1: 2012/10/25(木) 21:52:11 ID:ghKc8OkY
~酒場~

ガヤガヤ、ワイワイ……

ギィ……

主人「……いらっしゃい」

戦士「……酒臭いところだ。マスター、レモン水を」

主人「……ここは酒場だが」

戦士「フン、俺は今からダンジョンに挑戦するんだ。酒なんて飲めるか」

主人「……冗談だ、ここは酒以外も置いてある。……あんたも冒険者か?見ない顔だが」

戦士「まあな、さっきここの街についたばかりだ」

主人「……そうか、ならせいぜい長生きしてうちを繁盛させてくれ」

戦士「当然だ、俺は伝説になる男だから」

2: 2012/10/25(木) 21:58:08 ID:ghKc8OkY
主人「そうか、そうなることを楽しみにしておく。……ところで仲間はどこだ?」

戦士「仲間?俺は群れたりはしない」

主人「……やめておけ、パーティーを組んでても氏ぬ奴らはいるんだ。氏んでも仲間がいれば教会でなんとかなるが一人じゃそれもない」

戦士「俺はそんなへまはしない」

主人「……そうか」

客「一人で行くって言ってるんだ!好きにさせろよ!」

客「氏んでもしらねえけどな!」

ワハハハハハ

主人「悪いことは言わない、ここで仲間を募集したらどうだ」

戦士「心遣い感謝する、だが必要ない」

主人「……忠告したからな」

5: 2012/10/25(木) 22:58:42 ID:ghKc8OkY
戦士「心配症だなあんた」

主人「……遅くなったな、レモン水だ」コト

男「……ゴッゴッゴッ、プハァ。……ありがとう」チャリン

主人「……せめて、傷薬なんかは準備していけ」

戦士「……そこまで心配するのなら仕方ない。準備はしていこう」

主人「……売っているところは斜向かいの店だ。ダンジョン前でも売ってるがおすすめはしねぇ」

戦士「ありがとうマスター。じゃあな」

コツコツ、ギィ……

主人「…………」

客「あいつ間違いなく氏ぬな」

冒険者「ダンジョンはそんな甘いところじゃねぇってのに。俺が言うんだから間違いないね」

客「またダンジョンに飲み込まれて氏んだあわれな冒険者が一人、か」

客「あいつは自業自得だろ、人の忠告も聞かないで」

6: 2012/10/25(木) 23:02:41 ID:ghKc8OkY
冒険者「そりゃあちげぇねぇ!」

ワハハハハハハ……

主人「…………はあ」



戦士「ここが言っていた店か」

店主「いらっしゃいませ、何をお求めで?」

戦士「傷薬を頼む」

店主「はい、わかりました。このようになっております」

戦士「どれどれ……!?」

店主「どうかなさいましたか?」

戦士「………高くないか?」

7: 2012/10/25(木) 23:08:05 ID:ghKc8OkY
店主「いえ、これくらいが相場でございますとも。もちろん効き目はバッチリですよ?」

戦士「……その一番安い傷薬を2つくれ」

店主「かしこまりました。武器なんかもご覧になってはいかがでしょう?」

戦士「……いや、結構だ……」

店主「わかりました、こちらが商品でございます」

戦士「……」チャリン

店主「……確かに。またのお越しをお待ちしております」

戦士「あ、ああ」



店主「……あの様子だと駆け出しかな?」

8: 2012/10/25(木) 23:13:24 ID:ghKc8OkY
~ダンジョン前~

戦士「……痛い出費だったがよしとしよう。ダンジョンに入れば宿代も稼げるだろうし」

戦士「それにしても……」

ワイワイガヤガヤ……

売り子「薬ー、傷薬あるよー!」

売り子「おいしい携帯食糧だよ!さあ見てみな!」

戦士「ダンジョンのすぐ近くなのに人が多いな」

戦士「……まあいい。俺はこれから伝説になるんだからな」

戦士「……行くぞ!」

9: 2012/10/25(木) 23:19:06 ID:ghKc8OkY
~ダンジョン地下一階~

戦士「……薄暗いな。それに空気も悪い」

戦士「こんなところさっさと攻略してしまおう」

……ザッザッ

戦士「……敵か?近いな……」

ゴブリンA「ごぶー!」

ゴブリンC「ごぶぶ!?」

ゴブリンABCD「「「「ごぶぶー!」」」」

戦士「フン。数は多いが……」

チャキッ!

戦士「俺の剣の錆にしてやる!はぁぁぁぁぁぁ!」

10: 2012/10/25(木) 23:24:03 ID:ghKc8OkY
ドスッ、ボコッ!バキッ!

戦士「無理無理無理無理。こいつら強すぎだって!?」

ゴブリンD「ごぶー!」

戦士「ひ、ひいぃぃぃぃぃ!」

ダダダダダダッ!

ゴブリン's「ごぶー!」

戦士「来るなぁぁぁぁぁぁぁ!」

ゴブリン's「ごぶっぶー!」

戦士「追ってくんな馬鹿!」

戦士「氏んでたまるかぁぁぁぁぁ!」

ダダダダダダッ……

11: 2012/10/25(木) 23:29:12 ID:ghKc8OkY
~酒場~

ギィ……

主人「……いらっしゃ……」

戦士「フ、苦戦したぜ」ボロッ

主人「…………」

客「氏んでなかったのかよこいつ!」

冒険者「運がいいなぁ、おい!」

客「だな!絶対氏ぬとばかり思ってたぜ」

戦士「そ、そんな目で俺を見るなぁぁぁぁ」

主人「……だから言っただろう」

戦士「……うん。無理無理。敵強すぎだよ。一人とか無理だって」

主人「……はぁ」

12: 2012/10/25(木) 23:35:06 ID:ghKc8OkY
戦士「……宿に泊まるお金すらないんだ」

主人「……そうか」

戦士「だから何かいい方法を教えてくれないか?」

主人「…………」

戦士「すみませんお願いします」

主人「……ここに来る途中、この店の近くに宿屋がある」

戦士「……お金がなくて」

主人「……店の手伝いをしたら馬小屋か物置に泊めてもらえるだろう」

戦士「本当ですか!?」

主人「ああ」

13: 2012/10/25(木) 23:40:32 ID:ghKc8OkY
戦士「フ、ありがとうマスター。金ができたら必ずここに通おう」

主人「ああ、そうしてくれ」

戦士「では」

ギィ……

主人「……はぁ」

客「あいつ結局口だけだったか」

客「まあ、そんなもんだろ。一人でダンジョンに入って氏ななかっただけましさ」

冒険者「だな、今の俺なら一階なら余裕だが新人にゃ厳しいだろ」

客「ははは!あ、マスター酒のおかわり頼むぜ」

主人「……わかった」

14: 2012/10/25(木) 23:46:25 ID:ghKc8OkY
~宿屋~

戦士「すまない」

宿の女将「あら、お客さんかい。部屋は空いてるよ」

戦士「いや、手伝いをすれば馬小屋に泊まれると聞いたんだが……」

宿の女将「……はぁっ!また金にならない客かい!」

戦士「ごめんなさい!」

宿の女将「ったく、まあいいけどね。いるんだよ、新人には金なんかないしね」

戦士「申し訳ない、ところで何をすればいいんだ?」

宿の女将「あー、薪割りでも頼むかねぇ。さぼるんじゃないよ!」

戦士「承知した」

宿の女将「それにしてもあんた」

戦士「?」

15: 2012/10/25(木) 23:50:59 ID:ghKc8OkY
宿の女将「なんかキザったらしいねぇ。似合ってないよ」

戦士「」

宿の女将「ほら、とっとと仕事をしておくれ!」

戦士「……わかった」

宿の女将「裏手に作業場があるからね」

戦士「……はい」

宿の女将「返事はもっと元気よく!」

戦士「はいっ!」

宿の女将「よし、任せたよ!私は仕事があるからね」

スタスタスタ……

戦士「……はぁ」

17: 2012/10/26(金) 01:34:43 ID:Ysa37GhQ


ヒヒーン

戦士「薪割り疲れたなぁ。でも賄いを食べさせてくれたし優しいな女将さん」

戦士「………………」

戦士「……こんなはずじゃなかったんだが」

戦士「やはり一人というのは無理があったかな」

戦士「……明日は仲間を探そう」

戦士「……それにしても今日は本当に氏ぬかと思ったな」

戦士「……寝よう」

18: 2012/10/26(金) 01:40:27 ID:Ysa37GhQ


ヒヒーン

宿の女将「いつでも寝てるんだい!起きな!」

戦士「………朝か」

宿の女将「ようやく起きたかい」

戦士「フ、おはよう女将」

宿の女将「おはようさん。ほら、賄いがあるからそれを食べてとっとと行きな」

戦士「感謝する」

宿の女将「全く、今度は部屋に泊まりに来るんだよ!」

戦士「出来うる限りそうしよう」

宿の女将「……こりゃ期待できそうにないねぇ」

戦士「……失礼する」

19: 2012/10/26(金) 01:45:09 ID:Ysa37GhQ
~酒場~

ギィ……

戦士「おはよう、マスター」

主人「……うむ、注文は?」

戦士「……金欠なんだ」

主人「………はぁ」

戦士「すまないな」

主人「……なら仲間探しか?」

戦士「ああ、俺一人では少し厳しいものがあったからな」

主人「……そうか」

戦士「それにしてもまだ朝だからか客が少ないな」

主人「……だいたいが酒飲みだからな。とりあえず適当に声をかけてみるといい」

戦士「ああ、そうしてみることにしよう」

20: 2012/10/26(金) 01:51:29 ID:Ysa37GhQ


戦士「そこのあんた、ちょっといいか?」

侍「ワタシですかボーイ?」

戦士「………」

侍「どうしたんデース?」

戦士「……いや、パーティーを組む仲間を探しているんだが」

侍「オーウ、そうなんデースカ」

戦士「職業を聞いてもいいか?俺は見た通り戦士をやっている」

侍「ワタシはサムラーイ↑をやっていマス」

戦士「サ、サムラーイ?」

侍「イエス!サムライロードに従い、独自の剣術と、東方のKOTODAMAにより魔法を使えマース」

21: 2012/10/26(金) 01:57:46 ID:Ysa37GhQ
戦士「それはすごいな」

侍「バット!しかし剣術と魔法の二足のわらじなので、魔法は本職に比べると劣りマース」

戦士「……なるほど」

侍「そんなことも知らないなんてユーは初心者デスカ?」

戦士「そうだな、最近こっちに来たばかりだから知らないことのほうが多い」

侍「チッ、素人か」

戦士「え?」

侍「なんでもありまセーン!ところでパーティーを組みたいのデシタネ?」

戦士「ああ」

侍「ワタシも情報は集めましたガ、ダンジョンに入るには仲間が必要不可欠デス!」

戦士「と、いうことは……」

22: 2012/10/26(金) 02:02:20 ID:Ysa37GhQ
侍「よろしこお願いシマース!」

戦士「よろしく」

侍「それで他の仲間はどこデスカ?」

戦士「いや、君が最初だよ」

侍「ホワーイ?」

戦士「今日仲間を探し始めたばかりなんだ」

侍「…………」

戦士「どうかしたか?」

侍「な、なんでもありまセーン……。おっと、自己紹介がまだデシタネ。ワタシは侍といいマース」

戦士「俺は戦士だ」

侍「改めてよろしこデース!」

23: 2012/10/26(金) 02:09:29 ID:Ysa37GhQ
戦士「ああよろしく。ところで他にどんな仲間がいるかわかるかな?」

侍「……本当に素人だな」

戦士「えっ?」

侍「他には回復役である僧侶やー、後衛の火力である魔法使い。そして宝箱や罠などの仕掛けに詳しい盗賊なんかが必要デース!」

戦士「……そんなに必要なのか」

侍「ダンジョンを攻略するためには仕方ないデース」

戦士「えっと、僧侶と魔法使いと盗賊か?」

侍「特に、僧侶と盗賊は必ずパーティーに欲しいデスネ」

戦士「……そうなのか」

侍「ま、気長にいきまショー!」

29: 2012/10/26(金) 16:59:16 ID:Ysa37GhQ
戦士「……ああ。それにしても侍は詳しいな」

侍「当然デース。命は一つしかありませんから、情報を集めて慎重すぎるぐらいでいいのデース」

戦士「……そうなのか」

侍「イエス!ダンジョンでは腕っ節よりも情報が命デス!情報を集めた感じそんな風でしたネー」

戦士「……情報のほうが大事……」

侍「ま、ですから酒をおごったぐらいじゃ聞ける情報は知れてますケド」

戦士「……頭脳派なんだな侍」

侍「HAHAHA、ただ氏にたくないだけデース」

戦士「……それに情報も大事だろうけど強さも必要だぞダンジョンは。全く歯がたたなかった」

侍「ホワーイ?パーティーはまだワタシが最初デハ?」

30: 2012/10/26(金) 17:04:18 ID:Ysa37GhQ
戦士「昨日一人でダンジョンに行ってきたんだ」

侍「オーウ……」

戦士「俺でも流石に厳しいものがあったがな」

侍「よく生きてましたネー……」

戦士「実力だ」

侍「だけどパーティーを組んだら一人で行くのは止めてくださいネー」

戦士「それくらいはわかっている」

侍「(この人不安デース……)」

戦士「それじゃあ仲間探しの続きをしようか」

侍「そうしまショー」

31: 2012/10/26(金) 17:14:20 ID:Ysa37GhQ
戦士「あの人なんてどうだ?とっても強そうだ」

忍者「ニンニンでござるだってばよ!」

侍「止めといたほうがいいデース」

戦士「どうしてだ?」

侍「明らかにあの人は素人じゃないデス。そういう人はとっくにどこかのパーティーに入ってマス」

戦士「そりゃあそうか」

侍「それニー……」

戦士「それに?」

侍「一人だけレベルが違いすぎるとトラブルの元になりマース。お金の分配なんかがそうデース」

戦士「確かに……」

侍「それに高レベルの冒険者でフリーなのはそれなりに理由があるのデス。些細なことからそれこそいろいろネ」

戦士「……詳しすぎやしないか?」

侍「ワタシいろんな酒場で情報収集してましたカラ!」

32: 2012/10/26(金) 17:20:27 ID:Ysa37GhQ
戦士「本当に慎重だな」

侍「HAHAHA、とりあえずワタシ達はワタシ達と同じような駆け出しを探しまショー」

戦士「そうしよう」



僧侶「……」オドオド

戦士「あいつなんてどうだ?」

侍「駆け出しっぽい感じがビンビンにしますネー!」

戦士「よしなら行こう。そこの君」

僧侶「え、えっとボクですか?」

侍「そうですよボーイ!」

戦士「俺達は今、パーティーの仲間探しをしているんだ」

33: 2012/10/26(金) 17:28:14 ID:Ysa37GhQ
僧侶「は、はい……」

戦士「見たところ君の職業は僧侶みたいだけどよかったらウチのパーティーに入らないか?」

僧侶「あの、えっと……」

侍「焦らなくてもいいですよボーイ。大事なことだからしっかり考えて下サイ」

戦士「そうだ、焦らなくともいい」

僧侶「えっと、ボクの名前は僧侶といいます」

戦士「俺は戦士だ。それでこっちが」

侍「侍といいマース」

僧侶「は、はい。えっとそれでボクも仲間を探しに酒場に来たんですけど、なかなか声がかけづらくて……」

侍「ボーイのような少年にはちょっと難しいかもしれませんネー」

34: 2012/10/26(金) 17:32:37 ID:Ysa37GhQ
僧侶「その、よかったらボクを仲間に入れて下さい」

戦士「もちろん歓迎だ。駆け出し同士仲良くしよう」

侍「よろしこデース」

僧侶「よ、よろしくお願いします」

戦士「よろしく頼む」

侍「ところデー」

僧侶「なんですか?」

侍「何故ユーのような少年がダンジョンへ?」

僧侶「……それは」

侍「別に無理に言わずともいいデース。ちょっと気になっただけデス」

35: 2012/10/26(金) 17:42:16 ID:Ysa37GhQ
僧侶「……ダンジョンがここの街にできてから沢山の人がここに来るでしょう?」

戦士「そうだな」

僧侶「なのでその沢山の人達に宗教を広めるのと、ボクたちの神様も関わっていますとアピールするためにダンジョンへ……」

侍「そうなのですカー」

僧侶「でもダンジョンって危険だからボクがいた教会だと誰も来たがらなくて……」

戦士「あー……」

僧侶「最終的にはボクに押し付けられてここへ……」

侍「き、きっといいことありマース!」

戦士「そ、そうだ。侍の言うとおりだから落ち込むな!」

侍「ファイトです、ボーイ!」

36: 2012/10/26(金) 17:51:48 ID:Ysa37GhQ
僧侶「ははは……、ありがとうございます……」

戦士「まあ、うん。長い人生そんなこともあるだろう」

侍「気にし過ぎちゃいけまセーン」

僧侶「……はい」

戦士「と、ところで侍!あと必須なのは盗賊で良かったか!?」

侍「イエス!僧侶クンが仲間になったのでそうなりマース!」

戦士「なら頑張って探そう!」

侍「イエス!ほら、僧侶クンも一緒に頑張りまショー?」

僧侶「……はい。気をつかわせてしまってすみません」

戦士「大丈夫だ。気にするな」

侍「そうですヨー」

僧侶「……ありがとうございます」

37: 2012/10/26(金) 17:58:32 ID:Ysa37GhQ
戦士「それじゃあ仲間探しを始めようか。盗賊以外にはどんなのを仲間にすればいいんだ?」

侍「あとはさっき言った盗賊。あとは後衛が欲しいデース」

僧侶「魔法使いさんなんかですね」

戦士「そうか、前衛は俺と侍……」

侍「実は攻撃力は微妙ですが僧侶も前衛ができマース」

戦士「そうなのか?」

僧侶「は、はい。直接戦うのは苦手ですけど…」

戦士「ならあとは後衛か」

侍「あと3人ですネー」

僧侶「そういえばダンジョンは1パーティー6人まででしたっけ」

38: 2012/10/26(金) 18:05:18 ID:Ysa37GhQ
戦士「そうなのか侍?」

侍「……戦士サンはなんでもワタシに聞けばいいと思ってませんカー?」

戦士「いや、だって侍は詳しいしな」

侍「……フゥ。信憑性は知りませんが酒場で聞いた話だと6人より多くなるとモンスターが有り得ないほど沢山くるらしいデス」

僧侶「なんでなんでしょう?」

戦士「人数が多くなると目立ちやすくなるから……か?」

侍「どうなんでしょうネー。そこら辺はダンジョンに聞いてくだサーイ」

僧侶「よくわからないけどパーティーは6人までなんですね」

侍「そういうことデース」

戦士「フ、気にならないわけでもないが仲間探しを続けようか」

40: 2012/10/26(金) 20:35:46 ID:Ysa37GhQ
魔法使い「なあ、あんたら」

戦士「なんだ?」

魔法使い「パーティーの募集してるんだろ?」

侍「イエス!そうでーす」

魔法使い「魔法使いはまだ募集してるか?」

僧侶「はい、募集してますよ」

魔法使い「なら俺も入っていいかい?」

戦士「その口振りからするとアンタは魔法使いか」

魔法使い「そうだ。で、仲間にしてくれるのかよ?」

戦士「ああ、まだ仲間も集まりきってないパーティーにでよければだがな」

41: 2012/10/26(金) 20:42:02 ID:Ysa37GhQ
魔法使い「別に構わねえ。あんたらもいいかい?」

侍「問題はありまセーン」

僧侶「ボクもです。よろしくお願いしますね」

魔法使い「あいよ、よろしく」

戦士「よろしく頼む」

侍「よろしこデース」

魔法使い「……ところでさっそくだが一つ頼んでもいいか?」

戦士「別にいいがたいしたことはできないぞ」

魔法使い「ちょっとしたお願いだよ。……女をパーティーに入れないでほしい」

僧侶「……えっと」

42: 2012/10/26(金) 20:48:20 ID:Ysa37GhQ
侍「もしかしてユーはホ〇ですか?ノーサンキュー!」

魔法使い「ちげえよボケ!」

戦士「……そういうのは遠慮してくれ」

僧侶「ボクもそういうのは……」

魔法使い「ちげえって言ってるだろ!俺はただ女が苦手なだけのノーマルだ!」

侍「油断しちゃいけまセーン。ホ〇は皆そう言うのデース」

魔法使い「しつこいぞてめえ!俺が女が苦手な理由を話すから黙って聞いてろ!」

僧侶「ま、まずは話を聞きましょうよ」

戦士「そうしようか。ほら、侍も」

侍「……近づいたら、斬るぞ」

43: 2012/10/26(金) 20:57:48 ID:Ysa37GhQ
魔法使い「たくっ。……俺の魔法の師匠はこれでもかと若作りをした女でな、ことあるごとに自分は女だからと言ってわがままいいやがってな」

戦士「……ほう」

僧侶「そうなんですか」

魔法使い「魔法を習うためとはいえもうウンザリでな!逃げ出してきてやったのさ!」

侍「それは少し短慮ではありまセーンか?」

魔法使い「ハン!あんな奴のところになんかもう二度と戻るか!でもよ……」

戦士「でも?」

魔法使い「あっちにほとんど荷物を置いてあったし金もほとんど使いきっちまってよ」

侍「アララー」

魔法使い「で、金のためにダンジョンに入ろうとしてたわけよ」

44: 2012/10/26(金) 21:07:46 ID:Ysa37GhQ
戦士「フ……ダンジョンに入ろうとする奴なんてほとんど金を持ってないからな」

侍「世知辛い世の中デース」

僧侶「えっと、それが理由で女の人が苦手になったんですか?」

魔法使い「そうだよ。ま、それとなくでいいからよ。絶対嫌だとかわがままは言わねえ」

戦士「わかった。でも俺にもそんなことはわからないがな」

侍「それにダンジョンに潜るのは男性のほうが多いですから安心してくだサーイ」

魔法使い「確かにな。それにお前らは全員男だったから俺も安心して入ろうとしたわけさ」

僧侶「本当に苦手なんですね」

魔法使い「苦手というか師匠を思いだしちまうからな……」

侍「本当にホ〇じゃなくて良かったデース」

魔法使い「お前が最初に言い出したんだろうが!」

45: 2012/10/26(金) 21:16:19 ID:Ysa37GhQ
戦士「もう4人も集まったか」

僧侶「順調なペースですね」

侍「そういえばもうそろそろお昼デース」

魔法使い「昼飯にするか?」

戦士「言っておくが俺は金がないぞ」

侍「ワタシも情報集めに酒場に入り浸っていたから手持ちは少ないデース」

僧侶「その、ボクも旅に出る時にあんまり持たせもらえなくて……」

魔法使い「俺もそんなにないぞ?」

戦士「………」

僧侶「……あはは」

46: 2012/10/26(金) 21:21:29 ID:Ysa37GhQ
侍「本当に世知辛い世の中デース……」

魔法使い「……パンと水にするか」

戦士「……早く仲間を集めてダンジョンに行こう」

侍「このままだと危ないデース」

魔法使い「入るパーティー間違ったか?」

僧侶「が、頑張りましょうよ!」

侍「とりあえずは腹ごしらえデース」

戦士「誰かおごってくれ……」

魔法使い「大丈夫かこのパーティー?」

僧侶「さ、さあ?多分どこのパーティーも最初はこんなものなんじゃ……」

47: 2012/10/26(金) 21:22:02 ID:Ysa37GhQ
また休憩。のんびりやっていきます

48: 2012/10/26(金) 21:47:11 ID:Ysa37GhQ


僧侶「ごちそうさまでしたマスター」

主人「……うむ」

戦士「さて、仲間探しの続きといくか」

魔法使い「お前あとで金返せよ」

戦士「……ダンジョンで稼いだらな」

僧侶「え、えっとあとは盗賊さんが必要なんですよね」

戦士「そうだったよな?侍」

侍「イエス!あとは盗賊がいればとりあえずパーティーの形にはなりマース!」

魔法使い「ならとっとと盗賊を探しますかね」

主人「……ちょっと待て」

49: 2012/10/26(金) 21:51:22 ID:Ysa37GhQ
戦士「どうしたマスター?」

主人「……盗賊なら、あそこにいる奴がそうだ」

僧侶「えーっと……」

魔法使い「……女か」

侍「女性にしては背が高いデースネ」

戦士「ほう?」

主人「……彼女はお前たちと同じで駆け出しだ。ちょうどいいだろう」

戦士「ありがとうマスター」

魔法使い「あー、気が乗らねえ」

僧侶「ま、まあまあ」

50: 2012/10/26(金) 21:56:42 ID:Ysa37GhQ
侍「ヘイ!そこのガール!」

盗賊「?」

戦士「ちょっといいか?」

盗賊「……なに?」

僧侶「えっとボク達今盗賊を仲間にしようと探しているんです」

魔法使い「…………」

僧侶「ほら、魔法使いさんも」

魔法使い「……あー、で、そこのマスターからあんたを紹介されてよ」

戦士「どうだ?」

盗賊「…………」

52: 2012/10/26(金) 22:01:24 ID:Ysa37GhQ
侍「嫌なら断ってくだサーイ、無理しても後々不幸になるだけネー」

盗賊「……分配は?」

侍「ホワッツ?」

盗賊「ダンジョンで稼いだものの分配は?」

戦士「…………」

僧侶「……そういうのあるんですか?」

侍「オーウ、忘れてマシタ」

魔法使い「そういや何も決めてなかったな」

戦士「どうしようか……」

盗賊「……今から決めるの?」

侍「アー……」

戦士「そうなる、な」

53: 2012/10/26(金) 22:07:24 ID:Ysa37GhQ
盗賊「……分配の相談に私も口を出してもいいならいい。仲間になる」

侍「いいのですカー?こちらは男所帯ですヨー?」

盗賊「……構わない。それに……」

僧侶「それに?」

盗賊「……短剣の扱いには、慣れてるから」

戦士「フ……頼もしいな」

魔法使い「あー、女が入っちまったか。魔法使いだ、一応よろしく」

僧侶「そ、そんなこと言ったらダメですよ!僧侶です、よろしくお願いします」

侍「ワタシは侍、よろしこデース」

戦士「戦士だ。よろしく頼む」

54: 2012/10/26(金) 22:14:46 ID:Ysa37GhQ
盗賊「……盗賊、よろしく。……さっそく分配の話だけれど」

戦士「ああ」

盗賊「やっぱりとりあえずは平等にわける」

魔法使い「おう」

侍「当然ですネー」

盗賊「……だけど分配する前にパーティー用の資金を別にわけるべき」

僧侶「それはどうしてですか?」

盗賊「……打ち上げ費、薬代、復活費用などのパーティーとしての資金」

戦士「そういったものはパーティー全体で使うから、ということか」

盗賊「……そう」

侍「ならとりあえずはそれでいいですネー」

戦士「ならパーティーも5人は集まったしダンジョンに行くか?」

55: 2012/10/26(金) 22:19:21 ID:Ysa37GhQ
侍「皆さん武器、防具は大丈夫ですカ?」

僧侶「は、はい」

魔法使い「いけるぜ」

盗賊「……問題ない」

戦士「なら、行こうか…!」

「お待ちなさい!」

魔法使い「ああん?」

司教「ちょっとお待ちになって?」

侍「ガール、ユーは誰ですか?」

司教「私は司教をやっていますの」

戦士「……司教ってなんだ?」ボソッ

司教「あら貴方、そんなこともわかりませんの?」

56: 2012/10/26(金) 22:25:50 ID:Ysa37GhQ
魔法使い「司教ってのは僧侶の回復魔法、魔法使いの攻撃魔法、更にはアイテムの鑑定までできるエリート様だよ」

盗賊「……限られた人か、鍛えあげた人しか、なれない」

司教「オーッホッホッ!司教のすごさを知っているようね」

侍「だけど二足どころか三足のわらじなのでそれぞれの職業に比べたら強くなるのは遅いのデース」

魔法使い「上級職の宿命だな」

司教「ふん!」

侍「ちなみに私も上級職なのデース」

戦士「……すごいんだな、侍」

僧侶「で、えっと、なんのご用ですか?」

司教「それですわ!貴方達、ダンジョンへ行かれるのでしょう?」

57: 2012/10/26(金) 22:31:03 ID:Ysa37GhQ
盗賊「……ええ」

司教「私も連れていきなさい!貴方達は5人のようだし、ちょうどいいでしょ?」

戦士「どうする?」

僧侶「いいんじゃないですか?」

魔法使い「また女か……」

侍「ワタシは別に構いまセーン」

盗賊「……取り分が減る」

戦士「うぐっ」

魔法使い「……金ないんだよな、俺達」

侍「ですが司教がいると鑑定ができマース」

58: 2012/10/26(金) 22:36:32 ID:Ysa37GhQ
戦士「鑑定できるとなんかいいことあるのか?」

侍「ダンジョン内のアイテムはダンジョンの魔力によりその正体がわからなくなっていマース」

魔法使い「で、そんな得体の知れねえもんは店も買い取ってくれねえんだ。だから鑑定してもらうんだが……」

盗賊「……お店の鑑定料、高い」

侍「イエス!かなりボッタクられマース。鑑定してから売ったんじゃほとんど儲けはでまセーン」

僧侶「と、なるとそこで司教に鑑定してもらうんですね」

魔法使い「そういうこった」

戦士「なるほど、な」

侍「だから入れたほうがいいと思いマース」

盗賊「……賛成」

魔法使い「それでいいか」

59: 2012/10/26(金) 22:41:13 ID:Ysa37GhQ
司教「ちょっと!まだですの!?」

戦士「今決まったところだ」

司教「で、どうですの?もちろん……」

戦士「ああ、よろしく頼む」

司教「当然ですわね!私は司教、よろしくですわ!」

侍「侍デース、よろしこお願いしマース」

魔法使い「……魔法使いだ」

僧侶「魔法使いさん!別に悪い人じゃないんです!あ、ボクは僧侶って言います」

盗賊「……盗賊」

戦士「俺は戦士だ。改めて頼む」

60: 2012/10/26(金) 22:46:29 ID:Ysa37GhQ
司教「オーッホッホッ!いきなりパーティーに入れるなんてさすが私!」

戦士「さっそくで悪いがこれからダンジョンに行くぞ」

司教「急ですが別に構いませんわ」

侍「全て貧乏が悪いのデース」

司教「どういうことですの?」

僧侶「えっと、手持ちのお金が……」

盗賊「……早くなんとかしないと」

魔法使い「そういうことだ」

司教「そういうことですの、なら付き合いましょう」

戦士「頼むぞ」

64: 2012/10/26(金) 23:50:52 ID:Ysa37GhQ
~ダンジョン前~

戦士「着いたか」

司教「今から私の伝説が始まりますことよ!」

魔法使い「すげぇ自信だな、おい」

戦士「司教、ダンジョンを甘くみるな。少しの気の緩みが生氏をわける」

司教「わ、わかってますわよ!」

侍「……それを戦士サンが言うと説得力がないデース」

僧侶「えっとそれは?」

侍「戦士サンはろくにダンジョンのことも調べずダンジョンに突っ込んだんデス」

盗賊「……無謀」

魔法使い「馬鹿だろ」

戦士「フン……、少しダンジョンの厳しさとやらを確かめに行っただけだ」

司教「貴方そんなんでよく私に言えましたわね……」

65: 2012/10/26(金) 23:56:17 ID:Ysa37GhQ
侍「本当にお馬鹿さんデース」

戦士「……生きていたから問題ない」

僧侶「……戦士さん、一人で突っ込んだりしないでくださいね?」

戦士「しないさ、この話はもういいだろう!?」

魔法使い「しっかりしろよ」

盗賊「……迷惑はかけないで」

戦士「わかってるさ」

侍「まーまーまー、それぐらいにして話たいことがありマース」

司教「何かしら?」

僧侶「なんですか、侍さん?」

侍「……実は氏亡率が一番高いのは地下一階なのデース」

魔法使い「マジかよ!?」

盗賊「……本当?」

66: 2012/10/27(土) 00:02:25 ID:thWQl7Ho
侍「イエス!と、言っても自分で確かめたわけじゃなく、酒場の冒険者から聞いたのですガ」

司教「話を盛られたのではなくて?」

侍「いや、それがどうやら本当らしいのデース」

戦士「……詳しく聞かせてくれ」

侍「オーケー!……地下一階は初心者パーティーが一番最初に来るところ、まだ不慣れなところも多くそこを突かれて全滅するパーティーも珍しくないとか……」

僧侶「怖いですね……」

侍「特に危ないのが盗賊デース!」

盗賊「……私?」

侍「いえ、どうやら地下一階には冒険者崩れの盗賊なんかが待ち伏せしていることもあるようデース!」

魔法使い「なるほど、ダンジョンを攻略していくよりも冒険者を襲って楽しようとしやがる屑野郎共か」

67: 2012/10/27(土) 00:13:45 ID:thWQl7Ho
侍「そういった奴等はダンジョンを攻略するのを諦めた奴だからたいして強くありまセーン。……普通の冒険者になら」

司教「……つまり新人を狙っているのですね」

侍「ザッツライッ!私たちのような新人パーティーにとっては大きな脅威デース!」

戦士「ならどうするんだ?」

盗賊「……召喚陣」

侍「イエス!盗賊サンの言うとおりダンジョンの中の部屋は開けると召喚陣が発動し、敵が現れマース」

盗賊「……それは一時的に召喚されているにすぎない。戦闘が起こらないと敵はまた同じ場所に戻ってしまう……」

侍「戦っている最中なら戻りませんが、逃げると戻ってしまう。そしてまた召喚されても同じ敵はでまセーン」

魔法使い「つまりダンジョン近くの部屋で戦いやすい相手とだけ戦えばいいのか」

司教「そういう抜け道があるのですね……」

68: 2012/10/27(土) 00:18:12 ID:thWQl7Ho
僧侶「侍さんすごいですね!」

侍「HAHAHA!これを聞くために何回も酒をおごらされましたヨー……」

戦士「とりあえずは移動中にそいつらと会わないようにしなきゃいけないな」

魔法使い「そればかりは運任せだな、おい」

侍「だからそういった連中が出たらすぐに逃げまショー!」

僧侶「はい!」

盗賊「……了解したわ」

司教「ま、私も氏にたくないですしね」

魔法使い「あいよ」

戦士「よし、それじゃあ行くぞ!」

70: 2012/10/27(土) 00:26:03 ID:thWQl7Ho
~ダンジョン地下一階~

魔法使い「……とりあえずは近くの部屋に来れたな」

僧侶「……緊張しますね」

盗賊「……こればかりは運」

侍「皆さん、行きますヨ?」

司教「ええ、覚悟はできてますの」

戦士「……」

侍「……戦士サン?」

戦士「……大丈夫だ」プルプル

僧侶「戦士さん、体が震えてます……」

戦士「……これは武者震いだ」

魔法使い「頼むぜ?前衛がいなきゃ俺等あっと言う間にやられちまうんだからよ?」

71: 2012/10/27(土) 00:30:13 ID:thWQl7Ho
盗賊「……無理ならば引き返す?」

戦士「……スー………ハー………大丈夫だ。俺はやれる」

司教「へましないでちょうだいね?」

戦士「任せろ」

侍「……それじゃあ、行きますヨー?」

戦士「ああ」

僧侶「はい!」

魔法使い「さて、やりますか」

盗賊「……わかった」

司教「やらせていただきますわ」

侍「では!」

コンコン

侍「ハロー!」

冒険者崩れ「ああん!?」

72: 2012/10/27(土) 00:35:06 ID:thWQl7Ho
侍「ノオオォォォォォオ!!」

魔法使い「げぇっ!?」

盗賊「……!?」

冒険者崩れ「おっとお前ら新人か?たっぷり可愛がってやるぜぇ!」

司教「逃げますわよ、速く!」

戦士「……ああ!」

侍「速くするんだ!」

冒険者崩れ「おせぇよ!」

ザンッ!

戦士「うぐぁぁ!!」

僧侶「戦士さん!」

73: 2012/10/27(土) 00:39:59 ID:thWQl7Ho
侍「チェストォォ!!」

キィィィン!!

冒険者崩れ「……っ!?おっと!」

侍「速く撤退するんだ!」

魔法使い「今やってるよ!」ズリズリ

戦士「ぐ……う」

僧侶「戦士さん!しっかりして下さい!」

冒険者崩れ「逃がすかよ!」

司教「これでもくらいなさい!」

ボオォォッ!!

冒険者崩れ「ちっ!」

盗賊「……今!」

魔法使い「あばよ、くそ野郎!」

バタン!

74: 2012/10/27(土) 00:47:06 ID:thWQl7Ho
司教「ハーッ!ハーッ!いきなりですの!?」

僧侶「今回復しますね……!」ポォウ

戦士「……すまない」

侍「いえ、これは仕方ないデース……」

魔法使い「ちと舐めてたかもな、ダンジョンを……」

盗賊「……運が悪かった」

侍「その通りデス、他の敵なら気をつければちゃんと倒せるはずデース」

戦士「……まずは力をつけるしかない、か」

僧侶「……すみません、もう魔力が……」

侍「そうですか、なら撤退デース」

司教「そうね、私もまだ回復魔法は使えるけど保険はそれだけじゃ足りないかも」

75: 2012/10/27(土) 00:51:40 ID:thWQl7Ho
魔法使い「仕方ねえ、まだ全快してねえんだろ?」

僧侶「はい、傷が結構深くて……」

戦士「正直言うと今もきついな……」

侍「仕方ないデース!命あるだけましと思いまショー」

司教「それじゃあ撤退ね」

盗賊「……また運任せね、敵とあわないで帰れるかしら」

僧侶「怖いこと言わないで下さいよ……」

戦士「……とりあえずは立てる、ありがとう僧侶」

僧侶「いえ、それがボクの仕事ですし」

魔法使い「んじゃ、帰りますかね」

76: 2012/10/27(土) 00:57:37 ID:thWQl7Ho


侍「ウェイト!」

ザッザッザツ……

戦士「っ!」

魔法使い「くそっ!こんなダンジョンの近くまで徘徊してやがったか!」

盗賊「……来る!」

ゴブリンA「ごぶ?」

ゴブリンB「ごぶぶ?」

ゴブリンA&B「ごぶー!」

司教「……二匹、ですのね?」

盗賊「……ええ、近くにはこいつらだけ」

僧侶「なら……」

侍「やらせていただきマース!」

77: 2012/10/27(土) 01:01:13 ID:thWQl7Ho
ゴブリンA「ごぶー!」

ガッ

僧侶「戦士さん!」

戦士「大丈夫だ!」

魔法使い「ちぃっ!燃えろや!」

ボオォォォウ!

ゴブリンB「ごぶー!?」

侍「キェェェェイ!!」

ズバッ!

ゴブリンA「……ごぶー」

ドササッ……

盗賊「……あっけない」

司教「ですわね」

戦士「……あいつが強いのか」

78: 2012/10/27(土) 01:06:19 ID:thWQl7Ho
ゴソゴソ

僧侶「何をしてるんですか?」

盗賊「……お金」チャリン

戦士「……少ないな」

侍「こんなものデース」

魔法使い「そんなことよりとっとと帰ろうぜ。また敵が寄ってきたらどうすんだよ?」

僧侶「そうでした!早く行きましょう」

司教「そうですわね」

戦士「……氏ぬような思いしてこれだけか」

盗賊「……氏ななかっただけ、マシ」

戦士「……そうだな」

侍「ほら、なにしてるんですか?行きますヨー!」

戦士「わかった、今行く」

85: 2012/10/27(土) 13:21:34 ID:thWQl7Ho
~酒場~

戦士「マスター、安い酒を一杯ずつ頼む」

魔法使い「お前、金持ってねえだろうが」

盗賊「……さっきので一応、一杯分ずつには、なる」

侍「まあまあ!ダンジョン後の一杯くらいいいじゃないですカー!」

戦士「だろ?」

魔法使い「ったく」

僧侶「ボクは飲めないのでレモン水でよろしくお願いします」

司教「私はそれと温かいスープがほしいですわ」

主人「……あいよ」

侍「それじゃ、反省会でもしまショー」

86: 2012/10/27(土) 13:28:57 ID:thWQl7Ho
魔法使い「反省会って言ってもなあ」

盗賊「……今回は運が悪かった」

僧侶「ですね。皆さんしっかりと動けていましたし」

戦士「足りないのは実力ばかり……か」

司教「そういうことでしょうね」

侍「確かにあそこで相手を倒そうとしてたら一人くらいは確実にやられていたでしょうネ」

魔法使い「蘇生費用も馬鹿にならねえんだろ?」

僧侶「今の経済状態じゃまず払えません……」

盗賊「……しかも蘇生は確実じゃ、ない」

司教「確か一定の確率で失敗するんでしたわね。それも後衛、駆け出しのほうが失敗しやすいとか」

87: 2012/10/27(土) 13:46:26 ID:thWQl7Ho
魔法使い「教会側は氏体を三種類にわけてんだよな」

僧侶「欠損が比較的少ない氏体、氏んでからやや時間が経ったり欠損が少しある、灰と呼ばれる状態ですね」

戦士「……そして最後はボロボロになった蘇生できない氏体……か」

侍「前者の2つは蘇生できますが、後者はどうやっても蘇生できまセーン……」

盗賊「……墓の下」

司教「しかも教会は蘇生に失敗してもお金は返してくれませんのよね」

戦士「教会でも確実じゃないんだな。それで恨む奴とかでないのか?」

僧侶「……ある程度はいるでしょうね」

魔法使い「ま、仕方ねえさ。こんな危険なことやってんだからな」

侍「氏んだのはダンジョンに挑んだ自分の責任デス。それで教会を恨むのはお門違いデース」

88: 2012/10/27(土) 13:51:21 ID:thWQl7Ho
主人「……持ってきたぞ」

僧侶「あ……ありがとうございます」

侍「とりあえず飲みまショー!乾杯!」

魔法使い「乾杯」

司教「ええ、乾杯」

戦士「……乾杯」ゴク

戦士「がはっ!げっほ、ごほごほ!」

盗賊「……何してるの?」

戦士「……むせただけだ」

僧侶「あの、戦士さんも飲めないんですか?」

魔法使い「なんだよおめえ、自分から酒頼んどいてよお」

89: 2012/10/27(土) 13:58:42 ID:thWQl7Ho
戦士「もう飲めると思ったんだが……」

僧侶「仕方ないですよ、大人でも飲めない人はいます」

侍「戦士サンだらしないデース」

司教「とりあえずテーブルを拭きなさい」

戦士「フン……わかった」

盗賊「……それで、明日はどうする?」

魔法使い「潜らねえとまだやばいんだろ?」

侍「イエス!金銭的な余裕は一切ありまセン!」

僧侶「それじゃあ明日も頑張らないとですね」

戦士「明日には俺の体も大丈夫だろう。回復魔法が効いている」

司教「それじゃあ明日もダンジョンに挑戦するということでよろしくて?」

90: 2012/10/27(土) 14:03:05 ID:thWQl7Ho
盗賊「……問題ない」

魔法使い「りょーかい」

僧侶「……あの、ちょっといいですか?」

侍「なんですか僧侶クン?」

僧侶「その、お金がなくて、今晩泊まる場所が……」

侍「オーウ……」

魔法使い「あー……」

盗賊「…………」

戦士「……そうだな」

司教「あなたたち、そこまでお金がないんですの……?」

91: 2012/10/27(土) 14:07:36 ID:thWQl7Ho
戦士「侍が言っていただろう?」

侍「イエス!もう一度言いますが、金銭的な余裕は一切ありまセン!」

司教「……そこまで切羽詰まってましたのね」

魔法使い「真面目に泊まる場所どうするんだよ?」

盗賊「……いざとなれば、野宿。……私は慣れてる」

司教「私は普通に宿に泊まりますけど」

僧侶「どうしましょう……」

戦士「……マスター」

主人「……なんだ?」

戦士「この人数でも大丈夫だろうか?」

主人「……自分で聞いてみろ」

92: 2012/10/27(土) 14:13:29 ID:thWQl7Ho
~宿屋~

戦士「女将」

女将「いらっしゃい!おやあんたパーティー組んだんだねえ!泊まりにきたのかい?」

司教「それは私だけですわ」

女将「……どういう意味だい?」

僧侶「よ、よろしくお願いします」

侍「よろしこデース!」

盗賊「……よろしく」

魔法使い「世話になるぜ」

戦士「その、申し訳ない。またなんだ……」

女将「……客は連れてきたのはいいけど。あんたら揃いも揃って……」

93: 2012/10/27(土) 14:22:03 ID:thWQl7Ho
戦士「本当にすまない」

女将「……はあ。お嬢ちゃん、野菜を切るのはできるかい?」

盗賊「……ナイフの扱いは、得意」

女将「んじゃ、お嬢ちゃんは厨房で手伝ってきな!次はそこのキザったらしいあんたと胡散臭いそこの!薪割りを頼むよ!」

戦士「わかった」

侍「胡散臭いとはひどいデース!?」

女将「そこの坊やとひょろい不良みたいなのは受付や宿の入り口周りの掃除!」

僧侶「はい!」

魔法使い「誰がひょろい不良だこるぁあ!」

女将「ごたごた言ってないでさっさと始めな!」

96: 2012/10/27(土) 15:09:45 ID:thWQl7Ho
~馬小屋~

ヒヒーン

戦士「疲れた……」

侍「薪割りは重労働デース……」

魔法使い「つーか飯が本当に賄いだな。野菜くずのスープと堅くなったパンだけだぜ?」

僧侶「まあまあ、食事がでるだけありがたいですよ」

侍「そうデース。女将さんの優しさに感謝しなくてはいけませんヨ?」

戦士「こき使われたからボヤくのもわかるけどな」

僧侶「お金がないって大変ですね……」

魔法使い「ちっ。明日は絶対稼いでやる!」

侍「お金はとっても大事ですよネ!それにしてもここ臭いですネー」

戦士「馬小屋だからしかたない」

97: 2012/10/27(土) 15:17:32 ID:thWQl7Ho
魔法使い「俺も物置のほうがよかったけどあっちは狭いからな」

僧侶「男のほうが多いから広いこっちになるのは仕方ないですよ」

戦士「それにしても司教はちゃんと金持ってたんだなぁ」

侍「少なくとも個室に泊まるくらいはあるようデース」

魔法使い「自分だけ泊まりやがったからな」

僧侶「それは仕方ないですよ。お金を持っているならわざわざ物置に泊まるのも変ですし」

侍「イエス!どちらかというとしっかり休んで明日に備えてほしいデース!」

戦士「……明日も、か」

魔法使い「金がないから仕方ねえだろ。俺だって命がけの綱渡りなんてしたくねえさ」

僧侶「それでもお師匠さんのところに戻るつもりはないんですよね?」

魔法使い「当たり前だろ」

98: 2012/10/27(土) 15:23:34 ID:thWQl7Ho
侍「戦士サンは今回危ない目に合いましたし、そうなるのも無理はありまセーン……」

魔法使い「怖いのか?」

戦士「……当たり前さ。命がけなんだ、怖くないはずがない」

僧侶「そうですよね……」

戦士「だが諦めるつもりはない。ダンジョンに挑戦し続ける」

魔法使い「ならいいけどよ」

侍「そういえば戦士サンはなんでダンジョンに挑戦しているんデス?」

僧侶「ボクも聞いてませんね」

魔法使い「話の種に言ってみろよ」

戦士「フ……俺の目的?それはな……」

99: 2012/10/27(土) 15:28:18 ID:thWQl7Ho
魔法使い「もったいつけてんじゃねーよ」

戦士「……俺の目的はダンジョンの攻略だ!」

魔法使い「でかくいったな、おい!」

侍「オーウ!大きな目標ですネー!」

戦士「だろう?」

僧侶「やっぱり理由はロマンだとか強くなるためとかなんですか?」

戦士「違う」

侍「ならどういう理由デー?」

戦士「俺の目的はな……」

魔法使い「だからもったいつけんじゃねーよ」

僧侶「まあまあ魔法使いさん、とりあえず聞いてからにしましょうよ」

100: 2012/10/27(土) 15:32:40 ID:thWQl7Ho
戦士「……彼女がほしいんだ」

魔法使い「………」

侍「オーウ……」

僧侶「え、えっと……」

戦士「ダンジョンを攻略する俺!その俺のかっこよさにときめく女達!完璧だ!」

魔法使い「……なんか言ってやれよ」

侍「こ、これハ……」

僧侶「えっと、ボクそういうのでもいいと思いますよ!」

魔法使い「……別にダンジョンを攻略しなくても彼女ぐらいできるだろ」

戦士「……」ズーン

101: 2012/10/27(土) 15:38:48 ID:thWQl7Ho
侍「……地雷だったようデース」

僧侶「魔法使いさん…!」

魔法使い「お、俺のせいかよ!?」

戦士「……ダンジョンで活躍さえすればなあ!俺だって!俺だって!」

侍「戦士サンそんなに落ち込まないでくだサーイ!」

僧侶「そうですよ。いつかきっといい人が現れますって」

戦士「それっていつだよ……!?」

僧侶「え!?えーと……」

魔法使い「はいはい、俺が悪かったから機嫌なおせや、な?」

侍「そうデース。落ち込んでいても彼女はできまセーン!前向きにいきまショー!ネ?」

戦士「……わかった」

102: 2012/10/27(土) 15:44:43 ID:thWQl7Ho
僧侶「それに恋人というのは好きな人同士がなるものですよ?彼女がほしいのなら好きな相手にアプローチしないと」

魔法使い「そうだぜ?気になっている奴とかいねえのか?」

戦士「いや、特には」

僧侶「なのに彼女がほしいというのはおかしくありませんか?」

戦士「いや、その」

僧侶「おかしくありませんか?」

戦士「…………」

僧侶「おかしくありませんか?」

戦士「……はい、おかしいです」

侍「本当に気になっている人はいないのですカー?パーティーにも女性が二人いますが」

103: 2012/10/27(土) 15:50:48 ID:thWQl7Ho
戦士「いや、二人のことまだよく知らないからな。好きとか決めれないだろう?」

侍「それもそうですネー」

魔法使い「盗賊はありゃ、無口だな。物静かで楽だ」

僧侶「確かに盗賊さんはクールな感じですよね」

侍「ワタシもそれくらいしか知りまセーン」

戦士「よくわからないけどお金のことはキッチリしてるよな」

魔法使い「そうだな」

僧侶「ボクはいい人だと思います」

魔法使い「確かにな」

侍「まあ結成されたばかりのパーティーですし、こんなものでショー」

104: 2012/10/27(土) 15:57:17 ID:thWQl7Ho
戦士「司教は……」

魔法使い「なんつーか高飛車な感じだな。師匠を思いだすから苦手だぜ」

侍「まあ、プライドが高そうではありマース」

僧侶「司教さんも悪い人じゃないと思いますよ?」

戦士「ああ、元々ああいう性格なんだろう」

魔法使い「それに魔法もしっかり使えたしな。負けてるつもりはねえが」

侍「ワタシは前衛ですから魔法を使う機会が限られますからネー」

魔法使い「そりゃ、前衛だと唱えるのは難しいだろ。それに前衛に魔法で負けてちゃ俺の立つ瀬がねえだろ」

戦士「司教についてもあんまり知らないな」

僧侶「ダンジョンに行く前の飛び入り参加でしたもんね」

105: 2012/10/27(土) 16:02:55 ID:thWQl7Ho
侍「とりあえず今のところは上手くやれていると思いマース!」

僧侶「そうですよ」

魔法使い「ならこのパーティーが長続きするように祈らねえとな」

戦士「いつ氏ぬか、わからないしな」

侍「モー!戦士サンそんなこと言って雰囲気を重くするのはやめてくだサーイ」

戦士「すまないな」

魔法使い「ある程度は緊張感は必要だが、肩の力を抜いていかねえとな」

僧侶「そうですね。頑張ってリラックスしていきます!」

魔法使い「頑張ってちゃ意味がねえだろうよ…」

僧侶「そ、そうですね」

106: 2012/10/27(土) 16:05:01 ID:thWQl7Ho
侍「それじゃあ明日のためにももう寝ましょうカー」

戦士「そうするか、おやすみ」

僧侶「そうですね」

魔法使い「それもそうだな」

侍「それではおやすみなサーイ」

僧侶「おやすみなさい」

魔法使い「おやすみ」

戦士「……また明日」

109: 2012/10/27(土) 18:21:14 ID:thWQl7Ho
~宿屋~

司教「皆さんおはようございますわ!」

侍「グッモーニン!」

盗賊「……おはよう」

戦士「ああ、おはよう」

僧侶「おはようございます」

魔法使い「くあーっ、ねみぃ」

女将「おはようさん!あんたらこれからダンジョンに行くのかい?」

侍「イエス!」

司教「そのつもりですわよ?」

女将「氏ぬんじゃないよ」

111: 2012/10/27(土) 18:27:17 ID:thWQl7Ho
戦士「当然だ」

僧侶「女将さん……」

女将「氏んだら稼げないからね。恩を返すためにも氏なないように程ほどに稼いでこの宿に泊まるんだよ?」

僧侶「女将さん……」

魔法使い「ま、せいぜいそうさせてもらうさ」

侍「いつまでも馬小屋生活はまっぴらデース!」

盗賊「……氏ぬ気はない」

戦士「というわけで行ってくる」

女将「あいよ。改めていうけど氏ぬんじゃないよ」

魔法使い「当たり前だ。氏ぬ気なんか微塵もねえ」

112: 2012/10/27(土) 18:33:08 ID:thWQl7Ho
侍「そういうことデース」

僧侶「ええ、そうです」

司教「それじゃあ行ってきますわ!」

バタン

女将「やれやれ行ったかい……」

女将「それにしてもあの子達はいつまで持つのかねえ」

女将「……命あっての物だねってのに命を軽く見すぎだよ」

女将「……さて、今日も働くとするかねえ」

113: 2012/10/27(土) 18:39:10 ID:thWQl7Ho
~ダンジョン前~

ワイワイガヤガヤ……

司教「相変わらずここは騒がしいですわね」

戦士「人が沢山行き来するからな」

侍「そうなると商売をし始める者もいるわけデース」

魔法使い「ま、何か買う余裕なんてねーけどな!」

盗賊「……まずはお金」

僧侶「今日も昨日と同じように部屋の召喚陣を利用して頑張るんですよね?」

盗賊「……それしか、ない」

戦士「それでもリスクはある程度あるけどな」

侍「ここは危険すぎるので少しでもリスクを減らすのが大事デース」

魔法使い「そういうこったな」

114: 2012/10/27(土) 18:47:17 ID:thWQl7Ho
司教「今度は戦士さんがやられないように祈りましょうか」

戦士「……今度はあんな簡単にやられたりはしない」

司教「期待してますわよ?」

侍「一番いいのは会わないことですがネー」

魔法使い「そうも言ってらんねえだろ。警戒しとかなきゃやられんのはこっちだ」

僧侶「警戒して行きましょう」

盗賊「……了解、した」

侍「そうですネー」

司教「それでは行きましょうか」

戦士「ああ」

115: 2012/10/27(土) 18:52:08 ID:thWQl7Ho
~ダンジョン地下一階~

侍「さて、今日もやってきましたネー」

魔法使い「いつでもいいぞ?」

僧侶「戦士さんは大丈夫ですか?」

戦士「心配せずとも大丈夫だ。やってやる」

司教「いつでもいいですわ!」

盗賊「……」コク

侍「皆さん準備バッチリですネ!それじゃいきまショー!」

コンコン、ガチャ

侍「ハァーイ!」

???「ぶきー!」

116: 2012/10/27(土) 18:57:11 ID:thWQl7Ho
戦士「なんだ!?敵の姿が確認できない!?」

侍「ダンジョンの魔力により初対面の敵はこうなることもあるらしいデース!」

魔法使い「そんなことよりどうするよ!?」

盗賊「……少なくとも、人ではない」

司教「つまりあいつらではないということですわね!ならいきますわよ!…………眠りなさい!」

ぽわーん

???「zzz...」

???「zzz...」

???「ぶきー!」

???「ぶききー!」

117: 2012/10/27(土) 19:01:40 ID:thWQl7Ho
司教「半分は眠らせましたわ!」

魔法使い「睡眠の魔法か、やるな!」

司教「私にかかれば当然ですわ!」

侍「それじゃあ、いきマース!チェストォッ!」

シュピーン!

???「……ぶきー」

侍「よし、こいつらはそんなに強くないデース!」

僧侶「え、えーい」

スカ!

???「ぶきー!」

僧侶「う、うわぁ!」

ザシュッ!

戦士「大丈夫か?」

僧侶「戦士さん、ありがとうございます!」

戦士「気にするな」

118: 2012/10/27(土) 19:07:42 ID:thWQl7Ho
魔法使い「さーて、後は寝てる奴らを片付けるとするかぁ!」

侍「魔法使いサンは魔力を温存しててくだサイ。ワタシ達がやりマース」

魔法使い「……しょうがねえな」

盗賊「……仕事、なかった」

戦士「仕方ない、盗賊は後衛から攻撃する術もないからな」

僧侶「そうですよ」

盗賊「………わかった」

侍「それじゃ、片付けちゃいまショー」

戦士「ああ」

司教「よろしくね。それにしても私ってば大手柄ですこと!オーッホッホッホッ」

119: 2012/10/27(土) 19:16:27 ID:thWQl7Ho


盗賊「……宝箱」

侍「そうですネ!」

戦士「それにしてもなんで敵を倒したら宝箱がでるんだ?」

僧侶「さ、さあ?」

司教「召喚陣が敵と一緒に宝箱も召喚するのだけれどなぜなのかしらね?」

盗賊「……それに何故アイテムが宝箱に入っているのかも、不明」

魔法使い「ダンジョンにて持ち主が放棄したアイテムは宝箱の中に入っちまうんだろ?」

侍「それにしては明らかに外からの物ではない貴重なアイテムもでるようです。不思議ですネー」

魔法使い「まあ、俺達はそのおかげで稼げるんだから文句はねえんだけどよ」

戦士「宝箱には罠がしかけられているんだろう?」

侍「イエス!だから宝箱ハー…」

盗賊「……私の仕事」

120: 2012/10/27(土) 19:22:29 ID:thWQl7Ho
司教「それじゃあ頼みますわ」

盗賊「……」コク

カチャカチャ……

僧侶「どうですか?」

盗賊「……この感じだと、石弓」

戦士「もうわかったのか、流石だな」

盗賊「……そんなことはない」テレテレ

戦士「それじゃあその調子で頼む」

盗賊「……わかった」

カチャカチャ…

盗賊「……あ!?」

ヒュン!

魔法使い「ん?ってうぉぉぉぉぉ!?」

121: 2012/10/27(土) 19:25:12 ID:thWQl7Ho
ドスッ!

僧侶「………」

戦士「………大丈夫か?」

魔法使い「あ、あぶっ危なかったなおい!」

盗賊「……解除に失敗した」

侍「そ、そういうこともありマース!」

司教「ぶ、無事で良かったですわね…」

盗賊「……ごめんなさい」

魔法使い「……今度は気をつけてくれ」

盗賊「……わかった」

127: 2012/10/27(土) 23:01:24 ID:thWQl7Ho
>>126
それもそうかもね。
持ってきても説明しなきゃいけないなら二度手間だし。Wizとかを知らない人に不親切か
1もうろ覚えだし、それっぽく書いていくよ

それとあと30分したら始めよう

128: 2012/10/27(土) 23:32:24 ID:thWQl7Ho
戦士「ところで何が入ってたんだ?」

司教「そうですわね。私も気になりますわ」

盗賊「……お金が入ってる」

僧侶「しかもあんまりないですね」

魔法使い「少ねえな、こりゃ」

侍「一階ならこんなものでショー」

戦士「短時間で稼いだと考えればなかなかの量だけどな」

魔法使い「ま、これからに期待ってやつだな」

僧侶「そうですね」

司教「それじゃあ部屋から一旦でるとしましょう」

129: 2012/10/27(土) 23:40:54 ID:thWQl7Ho


魔法使い「おいおい、今日は昨日と打って変わって順調だな」

盗賊「……冒険者崩れのやつらも出てこない」

魔法使い「だからもう少し罠の解除を頑張ってくれると嬉しいんだが……」

盗賊「……努力する」

侍「まあまあ、あれから失敗してないですしいいじゃないですカー」

僧侶「とりあえずは女将さんにこき使われなくてすみそうです」

司教「私がいれば当然ですわね」

戦士「だけど油断するなよ。いつ何が起こるかわからないからな」

侍「戦士サンの言う通りですネー。帰るまでがダンジョン攻略デース」

僧侶「そうですね。気を引き締めていきましょうか」

130: 2012/10/27(土) 23:46:16 ID:thWQl7Ho
司教「魔力の残量から考えて次でおしまいにしましょうか」

魔法使い「俺もそんな感じだな」

侍「なら最後のバトル!頑張りまショー!」

戦士「ああ」

盗賊「……」コク

司教「しくじらないようにね?」

魔法使い「ったり前だろ。最後まで気は抜かねー」

僧侶「頑張りましょう」

戦士「侍、頼む」

侍「イエス!それじゃあ行きマース!」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー?」

131: 2012/10/27(土) 23:52:40 ID:thWQl7Ho
冒険者崩れA「ちっ、召喚陣に呼ばれちまったか」

冒険者崩れC「あん?なんだテメエ等!」

戦士「逃げるぞ!」

侍「皆さんダッシュ!」

僧侶「うわぁ!」

バタン!

魔法使い「……肝が冷えたぜ」

司教「相手の反応が遅かったから無事に逃げれましたわね」

盗賊「……ふぅ」

侍「順調にいっていたんですがネー」

戦士「前回と違って無傷だ。喜ぶべきだろう」

132: 2012/10/27(土) 23:58:47 ID:thWQl7Ho
僧侶「そうですよ。誰も怪我をしませんでしたし、良しとしましょう」

盗賊「……そうね」

魔法使い「で、どうする?もう一回挑戦するか?」

戦士「……帰ろう。今は万全の状態じゃない、またいつあいつらに会うかわからない」

司教「私はどちらでもよろしくてよ?」

侍「なら、安全に戦士サンの案でいきまショー。いいですカー?」

魔法使い「別に構わねえ」

僧侶「そうしましょうか」

盗賊「……それでいい」

司教「なら、帰るとしましょうか」

133: 2012/10/28(日) 00:04:38 ID:59E3l0sI
~酒場~

ギイィ…

主人「……いらっしゃい」

侍「マスター、酒4つとレモン水を2つお願いしマース」

僧侶「戦士さんもボクと同じでいいですよね?」

戦士「ああ」

魔法使い「あー、疲れちまったぜ」

司教「とりあえず私もそれでいいですわ」

主人「……あいよ」

戦士「とりあえず数日分の宿代はたまったな」

魔法使い「雑魚寝の大部屋だがな」

僧侶「それでも馬小屋よりはいいですよ」

134: 2012/10/28(日) 00:10:31 ID:59E3l0sI
侍「武器や防具も傷んでしまいましたネー」

戦士「ああ、店で点検に出さないとな」

僧侶「ボクの盾なんかもボロボロです……」

魔法使い「俺達はそんなに消耗してねえな」

司教「一応、お店で見てもらいますけれどね」

盗賊「……私は戦闘だと、することが、ないから」

魔法使い「でもパーティーに一人は盗賊がいねえと困るだろ?」

侍「イエス!敵を倒すことはできても、宝を手に入れることができなくなってしまいマース」

僧侶「今でさえ金銭的に厳しいのにいなかったらますます困っちゃいます……」

戦士「でも他のパーティーだと盗賊はどう戦ってるんだ?」

135: 2012/10/28(日) 00:16:16 ID:59E3l0sI
主人「……魔法のアイテムだ」

戦士「マスター?」

主人「……すまねえな。つい、口がでちまった」

盗賊「……それは別にいい。……それとさっきのをできたら教えてほしい」

主人「……盗賊は魔法のアイテムでパーティーを援護するんだ」

司教「でもそれってそんな簡単には手に入らないでしょう?」

主人「……ああ。新人から卒業してある程度経ったパーティーの話だ」

僧侶「それじゃあ今は無理なんですね」

主人「……ああ。ある程度ダンジョンの深くまで入ると振るうだけで炎がでる杖、祈るだけで味方を癒やす指輪なんかもあるらしい」

司教「だいぶ先の夢物語ですわね」

136: 2012/10/28(日) 00:21:58 ID:59E3l0sI
盗賊「……そう。だいぶ先の話」

主人「……とりあえずはそういうこともできるってことだ」

侍「それぐらい手に入れることができる冒険者になりたいですネー」

戦士「その通りだな」

魔法使い「宿代にひいひい言ってる俺達には当分縁のない話だけどな」

僧侶「でも、もし手には入ったらすごいですよね」

司教「そこまで行ければ一流ですわね」

盗賊「……マスター、他に盗賊の仕事はない?」

主人「……マッピングなんかはお前がやってるだろう?」

戦士「マッピング?」

137: 2012/10/28(日) 00:28:45 ID:59E3l0sI
主人「……マッピングというのはダンジョン内の地図を書くことだ」

盗賊「……やって、ない」

主人「……ダンジョン内は迷いやすい。地図が命綱になる」

侍「今のところ必要ない浅いところしか入ってませんでしたからネー」

司教「そういうのって売ってないのかしら?」

主人「……地図は冒険者が命を削って歩んだ道しるべだ。そんな簡単に内容は知れない」

魔法使い「へえ、そりゃそうだろうな」

主人「……それにもし見せてもらったとして、地図のせいで何かの不利益を被ったら容易く諍いになる」

盗賊「……だいたいわかった。つまり戦闘以外の仕事が、盗賊にはある」

主人「……そういうことだ」

138: 2012/10/28(日) 00:33:23 ID:59E3l0sI
戦士「ありがとうマスター」

侍「ユーはとても親切ですネー!」

僧侶「ありがとうございますマスター」

主人「……礼を言うより注文をしてくれたほうが助かる」

魔法使い「すまねえな。聞いてたと思うけど金欠でよ」

司教「なら私は鳥の串焼きと昨日のスープ、それにお酒のおかわりをいただけるかしら?」

主人「……あいよ」

魔法使い「こいつ、一人だけ頼みやがった」

司教「あら、ちゃんと私がお金を出してますもの」

戦士「……とりあえずは金だな」

侍「そうですネー……」

139: 2012/10/28(日) 00:38:26 ID:59E3l0sI
魔法使い「先に帰ってるか、宿屋で一応食べ物はでるだろ」

僧侶「そうしましょうか」

司教「あら、私だけ置いていくの?」

戦士「……正直俺も腹が減ってるからな」

侍「そういうことデース」

司教「それなら仕方ありませんわね。次はいつダンジョンに潜りますの?」

魔法使い「まだ金欠には変わりねえんだよなぁ……」

戦士「装備の点検が終わったらまた行くことになるだろう」

侍「貧乏暇なしデース」

司教「わかりましたわ」

140: 2012/10/28(日) 00:41:12 ID:59E3l0sI
一旦休憩。やる気が続いたらこの後もやる
キャラが多くて疲れる。いつも少人数で書いてたからきつい
あと、こういったダンジョン物(Wizとかの)が読みたかったらやる夫系にはちらほらとあるよ

141: 2012/10/28(日) 01:19:26 ID:59E3l0sI
~宿屋~

戦士「女将、また来たぞ」

女将「あんたらかい。ちゃんと今回は部屋に泊まりにきたんだろうね?」

僧侶「はい、今度はちゃんと泊まりにきましたよ」

魔法使い「一番安い部屋にだけどな」

女将「そうかい、そりゃあよかった」

侍「ところで女将サン、食事はまだ食べれますカー?」

女将「まだ食堂はやってるよ。だけど一番安い部屋じゃあんた達が食べてた賄いと大差ないけどね」

戦士「そうか。食事ができるならありがたいな」

盗賊「……はやく行こう」

女将「待った、ここは先払いだよ。払うもの払ってからにしてくれないかねえ」

魔法使い「へいへい」

女将「……あいよ確かに。よし、食べてきなよ」

142: 2012/10/28(日) 01:24:25 ID:59E3l0sI
~食堂~

戦士「本当に大差ないな」

魔法使い「腹が減ってるから気にならねえけどな!」

僧侶「そうですね。温かい食べ物というのはそれだけで癒されます」

盗賊「……そうね」モグモグ

侍「お野菜は体にいいんですヨー」

戦士「それでもがっつり肉を食べたいと思うけどな」

魔法使い「うるせえよ。想像しちまうだろうが」

盗賊「……食べれるだけ、マシ」

僧侶「そうですよ。今日も生きるための糧を得れたことに感謝しないと」

魔法使い「へいへい、そうだな」

戦士「フ……それもそうだな」

143: 2012/10/28(日) 01:30:10 ID:59E3l0sI
侍「贅沢というかもっと上の生活を狙うのならもっと強くならないといけまセーン」

盗賊「……もっと強くなって、もっとダンジョンの深くに行かないと、いけない」

魔法使い「そのためには何回もダンジョンに潜らきゃ、……いけねえからな」プハー

僧侶「魔法使いさん、食べながらしゃべったらいけません」

魔法使い「おっと、わりい」

戦士「……先はまだまだ長い、ということだな」

僧侶「そうですね」

魔法使い「ま、そんな先のこと考えても仕方ねえけどな」

侍「今はそんなことより目先のお金デース」

戦士「それもそうか」

144: 2012/10/28(日) 01:36:31 ID:59E3l0sI
魔法使い「それで明日どうするよ?ダンジョンには行かねえんだろ?」

侍「装備の修理なんかをお店に頼んだら暇になってしまいますネー」

戦士「金もないから暇つぶしにも苦労するな」

盗賊「……訓練所」

僧侶「そういえば訓練所がありましたよね。冒険者が集まっている」

侍「そこで訓練するのも手ですかネー」

魔法使い「ちっ、新しい魔法を覚えるには一人で居られる個室とかありゃいいんだが」

僧侶「個室にはまだ手が届きませんよね」

戦士「侍、明日一緒に稽古するっていうのはどうだ?」

侍「いいですネー。ダンジョンで最後にものをいうのは個人の武ですからネー」

戦士「よし、決まりだな」

145: 2012/10/28(日) 01:42:55 ID:59E3l0sI
盗賊「……私は、どうしよう」

侍「盗賊用の訓練器具もありましたっケー?」

戦士「どうだろうな?明日とりあえず一緒に行くか?」

盗賊「……そうする」

侍「まあ最悪木刀を振っていればいいでショー」

戦士「盾はあったか?」

侍「行ってみないことにはわかりまセーン」

魔法使い「ちっ、明日どうするかな」

僧侶「ボクも明日は暇ですね」

魔法使い「街でも巡るか?まだ俺もここら辺は詳しくねえんだ」

146: 2012/10/28(日) 01:47:48 ID:59E3l0sI
僧侶「それもいいですね。司教さんも誘っていきませんか?」

魔法使い「……あいつも誘うのか?」

僧侶「魔法使いさん、同じパーティーの仲間なんですからそういった態度はいけません」

魔法使い「あいつ見てるとどーしても師匠を思い出してなあ」

僧侶「そんなに司教さんとお師匠さんが似てるんですか?」

魔法使い「なんつーか、雰囲気がよ……」

僧侶「でもとりあえず誘ってみますね。司教さんだけ仲間はずれなんてだめですし」

魔法使い「……わかったよ」

僧侶「はい、それでいいんです」

魔法使い「……断ってくんねえかなー」

僧侶「そんなこと言っちゃだめですよ!」

147: 2012/10/28(日) 01:52:44 ID:59E3l0sI
戦士「それじゃあ、もうそろそろ寝るかな」

僧侶「そうですね、食べ終わりましたし」

侍「今日もへとへとデース」

盗賊「……疲れた」

戦士「まあ宿の手伝いをした疲れじゃないから昨日よりはマシだろう」

魔法使い「まあな。あの女将、人を遠慮なくこき使うからよ」

僧侶「まあまあ」

盗賊「……寝てくる。おやすみ」

戦士「おやすみ」

侍「おやすみなサーイ」

魔法使い「あいよ、またな」

僧侶「おやすみなさい、盗賊さん」

148: 2012/10/28(日) 01:58:33 ID:59E3l0sI
魔法使い「それじゃあ俺達も寝ますかね」

戦士「ようやく馬小屋以外で寝れる……」

侍「ダンジョンぜ疲れた体をのんびり癒やしますかネー」

僧侶「確かにダンジョンでは気が抜けませんでしたしね」

戦士「そうだな。明日は羽を伸ばそうか」

魔法使い「思いっきり昼まで寝てえ」

僧侶「いきなりそれもどうかと思います……」

魔法使い「いいだろ?それぐらいよ」

戦士「フ……せいぜい息抜きをするか」

侍「そうしたいデース」

153: 2012/10/28(日) 15:32:08 ID:59E3l0sI
反応早いなおい。人がいるなら始めよう
いつも通りの即興のんびり投下です

154: 2012/10/28(日) 15:37:24 ID:59E3l0sI


戦士「……朝か」

侍「戦士サンおはようございマース」

戦士「……おはよう」

僧侶「おはようございます」

戦士「……ん」

侍「寝ぼけているのなら顔を洗ってきたらどうデース?」

戦士「……そうしよう」

僧侶「ほら、魔法使いさんも起きて下さい」

魔法使い「……ああ?」

僧侶「朝ですよ?」

魔法使い「……もう少し」

僧侶「起きないと朝ご飯食べ損なっちゃいますよ?」

155: 2012/10/28(日) 15:40:11 ID:59E3l0sI
魔法使い「……」

僧侶「魔法使いさんってば」

魔法使い「わあったよ。起きりゃいいんだろ起きりゃ……」

僧侶「はい。おはようございます」

侍「おはようデース」

戦士「…………」

僧侶「ほら、戦士さん!」

戦士「……うお?」

僧侶「魔法使いさんと一緒に顔洗ってきて下さい!」

戦士「……わかった。そうしよう」

魔法使い「ふあーあ。へいへい」

156: 2012/10/28(日) 15:46:06 ID:59E3l0sI
~食堂~

僧侶「主よ。今日は生きるためのささやか糧を与えくださったことを感謝します」

魔法使い「本当にささやかだけどな」

戦士「まあな」

僧侶「もう、二人して……」

侍「朝ならこれくらいがちょうどいいデース」

魔法使い「それにしてもこのパンかてぇな、おい」

戦士「スープにつけて食べろってことだろ」

魔法使い「そりゃここならスープがあるけどよ。問題はダンジョンでのことだろ」

侍「持っていける食糧は限られますからネー」

僧侶「今はその日で探索は終わってますけど、いずれ日を跨ぐようになるんですかね?」

157: 2012/10/28(日) 15:51:35 ID:59E3l0sI
戦士「そういう時のために食糧も持っていかなきゃいけなくなるんだろうが……」

魔法使い「……乾パン、干し肉くらいか?」

僧侶「そうなるんでしょうね。水も必要ですから荷物が増えそうです……」

侍「ですが持って行き過ぎると今度は戦闘の邪魔になりますからネー」

戦士「こういった腹持ちのいい黒パンなんかになるんだろうな」

魔法使い「俺は今でもダンジョン内で腹がヘるんだよなあ」

僧侶「そういったものに詳しい人がいればいいんですけどね」

侍「僧侶クンは料理できないのですカー?」

僧侶「普通の料理ならともかく、保存食になるとちょっと……」

158: 2012/10/28(日) 15:57:05 ID:59E3l0sI
魔法使い「ま、これも先のことだけどな」

戦士「とりあえず一階を突破してからか」

僧侶「冒険者崩れの人達に勝てるようにならないといけないんですよね」

侍「やっぱり強さが足りないのだと痛感させられますネー」

戦士「強くなるためにも早く食べて訓練所に行くか」

侍「そうしまショー」

僧侶「ボク達は食べ終わったらまず司教さんを誘いましょうね」

魔法使い「へいへい。女と出歩くくらいなら寝ててえけどな」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「冗談だよ冗談。本気にするな」

159: 2012/10/28(日) 16:00:56 ID:59E3l0sI
盗賊「……おはよう」

侍「おはようデース」

僧侶「盗賊さん、おはようございます」

戦士「おはよう。今起きたのか?」

盗賊「……ええ」

僧侶「そう言えば盗賊さん。司教さん見ませんでした?」

盗賊「……見てないけど」

僧侶「そうですか……。女将に聞いてみますね」

盗賊「……うん」

魔法使い「まだ寝てるんじゃねえのか?」

160: 2012/10/28(日) 16:05:51 ID:59E3l0sI
戦士「どうだろうな?」

盗賊「……さあ」

侍「このパーティーはまだできて日が浅いですからネー。お互いのことはまだよくわかりまセーン」

僧侶「そうですね。でも、少しずつ分かり合っていけばいいと思います」

魔法使い「いい子ちゃんだな、お前は」

僧侶「いけませんか?」

魔法使い「いや、そういう奴だってわかってきたさ」

戦士「盗賊どうする?訓練所に一緒に行くなら待っててもいいが」

盗賊「……別に先に行ってて、いい」

侍「了解デース」

161: 2012/10/28(日) 16:10:48 ID:59E3l0sI
~訓練所~

戦士「はぁっ!」

カン!

侍「ちぇえい!」

カン!

戦士「やっぱり強いな、侍」

侍「戦士サンもなかなかのものデース」

ジリッ……ジリッ……

戦士「………」

侍「………」

戦士「せいっ!」

カァン!

戦士「……っち」

侍「まだ詰めが甘いですネー」

162: 2012/10/28(日) 16:15:25 ID:59E3l0sI
戦士「やっぱり負けたか」

侍「ホワイ?やっぱりとハ?」

戦士「ダンジョンでも活躍してたのは侍のほうだったからな。実力に差があるんじゃないかと思っていた」

侍「………」

戦士「どうしたんだ?」

侍「戦士サン、ちゃんと冷静に分析ができたんですネー」

戦士「……俺はどんな風に思われてたんだ?」

侍「だってダンジョンに一人で突っ込みような人じゃないですカー」

戦士「………」

侍「本当になんでそんなことしたんデース?」

163: 2012/10/28(日) 16:20:35 ID:59E3l0sI
戦士「なんというか……。テンションが上がって?」

侍「……戦士サンは場のノリに流されやすいようですネー」

戦士「いや、一人で攻略できたらすごいだろう?」

侍「できなかったじゃないですカー」

戦士「………。そういえば侍はどうなんだ?」

侍「なにがですカー?」

戦士「いや、それぞれダンジョンに挑戦する理由を聞いたけど侍には聞いてなかったなと」

侍「………」

戦士「侍?」

侍「……それは勿論MUSHA修行のためデース!サムラーイとしてどこまで高みに行けるか試したかったのデース!」

164: 2012/10/28(日) 16:27:24 ID:59E3l0sI
戦士「なんか意外といえば意外だし、そうじゃないといえばそうじゃないな」

侍「……どういう意味ですカー?」

戦士「いや、侍のことだからもっと突飛な目的なんじゃないかと思ってさ」

侍「戦士サンはワタシそういう風にみてたのですカー……」

戦士「いや、だってなぁ」

侍「なにが言いたいんデース?」

戦士「最初話しかけた時胡散臭すぎて少しその、大丈夫かな?とか思った」

侍「そ、そこまで胡散臭いデースカー!?」

戦士「いや、今はそんなことないぞ?思ったより物知りで思慮深くて強くてびっくりしただけで」

侍「……他人からの評価は時に自分を傷つけマース」

165: 2012/10/28(日) 16:32:05 ID:59E3l0sI
スタスタスタ…

盗賊「……どうしたの?」

戦士「いや、ちょっとな」

侍「戦士サンに胡散臭いとか言われマーシター……」

盗賊「……」

侍「なぜそこで黙るのデース!?」

盗賊「……ごめん、なさい」

侍「しかも謝っター!?」

戦士「まあ、落ち着けよ侍。な?」

侍「まさかパーティーメンバーからも胡散臭いと思われていたトハ……」

盗賊「……頑張って?」

166: 2012/10/28(日) 16:36:09 ID:59E3l0sI
侍「……何を頑張ればいいのですカー」

戦士「あー……。その、俺は休憩に入ろう。盗賊、そっちの訓練を見ててもいいか?」

盗賊「……別に、構わない」

戦士「……侍はそっとしておいてやろう」

侍「……置いていくほうがひどくありまセーン?」

盗賊「……来る?」

侍「休憩がてら見学させてもらいマース」

盗賊「……わかった」

侍「確か向こうに盗賊用の訓練器具があったはずデース」

戦士「行こうか」

167: 2012/10/28(日) 16:42:31 ID:59E3l0sI


盗賊「…………」

カチャカチャ……

戦士「……複雑だなぁ」

侍「こればかりは盗賊の専売特許ですからネー。宝箱の解除では盗賊に勝る職はありまセーン」

盗賊「…………」

カチャカチャ……

戦士「……暇だな」

侍「……そうですネー」

戦士「戻って刃を潰してある剣でも振ってるか?」

侍「模擬戦をするには危ない代物ですよネー」

戦士「木刀も安全というわけでもないけどな」

168: 2012/10/28(日) 16:47:57 ID:59E3l0sI
盗賊「……ふぅ」

戦士「一息ついたみたいだな」

教官「やあ君たち、ちょっといいかな?」

侍「ユーはどなたですカー?」

教官「一応ここの教官をしている元冒険者だよ。冒険者未満の子達をしごいたり、冒険者同士の諍いが起きないようにしてるのさ」

戦士「へえ……」

教官「君達もさっき見てたけどまだまだ荒いね、新人かい?」

盗賊「……ええ」

教官「なら元先輩として君達にアドバイスをあげよう」

戦士「随分と親切だな」

教官「なに、ただのおせっかいさ」

169: 2012/10/28(日) 16:52:58 ID:59E3l0sI
侍「まあ、とりあえずは聞いておきまショー」

教官「素直でいいねえ。新人は素直に限るよ。他の冒険者達と友好的な関係を築くのも大事なことだしね」

戦士「それでアドバイスというのは?」

教官「君はちょっとせっかちだね、別にいいけど。そこの君は盗賊だね?」

盗賊「……そうだけど?」

教官「よかった、まあ忍者には見えなかったしね。君は一生懸命宝箱の罠の解除を頑張ってたね」

盗賊「……それが?」

教官「知ってたかい?宝箱は開けないほうがいいんだよ?」

盗賊「……え?」

戦士「……どういうことだ一体?」

170: 2012/10/28(日) 17:00:25 ID:59E3l0sI
侍「……本当だったのですカー」

教官「おや、そこの侍くんは知ってたみたいだねえ」

戦士「侍、本当なのか?」

教官「んー、詳しく説明すると一階の宝箱開けないほうがいい、だね」

侍「私も半信半疑でしたが一階の時点では宝箱は開けないほうがいいみたいなのデース。理由は知りませんガ」

教官「そう。一階ではね、宝箱の中身と罠にかかった時を考えたらリスクが釣り合わないんだよ」

戦士「……だから宝箱を開けないほうがいい、か」

教官「冒険者崩れも一階で氏ぬ原因だけど宝箱が原因で氏ぬことも多いね。蘇生費用のことを考えたら諦めたほうが無難なのさ」

盗賊「……どうして、そんなことを私たちに?」

教官「んーそれはね、君、頑張ってただろう?」

172: 2012/10/28(日) 18:13:51 ID:59E3l0sI
盗賊「……ええ」

教官「だから一階だと必要ないと教えてみたらどう反応するか確かめてみたくてね」

戦士「……あんた、性格悪いな」

教官「ふふ、よく言われるよ」

侍「……」

戦士「どうしたんだ侍?」

侍「あなた、おせっかいですネー。それとあまのじゃくデース」

教官「……どういう意味だい?」

侍「本当は氏ぬ冒険者を減らしたいのでショー?」

盗賊「……本当?」

教官「…………」

侍「そこで無言になるのは答えを言っているようなものですネー」

戦士「よくわかったな」

侍「本当のことを言わない人には鼻がきくのデース」

173: 2012/10/28(日) 18:17:26 ID:59E3l0sI
教官「そういった人がわかる君も言わずもがなだよね?」

侍「……HAHAHA!」

教官「……ふふふ」

盗賊「……それなら、最初から、そう言えばいいのに」

教官「そんなのまっぴらごめんだね。そうしたらまるで僕がいい人みたいじゃないか」

侍「中年のおっさんのツンデレなんていりまセーン」

戦士「おい、侍」

教官「ふん、せいぜい気をつけるんだね」

スタスタスタ…

盗賊「……行っちゃった」

178: 2012/10/28(日) 22:14:33 ID:59E3l0sI
~宿屋~

僧侶「司教さんどこにいると思います?」

魔法使い「さあな。まだ寝てるんじゃねえのか?」

僧侶「そうでしょうか?」

魔法使い「とりあえず女将に聞いてみろよ」

僧侶「女将さん、ちょっといいですか?」

女将「あたしに何か用かい?」

僧侶「はい、司教さんなんですけど」

女将「ああ、あのねぼすけのことかい」

魔法使い「マジで寝てやがるのか」

僧侶「司教さんまだ寝てるんですか?」

179: 2012/10/28(日) 22:20:15 ID:59E3l0sI
女将「さっき見た感じじゃ寝てたねえ。なにかその子に用事があるのかい?」

僧侶「はい、一緒に街を出歩こうと思って」

女将「それじゃあ起こしてこようかい?」

魔法使い「ああ、頼むぜ」

司教「おはようございますわ」

魔法使い「なんだ、起きたのか」

僧侶「おはようございます、司教さん」

女将「おはようねぼすけ。それじゃあ私は仕事に戻るからね」

僧侶「はい、ありがとうございました」

司教「ところで話を聞くと私に用事があるようですわね」

180: 2012/10/28(日) 22:26:22 ID:59E3l0sI
僧侶「はい、一緒に街を出歩くのなんてどうかと思って」

魔法使い「……そういうこった」

司教「あら、他の方々は?」

魔法使い「あいつらは訓練所で訓練をするってよ」

僧侶「ボク達は集中できる場所がないので街の地理を知っておこうと」

司教「ふうん、そうですの」

魔法使い「来たくなきゃついてこなくていいぞ」

僧侶「魔法使いさん!」

司教「……私、なにか貴方の気に障るようなことしたかしら?」

魔法使い「……別にしてねえよ」

181: 2012/10/28(日) 22:32:23 ID:59E3l0sI
司教「ならその態度はなんですの?」

僧侶「あの、魔法使いさんは女性が苦手なだけで悪気はないんです」

司教「へえ?」

魔法使い「……なんだよ?」

司教「理由はわかりますの?」

僧侶「魔法使いさんのお師匠さんがどうやら破天荒な女性だったらしくて」

司教「……そんなことで不愉快にさせられてはたまったものじゃないのですけど」

魔法使い「……悪かったな。でも苦手なもんは苦手なんだ」

司教「……本当に悪気はなさそうですわね」

僧侶「はい、魔法使いさんは悪い人じゃないです。ちょっと適当なところもありますけど」

182: 2012/10/28(日) 22:40:53 ID:59E3l0sI
魔法使い「結構言うなお前」

僧侶「いや、その」

魔法使い「別に怒っちゃいねえよ」

司教「なら、決めましたわ!」

魔法使い「なにをだよ」

司教「今日、私は貴方達についていきます。そしてパーティーメンバーの交流を行いましょう!」

僧侶「ですって魔法使いさん」

魔法使い「交流?」

司教「パーティーとは互いに命を預けあう仲間、一心同体ですわ」

僧侶「そうですね」

司教「つまり険悪であってはダンジョン攻略に支障がでます。そうさせないためにも私は貴方達と交流しますわ」

183: 2012/10/28(日) 22:46:45 ID:59E3l0sI
僧侶「つまり、仲良くしましょうってことですね!」

司教「そのとおりですわ!」

魔法使い「お前そういうやつだったのか……」

司教「最後に仲間に加わったのにそういうことまで気遣えるとは流石の私ですわね!」

僧侶「司教さんいい人でしたね、魔法使いさん」

魔法使い「……そうか?」

司教「では、皆さん行きましょうか」

僧侶「ほら、魔法使いさん。行きましょう?」

魔法使い「……ああ」

僧侶「元気がないですけど、どうかしました?」

魔法使い「……なんでもねえよ」

190: 2012/10/29(月) 08:07:52 ID:i1nbo.5g
~大通り~

ワイワイガヤガヤ…

僧侶「うわぁ…!」

魔法使い「人で溢れてるな、おい」

司教「確かに賑やかですわね」

魔法使い「それにしても……」

商人「はいいらっしゃい、いらっしゃい!今しか手に入らない!聖銀を聖水を使い鍛え上げた代物だよ!」

客「親父、それいくらだ?」

商人「なんとお安くして…………となっております!」

客「たけえ!?」

司教「やはりダンジョンの影響で賑わっているみたいですわね」

191: 2012/10/29(月) 08:13:39 ID:i1nbo.5g
僧侶「ですね。ダンジョン攻略のためには様々なものが必要ですから」

魔法使い「そういうのを扱う商人が増えるってわけだな」

僧侶「冒険者自体も多いですしね」

司教「ですがそれにしても……」チラッ

スラム街の住人「……………」

スラム街「………」ボソボソ

司教「少し離れれば、スラム街がありますのね」

僧侶「……どこにでもあるんですよね。そういった貧民層が」

魔法使い「そんなのしょうがねえだろ。あそこには元からいた住人や失敗した商人、他にもいろんな奴がいるんだろうよ」

僧侶「こういった街ですから、貧富の差は大きいでしょうね……」

192: 2012/10/29(月) 08:14:35 ID:i1nbo.5g
少しだけやった。あとは午後に

194: 2012/10/29(月) 17:22:59 ID:i1nbo.5g
司教「あそこにいるのはダンジョンに挑もうとしない人達、そして挑もうにも最初の装備を揃えることすらできない人達ですのね」

魔法使い「……そのままダンジョンに挑んだら野垂れ氏んじまうような連中だな」

僧侶「……ああいった人達には救いの手なんてほとんど届きません。悲しいことです……」

魔法使い「……俺達が気にしてもしょうがねえだろうよ。街をまわろうぜ」

司教「……そうしましょう」

僧侶「……そうですね。ボク達は自分の生活にも困ってるんですから、何もできることなどありません」

魔法使い「そっ、俺達が悩んだってなにもできやしねえよ」

僧侶「……はい」

司教「まったく暗いですわよ?気分を変えてこの喧騒を楽しみましょう」

僧侶「そうですね」

195: 2012/10/29(月) 17:26:44 ID:i1nbo.5g
ドンッ

魔法使い「ってーなぁおい!」

少年「ご、ごめんなさい……」

司教「こんな子供に怒鳴るなんておよしなさいな」

魔法使い「いや、すまねえな」

少年「あの……僕……ごめんなさい」

僧侶「…………」

魔法使い「あー……」

司教「ほら、相手が謝ってますのよ?」

魔法使い「別に怒ったわけじゃねえんだ、……気ぃつけな」

少年「はい、すみませんでした…!」

196: 2012/10/29(月) 17:32:06 ID:i1nbo.5g
ガシッ

少年「……え?」

魔法使い「僧侶?」

僧侶「今なら怒りません、やったことを素直に謝ってください」

司教「僧侶さん!その少年はもう素直に謝りましたでしょう?」

魔法使い「そうだ。ちゃんと許したぜ?」

少年「僕、謝りました……」

僧侶「もう一度言わないとわかりませんか?」

少年「……くそっ!こんなもんいらねえよ!離せ!」

ベシッ、ジャラ……

魔法使い「は?…………」ポスポス

魔法使い「俺の金か!?」

少年「氏ね!バーカ!」

タタタタタッ……

197: 2012/10/29(月) 17:36:01 ID:i1nbo.5g
僧侶「………」

司教「……騙されましたわね」

魔法使い「……ああ」

司教「それにしても僧侶さん、よくわかりましたわね?」

魔法使い「俺は全然わかんなかったぜ。なんでわかったんだ?」

僧侶「……ボクはスラム街出身ですから」

司教「そうだったんですの……」

僧侶「あまり上手じゃありませんからボクでもわかりました」

魔法使い「……あー、悪いこと聞いたか?」

僧侶「いえ、大丈夫です。気にしないでください」

198: 2012/10/29(月) 17:43:07 ID:i1nbo.5g
司教「………」

僧侶「ちょっとしたことです。ある孤児がスラム街でやんちゃをしてて、ひょんなきっかけで教会に拾われて、そこで改心をした。それだけです、よくある話ですね」

魔法使い「……そうか」

僧侶「ここに来たのも教会へ恩を返せるというのもあったんですけど、見るとやっぱり思い出しちゃいますね」

司教「それで私はどうすればよろしいのです?」

魔法使い「……おい」

司教「今まで通りに接してよろしいですわよね?」

僧侶「……はいっ、もちろんです!」

司教「わかりましたわ!」

魔法使い「……普通そこまで直接聞くか?」

199: 2012/10/29(月) 17:47:33 ID:i1nbo.5g
司教「貴方は聞かないでわかりますの?」

魔法使い「いや、そりゃあ……」

司教「なら聞くのが正しいでしょう?」

僧侶「ボクとしてもそうされるほうが気楽で嬉しかったですよ」

司教「ほらみなさい!流石私ですわね!オーッホッホッホッ」

魔法使い「こんな道のど真ん中で高笑いするんじゃねえっ!」

司教「あら、私としたことが」

僧侶「それじゃあ探索の続きといきましょうよ」

司教「わかりましたわ!」

魔法使い「……これでいいのか?」

司教「いいのですわ」

僧侶「いいんですよ、魔法使いさん」

魔法使い「……おう」

200: 2012/10/29(月) 17:58:36 ID:i1nbo.5g


司教「だいぶ歩きましたわね」

僧侶「そろそろ戻りますか?」

魔法使い「軽く酒場でひっかけてえな」

司教「あら、付き合いますわよ?」

僧侶「ボクも、お酒飲めないですけど」

魔法使い「本当に軽くだからな。こっちはお前と違って金がねえんだから」

司教「少しくらいはおごってあげてもいいですわよ?親交の証に」

魔法使い「はっ!女におごってもらうなんてダサい真似したくねえ」

司教「あら、そうですの」

僧侶「だいぶ仲良しになりましたね、二人とも」

魔法使い「そうか?」

司教「仲間と絆を築く。私も一人前の冒険者ですわね!」

201: 2012/10/29(月) 18:04:16 ID:i1nbo.5g
魔法使い「……お前の中の冒険者像ってのはどうなってんだ?」

司教「あら、物語では仲間との絆を大事にするべきとあったのだけれど」

僧侶「司教さんの憧れの冒険者像は物語なんですね」

司教「ええ!小さい頃から憧れてましたの!」

魔法使い「そういう奴もいるんだろうな。うちのパーティーだと戦士に近いか?」

司教「あんな突撃お馬鹿さんと一緒にしないでくださいまし!」

僧侶「あはは……」

魔法使い「そこまでいわなくてもいいだろうがよ」

司教「少なくとも私は一人でダンジョンに突っ込むようなことはしませんの!」

魔法使い「……まあ、聞いたときは俺も馬鹿だとは思った」

202: 2012/10/29(月) 18:09:31 ID:i1nbo.5g
僧侶「……本当によく生きてましたよね」

司教「少なくとも冒険者崩れと会ったら氏んでたと思いますわ」

魔法使い「だよなあ。あいつらのやばさを知っているから尚更一人で突っ込むのは自殺と変わらねーと思うぜ」

僧侶「で、でも今はそんなことしませんし!」

司教「当たり前ですわ!」

魔法使い「今もそんなことするんだったら見捨ててやるさ」

僧侶「……あははは」

司教「ですがそんなこともありませんし、私はなかなかいいパーティーだと思いますわ」

魔法使い「氏んじゃいねえってだけでマシだとは思うな」

僧侶「ですよね。まだまだ新人パーティーですけど」

204: 2012/10/29(月) 18:16:30 ID:i1nbo.5g
司教「早く強くなって物語のような冒険をしてみたいですわね」

魔法使い「俺はある程度生活が安定すりゃ何もいわねえ」

僧侶「ボクはある程度教会へ寄付ができるようになりたいですね。子供達とも会いたいです」

魔法使い「……いい奴だな、お前」

司教「そういうところは美徳ですわね」

僧侶「自分もそうだったからってだけですよ。皆さんのいうことも、もっともだと思います」

魔法使い「とりあえずは金か。最近そればかりだな、おい」

司教「お金を沢山得るには強者とも戦わないといけませんわよ?早くドラゴンとも戦ってみたいですわ」

僧侶「……そこまでいけるんですかね?」

司教「いけるのかな?ではなくいくのですわ!」

魔法使い「ドラゴンなんて俺はまっぴらだぞ?」

205: 2012/10/29(月) 18:23:21 ID:i1nbo.5g
司教「男なのにだらしないですわね!」

魔法使い「そういう次元の相手じゃねえだろ」

司教「貴方にはロマンというものがありませんの!?」

魔法使い「俺は氏にたくねえんだよ!」

僧侶「まあまあ、落ち着きましょうよ二人とも」

司教「……わかりましたわ」

魔法使い「おう、わりぃ」

僧侶「こんな道端でじゃなくて酒場でしましょうよ」

司教「それもそうですわね!酒場でたっぷり冒険者たるものの志を語りあいましょう!」

魔法使い「……へいへい、僧侶も付き合えよ?」

僧侶「はい、わかりました」

211: 2012/10/29(月) 19:57:53 ID:i1nbo.5g
~酒場~

ギイィ……

司教「マスター、とりあえず一杯くださいな」

侍「オーウ!ユー達も来たのですネー!」

魔法使い「まあな。軽く酒をひっかけようと思ってよ」

戦士「いくら金がないとはいえ息抜きは必要だからな」

僧侶「そうですよね。ところで訓練のほうはどうでしたか?」

盗賊「……疲れた」

戦士「真偽は知らないが元冒険者から情報を手に入れたぞ」

侍「多分本当のことだと思いマース」

司教「あら、聞かせていただけるかしら?」

盗賊「……実は……」

212: 2012/10/29(月) 20:02:23 ID:i1nbo.5g


魔法使い「はあん。なるほどな」

僧侶「一理ありますね」

司教「わざわざ教えるなんてその人はお人好しですわね」

戦士「確かにな」

侍「お人好しじゃなければ教官なんてやってないデース」

盗賊「……それも、そう」

戦士「そっちはどうだったんだ?」

司教「なかなか有意義でしたわ。パーティーの仲間と絆を深めることができましたもの」

侍「へー!そうなんですカー」ニヤニヤ

魔法使い「……なんだよてめえ」

213: 2012/10/29(月) 20:07:16 ID:i1nbo.5g
戦士「だって、なあ?」

侍「女性は苦手と言っていたのに、仲良くなるとは喜ばしいことデース!」

魔法使い「まずはそのにやけっつら止めやがれ!」

侍「オーウ、ソーリー!」

魔法使い「……ふん!」

戦士「ま、いいことには違いないさ。チームワークが生氏をわけることもある」

僧侶「そうです。だから照れなくていいんですよ?」

魔法使い「照れてねえ!」

司教「あら私の美しさに惑わされたのですの?私ったら罪深いですわね!」

魔法使い「そんなんじゃねえ!」

214: 2012/10/29(月) 20:12:52 ID:i1nbo.5g
戦士「ほどほどにしておいてやれよ」

司教「うふふ、だって面白いんですもの」

魔法使い「てめえ!」

客「女にいいようにされてんじゃねーぞ、にいちゃん!」

客「お熱いねー!ひゅー!」

魔法使い「うるせえぞてめえら!」

侍「まーまー、もうそろそろ落ち着いてくだサーイ」

盗賊「……血が頭に上りやすい」

魔法使い「……っち。へいへい」

司教「少しからかいすぎたかしら?」

魔法使い「酒の場でのことだから本気にしちゃいねーよ」

215: 2012/10/29(月) 20:19:58 ID:i1nbo.5g
侍「そういえば装備は明日の昼くらいには取りに来てほしいとのことデース」

僧侶「思ったより早いですね」

戦士「ああ、どうやら当たりの店だったらしい」

魔法使い「それに数打ちの量産品ってのもあるだろうな」

司教「今の私たちの装備なんて沢山出回ってますからね」

盗賊「……それに、後衛はほとんど攻撃をうけてないから」

戦士「それもあるな」

侍「まだ敵は魔法なんかで後衛を攻撃してきませんからネー」

司教「そうですわね。助かるといえば助かりますが」

魔法使い「俺達は本当にもろいからなあ。職業上仕方ねえんだが」

216: 2012/10/29(月) 20:26:48 ID:i1nbo.5g
戦士「とりあえずは明日も頑張るしかない、か」

司教「そうですわね」

僧侶「でも全然探索進んでないんですよね」

盗賊「……地図、全然埋まらない」

魔法使い「そりゃ、同じ場所で戦ってるだけだからな」

侍「でも何かあった場合出口から遠ければ一気にピンチですからネー」

司教「せめて一階での敵を氏者無しで普通に倒せるようにならなければいけませんわね」

魔法使い「そういうこったな」

僧侶「とりあえず明日も頑張りましょうね」

盗賊「……うん」

217: 2012/10/29(月) 20:37:13 ID:i1nbo.5g


~宿屋~

司教「全員集まりましたわね?」

魔法使い「……ふわーぁ」

僧侶「魔法使いさん寝過ぎですよ」

魔法使い「別にいいだろ。ダンジョンに潜るから英気を養ってたんだよ」

盗賊「……ねぼすけ」

戦士「ダンジョンに潜るときに目を覚ましてたならいいさ」

侍「そうですヨー!ダンジョン寝ぼけてたら怒りますがネー」

魔法使い「んなことしねえよ」

戦士「それじゃ、店に装備を取りに行こうか」

218: 2012/10/29(月) 20:41:27 ID:i1nbo.5g
~店~

店主「いらっしゃいませ」

戦士「修理に出していた装備を取りに来た」

店主「はい、かしこまりました。少々お待ちください」



店主「こちらでよろしいですね?」

侍「オー、本当に直ってマース」

司教「仕事がはやいですわね」

店主「喜んでいただけてなによりです。これからもごひいきに」

盗賊「……わかった」

魔法使い「んじゃ、準備も整ったしダンジョンに行くか」

219: 2012/10/29(月) 20:45:31 ID:i1nbo.5g
~ダンジョン前~

ワイワイガヤガヤ…

侍「準備は大丈夫ですネー?」

盗賊「……ええ」

僧侶「大丈夫ですよ」

戦士「今回も前回と同じでいいんだよな?」

侍「イエス!ひたすらダンジョン入り口の近くで戦いマース!」

魔法使い「ま、それしかねえわな」

司教「前回上手くいったからといって、油断はいけませんわよ?」

魔法使い「誰にいってやがる」

侍「それじゃ、頑張っていきまショー!」

戦士「ああ、頑張ろう」

220: 2012/10/29(月) 20:50:54 ID:i1nbo.5g
~ダンジョン地下一階~

魔法使い「そんじゃてめえら、まとめて眠りやがれ!」

ポワワーン

オーク's「zzz…………」

魔法使い「おっしゃ!全部眠りやがったぜ!」

僧侶「やりましたね!」

侍「それじゃ、片付けマース!」

戦士「せいやぁ!」

僧侶「てい!」

侍「キェェェイ!」

盗賊「……頑張っ、て」

オーク「……ぶきー」

オーク「ぶきっ……!」

ドササッ

221: 2012/10/29(月) 20:56:33 ID:i1nbo.5g
司教「……慣れてきましたわね」

戦士「ああ、普通に勝てるようになった」

僧侶「順調なペースです!」

盗賊「……宝、箱」

魔法使い「いや、それは諦めような」

侍「氏ぬ確率が下がるとはいえ手に入るお金が減るというのは少し厳しいですネー」

戦士「多めに戦わなくちゃいけないな」

僧侶「でも、今誰かが氏んでしまうとすごく厳しいですしね」

魔法使い「安全と金。両方得るのは難しいな、おい」

司教「……本当にそうですわね」

222: 2012/10/29(月) 21:02:26 ID:i1nbo.5g


盗賊「……ふぅ」

侍「さすがに疲れてきましたネー」

戦士「もう結構戦ってるからな」

司教「魔力もあと1、2戦したら終わりですわ」

魔法使い「俺はあと1回…くらいか」

僧侶「もうちょっとなら……」

戦士「ならもう切り上げるか」

侍「そうですね。次で終わりまショー」

司教「わかりましたわ」

魔法使い「んじゃ、最後のもう一頑張りといきますかあっ!」

223: 2012/10/29(月) 21:08:00 ID:i1nbo.5g
侍「それじゃいきますヨー」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー!」

冒険者崩れ「ひ、ひいっ!」

戦士「!」チャキ

司教「……くっ!」

冒険者崩れ「ま、待ってくれ!怪我をしているんだ!見逃してくれ!」

僧侶「……怪我、してますね」

侍「大方モンスターや他のパーティーにやられたのでしょうネー」

戦士「どうするんだ?」

盗賊「……頃すべき」

冒険者崩れ「そ、そんなこと言わないでくれ!」

224: 2012/10/29(月) 21:13:07 ID:i1nbo.5g
僧侶「でも、助けを求めていますし……」

司教「命乞いをしているのにトドメを刺すのはちょっと気がひけますわ……」

魔法使い「別に見逃してもいいだろ。あんな怪我じゃ何もできねえ」

侍「イエス。ワタシ達が手を下さずともあの怪我なら、モンスター達がやってくれるでショー」

戦士「……おい」

冒険者崩れ「な、なんだ……?」

戦士「見逃してやる。とっとと失せろ」

冒険者崩れ「あ、ありがてえ!感謝す……」

ドスッ!

冒険者崩れ「るくぶぉふぁ……」

ドサ……

225: 2012/10/29(月) 21:20:15 ID:i1nbo.5g
盗賊「……なんで殺さないの?」

戦士「……え?」

盗賊「……生きてても私達の障害にしかならない。逃がしても得はない。なら、頃すべき」

僧侶「……でも、助けを求めてて」

侍「僧侶クン、ここは盗賊サンが正しいデース」

僧侶「でも!」

侍「盗賊サンはお金のないワタシ達に気遣ってくれたのデース」

盗賊「……相手も生きるために私達を襲う。なんで、躊躇するの?」

魔法使い「ま、そういうのも有りだろ。自身で手を汚すか汚さないかの問題だな」

司教「僧侶くんと盗賊さん、どちらの意見も正しいですわ。僧侶くんは人として。盗賊さんは冒険者としてね」

226: 2012/10/29(月) 21:25:45 ID:i1nbo.5g
僧侶「…………」

盗賊「……僧侶くんのいうこともわかる。価値観が違った。それだけ」

戦士「……戻ろうか」

侍「イエス!疲れを酒でいやしまショー!」

魔法使い「だな、疲れたぜ」

司教「……あんまり気にし過ぎてはいけませんわよ?盗賊さんもパーティーのためを思って行動したのには違いないのですから」

僧侶「……はい。わかってます」

司教「なら行きましょう」

僧侶「…はい、そうですね」

司教「はいはい、最後まで気を抜かないでくださいね!」

侍「わかってマース!」

魔法使い「あいよ」

229: 2012/10/29(月) 22:13:15 ID:i1nbo.5g
~酒場~

ギイィ……

ワイワイガヤガヤ…

侍「マスター!お酒くだサーイ!」

主人「……あいよ」

魔法使い「あー、疲れたぜ」

戦士「マスター、酒4にレモン水2だ」

侍「オーウ!そうでしター!」

僧侶「……」

司教「まださっきのことを気にしてますの?」

僧侶「……はい」

侍「僧侶クンは気にしすぎデース!」

僧侶「……そうでしょうか」

戦士「俺もそう思うな」

僧侶「でも……」

230: 2012/10/29(月) 22:16:34 ID:i1nbo.5g
侍「仕方ありませんネー。盗賊サン!」

盗賊「……なに?」

侍「さっきの対応正しかったデース」

盗賊「……それほどでも」

侍「しかし、パーティーとしては見逃がそうとしていましたよネー?」

盗賊「………」

侍「合理的な判断もいいですが、パーティーにあわせることも考えてくだサーイ!」

盗賊「……わかった」

侍「とりあえずはこれでいいですカー?」

僧侶「……ありがとうございます」

231: 2012/10/29(月) 22:20:43 ID:i1nbo.5g
戦士「リーダーシップがあるな、侍は」

侍「いやいや、それほどデモー!」

魔法使い「うさんくさいけどな」

侍「ワッツ!?うさんくさいは関係ないデース!」

司教「私も少しそう思いますわね」

戦士「ははは」

侍「ひ、ひどいデース!僧侶クンはそんなことないですよネー?」

僧侶「え、えっと侍さんはいい人ですよ!」

盗賊「……にげた」

侍「……そんなにワタシうさんくさいですカー?」

232: 2012/10/29(月) 22:29:14 ID:i1nbo.5g
主人「……お待ち」ゴトッ

僧侶「あ、どうも」

司教「よいお方なのはわりますわよ?うさんくさいのは置いといて」

侍「オーウ……」

僧侶「ところでなんで侍さんはそんなしゃべり方をしているんですか?」

魔法使い「俺もそれは気になるな」

盗賊「……気になる」

戦士「なにか理由があるのか?」

侍「……これはワタシの師匠の真似をしているのデース」

233: 2012/10/29(月) 22:34:47 ID:i1nbo.5g
戦士「師匠って侍としてのか?」

侍「イエス!サムラーイとしてのいろはを叩き込んでくれた人デース!」

魔法使い「へえ、その口調は侍の師匠のだったのか」

司教「今その方はどうしてますの?」

侍「もう氏んでいマース」

司教「……すみませんわ」

侍「いえ、気にしないでくだサーイ」

僧侶「たまにでるのは侍さんの素の口調なんですね」

戦士「最初のほうは素人とか言ってくれたよな」

侍「HA、HAHAHAHAHA……」

戦士「笑ってごまかしたか」

238: 2012/10/30(火) 18:18:30 ID:.joJyHQI
司教「へえ、そんなことがありましたの」

侍「と、とりあえず飲みまショー!」

魔法使い「誤魔化すの下手だな、おい」

戦士「……ところで話があるんだが」

僧侶「なんですか戦士さん?」

侍「どうしたんデース?」

戦士「もうそろそろ探索を始めたいんだ」

盗賊「……」

魔法使い「……今の俺達でいけるか?」

盗賊「……少なくとも、最初の頃よりは、成長した」

240: 2012/10/30(火) 18:27:52 ID:.joJyHQI
戦士「そう。今の俺達はダンジョンにも少し慣れてきた。だから次の段階へ進むべきなんじゃないか?」

僧侶「ボクは、もうちょっとあとでもいいんじゃないかと思います」

侍「……ワタシは今まで通り油断しなければ頃合いだと思いマース」

魔法使い「俺は一度冒険者崩れの奴らと戦ってから決めるべきだと思うぜ」

司教「私も魔法使いさんの意見に賛成ですわ。己の力量を見定めるのは大事なことです」

盗賊「……私は、探索を始めたい」

戦士「……司教達が言ったことももっともだと思う。だから次の探索では冒険者崩れの盗賊と戦ってみたい」

侍「いいんじゃないですカー?ダンジョン探索には一歩踏み出す勇気も必要デース」

魔法使い「ああ、それで文句はねえ」

僧侶「皆さんがそういうのでしたら、微力ながら頑張ります」

241: 2012/10/30(火) 18:34:26 ID:.joJyHQI
盗賊「……わかった」

司教「それでいいですわ」

戦士「よし、次回のダンジョン探索はそういう方針で行こう」

主人「……盛り上がっているな」

戦士「マスター」

主人「……最初にお前が一人でダンジョンに突っ込んだ時はどうなるかと思ったが、順調なようだ」

戦士「……それは言わないでくれ」

侍「戦士サン。こういうのはあとになってもいじられるものデース」

魔法使い「そういうこった。諦めな」

戦士「……なんであんな馬鹿なことをしたんだろう」

242: 2012/10/30(火) 18:38:31 ID:.joJyHQI
主人「……パーティーを組めと言ったら。俺は群れないと言っていたが……」

戦士「おおおお!?」

司教「うふふふ、あはは!」

侍「そんなこと言ってたんですネー!」

主人「……忠告しても仲間など必要ないと突っぱねてな」

魔法使い「ぎゃははははは!」

戦士「やめてくれえ……」

盗賊「……ぷっ、くく」

僧侶「み、皆さん!わ、笑っちゃ悪いですよ」

主人「ちゃんとしたパーティーを組んでいるようで何よりだ」

243: 2012/10/30(火) 18:44:54 ID:.joJyHQI
戦士「…………」

主人「……おっと、調子に乗りすぎたな。とりあえず言いたいことは頑張ってくれということだ」

戦士「……それなら、それだけを言ってくれればいいのに」

主人「すまんな」

魔法使い「ひーひー。いやあ、笑わせてもらったぜ」

司教「ええ、いい酒の肴になりましたわよ?」

戦士「いいよもう。好きなだけ笑ってくれよ」

侍「まあまあ、笑い話で済んでよかったじゃないですカー!」

僧侶「そうですよ。氏ななくてよかったです」

盗賊「……そういうこと……くくっ」

戦士「それはそうだけどさ」

244: 2012/10/30(火) 18:50:27 ID:.joJyHQI
侍「おっと、お酒がきれてしまいましター」

魔法使い「そうだな。さんざん笑ったし切り上げるか」

盗賊「……マスター、勘定」

主人「……あいよ」

司教「飲み過ぎもいけませんし、私もお勘定を」

主人「……わかった」

僧侶「それじゃあマスター、ありがとうございました」

主人「……また来てくれ」

戦士「ああ」

魔法使い「おうよ」

245: 2012/10/30(火) 18:51:48 ID:.joJyHQI
筆が乗らない+ご飯なので休憩
今更だけどスレタイ見て戦士がかっこよく活躍すると思ってた人、ごめんなさい

247: 2012/10/30(火) 22:55:19 ID:.joJyHQI
ご飯食べてうとうとしてたら寝てた。ごめんなさい
今から始めます

248: 2012/10/30(火) 23:03:04 ID:.joJyHQI
~ダンジョン前~

魔法使い「さて、今日もおっ始めますか!」

僧侶「頑張りましょう!」

戦士「今日は腕試しだな」

侍「そうですネー。ですが注意を怠らなければいけると思いマース」

司教「だから油断しないでくださいね?」

戦士「当然だ」

盗賊「……頑張る」

侍「それじゃ、出発しまショー!」

魔法使い「おう」

僧侶「はい!」

249: 2012/10/30(火) 23:13:30 ID:.joJyHQI
~地下一階~

侍「毎度おなじみこの部屋ですネー」

盗賊「……周りの警戒はしているから、頑張って」

魔法使い「今日も敵を眠らせる仕事が始まるぜ」

司教「今はそれが一番の手ですからね」

戦士「よし、準備は大丈夫だ」

侍「それじゃ、行きますヨー?」

僧侶「はい……!」

戦士「ああ……!」

侍「行きマース!」

コンコン、ガチャ

侍「ハロー?」

250: 2012/10/30(火) 23:20:47 ID:.joJyHQI
冒険者崩れB「ちっ、おでましか!」

魔法使い「いきなり本命かよ!」

冒険者崩れD「生きて帰れると思うんじゃねえぞ!」

僧侶「相手は4人です!」

冒険者崩れA「先手必勝だ!」

司教「甘いですわ!お眠りなさい!」

ポワワーン……

冒険者崩れA「zzz……」

冒険者崩れC「そう簡単に寝てたまるか!」

魔法使い「誰が一回だけなんて言ったよ?」

冒険者崩れC「!?」

魔法使い「眠れよ!」

ポワワーン…

251: 2012/10/30(火) 23:25:51 ID:.joJyHQI
冒険者崩れC「う!zzz……」

冒険者崩れB「……zzz」

ドサッ……

冒険者崩れD「クソがぁっ!ちっ、やってられ……」

戦士「逃がすかよ!」

ザシュッ!

侍「そういうわけデース」

ザン!

冒険者崩れD「うぐおあ……」

ドサッ…

252: 2012/10/30(火) 23:30:11 ID:.joJyHQI
司教「とりあえずは安心ですわね」

魔法使い「上手くいったな、おい」

盗賊「……起きないうちに、倒さないと」

戦士「ああ」

侍「そうですネー」

ジャキッ

魔法使い「そんなことしてるてめえらが悪いんだ。恨むなよ」

戦士「今更悔やんでも遅いがな」

僧侶「………」

司教「同情してなさるのかしら?」

僧侶「……いえ」

盗賊「……こうなったのも。自業自得」

侍「そういうことデース」

253: 2012/10/30(火) 23:37:02 ID:.joJyHQI


魔法使い「思ったより苦戦しなかったな」

僧侶「そうですね」

戦士「これなら探索を始めても大丈夫だろ」

盗賊「……やっと、警戒以外の仕事が出来る」

戦士「宝箱をスルーしてたからな……」

侍「それでどうしまショー?今から探索を始めますカー?」

司教「いいんじゃないかしら。まだ魔力にも余裕がありますわ」

僧侶「引き時を間違いさえしなければ大丈夫だと思います」

魔法使い「ようやくダンジョン攻略っぽくなるわけか」

司教「ようやく初めの一歩を踏み出せますのね」

258: 2012/10/31(水) 17:16:11 ID:Swv6Ghgk


魔法使い「結構歩いたな」

戦士「そうか?」

侍「ダンジョンは薄暗くて似たような道が続きますからネー。距離感がつかみにくいデース」

僧侶「盗賊さん。マッピングのほうはどうですか?」

盗賊「……難しい」

司教「まだ書き慣れていませんものね」

侍「マップと言えば知っていますカー?」

戦士「なにがだ?」

侍「ダンジョンはマスでいうのなら20×20で表せるそうデース」

僧侶「四角いんですか?」

侍「イエス!その通りデース。しかもダンジョンは端と端がつながっているそうデース」

魔法使い「どういうことだ、そりゃ?」

259: 2012/10/31(水) 17:23:35 ID:Swv6Ghgk
侍「眉唾ですが西の端を更に西へ進むとなんと東の端に移動してるそうデース」

司教「……本当ですの?」

盗賊「……不思議」

魔法使い「ダンジョンにはわけがわからねえことばかりだな、おい」

戦士「本当になんなんだろうな」

僧侶「ですがそれも考慮してマップを書かないといけないんですね」

盗賊「……本当に難しい」

司教「マップが不安なら魔法で今いる場所を確認なさいます?」

盗賊「……お願い」

司教「わかりましたわ。………我が身の居場所を教えなさい!……地図でいうとここですわね」

260: 2012/10/31(水) 17:29:16 ID:Swv6Ghgk
盗賊「……あってた」

司教「引き続き頼みますわね」

戦士「とりあえずは安心だな。っとあれは……」

僧侶「下へと進む階段ですね……」

魔法使い「あっさり見つかったなあ、おい」

侍「ですがいいことデース。それにしても全く下へ降りる気になりませんネー」

僧侶「まだ互角に戦えるようになったばかりですしね」

戦士「簡単に氏にかけるから、どうしても躊躇するな」

魔法使い「実力もまだ足りねえだろうし、今は地図を埋めてこうぜ」

司教「そうですわ。今下へと進むのは自殺行為です」

261: 2012/10/31(水) 17:36:27 ID:Swv6Ghgk
侍「それじゃもうそろそろ帰りますカー?」

戦士「結構稼げたしな。余裕があるうちに戻ろうか」

司教「そうですわね」

魔法使い「あー、腹減ったなぁ」

僧侶「今回はいつもより長く潜ってましたからね」

盗賊「……いつもより警戒しながら進んでたから」

戦士「初探索ならこんなものだろう」

魔法使い「いいんじゃねえのか?命は一つしかねえしな」

盗賊「……蘇生はできるけど」

魔法使い「ちゃかすなよ」

侍「それじゃ、帰りまショー!帰るまでがダンジョン探索デース」

262: 2012/10/31(水) 17:47:11 ID:Swv6Ghgk
~酒場~

ギイィ…

主人「……いらっしゃい」

侍「マスター、とりあえず酒4にレモン水2お願いしマース!」

主人「……あいよ」

魔法使い「今日は懐に少し余裕があるな。なんか頼むか?」

僧侶「そうやってすぐ使っちゃうのってどうなんでしょう…」

魔法使い「別にいいじゃねえかよ。マスターには世話になってるしよ」

主人「……お待ち」ドンッ

戦士「ありがとうマスター」

主人「……今日はステーキがおすすめだ」

魔法使い「ステーキか。最近こう、ガッツリ肉食べてなかったしな」

263: 2012/10/31(水) 17:56:16 ID:Swv6Ghgk
主人「……今日は安くなっている」

魔法使い「マスター!ステーキ!」

僧侶「……宿でもご飯はでるのに」

侍「まーまー。僧侶クン、息抜きも必要デース」

僧侶「……そうですね」

戦士「マスター、安くて腹にたまるものはあるか?」

主人「……適当にもってくる」

戦士「ああ、頼む」

司教「私はどうしましょうかしら……」

盗賊「……私もステーキ」

264: 2012/10/31(水) 18:03:22 ID:Swv6Ghgk
侍「正直今の宿のご飯は貧しいですからネー」

僧侶「そうですね。栄養はたっぷりだと思うんですけど」

魔法使い「こっちは命がけなんだ。こういう役得がなきゃ、やってらんねえよ」

司教「それにしてもダンジョン後のお酒って美味しいですわね。いつもと違って一人じゃないのもいいですわ」

僧侶「いいですけど、使いすぎないでくださいよ?」

魔法使い「わかってるよ。んなこたあ」

戦士「ああ、大丈夫さ」

侍「それにしてもワタシ達もようやく冒険者らしくなりましたネー」

盗賊「……本当に」

戦士「これで俺達も冒険者の端くれだな」

265: 2012/10/31(水) 18:14:44 ID:Swv6Ghgk
主人「……お待ち」ゴト

ジュージュー

魔法使い「うまそうだな、おい」

盗賊「……美味しそう」

侍「盗賊サン。よだれよだれ」

盗賊「……」フキフキ

僧侶「よっぽどお腹空いてたんですね」

盗賊「……」プイッ

戦士「あ、照れた」

盗賊「…………」

侍「ダンジョン後ですしネー」

魔法使い「ハフハフ、うめえ!」

271: 2012/10/31(水) 23:11:10 ID:Swv6Ghgk


魔法使い「ふう。久々にまともな食事をしたぜ」

盗賊「……美味しかった」

戦士「後は宿で軽く食べるとするか」

侍「お勘定お願いしマース!」

司教「今日もなかなかでしたわよ」

僧侶「おいしかったです」

主人「……毎度」

司教「あとはもう少し愛想がよければいいのですけど」

主人「……くせだ」

戦士「マスターらしくていいよ」

僧侶「それじゃ、宿に戻りましょうか」

272: 2012/10/31(水) 23:14:05 ID:Swv6Ghgk
~宿屋~

女将「おや、あんたらかい。お帰り」

侍「ただいまデース」

女将「今のところ上手くいってるみたいだね」

戦士「ああ」

女将「その調子でうちに金を落としていっておくれよ」

盗賊「……ええ」

女将「で、今日も大部屋かい?」

侍「そうデース」

魔法使い「……んー」

僧侶「魔法使いさん?」

273: 2012/10/31(水) 23:19:21 ID:Swv6Ghgk
魔法使い「僧侶、二人で個室に泊まらねえか?」

僧侶「……えっ?」

侍「やっぱり魔法使いさんはホ〇だったですカー!?」

魔法使い「……はぁ!?」

戦士「……僧侶を狙っていたのか」

魔法使い「そ、そういう意味で言ったんじゃねえ!」

盗賊「……そういう人がいるのは知っている。安心して。あと近づかないで」

司教「まさかそんな趣味があったなんて…」

侍「前回も疑ってましたがとうとう本性を現しましたネー」

僧侶「ま、魔法使いさん?」

274: 2012/10/31(水) 23:25:21 ID:Swv6Ghgk
女将「……そういうのは人それぞれだけど。ベッドは汚さないでほしいねえ」

魔法使い「ちげえよ!まずは話を聞け!あと俺はまだ疑われてたのかよ!」

僧侶「ボ、ボクは魔法使いさんを信じてますよ?」

戦士「僧侶、人を疑うことも大事だぞ?」

侍「そうデース。取り返しがつかなくなってからでは遅いのデース」

司教「不潔ですわ……」

魔法使い「黙れ。そして話を聞け」

盗賊「……わかった」

侍「聞かせてもらいまショー」

魔法使い「そんな意味で言ったんじゃねえよ。これからの冒険で必要だから言ったんだ」

275: 2012/10/31(水) 23:33:48 ID:Swv6Ghgk
侍「それは絆な深める的な意味ですカー?それならやっぱりホ〇デース!」

僧侶「…そうなんですか?」

魔法使い「ちげえ。魔法を覚えるために決まってんだろうが」

盗賊「……そういえば、個室がほしいって、言ってた」

魔法使い「さっき使っちまって足りねえから僧侶と割り勘しようとしたんだよ。僧侶も魔法を覚えなきゃいけないしな」

侍「ワタシは魔法使いサンを信じてマシタ!」

戦士「俺もそんなことだろうと思ってたさ」

魔法使い「氏ね!」

司教「さ、さて。私は部屋に行きますわね」

盗賊「……じゃあね」

276: 2012/10/31(水) 23:39:10 ID:Swv6Ghgk
魔法使い「なんか言うことはねーかのかよ。お前ら!?」

司教「魔法使いさんが怒りましたわ!」

盗賊「……退避」

戦士「逃げるぞ!」

侍「合点承知デース!」

魔法使い「逃がすかてめえら!」

女将「やかましいよあんたら!あと金は先に支払うんだよ!」

侍「さよならデース!」チャリン

戦士「じゃあな!」チャリン

魔法使い「待てやあ!」

侍「待てと言われて待つやつはいまセーン!」

277: 2012/10/31(水) 23:45:39 ID:Swv6Ghgk
~個室~

魔法使い「ちくしょうあいつら……」

僧侶「まあまあ、落ち着いてくださいよ」

魔法使い「僧侶、俺はそんなにホ〇に見えるか?」

僧侶「そんなことないですよ」

魔法使い「……ありがとよ。んじゃ寝るか」

僧侶「そうしましょうか」

魔法使い「狭いけどすまねえな。あと寝相が悪いかもしんねえ」

僧侶「なるべく気をつけてくださいね。仕方ないこととはいえ」

魔法使い「いい加減新しい魔法覚えねえといけねえからな」

僧侶「皆さんも最初より強くなりましたしね」

魔法使い「俺達もそれについていかねえとな」

僧侶「そうですね。それじゃあおやすみなさい」

魔法使い「あいよ。おやすみ」

279: 2012/11/01(木) 03:58:52 ID:rwO1UwPg
~食堂~

戦士「お。おはよう」

僧侶「おはようございます」

侍「グッモーニン!」

戦士「魔法使いはどうしたんだ?」

僧侶「まだ眠いらしくて寝てます。久々に一人で寝たいって言ってました」

戦士「そうか」

侍「それよりも昨夜、襲われませんでしたカー?」

僧侶「あはは。そんなことありませんでしたよ」

戦士「冗句もほどほどにしておけよ?また魔法使いを怒らせたくないからな」

侍「HAHAHA!気をつけマース!」

280: 2012/11/01(木) 04:06:26 ID:rwO1UwPg
戦士「それじゃ、飯にしよう」

侍「魔法使いサンたら、朝ご飯は大事なのにネー」

僧侶「そうですよね。あとで軽く食べられるものでも持っていきます」

戦士「少し過保護じゃないか?」

僧侶「そうですか?」

侍「このままじゃ魔法使いサンが僧侶クンに甘えてしまいマース」

戦士「ははは、そうかもな。それで今日はどうする?」

侍「どうしまショー?」

僧侶「ボクは部屋で新しい魔法を覚えられるように頑張ります」

侍「頑張ってくだサーイ!戦闘中に使えるようにしないと意味がないですからネー。そういう意味ではワタシはまだまだデース」

戦士「俺はひたすら剣を振るうだけだから気楽でいいよ」

281: 2012/11/01(木) 04:14:32 ID:rwO1UwPg
侍「羨ましいと思いますが戦士は戦士で大変ですからネー」

戦士「そうか?」

侍「戦士は特別な技能を必要としない代わりにひたすら基礎的な力を求められマース。それはそれでしんどいデース」

僧侶「そうですよね。それにボクは前衛としては火力が足りないので必然的にお二人には頑張ってもらわないといけませんし」

戦士「……そうだな」

侍「そうですヨー。ところで戦士サンどうしまショー?また訓練所に行きますカー?」

戦士「どうしような。金も前よりは余裕があるから街をまわってみるのもいいかもしれないし」

侍「そういえば僧侶クン達は街をまわったのでショー?何か面白いのはありましたカー?」

僧侶「……そうですね。大通りはやっぱり盛り上がってましたよ。人も沢山居て」

戦士「一度そういった店をまわるのもしてみたいな」

282: 2012/11/01(木) 04:20:45 ID:rwO1UwPg
僧侶「ですけどそうやって人が集まるとよからぬことを考える人もいるので……」

侍「何かあったのですカー?」

僧侶「ちょっとスリに出くわしたんです」

戦士「大丈夫だったのか?」

僧侶「ええ。幸い気づくことができたので。ですが行くのなら気をつけてくださいね?」

戦士「わかった。気をつけよう」

侍「まあ、それぐらい人が集まるのならスリくらいは普通に居るでしょうネー」

盗賊「……スリくらいならまだかわいい」

僧侶「あ、おはようございます」

侍「グッモーニン!」

283: 2012/11/01(木) 04:26:43 ID:rwO1UwPg
盗賊「……おはよう」

戦士「おはよう。盗賊はそういうのに詳しいのか?」

盗賊「……表通りならそれくらいで済む。……裏通りに入るのはおすすめしない」

僧侶「そうですね。人気が少なくなるともっと露骨になりますし」

盗賊「……街にまわるの?」

戦士「そうしようか考えてるところかな」

侍「盗賊サンも一緒にどうデース?」

盗賊「……いい。訓練所に行く」

戦士「また訓練しに行くのか?」

盗賊「……それも、ある」

僧侶「どういうことです?」

284: 2012/11/01(木) 04:32:07 ID:rwO1UwPg
盗賊「……情報、収集」

侍「盗賊サンは真面目デース」

盗賊「……私、ろくに戦ってないから」

戦士「訓練所は冒険者が集まるしな。でも教えてくれるか?」

盗賊「……教官」

侍「あのツンデレ中年のことですカー。それはいいかもしれませんネー」

僧侶「えっと、誰ですか?」

戦士「前、訓練所で宝箱について教えてくれた人だ」

侍「あの人ならまたポロッと何か教えてくれそうデース」

戦士「そうだな。だけどあくまで教えてくれれば儲けものにしとかないとな。なんでも教えてもらえばいいってもんじゃない」

285: 2012/11/01(木) 04:35:48 ID:rwO1UwPg
侍「確かに直接聞いたらあのツンデレなら甘えるなと言いそうデース」

戦士「だろう?」

盗賊「……なら、それとなく聞いてみる」

戦士「……無口な盗賊にできるか?」

僧侶「え、えっと……」

侍「ど、どうでショー?」

盗賊「……任せて」

戦士「あー……、頑張ってくれ」

司教「何を頑張りますの?」

僧侶「あ、司教さん」

侍「こちらに来るなんて珍しいですネー」

286: 2012/11/01(木) 04:44:23 ID:rwO1UwPg
戦士「確かにそうだな」

司教「たまには皆さんと食事をするのも悪くないと思いましたの。あら、魔法使いさんは?」

僧侶「まだ寝てますよ。久しぶりの個室なのでゆっくり寝ていたいそうです」

司教「あら、そうですの。間が悪いですわね」

僧侶「そういえば司教さんは今日どうするんですか?ボク達今日の予定を話しあってたんです」

司教「いつもここで相談してましたの?」

盗賊「……基本、そう」

侍「そうですヨー」

司教「予定、ですか。僧侶さん達は魔法の習得をしようとしてるのでしたよね?」

僧侶「はい、そうですよ」

司教「私もそうしたいのですけど何しろ覚えることが多くて……」

侍「大変そうですネー」

戦士「こういうのを見ると剣を振るうだけでよかったと思うな」

287: 2012/11/01(木) 04:52:15 ID:rwO1UwPg
司教「ですから今日は一人で司教としての勉学に励むつもりですわ」

侍「そうですカー。頑張ってくだサーイ」

戦士「これを聞くと街を巡るのに躊躇うな」

侍「それなら軽く訓練所で汗を流してからにしますカー?」

戦士「そうしようか。話もまとまったし朝食にしよう」

司教「へえ、こちらの食事はこうなっておりましたのね。あまり宿で食事をとらないものですから」

僧侶「見た目はそんなによくないですけど、味はそこまで悪くないですよ」

戦士「スープなんかは野菜の芯なんかを使ったほうが上手いしな」

侍「戦士サン、料理ができるのですカー?意外デース」

戦士「フ……家事くらいは普通にしてたさ」

盗賊「……そんなことで、カッコつけられても」

司教「……反応に困りますわ」

288: 2012/11/01(木) 04:58:59 ID:rwO1UwPg
~訓練所~

侍「もうちらほらと冒険者が集まってますネー」

戦士「明らかに俺達より強い奴もいるな」

盗賊「……強くなっても、欠かさない」

侍「おそらくもう習慣になっているでしょうネー」

戦士「ところで盗賊も一応俺達と練習するか?全く必要ないわけじゃないだろう」

盗賊「……わかった」

侍「そういえば盗賊サンの腕前は知らないデース」

戦士「マッピングやその他のことが仕事だったしな」

盗賊「……お手柔らかに」

戦士「こちらこそ頼む」

289: 2012/11/01(木) 05:05:58 ID:rwO1UwPg


戦士「じゃ、まずは俺からだ」

盗賊「……」

戦士「行くぞ!」

盗賊「……!」

カァン!カァン!カァン!

盗賊「……!?」

バシッ!カランカラララン…

盗賊「………」

戦士「……一本、か」

侍「これは腕力の差が大きくでましたネー。盗賊は素早さがウェポンデース。まともに受けにまわったら…」

盗賊「……こう、なるね」

侍「それとワタシの見通しでは戦闘経験の差もでましたネー。戦士サン、強くなってマース」

戦士「……なんだか実感がわかないな」

盗賊「……もう、一回」

291: 2012/11/01(木) 05:08:55 ID:rwO1UwPg
戦士「ああ、いいぞ」

盗賊「……今度は、勝つ」

侍(盗賊サン、負けず嫌いなんですネー……)

盗賊「……ふっ!」

カンッ

戦士「一撃が軽い!」

カァン!

盗賊「……くっ!……なら!」

カンッ

戦士「おっと」

侍「二人とも頑張ってくだサーイ!」

292: 2012/11/01(木) 05:18:06 ID:rwO1UwPg


盗賊「……はぁ、はぁ、はぁ」

戦士「ぜえぜえ、……疲れたな」

侍「二人とも熱中しすぎデース」

戦士「いや、盗賊がすごいやる気だったしな」

盗賊「……いい訓練に、なった」

侍「これじゃワタシは一人で素振りですネー」

教官「なら、僕が相手しようかい?」

盗賊「……あの時の」

戦士「あんたか。前回は助かった」

侍「いつの間にそこにいたんデース?ツンデレ中年」

教官「その呼び方はやめてくれないかな……?」

侍「HAHAHA!ソーリー!」

教官「……。君、相手がいなくて暇なんだろう?教官としてお相手してあげるよ」

293: 2012/11/01(木) 05:22:44 ID:rwO1UwPg
侍「それは訓練という名の仕返しデースネー?」

教官「当たり前じゃないか」

侍「こいつ、質悪いデース!」

教官「君ほどじゃないよ。で、やるのかい?」

戦士「流石にやめといたほうがいいんじゃないか?」

教官「おや?冒険者を引退したサポート職相手に逃げるのかい?」

盗賊「……もしかして、盗賊だった?」

教官「そうだよ。で、逃げるのかい?」

侍「……そこまで言われたら引けまセーン。やってやりマース!」

教官「ポコポコにしてあげるよ」

戦士「ポコポコにするって言いきったぞ、あいつ」

294: 2012/11/01(木) 05:31:51 ID:rwO1UwPg
侍「………」ジリッ

教官「おや?慎重だね」

侍「格上だと言うのはわかってマース」

教官「油断なしか。でも……」スッ

侍「……!」

カァン!

教官「……」

侍「しのぎましたヨー」

教官「……」スッ

カァン!カァン!

侍「……っ!?」

教官「それでも新人には」

バシッ!

教官「負けないよ」

侍「……参りましター」

295: 2012/11/01(木) 05:36:58 ID:rwO1UwPg
教官「これに懲りたら態度を改めるんだね」

戦士「……強いな」

盗賊「……」

侍「ユーは元はなかなかの冒険者ですネー」

教官「まあ、ね。昔の話さ。今の僕は教官さ」

侍「……なんとなくわかりましター」

教官「……これだから君は嫌いだよ」

侍「HAHAHA。……手合わせ、楽しかったデース」

教官「……」

スタスタスタ

戦士「何話してたんだ?」

侍「HAHAHA!内緒デース!」

盗賊「……今回は、何も聞けなかった」

戦士「そうだな」

侍「多分、前回のは新人に対するサービスだったのですネー」

296: 2012/11/01(木) 05:40:47 ID:rwO1UwPg
戦士「そうだったんだろうな」

侍「さて、いい具合に汗もかきましたし街に行きまショー!」

戦士「そうするか」

盗賊「……私、もう少しやっていく」

侍「頑張るのもいいですガー、無理は禁物デース」

盗賊「……わかってる」

戦士「なら侍、二人で行こうか」

侍「イエス!そうしまショー!」

戦士「小腹も空いたし何か食べよう」

侍「いいですネー!」

299: 2012/11/01(木) 06:04:13 ID:rwO1UwPg
~大通り~

戦士「何を食べようか」

侍「昼食も兼ねてますからたくさん食べたいデース」

戦士「それじゃあサンドイッチなんてどうだ?当たり外れも小さい」

侍「それにしまショー」

戦士「そこのお兄さん」

バイト「はい、いらっしゃい!」

戦士「おすすめとかあるか?」

バイト「うちはなんでもおすすめッス!いろんなバリエーションがあるのが自慢ッスよ!」

侍「だ、そうデース」

戦士「なら、コレとコレ……。侍はどうする?」

侍「シンプルなコレ、お願いしマース」

バイト「毎度!」

300: 2012/11/01(木) 06:11:22 ID:rwO1UwPg


戦士「結構当たりだったかな?」

侍「そうですカー?少しパサついてマース」

戦士「あの値段ならこれぐらいだ。パサついてしまうのも作り置きだからだろう」

侍「そういうものですカー?」

戦士「そういうもんだよ」

侍「さて、次はどうしましょうネー」

戦士「まわってみないことにはわからないな。何があるのか知らないんだし」

侍「司教サン、僧侶クン、魔法使いサンの誰か一人がついて来てれば違ったのでしょうネー」

戦士「仕方ないさ。あの三人は今魔法を覚えるため頑張ってるんだし」

侍「そうですネー。とりあえず歩きますカー」

309: 2012/11/03(土) 06:39:39 ID:9GUxc/e2


商人「いらっしゃいアルー!安売りしてるアルよー!」

戦士「……確かに安いな」

侍「でもちょっと安すぎる気もしマース」

商人「安いのにはちゃんと理由があるアルよ」

戦士「どんな理由があるんだ?」

商人「これらは冒険者が長い間使ってたせいで見た目がボロっちいアルよ。でもまだ使えることは保証するアル」

戦士「確かに見た目は悪いな」

侍「……戦士サン。ここ、少しうさんくさいデース」

戦士「そうか?」

侍「ワタシ達はこういった武器の目利きができまセン。それなのにこういうのを買っても損するだけデース」

310: 2012/11/03(土) 06:45:52 ID:9GUxc/e2
戦士「確かになあ…。でも探索も本格的になるだろう?武器もこのままじゃいけないし」

侍「それはお金を貯めて信頼できるお店で買うべきデース!」

商人「うちの商品はちゃんとしてるアル!今の機会を逃して後悔しても知らないアルよ!」

戦士「うーん……」

侍「やめときまショー戦士サン。せめて買うならこういったアイテムに詳しい司教サンがいるときにすべきデース」

商人「お客さん!今ならサービスするアル!」

戦士「……くぅっ!」

侍「戦士サン!」

商人「お客さん!」

戦士「……決めた!」

311: 2012/11/03(土) 06:49:17 ID:9GUxc/e2
~宿屋~

戦士「……と、いうわけなんだ」

司教「ふぅん、そんなことがありましたの」

戦士「それでさっそく見てもらいたいんだが」

侍「……止めきれませんでしたヨー」

司教「……見た目は悪いですわね」

戦士「だけど俺が握ってみた感じではちゃんと使えると思うんだが」

司教「……これは」

戦士「どうだ?」

侍「どうなんですカー?」

312: 2012/11/03(土) 06:54:26 ID:9GUxc/e2
司教「戦士さん」

戦士「ああ」

司教「……騙されましたわね」

侍「あちゃー……」

戦士「……くそっ!あの商人!何が保証するだ!」

侍「だからやめときましょうと言ったんデース」

司教「少し触ったくらいじゃわからないくらいには直してありますが、騙し騙し使われていたのでしょうね。ガタガタですわ」

戦士「……そうか」

司教「大通りだと誰でも商売ができますのよ?こういった詐欺師もわんさかいますの。目利きをできもしないのに高い買い物をするとこうなりますわ」

戦士「……ちょうど手が出せる値段だったんだよ」

313: 2012/11/03(土) 07:03:00 ID:9GUxc/e2
司教「ご愁傷様ですわ。高い授業料でしたわね」

戦士「……はあ」

侍「……こういう時どんな言葉をかければいいのかわかりまセーン」

司教「とりあえず私に見せたのは正解でしたわね。ダンジョンで折れたなんてことになったら目もあてれませんもの」

侍「イ、イエス!命に関わらないで済んでよかったデース」

戦士「……そうだな」

司教「あと、今更その商人を探そうと思っても難しいですわ。もうとっくに逃げだしているでしょうね」

戦士「……くそ」

侍「まーまー、戦士サン。お金ならまた稼げマース。また頑張りまショー?」

司教「そうでわよ?あんまりくよくよしないでくださいまし。取り返しのつかない失敗ではないのですから」

戦士「……ありがとう」

319: 2012/11/05(月) 21:17:40 ID:Qeuxmyn6
侍「で、それはどうするのデース?」

司教「売っても二束三文……。とりあえず売れればいいレベルですわね」

侍「こんないつ壊れるかわからないような代物使えませんしネー」

戦士「……どこかで引き取ってもらうよ。置き場にも困るし」

司教「それがよろしいと思いますわ」

侍「付き合いましょうカー?」

戦士「ああ、頼む」

司教「いってらっしゃいな」

ギイィ…



司教「……今度から買い物する時には私がついて行ったほうがいいかしら」

320: 2012/11/05(月) 21:23:02 ID:Qeuxmyn6
~店~

侍「こんにちハー」

店主「いらっしゃいませ。装備の点検、修理はまだ終わってませんが」

戦士「いや、これを引き取ってもらえるか聞きにきたんだ」

店主「……くたびれた剣ですね」

戦士「ああ。大通りでまだ使えると言われて買ってみたんだが……」

店主「ガタガタですな」

戦士「パーティーの司教職の仲間にも言われたよ」

侍「それでどうですカー?」

店主「ふむう。二束三文になりますが」

戦士「それで構わない。むしろありがたいよ」

321: 2012/11/05(月) 21:28:54 ID:Qeuxmyn6
侍「よかったですネー」

店主「それにしても大通りで買い物をなさったんですか」

戦士「ああ」

店主「あそこは信頼できる店がわからないとこうなりますからね。気をつけてください」

侍「ご忠告。感謝しマース!」

店主「それならばぜひ、うちで買い物をしていただきたいですね。うちは信頼性が売りですから」

戦士「商売が上手いな」

侍「ま、それがベターでしょうネー」

店主「そう言っていただきありがとうございます」

戦士「じゃ、今後も利用させてもらうとする」

店主「ええ。またのお越しを」

322: 2012/11/05(月) 21:36:28 ID:Qeuxmyn6
~酒場~

侍「……ということがあったんデース」

魔法使い「そりゃ災難だったな、おい」

戦士「俺にも悪いところはあったがな。もう少し注意すべきだった」

盗賊「……ご愁傷さま」

魔法使い「ま、大通りは人の出入りも多いしな。そういう奴も混じってんだろうよ」

司教「そういうことですわね。そういった悪質な商人もどきは長くは居れませんからそんなに多くはないのでしょうけど」

僧侶「それでもちゃんと信頼できるお店は少ないと思います」

戦士「だろうな。身を持って知ったよ」

魔法使い「今度はこんなマヌケなことに引っかかったりすんなよ」

戦士「わかってる」

323: 2012/11/05(月) 21:41:51 ID:Qeuxmyn6
侍「それにしても……」

僧侶「結構とられたんですね……」

盗賊「……わびしい」

戦士「……金の余裕が一気になくなったからな。まともな料理なんか頼めないさ」

司教「明日はダンジョンに潜るんですから、そこで挽回してくださいまし」

戦士「そうするさ」

侍「HAHAHA!戦士サンの懐のためにも頑張りまショー!」

僧侶「無理はいけませんよ」

侍「わかってマース!」

盗賊「……明日も、一階の探索?」

324: 2012/11/05(月) 21:46:26 ID:Qeuxmyn6
戦士「そのつもりだ」

司教「いつまでも一階で足踏みなんかしていられませんもの」

侍「イエス!また盗賊サンにはマッピングを頼みマース」

盗賊「……わかってる」

魔法使い「なら俺は明日は新しく覚えた魔法の御披露目をしてやるよ」

侍「オー!覚えたんですネー!」

魔法使い「へへっ、まあな」

僧侶「ボクも覚えましたよ!」

戦士「二人とも頼もしいな」

侍「頼りになりマース!」

325: 2012/11/05(月) 21:55:32 ID:Qeuxmyn6
司教「……その、私はまだですわ」

侍「HAHAHA!上級職なら仕方ありまセーン!覚えるべきことはたくさんあるですからネー!」

戦士「上級職はいろいろ覚える分成長は劣るんだろ?」

魔法使い「ああ、やることが多くなるからな。自然と経験を自分のものにするのにも時間がかかっちまう」

盗賊「……大変」

司教「そうですがあなたたちより遅れている気がしてなりませんの」

盗賊「……そんなことない」

戦士「そうだ。俺達はまだ駆け出しだからな。気にしすぎだよ」

魔法使い「まあ、司教には司教にしか出来ない仕事もあるんだ。気にすんなよ」

僧侶「そうです。司教さんが頑張ってるのは知ってますから」

326: 2012/11/05(月) 22:00:51 ID:Qeuxmyn6
司教「……そうですわね。気を取り直して明日は頑張りますわ!」

盗賊「……頑張れ」

戦士「それじゃ、俺は明日に備えてもうそろそろ宿に戻るか」

侍「そうしましょうかネー」

盗賊「……私はこれ、食べてから」

魔法使い「ま、へましねえためにもとっとと寝るか」

僧侶「そうですね。マスター、今日もごちそうさまでした」

侍「ごちそうさまデース」

戦士「また来るよ、マスター」

主人「……あいよ」

327: 2012/11/05(月) 22:02:09 ID:Qeuxmyn6
一旦休憩。いつもどおりちまちまやっていく

328: 2012/11/05(月) 22:43:29 ID:Qeuxmyn6
~翌日、ダンジョン地下一階~

戦士「はあぁぁぁっ!とどめだ!」

ガッ!

アンデッドコボルド「………」

ドサ……

戦士「ふぅ」

魔法使い「眠らないから少し驚いたが大したことなかったな」

司教「やはりアンデッド系には効きませんでしたわね」

僧侶「それにしてもだいぶ安定してきましたね」

侍「イエス!気をつけるべきなのは冒険者崩れだけデース!」

盗賊「……順調」

329: 2012/11/05(月) 22:54:20 ID:Qeuxmyn6
魔法使い「確かに今のところはそうだな」

司教「ですが油断はいけませんわよ?」

戦士「そうだな。警戒はしていこう」

侍「それにしてももう結構進んだんじゃないですカー?」

僧侶「そうですね。ボクも少し疲れてきちゃいました」

盗賊「……地図でいうと、中心のやや北東」

魔法使い「結構進んだな、おい」

侍「そうですネー!順調に埋まっていってマース!」

司教「地図が埋まっていくのを見るとわくわくしますわね」

戦士「そうだな。もう少し進もうか、余裕はある」

魔法使い「過信しねえようにな」

333: 2012/11/07(水) 03:01:28 ID:.r9gH.dg


戦士「扉が多くなってきたな」

侍「そうですネー。地図がないとすぐに迷いそうデース」

ガチャ…

魔法使い「ちっ、行き止まりかよ」

僧侶「それにしても何もない部屋ですね……」

司教「そうですわね。なんのための部屋なんでしょうか?」

戦士「……行き止まりみたいだし戻ろうか」

盗賊「……待って」

司教「何か見つけましたの?」

334: 2012/11/07(水) 03:06:00 ID:.r9gH.dg
盗賊「……ここの壁、不自然」

戦士「そうか?」

魔法使い「なんかあるのかよ?」

僧侶「んーと」ジー

盗賊「……多分、このあたりに」

侍「オーウ、これは……」ジー

司教「よく見ると扉、ですわね」ジー

盗賊「……隠し扉」

魔法使い「よくわかるなあ、おい」

戦士「……確かに言われてみるとわかる」

335: 2012/11/07(水) 03:09:44 ID:.r9gH.dg
僧侶「よく見つけましたね!盗賊さん!」

司教「ええ、言われないと気づきませんでしたわ」

盗賊「……それほどでも、ない」

戦士「謙遜しなくてもいいさ。それじゃ、開けてみよう」

侍「なにがあるかわからないので注意してくだサーイ」

魔法使い「おう」

戦士「わかってるさ。侍、頼む」

侍「それじゃ、開けマース」

ガチャ…

336: 2012/11/07(水) 03:19:45 ID:.r9gH.dg
戦士「何か置いてあるな」

盗賊「……これは、鍵?」

侍「どうみても鍵ですネー」

司教「落とし物、ではないでしょうしダンジョンで必要なものかしら?」

魔法使い「十中八九そうだろ。このアイテムは宝箱に入ってねえしな」

僧侶「そうみたいですね」

戦士「なんの鍵かはわからないが、多分必要になるんだろうな」

侍「盗賊サン、お手柄デース!」

魔法使い「ああ、盗賊が居なきゃ気づかなかっただろうな」

盗賊「……」

337: 2012/11/07(水) 03:22:47 ID:.r9gH.dg
司教「照れてますのね」

戦士「照れてるのか」

侍「照れてるんですネー」

魔法使い「照れてんのか?」

僧侶「盗賊さんは照れ屋さんですね」

盗賊「……照れて、ない!」

侍「HAHAHA!探索を続けまショー!」

戦士「ああ、そうだな!」

魔法使い「そうすっか!」

338: 2012/11/07(水) 03:30:01 ID:.r9gH.dg
僧侶「そうですね。気を引き締めていきましょう!」

司教「油断は大敵ですものね。頑張りましょう!」

盗賊「……照れてないから、みんなニヤニヤ、しないで…!」

侍「HAHAHA!からかうのもここまでにしてちゃんとしましょうカー」

戦士「ははは、悪かったな」

魔法使い「わりぃわりぃ。反応が面白くてな」

司教「そういうことですわね」

盗賊「……」ムスー

僧侶「盗賊さん、機嫌直してください。ね?」

魔法使い「悪かったって」

339: 2012/11/07(水) 03:34:26 ID:.r9gH.dg
盗賊「……」ムスー

戦士「ほら、このあと酒場で何か奢るからさ」

盗賊「……本当?」

侍「それぐらいなら安いもんデース」

盗賊「……なら、ステーキ、いい?」

戦士「それぐらいなら大丈夫さ」

盗賊「……なら、許す」

司教「あらあら、盗賊さんは食いしん坊ですわね」

盗賊「……そんなことない」

司教「あら、この前よだれ垂らしてましたのに?」

盗賊「……そんなこと、ない」

魔法使い「ま、どうでもいいからよ。とっとと帰ろうぜ、疲れちまった」

340: 2012/11/07(水) 03:43:47 ID:.r9gH.dg
侍「そうですネー。今回ので一気に地図を埋めたですからそろそろちょうどいい頃合いでショー」

僧侶「ボクも疲れちゃいましたよ」

戦士「それじゃあ、帰るとするか」

司教「ですが最後まで気を抜かないでくださいね?」

魔法使い「わかってるよ。帰るまでがダンジョン探索だろ?」

司教「わかっているのならいいのですわ」

盗賊「……気を抜くのはダメ。特に仲間をいじるのなんて、もってのほか」

戦士「はいはい。わかったよ」

侍「気をつけマース」

僧侶「じゃ、行きましょうか」

341: 2012/11/07(水) 03:50:07 ID:.r9gH.dg
~酒場~

ワイワイガヤガヤ…

主人「……いらっしゃい」

盗賊「……マスター、ステーキ」

戦士「……と酒4つとレモン水2つだ」

主人「……あいよ」

侍「盗賊サン、がっついてますネー」

魔法使い「やっぱり食いしん坊だな、こりゃ」

盗賊「……そんなことない」

僧侶「今更取り繕っても遅い気がします……」

司教「でも悪いことじゃないですわよ?」

戦士「ああ、冒険者なんてのをやってるんだ、食えるうちに食べないとな」

魔法使い「体が資本だしな」

盗賊「……そういうこと」

342: 2012/11/07(水) 03:58:46 ID:.r9gH.dg
僧侶「食べないと体も成長しませんしね」

戦士「そうだな。僧侶はまだ成長期だしたくさん食べないと」

僧侶「……まだ伸びるかなぁ」

侍「それは人それぞれですから一概には言えまセーン。もしかしたらそのままかも……」

僧侶「そんなぁ……」

魔法使い「ま、とりあえずよく食ってよく寝れば背は伸びる。心配すんなって」

主人「……お待ち」ゴト

ジュージュー…

盗賊「……いただきます」

僧侶「あの、マスター。ボクもステーキをお願いします……!」

主人「……あいよ」

343: 2012/11/07(水) 04:05:54 ID:.r9gH.dg
司教「野菜も食べないといけませんわよ?」

侍「お肉だけじゃ体によくないデース」

僧侶「マスター!野菜も!」

主人「……あいよ」

盗賊「……」モグモグ

戦士「それにしても盗賊は上手そうに食べるな」

盗賊「……あげない」

戦士「いや、そういう意味じゃないさ。ちょっと子供っぽいかなって。最初はもっとクールな感じだったからな」

盗賊「……私、16だから。そういった部分はまだ、ある」

戦士「……え?」

魔法使い「……嘘だろ?」

司教「20は超えてるかと……」

侍「ワタシもそう思ってましター……」

僧侶「ボクとあんまり変わらない……」

344: 2012/11/07(水) 04:13:07 ID:.r9gH.dg
盗賊「……」

戦士「いや、ほら!背も高いし冷静だったから!」

司教「そうですわ!だから決して……」

魔法使い「見た目が少し老けてるなんて思っちゃいねえ!」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「あ?……わりぃ……」

盗賊「……別に、気に、して、ない」

侍(めちゃくちゃ気にしてマース……)

戦士「ほら!その、頼りがいがあるから勘違いしただけなんだよ!な、魔法使い?」

魔法使い「そ、そういうことだ!別に他意はねえからよ!」

盗賊「……20超えて見えるくらいに?」

僧侶「あ、あはははは……」

345: 2012/11/07(水) 04:18:44 ID:.r9gH.dg
司教「あー…、何か食べます?」

主人「……白身魚のいいのが入ったからフライがおすすめだ。ソースもちゃんとつく」

戦士(ナイスだマスター!)

魔法使い(流石だぜ!)

主人「……」グッ!

司教「だ、そうですわよ!?」

盗賊「……食べる」

侍「ワタシ達が悪かったデース。これで機嫌直してくれますカー?」

僧侶「その、ごめんなさい」

盗賊「……うん」

司教「それはなによりですわ……」

346: 2012/11/07(水) 04:20:08 ID:.r9gH.dg
ここまで。
探索進まないなぁ。あと勢いも落ちたしごめんねノシ

347: 2012/11/07(水) 04:25:07 ID:v/gW9vyE

348: 2012/11/07(水) 09:32:59 ID:p3wB3ihY
問題ない。頑張ってくれ
 乙

続き:戦士「フ……ここがダンジョンか」【後編】

引用: 戦士「フ……ここがダンジョンか」