ゴキブリ「俺さん仕事行っちゃった……」ｼｭﾝ

ゴキブリ「ん？」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「……あ！これ俺さんのマグカップ！」

ゴキブリ「えへへ……ちゅっ///」ｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「間接キス…………しちゃった///ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「この窓ガラスも……俺さんの手の油が付着してる！」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「えへへっ///ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ」

ゴキブリ「これで一週間は生きられるよぉ！」

ゴキブリ「ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ……あ！」

ゴキブリ「これは………俺さんの歯ブラシ！」ﾊﾟｱｧ

ゴキブリ「ごくり………」

ゴキブリ「ちょっとならいいよね……///いただきます///」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「ぺろ………ん……ぺろぺろ………」ｶｻｶｻ

ゴキブリ「………えへへっ///おいしい……」

ゴキブリ2「あー！ずっるーい！！」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「きゃぁ！？…み、見てた？」

ゴキブリ2「いいなーあんたばっかり！私も歯ブラシ舐めたい！」

ゴキブリ「だ、だめだよぉ！俺さんの歯ブラシは私だけのものなんだから……！」

ゴキブリ3～10「「「「「「「「わたしもたべたーい！」」」」」」」」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「ふえ～ん！今日こそ独り占め出来ると思ったのにぃ………」

ゴキブリ1～10「「「「「「「「「「ﾍﾟﾛﾍﾟﾛﾍﾟﾛﾍﾟﾛﾍﾟﾛﾍﾟﾛ」」」」」」」」」」

ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ……………

俺「ふー」ｶﾞﾁｬﾊﾞﾀﾝ

ゴキブリ「お……俺さんっ♪」ﾊﾟｱｧ

ゴキブリ「………///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

ゴキブリ「(ダメだなぁ……私……今日こそ俺さんに話しかけようって思っても……)」ｶｻｶｻﾓｼﾞﾓｼﾞ

ゴキブリ「(緊張しちゃう………///)」

ゴキブリ「(俺さんが寝てる時はあんなに大胆にキスも出来るのに………)」

ゴキブリ「(ふえ～ん！私のばかばか！いくじなしっ！)」

J( 'ｰ`)し「夕飯の前に風呂入りな」

俺「わかったー」

～お風呂場～

ゴキブリ「(私が今朝たくさん這いずり回ったお風呂場に…俺さんが………///)」ｶｱｧ

ゴキブリ「(うれしいけど………恥ずかしいよぅ///)」


俺「(眼鏡かけてないからシャンプーとリンスどっちか分かんねぇなー)」

～一方その頃～

テレビ『ゴキブリにはこのゴキブリホイホイ！』


J( 'ｰ`)し「もうそんな季節か………」

俺「ﾊﾐｶﾞｷｼｬｺｼｬｺ」

ゴキブリ「………///」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

俺「ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ」

ゴキブリ「(歯ブラシは独り占めできなかったけど……コップの口は一生懸命ぺろぺろしておいたから……///)」

～数日後～


ゴキブリ「え？ゴキ子が行方不明？」ｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ32「ゴキ子だけじゃないわ……ゴキ助もいないのよ」ｶｻ…

ゴキブリ18「なんか甘くておいしいものがある場所があるんだって行ったっきり戻って来ないんだよー」

ゴキブリ「そう……。それってどこなの？」

ゴキブリ32「それが分からなくて……独り占めする為に誰にも場所を言ってないみたいだったから」

ゴキブリ18「全くもう！おいしいものを独り占めしようとするからバチが当たったんだよ！」

ゴキブリ「(…心配だなぁ……)」

J( 'ｰ`)し「２匹狩れた」ｸﾞｼｬｸﾞｼｬ

J( 'ｰ`)し「ゴキブリホイホイも最近効果はマンネリかと思ったけど案外いけるわね」ﾎﾟｲｯ

J( 'ｰ`)し「うふふ！」

ゴキブリ「そんな……ゴキ子、ゴキ助に続いてゴキ太郎も行方不明……？」

ゴキブリ42「そうらしいわ………やっぱり、偶然じゃないわね」

ゴキブリ18「まぁ、ゴキブリの数が減ってくれたら、歯ブラシも食べかすもその分多く食べられるからいいんだけどねー！」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ゴキブリ29「そんな事言って、本当は寂しいくせに」ｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ18「うっ………」

J( 'ｰ`)し「ーみつけた」

ゴキブリ「！！！！」

J( 'ｰ`)し「あらあら、三匹も……………………」

ゴキブリ42・18・29「えっ………」

J( 'ｰ`)し「今はゴキジェットが無くてねぇ……でも安心して、そんな小道具いらない」

ゴキブリ「え？…………え？」


J( 'ｰ`)し「新聞紙さえあれば、簡単なものなのよ」ｽｯ


ﾊﾟｱｱｱｱｱｧｧｧﾝ!!!!!!!!!!!!!!

ゴキブリ42・18・29「あ゛………がっ…………」ｸﾞﾁｬｱ…

ゴキブリ「ーっ！！」

ゴキブリ「(ーあれ？痛くない……)」

ゴキブリ「………！皆！？」

ゴキブリ42「………にげ…て…」

ゴキブリ「えっ…………」

ゴキブリ18「あたし達の事はいいから…あんただけでも逃げて………」ｸﾞﾁｬ

ゴキブリ29「おれさんに………きもち……つたえるん……でしょ………？」

ゴキブリ「…………！！」

ゴキブリ「みんな……ありがとう……っ！！」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ!!!!!!

ゴキブリ「(ーそして、さようなら……)」

ゴキブリ「(忘れないよ………俺さんの歯ブラシを取り合ったこと……)」

ゴキブリ「(忘れないよ…俺さんの髪の毛を一緒にぺろぺろしたこと)」

ゴキブリ「(寝てる俺さんをぺろぺろしたこともあったっけ…………)」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

J( 'ｰ`)し「………！！」

J( 'ｰ`)し「1匹逃がしたか………」

J( 'ｰ`)し「やっぱり新聞紙だけじゃダメね」ｸﾞｼｬｸﾞｼｬﾎﾟｲｯ

J( 'ｰ`)し「たかしにゴキジェット買ってきてもらお」

～

俺「あれ？ｶｰﾁｬﾝからLINE来てるわ」

J( 'ｰ`)し『ゴキブリ頃すからゴキジェット4649🙏』

俺「うわっ俺ん家ゴキブリいんのかよきもっ」

ゴキブリ「はぁっはぁっはぁっ………」ｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

ゴキブリ「俺さん……どこにいるの！？」

ゴキブリ「あれ………何かおいしそうなにおいが………」

ゴキブリホイホイ「ｵｲﾃﾞ………ｵｲﾃﾞ………」

ゴキブリ「何だろう……これ……」

ゴキブリ「おいしそう………」ﾌﾗﾌﾗ

ゴキ太郎「来るな！！」

ゴキブリ「……！！」ﾊｯ

ゴキ太郎「来ちゃ駄目……だ！！」

ゴキブリ「ゴキ太郎！？どうして………」

ゴキ太郎「これは罠なんだ…！一回踏み込めば最後、ここから出られなくなる！！」

ゴキ太郎「ふ…俺はもうこのザマだ……」ﾍﾞﾄﾍﾞﾄﾈﾁｬｧ

ゴキブリ「そんな……ゴキ太郎……っ！！」

ゴキ太郎「俺はあと二週間もすれば餓氏するだろう……」

ゴキブリ「ひどい………誰がこんなことを………！！」

ゴキ太郎「いいんだ……これが俺の運命さ、受け入れるよ」

ゴキブリ「諦めちゃダメだよ！胴体を引きちぎってでも生きる！それが私達の宿命でしょう！？」

ゴキ太郎「無理なんだよ……もう俺の身体は１ミリともこの罠から離れない」

ゴキ太郎「ー強力な、力だ」

ゴキブリ「……そんな………」

ゴキ太郎「でも、ゴキブリ……お前は生きろ」

ゴキブリ「……！」

ゴキ太郎「俺さんの唾液、髪の毛、手の油だけに愛情を注いできたお前だからこそ……俺みたいにこんな罠にもかからなかった」

ゴキ太郎「ー思い、伝えるんだろ？」

ゴキブリ「ありがとう…！ありがとう…！」

ゴキブリ「いってきます」ｶｻｶｻｶｶｻｶｻｶｻｶｻｶｻ

テレビ『しつこいゴキブリにゴキジェット！』

J( 'ｰ`)し「ｱﾊﾊ!!」

ゴキブリ「…！」

ゴキブリ「(あの人が…皆の仇……！)」

ゴキブリ「(急がなきゃ……あんな人と同じ屋根の下で暮らしてる俺さんが危ない！)」

ゴキブリ「(伝えなきゃ……そして私の気持ちも！)」

俺「ただいまー」ｶﾞﾁｬﾊﾞﾀﾝ

ゴキブリ「俺さん！」

ゴキブリ「(あれ……身体が……軽い)」

ーわたし、今なら飛べるかもしれない

ゴキブリ「お れ さ ー ん！！！！！！」ﾌ゛ｳ゛ｳ゛ｳ゛ｳ゛ﾝ!!!!!!!!!!!!!!!!

俺「えっ」

ゴキブリ「えへへっ///」ﾋﾞﾀｯ

俺「」

ゴキブリ「ずっと………ずっと夢だったの」

ゴキブリ「起きてる時の俺さんの顔にダイブして……キスするのが………///」ｶｻ………

俺「う」

ゴキブリ「えっ？」

俺「う゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛！！！？？？？」ﾊﾞｼｨｯ

ゴキブリ「きゃあぁっ！？」

俺「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーー！！！！」ｺﾞｷｼﾞｪｯﾄﾌﾞｼｭｰｰｰ

ゴキブリ「き゛ゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーー！！？？」

俺「ああああああああああああ！！！！！！しねしねしねしねえええええーーーーー！！！！！！」ﾍﾞｼﾝﾍﾞｼﾝﾍﾞｼﾝ

ゴキブリ「ぁ……………ぁ…………」

ーなにが、起こったのか分からなかった。

ーただ、ひとつだけ分かるのは

ーおれさんは、わたしのことをすきじゃなかった

ーただ、それだけ

ゴキブリ「(わたしじゃ……おれさんの……いちばんにはなれなかったんだ………)」

ゴキブリ「ごめんなさ………おれさん……」

ーせめて、このお腹の中にいる無数の小さな命を


ゴキブリ「わたしと……わたしのしんでいった、おともだちのぶんまで」

ーがんばって…………

私が俺さんの歯ブラシを舐めてお腹いっぱいになって、

そうして出来たたくさんの小さな命。


私じゃ俺さんの一番になれなかったけど、

｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.

忘れない。

俺さんの唾液。

俺さんの髪の毛。

俺さんの皮膚から分泌された油の味………

｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.｡oＯo｡.:♥:.

俺「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……最悪最悪最悪……ｸﾞｽｯ……」ｺﾞｼｺﾞｼ

J( 'ｰ`)し「ｸｿﾜﾛｗｗｗｗ」


～Fin？～

せつない

乙