1: 2011/11/06(日) 21:24:08.86 ID:IXk1wVhv0
春香「微分・積分とか習わないんですか?!」

貴音「そ、そうですが……」

春香「卒業式とかやらなくて、お別れ会開いちゃったノリですか?!」

千早「は、春香……別の事務所の方に対して失礼よ」

春香「ご、ごめんなさい。なんか貴音さんって頭良さそうだし意外だなって……」

貴音「いえ、私は気にしておりませんよ」ニコッ

響「たかね……」
ぷちます!(15) (電撃コミックスEX)


3: 2011/11/06(日) 21:31:15.13 ID:IXk1wVhv0
やよい「ちゅうそつってなんですかぁー?」

律子「中学校を卒業してから高校に進学しないってことよ」

やよい「へぇー!そうなんですかぁ」

貴音「古都にいた頃は、通っておりましたが……」

律子「じゃ、高校中退ってことですかぁ」

やよい「うぅ~勉強っていっぱいしなきゃダメですかぁ?」

律子「そうねぇ……まぁ、学問は生涯の研鑽なり。やよいは卒業したら高校に行ったほうがいいわよ」ヒソヒソ

貴音「おや、なんだかわたくし居た堪れない気分になってまいりました」

響「たかね……」

6: 2011/11/06(日) 21:35:40.70 ID:IXk1wVhv0
響「ほんっとーに腹立つよね!765プロのやつら!」

貴音「いえ、よいのですよ響、あの者たちに悪気はきっと無いのでしょう」

響「でも……」

貴音「それに響、学歴が人間の価値を判断するのでしょうか」スッ

響「たかね……」

貴音「わたくしは、アイドルで高みを目指したいのです」

響「うん、そうだな!よーし!いつか765プロの皆をギャフンと言わせてやるぞー!」

そして……。

黒井「961プロ倒産するわ。ごめんねごめんねー」

貴音「面妖な」

響「たかね……」

9: 2011/11/06(日) 21:41:05.10 ID:IXk1wVhv0
黒井「それじゃ、響ちゃん、美希ちゃん、尻音ちゃん、後は頑張ってくれたまえ」

ドサッドサッ

美希「こんなのおうぼーなのー!ありえないって思うな!」

ヒュウウゥゥゥ……

貴音「さて、いかがいたしましょう……」

伊織「ここでいいわよ……あ、あんた961プロの……四条貴音じゃない」

貴音「水瀬伊織……」

伊織「あんたわたしとキャラ被るのよねー、どうにかならないのかしら」

貴音「……」

伊織「でも、ま、私ちょっとは認めてるトコロあんのよ」

貴音「はて……」

15: 2011/11/06(日) 21:47:30.07 ID:IXk1wVhv0
伊織「四条家の援助があるにも関わらず、都会で一人、自分の力だけでアイドル目指すなんてね」

貴音「み、水瀬伊織……わたくしはもう……」

伊織「そこだけは、悔しいけれど私のライバルとして褒めてあげてもいいわよ」

貴音「……」

伊織「オーディションで会ったら、今度こそこの伊織ちゃんがアンタを負かしてあげるんだから!」ビッ

ブオオオン……

貴音「申したいことだけ申して、帰ってしまいました……」

響「たかねー!とりあえず961のマンションから荷物持ってきたぞー!」

美希「貴音の部屋って荷物全然ないんだね。つまようじと化粧品とラーメン調理セットくらいなの」

貴音「たしかに水瀬伊織の言うとおり、このままでは四条家に合わせる顔がありませんね……」

響「たかね……ぶぇっくしょい!うぅ寒いぞ……」

17: 2011/11/06(日) 21:52:16.92 ID:IXk1wVhv0
ヒュウウウウゥ……

貴音「しかし、少々困りましたね。これから家も無い……テレビも無い……ラジオも無い……」

響「タクシーも走ってないから、荷物も運べないぞ~」

美希「ミキもう眠いの~」

響「とりあえず、近くのマックで作戦会議でもするさー」

美希「賛成なのー」

貴音「まっく?まっくとは何でしょうか」

ティロリローン

店員「いらっしゃいませーマクドナルドへようこそー」

貴音「面妖な」

美希「ミキはービッグマックがいいって思うな」


19: 2011/11/06(日) 21:57:25.53 ID:IXk1wVhv0
美希「ピクルス抜きでお願いするの」

響「自分はポテトのLサイズさーなんくるないさー、たかねは?」

貴音「……」キョロキョロ

響「たかねー早く注文するさー」

貴音「こ、ここは食堂なのですか……」

美希「え゛っ、貴音ってマクド行ったことないの?」

貴音「はんばーがー、ならかろうじて知っておりますが……」

響「……」

美希「貴音ってこの先絶対やばいの……」ヒソヒソ

響「中卒だし、心配さー」


貴音「ていくあうととは一体……」

23: 2011/11/06(日) 22:05:11.59 ID:IXk1wVhv0
響「うーん自分、ただの高校生になっちゃったぞー」ズズー

美希「ただの中学生になっちゃったの。あ、ケチャップ貰うの忘れたの」モグモグ

貴音「……」プルプル

響「た、たかね?」

美希「どうしたの?そんなに震えて」

貴音「もしや、これが世に言う『にーと』というものなのでしょうか」プルプル

貴音「聞いたことがあります……『にーと』というのは現代日本で、最下層の地位であると」プルプルプルプルプルプル

貴音「『にーと』は社会の一員にあらず、『にーと』は人にあらず、『にーと』、それは現代が抱える病……」プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル

響「たかね!そんなに震えたらポテトが床に落ちちゃうさー!」

美希「うーん、貴音はニートじゃないって思うな」

貴音「美、美希……?」ピタッ

美希「961プロで借りてたマンションも無いから、ホームレスなの」

貴音「面妖な」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

響「たかねっ!DSやってるチビッコがこっち見てるから暴れないでほしいさー!」

30: 2011/11/06(日) 22:13:55.93 ID:IXk1wVhv0
……

美希「それじゃ、美希は765プロに戻ることにするのー」

響「自分は一旦沖縄に帰ることにするさー」

貴音「はい、それでは、皆の者……またお会いできる日を……」

……ヒュウウウウ

貴音「」ポツン

貴音「少々、肌寒いですね……」

貴音「現在あるものは……」ゴソゴソ

1万円 携帯電話 身分証明証 つまようじ らぁめん調理器具セット 化粧品etc...

貴音「……」

貴音「もう少し、黒井殿に報酬をあげてもらうべきでした……」

貴音「さすがに、初の給料が500円からであるというのは少々違和感を感じましたが……」

36: 2011/11/06(日) 22:22:39.58 ID:IXk1wVhv0
貴音「四条家に連絡を……いえ……きっと、わたくしが『ほーむれす』であると知られたら……」ブツブツ

貴音「……また、臀部でわりばしを割る芸を……いえ、あれは封印……」ブツブツ

……。

貴音「おや、いつのまにか夜ですね」

貴音「少々、小腹が減りました」グゥゥゥ

貴音「腹は減っては、戦は出来ぬ……」

コツコツ……

貴音「近くに、らぁめん屋は無いものでしょうか」ワクワク

ガララッ

貴音「頼もう!」

店員「らっしゃせー!食券を買ってくださいねー」

貴音「……ふっ、予想はついておりました、さて、今日も」

貴音「メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシを……」ワクワク

貴音「……」ピタッ

42: 2011/11/06(日) 22:31:10.43 ID:IXk1wVhv0
店員「お、お客さん……?」

貴音「お待ちなさい……四条貴音……」プルプル

貴音「わたくしの所持金はわずか1万円……福沢諭吉1枚……」プルプルプルプルプル

貴音「このままのペースでいってしまうと……ラーメンだけで……3日間で1万円を使い切ってしまいます……」プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル

店員「あ、あの、後ろで待ってるお客さんがいるので……」

貴音「……」ポロッ

客A「な、なんだあの女」

客B「その場で震えだしたと思ったら今度は泣きだした……」

貴音「うぅ……らぁめん、あなたさまはいけずです」ポロポロ

貴音「目の前に、手が伸ばせば触れられる距離にいるのに、食べられないのですね……」

貴音「うぅ……」ガラガラ

店員「あ、ありがとうございました」

45: 2011/11/06(日) 22:37:32.52 ID:IXk1wVhv0
貴音「あそこへ行きましょう……しばらくの間は、夜風もしのげるでしょう……」グウウウ

ティロリローン

店員「いらっしゃいませー!テイクアウトですかー?」

貴音「なっ……は、はい……」

店員「ありがとうございまーす、ご注文は?」

貴音「……では……」ジー……

店員「現在マックポテトがS、M、L全サイズが150円で、とてもお得ですよ」ニコニコ

貴音「まっくぽてと……?えすえむえる……?」キョトン

店員「はい?」

貴音「あの、まっくぽてととは……」

店員「えっ」

49: 2011/11/06(日) 22:45:30.69 ID:IXk1wVhv0
店員「えっと、ポテトっていうのは……芋を油であげた……」

貴音「……なるほど、響が食べていた芋けんぴの事ですか。SMLというのは、大きさのことですね」ホッ

店員「……」

貴音「もう一つ、尋ねたいことがあるのですが」スッ……

店員「はいっ」ニコニコ

貴音「何故、量が違うのに、値段は同じなのですか」

店員「えっ」

貴音「それはまことに不条理、納得のいかないことですね。そもそも……」クドクド

ザワザワ……

店員「あの、外国から来た方でしょうか。クルーには他の国籍の者も……」

貴音「わたくしですか?わたくしは、月から参りました」

店員「店長ー!ちょっとここのレジお願いしまーす!」

52: 2011/11/06(日) 22:51:38.70 ID:IXk1wVhv0
ヒュウウウウ……

貴音「何故か、『すまいる』を30個注文したら怒られてしまいました」

貴音「それに、響の時とは違い……まっくぽてとが袋に包まれております」

貴音「他の者を見るに、これは外で食べなければいけないようですね」

貴音「『まくどなると』は、もはや異界。まこと恐ろしい場所でした……」

……。

貴音「さて……手ごろな腰掛けは……」スッ

貴音「……」ガサゴソ

貴音「……」モグモグ

貴音「……うまし……」モグモグ

貴音「……」モグモグ

貴音「……」

貴音「ケプッ……」

貴音「失敬……」

60: 2011/11/06(日) 22:59:31.43 ID:IXk1wVhv0
……。

貴音「ウト……ウト……」

貴音「はっ!」カザハナッ

貴音「このままでは、就寝する場所も無いのですね……」

貴音「さて、如何いたしましょう……」

テクテク……

貴音「ここは……」

貴音「いんたーねっと、漫画喫茶……」

貴音「ふむ……」ジー

貴音「ここで、宿泊もできるのですね、シャワーも完備……」

貴音「ひとまず、ここに泊めさせていただきましょう」

62: 2011/11/06(日) 23:05:15.73 ID:IXk1wVhv0
ウィーン

貴音「頼もう!」

店員「らっしゃっせ……」

貴音「な、なんという蔵書の数でしょう……!恐れ入りました……!」

貴音「さて、用件を申し上げましょう。一晩、泊めさせていただけませんか?」

店員「へい……朝までパックですね……」

貴音「はい」

店員「……では、席お選びください……」

貴音「席、とは?わたくしは就寝するための部屋と布団を……」

店員「ハイスペックPC席、ハイビジョンテレビ席、リラックスリクライニング席がありますが……」

貴音「面妖な」

65: 2011/11/06(日) 23:15:18.44 ID:IXk1wVhv0
店員「お帰りの際はこちらの札持ちくださいね……」

貴音「……りくらいにんぐ席を選びましたが……」シャッ

貴音「……少々、狭いですね」

貴音「敷布団も無いとは……旅館としては……」

貴音「いえ、贅沢を言ってはいけませんね」ゴロン

貴音「……」

貴音「」シャッ

貴音「これがどりんくばーというものなのですね」ワクワク

貴音「」ポチッ

ジャー(御茶が出る)

貴音「め、面妖な!MENYOな!」ワクワク

貴音「こ、こちらを押すと……」ポチッ

ガガガガッ(氷が出る)

貴音「なっなにやつっ!」ワクワク

店員「あの、店内では静かに……」

69: 2011/11/06(日) 23:23:11.85 ID:IXk1wVhv0
貴音「緑茶が飲み放題。なんと良心的な店なのでしょうか」シャッ

貴音「あまりの感動に、色々な飲料と混ぜてしまいました」ワクワク

貴音「」ズズッ

貴音「……」

貴音「……」

貴音「はい」

テクテク……

貴音「漫画がたくさんあります……日本が誇る文化ですね……」

貴音「せっかくですし、何か読みましょう」ゴロン

貴音「『北斗の拳』、これは面妖な……」

貴音「なんと残酷なのでしょう……ですが、人体にはこのようなツボがあるとは……」

貴音「なかなか興味深い物語ですね……」

貴音「スー……スー……」

73: 2011/11/06(日) 23:25:35.58 ID:JW6BevY70
貴音さん可愛すぎ

74: 2011/11/06(日) 23:30:09.46 ID:IXk1wVhv0
貴音「はっ!」カザハナッ

貴音「いつのまにか、寝てしまいました……」

貴音「漫画喫茶とは、時を忘れてしまう恐ろしい場所なのですね……」シャッ

チーン

店員「料金2300円になりまーす……」

貴音「くっ……手痛い出費です……」

貴音「……はっ!この際っ」

店員「はい……?」

貴音「ほあたぁ!」ズビシッ

店員「い、痛っ……何するんですか……」

貴音「あなた様はもう、氏んでおります……」

店員「えっ」

81: 2011/11/06(日) 23:38:21.82 ID:IXk1wVhv0
ウィーン

貴音「何故、秘孔が効かなかったのでしょうか……」

貴音「さて、これからどうしましょう……」

\10000→マックポテトLサイズ150円→漫画喫茶パック料金2300円→貴音所持金\7550

貴音「ふむ……」スッ

貴音「働かざるもの食うべからず……」

テクテク……

貴音「しかし、働くにはどうすればいいのでしょうか」

貴音「あの張り紙は……」

コンビニバイト店員 急募

貴音「や、やりました!まさに天からの賜物ですね!さっそく……」

資格:高卒以上

貴音「面妖な」

88: 2011/11/06(日) 23:52:19.42 ID:IXk1wVhv0
貴音「あの、高校中退では働かせていただけませんでしょうか……」

店員「えーっと、一応高卒からになっているので……」

……。

貴音「アイドルの世界から一歩出ると、ここまで学歴が影響するのですね……」

貴音「おや、この冊子は」

タウンワーク

貴音「求人雑誌、しかしまた無料とは……」プルプル

貴音「何やら怪しいですね……」プルプルプルプル

貴音「これは、もしや罠ではっ……ですが背に腹は……」プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル

子供「ママーあそこになんか変な動きしてるお尻のお姉ちゃんがいるよー」

親「しっ!見ちゃいけませんっ」

貴音「くっ!!」クワッ

貴音「南無三!」バッ

子供「ママーあのお姉ちゃん……」

親「世の中にはあんな人もいるのよっ!はやく行きましょう!」

93: 2011/11/07(月) 00:01:35.36 ID:ilpI5BFk0
\7550→マックポテトLサイズ150円→\貴音所持金7400

ペラ……ペラ……

貴音「……この世には、様々な職業があるのですね」モグモグ

貴音「しかし困ったものです。どこも高卒以上が条件になっています……」モグモグ

貴音「学歴不問となると、限られますね……」モグ

貴音「ケプゥッ」

貴音「ティッシュ配り……」

貴音「まずは、これにしましょう……」ススッ

プルルルル

貴音「あの、四条貴音と申します」

オペレータ「はい、ご用件は」

貴音「働かせていただきたいのですが……」

97: 2011/11/07(月) 00:07:37.24 ID:ilpI5BFk0
オペレータ「では、履歴書を持ってきてくださいね」

貴音「はい、ありがとうございます」

プッ

貴音「ふぅ……」グウウウ

貴音「さすがに、芋けんぴだけだと小腹がすきますね……」

貴音「まずは、履歴書を買いましょう……」

ウィィィン

店員「いらっしゃいませー」

貴音「思えば、こんびにえんすすとあもこうして見回るのは初めてですね……」ワクワク

貴音「目が回るくらいの品物の数ですっ……!」

107: 2011/11/07(月) 00:14:59.02 ID:ilpI5BFk0
貴音「……こ、これは」ワナワナ

おでん

貴音「ま、まさか……」

おでん

貴音「ご自由にお取りください……と書いてあるということは……」

お で ん

貴音「なんて、親切心でしょう。この寒い日に、無料でおでんが食べられるとは……」

貴音「いただきます……」スッ……

貴音「はむはふはふはふ……」

客A「お、おい。あの白髪の女、直でおでん食ってるぞ……」

客B「店員呼んだほうがいいんじゃないか……」

貴音「あぁ、なんて美味しいだし汁なのでしょう!大根によく染みて……はふはふっ!」ズズッ

115: 2011/11/07(月) 00:23:24.32 ID:ilpI5BFk0
店員「お、お客様!」

貴音「はい、何でしょうか?」ニコッ

……ウィーン

貴音「出入り禁止になってしまいました」

貴音「……」

貴音「ケップゥ」

7400→おでん2000円→履歴書300円→貴音所持金\5100

貴音「証明写真……」

貴音「……」

バッ(シャッター音)

証明写真1000円→貴音所持金\4100

貴音「おや、糊が無いですね……」

貴音「ん……ふぅ……」ペロペロ

貴音「これでなんとか……」ペタッ

123: 2011/11/07(月) 00:29:42.81 ID:ilpI5BFk0
貴音「さぁ、行きましょう面接とやらに。わたくしの初陣ですね」

バンッ

貴音「頼もう!」

男「あなたがが電話してくれた四条さんですか?」

貴音「四条貴音と申します」ペコリ

男「美人さんですね。ティッシュ配らせるにはもったいないくらい」

貴音「ふふっ、お上手ですね」フアサッ

男「貴方が配ってたら、きっとみんな貰ってくれるんじゃないかなー」

貴音(たしかな手応え……)ワナワナ

125: 2011/11/07(月) 00:33:37.98 ID:ilpI5BFk0
貴音(おっと、震えるにはまだ早いですね)

男「こんな仕事じゃなくて、アイドルやれるんじゃないですか?」

貴音「わたくしは、確かめたいのです。目指していた高みから見える景色を。ティッシュ配りで」

男「ははっ面白い人ですねー。初面接ってみんな緊張でガチガチなんだけどなー」

貴音「緊張には慣れております」

男「俺より背高いですね。身長何センチ?」

貴音「それは……」

男「170あるんじゃない」

貴音「トップシークレットです」

男「えっ」

127: 2011/11/07(月) 00:38:02.22 ID:ilpI5BFk0
男「今のも冗談ですか?」

貴音「冗談、さて何のことでしょう」

男「……」

貴音「人には大抵秘密のひとつや百個はあるものですから……」キリッ

男「は、はは……面白い人ですね……じゃ、そこに座って……」

貴音「はい」スッ

男「それじゃ、履歴書出してください。ま、こういうのは形だけだから」

貴音「どうぞ、お手柔らかに」

133: 2011/11/07(月) 00:42:25.58 ID:ilpI5BFk0
男「達筆ですね……」ジー

貴音「書道も少々習っておりました」

男「はーはー高校中退ですか、理由は?」

貴音「トップシークレットです」

男「えっ」

貴音「己の素性や身分は、そう易々と明かすものではありません」

男「こ、これ面接なんだけど……」

貴音「ですが、やる気、その意思はあります」

男「またやる気だけはありますか……まぁいいや……」コンコン

男「ちょっと待って……四条さん……」

貴音「なんなりと」

男「住所、月ってなんですかコレ……」ワナワナ

貴音「バレてしまいましたか……そうです、わたくしは宇宙人なのです……」

138: 2011/11/07(月) 00:48:34.93 ID:ilpI5BFk0
男「あのね、よく聞いてください、いくら形だけの面接とはいっても節度は……」

貴音「おや。わたくしに、何か落ち度がありましたか?」キョトン

男「冷やかしで来たんでしょ」

貴音「そ、そそうをしたのならば、謝ります」オドオド

男「じゃあ、今どこに住んでるの……」

貴音「い、今ですか、今は……」

男「……」

貴音「『ほーむれす』です」

……。

バンッ

男「二度と来んな!」

貴音「オバマスッ!」ズサー

貴音「……」

貴音「面妖な」

142: 2011/11/07(月) 00:55:23.18 ID:ilpI5BFk0
……。

春香「うぅ~今日も超わっほいだったな~」スタスタ

春香「あ、あの段ボールって……」

猫「にゃーん!!!」

春香「うわぁ……やっぱり捨て猫だぁ……寒そう……」

猫「にゃーん!!!」

春香「うわぁ、可愛いなぁ、うちでご飯食べようねー」

春香「よしよし……って、またダンボールが、あれ今度はなんだか妙におっきい……」

貴音「……」

春香「……」

貴音「げろっぱ!!!」

春香「うわぁ……捨て貴音さんだぁ……」

148: 2011/11/07(月) 01:02:38.49 ID:ilpI5BFk0
第1部完!もう疲れたよパトラッシュ

143: 2011/11/07(月) 00:56:14.04 ID:gcYDUs/w0
うちの近くにも捨て貴音さんいないかなぁ

引用: 春香「えぇー!貴音さんって中卒なんですかっ?!」