1: ◆fSfU0o85Qo 2011/11/08(火) 17:02:32.30 ID:cK+8Wq1d0
48: 2011/11/09(水) 13:17:28.36 ID:/n3s3DMY0
空「まあ今まで大丈夫だったのだから心配することはないと思うが」
隊長「今日は初日だし 精一杯楽しんでもらおう」
副官「つい最近 宴会をした気がしますが」
副官「今日は勇者さんの歓迎会です ハメを外し過ぎないように」
弓「では余興に私が少し芸を見せよう 隊長さん」
隊長「……あれ? 俺の頭にりんごを乗せてなにをするつもり?」
弓「勇者ちゃん 弓を持ってそう……あのりんごを狙ってごらん」
勇者「えっと……こうですか?」
弓「そうそう! そんな感じ!!」
隊長「落ち着いて考えよう!! 弓さんに撃たせるならともかく 勇者ちゃんに任せるのは危険すぎる!!」
隊長「ってか誰か止めてよ!!」
鬼「いいぞやれー!!」
副官「まあ隊長なら大丈夫じゃないですか」
空「万が一変なところに当たったら我が舐めてやろう」
隊長「味方がいない」
50: 2011/11/09(水) 13:25:17.55 ID:/n3s3DMY0
勇者「えっと……こうで……」
弓「今だ!!」
パシュッ
勇者「やった! 当たりましたよ!!」
弓「いやあ中々筋がいいね」
みんな「「oh~~~」」
隊長「なんでみんなは落胆してるのさ」
盗賊2「いやだって日ごろから爆発しろって思ってるわけだし」
兵士2「当たった方が盛り上がってた」
盗賊3「むしろアンコール」
みんな「「アンコール!! アンコール!!」」
隊長「やめてください つぎはしんでしまいます」
副官「次は私が隊長を二つにしてみせましょう」チャキン
隊長「二つにしてみせましょうって まんま刀で胴体真っ二つにするんじゃないよね?」
副官「あぁん!? 私のやることに文句あんのかオラァッ!!」ヒック
隊長「誰! 副官ちゃんにお酒飲ませたの!!」
52: 2011/11/09(水) 13:35:03.04 ID:/n3s3DMY0
空「ほらやめい」トスッ
副官「」バタンキュー
空「危なかったな」
隊長「ありがとう マジ助かった」
空「お礼はキスでよいぞ」チュー
隊長「この人に酒飲ませたの誰! 体系的にNGでしょ」
兵士2「姫様は酔うとキス魔になる」
隊長「先に言って欲しかったな そういう重要な情報」
弓「勇者ちゃん 楽しんでるかい?」
勇者「はい!!」
弓「それは良かった」
53: 2011/11/09(水) 13:40:19.72 ID:/n3s3DMY0
勇者「あの人たちって魔族ですよね」
弓「まあね 君は魔族が憎いのかい?」
勇者「そういうわけじゃないんです!!」
勇者「でも魔族と人間がこんなに仲良く過ごしている場所なんて始めてみたので」
弓「最初から私たちだって心を許していたわけじゃないさ」
弓「ただ隊長さんは私たちに居場所を作ってくれた」
隊長「誰かこの人止めてよ!!」
空「チューするぞ!!」チュー
弓「魔族と仲良くなんて勇者の君には難しいかもしれないけど」
弓「ここを自分の家だと思って楽しみなよ」
勇者「ありがとうございます 弓さん」
55: 2011/11/09(水) 13:50:17.57 ID:/n3s3DMY0
夫「勇者様!!」
勇者「勇者でいいですよ」
夫「それじゃあ勇者」テレ
妻「」ゲシッ
夫「痛い!! 足踏みつけるなよ!!」ヒリヒリ
妻「鼻を伸ばしてるからだ」フンッ
勇者「それでどうされたんですか?」
妻「私たちの子供の名前を勇者様に決めてもらおうと思って」
勇者「私に……ですか?」
夫「勇者さんって正義の象徴だからさ 良かったらお願いします」
勇者「本当に私でいいんですか?」
妻「他の人よりマシな名前を思いついてくれそうなので」
隊長「肥料ちゃんって良い名前だと思うんだけど」
鬼「鬼二号……」
空「ドラゴンスレイヤーの良さがわからんとは とんだ夫婦だ」
56: 2011/11/09(水) 14:03:28.79 ID:/n3s3DMY0
隊長「今の夫婦は人間と魔族の夫婦でさ」
勇者「そうなんですか!?」
隊長「いつか魔族と人間も手を取り合えっていけるといいなって」
勇者「そう出来たらいいんですけどね」
空「隊長!!」チュー
隊長「誰かこの人引き取って」グー
勇者「フフッ」
翌日
夫「卵が生まれました」
妻「卵を産みました」
勇者「なにそれこわい」
57: 2011/11/09(水) 14:14:11.71 ID:/n3s3DMY0
勇者「というより卵が生まれるんですか!?」
空「竜族は種付けして三日もしない内に卵を産むが なにかおかしいか?」
隊長「そういえば竜って卵のイメージあるよね」
空「後一ヶ月もすれば子供が生まれるだろう」
勇者「一ヶ月か……」
隊長「滞在期間が一ヶ月だから微妙なところだよね」
妻「私はこれから一ヶ月 卵に付きっ切りになるんですよ」
勇者「大変なんですね」
妻「だけど可愛いんですよ 私とあの人の子供ですから」ナデナデ
盗賊2「惚気はやめてー!!」
空「胸糞悪いな」
隊長「いきなり柄を悪くするのは止めてください」
64: 2011/11/09(水) 19:14:13.42 ID:/n3s3DMY0
????「勇者ちゃーーーん!!」
勇者「あっ! 鉄さん!!」
鉄「鉄さんじゃないっすよ! マジ迷われると困るっす」
勇者「ごめんなさい」エヘヘ
鉄「なんか良い笑顔してるっすね」
隊長「勇者ちゃん そちらの方は……」
勇者「私のツレの鉄ちゃんです」
鉄「フリーの傭兵っす 金払い良ければどんな戦場にでも行くっすよ」
隊長「へー フリーの傭兵ってあんまり儲からないでしょ」
鉄「実力があればそんなことないっすよ」アハハ
弓「」
66: 2011/11/09(水) 19:22:39.99 ID:/n3s3DMY0
鉄「ところでさっきからこっちに殺気を送ってくれてやがる人がいるんっすけど」
弓「」キッ
勇者「どうしたんですか弓さん……」
弓「彼女は……私の羽を撃ち抜いた女だ」
隊長「」
鉄「……撃ち抜いた? もしかして魔族の鳥公っすか」
鉄「沢山落としたんで顔なんて一々覚えてないっすけど」
弓「別に恨んでなんかいないさ」
鉄「まあ恨んでも私の銃とアンタの弓では勝負にもならないっすけど」
弓「――ッ!? すまない隊長さん 今日はちょっと休む」
隊長「うん 後は俺がやっとくから」
弓「」ダッ
67: 2011/11/09(水) 19:36:03.26 ID:/n3s3DMY0
鉄「全く 未練タラタラじゃねーっすか」
勇者「鉄ちゃん ちょっと言いすぎじゃあ……」
鉄「事実は事実っすよ」
鉄「今の時代 魔族だって銃を使うんっすから」
隊長「でも弓が駄目ってことはないと思うよ」
鉄「別に駄目ってわけじゃないっすよ」
鉄「でも変な意地張って新しいものに目を向けない態度は気に入らねーっすけど」
弓「」グスッ
隊長「大丈夫弓さん」
弓「……いや全然大丈夫じゃない」ダキッ
隊長「」
68: 2011/11/09(水) 19:51:57.28 ID:/n3s3DMY0
弓「もう忘れたと思ってたんだけどね」
弓「存外自分は小さい魔族だったみたいだ」ギュー
隊長「」ギュー
弓「翼が動かなくなった時の感覚がまだあるんだ」
弓「医者から翼を切らないといけないって言われた時は目の前が真っ暗になったよ」
弓「人間にしてみれば足を切るような行為だからね」
隊長「……弓さんは俺たちのことを凄い大切にしてくれてるよね」
隊長「絶対に守ろうってどこか一歩引いたところで見ている気がする」
隊長「でもたまには甘えないと」ポンポン
弓「あぁ ありがとう」ギュー
副官「仕事を放ってイチャイチャするのはさぞや気分がいいでしょうね」
隊長「」
弓「」
70: 2011/11/09(水) 20:21:39.57 ID:/n3s3DMY0
副官「それで事情はわかりましたけど 勇者さんの世話係りは別の人に代えますか?」
弓「いや 私が最後までやらせてもらうよ」
副官「そうですか 大丈夫だと思いますが……」
弓「変な気は起こさないよ 大丈夫だ」
勇者「鉄ちゃん 特訓したいんですけど」
鉄「この一ヶ月は勇者ちゃんを休ませロッテ命令出てるっすから」
勇者「でも暇ですーーー」ゴロゴロ
弓「だったら少し街にでも行ってみるかい?」
勇者「いいんですか?」
弓「荷物を運ぶついでになるけどね」
71: 2011/11/09(水) 20:28:12.82 ID:/n3s3DMY0
弓「兵士2さん」
兵士2「どうしたの?」
弓「勇者ちゃんたちを街に送って言ってあげたいんだけど」
兵士2「いいけど……」
弓「運転なら私がするから問題ないよ」
兵士2「だったらいいよ」
竜「ギャォオオオオオオオ!!」バッサバッサ
勇者「うわぁ 空から見る景色って凄いですねえ」
弓「乗りこなすのは難しいけど 出来ればこういう役得もあるんだよ」
鉄「ぐぅぐぅ」zzzz
弓「こういう景色に全く興味がない人もいるけどね」
勇者「アハハ……」
72: 2011/11/09(水) 20:39:08.57 ID:/n3s3DMY0
勇者「お父さんただいま!!」
店主「なんだおい! お前が帰ってくるのは一ヶ月後じゃねえのか」ガシガシ
勇者「弓さんが私を送ってくれて」エヘヘ
店主「弓の嬢ちゃんか ありがとな」
弓「いえいえ 最近良い足が出来まして」
店主「鉄の嬢ちゃんも久しぶりだな」
鉄「久しぶりっす」
商人「ちわーっす って勇者ちゃん帰ってきとったの!?」
勇者「商人ちゃん久しぶり!!」ダキッ
商人「いやーん! ウチがあげた装備宣伝してくれてありがとー!!」
弓「本当に彼女逞しいよね」
73: 2011/11/09(水) 21:08:01.72 ID:/n3s3DMY0
商人「今日は隊長さんきてへんの?」キョロキョロ
弓「そりゃいつも来るわけじゃないさ」
商人「そりゃ残念やなあ」ハァ
弓「なにが残念なんだい」ニコリ
商人「冗談やて そんなおっそろしい笑顔で笑わんといて」ヒキッ
商人「それで面白いもん仕入れたんやけど……」
店主「飯ぐらい食ってけよ」
鉄「店主のおっちゃんの飯は美味いから好きっすよ」
店主「おうおう 他の奴に餌付けされてねえだろうな」
鉄「店主のおっちゃんの料理より美味い飯なんてそうないっすよ」
店主「言ってくれるなあ お前も少しは見習え!!」
勇者「お父さんの料理は美味しいですよ」
74: 2011/11/09(水) 21:37:12.95 ID:/n3s3DMY0
鉄「これぐらいの距離なら問題ないっすよ」パァンッ
弓「それには同意だね」シュパッ
鉄「とっとと諦めることを進めるっすよ」パァンッ
弓「それはこちらのセリフだ 今の私に精神的失敗はないと思った方がいい」シュパッ
8時間後
鉄「」パァンッ
弓「」シュパッ
商人「一体いつ終わるんや」
勇者「もう無言で撃ち続けるだけですね」
鉄「あぁああああああ!! もう駄目っす!!」バタン
鉄「指一本動かせないっすよ!!」
弓「それはこちらも同じさ」バタリ
鉄「アンタしつこすぎっす」
弓「君もね」
75: 2011/11/09(水) 21:59:56.34 ID:/n3s3DMY0
弓「正直すぐに諦めてくれると思ったよ」ハァハァ
鉄「食うもんなくて泥食ってた人間舐めんなっす」ハァハァ
弓「そうか こう見たら弓に拘っていた私も馬鹿なのかもしれないね」
鉄「アンタの弓さばきも綺麗で良かったっすよ」
弓「ありがとう」
鉄「まあここまでしたけど私はやっぱり謝らないっすよ」
弓「いいよ 違ったら私と君の立場が逆かもしれなかったんだし」
弓「そうだったら君も気にしなかっただろ」
鉄「そうっすね」
商人「友情ってええなぁ」
副官「……で それが昨日客人を街に連れ出して帰ってこられなかった理由ですか?」
弓「……すまなかったと思ってるよ」
76: 2011/11/09(水) 22:10:02.45 ID:/n3s3DMY0
弓「ところで隊長さん 昨日商人ちゃんから面白いものをもらったんだけど」ハイ
隊長「これは……麦の苗?」
弓「いや コメと呼ばれる食べ物の苗らしい」
空「コメってなんだ?」
隊長「高級な食材だよ パンみたいに主食として食べるんだけど」
隊長「確かに村の土壌が良いから直ぐに量産出来るかもね」
副官「高級食材を安定したラインで作れれば 村の特産品になるかもしれませんね」
鬼「正直 野菜ばかりだと飽きるしな」
隊長「ということで育ててみるか!!」
隊長「育てて出来たはいいけど高級食材だからどうやって食べるか誰も知らない」
副官「これは盲点でしたね」
78: 2011/11/09(水) 22:34:34.12 ID:/n3s3DMY0
隊長「前に実家で食べた時はこんな皮 ついてなかった気がする」
鬼「じゃあ剥くんだろ」ムキムキ
副官「中から白いのが出てきましたね」
隊長「これってなんらかの加工をするんだよな」
弓「このままだと固くて食べられそうにないしね」
人面米「ギャーーーッギャーーーッ!!」
空「その前にまず うるさいこれが食べられるかどうかじゃろ」
隊長「かくなる上は……」
勇者「お米の調理方法ですか? 私は知らないですよ」
鉄「私も知らないっす」
隊長「ですよねー」
80: 2011/11/09(水) 22:53:48.16 ID:/n3s3DMY0
>>79 sageた方がいい?
隊長「ここはまた困ったときの商人ちゃん頼みになりそうだね」
勇者「でもコメは王国でも扱ってる料理人が少ない珍しい食材ですし」
副官「とりあえず保留ということにしましょう」ハァ
空「ここまで加工が難しい食材だと思わなんだな」
隊長「思ったんだけどさ 観光客が来られない理由の一つに整地を行ってないのもあると思う」
副官「確かに街から来ようと思うと一苦労ですからね」
鬼「俺たちみたいなのはともかく 普通の人間なら絶対に迷うよな」
隊長「王様が国家事業として整地してくれれば楽なんだけど」
副官「正直そこまでするメリットがないですから」
隊長「ここはまた困ったときの商人ちゃん頼みになりそうだね」
勇者「でもコメは王国でも扱ってる料理人が少ない珍しい食材ですし」
副官「とりあえず保留ということにしましょう」ハァ
空「ここまで加工が難しい食材だと思わなんだな」
隊長「思ったんだけどさ 観光客が来られない理由の一つに整地を行ってないのもあると思う」
副官「確かに街から来ようと思うと一苦労ですからね」
鬼「俺たちみたいなのはともかく 普通の人間なら絶対に迷うよな」
隊長「王様が国家事業として整地してくれれば楽なんだけど」
副官「正直そこまでするメリットがないですから」
81: 2011/11/09(水) 23:01:15.26 ID:/n3s3DMY0
一ヵ月後
勇者「うわあ 可愛いですね!!」プニプニ
赤ん坊「キャッキャッ!!」
妻「勇者様が帰るまでに抱いてくださってありがたいです」
隊長「血筋的には魔族の方が強いの?」
夫「角や尻尾 それに羽も生えてるからな」
妻「隊長さんも抱いてみます?」
隊長「いいの!?」
妻「どうぞ」ハイ
隊長「あはは」ヨシヨシ
赤ん坊「キャッキャッ!!」
副官「口リコン」ジトー
弓「姫さんの件もあるし」ジトー
鬼「ないわー」ジトー
空「やはり隊長は我のことが好きだったか」ハッハッハ!!
隊長「俺は口リコンじゃないからね」
91: 2011/11/10(木) 14:45:19.83 ID:F+UTwQHa0
昨日の寝オチはないな
勇者「それじゃあ私たちはこれで帰ります」
隊長「もう少しゆっくりしていってもいいんだけどね」
勇者「私もまだ色々な地方を回ったりしないといけませんから」アハハ
副官「平和な世を手に入れられたら また遊びに来てください」
鬼「なんせこの村は来るもの拒まずだからな!!」
勇者「はい!!」
鉄「今度までに銃の腕を磨いておくっすよ」
弓「君も 弓など古臭いと特訓をサボらないように」
鉄「次は弓でもアンタに勝つっすよ」ガシッ
弓「それはこちらのセリフだよ」ガシッ
この後 魔王と出会った勇者がここでの体験で剣が鈍り逃してしまうことになるのだが
またそれは別の話
勇者「それじゃあ私たちはこれで帰ります」
隊長「もう少しゆっくりしていってもいいんだけどね」
勇者「私もまだ色々な地方を回ったりしないといけませんから」アハハ
副官「平和な世を手に入れられたら また遊びに来てください」
鬼「なんせこの村は来るもの拒まずだからな!!」
勇者「はい!!」
鉄「今度までに銃の腕を磨いておくっすよ」
弓「君も 弓など古臭いと特訓をサボらないように」
鉄「次は弓でもアンタに勝つっすよ」ガシッ
弓「それはこちらのセリフだよ」ガシッ
この後 魔王と出会った勇者がここでの体験で剣が鈍り逃してしまうことになるのだが
またそれは別の話
92: 2011/11/10(木) 15:11:52.18 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長が女を引っ掛けないなんて珍しいな」
盗賊2「でも勇者ちゃん可愛かったな ああいう子を嫁にもらいたいよな」クルリ
盗賊3「でも兵士2の方が可愛い」ギュッ
兵士2「盗賊3……」ギュッ
盗賊2「なんで二人して手繋いでるの……えっ!?」
盗賊2「うぅ……ぐすっ」
隊長「えっと 泣くなよ」
盗賊2「祝福してはいるんですよ でも独り身になったと思ったら泣きたくて」グスッ
隊長「お 女の子は他にもいるじゃない」
盗賊2「他の独女は全員隊長のことが好きなんですよ!!」
隊長「……ごめん」
盗賊2「謝らないでください」グスッ
93: 2011/11/10(木) 15:16:00.34 ID:F+UTwQHa0
隊長「そうだ! たまには街に遊びに行こうよ」
盗賊2「遊びにですか……?」
隊長「明日飛ぶ積荷と一緒にさ 男二人遊び」
隊長「街で女の子を誘ったりしてさ」
盗賊2「…………」
隊長(やっぱり駄目か)
盗賊2「それいいっすね!! 行きましょう是非!!」
隊長「うん」
街
盗賊2「街来るのなんて久しぶりっすよ!!」
隊長「俺もまさか男二人で来るとは思わなかったけどね」
商人「隊長さんやん お久しぶり!!」
隊長「おひさー 盗賊2は初顔合わせだっけ こちら取引先の商人ちゃん」
商人「どうも!!」
盗賊2「」
94: 2011/11/10(木) 15:47:45.47 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長ちょっとちょっと!!」クイックイッ
隊長「なにどうしたの?」
盗賊2(なんなんっすか あの可愛い子)ボソボソ
隊長(商人ちゃんのこと? 普通の商人だと思うけど)ボソボソ
盗賊2(隊長 手なんて付けてませんよね)ボソボソ
隊長(まあ あっちは客としか見てないと思うけど)ボソボソ
盗賊2「商人さん 折り入ってお願いがあります!!」
商人「なに?」
盗賊2「僕と結婚してください!!」
隊長「」
商人「金持っとったらええよ」
隊長「」
95: 2011/11/10(木) 15:59:24.58 ID:F+UTwQHa0
盗賊2「隊長 俺には金がありません」
隊長「知ってるよ 賃金は出してるけど正直 村も開拓で金が出て行くしね」
隊長「ってか出会って1分も経たない内に告白した根性が凄いよ」
盗賊2「恋は常に真っ直ぐにです!!」
隊長「はいはい それでどうするの?」
盗賊2「確か隊長たち 次はコメを作るって言ってましたよね」
隊長「まあ作れても加工の仕方がわからないから後回しにしてるけど」
盗賊2「一生のお願いです!! 俺の男を上げるために俺をコメ修行の旅に行かせてください!!」
隊長「コメ修行?」
盗賊2「そうです! コメは絶対に売れます! だから!!」
隊長「お金がいるよね」
盗賊2「なんせ専門家の人を探すところから始めなくちゃいけないので!!」
96: 2011/11/10(木) 16:09:32.98 ID:F+UTwQHa0
隊長「俺があの村に派遣された時 最初は文句ばかり言ってた」
隊長「こんなもん出来るか馬鹿野郎ってさ」
隊長「俺は王様に命令されてやったけど自分の力で頑張ろうとしている盗賊2は凄いと思う」
盗賊2「隊長……俺は……」
隊長「好きな女の子のために頑張るのだっていいじゃない」
隊長「俺は応援するよ 金はとりあえず俺が持ってる分しかないけど」
盗賊2「隊長! ありがとうございます!!」
隊長「それと帰ってきたかったらいつでも帰ってきていいよ」
隊長「あそこはみんなの家なんだから」
盗賊2「では行ってきます!!」ダッ
副官「それで自分の手持ちの金もすべて渡して行かせてしまったと?」
隊長「アハハ……」
97: 2011/11/10(木) 16:15:03.83 ID:F+UTwQHa0
弓「いいじゃないか コメが大量生産出来たら利益が出そうなんだろう?」
副官「そうかもしれませんが……」
鬼「あいつが抜けた分は俺がフォローしてやるよ」
空「それに隊長もなにか勝算があったんじゃろう?」
隊長「……まあね」
副官「……ハァ 誰かさんも早く身を固めてくれればいいのに」
隊長「なにか言った?」
副官「なんでもありません!!」
辺境村 村人24人
100: 2011/11/10(木) 16:29:33.22 ID:F+UTwQHa0
そして半年の休戦期間も解かれ様としている時 両陣営でも動きがあった
王国
???「なんだなんだ!! 空戦姫を口説き落とした馬鹿がいるらしいじゃないか!!」
王様「年がら年中戦場にいるから気付かんのだろう」
???「アタシだって戦いたかったさ!! だがそいつとはもっと戦いたい!!」
王様「お主は相変わらずじゃな とっとと婿を取り余を安心させてほしいのじゃが」
姫「戦人が恋人で戦場が棺桶のアタシには関係ないね!!」アッハッハ
王様「どうして余と妃の子がこんな性格になるのやら」
王様「それと隊長は主と腹違いの子じゃ 手を出してはならぬぞ」
姫「つーことは兄弟? 親父の子はアタシ以外 ち○こもついてないような奴ばかりだと思ってたけど」
姫「存外面白い奴もいるもんだな へー隊長ね」
王様「なにを考えておる」
姫「いやなに 前線に戻る前に愛しき弟の顔でも見ようと思ってね」ニヤリ
101: 2011/11/10(木) 16:36:41.12 ID:F+UTwQHa0
魔王城
大鬼「休戦終了間際に四大貴族召集なんて穏やかじゃねーな」
大吸血鬼「あなたの娘の問題なんじゃない?」ウフフ
大鬼「側近は嬢ちゃんのところで元気にやってるぞ」
大吸血鬼「もう一人の方よ なんでも国境近くで盗賊の真似事をしていたらしいじゃない」
大鬼「お前 そういう所だけ耳が早いよな」
大吸血鬼「それが長生きの秘訣なのよ」
バタンッ
魔王「来ておるのは鬼族と吸血鬼族の二人だけか」
大鬼「ババアは不参加だろ」
大吸血鬼「ババア? 初代魔王の頃から生きてる化け物の間違いじゃないかしら」
九尾「人の陰口を言うぐらいなら堂々と言えばいいじゃないですかぁ」クスクス
大鬼「いつの間に着たんだよ」
102: 2011/11/10(木) 16:43:30.60 ID:F+UTwQHa0
九尾「最初からいたですよ」
大吸血鬼「相変わらず不気味な雰囲気は健在ね」
九尾「妾にそれは褒め言葉です」クスクス
魔王「今日の議題は勇者のことだ」
九尾「前回は誰かさんが守ってたのに魔王城近くまで進軍されたしねぇ」
大鬼「ぐっ……!!」
九尾「空戦姫までいなくなって 竜族も今混乱してるんじゃない?」
魔王「だからこそ余たちが各貴族たちに和平の説得をしている間に勇者を――」
九尾「相手は歴代最強 前代の魔王ならともかく あなたに止めるのは無理よ」
大鬼「なんだおい!! 今のは魔王様への侮辱か!?」チャキ
九尾「あら 妾とやるのぉ?」クスクス
魔王「やめい! 今味方同士が戦ってもどうにもならんだろう」
104: 2011/11/10(木) 16:56:32.93 ID:F+UTwQHa0
九尾「この城の目の前にまで来てた王国軍が休戦に応じたのは一つ」
九尾「勇者さえいれば時間の問題だぞっていう心理的攻撃でしょうね」クスクス
魔王「お主にはなにか策があるのか?」
九尾「策と言えぬものが一つ 魔王様は魔王の短刀の居場所をご存知ですか?」
八尾「九尾様 此度の会議の程はいかに?」
九尾「辺境村を攻める策を提案したけど却下されちゃった」クスクス
八尾「今そんな場所に兵を割く余裕などありませぬ」
九尾「魔王の短刀にはそれだけの価値があるの」
九尾「恐らく妾の予想が正しければ」
九尾「その持ち主は面白いことになってるわよ」クスクス
第三部「発展する村」終了 第四部「戦乱の中」へ続く
105: 2011/11/10(木) 17:02:42.47 ID:F+UTwQHa0
第三部終了です 一つ言っておきたいことがある 主人公は盗賊たちじゃない!!
続いて村人名鑑なんかを出します
続いて村人名鑑なんかを出します
107: 2011/11/10(木) 17:18:28.32 ID:F+UTwQHa0
辺境村 村人戸籍
隊長 辺境村再興の任を受けた王国の兵士 公式にはこの隊は一人だけなのだが 結構強い
副官 隊長の副官 吸血鬼 枕が嫌で脱走兵に 素直になれない絶壁 略してツンペキ
弓 翼がない鳥獣族 なんだかんだで頼りになるお姉さん でも男に間違われるぐらい格好良い
鬼 超デカイ鬼族 元盗賊団のお頭でもある 俺っこ
空 元空戦姫で強い竜族 年齢は内緒 口リであるが体型は一族の宿命的ななにからしい
夫 元盗賊で大工仕事が得意 三馬鹿の一人 現在は結婚して所帯持ち
妻 空の側近で竜族 現在は結婚して子持ち 案外家庭的なところがあったり
幼女 夫と妻の子供 記念すべき辺境村子供一号 みんなから猫可愛がりされている
盗賊2 元盗賊で三馬鹿の一人 現在は商人に認めてもらうためにコメ修行に出かけている
盗賊3 元盗賊で三馬鹿の一人 良いことをいって色々終わらせる人らしい 現在は兵士2と結婚している
兵士2 空の側近で竜族 口数が少なかったりするがそこが可愛い 現在は人妻
他に盗賊が17人ほどいるが省略
109: 2011/11/10(木) 17:25:22.15 ID:F+UTwQHa0
かつて少年は貴族として育ち 自分に出来ないことはないと信じていた
妹「返してよおにいちゃーん!!」
少年「嫌だねばーか!!」ヘヘーン
弱者は自分の下に這いずるのが当たり前で そんな育てられ方しかされなかった
少年「ここまで逃げれば大丈夫だよな」
少年「ん? なんだこりゃ」ヒョイ
その時少年は短刀を拾い 人が変わったように大人しい性格になった
少年「メイドちゃんありがとう」ニコッ
メイド「そんな! 滅相もない!!」アタフタ
そして家を出て軍に入り異例の速さで出世して小隊の隊長を任せられた頃
指揮官「空戦姫相手に手傷を負わせるとはな」
指揮官「それを上の人間が聞いて揉み消したらしい」
隊長「嫉妬怖い」
指揮官「王様からも呼ばれているぞ」
隊長「多分左遷ですかね」
指揮官「恐らくな」
こうして隊長とは辺境村へといくことになった
110: 2011/11/10(木) 17:37:10.45 ID:F+UTwQHa0
隊長「村も最初に比べたらかなり大きくなったよね」
副官「夫の活躍で家も増えましたし 土地なんかは木を伐採すれば増えますしね」
副官「そういうわけで土地も増えたことですし そろそろ家畜などを入れたらと」
弓「私たちの食の中心は肉か野菜だからね」
空「家畜がおれば卵や乳なども食せるしな」
鬼「でも家畜って高いんじゃないのか?」
副官「そこは積み立て金があるので大丈夫です」
副官「更に家畜から取れた食品で野菜の消費量を減らせばそれも売れますし」
隊長「詳しい人間と家畜小屋もいるよね」
副官「詳しい人間は盗賊にいるでしょう……恐らく」
弓「家畜小屋は竜舎を作った経験を生かせば出来そうだね」フム
副官「後は家畜を買いに行く係りですけど」
117: 2011/11/10(木) 21:23:57.79 ID:F+UTwQHa0
副官「今回は隊長と私が行きましょう」
弓「いや だから指揮官が動くと……」
副官「だから各場所に責任者を決めたんでしょう」
空「最近やたら頑張って仕事をしておると思ったら……」
副官「ずるいです 私は副官なのに隊長の傍にいるのは他のみんなだけ」
副官「公平じゃないです」グスッ
弓「わかったよ 私たちがなんとかするから」
鬼「そうだよ だから泣き止めよ」
副官「そうですかわかりました」ケロッ
弓「」
鬼「」
空「」
仕事行ってくる
138: 2011/11/12(土) 18:55:31.00 ID:xApvR1Uy0
街
隊長「牛と豚を少々買ったし そろそろ帰らない?」
副官「いいじゃないですか 今日は一泊しましょう」ギュー
隊長「……それはまあいいんだけど あまりくっつかれると動き辛い」
副官「嫌なんですか……」ウルウル
隊長「うっ……!」
隊長「好きにしてください」ハァ
副官「では好きにします」ギュー
副官「隊長は凄いですね」
隊長「いきなりどうしたの?」
副官「だってあの荒廃した土地が今では普通の村にまでなってますから」
隊長「まあみんなが頑張ってくれてるから 副官ちゃんもいるし」
副官「いえ 他の人も隊長でないと付いて来なかったと思います」
隊長「そんなことないよ」
139: 2011/11/12(土) 19:08:14.00 ID:xApvR1Uy0
副官「隊長 今日はゆっくり休んでください」
副官「隊長は少し頑張りすぎです」
隊長「……そうかな でも副官がいるなら本当かな」
副官「膝を貸してあげますから」ポンポン
隊長「……ん ありがとう」
隊長「すぅすぅ」zzzz
副官「そう みんな隊長が好きだからついてきているんです」
副官「私も……」ナデナデ
隊長「……もしかして結構寝てた」パチリ
副官「えぇ もう夜なので」
隊長「そっか 最近血を飲んでないけど大丈夫」
副官「出来れば……」モジモジ
141: 2011/11/12(土) 19:23:54.31 ID:xApvR1Uy0
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「」チューチュー
隊長「」
副官「ありがとうございます」ギュー
隊長「うんいいよ」
副官「」ギュー
隊長「いい加減に離してくれないと動けないんだけど」
副官「隊長 私隊長のことが好きです」
隊長「好きって……」
副官「私を助けてくれたあの時から 追っ手を追い払ったのは隊長ですよね」
隊長「バレてた?(本当は追い払ったんじゃないけど)」
副官「あれだけ強い姿を見れば誰でも予測がつきます」
143: 2011/11/12(土) 19:40:40.18 ID:xApvR1Uy0
副官「それに隊長は常に私たちのことを守ってくれていますから」
隊長「……」
副官「恐らく弓さんや鬼さんも隊長のことが好きです」
副官「空さんは……まああの人はそのまま言ってますけど」
隊長「……今は戦争中じゃない」
隊長「あそこの村は相当安全だけど なにが起こるかわからない」
副官「だから待って欲しいと」
隊長「うん ちゃんと考えるからさ」
副官「私に頼らず一人でですか」クスッ
隊長「あの 最近は副官ちゃんに頼りっぱなしな気がするけど これだけは自分でケリをつけるからね」
副官「えぇ 信じていますよ隊長のこと 私は副官ですから」
144: 2011/11/12(土) 19:48:17.24 ID:xApvR1Uy0
村
弓「」ジトー
鬼「」ジトー
空「」ジトー
隊長「なんか村に帰ったら三人からの視線がキツイ」
弓「女の勘……というものかな」ハァ
鬼「隊長は押しに弱い気がするからな」
隊長「なにその評価」
空「まあよいさ どんな選択をしようと隊長の勝手じゃからな」
隊長「ありがとう」
副官「それでは真面目な話をします」
副官「家畜の世話は盗賊3こと牧場主に任せましょう」
隊長「早く食べたいよね」
146: 2011/11/12(土) 19:59:53.64 ID:xApvR1Uy0
副官「それで観光客なんですが」
隊長「全く来ないよね」
弓「やっぱり道が舗装されてないのが一番の問題なんだよね」
副官「勇者が来たからといってこんな場所に来る物好きなんていませんから」
バタンッ
牧場主「隊長!!」
隊長「どうかした?」
牧場主「観光客の方が……」
隊長「マジで!?」
牧場主「マジです」
隊長「へぇ 何人ぐらい?」
牧場主「100人ほど」
隊長「……はい?」
牧場主「王国軍の指揮官直々に着てます」
147: 2011/11/12(土) 20:08:03.96 ID:xApvR1Uy0
隊長「この村を任されている隊長です」
姫「この村へは補給と休息にきただけだ そう畏まるな」
隊長「……こんな村にですか?」
姫「確かになにもない村だが 皆が前に進もうという気力がある」
姫「アタシにとってはそれで十分だ」
姫「それに腹違いとはいえ アタシの弟もいるからな!!」バシバシッ
隊長「痛いです!!」
副官「あれが王国の狂戦士ですか」
弓「王族なのに前線で突っ走ってる人だよね」
空「だがその軍は常勝じゃ 一度たりとも奴の兵を崩したことがない」
副官「常軌を逸してますね」
148: 2011/11/12(土) 20:21:40.92 ID:xApvR1Uy0
副長「姫様 野営の準備が出来ました」
姫「良し キサマらは命令あるまで待機」
副長「姫様は……」
姫「アタシは弟と話がある 寝食もそちらでする」
副長「危険すぎます ここには魔族も――」
パチンッ
姫「アタシは無能が嫌いだ アタシの邪魔をするからな」
姫「次はないぞ」
副長「出過ぎた真似をしました」ヒリヒリ
姫「それじゃあ家族水入らずでお話でもしようか」
隊長(ウチの妹の最上級バージョンか……)
隊長(我が侭なのは一緒だけど こっちには実力があると)
姫「ぶっちゃけ親父いらね」
隊長「ぶっちゃけ過ぎです」
149: 2011/11/12(土) 20:27:21.20 ID:xApvR1Uy0
姫「親父にはこの戦争が終わったら隠居してもらう」
姫「その後 アタシが王権を握る」
隊長「その話はせめて俺のいないところでして欲しいです」
姫「お前にも一枚噛んでもらうんだ 聞いてろ」
隊長「」
姫「親父の息子は他にもいるがありゃ駄目だ」
姫「権力と居場所に固執した豚しかいない」
姫「アタシだけだぜ こうして戦場に出てくる王族なんて」
隊長「それは姫が特別な――うゅっ!?」
姫「お姉様と呼べ 特別に許す」グニー
隊長「わきゃりましゅた」
姫「よろしい」
151: 2011/11/12(土) 20:32:54.54 ID:xApvR1Uy0
姫「更にぶっちゃけるがアタシは政には向かない性格だ」
隊長「でしょうね」
姫「だから代わりにアタシの傍で政をやってくれる従者が必要だろ」
隊長「それを俺にやれって?」
姫「そうだ 領土もやる なんならこの村もなんとかする」
隊長「あの……俺に政なんて……」
姫「それは勉強しろ この村の建て直しなんて困難なことをやってるんだ出来る」
隊長「えっと……」
姫「アタシのことが信用できないか?」
隊長「お姉様ぐらい竹を割ったような性格なら信用できます」
姫「そうだろ? だったら迷うことはない」
隊長「一つ聞いていいですか?」
姫「なんだ」
隊長「俺は将来的には魔族を嫁にするんですけど」
姫「今だと絶対にありえんな」
153: 2011/11/12(土) 20:46:22.51 ID:xApvR1Uy0
姫「だがよく考えろ オークのような馬鹿ならともかく 魔族にも優秀な人材はいるだろう」
姫「それをすべて駆逐するなんて親父みたいな考えは気にいらねえだろ」
隊長「もしかして……」
姫「アタシがやりたいのは侵略じゃない 天下統一だ 魔界も飲み込んで一つの国を作る」
姫「その国に差別なんてありようがないだろ」ニヤリ
隊長「凄い魅力的な提案ですね」
姫「だろう? 理想論なんかじゃないぞ絶対にやる!!」
隊長「……少し考える時間をください」
姫「いいぞ 存分に考えろ」
副官「大丈夫ですか? なにやら顔色が悪いようですけど」
隊長「胃に悪い話を聞かされたからね」ハァ
154: 2011/11/12(土) 20:49:49.13 ID:xApvR1Uy0
姫「畑仕事か アタシも手伝おう」ザックザク
弓「あの人 中々帰らないね」
空「というより馴染みすぎじゃ」
隊長「まああんな性格じゃなきゃ 無茶な作戦に部下がついてきてくれないし」
姫「なんだ弟 お前も手伝え」ガシッ
隊長「お姉様首を掴まないで苦しいから!!」ズルズル
姫「あっはっはっは!!」
姫「働いた後の飯は美味いな!!」モシャモシャ
副官「一人で何人分食べるんですか」ハァ
鬼「俺もおかわり!!」
副官「張り合わないでください」
155: 2011/11/12(土) 20:56:40.17 ID:xApvR1Uy0
副長「姫様 至急お耳に入れたいことが……」チラッ
姫「聞かれても構わん 言え」
副長「勇者様が魔王城に乗り込んだ後 魔王勇者様共に行方知れずとのことです」
姫「――――ッ!?」ガタッ
隊長「それって……」
副長「まさか勇者様の進行速度がそこまで速いとは思いませんでした」
姫「10分以内に出陣させるぞ」
副長「はっ!!」ザッ
隊長「副長さん! 勇者さんの生氏は……」
副長「わかりません 前線も混乱しています」
副長「魔王軍の方も同様で恐らく予想外の出来事かと」
157: 2011/11/12(土) 21:05:17.18 ID:xApvR1Uy0
姫「最後に隊長 あの話考えておけよ」
隊長「わかった」
姫「じゃあ行くぞお前ら!!」
空「まあ勇者も最強の勇者とまで呼ばれたんじゃ 恐らく大丈夫であろう」
隊長「……うん また遊びに来るって言ってたしね」
副官「私の膝を貸しましょうか あの時みたいに」
弓「あの時? それは興味がある話だね」ザクッザクッ
隊長「痛い!!」
鬼「そこのところ 詳しく聞かせて欲しいな」ギュー
隊長「腕を掴むのやめて!!」
158: 2011/11/12(土) 21:13:48.17 ID:xApvR1Uy0
空「……ハァ」
隊長「空ちゃん大丈夫?」
空「我は元気だが……ハァ」
隊長「いや 元気言いながら溜息つかれても」
空「魔王のことが少し心配でな」
隊長「そういえば魔王の叔母だったんだっけ」
空「小さい頃から面倒を見てきたからな」ハァ
隊長「自分がこの村に来なかったから とか後悔してる?」
空「少しはな……いや鬼族の頭領を超えた時点で我がおってもなにか出来たとは思えんが」
隊長「空ちゃんが責任を感じることなんてないよ だって……」
???「自分には生きているのがわかるから……と」
空「キサマは……ッ!?」
九尾「ここ一枚絵でお願いします 妾登場シーンなので」
159: 2011/11/12(土) 21:29:50.07 ID:xApvR1Uy0
空「化け狐がなんの用だ」キッ
九尾「おしめまで変えた妾に暴言とは 大きくなって妾嬉しい」
隊長「空ちゃん この人は……」
空「魔界四大貴族 妖魔族の長だ」
九尾「そう 妾偉いの」クスクス
空「なにが偉いだ 一万年以上生きてる化け物だぞ」
九尾「空ちゃん」
空「」ビクッ
九尾「妾これ以上の暴言は許すつもりないですけど」ゴゴゴゴゴ
空「はいすいません」
隊長「あの……」
空「言っておくが絶対にあいつに逆らうなよ」
空「普段は隠しているだけで恐らく実力なら魔王以上じゃ」
隊長「はいわかりました」
160: 2011/11/12(土) 21:39:05.06 ID:xApvR1Uy0
隊長「それでなにかお話があるので着たんですよね」
九尾「魔王が行方不明だという話は聞いてますよね」
隊長「……まあ聞いてます」
九尾「現在魔界は先代の魔王であり 空ちゃんの姉である魔王女が指揮を執っていますが」
九尾「この機に乗じて魔界の過激派が反乱を起こそうとしています」
空「それで我に戻って来いと」
九尾「魔王の血筋を持つあなたが指揮をとれば魔界の混乱も収まります」
九尾「ぶっちゃけ妾動くの面倒なのでなんとかしてください」ハァ
空「ぶっちゃけるな」
九尾「それとそちらの御仁も連れてきて欲しいの」
隊長「……おれ?」
空「どうして隊長も!!」
九尾「……それは本人が一番知っているでしょう」
隊長「……」
161: 2011/11/12(土) 22:03:40.28 ID:xApvR1Uy0
九尾「魔王の短刀は持ち主に初代魔王の知識を与えます」
九尾「まあ今まで持ち主が現れたことはないですけど」クスクス
空「……本当か?」
隊長「まあね 別に持ってても困るものじゃないから黙ってたけど」
九尾「仕草や言動など初代魔王様そっくりです」クスクス
九尾「初代魔王様は今の魔界を作った建国士ですので」
空「隊長を戦乱に巻き込むつもりか?」
九尾「初代魔王様は人間との共存を望んだお方です」
九尾「既にあなたの意思は固まっているのでしょう」
隊長「俺は……魔界に行くよ」
九尾「ありがとうございます これで魔界は救われました」クスクス
空「おい隊長!! 一言言っておくがあいつは……」
隊長「信用するな……でしょ」
空「そうだ! あいつは魔族でないとも異世界から来たとも言われる……」
隊長「大丈夫だから」
163: 2011/11/12(土) 22:46:44.18 ID:xApvR1Uy0
隊長「そういうわけで魔界に行くことになりました」
副官「なら私たちも!!」
九尾「これから行くのは戦地で妾の魔法なら二人までなら逃がせるけど」クスクス
隊長「そういうわけで行くのは空ちゃんと二人になりそうです」
弓「まあ遊びに行くわけじゃないから反対は出来ないね」
鬼「それに隊長ならアタシたちが危険な目に遭うほうが傷つきそうだし」
副官「……」
隊長「絶対に帰ってくるよ 心配しないで」
副官「わかりました 隊長がいない間の村は私たちに任せてください」
隊長「うん」
九尾「」クスクス
仕事いってくる
176: 2011/11/13(日) 20:20:39.37 ID:D03Yi/+J0
>>174 間違えた恥ずかしい
九尾「妾沢山生きてるけど馬車での移動が一番嫌いなの」
空「文句を言うな 竜がキサマを乗せるのを嫌がらなければ……」
九尾「尻尾モフモフしてて気持ちいいのにね 隊長さんはどう思う?」モフモフ
隊長「モフモフしてますね」キリッ
空「」ガッ
隊長「それで後どれぐらいでつくんですか?」ボロボロ
九尾「最速で飛ばして一週間というところです」
九尾「ただし……」ポン
隊長「穴って落ちるうぅううううううううう!?」ヒューン
九尾「これから先は空ちゃんだけで行って頂戴な」クスクス
空「なっ!? キサマ!!」
九尾「妾馬車が嫌いゆえ 空間魔法で移動させてもらいます」
九尾「妾沢山生きてるけど馬車での移動が一番嫌いなの」
空「文句を言うな 竜がキサマを乗せるのを嫌がらなければ……」
九尾「尻尾モフモフしてて気持ちいいのにね 隊長さんはどう思う?」モフモフ
隊長「モフモフしてますね」キリッ
空「」ガッ
隊長「それで後どれぐらいでつくんですか?」ボロボロ
九尾「最速で飛ばして一週間というところです」
九尾「ただし……」ポン
隊長「穴って落ちるうぅううううううううう!?」ヒューン
九尾「これから先は空ちゃんだけで行って頂戴な」クスクス
空「なっ!? キサマ!!」
九尾「妾馬車が嫌いゆえ 空間魔法で移動させてもらいます」
177: 2011/11/13(日) 20:33:14.16 ID:D03Yi/+J0
隊長「ここは……モフモフする……」モフモフ
九尾「妾の尻尾 赤ん坊にも人気なので」クスクス
隊長「それでここはどこ?」
九尾「異次元の狭間です あちらへ行くと異世界へ行けますよ」
隊長「イセカイ? まあなんでもいいや」
九尾「ここにあなたを呼んだのは妾が個人的に話があったからなの」
隊長「……話?」
九尾「あなたは初代魔王に似ているって話を覚えてる?」
隊長「まあ 彼の知識を受け継いでるから」
隊長「子供の頃に短刀を拾って性格がこんな感じになっちゃったけど」
九尾「……そう 初代魔王様も一つの目的をもってして 誰かを助け続けた人でした」
九尾「まだ世界が一つだった頃 人間は大陸に入りきらないほどの数になり 互いに戦争を始めました」
隊長「領土戦争ってこと?」
九尾「そう そしてそんな時に立ち上がったのが当時人間の王だった魔王様なんです」
隊長「確かに知識としては知ってるけど 本当に人間だったの?」
九尾「魔力だけは神がかってありましたので」
178: 2011/11/13(日) 20:43:06.25 ID:D03Yi/+J0
九尾「食糧問題などもあり 増え続ける人を減らさなければなりません」
九尾「初代魔王様は悩みました」
隊長「だからあの魔法を使ったの?」
九尾「そう あの人は魔法で大陸の隣に全く同じ鏡写しの国 魔界を作り出したんです」
九尾「初代魔王様は魔界へ移り王国の国民も領土問題が解決してウハウハ」
隊長「とはいかなかったんだよね」
九尾「食べ物の問題か はたまた造りものの土地だからいけないのか」
九尾「彼らが産んだ子供はことごとく突然変異した生物でした」
九尾「翼があったり角が生えてたり皮膚が鱗だったり 妾も流石に驚き」
隊長「それが魔族で……」
九尾「何世代かの後に 気持ち悪がった王国側が戦争を仕掛けてくるんです」
隊長「でも魔族と人間じゃ元々の力に違いがありすぎる」
九尾「だから人間側は初代魔王様の妹である勇者様を討伐へ向けた」
179: 2011/11/13(日) 20:49:10.69 ID:D03Yi/+J0
九尾「最終的に勇者は己の命と引き換えに魔王を倒しましたが」
九尾「両者の恐ろしいまでの魔力は塊となって己の求める所有者へと引き寄せられるようになりました」
隊長「これが後に受け継がれる魔王と勇者の宿命なんだよね」
隊長「ってか今の話に九尾さん出てこなかったけど」
九尾「妾はサボってたゆえ」
隊長「そうっすか」
九尾「妾は今でも初代魔王様に忠誠を誓っています」
九尾「丁度あなたを慕ってくれているあの子たちみたいに」クスクス
隊長「アハハ……」
九尾「だからこれからなにが起ころうとも 妾を信じて欲しいの」
隊長「いいよ」
九尾「即答ですか? 簡単に信じると後悔しますよ」クスクス
隊長「まあ俺の中にある初代魔王の意思みたいなのが信じろって言ってるから」
九尾「そうですか」
180: 2011/11/13(日) 21:23:21.84 ID:D03Yi/+J0
王国
王様「勇者が氏んだとなると ワシらは魔族へは勝てん」ハァ
九尾「その通りです 魔族と人間では生まれ持った能力に差がありますゆえ」クスクス
王様「キサマ! 魔族……と隊長!?」
隊長「どうも」
九尾「警戒を解いて欲しいの 妾別に戦いに来たわけじゃないゆえ」
九尾「逆に和平を持ちかけにきたんですから」クスクス
王様「……和平じゃと? 無理だ 今更人間と魔族が手を取り合おうなどと」
九尾「そう 今まで憎み合って来た両者が仲良くするなんて簡単には無理」
九尾「だからこその提案です 妾は四大貴族の一人 そして隊長さんは王族の一人」
王様「政略結婚か?」
九尾「魔族と人間 仲良く手を取り合いましょう」クスクス
隊長「」
184: 2011/11/13(日) 21:43:48.03 ID:D03Yi/+J0
王様「だが魔王や勇者が生きていた場合どうするんじゃ?」
九尾「魔王様に異次元移動魔法を教えたのは妾ゆえ」
九尾「当分は戻ってきません」
王様「その間にすべてを終わらせると?」
九尾「妾ならそれが可能であります 同士も沢山いるので」
王様「わかった 魔王城にいるであろう我が部下を退かせよう」
九尾「しばらく魔界でも内乱が起きますが それも四大貴族の名をもってしてなんとかしましょう」
王様「では後は頼む」
九尾「会談の最中 一言も喋りませんでしたが 良いのですか?」
隊長「まあ九尾さんを信じるって言っちゃったしね」アハハ
九尾「それを律儀に守ることないでしょうに お馬鹿な人ですね」クスクス
隊長「それよりも 文書とかにしなくて良かったの?」
九尾「大丈夫ですよ これもすべて妾の策ゆえに」
185: 2011/11/13(日) 21:58:44.61 ID:D03Yi/+J0
九尾「魔王城までは今度こそゆるりと行きましょう」
九尾「隊長さんも疲れたでしょう 妾の尻尾を貸しますよ」ポンポン
隊長「いいの?」
九尾「先ほどから尻尾ばかりに目がいっていたゆえ」クスクス
隊長「気付いてたの?」モフモフ
九尾「妾の尻尾を味わった者は胸などよりもそちらに目がいくから」
九尾「絶世の美女だというのに失礼極まるでしょう」クスクス
隊長「尻尾がなくとも九尾さんは魅力的だよ」
隊長「ただ この感触はなつか……し……すぅすぅ」zzzzz
九尾「そうですね 初代魔王様も妾の尻尾が好きでしたゆえ」
九尾「」ナデナデ
199: 2011/11/14(月) 20:41:15.45 ID:3wFge+sZ0
魔王城
隊長「なんか魔王軍と王国軍一触即発の雰囲気だったけど」
九尾「恐らく魔王勇者両名が行方不明ゆえ 最後の総力戦を行おうとしているのでしょう」
隊長「お陰でここまで来るのに時間かかったしね」
九尾「そうですね……隊長さん」
隊長「なんですか?」
九尾「我が忠誠は初代魔王様にあり その言葉を忘れないでください」
隊長「……わかりました」
魔王「久しいな 九尾」
九尾「おや魔王様 お帰りになっていたのですか?」
魔王「白々しいな 余のいぬ間に魔界を掌握しようとしていたのにか」
九尾「…………」
魔王「既にキサマの家に調べは入っておる まあ出るわな」
魔王「今までの魔王を裏から動かして自分のいいように歴史を動かした証拠が」
九尾「」
200: 2011/11/14(月) 20:50:24.15 ID:3wFge+sZ0
九尾「妾を捕まえるのですか?」
魔王「当たり前だ 抵抗してくれるなよ」
九尾「……しませんよ しかし一つだけ……」
九尾(変な話に付きあわせてすいませんでした)ボソボソ
九尾(なにか問われてもなにも知らないで通してください)ボソボソ
九尾「最後にあなたと話が出来て本当に楽しかったですよ」ナデナデ
隊長「」
魔王「お主らなにをしておる?」
九尾「彼にかけた洗脳を解いていたのです さあ抵抗はしないのでどうぞ」スッ
側近「失礼します」ガチャ
九尾「ところで妾は氏刑ですか?」
魔王「恐らくそうなるだろうな」
九尾「そうですか……それは良かった」
隊長「」
201: 2011/11/14(月) 21:05:01.68 ID:3wFge+sZ0
九尾は初代魔王を本当に慕っていた 人の上に立つのはあんな人間だと 魔界で永遠に生きる存在だとしてもそれは一片も変わらぬと
初魔「ははっ! 氏ぬときは勇者に殺されると思ったんだけどね」
初魔「まさか臣下に刺されるなんて」
九尾「魔王様 恐らくあなたは……」
初魔「魔力が全然沸いて来ないんだ もう駄目だよ」
九尾「」
初魔「そんな顔をしないでよ 俺はこれでも楽しかったんだから」
初魔「でもまあ 最後に人間と魔族が手を取り合うような関係を見たかったってのもあるけど」アハハ
九尾「妾に頼みたいことはありますか?」
初魔「俺が氏んで戦争も加速するんだろうね」
初魔「そんな世界でもしかして 人間と魔族の平和を願う王がいたら手伝ってあげてほしい」
九尾「わかりました魔王様」
それが九尾が受けた最後の命令で 彼女は今までずっとその命令を忠実に実行してきた
202: 2011/11/14(月) 21:20:13.14 ID:3wFge+sZ0
そして先代魔王 今の魔王の母親が初めて人間との対話を望む人間だった そして召喚術に長けた魔王である彼女の
術に干渉して異世界から何も知らない男を呼び出した
魔王女「なんだお主」
男「カレー作ってたら異世界に呼ばれた なにこれこわい」
実際 彼の存在は魔王女にとって大きくなったし 最強である彼女の手でなら平和は実現出来ると思っていた しかし誤算だったのは
呼び出した男が勇者になってしまい そして彼が彼女の父親であり先代の魔王を頃してしまったことだろう
結局 彼は元の世界に帰り 魔王女は心の平衡を失いとっとと許婚と結婚して子供まで産んでしまった それが今の魔王である
九尾「隊長さん 今まで憎み合っていた二つの種族が分かり合うのは難しいのです」
九尾「魔王か国王 どちらかが氏ぬまでその憎しみの連鎖は続きます」
九尾「ただし 黒幕がいれば話は別です 今まで魔王を裏から操っていた女狐とか」クスクス
九尾「妾の役目はこれで終わりです 後はお若いものに……」
隊長「おはよう 一ヶ月ぐらいぶり?」コンコン
九尾「」
隊長「鍵を探してたけど見つからなくてさ 魔王の短刀って便利だよね」スパッ
隊長「鉄格子も豆腐みたいに切れるし」
九尾「……なにをしに来たんですか?」
203: 2011/11/14(月) 21:30:13.38 ID:3wFge+sZ0
隊長「いや文句をいいに」
九尾「文句?」
隊長「取調べだって3週間も拘束された上に帰ったら副官ちゃんから大目玉食らうでしょ」
隊長「俺が悪いわけじゃないのに聞く耳もってくれないし」ヤレヤレ
九尾「」
隊長「それは建前で本音は九尾さんを助けにきたんだ」
九尾「妾は脱走する気などサラサラないよ」
隊長「助けに来たっていうか 魔王様からはもう許可貰ってるから」
九尾「……そういう変な行動力まで初代魔王様に似ることないでしょ」ハァ
九尾「どんな言質をとったか知りませんが 妾の罪は明白です」
隊長「それは捏造した歴史でしょ 少し考えればわかることだし」
九尾「だとしても誰かが犠牲にならねば平和にはならぬのです」
隊長「実際 もう戦争は終わったんだけどね カレーさんのお陰で」
204: 2011/11/14(月) 21:35:53.55 ID:3wFge+sZ0
数時間前
魔王「余に謁見したいという人間がおるので見てみたら……」
隊長「九尾さんの罪を軽く……出来れば氏刑だけは止めてほしいです」ドゲザ
魔王「ならん!!」
空「叔母である我が頼んでも駄目か? いや出奔した身でいうのもなんだが」
魔王「そもそもキサマらはどうして村人全員でやって来ているのだ!!」
副官「隊長がいるところに私がいなくてどうするんですか?」
弓「彼のやることには基本ついていくことにしてるからね」
鬼「面白そうだったから」
夫「隊長さんあっての村だからな」
妻「私たちは隊長さんのやることについていくだけです」
牧場主「俺たちの気持ちだけは誰にも止められない」キリッ
牧場妻「牧場主……」
魔王「アホだな キサマら……」アタマイタイ
206: 2011/11/14(月) 21:45:37.36 ID:3wFge+sZ0
姫「そうか そういうことならアタシもあっちにつくかな」
魔王「なっ!? お主までついて また戦争でもやりたいのか!?」
姫「アタシが求めてるのは優秀な奴と面白い状況だ」
姫「アンタより弟の方が面白いそれだけだろ」ニヤリ
隊長「お姉様……」キュン
姫「それに弟に恩を売っておいた方が後々楽だしな」アッハッハ
隊長「キュンとした気持ちを返してください」
姫「親父はどうするんだ? まさかアタシと敵対なんてしないよな」ゴゴゴゴゴ
王様「ワシが自分の子供の手伝いをしてやらずにどうする」
王様「だからワシと敵対するのだけはやめて」ドゲザ
隊長「俺の親父がお姉様に土下座しているわけがない」グスッ
207: 2011/11/14(月) 21:54:07.18 ID:3wFge+sZ0
商人「だったらウチもこっち側や」
隊長「商人ちゃんいたの?」
商人「いたよ!! 隊長さんウチに影薄いとかいいたいん!?」
隊長「それは……ごめん」
商人「まあええわ ウチは商業連合の元締めや つまり商人の元締めやな」
商人「魔界に食料支援しようと思ったけど止めるわ」
隊長「いいの? 魔王様に恩を売っておいた方が後々得だと思うけど」
商人「こんな明日をもしれん土地より隊長さんに賭けた方が余程堅実的や」
隊長「商人ちゃんありがとう……」
魔王「」
店主「娘が婿を見せてくれるなんて行ったから着てみれば面白いことになってるじゃねえか」
店主「俺たちも隊長さんの側に入るだろ」バンバン
勇者「はい 隊長さんは胸を張って良いことを言ってますから」
勇者「それを私個人が応援するのは当然です!!」
隊長「二人ともありがとう」
208: 2011/11/14(月) 21:57:36.14 ID:3wFge+sZ0
大鬼「じゃあアタシもこっち側だな」
魔王「なぁっ!? お主はこちら側だろう!!」
大鬼「すまねぇな でも娘が惚れた男守ろうとしてるんだ」
大鬼「親不幸もんでも家族は守るのが一族の結束の力でな そうだろ側近」
側近「すいません魔王様 私も妹が可愛いのでこればかりは……」
魔王「側近 お主まで……」
鬼「お袋 姉ちゃんありがとう」
大吸血鬼「じゃあ私もこっちで」
魔王「お主は関係ないだろう!!」
大吸血鬼「だって面白そうだし……」
魔王「」
坊主「では私もこちら側に入りましょう」
坊主「彼らには私も大恩がありますから」ニコリ
みんな「「誰!?」」
214: 2011/11/14(月) 22:24:13.60 ID:3wFge+sZ0
坊主「私は元盗賊2と名乗っていたものです」
隊長「違う違う!! 盗賊2はそんな一人称私じゃなかったし悟りきった顔してなかったよ!!」
夫「髪も全部剃ってどうしたんだよ! 俺一生髪切らないんだとか言ってただろ!!」
坊主「私はコメの修行をしている最中に気付いてしまったのです」
坊主「コメから発せられる光に その光を見ていたらこんな落ち着いた姿に……」
隊長「なにがなんだかわからない」
坊主「おコメを食べなさい そうすれば救われます」
副官「怪しい宗教にも目覚めましたね」
弓「果たして彼を村に戻していいんだろうか」
坊主「本日はコメのことについて布教しても良いと聞いてきたのですが」
坊主「そういうことなら私も隊長様の側にいきましょう」
隊長「なんだろうこの気持ち 嬉しいようななんというか……」
233: 2011/11/15(火) 23:51:52.33 ID:rbJdBXeb0
姫「つーことだ これだけ戦力があればもう一度戦争が出来るだろ」
魔王「そんな下らないことで魔族との同盟を廃棄する気か……」
商人「下らないことやない ウチらは隊長さんのお願いやからこうして集まっとるんや」
副官「誰もいない土地に根を張り一から作り出した村の村人の結束力は強いです」
空「そもそもそんなことをやる隊長になら 我らも一緒にいたいと思うんじゃよ」
魔王女「やれやれ あなたの負けですよ魔王」
魔王「母様!!」
魔王女「そもそも私たちは最初から九尾を頃しはしません」
隊長「えっ!? そうなの?」
魔王女「しかし本人にそのまま言ってもあの女狐は首を縦に振らないでしょう」
魔王女「ちなみにそれを知っていて悪ふざけをした誰かもいましたけど」ギロッ
大鬼「誰だよそれ!!」←忘れてる
大吸血鬼「誰かしらね そんな酷いことをするのは」
側近「すいません 母さんがやったのでつい……」
234: 2011/11/16(水) 00:07:25.26 ID:M2T3uurS0
魔王女「なので私が召喚魔法で呼び出した式神を身代わりにし 本人には適当なところに逃げてもらうつもりでした」
魔王女「あの者の知識は氏なすには惜しいですから」
隊長「……」
魔王女「彼女の説得は私自ら行こうとしましたが あなたが行きますか?」
隊長「はい!!」ダッ
魔王女「若いですね まるで昔の私たちを見ているみたいです」
カレー「そんな年寄りみたいなこと言っちゃってさ 九尾ちゃんが行かなかったら自分が身代わりになるつもりだったのに」
カレー「それよりもカレー食べる?」
隊長「そんなことがあって 九尾さんは無罪放免 表向きは処刑されたことになるけど」
九尾「……そうですか」
隊長「まだ出たくない?」
九尾「あなたの説得の言葉をまだ聞いてないゆえ」
隊長「……」
九尾(そういえば初代魔王様とも似たようなことをしたことがありましたね)
236: 2011/11/16(水) 00:22:00.24 ID:M2T3uurS0
初魔王「どうしたのさ その怪我!?」
九尾「人間如きが妾に触るでない!!」グルルルルル
初魔王「はいはい それは自分の怪我を見て言って頂戴」
九尾「なぜ人間が妾を助ける」
初魔王「困っている人を見かけたら放っておけないから」
九尾「ならば妾が傷を治した時 後ろから刺すやもしれんぞ」
初魔王「ははっ そうしたら屈服させて俺の側近にでもするよ」
九尾「妾を屈服させることが出来ると?」
初魔王「それはやってみなくちゃわからないけどね」
隊長「俺たちの村でモフモフさせてください!!」
九尾「」
237: 2011/11/16(水) 00:31:03.17 ID:M2T3uurS0
隊長「いやだって 変なおべっか使えない性格だし!!」
隊長「素直な気持ちを口に出したら……モフモフが忘れられなくて」
九尾「本当に主はアホというかなんというか……」
九尾(初代魔王様に似ておっても内面は違うということか)
九尾「あなたも知っていると思いますが 初代魔王様は臣下に殺されました」
九尾「妾が鍛えるからには そんなことにはさせませんので」
隊長「うん 頼りにしてるよ」
隊長「そういうわけで 新しい村人が増えました」モフモフ
九尾「よろしくね」
副官「あの……どうして隊長は尻尾で包れているので?」
九尾「妾モフモフ要因ゆえ」クスクス
辺境村 村人25人
239: 2011/11/16(水) 00:41:40.40 ID:M2T3uurS0
副官「確かに長年生きてた知識は役に立つと思いますけど……」
九尾「副官ちゃん 嫌なことがあったのはいいけど偶には家に帰らないと」
副官「あなた……私の家族のことも知っているんですか?」
九尾「弓ちゃん あなたの一族もあなたのことを案外心配しているのよ」
弓「……」
九尾「鬼ちゃんは昔抱いてあげたことがあるわね」
鬼「そうなのか?」
九尾「妾 すべての魔族のことを知っているゆえ」
隊長「流石魔界建国以来の母」
九尾「空ちゃんはおねしょがいつまで経っても治らなかったこととか」クスクス
空「適当なことを言うな!!」
隊長「なんだかんだで楽しそうで良かったよ」
隊長「国も平和になったし また一波乱ありそうだけど」
第四部「戦乱の中」へ終了 第五部「村から街へ」へ続く
241: 2011/11/16(水) 00:46:31.99 ID:M2T3uurS0
ガヤガヤ
隊長「なんか朝起きたら家の前に行列が出来ていた」
副官「彼らは移住希望者ですよ」
隊長「移住希望者……だと……?」
副官「まあこの村で暮らしたいという人たちですね」
隊長「でも今までそんなこと一度もなかったでしょ」
弓「隊長さんは王国魔界両国が発した声明を聞いてなかったのかい」
九尾「二つの国の首都を国境近くに作ると言っていたでしょう」クスクス
九尾「それでわからない?」
隊長「そうか この辺境村も国境の最南端 首都から比較的近い村になるのか」
副官「それを知った人たちが利を求めて来たんでしょう」
鬼「勇者が来たときでも人は来なかったのにな」
242: 2011/11/16(水) 00:50:26.44 ID:M2T3uurS0
>>240 その通り
隊長「人数はざっと見ただけで百人近くはいるよね」
副官「言っておきますが全員は無理ですよ 食料があっても家屋が足りません」
隊長「……そうだよね」
九尾「とりあえず面接です」
店主「よう! 隊長さん!!」
隊長「おじさんどうしたの!? 店は!?」
店主「あっちは弟子に任せてこの村に二号店を出そうと思ってな」
隊長「勇者ちゃんも?」
勇者「はい 私は今暇なので」
店主「婿殿が修行の旅に出るってんでな 今はこいつも暇なんだ」ガシガシ
勇者「やめーてー!!」
隊長「そういうことなら歓迎します!!」
243: 2011/11/16(水) 01:01:30.73 ID:M2T3uurS0
八尾「氏んだハズの九尾様がここにいると聞いて」
九尾「あら 八尾じゃない」
八尾「九尾様! どうぞご無事で!!」
九尾「隊長様 この子はいれなさい」
隊長「なにが出来る人なんですか?」
九尾「私の代わりが出来るの これで妾働かなくてすむゆえ」ファア
隊長「お願いだから働いてください」
王様「」
隊長「」
王様「娘に王国から追い出されたんだ」
隊長「……そうなんですか」
王様「働かせてくれんじゃろうか 家族のよしみで」
隊長「はい」
246: 2011/11/16(水) 01:30:10.74 ID:M2T3uurS0
坊主「私は光を求めてきました」
坊主「まだまだ修行の身ゆえ 至らぬことはありますが」
隊長「まあ坊主は元から村人だから拒む理由はないけど……」
坊主「いえ 私の力がこの村の力にならないと分かった時は追い出してもらって構いません」
隊長「まずは元の性格に戻って欲しいんだけど」
坊主「私にはこれが真実であります」
隊長「」
妹「お兄様!!」ダキッ
隊長「妹じゃない どうしたの?」
妹「お兄様が頑張っていると聞いていてもたってもいられず」グスッ
隊長「もしかして一人で来たの!?」
妹「お兄様も私と同じ歳に家出をしたじゃないですか」
隊長「それはそうだけど……」
妹「これからはずっと一緒ですね!!」
247: 2011/11/16(水) 01:31:40.15 ID:M2T3uurS0
副官「そういうわけで面接は終わりましたけど」
弓「中々にみんな面白そうな人材ばかりだよね」
鬼「この中から人数を絞るっていうのは難しいんじゃねえのか?」
空「魔族と人間は半々ぐらいじゃが」
九尾「みんな隊長様になにか考えがあるみたい」
隊長「やっぱりさ 全員受け入れられないかな」
副官「いえ だから家屋の問題で……」
隊長「面接してわかったけど 今日来た人は移住のために少しはお金を持ってきている」
隊長「それでテントなんかを買って 前のお姉様の時の兵士さんたちみたいに野営をしてもらう」
弓「確かに 今は夏の終わりだしそれなら外で過ごせるかな」
隊長「それでその間に家を作りながら土地を広げて畑も作る」
隊長「それでどうかな?」
九尾「面白い策だが それでも妾の見立てでは半分は生活に耐えられず逃げますよ」
隊長「ならその半分の人たちを大切にすればいいでしょ」
九尾「最もです」
250: 2011/11/16(水) 02:12:14.18 ID:M2T3uurS0
副官「そういうわけで始まった新しい環境ですけど」
隊長「まさか半月で本当に半分いなくなるとは」
弓「でも残りの50人はずっといそうだよ」
鬼「俺たちも急ピッチで伐採 家建てを進めてるからな」
副官「問題は……」
九尾「すぅすぅ……」
弓「仕事をしたくないって言ってたけど 本当にしないなんてね」
空「あれは年がら年中寝ておるような奴じゃからな」
隊長「ただ……」
九尾「」パチッ
夫「九尾さん!! 新しい家に関してだけど!!」
牧場主「牛が餌を全然食べてくれなくて!!」
鬼「アンタが考案した装置の使い方に関してだけど!!」
九尾「一人づつ聞くから 急かさないで頂戴」
隊長「知識は半端なくあるから 起きたら取り合いになるんだよね」
251: 2011/11/16(水) 02:16:35.12 ID:M2T3uurS0
九尾「これで良しと……ん?」
幼女「えっとあの……」
妹「そのですね……」
九尾「妾はこれより眠るゆえ お主らも一緒に寝る?」
九尾「今ならモフモフしてもいいよ」クスクス
幼女「いいの!? わーーい!!」モフモフ
妹「気持ち良いです このモフモフ」モフモフ
九尾「妾モフモフ要因ゆえ 遠慮などせずとも良いよ」
九尾「では……もう一眠りしようかな」スゥスゥ
隊長「案外簡単に馴染んでくれてなにより」
空「あれで一万年近く 妖魔族を纏めてきた女狐だからな」
隊長「まあそうだね」
辺境村 村人75人
253: 2011/11/16(水) 02:32:00.90 ID:M2T3uurS0
王様「わっはっはっは!! 畑仕事も楽しいものじゃのう!!」
店主「王様もやるじゃねえか!! 城に引き篭もってばかりだったとは到底思えないぜ!!」
王様「これでもワシは昔 戦場を駆け回っておった時もあるからな」
店主「俺も料理屋始める前は戦場にいてアンタの下にいたことがあるぜ」
王様「それでは30年前の国境付近の戦いの時は……」
店主「ありゃ酷かったな 大将含めて泥の中這って回ってよ!!」
勇者「皆さん! お茶にしませんか!?」
王様「勇者ちゃん ありがとうな」オチャー
店主「お前は人様の5倍は働けるんだからもっと頑張れ」
勇者「えへへ」
王様「ワシの娘とは大違いじゃ」
店主「隊長さんが娘をもらってくれると思ってたんだがなあ」ハァ
勇者「今はいないけど 私には心に決めた人がいますから」
王様「なんと健気な ウチの娘に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ」
254: 2011/11/16(水) 02:41:50.80 ID:M2T3uurS0
王様「だが水田という畑は初めてみる形じゃのう」
坊主「えぇ これはコメを作るのに適した畑ですから」
坊主「水を溜めやすくしておけば枯れることもなし」
坊主「比較的食物が育ちやすい土地とはいえ 環境により味も変わりますから」
店主「このコメってのは保存も出来るんだろう?」
坊主「冷暗所に入れておけばかなり長い間保存できます」
店主「今からコメで新しい料理を作れるかと思うとワクワクするな!!」
坊主「新しい可能性 コメには無限の可能性があるのです」ニコッ
王様「良し! 休憩終わり!! 午後からも頑張るぞ!!」
店主「おぉおーーーっし!!」
隊長「王様はなんだかんだでカリスマ性があるからな 問題なしと」
八尾「あなたはなにをしているんですか?」
隊長「あなたは八尾ちゃんだっけ 九尾さんの元側近の」
八尾「今でもそうです」
255: 2011/11/16(水) 02:48:02.12 ID:M2T3uurS0
八尾「あなたのことは気に入りませんが一応 感謝しています」
隊長「えっとなにが?」
八尾「九尾様は前まで笑っていてもどこか笑っていないような顔をしていました」
八尾「ですがこの村に来て あのお方は良く笑われるようになった」
隊長「そうかもね」
八尾「ですから一応 感謝の言葉を……」
隊長「そんな大したことはしてないけどね」
八尾「それと調子に乗って九尾様を寝取ろうなどと考えないように」チャキ
隊長「はいわかってるので刃を収めてください」ガクガクガク
八尾「わかればいいのです」
隊長「この人も怖い」ガクガクガク
八尾「私はこれより森で伐採の作業を手伝ってきます」スタスタ
260: 2011/11/16(水) 03:56:27.17 ID:M2T3uurS0
九尾「これこれ 八尾ちょっと来なさい」チョイチョイ
八尾「どうしたんですか九尾様」
九尾「お前たち この姉さんの尻尾も触ってよいぞ」
幼女「わーーーい!!」モフモフ
八尾「こら! やめ……きゅふん!!」ビクッ
九尾「主は相変わらず尻尾が弱いの」
八尾「だってこれは……んっ!」ビクビクッ
九尾「弱点は鍛えろとハゲが言っておったろうに」
幼女「お姉ちゃん なんか苦しそうだよ」
妹「大丈夫ですか?」
八尾「大丈夫です……よ……」ビクビク
九尾「面白いからしばらく観察だの」クスクス
261: 2011/11/16(水) 04:03:21.25 ID:M2T3uurS0
隊長「コメが出来たって?」
坊主「既に精米もすませて炊いています」
空「コメを洗わなくてはいけないのか 面倒じゃな」
坊主「そうして美味しいコメが食べられるのです」
坊主「ほら見てください 白いコメは光り輝いているでしょう」
弓「確かに これだけ白い食べ物も珍しいね」フムフム
坊主「作り方は一応レクチャーしたので 皆さんのお家で食べられると思いますよ」
坊主「お漬物や卵と一緒に食べると美味しいらしいです」
鬼「良い匂いがするなぁ~」クンクン
坊主「それでは食べてみましょう 作業をしている人も含めて全員集めてください」
今日はもう寝る それと仮面ライダーオーズで出てきた伊達さんが昼ドラに出てきてワロタ
270: 2011/11/16(水) 22:53:23.71 ID:M2T3uurS0
あっちの投下が終わったばかりなのに……書くけど
隊長「コメウマーーー」モシャモシャ
副官「程よい甘みがなんとも」モシャモシャ
夫「卵かけご飯ってのも結構いけるな」モシャモシャ
王様「自分で作ったものを食べるとは……しかも美味い!!」モシャモシャ
坊主「コメの良さがわかってもらえて嬉しいです」ニコッ
弓「これを上手く売り込めば 収益もかなり増えるんじゃないかな」
九尾「これならば相場の半額でも利益がでるゆえ」
鬼「つまりもっと潤うってことだな!!」
隊長「村人も増えて支出も多くなったけど」
隊長「これならなんとかなりそうだね」
副官「ところで隊長 少しお話があるのですが」
隊長「どうしたの?」
副官「皆に聞かれたくないのであちらで……」
隊長「コメウマーーー」モシャモシャ
副官「程よい甘みがなんとも」モシャモシャ
夫「卵かけご飯ってのも結構いけるな」モシャモシャ
王様「自分で作ったものを食べるとは……しかも美味い!!」モシャモシャ
坊主「コメの良さがわかってもらえて嬉しいです」ニコッ
弓「これを上手く売り込めば 収益もかなり増えるんじゃないかな」
九尾「これならば相場の半額でも利益がでるゆえ」
鬼「つまりもっと潤うってことだな!!」
隊長「村人も増えて支出も多くなったけど」
隊長「これならなんとかなりそうだね」
副官「ところで隊長 少しお話があるのですが」
隊長「どうしたの?」
副官「皆に聞かれたくないのであちらで……」
272: 2011/11/16(水) 23:06:19.37 ID:M2T3uurS0
>>271 やる夫板Ⅱでも投下してる
隊長「それでどうかしたの?」
副官「あの……その……」モジモジ
隊長「また血が欲しいとか? でも昨日もあげたし……」
副官「違います……あの……」モジモジ
隊長「なんか深刻な事態が水面下で起こってるとか?」
副官「告白の件です!!」
隊長「……告白?」
副官「まさか忘れていたとか?」チャキ
隊長「オボエテルヨー(最近忙しすぎて忘れてたなんていえない)」
副官「ゴホンッ 平和になったら返事を聞かせてくれるという約束だったので」
副官「ですが他の人から告白を受けていない状態で返事を求めるのは酷です」
隊長「他の人って?」
副官「弓さんに鬼さん それに空さんに九尾さんは知らないですけど」
隊長「」
隊長「それでどうかしたの?」
副官「あの……その……」モジモジ
隊長「また血が欲しいとか? でも昨日もあげたし……」
副官「違います……あの……」モジモジ
隊長「なんか深刻な事態が水面下で起こってるとか?」
副官「告白の件です!!」
隊長「……告白?」
副官「まさか忘れていたとか?」チャキ
隊長「オボエテルヨー(最近忙しすぎて忘れてたなんていえない)」
副官「ゴホンッ 平和になったら返事を聞かせてくれるという約束だったので」
副官「ですが他の人から告白を受けていない状態で返事を求めるのは酷です」
隊長「他の人って?」
副官「弓さんに鬼さん それに空さんに九尾さんは知らないですけど」
隊長「」
273: 2011/11/16(水) 23:14:24.16 ID:M2T3uurS0
隊長「えっと 俺のことが好きですかって一人づつ聞いていくの?」
副官「いえ そこは私が発破かけておくので そのうち告白してくるでしょう」
隊長「……副官ちゃんはそれでいいの?」
副官「隊長が誰を選ぼうと 私は隊長の傍にいられるだけで幸せですから」
副官「ただ隊長が私を一番に見てくれるのが一番の幸せですけど」カァァ
隊長「あーうん ありがとう」
九尾「それでこれから全員に告白を受けると?」
隊長「」
九尾「まあ副官が発破をかけてきたゆえ知った次第よ」クスクス
隊長「ちなみに九尾さんはどう思ってるので?」
九尾「ふむ そうよなあ……」
274: 2011/11/16(水) 23:22:21.96 ID:M2T3uurS0
九尾「妾は正直 初代魔王様の子がおるし……」
隊長「えっ! そうなの?」
九尾「子供というより今の妖魔族は殆どが妾の血縁よ」
九尾「最初の子供が孫を産んでその子供がと鼠算式に増えての」クスクス
隊長「なにそれこわい」
九尾「ぶっちゃけた話 隊長様のことは気に入っているけど 結婚まではな」
九尾「妾は隊長様の傍に置いておいてもらえるだけで満足での」クスクス
隊長「九尾さん……」
九尾「しかし妾が発情期になったら頼むよ」
隊長「それは確約できません」
275: 2011/11/16(水) 23:33:09.37 ID:M2T3uurS0
隊長「九尾さんは変な悪戯をしてくるから困る」
空「隊長! 結婚しよう!!」
隊長「この子はこれで普段どおりなんだけど」
空「なにをブツブツ言っているんだ 副官から聞いたぞ」
空「なんでもそろそろ身を固めると」
隊長「まあ歳も歳だしね」
空「そんなことを言ったら我もいい年じゃぞ」
空「戦場を駆け回っていて気付いたらこの歳」
空「姉は既に結婚して子持ちじゃしな」
隊長「それはお気の毒に……」
空「戦ってそういう気持ちを誤魔化してきたからな」
空「隊長に負けた時は衝撃的だった」
隊長「」
276: 2011/11/16(水) 23:46:25.04 ID:M2T3uurS0
隊長「あの……別に負けてないですよね 手傷は負わせたけど」
空「なにを言う 空を飛んでいる我相手に短刀で傷を負わせたんだぞ」
空「それだけで十分に我の負けだ」
隊長「そうなのかな……」
空「そうじゃ それで負けましたと素直に認めただろう」
隊長「そりゃ降りて来て投降するなんて言われたらね」
空「王国では魔族の捕虜は厳しい拷問を受ける それでなくとも殺されるからな」
空「我も覚悟したがお主は『女の子だから捕まえない』といって逃げてしまった」
隊長「偶然敵陣地に迷い込んでただけだから」
隊長「逃げなきゃ他の兵士に殺されてただろうし」
空「正直あの時のお前は……その……王子様みたいだったんだ」
隊長「……プッ」
空「あのまま連れていってくれれば良かったのに」
隊長「はいそれはごめんなさい」ボロボロ
280: 2011/11/17(木) 02:52:02.90 ID:OlQknfbM0
空「つまりだ! 我はお主が好きなのじゃ!!」
空「最初に告白した時や一緒に寝た時だって恥ずかしかったんじゃぞ」モジモジ
隊長「なにこの可愛い生物」
空「まあお主が誰を選ぼうと自由じゃからな」
空「我は……まあ我を選べ とりあえず安牌じゃ」
隊長「そこらは考えます」
鬼「隊長さん 話があるんだ!!」
隊長「順番的に来ると思ってた」
鬼「副官から話を聞いたんだけどさ」
隊長「……うん」
281: 2011/11/17(木) 03:00:48.12 ID:OlQknfbM0
鬼「アタシさ こんなナリだから昔から男と一緒に遊んでたんだ」
隊長「まあ男だけの盗賊団やってたしね」
鬼「でも周りの男も俺より弱い奴ばっかで恋なんてマトモにしたことなかった」
鬼「いや こんな俺を好きになってくれるわけないって諦めてたのかもしれねえや」
隊長「」
鬼「でも隊長さんは俺をいとも簡単に倒して しかも俺に情けまでかけてくれた」
隊長「なんかデジャブ」
鬼「隊長さんは俺のこと嫌いか?」
隊長「どっちかというと好きかな 妹も懐いてるし」
鬼「俺もこんな気持ちになったのは初めてなんだ」
鬼「みんなと違ってがさつで野蛮で男っぽいけどさ」
鬼「もし隊長さんが良かったら俺を選んで欲しい」
隊長「……うん 真面目に考える」
282: 2011/11/17(木) 03:11:08.67 ID:OlQknfbM0
隊長「おかしい……いや俺がモテてること自体が既におかしいけど」
弓「それじゃあ私は狩りに出かけてくるよ」ザッ
隊長「副官ちゃんの話では弓さんも俺を好きだとかそんな話があったけど」
隊長「一向に本人からその話が出て来ない」
夫「それを俺たちに相談したいと?」
隊長「それと結婚生活とか色々」
牧場主「確かに俺たちは結婚してるけど……」
王様「ワシとかその娘と嫁に追い出されたんじゃが」
隊長「まあまあ話を聞くだけですって」
夫「俺の家はまあ俺から告白したからな」
牧場主「それで結婚生活の方は?」
夫「そこまで上手くいくもんじゃないなぁ」
隊長「例えば?」
283: 2011/11/17(木) 03:16:12.82 ID:OlQknfbM0
夫「最近村人が増えただろ それで女の子も増えたわけだ」
王様「ふむ 案外可愛い子が多いからの」
夫「で 俺が大工仕事をしてるとお茶を持ってきてくれるんだよ」
夫「お茶をどうぞ 汗を拭いてあげますね とかさ」
牧場主「」
隊長「」
王様「」
夫「それに妻が怒ってな 帰ったら無言で喋りかけても反応なしとかザラよ」
隊長「それは夫が悪い」
夫「なんで!?」
王様「くそったれめ ワシが王だったら氏罪にしたものを……」
牧場主「というかその子は確実に糞野郎に惚れてる氏ね」
夫「まっさか~ 俺妻子持ちだぜ」
王様「王族にも浮気不倫はあるからの氏ね」
隊長「外で汗水流して働いてる男に憧れるってのはあるかもしれない氏ね」
夫「なんで語尾が氏ねになってるの?」
287: 2011/11/17(木) 04:03:46.45 ID:OlQknfbM0
隊長「牧場主はそこらはどうなの?」
牧場主「俺のところは畜産だからな 女の子も多いけど恋愛に発展するような臭いじゃないし」
隊長「……ふぅ 相変わらず良いことをいう男だぜ」
王様「ワシが王だったら召し使えて貴族の位をやってもいいのにッ!!」
夫「なんか明らかに俺の時と反応が違うよな」
牧場主「告白はあっちからだったかな 俺は告白されるまで全然意識してなかったし」
夫「俺鈍感アピールとかあざとい 流石牧場主あざとい」
隊長「わかる 夫は氏ね」
王様「わかる 夫は氏ぬんじゃ」
夫「なんだこれ わけがわからないよ」
牧場主「顔を真っ赤にしながら口下手な嫁が好きですなんて言った日には……」
牧場主「不覚にも勃起しちゃいましてねぇ~」
夫「キモイなお前」
隊長「キモイな夫氏ね」
王様「黙れ夫氏ぬんじゃ」
夫「もうノリでやってるだろアンタら」
288: 2011/11/17(木) 04:16:12.55 ID:OlQknfbM0
隊長「王様は?」
王様「ワシは政略結婚じゃったからな その後も嫁を何人かとったが……」
王様「お主は知っておるじゃろ?」
隊長「まあ俺みたいなのが生まれてるわけだし」
王様「それと最初に気の強い嫁をとると後々ロクなことにならんぞ」
隊長「肝に銘じておきます」
隊長「それで八尾さんって結婚してないんですか?」
八尾「なんだあ!? 結婚してなくて悪いんですかねえ!!」ギリギリ
隊長「ごめんなさいごめんなさい 痛いんで止めてください!!」
隊長「ゲホッゴホッ 尻尾一本増えるのに3,400年かかるって聞いたから」
八尾「フンッ 私は九尾様の世話が出来ればそれで本望なのだ」
隊長「女の子同士は結婚できないよ?」
八尾「き・さ・まに言われんでもしっとるわ!!」ギリギリ
隊長「ギブッギブッ!!」バンバンッ
289: 2011/11/17(木) 04:26:03.17 ID:OlQknfbM0
八尾「まあ同僚後輩が結婚しているのを間近に見ていたから言わせて貰うが」
八尾「結婚とは必ずしもいいものではない 喧嘩もするだろうし意見が合わないこともある」
八尾「だがその分 良いことも二人で分け合えるのだ」
隊長「……一つ聞いてもいい?」
八尾「良い話だったろう 今度演説にでも使っていいぞ」
隊長「結婚してないのに知ったかぶりして楽しいの?」
八尾「ぶっ頃す!!」
九尾「それでそんなにボロボロなのか……」ナデナデ
隊長「モフモフすると傷が回復します」モフモフ
九尾「まああれも出世頭なんだが……尻尾が八本まで増える妖孤など今まで三人ほどしかいなかったし」
九尾「あのキツイ性格で婚期逃してからは妾に一生尽くすとか強がりを言い始める始末」ナデナデ
隊長「一応 結婚願望はあるの?」モフモフ
九尾「長く生き過ぎて変に理想は高くなっておるがの」ナデナデ
九尾「でもあれで容姿の方は妾より少し下ぐらいだろ?」
隊長「自分に自信ありすぎっすね」モフモフ
九尾「暗い美人より明るいブスじゃて」クスクス
290: 2011/11/17(木) 04:30:44.93 ID:OlQknfbM0
隊長「この村 男が選り取り緑 なんとか出来ないかな」モフモフ
九尾「お前さんは……今は弓のことをなんとかしたら?」
九尾「そんなお節介してると……」
隊長「してると……?」
九尾「なんでもない」ハァ
隊長「溜息ついてどうしたのさ」
九尾「変に自覚させるともうお主が甘えてこん気がしてな」
隊長「俺は一生モフモフするけど」モフモフ
九尾「婚期を逃した女の嫉妬は凄まじいぞ」
妹「兄さん! 私にもモフモフさせてください!!」モフモフ
幼女「幼女もーーーッ!!」モフモフ
九尾「ほれほれ 妾は二人と一緒にモフ寝するゆえ」シッシッ
隊長「……追い出された」
もう寝る
291: 2011/11/17(木) 04:33:33.95 ID:OlQknfbM0
ちょい修正
隊長「この村 男が選り取り緑 なんとか出来ないかな」モフモフ
九尾「お前さんは……今は弓のことをなんとかしたら?」
九尾「そんなお節介してると……」
隊長「してると……?」
九尾「なんでもない」ハァ
隊長「溜息ついてどうしたのさ」
九尾「変に自覚させるともうお主が甘えてこん気がしてな」
隊長「俺は一生モフモフするけど」モフモフ
九尾「婚期を逃した女の嫉妬は凄まじいぞ」
妹「兄さん! 私にもモフモフさせてください!!」モフモフ
幼女「幼女もーーーッ!!」モフモフ
九尾「ほれほれ 妾は二人と一緒にモフ寝するゆえ」シッシッ
隊長「……モフ出された」
もう寝る
隊長「この村 男が選り取り緑 なんとか出来ないかな」モフモフ
九尾「お前さんは……今は弓のことをなんとかしたら?」
九尾「そんなお節介してると……」
隊長「してると……?」
九尾「なんでもない」ハァ
隊長「溜息ついてどうしたのさ」
九尾「変に自覚させるともうお主が甘えてこん気がしてな」
隊長「俺は一生モフモフするけど」モフモフ
九尾「婚期を逃した女の嫉妬は凄まじいぞ」
妹「兄さん! 私にもモフモフさせてください!!」モフモフ
幼女「幼女もーーーッ!!」モフモフ
九尾「ほれほれ 妾は二人と一緒にモフ寝するゆえ」シッシッ
隊長「……モフ出された」
もう寝る
298: 2011/11/17(木) 21:38:41.61 ID:OlQknfbM0
冒険者の町を……の方は更に工口に魅力がないよ 工口CG使い回しだし
八尾「それでどうして私の家ににいるんですか?」
隊長「いや男の人を紹介しようと思って……」
八尾「えっ? 氏ぬんですか?」シュッシュッ
隊長「違います」
八尾「まあ話だけなら聞いてもいいですけど」フリフリ
隊長(尻尾が頻繁に揺れてる 興味がある印だ)
隊長「ってか俺の未婚で知り合いってそうはいないんだけど」
坊主「私です」
八尾「」
坊主「隊長さんに義理立てして来ましたが 私はコメを愛しています」
坊主「なので今 コメ以外に浮気することが出来ないのです」
八尾「」
坊主「だからごめんなさい 私はあなたと付き合うことが出来ません」
隊長「なんか告白してすらいないのにフラれてた」ガクガクガク
302: 2011/11/17(木) 21:53:52.56 ID:OlQknfbM0
隊長「はい! 次行きましょう!!」ボロボロ
八尾「次失敗頃す」
隊長「では超怖いのでお次の人どうぞ!!」
店主「なんでぇ一体」
八尾「おい」ガシッ
隊長「奥さんに先立たれて未婚 ダンディ 言うことなしでしょ」
八尾「良く考えれば……」
店主「なんだ 話ってそっちのことか」
隊長「そうなんですよ どうか前向きに……」
店主「嬢ちゃん 色々問題があるぜ 最終的には本人の問題だしな」
八尾「いえ 愛の前には障害など……」
店主「そうか まあ俺は覚悟さえあれば別に問題ないけどな」
八尾「じゃあ……ッ!!」
店主「勇者のことよろしくな」
八尾「」
303: 2011/11/17(木) 21:59:55.39 ID:OlQknfbM0
店主「勇者の奴も彼氏がいるって行ってたが」
店主「まさか寂しくて女に走るとはなあ……」シミジミ
八尾「」
隊長「」ガクガクガク
店主「世間の目は冷たいけどよ 俺はそういうこと気にしないからよ」ポンポン
八尾「なぜ私が坊主好きのレOキャラというレッテルを貼られてるんですか?」
隊長「……さあ?」ガクガクガク
八尾「これから更に男が近づかなくなる気がするんですが」
隊長「気のせいです きっと尼さん的なキャラが出てきます」
隊長「しかも男の娘です」キリッ
八尾「氏ねよクズ」ゴッ
306: 2011/11/17(木) 22:15:41.00 ID:OlQknfbM0
八尾「どうして私に関わるんだ 放っておけばいいだろう」
隊長「いやだって結婚出来ないの可哀想だと思って」
八尾「同情するならブチコロス」
隊長「待って待って!! もっとモブ的な村人探せばいるから!!」
八尾「もしかしてお前……」
隊長「50人も村人増えたのは伊達じゃない!!」
八尾「私のことが好きなのか?」
隊長「」
八尾「これまで色々世話を焼いてたのもすきゆえに」フリフリ
隊長「駄目だこの人 羊水から脳味噌まで腐ってる」
八尾「……確かにこの村の長だし家柄も問題ない」フリフリフリ
隊長「もしもーし!!」
八尾「末永くお願いします」フリフリフリフリ
隊長「たいへんなことになった」
310: 2011/11/17(木) 22:28:27.84 ID:OlQknfbM0
隊長「助けて九尾モ~~~ン!!」モフモフ
九尾「だから止めろと言ったのに」
九尾「それとモンはカタカナではなく”もん”で」ナデナデ
隊長「ってか一体なにがどうなったらあんな思考になるのか理解できない」
隊長「超スピードだとかそんなチャチなもんじゃないよ」
九尾「あれは思い込みが激しいタイプゆえ」ハァ
隊長「これ以上修羅場無理 助けて」
九尾「助けてやりたいのは山々なのだが」
九尾「ぶっちゃけお主らがくっつけば妾楽出来るゆえ」
隊長「止めて そんな一時の感情が俺を駄目にする」モフモフ
八尾「隊長様!!」
隊長「ヒィッ!!」
八尾「モフモフするなら私のでお願いします」モフモフ
隊長「たーすーけーてー」ズルズル
九尾「親離れしていく子供を見送る気分だの」
326: 2011/11/19(土) 15:09:43.85 ID:e1tH17uB0
副官「」モシャモシャ
弓「」モシャモシャ
鬼「」モシャモシャ
空「」モシャモシャ
八尾「主様 あーん」アーン
隊長「あ あーん……」モシャモシャ
八尾「美味しいか?」
隊長「……うん」
八尾「それは良かった」フリフリ
隊長(みんなが俺を好きだって手前)
隊長(いきなり女連れ込んでイチャコラしてたらなあ……)
327: 2011/11/19(土) 15:33:47.50 ID:e1tH17uB0
八尾「主様 添い寝でもどうですか?」
隊長「なにそれこわい」
八尾「夫婦となれば添い寝ぐらい普通です」
みんな「「」」ピクッ
隊長「落ち着いて これ以上は俺の命が危ない」
八尾「大丈夫です 私が守るので」スリスリ
隊長「殺される……」ガクガクガク
八尾「主様! タオルをどうぞ!!」
隊長「ありがとうってか仕事しよう」
八尾「私の仕事は主様のお世話ですので」
隊長「それは違います」
九尾「隊長になら八尾を任せられると思ってたが」
九尾「あそこまでくると逆に可哀想になってくるゆえ」
九尾「妾が動いてやるか」
328: 2011/11/19(土) 15:58:55.79 ID:e1tH17uB0
九尾「のう 八尾ちょっと」チョイチョイ
八尾「どうしたんですか九尾様」ニコニコ
九尾「お主 ここに来た頃は文句タラタラ言ってしかめ面だったのに」
九尾「今は良い笑顔をしてるの」
八尾「私は今 幸せを手に入れましたから」
九尾「だがその幸せも相手のことを想わんと――」
八尾「それに毎日主様との幸せを感じることが出来ますし」イヤンイヤン
九尾「」
八尾「昨日も私があげたご飯を美味しいって食べてくれたんですよ」
八尾「主様ってご飯を食べたときの平均噛み数が20回って知ってました?」
八尾「特に私が食べさせてあげた時は噛み数が上がるんです」
八尾「私が尻尾をモフモフさせてあげるって言った時なんかは最初は断るんですよ」
八尾「でもチラチラと見てて 私が触らせてあげましょうかっていうと嬉しそうに触ってくれるんです」
八尾「素直じゃない主様も可愛いですよね」
八尾「ところでところで 主様が労働した後に出す汗の匂いが良い匂いだということに気付きまして」
八尾「私が匂いフェチだと初めて気付きました 主様の発見だけでなく私の新しい発見まで出来るとは」
八尾「恋とはいいものですね」
九尾「うん そうじゃな!!」
330: 2011/11/19(土) 16:21:32.22 ID:e1tH17uB0
九尾「妾にはもうどうにも出来ん」
九尾「というより初代魔王様についでやたら女難の相が出ているというか」
九尾「……ハァ」
副官「隊長」
隊長「副官ちゃんどうしたの」ゲッソリ
副官「八尾さんとの関係に一々文句は言いませんが」
副官「せめて私たちの返事をハッキリしてからにして頂きたいんですが」
隊長「あぁうん ごめん」
???「そこまでだ!!」
隊長「……誰?」
親衛隊1「俺たちは八尾様親衛隊のものだ!!」
隊長「親衛隊? ってかそんなのいるの?」
親衛隊2「当たり前だ あのお方でモフモフしたいという願いを叶えるべく」
親衛隊3「俺たちは存在しているんだからな」
隊長「なんかデジャブ」
副官「まんま盗賊さんのかつてですね」
332: 2011/11/19(土) 16:33:05.46 ID:e1tH17uB0
隊長「人が増えたからファンも出来るってことか」
親衛隊1「ちなみに人数的に一番多いのは九尾様だ」
親衛隊2「あの人はモフ王様だからな」
隊長「モフ王とか惹かれるネーミング」ハァハァ
親衛隊1「次に多いのが空さんだな あれで強気口リだし」
親衛隊2「次は弓さんと鬼さんが同じぐらい」
隊長「なるなる」
親衛隊3「八尾様は今はそこまで人気はないが」
親衛隊1「いつかはきっと素晴らしいモフ様になると信じて疑わないのだ」
隊長「もしかして八尾さんを奪ったみたいな俺が憎いとか?」
親衛隊2「いや あのお方の新しい面が見られたのだ 感謝している」
隊長「そうなんだ」
副官「ところで私にはいないんですか? その……ファン的ななにか」チラチラ
お前ら「「HAHAHAHA~~~!! 絶壁にファンとかねーよ!!」」
副官「…………」
副官「」
隊長「」ガクガクガクガク
336: 2011/11/19(土) 16:43:44.60 ID:e1tH17uB0
親衛隊1「テレフォンショッピング~~~!!」
親衛隊2「や~~~!!」
親衛隊1「君たちは野菜なんかを切るとき 中々切れなくて困ったことはないかな?」
親衛隊2「あるある」
親衛隊1「そんな時はこの商品”ZEPPEKI”をオススメするよ」
副官「」
親衛隊2「胸なし価値なしのいらないものを集めたようなものでなにをするんだい?」
親衛隊1「これの上に切りたいものを置いて包丁を入れると……」スッ
親衛隊1「あら不思議!! 綺麗に切れました!!」
親衛隊3「おぉ~~~!!」
親衛隊1「これだけじゃあありません 例えばこの石を……」ヒュッ
副官「」バキッ
親衛隊2「おぉ!? 石が粉々に!!」
親衛隊1「強度も抜群! 城壁などに使えば鉄壁の守りを見せてくれるんだ!!」
親衛隊1「”ZEPPEKI”が3人いれば王国軍の勝利になると王様が戦後に言っていたのは」
親衛隊1「君たちの記憶のも新しいよね」
副官「」
337: 2011/11/19(土) 16:51:10.65 ID:e1tH17uB0
親衛隊2「でもお高いんでしょう?」
親衛隊1「我々も独自のルートを持っています 辺境村で鍛えられたこの商品……」
親衛隊1「なんと1隊長でお売りいたしましょう!!」バンッ
親衛隊3「oh~~~」
親衛隊2「おいおい ちょっとお高いんじゃないですか 凶暴でしょう?」
親衛隊1「いえいえ 今回は更に!! 胸パッドを4つ一緒におつけします」
親衛隊1「それで同じ値段でお売りしましょう!!」
親衛隊2「それは凄い!!」
親衛隊1「ご注文は下記の番号まで!!」
親衛隊2「俺もお母さんに二つ送るよ!!」
親衛隊3「この番組は辺境村のスポンサーの提供でお送りしました」
お前ら「「HAHAHAHA~~~!!」」
親衛隊1「」
親衛隊2「」
親衛隊3「」
隊長「止めて! これ以上は三人が氏んじゃう!!」
副官「離してください! こいつらもう生かしておけない!!」ガスッガスッ
340: 2011/11/19(土) 17:03:56.69 ID:e1tH17uB0
副官「隊長も胸が大きい方がいいんですか」グスッ
隊長「そんなことないよ 別に胸の良し悪しで決めないからさ」
隊長「ってか副官ちゃんは胸以外にも良いところが一杯あるでしょ」
副官「隊長……」
親衛隊1「恐らく幼女ちゃんよりも小さい胸」
親衛隊2「0は絶望 すべてを飲み込んでいく……」
親衛隊3「胸は置いてきた この戦いにはついていけない」キリッ
副官「コロス……」チャキ
隊長「落ち着いて!! 俺副官ちゃんの胸も愛せるから!!」
副官「隊長……」
親衛隊1「胸じゃない 絶壁!!」
親衛隊1「」
親衛隊2「」
親衛隊3「」
隊長「これ以上は氏んじゃうから駄目だって!!」
副官「コロスコロスコロスコロス」ガスッガスッ
342: 2011/11/19(土) 17:26:58.40 ID:e1tH17uB0
隊長「酷い目にあった」フゥ
弓「疲れた顔をしてるね 水でも飲むかい?」ハイ
隊長「ありがとう」
隊長「……」
弓「……」
隊長「弓さんって副官ちゃんから話聞いた?」
弓「まあね」
隊長「俺のことどう思ってるのかなあ……って?」
弓「恐らく好きだと思うよ 普通なら告白するぐらいにはね」
弓「でも他の人たちを見てると他の人より好きだって自信がないんだ」
隊長「……」
弓「私は見たとおり淡白な性格だからね 付き合って二人で暮らして」
弓「つまらない人間だと思われて捨てられるのが怖いんだと思うよ」
隊長「」
343: 2011/11/19(土) 18:04:35.49 ID:e1tH17uB0
隊長「俺は弓さんのこと結構好きだけどな」
隊長「色々物知りだしなんだかんだで纏め役だし」
隊長「この村にも俺にも必要な人だと思ってるよ」
弓「隊長さん……」
隊長「誰を選ぶかはもうちょっと待ってて欲しいんだけどね」アハハ
弓「私は隊長さんが誰を選ぼうと納得するつもりだよ」
弓「もちろん 私を選んでくれるのが一番いいけどね」
九尾「それでまた相談しに来たのか」
隊長「はいそうです」モフモフ
九尾「ただモフモフしに来ただけではなく?」
隊長「やはり毛並みが違う……」モフモフ
九尾「変に八方美人をしておるからこうなるんだ」
九尾「まあお主の場合は完全に無自覚だろうが」ハァ
隊長「モフモフ」モフモフ
九尾「耳を貸せ 良い方法を伝授してやる」ゴニョゴニョ
隊長「」
348: 2011/11/19(土) 19:03:34.28 ID:e1tH17uB0
隊長「みんなに話があるんだけどさ」
弓「どうしたんだい 改まって」
隊長「みんなからの告白を聞いて悩んだんだけどさ」
隊長「やっぱり俺には一人は選べない だってみんな好きだし」
隊長「だからみんなと結婚するとか……駄目かなあ……?」
みんな「「…………」」
副官「まあ隊長ですし」
弓「隊長さんだし仕方ないんじゃない」
鬼「隊長だしなあ」
空「仕方ないだろう」
隊長「俺だから仕方ないってなに? 傷ついちゃうよ」
副官「いえ ずっと隊長と過ごして来てみんな隊長のことが好きですから」
弓「そんな選択でもいいんじゃないかな 王族なら重婚も問題ないし」
鬼「まっ! 結婚してから一番にしてもらえばいいしな!!」
空「誰を差し置いていっておるんじゃ」
八尾「」
364: 2011/11/20(日) 23:41:28.00 ID:tN5Taqm70
八尾「私は嫌です」
副官「嫌とは……」
八尾「私は他の人に隊長様を盗られたくありません!!」ガシッ
隊長「えっ!? ちょっと!!」ズルズル
副官「連れて行かれましたね」
弓「そうだね」
鬼「まあ大丈夫なんじゃないか」
空「隊長じゃしな」
隊長「ねえここどこ?」
八尾「私の巣です」
隊長「確かに藁とかで作ってあるもんねー」
八尾「隊長様は私のことが好きなんですよね」
隊長「嫌いじゃないけど」
八尾「だったら問題ないですね!!」
366: 2011/11/21(月) 00:01:03.18 ID:7nvKwgtI0
隊長(誰か助けに来てくれないかなぁ)
隊長「ねえ 俺は帰りたいんだけど」
八尾「帰ったらあの人たちと結婚するんですよね」
隊長「まあ……」
八尾「だったら嫌です」キッパリ
隊長「俺のお願いでも嫌?」
八尾「駄目です 隊長様は私とここで一生暮らすんです」
隊長「」
隊長(手を縛られてるけど 短刀は回収されてないから逃げられないこともない)
隊長「俺は八尾さんと結婚しても良いと思ってるけど」
八尾「私以外の人は?」
隊長「結婚します」キリッ
八尾「それは駄目です」
隊長「」
367: 2011/11/21(月) 00:18:58.53 ID:7nvKwgtI0
隊長「俺はまあみんなが好きとか言っちゃう駄目男だよ」
隊長「でもそれで良いって言ってくれたみんなの期待には答えたいと思う」
八尾「」
隊長「俺はみんなと結婚したからって 誰かを重点的に愛すとか誰かを蔑むとか」
隊長「そんなことはしないよ」
八尾「」
隊長「だから開放して 一緒にみんなに謝ろう」
八尾「嫌です」
隊長「ですよねー」
八尾「それでは脱ぎ脱ぎしましょうか」ワキワキ
隊長「ちょっと意味がわかりません」
八尾「大人しくしてくださいね」ヌギヌギ
隊長「ちょっとやめてー!!」
カラン
371: 2011/11/21(月) 00:51:27.27 ID:7nvKwgtI0
>魔王の短刀
八尾「こんなものを隠していたんですか?」
隊長「触っちゃ駄目だ!!」
八尾「どうしてです……」ヒョイ
隊長「魔王の短刀は初代魔王の知識を与えるアイテムだ」
隊長「子供の頃の俺がここまで性格を変える程の情報が一気に流れてくるんだ」
八尾「頭が! いたいぃいいいいいい!?」ガンガンッ
隊長「早く縄をなんとかして!!」
ドンドン
九尾「なにさ 人が折角寝ておるのに」ゴシゴシ
隊長「九尾さん! 八尾さんが!!」
八尾「」
九尾「中にいれんさい」
375: 2011/11/21(月) 01:16:15.15 ID:7nvKwgtI0
隊長「大丈夫?」
九尾「知識を無理矢理詰め込んだからな 魔力が暴走してる」
九尾「ぶっちゃけ妾では全く手がつけられん」
隊長「妾ではってことはなんとか出来る人がいるってこと?」
九尾「……魔界の森にエルフたちが住む里がある」
九尾「そこの女王ならあるいは……」
隊長「だったら行ってくるよ!!」ダッ
九尾「ちょっと待ちなされ!! 場所もわからんだろうに」
隊長「そうだった」ストン
九尾「聞けばこれは八尾の自業自得と聞く」
九尾「妾は正直 このまま放っておいても良いと思っておるが」
隊長「確かにやったことは色々問題があるけど」
隊長「でも八尾さんが俺を好きって気持ちが本当ならその想いに答えてあげなくちゃ駄目でしょ」
九尾「……ハァ 面倒な性格だのう」
隊長「結構昔からそういわれてます」
376: 2011/11/21(月) 02:49:24.39 ID:7nvKwgtI0
九尾「確か村に妖精が来ておったろ」
隊長「木こりさんの嫁とかなんとかいう?」
九尾「そやつなら場所がわかるかもしれん」
隊長「ってか九尾さんは場所知らないの?」
九尾「エルフの一族は自分たち以外の種族は魔族含めて嫌いゆえ」
九尾「魔王軍に入っていなかった珍しい種族でもある」
隊長「もしかして遭遇したら殺されることも……」
九尾「流石にそこまではされんよ 精々記憶を消されるぐらいだが」チラリ
九尾「魔王の短刀を持っておればそれも避けられよう」
隊長「じゃあ早速行ってくるね」
394: 2011/11/22(火) 01:34:54.78 ID:HCJaTxsG0
隊長「木こりさーん!!」ドンドン
木こり「えっと隊長さん どうしたんですか?」
隊長「ちょっと妖精ちゃんに用があって……」
木こり「妖精ちゃーん!! 隊長さんが用事だって」
妖精「なによ 人が折角ご飯食べてる時に……」
隊長「実はちょっとしたお願いがありまして……」
妖精「……?」
妖精「絶対に嫌!! あんな野蛮な連中となんて関わり合いになりたくもないわ!!」
隊長「そこをなんとか……」
妖精「そもそもアタシたち妖精だってあいつらに薬の材料あげてるぐらいなんだから!!」
隊長「そこを曲げてくださいお願いします」ドゲザ
木こり「八尾さんは村の仲間だし 僕からもお願いするよ」
妖精「まあアンタが言うならやってあげてもいいけど……」モジモジ
隊長「ありがとう妖精ちゃん!!」ダキッ
妖精「なんでアンタが抱きついて――離れろ!!」
395: 2011/11/22(火) 01:46:28.04 ID:HCJaTxsG0
隊長「じゃあ妖精ちゃんを借りていきます」ヒリヒリ
妖精「行き帰りで一週間ぐらいかかるから」
妖精「まあ順調にいったらの話だけど」
木こり「じゃあ頑張ってきてね」
隊長「そういうわけでエルフの里にいってきます」
副官「それでは今回も私たちが同伴ということで」
弓「戦力は多いほうがいいだろう」イソイソ
妖精「なに言ってんの? アタシと隊長の二人で行くわよ」
みんな「「あぁん!?」」
妖精「ひぃっ!?」ビクッ
鬼「隊長さんが無差別なのは知ってるけど30cmの妖精は駄目だろ」ギリギリ
隊長「違う! やましいこと――痛い! 痛いから!!」バンバン
空「確かに二番目以降でいいとはいったが こうも平然と新しい女を連れてこられるとな」ザクザクっ
隊長「刺されるのは洒落にならないから!!」
396: 2011/11/22(火) 02:07:38.18 ID:HCJaTxsG0
妖精「あいつらは他種族 特に別々の種族が一緒にいるのが嫌いだから」
妖精「少数精鋭で行かなきゃ駄目なの!!」
副官「そういうことなら早く言ってくれれば良かったのに」
弓「みんなして無駄に攻撃しちゃったからね」アハハ
隊長「体以上に心が痛い」シクシク
妖精「急ぐんでしょ 幸い場所はここから近いから」
隊長「それじゃあ行ってきます」
みんな「「行ってらっしゃい!!」」
妖精「それとアタシはアンタの口説き文句には落とされないから!!」
隊長「口説き文句って……妖精ちゃんは木こりさんが好きなんじゃないの?」
妖精「なっ!? なんでアタシがあんな奴好きにならなくちゃいけないのよ!!」ガーッ
隊長「いやだっていつもいるし 一緒に暮らしてるから」
妖精「それはあいつがアタシなしだと何にも出来ない下僕のような存在だからよ!!」
隊長「そうなんだ」
400: 2011/11/22(火) 02:42:01.66 ID:HCJaTxsG0
妖精「言っておくけど エルフが襲ってきでもしたらアタシは逃げるからね」
隊長「それでいいよ それよりも2日ぐらい歩くつもりだから今の内に寝たほうがいいよ」
妖精「じゃあアンタの鞄の中に入れなさい そこで我慢するから」
隊長「はい」パカッ
妖精「うぅん……」ガバッ
隊長「起きた?」
妖精「えぇ 今は……」
隊長「食事休憩中 これが終わったらまた歩くつもり」
妖精「……そう」
隊長「スープ飲む?」
妖精「もらうわ」ゴクゴク
隊長「」モシャモシャ
402: 2011/11/22(火) 03:04:26.40 ID:HCJaTxsG0
隊長「妖精ちゃんは木こりさんとどうやって出会ったの?」
妖精「アタシが怪我をしてたところを助けてくれたのよ それで」
妖精「そうでもなくちゃ 人間の前には滅多に姿を現さない妖精と人間が一緒にいるわけないでしょ」
隊長「だから木こりさんが好きなんだね」
妖精「そう――なに言ってんのよアンタ!?」
隊長「違うの?」
妖精「だから違うって言ってるでしょ!!」
隊長「木こりさんが嫌いなんだ可哀想……」
妖精「嫌いとまでは言ってないでしょ!!」
妖精「えっと……そう! ペットぐらいには可愛がってるわ!!」
隊長「ツンデレ乙」
妖精「アンタは八尾のことが好きなの?」
隊長「……かもね」
妖精「かもねってハッキリしないわね」
403: 2011/11/22(火) 03:23:43.81 ID:HCJaTxsG0
隊長「今回のことは俺がハッキリしないから起こった事件だしね」
妖精「確かにそうかもしれないけど 八尾にも悪いところはあったでしょ」
隊長「妖精ちゃんは八尾さんと仲がいいの?」
妖精「まあ色々相談されてたわ 主に恋愛とか」
隊長「あぁなるほど」
妖精「あいつ 真剣にアンタのこと好きだったみたいよ」
妖精「慣れない化粧とかしてたし」
隊長「…………」
妖精「さあ! とっとと戻して告白しなさいよ!!」チクチク
隊長「わかったから針で突かないで!!」
404: 2011/11/22(火) 03:27:07.03 ID:HCJaTxsG0
数日後
妖精「ここらで既にエルフの敷地に入ってるわ」
隊長「ふ~ん なにか変わった感じはしなかったけど」
妖精「結界を越えたから奴らにもこっちの侵入は――」
隊長「――ッ!?」ガシッ
妖精「キャッ!? アンタなにすんのよ!!」
ストンッ
妖精「矢!?」
隊長「記憶を消すだけじゃなかったっけ?」
???「全員射れ!!」
隊長「逃げるよ!!」バッ
妖精「ちょっと!?」
隊長「えらく好戦的だね」
妖精「普段は無差別に攻撃なんてしてこないんだけど……」
405: 2011/11/22(火) 03:48:09.82 ID:HCJaTxsG0
ヒュンヒュン
妖精「このまま逃げて体勢を立て直すの?」
隊長「それだと八尾さんが間に合わなくなるからね」
隊長「君はそこの木の影にでも隠れててよ」
妖精「隠れててよって アンタはどうするのよ」
隊長「平和的に話し合いをしてくる」クルリ
妖精「はあ!? 矢の中に突っ込んだ!?」
隊長「こういう戦闘での定石は!!」ダッ
???「なんだあいつは! 早く止めろ!!」
隊長「指揮官を先に狙う!!」チャキ
???「なっ!? キサマ……ッ!!」
隊長「さっきから煩く叫んでる君が指揮官だよね」ギリギリ
???「汚らわしい蛮族がこの私の体に……」
???「エルフ長様!!」ギリッ
隊長「攻撃したら頃すよ 割と本気で」
エルフ長「止めろ! こいつは本気だぞ!!」
406: 2011/11/22(火) 03:53:40.24 ID:HCJaTxsG0
隊長「エルフの女王様に会わせてもらいたいんだけど」
エルフ長「誰がキサマなんかに……ぐぇっ!」
隊長「話を聞いてもらいたいだけなんだ」
エルフ長「わかった! 話を通す!!」
隊長「ほら妖精ちゃん 平和的に解決したよ」パッ
妖精「」
エルフ長「こっちだついて来い」
隊長「聞きたいんだけど どうしていきなり攻撃してきたの?」
エルフ長「我々にも色々ある 一々それに答える義務はないだろう」
隊長「それともう一つ聞きたいんだけど」
エルフ長「……」
隊長「エルフってみんな胸が小さいの?」
エルフ長「なっ!? どこを見ている!!」バッ
エルフ1「違う! エルフ長様が特別に小さいだけだ!!」
エルフ2「そうだそうだ!! ちっぱいでなにが悪いんだ!!」
407: 2011/11/22(火) 03:58:35.88 ID:HCJaTxsG0
エルフ1「」
エルフ2「」
エルフ長「早く行くぞ!!」ザッザッ
隊長「妖精ちゃん」ボロボロ
妖精「なによ……」
隊長「エルフと人間はわかり合えるってことが証明されたよ」ボロボロ
妖精「むしろ印象は最悪だと思うんだけど」ハァ
エルフ長「ここがエルフの里だ」
隊長「外見的には俺たちの村とそんなに変わらないね」
妖精「村なんてどこも同じようなものでしょ」
隊長「そうかな この村はなんというか……もっと落ち着いた雰囲気がある気が」
妖精「エルフは精霊魔法を使うから」
隊長「普通の魔法となにか違うの?」
妖精「自然を味方にする魔法よ その力が働いてるんでしょ」
隊長「なるほど」
408: 2011/11/22(火) 04:01:25.85 ID:HCJaTxsG0
エルフ長「女王様 人間と妖精を連れてきました」
エルフ女王「入れなさい」
隊長「こんにちは」
エルフ女王「隊長 あなたは下がりなさい」
エルフ長「はい」
隊長「はい」
妖精「ちょっとちょっと!! アンタは下がっちゃ駄目でしょ!!」
隊長「いやだって 隊長は下がれって」
妖精「あいつは”エルフ隊長” アンタは普通の隊長でしょ!!」
隊長「なるほど」ポンッ
エルフ女王「それで話を聞きましょう」
隊長「えっと……かくがくしかじかで」
409: 2011/11/22(火) 04:04:31.90 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「魔王の短刀を掴んだら意識がなくなったと」
隊長「そうです なんとか出来そうですか?」
エルフ女王「まあ私ならなんとか出来るでしょう」
隊長「良かった」ホッ
エルフ女王「しかし なぜ私があなたのような汚らわしい人間と会談の席を持ったと思いますか?」
隊長「俺に一目惚れ」キリッ
エルフ女王「氏ね」ヒュン
隊長「ぐぇっ!?」ベタン
妖精「アンタ馬鹿ね」
エルフ女王「エルフの里は今 ちょっとした危機に陥っています」
妖精「それをアタシたちで解決しろってこと」
エルフ女王「そうです」
隊長「」
410: 2011/11/22(火) 04:09:46.81 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「妖精 あなたは人間との関わりが強いみたいですけど」
エルフ女王「どうして我々が他種族を嫌っているか知っていますか?」
妖精「自分たちの血統ゆえじゃないの?」
エルフ女王「そうです 他種族との間に子を成せばどちからの血が濃く出ます」
エルフ女王「あなた達にも覚えがあるのでは?」
隊長「確かに幼女ちゃんは竜族と人間のハーフだけど殆ど竜族だ」
エルフ女王「特に人間と魔族の間の子供は魔族寄りになりやすいのです」
妖精「ってことは人間と魔族が子供を作り続けたら……」
エルフ女王「いつか魔族だけの世界になるでしょう」
隊長「」
エルフ女王「それだけならまだいいのです」
隊長「まだなにか問題が?」
エルフ女王「時に人間と魔族の子は人間でも魔族でもない全く別の種族が生まれることがあります」
妖精「なにそれ」
エルフ女王「あなたはそれがなにか知っていますね」
隊長「……初代魔王」
411: 2011/11/22(火) 04:15:37.40 ID:HCJaTxsG0
エルフ女王「そうです 無限に近い魔力を持ち 殺されでもしない限り不氏の存在」
エルフ女王「幸いなのは子を残したら魔族か人間どちらかになるという点ですか」
隊長「もしかして俺たちに頼みたいのって……」
エルフ女王「それに近い存在 我々はダークエルフと呼んでいる者の討伐です」
隊長「えっと エルフの方々がどんなに頑張っても勝てなかったんですよね」
エルフ女王「えぇ ですが初代魔王が使ったとされる魔族の短刀の持ち主であるあなたならあるいは……」
妖精「どうすんのよアンタ……」
隊長「受けさせてもらいます」
エルフ女王「そういうと思いました 護衛には彼女を付けましょう」
エルフ長「……」
隊長「女王様 一ついいでしょうか?」
エルフ女王「なんですか?」
隊長「この里では胸の大きさで身分が決まったりとかしてるんですか?」
エルフ女王「」ボイン
エルフ長「」ペターン
妖精「」フツー
寝るか
440: 2011/11/23(水) 16:10:14.06 ID:PLhX38iL0
こんなよびかた あんなよびかた そんなのひとのかって >>1はハチビって呼んでるけどまあなんでもいいんじゃない
エルフ長「本当はキサマら蛮族の力なぞ借りたくないが仕方ない」ハァ
妖精「相手はそんなに強いの」
エルフ長「……まあな」
妖精「ところで隊長はどこに行ったの?」キョロキョロ
幼エルフ「なんでにんげんがここにいるのー!?」
隊長「女王様に泣きつかれちゃってね」
幼エルフ2「うそつけー!! ニンゲンとエルフははなさないってカーチャンがいってたんだからな!!」
隊長「バレたか 実は俺は……お前たちエルフを食べに着たんだー!!」ガオー
幼エルフ「きゃーーーっ!!」
エルフ長「やめんか」パシンッ
隊長「いたっ!?」バタン
エルフ長「子供相手になにをしているんだ まさに蛮族だな」
幼エルフ「お姉ちゃんありがとー!!」
エルフ長「当然のことをしたまでだ」フン
441: 2011/11/23(水) 16:19:57.02 ID:PLhX38iL0
エルフ長「ここがキサマらが泊まるところだ」
隊長「わーい! お馬さんと一緒だよ!!」
妖精「馬小屋とかマジで舐めてるわね」
エルフ長「蛮族を泊める物好きな家などない」
エルフ長「明日は朝から出るんだ 良く寝ておけ」バタン
妖精「本当に腹立つわね!! このアホと妖精のアタシを一緒にするな!!」プンプン
隊長「はぁあ~~~~」ドシン
妖精「アンタも馬鹿なことばっかりやってるし!!」
隊長「馬鹿を装っておけば後々楽になることもあるの」
隊長「それと妖精ちゃんの鱗粉には回復効果があったりする?」
妖精「まあ……気休めだけど」
隊長「じゃあお願いしていいかな」ペラリ
妖精「ちょっとアンタ! 酷い傷じゃない!! ここなんて矢が刺さりっぱなしになってるし!!」
隊長「抜いたら出血するからね 根元以外は圧し折ったんだけど」ハァハァ
447: 2011/11/23(水) 23:01:23.06 ID:PLhX38iL0
妖精「そんな怪我しながら馬鹿やって馬鹿じゃないの?」
隊長「俺は無理しても多少は大丈夫だけど」
隊長「八尾さんは無理しすぎないと間に合わないかもしれないし」
妖精「今日これから依頼の件を黙ってすませに行こうとか考えてないでしょうね」
隊長「流石にもう動けません 今日はここで休みます」アハハ
妖精「でも傷の手当てぐらいはもう少し早くやれば良かったでしょ」
隊長「そんなことしたら エルフの人たちが遠慮しちゃうから」
妖精「……アンタ本当に馬鹿ね」
翌日
隊長「傷口がもうあんまり痛くない!!」
妖精「痛くなくても激しく動いたら傷口が開くからね」
隊長「無理はしないよ無理は」
妖精「嘘くさいわね」
448: 2011/11/23(水) 23:12:17.90 ID:PLhX38iL0
エルフ長「それでは行くぞ」
隊長「ダークエルフさんは歩いてるとエンカウントするの?」
エルフ長「ここの結界と同じように奴にも自分の縄張りがある」
妖精「そこの縄張りにいけばいいわけね」
エルフ長「言っておくが 止めは私が刺す」ギリッ
隊長「なにかありそうだけど もしかして恋人が殺されたとか」
エルフ長「奴は確かに強いが誰かを頃したことは一度もない」
エルフ長「もう二度と戦いたくないって兵士は結構いるがな」
隊長「」
妖精「アンタ顔が真っ青よ 大丈夫?」
隊長「いや そんな恐ろしいのと戦いに行くかと思うとね」
妖精(どう考えても傷口が塞がってないからでしょうが)
449: 2011/11/23(水) 23:21:45.10 ID:PLhX38iL0
エルフ長「ここから先が奴の縄張りだ」
隊長「じゃあ入ろうか――ぐぇっ!?」
エルフ長「待て待て 対策はなにかいらないのか?」グイッ
隊長「まずはなにより一度戦ってみないと どうせ殺されないんだし」
妖精「アンタのその能天気さは誇っていいと思うわよ」
隊長「じゃあ入るよー」ザッ
ドスッ
妖精「ひぃっ!?」ビクッ
隊長「木で出来た槍だ」ズボッ
???「タチサレタチサレ」
隊長「じゃあ行こうか」ザッザッ
エルフ長「なあ あの蛮族はいつもあの調子なのか?」
妖精「まあね 隊長が好きとかいってる奴の気がしれないわ」ハァ
464: 2011/11/25(金) 18:25:53.39 ID:d0C+c+f00
???「タチサレタチサレ」パクパク
隊長「なんか褐色っ子を発見した」ドキドキ
妖精「あれが噂のダークエルフってわけ?」
エルフ長「そうだ 気をつけろよ」
隊長「一ついいかな?」
エルフ長「……なんだ?」
隊長「褐色っ子を見てからドキドキが止まらない」ドキドキ
エルフ長「」
妖精「」
ダーク「」ニコッ
シュンッ
隊長「――ッ!?」キンッ
妖精「隊長!?」
隊長「なにあの槍 伸びたんだけどゴムゴムの実でも食べてるの!?」
465: 2011/11/25(金) 18:34:50.43 ID:d0C+c+f00
エルフ長「あれが我々が使う精霊魔法だ」
エルフ長「今のは地の精霊に語りかけ 槍の木で出来ている部分を一時的に成長させたんだ」
隊長「便利能力すぎじゃない リーチ長いじゃん」
エルフ長「逆にいえば懐に入りさえすればなんとかなる」
隊長「もしかしてエルフって近距離苦手?」
エルフ長「……聞くな 仮に付け焼刃でやろうとも奴には勝てない」
隊長「最もだね じゃあ援護は任せた!!」ダッ
ダーク「」ニコニコ
隊長(この子ヤバイ 短刀がどんな攻撃も切れると否や受け流すことに切り替える機転)
隊長(リーチの差は確かにあるけど それを差し引いても実力の差がありすぎる!!)
キンッ
隊長「ナイス援護!!」バッ
エルフ長「どうだ?」
隊長「旗色が悪いです」
妖精「アンタの顔色もマッハでヤバイけど」
466: 2011/11/25(金) 18:47:19.50 ID:d0C+c+f00
隊長「エルフ長さんさ 彼女の手を狙える?」
エルフ長「隙があればなんとか」
隊長「じゃあ隙を作ってくる!!」ダッ
ギンッ
ダーク「」ニコニコ
隊長「割かし余裕だよね」ガッガッ
隊長「でもこれならどうかな!!」グイッグイッ
ダーク「――ッ!?」
妖精「あいつ! あんなに近づいて馬鹿なの氏ぬの!?」
エルフ長「いや 奴は人を殺さない それならギリギリまで近づいても問題は――」
妖精「そうじゃないの!!」
ダーク「」タジタジ
隊長「これな……あれ?」
グサッ
469: 2011/11/25(金) 22:29:13.25 ID:d0C+c+f00
隊長「怪我してなければ大丈夫だったんだけど……」ドサリ
妖精「隊長!!」
ダーク「」ガシッ
妖精「ちょっとアンタ!!」
ダーク「……」ジッ
エルフ長「……ちゃんと返せよ」
ダーク「」バッ
隊長「」ズルズルズル
仕事入ってくる
478: 2011/11/27(日) 16:29:43.62 ID:NJte5uOG0
「キャンプはなに食うの? カレー?」
「…カレーに勝るものがあるのか?」
「無いよ」
その後もよつばカレー好きだとかそんな話があるし よつばと買うしかないね
良く見たらよつばの髪の色もオクラ色だし 素晴らしいね
479: 2011/11/27(日) 16:30:32.54 ID:NJte5uOG0
隊長「……んぅ」バサッ
ダーク「すぅすぅ」
隊長「起きたら目の前に褐色っ子が!!」
隊長「そして近づき過ぎてて顔が涎塗れに!!」ベタベタ
隊長「美少女の涎……ないな」ベタベタ
ダーク「zzzz」
隊長「家か……この子の住処っぽい」
隊長「ヤバイな 人質かと思ったけどエルフさんたち容赦なく俺まで頃しそう」
隊長「取りあえずここがどこなのか確認しよう」
ガチャ……バタン
隊長「扉を開けたらそこから先に足場がなかった」
隊長「ここ多分 巨木の上に立ってる」ガクガクガク
480: 2011/11/27(日) 16:35:02.32 ID:NJte5uOG0
隊長「逃げられないのはわかったし なぜか傷が全くなくなってることから」
ダーク「zzzz」
隊長「この涎製造機ちゃんが治療してくれたのは明白」
隊長「頃すなりなんなりするなら直ぐに出来ただろうし 少し話を聞いてみよう」ペチペチ
ダーク「zzzz」
隊長「おきてー」ペチペチ
ダーク「」ガバッ
隊長「おはよう 俺が誰だかわかる?」
ダーク「」クビカシゲ
隊長「さっきも思ってたけど もしかして喋れないの?」
ダーク「」コクコク
隊長「でもこっちが言ってることはわかる?」
ダーク「」コクコク
隊長「これから色々質問していい?」
ダーク「」クビカシゲ
隊長「これから色々お話していい?」
ダーク「」コクコクコク!!
隊長「なにこの生物 可愛いわ」
481: 2011/11/27(日) 16:40:11.76 ID:NJte5uOG0
隊長「君はここに一人で住んでるの?」
ダーク「」ブンブン
隊長「もしかして他に誰かいるとか?」
ダーク「」ユビサシ
隊長「……あぁ 俺も既に涎製造ラインに組み込まれてるんだ」
隊長「涎を出すだけの簡単なお仕事です」
ダーク「」パチパチ
隊長「なぜか拍手された」
隊長「この家を作ったのも精霊魔法?」
ダーク「」パチン
ゴゴゴゴゴ
隊長「床から木製の椅子が生えてきた」
ダーク「」エッヘン
隊長「なにその魔法超便利」
482: 2011/11/27(日) 16:45:50.74 ID:NJte5uOG0
隊長「それでどうしてエルフさんたちと戦ってるの?」
ダーク「」クビカシゲ
隊長「エルフさんたちと喧嘩してる?」
ダーク「」ブンブンブン
隊長「やっぱり違うのか もしかして……」
妖精「遊んでるですって!?」
エルフ長「そうだ こちらが幾ら本気を出そうとあちらは遊んでいる程度の感覚なんだ」
エルフ長「矢で刺そうにも刺さらない」
妖精「魔法があるじゃない」
エルフ長「人間や他の魔族が使う魔法と精霊魔法は種類が違う」
エルフ長「精霊の力を借りる以上 それらはより強い力を手伝うに決まっているだろう」
妖精「精霊魔法じゃ倒せないって?」
エルフ長「そも私たちも勝てるとは思っていない 幸いなのはあっちが遊びだと思っていることか」
妖精「アンタたちも難儀ね」
483: 2011/11/27(日) 16:52:35.65 ID:NJte5uOG0
隊長「お腹空いた」ぐぅ~~
ダーク「」チョイチョイ
隊長「もしかして食べ物をくれるの?」
ダーク「」コクコク
隊長「ヤバイ 本格的にこの家の子になっちゃいそう」
ダーク「」メシアゲレ
隊長「目の前にあるものが蛙とか蛇じゃなければもっと良かったけど」
隊長「昔は訓練とかで食べさせられてたけど」
隊長「こう考えると村の食べ物って結構良い物が多いんだよね」
ダーク「」グイッグイッ
隊長「それと口に押し付けないで! 蛇が唇噛んでるから!!」
484: 2011/11/27(日) 16:57:11.55 ID:NJte5uOG0
隊長「まあこんな時のために携帯食料は持ち歩いてる」
隊長「村の野菜種!!」パンパカパーン
ダーク「」クビカシゲ
隊長「この種を土のあるところに……土出せる?」
ダーク「」パチン
隊長「本当に便利だね その魔法 それで埋めると」パンパン
隊長「そこに水をあげるとあら不思議 3分で野菜が出来るんです」
ダーク「」パチパチ
隊長「ちなみにこれ 収穫終わった後に根っこごと消さないと魔物になります」
隊長「火を出してもらっていい?」
ダーク「」パチン
隊長「ありがとう」
485: 2011/11/27(日) 17:05:37.29 ID:NJte5uOG0
隊長「はい! これが村の名物野菜スープです!!」
ダーク「」クンクン……ペロッ
ダーク「」アツッ
隊長「舌で直接食べるからだよ スプーン使って」ハイ
ダーク「」プルプル
隊長「スプーン使ったことないんだ じゃあ食べさせてあげるよ」アーン
ダーク「」パクリ モシャモシャ
ダーク「」パァァ
隊長「美味しかった?」
ダーク「」コクコクコク
隊長「それは良かった」
ダーク「」ニコニコ
487: 2011/11/27(日) 17:37:39.53 ID:NJte5uOG0
隊長「さてこれからどうするか……」
ダーク「」ペロペロ
隊長「餌付け一回で凄い懐かれてるし」
隊長「一番いいのはウチの村に引き込むことだけど」
隊長「いざとなったら九尾さんとかいるし」
ダーク「」ペロペロ
隊長「ダークちゃんはさ 俺の村で一緒に暮らすつもりはない?」
ダーク「……?」
隊長「美味しいご飯が食べられる村があるけど行く?」
ダーク「」コクコクコク
隊長「この子の将来が心配だ 特に坊主辺りの影響をモロに受けそうな」
隊長「守ってあげよう 全力で」
492: 2011/11/27(日) 17:58:11.50 ID:NJte5uOG0
隊長「ダークちゃんを村に連れ帰る 薬を持ち帰る」
隊長「両方やらなくちゃいけないのが隊長の辛いとこだね」
ダーク「」クビカシゲ
隊長「ところでこの家からどうやって下りればいいの?」
ダーク「」ヒュッードスンッ!!
隊長「20mぐらい落下して無傷とかないです」
ダーク「」オイデオイデ
隊長「無理です 割と普通な人間は氏んでしまいます」
ダーク「」ピョイピョイ
隊長「普通に足を引っ掛けて上ってくるとか」
隊長「マジで戦ってたら3秒で氏んでたね 俺が」
ダーク「」クビカシゲ
493: 2011/11/27(日) 18:02:35.66 ID:NJte5uOG0
ダーク「」トントン
ピョコ
隊長「なんか板が生えてきた」
ダーク「」ピョン
ウィイイイイイイン
隊長「板に乗ると勝手に下りてくれるのか 万能すぎワロタ」
隊長「ありがとう」ナデナデ
ダーク「」キュー
隊長「さて ちょっとだけでいいから髪をもらっていい?」
ダーク「」コクコク
隊長「髪を切って これを首の変わりに見せればいいか」
隊長「それでも俺の言葉じゃ信憑性がないからエルフ長さんを抱きこむしかないな」
ダーク「」クビカシゲ
502: 2011/11/28(月) 02:17:30.11 ID:H1yfM0290
隊長「エルフ長さんたち見つけた!!」
妖精「隊長生きてたの?」
隊長「エルフ長さ~ん!! 怖かったよーーー」ダキッ
エルフ長「」
隊長「ぐすっ……ねぇこうやって抱いてもいいでしょ?」ウルウル
エルフ長「」ドスッドスッドスッ
隊長「」
妖精「気持ちはわからなくもないけど これ以上は氏ぬわよ!!」
503: 2011/11/28(月) 02:22:31.77 ID:H1yfM0290
エルフ長「それでダークを自分の村に連れ帰りたいから私に虚偽の報告をしろと」
隊長「まあそうだね」
ダーク「」コクコク
隊長「このまま倒せない相手と永遠戦うより有意義だと思うけど」
エルフ長「駄目だ」
隊長「そこをなんとか……」
エルフ長「駄目だ」
ダーク「」ショボーン
妖精「昨日も隊長が言ってたけど エルフ長ちょっとこの子に対して私怨みたいなのもってない?」
エルフ長「それは……」
隊長「実は姉妹だって設定があったりとか」
エルフ長「それはない……だが昔から仲が良かったということはある」
隊長「幼馴染か」
505: 2011/11/28(月) 02:41:04.08 ID:H1yfM0290
エルフ長「いくら私たちが掟を破ったからといって 勝てない相手をどうして執拗に追いかけると思う?」
隊長「この子の力を悪用されないため?」
エルフ長「そうだ 莫大な魔力や戦闘能力に加え 精霊魔法は使いようによってはかなりの便利さを誇る」
エルフ長「それにこいつは人を疑うということを知らないからな」ナデナデ
ダーク「」キュー
エルフ長「この子を連れて行くといったが キサマはこの子の力を悪用しないのか?」
隊長「それは信用してもらうしかない」キリッ
妖精「じゃあ逆に聞くけど 今まで隊長を見てきてこいつが悪用出来ると思うの?」
ダーク「」ペロペロ
隊長「」ベタキリッ
エルフ長「大丈夫そうな気がしてきた」
隊長「おい」
506: 2011/11/28(月) 02:53:55.26 ID:H1yfM0290
エルフ長「それにこいつも一人より沢山の人間と一緒に暮らすほうがいいか」ナデナデ
ダーク「」ニコニコ
エルフ長「いいだろう 手伝ってやる」
隊長「ありがとうございます!!」
エルフ女王「それで氏体は埋めて髪だけ持ってきたと」
隊長「そうです」
エルフ長「女王様 私も確認しているので間違いないかと」
エルフ女王「そうですか……ではこちらが薬になります」
エルフ女王「水に溶かして飲ませれば効くハズです」
隊長「ありがとうございましたー」ヘヘー
エルフ女王「それでは後は頼みましたよ」
隊長「はい!!」
508: 2011/11/28(月) 03:02:36.08 ID:H1yfM0290
妖精「案外すんなりいったわね」
隊長「まあ俺の予想が正しければエルフ女王様も気付いてたんじゃないかな」
妖精「まっさかー」
隊長「まあその辺りは気にしない方向で」
エルフ長「女王様 今回のことは私に責任があります」
エルフ女王「いえいいんです 私も掟とはいえ酷いことをしたと思っていますから」
エルフ長「私たちが一枚岩であるために女王様は……ッ!」
エルフ女王「いいのです これであの子も幸せになれるでしょう」
隊長「そういうわけで村まで走っていこうか」
ダーク「」コクコク
妖精「アンタ凄いお気楽な思考してるとこ悪いけど」
妖精「女の子連れ帰ったら殺されるんじゃない」
隊長「そうだった」ガクガクガク
妖精「忘れてたのか」
510: 2011/11/28(月) 03:22:17.61 ID:H1yfM0290
ドンドン
九尾「なんだ主様か ちゃんと貰ってきたのか?」
隊長「もちろん! これを水に溶かして飲ませてだって」ハイ
九尾「ふむ これで大丈夫だろう エルフの秘薬は信用出来るゆえ」
九尾「ところで一つ聞きたいのだが……」
隊長「どうしたの?」
九尾「後ろの娘っ子は誰ぞ?」
ダーク「」ニコニコ
隊長「久しぶりにモフたまる」モフモフ
九尾「なるほど 確かに良く見れば魔王様のような魔力を感じるの」ナデナデ
ダーク「」ウズウズ
九尾「お主もモフるか?」
ダーク「」モフモフモフモフ
妖精「なにこれ」
522: 2011/11/30(水) 12:33:23.99 ID:1HCN/lnK0
妖精「じゃあアタシはそろそろ帰るから」
ダーク「」ガシッ
ダーク「」ペロペロ
妖精「離しなさいよ!! ってか涎臭い!?」
隊長「あははっ! 帰って欲しくないんだって」
妖精「笑い事じゃないでしょ! アタシが涎で大変なことになる前に助けなさい!!」
隊長「それじゃあありがとね」
妖精「もう二度と行かないわよ」ベトベト
九尾「どうやらこやつは少々思考が幼いようだの」
隊長「どんな教育受けてたかは知らないけどね」
ダーク「」モフモフ
524: 2011/11/30(水) 12:42:19.87 ID:1HCN/lnK0
九尾「まあ八尾は直ぐに目覚めるわけでもないから 今日は帰って寝んさい」
隊長「いや今日ぐらいは八尾さんの看病をしていたいからさ」
ダーク「~~~♪」ペロペロ
隊長「それに久しぶりに九尾さんと話していたいし」ニコッ
九尾「色々言いたいことはあるが 八尾の顔がベトベトだし」
八尾「う~んう~ん」ベトベト
九尾「それに帰りたくないのは別の理由があるのではないか?」
隊長「ギクッ!! ソンナコトアリマセンヨ」
九尾「下手な世辞を使わねば黙っておったのに」
九尾「恐らくそこのエルフを連れ帰ったらボコボコにされるだろうとか」
隊長「なにか策を授けてください!!」ドゲザ
九尾「無理だの 諦めてボコボコにされい」
隊長「ですよねー」ハァ
525: 2011/11/30(水) 12:53:00.26 ID:1HCN/lnK0
隊長「俺が連れてきた手前 誰かに預けるなんて出来ないもんな」
ダーク「」ニコニコ
隊長「幸いなのは余計なことを喋らないことか これ以上泥沼になられても困るし」
隊長「ただい――」
副官『隊長は遅いですね』
鬼『そろそろ帰ってきてもいいと思うんだけどな』
隊長「中の音が聞こえてくる みんな心配してくれ――」
弓『問題は隊長さんが何人女の子を連れて帰ってくるかだよね』
空『相手は堅物のエルフとはいえ 恐らく2.3人は固いじゃろうな』
隊長「俺ってそんなに信頼ないのかな ないよね」ハァ
ダーク「」クビカシゲ
526: 2011/11/30(水) 13:03:32.10 ID:1HCN/lnK0
隊長「でも誠意を持って話してくれれば許してくれるよね 別に結婚するわけじゃないし」
ダーク「」ニコッ
副官『何より腹立しいのは私たちの返事を有耶無耶にして出て行ったことですね』
弓『うむ 私たち全員を幸せにすると言った手前 いきなり女でも連れ込んだら』
鬼『ミンチになるかもしれねぇな』
隊長「こ 殺される」ガクガクガク
ダーク「」クイックイッ
空『まあ皆落ち着け よく言うじゃろう』
空『浮気をせん夫もいいが 全くせんと男として魅力がないと』
隊長「空ちゃんが良いことを言いました 覚えておいてね」
ダーク「」コクッコクッ
副官『甘いです!! そんなことを許していたら嫁が二十人ぐらい出来ますよ』
空『それは嫌じゃな』
隊長「」
528: 2011/11/30(水) 13:33:33.39 ID:1HCN/lnK0
ガタッ
副官「誰です!?」ガラッ
弓「おや 隊長さんじゃないか」
隊長「ただいま」アハハ
鬼「久しぶりに顔を見た気がするぜ!!」
空「そうじゃな」
隊長「遅くなっちゃったみたいでごめんね」
副官「それで後ろにいる女の人は誰ですか?」
隊長「」
ダーク「」ニコニコ
隊長「エルフの里で拾いました」
弓「最近のエルフは落ちてるものなんだね」
みんな「「あはははははっ!!」」
ボコッガスッゴッ
529: 2011/11/30(水) 13:47:40.98 ID:1HCN/lnK0
副官「全く そういう事情があるなら先に言えばいいでしょう」
空「ほれ 無駄に殴ってしまったじゃろうに」
隊長「本当に無駄に殴られたよね それとダークちゃんは舐めないで」ボロボロ
ダーク「」ペロペロ
鬼「それで隊長さんはこいつも嫁にするのか?」
隊長「えぇっと この子はどっちかというと子供みたいな感じかな」
弓(ということは……)
空(この娘っ子を籠絡したものが本妻に……)
ダーク「……?」クビカシゲ
弓「ほらお姉さんがお菓子をあげよう」
空「我に存分に甘えるがよいぞ」
ダーク「」モシャモシャ
530: 2011/11/30(水) 13:56:49.54 ID:1HCN/lnK0
副官「なるほどそういうことですか」
副官「ダークさん 私がお母さんですよ」ダキッ
隊長「お母さんってそんな……」
鬼「どういうことだ?」
ダーク「」ゴツゴツ
弓「なんか凄い苦しそうにしてない」
空「抱きつき方に不自然なところはないはずじゃがな」
ダーク「」バッ
副官「あっ!?」
ダーク「」トテトテダキッ
鬼「おいおい 俺の胸の方がいいのかよ」
ダーク「」ギュー
弓「やっぱり絶壁は嫌だったんだ」
空「抱きつくだけでダメージを与えるとは ゴツゴツメットとかあったしな」
副官「」チャキ
隊長「落ち着いて! 悪気はないんだから!!」
531: 2011/11/30(水) 14:12:36.48 ID:1HCN/lnK0
隊長「ほら! 俺は副官ちゃんのそういう所も含めて好きって言ったろ」ギュー
副官「隊長……」
弓「最近では胸のネタが鉄板になってるよね」
空「それを言うなら鉄板ではなく絶壁じゃろうて」
弓・空「「あっはっはっは!!」」
副官「ブッコロス!!」チャキ
隊長「お願いだからこの子を刺激しないで!!」
鬼「ほれほれ 可愛いな」コショコショ
ダーク「~~~♪」キュー
弓「妹ちゃんといい盗賊さんたちといい 鬼はやたら子供にモテるね」
空「盗賊は子供でいいのか?」
副官「子供みたいなものでしょ」
辺境村 村人76人
537: 2011/12/01(木) 15:36:02.28 ID:sntDsFXj0
隊長「九尾さん 八尾さん起きた?」
九尾「もうそろそろ起きそうなんだがの」オチャー
ダーク「」ペロペロ
隊長「ほら ダークちゃんも早く起きて欲しいって」
九尾「顔がベタベタになっておるがの」
八尾「ベタベタ!?」ガバッ
隊長「ダークちゃんの涎のお陰で起きたよ やったねダークちゃん!!」ナデナデ
ダーク「」ムネハリ
九尾「顔はベタベタだがの」
隊長「でも本当に良かったよ」ハァ
八尾「私は一体……」
538: 2011/12/01(木) 15:44:53.39 ID:sntDsFXj0
九尾「とまあそういうことがあったゆえ」
九尾「ゆめゆめ忘れることなく反省することだの」
八尾「はい 皆様にも色々お世話をかけました」ペコリ
隊長「後でみんなにも謝ろうね」
九尾(主様はこの辺り寛容そうだが このままだと再犯しそうだの)
九尾(初代魔王様といい女性関係にはこと欠かんというのに)ハァ
八尾「ところでこの私の顔を舐めてる生物はなんですか?」ベタベタ
ダーク「~~~♪」ペロペロ
隊長「色々あって拾ったんだけど なんか八尾さんに懐いてるね」
八尾「いや邪魔なんですが ハッキリ言うと」グイッ
ダーク「」クビカシゲ
八尾「あの……」
ダーク「」モフモフモフ
540: 2011/12/01(木) 16:15:34.83 ID:sntDsFXj0
八尾「やーめーなーさーいー!!」
ダーク「~~~♪」モフモフ
九尾「……」
隊長「どうかしたの?」
九尾「いやただの 妾と初代魔王様の関係に似ておると」
隊長「なんか……婆臭い言い回しだね」
九尾「」モフンッ
隊長「ぎゃっ!? モフ痛い!? っていうか尻尾攻撃結構気持ちいい!!」
九尾「主様も最近 危ない言動が増えてきたの それと婆臭いは余計ゆえ」
九尾「それとその娘っ子は八尾に任せるかの」
八尾「嫌です!!」グィー
九尾「懐いておるようだし 今回の罰だと思って諦めるゆえ」
八尾「うぅ……」ベトベト
ダーク「」ペロペロ
547: 2011/12/02(金) 01:19:16.48 ID:VXEz8/aI0
弓「おや 隊長さんどうしたんだい?」
隊長「ちょっとモフ痛いから出てきた」
弓「モフ痛い? なんでもいいけどね」
隊長「弓さんは狩り?」
弓「まあね 家畜が出来たからってみんなが肉を食べられるわけじゃないし」
弓「それにいざという時のためにこの辺りの探索もしないとね」
隊長「いざというとき?」
弓「今はいないけどゴブリンとかオークの脅威も考えられるからね」
隊長「そっか やたら強い人がいるから大丈夫な気もするけど 訓練とかした方がいいのかな」
弓「そこはまた隊長さんに任せるよ」
548: 2011/12/02(金) 01:40:35.43 ID:VXEz8/aI0
隊長「弓さんはそこらは大丈夫なの?」
弓「狩人はね 狩ることよりもいざという時の判断力も必要になってくるからね」
弓「サボってうたた寝でもしてない限りは大丈夫だよ」
隊長「それなら安心だね でも本当に無理はしないでね」
弓「全く そんなことばかり言うから女の子が寄ってくるんだろうに」
隊長「そんな人を無差別呼ばわりしないで 心配してるのは本当なんだし」
弓「わかってるよ 私も隊長さんのそういう所が好きだからね」ギュー
隊長「えっと……弓さん?」
弓「心配しなくても 私の家はここにしかないんだからしっかり帰ってくるよ」
弓「じゃあ行って来るね」ダッ
隊長「人のことを言っておきながら 自分もああいう態度で女の子を堕としている気が」
550: 2011/12/02(金) 02:34:40.72 ID:VXEz8/aI0
隊長「そういうわけで鬼さんには定期的に戦闘教官も任せたいんだけど」
鬼「えーっと アタシでいいの? そういうのは隊長さんか副官の方が向いてると思うんだけど」
隊長「なんだかんだで盗賊率いてた実績があるしね」
鬼「それならいいけどさ まあ俺も最近は影が薄いんじゃないかなーとか思ってたし」
隊長「ネタキャラになりきれるかどうかだよね 実際のところ」
鬼「俺も副官ぐらい身体でネタを張れりゃあいいんだけどな」
隊長「あれは本人も傷つくから止めたほうがいいよ」
鬼「特技 木を素手で圧し折れますとかは?」
隊長「それは普通に怖いよ」
鬼「いや普段はちゃんと金棒使ってぶっ壊してるぜ」
隊長「お願いなので斧を使って切ってください」
551: 2011/12/02(金) 03:03:49.72 ID:VXEz8/aI0
鬼「女の子らしい格好をしたら隊長ももっと見てくれるのか?」
隊長「女の子らしい格好か……あれ? 俺の周りの女の人に女の子らしい人なんていたっけ?」
鬼「かろうじて九尾ぐらいだな」
隊長「でも鬼は和服とか似合うんじゃない?」
鬼「そうか? まあまず俺に合う服がないけどな」←身長2m強
隊長「ですよねー」
隊長「まあでもいつかはいるようになるから作ったほうがいいかもね」
鬼「そのいつかって結婚のことか」モジモジ
隊長「あーーーかもね」
鬼「そんな恥ずかしくなるようなこと言うなよ」バンバン
隊長「いたっ! 痛い痛い!! 背中痛いから叩くの止めて!!」
寝るか
557: 2011/12/02(金) 09:35:14.17 ID:VXEz8/aI0
辺境村 村人戸籍2ページ目
九尾 元妖魔族の頭領 お婆ちゃんの知恵袋兼モフ要員 モフモフモフ
八尾 元九尾のお付き 売れ残りで焦ってたところを隊長が好きになり今に至る ヤンデレ
ダーク ダークエルフ 魔力一杯元気一杯 言葉は喋れないが好きな相手は舐める 涎製造要員
勇者 勇者だったけど婚約者が旅に出たので今は父親の店を手伝っている ドジっ娘
店主 前は街に住んでたおっちゃん 今は辺境村で小さな料理屋を営んでいる ×1
王様 元王国の王様をしてたけど姫に追い出されて辺境村へ なんだかんだで馴染んでる気のいいおっさん
坊主 元盗賊2 コメの修行に出掛けて帰ってきたら悟りを開いていた 童O
牧場主 元盗賊3 名の通り牧場を開いて働いている 貴重なタンパク質製造要員 ※精子ではない
牧場妻 元兵士2 今は夫を支えるために日々頑張っているとか
親衛隊1~3 八尾さんとモフモフしたい会の親衛隊 他にも色々親衛隊があるらしいが謎 最近は副官に斬られることもしばしば
エアームド 隊長も把握していない謎の住人 名前は出ているので恐らく存在はしているのだろうが色々謎 攻撃するとダメージが
返ってくるとか とてつもなく固いとかそんな噂 はがね・ひこうタイプ
辺境村 現在村人76人
568: 2011/12/04(日) 15:39:51.87 ID:v6x12DHv0
空「隊長 話があるんだが良いか?」
隊長「いいよ また愛の言葉でもつぶやきに来たの?」
空「この時間なら仕事に話に決まってるじゃろうに 大丈夫か?」
隊長「なぜか空ちゃんに心配された」
空「まあそれで竜の数をもう少し増やして欲しいのじゃが」
隊長「やっぱり足りない?」
空「今は生産性も向上しとるし一匹じゃな」
隊長「育て方とかわからないけど」
空「我ぐらいなら大丈夫だが 素人で慣れさせるのは相当難しいからな」
空「ウチの竜はかなり温厚な方じゃが」
隊長「魔界に行けばいるのかな?」
空「買いに行くか捕獲じゃが 時間的に買った方がよいな」
隊長「そうだね」
570: 2011/12/04(日) 15:48:40.34 ID:v6x12DHv0
空「隊長殿が言いというなら一緒に捕獲に行っても良いが」
隊長「捕獲って 簡単に捕まえられるの?」
空「もちろん倒すのが前提になるがな なにウチの竜と同じぐらいの強さだ」
隊長「結構大きいよね 尻尾の一撃で氏んじゃうよ」
空「それに良いスポットを知っているんだ 火口の近くで気温60℃超えなんていいな」
隊長「戦ってる途中に暑さで氏ねる」
空「それでどうする?」
隊長「行かないよ 氏ぬから」
空「それは残念じゃ まあ隊長は子供を産んで子育てに専念してもらうからいいがな」
隊長「残念ながら俺は子供を産めません」
空「なに卵を温めるだけの簡単な仕事じゃ」
隊長「まあ卵から子供が生まれるなんて不思議な感覚だよね」
572: 2011/12/04(日) 16:14:05.10 ID:v6x12DHv0
隊長「八尾さんとダークちゃんって最近仲が良いよね」
八尾「そう思うなら隊長様に差し上げます」ハァ
ダーク「」モフモフ
隊長「いいじゃない ダークちゃん可愛いでしょ」ナデナデ
ダーク「~~~♪」キュー
八尾「定期的に尻尾が涎でベトベトになるし 尻尾掴みながら寝るし」
隊長「八尾さんは頑張ってるよ」ナデナデ
八尾「隊長様もっともっと!!」
隊長「えへへ~」ナデナデ
ダーク「」モフモフモフ
妖精「なにしてんの?」
579: 2011/12/06(火) 23:04:21.68 ID:WbwYukRK0
隊長「モフ祭り」キリッ
妖精「ごめん 本当に意味わかんない」
八尾「モフ祭りはモフ祭りですよ」ドヤァ
ダーク「」キリッ
隊長「むしろ今日をモフ祭りにして毎年祝いたい」
八尾「流石隊長様 早速副官に話を通しましょう」
ダーク「」キリッ
妖精「」
副官「モフの日ですか? まあいいですけど なにをする日で?」
隊長「モフする日!!」
モフの日制定
581: 2011/12/06(火) 23:29:20.57 ID:WbwYukRK0
隊長「突然なんだけど 結婚の話するね」
副官「本当に突然ですね」
隊長「いや今まで伸ばしてきたのはみんな割りと忙しいからさ」
隊長「結婚してもあまり時間作れないかなぁと思って」
弓「そんなこと気にしなくていいさ 忙しいのは村が繁栄している証拠だからね」
鬼「だな それに隊長さんのその気持ちだけで十分だし」
空「そこは我らに任せどんと構えておればよいのじゃ」
隊長「みんな……」
八尾「ということは比較的暇な私が隊長様を独り占め出きると そういうことですね?」
副官「」
弓「」
鬼「」
空「」
ダーク「」モフモフ
582: 2011/12/06(火) 23:45:11.38 ID:WbwYukRK0
副官「……チッ 新参者が調子に乗りやがって」
弓「君にはダークちゃんの面倒を見るという立派な子守があるじゃないか」
八尾「それは片手間でも全然出来ますので」ペチペチ
ダーク「~~~♪」モフモフ
鬼「だったら俺の仕事を分けてやるよ あいにく俺も忙しくてね」
八尾「荒事には私向かないので」
空「こいつ……」ピキピキ
隊長「さっきまで良い雰囲気だったのに……」
隊長「うん それでみんな一緒に休日取れる日なんてないよね」
副官「最近は本当に忙しいですから 水田を作ったから水を引かないといけませんし」
隊長「だよね そうなると夫と妻さんみたいな結婚式は出来ないけど」
弓「まあそういうのは形式上だからね 暇になったらやればいいと思うよ」
鬼「子供もそれっぽいのがもういるしな」ポンポン
ダーク「……?」
583: 2011/12/07(水) 00:08:48.42 ID:gmeMzcTS0
空「我らは隊長の決定に一々口出しをせんから安心してよいぞ」
隊長「うん ありがとう」
隊長「こんな不甲斐ない俺だけどこれからもよろしくお願いします」ペコリ
副官「こちらこそよろしくお願いします」
弓「まあ私たちの関係なんてそう変わりようがないけどね」
鬼「形だけ変わったと思えばいいだろ」
空「我にとっては悲願だったんだがな」
八尾「幸せになりましょうね隊長様」
隊長……結婚
寝るか
613: 2011/12/11(日) 00:46:54.73 ID:Q43cb6KT0
隊長「結婚の報告をしに着たんだけど」
九尾「つーん」プイッ
隊長「なんか九尾さんのご機嫌が斜めです」
隊長「それとつーんとか口で言うのは年齢的に――」
九尾「フンッ」モフンッ!!
隊長「モフ痛い!?」
九尾「なぜ妾の役があんなんなのだ 納得がいかんゆえ」
隊長「あんな役って……>>556のことね」
隊長「いいじゃない 俺なんてゴブリンみたいなんて言われてるんだから」
九尾「それはそうであれ結婚おめでとう」
隊長「あれ? 俺の話聞いてた?」
九尾「これで妾と気軽にモフれなくなるの」
隊長「いえ それとこれとは話が別です」モフモフ
615: 2011/12/11(日) 01:21:43.97 ID:Q43cb6KT0
九尾「お主ら 結婚式はやらんというが……」
隊長「まああまり時間ないし」
九尾「結婚式は女の花道ゆえ いつかはやってやるのだぞ」
九尾「時間は妾がなんとか作ってやるゆえ」
隊長「本当に九尾さんには頭が上がりません」
九尾「たまには妾もただのモフ要員ではないところを見せぬとの」
隊長「いえ 九尾さんはモフ要員です」モフキリッ
九尾「お主様は隙あらばモフろうとしてくるな」
九尾「悪くはないが」ナデナデ
隊長「」モフモフ
623: 2011/12/12(月) 00:34:02.70 ID:/JLOF+MQ0
王様「良い良い」ナデナデ
ダーク「」エヘヘ
王様「この子を見ておると 姫の昔を思い出す」
隊長「お姉様も昔は純粋だった時期があるんですか?」
隊長「いや 今でも色んな意味で純粋だけど」
王様「昔はあれで可愛げもあったのにな」ハァ
隊長「心中察します」
ダーク「」ギュー
カレー「調味料の方は大体揃ったから後はお米か」
カレー「次はこの辺境村ってところに行ってみよう」
???「はい わかりました師匠」
652: 2011/12/16(金) 19:38:48.99 ID:SFzfaDv80
副官「隊長 お客さんです」
隊長「誰? 俺の知ってる人?」
カレー「俺です」
隊長「……誰?」
カレー「まあカレー修行してる通りすがりの男でこの村で作られてるコメを見てみたいなって」
隊長「カレー? それは知らないけどコメなら幾らでもあるから」
カレー「カレーを知らない!? それは駄目だ!!」
隊長「副官ちゃんはカレーって知ってる?」
副官「さあ?」
カレー「正義を知らないとは……弟子ちゃん!!」
弟子「既にキッチンは確保してますマスター」
カレー「よし! カレー祭りだ!!」
655: 2011/12/16(金) 20:03:16.13 ID:SFzfaDv80
カレー「弟子ちゃんマンドラゴラとって」
弟子「どうぞ」ギャーーー
カレー「ありがと」ジャキジャキ
隊長「ねえ副官ちゃん マンドラゴラって危険な薬草じゃなかった?」
副官「危険度から言えばウチの野菜も引けをとりませんが」
隊長「そうだった」
副官「まあ食べるのは隊長なので問題はありませんが」
隊長「えっ!? 副官ちゃんは食べないの!?」
副官「食べるなら1人で十分ですから」
カレー「二人分用意してあるから安心してね!!」
隊長「」
副官「」
656: 2011/12/16(金) 20:20:07.55 ID:SFzfaDv80
カレー「出来たよー!!」ガチャン
隊長「これが……」
副官「カレー?」
カレー「どうかな?」ニコニコ
隊長「見た目う○こじゃない?」
副官「いえ 食べれば美味しい……んですか?」
カレー「お前ら異世界人はカレーを見たらう○こう○こって……」プルプル
弟子「いい加減にしなさい!! カレーが正義だということがなぜ分からないのですか!!」
弟子「黙って食え! それから批評しろ!!」
隊長「おい!」モシャモシャ
副官「しいです!!」モシャモシャ
弟子「それでいいんです」
カレー「」
658: 2011/12/16(金) 20:32:14.10 ID:SFzfaDv80
カレー「あっはっは! 全く弟子ちゃん駄目だよ」
カレー「カレーが正義なのは自明の理だけど押し付けはしちゃ」メッ
弟子「これもすべてマスターの教育の賜物です」
隊長「メイドキャラキタよーって思ったら恐ろしかった件」
副官「取りあえず不審者ということで追い出しましょうか?」
カレー「それはちょっと待って! 今のカレーとコメを合わせるともっと美味しくなるんだよ!!」
副官「……それには興味がありますけど」
カレー「コメを譲ってくれるだけでいいからさ!!」
隊長「いいんじゃない 売り物だからタダってわけにはいかないけど」
副官「隊長がそう言うのならいいんですが」
カレー「あざーっす!!」
659: 2011/12/16(金) 20:47:17.59 ID:SFzfaDv80
隊長「それでカレーさんはどこかで店でも開くの?」
カレー「取りあえず魔界を旅して材料は集めたけど」
カレー「人間の方の王国は回ってないから 回ってから決めるつもり」
弟子「流石マスター その向上心に常々感服します」
カレー「そうかな? 当然のことだと思うけど」
カレー「カレーに妥協なし!!」キリッ
木こり「あれ? カレーさんじゃないか」
カレー「木こりさん久しぶり!!」
隊長「木こりさんはカレーさんと知り合いなの?」
木こり「昔住んでた家でカレーを食べさせてくれてね」
カレー「代わりに木彫りの皿を貰ったんだ」
木こり「今でも趣味で木を彫って椅子とか作ってるしね」
妖精「げっ!? なんでここにカレーがいるのよ!!」
660: 2011/12/16(金) 20:53:10.97 ID:SFzfaDv80
カレー「妖精ちゃんじゃないか!!」
妖精「近づくなカレー臭い!!」
カレー「それは素晴らしい褒め言葉!!」
弟子「妖精さん 私からはそのような匂いは……」
妖精「するわよ! カレー馬鹿ども!!」キーッ
カレー「カレーの匂いだって!!」
弟子「素晴らしいですねマスター!!」
隊長「あのさ 妖精ちゃんは罵倒してるんだよね?」
妖精「あいつらいつもあの調子なのよ」ゲッソリ
副官「どことなく坊主さんと同じ臭いが……」
662: 2011/12/16(金) 21:20:13.53 ID:SFzfaDv80
妖精「ほら! こんな馬鹿共無視してさっさと行くわよ!!」ギュー
木こり「はいはい またねー!!」ズルズル
空「なんじゃ隊長 何か用か?」
隊長「なんか後ろの二人がコメを見たいんだって」
空「ふむ コメの事なら責任者は店主じゃが」
隊長「坊主さんじゃなかったっけ?」
空「あいつは訳の分からん宗教を広めようとしてたから投獄したじゃろ」
隊長「なにが彼をあそこまで変えたんだろうか」
副官「昔はアホだっただけだったんですけどね」
隊長「だから染まりやすかったのかもね」
空「まあともかく 今の時間なら王様たちと一緒に畑でも耕しているじゃろう」
隊長「ありがとう」
664: 2011/12/16(金) 21:53:52.85 ID:SFzfaDv80
王様「なんだ ワシらに何か用か?」テカテカ
隊長「なんかもう 今の王様を元王様だなんて見抜ける人いないよね」
隊長「俺は今の王様の方が好きだけどさ」
副官「用というのはそちらの方がコメを売って欲しいと」
王様「そういうことはお前らでやれ ワシらはコメを作るだけじゃ」
副官「とまあそんな感じですか……カレーさんはどうして隠れているので?」
カレー「いやまあ 隠れたい年頃だから」
王様「そちらのカレーとかいうやつ どこかで見たことがある気が……」
カレー「キノセイデスヨ」
王様「ワシの息子にこんな顔の奴がいた気がする!!」
隊長「俺のお兄ちゃん!!」
カレー「違います」
666: 2011/12/16(金) 22:51:18.71 ID:SFzfaDv80
王様「うむ 良く見れば先代のゆう――」
勇者「カレーさん!?」
カレー「げっ!? 勇者ちゃんどうしてここに!?」
隊長「またまた 勇者ちゃんの知り合い?」
勇者「私の旦那様です! 今までどこにいたんですか!!」
カレー「ちょっと魔界の方まで材料探しに……」
勇者「一言言ってくれれば私だってついていったのに」
カレー「それはごめんね」
勇者「それはいいんです」
勇者「それでそちらの方はどなたですか?」
弟子「私ですか?」
カレー「」
隊長「しゅらばらば」
王様「面白くなってきたの」
副官「この親子……」
670: 2011/12/17(土) 00:31:05.56 ID:WFrISXV70
弟子「私はマスターに拾われた身です それ以上でもそれ以下でもありません」
勇者「拾った?」ギロリ
カレー「えっと 魔界放浪中に拾ったんだけど……」
カレー「落ちてるものじゃない?」
隊長「その理屈はおかしい」
勇者「……ハァ カレーさんはそういう人だししょうがないですね」
隊長「ほら! 副官ちゃんあれが正しい反応だよ!!」
副官「でも隊長の時は嘘でしたよね」ギロリ
隊長「……はいごめんなさい」シュン
王様「既に尻に敷かれているようでなによりだ」
隊長「これが血が成せる技か……」
王様「その自虐は笑えんからやめい」
寝てた……寝る
681: 2011/12/22(木) 23:13:26.39 ID:b9odZT3B0
勇者「そんなわけでカレーさんもこの村で暮らすことになりました!!」
カレー「なんか力で抑え付けられた気がしないでもない」
勇者「隊長さんもそれで問題ないですよね!?」
隊長「えっと なんか面倒臭い気がするというか 男なんて入れて誰得」
勇者「問題ないですよね」ジャキ
隊長「はい問題ないです ってか俺の扱いっていつもこれだよね」
カレー「弟子ちゃんはどうする?」
弟子「私はマスターのいるところが居場所なので」
カレー「というわけで二人共々よろしくお願いします」
隊長「うん」
副官「…………」
辺境村 村人78人
698: 2011/12/25(日) 17:13:56.22 ID:CFNL/lkK0
鬼「へぇ カレー作れる奴が着たのか」
空「また懐かしい食べ物じゃな」
隊長「二人は知ってるの?」
鬼「吸血族の大将が昔作ってくれたことがあってだな」
空「まあ我も似たようなものじゃ」
隊長「吸血族の大将って 前に魔王城に乗り込んだときにいた人?」
空「九尾よりも遥かに怠け者じゃがな」
八尾「その上胡散臭いです」
隊長「散々な評価だね」
弓「でも吸血族だけど”誰かさん”と違って胸が大きいよね」
鬼「同族なのにどうしてあんなに差が……」
空「環境慢心の違いじゃろうに」
八尾「プッwwwww」
副官「誰が絶壁だオラァッ!!」
隊長「もういい加減この流れにも慣れて!!」
701: 2011/12/25(日) 20:03:32.54 ID:CFNL/lkK0
???「んじゃ 行ってくるわ」
???「おう よろしくな」
ドガンッ!!
隊長「えっ! ちょっと なに!?」
???「邪魔するぜ」ポキポキ
隊長「玄関はぶっ壊して入るものじゃなくて 普通に開けて入るものだけど」
副官「隊長! 普通に敵です!!」
鬼「久しぶりのバトルパートってわけか」
弓「室内での戦闘は苦手なんだけどね」
空「しかし一人というのは関心しないな」
八尾「このアホ共はどうでもいいですが隊長様には手は出させません」
???「数は六 男を拉致って来いって命令だったが」
隊長「……?」
副官「……?」
???「男が二人もいるじゃねえか」ヒッヒッヒ
副官「氏ね!!」
725: 2011/12/30(金) 18:19:00.33 ID:roWvF7F30
???「なんだ 気を付けろとか言われたがたいしたことねえなあ」ヒッヒッヒ
隊長「強すぎワロタ」
副官「私たち全員掛りで手も足も出ないとは……」
空「まあぶっちゃけマトモに戦っておるのは我と八尾と隊長ぐらいじゃが」
弓「」
鬼「」
八尾「あなたは隊長様を誘拐してなにをするつもりなんですか?」
???「しらねーよ ボスからの命令に従ってるだけだからな」
隊長「ちなみに俺に人的価値はありませんけど」
???「って言ってるけどどうなんだよボス」
???「んだよー もうちょっと伸ばせよおっさん」
726: 2011/12/30(金) 18:38:21.47 ID:roWvF7F30
姫「アタシがピンチの時に颯爽と登場したかったのにー」
おっさん「そりゃすいませんでしたねぇ」ヒッヒッヒ
隊長「お姉様!? 一体どういうつもりですか!!」
姫「いや もう直ぐ元旦だからお祝いだな」
隊長「流石お姉様! 全然意味がわからない!!」
八尾「あのクレイジーモンキーが隊長様のお姉さんですか?」
弓「見ての通りの性格だけどね」
姫「つもる話もあるし 家に上がらせてくれよ」
隊長「あぁはいどうぞ」ドウゾ
姫「おっさんも入れよ」
おっさん「へいへい」
729: 2011/12/30(金) 23:27:35.69 ID:roWvF7F30
姫「戦争が終わって魔族と人間は手を取り合うって方向で話は決まったけど」
姫「それに反対する連中がいるのも知ってるだろ」
隊長「まあね 今までずっといがみ合ってきたんだし」
姫「アタシはそんな反対派の連中を抑えるために王国と魔界を行き来してたんだよ」
姫「そんな時にそこのおっさんにも出会ってな」
おっさん「俺は強い奴と戦えるだけで満足なんで 後は知りません」
隊長「ってかおっさんって名前じゃないよね 確かに見た目おっさんだけど」
姫「シラネ こいつが名乗りたがらないからそう呼んでるだけだし」
隊長「そうっすか」
姫「それで今日は少し真剣な頼みをしに着たんだ」
隊長「どう考えても嫌な予感しかしません」
730: 2011/12/30(金) 23:50:12.25 ID:roWvF7F30
姫「王国の反対勢力はあらかた片付いたんだが」
姫「魔界の方に少し厄介な連中がいてな」
隊長「厄介な連中?」
姫「魔王の近衛兵 魔界最強の戦士とも名高い竜姫衆の二人」
姫「陸戦姫と海戦姫だ」
隊長「その二人のことは……どちらかというと空ちゃんが詳しいんじゃない」
空「元同僚とはいえ あいつらは先々代の魔王 我や先代魔王の親父殿の頃から竜姫衆をやってたからな」
空「ぶっちゃけ実力は二人とも我より劣る」
隊長「だよねって言っても空ちゃんの実力が既に凄いんだけど」
空「だが 奴らは双子 二人で一人の実力者じゃ 二人揃うと我でも苦戦するほどの使い手じゃ」
隊長「双子設定は案外簡単にやられるフラグだよ」ガクガクガク
副官「それは言わない約束です」
731: 2011/12/31(土) 00:26:04.20 ID:u6r0VHOU0
姫「ぶっちゃけアタシが倒したいんだけど ってか倒しに行きたいんだが」
姫「残念なことに外せない用事があってな」
隊長「だったらその用事が終わってから……」
姫「なんか変な動きをしてるから早めに叩きたいんだ」
隊長「それで俺たちに行って欲しいと?」
姫「おっさん貸してやるからさ いいだろ?」
隊長「それは別に構わないけど」
副官「隊長一人なら抜けてもなんとかなりますよ」
弓「行って来なよ」
隊長「前から少し疑問に思ってたけどさ」
隊長「もしかしてこの村 もう俺がいなくてもなんとかなる?」
副官「」
弓「」
鬼「」
空「」
748: 2012/01/03(火) 21:50:33.19 ID:G0ZHO27E0
副官「確かに最近は人も増えて優秀な人材も増えてますから」
弓「隊長さんがいなくてもなんとかなるのも事実なんだよね」
隊長「」
鬼「だけど隊長は俺たちの精神的支柱なんだからよ」
空「どーんっと座っておればいいじゃろ」
八尾「それにこの村に必要ない人なんていません」
隊長「みんな……分かったよ!!」
隊長「これからも俺は精一杯モフるから!!」キリッ
隊長「じゃあ行かせてもらいます」ボロボロ
姫「あぁ 後他に連れて行きたい奴はいるか?」
隊長「流石に二人だと色気もなんにもないし」
749: 2012/01/03(火) 22:03:43.40 ID:G0ZHO27E0
九尾「それで妾を誘いに来たと?」ファー
隊長「九尾さん暇そうだしさ」
九尾「まあ妾暇だけど 場所はどこなの?」
姫「奴らが根城にしているのは魔界北の火山だ」
九尾「また遠いの 妾の空間魔法を使えば3日程で付きそうだが」
隊長「そういえばそんな設定あったね」
九尾「あの火山か……ふむ」
隊長「なにか知ってるの?」
九尾「いや特には ただあの火山は竜の住処だからの」
九尾「よもやそんな危険な場所を根城にと」
空「そうだ ついでだから竜を取って来て欲しいんじゃが」
隊長「ごめん そんな肉のついでに野菜買って来てみたいに言われても困ります」
空「雄なら無理かもしれんが 雌ならなんとか」
隊長「いやいや性別の問題じゃないでしょ」
副官「まあ♀ならなんとかなるんじゃないですか」
弓「女の子なら隊長さんなら楽勝だろう」
隊長「みんなの目には俺がどう見えているのさ」
751: 2012/01/03(火) 22:48:22.57 ID:G0ZHO27E0
バタンッ!!
カレー「話は聞かせてもらった!! 俺も行く!!」
姫「誰だこいつ?」
カレー「通りすがりのカレー大好き人間だ」
姫「あぁ いたなそんな奴 おっさん」
おっさん「へいへい 坊ちゃんはちょっとこっちに来て貰いましょうかね」ヒッヒッヒ
弟子「下郎如きがマスターに触れようなど」バシッ
おっさん「こっちも命令でね まあ嬢ちゃんみたいな強い奴と戦えれば俺は満足だが」ゴキゴキ
姫「つーか魔王の餓鬼からカレー好きの馬鹿がいたら問答無用で連れて来いって言われてんだ」
隊長「なるほど カレー好きの馬鹿か……」
姫「まあ口約束だから絶対に守らなくちゃいけないってことはないんだが」
カレー「どうか俺のカレー修行が終わるまでは見逃してくだせぇ」ドゲザー
姫「じゃあそっちのメイドちゃんを弟につけてやってくれ」
カレー「ふむ……」
754: 2012/01/04(水) 04:03:23.59 ID:3I4hXgXA0
カレー「そろそろ弟子ちゃんも独り立ちする日が来たのかもしれないね」
弟子「そんな! マスター!?」ガーン
カレー「弟子ちゃんは今まで俺の弟子として良くやってくれたと思う」
カレー「君のカレー好きは俺も認めている」
隊長「ねぇ これいつまで聞いてればいいの?」
副官「さあ?」
カレー「だからこそ弟子ちゃんにも多くの人にカレーの良さを知ってもらいたいんだ!!」
弟子「……流石マスター! そこまでのお考えがあったとは……」
弟子「分かりました 此度のカレー修行 私一人で行ってきます」
カレー「うん 頑張れ」
姫「なあ これってカレー修行だったのか?」
おっさん「しらねーですよ」
762: 2012/01/04(水) 15:58:13.64 ID:3I4hXgXA0
姫「じゃあこのメンバーで頑張って来いよ」
隊長「不安爆発だけどね」
姫「だけどあっちも暑いみたいだからな アタシのローブを貸してやるよ」
隊長「暑いのにローブって……」
姫「これは魔法なローブでこれ着てるだけでどんな環境でも問題ないんだ」
姫「辛い役目を押し付けて悪いな」
隊長「いやいいけどね ありがとう」
姫「おっさん 頼むぞ」
おっさん「へいへい」
隊長「じゃあ行ってくるね」
763: 2012/01/04(水) 16:08:05.50 ID:3I4hXgXA0
隊長「村から転移魔法で飛んだのはいいけど」
隊長「一気に目的地まで行けないの?」
九尾「行けぬこともないが 遠出は疲れるからの」
九尾「戦闘があるのなら余力は残しておいた方が良かろう」
隊長「なるほど」
九尾「背負っておくれ 妾疲れたゆえ」
隊長「……まあいいけど」
隊長「弟子ちゃんは疲れたりしてない?」
弟子「……チッ シャベンナカス」ボソッ
隊長「」
おっさん「俺の心配はしてくれないのかい?」
隊長「超余裕そうな顔してるじゃないですか!!」
764: 2012/01/04(水) 16:23:26.93 ID:3I4hXgXA0
隊長「今日はここでキャンプをします」
弟子「シキンナ」ボソッ
おっさん「あんまり進めてねえなあ」ヒッヒッヒ
弟子「えぇ 誰かさんのお陰で全く進めませんでしたから 氏ね」ジトッ
隊長「それは九尾さんのことだよね だって超重かったし」
九尾「これ 尻尾でモフモフしながら歩いておったろ」
隊長「ローブの部分は本当に暑くなかったけど 顔はムレムレで大変だったからね」
弟子「それでは夕飯にカレーを作るので待っていてください」
隊長「待っていてくださいじゃなくて待って これから夕飯はカレー一択なの?」
弟子「なにを言っているんですか むしろ三食+間食までカレーです」
隊長「ここが本当の地獄か 面白くなってきやがったぜ」
九尾「なんかキャラ崩壊しておるぞ」
おっさん「俺は遠慮しておくわ カレー嫌いなんでな」ヒッヒッヒ
弟子「あぁっ!?」
765: 2012/01/04(水) 17:05:14.00 ID:3I4hXgXA0
弟子「マスターが大好きなカレーを嫌いだと!?」
おっさん「誰が好きかなんて知ったこっちゃねえが」
おっさん「俺はカレー嫌いで嫁とまで別れたんだ」
隊長「おっさんは結婚してたんですか?」
おっさん「餓鬼もいたぜ どっちにも愛想付かされたけどな」ヒッヒッヒ
おっさん「それと俺は甘いものが好きなんだぜ あんぱんなら尚よし」モシャモシャ
弟子「まあ私もあなたがカレー嫌いの理由なんて知ったこっちゃありません」ギリギリ
隊長「そういえば弟子ちゃんはカレーさんとどうやって出会ったの!?」
弟子「……私はマスターに拾われただけです」
弟子「あのお方は家もなく 氏にかけていた私にカレーをくれて手を差し伸べてくれて」
おっさん「良くある話だな」
弟子「ぶち頃すぞキサマ!!」シャー
隊長「九尾さん二人を止めて!!」
九尾「嫌だ 妾面倒ごとは嫌いゆえ」
767: 2012/01/04(水) 18:07:43.38 ID:3I4hXgXA0
隊長「今日はこの村で泊まろう 誰かさんたちが喧嘩ばかりで疲れるし」
おっさん「あっちが勝手に襲ってくるだけだろ」ヒッヒッヒ
弟子「言ってろボケ」
九尾「では妾はそこらで寝ていようかの」ファ-
隊長「不安だなー」
火山
???「姉ちゃん 王国の姫様の使者がボクたちを狙ってるんだって」
???「愚か愚か愚かなり! 私たちに勝てるハズないのにね弟!!」
海「そうだよ姉ちゃん! ボクたちと!!」
陸「あのお方を加えた新たな竜騎衆には誰も叶わないのよ弟!!」
海「誰だろうとかかって来いって話だよ!!」
隊長「まさか……こんなことになってるなんて……」
769: 2012/01/04(水) 18:18:52.58 ID:3I4hXgXA0
九尾「」スースー
村人A「このお方はモフ神様じゃ」ナムナム
村人B「神々しい これが神様?」ナムナム
隊長「九尾さんが気付いたらお供え物と村人の人たちに囲まれていた」
隊長「気持ちは分かる これはもう信仰の証を立てるしかないね」
村人C「それはいい! モフ神様を奉る社を作ろう!!」
村人D「賛成!!」
隊長「モフ神様わっしょい!!わっしょい!!」
みんな「「わっしょい!! わっしょい!!」」
おっさん「なにかツッコミ入れろよ」
弟子「嫌です」
770: 2012/01/04(水) 18:31:19.34 ID:3I4hXgXA0
弟子「それで狐を置いてきて良かったんですか?」
隊長「あんな姿で寝ているモフ神様を起こせるわけがないよ!!」
隊長「ってか起こそうとするとモフ尻尾に吸い寄せられるし」
弟子「意味わからん」
おっさん「まあいいじゃねえか 敵さんは目と鼻の先だしよ」
隊長「でもあの村の人たち 人間の俺たちを見てもあまり動揺してなかったよね」
おっさん「なんせ姫が元魔王軍の連中を束ねて反対派の連中相手に連戦連勝だからな」ヒッヒッヒ
隊長「あぁ 強い人にはヒーローみたいに見えるんだ」
おっさん「最近は反対派の連中も野盗紛いのことしてあまり人気ねーしな」
隊長「それで余計にか」
おっさん「さて 侵入するか」
771: 2012/01/04(水) 18:39:38.19 ID:3I4hXgXA0
隊長「なんか簡単に中枢まで来られたね」
おっさん「広い場所に出たな 俺ならここに兵士を置くぜ」ヒッヒッヒ
陸「その通りだ!!」
隊長「陸戦姫」
陸「大勢で着たらと思ったが 三人なら丁度いいだろ弟よ」
海「その通りだよ姉ちゃん!!」
隊長「……海戦姫? 男だっけ?」
海「うっさい!! 空の馬鹿に無理矢理やらされたんだよ!!」
海「あいつは恐ろしい ボクの容姿が童顔だからって無理矢理男装させて」
陸「あの女は私たちより年下の癖に 一つ物事を決めると絶対にやりきるからな」
隊長「あの……その……似合ってるんじゃない?」
海「うるさいわ!!」
772: 2012/01/04(水) 18:47:32.82 ID:3I4hXgXA0
陸「そんなことはどうでもいい! お前たちはここで終わりなんだからな!!」
海「そうだね姉ちゃん!! 全員出て来い!!」
みんな「「」」ザッザッ
隊長「あの物凄い人に囲まれてるんですけど」
おっさん「まあ俺一人で全員血祭りにあげられますが 面倒だなぁ」ヒッヒッヒ
隊長「いやいや 面倒だからってそれは……」
おっさん「おい そこの嬢ちゃん ここにいる奴が誰なのか知ってるか?」
陸「そんなもの知るわけないだろ」
おっさん「こいつはなぁ 王国の王子様だぜ」
陸「」
海「」
隊長「ちょっとなに言ってるのおっさん!?」
陸「そうだ! 付くならもっとマシな嘘をつけよ!!」
海「こんなアホっぽい顔をしてる奴が王族なわけないだろ!!」
隊長「そうだよ!! これ以上俺の傷を広げるのは止めて!!」
773: 2012/01/04(水) 19:22:46.02 ID:3I4hXgXA0
おっさん「でもよ こいつのローブの印を見てみろよ」
陸「それは!?」
海「王族の紋章!?」
おっさん「これは恐れ多くも王族の人間の道具にしか記すことを許されない紋章だろ」
おっさん「俺たちが賊なら話は別だけどよ」ヒッヒッヒ
隊長「こんな印俺知らない!! 完全にハメたでしょう!?」
陸「その印がある以上 信じないわけにはいかないようですね」
海「そちらの要求を言ってみろ」
おっさん「俺とお前らで2対2だ 勝ったら人質が手に入れられるだろ」
おっさん「悪い条件じゃないハズだが」
陸「確かに 王子を手に入れたとあれば交渉も出来る」
海「それを知って氏地に来るとは 王子も中々肝っ玉が据わってるみたいだね」ゴクリ
隊長「勝手に人質にされてる俺」
陸「いいでしょう そちらの二人はどうするんですか?」
おっさん「勿論俺と……」
弟子「私が行きましょう」
774: 2012/01/04(水) 19:41:38.76 ID:3I4hXgXA0
隊長「弟子ちゃん 俺が行くつもりだったんだけど」
弟子「あいつらに勝てば私がマスターの教えを教え込めます」
おっさん「それにプリンスってのは玉座に座ってしっかり待ってろってこった」ヒッヒッヒ
隊長「プリンスとかなに? 悲しくなるから止めて」
陸「行くぞ!!」ガシッ
おっさん「力勝負か」ヒッヒッヒ
陸「私は確かに空ほどの速さはないけど それを補って余りあるほどの腕力がある!!」ギリギリ
おっさん「そりゃすげぇ でもな」ギリギリ
陸「なんだこいつ いきなり力が……」
おっさん「俺は甘党でな その甘さ嫌いじゃないぜ」ヒッヒッヒ
海「お前人間じゃないよな」
弟子「それがどうかしましたか?」
海「その風貌 匂いからいって淫魔の類だろ」
弟子「」
883: 2012/01/14(土) 16:11:31.96 ID:FStotFXF0
弟子「確かに私は淫魔です 人間を餌だと思っているのも事実ですよ」
海「そうだよな 淫魔はそうでなくちゃ」
弟子「しかしマスターは違います あの人はカレー馬鹿です」
弟子「魔界で行き倒れている私を拾って介抱をするぐらいの馬鹿です」
海「確かに 魔界での生き倒れを拾おうなんて正気じゃないな それは襲われたって仕方ないだろ」
弟子「えぇ あんな馬鹿だからこそ私にとっては眩しいのです」
海「交渉は決裂か……」
弟子「私は最初から断るつもりでしたが 私が仕えるべき主はただ一人なので」
海「ボクは空ほどの速さはないけどそれを補うほどの技がある」ビシュ
弟子「そうですか それでは!!」ガキッ
海「……なっ!?」
弟子「私が淫魔の里から追い出されたのは足癖が悪かったからです 存分に味わってくださいね」クスクス
884: 2012/01/14(土) 16:20:54.37 ID:FStotFXF0
おっさん「おいおい まだ終わらねえのかよ」ゴキゴキ
弟子「それはこちらのセリフです 脳味噌腐ってるんですか?」ギリギリ
隊長「二人とも頼もしすぎワロタ 俺の出番ないじゃない」
陸「あいつらの強さは化け物か まさか王国側があんな隠し札を持ってるなんて……」
海「それよりも姉ちゃんヤバイよ こんな醜態があのお方にバレたら……」
隊長「あのお方って誰?」
陸「お前たちはおかしいと思わないのか? 私と弟がこの反乱軍では最強だ」
海「そのボクたち姉妹だって四大貴族の大鬼と大吸血鬼と互角程度」
陸「果ては魔王様や先代魔王であり最強とまで呼ばれる魔王女様には手も足も出ず」
海「王国にだって勇者や姫といった戦力がいる」
陸「そんな連中相手に本当に勝算がないとでも思ってたのか?」
隊長「そのお方っていうのが……」
おっさん「坊ちゃん あんまり敵の話を聞かない方がいい」
弟子「どちらにせよ それが出てくる前にここを掃除するだけです」
???「……チッ」
885: 2012/01/14(土) 16:33:53.13 ID:FStotFXF0
???「面白い催しかと思って見ておったが 存在につまらなかったの」ハァ
隊長「その独特な喋り方は!?」
陸「竜王様 これはその……」ガクガクガク
竜王「妾 言い訳は嫌いなんだがの」
海「すいませんごめんなさい」ガクガクガク」
隊長「違った恥ずかしい」
竜王「お主らの強味は双子での連携だろう それを敵の言葉に惑わされ分断され戦いおって」
竜王「我らが竜族の血を引くものとして恥ずかしいわ」
陸「」ガクガクガク
海「」ガクガクガク
おっさん「ありゃヤベえな」
弟子「冗談で済みそうにないのが出てきましたね」
竜王「さてと 妾はゆるりと賊を倒そうとするかの」
887: 2012/01/14(土) 16:54:40.47 ID:FStotFXF0
おっさん「先手必勝だぜ おチビちゃん」ギリギリ
竜王「ふむ 力勝負か だが知らぬのか?」ギリギリ
おっさん「ぐっ……」
竜王「古来より竜とはその爪で! その尻尾で山をも崩すと言われておる」ギリギリ
竜王「少し役不足だったの」ドガッ
おっさん「ぐはっ!?」
弟子「役不足はどちらか教えてやりましょう 幾らあなたでも氏角からの攻撃までは避けられないはず」ガッ
陸「竜王様!?」
海「大丈夫ですか!?」
竜王「うむ 特に問題なし」
隊長「えぇ~~~」
竜王「竜の鱗は最強の鎧 妾の鱗を破壊するには魔王程の力がないとの」ブンッ
弟子「きゃっ!?」ガンッ
888: 2012/01/14(土) 17:13:39.10 ID:FStotFXF0
竜王「妾は王であるゆえに最強なり!!」
陸「流石 世界最古の竜を自称されているだけのことはある」
海「初代魔王の側近である四大貴族の一角 実力だけなら初代魔王に引けを取らなかったとか」
竜王「それで そこのお主は戦わんのかの」ヒョイヒョイ
隊長「…………」
竜王「そちらが来ぬのならこちらから行くがの」ヒュッ
隊長「……スゥ」チャキ
ギィンッ!!
竜王「なるほど あの二人を囮にして自分は集中しておったのか」
竜王「まさかこの妾が傷を負わせられることになろうとは……」ツー
隊長「はぁはぁ……くそっ」
竜王「後の手か しかし集中力は続かんようだの」
竜王「王は世には二人もいらん せめて楽に氏なせてやろう」スッ
九尾「たわけ!!」ゴンッ
隊長「モフたい!?」
889: 2012/01/14(土) 18:24:44.74 ID:FStotFXF0
隊長「今の明らかにシリアスだったよ!! 止めてよモフ神様!!」ヒリヒリ
九尾「止めてよもなにもないわ!! 人を置いて行きおってからに!!」
九尾「目が覚めたら謎の貢物に囲まれておるしの」
隊長「それはモフが悪いのであって……」
九尾「言い訳無用!!」モフン!!
陸「金毛九尾の妖狐!?」
海「氏んだんじゃなかったのか!?」
竜王「九尾……っ!!」ギリッ
九尾「おうおう なにやら懐かしい顔がおるの」
竜王「久しぶりだの」
九尾「お主は相変わらずチミっこいのぅ」
竜王「うるさい!! 小さいのは余計だ!!」
九尾「お主が小さいお陰で竜族全体の平均身長が小さいままじゃろう」
竜王「馬鹿! お前は昔からアタシが気にしてること言いやがって!!」ギャー
891: 2012/01/14(土) 19:07:09.44 ID:FStotFXF0
竜王「魔王の馬鹿もちっちゃいちっちゃい言いやが――はっ!?」
陸「」ジー
海「」ジー
隊長「」ジー
竜王「今のは忘れろ いいの?」ギロリ
陸海「「はい!!」」
九尾「まあお主も妾に言いたいことがあるだろう」
九尾「それはまあ後でやってやるが そこの双子姫」
陸「だんだ九尾」
九尾「お主らもマトモな連携を見せられず負けたので納得いっておらんだろう?」
海「そりゃまあ……」
九尾「だからお主らにもチャンスをやろうと思う」
九尾「主様こと隊長対双子姫の対決じゃ」
隊長「俺一人とか なにそれこわい」
955: 2012/01/21(土) 21:57:48.83 ID:BiMFaqaX0
隊長「マジ冗談はモフだけにしてください」
九尾「別に冗談ではないよ それに相手は女子ゆえなんとかなるであろう」
隊長「副官ちゃんたちもそうだけどさ 俺のことなにか誤解してない?」
九尾「女を見ると直ぐに口説くだろ」
隊長「口説かないよ!! いい加減なこと言わないで!!」
九尾「そんなお主にピッタリな言葉を送ろう」
九尾「ネバーネバーネバーネバーギブアップ」キリッ
隊長「……いやいや!! そんなキリッとした顔されても意味わからないからね!!」
九尾「なんじゃ そーりも使っておったありがたい言葉だぞ」
隊長「とにかく!! 俺は戦わないよ」
九尾「だったらもうモフさせんぞ」
隊長「えっ……」
956: 2012/01/21(土) 22:09:59.53 ID:BiMFaqaX0
九尾「まあ妾のモフは特別だからの」
九尾「変わりに八尾の尻尾でモフでもするがよいぞ」クスクス
隊長「…………」
九尾「どうしたんどあ 顔を伏せて……」
隊長「ヒック……もうモフ出来ないとか……グスッ」エッグエグ
九尾「ちょっとお主様 なにも泣かんでもいいだろうに」オロオロ
隊長「モフ……モフ……」グスグス
九尾「冗談じゃ冗談 別に負けてもモフさせてやるからの」
隊長「わーい」
海「姉ちゃん ボクたちこれからあんな奴と戦うの?」
陸「言うな 情けなくなる」
960: 2012/01/22(日) 01:29:24.34 ID:cv+kaGEz0
隊長「じゃあ早速倒して来ようかな」
九尾「ああ それとこの戦いでは魔王の短刀使用禁止な」
隊長「ちょっと意味がわからないです」
九尾「お主がやたら強いのは動体視力がやたら良いからだ」
隊長「」ギクッ
九尾「それによる後のカウンターが武器であろう 普通ならそれだけだがの」
九尾「魔王の短刀は切れぬもの無しといわれるほど切れ味が良いゆえ」
九尾「カウンターが必殺の一撃となっておるのだ」
隊長「それがわかってるなら使用禁止は止めてくださいしんでしまいます」
九尾「代わりの武器は貸してやるからの」
ズン
962: 2012/01/22(日) 13:14:29.51 ID:cv+kaGEz0
隊長「えっと 鬼が持ってる金棒……より少しデカイのかな?」
九尾「そうだの」
隊長「うーん……重くて全然持ち上がらないんですけど」グググ
九尾「それでは勝負開始!!」
隊長「待ってよ!! まだ持ててないけど!!」
陸「そちらがどういう事情だろうと関係ない」
海「ボクたちも後がないんでね!!」
隊長「だから待ってって――げふっ!?」
隊長「前後左右 対角からの同時攻撃……」
陸「いくら達人といえど 防げるのは所詮片方だけ」
海「ボクたちの同時攻撃を防ぐことは出来ないだろ」
隊長「その前にまずどちらも防げません」
964: 2012/01/22(日) 13:40:20.90 ID:cv+kaGEz0
陸「早く反撃して見せろ!!」
海「このままだと氏ぬぞ!!」
隊長「痛い痛い!! 止めて!!」
竜王「お主の見込んだ男は既に負けそうだが」
九尾「それはまだわからんぞ 勝負はまだ始まったばかりゆえ」
竜王「その割りにまだ武器も抜けておらんようだが」
九尾「当たり前 あれは初代四大貴族の一人 鬼族の長が持っておった金棒だからの」
竜王「……馬鹿か 普通の鬼族が10人掛かりでないと持ち上がらない代物だぞ」
竜王「歴代でも使えたのは先代の鬼族の長ぐらい 陸でもあれは使いこなせん」
九尾「それはどうかの 確かに主様は馬鹿だよ お人好しだしいつもそれで損をしておるし」
九尾「馬鹿だし人の尻尾を遠慮なくモフるし馬鹿だし」
竜王「そんなに馬鹿なのか?」
967: 2012/01/22(日) 16:22:31.41 ID:cv+kaGEz0
九尾「ただ主様は人を見て理解しようとしている まるで誰かのようにの」
竜王「フン お前ら! 早くやってしまわんか!!」
陸「了解!!」バッ
海「ボクたちはこの後 冥界の門を開く仕事もあるからね!!」
隊長「……冥界の門?」
陸「そうだ! この火山にある現世と氏者がいる冥界を繋ぐ門!!」
海「確かに普通じゃ開けられないけど 竜王様なら別だ!!」
陸「都合の良いことに私たちが蘇らせたいのは三人」
海「出てくる魂をお前ら三人に植え付ければボクたちの目的は達せられる!!」
隊長「蘇らせたい人ってさ もしかして先代鬼族の頭領?」
陸「……? なんでお前が知ってるかは知らんがそうだ」
隊長「……ハァ もうやーめった」
968: 2012/01/22(日) 16:45:04.70 ID:cv+kaGEz0
竜王「九尾 主の男はやめたそうだぞ」フッフッフ
九尾「……」
陸「止めたっていうのはそのままの意味でいいのか?」
隊長「そうだよ そもそも痛いのは嫌いなんだよ 金棒も持ち上がらないし」ヤレヤレ
海「まあボクたちも無抵抗の相手を虐めて喜ぶほど腐ってはいないしね」
隊長「アハハハハハハッ!! 腐ってるのはお前たちだろ」
陸「なんだって?」ピタッ
隊長「耳も腐ってるの? ちゃんちゃらおかしいね」アハハ
海「降参したお前がボクたちを挑発してなんになる 負け犬の遠吠えか?」イラッ
隊長「違う違う! 勘違いしないでよ やめたのは本気を出さないのをやめたって意味」ゴゴゴゴ
陸「おい なんでその金棒が持ち上がってるんだ……」
海「ないないない 普通の人間のお前がそれを持ち上げられるなんて……」
隊長「もうキレた お前ら二人ともぶっ潰す」ブォン
970: 2012/01/22(日) 16:52:54.28 ID:cv+kaGEz0
隊長「うぉおおおおおおりゃああああああ!!」ブォン!!
陸「あぶなっ!?」
海「あの一撃 一発でも受けたらヤバイよ!!」
陸「わかってる!! だけど……」
竜王「持ち上げたところまでは凄かったが あれでは当たらんの」
竜王「普段から割りとトロい陸よりも更にスピードが落ちておる」
九尾「……竜王 武器とは想いで振るものだよ」
竜王「いきなりなんだ?」
九尾「守りたいから武器を振る 勝ちたいから武器を振る 武器を使うのは人ではなく想いゆえ」
九尾「時にその武器は意思を持ち持ち主の想いを受け継ぐことがある 魔王の短刀のようにの」
竜王「それがどうしたというのだ」
九尾「あの金棒にも誰かの想いが宿っておっても不思議ではないということだ」
971: 2012/01/22(日) 16:57:28.91 ID:cv+kaGEz0
陸(弟 このままだとこっちがジリ貧だ)
海(あいつの動きがどんどん良くなっていってるからね)
陸(提案だ 私が奴の動きを一瞬止める)
海(その隙にボクが攻撃する)
陸「行くぞ弟!!」ダッ
海「了解だ姉ちゃん」ダッ
隊長「ちょこまかと!!」ブォン
陸「お前の相手は私――ぐぁっ!?」ガキンッ
海「これで終わりだ人間!!」ザッ
陸(そういえば前にも似たようなことが……)
海(あったなそういえば……)
986: 2012/01/28(土) 20:06:28.76 ID:9xV1STki0
数十年前
ドゴォオオオン!!
頭領「おんしらほんに弱いのぅ」ポリポリ
陸「お前が強すぎなんだ!!」ボロボロ
海「そうだそうだ!!」
頭領「参謀の奴に盗賊が鬱陶しいからぶっ倒して来いといわれて来たんだぞ」
陸「現魔王と殴り合いで勝てる魔王軍最強の男が来るとか思わないだろ!!」
海「金棒の一撃で鉄を粉々にするとかありえない」
頭領「そりゃお前 鍛え方が足りんだぎゃ」
陸「鍛えてどうにかなる問題じゃないからな」
頭領「ま! それなりに楽しめたからいいがの よし! お前ら飯食いにいくぞ!!」
海「飯食いに行くって……」
頭領「喧嘩して腹減ったからな ワシは山ほど食うぞ」ギャハハハハハ
987: 2012/01/28(土) 20:33:21.03 ID:9xV1STki0
参謀「それでいきなりなんですか?」
頭領「だから! おんしとそこの二人を入れて竜騎衆でも作ったらどうだ?」
参謀「確かに強力な魔族の名が知れれば人間への牽制になりますが」
参謀「私はともかく そこの二人は元盗賊ですけど いつ裏切るか……」
陸「……」
海「……」
頭領「馬鹿だな こいつらが裏切るわけないだろ」ギャハハハ
参謀「あなたに馬鹿にされるのは一生の汚点ですけど その根拠は?」
頭領「こいつら馬鹿だぞ 裏切るなんて考えられるわけねーだろ」ギャハハハハハ
陸「アンタだけには!!」
海「言われたくない!!」
988: 2012/01/28(土) 21:00:41.80 ID:9xV1STki0
頭領「ほれほれ 参謀も元気な子を産んだのぅ」ガシガシ
魔王女「痛いです!!」
頭領「おんしは魔王似じゃのぅ」
先々魔王「どういう意味だ」
頭領「空ちゃんの方は陸海と仲が良いのか?」
空「いつかこの馬鹿共を足で使える役所につきたいです!!」ゲシッゲシッ
陸「痛い! 餓鬼じゃなければ殴れるのに!!」
海「ってかもう殴りたいですお姉様!!」
頭領「お転婆なところは参謀にそっくりじゃのぅ」
参謀「殴りますよ」
989: 2012/01/28(土) 21:38:01.89 ID:9xV1STki0
陸「頭領様! 待ってください!!」
海「王国に行くってどういうことだよ!?」
頭領「なんじゃおんしらはうるさいのぅ」
陸「それは我慢してください! それと王国に行くって!! あそこは人間の住処ですよ!!」
海「敵地に一人で行くとか正気じゃありません!!」
頭領「正気もなにもお互い納得づくの和平交渉にいくんじゃ それに空戦騎の参謀も一緒にいくしな」
陸「どうして和平なんてするんですか! 人間なんて皆頃しでいいじゃないですか!!」
頭領「ワシは喧嘩は好きじゃが頃し合いは嫌いじゃからのぅ」
頭領「最近娘が生まれてから顕著にそれが出てくるようになってな」
海「側近ちゃんと鬼ちゃんですか?」
頭領「なんでもかんでも否定せず 手を取り合えば面白い国が出来ると思うんじゃ」
陸「それなら私たちも連れて行ってください!!」
頭領「心配でもしてくれるんか?」ギャハハハハハ
海「冗談でも笑えないから」
990: 2012/01/28(土) 21:43:49.73 ID:9xV1STki0
頭領「なに 心配せんでもワシは強いから氏なんだろ」
頭領「なにせ参謀ですらワシの頃し方が浮かばんぐらいじゃからの」ギャハハハハハ
陸「絶対に生きて帰ってきてくださいよ」
海「頭領が氏んだら私たち……」
頭領「辛気臭い顔すんな 帰ってきたら魔王も連れて飯でも食いにいくぞ!!」
陸「そしたら私たちが作ります」
海「腕によりをかけてな!!」
頭領「そりゃ楽しみじゃのぅ」ギャハハハハハ
数日後
陸「頭領と空戦騎が氏んだってどういうことですか!?」
魔王「余にもわからん 魔界でも随一の実力を持つ奴らが氏ぬなど……」
海「人間が卑怯な手を使ったに決まってる!!」
魔王「行くぞ! 奴らの弔い合戦だ!!」ザッ
991: 2012/01/28(土) 21:54:34.31 ID:9xV1STki0
陸「あの数年後 先々代の魔王様も人間に暗殺されて殺された」
海「魔王女様や今の魔王様は人間と共存の道を目指してたけど私たちが割り切れるハズがない」
陸「私たちはあの三人が笑いあっているところをもう一度みたい」
海「だから私たちは……」
隊長「そんなのな……」ギリギリ
陸「なんだ こいつの力は……」
隊長「間違ってるに決まってるだろうが!!」ブォン
陸「私を弾き飛ばしてその遠心力で背後の海へ……」
海「くっ……!?」ドサッ
隊長「グチグチ言って! 結局自分たちのために戦ってるんだろ!!」
隊長「誰かのため……なんて言いながら戦って それで本当に彼らが喜ぶのかよ!!」
陸「知った風な口を!!」
隊長「知らないよ! 君たちが悩んでる理由を知った風な口で分かる……なんていえない!!」
隊長「でも 本当に彼らの氏で悲しんだのは自分たちだけだと思ってるの!?」
陸海「「――っ!?」」
993: 2012/01/28(土) 22:04:00.53 ID:9xV1STki0
隊長「悲しみながらも その氏を無駄にしないために前に進んだ人もいたんじゃないの?」
隊長「その人たちに比べたら ずっと氏んだ人の幻影を追い続けてる二人は間違ってる!!」
陸海「「…………」」
隊長「」ズリズリ
陸「(もう駄目だ)」
海「(殺される……っ!!)」
隊長「腕の関節が外れちゃった もう降参」ブラーン
陸海「「えっ!?」」
隊長「痛い!! 見てよブラブラしてるもん俺の腕!!」
九尾「お主様は最後まで締まらん人だのぅ」ハァ
994: 2012/01/28(土) 22:13:52.82 ID:9xV1STki0
隊長「それとさ 俺の魔王の短刀には持ち主の想いを記憶する力があるんだけど」
隊長「どうも頭領が殺された時にこれが刺さってたみたいでさ 遺言っぽいのがあるんだけど」
陸「本当ですか!?」
海「早く聞かせろよ!!」ブンブン
隊長「ゆらさないで~~~!!」ガクガク
頭領「まさか勇者があれほどの実力者だったとはのぅ」ギャハハハ……
参謀「笑い事じゃないでしょう ってか心臓に短刀突き刺されてよく生きてますね」
頭領「おんしを氏なせたら親友に合わす顔がないからのぅ」ギャハハハ
参謀「全く あなたの馬鹿は氏んでも治りませんね」ハァ
頭領「せっかく和平が結べると思っただがの まだ人間との溝は深いか」
参謀「生物の間の溝なんてそう簡単には埋まりませんよ」
995: 2012/01/28(土) 22:42:34.19 ID:9xV1STki0
頭領「陸と海の両親 同じ魔族に殺されたらしいんじゃ」
頭領「人間じゃなくワシらと同じ魔族だぞ 笑えもせんわ」
参謀「だからあれだけ気にしてたんですか?」
頭領「陸はな 姉ぶっているがあれはあれで案外寂しがりやだ」
頭領「海は周りに攻撃的なところもあるが あれで面倒見がいい」
参謀「……」
頭領「ワシら鬼族は皆家族のようなものじゃが他の種族はそうでもない」
頭領「あの二人とワシの娘が仲良くしとる時 全種族が手を取り合えると思ったんだがのぅ」
参謀「手を取り合えますよ 私たちが駄目でもその娘が 孫が頑張ってくれます」
頭領「じゃのぅ 魔王に陸と海には頑張って欲しいもんだ」
頭領「あの子らもワシの娘みたいなもんだからな」ギャハハハ
隊長「とまあこんな感じなんだけど」
陸「頭領様……」
海「ごめんなさい……」グスッ
996: 2012/01/28(土) 22:54:58.80 ID:9xV1STki0
隊長「そんなことより腕腕!!」ブラーン
陸「よし! 頭領様からの遺言を教えてくれた代わりに私たちが治してあげます」グイッ
海「姉ちゃんは右 ボクは左をやるから」ゴキゴキ
隊長「ねぇ なんか変な音がするんだけど……大丈夫なの!?」
陸「……出来た?」
隊長「なんで疑問系!? おかしいよ! だって肘が6つぐらいに増えてるもん!!」
海「三節棍みたいで格好いいじゃん」
隊長「良くないよ!! モフエも~~~ん!!」
九尾「お主様は本当に仕方ないのぅ モフモフー」モフモフ
隊長「治ったよーーー!!」
陸海「「なんで!?」」
おっさん「なあ……俺このまま起きなくていいか?」
弟子「同感です あんなのの仲間と思われたくありません」
997: 2012/01/28(土) 22:57:03.82 ID:9xV1STki0
続きは次スレで!!
次回:王様「お主には辺境村の再興を頼む」隊長「なにそれこわい」【後編】
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