1: 2009/06/01(月) 10:24:52.73 ID:VHL9tOM8O
ホロ「わっちは…どうすればいいんじゃ…」

ロレンス (チラッ)

ホ「ヨイツが滅びたじゃと?わっちには信じられん…」

ロ「…」

ホ「ってぬし、聞いとるのか?」

ロ「あっ、あぁ聞いてるとも。野宿はいやなんだろ?」

3: 2009/06/01(月) 10:26:22.21 ID:VHL9tOM8O
ホ「たわけ。全然聞いておらんではないかっ!」

ロ「す、すまん…」

ホ「ふんっ、どうせまた幼子でも見て興奮しとったんじゃろ」

ロ「ばっ、馬鹿いうな。俺は幼女なんk…」

ホ「ぬしよ、わっちが気づいておらんとでも?
いや、わっちでなくとも誰でもすぐ気づきんす。
ぬしの視線の先にはいつも幼女幼女幼女じゃ」

4: 2009/06/01(月) 10:27:24.68 ID:VHL9tOM8O
ロ「!…そうか…知っていたのか…
ならこれからは隠す必要ないな
俺は幼女が好きだ。」

ホ「なっ…何を開き直っておるのじゃ…
もうよい、さっきの話……ヨイツについてなんじゃが…」

ロ「あぁ…滅びた、といっていたな、あの年代記作家。どうも胡散臭いがな…」

ホ「ぬしは…ぬしはどう思っとるんじゃ?」

5: 2009/06/01(月) 10:28:47.75 ID:VHL9tOM8O
ロ「俺か?俺にはわからんがえぇとあれだ、百聞は一見にしかず、だな。」

ホ「ぬし…」

ロ「ヨイツの詳しい場所はわからんが、北ってことはわかってるんだろ?なら北を行くのみだ。
ニョッヒラまで行こうかと思っていたが酒場の主人曰く、
この先に移民の町があるらしい」

6: 2009/06/01(月) 10:30:17.65 ID:VHL9tOM8O
ホ「移民…とな?」

ロ「ああ。何らかの理由で故郷を抜けて集まった者たちの為の町だ」

ホ「なるほど。それならヨイツの話を知っとる者もおるかもしれん、ということかや」

ロ「ああそうだ。
早く着きたけりゃ今日の内に出ないと辛いかもな。
雪がひどいらしい」

ホ「…だから…今日は宿がないと…そういうことじゃな?」

ロ「ご名答」
ホ「たわけ」

8: 2009/06/01(月) 10:31:33.93 ID:VHL9tOM8O
――五日後
ホ「まだ着かんのかや」

ロ「あと少しだな。
それにしても人通りが全くないな」

ホ「うむ。この雪じゃ普通は出歩かんからのぉ」

ロ「…悪かったな」

ホ「本当にそう思っとるなら町に着いたらあれ買ってくりゃれ?あの桃のやつ」

ロ「蜂蜜漬けか?今の時期にはないと思うぞ?」

ホ「…じゃあ、あの蜂蜜がかかったパンじゃ」

ロ「それならあるだろうな」

ホ「早く食べたいのう。干し肉ばっかりじゃ飽k」
ムグッ

ホ「ぬし、何するんじゃ」

ロ「しっ。話し声が聞こえる…」

ホ「…わっちには聞こえんが」

ロ「いや、確かに聞こえる…聞き覚えがある…この声は…」

11: 2009/06/01(月) 10:33:11.35 ID:VHL9tOM8O
ロ「この声はノーラの声だ!」

ホ「あの羊飼いかや?」

ロ「ああそうだ」

ホ「たわけ。わっちに聞こえんのにぬしに聞こえるはずが…」

犬「ワオーーーン!」

12: 2009/06/01(月) 10:34:18.63 ID:VHL9tOM8O
ホ「!まさかわっちの聴力が落ちたのかや?信じられん…じゃが今のは確かにあの犬…エネクの鳴き声じゃ…」

ロ「えっ…犬の鳴き声は聞こえなかったが…」

ホ「…」

13: 2009/06/01(月) 10:35:03.09 ID:VHL9tOM8O
――1時間後

ロ「やっと着いた…ここが移民の町、シムシティか…」

ホ「まぁまぁの大きさじゃな」

ロ「ああ。よし、まずは宿の確保だ。そのあと酒場にでも行こう」

ホ「うむ」

14: 2009/06/01(月) 10:36:22.42 ID:VHL9tOM8O
酒場――
マスター「旅のお方、この天気でさぞや大変だったでしょう。これでも飲んで体を温めて下さい」

ロ「ありがとうございます。これは?」

マ「バタービールでございます」

ホ「旨いの」

ロ「うむ」

15: 2009/06/01(月) 10:37:13.64 ID:VHL9tOM8O
――30分後
ロ「そうだマスター、この町に北の方に詳しい人いませんか?」

マ「北?北ってここよりも北ってことかい?そうだなぁ…そういえば一人年代記作家が」

ロ「それ以外で」

マ「うーん…この町にはいないと思うよ。ニョッヒラまで行けば分かるんじゃないかな」

ロ「そうですか…ここからはどれくらいで?」

マ「2日あれば着くよ。でも…」

17: 2009/06/01(月) 10:38:49.66 ID:VHL9tOM8O
ロ「でも?」

マ「最近ここらに狼が出るんだ…だから危ないと…」

ロ「…マスター、この町には羊飼いの女の子がいるだろ?呼んでくれないか?」

マ「ノーラちゃんかい?ちょっと待ってくれよ。おい、誰かノーラちゃんを探してきてくれ」

18: 2009/06/01(月) 10:39:36.84 ID:VHL9tOM8O
――10分後
ノーラ「こんばんわマスター」

マ「こんばんは。君に仕事の依頼だよ」

ノ「えっ?本当ですか?」

マ「あぁ、こちらが依頼主さんだ」

ノ「初めまして、私ノーラ・アレントと言い…」

ロ「久しぶりだね」

20: 2009/06/01(月) 10:40:22.67 ID:VHL9tOM8O
ノ「えっロッ…ロレンスさん?それにホロさんも!」

マ「知り合いかい?」

ノ「はい!以前お世話になりました」

マ「そうかそうか。それで依頼の内容なんだが、ニョッヒラまでの護衛ということだ」

ノ「はいっ!もちろんお引き受けします!」

ホ「ぬし、まだここにおるのかや?」

ロ「ああ、まだ話したいこともあるしな」

ホ「ならわっちは夜風に当たって先に宿の方に戻っとく」

ロ「ああわかった」

21: 2009/06/01(月) 10:41:11.41 ID:VHL9tOM8O
翌日、道中――

ノ「まさかお二人にもう一度会えるだなんて思ってもみませんでした」

ロ「俺もだよ。だから来る途中で声が聞こえたときはびっくりしたよ」

ホ「わっちはぬしの幻聴だと思っとったんじゃがコホコホ」

ロ「ん、どうした?風邪か?」

ホ「うむ…そうみたいじゃ。寝ているから着いたら起こしてくりゃれ」

ロ「わかった、無理するなよ」

ノ「ここのところ寒い日が続いてますからね…」
ロ(それにしてもこいつ、もう幼女と呼べるほど幼くはないな…んんおしい…いや、まだセーf)

ノ「何か言いました?」

ロ「い、いや、別に…」

22: 2009/06/01(月) 10:42:14.28 ID:VHL9tOM8O
道中二日目朝――

ロ「…朝か」

ノ「おはようございます」

ロ「ああ、おはよう」

ノ「ちょっとエネクと散歩してきますね」

ロ「わかった。ある程度したら戻ってこいよ」

ノ「はいっ」すたすた

ロ「ホロ、調子はどうだ?」

24: 2009/06/01(月) 10:42:56.89 ID:VHL9tOM8O
ホ「…」

ロ「ホロ?…」パッ

ロ「すごい熱じゃないか!」

ホ「ぬ…ぬしよ……震えが止まらんのじゃ…」

ロ「は、早く医者に行こう!」

ホ「い、医者にこの耳や尾をさらすのかや?」

ロ「そ、それは…」

ホ「それに、我々狼は病に弱い……周りの仲間が倒れていくのを…どれほど見てきたか…」

25: 2009/06/01(月) 10:43:38.81 ID:VHL9tOM8O
ロ「だ、だからって諦めることはないだろ…ヨイツに行くんだろ?」

ホ「…ヨイツは…ヨイツはもう…滅びたんじゃ…」

ロ「な、何を言ってる」

26: 2009/06/01(月) 10:44:56.78 ID:VHL9tOM8O
ホ「お、一昨日の晩、わっちは年代記作家に会ってきた…そやつは…元は亀じゃった…
ヨイツの最期を見たと言った…わ、わっちは信じられなかった…
じゃが…わっちの耳は狼の耳じゃ…
それでもうわかるじゃろ…」

ロ「だ、だとしても…」ポロ

28: 2009/06/01(月) 10:46:39.66 ID:VHL9tOM8O
ホ「ぬしよ…泣かないでくりゃれ?
ぬしが泣いてるのを見ると…わっちまで…わっちまで泣いてしまうではないか…」ポロポロ

29: 2009/06/01(月) 10:48:09.80 ID:VHL9tOM8O
ホ「ぬしよ……ぬしとわっちの旅はここまでじゃ…
ここからはぬしの物語じゃ…じ、じゃが最後に一つだけ…
わっちを…わっちをヨイツまで連れていってくりゃれ?」


ロ「ああわかった。絶対に守る」

ホ「そ、そろそろ…お…おわかれ………」

ロ「おい、ホロ!しっかりしろ!…ホロ―――――――!」

30: 2009/06/01(月) 10:49:29.88 ID:VHL9tOM8O
ノ「ど、どうしたんですか」

ロ「……」

ノ「そ、そんな…」

ロ「…俺はこれからヨイツに行く…それがこいつとの、最後の約束だからな…」

ノ「わ、私もついていきます」

ロ「ああ…」

31: 2009/06/01(月) 10:51:50.92 ID:VHL9tOM8O
エネク「ウーッ!ガルルル…」

ノ「エネク、どうしたの?…あ…あれは…狼の群れ…」

ロ「くそっ、囲まれてる…おそらくホロのことに気づいたんだろう…どうすればいいんだ…」

32: 2009/06/01(月) 10:53:38.33 ID:VHL9tOM8O
ノ「…ロレンスさん、目を閉じていて下さい…」

ロ「えっ?」

ノ「早く!」

ロ「あ、あぁ…」

ノ「ずっとですよ?」

…バタッ…バタッ……



33: 2009/06/01(月) 10:54:55.00 ID:VHL9tOM8O
ノ「もういいですよ」

ロ「ん…お、狼がいない…ノーラも…」

ノ「私はここです」

ロ「えっ……そ、そんな…」

35: 2009/06/01(月) 10:56:06.95 ID:VHL9tOM8O
ロ「…ノーラは……犬だったのか?」

ノ「はい。隠していてごめんなさい…」

ロ(よ、幼女じゃなかっただなんて…俺はもう…終わり…だ……)バタッ

ノ「し、しっかりしてください!」

ロ「や…約束…守れなくて…ごめん…な…ホロ……」


END

36: 2009/06/01(月) 10:56:50.70 ID:pHw67q4S0
・・・・なんだってー

37: 2009/06/01(月) 10:58:12.99 ID:PXvAwrJ4O
おい、何だこのオチは

40: 2009/06/01(月) 11:09:25.59 ID:VHL9tOM8O
講義の間に書き貯めといたものです

この先の展開思いつかなかったので
このような落ちに…


引用: ホロ「ぬしよ…」