747: 2011/08/17(水) 21:31:50.24 ID:qWjAzS6io

749: 2011/08/17(水) 21:34:07.72 ID:qWjAzS6io



   廃墟だった。

   ビルは崩れ、橋は折れ、公園は木々に埋もれ、明かりは一つも見えない。
   広く造られた幹線道路だけが、辛うじて形を残しているばかり。
   冷たく降り注ぐ月の光が寒々しさを助長する。

   だけど、それでも。
   積み重なった瓦礫の高さが、公園跡の敷地の広さが、幹線道路の幅と長さが、
   在りし日の街並みを思い起こさせる。

   そう、ここもかつてはそれなりに栄えた都市だった。
   私もそのころの姿を知っている。訪れたこともあるし、住んでいたことさえあった。
   良い街だった。
   そう思う。

   だが、今は動くものとてない、ただ風が吹き抜けるだけの廃墟だ。



   ――否。

   動くものなら、いる。
   私と、そして――白いローブをまとった姿の、聖職者めいた異形たち。

ほむら「……こんなになっても、まだ魔獣は出るのね」

   翼を広げ、飛翔する。

748: 2011/08/17(水) 21:32:47.52 ID:qWjAzS6io





   最終話  巴マミの氏





劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語

750: 2011/08/17(水) 21:35:38.68 ID:qWjAzS6io

   私の魔力を察知したのだろう。
   何かを探すように彷徨っていた四体の魔獣が、一斉にこちらを振り仰ぐ。
   節くれだった指を掲げ、攻撃の構えを見せる。

   だが――

ほむら「遅い」

   弓を召喚。矢をつがえ、放つ。

   それで終わった。

   解き放たれた一条の光は軌道上で四つ又に分かれ、魔獣どもを同時に射抜いた。
   白い巨体が溶けるように消え失せる。
   さらに、モノクロだった光景が元の色を取り戻す。すなわち、結界が解けた。

ほむら「……」

   着地し、翼をしまう。

ほむら「……呆気ないわね」

   独りごち、周囲を見渡し、気配も探ってみたけれど、やはり何の反応もなかった。
   本当に今ので終わったらしい。

   とりあえず、勝利の報酬、キューブ状のグリフシードを拾う。   

751: 2011/08/17(水) 21:37:25.41 ID:qWjAzS6io

   それにしても解せない。
   敵の数は少ないし、そもそも最初から弱り切っていたようにも見えた。
   これならわざわざ応援に駆け付ける必要なんてなかったんじゃないだろうか。

   首をかしげた――その瞬間、



ほむら「…………――!!?」



   総毛立った。

   気配に、肌が泡立ち、全身の産毛が逆立った。バネ仕掛けのように振り返る。

   恐怖ではない。
   警戒でもない。
   これは、歓喜だ。

   私を構成する全ての血が、肉が、魂が。
   “あの子” の存在を捉えたことに、喜びを爆発させている。

   放心は一瞬。
   次の瞬間には再び翼を広げ、最初からトップスピードで馳せていた。



ほむら「まどか……っ!!!」



752: 2011/08/17(水) 21:38:49.59 ID:qWjAzS6io



   ◆

ほむら「……」

   その場所は、やはり、廃墟だった。
   砂埃がつもり、コンクリートは風化し、剥き出しの鉄骨は錆びにまみれていた。
   だけども辛うじて、人が一人隠れられるだけのスペースができていた。

   その場所に、横たわる人物が一人。

   服装は泥と埃に汚れ、みすぼらしい。
   美しかった金の巻き毛も、色あせ、ほつれてしまっている。

   けれど、眠っているようなその表情は、確かな充足と安らぎに満ちていた。

   「――」

ほむら「……間に合わなかった、か……」







QB「そうだね」

753: 2011/08/17(水) 21:40:02.23 ID:qWjAzS6io

   その獣は、いつの間にか、背後に。

ほむら「……」

QB「……遅かったじゃないか、暁美ほむら」

   この廃墟に似つかわしくない、真っ白な毛並みの尻尾を揺らし、彼は言う。

ほむら「……」

   どうしてだろう。
   感情なんてないはずのその声が、落胆の色を帯びている気がした。

QB「マミは逝ってしまったよ。君たちの言う、“円環の理” の向こうに」

ほむら「……」

QB「残念だよ。君があと一分、早く来てくれていれば……」

QB「……いいや、いい。
   来てくれただけでも助かるよ。僕一人ではマミを弔うことすらできないからね」

ほむら「……」

QB「……。手伝ってくれるだろう?」

ほむら「……ええ」

754: 2011/08/17(水) 21:41:23.86 ID:qWjAzS6io

   改めて、彼女の亡骸に目を落とす。
   そして――ようやく気付いた。
   その場に似つかわしくない、もう一つのものが落ちていることに。

   つややかな白磁のティーカップ。

ほむら「……?」

   振り返ってみると、彼のそばにも同じものがもう一つ。
   こちらには中身が――真紅の液体が、湯気を立たせて揺れている。

QB「……。マミだよ」

   私の視線を受けてか、彼はぽつりとつぶやいた。

QB「彼女が最後に出してくれたんだ」

ほむら「……」

   なるほど。
   言われてみれば確かに、かすかだけれど彼女の魔力を感じる。

   しかし当の本人が逝ってしまったのに残っているというのは、どういう奇跡なのか。

QB「……わけがわからないよ。僕は、そんなつもりで言ったんじゃないのに」

QB「こんなことさえしなければ、君が来るまでもっていたかも知れないのに」

755: 2011/08/17(水) 21:42:15.85 ID:qWjAzS6io

ほむら「……そう」

QB「……そうさ」

ほむら「なら、早く飲んでしまいなさい。冷めてしまうわ」

QB「……。そうだね」

ほむら「……」

QB「……」

   ぴちゃぴちゃ、と、液体を舐める音が小さく響く。

ほむら「……」

QB「おいしいよ」

ほむら「そう」

QB「そうさ。マミの紅茶は、いつだっておいしいんだ」

ほむら「……そう」

QB「……そうさ」



756: 2011/08/17(水) 21:43:59.90 ID:qWjAzS6io



   ◆

   街じゅうを歩きまわって、使えそうな木材を掻き集めた。
   十分な量がそろったころにはもう、東の空は白みかけていた。

   ついでに探してみたけれど、やはり生きている人は残っていないようだった。

   つまり彼女は、守り抜いたわけだ。最後まで。
   ……最期まで。



   街を見下ろす高台――かつて中学校の校庭だった場所に穴を掘り、
   集めた木材で即席の祭壇を組み上げて、彼女の遺体を横たわらせる。

QB「すまないね、余計な力を使わせてしまって」

ほむら「大したことないわ、これぐらい」

   既に何度もやった作業だ。
   もっとも、この環境で一人でというのはそれなりの重労働だったが。

757: 2011/08/17(水) 21:45:13.38 ID:qWjAzS6io

ほむら「お別れは済んだ?」

QB「とっくに」

ほむら「……」

QB「……。今さら何を言えっていうんだい。
   マミの魂は消滅してしまったんだ。ここにあるのは本当の意味でのぬけがらさ」

QB「それに、もし仮に声が届くのだとしても、僕にその資格があるとは思えないよ」

ほむら「……あなた以上にふさわしい人なんていないわ、もう」

QB「よしてくれ」

ほむら「……」

QB「……。僕は 『ヒト』 じゃない」

758: 2011/08/17(水) 21:46:19.23 ID:qWjAzS6io

ほむら「あなた……」

QB「……。なんだい?」

ほむら「さっきから話していて違和感があったのだけど、もしかして……」

QB「……」

QB「どうだろうね」

ほむら「……」

QB「僕らの定義では、このレベルの精神のブレは平常の範囲内に入るんだけど」

QB「……けど、マミだけでなく君にまでそう感じさせてしまったのなら……」

ほむら「……彼女は、なんと言っていたの?」

QB「……。最近優しくなった、と」

ほむら「そう……。彼女がそう言ったのなら、きっとそうなんでしょうね」

QB「そうなのかな、やっぱり」

ほむら「ええ。きっと」

QB「そうか」

ほむら「ええ」

759: 2011/08/17(水) 21:47:32.87 ID:qWjAzS6io

   しばしの沈黙が流れた。

   太陽は完全にその姿を現していた。
   朝日が彼女を髪の毛を照らし、記憶の中と同じ綺麗な金色に染め上げていた。

   それからまたもうしばらくの沈黙を挟んで、彼が言う。

QB「……兆候は、少し前からあったんだ」

ほむら「……」

QB「二年前かな。この街に、マミを除いて最後まで残っていた一群が、
   最年長の老人の氏をきっかけに他所に移っていったときからだ」

QB「それ以来マミは、言葉の端々に氏を匂わせるようになった」

ほむら「……」

   二年……

QB「そうなると必然的に、僕の方もそのときのことについて考えざるを得ない」

QB「そうしているうちに、僕は僕の記憶の中に奇妙な欠落があることに気がついた」

760: 2011/08/17(水) 21:48:38.68 ID:qWjAzS6io

QB「あれは……マミと出会って、三年が過ぎたころだ。雨の日だった」

QB「僕はマミと一つの約束をしたんだ」

QB「自分が氏ぬときは僕に傍にいて欲しいと、彼女は言った」

QB「そのとおりにすると僕は返した」

ほむら「それは……」

   呟いて、先ほどの場所があった方へと視線を飛ばす。

ほむら「……守られたのでは、ないの?」

QB「半分だけね」

ほむら「半分?」

QB「続きがある」

ほむら「……」

   視線で促す。

QB「『終わりのときは、僕は君のそばにいる。
   君の最後の言葉を聞いて、そして僕からも、君への最後の言葉を贈ろう』」

QB「そう、約束したんだ」

761: 2011/08/17(水) 21:50:26.52 ID:qWjAzS6io

QB「マミの最後の言葉は聞いた。だけど、僕からは贈れなかった」

QB「約束した、その時点で、何を言うかは決めていたんだ」

QB「そのはずだったんだ。そういう記憶ならある」

QB「なのに、不思議なんだ。肝心の “言うべき言葉” が思い出せない」

QB「どれだけ記憶を探っても、推測を重ねても、『これしかない』 と決めていたはずの
   その言葉が、どうしても見つからないんだ」

QB「……見つからなかったんだ。最後まで」

ほむら「……」

QB「……。君との件については、叶えた願いの効果によるものということで決着がついた。
   具体的にどんな願いだったかはともかくね」

QB「だけどこれは、これまで僕らの知り得たどんな理論を持ってしても説明できない」

QB「ただ一つ、精神疾患を除いて」

QB「“感情” は、どんな不条理な記憶改竄でも引き起こす――そうだろう?」

ほむら「……」

762: 2011/08/17(水) 21:51:40.55 ID:qWjAzS6io

   ……なるほど。

   そう思った。
   私には、見当がついた。
   というより、知っている。彼の中で――いや、この世界で、何が起こったのか。

   もしその約束というのが、改変される前の世界でも交わされたものだとするならば、
   答えは簡単だ。

   きっとこいつはこう言うつもりだったのだ。
   ソウルジェムが濁り切ることで最期を迎える彼女に。

   君はこれから魔女になるんだよ、と。

   そうすることでより深い絶望に突き落とし、多くのエネルギーを得ようとしていたのだろう。
   こいつらはそういう奴らだ。

   もっとも、だとするならこの彼にも改変前の記憶が一部とはいえ残っていることになる。

   ……まぁ、そういうこともあるのだろう。
   いずれにしても、

ほむら「……そうね」

   わざわざそれを教えてやる必要は、ない。

763: 2011/08/17(水) 21:53:06.74 ID:qWjAzS6io

QB「……。だから、仕方なく別のことを言ったんだ。マミが最も喜ぶであろう言葉をね」

ほむら「……」

   ああ……そういうことか。

ほむら「それで、紅茶なのね」

QB「……」

QB「ああ、そのとおりさ」

QB「マミの紅茶は美味しかった。もう飲めないのは残念だ――そう言ったんだ」

QB「本心だったよ。だけど、最後の魔力を使ってまで出して欲しいなんて、
   間違っても思っちゃいなかった」

ほむら「……」

QB「君たちのやることは、本当にわけがわからない」

ほむら「……そうかも知れないわね」

764: 2011/08/17(水) 21:54:10.90 ID:qWjAzS6io

QB「……。それにしても、よくわかったね」

ほむら「長い付き合いだもの。あなたとも、彼女とも」

QB「なるほど」

ほむら「確か……もう、300年ぐらいにはなるかしら」

QB「プラス14年だよ。君と出会ってからはね」

ほむら「……よく覚えて……いえ。よく数えていられるわね。
     カレンダーなんてもうずいぶん前に機能しなくなってるのに」

QB「まぁ、そのぐらいはね」

QB「ちなみに、マミと出会ってからは、318年になる。318年と、58日」

QB「それだけ長いあいだ、同一の個体が一人の相手とともに過ごした例は他にない」

QB「だから、まぁ……前例のない不具合が起きたとしても、不思議ではないかな」

ほむら「318年……」

765: 2011/08/17(水) 21:56:15.60 ID:qWjAzS6io

   318年。

   一口に言ってしまえば簡単だが、実際、人にとってそれは途方もない長さだ。

   普通の人生、4~5回分。
   幼木が神木と呼ばれるようになるほどの時間。
   人類がその数を、最盛期の十分の一以下にまで減らすのに、充分な時間。

   そのあまりにも長すぎる年月を、
   彼女はただひたすらに、人々を魔獣から守るための戦いに費やしていた。

   誰よりも多くの魔獣を屠り、手にしたグリフシードの数は100万を超える。
   その大半は他の魔法少女のために使われた。

   後進の育成にも力を注ぎ、彼女に送り出された少女は四桁を超える。
   その九割以上は、彼女より先に逝ってしまったけれど。

   世界各地を飛び回り、彼女に守られたことのない都市はもはやない。
   “ワラキアの夜” と呼ばれる魔獣の大量出現も、七度に渡って乗り越えた。

   生きながらにして伝説と呼ばれ、また 『女王』、『聖母』、『守護天使』 など、
   さまざまな称号で一部の一般人にまで語られた。
   中には、なんの皮肉か 『魔女』 なんて呼ぶ輩もいたけれど。

   そんな、あらゆる意味で最高の魔法少女。

   巴マミ。

   それが彼女だ。
   ……彼女、だった。それなのに。

766: 2011/08/17(水) 21:57:25.16 ID:qWjAzS6io

   二年。
   たった二年だ。

   この街から人が消えたという、ただそれだけのことが、
   その短い期間で彼女を擦り潰してしまった。

   別に世界中から人間がいなくなってしまったわけではない。
   むしろここ十数年は再び人口が増え始めている。

   だから、相棒を連れて他の街に移り住むことだってできたはずだ。
   彼女ならどこに行っても歓迎されただろう。

   だというのに、彼女はこの地に留まり続けた。

   思えば昔からそうだった。
   請われればどこへでも出向いたが、自分から積極的に街を出ることはしなかった。
   たとえ短い期間でも街を空けるときには必ず他の魔法少女を代理に置いた。
   どれほど遠くへ行っても、そこで気まぐれのように仮暮らすことはあっても、
   最後には結局ここへと戻ってきていた。

   そんなにも大切なものなのだろうか。

   “帰るべき場所” というものは。

   ……わからない。
   私には、よくわからない。

767: 2011/08/17(水) 21:58:25.99 ID:qWjAzS6io

ほむら「……」

QB「まぁ、その記録も、すぐに君が追い越してしまうんだろうね」

QB「少なくとも、君があと四年のうちに氏んでしまうとは、僕には思えない」

ほむら「……そうね。そんなつもりはないわ」

QB「……」

ほむら「私は、生きてもう一度あの子に逢うの。氏ぬ間際なんかじゃなく」

ほむら「そしてできることなら、あの子をこの世に呼び戻す」

ほむら「それを成し遂げるまでは、氏ぬ気はないわ」

QB「……」

ほむら「……」

ほむら「……そろそろ、始めるわよ」

QB「……。ああ」

768: 2011/08/17(水) 21:59:40.54 ID:qWjAzS6io

   手にした棒きれの先端に火を点け、祭壇の隙間に挿し入れる。
   小さな火種は瞬く間に燃え上がり、彼女の身体を包み込む炎となった。

QB「……」

ほむら「……」

QB「よく燃えるね。この街に燃料になるものなんて残ってなかったと思ったけど」

ほむら「そんなものは使っていないわ」

   ファサ、と髪をかきあげる。
   この癖だけはどうにも治らない。

ほむら「ただの魔法よ」

QB「……。なるほど」

   全てが灰になるまで、10分、といったところか。



ほむら「……」

QB「……」

QB「そういえば、一つ気になってることがあるんだ」

ほむら「? ……何かしら」

769: 2011/08/17(水) 22:00:38.81 ID:qWjAzS6io

QB「君が会いたがっている、神さまになったという少女のことだけど」

ほむら「まどかが、なに?」

QB「……。いや、それさ。名前を確認しておきたかった。『まどか』 というんだね?」

ほむら「ええ」

QB「そうか。……なら、やっぱり違うな」

ほむら「何が?」

QB「……。マミがね、最後の最後、こと切れる寸前に、誰かの名前を口にしたんだ」

ほむら「……」

QB「僕の知らない名前だった。だから、もしかして、と思ったんだ」

QB「もしかして、君の言っていた通りにその子がお迎えに来たのかな、と」

QB「でも、『まどか』 じゃなかったよ」

ほむら「……」

ほむら「『鹿目さん』」

770: 2011/08/17(水) 22:02:00.62 ID:qWjAzS6io

QB「――!?」

   ぽつりとつぶやいた私の声に、彼が勢いよく振り返る。
   相変わらずの固定された無表情だけど、なんとなく驚いている様子がわかった。

QB「どうして……」

ほむら「『鹿目まどか』――あの子のフルネームよ」

ほむら「彼女は、親しい相手でも名字で呼ぶ人だったでしょう?」

QB「……」

ほむら「……そういえば私、あの人に名前で呼んでもったことってあったかしら……?」

QB「神さまに、名字があるっていうのかい?」

ほむら「当然よ。もともとは普通の女の子だったんだから」

QB「……」

QB「……そう、か……」

ほむら「信じる気になった?」

771: 2011/08/17(水) 22:03:05.09 ID:qWjAzS6io

QB「……」

QB「そうだね。他ならぬ、君とマミの言葉だ。有力な仮説として考慮に入れさせてもらうよ」

ほむら「……疑り深いのね」

QB「そうかな?」

ほむら「そうよ」

QB「ふむ……」

ほむら「……」



   祭壇は燃えている。
   今はまだ、原形を保っている。
   もう少しすれば崩れ始めるだろう。

   よく晴れた朝の光の中で、その炎はあまり目立たない。

QB「……。もし、本当に 『まどか』 がいるのなら、」

ほむら「ん……?」

QB「一度会ってみたいものだね。話が聞きたい」

772: 2011/08/17(水) 22:04:11.53 ID:qWjAzS6io

ほむら「フン……」

   思わず、鼻を鳴らす。
   気軽に言ってくれたものだ。

ほむら「なら、試しに氏んでみれば?」

QB「え?」

ほむら「あなたは魔法少女でもないし、ソウルジェムも持ってはいないけど、
     もしかしたら何かの気まぐれで逢いに来てくれるかも知れないわ」

   もちろん、冗談だ。
   皮肉でもある。

   そんな簡単に逢えるわけがない。
   逢えてたまるものか。
   私でさえ、稀にかすかな気配を感じ取るのがやっとだというのに。

QB「……」

ほむら「……」

QB「そうだね。それじゃあ、やってみようかな」

ほむら「ふふっ……」

   今度は、笑いが漏れた。
   どちらだと受け取ったのかは知らないが、まさか乗ってくるとは思ってなかったから。

773: 2011/08/17(水) 22:05:11.21 ID:qWjAzS6io

   どんな顔で言ったのか、見てやろうと思って振り返る。
   そんな私の目の前を、彼は、

   ひょい、と。

   横切った。

ほむら「……え?」

   それはまるで、親しい相手の肩にでも飛び乗るような軽やかさで、そして実際に、
   着地点は巴マミの肩のあたりだった。

   けれども “そこ” は、燃え盛る炎の真っただ中で――



ほむら「な――何をしているのよあなたは!!」



   叫ぶ。

QB「た――しん――ばっ――ったのは、――じゃな――か」

   何か答えが返ってきたが、よく聞き取れない。
   当り前だ。火に捲かれた状態でまともな声など出せるものか。

774: 2011/08/17(水) 22:06:23.07 ID:qWjAzS6io

   火。

   そうだ。
   火を――火を消さなければ。

   しかし、その考えに至ったときには既に手遅れだった。
   次の瞬間には祭壇は音を立てて崩れ始めていた。中心に向かって陥没するように。
   そうなるように組み上げたのだから当然だ。

   だが、そのせいで、二人の姿はもう確認できない。
   自然の崩壊以外には動きもない。
   それにインキュベーターの身体は、もともと脆い。

   手遅れだ。

ほむら「……」

   茫然と立ちすくむ。

   いったい何が起こったのか。

   全てを間近で見ていたにもかかわらず、そんな疑問を抱いてしまう。

   理解が追いつかない。
   まさに、あっという間のできごとだった。

775: 2011/08/17(水) 22:07:13.76 ID:qWjAzS6io



   炎は、想定通り10分ほどで燃え尽きた。

   あとには灰しか残らなかった。




776: 2011/08/17(水) 22:08:14.20 ID:qWjAzS6io



   ◆

ほむら「……」

ほむら「……」

ほむら「……」

ほむら「どういう、つもり?」

   問いかける。
   答えは、



   「言葉通りだろうね」



   あった。

   振り返る。

   こいつらは頃してもすぐに別の個体が現れる。
   自殺の場合も同じらしい。
   便利なことだ。

777: 2011/08/17(水) 22:08:58.49 ID:qWjAzS6io

ほむら「……どういう意味?」

QB「だから、言葉通りさ。ためしに氏んでみたんだよ」

ほむら「……」

ほむら「どうして、そんな……」

QB「君が言ったことだろう?」

ほむら「っ……」

   そんなつもりはなかった。
   ただの冗談だった。
   それなのに。

QB「気に病むことはないさ。彼はどのみち氏ぬ予定だった」

ほむら「……」

ほむら「……?」

   待て。

ほむら「『彼』?」

778: 2011/08/17(水) 22:10:16.77 ID:qWjAzS6io

   どういうことだ。
   こいつらは全体で一つのはず。それがなぜ三人称を使う。

QB「接続が切られたからね」

ほむら「……」

QB「君も見て、感じたんだろう? 彼の精神は感情に汚染されていた。
   その自己診断に基づいて、必要最低限を除いた全てのリンクが切断されたのさ」

QB「だからもう、『あれ』 は 『僕』 じゃない。ただ一体の 『キュウべえ』 だ」

ほむら「……」

QB「もちろん、『まどか』 に会えたのかどうか、その結果もわからないよ。
   ま、君がそれらしい反応をしていないのを見る限り、無理だったんだろうけどね」

ほむら「……」

   確かに、私は何も感じなかった。
   それどころじゃないぐらい動転してはいたけど、“来た” のなら気付かないわけかない。

QB「いや、そもそも本当にそんなつもりで氏んだのかどうかも疑わしいかな」

ほむら「え……?」

QB「他にも遣りようはあったってことさ」

779: 2011/08/17(水) 22:11:25.67 ID:qWjAzS6io

QB「『僕』 が氏んだのなんてこれが初めてじゃない。
   もちろん、今のように魔法少女と共に氏んだケースもたくさんある」

QB「だけど、その中でそれらしい何かを見たことなんて一度もない。
   そんなことは彼にだってわかっていたはずだ」

ほむら「なら……」

QB「さぁ、何故だろうね」

ほむら「……」

   わからない。

   ……わけでは、ない。
   理由なら思い当たる。
   人間の場合ならそれで間違いないだろう。しかし……

QB「ま、なんだっていいさ。さっきも言ったけど、不具合を起こした個体は氏ぬ決まりだ。
   同じことなら巴マミの手向けにするのも悪くはない」

QB「彼女も喜んでるんじゃないかな」

ほむら「っ……」

780: 2011/08/17(水) 22:12:35.35 ID:qWjAzS6io

ほむら「……そんなわけないでしょう」

QB「そうなのかい?」

ほむら「そうよ。あの人がそんなことを望むはずがない」

ほむら「“彼” には、生きていて欲しいと、そう願ったはずよ」

QB「……。なるほど、そうかも知れないね」

ほむら「そうよ……」

QB「でも、無理だよ」

ほむら「……」

QB「決まりは決まりさ。他の個体にまで汚染を広めさせるわけにはいかないんだ」

QB「彼の氏は確定事項だった。固定されたその状況の中で、この結果は、
   人類の価値観と照らし合わせてみても、悪くないと言えるんじゃないのかい?」

ほむら「……」

ほむら「そうね……少なくとも、お前に食い殺されるよりは、救いのある氏に方だわ」

781: 2011/08/17(水) 22:14:05.96 ID:qWjAzS6io

QB「だろう?」

ほむら「……」

ほむら「フン……」

   まぁ、いい。
   納得ができないというわけでもない。
   これでよかったと感じている私も確かにいる。

   彼女と “彼” は二人で一つだった。
   きっとどちらが欠けても駄目だった。
   300年かけて、そこまでの関係になれたのだ。人間と、インキュベーターが。

   そういうことなのだろう。

   なら、それでいい。





782: 2011/08/17(水) 22:15:16.92 ID:qWjAzS6io



QB「……さて、それじゃあ僕はそろそろ行くよ。君はどうする?」

ほむら「まだ残るわ。彼女の遺品を回収しないと」

QB「ああ、弟子の子たちに配るんだね。それは僕には手伝えないな」

ほむら「そうね。……その方がいいわ」

QB「……?」

QB「ま、いいか。それじゃあまたね、暁美ほむら」

   そう言うと、そいつは消えた。

   私も、二人の遺灰にもう一度だけ目礼をささげて、その場を後にする。

ほむら「……さようなら、先輩」

   またいつか会いましょう。






783: 2011/08/17(水) 22:16:50.87 ID:qWjAzS6io



   かつて、見滝原と呼ばれた街があった。

   今はもうない。

   その地に生まれ、その地に生きて、その地を守り抜いた一人の少女がいた。

   今はもう、いない。
























   ――けれど、




784: 2011/08/17(水) 22:17:49.68 ID:qWjAzS6io





   私たちは、忘れない。







785: 2011/08/17(水) 22:18:50.37 ID:qWjAzS6io

以上
おしまい



あー、終わった終わった長かったー

えー、
細かいあとがきとか裏設定とか、語りたいことはいろいろあるけどまた今度にしますわ
質問とかあればできるだけ答えるので書いといて

んじゃまた

786: 2011/08/17(水) 22:33:58.51 ID:jCMK8PrB0
本当にお疲れ様です。

788: 2011/08/17(水) 23:02:31.88 ID:FYhWKpeno
お疲れ様でした。

彼女たちの旅路がよきものであらんことを・・・・・・・・。

813: 2011/09/03(土) 19:29:06.59 ID:o6NPbP8po



さや「完結きねんー」

あん「夏の大あとがき祭りー」

さや「わー」

あん「わー」

さや「司会進行はワタクシ、“一応の出番はあったけど見せ場は全くなかった” 美樹さやかとー」

あん「“見せ場はマミに食われてその後も結局出番がなかった” 佐倉杏子でお送りしまーす」

さや「わー」

あん「わー」

さや「どんどんぱふぱふー」

あん「……」

さや「……」

あん「なんだこれ」

814: 2011/09/03(土) 19:30:08.62 ID:o6NPbP8po

さや「ん、だから後書きなんでしょ」

あん「後書きっつってもさ」

さや「えーと、本文に仕込んだり仕込み損ねたりしたネタとか、制作裏話とか、
   そーゆーのを好き勝手に書いていく、要は作者の自分語りだね」

さや「その手のモノが嫌いな人は見なければいいと思うよ」

あん「いや意味はわかるんだけどさ」

さや「じゃあ何よ」

あん「なんでアタシたちなんだ?」

さや「あたしが聞きたいっつーの」

あん「えー……」

さや「ちなみに作者が杏さや好きだから、というわけではないみたい」

あん「あーそう」

さや「ま、要するにアレでしょ。さっきさせられた自己紹介の通りに
   本文でロクな扱いじゃなかったあたしたちにせめてもう少し喋らせてあげよう、的な」

あん「ありがたくって涙が出るね」

あん「ま、なんでもいーや。とっとと初めてとっとと終わらせようぜ」

さや「そうだね」

815: 2011/09/03(土) 19:31:13.65 ID:o6NPbP8po



さや「じゃあまず第一話――の前に、マミさんについて」

あん「このスレの主人公だな」

さや「といっても細かいことは各話の解説でやっていくから、今の段階で言えるのは
   基本スペックぐらいだね」

あん「あぁ、なんかかなり強めに設定されてるらしいじゃねーか」

さや「うん。攻守ともに強力で、魔力の総量も平均を大幅にオーバー。
   補給なしでも一カ月ぐらいは余裕だってさ」

あん「チート過ぎんだろ」

さや「あんたじゃ勝てないわけだね」

あん「くそっ、露骨に贔屓しやがって」

さや「一応、『人助けを重ねた』=『多くの人の生氏に関わった』=『因果が増大した』
   って理屈があるらしいよ」

さや「それとさ、作者は別にそれほどマミさん大好きってわけでもなかったみたい」

あん「って、おい」

さや「……と、後書きに書いて読者をがっかりさせるつもりだったけど、
   なんか書いてるうちに本当にマミさん大好き好き好き大好きになっちゃったらしいよ」

あん「……はぁ」

さや「今では立派にマミさんマミマミ、とのこと」

あん「意味わかんねえ」

さや「そう? あたしはなんとなくわかるけど」

あん「……そーいやオマエは元祖マミマミストだったな」

さや「えっへん」

あん「褒めてねーし」

さや「ちなみに、杏さやは割と本気でどーでもいいらしい」

あん「その情報がどーでもいーよ」

816: 2011/09/03(土) 19:32:14.24 ID:o6NPbP8po



あん「んで、次はQBか?」

さや「そうだけど、こっちも特に語ることはないみたい」

さや「基本的に原作準拠で、話の流れ次第で適宜肉付け・捏造をちょくちょくと、って感じ。
   なるべく原作と矛盾しない範囲でね」

あん「ふーん」

さや「強いて言うなら、マミさん家に棲みついてるって点が独自かな。
   作者は、原作では同居まではしてない、と解釈してるみたいだから」

あん「そりゃまたどうして?」

さや「なんとなく、だって。『おりこ』 やドラマCDからの印象だとか」

あん「これといった根拠はないってか」

817: 2011/09/03(土) 19:33:50.14 ID:o6NPbP8po



さや「ではいよいよ本文について解説していくよ。まずは第一話」

あん「やっとか」

さや「これはまぁ、基本設定の紹介だね」

あん「描かれているのは主にマミとQBの関係性についてだな。
   二人は例のマンションに同居していて、夜はいつも一緒に寝ている、と」

さや「引き千切ってやりたい」

あん「落ち着け。えー、それと、
   QBはその無感情な本性を無理に隠したりはしておらず、自然体で振る舞っている。
   マミの方も、そんなものだと、人間とは違う価値観の生き物なんだと理解していて、
   受け入れた上で好意をもって接している、と」

さや「そういう設定のお披露目と、あと、《 》 のカッコはテレパシーだよっていう書式の説明も」

あん「要はチュートリアルか」

さや「そう、それそれ」



さや「あーそれと、シナモンは別に伏線でもなんでもなかったんだってさ。この時点では」

あん「そうなのか?」

さや「らしいよ。単純に癖のあるフレーバーってことで出しただけだったって」

あん「なんでそんなモン出す必要があるんだよ」

さや「それはもちろん、マミさんに↓のセリフを言わせるためでしょ!」



> マミ「歯磨きしない子はみんなそう言うんです」



あん「……このセリフが、なんだってんだ?」

さや「萌えるじゃん!」

あん「……」

さや「まさにマミさん! お姉さん! って感じで萌えるじゃん!」

あん「あー、うん。そうだな」

さや「そうなのさ!」

あん(うぜぇ)

818: 2011/09/03(土) 19:35:11.13 ID:o6NPbP8po



さや「続いて第二話。モブキャラ登場」

あん「クラスメイトとの交流か。けどマミってぼっちなイメージあるらしいじゃん」

さや「マミさんがぼっちなわけないでしょ! あんたの方がよっぽどぼっちじゃん!」

あん「ちっ……慣れ合う必要がないだけだよ」

さや「フン」

さや「でもまぁ、実際この程度の交流はあったと思うよ。一歩引いた感じではあるし」

あん「わからんでもないけどな」

さや「ちなみにモブA&Bのモデルはあたしとまどかなんだって」

あん「ふーん」

さや「言われてみれば、って感じ?」

あん「かもな」

さや「それと、知り合いの事務所でアルバイトってうのはもちろんフェイク。
   夜に繁華街なんかを歩いてるのを見られたときのための言い訳、ということらしいね」

あん「表の顔があるヤツは大変だな」



さや「後半はささやかな議論を呼んだ、『魔法少女の在り方について』」

あん「QBがサラっとゲロってやがるが」

さや「だけどマミさんは気付かないんだよね。話の流れ的に無理もないと思うけど」

さや「ちなみに、QBにあそこまで言わせるかどうかは投下直前まで悩んだらしいよ」

あん「へぇ。で、結局言わせてみたわけだ」

さや「キャラと合ってなかったかも、って少しだけ後悔している、とのこと」

あん「どうせ削ったら削ったで後悔してたんだろ」

さや「一理ある」

あん「つーか、なんかこの手の噛み合ってない会話が多いよな、全体的に」

さや「このSSの 『売り』 の一つらしいよ。少なくとも作者はそのつもりだったとか」

あん「ふーん」

さや「そして! QBを抱えて足をバタバタさせるマミさん! かわいい!」

あん「はいはい」

819: 2011/09/03(土) 19:36:21.98 ID:o6NPbP8po



さや「どんどん行くよ。第三話」

あん「このサブタイトル、どういう意味だ?」

さや「Plego=プレーゴ。イタリア語で、日本語の 『どうも』 ぐらい汎用性の高い言葉らしいね。
   この場合は 『どういたしまして』 の意味で使ってるんだって」

あん「あぁ……なるほどね」

さや「やっぱマミさんも感謝されたいとか思っちゃうときもあるってことだろうね……」

あん「そのぐらいの方が人間味があっていいさ」

さや「あんたもわかってんじゃん!」

さや「そう! マミさんは天使! だけど歳相応の女の子でもあるんだよ!」

さや「ああ! あたしが慰めてあげたい!」

あん(うぜぇ……)

さや「ってかこの名無し女も礼ぐらい言いなさいっての!」

あん「そういうエピソードなんだろ」

820: 2011/09/03(土) 19:37:23.68 ID:o6NPbP8po



さや「第四話! ラブレターをもらったでござるの巻!」

あん「なんだよこの小っ恥ずかしいサブタイは」

さや「『魔法少女モノ』 っぽいでしょ」

あん「ぽすぎて恥ずかしいっつってんだよ」

さや「まぁね。ただ、作者は気に入ってるらしいよ」

あん「マジでか」

さや「全体的に、それっぽく、かつありきたりじゃないサブタイトルにしたかったんだってさ。
   コレはその条件を一番満たしてるとかなんとか」

あん「ふーん」

さや「実際に成功したかどうかは読者の皆さんの判断に任せます、とのこと」

あん「ってか、『まどか』 に彼氏ができてるんだが、いいのか?」

さや「あくまでモデルだし。いいんじゃないの?」

あん「さいで」

821: 2011/09/03(土) 19:38:35.09 ID:o6NPbP8po

さや「でも実際どうなんだろ? 魔法少女って子ども産めるのかな?」

あん「産めるんじゃねーの? 身体の作り自体は人間と同じなんだし。
   マミを見る限り、成長が止まるってわけでもないんだろーし」

さや「おっOい!」

あん「……オマエも十分大きい方だろーが」

あん「ただまぁ、妊娠期間中のグリーフシードの確保がネックなんだろーな」

さや「だよねぇ。生まれてからもしばらくは手が掛かるだろうし」

あん「そっか。やっぱ無理くさいな」

さや「切ないねぇ」



あん「てか、マミはこの時点でQBが群体だってこと知ってるんだな」

さや「流石に三年も一緒にいればそれぐらいは、って解釈だってさ」

あん「知っててよくあんなに仲良くできるもんだ」

さや「その辺はアレらしいよ。
   マミさんの心境は、『おまえら』 が 『ロボ娘』 に対して思うのと同じなんだって」

あん「誰だよ」

さや「量産型でも感情がプログラムでも、いつかきっと心で繋がれるはずだ、的な」

さや「嫌悪感よりも同情とか母性本能の方が刺激されるんだろうね」

あん「悪いがアタシにはさっぱりわからん」

822: 2011/09/03(土) 19:39:23.71 ID:o6NPbP8po



さや「続いて第五話。前回のラブレターを引っ張って、さらに待望の戦闘シーンが!」

あん「待望なのか?」

さや「待ってた人もいるんじゃない?」

あん「そーかも知んねーけど……なんだかなぁ」

あん「ところで、なんで武器変更したんだこれ?」

さや「んーと、まず原作の1~3話を見返して、銃をリボンから作ってるっぽいのに気がついた
   ってのがまずあって、それプラス、投下したときにも書いてるけど
   〈ティロ・フィナーレ〉を格好良く描きたかった、だって」

あん「なるほどね」

あん「確かこれ、書いてたのは 『基本魔法はリボン』 って設定が公開されるより前だよな?」

さや「うん。ドンピシャリだったから驚いたらしいよ」

あん「まぁ、すごいのはアニメ本編の描写の細かさであって、作者ではないけどな」

さや「ですよねー」

823: 2011/09/03(土) 19:40:17.95 ID:o6NPbP8po

あん「癒しの祈りで契約したから回復が得意、とか書いてるしな」

さや「修正したい個所ランキング第一位だそうな」

あん「リボンなのは氏のイメージから、とかも言ってるな」

さや「あ、それについては否定させる予定だったみたいだよ。えっとね……」



> マミ「リボンなのは、きっと私が “女の子” だからよ」

> QB「魔法少女はみんな女の子だよ?」

> マミ「ハァ……キュウべえ、あなたって本当、女心がわからないのね……」



さや「そんな感じの会話を後編で書こうと思ってたんだって」

あん「ふーん」

さや「うん」

あん「……いや、わかんねぇよ。女だったらなんだってんだ?」

さや「そこは、まぁ……なんとなく少女趣味っぽいことを言わせとけば読者が勝手に
   解釈してくれるだろう的な思惑があったとかなかったとか」

あん「舐めてるな」

さや「舐めてるよね」

あん「だから削ったってか?」

さや「それもあるけど、このセリフを挟む流れが作れなかったって方が大きいみたい」

あん「あっそ」

824: 2011/09/03(土) 19:41:25.51 ID:o6NPbP8po

あん「ってか、燃費が悪いってのはなんだ? 一か月長持ちの大容量じゃなかったのか?」

さや「芳香剤じゃないんだから……。えーっと、悪いのは技の燃費だね。
   ドラクエに例えれば、メラやメラミは使えなくてメラゾーマしか撃てない状態」

あん「なにそれひどい」

さや「あくまで例えね、例え。要は魔力量も大きいけど消費量も大きいってこと」

あん「ふーん」

あん「ところで、このレゴだのフォーコだのってのは?」

さや「見ての通りの 『技名』 だけど。別に厨二要素ってだけじゃなくて、ちゃんと意図があるみたい」

あん「っつーと?」

さや「いくつかの動作をあらかじめ名付けておくことによって、以降の戦闘シーンで
   いろいろと省略できるんだってさ。
   技名を羅列するだけで 『素早く的確に動いてる様子』 を、なんとなく表現できたりね」

あん「ふーん」

さや「原作脚本の虚淵先生も使ってる技法だよ。『浄火の紋章』 のガン=カタ描写が有名かな」

あん「有名……なのか?」

さや「いいじゃん」

あん「いいけど……」

あん「ってか、『フォーコ』 ってどっか別のSSでも見た覚えがあるぞ」

さや「テキトーにググって見つけたイタリア語らしいからね、かぶることもあるでしょ」

あん「ふーん」

825: 2011/09/03(土) 19:43:08.15 ID:o6NPbP8po



さや「はい、続いて後編の第六話」

あん「オリジナルの魔女か」

さや「鋏の魔女。だけどそのハサミは使用不可能な重りでしかない。詳しくは>>137」

あん「なんか見掛け倒しっつーか、普通に弱くねぇかコイツ?」

さや「その分、一般人を傷付けることに特化してるよ。
   マミさんの逆鱗に触れて覚醒させるには、単純に強いよりこういうタイプでしょ」

あん「うーん、わからんではない」

さや「一応、使い魔に斬られた(触られた)ことで攻撃衝動が引き出されて、
   そのせいで武器がリボンから銃へと変化した、っていう理屈もつけてあるらしいよ」

あん「って、術にハマっちまってんじゃねぇか。努力とか根性とかじゃねーのかよ」

さや「そういう皮肉なんだろうね。誰にも気付いてもらえなかったみたいだけど」

あん「しっかし、それで銃に目覚めたんだとしたら、改変後の世界ではどうやったんだ?」

さや「それは、アレよ。書いてある通りマミさんは魔女に対しては多少の同情があったんだけど、
   魔獣に対してはそれは無くて、むしろ明確な敵意すら抱いてたわけ。
   だからまぁ、戦ってるうちに自然に目覚めたんじゃないかな、ってことらしい」

あん「ふむ……確かに、銃が本来の武器ってことになってるし、筋は通るか」

さや「後付けだけどね」

あん「おい」



さや「あともう一つ、QBの動きについて」

あん「前編ではカラクリをバラして魔女化させようとしてたけど、
   マミにはまだ可能性があることに気付いて余計な口出しはやめることにした、と」

さや「そうだね」

あん「それはわかるんだが、どうしてあそこで止め刺そうとしたんだ?」

さや「それはだから、もう伸びしろがないと判断したからでしょ。
   それと、このままじゃゆっくりと穏やかに落ちてしまう、って思っちゃったから」

さや「精神にも位置エネルギーがある、とかなんとか、QBが言いそうなことじゃない?」

あん「よーわからん」

さや「作者もあまり突き詰めて考えてはいないみたいだよ」

あん「とことんテキトーだな」

826: 2011/09/03(土) 19:44:35.71 ID:o6NPbP8po



さや「次は第七話、最終回にも使われた約束の話」

あん「この時点で既に最終話まで決めてたってことか?」

さや「それがよく覚えてないんだってさ。割と早い段階で決めたみたいではあるんだけど」

さや「ちなみに一番最初は、QBがまどかの因果増大を察知したところで終わる予定だったって」

あん「本編に続く、ってか」

さや「『前日譚』 としてはその方が正解だよね」

あん「wiki の粗筋書いてくれた人にはホント申し訳ないことしてるよな」

さや「『ほのぼのSS』 が 『前日譚SS』 になって、今は 『前日譚ほのぼのSS』 だもんね。
   全くの嘘でもないけど実態を正しく表してもいない」

あん「ま、いーんじゃねーの? 原作だって似たような詐欺やってたんだし」

さや「だよね。むしろあの粗筋でグッジョブだよね」

827: 2011/09/03(土) 19:45:43.26 ID:o6NPbP8po

あん「あとは……QBのネットワークにも軽く触れてるな。感覚までは共有してないのか」

さや「それはそうでしょ。皮膚感覚は別個になってないとまともに動けないと思うよ。
   一匹がダメージ受けたら全員が痛がるとか、無理でしょ。生物として」

あん「なるほど」

さや「でもたぶん、データベース的なところに情報として記録はされるだろうと解釈してるって。
   ある個体が受けた痛みを別の個体が追想するってことなら普通にできるってことだね」

あん「ふーん。じゃあ、マミに抱きしめられた感触も結局共有されたのかね?」

さや「どうだろ? コレを使って個体を見分ける、って案もあったらしいけど」

あん「ぽしゃったわけだ」

さや「みたい」



あん「ところで、ジェムの終わりについて、マミが妙な解釈してやがるが」

さや「そういう考えに至っちゃったから、QBに深く追求することもなかった、ってことみたい」

あん「つくづく都合のいい女だな」

さや「……マミさんへの侮辱はこのさやかちゃんが許しませんぞ」

あん「へーへー、悪かったよ」

あん「けどマミってそういうとこあるだろ。自己完結しがちっつーか」

さや「むぅ……」

828: 2011/09/03(土) 19:47:15.43 ID:o6NPbP8po



さや「続いて八話と九話。二つに分ける予定はなかったらしいから一緒にやっちゃうよ」

あん「オリジナルの魔法少女か」

さや「宮古ユリさん。名字はマミさんの中の人繋がりで、名前は、まぁ、百合ってことで」

あん「ハサミってことは、コイツの設定は3~4話の時点でできてたってことでいいのか?」

さや「ううん。ハサミの魔法少女ってことだけはその時点で決めてたけど、
   それ以外は書きながら考えたんだって」

あん「ふーん。……あの願いでどうしてハサミになるんだか」

さや「そういうアンタは、その願いでどうして多節槍なのよ」

あん「ぬ……」

さや「作者は、武器と願いはあんまり関係ないと解釈してたんだってさ。だからマミさんも」

あん「ああいう捏造設定になった、と」

さや「捏造と言えば、契約の条件についても一つ入れてあるね」

あん「素質だけじゃなく、強い願いがないと契約できないっていうコレか。
   わからんではないな。
   オマエもマミもほむらも、願いを抱いたタイミングでQBが近付いてきてる」

さや「素質がある子をマークしておいて、願いを察知し次第駆け付ける、ってイメージかな。
   これだと本編時間以前にまどかと接触してないのも説明できるしね」

あん「それはいいけど、なんでマミはコイツの契約を引き止めたんだ?」

さや「書いてある通りでしょ。
   まぁ、仲間ができることへの心の準備ができてなかった、ってのもあるんじゃないかな?」

さや「あと、このマミさんにはQBがいるから原作ほど仲間ってものに執着してないんだって」

あん「ふーん……って、それ結構重要な改変じゃね?」

さや「どこかで説明を入れようと思ってはいたらしいんだけど……」

あん「そーいや、このユリはQBのこと 『キュウべえ』 って言ってるな」

さや「この時点ではまだ表記ミスを利用することは思いついてなかったんです。とのことです」

829: 2011/09/03(土) 19:48:27.83 ID:o6NPbP8po



さや「続いて第十話」

あん「進研ゼミか」

さや「あー、なんかみんな笑ってたけど、作者としてはギャグのつもりはなかったみたい」

あん「はぁ? あんな思いっきり “オチ” に使っておいてか?」

さや「うん……単純に、マミさんの勉強が安定したことの種明かしのつもりだったんだって」

さや「進研ゼミとかの通信講座が魔法少女に向いてるっていうのは本気で思ってるらしいよ。
   だってアレって、『部活も勉強も諦めない』 みたいな売り文句じゃん?
   部活を魔法少女活動に置き換えるのは、そう無理のある話でもないでしょ」

あん「うーん……いや、アタシ触ったことないからわかんねえわ」

あん「ところで>>246も言ってるが、マミって勉強できそうなイメージじゃないのか?」

さや「それだと話が転がらないんだってさ。せっかく貰ったアイデアなんだし、ね。
   てか、リアルに考えたら勉強する時間はなかなか取れないと思うよ、実際」

あん「ふーん」

さや「あと、サブタイトルの元ネタは進研ゼミ小学講座の表紙に書かれてた一文だそうで」

あん「なんて書いてあるんだ?」

さや「『チャレンジ』 は 『挑戦する』 という意味です、って」

あん「まんまだな」

さや「それと、シブーストというお菓子については、『手間のかかるお菓子』 でググって
   出てきたものを使っただけで、作者は食べたことどころか見たことすらないとのこと」

あん「またテキトーな」

さや「まぁそんなわけで、アイデアを提供してくださった皆様には、改めてお礼を申し上げます。
   ありがとうございました」

あん「ありがとなー」

830: 2011/09/03(土) 19:49:19.38 ID:o6NPbP8po



さや「さて……第十一話。お待ちかねのあんたの出番だね」

あん「唯一の、な」

さや「拗ねない拗ねない。作者も一応考えてあるってさ」

あん「何を?」

さや「あんたの出番。外伝を予定してるらしいよ。空白の三百年の、その一部分」

あん「……ほほう」

さや「佐倉杏子は如何にして氏んだのか!」

あん「またそんなのか!」

さや「じょーだんジョーダン。ま、あくまで予定。予定は未定、ってことで」

あん「ふざけやがって……」

さや「でも、まだ書き始めたところだけど、あんたがメインになるのはほぼ間違いないってさ」

さや「もしかしたらハーレム展開もありかも!?」

あん「……むしろ嫌な予感しかしねえよ」

831: 2011/09/03(土) 19:50:43.26 ID:o6NPbP8po

さや「――で、十一話だけど、まずは冒頭の魔女からかな」

あん「砂漠の魔女だかサボテンの魔女だか、そんな感じのヤツだったな」

さや「例によって細かいことは決めてないそうです。
   触手によるカウンターが、そういう性質だったのかただの偶然だったのかも未定」

あん「そんなヤツにアタシは負けたのか……」

さや「なに言ってんの。向こうは氏んであんたは生きてるんだから、勝ちでしょ」

あん「マジにトーシローだなテメェは。
   ソロでやってるアタシが、深手を負わされて、回復のあてもないまま意識飛ばされたんだぞ。
   向こうが氏んでようが偶然で生き延びようが、負けっつうんだよそういうのは」

さや「……と、まぁ、当スレのあんこちゃんはこのような考え方なのでございます」

あん「キョウコだ馬鹿やろう」

832: 2011/09/03(土) 19:52:22.35 ID:o6NPbP8po

さや「でさ、マミさんの魔女観とあんたのトラウマがかちあってたりとか、
   マミさんの事故をあんたら親子が新聞で読んで知ってたりとか、
   面攻撃への対応が 『おりこ』 へのオマージュというかむしろパクリの域だとか、
   いろいろあるけどその辺はまぁ置いといて」

あん「置いとくのかよ」

さや「なんか、この話のあんたって、地味に氏にたがってない?」

あん「……」

さや「やっぱアレかなー? 悪いこととかいっぱいやってたのも、
   実は誰かに裁いて欲しかったからとか、そういう系だったりしちゃうのかなー?」

あん「うぜぇ……」

さや「ってことは図星?」

あん「……知るかよ。仮にそうだとしても、んなもん作者の妄想だろ」

さや「あー、それを言われるとどうしようもないかな」

あん「フン……」

さや「でもま、いーじゃん。生きてたんだからさ」

あん「……」

さや「……? 杏子?」

あん「……よかったって思うのか? お前は」

さや「へ? ……あったりまえじゃん。氏んでた方が良かったっていうの?」

あん「どうだかな。ただ……」

さや「……」

あん「お前が……壊れちまったのは、少なくともそのきっかけになったのは、アタシだ」

あん「アタシが余計な手出しをしなけりゃ、お前は使い魔相手にそれなりに経験を積んで、
   魔法少女としてそこそこ上手くやれてたかも知れない」

あん「……違うか?」

さや「違うよ」

あん「っ……」

さや「絶対違う」

833: 2011/09/03(土) 19:53:23.62 ID:o6NPbP8po

あん「……なんでだ」

あん「そりゃお前はそう言うだろうとは思ったよ。内心どう思おうととりあえず否定するって」

あん「でも、なんでそんな、即答できるんだよ……!」

さや「なんでって……だって、違うし」

あん「違わねーだろ! 事故でもなんでもない、アタシは潰そうとして潰したんだ!
   途中でヘタれちまったけど、最初は混じりっけなしに潰そうとしてたんだ!」

あん「どう考えてもアタシのせいだろうが!」

さや「いや……杏子。あんた、忘れてるでしょ」

あん「何を!」

さや「ワルプルギスの夜のこと」

あん「そん――、……」

さや「ワルプルギスの夜」

あん「……」

さや「どのみち氏んでたよ。マミさんが氏ぬぐらいなんだし」

あん「……」

さや「……」

あん「……」

さや「『あたしのせいだろーがっ』」

あん「やめろっ!!///」

さや「いやーあんこちゃんマジ聖女だわ」

あん「こんの……っ!///」

さや「ってかさー、コレ後書きだよ? いきなりシリアス入るのとかやめてくんない?」

あん「あーっ、もう! 悪かったよ! 全部アタシが悪かった!」

さや「わかればよろしい」

あん「っ……!」

834: 2011/09/03(土) 19:54:20.86 ID:o6NPbP8po

あん「ハァ……」

さや「ふふん」

あん「ってか」

さや「うん?」

あん「お前、なんか変わったよな。妙に落ち着いてるっつーか、飄々としてるっつーか」

さや「あぁ……まぁ、うん。まどかのおかげでいろいろふっきれたしね」

さや「さやかちゃん解脱モードと呼んでくれたまえ」

あん「あーそー」

さや「うん。そんじゃ後書きに戻る……前に、ちょっと休憩入れよっか」

あん「了解です、さやかちゃん解脱モードさま」

さや「ちょ、マジで呼ばないでしょ。しかも 『さま』 とか」

あん「へっ」

835: 2011/09/03(土) 19:54:52.43 ID:o6NPbP8po

というわけで休憩

837: 2011/09/03(土) 21:22:33.89 ID:o6NPbP8po



さや「はい、休憩終わり。次は第十二話、マミさんレベル1編でっす」

あん「おー」
                        .. . ..
さや「『君は、僕と契約して魔法少女になったんだ』」

あん「過去形で言われるとこれほど絶望的な言葉もないな」

さや「だよね。でも反応なかったからヘコんだんだってさ」

あん「知るかよ……」

さや「ま、それは置いといて」

あん「どういう意図なのか、コレだけ五部構成なんかになってるな」

さや「ねー。コレさえなければ全25話でちょうど2クール分になってたのに」

あん「ま、今さら言っても仕方ねぇさ」

さや「だね」

838: 2011/09/03(土) 21:24:15.26 ID:o6NPbP8po

あん「しっかし今回は捏造設定多すぎだろ」

さや「仕方ないじゃん。マミさんの過去って公式じゃほとんど情報ないんだから」

あん「そりゃそうだが」

さや「ま、見て行ってみようよ。捏造その一。親戚のおじさまおばさま」

あん「四話冒頭の 『おばさま』 ってコレか?」

さや「みたいだね。原作で転校生が言ってた 『遠い親戚』 のことでもあるよ。
   車がないと不便すぎる場所に住んでいて、車恐怖症(その二)になってしまったマミさんは
   そちらに預かってもらうことができなくなりました」

あん「魔法少女としちゃその方が助かるよな。
   夜間の外出を制限されるってだけでも相当のハンデになっちまう」

さや「つまりそのための設定だよね。だから多少の無理には目をつぶりましょう」

あん「いいけどさ……」

さや「続いてその三、劇中劇 『マジカル・アルティ』」

あん「割とスタンダードな魔法少女モノっぽいな。若干バトル寄りみたいだが」

さや「原作三話の絵コンテに記載されていたという 『アルティマシュート』 を元ネタとした、
   当SS内でのアルティマシュートの元ネタという設定、とのこと」

あん「わざとわかりにくく言ってんだろ」

さや「その四、ジェムにかけられた人避けの魔法」

あん「コレはわかんねーな。何のためなんだ?」

さや「何のためっていうか、原作十二話にジャンヌ=ダルク(っぽい人)が出たじゃん」

あん「火あぶり直前っぽかったアレか?」

さや「そう。にも関わらず手にはソウルジェムが。……普通に考えて没収されない?」

あん「なるほど、そういうことか」

さや「あと普通に、マミさんに限らず小学生なら尻ごみしそう、ってのもあったみたい」

あん「大して意味のないところばっかりこだわる作者だな」

さや「捏造その五。マミさん強さのヒミツ」

あん「事故のせいで因果が増大したってか。まぁ、わからんでもない理屈だが」

さや「意図としては、箔をつけたかったっていうのと、
   QBにマミさんへの関心を持たせるため、とかがあるらしいよ」

あん「ふーん」

839: 2011/09/03(土) 21:25:17.86 ID:o6NPbP8po



あん「続いてレッスン2、デビュー戦。まずは魔女についてか?」

さや「いえす。こっちは魔女図鑑も作ってあるよ。ハイッ」



私的魔女図鑑 vol.2

子供部屋の魔女。その性質は悲哀。
氏んだ我が子の肉を腕に抱き、血の涙を流して泣き続ける母の像。
その泣き声は聞く者の心を狂わせ、ときに物理的な破壊力を持って壊す。

子供部屋の魔女の手下。その役割は防衛。
魔女本体、ではなく、その腕に抱かれた赤子に近付く者を許さない。
さまざまな玩具の姿を模しており、その身体は例外なく欠損している。



あん「またえらく悲惨くさい魔女だな。抱いてるのって本物の赤ん坊の氏体かよ」

さや「キャラメイクも難産だったらしいよ」

あん「『も』 ってお前」

840: 2011/09/03(土) 21:26:11.00 ID:o6NPbP8po

さや「まずマミさんのリボンが通用するような相手じゃなきゃダメじゃん?
   その時点でいきなりつまづいたみたい」

あん「うん? ……あぁ、そうか。刃物系が軒並み使えないんだな」

さや「ビンゴッ。カマイタチとかウォーターカッターなんてのもあるから水や風系もダメ。
   他にも炎とか、酸なんかの溶かす系も。氷も厳しいかな」

あん「だから、“声”?」

さや「そういうこと。コレならQBにもダメージが行くから、守るためっていう戦いの動機づけを
   マミさんに与えることもできる、と」

さや「それと、あんたも感じたように悲惨な背景が透けて見えるのも重要なポイントだね」

あん「なんでだ?」

さや「最初にこんなのに当たったら、魔女ってものについて深く追求する気なんか失せるじゃん」

あん「あー……」

さや「とまぁ、そんなこんなで、難産だっただけに作者も気に入ってるみたいだよ。
   子供部屋の、ってネーミング含めてね」

あん「おもちゃの魔女、って感じだけどな。どっちかって言ったら」

さや「それは 『おりこ』 で使われてたしー」

841: 2011/09/03(土) 21:27:15.91 ID:o6NPbP8po



あん「んじゃ続いてレッスン3。オリジナル魔法少女二号と三号だな」

さや「佐木ハルカさんと三園カナエさん。セーラー服の魔法少女コンビ!」

あん「なんかコイツらのことは、詳しく設定固めてそうな感じがするが」

さや「そうだね。契約の願いから末路まで、大まかにだけど考えてあるってさ」

さや「まず……速攻でバレてたけど、“委員長の魔女” の元の人たちのつもりだそうです。
   名前の元ネタは、名字が声優のささきのぞみさんから」

あん「……誰?」

さや「『らき☆すた』 のアニメでパトリシア=マーティンってキャラを演じた人、らしい」

あん「パトリシア、ね。ストレートなんだか回りくどいんだか。
   で、名前の方は、空のイメージで 『はるかかなた』 ってところか?」

さや「またまたビンゴッ。『かなた』 だと漢字の字面が気に入らなかったから変えたらしいけど」

あん「そーいや相方だけは 『香奈枝』 って漢字で呼んでるのな」

さや「『キュウべえ/キュゥべえ』 と同じような感じだろうね。
   ちなみにハルカさんはQBのこと 『キュゥべえ』 って呼んでるよーん」

842: 2011/09/03(土) 21:28:32.40 ID:o6NPbP8po

あん「で、どっちが魔女の本体?」

さや「カナエさんの方。魔女化のきっかけはハルカさんが魔女に殺されたこと」

あん「あー、見るからに共依存って感じだしな。わかるわかる」

さや「まず、カナエさんがクラスメイトからのイジメをなくして欲しいと願って契約したんだって。
   そしたらイジメてた連中がみんな操り人形みたいになっちゃって」

あん「……固有魔法は、アタシと同系統かね」

さや「誰にも相談できない。QBは気味が悪い。ついでに魔女も襲ってくる。
   嫌になって手首を切っても何故か氏ねない」

あん「そこでジェムの正体に気付いたわけか」

さや「で、いよいよ絶望しかけたところに現れたのが――転校生のハルカさんなのでした」

さや「異様なクラスメイトたち。ただ一人まともっぽいけど何かに怯えてるカナエさん」

さや「何度か問い詰めた結果、彼女は真相を知るわけです。同時に、自身の素質のことも」

あん「……何を願ったんだ? まぁ、だいたいわかるが」

さや「お察しのとおりだよ。クラスメイトを元に戻すこと」

あん「どつもこいつも……」

さや「まぁまぁ」

あん「何も得られず、戦って絶望する運命だけが残されたわけだ。やってらんねぇな」

さや「一応、お互いのことを手に入れた、ってことで納得してるみたい」

あん「……二人ともそっち系ってか」

さや「イエス。共依存百合。作者の大好物」

あん「今までで一番いらねー情報だよそれ」

さや「あたしもそう思う」

843: 2011/09/03(土) 21:29:31.21 ID:o6NPbP8po

さや「閑話休題。武器は、カナエさんが “糸”。ハルカさんは投げナイフと近接格闘」

さや「カナエさんの糸で敵の動きを封じつつ足場を作って、ハルカさんが直接攻撃、
   というのが基本戦法らしいね」

あん「ふん……楽勝、ってのはちょっと難しそうだな。ま、遣りようはあるさ」

さや「なんでいちいち戦うことを考えるかなあんたは」

あん「うるせー」

さや「あ、そーいえば。最初に遭遇する魔法少女には別の案もあったらしいよ」

あん「……シャルだのロッテだのって名前だったりするんじゃねーだろーな?」

さや「ううん。あんた」

あん「は?」

さや「だから、あんた。佐倉杏子から教えを受けるという案」

あん「いやいやいや。前の話とめっちゃ矛盾するだろそれ」

さや「だから、十一話は破棄して書きなおそうかなぁと、そう考えた時期もあったんだって」

あん「……」

さや「どっちが良かったか迷ってる顔だね」

あん「うるせー。で、なんでボツったんだ」

さや「既に書き上げてた十一話がもったいなかったからに決まってんじゃん」

あん「……あーそう」

さや「でもドラマCDの3を聞いて、どうせ間違えるならそのぐらいやった方がよかったかなと
   最近また後悔がぶり返してるとか何とか」

あん「知るか」

844: 2011/09/03(土) 21:30:38.32 ID:o6NPbP8po



さや「レッスン4。インキュベーターかく語りき」

あん「……本性を知らなかったらイイハナシダナ―とか思えるのかね」

さや「実際マミさんはそう思っちゃったわけで」

あん「けどまぁ、あの見た目でこの喋りだからな。無理もねぇよ。アタシも似たようなもんだったし」

さや「しかも小学生だもんね」

あん「ガキは大人より嘘や悪意に敏感、なんて言うけど、
   そんなのは利害が絡まないときだけだ。甘い餌ちらつかされたら簡単に飛びつくさ」

さや「QB『やっぱり小学生は最高だぜ!』」

あん「やめろ」

さや「で、マミさん再契約(のマネゴト)と」

あん「馬鹿が……」

さや「もうアワレで見てらんない!」

あん「……お前が言うな、お前が」

さや「へ?」

あん「誰も望んでない、いらない責任を、勝手に、簡単に背負いこもうとする。
   そうしなきゃ正しいことをしてるって実感できないんだろ?」

さや「……」

あん「よく似た師弟だよ、お前らは」

さや「むぅ……」

845: 2011/09/03(土) 21:31:36.35 ID:o6NPbP8po



あん「んじゃ次、5な」

さや「ん。ここは、霊脈と見滝原の先代についてかな」

あん「マミが魔女化しなかった理由も必要だろ。一週間補給なしで、戦闘して重傷も負って、
   その上あんだけ大泣きしたんだ。これで無事って流石に不自然だろ」

さや「うーん、作者の中では辻褄は合ってるらしいんだけどね」

さや「戦闘って言っても使った魔法は大技一発と身体強化ぐらいだし、
   怪我の治療もハルカさんがやってくれたわけだし。
   それに大泣きしたのも、この涙はどっちかって言ったら前向きな涙なんだろうし」

あん「え、なに? マミのヤツ嬉し泣きしてたのか?」

さや「んなわけないでしょ! マミさんどんだけ腹黒幼女なのよ!」

あん「えー? だって」

さや「だからさ……つまり、大声で泣くのってストレス発散になるじゃん。要するにそれよ」

さや「絶望の涙じゃなくて、通過儀礼としての涙。悲しみを受け入れるための涙なんだよ。
   お葬式みたいなもんだよ」

あん「……よくわからん」

846: 2011/09/03(土) 21:32:47.97 ID:o6NPbP8po

さや「いいけどね……じゃあ次。霊脈」

あん「ハノカゲ版に登場した単語だな。なんかワルプルギスと関係があるっぽかったけど」

さや「迎撃のために最低二か所のソレを押さえる必要がある、って転校生が言ってるね。
   そこから妄想を広げて、魔女の通り道ってことにしたみたい」

あん「ま、フツーの発想だな」

さや「ちなみに、遠くの街で生まれたはずの “鋏の魔女” が出てこれたのはコレのおかげです」

あん「どーせそれも後付けなんだろ?」

さや「ううん? 霊脈と魔女については割と早くに考えてたんだってさ。
   マミさん以外に魔法少女がいなかった見滝原に魔女が出続けることの説明にもなるしね」

あん「ふーん」

さや「あとは先代魔法少女なんだけど、QBが語った以上のことは特に決めてないってさ」

あん「ふーん。……なんかずげー変人だな」

さや「QBの端的な語り口でも人となりが伝わるよう、わかりやすい個性を付けたんだそうな」

さや「ちなみに外見は、黒髪ショートに縁の目立たないメガネを装備。
   『ゆるゆり』 の結衣がアニメの五話で披露したコスプレ姿がドンピシャリ、らしい」

あん「なんでこいつだけ外見設定あるんだよ」

さや「さあ……?」

847: 2011/09/03(土) 21:34:12.45 ID:o6NPbP8po



さや「さて、いよいよお待ちかねの最終章。第十三話」

あん「サブタイどおり、ワルプルギスの予告とまどか発見の話か」

さや「マミさんがワル夜のことを、たぶん携帯使って調べてるけど、
   これはドラマCD1へのオマージュだね。そっちで転校生が調べてたのと同じ内容だわ」

あん「で、霊脈の設定をさらにいじくってあるみたいだが」

さや「活性化と新規開拓の違いなんかはかなり苦し紛れの後付けらしいよ。
   やっべ先代頃すのに霊脈使っちゃったよどうしよう、みたいな」

あん「なんだかな……」

さや「ただ、QBが霊脈に詳しくないってことについては、ちゃんと考えた設定みたい。
   詳しくないっていうか、魔女がらみのことにはあんまり興味がないんだろうね」

あん「エネルギー採ったらあとは用済みってか」

さや「あと、自分で書いておきながら納得のいかない点が一つあるらしい」

あん「なんだ?」

さや「自分の結界に引きこもってるはずの魔女を、先代はどうやって複数同時に倒したのか」

あん「……無責任な話だなオイ」

あん「ところで、魔法少女候補が 『一人』 っていうのは」

さや「まどかのことだね。転校生のループが重なってないこの時点では、
   あたしにはまだ素質はなかったってことなんだと思う。
   転校生はまだこっちに来てなかったんだろうし」

あん「まぁ、原作本編とも一致するか」

あん「……しっかしなぁ」

さや「なに?」

あん「いや、これ」



> QB「倒せるかも知れない――あの厄介な舞台装置を!」



あん「QBもたいがい厨二だよな」

さや「はっはっは」

848: 2011/09/03(土) 21:35:10.01 ID:o6NPbP8po



さや「巻いて行くよ。十四話、接触直前のマミさんのアレコレ」

あん「冒頭のこれ、テレパシーでお前らの映像を送ってるってことだよな?」

さや「うん。原作十一話でまどか相手にやったのと同じ。たぶん」

あん「ふむ」

あん「……ってかさ、アタシ前から気になってたんだけど」

さや「ん?」

あん「願いで過去に戻ったのって、ほむら以外にはいなかったのかね?
   何かをやり直したい、なんて、人の抱く願いとしては割とスタンダードだと思うんだが」

さや「あー……」

さや「作者もそれは悩んだらしくてね。普通に考えたらいなかったはずはないんだけど、
   だとしたらQBの原作での振る舞いとそぐわない。
   過去に一人でもいたなら思い当たらないはずがない、ってね」

あん「だろ?」

さや「だから、いなかったという設定にするけど明言は避ける、という方針で行くことにしたってさ」

あん「つまり保留か。ヘタレめ」

さや「で、QBが殺されて新しいのに入れ替わり、と」

あん「まどかタスケテーってか。マミに聞かれるとは思わなかったのかね?」

さや「わかんない」

あん「あっそ」

さや「えーっと、あとは……読者からガン無視されたマミさんの厨二ごっこだけど……」

あん「……次、いくか」

さや「そうしよう」

849: 2011/09/03(土) 21:36:11.80 ID:o6NPbP8po



さや「第十五話、ニューフェイシズ!」

あん「新顔、の複数形。新キャラ登場ってことか。まどかとほむらとお前と」

さや「あとキュウベエも新だね。……氏んだね!」

あん「はいはい。えーっと、内容は原作一話の終盤、プラスアルファってところか。
   だいたいの流れは同じだけど、セリフがいくつか追加されてると」

さや「うん。まずマミさんがQBを心配する描写が入ってる」

あん「原作ではスル―してたよな」

さや「スルーではないでしょ。『QBを助けてくれたのね』 って言ってるじゃん」

あん「リアクション薄すぎるだろ。『大切なお友だち』 じゃねぇのかよ」

さや「むぅ……」

あん「作者が、原作では同居まではしてない、って思ったのも、こういうのがあるからか?」

さや「ああ、うん。それもあるね」

さや「でも確かにマミさんの性格を考えると不自然な反応なんだよねー原作は。
   神秘性を強調したかったのかな?」

あん「むしろ胡散臭く見えるぞ。三話の放映まではマミ黒幕説が有力だったのも
   これが原因の一つなんだろうし」

さや「うーん……単純に尺が足りなかっただけなのかな?
   それとも、実は作者の解釈以上にドライな関係なのか。
   ドラマCDや 『おりこ』 でもそんな感じだし」

あん「知らねー。――けど」

さや「けど?」

あん「ここが考察の場じゃないのは確かだ」

さや「……そうだった」

851: 2011/09/03(土) 21:37:26.11 ID:o6NPbP8po



さや「さて、いよいよ最大の見せ場、QB入れ替わり発覚編。第十六話でございます」

あん「急にホラーになったよな」

さや「反応も上々だったよね。作者も何度も書き直した甲斐があったと思うよ」

あん「そうなのか?」

さや「うん。最後の3~4レスは三日ぐらいかけて弄くり倒したってさ」

あん「ふーん。ご苦労なこった」

さや「で、仕込んだネタについてですが」

あん「まずこの変なサブタイはなんなんだ」

さや「いくつかの意味を含んでるらしいよ。まず、文字通りにシチュエーションと時間帯。
   次に、日常の象徴である 『お茶会』 の 『黄昏』、つまり平和な時間の終わりだね。
   さらに、『黄昏』 の語源の 『誰そ彼』 が、マミさんの最期のセリフにかかってる」

あん「……わかりづれぇ」

さや「ですよねー」



あん「ところでQBが言ってる 『政治家の娘』 ってもしかして」

さや「美国織莉子のことかって? さぁ、どうかな。
   そうかもしれないけど、この時間軸ではこの人は契約してないっぽいし」

あん「そうかい。無駄に思わせぶりやがって」

さや「誰も気にしてなかったんだし、いーじゃん」

あん「また身も蓋もない」

852: 2011/09/03(土) 21:38:49.67 ID:o6NPbP8po

さや「それよりも、コレよ」



> マミ「『大いなる力には大いなる責任が伴う』――」



あん「コレが? ……って、うん? なんか聞き覚えあるような」

さや「うんうん、有名だもんね。とある映画のに出てくるセリフなんだけど、
   予告編でも使われてたから見てなくても知ってる人は多いんじゃないかな」

あん「んー? ……あー、思いだした。スパイダーマンか」

さや「せいかい!」

さや「つまりマミさんは、なんだかんだいってハルカさんも言うことを、
   全部じゃないにしてもちゃんと聞いてたってことなんだよ!」

あん「ふーん」

さや「素直なマミさん! かわいい!」

あん「……ふーん」

853: 2011/09/03(土) 21:40:19.14 ID:o6NPbP8po



さや「続いて十七話。魔法少女体験コース」

あん「とか言う割には1レスでサラっと流しやがったな」

さや「主題じゃないからね。まぁ、いいサブタイトルが思い浮かばなかったんでしょ」

あん「魔女や使い魔の描写も一切ないし。
   実はこれゲルトルートじゃなくてイザベラなんです、とか言っても通じるんじゃないか?」

さや「言われてみれば」

あん「別になんだっていいけどさ」

あん「ところでこの冒頭のQBのセリフ、六話の冒頭のと一部同じになってるが」

さや「ああ、そっちははっきり意図してやったらしいよ。
   どのQBも同じだってことの表現なんだって。例によって気付かれなかったけど」

さや「ちなみにやっぱり伏線じゃなくて、単なるネタの再利用」

あん「さいで」

あん「しっかし……前回もそうだったけど、この新しいQBは無性にキモいな」

さや「だねぇ。作者的には、特にここがって言えるほどの違いは意識してないらしいけど。
   喋り方を気持ち幼めにしてるかなーってぐらいで」

あん「そーなのか。でもキモいわ」

あん「てか、その割にはマミに止め刺そうとはしないのな。せっかく絶望しかけてたのに」

さや「それはまぁ、本人も言ってる通りまどかとの契約を優先したんだろうね。
   『先輩魔法少女』 がいた方が契約しやすいってのはその通りだろうし」

さや「それに、この件に限らずQBは絶望の後押しとかは基本的にしないんじゃないか、
   っていうのが作者の考えらしいよ」

あん「そりゃまたどうして?」

さや「作為的でない方が純度の高いエネルギーが採れそうな気がする、だってさ」

あん「……下衆な発想だな」

さや「あたしもそう思う」

あん「ま、いいや。
   それで、魔女化フラグとまどかの願いの伏線を張って次回に続く、と」

さや「じゃあ次行ってみようか」

854: 2011/09/03(土) 21:41:44.69 ID:o6NPbP8po



さや「十八話。VS転校生の回」

あん「VSってか一方的になぶっただけだろ。しかも不意打ち」

さや「イメージ映像は原作十話の 『みんな氏ぬしかないじゃない!』 をご参照ください」

あん「言われんでもそれが浮かぶと思うが」

あん「それにしても、前回は銃口を向けて、今回は縛って締め上げてと、
   行動が順調にエスカレートしてやがる」

さや「この調子じゃお菓子の魔女のところで頃しちゃうんじゃ? ……と思わせるのが
   作者の狙いだったそうな」

さや「ってゆーか言い忘れてたけど、このあたりの原作との微妙な違いは、
   展開を読ませないようにするためなんだって。
   別にそのままでも独自展開を予想してくれると思うんだけどね、二次創作って時点で」

あん「ふーん……まぁ読者の反応見る限り成功してたっぽいし、いいんじゃねえの?」

さや「うーん」

さや「というか喜々としてマミさんをいじめてた作者がさやかちゃん的に許せないんですよ」

あん「知るか」

さや「ちなみに縛られる前後の転校生の語りなんだけど、
   これは 『作者ならこう説得する』 っていうのの一例なんだそうだよ」

あん「思いっきり失敗してるじゃねえか」

さや「いやそれは……マミさんの精神状態がアレだし……」

あん「まぁ……確かに、まどかは魔力が強すぎるからダメ、っていうのは悪くないかもな。
   別に嘘をつかずにいる必要はないわけだし」

さや「あたしはそれでも信じないけどね! だって転校生だし!」

あん「……」

さや「ジョーダンだよジョーダン……」

あん「……次行くぞ。この、ループが十二回目ってのはどういうことだ」

さや「あー、それはテキトーだってさ。定説の五回は少なすぎると思ってるから、って」

あん「なんだ、それだけか」

855: 2011/09/03(土) 21:42:43.57 ID:o6NPbP8po

さや「そして、『未来から来た』 転校生に、過去の武器を振るうマミさん!」

あん「戦略としちゃ妥当な線だな。既に縛ってる相手にやる必要はねーだろーけど」

さや「うん。別のシチュで使えばよかったかもって後悔してるらしい」

あん「思い付きで書くからだ」

さや「……ってかさー、このシーンさー」

あん「うん?」

さや「QBのあの言葉があったから転校生は生き延びられたんだよねぇ?」

あん「あぁ、そうだな」

さや「で、アイツがいなくなると芋づる的にまどか魔女化確定で人類滅亡なわけで」

あん「……まぁ、そうなるだろうな」

さや「つまり、世界はQBに救われたってことだね! やったね!」

あん「……」

さや「……」

あん「釈然としねぇ」

さや「あたしも全く同意見だけど、QBのことも否定しきれないってのが作者の考えで、
   そういうところも描きたかったらしいから」

あん「別にいいけどさ」

あん「で、ラストのブランデーについてだが」

さや「鳥かごの魔女フラグだね。あの魔女ってお酒に目がないって設定だから」

あん「それはわかるんだが、つまりこれはブラフだったのか?
   それとも魔女化展開も有り得たってことなのか?」

さや「もちろんブラフ。不安を煽るだけ煽って豪快にブン投げたかったらしい」

あん「とことん思わせぶりな野郎だな……」

856: 2011/09/03(土) 21:44:09.81 ID:o6NPbP8po



さや「さて、いよいよ問題の十八話だね」

あん「これってつまり、まどかにシャルロッテが消されて、その代わりに魔獣が出てきた
   ってことでいいのか?」

さや「少し違うね。
   えーっと、ほらココ。>>667に妙な空白があるじゃん。これがいわゆるキンクリなわけ」

あん「……は?」

さや「だからね。まず、>>666のすぐあとにお菓子の魔女が普通に出てきて、
   マミさんは原作どおりに殺されちゃったの」

あん「え」

さや「で、同じく原作どおりに転校生がこれを倒して、それから原作4~12話があって、
   あたしもあんたもやっぱり氏んじゃったの。でないとまどかがあの願いに辿りつけないから」

あん「……」

さや「そうして世界が再構成されて、魔女のいない歴史が紡がれた。
   私たちが知ってる歴史とはだいぶ違うものになりそうな気がするけど、
   そこはSFでよくある 『修復作用』 ってヤツかな。それか、まどかがどうにかしたのか」

さや「とにかく、だからマミさんも生まれて、事故に遭って魔法少女になって、
   あたしともどこかで出会って、体験コースもやって、
   そしてあるときあたしからの電話で病院に魔獣が出たと呼び出されて――と」

さや「それだけのことがこの空白の中で起こってたってことらしいよ。省略されてるだけで」

あん「……」

あん「――え? ってことはつまり、マミが戦ってるこの相手は、」

さや「魔獣だね。>>668以降、どこにも 『魔女』 なんて書いてないでしょ?」

あん「『魔獣』 とも書いてねーよ! それに結界張ってるし!」

さや「このスレの魔獣は張るんだよ、たぶん。実際最終話でも張ってたし。
   ってか書いたらバレちゃうじゃん。休憩挟む意味もなくなるじゃん」

あん「そもそもあの休憩がなんだったんだよ!」

さや「それは……悪趣味?」

あん「……あーそう」

さや「というかね、あたしは思うんだけど」

あん「……なにが」

さや「あのタイミングでのブツ切りは、むしろ生存フラグだと」

あん「……そーですね」

857: 2011/09/03(土) 21:45:29.94 ID:o6NPbP8po

さや「仕込んだネタについて。まずは麻痺弾かな。転校生に撃ったやつ」

あん「弾丸のバリエーションね。確かに 『おりこ』 では炸裂弾なんて使ってたな」

さや「初期プロットでは普通の弾で普通に足を撃ってたそうです」

あん「どっちでもいいが、ほむらはどうやって使い魔を乗り切ったんだ?」

さや「ここの使い魔ってチーズにしか関心ないし。静かにしてりゃやり過ごせるよ。
   で、必氏こいて回復させたけど間に合いませんでした、と」

あん「なーんか無理があるような」



さや「そして、QBの教えを胸に戦うマミさん」

あん「相手がヤツじゃなきゃ熱くなれる展開なんだろうが……」

さや「QBの効率主義ってガン=カタの基本理念に通じるところがあるよね」

あん「知らねーよ」



さや「そしてそして、一話のネタの再利用。シナモンの香りでQBの生存に気付くマミさん」

あん「『生存』 ってのも 『気付く』 ってのもなんか違わねーか?」

あん「ってか、そもそもなんで記憶が残ってんだよ。ジェムの濁りまで引き継いでるし」

さや「それはまぁ、転校生の身に起こったのと同様、『単純な奇跡』 ってヤツかと」

あん「納得しがたい」

さや「いーじゃん。仮にも主人公なんだから、奇跡の一つや二つ」

あん「いいけどさ……」

858: 2011/09/03(土) 21:46:52.62 ID:o6NPbP8po



さや「で、十九話。ぶっちゃけた話、消化試合だよね」

あん「見せ場は全部前編で消化って、明らかにペース配分を間違えてるよな」

あん「ところで、なんだ? マミのこの円環についての妙な解釈は」

さや「適当にそれっぽい理屈を付けてみただけらしい」

あん「またそんなかよ」

さや「あとはー……転校生の見た目についてかな」

あん「メガネはわかるが、髪を降ろしてるのはなんでだ?」

さや「どっちつかずな感じを出したかったんだって。行動を読みづらくさせるために」

さや「あと、メガネはQBを一旦退席させるためにも使われてるね」

あん「ただいま、おかえり、か……」

あん「なるほどね。確かにこりゃ、『ほむらが上手いことやる話』 じゃねーわ」

さや「そう、あくまで 『マミQ』 のスレなのだよ。そして紅茶」



さや「ついでにってゆーか、まどかの願おうとしてたことも一応全部かなってるんだよね。
   前のQBは戻ってきて、転校生と敵対する理由もなくなった」

あん「代わりに本人が消えてるけどな」

さや「いやー、直接ああ願ってたよりは良い結果じゃない?」

あん「そりゃそうかも知れんけど」

さや「だからまぁ、いいんじゃないかな」

さや「ただ一つ後悔してることがあって、マミるって予告しちゃったこと」

あん「いっぱい反応してもらえてんじゃねーか」

さや「いや、これについてばっかりで、本文への感想がほとんど、さ……」

あん「あー……」

859: 2011/09/03(土) 21:48:00.62 ID:o6NPbP8po



さや「さて、いよいよ最終話。マミさん故郷に氏す」

あん「なんで300年も経ってんだよ」

さや「大都会見滝原が無人の廃墟になるにはそのぐらいかかるんじゃないかなー、だってさ」

あん「また適当な」

さや「初期のプロットでは見滝原じゃなくて、世界のどこかってことだったみたい」

あん「なんで変えたんだ?」

さや「ここまで描いてきた 『街を守ること』 に対する強いこだわりを無駄にしないためだろうね」

あん「なるほど、わからんではない」

さや「あと、最初は普通にマミさん視点の予定だったんだって」

あん「ん? ってことは、二人の最後の会話とかも?」

さや「うん。かなり細かいところまで考えてたって」

あん「なんでなくしちゃったんだよ。読者が見たかったのはそこじゃねーの?」

さや「それが……書いてるうちに、なんとなく、って……」

あん「ふざけてんのか」

さや「いやいや。まずね? 前半をマミさん、後半を転校生に語らせるプロットを作って、
   肉付けしてるうちに後半がどんどん伸びて行って……
   そんな中で、マミさんパートは少なめにした方が雰囲気出るんじゃないかとか
   思っちゃったのが運の尽きというかなんというか」

あん「……最終的に、いっそなくしちまえ、ってか」

さや「そうみたい」

あん「いーけどさー……せめてマミの最期の言葉ぐらいは出せよ。質問も来てるし」

さや「はい。えー……、>>798氏へ。
   お察しの通り、ストレートです。ストレートでシンプルな、感謝と愛情の言葉でした、と」

さや「……こんなもんで?」

あん「……アタシに聞かれてもな」

860: 2011/09/03(土) 21:48:48.07 ID:o6NPbP8po

あん「ついでに他の質問にも答えとけ」

さや「はーい」



さや「>>803氏。
   杏子については外伝で。ただ、マミさんたちほど長生きはしてないそうです」

さや「>>807氏。
   作者にも想像がつかない、と。ぼんやりと、クリームヒルト以下ではあるかなぁ、と」

さや「>>809氏。
   >>810氏が言ってくださってるもので正解です」



さや「……えーっと、明確に質問なのは以上かな?」

あん「だな」

861: 2011/09/03(土) 21:50:21.32 ID:o6NPbP8po

あん「しかし300年かー。やっぱ最年長記録だったりするのか?」

さや「ううん。完全に裏設定らしいけど、生きた長さではマミさんは一位ではないんだって」

あん「ほう。まだ上がいるってのか」

さや「そう。例えば十二話に出てきた佐木ハルカさんが、この時点でまだ生きてるとのこと」

あん「オリキャラかよ。二次創作でやっちゃっていいのかそれ」

さや「だから完全に裏設定なんだってば」

あん「ってかそいつは魔女に殺され……ては、いないことになったのか。世界改変で」

さや「そういうこと。でも相方のカナエさんは運命には逆らえなくて導かれちゃってます。
   で、それ以来ずーっとお墓を守ってるんだって。だからマミさんみたいに有名じゃない、と」

あん「自縛霊かよ。……そーいや、ほむらの方の評判はどうなってんだ?」

さや「それはやっぱり、マミさんと双璧って感じかな。ただしある時期から今のスタンスに
   移っちゃって、だから最期を看取った魔法少女の数がとんでもないことになっちゃって、
   おかげで最近では 『氏神』 とか 『堕天使』 とか呼ばれがち、みたいな」

あん「まどかと生きてもう一度会う、か。あいつらしいっちゃらしいかな」

さや「『あの子の守った世界を守る』 ってだけで十分だと思うんだけどねー。あの転校生だし」

さや「ちなみに長生き云々については、こんなシーンが入る予定でした↓」

862: 2011/09/03(土) 21:51:33.65 ID:o6NPbP8po

   ==========

ほむら「……そういえば、やっぱり彼女や私は長生きな方なのかしら」

QB「そうだね。単純に魔法少女を続けた長さでいえば、君たちは十番目ぐらいかな」

ほむら「へぇ……。なら、一位は?」

QB「君も知っていると思うよ。この国ではそこそこの有名人だからね」

QB「本当の名前は 『みつ』 といったかな。平安の後期から江戸中期まで、
   尼僧として847年を生きた。各地に目撃情報が残っている」

ほむら「……」

ほむら「まさか……」
                                  ヤ オ ビ ク ニ
QB「やっぱり知っていたか。そう――君たちは、『八百比丘尼』 と呼んでいるね」

ほむら「……その人は、どんな願いを?」

QB「それは言えないな。他の子の願いを僕の口から漏らすのは、ルール違反だ」

ほむら「……そう」

   ==========

あん「……」

さや「物語的に全く必要ないのでカットしたらしい」

あん「厨二すぎるからの間違いじゃないのか」

さや「否定はしない」

さや「ついでに言うと、宝永の大噴火はこの人が魔女化したせい、なんて妄想も」

あん「へー……」

さや「他の長生き魔法少女については特に決めてないらしいよ。
   そもそも 『十番目ぐらい』 ってしてるのも、
   この面子だけだと上位が日本人だらけになっちゃうからって、それだけの理由だから」

あん「ふーん……」

863: 2011/09/03(土) 21:53:01.03 ID:o6NPbP8po

さや「あと、カットと言えばもう一つ。一番最後は魔女図鑑で締めるって案もあったんだって」

あん「はぁ? 魔女なんてどこにいるってんだよ」

さや「見てもらえばわかるよ。はいコレ」

   ==========



   東の魔女。

   その性質は守護。

   この魔女は、世界の改変を成し遂げた神ですら消すことができない。



   ==========

あん「……マミのことか、これ?」

さや「そういうこと。最後まで悩んだらしいけど、実際に投下した方が競り勝ったわけだね」

あん「……そーいや、魔女とも呼ばれた、ってほむらが言ってたな」

さや「伏線だけが残ったわけです」

あん「うーん……」

さや「みんながあんまりマミるマミる騒ぐから、
   そんなにマミるのが嫌ならいっそ魔女らせてやろうか、ってことらしいんだけどね」

あん「やめといて正解だよそれは」

さや「ですよねー」

864: 2011/09/03(土) 21:54:25.07 ID:o6NPbP8po

あん「しっかし……300年も生きたマミが、たった4匹の魔獣に負けるかね?」

さや「4匹じゃないよ。もっといっぱいたくさん、例えば100匹ぐらい出て、その残党がアレ」

あん「はぁ?」

さや「既に弱り切ってるっぽいって転校生が言ってたじゃん」

あん「わかんねえよソレだけじゃ」

さや「ん、まぁ。でもそうじゃないにしてもさ、この群れを呼び込んじゃったのって
   マミさん本人なわけだし。精神的にもキツかったと思うよ?」

あん「……そうなのか?」

さや「他に人いないじゃん」

あん「そっか……そうだな」

あん「守るべき相手もいなくなって、ついには自分が敵を呼び寄せるようになっちまって。
   それでいよいよ参っちまったってわけか」

さや「そういうことだね。
   悲しいけど、マミさん自身が満足ってゆーか、納得できる最後って、他になかったと思う」

さや「ああ、もう自分はいなくなってもいいんだな、ってさ」

あん「……アイツの考えそうなこったな」

さや「あぁ、マミさん! せめてあたしが付いててあげたかったよ!」

あん「QBがいただろQBが」

865: 2011/09/03(土) 21:54:57.99 ID:o6NPbP8po

さや「ちなみのちなみに、あたしは原作通りの場所と時間で導かれてます」

あん「だろうな」

さや「え?」

あん「これだよ。十八話の」



> さやか「ありがとう、マミさん……恭す――病院を守ってくれて、本当にありがとう……!」



あん「ぼうやの名前も言い切れないようなヘタレっぷりじゃあ、当然そうなるだろうな」

さや「ぐっ……!」

866: 2011/09/03(土) 21:55:57.60 ID:o6NPbP8po



さや「んー……、うん。こんなもんかな」

あん「お、やっと終わりか。長かったな」

さや「長かった長かった。本文のどの話よりも長かった。何回かに分ければよかったかもね」

あん「一回で十分だよ、こんな楽屋ネタ」

さや「確かに」

あん「んじゃ、最後の締めの言葉でもいっとけ」

さや「はーい。……っていってもこればっかりは作者に直接言わせなきゃね。
   というわけで作者ー、出てこーい」

















QB「やあ」

867: 2011/09/03(土) 21:56:59.34 ID:o6NPbP8po

さや「……」

あん「……」

QB「うん? どうしたんだい、二人とも」

さや「いやいやいや。あたしは作者を呼んだんだけど、どうしてあんたが出てくんのよ」

QB「彼と君たちを、表立って接触させるわけにはいかないからね」

あん「はぁ?」

QB「最後の締めの言葉ぐらい、作者本人が言うべき――それはそれで外せない礼儀だろう。
   しかしね、それ以上に、二次創作の場で作者とキャラクターを絡ませてしまうというのは
   侵してはいけない禁忌なんだよ」

さや「それは……」

あん「わからんでもないが……でもなんでお前なんだよ」

QB「僕が適任だからさ。誰かの言葉を過不足なしに伝えるという役割においてはね」

さや「むぅ……」

あん「いやしかしだな、ここっていわゆる 『まど界』 だろ? お前が来ちゃだめじゃん」

さや「おおっ、ナイス杏子! そーだそーだー、淫獣は帰れー」

QB[ふむ……」

QB「なら逆に問うけど……」

868: 2011/09/03(土) 21:57:54.93 ID:o6NPbP8po

QB「――いつからここが 『まど界』 だと錯覚していた?」

さや「なん……」

あん「だと……」

QB「下手なパロディはさておき、ここが君たちの言う 『導かれた先』 だなんてことは、
   ここまでの説明において一度も書かれてはいないよ」

QB「まぁ確かに、物語世界の 『一つ上の領域』 という点では、鹿目まどかが辿り着いた場所と
   同じではあるけどね」

さや「だ、だったらここはなんだってのよ!?」

QB「それはだから、『後書き』 だろう? 君たち自身が言っていたことじゃないか」

さや「……」

あん「……まぁ、そうだな」

さや「ちくしょう!」

QB「さて、コントはもう終わりでいいかい? 仕事を済ませてしまいたいんだけど」

さや「けっ……。へーへー、さっさとやれ。そして帰れ」

QB「何をそんなに怒っているんだか。……まぁいいや。えーっと――

869: 2011/09/03(土) 21:59:11.90 ID:o6NPbP8po



   はい、作者です。
   まずは、ここまで長々とお付き合いいただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。

   また、感想を下さった皆様、
   意見を下さった皆様、
   労いの言葉を下さった皆様、
   そしてスレを開いて読んでくださった全ての皆様に、心からの感謝を。

   スレ立て当初は十数話程度のつもりだったこの話が、
   800レス、20話の大台に乗ることができたのは、間違いなく皆様のおかげです。
   本当にありがとうございました。

   また、後書き内でも書きましたが、外伝を新たに製作中です。
   公開時期は未定。場所は、恐らくこのスレでは足りませんので、新スレを立てます。
   そちらもお付き合いいただければ幸いです。

   」



870: 2011/09/03(土) 22:00:20.72 ID:o6NPbP8po

QB「以上だよ」

さや「はいはい、お疲れ」

さや「では最後に、作者の過去作でも晒しておこうかね」



マミ「始まりの魔女……?」

まどか「お、起こったことをありのままに話すよ!」




さや「上から順に、『QBの作り方』『ぼくのかんがえたさいしゅうかい』
   となっております」

あん「タイトルと噛み合ってるのが一つもないな」

さや「一番下は誤字が酷いからまとめサイトで見た方がいいかも。
   テキトーにぐぐってねー」

あん「そんじゃ帰るか」

さや「はーい」

あん「じゃーなー」

さや「ばいばーい」







871: 2011/09/03(土) 22:01:12.00 ID:o6NPbP8po

ノシ


872: 2011/09/03(土) 22:08:28.58 ID:EFnbZvDOo

始まりの魔女もあんただったか…あのSFチックな描写には濡れた覚えが
お疲れ様でした

873: 2011/09/03(土) 23:08:03.54 ID:SAbK0RmJo

最高のマミキュゥだった、ありがとう

引用: マミ「今日も紅茶が美味しいわ」