幻想は一人の少年によってぶち殺されることになるのだが……
それは別の話である。

おわり

128: 2010/03/25(木) 01:45:19.52 ID:TL1Bm1ch0
一方TUEEEEしたい奴とかさ、DBTUEEEEしたい奴とかさ、
禁書虐殺ウヒョオオ基地外とか一方最強DB虐殺へへへ基地外とかさ、
もうね、ベクトルだから反射!とか、調子に乗るなよ雑魚通行!とか、アホかと
禁書虐殺SS読みたいから書けよとか、バカかと
一方もブ口リーもこんなに強くない?劇場版補正だバカヤロウ文

俺はセンスないし叩かれたけど書いて投下し終わったよ!うひひ!だから立て逃げとかせずまず書こうよ
ついでにいえば書くなら完結はして、お願い、これは本当に。
ああああすっきりしたああああああああ!
もう一発抜いてくる
じゃあね

129: 2010/03/25(木) 01:46:24.31 ID:6Da39wKr0
乙www
面白かったわw

138: 2010/03/25(木) 04:39:03.74 ID:EEPj7tKb0

引用: 悟空「いよっ! おめえが一方通行って奴か?」 一方通行「あァ?」