1: 2024/03/29(金) 21:38:00 ID:c6zBVDx6Sa
可可「メーメー、何を言っているのデスか」

可可「は?」

可可「すみれは、メーメーの先輩デスよ?」

メイ「あ、いや……冗談だって……!」

可可「……」

6: 2024/03/29(金) 23:22:41 ID:c6zBVDx6Sa
可可(全くメーメーは、冗談でも言っていいことと、悪いことがあります)プンプン

すみれ「可可どうしたのよ? 機嫌悪いの?」

可可「別に……デス!」

すみれ「ごめん、私何かしちゃった……?」

可可「すみれには関係ありまセン!!」

すみれ「そう……」


可可(すみれは人の気も知らないで……)

9: 2024/03/29(金) 23:39:27 ID:c6zBVDx6Sa
メイ「それで可可先輩に怒られちゃってさ」

きな子「それはメイちゃんが悪いっすよ」

メイ「でも思わないか? すみれ先輩って土下座したらヤラせれくれそうじゃね?」

きな子「それはどうっすかね……」

メイ「かのん先輩が土下座したらヤラせてくれたらどうする?」

きな子「ええ……?」

きな子「それなら、その……土下座するっす……」

メイ「だろ?」

13: 2024/03/30(土) 11:43:43 ID:QN9TIMH2Sa
夏美「すみれ先輩、帰り道に例のクレープ屋さんに寄るのはどうですの?」

夏美「すみれ先輩が気になっているみたいなので、優しい夏美がお付き合いしてあげますの♪」

すみれ「そんなこと言って、あんたが食べたいだけじゃない」

夏美「ついでにクレープ持ってツーショット撮りますの! きっとコメントたくさん付きますの♪」

すみれ「はいはい」

夏美「それと、すみれ先輩が顔にパックしてる写真もあげて……」ムフフ

すみれ「ちょ、あんた! それ消しなさいったら消しなさい!」

夏美「にゃははははwww」


可可「……」

14: 2024/03/30(土) 11:52:19 ID:QN9TIMH2Sa
可可「そんなんだから、後輩たちに舐められるのデス」

すみれ「は? 舐められるって何よ」

可可「さっきもナッツにからかわれてマシタ」

すみれ「ふざけてるだけじゃない。気にしてないわよ、あんなの」

可可「もうちょっと気にするデス」

可可「すみれのために言っているのデスよ?」

すみれ「そりゃどーも」スタスタ

可可「……」


可可(すみれがメーメーにあんな風に思われてるなんて)

可可(可可、嫌デス……)

16: 2024/03/30(土) 11:59:12 ID:QN9TIMH2Sa
メイ「先輩とやりてえええええええ!!!!」

きな子「ちょっと、メイちゃんw」

メイ「我慢できなくなってきた」

メイ「きな子もかのん先輩とヤリたいだろ?」

きな子「ま、まあ……」

メイ「押し倒しちゃえよ! それか土下座でも何でもしてさ!」

きな子「メイちゃん、落ち着くっすよw」

メイ「私もすみれ先輩に頼むか! くううう!!」


夏美「何を騒いでいるんですの?」

メイ「夏美!」

17: 2024/03/30(土) 12:08:26 ID:QN9TIMH2Sa
メイ「すみれ先輩って土下座したらヤラせてくれそうじゃね?w」

夏美「……」

夏美「は……?」

メイ「1回だけ思い出にってさ! 頼み込んだら、押し切れると思うんだよ!」

夏美「本気で言ってますの?」

メイ「私は本気だ! すみれ先輩とやりてええええ!!」

きな子「め、メイちゃん! 夏美ちゃん、ドン引きしてるっすよ……」

メイ「え……?」


夏美「……」

夏美「あなたとは今後の付き合い方を考える必要がありそうですの」

メイ「あれ、えっと……」

きな子(メイちゃんがゴミを見るような目で見られてるっす)

26: 2024/03/31(日) 11:12:30 ID:j09yiPxASa
練習後

かのん「じゃあまた明日ね!」

恋「はい! また明日」


メイ「……」

夏美「……」


すみれ「……?」

27: 2024/03/31(日) 11:15:40 ID:j09yiPxASa
夏美「すみれ先輩、一緒に帰りますの♪」

すみれ「あ、うん……」


すみれ「一年生たち何かあったの?」コソッ

夏美「何かって?」

すみれ「今日みんな静かじゃない」

すみれ「メイと喧嘩でもしたの?」

夏美「……」

夏美「別に、すみれ先輩には関係ないことですの」

すみれ「……そう」

28: 2024/03/31(日) 12:48:31 ID:j09yiPxASa
1週間後

メイ「四季がまた変な発明してさぁ」

きな子「それやばいっすねw」

夏美「……」


すみれ「……」

すみれ(夏美

29: 2024/03/31(日) 12:49:43 ID:j09yiPxASa
すみれ「……」

すみれ(夏美、まだ喧嘩続いてるのかしら)

すみれ(やっぱり様子おかしいわよね……)

30: 2024/03/31(日) 12:52:30 ID:j09yiPxASa
可可「1年生たちが……?」

すみれ「いつももっとバカ騒ぎしてたじゃない、あの子たち」

すみれ「何かあったんじゃないかしら」

可可「そう言われてみれば……」

すみれ「夏美は何も話さないし」

可可「うーん……そしたら、きなきなにそれとなく聞いてみマス」

すみれ「そうね。私もメイに聞いてみるわ」

31: 2024/03/31(日) 13:04:09 ID:j09yiPxASa
メイ(今日の練習もハードだったなぁ……)テクテク

メイ(でも新曲もいい感じだし、新しいステップも上手くいきそうだ……)テクテク

メイ「さて、帰ったら先輩たちの写真見ながら……」


すみれ「写真……?」

メイ「うわああっ!!」


メイ「すみれ先輩!? びっくりしたじゃないか!」

すみれ「ごめんごめん。で、私たちの写真がどうしたのよ?」

メイ「いやいや、それは何でもから!」


メイ「そんなことより、なんですみれ先輩がここに?」

すみれ「メイとちょっと話したくてね」

メイ「私と?」

すみれ「うん。どこかで2人でお茶しない?」


メイ「それなら……」

メイ「ウチ、すぐそこだから、来てもらっても……」

32: 2024/03/31(日) 13:09:46 ID:j09yiPxASa
メイの部屋

すみれ「本当にアイドルが好きなのね」

メイ「ま、まあ……」

メイ(まさか本当にすみれ先輩が部屋に来てくれるなんて……!)


メイ「それで話って?」

すみれ「うん」

すみれ「メイ、最近夏美とはどうなの?」

メイ「夏美?」

すみれ「ずっと仲良しだったのに、ここ最近ギクシャクしてるように見えるんだけど」

メイ「それは……」

すみれ「何かあったの?」

メイ「……別に、つまらないことでちょっと喧嘩してるだけだよ」

メイ「もうすぐ仲直りできるはずだから」

すみれ「そう。それなら良いんだけど」

33: 2024/03/31(日) 13:16:32 ID:j09yiPxASa
すみれ「もし私たちにできることがあったら言いなさいね」

メイ「わかった。ありがとう」

メイ「心配かけちゃって、ごめん……」

すみれ「いいのよ。ただのお節介だから」

メイ「……」


メイ(それにしても……)

メイ(すみれ先輩、やっぱりスタイルいいなぁ)

メイ(太もももムチムチしてるし。挟まれてえええ!)

メイ(て言うかやりてえええ!!!!)


すみれ「何ジロジロ見てるのよ」

メイ「いや、そのさ……」


メイ(すみれ先輩が私の部屋にいる)

メイ(こんなチャンスもうないかもしれない)

メイ(ここは……ダメ元で行ってみるか!?)

34: 2024/03/31(日) 13:20:54 ID:j09yiPxASa
メイ「すみれ先輩、1つ頼みたいことがあるんだけど……」

すみれ「何?」


メイ「すみれ先輩って、エOチなこととか、したことあるか?」

すみれ「何を言い出すかと思えば……」

すみれ「そういう話こそ1年生同士でしなさい」

メイ「いやいや、すみれ先輩に聞きたいんだ!」

すみれ「何でよ」

メイ「気になるんだよ!」

すみれ「はぁ?」

41: 2024/04/01(月) 19:58:46 ID:/yd4CDrYSa
メイ「私、そういう経験ないし、よくわからないからさ……」

メイ「すみれ先輩、経験豊富そうだし、いろいろ教えて欲しいっていうか……」

すみれ「何で私が経験豊富そうなのよ」

メイ「だってすみれ先輩モテるだろ?」

メイ「いろんな女取っ替え引っ替えしてそうじゃないか」

すみれ「どんなイメージ持たれてるのよ……」

42: 2024/04/01(月) 20:04:04 ID:/yd4CDrYSa
メイ「だから頼むよ! そういうのに疎い、哀れな後輩を助けると思って!」

メイ「こんなことすみれ先輩にしか頼めないんだ!」

メイ「教えてくれよ!」

すみれ「あんたねぇ……」

すみれ「悪いけど、今日はそういう話しに来たわけじゃないから」

すみれ「そもそも、私だってしたことないわよ」

メイ「……!」

43: 2024/04/01(月) 20:07:23 ID:/yd4CDrYSa
メイ「じゃあ、すみれ先輩も処Oなのか!?」

すみれ「そ。だからあんたに教えられることは何も……」

メイ「ますます興奮してきた……!」

すみれ「はぁ?」


メイ「すみれ先輩!」

メイ「それなら、私と一緒にどんなものか学んでみないか!?」

すみれ「学ぶって……」

メイ「私としてくれ!!」

すみれ「……っ!?」

44: 2024/04/01(月) 20:30:45 ID:/yd4CDrYSa
すみれ「冗談……よね……?」

メイ「冗談じゃない。本気だ」

メイ「すみれ先輩としたい」

メイ「こんなこと冗談では言わない」

すみれ「……」


すみれ「ねぇメイ。そういうのに興味を持つ気持ちはわかるわ」

すみれ「経験してみたいっていうのもわかる」

すみれ「でもそういうことって、もっと大事にすべきじゃないかしら」

すみれ「どんなものか気になるからって、誰としていいわけじゃない」

すみれ「本当に好きな人と結ばれた時に初めてすればいいの」

すみれ「だからもっと自分を大事にしなさい」

メイ「すみれ先輩……」

45: 2024/04/01(月) 20:43:30 ID:/yd4CDrYSa
すみれ「じゃあ私は帰るわね」

メイ「ま、待ってくれ! すみれ先輩!」

メイ「で、でも! だとしても……!」

メイ「私はすみれ先輩としたい!!」

すみれ「今の話聞いてた?」


メイ「確かにすみれ先輩の言うことはわかる」

メイ「でも、すみれ先輩は私の憧れの先輩なんだ!」

メイ「大好きなすみれ先輩だから、そういうこともしたいって思うんだ!」

すみれ「あんたの憧れって言うのは、恋愛の好きとは違うじゃない」

メイ「いや! すみれ先輩、好きだ!!」

メイ「私としてくれ!」

すみれ「しないわよ」

46: 2024/04/01(月) 20:45:56 ID:eRHDj.fISd
すみれちゃんのこういうクールなとこ好き

48: 2024/04/01(月) 21:00:58 ID:/yd4CDrYSa
メイ「どうして……」

メイ「すみれ先輩は、私じゃダメなのか……」

すみれ「はっきり言うと、メイのことをそういう目で見たことはないわ」

メイ「じゃあ誰のことをそういう目で見てるんだ?」

メイ「可可先輩? それとも夏美か? 夏美とならエOチするのか?」

すみれ「しないわよ」

メイ「なぁ、すみれ先輩頼むよー!」

メイ「私としてくれよおおおお!!」

すみれ「しつこい……」

49: 2024/04/01(月) 21:05:53 ID:ZTLpI4LMSa
しつこくて草

50: 2024/04/01(月) 21:23:08 ID:Ju.aRZGI00
うざすぎるメイ好き

51: 2024/04/01(月) 21:26:24 ID:lKd5vsx.MM
そろそろお姉さんほんとに怒るよ

52: 2024/04/01(月) 21:26:52 ID:/yd4CDrYSa
すみれ「そんなにしたいなら、さっさと彼女作ればいいじゃない」

メイ「したいんじゃなくて、すみれ先輩としたいんだよ!」

すみれ「あっそ」

メイ「…………」



メイ(わかってはいたけど、そう簡単にさせてくれるわけないよな……)

メイ(こうなったら最後の手段……!)

メイ(土下座で頼み込みだ!!)



メイ「すみれ先輩!!」バッ

メイ「お願いです!! この通りです!!」ドゲザッ

すみれ「……!!?」

53: 2024/04/01(月) 21:31:39 ID:/yd4CDrYSa
すみれ「ちょ、あんた、何やってんのよ!」

メイ「お願いします! 1回だけでいいんです!
ヤラせてください!」ドゲザッ

すみれ「みっともない真似やめてよ!」

すみれ「そんなことされたって、私……」

メイ「すみれ先輩が私のこと何とも思ってないのはわかってます!」

メイ「でも、すみれ先輩はずっと私の憧れなんです!」

メイ「だから思い出に! 1回だけ!」

すみれ「やめて! 自分が何してるのかわかってるの?」

メイ「わかってます! 一生のお願いです!」

メイ「1回だけ! 少しだけでいいので!」

メイ「させてください!!」

すみれ「やめなさいったら、やめなさい!」

54: 2024/04/01(月) 21:41:58 ID:/yd4CDrYSa
メイ「すみれ先輩が良いって言ってくれるまで諦めない!」

メイ「土下座でダメなら足を舐めたって良い!」

すみれ「何を言って……」

メイ「それくらいすみれ先輩は魅力的なんだ!」

メイ「ちょっとでいい! ちょっとでいいから!」サワッ

すみれ「ちょ! 触んないでよ!」パシッ

メイ「うぅ……」

すみれ「……」

55: 2024/04/01(月) 21:44:59 ID:/yd4CDrYSa
メイ「頼むよ……すみれ先輩……」ウルッ

メイ「私、すみれ先輩じゃないと……」ポロポロ

すみれ「何泣いてんのよ!」


メイ「お願いだよー!!」ドゲザッ

メイ「すみれ先輩のことばかり考えて、私おかしくなりそうだんだ!」

メイ「もう我慢の限界なんだよ!」

メイ「すみれ先輩と少しでもいい! 触れ合いたい!」

メイ「お願いです! させてください!!」ドゲザッ

すみれ「…………」



すみれ「そんなに……したいの……?」

メイ「……!!」

57: 2024/04/01(月) 22:05:22 ID:/yd4CDrYSa
メイ「したい!! 絶対したい!!」

メイ「すみれ先輩とできたら一生の想い出にするし! すみれ先輩に一生ついてく!!」


メイ「お願いします!! 私に夢を見させてください!!」

メイ「私の夢を叶えてください!!」ドゲザッ

すみれ「…………」



すみれ「メイ、顔をあげて」

メイ「すみれ先輩……」



すみれ「私は…………」



1. させてあげる

2. きっぱりと拒絶する

58: 2024/04/01(月) 22:05:33 ID:aBwd4ZL200
2

62: 2024/04/01(月) 22:42:45 ID:ovnN4k4200
スナイパー可可がいると聞いて

97: 2024/04/04(木) 18:56:50 ID:tPuqHIBASa
1.

すみれ「私は……」

メイ「……」


すみれ「私は、メイには、本当に好きな人として欲しい」

すみれ「だから……」

メイ「それがすみれ先輩なんだよ!!」

すみれ「……」


メイ「すみれ先輩、少しだけでいいんだ……」

メイ「じゃないと、私は一歩も前に進めない!」

メイ「私に想い出を……ください……!!」

すみれ「…………」




すみれ「じゃあ……」

すみれ「本当にちょっとだけよ」

98: 2024/04/04(木) 19:02:53 ID:tPuqHIBASa


ベッドに座るすみれ先輩の隣にそっと座る。

その横顔をじっと見つめる。

すみれ先輩は目を合わせてくれない。


すみれ「本当にちょっとだけだからね」

メイ「わかってる」


私はすみれ先輩とぎゅっと距離を詰める。

爽やかで甘い香りがした。


メイ「抱きしめて、いいか……?」

すみれ「……」


すみれ先輩は答えない。

私はそれを肯定と捉えて、ゆっくりと彼女を抱きしめる。

その香りはより濃厚に感じられ、温かさを腕いっぱいに感じる。

そして制服越しでもわかる胸のボリューム感。

私の心臓の鼓動がどんどん早くなる。


メイ「すみれ先輩……」


ぎゅっと力を入れて抱きしめ直す。

今私は、すみれ先輩を抱きしめているんだ。

憧れの美しい先輩を。

99: 2024/04/04(木) 19:11:20 ID:tPuqHIBASa
すみれ先輩の体温を全身で感じながら、両手で彼女の背中をなぞる。

すみれ先輩は抱きしめ返してくれなかったけど、抵抗もしなかった。

初めて触る、制服越しの先輩の身体。

両手で撫で回しその感触を堪能していく。

私の手の動きは次第に大胆になり、その両肩へと這わせていく。

そこをゆっくりと弄ると、すみれ先輩の身体がきゅっと強張って。


メイ「すみれ先輩、力抜いて」

すみれ「うっさい」


その緊張を解くように、両肩をじっくりと撫で回していく。

程よい肉感もありながら、艶かしく柔らかい、いつまでも触れていたい肩だった。

そして、そうやって抱いていると、先輩がいつもより小さく感じられた。


両手から伝わる非日常的な心地良さに、胸の奥が熱くなる。

自分の呼吸が相当荒くなっていることに気付く。

101: 2024/04/04(木) 19:22:45 ID:tPuqHIBASa
メイ「……」


私は何も言わず、指先を先輩の膨らみへと這わせていった。

肩にした時と同じように、じっくりと円を描くように撫で回す。

すみれ先輩は何も言わない。

制服越しでブラ越しだから、確かな感触はわからない。

それでも、抱きしめた時にも感じたボリュームと、確実に存在する柔らかさを察することができる。

むにっ、むにっと、形を確かめるように揉んでいく。

手のひら一杯の幸せを掴む。

気付けば、私の指先は先輩の胸に食い込んで離れなくなっていた。


メイ「…………」


もっと、深く。

直でそれを感じたい。

102: 2024/04/04(木) 19:36:25 ID:tPuqHIBASa
メイ「すみれせんぱ……」

すみれ「はい。もうおしまい」

メイ「え……」


ぐいっと身体を引き剥がされる。


メイ「もう終わり……?」

すみれ「言ったでしょ。ちょっとだけだって」

メイ「でも、まだ……」

すみれ「言っとくけど、服脱ぐ気はさらさらないから」

メイ「うぅ……」

106: 2024/04/04(木) 19:57:56 ID:tPuqHIBASa
私の手のひらは、まだ先輩の幻想を握っていた。

あと一歩先。

あと一歩先に行きたかったのに。


すみれ「これだけ触っておいて、不服だなんて言わせないわよ」

メイ「そう、だけど……」


確かに私に不満を言う権利なんてない。

あんな風にすみれ先輩を好きに触れただけでもあり得ないことだ。


でも。

それでも。



メイ「最後に……キスしても、いいか……?」

すみれ「……」


先輩は私を鋭く睨んだ後、絨毯の模様を確認するように下を見つめ、少し考えているようだった。

私はそんなすみれ先輩の艶やかな唇に目がいってしまう。

それを欲しいと思ってしまう。

ごくりと唾を飲み込む。


すみれ「1回だけね」


すみれ先輩は静かに言った。

107: 2024/04/04(木) 20:17:42 ID:tPuqHIBASa
すみれ先輩とのキスはこれまでのどんな体験よりも、私の心に深く刻まれることになった。


メイ「じゃあ、いくぞ……」

すみれ「……」


唇同士がそっと触れ合う。

柔らかい。

私はそのまま、自分の唇を彼女に押し付けていく。


何もかもを受け入れてくれそうなその柔らかさを堪能しながら、くちゅりと唇を動かし、じっくりと味わう。

すみれ先輩の呼吸を直接感じながら、再びすみれ先輩の背中へと手を回していく。


薄く目を開けると、すみれ先輩は目を閉じていた。

長いまつ毛が華麗なカーブを描いてピンと天を指している。


後輩にキスされて、今どんな気持ちなんだろう。

先輩もドキドキしてくれてるだろうか。

それともこんな時間は一刻も早く終わって欲しいと思っているだろうか。

108: 2024/04/04(木) 20:38:27 ID:tPuqHIBASa
ちゅっ、ちゅっ、と粘膜同士の擦れ合う音が部屋に響く。

その音に興奮し、さらに唇を深めてしまう。

私の舌が先輩の唇に割って入ろうとしたその時、彼女の腕に力が入る。

名残惜しくも、私はまた引き剥がされてしまった。


すみれ「それ以上はだめ」

メイ「……」


荒くなった呼吸が整えられない。

ぼやけた頭のまま、私を咎めるすみれ先輩を見つめる。

透き通ったエメラルドグリーンの瞳がキッと私を見据えていた。

私の心を鷲掴みにして離さない魅惑の水晶。

その澄んだ光に吸い込まれるように、再び口付けする。

118: 2024/04/05(金) 20:47:05 ID:zdvCAbUQSa
メイ「すみれ先輩、好きだ……」

長いキスの後、私は先輩に告げる。


先輩は潤んだ瞳で私を見つめ返す。

頬が赤く染まっている。

彼女の息もひどく荒い。


メイ「だから、いいよな……?」

すみれ「え……?」


明らかに反応が鈍っているすみれ先輩。

彼女に向かって再び口付ける。


すみれ「ん……んん!」

メイ「ちゃる……ちゅっ……」


彼女の唇を味わいながら、手は上半身の膨らみへと伸びる。

またそこを弄りながら、今度は制服にも手をかけていく。

少しずつ、少しずつ、その城壁を紐解いて。

絡まった蔦がシュルシュルと解け落ちるように、彼女の身体が露わになっていく。


すみれ先輩は抵抗する素振りを見せながらも、もうほとんど力が入らないようだった。

123: 2024/04/05(金) 21:29:28 ID:zdvCAbUQSa
1週間後

千砂都「今日の練習はここまで!」

可可「づがれまじだ~」ヘロヘロ

かのん「可可ちゃん、頑張ったね!」ニコッ


夏美「きな子も頑張りましたの!」

きな子「体力ついてきたと思ったんすけど、まだまだっすねー……」ゼェゼェ

メイ「……」


メイ「あ……」


メイ「すみれ先輩、水筒」スッ

すみれ「あら、悪いわね」

メイ「……」




あれから1週間が経ったけど、私とすみれ先輩の関係はそれ以前と何ら変わらない。

すみれ先輩はあのことを全く意識していないみたいだった。

私と2人きりになった時も、そんな素振り全く見せない。

あれが無かったことだったみたいに。


メイ「……」ギュッ


本当にただの夢だったんじゃないかとすら思う。


すみれ先輩はもう忘れたんだ。あの日のこと。

無かったことにしたいんだ。きっと。

124: 2024/04/05(金) 21:38:28 ID:zdvCAbUQSa
メイ「すみれ、先輩……」

すみれ「うん?」


でも。

私には無かったことになんて、できない。


メイ「この後って空いてるか?」

すみれ「空いてるけど?」


あの日から、私の中はすみれ先輩で一杯なんだ。

忘れることなんて、できるはずない。

1回だけの想い出になんて、できるはずない。



メイ「少しだけ、話せないか……?」

すみれ「……」

すみれ「何」

125: 2024/04/05(金) 21:45:53 ID:zdvCAbUQSa


人気のない校舎の片隅で、私はすみれ先輩を見つめる。

すみれ先輩は窓の外を眺めていた。

美しい横顔だった。


メイ「急に呼び出して、ごめん……」

すみれ「で、何なのよ」

メイ「えっと……あのこと、なんだけどさ……」

すみれ「やっぱりその話ね」


すみれ先輩は冷たくため息をついた。


すみれ「あんたのしたいことはできたんだから、これ以上その話はしないで」

すみれ「私とあんたはこれまで通りに戻る」

すみれ「以上よ」クルッ


メイ「ま、待ってくれ……!」


そのまま立ち去ろうとするすみれ先輩を呼び止める。

126: 2024/04/05(金) 21:49:46 ID:zdvCAbUQSa
メイ「そんなこと、できないよ……!」

すみれ「は?」

すみれ「1回だけ。少しだけって約束よね?」

すみれ「この期に及んで、またしたいわけ?」

すみれ「もう1度だけって? 馬鹿みたい」

メイ「……っ!」


返す言葉もなかった。

あれだけのお願いを聞いてくれたのに、私はまだ欲してしまっている。

あの時のすみれ先輩の表情が、声が、感触が、香りが、私の脳裏にこびり付いて離れないからだ。

むしろ日を増すごとに、その欲望は大きくなっているんだ。

127: 2024/04/05(金) 22:00:21 ID:zdvCAbUQSa
メイ「じゃ、じゃあ付き合ってくれ!」

メイ「私と恋人になってくれないか?」

すみれ「それは初めからないってわかってるでしょ」

すみれ「そんなにしたけりゃ、今度こそ彼女を作ることね」

メイ「そんなの無理だよ!」

メイ「忘れられないんだ! すみれ先輩とのこと!」

すみれ「知らないわよ」クルッ


メイ「待って……」

すみれ「……」

メイ「すみれ先輩……!」


メイ「じゃあなんで、あの時、最後までさせてくれたんだ!」

メイ「すみれ先輩も気持ち良かったんだろ!?」

128: 2024/04/05(金) 22:04:55 ID:zdvCAbUQSa
すみれ「……!!」ギロッ

すみれ「あんたね……!」グイッ

メイ「……!?」ビクッ


すみれ「ここは学校なのよ……!?」

すみれ「もう二度とその話はしないで!」

すみれ「次話したら承知しないから!!」ギロッ

メイ「……っ!!」


すみれ先輩の剣幕に気押されてしまう。

私はその場に1人取り残される。


メイ「すみれ先輩……」ギュッ

メイ「どうして……」ポロッ


その夜も、私はあの日のことを思い返しながら自分を慰めた。

129: 2024/04/05(金) 22:12:04 ID:zdvCAbUQSa


すみれ「次話したら承知しないから!!」ギロッ

メイ「……っ!!」


メイ「…………」


メイ「すみれ先輩……」ギュッ

メイ「どうして……」ポロッ


メイ「どうしてだよ……」ポロポロ




「……」

「……」


「え……」

「今のって……」

「うん……」

「すみれちゃんとメイちゃんだよね……?」

132: 2024/04/06(土) 14:51:38 ID:YUWP.i0USa
きな子「メイちゃん、何ぼーっとしてるっすか?」

メイ「え!? あ、いや……何でもない!」

きな子「うーん?」


それからも私の気持ちは悶々としていた。

事あるごとにあの時の甘美な光景を思い出してしまう。

すみれ先輩にあれだけ咎められても、抑えが効かなかった。



メイ「すみれ先輩……」

すみれ「ほんとしつこいわね……いい加減に」

メイ「この通りだ!!」ドケザッ

すみれ「ちょ……は!?」

すみれ「何してるの!? ここ学校なのよ!?」


メイ「もう1度だけ頼むよ! この通りだから!」ドケザッ

すみれ「やめてよ!」

すみれ「そんなことしたって変わらないわ!」

すみれ「それにこんなところ誰かに見られたら……」


生徒「……」ヒソヒソ

生徒「……」ヒソヒソ


すみれ「……!」

133: 2024/04/06(土) 15:05:03 ID:iNniAvpoSa
数日後

「平安名さん、後輩に土下座させてたらしいよ?」

「え、嘘!?」


「私もすみれちゃんがメイちゃんにきつく当たってるところ見たよ」

「メイちゃん泣いてたよね」


「すみれ先輩、メイちゃんのこと泣かせてたの?」

「なんか無視されてるんだって」


「すみれちゃん、後輩のことイジめてるらしいよ」


かのん「……」

千砂都「……」

134: 2024/04/06(土) 15:16:01 ID:iNniAvpoSa
千砂都「かのんちゃん……」

かのん「絶対何かの間違いだよ!」

かのん「すみれちゃんがそんなことするわけないし」

千砂都「でも、なんでみんなこんなに……」

かのん「……」


噂は学校中に広まっていた。

でも、すみれ先輩に夢中になっていた私の耳に、それらが届くことはなかった。

135: 2024/04/06(土) 15:24:15 ID:iNniAvpoSa
メイ「すみれ先輩……!」タタッ

すみれ「メイ……」


メイ「すみれ先輩、話が……!」

すみれ「待って、メイ。しばらく話すのやめましょ」

メイ「何でだよ」

すみれ「噂、知らないの?」

メイ「噂?」

すみれ「とにかく、私たち2人でいるといろいろマズいのよ……!」


メイ「そんなことより、すみれ先輩、考えてくれたか?」

すみれ「考えるも何も、答えは変わらないわ。だから……」

メイ「何でだよ、すみれ先輩……!」

すみれ「何でも何も、ダメったらダメ!」


すみれ「ねぇメイ、冷静になってよ」

すみれ「あれからおかしいわよ?」

メイ「……」

136: 2024/04/06(土) 15:33:48 ID:iNniAvpoSa
メイ「私は……」

メイ「もう、抑えられないよ……」グッ

すみれ「え……?」


メイ「すみれ先輩、好きだ!!」バッ

すみれ「!?」ビクッ


私はすみれ先輩に襲いかかった。

肩を抱き、制服に手をかけ、キスを迫った。


すみれ「ちょ……こんなところで、何してんのよ……!」

メイ「すみれ先輩……!!」ハァハァ

すみれ「やめて……!」


すみれ先輩は必氏に抵抗する。

大丈夫。きっとまた熱いキスをすれば、先輩は前みたいに……


すみれ「やめてよ!!!!」バシッ

メイ「!?」


すみれ先輩が本気の力で私を跳ね除ける。

私の身体は後方へ大きく吹き飛ばされた。

137: 2024/04/06(土) 15:48:07 ID:iNniAvpoSa
メイ「つ……!!」

すみれ「はぁ……はぁ……」

メイ「いてて……」




かのん「メイちゃん!!」タタッ

千砂都「大丈夫!?」タタッ

138: 2024/04/06(土) 16:03:26 ID:iNniAvpoSa
メイ「かのん先輩……千砂都先輩……」

かのん「怪我は!?」

メイ「いや私は……」


千砂都「どういうこと、すみれちゃん」

すみれ「…………」


メイ「え……?」


気付けば、先輩たちの他にも生徒たちが集まってきていた。


「今の見た?」

「メイちゃんが先輩に突き飛ばされたんだって」

「暴力まで振るってたとか……」

「イジめてたって話ホントだったんだ」


メイ「え……?」

メイ(なに、これ……)

139: 2024/04/06(土) 16:11:01 ID:iNniAvpoSa
夏美「一体何の騒ぎですの……!?」タタッ

メイ「……」

夏美「メイ……すみれ先輩……」

すみれ「……」


かのん「ねぇ、すみれちゃん、答えてよ!」

かのん「何でメイちゃんにこんなことしたの!?」キッ

すみれ「…………!」


メイ(すみれ先輩……)


なんだこれ。

なんですみれ先輩が責められてるんだ。

こんなの、絶対おかしい。



メイ「みんな待ってくれ!」バッ

メイ「みんな勘違いしてる! 悪いのは全部私なんだよ!」

メイ「すみれ先輩は何も悪くない!!」


「メイちゃん……」

「先輩に言わされてるんでしょ?」


メイ「違う!!」

140: 2024/04/06(土) 16:13:30 ID:iNniAvpoSa
メイ「先輩はイジメなんかしない……!」


「じゃあどうして土下座させられてたの?」

「今殴られてたよね?」


メイ「それは……」


かのん「メイちゃん、もう大丈夫だから」

かのん「すみれちゃん、ちゃんと説明して!」


メイ「……っ!!」

141: 2024/04/06(土) 16:23:55 ID:iNniAvpoSa
メイ「だから違うんだ!」

メイ「私がすみれ先輩に、エOチさせてくれって迫ってたんだ!!」


かのん「!?」

千砂都「!?」


夏美「え……?」


周囲が一気に静まり返った。




メイ「すみれ先輩が私の家に遊びに来た時、土下座してヤラせてくれって頼み込んだんだ」

メイ「断られたけど……私、諦められなくて……」

メイ「それで学校でも頼むようになっちゃって……」

メイ「きつく叱られても、何度も何度もしつこく……!」

メイ「だんだん私、おかしくなって……!」

メイ「今、先輩に無理矢理しようとした……!」ポロッ

メイ「それで……!!」ポロポロ



千砂都「……」

夏美「そんな……」

かのん「すみれちゃん、本当なの……?」



すみれ「…………」ギュッ

143: 2024/04/06(土) 16:28:43 ID:iNniAvpoSa
かのん「すみれちゃん……」

千砂都「……」


「え……?」

「今の本当……?」

「ていうことは……」



夏美「すみれ先輩、大丈夫ですの!?」タタッ

すみれ「……」ジワッ

夏美「……!」

夏美「ほら、行きますの」ニギッ


呆気に取られている生徒たちの中、夏美がすみれ先輩の手を握って連れ出した。


夏美「今日はもう一緒に帰りますの」

夏美「そうだ、あそこのクレープを買って帰りますの!」

夏美「それからすみれ先輩の神社でー」



涙で視界が揺らぐ中、私は遠ざかって行く2人の背中をただ見つめることしかできなかった。


ごめんなさい、すみれ先輩……

どうしてこうなったのだろう。

大好きだったのに。

144: 2024/04/06(土) 16:32:50 ID:iNniAvpoSa
6年後


夏美「すみれ、そろそろ寝ますの?」

すみれ「そうね。片付けもだいぶ済んだわ」

夏美「私の荷物は……まだかかりそうですの」

すみれ「明日やっちゃいましょ」


夏美がダンボール箱を積み重ねて整理する。

面倒な作業だけど、その表情からは嬉しさしか読み取れない。

私だって嬉しい。


卒業と同時に私と夏美は付き合い始めた。

5年間、恋人同士だった。

そして今日、入籍した。

私と夏美は一緒に暮らし始める。

これからの人生を2人で歩み始める。



夏美「おやすみですのー」

すみれ「おやすみ」


電気を消し、私たちはベッドに入った。


私たちの間に身体の関係は一切なかった。

キスやハグはするけれど、それより先には進まない。

夏美がそういう素振りを見せないことに、私は不思議に思ったこともあった。

でもそれで構わないと思った。


きっと夏美はそういうことにあまり興味がないのだ。

恋人だからって必ずしないといけないわけじゃない。

したくなければ、しなくていい。

いつかしたくなれば、すればいい。

それで良いと思っていた。



そしてその「いつか」は、今夜訪れた。

145: 2024/04/06(土) 16:34:22 ID:iNniAvpoSa
夏美「すみれ……」パサッ

すみれ「……」


夏美が私の上に覆い被さり、ゆっくり口付けしてくれた。


夏美「……」

すみれ「……」


闇の中で私たちは見つめ合い、もう一度キスをする。

今度のキスはより深くて、長くて、甘美なものだった。

夏美がそういうキスをしてきたのは初めてだった。

146: 2024/04/06(土) 16:36:16 ID:iNniAvpoSa
夏美「はぁ……はぁ……はぁ……」

すみれ「…………」


キスを終え、私たちの間に銀の橋が伝う。

夏美の息がひどく荒い。


夏美「はぁ……はぁ……」

夏美「すみれ先輩……」


久々にそう呼ばれる。

夏美は目に涙を溜め、顔を熱らせながら、荒い呼吸で肩を激しく揺らせている。

とてつもなく興奮している。

こんな夏美は見たことがない。


すみれ「夏美……?」


そして私は、夏美の表情を見て全てを悟った。


夏美は興味がないなんてことはなかった。

したくても、ずっと我慢してきたんだ。

この5年間ずっと。

147: 2024/04/06(土) 16:37:57 ID:iNniAvpoSa
夏美「すみれ先輩……」

すみれ「夏美……」


夏美が私の頬を撫で、肩を撫で、衣服に手をかけていく。

その手は微かに震えている。


夏美「その……私も初めてなので……」

夏美「痛かったら、すぐ言うんですの」


夏美が私の身体に触れ始める。

そう、これが私たちの初めて。


どうして5年もの間、夏美が我慢し続けてきたのか、私にはわからない。

だが夏美の様子を見るに、それは相当な忍耐だったはずだ。


すみれ「夏美、大丈夫だから」

すみれ「来て」

夏美「すみれ先輩……!!」

148: 2024/04/06(土) 16:44:27 ID:iNniAvpoSa
夏美が私を抱きしめて、ゆっくりと愛撫を始める。

夏美は興奮しながらも、常に私を気遣ってくれた。

痛くないか、怖くないか、何度も尋ねながら愛撫を深めてくれた。

大切にしてくれているのがわかった。


すみれ「…………」




それなのに。





(メイ『すみれ先輩、可愛いよ』)


最中、私の耳に響いてくるのは、あの時のメイの声だった。

脳裏に浮かぶのは、メイとのあの時の光景だった。



すみれ(夏美、ごめんね……)



私の頬を一筋の涙が伝った。



おわり

149: 2024/04/06(土) 16:46:20 ID:iNniAvpoSa
ありがとうございました。
2ルート目はしばしお待ちを。

155: 2024/04/07(日) 21:17:39 ID:iR/qsOKASa
2. きっぱりと拒絶する


すみれ「私は……」

メイ「……」


すみれ「私は本当に好きな人としか、そういうことはできない」

すみれ「だからメイのお願いは聞いてあげられない」

メイ「……!」


すみれ「メイも、そういうことは将来恋人になる人のためにとっておきなさい」

すみれ「絶対それで良かったと思えるから」

メイ「……」


メイ「わかったよ……」

メイ「変な事言い出して、ごめん……」

すみれ「よし、いい子」


すみれ「それじゃ、今のことは全部忘れるから」

すみれ「明日からも、今まで通りよろしくね」

メイ「あ、ああ……」

156: 2024/04/07(日) 21:27:15 ID:iR/qsOKASa
数日後

きな子「メイちゃん、何ぼーっとしてるっすか?」

メイ「え!? あ、いや……何でもない!」

きな子「うーん?」


メイ(私またすみれ先輩のこと考えて……)カアアア

メイ(あの日、すみれ先輩に断られて、さすがに諦めたけど……)


(すみれ『私は本当に好きな人としか、そういうことはできない』)


メイ(すみれ先輩ってそういうこときっぱり言えるんだ……)

メイ(素敵な人だな……)

メイ(それがわかって、ますます好きになっちゃったよ……)キュン


メイ(まあ私が付き合えるわけないんだけど)

メイ(先輩と後輩として、もっと仲良くなりたいな……)ギュッ

158: 2024/04/07(日) 21:37:42 ID:iR/qsOKASa
千砂都「今日の練習はここまで!」

可可「づがれまじだ~」ヘロヘロ

かのん「可可ちゃん、頑張ったね!」ニコッ


夏美「きな子も頑張りましたの!」

きな子「体力ついてきたと思ったんすけど、まだまだっすねー……」ゼェゼェ

メイ「……」


メイ「あ……」


メイ「すみれ先輩、水筒」スッ

すみれ「あら、悪いわね」

メイ「すみれ先輩、この後って空いてるか?」

すみれ「空いてるけど?」

メイ「ちょっと相談に乗って欲しくて……」


可可「…………」

159: 2024/04/07(日) 21:42:18 ID:iR/qsOKASa
可可(最近、すみれとメーメーが仲良しデス)

可可(2人でいることが多くなりマシタ)

可可(しかも2人の距離がもの凄く近いような……)


(メイ『すみれ先輩って土下座したらヤラせてくれそうじゃねw』)


可可「……!!」ズキッ


可可(ま、まさか、すみれに限ってそんなことあるはずありマセン……!)

可可(ありマセン……よね……?)

161: 2024/04/07(日) 21:52:44 ID:iR/qsOKASa
メイ「へー、これすみれ先輩も使ってるんだ!」

メイ「なら私も買うしかないな!」

すみれ「そうだけど、メイに合うかはわからないわよ」

メイ「すみれ先輩と同じの使いたいんだよ!」

すみれ「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」

キャッキャ、キャッキャ


可可「…………」ズキズキ



可可(いやいやいや、絶対あるはずがありまセン!!)

可可(そもそもすみれが可可のことを好きなのは、誰の目にも明らかデス!)

可可(すみれが可可以外の女に身体を許すはずがないのデス!!)

可可(これは間違いないことデス!!)フンッ




かのん「可可ちゃん、何か悩み事?」

可可「かのん~!!」エーン

162: 2024/04/07(日) 22:00:07 ID:iR/qsOKASa
かのん「え、土下座!?」

可可「はい……」


可可「もし後輩から土下座されたら、何でもお願い聞いてしまうものなのデショウか……」

かのん「お願いの内容にもよると思うけど……」アハハ

かのん「土下座って……」ボソッ


可可「例えば、かのんがきなきなに『エOチさせて欲しい』と土下座されたら、どうしマスか?」

かのん「なにそれ」

可可「いいから答えてクダサイ!!」

かのん「ええ!?」

163: 2024/04/07(日) 22:06:54 ID:iR/qsOKASa
かのん「きな子ちゃんがそんなことするわけないと思うけど……」

可可「かのんが想像する以上に、後輩たちは肉食系なのデス!」

かのん「そうなの!?」


かのん「うーん、でもそんな風に頼まれてもねー……」

可可「エOチさせマセンか?」

かのん「そりゃあね……」アハハ

可可「そうデスよね!」



可可(かのんもそう言ってたことだし大丈夫デスよね)

可可(例え話とは言え、きなきなが変な事する話をしてしまいマシタ)

可可(きなきな、ごめんデス……)




きな子「うう、きな子、かのん先輩とヤリたいっす!」

きな子「かのん先輩に土下座しようかなぁ?」

可可「」

164: 2024/04/07(日) 22:11:58 ID:iR/qsOKASa
メイ「絶対やめた方がいい」

きな子「え? メイちゃんだって、すみれ先輩に土下座してヤラせてもらうって言ってたっすよ!」

可可「……」コソッ


メイ「それなんだけどさ……」

メイ「実際この前、土下座したんだよ……」

可可「!?」

きな子「マジっすか……」

165: 2024/04/07(日) 22:17:07 ID:iR/qsOKASa
きな子「それで、どうだったんすか?」

メイ「きっぱり断られた」

きな子「あ……」

メイ「でもそのこと忘れてくれるって言われてさ」

メイ「ほんと、バカなことしたよ、私」

メイ「だからきな子も、やるなら土下座じゃなくて、かのん先輩に頑張ってアタックだな」

きな子「そりゃ、そうっすよねー」アハハ


メイ「すみれ先輩に叱られて、私も目が覚めた」

メイ「だから、今は先輩として尊敬してるんだ」

きな子「そうだったんすか」


メイ「すみれ先輩に言われたよ」

メイ「そういうことは、本当に好きな人とじゃないとできないって」


可可「……!!」カアアアア

166: 2024/04/07(日) 22:22:04 ID:iR/qsOKASa
帰り道

可可「~♪」テクテク

すみれ「ご機嫌ね」テクテク

可可「まあね、デス~♪」

すみれ「……?」


可可「……」ギュッ

すみれ「……!!」ドキッ


すみれ「本当に今日はどうしたのよ可可」

可可「何でもないデス~♪」ギュッ

すみれ「怖いんだけど……」

167: 2024/04/07(日) 22:24:21 ID:iR/qsOKASa
可可「今日はちょっとだけすみれのことを見直しマシタ」

すみれ「え? 何のこと?」

可可「秘密デス~♪」ギュッ

すみれ「はぁ?」


可可「気分がいいので、今日はすみれの言う事何でも聞いてあげマス」

すみれ「本当にどうしたのよ……」

可可「今日は特別なのデス」

可可「何か言ってみろデス」

すみれ「えー……?」



すみれ「ねぇ、本当に……」

すみれ「何でも……いいの……?」

可可「……」

168: 2024/04/07(日) 22:29:34 ID:iR/qsOKASa
可可「…………!!」カアアアアア


可可「すみれ、今絶対変な事考えマシタ!!」バッ

すみれ「え!? か、考えてないわよ!!」

可可「嘘デス! 絶対変な事考えマシタ!!」


可可「これだから、すみれは全く!!」スタスタ

すみれ「ちょ、違うったら!」

可可「触んなデス!!」


可可「見直したと思って損しマシタ!」

可可「この変態工口グソクムシ!!」プンプン

すみれ「ちょ、ちょっと、何なのよー!!」



おわり

169: 2024/04/07(日) 22:31:05 ID:iR/qsOKASa
以上で完結です。
お読みいただきありがとうございました。

170: 2024/04/07(日) 22:43:27 ID:hOSGlmXU00

引用: メイ「すみれ先輩って土下座したらヤラせてくれそうじゃねw」